以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(回転不良検出装置について)
<回転不良検出装置の全体構成について>
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る回転不良検出装置の全体構成を説明する。図1は、本実施形態に係る回転不良検出装置の全体構成を示した説明図である。
本実施形態に係る回転不良検出装置10は、例えば図14に示したような、台車が循環移動するドワイトロイド式焼結機のようなシステムにおいて、レール上を移動する台車に設けられた車輪の回転不良を検出する装置である。なお、本実施形態に係る回転不良検出装置10は、台車が循環移動するシステムへの適用に限定されるものではなく、台車がレール上を移動する一般的な移動システムに対しても適用することが可能である。また、レール上を複数の台車が移動している場合、各台車に設けられている車輪は、複数の台車間で共通のものであることが好ましい。
このような回転不良検出装置10は、図1に模式的に示したように、撮像ユニット100と、演算処理ユニット200と、を備える。
撮像ユニット100は、後述する演算処理ユニット200による制御のもと、撮像対象物である車輪をレールに沿った2箇所の撮像位置で撮像して、2種類の撮像画像を生成するユニットである。
かかる撮像ユニット100の詳細な構成については、以下で詳述する。
演算処理ユニット200は、撮像ユニット100における車輪の撮像処理を制御するとともに、撮像ユニット100により生成された2種類の撮像画像に対して画像処理を行うことで、車輪の回転不良を検出するユニットである。
かかる演算処理ユニット200の詳細な構成についても、以下で詳述する。
<撮像ユニット100について>
続いて、図2〜図6を参照しながら、本実施形態に係る回転不良検出装置10が備える撮像ユニット100について、詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る回転不良検出装置が備える撮像ユニットを説明するための説明図であり、図3は、撮像対象物である車輪について説明するための説明図であり、図4は、本実施形態に係る撮像ユニットで撮像される撮像画像について説明するための説明図である。図5及び図6は、本実施形態に係る撮像ユニットを説明するための説明図である。
撮像ユニット100は、図2に模式的に示したように、第1検知部101と、第2検知部103と、撮像部105と、を有している。また、撮像ユニット100は、更に、照明部107を有していることが好ましい。
第1検知部101及び第2検知部103は、台車の進行方向に沿って所定の間隔をあけて併設されており、撮像対象物である車輪が所定の撮像位置に到達したことを検出する装置である。すなわち、第1検知部101及び第2検知部103は、後述する撮像部105のシャッタートリガとして機能する。第1検知部101及び第2検知部103は、撮像対象物である車輪を検知すると、車輪を検知した旨の出力信号を、後述する演算処理ユニット200へと出力する。演算処理ユニット200は、各検知部からの出力信号を受信すると、後述する撮像部105に対して、撮像を開始させるための制御信号を出力する。これにより、後述する撮像部105は、各検知部に対応する撮像位置に到達した車輪を撮像することとなる。
このような第1検知部101及び第2検知部103は、公知の機器を利用して構成することが可能であり、このような機器として、例えば、各種のリミットスイッチや、レーザ距離計等を利用することが可能である。この際、撮像対象物である車輪を有する台車が、レール上をほぼ等速度で移動している場合には、第1検知部101及び第2検知部103として、リミットスイッチ等の時間に応じて出力信号を出力する機器を用いても良い。しかしながら、例えばドワイトロイド式焼結機に設けられた台車等のように、台車が速度を変えながらレール上を移動している場合には、第1検知部101及び第2検知部103として、レーザ距離計等といった、着目している物体との間の距離に応じて出力信号を出力する機器を用いることが好ましい。
第1検知部101及び第2検知部103の設置位置については、用いる機器の特徴に応じて適宜決定すればよいが、例えば、撮像対象物の鉛直方向上方に設けることが可能である。また、本実施形態に係る撮像ユニット100では、着目している車輪について、レール上の異なる位置に到達した時点で撮像することが重要であるため、かかる第1検知部101及び第2検知部103は、図2に模式的に示したように、互いに所定距離だけ離隔するように設けられる。
撮像部105は、第1検知部101及び第2検知部103からそれぞれ出力された、車輪の検出に係る出力信号に基づいて(より詳細には、各検知部から出力された出力信号に基づき、演算処理ユニット200から出力された制御信号に基づいて)、車輪の側面(車輪の径方向に対して略平行な面)を撮像し、2種類の撮像画像を生成する。すなわち、本実施形態に係る撮像部105は、着目する車輪(すなわち、台車に設けられた前輪や後輪)が、第1検知部101に対応する撮像位置(以下、単に「第1撮像位置」ともいう。)に到達した場合に、かかる第1撮像位置において車輪の側面を撮像して、第1撮像画像を生成する。また、本実施形態に係る撮像部105は、着目する車輪が、第2検知部103に対応する撮像位置(以下、単に「第2撮像位置」ともいう。)に到達した場合に、かかる第2撮像位置において車輪の側面を撮像して、第2撮像画像を生成する。
撮像部105は、以上のような第1撮像画像及び第2撮像画像を、各検知部から出力された出力信号に基づいて随時生成すると、生成した第1撮像画像及び第2撮像画像の画像データを、演算処理ユニット200に出力する。
このような撮像部105は、例えば、モノクロカメラやカラーカメラ等といった公知の撮像機器を用いて構成することができ、かかる撮像機器は、静止画像を生成するものであっても、動画像を生成するものであってもよい。しかしながら、本実施形態に係る撮像部105としては、静止画像を生成するモノクロカメラを用いることが、コスト的に簡便である。
本実施形態に係る撮像部105は、車輪の側面を撮像するものであるため、モノクロカメラ等の撮像機器の光軸が車輪の回転軸に対して略平行となるように、レールの近傍に設けられることが好ましい。また、撮像部105は、図2に模式的に示したように、第1撮像位置に到達した車輪と、第2撮像位置に到達した車輪と、が、同一の視野中に含まれるように、撮像機器の画角や焦点距離が設定されることが好ましい。
本実施形態に係る撮像部105は、車輪の側面を撮像する際に、車輪の側面に固定されており、かつ、車輪の回転に伴い回転する所定のマークMが適切に第1撮像画像及び第2撮像画像に写り込むように設定されている。このようなマークMとしては、例えば図3に示したように、車輪の側面に設けられたボルト等といった各種の治具や、車輪の側面に設けられた凹部/凸部などを挙げることができる。また、上記のようなもの以外にも、例えば、車輪にペン等を利用して描かれた様々な模様や、車輪に固定されたシール等を、マークMとして利用することも可能である。かかるマークMは、例えば図3に示したボルト等の治具のように、中心角の大きさが略均等となるように、車輪の側面に対して複数設けられることが好ましい。
本実施形態に係る撮像ユニット100では、先述のように、第1検知部101及び第2検知部103は、互いに離隔するように設けられているため、着目する車輪が第1撮像位置に到達してから第2撮像位置まで到達するまでの間に、車輪の回転に伴って上記のようなマークMも回転する。本実施形態に係る回転不良検出装置10は、例えば図4に示したように、2つの撮像位置における撮像画像(第1撮像画像及び第2撮像画像)を比較し、両者の撮像画像におけるマークMの位置関係に基づいて、回転不良を検出する。本実施形態に係る回転不良検出装置10における回転不良の検出方法の詳細については、以下で改めて説明する。
上記のように、本実施形態に係る回転不良検出装置10では、車輪の回転に伴うマークMの位置関係の変化の様子に基づき、回転不良を検出する。従って、回転不良が生じているか否かを精度よく判別するためには、図5に模式的に示したように、第1撮像位置における車輪の側面でのマークMの配置の状態と、第2撮像位置における車輪の側面でのマークMの配置の状態と、が互いに相違していることが好ましい。そのため、本実施形態に係る撮像ユニット100では、第1検知部101と第2検知部103との間の離隔距離Lは、第1撮像画像におけるマークMの位置と、第2撮像画像におけるマークMの位置と、が互いに相違するような値に設定されることが好ましい。かかる離隔距離Lの具体的な値については、特に限定されるものではなく、車輪の側面でのマークMの配置の状態(例えば、中心角がどのような値に設定されているか)や車輪の直径等に応じて、上記のような条件が満たされるように、適宜決定すればよい。
また、本実施形態に係る撮像ユニット100は、撮像ユニット100が配設される環境の明るさ等に応じて、更に照明部107を有していても良い。かかる照明部107は、撮像位置に到達した車輪に対して、照明光を照射するものである。照明光の波長については、特に限定されるものではないが、白色光とすることが好ましい。また、照明部107を構成する光源についても、特に限定するものではなく、発光ダイオード光源や蛍光灯等、公知の様々な光源を利用することが可能である。
かかる照明部107は、撮像位置に到達した車輪に対して、鉛直方向上方、又は、鉛直方向下方の少なくとも何れか一方から照明光を照射するように設けられることが好ましい。これにより、第1撮像画像及び第2撮像画像に写り込む車輪(特に、マークM)がより明瞭なものとなり、回転不良の検出精度をより向上させることが可能となる。
なお、照明部107をレールの近傍に設置するに際して、図6に模式的に示したように、第1撮像位置での車輪と、第2撮像位置での車輪と、の双方を共に照らすように、1台の光源が設けられることが好ましい。また、かかる1台の光源は、第1撮像位置の車輪に向かう照明光の照射方向と、第2撮像位置の車輪に向かう照明光の照射方向と、が互いに異なるように、配設されることが好ましい。照明光の照射方向が第1撮像位置と第2撮像位置とで相違するように照明部107を配置することが好ましい理由については、以下で改めて説明する。
以上説明したように、本実施形態に係る撮像ユニット100は、台車の車輪という、常に移動している物体を撮像対象物とし、かかる撮像対象物を2種類のタイミングで撮像することで定点観察するユニットである。また、かかる定点観察に際しては、2つのタイミングにおける車輪が撮像部105の同一視野内に位置することが好ましい。
なお、上記説明では、撮像部105が1台の撮像装置(カメラ)から構成される場合を例に挙げたが、撮像部105は、複数台の撮像装置から構成されていてもよい。ただ、1台の撮像装置を用いて構成した方が、撮像ユニット100のコストを抑制することができる。
以上、図2〜図6を参照しながら、本実施形態に係る撮像ユニット100について、詳細に説明した。
<演算処理ユニット200について>
次に、図7〜図10を参照しながら、本実施形態に係る回転不良検出装置10が備える演算処理ユニット200について、詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係る回転不良検出装置が備える演算処理ユニットの構成の一例を示したブロック図である。図8A及び図8Bは、本実施形態に係る演算処理ユニットで用いられる基準画像を説明するための説明図である。図9は、本実施形態に係る演算処理ユニットが備える演算処理部の構成の一例を示したブロック図である。図10は、本実施形態に係る演算処理部における回転不良検出処理を説明するための説明図である。
演算処理ユニット200は、図7に示したように、撮像制御部201と、データ取得部203と、基準画像生成部205と、演算処理部207と、結果出力部209と、表示制御部211と、記憶部213と、を主に備える。
撮像制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。撮像制御部201は、撮像ユニット100における車輪の撮像処理を統括的に制御する制御部である。より詳細には、撮像制御部201は、第1検知部101及び第2検知部103の動作を制御するとともに、第1検知部101及び第2検知部103のそれぞれから、車輪が所定位置(すなわち、第1撮像位置及び第2撮像位置)に到達した旨の出力信号が出力されると、かかる出力信号を取得する。続いて、撮像制御部201は、取得した各検知部からの出力信号に基づき、撮像部105に対して、撮像処理を開始させるための制御信号を出力する。これにより、撮像部105により各撮像位置での車輪の撮像画像(すなわち、第1撮像画像及び第2撮像画像)が生成されることとなる。また、撮像ユニット100に照明部107が設けられている場合、撮像制御部201は、照明部107における照明光の点灯制御を実施する。
データ取得部203は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ取得部203は、撮像制御部201と連携しながら、撮像ユニット100から出力される撮像画像(すなわち、第1撮像画像及び第2撮像画像)の画像データを随時取得して、後述する基準画像生成部205及び演算処理部207に出力する。また、データ取得部203は、取得した撮像画像の画像データに対して、当該画像データを取得した日時等に関する時刻情報を関連付けた上で、かかる画像データを、後述する記憶部213等に履歴情報として記録してもよい。
基準画像生成部205は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。基準画像生成部205は、撮像ユニット100により撮像された車輪に関する撮像画像を利用して、後述する演算処理部207における回転不良検出処理で利用される、車輪の回転に伴うマークMの位置に関する情報を表した撮像画像である基準画像を生成する。かかる基準画像は、回転不良が生じていないことが既知である撮像画像を利用して、生成される。
より詳細には、かかる基準画像は、車輪の側面に設けられているマークMの外形が強調された画像であり、例えば、各マークMの外形に対応するエッジから構成される画像である。
基準画像生成部205は、データ取得部203から、撮像画像の画像データが出力されると、かかる撮像画像の画像データを必要に応じてモノクロ化した上で、所定の輝度閾値を利用して2値化する。その後、基準画像生成部205は、エッジ強調処理及びエッジ抽出処理等といった公知の画像処理技術を利用して、基準画像を生成する。
基準画像生成部205により生成される基準画像の例を、図8Aに模式的に示した。本実施形態に係る演算処理ユニット200において、かかる基準画像は、第1撮像位置における第1撮像画像と、第2撮像位置における第2撮像画像と、で共通して利用される共通基準画像として生成されてもよい(ケースA)。また、かかる基準画像は、第1撮像位置における第1撮像画像で利用される第1基準画像と、第2撮像位置における第2撮像画像で利用される第2基準画像というように、2種類の基準画像が生成されてもよい(ケースB)。
なお、図8Aにおいて(ケースA)として示したような、共通の基準画像を生成する場合、かかる共通基準画像は、検出エリアと、各マークMの外形との間の相対的な位置関係のみを基準化した画像となっている(なお、図8Aでは、図示の便宜上、共通基準画像における車輪の外形を、破線で示している。)。一方、図8Aにおいて(ケースB)として示したような、2種類の基準画像を生成する場合、それぞれの基準画像は、(ケースA)における相対的な位置関係に加えて、回転不良が生じなかった場合におけるマークMの回転の様子をも考慮したものとなっており、第1基準画像におけるマークMの位置が、車輪が正常に回転することによって、第2基準画像におけるマークMの位置となることを示している。
また、撮像ユニット100において照明部107が図6で説明したような配置条件を満たした上で設けられており、かつ、基準画像生成部205が、図8Aにおける(ケースB)で示したような2種類の基準画像を生成する場合には、基準画像生成部205は、照明部107からの照明光によるマークMの陰影をも考慮して、図8Bに示したような基準画像を生成することが好ましい(なお、図8Bでは、図示の便宜上、各基準画像における車輪の外形を、破線で示している。)。すなわち、マークMが、車輪の側面に設けられたボルト等の治具である場合や、車輪の側面に設けられた凹部/凸部である場合には、照明部107からの照明光の照射方向と、各撮像位置との位置関係と、に応じて、陰影が生じることとなる。このような陰影をも考慮して基準画像を生成することで、後述する回転不良検出処理において、基準画像と検出対象である撮像画像との間のマッチング率を向上させることが可能となり、より精度良く回転不良を検出可能となる。
基準画像生成部205は、以上のようにして基準画像を生成すると、生成した基準画像の画像データを、後述する演算処理部207に出力する。また、基準画像生成部205は、生成した基準画像の画像データを、当該画像データを生成した日時等に関する時刻情報と関連付けた上で、記憶部213に格納することが好ましい。
なお、基準画像生成部205における上記のような基準画像の生成処理は、少なくとも1度実施されればよく、撮像画像が生成される毎に実施しなくともよい。
再び図7に戻って、本実施形態に係る演算処理部207について説明する。
演算処理部207は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。演算処理部207は、撮像ユニット100により生成された2種類の撮像画像(すなわち、着目している各車輪に関する第1撮像画像及び第2撮像画像)に対して画像処理を行うことで、車輪の回転不良を検出する処理部である。演算処理部207の詳細な構成、及び、演算処理部207で実施される回転不良検出処理の詳細については、以下で改めて説明する。
演算処理部207は、以下で詳述する回転不良検出処理を実施して、着目している撮像画像に写り込んだ車輪についての回転不良の有無を判断すると、車輪の回転不良の検出結果を表すデータを、後述する結果出力部209に出力する。
結果出力部209は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。結果出力部209は、演算処理部207から出力された車輪の回転不良に関する検出結果を含む各種の検出結果に関する情報を、表示制御部211に出力する。これにより、車輪の回転不良に関する情報が、表示部(図示せず。)に出力されることとなる。また、結果出力部209は、得られた検出結果を、製造管理用プロコン等の外部の装置に出力してもよく、得られた検出結果を利用して、各種の帳票を作成してもよい。また、結果出力部209は、車輪の回転不良の検出結果等といった各種の情報を、当該情報が生成された日時等に関する時刻情報と関連づけて、記憶部213等に履歴情報として格納してもよい。
表示制御部211は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置等により実現される。表示制御部211は、結果出力部209から出力された、車輪の回転不良に関する検出結果を、演算処理ユニット200が備えるディスプレイ等の出力装置や演算処理ユニット200の外部に設けられた出力装置等に表示する際の表示制御を行う。これにより、回転不良検出装置10の利用者は、車輪の回転不良に関する検出結果を、その場で把握することが可能となる。
記憶部213は、例えば本実施形態に係る演算処理ユニット200が備えるRAMやストレージ装置等により実現される。記憶部213には、本実施形態に係る演算処理ユニット200が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部213は、撮像制御部201、データ取得部203、基準画像生成部205、演算処理部207、結果出力部209、表示制御部211等が、自由にリード/ライト処理を行うことが可能である。
[演算処理部207の構成について]
次に、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る演算処理部207の構成と、かかる演算処理部207で実施される回転不良検出処理について、詳細に説明する。
本実施形態に係る演算処理部207は、図9に示したように、前処理部221と、回転角算出部223と、回転不良判定部225と、を備える。
前処理部221は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。前処理部221は、データ取得部203から出力された第1撮像画像及び第2撮像画像の画像データに対して、必要に応じて各種の前処理を実施する。かかる前処理として、例えば、撮像画像がカラー画像である場合のモノクロ化や、二値化処理や、エッジ強調・エッジ抽出処理等を挙げることができる。前処理部221は、これらの前処理の何れか又は全てを必要に応じて実施することで、後述する回転角算出部223による回転角算出処理の精度を更に向上させることが可能である。
前処理部221によって必要に応じて各種の前処理が施された撮像画像の画像データは、回転角算出部223へと出力される。
回転角算出部223は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。回転角算出部223は、前処理部221から出力された第1撮像画像及び第2撮像画像の画像データと、基準画像生成部205により生成された基準画像の画像データと、を利用して、第1撮像画像における車輪の回転角度の大きさと、第2撮像画像における車輪の回転角度の大きさと、を算出する。
具体的には、回転角算出部223は、基準画像におけるマークMの位置関係を、回転角0度とみなし、基準画像、又は、第1撮像画像/第2撮像画像の一方を、求める回転角の算出精度に応じて回転させながら、基準画像におけるマークMの位置関係と、第1撮像画像/第2撮像画像におけるマークMの位置関係と、が一致するときの回転角度を特定する。例えば、回転角算出部223は、基準画像を1度ずつ回転させながら、第1撮像画像との間で、公知の幾何学形状パターンマッチング処理を実施していき、第1撮像画像におけるマークMの位置関係が実現される(類似度が最も高くなる)基準画像の回転角度を特定する。このようにして得られた回転角度が、着目している第1撮像画像における車輪の回転角度となる。例えば、基準画像を30度回転させたもののマークMの位置関係と、第1撮像画像におけるマークMの位置関係と、が一致する(類似度が最も高くなる)場合、第1撮像画像の回転角度は、30度となる。同様な処理を第2撮像画像に対しても実施することで、第2撮像画像における車輪の回転角度を算出することができる。
この際、基準画像、又は、第1撮像画像/第2撮像画像の一方を回転させる範囲は、0度〜360度とする必要はなく、車輪におけるマークMの位置関係に応じて、適宜決定すればよい。例えば、マークMが60度毎に6個設けられている場合には、基準画像、又は、第1撮像画像/第2撮像画像の一方を回転させる範囲を、0度〜60度の範囲とすればよい。
また、回転角算出部223は、基準画像、又は、第1撮像画像/第2撮像画像の一方を回転させるのではなく、基準画像を求める回転角の算出精度に応じて予め回転させた画像を複数準備しておき、回転角度の算出処理に利用してもよい。例えば、基準画像生成部205により生成された基準画像を回転角0度として取り扱い、基準画像を1度回転させたもの、基準画像を2度回転させたもの、・・・を予め準備しておき、基準画像群とする。その上で、基準画像群を構成する各画像と、第1撮像画像/第2撮像画像との幾何学的パターンマッチング処理を実施して、相関値が一番大きくなる基準画像の回転角度を、着目している撮像画像の回転角度とすればよい。
ここで、基準画像生成部205により共通基準画像が生成されている場合、回転角算出部223は、共通基準画像と第1撮像画像とを利用して、上記のような処理により第1撮像画像の回転角度を算出するとともに、共通基準画像と第2撮像画像とを利用して、上記のような処理により第2撮像画像の回転角度を算出する。また、基準画像生成部205により第1基準画像及び第2基準画像が生成されている場合、回転角算出部223は、第1基準画像と第1撮像画像とを利用して、上記のような処理により第1撮像画像の回転角度を算出するとともに、第2基準画像と第2撮像画像とを利用して、上記のような処理により第2撮像画像の回転角度を算出する。
なお、回転角算出部223が実施する幾何学的パターンマッチング処理の詳細については、特に限定されるものではなく、公知の様々なアルゴリズムを適宜利用することが可能である。
回転角算出部223は、以上のようにして、第1撮像画像及び第2撮像画像における車輪の回転角度を算出すると、算出した各撮像画像の回転角度を、後述する回転不良判定部225に出力する。
回転不良判定部225は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。回転不良判定部225は、回転角算出部223から第1撮像画像及び第2撮像画像における車輪の回転角度に関する情報をそれぞれ取得すると、かかる情報を利用して、第1撮像画像における車輪の回転角度と、第2撮像画像における車輪の回転角度と、の差分値を算出する。その上で、回転不良判定部225は、算出した差分値の絶対値と、所定の回転角閾値と、を比較することで、着目している台車の車輪に回転不良が生じているか否かを判断する。
以下では、図10を参照しながら、回転不良判定部225が実施する回転角閾値との比較処理について、具体的に説明する。
まず、共通基準画像が存在し、かかる共通基準画像に基づき各撮像画像における車輪の回転角度が算出されている場合(図10の上段に示した場合)を考える。かかる場合、各撮像画像における車輪の回転角度は、共通基準画像における車輪のマークMの位置を0度として算出されている。そのため、第1撮像位置及び第2撮像位置での回転角度の差分値は回転不良が生じていなければ、第1撮像位置と第2撮像位置との間で車輪が回転した角度になる。かかる角度は、第1撮像位置と第2撮像位置との間の距離と、車輪の外周と、から求められる。画像処理等で若干の誤差が生じるため、回転不良判定部225は、上記のようにして求められる角度から誤差分を差し引いた値を所定の閾値(回転角閾値)として、算出した回転角の差分値の絶対値が上記所定の閾値(回転角閾値)超である場合は、回転不良は発生しておらず、車輪の回転は正常であると判定する一方で、算出した回転角の差分値の絶対値が上記所定の閾値(回転角閾値)以下である場合は、回転不良が発生していると判定する。ここで、上記誤差の値は、特に限定されるものではなく、求める検出精度に応じて適宜決定すればよく、例えば、5度等といった値を設定することが可能である。
次に、第1基準画像及び第2基準画像という2種類の基準画像が存在し、これら2種類の基準画像に基づき各撮像画像における車輪の回転角度が算出されている場合(図10の下段に示した場合)を考える。かかる場合、2種類の基準画像は、車輪の回転が正常である場合に生じるマークMの位置の違いを考慮したものとなっているため、回転不良が生じていなければ、第1撮像位置及び第2撮像位置での回転角度の差分値はゼロとなる。画像処理等で若干の誤差が生じるため、回転不良判定部225は、算出した回転角の差分値の絶対値が画像処理等の誤差を考慮した所定の閾値(回転角閾値)未満である場合は、回転不良は発生しておらず、車輪の回転は正常であると判定する一方で、算出した回転角の差分値の絶対値が上記所定の閾値(回転角閾値)以上である場合は、回転不良が発生していると判定する。
ここで、判定に用いられる閾値(回転角閾値)の具体的な値は、特に限定されるものではなく、求める検出精度に応じて適宜決定すればよいが、回転角算出部223による画像処理の誤差を考慮して決定することが好ましい。具体的な回転角閾値として、例えば、10度等といった値を設定することが可能である。
回転不良判定部225は、以上のような処理により、車輪に回転不良が発生しているか否かを判定すると、得られた判定結果を、結果出力部209に出力する。
以上、図9及び図10を参照しながら、本実施形態に係る演算処理部207の構成について、詳細に説明した。
以上、本実施形態に係る演算処理ユニット200の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る演算処理ユニットの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る回転不良検出装置10は、2つの検知部と、1つの撮像部という、厳しい環境下であっても比較的強固であり、かつ、比較的安価な機器で構成される撮像ユニット100を用いつつ、幾何学的パターンマッチング処理という、簡便な画像処理技術を用いることで、精度良く車輪の回転不良を検出することが可能となる。
(回転不良検出方法について)
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係る回転不良検出装置10で実施される回転不良検出方法の流れの一例を、簡単に説明する。図11は、本実施形態に係る回転不良検出方法の流れの一例を示した流れ図である。
本実施形態に係る回転不良検出方法では、まず、実際の撮像画像を利用して、予め基準画像が生成される(ステップS101)。
その上で、撮像ユニット100は、演算処理ユニット200による制御のもとで、第1検知部101に対応する撮像位置(第1撮像位置)での撮像画像(すなわち、第1撮像画像)を生成する(ステップS103)とともに、第2検知部103に対応する撮像位置(第2撮像位置)での撮像画像(すなわち、第2撮像画像)を生成し(ステップS105)、生成した各撮像画像を演算処理ユニット200に出力する。
その後、演算処理ユニット200の演算処理部207は、予め生成されている基準画像を用いて、各撮像位置での撮像画像を利用して、各撮像位置における車輪の回転角を算出する(ステップS109)。その後、演算処理部207は、算出した回転角の差分値を算出し(ステップS111)、算出した差分値と所定の回転角閾値とを比較することで、車輪の回転不良を検出する(ステップS113)。
以上のような処理が実施されることで、本実施形態に係る回転不良検出方法では、車輪の回転不良を、精度良く検出することが可能となる。
以上、図11を参照しながら、本実施形態に係る回転不良検出方法の流れの一例を簡単に説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図12を参照しながら、本発明の実施形態に係る演算処理ユニット200のハードウェア構成について、詳細に説明する。図12は、本発明の実施形態に係る演算処理ユニット200のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理ユニット200は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理ユニット200は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、又はリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理ユニット200内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、演算処理ユニット200の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。更に、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、この入力装置909を操作することにより、演算処理ユニット200に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理ユニット200が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理ユニット200が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理ユニット200の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理ユニット200に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu−ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、又は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理ユニット200に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理ユニット200は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線もしくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、社内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理ユニット200の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以下では、実施例を示しながら、本発明に係る回転不良検出装置及び回転不良検出方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る回転不良検出装置及び回転不良検出方法のあくまでも一例にすぎず、本発明に係る回転不良検出装置及び回転不良検出方法が下記の例に限定されるものではない。
本実施例では、台車が循環移動するシステムとして、ドワイトロイド式焼結機に着目し、かかる焼結機に設けられた、160台のパレット台車に設けられている前輪及び後輪の回転角を上記の方法により計測するとともに、回転不良が生じたか否かを判定した。
具体的には、ドワイトロイド式焼結機において160台のパレット台車が配置されているレールの近傍に、第1検知部101、第2検知部103、撮像部105及び照明部107から構成される撮像ユニット100を設置し、2種類の基準画像を利用した回転不良検出処理を実施した。
ここで、第1検知部101及び第2検知部103として、市販のレーザ距離計を利用するとともに、撮像部105として、市販のモノクロカメラを利用した。ここで、2つのレーザ距離計は、パレット台車の車輪の直径と、車輪に設けられた図3等に示したようなボルトの位置関係(60度ピッチで配置)と、を考慮して、互いに110mm離隔させて配置した。この110mmという離隔距離は、回転角度で約35度に相当する。また、2つの撮像位置における車輪が同一視野内に位置するように、モノクロカメラの画角及び焦点距離を調整した。
また、回転不良が生じていないことが既知の、連続して撮像された2つの撮像画像を利用して、照明部107による陰影を考慮した、図8Bに示したような2種類の基準画像を準備した。回転角閾値としては、画像処理での誤差も考慮して、10度を設定した。
検証は、160台のパレット台車が環状のレール上を約3周分移動する際の前輪及び後輪の回転不良を、2日間にわたって判定することで実施した。得られた撮像画像の枚数は、第1撮像画像及び第2撮像画像のそれぞれで、972枚であった。
前輪に関する回転角度の算出結果及び回転不良の判定結果を、図13Aに示すとともに、後輪に関する回転角度の算出結果及び回転不良の判定結果を、図13Bに示した。
図13Aから明らかなように、前輪では回転不良が生じていると判定された撮像画像は、972枚のうち8枚であった。また、別途、実際に車輪の状態を調査した結果とのつきあわせを実施したところ、かかる8枚に該当する車輪のみ、回転不良を生じていることが明らかとなり、回転不良の過検出率及び未検出率は、共に0%であった。
また、図13Bから明らかなように、後輪では回転不良が生じていると判定された撮像画像は、972枚のうち0枚であった。また、別途、実際に車輪の状態を調査した結果、全ての車輪で異常はみられず、回転不良の過検出率及び未検出率は、共に0%であった。
かかる結果から明らかなように、本発明に係る回転不良検出装置及び回転不良検出方法を用いることで、台車が設けられる環境に依らず、かつ、連続して多数の車輪が走行する場合であっても、コストをかけることなく各車輪の回転不良を精度よく検出することが可能であることが明らかとなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。