以下、図面を参照して、一実施形態に係る端末装置について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本端末装置は、以下の実施形態の構成には限定されない。以下、図1から図15の図面に基づいて、本実施形態の端末装置を説明する。
<実施形態>
図1に、本実施形態の端末装置のハードウェア構成の一例を例示する。図1に例示の端末装置10は、マルチウィンドウ機能を備える情報処理装置である。マルチウィンドウ機能を備える情報処理装置として、PC、ノートPC、タブレットPC等が例示される。但し、端末装置10は、マルチウィンドウ機能を備える機器であれば、スマートフォン、PDA、ゲーム機等であってもよい。マルチウィンドウ機能を備える端末装置10においては、LCD15aといった表示デバイスに表示させた複数のウィンドウの間で、文字列等のデータの移動・複写処理が可能になる。ここで、端末装置10の「LCD15a」は、「表示部」の一例である。
例えば、端末装置10の利用形態として、学校等の教育施設において、教師と生徒のそれぞれが端末装置10を使用して授業を進めるといった形態を想定する。生徒側の使用する端末装置10には、教師側から生徒側に配布された電子資料がウィンドウ画面として表示される。また、生徒側の使用する端末装置10には、生徒側の使用するノート(電子ノート)がウィンドウ画面として表示される。各生徒は、例えば、端末装置10に表示された電子資料のウィンドウ画面を参照しながら、授業内容をノートのウィンドウ画面に記述する。ノートになるウィンドウ画面への書き込みは、例えば、タッチペン14aといった入力デバイスを介して行われる。なお、生徒側の端末装置10に配布される電子資料には、例えば、ビデオカメラ等で撮影した黒板の撮像画像が含まれるとしてもよい。生徒側の端末装置10には、授業の進行と共にチョーク等で黒板に書き込まれた授業内容がウィンドウ画面として表示される。
図2(1)、(2)に、生徒側の端末装置10に表示されるウィンドウ画面の一例を例示する。図2(1)は、学校等の授業において教師側から生徒側に配布される電子資料の画面例である。図2(2)は、上記授業において生徒側の使用するノートの画面例である。
図2(1)の画面例において、例えば、ハッチングされた領域Z1のウィンドウ画面上の表示色は黒色や深緑色であり、領域Z1を背景色として記述された「あいうえお」等の文字・文字列の表示色は白色である。また、図2(2)の画面例においては、例えば、領域Z2のウィンドウ画面上の表示色は白色であり、領域Z2を背景色として記述された「ABCDEFG」等の文字・文字列の表示色は黒色である。生徒側の端末装置10の表示デバイス(LCD15a)には、それぞれに文字列等のデータが記述された図2(1)、(2)のウィンドウ画面が並列して表示される。
端末装置10に並列して表示されたウィンドウ間での、文字列等のデータの複写・移動操作は、ウィンドウ同士を重畳させた状態で行われるとする。また、重畳させたウィンドウの内、前面側のウィンドウは透過状態とする。端末装置10のLCD15a等には、前面側のウィンドウの文字列等が、前面側のウィンドウを透過した背面側のウィンドウの文字列等と共に表示される。
図3に、透過状態で重畳させたウィンドウ画面の比較例を例示する。図3は、図2(1)のウィンドウ画面が背面側、図2(2)のウィンドウ画面が前面側の場合の画面例である。図3に示すように、透過状態では、背面側のウィンドウ画面(以下、背面側ウィンドウとも称す)の背景色(領域Z1)が、前面側のウィンドウ画面(以下、前面側ウィンドウとも称す)の文字色に重なることになる。
図3に示す状態においては、例えば、図2(1)の背景色に図2(2)の文字列「ABCDEFG」の内の「DEFG」の文字部分が重なりあっている。透過された背面側ウィンドウの背景色(深緑色)と前面側ウィンドウの文字色(黒色)は近似色のため、図3に示す状態で画面上に表示された場合には、前面側ウィンドウの文字列等の識別は困難な状態になる。
図3に示す状態において、さらに、透過された背面側ウィンドウの背景色と前面側ウィンドウの文字色が同色(黒色)の場合には、透過された背景色と前面側ウィンドウの文字色が同化して画面上に表示される。同化状態で表示された場合には、前面側ウィンドウに表示される文字列等の位置、内容は視認されない。例えば、図2(2)に示す文字列「ABCDEFG」の内の「DEFG」の文字部分は、透過された背面側ウィンドウの背景色に同化し、判別不能の状態になる。なお、上述の透過状態で重畳させたウィンドウ間の表示色に関する干渉は、それぞれのウィンドウ画面に記述された文字列等の間にも生じ得る。
図4に、透過状態で重畳させたウィンドウ画面の他の比較例を例示する。図4に示す背面側ウィンドウ、前面側ウィンドウは、図3と同様である。但し、図2(1)の領域Z1に示す背景色は白色であり、記述された「あいうえお」等の文字・文字列の表示色は黒色や黒色に近似する色(例えば、深緑色等)である。図4に示すように、透過状態では、背面側ウィンドウに記述された文字列等の文字色が、前面側ウィンドウに記述された文字色に重なることになる。
例えば、図4の破線の矩形枠で囲まれた領域Z3では、図2(1)の文字列「あいうえお」と図2(2)の文字列「ABCDEFG」とが重なり合っている。前面側に透過された背面側ウィンドウの文字色(例えば、深緑色等)と前面側ウィンドウの文字色(黒色)とは近似色のため、表示画面上においては、それぞれのウィンドウに記述された文字列に対する識別が困難な状態になる。
さらに、背面側ウィンドウの文字色と前面側ウィンドウの文字色とが同色の場合には、文字列同士が重なり合った部分が同化して表示されるため、それぞれの文字列で記述された記述内容の判別が困難になる。例えば、図2(2)に示す文字列「ABCDEFG」の内の「ABC」の文字部分は、図2(1)に示す文字列「あいうえお」の内の「いうえお」の文字部分に同化するため、記述内容は視認されない。
(本実施形態の処理)
図1に戻り、本実施形態に係る端末装置10は、LCD15a等に表示される複数のウィンドウの表示位置、表示内容を管理する。そして、本実施形態に係る端末装置10は、表示されたウィンドウ間の表示位置に重なりが生じた場合には、重畳する何れかのウィンドウ内の表示の態様(形態)を変更する。表示態様の変更により、端末装置10においては、重畳した部分領域で視認される表示内容が、前面側ウィンドウの内容か、或いは、前面側ウィンドウを透過して表示された背面側ウィンドウの内容かを識別することが可能になる。本実施形態の端末装置10によれば、透過状態で重畳させたウィンドウ間の表示内容が識別可能になる。
ウィンドウ内の表示態様の変更として、端末装置10は、例えば、重畳するウィンドウ内の背景色と、背景色に組合せて表示されるオブジェクト(文字)の表示色の種類をそれぞれに異なる種類に変更する(ケース1)。また、端末装置10は、例えば、重畳するウィンドウの内、一方のウィンドウの表示を不鮮明にし、すりガラス越しのようにボカした状態で表示する(ケース2)。また、端末装置10は、重畳するウィンドウの内、一方のウィンドウに表示された文字列等に対して下線修飾を行うとしてもよい(ケース3)。さらに、端末装置10は、重畳するウィンドウの内、一方のウィンドウに表示された文字列等のフォントや表示太さといった書体を変更するとしてもよい(ケース4)。
上記(ケース2)の表示態様の変更に関し、例えば、データの複写元のウィンドウにおいては、端末装置10を操作する操作者(以下、ユーザとも称す)に、複写する内容や表示位置を明確に視認させるため、複写元の表示態様を維持することが好ましい。また、複写先のウィンドウにおいては、端末装置10のユーザに、複写元のデータを挿入するための空白領域を視認させることが可能であればよい。
〔装置構成〕
図1に例示の端末装置10は、接続バスB1によって相互に接続されたCentral Processing Unit(CPU)11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、出力部15、通信部16を有する。主記憶部12および補助記憶部13は、端末装置10が読み取り可能な記録媒体である。
CPU11は、Microprocessor(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。但し、CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成であってもよい。
端末装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されたプログラムを主記憶部12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行う。これにより、端末装置10は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。
CPU11は、端末装置10全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、補助記憶部13に格納されたプログラムにしたがって処理を行う。主記憶部12は、CPU11がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、Random Access Memory(RAM)やRead Only Memory(ROM)を含む。
補助記憶部13は、各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部13は、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部13には、例えば、マルチウィンドウ機能に対応するOperating System(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信部16を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、図示しないネットワーク上のPCやサーバといった情報処理装置、他の端末装置10、外部記憶装置等が含まれる。ネットワークには、例えば、インターネットといった公衆ネットワーク、Local Area Network(LAN)等の有線ネットワーク、携帯電話網、無線LAN等の無線ネットワークが含まれる。
補助記憶部13は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ装置、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)装置等である。また、補助記憶部13としては、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等が提示できる。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、BD、Universal Serial Bus(USB)メモリ、Secure Digital(SD)メモリカード等がある。
入力部14は、ユーザからの操作指示等を受け付ける。入力部14は、例えば、タッチペン14a、入力ボタン、ポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイスである。入力部14には、キーボード、ワイヤレスリモコンといった入力デバイスが含まれるとしてもよい。ポインティングデバイスには、例えば、タッチパネル、マウス、トラックボール、ジョイスティックが含まれる。
出力部15は、CPU11で処理されるデータや情報、主記憶部12、補助記憶部13に記憶されるデータや情報を出力する。出力部15には、例えば、LCD15a、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネル等の表示デバイスが含まれる。また、出力部15は、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスを含むとしてもよい。通信部16は、例えば、端末装置10に接続するネットワーク等とのインターフェースである。
端末装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することで、対象プログラムの実行と共に図1に例示の各処理部の機能を提供する。端末装置10では、対象プログラムの実行と共に、表示画面管理部101、画像処理部102の機能が提供される。端末装置10は、以上の各処理部が参照し、或いは、管理するデータの格納先として、補助記憶部13を備える。ここで、CPU11の対象プログラムの実行により提供される各処理部が「処理部」の一例である。
但し、上記各処理部の少なくとも一部の処理がDigital Signal Processor(DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Graphics Processing Unit(GPU)等によって提供されてもよい。また、上記各処理部の少なくとも一部が、Field-Programmable Gate Array(FPGA)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用large scale integration(LSI)、その他のデジタル回路であってもよい。また、上記各処理部の少なくとも一部にアナログ回路を含むとしてもよい。
〔処理部の構成〕
図1に例示の表示画面管理部101は、LCD15a等に表示されるウィンドウの表示位置を、ウィンドウを識別する情報に関連付けて管理する。LCD15a等に表示されるウィンドウ画面の表示位置は、例えば、Application Programming Interface(API)を介してOSから取得される。なお、LCD15a等におけるウィンドウ画面の表示位置は、例えば、表示デバイスの左上角部を原点とし、表示デバイスの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表すことができる。
また、表示画面管理部101は、取得したウィンドウ画面の表示位置に基づいて、ウィンドウ間の表示位置の重なりを判定する。表示画面管理部101は、LCD15a等に表示されたウィンドウ間の表示位置の重なりが生じた場合には、判定結果を画像処理部102に通知する。また、表示画面管理部101は、表示位置の重なりが判定されたウィンドウの管理情報を画像処理部102に通知する。
画像処理部102は、表示画面管理部101から引き渡されたウィンドウの管理情報に基づいて、重なりが判定された各ウィンドウの描画情報を取得する。描画情報は、例えば、ウィンドウ画面の描画情報が格納された主記憶部12の所定の領域から取得する。なお、ウィンドウ画面の描画情報の格納位置は、例えば、APIを介してOSから取得される。画像処理部102は、取得したウィンドウ画面の描画情報を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
画像処理部102は、取得したウィンドウ画面の描画情報に基づいて、重畳する何れかのウィンドウ内の表示態様を変更する。画像処理部102は、重畳する何れかのウィンドウ内の表示態様について、(ケース1)−(ケース4)の変更を行う。以下、図面を参照し、(ケース1)−(ケース4)のそれぞれについての表示態様の変更内容を説明する。なお、図2(1)、(2)に例示のウィンドウ画面例を説明例とする。
(ケース1)
ケース1においては、画像処理部102は、重畳するウィンドウ内の背景色と、背景色に組合せて表示されるオブジェクトの表示色の種類をそれぞれに異なる種類に変更する。景色に組合せて表示されるオブジェクトには、例えば、線画等が含まれてもよい。以下では、背景色に組合せて表示されるオブジェクトはウィンドウ画面内に記述された文字・文字列として説明する。
画像処理部102は、例えば、図2(1)に示す電子資料の描画情報からRGB値を取得する。そして、画像処理部102は、取得したRGB値の中の出現頻度(使用頻度)が最多となるRGB値を背景色、その他のRGB値を文字色に特定する。授業において使用される黒板をビデオカメラ等で撮影した場合には、文字が記述される黒板の地色を表すRGB値の出現頻度が最も高いからである。
図2(2)に示すノートについても同様である。但し、生徒側の使用するノートは、電子ノートである。このため、電子ノートを表示するためのウィンドウにおいては、ユーザの設定により背景色、文字色、或いは、初期値が指定される。画像処理部102は、例えば、OSを介してノートとして使用されるウィンドウの背景色、文字色の指定値(RGB値)を取得するとしてもよい。
画像処理部102は、例えば、各ウィンドウの描画情報から取得した背景色、文字色のRGB値を、例えば、予めユーザによって設定された表示色に対応するRGB値に変更する。画像処理部102は、RGB値が変更された各ウィンドウの描画情報をLCD15a等の表示デバイスに出力する。端末装置10のLCD15a等には、変更後のRGB値に対応する背景色、文字色のウィンドウが重畳して表示される。
但し、画像処理部102は、例えば、配布された電子資料を表示するウィンドウ側の背景色、文字色は維持し、ノートとして使用するウィンドウ側の背景色、文字色を変更するとしてもよい。配布された電子資料を表示するウィンドウ側の背景色、文字色が維持されることで、ユーザは、複写元になる記述内容を視認し続けることが可能になる。端末装置10においては、RGB値の変更に係る処理量を軽減することができる。
図5に、ノートとして使用するウィンドウ側の背景色、文字色を変更する場合のRGB値の設定例をテーブルTb1に例示する。テーブルTb1には、各ウィンドウの文字色、背景色のRGB取得値、変更方法、変更後のRGB値についての情報がレコードとして表されている。なお、テーブルTb1において、“ウィンドウ1”は、ノートとして使用されるウィンドウを表し、“ウィンドウ2”は、電子資料(黒板)が表示されるウィンドウを表す。
図5に示す設定例では、画像処理部102は、ノートとして使用するウィンドウ側の背景色を透過状態とする。そして、画像処理部102は、ノートとして使用するウィンドウ側の文字色を、電子資料が表示されるウィンドウ側の背景色を反転させた反転色に変更する。図5に示す設定例では、ノートのウィンドウ側から取得された文字色のRGB値は、“25:25:25”である。また、電子資料のウィンドウ側から取得された背景色のRGB値は、“41:51:21”である。画像処理部102は、ノートとして使用するウィンドウ側の文字色のRGB値を、電子資料のウィンドウ側の背景色のRGB値を反転させた“214:204:234”に変更する。なお、ノートとして使用するウィンドウ側の文字色のRGB値は、例えば、電子資料のウィンドウ側の背景色のRGB値で示される色座標上の相対距離が遠いRGB値に変更するとしてもよい。
また、図5に示す設定例では、電子資料が表示されるウィンドウ側の背景色のRGB値を、“44:82:60”に変更している。この変更は、ノートとして使用するウィンドウ側の表示色変更後の文字色を識別し易くするための色調整である。このような色調整は、例えば、実験的に文字色と背景色の組み合わせに対する視認のし易さを複数の被験者に評価させる。そして、例えば、複数の被験者から集計された評価結果の統計処理に基づいて予め調整量を定めておけばよい。さらに、色調整については、例えば、背景色と文字色の組み合わせに対して、それぞれの明度や彩度を変更するとしてもよい。色調整を行う場合には、単純に背景色の反転色を文字色として組み合わせる場合に比べて、相対的な識別性の向上が期待される。
図6に、ケース1におけるウィンドウ画面の背景色、文字色の変更例を例示する。図6の画面例は、図5に示す設定例に沿ってウィンドウ画面の背景色、文字色を変更した一例である。図6において、ウィンドウ画面Z4は、図2(1)に例示の電子資料が表示されるウィンドウ画面である。また、図6の、ウィンドウ画面Z5は、図2(2)に例示のノートとして使用されるウィンドウ画面である。
図6において、ウィンドウ画面Z5は、背面側に表示されたウィンドウ画面Z4に重畳する前面側のウィンドウ画面である。図5のテーブルTb1の“ウィンドウ1の背景”レコードに示すように、前面側のウィンドウ画面Z5の背景色には透過処理が施される。このため、LCD15a等の表示デバイスには、背面側のウィンドウ画面Z4内の背景色、文字色が、重畳するウィンドウ画面Z5を透過して表示される。
また、前面側に表示されるウィンドウ画面Z5の文字色は、前面側を透過して表示されるウィンドウ画面Z4の背景色に対して反転色に変更されて表示される。このため、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウ画面Z5を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z4内の文字列等を視認すると共に、ウィンドウ画面Z5内に記述された文字列等を明確に認識することが可能になる。
例えば、図6において、背面側のウィンドウ画面Z4に記述された文字列「あいうえお」の「いうえお」の文字部分と、前面側のウィンドウ画面Z5に記述された文字列「ABCDEFG」の「ABCD」の文字部分は重なり合って表示されている。しかし、重複した状態においても、前面側のウィンドウ画面Z5を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z4に記述された文字列「あいうえお」の表示位置は視認により把握することが可能になる。また、前面側のウィンドウ画面Z5、背面側のウィンドウ画面Z4に記述された文字列等の内容を推認することが可能になる。
なお、画像処理部102は、重畳するウィンドウ間の重なり合う部分領域に限定して背景色、文字色の表示色を変更すするとしてもよい。表示色の変更として、例えば、背面側のウィンドウの背景色のRGB値と、前面側のウィンドウに記述された文字色のRGB値とを足し合わせたRGB値を算出し、算出されたRGB値を用いて前面側の文字色を変更するとしてもよい。重畳するウィンドウ間の重なり合う部分領域に記述された文字列等の内容、表示位置等が識別可能になればよい。
(ケース2)
ケース2においては、画像処理部102は、重畳するウィンドウの内、一方のウィンドウの表示を不鮮明にし、すりガラス越しのようにボカした状態で表示する。画像処理部102は、例えば、ウィンドウ内の表示の濃淡、配色の境界、および表示対象の輪郭の少なくとも1つを不明瞭にすることで、ウィンドウの表示を不鮮明にすることができる。
画像処理部102は、例えば、図3に例示の画面例において、背面側に表示される電子資料のウィンドウ画面をボカした状態に変更する。或いは、前面側にノートとして表示されるウィンドウ画面をボカした状態に変更する。ケース2においては、画像処理部102は、ウィンドウの表示を不鮮明にするだけでよい。このため、画像処理部102は、例えば、背面側に表示されるウィンドウ画面の背景色、文字色を特定するための描画情報の取得処理を省略することが可能になる。ケース2においては、端末装置10は、画像処理部102の処理量の軽減が可能になる。
図7−図8に、ケース2におけるウィンドウ画面の変更例を例示する。図7−図8に例示のウィンドウ画面は、例えば、背面側に表示されるウィンドウの表示を不鮮明にし、すりガラス越しのようにボカした状態で表示した画面例である。図7の画面例は、例えば、図3に示す透過状態で重畳させたウィンドウ画面例に対して、ケース2の変更を適用した場合の画面例である。図8の画面例は、例えば、図4に示す透過状態で重畳させたウィンドウ画面例に対して、ケース2の変更を適用した場合の画面例である。図7、図8の画面例においては、前面側のウィンドウには、背景色を透過処理したノートとして使用するウィンドウ画面が表示される。
図7の画面例において、ウィンドウ画面Z6は、ウィンドウ全体の表示をすりガラス越しのようにボカした状態に変更されたウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z6は、図2(1)に示す電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。また、ウィンドウ画面Z7は、透過状態でウィンドウ画面Z6の前面側に重畳するウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z7は、図2(2)に示すノートとして使用されるウィンドウ画面に対応する。
図7に示すように、表示が不鮮明になったウィンドウ画面Z6は、前面側のウィンドウ画面Z7を透過して表示される場合には、例えば、表示内容が全体的に白く曇るように表示される。このため、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウ画面Z7内に記述された文字列等を明確に認識することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウ画面Z7を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z6内の文字列等の記述位置を視認することが可能になる。
例えば、図7において、背面側のウィンドウ画面Z6に記述された文字列「さしすせそ」の「しすせそ」の文字部分と、前面側のウィンドウ画面Z7に記述された文字列「カキクケコ」の「カキクケ」の文字部分は重なり合って表示されている。しかし、重複した状態においても、前面側のウィンドウ画面Z7を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z6に記述された文字列「さしすせそ」の表示位置は視認により把握することが可能になる。また、前面側のウィンドウ画面Z7、背面側のウィンドウ画面Z6に記述された各文字列等の内容を推認することが可能になる。
次に、図8の画面例を説明する。図8において、ウィンドウ画面Z8は、ウィンドウ全体の表示をすりガラス越しのようにボカした状態に変更された、背面側のウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z8は、図2(1)に示す電子資料が表示されるウィンドウ画面(但し、背景色は白色、文字色は黒色)に対応する。また、ウィンドウ画面Z9は、透過状態でウィンドウ画面Z8の前面側に重畳するウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z9は、図2(2)に示すノートとして使用されるウィンドウ画面に対応する。
図8に示すように、表示が不鮮明になったウィンドウ画面Z8は、前面側のウィンドウ画面Z9を透過して表示される場合には、例えば、表示内容が全体的に白く曇るように表示される。このため、図8においても、図7と同様の効果が期待できる。
例えば、図8において、背面側のウィンドウ画面Z8に記述された文字列「あいうえお」の「いうえお」の文字部分と、前面側のウィンドウ画面Z9に記述された文字列「ABCDEFG」の「ABCD」の文字部分は重なり合って表示されている。しかし、重複した状態においても、前面側のウィンドウ画面Z9を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z8に記述された文字列「いうえお」の表示位置は視認可能になる。また、前面側のウィンドウ画面Z9、背面側のウィンドウ画面Z8に記述された各文字列等の内容をそれぞれに推認することが可能になる。
図8においても、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウ画面Z9内に記述された文字列等を明確に認識することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウ画面Z9を透過して表示された背面側のウィンドウ画面Z8内の文字列等の記述位置、内容を視認することが可能になる。
(ケース3)
ケース3においては、画像処理部102は、重畳する一方のウィンドウに表示された文字列等への下線修飾を行う。文字列等に修飾する下線等の表示色には、例えば、赤色といった気付きを与える配色が採用される。気付きを与える配色とは、例えば、重畳するウィンドウの背景色、文字色とは異なる表示色である。画像処理部102は、下線修飾の表示色に赤色等の気付きを与える配色を採用することで、重畳して表示された一方のウィンドウにおける文字列等の表示位置、表示間隔等をユーザに視認させることができる。
図9−図10に、ケース3の下線修飾によるウィンドウ画面の変更例を例示する。図9−図10に例示のウィンドウ画面は、例えば、前面側に表示されるウィンドウの文字列等に赤色の下線修飾を行う場合の画面例である。図9の画面例は、例えば、図3に示す透過状態で重畳させたウィンドウ画面例に対して、ケース3の下線修飾による変更を適用した場合の画面例である。同様にして、図10の画面例は、図4に示す透過状態で重畳させたウィンドウ画面例に対して、ケース3の下線修飾による変更を適用した場合の画面例である。なお、図9、図10の画面例においては、背面側のウィンドウには、電子資料のウィンドウ画面が表示される。
図9の画面例において、ウィンドウ画面Z10は、図2(1)に示す電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。また、ウィンドウ画面Z11は、透過状態でウィンドウ画面Z10の前面側に重畳するウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z11は、図2(2)に示すノートとして使用されるウィンドウ画面に対応する。ウィンドウ画面Z11内に記述された文字列等には、例えば、ハッチングで示すように赤色の下線修飾が施されている。
図9に示すように、背面側のウィンドウ画面Z10が透過して表示される状態であっても、前面側のウィンドウ画面Z11に記述された文字列等には赤色の下線修飾が施されて表示される。このため、端末装置10のユーザは、赤色の下線修飾表示をガイドにして、文字列の表示箇所が背面側に記述された文字列なのか、前面側に記述された文字列なのかを識別可能になる。また、端末装置10のユーザは、文字列等に施された赤色の下線修飾表示をガイドにして、それぞれのウィンドウ画面における行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
例えば、図9において、背面側のウィンドウ画面Z10に記述された文字列「あいうえお」の「いうえお」の文字部分と、前面側のウィンドウ画面Z11に記述された文字列「ABCDEFG」の「ABC」の文字部分は重なり合って表示されている。しかし、前面側のウィンドウ画面Z11に記述された文字列には赤色の下線修飾が施され、背面側のウィンドウ画面Z10に記述された文字列には上記下線修飾は施されていない。このため、ユーザは、背面側のウィンドウ画面Z10に記述された文字列の表示箇所と、前面側のウィンドウ画面Z11に記述された文字列の表示箇所とを識別することが可能になる。また、ユーザは、赤色の下線修飾の表示位置から、前面側のウィンドウ画面Z11の行間、文字列が記述された行内の空白領域を視認することが可能になる。同様にして、ユーザは、赤色の下線修飾の表示位置から、前面側に透過された背面側のウィンドウ画面Z10の行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
次に、図10の画面例を説明する。図10の画面例において、ウィンドウ画面Z12は、図2(1)に示す電子資料が表示されるウィンドウ画面(但し、背景色は白色であり、文字色は黒色)に対応する。また、ウィンドウ画面Z13は、透過状態でウィンドウ画面Z12の前面側に重畳するウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z13は、図2(2)に示すノートとして使用されるウィンドウ画面に対応する。ウィンドウ画面Z13内に記述された文字列等には、例えば、ハッチングで示すように赤色の下線修飾が施されている。
図10に示すように、背面側のウィンドウ画面Z12が透過して表示される状態であっても、前面側のウィンドウ画面Z13に記述された文字列等には赤色の下線修飾が施されて表示される。このため、背面側のウィンドウ画面Z12の文字色と前面側のウィンドウ画面Z13の文字色が同色であっても、ユーザは、赤色の下線修飾表示をガイドにして、文字列の表示箇所が背面側に記述された文字列なのか、前面側に記述された文字列なのかを識別できる。ユーザは、図9と同様に、文字列等に施された赤色の下線修飾表示をガイドにして、それぞれのウィンドウ画面における行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
(ケース4)
ケース4においては、画像処理部102は、重畳する一方のウィンドウに表示された文字列等のフォントや表示太さといった書体を変更する。ウィンドウに表示された文字列等のフォントや表示太さの特定は、例えば、それぞれのウィンドウ画面から取得した描画情報に基づいて行われる。画像処理部102は、例えば、取得した描画情報を解析し、それぞれのウィンドウ画面に既述された文字列等に近似するフォント、表示太さを特定する。そして、画像処理部102は、一方のウィンドウに表示された文字列等のフォントや表示太さを変更するとすればよい。但し、フォントや表示太さを変更する際には、1行に表示される文字数が変わる場合がある。このため、画像処理部102は、フォントや表示太さを変更する際には、1文字当りの表示領域が変わらない範囲でのフォントや表示太さの変更処理を行う。
ケース4においては、端末装置10は、フォントや表示太さの変更により、例えば、図4に示す文字色が同色の場合であっても、文字列の表示箇所が背面側に記述された文字列なのか、前面側に記述された文字列なのかを識別させることが可能になる。
図11に、ケース4のフォントや表示太さによるウィンドウ画面の変更例を例示する。図11に例示のウィンドウ画面は、例えば、前面側に表示されるウィンドウの文字列等のフォントを変更した場合の画面例である。図11の画面例において、ウィンドウ画面Z14は、図2(1)に示す電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。また、ウィンドウ画面Z15は、透過状態でウィンドウ画面Z14の前面側に重畳するウィンドウ画面である。ウィンドウ画面Z15は、図2(2)に示すノートとして使用されるウィンドウ画面に対応する。ウィンドウ画面Z15内に記述された文字列等には、例えば、ゴシック体から明朝体へのフォントの変更処理が施されている。
図11に示すように、背面側のウィンドウ画面Z14が透過して表示される状態であっても、前面側のウィンドウ画面Z15に記述された文字列等にはフォントの変更処理が施されて表示される。このため、端末装置10のユーザは、表示された文字列の相対的なフォントの差分から、文字列の表示箇所が背面側に記述された文字列なのか、前面側に記述された文字列なのかを識別可能になる。また、端末装置10のユーザは、表示された文字列の相対的なフォントの差異から、それぞれのウィンドウ画面における行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
例えば、図11において、背面側のウィンドウ画面Z14に記述された文字列「特許Bチーム」と、前面側のウィンドウ画面Z15に記述された文字列「特許 チーム」は重なり合って表示されている。しかし、重なり合った文字列のフォントの差異から、端末装置10のユーザは、背面側のウィンドウ画面Z14に記述された文字列の表示箇所と、前面側のウィンドウ画面Z15に記述された文字列の表示箇所とを視認することが可能になる。また、例えば、前面側のウィンドウ画面Z15に記述された文字列「特許」と「チーム」の間には、文字スペースが存在することが把握できる。
また、端末装置10のユーザは、重なり合った文字列のフォントの差異から、前面側のウィンドウ画面Z15の行間、文字列が記述された行内の空白領域を視認することが可能になる。同様にして、端末装置10のユーザは、重なり合った文字列のフォントの差異から、前面側に透過された背面側のウィンドウ画面Z14の行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
以上、図6−図11の例示のように、ケース1−ケース4に示す表示態様の変更により、端末装置10においては、ウィンドウ間の重畳した部分領域で視認される表示内容の識別が可能になる。ケース1−ケース4に示す表示態様の変更によれば、端末装置10のユーザは、複写する内容や表示位置を明確に視認することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、複写元のデータを挿入するための、複写先の空白領域を視認することが可能になる。
〔処理フロー〕
次に、図12から図15に例示のフローチャートを参照し、本実施形態の端末装置10の、ケース1−ケース4に示す表示態様の変更処理を説明する。端末装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されている各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することで、図12から図15に例示の表示態様の変更処理を行う。なお、以下の説明においては、重畳するウィンドウをそれぞれ、“ウィンドウA”、“ウィンドウB”として説明する。
(ケース1)
図12は、ケース1に示す表示態様の変更処理の一例を示すフローチャートである。端末装置10は、図12に例示の表示態様の変更処理により、例えば、図5、図6を用いて説明したように、ウィンドウ画面の表示態様の変更を行う。なお、図6においては、“ウィンドウA”は、例えば、ノートとして使用されるウィンドウ画面、“ウィンドウB”は、電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。
図12に例示のフローチャートにおいて、端末装置10の処理の開始は、例えば、LCD15a等の表示領域内において、複数のウィンドウ画面の表示のときが例示できる。端末装置10は、例えば、LCD15a等に表示されるウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得する(S1)。
LCD15a等に表示されるウィンドウ画面の表示位置は、例えば、API等を介してOSから取得される。LCD15a等におけるウィンドウ画面の表示位置は、例えば、表示デバイスの左上角部を原点とし、表示デバイスの左右方向をX軸、上下方向をY軸とした(X,Y)の2次元座標として表わされる。端末装置10は、取得した各ウィンドウ画面の表示位置を、例えば、それぞれのウィンドウを識別する情報(識別番号)と関連付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。端末装置10は、取得した各ウィンドウ画面の表示位置をS2の処理に引き渡す。
S2の処理では、端末装置10は、S1の処理から引き渡された各ウィンドウ画面の表
示位置を比較し、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域の存在を判定する。ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には、ウィンドウAとウィンドウBとは重畳していると判定できるからである。
端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には(S2、No)、S1の処理に移行する。S1の処理に移行した端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとは重畳していると判定されるまで、S1−S2の処理を繰り返す。一方、端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には(S2、Yes)、S3の処理に移行する。
S3の処理では、端末装置10は、ウィンドウAの描画情報からウィンドウ画面のRGB値を取得する。そして、端末装置10は、取得したRGB値の分布(出現頻度)から、最多となるRGB値を背景色、その他のRGB値を文字色に特定する。例えば、図6の例では、ウィンドウAの背景色としてRBG値“41(R):51(B):21(G)”が特定される。また、ウィンドウAの文字色として白色を表すRBG値“250(R):250(B):250(G)”が特定される。
S4の処理では、端末装置10は、ウィンドウBの描画情報からウィンドウ画面のRGB値を取得する。端末装置10は、S3の処理と同様に、取得したRGB値の分布(出現頻度)から、最多となるRGB値を背景色、その他のRGB値を文字色に特定する。例えば、図6の例では、ウィンドウBの背景色として白色を表すRBG値“250(R):250(B):250(G)”が特定される。また、ウィンドウBの文字色として黒色を表すRBG値“25(R):25(B):25(G)”が特定される。
S5の処理では、端末装置10は、S3−S4の処理で特定したウィンドウA、Bの背景色、背景色に組合せて表示される文字色の表示色の種類をそれぞれに異なる種類に変更する。ウィンドウA、Bの背景色、文字色の表示色の変更は、図5、図6を用いて説明したように、重畳した部分領域で視認される表示内容が、ウィンドウBの表示内容か、或いは、ウィンドウBを透過して表示されたウィンドウAの表示内容かを識別できればよい。
端末装置10は、例えば、ウィンドウA、Bの背景色、文字色の表示色の種類をそれぞれに異なる種類となるように、予めユーザによって設定された表示色に変更する。或いは、端末装置10は、図5、図6を用いて説明したように、ウィンドウA、Bの何れか一方の背景色、文字色の表示色を変更する。S5の処理により、背景色および文字色の表示色が変更されたウィンドウAおよびウィンドウB、或いは、ウィンドウAまたはウィンドウBは、端末装置10のLCD15a等の表示デバイスに表示される。
S6の処理では、端末装置10は、入力部14を介し、背景色、文字色等の表示色が変更された状態で重畳するウィンドウA、Bについての、複写元領域と複写先領域との位置合わせ操作を受け付ける。端末装置10は、入力部14を介して受け付けた位置合わせ操作に応じて、重畳するウィンドウA、Bの表示位置を変更する。端末装置10では、例えば、前面側に表示されたウィンドウAまたはBの複写元領域と、背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの複写先領域との位置合わせが行われる。
S7の処理では、端末装置10は、入力部14を介し、例えば、前面側に表示されたウィンドウAまたはBの複写元領域に表示されたデータの指定操作を受け付ける。データの指定操作は、例えば、タッチペン14aにより行われる。端末装置10は、例えば、S6の処理で位置合わせが行われたウィンドウAまたはBの描画情報から、指定操作により選択された複写元領域のデータを特定する。また、端末装置10は、例えば、背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの描画情報から、上記複写元領域に重畳する複写
先領域を特定する。そして、端末装置10は、指定操作により選択された複写元領域のデータを背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの複写先領域に挿入(貼り付け)する。S7の処理後、端末装置10は、S8の処理に移行する。
なお、S7の処理において端末装置10は、例えば、複写先領域へのデータの挿入の際に、複写先となるウィンドウAまたはBの画面に記述された文字列行に合わせてデータの挿入を行うとしてもよい。端末装置10では、既に記述された文字列等と挿入されるデータとの間で文字列行に沿った微調整が可能になる。また、端末装置10は、複写先となるウィンドウAまたはBに記述された文字列のフォントや色といった書式に合わせて、挿入されるデータのフォントや色を変更するとしてもよい。端末装置10では、既に記述された文字列等と挿入されるデータとの間で書式の同一化が可能になる。
S8の処理では、端末装置10は、S1の処理と同様に、LCD15a等に表示されるウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得する。端末装置10は、取得した各ウィンドウ画面の表示位置を、それぞれのウィンドウを識別する情報に関連付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。端末装置10は、取得した各ウィンドウ画面の表示位置をS9の処理に引き渡す。
S9の処理では、端末装置10は、S2の処理と同様に、S8の処理から引き渡された各ウィンドウ画面の表示位置を比較し、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域の存在を判定する。ウィンドウAとウィンドウBとが未だに重畳する場合には、ウィンドウAまたはウィンドウBに記述された他の文字列等に対する複写操作を行う蓋然性が高いためである。
端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には(S9、Yes)、S8の処理に移行する。S8の処理に移行した端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得し、取得した各ウィンドウの表示位置から、ウィンドウAとウィンドウBとは重畳していないと判定されるまで、S8−S9の処理を繰り返す。但し、端末装置10は、S8−S9の処理の間に、ウィンドウAまたはウィンドウBに記述された他の文字列等に対する複写操作が行われる場合には、割込み処理等によってユーザの指定操作を受け付ける。そして、端末操作10は、受け付けたユーザの指定操作にしたがって、S6−S7の処理を実行する。
一方、端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には(S9、No)、S10の処理に移行する。S10の処理では、端末装置10は、S5の処理で変更したウィンドウA、Bの表示色をS3−S4の処理で取得したRGB値に戻す。ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には、ウィンドウAまたはウィンドウBに記述された他の文字列等に対する複写操作は行われないと推定できるからである。端末装置10は、S10の処理後、図12の処理を終了する。
(ケース2)
次に、ケース2に示す表示態様の変更処理を説明する。図13は、ケース2に示す表示態様の変更処理の一例を示すフローチャートである。ケース2の変更処理では、端末装置10は、図7、図8を用いて説明したように、ウィンドウ画面のボカし表示を行う。ここで、ボカし表示とは、例えば、ウィンドウ内の表示の濃淡、配色の境界、および表示対象の輪郭の少なくとも1つを不明瞭にして表示することをいう。なお、図7、図8においては、“ウィンドウA”は、例えば、ノートとして使用されるウィンドウ画面、“ウィンドウB”は、電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。
図13のフローチャートに示すように、ケース2の表示態様の変更処理では、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS3−S5の処理に替えてS11の処理を行う。また、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS10の処理に替えてS12の処理を行う。以下、S11−S12の処理を主に説明する。
図13に例示のフローチャートにおいて、処理の開始は、図12の処理と同様である。端末装置10は、例えば、LCD15a等に表示されるウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得する(S1)。取得した各ウィンドウ画面の表示位置はS2の処理に引き渡される。そして、端末装置10は、ウィンドウA、Bの重畳を判定するためS1の処理から引き渡された各ウィンドウの表示位置に基づいてS2の処理を行う。S2の処理において、端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には(S2、Yes)、S11の処理に移行する。
S11の処理では、端末装置10は、ウィンドウAまたはウィンドウBの何れか一方のウィンドウの表示を不鮮明(ボカす)に変更する。例えば、ウィンドウAを背面側とし、ウィンドウBを前面側として、背面側のウィンドウAをボカした状態にすると想定する。
上記の場合では、例えば、図7、図8を用いて説明したように、前面側のウィンドウBを透過して表示される背面側のウィンドウAの背景色や文字色が、白く曇るように表示される。前面側のウィンドウBに記述された文字列等は、白く曇るように表示された背面側のウィンドウAを背景色として表示される。このため、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウBに記述された文字列等を明確に認識することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウBを透過して表示された背面側のウィンドウA内の文字列等の表示位置を視認することが可能になる。
また、透過状態の前面側のウィンドウBの表示を不鮮明(ボカす)にし、ボカした状態にすると想定する。この場合では、前面側のウィンドウBを透過して表示される背面側のウィンドウAの背景色や文字色が、すりガラス越しのようにボカされて表示される。前面側のウィンドウBに記述された文字列等は、すりガラス越しのようにボカされて透過された背面側のウィンドウAを背景色として表示される。したがって、この場合であっても、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウBに記述された文字列等を明確に認識することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、前面側のウィンドウBを透過して表示された背面側のウィンドウA内の文字列等の表示位置を視認することが可能になる。
端末装置10は、入力部14を介し、ウィンドウAまたはウィンドウBの何れか一方のウィンドウの表示が不鮮明に変更された状態で重畳する各ウィンドウについての、複写元領域と複写先領域との位置合わせ操作を受け付ける(S6)。端末装置10は、例えば、前面側に表示されたウィンドウAまたはBの複写元領域に表示されたデータの指定操作を受け付け、選択された複写元領域のデータを背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの複写先領域に挿入する(S7)。
端末装置10では、S7の処理後、S8−S9の処理が行われ、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には(S9、No)、S12の処理が行われる。S12の処理では、端末装置10は、S11の処理で変更されたウィンドウAまたはウィンドウBのボカし表示状態を解除する。端末装置10は、S12の処理後、図13の処理を終了する。
(ケース3)
次に、ケース3に示す表示態様の変更処理を説明する。図14は、ケース3に示す表示態様の変更処理の一例を示すフローチャートである。ケース3の変更処理では、端末装置10は、図9、図10を用いて説明したように、文字列等への気付き色(例えば、赤色)による下線修飾を行う。なお、図9、図10においては、“ウィンドウA”は、例えば、ノートとして使用されるウィンドウ画面、“ウィンドウB”は、電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。
図14のフローチャートに示すように、ケース3の表示態様の変更処理では、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS3−S5の処理に替えてS13の処理を行う。また、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS10の処理に替えてS14の処理を行う。以下、S13−S14の処理を主に説明する。
図14に例示のフローチャートにおいて、処理の開始は、図12の処理と同様である。端末装置10は、例えば、LCD15a等に表示されるウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得する(S1)。取得した各ウィンドウ画面の表示位置はS2の処理に引き渡される。そして、端末装置10は、ウィンドウA、Bの重畳を判定するためS1の処理から引き渡された各ウィンドウの表示位置に基づいてS2の処理を行う。S2の処理において、端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には(S2、Yes)、S13の処理に移行する。
S13の処理では、端末装置10は、ウィンドウAまたはウィンドウBの何れか一方のウィンドウに表示された文字列等への下線修飾を行う。文字列等に修飾する下線等の表示色には、例えば、赤色といった気付きを与える配色が採用される。下線修飾の表示色に赤色等の気付きを与える配色を採用することで、重畳して表示された一方のウィンドウにおける文字列等の表示位置、表示間隔等をユーザに視認させることができる。
例えば、ウィンドウAを背面側とし、ウィンドウBを前面側として、前面側のウィンドウBの文字列等へ赤色の下線修飾を行う。端末装置10は、ウィンドウBの描画情報を取得し、取得した描画情報を、ウィンドウBを識別する情報に関連付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。端末装置10は、例えば、ウィンドウBの描画情報に対して画像解析を行い、ウィンドウB内に記述された文字列等を特定する。端末装置10は、特定された文字列等に対して、例えば、重畳するウィンドウの背景色、文字色とは異なる表示色(例えば、赤色)の下線修飾を行う。
図9、図10には、前面側に表示されるウィンドウBの文字列等に対し、赤色の下線修飾が施された画面例が例示される。図9、図10に示すように、背面側のウィンドウAが透過して表示される状態であっても、前面側のウィンドウBに記述された文字列等には赤色の下線修飾が施されて表示される。このため、端末装置10のユーザは、赤色の下線修飾表示をガイドにして、文字列の表示箇所がウィンドウAに記述された文字列なのか、ウィンドウBに記述された文字列なのかを識別可能になる。また、端末装置10のユーザは、文字列等に施された赤色の下線修飾表示をガイドにして、ウィンドウA、Bの画面における行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
図14に戻り、端末装置10は、入力部14を介し、ウィンドウAまたはウィンドウBの何れか一方の文字列等について下線修飾が施された状態で重畳する各ウィンドウについての、複写元領域と複写先領域との位置合わせ操作を受け付ける(S6)。端末装置10は、例えば、前面側に表示されたウィンドウAまたはBの複写元領域に表示されたデータの指定操作を受け付け、選択された複写元領域のデータを背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの複写先領域に挿入する(S7)。
端末装置10では、S7の処理後、S8−S9の処理が行われ、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には(S9、No)、S14の処理が行われる。S14の処理では、端末装置10は、S13の処理で施されたウィンドウAまたはウィンドウBに記述された文字列等への下線修飾を解除する。端末装置10は、S14の処理後、図14の処理を終了する。
(ケース4)
次に、ケース4に示す表示態様の変更処理を説明する。図15は、ケース4に示す表示態様の変更処理の一例を示すフローチャートである。ケース4の変更処理では、端末装置10は、図11を用いて説明したように、文字列等のフォントや表示太さといった書体の変更を行う。なお、図11においては、“ウィンドウA”は、例えば、ノートとして使用されるウィンドウ画面、“ウィンドウB”は、電子資料が表示されるウィンドウ画面に対応する。
図15のフローチャートに示すように、ケース4の表示態様の変更処理では、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS3−S5の処理に替えてS15−S16の処理を行う。また、端末装置10は、図12に示すフローチャートのS10の処理に替えてS17の処理を行う。以下、S15−S17の処理を主に説明する。
図15に例示のフローチャートにおいて、処理の開始は、図12の処理と同様である。端末装置10は、例えば、LCD15a等に表示されるウィンドウAとウィンドウBの表示位置をそれぞれに取得する(S1)。取得した各ウィンドウ画面の表示位置はS2の処理に引き渡される。そして、端末装置10は、ウィンドウA、Bの重畳を判定するためS1の処理から引き渡された各ウィンドウの表示位置に基づいてS2の処理を行う。S2の処理において、端末装置10は、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在する場合には(S2、Yes)、S15の処理に移行する。なお、以下の説明では、端末装置10は、ウィンドウBの文字列等のフォント、表示太さといった書体を変更するとして説明を行う。
S15の処理では、端末装置10は、重畳する一方のウィンドウBの文字列等のフォント、表示太さを変更するために、他方のウィンドウAの文字列等のフォント、表示太さの種類を識別する。ウィンドウBの変更後のフォント、表示太さ等の書体の種類をウィンドウAの書体の種類に重複させないためである。
端末装置10は、例えば、ウィンドウAの描画情報を取得し、取得した描画情報を、ウィンドウAを識別する情報に関連付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。端末装置10は、例えば、ウィンドウAの描画情報に対して画像解析を行い、ウィンドウA内に記述された文字列等に近似するフォント、表示太さを特定する。端末装置10は、ウィンドウAの描画情報から特定された文字列等のフォント、表示太さといった書体情報をS16の処理に引き渡す。
S16の処理では、端末装置10は、S15の処理から引き渡されたウィンドウAの書体情報に基づいて、ウィンドウBの文字列等のフォント、表示太さを変更する。ウィンドウBの文字列等のフォント、表示太さは、ウィンドウAに記述された文字列等に対して相互の差分が明確になるように変更される。フォント、表示太さの変更は、例えば、実験的に相互に異なるフォント、表示太さの文字列を組み合わせ、該組合せに対する視認のし易さを複数の被験者に評価させる。そして、例えば、複数の被験者から集計された評価結果の統計処理に基づいてフォント毎、表示太さ毎に変更する書体を予め定めておけばよい。
端末装置10は、例えば、ウィンドウBの描画情報を取得し、取得した描画情報を、ウィンドウBを識別する情報に関連付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。端末装置10は、例えば、ウィンドウBの描画情報に対して画像解析を行い、ウィンドウB内に記述された文字列等に近似するフォント、表示太さを特定する。そして、端末装置10は、ウィンドウBに記述された文字列等のフォント、表示太さを、ウィンドウAに記述された文字列等に対して相互の差分が明確になるように変更する。
図11においては、ウィンドウBに記述された文字列等のフォントを、ウィンドウAに記述された文字列等に対して相互の差分が明確になるようにゴシック体から明朝体へ変更した場合の画面例が例示される。図11に示すように、背面側のウィンドウAが透過して表示される状態であっても、前面側のウィンドウBに記述された文字列等にはフォントの変更処理が施されて表示される。このため、端末装置10のユーザは、表示された文字列の相対的なフォントの差分から、文字列の表示箇所がウィンドウAに記述された文字列なのか、ウィンドウBに記述された文字列なのかを識別可能になる。また、端末装置10のユーザは、表示された文字列の相対的なフォントの差分から、ウィンドウA、Bにおける行間、文字列が記述された行内の空白領域を把握することが可能になる。
図15に戻り、端末装置10は、入力部14を介し、ウィンドウAまたはウィンドウBの何れか一方の文字列等についてフォント、表示太さが変更された状態で重畳する各ウィンドウについての、複写元領域と複写先領域との位置合わせ操作を受け付ける(S6)。端末装置10は、例えば、前面側に表示されたウィンドウAまたはBの複写元領域に表示されたデータの指定操作を受け付け、選択された複写元領域のデータを背面側に表示されたウィンドウBまたはウィンドウAの複写先領域に挿入する(S7)。
端末装置10では、S7の処理後、S8−S9の処理が行われ、ウィンドウAとウィンドウBとの間に重なる部分領域が存在しない場合には(S9、No)、S17の処理が行われる。S17の処理では、端末装置10は、ウィンドウAまたはウィンドウB内の変更された文字列等のフォント、表示太さといった書体の種類を変更前の状態に戻す。端末装置10は、S17の処理後、図15の処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態の端末装置10においては、ケース1−ケース4に示す表示態様の変更により、ウィンドウ間の重畳した部分領域で視認される表示内容の識別が可能になる。本実施形態の端末装置10の表示態様の変更によれば、端末装置10のユーザは、複写する内容や表示位置を明確に視認することが可能になる。また、端末装置10のユーザは、複写元のデータを挿入するための、複写先の空白領域を視認することが可能になる。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memeory(CD−ROM)がある。また、Compact Disc-Recordable(CD−R)、Compact Disc-ReWriterable(CD−RW)、DVD、BD、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成と組み合わせることができる。
(付記1)
少なくとも2つのウィンドウを表示する表示部と、
前記表示部に表示される少なくとも2つのウィンドウの内、一方のウィンドウを他方のウィンドウに透過して重畳させて、前記一方のウィンドウ内で指定されたデータを前記重畳されたウィンドウ側の所定領域に複写する際に、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の表示の形態を変更する処理部と、
を備える端末装置。
(付記2)
前記処理部は、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景および前記背景に組合せて表示されるオブジェクトの表示色を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述されたオブジェクトであることを識別可能に変更する、付記1に記載の端末装置。
(付記3)
前記処理部は、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウの表示を不鮮明にする、付記1または2に記載の端末装置。
(付記4)
前記処理部は、ウィンドウ内の表示の濃淡、配色の境界、および表示対象の輪郭の少なくとも1つを不明瞭にすることで、前記ウィンドウの表示を不鮮明にする、付記3に記載の端末装置。
(付記5)
前記処理部は、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字への文字修飾を施す、付記1から4の何れか一の付記に記載の端末装置。
(付記6)
前記処理部は、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字に対して、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景色および文字色とは異なる表示色の下線修飾を施す、付記5に記載の端末装置。(6)
(付記7)
前記処理部は、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字の書体の種類を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字であることを識別可能に変更する、付記1から6の何れか一の付記に記載の端末装置。
(付記8)
コンピュータに、
表示部に表示される少なくとも2つのウィンドウの内、一方のウィンドウを他方のウィンドウに透過して重畳させて、前記一方のウィンドウ内で指定されたデータを前記重畳されたウィンドウ側の所定領域に複写する際に、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の表示の形態を変更する、
ことを実行させる表示プログラム。
(付記9)
前記コンピュータに、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景および前記背景に組合せて表示されるオブジェクトの表示色を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述されたオブジェクトであることを識別可能に変更することを実行させる、付記8に記載の表示プログラム。
(付記10)
前記コンピュータに、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウの表示を不鮮明にすることを実行
させる、付記8または9に記載の表示プログラム。
(付記11)
前記コンピュータに、
ウィンドウ内の表示の濃淡、配色の境界、および表示対象の輪郭の少なくとも1つを不明瞭にすることで、前記ウィンドウの表示を不鮮明にすることを実行させる、付記10に記載の表示プログラム。
(付記12)
前記コンピュータに、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字への文字修飾を施すことを実行させる、付記8から11の何れか一の付記に記載の表示プログラム。
(付記13)
前記コンピュータに、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字に対して、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景色および文字色とは異なる表示色の下線修飾を施すことを実行させる、付記12に記載の表示プログラム。
(付記14)
前記コンピュータに、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字の書体の種類を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字であることを識別可能に変更することを実行させる、付記8から13の何れか一の付記に記載の表示プログラム。
(付記15)
コンピュータが、
表示部に表示される少なくとも2つのウィンドウの内、一方のウィンドウを他方のウィンドウに透過して重畳させて、前記一方のウィンドウ内で指定されたデータを前記重畳されたウィンドウ側の所定領域に複写する際に、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の表示の形態を変更する、
ことを実行する表示方法。
(付記16)
前記コンピュータが、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景および前記背景に組合せて表示されるオブジェクトの表示色を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述されたオブジェクトであることを識別可能に変更することを実行する、付記15に記載の表示方法。
(付記17)
前記コンピュータが、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウの表示を不鮮明にすることを実行する、付記15または16に記載の表示方法。
(付記18)
前記コンピュータが、
ウィンドウ内の表示の濃淡、配色の境界、および表示対象の輪郭の少なくとも1つを不明瞭にすることで、前記ウィンドウの表示を不鮮明にすることを実行する、付記17に記載の表示方法。
(付記19)
前記コンピュータが、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字への文字修飾を施すことを実行する、付記15から18の何れか一の付記に記載の表示方法。
(付記20)
前記コンピュータが、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字に対して、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内の背景色および文字色とは異なる表示色の下線修飾を施すことを実行する、付記19に記載の表示方法。
(付記21)
前記コンピュータが、
前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字の書体の種類を、前記一方のウィンドウあるいは前記他方のウィンドウ内に記述された文字であることを識別可能に変更することを実行する、付記15から20の何れか一の付記に記載の表示方法。