JP6879867B2 - 排水処理装置の改修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修技術に関する。
食品工場排水や生活排水等は油脂分を多く含んでおり、かかる排水が下水管路に放流されると、固化した油脂分が下水管路に付着することによる下水配管閉塞やオイルボールの発生等、排水中の油脂分が多いことに起因する種々の問題が引き起こされる。
そこで、一般に、生活排水等は生物処理が施され、油脂分を含む有機物が分解される。そして、生物処理における排水処理装置の老朽化や、工場等の排水設備増強に伴い、排水処理装置を改修し、処理能力を増強する必要性がある。
改修に際して、施設内のスペースに余裕がある場合、空きスペースに新しい装置を設置し、既存装置から新規装置への移行を容易に行うことが可能である。しかし、この方法は新規装置の導入費用の他、既存装置の撤去費用も要し、最もコストのかかる方法である。
また、上記のような空きスペースを確保することが難しい場合、排水処理装置の機能を増強することは困難である。生物処理施設を拡張するにも、工事に多大なコストが必要となる。
国際公開第2013/132611号 国際公開第2013/132612号
例えば、既存の施設が、図1に示す様な調整槽1と生物処理槽6と沈殿槽7とで構成される場合、原水を余剰汚泥と処理水とに分離することができるが、老朽化した施設の全体を改修する場合、処理設備を複数の区域に区分し、各区域毎に順次改修工事を施す方法が考えられる。しかしながら、既設の処理能力が限界条件で運転されている場合、処理設備を運転停止状態とすることになるため、処理水質が悪化し生産設備の操業そのものに支障をきたすことになる。
そこで、既存の水処理施設の改修工事において、既設の水槽を撤去せず再利用し、土木工事が必要となる水槽を新たに増設することなく改修後の処理能力を増強し、しかも、排水処理装置を運転停止させることなく、かつ改修工事期間中の処理水質を悪化させることがない工事方法、及び運転方法が望まれていた。
特許文献1及び2は、余剰汚泥の発生を殆どゼロにする活性汚泥処理方法およびこの処理方法を用いる既存排水処理設備の改修方法を開示している。同処理方法は、好気槽、嫌気槽及び沈殿池の機能を一つにした微生物反応槽を新設し、微生物反応槽で発生する汚泥を原水調整槽へ循環するものである。
上記処理方法は、特別な微生物反応槽を新設することが前提であり、新設する微生物反応槽を設置するためのスペースを確保できる施設にのみ利用が限定される。また、微生物反応槽を新設し、且つ不要となる汚泥貯留槽や脱水装置等の既存施設の撤去が必要となり、コストを要することになる。
更に、上記処理方法は、嫌気処理反応及び好気処理反応を一つの微生物反応槽で行うため、反応槽の下部で行われる嫌気処理反応で発生するメタンガスが、反応層の上部で行われる好気処理反応で酸化処理され、嫌気処理のメリットの一つである、メタンガスの回収によるエネルギーの回収が困難となる。また、投入された排水中に含まれる有機物を全て酸化処理することになり、電力使用量も従来技術とほとんど変わらないものとなる。
本発明は、上記従来の課題に鑑み成されたものでありその目的は、油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修において、新たな装置の設置スペースを必要とせず、改修工事中に処理性能を悪化させることもなく、処理性能を増強しながら設置コストを抑えるための改修技術を提供する。
本発明は、油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修方法であって、既存の好気処理を行う生物処理槽を、少なくとも第1の好気槽と、第2の好気槽と、第3の好気槽との三つの区画に区分けするステップと、前記生物処理槽の前段に、前記油脂含有排水に含まれる固形性有機物を分離する分離装置を導入するステップと、前記分離装置を経た分離水を、前記第2の好気槽及び前記第3の好気槽で好気処理しつつ、前記第1の好気槽を第1の嫌気槽に改修するステップと、前記分離装置を経た分離水を、前記改修された第1の嫌気槽及び前記第3の好気槽で処理しつつ、前記第2の好気槽を第2の嫌気槽に改修するステップと、前記分離装置で分離された固形性有機物を、前記改修された第2の嫌気槽に導入し、当該第2の嫌気槽で処理した後、前記第3の好気槽で処理するステップと、前記油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、前記分離装置により分離される固形性有機物の質量%基準での割合である固形分割合を判定し、前記固形分割合が70〜100質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定し、前記固形分割合が40〜70質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定し、前記固形分割合が20〜40質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定することを含む。
本発明は、油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修方法であって、既存の好気処理を行う生物処理槽を、少なくとも第1の好気槽と、第2の好気槽と、第3の好気槽との三つの区画に区分けするステップと、前記既存の生物処理槽の前段に、油脂含有排水に含まれる固形性有機物を分離する分離装置を導入するステップと、前記分離装置を経た分離水を、前記第3の好気槽で好気処理しつつ、前記第1の好気槽を第1の嫌気槽に改修するとともに前記第2の好気槽を第2の嫌気槽に改修するステップと、前記分離装置を経た分離水を、前記改修された第1の嫌気槽及び前記第3の好気槽で処理するステップと、前記分離装置で分離された固形性有機物を、前記改修された第2の嫌気槽に導入し、当該第2の嫌気槽で処理した後、前記第3の好気槽で処理するステップと、前記油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、前記分離装置により分離される固形性有機物の質量%基準での割合である固形分割合を判定し、前記固形分割合が70〜100質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定し、前記固形分割合が40〜70質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定し、前記固形分割合が20〜40質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定することを含む。
本発明によれば、改修前から存在する既存装置のスペースを有効利用し、排水処理装置を停止させることなく改修工事が行え、低コストでかつ排水処理能力を向上させた装置に改修することが可能となる。
改修前の排水処理装置の構成を示す概念図。 (a)〜(d)は実施形態の改修方法の各工程を示す概念図。 図2の実施形態の改修方法の手順を示すフローチャート。 (a)〜(c)は他の実施形態の改修方法の各工程を示す概念図。 図4の実施形態の改修方法の手順を示すフローチャート。 (a)は改修後の第1の嫌気槽の具体例、(b)は改修後の第2の嫌気槽の具体例を示す概念図。
以下、図面を用いて、本発明に係る排水処理装置の改修方法の具体的な実施の形態について詳述する。
<図1の説明>
図1は、改修前の排水処理装置10Aを示している。排水処理装置が対象とする処理方式は、活性汚泥法を中心とする好気性の生物処理であるが、担体方式、微生物製剤、酵母法などが採用されても良い。
図1に示す様に食品工場排水や生活排水等の油脂を含んだ油脂含有排水W1は、一旦、調整槽1に貯留され、その後、生物処理槽6に送られ生物処理が施される。生物処理槽6における生物処理は専ら好気性処理であり、図示は省略されているが複数の好気槽を含んでおり、油脂含有排水を複数の好気槽で処理することにより好気処理を施し浄化する。生物処理が施された油脂含有排水W1は、沈殿槽7に送られ、沈殿槽7において活性汚泥のフロックから分離された分離液が、処理水として排出される。
処理対象となる油脂含有排水W1は、生物に由来する油脂分を含む有機性排水であり、食品工場や厨房から排出される排水や生活排水が主対象であるが、排水が排出される場所などは特に限定されない。油脂分は動物性、植物性の油脂であるトリアシルグリセロールまたはその加水分解物である高級脂肪酸を指す。
本発明において、油脂含有排水W1は、ヘキサン抽出物濃度の下限が30mg/L、好ましくは50mg/L、より好ましくは100mg/Lであってよく、上限が、50,000mg/L、好ましくは30,000mg/L、より好ましくは10,000mg/Lであってよい。ここで油脂含有排水W1のヘキサン抽出物濃度は、工場排水試験方法(JIS K0102 24)に基づき測定して得た値を意味する。
また、油脂分の濃度に上限はない。排水に含まれる有機質成分の内、油脂分が含まれる割合は、化学的酸素要求量であるCODcr(Chemical Oxygen Demandクロム)換算として20%以上が良く、50%以上が更によく、80%以上が最も良い。また、油脂含有排水W1は、油脂分以外の成分(例えば窒素成分(アンモニア性窒素、有機性窒素等))をさらに含んでいてもよい。
<図2および図3の説明>
次に、図2(a)〜(d)および図3のフローチャートを用いて、前述した図1の排水処理装置10Aを改修する方法の手順を説明する。まず、図2(a)に示す様に、排水処理装置10Aの生物処理槽6を少なくとも三つの区画に区分けし、区画1を第1の好気槽101、区画2を第2の好気槽102、区画3を第3の好気槽5に改修する(ステップS1)。生物処理槽6は、元々好気処理を専ら行うものとして構成されており、区画工事の後、配管工事を行って、内部の流路を変更することにより、容易に三つの好気槽に区分けすることができる。
次に図2(a)に示す様に、調整槽1の後段または既存の生物処理槽6を改修して得られた第1の好気槽101の前段に、濃縮分離装置2を導入し、設置する(ステップS2)。濃縮分離装置2は、少なくとも油脂含有排水W1中の油脂分を分離することができ、その作用により、後段の第1、第2、第3の好気槽101、102、5の処理負担を減らすことができる。
濃縮分離装置2は、油脂含有排水W1中の油脂分を濃縮して分離する装置であり、油脂分を主体とする固形性有機物(スラリー)を濃縮分離できる装置であれば、その種類は特に限定されない。「固形性有機物」は排水中に溶解しないスラリー状の懸濁物質であり、油脂分を主体とするが、その他有機質微粒子等を含むものである。濃縮分離装置2の具体例として、凝集加圧浮上装置、凝集ろ過装置、凝集沈殿装置、膜分離濃縮装置等が挙げられる。また、鉄塩等の凝集剤、油脂分解製剤、油脂分解微生物等を、適宜、濃縮分離装置2に投入してもよい。また、濃縮分離装置2の代わりに、分離膜の如き濃縮機能がない、単なる分離装置を用いてもよい。
尚、改修前から濃縮分離装置2に相当する装置が存在している場合、例えば排水処理装置10Aの生物処理槽6の前段にある時は、濃縮分離装置2の導入は不要であり、濃縮分離装置2の導入とは、単に既存の濃縮分離装置を活用する、または既存の濃縮分離装置の能力を上げるようなことを意味する。新規な濃縮分離装置2の導入と、三つの区画への区分けの順序はどちらが先でもよい。また、生物処理槽6を区分けする際の区画の数は三つには限定されず、四つ以上であってもよい。
そして、図2(a)の排水処理装置10Bの運転を開始すると(ステップS3)、油脂含有排水W1は、第1の好気槽101、第2の好気槽102、第3の好気槽5の順に流れ、処理がなされる。この運転を継続しつつ、図2(b)に示す様に、濃縮分離装置2と第2の好気槽102をつなぐ流路51を設置するとともに(ステップS4)、第1の好気槽101(図2(a))と、濃縮分離装置2および第2の好気槽102との接続を分断し、第1の好気槽101を処理の流れから切り離す(ステップS5)。この様な流路の流れの切り替えは、流路51を含む配管の接続を人為的に変更することにより行う。
この状態では、流路51による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS6)、濃縮分離装置2により、調整槽1から流出する排水中の固形性有機物を分離回収し、有機質成分が大幅に削減された分離水W2を、第1の好気槽101を通さずに流路51を介して第2の好気槽102に送り、好気処理してさらに後段の第3の好気槽5に送る。
前述したステップS5で第1の好気槽101が切り離されて処理能力が減少しても、濃縮分離装置2で生成された分離水W2は、有機質成分が多量に存在しないため、第2の好気槽102、第3の好気槽5による好気処理により十分に浄化することが可能であり、処理不足の懸念を減らすことができ、浄化された分離水を沈殿槽7に送り、最終的に沈殿槽7から処理水を得ることができる。
第3の好気槽5における好気処理は、一般的な活性汚泥処理の利用が可能であるが、より処理性能の高い処理方式が望ましく、流動担体または固定床の少なくともいずれか、またはこれらを組み合わせたものを保持した好気槽による好気処理を導入することが望ましい。
次に、処理の流れから切り離された第1の好気槽101を、図2(b)に示す様に、第1の嫌気槽3に改修する工事を行う(ステップS7)。この改修は既存の技術にて行うことが可能である。この第1の嫌気槽3の改修工事中においても、流路51、第2の好気槽102、第3の好気槽5により、排水処理装置10Bの運転は止めることなく継続することが可能となる。
続いて第1の嫌気槽3の完成後、図2(c)に示す様に、第1の嫌気槽3と第3の好気槽5を配管でつなぐ流路52を設置する改修工事を行う(ステップS8)。この状態では、図2(b)の流路51はまだ設置されており、濃縮分離装置2からの油脂含有排水W1は、流路51を通過して第2の好気槽102、第3の好気槽5の順に流れ、処理がなされる。
そして、流路52の設置後、第2の好気槽102と、濃縮分離装置2および第3の好気槽5との接続を分断し、第2の好気槽102を処理の流れから切り離す(ステップS9)。この状態から、濃縮分離装置2からの分離水W2は、第1の嫌気槽3を通過し、さらに流路52を通過して第3の好気槽5に流れ、処理がなされる。
この状態では、流路52による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS10)、残っていた図2(b)の流路51の配管を取り外すことにより、濃縮分離装置2と第2の好気槽102の接続が分断される(ステップS11)。濃縮分離装置2で有機質成分が大幅に削減された分離水を第1の嫌気槽3で嫌気処理し、更に第3の好気槽5で好気処理を施した後、沈殿槽7から処理水を得る。濃縮分離装置2で生成された分離水は、第1の嫌気槽3による処理を経ることにより有機質成分の大部分を除去し、第3の好気槽5による好気処理により十分に浄化することが可能であり、浄化された分離水を沈殿槽7に送り、最終的に沈殿槽7で処理水を得ることができる。
次に、処理の流れから切り離された第2の好気槽102を、図2(c)に示す様に、第2の嫌気槽4に改修する工事を行う(ステップS12)。この工事中においても、排水処理装置10Bの運転は継続することができる。
この改修は既存の技術にて行うことが可能である。この改修された第2の嫌気槽4により、濃縮分離装置2からの難分解性である固形性有機物の嫌気処理が確実に行えることが望ましいことから、内容物を十分に撹拌混合できる装置に改修する。
第2の嫌気槽4の形態は、特に制限はないが、パドル等を備えた機械式の撹拌装置、上部に存在するガスを槽下部から吹き込むガス方式の撹拌装置、内容物をポンプで循環させるポンプ式循環装置等を備えることが望ましく、これらの装置を組み合わせて用いてもよい。
最後に、図2(d)に示す様に、濃縮分離装置2と第2の嫌気槽4をつなぐ流路53を新たに設置する配管工事を行うと共に(ステップS13)、第2の嫌気槽4と第3の好気槽5とをつなぐ配管工事も行う。
これにて、濃縮分離装置2で分離した分離水W2を第1の嫌気槽3で嫌気処理後、流路52を介して第3の好気槽5に送り好気処理する。一方、流路53による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS14)、濃縮分離装置2で分離した固形性有機物を、流路53を介して第2の嫌気槽4に送り嫌気処理後、第3の好気槽5に送り好気処理する。結果的に、第1の嫌気槽3及び第2の嫌気槽4より排出される処理物を第3の好気槽5で好気処理した後、沈殿槽7を経て処理水を得ることができる。
上述した排水処理装置10Bの運転継続における改修工程を経て、第1の嫌気槽3及び第2の嫌気槽4により嫌気処理が実施されることになる。通常、嫌気処理は好気処理に比べて処理能力が高く、改修工事により装置全体の処理能力が向上する。
また、嫌気処理は発生するメタンガスを熱エネルギーや電気エネルギーに変換することが可能となり、エネルギーの回収が可能となる。メタンガスの電気エネルギーへの変換には、ガスエンジンや燃料電池の利用が可能であり、これらの方式では更に低レベルの熱エネルギーを副産物として回収することができるので望ましい。
<図4および図5の説明>
図4および図5は、改修方法の他の実施形態を示し、図4(a)の工程及び図5のステップS1〜S3は、前述した図2(a)の工程及び図3のステップS1〜S3と同じであるため、詳細な説明は省略する。ここで、導入した濃縮分離装置2により、油分含有排水に含まれる有機質成分のうちの例えば50質量%以上の有機質が固形性有機物として分離可能な場合、図4(b)に示す様に、第1の好気槽101及び第2の好気槽102を、まとめて第1の嫌気槽3及び第2の嫌気槽4に改修することが可能である。
すなわち、固形性有機物の量が多い場合は、濃縮分離装置2と第3の好気槽5を直接つなぐ流路54を設置し(ステップS24)、第1の好気槽101及び第2の好気槽102を同時に処理の流れから切り離し(ステップS25)、これらの改修工事を行う。濃縮分離装置2からの分離水は、有機質が少ないため、嫌気処理を経ることなく、当該分離水を第3の好気槽5で好気処理の対象にすることができる。
具体的には、濃縮分離装置2と第3の好気槽5をつなぐ流路54を設置した後、濃縮分離装置2と第1の好気槽101の接続、第1の好気槽101と第2の好気槽102の接続、第2の好気槽102と第3の好気槽5の接続の各々を分断する。これにより、第1の好気槽101と第2の好気槽102をまとめて処理の流れから切り離す。この状態では、流路54による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS26)、濃縮分離装置2からの分離水W2は、流路54を経由して直接第3の好気槽5に流れ処理がなされるとともに、濃縮分離装置2からの固形性有機物は別途分離回収する。
そして、図4(b)に示す様に、第1の好気槽101と第2の好気槽102を、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4にそれぞれ改修する(ステップS27)。その後、図4(c)に示す様に、濃縮分離装置2と第2の嫌気槽4を接続する流路53を設置するとともに(ステップS28)、第2の嫌気槽4と第3の好気槽5を流路にて接続する。この状態では、流路53による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS29)、濃縮分離装置2からの固形性有機物は、流路53を介して第2の嫌気槽4に流れて嫌気処理され、さらに第3の好気槽5で処理されることになる。
さらに、図4(c)に示す様に、第1の嫌気槽3と第3の好気槽5を接続する流路52を設置する(ステップS30)。この状態では、流路52による配管接続により排水処理装置10Bの運転が継続し(ステップS31)、濃縮分離装置2からの分離水W2は、第1の嫌気槽3から流路52を介して第3の好気槽5に流れて処理される。最後に残っていた流路54の配管を取り外す(ステップS32)。
<図6の説明>
前述した第1の嫌気槽3について、分離水である有機性排水の高速嫌気処理を行えることが望ましいことから、嫌気性のグラニュール汚泥、流動担体、あるいは固定床の少なくともいずれか一つを保持した嫌気槽に改修することが望ましく、これらを組み合わせたものを用いてもよい。図6(a)は、第1の嫌気槽3が、酸発酵を行う前処理槽31と、それに続く上向流式メタン発酵を行う嫌気槽32を含む例を示す。これにより、メタン発酵により発生するメタンガスを回収することによりエネルギーを回収することができる。
また、前述した第2の嫌気槽4について、その処理性能を高めるため、酸発酵を行う前処理槽とそれに続く固形性有機物のメタン発酵槽に区分すると良い。図6(b)は、第2の嫌気槽4が、酸発酵を行う前処理槽41と、それに続く固形性有機物のメタン発酵を行う嫌気槽42と、好気処理を施す後処理槽43の三つの槽を含む例を示す。これにより、メタン発酵により発生するメタンガスを回収することによりエネルギーを回収することができる。
<その他の変形例の説明>
尚、油脂含有排水に含まれる全有機物に対する濃縮分離装置2により分離される固形性有機物の割合に基づき、生物処理槽の三つの区分けを調整し、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5それぞれの容積を決定することが望ましい。
すなわち、油脂含有排水W1を用いた濃縮試験や、濃縮分離装置2の試運転等において、所定のセンサを用いて、油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、濃縮分離装置2により分離される固形性有機物の質量%基準での割合である固形分割合を判定する。
この判定の結果、固形分割合が70〜100質量%の場合、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合を、それぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定し、改修工事を行うことが望ましい。
また、固形分割合が40〜70質量%の場合、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合を、それぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定し、改修工事を行うことが望ましい。
また、固形分割合が20〜40質量%の場合、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合を、それぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定し、改修工事を行うことが望ましい。
すなわち、濃縮分離装置2により分離される固形性有機物の割合が大きいほど、第2の嫌気槽4の有効容積を大きくし、第1の嫌気槽3の有効容積を小さくするのが望ましい。また、図2(b)、(c)の状態では、一つの嫌気槽が処理の流れから切り離されているため、第3の好気槽5の処理能力をある程度確保するのが望ましい。「有効容積」は、各槽が収容する水の容積である。
本実施形態によれば、改修工事において新しい排水処理装置10Bを設置するためのスペースを新たに確保する必要がない。また、改修工事中においても安定した処理水質が得られるため、工場等の操業への影響を抑制することができる。
本実施形態によれば、改修工事において、排水処理装置の運転を停止することなく、当該排水処理装置の改修工事を行うことが可能となる。尚、既存の配管に、流路51、52、53、54等を構成する新しい配管の交換や、つなぐような工事をする場合、該当する配管に送水するためのポンプを一時的に止めるようなことはあるが、排水処理装置全体の運転を止めることはなく、このような場合も本発明に含まれ得る。
本実施形態によれば、好気処理に比べて処理の高い嫌気処理を導入するため、改修工事後、処理性能が向上し、生産設備、処理設備の増強等に対応可能となる。
本実施形態によれば、改修工事に要する費用を抑えることが可能である。新しい反応槽を建設する費用と比較すると、例えば50〜70%もの費用削減が可能と考えられる。既存の設備の撤去も不要であるため、さらに費用を削減することが可能である。
本実施形態によれば、嫌気性処理を導入することにより、余剰汚泥発生量を削減するとともに、電力使用量を削減することもできる。
本実施形態によれば、嫌気性処理を導入することにより、嫌気槽において排水中の有機物からメタンガスを得ることができ、メタンガスを利用して発電を行うことで直接電気エネルギーを得ることができる。更に発電機から発生する熱エネルギーを回収、利用することができる。
<実施例の説明>
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
まず、実施例1−1について、以下の組成を含有し、1日に100L発生する食品工場の排水(油脂含有排水)について処理を行った。
・CODcr=1400mg/L
・S−CODcr(Soluble CODcr)=150mg/L
・n−Hex(ヘキサン抽出物質)=450mg/L
上記の排水について、150Lの容量の生物処理槽を有する排水処理装置10A(図1(a)に相当)を用いて活性汚泥法による処理を行った。この結果、目標とする水質(BOD(Biochemical Oxygen Demand;生物学的酸素要求量)が600mg/L以下、SS(Suspended Solids;浮遊固形物)が600mg/L以下、n−Hexが30mg/L以下)を維持しつつ、安定して処理することが可能であった。また、余剰汚泥は1日あたり65g発生した。
続いて、上述の排水処理装置10Aを、図4及び図5に示す改修方法を用いて図4(c)に示す排水処理装置10Bに改修した。まず、生物処理槽6を有効容積がそれぞれ37L、95L及び18Lの三つの区画に区分し(100を合計とした有効容積比は25:63:12)、第1の好気槽101、第2の好気槽102、第3の好気槽5とした(図4(a))。その後、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置を生物処理槽6の前段に設置し、排水からフロス(固形性有機物)を除去した(図4(b))。加圧浮上処理では排水に含まれるCODcr成分の90%をフロスとして排水から除去し、続いて、分離水を第3の好気槽5へ導入し、活性汚泥処理を行った(図4(b))。
次に、第1の好気槽101を、嫌気処理を施すための第1の嫌気槽3に改修した(図4(b))。詳細には、第1の嫌気槽3は、27Lの酸発酵槽と10Lの上向流式嫌気処理装置からなる構成とし、汚泥としてグラニュール汚泥を容積比で10%、流動担体を容積比で20%投入した。
同時に第2の好気槽102を、嫌気処理を施すための第2の嫌気槽4に改修した(図4(b))。詳細には、第2の嫌気槽4は、22Lの酸発酵槽と73Lの機械撹拌方式の嫌気槽からなる構成とした。
続いて、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置からのフロスを第2の嫌気槽4に導入するとともに、加圧浮上装置からの分離水を第1の嫌気槽3に導入し、更にフロス処理水及び分離水処理水を第3の好気槽5へ導入する構成とした。第3の好気槽5にて活性汚泥による好気処理を行った(図4(c))。
本実施例では、初期の活性汚泥法による処理期間中から、処理方式の移行期間、及び処理方式を変更した後の全ての期間において、目標とする良好な水質が得られることを確認した。また、余剰汚泥の発生量は、改修により1日あたり20〜25gに減少した。
比較例1−2では、実施例1−1における三つの区画、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、45L(33Lの酸発酵槽+12Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、68L(15Lの酸発酵槽+53Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び37Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は30:45:25)。比較例1−3では、実施例1−1における三つの区画された、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、53L(39Lの酸発酵槽+14Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、45L(10Lの酸発酵槽+35Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び52Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は35:30:35)。それ以外の処理はすべて共通である。各工程において測定した処理水のCODcrを含む結果を以下の表1に示す。
Figure 0006879867
上記の結果から、全ての実施例において、排水に比べて処理水の水質が向上したことが理解される。また、本実施例において、油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、分離される固形性有機物の質量%である固形分割合(フロス回収率)は90%である。この場合(70〜100質量%)、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合は、好ましくはそれぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定される。実施例1−1はこの値を満たしており、結果的に良好な浄化作用を示している(図4(c)の工程)。一方、比較例1−2、1−3はこの値を満たしておらず、実施例1−1に比べて、浄化作用は劣っていることが理解される(図4(c)の工程)。
(実施例2)
まず、実施例2−1について、以下の組成を含有し、1日に100L発生する食品工場の排水(油脂含有排水)について処理を行った。
・CODcr=1400mg/L
・S−CODcr(Soluble CODcr)=600mg/L
・n−Hex(ヘキサン抽出物質)=300mg/L
上記の排水について、150Lの容量の生物処理槽を有する排水処理装置10A(図1(a)に相当)を用いて活性汚泥法による処理を行った。この結果、目標とする水質(BOD(Biochemical Oxygen Demand;生物学的酸素要求量)が600mg/L以下、SS(Suspended Solids;浮遊固形物)が600mg/L以下、n−Hexが30mg/L以下)を維持しつつ、安定して処理することが可能であった。
続いて、上述の排水処理装置10Aを、図2及び図3に示す改修方法を用いて図2(d)に示す排水処理装置10Bに改修した。まず、生物処理槽6を有効容積がそれぞれ45L、68L及び37Lの三つの区画に区分し(100を合計とした有効容積比は30:45:25)、それぞれの区画を第1の好気槽101、第2の好気槽102、第3の好気槽5とした(図2(a))。その後、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置を生物処理槽6の前段に設置し、排水からフロスを除去した(図2(b))。加圧浮上処理では排水に含まれるCODcr成分の55%をフロスとして排水から除去し、続いて、分離水を第2の好気槽102、第3の好気槽5へ導入し、活性汚泥処理を行った(図2(b))。
次に、第1の好気槽101を、嫌気処理を施すための第1の嫌気槽3に改修した(図2(b))。詳細には、第1の嫌気槽3は、33Lの酸発酵槽と12Lの上向流式嫌気処理装置からなる構成とし、汚泥としてグラニュール汚泥を容積比で10%、流動担体を容積比で20%投入した。
次に、第2の好気槽102を、嫌気処理を施すための第2の嫌気槽4に改修した(図2(c))。詳細には、第2の嫌気槽4は、16Lの酸発酵槽と52Lの機械撹拌方式の嫌気槽からなる構成とした。そして、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置から得られる分離水を第1の嫌気槽3に導いて嫌気処理し、第1の嫌気槽3において処理した分離水を第3の好気槽5に導いて活性汚泥による好気処理を行った(図2(c))。
最後に、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置からのフロスを第2の嫌気槽4に導入する構成とした(図2(d))。
本実施例では初期の活性汚泥法による処理期間中から、処理方式の移行期間、及び処理方式を変更した後の全ての期間において、良好な水質が得られることを確認した。
比較例2−2では、実施例2−1における三つの区画、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、38L(28Lの酸発酵槽+10Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、94L(21Lの酸発酵槽+73Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び18Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は25:63:12)。
比較例2−3では、実施例2−1における三つの区画、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、53L(39Lの酸発酵槽+14Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、45L(10Lの酸発酵槽+35Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び52Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は35:30:35)。それ以外の処理はすべて共通である。各工程において測定した処理水のCODcrを含む結果を以下の表2に示す。
Figure 0006879867
上記の結果から、全ての実施例において、排水に比べて処理水の水質が向上したことが理解される。また、本実施例において、油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、分離される固形性有機物の質量%である固形分割合(フロス回収率)は55%である。この場合(40〜70質量%)、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合は、好ましくはそれぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定される。
実施例2−1はこの値を満たしており、結果的に良好な浄化作用を示している(図2(d)の工程)。一方、比較例2−2、2−3はこの値を満たしておらず、実施例2−1に比べて、浄化作用は劣っていることが理解される(図2(d)の工程)。
(実施例3)
まず、実施例3−1について、以下の組成を含有し、1日に100L発生する食品工場の排水(油脂含有排水)について処理を行った。
・CODcr=1400mg/L
・S−CODcr(Soluble CODcr)=900mg/L
・n−Hex(ヘキサン抽出物質)=170mg/L
上記の排水について、150Lの容量の生物処理槽を有する排水処理装置10A(図1(a)に相当)を用いて活性汚泥法による処理を行った。この結果、目標とする水質(BOD(Biochemical Oxygen Demand;生物学的酸素要求量)が600mg/L以下、SS(Suspended Solids;浮遊固形物)が600mg/L以下、n−Hexが30mg/L以下)を維持しつつ、安定して処理することが可能であった。
続いて、上述の排水処理装置10Aを、図2及び図3に示す改修方法を用いて図2(d)に示す排水処理装置10Bに改修した。まず、生物処理槽6を有効容積がそれぞれ53L、45L及び52Lの三つの区画に区分し、第1の好気槽101、第2の好気槽102、第3の好気槽5とした(図2(a))。その後、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置を生物処理槽6の前段に設置し、排水からフロスを除去した(図2(b))。加圧浮上処理では排水に含まれるCODcr成分の35%をフロスとして排水から除去し、続いて、分離水を第2の好気槽102、第3の好気槽5へ導入し、活性汚泥処理を行った(図2(b))。
次に、第1の好気槽101を、嫌気処理を施すための第1の嫌気槽3に改修した(図2(b))。詳細には、第1の嫌気槽3は、39Lの酸発酵槽と14Lの上向流式嫌気処理装置からなる構成とし、汚泥としてグラニュール汚泥を容積比で10%、流動担体を容積比で20%投入した。
次に、第2の好気槽102を、嫌気処理を施すための第2の嫌気槽4に改修した(図2(c))。詳細には、第2の嫌気槽4は、10Lの酸発酵槽と35Lの機械撹拌方式の嫌気槽からなる構成とした。そして、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置から得られる分離水を第1の嫌気槽3に導いて嫌気処理し、第1の嫌気槽3にして処理した分離水を第3の好気槽5に導いて活性汚泥による好気処理を行った(図2(c))。
最後に、濃縮分離装置2としての加圧浮上装置からのフロスを第2の嫌気槽4に導入する構成とした(図2(d))。
本実施例では初期の活性汚泥法による処理期間中から、処理方式の移行期間、及び処理方式を変更した後の全ての期間において、良好な水質が得られることを確認した。
比較例3−2では、実施例3−1における三つの区画、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、38L(28Lの酸発酵槽+10Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、94L(21Lの酸発酵槽+73Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び18Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は25:63:12)。
比較例3−3では、実施例3−1における三つの区画、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積の比率を変更し、45L(33Lの酸発酵槽+12Lの上向流式メタン発酵の嫌気槽)、68L(16Lの酸発酵槽+52Lの機械撹拌式の嫌気槽)及び37Lの三つの区画とした(100を合計とした有効容積比は30:45:25)。それ以外の処理はすべて共通である。各工程において測定した処理水のCODcrを含む結果を以下の表3に示す。
Figure 0006879867
上記の結果から、全ての実施例において、排水に比べて処理水の水質が向上したことが理解される。また、本実施例において、油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、分離される固形性有機物の質量%である固形分割合(フロス回収率)は35%である。この場合(20〜40質量%)、第1の嫌気槽3、第2の嫌気槽4、第3の好気槽5の有効容積基準での割合は、好ましくはそれぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定される。
実施例3−1はこの値を満たしており、結果的に良好な浄化作用を示している(図2(d)の工程)。この実施例3−1は、比較例3−2、3−3に比べて、浄化作用がより優れていることが理解される(図2(d)の工程)。
尚、本発明は、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明によれば、既存の排水処理装置のスペースを有効利用し、低コストでかつ排水処理能力を向上させた排水処理装置に改修することが可能であり、既存装置の改修を促進させることができる。
1 調整槽
2 濃縮分離装置
3 第1の嫌気槽(改修後)
4 第2の嫌気槽(改修後)
5 第3の好気槽(改修後)
6 生物処理槽
7 沈殿槽
10A 排水処理装置(改修前)
10B 排水処理装置(改修後)
51、52、53、54 流路(配管)
101 第1の好気槽(改修前)
102 第2の好気槽(改修前)

Claims (6)

  1. 油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修方法であって、
    既存の好気処理を行う生物処理槽を、少なくとも第1の好気槽と、第2の好気槽と、第3の好気槽との三つの区画に区分けするステップと、
    前記生物処理槽の前段に、前記油脂含有排水に含まれる固形性有機物を分離する分離装置を導入するステップと、
    前記分離装置を経た分離水を、前記第2の好気槽及び前記第3の好気槽で好気処理しつつ、前記第1の好気槽を第1の嫌気槽に改修するステップと、
    前記分離装置を経た分離水を、前記改修された第1の嫌気槽及び前記第3の好気槽で処理しつつ、前記第2の好気槽を第2の嫌気槽に改修するステップと、
    前記分離装置で分離された固形性有機物を、前記改修された第2の嫌気槽に導入し、当該第2の嫌気槽で処理した後、前記第3の好気槽で処理するステップと、
    前記油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、前記分離装置により分離される固形性有機物の質量%基準での割合である固形分割合を判定し、
    前記固形分割合が70〜100質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定し、
    前記固形分割合が40〜70質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定し、
    前記固形分割合が20〜40質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定すること
    を含むことを特徴とする排水処理装置の改修方法。
  2. 油脂含有排水を処理する排水処理装置の改修方法であって、
    既存の好気処理を行う生物処理槽を、少なくとも第1の好気槽と、第2の好気槽と、第3の好気槽との三つの区画に区分けするステップと、
    前記既存の生物処理槽の前段に、油脂含有排水に含まれる固形性有機物を分離する分離装置を導入するステップと、
    前記分離装置を経た分離水を、前記第3の好気槽で好気処理しつつ、前記第1の好気槽を第1の嫌気槽に改修するとともに前記第2の好気槽を第2の嫌気槽に改修するステップと、
    前記分離装置を経た分離水を、前記改修された第1の嫌気槽及び前記第3の好気槽で処理するステップと、
    前記分離装置で分離された固形性有機物を、前記改修された第2の嫌気槽に導入し、当該第2の嫌気槽で処理した後、前記第3の好気槽で処理するステップと、
    前記油脂含有排水に含まれる全有機物に対し、前記分離装置により分離される固形性有機物の質量%基準での割合である固形分割合を判定し、
    前記固形分割合が70〜100質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ15%以上、50%以上、5%以上に設定し、
    前記固形分割合が40〜70質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ20%以上、35%以上、15%以上に設定し、
    前記固形分割合が20〜40質量%の場合、前記第1の嫌気槽、前記第2の嫌気槽、前記第3の好気槽の有効容積基準での割合を、それぞれ30%以上、20%以上、35%以上に設定すること
    を含むことを特徴とする排水処理装置の改修方法。
  3. 請求項1または2に記載の排水処理装置の改修方法であって、
    前記分離装置が、油脂含有排水に含まれる固形性有機物を分離するとともに濃縮する濃縮分離装置であり、
    当該濃縮分離装置は、凝集加圧浮上装置、凝集ろ過装置、凝集沈殿装置のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする排水処理装置の改修方法。
  4. 請求項1または2に記載の排水処理装置の改修方法であって、
    前記第1の嫌気槽が、嫌気性のグラニュール汚泥、流動担体、固定床の少なくともいずれか一つを保持することを特徴とする排水処理装置の改修方法。
  5. 請求項1または2に記載の排水処理装置の改修方法であって、
    前記第2の嫌気槽が、機械式の撹拌装置、ガス方式の撹拌装置、ポンプ式循環装置の少なくともいずれか一つを備えることを特徴とする排水処理装置の改修方法。
  6. 請求項1または2に記載の排水処理装置の改修方法であって、
    前記第3の好気槽が、流動担体または固定床の少なくともいずれかを保持することを特徴とする排水処理装置の改修方法。
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