以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.所要時間予測システムの概略>
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る所要時間予測システム1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る所要時間予測システム1の概略構成の一例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る車両検出装置20a,20b,20c,20dの配置の一例を示す模式図である。
所要時間予測システム1は、本発明に係る情報処理システムに相当する。所要時間予測システム1は、例えば、図1に示したように、所要時間予測装置10と、車両検出装置20a,20b,20c,20dと、イベント検出装置30と、を含む。所要時間予測装置10は、車両検出装置20a,20b,20c,20d及びイベント検出装置30の各々と有線又は無線の通信ネットワークN1を介して相互に通信可能である。なお、車両検出装置20a,20b,20c,20dの各々を、特に区別しない場合には、単に車両検出装置20とも称する。また、車両検出装置20の数は、2以上であればよく、図1に示した数に特に限定されない。
複数の車両検出装置20は、道路の対象区間の上流端及び下流端の各地点における車両の通過をそれぞれ検出する。本明細書において、対象区間との用語は、所要時間の予測の対象となる区間を意味する。車両検出装置20は、例えば、対象区間の上流端の地点である始点及び対象区間の下流端の地点である終点にそれぞれ各1つ設置される。
ここで、所要時間の予測の対象となる道路は、複数の対象区間に区分けされ得る。具体的には、図2に示したように、複数の連続する区間L001,L002,L003がそれぞれ対象区間として適用され得る。例えば、区間L001,L002,L003は、この順に車両の流れに沿って配置され得る。区間L001,L002,L003には、対象区間の識別情報である区間IDとしてそれぞれL001,L002,L003が割り当てられ得る。
車両検出装置20a,20b,20c,20dは、具体的には、図2に示したように、区間L001の始点である地点P001、区間L001の終点かつ区間L002の始点である地点P002、区間L002の終点かつ区間L003の始点である地点P003、及び区間L003の終点である地点P004にそれぞれ設置される。地点P001,P002,P003,P004には、地点の識別情報である地点IDとしてそれぞれP001,P002,P003,P004が割り当てられ得る。互いに隣接する対象区間は連続せずに間隔を空けて設けられてもよく、その場合、上流側の区間の終点と下流側の区間の始点は一致しない。
車両検出装置20は、設置された地点における車両の通過をそれぞれ検出する。例えば、車両検出装置20は、設置された地点を通過した車両の識別情報である車両IDを検出する。車両検出装置20は、車両と通信を行うことによって車両IDを検出してもよく、車両のナンバープレートを撮像し得られた画像に画像処理を施すことによって車両IDを検出してもよい。また、車両検出装置20は、当該車両検出装置20の識別情報である装置IDを記憶し得る。車両検出装置20a,20b,20c,20dには、装置IDとしてそれぞれT001,T002,T003,T004が割り当てられ得る。
また、車両検出装置20は、設置された地点を車両が通過した場合に、車両の通過の検出結果を所要時間予測装置10へ送信する。例えば、車両検出装置20は、車両の通過が検出された日時である検出日時、記憶する装置ID及び検出された車両の車両IDを示す情報を検出結果として所要時間予測装置10へ送信する。
具体的には、2016年5月5日12時34分56秒に車両IDとしてY0123を検出した場合、車両検出装置20aは、検出結果として「検出日時=2016/05/05 12:34:56;装置ID=T001;車両ID=Y0123」といった情報を所要時間予測装置10へ送信し得る。
ここで、図3を参照して、本実施形態に係る車両検出装置20が行う車両検出処理の流れについて説明する。図3は、本実施形態に係る車両検出装置20が行う車両検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3に示したように、車両検出装置20は、設置された地点を車両が通過したか否かを判定する(ステップS201)。設置された地点を車両が通過したと判定されなかった場合(ステップS201/NO)、ステップS201の判定処理が繰り返される。一方、設置された地点を車両が通過したと判定された場合(ステップS201/YES)、車両検出装置20は、検出した車両の車両IDを取得する(ステップS203)。そして、車両検出装置20は、検出日時、装置ID及び車両IDを示す検出結果を所要時間予測装置10へ送信し(ステップS205)、図3に示した処理は終了する。
イベント検出装置30は、対象区間において車両の通行に制限を与えるイベントの発生を検出する。また、イベント検出装置30は、発生したイベントに関する情報であるイベント情報を所要時間予測装置10へ送信する。本明細書において、イベントとの用語は、対象区間において車両の通行に制限を与える事象を意味する。例えば、イベントは、対象区間における通行可能な車線数の変更を含む。また、イベントは、対象区間における制限速度の変更を含んでもよい。
例えば、イベント検出装置30は、発生したイベントの種別であるイベント種別、イベントが発生した区間及びイベントの発生の開始日時を示す情報をイベント情報として所要時間予測装置10へ送信する。
具体的には、2016年5月5日12時12分00秒に区間L001においてイベントとしての1車線規制の発生が開始した場合、イベント検出装置30は、イベント情報として「イベント種別=1車線規制;区間ID=L001;開始日時=2016/05/05 12:12:00」といった情報を所要時間予測装置10へ送信し得る。
また、イベント検出装置30は、イベントの発生が終了した場合、イベント情報としてイベントの発生の終了日時を追加した情報を所要時間予測装置10へ送信する。
具体的には、2016年5月5日13時33分00秒に区間L001において1車線規制の発生が終了した場合、イベント検出装置30は、イベント情報として「イベント種別=1車線規制;区間ID=L001;開始日時=2016/05/05 12:12:00;終了日時=2016/05/05 13:33:00」といった情報を所要時間予測装置10へ送信し得る。
所要時間予測装置10は、本発明に係る情報処理装置に相当する。所要時間予測装置10は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等を備える。
所要時間予測装置10は、対象区間の通過にかかる時間である所要時間の予測を行う。具体的には、所要時間予測装置10は、対象区間における交通量に相当する交通密度と所要時間の予測値に相当する予測所要時間との関係を規定するモデルを用いて予測所要時間を算出する。例えば、所要時間予測装置10は、車両検出装置20及びイベント検出装置30から受信した情報を利用して予測所要時間を算出する。また、所要時間予測装置10は、算出した予測所要時間をドライバが利用する公共施設又はドライバの車両へ送信する。それにより、予測所要時間が、ドライバへ通知されることによって、交通に関する有用な情報として活用される。
本実施形態に係る所要時間予測装置10は、モデルに含まれるパラメータを学習によってイベントと対応させて決定し、対象区間においてイベントが発生しているときにイベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出する。それにより、道路の対象区間についての所要時間の予測精度を向上させることができる。このような所要時間予測装置10については、次節にて詳細に説明する。
<2.所要時間予測装置>
続いて、図4〜図18を参照して、本実施形態に係る所要時間予測装置10について説明する。
[2−1.機能構成]
まず、図4〜図8を参照して、本実施形態に係る所要時間予測装置10の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
所要時間予測装置10は、例えば、図4に示したように、通信部110と、記憶部120と、車両情報生成部130と、予測部140と、決定部150と、を備える。
(通信部)
通信部110は、所要時間予測装置10の外部の装置と通信する。例えば、通信部110は、車両検出装置20から送信される車両の通過の検出結果を受信し、車両情報生成部130へ出力する。また、通信部110は、イベント検出装置30から送信されるイベント情報を受信し、記憶部120に記憶させる。このように、通信部110は、イベントの発生を示す情報を取得する本発明に係る取得部に相当する。また、通信部110は、予測部140により算出される予測所要時間を示す情報をドライバが利用する公共施設又はドライバの車両へ送信してもよい。
(記憶部)
記憶部120は、所要時間予測装置10が行う各種処理のために参照されるデータを記憶する。記憶部120は、例えば、図4に示したように、区間情報記憶部121と、車両情報記憶部122と、イベント情報記憶部123と、実績所要時間記憶部124と、交通密度記憶部125と、パラメータ記憶部126と、を備える。
区間情報記憶部121は、道路の対象区間に関する情報である区間情報を記憶する。区間情報は、車両情報生成部130が行う車両情報の生成及び記憶処理に用いられる。
例えば、区間情報記憶部121は、各対象区間の始点又は終点の地点について、地点ID、地点の名称である地点名、道路の基準地点からの距離を示すキロポスト及び設置されている車両検出装置20の装置IDを示す情報を区間情報として記憶する。
具体的には、区間情報記憶部121は、地点P001について、区間情報として「地点ID=P001;地点名=A、下り;キロポスト=0.00;装置ID=T001」といった情報を記憶し得る。また、区間情報記憶部121は、地点P002について、区間情報として「地点ID=P002;地点名=B、下り;キロポスト=10.00;装置ID=T002」といった情報を記憶し得る。
また、区間情報記憶部121は、各対象区間について、区間ID、区間の名称である区間名、始点の地点IDである始点ID、終点の地点IDである終点ID及び車線数を示す情報を区間情報として記憶する。
具体的には、区間情報記憶部121は、区間L001について、区間情報として「区間ID=L001;区間名=A〜B(下り);始点ID=P001、終点ID=P002;車線数=2」といった情報を記憶し得る。
車両情報記憶部122は、車両の各地点についての通過日時を示す情報である車両情報を記憶する。車両情報は、予測部140が行う所要時間の予測処理及び決定部150が行うパラメータの決定処理に用いられる。車両情報は、車両情報生成部130によって生成される。車両情報の詳細については、車両情報生成部130の説明にて後述する。
イベント情報記憶部123は、イベント情報を記憶する。イベント情報は、予測部140が行う所要時間の予測処理及び決定部150が行うパラメータの決定処理に用いられる。イベント情報は、通信部110によって取得される。通信部110は、例えば、設定時間(例えば、1分)間隔でイベント検出装置30からイベント情報を受信し、イベント情報記憶部123に記憶させる。
実績所要時間記憶部124は、対象区間の通過にかかった時間の実績値に相当する実績所要時間に関する情報を記憶する。実績所要時間に関する情報は、予測部140が行う所要時間の予測処理及び決定部150が行うパラメータの決定処理に用いられる。実績所要時間に関する情報は、予測部140の実績所要時間算出部141によって生成される。実績所要時間に関する情報の詳細については、実績所要時間算出部141の説明にて後述する。
交通密度記憶部125は、対象区間における交通量に相当する交通密度を示す情報を記憶する。交通密度を示す情報は、予測部140が行う所要時間の予測処理及び決定部150が行うパラメータの決定処理に用いられる。交通密度を示す情報は、予測部140の交通密度算出部142によって生成される。交通密度を示す情報の詳細については、交通密度算出部142の説明にて後述する。
パラメータ記憶部126は、交通密度と予測所要時間との関係を規定するモデルに含まれるパラメータを記憶する。モデルは、予測部140が行う所要時間の予測処理に用いられる。モデルに含まれるパラメータは、決定部150が行うパラメータの決定処理によって決定される。
例えば、モデルは自由流モデル及び渋滞流モデルを含み、パラメータ記憶部126は各モデルについてパラメータを記憶する。
自由流モデルは、交通密度が閾値としての自由流最大交通密度以下である場合における交通密度と予測所要時間との関係を規定する。自由流最大交通密度は、交通密度と予測所要時間との関係が自由流モデル又は後述する渋滞流モデルのいずれにより規定される関係に近いかを判定するための指標である。自由流モデルは、例えば、米国道路局が開発したBPR関数であり、以下の式(1)によって表される。
式(1)において、T1、Q、L、T0、C、α及びβは、それぞれ予測所要時間、交通密度、対象区間の距離、キロ当たり自由旅行時間、自由流最大交通密度、傾きと称されるパラメータ及び曲率と称されるパラメータを示す。キロ当たり自由旅行時間は、交通密度が0である場合における予測所要時間に相当する。図5では、式(1)によって表される自由流モデルにおける交通密度と予測所要時間との関係の一例が示されている。自由流モデルでは、例えば、予測所要時間は交通密度の増加とともに指数関数的に増加するように規定される。パラメータ記憶部126は、自由流モデルに含まれるパラメータとして、キロ当たり自由旅行時間T0、自由流最大交通密度C、傾きα及び曲率βを記憶する。
渋滞流モデルは、交通密度が閾値としての自由流最大交通密度を超える場合における交通密度と予測所要時間との関係を規定する。渋滞流モデルは、例えば、交通密度と予測所要時間との関係を直線近似した関数であり、以下の式(2)によって表される。
式(2)において、T1、Q、L、a及びbは、それぞれ予測所要時間、交通密度、対象区間の距離、傾きと称されるパラメータ及び切片と称されるパラメータを示す。図6では、式(2)によって表される渋滞流モデルにおける交通密度と予測所要時間との関係の一例が示されている。渋滞流モデルでは、例えば、予測所要時間は交通密度に比例して増加するように規定される。パラメータ記憶部126は、渋滞流モデルに含まれるパラメータとして、傾きa及び切片bを記憶する。
本実施形態に係る所要時間予測装置10では、決定部150は、パラメータを学習によってイベントと対応させて決定し、パラメータ記憶部126は、イベントと対応させてパラメータを記憶する。パラメータ記憶部126は、対象区間又は車線数と対応させてパラメータを記憶してもよい。また、パラメータ記憶部126は、複数のイベントと対応させてパラメータを記憶してもよい。
図7は、パラメータ記憶部126に記憶される情報のデータ形式の一例を示す説明図である。パラメータ記憶部126は、例えば、図7に示したように、決定木の形式で情報を記憶する。図7において、角丸矩形によって分岐条件であるノードが示されており、矩形によってリーフが示されている。なお、図7では、分岐の一部が省略されて示されている。
ノードの配置は、例えば、所要時間へ与える影響の大きいノードほど分岐の上流側に位置するように構成される。具体的には、図7に示した決定木は、まずイベントとしての交通規制について分岐し、次に車線数について分岐し、次に交通規制以外のイベントについて分岐し、対象区間について分岐する。交通規制は、通行止め又は1車線規制等の対象区間における通行可能な車線数の変更と、50キロ制限等の対象区間における通行可能な車線数の変更とを含む。また、交通規制以外のイベントは、交通規制と比較して所要時間へ与える影響が小さく、例えば、横風、霧、雪又は雨等の環境に関する事象を含む。各リーフは、具体的には、自由流モデルのキロ当たり自由旅行時間T0、自由流最大交通密度C、傾きα及び曲率β並びに渋滞流モデルの傾きa及び切片bである。
なお、パラメータ記憶部126に記憶される情報のデータ形式は、決定木の形式に特に限定されず、他の形式であってもよい。例えば、データ形式として、イベント、対象区間及び車線と、ラメータとが各行について紐付けられたテーブルの形式が適用されてもよい。
(車両情報生成部)
車両情報生成部130は、通信部110が車両検出装置20による検出結果を受信した場合に、区間情報記憶部121から区間情報を取得し、車両検出装置20による検出結果及び区間情報に基づいて車両情報を生成し、車両情報記憶部122に記憶させる。
例えば、車両情報生成部130は、車両の通過が検出された検出日時、車両の通過を検出した車両検出装置20が設置されている地点の地点ID及び検出された車両の車両IDを示す情報を車両情報として生成する。
具体的には、車両情報生成部130は、車両検出装置20による検出結果として「検出日時=2016/05/05 12:34:56;装置ID=T001;車両ID=Y0123」といった情報が受信された場合、車両情報として「検出日時=2016/05/05 12:34:56;地点ID=P001;車両ID=Y0123」といった情報を生成し、車両情報記憶部122に記憶させ得る。また、車両情報生成部130は、車両検出装置20による検出結果として「検出日時=2016/05/05 13:20:00;装置ID=T002;車両ID=Y0123」といった情報が受信された場合、車両情報として「検出日時=2016/05/05 13:20:00;地点ID=P002;車両ID=Y0123」といった情報を生成し、車両情報記憶部122に記憶させ得る。
(予測部)
予測部140は、所要時間の予測処理を実行する。例えば、予測部140は、設定時間(例えば、1分)間隔で、複数の対象区間の各々について所要時間の予測処理を実行する。なお、以下では、理解を容易にするために、対象区間としての区間L001についての所要時間の予測処理について主に説明する。予測部140は、例えば、図4に示したように、実績所要時間算出部141と、交通密度算出部142と、予測所要時間算出部143と、を備える。
実績所要時間算出部141は、実績所要時間の算出処理を実行する。実績所要時間は、交通密度算出部142による交通密度の算出処理に用いられる。
例えば、実績所要時間算出部141は、現時刻(例えば、2016年5月5日13時20分)から設定時間(例えば、5分)前の時刻までの間に区間L001の終点である地点P002を通過した車両の各々について実績所要時間を算出する。具体的には、実績所要時間算出部141は、現時刻から設定時間前の時刻までの間に地点P002を通過した各車両について、地点P002及び区間L001の始点である地点P001についての車両情報を車両情報記憶部122から抽出し、抽出した車両情報に基づいて実績所要時間を算出する。
より具体的には、車両IDとしてY0100を割り当てられた車両が現時刻から設定時間前の時刻までの間に地点P002を通過した場合、実績所要時間算出部141は、車両情報として「検出日時=2016/05/05 13:19:59;地点ID=P002;車両ID=Y0100」及び「検出日時=2016/05/05 12:33:33;地点ID=P001;車両ID=Y0100」といった情報を抽出し得る。また、車両IDとしてY0123を割り当てられた車両が現時刻から設定時間前の時刻までの間に地点P002を通過した場合、実績所要時間算出部141は、車両情報として「検出日時=2016/05/05 13:20:00;地点ID=P002;車両ID=Y0123」及び「検出日時=2016/05/05 12:34:56;地点ID=P001;車両ID=Y0123」といった情報を抽出し得る。
また、実績所要時間算出部141は、各車両について実績所要時間を算出し、例えば、区間ID、車両ID、始点についての検出日時である始点検出日時、終点についての検出日時である終点検出日時及び実績所要時間を示す情報を実績所要時間記憶部124に記憶させる。
具体的には、実績所要時間算出部141は、このような情報として「区間ID=L001;車両ID=Y0100;始点検出日時=2016/05/05 12:33:33;終点検出日時=2016/05/05 13:19:59;実績所要時間=46分26秒」及び「区間ID=L001;車両ID=Y0123;始点検出日時=2016/05/05 12:34:56;終点検出日時=2016/05/05 13:20:00;実績所要時間=45分04秒」といった情報を実績所要時間記憶部124に記憶させ得る。
また、実績所要時間算出部141は、実績所要時間の代表値を算出する。実績所要時間の代表値は、実績所要時間のうち比較的頻度が高い値である。
例えば、実績所要時間算出部141は、算出した実績所要時間を複数の階級に区分けしてヒストグラムを作成し、頻度が最も高い階級の中央値を実績所要時間の代表値として算出する。実績所要時間算出部141は、スタージェスの公式を用いて階級数を決定してもよく、その場合、実績所要時間のうちの最小値と最大値との差を階級数で除して得られる値を各階級の時間幅として決定してもよい。また、実績所要時間算出部141は、算出した実績所要時間のうち過剰に大きな値等の異常値、昇順に並べた場合の上位の一部又は下位の一部を利用せずにヒストグラムを作成してもよい。
具体的には、頻度が最も高い階級が46.0分から47.4分までの時間幅の階級である場合、実績所要時間算出部141は、実績所要時間の代表値として46.7分を算出し得る。
また、実績所要時間算出部141は、例えば、区間ID、実績所要時間の算出対象の車両が地点P001を通過した時間のうち最も早い時刻である代表始点検出日時、実績所要時間の算出対象の車両が地点P002を通過した時間のうち最も遅い時刻である代表終点検出日時及び実績所要時間の代表値を示す情報を実績所要時間記憶部124に記憶させる。
具体的には、実績所要時間算出部141は、このような情報として「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/05 12:33:18;代表終点検出日時=2016/05/05 13:20:00;実績所要時間の代表値=46.7分」といった情報を実績所要時間記憶部124に記憶させ得る。
交通密度算出部142は、交通密度の算出処理を実行する。交通密度は、予測所要時間算出部143による予測所要時間の算出処理に用いられる。交通密度算出部142は、実績所要時間に基づいて、交通密度を算出する。
例えば、交通密度算出部142は、現時刻(例えば、2016年5月5日13時20分)から実績所要時間の代表値(例えば、46.7分)だけ前の時刻までの間に区間L001の始点である地点P001を通過した車両の数を区間L001の距離で除して得られる値を交通密度として算出する。具体的には、交通密度算出部142は、現時刻から実績所要時間の代表値だけ前の時刻までの間に地点P001を通過した各車両についての車両情報を車両情報記憶部122から抽出し、抽出した車両情報に基づいて交通密度を算出し得る。なお、交通密度算出部142は、区間情報記憶部121に記憶された地点P001及びP002のキロポストを示す情報に基づいて、区間L001の距離として10.00[km]を算出し得る。
より具体的には、交通密度算出部142は、2016年5月5日12時33分18秒から2016年5月5日13時20分00秒までの間の日時を始点検出日時として有する車両情報を987個抽出した場合、交通密度として98.7[台/km]を算出し得る。
また、交通密度算出部142は、例えば、区間ID、抽出された車両情報の始点検出日時のうち最も早い時刻である代表始点検出日時及び交通密度を示す情報を交通密度記憶部125に記憶させる。
具体的には、交通密度算出部142は、このような情報として「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/05 12:33:20;交通密度=98.7」といった情報を交通密度記憶部125に記憶させ得る。
予測所要時間算出部143は、予測所要時間の算出処理を実行する。また、予測所要時間算出部143は、算出した予測所要時間を示す情報を通信部110へ出力する。
予測所要時間算出部143は、交通密度と予測所要時間との関係を規定するモデルを用いて予測所要時間を算出する。
例えば、予測所要時間算出部143は、交通密度が自由流最大交通密度以下である場合、モデルとして式(1)により表される自由流モデルを用いて予測所要時間を算出する。また、予測所要時間算出部143は、交通密度が自由流最大交通密度を超える場合、モデルとして式(2)により表される渋滞流モデルを用いて予測所要時間を算出する。
予測所要時間算出部143は、対象区間においてイベントが発生しているときに、当該イベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出する。予測所要時間算出部143は、イベント情報記憶部123から対象区間において発生しているイベントを示す情報を取得し得る。また、予測所要時間算出部143は、パラメータ記憶部126からイベントと対応するパラメータを取得し得る。
予測所要時間算出部143は、例えば、図7に示した決定木を用いて、現在発生しているイベントの種別、対象区間の車線数及び対象区間の区間IDに適合するように条件の分岐を辿り、到達したリーフであるパラメータを取得する。それにより、予測所要時間算出部143は、現在発生しているイベントと対応するパラメータを取得することができる。
具体的には、予測所要時間算出部143は、対象区間としての区間L001においてイベントとして1車線規制が現在発生していることを示すイベント情報を取得した場合、1車線規制と対応するパラメータをパラメータ記憶部126から取得し得る。その場合、予測所要時間算出部143は、例えば、イベント種別、車線数及び区間IDが1車線規制、2及びL001である条件に適合するリーフであるパラメータをパラメータ記憶部126から取得する。具体的には、予測所要時間算出部143は、自由流モデル及び渋滞流モデルのパラメータとしてそれぞれ「キロ当たり自由旅行時間T0=0.66分;自由流最大交通密度C=34.5;傾きα=0.5;曲率β=3.0」及び「傾きa=0.050;切片b=−0.73」といった情報を取得し得る。その場合、予測所要時間算出部143は、交通密度(=98.7)が自由流最大交通密度C(=34.5)を超えているので、渋滞流モデルを用いて予測所要時間を算出する。具体的には、予測所要時間算出部143は、取得した渋滞流モデルのパラメータ、区間L001の距離及び交通密度を式(2)に代入することによって、予測所要時間として42分03秒を算出する。
このように、予測所要時間算出部143は、具体的には、対象区間においてイベントが発生しているときに、イベントと対応するパラメータを適用したモデル及び複数の車両検出装置20による検出結果を用いて予測所要時間を算出する。なお、予測所要時間算出部143は、より具体的には、対象区間においてイベントが発生しているときに、イベントと対応するパラメータとして後述する統合パラメータを用いて予測所要時間を算出する。
また、予測所要時間算出部143は、対象区間において複数のイベントが発生しているときに、当該複数のイベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出してもよい。パラメータ記憶部126には、図7に示したように、複数のイベントと対応させてパラメータが記憶され得る。よって、予測所要時間算出部143は、複数のイベントが発生しているときに、当該複数のイベントと対応するパラメータを取得することができる。
また、予測所要時間算出部143は、一の対象区間においてイベントが発生しているときに、当該一の対象区間について学習が未完了である場合、他の対象区間についてのイベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて当該一の対象区間についての予測所要時間を算出してもよい。対象区間について学習が未完了であり、パラメータが決定されていない場合、最下層のノードからリーフに到達できない。そのような場合には、最下層のノードから分岐する他の対象区間に対応するリーフであるパラメータに基づいて予測所要時間の算出に適用するパラメータを取得してもよい。例えば、最下層のノードから分岐する他の対象区間に対応するリーフであるパラメータの平均値を予測所要時間の算出に適用するパラメータとして取得してもよい。よって、予測所要時間算出部143は、対象区間について学習が未完了である場合、他の対象区間についてのイベントと対応するパラメータを取得することができる。なお、予測所要時間算出部143は、最下層のノードからリーフに到達できない場合に、最も多くの条件が適合するように条件の分岐を辿った場合に到達し得るリーフであるパラメータを予測所要時間の算出に適用するパラメータとして取得してもよい。
(決定部)
決定部150は、パラメータの決定処理を実行する。具体的には、決定部150は、設定時間(例えば、1日又は1週間)間隔で、複数の対象区間の各々についてパラメータの決定処理を実行する。なお、以下では、理解を容易にするために、対象区間としての区間L001についてのパラメータの決定処理について主に説明する。
決定部150は、交通密度と予測所要時間との関係を規定するモデルに含まれるパラメータを、学習によってイベントと対応させて決定する。具体的には、決定部150は、複数の対象区間の各々について、学習によってパラメータをイベントと対応させて決定する。決定部150は、学習によってパラメータを対象区間又は車線数と対応させて決定してもよい。また、決定部150は、学習によってパラメータを複数のイベントと対応させて決定してもよい。決定されたパラメータは、例えば、図7に示したデータ形式でパラメータ記憶部126により記憶される。
決定部150は、例えば、イベント情報の取得処理、キロ当たり自由旅行時間の算出処理、自由流最大交通密度の算出処理及び他のパラメータの算出処理を実行することによって、パラメータを決定する。以下、このようなパラメータの決定処理の一例について説明する。
イベント情報の取得処理では、決定部150は、設定時間に対応する直近の期間である対象期間(例えば、前日又は前週)についてのイベント情報をイベント情報記憶部123から取得する。例えば、決定部150は、対象区間において対象期間内に発生したイベントのイベント種別、イベントが発生した区間、イベントの発生の開始日時及びイベントの発生の終了日時を示す情報をイベント情報として取得する。
具体的には、対象期間が前日としての2016年5月4日である場合、決定部150は、イベント情報として「イベント種別=1車線規制;区間ID=L001;開始日時=2016/05/04 12:12:00;終了日時=2016/05/04 13:33:00」といった情報を取得し得る。
キロ当たり自由旅行時間の算出処理では、決定部150は、対象区間において対象期間内でイベントが発生していない期間における実績所要時間を示す情報を実績所要時間記憶部124から抽出し、抽出した情報に基づいてキロ当たり自由旅行時間を算出する。
例えば、決定部150は、対象区間において対象期間内でイベントが発生していない期間に含まれる終点検出日時と紐付けられる実績所要時間を示す情報を抽出する。また、決定部150は、抽出した情報についての実績所要時間を複数の階級に区分けしてヒストグラムを作成し、頻度が最も高い階級の中央値を区間L001の距離で除して得られる値をキロ当たり自由旅行時間として算出する。決定部150は、スタージェスの公式を用いて階級数を決定してもよく、その場合、実績所要時間のうちの最小値と最大値との差を階級数で除して得られる値を各階級の時間幅として決定してもよい。また、決定部150は、抽出した実績所要時間のうち過剰に大きな値等の異常値、昇順に並べた場合の上位の一部又は下位の一部を利用せずにヒストグラムを作成してもよい。
具体的には、6.1分から6.3分まで、6.3分から6.5分まで、6.5分から6.7分まで、及び6.7分から6.9分までの時間幅の階級の頻度がそれぞれ433、973、1265及び1091である場合、頻度が最も高い階級は6.5分から6.7分までの時間幅の階級となる。その場合、決定部150は、当該階級の中央値としての6.6分を区間L001の距離としての10.00[km]で除して得られる0.66分(=40秒)をキロ当たり自由旅行時間として算出し得る。
また、決定部150は、算出したキロ当たり自由旅行時間を示す情報を対象区間と対応させてパラメータ記憶部126に記憶させてもよい。例えば、決定部150は、キロ当たり自由旅行時間を算出した日時である算出日時及びキロ当たり自由旅行時間を示す情報を、パラメータ記憶部126における決定木の対象区間の分岐で区間L001へ分岐する経路のリーフとして記憶させてもよい。
具体的には、決定部150は、このような情報として「算出日時=2016/5/5 2:00:00;キロ当たり自由旅行時間=0.66分」といった情報をパラメータ記憶部126に記憶させ得る。
自由流最大交通密度の算出処理では、決定部150は、渋滞が発生しているか否かの判定における指標としての渋滞判定所要時間を算出し、渋滞判定所要時間以下である実績所要時間の代表値を示す情報を実績所要時間記憶部124から抽出し、抽出した情報に基づいて自由流最大交通密度を算出する。渋滞との用語には様々な定義が存在し得るので、定義に応じて渋滞判定所要時間は適宜算出され得る。例えば、所要時間が渋滞判定所要時間以下である場合に、渋滞が発生していないと判定することができる。
例えば、決定部150は、キロ当たり自由旅行時間を渋滞判定遅延割合だけ増加させて得られる値に対象区間の距離を乗じて得られる値を渋滞判定所要時間として算出する。渋滞判定遅延割合は、渋滞との用語の定義等に応じて適宜設定され、例えば、50%に設定され得る。
具体的には、決定部150は、区間L001のキロ当たり自由旅行時間としての0.66分を50%増加させて得られる値に区間L001の距離としての10.00[km]を乗じて得られる9.9分(=9分54秒)を渋滞判定所要時間として算出し得る。
また、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間における渋滞判定所要時間以下である実績所要時間の代表値を示す情報を実績所要時間記憶部124から抽出する。対象イベントは、パラメータの算出対象のイベントである。対象イベントは、複数のイベントの組み合わせでもよい。また、決定部150は、複数の対象イベントについてパラメータの算出処理を実行してもよい。その場合、決定部150は、各対象イベントについて自由流最大交通密度の算出処理及び他のパラメータの算出処理を実行する。
例えば、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられ渋滞判定所要時間以下である実績所要時間の代表値を示す情報を抽出する。
具体的には、対象期間が前日としての2016年5月4日である場合、決定部150は、このような情報として「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 0:00:24;実績所要時間の代表値=6.6分」、「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 0:01:54;実績所要時間の代表値=7.1分」及び「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 23:59:24;実績所要時間の代表値=6.6分」といった情報を区間L001において発生した対象イベントについて抽出し得る。なお、抽出される情報に代表終点検出日時を示す情報が含まれていてもよい。
また、決定部150は、抽出された実績所要時間の代表値を示す情報と対応する交通密度を示す情報を交通密度記憶部125から抽出する。例えば、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられる交通密度を示す情報のうち、抽出された実績所要時間の代表値を示す情報を用いて算出された交通密度を示す情報を交通密度記憶部125から抽出する。
具体的には、決定部150は、このような情報として「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 0:00:00;交通密度=9.2」、「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 0:01:00;交通密度=9.0」、「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 23:59:00;交通密度=9.4」及び「区間ID=L001;代表始点検出日時=2016/05/04 9:30:00;交通密度=47.0」といった情報を区間L001において発生した対象イベントについて抽出し得る。
また、決定部150は、抽出した交通密度を示す情報に基づいて自由流最大交通密度を算出する。例えば、決定部150は、抽出した情報が示す交通密度の最大値に係数(例えば、0.9)を乗じて得られる値を自由流最大交通密度として算出する。
具体的には、決定部150は、交通密度の最大値としての47.0に0.9を乗じて得られる42.3を区間L001についての対象イベントと対応する自由流最大交通密度として算出し得る。
また、決定部150は、算出した自由流最大交通密度を示す情報を対象区間及びイベントと対応させてパラメータ記憶部126に記憶させてもよい。例えば、決定部150は、自由流最大交通密度を算出した日時である算出日時及び自由流最大交通密度を示す情報を、パラメータ記憶部126における決定木のイベントの分岐で対象イベントへ分岐し、対象区間の分岐で区間L001へ分岐する経路のリーフとして記憶させてもよい。
具体的には、決定部150は、このような情報として「算出日時=2016/5/5 2:00:00;自由流最大交通密度=42.3」といった情報をパラメータ記憶部126に記憶させ得る。
他のパラメータの算出処理では、決定部150は、対象区間についての対象イベントと対応する自由流モデルの傾きα及び曲率β並びに渋滞流モデルの傾きa及び切片bを算出する。
例えば、決定部150は、対象期間内で対象イベントが発生している期間について、自由流最大交通密度以下の交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値をそれぞれ交通密度記憶部125及び実績所要時間記憶部124から抽出し、抽出した情報に基づいて自由流モデルの傾きα及び曲率βを算出する。
具体的には、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられ自由流最大交通密度以下の交通密度を示す情報を交通密度記憶部125から抽出する。また、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられる渋滞判定所要時間以下である実績所要時間の代表値を示す情報のうち、抽出された交通密度を示す情報の各々について代表始点検出日時が最も近い情報を実績所要時間記憶部124から抽出する。また、決定部150は、式(1)により表される自由流モデルによって規定される交通密度と予測所要時間との関係が、抽出された情報における交通密度と実績所要時間の代表値との対応関係に近づくように傾きα及び曲率βを算出する。
具体的には、決定部150は、交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値のペアとして「交通密度=3.0;実績所要時間の代表値=6.6分」、「交通密度=38.4;実績所要時間の代表値=9.0分」、「交通密度=39.0;実績所要時間の代表値=9.5分」及び「交通密度=39.2;実績所要時間の代表値=9.6分」といった情報を抽出し、傾きα及び曲率βとしてそれぞれ0.50及び3.0を算出し得る。
また、決定部150は、算出した傾きα及び曲率βを示す情報を対象区間及びイベントと対応させてパラメータ記憶部126に記憶させてもよい。例えば、決定部150は、各パラメータを算出した日時である算出日時、傾きα及び曲率βを示す情報を、パラメータ記憶部126における決定木のイベントの分岐で対象イベントへ分岐し、対象区間の分岐で区間L001へ分岐する経路のリーフとして記憶させてもよい。
具体的には、決定部150は、このような情報として「算出日時=2016/5/5 2:00:00;傾きα=0.50;曲率β=3.0」といった情報をパラメータ記憶部126に記憶させ得る。
なお、決定部150は、抽出した交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値のペアの数が基準数(例えば、10)未満である場合には、自由流モデルによる予測精度の低下を抑制するために、傾きα及び曲率βを算出しなくてもよい。
また、決定部150は、対象期間内で対象イベントが発生している期間について、自由流最大交通密度を超える交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値をそれぞれ交通密度記憶部125及び実績所要時間記憶部124から抽出し、抽出した情報に基づいて渋滞流モデルの傾きa及び切片bを算出する。
具体的には、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられ自由流最大交通密度を超える交通密度を示す情報を交通密度記憶部125から抽出する。また、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間に含まれる代表始点検出日時と紐付けられる渋滞判定所要時間を超える実績所要時間の代表値を示す情報のうち、抽出された交通密度を示す情報の各々について代表始点検出日時が最も近い情報を実績所要時間記憶部124から抽出する。また、決定部150は、式(2)により表される渋滞流モデルによって規定される交通密度と予測所要時間との関係が、抽出された情報における交通密度と実績所要時間の代表値との対応関係に近づくように傾きa及び切片bを算出する。
具体的には、決定部150は、交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値のペアとして「交通密度=47.7;実績所要時間の代表値=12.3分」及び「交通密度=45.6;実績所要時間の代表値=11.1分」といった情報を抽出し、傾きa及び切片bとしてそれぞれ0.050及び−0.73を算出し得る。
また、決定部150は、算出した傾きa及び切片bを示す情報を対象区間及びイベントと対応させてパラメータ記憶部126に記憶させてもよい。例えば、決定部150は、各パラメータを算出した日時である算出日時、傾きa及び切片bを示す情報を、パラメータ記憶部126における決定木のイベントの分岐で対象イベントへ分岐し、対象区間の分岐で区間L001へ分岐する経路のリーフとして記憶させてもよい。
具体的には、決定部150は、このような情報として「算出日時=2016/5/5 2:00:00;傾きa=0.050;切片b=−0.73」といった情報をパラメータ記憶部126に記憶させ得る。
なお、決定部150は、抽出した交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値のペアの数が基準数(例えば、10)未満である場合には、渋滞流モデルによる予測精度の低下を抑制するために、傾きa及び切片bを算出しなくてもよい。
決定部150は、上述したパラメータの算出処理によって算出したパラメータに基づいて、対象区間についての対象イベントと対応するパラメータを決定する。
決定部150は、上述した処理を設定時間間隔で繰り返すことにより、各算出日時についてのパラメータをパラメータ記憶部126へ記憶させ得る。決定部150は、例えば、直近の所定の数の算出日時についてのパラメータを平均化することにより得られる統合パラメータを所要時間の予測処理に用いられるパラメータとして決定する。
具体的には、決定部150は、図8に示したように、各リーフに記憶された2016年5月5日から2016年4月29日までの算出日時についてのパラメータを平均化することにより得られる統合パラメータを所要時間の予測処理に用いられるパラメータとして決定し得る。より具体的には、決定部150は、2016年5月5日から2016年4月29日までの算出日時についてのキロ当たり自由旅行時間T0、自由流最大交通密度C、傾きα、曲率β、傾きa及び切片bをそれぞれ平均化することにより、平均化されたキロ当たり自由旅行時間T0、自由流最大交通密度C、傾きα、曲率β、傾きa及び切片bを含む統合パラメータを決定し得る。
このように、決定部150は、対象区間においてイベントが発生していた期間における実績所要時間及び交通密度に基づく学習によって、パラメータをイベントと対応させて決定する。
[2−2.動作]
続いて、図9〜図18を参照して、本実施形態に係る所要時間予測装置10が行う処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の車両情報生成部130が行う車両情報の生成及び記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9に示したように、車両情報生成部130は、まず、通信部110が車両検出装置20による検出結果を受信したか否かを判定する(ステップS301)。通信部110が車両検出装置20による検出結果を受信したと判定されなかった場合(ステップS301/NO)、ステップS301の判定処理が繰り返される。一方、通信部110が車両検出装置20による検出結果を受信したと判定された場合(ステップS301/YES)、車両情報生成部130は、区間情報記憶部121から区間情報を取得する(ステップS303)。次に、車両情報生成部130は、検出日時、地点ID及び車両IDを示す車両情報を生成する(ステップS305)。次に、車両情報生成部130は、生成した車両情報を車両情報記憶部122に記憶させ(ステップS307)、図9に示した処理は終了する。
図10は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の通信部110が行うイベント情報の記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10に示したように、通信部110は、まず、設定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判定する(ステップS401)。設定時間が経過したと判定されなかった場合(ステップS401/NO)、ステップS401の判定処理が繰り返される。一方、設定時間が経過したと判定された場合(ステップS401/YES)、通信部110は、イベント検出装置30からイベント種別、イベントが発生した区間及びイベントの発生の開始日時を示すイベント情報を取得する(ステップS403)。なお、当該イベント情報には、イベントの発生の終了日時を示す情報が含まれ得る。次に、通信部110は、取得したイベント情報をイベント情報記憶部123に記憶させ(ステップS405)、図10に示した処理は終了する。
図11は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の予測部140が行う所要時間の予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11に示したように、予測部140は、まず、設定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判定する(ステップS501)。設定時間が経過したと判定されなかった場合(ステップS501/NO)、ステップS501の判定処理が繰り返される。一方、設定時間が経過したと判定された場合(ステップS501/YES)、予測部140の実績所要時間算出部141は、実績所要時間の算出処理を実行する(ステップS510)。次に、予測部140の交通密度算出部142は、交通密度の算出処理を実行する(ステップS520)。次に、予測部140の予測所要時間算出部143は、予測所要時間の算出処理を実行する(ステップS530)。ステップS510、S520及びS530の処理は、例えば、複数の対象区間のうちの一の対象区間について実行され得る。
そして、予測部140は、全ての対象区間について予測所要時間の算出が終了したか否かを判定する(ステップS503)。全ての対象区間について予測所要時間の算出が終了したと判定されなかった場合(ステップS503/NO)、ステップS510の処理へ戻り、予測所要時間の算出が未完了の対象区間についてステップS510、S520及びS530の処理が行われる。一方、全ての対象区間について予測所要時間の算出が終了したと判定された場合(ステップS503/YES)、図11に示した処理は終了する。
図12は、本実施形態に係る予測部140の実績所要時間算出部141が行う実績所要時間の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図12に示した実績所要時間の算出処理は、図11におけるステップS510の処理に相当する。
図12に示したように、実績所要時間算出部141は、まず、現時刻から設定時間(例えば、5分)前の時刻までの間に対象区間の終点を通過した各車両について、対象区間の終点及び始点についての車両情報を車両情報記憶部122から抽出する(ステップS511)。次に、実績所要時間算出部141は、抽出した車両情報に基づいて各車両について実績所要時間を算出する(ステップS513)。次に、実績所要時間算出部141は、算出した各車両についての実績所要時間を示す情報を実績所要時間記憶部124に記憶させる(ステップS515)。
そして、実績所要時間算出部141は、算出した実績所要時間に基づいて実績所要時間の代表値を算出する(ステップS517)。次に、実績所要時間算出部141は、算出した実績所要時間の代表値を示す情報を実績所要時間記憶部124に記憶させ(ステップS519)、図12に示した処理は終了する。
図13は、本実施形態に係る予測部140の交通密度算出部142が行う交通密度の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図13に示した交通密度の算出処理は、図11におけるステップS520の処理に相当する。
図13に示したように、交通密度算出部142は、まず、現時刻から実績所要時間の代表値だけ前の時刻までの間に対象区間の始点を通過した各車両についての車両情報を車両情報記憶部122から抽出する(ステップS521)。次に、交通密度算出部142は、抽出した車両情報に基づいて交通密度を算出する(ステップS523)。次に、交通密度算出部142は、交通密度を示す情報を交通密度記憶部125に記憶させ(ステップS525)、図13に示した処理は終了する。
図14は、本実施形態に係る予測部140の予測所要時間算出部143が行う予測所要時間の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図14に示した予測所要時間の算出処理は、図11におけるステップS530の処理に相当する。
図14に示したように、予測所要時間算出部143は、まず、イベント情報記憶部123から対象区間において発生しているイベントを示す情報を取得する(ステップS531)。次に、予測所要時間算出部143は、パラメータ記憶部126からイベントと対応するパラメータを取得する(ステップS533)。次に、予測所要時間算出部143は、イベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出し(ステップS535)、図14に示した処理は終了する。
このように、予測所要時間算出部143は、対象区間においてイベントが発生しているときに、イベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出することができる。なお、対象区間においてイベントが発生していないときには、予測所要時間算出部143は、ステップS533において、イベントが発生していない場合にモデルに適用され得るパラメータを取得し得る。
図15は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の決定部150が行うパラメータの決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15に示したように、決定部150は、まず、設定時間(例えば、1日又は1週間)が経過したか否かを判定する(ステップS601)。設定時間が経過したと判定されなかった場合(ステップS601/NO)、ステップS601の判定処理が繰り返される。一方、設定時間が経過したと判定された場合(ステップS601/YES)、決定部150は、設定時間に対応する直近の期間である対象期間(例えば、前日又は前週)についてのイベント情報をイベント情報記憶部123から取得する(ステップS603)。次に、決定部150は、キロ当たり自由旅行時間の算出処理を実行する(ステップS610)。次に、決定部150は、自由流最大交通密度の算出処理を実行する(ステップS620)。次に、決定部150は、他のパラメータの算出処理を実行する(ステップS630)。次に、決定部150は、算出したパラメータに基づいて、対象区間についての対象イベントと対応するパラメータを決定する(ステップS605)。ステップS603、S610、S620、S630及びS605の処理は、例えば、複数の対象区間のうちの一の対象区間について実行され得る。
そして、決定部150は、全ての対象区間についてパラメータの決定が終了したか否かを判定する(ステップS607)。全ての対象区間についてパラメータの決定が終了したと判定されなかった場合(ステップS607/NO)、ステップS603の処理へ戻り、パラメータの決定が未完了の対象区間についてステップS603、S610、S620、S630及びS605の処理が行われる。一方、全ての対象区間についてパラメータの決定が終了したと判定された場合(ステップS607/YES)、図15に示した処理は終了する。
図16は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の決定部150が行うキロ当たり自由旅行時間の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図16に示したキロ当たり自由旅行時間の算出処理は、図15におけるステップS610の処理に相当する。
図16に示したように、決定部150は、まず、対象区間において対象期間内でイベントが発生していない期間における実績所要時間を示す情報を実績所要時間記憶部124から抽出する(ステップS611)。次に、決定部150は、抽出した情報に基づいてキロ当たり自由旅行時間を算出する(ステップS613)。次に、決定部150は、算出したキロ当たり自由旅行時間を示す情報をパラメータ記憶部126に記憶させ(ステップS615)、図16に示した処理は終了する。
図17は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の決定部150が行う自由流最大交通密度の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図17に示した自由流最大交通密度の算出処理は、図15におけるステップS620の処理に相当する。
図17に示したように、決定部150は、まず、渋滞が発生しているか否かの判定における指標としての渋滞判定所要時間を算出する(ステップS621)。次に、決定部150は、対象区間において対象期間内で対象イベントが発生している期間における渋滞判定所要時間以下である実績所要時間の代表値を示す情報を実績所要時間記憶部124から抽出する(ステップS623)。次に、決定部150は、抽出された実績所要時間の代表値を示す情報と対応する交通密度を示す情報を交通密度記憶部125から抽出する(ステップS625)。
そして、決定部150は、抽出した交通密度を示す情報に基づいて自由流最大交通密度を算出する(ステップS627)。次に、決定部150は、算出した自由流最大交通密度を示す情報をパラメータ記憶部126に記憶させ(ステップS629)、図17に示した処理は終了する。
図18は、本実施形態に係る所要時間予測装置10の決定部150が行う他のパラメータの算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図18に示した他のパラメータの算出処理は、図15におけるステップS630の処理に相当する。
図18に示したように、決定部150は、まず、対象期間内で対象イベントが発生している期間について、自由流最大交通密度以下の交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値をそれぞれ交通密度記憶部125及び実績所要時間記憶部124から抽出する(ステップS631)。次に、決定部150は、抽出した情報に基づいて自由流モデルのパラメータである傾きα及び曲率βを算出する(ステップS632)。次に、決定部150は、算出した自由流モデルのパラメータである傾きα及び曲率βをパラメータ記憶部126に記憶させる(ステップS633)。
そして、決定部150は、対象期間内で対象イベントが発生している期間について、自由流最大交通密度を超える交通密度及び当該交通密度と対応する実績所要時間の代表値をそれぞれ交通密度記憶部125及び実績所要時間記憶部124から抽出する(ステップS634)。次に、決定部150は、抽出した情報に基づいて渋滞流モデルのパラメータである傾きa及び切片bを算出する(ステップS635)。次に、決定部150は、算出した渋滞流モデルのパラメータである傾きa及び切片bをパラメータ記憶部126に記憶させ(ステップS636)、図18に示した処理は終了する。
<3.効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、決定部150は、交通密度と予測所要時間との関係を規定するモデルに含まれるパラメータを、学習によってイベントと対応させて決定する。また、予測部140の予測所要時間算出部143は、対象区間においてイベントが発生しているときに、当該イベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出する。それにより、交通に関する実測値の過去の推移を利用することなく、1日の中で時間経過に伴って予測を繰り返すリアルタイムな予測をイベントの発生に応じて適切に行うことができる。ゆえに、所要時間が比較的急峻に変化しやすいイベントの発生に起因する渋滞が生じた場合であっても、リアルタイムな予測について実際の所要時間の変化に対する応答性を向上させることができる。よって、道路の対象区間についての所要時間の予測精度を向上させることができる。
また、予測部140の予測所要時間算出部143は、例えば、交通密度が自由流最大交通密度以下である場合、自由流モデルを用いて予測所要時間を算出し、交通密度が自由流最大交通密度を超える場合、渋滞流モデルを用いて予測所要時間を算出する。それにより、交通密度に応じて適切に所要時間を予測ことができる。ゆえに、道路の対象区間についての所要時間の予測精度をより効果的に向上させることができる。
また、自由流モデルでは、例えば、予測所要時間は交通密度の増加とともに指数関数的に増加するように規定され、渋滞流モデルでは、例えば、予測所要時間は交通密度に比例して増加するように規定される。それにより、自由流モデル及び渋滞流モデルによって、交通密度と予測所要時間との関係を交通密度に応じて適切に表現することができる。
また、予測部140の予測所要時間算出部143は、一の対象区間においてイベントが発生しているときに、当該一の対象区間について学習が未完了である場合、他の対象区間についてのイベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて当該一の対象区間についての予測所要時間を算出してもよい。それにより、一の対象区間において過去に発生していないイベントが発生した場合であっても、他の対象区間についての当該イベントと対応するパラメータを利用することによって、所要時間の予測を精度良く行うことができる。ここで、所要時間予測装置10は、予測所要時間の算出結果の公共施設又は車両等の表示装置への表示を制御してもよい。所要時間予測装置10は、上述したように学習が未完了であり他の対象区間についての当該イベントと対応するパラメータを利用して予測所要時間を算出した場合、算出結果は学習が未完了な対象区間についての所要時間の予測による結果であることをドライバ等により判別可能とするために、算出結果の表示を学習が完了している対象区間についての算出結果の表示と異ならせてもよい。例えば、所要時間予測装置10は、このような場合、算出結果の表示色を学習が完了している対象区間についての算出結果の表示色と異ならせる、あるいは何らかの注釈を付与する等の表示制御を行ってもよい。
また、パラメータ記憶部126に記憶される情報のデータ形式として、例えば、決定木の形式が適用されてもよい。その場合、ノードの配置は、例えば、所要時間へ与える影響の大きいノードほど分岐の上流側に位置するように構成される。それにより、予測部140の予測所要時間算出部143は、一の対象区間においてイベントが発生しているときに、当該一の対象区間について学習が未完了である場合、他の対象区間についての当該イベントと対応するパラメータのうち当該一の対象区間と共通する事象(例えば車線数)と対応するパラメータを優先して適用したモデルを用いて当該一の対象区間についての予測所要時間を算出することができる。ゆえに、一の対象区間において過去に発生していないイベントが発生した場合であっても、例えば車線数が同一の他の対象区間についての当該イベントと対応するパラメータを利用することによって、所要時間の予測をより精度良く行うことができる。
また、予測部140の予測所要時間算出部143は、対象区間において複数のイベントが発生しているときに、当該複数のイベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出してもよい。それにより、対象区間において複数のイベントが発生した場合であっても、当該複数のイベントの組み合わせに応じて所要時間の予測を精度良く行うことができる。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明に係る情報処理装置は、交通密度と予測所要時間との関係を規定するモデルに含まれるパラメータを学習によってイベントと対応させて決定する決定部と、対象区間において発生しているイベントが発生しているときに当該イベントと対応するパラメータを適用したモデルを用いて予測所要時間を算出する予測部とを備える。それにより、交通に関する実測値の過去の推移を利用することなく、1日の中で時間経過に伴って予測を繰り返すリアルタイムな予測をイベントの発生に応じて適切に行うことができる。ゆえに、所要時間が比較的急峻に変化しやすいイベントの発生に起因する渋滞が生じた場合であっても、リアルタイムな予測について実際の所要時間の変化に対する応答性を向上させることができる。よって、道路の対象区間についての所要時間の予測精度を向上させることができる。
なお、本明細書において説明した各装置による一連の制御処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non−transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。各プログラムを実行するプロセッサは、単数であっても複数であってもよい。
具体的には、上述のような本実施形態に係る所要時間予測装置10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。本実施形態に係る所要時間予測装置10は、コンピュータに相当し得る。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、本実施形態に係る所要時間予測装置10の各機能は複数のコンピュータにより分割されてもよく、その場合、当該複数のコンピュータが有する各機能は、上記のコンピュータプログラムにより実現され得る。
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。