[実施形態1]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態1に係るパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置5が設けられている。また、メイン画像表示装置5の上面側の四隅には、4つのサブ画像表示装置5a、5b、5c、5dが設けられている。サブ画像表示装置5a〜5dは同一形状の表示装置である。本実施形態では、メイン画像表示装置5の表示領域は、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域よりも広い。メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dは、例えば、LCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。また、サブ画像表示装置5a〜5dは、それぞれ移動可能であり、画面上では、適宜、画像が表示される。
一例として、メイン画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば、上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
メイン画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは、単に「導出」ともいう)する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば、1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
メイン画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に、「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは、始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bは、それぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば、「4」)に対応した個数(例えば、4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
メイン画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、メイン画像表示装置5側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部がメイン画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
メイン画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば、遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば、左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば、人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば、上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、信号分離基板220といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えば、セグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態またはオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5d、スピーカ8L、8R、および、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えば、センサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、はずれを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当りを指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、小当りを指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知または示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
小当り遊技状態は、特別可変入賞球装置7の開放等が行われる小当り遊技状態のメインとなる小当り遊技が実行され、小当り遊技のあとに小当りエンディングが実行される。小当りエンディングは、小当り遊技状態が終了すること、すなわち、小当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA1XX(H)は、小当りの種別を指定するとともに、小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。第1小当りの場合にはEXTデータに「01(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第2小当りの場合にはEXTデータに「02(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第3小当りの場合にはEXTデータに「03(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第4小当りの場合にはEXTデータに「04(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA602(H)は、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA603(H)は、小当りエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば、乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書替可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するための処理などを実行する演出制御部126と、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御部126は、制御プログラムを実行して演出動作を制御する演出制御用CPU120、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121、演出制御用CPU120のワークエリア(作業領域)を提供するRAM122を含んで構成される。なお、RAM122には、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)を用いることができる。
表示制御部123は、図4に示すように、VDP(Video Display Processor)362、メイン表示系統出力部MK、サブ表示系統出力部SK、CGROM(Character Generator Read Only Memory)363を含んで構成される。なお、図示はしないが、表示制御部123内には、その他に、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていてもよい。また、VDP362は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROM363は、例えば、書替不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書替可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリなどの不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。また、VDP362は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROM363は、例えば、書替不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書替可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリなどの不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
VDP362は、メイン画像表示装置5に表示させるメイン画像の画像データ信号を送信するメイン表示系統出力部MKと、各サブ画像表示装置5a〜5dに表示される後述する出力用画像の画像データ信号を送信するサブ表示系統出力部SKとの2系統の信号出力ラインを有している。この2系統の信号出力ラインのうち、メイン表示系統出力部MKは、VDP362から取得した画像データ信号をメイン画像表示装置5内の液晶制御基板400に出力する。液晶制御基板400は、メイン表示系統出力部MKを介してVDP362から取得した画像データ信号に基づいて、液晶パネル401の各画素の階調データを含む画像表示データ、および、液晶パネル401の背面に配置されたバックライト(例えば、LED)の輝度情報を示すバックライト輝度データを生成し、表示ドライバ402に出力する。表示ドライバ402は、液晶制御基板400から取得した画像表示データに応じた電圧を発生し、液晶パネル401の液晶分子に電圧を印加して液晶配向を変化させるとともに、バックライト輝度データに応じたバックライト輝度の調光を行う。このように、液晶パネル401は、バックライトからの光を部分的に透過または遮断させて、演出画像などを表示する。
また、サブ表示系統出力部SKには、このサブ表示系統出力部SKから出力される画像データを伝送するデータ信号を各サブ画像表示装置5a〜5dに分離して送信する信号分離基板220が接続され、この信号分離基板220を介してサブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400dに接続されている。そして、これらの各液晶制御基板400a〜400dを介してVDP362から出力されたデータ信号がサブ画像表示装置5a〜5d内の表示ドライバ402a〜402dに入力され、このデータ信号に基づいて表示ドライバ402a〜402dによって液晶パネル401a〜401dが駆動される。
また、信号分離基板220は、入力側基板220aと出力側基板220bとにより構成される。入力側基板220aは、表示制御部123内のサブ表示系統出力部SKから出力されたサブ表示系統出力部SK(1系統)のデータ信号を出力側基板220bへ出力する。出力側基板220bは、入力側基板220aからのデータ信号を2系統に分離する一次分離回路302と、この一次分離回路302により分離されて出力されたそれぞれ系統(各1系統)の信号を2系統に分離する2つの二次分離回路304a、304bと、これらの二次分離回路304a、304bにより分離されて出力されたそれぞれ系統(各1系統)のデータ信号を各サブ画像表示装置5a〜5dに送信する各送信回路306a〜306dとを有している。
なお、VDP362は、ドットクロック値が40MHzの周波数でデータ信号を送出するようになっており、メイン画像表示装置5は、VDP362と同じドットクロック値が40MHzの周波数のデータ信号を受信して画像を表示するようになっている。これに対して、各サブ画像表示装置5a〜5dは、ドットクロック値が10MHzの周波数のデータ信号を受信して画像を表示するようになっている。このため、VDP362から出力されたドットクロック値が40MHzの周波数のデータ信号は、信号分離基板220によりドットクロック値が10MHzの周波数のデータ信号に変換されて出力されるようになっている。
また、この信号分離基板220では、VDP362から出力されたドットクロック値が40MHzの周波数のデータ信号は、一次分離回路302によりドットクロック値が20MHzの周波数のデータ信号に変換され、更に、二次分離回路304a、304bによりドットクロック値が10MHzの周波数のデータ信号に変換されて出力されるようになっている。
次に、図5を参照して、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を強制的に初期化(ハードウエアリセット)するための信号であるリセット信号(RESX)と各表示ドライバ402a〜402dに対して表示を許可するためのコマンド(情報)であるディスプレイオンコマンドの伝送路について説明する。図5は、演出制御基板12、信号分離基板220およびサブ画像表示装置5a〜5dの接続状態を示す構成図である。
図5に示すように、演出制御基板12、信号分離基板220、サブ画像表示装置5a〜5dは、リセット信号を伝送するための信号線群131、132a〜132d(破線矢)を介して接続されている。演出制御用CPU120は、所定条件が成立したときに、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を強制的に初期化(ハードウエアリセット)するための信号であるリセット信号を生成してサブ画像表示装置5a〜5dに対して送信する。演出制御用CPU120から送信されたリセット信号は、信号分離基板220を介してサブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dのそれぞれに一括送信される。サブ画像表示装置5a〜5dのように複数の表示装置が搭載されている場合、複数の表示装置のそれぞれに個別にリセット信号を出力する場合と比較して、制御を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、クロック信号(信号電圧に応じて周期を特定可能な信号)を送受信可能なシリアル信号線を用いた同期式のシリアル通信(シリアル信号線でクロック信号に同期して逐次データを送信する通信)の経路であるバス(所謂シリアルバス)は、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)、USB(Universal Serial Bus)や、RS−232(Recommended Standard 232)や、RS−432や、PCI(Peripheral Component Interconnect)等の規格を用いることが可能である。
なお、本実施形態では、クロック信号について、定常状態の電圧を低い状態(LOW)の電圧とし且つ定常状態よりも高い電圧を高い状態(HIGH)の電圧とする信号としたが、これに限定されず、例えば、定常状態の電圧を高い状態(HIGH)の電圧とし且つ定常状態よりも低い電圧を低い状態(LOW)の電圧とする信号としたり、所定の閾値よりも低い電圧を低い状態(LOW)の電圧とし且つ閾値よりも高い電圧を高い状態(HIGH)の電圧とする信号としたりしてもよい。また、本実施形態では、クロック信号について、電圧が高い状態(HIGH)と低い状態(LOW)とがともに0V以上となる信号としたが、例えば、低い状態を0Vとし且つ高い状態を0Vよりも高い電圧となる信号としたり、高い状態を0Vとし且つ低い状態を0Vよりも低い電圧となる信号としたり、0Vよりも低い電圧を低い状態(LOW)とし且つ0Vよりも高い電圧を高い状態(HIGH)とする信号としたりしてもよい。なお、これらの場合、高い状態(HIGH)と低い状態(LOW)との電位差については任意に設定可能である。
また、図5に示すように、演出制御基板12、信号分離基板220、サブ画像表示装置5a〜5dは、CSX(Chip Select)、SCL(Serial Clock)、SDI(Serial Data Input)などの制御データ(コマンド)伝送用の複数の信号線を含む信号線群128、129a〜129d(実線矢)を介して接続されている。演出制御用CPU120は、リセット信号を送信した後に、VDP362に対してディスプレイオンコマンドの送信を指示する。そして、VDP362は、演出制御用CPU120からのディスプレイオンコマンドの送信指令を受信すると、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dに対して表示を許可するディスプレイオンコマンドを生成して送信する。ディスプレイオンコマンドの伝送には、信号線群128、129a〜129dのデータ信号線が用いられる。VDP362から送信されたディスプレイオンコマンドは、信号分離基板220およびサブ画像表示装置5a〜5dの各液晶制御基板400a〜400dを経由して、表示ドライバ402a〜402dにそれぞれ伝送される。サブ画像表示装置5a〜5dのように複数の表示装置が搭載されている場合、複数の表示装置のそれぞれに個別にディスプレイオンコマンドを出力する場合と比較して、制御を簡素化することができる。
図6は、信号分離基板220内の入力側基板220aの構成図である。図7に示すように、入力側基板220aにおいて、サブ系統出力部SKに接続されているコネクタ222には電路(信号線)230、232、234等の一端が接続されている。また、信号線230、232の他端にはIC224が接続され、信号線234の他端にはIC226が接続されている。更に、IC224には信号線236、238、240、242の一端が接続され、これらの信号線236、238、240、242の他端にはIC228が接続されている。
信号線230には、データ信号であるV−by−One(登録商標)信号(+)が伝送され、信号線232には、データ信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線230とグランド(GND)との間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード252が接続され、信号線232とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード254が接続されている。双方向ツェナーダイオード252は、信号線230に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。同様に、双方向ツェナーダイオード254は、信号線232に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
また、信号線230の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ256の中を通り、信号線232の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ258の中を通る構造となっている。信号線230に電流が流れるとフェライトビーズ256の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ256は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線232に電流が流れるとフェライトビーズ258の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ258は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
信号線234には、電源電圧信号(VDD)信号が伝送される。信号線234とGNDとの間には、ノイズ抑制用のバリスタ260およびコンデンサ262が並列に接続されている。バリスタ260は、信号線234に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に抵抗値が低くなり、電流が流れることによりノイズを除去する。コンデンサ262は、信号線234に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
信号線236〜242には、液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群が伝送される。液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群は、ドットクロック信号(CLKOUT)、データイネーブル信号(DE)、垂直同期信号(VSYNC)、水平同期信号(HSYNC)である。信号線236とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード264が接続され、信号線238とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード266が接続され、信号線240とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード268が接続され、信号線242とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード270が接続されている。双方向ツェナーダイオード264〜270は、それぞれ接続している信号線236〜242に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、このノイズを除去する。
図7は、信号分離基板220内の出力側基板220bの構成図である。図7に示すように、一次分離回路302には、信号線330a、330b、330c、330d、334が接続されている。信号線330aは、一次分離回路302内で信号線331aと信号線332aに分岐し、信号線331aは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332aは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330bは、一次分離回路302内で信号線331bと信号線332bに分岐し、信号線331bは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332bは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330cは、一次分離回路302内で信号線331cと信号線332cに分岐し、信号線331cは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332cは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。信号線330dは、一次分離回路302内で信号線331dと信号線332dに分岐し、信号線331dは、二次分離回路304a内のIC324aに接続され、信号線332aは、二次分離回路403b内のIC324bに接続されている。
二次分離回路304a内のIC324aと送信回路306a内のコネクタ322aとの間は信号線333aにより接続され、二次分離回路304a内のIC324aと送信回路306b内のコネクタ322bとの間は信号線333bにより接続されている。二次分離回路304b内のIC324bと送信回路306c内のコネクタ322cとの間は信号線333cにより接続され、二次分離回路304b内のIC324bと送信回路306d内のコネクタ322dとの間は信号線333dにより接続されている。
一次分離回路302に接続された信号線334は、信号線335a、335b、335c、335dに分岐している。信号線335aは、送信回路306a内のコネクタ322aに接続され、信号線335bは、送信回路306b内のコネクタ322bに接続され、信号線335cは、送信回路306c内のコネクタ322cに接続され、信号線335dは、送信回路306d内のコネクタ322dに接続されている。
コネクタ322aは、後述するハーネス600を介してサブ画像表示装置5a内の液晶制御基板400aに接続され、コネクタ322bは、後述するハーネス600を介してサブ画像表示装置5b内の液晶制御基板400bに接続され、コネクタ322cは、後述するハーネス600を介してサブ画像表示装置5c内の液晶制御基板400cに接続され、コネクタ322dは、後述するハーネス600を介してサブ画像表示装置5d内の液晶制御基板400dに接続されている。
信号線330aには、液晶パネル401a〜401dに画像が描画された後に強制的にリセットするための信号であるリセット信号(RESX)が伝送される。一次分離回路302内において、信号線330aとGNDとの間には、ノイズ抑制用のコンデンサ352が接続されている。コンデンサ352は、信号線330aに印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
送信回路306a内において、4本の信号線333aのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354aの中を通り、信号線335aの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356aの中を通る構造となっている。4本の信号線333aに電流が流れるとフェライトビーズ354aの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354aは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335aに電流が流れるとフェライトビーズ356aの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356aは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306b〜306d内においても同様である。すなわち、送信回路306b内において、4本の信号線333bのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354bの中を通り、信号線335bの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356bの中を通る構造となっている。4本の信号線333bに電流が流れるとフェライトビーズ354bの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354bは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335aに電流が流れるとフェライトビーズ356bの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356bは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306c内において、4本の信号線333cのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354cの中を通り、信号線335cの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356cの中を通る構造となっている。4本の信号線333cに電流が流れるとフェライトビーズ354cの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354cは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335cに電流が流れるとフェライトビーズ356cの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356cは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
送信回路306d内において、4本の信号線333dのそれぞれの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ354dの中を通り、信号線335dの一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ356dの中を通る構造となっている。4本の信号線333dに電流が流れるとフェライトビーズ354dの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ354dは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線335dに電流が流れるとフェライトビーズ356dの中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ356dは、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
図8は、サブ画像表示装置5a〜5d内の液晶制御基板400a〜400dの構成図である。図8に示すように、コネクタ402は、後述するハーネス600を介して、信号分離回路220の出力側基板220b内の送信回路306a〜306dに接続されている。
コネクタ402には、信号線を介してIC404が接続されている。また、コネクタ402には、信号線422、424、426等の一端が接続されている。信号線424、426の他端にはIC406が接続されている。
信号線422には、電源電圧信号(VDD)信号が伝送される。信号線422とGNDとの間には、ノイズ抑制用のバリスタ460およびコンデンサ462が並列に接続されている。バリスタ460は、信号線422に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に抵抗値が低くなり、電流が流れることによりノイズを除去する。コンデンサ462は、信号線422に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
信号線424には、データ信号であるV−by−One信号(+)が伝送され、信号線426には、データ信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線424とグランド(GND)との間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード464が接続され、信号線426とGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード466が接続されている。双方向ツェナーダイオード464は、信号線424に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。同様に、双方向ツェナーダイオード466は、信号線426に絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、当該ノイズを除去する。
また、信号線424の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ468の中を通り、信号線470の一部は、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズ470の中を通る構造となっている。信号線424に電流が流れるとフェライトビーズ468の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ468は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。同様に、信号線426に電流が流れるとフェライトビーズ470の中に磁束が発生する。これにより、フェライトビーズ470は、インダクタとして機能し、ノイズを除去する。
また、IC404には、信号線428が接続されている。信号線428には、液晶パネル401a〜401dに画像が描画された後に強制的にリセットするための信号であるリセット信号(RESX)が伝送される。信号線428とGNDとの間には、ノイズ抑制用のコンデンサ472が接続されている。コンデンサ472は、信号線428に印加される電圧が変化すると電流が流れ、交流成分であるノイズを除去する。
また、IC406には、4本の信号線430が接続されている。4本の信号線430には、液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群が伝送される。液晶パネル5a〜5dの駆動用の信号群は、ドットクロック信号、データイネーブル信号(DE)、垂直同期信号(VSYNC)、水平同期信号(HSYNC)である。4本の信号線430のそれぞれとGNDとの間には、ノイズ抑制用の双方向ツェナーダイオード474が接続されている。双方向ツェナーダイオード474は、それぞれ接続している信号線430に、絶対値が所定値以上の電圧がノイズとして印加された場合に電流が流れ、このノイズを除去する。
図9は、コネクタ322a〜322dとコネクタ402とを接続するハーネス600の構成図である。ハーネス600は、コネクタ322a〜322dのいずれかに接続されるコネクタ602と、コネクタ402に接続されるコネクタ604と、これらコネクタ602とコネクタ604とを接続する信号線610、612、614等により構成される。
信号線610には、データ信号であるV−by−One信号(+)が伝送され、信号線612には、データ信号であるV−by−One信号(−)が伝送される。信号線614は、グランド(GND)線である。これら信号線610、612、614は、より線(撚り線)構造となっており、それぞれに発生するノイズを抑制する。なお、図5で説明した信号線群131、132a〜132dに含まれる制御データ(コマンド)伝送用の信号線についても、フェライトビーズやツェナーダイオード等を用いたノイズ対策を施してもよい。
次に、サブ画像表示装置5a〜5dの構造について説明する。本実施形態において、サブ画像表示装置5a〜5dには、移動により他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触した場合に、その接触状態を維持するための磁石が配置されている。
図10(A)に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの外縁部の各辺には、他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触可能な領域(接触可能領域)651a、651b、651c、651dが形成されている。接触可能領域651aには、両端に2つの磁石650a1および650a2が配置されている。磁石650a1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650a2は外側がN極、内側がS極であり、互いに磁極が異なる配置となっている。同様に、接触可能領域651bには、両端に2つの磁石650b1および650b2が配置され、磁石650b1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650b2は外側がN極、内側がS極となっている。接触可能領域651cには、両端に2つの磁石650c1および650c2が配置され、磁石650c1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650c2は外側がN極、内側がS極となっている。接触可能領域651dには、両端に2つの磁石650d1および650d2が配置され、磁石650d1は外側がS極、内側がN極であり、一方、磁石650d2は外側がN極、内側がS極となっている。
図10(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dを180°回転させると、図11(A)に示す状態となる。図10(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dと図11(A)に示すサブ画像表示装置5a〜5dとを比較すると、磁極の配置は同一である。さらに、図10(A)、図11(A)に示す4つのサブ画像表示装置5a〜5dを接触させると、図12に示す状態となり、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向する。これにより、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。すなわち、各サブ画像表示装置5a〜5dの磁石を、共通して図10(A)、図11(A)に示すように配置することにより、サブ画像表示装置5a〜5dを接触させたときに、これらの接触状態を維持することが可能となる。
一方、例えば、磁極の配置が図10(B)に示すものである場合、サブ画像表示装置を180°回転させると、図11(B)に示す状態となり、磁極の配置が変化する。この場合、図10(B)、図11(B)に示す4つのサブ画像表示装置を接触させても、1のサブ画像表示装置の磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置の磁石のN極と対向せず、1のサブ画像表示装置の磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向しないため、接触状態が維持されない。
なお、サブ画像表示装置5a〜5dの磁石は、図10(C)に示す配置でもよい。すなわち、サブ画像表示装置5a〜5dの外縁部の各辺には、他のサブ画像表示装置5a〜5dと接触可能な領域(接触可能領域)651a、651b、651c、651dが形成されている。接触可能領域651aには、磁石650aが配置されている。磁石650aは下側がN極、上側がS極となるように配置される。同様に、接触可能領域651bには、磁石650bが、左側がN極、右側がS極となるように配置される。接触可能領域651cには、磁石650cが、上側がN極、下側がS極となるように配置される。接触可能領域651dには、磁石650dが、右側がN極、左側がS極となるように配置される。
図10(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dを180°回転させると、図11(C)に示す状態となる。図10(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dと図11(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dとを比較すると、磁極の配置は同一である。この場合、図10(A)、図11(A)に示す4つのサブ画像表示装置5a〜5dを接触させると、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向する。これにより、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。すなわち、各サブ画像表示装置5a〜5dの磁石を、共通して図10(C)、図11(C)に示すように配置することにより、サブ画像表示装置5a〜5dを接触させたときの接触状態を維持することが可能となる。
なお、サブ画像表示装置5a〜5dに配置された磁石により、遊技球を第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口などに導く不正行為を検知する磁気検知センサ(不図示)が誤動作しないように、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる際には、磁気検知センサの電源をオフすることが望ましい。
また、図13に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの各縁部55a〜55dには、発光手段として複数のLED90が配置されている。各縁部55a〜55dの上辺には90u1〜90u9、下辺には90d1〜90d9の各9個のLEDが配置され、左辺には90l1〜90l7、右辺には90r1〜90r7の各7個のLEDが配置されている。サブ画像表示装置5a〜5dの各縁部55a〜55dに配置されたLED90の各々は、演出制御用CPU120からの指令や制御データなどを受信したランプ制御基板14の制御により、点灯/消灯駆動される。なお、各サブ画像表示装置5a〜5dの各縁部55a〜55dに配置されるLEDの数や配置間隔などは、図13に示す例に限られず、任意である。
図13に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの各縁部55a〜55dの四隅には、LED90l1、90r1、90r7、90l7を配置している。この場合、これらのLEDから出射される光が直交する2辺のいずれにも拡散する可能性がある。したがって、LED90を縁部55a〜55dの四隅を避けて配置し、さらに、各辺に配置されたLED90から出射される光が他の辺に漏れないように、縁部55a〜55dの四隅に遮光板などを設置するようにしてもよい。
再び、図2に戻って説明する。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。なお、本実施形態では、演出制御基板12とモータ駆動回路16とは信号線群128、129a〜129dと同様のシリアル信号線を用いて接続されている。
演出制御基板12では、例えば、乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、サブ画像表示装置移動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。演出制御用CPU120は、例えば、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させるために、サブ画像表示装置5a〜5dに搭載された図示しないモータ駆動回路に対して移動制御指令を出力する。モータ駆動回路は、この移動制御指令に応じて、サブ画像表示装置5a〜5dに搭載された図示しないステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。本実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dには、サブ画像表示装置5a〜5dをメイン画像表示装置5の四隅から中心に向けて直線移動させるための第1のステッピングモータと、サブ画像表示装置5a〜5dを傾動(回転)させるための第2のステッピングモータとが搭載されている。なお、本実施形態では、演出制御基板12とモータ駆動回路とは信号線群128、129a〜129dと同様のシリアル信号線を用いて接続されている。
また、演出制御用CPU120は、例えば、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dが表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)、サブ画像表示装置5a〜5dへと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介してメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介してメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に演出画像を表示させたり、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材用モータ61を駆動して可動演出部材60を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、メイン画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示するサブ画像演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば、回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば、変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば、29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば、「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば、29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば、0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば、0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば、「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば、「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口に遊技球が進入しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば、14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となることもある。
第1特定遊技状態は、第2特定遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高いものであればよく、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が低いものであれば、これらの態様は適宜のものであればよい。第2特定遊技状態は、遊技者にとって有利でないものであってもよい。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば、特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態および確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、時短状態が終了して通常状態になることがある。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
例えば、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、時短状態とはならずに高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が少なくとも時短状態となっており高開放制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御が行われるようにしてもよい。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態および時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態および確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば、大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば、「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば、「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば、「50」)よりも多い第1回数(例えば、「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば、1/50)よりも高い第1確率(例えば、1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば、「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば、「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
メイン画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、メイン画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば、「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば、「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、メイン画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは、単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、メイン画像表示装置5における表示動作のみならず、サブ画像表示装置5a〜5dにおける表示動作、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」(この実施形態では、大当り種別が「確変」または「非確変」となる「大当り」であるが、「突確」を含めた「大当り」であってもよい)となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施形態では、一例として、ノーマル、バトルA、バトルB、バトルCといったリーチ演出が予め設定されている。バトルA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、バトルA〜Cのリーチ演出を、バトルリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
バトルリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。バトルリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、バトルリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。バトルリーチAまたはBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。バトルリーチCが実行された場合には、バトルリーチCの実行後にバトルリーチAが実行されることがある(バトルリーチAに発展することがある)。バトルリーチCが実行されたがバトルリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、バトルリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」または「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、バトルリーチAまたはBが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、バトルリーチのうちでも、バトルリーチA(バトルリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、バトルリーチBが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、メイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えば、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図16参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えば、セグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図14は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図15は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合(ステップS201;Yes)、CPU103は、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定すればよい。第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS202;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201の処理において第1始動口スイッチ22Aがオフであると判定した場合(ステップS201;No)、または、ステップS202の処理において第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合(ステップS202;Yes)には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合(ステップS204;Yes)、CPU103は、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定すればよい。ステップS205の処理において第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS205;No)、CPU103は、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでないと判定した場合(ステップS204;No)、または、第2特図保留記憶数が上限値であると判定した場合(ステップS205;Yes)には、CPU103は、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。CPU103は、例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。続いて、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。CPU103は、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出する。CPU103は、抽出した各乱数値を示す数値データを、保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部の空きエントリの先頭にセットすることにより記憶させる(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」である場合には、保留データが図17(A)に示す第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」である場合には、保留データが図17(B)に示す第2特図保留記憶部にセットされる。
図17(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号を関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。このように、第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、バトルリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図17(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号を関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。このように、第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、バトルリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じて、始動口入賞指定コマンド、保留数記憶通知コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。更に、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS212;「2」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であると判定した場合(ステップS212;「1」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204に処理を進める。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了することができる。
ここでの第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または、減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図14に示すステップS101において始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図18は、図14に示す特別図柄通常処理(ステップS110)の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS231;No)、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図15に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、例えば、第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。CPU103は、例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、CPU103は、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231の処理において第2特図保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS231;Yes)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231の処理において第2特図保留記憶数が「0」であると判定された場合に実行され、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、例えば、第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。CPU103は、例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、CPU103は、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、CPU103は、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。CPU103は、例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルは、図19(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図19(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば、図14に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、遊技状態が確変制御の行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定されたと判定した場合(ステップS240;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、CPU103は、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて(例えば、乱数値を第1特図保留記憶部から読み出したか、第2特図保留記憶部から読み出したかに応じて)、大当り種別を複数種類(第1特図の場合は、「確変」、「非確変」、「突確」、第2特図の場合は、「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図23(B)参照)。CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかと、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかを判定し(例えば、ステップS232、S236のいずれの処理を実行したかで判定することができる)、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものである場合(ステップS232の処理を実行している場合)には、「突確」を大当り種別として決定(選択)し、今回の特図ゲームが第2特図を用いたものである場合(ステップS236の処理を実行している場合)には、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
図19(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」とはならない。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図である場合よりも、変動特図が第2特図である場合の方が高くなる。このように、特図ゲームにおいて可変表示される特別図柄に応じて、異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合と比べて、大当り種別が「突確」に決定されにくいように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後、CPU103は、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図23(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」、「突確」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240の処理において特図表示結果が「大当り」ではないと判定した場合(ステップS240;No)、CPU103は、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。特図表示結果が「小当り」であると判定した場合(ステップS244;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244の処理において特図表示結果が「小当り」ではないと判定した場合(ステップS244;No)や、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244の処理において特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定した場合には、CPU103は、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240の処理において特図表示結果が「大当り」であると判定した場合、CPU103は、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244の処理において特図表示結果が「小当り」であると判定した場合には、CPU103は、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を“1”に更新し(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247の処理において特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図14に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235の処理において第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS235;Yes)、CPU103は、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、CPU103は、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、CPU103は、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、CPU103は、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図14のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理において変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理において可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図20は、図14の変動パターン設定処理(ステップS111)の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであると判定した場合(ステップS261;Yes)、CPU103は、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261の処理において大当りフラグがオフであると判定した場合(ステップS261;Yes)、CPU103は、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンであると判定した場合(ステップS263;Yes)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合(ステップS263;No)、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図21は、この実施形態における変動パターンを示している。この実施形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1からPB1−2と、が用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」または「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)および変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)および変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)および変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、バトルリーチC(救済)を実行し、その後にバトルリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−5(ハズレ用)および変動パターンPA3−5(「大当り」)が用意されている。
さらに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」のときと、可変表示結果が「小当り」のときと、に選択される変動パターンとして、非リーチから短期開放チャンス目を導出表示することを指定する変動パターンPC1−1が用意されている。ノーマルリーチが実行されて所定のリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示することを指定する変動パターンPC2−1が用意されている。
図20に示すステップS262の処理では、例えば、図22(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」と、「突確」とのいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」又は「確変」と、「突確」と、のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」又は「1」のときには変動パターンPA3−3を選択し、大当り種別バッファ設定値が「2」のときには変動パターンPC2−1を選択する。
図20に示すステップS264の処理では、例えば、図22(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。
なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図20に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図23(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図23(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図20に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図21に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後、CPU103は、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行う(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターンコマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターンコマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターンコマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応してメイン画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を“2”に更新し(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269の処理において特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図14に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図14のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図14のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグや小当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグおよび確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。
また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオフ状態である場合に、時短フラグがオン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし、減らした後のカウント値が「0」である場合に時短フラグをオフ状態にし、時短状態を終了させる処理や、小当りフラグがオン状態である場合に、小当り開始時演出待ち時間を設定し、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「8」に更新する処理や、大当りフラグおよび小当りフラグがオン状態でない場合に、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。ここで、小当り開始時演出待ち時間とは、小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。
送信設定されたコマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図14のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機および大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば、9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理には、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する処理が含まれる。大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ、そのまま大当り終了処理を終了する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」または「突確」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」または「2」であれば)、確変フラグおよび時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」または「突確」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御および時短制御がある高確高ベース状態になる。また、時短フラグをオン状態にした場合に、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、最後に特図プロセスフラグの値が「0」に更新される。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
図14のステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが行われると、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。ステップS118が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または、一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば、9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかが発生したタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの経過時間を計測する処理、計測した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば、特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS118が繰り返し実行され、ステップS119が繰り返し実行されることによって、小当り遊技状態が実現される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dやスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理(待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する)などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前の遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧が印加されると、演出制御用CPU120が起動して、演出制御用CPU120は、図23に示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理を開始すると、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS501)。その後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS502)。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば、2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオフであると判定した場合(ステップS502;No)、演出制御用CPU120は、ステップS501の処理を繰り返す。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用CPU120は、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。演出制御用CPU120は、取り込んだ演出制御コマンドを、例えば、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンであると判定した場合(ステップS502;Yes)、演出制御用CPU120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS503)。
続いて、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する(ステップS504)。コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
図25は、コマンド解析処理(ステップS504)の具体例を示すフローチャートである。コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されている演出制御コマンドの内容を確認する。コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず、1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。このような処理によって、1つの演出制御コマンドが取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS601)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていると判定した場合(ステップS601;Yes)、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS602)。一方、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていないと判定した場合(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS603)。受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであると判定した場合(ステップS603;Yes)、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を終了して、表示結果を導出表示させる(ステップS604)。次に、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド送信処理を実行する(ステップS605)。その後、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットし(ステップS606)、処理をステップS601に戻す。
ここで、図26を参照して、表示初期化コマンド送信処理について説明する。表示初期化コマンド送信処理において、表示初期化コマンドは、演出制御用CPU120からVDP362を介してサブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dに対して、複数回に分割して送信される。これにより、位置移動などにより静電気によるノイズが発生しやすいサブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を、メイン画像表示装置5とは非同期に初期化させることができる。表示初期化コマンド送信処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、表示初期化コマンド送信中フラグをオンにセットする(ステップS651)。続いて、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド分割送信カウンタの値nがコマンド分割数N(例えば、N=8)より小さいか否かを判定する(ステップS652)。ここで、表示初期化コマンド分割送信カウンタは、表示初期化コマンドの分割送信回数をカウントするためのカウンタである。表示初期化コマンド分割送信カウンタの値nがコマンド分割数Nより小さい、すなわち、分割された表示初期化コマンドがすべて送信されていないと判定した場合(ステップS652;Yes)、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド分割送信カウンタの値nを1加算し(ステップS653)、N個に分割された表示初期化コマンドのうち、n番目の表示初期化コマンドを送信する(ステップS654)。なお、各表示ドライバ402a〜402dにおけるコマンド受信後の処理負担を考慮して、演出制御用CPU120は、先の表示初期化コマンドの送信から所定時間(例えば、200ミリ秒)の間隔をおいて次の表示初期化コマンドを送信することが望ましい。ステップS654の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、処理をステップS652に戻す。すなわち、分割された表示初期化コマンドがすべて送信されるまでステップS652〜S654の処理を繰り返す。
ステップS652の処理において、表示初期化コマンド分割送信カウンタの値nがコマンド分割数N以上、すなわち、分割された表示初期化コマンドがすべて送信されたと判定した場合(ステップS652;No)、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド送信中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS655)、表示初期化コマンド送信カウンタの値を0にクリアする(ステップS656)。その後、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド送信処理を終了する。
次に、図27を参照して、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dが実行する表示駆動制御メイン処理について説明する。ここでは、サブ画像表示装置5aの表示ドライバ402aが表示駆動制御メイン処理を実行する場合を例に説明するが、サブ画像表示装置5b〜5dの表示ドライバ402b〜402dが表示駆動制御メイン処理を実行する場合も同様である。なお、表示ドライバ402a〜402dに代えて、サブ画像表示装置5a〜5dの各液晶制御基板400a〜400dがそれぞれに備える制御部のCPUなどのプロセッサが図27に示す処理と同様の処理を行ってもよい。
表示駆動制御メイン処理を開始すると、サブ画像表示装置5aの表示ドライバ402aは、まず、表示初期化コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS661)。表示初期化コマンドを受信したと判定した場合(ステップS661;Yes)、表示ドライバ402aは、受信した表示初期化コマンドをコマンド受信バッファに保存する(ステップS662)。続いて、表示ドライバ402aは、表示初期化コマンドをすべて受信したか否かを判定する(ステップS663)。表示ドライバ402aは、表示初期化コマンド受信個数カウンタの値と表示初期化コマンド分割数とを比較することにより、表示初期化コマンドをすべて受信したか否かを判定すればよい。表示初期化コマンドをすべて受信したと判定した場合(ステップS663;Yes)、表示ドライバ402aは、表示初期化処理を実行する(ステップS664)。表示初期化処理では、サブ画像表示装置5aへの電源供給は維持された状態で、ソフトウェア制御による液晶パネル401aにおける表示状態の初期化が実行される。その後、表示ドライバ402aは、処理をステップS661に戻す。
ステップS661の処理において、表示初期化コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS661;No)、表示ドライバ402aは、リセット信号を受信したか否かを判定する(ステップS665)。リセット信号を受信したと判定した場合(ステップS665;Yes)、表示ドライバ402aは、ハードウエアリセットを実行する(ステップS666)。ハードウエアリセットが実行されると、サブ画像表示装置5aにはバックアップ電源を備えるメモリが搭載されていないため、表示ドライバ402aは、液晶パネル401aの表示状態を電源投入時の状態に戻すために、例えば、サブ画像表示装置5aに搭載されているRAMをクリアした後、所定のコマンドを演出制御用CPU120やVDP362に送信し、各種設定パラメータや画像データなどを取得することにより、液晶パネル401aの表示状態を初期状態に復帰させる。また、初期化が完了したとき、表示ドライバ402aは、初期化が完了したことを示す初期化完了通知を演出制御用CPU120やVDP362に送信する。一方、リセット信号を受信していないと判定した場合(ステップS665;No)、表示ドライバ402aは、その他の処理を実行し(ステップS667)、処理をステップS661に戻す。なお、表示ドライバ402aにおいて、リセット信号を受信したと判定した後に、サブ画像表示装置5aに搭載されているRAMのクリアや各種設定パラメータや画像データなどの取得を省略し、バックライトの消灯や液晶素子の偏光状態のリセットなどの液晶パネル401aにおける表示状態の初期化のみを行ってもよい。
図25に示すコマンド解析処理の説明に戻り、ステップS603の処理において、受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドではないと判定した場合(ステップS603;No)、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後コマンドであるか否かを判定する(ステップS607)。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後コマンドであると判定した場合(ステップS607;Yes)、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5にラウンド開放後画面を表示させる(ステップS608)。演出制御用CPU120は、ラウンド開放後画面を、メイン画像表示装置5に代えて、または、メイン画像表示装置5と同様に、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させるようにしてもよい。
その後、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンド処理を実行する(ステップS609)。表示初期化コマンド処理は、上記のステップS605の処理と同様、図26に示すフローチャートに従って実行される。ステップS609の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、開放後コマンド受信フラグをセットし(ステップS610)、処理をステップS601に戻す。
ステップS607の処理において、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後コマンドではないと判定した場合(ステップS607;No)、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS611)。受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであると判定した場合(ステップS611;Yes)、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dの各表示画面にデモンストレーションムービーを表示させる(ステップS612)。
ステップS612の処理において、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dにデモンストレーションムービーの表示を開始させた後、演出制御用CPU120は、各表示画面において暗転表示が実行されているか否か(暗転表示期間中か否か)を判定する(ステップS613)。ここで、デモンストレーションムービーの表示において、冒頭の1秒程度の期間は、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dの各表示画面が暗転表示(ブラックアウト画面)となるように設定されている。暗転表示とは、所定画像の視認性を基準の状態よりも低い視認困難な状態に変化させた表示であり、例えば、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dの表示画面全体を黒一色の画像に暗転する。したがって、デモンストレーションムービーが所定時間表示された後、同一または異なるデモンストレーションムービーの表示に切り替わるタイミングで表示画面が暗転表示されることになる。暗転表示が実行されていないと判定した場合(ステップS613;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行する(ステップS617)。
なお、本実施形態では、暗転表示実行後のデモンストレーションムービーの表示については、暗転表示(ブラックアウト画面)からの切り替えが違和感のない動画となるように予め設計されている。
暗転表示が実行されていると判定した場合(ステップS613;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dをハードウエアリセットさせるための信号であるリセット信号を送信する(ステップS614)。このように、暗転表示中にハードウエアリセットを実行することにより、ハードウエアリセットに伴うブランクスクリーンを覆隠することができる。また、位置移動などにより静電気によるノイズが発生しやすいサブ画像表示装置5a〜5dを、メイン画像表示装置5とは非同期にハードウエアリセットさせることができる。なお、ハードウエアリセットとは、内部に搭載された各デバイスを含めて、サブ画像表示装置全体を再起動させることをいう。なお、本実施形態では、リセット信号を一括送信することにより、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を一括して初期化する例について説明する。
ここで、リセット信号を送信するとは、図28(A)に示すように、リセット信号の信号レベルを、一定期間、ハイレベルからローレベルに変化させることを意味する。すなわち、リセット信号がハイレベルである期間は、サブ画像表示装置5a〜5dの表示動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号の信号レベルが一定期間ハイレベルからローレベルに変位した場合には、サブ画像表示装置5a〜5dをハードウエアリセットさせるリセット信号が出力されていることになる。
リセット信号が一旦ハイレベルからローレベルに変化すると、図28(C)に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの各液晶パネル401a〜401dの表示動作は停止され、バックライトであるLEDは、パワーダウン状態となる。
このように、リセット信号は、1本の信号線を専用線として、信号レベルをハイレベルまたはローレベルのいずれかに設定して出力されるため、複数のビットからなるコマンドと比較して、伝送路間のクロック信号のずれの問題もなく静電気のノイズに強いという利点がある。
ステップS614の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、VDP362にディスプレイオンコマンドを送信させるディスプレイオンコマンド送信処理(後述する図29参照)を実行する(ステップS615)。演出制御用CPU120は、VDP362に対して、ディスプレイオンコマンドの送信を指示する送信指令を出力する。この送信指令を取得したVDP362は、表示ドライバ402a〜402dによる表示を許可するためのディスプレイオンコマンドを生成し、画像データの出力に先立って、信号分離基板220を介して、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dに送信する。
表示ドライバ402a〜402dは、ディスプレイオンコマンドを取得した場合、それぞれ接続されている液晶パネル401a〜401dの駆動を開始し、これらの液晶パネル401a〜401dを表示可能な状態にする。その後、表示ドライバ402a〜402dは、画像データを入力した場合、各液晶パネル401a〜401dに画像データに基づく画像を表示させる制御を行う。これにより、液晶パネル401a〜401dが表示可能となる前に表示の制御が開始されてしまい、画像表示に関する遊技の進行に支障が生じるという現象を防止することができる。
ここで、図28(B)および(C)に示すように、リセット信号を受信後、ディスプレイオンコマンドを取得するまでは、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dによる液晶パネル401a〜401dの駆動が停止され表示不能な状態に制御される。VDP362から送信されたディスプレイオンコマンドを取得すると、表示ドライバ402a〜402dによって液晶パネル401a〜401dは表示可能な状態とされる。このとき、図28(C)に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの各液晶パネル401a〜401dの表示動作が開始され、各液晶パネル401a〜401dのバックライトであるLEDは、ディスプレイオン状態(パワーオン状態)となる。
なお、VDP362は、表示ドライバ402a〜402dに対して表示を禁止するディスプレイオフコマンドを送信してもよく、このディスプレイオフコマンドを送信する場合、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dによる各液晶パネル401a〜401dの駆動を停止し、各液晶パネル401a〜401dの表示を終了させることができる。ディスプレイオフコマンドによって各液晶パネル401a〜401dが事前に表示不能な状態に制御されるため、その後の表示再開時に意図しない表示が行われて画像表示に関する遊技の進行に支障が生じるということを防止することができる。
次に、図25に示すコマンド解析処理のフローチャートの説明に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS615の処理を実行した後、客待ちデモコマンド受信フラグをセットし(客待ちモード、ステップS617)、処理をステップS601に戻す。
ステップS611の処理において、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドではないと判定した場合(ステップS611;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行し(ステップS618)、処理をステップS601に戻す。
ここで、図29を参照して、図24に示す演出制御メイン処理の初期化処理(ステップS501参照)やコマンド解析処理のステップS615において実行するディスプレイオンコマンド送信処理について説明する。ディスプレイオンコマンド送信処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、VDP362に対してシリアル通信のクロック周波数(クロック信号により特定可能な周期に基づく周波数、すなわち、クロック信号の周期によって特定した周波数)を特定周波数(例えば、795kHz)に設定させ(ステップS901)、タイマに1秒間(所定期間)をセットし(ステップS902)、タイマがタイムアウト(タイムアップ)したか否か、すなわち、シリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定してから1秒間経過したか否かを判定する(ステップS903)。演出制御用CPU120は、タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS903;No)、ステップS903の処理を繰り返し、タイムアウトした場合(ステップS903;Yes)、VDP362を介してシリアル通信によって(信号線群128、129a〜129dのシリアル信号線を用いて)ディスプレイオンコマンドを送信させる(ステップS904)。
ディスプレイオンコマンド送信後、演出制御用CPU120は、シリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低い非送信時の周波数(ディスプレイオンコマンドを送信しないときの周波数、例えば、500kHz)まで下げて(ステップS905)、シリアル通信フラグをオフに設定し(ステップS906)、タイマに1秒間をセットし(ステップS907)、タイマがタイムアウトしたか否か、すなわち、シリアル通信のクロック周波数を非送信時の周波数に設定してから1秒間経過したか否かを判定する(ステップS908)。ここで、シリアル通信フラグとは、シリアル通信を許容するか規制するかを制御するためのフラグであり、通常はオンの状態に設定されており、クロック周波数の設定を非送信時の周波数に変更したときにオフの状態に設定される。演出制御用CPU120は、タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS908;No)、ステップS908の処理を繰り返し、タイムアウトした場合(ステップS908;Yes)、シリアル通信フラグをオンに設定し(ステップS909)、処理を終了する。
ここで、本実施形態では、ディスプレイオンコマンドは、図30に示すように、電源投入時、暗転表示からリセット信号が送信された後(デモンストレーションムービー切り替え開始時、以下、デモ切り替え開始時)にそれぞれ送信される。また、本実施形態では、シリアル通信のクロック周波数は、電源投入時においてはデフォルト周波数としての特定周波数に設定されており、ディスプレイオンコマンド送信した後に特定周波数よりも低い非送信時の周波数に設定される。この結果、本実施形態では、ディスプレイオンコマンドは、非送信時の周波数よりも高い特定周波数で(高速で)送信されるようになっている。
なお、本実施形態では、電源投入時に設定される特定周波数をデフォルト周波数としたが、これに限定されず、非送信時の周波数をデフォルト周波数としてもよい。この場合、電源投入時にデフォルト周波数として非送信時の周波数が設定されていればディスプレイオンコマンドの送信を開始するまでに非送信時の周波数から特定周波数まで高くする必要がある。
なお、本実施形態では、クロック周波数として、特定周波数については、例えば795kHz、非送信時の周波数については、例えば、500kHzとすることが可能であるが、各周波数についてはこれに限定されず、特定周波数が非送信時の周波数よりも高い限りにおいて任意の周波数とすることが可能である。
ここで、図31を参照して、コマンド解析処理において各演出制御コマンドの受信に応じて実行される処理について説明する。図31に示す「処理内容」の項目に示された内容は、例えば、ステップS618において実行される処理である。また、「処理内容」の項目に示されたステップ番号は、図25に示すフローチャート中のステップ番号を示し、該当するステップ処理が実行されることを意味する。また、「処理内容」の項目に示された各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることを意味する。
例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
図24に示す演出制御メイン処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS504のコマンド解析処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS505)。演出制御プロセス処理では、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9、装飾用LEDおよびLED90などの発光装置の点灯動作など、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。ステップS505の演出制御プロセス処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出用乱数更新処理を実行し、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する(ステップS506)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS502に処理を戻す。
図32は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である)に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば、特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、又は、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「突確」であれば、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、演出制御用CPU120は、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば、「突確」の大当り遊技状態または小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における各種の演出制御(大当りや小当りが発生したことを、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて報知する演出制御も含む)を実行する。また、例えば、主基板11からの大当り遊技状態終了コマンド又は小当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS175の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」または「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて報知する演出制御も含む)を実行する。また、例えば、主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dの表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図33は、可変表示開始設定処理として、図32のステップS171において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS521;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば、演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522の処理において非リーチ変動パターンではないと判定した場合(ステップS522;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうちメイン画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば、中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば、「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定した場合(ステップS525;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、短期開放チャンス目、所定のリーチ組合せなどといった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。なお、ステップS523、S524の処理では、短期開放チャンス目、所定のリーチ組合せなどといった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定しないようにしてもよい。この場合、例えば、このような組合せを決定してしまったら、これらの組合せには該当しない、予め用意したリーチ組合せまたは非リーチ組合せを構成する飾り図柄を確定飾り図柄として決定(選択)するようにする。
ステップS526における処理の一例として、変動パターンコマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドにより変動パターンPC2−1が指定された場合に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される所定のリーチ組合せ決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のリーチ組合せ決定用のテーブルを参照することなどにより、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した所定のリーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1が指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより、「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目または「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した所定のリーチ組合せに含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1が指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば、「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525の処理において、「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定した場合(ステップS525;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、演出制御用CPU120は、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、メイン画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、可変表示結果通知コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後、演出制御用CPU120は、演出パターンの設定処理を行う(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS529の処理において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。演出制御用CPU120は、例えば、ステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
なお、可変表示の開始とともに、保留記憶は1つ消化されるので、ステップS532の処理では、主基板11から第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドのいずれを受信したかに応じて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす処理も行われる。
具体的には、演出制御用CPU120は、第1変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。演出制御用CPU120は、第2変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。
上述したステップS172の可変表示演出処理においては、メイン画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出処理が行われる。
図34は、ステップS172の可変表示中演出処理内のメッセージ演出処理の一例を示すフローチャートである。メッセージ演出処理において、演出制御用CPU120は、メッセージ演出が実行中であることを示すメッセージ演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS700)。メッセージ演出実行中フラグは、例えば、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、このRAM122内にセットされているメッセージ演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
メッセージ演出実行中フラグがオフであると判定した場合(ステップS700;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであるか否かを判定する(ステップS701)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれでもないと判定した場合(ステップS701;No)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出処理を終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであると判定した場合(ステップS701;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、メッセージ演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる(ステップS702)。例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させるための駆動制御信号を生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。駆動制御信号は、サブ画像表示装置5a〜5dに搭載された第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力と、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力との組み合わせである。サブ画像表示装置5a〜5dに搭載されたモータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。サブ画像表示装置5a〜5dは、第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、直線移動の量が大きくなり、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、回転量が大きくなる。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したか否かを判定する(ステップS703)。例えば、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第1ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定距離だけ直線移動する時間と、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第2ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定回転量だけ回転する時間とはそれぞれ固定である。この場合、演出制御用CPU120は、予め定めた第1ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて直線移動する時間を乗じた時間が経過し、且つ、予め定めた第2ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて回転する時間を乗じた時間が経過した場合に、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定し、それ以外の場合には、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定する。
サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定した場合(ステップS703;No)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出処理を終了する。一方、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定した場合(ステップS703;Yes)、演出制御用CPU120は、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータの駆動に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの位置を特定する(ステップS704)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dが初期状態の位置(メイン画像表示装置5の四隅に配置された状態の位置)にあって、サブ画像表示装置5a〜5d内の第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータのそれぞれのステップ数がいずれも0であるときに、演出制御用CPU120からサブ画像表示装置5a〜5dへ出力するパルス電力の数(ステップ数)のカウントを開始する。なお、パルス電力が正の場合と負の場合とで、第1ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの移動方向は逆転し、第2ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの回転方向は逆転する。すなわち、パルス電力が正の場合と負の場合とで、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の方向および回転の方向は逆転する。このことに対応して、演出制御用CPU120は、パルス電力が正の場合にはステップ数を1増加させ、負の場合にはステップ数を1減少させる。
更に、演出制御用CPU120は、例えば、RAM122に記憶された、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルを参照し、第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数により一意に定まるサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。なお、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルには、10ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられている。このため、ステップS704のタイミングで、現在の第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数が10の整数倍でない場合には、演出制御用CPU120は、現在の第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数の一の位をそれぞれ四捨五入して得られるステップ数に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。また、テーブルの構成はこれに限定されず、1ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよいし、所定ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよい。
また、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルには、サブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標と、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが後述する同期表示演出を実行中に消灯させるサブ画像表示装置の縁部のLED90とが対応付けられている。演出制御用CPU120は、同期表示演出の実行中、サブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標、すなわち、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとの位置関係に応じて、各縁部55a〜55dに配置されたLED90のうち、サブ画像表示装置態様テーブルに列挙されたLED90を消灯させ、それ以外のLED90を点灯させる。このように、サブ画像表示装置態様テーブルでは、各縁部55a〜55dに配置されたLED90のうち、点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、サブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標に応じて予め設定されていればよい。
図34に示すフローチャートの説明に戻って、ステップS704の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS704の処理において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの位置に基づいて、メイン画像表示装置5の表示領域のうち、サブ画像表示装置5a〜5dの隙間に対応する領域(隙間領域)を特定する(ステップS705)。例えば、メイン画像表示装置5は移動せず、メイン画像表示装置5の四隅の座標は固定であり、その座標はRAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されたメイン画像表示装置5の四隅の座標と、ステップS704の処理において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標とに基づいて、メイン画像表示装置5における隙間領域を特定することができる。なお、メイン画像表示装置5の座標系と、サブ画像表示装置5a〜5dの座標系とは共通である。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、遊技者が選択する選択肢としてのキャラクタ画像(選択肢キャラクタ画像)を表示させるとともに、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90をすべて点灯させる。また、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5における隙間領域に、遊技者に対して選択肢キャラクタ画像の選択操作を促すメッセージの画像である選択指示メッセージ画像を表示させる(ステップS706)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき選択肢キャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5d毎に異なる選択肢キャラクタの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた選択肢キャラクタ画像を表示する。このとき、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90をすべて点灯させるための電飾信号をランプ制御基板14に出力する。ランプ制御基板14は、演出制御用CPU120からの電飾信号に基づいて、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90をすべて点灯駆動させる。すなわち、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の実行中は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯を制限しない。
また、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5に表示させるべき選択指示メッセージ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。この表示制御指令には、選択指示メッセージ画像を表示すべき領域としてメイン画像表示装置5における隙間領域の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、選択指示メッセージの画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた選択指示メッセージ画像を、隙間領域に表示する。
ステップS707の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、メッセージ演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS707)。
一方、メッセージ演出実行中フラグがオンであると判定した場合(ステップS700;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者によって選択肢キャラクタのいずれかを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS709)。例えば、遊技者は、スティックコントローラ31Aを傾動操作することでサブ画像表示装置5a〜5dに表示された選択肢キャラクタの画像のいずれかを選択し、更に、プッシュボタン31Bを押下することで選択肢キャラクタの画像の選択を確定させる。演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aおよびプッシュセンサ35Bからの操作検出信号に基づいて、遊技者による選択肢キャラクタの画像の選択操作を認識することができる。
遊技者によって選択肢キャラクタのいずれかを選択する操作が行われたと判定した場合(ステップS709;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの全てに、選択された選択肢キャラクタ画像を表示させる(ステップS710)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき選択肢キャラクタ画像として、ステップS709の処理において認識した選択操作に応じた選択肢キャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、選択肢キャラクタの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた選択肢キャラクタ画像を表示する。
ステップS710において、サブ画像表示装置5a〜5dの全てに、選択された選択肢キャラクタ画像が表示された後、または、ステップS709の処理において遊技者によって選択肢キャラクタのいずれかを選択する操作が行われていないと判定した場合(ステップS709;No)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS711)。演出制御用CPU120は、例えば、メッセージ演出の開始からの経過時間を測定し、その測定時間が演出制御パターンに対応するメッセージ演出の時間に達したタイミングでメッセージ演出の終了タイミングであると判定する。
メッセージ演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS711;No)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出処理を終了する。一方、メッセージ演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の終了制御を行う(ステップS712)。例えば、演出制御用CPU120は、メッセージ演出の画像の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、メイン画像表示装置5における選択指示メッセージ画像の表示終了、および、サブ画像表示装置5a〜5dにおける選択肢キャラクタ画像の表示終了の制御を行う。また、演出制御用CPU120は、消灯制御指令をランプ制御基板14に対して出力し、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を消灯させる。さらに、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの位置を初期状態の位置に戻すための駆動制御信号を生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dに搭載されたモータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを初期状態の位置に移動させる。
次に、演出制御用CPU120は、メッセージ演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS713)。
図36は、可変表示演出処理内のメッセージ演出処理における画像表示の一例を示す図である。図36は、リーチ演出に並行してメッセージ演出が実行される場合の例である。メイン画像表示装置5において、図36(A)に示す飾り図柄の可変表示の状態から図36(B)に示すリーチ演出の状態に遷移すると、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が開始される。そして、図36(C)に示すサブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了した状態になると、サブ画像表示装置5a〜5dには、それぞれ異なる選択肢キャラクタ画像500a〜500dが表示される。また、メイン画像表示装置5の隙間領域、具体的には、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5cとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5bとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像500が表示される。なお、選択指示メッセージ画像500を一度に表示することができない場合には、図36(C)および図36(D)に示すように、選択指示メッセージ画像500はスクロール表示される。
また、上述したステップS172の可変表示演出処理においては、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示するサブ画像演出処理が行われる。
図37は、ステップS172の可変表示中演出処理内のサブ画像演出処理の一例を示すフローチャートである。サブ画像演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、サブ画像演出が実行中であることを示すサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS720)。サブ画像演出実行中フラグは、例えば、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、このRAM122内にセットされているサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
サブ画像演出実行中フラグがオフであると判定した場合(ステップS720;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであるか否かを判定する(ステップS721)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれでもないと判定した場合(ステップS721;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであると判定した場合(ステップS721;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、メイン画像表示装置5に可変表示中に対応する飾り図柄の画像(可変表示中画像)を表示させる(ステップS722)。
例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5に表示させる画像として可変表示中画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。ここで、演出制御用CPU120は、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像のうち、可変表示中画像以外の画像については、メイン画像表示装置5の表示対象から除外する。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、可変表示中画像の画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた可変表示中画像を表示する。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき遊技の進行に係る画像である、保留記憶数を示す保留記憶画像、現在の遊技モードを示す遊技モード画像、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bに表示される特別図柄に対応する第4図柄の画像、遊技者に対して遊技球などの遊技媒体を遊技領域の右側に発射することを指示する右打ち指示画像等を表示させる。また、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯を制限することなく、すべて点灯させる(ステップS723)。
例えば、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像として、保留記憶数指定コマンドにより特定される保留記憶数を示す保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。この表示制御指令には、保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等がそれぞれ異なるサブ画像表示装置5a〜5dに表示されることを指示する情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等のそれぞれの画像データを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dは、入力された画像データに応じた保留記憶画像、遊技モード画像、第4図柄画像、右打ち指示画像等を表示する。
本実施形態において、表示制御部123内のVDP362は、メイン画像表示装置5に画像を表示するためにメイン表示系統出力部MKに出力される画像データや、サブ画像表示装置5a〜5dに画像を表示するためにサブ表示系統出力部SKに出力される画像データの色調補正を行う。色調補正には、例えば、メイン画像表示装置5やサブ画像表示装置5a〜5dに表示される画像の明るさやコントラストを調整する明度補正や、画像階調の応答特性を示す数値を調整するガンマ補正などの方法がある。
具体的には、VDP362が、VRAMに描画する際に各画像データに対して色調補正したり、VRAMに描画された画像データに対して一括して色調補正する。予めCGROMに記録するなどして用意したマスクパターンを用いてフィルタ処理を施すなどすることにより、メイン画像表示装置5やサブ画像表示装置5a〜5dにおいて表示される画像の色調を補正する。なお、VDP362の外部に色調補正用のIC(集積回路)を外付けし、サブ表示系統出力部SKから出力される画像データを該ICで色調補正するようにしてもよい。
本実施形態においては、表示面積の小さいサブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像の色調を、表示面積の大きいメイン画像表示装置5に表示させる画像の色調に調和するように補正する。具体的には、まず、基準となる色(例えば、白色など)を特定し、特定した色について、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像の色調を、メイン画像表示装置5に表示させる画像の色調に調和するように補正する。サブ画像表示装置5a〜5dは同一の液晶パネル401a〜401dを使用しているため、色調補正に要するデータをサブ画像表示装置5a〜5dについて共通に用いればよい。色調補正に要するデータ(補正量)は、マスクパターンなどとしてCGROMの所定領域に記録し、特定した色以外の全色についても、マスクパターンなどを使用して補正する。
これにより、例えば、メイン画像表示装置5において白色に表示される部分が、サブ画像表示装置5a〜5dにおいて青色っぽく表示されたり、または、黄色っぽく表示されたりしても、色調を補正することにより、メイン画像表示装置5に表示される画像との色味の違いを抑えることができる。すなわち、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5d間で違和感のない画像表示を実現することができる。また、表示面積の大きいメイン画像表示装置5に合わせるので、大きく目立つところに合わせて違和感を低減させることができる。さらに、特定の色を基準に全色を補正することで、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dといった複数の表示装置間で違和感のない表示を実現することができる。
なお、メイン画像表示装置5に表示させる画像の色調を、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像の色調に調和するように補正してもよい。また、メイン画像表示装置5に表示させる画像とサブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像との色調を示す数値の中間値を算出して、双方の画像を算出した中間値に補正するようにしてもよい。これにより、例えば、白色をより白色にしようとするなど、色調補正可能な範囲を超えて補正することができない場合にも対応することができる。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS724)。
一方、サブ画像演出実行中フラグがオンであると判定した場合(ステップS720;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS726)。演出制御用CPU120は、例えば、サブ画像演出の開始からの経過時間を測定し、その測定時間が演出制御パターンに対応するサブ画像演出の時間に達したタイミングでサブ画像演出の終了タイミングであると判定する。
サブ画像演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS726;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、サブ画像演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS726;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出の終了制御を行う(ステップS727)。演出制御用CPU120は、例えば、サブ画像表示装置5a〜5dにおける保留記憶画像等の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、サブ画像表示装置5a〜5dにおける保留記憶画像等の表示終了の制御を行う。
ステップS727の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS728)。
図38は、可変表示演出処理内のサブ画像演出処理における画像表示の一例を示す図である。図38に示すように、メイン画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中画像501aが表示される場合、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき遊技の進行に係る画像である、遊技モード画像505aがサブ画像表示装置5aに、右打ち指示画像505bがサブ画像表示装置5bに、第4図柄画像がサブ画像表示装置5cに、保留記憶画像がサブ画像表示装置5dに、それぞれ表示される。
また、上述したステップS175の大入賞口通常開放時処理においては、本来、メイン画像表示装置5が表示すべき画像の一部をサブ画像表示装置5a〜5dが表示するサブ画像演出処理が行われる。
図39は、ステップS175の大入賞口通常開放時処理内のサブ画像演出処理の一例を示すフローチャートである。大入賞口通常開放時処理内のサブ画像演出処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する大当り開始指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS800)。例えば、大入賞口通常開放時処理が開始されると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大当り開始指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドが入力されると、RAM122に大当り開始指定コマンドが入力済みであることを示す大当り開始指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。演出制御用CPU120は、この大当り開始指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かに基づいて、大当り開始指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する。
大当り開始指定コマンドが入力済みでないと判定した場合(ステップS800;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、大当り開始指定コマンドが入力済みであると判定した場合(ステップS800;Yes)、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出が実行済みであることを示すファンファーレ演出実行済みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS801)。例えば、ファンファーレ演出実行済みフラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS801の処理において、このRAM122内にセットされているファンファーレ演出実行済みフラグがオンであるか否かを判定する。
ファンファーレ演出実行済みフラグがオンでないと判定した場合(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、効果音であるファンファーレの音を出力する制御を行う(ステップS802)。例えば、演出制御用CPU120は、音声制御基板13へファンファーレの効果音信号を出力し、スピーカ8L、8Rを制御してファンファーレの音を出力させる。
次に、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出実行済みフラグをオンに設定する(ステップS803)。
ステップS803の処理を実行した後、または、ステップS801の処理においてファンファーレ演出実行済みフラグがオンであると判定した場合(ステップS801;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、ラウンド遊技における特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンドである大入賞口開放中指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS804)。例えば、一度のラウンド遊技が開始されると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大入賞口開放中指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを入力すると、RAM122に大入賞口開放中指定コマンドが入力済みであることを示す大入賞口開放中指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS804の処理において、演出制御用CPU120は、この大入賞口開放中指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かに基づいて、大入賞口開放中指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する。
大入賞口開放中指定コマンドが入力済みでないと判定した場合(ステップS804;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、大入賞口開放中指定コマンドが入力済みであると判定した場合(ステップS804;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出が実行中であることを示すサブ画像演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS805)。演出制御用CPU120は、例えば、図37のステップS720と同様、RAM122内にセットされているサブ画像演出実行中フラグを参照してオンであるか否かを判定する。
サブ画像演出実行中フラグがオフであると判定した場合(ステップS805;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5のいずれかであるか否かを判定する(ステップS806)。
変動パターンがPA3−2、PA3−3、3−5のいずれでもないと判定した場合(ステップS806;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5のいずれかであると判定した場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、入力した大入賞口開放中指定コマンドに基づいて現在のラウンド数を特定する(ステップS807)。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530の処理において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、メイン画像表示装置5に、大当り遊技状態に対応する背景画像(メイン用大当り背景画像)を表示させるとともに、メイン用大当り背景画像に重畳して、大当り遊技状態に対応するキャラクタ画像(大当りキャラクタ画像)を表示させる(ステップS808)。
演出制御用CPU120は、例えば、メイン画像表示装置5に表示させる画像としてメイン用大当り背景画像と大当りキャラクタ画像を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。ここで、演出制御用CPU120は、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像のうち、メイン用大当り背景画像および大当りキャラクタ画像以外の画像については、メイン画像表示装置5の表示対象から除外する。また、表示制御指令には、メイン用大当り背景画像に重畳して大当りキャラクタ画像が表示されるように、画像データの描画順序等の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、メイン用大当り背景画像に大当りキャラクタ画像が重畳された合成画像の画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた、メイン用大当り背景画像に大当りキャラクタ画像が重畳された合成画像を表示する。
次に、演出制御用CPU120は、図33のステップS530の処理において選択した演出制御パターンのうち、サブ画像演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dに、大当り遊技状態に対応する背景画像(サブ用大当り背景画像)を表示させるとともに、サブ用大当り背景画像に重畳して、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき大当り遊技状態に係る画像である、現在のラウンド数を示すラウンド数画像、大当りの種別を示す大当りモード画像、大当り遊技状態となってから払い出された賞球の数を示す出玉数画像、大当り遊技状態に繰り返し制御される回数(連チャン回数)を示す連チャン回数画像等を表示させる(ステップS809)。
演出制御用CPU120は、例えば、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる画像としてサブ用大当り背景画像と、ラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等とを決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。ラウンド数画像が示すラウンド数は、例えば、大入賞口開放中指定コマンドが示すラウンド数に基づいて特定される。また、大当りモード画像が示す大当りの種別は、大当り開始指定コマンドの種類や、変動パターンや大当りの種別を特定可能なコマンドにより特定され、出玉数画像が示す出玉数は、カウントスイッチ23により検出される遊技球の通過回数に基づいて主基板11から入力されるコマンドにより特定され、連チャン回数画像が示す連チャン数は、大当り開始指定コマンドの入力回数などにより特定される。表示制御指令には、ラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等がそれぞれ異なるサブ画像表示装置5a〜5dに表示されることを指示する情報と、サブ用大当り背景画像に重畳してラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が表示されるように、画像データの描画順序等の情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が重畳された合成画像の画像データを生成し、メイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、入力された画像データに応じた、サブ用大当り背景画像にラウンド数画像、大当りモード画像、出玉数画像、連チャン回数画像等が重畳された合成画像を表示する。
ここで、表示制御部123内のVDP362は、図37のステップS723と同様、メイン画像表示装置5に画像を表示するためにメイン表示系統出力部MKに出力される画像データや、サブ画像表示装置5a〜5dに画像を表示するためにサブ表示系統出力部SKに出力される画像データの色調補正を行う。
次に、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオンに設定する(ステップS810)。ステップS810の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。
一方、サブ画像演出実行中フラグがオンであると判定した場合(ステップS805;Yes)、演出制御用CPU120は、ラウンド遊技における特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する大入賞口開放後指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS811)。例えば、一度のラウンド遊技が終了すると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大入賞口開放後指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドを入力すると、RAM122に記憶された、大入賞口開放後指定コマンドが入力済みであることを示す大入賞口開放後指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS811の処理において、演出制御用CPU120は、この大入賞口開放後指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かに基づいて、大入賞口開放後指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する。
大入賞口開放後指定コマンドが入力済みでないと判定した場合(ステップS811;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、大入賞口開放後指定コマンドが入力済みであると判定した場合(ステップS811;Yes)、演出制御用CPU120は、ラウンド遊技の終了に応じてサブ画像演出の終了制御を行う(ステップS812)。演出制御用CPU120は、例えば、サブ画像表示装置5a〜5dにおけるラウンド数画像等の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、サブ画像表示装置5a〜5dにおけるラウンド数画像等の表示終了の制御を行う。このとき、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を消灯させるための電飾信号をランプ制御基板14に出力し、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dの電飾を終了させる。
ステップS812の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、サブ画像演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS813)。ここで、大入賞口開放中指定コマンド入力済みフラグ、および、大入賞口開放後指定コマンド入力済みフラグがオンに設定されている場合には、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンド入力済みフラグ、および、大入賞口開放後指定コマンド入力済みフラグをいずれもオフに設定する。
演出制御用CPU120は、主基板11から出力される、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短状態が第1有利状態であることを指定する大当り終了1指定コマンド、または、エンディングの開始を指定するとともに、大当り後の時短状態が第2有利状態であることを指定する大当り終了2指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する(ステップS814)。例えば、大入賞口通常開放時処理が終了すると、主基板11から演出制御基板12に向けて、大当り終了1指定コマンド、または、大当り終了2指定コマンドが伝送される。演出制御用CPU120は、大当り終了1指定コマンド、または、大当り終了2指定コマンドを入力すると、RAM122に大当り終了1指定コマンド、または、大当り終了2指定コマンドが入力済みであることを示す大当り終了指定コマンド入力済みフラグをオンに設定する。ステップS814において、演出制御用CPU120は、この大当り終了指定コマンド入力済みフラグがオンであるか否かに基づいて、大当り終了指定コマンドが入力済みであるか否かを判定する。
大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドが入力済みでないと判定した場合(ステップS814;No)、演出制御用CPU120は、サブ画像演出処理を終了する。一方、大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドが入力済みであると判定した場合(ステップS814;Yes)、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出実行済みフラグをオフに設定する(ステップS815)。ここで、大当り開始指定コマンド入力済みフラグ、および、大当り終了指定コマンド入力済みフラグがオンに設定されている場合には、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド入力済みフラグ、および、大当り終了指定コマンド入力済みフラグをいずれもオフに設定する。
ステップS815の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新し(ステップS816)、サブ画像演出処理を終了する。
図40は、大入賞口通常開放時処理内のサブ画像演出処理における画像表示の一例を示す図である。図40に示すように、メイン画像表示装置5において、メイン用背景画像502に重畳して大当りキャラクタ画像501が表示される場合、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき大当り遊技状態に係る画像である、大当りモード画像511aがサブ用背景画像512aに重畳してサブ画像表示装置5aに表示され、ラウンド数画像511bがサブ用背景画像512bに重畳してサブ画像表示装置5bに表示され、出玉数画像511cがサブ用背景画像512cに重畳してサブ画像表示装置5cに表示され、連チャン数画像511dがサブ用背景画像512dに重畳してサブ画像表示装置5dに表示される。ここで、サブ用背景画像512a〜512dはメイン用背景画像502と形状や色等の態様が共通している。
また、上述したステップS172の可変表示演出処理においては、1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとにより連続性(関連性)のある表示となったり(1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに分割して表示されること)、1の画像がサブ画像表示装置5a〜5dにより連続性(関連性)のある表示となる(1の画像がサブ画像表示装置5a〜5dに分割して表示されること)、同期表示演出処理が行われることがある。
図41は、ステップS172の可変表示中演出処理内の同期表示演出処理の一例を示すフローチャートである。同期表示演出処理において、演出制御用CPU120は、同期表示演出が実行中であることを示す同期表示演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS750)。例えば、同期表示演出実行中フラグは、RAM122内にセットされている。演出制御用CPU120は、ステップS750において、このRAM122内にセットされている同期表示演出実行中フラグがオンであるか否かを判定する。
同期表示演出実行中フラグがオフであると判定した場合(ステップS750;No)、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであるか否かを判定する(ステップS751)。
変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれでもないと判定した場合(ステップS751;No)、演出制御用CPU120は、同期表示演出処理を終了する。一方、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5のいずれかであると判定した場合(ステップS751;Yes)、演出制御用CPU120は、図33のステップS530において選択した演出制御パターンのうち、同期表示演出の演出制御パターンに基づく演出の実行において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる(ステップS752)。例えば、演出制御用CPU120は、図34のステップS702と同様に、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させるための駆動制御信号を生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。駆動制御信号は、サブ画像表示装置5a〜5dに搭載された第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力と、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力との組み合わせである。サブ画像表示装置5a〜5dに搭載されたモータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。サブ画像表示装置5a〜5dは、第1ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、直線移動の量が大きくなり、第2ステッピングモータを駆動させるためのパルス電力の数が多いほど、回転量が大きくなる。
次に、演出制御用CPU120は、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータの駆動に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの位置を特定する(ステップS754)。
例えば、演出制御用CPU120は、図34のステップS704と同様に、サブ画像表示装置5a〜5dが初期状態の位置(メイン画像表示装置5の四隅に配置された状態の位置)にあって、サブ画像表示装置5a〜5d内の第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータのそれぞれのステップ数がいずれも0であるときに、演出制御用CPU120からサブ画像表示装置5a〜5dへ出力するパルス電力の数(ステップ数)のカウントを開始する。なお、パルス電力が正の場合と負の場合とで、第1ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの移動方向は逆転し、第2ステッピングモータの駆動によるサブ画像表示装置5aから5dの回転方向は逆転する。すなわち、パルス電力が正の場合と負の場合とで、サブ画像表示装置5a〜5dの直線移動の方向および回転の方向は逆転する。このことに対応して、演出制御用CPU120は、パルス電力が正の場合にはステップ数を1増加させ、負の場合にはステップ数を1減少させる。
さらに、演出制御用CPU120は、例えば、RAM122に記憶された、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルを参照し、第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数により一意に定まるサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標(メイン画像表示装置5、サブ画像表示装置5a〜5dに共通の座標系における座標)を特定する。なお、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルは、10ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられている。このため、ステップS754の処理を実行するタイミングで、現在の第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数が10の整数倍でない場合には、演出制御用CPU120は、現在の第1ステッピングモータのステップ数および第2ステッピングモータのステップ数の一の位をそれぞれ四捨五入して得られるステップ数に応じたサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標を特定する。また、サブ画像表示装置態様テーブルの構成はこれに限定されず、1ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよいし、所定ステップ毎にサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標が対応付けられていてもよい。
再び、図41に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS754の処理において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの位置に基づいて、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dに対して、1の画像を分割して割り当てる(ステップS755)。例えば、メイン画像表示装置5は移動せず、メイン画像表示装置5の四隅の座標は固定であり、その座標はRAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されたメイン画像表示装置5の四隅の座標と、ステップS754の処理において特定したサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標とに基づいて、メイン画像表示装置5の表示領域のうち、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれが重畳している表示領域(重畳領域)を特定する。さらに、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、1の画像をメイン画像表示装置5に割り当てる。また、演出制御用CPU120は、1の画像のうち、サブ画像表示装置5aによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5aに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5aに割り当てる。同様に、演出制御用CPU120は、1の画像のうち、サブ画像表示装置5bによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5bに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5bに割り当て、1の画像のうち、サブ画像表示装置5cによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5cに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5cに割り当て、1の画像のうち、サブ画像表示装置5dによって生じる重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5dに含まれる画像とについては、サブ画像表示装置5dに割り当てる。
ここで、1の画像をメイン画像表示装置5に割り当てることとは、例えば、1の画像をメイン画像表示装置5に表示させる際の当該画像の表示位置を、メイン画像表示装置5の座標系における座標により指定することを意味する。また、重畳領域に含まれる画像と、メイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像とをサブ画像表示装置5a〜5dに割り当てることとは、1の画像のうち、重畳領域の画像とメイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像(以下、重畳領域の画像とメイン画像表示装置5からはみ出す画像であってサブ画像表示装置5a〜5dに含まれる画像とをまとめて「サブ画像表示装置対象画像」と称する)を1の画像の座標系における座標により特定し、更に、そのサブ画像表示装置対象画像の表示位置を、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれの座標系における座標により指定することを意味する。
次に、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dに、それぞれ割り当てた画像を表示させる(ステップS756)。
例えば、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dに、表示させるべき画像の表示制御指令を表示制御部123に対して出力する。表示制御指令には、メイン画像表示装置5に割り当てられた1の画像を特定する情報と、当該1の画像の表示位置を示すメイン画像表示装置5の座標系における座標と、重畳領域に含まれる画像を示す1の画像の座標系における座標と、重複領域の画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれの座標系における座標との情報が含まれる。表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、1の画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを1の画像の表示位置を示すメイン画像表示装置5の座標系における座標を指定してメイン画像表示装置5へ出力する。メイン画像表示装置5は、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する1の画像を表示する。
さらに、表示制御部123は、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5aの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5aへ出力する。サブ画像表示装置5aは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。サブ画像表示装置5b〜5dに対する表示制御も同様である。すなわち、表示制御部123は、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5bの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5bへ出力する。サブ画像表示装置5bは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。表示制御部123は、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5cの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5cへ出力する。サブ画像表示装置5cは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。表示制御部123は、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示す1の画像の座標系における座標に基づいて、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像に対応する画像データを生成し、当該画像データを、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像の表示位置を示すサブ画像表示装置5dの座標系における座標を指定してサブ画像表示装置5dへ出力する。サブ画像表示装置5dは、座標により指定された表示位置に入力された画像データに対応する画像を表示する。
続いて、演出制御用CPU120は、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルを参照して、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯/消灯を制御する(ステップS757)。具体的には、演出制御用CPU120は、図35に示すサブ画像表示装置態様テーブルを参照して、ステップS754の処理において特定されたサブ画像表示装置5a〜5dの四隅の座標に対応付けられた、消灯させるサブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90に基づいて、該当するLED90を消灯させ、その他のLED90を点灯させる。このように、演出制御用CPU120は、同期表示演出の実行中は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯を制限する。
ステップS757の処理を実行後、演出制御用CPU120は、同期表示演出実行中フラグをオンに設定し(ステップS758)、同期表示演出処理を終了する。
一方、同期表示演出実行中フラグがオンであると判定した場合(ステップS750;Yes)、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したか否かを判定する(ステップS760)。例えば、図34のステップS703と同様、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第1ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定距離だけ直線移動する時間と、駆動制御信号である1つのパルス電力に応じて第2ステッピングモータが駆動してサブ画像表示装置5a〜5dが所定回転量だけ回転する時間とはそれぞれ固定である。この場合、演出制御用CPU120は、予め定めた第1ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて直線移動する時間を乗じた時間が経過し、かつ、予め定めた第2ステッピングモータに対応するパルス電力の出力数に、サブ画像表示装置5a〜5dが1つのパルス電力に応じて回転する時間を乗じた時間が経過した場合に、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定し、それ以外の場合には、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定する。
サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了していないと判定した場合(ステップS760;No)、演出制御用CPU120は、ステップS752に処理を進める。一方、サブ画像表示装置5a〜5dの移動が終了したと判定した場合(ステップS760;Yes)、演出制御用CPU120は、同期表示演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS761)。演出制御用CPU120は、例えば、図37のステップS726と同様、同期表示演出の開始からの経過時間を測定し、その測定時間が演出制御パターンに対応する同期表示演出の時間に達したタイミングで同期表示演出の終了タイミングであると判定する。
同期表示演出の終了タイミングでないと判定した場合(ステップS761;No)、演出制御用CPU120は、同期表示演出処理を終了する。一方、同期表示演出の終了タイミングであると判定した場合(ステップS761;Yes)、演出制御用CPU120は、同期表示演出の終了制御を行う(ステップS762)。演出制御用CPU120は、例えば、図34のステップS712と同様、同期表示演出の画像の出力終了指令を表示制御部123へ送出する。表示制御部123は、出力終了指令に応じて、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dにおける1の画像の表示終了の制御を行う。このとき、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を消灯させるための電飾信号をランプ制御基板14に出力し、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dの電飾を終了させる。また、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの位置を初期状態の位置に戻すための駆動制御信号を生成し、サブ画像表示装置5a〜5dへ出力する。サブ画像表示装置5a〜5dに搭載されたモータ駆動回路は、この駆動制御信号に応じて、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータを駆動し、サブ画像表示装置5a〜5dを初期状態の位置に移動させる。
次に、演出制御用CPU120は、同期表示演出実行中フラグをオフに設定する(ステップS763)。
図42〜図45は、可変表示演出処理内の同期表示演出処理における画像表示の一例を示す図である。同期演出表示処理において、サブ画像表示装置5a〜5dは移動および回転し、図42に示す状態から図44に示す状態を経て、図45に示すようにメイン画像表示装置5の全体に重畳された状態となる。図45に示す態様では、上述した図12に示すように、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のN極は、接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dの磁石のS極と対向し、1のサブ画像表示装置5a〜5dと接触する他のサブ画像表示装置5a〜5dとの接触状態が維持される。
図42に示すように、1の画像のうち、メイン画像表示装置5に表示すべきメイン画像表示装置対象画像551がメイン画像表示装置5に表示され、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551aがサブ画像表示装置5aに表示され、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551bがサブ画像表示装置5bに表示され、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551cがサブ画像表示装置5cに表示され、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dがサブ画像表示装置5dに表示される。これにより、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dには、互いに関連する演出画像として、メイン画像表示装置対象画像551とサブ画像表示装置対象画像551a〜551dとが互いに連続する1の画像が表示される。
図42に示すように、1の画像は、「カニ」を模したキャラクタ画像(以下、「カニ画像」という)と「柿」および「栗」を模したオブジェクト画像(以下、それぞれ、「柿画像」、「栗画像」という)で構成され、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに分割して表示される。メイン画像表示装置5には、メイン画像表示装置対象画像551として、おもに、カニ画像の本体部分が表示される。また、サブ画像表示装置5aには、サブ画像表示装置対象画像551aとして、おもに、カニ画像の右爪部分が表示される。サブ画像表示装置5bには、サブ画像表示装置対象画像551bとして、おもに、カニ画像の左爪部分が表示される。サブ画像表示装置5cには、サブ画像表示装置対象画像551cとして、おもに、柿画像が表示される。サブ画像表示装置5dには、サブ画像表示装置対象画像551dとして、おもに、栗画像が表示される。
ここで、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが、互いに関連する演出画像として、互いに連続する演出画像を表示する場合とは、例えば、図42に示すように、メイン画像表示装置5に表示された線が、メイン画像表示装置5の縁部と隣接するサブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dを介して、サブ画像表示装置5a〜5dにつながった線として表示されることを示す。また、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが、互いに連続する演出画像を表示する場合には、それぞれ、同色または同系色の画像を表示することなども含まれる。
すなわち、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが、互いに関連する演出画像として、互いに連続する演出画像を表示する場合とは、1つの画像データとして記憶された画像のうち、その一部をメイン画像表示装置5に、その他の部分を分割してサブ画像表示装置5a〜5dにそれぞれ表示することを示す。
このとき、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dのうち、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551に干渉する部分、すなわち、メイン画像表示装置対象画像551と各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとの視覚的な連続性を隔てる部分(縁部の一部)に配置されたLEDは消灯される。一方、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551に干渉する部分以外に配置されたLED90は点灯される。ここで、縁部55a〜55dのうち、斜線が施された部分は、LEDを点灯状態であることを示し、斜線が施されていない部分は、LEDを消灯状態であることを示す。
ここで、より具体的に、LED90の点灯/消灯の態様について説明する。図43は、図42においてメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5bとの隣接部分bbbのLED90の点灯/消灯の態様を示している。図43に示すように、LED90d5〜90d9、90r7は、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551とサブ画像表示装置5bが表示するサブ画像表示装置対象画像551bとの視覚的な連続性を隔てる部分(縁部の一部)に配置されているため、消灯状態である。一方、LED90d4、90r4〜90r6は、メイン画像表示装置対象画像551とサブ画像表示装置対象画像551bとの視覚的な連続性を隔てる部分に配置されていないため、点灯状態である。このように、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置55a〜55dとが表示する画像の視覚的な連続性を隔てる部分に配置されたLEDを消灯させることにより、その部分を目立たないようにして視認性の低下を防止することができる。なお、サブ画像表示装置5a〜5dに表示されるサブ画像表示装置対象画像551a〜551dが不自然に途切れて見えてしまうことを防止するため、サブ画像表示装置対象画像551a〜551dに応じて、メイン画像表示装置対象画像551と視覚的な連続性を隔てる部分以外に配置されているLED90を消灯させてもよい。例えば、図43に示すサブ画像表示装置5bに表示されるサブ画像表示装置対象画像551bのカニ画像の左爪部分の画像がLED90r5、90r6を点灯させることにより不自然に途切れて見えてしまわないように、これらを消灯させてもよい。
図44に示すように、その後、サブ画像表示装置5a〜5dは、移動および回転することにより、メイン画像表示装置5の一部に重畳した状態となる。このとき、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551a、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551b、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551c、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dが変化する。なお、メイン画像表示装置5の表示領域のうちサブ画像表示装置5a〜5dが重畳して外観上は隠れて見えない部分にも、サブ画像表示装置5a〜5dの各々に表示されるサブ画像表示装置対象画像551a〜551dと同じ画像を表示させてもよい。
また、サブ画像表示装置5a〜5dの移動および回転に伴って、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯および消灯の態様が変化する。サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dのうち、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551に干渉する部分、すなわち、メイン画像表示装置対象画像551と各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとの視覚的な連続性を隔てる部分(縁部の一部)に配置されたLEDは消灯される。一方、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551に干渉する部分以外に配置されたLED90は点灯される。
サブ画像表示装置5a〜5dが、さらに移動および回転することにより、図45に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dは、メイン画像表示装置5の全体に重畳した状態、すなわち、互いに隣接した状態となる。この場合、メイン画像表示装置5に表示されるメイン画像表示装置対象画像551の全体が、サブ画像表示装置5aに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551a、サブ画像表示装置5bに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551b、サブ画像表示装置5cに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551c、サブ画像表示装置5dに表示すべきサブ画像表示装置対象画像551dに対応付けられて表示される。
また、サブ画像表示装置5a〜5dが隣接した状態である場合、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dのうち、他のサブ画像表示装置5a〜5dと対向しない部分に配置されたLED90は点灯され、他のサブ画像表示装置5a〜5dと対向する部分に配置されたLED90は消灯される。
以上説明したように、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、図25のコマンド解析処理のフローチャートに示すように、所定の演出制御コマンドを受信したときに、サブ画像表示装置5a〜5dの各液晶パネル401a〜401dの表示状態を初期化するための表示初期化コマンドを分割して表示ドライバ402a〜402dにシリアル送信する。これにより、演出表示の不具合の発生を抑制することができる。また、表示初期化コマンドを分割送信することにより、処理負担が分散され、表示初期化コマンドの送信によって他の処理が実行できなくなってしまうことを抑制することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、図25および図31に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103から受信した所定の演出制御コマンドに基づいて、それぞれに対応する設定や処理を実行する。これにより、表示初期化コマンドの送信タイミングをメイン基板側からのコマンドの受信を契機とすることにより、パチンコ遊技機1全体を統制することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、図25のコマンド解析処理のフローチャートに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU130から受信した図柄確定指定コマンドやラウンド開放後コマンドなどに基づいて、演出制御用CPU120は、表示ドライバ402a〜402dに対して表示初期化コマンドを分割送信する。これにより、メイン基板側の制御に応じたタイミングでサブ画像表示装置5a〜5dの初期化を実行することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、少なくとも、メイン画像表示装置5の図柄表示エリア5L、5C、5Rに可変表示結果が導出表示された後、または、大当り制御状態において特別可変入賞球装置7により大入賞口が開状態に制御されるラウンド遊技の一が実行された後に、表示制御手段に表示初期化コマンドを分割送信する。これにより、表示初期化コマンドの送信により他の処理が実行できなくなってしまうことを抑制することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、図25のコマンド解析処理のフローチャートに示すように、デモンストレーションムービーを表示中に暗転表示が実行された場合には、サブ画像表示装置5a〜5dをハードウエアリセットし、各液晶制御基板400a〜400dに対してリセット信号を送信した後、VDP362にディスプレイオンコマンドを送信させる。これにより、遊技者に違和感を与えることなく、サブ画像表示装置5a〜5dの各液晶パネル401a〜401dの表示状態の初期化を実行することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、サブ画像表示装置5a〜5dに搭載された液晶制御基板400a〜400dは、信号分離基板220から取得したデータ信号に従ってサブ画像表示装置5a〜5dの表示画像を制御する。また、信号分離基板220と液晶制御基板400a〜400dとは、信号線610、612、614による線構造のハーネス600により接続されている。さらに、液晶制御基板400a〜400d内の信号線には、ノイズ抑制用のバリスタ460、コンデンサ462、双方向ツェナーダイオード464、466、フェライトビーズ468、470、コンデンサ472、双方向ツェナーダイオード474が接続されている。これにより、サブ画像表示装置5a〜5dのノイズ対策を強化することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、図25のコマンド解析処理のフローチャートに示すように、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドとして客待ちデモコマンドを受信した場合に、デモンストレーション画面表示中に暗転表示が実行されたときに、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜2dにリセット信号を出力する。これにより、表示ドライバ402a〜402dは、適切に表示駆動を実行することができ、演出表示の不具合の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出画像の表示手段として、メイン画像表示装置5およびサブ画像表示装置5a〜5dを具備する。また、第1ステッピングモータおよび第2ステッピングモータを駆動することにより、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させる。これにより、2種類の表示手段を用いた演出が可能となり、演出効果を高めることができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御コマンドとして客待ちデモコマンドを受信した場合に、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dにリセット信号を出力して各液晶パネル401a〜401dの表示設定を初期化する。これによれば、遊技の進行に支障なく液晶パネル(表示パネル)の表示状態を初期化することができる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120は、各表示ドライバ402,402a〜402dに対してクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によってディスプレイオンコマンドを送信する。そして、演出制御用CPU120は、ディスプレイオンコマンド送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低い非送信時の周波数まで下げる。
このようにすることで、演出制御用CPU120が各表示ドライバ402,402a〜402dに対してクロック周波数が特定周波数よりも低い周波数(例えば、非送信時の周波数)となるシリアル通信によってディスプレイオンコマンドを送信するパチンコ遊技機よりも液晶パネルのバックライト(LED)をディスプレイオン状態に制御するまでに要する時間が低減する。具体的には、特定周波数を795kHzとしたときには、特定周波数よりも低い500kHzでディスプレイオンコマンドを送信したときにディスプレイオン状態にする制御時間が約6.5秒であったのに対して、特定周波数(795kHz)でディスプレイオンコマンドを送信したときにはディスプレイオン状態にする制御時間が約1.5秒となり、約5秒間の時間短縮となる。
また、このようにすることで、ディスプレイオンコマンドを送信した後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低くしないパチンコ遊技機よりも無線端末等の他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減し、他の機器においてノイズが出力されることが低減する。この結果、制御に要する時間を低減しつつ他の機器が受信する電波の発生が低減する。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120は、特定条件としての電源投入時やデモ切り替え開始時に、シリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定する。特に、演出制御用CPU120は、デモ切り替え開始前のリセット信号送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更している。
このようにすることで、デモ切り替え開始前までの遊技中のようなシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定する必要がないときには特定周波数に設定しないので、デモ切り替え開始前にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定するパチンコ遊技機よりも他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減する。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120は、デモ切り替え開始前のリセット信号送信後にシリアル通信のクロック周波数を非送信時の周波数から特定周波数に変更したときには、特定周波数への変更を行ってから所定時間として1秒間が経過した後にディスプレイオンコマンドの送信を開始する。
このようにすることで、シリアル通信の際のクロック信号が安定するので、特定周波数への変更を行ってから1秒間が経過した後にディスプレイオンコマンドの送信を開始しないパチンコ遊技機よりもディスプレイオンコマンドを送信する精度が向上する。
なお、本実施形態では、特定周波数に変更して1秒間が経過した後にディスプレイオンコマンドの送信を開始したが、例えば、特定周波数に変更したときにシリアル通信フラグをオフの状態に設定し、シリアル通信フラグがオンの状態に変更されてからディスプレイオンコマンドの送信を開始するようにしてもよい。この場合、ディスプレイオンコマンド送信処理と並行してシリアル通信フラグがオフに設定されたときにタイマに1秒間をセットして1秒経過後にシリアル通信フラグをオンに戻す設定を行う処理を別途設ける必要がある。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120は、ディスプレイオンコマンド送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数から非送信時の周波数に変更したときには、非送信時の周波数への変更を行ってから1秒間が経過するまでシリアル通信を規制している。
このようにすることで、シリアル通信の際のクロック信号が安定するので、非送信時の周波数への変更を行ってから1秒間が経過した後にシリアル通信を再開しないパチンコ遊技機よりもシリアル通信の精度が向上する。
なお、本実施形態では、図29に示すディスプレイオンコマンド送信処理においてシリアル通信フラグのオンオフを制御したが、例えば、シリアル通信フラグがオフに設定して処理を終了してもよい。この場合、ディスプレイオンコマンド送信処理と並行してシリアル通信フラグがオフに設定されたときにタイマに1秒間をセットして1秒経過後にシリアル通信フラグをオンに戻す設定を行う処理を別途設ける必要がある。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御基板12には、可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16や第1のステッピングモータと第2のステッピングモータとを駆動するためのモータ駆動回路がシリアル通信線によって接続されている。そして、演出制御用CPU120は、各モータ駆動回路に対して電源投入時やデモ切り替え開始時とは異なる遊技中に駆動制御指令を特定周波数よりも低い周波数(非送信時の周波数)によって送信する。
このようにすることで、各モータ駆動回路に対してクロック周波数が特定周波数よりも低い周波数となるシリアル通信によって駆動制御指令を送信しないパチンコ遊技機よりも各モータ駆動回路に対して過剰な通信速度で駆動制御指令が送信されることが低減する。また、各表示ドライバ402,402a〜402dに対してディスプレイオンコマンドが送信される時期とは異なる時期に各モータ駆動回路に対して駆動制御指令が送信されるので、各モータ駆動回路に対してクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によって駆動制御指令を送信することを防止することができる。また、各モータ駆動回路に対してもクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によってデータを送信するパチンコ遊技機よりも他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減する。
特に、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、各画像表示装置5,5a〜5dは、液晶パネル401,401a〜401dと表示ドライバ402,402a〜402dとを備えている。また、演出制御用CPU120は、VDP362を備えた表示制御部123を介してディスプレイオンコマンドを表示ドライバ402,402a〜402dにシリアル通信によって送信する。そして、表示ドライバ402,402a〜402dはディスプレイオンコマンドが入力されたときに液晶パネル401,401a〜401dをディスプレイオン状態にする。
このようにすることで、実際に演出を表示するときには液晶パネル401,401a〜401dがディスプレイオン状態になり、好適に演出を表示できる。
また、上記実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120は、VDP362を備えた表示制御部123を介してディスプレイオンコマンドをシリアル通信によって送信してから遊技中の次のデモ切り替え開始時にディスプレイオンコマンドを再度送信する。
このようにすることで、ディスプレイオンコマンドを送信してから液晶パネル401,401a〜401dの状態が変化してもディスプレイオンコマンドが再度送信されるので、次のデモ切り替え開始時には表示パネルを再度ディスプレイオン状態にすることができる。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
上記実施形態では、演出制御基板12の表示制御部123と各画像表示装置5,5a〜5dの液晶制御基板400,400a〜400dとがシリアル信号線(信号線群128、129a〜129d等)によって接続(サブ画像表示装置5a〜5dについては信号分離基板200を挟んでシリアル信号線によって接続)されているが、シリアル信号線によって接続されているのは表示制御部123と液晶制御基板400,400a〜400dとに限定されず、例えば、演出制御用CPU120を備える演出制御部126と液晶制御基板400,400a〜400dとがシリアル信号線によって接続されていてもよい。このようにすることで、表示制御部123を省略できる。なお、この場合、演出制御用CPU120側にCPU汎用シリアル出力端子を設けてシリアル信号線で演出制御用CPU120と液晶制御基板400,400a〜400dとを直接接続してもよい。また、この場合、演出制御部126にシリアル出力端子を備えたシリアル変換ICを設けて演出制御用CPU120と液晶制御基板400,400a〜400dとをシリアル変換ICを介して間接的に接続してもよい。
上記実施形態では、表示ドライバ402,402a〜402dに対してディスプレイオンコマンドを送信するときにシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更したが、シリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更するタイミングはこれに限定されず、例えば、表示ドライバ402,402a〜402dに対してディスプレイオフコマンドを送信するときに特定周波数に変更してもよい。
上記実施形態では、シリアル通信時のクロック周波数を特定周波数に変更する受信手段の一例として、表示ドライバ402,402a〜402dを備えた各画像表示装置5,5a〜5dを例示したが、これに限定されず、演出制御用CPU120がシリアル通信によって制御可能な他の受信手段であってもよい。例えば、上述のステッピングモータ、その他の役モノの可動部材、演出用の各ボタン、パチンコ遊技機1とシリアル通信可能な外部通信機器等であってもよい。この場合、例えば、演出用の各ボタンについては、ユーザにボタンを操作するように促す演出を実行した後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更してもよい。
上記実施形態では、シリアル通信時のクロック周波数を特定周波数に変更する受信手段の一例として、表示ドライバ402,402a〜402dを備えた各画像表示装置5,5a〜5dを例示したが、これに限定されず、演出制御用CPU120がシリアル通信によって制御可能な他の受信手段であってもよい。例えば、上述のステッピングモータ、複数のLED90(90u1〜90u9、90d1〜90d9、90l1〜90l7、90r1〜90r7)、その他の役モノの可動部材、演出用の各ボタン、パチンコ遊技機1とシリアル通信可能な外部通信機器等であってもよい。この場合、例えば、演出用の各ボタンについては、ユーザにボタンを操作するように促す演出を実行した後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更してもよい。
上記実施形態では、特定条件として、電源投入時やデモ切り替え開始時を例示したが、例えば、電源投入時にのみディスプレイオン状態に初期化する機種であれば、特定条件を電源投入時のみとしてもよい。この場合、電源投入時にのみ特定周波数でディスプレイオンコマンドをシリアル通信によって送信して、クロック周波数を下げた後のシリアル通信については特定周波紙よりも低い周波数(非送信時の周波数等)で各命令を送信することになる。
上記実施形態では、特定条件として電源投入時やデモ切り替え開始時を例示したが、特定条件についてはこれに限定されず、例えば、特定の演出(大当たり状態や小当たり状態の演出、リーチ演出、デモ演出等)の開始時や終了時等の所謂キリの良いタイミングであってもよい。この場合、本実施形態のように、リセット信号を送信してからディスプレインオンコマンドを送信する場合、すなわち、暗転表示実行後にディスプレイオン状態にして演出を開始する場合には、暗転表示からの切り替えが違和感のない演出となるように予め設計することが好ましい。
上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を初期化するための表示初期化コマンドを送信する所定のタイミングとして、図柄確定指定コマンドまたは大入賞口開放後コマンドを受信したときなどを例に説明した。しかし、表示初期化コマンドを送信するタイミングは、演出表示などの異常の有無に関係なく、各液晶制御基板400a〜400dおよび各表示ドライバ402a〜402dの処理負担が軽いタイミングであればよく、例えば、大当り終了処理後などの演出表示が切り替わるときであってもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dに加えてメイン画像表示装置5に対しても表示初期化コマンドを送信して初期化するようにしてもよい。その際、演出制御用CPU120は、表示初期化コマンドを一括して送信してもよいし、個別に送信してもよい。さらに、演出制御コマンド受信などの事象発生を契機とせず、定期的(例えば、30分毎など)に表示初期化コマンドを送信してメイン画像表示装置5などの表示状態を初期化してもよい。
上記実施形態では、図5を参照して演出制御基板12、信号分離基板220およびサブ画像表示装置5a〜5dの接続状態について説明したが、接続状態はこれに限定されない。例えば、信号分離基板220を介さずに、演出制御基板12とサブ画像表示装置5a〜5dとをそれぞれ接続するための信号線を設けて個別に各サブ画像表示装置5a〜5dに制御信号などを伝送してもよい。また、演出制御基板12とメイン画像表示装置5とを接続する信号線を設け、メイン画像表示装置5に制御信号などを直接的に伝送するための伝送路として用いてもよい。
上記実施形態では、リセット信号の送信後ディスプレイオンコマンドを送信する際に、演出制御用CPU120は、VDP362に対してディスプレイオンコマンドを送信することを指示する送信指令を出力し、この送信指令を入力したVDP362がディスプレイオンコマンドを生成してサブ画像表示装置5a〜5dに送信した。しかし、このような演出制御用CPU120とVDP362との送信指令の送受信を省略して、例えば、演出制御用CPU120からリセット信号が送信されたことに伴って、VDP362が所定のタイミングでディスプレイオンコマンドを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dに送信するようにしてもよい。また、演出制御用CPU120が、リセット信号送信後、ディスプレイオンコマンドを生成し、サブ画像表示装置5a〜5dに送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dに対して表示を許可する情報としてディスプレイオンコマンドを送信した。しかし、例えば、演出制御基板12、信号分離基板220およびサブ画像表示装置5a〜5d間に、サブ画像表示装置5a〜5dの各表示ドライバ402a〜402dに対して表示を許可するディスプレイオン信号を伝送するための専用線を設け、演出制御基板12の演出制御用CPU120またはVDP362から表示ドライバ402a〜402dにディスプレイオン信号を送信してもよい。
上記実施形態では、演出制御用CPU120から分割送信された表示初期化コマンドは、信号分離基板220を介してサブ画像表示装置5a〜5dに一括して送信され、サブ画像表示装置5a〜5dは一括して初期化される。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれに対して個別に表示初期化コマンドを分割送信して初期化するようにしてもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dだけでなくメイン画像表示装置5を含めて個別または一括して表示初期化コマンドを送信して初期化するようにしてもよい。
上記実施形態では、演出制御用CPU120から出力されたリセット信号は、信号分離基板220を介してサブ画像表示装置5a〜5dに一括して伝送され、サブ画像表示装置5a〜5dは一括して初期化される。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dのそれぞれに対して個別にリセット信号を送信して初期化するようにしてもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dだけでなくメイン画像表示装置5を含めて個別または一括してリセット信号を送信して初期化するようにしてもよい。これに伴い、ディスプレイオンコマンドは、リセット信号が一括して送信される場合には、リセット信号が送信された画像表示装置に対して一括して送信され、リセット信号が個別に送信される場合には、リセット信号が送信された画像表示装置に対して個別に送信されるようにすればよい。
上記実施形態では、演出制御用CPU120がサブ画像表示装置5a〜5dをハードウエアリセットするためのリセット信号を送信する所定のタイミングとして、遊技制御用マイクロコンピュータ100から客待ちデモ指定コマンドを受信したときを例に説明した。しかし、リセット信号を送信するタイミングはこれに限らず、例えば、演出制御用CPU120は、消費電力モードが省エネルギーモードに設定されたことを契機にリセット信号を送信するようにしてもよい。遊技場の管理者のスイッチ操作などにより、消費電力モードは、消費電力を抑えない通常モードと、通常モードと比較して消費電力を抑えた節電状態となる省エネルギーモードとに切替設定することができる。通常モードに設定されている場合、演出制御用CPU120は、例えば、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの演出装置を通常通りの消費電力で制御して、各種演出を実行する。これに対し、省エネルギーモードに設定されている場合、演出制御用CPU120は、スピーカ8L、8Rからの出力音の音量を下げたり消音したりすることで消費電力を抑え、遊技効果ランプ9を構成するLEDの一部または全部を消灯することで消費電力を抑えて制御して、簡素化した演出を実行する。なお、消費電力モードが通常モードと省エネルギーモードのいずれに設定されているかは、演出制御基板12に搭載されたRAM122に記憶されていればよい。
なお、遊技場の管理者のスイッチ操作などにより、消費電力モードが通常モードから省エネルギーモードに切替設定された場合、演出制御用CPU120は、客待ちデモコマンド受信フラグがセットされていないことを条件に、図25のコマンド解析処理のフローチャート内のステップS614〜S615の処理を実行して、サブ画像表示装置5a〜5dを初期化させる。また、消費電力モードが省エネルギーモードに設定されてから通常モードに切替設定されるまでの期間、所定時間(例えば、30分)ごとに上述のステップS614〜S615の処理を実行して、サブ画像表示装置5a〜5dを初期化させるようにしてもよい。
上記実施形態では、図25のコマンド解析処理のフローチャートに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した演出制御コマンドの種別に応じて、演出制御用CPU120は、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を初期化させるために、表示ドライバ402a〜402dに対して表示初期化コマンドまたはリセット信号を送信した。しかし、VDP362が表示初期化コマンドまたはリセット信号を送信するようにしてもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dの表示状態を初期化する手段として、演出制御用CPU120またはDVP362が、表示初期化コマンドまたはリセット信号のうちのいずれか一方のみを送信できるようにしてもよい。
上記実施形態では、メッセージ演出、サブ画像演出、同期表示演出のそれぞれの実行中に、サブ画像表示装置5a〜5dを移動および回転させて、その位置態様を変化させた。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dを移動および回転させる時期は、これらの予告演出の実行中に限られず、例えば、リーチ演出開始時、大当り遊技開始時、デモ実行時など、様々なタイミングでサブ画像表示装置5a〜5dの移動および回転を開始し、これらの演出などの実行期間にサブ画像表示装置5a〜5dの位置態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を、メッセージ演出およびサブ画像演出の実行中にはすべて点灯させた。一方、同期表示演出の実行中には、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dのうち、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551と各サブ画像表示装置5a〜5dが表示する各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとの視覚的な連続性を隔てる部分に配置されたLED90を消灯させ、その他の部分に配置されたLED90を点灯させた。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯/消灯の制御は、これに限らず、例えば、メッセージ演出やサブ画像演出の実行中に、演出効果を高めるためにLED90の一部または全部を消灯させてもよい。また、上記実施形態では、同期表示演出の実行中において、LED90の点灯/消灯の制御をすべてのサブ画像表示装置5a〜5dで一律に行ったが、サブ画像表示装置5a〜5dごとに別個にLED90の点灯/消灯を制御するようにしてもよい。また、LED90の制御は、点灯/消灯に限らず、例えば、高輝度あるいは低輝度で点灯させたり、メイン画像表示装置対象画像551と各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dに対して目立つ色あるいは目立たない色で点灯させたり、点滅させるなどして、LED90を制御してもよい。
また、上記実施形態では、同期表示演出の実行中にサブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を点灯/消灯させる場合、すべてのサブ画像表示装置5a〜5dにおいて同じタイミングで点灯/消灯させた。しかし、LED90の点灯/消灯のタイミングを、例えば、サブ画像表示装置5a、サブ画像表示装置5b、サブ画像表示装置5d、サブ画像表示装置5cの順に時計回りに時間間隔(例えば、1秒など)をおいて点灯/消灯させてもよい。このように、LED90の点灯/消灯のタイミングをサブ画像表示装置5a〜5dごとにずらすことにより、例えば、スーパーリーチ演出が実行される可能性を予告してもよい。
また、上記実施形態では、同期表示演出を実行する場合には、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dのうち、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551と各サブ画像表示装置5a〜5dが表示する各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとの視覚的な連続性を隔てる部分に配置されたLED90を消灯させた。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90を消灯させたものの、同期表示演出を実行しないなどの、いわゆるガセ演出を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図42および図43に示すように、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dの部分ごとに、その部分に配置されたLED90の点灯/消灯を制御した。しかし、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dの辺ごとに、その辺に配置された複数のLED90の点灯/消灯を制御してもよい。例えば、図43に示すサブ画像表示装置5bの縁部55bの下辺(図43において、LED90d4〜90d9が配置された辺)および右辺(図43において、90r4〜90r7が配置された辺)にそれぞれ配置されたLED90d1〜90d9およびLED90r1〜90r7を消灯させ、上辺および左辺に配置されたLED90u1〜90u9およびLED90l1〜90l7を点灯させるようにしてもよい。このようにすれば、サブ画像表示装置5a〜5dが移動および回転中に、点灯/消灯されるLED90が随時変化することによるわずらわしさを抑制することができる。また、メイン画像表示装置5が表示するメイン画像表示装置対象画像551とサブ画像表示装置5a〜5dが表示する各サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとが不自然に途切れて見えてしまうことを防止することができる。
また、上記実施形態では、図38に示すように、サブ画像演出において、サブ画像表示装置5dに保留記憶画像を表示させる例を説明した。しかし、例えば、保留記憶数の上限値(例えば、「4」)をサブ画像表示装置5a〜5dの台数と同じ値に設定することにより、保留記憶の各々を各サブ画像表示装置5a〜5dに表示させ、飾り図柄の可変表示が実行されるより前に大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を行うようにしてもよい。この場合、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dにRGBフルカラーLEDなどを配置して、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dの発光色を変化させるなどして、保留予告を行ってもよい。同様に、サブ画像表示装置5a〜5dに表示させる演出画像や縁部55a〜55dの発光色を変化させることによって、例えば、リーチ演出、大当り遊技状態に係る画像の表示などを行ってもよい。
また、上記実施形態では、表示画像のノイズ抑制の対策として、信号分離基板220とサブ画像表示装置5a〜5dに搭載された液晶制御基板400a〜400dとを、信号線610、612、614による線構造のハーネス600により接続し、液晶制御基板400a〜400d内の信号線には、ノイズ抑制用のバリスタ460、コンデンサ462、双方向ツェナーダイオード464、466、フェライトビーズ468、470、コンデンサ472、双方向ツェナーダイオード474を接続した。しかし、表示画像のノイズ抑制の対策は、これに限らず、例えば、演出制御基板12と信号分離基板220とを接続する信号線の一部を、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズに通すようにしてもよい。また、信号分離基板220と液晶制御基板400a〜400dとを接続する信号線の一部を、ノイズ抑制用の筒状のフェライトビーズに通すようにしてもよい。
また、上記実施形態では、同期表示演出を実行する際、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが互いに関連する演出画像を表示する例として、図42、図44、図45に示すように、1の画像がメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに分割して連続する演出画像を表示したり、1の画像がメインサブ画像表示装置5a〜5dにより分割して連続する演出画像を表示したりする場合について説明した。しかし、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが互いに関連する演出画像を表示する場合は、これに限られない。例えば、メイン画像表示装置5に表示させるメイン画像表示装置対象画像551と共に一連のストーリーを構成する画像や、メイン画像表示装置対象画像551から連想される画像などを、サブ画像表示装置対象画像551a〜551dとしてサブ画像表示装置5a〜5dに表示してもよい。また、所定の演出処理の実行中に表示される画像をメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに表示してもよい。具体的には、リーチ演出実行中に表示されるバトル演出に登場するキャラクタAとキャラクタBのキャラクタ画像をメイン画像表示装置5に表示し、両キャラクタがバトルに至るまでの経緯などをサブ画像表示装置5a〜5dに展開的に表示するようにしてもよい。また、リーチ演出実行中に限らず、遊技状態が大当り遊技状態、確変状態などのときに、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとにキャラクタAとキャラクタBに関連する画像を表示するようにしてもよい。また、例えば、キャラクタAから連想される画像として、キャラクタAの異なる表情や動作を表す画像などをメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとにそれぞれ表示するようにしてもよい。
また、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが互いに関連する演出画像を表示する場合として、メイン画像表示装置5に表示する画像を補助する画像をサブ画像表示装置5a〜5dに表示するようにしてもよい。例えば、メイン画像表示装置5に表示するキャラクタ画像のキャラクタに関する説明を、サブ画像表示装置5a〜5dに表示するなどしてもよい。また、メイン画像表示装置5に表示するバトル演出のバトル状況(ライフメータなど)を示す画像をサブ画像表示装置5a〜5dに表示してもよい。
また、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが互いに関連する演出画像を表示する場合には、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに同一の画像を表示させる場合、メイン画像表示装置5に表示させる画像と関連する、同一または異なる画像をサブ画像表示装置5a〜5dに表示させる場合などを含むようにしてもよい。この場合、メイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとに表示させる演出画像の関連性などを示唆するために、注目させたいサブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90の点灯/消灯や発光色の態様を適宜変化させるなどしてもよい。また、同期表示演出を実行中に、サブ画像表示装置5a〜5dの縁部55a〜55dに配置されたLED90をすべて点灯させる、あるいは、すべて消灯させるといった制御を行ってもよい。
また、上記実施形態では、図36などに示すように、サブ画像表示装置5a〜5dが同一形状であるものとして説明したが、それぞれが異なる形状であってもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dの台数や配置位置も図36などに示す例に限定されず、例えば、2台のサブ画像表示装置5a、5bがメイン画像表示装置5の上下、左右、対角に配置してもよい。また、サブ画像表示装置5aのみを1台配置したり、あるいは、サブ画像表示装置を1台も配置しないようにしたりしてもよい。さらに、サブ画像表示装置5a〜5dは、メイン画像表示装置5に重畳することなく、メイン画像表示装置5の近傍に配置してもよい。また、サブ画像表示装置5a〜5dは、移動または回転することなく所定位置に固定配置されるように設計してもよい。
また、上記実施形態では、可変表示中演出処理内において、メッセージ演出処理や同期表示演出処理が実行されたが、メッセージ演出処理や同期表示演出処理の実行タイミングはこれに限定されず、図32のステップS170〜ステップS176の各処理のいずれにおいて実行されてもよい。また、メッセージ演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させてメイン表示装置5の隙間領域に画像を表示させるようにしてもよい。さらには、図32のステップS170〜ステップS176の各処理で実行されるメッセージ演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させてメイン表示装置5の隙間領域に画像を表示させるようにしてもよい。例えば、リーチ演出中以外の飾り図柄の変動中の演出や、変動中以外のデモ、大当り、小当りの演出等において、メッセージ演出処理を実行してもよい。同様に、図32のステップS170〜ステップS176の各処理で実行される同期表示演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dを移動させてメイン画像表示装置5とサブ画像表示装置5a〜5dとが連続性(関連性)のある画像を表示するようにしてもよい。例えば、リーチ演出中以外の飾り図柄の変動中の演出や、変動中以外のデモ、大当り、小当りの演出等において、同期表示演出処理を実行してもよい。
また、上記実施形態では、可変表示中演出処理内および大入賞口通常開放時処理において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理を実行したが、サブ画像演出処理の実行タイミングはこれに限定されず、図32のステップS170〜ステップS176の各処理のいずれにおいて実行してもよい。また、サブ画像演出処理以外の演出処理において、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図34や図41に示すように、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合には、必ず、メッセージ演出処理や同期表示演出処理を実行するようにしたが、他の変動パターンにおいてもメッセージ演出処理や同期表示演出処理を実行するようにしてもよい。また、例えば、メッセージ演出処理や同期表示演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でメッセージ演出処理や同期表示演出処理を実行しないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図37に示すように、可変表示中演出処理においては、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5である場合には、必ず、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理を実行するようにしたが、他の変動パターンにおいてもサブ画像演出処理を実行するようにしてもよい。また、例えば、サブ画像演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA2−3、PA2−5、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でサブ画像演出処理を実行しないようにしてもよい。同様に、上記実施形態では、図39に示すように、大入賞口通常開放時処理においては、変動パターンがPA3−2、PA3−3、PA3−5である場合には、サブ画像表示装置5a〜5dに、本来、メイン画像表示装置5に表示させるべき画像を表示させるサブ画像演出処理を実行するようにしたが、大入賞口通常開放時処理に対応するすべての変動パターンにおいてサブ画像演出処理を実行するようにしてもよい。また、例えば、サブ画像演出処理の実行可否を設定するための乱数等を用いて、変動パターンがPA3−1、PA3−2、PA3−3、PA3−5の場合であっても所定の確率でサブ画像演出処理を実行しないようにしてもよい。さらには、図39のステップS806を設けずに、変動パターンによってサブ画像演出処理の実行可否を判断する処理を行わないようにし、通常の大当りの場合に必ずサブ画像演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、サブ画像表示装置5a〜5dのすべてを移動させてメッセージ演出処理や同期表示演出処理を実行したが、サブ画像表示装置5a〜5dのいずれか1つまたは複数を移動させてメッセージ演出処理や同期表示演出処理を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図36(C)に示すように、メイン画像表示装置5の隙間領域のうち、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5cとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5bとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像が表示されたが、これに限定されず、適宜選択された1つまたは複数の隙間領域に選択指示メッセージ画像が表示されてもよい。例えば、図36(C)においては、サブ画像表示装置5aとサブ画像表示装置5bとの間である隙間領域から、サブ画像表示装置5cとサブ画像表示装置5dとの間である隙間領域にかけて、選択指示メッセージ画像が表示されてもよい。
また、メイン画像表示装置5の隙間領域に表示される画像は、上述した、選択指示メッセージ画像に限定されず、遊技者による選択操作が可能な残り時間の画像、選択肢そのものの画像等でもよい。
また、サブ画像表示装置5a〜5dに表示される、本来、メイン画像表示装置5に表示されるべき画像は、上述した、大当りモード画像、ラウンド数画像、出玉数画像、連チャン数画像、遊技モード画像、右打ち指示画像、第4図柄画像、保留記憶画像に限定されない。例えば、ストーリーを有する作品をモチーフとし、連チャン数に応じてストーリーが進行するような場合における、そのストーリーに対応する画像である、連チャン数に応じたストーリーの画像でもよい。また、連チャン中の全ての出玉数を示す画像、前回の大当りから何回飾り図柄が変動して今回の大当りになったかを示す画像、現在の大当りが確変の大当りであるか通常の大当りであるかを示す画像等でもよい。
また、上記実施形態においては、メイン画像表示装置やサブ画像表示装置5a〜dは、液晶パネルを内蔵する液晶表示装置であるが、例えば、7セグメントの表示装置、ドットマトリクスのLEDから構成される表示装置、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELにより構成される表示装置、透過液晶等を内蔵する透過式の表示装置などにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば、演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信するが、2つ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように、2つ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
この他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
[実施形態2]
上記実施形態では、遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射して、特別図柄や飾り図柄を可変表示するパチンコ遊技機に、ディスプレイオンコマンドを送信するときのシリアル通信のクロック周波数を特定周波数とし、ディスプレイオンコマンド送信後に特定周波数よりも低い非送信時の周波数まで下げる構成を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、スロットマシン等の他の遊技機にも、この発明の特徴となる構成や機能を適用することができる。
以下、本発明の構成を適用した実施形態2に係るスロットマシンについて説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施形態のスロットマシン1001は、図46に示すように、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bとから構成されている。前面扉1001bは、筐体1001aに対して回動することによって、筐体1001aの開口された前面側を開閉することができる。
本実施形態のスロットマシン1001の筐体1001aの内部には、図47に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール1002L、1002C、1002R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図46に示すように、これらリール1002L、1002C、1002Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
リール1002L、1002C、1002Rの外周部各々には、例えば、「黒7」、「網7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「白チェリー」、および「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で21個ずつ描かれている。リール1002L、1002C、1002Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓1003において各々上中下三段に表示される。
各リール1002L、1002C、1002Rは、各々対応して設けられリールモータ1032L、1032C、1032R(図49参照)によって回転させることで、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール1002L、1002C、1002Rの回転を停止させることで、透視窓1003に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール1002L、1002C、1002Rの内側には、リール1002L、1002C、1002Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ1033L、1033C、1033Rと、リール1002L、1002C、1002Rを背面から照射するリールLED1055とが設けられている。リールLED1055は、リール1002L、1002C、1002Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール1002L、1002C、1002Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器1051(図46参照)の表示領域1051aが配置されている。遊技者は、表示領域1051aの透視窓1003に対応する透過領域1051bおよび透視窓1003を介して各リール1002L、1002C、1002Rを視認できる。
前面扉1001bには、メダルを投入可能なメダル投入部1004、メダルが払い出されるメダル払出口1009、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ1005と、クレジットを用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ1006と、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ1010と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ1007と、リール1002L、1002C、1002Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ1008L、1008C、1008Rとが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施形態においては、1枚BETスイッチ1005と、ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rとが、前面扉1001bを構成する操作パネルの前面、つまり同一面上に設けられている。
前面扉1001bには、遊技中の演出態様の設定を行うための遊技者側設定スイッチ10070が設けられている。遊技者側設定スイッチ1070は、前面扉1001bの前面側(つまり、前面扉1001bの外側)に設けられているため、前面扉1001bが閉鎖されたときにはスロットマシン1001の前面側に位置することになる。このため、該スロットマシン1001で遊技する遊技者によって操作される等、外部からの操作が可能である。遊技者は、遊技者側設定スイッチ1070を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量を設定することができる。なお、遊技者側設定スイッチ1070は、内部にLEDを備えており、点灯および消灯により、操作を受け付けるか否かを報知することができる。例えば、遊技者側設定スイッチ1070を点灯させることで、遊技者側設定スイッチ1070は操作を受け付けることを報知する。また、例えば、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させることで、遊技者側設定スイッチ1070は操作を受け付けないことを報知する。
前面扉1001bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器1011と、BB中のメダルの獲得枚数やメダル投入部1004へ正規メダル以外の異物が投入される等のエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器1012とが設けられている。
前面扉1001bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED1014と、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED1015と、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED1016と、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED1017と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED1018と、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED1019と、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED1020とが設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ1006の内部には、1枚BETスイッチ1005およびMAXBETスイッチ1006の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられている。ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rの内部には、該当するストップスイッチ1008L、1008C、1008Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED1022L、1022C、1022Rがそれぞれ設けられている。
前面扉1001bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ1023と、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器1024とが設けられている。
前面扉1001bの内側には、メダル投入部1004から投入されたメダルの流路を、筐体1001a内部に設けられたホッパータンク1034a(図47参照)側またはメダル払出口1009側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド1030、メダル投入部1004から投入され、ホッパータンク1034a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ(流路切替ソレノイド1030よりもホッパータンク1034a側に配置)を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
前面扉1001bの内側には、遊技中の演出態様の基準となる設定を行うための店側設定スイッチ1060が設けられている。店員は、前面扉1001bを開放するための鍵を所有するため、前面扉1001bを開放することによって、店側設定スイッチ1060を外部から操作可能である。一方、遊技者等の店員以外の者は、前面扉1001bを開放することができないため、店側設定スイッチ1060を操作できない。つまり、店側設定スイッチ1060は、スロットマシン1001が設置される遊技店用の操作手段である。店員は、店側設定スイッチ1060を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量の基準となる設定をすることができる。
店側設定スイッチ1060は、図48に示すように、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを切り替えるスイッチである。店員は、ツマミ1061を回動操作することで、これらチャンネルを切り替えることができる。各チャンネル「0」〜「F」に対しては、演出における音量および光量の大きさが段階分けされている。チャンネル「0」〜「F」に対応する音量の段階を第1音量段階と称し、チャンネル「0」〜「F」に対応する光量の段階を第1光量段階とも称する。例えば、チャンネルが「0」であれば、最小の音量に設定される第1音量段階と最小の光量に設定される第1光量段階とに設定される。チャンネルが「F」であれば、最大の音量に設定される第1音量段階と最大の光量に設定される第1光量段階とに設定される。
なお、店側設定スイッチ1060の操作に基づき店員が設定する音量および光量の大きさに対する段階を第1音量段階および第1光量段階と称するのに対して、遊技者側設定スイッチ1070を操作することによって、遊技者が設定可能な音量および光量の大きさに対する段階を第2音量段階および第2光量段階とも称する。
筐体1001aの内部には、リール1002L、1002C、1002Rと、リールモータ1032L、1032C、1032Rと、各リール1002L、1002C、1002Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ1033L、1033C、1033R(図49参照)とからなるリールユニット1002が設けられている。筐体1001aの内部には、外部出力信号を出力するための外部出力基板2000と、メダル投入部1004から投入されたメダルを貯留するホッパータンク1034aと、ホッパータンク1034aに貯留されたメダルをメダル払出口1009より払い出すためのホッパーモータ1034bと、ホッパーモータ1034bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ1034cとからなるホッパーユニット1034が設けられている。
ホッパーユニット1034の側部には、ホッパータンク1034aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク1035が設けられている。オーバーフロータンク1035の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ1035aが設けられている。満タンセンサ1035aは、導電部材がオーバーフロータンク1035内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出する。
筐体1001aの内部には、電源ボックス1100が設けられている。電源ボックス1100の前面には、BB終了時やAT(アシストタイム)の終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ1036aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ1008L、1008C、1008Rの押し順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。AT制御の権利となるナビストックを保有していることを条件にATに制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定ゲーム数(本実施形態では1セット50ゲーム)にわたり制御される。このため、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示すことになり、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
さらに、電源ボックス1100の前面には、BB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ1036bと、電源投入時(起動時)に設定変更状態および設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ1037と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ1038と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ1039とが設けられている。
電源ボックス1100には、設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ1037と、リセット/設定スイッチ1038と、電源スイッチ1039とが搭載されている。
店員は、前面扉1001bを開放することによって、設定キースイッチ1037を外部から操作可能である。一方、遊技者等の店員以外の者は、前面扉1001bを開放することができないため、設定キースイッチ1037を操作できない。つまり、設定キースイッチ1037は、スロットマシン1001が設置される遊技店用の操作手段である。
電源ボックス1100が設けられた側面と対向する側面の上方位置には、前面扉1001bの開閉を検出するためのドア開放検出スイッチ1025が設けられている。ドア開放検出スイッチ1025は、前面扉1001bが筐体1001aの開口された前面側を閉鎖しているときにはON状態になる一方で、前面扉1001bが筐体1001aの開口された前面側を開放しているときにはOFF状態になる。
本実施形態のスロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、もしくはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ1005またはMAXBETスイッチ1006を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(例えば3)が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図46参照)が有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、つまり、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール1002L、1002C、1002Rの透視窓1003に表示された図柄の組合せが特定の図柄の組合せであるか否かを判定するために設定されるラインである。なお、本実施形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」とも称し、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生する等ともいう。例えば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するともいう。
本実施形態では、図46に示すように、各リール1002L、1002C、1002Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール1002L、1002C、1002Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール1002L、1002C、1002Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール1002Lの上段、リール1002Cの中段、リール1002Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール1002Lの下段、リール1002Cの中段、リール1002Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール1002L、1002C、1002Rが回転し、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを操作すると、対応するリール1002L、1002C、1002Rの回転が停止し、透視窓1003に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれにも小役を発生させる図柄の組合せが停止していないときには、当該停止時に1ゲームが終了する。一方、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれかに小役を発生させる図柄の組合せが停止しているときには、その小役の入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合にはメダル払出口9(図46参照)からメダルが排出)されて、1ゲームが終了する。
図49に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板1040と、演出制御基板1090と、電源基板1101とが設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板1101によってスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板1101には、ホッパーモータ1034bと、払出センサ1034cと、満タンセンサ1035aと、打止スイッチ1036aと、自動精算スイッチ1036bと、設定キースイッチ1037と、リセット/設定スイッチ1038と、電源スイッチ1039とが接続されている。
遊技制御基板1040には、1枚BETスイッチ1005と、MAXBETスイッチ1006と、スタートスイッチ1007と、ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rと、精算スイッチ1010と、リセットスイッチ1023と、ドア開放検出スイッチ1025と、リールセンサ1033L、1033C、1033Rとが接続されているとともに、電源基板1101を介して払出センサ1034cと、満タンセンサ1035aと、打止スイッチ1036aと、自動精算スイッチ1036bと、設定キースイッチ1037と、リセット/設定スイッチ1038とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板1040には、クレジット表示器1011と、遊技補助表示器1012と、ペイアウト表示器1013と、1〜3BETLED1014〜1016と、投入要求LED1017と、スタート有効LED1018と、ウェイト中LED1019と、リプレイ中LED1020と、BETスイッチ有効LED1021と、左、中、右停止有効LED1022L、1022C、1022Rと、設定値表示器1024と、流路切替ソレノイド1030と、リールモータ1032L、1032C、1032Rとが接続されているとともに、電源基板1101を介してホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載されたメイン制御部1041の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板1040には、遊技の制御を行うメイン制御部1041が搭載されている。メイン制御部1041は、メインCPU1041aと、ROM1041bと、RAM1041cと、I/Oポート1041dとを備えたマイクロコンピュータからなる。
遊技制御基板1040には、所定範囲(本実施形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路1042と、一定周波数のクロック信号を乱数回路1042に供給するパルス発振器1043と、遊技制御基板1040に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044と、リールモータ1032L、1032C、1032Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045と、流路切替ソレノイド1030の駆動制御を行うソレノイド駆動回路1046と、遊技制御基板1040に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路1047と、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部1041に対して出力する電断検出回路1048と、電源投入時またはメインCPU1041aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU1041aにリセット信号を与えるリセット回路1049と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込等の割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM1041bは、メインCPU1041aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM1041cは、メインCPU1041aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート1041dは、メイン制御部1041が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板1040から演出制御基板1090へは、例えば、ダイオードやトランジスタ等の単方向性回路等を用いて、一方向(遊技制御基板1040から演出制御基板1090への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板1040から演出制御基板1090へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板1090から遊技制御基板1040へ向けてコマンドが送信されることはない。
演出制御基板1090には、演出用スイッチ1056と、店側設定スイッチ1060と、遊技者側設定スイッチ1070とが接続されており、これらスイッチの検出信号が入力される。
演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された液晶表示器1051(図47参照)、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055、可動手段1901〜1903、および発光報知手段1951〜1953等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板190に搭載されたサブ制御部1091による制御に基づいて駆動される。
例えば、店側設定スイッチ1060のチャンネルが「0」に切り替えられたときには、サブ制御部1091は、「0」の第1音量段階に合わせて、最小の音量で音声を出力するようにスピーカ1053、1054を制御するとともに、「0」の第1光量段階に合わせて、最小の光量で光を出力するように液晶表示器1051や演出効果LED1052等を制御する。
演出制御基板1090には、演出の制御を行うサブ制御部1091と、演出制御基板1090に接続された液晶表示器1051の表示制御を行う表示制御回路1092と、演出効果LED1052およびリールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093と、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094と、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095と、演出制御基板1090に接続された演出用スイッチ1056から入力された検出信号を検出するスイッチ回路1096と、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098と、演出制御基板1090に接続された可動手段1901〜1903の駆動制御を行う可動手段駆動回路1099、その他の回路等が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
なお、本実施形態では、表示制御回路1092を含む演出制御基板1090と液晶表示器1051とはシリアル信号線(実施形態1の信号線群128、129a〜129dと同様のシリアル信号線)によって電気的に接続されており、いる。また、本実施形態では、可動手段駆動回路1099を含む演出制御基板1090と液晶表示器1051とはシリアル信号線によって電気的に接続されている。
サブ制御部1091は、サブCPU1091aと、ROM1091bと、RAM1091cと、I/Oポート1091dとを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部1091は、メイン制御部1041と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部1041からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部1041から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部1091は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部1091は、メイン制御部1041とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
なお、本実施形態では、いずれの設定値が設定されている場合でも、メイン制御部1041が行う内部抽選の当選確率は共通であり、設定値に応じてサブ制御部1091が行うナビストック抽選、上乗せ抽選の当選確率として異なる当選確率を用いることによりメダルの払出率が変わる構成であるが、メイン制御部1041が行う抽選の当選確率、サブ制御部1091が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であればよい。
設定値を変更するためには、まず、前面扉1001bが開放された状態で、設定キースイッチ1037をON状態としてからスロットマシン1001の電源をONする必要がある。設定キースイッチ1037をON状態として電源をONすると、設定値表示器1024にメイン制御部1041の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ1038の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ1038が操作されると、設定値表示器1024に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ1007が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ1037がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1001bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1001bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1001bの開放と設定キースイッチ1037をオン状態にする操作と電源スイッチ1039の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。なお、この場合、設定キースイッチ1037がオフ状態になるまで前面扉1001bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1001bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1001bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1001bを開放して設定キースイッチ1037をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ1037をON状態とすると、設定値表示器1024にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ1037をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1001bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1001bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1001bの開放と設定キースイッチ1037をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1001bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1001bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
[可動手段の動作確認]
次に、可動手段1901〜1903の動作確認について説明する。図50は、可動手段1901〜1903の動作を説明するための図である。可動手段1901〜1903は、演出時等に可動する部材である。可動手段1901は、初期位置1911と可動位置1921との間を移動する。初期位置1911は液晶表示器1051の表示領域には重畳しない位置である。また、可動位置1921は液晶表示器1051の表示領域に重畳する位置である。可動手段1902は、初期位置1912と可動位置1922との間を移動する。初期位置1912は液晶表示器1051の表示領域に重畳しない位置である。また、可動位置1922は液晶表示器1051の表示領域に重畳する位置である。可動手段1903は、初期位置1913と可動位置1923との間を移動する。初期位置1913および可動位置1923は液晶表示器1051の表示領域に重畳しない位置である。
本実施形態では、サブ制御部1091は確認動作制御手段として動作し、所定の条件時に可動手段1901〜1903の動作確認を行う。なお、所定の条件時とは、例えば、スロットマシン1001の電源投入時や、可動手段1901〜1903の動作エラーを検出したとき等、可動手段1901〜1903の動作や初期位置を確認したいとき等である。
具体的には、サブ制御部1091は、可動手段1901〜1903を可動位置1921〜1923まで移動させる(図50(A)〜図50(C))。なお、図示する例では、動作確認前に可動手段1901〜1903は初期位置1911〜1913に存在しているが(図50(A))、動作確認前に可動手段1901〜1903が初期位置1911〜1913に存在していない場合であっても、可動手段1901〜1903を可動位置1921〜1923まで移動させる(図50(C))。その後、サブ制御部1091は、可動手段1901〜1903を、可動位置1921〜1923から初期位置1911〜1913まで移動させる(図50(C)〜図50(E))。
このように可動手段1901〜1903の動作確認を行うことで、動作確認後には可動手段1901〜1903を初期位置1911〜1913に移動させることができる。また、例えば、動作確認における可動手段1901〜1903の動作を例えばセンサ(図示せず)で検出することで、可動手段1901〜1903が正常に動作するか否かを確認することができる。
なお、可動手段1901〜1903の動作確認では可動手段1901〜1903が実際に移動するため、動作確認の終了までに時間がかかる。そこで、本実施形態では、可動手段1901〜1903の動作確認と並行して、演出制御基板1090の初期設定を行う。演出制御基板1090の初期設定は、演出制御基板1090が動作を行うために必要な設定を行う処理である。例えば、サブ制御部1091は初期設定手段として動作し、サブCPU1091aが、ROM1091bに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、演出制御基板1090の初期設定を行う。演出制御基板1090の初期設定を行うことで、演出制御基板1090による各処理を実行することができる。例えば、液晶表示器1051に演出画像等を表示させたり、スピーカ1053,1054から音を出力させたり、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理を行ったりすることができる。
なお、本実施形態では、実施形態1と同様に、サブ制御部1091は、電源投入時やデモ切替開始時に、液晶表示器1051に対してクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によってディスプレイオンコマンドを送信し、ディスプレイオンコマンド送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低い非送信時の周波数まで下げる。
図50に示す例では、可動手段1901〜1903が初期位置1911〜1913から可動位置1921〜1923までに移動する間(図50(A)〜図50(B))に、演出制御基板1090の初期設定を行っている。また、演出制御基板1090の初期設定を完了することにより、例えば、液晶表示器1051に演出画像を表示させることができる(図50(C)〜図50(E))。
上述したとおり、確認動作実行期間に可動手段1901〜1903が移動中であっても、演出制御基板1090の初期設定期設定が完了した後には、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理をサブ制御部1091が行うことができる。しかしながら、確認動作実行期間において可動手段1901〜1903が動作しているときに、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われると煩わしい。そこで、本実施形態では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けないようにし、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。また、本実施形態では、遊技者側設定スイッチ1070は、点灯および消灯することができる。そこで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させ、遊技者側設定スイッチ1070が遊技者に操作されにくいようにすることで、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。
図51は、スロットマシン1の電源投入後における、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間および遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間とを示した図である。
図示する例では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までである。また、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間および遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までである。また、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間は、時刻t2以降の期間である。
図示するように、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までの期間よりも、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までの期間の方が長い。このように、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間と許可する期間とを制御することで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けないようにすることができる。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われることがなくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。また、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と点灯させる期間とを制御することで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作がされにくいようにすることができる。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
なお、時刻t1と時刻t2との関係は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までの期間よりも、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までの期間の方が長ければどのような関係であってもよい。すなわち、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間であればよい。また、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間であればよい。
図52は、例えば可動手段1901〜1903の動作に不具合があり、通常時よりも可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が長くなった場合における、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間および遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間とを示した図である。
通常時の可動手段1901〜1903の確認動作実行期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までである。しかしながら、図示する例では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間は、通常時よりも長くなり、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t3までである。
そこで、本実施形態では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が長くなった場合には、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間を可動手段1901〜1903の確認動作実行期間よりも長くする。図示する例では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t3までであり、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t4までである。また、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間は、時刻t4以降の期間である。
これにより、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が通常時よりも長くなった場合においても、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われることがなくなる。従って、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
また、本実施形態では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が長くなった場合には、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間を可動手段1901〜1903の確認動作実行期間よりも長くする。図示する例では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t3までであり、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t4までである。また、遊技者側設定スイッチ1070を点灯する期間は、時刻t4以降の期間である。
これにより、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が通常時よりも長くなった場合においても、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作がされにくいようにすることができる。従って、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
図示するように、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t3までの期間よりも、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t4までの期間の方が長い。このように、可動手段10901〜10903の確認動作実行期間の長さに応じて、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間と許可する期間とを制御することで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けないようにすることができる。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われることがなくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。また、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間の長さに応じて、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と点灯させる期間とを制御することで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作がされにくいようにすることができる。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
なお、時刻t3と時刻t4との関係は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までの期間よりも、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t4までの期間の方が長ければどのような関係であってもよい。すなわち、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間であればよい。また、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ70を消灯させる期間であればよい。
なお、上述した例では、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間において、可動手段1901〜1903を同時に動作させていたが、これに限らない。例えば、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間において、可動手段1901〜1903を個別に動かすようにしてもよい。具体例としては、初めに可動手段1901を可動位置1921まで動作させ、その後、可動手段1901を可動位置1921から初期位置1911まで動作させる。続いて、可動手段1902を可動位置1922まで動作させ、その後、可動手段1902を可動位置1922から初期位置1912まで動作させる。続いて、可動手段1903を可動位置1923まで動作させ、その後、可動手段1903を可動位置1923から初期位置1913まで動作させる。なお、可動手段1901〜1903の動作確認順は、どのような順番であってもよい。また、複数の可動手段1901〜1903の動作確認のタイミングが重なっていてもよい。例えば、可動手段1901の動作確認を行っている途中に、可動手段1902や可動手段1903の動作確認を開始してもよい。
また、可動手段1901〜1903の動作確認を個別に行う場合には、所定の可動手段1901〜1903の動作確認の完了後、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間としてもよい。例えば、可動手段1901〜1903のうち、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理と同時に動作するのが煩わしいのは可動手段1901のみである場合、可動手段1901の動作確認の完了後、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間としてもよい。
図53は、可動手段1901の動作確認の完了後、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間とする場合における、可動手段1901〜1903の確認動作実行期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間および遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間とを示した図である。
図示する例では、可動手段1901の確認動作実行期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までの期間である。また、可動手段1902の確認動作実行期間は、時刻t1から時刻t5までの期間である。また、可動手段1903の確認動作実行期間は、時刻t5から時刻t6までの期間である。
また、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間および遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までである。また、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可する期間および遊技者側設定スイッチ1070を点灯させる期間は、時刻t2以降の期間である。
図示するように、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までの期間よりも、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t2までの期間の方が長い。このように、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間と許可する期間とを制御することで、可動手段1901の確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作を受け付けないようにすることができる。これにより、可動手段1901の確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われることがなくなり、可動手段1901の確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。また、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間と点灯させる期間とを制御することで、可動手段1901の確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作がされにくいようにすることができる。これにより、可動手段1901の確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、可動手段1901の確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
なお、時刻t1と時刻t2との関係は、スロットマシン1001の電源投入後から時刻t1までの期間よりも、スロットマシン1の電源投入後から時刻t2までの期間の方が長ければどのような関係であってもよい。すなわち、可動手段1901の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する期間であればよい。また、可動手段1901の確認動作実行期間が終了するまで、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる期間であればよい。
[音量および光量の設定画面]
図54を参照しながら、音量および光量の設定画面について説明する。
図54に示すように、本実施形態においては、遊技者が遊技者側設定スイッチ1070を操作することによって、液晶表示器1051の画面上に音量および光量を調整するための設定画面が表示される。
設定画面では、音量設定領域1052aにおいて、遊技者が設定可能な音量の段階(第2音量段階)に対応する「2」〜「14」の数字(数字が大きい方が音量が大きい)が表示される。これを音量表示ともいう。さらに、「2」〜「14」の数字のうち、現在設定されている音量に対応する数字が強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示等)される。遊技者は、所定の変更操作を行うことによって強調表示を移動させ、第2音量段階を変更することができる。例えば、遊技者は、ストップスイッチ1008Rを操作することによって強調表示を右に移動させて第2音量段階を上げることができる一方で、ストップスイッチ1008Lを操作することによって強調表示を左に移動させて第2音量段階を下げることができる。
設定画面では、光量設定領域1052bにおいて、遊技者が設定可能な光量の段階(第2光量段階)に対応する「50%」、「75%」、および「100%」の数字(数字が大きい方が光量が大きい)が表示される。これを光量表示ともいう。さらに、「50%」、「75%」、および「100%」の数字のうち、現在設定されている光量に対応する数字が強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示等)される。遊技者は、所定の変更操作を行うことによって強調表示を移動させ、第2光量段階を変更することができる。例えば、遊技者は、ストップスイッチ1008Rを操作することによって強調表示を右に移動させて第2光量段階を上げることができる一方で、ストップスイッチ1008Lを操作することによって強調表示を左に移動させて第2光量段階を下げることができる。なお、第2音量段階と第2音量段階の切り替えは、ストップスイッチ1008Cの操作によって可能である。
さらに、設定画面では、キャラクタ演出領域1052cにおいて、遊技中に実際に用いられる演出画面の一部である、味方キャラクタと敵キャラクタのバトル演出の画面が表示される。本実施形態においては、このバトル演出をサンプルに用いて、遊技者が音量および光量を設定することができる。具体的には、遊技者が第2音量段階を上げれば、味方キャラクタの音声(図54の例では、「参ったか!!」の音声)の音量が上がり、遊技者が第2音量段階を下げれば、味方キャラクタの音声の音量が下がる。また、遊技者が第2光量段階を上げれば、バトル演出の画面の光量が上がって明るくなり、遊技者が第2光量段階を下げれば、バトル演出の画面の光量が下がって暗くなる。
このように、遊技中の実際の演出を例にして演出中の音量および光量の設定を行うことができるため、遊技者が容易に設定を行いやすい。
[遊技者側設定スイッチの点灯・消灯]
図55を参照しながら、サブ制御部1091が実行する遊技者側設定スイッチ1070の点灯および消灯の制御を行うための遊技者側設定スイッチ点灯処理について説明する。上述したとおり、確認動作実行期間において可動手段1901〜1903が動作しているときに、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われると煩わしい。そのため、本実施形態では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させ、遊技者側設定スイッチ1070が遊技者に操作されにくいようにする。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
また、ゲーム中においては、設定画面を表示させず、音量および光量の設定を行わせない。すなわち、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止する。よって、遊技者側設定スイッチ1070の操作が無効であることを報知するために、サブ制御部1091は、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させる。
なお、サブ制御部1091は、メイン制御部1041から送信されるコマンドに基づいてゲーム中であるか否かを判定する。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ1007が操作されてゲームが開始したときに「内部当選コマンド」がメイン制御部1041からサブ制御部1091に送信される。また、ゲームの終了時に「遊技状態コマンド」がメイン制御部1041からサブ制御部1091に送信される。よって、サブ制御部1091は、「内部当選コマンド」を受信してから「遊技状態コマンド」を受信するまでの期間をゲーム中であると判定することができる。また、サブ制御部1091は、「遊技状態コマンド」を受信してから「内部当選コマンド」を受信するまでの期間をゲーム中ではないと判定することができる。
サブ制御部1091は、ゲーム中であるか否かを判定する(ステップS1201)。ゲーム中ではないと判定した場合(ステップS1201;N)、サブ制御部1091は、可動手段確認動作実行期間中であるか否かを判定する(ステップS1202)。可動手段確認動作実行期間中ではないと判定した場合(ステップS1202;N)、サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070が消灯中であるか否かを判定する(ステップS1203)。遊技者側設定スイッチ1070が消灯中であると判定した場合(ステップS1203;Y)、サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070を点灯させ(ステップS1204)、処理を終了する。なお、遊技者側設定スイッチ1070が消灯中でないと判定した場合(ステップS1203;N)、サブ制御部1091は、処理を終了する。
一方、ゲーム中であると判定した場合(ステップS1201;Y)、または、可動手段確認動作実行期間中であると判定した場合(ステップS1202;Y)、サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070が点灯中であるか否かを判定する(ステップS1205)。遊技者側設定スイッチ1070が点灯中であると判定した場合(ステップS1205;Y)、サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させ(ステップS1206)、処理を終了する。なお、遊技者側設定スイッチ1070が点灯中ではないと判定した場合(ステップS1205;N)、サブ制御部1091は、処理を終了する。
上述した遊技者側設定スイッチ点灯処理により、サブ制御部1091は、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させることができる。これにより、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070が遊技者に操作されにくいようにする。従って、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われにくくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
また、上述した遊技者側設定スイッチ点灯処理により、サブ制御部1091は、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させることができる。これにより、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作が無効であることを遊技者に報知することができる。従って、ゲーム中において、遊技者による無効な操作を防ぐことができる。
なお、上述した遊技者側演出設定処理では、サブ制御部1091は、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070を消灯させているが、演出制御基板1090の初期設定が完了するまで遊技者側設定スイッチ1070を消灯させるようにしてもよい。例えば、図50に示す例では、確認動作実行期間内に演出制御基板1090の初期設定が完了しているが、確認動作実行期間内に演出制御基板1090の初期設定が完了しない例もある。演出制御基板1090の初期設定が完了していないときに遊技者側設定スイッチ1070を点灯させると、演出制御基板1090の初期設定が完了していないにも関わらず遊技者側設定スイッチ1070が遊技者に操作され易くなる。例えば、演出制御基板1090の初期設定が完了していないときに遊技者側設定スイッチ1070が操作されると、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で設定画面の表示が行われることもある。そこで、サブ制御部1091は、演出制御基板1090の初期設定が完了するまで遊技者側設定スイッチ1070を消灯させることで遊技者に操作されにくいようにすることができ、例えば、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で、設定画面の表示が行われることを低減することができる。
また、サブ制御部1091は、確認動作実行期間と演出制御基板1090の初期設定との両方が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070を消灯させるようにしてもよい。例えば、可動手段1901〜1903の動作状況によって、確認動作実行期間よりも演出制御基板1090の初期設定の方が先に完了する場合や、演出制御基板1090の初期設定よりも確認動作実行期間の方が先に完了する場合のどちらもある。具体例としては、可動手段1901〜1903がスムーズに動作した場合には演出制御基板1090の初期設定よりも確認動作実行期間の方が先に完了するが、可動手段1901〜1903の動作中に引っ掛かりがあった場合には確認動作実行期間が長くなり、確認動作実行期間よりも演出制御基板1090の初期設定の方が先に完了する場合がある。
そこで、サブ制御部1091は、確認動作実行期間と演出制御基板1090の初期設定との両方が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070を消灯させることで、確認動作実行期間や演出制御基板1090の初期設定が行われているときに遊技者側設定スイッチ1070を遊技者に操作されにくいようにすることができる。これにより、例えば、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われ難くなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。また、例えば、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で、設定画面の表示が行われることを低減することができる。
[遊技者側演出設定処理]
図56を参照しながら、サブ制御部1091が実行する遊技者側演出設定処理について説明する。遊技者側演出設定処理は、遊技者が遊技中の演出態様の設定を変更する際に実行される処理である。遊技者側演出設定処理が実行されることによって、遊技者は、演出における音量の大きさ(第2音量段階)と、演出における光量の大きさ(第2光量段階)とを設定することができる。
上述したとおり、確認動作実行期間において可動手段1901〜1903が動作しているときに、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われると煩わしい。そのため、本実施形態では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止し、操作を無効とする。これにより、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われなくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
また、ゲーム中においては、設定画面を表示させず、音量および光量の設定を行わせない。すなわち、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止し、操作を無効とする。
サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070が操作されたか否かを判定する(ステップS1151)。サブ制御部1091は、遊技者側設定スイッチ1070が操作されなかったと判定したときには(ステップS1151;N)、処理を終了する。一方、遊技者側設定スイッチ1070が操作されたと判定したときには(ステップS1151;Y)、サブ制御部1091は、ゲーム中であるか否かを判定する(ステップS1152)。ゲーム中であると判定した場合(ステップS1152;Y)、サブ制御部1091は、処理を終了する。一方、ゲーム中ではないと判定した場合(ステップS1152;N)、サブ制御部1091は、可動手段確認動作実行期間中であるか否かを判定する(ステップS1153)。可動手段確認動作実行期間中であると判定した場合(ステップS1153;Y)、サブ制御部1091は、処理を終了する。一方、可動手段確認動作実行期間中ではないと判定した場合(ステップS1153;N)、サブ制御部91は、ドア開放検出スイッチ1025がON状態であるか否かを判定する(ステップS1154)。サブ制御部1091は、ドア開放検出スイッチ1025がOFF状態である、すなわち前面扉1001bが開放していると判定したときには(ステップS1154;N)、サブ制御部1091は、処理を終了する。
一方、サブ制御部1091は、ドア開放検出スイッチ1025がON状態である、すなわち前面扉1001bが閉鎖していると判定したときには(ステップS1154;Y)、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1155)。サブ制御部1091は、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であると判定したときには(ステップS1155;Y)、遊技者による第2音量段階および第2光量段階の設定を制限(禁止)するため、処理を終了する。この場合、音量および光量は、遊技者側設定スイッチ1070のチャンネル設定(すなわち、第1音量段階および第1光量段階)に基づいて設定される。
一方、サブ制御部1091は、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内ではないと判定したときには(ステップS1155;N)、図54に示した設定画面を液晶表示器1051に表示するとともに、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定に応じて初期表示を行う(ステップS1156)。
例えば、図54は、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「4」〜「9」の範囲内である場合の設定画面の一例が示されている。この場合、音量設定領域1052aにおいては、「2」〜「14」の音量表示が行われるとともに、光量設定領域1052bにおいては、「50%」、「75%」、および「100%」の光量表示が行われる。さらに、音量設定領域1052aにおいては、「10」が強調表示される初期表示が行われるとともに、光量設定領域1052bにおいては、「75%」が強調表示される初期表示が行われる。
なお、本実施形態においては、前面扉1001bが閉鎖しているときに遊技者側設定スイッチ1070が操作されることによって設定画面が表示されるが、その後、前面扉1001bが開放した後にも継続して設定画面が表示される。このため、再び前面扉1001bが閉鎖した後には、開放前の設定画面が引き続き表示されることになる。すなわち、一旦設定画面が表示されると、前面扉1001bが開放しても設定画面が表示し続ける。
設定画面を表示した後、サブ制御部1091は、遊技者のストップスイッチを用いた変更操作に基づき、音量または光量が変更されたか否かを判定する(ステップS1157)。サブ制御部1091は、所定期間内に音量または光量が変更されなかったと判定したときには(ステップS1157;N)、ステップS1162に移る。一方、サブ制御部1091は、音量または光量が変更されたと判定したときには(ステップS1157;Y)、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1158)。サブ制御部1091は、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内であると判定したときには(ステップS1158;Y)、遊技者による第2音量段階および第2光量段階の設定を制限(禁止)するため、ステップS1162に移る。
一方、サブ制御部1091は、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定が「A」〜「F」の範囲内ではないと判定したときには(ステップS1158;N)、変更された対象が音量であったか否かを判定する(ステップS1159)。サブ制御部1091は、変更された対象が音量ではなく光量であったと判定したときには(ステップS1159;N)、演出における光量の大きさを、店側設定スイッチ1060のチャンネル設定に基づく基準設定と遊技者が選択した光量設定とに応じた光量に設定する(ステップS1161)。なお、図54の光量設定領域1052bにおいては、選択された光量に基づき強調表示が移動するとともに、キャラクタ演出領域1052cにおいては、選択された光量に基づきバトル演出の画面の光量が変化する。その後、サブ制御部1091は、ステップS1162に移る。一方、サブ制御部1091は、変更された対象が音量であったと判定した場合(ステップS1159;Y)、所定の音量変更操作処理を実行し(ステップS1160)、ステップS1162に移る。
その後、サブ制御部1091は、終了操作されたか否かを判定する(ステップS1162)。本実施形態では、終了操作は、遊技者側設定スイッチ1070を長押しすることによって行われる。サブ制御部1091は、所定期間内に終了操作されなかったと判定した場合(ステップS1162;N)、ステップS1157に戻る。一方、サブ制御部1091は、終了操作されたと判定した場合(ステップS1162;Y)、設定画面の表示を終了し(ステップS1163)、処理を終了する。遊技者側演出設定処理が終了したときには、第1音量段階および第2音量段階に基づき設定された音量と、第1光量段階および第2光量段階に基づき設定された光量とが、演出に反映される。
上述した遊技者側演出設定処理により、サブ制御部1091は、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止することができる。これにより、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われなくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。
また、上述した遊技者側演出設定処理により、サブ制御部1091は、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止することができる。これにより、ゲーム中においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われなくなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、上述した遊技者側演出設定処理では、サブ制御部1091は、確認動作実行期間において遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止しているが、演出制御基板1090の初期設定が完了するまで遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止するようにしてもよい。例えば、図50に示す例では、確認動作実行期間内に演出制御基板1090の初期設定が完了しているが、確認動作実行期間内に演出制御基板1090の初期設定が完了しない例もある。演出制御基板1090の初期設定が完了していないときに遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を許可すると、例えば、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で設定画面の表示が行われることもある。そこで、サブ制御部1091は、演出制御基板1090の初期設定が完了するまで遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止し、演出制御基板1090の初期設定が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070が遊技者の操作を受け付けても設定画面を表示しないようにしてもよい。これにより、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で、設定画面の表示が行われることを防止することができる。
また、サブ制御部1091は、確認動作実行期間と演出制御基板1090の初期設定との両方が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止するようにしてもよい。例えば、可動手段1901〜1903の動作状況によって、確認動作実行期間よりも演出制御基板1090の初期設定の方が先に完了する場合や、演出制御基板1090の初期設定よりも確認動作実行期間の方が先に完了する場合のどちらもある。具体例としては、可動手段1901〜1903がスムーズに動作した場合には演出制御基板1090の初期設定よりも確認動作実行期間の方が先に完了するが、可動手段1901〜1903の動作中に引っ掛かりがあった場合には確認動作実行期間が長くなり、確認動作実行期間よりも演出制御基板1090の初期設定の方が先に完了する場合がある。
そこで、サブ制御部1091は、確認動作実行期間と演出制御基板1090の初期設定との両方が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070の入力受付を禁止し、確認動作実行期間と演出制御基板1090の初期設定との両方が終了するまで遊技者側設定スイッチ1070が遊技者の操作を受け付けても設定画面を表示しないようにしてもよい。これにより、例えば、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ1070の操作に伴う処理が行われなくなり、確認動作実行期間における煩わしさを低減させることができる。また、例えば、液晶表示器1051が表示する演出表示が正常に行われない状態で、設定画面の表示が行われることを防止することができる。
[遊技者側の設定について]
なお、本実施形態においては、遊技者は、遊技に関する設定として、演出の音量設定および演出の光量設定をすることができた。しかし、遊技者は、メイン側(メイン制御部1041等遊技制御基板1040に含まれる構成、および遊技制御基板1040に接続される構成等)の設定、およびサブ側(サブ制御部1091等演出制御基板1090に含まれる構成、および演出制御基板1090に接続される構成等)の設定に限らず、その他の設定ができるものであってもよい。
例えば、遊技者は、メイン側の設定として、スタートスイッチ7やストップスイッチ1008L、1008C、1008R等の各種操作手段を操作するときの圧力(押圧)や固さを設定できるものであってもよいし、投入要求LED1017やスタート有効LED等の各種点灯手段の点灯および消灯制御とその点灯具合を設定できるものであってもよい。
例えば、遊技者は、サブ側の設定として、演出用スイッチ1056等の各種操作手段を操作するときの圧力や固さを設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、演出モードを設定できるものであってもよいし、設定した演出モードに登場するキャラクタや音楽等を設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、節電モードに設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、遊技履歴(例えば、ゲーム回数、ボーナス入賞回数、払出枚数等)の削除や表示有無等を設定できるものであってもよい。遊技者は、サブ側の設定として、携帯端末等でインターネットを介して外部サーバに通信することによって遊技履歴の管理等を行うためのパスワードの表示や、該パスワードの入力ができるものであってもよい。
[遊技者側の設定操作について]
なお、本実施形態においては、遊技者が音量および光量の設定をするためには、前面扉1001bの外側に設けられた遊技者側設定スイッチ1070を操作することが条件であった。しかしながら、設定時に遊技者が操作可能な操作手段は、前面扉1001bの外側に限らず、筐体1001aの側面や上面等、操作することが困難な筐体1001aの外部に設けられていてもよい。このようにすれば、前面扉1001bが開放したときでも、隣に座る遊技者や店員が操作手段に触れて操作してしまう虞がない。
遊技者が操作可能な操作手段は、筐体1001aの内部や前面扉1001bの内側に設けられていてもよい。この場合、前面扉1001bに穴が形成されている等、操作手段が外部に露出することによって、遊技者が操作可能になっていればよい。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段は、遊技中等で遊技者が操作する操作手段を利用したものであってもよい。例えば、ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを特殊な順番で操作することによって、音量および光量の設定をすることができるものであってもよい。
遊技者が操作可能な操作手段は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置等)にトリガボタンが設けられたスティックコントローラであってもよい。遊技者は、操作桿を倒すことによって画面上に表示されたアイコンを移動させて項目を選択することができ、トリガボタンを押圧することによって、選択した項目を決定することができるものであってもよい。もしくは、遊技者が操作可能な操作手段は、ジョグダイヤルや十字キー等であってもよい。
[遊技者側の設定を禁止する手段について]
なお、本実施形態においては、操作手段が操作されたとしても、前面扉1001bが開放しているときには遊技に関する設定が禁止されるものであった。例えば、遊技者側設定スイッチ1070が操作されたとしても、前面扉1001bが開放しているときには音量および光量の設定が禁止されるものであった。しかしながら、このような方法に限らず、その他の方法で遊技に関する設定を禁止するものであってもよい。例えば、前面扉1001bが開放しているときには、操作手段の操作自体ができないものであってもよい。例えば、前面扉1001bが開放しているときには、操作手段の操作ができたとしても、該操作による入力信号がメイン制御部1041やサブ制御部1091に有効に受け付けられないものであってもよい。例えば、前面扉1001bが開放しているときには、操作手段の操作に基づく入力信号がメイン制御部1041やサブ制御部1091に有効に受け付けられたとしても、該入力信号に基づく処理が実行されないものであってもよい。さらに、液晶表示器1051の画面上に設定画面が表示されることで、遊技に関する設定が可能なものであれば、前面扉1001bが開放しているときには、設定画面が表示されないものであってもよい。もしくは、前面扉1001bが開放しているときには、設定画面が表示されても、遊技に関する設定ができないものであってもよい。
[音量および光量の設定について]
なお、第2音量段階および第2光量段階を示す表示は、図54に示す例に限らない。例えば、図57(A)に示すように、第2音量段階に応じた数の四角形で第2音量段階をバー表示するものであってもよい。この場合、デモ中の最初に音量調整ボタン等の操作手段が操作されると、まず、初期表示としてバーが表示され、その後の音量調整ボタンの操作(図57(A)では、音量すなわち第2音量段階を下げる操作)に応じて四角形の数を増減させる(図57(A)では1つ減らす)ようにしてもよい。また、例えば、図57(B)に示すように、第2音量段階に応じた数の四角形で第2音量段階をバー表示し、デモ中の最初に音量調整ボタン等の操作手段が操作されると、音量調整ボタンの操作(図57(B)では、音量すなわち第2音量段階を下げる操作)に応じて四角形の数を増減させたバーを最初に表示するようにしてもよい。この場合、増減させる前の仮想的なバーを初期表示とすればよい。このように、初期表示は、第1操作が行われた後かつ第2操作が行われる前に第1音量段階に応じた音量段階を示すものであってもよく、実際に表示されていないものであってもよい。また、遊技者側設定スイッチ1070を用いて、遊技中の演出態様の設定を行っているが、これに限らない。例えば、演出用スイッチ1056を用いて、遊技中の演出態様の設定を行うようにしてもよい。なお、演出用スイッチ1056は、例えば遊技中の演出にも用いられる等複数の機能を有しているので、演出用スイッチ1056の機能の説明を液晶表示器1051に表示させるようにしてもよい。具体的には、図57(C)に示すように、液晶表示器1051にデモ演出(通常モード)を表示しているときに液晶表示器1051の表示領域の右下に演出用スイッチ1056の機能の説明を表示してもよい。
以上説明したように、上記実施形態に係るスロットマシン1001によれば、サブ制御部1091は、電源投入時やデモ切替開始時に、液晶表示器1051に対してクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によってディスプレイオンコマンドを送信する。そして、サブ制御部1091は、ディスプレイオンコマンド送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低い非送信時の周波数まで下げる。
このようにすることで、サブ制御部1091が液晶表示器1051に対してクロック周波数が特定周波数よりも低い周波数(例えば、非送信時の周波数)となるシリアル通信によってディスプレイオンコマンドを送信するスロットマシンよりも液晶パネルのバックライト(LED)をディスプレイオン状態に制御するまでに要する時間が低減する。また、このようにすることで、ディスプレイオンコマンドを送信した後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数よりも低くしないスロットマシンよりも無線端末等の他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減し、他の機器においてノイズが出力されることが低減する。この結果、制御に要する時間を低減しつつ他の機器が受信する電波の発生が低減する。
また、上記実施形態に係るスロットマシン1001によれば、演出制御基板1090には、可動手段1901〜1903を駆動するための可動手段駆動回路1099等がシリアル通信線によって接続されている。そして、サブ制御部1091は、可動手段駆動回路1099等に対して電源投入時やデモ切り替え開始時とは異なる遊技中に駆動制御指令を特定周波数よりも低い周波数(非送信時の周波数)で送信する。
このようにすることで、可動手段駆動回路1099等に対してクロック周波数が特定周波数よりも低い周波数となるシリアル通信によって駆動制御指令を送信しないスロットマシンよりも可動手段駆動回路1099等に対して過剰な通信速度で駆動制御指令が送信されることが低減する。また、液晶表示器1051に対してディスプレイオンコマンドが送信される時期とは異なる時期に可動手段駆動回路1099等に対して駆動制御指令が送信されるので、可動手段駆動回路1099等に対してクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によって駆動制御指令を送信することを防止することができる。また、可動手段駆動回路1099等に対してもクロック周波数が特定周波数となるシリアル通信によってデータを送信するスロットマシンよりも他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減する。
また、上記実施形態に係るスロットマシン1001によれば、サブ制御部1091は、ディスプレイオンコマンドを送信してから次のデモ切り替え開始時にディスプレイオンコマンドを再度送信する。
このようにすることで、ディスプレイオンコマンドを送信してから液晶表示器1051の状態が変化してもディスプレイオンコマンドが再度送信されるので、次のデモ切り替え開始時には液晶表示器1051を再度ディスプレイオン状態にすることができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、実施形態1と同様に、サブ制御部1091は、特定条件としての電源投入時やデモ切り替え開始時にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定してもよく、例えば、デモ切り替え開始前のリセット信号送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に変更してもよい。
このようにすることで、デモ切り替え開始するまでのようなシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定する必要がないときには特定周波数に設定しないので、デモ切り替え開始前のリセット信号送信後にシリアル通信のクロック周波数を特定周波数に設定しないスロットマシンよりも他の機器が受信する高周波数の電波の発生が低減する。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、実施形態1と同様に、サブ制御部1091は、デモ切り替え開始前のリセット信号送信後にシリアル通信のクロック周波数を非送信時の周波数から特定周波数に変更したときには、特定周波数への変更を行ってから所定時間として1秒間が経過した後にディスプレイオンコマンドの送信を開始してもよい。
このようにすることで、シリアル通信の際のクロック信号が安定するので、特定周波数への変更を行ってから1秒間が経過した後にディスプレイオンコマンドの送信を開始しないスロットマシンよりもディスプレイオンコマンドを送信する精度が向上する。
また、上記実施形態に係るスロットマシン1001によれば、サブ制御部1091(確認動作制御手段)は、可動手段1901〜1903の確認動作を制御する。また、サブ制御部1091(特定制御実行手段)は、可動手段1901〜1903の確認動作を制御する期間である確認動作実行期間中に、遊技者側設定スイッチ1070を消灯させ、遊技者側設定スイッチ1070が遊技者に操作され難くする。。
このようにすることで、可動部材が動作している状態で、特定制御が行われることを防止することができる。
また、上記実施形態に係るスロットマシン1001によれば、サブ制御部1091(確認動作制御手段)は、可動手段1901〜1903の確認動作を制御する。また、サブ制御部1091(特定制御実行手段)は、可動手段1901〜1903の確認動作を制御する期間である確認動作実行期間中に、遊技者側設定スイッチ1070が遊技者の操作を受け付けても、設定画面を表示しない(特定制御を実行しない)。
このようにすることで、可動部材が動作している状態で、特定制御が行われることを防止することができる。
[異常検出時の外部出力について]
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号(複数種類の異常を個別に識別可能なシリアル信号)を外部出力するのではなく、払出処理を終了した後、且つ、メダルOUT信号(入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示す信号)の外部出力が完了する前にセキュリティ信号を外部出力してもよい。
このようにすることで、スロットマシン1001に接続された外部の機器(例えば、ホールコンピュータ)は、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。また、外部の機器は、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、ゲームを開始してからメダルの付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、メダルの付与が終了した後、メダルOUT信号の外部出力を完了する前にセキュリティ信号の外部出力を開始してもよい。
このようにすることで、外部の機器は、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を外部出力するのではなく、払出処理を終了した後、且つ、メダルOUT信号の外部出力が完了する前にセキュリティ信号を外部出力してもよい。
このようにすることで、外部の機器は、払出処理中に異常が発生した状況で払い出されたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、メダルの付与を開始してから終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、メダルの付与が終了した後、メダルOUT信号の外部出力を完了する前にセキュリティ信号の外部出力を開始してもよい。
このようにすることで、外部の機器は、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を外部出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、且つ、メダルOUT信号の外部出力が完了する前にセキュリティ信号を外部出力してもよい。
このようにすることで、外部の機器は、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
なお、上記実施形態に係るスロットマシン1001において、メイン制御部1041は、ゲームを開始してからメダルの付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の外部出力を完了する前にセキュリティ信号の外部出力を開始してもよい。
このようにすることで、外部の機器は、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、上記のように異常検出時の外部出力を行う構成において、メイン制御部1041は、セキュリティ信号やメダルOUT信号をシリアル通信で送信するときに、シリアル通信のクロック周波数を特定周波数とし、信号送信後に特定周波数よりも低い非送信時の周波数まで下げる構成とすれば、各制御に要する時間を低減しつつ他の機器が受信する電波の発生を低減することが可能となる。
本実施形態において、メイン制御部41は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、リール回転処理を終了した後に、エラー処理(遊技の進行停止)を行ってもよい。
このようすることで、リール回転処理を終了する前にエラー処理を行うスロットマシンよりもメイン制御部1041の制御が複雑になることを低減できる。
本実施形態において、メイン制御部1041は、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常を検出した時点でエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行ってもよい。
このようにすることで、異常を検出時点でエラー処理を行わないスロットマシンよりも好適に異常報知を行うことができる。
[ATに関連する制御について]
なお、上記実施形態では、サブ制御部1091が遊技者にとって有利な操作態様を報知するATに関連する制御(ATゲーム数抽選、上乗せATゲーム数抽選、ナビ演出、残りATゲーム数の管理等)を行う構成であるが、これらATに関連する制御の一部または全部をメイン制御部1041が行う構成としても良い。
また、ATに関連する制御をメイン制御部1041が行う構成においては、AT中である旨を特定可能なAT報知手段(例えば、AT中LED)、遊技者にとって有利な操作態様を特定可能な操作態様報知手段(例えば、各リールの停止順や操作タイミングを特定可能とするナビLED)を備え、これらAT報知手段、操作態様報知手段をメイン制御部1041が直接駆動させることが可能な構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、サブ制御部1091の制御に依存することなく、AT中に必要な情報を遊技者に対して認識させることができる。なお、これらAT報知手段、操作態様報知手段は、遊技補助表示器1012等の既存の報知手段と兼用する構成でも良いし、専用の報知手段を備える構成でも良い。
さらに、このような構成であっても、メイン制御部1041は、サブ制御部1091に対してAT中であるか否かを特定可能なコマンドを送信し、サブ制御部1091は、当該コマンドに基づいてAT中演出等を行うことにより、AT中であることを遊技者に対して確実に認識させることができる。また、メイン制御部1041は、遊技者にとって有利な操作態様の報知を操作態様報知手段にて報知する場合に、サブ制御部1091に対して報知する操作態様を特定可能なコマンドを送信し、サブ制御部1091は、当該コマンドに基づいてメイン制御部1041側で制御する操作態様報知手段により報知される操作態様と同じ操作態様を報知するナビ演出を実行するようにしてもよい。
このようにすることで、AT中等において操作態様報知手段により操作態様が報知される場合に、操作態様報知手段により報知される操作態様を遊技者に対して確実に認識させることができる。
また、メイン制御部1041は、サブ制御部1091に対して、AT中以外において有利度の異なる操作態様を複数備える役の当選時に、内部当選コマンドのようにその内容から遊技者にとって有利な操作態様を特定可能となるコマンドを送信することなく、有利度の異なる操作態様を複数備える役の当選時に、当選した役の種類は特定可能であるが、有利な操作態様を特定不可能なコマンドを送信し、AT中においては、ゲーム開始毎に当選した役の種類も有利な操作態様も特定可能なコマンドを送信したり、有利な操作態様を特定可能なコマンドを別個に送信したりすることにより、サブ制御部1091が遊技者にとって有利な操作態様を特定して報知する構成としてもよい。
このようにすることで、何らかの不正がされてもAT中以外には、サブ制御部1091側で遊技者にとって有利な操作態様を特定することができないため、このような不正によって不利益が発生してしまうことを防止できる。
[その他]
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシン1001は、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば、賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシン1001は、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えば、スロットマシン1001は、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。こうしたスロットマシンにおいて実行可能な予告演出として、上記実施形態におけるメッセージ演出、サブ画像演出、同期表示演出などが含まれていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、「背景予告」となる予告演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、さらには、遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えば、パチンコ遊技機1やスロットマシン1001といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。