JP6884901B2 - 粒子分別装置 - Google Patents

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Description

本発明は粒子分別装置に関する。
細胞などの微小な被検査体を解析する手法の一つとして、フローサイトメトリ法と呼ばれる方法がある。この方法では、微細な被検査体が分散した液体をマイクロ流路に流しながら光学的に分析する。そして、このフローサイトメトリ法を利用し、誘電泳動法による被検査体を分析した結果を基に粒子を分別する粒子分別装置も存在する。
上述のような粒子分別装置の一例として、特許文献1ではマイクロ流路内に細胞を含む流体を流し、流路内の複素インピーダンスおよび複素誘電率を計測した結果に基づいて細胞の種類を特定し、誘電泳動によって細胞を振り分け、粒子の分別を行う粒子分別装置が開示されている。
また、複雑な構造のセンサを構成し、当該センサを集積化することによって小型化・高機能化を図る際にはセンサと誘電泳動電極とを同一の半導体基板に構成することが考えられる。特許文献2では誘電泳動により粒子を操作するための装置が開示されており、さらに実施例の1例では集積回路技術によって粒子を検出するためのセンサと誘電泳動電極とが同一の半導体基板上に構成されている。
特開2014−169925号公報 特表2002−543972号公報
しかし、集積回路としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)集積回路を用いて誘電泳動電極を形成し、CMOS集積回路表面に流れる粒子に誘電泳動力を与える場合では、誘電泳動電極をCMOS集積回路の最上位メタル層で形成することにより、当該粒子に誘電泳動力を与える効率が向上する。そこで、CMOS集積回路を用いて誘電泳動電極を形成した場合では、CMOS集積回路はシリコン半導体基板の最表面に酸化シリコン及び窒化シリコンなどが積層することにより構成されたパッシベーション層により被膜されている。
そのため、微小流路をCMOS集積回路上に形成し、当該微小流路に検体が含まれる流体を流す場合では、CMOS集積回路の表面と、誘電泳動電極との間にパッシベーション層が存在する。そして、誘電泳動電極に与える信号電圧により液体中に電界が発生することにより、検体に働く誘電泳動力が生じる。しかし、CMOS集積回路の表面に形成されたパッシベーション層の厚さによっては、液体中においての電界強度が弱化し、誘電泳動力が低下することにより検体を分別する効率が低下するという課題がある。また、パッシベーション層の厚さは、CMOS集積回路の形成において、COMS集積回路の製造時の歩留まりに影響を与える。さらにパッシベーション層の厚さは、誘電泳動力のばらつきに影響する虞がある。
(1)本発明の一実施形態は、特定の上面に沿って形成される流路と、誘電泳動により、複数の粒子を上記上面と略垂直な方向に分別する分別用電極とを備える粒子分別装置であって、前記粒子分別装置は半導体基板を含み、前記分別用電極上を含む前記流路と同じ方向の半導体基板上に溝を形成し、前記溝の底面は前記分別用電極の表面と一致するよう、同じ高さに形成する、粒子分別装置。
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、1組以上の前記分別用電極を一対として分別用電極対を形成し、複数の前記分別用電極対を前記流路にそって複数配置する、粒子分別装置。
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(1)または、上記(2)の構成に加え、1組以上の前記分別用電極に対応したスイッチ回路を備え、前記スイッチ回路によって前記分別用電極への交流電圧の印加を制御する、粒子分別装置。
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)または、上記(3)の構成に加え、前記分別用電極の上面を流れる前記粒子の通過に伴って、前記分別用電極対の直上にあると推定されるときのみ、前記スイッチ回路によって前記分別用電極への交流電圧の印加を与える、粒子分別装置。
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)または、上記(4)の構成に加え、記複数の粒子を個別に区別するための光を受光する複数のフォトダイオードを備え、前記複数のフォトダイオードの各々の出力信号を参照して、複数の粒子中における第1粒子が上記分別用電極の上を通過するタイミングを特定し、当該タイミングの特定結果に基づいて、上記分別用電極を駆動させる期間を制御する制御部を備えている、粒子分別装置。
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)または、上記(5)の構成に加え、前記溝の底面が、前記フォトダイオード上の表面まで形成され、かつ同じ高さに形成される、粒子分別装置。
上述した構成により、誘電泳動電極上のパッシベーション層の影響が無くなることから、誘電泳動力を低下させることなく、粒子を分別することができる。さらに、流路にそって誘電泳動電極の表面と、層間絶縁膜との段差が無くなることにより、検体に含まれる粒子の流れを安定させることができ、目的の粒子を検出する分別効率が高くなる。
(a)本発明の一実施形態に係る粒子分別装置の断面の模式図であり、(b)本発明の一実施形態に係る粒子分別装置の別の断面の模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置における粒子にかかる力を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置の別の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置における粒子の分別方法を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置における粒子の分別方法を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置における粒子の分別の方法を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る粒子分別装置における粒子の分別の方法を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態に係る粒子分別装置について説明する。
<粒子分別装置の概要について>
粒子分別装置1の概要について、図1の(a)、図1の(b)および図2を用いて説明する。
図1の(a)は、粒子分別装置のマイクロ流路の断面の模式図であり、図1の(b)は、マイクロ流路の図1の(a)とは別の断面を示す模式図である。また、図2は、粒子分別装置の粒子分別装置における粒子にかかる力を示す模式図である。
〔粒子にかかる力について〕
粒子分別装置1において粒子にかかる力(誘電泳動力)について図2を用いて説明する。なお、図2では、粒子40が液体41により紙面向かって左から右に移動し、誘電泳動電極18と誘電泳動電極19とにかかる誘電泳動力により粒子40にかかる力について説明する。
粒子40に角周波数ωの正弦波電圧信号により、液体41中の粒子40に及ぼされる誘電泳動力、
Figure 0006884901
は、液体41の複素誘電率、
Figure 0006884901
、粒子40の複素誘電率、
Figure 0006884901
、粒子40の半径r、および正弦波電圧によって発生する電界強度の実効値ERMSを用いて、以下の式(4)で表すことが出来る。
Figure 0006884901
そして、液体41中の粒子40に及ぼされる誘電泳動力において、
Figure 0006884901
が負の場合では、電界強度の強い方向へ向かう力に反発する力(負の誘電泳動力)が粒子40に働く。また、式(5)が正の場合では、誘電体粒子に対して電界強度の強い方向へ向かう力(正の誘電泳動力)が粒子40に働く。そして、これらの正の誘電泳動力および負の誘電泳動力は、式(6)に示すように電界強度の実効値を自乗した勾配の絶対値に比例する。
Figure 0006884901
また、図2に示すように、誘電泳動電極(分別用電極)18および誘電泳動電極(分別用電極)19(誘電泳動電極対(分別用電極対)33)の表面は基板溝12の底を形成している。換言すれば、誘電泳動電極対33は、パッシベーション層15から液体41中に露出している。それにより、液体41中の電界強度は、誘電泳動電極対33がパッシベーション層15に覆われている構造(不図示)に比べ、パッシベーション層15に電界が遮られない。それにより、誘電泳動電極対33がパッシベーション層15に覆われていない構造における液体41中の電界強度は、大きくなる。
なお、電界強度の実効値は、一般的に誘電泳動電極対から離れるほど、指数関数的に減少する。そのため、上記式(4)より、電界強度の強化は、誘電泳動力の強化に等しい。また、CMOS集積回路のような集積回路を構成するトランジスタなどの素子は、電圧の所定の上限耐圧が定められている。そのため、上述の素子に上限耐圧を超えて電圧を印加することにより、集積回路が故障するリスクを有する。そのため、集積回路にマイクロ流路(流路)14を形成する場合、無制限に交流電圧の実効値を高めることが困難であり、後述する信号源38から供給する信号の電圧振幅に対し、効率よく電界強度を高める必要がある。
<粒子分別装置>
本発明の実施形態に係る粒子分別装置1について図1〜図8を用いて説明する。図1は、CMOS集積回路とマイクロ流体システムとで構成される粒子分別装置の模式図である。図2は、粒子分別装置の一面における断面の模式図である。図3は、粒子分別装置の図2とは異なる断面における模式図である。図4は、粒子分別装置におけるパッシベーション層を除去した場合における断面の模式図である。図5〜図7は、粒子分別装置における粒子の分別の様子を示す断面の模式図である。図8は粒子分別装置における粒子の分別方法についてのフロー図である。
〔粒子分別装置の構成〕
粒子分別装置1は、制御装置39、CMOS集積回路(半導体基板)10、およびマイクロ流体システム11を含み、CMOS集積回路10に形成される基板溝12と、マイクロ流体システム11に形成される流路溝13とによりマイクロ流路14が形成される。なお、CMOS集積回路10およびマイクロ流体システム11は、積層するように形成される。粒子分別装置1はCMOS集積回路10を単数含んでもよく、同一の基板上に、CMOS集積回路10と同様の回路を複数含んでもよい。CMOS集積回路10と同様の回路を複数含むことにより、目的となる粒子を一層精度よく分別できる。
(制御装置)
制御装置39は、フォトダイオード(第1のセンサ)36およびフォトダイオード(第2のセンサ)37から伝えられる信号を受信し、誘電泳動電極16〜23(誘電泳動電極16、誘電泳動電極17、誘電泳動電極18、誘電泳動電極19、誘電泳動電極20、誘電泳動電極21、誘電泳動電極22、および誘電泳動電極23)と、誘電泳動電極16〜23に接続される信号源38とを接続するスイッチ回路24〜31(スイッチ回路24、スイッチ回路25、スイッチ回路26、スイッチ回路27、スイッチ回路28、スイッチ回路29、スイッチ回路30、およびスイッチ回路31)との接続状態を、開放状態もしくは短絡状態となるように、スイッチ回路24〜31のそれぞれを個別に制御する。制御装置39の機能は、記憶装置(不図示)に格納されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されてもよい。また、制御装置39は、例えばCPUから独立して粒子分別装置1に内蔵されていてもよいし、粒子分別装置1の外部の情報処理装置に搭載されていてもよい。制御装置39が外部の情報処理装置に搭載される場合、例えば、第1のセンサ36および第2のセンサ37から伝えられる信号を情報処理装置と制御装置39との間で送受信することにより、誘電泳動電極16〜23と、誘電泳動電極16〜23に接続される信号源38との接続を開放状態もしくは短絡状態に切り換える。
(CMOS集積回路)
CMOS集積回路10は、フォトダイオード(第1のセンサ)36、フォトダイオード(第2のセンサ)37、誘電泳動電極16〜23、およびスイッチ回路24〜31を有し、マイクロ流体システム11に対向する面側に基板溝12が形成される。そして、CMOS集積回路10の、マイクロ流体システム11に対向する面側に、パッシベーション層15が形成される。フォトダイオード(第1のセンサ)36、フォトダイオード(第2のセンサ)37、誘電泳動電極16〜23、およびスイッチ回路24〜31は、同一のCMOS集積回路10に形成される。
CMOS集積回路10は、当該CMOS集積回路10の、マイクロ流体システム11に対向する面側に絶縁膜42が積層するように形成され、さらにパッシベーション層15が絶縁膜42のマイクロ流体システム11に対向する面側に積層するように形成される。そして、誘電泳動電極16〜23は、絶縁膜42と略面一となるように当該絶縁膜42に埋設されて形成される。それにより、誘電泳動電極同士(例えば誘電泳動電極16および誘電泳動電極17)の間が絶縁膜42により絶縁されることにより、CMOS集積回路10に誤作動などが発生することを抑制できる。なお、基板溝12は、パッシベーション層15が除去される、またはパッシベーション層15が形成されないことにより形成されてよい。
フォトダイオード(第1のセンサ)36、およびフォトダイオード(第2のセンサ)37は、目的とする粒子40を検出できれば特に限定されないが、フォトダイオードを第1のセンサおよび第2のセンサとして用いることにより、粒子40を検出する精度を向上させることができる。また、第1のセンサ36と、第2のセンサ37とで粒子40を検出する機構を変更してもよい。さらに、1つのセンサで粒子40の流れる速さを測定できれば、第1のセンサおよび第2のセンサと2つセンサを設けなくてもよい。
第1のセンサ36および第2のセンサ37は、CMOS集積回路10に埋設される。また、第1のセンサ36および第2のセンサ37は、後述するマイクロ流路14において、誘電泳動電極16〜23の上流側に形成される。ここで、上流側とは、マイクロ流路14において、粒子40および液体41がマイクロ流路14に流入する側(図2では紙面左側)であり、下流側とは、マイクロ流路14において、粒子40および液体41がマイクロ流路14から流出する側(図2では紙面右側)である。なお、液体41は、図示しないポンプにより上流側から下流側へ移動する。そして、粒子40は液体41に追従して上流側から下流側へ移動する。
誘電泳動電極16〜23は、CMOS集積回路10において、それぞれの誘電泳動電極16〜23が枕木状に配置され、少なくとも誘電泳動電極16〜23の一部がマイクロ流路14と接するように形成される。換言すれば、誘電泳動電極16〜23は、マイクロ流路14を形成する基板溝12の底面(基板溝12のマイクロ流体システム11に対向する面)を形成する。誘電泳動電極16〜23の基板溝12の底面における露出は、図1の(b)のように、誘電泳動電極16〜23の一部であってよい。なお、CMOS集積回路10において、上述の誘電泳動電極を複数備えることにより、粒子にかかる誘電泳動力を向上させることができ、粒子を分別する精度を向上できる。
誘電泳動電極16〜23は、それぞれスイッチ回路24〜31を介して、信号源38と接続される。そして、信号源38により誘電泳動電極16〜23が印加されることにより、誘電泳動力を発生させる。なお、誘電泳動力は、誘電泳動電極を2つ用いて誘電泳動電極対を形成し発生させる。そのため、例えば、誘電泳動電極16と誘電泳動電極17とを組み合わせることにより誘電泳動電極対32を形成し、誘電泳動力を発生させてよい。同様に、誘電泳動電極18と誘電泳動電極19とを組み合わせることにより誘電泳動電極対33、誘電泳動電極20と誘電泳動電極21とを組み合わせることにより誘電泳動電極対34、または誘電泳動電極22と誘電泳動電極23とを組み合わせることにより誘電泳動電極対35を形成してよい。このように、複数の誘電泳動電極対を有することにより、1組の誘電泳動電極(1つの誘電泳動電極対)を用いた場合に比べ、誘電泳動力を強めることができ、粒子をより確実に分別することができる。また、誘電泳動電極16〜23が、それぞれスイッチ回路24〜31を介して信号源と接続されることにより、目的の粒子と目的外の粒子とが混入した場合であっても、スイッチ回路24〜31を切り換えることにより、目的の粒子のみに誘電泳動力をかけることができる。それにより、個別の粒子の分別を確実に行うことが出来る。
また、誘電泳動電極16〜23は、図3に示すように、CMOS集積回路10のマイクロ流体システム11側に対向する面からマイクロ流体システム11までの距離と、誘電泳動電極16〜23のマイクロ流体システム11に対向する面からマイクロ流体システム11までの距離との距離が、略一致することが好ましい。換言すれば、図4に示すように、CMOS集積回路10のマイクロ流体システム11側に対向する面と、誘電泳動電極16〜23のマイクロ流体システム11に対向する面とが凸凹にならなれければよい。凸凹により液体41の流れが不均一にならないため、液体41の流れを一定にでき、粒子40を分別する効率を高めることができる。
パッシベーション層15は、通常、パッシベーション層として従来一般的な材料により構成されれば特に制限されない。また、パッシベーション層15は、1μm以上の厚みを有する。そのため、マイクロ流路14において、誘電泳動電極とパッシベーション層15とが積層した箇所では、パッシベーション層15により、誘電泳動電極から放出される誘電泳動力の一部が遮られるため、誘電泳動力が低下する。
基板溝12は、例えば最表面配線層を用いてパッド電極を形成する。そして、基板溝12の形状に沿って、CMOS集積回路10をリソグラフィ技術によって選択的にエッチングするなどにより形成することができる。
(マイクロ流体システム)
マイクロ流体システム11は、特に限定されず、マイクロ流体システム11に流路溝13を形成できれば、特に限定されない。マイクロ流体システム11を形成する材料は、例えばシリコーンゴムの一種である、ポリジメチルシロキサン(PMDS)であってよい。
流路溝13は、例えばマイクロ流体システム11をリソグラフィ技術によって選択的にエッチングするなどにより形成することができる。
(マイクロ流路)
マイクロ流路14は、基板溝12および流路溝13から成り、誘電泳動電極16〜23の下流側に前方出口60および後方出口61が形成される。そして、マイクロ流路14では、CMOS集積回路10に形成される誘電泳動電極16〜23から発生する誘電泳動力により粒子40を移動させることにより、粒子40を分別する。
なお、図1〜図8に示すマイクロ流路14では、マイクロ流路14の内部を流れる液体41は、慣性よりも粘性が支配的となる層流となっている。そのため、上流側でマイクロ流路14の上方(例えば図3において紙面上方、流路溝13側)を通る液体41の流れは、前方出口60と後方出口61との分岐において、上層へ片寄り前方出口60へ流れる。また、上流側でマイクロ流路14の下方(例えば図3において紙面下方、基板溝12側)を通る液体41の流れは、前方出口60と後方出口61との分岐において、下層へ片寄り後方出口61へ流れる。
〔粒子分別装置による分別〕
粒子分別装置1による分別の一例を図5〜図8を用いて説明する。
図5〜図7に示すように、目的粒子A50、目的外粒子51および目的粒子B52が上述した順番で上流から下流に流れる場合を例にとり説明する。そして、下流において、CMOS集積回路10の上面に対し、略垂直な方向に分別する粒子分別装置1を用いて説明する。なお、粒子分別装置1において、目的粒子A50、目的外粒子51および目的粒子B52は、マイクロ流路14において、下方(基板溝12側)を通る流れ構造を例として挙げる。また、目的粒子A50および目的粒子B52は、蛍光分子によるマーカーが付与された場合を示すが、マーカーは、蛍光分子に限定されない。
図8に示すように、まず、目的粒子か否かを判定する(S101)。目的粒子か否かの判定は、例えば、図5〜図7に示すように、レーザ2を粒子に照射することにより、目的粒子にマーカーとして付与した蛍光分子を励起させ、励起した蛍光分子をフォトダイオード(第1のセンサ)36およびフォトダイオード(第2のセンサ)37にて測定することにより目的粒子か否かを判定してよい。目的の粒子を判定できれば、判定する機構は特に制限されない。
そして、判定の結果、測定した粒子が目的外粒子51であった場合(S101にてNo.)、液体41を流れる他の粒子(例えば目的粒子B52など)が目的粒子か否かの判定を行う。
なお、図5〜図7では、目的外粒子51に蛍光分子が付与されていない。そのため、目的外粒子51にレーザ2を照射した場合であっても、当該粒子が励起されず、フォトダイオード36および37では蛍光を検出(受光)しない。そのため、フォトダイオード36および37から制御装置39に向けて信号が出力されず、誘電泳動電極対32〜35において、誘電泳動力が働かない。それにより、目的外粒子51は下方を通る流れのまま移動する。
一方、判定の結果、測定した粒子が目的粒子A50または目的粒子B52であった場合(S101にてYes)、目的粒子A50または目的粒子B52がフォトダイオード36およびフォトダイオード37を通過するまでに要した時間を検出する(S102)。そして、フォトダイオード36からフォトダイオード37までの距離を用いて、目的粒子A50または目的粒子B52が流れる速さを算出する(S103)。
そして、算出した目的粒子A50および目的粒子B52の流れる速さから、目的粒子A50および目的粒子B52が、誘電泳動電極対32〜36(誘電泳動電極16〜23)に到着する時間(タイミング)を推定する(S104)。そして、制御装置39は、誘電泳動電極対32〜35に目的粒子A50および目的粒子B52が到着するタイミングに、スイッチ回路24〜31を稼働させ、誘電泳動電極対32〜35に印加すべき交流電圧を与える。それにより、目的粒子A50および目的粒子B52に対して誘電泳動力を働かせる(S105)。なお、例として、目的粒子A50および目的粒子B52に対し、負の誘電泳動力を働かせる交流電圧を与えた場合では、目的粒子A50および目的粒子B52は、誘電泳動電極対32〜35から離れる方向に移動する。換言すれば、図6に示すように、目的粒子A50および目的粒子B52は、流路溝13側へ移動する。このように、目的粒子A50および目的粒子B52にのみ誘電泳動力を掛けることにより、目的粒子A50および目的粒子B52のみを確実に分別することが出来る。また、図5〜図7に示すように、粒子が、目的粒子A50、目的外粒子51、そして目的粒子B52のように目的の粒子と、目的外の粒子とが混在している場合であっても、スイッチ回路24〜31を用いることにより、分別する精度を向上させることができる。
そして、目的粒子A50および目的粒子B52は、前方出口60と後方出口61とを区切る壁面62により前方出口60から排出される。また、目的外粒子51では、壁面62により区切られず、後方出口61から排出される。それにより、目的粒子A50および目的粒子B52と、目的外粒子51とを区別できる。また、目的粒子A50および目的粒子B52に対して、別のマーカーを付与し、上述の処理(S101〜S105)を繰り返すことにより、目的となる粒子を分別する精度を向上させることができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 粒子分別装置
2 レーザ
10 CMOS集積回路
11 マイクロ流体システム
12 基板溝
13 流路溝
14 マイクロ流路
15 パッシベーション層
16、17、18、19、20、21、22、23、32 誘電泳動電極
24、25、26、27、28、29、30、31 スイッチ回路
32、33、34、35 誘電泳動電極対
36 フォトダイオード(第1のセンサ)
37 フォトダイオード(第2のセンサ)
38 信号源
39 制御装置
40 粒子
41 液体
42 絶縁膜
51 目的外粒子
60 前方出口
61 後方出口
62 壁面
50 目的粒子A
51 目的外粒子
52 目的粒子B

Claims (5)

  1. 路と、誘電泳動により、前記流路を流れる複数の粒子を分別する分別用電極とを備える粒子分別装置であって、
    前記粒子分別装置は、前記分別用電極が埋設された絶縁膜と、パッシベーション層と、がこの順に積層された半導体基板を備え
    前記流路は、前記パッシベーション層を選択的に配置しないことにより前記パッシベーション層に形成された溝であって、前記分別用電極と前記絶縁膜とで構成される底面と前記パッシベーション層で構成される側面とを有する前記溝であり、
    前記分別用電極は、前記流路を横断するように枕木状に複数配置され、
    2つの前記分別用電極を一対とした分別用電極対が1組以上形成されており、前記分別用電極対は、交流電圧が印加されることにより発生する誘電泳動力により、前記流路を流れる前記複数の粒子を前記底面に対して略垂直方向に分別し、
    前記分別用電極は、前記底面において前記分別用電極と前記絶縁膜とが略面一となるように前記絶縁膜に埋設されていることを特徴とする粒子分別装置。
  2. 前記流路には、前記粒子を含む液体が流れ、
    前記分別用電極の上面は、前記底面において上記液体中に露出している
    ことを特徴とする請求項1に記載の粒子分別装置。
  3. 前記粒子分別装置は、
    記分別用電極に対応したスイッチ回路を更に備え、前記スイッチ回路によって前記分別用電極への交流電圧の印加を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の粒子分別装置。
  4. 前記分別用電極の上面を流れる前記粒子の通過に伴って、前記分別用電極対の直上にあると推定されるときのみ、前記スイッチ回路によって前記分別用電極へ交流電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の粒子分別装置。
  5. 前記粒子分別装置は、
    目的粒子にマーカーとして付与した蛍光分子を励起させ、前記複数の粒子から前記目的粒子を区別するための光を前記蛍光分子に発光させる装置と、
    前記流路において前記流路を流れる前記複数の粒子が前記分別用電極対よりも先に通過する場所に配置されており、前記蛍光分子から発光された光を受光する複数のフォトダイオードと、
    前記複数のフォトダイオードの各々の出力信号を参照して、前記複数の粒子中における前記目的粒子が各前記分別用電極の上を通過するタイミングを特定するタイミング特定結果を出力する制御装置と
    を更に備え、
    前記制御装置のタイミング特定結果に基づいて、前記推定を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の粒子分別装置。
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