JP6881111B2 - 暗号化データ生成装置、復号データ生成装置、追加データ付き認証暗号システム、その方法、及びプログラム - Google Patents

暗号化データ生成装置、復号データ生成装置、追加データ付き認証暗号システム、その方法、及びプログラム Download PDF

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本発明は、メッセージの秘匿と改ざん検知を同時に行う追加データ付き認証暗号技術に関する。
追加データ付き認証暗号とは、メッセージMの秘匿、および、メッセージMと追加データAの認証(改ざん検知)を同時に行う共通鍵暗号プリミティブである。従来の追加データ付き認証暗号としては、例えば、非特許文献1および非特許文献2に記載されたAPE(Authenticated Permutation-Based Encryption)が挙げられる。追加データ付き認証暗号は、暗号化関数および復号関数の二つの関数から構成される。追加データ付き認証暗号では、受信者と送信者との間であらかじめ秘密の鍵Kを共有しておく。
送信者は、メッセージMと追加データAに加えて、暗号化関数を呼び出すたびに変化するナンスと呼ばれる値Nを選択する。暗号化関数は、メッセージM、追加データA、およびナンスNに対応する暗号化データCおよびタグTを生成し、(C, T, A, N)の組を受信者に送る。
受信者は(C, T, A, N)の組を受け取るが、この時点ではこれらの値が悪意ある第三者によって改ざんされていないという保証はない。受信者は受け取った(C, T, A, N)の組と自分が保有する鍵Kとを用いて検証を同時に行う復号関数を計算する。
検証を同時に行う復号関数にはいくつかの種類がある。多くの追加データ付き認証暗号では、受信者が再計算したタグT'が送信者から受け取ったタグTと一致するかどうかで検証を行う。APEでは、受信者が再計算した中間ステートの値がある値に一致するかどうかで検証を行う。いずれにせよ値が一致しなかった場合は復号に失敗した(データが改ざんされた)という結果を出力する。
APEは追加データ付き認証暗号の暗号化関数と復号関数の構成法である。保証したい安全性レベル(ビット数)に比べて比較的大きなサイズの置換(bijective map)を用いて暗号化関数と復号関数を構成するという特徴を持つ。APEの復号関数は、上記のとおり、従来の復号関数とは異なる特殊な方法で検証を行う。
図1を参照しながら、APEの暗号化関数の具体的な計算手順を説明する。APEの暗号化関数は、ステートと呼ばれるbビットのデータを、bビットの置換f:{0, 1}b→{0, 1}b、入力データ(N, A, M)、および鍵Kを用いて繰り返し更新しながら、暗号化データCおよびタグTを計算する。置換fの詳細は非特許文献2に記載されている。なお、ナンスNの入力は必須ではなく、ナンスNがある場合も、ナンスNは追加データAの一部となる。したがって、入力データは追加データA、メッセージM、および鍵Kを考慮すれば十分である。また、追加データAはメッセージMよりも先に処理される。そのような追加データAはヘッダと呼ばれる。追加データAとメッセージMの長さはいずれもrビットの倍長に限られる。
bビットのステートは、レートと呼ばれるrビットと、キャパシティと呼ばれるc(=b-r)ビットに分割される。暗号化関数を計算する場合、bビットのステートの値を、レート部分のrビットは0(すなわち、すべてのビットが0のビット列)に、キャパシティ部分のcビットは鍵Kの値に初期化する。
手順1.追加データAをrビットのブロックに分割する。bビットのステートのうちレート部分のrビットに対し、追加データAの第一ブロックとの排他的論理和を計算し、bビットのステートに対し、置換fを計算する。この置換fの出力を新たなステートの値とする。この操作を追加データAの最終ブロックが排他的論理和されるまで繰り返す。
手順2.bビットのステートのうちキャパシティ部分のcビットに対し、整数値1(すなわち、最下位ビットのみが1のビット列)との排他的論理和を計算する。
手順3.メッセージMをrビットのブロックに分割する。bビットのステートのうちレート部分のrビットに対し、メッセージMの第一ブロックとの排他的論理和を計算し、bビットのステートに対し、置換fを計算する。この置換fの出力を新たなステートの値とし、レート部分のrビットを暗号化データCの第一ブロックとして出力する。この操作をメッセージMの最終ブロックが排他的論理和されるまで繰り返す。
手順4.bビットのステートのうちキャパシティ部分のcビットに対し、cビットの鍵Kとの排他的論理和を計算し、計算結果をcビットのタグTとして出力する。
図2を参照しながら、APEの復号関数の具体的な計算手順を説明する。APEの復号関数は、APEの暗号化関数の計算をほぼ逆順に行う。復号関数は、通常(C, T, A, N)の組を入力にとるが、APEではナンスNは追加データAの一部とみなすことができるため、(C, T, A)の組を入力にとるとみなす。
復号関数を計算する場合、bビットのステートの値を、rビットの暗号化データCの最終ブロック(図2の例ではC2)とcビットのタグTとを連結した値に初期化する。
手順1.bビットのステートのうちキャパシティ部分のcビットに対し、cビットの鍵Kとの排他的論理和を計算し、計算結果によりキャパシティ部分のcビットを更新する。
手順2.bビットのステートに対し、置換fの逆関数f-1:{0, 1}b→{0, 1}bを計算する。この逆関数f-1の出力を新たなステートの値とする。レート部分のrビットに対し、暗号化データCの最終ブロックの一つ前のブロック(図2の例ではC1)との排他的論理和を計算し、計算結果をメッセージMの最終ブロック(図2の例ではM2)として出力する。また、レート部分のrビットを、暗号化データCの最終ブロックの一つ前のブロック(図2の例ではC1)により更新し、更新されたステートを新たなステートの値とする。この操作を暗号化データCの第一ブロック(図2の例ではC0)が処理されるまで繰り返す。これにより、メッセージMの最終ブロック(図2の例ではM2)から第二ブロック(図2の例ではM1)までが復元される。最後に更新されたステートのうち、レート部分のrビットの値をSr、キャパシティ部分のcビットの値をScとする。
手順3.メッセージMの第一ブロック(図2の例ではM0)の復元方法は、それ以外のブロックとは異なる。まず、暗号化関数の手順1から手順2までと同じ計算を行う。更新されたステートのうち、レート部分のrビットの値をS'r、キャパシティ部分のcビットの値をS'cとする。rビットの値Srとrビットの値S'rとの排他的論理和を計算し、計算結果をメッセージMの第一ブロック(図2の例ではM0)として出力する。
手順4.cビットの値Scとcビットの値S'cとを比較し、値が一致すれば復号されたメッセージM(図2の例ではM=M0||M1||M2)を出力する。なお、復号されたメッセージMを復号データともいう。一致しなかった場合は、メッセージMは出力せず、復号に失敗した旨を表すエラーコードのみを出力する。
また、秘密ナンスを実現する追加データ付き認証暗号としてProtected IV (PIV)方式が存在する(非特許文献3参照)。秘密ナンスとは、ナンスの一種であり、値が暗号化されてから通信路を流れる値のことを言う。これまでに通信したパケット数等をナンスとして用いる場合、ナンスにプライバシー情報を含むため、ナンスを暗号化してから送ることが望ましい。
通常のナンスを利用する追加データ付き認証暗号では、送信者は入力データ(N,A,M)と鍵Kを用いて(C,T)を計算し、(C,T,A,N)を受信者に送る。つまり、Nは暗号化されない。PIV方式では、(N,A,M)と鍵Kを用いて(C,T)を計算する他、Nを暗号化して復元情報RIに変換し、(C,T,A,RI)を受信者に送る。受信者は復号の途中でRIからNを復元する。
Elena Andreeva, Begul Bilgin, Andrey Bogdanov, Atul Luykx, Bart Mennink, Nicky Mouha and Kan Yasuda, "APE: Authenticated Permutation-Based Encryption for Lightweight Cryptography," FSE 2014, (eds.) Carlos Cid and Christian Rechberger, LNCS, Vol. 8540, pages 168-186, Springer, 2015. Elena Andreeva, Begul Bilgin, Andrey Bogdanov, Atul Luykx, Florian Mendel, Bart Mennink, Nicky Mouha, Qingju Wang and Kan Yasuda, "PRIMATEs v1 | Submission to the CAESAR Competition," Submitted to CAESAR, 2014. Thomas Shrimpton and R. Seth Terashima, \AModular Framework for Building Variable-Input-Length Tweakable Ciphers," ASIACRYPT 2013 , (eds.) Kazue Sako and Palash Sarkar, LNCS, Vol. 8269, pages 405-423, Springer, 2013.
しかしながら、従来技術のAPEでは、ナンスを利用する場合はA の一部とみなされ、暗号化されずに受信者に送られる。従って、秘密ナンスを利用することができない。また、非特許文献3では、メッセージMとは別にNを暗号化し、復元情報RIを送信する必要がある。そのため、処理量や送信量が大きくなるという問題がある。
本発明は、処理量や送信量を抑えることができる暗号化データ生成装置、復号データ生成装置、追加データ付き認証暗号システム、その方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、暗号化データ生成装置は、秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、|A x |を1以上c/2以下の整数の何れかとし、追加データAを秘匿対象の|A x |ビット分の値A x と(|A|-|A x |)ビット分の値A'とに分割する分割部と、n=1,2,…,|A'|/rとし、値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA' n とし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S 0 とし、bビットの暗号化ステートS n-1 のレート部分S R,n-1 のrビットに対し、値A' n との排他的論理和S R,n-1 xor A' n を求める第一排他的論理和部と、bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、暗号化ステートS n-1 のレート部分S R,n-1 を排他的論理和S R,n-1 xor A' n に置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS n を求める第一置換部と、暗号化ステートS |A'|/r のキャパシティ部分S C,|A'|/r と、値A x と(c-|A x |)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列A x ||gとの排他的論理和S C,|A'|/r xor A x ||gを計算し、暗号化ステートS |A'|/r のキャパシティ部分S C,|A'|/r を排他的論理和S C,|A'|/r xor A x ||gに置換えたビット列を新たな暗号化ステートS |A'|/r とする境界設定部と、m=1,2,…,|M|/rとし、メッセージMを|M|/r個に分割して得られる各値をM m とし、bビットの暗号化ステートS |A'|/r+m-1 のレート部分S R,|A'|/r+m-1 のrビットに対し、メッセージM m との排他的論理和S R,|A'|/r+m-1 xor M m を求める第二排他的論理和部と、暗号化ステートS |A'|/r+m-1 のレート部分S R,|A'|/r+m-1 を排他的論理和S R,|A'|/r+m-1 xor M m に置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS |A'|/r+m を求め、暗号化ステートS |A'|/r+m のレート部分のrビットを暗号化データC m とし、|M|/r個の暗号化データC m を含む暗号化データC=(C 1 ,C 2 ,…,C |M|/r )を出力する第二置換部と、暗号化ステートS |A'|/r+|M|/r のキャパシティ部分S C,|A'|/r+|M|/r と秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成部と、暗号化データCとタグTと値A'とを出力する出力部を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、復号データ生成装置は、秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、 |A x |を1以上c/2以下の整数の何れかとし、暗号化データCとタグTと追加データAに含まれる(|A|-|A x |)ビット分の値A'とを受け取る入力部と、 m=1,2,…,|M|/rとし、|M|/r個の暗号化データC m を含む暗号化データC=(C 1 ,C 2 ,…,C |M|/r )に含まれる暗号化データC |M|/r とcビットのタグTとを連結した値をステートS m の初期値S |M|/r とし、ステートS |M|/r のキャパシティ部分S C,|M|/r とcビットの秘密鍵Kとの排他的論理和S C,|M|/r xor Kを求める第三排他的論理和部と、 暗号化する際に用いた置換fの逆関数をf -1 とし、ステートS |M|/r のキャパシティ部分S C,|M|/r を排他的論理和S C,|M|/r xor Kに置換えたビット列を逆関数f -1 を用いて置換し、ステートS |M|/r-1 を求める第三置換部と、 m=1,2,…,(|M|/r)-1において、ステートS m のレート部分S R,m と、暗号化データC m との排他的論理和S R,m xor C m を復号データM m+1,D として出力する第四排他的論理和部と、 ステートS m のレート部分S R,m を暗号化データC m に置換えたビット列を逆関数f -1 を用いて置換し、ステートS m-1 を求める第四置換部と、 値A'のビット長を|A'|とし、n=1,2,…,|A'|/rとし、値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA' n とし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S 0,D とし、bビットの復号ステートS n-1,D のレート部分S R,n-1,D のrビットに対し、値A' n との排他的論理和S R,n-1,D xor A' n を求める第五排他的論理和部と、 復号ステートS n-1,D のレート部分S R,n-1,D を排他的論理和S R,n-1,D xor A' n に置換えたビット列を置換fを用いて置換し、復号ステートS n,D を求める第五置換部と、 復号ステートS |A'|/r,D のキャパシティ部分S C,|A'|/r,D と、|A x |ビット分の0からなるビット列と(c-|A x |)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和S C,|A'|/r,D xor 00…0||gを計算し、計算結果により復号ステートS |A'|/r,D を更新する境界除去部と、 更新された復号ステートS |A'|/r,D のキャパシティ部分S C,|A'|/r,D のビット列gに対応する部分と、ステートS 0 のキャパシティ部分S C,0 のビット列gに対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、キャパシティ部分S C,|A'|/r,D の|A x |ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、キャパシティ部分S C,0 の|A x |ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をA x として出力し、復号ステートS |A'|/r,D のレート部分S R,|A'|/r,D とステートS 0 のレート部分S R,0 との排他的論理和を復号データM 1,D として出力する認証部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、追加データ付き認証暗号システムは、暗号化データ生成装置と復号データ生成装置とを含む。暗号化データ生成装置は、秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、|Ax|を1以上c/2以下の整数の何れかとし、追加データAを秘匿対象の|Ax|ビット分の値Axと(|A|-|Ax|)ビット分の値A'とに分割する分割部と、n=1,2,…,|A'|/rとし、値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA'nとし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0とし、bビットの暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1 xor A'nを求める第一排他的論理和部と、bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を排他的論理和SR,n-1 xor A'nに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートSnを求める第一置換部と、暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rと、値Axと(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列Ax||gとの排他的論理和SC,|A'|/r xor Ax||gを計算し、暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rを排他的論理和SC,|A'|/r xor Ax||gに置換えたビット列を新たな暗号化ステートS|A'|/rとする境界設定部と、m=1,2,…,|M|/rとし、メッセージMを|M|/r個に分割して得られる各値をMmとし、bビットの暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1のrビットに対し、メッセージMmとの排他的論理和SR,|A'|/r+m-1 xor Mmを求める第二排他的論理和部と、暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1を排他的論理和SR,|A'|/r+m-1 xor Mmに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS|A'|/r+mを求め、暗号化ステートS|A'|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)を出力する第二置換部と、暗号化ステートS|A'|/r+|M|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/r+|M|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成部と、暗号化データCとタグTと値A'とを出力する出力部を含む。復号データ生成装置は、暗号化データCとタグTと追加データAに含まれる(|A|-|Ax|)ビット分の値A'とを受け取る入力部と、暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)に含まれる暗号化データC|M|/rとcビットのタグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M|/rとし、ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rとcビットの秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M|/r xor Kを求める第三排他的論理和部と、置換fの逆関数をf-1とし、ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rを排他的論理和SC,|M|/r xor Kに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートS|M|/r-1を求める第三置換部と、m=1,2,…,(|M|/r)-1において、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを復号データMm+1,Dとして出力する第四排他的論理和部と、ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートSm-1を求める第四置換部と、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S0,Dとし、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1,D xor A'nを求める第五排他的論理和部と、復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを排他的論理和SR,n-1,D xor A'nに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、復号ステートSn,Dを求める第五置換部と、復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dと、|Ax|ビット分の0からなるビット列と(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和SC,|A'|/r,Dxor 00…0||gを計算し、計算結果により復号ステートS|A'|/r,Dを更新する境界除去部と、更新された復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dのビット列gに対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列gに対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、キャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、キャパシティ部分SC,0の|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をAxとして出力し、復号ステートS|A'|/r,Dのレート部分SR,|A'|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を復号データM1,Dとして出力する認証部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、追加データ付き認証暗号システムは、暗号化データ生成装置と復号データ生成装置とを含む。暗号化データ生成装置は、秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、|Mx|を1以上c/2以下の整数の何れかとし、メッセージMを|Mx|ビット分の値Mxと(|M|-|Mx|)ビット分の値M'とに分割する分割部と、n=1,2,…,|A|/rとし、メッセージAを|A|/r個に分割して得られる各値をAnとし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0とし、bビットの暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1 xor Anを求める第一排他的論理和部と、bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を排他的論理和SR,n-1 xor Anに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートSnを求める第一置換部と、暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rと、値Mxと(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結して得られるビット列Mx||g2との排他的論理和SC,|A|/r xor Mx||g2を計算し、暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rを排他的論理和SC,|A|/r xor Mx||g2に置換えたビット列を新たな暗号化ステートS|A|/rとする境界設定部と、m=1,2,…,|M'|/rとし、値M'を|M'|/r個に分割して得られる各値をM'mとし、bビットの暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1のrビットに対し、値M'mとの排他的論理和SR,|A|/r+m-1 xor M'mを求める第二排他的論理和部と、暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1を排他的論理和SR,|A|/r+m-1 xor M'mに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS|A|/r+mを求め、暗号化ステートS|A|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M'|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)を出力する第二置換部と、暗号化ステートS|A|/r+|M'|/rのキャパシティ部分SC,|A|/r+|M'|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成部と、暗号化データCとタグTと追加データAとを出力する出力部を含む。復号データ生成装置は、暗号化データCとタグTと追加データAとを受け取る入力部と、暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)に含まれる暗号化データC|M'|/rとcビットのタグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M'|/rとし、ステートS|M'|/rのキャパシティ部分SC,|M'|/rとcビットの秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M'|/r xor Kを求める第三排他的論理和部と、置換fの逆関数をf-1とし、ステートS|M'|/rのキャパシティ部分SC,|M'|/rを排他的論理和SC,|M'|/r xor Kに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートS|M'|/r-1を求める第三置換部と、m=1,2,…,(|M'|/r)-1において、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを復号データMm+1,Dとして出力する第四排他的論理和部と、ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートSm-1を求める第四置換部と、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S0,Dとし、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1,D xor Anを求める第五排他的論理和部と、復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを排他的論理和SR,n-1,D xor Anに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、復号ステートSn,Dを求める第五置換部と、復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dと、|Mx|ビット分の0からなるビット列と(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結して得られるビット列00…0||g2との排他的論理和SC,|A|/r,D xor 00…0||g2を計算し、計算結果により復号ステートS|A|/r,Dを更新する境界除去部と、更新された復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dのビット列g2に対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列g2に対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、キャパシティ部分SC,|A|/r,Dの|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、キャパシティ部分SC,0の|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をMxとして出力し、復号ステートS|A|/r,Dのレート部分SR,|A|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を復号データM1,Dとして出力する認証部とを含む。
本発明によれば、処理量や送信量を抑えることができるという効果を奏する。
従来の暗号化関数を説明するための図。 従来の復号関数を説明するための図。 追加データ付き認証暗号システムの機能構成を例示する図。 暗号化装置の機能構成を例示する図。 追加データ計算部の機能構成を例示する図。 メッセージ計算部の機能構成を例示する図。 復号装置の機能構成を例示する図。 暗号化データ逆計算部の機能構成を例示する図。 追加データ計算部の機能構成を例示する図。 第一実施形態の暗号化方法の処理手続きを例示する図。 第一実施形態の暗号化関数の一例を説明するための図。 第一実施形態の復号方法の処理手続きを例示する図。 第一実施形態の復号関数の一例を説明するための図。 第二実施形態の暗号化方法の処理手続きを例示する図。 第二実施形態の暗号化関数の一例を説明するための図。 第二実施形態の復号方法の処理手続きを例示する図。 第二実施形態の復号関数の一例を説明するための図。
以下、本発明の実施形態について、説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。
<第一実施形態>
この発明の実施形態は、暗号化処理の手順2.において、追加データAの下位c/2ビットの値をキャパシティ部分に排他的論理和する。また、追加データAの下位c/2ビットは受信者に別途送る必要が無く、暗号文CとタグTの中に組み込むことで、受信者が復号の途中で復元する。このような構成とすることで、追加データAの下位c/2ビットを秘密ナンスとして利用し、秘密ナンスを利用できるAPEを実現することができる。
実施形態の追加データ付き認証暗号システムは、図3に示すように、追加データ付き認証暗号の暗号化関数を実行する暗号化装置1と、追加データ付き認証暗号の復号関数を実行する復号装置2とを含む。この実施形態では、暗号化装置1および復号装置2はそれぞれ通信網3へ接続される。通信網3は、接続される各装置が相互に通信可能なように構成された回線交換方式もしくはパケット交換方式の通信網であり、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを用いることができる。なお、各装置は必ずしも通信網3を介してオンラインで通信可能である必要はない。例えば、暗号化装置1が出力する情報を磁気テープやUSBメモリなどの可搬型記録媒体に記憶し、その可搬型記録媒体から復号装置2へオフラインで入力するように構成してもよい。
追加データ付き認証暗号システムに含まれる暗号化装置1は、図4に示すように、記憶部10、入力部11、初期化部12、分割部13、追加データ計算部14、境界設定部15、メッセージ計算部16、タグ生成部17、および出力部18を含む。暗号化装置1に含まれる追加データ計算部14は、図5に示すように、分割部141、排他的論理和部142、および置換部143を含む。暗号化装置1に含まれるメッセージ計算部16は、図6に示すように、分割部161、排他的論理和部162、置換部163を含む。
追加データ付き認証暗号システムに含まれる復号装置2は、図7に示すように、例えば、記憶部20、入力部21、第一初期化部22、タグ復号部23、暗号化データ逆計算部24、追加データ計算部26、境界除去部27、認証部29、および出力部30を含む。復号装置2に含まれる暗号化データ逆計算部24は、図8に示すように、逆置換部241、および排他的論理和部242を含む。復号装置2に含まれる追加データ計算部26は、図9に示すように、分割部261、排他的論理和部263、および置換部264を含む。
暗号化装置1が図10に示す各ステップの処理を行い、復号装置2が図12に示す各ステップの処理を行うことにより実施形態の追加データ付き認証暗号方法が実現される。なお、追加データ付き認証暗号方法のうち暗号化装置1が実行する部分を暗号化方法とも呼び、復号装置2が実行する部分を復号方法とも呼ぶ。
暗号化装置1および復号装置2は、例えば、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)、主記憶装置(RAM: Random Access Memory)などを有する公知又は専用のコンピュータに特別なプログラムが読み込まれて構成された特別な装置である。暗号化装置1および復号装置2は、例えば、中央演算処理装置の制御のもとで各処理を実行する。暗号化装置1および復号装置2に入力されたデータや各処理で得られたデータは、例えば、主記憶装置に格納され、主記憶装置に格納されたデータは必要に応じて中央演算処理装置へ読み出されて他の処理に利用される。暗号化装置1および復号装置2の各処理部は、少なくとも一部が集積回路等のハードウェアによって構成されていてもよい。暗号化装置1および復号装置2が備える各記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、ハードディスクや光ディスクもしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)のような半導体メモリ素子により構成される補助記憶装置、またはリレーショナルデータベースやキーバリューストアなどのミドルウェアにより構成することができる。
<暗号化装置1>
図10、図11を参照して、実施形態の追加データ付き認証暗号システムが実行する追加データ付き認証暗号方法のうち、暗号化装置1が実行する暗号化方法について説明する。
<記憶部10>
暗号化装置1の記憶部10には、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とからなるbビットのステート(以下、復号装置2の記憶部20に記憶されるステートと区別するために、暗号化ステートとも呼ぶ)と、復号装置2との間であらかじめ共有した共通鍵K(以下、秘密鍵Kともいう)とが記憶されている。例えば、ステートは512ビットとし、レート部分は256ビット、キャパシティ部分は256ビットに構成する(すなわち、b=512, r=256, c=256)。レート部分とキャパシティ部分の長さの比は、処理速度と安全性のトレードオフの関係となっている。レート部分の長さが大きくなると、処理速度は向上するが安全性は低下する。逆に、キャパシティ部分の長さが大きくなると、安全性が向上するが処理速度が低下する。したがって、b, r, cの各値は、所望の処理速度と安全性のバランスを鑑みて適宜設計すればよい。
<入力部11>
ステップS11において、暗号化装置1の入力部11へ、追加データAとメッセージMとの組(A, M)が入力される。追加データAとメッセージMとはいずれもr ビットの倍長のデータとする。なお、追加データAとメッセージMとをr ビットの倍長のデータに限定するものではなく、r ビットの倍長ではない場合には、例えば、10*パディングを施して、r ビットの倍長のデータに変更して本実施形態を適用してもよい。入力部11は、メッセージMをメッセージ計算部16へ、追加データAを分割部13へ入力する。
<初期化部12>
ステップS12において、暗号化装置1の初期化部12は、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0として設定する。例えば、初期化部12は、記憶部10に記憶されている暗号化ステートのうち、レート部分の値を0(すなわち、すべてのビットが0のビット列)に、キャパシティ部分の値を秘密鍵Kの値に設定して初期化する。
<分割部13>
ステップS13において、暗号化装置1の分割部13は、入力部11から追加データAを受け取り、追加データAを秘匿対象の|Ax|ビット分の値Axと(|A|-|Ax|)ビット分の値A'とに分割する。ここで、|Ax|を1以上c/2以下の整数の何れかとする。本実施形態では、|Ax|をc/2とし、追加データAを上位(|A|-(c/2)|)ビット分の値A'と、下位c/2ビット分の値Axとに分割する。値Axを例えば秘密ナンスとして利用することができる。|Ax|と(|A|-|Ax|)との比は、秘密ナンスとして利用できる大きさ(情報量)と安全性のトレードオフの関係となっている。|Ax|が大きくなると、より大きな情報量の秘密ナンスを利用できるが安全性は低下する。逆に、|Ax|が小さくなると、安全性が向上するが情報量が小さくなる。したがって、|Ax|の値は、所望の秘密ナンスの情報量と安全性のバランスを鑑みて適宜設計すればよい。なお、(|A|-|Ax|)ビット分の値A'はr ビットの倍長のデータとする。ただし、値A'をr ビットの倍長のデータに限定するものではなく、r ビットの倍長ではない場合には、例えば、10*パディングを施して、r ビットの倍長のデータに変更して本実施形態を適用してもよい。
<追加データ計算部14>
ステップS14において、暗号化装置1の追加データ計算部14は、分割部13から値A'を受け取り、その値A'を用いて記憶部10に記憶された暗号化ステートの値を更新する。
この場合、追加データ計算部14は以下のように構成する。
(分割部141)
追加データ計算部14の分割部141は、値A'をrビットのブロックに分割する。なお、値A'のビット長を|A'|とし、n=1,2,…,|A'|/rとし、値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA'nとする。
(排他的論理和部142)
追加データ計算部14の排他的論理和部142は、bビットのステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1 xor A'nを求める。
(置換部143)
追加データ計算部14の置換部143は、暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を排他的論理和SR,n-1 xor A'nに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートSnを求める。なお、置換f:{0, 1}b→{0, 1}bは、bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数であり、入力された値を復元する逆関数f-1:{0, 1}b→{0, 1}b(bビットのビット列eをbビットのビット列dに置換する関数)を定義できる関数である。置換fとしては、例えば、非特許文献2に記載されている技術を用いることができる。n=1から順にn=|A'|/rまで排他的論理和部142及び置換部143の処理を繰り返す。
<境界設定部15>
ステップS15において、暗号化装置1の境界設定部15は、追加データ計算部14から暗号化ステートS|A'|/rを、分割部13から値Axを受け取り、暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rと、値Axと(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列Ax||gとの排他的論理和SC,|A'|/r xor Ax||gを計算し、暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rを排他的論理和SC,|A'|/r xor Ax||gに置換えたビット列を新たな暗号化ステートS|A'|/rとする。本実施形態では、(c-|Ax|)=c/2とし、ビット列gは、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0からなるビット列である。本実施形態では、c/2ビットの値Ax、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0の順番で上位ビットから連結する。この操作は、受信者が暗号化データCと追加データAとの境界を判別できるようにするために行われるものである。なお、ビット列gは復号処理に先立ち予め暗号化装置1と復号装置2との間であらかじめ共有しておく。
<メッセージ計算部16>
ステップS16において、暗号化装置1のメッセージ計算部16は、入力部11からメッセージMを受け取り、そのメッセージMを用いて記憶部10に記憶された暗号化ステートの値を更新する。
(分割部161)
メッセージ計算部16の分割部161は、メッセージMをrビットのブロックに分割する。メッセージMのビット長を|M|とし、m=1,2,…,|M|/rとし、メッセージMを|M|/r個に分割して得られる各値をMmとする。
(排他的論理和部162)
メッセージ計算部16の排他的論理和部162は、bビットの暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1のrビットに対し、メッセージMmとの排他的論理和SR,|A'|/r+m-1 xor Mmを求める。
(置換部163)
メッセージ計算部16の置換部163は、暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1を排他的論理和SR,|A'|/r+m-1xor Mmに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS|A'|/r+mを求め、暗号化ステートS|A'|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)を出力する。
<タグ生成部17>
ステップS17において、暗号化装置1のタグ生成部17は、暗号化ステートS|A'|/r+|M|/rをメッセージ計算部16から受け取り、秘密鍵Kを記憶部10から取り出し、暗号化ステートS|A'|/r+|M|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/r+|M|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和を計算し、その計算結果をタグTとして出力する。
<出力部18>
ステップS18において、暗号化装置1の出力部18は、暗号化データCをメッセージ計算部16から、タグTをタグ生成部17から、値A'を分割部から受け取り、暗号化データCとタグTと追加データAに含まれる(|A|-|Ax|)ビット分の値A'との組(C, T, A')を復号装置2へ送信する。
<復号装置2>
図12から図13を参照して、実施形態の追加データ付き認証暗号システムが実行する追加データ付き認証暗号方法のうち、復号装置2が実行する復号方法について説明する。
<記憶部20>
復号装置2の記憶部20には、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とからなるbビットの2つのステート(以下、暗号化装置1の記憶部10に記憶される暗号化ステートと区別するために、一方のステートを単にステートと呼び、他方を復号ステートと呼ぶ)と、暗号化装置1との間であらかじめ共有した秘密鍵Kとが記憶されている。b, r, cの各値は、暗号化装置1の記憶部10に記憶されたステートと同じものとする。
<入力部21>
ステップS21において、復号装置2の入力部21へ、暗号化装置1から受信した暗号化データCとタグTと追加データAに含まれる(|A|-|Ax|)ビット分の値A'との組(C, T, A')が入力される。本実施形態では、値A'は追加データAに含まれる上位(|A|-(c/2)|)ビット分のデータである。入力部21は、暗号化データCの最終ブロックとタグTとを第一初期化部22へ、値A'を追加データ計算部26へ、暗号化データCの最終ブロック以外の各ブロックを暗号化データ逆計算部24へそれぞれ入力する。
<第一初期化部22>
ステップS22において、復号装置2の第一初期化部22は、入力部21から暗号化データCの最終ブロックとタグTとを受け取り、記憶部20に記憶されているステートのうち、レート部分の値を暗号化データCの最終ブロックの値に、キャパシティ部分の値をタグTの値に設定して初期化する。言い換えると、第一初期化部22は、暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)に含まれる暗号化データC|M|/rとcビットのタグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M|/rとして設定する。なお、以降の処理において、m=|M|/r,(|M|/r)-1,…,0の順でステートSmを更新していく。
<タグ復号部23>
ステップS23において、復号装置2のタグ復号部23は、第一初期化部22からステートS|M|/rを受け取り、そのキャパシティ部分SC,|M|/rとcビットの秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M|/r xor Kを求める。
<暗号化データ逆計算部24>
ステップS24において、復号装置2の暗号化データ逆計算部24は、入力部21から暗号化データCの最終ブロック以外の各ブロックを受け取り、その暗号化データCの各ブロックCmを用いて記憶部20に記憶されたステートSmの値を更新する。
(逆置換部241)
暗号化データ逆計算部24の逆置換部241は、bビットのステート全体に対し、置換fの逆関数f-1を計算し、その計算結果を新たなステートの値とする。例えば、m=|M|/r(暗号化データCの最終ブロック)において、逆置換部241は、ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rを排他的論理和SC,|M|/rxor Kに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートS|M|/r-1を求める。また、m=(|M|/r)-1,(|M|/r)-2,…,1において、逆置換部241は、ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートSm-1を求める。なお、逆関数f-1:{0, 1}b→{0, 1}bは、上述の通り、置換fの逆関数fであり、bビットのビット列eをbビットのビット列dに置換する関数である。
(排他的論理和部242)
m=|M|/r-1,(|M|/r)-2,…,2,1において、暗号化データ逆計算部24の排他的論理和部242は、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを計算し、計算結果を復号データMm+1,Dとして出力部30から出力する。なお、|M|/r個の復号データMm,Dを結合したものを最終的に出力する復号データMD=(M1,D||M2,D||…||M|M|/r,D)とする。ただし、復号データM1,D(第一ブロックの暗号化データを復号したもの)は、後述する認証部29において得られる値を用いる。改ざん等なされていなければM=MDとなる。
<追加データ計算部26>
ステップS26において、復号装置2の追加データ計算部26は、入力部21から値A'を受け取り、その値A'を用いて記憶部20に記憶された復号ステートの値を更新する。この場合、追加データ計算部26は以下のように構成する。
(分割部261)
追加データ計算部26の分割部261は、値A'をrビットのブロックに分割する。なお、値A'のビット長を|A'|とし、n=1,2,…,|A'|/rとし、|A'|/r個に分割された値A'をA'nとする。
(排他的論理和部263)
追加データ計算部26の排他的論理和部263は、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1,D xor A'nを求める。なお、復号ステートSn-1,Dの初期値S0,Dは、暗号化装置1で用いた初期値S0と同じ値を用いる。
(置換部264)
追加データ計算部26の置換部264は、復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを排他的論理和SR,n-1,Dxor A'nに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、復号ステートSn,Dを求める。置換部163と同様の方法により置換することができる。
追加データ計算部26は、n=1から順にn=|A'|/rまで排他的論理和部263及び置換部264の処理を繰り返す。
<境界除去部27>
ステップS27において、復号装置2の境界除去部27は、追加データ計算部26から復号ステートS|A'|/r,Dを受け取り、復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dと、|Ax|ビット分の0からなるビット列と(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和SC,|A'|/r,D xor 00…0||gを計算し、その計算結果により復号ステートS|A'|/r,Dを更新する。なお、本実施形態では、前述の通り、|Ax|=c/2であり、ビット列gは、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0からなるビット列である。
<認証部29>
ステップS29において、復号装置2の認証部29は、境界除去部27で更新された復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,D(復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dと、|Ax|ビット分の0からなるビット列と(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和SC,|A'|/r,Dxor 00…0||g)のビット列gに対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列gに対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行う。例えば、復号ステートS|A'|/r,DとステートS0とを例えば記憶部20などに記憶する。その後、記憶部20に記憶されたSC,|A'|/r,Dのビット列gに対応する部分と、SC,0のビット列gに対応する部分とを比較する。2つの値が等しい場合は、ステップS301へ処理を進め、復号ステートS|A'|/r,Dのレート部分SR,|A'|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を、復号データMDの第一ブロック(復号データM1,D)として、更新された復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をAxとして、出力部30から出力する。二つの値が等しくない場合は、ステップS302へ処理を進め、復号に失敗した旨を表すエラーコードを出力部30から出力する。
本実施形態では、復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの下位c/2ビットと、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の下位c/2ビットとを比較し、一致する場合には、復号ステートS|A'|/r,Dのレート部分SR,|A'|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を、復号データM1,Dとして出力し、キャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの上位c/2ビットと、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の上位c/2ビットとの排他的論理和をAxとして出力する。
<効果>
以上の構成により、処理量や送信量を抑えつつ、秘密ナンスを利用できるAPEを実現することができる。また、APEでは、(C,T,A)の全ビットを受信者に送らなければならないため、通信コストが大きいが、本実施形態では、(C,T,A)に代えて、(C,T,A')を送信するため、c/2ビット(|Ax|=|A|-|A'|)分だけ通信コストを抑えることができる。さらに、従来のAPEでは、Aの長さを|A|としたとき、暗号化でAを処理する際に|A|/r回の置換fを計算する必要があり、計算コストが大きいが、本実施形態では、r<c/2の場合、暗号化処理でAxはメッセージの第一ブロックと同時に計算されるため、置換fを計算する回数が減る。これにより、計算コストが改善される。同様に、復号処理ではAではなくA'しか計算されないため、関数fを計算する回数が減る。これにより、計算コストが改善される。
なお、本実施形態に係る暗号化装置のことを暗号化データを生成するという意味で暗号化データ生成装置ともいい、本実施形態に係る復号装置のことを復号データを生成するという意味で復号データ生成装置ともいう。なお、暗号化データ及び復号データは電子計算機による処理の用に供する情報であり、(i)暗号化データ生成装置を用いた暗号化データ生成方法に係る発明及び(ii)復号データ生成装置を用いた復号データ生成方法に係る発明が、特許法第二条第三項第三号の「物を生産する方法の発明」に該当することは言うまでもない。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、暗号化処理の手順2.(bビットのステートのうちキャパシティ部分のcビットに対し、整数値1(すなわち、最下位ビットのみが1のビット列)との排他的論理和を計算する)において、メッセージMに含まれる何れかのc/2ビット(この値をMxとする)の値をキャパシティ部分に排他的論理和する。また、値Mxは受信者に別途送る必要が無く、暗号文CとタグTの中に組み込むことで、受信者が復号の途中で復元する。このような構成とすることで、第一実施形態と同様に、処理量や送信量を抑えることができる。つまり、APEでは、メッセージMから生成される暗号化データCを受信者に送らなければならないため、通信コストが大きいが、本実施形態では、値Mxから生成される暗号化データCを送信するため、通信コストを抑えることができる。さらに、従来のAPEでは、Mの長さを|M|としたとき、暗号化でMを処理する際に|M|/r回の置換fを計算する必要があり、計算コストが大きいが、本実施形態では、r<c/2の場合、暗号化処理で値Mxはメッセージの第一ブロックと同時に計算されるため、置換fを計算する回数が減る。これにより、計算コストが改善される。同様に、復号処理ではMではなくM'しか計算されないため、関数fを計算する回数が減る。これにより、計算コストが改善される。
<暗号化装置1>
図14、図15を参照して、実施形態の追加データ付き認証暗号システムが実行する追加データ付き認証暗号方法のうち、暗号化装置1が実行する暗号化方法について説明する。
<入力部11>
ステップS11において、暗号化装置1の入力部11へ、追加データAとメッセージMとの組(A, M)が入力される。入力部11は、メッセージMを分割部13へ、追加データAを追加データ計算部14及び出力部18へ入力する。
<初期化部12>
ステップS12において、暗号化装置1の初期化部12は、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0として設定する。
<分割部13>
ステップS13において、暗号化装置1の分割部13は、入力部11からメッセージMを受け取り、メッセージMを|Mx|ビット分の値Mxと(|M|-|Mx|)ビット分の値M'とに分割する。ここで、|Mx|を1以上c/2以下の整数の何れかとする。本実施形態では、|Mx|をc/2とし、メッセージMを上位(|M|-(c/2)|)ビット分の値M'と、下位c/2ビット分の値Mxとに分割する。|Mx|と(|M|-|Mx|)との比は、抑えることができる処理量や送信量と安全性のトレードオフの関係となっている。|Mx|が大きくなると、より大きく処理量や送信量を抑えることができるが安全性は低下する。逆に、|Mx|が小さくなると、安全性が向上するが処理量や送信量を抑える量が小さくなる。したがって、|Mx|の値は、所望の抑制量と安全性のバランスを鑑みて適宜設計すればよい。なお、(|M|-|Mx|)ビット分の値M'はr ビットの倍長のデータとする。ただし、値M'をr ビットの倍長のデータに限定するものではなく、r ビットの倍長ではない場合には、例えば、10*パディングを施して、r ビットの倍長のデータに変更して本実施形態を適用してもよい。
<追加データ計算部14>
ステップS14において、暗号化装置1の追加データ計算部14は、入力部11から追加データAを受け取り、追加データAを用いて記憶部10に記憶された暗号化ステートの値を更新する。この構成は従来技術と同様の方法により実現できる。例えば、追加データ計算部14は以下のように構成する。
(分割部141)
追加データ計算部14の分割部141は、追加メッセージAをrビットのブロックに分割する。なお、追加メッセージAのビット長を|A|とし、n=1,2,…,|A|/rとし、追加メッセージAを|A|/r個に分割して得られる各値をAnとする。
(排他的論理和部142)
追加データ計算部14の排他的論理和部142は、bビットのステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1 xor Anを求める。
(置換部143)
追加データ計算部14の置換部143は、暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を排他的論理和SR,n-1 xor Anに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートSnを求める。n=1から順にn=|A|/rまで排他的論理和部142及び置換部143の処理を繰り返す。
<境界設定部15>
ステップS15において、暗号化装置1の境界設定部15は、追加データ計算部14から暗号化ステートS|A|/rを、分割部13から値Mxを受け取り、暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rと、値Mxと(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結して得られるビット列Mx||g2との排他的論理和SC,|A|/r xor Mx||g2を計算し、暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rを排他的論理和SC,|A|/r xor Mx||g2に置換えたビット列を新たな暗号化ステートS|A|/rとする。本実施形態では、(c-|Mx|)=c/2とし、ビット列g2は、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0からなるビット列である。本実施形態では、c/2ビットの値Mx、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0の順番で上位ビットから連結する。なお、ビット列g2は復号処理に先立ち予め暗号化装置1と復号装置2との間であらかじめ共有しておく。
<メッセージ計算部16>
ステップS16において、暗号化装置1のメッセージ計算部16は、分割部13から値M'を受け取り、その値M'を用いて記憶部10に記憶された暗号化ステートの値を更新する。
(分割部161)
メッセージ計算部16の分割部161は、値M'をrビットのブロックに分割する。値M'のビット長を|M'|とし、m=1,2,…,|M'|/rとし、値M'を|M'|/r個に分割して得られる各値をM'mとする。
(排他的論理和部162)
メッセージ計算部16の排他的論理和部162は、bビットの暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1のrビットに対し、値M'mとの排他的論理和SR,|A|/r+m-1 xor M'mを求める。
(置換部163)
メッセージ計算部16の置換部163は、暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1を排他的論理和SR,|A|/r+m-1xor M'mに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、暗号化ステートS|A|/r+mを求め、暗号化ステートS|A|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M'|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)を出力する。
<タグ生成部17>
ステップS17において、暗号化装置1のタグ生成部17は、暗号化ステートS|A|/r+|M'|/rをメッセージ計算部16から受け取り、秘密鍵Kを記憶部10から取り出し、暗号化ステートS|A|/r+|M'|/rのキャパシティ部分SC,|A|/r+|M'|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和を計算し、その計算結果をタグTとして出力する。
<出力部18>
ステップS18において、暗号化装置1の出力部18は、暗号化データCをメッセージ計算部16から、タグTをタグ生成部17から、追加データAを入力部11から受け取り、暗号化データCとタグTと追加データAとの組(C, T, A)を復号装置2へ送信する。
<復号装置2>
図16から図17を参照して、実施形態の追加データ付き認証暗号システムが実行する追加データ付き認証暗号方法のうち、復号装置2が実行する復号方法について説明する。
<入力部21>
ステップS21において、復号装置2の入力部21へ、暗号化装置1から受信した暗号化データCとタグTと追加データAとの組(C, T, A)が入力される。入力部21は、暗号化データCの最終ブロックとタグTとを第一初期化部22へ、追加データAを追加データ計算部26へ、暗号化データCの最終ブロック以外の各ブロックを暗号化データ逆計算部24へそれぞれ入力する。
<第一初期化部22>
ステップS22において、復号装置2の第一初期化部22は、入力部21から暗号化データCの最終ブロックとタグTとを受け取り、記憶部20に記憶されているステートのうち、レート部分の値を暗号化データCの最終ブロックの値に、キャパシティ部分の値をタグTの値に設定して初期化する。言い換えると、第一初期化部22は、暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)に含まれる暗号化データC|M'|/rとcビットのタグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M'|/rとして設定する。なお、以降の処理において、m=|M'|/r,(|M|/r)-1,…,0の順でステートSmを更新していく。
<タグ復号部23>
ステップS23において、復号装置2のタグ復号部23は、第一初期化部22からステートS|M'|/rを受け取り、そのキャパシティ部分SC,|M'|/rとcビットの秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M'|/r xor Kを求める。
<暗号化データ逆計算部24>
ステップS24において、復号装置2の暗号化データ逆計算部24は、入力部21から暗号化データCの最終ブロック以外の各ブロックを受け取り、その暗号化データCの各ブロックCmを用いて記憶部20に記憶されたステートSmの値を更新する。
(逆置換部241)
暗号化データ逆計算部24の逆置換部241は、bビットのステート全体に対し、置換fの逆関数f-1を計算し、その計算結果を新たなステートの値とする。例えば、m=|M'|/r(暗号化データCの最終ブロック)において、逆置換部241は、ステートS|M'|/rのキャパシティ部分SC,|M'|/rを排他的論理和SC,|M'|/rxor Kに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートS|M'|/r-1を求める。また、m=(|M'|/r)-1,(|M'|/r)-2,…,1において、逆置換部241は、ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、ステートSm-1を求める。
(排他的論理和部242)
m=|M'|/r-1,(|M'|/r)-2,…,2,1において、暗号化データ逆計算部24の排他的論理和部242は、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを計算し、計算結果を復号データMm+1,Dとして出力部30から出力する。なお、((|M'|/r)+1)個の復号データMm,Dを結合したものを最終的に出力する復号データMD=(Mx D||M1,D||M2,D||…||M|M'|/r,D)とする。ただし、復号データMx D,M1,D(第一ブロックの暗号化データを復号したもの)は、後述する認証部29において得られる値を用いる。改ざん等なされていなければM=MDとなる。
<追加データ計算部26>
ステップS26において、復号装置2の追加データ計算部26は、入力部21から追加データAを受け取り、その追加データAを用いて記憶部20に記憶された復号ステートの値を更新する。この場合、追加データ計算部26は以下のように構成する。
(分割部261)
追加データ計算部26の分割部261は、追加データAをrビットのブロックに分割する。なお、追加データAのビット長を|A|とし、n=1,2,…,|A|/rとし、|A|/r個に分割された追加データAを値Anとする。
(排他的論理和部263)
追加データ計算部26の排他的論理和部263は、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1,D xor Anを求める。なお、復号ステートSn-1,Dの初期値S0,Dは、暗号化装置1で用いた初期値S0と同じ値を用いる。
(置換部264)
追加データ計算部26の置換部264は、復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを排他的論理和SR,n-1,Dxor Anに置換えたビット列を置換fを用いて置換し、復号ステートSn,Dを求める。置換部163と同様の方法により置換することができる。
追加データ計算部26は、n=1から順にn=|A|/rまで排他的論理和部263及び置換部264の処理を繰り返す。
<境界除去部27>
ステップS27において、復号装置2の境界除去部27は、追加データ計算部26から復号ステートS|A|/r,Dを受け取り、復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dと、|Mx|ビット分の0からなるビット列と(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結して得られるビット列00…0||g2との排他的論理和SC,|A|/r,Dxor 00…0||g2を計算し、その計算結果により復号ステートS|A|/r,Dを更新する。なお、本実施形態では、前述の通り、|Mx|=c/2であり、ビット列g2は、1ビットの1、(c/2)-1ビットの0からなるビット列である。
<認証部29>
ステップS29において、復号装置2の認証部29は、境界除去部27で更新された復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,D(復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dと、|Mx|ビット分の0からなるビット列と(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結して得られるビット列00…0||g2との排他的論理和SC,|A|/r,D xor 00…0||g2)のビット列g2に対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列g2に対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行う。例えば、復号ステートS|A|/r,DとステートS0とを例えば記憶部20などに記憶する。その後、記憶部20に記憶されたSC,|A|/r,Dのビット列g2に対応する部分と、SC,0のビット列g2に対応する部分とを比較する。2つの値が等しい場合は、ステップS301へ処理を進め、復号ステートS|A|/r,Dのレート部分SR,|A|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を、復号データMDの第一ブロック(復号データM1,D)として、更新された復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dの|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をMxとして、出力部30から出力する。二つの値が等しくない場合は、ステップS302へ処理を進め、復号に失敗した旨を表すエラーコードを出力部30から出力する。
本実施形態では、復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dの下位c/2ビットと、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の下位c/2ビットとを比較し、一致する場合には、復号ステートS|A|/r,Dのレート部分SR,|A|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を、復号データM1,Dとして出力し、キャパシティ部分SC,|A|/r,Dの上位c/2ビットと、ステートS0のキャパシティ部分SC,0の上位c/2ビットとの排他的論理和をMxとして出力する。
<効果>
以上の構成により、第一実施形態と同様に、処理量や送信量を抑えることができる。
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (9)

  1. 暗号化データ生成装置と復号データ生成装置とを含む追加データ付き認証暗号システムであって、
    前記暗号化データ生成装置は、
    秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、
    |Ax|を1以上c/2以下の整数の何れかとし、追加データAを秘匿対象の|Ax|ビット分の値Axと(|A|-|Ax|)ビット分の値A'とに分割する分割部と、
    n=1,2,…,|A'|/rとし、前記値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA'nとし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0とし、bビットの暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1 xor A'nを求める第一排他的論理和部と、
    bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、前記暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を前記排他的論理和SR,n-1 xor A'nに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートSnとして求める第一置換部と、
    暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rと、前記値Axと(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結し、連結して得られるビット列Ax||gとの排他的論理和SC,|A'|/rxor Ax||gを計算し、前記暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rを前記排他的論理和SC,|A'|/rxor Ax||gに置換え、置換えたビット列を新たな前記暗号化ステートS|A'|/rとする境界設定部と、
    m=1,2,…,|M|/rとし、前記メッセージMを|M|/r個に分割して得られる各値をMmとし、bビットの暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1のrビットに対し、メッセージMmとの排他的論理和SR,|A'|/r+m-1xor Mmを求める第二排他的論理和部と、
    前記暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1を前記排他的論理和SR,|A'|/r+m-1xor Mmに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートS|A'|/r+mとして求め、前記暗号化ステートS|A'|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)を出力する第二置換部と、
    暗号化ステートS|A'|/r+|M|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/r+|M|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成部と、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記値A'とを出力する出力部を含み、
    前記復号データ生成装置は、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記追加データAに含まれる(|A|-|Ax|)ビット分の前記値A'とを受け取る入力部と、
    前記暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)に含まれる暗号化データC|M|/rとcビットの前記タグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M|/rとし、ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rとcビットの前記秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M|/rxor Kを求める第三排他的論理和部と、
    前記置換fの逆関数をf-1とし、前記ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rを前記排他的論理和SC,|M|/r xor Kに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートS|M|/r-1として求める第三置換部と、
    m=1,2,…,(|M|/r)-1において、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを復号データMm+1,Dとして出力する第四排他的論理和部と、
    前記ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートSm-1として求める第四置換部と、
    予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S0,Dとし、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1,D xor A'nを求める第五排他的論理和部と、
    前記復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを前記排他的論理和SR,n-1,Dxor A'nに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を復号ステートSn,Dとして求める第五置換部と、
    復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dと、|Ax|ビット分の0からなるビット列と(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結し、連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和SC,|A'|/r,D xor 00…0||gを計算し、計算結果により復号ステートS|A'|/r,Dを更新する境界除去部と、
    更新された復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dのビット列gに対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列gに対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、前記キャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、前記キャパシティ部分SC,0の|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をAxとして出力し、復号ステートS|A'|/r,Dのレート部分SR,|A'|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を復号データM1,Dとして出力する認証部とを含み、
    上記置換fは、ランダム置換と区別不能な置換である、
    追加データ付き認証暗号システム。
  2. 暗号化データ生成装置と復号データ生成装置とを含む追加データ付き認証暗号システムであって、
    前記暗号化データ生成装置は、
    秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、
    |Mx|を1以上c/2以下の整数の何れかとし、メッセージMを|Mx|ビット分の値Mxと(|M|-|Mx|)ビット分の値M'とに分割する分割部と、
    n=1,2,…,|A|/rとし、前記メッセージAを|A|/r個に分割して得られる各値をAnとし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0とし、bビットの暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1 xor Anを求める第一排他的論理和部と、
    bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、前記暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を前記排他的論理和SR,n-1 xor Anに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートSnとして求める第一置換部と、
    暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rと、前記値Mxと(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結し、連結して得られるビット列Mx||g2との排他的論理和SC,|A|/rxor Mx||g2を計算し、前記暗号化ステートS|A|/rのキャパシティ部分SC,|A|/rを前記排他的論理和SC,|A|/rxor Mx||g2に置換え、置換えたビット列を新たな前記暗号化ステートS|A|/rとする境界設定部と、
    m=1,2,…,|M'|/rとし、前記値M'を|M'|/r個に分割して得られる各値をM'mとし、bビットの暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1のrビットに対し、値M'mとの排他的論理和SR,|A|/r+m-1 xor M'mを求める第二排他的論理和部と、
    前記暗号化ステートS|A|/r+m-1のレート部分SR,|A|/r+m-1を前記排他的論理和SR,|A|/r+m-1xor M'mに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートS|A|/r+mとして求め、前記暗号化ステートS|A|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M'|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)を出力する第二置換部と、
    暗号化ステートS|A|/r+|M'|/rのキャパシティ部分SC,|A|/r+|M'|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成部と、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記追加データAとを出力する出力部を含み、
    前記復号データ生成装置は、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記追加データAとを受け取る入力部と、
    前記暗号化データC=(C1,C2,…,C|M'|/r)に含まれる暗号化データC|M'|/rとcビットの前記タグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M'|/rとし、ステートS|M'|/rのキャパシティ部分SC,|M'|/rとcビットの前記秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M'|/rxor Kを求める第三排他的論理和部と、
    前記置換fの逆関数をf-1とし、前記ステートS|M'|/rのキャパシティ部分SC,|M'|/rを前記排他的論理和SC,|M'|/r xor Kに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートS|M'|/r-1として求める第三置換部と、
    m=1,2,…,(|M'|/r)-1において、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを復号データMm+1,Dとして出力する第四排他的論理和部と、
    前記ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートSm-1として求める第四置換部と、
    予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S0,Dとし、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値Anとの排他的論理和SR,n-1,D xor Anを求める第五排他的論理和部と、
    前記復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを前記排他的論理和SR,n-1,Dxor Anに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を復号ステートSn,Dとして求める第五置換部と、
    復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dと、|Mx|ビット分の0からなるビット列と(c-|Mx|)ビット分の所定のビット列g2とを連結し、連結して得られるビット列00…0||g2との排他的論理和SC,|A|/r,Dxor 00…0||g2を計算し、計算結果により復号ステートS|A|/r,Dを更新する境界除去部と、
    更新された復号ステートS|A|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A|/r,Dのビット列g2に対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列g2に対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、前記キャパシティ部分SC,|A|/r,Dの|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、前記キャパシティ部分SC,0の|Mx|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をMxとして出力し、復号ステートS|A|/r,Dのレート部分SR,|A|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を復号データM1,Dとして出力する認証部とを含み、
    上記置換fは、ランダム置換と区別不能な置換である、
    追加データ付き認証暗号システム。
  3. 請求項1又は2に記載された暗号化データ生成装置。
  4. 請求項1又は2に記載された復号データ生成装置。
  5. 暗号化データ生成装置と復号データ生成装置とを用いた追加データ付き認証暗号方法であって、
    前記暗号化データ生成装置が、
    秘密鍵Kのビット長をcビットとし、rビットのレート部分とcビットのキャパシティ部分とを含むbビットの情報をステートとし、メッセージMのビット長を|M|とし、追加データAのビット長を|A|とし、
    |Ax|を1以上c/2以下の整数の何れかとし、追加データAを秘匿対象の|Ax|ビット分の値Axと(|A|-|Ax|)ビット分の値A'とに分割する分割ステップと、
    n=1,2,…,|A'|/rとし、前記値A'を|A'|/r個に分割して得られる各値をA'nとし、予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を暗号化ステートの初期値S0とし、bビットの暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1のrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1 xor A'nを求める第一排他的論理和ステップと、
    bビットのビット列dをbビットのビット列eに置換する関数を置換fとし、前記暗号化ステートSn-1のレート部分SR,n-1を前記排他的論理和SR,n-1 xor A'nに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートSnとして求める第一置換ステップと、
    暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rと、前記値Axと(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結し、連結して得られるビット列Ax||gとの排他的論理和SC,|A'|/rxor Ax||gを計算し、前記暗号化ステートS|A'|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/rを前記排他的論理和SC,|A'|/rxor Ax||gに置換え、置換えたビット列を新たな前記暗号化ステートS|A'|/rとする境界設定ステップと、
    m=1,2,…,|M|/rとし、前記メッセージMを|M|/r個に分割して得られる各値をMmとし、bビットの暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1のrビットに対し、メッセージMmとの排他的論理和SR,|A'|/r+m-1xor Mmを求める第二排他的論理和ステップと、
    前記暗号化ステートS|A'|/r+m-1のレート部分SR,|A'|/r+m-1を前記排他的論理和SR,|A'|/r+m-1xor Mmに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を暗号化ステートS|A'|/r+mとして求め、前記暗号化ステートS|A'|/r+mのレート部分のrビットを暗号化データCmとし、|M|/r個の暗号化データCmを含む暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)を出力する第二置換ステップと、
    暗号化ステートS|A'|/r+|M|/rのキャパシティ部分SC,|A'|/r+|M|/rと秘密鍵Kとの排他的論理和をタグTとして出力するタグ生成ステップと、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記値A'とを出力する出力ステップを実行し、
    前記復号データ生成装置が、
    前記暗号化データCと前記タグTと前記追加データAに含まれる(|A|-|Ax|)ビット分の前記値A'とを受け取る入力ステップと、
    前記暗号化データC=(C1,C2,…,C|M|/r)に含まれる暗号化データC|M|/rとcビットの前記タグTとを連結した値をステートSmの初期値S|M|/rとし、ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rとcビットの前記秘密鍵Kとの排他的論理和SC,|M|/rxor Kを求める第三排他的論理和ステップと、
    前記置換fの逆関数をf-1とし、前記ステートS|M|/rのキャパシティ部分SC,|M|/rを前記排他的論理和SC,|M|/r xor Kに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートS|M|/r-1として求める第三置換ステップと、
    m=1,2,…,(|M|/r)-1において、ステートSmのレート部分SR,mと、暗号化データCmとの排他的論理和SR,m xor Cmを復号データMm+1,Dとして出力する第四排他的論理和ステップと、
    前記ステートSmのレート部分SR,mを暗号化データCmに置換え、置換えたビット列を逆関数f-1を用いて置換し、置換したビット列をステートSm-1として求める第四置換ステップと、
    予め定めたビット列と秘密鍵Kとを連結した値を復号ステートの初期値S0,Dとし、bビットの復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dのrビットに対し、値A'nとの排他的論理和SR,n-1,D xor A'nを求める第五排他的論理和ステップと、
    前記復号ステートSn-1,Dのレート部分SR,n-1,Dを前記排他的論理和SR,n-1,Dxor A'nに置換え、置換えたビット列を置換fを用いて置換し、置換したビット列を復号ステートSn,Dとして求める第五置換ステップと、
    復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dと、|Ax|ビット分の0からなるビット列と(c-|Ax|)ビット分の所定のビット列gとを連結し、連結して得られるビット列00…0||gとの排他的論理和SC,|A'|/r,D xor 00…0||gを計算し、計算結果により復号ステートS|A'|/r,Dを更新する境界除去ステップと、
    更新された復号ステートS|A'|/r,Dのキャパシティ部分SC,|A'|/r,Dのビット列gに対応する部分と、ステートS0のキャパシティ部分SC,0のビット列gに対応する部分とが一致するか否かによりメッセージ認証を行い、一致する場合には、前記キャパシティ部分SC,|A'|/r,Dの|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分と、前記キャパシティ部分SC,0の|Ax|ビット分の0からなるビット列に対応する部分との排他的論理和をAxとして出力し、復号ステートS|A'|/r,Dのレート部分SR,|A'|/r,DとステートS0のレート部分SR,0との排他的論理和を復号データM1,Dとして出力する認証ステップとを実行し、
    上記置換fは、ランダム置換と区別不能な置換である
    追加データ付き認証暗号方法。
  6. 請求項5に記載された前記暗号化データ生成装置が、前記分割ステップと、前記第一排他的論理和ステップと、前記第一置換ステップと、前記境界設定ステップと、前記第二排他的論理和ステップと、前記第二置換ステップと、前記タグ生成ステップと、前記出力ステップを実行する、
    暗号化データ生成方法。
  7. 請求項5に記載された前記復号データ生成装置が、前記入力ステップと、前記第三排他的論理和ステップと、前記第三置換ステップと、前記第四排他的論理和ステップと、前記第四置換ステップと、前記第五排他的論理和ステップと、前記第五置換ステップと、前記境界除去ステップと、前記認証ステップとを実行する、
    復号データ生成方法。
  8. 請求項の暗号化データ生成装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  9. 請求項の復号データ生成装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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