JP6878380B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来、所定の始動条件の成立に基づいて抽選を行うパチンコ機などの遊技機では、抽選の結果に基づいて複数の発光手段を発光制御するようになっている。
特開2018−126613号公報
しかしながら、上記したような遊技機では複数の発光手段を機能や用途に分けて発光制御するものの、機能や用途ごとに適切な発光が実現されているとは言い難く、遊技興趣を低下させるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下を抑止可能な遊技機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
(解決手段1)
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による前記抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技の演出を制御する演出制御手段と、
前記遊技の進行に伴って発光可能な複数の発光手段と、を備える遊技機であって、
前記複数の発光手段は、前記遊技制御手段によって発光制御される第1発光手段と、前記演出制御手段によって発光制御される第2発光手段と、を有し、
記第1発光手段は、光反射効率の低い黒色の実装面からなる第1発光基板に設けられ、
記第2発光手段は、光反射効率の高い白色の実装面からなる第2発光基板に設けられ、
前記第1発光基板は、光反射効率の高い白色からなる不透明な部材によって構成されるケース体に収容され、該ケース体に形成される所定の貫通部を通じて前記第1発光手段の光を外部から視認可能となるように配置され
ことを特徴とする遊技機。
本発明の遊技機においては、遊技興趣の低下を抑止可能である。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図である。 皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作部ボタンユニットの進退方向から見た平面図である。 (a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。 (a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。 演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。 扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 (a)〜(c)は本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。 本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。 (a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。 図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。 パチンコ機において前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を不透明にした遊技盤の正面図である。 図107の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図107の遊技盤を左前から見た斜視図である。 遊技盤を後ろから見た斜視図である。 前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 図107におけるC−C線で切断した断面図である。 遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。 (a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。 (a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)は始動口ユニットの左側面図であり(d)はサイドユニットの左側面図である。 一般入賞口の前面の傾斜と、開状態の時の可変入賞口の扉部材の傾斜とを比較した説明図である。 遊技盤における始動口ユニット及びサイドユニットの部位を示す拡大正面図である。 (a)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを後ろから見た斜視図である。 第一アタッカユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 第一アタッカユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 第一アタッカユニットにおける第一大入賞口扉の動きを左側面から示す説明図である。 第一アタッカユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。 (a)は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。 センター役物の正面図である。 (a)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を後ろから見た斜視図である。 第二アタッカユニット及びサイド右中ユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。 図115において遊技領域内の右部を拡大した説明図である。 遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠を透明にした状態で遊技盤の左上隅を拡大して示すパチンコ機の正面図である。 (a)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏後演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏後演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。 裏後演出ユニットの動きを示す説明図である。 裏後可動装飾体を裏後装飾基板と共に示す正面図である。 (a)は図142におけるD−D線で切断した断面図であり、(b)は図142におけるE−E線で切断した断面図である。 (a)は裏後可動装飾体を前から見た斜視図であり、(b)は裏後可動装飾体を後ろから見た斜視図である。 裏後可動装飾体を分解して前から見た分解斜視図である。 裏後可動装飾体を分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後可動装飾体の一部を拡大して示す正面図である。 図147の正面図に導光放射板と裏後装飾基板とを破線で示す説明図である。 (a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す正面図であり、(b)は(a)の装飾体と同じ部位における装飾シートの一部を示す正面図であり、(c)は(a)の装飾体と同じ部位における導光放射板と裏後装飾基板の一部を示す正 面図である。 図143(a)の上部を拡大して示す拡大断面図である。 図150の断面図を分解して示す分解図である。 裏後可動装飾体の正面の一部を拡大して装飾体及び装飾シートによる装飾と導光放射板及び裏後装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は第一LEDの部位における導光放射板と裏後装飾基板との関係を断面で示す説明図であり、(b)は第一LEDの光軸上に第二LEDが位置している部位における導光放射板の作用を正面から示す説明図であり、(c)は装飾体及び装飾シートにおける第二装飾部に対する導光放射板のLED収容部及び裏後装飾基板の第一LEDの配置例を正面から示す説明図である。 裏後装飾基板の一部を拡大して回路パターンの銅箔と共に示す正面図である。 (a)は裏後装飾基板の正面図であり、(b)は裏後装飾基板の背面図である。 (a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(b)は(a)とは異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(c)は(a)及び(b)とは更に異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図である。 (a)は図142の裏後可動装飾体とは異なる第二実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(b)は第三実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(c)は第四実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図である。 裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図である。 裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏下中演出ユニットにおける裏下中昇降機構による裏下中装飾体ユニットの昇降を示す説明図である。 (a)は裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットの裏下中回転装飾体の回転にかかる構成を正面から示す説明図であり、(b)は裏下中回転装飾体の停止位置と各検知センサとの関係を表で示す説明図である。 裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットのLEDの配置を正面から示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏上演出ユニットにおける裏上前回転装飾体の回転機構を正面から示す説明図である。 (a)は裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構を正面から示す説明図であり、(b)は裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構と裏上後回転装飾体の回転機構とを正面から示す説明図である。 裏上演出ユニットにおいて裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で装飾基板を正面から示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後左演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。 裏後左演出ユニットにおける裏後左装飾体ユニットの動きを示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 裏後右演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。 裏後右演出ユニットにおける裏後右装飾体ユニットの動きを示す説明図である。 (a)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。 (a)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。 裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。 裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。 裏前左演出ユニットのシャッターユニットと、裏前右演出ユニットのシャッターユニットと、を夫々閉状態から開状態にして示す遊技盤の正面図である。 裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ、裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。 周辺制御ユニットの正面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの背面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの正面図である。 ベース体に形成される断線防止リブ部の正面が周辺制御基板の裏面(ハンダ面)と当接した部分におけるベタグランドの形状を示す図であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(a)であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の概略図(b)である。 周辺制御基板を半田槽へ流す場合にけるランドに対するレジストの形状を示す図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図212のつづきを示すブロック図である。 電源基板の回路構成の概要を説明する回路図である。 第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成である。 主制御基板の回路を示す概略回路図である。 モータ駆動回路の回路図である。 主制御ソレノイド駆動回路を示す回路図である。 停電監視回路を示す回路図である。 払出制御基板の回路を示す概略回路図である。 払出モータ駆動回路を示す回路である。 演出制御ソレノイド駆動回路を示す回路図である。 演出制御モータ駆動回路を示す回路図である。 ヒューズが実装される基板の表面(実装面)側の銅箔面の概略 扉枠に備える各装飾基板の電気的な接続を説明するブロック図である。 LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板の一例を示すブロック図である。 LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板の一例を示すブロック図である。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図228の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。 エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図234の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図235に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄及び特別電動役物制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される事前判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、大当りについての抽選処理に用いられる当り判定テーブルであり、(B)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる大当り図柄図柄決定テーブルであり、(C)は、小当りの種類についての抽選処理に用いられる小当り図柄図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される大当り制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 変形例における遊技盤の正面図である。 (A)ドットマトリクス表示器の正面斜視図であり、(B)は(A)におけるA−A線で切断した断面図、及び裏面側から見た斜視図である。 (A)変形例1の回路基板の正面図、及びA−A断面図であり、(B)変形例1の回路基板の正面図、及びA−A断面図である。 変形例のドットマトリクス表示器に設けられる回路基板の正面図である。 ドットマトリクス表示器の制御状態について示すタイムチャートである。 ドットマトリクス表示器の表示内容の一例を示す説明図である。 変形例のドットマトリクス表示器の、(A)正面斜視図であり、(B)は(A)におけるA−A線で切断した断面図、及び裏面側から見た斜視図である。 (A)特定基板の正面図、(B)特定基板の装飾を示す正面図あり、(C)変形例における特定基板である。 遊技盤における主制御ユニットの詳細図である。 パチンコ機の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 パチンコ機の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 パチンコ機の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合におけるパチンコ機の挙動の変形例を示すタイムチャートである。 パチンコ機の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合におけるパチンコ機の挙動の変形例を示すタイムチャートである。 パチンコ機の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、初回の図柄の変動表示における可動体の特定動作の動作タイミングを示すタイムチャートである。 周辺制御部定常処理にて実行される特殊モニタ関連演出処理の一例を示すフローチャートである。 ハンドルタッチセンサや単発ボタン操作センサの検出時における信号経路を説明するための図である。 周辺制御部定常処理にて実行される第1の発射停止時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部定常処理にて実行される第2の発射停止時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部定常処理にて実行される発射許可時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。 保留予告演出および設定値保留示唆演出の具体的な演出例である。 スロットマシンの概略斜視図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている金色を有する複数の障害釘N(本実施形態では、真ちゅうを使用している。)と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006と、を備えている。金色を有する障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、裏前右演出ユニット3800、等により発光演出や可動演出等を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間から本体枠スピーカ622のエンクロージャ624内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。なお、以下、扉枠3と本体枠4とから構成される枠体を「前面枠」と記載する場合がある。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本実施形態では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4の各種基板との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図211を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222を下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダ242が作動伝達部242bと共に下方へスライドし、作動伝達部242bの下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部242bと共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられている透明なハンドルカバー185と、を備えている。ハンドル装飾基板184の表面(実装面)に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本実施形態では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透明に形成されている。ハンドルカバー185の裏面であってハンドルカバー185の内部には、透明な部材で立体的に形成されたインナーレンズ185aが取り付けられている。インナーレンズ185aの表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、インナーレンズ185aの後方に配置されるハンドル装飾基板184の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、インナーレンズ185aの表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、インナーレンズ185aの表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。ハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。なお、ハンドルカバー185の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、ハンドルカバー185の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、ハンドルカバー185の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な透明な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な透明な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、演出に関する音量を大きく調節したり又は小さく調節したりするためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右下方であって球貸操作ベース223の左下方に配置される音量アップボタン226と、ベース部221の上面における音量アップボタン226の下方に配置される音量ダウンボタン227と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されており、遊技者が押圧操作することでやや下方へ移動して(遊技者が押圧操作することで上皿球抜ボタン222が下方へ移動する距離寸法と比べると小さい。)球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a(リードタイプ)の押圧操作部がやや下方へ押し込まれて球貸ボタン用タクタイルスイッチ224aがONすることができる一方、遊技者が押圧操作を解除することで球貸ボタン224が上方の元の位置へ移動して球貸ボタン用タクタイルスイッチ224aの押圧操作部が上方へ戻り球貸ボタン用タクタイルスイッチ224aがOFFすることができる。返却ボタン225は、三角形状に形成されており、遊技者が押圧操作することでやや下方へ移動して(遊技者が押圧操作することで上皿球抜ボタン222が下方へ移動する距離寸法と比べると小さい。)返却ボタン用タクタイルスイッチ225a(リードタイプ)の押圧操作部がやや下方へ押し込まれて返却ボタン用タクタイルスイッチ225aがONすることができる一方、遊技者が押圧操作を解除することで返却ボタン225が上方の元の位置へ移動して返却ボタン用タクタイルスイッチ225aの押圧操作部が上方へ戻り返却ボタン用タクタイルスイッチ225aがOFFすることができる。球貸表示部は、三つの7セグメントLED(リードタイプ)により構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
音量アップボタン226は、三角形状に形成されており、3つの頂点のうち一の頂点が上向きとなるように配置され、遊技者が押圧操作することでやや下方へ移動して(遊技者が押圧操作することで上皿球抜ボタン222が下方へ移動する距離寸法と比べると小さい。)音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a(表面実装タイプ)の押圧操作部がやや下方へ押し込まれて音量アップボタン用タクタイルスイッチ226aがONすることができる一方、遊技者が押圧操作を解除することで音量アップボタン226が上方の元の位置へ移動して音量アップボタン用タクタイルスイッチ226aの押圧操作部が上方へ戻り音量アップボタン用タクタイルスイッチ226aがOFFすることができる。音量ダウンボタン227は、三角形状に形成されており、3つの頂点のうち一の頂点が下向きとなるように配置され、遊技者が押圧操作することでやや下方へ移動して(遊技者が押圧操作することで上皿球抜ボタン222が下方へ移動する距離寸法と比べると小さい。)音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227a(表面実装タイプ)の押圧操作部がやや下方へ押し込まれて音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aがONすることができる一方、遊技者が押圧操作を解除することで音量ダウンボタン227が上方の元の位置へ移動して音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aの押圧操作部が上方へ戻り音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aがOFFすることができる。
球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDは、球貸操作ユニット220内に収容される球貸基板228の上面(前面又は表面)に実装されており、扉枠3側の扉枠主中継基板104、本体枠4側のインターフェイス基板635を介して、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)と電気的に接続されているのに対して、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aは、球貸操作ユニット220内に収容される音量調節基板229の上面(前面又は表面)に実装されており、扉枠3側の扉枠副中継基板105、本体枠4側のインターフェイス基板635を介すことなく、本体枠4側の駆動基板ユニット1700(後述する周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる後述する演出駆動基板1720)を介して、遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)と電気的に接続されている。球貸基板228及び音量調節基板229は、球貸操作ユニット220内に隣り合った状態で球貸操作ユニット220内に収容されている。
このように、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDが実装される球貸操作ユニット220内に収容される球貸基板228と電気的に接続される扉枠3側の扉枠主中継基板104と、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aが実装される球貸操作ユニット220内に収容される音量調節基板229と電気的に接続される扉枠3側の扉枠副中継基板105と、は、全く異なる中継基板となっており、扉枠3側の各種中継基板において、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDに対する信号伝送経路と、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aに対する信号伝送経路と、が同一の中継基板に混在しない構成となっている。これは、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDに対する信号伝送経路は、いわゆる主側の信号が伝送される経路となるため、扉枠3側の扉枠主中継基板104を経由する構成となっているのに対して、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aに対する信号伝送経路は、いわゆる主側の信号が伝送される経路ではないため、扉枠3側の扉枠副中継基板105を経由する構成となっている。
球貸基板228の上面(前面又は表面)には、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成されている。球貸基板228の下面(後面又は裏面)には、図示しないコネクタ(リードタイプ)が実装される領域が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた緑色のレジストにより緑色のレジスト層が形成されている。更に、球貸基板228の上面(前面又は表面)には、図示は省略するが、実装されている球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。球貸基板228の下面(後面又は裏面)には、図示は省略するが、コネクタ(表面実装タイプ)等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
これに対して、音量調節基板229の上面(前面又は表面)には、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。音量調節基板229の下面(後面又は裏面)には、図示しないコネクタが実装される領域が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、音量調節基板229の上面(前面又は表面)には、図示は省略するが、実装されている音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227a等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。音量調節基板229の下面(後面又は裏面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
このように、球貸操作ユニット220内に隣り合った状態で球貸操作ユニット220内に収容されている球貸基板228及び音量調節基板229に塗布されるレジスト液の色が異なっている。これについて、説明すると、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDに対する信号伝送経路は、上述したように、いわゆる主側の信号が伝送される経路となるため、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDは、球貸操作ユニット220内に収容される球貸基板228の上面(前面又は表面)に実装されており、扉枠3側のの扉枠主中継基板104、本体枠4側のインターフェイス基板635を介して、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)と電気的に接続されているのに対して、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aに対する信号伝送経路は、上述したように、いわゆる主側の信号が伝送される経路ではないため、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aは、球貸操作ユニット220内に収容される音量調節基板229の上面(前面又は表面)に実装されており、扉枠3側の扉枠副中継基板105、本体枠4側のインターフェイス基板635を介すことなく、本体枠4側の駆動基板ユニット1700(後述する周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる後述する演出駆動基板1720)を介して、遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)と電気的に接続されている。
つまり、本実施形態では、パチンコ機1内の制御装置である遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)と電気的に接続される音量調節基板229と、パチンコ機1外の制御装置である球貸機(例えば、CRユニット)と電気的に接続される球貸基板228と、がパチンコ機1の球貸操作ユニット220内に隣り合うように配置されているものの、音量調節基板229は白色のレジスト液が塗布されて白色塗膜が形成されているのに対して、球貸基板228は白色と異なる緑色のレジスト液が塗布されて緑色塗膜が形成されているため、配線接続を行う作業者が、このように形成されている塗膜の色(つまり、レジストの色)を目印として、音量調節基板229と電気的に接続される配線と、球貸基板228と電気的に接続される配線と、の誤接続の防止に寄与することができる。したがって、配線の誤接続の防止に寄与することができる。
また、音量調節基板229には、遊技者が演出に関する音量を大きく調節することができる音量アップボタン用タクタイルスイッチ226aと、遊技者が演出に関する音量を小さく調節することができる音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aと、が実装され、音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aによる検出結果(ONによるON信号、OFFによるOFF信号)がパチンコ機1内の制御装置である遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)へ伝わり、球貸基板228には、遊技者が球貸による遊技球Bの払出を要求することができる球貸ボタン用タクタイルスイッチ224aと、球貸機(例えば、CRユニット)に対して現金やプリペイドカードの返却を要求することができる返却ボタン用タクタイルスイッチ225aと、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示することができる三つの7セグメントLEDと、が実装され、球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、及び返却ボタン用タクタイルスイッチ225aによる検出結果(ONによるON信号、OFFによるOFF信号)がパチンコ機1外の制御装置である球貸機(例えば、CRユニット)へ伝わる。なお、球貸機(例えば、CRユニット)からの駆動信号が球貸基板228に伝わることで、球貸基板228に実装される三つの7セグメントLEDにより構成される球貸表示部において、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量が表示されるのに対して、遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)から音量調節基板229に対して駆動信号が出力されず、音量調節基板229において、遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)から駆動信号に基づいて表示される表示部を構成する電子部品が何ら実装されていない。このように、遊技者の操作の位置が、パチンコ機1内の制御装置である遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)へ伝わる経路と、パチンコ機1外の制御装置であるパチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)へ伝わる経路と、があるため、音量調節基板229と電気的に接続される配線と、球貸基板228と電気的に接続される配線と、が誤接続されると、遊技者に意図しない不利益が生ずる場合がある。そこで、本実施形態では、球貸基板228に対しては白色のレジスト液が塗布されて白色塗膜が形成されるものとし、球貸基板228に対しては白色と異なる緑色のレジスト液が塗布される緑色塗膜が形成されるものとすることで、誤接続を防止している。
また、音量調節基板229に実装される音量アップボタン用タクタイルスイッチ226a、及び音量ダウンボタン用タクタイルスイッチ227aとして表面実装タイプの電子部品が採用されているのに対して、球貸基板228に実装される球貸ボタン用タクタイルスイッチ224a、返却ボタン用タクタイルスイッチ225a、及び三つの7セグメントLEDがリードタイプの電子部品が採用されているため、基板に実装される電子部品のタイプ(リードタイプ又は表面実装タイプのうちいずれか一方のタイプ)に基づいて、音量調節基板229と電気的に接続される配線と、球貸基板228と電気的に接続される配線と、を判別することができ、配線の誤接続の防止に寄与することができる。
ところで、光の反射率は、白色が最も高く、暗色が低くなるものの、上述したように、表示部が設けられていない音量調節基板229が白色のレジスト液が塗布されて白色塗膜が形成されているのに対して、球貸表示部が設けられている球貸基板228が暗色である緑色のレジスト液が塗布されて緑色塗膜が形成されている。これにより、球貸表示部による発光が球貸基板228の上面(前面又は表面)において反射する効率を低下させることにより、球貸表示部を除いた演出装置による演出の妨げとならないようにすることができる。なお、本実施形態では、暗色として緑色を採用したが、緑色に代えて、紫色や黒色としてもよい。
なお、本実施形態では、球貸基板228は、扉枠3側の扉枠主中継基板104、本体枠4側のインターフェイス基板635を介して、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)と電気的に接続されているのに対して、音量調節基板229は、扉枠3側の扉枠副中継基板105、本体枠4側のインターフェイス基板635を介すことなく、本体枠4側の駆動基板ユニット1700(後述する周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる後述する演出駆動基板1720)を介して、本体枠4側のインターフェイス基板635を介して、遊技盤5側の周辺制御ユニット1500(演出の進行を制御することができる後述する周辺制御基板1510)と電気的に接続されている。つまり、扉枠3側には、扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105が存在する。そこで、扉枠3側の扉枠主中継基板104の前面(表面)に対しては、球貸基板228に塗布されるレジスト液の色と同一色を採用し、緑色のレジスト液が塗布されて緑色塗膜が形成されるよう構成し、扉枠3側の扉枠副中継基板105の前面(表面)に対しては、音量調節基板229に塗布されるレジスト液の色と同一色を採用し、白色のレジスト液が塗布されて白色塗膜が形成されるよう構成することが好ましい。なお、白色のレジスト液が塗布された形成される白色塗膜は、緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜と比べて、脆く、1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して切り出して製造する際に、割れたり、裂けたりする場合がある。
ところで、基板を製造するときは、上述したように、1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して切り出して製造するため、シルクの塗料の色やレジスト液の色が同一となり、同一の色を有する複数の基板が製造されることとなる。このため、例えば、白色を有する基板を調べることで同一の定尺の銅張積層板(基材)から製造されたものであるか否かを判別できる場合があり、白色を有する基板に不具合が発見されると、他に不具合を確認する際に、まず白色を有する他の基板を1つずつ辿って(探し出して)調べればよく、不具合の早期発見に寄与することができるという利点がある。
なお、音量アップボタン226に基づく演出に関する音量を大きく調節したり又は音量ダウンボタン227に基づく演出に関する音量を小さく調節したりする音量調節操作は、一定期間(例えば、パチンコ機1に電源が投入されてから周辺制御MPU(以下、周辺制御MPUの機能を併せ持つものに対しては、周辺制御MPUに代えて「周辺制御IC」と記載する場合がある。)が起動するまでの一定期間、変動表示される特別図柄停止する前後の一定期間、のうちの一方又は両方など)を除いて常に周辺制御MPU(又は周辺制御IC)により実行可能とされるものであってもよいし、客待ち状態となって周辺制御MPU(又は周辺制御IC)により演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間などの特定の条件が成立している場合にのみ周辺制御MPU(又は周辺制御IC)により実行可能とされるものであってもよい。また、音量アップボタン226に基づく演出に関する音量を大きく調節したり又は音量ダウンボタン227に基づく演出に関する音量を小さく調節したりする音量調節操作に基づく音量調節結果を、即時に周辺制御MPU(又は周辺制御IC)が反映してもよいし、又は周辺制御MPU(又は周辺制御IC)が状況(変動表示中か否か、演出の進行等)に応じて音量調節操作のタイミングよりも遅れたタイミングで反映してもよい。
因みに、従来より、複数の基板を有する遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0047]、及び図5)。ところが、複数の基板のうち、互いに隣り合うように配置されている場合には、配線接続作業を行う者は、一方の基板と電気的に接続する配線と、他方の基板と電気的に接続する配線と、を誤接続するおそれがあった。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体251は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びている透明な皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている透明な皿左上インナーレンズ272と、皿左上インナーレンズ272の後側に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、透明に形成されている。なお、皿左上装飾体271の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左上装飾体271の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左上装飾体271の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿左上インナーレンズ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。皿左上インナーレンズ272は、透明に形成されている。皿左上インナーレンズ272の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿左上インナーレンズ272の後方に配置される皿左上装飾基板273の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、皿左上インナーレンズ272の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左上インナーレンズ272の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びている透明な皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている透明な皿右上インナーレンズ277と、皿右上インナーレンズ277の後側に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、透明に形成されている。なお、皿右上装飾体276の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右上装飾体276の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右上装飾体276の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿右上インナーレンズ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。皿右上インナーレンズ277は、透明に形成されている。皿右上インナーレンズ277の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿右上インナーレンズ277の後方に配置される皿右上装飾基板278の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、皿右上インナーレンズ277の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右上インナーレンズ277の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びている透明な皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている透明な皿左下インナーレンズ282と、皿左下インナーレンズ282の後側に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、透明に形成されている。なお、皿左下装飾体281の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左下装飾体281の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左下装飾体281の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿左下インナーレンズ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。皿左下インナーレンズ282は、透明に形成されている。皿左下インナーレンズ282の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿左下インナーレンズ282の後方に配置される皿左下装飾基板283の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、皿左下インナーレンズ282の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿左下インナーレンズ282の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びている透明な皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている透明な皿右下インナーレンズ287と、皿右下インナーレンズ287の後側に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、透明に形成されている。なお、皿右下装飾体286の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右下装飾体286の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右下装飾体286の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿右下インナーレンズ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。皿右下インナーレンズ287は、透明に形成されている。皿右下インナーレンズ287の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿右下インナーレンズ287の後方に配置される皿右下装飾基板288の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、なお、皿右下インナーレンズ287の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿右下インナーレンズ287の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な透明な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な透明な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の透明な中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている透明な円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている透明な皿中央上インナーレンズ313と、皿中央上インナーレンズ313の後側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている透明な皿中央下インナーレンズ315と、皿中央下インナーレンズ315の後側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている透明な皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている透明な皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透明に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上インナーレンズ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。なお、皿中央上装飾体312aの表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央上装飾体312aの表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央上装飾体312aの裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿中央上インナーレンズ313は、透明に形成されている。皿中央上インナーレンズ313の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿中央上インナーレンズ313の下方(又は後方)に配置される皿中央上装飾基板314の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、皿中央上インナーレンズ313の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央上インナーレンズ313の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿中央下インナーレンズ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。なお、皿中央下装飾体312bの表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央下装飾体312bの表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央下装飾体312bの裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
皿中央下インナーレンズ315は、透明に形成されている。皿中央下インナーレンズ315の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、皿中央下インナーレンズ315の下方(又は後方)に配置される皿中央下装飾基板316の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、皿中央下インナーレンズ315の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、皿中央下インナーレンズ315の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されていると共に、透光性を有して(例えば、乳白色に)形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な透明な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。リング取付ベース331、回転ベース332、ブッシュ333、及びリング抜止部材334は、夫々透明に形成されている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透明な円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出し周方向に複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースと協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、その上側が、透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331が透明に形成されているため、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331を通して、又は装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、透明な回転操作部302を構成している透明なリング外上カバー335、透明なリング外下カバー336、及び透明なリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声や音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な透明な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、透明な円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている透明な円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている透明な中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている透明な中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている透明な外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透明な円筒状の外周装飾インナーレンズ379と、外周装飾インナーレンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾インナーレンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透明に形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDが表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDが表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾インナーレンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾インナーレンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾インナーレンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾インナーレンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている透明な左サイドインナーレンズ403と、左サイドインナーレンズ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている透明な扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドインナーレンズ403は、透明に形成されている。左サイドインナーレンズ403の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、左サイドインナーレンズ403の後方に配置される扉枠左サイド装飾基板402の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、左サイドインナーレンズ403の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、左サイドインナーレンズ403の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。扉枠左サイド装飾体404は、透明に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。なお、扉枠左サイド装飾体404の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠左サイド装飾体404の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠左サイド装飾体404の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている透明な複数のサイド窓内装飾部410bを有する透明なサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている透明な内部インナーレンズ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている透明な右サイドインナーレンズ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドインナーレンズ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドインナーレンズ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドインナーレンズ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネル417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドインナーレンズ415の後面に取付けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドインナーレンズ415の前側を覆うように右サイドインナーレンズ415に取付けられている透明な扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透明に形成されている。なお、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413の前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部インナーレンズ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部インナーレンズ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。内部インナーレンズ414は、透明に形成されている。内部インナーレンズ414の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、内部インナーレンズ414の後方に配置されるサイド窓内装飾部装飾基板413の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、内部インナーレンズ414の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、内部インナーレンズ414の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
右サイドインナーレンズ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドインナーレンズ415は、透明に形成されている。右サイドインナーレンズ415の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、右サイドインナーレンズ415の後方に配置される扉枠右サイド装飾基板418の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、右サイドインナーレンズ415の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、右サイドインナーレンズ415の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドインナーレンズ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドインナーレンズ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドインナーレンズ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドインナーレンズ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透明に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドインナーレンズ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。なお、扉枠右サイド装飾体419の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠右サイド装飾体419の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠右サイド装飾体419の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる透光性を有する(例えば、乳白色を有する)扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられている透光性を有する(例えば、乳白色を有する)トップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている透明な扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している透光性を有する(例えば、乳白色を有する)扉枠トップ底板454と、を備えている。なお、本実施形態では、扉枠トップベース451、トップ上カバー452、扉枠トップ底板454は、透光性を有する(例えば、乳白色を有する)を有して構成されているが、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451にトップ上カバー452が取付けられていると共に、透明な扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを扉枠トップ底板454が連結しているため、扉枠トップベース451を透光性を有する(例えば、乳白色を有する)ものに代えて、透明なものとして構成してもよい。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置され(つまり、扉枠トップ装飾体453の後方に配置されると共に扉枠トップ中央装飾基板455の前方に配置され)トップ上カバー452の前面に取付けられている透明なトップ中央インナーレンズ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置され(つまり、扉枠トップ装飾体453の後方に配置されると共に扉枠トップ左装飾基板456の前方に配置され)トップ上カバー452の前面に取付けられている透明なトップ左インナーレンズ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置され(つまり、扉枠トップ装飾体453の後方に配置されると共に扉枠トップ右装飾基板457の前方に配置され)トップ上カバー452の前面に取付けられている透明なトップ右インナーレンズ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている透光性を有する(例えば、乳白色を有する)下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている透光性を有する(例えば、乳白色を有する)扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透明に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。なお、扉枠トップ装飾体453の表面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠トップ装飾体453の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、扉枠トップ装飾体453の裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央インナーレンズ458、トップ左インナーレンズ459、及びトップ右インナーレンズ460は、夫々左右方向に延びており、透明に形成されている。トップ中央インナーレンズ458、トップ左インナーレンズ459、及びトップ右インナーレンズ460の表面は、夫々レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、トップ中央インナーレンズ458の後方に配置される扉枠トップ中央装飾基板455の表面(実装面)に実装されている複数のLED、トップ左インナーレンズ459の後方に配置される扉枠トップ左装飾基板456の表面(実装面)に実装されている複数のLED、及びトップ右インナーレンズ460の後方に配置される扉枠トップ右装飾基板457の表面(実装面)に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、トップ中央インナーレンズ458、トップ左インナーレンズ459、及びトップ右インナーレンズ460の表面と共に裏面には、夫々レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、トップ中央インナーレンズ458、トップ左インナーレンズ459、及びトップ右インナーレンズ460の表面に代えて裏面には、夫々レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[トップサイドスピーカによる電飾]
次に、図72〜図74に示した扉枠トップユニット450における一対のスピーカブラケット463の前面にそれぞれ取付けられている一対のトップサイドスピーカ464の構造について簡単に説明する。トップサイドスピーカ464は、振動板、及びセンターキャップ等の振動部が透光性を有する樹脂製(例えば、乳白色を有するポリプロピレン等)により形成されると共に、マグネット、及びヨーク等の磁気回路部が前後に貫通している貫通孔を有する円柱状に形成され、振動部と磁気回路部とが筐体部により保持されている。この筐体部には、周方向に複数の開口が形成されている。円柱状に形成される磁気回路部の貫通孔は、前方に配置されるセンターキャップに覆われているのに対して、後方が開放されている。
スピーカブラケット463の前面には、図示しない取付部にトップサイドスピーカ464が取付けられると共に、スピーカブラケット463の後面には、スピーカブラケット463の後面から後方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、約18mm)延出された図示しない4つの基板取付屈曲板に形成される取付部に音響装飾基板469が取付けられる。また、音響装飾基板469の後面(裏面)側を覆うように図示しない透明板が音響装飾基板469と共に上述した図示しない4つの基板取付屈曲板に形成される取付部に取付けられている。この透明板は、音響装飾基板469の後面(裏面)側を他の部材が接触して電気的なトラブルが生じないように保護するものである。このように、スピーカブラケット463の前面にトップサイドスピーカ464が取付けられると共に、スピーカブラケット463の後面に音響装飾基板469及び透明板が取付けられることにより、スピーカ電飾ユニットが組み立てられる。換言すると、スピーカ電飾ユニットは、スピーカブラケット463、トップサイドスピーカ464、音響装飾基板469、及び透明板から構成されている。
スピーカブラケット463の前面にトップサイドスピーカ464が取付けられると共に、スピーカブラケット463の後面に音響装飾基板469が取付けられる状態においては、音響装飾基板469の前面(表面)がトップサイドスピーカ464の磁気回路部の後面を臨むように配置されると共に、音響装飾基板469の前面(表面)がトップサイドスピーカ464の磁気回路部の後方を覆う配置となる。
音響装飾基板469の前面(表面)及び後面(裏面)には、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。音響装飾基板469の前面(表面)に複数のLED(本実施形態では、多色発光可能なフルカラーLED)469aが実装されている。音響装飾基板469の後面(裏面)に図示しないコネクタが実装されている。音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aは、扉枠トップ中継基板467に実装される図示しないLED定電流駆動回路により制御された定電流が流れるようになっている。なお、扉枠トップ中継基板467に実装される図示しないLED定電流駆動回路は、周辺制御基板1510からシリアル出力される発光データ、クロック信号が入力されており、これに基づいて、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aへ流す定電流を制御することにより、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aの点灯、消灯、点滅、階調点灯等の多様な発光態様を実現している。
周辺制御基板1510は、パチンコ機1に異常(例えば、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580等の球詰まりの発生、不正行為の検知、扉枠3の開放、本体枠4の開放、配線の断線等)または不具合(各種可動装飾体(可動体)の作動に関する不具合、各種可動装飾体(可動体)の原位置(待機位置)の検知不可等))が生じていないときには、通常時として演出態様の発光態様となる発光データをクロック信号に基づいて、扉枠トップ中継基板467に実装される図示しないLED定電流駆動回路に出力する。これに対して、周辺制御基板1510は、パチンコ機1に異常(例えば、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580等の球詰まりの発生、不正行為の検知、扉枠3の開放、本体枠4の開放、配線の断線等)または不具合(各種可動装飾体(可動体)の作動に関する不具合、各種可動装飾体(可動体)の原位置(待機位置)の検知不可等))が生じているときには、上述した通常時と異なる態様として報知態様となる発光データをクロック信号に基づいて、扉枠トップ中継基板467に実装される図示しないLED定電流駆動回路に出力する。
なお、演出態様の発光態様(通常時)では、点灯、消灯、点滅、階調点灯等を組み合わせた多彩な発光態様となるものであって、主制御基板1310が機能表示ユニット1400に制御信号を出力し、この制御信号に基づく複数のLEDを用いて図柄を変動表示し、図柄を変動表示するときに設定される変動パターンと対応するコマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510へ送信し、このコマンドに基づいて周辺制御基板1510が所定の演出用発光(通常時)として演出態様の発光態へ制御するものである。これに対して、報知態様(通常時と異なる態様)では、予め定めた色(本実施形態では、赤色)が最大輝度で点灯する発光態様となるものであって、払出制御MPUは、扉枠開放スイッチからの検出信号に基づいて本体枠4に対する扉枠3の開放を検出すると、その旨を伝える扉枠開放コマンドを主制御基板1310へ送信し、この扉枠開放コマンドを受信した主制御基板1310は、本体枠4に対する扉枠3の開放の旨を伝える扉枠開放コマンドに所定情報(主制御基板1310から周辺制御基板1510へコマンドを送信する形式を整えるための情報)を付加して周辺制御基板1510へ送信し、このようなコマンドを受信した周辺制御基板1510は、予め定めた報知態様(通常時と異なる態様)へ制御するものである。
音響装飾基板469の前面(表面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED769a等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。音響装飾基板469の後面(裏面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、音響装飾基板469の前面(表面)には、複数のLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏後装飾基板3114の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
スピーカブラケット463の前面にトップサイドスピーカ464が取付けられると共に、スピーカブラケット463の後面に音響装飾基板469が取付けられる状態において、音響装飾基板469の前面(表面)がトップサイドスピーカ464の磁気回路部の後方を覆う配置となるため、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、トップサイドスピーカ464の円柱形状に形成される磁気回路部の貫通孔を通って、透光性を有するセンターキャップから光が出射すると共に、筐体部の周方向に形成される複数の開口を通って、透光性を有する振動板から光りが出射することによりトップサイドスピーカ464の電飾を行うことができるようになっている。トップ下カバー465は、上述したように、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されているため、トップ下カバー465の貫通孔を通して、トップサイドスピーカ464の前面やその周囲を視認することができると共に、トップサイドスピーカ464の電飾を視認することができる。
さらに、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、トップサイドスピーカ464の裏面(円柱形状に形成される磁気回路部を構成するヨークの裏面)で反射してトップサイドスピーカ464の裏面と音響装飾基板469の前面(表面)との間を繰り返し反して、トップサイドスピーカ464の後方、つまり音響装飾基板469の後面(裏面)から後方へ向かって出射する。換言すると、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光する。また、音響装飾基板469の背面側となる音響装飾基板469の後面(裏面)を覆う図示しない透明板を通して(透して)音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光する。
スピーカブラケット463は、上述したように、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。扉枠トップベース451には、左右のスピーカブラケット463が取付けられる位置と対応する位置であってスピーカブラケット463の後面に取付けられる音響装飾基板469が露出するように、音響装飾基板469の外周より大きい形状を有すると共に前後に貫通する貫通孔451baがそれぞれ形成されている。音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、トップサイドスピーカ464の後方、つまり音響装飾基板469の後面(裏面)から後方へ向かって出射し(換言すると、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光し(音響装飾基板469の背面側となる音響装飾基板469の後面(裏面)を覆う図示しない透明板を通して(透して)音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光し))、そして音響装飾基板469の外周と扉枠トップベース451に形成される貫通孔451baの内周とによるすき間を通って、扉枠トップベース451の後方へ出射する。
扉枠トップベース451は、上述したように、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる。扉枠ベース101には、扉枠トップベース451に形成される左右の貫通孔451baと対応する位置に、貫通孔451baの外周より大きい形状又は同一の形状を有すると共に、前後に貫通する貫通孔101kがそれぞれ形成されている。これにより、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、トップサイドスピーカ464の後方、つまり音響装飾基板469の後面(裏面)から後方へ向かって出射し(換言すると、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光し(音響装飾基板469の背面側となる音響装飾基板469の後面(裏面)を覆う図示しない透明板を通して(透して)音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光し))、音響装飾基板469の外周と扉枠トップベース451に形成される貫通孔451baの内周とによるすき間、そして扉枠ベース101に形成される貫通孔101kを通って、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の後方へ出射する。
扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態においては、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101に形成される左右の貫通孔101kを通った、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光は、本体枠4に装着された遊技盤5に備える遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000の左上側領域及び右上側領域にそれぞれ反射することとなる。本実施形態では、前構成部材1000が透明な樹脂製であるが黒色の樹脂製としてもよい。なお、以下、扉枠3を本体枠4に対して開閉する際に扉枠3と本体枠4との開閉軸側を「扉枠3の軸支側」又は「本体枠4の軸支側」と記載し、この開閉軸側の反対側を「扉枠3の開放側」又は「本体枠4の開放側」と記載する場合がある。
[前構成部材の左上側領域]
前構成部材1000の左上側領域の前面(表面)には、遊技状況を表示する機能表示ユニット1400(本実施形態では、複数のLEDの点灯態様を確認するそれぞれの透明領域を除いて黒色を有している。)が設けられる場合は、機能表示ユニット1400が配置される領域を除いて、反射率の高い白色又は白色に近い色を有する白色印刷部である反射シート1000aが貼られている。
反射シート1000aが貼られる前構成部材1000の左上側領域の前面(表面)の領域は、遊技盤5に形成された遊技領域5aの外部の領域であって、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態において、機能表示ユニット1400が配置される領域を除いて、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101により覆われるようになっており、反射シート1000aが扉枠3の扉窓101aを通して視認困難となる。つまり、遊技演出の内容に全く関係がない反射シート1000aの存在を隠すことができるため、遊技の目障りとならない。
また、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、左側の音響装飾基板469と対応する位置に反射シート1000aが遊技盤5の前構成部材1000の左上側領域に配置され、パチンコ機1を正面から見ると、扉枠3の軸支側(本体枠4の軸支側)において、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、左側の音響装飾基板469と別体に設けた(扉枠3側に設けた部材と別体に設けた)遊技盤5側に設けた反射シート1000aで反射して、前方へ向けて出射し、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101k、左側の音響装飾基板469の外周と扉枠トップベース451に形成される左側の貫通孔451baの内周とによるすき間、そして左側のトップサイドスピーカ464の筐体部の周方向に形成される複数の開口を通って、左側のトップサイドスピーカ464の透光性を有する振動板から光りが出射するため、左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を効率良く遊技演出や報知態様として利用することができる。なお、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、左側の音響装飾基板469と別体に設けた(扉枠3側に設けた部材と別体に設けた)遊技盤5側に設けた反射シート1000aで反射して、前方へ向けて出射するため、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5a内へ向かって出射しないし、遊技盤5の後方に対しても出射しない。つまり扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5a内へ向かって漏れ出ないし、遊技盤5の後方へ向かって漏れ出ない。
このように、反射シート1000aは、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態(扉枠3が閉鎖状態)にあるときにおいて、パチンコ機1を正面から見て、左側の音響装飾基板469と対応する位置に遊技盤5の前構成部材1000の左上側領域の前面に設けられると共に、左側の音響装飾基板469が発した光を反射シート1000aの前方へ向かって反射することができるようになっているため、左側の音響装飾基板469から後方へ向かって漏れた光(漏光)を反射シート1000aの前方へ向かって反射することで左側の音響装飾基板469の前方へ向かって出射することができる反射部材として機能することができるようになっている。これにより、左側の音響装飾基板469の漏光を遊技盤5の後方へ向かって進むことを抑制することができる。したがって、遊技盤5の後方へ向かう光を抑制することができる。
反射シート1000a上には、図示しないが、遊技盤5の機種を特定する番号(管理番号)と、遊技盤5の製造日等の遊技盤5の属性情報が記憶されるQRコード(登録商標)と、が暗色である黒色の塗料で所定位置にそれぞれ印刷されている。反射シート1000a、遊技盤5の機種を特定する番号(管理番号)、及び遊技盤5の製造日等の遊技盤5の属性情報が記憶されるQRコード(登録商標)により、パチンコ機1に関する特定情報(つまり、遊技盤5の機種を特定する番号、遊技盤5の製造日等の遊技盤5の属性情報が記憶されるQRコード(登録商標))が表示される特定情報表示部が構成されている。扉枠3が本体枠4に対して開放された状態では、前構成部材1000が透明な樹脂製であるため(前構成部材1000を黒色の樹脂製とする場合には、背景が黒色となり)、白色の反射シート1000aが目立つため、誘目性により、遊技ホールの店員等の係員の視線を自然と反射シート1000aへ向けることができる。
また、反射シート1000aが貼られる前構成部材1000の左上側領域の前面(表面)の領域は、上述したように、遊技盤5に形成された遊技領域5aの外部の領域であって、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態において、機能表示ユニット1400が配置される領域を除いて、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101により覆われるようになっており、反射シート1000aが扉枠3の扉窓101aを通して視認困難となるため、反射シート1000a上に印刷された管理番号とQRコード(登録商標)とが扉枠3の扉窓101aを通して視認困難となる。
さらに、反射シート1000aにおいては、反射シート1000aが白色であるため、背景が白色であると、暗色である黒色が目立ち、管理番号とQRコード(登録商標)とを視認し易い。また、QRコード(登録商標)は、パチンコ機1と別体の装置であって遊技ホールの店員等の係員が所持するコード読取装置により読み取られる際に、反射シート1000aが白色であることで背景が白色となり、暗色である黒色を有するQRコード(登録商標)を、読み取り易くすることができる。つまり、反射シート1000aの白色は、QRコード(登録商標)の読み取り易さを向上することができるようになっている。なお、反射シート1000aの表面積は、左側の音響装飾基板469の前面(表面)又は後面(裏面)における面積と比べて大きい。また、QRコード(登録商標)に代えて、1次元バーコードでもよいし、文字、数字、図形、及び記号等でもよいし、文字、数字、図形及び記号等を適宜組み合わせたものでもよい。
なお、図示しないが、前構成部材1000の左上側領域の前面(表面)であって、疑似釘が複数配置されている。反射シート1000aには、金色を有する疑似釘が配置される領域と対応する部分に貫通孔が形成されている。遊技盤5の遊技領域5aの前面(表面)には、上述したように、金色を有する複数の障害釘Nが植設されている。疑似釘も、金色を有する金属製であるため、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、反射シート1000aと同様に、反射部材として利用することができる。
[前構成部材の右上側領域]
本体枠3の開放側であって、前構成部材1000の右上側領域と右下側領域との前面(表面)側には、遊技盤5と本体枠4との装着状態を維持するための金属製止め具FT(図10を参照。)がそれぞれ設けられている。つまり、扉枠3の開放側には、金属製止め具FTが遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域と右下側領域との前面(表面)側にそれぞれ配置されている。特に、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面側は、右側の音響装飾基板469と対応する位置であって金属製止め具FTが配置されている。この金属製止め具FTは、その端部が本体枠4に形成される図示しない盤止め具挿入穴に挿入されて係合されるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110は、金属製であり、上述したように、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与し、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。つまり、扉枠3の後面側であって、扉枠3の開放側には、金属製の右補強フレーム112が配置されている。
このように、本実施形態では、本体枠4の開放側においては、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域と右下側領域との前面(表面)側に金属製止め具FTがそれぞれ配置されていると共に、扉枠3の開放側においては、扉枠3の後面側に金属製の右補強フレーム112が配置されている。金属製止め具FTと金属製の右補強フレーム112とは、ともに金属製であり、光沢を有している。このため、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面側に配置される金属製止め具FTと、金属製の右補強フレーム112と、により反射することができる。また、少しだけ扉枠3を本体枠4に対して開放したときにおいても、扉枠3の背面側の発光を視認し易くすることができる。なお、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面側に配置される金属製止め具FTと、金属製の右補強フレーム112と、により反射するものの、扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5aへ向けて出射しないし、遊技盤5の後方に対しても出射しない。つまり扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5a内へ向かって漏れ出ないし、遊技盤5の後方へ向かって漏れ出ない。
なお、前構成部材1000が透明な樹脂製であるため、これに代えて、前構成部材1000を黒色の樹脂製として構成してもよい。このように構成しても、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面側に配置される金属製止め具FTと、金属製の右補強フレーム112と、により反射することができるため、扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5aへ向けて出射しないし、遊技盤5の後方に対しても出射しない。つまり扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5a内へ向かって漏れ出ないし、遊技盤5の後方へ向かって漏れ出ない。
また、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域であって金属製止め具FTが配置されている周辺領域に上述した白色の反射シート1000aの形状を適宜修正した白色の反射シートを貼るように構成してもよい。こうすれば、扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光を、遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面側に配置される金属製止め具FTと、金属製の右補強フレーム112と、白色の反射シートと、により反射することができるため、扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通った右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5aへ向けて出射しないし、遊技盤5の後方に対しても出射しない。つまり扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態においては、扉枠ベース101に形成される左側の貫通孔101kを通った左側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光が遊技領域5a内へ向かって漏れ出ないし、遊技盤5の後方へ向かって漏れ出ない。
ところで、遊技ホールの店員等の係員は、扉枠3を本体枠4に対して開放する場合に、シリンダ錠130に正規の鍵を差し込んで回動操作した後に、例えば、扉枠3に設けられる扉枠右サイドユニット410の透明な扉枠右サイド装飾体419等の装飾部材を手で掴み、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態から開放される状態となるまでに亘って、装飾部材を引っ張り続けているため、扉枠3を本体枠4に対して開放する作業が多くなるほど、装飾部材と扉枠3との結合部に負荷が繰り返しかかることにより扉枠が破損するおそれがある。
そこで、本実施形態では、パチンコ機1を正面から見ると、扉枠3の開放側において、右側の音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aからの光は、上述したように、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101に形成される右側の貫通孔101kを通って後方へ出射するため、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aは、扉枠3の後方へ向かって発光することができる。扉枠3の開放側には扉枠3の後面側に金属製の右補強フレーム112が配置されると共に、本体枠4の開放側には遊技盤5の前構成部材1000の右上側領域の前面(表面)側に金属製止め具FTが配置され、どちらも金属製の部材であることから、遊技ホールの店員等の係員が扉枠3を本体枠3に対して開放する作業を行うと、扉枠3の開放側と本体枠4の開放側とに形成されるすき間を通して、金属製の右補強フレーム112及び金属製止め具FT等の金属製反射部により反射された光が漏れ出し、すき間を発光させる態様とすることができる。これにより、遊技ホールの店員等の係員は、扉枠3を本体枠4に対して開放する作業を行う場合に、例えば、扉枠3に設けられる扉枠右サイドユニット410の透明な扉枠右サイド装飾体419等の装飾部材を手で掴み、すき間が発光する態様を目視できる程度にまで装飾部材を引っ張ると、装飾部材を引っ張るのを止めて、続いて、すき間に指を入れて扉枠3を開くことができるようになっている。装飾部材を手で掴んで引っ張る時間を短くするこができるため、装飾部材(扉枠右サイドユニット410)と扉枠3との接合部への負荷がかかる時間も短くすることができる。したがって、扉枠3の破損を抑制することができる。
[扉枠の開放時]
ところで、パチンコ機1は、遊技者が遊技を行っている際に、遊技盤5の遊技領域5aへ向かって発射した遊技球が流下しているときに他の遊技球と偶発的に障害釘に詰まる状態となることがある。この状態で遊技者が遊技球を遊技領域5aへ向かって次々に打ち出すと、その詰まった遊技球の上にさらに遊技球が積まれ、ぶどう状に遊技球が集まった状態となる。遊技者は、ぶどう状に遊技球が集まった状態を解消するために、遊技ホールの店員等の係員を呼んでこのぶどう状に集まった遊技球を取り除いてもらうこととなる。遊技者に呼ばれた遊技ホールの店員等の係員は、扉枠3を本体枠4に対して開放するが、このとき、パチンコ機1が開放を検知すると、遊技盤5に備える各装飾基板に実装される複数のLEDを全消灯する制御を行うと共に、遊技盤5に備える各可動体を、作動しているか否かを問わず、開放時における位置に維持するように制御を行うという「開放時における遊技盤の制御」を行う。このような開放時における遊技盤の制御と共に、又はこれに代えて、扉枠3に備える各装飾基板に実装される複数のLEDのうち特定のLED(例えば、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469a)を点灯する制御を行うと共に、扉枠3に可動体を備えている場合には、可動体を、作動しているか否かを問わず、開放時における位置に維持するように制御を行うという「開放時における扉枠の制御」を行う。
扉枠3を本体枠4に対して開放する場合に、開放時における扉枠の制御を行うときには、遊技盤5に備える各装飾基板に実装される複数のLEDが全消灯する状態、及び/又は扉枠3に備える各装飾基板に実装される複数のLEDのうち特定のLED(例えば、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469a)が扉開放を報知する報知態様で点灯する状態となる。音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、上述したように、トップサイドスピーカ464の円柱形状に形成される磁気回路部の貫通孔を通って、透光性を有するセンターキャップから光が出射すると共に、筐体部の周方向に形成される複数の開口を通って、透光性を有する振動板から光りが出射する。さらに、トップサイドスピーカ464の裏面(円柱形状に形成される磁気回路部を構成するヨークの裏面)で反射してトップサイドスピーカ464の裏面と音響装飾基板469の前面(表面)との間を繰り返し反して、トップサイドスピーカ464の後方、つまり音響装飾基板469の後面(裏面)から後方へ向かって出射するため(換言すると、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光するため(音響装飾基板469の背面側となる音響装飾基板469の後面(裏面)を覆う図示しない透明板を通して(透して)音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光するため))、音響装飾基板469の外周と扉枠トップベース451に形成される貫通孔451baの内周とによるすき間、そして扉枠ベース101に形成される貫通孔101kを通って、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の後方へ出射する。
つまり、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aは、扉枠3の前方へ向かって発光可能であると共に、扉枠3の後方へ向かって発光可能であるため、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態(つまり、扉枠3の開放時)において、扉枠3の前面側を臨む方向と扉枠3の後面側を臨む方向とから音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aによる報知態様を視認することができる。換言すると、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが報知態様で発光していることが扉枠3の前方からだけでなく扉枠3の後方からも視認できるように、音響装飾基板469の周りの少なくとも一部から複数のLED469aが漏光する配置とされている。これにより、遊技ホールにおいて、扉枠3の前面側を臨む通路側と、扉枠3の後面側を臨む通路側と、を通る遊技ホールの店員等の係員に音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aによる報知態様を伝えることができる。したがって、扉枠3の開放時に扉枠3の前面側及び後面側から報知態様を視認することができる。また、遊技ホールにおいて、扉枠3の前面側を臨む通路側と、扉枠3の後面側を臨む通路側と、の両通路側から遊技ホールの店員等の係員に異常や不具合の発生(パチンコ機1に異常(例えば、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580等の球詰まりの発生、不正行為の検知、扉枠3の開放、本体枠4の開放、配線の断線等)または不具合(各種可動装飾体(可動体)の作動に関する不具合、各種可動装飾体(可動体)の原位置(待機位置)の検知不可等)))を迅速に伝えることができ、遊技ホールの作業効率を向上させることができる。
ところで、スピーカーの振動板を不正な工具でビリビリに破れば音が流れなくなるが、スピーカーの振動板がビリビリに破れていることを容易に視認できる一方、スピーカーの振動板に不正な工具で孔を開けるだけでは音が変化するものの音が流れることとなる。そこで、スピーカーの振動板を不正な工具で孔を開けてスピーカーの接続端子に接続されている配線を外したり、断線したりすることでスピーカーから音が流れないようにすると、磁石ゴトや叩きゴトを行って不正に遊技球を獲得する行為を遊技機が検知できたとしても、そもそも警告音がスピーカーから流れない。このような不正な行為を行う者が遊技機から離れると、遊技機は、遊技者待ち状態となって、無音のデモンストレーション(扉枠や遊技盤に備える複数のLEDが遊技者待ち用発光態様に発光すると共に、演出画像を表示可能な演出表示装置に遊技者待ち用画像が表示される。)を繰り返し行うこととなる。そうすると、遊技ホールの店員等の係員は、このような遊技者待ち状態において、不正な工具によりスピーカーの振動板に孔が開けられてスピーカーの接続端子に接続されている配線が外されたり、断線されたりして、スピーカーから音が流れるか否かを判別することが困難となる。
そこで、本実施形態では、トップサイドスピーカ464の振動板が針金で孔を開けられても、トップサイドスピーカ464の後方に音響装飾基板469が配置されているため、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発光すると、トップサイドスピーカ464の円柱形状に形成される磁気回路部の貫通孔を通って、透光性を有するセンターキャップから光が出射すると共に、筐体部の周方向に形成される複数の開口を通って、透光性を有する振動板から光りが出射する。トップサイドスピーカ464の振動板、及びセンターキャップが透光性を有する樹脂製(例えば、乳白色を有するポリプロピレン等)により形成されていることから、トップサイドスピーカ464の振動板に開けられた孔を通って出射する光は、振動板、及びセンターキャップから出射する光とくらべてスポットライト的に高輝度に輝いている存在となる。これにより、トップ下カバー465は、上述したように、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されているため、無音のデモンストレーションを行っている場合に、トップ下カバー465の貫通孔を通して、トップサイドスピーカ464の振動板に開けられた孔の存在を、スポットライト的に高輝度に輝いている存在として発見することができる。したがって、トップサイドスピーカ464から音が流れているか否かの判別に寄与することができる。
また、トップサイドスピーカ464の振動板が針金で孔を開けられて、無音のデモンストレーションを行っている場合に音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが消灯する状態(たまたま消灯する状態を含む。)、又は無音のデモンストレーションが終了して再び無音のデモンストレーションを開始するまでの期間内において音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが消灯する状態であっても、トップサイドスピーカ464の後方に白色のレジスト液が塗布された白色塗膜が形成される音響装飾基板469が配置されているため、この白色塗膜により背景が白色となることによりトップサイドスピーカ464の振動板に開けられた孔、そしてトップ下カバー465に無数に形成される貫通孔を通して、白色塗膜の白色を視認することができ、トップサイドスピーカ464の振動板に不正に開けられた孔が視認し易くなっている。これにより、トップサイドスピーカ464の振動板に不正に孔が開けられているか否かを発見することができる。したがって、トップサイドスピーカ464から音が流れているか否かの判別に寄与することができる。
また、扉枠3や遊技盤5に備える複数のLEDが遊技者待ち用発光態様に発光すると共に、演出画像を表示可能な演出表示装置1600に遊技者待ち用画像が表示されるという無音のデモンストレーションが行われることで複数のLEDが遊技者待ち用発光態様に発光するため、トップサイドスピーカ464の振動板が針金で孔を不正に開けられても、音響装飾基板469の前面(表面)に実装される複数のLED469aが発する光がトップサイドスピーカ464の振動板に開けられた孔を通して漏れるため、トップサイドスピーカ464の振動板の一部が発光しているように見える。これにより、トップサイドスピーカ464の振動板に孔が開けられていることを発見することができる。
なお、トップサイドスピーカ464の振動板の前面に透光性を有するスピーカーネットを設けるようにしてもよい。スピーカーネットを設けることにより、トップサイドスピーカ464の振動板を針金で不正に侵入を妨げることができ、トップサイドスピーカ464の振動板に孔を開けようとする行為に時間がかかるようにすることで、このような不正行為の早期発見に寄与することができる。また、スピーカーネットが透光性を有しているため、トップサイドスピーカ464の透光性を有する振動板を通って出射する光の妨げとなり難い。
また、トップサイドスピーカ464は、振動板、及びセンターキャップ等の振動部が透光性を有する樹脂製として例えば、乳白色を有するポリプロピレン等であったが、透光性を有する樹脂製として灰色有する(黒色に近い色)、赤色、桃色、空色、青色、緑色、黄色等を有するポリプロピレン等であってもよいし、透光性を有する樹脂製に代えて、透明な樹脂製としてもよい。
因みに、従来より、発光装置が設けられる前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0024]、及び図1))。発光装置は、遊技中に発生する演出やエラー報知等を行う。ところが、前枠を開放すると、前枠の正面側を臨む方向から発光装置の報知態様を視認することができる一方、前枠の後面側を臨む方向から発光装置の報知態様を視認することが難しいという問題があった。
また、従来より、中枠に遊技盤を着脱可能に保持し、遊技盤の前面側を覆うように構成される前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0019]、及び図1))。ところで、遊技ホールの店員等の係員は、前枠を開放する場合に、シリンダー錠にキーを差し込んで回動操作した後に、前枠に設けられる装飾部材を手で掴んで引っ張るため、前枠を開放する作業が多くなるほど、装飾部材と前枠との結合部に負荷が繰り返しかかることにより前枠が破損するおそれがあった。
また、従来より、発光装置が設けられる前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0024]、及び図1))。発光装置は、遊技機に何らかの異常や不具合が生ずると、通常時と異なる特別な態様で発光し、異常や不具合の発生を外部に知らせることができる。ところが、従来と同様の態様では、異常や不具合の発生を外部に知らせることが十分であるとは言い難かった。
また、従来より、発光装置が設けられる前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0019]、及び図1))。発光装置は、遊技機に何らかの異常や不具合が生ずると、通常時と異なる特別な態様で発光し、異常や不具合の発生を外部に知らせることができる。ところが、遊技盤の後方へ向かう光が大きくなると、遊技機の前方へ向かう光が減少するため、異常や不具合の発生を外部に知らせることが十分であるとは言い難かった。
また、従来より、遊技機に関する特定情報を遊技盤に設けた遊技機が提案されている(例えば、特開2017−080279号公報(段落[0035]、及び図14))。これにより、正規の遊技盤であるかどうかを外部から確認できるようになり、当該遊技機に対する不正な変更行為等を抑制することができる。ところが、従来と同様の態様では、遊技者側から特定情報が視認できることにより装飾性が低下し、遊技興趣の低下を招く虞があった。
また、従来より、スピーカーを前枠に備える遊技機が提案されている(例えば、特開2018−079163号公報(段落[0024]、及び図1))。この遊技機に備えるスピーカーから遊技中に発生する演出音が流れると共に、エラー報知音等も流れる。ところで、スピーカーの振動板を不正な工具でビリビリに破れば音が流れなくなるが、スピーカーの振動板がビリビリに破れていることを容易に視認できることとなる。スピーカーの振動板に不正な工具で孔を開けるだけでは音が変化するものの音が流れることとなる。そこで、スピーカーの振動板を不正な工具で孔を開けてスピーカーの接続端子に接続されている配線を外したり、断線したりすることでスピーカーから音が流れないようにすると、磁石ゴトや叩きゴトを行って不正に遊技球を獲得する行為を遊技機が検知できたとしても、警告音がスピーカーから流れない。このような不正な行為を行う者が遊技機から離れると、遊技機は、遊技者待ち状態となって、無音のデモンストレーション(発光装置が遊技者待ち用発光態様に発光すると共に、画像表示装置に遊技者待ち用画像が表示される。)を繰り返し行うこととなる。ところが、遊技ホールの店員等の係員は、このような遊技者待ち状態において、不正な工具によりスピーカーの振動板に孔が開けられてスピーカーの接続端子に接続されている配線が外されたり、断線されたりして、スピーカーから音が流れるか否かを判別することが困難であった。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84の(a)〜(c)は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635や本体枠4側の駆動基板ユニット1700(後述する周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる後述する演出駆動基板1720)に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635や本体枠4側の駆動基板ユニット1700の後述する演出駆動基板1720と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635や本体枠4側の駆動基板ユニット1700の後述する演出駆動基板1720に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレーム111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側(以下、説明上、パチンコ機1を正面から見て電源基板630の後側となる面を電子部品が実装される「電源基板630の表面(実装面)」と記載する場合がある。)を覆うように後ベース626に取付けられている透明な電源基板カバー631と、を備えている。電源基板630の表面(実装面)が透明な電源基板カバー631により覆われることで透明な電源基板カバー631に収容された状態となる。電源基板630の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)は、緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成され、パチンコ機1の電源投入を行う操作部を有する電源スイッチ630aが電源基板630の表面(実装面)に実装されている。電源基板630の表面(実装面)には、電源スイッチ630aの他に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。電源スイッチ630aは、透明な電源基板カバー631から露出した状態となっている。また電源スイッチ630aは、パチンコ機1の後側に設けられているため、遊技者から視認困難な位置に配置されている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける透明な電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の透明な払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板1310等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図99乃至図106を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図100は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図101(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図102は、図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図104は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図106は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺から夫々上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺から夫々上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oの夫々の左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしても良い。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、夫々前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図103において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、夫々低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、夫々左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図104を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図105に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図104において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図104に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図107乃至図115を参照して詳細に説明する。図107は、パチンコ機において前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を不透明にした遊技盤の正面図である。図108は図107の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図109は図107の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図110は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図111は、前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。図112は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図113は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図114は図107におけるC−C線で切断した断面図である。図115は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。
なお、以下では、装飾基板の面に対して垂直方向から見た時に、装飾基板に実装されたLEDの形状が正方形の時には、当該LEDが装飾基板の面に対して垂直方向へ光を照射するもの(トップビューLED)であり、装飾基板に実装されたLEDの形状が長方形の時には、当該LEDが装飾基板の面に平行な方向へ光を照射するもの(サイドビューLED)であることを表しており、詳細な説明は省略する。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する金色を有する複数の障害釘N(図115等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図114及び図211等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図116等を参照)と、を備えている。
また、本実施形態では、遊技パネル1100が透明なパネル板1110を有しているため、遊技パネル1100の前方(つまり、遊技盤5の前方)から遊技パネル1100を通して遊技パネル1100の後方に配置される各種部材の存在を容易に視認することができるようになっている(以下、「透明な遊技パネル1100」と記載する場合がある)。
駆動基板ユニット1700は、上述した扉枠副中継基板105と電気的に接続される各種基板(例えば、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等)のほかに、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる演出駆動基板1720と、パネル中継基板1710と演出駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。なお、例えば、演出駆動基板1720は、その表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成されている。演出駆動基板1720の表面(実装面)には、複数の電子部品が実装され、これらの電子部品の近傍に、電子部品の部品番号、電子部品を配置する位置を示す領域等の電子部品の属性(さらに、電子部品の形状、電子部品の大きさ、電子部品の実装向き(実装方向)、電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷によりそれぞれ印刷されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2006と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5aの下端に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出するアウト口2010と、遊技領域5a内の上下方向の途中に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出する第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2012を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート部2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端の左右両端付近に夫々設けられている平板状の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏誘導ユニット3050と、裏箱3010内の後端に設けられている裏後演出ユニット3100と、裏箱3010内の下部における裏誘導ユニット3050の後方で左右に離隔して設けられている裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250と、裏箱3010内における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後方に設けられている裏下中演出ユニット3300と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の上部における裏後演出ユニット3100の前方に設けられている裏上演出ユニット3400と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030の後方に設けられている裏後左演出ユニット3500と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040の後方に設けられている裏後右演出ユニット3600と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030と裏後左演出ユニット3500との間に設けられている裏前左演出ユニット3700と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040と裏後右演出ユニット3600との間に設けられている裏前右演出ユニット3800と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図116を参照して詳細に説明する。図116(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方(アウト口2010)へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口2010を備えている。アウト口2010は、二つの遊技球Bが左右方向へ十分に並ぶ幅で貫通している。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口2010及び後述する裏ユニット3000のアウト球検知部材3080を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。この前構成部材1000は、後側に取付けられる遊技パネル1100と伴に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、前構成部材1000を、遊技パネル1100と伴に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図116等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面には、所定のゲージ配列で金色を有する複数の障害釘Nが植設されている(図115等を参照)。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口2010と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、図示は省略するが、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図116に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口2010に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口2010と連通している。このアウト凹部1123には、後述する裏ユニット3000の裏誘導ユニット3050におけるアウト球検知部材3080の筒部3081が挿入される。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と伴に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と伴に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
また、遊技パネル1100のにおける透明な平板状のパネル板1110の裏面側であって、遊技盤5を前から見て、始動口ユニット2100の第一始動口2002の右方近傍には、不正な磁気を検知する磁気センサ1111が取り付けられている(図113等を参照)。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図112及び図113等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の透明な主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置していると共に、裏ユニット3000のアウト球検知部材3080の直下に位置している。この基板ホルダ1200は、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図112乃至図114等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図211を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、第一始動口センサ3052、ゲートセンサ2801、第二始動口センサ2401、一般入賞口センサ3051、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口センサ3054、及び磁気センサ1111,2404,2602,3055、等と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図107等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003での遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「当り」等の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
ここで、機能表示ユニット1400の構成について簡単に説明する。機能表示ユニット1400は、後方が開口されると共に開口部を有する箱体と、箱体に収容される機能表示基板と、開口部を塞ぐ平板状のカバー体と、を備えている。機能表示基板の外形は、箱体の外形と比べて小さくなっている。なお、本実施形態では、箱体とカバー体とが有色不透明な樹脂(黒色の樹脂)により成型されている。有色不透明な樹脂としては、黒色のほかに、灰色、赤色、桃色、空色、青色、緑色、黄色等の樹脂であってもよい。また、箱体とカバー体とは、有色不透明な樹脂に代えて、乳白色を有する樹脂で成型されてもよいし、無色透明な樹脂で成型されてもよい。
箱体には、機能表示基板の前面(表面)に実装される複数のLED(本実施形態では、LEDベアチップ)と対応する位置に、その裏面側から後方へ向かってLED用挿通孔がそれぞれ設けられている。各LED用挿通孔は、各LEDの点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。また、箱体の所定位置には、後述するカバー体の複数の取付片に形成される係止部が挿入される係止孔が形成されている。
なお、箱体の前面には、白色を有する機能表示シールが貼られている。この機能表示シールには、箱体の前面に貼られた際に、各LED用挿通孔と対応する位置に対し円形状を有する透明部がそれぞれ形成されている。つまり、機能表示基板の前面(表面)に実装されるLEDの点灯又は点滅は、LED用挿通孔に案内され透明部を介して視認することができるようになっている。
機能表示基板の前面(表面)には、複数のLED(本実施形態では、LEDベアチップ(「LED素子」とも言われる。))が実装されており、複数のLED等の前面側電子部品(表面側電子部品)が半田付けされるパッドのほかに、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。なお、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)には、前面側電子部品(表面側電子部品)の部品番号、前面側電子部品(表面側電子部品)を配置する位置を示す領域等の前面側電子部品(表面側電子部品)の属性(さらに、前面側電子部品(表面側電子部品)の形状、前面側電子部品(表面側電子部品)の大きさ、前面側電子部品(表面側電子部品)の実装向き(実装方向)、前面側電子部品(表面側電子部品)の型式を含む場合がある。)を示す前面側表記部(表面側表記部)が、所定の色(例えば、白色に対して目立ち難い明色である黄色)の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により全く印刷されていない。
機能表示基板の後面(裏面)には、電気配線が接続されるコネクタハウジングのほかに、各種IC、各種抵抗、各種コンデンサ等が実装されている場合もあり、コネクタハウジング、各種IC、各種抵抗、及び各種コンデンサ等の後面側電子部品(裏面側電子部品)が半田付けされるパッドのほかに、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。なお、本実施形態では、機能表示基板の後面(裏面)には、後面側電子部品(裏面側電子部品)の部品番号、後面側電子部品(裏面側電子部品)を配置する位置を示す領域等の後面側電子部品(裏面側電子部品)の属性(さらに、後面側電子部品(裏面側電子部品)の形状、後面側電子部品(裏面側電子部品)の大きさ、後面側電子部品(裏面側電子部品)の実装向き(実装方向)、後面側電子部品(裏面側電子部品)の型式を含む場合がある。)を示す後面側電子部品(裏面側電子部品)が、所定の色(例えば、白色に対して目立ち難い明色である黄色)の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により全く印刷されていない。
このように、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷が全く存在していない。また、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)には、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで前面側電子部品(表面側電子部品)がどのような電子部品であるかをそれぞれ特定するための情報がその情報の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもいないし、機能表示基板の後面(裏面)には、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで後面側電子部品(裏面側電子部品)がどのような電子部品であるかをそれぞれ特定するための情報がその情報の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもいない。つまり、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)に実装される前面側電子部品(表面側電子部品)がどのような電子部品であるかを特定するための情報が機能表示基板の前面(表面)に何ら表記されていないと共に、機能表示基板の後面(裏面)に実装される後面側電子部品(裏面側電子部品)がどのような電子部品であるかを特定するための情報が機能表示基板の後面(裏面)に何ら表記されていない。
カバー体の後面(裏面)には、機能表示ユニット1400の製品管理番号(例えば、FDU−TYP−A)が刻印されており、カバー体の前面(表面)の所定位置から前方へ向かって平板状の複数の取付片が延出されている。これら複数の取付片の先端外側には、係止部がそれぞれ突設形成されている。各係止部は、カバー体を箱体の開口部を塞ぐ際に、箱体の所定位置に形成される各係止孔にそれぞれ挿入されることで係止される。
ところで、機能表示ユニット1400は、主制御基板1310により抽選結果や遊技状態等を表示制御される重要なものであるため、機能表示ユニット1400の箱体に収容される機能表示基板が不正に改変されると、抽選結果や遊技状態等を正しく表示することができない。この場合、例えば、始動口ユニット2100の第一始動口2002に実際に遊技球が入球していないにもかかわらず、入球したかのように主制御基板1310に対して不正信号を入力させて抽選の機会を多く獲得する不正行為が行われても、機能表示ユニット1400は、抽選結果や遊技状態等を正しく表示できず、遊技ホールの店員等の係員に気付き難い。
そこで、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷が全く存在していない。つまり、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、シルク印刷により印刷された前面側表記部(表面側表記部)及び後面側表記部(裏面側表記部)が全く形成されていない。また、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)には、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで前面側電子部品(表面側電子部品)がどのような電子部品であるかをそれぞれ特定するための情報がその情報の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもいないし、機能表示基板の後面(裏面)には、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで後面側電子部品(裏面側電子部品)がどのような電子部品であるかをそれぞれ特定するための情報がその情報の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもいない。これにより、機能表示基板に実装されている電子部品を特定して回路構成を把握することが困難とすることができる。
本実施形態では、LEDベアチップが封入されたLEDパッケージを機能表示基板の前面(表面)に実装するのではなく、LEDパッケージに封入されるLEDベアチップを機能表示基板の前面(表面)に直接実装する構成を採用した。LEDベアチップ(「LED素子」とも言われる。)は、表面実装型(トップ型やサイド型)、チップオンボード型、及び砲弾型等のパッケージに封入されているものであり、極めて小さい電子部品である。このため、LEDパッケージを機能表示基板の前面(表面)に実装した場合と比べて、表面実装型(トップ型やサイド型)、チップオンボード型、及び砲弾型等のパッケージにおける奥行き距離寸法の分だけ小さくすることができ、機能表示ユニット1400を小型化することができる。なお、LEDベアチップは極めてデリケートな電子部品であるため、遊技者が扉枠3等を叩いたりするドツキによる衝撃が扉枠3へ直接伝わっても、遊技盤5に備える機能表示ユニット1400へのドツキによる衝撃が弱まることで、このようなドツキによる衝撃によって機能表示基板の前面(表面)に複数実装されるLEDベアチップが破損する蓋然性が低い。
LEDベアチップの電極を機能表示基板の前面(表面)の所定電極と電気的に接続する方法としては、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング等を挙げることができるが、本実施形態では、フリップチップボンディングを採用した。このフリップチップボンディングでは、ワイヤボンディングのようにワイヤを用いてLEDベアチップの電極と機能表示基板の前面(表面)の所定電極とを電気的に接続するのではなく、LEDベアチップの電極にバンブと呼ばれる突起部を形成して機能表示基板の前面(表面)の所定電極と電気的に接続する。この接続部はハンダや樹脂等で補強されている。
また、本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、シルク印刷により印刷される領域が全く存在していない。これにより、シルク印刷という工程を省くことができるため、シルク印刷の版代や基板の製造工程数の削減により基板製造コストを下げることができる。
なお、上述した本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、機能表示基板の前面(表面)に実装される前面側電子部品(表面側電子部品)がどのような電子部品であるかを特定するための情報が機能表示基板の前面(表面)に何ら表記されていないと共に、機能表示基板の後面(裏面)に実装される後面側電子部品(裏面側電子部品)がどのような電子部品であるかを特定するための情報が機能表示基板の後面(裏面)に何ら表記されていないが、機能表示基板の基板管理番号を機能表示基板の前面(表面)及び/又は後面(裏面)に表記してもよい。この基板管理番号を表記する方法としては、所定の色(例えば、白色に対して目立ち難い明色である黄色、白色に対して目立ち易い黒色や緑色)の塗料でシルク印刷により印刷されてもよいし、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで基板管理番号がその基板管理番号の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもよい。
また、上述した本実施形態では、機能表示基板の後面(裏面)に実装されるコネクタハウジングの型式が機能表示基板の後面(裏面)に何ら表記されていないが、コネクタハウジングの型式を機能表示基板の前面(表面)及び/又は後面(裏面)に表記してもよい。このコネクタハウジングの型式を表記する方法としては、所定の色(例えば、白色に対して目立ち難い明色である黄色、白色に対して目立ち易い黒色や緑色)の塗料でシルク印刷により印刷されてもよいし、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンでコネクタハウジングの型式がそのコネクタハウジングの型式の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されてもよい。
また、上述した本実施形態では、カバー体の後面(裏面)には、機能表示ユニット1400の製品管理番号が刻印されていたが、カバー体の後面(裏面)に代えて、箱体の左側壁、上側壁、右側壁、及び下側壁のうち、いずれかの側壁に機能表示ユニット1400の製品管理番号が刻印されていてもよい。
また、上述した本実施形態では、カバー体の後面(裏面)には、機能表示ユニット1400の製品管理番号が刻印されていたが、刻印に代えて、機能表示ユニット1400の製品管理番号を所定の色(白色、黒色、赤色、青色、緑色、黄色等)の塗料でカバー体の後面(裏面)に直接印刷してもよいし、無色透明なシート、有色透明なシート、又は不透明なシートに印刷されたものをカバー体の後面(裏面)に貼り付けるようにしてもよい。また、カバー体の後面(裏面)に代えて、箱体の左側壁、上側壁、右側壁、及び下側壁のうち、いずれかの側壁に対して、機能表示ユニット1400の製品管理番号を所定の色(白色、黒色、赤色、青色、緑色、黄色等)の塗料で直接印刷してもよいし、無色透明なシート、有色透明なシート、又は不透明なシートに機能表示ユニット1400の製品管理番号が印刷されたものを貼り付けるようにしてもよい。
また、上述した本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)及び後面(裏面)には、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜により白色のレジスト層が形成されていたが、白色に代えて、緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜により緑色のレジスト層が形成されてもよいし、黒色のレジスト液が塗布されて形成される黒色塗膜により黒色のレジスト層が形成されてもよい。緑色のレジスト液は、通常使用する一般的なものであるため安価である。黒色のレジスト液を使用すると、機能表示基板の前面(表面)に実装される複数のLEDが発した光による反射を防止することで、近傍に配置されるLEDが発した光と混ざらないようにすることに寄与することができる。
また、上述した本実施形態では、LEDベアチップが封入されたLEDパッケージを機能表示基板の前面(表面)に実装するのではなく、LEDパッケージに封入されるLEDベアチップを機能表示基板の前面(表面)に直接実装する構成を採用したが、LEDベアチップに代えて、表面実装型(トップ型やサイド型)、チップオンボード型、及び砲弾型等を有するLEDパッケージを機能表示基板の前面(表面)に実装してもよい。
また、上述した本実施形態では、LEDベアチップの電極を機能表示基板の前面(表面)の所定電極と電気的に接続する方法としてフリップチップボンディングを採用したが、フリップチップボンディングに代えて、ワイヤボンディングを採用してもよい。
また、上述した本実施形態では、機能表示基板の前面(表面)には、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで複数のLEDである前面側電子部品(表面側電子部品)がどのような電子部品であるかをそれぞれ特定するための情報がその情報の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き箔残しにより形成されていなかったが、複数のLEDの端子(アノード端子又はカソード端子)と対応する位置近傍に丸記号を作り丸記号の外側の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜き基準端子記号として機能表示基板の前面(表面)にそれぞれ形成され、機能表示基板の前面(表面)にベタ塗りされる白色(白色に代えて緑色や黒色であってもよい。)のレジストにより箔抜き基準端子記号がそれぞれ覆われるように構成してもよい。箔抜き基準端子記号を形成する配線パターンは、LEDと電気的に絶縁されて形成されている。なお、箔抜き基準端子記号としては、その周囲が、いわゆるベタグランド(基板グランド)である場合には、丸記号そのものを箔抜きとしてもよい。また、箔抜き基準端子記号としては、丸記号に代えて、LEDの極性を表す記号でもよい(回路図に使用する記号(アノード端子とカソード端子とが判別できる記号)でもよいし、回路図に使用する記号(アノード端子とカソード端子とが判別できる記号)を簡略化したものでもよい)。また、機能表示基板の前面(表面)に実装される複数のLEDの実装向きがほぼ同一向きである場合(つまり、実装作業者又は自動機に対して、複数のLEDの実装向きが同一向き(真逆に実装するものが存在しない)ルールが予め設けられている場合)は、複数のLEDのうちいずれか1つのLEDの端子と対応する位置近傍に箔抜き基準端子記号が機能表示基板の前面(表面)に形成されるようにしてもよいし、予め定め1つ以上のLEDの端子と対応する位置近傍に箔抜き基準端子記号が機能表示基板の前面(表面)に形成されるようにしてもよい。この場合においても、箔抜き基準端子記号としては、丸記号に代えて、LEDの極性を表す記号でもよい(回路図に使用する記号(アノード端子とカソード端子とが判別できる記号)でもよいし、回路図に使用する記号(アノード端子とカソード端子とが判別できる記号)を簡略化したものでもよい)。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図110、図113、及び図114等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図211を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図112及び図113等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、演出表示装置1600の表示領域を除いて非導電性を有する透明な樹脂により成型される保護カバー体1601により覆われている。保護カバー体1601の裏面側には、保護カバー体1601の上下方向に沿って各種配線を係止するためのL字状の配線処理片1601aが複数形成されていると共に、上下方向に長い通風長孔が上下左右に整列した状態で複数形成されている。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、裏箱3010における後壁の左右方向の幅と略同じ幅である。演出表示装置1600は、周辺制御ユニット1500に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1601bと、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1601cと、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601bを挿入した上で、下固定片1601c側を前方へ移動させて、下固定片1601cをロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図117を参照して詳細に説明する。図117(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005と、第一大入賞口2005とは異なる位置に設けられており第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、三つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されており、残りの一つが遊技領域5a内の右部における上下方向中央より上側に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口2010の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向の下から約3/4の高さに配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5aの右下隅で左端の一般入賞口2001よりも若干高い高さに配置されている。第一大入賞口2005は、第一始動口2002と第二始動口2004との間に配置されている。第二大入賞口2006は、第二始動口2004の上方で右側の一般入賞口2001の直下に配置されている。
第一サブアウト口2011は、第二始動口2004の下方に配置されており、第二サブアウト口2012は、右側の一般入賞口2001の右側に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
更に、表ユニット2000は、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2012を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート部2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図118乃至図120等を参照して詳細に説明する。図118(a)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)は始動口ユニットの左側面図であり、(d)はサイドユニットの左側面図である。図119は、一般入賞口の前面の傾斜と、開状態の時の可変入賞口の扉部材の傾斜とを比較した説明図である。図120は、遊技盤における始動口ユニット及びサイドユニットの部位を示す拡大正面図である。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口2010の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a(遊技パネル1100)の面と平行に延びている前壁部2101と、前壁部2101の周縁から後方へ延出している周壁部2102と、周壁部2102の前後方向の途中から左右方向外方へ延出している平板状のフランジ部2103と、を備えており、全体が透明な部材により形成されている。前壁部2101は、正面視の形状が、左右に長い長方形の部位と、その長方形の部位の下辺を弦とした半円形の部位と、を組合せたような形状に形成されている。周壁部2102は、前壁部2101の上辺を除いた周縁から後方へ延出しており、上方が開放された樋状に形成されている。この周壁部2102の底面は、後端側が低くなるように傾斜しており、遊技球Bを後方へ誘導することができる。
始動口ユニット2100は、周壁部2102の途中から左右方向へ延出したフランジ部2103が遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接させられた状態で、パネル板1110に取付けられる。始動口ユニット2100は、パネル板1110に取り付けられた状態で、パネル板1110よりも前方へ突出している前壁部2101と周壁部2102とにより、遊技球Bを受入可能な第一始動口2002を形成している。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けることで、第一始動口2002が、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、センター役物2500のステージ2513の中央の直下に位置する。従って、ステージ2513の中央放出部2513aから下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けた状態で、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、樋状の周壁部2102の傾斜により遊技パネル1100の後方へ誘導し、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡すことができる。裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bは、第一始動口センサ3052により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
なお、図示は省略するが、前壁部2101の前面には、装飾用のシールが貼り付けられており、サイドユニット2200の一般入賞口2001よりも目立つようになっている。これにより、遊技者の関心を一般入賞口2001よりも第一始動口2002へ向けさせることができ、遊技者に対して第一始動口2002を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができると共に、第一始動口2002に遊技球Bを受入れさせることにより、「大当り」遊技等の遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われるため、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される特別抽選結果に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
この始動口ユニット2100は、遊技球Bを後方へ誘導する周壁部2102の底面が、サイドユニット2200の第一前壁部2203の傾斜している部位よりも緩い角度(水平に近い角度)で傾斜しているため、相対的に後方への遊技球Bの移動速度(転動速度)が遅くなっている。従って、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。
また、始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態では、図120に示すように、後方に裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300が位置し、裏下中演出ユニット3300に設けられている裏下中装飾体ユニット3320の裏下中第一装飾基板3322や裏下中第二装飾基板3329等のLEDからの光により、発光装飾されるようになっている。
更に、詳細な図示は省略するが、始動口ユニット2100において、第一始動口2002における前壁部2101と周壁部2102の底部とに跨るリブを設けるようにしても良い。このリブは、側面視において三角形(一部分が丸みを帯びていてもよい)に形成されており、上面が、サイドユニット2200における右側から二つの一般入賞口2001の第一前壁部2203における傾斜している部分と、略同じ角度で傾斜させると共に、第一前壁部2203の上端までの距離を、サイドユニット2200の第一前壁部2203において上端から傾斜している部位までの距離よりも長くしている(リブの位置を第一前壁部2203における傾斜している部位よりも下方にしている)。これにより、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bが、リブに当接して後方へ誘導されるタイミングを、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが、第一前壁部2203における傾斜している部位に当接して後方へ誘導されるタイミングよりも遅くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[5−8b.サイドユニット]
表ユニット2000におけるサイドユニット2200について、主に図118乃至図120等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、平板状の台板と、台板から前後に樋状に延出していると共に前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており左右に離隔している二つ第一誘導樋と、二つの第一誘導樋の夫々の前端側を閉鎖している第一前壁部と、二つの第一誘導樋よりも左方において台板から前後に樋状に延出している第二誘導樋と、第二誘導樋の前端側を閉鎖している第二前壁部と、を備えている。サイドユニット2200は、全体が透明な部材により形成されている。
第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204は、断面がU字状に形成されている。第一誘導樋2202は、U字の開放されている部位が上方へ向けられており、第二誘導樋2204は、U字の開放されている部位が左上へ向けられている。第一誘導樋2202の前端は、下から約3/4の高さの部位を境にして、上側が垂直に延びていると共に、下側が下方へ向かうに従って後方へ移動するように台板2201付近まで斜めに延びている。従って、第一誘導樋2202の前端側を閉鎖している第一前壁部2203は、下から約3/4の高さの位置で、下側が後方へ折れ曲がった形状となっている。
第二誘導樋2204は、前端側が垂直となっている。従って、第二誘導樋2204の前端側を閉鎖している第二前壁部2205は、台板2201と平行に垂直に延びている。
このサイドユニット2200は、台板2201が遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接させられた状態で、パネル板1110に取付けられる。そして、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204におけるパネル板1110よりも前方に突出している部位と、第一前壁部2203及び第二前壁部2205とで、遊技球Bを受入可能な一般入賞口2001を形成している。また、サイドユニット2200は、パネル板1110に取付けた状態では、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204における台板2201よりも後方に突出している部位が、パネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方に突出している。これら第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204は、底面が後方へ向かって低くなるように傾斜しており、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導することができる。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001が遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡すことができる。裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3051により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
サイドユニット2200は、始動口ユニット2100とは異なり、一般入賞口2001の前面を形成している第一前壁部2203や第二前壁部2205に装飾用のシールが貼り付けられておらず、第一始動口2002よりは目立たないようになっている。なお、サイドユニット2200における二つの一般入賞口2001では、前端を傾斜させているため、それら一般入賞口2001の立体感を強調することができ、前面に装飾用のシールを貼り付けていなくても、見栄えが悪くなることはない。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態では、図120に示すように、後方に裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200が位置しており、裏下左演出ユニット3200における裏下左装飾基板3203のLEDからの光により発光装飾することができると共に、裏下左回転装飾体3201を良好な状態で視認させることができる。また、サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001の前端を夫々形成している第一前壁部2203に傾斜している部位を有しているため、当該部位により裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203から前方へ照射された光を、パチンコ機1の前方に着座している遊技者の頭部付近へ反射(又は屈折)させることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
このサイドユニット2200は、第一前壁部2203における折れ曲がって斜めに延びている部位が、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面よりも急な角度で傾斜しているため、相対的に後方への遊技球Bの移動速度(転動速度)が速くなっている。なお、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204の底面は、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面と、略同じ角度で傾斜している。従って、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bよりも短い時間で、受入れられた遊技球Bが見えなくなる。これにより、遊技者に対して一般入賞口2001への遊技球Bの受入れを確実に認識させつつ、遊技者の関心が一般入賞口2001に対して無用に長く引き付けられることを抑制することが可能となるため、遊技者の関心を次の遊技球Bや第一始動口2002、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006等の他の入賞口へ向けさせ易くすることができ、引き続き遊技領域5a内での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
換言すると、サイドユニット2200の第一前壁部2203における折れ曲がって斜めに延びている部位を、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面よりも急な角度で傾斜させているため、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bの転動速度よりも、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bの転動速度を遅くすることができる。従って、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。
ところで、サイドユニット2200では、二つの一般入賞口2001の前端を夫々形成している第一前壁部2203を傾斜させているため、第一誘導樋2202の側方から、第一前壁部2203の傾斜している部位の前方を遊技球Bが通過することが可能となる。遊技球Bが第一前壁部2203の前方を通過した場合、正面から見ると遊技球Bが一般入賞口2001と重なって見えるため、遊技者によっては遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと錯覚してしまい、遊技球Bの払出しが行われないことでパチンコ機1や遊技ホール側への不信感を覚えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。これに対して、本実施形態のサイドユニット2200では、上述したように、第一前壁部2203の傾斜している部位と第一誘導樋2202とで、一般入賞口2001に受入れられて後方へ誘導される遊技球Bを、短時間ながら遊技者に視認させることができるため、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたことを認識させることができる。従って、第一前壁部2203の前方を通過した遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと錯覚しても、直ちに錯覚であると認識させることができる。
また、このサイドユニット2200では、第一前壁部2203の前方を遊技球Bの一部が通過可能とするようにしているため、一般入賞口2001の第一前壁部2203の前方を遊技球Bが通過した時に、正面視において、遊技球Bの大部分(少なくとも遊技球Bの半分以上)が一般入賞口2001と重なっていると、遊技者によっては当該遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたかのように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、遊技球Bの一部が一般入賞口2001と重なっていないことから、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと強く認識することはなく、錯覚であったとも思わせることができるため、その後に特典(遊技球Bの払出しや第一特別抽選結果の抽選)が付与されなくても、パチンコ機1や遊技ホール側に対して不信感を抱いてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001のうち、最も左側(左端)の一般入賞口2001の前端を、第二前壁部2205により遊技パネル1100(パネル板1110)と平行に延びており、始動口ユニット2100の第一始動口2002と同じような形状としている。これにより、左端の一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、遊技者によっては始動口に受入れられたと錯覚させることができる。そして、始動口であると錯覚した一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられても、特別抽選結果の抽選が行われないため、パチンコ機1や遊技ホール側に対して不信感を覚えてしまう恐れがある。しかしながら、当該一般入賞口2001を、左右方向中央の第一始動口2002から左方へ離れたサイドユニット2200の左端(「右打ち」では受入れさせることができない位置)に設けていると共に、第二前壁部2205の前面に始動口を示すような装飾用のシールが貼り付けられていないため、始動口ではないと再確認させることができ、遊技者が不信感を覚えることで遊技に対する興趣を低下させてしまうことを回避させることができる。
また、サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001の前端を傾斜させているため、それらの前端を遊技パネル1100の面と平行にした場合と比較して、サイドユニット2200に必要な素材の量を低減させることができると共に、一般入賞口2001の前面に装飾用のシールを貼り付けないようにしているため、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
なお、サイドユニット2200(一般入賞口2001)の第一前壁部2203における水平からの傾斜角度は、図示は省略するが、大入賞口や役物入賞口等の可変入賞口を開閉可能に閉鎖する入賞口扉が、遊技球Bを入賞口側へ誘導するように、上辺が前方へ移動するように下辺を中心に回動して開状態となった時の水平からの傾斜角度よりも大きい角度としている。詳述すると、遊技者によっては、可変入賞口への遊技球Bの受入れにより払出される遊技球Bの数を一般入賞口2001よりも多くした場合、当該可変入賞口への遊技球Bの多くの入賞を願うようになる。或いは、規定入賞数が定められている可変入賞口(大入賞口)であっても、規定数以上の入賞を願うようになる。従って、当該可変入賞口の入賞口扉の傾斜を、一般入賞口2001(第一前壁部2203)よりも緩くしていることで、入賞口扉上を転動する遊技球Bの速度が遅くなり、上述したように、可変入賞口に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが可変入賞口に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、可変入賞口に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。また、開状態の時の入賞口扉の角度が緩いことから、開状態の入賞口扉が閉状態となるまでの時間が長くなるため、遊技者に対して規定数以上に遊技球Bが入賞するように思わせることができる。
また、サイドユニット2200における右側の二つの一般入賞口2001では、第一前壁部2203における上端から下方へ垂直に延びている部位の距離よりも、当該部位の下端から斜め下方へ延びている部位の距離の方が長く形成されている。これにより、当該入賞口が一般入賞口2001であることから、遊技球Bの払出しは行われるものの普通抽選や特別抽選等の抽選は行われないので、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを早期に遊技者の視界から見えなくすることができる。
更に、上記の実施形態では、サイドユニット2200において、複数ある一般入賞口2001のうち特定の一般入賞口2001の前面を傾斜させたものを示したが、これに限定するものではなく、全ての一般入賞口2001の前面を傾斜させるようにしても良い。また、本実施形態では、前面を傾斜させていない一般入賞口2001を、通常の遊技状態の時の発射位置(所謂、「左打ち」)に発射された遊技球Bが入球可能とされる位置に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、前面を傾斜させていない一般入賞口2001を、有利遊技状態(「時短」や「確変」や「大当り」中)のときの発射位置(所謂、「右打ち」)に発射された遊技球Bが入球可能とされる位置に設けるようにしても良いし、両方に設けるようにしても良い。
また、図119に示すように、前面に傾斜を設けた一般入賞口2001の傾斜角度は、可変入賞口(例えば、大入賞口)が閉鎖しているときから開放させたときの開放角度よりも狭い角度としている。大入賞口への入賞したときの遊技球Bの払出し個数を一般入賞口2001よりも多くした場合、規定入賞数が定められている大入賞口であっても規定数以上の入賞を遊技者は願う。そのため、大入賞口へ入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度は、前面を傾斜させた一般入賞口2001に入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度よりも遅いとされている。言い換えると、大入賞口へ入賞したときの払出し数よりも少ない一般入賞口2001へ入賞した場合には、大入賞口へ入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度に比べて速いとされている。つまり、払出しが多い入賞口ほど、遊技者の視界から消える時間が遅い、ということが言える。これにより、払出しが多い入賞口ほど、入賞したときの喜びの時間を長く提供することができる。
[5−8c.サイド左上ユニット]
表ユニット2000におけるサイド左上ユニット2300について、主に図117等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。このサイド左上ユニット2300は、全体が透明に形成されている。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[5−8d.第一アタッカユニット]
表ユニット2000における第一アタッカユニット2400について、主に図121乃至図125等を参照して詳細に説明する。図121(a)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを後ろから見た斜視図である。図122は第一アタッカユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図123は第一アタッカユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図124は、第一アタッカユニットにおける第一大入賞口扉の動きを左側面から示す説明図である。図125は、第一アタッカユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。
表ユニット2000の第一アタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に前方から取付けられている。この第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を備えている(図130等を参照)。第一アタッカユニット2400では、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、第一大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、第一サブアウト口2011が第二始動口2004の下方で第一大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2402と、第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bを検知する第一サブアウト口センサ2403と、不正な磁気を検知する磁気センサ2404と、を備えている。第一大入賞口センサ2402と磁気センサ2404は、夫々二つずつ設けられている。
第一アタッカユニット2400は、パネル板1110に取付けられるユニットベース2411と、ユニットベース2411の前側に取付けられ遊技球Bの流路を形成している前カバー2412と、ユニットベース2411の後側に取付けられている後カバー2413と、ユニットベース2411に取付けられており第二始動口2004を閉鎖可能な第二始動口扉2414と、第二始動口扉2414を可動させて第二始動口2004を開閉させるための始動口ソレノイド2415と、始動口ソレノイド2415を覆っているソレノイドカバー2416と、ユニットベース2411に取付けられており第一大入賞口2005を閉鎖可能な第一大入賞口扉2417と、第一大入賞口扉2417を可動させて第一大入賞口2005を開閉させるための第一アタッカソレノイド2418と、第一アタッカソレノイド2418の進退を伝達して第一大入賞口扉2417を可動させる伝達部材2419と、を備えている。
また、第一アタッカユニット2400は、後カバー2413に取付けられており第一大入賞口2005を発光装飾させるための第一大入賞口装飾基板2420と、後カバー2413の後面に取付けられており、第二始動口センサ2401、第一大入賞口センサ2402、第一サブアウト口センサ2403、磁気センサ2404、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第一大入賞口装飾基板2420とパネル中継基板1710との接続を中継するための第一アタッカ中継基板2421と、を備えている。
ユニットベース2411は、透明な部材により形成されている。ユニットベース2411は、左右方向中央から右寄りの上端付近において前後に貫通している第一開口部2411aと、第一開口部2411aの下方で前後に貫通している第一誘導孔2411bと、左右方向中央より左側の上部において左右に長く前後に貫通している第二開口部2411cと、第二開口部2411cの下方で左右に並んで前後に貫通している二つの第二誘導孔2411dと、第一誘導孔2411bの下方で前後に貫通している第一サブアウト口2011と、を有している。
ユニットベース2411の第一開口部2411aは、左右の幅が遊技球Bの直径よりも若干長く形成されており、第二始動口扉2414の扉部2414aが挿通される。第一誘導孔2411bは、上下方向中央より下側の位置に設けられている。第一誘導孔2411bは、筒状に後方へ突出しており、後端側が低くなるように傾斜している。第二開口部2411cは、遊技球Bの直径の4倍〜6倍の長さで左右に延びており、第一大入賞口扉2417の扉部2417aが挿通される。第二誘導孔2411dは、夫々が筒状に後方へ突出しており、後端側が低くなるように傾斜している。
また、ユニットベース2411は、第二開口部2411cの上辺に沿って左右に並んでおり、三角形状に前方へ突出した二つの当接部2411eを有している。これら当接部2411eは、第一大入賞口2005が閉状態の時に、第一大入賞口扉2417の扉部2417a上を転動している遊技球Bを、前カバー2412の当接部と協働して、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させるものである。
ユニットベース2411には、第一誘導孔2411bの直上において、ユニットベース2411の前面から検知孔を前方へ突出させた状態で第二始動口センサ2401が取付けられている。また、二つの第二誘導孔2411dの夫々の直上において、ユニットベース2411の前面から検知孔を前方へ突出させた状態で第一大入賞口センサ2402が取付けられている。更に、第一サブアウト口2011の後端において、検知孔が一致するように第一サブアウト口センサ2403がユニットベース2411に取付けられている。また、ユニットベース2411の後面における第一誘導孔2411bよりも左側の部位と、二つの第二誘導孔2411dよりも右側の部位とに、夫々磁気センサ2404が取付けられている。
前カバー2412は、後方へ開放された箱状に形成されており、透明に部材に形成されている。前カバー2412は、ユニットベース2411の前面に、遊技球Bの通路を形成するためのものである。前カバー2412は、図125に示すように、正面視において、右上隅付近から左方へ低くなるように延びている第一棚部2412aと、第一棚部2412aの左端から左方へ遊技球Bの直径よりも若干長く間隔をあけると共に第一棚部2412aの左端よりも低い位置から左方へ低くなるように第一棚部2412aよりも短く延びており、第一棚部2412aとの間で第二始動口2004を形成している第二棚部2412bと、第二棚部2412bの左端よりも左方で遊技球Bの直径よりも低い位置から左方へ低くなるように第二棚部2412bよりも短く延びている第三棚部2412cと、第三棚部2412cの左端から左方へ遊技球Bの直径の4倍〜6倍の長さの間隔をあけると共に第三棚部2412cよりも低い位置から左方へ低くなるように延びており、第三棚部2412cとの間で第一大入賞口2005を形成している第四棚部2412dと、を有している。
第一棚部2412aの右端は、前カバー2412の右辺から、遊技球Bの直径よりも若干長く左方へ離れている。第一棚部2412a、第二棚部2412b、第三棚部2412cは、夫々が同じ角度で傾斜しており、第四棚部2412dは、第一棚部2412a等よりも急な角度で傾斜している。
また、前カバー2412は、第一棚部2412aの右端から下方へ垂直に延びている第一立壁部2412eと、第一棚部2412aの左端から下方へ垂直に第一立壁部2412eの下端と同じ高さまで延びている第二立壁部2412fと、第二棚部2412bの右端から下方へ垂直に第一立壁部2412eの下端と同じ高さまで延びている第三立壁部2412gと、第三棚部2412cの右端から下方へ垂直に前カバー2412の下辺まで延びている第四立壁部2412hと、第三棚部2412cの左端から下方へ延びている第五立壁部2412iと、第四棚部2412dの右端から下方へ延びている第六立壁部2412jと、第四棚部2412dの左端から下方へ延びている第七立壁部2412kと、を有している。
第五立壁部2412iは、第三棚部2412cの左端から下方へ第四棚部2412dよりも低い位置まで延びた後に左方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ前カバー2412の下辺まで延びている。また、第六立壁部2412jは、第四棚部2412dの右端から下方へ第四棚部2412dよりも低い位置まで延びた後に右方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ前カバー2412の下辺まで延びている。第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの下部同士の左右方向の間隔は、遊技球Bの直径の2倍よりも長い間隔である。
更に、前カバー2412は、第一立壁部2412e、第二立壁部2412f、及び第三立壁部2412gの下端同士を連結している第一横壁部2412lと、前カバー2412の右辺における第一立壁部2412eの下端よりも低い位置から、第一横壁部2412lとの間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて左方へ低くなるように傾斜した後に左方の第四立壁部2412hの途中へ向かって高くなるように傾斜している第二横壁部2412mと、を有している。第一横壁部2412lは、ユニットベース2411における第一誘導孔2411bの下端と同じ高さに設けられている。第二横壁部2412mは、第二始動口2004の下方の第一サブアウト口2011の部位が最も低くなるように形成されている。
また、前カバー2412は、第五立壁部2412i及び第六立壁部2412jの夫々の下部付近から、互いに接近する方向へ、夫々第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの間の中央付近まで延びている第三横壁部2412nと、二つの第三横壁部2412nの対向している夫々の端部同士を連結していると共に上方へ延出している仕切部2412oと、を有している。第三横壁部2412nは、ユニットベース2411における第二誘導孔2411dの下端と同じ高さに設けられている。
更に、前カバー2412は、前カバーの上辺に沿って左方へ低くなるように階段状に延びており、第二棚部2412b及び第三棚部2412cの間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。上棚部2412pを、有している。上棚部2412pは、右端が第一棚部2412aの左端の直上に位置しており、左端が第四棚部2412dの右端よりも若干右方に位置している。また、上棚部2412pは、右端付近が右方へ低くなるように傾斜している。
また、前カバー2412は、図示は省略するが、ユニットベース2411の当接部2411eの前方となると共に、ユニットベース2411の二つの当接部2411eに対して左右方向へ互い違いとなる部位に、三角形状に後方へ突出している二つの当接部を、有している。これら当接部は、第一大入賞口2005が閉状態の時に、第一大入賞口扉2417の扉部2417a上を転動している遊技球Bを、ユニットベース2411の当接部2411eと協働して、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させるものである。
後カバー2413は、前方へ開放された箱状に形成されており、透明な部材により形成されている。後カバー2413は、ユニットベース2411と協働して、第二始動口扉2414、ソレノイドカバー2416、第一大入賞口扉2417、第一アタッカソレノイド2418、等を保持している。また、後カバー2413は、前カバー2412と協働して、第二始動口センサ2401、第一大入賞口センサ2402、及び第一サブアウト口センサ2403を、挟持するように保持している。
第二始動口扉2414は、平板状の扉部2414aと、扉部2414aから下方へ延出しているアーム部2414bと、アーム部2414bの下端から左右方向へ延出しており、ユニットベース2411に対して回転可能に取付けられる回転軸2414cと、アーム部2414bの下部における回転軸2414cから離れた部位に設けられており始動口ソレノイド2415のプランジャの先端と接続させる接続部2414dと、を有している。
第二始動口扉2414の扉部2414aは、左端側が低くなるように傾斜している。第二始動口扉2414のアーム部2414bは、扉部2414aの後端から下方へ延びた後に、扉部2414aの前端と略同じ位置まで前方へ屈曲している。接続部2414dは、アーム部2414bにおける回転軸2414cよりも扉部2414aに近い側に設けられている。
この第二始動口扉2414は、扉部2414aにより第二始動口2004を閉鎖することができる。第二始動口扉2414は、始動口ソレノイド2415のプランジャの前後方向への進退により、回転軸2414cを中心として回転(回動)することで、扉部2414aが前後方向へ移動して、第二始動口2004を開閉することができる。
始動口ソレノイド2415は、プランジャが突出している向きを前方へ向けて取付けられている。この始動口ソレノイド2415は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
第一大入賞口扉2417は、左右に長い平板状の扉部2417aと、扉部2417aの左右方向両端から夫々下方へ延出している一対のアーム部2417bと、一対のアーム部2417bの夫々の下端から互いに同軸上で左右方向へ夫々が延出している回転軸2417cと、右側のアーム部2417bの下部から右方へ突出している円柱状のリンクピン2417dと、を有している。
第一大入賞口扉2417の扉部2417aは、左端側が低くなるように傾斜している。一対のアーム部2417bは、扉部2417aの後端から下方へ延びた後に、扉部2417aの前端と略同じ位置まで前方へ屈曲している。リンクピン2417dは、アーム部2417bの下部における回転軸2417cよりも扉部2417aに近い側に設けられている。このリンクピン2417dは、後述する伝達部材2419の上下に延びているスリット2419c内に、摺動可能に挿入される。
この第一大入賞口扉2417は、扉部2417aにより第一大入賞口2005を閉鎖することができる。第一大入賞口扉2417は、第一アタッカソレノイド2418のプランジャの前後方向への進退により、回転軸2417cを中心として回転(回動)することで、扉部2417aが前後方向へ移動して、第一大入賞口2005を開閉することができる。
第一アタッカソレノイド2418は、プランジャが突出している向きを前方へ向けて取付けられている。この第一アタッカソレノイド2418は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
伝達部材2419は、第一アタッカソレノイド2418のプランジャの先端に取付けられる基部2419aと、基部2419aから前方へ延出している延出部2419bと、延出部2419bの前端付近で左右方向へ貫通していると共に上下に延びているスリット2419cと、を有している。伝達部材2419のスリット2419c内には、第一大入賞口扉2417のリンクピン2417dが摺動可能に挿入される。
第一大入賞口装飾基板2420は、前方へ光を照射可能な複数のLEDが前面に実装されている。第一大入賞口装飾基板2420の複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。第一大入賞口装飾基板2420は、複数のLEDを発光させることで、第一大入賞口2005を発光装飾させることができる。
第一アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2415及び第一アタッカソレノイド2418が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2415のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2414の扉部2414aがユニットベース2411の第一開口部2411aを通って前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2414の扉部2414aが、第二始動口2004の上方に位置しており、扉部2414aにより第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2414(扉部2414a)により閉鎖されている(図125を参照)。
また、通常の状態では、第一アタッカソレノイド2418のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第一大入賞口扉2417の扉部2417aがユニットベース2411の第二開口部2411cを通って前方へ突出している。この状態では、第一大入賞口扉2417の扉部2417aが、第一大入賞口2005の上方に位置しており、扉部2417aにより第一大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第一大入賞口2005が第一大入賞口扉2417(扉部2417a)により閉鎖されている(図124及び図125を参照)。
この通常の状態で、第一棚部2412a上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2412aの傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2414の扉部2414aの上面、及び第二棚部2412bを転動した上で、第二棚部2412bの左端から左方へ放出される。第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2412c又は第一大入賞口扉2417の扉部2417a上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2412pの下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入することがある。
この際に、第一大入賞口2005を閉鎖している扉部2417a上を転動している遊技球Bは、ユニットベース2411の当接部2411eと前カバー2412の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。扉部2417a上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2412dを転動した後に、その左端から第一アタッカユニット2400外へ放出される。
この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2412aよりも右方に遊技球Bが流下すると、第一立壁部2412eの右側を通り、第二横壁部2412mの右端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2011に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入すると、第三立壁部2412gと第四立壁部2412hとの間を通って第二横壁部2412mの左端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2011に進入する。
第一サブアウト口2011に進入した遊技球Bは、第一サブアウト口センサ2403により検知された上で、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2412aの右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2412bと第三棚部2412cの間の隙間を通った遊技球Bとが、何れも第一サブアウト口2011に進入するように形成されており、実質的に第一サブアウト口2011が二つ設けられている。
この通常の状態において、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2415に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2414のアーム部2414bにおける回転軸2414cよりも上側(扉部2414a側)の接続部2414dが、プランジャの先端により後方へ引っ張られる。これにより、第二始動口扉2414が、回転軸2414cを中心として、扉部2414aが後方に移動する方向へ回動することとなる。そして、扉部2414aがユニットベース2411の前面から後退するように回動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二立壁部2412fと第三立壁部2412gとの間を流下し、第二始動口センサ2401に検知された後に、第一横壁部2412l上に落下する。この第一横壁部2412lにおける第二立壁部2412fと第三立壁部2412gとの間の部位は、後方へ低くなるように傾斜しており、その傾斜により遊技球Bが後方へ転動し、ユニットベース2411の第一誘導孔2411bに進入し、その後端から後方へ放出される。第一誘導孔2411bの後端から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、第一アタッカソレノイド2418に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが、その先端に取付けられている伝達部材2419と一緒に後退する。この伝達部材2419が後退すると、伝達部材2419のスリット2419cに挿入されている第一大入賞口扉2417のリンクピン2417dが、スリット2419c内を摺動しながらスリット2419cの内壁により後方へ押圧されることとなる。
これにより、第一大入賞口扉2417が、回転軸2417cを中心にして扉部2417aが後方へ移動するように回動することとなり、扉部2417aの前端がユニットベース2411の前面よりも後方へ移動することとなる。この第一大入賞口扉2417の扉部2417aが、ユニットベース2411の前面よりも後方へ移動することにより、第一大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、第一大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる(図124を参照)。つまり、第一大入賞口2005が開状態となる。
第一大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが第一大入賞口2005に受入れられると、第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの間を通った上で、第五立壁部2412iと仕切部2412oとの間、又は、第六立壁部2412jと仕切部2412oとの間を通って、二つの第一大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、第三横壁部2412n上に落下する。この第三横壁部2412nは、上面から後方へ向かって低くなるように傾斜しており、第三横壁部2412n上に落下した遊技球Bは、その傾斜により後方へ転動し、ユニットベース2411の第二誘導孔2411dを通って後方へ放出される。第二誘導孔2411dから後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第六受渡口3066に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
このように、本実施形態の第一アタッカユニット2400によれば、第一大入賞口2005を開閉する第一大入賞口扉2417において、第一大入賞口2005を閉鎖する扉部2417aの前端付近と前後方向が同じ位置で左右に延びた回転軸2417cを中心として扉部2417aを回転させることにより、第一大入賞口2005を開閉させるようにしているため、第一大入賞口2005(第一アタッカユニット2400)にかかる前後方向の奥行を可及的に短くすることができる。この効果は、第二始動口扉2414により開閉される第二始動口2004においても同じである。これにより、第一アタッカユニット2400の後方のスペースを相対的に広くすることができる。
また、第一アタッカユニット2400では、第一大入賞口2005ら受入れられた遊技球Bを仕切部2412oにより二つに分けて、夫々を異なる第一大入賞口センサ2402により検知してユニットベース2411の後方へ放出するようにしているため、第一大入賞口2005と第一大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[5−8e.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図126及び図127等を参照して詳細に説明する。図126(a)は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。図127は、センター役物の正面図である。表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されており、遊技パネル1100の後方に設けられた演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、全周に亘って遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している部位を有しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、前後方向に延びている枠状の周壁部2501(センターフレームとも称する)と、周壁部2501の外周から突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2502と、周壁部2501の内周から突出している平板状のサポート部2503と、を有している。周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致する位置まで後方に延びている。また、周壁部2501は、パネル板1110におけるセンター役物2500が挿入される開口部1112の内周に沿うような形状に形成されている。この周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入を防止することができる。
フランジ部2502とサポート部2503の厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4〜1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2502とサポート部2503は、前後方向の同じ位置で周壁部2501から突出している。従って、サポート部2503(フランジ部2502)の後面から周壁部2501の後端までの距離が、パネル板1110の厚さと同じである。
サポート部2503は、周壁部2501の内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2503は、周壁部2501におけるフランジ部2502の突出していない部位に設けられており、周壁部2501を補強している。また、サポート部2503は、周壁部2501から突出した端辺が、周壁部2501の正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2503が目立たないようにしている。このサポート部2503は、周壁部2501からの突出量を、サポート部2503の厚さ〜パネル板1110の厚さ(1mm〜10mm)、の範囲内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
更に詳述すると、センター役物2500のサポート部2503は、複数設けられている。例えば、後述するワープ入口2511よりも上方で、周壁部2501が最も左方に突出した部位に設けられているサポート部2503では、当該部位における周壁部2501の形状が、上下に延びた部位の中間が左方へ膨出したような形状となっている。そして、サポート部2503の先端辺は、周壁部2501の左方へ膨出した部位の上下両側では、周壁部2501に沿った形状に形成され、周壁部2501の左方へ膨出した部位では、周壁部2501とは異なる形状で、上下両側の部位を繋ぐように直線状に形成されている(図135を参照)。この部位のサポート部2503は、遊技盤5に組立てた状態で、サポート部2503の先端辺における上下に直線状に延びている部位が、後方に設けられている裏ユニット3000における裏前左装飾体3030の右辺の一部に略沿っている。従って、サポート部2503の先端辺が、裏前左装飾体3030の辺縁と一致していることで、サポート部2503が判別し辛くなり、相対的に、後方に設けられている裏前左装飾体3030の装飾を目立たせることができる。
また、複数のサポート部2503のうち、ワープ入口2511の下側のサポート部2503は、周壁部2501が斜めに延びているのに対して、四角形に右方へ延出している。この部位のサポート部2503は、遊技盤5に組立てた状態で、裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710Cの前方に位置している(図107等を参照)。このサポート部2503の左右に延びている先端辺は、第三裏前左装飾体ユニット3710Cにおけるシャッターユニット3730の複数のシャッター3732と平行に延びていることから、シャッター3732の形状に一部のように見え、サポート部2503が判別し辛くなっている(図111を参照)。
センター役物2500は、周壁部2501における正面視左側で遊技パネル1100(パネル板1110)の前面よりも前画の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2511と、ワープ入口2511に進入した遊技球Bを放出可能とされ遊技パネル1100の前面よりも後側で枠内に開口しているワープ出口2512と、ワープ出口2512から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2513と、ステージ2513の上方を覆うように設けられているステージカバー2515と、を備えている(図127等を参照)。ステージカバー2515は、ステージ2513上で跳ねた遊技球Bをステージ2513側へ跳ね返すことで、センター役物2500の枠外から枠内への遊技球Bの侵入を防止するためのものである。
センター役物2500のステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2513の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を備えている。このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、案内通路群2520の右端(センター役物2500の右上隅の端部)が、遊技領域5aの内周縁(前構成部材1000の衝止部1006付近の右レール1005)に略接しており、センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路群2520を通るように形成されている。
案内通路群2520は、上下方向の長さが、遊技領域5aの全高に対して、約1/7の長さである。この案内通路群2520は、何れも前方へ開放された溝状に形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から良好な状態で視認することができる。
案内通路群2520は、センター役物2500における周壁部2501の外側に設けられており、周壁部2501から離れている第一案内通路2521と、第一案内通路2521の右方で周壁部2501に沿って延びている第二案内通路2522と、から構成されている。第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口は、左右に離隔している。また、第一案内通路2521の出口と第二案内通路2522の出口は、左右に隣接しており、右レール1005上部の円弧に沿うように斜め右下へ向かって開口している。
案内通路群2520は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、ゲート部2003の上方に位置している。また、第一案内通路2521は、その入口の右端が前構成部材1000の衝止部1006の下端の直下に位置しており、衝止部1006に当接した遊技球Bの殆どが第一案内通路2521へ進入するように形成されている。
また、センター役物2500は、周壁部2501の右下隅から右方へ突出しており、上方からの遊技球Bを右方へ誘導した後に下方へ放出する右下案内通路2530を、備えている。この右下案内通路2530は、入口が左右方向の前幅に亘って上方へ開口しており、出口が遊技球B一つ分の幅で斜め左下へ向かって開口している。
この右下案内通路2530は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が右レール1005に略接しており、第一アタッカユニット2400と第二アタッカユニット2600との間に位置している。従って、案内通路群2520と右下案内通路2530との間には、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、配置されている。
本実施形態のセンター役物2500によれば、周壁部2501から内側へ突出したサポート部2503を設けるようにしていることから、サポート部2503を設けた部位では、周壁部2501がセンター役物2500の外縁となるため、周壁部2501の内側(センター役物2500の枠内)を相対的に広くすることができ、センター役物2500の枠内を通して後方の演出表示装置1600の演出画像や、裏ユニット3000の装飾等をより見え易くすることができる。
また、周壁部2501におけるフランジ部2502が設けられていない部位に内側へ突出したサポート部2503を設けているため、周壁部2501の強度を補強することができる。これにより、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位の外側に遊技球Bが当接しても、周壁部2501が変形したり破損したりすることを防止することができる。また、サポート部2503によりセンター役物2500の強度を高めることができるため、センター役物2500を変形させることなく射出成形型から脱型することができる。
また、透明なサポート部2503を周壁部2501の内周から短く突出させていると共に、周壁部2501の全周に対して部分的に設けているため、サポート部2503が後方に設けられている裏ユニット3000の装飾体や演出表示装置1600の演出画像等の視認性を妨げることを低減させることができる。また、サポート部2503等のセンター役物2500を透明としていると共に、センター役物2500の後面に対して可及的に近い位置に裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700を配置しているため、透明なセンター役物2500によるレンズ効果により後側の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700の装飾がぼやけてしまうことを抑制することができる。このようなことから、本実施形態のセンター役物2500によれば、後方に設けられている装飾体等の視認性を向上させることができ、それらによる装飾効果を確実に発揮させることができる。
更に、サポート部2503等を透明としていると共に、サポート部2503を発光装飾可能な装飾体や演出表示装置1600の前方に設けているため、それらからの光によって発光装飾することができ、見栄えを良くすることができる。詳述すると、図135等に示すように、サポート部2503(図135においてクロスハッチング部分)の後方には、裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700や演出表示装置1600等が設けられているため、裏前左演出ユニット3700における裏前左装飾基板3714のLEDや演出表示装置1600等から前方へ照射された光を、透過させたり反射させたり屈折させたり拡散させたりして煌びやかな発光装飾を遊技者に見せることができる。なお、サポート部2503に段差や切欠き等を設けるようにしても良く、段差などにより後方からの光を拡散させることができ、より煌びやかに見せることができる。
また、サポート部2503を設けることにより、周壁部2501から外方へ突出しているフランジ部2502が設けられていない部位を有するようにしているため、遊技パネル1100(パネル板1110)におけるサポート部2503に近い部位では、周壁部2501に対して可及的に接近した位置に障害釘Nを植設することができる。これにより、遊技領域5a内において複数の障害釘Nによる遊技の領域を可及的に広くすることができ、本来の遊技を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
また、周壁部2501をパネル板1110の開口部1112の内周形状と同じような形状とした上で、周壁部2501の後端をパネル板1110の後面と同一面上としていると共に、サポート部2503をパネル板1110の前面と略同一面上に設けているため、遊技者に対してサポート部2503を目立ち難くすることができると共に、センター役物2500がパネル板1110と一体化しているように見せることができる。
更に、センター役物2500の全周の一部にサポート部2503を設けているため、全周に亘ってサポート部2503を設けるようにした場合と比較して、センター役物2500の枠内をより広くすることができ、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面をより見え易くすることができる。換言すると、センター役物2500の周壁部2501(センターフレーム)により区画される非流通領域(枠の内側)を大きく見せたい場合、サポート部2503を、周壁部2501の全周の一部に設けるようにしても良い。或いは、サポート部2503を、正面視において、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面とは重ならない程度の延出量とすることが好ましい。
なお、サポート部2503の辺縁を、後方に設けられている裏前左演出ユニット3700の前カバー3711の形状(装飾体の形状)と同じような形状としても良い。これにより、サポート部2503が後方の装飾と異なることで、サポート部2503が目立って後方の装飾体の装飾性を低下させてしまうことを抑制することができると同時に、サポート部2503によっても装飾性を高めることができる。
また、上記の実施形態では、サポート部2503を、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700に近い位置に設けて、レンズ効果によりそれらの装飾がぼやけて見えてしまうことを抑制するようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、サポート部2503を、後方の裏ユニット3000から遠ざかった周壁部2501の前端付近に設けるようにして、意図的に、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700がぼやけて見えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100のパネル板1110に貫通した開口部1112を有し、センター役物2500の周壁部2501の後側を開口部1112に挿入したものを示したが、これに限定するものではなく、周壁部2501における開口部1112に挿入される後側の部位が無いものとしても良く、この場合、開口部1112を有していない遊技パネル1100に取付けるようにしても良い。また、センター役物2500を、開口部1112を有していない遊技パネル1100に取付ける場合、サポート部2503を遊技パネル1100に取付けても良く、この場合、センター役物2500にフランジ部2502を設けないようにしても良い。
[5−8f.第二アタッカユニット]
続いて、表ユニット2000の第二アタッカユニット2600について、主に図128及び図129等を参照して詳細に説明する。図128(a)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を後ろから見た斜視図である。図129は、第二アタッカユニット及びサイド右中ユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。
表ユニット2000の第二アタッカユニット2600は、センター役物2500の周壁部2501における右辺よりも右側で、右下案内通路2530と遊技領域5aの上下方向の中央との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。第二アタッカユニット2600は、左方へ向けて開閉可能に開口している第二大入賞口2006を備えている(図129を参照)。
第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2601と、第二大入賞口2006付近に作用する不正な時期を検知する磁気センサ2602と、を備えている。また、第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006を開閉可能に閉鎖するための第二大入賞口扉2611と、第二大入賞口扉2611を可動させて第二大入賞口2006を開閉するための第二アタッカソレノイド2612と、第二アタッカソレノイド2612のプランジャの進退を伝達させて第二大入賞口扉2611を可動させる伝達部材(図示は省略)と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを誘導して後方へ放出する誘導通路2613と、を有している。
第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006が左右方向中央から右寄りの位置で左方へ向かって開口しており、その第二大入賞口2006を左方から閉鎖するように第二大入賞口扉2611が設けられている。
第二大入賞口扉2611は、下方へ膨出した半円形状の下辺と、下辺の右端に接して上方へ直線状に延びている右辺と、右辺の上端から左方へ膨出するように下辺の左側に接している円弧状の左辺と、で構成された、所謂羽根状に形成されている。第二大入賞口扉2611は、半円形状の下辺の中心を軸芯として前後方向に延びた円柱状の回転軸2611aと、回転軸よりも離れた位置から後方へ円柱状に突出しているリンクピン(図示は省略)と、を有している。第二大入賞口扉2611は、上端が左方へ移動するように、下部の回転軸が回転可能に取付けられている。
第二アタッカソレノイド2612は、詳細な図示は省略するが、プランジャが下方へ突出する向きで取付けられている。図示しない伝達部材は、第二アタッカソレノイド2612のプランジャの先端に取付けられる基部と、前後方向に貫通していると共に左右方向に延びており第二大入賞口扉2611のリンクピンが摺動可能に挿入されるスリットと、を有しており、上下方向へスライド可能に取付けられている。
第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、右辺が前構成部材1000の右レール1005に略接するように位置しており、第二大入賞口2006とセンター役物2500の周壁部2501における右辺側との間に、遊技球Bが流通可能な空間を形成している。また、第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、誘導通路2613の後端を含む後面が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
この第二アタッカユニット2600は、通常の状態では、第二アタッカソレノイド2612が非通電(OFF)の状態となっており、プランジャが自身の自重と伝達部材の自重とにより下方へ突出している。この状態では、第二大入賞口扉2611が直立しており、第二大入賞口2006が第二大入賞口扉2611により閉鎖されている。つまり、通常の状態では、第二大入賞口2006に対して遊技球Bが受入不能となっている。
この通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、第二アタッカソレノイド2612に通電(ON)されると、プランジャと一緒に伝達部材が上方へ移動し、伝達部材のスリット内に挿入されている第二大入賞口扉2611のリンクピンが、上方へ引き上げられると共に、スリット内を摺動することで、第二大入賞口扉2611が回転軸2611aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。
これにより、第二大入賞口扉2611の上端が左方へ移動して、第二大入賞口2006が左方へ開放された状態となると共に、第二大入賞口扉2611の右端側が低くなるように傾斜した状態となる。つまり、第二大入賞口2006が開状態となる。この状態で、流下してきた遊技球Bが第二大入賞口扉2611に当接すると、その傾斜により右方へ転動して、第二大入賞口2006に受入れられることとなる。第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第二大入賞口センサ2601により検知された後に、誘導通路2613により誘導されて後方へ放出される。誘導通路2613から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第七受渡口3067に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5−8g.サイド右中ユニット]
次に、表ユニット2000におけるサイド右中ユニット2700について、主に図128及び図129等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイド右中ユニット2700は、遊技領域5a内において、第二アタッカユニット2600の直上に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。このサイド右中ユニット2700は、一つの一般入賞口2001と、第二サブアウト口2012と、を備えている。
サイド右中ユニット2700は、左右方向が遊技球B一つの分の幅で上方へ向かって一般入賞口2001が常時開口していると共に、一般入賞口2001の右側に隣接して、左右方向が遊技球B二つの分の幅で上方へ向かって第二サブアウト口2012が常時開口している。
また、サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第一誘導通路2701と、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第二誘導通路2702と、を有している。第一誘導通路2701は、一般入賞口2001から後方へ延出した後に、右方へ屈曲した上で更に後方へ屈曲した、クランク状に形成されている。第二誘導通路2702は、第二サブアウト口2012から第一誘導通路2701よりも下方へ延出した後に、後方へ屈曲している。第一誘導通路2701の出口と第二誘導通路2702の出口は、上下に並んでいる。
このサイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、第一誘導通路2701及び第二誘導通路2702の夫々の後端が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
また、サイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が前構成部材1000の右レール1005と略接していると共に、下端が第二アタッカユニット2600の上端と略接しており、左端とセンター役物2500における周壁部2501の右辺との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成している。このサイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001が第二大入賞口2006よりも若干左方の位置で上方に開口しており、第二サブアウト口2012が一般入賞口2001と右レール1005との間の略全体に亘って上方に開口している(図130等を参照)。
サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、第一誘導通路2701により遊技パネル1100のパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第八受渡口3068に受け渡すことができる。第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3051により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。また、サイド右中ユニット2700は、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを、第二誘導通路2702によりパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第九受渡口3069に受け渡すことができる。第九受渡口3069に受け渡された遊技球Bは、第二サブアウト口センサ3054により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5−8h.ゲート部材]
次に、表ユニット2000におけるゲート部材2800について、主に図117及び図128等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のゲート部材2800は、遊技領域5a内において、センター役物2500の案内通路群2520とサイド右中ユニット2700との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2800は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通抽選結果の抽選が行われるゲート部2003と、ゲート部2003を遊技牛Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2801と、を有している。ゲートセンサ2801における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート部2003としている。
ゲート部材2800は、下面の右端付近から斜め左下へ向かって突出している誘導片2802を有している。誘導片2802は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを左下へ誘導するためのものである。この誘導片2802は、遊技盤5に組立てた状態で、その延長線が、サイド右中ユニット2700における一般入賞口2001の左端付近を通るように傾斜している。
ゲート部材2800は、遊技盤5に組立てた状態で、前構成部材1000の右レール1005とセンター役物2500の周壁部2501の右辺との間の略中央に位置しており、左右両外側に遊技球Bが流通可能な隙間を形成している。このゲート部材2800は、センター役物2500の案内通路群2520における第一案内通路2521の直下よりもやや左寄りに位置していると共に、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001の直上よりも右寄りに位置している。
[5−8i.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図115及び図130等を参照して詳細に説明する。図130は、図115において遊技領域内の右部を拡大した説明図である。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nは、センター役物2500の左側に打込まれた遊技球Bを、風車Wの中心よりも右側の部位、へ主に進入するように調整されていると共に、それらより低い確率で、風車Wの中心よりも左側の部位へ進入するように調整されている。これにより、遊技球Bが、センター役物2500の左側を流下するように打込むことにより、ある程度の確率で、センター役物2500のワープ入口2511に進入させることができる。
センター役物2500の案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、案内通路群2520の右側の第一案内通路2521を流通した遊技球Bよりも、案内通路群2520の左側の第二案内通路2522を流通した遊技球Bの方が、高い確率でゲート部2003を通過するように調整されている。また、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、ゲート部材2800の右側の部位よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、サイド右中ユニット2700よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
遊技領域5a内には、遊技球Bが、外レール1001と内レール1002とに案内されて左側から遊技領域5aの周縁に沿って上部に打込まれる。遊技領域5a内に対してセンター役物2500の左側を流通するように遊技球Bを打込んだ場合、図115に示すように、センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nにより、センター役物2500のワープ入口2511、又は、風車Wの中心よりも右側の部位、の何れかに進入するように誘導され、それらよりも低い確率で風車Wの中心よりも左側の部位に進入するように誘導される。
風車Wの中心よりも左側の部位に誘導された遊技球Bは、サイド左上ユニット2300の棚部2301により、右方へ誘導されてサイドユニット2200へ流下する。そして、サイドユニット2200に設けられている三つの一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡されて、一般入賞口センサ3051により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。一般入賞口センサ3051により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。風車Wの中心よりも左側の部位へ誘導された遊技球Bは、第一始動口2002に受入れられることは殆んどない。そして、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2010から遊技領域5a外へ排出される。
風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nにより、左右方向の中央(第一始動口2002)側へ誘導され、第一始動口2002に受入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、斜めに列設されている複数の障害釘Nの間を通って、サイドユニット2200上へ流下することがあり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
センター役物2500のワープ入口2511に進入した(受入れられた)遊技球Bは、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから遊技球Bが放出されると、或る程度の確率で第一始動口2002に受入れられる。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡されて、第一始動口センサ3052により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。第一始動口センサ3052により遊技球Bが検知されると、第一特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。ステージ2513から放出されて第一始動口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2010から遊技領域5a外へ排出される。
なお、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側を流通した遊技球Bは、ゲート部2003を通過したり、第二始動口2004、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に受入れられたりする可能性はない。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の右側へ打込んだ遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる確率に対して、センター役物2500の左側へ打込んだ遊技球Bが第一始動口2002に受入れられる確率の方が、高く設定されている。これにより、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開状態でない時には、センター役物2500の左側への遊技球Bの打込操作(「左打ち」)を促すことができる。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の周壁部2501の上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、ゲート部2003の直上よりもやや右寄りの位置で下方へ放出される。
第一案内通路2521の出口から下方へ放出された遊技球Bは、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nにより、ゲート部材2800の左側、ゲート部2003、ゲート部材2800の右側、の順に確率が低くなるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
一方、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して、第二案内通路2522を流通すると、第一案内通路2521の出口よりも左側から下方へ放出される。第二案内通路2522の出口から下方へ放出された遊技球Bは、ゲート部2003とゲート部材2800の左側とが略同じ確率で、ゲート部材2800の右側がそれらよりも低い確率となるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
ゲート部材2800の右側を通った遊技球Bは、第二サブアウト口2012に受入れられる。第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第九受渡口3069に受け渡された後に、第二サブアウト口センサ3054により検知された上で遊技領域5a外へ排出される。また、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲートセンサ2801により検知された後に、サイド右中ユニット2700側へ放出される。このゲートセンサ2801による遊技球Bの検知により、第二始動口2004が開閉する普通抽選結果の抽選が行われる。
ゲート部2003及びゲート部材2800の左側を通った遊技球Bは、ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2012に受入れられたりする。サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第八受渡口3068に受け渡されて、一般入賞口センサ3051により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。この際に、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
サイド右中ユニット2700の左側を流下する遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における第二大入賞口2006の左方を流下する。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「小当り」が抽選されている場合、第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で第二大入賞口2006に受入れられる。
第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第二大入賞口センサ2601に検知された上で、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第七受渡口3067に受け渡されて基板ホルダ1200上に排出される。この第二大入賞口センサ2601による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
第二大入賞口2006に受入れられずに、第二大入賞口2006の左方を流下した遊技球Bは、センター役物2500の右下案内通路2530に進入し、右下案内通路2530の出口から第一アタッカユニット2400側へ放出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から下方(斜め左下)へ放出された遊技球Bは、第一アタッカユニット2400の第一棚部2412a上に流下する。なお、右下案内通路2530と第一アタッカユニット2400との間には、複数の障害釘Nが植設されているため、遊技球Bが、右下案内通路2530から直接第一アタッカユニット2400における第一立壁部2412eの右側へ流下することはない。
第一アタッカユニット2400の第一棚部2412aに流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2414の扉部2414aの上面、及び第二棚部2412bを転動した上で、第二棚部2412bの左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2412c又は第一大入賞口扉2417の扉部2417a上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、扉部2417aから第四棚部2412dを転動した後に、第四棚部2412dから第一アタッカユニット2400外となる左方へ放出される。
なお、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、複数の障害釘Nに当接することで、第一棚部2412aに流下せずに、上棚部2412pに流下することがある。そして、上棚部2412pに流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して上棚部2412pの左端から左方へ放出された上で、左方に植設されている障害釘Nに当接して下方へ向きを変えて、第一大入賞口扉2417における扉部2417aの上面の左端付近に流下した後に、扉部2417a及び第四棚部2412dを左方へ転動して第一アタッカユニット2400外へ放出される。従って、遊技球Bが上棚部2412p上を転動した場合でも、上棚部2412pから遊技球Bが放出されるタイミングと、第一大入賞口2005が開状態となるタイミングとによっては、第一大入賞口2005に受入れられることがある。
また、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、障害釘Nや上棚部2412pの右端への当接等により、右方へ跳ね返って第一棚部2412a上に流下することで、第一棚部2412aをその傾斜に抗して右方へ転動して、第一棚部2412aの右端から右方(下方)へ放出されることがある。第一棚部2412aの右端から右方へ放出された遊技球Bは、第一立壁部2412eと前構成部材1000の右レール1005との間を通って、第二横壁部2412mの右端付近に流下し、第二横壁部2412mの傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2011に受入れられる。第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bは、第一サブアウト口センサ2403により検知された上で、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から遊技球Bが放出された際に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により普通抽選結果として「普通当り」が抽選されている場合、第二始動口扉2414が可動して第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、第一棚部2412aを左方へ転動している遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、遊技領域5a外となる基板ホルダ1200上に排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
また、第二棚部2412bから左方へ遊技球Bが放出された際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「大当り」が抽選されている場合、第一大入賞口扉2417が可動して第一大入賞口2005が所定のパターンで開閉するため、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bが、高い確率で第一大入賞口2005に受入れられることとなる。第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、第一大入賞口センサ2402により検知された上で、遊技領域5a外の基板ホルダ1200上に排出される。この第一大入賞口センサ2402による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
なお、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bの勢いによっては、上棚部2412pの下面の段差に当接することで、斜め右下へ流下して第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に遊技球Bが進入することがある。第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入した遊技球Bは、第三立壁部2412gと第四立壁部2412hとの間を通って第二横壁部2412mの左端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2011に受入れられる。
センター役物2500の右下案内通路2530から第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bが、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011の何れにも受け入れられなかった場合は、遊技領域5aの下端のアウト口2010ら、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方の下方へ排出される。
このようなことから、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開閉させるためには、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「小当り」や「大当り」等の第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果の抽選を行わせる必要がある。第一始動口2002は常時開口しているのに対して、第二始動口2004はゲート部2003に遊技球Bを通過させて普通抽選結果としての「普通当り」を抽選させる(引き当てる)必要があるため、第二始動口2004へ遊技球Bを受入れさせる機会は、第一始動口2002よりも低くなっている。
従って、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せてパチンコ機1による本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別抽選結果として「小当り」や「大当り」が抽選されると、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開閉するため、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、遊技球Bの打込操作を「右打ち」に変更させて、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
この際に、センター役物2500の右上隅に第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、流通させる案内通路によって、ゲート部2003を通過させ易かったり、第二サブアウト口2012に受入れられ易かったりするため、所望の案内通路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、「右打ち」を行うことで、ゲート部2003に遊技球Bを通過させることで、第二始動口2004が開状態となる「普通当り」が抽選される可能性があり、開状態の第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「小当り」や「大当り」が抽選される可能性があるため、遊技に対する期待感を高めさせることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図131乃至図134等を参照して詳細に説明する。図131は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図132は遊技盤における裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図133は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図134は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。遊技盤5における裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端の左右両端付近に夫々設けられている平板状の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏誘導ユニット3050と、裏箱3010内の後端に設けられている裏後演出ユニット3100と、裏箱3010内の下部における裏誘導ユニット3050の後方で左右に離隔して設けられている裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250と、裏箱3010内における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後方に設けられている裏下中演出ユニット3300と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の上部における裏後演出ユニット3100の前方に設けられている裏上演出ユニット3400と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030の後方に設けられている裏後左演出ユニット3500と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040の後方に設けられている裏後右演出ユニット3600と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030と裏後左演出ユニット3500との間に設けられている裏前左演出ユニット3700と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040と裏後右演出ユニット3600との間に設けられている裏前右演出ユニット3800と、を備えている。
[5−9a.裏箱]
裏ユニット3000の裏箱3010について、主に図131乃至図134等を参照して説明する。裏箱3010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられるものである。この裏箱3010内には、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040や、各種演出ユニットが取付けられると共に、後側に演出表示装置1600及び駆動基板ユニット1700が取付けられる。この裏箱3010は、透明に合成樹脂により形成されている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601bが挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。裏箱3010は、装飾体や演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
また、裏箱3010は、開口部3010aの下辺と左右両辺とに沿って取付けられている金属板からなる帯板状の補強板3011を有している。この補強板3011により、液晶取付部3010bが補強されている。
[5−9b.裏前左装飾体及び裏前右装飾体]
続いて、裏ユニット3000における裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040について、主に図131乃至図135等を参照して詳細に説明する。図135は、扉枠を透明にした状態で遊技盤の左上隅を拡大して示すパチンコ機の正面図である。裏ユニット3000の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、裏箱3010の前端に、左右に離隔して取付けられているものである。
裏前左装飾体3030は、上下に延びている平板状のベース3031と、ベース3031の前面に貼り付けられている装飾シール3032と、を備えている。ベース3031は、裏箱3010の開口部3010aと同じ高さで上下に延びており、左端側が裏箱3010の前端に取付けられている。装飾シール3032は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った装飾が施されている。この裏前左装飾体3030は、不透明に形成されており、後方の部材を前方から視認不能とすることができる。
裏前右装飾体3040は、上下に延びている平板状のベース3041と、ベース3041の前面に貼り付けられている装飾シール3042と、を備えている。ベース3041は、裏箱3010の上端から上下方向の中央付近まで延びており、右端側が裏箱3010の前端に取付けられている。装飾シール3042は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った装飾が施されている。この裏前右装飾体3040は、不透明に形成されており、後方の部材を前方から視認不能とすることができる。
裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、遊技盤5に組立てた状態で、外側となる外周縁が、正面視において遊技領域5aよりも外側に位置するように、平板状に延出している(図111及び図135等を参照)。更に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、パチンコ機1に組立てた時に、外側となる外周縁が、扉枠3における扉窓101aよりも外側に位置するように、平板状に延出している。
詳述すると、例えば、図135に示すように、正面視において、裏前左装飾体3030を、裏後左演出ユニット3500の左上隅に設けられている裏後左昇降駆動モータ3554の下から半分の位置まで延出させている。換言すると、裏前左装飾体3030を、正面視において、前構成部材1000の左上隅に取付けられている機能表示ユニット1400よりも外側へ延出させている。更に、換言すると、裏前左装飾体3030を、扉枠3における扉窓101aよりも外側へ延出させている。
これにより、遊技盤5に組立てた状態では、裏後左昇降駆動モータ3554の下半分を裏前左装飾体3030(図135において網掛け部分)により覆うことができ、遊技者側から裏後左昇降駆動モータ3554を見え難くすることができる。また、パチンコ機1に組立てた状態では、裏後左昇降駆動モータ3554の下半分を覆っている裏前左装飾体3030が、扉枠3(図135においてハッチング部分)の扉窓101aよりも外側へ延出しているため、裏前左装飾体3030と扉枠3とで裏後左昇降駆動モータ3554を遊技者側から視認不能とする(見えなくする)ことができる。従って、裏前左装飾体3030の後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を、遊技者側から視認不能とすることができ、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができる。
また、裏前左装飾体3030では、裏後左昇降駆動モータ3554の一部(下半分)を覆うように延出させており、遊技盤5に組立てた状態では裏後左昇降駆動モータ3554の一部(上半分)が前方から見えることとなるが、パチンコ機1に組立てることで、裏後左昇降駆動モータ3554の上半分を扉枠3により覆って隠すことができる。従って、裏前左装飾体3030を、裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆うように延出させる必要が無く、裏前左装飾体3030が無用に大きくなることを抑制することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、裏前左装飾体3030を、機能表示ユニット1400よりも外側へ延出させているため、前構成部材1000において正面視左上隅に機能表示ユニット1400が取付けられていなくても、機能表示ユニット1400の替りに裏前左装飾体3030によって、後方に設けられている裏後左昇降駆動モータ3554(機能部品)等を隠すことができる。
一方、裏前右装飾体3040では、正面視において、裏後右演出ユニット3600における裏後右昇降駆動モータ3654の全体を覆うように、裏箱3010の右上隅まで延出しており、透明な前構成部材1000及び透明な遊技パネル1100を通しても、裏後右昇降駆動モータ3654を前方(遊技者側)から視認不能としている。従って、裏前右装飾体3040の後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を、遊技者側から視認不能とすることで、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができ、裏前左装飾体3030と同様の作用効果を発揮することができる。
このように、本実施形態の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によれば、後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品の少なくとも一部を覆うようにしているため、遊技者側から機能部品を見え辛くすることができ、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができる。
また、上述したように、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により後方に設けられている機能部品の前方を覆うことができるため、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明にしても、機能部品を遊技者側から視認不能とすることができる。つまり、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明にすることができる。従って、透明な前構成部材1000及び遊技パネル1100により、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。この際に、所定の装飾が施されている裏前左装飾体3030の装飾シール3032及び裏前右装飾体3040の装飾シール3042における遊技領域5a外の部位が、前構成部材1000及び遊技パネル1100を通して前方から視認することができるため、それらによって遊技領域5a外も装飾することができると共に、遊技領域5aを実際よりも大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な遊技盤5(パチンコ機1)とすることができる。
また、上述したように、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明とすることができるため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前構成部材1000及び遊技パネル1100によって前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることができ、前構成部材1000や遊技パネル1100が発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
なお、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040における遊技領域5aよりも外側へ延出させた部位により、後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を遊技者側から視認不能とすることができることから、全ての機能部品を正面視において遊技領域5a外へ設けるようにしても良い。この際に、遊技盤5の大きさには限りがあることから、全ての機能部品を遊技領域5a外に設けるためのスペースを確保しようとすると、相対的に遊技領域5aの大きさを小さくしなければならない課題が発生する恐れがあるため、本実施形態のように、遊技盤5の大きさに対して遊技領域5aを大きく採れるようなバランスで、機能部品の一部を遊技領域5a外に設けることが望ましい。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾を、正面視において、遊技領域5a内の装飾(デザイン)と関連した装飾とすることが望ましい。これにより、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びる裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、遊技領域5a内のデザインを遊技領域5a外まで延長させることができるため、遊技領域5aを実際よりも大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
[5−9c.裏誘導ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050について、主に図136等を参照して詳細に説明する。図136(a)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。裏ユニット3000の裏誘導ユニット3050は、裏箱3010内における前端の下部に取付けられており、左右に延びた両端が上方へ屈曲されたような形状に形成されている。裏誘導ユニット3050は、略全体が透明に形成されている。
裏誘導ユニット3050は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3051と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3052と、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト口センサ3053と、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二サブアウト口センサ3054と、センター役物2500のワープ入口2511の後方となる部位に設けられており不正な磁気を検知する磁気センサ3055と、を備えている。
また、裏誘導ユニット3050は、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられた遊技球Bが受け渡される第一受渡口3061と、サイドユニット2200の右側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第二受渡口3062と、サイドユニット2200の中側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第三受渡口3063と、サイドユニット2200の左側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第四受渡口3064と、第一アタッカユニット2400の第二始動口2004及び第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bが受け渡される第五受渡口3065と、第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bが受け渡される第六受渡口3066と、第二アタッカユニット2600の第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受け渡される第七受渡口3067と、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第八受渡口3068と、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bが受け渡される第九受渡口3069と、を備えている。
更に、裏誘導ユニット3050は、詳細な図示は省略するが、第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bを右方へ誘導した上で下方へ排出する第一排出路と、第二受渡口3062に受け渡された遊技球Bと第三受渡口3063に受け渡された遊技球Bとを、合流させた上で下方へ排出する第二排出路と、第四受渡口3064に受け渡され遊技球Bを、下方へ誘導した上で斜め右下へ排出する第三排出路と、第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bを第六受渡口3066よりも下側となる位置まで下方へ誘導した上で、第六受渡口3066よりも左側となる位置まで左方へ誘導した後に、斜め左下へ放出する第四排出路と、を備えている。この第四排出路には、第五受渡口3065、第六受渡口3066、第七受渡口3067、及び第九受渡口3069が、連通している。
始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられて第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bは、第一排出路の途中で第一始動口センサ3052により検知された後に下方へ排出される。サイドユニット2200の右側の一般入賞口2001に受入れられて第二受渡口3062に受け渡された遊技球Bと、中側の一般入賞口2001に受入れられて第三受渡口3063に受け渡され遊技球Bとは、第二排出路において合流した上で、一般入賞口2001に検知された後に下方へ排出される。サイドユニット2200の左側の一般入賞口2001に受入れられて第四受渡口3064に受け渡された遊技球Bは、第三排出路の途中で一般入賞口2001に検知された後に下方へ排出される。
第一アタッカユニット2400の第二始動口2004又は第一サブアウト口2011に受入れられて第五受渡口3065に受け渡され遊技球Bと、第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005に受入れられて第六受渡口3066に受け渡された遊技球Bと、第二アタッカユニット2600の第二大入賞口2006に受入れられて第七受渡口3067に受け渡された遊技球Bとは、第四排出路を通って排出される。
サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられて第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bは、第四排出路における第九受渡口3069と連通している部位よりも上流側で一般入賞口センサ3051に検知され、第四排出路を通って排出される。サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられて第九受渡口3069に受け渡された遊技球Bは、第二サブアウト口センサ3054により検知された後に第四排出路と合流し、第四排出路を通って排出される。
この裏誘導ユニット3050は、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト球検知部材3080を備えている。アウト球検知部材3080は、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006に受入れられなかった遊技球B(特典が付与されなかった遊技球B、「アウト球」とも称する)のうち、遊技領域5aの下端に開口しているアウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するためのものである。
アウト球検知部材3080は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120のアウト凹部1123内に後方から挿入され、遊技球Bが流通可能に前後方向へ筒状に延びている筒部3081と、筒部3081の内部を左右に分割している仕切部3082と、筒部3081の後端の外周から左右方向へ平板状に突出しているフランジ部3083と、筒部3081の後端と連続し遊技球Bを下方へ誘導して排出可能な後カバー3084と、を備えている(図114を参照)。アウト球検知部材3080は、筒部3081と後カバー3084との間にアウト口センサ3053が設けられている。
筒部3081は、アウト口2010と略同じ大きさであり、左右方向の幅が二つの遊技球Bが十分に並ぶ幅(遊技球Bが三つは並ばない幅)で、下側の内面が後方側へ向かって低くなるように傾斜している。仕切部3082は、筒部3081の後端付近に設けられており、左右両側において遊技球Bが一つ通過可能な大きさに仕切っている。仕切部3082は、前端側が、下方へ向かうに従って前方へ突出するように湾曲しており、遊技球Bの直径よりも短く前方へ突出している。
アウト球検知部材3080では、アウト口センサ3053が左右に並んで二つ設けられている。左側のアウト口センサ3053は、筒部3081内における仕切部3082の左側を流通した遊技球Bを検知するものであり、右側のアウト口センサ3053は、筒部3081内における仕切部3082の右側を流通した遊技球Bを検知するものである。アウト口センサ3053は、非接触タイプの電磁式の近接スイッチである。
二つのアウト口センサ3053は、遊技球Bの検知方向(遊技球Bが通過する検知孔の軸方向)が、筒部3081の下側の内面と平行になるように設けられている。これにより、筒部3081内を流通する遊技球Bの流通方向がアウト口センサ3053の部位でも変わらないため、アウト口センサ3053に対して遊技球Bをスムーズに検知させることができ、遊技球Bを速やかに排出してアウト口センサ3053の前側で滞ることを抑制させることができる。
このアウト球検知部材3080は、遊技盤5に組立てた状態で、筒部3081が遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120のアウト凹部1123内に挿入されている(図114を参照)。
アウト球検知部材3080は、遊技盤5に組立てた状態で、筒部3081の前端上部が、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後端よりも前方に突出している(図114を参照)。つまり、筒部3081内に、アウト誘導部1003の後端が挿入されている。また、後カバー3084の下端は、基板ホルダ1200の排出部1201を通って基板ホルダ1200の下面よりも下方に突出している。
このアウト球検知部材3080は、遊技領域5a内において、前構成部材1000の内レール1002又は右下レール1004の下流端まで流下した後に、アウト誘導部1003により後方へ誘導されてアウト口2010に受入れられた遊技球Bを、筒部3081内を通して、二つのアウト口センサ3053の何れかで検知した上で、後カバー3084により下方へ誘導して排出する。アウト球検知部材3080は、遊技球Bを、基板ホルダ1200上に当接させることなく、本体枠4の排出球受部628へ排出する。
本実施形態のアウト球検知部材3080によれば、左右に備えられている二つのアウト口センサ3053の間を仕切部3082で仕切っているため、センター役物2500の左側を流下した遊技球Bを左側のアウト口センサ3053側へ誘導することができると共に、センター役物2500の右側を流下してきた遊技球Bを右側のアウト口センサ3053側へ誘導することができる。従って、左右のアウト口センサ3053の夫々において、時間当りに検知される遊技球Bの数により、遊技者が「左打ち」の傾向にあるのか「右打ち」の傾向にあるのかを判別することができ、その判別に基づいて、遊技状況に最適な打込操作を促して、意図した遊技を楽しませることができる。
また、アウト球検知部材3080では、仕切部3082の前方への突出を短くして遊技球Bが乗り越え易いものとしているため、時間当りに多くの遊技球Bがアウト口2010に進入した時に、仕切部3082の比較的遊技球Bの流通量が少ない左側又は右側へ遊技球Bを逃がすことができ、アウト口2010において遊技球Bが滞ることなく排出することができる。
また、後カバー3084の下端を、基板ホルダ1200の排出部1201よりも下方へ突出させているため、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、第一サブアウト口2011、及び第二サブアウト口2012に受入れられて基板ホルダ1200上に排出された遊技球Bが、アウト球検知部材3080で逆流してアウト口センサ3053で検知されてしまうことを防止することができ、アウト口2010に受入れられた「アウト球」のみを正確に検知することができる。
なお、本実施形態では、アウト球検知部材3080を、裏ユニット3000に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、アウト球検知部材3080を遊技パネル1100に取付けるものとしても良い。この際に、遊技パネル1100として、アウト凹部1123を有しているものであれば、アウト球検知部材3080を取付けることができるため、アウト凹部1123を有した既存の遊技パネル1100に対応することができると共に、既存の遊技盤5に対して後付けすることができる。
また、本実施形態によれば、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006の何れにも受入れられなかった遊技球B(「アウト球」)を、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054により検知することができるため、例えば、特定の入賞口への遊技球Bの受入れが継続的に検知されているのにも関わらず、「アウト球」が検知されないような場合、特定の入賞口に対して不正行為が行われていることとなり、不正行為が行われている旨を報知することができる。
また、「アウト球」の検知により、その数をカウントすることができるため、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bの検知によりカウントされた「入賞球」の数と、「アウト球」の数と、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006への遊技球Bの受入れにより払出された「セーフ球」の数とから、パチンコ機1における「出玉率」を知ることができる。なお、図示は省略するが、遊技盤5の後側には、「出玉率」を表示する表示部が設けられている。
また、遊技盤5において、遊技領域5a内に打込まれた全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたり、遊技領域5a内から排出された全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたりした場合、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054により「アウト球」のみを検知しているため、「アウト球」、「入賞球」、及び「全球」、の夫々の数を比較することで、遊技盤5内における球詰りの発生を検知することができる。
[5−9d.裏後演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3100について、主に図137乃至図141等を参照して詳細に説明する。図137(a)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図138は裏後演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図139は裏後演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図140は、裏後演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。図141は、裏後演出ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100は、裏箱3010内の最も後方(後壁の前面)に取付けられている。裏後演出ユニット3100は、正面視の形状が下方へ開放されているコ字状で、裏箱3010の内形と略同じ大きさに形成されている。裏後演出ユニット3100は、左右方向へ延びている裏後可動装飾体3110と、裏後可動装飾体3110を上下方向へ移動させる裏後可動機構3120と、を備えている。
裏後可動装飾体3110は、左右方向へ延びており前面にレリーフ状の装飾が施されている透明平板状の装飾体3111と、装飾体3111の後方に設けられており前面に複数の第一LED3114a及び第二LED3114bが実装されている裏後装飾基板3114と、裏後装飾基板3114の後側を覆うように装飾体3111に取付けられている装飾体ベース3115と、を備えている。裏後装飾基板3114に実装されている複数の第一LED3114a及び第二LED3114bは、夫々が表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。裏後装飾基板3114の複数の第一LED3114a及び第二LED3114bにより、装飾体3111(裏後可動装飾体3110)を発光装飾させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111よりも左側で上下延びている左スライダ3116と、装飾体3111よりも右側で上下に延びている右スライダ3117と、を備えている。左スライダ3116は、下端付近から左方へ突出している可動用突起3116aと、上端付近から左方へ三角形状に突出しているロック用突起3116bと、上端に設けられている検知片3116cと、を有している。
裏後可動機構3120は、正面視の形状が下方へ開放されたコ字状に形成されており裏箱3010内に取付けられるユニットベース3121と、ユニットベース3121の左辺において円柱状に上下方向へ延びており裏後可動装飾体3110の左スライダ3116を上下方向へ移動可能に支持しているスライドシャフト3122と、スライドシャフト3122よりも左側でスライドシャフト3122と平行に上下に延びており、外周にスパイラル状の溝が形成されているスパイラルシャフト3123と、を備えている。
また、裏後可動機構3120は、スパイラルシャフト3123の下端に取付けられている平歯車状の伝達ギア3124と、伝達ギア3124と噛合している平歯車状のモータギア3125と、モータギア3125が回転軸に取付けられている裏後駆動モータ3126と、裏後駆動モータ3126をユニットベース3121の左辺の下端に取付けているモータベース3127と、スパイラルシャフト3123の上端を回転可能にユニットベース3121に取付けている上軸受部材3128と、スパイラルシャフト3123の下端付近を回転可能にユニットベース3121に取付けている下軸受部材3129と、を備えている。
また、裏後可動機構3120は、スパイラルシャフト3123に螺合されており裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aに対して下方から当接可能なスライドガイド3130と、スパイラルシャフト3123よりも左側で上下に延びていると共に昇降可能とされており下端側が上方からスライドガイド3130に当接可能とされている伝達スライダ3131と、伝達スライダ3131を上方へ付勢しているバネ3132と、伝達スライダ3131の昇降により前後方向の軸周りに回動するリンク部材3133と、リンク部材3133の回動により左右方向へスライドし裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bと当接可能なロック部材3134と、を備えている。
更に、裏後可動機構3120は、裏後可動装飾体3110の検知片3116cを検知する裏後上検知センサ3135と、スライドガイド3130の検知片3130aを検知する裏後下検知センサ3136と、裏後可動装飾体3110の左端側を前方から覆うようにユニットベース3121の左辺に取付けられている前左カバー3137と、裏後可動装飾体3110の右端側を前方から覆うようにユニットベース3121の右辺に取付けられている前右カバー3138と、前左カバー3137の前面下部に取付けられており裏後駆動モータ3126、裏後上検知センサ3135、及び裏後下検知センサ3136と演出駆動基板1720との接続を中継している裏後左中継基板3139と、ユニットベース3121と前右カバー3138との間に取付けられており裏後可動装飾体3110の裏後装飾基板3114と演出駆動基板1720との接続を中継している裏後右中継基板3140と、を備えている。
ユニットベース3121は、下方へ移動した裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の下面、及び右スライダ3117の下面、と当接して衝撃を吸収する衝撃吸収部材3121aを有している。スライドシャフト3122は、上端と下端とがユニットベース3121と前左カバー3137とで挟持されている。
スライドガイド3130は、下端付近から右方へ突出しており、裏後下検知センサ3136により検知される検知片3130aを有している。スライドガイド3130は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で上下方向へ摺動可能に設けられており、それらに接することでスパイラルシャフト3123の軸周りに対して回転不能とされている。スライドガイド3130は、上端面に裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aの下面が当接可能とされている。また、スライドガイド3130は、下面に伝達スライダ3131の下突部3131aの上端面が当接可能とされている。
伝達スライダ3131は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で上下方向へ移動可能に取付けられている。伝達スライダ3131は、前左カバー3137により、所定範囲内でのみ上下方向へ移動可能とされている。伝達スライダ3131は、下端側において右方へ突出している下突部3131aと、上端側において右方へ突出している上突部3131bと、上突部3131bの上端付近から後方へ円柱状に突出している突起ピン3131cと、を備えている。伝達スライダ3131は、下突部3131aの上面に、スライドガイド3130の下面が当接可能とされている。また、伝達スライダ3131は、突起ピン3131cが、リンク部材3133の第一スリット3133a内に摺動可能に挿入される。
バネ3132は、上端側がユニットベース3121に取付けられていると共に、下端側が伝達スライダ3131の上突部3131bに取付けられており、伝達スライダ3131を上方へ付勢している。
リンク部材3133は、正面視の形状が、各頂点がR面取りされた三角形に形成されている。リンク部材3133は、一つの頂点付近でユニットベース3121に前後方向の軸周りに対して回転可能に取付けられている。リンク部材3133は、回転軸から左方の頂点付近において回転軸の方向へ延びた長孔状の第一スリット3133aと、回転軸から上方の頂点付近において回転軸の方向へ延びた長孔状の第二スリット3133bと、を有している。リンク部材3133は、第一スリット3133aに伝達スライダ3131の突起ピン3131cが摺動可能に挿入されると共に、第二スリット3133bにロック部材3134の伝達ピン3134aが摺動可能に挿入される。
ロック部材3134は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で、前左カバー3137により左右方向へスライド可能に取付けられている。
ロック部材3134は、後方へ円柱状に突出しており、リンク部材3133の第二スリット3133b内に摺動可能に挿入される伝達ピン3134aと、平坦状の上端面を形成していると共に左右方向へ延びており裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下面が当接可能な当接面3134bと、当接面3134bの右端から下方へ向かうに従って左方へ移動するように傾斜しており、ロック用突起3116bが当接可能な案内面3134cと、を有している。
前右カバー3138は、ユニットベース3121と協働して裏後可動装飾体3110の右スライダ3117を上下方向へ摺動可能に支持している。
続いて、裏後演出ユニット3100の動作について説明する。裏後演出ユニット3100は、通常の状態では、図140(図141(a))に示すように、裏後可動装飾体3110が、上方へ移動した退避位置の状態となっており、スライドガイド3130がスパイラルシャフト3123の上端付近に位置していると共に、ロック部材3134が右方へ移動してロック位置に位置している。この状態では、スライドガイド3130の上端面に裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の可動用突起3116aの下面が当接していると共に、ロック部材3134の当接面3134bに、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下面が当接している。
通常の状態では、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力により上方への移動端に位置している。そして、伝達スライダ3131の突起ピン3131cがリンク部材3133の第一スリット3133aに挿入されていると共に、リンク部材3133の第二スリット3133bにロック部材3134の伝達ピン3134aが挿入されていることから、バネ3132の付勢力が、リンク部材3133が回転軸を中心として時計回りの方向へ作用していると共に、ロック部材3134が右方へスライドする方向へ付勢されている。従って、ロック部材3134が、バネ3132の付勢力により、ロック位置の状態に維持されている。
この状態では、裏後可動装飾体3110が、スライドガイド3130とロック部材3134の二つにより、下方への移動が規制されている。従って、何らかの理由(不具合)により、スライドガイド3130及びロック部材3134の何れかが、当該位置から移動しても、残りにより裏後可動装飾体3110の下方への移動(落下)を阻止することができる。
また、通常の状態では、リンク部材3133の第一スリット3133aがリンク部材3133の回転軸よりも上方に位置していると共に、ロック部材3134の伝達ピン3134aが挿入されている第二スリット3133bが回転軸よりも右方に位置している。また、裏後上検知センサ3135が裏後可動装飾体3110の検知片3116cを検知していると共に、裏後下検知センサ3136がスライドガイド3130の検知片3130aを非検知としている。
裏後演出ユニット3100は、退避位置の通常の状態では、裏上演出ユニット3400の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能となっている。
この通常の状態で、裏後駆動モータ3126によりスパイラルシャフト3123を所定方向(ここでは、平面視において反時計回りの方向)へ回転させると、スパイラルシャフト3123に螺合されているスライドガイド3130が下方へ移動する。このスライドガイド3130が下方へ移動しても、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bがロック部材3134と当接しているため、裏後可動装飾体3110は退避位置から下方へ移動することはなく、スライドガイド3130のみが裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aから離れて下方へ移動することとなる。
そして、スパイラルシャフト3123の回転によりスライドガイド3130が下方へ移動して、その検知片3130aが裏後下検知センサ3136により検知されると、スライドガイド3130の下面が伝達スライダ3131の下突部3131aの上端面に当接する(図141(b)を参照)。裏後下検知センサ3136がスライドガイド3130の検知片3130aを検知としている状態で、更にスライドガイド3130が下方へ移動すると、スライドガイド3130が、伝達スライダ3131の下突部3131aを下方へ押圧し、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力に抗してスライドガイド3130と一緒に下方へ移動することとなる。
この伝達スライダ3131が下方へ移動することで、伝達スライダ3131の突起ピン3131cが挿入されているリンク部材3133の第一スリット3133aが下方へ押圧され、リンク部材3133がその回転軸を中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。そして、リンク部材3133が反時計周りの方向へ回動することにより、リンク部材3133の第二スリット3133bが左方へ移動することとなり、第二スリット3133bに挿入されている伝達ピン3134aを介してロック部材3134が左方へ移動することとなる(図141(c)を参照)。
ロック部材3134が裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bよりも左方へ移動すると、ロック部材3134によるロック(下方への規制)が解除され、裏後可動装飾体3110が落下する。この際に、下方へ移動しているスライドガイド3130の検知片3130aが、裏後下検知センサ3136に対して非検知の状態となり、裏後駆動モータ3126の回転が停止する。
そして、落下した裏後可動装飾体3110は、ユニットベース3121の衝撃吸収部材3121aに当接することにより、落下が停止して出現位置の状態となる(図141(c)を参照)。この出現位置の状態では、スライドガイド3130が、裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の下端よりも下方に位置しており、裏後可動装飾体3110が当接することはない。
裏後演出ユニット3100は、裏後可動装飾体3110が落下した出現位置の状態では、裏後可動装飾体3110が前方(遊技者側)から視認可能となる。この状態で、裏後装飾基板3114に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後可動装飾体3110(装飾体3111)を発光装飾させることができ、裏後可動装飾体3110の発光装飾により遊技者を楽しませることができる。
裏後可動装飾体3110を下方の移動端の出現位置から、通常の状態の退避位置へ復帰させる場合は、裏後駆動モータ3126によりスパイラルシャフト3123を逆方向(ここでは、平面視において時計回りの方向)へ回転させて、スライドガイド3130を上方へ移動させる。このスライドガイド3130が上方へ移動すると、スライドガイド3130と一緒に、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力により上方へスライドする。そして、伝達スライダ3131が上方へ移動することで、上記とは逆に、リンク部材3133が時計回りの方向へ回動すると共に、ロック部材3134が右方へ移動し、ロック位置で停止することとなる。
また、スライドガイド3130が上方へ移動することで、下突部3131aの上端面が裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aの下面に当接することとなり、スライドガイド3130が可動用突起3116aを上方へ押圧することで、裏後可動装飾体3110が上方へ移動することとなる(図141(d)を参照)。
そして、スライドガイド3130により裏後可動装飾体3110が退避位置付近まで上方へ移動すると、ロック用突起3116bがロック部材3134の案内面3134cに下方から当接することとなる。ロック用突起3116bが案内面3134cに下方から当接して、ロック用突起3116bが案内面3134cを上方へ押圧すると、案内面3134cの傾斜により、ロック部材3134に左方へ移動させようとする力が作用することとなり、伝達スライダ3131及びリンク部材3133を介して右方へ移動させようとするバネ3132の付勢力に抗して、ロック部材3134が右方へスライドする。
裏後可動装飾体3110の上方への移動により、ロック用突起3116bがロック部材3134の案内面3134cの上端よりも上方に位置すると、案内面3134cに対するロック用突起3116bによる上方への押圧が無くなり、ロック部材3134がバネ3132の付勢力により右方へスライドしてロック位置の状態となる。これにより、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下方に、ロック部材3134の当接面3134bの右端側が位置した状態となり、ロック部材3134により裏後可動装飾体3110の下方への移動を規制することができる。
この際に、裏後可動装飾体3110の検知片3116cが裏後上検知センサ3135により検知され、裏後駆動モータ3126の回転が停止する。このようにして、裏後可動装飾体3110が、出現位置から、通常の状態である退避位置の状態に復帰することができる。
本実施形態の裏後演出ユニット3100によれば、左右に延びた裏後可動装飾体3110を、遊技者側から視認不能な退避位置の状態から、視認可能となる出現位置の状態へ落下させることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、裏後可動装飾体3110を退避位置の状態でロック(規制)しているロック部材3134を、左方へ移動させることでロックを解除するようにしているため、前後方向の軸周りに回動させてロックを解除するようにした場合と比較して、ロックの解除の際に裏後可動装飾体3110が上方へ移動することなく落下させることができる。
[5−9d−1.裏後可動装飾体]
続いて、裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3110について、主に図142乃至図156を参照して詳細に説明する。図142は、裏後可動装飾体を裏後装飾基板と共に示す正面図である。図143(a)は図142におけるD−D線で切断した断面図であり、(b)は図142におけるE−E線で切断した断面図である。図144(a)は裏後可動装飾体を前から見た斜視図であり、(b)は裏後可動装飾体を後ろから見た斜視図である。図145は裏後可動装飾体を分解して前から見た分解斜視図であり、図146は裏後可動装飾体を分解して後ろから見た分解斜視図である。図147は裏後可動装飾体の一部を拡大して示す正面図であり、図148は図147の正面図に導光放射板と裏後装飾基板とを破線で示す説明図である。図149(a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す正面図であり、(b)は(a)の装飾体と同じ部位における装飾シートの一部を示す正面図であり、(c)は(a)の装飾体と同じ部位における導光放射板と裏後装飾基板の一部を示す正面図である。
また、図150は、図143(a)の上部を拡大して示す拡大断面図である。図151は、図150の断面図を分解して示す分解図である。図152は、裏後可動装飾体の正面の一部を拡大して装飾体及び装飾シートによる装飾と導光放射板及び裏後装飾基板との関係を示す説明図である。図153(a)は第一LEDの部位における導光放射板と裏後装飾基板との関係を断面で示す説明図であり、(b)は第一LEDの光軸上に第二LEDが位置している部位における導光放射板の作用を正面から示す説明図であり、(c)は装飾体及び装飾シートにおける第二装飾部に対する導光放射板のLED収容部及び裏後装飾基板の第一LEDの配置例を正面から示す説明図である。図154は、裏後装飾基板の一部を拡大して回路パターンの銅箔と共に示す正面図である。図155(a)は裏後装飾基板の正面図であり、(b)は裏後装飾基板の背面図である。図156(a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(b)は(a)とは異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(c)は(a)及び(b)とは更に異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図である。
裏後可動装飾体3110は、図142等に示すように、左右方向に延びており、前方から見た時に所定の装飾からなる装飾部3150が施されている。詳述すると、裏後可動装飾体3110の装飾部3150は、正面視において、左右両端付近に夫々設けられている二つの第一装飾部3151と、二つの第一装飾部3151の間で左右方向へ列設されている複数の第二装飾部3152と、を有している。第一装飾部3151は、夫々一つの桜の花を模している。また、第二装飾部3152は、図示は省略するが、夫々が所定の文字を模しており、左右に列設されていることで本パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定のロゴを形成している。このように、裏後可動装飾体3110は、二つの桜の花の間にロゴをあしらったが装飾が施されている。
裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3110は、図142乃至図146等に示すように、左右方向へ延びており浮彫状(レリーフ状)の凹凸により装飾部3150の一部を構成する装飾を有している透明平板状の装飾体3111と、装飾体3111の後方に設けられ装飾部3150の残りを構成している装飾(絵柄)が施された透光性を有する部位(領域)と透明な部位(領域)とを有するシート状の装飾シート3112と、装飾シート3112の後方に設けられている透明平板状の導光放射板3113と、導光放射板3113の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数の第一LED及び第二LEDが実装されている裏後装飾基板3114と、裏後装飾基板3114の後側を覆うように装飾体3111に取付けられている平板状の装飾体ベース3115と、装飾体3111よりも左側で上下に延びている左スライダ3116と、装飾体3111よりも右側で上下に延びている右スライダ3117と、を備えている。
なお、裏後装飾基板3114の表面(実装面)に実装される複数の第一LED及び第二LED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏後装飾基板3114の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明平板状の装飾体3111の後方には、透光性を有する部位(領域)と透明な部位(領域)とを有するシート状の装飾シート3112、透明平板状の導光放射板3113、そして裏後装飾基板3114が順番に配置されているため、装飾シート3112に透光性を有する部位(領域)が存在するものの、裏後装飾基板3114の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が導光放射板3113、シート状の装飾シート3112、そして装飾体3111を介して、視認可能となっており、第一LED及び第二LEDが消灯している状態において、透光性を有する部位(領域)と対応する領域であって所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色の存在を確認することができる程度であり、所定の塗料の色が、文字や記号を示しているのか、形状を示しているか、判別することができないのに対して、透明な部位(領域)と対応する領域であって所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
[5−9d−2.裏後可動装飾体の装飾体]
装飾体3111は、前面側及び後面側の一般面が平坦に形成されている。装飾体3111は、前面側の一般面から前方へ突出している第一装飾突部3111aと、第一装飾突部3111aよりも短く前方へ突出している第二装飾突部3111bと、第二装飾突部3111bよりも短く前方へ突出している第三装飾突部3111cと、を有している。第一装飾突部3111aは、第一装飾部3151や第二装飾部3152の輪郭となる部位に設けられている。第一装飾部3151の部位における第一装飾突部3111aは、桜の花を模した第一装飾部3151の花弁の外周と、中央の雄しべ及び雌しべを模した部位と、に夫々が形成されている。第二装飾部3152の部位における第一装飾突部3111aは、夫々の第二装飾部3152の外周を二重(二条)に囲むように形成されている。第一装飾突部3111aは、前面が前方へ膨出するように湾曲している。
第二装飾突部3111bは、第一装飾部3151や第二装飾部3152の外側に設けられている。第二装飾突部3111bは、第一装飾部3151よりも小さい桜の花や花弁を模した形状に形成されている。第二装飾突部3111bは、前面が前方へ膨出するように湾曲している。
第三装飾突部3111cは、第一装飾突部3111aの枠内に設けられている。第一装飾部3151に対応している部位の第三装飾突部3111cは、前面が湾曲している。また、第二装飾部3152に対応している部位の第三装飾突部3111cは、前面が平坦である。
装飾体3111の第一装飾突部3111a及び第三装飾突部3111cは、装飾部3150における第一装飾部3151と第二装飾部3152の夫々の一部を構成している。
また、装飾体3111は、第一装飾突部3111aにおける第二装飾突部3111bよりも前方に突出している部位(第一箔押領域(図156(a)を参照))に金属光沢を持った金属装飾部3111d(図147乃至図149において、濃淡の濃い網掛け部分)を有している。装飾体3111は、金属装飾部3111dを除いた全体が、無色透明に形成されている。本実施形態の金属装飾部3111dは、図150及び図156(a)等に示すように、第一装飾突部3111aの湾曲している前面の部位に設けられており、第一装飾突部3111aの側面の部位には設けられていない。これにより、第一装飾突部3111aの側面にも金属装飾部3111dを設けた場合と比較して、装飾体3111の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの沿面距離ELをより長くすることができ、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができる。
装飾体3111は、前方へ突出した第一装飾突部3111aの湾曲している前面に沿って金属装飾部3111dが設けられているため、金属装飾部3111dの金属光沢により高級感を付与することができると共に、金属装飾部3111dの湾曲により第一装飾突部3111aの立体感をより強調することができる。金属装飾部3111dは、第二装飾部3152において、図148等に示すように、裏後装飾基板3114の第一LED3114aの前方となる部位に設けられており、第一LED3114aや導光放射板3113の第一LED収容部3113cを、前方から見え難くしている。
また、金属装飾部3111dを、第一装飾突部3111aの前面にのみ設けているため、後方の裏後装飾基板3114の第一LED3114a等からの光を、金属装飾部3111dの裏面(後面)により後方へ反射させて、後方に設けられている装飾シート3112の前面を照らすことができ、装飾シート3112の装飾(第一輪郭部3112a)をより見え易くすることができる。
この金属装飾部3111dは、所定色(本実施形態では金色)の金属箔を、ホットスタンピングによる箔押しによって形成したものである。詳述すると、まず、合成樹脂の射出成形により装飾体3111の完成前の中間品を成形する。形成した装飾体3111の中間品を、第一装飾突部3111a等が突出している前面側を上方へ向けた状態で、ホットスタンプ装置の所定位置に装着する。この際に、装飾体3111の中間品の上方には、所望の金属箔を有した転写シートと、下面側が弾性を有し所定の温度に加熱された平板状のホットプレートとが配置されている。そして、ホットプレートを、装飾体3111の中間品における第一装飾突部3111aの上端から下方へ所定距離の位置(第二装飾突部3111bの上端よりも高い位置)まで下降させて、ホットプレートの熱により転写シートの金属箔を第一装飾突部3111aに転写(箔押し)する。これにより、装飾体3111における第二装飾突部3111bよりも上方(前方)の第一箔押領域FS1の部位に、金属装飾部3111dが形成された状態となる(図156(a)を参照)。
本実施形態の金属装飾部3111dの形成に用いるホットスタンプ装置のホットプレートは、転写シートの金属箔の転写先となる装飾体3111と当接する部位が、弾性を有しているため、転写先(第一装飾突部3111aの前面)が、平坦でなく湾曲していても、その面に沿って弾性変形することができ、湾曲面等の立体的な形状の部位にも金属箔を良好な状態で転写させる(箔押しさせる)ことができる。これにより、金属装飾部3111dを、メッキや蒸着により形成する場合と比較して、大がかりな設備を必要とせず、容易に形成することができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、装飾体3111において、第一装飾突部3111aの先端部分にのみ金属装飾部3111dを設けたものを示したが、これに限定するものではない。例えば、ホットスタンプ装置により金属装飾部3111dを形成する際に、ホットプレートを、第二装飾突部3111bよりも低く、第三装飾突部3111cよりも高い位置まで下降させることで、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bの先端部分に金属装飾部3111dを設け装飾体3111を形成することができる。
或いは、装飾体3111の完成前の中間品を、ホットスタンプ装置に装着した状態で、初めに、所定の色の金属箔(第一金属箔)を有した転写シートを用いてホットプレートを、第二装飾突部3111bよりも低く第三装飾突部3111cよりも高い位置(第二箔押領域FS2)まで下降させて、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bの先端部分に第一金属箔を転写する。続いて、第一金属箔とは異なる色の金属箔(第二金属箔)を有した転写シートを用いてホットプレートを、第一装飾突部3111aよりも低く第二装飾突部3111bよりも高い位置(第一箔押領域FS1)まで下降させて、第一装飾突部3111aの先端部分に第二金属箔を転写する(図156(b)を参照)。これにより、装飾体3111の中間品に対してマスキング処理を行うことなく、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bとで異なる色の金属装飾部3111dを備えた装飾体3111を形成することができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3111の金属装飾部3111dを、ホットスタンピング(箔押し)により形成したものを示したが、これに限定するものではない。例えば、装飾体3111の完成前の中間品の表面に、メッキや蒸着により金属膜を形成した後に、レーザー光により第一装飾突部3111aを除いた部位の金属膜を剥離(レーザー剥離)させて、第一装飾突部3111aに金属装飾部3111dを有した装飾体3111を形成するようにしても良い。この際に、図156(c)に示すように、金属装飾部3111dが、第一装飾突部3111aの先端部分に加えて側面の部位にも設けられていても良い。
裏後可動装飾体3110の装飾体3111は、後面側の一般面から前方へ向かって凹んでいる後凹部3111eを有している。後凹部3111eは、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111c、と対応するように設けられている。この後凹部3111eにより、装飾体3111の板厚を均等化して、射出成形時の樹脂のヒケによる変形を抑制することができるようにしている。
装飾体3111の後凹部3111eは、平坦な後面における第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cと対応している部位に、前方へ凹むように設けていることから、後凹部3111eを除いた後面の平坦な部位が、装飾シート3112における後述する第一輪郭部3112aの前面に当接することとなる。これにより、装飾体3111の後面と装飾シート3112の第一輪郭部3112aとが密着することとなるため、装飾体3111の後面と第一輪郭部3112aとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体3111を通して装飾シート3112の第一輪郭部3112aの絵柄等を鮮明に視認させることができる。
また、後凹部3111eは、第三装飾突部3111cと対応している部位に設けられていることから、装飾シート3112における後述する第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの前方となる部位に設けられている。これにより、後凹部3111eの部位では、装飾シート3112の前面との間に隙間が形成されることとなるため、その隙間によって、前方から装飾体3111の後凹部3111eの部位に照射された光が、装飾シート3112の前面と後凹部3111eの後面との間で乱反射することとなり、前方からの光により後凹部3111eの部位が明るくなる。これにより、裏後装飾基板3114の第一LED3114aや第二LED3114bを発光させていなくても、前方からの光によって装飾シート3112における第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位、つまり、桜の花を模した第一装飾部3151とロゴを構成している複数の第二装飾部3152とが明るくなり、前方から見え易くなる。
更に、装飾体3111は、後面から後方へ円柱状に突出している複数の取付ボス3111fを有している。取付ボス3111fは、装飾体3111の後側に装飾体ベース3115を取付けるためのものである。取付ボス3111fは、第三装飾突部3111cの真後ろとなる部位に設けられている。これにより、第三装飾突部3111cのレンズ作用により前方(遊技者側)から取付ボス3111fが見え辛いようになっている。換言すると、取付ボス3111fの前方となる部位に第三装飾突部3111cを設けており、第三装飾突部3111cのレンズ作用により取付ボス3111fを前方から視認し難いようにしている。
[5−9d−3.裏後可動装飾体の装飾シート]
装飾シート3112は、薄いシート状で、装飾体3111の外形と略同じ大きさの外形に形成されている。装飾シート3112は、透明な樹脂シートの後面に、絵柄を施したものである。装飾シート3112は、第一装飾部3151及び第二装飾部3152よりも外側で装飾体3111の第二装飾突部3111bの後方を除いた部位と第一装飾部3151の中央部分とに設けられている第一輪郭部3112aと、第二装飾部3152と対応し装飾体3111の二重に形成されている第一装飾突部3111aの間となる部位に設けられている第二輪郭部3112bと、第一装飾部3151と対応し装飾体3111の第一装飾突部3111aの内側となる部位(第三装飾突部3111cの後方となる部位)に設けられている第一光拡散部3112cと、第二装飾部3152と対応し装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111aの内側となる部位(第三装飾突部3111cの後方となる部位)に設けられている第二光拡散部3112dと、を有している。
また、装飾シート3112は、装飾体3111における第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cの後方となる部位に設けられている透明な透過部3112eを、更に有している。
装飾シート3112の第一輪郭部3112aは、図149(b)等に示すように、第一装飾部3151とよりも小さい桜の花を模した絵柄の部位を有しており、残りの部位が、ホログラムにより光の干渉縞が表示される部位とされている。第一輪郭部3112aは、不透明に形成されている。本実施形態では、第一輪郭部3112aにおけるホログラムの部位は、装飾体3111の金属装飾部3111dと同じ金色とされている。また、第一輪郭部3112aにおける桜の花を模した部位は、白色や桃色(本実施形態における桃色は、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った色となっている。)を用いて着色されている。なお、絵柄等に用いられるインク(塗料)に、粒子状にキラキラ光るグリッターを有したものを用いても良い。
この第一輪郭部3112aは、裏後可動装飾体3110を正面から見た時に、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)よりも外側の後方に位置していると共に、金属装飾部3111dと同じような色(本実施形態では、金色)の部位を有しているため、第一輪郭部3112aと金属装飾部3111dとによる装飾に対する連続性を付与することができる。従って、第一輪郭部3112aと金属装飾部3111dとの遠近感を強調することができ、裏後可動装飾体3110の薄さを感じさせ難くすることができる。
また、第一輪郭部3112aは、後面側が明るい灰色又は白色に形成されている。これにより、前面側の絵柄やホログラムの発色を良くしている。また、第一輪郭部3112aの明るい灰色又は白色からなる後面により、導光放射板3113から前方へ放射された光を後方へ反射させて導光放射板3113へ戻すことができることから、導光放射板3113をより明るく発光させることができるため、装飾シート3112における透光性を有する部位から前方へ放射される光量をより多くすることができ、裏後可動装飾体3110をより明るく発光装飾させることができると共に、裏後可動装飾体3110の装飾部3150をより均一に発光装飾させることができる。
更に、第一輪郭部3112aは、装飾体3111における第一装飾突部3111aや第二装飾突部3111bの外側に設けられていることから、装飾体3111の後面における後凹部3111eを除いた平坦な部位の後方に設けられている。これにより、第一輪郭部3112aの前面に透明な装飾体3111の平坦な後面が面で当接して密着することとなるため、装飾体3111の後面と第一輪郭部3112aとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体3111を通して装飾シート3112の第一輪郭部3112aの絵柄やホログラムを前方から鮮明に視認することができる。
装飾シート3112の第二輪郭部3112bは、図示するように、所定幅の黒色の線状に形成されている。この第二輪郭部3112bは、第二装飾部3152における装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)の間の部位の後方に位置している。つまり、黒色の第二輪郭部3112bを、二重に形成されている金色の金属装飾部3111dの間に設けているため、第二輪郭部3112bの黒色により、二重の金属装飾部3111dを引き立たせることができ、当該金属装飾部3111dの装飾効果をより高めさせることができる。
装飾シート3112の第一光拡散部3112cは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。詳述すると、第一光拡散部3112cは、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されている。本実施形態では、第一光拡散部3112cの部位に、図149(b)等に示すように、第一装飾部3151により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなる)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されている。このようなことから、第一光拡散部3112cに後方から光を放射するための裏後装飾基板3114の第一LED3114aを発光させると、第一光拡散部3112cの梨肌状のパターンにより、僅かな濃淡が現れることとなり、桜の花を模した第一装飾部3151の発光装飾に立体感を付与することができる。
装飾シート3112の第二光拡散部3112dは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。この第二光拡散部3112dは、図147乃至図149において、濃淡の薄い網掛けにより示すように、夫々の第二装飾部3152における装飾体3111の第一装飾突部3111aの内側の全体に設けられている。第二光拡散部3112dは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。第二光拡散部3112dを形成している複数の微細な凹凸は、縦横に対して一定の間隔で網点状のパターンに形成されている。本実施形態の第二光拡散部3112dは、半透明の乳白色に形成されている。このようなことから、第二光拡散部3112dに後方から光を放射するための裏後装飾基板3114の第一LED3114aを発光させると、第二光拡散部3112dの網点状のパターンにより、所定の文字からなる第二装飾部3152を均一な明るさで発光装飾させることができる。
装飾シート3112の第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dは、装飾体3111における第一装飾突部3111aの内側となる部位の後方に設けられており、装飾体3111の当該部位の後面には前方へ凹んだ後凹部3111eが設けられている。従って、装飾シート3112を装飾体3111の後面に当接させると、第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位では、装飾体3111の後凹部3111eの存在により、前面に隙間が形成された状態となる。その隙間によって、前方から装飾体3111の後凹部3111eの部位に照射された光が、装飾シート3112の前面と後凹部3111eの後面との間で乱反射することとなり、前方からの光により第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dが明るくなる。これにより、裏後装飾基板3114の第一LED3114aや第二LED3114bを発光させていなくても、前方からの光によって装飾シート3112における第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位、つまり、桜の花を模した第一装飾部3151とロゴを構成している複数の第二装飾部3152とが明るくなり、前方から見え易くなる。
装飾シート3112は、第一輪郭部3112a、第二輪郭部3112b、第一光拡散部3112c、及び第二光拡散部3112dによって、所定の絵柄を形成しており、裏後可動装飾体3110の装飾部3150における装飾体3111による装飾を除いた残りを構成している。本実施形態の装飾シート3112は、第一輪郭部3112a、第二輪郭部3112b、第一光拡散部3112c、及び第二光拡散部3112dが、ベースとなる透明なシートの後面側に設けられている。装飾シート3112の第一輪郭部3112a及び第二輪郭部3112bは、印刷により形成されている。また、装飾シート3112の第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dは、所定の光拡散フィルム(ディフューザーフィルム)の貼付けにより形成されている。なお、第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dを、レンズフィルムやプリズムフィルムとしても良い。
装飾シート3112の透過部3112eは、透明に形成されている。この透過部3112eは、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)の後方に設けられていることから、裏後装飾基板3114の第一LED3114aの発光により導光放射板3113から前方へ放射された光の一部を透過させて、第一装飾突部3111aに照射させることができる。この際に、前方へ突出している第一装飾突部3111aでは、前面側のみに金属装飾部3111dが設けられ、側面側が透明なままであるため、透過部3112eを通して後方から第一装飾突部3111aへ照射された光が、第一装飾突部3111aの側面から外部に漏れることとなる。このようなことから、透過部3112eを透過した光により、第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)に後光がさしているような発光装飾を遊技者に見せることができる。また、透過部3112eを透過して第一装飾突部3111aの側面から外部へ放射された光により、第一装飾突部3111aの外側に位置している第一輪郭部3112aを前方から照らすことができるため、第一輪郭部3112aに設けられている絵柄やホログラムをより見え易くすることができ、第一輪郭部3112aによる装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
本実施形態の装飾シート3112は、装飾体3111と略同じ大きさに形成されているため、絵柄やホログラムを有した第一輪郭部3112aにより、装飾体3111の外周縁まで装飾することができ、裏後可動装飾体3110の装飾を大きく見せることができる。また、装飾シート3112を装飾体3111と略同じ大きさにしていることから、裏後可動装飾体3110の装飾が縁取りされていない状態となるため、裏後可動装飾体3110を出現位置へ移動させた時に、後方に設けられている演出表示装置1600に裏後可動装飾体3110の装飾と連続するような演出画像を表示させることで、一体感のある演出を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態の装飾シート3112では、装飾体3111の金属装飾部3111d(第一装飾突部3111a)の後方に透明な透過部3112eを設けたものを示したが、これに限定するものではない。例えば、第一輪郭部3112aを、金属装飾部3111dの後方となる部位にも設けるようにしても良い。これにより、裏後可動装飾体3110を斜め前方から見た時に、装飾体3111における第一装飾突部3111aの透明な側面と装飾シート3112における透明な透過部3112eとを通して後方が見えてしまうことで、裏後可動装飾体3110の装飾部3150の見栄えが悪くなることを回避させることができる。また、第一輪郭部3112aを金属装飾部3111dの後方の部位まで設けるようにすることで、装飾体3111における第一装飾突部3111aの透明な側面を通して、第一輪郭部3112aにおける第一装飾突部3111aの後方に位置している部位が見えることとなるため、第一輪郭部3112aの当該部位により第一装飾突部3111aの側面を装飾することができ、金属装飾部3111dが第一装飾突部3111aの前面にのみ設けられていても、装飾部3150の見栄えを良くすることができる。
[5−9d−4.裏後可動装飾体の導光放射板]
導光放射板3113は、図145及び図146等に示すように、左右に延びた透明平板状の本体部3113aと、本体部3113aの外周縁から後方へ延出しているフランジ部3113bと、本体部3113aを前後方向に貫通しており裏後装飾基板3114の第一LED3114aが挿入される複数の第一LED収容部3113cと、本体部3113aを前後方向に貫通しており裏後装飾基板3114の第二LED3114bが挿入される複数の第二LED収容部3113dと、本体部3113aの後面の略全面に亘って設けられている複数の反射部3113eと、本体部3113aの後面における第一LED収容部3113cの周縁から後方へ突出している脚部3113fと、脚部3113fにおける第一LED収容部3113cとは反対側の後端辺に沿って設けられている補助反射部3113gと、を有している。
また、導光放射板3113は、本体部3113aの正面視右端から下方へ延出している右スライダ前部3113hを、有している。
導光放射板3113の本体部3113aは、装飾シート3112の後面が当接する前面が平坦に形成されている。フランジ部3113bは、本体部3113aの厚さの1.5倍ほど後方へ突出している。このフランジ部3113bは、図150等に示すように、裏後可動装飾体3110に組立てた状態で、後端が裏後装飾基板3114よりも後方に突出している。
第一LED収容部3113cは、内周形状が長方形に形成されている。複数の第一LED収容部3113cは、図148に示すように、裏後可動装飾体3110を前方から見た時に、装飾部3150における透明度の低い部位の後方に設けられている。詳述すると、第一装飾部3151の部位では、複数の第一LED収容部3113cが、装飾シート3112の第一光拡散部3112cにおけるドットによる桃色の濃淡の濃くなっている部位の後方に設けられている。詳述すると、第一装飾部3151の部位に設けられている第一LED収容部3113cは、桜の花を摸した五つの花弁の夫々において、装飾体3111の第一装飾突部3111aよりも中心側で、内周が長方形の長辺の中央が、花弁の中心線上に位置するように設けられている。
一方、第二装飾部3152の部位に設けられている複数の第一LED収容部3113cは、装飾体3111の金属装飾部3111d及び装飾シート3112の第二輪郭部3112bの後方に位置するように設けられている。このようなことから、複数の第一LED収容部3113c(第一LED3114a)が、前方から視認し難いようになっている。
また、複数の第一LED収容部3113cは、第二装飾部3152の部位において、第二装飾部3152の外周を囲むように設けられている。また、複数の第一LED収容部3113cは、互いがある程度接近している場合、図149(c)及び図153(c)等に示すように、夫々の第一LED収容部3113c同士が互いに繋がった状態に形成されている。接近している第一LED収容部3113c同士を繋げていることで、本体部3113aにおいてその厚さよりも細くなる部位が形成されてしまうことを回避させることができ、導光放射板3113を破損し難いものとすることができる。
ところで、第一LED収容部3113cは、内周が長方形で本体部3113aを貫通している。これにより、本体部3113aの内部(板厚内)で本体部3113aの面(前面や後面)に沿った方向へ導光されている光が、第一LED収容部3113cに到達すると、その光の一部が、第一LED収容部3113cの内周面により本体部3113aの内部側へ真直ぐに反射させられると共に、残りが、第一LED収容部3113cの内周面を通って第一LED収容部3113cの内側へ放射されることとなる。そして、第一LED収容部3113cの内周面の四面の一つから内部に放射された光が、内周面の別の面に到達すると、当該面において一部が第一LED収容部3113cの内側へ反射し、残りが本体部3113aの内部に入射することとなる。つまり、本体部3113aの内部において、本体部3113aの面に沿った方向へ導光されている光が、第一LED収容部3113cを通過しようとすると、第一LED収容部3113cの内側へ放射する内周面の部位と、第一LED収容部3113cにおける本体部3113a側へ入射する内周面の部位とで、当該光の一部が夫々反射するため、第一LED収容部3113cを通過した光の光量は、通過する前と比較して大きく減少することとなる。
このようなことから、第一LED収容部3113cによって、本体部3113aの内部において本体部3113aの面に沿った方向へ導光されている光を遮ることができる。なお、この第一LED収容部3113cの内部には、裏後装飾基板3114の第一LED3114aが収容されるため、第一LED収容部3113cを通過しようとする光を、第一LED3114aにより遮ることができ、第一LED3114aが収容されている部位では、第一LED収容部3113cの反対側へ光が通過しないようになっている。これにより、第二装飾部3152の外周形状に対して、第一LED収容部3113cを最適な位置に設けることで、当該第一LED収容部3113cに収容されている第一LED3114aからの光が、別の第二装飾部3152へ導光されて発光装飾させてしまうことを回避させることができ、複数の第二装飾部3152において所望の第二装飾部3152のみを確実に発光装飾させることができる。
上記のような第一LED収容部3113cの作用について更に詳述すると、例えば、図153(c)に示すように、「い」「ろ」「は」「☆」の複数の第二装飾部3152を発光装飾させるために、夫々の第二装飾部3152の外周に第一LED収容部3113cを設けると共に、夫々の第一LED収容部3113c内に第二装飾部3152の内側へ向けて光が照射されるように第一LED3114aを設ける。この実施形態では、「い」と「ろ」の間と、「ろ」と「は」の間に設けられている第一LED収容部3113cが、互いに接近していることから、夫々が互いに繋がって一つの孔となっている。これにより、導光放射板3113の本体部3113aにおいて、破損し易い細い部位が形成されることはない。また、この実施形態では、「い」の下方に配置されている「☆」を発光装飾させるための第一LED収容部3113c及び第一LED3114aを、「☆」の下側に設けている。そのため、「☆」を発光装飾させるための第一LED3114aを発光させると、「☆」の上方に設けられている「い」が発光装飾されてしまう恐れがあるが、「☆」の左上に設けられている「い」の一部を発光装飾させるための第一LED3114aが収容されている第一LED収容部3113cに、「☆」の上方を覆うように延出している延出部3113jを設けている。この延出部3113jにより、「☆」を発光装飾させるための第一LED3114aからの光が、「い」側へ導光されてしまうことを低減させる(遮る)ことができる。これにより、「☆」を発光装飾させても、「い」が発光装飾されることはない。また、「い」を発光装飾させるための光が、「☆」側へ導光されることを、当該延出部3113jによって低減させる(遮る)ことができる。「い」や「☆」等の所望の第二装飾部3152のみを確実に発光装飾させることができ、所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
第二LED収容部3113dは、図152等に示すように、内周が円形に形成されている。複数の第二LED収容部3113dは、桜の花を模した第一装飾部3151において、中央の周囲に設けられている雄しべを模した五つの円形の部位の後方に設けられている。詳述すると、第二LED収容部3113dは、桜の花を模した五つの花弁の夫々において、当該花弁の中心線上に位置している雄しべを模した円形の部位の後方に設けられている。これにより、五つの花弁の夫々において、花弁の中心線上に、第一LED収容部3113cと第二LED収容部3113dとが、一つずつ設けられている。
この第二LED収容部3113dは、内周が円形で本体部3113aを貫通している。これにより、本体部3113aの内部(板厚内)で本体部3113aの面(前面や後面)に沿った方向へ導光されている光が、第二LED収容部3113dに到達すると、その光の一部が、第二LED収容部3113dの内周面により本体部3113aの内部側へ扇状に拡散するように反射させられる。本実施形態では、桜の花を模した第一装飾部3151における五つの花弁の夫々において、第一LED3114aの光軸上に、第二LED収容部3113dを設けているため、図153(b)に示すように、当該第一LED3114aから本体部3113aの内部に照射された光が、第二LED収容部3113dの円形の内周面により、当該第一LED3114a側へ扇状に反射することとなり、その反射光により花弁をより明るく発光装飾させることができる。
複数の反射部3113eは、一つが四角錘に形成されており、縦横へ連続するように列設されている。複数の反射部3113eは、本体部3113aの後面におけるフランジ部3113bの部位と、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの周辺の部位と、右スライダ前部3113hの部位と、を除いた略全面に形成されている。複数の反射部3113eは、本体部3113aの板厚内において、板面に沿った方向へ照射された光を主に前方へ反射させて本体部3113aの前面から前方へ放射させることができる。本実施形態の導光放射板3113は、複数の反射部3113eの存在により、前方から見た時に後方が視認し難いように形成されている。
また、導光放射板3113の複数の反射部3113eは、本体部3113aの後面の略全面に設けられていることから、略全面から光を前方へ放射させることができるため、機種の変更や設計変更等により、装飾体3111及び装飾シート3112による装飾部3150のデザインを変更しても、導光放射板3113を変更する必要はなく、設計変更等に対して容易に対応することができ、コストの増加を抑制させることができる。
脚部3113fは、第一LED収容部3113cの内面における挿入される第一LED3114aの発光面と対面する部位の後端側から後方へ突出している。脚部3113fは、図150等に示すように、第一LED収容部3113c側の面が、第一LED収容部3113cの内面と同一面上に設けられている。これにより、第一LED3114aから照射された光を、本体部3113a内へ受けるための受光部3113iの面積を広くすることができ、第一LED3114aからの光をより多く本体部3113a内へ照射させることができる。また、脚部3113fは、裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、後面が裏後装飾基板3114の前面に当接し、本体部3113aの後面と裏後装飾基板3114の前面との間に隙間を形成することができる。
補助反射部3113gは、脚部3113fの後端における第一LED収容部3113cとは反対側の辺に沿ってC面取り状に設けられている。この補助反射部3113gは、第一LED3114aから脚部3113fに照射された光を、前方へ反射させるためのものである。
右スライダ前部3113hは、装飾体ベース3115の後述する右スライダ後部3115dと協働して右スライダ3117を構成するためのものである。
本実施形態の導光放射板3113は、裏後可動装飾体3110に組立てた時に、フランジ部3113bにより裏後装飾基板3114の外周を覆っているため、フランジ部3113bによって裏後装飾基板3114の外周面を見え難くすることができ、見栄えが悪くなることを防止することができる。また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114よりも後方へ突出しているフランジ部3113bを有しているため、装飾体3111の前面に設けられている金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114(銅箔3114dや電子部品3114e)までの沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
本実施形態の導光放射板3113は、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを、本体部3113aを貫通した孔としているため、第一LED収容部3113cに収容されている第一LED3114aや第二LED収容部3113dに収容されている第二LED3114bからの熱を、本体部3113aの前方へ逃すことができ、裏後装飾基板3114における熱影響を低減させることができる。
また、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを貫通孔としているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの前側が、装飾シート3112や装飾体3111等によって塞がれていても、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを貫通しない有底の凹状(溝状)に形成した場合と比較して、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの容積(熱容量)を大きくすることができる。これにより、収容されている第一LED3114aや第二LED3114bからの熱による急激な温度上昇を緩和させることができ、裏後装飾基板3114等に対する熱影響を抑制させることができる。また、接近して互いに繋がっている第一LED収容部3113cや、延出部3113jを有している第一LED収容部3113cでは、当該第一LED収容部3113cの容積が大きくなっているため、上記と同様の理由により、第一LED3114aからの熱をより多く放熱させたり、急激な温度上昇をより緩和させたりすることができる。
また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114a及び第二LED3114bが後方から挿入される第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを有しているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに第一LED3114a及び第二LED3114bを挿入させることで、本体部3113aの後面を裏後装飾基板3114の前面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
更に、導光放射板3113は、本体部3113aの後面から後方へ突出している脚部3113fを有しているため、脚部3113fの後端を裏後装飾基板3114の前面に当接させることで、本体部3113aの後面と裏後装飾基板3114の前面との間に隙間を形成させることができる。これにより、当該隙間を通して裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114aや第二LED3114b等からの熱を逃がすことができ、裏後装飾基板3114における温度上昇を抑制して熱による影響を低減させることができる。なお、本体部3113aと裏後装飾基板3114の基板本体3114cとの間の隙間を、「基板本体3114cの前面から第一LED3114aの発光部までの距離の半分」〜「基板本体3114cの前面から第一LED3114aの前面までの距離」、の範囲内とすることが望ましい。これよりも隙間が小さいと、本体部3113aと裏後装飾基板3114との間の隙間を通して熱を十分に排出させることができなくなる恐れがあるためである。また、これよりも隙間が大きいと、第一LED3114aからの導光放射板3113の本体部3113a内へ入射される光量が低下することで、装飾体3111及び装飾シート3112を十分な明るさで発光装飾させることができなくなる恐れがあるためである。
また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114の複数の所定位置に実装されている第一LED3114aからの光を導光して、本体部3113aの後面の略全面に反射部3113eにより前方へ放射させることができるため、本体部3113aにおける後方に裏後装飾基板3114が設けられていない部位でも、第一LED3114aからの光を前方へ放射させることができる。換言すると、本体部3113aの大きさよりも裏後装飾基板3114を小さくしても、本体部3113aの略全面から光を前方へ放射させることができる。従って、裏後装飾基板3114を本体部3113aよりも小さくすることができるため、本体部3113aの外周と裏後装飾基板3114の外周との間の距離をより長くすることができ、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dからの沿面距離ELをより長くして上述した作用効果をより発揮させ易くすることができる。
[5−9d−5.裏後可動装飾体の裏後装飾基板]
裏後装飾基板3114の表面(前面)には、表面実装タイプであってサイドビュータイプの複数の第一LED3114aと、表面実装タイプであってトップビュータイプの複数の第二LED3114bと、表面実装タイプのコネクタ3114g(図155(a)には、裏後装飾基板3114の表面(前面)右側に表面実装タイプのコネクタ3114gが一つ配置されている。)と、が実装されている。複数の第一LED3114aと複数の第二LED3114bとは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっているとともに、コネクタ3114gは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。裏後装飾基板3114の裏面(後面)には、LEDドライバICや抵抗器等の電子部品3114e(図155(b)を参照)が実装されている。また、裏後装飾基板3114は、平板状の基板本体3114cを有し、この平板状の基板本体3114cの表面(前面)と裏面(後面)に所定の回路パターンが形成される銅箔3114d(図154等を参照)を夫々有している。
また、裏後装飾基板3114の表面(前面)には、基板本体3114cの表面(前面)であって第一LED3114a(表面実装タイプ)、第二LED3114b(表面実装タイプ)、及びコネクタ3114g(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏後装飾基板3114の裏面(後面)には、基板本体3114cの裏面(後面)であって電子部品3114e(表面実装タイプ)が実装される領域が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏後装飾基板3114の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている第一LED3114a、第二LED3114b、及びコネクタ3114g等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後装飾基板3114の裏面(後面)には、図示は省略するが、電子部品3114e等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数の第一LED3114aと複数の第二LED3114bとは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏後装飾基板3114の表面(前面)には、上述したように、基板本体3114cの表面(前面)であって第一LED3114a、第二LED3114b、及びコネクタ3114gが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏後装飾基板3114の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
裏後装飾基板3114は、外周形状が、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内周に略沿った形状で、フランジ部3113bとの間に、フランジ部3113bの厚さよりも若干大きい隙間が、略一定に形成される大きさに形成されている。また、裏後装飾基板3114は、外周形状が、後述する装飾体ベース3115におけるフランジ部3115bの内周に略沿った形状で、当該フランジ部3115bの内周との間に、若干の隙間が略一定に形成される大きさに形成されている。つまり、裏後装飾基板3114は、装飾体ベース3115におけるフランジ部3115bの内側に収容される大きさに形成されている。
複数の第一LED3114aにおける第一装飾部3151の部位では、図152等に示すように、桜の花を模している五つの花弁の夫々の中心線上において、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)よりも内側の先端付近で、花の中央へ向けて光が照射されるように設けられている。これにより、第一装飾部3151の部位の第一LED3114aにより、桜の花を模した五つの花弁の一つずつを発光装飾させることができる。
また、複数の第一LED3114aにおける第二装飾部3152の部位では、左右に列設されている各第二装飾部3152の夫々において、装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111aの後方付近で、第二装飾部3152の内側へ向けて光が照射されるように設けられている。これにより、第二装飾部3152の部位の第一LED3114aにより、左右に列設されている複数の第二装飾部3152を一つずつ発光装飾させることができる。
複数の第二LED3114bは、図152等に示すように、第一装飾部3151において、桜の花を模した中央部分で、五つの花弁の中心線上に位置している雄しべを模した円形の部位の後方に設けられている。つまり、第二LED3114bは、第一装飾部3151における桜の花を模した一つの花弁に対応している第一LED3114aの光軸上に設けられている。これにより、第二LED3114bによって、第一装飾部3151における中央部分の雄しべを模した五つの部位を、夫々発光装飾させることができる。
第二LED3114bは、前方へ向けて光を照射可能なトップビュータイプであることから、第二LED3114bを発光させると、第一装飾部3151の中央部分の雄しべを模した部位を、他の部位よりも高輝度で点発光させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。従って、装飾部3150の発光装飾において、第一LED3114aにより面状に発光する部位と、第二LED3114bにより点状に発光する部位とを、設けることができるため、それらの発光を適宜組合せることで多彩な発光演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
基板本体3114cは、厚さが導光放射板3113の本体部3113aよりも若干薄いリジッド基板である。本実施形態の基板本体3114cは、ガラスコンポジット基材を用いている。
銅箔3114dは、基板本体3114cの前面と後面の略全面に設けられている。銅箔3114dは、所定の厚さ(18μm〜70μm)に形成されており、エッチング処理により回路パターンを構成している(図154における網掛け部分)。銅箔3114dは、図154に示すように、外周縁が基板本体3114cの外周縁から所定距離SL(0.5mm〜3mm)(本実施形態では、SL=1mm)内側へ離れた位置に設けられている。この所定距離SLにより、裏後装飾基板3114の外部の導電性部材(例えば、装飾体3111の金属装飾部3111d)から銅箔3114dまでの沿面距離ELや空間距離を稼いで、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができ、放電等による裏後装飾基板3114の破損を抑制できるようにしている。
また、銅箔3114dの外周縁を、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eの有無に関わらず、基板本体3114cの外周縁から所定距離内側の部位まで設けており、銅箔3114dの面積を可及的に広くしている。これにより、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eにおいて発生する熱の一部を、銅箔3114dに伝達させることで、銅箔3114dから放熱させることができ、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eに対する冷却効果を高めて熱による破損を防止することができる。
また、裏後装飾基板3114は、前面側におけるサイドビュータイプの第一LED3114aの発光面側に、第一LED3114aから基板本体3114c側へ照射された光を前方へ反射させ易くするための所定広さの光反射補助領域3114fを、有している(図154において破線で囲んだ領域)。本実施形態の光反射補助領域3114fは、図151及び図153(a)に示すように、銅箔3114dが設けられていない。これにより、光反射補助領域3114fの前面が、第一LED3114aが実装されている銅箔3114dの前面よりも低くなるため、光反射補助領域3114fに銅箔3114dを設けた場合と比較して、第一LED3114aから光反射補助領域3114f内へ照射される光の角度が、基板本体3114cの前面の垂直線に近付くような角度となり、基板本体3114c側へ照射された光を前方へ反射させ易くすることができる。
更に、図153(a)等に示すように、光反射補助領域3114f内に銅箔3114dを設けないようにした上で、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fの後端を当接させるようにしているため、銅箔3114dの厚さの分だけ、脚部3113fを後方へ長くすることができる。従って、第一LED3114aからの光を受ける受光部3113iを大きくすることができ、導光放射板3113から前方へ放射される光(光量)を多くして、裏後可動装飾体3110(装飾体3111及び装飾シート3112)をより明るく発光装飾させることができる。
また、光反射補助領域3114f内において、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fの後端が当接するようにしている(図153(a)等を参照)。これにより、脚部3113fの当接により表面に施されている白色塗膜(白色のレジスト)が摩耗したり捲れたりしても、基板本体3114cの前面が露出するだけで、銅箔3114dが露出することはない。従って、銅箔3114dの露出により絶縁性が低下して、静電気等のショートによる破損を抑制することができる。
本実施形態の裏後装飾基板3114は、図150等に示すように、裏後可動装飾体3110に組立てることにより、装飾体ベース3115の後述するフランジ部3115bと、導光放射板3113のフランジ部3113bとで、外周が二重に囲まれた状態となるため、外部から外周面が見え辛くなり、見栄えの悪化が防止されている。また、裏後装飾基板3114を裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、裏後装飾基板3114の外周が、一定の隙間をあけて導光放射板3113のフランジ部3113bにより囲まれている上に、導光放射板3113のフランジ部3113bとの間の隙間に、後方から装飾体ベース3115のフランジ部3115bが挿入されて、当該フランジ部3115bによっても囲まれている。これにより、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの面に沿った最短ルートが、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行することとなるため、沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。なお、本実施形態では、この沿面距離ELを、10mm以上、或いは、10kVの放電圧に対応できる距離としている。
また、裏後装飾基板3114は、導光放射板3113の後方に設けられているため、裏後装飾基板3114により、裏後可動装飾体3110の後方に設けられている部材(本実施形態では、演出表示装置1600)からの光を遮ることができる。これにより、後方に設けられている演出表示装置1600等からの光が装飾シート3112や装飾体3111に照射されることを防止することができるため、装飾部3150が意図しない状態で発光装飾させられてしまうことを回避させることができ、裏後可動装飾体3110に対して確実に所望の発光演出を行わせることができる。また、裏後装飾基板3114を導光放射板3113の後方に設けているため、裏後装飾基板3114により導光放射板3113を通して後方が見えてしまうことを防止することができ、裏後可動装飾体3110の見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、裏後装飾基板3114は、導光放射板3113の第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに対して後方から収容される第一LED3114a及び第二LED3114bのみを前面に設けるようにしているため、第一LED3114a及び第二LED3114bを第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに挿入させることで、裏後装飾基板3114の前面を本体部3113aの後面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
更に、裏後装飾基板3114は、LEDドライバICや抵抗器等の電子部品3114eを、後面に実装している。電子部品3114eとしてのLEDドライバICや抵抗器等は、一般的に黒色の部品であるため、電子部品3114eを裏後装飾基板3114の後面に設けることで、前方から黒色の電子部品3114eを見えなくすることができ、裏後可動装飾体3110の見栄えを良くすることができる。また、黒色の電子部品3114eを、前方から見えない裏後装飾基板3114の後面に設けているため、電子部品3114eに対して見え難くするための白色等の色の塗料を塗布する必要が無く、裏後装飾基板3114にかかるコストを低減させることができる。
[5−9d−6.裏後可動装飾体の装飾体ベース]
装飾体ベース3115は、全体が透明に形成されている。装飾体ベース3115は、裏後装飾基板3114の後側を覆う平板状の被覆板部3115aと、被覆板部3115aの外周縁から前方へ突出しているフランジ部3115bと、被覆板部3115aを貫通している複数の開口部3115cと、被覆板部3115aの正面視右端から下方へ延出している右スライダ後部3115dと、を備えている。
被覆板部3115aは、外周形状が、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内周に略沿った形状で、当該フランジ部3113bの内周との間に、若干の隙間が略一定に形成される大きさに形成されている。つまり、被覆板部3115a(装飾体ベース3115)は、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内側に収容され得る大きさに形成されている。この被覆板部3115aにより、裏後装飾基板3114の後側を覆っているため、他の部材が後方から裏後装飾基板3114に当接することを回避させて裏後装飾基板3114を保護することができ、裏後装飾基板3114の破損を防止することができる。
フランジ部3115bは、図150等に示すように、導光放射板3113のフランジ部3113bと裏後装飾基板3114の外周との間の空間へ進入して、裏後装飾基板3114よりも前方に前端が位置するように突出している。このフランジ部3115bは、裏後装飾基板3114の外周を覆うように形成されており、外部から裏後装飾基板3114の外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。また、フランジ部3115bは、裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、導光放射板3113のフランジ部3113bと裏後装飾基板3114の外周との間の空間に挿入された状態となるため、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの最短ルートを、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行させることがでる。従って、沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
複数の開口部3115cは、左右に長いスリット状の部位と、スリット状の部位よりも大きく開口している部位とを有している。これら複数の開口部3115cにより、裏後装飾基板3114の後面に実装されている電子部品3114eからの熱を、裏後可動装飾体3110の外部へ逃すことができ、裏後装飾基板3114における熱影響を低減させることができる。
右スライダ後部3115dは、導光放射板3113の右スライダ前部3113hと協働して、右スライダ3117を構成するためのものである。
また、装飾体ベース3115は、被覆板部3115aの前面から僅かに突出している複数の突部3115eを有している。複数の突部3115eは、裏後装飾基板3114の後面における外周縁付近の銅箔3114dが設けられていない部位に当接するように配置されている。複数の突部3115eは、その前面に、裏後装飾基板3114の後面を当接させることにより、裏後装飾基板3114の後面と被覆板部3115aの前面との間に隙間を形成することができる。これにより、裏後装飾基板3114の後面と被覆板部3115aの前面との間の隙間を通して、電子部品3114eからの熱を逃がし易くすることができる。
[5−9d−7.裏後可動装飾体の主な作用効果]
続いて、本実施形態における裏後可動装飾体3110の主な作用効果について説明する。本実施形態の裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の後面と導光放射板3113の本体部3113aの前面との間に装飾シート3112を挟んでいると共に、導光放射板3113と装飾体ベース3115との間に裏後装飾基板3114を挟んでいる状態で、装飾体3111の取付ボス3111fが装飾体ベース3115に取付けられることにより組立てられている(図143等を参照)。これにより、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さを、比較的薄いものとしている。
裏後可動装飾体3110は、透明平板状の装飾体3111に、前方へ突出している第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cを有していると共に、装飾体3111の後側の装飾シート3112に、絵柄や光の干渉縞が表示されるホログラムを備えた第一輪郭部3112aを有しているため、裏後可動装飾体3110の装飾部3150に対して、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cにより立体感を付与することができると共に、第二装飾突部3111b及び第三装飾突部3111cによるレンズ効果とホログラムにより奥行感を付与することができる。これにより、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さが薄くても、遊技者に対して薄さを感じさせることはなく、裏後可動装飾体3110の装飾部3150による装飾効果を十分に発揮させて、遊技者を楽しませることができる。
また、上述したように、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cや、第一輪郭部3112a等により、立体感や奥行感を付与することができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さを、より薄くすることができる。これにより、裏後可動装飾体3110の設置にかかるスペースを小さくすることができるため、裏後可動装飾体3110の配置自由度を高めることができ、遊技盤5の内部におけるより効果的な部位に裏後可動装飾体3110を設けて、遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化し易くすることができる。また、裏後可動装飾体3110を薄くすることができることから、相対的に、他の装飾体を配置するためのスペースを確保し易くすることができるため、他の装飾体を備えることで、より見栄えの良いパチンコ機1を提供したり、多彩な演出を楽しませられるパチンコ機1を提供したりすることができ、遊技者に対する訴求力が高くより差別化することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
裏後可動装飾体3110は、第一装飾部3151や第二装飾部3152の外周を形成している装飾体3111の第一装飾突部3111aの前面に、金属箔からなる金属装飾部3111dを有しているため、金属装飾部3111dの金属光沢により、第一装飾部3151や第二装飾部3152を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。また、第一装飾突部3111aの湾曲している前面に金属装飾部3111dを設けているため、金属装飾部3111dに対して立体感を付与することができると共に高級感を付与することができる。これにより、裏後可動装飾体3110が、遊技者から視認不能な退避位置から、視認可能な出現位置へ移動した時に、高級感のある装飾部3150が見えることで、遊技者に対してプレミアム感を与えることが可能となるため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の後面を平坦にして、装飾シート3112を装飾体3111の外周と略同じ大きさとしているため、絵柄やホログラムを有した第一輪郭部3112aにより、装飾体3111の外周縁まで装飾することができ、裏後可動装飾体3110の装飾を大きく見せることができる。また、裏後可動装飾体3110は、装飾シート3112を装飾体3111と略同じ大きさにしていることから、裏後可動装飾体3110の装飾が縁取りされていない状態となるため、裏後可動装飾体3110を出現位置へ移動させた時に、後方に設けられている演出表示装置1600に裏後可動装飾体3110の装飾と連続するような演出画像を表示させることで、一体感のある演出を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の金属装飾部3111dや装飾シート3112の第二輪郭部3112bの後方となる部位に、第一LED3114aを設けているため、金属装飾部3111dや第二輪郭部3112bによって前方から第一LED3114aを見え難くすることができ、装飾部3150の見栄えの悪化を抑制して装飾効果を十分に発揮させることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、第一装飾部3151や複数の第二装飾部3152の夫々において、夫々の外周を囲むように複数の第一LED3114aを設けているため、第一装飾部3151や第二装飾部3152を夫々個別に発光装飾させることができる。これにより、左右に列設されている複数の第二装飾部3152を順番に発光装飾させたり、特定の第一装飾部3151や第二装飾部3152のみを発光装飾させたりすることができるため、第一装飾部3151や複数の第二装飾部3152を適宜発光装飾させることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、サイドビュータイプの第一LED3114aにより、導光放射板3113の本体部3113aの板厚内において、その面に沿った方向へ光を照射させた上で、複数の反射部3113eにより前方へ光を放射して、装飾体3111や装飾シート3112を発光装飾させるようにしているため、第一LEDからの光が導光放射板3113の前面から前方へ放射されるまでの距離を長くすることができる。これにより、第一LEDからの光を十分に拡散させて導光放射板3113から前方へ放射させることができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さが薄くても、装飾体3111や装飾シート3112をムラなく均一に発光装飾させることができ、見栄えの良い発光装飾により遊技者を楽しませることができる。また、導光放射板3113とサイドビュータイプの第一LED3114aとにより、装飾体3111や装飾シート3112を均一に発光装飾させることができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、第一LED3114aをサイドビュータイプとして面状発光に用いるようにしていると共に、第二LED3114bをトップビュータイプとしているため、裏後可動装飾体3110(装飾部3150)の発光装飾(発光演出)において、第一LED3114aにより面状に発光装飾されている部位に、第二LED3114bにより高輝度で点状に発光する部位を付加することができる。これにより、第二LED3114bの発光により発光演出にメリハリを付けることができるため、遊技状態に応じた最適な発光演出を提示し易くすることができ、遊技者をより楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113に、サイドビュータイプの第一LED3114aが挿入される第一LED収容部3113cを設けて、第一LED収容部3113cの内周面の受光部3113iに、第一LED3114aからの光を照射して、本体部3113aの内部へ光を入射されるようにしている。これにより、第一LED3114aにより発光装飾させたい所望の部位に対して、第一LED収容部3113cを接近させた位置に設けることで、所望の部位をより明るく発光装飾させることができ、より演出効果の高い発光装飾を遊技者に楽しませることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113に、裏後装飾基板3114に実装されている第一LED3114a及び第二LED3114bが後方から挿入される第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを有しているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに第一LED3114a及び第二LED3114bを挿入させることで、本体部3113aの後面を裏後装飾基板3114の前面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fが、裏後装飾基板3114の前面に当接して、本体部3113aと裏後装飾基板3114との間に隙間が形成されるようにしているため、当該隙間を通して裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114aや第二LED3114b等からの熱を逃がすことができ、裏後装飾基板3114における温度上昇を抑制して熱による影響を低減させることができる。なお、導光放射板3113の本体部3113aと裏後装飾基板3114の基板本体3114cとの間の隙間を、「基板本体3114cの前面から第一LED3114aの発光部までの距離の半分」〜「基板本体3114cの前面から第一LED3114aの前面までの距離」、の範囲内とすることが望ましい。これよりも隙間が小さいと、本体部3113aと裏後装飾基板3114との間の隙間を通して熱を十分に排出させることができなくなる恐れがあるためである。また、これよりも隙間が大きいと、第一LED3114aからの導光放射板3113の本体部3113a内へ入射される光量が低下することで、装飾体3111及び装飾シート3112を十分な明るさで発光装飾させることができなくなる恐れがあるためである。
また、裏後可動装飾体3110は、脚部3113fにより導光放射板3113の本体部3113aと裏後装飾基板3114との間に隙間を形成することができると共に、装飾体ベース3115に複数の開口部3115cを有しているため、裏後可動装飾体3110を昇降させることで、当該隙間や開口部3115cを通して裏後装飾基板3114の表面を換気することができ、第一LED3114aや第二LED3114b、及び電子部品3114e等からの熱を逃がして、裏後装飾基板3114の温度上昇を抑制させることができる。
なお、裏後可動装飾体3110に温度センサを設けて、裏後可動装飾体3110(裏後装飾基板3114)が所定の温度よりも高くなった時に、裏後可動装飾体3110が昇降する可動演出が実行される頻度(確率)を高くするようにしても良い。これにより、裏後可動装飾体3110が昇降することで、裏後装飾基板3114の表面を換気することができ、裏後装飾基板3114を冷却して熱による不具合の発生を抑制させることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、裏後装飾基板3114の外周を、装飾体ベース3115のフランジ部3115bにより後側から囲んでいると共に、そのフランジ部3115bの外周を、導光放射板3113のフランジ部3113bにより囲んでいる。これにより、装飾体3111の前面に設けられている金属箔の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの面に沿った最短ルートが、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行することとなるため、長い沿面距離ELとすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、裏後装飾基板3114において、回路を構成している銅箔3114dを、基板本体3114cの外周から所定距離SL内側へ離れた位置に設けるようにしているため、この所定距離SLによっても沿面距離ELや空間距離を長くすることができ、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めて、放電等による裏後装飾基板3114の破損を抑制することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の前面に設けられている金属装飾部3111dを、第一装飾突部3111aの前面にのみ設けており、第一装飾突部3111aの側面に設けていない。これにより、第一装飾突部3111aの側面の長さの分だけ、裏後装飾基板3114までの沿面距離ELを長くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、第一装飾突部3111aの側面に金属装飾部3111dを設けていないため、第一装飾突部3111aの側面に金属装飾部3111dを設けた場合と比較して、金属装飾部3111dの面積を小さくすることができ、金属装飾部3111dに蓄積される静電気の量を少なくすることができる。従って、放電圧を低くすることができるため、仮に裏後装飾基板3114へ放電が生じても、その影響を少なくすることができる。
ところで、裏後可動装飾体3110は、上述したように、裏後駆動モータ3126の駆動により、上方へ移動した退避位置と下方へ移動した出現位置との間で、昇降(可動)するものであことから、昇降するたびに左スライダ3116や右スライダ3117等において摩擦が起こり、その摩擦によって発生した静電気が裏後可動装飾体3110の表面に蓄積され易い。この裏後可動装飾体3110は、表面を構成している装飾体3111や装飾体ベース3115が、導電性の低い合成樹脂で形成されているため、多くの静電気が蓄積されても、それらの表面全体に蓄積された静電気が一気に放電され難い。これに対して、装飾体3111の金属箔からなる金属装飾部3111dでは、導電性が高いため、金属装飾部3111dの表面全体に蓄積された静電気が一気に放電され易い。このようなことから、本実施形態の裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dにおいて、静電気が蓄積され易いものであるが、上述したように、金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの沿面距離ELが十分に長いため、静電気の放電により裏後装飾基板3114が破損することはなく、裏後可動装飾体3110が昇降する可動演出と、裏後可動装飾体3110が発光装飾される発光演出との両方を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
なお、静電気が蓄積される金属装飾部3111dの面積が、所定以上(例えば、100cm2以上)の時は、当該金属装飾部3111dをGND(グラウンド)に接続することが望ましい。これにより、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114へ放電されてしまうことを確実に防止することができる。
[5−9d−8.裏後可動装飾体の別の実施形態]
次に、上記の裏後可動装飾体3110とは異なる実施形態の裏後可動装飾体3160、裏後可動装飾体3170、及び裏後可動装飾体3180、等について、主に図157を参照して詳細に説明する。図157(a)は図142の裏後可動装飾体とは異なる第二実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(b)は第三実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(c)は第四実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図である。
第二実施形態の裏後可動装飾体3160は、図157(a)において模式的に示すように、前面に所定の装飾が施されている装飾体3161と、装飾体3161の後側に設けられ所定の装飾が施されているシート状の装飾シート3162と、装飾シート3162の後側に設けられ内部において前面に沿った方向の光を前方へ放射させる導光放射板3163と、導光放射板3163の内部に対して前面に沿った方向へ光を照射する複数のLED3164aが前面に実装されている裏後装飾基板3164と、を備えている。
裏後可動装飾体3160の装飾体3161は、透明平板状の本体部3161aと、本体部3161aの外周縁から後方へ延出しているフランジ部3161bと、本体部3161aの前面に設けられている金属装飾部3161cと、を有している。本体部3161aは、平坦であっても良いし、凹凸のあるレリーフ状の装飾が施されていても良い。金属装飾部3161cは、本体部3161aの前面の一部に設けられており、所定の装飾を構成している。この金属装飾部3161cは、箔押しにより形成されているものであっても良いし、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
装飾シート3162は、透明なシートに所定の装飾(絵柄)が印刷されているものである。この装飾シート3162は、裏後装飾基板3164のLED3164aの前方となる部位に、装飾における透明度の低い部位が位置している(図示は省略)。これにより、前方からLED3164aを見え難く隠すようにしている。装飾シート3162は、装飾体3161におけるフランジ部3161bの内周形状よりも小さい大きさに形成されている。
導光放射板3163は、装飾シート3162と同じ大きさの平板状に形成されており、裏後装飾基板3164のLED3164aが後方から挿入されるLED収容部3163aと、後面の設けられている複数の反射部3163bと、を有している。LED収容部3163aは、導光放射板3163を前後方向に貫通している孔とされており、内周が、LED3164aの外周に沿った四角形に形成されている。複数の反射部3163bは、夫々が断面三角形状に前方へ窪んでおり、所定の部位にのみ設けられている。複数の反射部3163bは、夫々が決められたLED収容部3163aからの光を前方へ反射させるように設けられており、決められたLED収容部3163aを中心とした同心円の扇状に配置されている。つまり、複数の反射部3163bは、特定の方向からの光を強く前方へ反射させるように形成されている。なお、複数の反射部3163bを、上記の裏後可動装飾体3110の導光放射板3113の反射部3113eと同様に、不特定の方向からの光を前方へ反射させることができるようにしても良いし、後面の略全面に設けるようにしても良い。
裏後装飾基板3164は、装飾シート3162及び導光放射板3163と同じ大きさに形成されている。裏後装飾基板3164は、導光放射板3163のLED収容部3163aに後方から挿入されるサイドビュータイプのLED3164aが前面に複数実装されている。裏後装飾基板3164は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3164の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3164は、表面(両面)に白色のレジストからなる白色塗膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3160は、組立てた状態では、装飾体3161の本体部3161aの後面に装飾シート3162が当接していると共に、装飾シート3162の後面に導光放射板3163の前面が当接しており、更に、導光放射板3163の後面に裏後装飾基板3164の前面が当接している。これにより、裏後可動装飾体3160の前後方向の厚さが、薄いものとなっている。装飾体3161のフランジ部3161bは、裏後装飾基板3164の後面と同じ位置まで後方へ延出している。これにより、裏後可動装飾体3160では、装飾シート3162、導光放射板3163、及び裏後装飾基板3164の外周が、フランジ部3161bにより覆われており、外部からそれらの外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。
この裏後可動装飾体3160は、装飾体3161の本体部3161aから、裏後装飾基板3164の外周を覆うようにフランジ部3161bが後方へ延出しているため、本体部3161aの前面の金属装飾部3161cから裏後装飾基板3164(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3161cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3164に流れて、裏後装飾基板3164が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3160によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、裏後可動装飾体3160において、裏後装飾基板3164の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
続いて、第三実施形態の裏後可動装飾体3170は、図157(b)において模式的に示すように、枠状に形成されている外装飾体3171と、外装飾体3171の内側(枠内)を閉鎖している透光性を有する平板状の内装飾体3172と、内装飾体3172の後方に設けられ内部において全面に沿った方向の光を前方へ放射させる導光放射板3173と、導光放射板3173の内部に対して前面に沿った方向へ光を照射する複数のLED3174aが前面に実装されている裏後装飾基板3174と、を備えている。
裏後可動装飾体3170の外装飾体3171は、枠状で前後に延びている本体部3171aと、本体部3171aの内周面から内側へ平板状に突出している支持部3171bと、本体部3171aの前面に設けられている金属装飾部3171cと、を有している。本体部3171aの前端から支持部3171bの前面までの距離は、内装飾体3172の前後方向の厚さと同じである。金属装飾部3171cは、本体部3171aの前面の一部に設けられており、所定の装飾を構成している。この金属装飾部3171cは、箔押しにより形成されているものであっても良いし、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
内装飾体3172は、図示は省略するが、凹凸のあるレリーフ状の装飾が形成されている。内装飾体3172は、枠状の外装飾体3171の前側の開口を閉鎖するように取付けられている。
導光放射板3173は、内装飾体3172と略同じ大きさに形成されている。導光放射板3173は、外装飾体3171の枠内に挿入されて、前面の外周が支持部3171bの後面に当接している。導光放射板3173は、裏後装飾基板3174のLED3174aが後方から挿入されるLED収容部3173aと、後面の設けられている複数の反射部3173bと、を有している。LED収容部3173aは、導光放射板3173を前後方向に貫通している孔とされており、内周が、LED3174aの外周に沿った四角形に形成されている。反射部3173bは、決められたLED収容部3173aを中心として円弧状に延びていると共に、同心円状に複数設けられている。反射部3173bは、断面が三角形に形成されている。複数の反射部3173bは、夫々が決められたLED収容部3173aからの光を前方へ反射させるように設けられている。つまり、複数の反射部3173bは、特定の方向からの光を強く前方へ反射させるように形成されている。なお、複数の反射部3173bを、上記の裏後可動装飾体3110の導光放射板3113の反射部3113eと同様に、不特定の方向からの光を前方へ反射させることができるようにしても良いし、後面の略全面に設けるようにしても良い。
裏後装飾基板3174は、導光放射板3173と同じ大きさに形成されている。裏後装飾基板3174は、導光放射板3173のLED収容部3173aに後方から挿入されるサイドビュータイプのLED3174aが前面に複数実装されている。裏後装飾基板3174は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3174の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3174は、表面(両面)に白色のレジストからなる白色塗膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3170は、組立てた状態では、外装飾体3171の枠内に内装飾体3172が前方から嵌め込まれており、外装飾体3171の前面と内装飾体3172の前面とが略一致していると共に、支持部3171bの前面に内装飾体3172の後面の外周付近が当接している。また、裏後可動装飾体3170は、外装飾体3171の枠内に、後方から導光放射板3173及び裏後装飾基板3174が挿入されており、支持部3171bの後面に導光放射板3173の前面の外周付近が当接していると共に、導光放射板3173の後面に裏後装飾基板3174の前面が当接している。これにより、裏後可動装飾体3170の前後方向の厚さが、薄いものとなっている。なお、裏後可動装飾体3170では、内装飾体3172と導光放射板3173との間には、支持部3171bの厚さの隙間が形成されている。
外装飾体3171の本体部3171aは、裏後装飾基板3174の後面と同じ位置まで後方へ延出している。この裏後可動装飾体3160では、内装飾体3172、導光放射板3173、及び裏後装飾基板3174の外周が、外装飾体3171の本体部3171aにより覆われており、外部からそれらの外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。
この裏後可動装飾体3170は、外装飾体3171の後方へ延びている本体部3171aにより、裏後装飾基板3174の外周を覆うようにしているため、本体部3171aの前面の金属装飾部3171cから裏後装飾基板3174(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3171cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3174に流れて、裏後装飾基板3174が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3170によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、内装飾体3172の前面にも金属装飾部を設けるようにしても良い。また、裏後可動装飾体3170において、裏後装飾基板3174の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
続いて、第四実施形態の裏後可動装飾体3180は、図157(c)において模式的に示すように、枠状に形成されている外装飾体3181と、外装飾体3181の内側(枠内)を閉鎖している透光性を有した内装飾体3182と、内装飾体3182の後方に設けられ前方へ光を照射可能な複数のLED3183aが前面に実装されている裏後装飾基板3183と、を備えている。
裏後可動装飾体3180の外装飾体3181は、平板枠状の本体部3181aと、本体部3181aの外周から後方へ延出しているフランジ部3181bと、本体部3181a及びフランジ部3181bの表面全体を被覆している金属装飾部3181cと、を有している。金属装飾部3181cは、外装飾体3181の表面全体に設けられている。この金属装飾部3181cは、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
内装飾体3182は、透明な部材により形成されている。内装飾体3182は、外形が外装飾体3181の枠状の本体部3181aの内周よりも大きく、フランジ部3181bの内周よりも小さい平板状の本体部3182aと、本体部3182aの外周から後方へ延出しているフランジ部3182bと、を有している。本体部3182aは、図示は省略するが、凹凸のあるレリーフ状の装飾が、略全面に形成されている。
裏後装飾基板3183は、外形が、内装飾体3182におけるフランジ部3182bの内周よりも小さい大きさに形成されている。つまり、裏後装飾基板3183は、外周と内装飾体3182のフランジ部3182bの内周との間に、所定以上の距離の隙間が形成される大きさに形成されている。裏後装飾基板3183は、前面に、トップビュータイプのLED3183aが複数実装されている。裏後装飾基板3183は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3183の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3183は、表面(両面)に白色のレジストからなる白色塗膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3180は、組立てた状態では、枠状の外装飾体3181の枠内に、後方から内装飾体3182と裏後装飾基板3183とが挿入されている。裏後可動装飾体3180は、外装飾体3181の本体部3181aの後面に、内装飾体3182の外周付近の前面が当接しており、内装飾体3182のフランジ部3182bが、外装飾体3181のフランジ部3181bの後端と同じ位置まで後方へ延出している。つまり、外装飾体3181のフランジ部3181bの内周側が、内装飾体3182のフランジ部3182bにより覆われている。換言すると、内装飾体3182のフランジ部3182bの外周が、外装飾体3181のフランジ部3181bにより覆われている。従って、外装飾体3181のフランジ部3181bにより、内装飾体3182及び裏後装飾基板3183の外周が、外部から見えないようになっている。
この裏後可動装飾体3180は、金属装飾部3181cが設けられている外装飾体3181のフランジ部3181bの内側に、内装飾体3182のフランジ部3182bが設けられていると共に、内装飾体3182の本体部3182aの後側に設けられている裏後装飾基板3183の外周が、内装飾体3182のフランジ部3182bの内周から離れているため、金属装飾部3181cから裏後装飾基板3183(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3181cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3183に流れて、裏後装飾基板3183が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3180によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、内装飾体3182の本体部3182aの前面にも金属装飾部を設けるようにしても良い。また、裏後可動装飾体3180において、裏後装飾基板3183の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
[5−9e.裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250について、主に図158乃至図161等を参照して詳細に説明する。図158(a)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図159は裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図160は裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図161は、裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下側で、裏後演出ユニット3100の下端に取付けられている。裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250は、遊技盤5に組立てた状態で、裏下中演出ユニット3300の裏下中装飾体ユニット3320の左右両側に位置しており、正面からは透明な遊技パネル1100や表ユニット2000等を通して視認可能とされている。
まず、裏下左演出ユニット3200について説明する。裏下左演出ユニット3200は、後方へ突出した軸シャフト3201aを有した透明な裏下左回転装飾体3201と、裏下左回転装飾体3201の後方に設けられている透明な裏下左装飾体3202と、裏下左装飾体3202の後方に設けられており、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏下左装飾基板3203と、裏下左装飾基板3203の後方に設けられており、裏下左回転装飾体3201が回転可能に取付けられていると共に裏下左装飾体3202が取付けられており、裏後演出ユニット3100の左辺の下端に取付けられるユニットベース3204と、を備えている。
また、裏下左演出ユニット3200は、ユニットベース3204の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏下左駆動モータ3205と、裏下左駆動モータ3205の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3206と、駆動ギア3206と噛合しておりユニットベース3204に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3207と、第一伝達ギア3207と噛合しておりユニットベース3204に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3208と、第二伝達ギア3208と噛合しており裏下左回転装飾体3201の軸シャフト3201aの後端に取付けられている平歯車状の第三伝達ギア3209と、裏下左装飾体3202よりも下側でユニットベース3204の前面に取付けられている前カバー3210と、を備えている。
裏下左回転装飾体3201は、桜の花を模した形状に形成されている。裏下左回転装飾体3201の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3201aは、裏下左装飾体3202、裏下左装飾基板3203、及びユニットベース3204を貫通する長さに形成されている。裏下左装飾体3202は、裏下左回転装飾体3201と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。
裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202は、透明に形成されると共に、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202を通して(花弁の周縁部においても)、裏下左装飾体3202の後方に配置される裏下左装飾基板3203の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
裏下左装飾基板3203は、前面に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。裏下左装飾基板3203は、後面に第三伝達ギア3209の検知片3209aを検知する裏下左検知センサ3203a(リードタイプ)が設けられている。裏下左検知センサ3203aは、ユニットベース3204を貫通して後方へ突出している。第三伝達ギア3209は、前方へ突出し裏下左装飾基板3203の裏下左検知センサ3203aに検知される検知片3209aを有している。第三伝達ギア3209の検知片3209aが裏下左検知センサ3203aにより検知されている状態では、裏下左回転装飾体3201が一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図161を参照)。
本実施形態の裏下左演出ユニット3200は、裏下左駆動モータ3205により駆動ギア3206を回転されると、第一伝達ギア3207、第二伝達ギア3208、及び第三伝達ギア3209を介して裏下左回転装飾体3201を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下左演出ユニット3200は、裏下左装飾基板3203の表面(実装面)に実装される複数のLEDを発光させることで、裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202を発光装飾させることができる。
なお、裏下左装飾基板3203の表面(実装面)に実装される複数のLEDやコネクタ等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏下左装飾基板3203の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏下左回転装飾体3201の後方には、透明な裏下左装飾体3202、そして裏下左装飾基板3203が順番に配置されているため、裏下左装飾基板3203の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏下左装飾体3202、そして裏下左回転装飾体3201を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏下左装飾基板3203の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっており、コネクタは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
次に、裏下右演出ユニット3250について説明する。裏下右演出ユニット3250は、後方へ突出した軸シャフト3251aを有した透明な裏下右回転装飾体3251と、裏下右回転装飾体3251の後方に設けられている透明な裏下右装飾体3252と、裏下右装飾体3252の後方に設けられており、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏下右装飾基板3253と、裏下右装飾基板3253の後方に設けられており、裏下右回転装飾体3251が回転可能に取付けられていると共に裏下右装飾体3252が取付けられており、裏後演出ユニット3100の右辺の下端に取付けられるユニットベース3254と、を備えている。
また、裏下右演出ユニット3250は、ユニットベース3254の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏下右駆動モータ3255と、裏下右駆動モータ3255の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3256と、駆動ギア3256と噛合しておりユニットベース3254に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3257と、第一伝達ギア3257と噛合しておりユニットベース3254に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3258と、第二伝達ギア3258と噛合しており裏下右回転装飾体3251の軸シャフト3251aの後端に取付けられている平歯車状の第三伝達ギア3259と、裏下右装飾体3252よりも下側でユニットベース3254の前面に取付けられている前カバー3260と、を備えている。
裏下右回転装飾体3251は、桜の花を模した形状に形成されている。裏下右回転装飾体3251の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3251aは、裏下右装飾体3252、裏下右装飾基板3253、及びユニットベース3254を貫通する長さに形成されている。裏下右装飾体3252は、裏下右回転装飾体3251と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。
裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252は、透明に形成されると共に、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252を通して(花弁の周縁部においても)、裏下右装飾体3252の後方に配置される裏下右装飾基板3253の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
裏下右装飾基板3253は、前面に実装されている複数のLEDが、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。裏下右装飾基板3253は、後面に第三伝達ギア3259の検知片3259aを検知する裏下右検知センサ3253a(リードタイプ)が設けられている。裏下右検知センサ3253aは、ユニットベース3254を貫通して後方へ突出している。第三伝達ギア3259は、前方へ突出し裏下右装飾基板3253の裏下右検知センサ3253aに検知される検知片3259aを有している。第三伝達ギア3259の検知片3259aが裏下右検知センサ3253aにより検知されている状態では、裏下右回転装飾体3251が一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図161を参照)。
本実施形態の裏下右演出ユニット3250は、裏下右駆動モータ3255により駆動ギア3256を回転されると、第一伝達ギア3257、第二伝達ギア3258、及び第三伝達ギア3259を介して裏下右回転装飾体3251を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下右演出ユニット3250は、裏下右装飾基板3253の複数のLEDを発光させることで、裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252を発光装飾させることができる。
なお、裏下右装飾基板3253の表面(実装面)に実装される複数のLEDやコネクタ等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏下右装飾基板3253の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏下右回転装飾体3251の後方には、透明な裏下右装飾体3252、そして裏下右装飾基板3253が順番に配置されているため、裏下右装飾基板3253の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏下右装飾体3252、そして裏下右回転装飾体3251を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、下右装飾基板3253の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっており、コネクタは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)、コネクタ(表面実装タイプ)、裏下左検知センサ3203a(リードタイプ)及び裏下右検知センサ3253a(リードタイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の裏面(後面)には、裏下左検知センサ3203a(リードタイプ)及び裏下右検知センサ3253a(リードタイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED、コネクタ等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の裏面(後面)には、図示は省略するが、裏下左検知センサ3203a及び裏下右検知センサ3253a等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の表面(前面)には、上述したように、複数のLED、コネクタが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏下左装飾基板3203及び裏下右装飾基板3253の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
[5−9f.裏下中演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300について、主に図162乃至図169等を参照して詳細に説明する。図162(a)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図163は裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図であり、図164は裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図である。図165は裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図166は裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図167は、裏下中演出ユニットにおける裏下中昇降機構による裏下中装飾体ユニットの昇降を示す説明図である。図168(a)は裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットの裏下中回転装飾体の回転にかかる構成を正面から示す説明図であり、(b)は裏下中回転装飾体の停止位置と各検知センサとの関係を表で示す説明図である。図169は、裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットのLEDの配置を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下側に配置されている。裏下中演出ユニット3300は、裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後側に取付けられている。裏下中演出ユニット3300は、前後方向の軸周りに回転可能な透明な裏下中回転装飾体3310を有する裏下中装飾体ユニット3320と、裏下中装飾体ユニット3320を昇降させる裏下中昇降機構3350と、を備えている。
裏下中演出ユニット3300の裏下中回転装飾体3310は、正面視の形状が、正六角形に形成されている。この裏下中回転装飾体3310は、全面に「1」〜「6」までのレリーフ状に形成された六つの数字装飾が、中央を中心にして時計回りの方向へ60度の角度毎に円周上に配置されている。この裏下中回転装飾体3310は、後面に後述する裏下中装飾体ユニット3320における透明なインナーレンズ(拡散レンズ)3321、裏下中第一装飾基板3322、及び基板固定部材3323の前端側、を収容可能な凹部3311を有している。
裏下中回転装飾体3310は、透明に形成されており、六つの数字装飾のそれぞれの外周部が前方に突出し、さらに円周上に配置された六つの数字装飾をリング状態に繋ぐリブ部が前方に突出して形成されている。これらの突出する外周部とリブ部とには、金属光沢を持った金属装飾部3310aが形成されている。換言すると、裏下中回転装飾体3310の近傍に金属光沢を持った金属装飾部3310aが配置されている。本実施形態では、金属光沢を持った金属装飾部3310aが形成されている外周部とリブ部とは、裏下中回転装飾体3310と一体的に成型されているが、外周部とリブ部とを裏下中回転装飾体3310と別体にそれぞれ成型して、この成型した外周部及びリブ部と裏下中回転装飾体3310とを組み立てるように構成してもよい。この場合、外周部とリブ部とにそれぞれ金属光沢を持った金属装飾部3310aが形成されることとなる。
金属装飾部3310aの金属光沢により高級感を付与することができると共に、裏下中回転装飾体3310を目立たせることができ、裏下中回転装飾体3310の存在感をより強調することができるようになっている。金属装飾部3310aは、所定色(本実施形態では金色)の金属箔を、上述したホットスタンピングによる箔押しによって形成されている。裏下中回転装飾体3310は、その前面に突出する外周部とリブ部とのみ金属装飾部3310aが形成されており、裏下中回転装飾体3310の側面に金属装飾部3310aが全く形成されていない。これにより、少なくとも、裏下中回転装飾体3310の側面の長さの分だけ、裏下中回転装飾体3310の金属装飾部3310aから裏下中第一装飾基板3322までの沿面距離をより長くすることができるため、金属装飾部3310aにおいて蓄積された静電気が裏下中第一装飾基板3322に流れて、裏下中第一装飾基板3322が破損してしまうことを防止することができる。したがって、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができる。
なお、裏下中回転装飾体3310は、上述したように、円周上に配置された六つの数字装飾をリング状態に繋ぐリブ部が前方に突出して形成されている。裏下中回転装飾体3310は、リブ部が裏下中回転装飾体3310の前面に突出された周縁側部分(周縁側根元部分)から裏下中回転装飾体3310の前面周縁、そして裏下中回転装飾体3310の側面後縁までに亘って透明に形成されると共に、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏下中回転装飾体3310は、リブ部が裏下中回転装飾体3310の前面に突出された周縁側部分(周縁側根元部分)から裏下中回転装飾体3310の前面周縁、そして裏下中回転装飾体3310の側面後縁までに亘ってランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、リブ部が裏下中回転装飾体3310の前面に突出された周縁側部分(周縁側根元部分)から裏下中回転装飾体3310の前面周縁、そして裏下中回転装飾体3310の側面後縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されている。
裏下中装飾体ユニット3320は、図165及び図166等に示すように、裏下中回転装飾体3310の後方に設けられている透明なインナーレンズ(拡散レンズ)3321と、インナーレンズ(拡散レンズ)3321の後方に設けられており、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏下中第一装飾基板3322と、裏下中第一装飾基板3322を後側から挟むようにインナーレンズ(拡散レンズ)3321に取付けられており後方へ円柱状に突出している軸部3323aを有する基板固定部材3323と、基板固定部材3323の軸部3323aが相対回転可能に挿入される軸孔3324aを有しており裏下中回転装飾体3310の後側に取付けられる回転ベース3324と、を備えている。
インナーレンズ(拡散レンズ)3321の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、インナーレンズ(拡散レンズ)3321の後方に配置される裏下中第一装飾基板3322の前面に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、インナーレンズ(拡散レンズ)3321の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、インナーレンズ(拡散レンズ)3321の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。
また、裏下中装飾体ユニット3320は、回転ベース3324の後面から後方へ突出しており軸孔3324aと同軸上の半円弧に延びている領域検知片3325と、領域検知片3325と同軸の円周上で回転ベース3324から複数突出している位置検知片3326と、回転ベース3324の後面に設けられている平歯車状の回転ギア3327と、を備えている。
更に、裏下中装飾体ユニット3320は、回転ベース3324の後方に設けられていると共に領域検知片3325及び位置検知片3326が通過可能な貫通した円形状の開口部3328aを有しており、この円形状の開口部3328aの中心を中心点として放射状に開口部3328aから外周へ向かって複数の直線状の溝部が形成される透明な裏下中装飾体3328と、裏下中装飾体3328の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏下中第二装飾基板3329と、裏下中第二装飾基板3329の前面に取付けられており、領域検知片3325を検知可能な複数の領域特定センサ3330(リードタイプ)と、裏下中第二装飾基板3329の前面に取付けられており、位置検知片3326を検知可能な位置特定センサ3331(リードタイプ)と、を備えている。
また、裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中第二装飾基板3329の後方に設けられており、基板固定部材3323の軸部3323aの後端が取付けられると共に裏下中装飾体3328が取付けられる可動ベース3332と、可動ベース3332の後面に回転軸が前方へ突出するように取付けられている裏下中回転駆動モータ3333と、裏下中回転駆動モータ3333の回転軸に取付けられていると共に回転ギア3327と噛合している平歯車状の駆動ギア3334と、可動ベース3332の後側に取付けられている後カバー3335と、可動ベース3332の後側に取付けられており裏下中昇降機構3350のスライドレール3360により上下方向へスライド可能に案内される昇降スライダ3336と、を備えている。
インナーレンズ(拡散レンズ)3321、裏下中第一装飾基板3322、及び基板固定部材3323の前端側は、組立てた状態で、裏下中回転装飾体3310と回転ベース3324との間に位置して、裏下中回転装飾体3310の凹部3311内に収容された状態となっており、裏下中回転装飾体3310及び回転ベース3324の何れにも接触していない。裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDを適宜発光させることで、裏下中回転装飾体3310における数字の装飾(レリーフ)の部位を発光装飾させることができる。裏下中第一装飾基板3322の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。また、裏下中第二装飾基板3329の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
領域検知片3325は、回転ギア3327よりも大きい直径で回転ベース3324の後面から後方へ突出している。領域検知片3325は、図168(a)に示すように、裏下中回転装飾体3310における「2」と「3」の数字装飾の間から、「3」、「4」、「5」の数字装飾を通って、「5」と「6」の数字装飾の間まで、回転軸を中心として180度の範囲で円弧状に形成されている。
複数(ここでは、六個)の位置検知片3326は、夫々が、領域検知片3325よりも大きい直径の円周上で回転ベース3324の後面から後方へ突出している。各位置検知片3326は、夫々が裏下中回転装飾体3310の数字の装飾の中央に位置するように、周方向へθ度(ここでは、60度)の角度で等間隔に設けられている。本実施形態では、一つの位置検知片3326は、回転軸を中心として所定角度α度(20度〜25度、ここでは、23.34度)の範囲で円弧状に形成されており、隣の位置検知片3326との間は、回転軸を中心として、2×β度(θ度−α度(ここでは、36.66度))の間隔があいている(図168(a)を参照)。
複数(ここでは、三個)の領域特定センサ3330は、裏下中回転装飾体3310の回転軸を中心にして、θ度(60度)の角度の間隔で並ぶように設けられている。三つの領域特定センサ3330は、時計回りの順に、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330c、の順番に設けられている。本実施形態では、3つの領域特定センサ3330が、裏下中回転装飾体3310の「1」の装飾を回転中心の直上に位置させた状態で、「3」、「4」、「5」の数字装飾と対応する位置に設けられている(図168(a)を参照)。
位置特定センサ3331は、第一領域特定センサ3330aから裏下中回転装飾体3310の回転軸を中心にして反時計回りの方向へ、γ度(ここでは、30度)の角度の位置に設けられている。
可動ベース3332は、後面の下部から後方へ円柱状に突出している昇降ピン3332aを有している。この昇降ピン3332aは、裏下中昇降機構3350における昇降アーム3357の第二スリット3357b内に摺動可能に挿入されるものである。裏下中回転駆動モータ3333は、回転位置を検知可能なステッピングモータである。
この裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中回転駆動モータ3333により駆動ギア3334を回転させることで、回転ギア3327を介して裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中第一装飾基板3322及び裏下中第二装飾基板3329に夫々実装されている複数のLEDを発光させることで、裏下中回転装飾体3310及び裏下中装飾体3328を発光装飾させることができる。
なお、裏下中第一装飾基板3322の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏下中第一装飾基板3322の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏下中回転装飾体3310の後方には、インナーレンズ(拡散レンズ)3321、そして裏下中第一装飾基板3322が順番に配置されているため、裏下中第一装飾基板3322の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色がインナーレンズ(拡散レンズ)3321、そして裏下中回転装飾体3310を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏下中第一装飾基板3322の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏下中第一装飾基板3322の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏下中第一装飾基板3322の裏面(後面)には、コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏下中第一装飾基板3322の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏下中第一装飾基板3322の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
また、裏下中第二装飾基板3329の表面(実装面)に実装される複数のLED、領域特定センサ3330、及び位置特定センサ3331等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏下中第二装飾基板3329の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏下中装飾体3328の後方には、裏下中第二装飾基板3329が配置されているため、裏下中第二装飾基板3329の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏下中装飾体3328を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏下中第二装飾基板3329の表面(実装面)の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏下中第二装飾基板3329の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)、領域特定センサ3330(リードタイプ)、及び位置特定センサ3331(リードタイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏下中第二装飾基板3329の裏面(後面)には、領域特定センサ3330(リードタイプ)、位置特定センサ3331(リードタイプ)、及び複数のコネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏下中第二装飾基板3329の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏下中第二装飾基板3329の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏下中第一装飾基板3322及び裏下中第二装飾基板3329の表面(前面)には、上述したように、複数のLED等が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏下中第一装飾基板3322及び裏下中第二装飾基板3329の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
裏下中昇降機構3350は、図163及び図164等に示すように、左右に延びており両端側が裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250に取付けられるユニットベース3351と、ユニットベース3351の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられる裏下中昇降駆動モータ3352と、裏下中昇降駆動モータ3352の回転軸に取付けられ一部がユニットベース3351の前面側に臨んでいる平歯車状の駆動ギア3353と、駆動ギア3353と噛合しておりユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3354と、第一伝達ギア3354と噛合しておりユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3355と、第二伝達ギア3355と噛合している平歯車状のギア部3356a、及びギア部3356aの前面の外周付近から円柱状に前方へ突出している駆動ピン3356bを有しており、ユニットベース3351の前面における左右方向の中央上部で回転可能に取付けられている昇降カムギア3356と、を備えている。
また、裏下中昇降機構3350は、左右方向へ延びている基端側がユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられており、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが摺動可能に挿入される長手方向へ延びた第一スリット3357a、第一スリット3357aよりも先端側で長手方向へ延びており裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが摺動可能に挿入される第二スリット3357b、及び先端に設けられている検知片3357c、を有している昇降アーム3357と、昇降アーム3357の検知片3357cを検知可能な裏下中昇降検知センサ3358aが設けられており、ユニットベース3351の前面に取付けられている裏下中中継基板3358と、を備えている。
更に、裏下中昇降機構3350は、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、昇降カムギア3356、及び昇降アーム3357を前側から覆うようにユニットベース3351の前面に取付けられており、裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが挿通される上下に延びた昇降スリット3359aを有する前カバー3359と、前カバー3359の前面に取付けられており、裏下中装飾体ユニット3320における昇降スライダ3336を上下方向へ案内するスライドレール3360と、駆動ギア3353を後方から覆うようにユニットベース3351の後側に取付けられているギアカバー3361と、昇降アーム3357の先端側が上方に移動方向(正面視に対して時計回りの方向)へ昇降アーム3357が回動するように付勢しているバネ3362と、を備えている。
裏下中昇降駆動モータ3352は、ユニットベース3351の左右方向中央よりも左側の下部に取付けられている。昇降アーム3357は、基端側が昇降カムギア3356の右方で昇降カムギア3356の中心と同じ高さで回転可能に取付けられている。昇降アーム3357は、先端側が昇降カムギア3356よりも左方へ延びている。
裏下中中継基板3358は、裏下中第一装飾基板3322、裏下中第二装飾基板3329、領域特定センサ3330、位置特定センサ3331、裏下中回転駆動モータ3333、裏下中昇降駆動モータ3352、裏下中昇降検知センサ3358aと、演出駆動基板1720との接続を中継している。
前カバー3359は、ユニットベース3351の左右方向の中央に取付けられており、昇降スリット3359aがユニットベース3351の左右方向中央よりも左側に設けられている。前カバー3359の昇降スリット3359aには、裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが摺動可能に挿入される。スライドレール3360は、前カバー3359におけるユニットベース3351の左右方向中央よりも右側に設けられている。この昇降スリット3359aとスライドレール3360とにより、裏下中装飾体ユニット3320を、上下方向へ真直ぐにスライドするように支持することができる。
この裏下中昇降機構3350は、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353を回転させると、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、及び昇降カムギア3356のギア部3356aを介して昇降カムギア3356を回転させることができる。そして、昇降カムギア3356の回転により公転する駆動ピン3356bにより、駆動ピン3356bが摺動可能に挿入されている第一スリット3357aを介して昇降アーム3357を回動させることができ、昇降アーム3357の第二スリット3357bに摺動可能に挿入されている可動ベース3332の昇降ピン3332aを介して裏下中装飾体ユニット3320を裏下中回転装飾体3310と伴に昇降させることができる。
次に、裏下中演出ユニット3300における裏下中回転装飾体3310や裏下中装飾体ユニット3320の動きについて、詳細に説明する。裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中装飾体ユニット3320が最も下方へ移動した下降位置の状態となっている。この通常の状態では、裏下中昇降機構3350における昇降アーム3357が、先端側が基端側よりも下方に位置しており、先端の検知片3357cが、裏下中中継基板3358の裏下中昇降検知センサ3358aに検知されている(図167(a)を参照)。
この通常の状態では、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが、その公転中心よりも下方に位置していると共に、昇降アーム3357の第一スリット3357a内における基端側の端部付近に位置している。詳述すると、駆動ピン3356bにおける第一スリット3357aとの接点を通る法線が、昇降カムギア3356の回転中心を通るように延びている。これにより、バネ3362により昇降アーム3357を時計回りの方向へ回動させようとする付勢力が作用していても、その付勢力の力線が、第一スリット3357aに当接している駆動ピン3356bを介して、昇降カムギア3356の回転中心を通るため、昇降カムギア3356は回転することはない。従って、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bも公転しないため、昇降アーム3357が回動することはなく、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置からバネ3362の付勢力により移動することはないと共に、バネ3362の付勢力が昇降アーム3357等を介して裏下中昇降駆動モータ3352に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bを、第一スリット3357aの基端側の端部に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3362の付勢力により昇降アーム3357が時計回りの方向へ回動しようとすると、第一スリット3357aから駆動ピン3356bを介して作用する力により、昇降カムギア3356が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3356bが昇降アーム3357の基端側へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3356bが第一スリット3357aの基端側の端部に当接しているため、駆動ピン3356bが公転することができず、昇降アーム3357の回動がロックされて、裏下中装飾体ユニット3320の上方への移動を阻止することができる。
裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中回転装飾体3310における複数の数字装飾のうち、最も上側に位置している数字装飾が、センター役物2500の枠内よりも内側に位置しており、前方(遊技者側)から良好に視認することができる(図111等を参照)。また、通常の状態では、最も下側に位置している数字装飾が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置しており、裏下中第一装飾基板3322や裏下中第二装飾基板3329のLEDを発光させることで、裏下中回転装飾体の発光装飾に加えて、透明部材で形成された第一始動口2002をも発光装飾させることができる(図120等を参照)。
この通常の状態で、裏下中昇降駆動モータ3352により、駆動ギア3353を正面視において反時計回りの方向へ回転させると、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、及びギア部3356aを介して、昇降カムギア3356が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3356bが公転することで、駆動ピン3356bと当接している第一スリット3357aの内面が上方へ押圧され、駆動ピン3356bが第一スリット3357a内を先端側へ摺動すると共に、昇降アーム3357の先端側が上方へ移動するように、基端側を中心として時計回りの方向へ回動することとなる。
この昇降アーム3357が時計回りの方向へ回動することにより、昇降アーム3357の先端側の第二スリット3357b内に挿入されている可動ベース3332の昇降ピン3332aが、第二スリット3357bの内面により上方へ押圧され、昇降ピン3332aを介して裏下中装飾体ユニット3320が上方へ移動することとなる。そして、駆動ピン3356bが、公転中心よりも上方へ移動すると、駆動ピン3356bが第一スリット3357a内を基端側へ向かって摺動するようになる。この際に、昇降アーム3357では、バネ3362により時計回りの方向への付勢力が作用しているため、その付勢力により裏下中装飾体ユニット3320の上方への移動がアシストされ、裏下中昇降駆動モータ3352にかかる負荷を軽減させている。
この駆動ピン3356bが更に時計回りの方向へ公転して、第一スリット3357aの基端側の端部付近に到達すると、裏下中昇降駆動モータ3352による駆動ギア3353の回転が停止すると同時に、駆動ピン3356bの公転が停止する。これにより、昇降アーム3357による裏下中装飾体ユニット3320の移動が停止し、裏下中装飾体ユニット3320が最も上方へ移動した上昇位置の状態となる。
裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置の状態では、駆動ピン3356bにおける第一スリット3357aとの接点を通る法線が、昇降カムギア3356の回転中心を通るように延びている。これにより、裏下中装飾体ユニット3320の自重により昇降アーム3357を反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、第一スリット3357aに当接している駆動ピン3356bを介して、昇降カムギア3356の回転中心を通るため、昇降カムギア3356は回転することはない。従って、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bも公転しないため、昇降アーム3357が回動することはなく、裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置から下方へ移動することはないと共に、裏下中装飾体ユニット3320の自重が昇降アーム3357等を介して裏下中昇降駆動モータ3352に作用することはない。
なお、裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置の状態において、昇降カムギア3356を更に公転させて、駆動ピン3356bを第一スリット3357aの基端側の端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏下中装飾体ユニット3320の自重により昇降アーム3357が反時計回りの方向へ回動しようとすると、第一スリット3357aから駆動ピン3356bを介して作用する力により、昇降カムギア3356が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3356bが昇降アーム3357の基端側へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3356bが第一スリット3357aの基端側の端部に当接しているため、駆動ピン3356bが公転することができず、昇降アーム3357の回動がロックされて、裏下中装飾体ユニット3320の下方への移動を阻止することができる。
裏下中装飾体ユニット3320を上昇位置へ移動させた状態では、裏下中回転装飾体3310の殆どが、センター役物2500の枠内に位置(さらには、遊技領域5aを転動する遊技球Bがセンターフレーム(周壁部2501)の外側から内側へと跳ね返ることを防止するセンター役物2500に設けられた跳ね返り防止部材(ステージカバー2515)よりも上側に位置)しており、前方(遊技者側)から良好に、全ての数字装飾を視認することができる(図201を参照)。
裏下中装飾体ユニット3320を上昇位置へ移動させた状態から、下降位置へ復帰させる場合は、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353を上記とは逆方向に回転させると、昇降アーム3357が反時計回りの方向へ回動して裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置から下方へ移動する。そして、昇降アーム3357の先端の検知片3357cが、裏下中中継基板3358の裏下中昇降検知センサ3358aにより検知されたら、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353の回転を停止させることにより、裏下中装飾体ユニット3320を通常の状態である下降位置(さらには、遊技領域5aを転動する遊技球Bがセンターフレーム(周壁部2501)の外側から内側へと跳ね返ることを防止するセンター役物2500に設けられた跳ね返り防止部材(ステージカバー2515)をパチンコ機1において正面視した場合に重なる位置)に復帰させることができる。
本実施形態の裏下中演出ユニット3300は、裏下中装飾体ユニット3320における裏下中回転駆動モータ3333により駆動ギア3334を回転させることで、回転ギア3327を介して裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させることができる。この裏下中回転装飾体3310を回転させることで、前面に設けられている六つの数字装飾がルーレットのように回転する。裏下中回転装飾体3310は、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置や上昇位置等の何れの位置においても、裏下中回転駆動モータ3333により回転させることができる。
本実施形態の裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中回転装飾体3310における複数(ここでは、6個)の数字装飾の一つが、回転中心の直上(停止位置)に位置している。例えば、図168(a)に示すように、裏下中回転装飾体3310における「1」の数字装飾が上に位置している状態では、回転ベース3324の領域検知片3325を、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cの三つの領域特定センサ3330により検知していると共に、複数(ここでは、6個)の位置検知片3326を、位置特定センサ3331が検知していない。
ここで、まず、三つの領域特定センサ3330と、裏下中回転装飾体3310の六つの停止位置との関係について説明する。「1」の数字装飾を停止位置とした状態では、上記のように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが、回転ベース3324の領域検知片3325を検知している。つまり、図168(b)に示すように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「1」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330a及び第二領域特定センサ3330bが検知、第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「2」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330aが検知、第二領域特定センサ3330b及び第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「3」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
更に、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「4」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330a及び第二領域特定センサ3330bが非検知、第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「5」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330aが非検知、第二領域特定センサ3330b及び第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「6」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
このように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cの三つの領域特定センサ3330の検知・非検知の組合せにより、何れの数字装飾が、停止位置を含む停止領域内に位置しているのかを、知る(検知する)ことができる。
そして、本実施形態の裏下中回転駆動モータ3333は、ステッピングモータとされていることから、領域特定センサ3330が領域検知片3325を検知してから、30度回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333の回転を停止させることにより、裏下中回転装飾体3310の所望の数字装飾を、停止位置で停止させることが可能となる。しかしながら、そのような制御を行う場合、三つの領域特定センサ3330により停止位置の領域を特定させつつ、停止位置で停止させるための原点の認識を行わせなければならず、裏下中回転装飾体3310の回転停止にかかる制御が複雑になり、負荷が高くなる問題がある。そこで、本実施形態では、停止位置を特定するための複数の位置検知片3326と、位置検知片3326を検知する位置特定センサ3331と、を設けており、位置特定センサ3331により原点を認識させることで、裏下中回転装飾体3310の回転停止にかかる制御の複雑化を抑制して、負荷を軽減させている。
具体的に詳述すると、裏下中回転装飾体3310を、所望の数字装飾を停止位置で停止させたい場合、裏下中回転装飾体3310が回転して三つの領域特定センサ3330が所望の停止位置を充足する組合せとなると、位置特定センサ3331が、第一領域特定センサ3330aに対し、30度の角度で回転方向へズレているため、位置特定センサ3331が位置検知片3326の中央を検知している。この状態では、所望の数字が、停止位置から30度の回転角度で離れている。
この状態で、裏下中回転装飾体3310が、位置検知片3326の長さとなるα/2度(ここでは、11.67度)、更に回転すると、位置検知片3326が位置特定センサ3331から離れて、位置特定センサ3331が非検知となる。この位置特定センサ3331が非検知となった角度を原点とする。そして、そこから(原点から)、β度(ここでは、18.33度)回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333による裏下中回転装飾体3310の回転を停止させることで、所望の数字装飾を停止位置に正確に停止させることができる。
なお、上記では、裏下中回転装飾体3310の回転停止を、角度により説明したが、ステッピングモータからなる裏下中回転駆動モータ3333の回転stepにより回転停止させるようにしても良い。例えば、1回転を396stepとした場合、三つの領域特定センサ3330が所望の停止位置を充足する組合せとなった状態で、裏下中回転装飾体3310が、13step更に回転すると、位置検知片3326が位置特定センサ3331から離れて、位置特定センサ3331が非検知となる。この位置特定センサ3331が非検知となった角度を原点として、20step回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333による裏下中回転装飾体3310の回転を停止させることで、所望の数字装飾を停止位置に正確に停止させることができる。
次に、裏下中演出ユニット3300における発光装飾について説明する。裏下中演出ユニット3300は、図169に示すように、裏下中装飾体ユニット3320に、裏下中回転装飾体3310を発光装飾させるための複数のLEDが実装された、裏下中第一装飾基板3322と裏下中第二装飾基板3329とを備えている。裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDは、裏下中回転装飾体3310における六つの数字装飾の後方に位置しており、夫々の数字装飾を、独立して発光装飾させることができる。
一方、裏下中第二装飾基板3329の複数のLEDは、裏下中回転装飾体3310における複数の数字装飾よりも外側の部位の後方に位置しており、裏下中回転装飾体3310の外周縁を発光装飾させることができる。
この裏下中演出ユニット3300は、上述したように、三つの領域特定センサ3330により裏下中回転装飾体3310の回転位置をある程度、検知することができるため、領域特定センサ3330の検知に基づいて、裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDを適宜発光させることにより、特定の数字装飾のみを発光装飾させた状態や、夫々の数字装飾を異なる色で発光装飾させた状態で、回転させることができ、遊技者の関心を強く引付けられる演出を遊技者に見せることができる。
また、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置の状態では、裏下中回転装飾体3310の下側の数字装飾が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置しているため、裏下中第一装飾基板3322における当該部位のLEDを発光させることにより、第一始動口2002を発光装飾させることができる。これにより、遊技者の関心を第一始動口2002へ向けさせることができる。また、第一始動口2002へ遊技球Bが入賞したことを契機に、裏下中第一装飾基板3322のLEDを発光(または、複数の発光態様の中から一の発光態様を決定して発光)させるようにしても良い。
このように、本実施形態の裏下中演出ユニット3300によれば、これにより、6つの停止位置を有した回転する裏下中回転装飾体3310に、三つの停止位置に亘る長さの領域検知片3325と、各停止位置に対応している六つの位置検知片3326と、を設けると共に、領域検知片3325を検知する三つ領域特定センサ3330と、位置検知片3326を検知する一つの位置特定センサ3331と、を設けるようにしているため、裏下中回転装飾体3310が回転すると、領域検知片3325を検知する三つの領域特定センサ3330が、回転方向の一方側から順番に増加した後に減少することを繰り返すこととなり、裏下中回転装飾体3310が次の停止位置へ回転するまでの間でも、一旦全ての領域特定センサ3330が非検知となることはなく、領域検知片3325を検知している領域特定センサ3330の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の現在の回転位置を大まかに把握することができる。
そして、裏下中回転装飾体3310に、夫々の停止位置に対応している六つの位置検知片3326を備えているため、三つの領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知により裏下中回転装飾体3310の任意の停止位置への回転を大まかに検知した上で、一つの位置特定センサ3331による位置検知片3326の検知により、停止位置を正確に検知することができ、停止位置のズレを可及的に少なくして複数の停止位置を有する裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310を任意の停止位置に正確に停止させることができ、停止位置がズレることで遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止することが可能となり、裏下中回転装飾体3310による演出(可動演出)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310の回転速度を速くしても停止位置のズレを抑制することができると共に、裏下中回転装飾体3310を回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310を往復するものとした場合と比較して、裏下中回転装飾体3310の移動速度(回転速度)をより速くすることができる。従って、速く回転する裏下中回転装飾体3310により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、裏下中回転装飾体3310の回転を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転するものとしていると共に、前面に複数の数字装飾を設けていることから、グルグル回転した後に任意の停止位置で回転停止するルーレットのような演出を遊技者に見せることができるため、所望の数字装飾が停止位置で回転停止するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、裏下中回転装飾体3310による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置の数を偶数としているため、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限の領域特定センサ3330の数により対応可能な停止位置の数と、裏下中回転装飾体3310の停止位置との数とが同じとなり、複数の領域特定センサ3330による能力(停止位置の把握)を最大限に引き出すことができ、より多くの停止位置を有した裏下中回転装飾体3310により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、領域検知片3325や位置検知片3326を、裏下中回転装飾体3310と一緒に回転する回転ベース3324に設けているため、領域検知片3325や位置検知片3326の半径(直径)を可及的に大きくすることができ、停止位置の位置決め精度をより高くすることができる。
なお、上記の実施形態では、裏下中回転装飾体3310と一体的に(一緒に)回転する回転ベース3324に、領域検知片3325や位置検知片3326を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、駆動ギア3334のように裏下中回転装飾体3310の回転に伴って回転する部材に領域検知片3325や位置検知片3326を設けるようにしても良い。
[5−9g.裏上演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏上演出ユニット3400について、主に図170乃至図177等を参照して詳細に説明する。図170(a)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図171は裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図172は裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図173は裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図174は裏ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
図175は、裏上演出ユニットにおける裏上前回転装飾体の回転機構を正面から示す説明図である。図176(a)は裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構を正面から示す説明図であり、(b)は裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構と裏上後回転装飾体の回転機構とを正面から示す説明図である。図177は、裏上演出ユニットにおいて裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で装飾基板を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400は、裏箱3010内における開口部3010aよりも上方で、裏後演出ユニット3100の前側に取付けられるものである。裏上演出ユニット3400は、図171及び図172に示すように、後面の中央から後方へ突出した軸シャフト3410aを有している透明な裏上前回転装飾体3410と、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aが左右方向の中央で貫通している左右に延びた透明な裏上前装飾体3421と、裏上前装飾体3421の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏上前装飾基板3422と、裏上前装飾基板3422の後方に設けられていると共に前面に裏上前装飾体3421が取付けられており裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aを回転可能に支持しているユニットベース3423と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3400は、ユニットベース3423の後面との間に空間を形成するように取付けられている後カバー3424と、後カバー3424の後面に回転軸が前方のユニットベース3423との間の空間内に突出するように取付けられている裏上前回転駆動モータ3425と、裏上前回転駆動モータ3425の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3426と、駆動ギア3426と噛合している平歯車状で裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aの後端に取付けられていると共に前方へ突出した検知片3427aを有している回転ギア3427と、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられており回転ギア3427の検知片3427aを検知可能な裏上回転検知センサ3428(リードタイプ)と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3400は、後カバー3424の後面に回転軸が前方のユニットベース3423との間の空間内に突出するように取付けられている裏上昇降駆動モータ3429と、裏上昇降駆動モータ3429の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3430と、モータギア3430と噛合しているギア部3431a、ギア部3431aの円周よりも外方へ突出した部位から後カバー3424を貫通して後方へ円柱状に突出している駆動ピン3431b、及びギア部3431aの外周付近から前方へ突出している検知片3431c、を有しており後カバー3424に回転可能に取付けられている昇降カムギア3431と、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられており昇降カムギア3431の検知片3431cを検知可能な裏上昇降検知センサ3432(リードタイプ)と、裏上後回転装飾体3440が設けられている先端側が昇降カムギア3431の駆動ピン3431bの公転により昇降するように、基端側が後カバー3424の後面に前後方向の軸周りに回動可能に取付けられている裏上昇降装飾体ユニット3450と、裏上昇降装飾体ユニット3450を先端側が上方へ移動する方向へ回動するように付勢しているバネ3433と、後カバー3424の後側に取付けられており、裏上昇降装飾体ユニット3450の上方への移動を規制している棒状の規制部材3434と、を備えている。
裏上昇降装飾体ユニット3450は、図173及び図174に示すように、透明な裏上後回転装飾体3440の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3440aが中央で貫通している透明な裏上後装飾体3451と、裏上後装飾体3451の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏上後装飾基板3452と、裏上後装飾基板3452の後方から裏上後装飾体3451が前面に取付けられていると共に、ユニットベース3423に回転可能に取付けられ、裏上後回転装飾体3440の軸シャフト3440aを回転可能に支持している昇降ユニットベース3453と、を備えている。
また、裏上昇降装飾体ユニット3450は、昇降ユニットベース3453の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏上後回転駆動モータ3454と、裏上後回転駆動モータ3454の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3455と、駆動ギア3455と噛合しており昇降ユニットベース3453に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3456と、第一伝達ギア3456と噛合しており昇降ユニットベース3453に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3457と、第二伝達ギア3457と噛合しており裏上後回転装飾体3440の軸シャフト3440aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3458と、を備えている。
更に、裏上昇降装飾体ユニット3450は、駆動ギア3455、第一伝達ギア3456、第二伝達ギア3457、及び回転ギア3458を後方から覆うように昇降ユニットベース3453の後面に取付けられているギアカバー3459と、裏上後回転駆動モータ3454を前方から覆うように昇降ユニットベース3453の前面に取付けられているモータカバー3460と、を備えている。
裏上演出ユニット3400の裏上前回転装飾体3410は、桜の花を模した形状に形成されている。裏上前回転装飾体3410の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3410aは、裏上前装飾体3421、裏上前装飾基板3422、及びユニットベース3423を貫通して、ユニットベース3423と後カバー3424との間の空間まで延びている。裏上前装飾体3421は、左右方向の中央に、裏上前回転装飾体3410と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状の装飾を有している。
裏上前装飾基板3422は、裏上前装飾体3421の左右方向の略全長に亘って左右に延びている。裏上前装飾基板3422の表面(実装面)に実装される複数のLEDを発光させることで、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421を発光装飾させることができる。裏上前装飾基板3422の表面(実装面)に実装されている複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421は、透明に形成されており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏上前回転装飾体3410は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されていると共に、裏上前装飾体3421のうち裏上前回転装飾体3410と対応する領域を除いた領域では一定の濃淡となるように(花弁の周縁部における濃淡の濃さと比べて濃淡が薄く、透明度が高くなるように)パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421を通して(花弁の周縁部においても)、裏上前装飾体3421の後方に配置される裏上前装飾基板3422の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏上前装飾基板3422の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏上前装飾基板3422の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏上前回転装飾体3410の後方には、透明な裏上前装飾体3421、そして裏上前装飾基板3422が順番に配置されているため、裏上前装飾基板3422の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏上前装飾体3421を介して、又は裏上前装飾体3421、そして裏上前回転装飾体3410を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏上前装飾基板3422の表面(実装面)の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏上前装飾基板3422の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)、裏上回転検知センサ3428(リードタイプ)、及び裏上昇降検知センサ3432(リードタイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏上前装飾基板3422の裏面(後面)には、複数のコネクタ(表面実装タイプ)、裏上回転検知センサ3428(リードタイプ)、及び裏上昇降検知センサ3432(リードタイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏上前装飾基板3422の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏上前装飾基板3422の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ユニットベース3423は、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられている裏上回転検知センサ3428及び裏上昇降検知センサ3432が夫々挿通される貫通孔3423aを有している。後カバー3424は、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aと同軸上で、後面から後方へ突出している円柱状の支持軸3424aと、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが挿通される円弧状に延びたスリット3424bと、を有している。後カバー3424の支持軸3424aは、裏上昇降装飾体ユニット3450を回動可能に支持するためのものであり、昇降ユニットベース3453の軸孔3453a内に挿入される。
回転ギア3427の検知片3427aは、ユニットベース3423の貫通孔3423aを貫通して後方へ突出した裏上回転検知センサ3428に検知される。昇降カムギア3431は、ギア部3431aが半円弧状に形成されており、ギア部3431aの反対側から外方へ膨出した部位に後方へ突出した駆動ピン3431bが設けられている。昇降カムギア3431の駆動ピン3431bは、後カバー3424のスリット3424bを貫通して裏上昇降装飾体ユニット3450における昇降ユニットベース3453のスリット3453b内に摺動可能に挿入される。また、昇降カムギア3431の検知片3431cは、ユニットベース3423の貫通孔3423aを貫通して後方へ突出した裏上昇降検知センサ3432に検知される。
裏上後回転装飾体3440は、桜の花を模した形状に形成されている。裏上後回転装飾体3440の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3440aは、裏上後装飾体3451、裏上後装飾基板3452、及び昇降ユニットベース3453を貫通して、昇降ユニットベース3453の後側まで延びている。裏上後装飾体3451は、裏上後回転装飾体3440と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状の装飾を有している。
裏上後装飾基板3452は、前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を発光装飾させることができる。裏上後装飾基板3452の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451は、透明に形成されており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を通して(花弁の周縁部においても)、裏上後装飾体3451の後方に配置される裏上後装飾基板3452の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏上後装飾基板3452の表面(実装面)に実装される複数のLEDやコネクタ等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏上後装飾基板3452の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏上後回転装飾体3440の後方には、透明な裏上後装飾体3451、そして裏上後装飾基板3452が順番に配置されているため、裏上後装飾基板3452の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏上後装飾体3451を介して、又は裏上後装飾体3451、そして裏上後回転装飾体3440を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏上後装飾基板3452の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっており、コネクタは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏上後装飾基板3452の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏上後装飾基板3452の裏面(後面)には、コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏上後装飾基板3452の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLEDの表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏上後装飾基板3452の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタの裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
昇降ユニットベース3453は、基端側(正面視において右端側)に前後に貫通し後カバー3424の支持軸3424aが相対回転可能に挿入される軸孔3453aと、軸孔3453aの右方に設けられており軸孔3453aの中心を通る線上に沿って延びている長孔状のスリット3453bと、を有している。昇降ユニットベース3453のスリット3453b内には、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが摺動可能に挿入される。モータカバー3460は、前面に桜の花を模した装飾が形成されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏上前装飾基板3422及び裏上後装飾基板3452の表面(前面)には、上述したように、複数のLED等が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏上前装飾基板3422及び裏上後装飾基板3452の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
次に、裏上演出ユニット3400における裏上前回転装飾体3410、裏上後回転装飾体3440、及び裏上昇降装飾体ユニット3450の動きについて説明する。裏上演出ユニット3400は、通常の状態では、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aに取付けられている回転ギア3427の検知片3427aが、裏上回転検知センサ3428により検知されており、裏上前回転装飾体3410が、一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図175を参照)。この状態で、裏上前回転駆動モータ3425により駆動ギア3426を回転させると、回転ギア3427を介して裏上前回転装飾体3410を前後方向の軸周りに回転させることができる。
また、通常の状態では、先端側に裏上後回転装飾体3440が設けられている裏上昇降装飾体ユニット3450が、左右方向へ延びた状態となっており、先端側を除いた全体が、裏上前装飾体3421の後方に位置して前方から視認不能な退避位置の状態となっている(図176(a)を参照)。なお、裏上昇降装飾体ユニット3450の裏上前装飾体3421よりも左方へ突出している部位は、遊技盤5に組立てた状態で、裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、前方から視認不能となっている。
この通常の状態では、昇降カムギア3431の検知片3431cが、裏上昇降検知センサ3432により検知されている。また、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが、その公転中心よりも下方に位置していると共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の昇降ユニットベース3453のスリット3453b内における軸孔3453aから遠い端部付近に位置している。
詳述すると、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bにおけるスリット3453bとの接点を通る法線が、昇降カムギア3431の回転中心を通るように延びている。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453を、先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、スリット3453bに当接している駆動ピン3431bを介して、昇降カムギア3431の回転中心を通るため、昇降カムギア3431は回転することはない。従って、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bも公転しないため、昇降ユニットベース3453が回動することはなく、裏上昇降装飾体ユニット3450が退避位置から、先端側が下方へ移動するように回動することはない。そのため、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重が、昇降ユニットベース3453及び昇降カムギア3431を介して裏上昇降駆動モータ3429に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bを、スリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が反時計回りの方向へ回動しようとすると、スリット3453bから駆動ピン3431bを介して作用する力により、昇降カムギア3431が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3431bが昇降ユニットベース3453の軸孔3453aから遠ざかる方向へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3431bがスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接しているため、駆動ピン3431bが公転することができず、昇降ユニットベース3453の回動がロックされて、裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430を反時計回りの方向へ回転させると、モータギア3430に噛合しているギア部3431aにより、昇降カムギア3431が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転することで、駆動ピン3431bが左方且つ上方へ移動することとなり、駆動ピン3431bがスリット3453b内を軸孔3453aの方向へ向かって摺動すると共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が、その先端側が下方へ移動するように軸孔3453aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。
昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転して、昇降カムギア3431の回転中心と昇降ユニットベース3453の軸孔3453aの中心とを結んだ直線よりも上方へ移動すると、駆動ピン3431bがスリット3453b内を、軸孔3453aから遠ざかる方向へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3431bが更に時計回りの方向へ公転して、スリット3453bにおける軸孔3453aから遠い端部付近に到達すると、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430の回転が停止すると同時に、駆動ピン3431bの公転が停止する。
これにより、昇降ユニットベース3453を介した裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動が停止し、裏上後回転装飾体3440を含む裏上昇降装飾体ユニット3450の先端側が、裏上前装飾体3421よりも下方へ移動した出現位置の状態となる(図176(b)を参照)。この出現位置の状態では、裏上昇降装飾体ユニット3450の中央付近よりも先端側が、裏上前装飾体3421よりも下方に位置しているため、裏上後回転装飾体3440等が前方から視認可能な状態となる。
裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置の状態では、駆動ピン3431bにおけるスリット3453bとの接点を通る法線が、昇降カムギア3431の回転中心を通るように延びている。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453を更に反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、スリット3453bに当接している駆動ピン3431bを介して、昇降カムギア3431の回転中心を通るため、昇降カムギア3431は回転することはない。従って、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bも公転しないため、昇降ユニットベース3453が回動することはなく、裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置から更に、先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動することはないと共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重が昇降カムギア3431を介して裏上昇降駆動モータ3429に作用することはない。
なお、裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置の状態において、昇降カムギア3431を更に公転させて、駆動ピン3431bをスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が更に反時計回りの方向へ回動しようとすると、スリット3453bから駆動ピン3431bを介して作用する力により、昇降カムギア3431が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3431bが昇降ユニットベース3453の軸孔3453aから遠ざかる方向へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3431bがスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接しているため、駆動ピン3431bは公転することができず、昇降ユニットベース3453の回動がロックされて、裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動を阻止することができる。
裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から出現位置側へ移動させた状態では、先端側に設けられている裏上後回転装飾体3440が前方から視認可能となる。裏上昇降装飾体ユニット3450では、裏上後回転駆動モータ3454により駆動ギア3455を回転させると、第一伝達ギア3456、第二伝達ギア3457、及び回転ギア3458を介して、裏上後回転装飾体3440を前後方向の軸周りに回転させることができる(図176(b)を参照)。従って、裏上後回転装飾体3440が前方から視認可能な時に、裏上後回転駆動モータ3454により駆動ギア3455を回転させると、回転している裏上後回転装飾体3440を視認させることができる。
裏上昇降装飾体ユニット3450を出現位置から退避位置へ復帰させる場合は、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430を上記とは逆方向へ回転させることで、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが、昇降ユニットベース3453のスリット3453bの内面を下方へ押圧し、昇降ユニットベース3453が時計回りの方向へ回動して、裏上昇降装飾体ユニット3450の先端側が上方へ移動する。そして、昇降カムギア3431の検知片3431cが、裏上昇降検知センサ3432により検知されたら、裏上昇降駆動モータ3429によるモータギア3430の回転を停止させることにより、裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置に復帰させることができる。
この際に、バネ3433が、裏上昇降装飾体ユニット3450を時計回りの方向へ付勢しており、裏上昇降装飾体ユニット3450の退避位置側への回動をアシストして、裏上昇降駆動モータ3429にかかる負荷を軽減させている。
本実施形態の裏上演出ユニット3400は、図177に示すように、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421の後方に、裏上前装飾基板3422が設けられているため、裏上前装飾基板3422に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421を発光装飾させることができる。また、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451の後方に、裏上後装飾基板3452が設けられているため、裏上後装飾基板3452に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を発光装飾させることができる。
この際に、裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から出現位置側へ回動させた状態で、裏上後装飾基板3452のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を遊技者に見せることができる。
[5−9h.裏後左演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500について、主の図178乃至図184等を参照して、詳細に説明する。図178(a)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図179は裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図180は裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図181は裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図182は裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図183は、裏後左演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。図184は、裏後左演出ユニットにおける裏後左装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後左演出ユニット3500は、裏箱3010内の左端付近で、裏後演出ユニット3100の左辺の前方に設けられている。裏後左演出ユニット3500は、前後方向の軸周りに回転可能な透明な裏後左回転装飾体3510と、下端側において裏後左回転装飾体3510を回転可能に支持している裏後左装飾体ユニット3520と、裏後左装飾体ユニット3520の上端側を前後方向の軸周りに回動させ、裏箱3010内に取付けられている裏後左駆動ユニット3550と、を備えている。
裏後左演出ユニット3500の裏後左回転装飾体3510は、桜の花を模した形状に形成されている。裏後左回転装飾体3510は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸シャフト3510aを有している(図182を参照)。
裏後左装飾体ユニット3520は、図181及び図182に示すように、透明な裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aが中央で貫通している透明な裏後左装飾体3521と、裏後左装飾体3521の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏後左装飾基板3522と、裏後左装飾基板3522の後方から裏後左装飾体3521の後側に取付けられていると共に、裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aを回転可能に支持している前カバー3523と、前カバー3523の後側に取付けられていると共に、上端側が裏後左駆動ユニット3550に回転可能に取付けられる可動ベース3524と、を備えている。
また、裏後左装飾体ユニット3520は、可動ベース3524の後面に回転軸が可動ベース3524と前カバー3523との間へ突出するように取付けられている裏後左回転駆動モータ3525と、裏後左回転駆動モータ3525の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3526と、駆動ギア3526と噛合しており裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3527と、を備えている。
裏後左装飾体ユニット3520の裏後左装飾体3521は、裏後左回転装飾体3510と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。裏後左装飾基板3522の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521は、透明に形成されると共に、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521を通して(花弁の周縁部においても)、裏後左装飾体3521の後方に配置される裏後左装飾基板3522の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏後左装飾基板3522の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏後左装飾基板3522の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏後左回転装飾体3510の後方には、透明な裏後左装飾体3521、そして裏後左装飾基板3522が順番に配置されているため、裏後左装飾基板3522の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏後左装飾体3521、そして裏後左回転装飾体3510を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏後左装飾基板3522の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏後左装飾基板3522の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏後左装飾基板3522の裏面(後面)には、コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏後左装飾基板3522の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後左装飾基板3522の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏後左装飾基板3522の表面(前面)には、上述したように、複数のLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏後左装飾基板3522の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
前カバー3523は、正面視の形状が、裏後左装飾体3521の外形と同じ形状の部位と、当該部位の左上から上方へ四角形に延びている部位とを、組み合わせた形状に形成されている。前カバー3523は、上方へ四角形に延びている部位の前面に複数の桜の花の装飾が形成されている。前カバー3523は、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
可動ベース3524は、前カバー3523の開放されている後側を閉鎖するように形成されており、上端側が前カバー3523の上端よりも上方へ延出している。可動ベース3524は、上端側において前後に貫通している軸孔3524aと、軸孔3524aから離れた位置で前方へ円柱状に突出している作動ピン3524bと、を有している。可動ベース3524の軸孔3524aは、裏後左駆動ユニット3550の補強板3551の支持軸3551aが相対回転可能に挿入される。また、作動ピン3524bは、軸孔3524aの下方且つ右方の位置で、前方へ突出している。
この裏後左装飾体ユニット3520は、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させると、駆動ギア3526と噛合している回転ギア3527を介して裏後左回転装飾体3510を、前後方向の軸周りに回転させることができる。
裏後左駆動ユニット3550は、図179及び図180に示すように、裏後左装飾体ユニット3520を回転可能に支持する支持軸3551aを有している上下に延びた平板状の補強板3551と、補強板3551の前面に取付けられており裏箱3010内に取付けられる上下に延びたユニットベース3552と、ユニットベース3552の前面に取付けられているユニットカバー3553と、ユニットカバー3553の前面上部に回転軸がユニットベース3552とユニットカバー3553との間へ突出するように取付けられている裏後左昇降駆動モータ3554と、裏後左昇降駆動モータ3554の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3555と、を備えている。
また、裏後左駆動ユニット3550は、モータギア3555と噛合しておりユニットカバー3553に回転可能に取付けられている平歯車状の伝達ギア3556と、伝達ギア3556と噛合する平歯車状のギア部3557a、ギア部3557aの外周付近から後方へ円柱状に突出している駆動ピン3557b、及びギア部3557aの前面外周付近から前方へ突出している検知片3557c、を有している昇降カムギア3557と、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが摺動可能に挿入される左右に延びた第一スリット3558a、及び第一スリット3558aの下方で左右に延びており裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の作動ピン3524bが摺動可能に挿入される第二スリット3558b、を有しており、ユニットベース3552とユニットカバー3553との間で上下方向へスライド可能に取付けられているリンク部材3558と、を備えている。
更に、裏後左駆動ユニット3550は、リンク部材3558を上方へ付勢しているバネ3559と、リンク部材3558と昇降カムギア3557との間に設けられている平板状の仕切板3560と、ユニットカバー3553の前面に取付けられている裏後左中継基板3561と、裏後左中継基板3561の後面に取付けられており、昇降カムギア3557の検知片3557cを検知可能な裏後左昇降検知センサ3562(リードタイプ)と、を備えている。
なお、裏後左中継基板3561の前面及び後面には、各種コネクタや裏後左昇降検知センサ3562が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層がそれぞれ形成されている。また、裏後左中継基板3561の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のコネクタ等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後左中継基板3561の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ、裏後左昇降検知センサ3562等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後左中継基板3561は、装飾基板でなく、LEDが実装されていないものの、遊技盤5内に設けられている基板であるため、裏後左中継基板3561の前面及び後面を反射板(レフ板)として機能させることにより、遊技盤5内に設けられる各種装飾基板に実装されるLEDが発した光が遊技盤5内部で屈折した場合に、この光を遊技盤5の前方へ向けて発光演出に寄与することができるようになっている。
裏後左駆動ユニット3550の補強板3551は、上下に延びた金属板であり、上部において支持軸3551aが前方へ突出している。補強板3551の支持軸3551aは、裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の軸孔3524aに、相対回転可能に挿入される。
ユニットベース3552は、上下方向の中央付近に補強板3551の支持軸3551aが位置するように、補強板3551よりも上下方向へ長く延びている。ユニットカバー3553は、ユニットベース3552と略同じ長さで上下に延びており、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
昇降カムギア3557は、駆動ピン3557bが仕切板3560のスリット3560aを貫通してリンク部材3558の第一スリット3558aに摺動可能に挿入される。検知片3557cは、ユニットカバー3553を貫通して後方へ突出した裏後左昇降検知センサ3562により検知される。リンク部材3558は、上下に延びており、上端付近に第一スリット3558aが設けられていると共に、下端に第二スリット3558bが設けられている。バネ3559は、下端がリンク部材3558に取付けられており、上端が仕切板3560に取付けられている。
仕切板3560は、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが挿通される半円弧状に延びたスリット3560aを有している。裏後左中継基板3561は、裏後左装飾基板3522、裏後左回転駆動モータ3525、裏後左昇降駆動モータ3554、及び裏後左昇降検知センサ3562と、演出駆動基板1720との接続を中継するためのものである。
続いて、裏後左演出ユニット3500の動作について説明する。裏後左演出ユニット3500は、通常の状態では、図183及び図184(a)に示すように、下端側(先端側)に裏後左回転装飾体3510が設けられている裏後左装飾体ユニット3520が垂下した退避位置の状態となっている。この通常の状態では、裏後左装飾体ユニット3520(裏後左回転装飾体3510)が、裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
また、遊技盤5に組立てた通常の状態では、裏後左演出ユニット3500の殆どが、裏前左装飾体3030及び裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、裏後左昇降駆動モータ3554の一部のみが前方へ臨んでいる(図131等を参照)。なお、裏後左昇降駆動モータ3554の前方へ臨んでいる部位は、パチンコ機1に組立てた状態では、扉枠3の扉窓101aよりも外側の部位により前方が覆われた状態となり、遊技者側から視認不能となる(図135を参照)。
この通常の状態では、昇降カムギア3557の検知片3557cが、裏後左昇降検知センサ3562により検知されている。また、通常の状態では、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが、昇降カムギア3557の回転中心の直下に位置していると共に、リンク部材3558における第一スリット3558a内の左端付近に位置している。また、通常の状態では、リンク部材3558が下方の移動端に位置しており、裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の軸孔3524aよりも右方に位置している作動ピン3524bが、リンク部材3558の第二スリット3558b内の左端付近に位置している。
この通常の状態では、バネ3559により、リンク部材3558が上方へ移動する方向へ付勢されているが、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bにおける第一スリット3558aと接している接点を通る法線が、昇降カムギア3557の回転中心(駆動ピン3557bの公転中心)を通っているため、バネ3559の付勢力により第一スリット3558aを介して駆動ピン3557bに上方への力が作用しても、駆動ピン3557bは何れの方向へも公転することはなく、リンク部材3558が上方へ移動することはない。従って、リンク部材3558が上方へ移動しないため、裏後左装飾体ユニット3520(裏後左回転装飾体3510)が、退避位置の状態から可動ベース3524の軸孔3524a(支持軸3551a)を中心として回動することはないと共に、バネ3559の付勢力が、リンク部材3558及び昇降カムギア3557等を介して裏後左昇降駆動モータ3554に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bを、第一スリット3558aの左端に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3559の付勢力によりリンク部材3558が上方へ移動しようとすると、第一スリット3558aから駆動ピン3557bを介して作用する力により、昇降カムギア3557が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが、左方へ移動する方向へ公転しようとすることとなるが、駆動ピン3557bが第一スリット3558aの左端に当接していることで、駆動ピン3557bが公転することができず、昇降カムギア3557を介してリンク部材3558の上方への移動がロックされて、裏後左装飾体ユニット3520の退避位置からの回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏後左昇降駆動モータ3554によりモータギア3555を反時計回りの方向へ回転させると、伝達ギア3556及びギア部3557aを介して昇降カムギア3557が反時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが反時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3557bが反時計回りの方向へ公転すると、第一スリット3558aの内面を上方へ押圧しながら、第一スリット3558a内を右方へ摺動することとなり、リンク部材3558が上方へ移動することとなる。
リンク部材3558が上方へ移動すると、支持軸3551aの下方且つ右方で突出している裏後左装飾体ユニット3520の可動ベース3524の作動ピン3524bが、リンク部材3558の第二スリット3558bの内面により上方へ押圧され、作動ピン3524bが第二スリット3558b内を右方へ摺動しながら、可動ベース3524が支持軸3551aを中心として反時計回りの方向へ回動し、裏後左装飾体ユニット3520が退避位置から反時計回りの方向へ回動することとなる(図184(a)及び(b)を参照)。この際に、バネ3559の付勢力によりリンク部材3558の上方への移動をアシストしており、裏後左昇降駆動モータ3554にかかる負荷を軽減させている。
このようにして裏後左装飾体ユニット3520が支持軸3551aを中心として反時計回りの方向へ回動することで、下端側に設けられている裏後左回転装飾体3510が右方へ移動しつつ上方へ移動することとなり、裏後左回転装飾体3510が裏前左演出ユニット3700よりも右方へ移動して、前方(遊技者側)から視認可能な状態となる。
本実施形態の裏後左演出ユニット3500では、昇降カムギア3557が、通常の状態(退避位置の状態)から反時計回りの方向へ約90度回転した時の裏後左装飾体ユニット3520の回動位置を、第一出現位置としている(図184(b)を参照)。この第一出現位置の状態では、裏後左装飾体ユニット3520が、退避位置の状態から反時計回りの方向へ約44度回動している。
そして、第一出現位置の状態から、昇降カムギア3557が更に反時計回りの方向へ回転すると、駆動ピン3557bが、第一スリット3558a内を左方へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3557bが、公転中心の直上まで移動すると(通常の状態から180度公転すると)、裏後左昇降駆動モータ3554によるモータギア3555の回転が停止すると同時に、駆動ピン3557bの公転が停止する。
これにより、リンク部材3558の上方への移動が停止し、裏後左装飾体ユニット3520の反時計回りの方向への回動が停止して、第二出現位置の状態となる(図184(c)を参照)。この第二出現位置の状態では、裏後左装飾体ユニット3520が、退避位置の状態から反時計回りの方向へ約74度回動している。
裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態では、駆動ピン3557bが、昇降カムギア3557の回転中心の直上に位置している。この状態では、裏後左装飾体ユニット3520の自重により、裏後左装飾体ユニット3520が支持軸3551aを中心にして時計回りの方向へ回動しようとする力が作用し、その力により可動ベース3524の作動ピン3524b及び第二スリット3558bを介してリンク部材3558が下方へ移動しようとすることとなるが、第一スリット3558aに挿入されている駆動ピン3557bが公転中心の直上に位置しているため、駆動ピン3557bが何れの方向へも公転することはない。
従って、駆動ピン3557bが公転しないことから昇降カムギア3557も回転することはないため、リンク部材3558が下方へ移動することはなく、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態から回動することはないと共に、裏後左装飾体ユニット3520の自重による力が、リンク部材3558及び昇降カムギア3557等を介して裏後左昇降駆動モータ3554に作用することはない。
なお、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態において、昇降カムギア3557を更に反時計回りの方向へ回転させて、駆動ピン3557bを第一スリット3558aの左端に当接させるようにしても良い。これにより、裏後左装飾体ユニット3520が自重により支持軸3551aを中心として時計回りの方向へ回動しようとすることで、作動ピン3524bを介してリンク部材3558が下方へ移動しようとすると、第一スリット3558aから駆動ピン3557bを介して作用する力により、昇降カムギア3557が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3557bが左方へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3557bが第一スリット3558aの左端に当接しているため、駆動ピン3557bは公転することができず、リンク部材3558の下方への移動が阻止され、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態で回動不能にロックすることができる。
裏後左装飾体ユニット3520を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置へ回動させた状態では、下端側に設けられている裏後左回転装飾体3510が前方(遊技者側)から視認可能となる。
この裏後左装飾体ユニット3520では、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させることで、駆動ギア3526と噛合している回転ギア3527を介して裏後左回転装飾体3510を、前後方向の軸周りに回転させることができる(図183を参照)。従って、裏後左回転装飾体3510が前方(遊技者側)から視認可能な時に、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させると、回転している裏後左回転装飾体3510を遊技者に視認させることができる。
裏後左装飾体ユニット3520を第一出現位置や第二出現位置の状態から、通常の状態である退避位置へ復帰させる場合は、裏後左昇降駆動モータ3554によりモータギア3555を、上記とは逆の方向へ回転させることで、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bの公転によりリンク部材3558を下方へ移動させることができ、リンク部材3558の下方への移動に伴って、裏後左装飾体ユニット3520が退避位置の方向(時計回りの方向)へ回動することとなる。そして、昇降カムギア3557の検知片3557cが、裏後左昇降検知センサ3562により検知されたら、裏後左昇降駆動モータ3554によるモータギア3555の回転を停止させることにより、裏後左装飾体ユニット3520を退避位置の状態に復帰させることができる。
本実施形態の裏後左演出ユニット3500は、図183に示すように、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521の後方に、裏後左装飾基板3522が設けられているため、裏後左装飾基板3522に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521を発光装飾させることができる。この際に、裏後左装飾体ユニット3520を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置側へ回動させた状態で、裏後左装飾基板3522のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521を遊技者に見せることができる。
[5−9i.裏後右演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後右演出ユニット3600について、主の図185乃至図191等を参照して、詳細に説明する。図185(a)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図186は裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図187は裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図188は裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図189は裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図190は、裏後右演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。図191は、裏後右演出ユニットにおける裏後右装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後右演出ユニット3600は、裏箱3010内の右端付近で、裏後演出ユニット3100の右辺の前方に設けられている。裏後右演出ユニット3600は、前後方向の軸周りに回転可能な透明な裏後右回転装飾体3610と、下端側において裏後右回転装飾体3610を回転可能に支持している裏後右装飾体ユニット3620と、裏後右装飾体ユニット3620の上端側を前後方向の軸周りに回動させ、裏箱3010内に取付けられている裏後右駆動ユニット3650と、を備えている。
裏後右演出ユニット3600の裏後右回転装飾体3610は、桜の花を模した形状に形成されている。裏後右回転装飾体3610は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸シャフト3610aを有している(図188を参照)。
裏後右装飾体ユニット3620は、図188及び図189に示すように、透明な裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aが中央で貫通している透明な裏後右装飾体3621と、裏後右装飾体3621の後方に設けられており前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏後右装飾基板3622と、裏後右装飾基板3622の後方から裏後右装飾体3621の後側に取付けられていると共に、裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aを回転可能に支持している前カバー3623と、前カバー3623の後側に取付けられていると共に、上端側が裏後右駆動ユニット3650に回転可能に取付けられる可動ベース3624と、を備えている。
また、裏後右装飾体ユニット3620は、可動ベース3624の後面に回転軸が可動ベース3624と前カバー3623との間へ突出するように取付けられている裏後右回転駆動モータ3625と、裏後右回転駆動モータ3625の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3626と、駆動ギア3626と噛合しており裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3627と、を備えている。
裏後右装飾体ユニット3620の裏後右装飾体3621は、裏後右回転装飾体3610と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。裏後右装飾基板3622の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621は、透明に形成されると共に、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸が形成されている。詳述すると、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621は、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されており、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなるもの)なるようにパチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されているが、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621を通して(花弁の周縁部においても)、裏後右装飾体3621の後方に配置される裏後右装飾基板3622の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏後右装飾基板3622の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏後右装飾基板3622の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏後右回転装飾体3610の後方には、透明な裏後右装飾体3621、そして裏後右装飾基板3622が順番に配置されているため、裏後右装飾基板3622の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏後右装飾体3621、そして裏後右回転装飾体3610を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏後右装飾基板3622の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏後右装飾基板3622の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏後右装飾基板3622の裏面(後面)には、コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏後右装飾基板3622の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後右装飾基板3622の裏面(後面)には、図示は省略するが、コネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏後右装飾基板3622の表面(前面)には、上述したように、複数のLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏後右装飾基板3622の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
前カバー3623は、正面視の形状が、裏後右装飾体3621の外形と同じ形状の部位と、当該部位の右上から上方へ四角形に延びている部位とを、組み合わせた形状に形成されている。前カバー3623は、上方へ四角形に延びている部位の前面に複数の桜の花の装飾が形成されている。前カバー3623は、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
可動ベース3624は、前カバー3623の開放されている後側を閉鎖するように形成されており、上端側が前カバー3623の上端よりも上方へ延出している。可動ベース3624は、上端側において前後に貫通している軸孔3624aと、軸孔3624aから離れた位置で前方へ円柱状に突出している作動ピン3624bと、を有している。可動ベース3624の軸孔3624aは、裏後右駆動ユニット3650の補強板3651の支持軸3651aが相対回転可能に挿入される。また、作動ピン3624bは、軸孔3624aの下方且つ左方の位置で、前方へ突出している。
この裏後右装飾体ユニット3620は、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させると、駆動ギア3626と噛合している回転ギア3627を介して裏後右回転装飾体3610を、前後方向の軸周りに回転させることができる。
裏後右駆動ユニット3650は、図186及び図187に示すように、裏後右装飾体ユニット3620を回転可能に支持する支持軸3651aを有している上下に延びた平板状の補強板3651と、補強板3651の前面に取付けられており裏箱3010内に取付けられる上下に延びたユニットベース3652と、上部がユニットベース3652の前面に取付けられている上下に延びたユニットカバー3653と、ユニットカバー3653の前面上部に回転軸がユニットベース3652とユニットカバー3653との間へ突出するように取付けられている裏後右昇降駆動モータ3654と、裏後右昇降駆動モータ3654の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3655と、を備えている。
また、裏後右駆動ユニット3650は、モータギア3655と噛合している平歯車状のギア部3657a、ギア部3657aの外周付近から後方へ円柱状に突出している駆動ピン3657b、及びギア部3657aの前面外周付近から前方へ突出している検知片3657c、を有している昇降カムギア3657と、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが摺動可能に挿入される左右に延びた第一スリット3658a、及び第一スリット3658aの下方で左右に延びており裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の作動ピン3624bが摺動可能に挿入される第二スリット3658b、を有しており、ユニットベース3652とユニットカバー3653との間で上下方向へスライド可能に取付けられているリンク部材3658と、を備えている。
更に、裏後右駆動ユニット3650は、リンク部材3658を上方へ付勢しているバネ3659と、リンク部材3658と昇降カムギア3657との間に設けられている平板状の仕切板3660と、ユニットカバー3653の前面に取付けられている裏後右中継基板3661と、裏後右中継基板3661の後面に取付けられており、昇降カムギア3657の検知片3657cを検知可能な裏後右昇降検知センサ3662(リードタイプ)と、ユニットベース3652の下方で補強板3651の前面に取付けられていると共に、前面にユニットカバー3653の下部が取付けられている下部ベース3663と、を備えている。
なお、裏後右中継基板3661の前面及び後面には、各種コネクタや裏後右昇降検知センサ3662が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層がそれぞれ形成されている。また、裏後右中継基板3661の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のコネクタ等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後右中継基板3661の裏面(後面)には、図示は省略するが、複数のコネクタ、裏後右昇降検知センサ3662等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏後右中継基板3661は、装飾基板でなく、LEDが実装されていないものの、遊技盤5内に設けられている基板であるため、裏後右中継基板3661の前面及び後面を反射板(レフ板)として機能させることにより、遊技盤5内に設けられる各種装飾基板に実装されるLEDが発した光が遊技盤5内部で屈折した場合に、この光を遊技盤5の前方へ向けて発光演出に寄与することができるようになっている。
裏後右駆動ユニット3650の補強板3651は、上下に延びた金属板であり、上部において支持軸3651aが前方へ突出している。補強板3651の支持軸3651aは、裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の軸孔3624aに、相対回転可能に挿入される。
ユニットベース3652は、下端付近に補強板3651の支持軸3651aが位置するように、補強板3651よりも上方へ延びている。ユニットカバー3653は、ユニットベース3652の上端から補強板3651(下部ベース3663)の下端までと略同じ長さで上下に延びており、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
昇降カムギア3657は、駆動ピン3657bが仕切板3660のスリット3660aを貫通してリンク部材3658の第一スリット3658aに摺動可能に挿入される。検知片3657cは、ユニットカバー3653を貫通して後方へ突出した裏後右昇降検知センサ3662により検知される。リンク部材3658は、上下に延びており、上端付近に第一スリット3658aが設けられていると共に、下端に第二スリット3658bが設けられている。バネ3659は、下端がリンク部材3658に取付けられており、上端が仕切板3660に取付けられている。
仕切板3660は、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが挿通される半円弧状に延びたスリット3660aを有している。裏後右中継基板3661は、裏後右装飾基板3622、裏後右回転駆動モータ3625、裏後右昇降駆動モータ3654、及び裏後右昇降検知センサ3662と、演出駆動基板1720との接続を中継するためのものである。
続いて、裏後右演出ユニット3600の動作について説明する。裏後右演出ユニット3600は、通常の状態では、図190及び図191(a)に示すように、下端側(先端側)に裏後右回転装飾体3610が設けられている裏後右装飾体ユニット3620が垂下した退避位置の状態となっている。この通常の状態では、裏後右装飾体ユニット3620(裏後右回転装飾体3610)が、裏前右演出ユニット3800の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
また、遊技盤5に組立てた通常の状態では、裏後右演出ユニット3600が、裏前右装飾体3040及び裏前右演出ユニット3800の後方に位置しており、全体が前方(遊技者側)から視認不能となっている。
この通常の状態では、昇降カムギア3657の検知片3657cが、裏後右昇降検知センサ3662により検知されている。また、通常の状態では、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが、昇降カムギア3657の回転中心の直下に位置していると共に、リンク部材3658における第一スリット3658a内の右端付近に位置している。また、通常の状態では、リンク部材3658が下方の移動端に位置しており、裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の軸孔3624aよりも左方に位置している作動ピン3624bが、リンク部材3658の第二スリット3658b内の右端付近に位置している。
この通常の状態では、バネ3659により、リンク部材3658が上方へ移動する方向へ付勢されているが、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bにおける第一スリット3658aと接している接点を通る法線が、昇降カムギア3657の回転中心(駆動ピン3657bの公転中心)を通っているため、バネ3659の付勢力により第一スリット3658aを介して駆動ピン3657bに上方への力が作用しても、駆動ピン3657bは何れの方向へも公転することはなく、リンク部材3658が上方へ移動することはない。従って、リンク部材3658が上方へ移動しないため、裏後右装飾体ユニット3620(裏後右回転装飾体3610)が、退避位置の状態から可動ベース3624の軸孔3624a(支持軸3651a)を中心として回動することはないと共に、バネ3659の付勢力が、リンク部材3658及び昇降カムギア3657等を介して裏後右昇降駆動モータ3654に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bを、第一スリット3658aの右端に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3659の付勢力によりリンク部材3658が上方へ移動しようとすると、第一スリット3658aから駆動ピン3657bを介して作用する力により、昇降カムギア3657が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが、右方へ移動する方向へ公転しようとすることとなるが、駆動ピン3657bが第一スリット3658aの右端に当接していることで、駆動ピン3657bが公転することができず、昇降カムギア3657を介してリンク部材3658の上方への移動がロックされて、裏後右装飾体ユニット3620の退避位置からの回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏後右昇降駆動モータ3654によりモータギア3655を反時計回りの方向へ回転させると、ギア部3657aを介して昇降カムギア3657が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3657bが時計回りの方向へ公転すると、第一スリット3658aの内面を上方へ押圧しながら、第一スリット3658a内を左方へ摺動することとなり、リンク部材3658が上方へ移動することとなる。
リンク部材3658が上方へ移動すると、支持軸3651aの下方且つ左方で突出している裏後右装飾体ユニット3620の可動ベース3624の作動ピン3624bが、リンク部材3658の第二スリット3658bの内面により上方へ押圧され、作動ピン3624bが第二スリット3658b内を左方へ摺動しながら、可動ベース3624が支持軸3651aを中心として時計回りの方向へ回動し、裏後右装飾体ユニット3620が退避位置から時計回りの方向へ回動することとなる(図191(a)及び(b)を参照)。この際に、バネ3659の付勢力によりリンク部材3658の上方への移動をアシストしており、裏後右昇降駆動モータ3654にかかる負荷を軽減させている。
このようにして裏後右装飾体ユニット3620が支持軸3651aを中心として時計回りの方向へ回動することで、下端側に設けられている裏後右回転装飾体3610が左方へ移動しつつ上方へ移動することとなり、裏後右回転装飾体3610が裏前右演出ユニット3800よりも左方へ移動して、前方(遊技者側)から視認可能な状態となる。
本実施形態の裏後右演出ユニット3600では、昇降カムギア3657が、通常の状態(退避位置の状態)から時計回りの方向へ約90度回転した時の裏後右装飾体ユニット3620の回動位置を、第一出現位置としている(図191(b)を参照)。この第一出現位置の状態では、裏後右装飾体ユニット3620が、退避位置の状態から時計回りの方向へ約44度回動している。
そして、第一出現位置の状態から、昇降カムギア3657が更に時計回りの方向へ回転すると、駆動ピン3657bが、第一スリット3658a内を右方へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3657bが、公転中心の直上まで移動すると(通常の状態から180度公転すると)、裏後右昇降駆動モータ3654によるモータギア3655の回転が停止すると同時に、駆動ピン3657bの公転が停止する。
これにより、リンク部材3658の上方への移動が停止し、裏後右装飾体ユニット3620の時計回りの方向への回動が停止して、第二出現位置の状態となる(図191(c)を参照)。この第二出現位置の状態では、裏後右装飾体ユニット3620が、退避位置の状態から時計回りの方向へ約74度回動している。
裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態では、駆動ピン3657bが、昇降カムギア3657の回転中心の直上に位置している。この状態では、裏後右装飾体ユニット3620の自重により、裏後右装飾体ユニット3620が支持軸3651aを中心にして反時計回りの方向へ回動しようとする力が作用し、その力により可動ベース3624の作動ピン3624b及び第二スリット3658bを介してリンク部材3658が下方へ移動しようとすることとなるが、第一スリット3658aに挿入されている駆動ピン3657bが公転中心の直上に位置しているため、駆動ピン3657bが何れの方向へも公転することはない。
従って、駆動ピン3657bが公転しないことから昇降カムギア3657も回転することはないため、リンク部材3658が下方へ移動することはなく、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態から回動することはないと共に、裏後右装飾体ユニット3620の自重による力が、リンク部材3658及び昇降カムギア3657等を介して裏後右昇降駆動モータ3654に作用することはない。
なお、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態において、昇降カムギア3657を更に時計回りの方向へ回転させて、駆動ピン3657bを第一スリット3658aの右端に当接させるようにしても良い。これにより、裏後右装飾体ユニット3620が自重により支持軸3651aを中心として反時計回りの方向へ回動しようとすることで、作動ピン3624bを介してリンク部材3658が下方へ移動しようとすると、第一スリット3658aから駆動ピン3657bを介して作用する力により、昇降カムギア3657が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3657bが右方へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3657bが第一スリット3658aの右端に当接しているため、駆動ピン3657bは公転することができず、リンク部材3658の下方への移動が阻止され、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態で回動不能にロックすることができる。
裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置へ回動させた状態では、下端側に設けられている裏後右回転装飾体3610が前方(遊技者側)から視認可能となる。
この裏後右装飾体ユニット3620では、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させることで、駆動ギア3626と噛合している回転ギア3627を介して裏後右回転装飾体3610を、前後方向の軸周りに回転させることができる(図190を参照)。従って、裏後右回転装飾体3610が前方(遊技者側)から視認可能な時に、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させると、回転している裏後右回転装飾体3610を遊技者に視認させることができる。
裏後右装飾体ユニット3620を第一出現位置や第二出現位置の状態から、通常の状態である退避位置へ復帰させる場合は、裏後右昇降駆動モータ3654によりモータギア3655を、上記とは逆の方向へ回転させることで、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bの公転によりリンク部材3658を下方へ移動させることができ、リンク部材3658の下方への移動に伴って、裏後右装飾体ユニット3620が退避位置の方向(反時計回りの方向)へ回動することとなる。そして、昇降カムギア3657の検知片3657cが、裏後右昇降検知センサ3662により検知されたら、裏後右昇降駆動モータ3654によるモータギア3655の回転を停止させることにより、裏後右装飾体ユニット3620を退避位置の状態に復帰させることができる。
本実施形態の裏後右演出ユニット3600は、図190に示すように、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621の後方に、裏後右装飾基板3622が設けられているため、裏後右装飾基板3622に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621を発光装飾させることができる。この際に、裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置側へ回動させた状態で、裏後右装飾基板3622のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621を遊技者に見せることができる。
[5−9j.裏前左演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700について、主に図192乃至図195等を参照して詳細に説明する。図192(a)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図193は裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図194は裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図195(a)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。
裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700は、裏箱3010内において、左端付近が裏前左装飾体3030の後方に位置するように、裏後左演出ユニット3500の前側に取付けられている。裏前左演出ユニット3700は、上から順に、第一裏前左装飾体ユニット3710A、第二裏前左装飾体ユニット3710B、及び第三裏前左装飾体ユニット3710C、の三つの裏前左装飾体ユニット3710により構成されている。
裏前左演出ユニット3700では、図195に示すように、第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、第二裏前左装飾体ユニット3710B及び第三裏前左装飾体ユニット3710Cと比較して、上端側が右方へ移動するように、斜めに傾斜させられている。また、第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、後カバー3715の形状が、第二裏前左装飾体ユニット3710B及び第三裏前左装飾体ユニット3710Cのものとは若干異なっている。
裏前左演出ユニット3700の裏前左装飾体ユニット3710は、図193及び図194に示すように、前後に貫通した枠状の前カバー3711と、前カバー3711の後側に取付けられている枠状のシャッター支持部材3712と、シャッター支持部材3712の前面において上下方向へ列設されていると共に夫々が左右方向の軸周りに回動可能に支持されて前カバー3711の枠内を開閉可能としているシャッターユニット3730と、を備えている。
また、裏前左装飾体ユニット3710は、シャッター支持部材3712の枠内を後方から閉鎖しており、透明平板状の裏前左装飾体3713と、裏前左装飾体3713の後方に設けられており、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板3714と、裏前左装飾基板3714を後方から覆うように前カバー3711に取付けられており裏後左演出ユニット3500の前面に取付けられる後カバー3715と、を備えている。
更に、裏前左装飾体ユニット3710は、シャッター支持部材3712の左辺側に取付けられている金属板からなる支持板3716と、支持板3716に取付けられている裏前左駆動ソレノイド3717と、裏前左駆動ソレノイド3717におけるプランジャの先端に取付けられている伝達部材3718と、支持板3716に左右方向の軸周りに回動可能に取付けられており、裏前左駆動ソレノイド3717による伝達部材3718の進退により回動するリンク部材3719と、リンク部材3719の回動により上下方向へスライドしてシャッターユニット3730を開閉させる開閉スライダ3720と、を備えている。
裏前左装飾体ユニット3710の前カバー3711は、外形が、「凸」字を右に倒して角を丸めたような形状(「松」を図案化した形状)に形成されている。前カバー3711の前面には、金属光沢を持った金属装飾部3711aが形成されている部位が配置されている。換言すると、前カバー3711の近傍に金属光沢を持った金属装飾部3711aを有する部位が配置されている。本実施形態では、金属光沢を持った金属装飾部3711aを有する部位は、前カバー3711と一体的に成型されているが、前カバー3711と別体に成型して、この成型した部位と前カバー3711とを組み立てるように構成してもよい。
金属装飾部3711aの金属光沢により高級感を付与することができると共に、前カバー3711を目立たせることができ、前カバー3711の存在感をより強調することができるようになっている。金属装飾部3711aは、所定色(本実施形態では金色)の金属箔を、上述したホットスタンピングによる箔押しによって形成されている。前カバー3711は、その前面にのみ金属装飾部3711aが形成されており、前カバー3711の側面に金属装飾部3711aが全く形成されていない。これにより、少なくとも、前カバー3711の側面の長さの分だけ、前カバー3711の金属装飾部3711aから裏前左装飾基板3714までの沿面距離をより長くすることができるため、金属装飾部3711aにおいて蓄積された静電気が裏前左装飾基板3714に流れて、裏前左装飾基板3714が破損してしまうことを防止することができる。したがって、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができる。
シャッター支持部材3712は、前面にシャッターユニット3730における各シャッター部材3731の軸部3733を回転可能に支持する軸受部3712aが複数設けられている。また、シャッター支持部材3712は、前面の左端付近から円筒状に前方へ突出しているボス部3712bを有している。このボス部3712bは、開閉スライダ3720のスリット3720b内に摺動可能に挿入されると共に、先端に支持板3716が取付けられる。
シャッターユニット3730は、複数(ここでは、8個)のシャッター部材3731により構成されている。シャッター部材3731は、左右に延びた平板状のシャッター3732と、シャッター3732の左右方向両端から円柱状に延びている軸部3733と、左側の軸部3733の先端から軸直角方向へ突出した後に左方へ円柱状に延びているクランク軸3734と、を有している。
シャッター3732は、前カバー3711の枠内の形状に対して、シャッター部材3731が配置されている高さに応じた長さ及び形状に、形成されている。軸部3733は、シャッター3732の面を前方へ向けた状態でシャッター3732の上端付近から突出している。クランク軸3734は、軸部3733よりも後方に位置している。
シャッター部材3731は、軸部3733が、シャッター支持部材3712の軸受部3712aにより回転可能に支持されることで、軸部3733を中心として左右方向の軸周りに回動することができる。クランク軸3734は、開閉スライダ3720の伝達溝3720a内に摺動可能に挿入される。
裏前左装飾体3713は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、等の絵柄が施されている。裏前左装飾体3713は、裏前左装飾基板3714のLEDからの光を拡散させることができるインナーレンズとして機能している。インナーレンズである裏前左装飾体3713の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、裏前左装飾体3713の後方に配置される裏前左装飾基板3714の前面に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、裏前左装飾体3713の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、裏前左装飾体3713の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。裏前左装飾基板3714の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
前カバー3711の枠内が開放された開状態では、後述するように、シャッターユニット3730の後方に設けられている裏前左装飾体3713が前方から視認可能な状態となる。この開状態において、裏前左装飾体3713が透明に形成されているため、裏前左装飾体3713を通して、裏前左装飾体3713の後方に配置される裏前左装飾基板3714の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏前左装飾基板3714の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏前左装飾基板3714の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏前左装飾体3713の後方には、裏前左装飾基板3714が配置されているため、前カバー3711の枠内が開放された開状態では、裏前左装飾基板3714の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏前左装飾体3713を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏前左装飾基板3714の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏前左装飾基板3714の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏前左装飾基板3714の裏面(後面)には、各種コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏前左装飾基板3714の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏前左装飾基板3714の裏面(後面)には、図示は省略するが、複数のコネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏前左装飾基板3714の表面(前面)には、上述したように、複数のLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏前左装飾基板3714の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
支持板3716は、左右方向へ板面を向けた状態で上下に延びていると共に、前端側が右方へ屈曲された形状に形成されている。支持板3716は、前端側の右方へ屈曲された部位が、シャッター支持部材3712のボス部3712bの前面に取付けられ、残りの部位が、シャッター支持部材3712の左方を通って後方へ突出している。また、支持板3716は、下端付近から右方へ円柱状に突出している支持ピン3716aを有している。この支持ピン3716aは、リンク部材3719を回動可能に支持するためのものである。
裏前左駆動ソレノイド3717は、プランジャが下方へ進退する向きで支持板3716に取付けられている。裏前左駆動ソレノイド3717は、バネによりプランジャが下方へ突出する方向へ付勢されている。リンク部材3719は、支持板3716の支持ピン3716aが挿入されることで、支持ピン3716aを中心として左右方向の軸周りに回動することができる。このリンク部材3719は、支持ピン3716aが挿入される部位を間にして、伝達部材3718に接続される第一接続部3719aが後側に設けられていると共に、開閉スライダ3720に接続される第二接続部3719bが前側に設けられている。
開閉スライダ3720は、複数のシャッター部材3731からなるシャッターユニット3730の高さと略同じ長さで上下に延びており、シャッターユニット3730の各クランク軸3734が前後方向へ摺動可能に挿入される伝達溝3720aと、シャッター支持部材3712のボス部3712bが上下方向へ摺動可能に挿入されるスリット3720bと、を有している。
次に、裏前左演出ユニット3700の動作について説明する。裏前左演出ユニット3700は、通常の状態では、図195(a)に示すように、シャッターユニット3730のシャッター部材3731のシャッター3732が、その板面を前方へ向けた状態となっており、複数のシャッター3732により前カバー3711の枠内が閉鎖された閉状態となっている。この通常の状態では、シャッターユニット3730の後方に設けられている裏前左装飾体3713が前方(遊技者側)から視認不能となっている。なお、図示は省略するが、シャッターユニット3730が閉状態の時に、シャッターユニット3730(複数のシャッター3732)の前面に、後方の裏前左装飾体3713に施されている絵柄とは異なる絵柄が施されている。
通常の状態では、裏前左駆動ソレノイド3717が非通電(OFF)の状態となっており、バネの付勢力によりプランジャが下方へ突出している。また、通常の状態では、開閉スライダ3720が上方の移動端に位置していると共に、各シャッター部材3731のクランク軸3734が軸部3733よりも上方に位置している。
この通常の状態で、裏前左駆動ソレノイド3717が通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが上方へ移動すると同時に、プランジャの先端に取付けられている伝達部材3718が上方へ移動する。この伝達部材3718が上方へ移動することで、伝達部材3718に接続されているリンク部材3719の第一接続部3719aが上方へ移動することとなり、リンク部材3719が支持ピン3716aを中心として回動することで、第一接続部3719aとは反対側の第二接続部3719bが下方へ移動することとなる。そして、リンク部材3719の第二接続部3719bの下方への移動により、第二接続部3719bに接続されている開閉スライダ3720が下方へ移動することとなる。
この開閉スライダ3720が下方へ移動することにより、伝達溝3720aに挿入されているシャッター部材3731のクランク軸3734が下方へ押圧され、クランク軸3734が軸部3733よりも下方へ位置するように、シャッター部材3731が軸部3733を中心として回動することとなる。これにより、シャッター3732の板面が上下方向を向いた状態となるため、複数のシャッター3732により前カバー3711の枠内が開放された開状態となり、シャッターユニット3730の後方に設けられている裏前左装飾体3713が前方から視認可能な状態となる(図195(b)を参照)。
その後、裏前左駆動ソレノイド3717を非通電(OFF)とすることで、上方へ移動していたプランジャがバネの付勢力により下方へ移動することとなり、上記とは逆の動きをすることで、開状態のシャッターユニット3730が通常の状態である閉状態に復帰することができる。
このように、本実施形態の裏前左演出ユニット3700によれば、裏前左駆動ソレノイド3717によりシャッターユニット3730を開閉させることで、シャッターユニット3730の装飾(絵柄)から、裏前左装飾体3713の装飾(絵柄)に切換えることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
また、シャッターユニット3730及び裏前左装飾体3713の後方に裏前左装飾基板3714を設けているため、シャッターユニット3730が閉状態の時に、裏前左装飾基板3714の複数のLEDを発光させることで、発光装飾されたシャッターユニット3730を遊技者に見せることができ、シャッターユニット3730が開状態の時に、裏前左装飾基板3714の複数のLEDを発光させることで、発光装飾された裏前左装飾体3713を遊技者に見せることができる。
更に、裏前左演出ユニット3700では、第一裏前左装飾体ユニット3710A、第二裏前左装飾体ユニット3710B、及び第三裏前左装飾体ユニット3710C、の三つの裏前左装飾体ユニット3710を、夫々独立してシャッターユニット3730を開閉させたり、発光装飾させたりすることができるため、三つの裏前左装飾体ユニット3710による演出を適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができる。
[5−9k.裏前右演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前右演出ユニット3800について、主に図196乃至図199等を参照して詳細に説明する。図196(a)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図197は裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図198は裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図199(a)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。
裏ユニット3000における裏前右演出ユニット3800は、裏箱3010内において、右端付近の上部が裏前右装飾体3040の後方に位置するように、裏後右演出ユニット3600の前側に取付けられている。裏前右演出ユニット3800は、上から順に、第一裏前右装飾体ユニット3810A、第二裏前右装飾体ユニット3810B、及び第三裏前右装飾体ユニット3810C、の三つの裏前右装飾体ユニット3810により構成されている。
裏前右演出ユニット3800では、図199に示すように、第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、第二裏前右装飾体ユニット3810B及び第三裏前右装飾体ユニット3810Cと比較して、上端側が左方へ移動するように、斜めに傾斜させられている。また、第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、後カバー3815の形状が、第二裏前右装飾体ユニット3810B及び第三裏前右装飾体ユニット3810Cのものとは若干異なっている。
裏前右演出ユニット3800の裏前右装飾体ユニット3810は、図197及び図198に示すように、前後に貫通した枠状の前カバー3811と、前カバー3811の後側に取付けられている枠状のシャッター支持部材3812と、シャッター支持部材3812の前面において上下方向へ列設されていると共に夫々が左右方向の軸周りに回動可能に支持されて前カバー3811の枠内を開閉可能としているシャッターユニット3830と、を備えている。
また、裏前右装飾体ユニット3810は、シャッター支持部材3812の枠内を後方から閉鎖しており、透明平板状の裏前右装飾体3813と、裏前右装飾体3813の後方に設けられており、前面(以下、「表面(実装面)」と記載する場合がある。)に複数のLEDが実装されている裏前右装飾基板3814と、裏前右装飾基板3814を後方から覆うように前カバー3811に取付けられており裏後右演出ユニット3600の前面に取付けられる後カバー3815と、を備えている。
更に、裏前右装飾体ユニット3810は、シャッター支持部材3812の右辺側に取付けられている金属板からなる支持板3816と、支持板3816に取付けられている裏前右駆動ソレノイド3817と、裏前右駆動ソレノイド3817におけるプランジャの先端に取付けられている伝達部材3818と、支持板3816に左右方向の軸周りに回動可能に取付けられており、裏前右駆動ソレノイド3817による伝達部材3818の進退により回動するリンク部材3819と、リンク部材3819の回動により上下方向へスライドしてシャッターユニット3830を開閉させる開閉スライダ3820と、を備えている。
裏前右装飾体ユニット3810の前カバー3811は、外形が、「凸」字を左に倒して角を丸めたような形状(「松」を図案化した形状)に形成されている。前カバー3811の前面には、金属光沢を持った金属装飾部3811aが形成されている部位が配置されている。換言すると、前カバー3811の近傍に金属光沢を持った金属装飾部3811aを有する部位が配置されている。本実施形態では、金属光沢を持った金属装飾部3811aを有する部位は、前カバー3811と一体的に成型されているが、前カバー3811と別体に成型して、この成型した部位と前カバー3811とを組み立てるように構成してもよい。
金属装飾部3811aの金属光沢により高級感を付与することができると共に、前カバー3811を目立たせることができ、前カバー3811の存在感をより強調することができるようになっている。金属装飾部3811aは、所定色(本実施形態では金色)の金属箔を、上述したホットスタンピングによる箔押しによって形成されている。前カバー3811は、その前面にのみ金属装飾部3811aが形成されており、前カバー3811の側面に金属装飾部3811aが全く形成されていない。これにより、少なくとも、前カバー3811の側面の長さの分だけ、前カバー3811の金属装飾部3811aから裏前右装飾基板3814までの沿面距離をより長くすることができるため、金属装飾部3811aにおいて蓄積された静電気が裏前右装飾基板3814に流れて、裏前右装飾基板3814が破損してしまうことを防止することができる。したがって、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができる。
シャッター支持部材3812は、前面にシャッターユニット3830における各シャッター部材3831の軸部3833を回転可能に支持する軸受部3812aが複数設けられている。また、シャッター支持部材3812は、前面の右端付近から円筒状に前方へ突出しているボス部3812bを有している。このボス部3812bは、開閉スライダ3820のスリット3820b内に摺動可能に挿入されると共に、先端に支持板3816が取付けられる。
シャッターユニット3830は、複数(ここでは、8個)のシャッター部材3831により構成されている。シャッター部材3831は、左右に延びた平板状のシャッター3832と、シャッター3832の左右方向両端から円柱状に延びている軸部3833と、右側の軸部3833の先端から軸直角方向へ突出した後に右方へ円柱状に延びているクランク軸3834と、を有している。
シャッター3832は、前カバー3811の枠内の形状に対して、シャッター部材3831が配置されている高さに応じた長さ及び形状に、形成されている。軸部3833は、シャッター3832の面を前方へ向けた状態でシャッター3832の上端付近から突出している。クランク軸3834は、軸部3833よりも後方に位置している。
シャッター部材3831は、軸部3833が、シャッター支持部材3812の軸受部3812aにより回転可能に支持されることで、軸部3833を中心として左右方向の軸周りに回動することができる。クランク軸3834は、開閉スライダ3820の伝達溝3820a内に摺動可能に挿入される。
裏前右装飾体3813は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、等の絵柄が施されている。裏前右装飾体3813は、裏前右装飾基板3814のLEDからの光を拡散させることができるインナーレンズとして機能している。インナーレンズである裏前右装飾体3813の表面は、レンズカットが施されて(多面体に形成されて)光を乱屈折することができるようになっており、裏前右装飾体3813の後方に配置される裏前右装飾基板3814の前面に実装されている複数のLEDが遊技者側から明確に視認し難くなっている。なお、裏前右装飾体3813の表面と共に裏面には、レンズカットが施されていてもよいし(多面体に形成されていてもよいし)、裏前右装飾体3813の表面に代えて裏面には、レンズカットが施されていてもよい(多面体に形成されていてもよい)。裏前右装飾基板3814の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、表面実装タイプであって多色発光可能なフルカラーLEDである。
前カバー3811の枠内が開放された開状態では、後述するように、シャッターユニット3830の後方に設けられている裏前右装飾体3813が前方から視認可能な状態となる。この開状態において、裏前右装飾体3813が透明に形成されているため、裏前右装飾体3813を通して、裏前右装飾体3813の後方に配置される裏前右装飾基板3814の表面(実装面)を視認することができるようになっている。
なお、裏前右装飾基板3814の表面(実装面)に実装される複数のLED等の表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が裏前右装飾基板3814の表面(実装面)に所定の塗料の色でシルク印刷により印刷されると共に、透明な裏前右装飾体3813の後方には、裏前右装飾基板3814が配置されているため、前カバー3811の枠内が開放された開状態では、裏前右装飾基板3814の表面(実装面)にシルク印刷により印刷される所定の塗料の色が裏前右装飾体3813を介して、視認可能となっており、複数のLEDが消灯している状態において、所定の塗料の色を視認できる場合には所定の塗料の色により文字、記号、形状(つまり、表面側表記部が示す表面側電子部品の属性)を判別することができる。
また、裏前右装飾基板3814の表面(実装面)に実装される複数のLEDは、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製となっている。
裏前右装飾基板3814の表面(前面)には、複数のLED(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成されている。裏前右装飾基板3814の裏面(後面)には、各種コネクタ(表面実装タイプ)が半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、ベタ塗りされた白色のレジストにより白色のレジスト層が形成されている。更に、裏前右装飾基板3814の表面(前面)には、図示は省略するが、実装されている複数のLED等の表面側電子部品の近傍に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。裏前右装飾基板3814の裏面(後面)には、図示は省略するが、複数のコネクタ等の裏面側電子部品の近傍に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、白色に対して目立ち難い明色である黄色の塗料で、ベタ塗りされた白色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
ここで、レジスト液の色として白色のものを採用し、シルク印刷の塗料として黄色を採用した理由について説明する。まず、反射率は、白色に近いほど高くなるのに対して、黒色に近づくと低くなる。黄色の反射率は赤色の反射率と比べると白色の反射率に非常に近く、赤色の反射率は黄色の反射率と比べて白色の反射率に非常に遠い。黄色の反射率は白色塗膜の白色の反射率と比べて低いものの高い反射率を有している。このため、白色と赤色との組み合わせでは、背景が白色であると赤色が目立つこととなり、表面側表記部(裏面側表記部)を赤色とする場合には白色のレジストに対して赤色の表面側表記部(白色のレジストに対して赤色の裏面側表記部)が目立つのに対して、白色と黄色との組み合わせ(本実施形態の構成)では、背景が白色であると黄色が目立たず、表面側表記部(裏面側表記部)を黄色とする場合には白色のレジストに対して黄色の表面側表記部(白色のレジストに対して黄色の裏面側表記部)が目立ち難い。
また、パチンコ機1は各装飾基板に実装される複数のLED等の発光部による電飾により煌びやかに発光演出が行われるため、複数のLEDは、上述したように、多色発光可能なフルカラーLEDであり、点灯(発光)したり、消灯したりすることによって発光態様がさまざまに変化する。このため、裏前右装飾基板3814の表面(前面)には、上述したように、複数のLEDが半田付けされるパッド、スルーホール、ランド等を除いた全域において、白色のレジスト液が塗布されて形成される白色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた白色のレジスト」と記載する場合がある。)により白色のレジスト層が形成され、さらに、このベタ塗りされた白色のレジスト上に多色発光可能なフルカラーLEDを特定可能にする表面側表記部が黄色の塗料でシルク印刷により印刷されることにより、多色発光可能なフルカラーLEDの消灯時において白色のレジストに対して黄色の表面側表記部を目立たないようにすることができることに加えて、さらに、多色発光可能なフルカラーLEDの点灯時(発光時)において、反射率の高いベタ塗りされた白色のレジストと、白色の反射率に非常に近い黄色の塗料でシルク印刷により印刷される表面側表記部と、による組み合わせによって裏前右装飾基板3814の表面(前面)の反射率を高く維持することができる。
なお、シルク印刷の塗料として黄色を採用した場合には、シルク印刷により印刷された黄色が印刷機によるバラツキにより薄い黄色となったり、濃い黄色となったりする場合もあれば、橙色に見えたりする場合もある。また、シルク印刷の塗料を供給するインク会社にも黄色に幅(明るい側に寄る黄色、暗い側による黄色)があるため、同一の基板製造会社や複数の基板会社に対してシルク印刷の塗料として黄色を指定しても、完全同一の黄色とならず(完全同一の黄色とすることが難しく)、黄色に幅がある色となる。
支持板3816は、左右方向へ板面を向けた状態で上下に延びていると共に、前端側が左方へ屈曲された形状に形成されている。支持板3816は、前端側の左方へ屈曲された部位が、シャッター支持部材3812のボス部3812bの前面に取付けられ、残りの部位が、シャッター支持部材3812の右方を通って後方へ突出している。また、支持板3816は、下端付近から左方へ円柱状に突出している支持ピン3816aを有している。この支持ピン3816aは、リンク部材3819を回動可能に支持するためのものである。
裏前右駆動ソレノイド3817は、プランジャが下方へ進退する向きで支持板3816に取付けられている。裏前右駆動ソレノイド3817は、バネによりプランジャが下方へ突出する方向へ付勢されている。リンク部材3819は、支持板3816の支持ピン3816aが挿入されることで、支持ピン3816aを中心として左右方向の軸周りに回動することができる。このリンク部材3819は、支持ピン3816aが挿入される部位を間にして、伝達部材3818に接続される第一接続部3819aが後側に設けられていると共に、開閉スライダ3820に接続される第二接続部3819bが前側に設けられている。
開閉スライダ3820は、複数のシャッター部材3831からなるシャッターユニット3830の高さと略同じ長さで上下に延びており、シャッターユニット3830の各クランク軸3834が前後方向へ摺動可能に挿入される伝達溝3820aと、シャッター支持部材3812のボス部3812bが上下方向へ摺動可能に挿入されるスリット3820bと、を有している。
次に、裏前右演出ユニット3800の動作について説明する。裏前右演出ユニット3800は、通常の状態では、図199(a)に示すように、シャッターユニット3830のシャッター部材3831のシャッター3832が、その板面を前方へ向けた状態となっており、複数のシャッター3832により前カバー3811の枠内が閉鎖された閉状態となっている。この通常の状態では、シャッターユニット3830の後方に設けられている裏前右装飾体3813が前方(遊技者側)から視認不能となっている。なお、図示は省略するが、シャッターユニット3830が閉状態の時に、シャッターユニット3830(複数のシャッター3832)の前面に、後方の裏前右装飾体3813に施されている絵柄とは異なる絵柄が施されている。
通常の状態では、裏前右駆動ソレノイド3817が非通電(OFF)の状態となっており、バネの付勢力によりプランジャが下方へ突出している。また、通常の状態では、開閉スライダ3820が上方の移動端に位置していると共に、各シャッター部材3831のクランク軸3834が軸部3833よりも上方に位置している。
この通常の状態で、裏前右駆動ソレノイド3817が通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが上方へ移動すると同時に、プランジャの先端に取付けられている伝達部材3818が上方へ移動する。この伝達部材3818が上方へ移動することで、伝達部材3818に接続されているリンク部材3819の第一接続部3819aが上方へ移動することとなり、リンク部材3819が支持ピン3816aを中心として回動することで、第一接続部3819aとは反対側の第二接続部3819bが下方へ移動することとなる。そして、リンク部材3819の第二接続部3819bの下方への移動により、第二接続部3819bに接続されている開閉スライダ3820が下方へ移動することとなる。
この開閉スライダ3820が下方へ移動することにより、伝達溝3820aに挿入されているシャッター部材3831のクランク軸3834が下方へ押圧され、クランク軸3834が軸部3833よりも下方へ位置するように、シャッター部材3831が軸部3833を中心として回動することとなる。これにより、シャッター3832の板面が上下方向を向いた状態となるため、複数のシャッター3832により前カバー3811の枠内が開放された開状態となり、シャッターユニット3830の後方に設けられている裏前右装飾体3813が前方から視認可能な状態となる(図199(b)を参照)。
その後、裏前右駆動ソレノイド3817を非通電(OFF)とすることで、上方へ移動していたプランジャがバネの付勢力により下方へ移動することとなり、上記とは逆の動きをすることで、開状態のシャッターユニット3830が通常の状態である閉状態に復帰することができる。
このように、本実施形態の裏前右演出ユニット3800によれば、裏前右駆動ソレノイド3817によりシャッターユニット3830を開閉させることで、シャッターユニット3830の装飾(絵柄)から、裏前右装飾体3813の装飾(絵柄)に切換えることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
また、シャッターユニット3830及び裏前右装飾体3813の後方に裏前右装飾基板3814を設けているため、シャッターユニット3830が閉状態の時に、裏前右装飾基板3814の複数のLEDを発光させることで、発光装飾されたシャッターユニット3830を遊技者に見せることができ、シャッターユニット3830が開状態の時に、裏前右装飾基板3814の複数のLEDを発光させることで、発光装飾された裏前右装飾体3813を遊技者に見せることができる。
更に、裏前右演出ユニット3800では、第一裏前右装飾体ユニット3810A、第二裏前右装飾体ユニット3810B、及び第三裏前右装飾体ユニット3810C、の三つの裏前右装飾体ユニット3810を、夫々独立してシャッターユニット3830を開閉させたり、発光装飾させたりすることができるため、三つの裏前右装飾体ユニット3810による演出を適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出(可動演出)について、主に図200乃至図205等を参照して詳細に説明する。図200は、裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図201は、裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図202は、裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。図203は、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。図204は、裏前左演出ユニットのシャッターユニットと、裏前右演出ユニットのシャッターユニットと、を夫々閉状態から開状態にして示す遊技盤の正面図である。
図205は、裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ、裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画している前構成部材1000、遊技領域5aの後端側を区画している遊技パネル1100、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図111に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている裏ユニット3000における裏前左装飾体3030、裏前右装飾体3040、裏下左演出ユニット3200の裏下左回転装飾体3201、裏下右演出ユニット3250の裏下右回転装飾体3251、裏下中演出ユニット3300の裏下中回転装飾体3310、裏上演出ユニット3400の裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421、裏前左演出ユニット3700の前カバー3711及びシャッターユニット3730、裏前右演出ユニット3800の前カバー3811及びシャッターユニット3830、等を良好に視認することができると共に、センター役物2500の枠内を通して、演出表示装置1600に表示されている演出画像を、良好に視認することができる。
更に、詳述すると、裏前左装飾体3030は、センター役物2500よりも左側に位置していると共に、裏前右装飾体3040は、前構成部材1000の衝止部1006から右レール1005に沿ってサイド右中ユニット2700付近までの間に位置している。また、裏後演出ユニット3100の裏後可動装飾体3110は、裏上演出ユニット3400の後方に位置しており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏下左回転装飾体3201は、センター役物2500の枠内よりも下方でサイドユニット2200の中央と左側の一般入賞口2001の後方に位置していると共に、裏下右回転装飾体3251は、センター役物2500の枠内よりも下方で第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005の後方に位置している。裏下左回転装飾体3201及び裏下右回転装飾体3251は、透明な遊技パネル1100及び表ユニット2000を通して、遊技者側から視認可能となっている。
また、裏下中回転装飾体3310は、下降位置の状態となっており、上部がセンター役物2500の枠内に突出するように、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置している。この裏下中回転装飾体3310は、パチンコ機1の前方に着座した遊技者からは、斜め上方からの視点となるため、センター役物2500の枠内を通して、回転中心よりも上側の数字装飾を良好に視認することができる。
更に、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾体3421は、正面視において、遊技領域5aの上部で左右に延びており、左右方向中央より左側の上部が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500を通して視認することができると共に、残りがセンター役物2500の枠内を通して良好に視認することができる。裏上前回転装飾体3410は、裏上前装飾体3421の前方における左右方向中央で、一つの花弁を上方へ向けた状態となっており、センター役物2500の枠内を通して遊技者側から良好に視認することができる。裏上演出ユニット3400の裏上後回転装飾体3440を有する裏上昇降装飾体ユニット3450は、通常の状態では、裏上前装飾体3421の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏後左演出ユニット3500の裏後左回転装飾体3510を有する裏後左装飾体ユニット3520は、通常の状態では、裏前左演出ユニット3700の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。また、裏後右演出ユニット3600の裏後右回転装飾体3610を有する裏後右装飾体ユニット3620は、通常の状態では、裏前右演出ユニット3800の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏前左演出ユニット3700の三つの裏前左装飾体ユニット3710は、遊技パネル1100の左辺に沿うように上下に並んでおり、正面視において、遊技領域5a内に位置し、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500、センター役物2500の枠内、を通して遊技者側から視認可能となっている。三つの裏前左装飾体ユニット3710のうちの上側の第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、正面視において、殆どが、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、下部がセンター役物2500の枠内に位置している。中側の第二裏前左装飾体ユニット3710Bは、正面視において、センター役物2500の枠内に位置している。下側の第三裏前左装飾体ユニット3710Cは、正面視において、殆どが、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、右部がセンター役物2500の枠内に位置している。
裏前左演出ユニット3700は、通常の状態では、三つの裏前左装飾体ユニット3710の夫々において、シャッターユニット3730が閉状態となっており、裏前左装飾体3713が視認不能となっていると共に、シャッターユニット3730の装飾が視認可能となっている。
更に、裏前右演出ユニット3800の三つの裏前右装飾体ユニット3810は、遊技パネル1100の右辺に沿うように上下に並んでおり、正面視において、遊技領域5a内に位置し、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500、センター役物2500の枠内、を通して遊技者側から視認可能となっている。三つの裏前右装飾体ユニット3810のうちの上側の第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、正面視において、右側が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、左側がセンター役物2500の枠内に位置している。中側の第二裏前右装飾体ユニット3810B及び下側の第三裏前右装飾体ユニット3810Cは、正面視において、左右方向中央よりも左寄りの部位から右側が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、残りの左側がセンター役物2500の枠内に位置している。
裏前右演出ユニット3800は、通常の状態では、三つの裏前右装飾体ユニット3810の夫々において、シャッターユニット3830が閉状態となっており、裏前右装飾体3813が視認不能となっていると共に、シャッターユニット3830の装飾が視認可能となっている。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800が、所定の演出(可動演出や発光演出)を行う。
具体的には、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100を用いた演出としては、例えば、図200に示すように、裏後駆動モータ3126によりスライドガイド3130を下方へ移動させることで、ロック部材3134によるロックを解除して、裏後可動装飾体3110を退避位置から出現位置へ落下させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面を左右方向へ跨ぐ大きな裏後可動装飾体3110が、演出表示装置1600の表示画面を遮りながら自由落下する演出(可動演出)を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この裏後演出ユニット3100では、図示は省略するが、裏後可動装飾体3110を出現位置へ落下させた後に、裏後駆動モータ3126によりスライドガイド3130を上方へ移動させて、裏後可動装飾体3110を退避位置へ復帰させる際に、裏後駆動モータ3126の正転・逆転を適宜変化させることで、スライドガイド3130を介して裏後可動装飾体3110を、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近において、上下に往復移動させるようにしても良い。これにより、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央を遮りながら、裏後可動装飾体3110が上下に移動するため、遊技者の関心を裏後可動装飾体3110に強く引付けさせて裏後可動装飾体3110に注目させることができ、裏後可動装飾体3110の動きを楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300を用いた演出としては、例えば、図201に示すように、裏下中昇降駆動モータ3352により昇降アーム3357を回動させて、裏下中装飾体ユニット3320を下降位置から上昇位置へ移動させると共に、裏下中回転駆動モータ3333により裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させる。これにより、裏下中回転装飾体3310が、演出表示装置1600の演出画像の一部を遮るように、上方へ移動してセンター役物2500の枠内に位置することとなり、遊技者側から良好に視認できると共に、グルグルと回転するため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
この裏下中回転装飾体3310には、六つの数字装飾が設けられているため、裏下中回転装飾体3310を回転させることで、遊技者に対して恰もルーレットが回転しているような印象を与えることができる。従って、裏下中回転装飾体3310を回転させる際に、演出表示装置1600に、「双六」のような演出画像を表示させると共に、回転停止した裏下中回転装飾体3310の数字装飾の数字に応じて、「駒」が進むようにしても良い。これにより、「駒」が所望の「升」へ進むように、回転している裏下中回転装飾体3310が、所望の数字装飾の位置で回転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技者に対して、「駒」が進むことで、期待値が高まりつつあるような気分にさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、及び裏後右演出ユニット3600を用いた演出としては、例えば、図202に示すように、裏下左演出ユニット3200において裏下左駆動モータ3205により裏下左回転装飾体3201を回転させると共に、裏下右演出ユニット3250において裏下右駆動モータ3255により裏下右回転装飾体3251を回転させる。また、裏上演出ユニット3400においては、裏上前回転駆動モータ3425により裏上前回転装飾体3410を回転させると共に、裏上昇降駆動モータ3429により裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から下方の出現位置へ回動させると同時に、裏上後回転駆動モータ3454により裏上後回転装飾体3440回転させる。更に、裏後左演出ユニット3500において裏後左昇降駆動モータ3554により裏後左装飾体ユニット3520を退避位置からやや右上の第一出現位置へ移動させると共に、裏後左回転駆動モータ3525により裏後左回転装飾体3510を回転させる。また、裏後右演出ユニット3600において裏後右昇降駆動モータ3654により裏後右装飾体ユニット3620を退避位置からやや左上の第一出現位置へ移動させると共に、裏後右回転駆動モータ3625により裏後右回転装飾体3610を回転させる。
これにより、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610が、演出表示装置1600の前方へ移動して視認可能となると共に、裏下左回転装飾体3201、裏下右回転装飾体3251、裏上前回転装飾体3410、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610、が夫々回転するため、六つの装飾体がグルグル回転することで、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、何か良いことが起こるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この際に、裏上昇降駆動モータ3429、裏後左昇降駆動モータ3554、及び裏後右昇降駆動モータ3654を、正転・逆転を適宜繰り返して、裏上昇降装飾体ユニット3450、裏後左装飾体ユニット3520、及び裏後右装飾体ユニット3620を、夫々揺動させるようにしても良い。これにより、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610が、フラフラと揺れながら回転するため、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、この際に、裏下中回転装飾体3310を回転させるようにしても良い。これにより、七つの装飾体がグルグルと回転するため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600を用いた演出としては、例えば、図203に示すように、裏後左演出ユニット3500において裏後左昇降駆動モータ3554により裏後左装飾体ユニット3520を退避位置から右上の第二出現位置へ移動させると共に、裏後左回転駆動モータ3525により裏後左回転装飾体3510を回転させる。また、裏後右演出ユニット3600において裏後右昇降駆動モータ3654により裏後右装飾体ユニット3620を退避位置から左上の第二出現位置へ移動させると共に、裏後右回転駆動モータ3625により裏後右回転装飾体3610を回転させる。これにより、パチンコ機1の前方に着座した遊技者の目と、略の高さの位置で二つの装飾体がグルグルと回転することとなるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この際に、演出表示装置1600において、第二出現位置の裏後左回転装飾体3510及び裏後右回転装飾体3610の位置が、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプト(つまり、パチンコ機1(遊技盤5)の世界観)に沿った所定のキャラクタの顔の目の位置となるような演出画像を表示させるようにしても良い。これにより、キャラクタの目がグルグル回っているような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出として、例えば、図204に示すように、裏前左演出ユニット3700において裏前左駆動ソレノイド3717によりシャッターユニット3730を閉状態から開状態とすると共に、裏前右演出ユニット3800において裏前右駆動ソレノイド3817によりシャッターユニット3830を閉状態から開状態とする。これにより、シャッターユニット3730の後方の裏前左装飾体3713及びシャッターユニット3830の後方の裏前右装飾体3813が、遊技者側から視認可能となるため、裏前左装飾体3713及び裏前右装飾体3813の装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
なお、裏前左演出ユニット3700及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出としては、夫々において三つの裏前左装飾体ユニット3710及び三つの裏前右装飾体ユニット3810を有していることから、裏前左装飾体ユニット3710のシャッターユニット3730や、裏前右装飾体ユニット3810のシャッターユニット3830を、夫々において個々に開閉させるようにしても良く、開閉させるシャッターユニット3730及びシャッターユニット3830の組合せにより、多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
裏ユニット3000における裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出として、例えば、図205に示すように、全ての装飾体等を可動させるようにしても良い。これにより、
全ての装飾体が可動することで、遊技者に対して有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技状態)が発生すると確信させることができ、有利遊技状態に対する期待感を高めさせることができる。なお、この場合、裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600では、裏後左装飾体ユニット3520及び裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置まで移動させた状態とすることで、裏後可動装飾体3110との接触を回避させる。
なお、上記では、各装飾体の可動について説明したが、各装飾体を可動させる際に、後方に設けられている装飾基板のLEDを適宜発光させることで、装飾体の発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心をより一層引付けることができる。
また、本実施形態の遊技盤5では、上記したような可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5−11.遊技盤の主な作用効果]
次に、上記のような構成を備えた本実施形態の遊技盤5の主な作用効果について説明する。本実施形態の遊技盤5は、前側に遊技領域5aが設けられる遊技パネル1100に、貫通した開口部1112を有するようにした上で、遊技領域5aを遊技球Bが流通可能な流通領域と流通不能な非流通領域とに区画し開口部1112の内周に沿った形状に形成されているセンター役物2500の枠状の周壁部2501を、前端を遊技パネル1100の前面から前方へ突出させた状態で後側を開口部1112内に挿入していることから、蓋然的に、周壁部2501の外側が流通領域となり、内側が非流通領域となる。そして、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置から非流通領域側(内側)へ遊技パネル1100のパネル板1110の厚さよりも薄い平板状のサポート部2503を延出させていると共に、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられていない部位から流通領域側(外側)へ遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接するフランジ部2502を設けるようにしていることから、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位の流通領域側には何も延出させていないため、周壁部2501に対して可及的に接近させた位置に障害釘Nを植設することが可能となり、実質的な流通領域を周壁部2501に接する位置までとすることができ、従来のパチンコ機よりも実質的な流通領域を大きくすることができる。つまり、センター役物2500の周壁部2501により区画される非流通領域(センター役物2500の枠内)を大きくしても、従来のパチンコ機のように実質的な流通領域が小さくなることはない。従って、遊技領域5a内において遊技球Bが流通する流通領域が実質的に小さくなることを抑制しつつ、センター役物2500の周壁部2501により区画される非流通領域を大きくすることで、非流通領域の後方に設けられた演出装置としての演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体や装飾体等をより見え易くすることができ、遊技球Bによる流通領域での遊技と非流通領域での演出との何れをも楽しませることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500では、サポート部2503によって周壁部2501を非流通領域側(内側)から補強することができると共に、サポート部2503が設けられていない部位に設けられているフランジ部2502によって周壁部2501を流通領域側(外側)から補強することができる上に、フランジ部2502を介してセンター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けることで、周壁部2501の強度が向上するため、遊技領域5a内の遊技球Bが、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位に接触(当接)したとしても、サポート部2503等により周壁部2501の強度を保つことができ、周壁部2501(センター役物2500)の変形や破損を防止することができる。
また、サポート部2503やフランジ部2502、及び遊技パネル1100への取付け、等によりセンター役物2500の周壁部2501の強度・剛性を高められることから、遊技球Bが当接した時に、周壁部2501が弾性変形して弾性体(ゴムやバネ)のように遊技球Bを弾いてしまうことを防止することができる。従って、遊技領域5a内を流通する遊技球Bが、周壁部2501に当接することで従来とは異なる変な動きをしてしまうことを防止することができ、遊技者に不快感を与えてしまうのを防止して興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしていることから、周壁部2501から非流通領域側へ延出しているサポート部2503を、見え辛くすることができると共に、サポート部2503(センター役物2500)を通して後方に設けられている演出装置としての演出表示装置1600の演出画像や裏ユニット3000に設けられている演出ユニットの可動体や装飾体等が見えることとなるため、非流通領域の後方に設けられている演出画像や可動体や装飾体等が見える範囲をより大きくすることができ、演出装置による演出効果をより発揮させ易くすることができると共に、非流通領域の後方に設けられている演出表示装置1600の演出画像や可動体や装飾体等の見える範囲が大きいことで、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしているため、透明な部位により、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内の照明の光や、本パチンコ機1に設けられている発光手段(LEDや演出表示装置1600等)からの光を、反射させたり屈折させたり拡散させたり透過させたりすることが可能となるため、サポート部2503や周壁部2501等の透明な部位を煌びやかに見せることができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。この際に、透明なサポート部2503に段差や切欠き等を設けて、より拡散効果を高めるようにしても良い。
更に、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしているため、サポート部2503の後方に設けられた可動体(例えば、裏前左演出ユニット3700や裏後左演出ユニット3500)に備えられた発光手段(LED)による発光によって、上記のような効果が得られると共に、透明なサポート部2503により可動体の存在を遊技者に認識させることが可能となる。
また、透明なサポート部2503を、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置で、遊技パネル1100の厚さよりも薄い平板状に延出させているため、サポート部2503を遊技パネル1100と同じ厚さで延出させた時と比較して、サポート部2503によるレンズ効果を低減させることができると共に、サポート部2503が後方の裏前左装飾体3030や演出装置(演出表示装置1600等)に接近するため、透明なサポート部2503によるレンズ効果が更に低くなり、裏前左装飾体3030や演出装置の演出画像や可動体や装飾体等におけるサポート部2503の後方にある部位(デザイン)の視認性を向上させることができ、裏前左装飾体3030や演出画像等をより見え易くすることができる。
更に、サポート部2503における少なくとも一部の先端辺を、周壁部2501とは異なる形状に形成していることから、サポート部2503の先端辺における周壁部2501とは異なる形状の部位では、サポート部2503の先端辺により周壁部2501とは異なるラインを見せることができるため、周壁部2501に沿った形状とした場合と比較して、単一的なデザインに見え難くなり、細部にまで拘ったような深みのあるデザインを有したパチンコ機1を提供することができる。
また、サポート部2503における少なくとも一部の先端辺を、周壁部2501とは異なる形状にしているため、サポート部2503の当該部位では、周壁部2501からの延出量が一定ではなく、異なることとなるため、周壁部2501の形状に応じた延出量とすることにより、サポート部2503による周壁部2501の補強効果を向上させることができる。
更に、サポート部2503を、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置から延出させているため、遊技者に対してサポート部2503が遊技パネル1100のパネル板1110一部であるかのように錯覚させることができ、サポート部2503の存在に気付かせ難くすることができる。
また、サポート部2503を遊技パネル1100のパネル板1110の前面と前後方向が同じ位置に設けており、周壁部2501の前後方向の中間(途中)から延出させているため、周壁部2501の後端側からサポート部2503を延出させるようにした場合と比較して、周壁部2501の先端側に対するサポート部2503による補強効果の低下を低減させることができるため、周壁部2501の強度を十分に保つことができ、遊技媒体が当接しても周壁部2501(センター役物2500)が変形したり破損したりすることを防止することができる。
更に、センター役物2500の周壁部2501を、遊技パネル1100の開口部1112の内周に沿った形状として後側を開口部1112に挿入させるようにしているため、遊技パネル1100の開口部1112の内周面を、周壁部2501により隠したり装飾したり見え難くしたりすることができる。
また、センター役物2500の周壁部2501の外形を、遊技パネル1100の開口部1112の内周に沿った形状としているため、センター役物2500を遊技パネル1100に取付けた状態では、周壁部2501が開口部1112の周縁から前方へ突出しているように見え、周壁部2501(センター役物2500)と遊技パネル1100とに対して一体感を付与することができ、遊技領域5a内の見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500を遊技パネル1100の開口部1112に取付けているため、遊技パネル1100が透明であっても不透明であっても、遊技パネル1100の開口部1112内である周壁部2501により区画される非流通領域の後方に設けられている演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体や装飾体等を、前方(遊技者側)から良好に視認させることができ、演出表示装置1600等による演出効果を十分に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、センター役物2500の周壁部2501の前端を、遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出させていることから、遊技領域5aを斜めから見ると、遊技パネル1100の前面から周壁部2501が前方へ突出して見えるため、遊技者に対して周壁部2501の存在に気付かせ易くすることができると共に、周壁部2501により区画される流通領域や非流通領域を認識させ易くすることができる。
また、センター役物2500の周壁部2501におけるサポート部2503が延出していない部位に、流通領域側(外側)へ延出するフランジ部2502を設けており、フランジ部2502が設けられている部位には、非流通領域側(内側)へ延出するサポート部2503を設けていないため、当該サポート部2503が演出装置(演出表示装置1600や裏ユニット3000の演出ユニット)の視認性の邪魔をすることはなく、演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体等が見える領域を大きくすることができ、演出装置による演出効果をより発揮させ易くすることができると共に、遊技者に対して演出装置による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、センター役物2500では、サポート部2503及びフランジ部2502により周壁部2501の強度を、従来品と同等に保つことができるため、周壁部2501とサポート部2503とを一体に樹脂成形して金型から抜く時に、成形品の変形を防止することができる。
また、サポート部2503を、遊技パネル1100の厚さよりも薄い平板状に延出させているため、センター役物2500を合成樹脂により一体成形した時に、サポート部2503の部位のみが他の部位との収縮量の差が大きくなることを回避させることができ、成形時におけるセンター役物2500の変形を防止することができる。
更に、本実施形態によると、遊技領域5aの外周を区画している枠状の前構成部材1000と、前構成部材1000の枠内を後側から閉鎖している平板状の遊技パネル1100とを、夫々透明とすると共に、遊技パネル1100の後側の、裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500の機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右演出ユニット3600の裏後右昇降駆動モータ3654を、正面視において、少なくとも一部が遊技領域5a外となるように配置し、遊技パネル1100と裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654との間に、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654における遊技領域5a内の部位を少なくとも覆うように、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びた裏前左装飾体3030や裏前右装飾体3040を備えるようにしているため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を覆って隠すことが可能となり、透明な前構成部材1000及び遊技パネル1100や遊技領域5a内を通して、遊技者側から裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を見え難くすることができ、パチンコ機1全体の見栄えが悪くなるのを抑制することができると共に、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の代わりに前側の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が見えることで、パチンコ機1全体の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力を高められるパチンコ機1とすることができる。
また、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明としていることから、前構成部材1000及び遊技パネル1100により区画される遊技領域5aの境界が判り辛くなるため、遊技領域5aの外周が区画されていないように見えることで開放感を与えることができ、遊技領域5aが従来のパチンコ機と同じ大きさであっても、遊技領域5aをより大きく見せることができる。従って、従来のパチンコ機よりも遊技領域5aが大きく見えることで、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができ、遊技者に対する訴求力を高められるパチンコ機1とすることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654等の機能部品の前方の少なくとも遊技領域5a内の部位を覆うようにしていることから、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって、遊技領域5a内で機能部品が見えることを防止することができるため、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる他に、遊技領域5aの中央側から斜めから見た時でも機能部品を見え難くすることができる。
更に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040に、全面に亘って連続した装飾を有するようにしており、正面視において、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びている裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾が、全面に亘って連続しているため、連続した装飾により遊技領域5aの外周の境界を判り辛くすることができ、開放感を与えて遊技領域5aの大きさを実際の大きさよりも大きく見せることができると共に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾によりパチンコ機1の見栄えを良くすることができ、パチンコ機1を目立たせて遊技者に対する訴求力をより高めることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を不透明にしているため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を通して後側に設けられている裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等が見えることを防止することができ、前構成部材1000及び遊技パネル1100を通して当該裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等が遊技者側から見えることで見栄えが悪くなるのを防止して、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、正面視において遊技領域5a外に、機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を配置するようにしている(裏後左昇降駆動モータ3554では完全に(全体を)遊技領域5a外に配置している)ため、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を配置するために前構成部材1000と遊技領域5aの外周との間のスペースを大きくしなくても、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を配置することができ、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の配置のバランスを取ることで遊技領域5aのスペースが小さくなることを抑制することができる。換言すると、裏後右昇降駆動モータ3654の一部を、正面視において遊技領域5a内に配置するようにしているため、前構成部材1000と遊技領域5aの外周との間のスペースを小さくすることが可能となり、相対的に、遊技領域5aのスペースを大きくすることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることが可能なパチンコ機1とすることができる。また、遊技領域5a内で可動する役物の駆動源(モータやソレノイド等)の一部を遊技領域5a外に設けることで、遊技領域5a内のスペースを大きくすることもでき、その場合には遊技領域5a内で行われる演出の幅が広がる。遊技領域5a内で可動する役物の全ての駆動源(モータやソレノイド等)を遊技領域5a外に配置するようにしても良い。
更に、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明としているため、本パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明の光や、パチンコ機1に設けられている各種のLEDや演出表示装置1600等からの光を、透過させたり反射させたり屈折させたり拡散させたりすることが可能となり、あたかも前構成部材1000や遊技パネル1100が発光しているかのように見せることができ、パチンコ機1の全体の見栄えを良くすることができる。また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040には不透明な装飾シール3032及び装飾シール3042が施されるものの、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の夫々のベース3031及びベース3041(装飾シール3032及び装飾シール3042を含めても良い)は透明部材で形成しているため、パチンコ機1に設けられている各種のLEDからの光が裏前左装飾体3030または裏前右装飾体3040に届いて裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が発光するような印象を与えることができる。パチンコ機1に設けられている各種のLEDからの光が届く位置に裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が配置されているとも言える。
また、裏前左装飾体3030により機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554の少なくとも一部を覆うようにしているため、全部を覆わなくてもある程度覆うことで、機能部品であることが判り辛くなり、装飾の一部のように見せることができる。従って、裏前左装飾体3030を、裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆うような大きさにしなくても、上述と同様の作用効果を奏することが可能となるため、裏前左装飾体3030にかかるコストを低減させつつ、遊技領域5aを大きく見せることができる。なお、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を覆って隠しているが、当該一部は、パチンコ機1の中心から近い部分(遊技領域5a内と遊技領域5a外とを区画する境界線からより近い部分)としたほうが望ましい。また、遊技領域5a外に駆動源がない所定の箇所(図131における左下の箇所等、つまり、遊技盤5における左下隅の箇所等)に対しても遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びる装飾体を設けることで遊技領域5aを大きく見せることができる。
また、遊技領域5aの外周を区画している前構成部材1000の枠内を、透明な遊技パネル1100により後方から閉鎖するようにしており、遊技パネル1100の前側に遊技領域5aが位置することとなるため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が遊技領域5aよりも後側に設けられることとなる。従って、正面視において、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びている裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、遊技領域5aの内外を後方から装飾することができ、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、遊技領域5a内において裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が遊技球Bの邪魔になることはなく、遊技領域5a内での遊技を円滑に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を、正面視において、扉枠3の扉窓101aよりも外側まで延ばすようにしているため、扉窓101a内において、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の後方の裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等を見えなくすることができ、パチンコ機1の外観の見栄えを良くすることができる。また、裏前左装飾体3030を、機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554における扉窓101aの内側の部位が隠れる程度に延ばしていることから、裏前左装飾体3030により裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆わなくても、覆われていない部位を枠状の扉枠3により覆うことができるため、裏前左装飾体3030が必要以上に長くなることを回避させることができ、裏前左装飾体3030(パチンコ機1)にかかるコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によると、遊技盤5の表ユニット2000におけるサイドユニット2200の右から二つの一般入賞口2001では前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させているのに対して、始動口ユニット2100における第一始動口2002では前面を形成している前壁部2101を遊技パネル1100と平行にしていると共に、前面に透光性を有した装飾を施す(シールを貼り付ける)ようにしているため、第一始動口2002の前面が前方(遊技者側)へ向くこととなり、一般入賞口2001よりも第一始動口2002を目立たせることができる。従って、遊技者の意識を一般入賞口2001よりも第一始動口2002へ向けさせ易くすることができるため、第一始動口2002に受入れられる遊技球Bの数が減少する(若しくは、第一始動口2002よりも一般入賞口2001へと遊技者の意識が集中してしまう)ことを回避させることができ、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより行われる第一特別抽選結果の抽選に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が狙うべき第一始動口2002の位置を確実に認識させることができ、遊技者に第一始動口2002を狙った遊技を楽しませることができる。
そして、遊技領域5a内の遊技球Bが、第一始動口2002に受入れられるか否かによって、遊技者をハラハラさせることができる上に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、第一特別抽選結果の抽選により有利遊技状態が発生する当選(例えば、「大当り」)が抽選されるか否かによって、遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。その後、第一特別抽選結果の抽選により当選が抽選されると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉する有利遊技状態が発生するため、遊技者を大いに楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、第一始動口2002を狙った遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられた場合、第一特別抽選結果の抽選は行われないものの特典として遊技球Bの払出しが行われるため、遊技者を落胆させることはなく、引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の第一前壁部2203を遊技パネル1100の面に対して傾斜させていると共に、第一始動口2002の前壁部2101を遊技パネル1100の面に対して平行にしており、一般入賞口2001と第一始動口2002との形態(外観)が大きく異なることとなるため、第一始動口2002の前面にシールを貼り付け、一般入賞口2001の前面にはシールを貼り付けなくても、遊技者に対して違和感を与えることはなく、パチンコ機1の見栄えが悪くなることを防止することができ、遊技者に本パチンコ機1での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001及び第一始動口2002を、透明な部材により形成していることから、一般入賞口2001や第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、透明な部材を通して視認することができるため、遊技者に対して、遊技球Bが一般入賞口2001や第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができ、受入れられたことによる喜びを十分に味わわせることで興趣の低下を抑制させることができる。また、一般入賞口2001及び第一始動口2002を透明な部材により形成していることから、本パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明の光や、パチンコ機1に設けられている発光手段(装飾基板のLED)からの光を、反射させたり屈折させたり拡散させたりすることが可能となるため、一般入賞口2001及び第一始動口2002を煌びやかに見せることができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
更に、一般入賞口2001では、前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させていると共に、第一始動口2002では、受入れられた遊技球Bを一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも遅く後方へ誘導するようにしてことから、第一特別抽選結果の抽選が行われる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも、遅いタイミングで後方へ誘導することができるため、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを相対的に長い時間、遊技者に見せることができる。従って、第一特別抽選結果の抽選が行われる第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられたことによる喜び(優越感)を、一般入賞口2001へ遊技球Bが受入れられた時よりも長い時間、遊技者に味わわせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の前面を形成している第一前壁部2203を、遊技パネル1100へ向かって傾斜させていることから、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、直ちに後方(遊技パネル1100側)へ誘導して、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bよりも速く排出することができるため、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたことに対して、無用に長い時間実感させることを抑制することが可能となり、遊技者の関心を次の遊技球Bへ向けさせることができ、遊技をサクサクと進めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、一般入賞口2001では、前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100に対して傾斜させた上で、第一前壁部2203の前方を遊技球Bの一部が通過可能とするようにしているため、一般入賞口2001の第一前壁部2203の前方を遊技球Bが通過した時に、正面視において、遊技球Bの大部分が一般入賞口2001と重なっていると、遊技者によっては、当該遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたかのように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、遊技球Bの一部が一般入賞口2001と重なっていないことから、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと強く認識することはなく、錯覚であったとも思わせることができるため、その後に特典(第一特別抽選結果の抽選)が付与されなくても、パチンコ機1や遊技ホール側に対して不信感を抱いてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させているため、一般入賞口2001(サイドユニット2200)にかかる素材の量を低減させることができると共に、一般入賞口2001の前面にシール等の装飾を省略することができる。従って、一般入賞口2001にかかるコストを低減させることができるため、その分を演出装置等に回すことで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態によると、裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300の裏下中装飾体ユニット3320において、偶数箇所の複数(ここでは6箇所)の停止位置を有した回転する裏下中回転装飾体3310に、停止位置の半数に亘る長さの領域検知片3325と、各停止位置に対応している複数(ここでは六つ)の位置検知片3326と、を設けると共に、領域検知片3325を検知する停止位置の半数からなる複数(ここでは三つ)の領域特定センサ3330と、位置検知片3326を検知する一つの位置特定センサ3331と、からなる複数(ここでは四つ)のセンサを設けるようにしているため、裏下中回転装飾体3310が回転すると、領域検知片3325を検知する複数の領域特定センサ3330が、回転方向の一方側から順番に増加した後に減少することを繰り返すこととなり、領域検知片3325を検知している領域特定センサ3330の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の現在の回転位置を大まかに把握することができる。
詳述すると、回転方向へ第一停止位置から第六停止位置までの6箇所の停止位置を有した裏下中回転装飾体3310の場合、領域検知片3325が半数となる3つの並んだ停止位置に亘る長さとなると共に、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限の領域特定センサ3330の数が停止位置の数の半数の三つとなる。そして、三つの領域特定センサ3330を、回転方向へ第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cとすると共に、裏下中回転装飾体3310が第一停止位置(「3」の装飾数字の位置)の時に第一領域特定センサ3330aのみが領域検知片3325を検知している状態とする。この状態から裏下中回転装飾体3310が第二停止位置(「2」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aと第二領域特定センサ3330bとが領域検知片3325を検知する。更に、裏下中回転装飾体3310が第三停止位置(「1」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aと第二領域特定センサ3330bと第三領域特定センサ3330cとが領域検知片3325を検知する。
更に、裏下中回転装飾体3310が第四停止位置(「6」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aが非検知となり、第二領域特定センサ3330bと第三領域特定センサ3330cとが領域検知片3325を検知する。更に、裏下中回転装飾体3310が第五停止位置(「5」の装飾数字の位置)へ回転すると、第二領域特定センサ3330bが非検知となり、第三領域特定センサ3330cのみが領域検知片3325を検知する。そして、裏下中回転装飾体3310が第六停止位置(「4」の装飾数字の位置)へ回転すると、第三領域特定センサ3330cも非検知となり、全ての領域特定センサ3330が領域検知片3325を検知していない状態となる。その後、更に、裏下中回転装飾体3310が回転すると第一停止位置(「3」の装飾数字の位置)へと回転することとなり、第一領域特定センサ3330aのみが領域検知片3325を検知している最初の状態となり、裏下中回転装飾体3310の回転に伴って上記のような領域特定センサ3330の検知・非検知が繰り返されることとなる。
このように、停止位置の数の半数の停止位置に亘る長さの領域検知片3325を備えているため、複数の領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の回転を検知することができると共に、裏下中回転装飾体3310が次の停止位置へ回転するまでの間でも、全ての領域特定センサ3330が非検知となることはないため、裏下中回転装飾体3310の現在位置を大まかに把握することができる。
そして、裏下中回転装飾体3310に、夫々の停止位置に対応している複数(ここでは六つ)の位置検知片3326を備えているため、複数の領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知により裏下中回転装飾体3310の任意の停止位置への回転を大まかに検知した上で、一つの位置特定センサ3331による位置検知片3326の検知により、停止位置を正確に検知することができ、停止位置のズレを可及的に少なくして複数の停止位置を有する裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310を任意の停止位置に正確に停止させることができ、停止位置がズレることで遊技者に対して違和感(不快感)を与えてしまうことを防止することが可能となり、裏下中回転装飾体3310による演出(可動演出)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者に対して不快感を与えない可動体(裏下中回転装飾体3310)の動作を実現可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310の回転速度を速くしても停止位置のズレを抑制することができると共に、裏下中回転装飾体3310を回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310を往復するものとした場合と比較して、裏下中回転装飾体3310の移動速度(回転速度)をより速くすることができる。従って、速く回転する裏下中回転装飾体3310により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、裏下中回転装飾体3310の回転を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310の回転面が前方の遊技者側を向くこととなり、グルグル回転した後に任意の停止位置で回転停止するルーレットのような演出を遊技者に見せることができるため、所望の停止位置で裏下中回転装飾体3310が回転停止するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、裏下中回転装飾体3310による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置の数を偶数としているため、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限のセンサ(領域特定センサ3330)の数により対応可能な停止位置の数と、裏下中回転装飾体3310の停止位置との数とが同じとなり、複数のセンサ(領域特定センサ3330及び位置特定センサ3331)による能力(停止位置の把握)を最大限に引き出すことができ、より多くの停止位置を有した裏下中回転装飾体3310により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300における裏下中回転装飾体3310として、6箇所の停止位置を有したものを示したが、これに限定するものではなく、4箇所〜10箇所の停止位置を有するものとしても良い。
また、上記の実施形態では、複数の停止位置を有する可動体(裏下中回転装飾体3310)として回転するものを示したが、これに限定するものではなく、複数の停止位置を有する可動体として、「周回するもの」、「直線状に移動するもの」、「円弧状に移動するもの」、「曲線状の移動するもの」、等としても良い。
[6.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図115及び図130等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501に開口しているワープ入口2511に進入すると、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。
ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
センター役物2500のステージ2513から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2511に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501の最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通って、ゲート部2003の上方に放出され、案内通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
センター役物2500の案内通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一案内通路2521と、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二案内通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一案内通路2521に進入し、衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入する。つまり、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを流通する。
本実施形態では、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート部2003を遊技球Bが通過するように構成されている。また、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート部2003及びゲート部2003の左側を通過するように構成されている。
このゲート部2003を遊技球Bが通過してゲートセンサ2801により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第一アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜600秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。なお、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでの普通変動時間は通常時(非時短状態)には比較的長い時間(本例では600秒)に設定されており、時短時(時短状態)には短時間に変更されるようになっている。これにより、時短時(時短状態)には普通抽選結果の導出が頻繁に行われるようになり、これによって第二始動口2004が頻繁に開状態とされるようになる。このように、時短時(時短状態)では第二始動口2004が頻繁に開状態とされるため、第二始動口2004への遊技球の入球を狙った遊技(いわゆる「右打ち」)を行うことになる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003に遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ゲート部2003及びゲート部2003の左側を通った遊技球Bは、ゲート部2003とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2012に受入れられたりする。遊技球Bがサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられると、サイドユニット2200の一般入賞口2001と同様に、所定数の遊技球Bが払出される。一方、遊技球Bが第二サブアウト口2012に受入れられると、第二大入賞口2006、第二始動口2004や第一大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
また、ゲート部2003の右側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられ、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001、第二大入賞口2006、第二始動口2004や第一大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
このように、案内通路群2520の下流側の第二サブアウト口2012に遊技球Bが受入れられると、当該遊技球Bが遊技領域5a外へ排出されてしまうため、遊技者に対して第二サブアウト口2012に遊技球Bが受けられないような、打込操作を促すことができる。本実施形態では、センター役物2500の案内通路群2520において、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522の方が、第二サブアウト口2012の遊技球Bの受入確率が低くなっているため、第二案内通路2522を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができる。つまり、遊技球Bが衝止部1006に当接するような「右打ち」よりも、ハンドル182の回転操作に微妙な調整が必要な打込操作を促すことができ、遊技球Bの打込操作をメインとしたパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができる。
サイド右中ユニット2700の左側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における第二大入賞口2006の左方を通った後に、センター役物2500の右下案内通路2530を介して第一アタッカユニット2400側へ放出される。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「小当り」が抽選されている場合、第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で第二大入賞口2006に受入れられる。第二大入賞口2006が開状態の時に、第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
第二大入賞口2006の左方を通って第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bは、第一棚部2412a、第二始動口扉2414、及び第二棚部2412b、上を左方へ転動した後に、左方へ放出され、更に、第三棚部2412c、第一大入賞口扉2417、及び第四棚部2412d、上を左方へ転動して遊技領域5a内へ放出される。
そして、遊技球Bが第二始動口扉2414上を転動している時に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2414が後退していると、当該遊技球Bが第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
また、遊技球Bが第一大入賞口扉2417上を転動している際に、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果(例えば、「大当り」)の場合、特別変動時間の経過後に、第一大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。第一大入賞口2005が開状態の時に、第一大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、第一大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等がある。
特別抽選結果が「小当り」の場合、第二大入賞口2006が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、第一大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、第一大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
特別抽選結果(例えば、第二特別抽選結果)が「第二大当り」の場合、第一大入賞口2005が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、及び裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800、等を適宜用いて、発光演出や表示演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
[7.周辺制御ユニットの構成]
次に、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図206〜図208を参照して詳細に説明する。図206は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図207は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図208は周辺制御ユニットの正面図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。なお、図207には、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているが、図面の見易さから省略した。
周辺制御ユニット1500は、図206及び図207に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有するカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[7−1.カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b〜1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1〜th4と対応する位置に、この貫通孔th1〜th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1〜1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2〜コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と接続されるフレキシブルフラットケーブル(FFC(Flexible Flat Cableの略。フレキシブルフラットケーブルは、演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の平型導体が平行に配置されると共に、これらの複数の平型導体が絶縁体で被覆されている。))を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1〜1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1〜1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。また、これらのランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺制御基板1501の表面(実装面)1510xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に形成されるランド1510rf1〜1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に形成されるランド1510rb1〜1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1〜1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1〜1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1〜1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。また、これらのランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入し、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に形成されるランド1520rf1〜1520rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501i1,1501i2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1,1501ah2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に形成されるランド1520rb1〜1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1〜1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1〜1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。また、これらのランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530をカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に形成されるランド1530rf1〜1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am1,1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面裏面(ハンダ面)1530y側に形成されるランド1530rb1〜1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
このように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。この状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、にすき間が形成されると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、にすき間が形成される。また、カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、にすき間が形成される。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、叙述した通風孔1501azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
なお、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
[7−2.ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b〜1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2〜CN7と干渉しない位置(つまり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2〜CN7の各端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているため、この突出する各端子と干渉しない位置)に、これらのコネクタCN2〜CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3がそれぞれ形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[7−3.各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、上述した周辺制御部1511(各種ROMの機能を除く。)と演出表示制御部1512(各種ROMの機能を除く。)との機能を併せ持つものであり、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510b(上述した周辺制御部1511の周辺制御ROMの機能、及び上述した演出表示制御部1512の表示制御ROMの機能等を含む。)と、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1〜CN7と、を備えている。バックアップ電源1510eは図示しないホルダに収容されている。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、128Mbitの記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter−Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310からのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用している(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN6を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN7を介して通信している。)や扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN3を介して通信している。)に対してLED制御ICに対して発光データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(+24V、+12V、及び+5V)がインターフェイス635を介して供給されている。LEDML1は、+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、+24Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+24Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。このように形成される空間内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8〜CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1〜CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1〜CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520a(上述した演出表示制御部1512の画像ROMの機能等を含む。)を備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に遊技演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の可動演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[7−4.周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と、にそれぞれ持たせた寸法的な余裕により吸収することができるようになっているためである。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませてそのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となると共に、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となる。これにより、カバー体1501、及びベース体1502は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、カバー体1501、及びベース体1502が導通する状態となる。なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を遊技パネル1100に設けられる図示しない装着溝に挿入して周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して遊技パネル1100に設けられる図示しない取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができるようになっている(以下、「導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果」と記載する場合がある)。これにより、各種基板に、このようなノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500が上述したように組み立てると、図208に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から制御ROM1510bの表面とICピンの状態とを確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの+5Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から周辺データROM1520aの表面とICピンの状態とをほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの+24Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+24Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度からSDRAM1510c1,1510c2の表面とICピンの状態とを確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの+12Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1〜LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、このように形成される空間内を明るく照らすことができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1〜LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1〜LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xへ向かわせる図示しない反射部がそれぞれ形成されている。これらの図示しない反射部としては、白色などの明るい色の着色塗料のほかに光沢を有する着色塗料であってもよいし、光沢を有する金属製シートを貼り付けてもよい。
また、遊技盤5の近傍には、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電によるノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されているため、他のパチンコ機がノイズ源となってノイズの影響を受ける場合もある。このように、遊技盤5の周囲はノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製とすると共に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530と同一のグランド(GND)と電気的に接続する構成を採用した。これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502等を介して侵入するノイズを、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができる。
[7−5.ベタグランドの一部箔抜き]
ところで、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xは、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されているとともに、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yも、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されている。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yに形成されるベタグランド(基板グランド)とは、周辺制御基板1510の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に形成される複数のスルーホール(周辺制御基板1510の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)となっている。
また、ベース平板1502aは、上述したように、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2〜CN7と干渉しない位置(つまり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2〜CN7の各端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているため、この突出する各端子と干渉しない位置)に、これらのコネクタCN2〜CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3がそれぞれ形成されている。
また、周辺制御ユニット1500が組み立てられ、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となると、上述したように、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となると共に、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となる。
また、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができるようになっている。
ところで、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となっている。この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにはベタグランドが形成されると共にベタグランドがレジストで覆われていたが、耐ノイズ試験において、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成してレジストで覆ったものと、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成せずレジストで覆ったものと、を試験したところ、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成せずレジストで覆ったものの方が、ノイズ耐性が高いことが得られた。
ベース体1502を介して電磁波ノイズが侵入すると、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分に高電圧がかかることにより電磁波ノイズがレジストを通り抜けてベタブランドへ侵入することとなる。このような予期しないルートを介して電磁波ノイズが侵入することにより、電磁波ノイズの影響を受けやすい電子部品やこの電子部品と電気的に接続された配線パターンがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分と隣接していると、誤動作や破損の原因となる。
また、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面のうち、どの断線防止リブ部と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yの部分におけるレジストを電磁波ノイズが通り抜けて侵入するか予測できないため、特定の断線防止リブ部に対して、電磁波ノイズの影響を受けやすい電子部品やこの電子部品と電気的に接続された配線パターンを遠ざけて配置することが困難である。
なお、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分に高電圧がかかることにより電磁波ノイズがレジストを通り抜けてベタブランドへ侵入するため、断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3とベタグラントとがレジストを介して当接している場合に、この当接している部分にベース体1502に侵入した電磁波ノイズによる高電圧がかかることにより、断線防止リブ部からベタグランへ電磁波ノイズが侵入する不必要なループ配線が形成されていると考えられる。
ここで、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドの形状について図209を参照して説明する。図209はベース体に形成される断線防止リブ部の正面が周辺制御基板の裏面(ハンダ面)と当接した部分におけるベタグランドの形状を示す図であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(a)であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の概略図(b)である。
ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3は、上述したように、上下方向に細長い形状を有しており、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)における断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3とそれぞれ対応する位置とその周囲は、図209(a)に示すように、左右方向の距離寸法dgwと上下方向の距離寸法dghとを有する上下方向に長い矩形状の箔抜き領域1510yaが銅箔面1510ypにそれぞれ形成されている。つまり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の下辺側には、ベタグランの一部が箔抜き(除去)されている領域が形成されている。
これらの箔抜き領域1510yaは、その左辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左側面との距離寸法dg0が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの左辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左側面との距離寸法dg0の長さとして断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍〜3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの左辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左側面との距離寸法dg0が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
また、これらの箔抜き領域1510yaは、その右辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の右側面との距離寸法dg1が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの右辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の右側面との距離寸法dg1の長さとして断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍〜3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの右辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の右側面との距離寸法dg1が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
また、これらの箔抜き領域1510yaは、その上辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の上側面との距離寸法dg2が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの上辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の上側面との距離寸法dg2の長さとして断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍〜3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの上辺と断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の上側面との距離寸法dg2が断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
つまり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yにおいてベタグランドが形成される銅箔面1510ypに箔抜き領域1510yaが形成されることにより、箔抜き領域1510yaがベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された領域となっている。
周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yの銅箔面1510ypにレジスト液が塗布されると、図209(b)に示すように、箔抜き領域1510yaの上にもレジスト液が塗布されレジスト層1510yrが形成される。ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3は、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yにおける箔抜き領域1510ya上のレジスト層1510yrに当接することとなる。なお、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yの箔抜き領域1510yaと対応する周辺制御基板の表面(実装面)1510xにおける銅箔面には、ベタグランドが形成されており、箔抜き領域1510yaと同一形状の箔抜き領域が全く形成されていない。
カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されている。このため、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3から箔抜き領域1510yaを介して周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成されると共に、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが上述した金属製のナベねじを介して基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる「ノイズが抜けるルート」が形成されることにより、ノイズを除去することができるようになっている。
[7−6.周辺制御基板の再利用]
周辺制御基板1510は、上述したように、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。
周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4の周囲は、上述したように、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1〜1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1〜1510rb4と、がそれぞれ形成される。周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、上述したように、周辺制御基板1501の表面(実装面)1510xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このため、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とが当接した状態となる。
このように、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とが当接した状態となるため、周辺制御基板1510を再利用することにより、金属製のナベねじによる繰り返しのねじ込みや取り外しで周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と擦れて周辺制御基板1510の基材から剥がれたり、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4が金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と擦れて周辺制御基板1510の基材から剥がれたり、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4や周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4yの銅箔が剥き出しになっていると、酸化して電気的に接続性が悪くなったりすることによって、周辺制御基板1510を再利用することが困難となるという問題がある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。このハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4とを電気的に接続可能に被覆していると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と擦れることを防止して周辺制御基板1510の基材から剥がれることを防止することができるし、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4が金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と擦れることを防止して周辺制御基板1510の基材から剥がれたりすることを防止することができるし、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4や周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4の銅箔部分が剥き出した状態とならず酸化を防止することができるし、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4とカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)との当接した状態における電気的な接続性を良好とすることができると共に、ハンダの粘度により周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)との当接した状態における電気的な接続性を良好とすることができる。
これにより、周辺制御基板1510を再利用しても、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが金属製のナベねじを介して基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる上述した「ノイズが抜けるルート」が確実に形成されることにより、導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果を安定して維持することができる。
また、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4とには、上述したように、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4は、上述したように、金属製のナベねじの座面が当接するため、ランド1510rb1〜1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじの座面とが当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くなるという問題がある。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4は、上述したように、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と当接するため、ランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くなるという問題がある。なお、ランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510の歪みが生ずることとなり、各種配線パターンが断線する原因ともなる。
そこで、本実施形態では、金属製のナベねじの座面が当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させることにより、ランド1510rb1〜1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さをメタルマスクの板厚として均一とすることができる。また、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させることにより、ランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さをメタルマスクの板厚として均一とすることができる。
[7−7.変形例]
なお、上述した本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされていたが、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4の表面である銅箔にそれぞれハンダ付けされ、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆ってもよい。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x全体がレジスト液で塗布される際に併せて塗布される。このように構成しても、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することで、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)とカバー体1501とを電気的に接続された状態とすることができる。また、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1〜1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一とすることができる。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4とそれぞれ対応する部分のレジスト層の厚さが同一の厚さとなるため、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510の歪みを防止することができる。
また、上述した実施形態では、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしていたが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。図210は周辺制御基板を半田槽へ流す場合にけるランドに対するレジストの形状を示す図である。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔に対して、図210(a)に示すように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図210(b)に示すように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1〜1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図210(c)に示すように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図210(d)に示すように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1〜1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1〜1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1〜1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1〜1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510を導電性の樹脂製のカバー1501に固定すると、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に形成されるランド1510rf1〜1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に形成されるランド1510rb1〜1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となることで、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4と電気的に接続される状態となり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となっていたが、導電性の樹脂製のカバー1501に代えて金属製のカバー1501'としてもよい。この場合、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、導電性の樹脂製のものでもよいし、導電性の樹脂製にものに代えて金属製のものでもよいし、また、カバー体1501の配線引出開口部1501aeを塞ぐ配線カバー体1503は、導電性の樹脂製のものでもよいし、金属製のものでもよい。
なお、各種音を増幅する回路を有するアンプ基板は、電力消費が大きく、発熱する。そこで、アンプ基板は、金属製のカバー体と金属製のベース体とから構成される金属製の基板ボックスに収容されたり、金属製の部分ケースに取り付けられたりする。アンプ基板が金属製の基板ボックスに収容されると、アンプ基板が発する熱により熱せられる空気やアンプ基板自身の熱を金属製の基板ボックスで効率良く外気へ放熱するようになっている。また、アンプ基板が金属製の部分ケースに取り付けられると、アンプ基板自身の熱を金属製の部分ケースで効率良く外気へ放熱することができるようになっている。
アンプ基板は、金属製のカバー体と金属製のベース体とから構成される金属製の基板ボックスに収容されたり、金属製の部分ケースに取り付けられたりするため、金属製の基板ボックスや金属製の部分ケースにノイズが侵入する場合がある。そこで、上述した周辺制御基板1510のように(つまり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となるように)、アンプ基板に形成される複数のランドと、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースの裏面側に形成される複数の取付ボス孔の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、アンプ基板の裏面(ハンダ面)側に形成される複数のランドと、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となることで、金属製のナベねじを介して、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースがアンプ基板に形成される複数のランドと電気的に接続される状態となり、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースとアンプ基板のグランド(GND)とが電気的に接続される状態とすることができる。また、アンプ基板自身の熱をアンプ基板のグランド(GND)から金属製のナベねじを介して金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースへ伝えて効率良く外気へ放熱することもできる。
また、上述した実施形態では、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4と電気的に接続される状態となり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となっていたが、2階建て基板(いわゆる、「亀の子基板」)においても利用することができる。例えば、親基板の複数のランドが親基板のグランド(GND)と電気的に接続され、子基板の複数のランドが子基板のグランド(GND)と電気的に接続され、親基板の複数のランドと子基板の複数のランドとを金属製の支柱(スペーサ)の両端でそれぞれネジ止めすることで親基板の複数のランドと子基板の複数のランドと金属製の支柱(スペーサ)を介して電気的に接続された状態とすることができる。これにより、親基板のグランド(GND)と子基板のグランド(GND)とが金属製の支柱(スペーサ)を介して同一のグランド(GND)とすることができる。
また、上述した実施形態では、導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505に周辺制御基板1510が収容されていたが、主制御基板1310を収容する主制御基板ボックス1320や払出制御基板633を収容する払出制御基板ボックス632に対して導電性樹脂製のものとして構成すると、主制御基板ボックス1320や払出制御基板ボックス632が、規則上、透明である必要があり、導電性樹脂製のものを利用することができないものの、電源基板を収容する基板ボックスや各種中継基板を収容する各種中継基板ボックスに対して導電性樹脂製のものとして構成すると共に、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックスに固定される同一の方法で固定されるようにしてもよい。こうすれば、電源基板を収容する基板ボックスや各種中継基板を収容する各種中継基板ボックスに対して、上述した導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果と同一の効果を奏することができる。
また、上述した実施形態では、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図3に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態においては、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、を球タンク552の中央寄りに配置することで、タンクレール553から離して配置することができるようになっている。タンクレール553は、上述したように、その下側(パチンコ機1を正面から見るとタンクレール553の後面下側)に複数形成される切り欠き部553aaを介して外部へ遊技球Bの金属粉を落下することができるようになっているため、上述した基板間コネクタをタンクレール553から離して配置することにより、上述した基板間コネクタにおいて遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルの発生を防止することができる。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、は、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態において、図206に示したように、上下方向に長い配置とすることにより基板間コネクタの上側の面積を小さくすることができるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積を最小限とすることができる。なお、上述した基板間コネクタを左右方向に長い配置とする場合には、基板間コネクタの上側の面積が大きくなるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大することとなる。これに対して、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、図206に示したように、左右方向に長い配置となり、各コネクタの上面の面積が大きくなって塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大する配置となっているが、上述したように、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1〜CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっているため、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1〜CN9に付着することを防止することができるようになっている。このように、塵、何らかの金属性を有する粉等が各電気端子への付着を防止することができるように、上述した基板間コネクタを配置する向きと、コネクタCN1〜CN9を配置する向きと、が選択されている。
なお、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に特殊コネクタSCN1,SCN2のプラグを備え、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3のソケットを備え、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4のソケットを備えていたが、情報や信号が流れる方向が視認できるように備えるように配置してもよい。このような場合には、情報や信号を送信する側をプラグ(又はソケット)とするとともに、これに対応して、情報や信号を受信する側をソケット(又はプラグ)とすることができる。例えば、上述した実施形態では、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)は、周辺データROM基板1520から周辺制御基板1510へ転送されるため、周辺データROM基板1520が送信側で周辺制御基板1510が受信側となる。このような場合には、周辺データROM基板1520にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、周辺制御基板1510にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510から複数種類の映像信号の方式が液晶出力基板1530へ出力されるため、周辺制御基板1510が送信側で液晶出力基板1530が受信側となる。このような場合には、周辺制御基板1510にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、液晶出力基板1530にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、いずれかに一つまたは組み合わせて通風孔1501azを複数形成してもよい。例えば、左辺に設けられるカバー側壁1501cにのみ通風孔1501azを複数形成してもよいし、下辺に設けられるカバー側壁1501dのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、右辺に設けられるカバー側壁1501eのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、カバー平板1510a、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eのうち複数組み合わせて通風孔1501azをそれぞれ複数形成してもよい。このように構成しても、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することを防止することができる。これにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、タンクレール553からの落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成してもよい。こうすれば、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成することにより周辺制御基板ボックス1505の温度上昇を抑制することに寄与することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、上述したように、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
[8.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図211を参照して説明する。図211は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、それぞれの制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御することができるものである。周辺制御基板1510は、演出の進行を制御することができるものであり、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御することができる周辺制御部1511と、周辺制御部1511からの各種コマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御することができる演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御することができる払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御することができる発射制御部633bと、を備えている。
[8−1.主制御基板]
遊技の進行を制御することができる主制御基板1310は、基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300に収容されるものであり、説明上、パチンコ機1を正面から見て基板ホルダ1200の後面を臨む主制御基板1310の前側と反対側の面(つまり後側となる面)を電子部品が実装される「主制御基板1310の表面(実装面)」と記載する場合がある。遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、その表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成され、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するための押圧操作部を有するRAMクリアスイッチ1310fと、を備えている。なお、主制御MPU1310aは、主制御基板1310に備える図示しない水晶発振器の高周波回路により動作する。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御基板1310の表面(実装面)には、RAMクリアスイッチ1310fの他に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、主制御基板1310を収容する透明な主制御基板ボックス1320から露出した状態となっている。主制御基板1310は、遊技盤5の後側に設けられるため、遊技者から視認困難な位置に配置されている。また、主制御基板1310に備えるRAMクリアスイッチ1310fも、主制御基板1310が遊技盤5の後側に設けられるため、遊技者から視認困難な位置に配置されている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)(主制御基板1310の基板グランド)と電気的に接続されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3052、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2801、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3051、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2601、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト口センサ3053、第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bを検知する第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二サブアウト口センサ3054、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1111,2404,2602,3055、等からの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路へ駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路1310dから始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第二アタッカソレノイド2612、等に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等へそれぞれの駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から停電監視回路1310eに対して信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、ゲートセンサ2801、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601、アウト口センサ3053には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3051、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004、ゲート部2003、には頻繁に入球又は通過するため、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、第一大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2601による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2601にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3051による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3051には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
更に、アウト口2010には遊技球Bが頻繁に入球するため、アウト口センサ3053には耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。一方、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012には、遊技球Bが頻繁に入球しないため、第一サブアウト口センサ2403及び第二サブアウト口センサ3054には近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板633は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に対して出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU11310aは、払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に出力し、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から周辺制御基板1510に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+24V、直流+12V、及び直流+5V)が払出制御基板633を介して供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電源を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されると、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし主制御出力回路に出力され、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して出力されるようにもなっている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの直流+12V及び直流+24Vが供給されており、これら直流+12V及び直流+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、直流+12V及び直流+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力し、停電予告信号は、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるとともに、主制御基板1310(主制御出力回1310cを介して出力され)、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310、払出制御基板633のほかに、周辺制御基板1510、演出表示装置1600へ入力され、さらに、周辺制御基板1510からインターフェイス基板635を介して、扉枠3に取付けられる各種基板等にそれぞれ入力される。なお、停電予告信号は、扉枠3に取付けられる各種基板等にそれぞれ入力されないように構成してもよい。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、直流+12Vが供給される電源ライン(+12V電源ライン)と、直流+24Vが供給される電源ライン(+24V電源ライン)と、の2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができるようになっている。
なお、本実施形態では、停電監視回路1310eは、上述したように、主制御基板1310に設けられていたが、電源基板630からの直流+12V及び直流+24Vが供給されており、これら直流+12V及び直流+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しているため、主制御基板1310に代えて、電源基板630に設けるように構成してもよい。こうすれば、停電監視回路1310eが主制御基板1310に設けられずに済むため遊技盤5を製造するごとに停電監視回路1310eが必要がなくなって遊技盤5のコスト削減に寄与することができる。
[8−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出制御のほかに、遊技球Bの発射制御や球送制御等を行う払出制御基板633は、電源ユニット620cにおける透明な電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる払出制御基板ボックス632に収容されるものであり、説明上、パチンコ機1を正面から見て電源基板カバー631の後面を臨む払出制御基板633の前側と反対側の面(つまり後側となる面)を電子部品が実装される「払出制御基板633の表面(実装面)」と記載する場合がある。遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、その表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成され、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器633cと、エラーLED表示器633cに表示されているエラーを解除するための押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dと、を備えている。
払出制御基板633の表面(実装面)には、エラー解除スイッチ633dの他に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。エラー解除スイッチ633dの押圧操作部は、払出制御基板633を収容する透明な払出制御基板ボックス632から露出した状態となっている。払出制御基板633は、パチンコ機1の後側に設けられているため、遊技者から視認困難な位置に配置されている。また、払出制御基板633に備えるエラー解除スイッチ633dも、払出制御基板633がパチンコ機1の後側に設けられているため、遊技者から視認困難な位置に配置されている。
[8−2−1.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU633aaと、払い出しに関する各種センサからの検出信号が入力される払出制御入力回路633abと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路633acと、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路633adと、を備えている。
払出制御MPU633aaには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「払出制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路633abは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路633acは、エミッタ端子がグランド(GND)(払出制御基板633の基板グランド)と電気的に接続されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路は、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、球誘導ユニット570の球切検知センサ574からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチからの検出信号、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドは、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式により受信されている。また、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)は、払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU633aaは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から主制御基板1310に対して信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU633aaは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路に送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路から主制御基板1310に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板1310は、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板633に対して出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ584を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から駆動信号を払出モータ駆動回路633adに出力し、払出モータ駆動回路633adから払出モータ584へ駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器633cに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路からエラーLED表示器633cへ駆動信号を出力したりする。
エラーLED表示器633dは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器633dが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて球誘導ユニット570の誘導通路570a内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球ガミ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出羽根589と遊技球Bとがかみ合って払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいて下皿202が貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からパチンコ機1の外部に設置されているCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数等をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して賞球として実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板633は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して出力している。外部端子板558は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球Bの球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容又はエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板558とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板558を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板558を経由して遊技を進行することができる主制御基板1310、払出等を制御することができる払出制御基板633、及び演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数、パチンコ機1の遊技情報等を把握することにより、パチンコ機1の払出動作による遊技球Bの払出情報(いわゆる、出球情報)と、遊技者の遊技と、を監視している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が図示しないCRユニット入出力回路を介して払出制御MPU633aaaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示されるようになっている。
なお、払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+24V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、上述したように、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電源を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより主制御MPU1310aに加えて払出制御MPU633aaは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されると、その操作信号(RAMクリア信号)が払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、払出制御MPU633aaによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[8−2−2.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種センサからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aへ向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aへ向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路へ出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aへ向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力される。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aへ向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542へ出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
[8−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、その表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜(以下、単に「ベタ塗りされた緑色のレジスト」と記載する場合がある。)により緑色のレジスト層が形成され、図211に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御することができる上述した周辺制御部1511と周辺制御部1511からの各種コマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御することができる上述した演出表示制御部1512との機能を併せ持つものであり、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、図示しない周辺制御入力回路と、を備えている。各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/Oポート、各種パラレルI/Oポート等を挙げることができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時(停電から復電する場合も含む。)における初期設定処理の一処理として、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)をSDRAM1510c1,1510c2に転送する制御を行う。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSDRAM1510c1,1510c2との間においては、2Gbpsという転送速度を有しているため、周辺データROM1520aに記憶される制御情報がSDRAM1510c1,1510c2へ高速に転送される。制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等である。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMを用いて、処理に伴う一時的に情報を記憶したり、その情報を削除したりする。また周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了すると、主制御基板1310から各種コマンドに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出して演出の進行を行う。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出し、演出表示装置1600に画像を描画する制御を行ったり、各種演出に合わせた各種LEDの発光態様となるように制御を行ったり、各種演出に合わせた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行ったりすることにより各種演出を進行する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを周辺制御IC1510aのVRAM上に生成して液晶出力基板1530に出力する制御を行う。この描画データは、液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600に伝送されて演出表示装置1600にさまざまな画像が描画される。なお、周辺制御IC1510aのVDPは、画面の構成を規定する画面データを受け入れることができる状態となると、Vブランク信号を周辺制御IC1510aのCPUに出力することで、その旨を伝える。
周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して生成して出力することにより、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dを操作すると、この音量調整操作信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、入力された音量調整操作信号に応じた音量を調整することができ、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622と、に対して音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、又は、4.1chサラウンド信号、等)を出力することで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提供することができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、遊技盤5の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための各種遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから演出駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に対して送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータや各種駆動ソレノイド等の遊技盤側電気的駆動源への駆動信号を出力するための各種遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから演出駆動基板1720に対して送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等の扉枠側電気的駆動源(扉枠3側に駆動ソレノイドが設けられている場合には駆動ソレノイドを含む。)への駆動信号を出力するための各種扉枠側駆動データや、扉枠3の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための各種扉枠側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出して各種シリアルI/Oポートから扉枠3側に対して送信したりする。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の各種演出ユニットに備える各種検知センサからの検出信号は、パネル駆動基板1720、そして周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381からの検出信号、昇降検知センサ382からの検出信号、第一回転検知センサ347からの検出信号、及び第二回転検知センサ348からの検出信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポート(又は、各種パラレルI/Oポーとであってもよい。)に受信(入力)されている。また、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。
なお、周辺制御IC1510aは、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)を備えており、周辺制御IC1510aは、外部WDTを利用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[9.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図212〜図213を参照して説明する。図212はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図213は図212のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板について説明し、続いてバックアップ電源、各制御基板等へ供給される電源、ヒューズの固定方法について説明する。なお、各種基板の基板グランド(GND)や各種端子板の基板グランド(GND)は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一のグランド(GND)となっている。
[9−1.電源基板]
図95及び図96等に示した基板ユニット620に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の電源コンセントに差し込まれている。遊技ホールの島設備では、通常1つのトランスに対して、例えば4台のパチンコ機1を1つのグループとして交流電源(交流24V)をそれぞれ供給するというシステムが採用されている。例えば、1列に20台のパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備においては、4台のパチンコ機1が5つのグループとして管理され、それぞれのグループに対して1つずつトランスが設けられ(合計5つのトランスにより)、交流電源(交流24V)がそれぞれ供給されるというシステムが採用されているため、最大許容容量:1000VAという性能を有するトランスが設けられている。
電源スイッチ630aがON操作されると、遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V)が電源基板630へ供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる一方、電源スイッチ630aがOFF操作されると、遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V)が電源基板630へ供給されなくなり、パチンコ機1の電源遮断を行うことができる。電源スイッチ630aは、通常、ON操作された状態が維持され、遊技ホールの店員等の係員が営業開始するときに、遊技ホールに設置されるブレーカをON操作する(入れる)ことにより遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1の電源投入を一斉に行う。そして、遊技ホールの店員等の係員が営業終了後に、遊技ホールに設置されるブレーカをOFF操作する(切る)ことにより遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1の電源遮断を一斉に行う。このため、遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1のうち、個別にパチンコ機1の電源投入や電源遮断を行う場合としては、例えば、遊技ホールの店員等の係員がメンテナンスを行うときに電源スイッチ630aをOFF操作して、メンテナンスを終了したときに電源スイッチ630aを再びON操作する場合、何らかのトラブルが発生したパチンコ機1に対してそのトラブルを解消するために遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをOFF操作し、そのトラブルを解消したときに電源スイッチ630aを再びON操作する場合等を挙げることができる。
電源基板630は、図212に示すように、電源スイッチ630aのほかに、ヒューズFUSE1,FUSE2、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、電源破壊回路630g、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、バックアップ電源回路630hを備えている。遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V(以下、「AC24V」と記載する。))は、電源スイッチ630aのON操作/OFF操作にかかわらず、電源基板630を介してインターフェイス基板635へ供給され、このインターフェイス基板635からパチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)へ供給されている。
電源スイッチ630aがON操作されると、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vは、ヒューズFUSE1,FUSE2、そして電源スイッチ630aを介してノイズ対策回路630bへ供給され、このノイズ対策回路630bにおいてノイズが除去される。ノイズが除去されたAC24Vは、整流回路630cへ供給され、この整流回路630cにおいて整流(交流から直流に変換(AC−DC変換))されて直流電源となる。この整流された直流電源は、電源破壊回路630gを介して力率改善回路630dへ供給され、力率改善回路630dにおいて力率を改善した直流+35V(以下、「+35V」と記載する。)が作成される。この作成された+35Vは、平滑化回路630eへ供給され、平滑化回路630eにおいて+35Vのリップルが除去されて平滑化される。この平滑化された+35Vは、電源作成回路630fへ供給される。電源破壊回路630gは、自身へ供給される電圧が所定電圧を超えるとヒューズFUSE1,FUSE2に許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える大電流を流して溶断させて遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vを電気的に切断するものである。ヒューズFUSE1,FUSE2は、許容電流上限(遮断電流)を超える大電流(異常電流)が流れると、ヒューズFUSE1,FUSE2のエレメント部が溶断してヒューズFUSE1,FUSE2を介して供給される後続へのAC24Vを遮断する。
平滑化された+35Vが供給される電源作成回路630fは、+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、+24V電源作成回路630fcを備えている。+5V電源作成回路630faは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+5V(以下、「+5V」と記載する。)を作成している。+12V電源作成回路630fbは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+12V(以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V電源作成回路630fcは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+24V(以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5V、+12V、及び+24Vは、払出制御基板633及びインターフェイス基板635へそれぞれ供給されている。電源基板630で作成される+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、電源基板630で作成される+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして電源基板630で作成される+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
[9−2.バックアップ電源]
バックアップ電源回路630hは、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU633aaに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)へのバックアップ電源を供給している。
電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vは、払出制御基板633へ供給されている。払出制御基板633へ供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路633hを介して払出制御基板633における+5V電源ラインとなり、払出制御MPU633aaの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成される+12Vは、払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gへ供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板633からの+12Vから主制御MPU1310aの制御電源となるローカル電源として+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5V(以下、「主制御基板側作成+5V」と記載する場合がある。)は、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御基板1310における主制御基板側作成+5V電源ラインとなり、主制御MPU1310aの電源端子へ供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子へ供給されるようになっている。なお、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)と、は電気的に接続されず、それぞれ独立している。
電源基板630のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板633の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板633のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子へ向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、へ向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが払出制御基板633、そして再び払出制御基板633から電源基板630に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが払出制御基板633へ供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板633へ供給されるようになっているため、払出制御MPU633aaの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU633aaが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより払出制御内蔵RAMの記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板630のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)は、主制御MPU1310aの電源端子へ向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、へ向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)が主制御基板1310、そして払出制御基板633から電源基板630へ供給されるという電気的な接続方法により、主制御基板側作成+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成される+12Vが払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gへ供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5V(主制御基板側作成+5V)を作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより主制御内蔵RAMの記憶内容が保持されるようになっている。
[9−3.各制御基板等へ供給される電源]
次に、各制御基板等へ供給される電源についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板へ供給される電源、そして主制御基板へ供給される電源について説明する。
電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、図212に示すように、払出制御基板633へ供給され、これら3種類の電源のうち、+12V及び+24Vという2種類の電源は、払出制御基板633を介して主制御基板1310へ供給されている。また電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、インターフェイス基板635へ供給されるとともに、このインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等へそれぞれ供給されている。
なお、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等へそれぞれ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、これらの各電源ラインへ過電流が流れるにより溶断することができる図示しない+5V用ヒューズ、図示しない+12V用ヒューズ、及び図示しない+24V用ヒューズを、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等にそれぞれ設けてもよい。
特に、+12V電源ライン及び+24V電源ラインは、後述するように、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより電位の低下が監視されており、+12V電源ラインの電位や+12V電源ラインの電位が低下して停電予告信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aや払出制御基板633の払出制御MPU63aaへ出力されると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行って遊技の進行を停止し、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行って払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止することとなる。
そこで、図示しない+12V用ヒューズ、及び図示しない+24V用ヒューズを、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等にそれぞれ設ける場合には、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等の+12V電源ラインや+24V電源ラインにおいて、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等に過電流が流れると、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等に設けられる+12V用ヒューズや+24V用ヒューズが溶断するように構成することができる。これにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位や+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
周辺制御基板1510へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、図213に示すように、+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、及び+24V用ヒューズSF24を介して、演出駆動基板1720へそれぞれ供給されている。また周辺制御基板1510へ供給される+12Vは、+12V用ヒューズSF12を介して演出駆動基板1720に供給されるほかに、+12V用ヒューズSF12、そして液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600へ供給されている。つまり、液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510の+12V用ヒューズSF12を介して供給される+12Vを演出表示装置へ中継している。
+5V用ヒューズSF5は、周辺制御基板1510の+5V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して演出駆動基板1720等の後続基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+5V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+5V用ヒューズSF5は、+5V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+5V用ヒューズSF5のエレメント部が溶断して+5V用ヒューズSF5を介して供給される後続への+5V電源ラインを遮断する。
+12V用ヒューズSF12は、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して演出駆動基板1720、遊技盤5の各種装飾基板等の後続基板で使用される電流と、周辺制御基板1510を介して演出表示装置1600等の後続装置で使用される電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V用ヒューズSF12は、+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズSF12のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズSF12を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
+24V用ヒューズSF24は、周辺制御基板1510の+24V電源ラインにおける、周辺制御基板1510を介して演出駆動基板1720等の後続基板で使用される電流が加味されてその容量が予め設定されており、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。なお、周辺制御基板1510において+24Vを使用して電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)を+24V系ドライバ回路を設ける場合には、+24V用ヒューズSF24の容量として、+24V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して演出駆動基板1720等の後続基板で使用される電流と、が加味されて予め設定される。+24V用ヒューズSF24は、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V用ヒューズSF24のエレメント部が溶断して+24V用ヒューズSF24を介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24は、周辺制御基板1510から演出駆動基板1720等の後続基板へ+5V電源ライン、+12電源ライン、+24V電源ラインが供給される大元のヒューズであり、流れる電流が大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けてICに内蔵されるサーマルシャットダウンによる障害が発生しないように、周辺制御IC1510a等の電子部品から離間して配置することが好ましく、インターフェイス基板635からの+5V、+12V、+24Vが供給されるコネクタの近傍(特に、インターフェイス基板635からの+5V、+12V、+24Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
周辺制御基板1510は、+12V用ヒューズSF12を介して供給される+12Vから周辺制御IC1510aの制御電源となるローカル電源として直流3.3V(以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する制御電源作成回路1510zを備えている。制御電源作成回路1510zで作成される+3.3Vは、制御電源用ヒューズSF3を介して周辺制御IC1510a(周辺制御IC1510aとして1つの半導体チップ上に集積される、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等)等へ供給されるとともに、周辺制御基板1510のローカル電源であるものの、周辺制御データROM基板1520へ供給される。制御電源作成回路1510zで作成される+3.3Vは、制御電源用ヒューズSF3を介して周辺制御基板1510における+3.3V電源ラインとなるとともに、周辺データROM基板1520における+3.3V電源ラインとなる。制御電源作成回路1510zは、+12V用ヒューズSF12を介して供給される+12V電源ラインを除いて、+5V用ヒューズSF5を介して供給される+5V電源ライン及び/又は+24V用ヒューズSF24を介して供給される+24V電源ラインに対して異常電流が流れて溶断した場合であっても、+12V電源ラインからの+12Vから周辺制御IC1510aの制御電源となるローカル電源である+3.3Vを作成することができるため、周辺制御IC1510aは停止せず、継続して作動し、+24V用ヒューズSF24が溶断している場合には+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動することが困難となるものの、演出の進行を継続することができる。
なお、制御電源作成回路1510zは、+3.3Vのほかに、ローカル電源として例えば周辺制御基板1510の制御ROM1510b、SDRAM1510c、周辺データROM基板1520の周辺データROM1520a等の各デバイスに対応する複数の制御電源(例えば、直流1.5V(以下、「+1.5V」と記載する。)、直流1.25V(以下、「+1.25V」と記載する。)等)を作成するようにしてもよい。この場合、制御電源用ヒューズSF3は、複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられることとなる(例えば、+3.3Vに対しては+3.3V用ヒューズ、+1.5Vに対しては+1.5V用ヒューズ、+1.25Vに対しては+1.5V用ヒューズをそれぞれ設け、+3.3V用ヒューズを介して+3.3V電源ラインとなり、+1.5V用ヒューズを介して+1.5V電源ラインとなり、+1.25V用ヒューズを介して+1.25V電源ラインとなる)。
制御電源用ヒューズSF3は、+3.3V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して周辺データROM基板1520等の後続基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+3.3V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。制御電源用ヒューズSF3は、+3.3V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、制御電源用ヒューズSF3のエレメント部が溶断して制御電源用ヒューズSF3を介して供給される後続への+3.3V電源ラインを遮断する。なお、制御電源用ヒューズSF3を複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられる場合(例えば、+3.3Vに対しては+3.3V用ヒューズ、+1.5Vに対しては+1.5V用ヒューズ、+1.25Vに対しては+1.25Vヒューズがそれぞれ設けられる場合)には、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して周辺データROM基板1520等の後続基板で使用するときにはこの電流と、が加味されてその容量が予め設定され、複数の制御電源のそれぞれの電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができるとともに、複数の制御電源のそれぞれの電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられる制御電源用ヒューズSF3のエレメント部が溶断し、この溶断した制御電源用ヒューズSF3を介して供給される後続への制御電源の電源ラインを遮断する。
なお、制御電源用ヒューズSF3は、周辺制御IC1510a等の制御電源となる+3.3V電源ラインの大元のヒューズであり、流れる電流が大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けて周辺制御IC1510aに内蔵されるサーマルシャットダウンによる障害が発生しないように、周辺制御IC1510a等の電子部品から離間して配置することが好ましく、制御電源作成回路1510zの近傍(特に、+3.3Vを作成して+3.3電源ラインとして供給する端子の近傍)に配置されることが好ましい。
本実施形態では、周辺制御基板1510の+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24、及び制御電源用ヒューズSF3は、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、周辺制御基板1510の+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24、及び制御電源用ヒューズSF3として、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、周辺制御基板1510の+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24、及び制御電源用ヒューズSF3として、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
演出駆動基板1720へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源のうち、+5Vは+5V用ヒューズEF5を介して入力バッファ回路1720a等へ供給され、+24Vは+24V用ヒューズEF24を介して遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動制御する+24V系ドライバ回路1720c1へ供給され、+12Vは+12V用ヒューズEF12を介して遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動制御する+12V系ドライバ回路1720c2へ供給されるとともに、遊技盤5に備える複数の装飾基板(以下、「遊技盤5の各装飾基板」と記載する場合がある。)へそれぞれ供給されている。
+5V用ヒューズEF5は、演出駆動基板1720の+5V電源ラインにおける、演出駆動基板1720自身で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、+5V電源ライン演出駆動基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+5V用ヒューズEF5は、+5V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+5V用ヒューズEF5のエレメント部が溶断して+5V用ヒューズEF5を介して供給される後続への+5V電源ラインを遮断する。
+12V用ヒューズEF12は、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、演出駆動基板1720自身で使用する電流と、演出駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板等の後続基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V用ヒューズEF12は、+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズEF12のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズEF12を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
+24V用ヒューズEF24は、演出駆動基板1720の+24V電源ラインにおける、演出駆動基板1720自身で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V用ヒューズEF24は、+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V用ヒューズEF24のエレメント部が溶断して+24V用ヒューズEF24を介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24は、+5V電源ライン、+12電源ライン、+24V電源ラインを供給するヒューズであり、周辺制御基板1510における大元の+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24と比べると、流れる電流が小さいものの、電流は大きく、発熱する場合があるため、例えば、この発熱の影響を受けて+12Vドライバ回路1720c2に内蔵されるサーマルシャットダウン部による機能によりシャットダウンによる障害が発生しないように、+12Vドライバ回路1720c2等の電子部品から離間して配置することが好ましく、周辺制御基板1510からの+5V、+12V、+24Vが供給されるコネクタの近傍(特に、周辺制御基板1510からの+5V、+12V、+24Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
入力バッファ回路1720aは、周辺制御基板1510から伝送される制御信号(シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して+24V系ドライバ回路1720c1、+12V系ドライバ回路1720c2へ出力するものである。具体的には、入力バッファ回路1720aは、周辺制御基板1510と演出駆動基板1720との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、+5V用ヒューズEF5を介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。
+24V系ドライバ回路1720c1は、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動するドライバICと、このドライバICへの過電流を遮断するヒューズ(以下、「+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ」と記載する場合がある。)と、から主として構成されている。+24V用ヒューズEF24を介して供給される+24Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。
+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズは、演出駆動基板1720の+24V電源ラインにおける、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路1720c1で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズは、遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
+12V系ドライバ回路1720c2は、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動するドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断するヒューズ(以下、「+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズ」と記載する場合がある。)と、から主として構成されている。+12V用ヒューズEF12を介して供給される+12Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。
+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズは、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路1720c2で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズは、遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
本実施形態では、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
遊技盤5の各装飾基板へ供給される+12Vは、+12V用ヒューズDF12を介して遊技盤5に備えるフルカラーLEDや単色のLED等の複数のLED(以下、「遊技盤5の各種LED等」と記載する場合がある。)を点灯、消灯、点滅、階調点灯等の多様な発光を制御するLED定電流駆動回路へ供給される。LED定電流駆動回路は、遊技盤5の各種LED等に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路と、遊技盤5の各種LED等に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路と、から主として構成されている。なお、LED定電流駆動回路に上述した入力バッファ回路1720aと相当する入力バッファ回路が設けられていない場合には、LED定電流駆動回路の前段に上述した入力バッファ回路1720aと相当する入力バッファ回路を設けてもよい。
+12V用ヒューズDF12は、遊技盤5の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、遊技盤5の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V用ヒューズDF12は、遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズDF12のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズDF12を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、+12V用ヒューズDF12は、+12電源ラインを供給するヒューズであり、周辺制御基板1510における大元の+12V用ヒューズSF12、そして演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12と比べると、流れる電流が小さいものの、電流は大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けて装飾基板に実装さえる各種LEDが損傷しないように、各種LEDやLED定電流駆動回路から離間して配置することが好ましく、演出駆動基板1720からの+12Vが供給されるコネクタの近傍(特に、演出駆動基板1720からの+12Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
本実施形態では、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12は、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12として、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、遊技盤5の各装飾基板+12V用ヒューズDF12として、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
演出表示装置1600へ供給される+12Vは、演出表示装置1600の大元ヒューズとなる前段ヒューズとして+12V用ヒューズPF12を介して、分岐第1系統のヒューズとなる第1の後段ヒューズとして+12V用ヒューズPF12a1と、分岐第2系統のヒューズとなる第2の後段ヒューズとして+12V用ヒューズPF12a2と、の2系統に分岐して供給されている。第1の後段ヒューズとして+12V用ヒューズPF12a1を介して供給される+12Vは、液晶パネルへ供給する液晶パネル電源を作成する液晶パネル電源作成回路1600zへ供給される。なお、液晶パネル電源作成回路1600zは、作成した液晶パネル電源を液晶パネルへ供給するほかに、バックライト、駆動回路へ供給する場合もある。第2の後段ヒューズとして+12V用ヒューズPF12a2を介して供給される+12Vは、バックライト、駆動回路へ供給されている。なお、+12V用ヒューズPF12a2を介して供給される+12Vは、バックライト、駆動回路へ供給されるほか、液晶パネルへ供給される場合もある。
大元ヒューズとなる+12V用ヒューズPF12は、演出表示装置1600の+12V電源ラインにおける、演出表示装置1600で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、大元許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。大元ヒューズとなる+12V用ヒューズPF12は、大元許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズPF12のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズPF12を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
分岐第1系統のヒューズとなる+12V用ヒューズPF12a1は、演出表示装置1600の大元ヒューズとなる+12V用ヒューズPF12を介して供給される+12V電源ラインにおける、液晶パネル電源作成回路1600zで使用する電流と、液晶パネル、バックライト、駆動回路等で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、分岐第1系統の許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。分岐第1系統のヒューズとなる+12V用ヒューズPF12a1は、分岐第1系統の許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズPF12a1のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズPF12a1を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
分岐第2系統のヒューズとなる+12V用ヒューズPF12a2は、演出表示装置1600の大元ヒューズとなる+12V用ヒューズPF12を介して供給される+12V電源ラインにおける、液晶パネル、バックライト、駆動回路等で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、分岐第2系統の許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。分岐第2系統のヒューズとなる+12V用ヒューズPF12a2は、分岐第2系統の許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V用ヒューズPF12a2のエレメント部が溶断して+12V用ヒューズPF12a2を介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、+12V用ヒューズPF12,PF12a1,PF12a2は、+12電源ラインを供給するヒューズであり、周辺制御基板1510における大元の+12V用ヒューズSF12、そして演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12と比べると、流れる電流が小さいものの、電流は大きく、発熱する場合があるため、例えば、この発熱の影響を受けて液晶パネル電源作成回路1600zや演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路が損傷しないように、液晶パネル電源作成回路1600zや演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路から離間して配置することが好ましく、液晶出力基板1530からの+12Vが供給されるコネクタの近傍(特に、液晶出力基板1530からの+12Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
本実施形態では、演出表示装置1600の+12V用ヒューズPF12、+12V用ヒューズPF12a1、及び+12V用ヒューズPF12a2は、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、演出表示装置1600の+12V用ヒューズPF12、+12V用ヒューズPF12a1、及び+12V用ヒューズPF12a2として、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、演出表示装置1600の+12V用ヒューズPF12、+12V用ヒューズPF12a1、及び+12V用ヒューズPF12a2として、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
扉枠服中継基板105へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、扉枠3に備える図示しない扉枠側駆動基板(以下、「扉枠3の各駆動基板」と記載する場合がある。)や扉枠3に備える複数の装飾基板(以下、「扉枠3の各装飾基板」と記載する場合がある。)が自身に必要とする電源がそれぞれ供給されており、電源と対応する図示しないヒューズが基板にそれぞれ設けられている。
扉枠3の各駆動基板は、電源と対応する図示しないヒューズ(例えば、+5V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、+12V用ヒューズ)のほかに、例えば、+24V系電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)を駆動制御する+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ、+12V系電気的駆動源(例えば、駆動モータ)を駆動制御する+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズ等も設けられている。電源と対応する図示しないヒューズは、扉枠3の各駆動基板の電源と対応する電源ラインにおける、扉枠3の各駆動基板で使用する電流が加味されてその容量が予め設定さており、扉枠側各電源ライン駆動基板許容電流上限(例えば、扉枠側+5V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流)、扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流)、扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流))まで電流をそれぞれ流すことができる。電源と対応する図示しないヒューズは、扉枠側各電源ライン駆動基板許容電流上限(例えば、扉枠側+5V電源ライン駆動基板許容電流上限、扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限、扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限)を超える過電流(異常電流)が流れると、電源と対応する図示しないヒューズのエレメント部が溶断し、この溶断した電源と対応する図示しないヒューズを介して供給される後続への電源ラインを遮断する。
+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+24V電源ラインにおける、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズは、扉枠3の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズは、扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズのエレメント部が溶断して扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
例えば、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+12Vを必要とする場合には、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源である駆動モータ(例えば、扉枠3に備える演出操作ユニット300の駆動モータ(操作リング駆動モータ342や操作ボタン昇降駆動モータ367)の駆動を制御する図示しない+12V系ドライバ回路へ供給される。+12V系ドライバ回路は、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動する図示しないドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断する図示しないヒューズと、から主として構成されている。+12V用ヒューズを介して供給される+12Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。+12V系ドライバ回路のヒューズは、駆動基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V系ドライバ回路のヒューズは、扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V系ドライバ回路のヒューズのエレメント部が溶断して+12V系ドライバ回路のヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各駆動基板のうち、+12V系ドライバ回路が設けられる(実装される、搭載される)駆動基板に対しては、図示しない+5V用ヒューズと図示しない入力バッファ回路とが設けられており、遊技盤5に備える周辺制御基板1510から伝送される制御信号(この制御信号は、シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して+12V系ドライバ回路へ出力する。具体的には、入力バッファ回路は、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3の駆動基板との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、+5V用ヒューズを介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。この抵抗に供給される+5Vに代えて、+12V用ヒューズを介して供給される+12Vとしても、同一の効果(つまりノイズ耐力の向上)を奏することができる。
また、例えば、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+24Vを必要とする場合には、図示しない+24V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)の駆動を制御する図示しない+24V系ドライバ回路へ供給される。+24V系ドライバ回路は、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド、駆動モータ)を駆動する図示しないドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断する図示しないヒューズと、から主として構成されている。+24V用ヒューズを介して供給される+24Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。+24V系ドライバ回路のヒューズは、駆動基板の+24V電源ラインにおける、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド、駆動モータ)や+24V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V系ドライバ回路のヒューズは、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V系ドライバ回路のヒューズのエレメント部が溶断して+24V系ドライバ回路のヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各駆動基板のうち、+24V系ドライバ回路が設けられる(実装される、搭載される)駆動基板に対しては、上述したように、図示しない+5V用ヒューズと図示しない入力バッファ回路とが設けられており、遊技盤5に備える周辺制御基板1510から伝送される制御信号(この制御信号は、シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して+24V系ドライバ回路へ出力する。具体的には、入力バッファ回路は、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3の各駆動基板との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、+5V用ヒューズを介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。この抵抗に供給される+5Vに代えて、+24V用ヒューズを介して供給される+24V又は+12Vも供給されているときには+12V用ヒューズを介して供給される+12Vとしても、同一の効果(つまりノイズ耐力の向上)を奏することができる。
また、例えば、扉枠3の各装飾基板のうち、一の装飾基板、複数の装飾基板、又はすべての装飾基板が+12Vを必要とする場合には、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備えるフルカラーLEDや単色のLED等の複数のLED(以下、「扉枠3の各種LED等」と記載する場合がある。)を点灯、消灯、点滅、階調点灯等の多様な発光を制御するLED定電流駆動回路へ供給される。LED定電流駆動回路は、扉枠3の各種LED等に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路と、扉枠3の各種LED等に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路と、から主として構成されている。図示しない+12V用ヒューズは、装飾基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V用ヒューズは、扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V用ヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各装飾基板のうち、一の装飾基板(例えば、扉枠3に備える扉枠左サイド装飾基板402を構成する左サイド上装飾基板402a)であって、LED定電流駆動回路が設けられず扉枠3の他の装飾基板(例えば、扉枠3に備える扉枠左サイド装飾基板402を構成する左サイド下装飾基板402b)に設けられるLED定電流駆動回路により一の装飾基板自身に実装される複数のLEDの発光が制御される場合には、図示しない+12V用ヒューズを一の装飾基板に設けてもよいし、設けなくてもよい。また、LED定電流駆動回路に上述した扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)入力バッファ回路と相当する入力バッファ回路が設けられていない場合には、LED定電流駆動回路の前段に、この入力バッファ回路と相当する入力バッファ回路を設けてもよい。
本実施形態では、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
[9−3−1.払出制御基板へ供給される電圧]
払出制御基板633は、図212に示すように、払出制御MPU633aa等のほかに、払出制御フィルタ回路633h等を備えている。この払出制御フィルタ回路633hは、電源基板630からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板630のキャパシタBC1へ供給されるほかに、例えば、払出制御部633aの払出制御MPU633aa等へ供給されている。電源基板630からの+12Vは、例えば、払出制御部633aの払出制御入力回路633ab等へ供給されるとともに、払出制御基板633を介して、外部端子板558の外部通信回路558zへ供給されている。この外部端子板558の外部通信回路558zは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路558zから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板630からの+24は、払出制御基板633において何ら使用されずに、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ供給されている。
[9−3−2.主制御基板へ供給される電圧]
主制御基板1310は、図212に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板630からの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御電源である+5Vを作成している。本実施形態では、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される主制御基板側作成+5Vと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される主制御基板側作成+5Vが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)が供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板630のキャパシタBC0へ供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310a等へ供給されている。払出制御基板633からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等へ供給され、払出制御基板633からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等へ供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの+12V及び+24Vが払出制御基板633を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板633の払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板1510、インターフェイス基板635、そして扉枠服中継基板105を介して、図213に示すように、周辺制御基板1510に入力されるとともに、この周辺制御基板1510、そして液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600等に入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
このように、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源のうち、+12V、+24Vという2種類の電源は、上述したように、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、及び演出駆動基板1720等の各種基板へ供給されている。つまり、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、+12Vという電源が各種基板において同一の電位となっているとともに、+24Vという電源が各種基板において同一の電位となっている。また、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成される+5Vと、は電気的に接続されることがないが、同一の電位となっている。
また、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、上述したように、払出制御基板633、及び主制御基板1310を除いて、周辺制御基板1510には、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24が設けられている(実装されている、搭載されている)とともに、演出駆動基板1720には、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24が設けられている(実装されている、搭載されている)。
更に、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、上述したように、+12Vという電源、+24Vという電源は、いずれも主制御基板1310の停電監視回路1310eでそれぞれ監視されている。
つまり、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+12Vと、周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)+12V用ヒューズSF12と、演出駆動基板1720に設けられる(実装される、搭載される)+12V用ヒューズEF12と、が同電位となっているし、主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+24Vと、周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)+24V用ヒューズSF24と、演出駆動基板1720に設けられる(実装される、搭載される)+24V用ヒューズEF24と、が同電位となっている。
また、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+12Vを必要とする場合には、上述したように、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源である駆動モータ(例えば、扉枠3に備える演出操作ユニット300の駆動モータ(操作リング駆動モータ342や操作ボタン昇降駆動モータ367)の駆動を制御する図示しない+12V系ドライバ回路へ供給されるし、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+24Vを必要とする場合には、上述したように、図示しない+24V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド、駆動モータ)の駆動を制御する図示しない+24V系ドライバ回路へ供給される。この場合、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、遊技盤5の主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+12Vと、遊技盤5の周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)+12V用ヒューズSF12と、遊技盤5の演出駆動基板1720に設けられる(実装される、搭載される)+12V用ヒューズEF12と、扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、が同電位となっているし、遊技盤5の主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+24Vと、遊技盤5の周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)+24V用ヒューズSF24と、遊技盤5の演出駆動基板1720に設けられる(実装される、搭載される)+24V用ヒューズEF24と、扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、が同電位となっている。
[9−4.ヒューズの固定方法]
次に、電源基板630に設けられる各ヒューズと、周辺制御基板1510に設けられる各ヒューズ、演出駆動基板1720に設けられる各ヒューズ、遊技盤5の各装飾基板に設けられる各ヒューズ、演出表示装置1600に設けられる各ヒューズ、及び扉枠3側に設けられる各ヒューズと、の固定方法について説明する。
電源基板630に設けられるヒューズFUSE1,FUSE2(ヒューズFUSE3を含む(図214、図215を参照)。)は、透明なガラス管の両端が金属製を有する支持端子で構成されており、透明なガラス管の両端の支持端子が電源基板630にハンダ付けされる図示しない支持金具(ヒューズホルダともいう)に着脱可能にそれぞれ取り付けられており、ヒューズFUSE1,FUSE2(ヒューズFUSE3を含む(図214、図215を参照)。)が溶断した場合には新しいヒューズと交換できるようになっている。これに対して、周辺制御基板1510に設けられる+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24、及び制御電源用ヒューズSF3と、演出駆動基板1720に設けられる+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズと、遊技盤5の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズDF12と、演出表示装置1600に設けられる+12V用ヒューズPF12、+12V用ヒューズPF12a1、及び+12V用ヒューズPF12a2と、扉枠3側に設けられる各ヒューズと、は表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであって角形チップタイプ、セラミックタイプ、モールドタイプ等があり、基板に直接ハンダ付けされている。
このように、電源基板630に設けられる各ヒューズは着脱可能となっており、ヒューズに予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れて溶断すると、新しいヒューズと交換することができるのに対して、周辺制御基板1510に設けられる各ヒューズ、演出駆動基板1720に設けられる各ヒューズ、遊技盤5の各装飾基板に設けられる各ヒューズ、演出表示装置1600に設けられる各ヒューズ、及び扉枠3側に設けられる各ヒューズは基板に直接ハンダ付けされているチップヒューズであるため、ヒューズに予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れて溶断すると、新しいヒューズと交換することができない。
なお、電源基板630に設けられるヒューズFUSE1,FUSE2(ヒューズFUSE3を含む(図214、図215を参照)。)は、透明なガラス管の両端が金属製を有する支持端子で構成されているため、電源基板630に設けられるヒューズFUSE1,FUSE2(ヒューズFUSE3を含む(図214、図215を参照)。)のエレメント部が溶断されているか否かを透明なカラス管を通して目視して確認することができる。これに対して、周辺制御基板1510に設けられる+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24、及び制御電源用ヒューズSF3と、演出駆動基板1720に設けられる+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズと、遊技盤5の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズDF12と、演出表示装置1600に設けられる+12V用ヒューズPF12、+12V用ヒューズPF12a1、及び+12V用ヒューズPF12a2と、扉枠3側に設けられる各ヒューズと、は表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであるため、角形チップタイプ、セラミックタイプ、及びモールドタイプのうちいずれのタイプのチップヒューズにおいても、チップヒューズの内部に配置されるエレメント部が溶断されているか否かをチップヒューズの外観から目視して確認することができない。
[10.電源基板]
次に、図94に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備える電源基板630について、図214を参照して説明する。図214は電源基板の回路構成の概要を説明する回路図である。
遊技ホールの島設備には、図示しないトランスがあり、交流100V(以下、「AC100V」と記載する。)の商用電源電圧を交流24V(以下、「AC24V」と記載する。)の遊技機用電源電圧に降圧している。図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれると、AC24Vが電源基板630に供給される。電源基板630は、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vから各種電源(直流+24V(以下、「+24V」と記載する。)、直流+12V(以下、「+12V」と記載する。)、直流+5V(以下、「+5V」と記載する。)等の各種直流電源)を作成して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給している。
[10−1.電源基板の回路構成]
電源基板630の回路は、図214に示すように、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、バックアップ電源回路630hを主として構成されている。
遊技ホールの島設備からのAC24Vが図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されている。遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源線を介して電源線コネクタDCN1に供給されると、ヒューズFUSE1,FUSE2(本実施形態では、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3,1に入力される。具体的には、電源スイッチ630aの入力側端子3にはAC24Vのライン1(以下、「AC24V1」と記載する(「L側」と記載する場合がある)。)がAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1を介して入力されており、電源スイッチ630aの入力側端子1にはAC24Vのライン2(以下、「AC24V2」と記載する(「N側」と記載する場合がある)。)がAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2を介して入力されている。電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、ノイズ対策回路630bに入力される。
遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをON操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に導通する状態となりAC24V1がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に導通する状態となりAC24V2がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始される。これにより、電源スイッチ630aのON操作によるパチンコ機1の電源投入を行うことができる。これに対して、遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをOFF操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に非導通する状態となりAC24V1が電源基板630の各種回路への供給が遮断されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に非導通する状態となりAC24V2が電源基板630の各種回路への供給が遮断される。これにより、電源スイッチ630aのOFF操作によるパチンコ機1の電源遮断を行うことができる。
なお、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源スイッチをON操作した状態のままとして、遊技ホール店員等の係員は、遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行う場合があるし、遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合がある。
[10−1−1.ノイズ対策回路]
ノイズ対策回路630bは、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力される。
コモンモードノイズ対策回路CMCは、コンデンサC1,C2、バリスタZNR1,ZNR2から構成されている。コンデンサC1,C2はその容量が同一のものであり、コモンモードノイズを除去するものである。一方バリスタZNR1,ZNR2は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、そのバリスタ電圧が同一のものである。バリスタZNR1,ZNR2は、コンデンサC1,C2で低減できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC1の他端がコンデンサC2の一端と電気的に接続され、コンデンサC2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR1の他端がバリスタZNR2の一端と電気的に接続され、バリスタZNR2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。コンデンサC1の他端と、コンデンサC2の一端と、バリスタZNR1の他端と、バリスタZNR1の一端と、が電気的に接続されてフレームグランドFG2としてアース接続端子DCN5に入力される。このアース接続端子DCN5は、図示しない電源アース線を介して、図86に示した外部端子板558の近傍に配置される図示しない枠アース基板のアース端子に電気的に接続される。
なお、枠アース基板には、複数のアース端子(本実施形態では、アース端子を備えている。)が実装される実装面を下方へ向けて水平となるように、払出ベース551を正面から見て、外部端子板558の前方に配置して基板収容部に取付けられて図86に示した端子カバー551kにより覆われている。つまり、枠アース基板は、基板収容部と端子カバー551kとにより形成される空間に収容された状態となっている。なお、端子カバー551kが透明な合成樹脂によって成型されているため、基板収容部と端子カバー551kとにより形成される空間に収容される枠アース基板を端子カバー551kの外部から視認することができるようになっている。
ノーマルモードノイズ対策回路NMCは、コンデンサC3、バリスタZNR3から構成されている。コンデンサC3は、AC24V1、AC24V2に発生したノーマルモードノイズを除去するものである。バリスタZNR3は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、コンデンサC3で除去できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。
電源スイッチ630aの出力側端子4から出力されたAC24V1は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24VAとして電源線コネクタDCN2に入力され、電源スイッチ630aの出力側端子2から出力されたAC24V2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24Vとして電源線コネクタDCN2に入力される。チョークコイルL1は、AC24V1、AC24V2のコモンモードノイズの対策部品であり、ノイズ障害を防止している。電源線コネクタDCN2は、図示しないインターフェイス基板用電源線、図96に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、整流回路630cに入力される。
[10−1−2.整流回路]
整流回路630cは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q1,Q2、周辺回路630caから構成されている。周辺回路630caは、FETQ1,Q2の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、ツェナーダイオードなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1は、ショットキーバリアダイオードD1のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ1のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ2のドレイン端子に入力される。チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V2は、ショットキーバリアダイオードD2のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ2のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ1のドレイン端子に入力される。FETQ1,Q2のソース端子は、電源作成回路630fのCAI端子にそれぞれ入力される。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、FETQ1,Q2、及び周辺回路630caによるスイッチングによって直流電源に整流されてショットキーバリアダイオードD1のカソード端子2とショットキーバリアダイオードD2のカソード端子2とからそれぞれ出力される。なお、FETQ1、FETQ2、ショットキーバリアダイオードD1、及びショットキーバリアダイオードD2のパッケージの種類としては、いわゆるTO−220Fであり、同一種類であり、図示しない1つの放熱フィンにそれぞれ固定されている。この放熱フィンは、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力される。
ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源は、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。
[10−1−3.力率改善回路]
力率改善回路630dは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q3,Q4、周辺回路630daから構成されている。周辺回路630daは、FETQ3,Q4の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、インダクタなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流電源は、ショットキーバリアダイオードD9,D10のアノード端子1とアノード端子3とにそれぞれ入力されるとともに、周辺回路630daを介さず直接FETQ3,Q4のドレイン端子にそれぞれ入力される。FETQ3,Q4のゲート端子は、電源作成回路のPFC−GATE端子からの力率改善回路用ゲート信号が周辺回路630daを介して入力される。FETQ3,Q4のソース端子とドレイン端子は、周辺回路630daを介して、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流電源は、FETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングによって高調波の発生を抑制して力率が改善されてショットキーバリアダイオードD9,D10のカソード端子2からそれぞれ出力される。なお、FETQ3,Q4、ショットキーバリアダイオードD9,D10のパッケージの種類としては、FETQ1,Q2、ショットキーバリアダイオードD1,D2のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であり、図示しない1つの放熱フィンにそれぞれ固定されている。この放熱フィンは、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流電源は、平滑化回路630eに入力される。
[10−1−4.平滑化回路]
平滑化回路630eは、図示しない複数の電解コンデンサから構成されている。これら複数の電解コンデンサは、そのマイナス端子が電源基板630のグランド(GND)とそれぞれ電気的に接続されるとともに、そのプラス端子が力率改善回路630dで力率が改善された直流電源がそれぞれ入力される。平滑化回路630eは、力率改善回路630dで力率が改善された直流電源から脈流をなだらかに(平滑化)して電源作成回路630fのPFC−OUT端子に出力するととともに、ヒューズFUSE3(本実施形態では、ヒューズFUSE1,FUSE2と同一の形状であり、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、+24Vとして電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。ヒューズFUSE3を介して供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+24V電源ラインとなる。ヒューズFUSE3は、+24V電源ライン(直流電源ライン(DC電源ライン))用のガラス管ヒューズであり、許容電流上限(遮断電流)を超える大電流(異常電流)が流れると、ヒューズFUSE3のエレメント部が溶断してヒューズFUSE3を介して後続への+24V電源ラインを遮断する。
[10−1−5.電源作成回路]
電源作成回路630fは、平滑化回路630eからの直流電源がPFC−OU端子に入力されると、この入力された直流電源から+12V及び+5Vをそれぞれ作成する。電源作成回路630fは、作成した+12Vを+12V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給するとともに、作成した+5Vを+5V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。電源作成回路630fの+12V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+12V電源ラインとなり、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+5V電源ラインとなる。
電源作成回路630fは、PFC−GATE端子から力率改善用ゲート信号を力率改善回路630dに出力する制御を行うことにより力率改善回路630dにおけるFETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングを制御して高調波の発生を抑制する。
電源作成回路630fは、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2がダイオードD5,D6を介してAC−DET端子に入力されている。電源作成回路630fは、このAC−DET端子に入力された電圧を監視し、電源破壊回路630gに対してFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号を出力するか否かを判別している。
図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、平滑化回路630eから+24Vより高い電源電圧が電源作成回路630fのPFC−OUT端子へ入力されることとなる。
電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力することができるようになっている。
電源作成回路630fが電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力すると、電源破壊回路630gが自己破壊してショートモードとなる。電源破壊回路630gがショートモードとなると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gを介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなる。
電源作成回路630fのGND端子は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されている。電源作成回路630fのGND端子が電気的に接続される電源基板630のグランド(GND)がパチンコ機1内部の各基板のグランド(GND)ラインとなる。
[10−1−6.電源破壊回路]
電源破壊回路630gは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成されている。FETQ5のドレイン端子は、ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2と電気的に接続されている。FETQ5のゲート端子は、抵抗25の一端と電気的に接続されるとともに、抵抗R25の他端が電源作成回路630fのFUSE−GATE端子と電気的に接続されている。FETQ5のソース端子は、抵抗R24の一端と電気的に接続され、コンデンサC22の一端と電気的に接続され、そして電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されている。抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とは、一端がFETQ5のゲート端子と電気的に接続される抵抗R25と反対側の他端と電気的に接続されていることにより、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子に、抵抗R25の他端に加えて、抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とが電気的に接続されている。
電源破壊回路630gは、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことで、FETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持される。なお、FETQ5は、そのパッケージの種類として、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であるものの、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と異なり、それぞれが固定される放熱フィン(具体的には、FETQ1、FETQ2、ショットキーバリアダイオードD1、及びショットキーバリアダイオードD2がそれぞれ固定される図示しない放熱フィンと、FETQ3,Q4、ショットキーバリアダイオードD9,D10がそれぞれ固定される図示しない放熱フィンと、がある。以下、「各放熱フィン」と記載する。)と接触されない位置に配置されている。具体的には、FETQ5は、各放熱フィンが配置される間に配置され、各放熱フィンに全く固定されていない。これは、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10が発熱により破壊されないように、各放熱フィンを介して、その熱を吸収して冷却することを目的とするのに対して、FETQ5は、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)際に、発熱によって短時間に破壊されるように寄与するためである。
つまり、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路用ゲート信号を電源破壊回路630gに対して出力してFETQ5が自己破壊するように制御する。これにより、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるとともに、FETQ5のソース端子が電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されているため、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630gのFETQ5が破壊された状態では、ヒューズFUSE1,FUSE2を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって大電流が流れることによって、交換したヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊された電源基板630を電源破壊回路630gのFETQ5が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
なお、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3は、電源基板630にハンダ付けされる図示しない支持金具(ヒューズホルダともいう)に着脱可能にそれぞれ取り付けられており、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3が溶断した場合には新しいヒューズと交換できるようになっている。
[10−1−7.バックアップ電源回路]
バックアップ電源回路630hは、キャパシタBC0,BC1から構成されている。キャパシタBC0のマイナス(−)端子はグランド(GND)と電気的に接続されている一方、キャパシタBC0のプラス(+)端子は図211に示した主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる主VBBと電気的に接続されている。キャパシタBC1のマイナス(−)端子はグランド(GND)と電気的に接続されている一方、キャパシタBC1のプラス(+)端子は図211に示した払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる払VBBと電気的に接続されている。
パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+12V端子から供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)は、払出制御基板633、そして主制御基板1310へ供給され、図212に示した主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン(つまり、主制御基板側作成+5V電源ライン、この主制御基板側作成+5V電源ラインは、主VBBとして、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続されず、独立しているものである。)は、図212に示した主制御基板1310に備えるダイオードMD0を介して、主VBBとして、電源基板630に備えるキャパシタBC0へ供給してキャパシタBC0を充電するとともに、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。また、パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)は、払出制御基板633へ供給され、図212に示した払出制御基板633に備えるダイオードPD0を介して、払VBBとして、電源基板630に備えるキャパシタBC1へ供給してキャパシタBC1を充電するとともに、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。
これに対して、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+12V端子から供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)による+5Vが主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gにおいて作成できなくなる。これに応じてキャパシタBC0は放電を開始する。この放電は、主制御基板1310に備えるダイオードMD0により、主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gから供給される電源ライン(つまり、主制御基板側作成+5V電源ライン)への供給が妨げられて主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給されて主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持される。また、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による+5VがキャパシタBC1へ供給されなくなる。これに応じてキャパシタBC0は放電を開始する。この放電は、払出制御基板633に備えるダイオードPD0により、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)への供給が妨げられて払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給されて払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持される。
つまり、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、キャパシタBC0,BC1の放電により、主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっているとともに、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっている。
本実施形態では、電源基板630には、上述したように、AC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、AC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、+24V電源ライン(直流電源ライン(DC電源ライン))用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE3と、が設けられている。これにより、主制御基板1310と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))と、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))と、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+24Vであり、同一の電位(+24V))に対応するヒューズは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、電源基板630に設けられる+24V電源ライン(直流電源ライン(DC電源ライン))用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE3と、で対応しており、演出側の基板となる周辺制御基板1510及び周辺制御基板1510に従属する基板に対応している負荷のうち特定の負荷に供給される電源ラインのうち、+24V電源ラインは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、電源基板630に設けられる+24V電源ライン(直流電源ライン(DC電源ライン))用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE3と、チップヒューズである周辺制御基板1510の+24V用ヒューズSF24及び演出駆動基板1720の+24V用ヒューズEF24と、が対応している。
なお、電源基板630に、+24V電源ライン(直流電源ライン(DC電源ライン))用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE3が設けない場合、つまり、電源基板630に、AC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、AC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、が設けられている場合には、主制御基板1310と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))と、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))と、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+24Vであり、同一の電位(+24V))に対応するヒューズは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、で対応することとなり、演出側の基板となる周辺制御基板1510及び周辺制御基板1510に従属する基板に対応している負荷のうち特定の負荷に供給される電源ラインのうち、+24V電源ラインは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、チップヒューズである周辺制御基板1510の+24V用ヒューズSF24及び演出駆動基板1720の+24V用ヒューズEF24と、が対応することとなる。
本実施形態では、電源基板630の電源作成回路630fが作成する+12V(+12V電源ライン)に対しては、上述したように、電源基板630に+12V電源ライン(直流電源ライン2(DC電源ライン2))用のガラス管ヒューズとなる+12V用ガラス管ヒューズが設けられていない。これにより、主制御基板1310と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+12Vであり、同一の電位(+12V))に対応するヒューズは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、で対応している。
なお、電源基板630の電源作成回路630fが作成する+12V(+12V電源ライン)に対して電源基板630に+12V電源ライン(直流電源ライン2(DC電源ライン2))用のガラス管ヒューズとなる+12V用ガラス管ヒューズを設け、この+12V用ガラス管ヒューズを介して、電源基板630の電源作成回路630fからの+12Vを供給する場合には、主制御基板1310と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+12Vであり、同一の電位(+12V))に対応するヒューズは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、電源基板630に設けられる+12V電源ライン(直流電源ライン2(DC電源ライン2))用のガラス管ヒューズとなる+12V用ガラス管ヒューズと、で対応することとなり、演出側の基板となる周辺制御基板1510及び周辺制御基板1510に従属する基板に対応している負荷のうち特定の負荷に供給される電源ラインのうち、+12V電源ラインは、電源基板630に設けられるAC24V1(AC電源ライン1)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE1と、電源基板630に設けられるAC24V2(AC電源ライン2)用のガラス管ヒューズとなるヒューズFUSE2と、電源基板630に設けられる+12V電源ライン(直流電源ライン2(DC電源ライン2))用のガラス管ヒューズとなる+12V用ガラス管ヒューズと、チップヒューズである周辺制御基板1510の+12V用ヒューズSF12、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12、遊技盤の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12及び演出表示装置1600の+12用ヒューズPF12,PF12a1,PF12a2と、が対応することとなる。
また、「演出側の特定の負荷」とは、演出側の複数の負荷のうち、他の負荷よりも、故障の蓋然性が高い、又は故障時に主制御基板1310、払出制御基板633、主制御基板1310の停電監視回路1310eに与える影響が大きいものであり、例えば、電流を多く流す負荷、発熱する負荷、可動体を作動する負荷、可動体の作動に伴い上下方向や左右方向へ移動する際に生ずる配線(ハーネス)に対抗する負荷等を挙げることができる。
主制御基板1310と電気的に接続される負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+24Vが供給されるセンサ(又は+12Vが供給されるセンサに代えて+24Vが供給されるセンサを使用する場合にはこの+24Vが供給されるセンサ(+24V電源代替センサ))、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+24Vであり、同一の電位(+24V))に対応する電源基板630のガラス管のヒューズ(ガラス管ヒューズ)であるヒューズFUSE3が溶断した(切れた)場合は、遊技を進行する機能が損なわれるため実質上の遊技停止となる。これに対して、演出側のチップヒューズである周辺制御基板1510の+24V用ヒューズSF24及び演出駆動基板1720の+24V用ヒューズEF24が溶断した(切れた)場合は、例えば遊技盤の+24V系電気的駆動源が作動されないという不具合による遊技機としては故障となるものの、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生した場合では、遊技球の払出には影響が出ないので、遊技客に対して最小の被害(ストレス)に抑えることができる。
なお、電源基板630の電源作成回路630fが作成する+12V(+12V電源ライン)に対して電源基板630に+12V用ガラス管ヒューズを設け、この+12V用ガラス管ヒューズを介して、電源基板630の電源作成回路630fからの+12Vを供給する場合には、主制御基板1310と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、払出制御基板633と電気的に接続されている負荷(電気的駆動源、各種センサのうち+12Vが供給されるセンサと、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eと、に供給される電源ライン(+12Vであり、同一の電位(+12V))に対応する電源基板630の+12V用ガラス管ヒューズが溶断した(切れた)場合は、遊技を進行する機能が損なわれるため実質上の遊技停止となる。これに対して、演出側のチップヒューズである周辺制御基板1510の+12V用ヒューズSF12、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12、遊技盤の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12及び演出表示装置1600の+12用ヒューズPF12,PF12a1,PF12a2が溶断した(切れた)場合は、例えば遊技盤の+12V系電気的駆動源が作動されないという不具合や遊技盤や扉枠の各種LEDが点灯されないという不具合などによる遊技機としては故障となるものの、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生した場合では、遊技球の払出には影響が出ないので、遊技客に対して最小の被害(ストレス)に抑えることができる。
本実施形態では、遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(AC24V)は、上述したように、電源スイッチ630aのON操作/OFF操作にかかわらず、電源基板630を介してインターフェイス基板635へ供給され、このインターフェイス基板635からパチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)へ供給されている。電源基板630の電源線コネクタDCN2は、上述したように、図示しないインターフェイス基板用電源線、図96に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。本実施形態では、基板ユニット620のインターフェイス基板635にAC24VA、AC24Vにそれぞれ対応した図示しないガラス管ヒューズ(又はAC24VA、AC24Vのうち、いずれか一方にのみ対応した図示しないガラス管ヒューズ)が設けられており、電源基板630からのAC24VA、AC24Vにそれぞれ対応した図示しないガラス管ヒューズがインターフェイス基板635に設けられるガラス管ヒューズを介してパチンコ機1に隣接して設けられたCRユニットへ供給されている。
また、本実施形態では、電源基板630の電源作成回路630f、周辺制御基板1510の制御電源作成回路1510z、演出表示装置1600の液晶パネル電源作成回路1600zには、過電流保護回路(いわゆる、OCP(Over Current Protectionの略))が搭載されていてもよい。
また、本実施形態では、電源基板630の電源作成回路630fが作成する+5V(+5V電源ライン)に対して電源基板630に+5V用ガラス管ヒューズを設け、この+5V用ガラス管ヒューズを介して、電源基板630の電源作成回路630fからの+5Vを供給するようにしてもよい。
次に、遊技ホールの島設備からの交流電源をパチンコ機1へ供給するための電源コードのプラグが商用電源電圧(AC100V)の電源コンセントに誤って差し込まれた場合の商用電源電圧対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)について、図215を参照して説明する。図215は第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成である。なお、図215では、図214に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表した。
[第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成と第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成との対比]
第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、電源破壊回路630gは、上述したように、FETQ5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成され、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことでFETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるようになっている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、ノイズ対策回路630bは、上述したように、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力されている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力されている。
これに対して、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図215に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されると、そのL側(AC24V1)を、ヒューズFUSE1を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3に入力されるとともに、そのN側(AC24V2)を、電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力される。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成におけるヒューズFUSE2を省略している。これについて簡単に説明すると、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、ヒューズFUSE1、FUSE2を両方の電源コード(L側(AC24V1)、N側(AC24V2))に入力されていたが、出願人が行った試験によって、片方(N側(AC24V2))を省略しても問題は発生しなかったためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図215に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vの片方(N側(AC24V2))を電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力することでコストダウンを実現している。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同一のものを採用している。これついて簡単に説明すると、電源スイッチ630aに関しては、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、確実に断/接を行う必要があるためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同様に、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、同時に断/接を行うことができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図215に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)と、電源スイッチ630aの入力側端子1と、の間にマイクロギャップ式のアレスタAL1の一方と電気的に接続されている。このマイクロギャップ式のアレスタAL1の他方はアース接続端子DCN5のフレームグランドFG2と電気的に接続されている。マイクロギャップ式のアレスタAL1は、落雷によって遊技ホールの島設備からのAC24Vに高電圧(「サージ電圧」という。)が侵入した際に、そのサージ電圧を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたり、電源スイッチ630aのON/OFFすることによって一時的に生じる高電圧(サージ電圧)を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたりしている。また、マイクロギャップ式のアレスタAL1は、パチンコ機1を遊技ホールに設置する際に、作業者が過って、図86に示した外部端子板558の近傍に配置される図示しない枠アース基板のアース端子(島設備アース)と遊技ホールの島設備におけるアース接続端子とを、島設備アース線を介して、電気的に接続し忘れた場合に、担保として、電磁波ノイズを遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)へ導いて除去することにより、ノイズ耐力を高めることができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1、に加えて、電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、電源破壊回路630g'、そしてチョークコイルL1に入力されている。電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1は、コモンモードノイズ対策回路CMCのバリスタZNR1,ZNR2、及びノーマルモードノイズ対策回路NMCのバリスタZNR3と比べて反応速度が速いもの(例えば、サージアブソーバSA1としてシリコンサージアブソーバを挙げることができる。)であり、その一端が電源スイッチ630aを介してAC24VのL側(AC24V1)と電気的に接続され、その他端が電源スイッチ630aを介してAC24VのN側(AC24V2)と電気的に接続されており、定格電圧(ブレークダウン電圧)を超える回路電圧が入力されると、大電流が流れて破壊され、短絡してショートモードとなるものである。
サージアブソーバSA1として、バリスタを用いてもよいが、ここでは、シリコンサージアブソーバ(半導体バリスタ、VRD等とも呼ばれる。)を用いている。シリコンサージアブソーバは、通常のバリスタと比較して立ち上がりの急峻なサージ電圧を吸収することができるものであり、シリコンのpn接合のアバランシェ(電子雪崩)効果を利用したものである。このシリコンサージアブソーバは、サージに対して応答性が非常に速く、制御電圧特性が非常に優れているとともに、漏れ電流が非常に小さいという特長を有するものである。なお、サージアブソーバSA1は、交流回路であるので双方向型のものを使用し、定格電圧(ブレークダウン電圧)は入力電圧の2倍程度である47Vのものを選べばよい。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2は、リレーRL1の2番(COM)端子と電気的に接続されるとともに、サーミスタTH1の一端と電気的に接続されている。このサーミスタTH1の他端は、リレーRL1の3番(NO)端子と電気的に接続されるとともに、チョークコイルL2の一端と電気的に接続されている。チョークコイルL2の他端は、力率改善回路630dと電気的に接続されている。リレーRL1の4端子はグランド(GND)と電気的に接続され、リレーRL1の1番端子は後述するリレー駆動回路630iと電気的に接続されている。これにより、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に、サーミスタTH1の両端をそれぞれ電気的に接続している。なお、サーミスタTH1は、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、その特性として、縦軸を許容コンデンサ容量、横軸を交流電圧とすると、交流電圧の値が大きくなるのに連れて、許容コンデンサ容量の値が小さくなるという曲線を有し、商用電源電圧であるAC100Vが印加されても破壊されないものが選定されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流は、平滑化回路630eに入力され、電源作成回路630fに入力されるとともに、リレー駆動回路630iに入力される。リレー駆動回路630は、平滑化回路630eからの直流が入力されると、リレーRL1のコイルを作動することができる作動電圧(+24V)を作成してリレーRL1の1番端子へ供給する。
整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源は、電源スイッチ630aがON操作された際に、リレー駆動回路630iからの電力不足により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給が不足して)リレーRL1のコイルが作動していない状態となっているため、リレーRL1をONすることができず(つまり、リレーRL1がOFFしたままの状態となり)、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが非導通する状態となったままリレーRL1を通ることなく、サーミスタTH1、そしてチョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源がサーミスタTH1のみへ向かって流れ、この直流がサーミスタTH1に流れ始めた時点では、抵抗値が高くサーミスタTH1の後続の負荷に弱い電流を流すものの、サーミスタTH1に流れる電流により徐々にサーミスタTH1の温度が上昇すると、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が低下することでサーミスタTH1の後続の負荷に強い電流を流す。
一方、電源スイッチ630aがON操作されてリレー駆動回路630iからの電力により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給により)リレーRL1のコイルが作動しない状態から作動する状態へ切り換わると、リレーRL1をONすることでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが導通する状態とし、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源がサーミスタTH1のほかに、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に分流してそれぞれ通り、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源がリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通ることでサーミスタTH1への電流が減少してサーミスタTH1の温度が低下し、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が上昇することでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通る電流が増大することとなる。
サーミスタTH1は、上述したように、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流電源がサーミスタTH1に流れると、サーミスタTH1の温度が上昇して抵抗値が低下することに応じてサーミスタTH1の後続の負荷への電流が強くなる。換言すると、サーミスタTH1が温度上昇するまで、チョークコイルL2へ流す電流を制限している。この機能を利用すると、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、サーミスタTH1が温度上昇するまでに、サージアブソーバSA1に印加される回路電圧が定格電圧(ブレークダウン電圧)を大幅に超え、サージアブソーバSA1に大電流が流れることでサージアブソーバSA1が破壊されてショートモードとすることができる。
このような状態となると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ノイズ対策回路630bにおけるショートモードの状態となっているサージアブソーバSA1を介してヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が溶断することとなる。また、サージアブソーバSA1がショートモードとなっている状態でヒューズFUSE1が溶断することにより、さらにサージアブソーバSA1に大電流が流され続けることがないためサージアブソーバSA1の素子が飛散してサージアブソーバSA1がオープンモードに破壊されることを防ぐことができる。これによって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧を監視するためのAC−DET端子、電源破壊回路用ゲート信号を出力するFUSE−GATE端子、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流を流すためのCGND端子を設けずに済むため、回路構成が複雑とならない。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1が破壊された状態では、ヒューズFUSE1を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、サージアブソーバSA1を介して交換したヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊された電源基板630を、電源破壊回路630g'を構成するサージアブソーバSA1が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
なお、上述した実施形態では、電源基板630という1つの基板に、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、各種の電子部品等を備えていたが、2つの基板に分けて備えるように構成することもできる。例えば、電源基板630は、第1電源基板630A、第2電源基板630Bから構成され、第1電源基板630A、第2電源基板630Bが図94に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備えるように構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図214に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図214に示した、ダイオードD5,D6、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力されると、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fに入力されることとなる。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、+24V、+12V、+5V等の各種直流電源は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
また、図215に示した電源基板630を、第1電源基板630A、第2電源基板630Bという2つの基板に分けて構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図215に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1、マイクロギャップ式のアレスタAL1、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図215に示した、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、リレー駆動回路630i、リレーRL1、サーミスタTH1、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力される。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、+24V、+12V、+5V等の各種直流電源は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
[11.主制御基板の回路、払出制御基板の回路、演出駆動基板の回路]
次に、図211に示した主制御基板1310、払出制御基板633の回路、演出駆動基板1720の回路等について、図216〜図224を参照して簡単に説明する。図216は主制御基板の回路を示す概略回路図であり、図217はモータ駆動回路の回路図であり、図218は主制御ソレノイド駆動回路を示す回路図であり、図219は停電監視回路を示す回路図であり、図220は払出制御基板の回路を示す概略回路図であり、図221は払出モータ駆動回路を示す回路であり、図222は演出制御ソレノイド駆動回路を示す回路図であり、図223は演出制御モータ駆動回路を示す回路図であり、図224はヒューズが実装される基板の表面(実装面)側の銅箔面の概略図である。まず、主制御基板1310の回路について説明し、払出制御基板633の回路、演出駆動基板の回路について説明する。なお、各種基板の回路における電源及び入力信号基板への配線についても適宜説明する。
[11−1.主制御基板の回路]
主制御基板1310の回路における電源のうち、主制御MPU1310aの制御電源は電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbからの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、この供給される+12Vから+5V作成回路1310gにおいて主制御基板1310の制御電源となるローカル電源として+5Vが作成されている。このローカル電源である+5Vは、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと同一の電位となっている。
+5V作成回路1310gにおいて主制御基板1310の制御電源となるローカル電源として+5Vは、図216に示すように、まず、主制御フィルタ回路1310hに入力される。この主制御フィルタ回路1310hは、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gからの+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続されるとともにダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。VDD端子に印加される+5VはコンデンサMC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)と電気的に接続されている。
主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子と電気的に接続されている。また、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗MR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して供給されるのに対して、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、ダイオードMD0により、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して供給されることが妨げられている。
主制御基板1310の回路における入力信号のうち、例えば、ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3051からの検出信号、第一始動口センサ3052からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、第一大入賞口センサ2402からの検出信号、第二大入賞口センサ2601、磁気センサ1111からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)等は、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力されている。
ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3051からの検出信号、第一始動口センサ3052からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、第一大入賞口センサ2402からの検出信号、第二大入賞口センサ2601、磁気センサ1111からの検出信号は、それぞれ主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA6にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA7は空き端子となっている。この空き端子となっている入力端子PA7は空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)は、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に入力されるとともに、主制御出力回路1310cを介して払出制御基板633へ出力される。この入力ポートPBは、入力ポートPAと同様に、8ビットにより構成されている。また、停電監視回路1310eからの停電予告信号が図示しないが入力ポートPBの入力端子PB1に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ主制御入力回路1310bを介して入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から各種信号を、主制御出力回路1310cを介して出力する。例えば、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から、停電クリア信号を、主制御出力回路1310cを介して停電監視回路1310eへ出力したり、駆動信号を、主制御出力回路1310cを介して主制御ソレノイド九度う回路1310dへ出力したりする。
なお、他のセンサからの検出信号は、主制御入力回路1310bを介してポートPBに入力されずポートPCの所定の入力端子にそれぞれ入力される場合があり、ポートPCにおける空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。ポートPCは、入力ポートPA,PBと同様に、8ビットにより構成されている。
[11−1−1.主制御入力回路]
次に、主制御入力回路1310bについて説明する。主制御入力回路1310bは同一の回路であるため、ここでは、一例としてゲートセンサ2801からの検出信号が入力される主制御入力回路1310bについて説明する。
ゲートセンサ2801からの検出信号が入力される主制御入力回路1310bは、図216に示すように、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗MR3を介して、トランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3の他に、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに、非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
[11−1−2.主制御基板の制御下にあるモータ駆動回路]
次に、主制御基板1310の制御下にあるモータ駆動回路について図217を参照して説明する。遊技盤5の遊技領域5aに設けられる図示しない入球部に入球した遊技球を、ワイパー状に揺動する振分け片を用いて下流側への経路を振り分ける部材を遊技盤に設ける場合がある。このような振分け片を作動する電気的駆動源として駆動モータであるステッピングモータを挙げることができる。この駆動モータは、主制御基板1310のモータ駆動回路1310vにより駆動されている。駆動モータの回転軸の回転運動は、図示しない歯車機構を介して、振分け片によるワイパー状の揺動運動へ変換されている。ここでは、遊技盤5の遊技領域5aに設けられる図示しない入球部に入球した遊技球を、ワイパー状に揺動する第一振分け片を用いて下流側への経路へ振り分ける第一振分け駆動モータの駆動回路と、第一振分け片により振り分けられた遊技球をワイパー状に揺動する第二振分け片を用いてさらに下流側への経路へ振り分ける第二振分け駆動モータの駆動回路と、について説明する。
モータ駆動回路1310vは、第一振分け駆動モータの駆動回路1310vaと、第二振分け駆動モータの駆動回路1310vbと、から構成されている。第一振分け駆動モータの駆動回路1310vaは、第一振分け駆動モータの回転状態に応じて、φ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として、作動用電圧と停止用電圧とに相互に切り替えることができる第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310mと、第一振分け駆動モータを駆動することができる第一振分け駆動モータ駆動IC1310nと、を備えている。第二振分け駆動モータの駆動回路1310vbは、第二振分け駆動モータの回転状態に応じて、φ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として、作動用電圧と停止用電圧とに相互に切り替えることができる第二振分け駆動モータ電圧切替回路1310pと、第二振分け駆動モータを駆動することができる第二振分け駆動モータ駆動IC1310qと、を備えている。第一振分け駆動モータの駆動回路1310vaと、第二振分け駆動モータの駆動回路1310vbと、は同一の回路であるため、ここでは、第一振分け駆動モータの駆動回路1310vaについて説明し、第二振分け駆動モータの駆動回路1310vbについは、第一振分け駆動モータの駆動回路1310vaに関する説明で参照する符号に続いて括弧書きで表す場合がある。
第一振分け駆動モータは、常時ワイパー状に第一振分け片を揺動するとともに、第二振分け駆動モータは、常時ワイパー状に第二振分け片を揺動するため、第一,第二振分け駆動モータを常時駆動する必要がある。ところが、第一,第二振分け駆動モータを常時駆動すると、第一,第二振分け駆動モータが過剰に発熱することによって、第一,第二振分け駆動モータ又は第一,第二振分け駆動モータを駆動する第一,第二振分け駆動モータ駆動ICに不具合や故障が発生するおそれがあるし、また、駆動モータの回転軸の回転運動が図示しない歯車機構を介して振分け片によるワイパー状の揺動運動へ変換されているため、何らかの理由により歯車機構に不具合が発生して回転困難となると、第一,第二振分け駆動モータのうち歯車機構に不具合が発生して回転困難となった振分け駆動モータが過負荷となり過剰に発熱することによって、振分け駆動モータや振分け駆動モータを駆動する振分け駆動モータ駆動ICに不具合や故障が発生するおそれがある。このため、第一,第二振分け駆動モータを常時駆動しても発熱を抑制する必要がある。
そこで、本実施形態では、第一,第二振分け駆動モータを駆動して第一,第二振分け片をワイパー状に揺動する場合には、作動用電圧を使用するのに対して、第一,第二振分け駆動モータを駆動して第一,第二振分け片を停止する場合には、停止用電圧を使用するという電圧切替回路を制御するとともに、第一,第二振分け駆動モータへ流れる電流をリセッタブルヒューズとしてポリスイッチを用いて制限して第一,第二振分け駆動モータ及び第一,第二振分け駆動モータを駆動する第一,第二振分け駆動モータ駆動ICを保護することにより、第一,第二振分け駆動モータの常時駆動による発熱を抑制している。
[11−1−2a.第一,第二振分け駆動モータ電圧切替回路]
第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310m(1310p)は、トランジスタMTR50(MTR60)、電界効果トランジスタ(FET)MF50(MF60)、ダイオードM50(M60)、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチMPS50(MPS60)を主として構成されている。トランジスタMTR50(MTR60)のベース端子は、抵抗MR50(MR60)の一端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)に電気的に接続された抵抗MR51(MR61)の他端と電気的に接続されている。抵抗MR50(MR60)の他端は、電圧切替1という信号を伝送するラインとして主制御出力回路1310cを介して主制御MPU1310aの所定の出力ポートと電気的に接続されている。
具体的には、抵抗MR50(MR60)の他端は、電圧切替1という信号を伝送するラインとして図示しない第一振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ(電圧切替2という信号を伝送するラインとして図示しない第二振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第一振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ(第二振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一振分け片電圧切替用出力端子(第二振分け片電圧切替用出力端子)と電気的に接続されている。
トランジスタMTR50(MTR60)のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、トランジスタMTR50(MTR60)のコレクタ端子は、抵抗MR52を介して電界効果トランジスタMF50(MF60)のゲート端子Gと電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のゲート端子Gは、抵抗MR53(MR63)を介して、電界効果トランジスタMF50(MF60)のソース端子Sと電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のソース端子Sは、+12V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン))と電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のドレイン端子Dは、整流ダイオードであるダイオードMD50(MD60)のカソード端子と電気的に接続されるとともに、ポリスイッチMPS50(MPS60)の一端と電気的に接続されている。ダイオードMD50(MD60)のアノード端子は、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続されている。ポリスイッチMPS50(MPS60)の他端は、ツェナーダイオードMD51,MD52(MD61,MD62)のアノード端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。
[11−1−2b.第一,第二振分け駆動モータ駆動IC]
第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)は、チップ化されたNPN型ダーリントントランジスタが4素子、ダイオードが4素子、を同一のパッケージとして内蔵されている。NPN型ダーリントントランジスタの4素子のうち、第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1は、抵抗MR54(MR64)の一端と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5は、抵抗MR55(MR65)の一端と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8は、抵抗MR56(MR66)の一端と電気的に接続され、第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、抵抗MR57(MR67)の一端と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1を励磁する電流が流れるUφ1ライン(Dφ1ライン)としてコネクタの端子と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の/φ1を励磁する電流が流れるU/φ1ライン(D/φ1ライン)としてコネクタの端子と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ2を励磁する電流が流れるUφ2ライン(Dφ2ライン)としてコネクタの端子と電気的に接続され、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の/φ2を励磁する電流が流れるU/φ2ライン(D/φ2ライン)としてコネクタの端子と電気的に接続されている。
抵抗MR54〜MR57(MR64〜MR67)の他端は、主制御出力回路1310cを介して主制御MPU1310aの所定の出力ポートと電気的に接続されている。具体的には、一端が第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1と電気的に接続される抵抗MR54(MR64)の他端は、第一振分け駆動モータのφ1に対する励磁の開始や停止を指示するMPD0(MPD4)という信号を伝送するラインとして図示しない第一振分け駆動モータのφ1用Dタイプフリップフロップ(図示しない第二振分け駆動モータのφ1用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第一振分け駆動モータのφ1用Dタイプフリップフロップ(第二振分け駆動モータのφ1用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一振分け駆動モータのφ1用出力端子(第二振分け駆動モータのφ1用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5と電気的に接続される抵抗MR55(MR65)の他端は、第一振分け駆動モータの/φ1に対する励磁の開始や停止を指示するMPD1(MPD5)という信号を伝送するラインとして図示しない第一振分け駆動モータの/φ1用Dタイプフリップフロップ(図示しない第二振分け駆動モータの/φ1用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第一振分け駆動モータの/φ1用Dタイプフリップフロップ(第二振分け駆動モータの/φ1用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一振分け駆動モータの/φ1用出力端子(第二振分け駆動モータの/φ1用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8と電気的に接続される抵抗MR56(MR66)の他端は、第一振分け駆動モータのφ2に対する励磁の開始や停止を指示するMPD2(MPD6)という信号を伝送するラインとして図示しない第一振分け駆動モータのφ2用Dタイプフリップフロップ(図示しない第二振分け駆動モータのφ2用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第一振分け駆動モータのφ2用Dタイプフリップフロップ(第二振分け駆動モータのφ2用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一振分け駆動モータのφ2用出力端子(第二振分け駆動モータのφ2用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12と電気的に接続される抵抗MR57(MR67)の他端は、第一振分け駆動モータの/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するMPD3(MPD7)という信号を伝送するラインとして図示しない第一振分け駆動モータの/φ2用Dタイプフリップフロップ(図示しない第二振分け駆動モータの/φ2用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第一振分け駆動モータの/φ2用Dタイプフリップフロップ(第二振分け駆動モータの/φ2用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一振分け駆動モータの/φ2用出力端子(第二振分け駆動モータの/φ2用出力端子)と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第二のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子6とパッケージ内部において電気的に接続されている。第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子6は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第三のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第四のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子7とパッケージ内部において電気的に接続されている。第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子7は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)は、ダイオードを4素子内蔵しており、第一,第二のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されるとともに、第三,第四のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されている。
第一のダイオードのアノード端子は、第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2とパッケージ内部において電気的に接続され、第二のダイオードのアノード端子は、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4とパッケージ内部において電気的に接続され、第一のダイオードのカソード端子と第二のダイオードのカソード端子とは、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子3とパッケージ内部において電気的に接続されている。第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子3は、ツェナーダイオードMD51(MD61)のカソード端子と電気的に接続されている。
第三のダイオードのアノード端子は、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9とパッケージ内部において電気的に接続され、第四のダイオードのアノード端子は、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11とパッケージ内部において電気的に接続され、第三のダイオードのカソード端子と第四のダイオードのカソード端子とは、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子10とパッケージ内部において電気的に接続されている。第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子10は、ツェナーダイオードMD52(MD62)のカソード端子と電気的に接続されている。
第一〜第四のダイオードは、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタを保護している。
第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のコネクタの第三ピンのφ2C(コモン)及び第四ピンのφ1C(コモン)と電気的に接続される。第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1を励磁する電流が流れるUφ1ライン(Dφ1ライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のコネクタの第6ピンのφ1と電気的に接続される。第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の/φ1を励磁する電流が流れるU/φ1ライン(D/φ1ライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のコネクタの第二ピンの/φ1と電気的に接続される。第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ2を励磁する電流が流れるUφ2ライン(Dφ2ライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のコネクタの第五ピンのφ2と電気的に接続される。第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の/φ2を励磁する電流が流れるU/φ2ライン(D/φ2ライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のコネクタの第一ピンの/φ2と電気的に接続される。
第一振分け駆動モータのφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するMPD0〜MPD3と、第二振分け駆動モータのφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するMPD4〜MPD7と、を合わせた8ビットの情報である揺動駆動データMPD0〜MPD7が主制御MPU1310aから出力されると、上述した対応するDタイプフリップフロップ、そして各抵抗を介して、第一振分け駆動モータ駆動IC1310nのベース端子1,5,8,12と、第二振分けステッピングモータ駆動IC1310qのベース端子1,5,8,12と、にそれぞれ入力される。第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)は、主制御基板1310のシステムが起動すると(後述する主制御側電源投入時処理が行われて後述する主制御側タイマ割り込み処理(ポート出力処理)が開始されると)、ポート出力処理における主制御MPU1310aからの揺動駆動データMPD0〜MPD3(MPD4〜MPD7)に応じて、第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310m(1310p)により作動用電圧又は停止用電圧に切り替えられた電圧で第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2を励磁する電流を流す。
ここで、第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310m(1310p)の動作について簡単に説明する。第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310m(1310p)は、主制御基板1310のシステムが起動されると(後述する主制御側電源投入時処理が行われて後述する主制御側タイマ割り込み処理(ポート出力処理)が開始されると)、ポート出力処理における主制御MPU1310aからの電圧切替1(電圧切替2)という信号の論理が作動用電圧論理として出力されるときには、トランジスタMTR50(MTR60)がOFFし、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインの電圧が電界効果トランジスタMF50(MF60)により+12V側に引き上げられることで第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)に対して作動用電圧として+12VがポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給される。なお、+12V−U(+12V−D)という電源ラインからダイオードMD50(MD60)を介して+5電源ラインへ供給されることがない。
これに対して、主制御MPU1310aからの電圧切替1(電圧切替2)という信号の論理が作動用電圧論理の論理を反転させた停止用電圧論理として出力されるときには、トランジスタMTR50(MTR60)がONし、電界効果トランジスタMF50(MF60)による+12Vが遮断されることにより第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインの電圧がダイオードMD50(MD60)を介して+5V側に引き上げられることで第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)に対して停止用電圧として+5VがポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給される。
ここで、作動用電圧の消費電力と停止用電圧の消費電力とによる温度上昇の違いについて簡単に説明する。消費電力Wは、オームの法則:電圧V×電圧V÷抵抗Rにより算出することができる。作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは144/抵抗R(電圧Vの2乗/抵抗R)となり、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsは25/抵抗R(電圧Vの2乗/抵抗R)となる。そうすると、作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsと比べて5倍以上(5.76=144/25)となるため、温度上昇も約5倍以上となる。これは、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)に対しても、同様である。
つまり、作動用電圧である+12Vによる単独電源の駆動(連続駆動)で温度上昇が問題となっても、停止用電圧である+5Vによる駆動により温度上昇を約5分の1以下に抑えることができる。
第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージは、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2を励磁する第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタによる発熱と、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2からの逆起電力を熱に変換する第一〜第四のダイオードによる発熱と、を吸収し、この吸収した熱を外気(第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)の周囲)に逃がしている。遊技ホールの島設備は他のパチンコ機と背向で列設されためパチンコ機の電源基板や各種制御基板等から発せられる熱によって遊技ホールの島設備内の温度が高くなっている。
このため、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタと第一〜第四のダイオードとによる発熱を、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージが吸収しても、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)の周囲、つまり外気の温度が高くなっている状態では、その吸収した熱を外気に逃がす効率が低下するため、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージに熱が蓄えられることとなる。そうすると、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージの温度が高くなって、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタの接合温度がジャンクション温度まで高くなると、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタが故障するおそれがある。
そこで、本実施形態では、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)を駆動して回転軸をCW(時計回り)又はCCW(反時計回り)に回転している場合には、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁をできるだけそれぞれ連続して行うことにより第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止される回数を少なくし、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を第一〜第四のダイオードにより熱に変換して除去する回数を少なくすることができる。これにより、第一〜第四のダイオードによる発熱を小さく抑えることができるため、第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱による第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタの故障を防止することができる。
本実施形態では、第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310m(1310p)に、リレーを使用せず、半導体である電界効果トランジスタ(FET)MF50(MF60)を使用している。これは、リレーには、タイムラグが発生するし、個体間の性能のバラツキが大きいため、振り分け動作を正確に制御することが困難であるからである。
[11−1−2c.ポリスイッチ]
ここで、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチについて説明する。作動用電圧又は停止用電圧は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)に対してポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給されている。ポリスイッチMPS50(MPS60)は、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰するものであり、これを利用すると、負荷である第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ流れる電流を制限して負荷である第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)を保護することができる。負荷への電流を制限するものとしては、ヒューズを挙げることができる。このヒューズは、過電流が流れると、溶断することで負荷へ流れる電流を遮断することができるものの、ヒューズそのものを新しいものと交換する必要がある。
ところが、パチンコ機1のように、遊技の進行を制御する重要な主制御基板1310を不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者からを防止する必要がある。このため、主制御基板1310は、透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されるとともに、カバー体とベース体とが封印機構であるカシメ部の例えばワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。そうすると、主制御基板1310にヒューズを実装し、仮にヒューズが溶断した場合には、カシメ部を破壊しなければならない。ところが、パチンコ機1が遊技ホールに設置されると、このパチンコ機1に備える主制御基板ボックス1320のカシメ部を破壊することができないため、ヒューズの交換を行うことができず、遊技を行うことができない状態となる。
そこで、本実施形態では、ヒューズと同様に、過電流を制限する素子として、ポリスイッチを採用した。これにより、ポリスイッチに過電流が流れると、ポリスイッチの特定により、負荷へ流れる電流を制限して負荷を保護することができる。つまり、ヒューズと異なり過電流によるポリスイッチ自体が破壊されないし、交換する必要が全くなく、負荷である第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)又は第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)を駆動する第一振分け駆動モータ駆動IC1310n(1310q)を保護することができるし、カシメ部を破壊する必要が全くない。
ポリスイッチMPS50(MPS60)は、本体が直方体の形状を有し、底面から下方に向かって2本のリードが突出するリード線形である。ポリスイッチMPS50(MPS60)は、上述したように、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰する。このため、ポリスイッチMPS50(MPS60)の発熱を効率良く冷却するために、ポリスイッチMPS50(MPS60)の2本のリードを垂直方向に配置することで、ポリスイッチMPS50(MPS60)の本体の厚みが小さくなる面を垂直方向とすることができ、ポリスイッチMPS50(MPS60)の本体による発熱を上方へ向かって対流し易くしている。
また、ポリスイッチMPS50(MPS60)は大きな電流が流れるため、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)への電源を供給する端子、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の各相(φ1、/φ1、φ2、/φ2)を励磁する端子などを有するコネクタの近傍に配置されている。これにより、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)への電流によるノイズの影響を、主制御基板1310に実装される他の電子部品に対して小さくすることに寄与することができる。
また、ポリスイッチMPS50(MPS60)は、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)へ流れる電流を制限することができるため、第一振分け駆動モータ(第二振分け駆動モータ)の過熱を保護することができる。
なお、本実施形態では、第一振分け駆動モータに対してポリスイッチMPS50を主制御基板1310の第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310mに1つ専用に設けるとともに、第二振分け駆動モータに対してポリスイッチMPS60を主制御基板1310の第二振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pに1つ専用に設けたが、これに代えて、第一,第二振分け駆動モータ駆動IC1310n,1310qのコレクタ端子2,4,9,11と、これに対応する第一,第二振分け駆動モータのコネクタの端子と、の間にポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設けるように構成してもよい。
また、本実施形態では、第一振分け駆動モータに対してポリスイッチMPS50を主制御基板1310の第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310mに1つ専用に設けるとともに、第二振分け駆動モータに対してポリスイッチMPS60を主制御基板1310の第二振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pに1つ専用に設けたが、これに代えて、第一,第二振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m,1310pにそれぞれ供給される+12V及び+5Vというモータ電源に対して共通ポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設けるように構成してもよいし、第一,第二振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m,1310pにそれぞれ供給される+12Vというモータ電源のみに対して共通ポリスイッチを1つ専用に設けるように構成してもよい。
また、例えば、第一振分け駆動モータとともに他の駆動モータとしてステッピングモータを駆動する場合(第一振分け駆動モータは第一振分け駆動モータ駆動IC1310nにより駆動されるとともに、他の駆動モータは他の駆動モータ駆動ICにより駆動される場合)には、第一振分け駆動モータとともに他の駆動モータに供給するモータ電源を第一振分け駆動モータ電圧切替回路1310mにより切り替えて構成することができる。この場合、第一振分け駆動モータと他の駆動モータとに対する共通ポリスイッチがポリスイッチMPS50となり、このポリスイッチMPS50を介して、+12V又は+5Vというモータ電源が第一振分け駆動モータとともに他のステッピングモータにそれぞれ供給される。
また、本実施形態では、第一,第二振分け駆動モータとしてユニポーラ型ステッピングモータを用いていたが、これに代えて、バイポーラ型ステッピングモータを用いてもよい。この場合、バイポーラ型ステッピングモータに対して+12V及び+5Vというモータ電源が供給される各端子には、ポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設ける。
また、本実施形態では、リセッタブルヒューズとして採用したポリスイッチは、ポリマー系PTC(Positive Temperature Coefficienの略)サーミスタ等のPPTC(Polymer Positive Temperature Coefficientの略)素子であるが、リセッタブルヒューズとしてセラミックPTC(Positive Temperature Coefficienの略)素子やバイメタルを採用しても上述したポリスイッチと同一の効果を奏することができる。
[11−1−3.主制御ソレノイド駆動回路]
次に、主制御ソレノイド駆動回路1310dについて図218を参照して説明する。主制御ソレノイド駆動回路1310dは、第二始動口扉2414を可動(作動)させて第二始動口2004を開閉するための電気的駆動として駆動ソレノイドである始動口ソレノイド2415と、第一大入賞口扉2417を可動(作動)させて第一大入賞口2005を開閉するための電気的駆動として駆動ソレノイドである第一アタッカソレノイド2418と、第二大入賞口扉2611を可動(作動)させて第二大入賞口2006を開閉するための電気的駆動として駆動ソレノイドである第二アタッカソレノイド2612と、をそれぞれ駆動するものである。
始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612等の駆動ソレノイドは、パチンコ機1が電源投入されて所定の条件が成立したときに、主制御基板1310の主制御ソレノイド駆動回路1310dにより駆動されている。主制御ソレノイド駆動回路1310dは、主として、駆動ソレノイドを駆動する駆動ソレノイド駆動IC1310daから構成されている。
始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612は、上述したように、パチンコ機1が電源投入されて所定の条件が成立したときに、主制御基板1310の主制御ソレノイド駆動回路1310dにより駆動されるものであって、上述した第一,第二振分け駆動モータのように、パチンコ機1が電源投入されて主制御基板1310のシステムが起動(後述する主制御側電源投入時処理が行われて後述する主制御側タイマ割り込み処理(ポート出力処理)が開始)されてから常時駆動されるものではない。ところが、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を駆動している際に、何らかの理由により、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612が過剰に発熱することによって、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612又は始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を駆動する駆動ソレノイド駆動ICに不具合や故障が発生するおそれがあるし、また、第二始動口2004を開閉する機構、第一大入賞口2005を開閉する機構、第二大入賞口2006を開閉する機構に不具合が発生して可動困難(作動困難)となると、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612のうち不具合が発生して可動困難(作動困難)となったソレノイドが過負荷となり過剰に発熱することによって、不具合が発生して可動困難(作動困難)となったソレノイドやソレノイドを駆動する駆動ソレノイド駆動ICに不具合や故障が発生するおそれがある。このため、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を駆動しても発熱を抑制する必要がある。
そこで、本実施形態では、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第二アタッカソレノイド2612へ流れる電流をリセッタブルヒューズとしてポリスイッチを用いて制限して始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612及び始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を駆動する駆動ソレノイド駆動ICを保護することにより、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第二アタッカソレノイド2612の駆動による発熱を抑制している。
[11−1−3a.駆動ソレノイド駆動IC]
ポリスイッチMPS40の一端は、+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)と電気的に接続されている。ポリスイッチMPS40の他端は、ツェナーダイオードMD45,MD46のアノード端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612へ電源を供給するSOL+24Vという電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。
駆動ソレノイド駆動IC1310daは、チップ化されたNPN型ダーリントントランジスタが4素子、ダイオードが4素子、を同一のパッケージとして内蔵されている。NPN型ダーリントントランジスタの4素子のうち、第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1は、抵抗MR45の一端と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5は、抵抗MR46の一端と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8は、抵抗MR47の一端と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2は、始動口ソレノイド2415のコイルを励磁する電流が流れるS−SOLラインとしてコネクタの端子と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4は、第一アタッカソレノイド2418のコイルを励磁する電流が流れるD1−SOLラインとしてコネクタの端子と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9は、第二アタッカソレノイド2612のコイルを励磁する電流が流れるD2−SOLラインとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
抵抗MR45〜MR47の他端は、主制御出力回路1310cを介して主制御MPU1310aの所定の出力ポートと電気的に接続されている。具体的には、一端が第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1と電気的に接続される抵抗MR45の他端は、始動口ソレノイド2415のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するMPC0という信号を伝送するラインとして図示しない始動口ソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この始動口ソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの始動口ソレノイドのコイル用出力端子と電気的に接続されている。
一端が第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5と電気的に接続される抵抗MR46の他端は、第一アタッカソレノイド2418のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するMPC1という信号を伝送するラインとして図示しない第一アタッカソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この第一アタッカソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第一アタッカソレノイドのコイル用出力端子と電気的に接続されている。
一端が第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8と電気的に接続される抵抗MR47の他端は、第二アタッカソレノイド2612のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するMPC2という信号を伝送するラインとして図示しない第二アタッカソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この第二アタッカソレノイドのコイル用Dタイプフリップフロップの入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第二アタッカソレノイドのコイル用出力端子と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第二のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、駆動ソレノイド駆動IC1310daのエミッタ端子6とパッケージ内部において電気的に接続されている。駆動ソレノイド駆動IC1310daのエミッタ端子6は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第三のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第四のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、駆動ソレノイド駆動IC1310daのエミッタ端子7とパッケージ内部において電気的に接続されている。駆動ソレノイド駆動IC1310daのエミッタ端子7は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
なお、第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、グランド(GND)に電気的に接続されているのに対して、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11は、駆動ソレノイド駆動IC1310daの外部と未接続となっている。
駆動ソレノイド駆動IC1310daは、ダイオードを4素子内蔵しており、第一,第二のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されるとともに、第三,第四のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されている。
第一のダイオードのアノード端子は、第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2とパッケージ内部において電気的に接続され、第二のダイオードのアノード端子は、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4とパッケージ内部において電気的に接続され、第一のダイオードのカソード端子と第二のダイオードのカソード端子とは、駆動ソレノイド駆動IC1310daのカソード端子3とパッケージ内部において電気的に接続されている。駆動ソレノイド駆動IC1310daのカソード端子3は、ツェナーダイオードMD45のカソード端子と電気的に接続されている。
第三のダイオードのアノード端子は、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9とパッケージ内部において電気的に接続され、第四のダイオードのアノード端子は、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11とパッケージ内部において電気的に接続され、第三のダイオードのカソード端子と第四のダイオードのカソード端子とは、駆動ソレノイド駆動IC1310daのカソード端子10とパッケージ内部において電気的に接続されている。駆動ソレノイド駆動IC1310daのカソード端子10は、ツェナーダイオードMD46のカソード端子と電気的に接続されている。
第一〜第四のダイオードのうち、第一〜第三のダイオードは、始動口ソレノイド2415のコイル、第一アタッカソレノイド2418のコイル、第二アタッカソレノイド2612のコイルへの励磁が停止されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、第一〜第三のNPN型ダーリントントランジスタを保護している。
始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612へ電源を供給するSOL+24Vという電源ラインは、コネクタの端子と図示しないそれぞれの配線を介して始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612の各コネクタと電気的に接続される。始動口ソレノイド2415のコイルを励磁する電流が流れるS−SOLラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して始動口ソレノイド2415のコネクタと電気的に接続される。第一アタッカソレノイド2418のコイルを励磁する電流が流れるD1−SOLラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して第一アタッカソレノイド2418のコネクタと電気的に接続される。第二アタッカソレノイド2612のコイルを励磁する電流が流れるD2−SOLラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して第二アタッカソレノイド2612のコネクタと電気的に接続される。
主制御基板1310のシステムが起動され(後述する主制御側電源投入時処理が行われて後述する主制御側タイマ割り込み処理(ポート出力処理)が開始され)所定の条件が成立したか否かに応じて、ポート出力処理において、始動口ソレノイド2415のコイル、第一アタッカソレノイド2418のコイル、第二アタッカソレノイド2612のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するMPC0〜MPC2の情報である主側駆動ソレノイド用駆動データMPC0〜MPC2が主制御MPU1310aから出力されると、上述した対応するDタイプフリップフロップ、そして各抵抗を介して、駆動ソレノイド駆動IC1310daのベース端子1,5,8にそれぞれ入力される。駆動ソレノイド駆動IC1310daは、主制御MPU1310aからの主側駆動ソレノイド用駆動データMPC0〜MPC2に応じて、始動口ソレノイド2415のコイル、第一アタッカソレノイド2418のコイル、第二アタッカソレノイド2612のコイルを励磁する電流を流す。
[11−1−3b.ポリスイッチ]
ここで、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチについて説明する。+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)は、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612に対してポリスイッチMPS40を介してSOL+24Vという電源ラインとして供給されている。ポリスイッチMPS40は、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰するものであり、これを利用すると、負荷である始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612へ流れる電流を制限して負荷である始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を保護することができる。負荷への電流を制限するものとしては、ヒューズを挙げることができる。このヒューズは、過電流が流れると、溶断することで負荷へ流れる電流を遮断することができるものの、ヒューズそのものを新しいものと交換する必要がある。
ところが、パチンコ機1のように、遊技の進行を制御する重要な主制御基板1310を不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者からを防止する必要がある。このため、主制御基板1310は、上述したように、透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されるとともに、カバー体とベース体とが封印機構であるカシメ部の例えばワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。そうすると、主制御基板1310にヒューズを実装し、仮にヒューズが溶断した場合には、カシメ部を破壊しなければならない。ところが、パチンコ機1が遊技ホールに設置されると、このパチンコ機1に備える主制御基板ボックス1320のカシメ部を破壊することができないため、ヒューズの交換を行うことができず、遊技を行うことができない状態となる。
そこで、本実施形態では、ヒューズと同様に、過電流を制限する素子として、ポリスイッチを採用した。これにより、ポリスイッチに過電流が流れると、ポリスイッチの特定により、負荷へ流れる電流を制限して負荷を保護することができる。つまり、ヒューズと異なり過電流によるポリスイッチ自体が破壊されないし、交換する必要が全くなく、負荷である始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612又は始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612を駆動する駆動ソレノイド駆動IC1310daを保護することができるし、カシメ部を破壊する必要が全くない。
[11−1−4.停電監視回路]
主制御基板1310は、図2192に示したように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbから+12V及び電源基板630における電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcから+24Vという2種類の電圧が払出制御基板633を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板633の払出制御MPU633aa、周辺制御基板1510、演出表示装置1600等へ出力する。停電監視回路1310eから停電予告信号が出力されると、例えば、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止し、払出制御基板633の払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行い払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止し、周辺制御基板1510は、演出情報のバックアップ処理を行い、演出表示装置1600は、主制御MPU1310aによる主制御側電源断時処理、及び払出制御633aaによる払出制御部電源断時処理を確実に完了できるように、電力消費をカットするためバックライト用の電源を作成する図示しないインバータをOFFし演出の進行を停止する。
ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[11−1−4a.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図219に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて主制御基板側作成+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と電気的に接続されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)の監視電圧V1(以下、「+24Vの監視電圧V1」と記載する。)とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)の監視電圧V2(以下、「+12Vの監視電圧V2」と記載する。)とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される主制御基板側作成+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と電気的に接続されている。
[11−1−4b.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図219に示すように、一端が+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に電気的に接続される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[11−1−4c.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図219に示すように、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に電気的に接続される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[11−1−4d.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ電気的に接続されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される主制御基板側作成+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、グランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号が主制御出力回路1310cを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、主制御出力回路1310cを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、主制御出力回路1310cを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御出力回路1310cと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御出力回路1310cから払出制御基板633に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図219に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と電気的に接続される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cは、図219に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と電気的に接続される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と電気的に接続される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板633と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633と電気的に接続されると、払出制御基板633における図211に示した払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいて、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図211に示した払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により主制御基板側作成+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cは、図219に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と電気的に接続される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、周辺制御基板1510における図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図14に示した周辺制御MPU4150aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と電気的に接続されているのに対して、主制御出力回路1310cの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、主制御出力回路1310cのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御電源である主制御基板側作成+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU633aa、及び周辺制御IC1510aの制御電源である例えば+5Vよりも高い直流電源である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
このように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)は、上述したように、主制御基板1310の主制御入力回路1310b、主制御基板1310のモータ駆動回路1310v、主制御基板1310の停電監視回路1310eのほかに、図212に示した払出制御基板633の払出制御入力回路633ab、図213に示した周辺制御基板1510の制御電源作成回路1510z、図213に示した演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2、図213に示した遊技盤5の各装飾基板のLED定電流駆動回路、図213に示した演出表示装置1600の液晶パネル電源作成回路1600z、図213に示した演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、及び駆動回路等に供給されている。つまり、+12V電源ラインは、主制御基板1310のほかに、払出制御基板633、周辺制御基板1510、演出駆動基板1720、遊技盤5の各装飾基板、演出表示装置1600等に供給されているため、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動していても、例えば、周辺制御基板1510の制御電源作成回路1510zへの何らかの理由による電気的なトラブルにより、制御電源作成回路1510zへ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、演出表示装置1600の液晶パネル電源作成回路1600z、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、演出表示装置1600の液晶パネル電源作成回路1600z、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路等のいずれかへ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2により遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路1720c2へ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、遊技盤5の装飾基板のLED定電流駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、遊技盤5の装飾基板のLED定電流駆動回路へ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったりする。また、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510からの+12V電源ラインを演出表示装置1600へ供給する液晶出力基板1530、演出表示装置1600、演出駆動基板1720、遊技盤5の各装飾基板等の基板に形成される配線パターンや基板間等を電気的に接続する配線(ハーネス)等に何らかの電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合にも、過電流により+12V電源ラインの電位が下がったりする。そうすると、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止することとなる。
また、電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)は、上述したように、主制御基板1310の主制御ソレノイド駆動回路1310d、主制御基板1310の停電監視回路1310eのほかに、払出制御基板633(主制御基板1310は払出制御基板633を介して+12V電源ラインが供給されている。)、周辺制御基板1510、図212に示した演出駆動基板1720の+24V系ドライバ回路1720c1に供給されている。つまり、+24V電源ラインは、主制御基板1310のほかに、払出制御基板633、周辺制御基板1510、演出駆動基板1720等に供給されているため、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動していても、演出駆動基板1720の+24V系ドライバ回路1720c1により遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路1720c1へ過電流が流れることで+24V電源ラインの電位が下がったりする。また、+24V電源ラインを供給する周辺制御基板1510、演出駆動基板1720等の基板に形成される配線パターンや基板間等を電気的に接続する配線(ハーネス)等に何らかの電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合にも、+24V電源ラインの電位が下がったりする。そうすると、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止することとなる。
[11−1−5.+12V電源ライン及び+24V電源ラインへの過電流保護]
[11−1−5a.+12V電源ラインへの過電流保護]
そこで、本実施形態では、+12V電源ラインへの過電流保護として、+12V電源ラインには、図213に示したように、過電流対策として、周辺制御基板1510に+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズSF12を設け、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズとして大元許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズPF12を設け、演出表示装置1600に+12V用ヒューズPF12から2系統へ分岐する分岐第1系統のヒューズとして分岐第1系統の許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズPF12a1を設け、演出表示装置1600に+12V用ヒューズPF12から2系統へ分岐する分岐第2系統のヒューズとして分岐第2系統の許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズPF12a2を設け、演出駆動基板1720に+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズEF12を設けるとともに演出駆動基板1720における+12V系ドライバ回路1720c2に遊技盤側駆動モータ許容電流上限まで電流を流すことができるヒューズを設け、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズDF12を設けている(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズDF12を設けてもよい)。なお、分岐第1系統のヒューズとして+12V用ヒューズPF12a1を介して供給される+12Vは、液晶パネル電源作成回路1600zで液晶パネル電源が作成され、この液晶パネル電源が演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路へ供給されているため、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路には、分岐第1系統のヒューズとして+12V用ヒューズPF12a1を介して供給される+12Vから作成される液晶パネル電源と、分岐第2系統のヒューズとして+12V用ヒューズPF12a2を介して供給される+12Vと、が供給されている。
本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510の制御電源作成回路1510zへの何らかの理由による電気的なトラブルにより、制御電源作成回路1510zへ+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流が流れると、周辺制御基板1510の+12V用ヒューズSF12が溶断するようになっている。このように、周辺制御基板1510に+12V用ヒューズSF12を設けて+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズSF12が溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、演出表示装置1600の+12V電源ラインにおいて、演出表示装置1600の液晶パネル電源作成回路1600zへの何らかの理由による電気的なトラブルにより、液晶パネル電源作成回路1600zへ分岐第1系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1が溶断するようになっている。また、本実施形態では、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、分岐第2系統のヒューズとして+12V用ヒューズPF12a2を介して供給される+12Vから液晶パネル電源を作成する液晶パネル電源作成回路1600zへ分岐第1系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1が溶断するようになっているし、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、演出表示装置1600の液晶パネル、バックライト、駆動回路等のいずれかへ分岐第2系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2が溶断するようになっている。また、本実施形態では、演出表示装置1600の大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12は、その容量が、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1と、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2と、のうち、いずれのヒューズの容量よりも大きく、かつ、両者を加えた容量よりも小さいものが予め選定されている。このため、大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12は、+12V電源ラインにおいて、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1と、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2と、のうち、過電流が流れていずれかのヒューズが溶断しても、この溶断したヒューズの系統にまだ過電流が流れて大元許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。なお、演出表示装置1600の大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12の容量として、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1の容量と、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2の容量と、を加えたものと同一のものとする場合には、大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12は、+12V電源ラインにおいて、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1と、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2と、のうち、過電流が流れていずれかのヒューズが溶断すると、この溶断したヒューズの系統にまだ過電流が流れて大元許容電流上限を超えるときには、溶断する場合があるし、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1と、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2と、に過電流が流れていずれのヒューズも溶断すると、溶断する。このように、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2を設けて過電流により大元ヒューズである+12V用ヒューズPF12、分岐第1系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a1、分岐第2系統のヒューズである+12V用ヒューズPF12a2が溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおいて、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2により遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路1720c2へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れると、+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズが溶断するようになっている。演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12を介して供給される+12Vは、+12V系ドライバ回路1720c2のほかに、遊技盤5の各装飾基板へ供給されるようになっているため、+12V用ヒューズEF12の容量は、+12V系ドライバ回路1720c2の遊技盤側駆動モータ許容電流上限と、遊技盤5の各装飾基板が遊技盤側装飾基板許容電流上限と、に基づいて予め選定されている。
遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)は駆動に電流がかなり必要となるため、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、のうち、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続するようになっている。このため、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12が溶断するよりも、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズが先に溶断するように、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12の容量と、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズの容量と、が予め選定されているとともに、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続することができるように演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12の容量が予め設定されている。
遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続する場合として、例えば、+12V用ヒューズEF12の容量として、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用するものとして選定される容量よりも大きく、かつ、この選定される容量と+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズの容量とを加えたものよりも小さいものが予め選定されている場合には、+12V用ヒューズEF12は、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用している状態において、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路1720c2へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。また、例えば、+12V用ヒューズEF12の容量として、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用するものとして選定される容量と、+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズの容量と、を加えたものと同一のものが予め選定される場合には、+12V用ヒューズEF12は、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用している状態において、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路1720c2へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。
なお、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、のうち、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続する場合とは逆に、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出よりも、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出を優先して継続する場合には、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズが溶断するよりも、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12が先に溶断するように、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12の容量と、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズの容量と、が予め選定されるとともに、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出よりも、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出を優先して継続することができるように演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12の容量が予め設定されることとなる。
また、演出駆動基板1720の12V電源ラインへの何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、演出駆動基板1720の12V電源ラインに過電流が流れ、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、の両方の演出を停止する場合には、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズの容量と、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12の容量と、のうち、いずれか小さいヒューズの容量以下に、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12の容量が予め設定されることとなる。
このように、演出駆動基板1720に+12V用ヒューズEF12を設けるとともに、+12V系ドライバ回路1720c2にヒューズを設けることで過電流により+12V用ヒューズEF12、+12V系ドライバ回路1720c2のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、遊技盤5の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板の+12V用ヒューズDF12により、遊技盤5の各LEDや遊技盤5の装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、遊技盤5の装飾基板の+12V用ヒューズDF12が溶断するようになっている。なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズDF12を設ける場合には、遊技盤5のすべて装飾基板の+12V用ヒューズDF12により、遊技盤5の各LEDや遊技盤5のすべての装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、遊技盤5のすべての装飾基板の+12V用ヒューズDF12が溶断するようになっている。このように、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に+12V用ヒューズDF12を設けて遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズDF12が溶断するようになっているため(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズDF12を設ける場合には、遊技盤5のすべて装飾基板に+12V用ヒューズDF12を設けて遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズDF12が溶断するようになっているため)、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510、液晶出力基板1530、演出表示装置1600、演出駆動基板1720、遊技盤5の各装飾基板等の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510、液晶出力基板1530、演出表示装置1600、演出駆動基板1720、遊技盤5の各装飾基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、周辺制御基板1510、液晶出力基板1530、演出表示装置1600、演出駆動基板1720、遊技盤5の各装飾基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる+12V用ヒューズSF12,PF12,PF12a1,PF12a2,EF12,DF12が溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。なお、液晶出力基板1530への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合には、液晶出力基板1530に過電流が流れるとともに液晶出力基板1530の上位基板となる周辺制御基板1510にも過電流が流れるため、周辺制御基板1510に設けられる+12V用ヒューズSF12が溶断することとなる。
なお、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板の+12V系ドライバ回路により扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路へ扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れると、+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。扉枠3の各駆動基板の+12V用ヒューズの容量は、扉枠3の各駆動基板の+12V系ドライバ回路の扉枠側駆動モータ許容電流上限に基づいて予め選定されている。扉枠3の各駆動基板の+12V用ヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路へ扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断するようになっている。このように、扉枠3の各駆動基板に+12V用ヒューズを設けるとともに、+12V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により+12V用ヒューズ、+12V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施系では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板の+12V用ヒューズにより、扉枠3の各LEDや扉枠3の装飾基板に扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、扉枠3の装飾基板の+12V用ヒューズが溶断するようになっている。なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される扉枠3のすべて装飾基板に対して扉枠側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズを設ける場合には、扉枠3のすべて装飾基板の+12V用ヒューズにより、扉枠3の各LEDや扉枠3のすべての装飾基板に扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、扉枠3のすべての装飾基板の+12V用ヒューズが溶断するようになっている。このように、扉枠3の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に+12V用ヒューズを設けて扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズが溶断するようになっているため(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される扉枠3のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズを設ける場合には、扉枠3のすべて装飾基板に+12V用ヒューズを設けて扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズが溶断するようになっているため)、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる+12V用ヒューズが溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
[11−1−5b.+24V電源ラインへの過電流保護]
また、本実施形態では、+24V電源ラインへの過電流保護として、+24V電源ラインには、図213に示したように、過電流対策として、周辺制御基板1510に+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限まで電流を流すことができる+24V用ヒューズSF24を設け、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズとして大元許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズPF12を設け、演出駆動基板1720に+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限まで電流を流すことができる+24V用ヒューズEF24を設けるとともに演出駆動基板1720における+24V系ドライバ回路1720c1に遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限まで電流を流すことができるヒューズを設けている。
本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510自身、及び/又は、周辺制御基板1510の後続基板となる演出駆動基板1720等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流が流れると、周辺制御基板1510の+24V用ヒューズSF24が溶断するようになっている。このように、周辺制御基板1510に+24V用ヒューズSF24を設けて+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流により+24V用ヒューズSF24が溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、演出駆動基板1720の+24V電源ラインにおいて、演出駆動基板1720の+24V系ドライバ回路1720c1により遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路1720c1へ遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れると、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズが溶断するようになっている。+24V用ヒューズEF24は、+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超えると、溶断するようになっている。このように、演出駆動基板1720に+24V用ヒューズEF24を設けるとともに、+24V系ドライバ回路1720c1にヒューズを設けることで過電流により+24V用ヒューズEF24、+24V系ドライバ回路1720c1のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510、演出駆動基板1720等の+24V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510、演出駆動基板1720等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、周辺制御基板1510、演出駆動基板1720等に過電流が流れると、各基板に設けられる+24V用ヒューズSF24,EF24が溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
なお、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板の+24V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板の+24V系ドライバ回路により扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路へ扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れると、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。扉枠3の各駆動基板の+24V用ヒューズの容量は、扉枠3の各駆動基板の+24V系ドライバ回路の扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限に基づいて予め選定されている。扉枠3の各駆動基板の+24V用ヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路へ扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れて+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断するようになっている。このように、扉枠3の各駆動基板に+24V用ヒューズを設けるとともに、+24V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により+24V用ヒューズ、+24V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板等の+24V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、扉枠3の各駆動基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる+24V用ヒューズが溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU63aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
[11−2.払出制御基板の回路]
払出制御基板633の回路における電源のうち、払出制御MPU633aaの制御電源は電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vが供給されているとともに、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから払VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vは、図220に示すように、まず、払出制御フィルタ回路633hに入力される。この払出制御フィルタ回路633hは、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続される、コンデンサPC1及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとして印加されるようになっている。なお、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの消費電力と比べると、大きいため、主制御基板1310の電解コンデンサMC2の容量(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))は、払出制御基板633の電解コンデンサPC2の容量(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))と比べると、大きいものが選定されている。これにより、主制御基板1310、払出制御基板633は、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、主制御基板1310の電解コンデンサMC2、払出制御基板633の電解コンデンサPC2にそれぞれ充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとしてそれぞれ印加されるようになっている。
払出制御MPU633aaのVDD端子は一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続されるとともにダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU633aaのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)と電気的に接続されている。
払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子と電気的に接続されている。また、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗PR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して供給されるのに対して、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、ダイオードPD0により、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して供給されることが妨げられている。
払出制御基板633の回路における入力信号のうち、例えば、満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ574からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310からのRAMクリア信号は、払出制御入力回路633abにそれぞれ入力されている。
満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ574からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310からのRAMクリア信号は、それぞれ払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA5にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA6,PA7は空き端子となっている。これらの空き端子となっている入力端子PA6,PA7は空き端子処理としてグランド(GND)にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPBの入力端子PB0に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA6,PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
[11−2−1.払出制御入力回路]
次に、払出制御入力回路633abについて説明する。払出制御入力回路633abは同一の回路であるため、ここでは、一例として主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号が入力される払出制御入力回路633abについて説明する。
主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号が入力される払出制御入力回路633abは、図220に示すように、一端が+12V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン))と電気的に接続される抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗PR41を介して、トランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は、抵抗PR41のほかに、一端が払出制御基板6330のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン))と電気的に接続された抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに、非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU633aaの入力ポートPBの入力端子PB0と電気的に接続されている。
[11−2−2.払出モータ駆動回路]
次に、払出モータ駆動回路633adについて図221を参照して説明する。払出モータ駆動回路633adは、払出制御MPU633aaからの制御信号に応じて図89に示した払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力する回路である。払出装置580の払出モータ584の回転軸が回転することで図89に示した払出羽根589が回転して遊技球を賞球として払い出すことができる。
払出モータ駆動回路633adは、払出モータ584の回転状態に応じて、φ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として、作動用電圧と停止用電圧とに相互に切り替えることができる電圧切替回路633adaと、払出モータ584を駆動することができる払出モータ駆動IC633adbと、を備えている。
払出モータ584の回転軸が停止した状態から一定の回転速度で回転するまでの加速期間や、払出モータ584の回転軸が一定の回転速度で回転する状態から停止するまでの減速期間は、高トルクが必要となり脱調を防止するために、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として高い電圧を印加する必要がある一方、払出モータ584の回転軸が停止した状態や一定の回転速度で回転する状態では、高トルクが必要でない。このため、払出モータ584の回転軸の停止状態や回転状態にかかわらず、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として高い電圧を印加した状態では、払出モータ584が過剰に発熱することによって、払出モータ584に不具合や故障が発生するおそれがあり、発熱を抑制する必要がある。
そこで、本実施形態では、払出モータ584の回転軸が停止した状態から一定の回転速度で回転するまでの加速期間や、払出モータ584の回転軸が一定の回転速度で回転する状態から停止するまでの減速期間においては、高い電圧である作動用電圧として+12Vを使用するのに対して、払出モータ584の回転軸が停止した状態となっている期間や、一定の回転速度で回転する状態となっている期間においては、作動用電圧と比べて低い電圧である停止用電圧として+5Vを使用するという電圧切替回路633adaを制御するとともに、払出モータ584へ流れる電流をリセッタブルヒューズとしてポリスイッチを用いて制限して払出モータ584及び払出モータ584を駆動する払出モータ駆動IC633adbを保護することにより、払出モータ584の発熱を抑制している。
[11−2−2a.電圧切替回路]
電圧切替回路633adaは、トランジスタPTR50、電界効果トランジスタ(FET)PF50、ダイオードP50、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチPPS50を主として構成されている。トランジスタPTR50のベース端子は、抵抗PR50の一端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)に電気的に接続された抵抗PR51の他端と電気的に接続されている。抵抗PR50の他端は、電圧切替という信号を伝送するラインとして払出制御出力回路633acを介して払出制御MPU633aaの所定の出力ポートと電気的に接続されている。
具体的には、抵抗PR50の他端は、電圧切替という信号を伝送するラインとして図示しない電圧切替用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この電圧切替用Dタイプフリップフロップの入力端子は、払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの電圧切替用出力端子と電気的に接続されている。
トランジスタPTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と電気的に接続され、トランジスタPTR50のコレクタ端子は、抵抗PR52を介して電界効果トランジスタPF50のゲート端子Gと電気的に接続されている。電界効果トランジスタPF50のゲート端子Gは、抵抗PR53を介して、電界効果トランジスタPF50のソース端子Sと電気的に接続されている。電界効果トランジスタPF50のソース端子Sは、+12V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン))と電気的に接続されている。電界効果トランジスタPF50のドレイン端子Dは、整流ダイオードであるダイオードPD50のカソード端子と電気的に接続されるとともに、ポリスイッチPPS50の一端と電気的に接続されている。ダイオードPD50のアノード端子は、+5V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン))と電気的に接続されている。ポリスイッチPPS50の他端は、ツェナーダイオードPD51,PD52のアノード端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ584へ電源を供給するMOTH+12Vという電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。
[11−2−2b.払出モータ駆動IC]
払出モータ駆動IC633adbは、チップ化されたNPN型ダーリントントランジスタが4素子、ダイオードが4素子、を同一のパッケージとして内蔵されている。NPN型ダーリントントランジスタの4素子のうち、第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1は、抵抗PR54の一端と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5は、抵抗PR55の一端と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8は、抵抗PR56の一端と電気的に接続され、第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、抵抗PR57の一端と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2は、払出モータ584のφ1を励磁する電流が流れるHφ1ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4は、払出モータ584の/φ1を励磁する電流が流れるH/φ1ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9は、払出モータ584のφ2を励磁する電流が流れるHφ2ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続され、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11は、払出モータ584の/φ2を励磁する電流が流れるH/φ2ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
抵抗PR54〜PR57の他端は、払出制御出力回路633acを介して払出制御MPU633aaの所定の出力ポートと電気的に接続されている。具体的には、一端が第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1と電気的に接続される抵抗PR54の他端は、払出モータ584のφ1に対する励磁の開始や停止を指示するHPD0という信号を伝送するラインとして図示しない払出モータ584のφ1用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この払出モータ584のφ1用Dタイプフリップフロップの入力端子は、払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの払出モータ584のφ1用出力端子と電気的に接続されている。
一端が第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5と電気的に接続される抵抗PR55の他端は、払出モータ584の/φ1に対する励磁の開始や停止を指示するPPD1という信号を伝送するラインとして図示しない払出モータ584の/φ1用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この払出モータ584の/φ1用Dタイプフリップフロップの入力端子は、払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの払出モータ584の/φ1用出力端子と電気的に接続されている。
一端が第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8と電気的に接続される抵抗PR56の他端は、払出モータ584のφ2に対する励磁の開始や停止を指示するPPD2という信号を伝送するラインとして図示しない払出モータ584のφ2用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この払出モータ584のφ2用Dタイプフリップフロップの入力端子は、払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの払出モータ584のφ2用出力端子と電気的に接続されている。
一端が第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12と電気的に接続される抵抗PR57の他端は、払出モータ584の/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPPD3という信号を伝送するラインとして図示しない払出モータ584の/φ2用Dタイプフリップフロップの出力端子と電気的に接続されている。この払出モータ584の/φ2用Dタイプフリップフロップの入力端子は、払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの払出モータ584の/φ2用出力端子と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第二のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、払出モータ駆動IC633adbのエミッタ端子6とパッケージ内部において電気的に接続されている。払出モータ駆動IC633adbのエミッタ端子6は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第三のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第四のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、払出モータ駆動IC633adbのエミッタ端子7とパッケージ内部において電気的に接続されている。払出モータ駆動IC633adbのエミッタ端子7は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
払出モータ駆動IC633adbは、ダイオードを4素子内蔵しており、第一,第二のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されるとともに、第三,第四のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されている。
第一のダイオードのアノード端子は、第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2とパッケージ内部において電気的に接続され、第二のダイオードのアノード端子は、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4とパッケージ内部において電気的に接続され、第一のダイオードのカソード端子と第二のダイオードのカソード端子とは、払出モータ駆動IC633adbのカソード端子3とパッケージ内部において電気的に接続されている。払出モータ駆動IC633adbのカソード端子3は、ツェナーダイオードPD51のカソード端子と電気的に接続されている。
第三のダイオードのアノード端子は、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9とパッケージ内部において電気的に接続され、第四のダイオードのアノード端子は、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11とパッケージ内部において電気的に接続され、第三のダイオードのカソード端子と第四のダイオードのカソード端子とは、払出モータ駆動IC633adbのカソード端子10とパッケージ内部において電気的に接続されている。払出モータ駆動IC633adbのカソード端子10は、ツェナーダイオードPD52のカソード端子と電気的に接続されている。
第一〜第四のダイオードは、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタを保護している。
払出モータ584へ電源を供給するMOTH+12Vという電源ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して払出モータ584のコネクタの第三ピンのφ2C(コモン)及び第四ピンのφ1C(コモン)と電気的に接続される。払出モータ584のφ1を励磁する電流が流れるHφ1ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して払出モータ584のコネクタの第6ピンのφ1と電気的に接続される。払出モータ584の/φ1を励磁する電流が流れるH/φ1ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して払出モータ584のコネクタの第二ピンの/φ1と電気的に接続される。払出モータ584のφ2を励磁する電流が流れるHφ2ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して払出モータ584のコネクタの第五ピンのφ2と電気的に接続される。払出モータ584の/φ2を励磁する電流が流れるH/φ2ラインは、コネクタの端子と図示しない配線を介して払出モータ584のコネクタの第一ピンの/φ2と電気的に接続される。
払出モータ584のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するHPD0〜HPD3を含む8ビットの情報である払出モータ駆動データHPD0〜HPD7が払出制御MPU633aaから出力されると、上述した対応するDタイプフリップフロップ、そして各抵抗を介して、払出モータ駆動IC633adbのベース端子1,5,8,12にそれぞれ入力される。払出モータ駆動IC633adbは、払出制御基板633のシステムが起動されると(後述する払出制御部電源投入時処理が開始されると)、主制御基板1310からの制御信号に基づく払出制御部電源投入時処理のポート出力処理における払出制御MPU633aaからの払出モータ駆動データHPD0〜HPD3に応じて、電圧切替回路633adaにより作動用電圧又は停止用電圧に切り替えられた電圧で払出モータ584のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2を励磁する電流を流す。
ここで、電圧切替回路633adaの動作について簡単に説明すると、払出制御基板633のシステムが起動されると(後述する払出制御部電源投入時処理(ポート出力処理)が開始されると)、ポート出力処理における払出制御MPU633aaからの電圧切替という信号の論理が作動用電圧論理として出力されるときには、トランジスタPTR50がOFFし、払出モータ584へ電源を供給するMOTH+12Vという電源ラインの電圧が電界効果トランジスタPF50により+12V側に引き上げられることで払出モータ584に対して作動用電圧として+12VがポリスイッチPPS50を介してMOTH+12Vという電源ラインとして供給される。なお、MOTH+12Vという電源ラインからダイオードPD50を介して+5電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)へ供給されることがない。
これに対して、払出制御MPU633aaからの電圧切替という信号の論理が作動用電圧論理の論理を反転させた停止用電圧論理として出力されるときには、トランジスタPTR50がONし、電界効果トランジスタPF50による+12Vが遮断されることにより払出モータ584へ電源を供給するMOTH+12Vという電源ラインの電圧がダイオードPD50を介して+5V側に引き上げられることで払出モータ584に対して停止用電圧として+5VがポリスイッチPPS50を介してMOTH+12Vという電源ラインとして供給される。
ここで、作動用電圧の消費電力と停止用電圧の消費電力とによる温度上昇の違いについて簡単に説明する。消費電力Wは、オームの法則:電圧V×電圧V÷抵抗Rにより算出することができる。作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは144/抵抗R(電圧Vの2乗/抵抗R)となり、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsは25/抵抗R(電圧Vの2乗/抵抗R)となる。そうすると、作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsと比べて5倍以上(5.76=144/25)となるため、温度上昇も約5倍以上となる。これは、払出モータ584に対しても、同様である。
つまり、作動用電圧である+12Vによる単独電源の駆動で温度上昇が問題となっても、停止用電圧である+5Vによる駆動により温度上昇を約5分の1以下に抑えることができる。
払出モータ駆動IC633adbのパッケージは、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2を励磁する第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタによる発熱と、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2からの逆起電力を熱に変換する第一〜第四のダイオードによる発熱と、を吸収し、この吸収した熱を外気(払出モータ584の周囲)に逃がしている。遊技ホールの島設備は他のパチンコ機と背向で列設されためパチンコ機の電源基板や各種制御基板等から発せられる熱によって遊技ホールの島設備内の温度が高くなっている。
このため、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタと第一〜第四のダイオードとによる発熱を、払出モータ584のパッケージが吸収しても、払出モータ584の周囲、つまり外気の温度が高くなっている状態では、その吸収した熱を外気に逃がす効率が低下するため、払出モータ584のパッケージに熱が蓄えられることとなる。そうすると、払出モータ584のパッケージの温度が高くなって、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタの接合温度がジャンクション温度まで高くなると、第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタが故障するおそれがある。
そこで、本実施形態では、払出モータ584を駆動して払出モータ584の回転軸を回転している場合には、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁をできるだけそれぞれ連続して行うことにより払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止される回数を少なくし、払出モータ584のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を第一〜第四のダイオードにより熱に変換して除去する回数を少なくすることができる。これにより、第一〜第四のダイオードによる発熱を小さく抑えることができるため、払出モータ584のパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱による第一〜第四のNPN型ダーリントントランジスタの故障を防止することができる。
本実施形態では、電圧切替回路633adaに、リレーを使用せず、半導体である電界効果トランジスタ(FET)PF50を使用している。これは、リレーには、タイムラグが発生するし、個体間の性能のバラツキが大きいためである。電界効果トランジスタ(FET)PF50を使用により、払出動作を正確に制御することができる。
[11−2−2c.ポリスイッチ]
ここで、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチについて説明する。作動用電圧又は停止用電圧は、払出モータ584に対してポリスイッチPPS50を介してMOTH+12Vという電源ラインとして供給されている。ポリスイッチPPS50は、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰するものであり、これを利用すると、負荷である払出モータ584へ流れる電流を制限して負荷である払出モータ584を保護することができる。負荷への電流を制限するものとしては、ヒューズを挙げることができる。このヒューズは、過電流が流れると、溶断することで負荷へ流れる電流を遮断することができるものの、ヒューズそのものを新しいものと交換する必要がある。
ところが、パチンコ機1のように、遊技者への遊技球の払出動作を制御する重要な払出制御基板633を不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者からを防止する必要がある。このため、払出制御基板633は、透明なカバー体と透明なベース体とから構成される払出制御基板ボックス632に収容されるとともに、カバー体とベース体とが封印機構であるカシメ部の例えばワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで払出制御基板ボックス632を閉じることができ、次に、払出制御基板ボックス632を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。そうすると、払出制御基板633にヒューズを実装し、仮にヒューズが溶断した場合には、カシメ部を破壊しなければならない。ところが、パチンコ機1が遊技ホールに設置されると、このパチンコ機1に備える払出制御基板ボックス632のカシメ部を破壊することができないため、ヒューズの交換を行うことができず、遊技を行うことができない状態となる。
そこで、本実施形態では、ヒューズと同様に、過電流を制限する素子として、ポリスイッチを採用した。これにより、ポリスイッチに過電流が流れると、ポリスイッチの特定により、負荷へ流れる電流を制限して負荷を保護することができる。つまり、ヒューズと異なり過電流によるポリスイッチ自体が破壊されないし、交換する必要が全くなく、負荷である払出モータ584を駆動する払出モータ駆動IC633adbを保護することができるし、カシメ部を破壊する必要が全くない。
ポリスイッチPPS50は、本体が直方体の形状を有し、底面から下方に向かって2本のリードが突出するリード線形である。ポリスイッチPPS50は、上述したように、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰する。このため、ポリスイッチPPS50の発熱を効率良く冷却するために、ポリスイッチPPS50の2本のリードを垂直方向に配置することで、ポリスイッチPPS50の本体の厚みが小さくなる面を垂直方向とすることができ、ポリスイッチPPS50の本体による発熱を上方へ向かって対流し易くしている。
また、ポリスイッチPPS50は大きな電流が流れるため、払出モータ584への電源を供給する端子、払出モータ584の各相(φ1、/φ1、φ2、/φ2)を励磁する端子などを有するコネクタの近傍に配置されている。これにより、払出モータ584への電流によるノイズの影響を、払出制御基板633に実装される他の電子部品に対して小さくすることに寄与することができる。
また、ポリスイッチPPS50は、払出モータ584へ流れる電流を制限することができるため、払出モータ584の過熱を保護することができる。
なお、本実施形態では、ユニポーラ型ステッピングモータを用いていたが、これに代えて、バイポーラ型ステッピングモータを用いてもよい。この場合、バイポーラ型ステッピングモータに対して+12V及び+5Vというモータ電源が供給される各端子には、ポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設ける。
また、本実施形態では、リセッタブルヒューズとして採用したポリスイッチは、ポリマー系PTC(Positive Temperature Coefficienの略)サーミスタ等のPPTC(Polymer Positive Temperature Coefficientの略)素子であるが、リセッタブルヒューズとしてセラミックPTC(Positive Temperature Coefficienの略)素子やバイメタルを採用しても上述したポリスイッチと同一の効果を奏することができる。
[11−3.演出駆動基板の回路]
電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5V、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbからの+12V、電源基板630における電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcからの+24Vは、インターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510へそれぞれ供給されると、周辺制御基板1510の+5V用ヒューズSF5、+12V用ヒューズSF12、+24V用ヒューズSF24を介して、演出駆動基板1720へそれぞれ供給され、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5、+12V用ヒューズEF12、+24V用ヒューズEF24を介して、演出駆動基板1720自身のほかに、遊技盤5の各装飾基板等の後続基板へ供給される+5V電源ライン、+12V電源ライン、+24V電源ラインとなる。
演出駆動基板1720の+24V用ヒューズEF24を介して供給される+24V電源ラインは、上述したように、演出制御ソレノイド駆動回路である+24V系ドライバ回路1720c1へ供給され、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12を介して供給される+12V電源ラインは、上述したように、演出制御モータ駆動回路である+12V系ドライバ回路1720c2や遊技盤5の各装飾基板へ供給される。ここでは、演出駆動基板1720の回路として、まず+24V系ドライバ回路1720c1について説明し、+12V系ドライバ回路1720c2について説明する。
[11−3−1.+24V系ドライバ回路]
+24V系ドライバ回路1720c1は、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動制御するものである。遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)としては、図192に示した裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710A,3710B,3710Cにそれぞれ備える裏前左駆動ソレノイド3717(合計3個の裏前左駆動ソレノイド3717)と、図196に示した裏ユニット3000の裏前右演出ユニット3800における第三裏前右装飾体ユニット3810A,3810B,3810Cにそれぞれ備える裏前右駆動ソレノイド3817(合計3個の裏前右駆動ソレノイド3817)と、がある。
+24V系ドライバ回路1720c1は、図222に示すように、裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710A,3710B,3710Cにそれぞれ備える裏前左駆動ソレノイド3717(合計3個の裏前左駆動ソレノイド3717)をそれぞれ駆動制御するドライバIC1720c1a1と、裏ユニット3000の裏前右演出ユニット3800における第三裏前右装飾体ユニット3810A,3810B,3810Cにそれぞれ備える裏前右駆動ソレノイド3817(合計3個の裏前右駆動ソレノイド3817)をそれぞれ駆動制御するドライバIC1720c1a2と、から構成されている。ドライバIC1720c1a1とドライバIC1720c1a2とは、同一の回路であるため、ここでは、ドライバIC1720c1a1の回路について説明し、ドライバIC1720c1a2については、ドライバIC1720c1a1に関する説明で参照する符号に続いて括弧書きで表す場合がある。
[11−3−1a.+24V系ドライバIC]
裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710A,3710B,3710Cにそれぞれ備える裏前左駆動ソレノイド3717(合計3個の裏前左駆動ソレノイド3717)、裏ユニット3000の裏前右演出ユニット3800における第三裏前右装飾体ユニット3810A,3810B,3810Cにそれぞれ備える裏前右駆動ソレノイド3817(合計3個の裏前右駆動ソレノイド3817)は、パチンコ機1が電源投入されて周辺制御基板1510のシステムが起動(後述する周辺制御部電源投入時処理が行われて後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理(モータ及びソレノイド駆動処理)が開始)されて所定の条件が成立したときに駆動され常時駆動されるものではない。ところが、3個の裏前左駆動ソレノイド3717、3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動している際に、何らかの理由により、ドライバIC1720c1a1、ドライバIC1720c1a2に不具合や故障が発生するおそれがあるし、また、裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710A,3710B,3710Cにそれぞれ備えるシャッターユニット3730の複数のシャッター3732を開閉する機構、裏ユニット3000の裏前右演出ユニット3800における第三裏前右装飾体ユニット3810A,3810B,3810Cにそれぞれ備えるシャッターユニット3830の複数のシャッター3832を開閉する機構に不具合が発生して可動困難(作動困難)となると、3個の裏前左駆動ソレノイド3717、3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち不具合が発生して可動困難(作動困難)となったソレノイドが過負荷となり過剰に発熱することによって、ソレノイドやソレノイドを駆動するドライバICに不具合や故障が発生するおそれがある。
このような不具合や故障が発生すると、3個の裏前左駆動ソレノイド3717や3個の裏前左駆動ソレノイド3717を駆動制御するドライバIC1720c1a1のうち不具合や故障が発生した裏前左駆動ソレノイドや裏前左駆動ソレノイドを駆動するドライバICへ過電流が流れたり、3個の裏前右駆動ソレノイド3817や3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動制御するドライバIC1720c1a2のうち不具合や故障が発生した裏前右駆動ソレノイドや裏前右駆動ソレノイドを駆動制御するドライバICへ過電流が流れたりすることで+12V電源ラインの電位が下がる。そうすると、この+12V電源ラインは、上述したように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbからの+12Vであり、この+12Vが演出駆動基板1720のほかに、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633へそれぞれ供給されているものでもあるため、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止し、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行って払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止することとなる。
そこで、本実施形態では、3個の裏前左駆動ソレノイド3717を駆動制御するドライバIC1720c1a1には、演出駆動基板1720の+24V電源ラインにおける、3個の裏前左駆動ソレノイド3717や3個の裏前左駆動ソレノイド3717を駆動制御するドライバIC1720c1a1へ流れる過電流を遮断するヒューズが設けられ、3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動制御するドライバIC1720c1a2には、演出駆動基板1720の+24V電源ラインにおける、3個の裏前右駆動ソレノイド3817や3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動制御するドライバIC1720c1a2へ流れる過電流を遮断するヒューズが設けられている。
3個の裏前左駆動ソレノイド3717を駆動制御するドライバIC1720c1a1に設けられるヒューズである+24V用ヒューズEF24a1(3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動制御するドライバIC1720c1a2に設けられるヒューズである+24V用ヒューズEF24a2)の一端は、+24V電源ラインと電気的に接続されている。+24V用ヒューズEF24a1(+24V用ヒューズEF24a2)の他端は、ツェナーダイオードED50,ED51(ED52,ED53)のアノード端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)へ電源を供給するSOLL+24V(SOLR+24V)という電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。
ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)は、チップ化されたNPN型ダーリントントランジスタが4素子、ダイオードが4素子、を同一のパッケージとして内蔵されている。NPN型ダーリントントランジスタの4素子のうち、第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1は、抵抗ER50(ER53)の一端と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5は、抵抗ER51(ER54)の一端と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8は、抵抗ER52(ER55)の一端と電気的に接続され、第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、抵抗MR57(MR67)の一端と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Aに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Aに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLU−SOLライン(RU−SOLライン)としてコネクタの端子と電気的に接続され、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Bに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Bに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLC−SOLライン(RC−SOLライン)としてコネクタの端子と電気的に接続され、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Cに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Cに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLL−SOLライン(LL−SOL)としてコネクタの端子と電気的に接続されている。
抵抗ER50〜ER55の他端は、演出駆動基板1720の図示しない演出駆動入力回路と電気的に接続され、この図示しない演出駆動入力回路と演出駆動基板1720のコネクタ、演出駆動基板1720と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス、周辺制御基板1510のコネクタを介して、周辺制御基板1510と電気的に接続されている。具体的には、一端が第一のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1と電気的に接続される抵抗ER50(ER53)の他端は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Aに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Aに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するSPD0(SPD3)という信号を伝送するラインとして演出駆動基板1720の図示しない演出駆動入力回路の出力端子と電気的に接続されている。この演出駆動入力回路演出駆動入力回路の入力端子は、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aの所定の出力ポートの出力端子と電気的に接続されている。
図示しない演出駆動入力回路について簡単に説明すると、演出駆動入力回路は、図216に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310b、図220に示した払出制御基板633の払出制御入力回路633abと同一の回路となっている。演出駆動入力回路の入力端子は、一端が+12V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ラインであり、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12を介して供給される+12V電源ライン)と電気的に接続される第1抵抗(図216の抵抗MR2、図220の抵抗PR40に相当する。)の他端と電気的に接続されるとともに、第2抵抗(図216の抵抗MR3、図220の抵抗PR41に相当する。)を介して、トランジスタ(図216のトランジスタMTR0、図220のトランジスタPTR40に相当する。)のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタのベース端子は、第2抵抗のほかに、一端が演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された第3抵抗(図216の抵抗MR4、図220の抵抗PR42に相当する。)の他端と電気的に接続されている。トランジスタのエミッタ端子は、演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタのコレクタ端子は、一端が+5V電源ライン(電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ラインであり、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5を介して供給される+5V電源ライン)と電気的に接続された第4抵抗(図216の抵抗MR5、図220の抵抗PR43に相当する。)の他端と電気的に接続されるとともに、図213に示した入力バッファ回路1720aを構成する非反転バッファIC(非反転バッファICは、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つの非反転バッファ回路Aに入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)(図216のMIC10、図220のPIC40に相当する。)の入力端子と電気的に接続されている。この入力バッファ回路1720aを構成する非反転バッファICの非反転バッファ回路Aの出力端子が演出駆動入力回路の出力端子となる。
一端が第二のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5と電気的に接続される抵抗ER51(ER54)の他端は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Bに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Bに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するSPD1(SPD4)という信号を伝送するラインとして演出駆動基板1720の図示しない演出駆動入力回路の出力端子と電気的に接続されている。この演出駆動入力回路の入力端子は、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aの所定の出力ポートの出力端子と電気的に接続されている。
一端が第三のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8と電気的に接続される抵抗ER52(ER55)の他端は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Cに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Cに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するSPD2(SPD5)という信号を伝送するラインとして演出駆動基板1720の図示しない演出駆動入力回路の出力端子と電気的に接続されている。この演出駆動入力回路の入力端子は、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aの所定の出力ポートの出力端子と電気的に接続されている。
なお、SPD0〜SPD5という信号を伝送するラインは、それぞれ別々のラインであり、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aの所定の出力ポートの出力端子、つまりそれぞれ異なる出力端子と電気的に接続されている。
第一のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第二のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のエミッタ端子6とパッケージ内部において電気的に接続されている。ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のエミッタ端子6は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第三のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第四のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のエミッタ端子7とパッケージ内部において電気的に接続されている。ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のエミッタ端子7は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
なお、第四のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、グランド(GND)に電気的に接続されているのに対して、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11は、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)の外部と未接続となっている。
ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)は、ダイオードを4素子内蔵しており、第一,第二のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されるとともに、第三,第四のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されている。
第一のダイオードのアノード端子は、第一のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2とパッケージ内部において電気的に接続され、第二のダイオードのアノード端子は、第二のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4とパッケージ内部において電気的に接続され、第一のダイオードのカソード端子と第二のダイオードのカソード端子とは、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のカソード端子3とパッケージ内部において電気的に接続されている。ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のカソード端子3は、ツェナーダイオードED50のカソード端子と電気的に接続されている。
第三のダイオードのアノード端子は、第三のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9とパッケージ内部において電気的に接続され、第四のダイオードのアノード端子は、第四のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11とパッケージ内部において電気的に接続され、第三のダイオードのカソード端子と第四のダイオードのカソード端子とは、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のカソード端子10とパッケージ内部において電気的に接続されている。ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のカソード端子10は、ツェナーダイオードED51のカソード端子と電気的に接続されている。
第一〜第四のダイオードのうち、第一〜第三のダイオードは、3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルへの励磁が停止されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、第一〜第三のNPN型ダーリントントランジスタを保護している。
3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)へ電源を供給するSOLL+24V(SOLR+24V)という電源ラインは、コネクタの端子と図示しないそれぞれの配線を介して3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)の各コネクタと電気的に接続される。3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Aに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Aに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLU−SOLライン(RU−SOLライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Aに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Aに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコネクタと電気的に接続される。3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Bに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Bに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLC−SOLライン(RC−SOLライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Bに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Bに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコネクタと電気的に接続される。3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Cに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Cに備える裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流が流れるLL−SOLライン(RL−SOLライン)は、コネクタの端子と図示しない配線を介して3個の裏前左駆動ソレノイド3717のうち第三裏前左装飾体ユニット3710Cに備える裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817のうち第三裏前右装飾体ユニット3810Cに備える裏前右駆動ソレノイド3817)第二アタッカソレノイド2612のコネクタと電気的に接続される。
周辺制御基板1510のシステムが起動され(後述する周辺制御部電源投入時処理が行われて後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理(モータ及びソレノイド駆動処理)が開始され)所定の条件が成立したか否かに応じて、モータ及びソレノイド駆動処理において、3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルに対する励磁の開始や停止を指示するSPD0〜SPD5の情報である駆動ソレノイド用駆動データSPD0〜SPD5が周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aから出力されると、上述した演出駆動基板1720の対応する図示しない演出駆動入力回路、そして各抵抗を介して、ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)のベース端子1,5,8にそれぞれ入力される。ドライバIC1720c1a1(ドライバIC1720c1a2)は、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aからの駆動ソレノイド用駆動データSPD0〜SPD5に応じて、3個の裏前左駆動ソレノイド3717(3個の裏前右駆動ソレノイド3817)のコイルを励磁する電流を流す。
[11−3−1b.+24V系ドライバICに設けられるヒューズの配置]
ドライバIC1720c1a1に設けられるヒューズである+24V用ヒューズEF24a1は、3個の裏前左駆動ソレノイド3717や3個の裏前左駆動ソレノイド3717を駆動するドライバIC1720c1a1へ過電流という大電流が流れて発熱する場合があるため、ドライバIC1720c1a1の近傍(特に、ドライバIC1720c1a1のカソード端子3,10の近傍)又は上述したSOLL+24Vという電源ライン、LU−SOLライン、LC−SOLライン、LC−SOLラインとして接続されるコネクタの近傍(特に、SOLL+24Vという電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。また、ドライバIC1720c1a2に設けられるヒューズである+24V用ヒューズEF24a2は、3個の裏前右駆動ソレノイド3817や3個の裏前右駆動ソレノイド3817を駆動するドライバIC1720c1a2へ過電流という大電流が流れて発熱する場合があるため、ドライバIC1720c1a2の近傍(特に、ドライバIC1720c1a2のカソード端子3,10の近傍)又は上述したSOLR+24Vという電源ライン、RU−SOLライン、RC−SOLライン、RC−SOLラインとして接続されるコネクタの近傍(特に、SOLR+24Vという電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
[11−3−2.+12V系ドライバ回路]
+12V系ドライバ回路1720c2は、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動制御するものである。遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)としては、図137(a),(b)に示した裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100における裏後駆動モータ3126、図158(a)に示した裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200における裏下左駆動モータ3205、図158(b)に示した裏ユニット3000の裏下右演出ユニット3250における裏下右駆動モータ3255、図162(b)に示した裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300における裏下中装飾体ユニット3320の裏下中回転駆動モータ3333、図162(a)に示した裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300における裏下中昇降駆動モータ3352、図170(a),(b)に示した裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400における裏上前回転駆動モータ3425、図170(a),(b)に示した裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400における裏上昇降駆動モータ3429、図173に示した裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400における裏上昇降装飾体ユニット3450の裏上後回転駆動モータ3454、図178(b)に示した裏ユニット3000の裏後左演出ユニット3500における裏後左装飾体ユニット3520の裏後左回転駆動モータ3525、図178(a),(b)に示した裏ユニット3000の裏後左演出ユニット3500における裏後左昇降駆動モータ3554、図185(b)に示した裏ユニット3000の裏後右演出ユニット3600における裏後右装飾体ユニット3620の裏後右回転駆動モータ3625、図185(a),(b)に示した裏ユニット3000の裏後右演出ユニット3600における裏後右昇降駆動モータ3654、があり、合計12個の駆動モータがある(以下、「遊技盤5側の駆動モータ」と記載する場合がある)。
+12V系ドライバ回路1720c2は、図223に示すように、遊技盤5側の駆動モータのそれぞれと対応して、裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1と、裏下左駆動モータ3205を駆動制御するドライバIC1720c2a2と、裏下右駆動モータ3255を駆動制御するドライバIC1720c2a3と、裏下中回転駆動モータ3333を駆動制御するドライバIC1720c2a4と、裏下中昇降駆動モータ3352を駆動制御するドライバIC1720c2a5と、裏上前回転駆動モータ3425を駆動制御するドライバIC1720c2a6と、裏上昇降駆動モータ3429を駆動制御するドライバIC1720c2a7と、裏上後回転駆動モータ3454を駆動制御するドライバIC1720c2a8と、裏後左回転駆動モータ3525を駆動制御するドライバIC1720c2a9と、裏後左昇降駆動モータ3554を駆動制御するドライバIC1720c2a10と、裏後右回転駆動モータ3625を駆動制御するドライバIC1720c2a11と、裏後右昇降駆動モータ3654を駆動制御するドライバIC1720c2a12と、から構成されている。合計12個のドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、すべて同一の回路であるため、ここでは、主として、ドライバIC1720c2a1の回路について説明し、ドライバIC1720c2a2〜ドライバIC1720c2a12についての説明を省略する場合がある。
[11−3−2a.+12V系ドライバIC]
遊技盤5側の駆動モータは、パチンコ機1が電源投入されて周辺制御基板1510のシステムが起動(後述する周辺制御部電源投入時処理が行われて後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理(モータ及びソレノイド駆動処理)が開始)されて所定の条件が成立したときに駆動され常時駆動されるものではない。ところが、遊技盤5側の駆動モータを駆動している際に、何らかの理由により、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12に不具合や故障が発生するおそれがあるし、また、遊技盤5側の駆動モータにより作動する機構等に不具合が発生して作動困難となると、遊技盤5側の駆動モータのうち不具合が発生して作動困難となった駆動モータが過負荷となり過剰に発熱することによって、駆動モータや駆動モータを駆動するドライバICに不具合や故障が発生するおそれがある。
このような不具合や故障が発生すると、遊技盤5側の駆動モータや遊技盤5側の駆動モータを駆動制御するドライバIC1720c2a1〜1720c2a12のうち不具合や故障が発生した駆動モータや駆動モータを駆動制御するドライバICへ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がる。そうすると、この+12V電源ラインは、上述したように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbからの+12Vであり、この+12Vが演出駆動基板1720のほかに、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633へそれぞれ供給されているものでもあるため、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止し、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行って払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止することとなる。
そこで、本実施形態では、遊技盤5側の駆動モータを駆動制御するドライバIC1720c2a1〜1720c2a12には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、遊技盤5側の駆動モータや遊技盤5側の駆動モータを駆動制御するドライバIC1720c2a1〜1720c2a12へ流れる過電流を遮断するヒューズがそれぞれ設けられている。
具体的には、裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏後駆動モータ3126や裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a1が設けられ、裏下左駆動モータ3205を駆動制御するドライバIC1720c2a2には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏下左駆動モータ3205や裏下左駆動モータ3205を駆動制御するドライバIC1720c2a2へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a2が設けられ、裏下右駆動モータ3255を駆動制御するドライバIC1720c2a3には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏下右駆動モータ3255や裏下右駆動モータ3255を駆動制御するドライバIC1720c2a3へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a3が設けられ、裏下中回転駆動モータ3333を駆動制御するドライバIC1720c2a4には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏下中回転駆動モータ3333や裏下中回転駆動モータ3333を駆動制御するドライバIC1720c2a4へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a4が設けられている。
また、裏下中昇降駆動モータ3352を駆動制御するドライバIC1720c2a5には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏下中昇降駆動モータ3352や裏下中昇降駆動モータ3352を駆動制御するドライバIC1720c2a5へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a5が設けられ、裏上前回転駆動モータ3425を駆動制御するドライバIC1720c2a6には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏上前回転駆動モータ3425や裏上前回転駆動モータ3425を駆動制御するドライバIC1720c2a6へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a6が設けられ、裏上昇降駆動モータ3429を駆動制御するドライバIC1720c2a7には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏上昇降駆動モータ3429や裏上昇降駆動モータ3429を駆動制御するドライバIC1720c2a7へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a7が設けられ、裏上後回転駆動モータ3454を駆動制御するドライバIC1720c2a8には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏上後回転駆動モータ3454や裏上後回転駆動モータ3454を駆動制御するドライバIC1720c2a8へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a8が設けられている。
また、裏後左回転駆動モータ3525を駆動制御するドライバIC1720c2a9には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏後左回転駆動モータ3525や裏後左回転駆動モータ3525を駆動制御するドライバIC1720c2a9へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a9が設けられ、裏後左昇降駆動モータ3554を駆動制御するドライバIC1720c2a10には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏後左昇降駆動モータ3554や裏後左昇降駆動モータ3554を駆動制御するドライバIC1720c2a10へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a10が設けられ、裏後右回転駆動モータ3625を駆動制御するドライバIC1720c2a11には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏後右回転駆動モータ3625や裏後右回転駆動モータ3625を駆動制御するドライバIC1720c2a11へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a11が設けられ、裏後右昇降駆動モータ3654を駆動制御するドライバIC1720c2a12には、演出駆動基板1720の+12V電源ラインにおける、裏後右昇降駆動モータ3654や裏後右昇降駆動モータ3654を駆動制御するドライバIC1720c2a12へ流れる過電流を遮断する+12V用ヒューズEF12a12が設けられている。
裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1に設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a1の一端は、+12V電源ラインと電気的に接続されている。+12V用ヒューズEF12a1の他端は、ツェナーダイオードED60のアノード端子と電気的に接続されるとともに、裏後駆動モータ3126へ電源を供給するMOT1+12Vという電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。裏後左回転駆動モータ3525を駆動制御するドライバIC1720c2a9に設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a2の一端は、+12V電源ラインと電気的に接続されている。+12V用ヒューズEF12a2の他端は、ツェナーダイオードED61のアノード端子と電気的に接続されるとともに、裏後左回転駆動モータ3525へ電源を供給するMOT2+12Vという電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。ドライバIC1720c2a3〜ドライバIC1720c2a11も同様な回路構成であり、裏後右昇降駆動モータ3654を駆動制御するドライバIC1720c2a12に設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a12の一端は、+12V電源ラインと電気的に接続されている。+12V用ヒューズEF12a12の他端は、ツェナーダイオードED71のアノード端子と電気的に接続されるとともに、裏後右昇降駆動モータ3654へ電源を供給するMOT12+12Vという電源ラインとしてコネクタの端子と電気的に接続される。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、4チャネルのローサイドドライバ、過電流保護部、短絡保護部、サーマルシャットダウン部、低電圧ロックアウト部、誘導負荷によって発生するターンオフ過渡電圧をクランプするダイオード、シリアルインタフェース等を備えており、初段のドライバIC1720c2a1から最終段のドライバIC1720c2a12までに亘って電気的に数珠繋ぎされるデイジーチェーン接続されている。ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、過電流保護部による情報(電流状態を示すステータス情報)、短絡保護部による情報(短絡の有無を示すステータス情報)、サーマルシャットダウンによる情報(過熱によりシャットダウンしている状態を示すステータス情報)、低電圧ロックアウト部による情報(入力電圧が予め定めた電圧より低下した場合にスタンバイ状態を示すステータス情報)を、シリアルインタフェースを介して読み取ることができるようになっている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子14(SDATIN端子)は、シリアルデータ入力端子であり、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の15端子(SDATOUT)は、シリアルデータ出力端子である。周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aからのシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATが周辺制御基板1510のコネクタ、周辺制御基板1510と演出駆動基板1720との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)、演出駆動基板1720のコネクタ、上述した図示しない演出駆動入力回路、抵抗ER60を介して、まず初段のドライバIC1720C2a1の端子14に入力されると、15端子からシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATを出力し、抵抗ER64を介して、この初段のドライバIC1720c2a1の後段となるドライバIC1720c2a2の端子14へ入力される。
ドライバIC1720c2a2は、その15端子からシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATを後段のドライバICであるドライバIC1720c2a3へ出力する。そして、最終段のドライバであるドライバIC1720c2a12の1つ前のドライバであるドライバIC1720c2a11の15端子から出力されるシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATは、抵抗ER82を介して、後段となる最終段のドライバIC1720c2a12の端子14へ入力される。このように、電気的に数珠繋ぎされるデイジーチェーン接続された初段のドライバIC1720C2a1から最終段のドライバIC1720C2a12までに亘って、シリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATが送られる。
なお、ドライバIC1720c2a12は、最終段のドライバICであるため、後段のドライバICが存在しない。このため、最終段のドライバIC1720c2a12の15端子(SDATOUT)は、外部と未接続となっている。
また、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aからのシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATには、遊技盤5側の駆動モータを駆動するための駆動データのほかに、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の内部状態をステータス情報により確認するためのコマンド(ステータス情報取得データ)がある。ステータス情報には、過電流保護部による情報(電流状態を示すステータス情報)、短絡保護部による情報(短絡の有無を示すステータス情報)、サーマルシャットダウンによる情報(過熱によりシャットダウンしている状態を示すステータス情報)、低電圧ロックアウト部による情報(入力電圧が予め定めた電圧より低下した場合にスタンバイ状態を示すステータス情報)が含まれている。ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、後述する端子16(FAULT)からステータス情報をシリアルデータとして出力する。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13(SCLK端子)は、シリアルクロック信号入力端子である。周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aからのシリアルクロック信号である駆動モータ用クロック信号SCLKが周辺制御基板1510のコネクタ、周辺制御基板1510と演出駆動基板1720との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)、演出駆動基板1720のコネクタを介して演出駆動基板1720に入力される。演出駆動基板1720に入力されたシリアルクロック信号である駆動モータ用クロック信号SCLKは、上述した図示しない演出駆動入力回路を介してドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13へ向かって分岐される。例えば、図示しない演出駆動入力回路を介して分岐されたシリアルクロック信号である駆動モータ用クロック信号SCLKは、抵抗ER61を介してドライバIC1720c2a1の端子13へ入力され、抵抗ER64を介してドライバIC1720c2a2の端子13へ入力され、・・・抵抗ER83を介してドライバIC1720c2a12の端子13へ入力される。つまり、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13は、電気的に数珠繋ぎされるデイジーチェーン接続されたシリアルデータが入力されるドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子14と異なり、パラレルに電気的に接続されている。
なお、抵抗ER60〜抵抗ER83は、シリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATを伝送する経路における信号の反射を低減するダンピング抵抗として機能するものである。これは、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の入力端子のうち、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13,端子14がシリアル通信に関する信号が入力される端子であり、他の入力端子と比べて信号の伝送速度が速くためである。なお、他の入力端子である後述する端子11(LATCH端子)、端子8(ENBL端子)にダンピング抵抗を設けても問題ない。例えば、集合抵抗(抵抗アレイ)を複数の基板で共通使用する部品である場合には、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13,端子14をそれぞれ面実装タイプの抵抗(SMDタイプの抵抗)を実装する場合と比べて、部品点数の削減となるし、集合抵抗(抵抗アレイ)を用いた場合に実装密度の点で優位となる場合もある。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子11(LATCH端子)は、ラッチ信号入力端子である。周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aからのラッチ信号である駆動モータ用ラッチ信号SLATが周辺制御基板1510のコネクタ、周辺制御基板1510と演出駆動基板1720との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)、演出駆動基板1720のコネクタを介して演出駆動基板1720に入力される。演出駆動基板1720に入力されたラッチ信号である駆動モータ用ラッチ信号SLATは、上述した図示しない演出駆動入力回路を介してドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子11へ向かって分岐される。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子8(ENBL端子)は、イネーブル信号入力端子であり、本実施形態では演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子8は、内部においてプルダウンされているが、演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されることで、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子11にラッチ信号である駆動モータ用ラッチ信号SLATが入力されてその論理が取込許可論理(例えば、HI)であるときには、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13に入力されるクロック信号である駆動モータ用クロック信号SCLKに基づいてドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子14に入力されたシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATをそれぞれ取り込み、この取り込んだシリアルデータをパラレルデータに変換して後述する出力端子3,4,6,7から出力する。これに対して、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12は、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子11にラッチ信号である駆動モータ用ラッチ信号SLATが入力されてその論理が取込非許可論理(例えば、LOW)であるときには、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子13に入力されるクロック信号である駆動モータ用クロック信号SCLKに基づいてドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子14に入力されたシリアルデータである駆動モータ用駆動データ信号SDATをそれぞれ取り込まず、現状の出力状態を維持する(つまり、前回取り込んで変換して出力端子3,4,6,7から出力している状態を維持する)。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子9(RESET端子)は、リセット信号入力端子であり、本実施形態では演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。リセット信号入力端子を演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続することにより、ノイズ等の外乱によりドライバIC1720c2a1〜1720c2a12が、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aが意図せずに、リセットされることを防止している。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子5(GND端子)は、グランド端子であり、演出駆動基板1720のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子1(VM端子)は、電源入力端子であり、周辺制御基板1510のコネクタ、周辺制御基板1510と演出駆動基板1720との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)、演出駆動基板1570のコネクタ、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12を介して供給される+12V電源ラインと電気的に接続されるとともに、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12にそれぞれ設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a1〜EF12a12の一端とも電気的に接続されている。なお、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12にそれぞれ設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a1〜EF12a12の他端は、上述したように、ツェナーダイオードED60〜ED71のアノード端子と電気的にそれぞれ接続されるとともに、遊技盤5側の駆動モータへ電源を供給するMOT1+12V〜MOT12+12という電源ラインとしてコネクタの端子と電気的にそれぞれ接続される。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子2(VCLAMP端子)は、クランプ電圧を出力する出力端子であり、ツェナーダイオードED60〜ED71のカソード端子と電気的にそれぞれ接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子3(OUT1端子)は、負荷1への出力端子であり、遊技盤5側の駆動モータのA相を励磁する電流が流れるMOT1−A〜MOT12−Aとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子4(OUT2端子)は、負荷2への出力端子であり、遊技盤5側の駆動モータのB相を励磁する電流が流れるMOT1−B〜MOT12−Bとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子6(OUT3端子)は、負荷3への出力端子であり、遊技盤5側の駆動モータの/A相を励磁する電流が流れるMOT1−/A〜MOT12−/Aとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子7(OUT4端子)は、負荷4への出力端子であり、遊技盤5側の駆動モータの/B相を励磁する電流が流れるMOT1−/B〜MOT12−/Bとしてコネクタの端子と電気的に接続されている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子10(NC端子)は、外部と未接続となっている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子10(NC端子)は、外部と未接続となっている。
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子16(FAULT端子)は、シリアルデータ出力端子であり、過電流保護部による情報(電流状態を示すステータス情報)、短絡保護部による情報(短絡の有無を示すステータス情報)、サーマルシャットダウンによる情報(過熱によりシャットダウンしている状態を示すステータス情報)、低電圧ロックアウト部による情報(入力電圧が予め定めた電圧より低下した場合にスタンバイ状態を示すステータス情報)が含まれるステータス情報をシリアルデータであるエラー信号1〜エラー信号12として出力する。ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子16(FAULT端子)から出力されるシリアルデータであるエラー信号1〜エラー信号12は、演出駆動基板1720のロジック回路1720c2bによる論理和の回路(OR回路)に入力されて演算され、この演算結果がシリアルデータとしてドライバ回路エラー信号が演出駆動基板1720の図示しない演出駆動出力回路、演出駆動基板1720のコネクタ、演出駆動基板1720と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)、周辺制御基板1510のコネクタを介して、周辺制御基板1510へ出力される。
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、図示しない周辺制御入力回路を介して、シリアルデータであるドライバ回路エラー信号が入力される。エラー信号1〜エラー信号12は、上述したように、演出駆動基板1720のロジック回路1720c2bによる論理和の回路(OR回路)により演算されるため、周辺制御IC1510aは、ドライバ回路エラー信号に含まれるステータス情報に基づいて、演出駆動基板1720のドライバIC1720c2a1〜1720c2a12のうち、どのドライバICのステータス情報であるのかを個別に判別することができないものの、演出駆動基板1720のドライバIC1720c2a1〜1720c2a12というドライバIC群に不具合が発生しているか否かを判断することができ、エラー報知を遊技盤5に備える各種演出装置(各種LEDや演出表示装置1600)や扉枠3に備える各種演出装置(各種LEDや演出操作ボタンユニット360)を制御して行うことができる。
なお、本実施形態では、エラー信号1〜エラー信号12は、上述したように、演出駆動基板1720のロジック回路1720c2bによる論理和の回路(OR回路)により演算されるため、周辺制御IC1510aは、ドライバ回路エラー信号に含まれるステータス情報に基づいて、演出駆動基板1720のドライバIC1720c2a1〜1720c2a12のうち、どのドライバICのステータス情報であるのかを個別に判別することができないが、これに代えて、エラー信号1〜エラー信号12が周辺制御IC1510aに入力できるような回路構成を採用してもよい。こうすれば、ドライバ回路エラー信号に含まれるステータス情報に基づいて、演出駆動基板1720のドライバIC1720c2a1〜1720c2a12のうち、ステータス情報とドライバICとを対応付けて把握することができるため、どのドライバICに不具合が発生しているか否かを判断することができる。
[11−3−2b.+12V系ドライバICに設けられるヒューズの配置]
ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12に設けられるヒューズである+12V用ヒューズEF12a1〜EF12a12は、遊技盤5側の駆動モータを駆動するドライバIC1720c2a1〜1720c2a12へ過電流という大電流が流れて発熱する場合があるため、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の近傍(特に、ドライバIC1720c2a1〜1720c2a12の端子1(VM端子),端子2(VCLAMP端子)の近傍)又は上述したMOT1+12V〜MOT12+12Vという電源ライン、MOT1−Aライン〜MOT12−Aライン、MOT1−Bライン〜MOT12−Bライン、MOT1−/Aライン〜MOT12−/Aライン、MOT1−/Bライン〜MOT12−/Bラインとして接続されるコネクタの近傍(特に、MOT1+12V〜MOT12+12Vという電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
[11−3−3.ヒューズが実装される基板の表面(ヒューズ実装面)側の銅箔面]
ヒューズが実装される基板の表面(ヒューズ実装面)側の銅箔面について説明する。ヒューズとしては、図213に示した、周辺制御基板1510の+5V用ヒューズSF5、周辺制御基板1510の+12V用ヒューズSF12、周辺制御基板1510の+24V用ヒューズSF24、周辺制御基板1510の制御電源用ヒューズSF3、演出表示装置1600の+12V用ヒューズPF12,PF12a1,PF12a2、演出駆動基板1720の+5V用ヒューズEF5、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12、演出駆動基板1720の+12V系ドライバ回路1720c2に設けられるヒューズ(図223に示した+12V用ヒューズEF12a1〜EF12a12)、演出駆動基板1720の+24V用ヒューズEF24、演出駆動基板1720の+24V系ドライバ回路1720c1に設けられるヒューズ(図223に示した+24V用ヒューズEF24a1,EF24a2)、遊技盤5の各装飾基板の+12V用ヒューズDF12のほかに、扉枠3の各駆動基板の+12V用ヒューズ,+24V用ヒューズ、扉枠3の各装飾基板の+12V用ヒューズ等がある。
本実施形態におけるこれらの各ヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものが採用されており、各基板の表面(実装面)側の銅箔面に実装されているため、ここでは、演出駆動基板1720の+12V用ヒューズEF12と、演出駆動基板1720の+12V系ドライバIC1720c2に設けられるヒューズのうち、裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1に設けられるヒューズEF12a1と、が実装される演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)側の銅箔面について説明し、各ヒューズの選定方法について説明する。
[11−3−3a.+12V用ヒューズが実装される演出駆動基板の表面(ヒューズ実装面)側の銅箔面]
+12V用ヒューズEF1が実装される演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、図224(a)に示すように、コネクタの各端子(リードタイプのコネクタ)が挿通されるための円形状を有するコネクタハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)が上下方向に沿って2列に整列して複数形成されている。複数のコネクタハンダ付け用銅箔のうち、最上部であって左側を1番端子、右側を2番端子には、電源用端子が割り振られ、1番端子の下方に3番端子、2番端子の下方に4番端子には、GND用端子(グランド用端子)が割り振られ、図示しない他の端子には制御信号が割り振られている。演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、複数のコネクタハンダ付け用銅箔のうち電源用端子として割り振られる2番端子の近傍に、+12V用ヒューズEF12を実装するための上下方向に長い矩形形状を有する一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpb(いわゆる、「パッド」)のうちコネクタ側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpaが配置されるように形成されており、1番端子のランドと2番端子のランドとヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpaとを電気的に接続するコネクタ側配線パターン1720xpaが形成されている。
コネクタがコネクタハンダ付け用銅箔に挿通されて演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yにおいてハンダ付けされるとともに、+12V用ヒューズEF12の一対の端子が一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpbにそれぞれ置かれてハンダ付けされると、コネクタの長手方向と、+12V用ヒューズEF12の長手方向と、が互いに垂直に配置されている。
一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpbのうち、コネクタから離れたヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpbの近傍には、スルーホールEF12tが上下方向に沿って3列に整列して複数形成されており、3列に整列して複数形成されるスルーホールEF12tの上下方向の距離寸法、左右方向の距離寸法は、ヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpbの上下方向の距離寸法、左右方向の距離寸法と比べてどちらも約二回りほど大きい。このスルーホールEF12tは、演出駆動基板1720の両面(表面(ヒューズ実装面)及び裏面(ヒューズ非実装面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続するものであり、演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yには、スルーホールEF12tと対応する位置にスルーホールEF12tを覆う図示しない矩形状を有する銅箔領域が他の領域(演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yに形成される銅箔の領域)と電気的に接続されない島として形成されている。
演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpbのうち、コネクタから離れたヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpbと、スルーホールEF12tと、を電気的に接続して後続の図示しない複数の電子部品や後続の基板(遊技盤5の各装飾基板)へ+12V電源ラインを供給するための後続側配線パターン1720xpbが形成されている。
後続側配線パターン1720xpbの線幅Pw2は、コネクタ側配線パターン1720xpaの線幅Pw1と比べて大きく、本実施形態では約2倍大きく形成されている。コネクタ側配線パターン1720xpaが電気的に接続されるコネクタハンダ付け用銅箔は、上下左右方向に近接して配置して形成されるため、配線パターンの線幅を太くすることが難しいものの、+12V電源ラインを供給する電流が流れる配線パターンを細い線で演出駆動基板1720内を引き回すと、+12V用ヒューズEF12に選定した容量内において配線パターンが焼き切れるおそれがある。そこで、本実施形態では、コネクタ側配線パターン1720xpaの線幅Pw1を大きく確保することが難しいため、コネクタ側配線パターン1720xpaの線長をできるだけ短くできるように、複数のコネクタハンダ付け用銅箔のうち電源用端子として割り振られる2番端子の近傍に+12V用ヒューズEF12を配置している。
+12V用ヒューズEF12は、電源投入時による突入電流や通常定常電流の使用により溶断してはいけないが、過電流により溶断しなければならない。スルーホールEF12tを設ける理由は、後続側配線パターン1720xpbは+12V電源ラインの電流が流れるため、温度上昇するが、通常使用による温度上昇にともない+12V用ヒューズEF12が溶断しないように、銅メッキされる貫通する孔と、演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yに形成される上述した図示しない矩形状を有する銅箔領域と、により表面積を増やして冷却している。
なお、演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、コネクタハンダ付け用銅箔、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpb、スルーホールEF12tを除いて、所定の色のレジスト液が塗布されて所定の色の塗料で電子部品の向き、部品番号、ピン番号等がシルク印刷により印刷されている。レジスト液の色、塗料の色は、例えば、白色、黄色、緑色、黒色、赤色、青色などがあり、適宜組み合わせて使用される。
[11−3−3b.+12V系ドライバICに設けられるヒューズが実装される演出駆動基板の表面(ヒューズ実装面)側の銅箔面]
演出駆動基板1720の+12V系ドライバIC1720c2に設けられるヒューズのうち、裏後駆動モータ3126を駆動制御するドライバIC1720c2a1に設けられるヒューズEF12a1が実装される演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、図224(b)に示すように、+12V電源ラインを供給する上述した後続側配線パターン1720xpbから分岐した分岐配線パターン1720xpcがドライバIC1720c2a1に設けられるヒューズEF12a1を実装するための左右方向に長い矩形形状を有する一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpa、EF12a1xpb(いわゆる、「パッド」)のうち分岐側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpaが配置されるように形成されており、分岐側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpaと、ドライバIC1720c2a1の端子1(VM端子)が実装される左右方向に長い矩形形状を有するVM端子用銅箔VMp(いわゆる、「パッド」)と、を電気的に接続するVM端子用配線パターン1720xpdが形成されている。なお、演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xには、ドライバIC1720c2a1のVM端子、VCLAMP端子に加えて他の端子に対応しても各端子用配線銅箔(いわゆる、「パッド」)がそれぞれ形成されている。
また、演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、ドライバIC1720c2a1の端子2(VCLAMP端子)が実装される左右方向に長い矩形形状を有するVCLAMP端子用銅箔VCLAMPp(いわゆる、「パッド」)と、ツェナーダイオードED60のアノード端子が実装される上下方向に長い矩形形状を有するアノード端子用銅箔ED60ap(いわゆる、「パッド」)と、VCLAMP端子用銅箔VCLAMPp及びアノード端子用銅箔ED60apを電気的に接続するVCLAMP端子用配線パターン1720xpeと、が形成されている。VCLAMP端子用配線パターン1720xpeの線幅は、VM端子用配線パターン1720xpdの線幅と同一となっている。
また、演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpa、EF12a1xpbのうち、分岐配線パターン1720xpcから離れた(つまり、分岐配線パターン1720xpcと電気的に接続される分岐側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpaと他方となる)ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpbの近傍には、スルーホールEF12a1tが左右方向に沿って2列に整列して複数形成されており、2列に整列して複数形成されるスルーホールEF12a1tの左右方向の距離寸法、上下方向の距離寸法は、ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpbの左右方向の距離寸法、上下方向の距離寸法と比べてどちらも約一回りほど大きい。このスルーホールEF12a1tは、演出駆動基板1720の両面(表面(ヒューズ実装面)及び裏面(ヒューズ非実装面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続するものであり、演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yには、スルーホールEF12a1tと対応する位置にスルーホールEF12a1tを覆う図示しない矩形状を有する銅箔領域(上述したスルーホールEF12tと対応する位置にスルーホールEF12tを覆う図示しない矩形状を有する銅箔領域と異なる銅箔領域)が他の領域(演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yに形成される銅箔の領域)と電気的に接続されない島として形成されている。
演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpa、EF12a1xpbのうち、分岐配線パターン1720xpcから離れた(つまり、分岐配線パターン1720xpcと電気的に接続される分岐側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpaと他方となる)ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpbと、スルーホールEF12a1tと、ツェナーダイオードED60のカソード端子が実装される上下方向に長い矩形形状を有するカソード端子用銅箔ED60kp(いわゆる、「パッド」)と、VCLAMP端子用銅箔VCLAMPp及びアノード端子用銅箔ED60apと、を電気的に接続して裏後駆動モータ3126へ電源を供給するMOT1+12Vという電源ラインを供給するためのモータ側配線パターン1720xpfが形成されている。
ドライバIC1720c2a1に設けられる+12V用ヒューズEF12a1の一対の端子が一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpa、EF12a1xpbにそれぞれ置かれてハンダ付けされるとともに、ツェナーダイオードED60のアノード端子及びカソード端子がアノード端子用銅箔ED60ap及びカソード端子用銅箔ED60kpにそれぞれ置かれてハンダ付けされると、+12V用ヒューズEF12a1の長手方向と、ツェナーダイオードED60の長手方向と、が互いに垂直に配置されている。
分岐配線パターン1720xpcは、上述したように、+12V電源ラインを供給する上述した後続側配線パターン1720xpbから分岐したものであり、その線幅Pa1w1は、上述した後続側配線パターン1720xpbの線幅Pw2と比べて小さいものの、分岐側ヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpaの左右方向の距離寸法と比べて大きく形成されている。分岐配線パターン1720xpcの線幅Pa1w1は、上述したコネクタ側配線パターン1720xpaの線幅と比べて、大きくてもよし、同一でてもよいし、小さくてもよいが、VM端子用配線パターン1720xpdの線幅とVCLAMP端子用配線パターン1720xpeの線幅と比べて大きく形成される。VM端子用配線パターン1720xpdの線幅とVCLAMP端子用配線パターン1720xpeの線幅とは同一であるものの、分岐配線パターン1720xpcの線幅Pa1w1と比べて細く形成されている。
モータ側配線パターン1720xpfの線幅Pa1w2は、分岐配線パターン1720xpcの線幅Pa1w1と比べて大きく、本実施形態では約1.5倍大きく形成されている。+12V電源ラインが供給されるVM端子用配線パターン1720xpd及びVCLAMP端子用配線パターン1720xpeはその線幅は細いのに比べてモータ側配線パターン1720xpfの線幅は太く形成されているのは、モータ側配線パターン1720xpfが裏後駆動モータ3126へ電源を供給するMOT1+12Vという電源ラインを供給するものであり、電流が流れる量が大きいからである。
なお、ドライバIC1720c2a1に設けられる+12V用ヒューズEF12a1は、電源投入時による突入電流や通常定常電流の使用により溶断してはいけないが、過電流により溶断しなければならない。スルーホールEF12a1tを設ける理由は、モータ側配線パターン1720xpfは裏後駆動モータ3126へ電源を供給するMOT1+12Vという電源ラインの電流が流れるため、温度上昇するが、通常使用による温度上昇にともないドライバIC1720c2a1に設けられる+12V用ヒューズEF12a1が溶断しないように、銅メッキされる貫通する孔と、演出駆動基板1720の裏面(ヒューズ非実装面)1720yに形成される上述した図示しない矩形状を有する銅箔領域(上述したスルーホールEF12tと対応する位置にスルーホールEF12tを覆う図示しない矩形状を有する銅箔領域と異なる銅箔領域)と、により表面積を増やして冷却している。
また、演出駆動基板1720の表面(ヒューズ実装面)1720xは、上述したコネクタハンダ付け用銅箔、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12xpa、EF12xpb、スルーホールEF12tのほかに、一対のヒューズハンダ付け用銅箔EF12a1xpa、EF12a1xpb、スルーホールEF12a1t、アノード端子用銅箔ED60ap、カソード端子用銅箔ED60kp、VM端子用銅箔VMp、VCLAMP端子用銅箔VCLAMPp、各端子用配線銅箔を除いて、所定の色のレジスト液が塗布されて所定の色の塗料で電子部品の向き、部品番号、ピン番号等がシルク印刷により印刷されている。レジスト液の色、塗料の色は、例えば、白色、黄色、緑色、黒色、赤色、青色などがあり、適宜組み合わせて使用される。
[11−3−3c.各ヒューズの容量の選定方法]
ここで、各ヒューズの選定方法について簡単に説明する。ヒューズは、電源投入時による突入電流や通常定常電流の使用により溶断してはいけないが、過電流により溶断しなければならない。ところが、ヒューズはその周囲に他の電子部品が実装されて実装密度の状態により、ヒューズ周辺に他の電子部品が過密に実装される実装密度の高い状態と、ヒューズ周辺に他の電子部品が過密に実装されていない実装密度の低い状態と、を比べると、ヒューズ周辺の温度が同一であっても、実装密度の高い状態におけるヒューズ自体の温度が実装密度の低い状態におけるヒューズ自体の温度より高くなる。このため、各ヒューズの周囲温度に加えて、各ヒューズの一対の端子における温度に基づいて各ヒューズの容量が選定されることが好ましい。そこで、本実施形態では、各ヒューズの周囲温度に加えて、各ヒューズの一対の端子における温度に基づいて各ヒューズの容量が選定されている。例えば、基板に実装したヒューズの周囲に発熱体として電子部品を実装し、定格電流比(%)と周囲温度(℃)との関係に基づいて選定する際に、周囲温度としてヒューズ周囲温度を使用するのではなく、ヒューズの端子部の温度を使用する。この選定方法を用いると、例えば、周囲温度としてヒューズ周囲温度を使用して選定したヒューズの容量では、周囲温度としてヒューズの端子部の温度を使用して選定する場合では、選定不可という選定結果となる場合があり、リスクを伴う選定となる。なお、周囲温度としてヒューズ周囲温度を使用して選定しても、周囲温度としてヒューズの端子部を使用して選定しても、どちらの選定においても、選定可という選定結果を有していることがより好ましい。
なお、各ヒューズの容量のうち周辺制御基板1510から供給される+5V電源ラインの大元ヒューズである+5V用ヒューズSF5の容量は、後続基板となる演出駆動基板1720に実装される+5V用ヒューズの容量と比べると、最も大きく、後続基板に実装される+5V用ヒューズは、1つ前の基板に実装されるヒューズの容量と比べて小さくなっているとともに、後続基板に複数のヒューズが実装されている場合には、同一の後続基板のうち、初段のヒューズの容量が1つ前の基板に実装されるヒューズの容量と比べて小さくなっているとともに、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっている。
例えば、+5V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて、小さくてもよい。また例えば、+5V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と同一であってもよい。また例えば、+5V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量と同一であり、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。また例えば、+5V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量は、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。なお、+5V電源ラインにおいて、初段のヒューズの容量として、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて大きくすると、基板への過電流により基板自体が発火するおそれがある。
また、各ヒューズの容量のうち周辺制御基板1510から供給される+12V電源ラインの大元ヒューズである+12V用ヒューズSF12の容量は、後続基板となる演出表示装置1600、演出駆動基板1720、遊技盤5に備える各装飾基板に実装される+12V用ヒューズの容量と比べると、最も大きく、後続基板は、1つ前の基板に実装されるヒューズの容量(1つ前の基板にヒューズが実装されていないときにはヒューズが実装されている前段の基板におけるヒューズの容量。以下、同じ。)と比べて小さくなっているとともに、後続基板に複数のヒューズが実装されている場合には、同一の後続基板のうち、初段のヒューズの容量が1つ前の基板に実装されるヒューズの容量と比べて小さくなっているとともに、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっている。
例えば、+12V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて、小さくてもよい。また例えば、+12V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と同一であってもよい。また例えば、+12V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量と同一であり、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。また例えば、+12V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量は、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。なお、+12V電源ラインにおいて、初段のヒューズの容量として、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて大きくすると、基板への過電流により基板自体が発火するおそれがある。
また、各ヒューズの容量のうち周辺制御基板1510から供給される+24V電源ラインの大元ヒューズである+24V用ヒューズSF24の容量は、後続基板となる演出駆動基板1720に実装される+24V用ヒューズの容量と比べると、最も大きく、後続基板に実装される+24V用ヒューズは、1つ前の基板に実装されるヒューズの容量と比べて小さくなっているとともに、後続基板に複数のヒューズが実装されている場合には、同一の後続基板のうち、初段のヒューズの容量が1つ前の基板に実装されるヒューズの容量と比べて小さくなっているとともに、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっている。
例えば、+24V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて、小さくてもよい。また例えば、+24V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量より小さく、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と同一であってもよい。また例えば、+24V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量が最終段のヒューズの容量と比べて大きくなっており、第一中段のヒューズの容量は、1つ前の初段のヒューズの容量より小さく、第二中段のヒューズの容量は、1つ前の第一中段のヒューズの容量と同一であり、最終段のヒューズの容量は、1つ前の第二中段のヒューズの容量と比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。また例えば、+24V電源ラインにおいて、同一の後続基板に4つのヒューズが設けられている場合には、初段のヒューズの容量は、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて小さくてもよいし、同一であってもよい。なお、+24V電源ラインにおいて、初段のヒューズの容量として、第一中段のヒューズの容量と第二中段のヒューズの容量と最終段のヒューズの容量とを合わせたものと比べて大きくすると、基板への過電流により基板自体が発火するおそれがある。
[12.扉枠に備える各装飾基板]
次に、図75に示した扉枠3に備える各装飾基板について、図225〜図227を参照して詳細に説明する。図225は扉枠に備える各装飾基板の電気的な接続を説明するブロック図であり、図226はLED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板の一例を示すブロック図であり、図227はLED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板の一例を示すブロック図である。ここでは、扉枠3に備える、各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続について説明し、LED定電流駆動回路の概要、LED定電流駆動回路を備える装飾基板について説明する。
まず、扉枠3は、上述したように、扉窓101aの外周を囲うように、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410b、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453がそれぞれ配置されているとともに、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bがそれぞれ配置されている。
皿左上装飾体271は、その後方に、皿左上装飾体271に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左上装飾基板273が配置され、皿左上装飾基板273に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右上装飾体276は、その後方に、皿右上装飾体276に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右上装飾基板278が配置され、皿右上装飾基板278に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、5個)により発光装飾される。皿中央上装飾体312aは、その後方に、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314が配置され、皿中央上装飾基板314に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
扉枠左サイド装飾体404は、その後方に、扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとから構成される扉枠左サイド装飾基板402が配置され、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、左サイド上装飾基板402aには5個、左サイド下装飾基板402bには10個)により発光装飾される。サイド窓内装飾部410bは、サイド窓内装飾部材412の上下方向に複数列設され、その後方に、サイド窓内装飾部材412に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されるサイド窓内装飾部装飾基板413が配置され、サイド窓内装飾部装飾基板413に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、12個)により発光装飾される。扉枠右サイド装飾体419は、その後方に、扉枠右サイド装飾体419に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとから構成される扉枠右サイド装飾基板418が配置され、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、右サイド上装飾基板418aには4個、右サイド下装飾基板418bには10個)により発光装飾される。
扉枠トップ装飾体453は、その後方に、扉枠トップ装飾体453の中央部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ中央装飾基板455が配置され、扉枠トップ装飾体453の左側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ左装飾基板456が配置され、扉枠トップ装飾体453の右側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ右装飾基板457が配置され、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、扉枠トップ中央装飾基板455には11個、扉枠トップ左装飾基板456には7個、扉枠トップ右装飾基板457には6個)により発光装飾される。
皿左下装飾体281は、その後方に、皿左下装飾体281に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左下装飾基板283が配置され、皿左下装飾基板283に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右下装飾体286は、その後方に、皿右下装飾体286に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右下装飾基板288が配置され、皿右下装飾基板288に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿中央下装飾体312bは、その後方に、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央下装飾基板316が配置され、皿中央下装飾基板316に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
なお、扉枠3における皿ユニット200に備える図53に示した演出操作ユニット300は、上述したように、円環を前後に分割したような形態に形成される演出操作リング装飾基板352を備え、演出操作リング装飾基板352は、前側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される前装飾基板352aと、後側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される後装飾基板352bと、から構成されている。図53に示した演出操作ユニット300の回転操作部302は、前装飾基板352aに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、後装飾基板352bに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、により発光装飾される。
このように、扉枠3に備える各装飾基板は、細長い帯板状に形成されている。これにより、遊技盤5の上下方向及び左右方向の距離寸法を大きくすることで、図107に示した遊技盤5に可動体、装飾部材、表示装置等を複数設けることができるし、大型の可動体や大型の表示装置等も設けることができる。
[12−1.各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続]
扉枠3に備える各種装飾体や装飾部に配置される、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、左サイド上装飾基板402a、左サイド下装飾基板402b、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド上装飾基板418a、右サイド下装飾基板418b、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、皿中央下装飾基板316、前装飾基板352a、及び後装飾基板352b等の扉枠側装飾基板と、図32に示した扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105と、の電気的な接続について、図225を参照して簡単に説明する。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、図206に示した周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される、扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1と、扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2と、がそれぞれ独立して入力されている。また、扉枠副中継基板105は、図95に示した電源基板630からインターフェイス基板635を介して供給(出力)される+12V電源ラインと電気的に接続されて+12Vが入力されるとともに、電源基板630からインターフェイス基板635を介してグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に電気的に接続されている。
[12−1−1.扉枠側第1シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、図40に示した皿ユニット200の皿ユニット中継基板214に入力されるとともに、図38に示したハンドルユニット180のハンドル装飾基板184に入力されている。
皿ユニット中継基板214に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び図54に示した演出操作ユニット300の操作部中継基板392にそれぞれ入力されている。
皿左下装飾基板283に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、皿左上装飾基板273にそれぞれ入力されている。つまり、皿左下装飾基板283が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へ伝える橋渡し基板となることで、皿左下装飾基板283と皿左上装飾基板273とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿左下装飾基板283には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿左下装飾基板283と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿左下装飾基板283の後段であって最終段となる)皿左上装飾基板273には、皿左下装飾基板283の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
皿右下装飾基板288に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、皿右上装飾基板278にそれぞれ入力されている。つまり、皿右下装飾基板288が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へ伝える橋渡し基板となることで、皿右下装飾基板288と皿右上装飾基板278とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿右下装飾基板288には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿右下装飾基板288と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿右下装飾基板288の後段であって最終段となる)皿右上装飾基板278には、皿右下装飾基板288の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)が入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
演出操作ユニット300の操作部中継基板392に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、及び演出操作リング装飾基板352の前装飾基板352aにそれぞれ入力されている。
前装飾基板352aに入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)は、後装飾基板352bにそれぞれ入力されている。つまり、前装飾基板352aが扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへ伝える橋渡し基板となることで、前装飾基板352aと後装飾基板352bとが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる前装飾基板352aには、演出操作ユニット300の操作部中継基板392からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、前装飾基板352aと電気的に数珠繋ぎされる(つまり、前装飾基板352aの後段であって最終段となる)後装飾基板352bには、前装飾基板352aの図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左下装飾基板283について簡単に説明すると、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、熱分散回路283c、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を備えている。LED定電流駆動回路283aは、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。定電流駆動回路283xは、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、sdLED1〜sdLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路283xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路283xの発熱の一部を、熱分散回路283cで受け持つことにより、定電流駆動回路283xの発熱を分散することができるようになっている。
なお、皿左下装飾基板283に入力される+12Vは、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、皿左下装飾基板283にハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである+12V用ヒューズSLLDF12を介して+12V電源ラインとなり皿左下装飾基板283に実装されるLED定電流駆動回路283aや皿左下装飾基板283に実装される6個の多色発光可能なフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6に供給されている。
また、例えば、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左上装飾基板273について簡単に説明すると、皿左上装飾基板273は、LED定電流駆動回路273a、熱分散回路273c、6個のフルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を備えている。LED定電流駆動回路273aは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であり、suLED1〜suLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路273xと、suLED1〜suLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路273yと、から主として構成されている。定電流駆動回路273xは、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、suLED1〜suLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路273xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路273xの発熱の一部を、熱分散回路273cで受け持つことにより定電流駆動回路273xの発熱を分散することができるようになっている。
なお、皿左上装飾基板273に入力される+12Vは、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、皿左上装飾基板273にハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである+12V用ヒューズSLUDF12を介して+12V電源ラインとなり皿左上装飾基板273に実装されるLED定電流駆動回路273aや皿左上装飾基板273に実装される6個の多色発光可能なフルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6に供給されている。
[12−1−2.扉枠側第2シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力されるとともに、サイド窓内装飾部装飾基板413、扉枠右サイド装飾基板418の右サイド下装飾基板418b、及び図73に示した扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467にそれぞれ入力されている。
扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力される、+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド上装飾基板402aに入力されている。扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ右装飾基板457に入力されている。
扉枠トップ右装飾基板457に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ中央装飾基板455にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ右装飾基板457が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ右装飾基板457と扉枠トップ中央装飾基板455とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる扉枠トップ右装飾基板457には、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。また、扉枠トップ右装飾基板457と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ右装飾基板457の後段となる)扉枠トップ中央装飾基板455には、扉枠トップ右装飾基板457の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。
扉枠トップ中央装飾基板455に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ左装飾基板456にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ中央装飾基板455が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ中央装飾基板455と扉枠トップ左装飾基板456とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。これに対して、扉枠トップ中央装飾基板455と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ中央装飾基板455の後段であって最終段となる)扉枠トップ左装飾基板456には、扉枠トップ中央装飾基板455の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)が入力される扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bについて簡単に説明すると、左サイド下装飾基板402bは、2つのLED定電流駆動回路402ba,402bb、熱分散回路402bc、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を備えている。
LED定電流駆動回路402baは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED1〜hdLED8に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402baxと、hdLED1〜hdLED8に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bayと、から主として構成されている。定電流駆動回路402baxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402ba、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402bbxと、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bbyと、から主として構成されている。定電流駆動回路402bbxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)のhdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402baの定電流駆動回路402baxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、huLED1〜huLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。LED定電流駆動回路402bbの定電流駆動回路402bbxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、hdLED9,hdLED10、huLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路402baxの発熱の一部を、熱分散回路402bcで受け持つことにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっている。また、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部を、熱分散回路402bcと、左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acと、により定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
このように、定電流駆動回路402baxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcのみにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっているのに対して、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcに加えて、後続の基板となる左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acにより定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
定電流駆動回路402bbxは、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装されるhuLED1〜huLED5に定電流を流すように構成されている。このため、左サイド下装飾基板402bと左サイド上装飾基板402aとの基板間を電気的に接続する作業が必ず伴う。この作業を行う作業者は、その指が左サイド下装飾基板402bのコネクタ、左サイド上装飾基板402aのコネクタ、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bc、又は左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acに触れるため、左サイド下装飾基板402b、及び左サイド上装飾基板402aが静電気による損傷を防止する必要がある。そこで、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、定電流駆動回路402bax,402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、左サイド上装飾基板402aは、上述したように、左サイド下装飾基板402bからの+12V、及びグランド(GND)が入力されるほかに、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すラインがそれぞれ入力されている。左サイド上装飾基板402aは、上述したように、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5のほかに、熱分散回路402acを備えている。熱分散回路402acは、上述したように、定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、左サイド下装飾基板402bに入力される+12Vは、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、左サイド下装飾基板402bにハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである前段+12V用ヒューズLLDF12a1を介して+12V電源ラインとなり左サイド下装飾基板402bに実装されるLED定電流駆動回路402baや左サイド下装飾基板402bに実装される8個の多色発光可能なフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に供給されている。また、左サイド下装飾基板402bに入力される+12Vは、上述した前段+12V用ヒューズLLDF12a1、そして左サイド下装飾基板402bにハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである後段+12V用ヒューズLLDF12a2を介して+12V電源ラインとなり左サイド下装飾基板402bに実装されるLED定電流駆動回路402bbや、左サイド下装飾基板402bに実装される2個の多色発光可能なフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に加えて、左サイド上装飾基板402aに実装される5個の多色発光可能なフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に供給されている。
[12−1−3.発光データ]
ここで、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2について簡単に説明すると、発光データSDAT1,SDAT2は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
[12−2.LED定電流駆動回路の概要]
次に、LED定電流駆動回路の概要について、図226を参照して詳細に説明する。本実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路は、同一の回路であるため、ここでは、皿左下装飾基板283に備えるLED定電流駆動回路283aについて説明する。LED定電流駆動回路283aは、上述したように、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。
[12−2−1.定電流駆動回路]
定電流駆動回路は、出力チャンネルが24本あり、チャンネルごとに、電流を出力することができるようになっている。本実施形態では、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、出力チャンネルLR,LG,LBを個別に制御することにより3本の出力チャンネルを使用している。つまり、本実施形態では、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、リニア電源283xa、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、定電流駆動部283xiから主として構成されている。
[12−2−2.リニア電源]
皿左下装飾基板283に入力される+12Vは、上述したように、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、皿左下装飾基板283にハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである+12V用ヒューズSLLDF12を介して+12V電源ラインとなる。リニア電源283xaは、この+12V電源ラインからの+12Vが入力されて定電流駆動回路283x内で利用する内部電源Vreg(本実施形態では、+5V)を作成して供給することができる回路である。リニア電源283xaにより作成される内部電源Vregは、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiにそれぞれ供給され、この内部電源Vregによりリセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiが動作することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、図95に示した電源基板630から各種基板を介して供給(出力)される+5V電源ラインと電気的に接続されず、独自に+直流5Vを内部電源Vregとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、電源基板630から各種基板を介して供給(出力)される+5V電源ラインを利用すると、この+5V電源ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、+5Vを供給する+5V電源ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズが+5V電源ラインに伝わって+5Vが定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けてLEDのちらつきが発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、電源基板630から各種基板を介して供給(出力)される+5V電源ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、+5V電源ラインと比べて耐ノイズ性が極めて高い+12V電源ラインから定電流駆動回路283xのリニア電源283xaにおいて独自に+5Vを内部電源Vregとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部電源Vregを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部電源Vregに伝わり難くすることができるため、内部電源Vregを安定化することができるようになっている。これにより、内部電源Vregが安定化されることで外来ノイズによるフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6のちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、+5V電源ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[12−2−3.リセット部]
リセット部283xbは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて内部リセット信号RSTを作成して定電流駆動回路283x内に出力し、定電流駆動回路283xを初期化して定電流駆動回路283xを動作開始することができる、いわゆるパワーオンリセット回路である。リセット部283xbから出力される内部リセット信号RSTは、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiに入力されると、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを初期化して、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを動作開始する。
定電流駆動回路283xは、例えば、図211に示した周辺制御基板1510からのリセット信号が入力されず、独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、例えば、周辺制御基板1510からのリセット信号を伝送するライン(以下、「リセット信号伝送ライン」と記載する。)を利用すると、このリセット信号伝送ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、リセット信号を伝えるリセット信号伝送ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズがリセット信号伝送ラインに伝わってリセット信号が定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けて定電流駆動回路283xがリセットされてLEDが消灯するおそれがある。そこで、本実施形態では、リセット信号伝送ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、定電流駆動回路283xのリセット部283xbにおいて独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、外部基板からリセット信号が入力されず、かつ、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部リセット信号RSTを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部リセット信号RSTに伝わり難くすることができるため、内部リセット信号RSTを安定化することができるようになっている。これにより、内部リセット信号RSTが安定化される(つまり、定電流駆動回路283xの初期化が安定化される)ことで外来ノイズによる定電流駆動回路283xがリセットされず、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8に対応するフルカラーLEDを構成するLED素子の予期せぬ消灯やちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、リセット信号伝送ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[12−2−4.バッファ]
データライン用バッファ283xcは、定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)を伝送するライン(以下、「データライン」と記載する。)からシリアルデータが入力されてシリアルデータを伝える信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。クロックライン用バッファ283xdは、定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)を伝送するライン(以下、「クロックライン」と記載する。)からクロック信号が入力されてクロック信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。
データラインとクロックラインとは、上述したように、複数の基板や中継基板をまたいで伝送されている。このため、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなってノイズが侵入し易くなる。そこで、本実施形態では、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとを定電流駆動回路283xに備えることで、定電流駆動回路283xに入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、ロジック処理部283xg、そして後続の基板に伝えないように、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて波形を整形するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなる場合であっても、ノイズに強い、データラインとクロックラインとを形成することができる。これにより、ノイズに強い信号伝送を実現することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。
[12−2−5.アドレス設定部]
アドレス設定部283xeは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて、図示しない3つのID抵抗により64通りのアドレスを定電流駆動回路283xのID(個体を識別することができるID)として設定することができるようになっている。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xの個体を識別することができるIDは、図示しない3つのID抵抗というハードウェアの構成によってアドレス設定部283xeにより予め設定されるようになっているものであって、ソフトウェアによるデータを受信して適宜設定されるものでない。
[12−2−6.発振器、ロジック処理部]
ロジック処理部283xgは、データライン用バッファ283xcにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)と、クロックライン用バッファ283xdにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)と、が入力されている。ロジック処理部283xgは、アドレス設定部283xeが設定する自身のIDであるアドレスに基づいて、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれているときには、このシリアルデータから階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、発振器283xfからの信号(制御クロック信号)に基づいて、出力チャンネルにおける階調度をPWM部283xhに設定する制御を行う一方、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれていないときには、このシリアルデータにおける階調情報を取り込まず、PWM部283xhに設定される現状の内容を維持する制御を行う。
[12−2−7.PWM部]
PWM部283xhは、各出力チャンネルにおけるLEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0(ゼロ)〜階調度127という合計128段階で階調制御することができるものであり、1つの出力チャンネルに対して図示しない1つのPWM階調制御部により階調制御されるようになっている。つまりPWM部283xhは、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8と対応するPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24を個別(つまり24個のPWM階調制御部)に備えている。これらのPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24は、階調度がそれぞれ設定されると、この設定された階調度となる電流を流すように定電流駆動部283xiの制御を行う。
[12−2−8.定電流駆動部]
定電流駆動部283xiは、上述したPWM部283xhに備えるPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24に設定される階調度となるように、1つの出力チャンネルに対して1つの図示しない定電流ドライバによりフルカラーLEDを構成するLED素子に定電流を流すものである。つまり定電流駆動部283xiは、PWM階調制御部1〜PWM階調制御部24と対応して定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24を個別(つまり24個の定電流ドライバ)に備えている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8には、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16には、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24には、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子は、+12V電源ラインと電気的に接続されて+12Vが入力されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLR1〜LR8(つまり定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的にそれぞれ接続され、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する緑色(g)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLG1〜LG8(つまり定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLB1〜LB8(つまり定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24側へ吸い込むことができるようになっている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子を発光することができる。
このように、LED定電流駆動回路は、LED素子を24個、つまり8個のフルカラーLEDを個別に設定された定電流で発光することにより調光点灯することができるため、このよう調光点灯により、消灯、一の階調による点灯、一の階調による点滅などを行うことができるようになっている。
[12−2−9.最大電流設定回路]
最大電流設定回路は、上述した、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrと、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgと、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbと、から構成されている。
抵抗Rrの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8と電気的に接続されるとともに、抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rgの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16と電気的に接続されるとともに、抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rbの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24と電気的に接続されるとともに、抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
[12−3.LED定電流駆動回路を備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を備える装飾基板について、図226及び図227を参照して詳細に説明する。ここでは、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板について説明し、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板について説明する。なお、扉枠3の各装飾基板に備える上述したLED定電流駆動回路は、同一の回路として構成されている。このため、図226及び図227には、説明の便宜上、上述した出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を同一の符号で示した。
[12−3−1.LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板]
まず、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、例えば、図226に示すように、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6、熱分散回路283cを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
皿左下装飾基板283は、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、+12V、及びグランド(GND)が皿ユニット200の皿ユニット中継基板214介して入力されている。皿左下装飾基板283に入力される+12Vは、上述したように、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、皿左下装飾基板283にハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである+12V用ヒューズSLLDF12を介して+12V電源ラインとなる。この+12V電源ラインから供給される+12Vは、LED定電流駆動回路283aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRg1〜sdRg6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRb1〜sdRb6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路283aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路283aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱の一部を、熱分散回路283cを構成する、熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6,sdRg1〜sdRg6,sdRb1〜sdRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)は、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)を介して、皿左上装飾基板273に入力されるとともに、+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283を介して皿左上装飾基板273に入力される。これにより、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)に入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、後続の基板である皿左上装飾基板273に伝えないように、LED定電流駆動回路283aにおいて(上述した定電流駆動回路283xに備えるデータライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて)波形を整形することができるようになっている。
皿左上装飾基板273に入力される+12Vは、上述したように、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、皿左上装飾基板273にハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである+12V用ヒューズSLUDF12を介して+12V電源ラインとなる。この+12V電源ラインから供給される+12Vは、LED定電流駆動回路273aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRr1〜suRr6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRg1〜suRg6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRb1〜suRb6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路273aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路273aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱の一部を、熱分散回路273cを構成する、熱分散抵抗suRr1〜suRr6,suRg1〜suRg6,suRb1〜suRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、皿左下装飾基板283、皿左上装飾基板273のほかに、皿右下装飾基板288、皿右上装飾基板278、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457がある。
[12−3−2.LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、例えば、図227に示すように、左サイド下装飾基板402bは、LED定電流駆動回路402ba,402bb、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10、熱分散回路402bcを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
左サイド下装飾基板402bは、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、+12V、及びグランド(GND)が入力されている。左サイド下装飾基板402bに入力される+12Vは、上述したように、扉枠3側の各装飾基板に設けられる+12V用ヒューズとして、左サイド下装飾基板402bにハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである前段+12V用ヒューズLLDF12a1を介して+12V電源ラインとなる。この+12V電源ラインから供給される+12Vは、LED定電流駆動回路402baに入力されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうちhdLED1〜hdLED8を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。また、左サイド下装飾基板402bに入力される+12Vは、上述したように、前段+12V用ヒューズLLDF12a1、そして左サイド下装飾基板402bにハンダ付けされて表面実装される表面実装タイプのチップヒューズである後段+12V用ヒューズLLDF12a2を介して+12V電源ラインとなる。この+12V電源ラインから供給される+12Vは、LED定電流駆動回路402bbに入力されるとともに、hdLED1〜hdLED10のうちhdLED9,hdLED10を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されているとともに、左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
本実施形態では、上述したように、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。このため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対してはLED定電流駆動回路402baにより発光態様が制御されるとともに、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対してはLED定電流駆動回路402bbにより発光態様が制御されるようになっている。また、LED定電流駆動回路402bbは、自身が実装される基板(つまり左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5の発光態様を制御するようになっている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対して、フルカラーLEDであるhdLED1〜sdLED8を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLR1〜LR8(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg1〜hdRg8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLG1〜LG8(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb1〜hdRb8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLB1〜LB8(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続されている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対して、フルカラーLEDであるhdLED9,sdLED10を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr9,hdRr10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR1,LR2(上述した定電流ドライバ1,定電流ドライバ2)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg9,hdRg10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG1,LG2(上述した定電流ドライバ9,定電流ドライバ10)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb9,hdRb10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB1,LB2(上述した定電流ドライバ17,定電流ドライバ18)と電気的に接続されている。
また、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対して、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRr1b〜huRr5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRr1a〜huRr5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR3〜LR7(上述した定電流ドライバ3〜定電流ドライバ7)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRg1b〜huRg5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRg1a〜huRg5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG3〜LG7(上述した定電流ドライバ11〜定電流ドライバ15)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRb1b〜huRb5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRb1a〜huRb5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB3〜LB7(上述した定電流ドライバ19〜定電流ドライバ23)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR8,LG8,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路402baは、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402baxにおけるデータライン用バッファ402baxc、クロックライン用バッファ402baxdを介して入力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を個別に制御して調光点灯するとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402baは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のhdLED1〜hdLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱の一部を、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8,hdRg1〜hdRg8,hdRb1〜hdRb8で受け持つことによりLED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱を分散することができるようになっている。
LED定電流駆動回路402bbは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に流れる定電流を吸い込むとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱の一部を、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に対しては、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr9,hdRr10,hdRg9,hdRg10,hdRb9,hdRb10で受け持つとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対しては、左サイド下装飾基板402bにおける熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗huRr1a〜hudRr5a,huRg1a〜huRg5a,huRb1a〜huRb5aと、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散回路402acを構成する、熱分散抵抗huRr1b〜hudRr5b,huRg1b〜huRg5b,huRb1b〜huRb5bと、で受け持つことによりLED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、上述したように、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、左サイド下装飾基板402bのほかに、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド下装飾基板418b、及び扉枠トップ中央装飾基板455がある。
また、LED定電流駆動回路を全く備えない装飾基板として、左サイド上装飾基板402aのほかに、右サイド上装飾基板418aがある。
[13.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図137に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図228〜図233を参照して説明する。図228は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図229は図228の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図230は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図231は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図232は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートであり、図233はエラー表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、設定値確認表示処理、エラー表示処理について説明する。
[13−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数と、この特別乱数の初期値の決定に用いるための当り判定用初期値決定乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄や小当り図柄の決定(当り種別の決定)に用いるための図柄乱数と、この図柄乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受け入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、特別乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
[13−2.初期値更新型のカウンタの動き]
例えば、特別乱数は、主制御MPUに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御基板1310のRAMクリアスイッチが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、主制御MPUがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPUを製造したメーカによって主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5'に備える主制御MPU'に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5'においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5'、つまり他のパチンコ機1'において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[13−3.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPUが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPUによる制御の下、図228及び図229に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPUは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路からの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。RAMクリアスイッチは、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定では、主制御MPUは、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチが操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPUは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS18の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS−FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定キーONフラグCS−FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定キーONフラグCS−FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS25)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する。
ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS26)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値0であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定する。
ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値0でないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS29)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS29に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作してON操作したのちに、主制御基板1310のRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットするとともに、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定キーONフラグCS−FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)のままで、主制御基板1310のRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットするのに対し、上述したステップS18において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定して、上述したステップS20Bにおいて、設定キーONフラグCS−FLGに値0をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RAMクリアスイッチによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPUに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
ステップS36の判定に続いて、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する。
ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示する。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値1であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御基板1310のRAMクリアスイッチからの信号に基づいてい行う。RAMクリアスイッチは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されるごとにその旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)が入力されて、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作からOFF操作されたことで設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPUに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS−FLGが値0であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPUは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPUは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPUは、主制御基板1310のRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPUの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPUは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36,S28又はステップS40に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPUをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPUに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPUは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPUに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPUは、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPUは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から主制御MPUに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPUは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPUは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPUは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、第二アタッカソレノイド2612、特殊モニタ等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPUは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPUは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPUは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPUは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS28で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPUが設定変更処理を行った場合)には、主制御MPUが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、(結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2〜3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時にRAMクリアスイッチが遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPUが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUが完了することができるようになっているため、主制御MPUの主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2415の駆動状態を指示する情報と、第一アタッカソレノイド2418及び第二アタッカソレノイド2612の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2415の駆動状態を指示する情報と、第一アタッカソレノイド2418及び第二アタッカソレノイド2612の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が第一アタッカソレノイド2418を駆動して第一大入賞口2005が開閉部材により開放されているときや第二アタッカソレノイド2612を駆動して第二大入賞口2006が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、第一アタッカソレノイド2418の駆動を開始して第一大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態や第二アタッカソレノイド2612を駆動して第二大入賞口2006が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば第一大入賞口2005に遊技球が入球して第一大入賞口センサ2402によって検出され、第一大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に第一大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、第一アタッカソレノイド2418の駆動を停止して第一大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、第一アタッカソレノイド2418の駆動を開始して第一大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、第一大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2415を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2415の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、第一アタッカソレノイド2418の駆動を開始して第一大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であって第一アタッカソレノイド2418の駆動を開始して第一大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第一大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2415の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、RAMクリアスイッチが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[13−4.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図228及び図229に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPUは、図230に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPUは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPUは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPUは、例えば、ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3051からの検出信号、第一始動口センサ3052からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、第一大入賞口センサ2402からの検出信号、第二大入賞口センサ2601からの検出信号、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054からの検出信号、磁気センサ1111,2404,2602,3055からの検出信号、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタンからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ3052からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3052からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2401からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3051からの検出信号、第一始動口センサ3052からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、第一大入賞口センサ2402からの検出信号、第二大入賞口センサ2601からの検出信号、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054からの検出信号、磁気センサ1111,2404,2602,3055からの検出信号、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタンからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPUは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPUの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPUは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPUの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPUは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、図柄乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図229に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、図柄乱数は、当落判定(当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により当り判定用初期値決定乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図229に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPUは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウト口センサ3053からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2010により回収された遊技球をアウト口センサ3053が検出した場合にはアウト口2010により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行い、第一サブアウト口センサ2403からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる第一サブアウト口2011により回収された遊技球を第一サブアウト口センサ2403が検出した場合には、第一サブアウト口2011により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行い、第二サブアウト口センサ3054からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる第二サブアウト口2012により回収された遊技球を第二サブアウト口センサ3054が検出した場合には、第二サブアウト口2012により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。つまり、球数計数処理では、アウト口センサ3053がアウト口2010により回収された遊技球を検出し、第一サブアウト口センサ2403が第一サブアウト口2011により回収された遊技球を検出し、且つ第二サブアウト口センサ3054が第二サブアウト口2012により回収された遊技球を検出した場合には、回収球カウンタの値に値3を加算する演算を行う。主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値を、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)として、主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納するとともに、特殊モニタに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値が最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPUは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、第一大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、ゲート部2003、第一始動口2002、第二始動口2004、及び第一大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPUは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPUは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。電波照射による不正行為(以下、「電波照射ゴト」と記載する。)が行われていると判断すると、電波照射ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この電波ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ1111,2404,2602,3055からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。本実施形態では、このような仕組みによって磁石ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に第一大入賞口センサ2402、又は第二大入賞口センサ2601からの検出信号が入力されているとき(第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、電波照射ゴト及び/又は、磁石ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする一方、電波照射ゴト及び磁石ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD−FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPUは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPUは、上述した不正行為検出フラグFD−FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD−FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力されて本体枠4に対して扉枠3が開放されていると扉枠開放スイッチが検出した場合、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号が入力されて外枠2に対して本体枠4が開放されていると本体枠開放スイッチ4bが検出した場合には、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
ステップS113に続いて、主制御MPUは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。そして特別乱数(つまり、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、図柄乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに大当り種別や小当り種別に応じて予め記憶されている当り種別判定値のいずれと一致するか否かを判定(当り種別を決定)したりする。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ3052によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2401によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるよう第一アタッカソレノイド2418への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、第一大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、時短発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPUは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて普通入賞口入賞処理を行う。この普通入賞口入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2801からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して普通入賞口入賞情報として主制御内蔵RAMの普通入賞口入賞情報記憶領域に記憶する。
この普通入賞口入賞情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順に普通入賞口入賞情報が格納されるようになっている。例えば普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2801からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには普通入賞口入賞情報を普通入賞口入賞情報記憶の第3区画に格納する。
普通入賞口入賞情報は普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。この普通入賞口入賞情報がセットされると、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第3区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画〜第2区画に普通入賞口入賞情報が記憶されている場合には、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第2区画及び普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画〜第3区画に普通入賞口入賞情報が格納されていると、格納された普通入賞口入賞情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述した普通入賞口入賞情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
普通入賞口入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた普通入賞口入賞情報を読み出し、この読み出した普通入賞口入賞情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2415への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本例では普通抽選の当選確率(普通当りとなる確率)は2分の1となっている。
ステップS116に続いて、主制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPUの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPUは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには第一大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行う第一アタッカソレノイド2418に駆動信号を出力したり、第二始動口2004を開閉させるための可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2415に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、小当り情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)を表示する特殊モニタに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPUは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、第一大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に第一大入賞口センサ2402からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定キーのON操作コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPUに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、受信した球回収コマンドごとに、アウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまりアウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまりアウト口2010、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2415や第一アタッカソレノイド2418の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図228に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図229に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[13−5.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPUは、図231に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が図229に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK−FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPUは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1310zを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPUは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPUは、設定切替ボタンが操作されているか否かを判定する(ステップS216)。この判定は、設定切替ボタンからの検出信号を読み取り、設定切替ボタンからの検出信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPUは、設定切替ボタンからの検出信号が入力されているときには設定切替ボタンが操作されていると判定する一方、設定切替ボタンからの検出信号が入力されていないときには設定切替ボタンが操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタンが操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPUは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタンが操作されていないと判定したときには、主制御MPUは、決定キーが操作されたか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から反時計方向へ向かって設定キーシリンダが120度回動操作されて(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することによりことで設定キースイッチ1311aが決定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されているときには決定キーが操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されていないときには決定キーが操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPUは、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定切替ボタンが操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPUは、設定切替ボタンが操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、決定キーが操作されるまで、設定切替ボタンが操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、設定切替ボタンが操作されないと、直前に設定切替ボタンが操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で決定キーが操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPUは、決定キーが操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS226)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS226の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS226の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS226の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS226の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1310zを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPUは、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定変更許可フラグCS−FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPUは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[13−6.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS117において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPUは、図232に示すように、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS350)。この確認表示フラグDCS−FLGは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認するためのフラグであり、設定値を確認表示しているとき値1、設定値を確認表示していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS350の判定において、主制御MPUは、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるとき、つまり設定値を確認表示していないときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS352)。この判定では、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。
ステップS352の判定において、主制御MPUは、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値を確認表示するとして確認表示フラグDCS−FLGに値1をセットし(ステップS354)、続いて、現状の設置値を取得する(ステップS356)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS356に続いて、主制御MPUは、ステップS356で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS357)。「正常範囲」とは、図178の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS356で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS357の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS358)。
ステップS360に続いて、主制御MPUは、設定キーのON操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのON操作コマンドの設定を行い(ステップS360)、本ルーチンを終了する。この設定キーのON操作コマンドは、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのON操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が開始された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定キーのON操作履歴情報(設定値を確認した旨と日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、上述した、球回収履歴情報、設定値履歴情報、エラー表示履歴情報、及び設定キーのON操作履歴情報等の特定履歴情報を表示許可することができるという予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態となる。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、この予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態において特定履歴情報を確認する者が回転操作部302の回転操作及び押圧操作部303の押圧操作を行うことにより、これまで表示していた画像から特定履歴情報を選択表示する特定履歴情報表示画像へ切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行う。
一方、ステップS350の判定において、主制御MPUは、確認表示フラグDCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値を確認表示しているときには、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS362)。この判定では、主制御MPUは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号により行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS362の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、設定値を確認表示しないとして確認表示フラグDCS−FLGに値0をセットし(ステップS364)、続いて、ステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とし(ステップS366)、続いて、設定キーのOFF操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのOFF操作コマンドの設定を行い(ステップS368)、本ルーチンを終了する。この設定キーのOFF操作コマンドは、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのOFF操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのOFF操作コマンドを受信すると、上述した予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立しない状態となる。このとき、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、上述した特定履歴情報表示画像を演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行っていた場合には、特定履歴情報表示画像に切り替える直前まで演出表示装置1600の表示領域に表示されていた画像へ切り替えて元へ戻す制御を行う。
一方、ステップS357の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときには割り込み非許可設定を行う(ステップS370)。この設定により、4msごとに繰り返し行われていた図230に示した主制御側タイマ割り込み処理が停止されることとなる。
ステップS370に続いて、主制御MPUは、エラー表示処理を行い(ステップS372)、続いて、主制御内蔵WDTのクリアを行い続ける無限ループに入る(ステップS374)。この無限ループにより、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることとなるが、これは、主制御内蔵WDTを一度起動すると停止することができないため、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることにより、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることで主制御内蔵WDTによる計時がクリアされ、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。また、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[13−7.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図231に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPUは、図233に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図231に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図231に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
本ルーチンであるエラー表示処理が図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPUは、図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS357の判定において主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定している。主制御MPUは、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定をすでに行っているものの、本ルーチンであるエラー表示処理が開始される前にすでに図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS370において割り込み非許可設定が行われているため、本ルーチンであるエラー表示処理を終了すると、上述したように、無限ループに入るため、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、主制御内蔵RAMの内容に異常がある状態で遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPUは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400のの各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図231に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図229に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図231に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図230に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図228に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図231に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図232に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが回転操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[14.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図234〜図237を参照して説明する。図234は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図235は図234の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図236は図235に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図237は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[14−1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPUによる制御の下、図234〜図236に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPUは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPUの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPUは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPUの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPUは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPUは、主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、RAMクリアスイッチからの操作信号の論理に基づいて、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断してRAMクリアスイッチが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断してRAMクリアスイッチが操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPUの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPUは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPUは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPUは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPUに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPUは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPUは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路から入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPUの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器に表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPUは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RAMクリアスイッチの操作信号(RAMクリア信号)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPUは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPUは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPUは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPUは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPUは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPUは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPUは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPUは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPUは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPUは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPUの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPUは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPUは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPUは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPUは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPUにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[14−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図234〜図236に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPUは、図237に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPUは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[15.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図137に示した、主制御基板1310(主制御MPU)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図238〜図242を参照して説明する。図238は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図239は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図240は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図241は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図242は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御ICは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[15−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図238を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御ICのCPUによる制御の下、図238に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御IC自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御ICのCPUは、まず周辺制御IC自身を初期化する処理を行うが、周辺制御ICを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御ICを初期化することができる。これにより、周辺制御ICのCPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御ICのCPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御ICのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御ICのCPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御ICのCPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御ICのCPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御ICのCPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御ICのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御ICのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値〜第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調節を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
ステップS1014に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御ICのVDPが周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから画像データを読み出して周辺制御ICのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御ICのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等の演出音による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御ICの音源が周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御ICのCPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御ICのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の演出音の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御ICの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行うとともに、演出の各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)の更新を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御ICのCPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。
なお、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御ICは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを周辺制御ROMから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御ICのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御ICのCPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始を指示するための変動パターンコマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、第一大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。また、周辺制御基板1510は受信したコマンドに基づいて予告等に関する抽選処理を実行し、該抽選結果に基づいて画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。これにより周辺制御基板1510の抽選結果に応じた演出が実行されるようになる。
なお、周辺制御ROMには、周辺制御部1511、周辺制御部1511等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータが予め記憶されている。各種スケジュールデータには、演出表示装置1600に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等の演出音を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
ステップS1022に続いて、周辺制御ICのCPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御ICのCPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御ICのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御ICのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御ICのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのVDPに出力する。
周辺制御ICのVDPは、周辺制御ICのCPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAMから画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICの音源は、周辺制御ICのCPUから音指令データが入力されると、SDRAMから音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチの回転位置を特定している。周辺制御ICのCPUは、音量調整スイッチの回転位置と対応する音量となるように、周辺制御ICの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
具体的には、音量調整スイッチを回動操作することにより抵抗値が可変し、音量スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように周辺制御ICの音源を制御して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで調節することができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで、音データ作成処理において音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を基板ボリューム0〜6の7段階の値に変換し、さらに音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧に対して、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして基板ボリュームを設定することで演出音のサブボリューム値を調節できるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。
ここで、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。つまり、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで演出音の音量が調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるようになっている。
このように、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回転操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御ICのCPUが周辺制御ICの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチを回転操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
ステップS1032に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御ICのCPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御ICのCPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから周辺制御ICのCPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[15−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図239に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図238の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図238の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図238の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図238の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図238の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図238の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[15−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図238の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図240に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図238の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図238の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御ICのCPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御ICのCPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのCPUは、周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622から出力される演出音の音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LEDの輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図238の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御ICが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[15−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御ICのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図241に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御ICのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御ICのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[15−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御ICのCPUは、図242に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御ICのCPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御ICが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御ICのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御ICのCPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御ICのCPUにリセットがかからない。なお、周辺制御ICのCPUにリセットがかかると、図238に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御ICのCPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図243は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS106)、同図243に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3052による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS231)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS232)。また、上記第二始動口センサ2401による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS233)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS235A)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。また、「5R大当り」を示唆する態様となったときに、5R大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2005を開閉制御する処理を実行し、「2R大当り」を示唆する態様となったときに、2R大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理(ステップS235A)では、第一大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、時短状態中に第一特別図柄の変動停止時における抽選処理の結果が「2R大当り」を示唆する態様となったことに基づく2R大当り遊技状態を終了するとき、「5R大当り」を示唆する態様となったことに基づく5R大当り遊技状態を終了するとき、時短状態中及び非時短状態中に15R大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図254に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する場合には当該大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる。そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図254に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS238)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS239)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図244は、上記第一始動口通過処理(ステップS232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS231の処理において、上記第一始動口センサ3052がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図244に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS241の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS242)。このステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS243〜S245の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS244の処理として、上記ステップS241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS241で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS245)、処理を終了する。
ただし、上記ステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS243〜ステップS245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4(特別図柄1記憶コマンド0〜4))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第一保留数指定コマンド0〜4(特別図柄1記憶コマンド0〜4)を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図245は、上記演出事前判定処理(ステップS245)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS241で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS261)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS245で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS262)。
そして、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御ICのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御ICは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図246は、上記第二始動口通過処理(ステップS234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS233の処理において、上記第二始動口センサ2401がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図246に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS251の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「1」であるか否かの判断を行う(ステップS252)。このステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS253〜S254の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS254の処理として、上記ステップS251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS253〜ステップS254の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1)を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づく第一保留記憶数の上限は「4」にされる一方、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づく第二保留記憶数の上限は「1」にされている。なお、第二始動口2004は時短状態中に多数の遊技球が入球可能になるものであり、第二特別図柄の変動時間が通常状態時よりも短縮されるため、第二保留記憶数の上限が「1」とされていても第二特別図柄の変動表示が行われない期間が長く続いたり、第二保留記憶数が上限となっている期間が長く続くことで第二始動口2004に遊技球が入球しても大当りの抽選の機会が得られなかったりという遊技者に不利な状態となることは抑制されている。
図247は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS282)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図274参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図248は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図248に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS302の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS305の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS306)、この処理を終了する。
図249は、上記当り判定処理(ステップS305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、図185(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理を実行している場合にはステップS302で読み出した第一特別乱数、第二特別図柄通常処理を実行している場合には当該第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS311)。
図250(A)に示す当り判定テーブルは、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、3/319の小当り確率で第一特別乱数が小当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。また、本例では第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、144/319の小当り確率で第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルに比べて第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、小当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合の方が遊技者に有利な状態とされるようになっている。また、高確率時の当り判定テーブルでは、低確率時の当り判定テーブルに比べて設定値毎の大当り確率が10倍に高められるように構成されている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS312)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS313)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS314)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS315)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS316)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS316)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS317)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS318)。
図251は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図251に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS321)や小当りフラグがセットされているか否か(ステップS324)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS321で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図250(B)に示す大当り図柄決定テーブルとを比較することにより大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS322)。
具体的には、
1.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記第一大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させるとともに、通常よりも高い確率で特別抽選結果の抽選を行う高確率時短状態に制御する15R確変大当り
2.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記第一大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを5回(5ラウンド)繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な5R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させる5R時短大当り、
3.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記第一大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する2R大当り、
の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
また、第二特別図柄の変動制御停止時の態様(第二特別図柄の停止図柄)は、
具体的には、
1.第二大入賞口2006を長時間開放(例えば29秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球.が10個入賞したことが上記第二大入賞口センサ2601で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球が第二大入賞口2006に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させるとともに、通常よりも高い確率で特別抽選結果の抽選を行う高確率時短状態に制御する15R確変大当り
2.第二大入賞口2006を長時間開放(例えば29秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球が10個入賞したことが上記第二大入賞口センサ2601で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを5回(5ラウンド)繰り返すことで遊技球が第二大入賞口2006に入球可能(容易)な5R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させる5R時短大当り、
3.第二大入賞口2006を長時間開放(例えば29秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球が10個入賞したことが上記第二大入賞口センサ2601で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返すことで遊技球が第二大入賞口2006に入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する2R大当り、
の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R確変大当りとなる場合に8個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りとなる場合に100個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に92個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には4%の確率で15R大当りとなり、50%の確率で5R大当りとなり、46%の確率で2R大当りとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R確変大当りとなる場合に92個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りとなる場合に100個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に8個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には46%の確率で15R確変大当りとなり、50%の確率で5R大当りとなり、4%の確率で2R大当りとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルでは、15R確変大当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、2R大当りに決定した場合には大当り図柄として2R大当り図柄に決定し、5R大当りに決定した場合には大当り図柄として5R大当り図柄に決定し、15R大当りに決定した場合には大当り図柄として15R大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていない場合に、小当りフラグがセットされていれば(ステップS324)、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図250(C)に示す小当り図柄決定テーブルとを比較することにより小当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS325)。
具体的には、
1.第二大入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回実行して遊技球が第二大入賞口2006に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御する第一小当り
2.第二大入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを9回実行して遊技球が第二大入賞口2006に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御する第二小当り
の2種類の小当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第一小当りとなる場合に200個の判定値が振り分けらている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には100%の確率で第一小当りとなり、第二小当りには当選しない。一方、第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第一小当りとなる場合に20個の判定値が振り分けられ、第二小当りとなる場合に180個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には、10%の確率で第一小当りとなり、90%の確率で第二小当りとなる。
また、小当りの種類を決定すると小当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、第一小当りに決定した場合には小当り図柄として第一小当り図柄に決定し、第二小当りに決定した場合には小当り図柄として第二小当り図柄に決定する。
主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄に決定する(ステップS327)。そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS328の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする(ステップS328)。そしてその後は、ステップS329の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御部1511は、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御部1511は、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから小当り又は2R大当りを特定した場合には小当り図柄(「最終決戦」)に決定し、5R時短大当りを特定した場合には5R時短大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、15R確変大当りを特定した場合には15R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」〜「9」の図柄のうち同一の奇数図柄となる組合せ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」〜「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
なお、本例のパチンコ機1では大当り遊技状態後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が最大で77回実行されるまで時短状態に制御可能とされるが、時短状態に移行制御された後に所定回数の大当りが発生したことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。具体的には、大当り遊技状態後に時短状態に制御し、その後に所定回数(例えば2回)の大当りが発生した場合には、所定回数目の大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御することなく、通常状態に制御するようにしてもよい。また、大当りの発生回数が所定回数未満の場合であっても大当り遊技状態中は非時短状態に制御し、大当り遊技状態後に再び時短状態の制御を行うようにしてもよい。
図252は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図252に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS323で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS342)、小当りフラグがセットされて入れば(ステップS343)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS325で決定した小当りの種類に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS346)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS349)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS350)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS351の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS352)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS353)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態の制御(時短制御)を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS354)。
上記ステップS351の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS353の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS355の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短状態時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短状態時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図253は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図253に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS372)、次にステップS373の処理に移行する。すなわち、このステップS373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図254は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図254に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS382)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS383)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS384)、時短フラグをリセットする(ステップS385)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では、77回)の変動表示が実行されたときに時短制御(時短状態の制御)を終了させて非時短制御(通常状態の制御)を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS386)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS387)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS388)。なお、図示しないがステップS388では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS401)と大入賞口開放中処理(ステップS402)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS402)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS403)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS389)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS387では、大当りの種類(15R確変大当り、5R時短大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R確変大当り開始コマンド、5R時短大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、大当りの種類(15R確変大当り、5R時短大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R確変大当り開始コマンド、5R時短大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS235A)の大入賞口開放後処理(ステップS403)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記第一大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回、5回、又は15回繰り返す開閉制御)及び第二大入賞口2006の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記第二大入賞口センサ2601で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回、5回、又は15回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS235で大当り制御処理(ステップS235A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS386)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS390)、主制御基板1310の主制御MPUは、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS391)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS392)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS393)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS391では、小当りの種類(第一小当り、第二小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、小当りの種類(第一小当り、第二小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS236A)の小当り中処理(ステップS411)で小当りの種類に応じた第二大入賞口2006の開閉制御(例えば第二大入賞口2006を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回又は9回繰り返す開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS236で小当り制御処理(ステップS236A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときには次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS394)、ステップS395に移行する。
上記ステップS386〜ステップS394の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS395)、この処理を終了する。
図255は、上記大当り制御処理(ステップS235A)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS401)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を開放状態に制御し、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記第一大入賞口センサ2402で検出されたとき、又は第二大入賞口2006を長時間開放(例えば29秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球が10個入賞したことが上記第二大入賞口センサ2601で検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS402)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS403)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS42の処理において、上記大入賞口開放前処理(ステップS401)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS402)では、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
[ドットマトリクス表示器]
次に、重要な機能を有する表示部として用いられるLEDを搭載する回路基板について説明する。本例において重要な機能を有する表示部とは、遊技者の利益に関わる情報(例えば特別抽選結果、大当りや小当りの種類、特定の大当り(確変大当りや15R大当り等)か否か、高確率状態の制御を実行しているか否か、時短制御を実行しているか否か等)を表示するものを示す。なお、上記したもの以外にも遊技者や遊技店の利益に関わる情報を表示するLEDや、遊技の進行に関わる重要な情報を表示するLEDを実装する回路基板を有する表示部を、重要な機能を有する表示部としてもよい。
図256に示すようにこの例では、裏上演出ユニット3400に代えて重要な機能を有する表示部としてのドットマトリクス表示器7000を設けている。また図257(A)に示すようにドットマトリクス表示器7000は、透光性を有しない有色不透明(本例では白色)の樹脂等によって形成されるケース7100と、ケース7100内に設けられる基板7200と、基板7200の表面(前面)に配列して実装される複数のLED7001と、基板7200の裏面(後面:LED非実装面)に実装される所定色(本例では白色であるが、水色や黄色、緑色等の他の色であってもよい)のコネクタ7002と、ケース7100の表面(前面)側に貼着される透光性フィルム7300と、を有している。なお、基板7200の表面に実装されている複数のLED7001は、多色発光可能なフルカラーLEDであり、LEDパッケージに封入されるLEDベアチップが基板7200の表面(LED実装面)に直接実装されている。また、有色不透明な樹脂としては、白色のほかに、黒色、灰色、赤色、桃色、空色、青色、緑色、黄色等の樹脂であってもよい。
また、ドットマトリクス表示器7000の基板7200に実装される複数のLED7001はそれぞれ別系統に分けられており、複数のLED7001を個々に独立して発光制御できるようになっている。これにより、ドットマトリクス表示器7000の基板7200に実装される複数のLED7001のうち所定のLED7001を発光させることで様々な文字や記号、図形などを表示することができるようになっている。なお、LEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)等では、所定数(2個以上)のLEDからなるグループ毎に発光制御されるようになっており、このグループに含まれる複数のLEDを発光させることで発光装飾体の特定の領域(発光装飾体の全体でもよいし、一部でもよい)を面発光させるようになっている。本例のパチンコ機1では特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選結果に基づいてドットマトリクス表示器7000の基板7200に実装される複数のLED7001それぞれを発光制御して所定の文字や記号、図形などを表示する。
また、ドットマトリクス表示器7000の表面(後述する表面カバー部7110の表面)には一部(貫通部7110aに対応する部分等)が半透明(本例では白濁した摺りガラス状)とされて他の部分が有色不透明(本例では黒色)の透光性フィルム7300が貼着され、LED7001の点灯状態を透光性フィルム7300を介して視認させるようになっている。なおドットマトリクス表示器7000の前側に透光性フィルム7300を貼着せずに、別の装飾部材の表面にフィルムを貼着したり別の装飾部材の表面に印刷したりするとともに、この装飾部材の後方にドットマトリクス表示器7000を配置して別の装飾部材を介してLED7001の点灯状態を視認させるようにしてもよい。また、ドットマトリクス表示器7000の前側に透光性フィルム7300を設けないようにしてもよいが、透光性フィルム7300を介してLED7001から照射される光を視認可能にすることで光源であるLED7001が直接視認されないようにして遊技者に眩しく感じさせないようにすることができるとともに、複数のLED7001を透光性フィルム7300によって個々に面発光させることができるため、複数のLED7001が発光したときに光源を目立ち難くすることができる。
本例では透光性を有する樹脂製(例えば、乳白色を有するポリプロピレン(PP)や透明なポリエチレンテレフタレート(PET)等)の発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられて変動演出に関連して発光制御することで発光装飾体の特定の領域(回路基板のLED実装面(表面、前面)を覆う部位(発光装飾体の表面(前面)))を面発光させるLEDを実装する回路基板には、実装されているLEDによる発光が回路基板の表面(前面、LED実装面)において反射する効率を高めて輝度を向上させるように最も反射効率の高い白色の絶縁性塗料が塗布されて白色の絶縁膜(ベタ塗りされた白色のレジスト、白色のレジスト層)が形成されている(白色のレジスト処理がなされている)。
一方、本例のドットマトリクス表示器7000のケース7100内に設けられて複数のLED7001を個々に面発光させるLED7001を実装する基板7200には、最も反射効率の低い黒色の絶縁性塗料が塗布されて黒色の絶縁膜(ベタ塗りされた黒色のレジスト、黒色のレジスト層)が形成されている(黒色のレジスト処理がなされている)。これにより、ドットマトリクス表示器7000による発光が基板7200の表面(前面、LED実装面)において反射する効率は低下するものの、LED7001から直接前方(LEDの照射方向、基板7200の正面方向)に向けて照射する光と基板7200から反射して前方に向けて照射する光との干渉が抑制されて基板7200に実装される複数のLED7001それぞれの発光を明瞭に視認できるようになっている。このように、本例ではLEDを実装する回路基板の反射効率を高めるために通常は白色の絶縁膜を形成(レジスト処理)して輝度を高めるようにするものの、複数のLEDが個々に独立して発光制御されて1つ1つが重要な機能を有する複数のLEDを実装する回路基板、本例ではドットマトリクス表示器7000のLED7001が実装される基板7200については、LEDを実装する他の回路基板とは異なる色の絶縁膜が形成されるようになっており、この回路基板に形成される絶縁膜(レジスト)の色によって当該回路基板に実装されているLEDの役割を判別できるようになっている。すなわち、重要な機能を有するLEDを実装する回路基板であるか否かを容易に判別することができるようにしている。
このように、本例では上記変動演出に関連して複数のLEDをグループ毎に発光制御する発光装飾体に設けられる回路基板のように、発光装飾体の輝度を向上させたいような回路基板については白色の絶縁膜を形成(レジスト処理)し、複数のLEDを個々に独立して発光制御するドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200のように、実装される複数のLED7001それぞれの発光を明瞭に視認させたいような基板7200については黒色の絶縁膜を形成(レジスト処理)するため、発光装飾体に設けられる回路基板については実装されるLEDによって照射される光の反射効率を高めてLEDの発光時に発光装飾体の輝度の低下を抑制できるため、演出表示装置1600で実行される変動演出の演出効果を向上させることができる。また、ドットマトリクス表示器7000については複数のLED7001の発光時に光の反射を抑制してLED7001から直接前方に向けて照射する光と基板7200から反射して前方に向けて照射する光との干渉を抑制できるとともに、黒色の絶縁膜が形成されるLED実装面との対比により複数のLED7001個々の発光を明瞭に視認させることができるようになっている。また、個々に発光制御されて遊技の進行に関わる重要な情報(例えば特別抽選結果)を表示するドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200と、所定数のLED単位(所定数のLEDからなるグループ毎)で発光制御されて遊技の進行に関わる重要な情報を表示しない(まれに表示するものであってもよい)発光装飾体に設けられる回路基板と、の異なる用途(特別抽選結果を示す用途と、演出表示装置1600で実行される変動演出を盛り上げるため(演出効果を向上させるため)の用途等)の回路基板のLED実装面の色を異ならせることで、不具合が生じた回路基板に実装されるLED等の発光手段が重要な情報を表示するものであるか否かの判別や、LEDの制御単位(所定数のLED毎に制御されるか単独で制御されるか)の判別が容易となり、遊技の進行に関わる重要な情報を表示する発光手段に不具合が生じた場合に迅速に対応することができるようになるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、上記したように本例では黒色の絶縁膜が形成される基板7200を、透光性を有しない有色不透明な白色の樹脂によって形成されるケース7100に収容している。すなわち、反射効率の低い黒色(黒色に限らず、緑色や紫色等の暗色であってもよい)の絶縁膜が形成される基板7200については、反射効率の高い白色(白色に限らず、黄色や水色等の明色であってもよい)のケース7100に収容することで、LEDが実装される他の回路基板からパチンコ機1の前方に向けて照射される光の反射効率をケース7100によって高めることができる。一方、ケース7100に収容される基板7200については反射効率の低い黒色(黒色に限らず、緑色や紫色等の暗色であってもよい)の絶縁膜が形成されるため、基板7200に実装されるLED7001それぞれの光の干渉が抑制されて個々の光を明瞭に視認させることができる。
また、ケース7100の表面(前面)側の一部には透光性フィルム7300が貼着されており、透光性フィルム7300の一部が非透光性の不透明な黒色とされているが、ケース7100の側面側及び裏面(後面)側には透光性フィルム7300が貼着されずに白色のケース7100が露出されているため、ケース7100の後方や側方に配置される回路基板からパチンコ機1の前方に向けて照射される光を高効率で反射させて輝度を高めることができ、これによって演出効果を高めることができるようになっている。
また、本例では明色(明色のハウジングを有する)のコネクタ7002を基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしている。上記したように、基板7200の表面(LED実装面、前面)に暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成されるため、明色のコネクタ7002を基板7200の表面(LED実装面、前面)に配置することで基板7200の表面(LED実装面、前面)における反射効率が高まり、複数のLED7001それぞれから照射される光が干渉して複数のLED7001それぞれの発光を明瞭に視認できなくなるおそれがある。暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)には明色のコネクタ7002を配置することなく、LED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置することで複数のLED7001それぞれから照射される光の干渉を抑制して複数のLED7001個々の発光を明瞭に視認できるようになる。また、暗色(暗色のハウジングを有する)のコネクタ7002についてもLEDの実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよいし、暗色のコネクタ7002については暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装するようにしてもよい。暗色のコネクタ7002についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置することで基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の向上を抑制できるし、暗色のコネクタ7002について暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装しても基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を過度に向上させないようにすることができる。
なお、コネクタに限らず明色(一部に明色とは異なる部分を有するものであってもよい)の電子部品(例えば抵抗、コンデンサ、ダイオード、IC、LEDドライバ等)については暗色の絶縁膜が形成されるLED実装面(表面、前面)に配置することなく、LED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよく、この場合にも基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の向上を抑制できる。また、暗色(一部に暗色とは異なる部分(銀色の金属部分や透明な樹脂部分等)を有するものであってもよい)の電子部品(例えば抵抗、コンデンサ、ダイオード、IC、LEDドライバ等)についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよいし、暗色の電子部品については暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装するようにしてもよい。暗色の電子部品についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置することで基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の向上を抑制できるし、暗色の電子部品について暗色(この例では黒色)の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装しても基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を過度に向上させないようにすることができる。
また、上記した変動演出に関連して発光制御する発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)や扉枠3に設けられてLEDを実装する回路基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457等)のLEDの実装される表面(LED実装面、前面)には白色の絶縁膜(レジスト)が形成されている。これらの回路基板では暗色(暗色のハウジングを有する)のコネクタについてはLEDの実装されない回路基板の裏面(LED非実装面)に実装するようにしてもよい。これにより、白色の絶縁膜(レジスト)が形成されるLED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制してLEDの輝度を高めることができるため、演出効果が向上するようになる。また、明色(明色のハウジングを有する)のコネクタについてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよいし、明色のコネクタ7002については白色の絶縁膜(レジスト)が形成される回路基板の表面(LED実装面、前面)に配置するようにしてもよい。明色のコネクタ7002についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置することで基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制できるし、明色のコネクタ7002について白色の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装しても基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を過度に低下させないようにすることができる。
また、コネクタに限らず暗色(一部に暗色とは異なる部分を有するものであってもよい)の電子部品(例えば抵抗、コンデンサ、ダイオード、IC、LEDドライバ等)については明色の絶縁膜が形成されるLED実装面(表面、前面)に配置することなく、LED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよく、この場合にも基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制できる。また、明色(一部に明色とは異なる部分(銀色の金属部分や透明な樹脂部分等)を有するものであってもよい)の電子部品(例えば抵抗、コンデンサ、ダイオード、IC、LEDドライバ等)についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置するようにしてもよいし、明色の電子部品については白色の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装するようにしてもよい。明色の電子部品についてもLED7001の実装されない基板7200の裏面(LED非実装面)に配置することで基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制できるし、明色の電子部品について白色の絶縁膜(レジスト)が形成される基板7200の表面(LED実装面、前面)に実装しても基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を過度に低下させないようにすることができる。
なお、上記した例ではドットマトリクス表示器7000のケース7100内に設けられる基板7200として、黒色の絶縁性塗料が塗布されて黒色の絶縁膜が形成されるものを示したが、ドットマトリクス表示器7000のケース7100内に設けられる基板7200に実装される複数のLED7001それぞれの発光を明瞭に視認できるようにするものであれば、黒色の絶縁性塗料に限らず、例えば紫色や濃紺色、深緑色等の暗色の絶縁性塗料を塗布して暗色の絶縁膜(ベタ塗りされた暗色(紫色や濃紺色、深緑色等)のレジスト、暗色(紫色や濃紺色、深緑色等)のレジスト層)を形成するようにしてもよい。ただし、黒色の絶縁性塗料を塗布して黒色の絶縁膜が形成される回路基板は黒色以外の暗色の絶縁性塗料を塗布して暗色の絶縁膜が形成される回路基板に比べて反射効率が低いため、黒色以外の暗色の絶縁性塗料を塗布して暗色の絶縁膜が形成される回路基板よりも、黒色の絶縁性塗料を塗布して黒色の絶縁膜が形成される回路基板の方がLED7001から直接前方に向けて照射する光と基板7200から反射して前方に向けて照射する光との干渉を抑制でき、LED7001それぞれの発光を明瞭に視認できるようになる。また、少なくとも基板7200のLED7001を実装する面(LED実装面)に上記暗色の絶縁膜を形成するものであればよく、基板7200のLED7001を実装していない裏面(LED非実装面)には上記暗色の絶縁膜とは異なる絶縁膜(例えば白色等の明色の絶縁性塗料を塗布した明色の絶縁膜)を形成するようにしてもよい。すなわち、回路基板のLED実装面とLED非実装面とで絶縁膜の色を同一としてもよいし、回路基板のLED実装面とLED非実装面とで絶縁膜の色を異ならせるようにしてもよい。さらに、基板7200のLED実装面に形成される絶縁膜には、絶縁性塗料を塗布(ベタ塗り)して形成されるもの(レジスト)に限らず、絶縁性塗料を塗布(ベタ塗り)して形成される層(第一層)とこの層の上にさらに絶縁性塗料をシルク印刷すること等によって形成される層(第二層、最表面の層)とからなるものを含むようにしてもよい。またこの場合には第一層と第二層との絶縁性塗料の種類(成分)や色を異ならせるようにしてもよく、例えば第一層を暗色(例えば黒色や緑色等)とし、第二層を明色(例えば白色等)としてもよいし、第一層を明色とし、第二層を暗色としてもよい。
また、図257(B)に示すように、ケース7100は基板7200の表面(前面)側の表面カバー部7110と基板7200の裏面側の裏面カバー部7120とから構成され、表面カバー部7110と裏面カバー部7120とによって基板7200を挟み込むようにしてケース7100の内部に収容するようになっている。また、基板7200のLED実装面(基板7200の表面(前面))を覆う表面カバー部7110は、所定の厚み(本例では約5mm)を有するとともに、基板7200に実装されるLED7001それぞれに対応するように筒状の貫通部7110aが形成され、この貫通部7110a内に1個のLED(1個のLED素子)だけが配置されるように基板7200を表面カバー部7110に密着させ、この状態で表面カバー部7110と裏面カバー部7120とを隙間なく密着させて強固(取外し困難、溶着等により表面カバー部7110や裏面カバー部7120等の基板7200の少なくとも一部を破壊しなければ基板7200を取外しできない不可逆的な取付状態等)に取り付けることで基板7200が表面カバー部7110に固定される(取り付けられる)。これにより、基板7200に実装される複数のLED7001がそれぞれ別々の貫通部7110a内に配置されるように基板7200の表面(前面、LED実装面)を区画して、複数のLED7001それぞれから照射される光が他の貫通部7110aや基板7200の裏面(後面)側に漏れることが抑制されて、複数のLED7001それぞれから照射される光の干渉を抑制できるため、複数のLED7001それぞれから照射される光を個々に貫通部7110aから放射でき、複数のLED7001から照射される光を個々に識別し易くなる。例えば、複数のLED7001のうちの第1のLEDと第2のLEDとを異なる色に発光させた場合であっても、これらの色が混ざってしまうことを抑制して複数のLED7001の発光色を個々に識別できるため、ドットマトリクス表示器7000に表示する情報が、本来の情報とは異なって遊技者に伝わってしまうことを抑制できる。また、表面カバー部7110と裏面カバー部7120とが強固に取り付けられることで、基板7200と表面カバー部7110との密着状態を維持することができ、複数のLED7001それぞれから照射される光の干渉を抑制する機能を損なうおそれが低くなる。
また、ケース7100内に収容される基板7200のLED実装面には、複数のLED7001の他に、複数のLED7001それぞれの近傍に、LEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)を示す表記部(情報表示部(記号、文字含む)ともいう)が、黒色に対して目立ち易い白色(白色に限らず、反射効率の高い明色(例えば黄色)であってもよい)の絶縁性塗料で、ベタ塗りされた黒色の絶縁膜(レジスト)上にシルク印刷されている。そして、本例では貫通部7110a内にこのシルク印刷された表記部も含まれるように基板7200のLED実装面を区画するようになっている。具体的には、貫通部7110a内に1個のLEDと、この1個のLEDの近傍にシルク印刷されてこのLEDの部品番号等を示す表記部と、が配置されるようになっている(表記部の全てが貫通部7110a内に収まるように配置するものでもよいし、表記部の一部が貫通部7110a内に収まるように配置するものでもよい)。これにより、最も反射効率の高い白色の絶縁性塗料でシルク印刷されて貫通部7110a内に配置する表記部によって基板7200における貫通部7110aの内側の領域(1個のLED7001が配置される領域)の反射効率を高めることができ、LED7001の発光時に貫通部7110a内の輝度の低下をさらに抑制できるため、1個のLED7001による発光を明瞭に視認させることができる。また、上記したように基板7200のLED実装面には最も反射効率の低い黒色の絶縁膜(レジスト)がベタ塗りされているため、貫通部7110aの外側の領域については反射効率の低い状態を維持することができ、仮に貫通部7110a内に配置するLED7001からの光が貫通部7110a外に漏れたとしてもこの光が拡散することを防止できる。この場合には、基板7200における貫通部7110aの外側の領域に占める表記部の割合を極力減らす(表記部の大半が貫通部7110a内に収まっていて一部が貫通部7110a外にわずかにはみ出すように配置される等)ようにすることで、光の拡散の防止効果をさらに高めることができる。
また、上記した回路基板にはスルーホール(回路基板を前後方向に貫通して表面側(前面側、LED実装面側)の配線パターンと裏面側(LED非実装面側)の配線パターンとを電気的に接続する孔)が複数形成されている。このスルーホールは回路基板を前後方向に貫通するものであるため、回路基板の表面(前面、LED実装面)に実装されているLEDからの光が、スルーホールによって反射されずに回路基板の裏面側(LED非実装面側)へと漏れ出してしまい、輝度が低下するおそれがある。本例では上記ドットマトリクス表示器7000のケース7100内に収容される基板7200では、貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)にスルーホールが形成されないようになっている。このように構成することにより、貫通部7110aに対応する領域に配置するLED7001からの光を基板7200の裏面側へ漏らすことなく、パチンコ機1の前面側に向けて反射させることができ、基板7200の表面(前面、LED実装面)に実装されるLED7001から照射される光の輝度を高めることができることができるとともに、LED7001それぞれの干渉を抑制してLED7001個々の発光を明瞭に視認させることができる。
なお、ケース7100内に収容される基板7200のLED実装面(表面、前面)には黒色の絶縁膜(レジスト)が形成されるが、この絶縁膜上(レジスト上)には表記部を形成しないようにしてもよい。このように構成することにより、基板7200のLED実装面(表面、前面)に同一色の絶縁膜(レジスト)のみが形成されてLED実装面(表面、前面)おける反射効率を均一化することができるため、基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率が表記部によって向上することを抑制できる。また、基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を向上させないことで、反射効率の最も低い黒色(黒色以外でも緑色や青色、紫色等の暗色であってもよい)の絶縁膜(レジスト)が形成されるLED実装面(表面、前面)における光の干渉が抑制されて貫通部7110a内に配置するLED7001から貫通部7110a外へ光が拡散することを抑制でき、さらに貫通部7110aそれぞれに対応するLED7001個々の発光を明瞭になって、LED7001個々の発光状態の識別が容易になる。
また、基板7200のLED実装面(表面、前面)に絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成しない場合には、基板7200のLED非実装面(裏面)にこのLED非実装面(裏面)に形成される絶縁膜(レジスト)の色とは異なる所定色(例えばLED非実装面(裏面)に黒色の絶縁膜(レジスト)が形成されていれば黒色よりも反射効率の高い色(例えば白色や黄色、緑色、水色、黄緑色、青色、紫色等)、LED非実装面(裏面)に白色の絶縁膜(レジスト)が形成されていれば白色よりも反射効率の低い色(例えば黄色、緑色、水色、黄緑色、青色、紫色、黒色等))の絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成してもよいし、基板7200のLED実装面(表面、前面)に箔抜き(配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字や図形、記号等の形態を作りその周囲の銅箔を抜いて形成されるものであり、箔抜きを形成する配線パターンは電子部品と電気的に絶縁されて形成されている)により表記部を形成するようにしてもよいし、基板7200のLED実装面(表面、前面)に基板7200に形成される絶縁膜の色(黒色や緑色等の暗色)とは異なる暗色(基板7200に黒色の絶縁膜が形成されている場合には青色や紫色、緑色等の暗色の絶縁性塗料、基板7200に緑色の絶縁膜が形成されている場合には黒色や青色、紫色等の暗色の絶縁性塗料)の絶縁性塗料で絶縁膜上(レジスト上)にシルク印刷することによって表記部を形成するようにしてもよい。
すなわち、基板7200のLED実装面(表面、前面)に同一色(この例では黒色、なお緑色や紫色、青色等の暗色であってもよい)の絶縁膜(レジスト)だけを形成して、この絶縁膜とは異なる色の表記部については基板7200のLED実装面(表面、前面)に形成しないようにしてもよい。このように構成することにより、基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を均一化することが可能になり、基板7200のLED実装面(表面、前面)において反射効率の向上が抑制されて光の干渉を抑制することができるようになるため、基板7200に実装されるLED7001個々の発光を明瞭にすることができ、これによって個々の発光状態の識別が容易になる。また、基板7200のLED実装面(表面、前面)又はLED非実装面(裏面)に形成されている表記部によって実装されているLEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性の把握が容易になる。
また、表記部を形成するために用いる絶縁性塗料の色に応じて回路基板のLED実装面(表面、前面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に表記部を形成する場合と、回路基板のLED非実装面(裏面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に表記部を形成する場合と、を異ならせるようにしてもよい。例えば、LED実装面(表面、前面)に暗色(例えば黒色や緑色、青色、紫色等)の絶縁膜(レジスト)が形成される回路基板において、LED実装面(表面、前面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に、当該絶縁膜(レジスト)の色とは異なる暗色(例えば黒色や緑色、青色、紫色等)の絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成するようにしてもよいし、LED非実装面(裏面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に明色(白色や黄色、水色、黄緑色等)の絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成するようにしてもよい。また、LED実装面(表面、前面)に明色(白色)の絶縁膜(レジスト)が形成される回路基板において、LED実装面(表面、前面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に、当該絶縁膜(レジスト)の色とは異なる明色(例えば黄色や水色、黄緑色等)の絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成するようにしてもよいし、LED非実装面(裏面)に形成される絶縁膜(レジスト)上に暗色(黒色や緑色、青色、紫色等)の絶縁性塗料でシルク印刷して表記部を形成するようにしてもよい。これにより、回路基板の使用目的(反射効率を向上させたい回路基板であるか、反射効率を抑制して光の干渉を抑制したい回路基板であるか)に応じた有利な特性を回路基板に付加することができ、演出効果や情報伝達効果を高めることができる。これによって遊技興趣の低下を抑止可能になる。
一方、上記した発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)の特定の領域を面発光させるLEDを実装する回路基板や扉枠3に設けられてLEDを実装する回路基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457等)のLED実装面(表面、前面)には、明色(この例では白色)の絶縁膜(レジスト)が形成されるとともに、この絶縁膜(レジスト)上に当該絶縁膜の色(この例では白色)とは異なる明色(この例では黄色、なお黄色以外でも水色や黄緑色等の明色でもよい)の絶縁性塗料でシルク印刷により表記部が形成されている。
すなわち、発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)の特定の領域を面発光させるLEDを実装する回路基板や扉枠3に設けられてLEDを実装する回路基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457等)のLED実装面(表面、前面)には、明色(この例では白色)の絶縁膜(レジスト)が形成されるとともに、該絶縁膜上に、LED実装面(表面、前面)における反射効率を低下させないように絶縁膜(レジスト)の色とは異なる明色(黄色や水色、黄緑色等の明色)の絶縁性塗料でシルク印刷により表記部を形成する。これにより、LED実装面(表面、前面)における反射効率が表記部によって低下することを抑制でき、パチンコ機1の前面側に向けて照射する光の輝度を高めて演出効果を向上させることができる。なお、表記部を形成する明色として、黄色の絶縁性塗料を用いることが望ましい。黄色は白色と反射効率が最も近い色であるため、表記部を黄色の絶縁性塗料で形成することで、回路基板のLED実装面における反射効率の低下を抑制しつつ、表記部によってLEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)を識別することができるようになる。
また、LED実装面に白色の絶縁膜(レジスト)を形成し、この絶縁膜(レジスト)上に黒色の絶縁性塗料でシルク印刷により表記部が形成される従来のパチンコ機1に設けられる回路基板と比べて、黄色や水色、黄緑色等の明色の絶縁性塗料でシルク印刷により表記部を形成した回路基板ではパチンコ機1に配置された場合に表記部が目立ち難くなる。上記発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)や扉枠3では、各回路基板のLED実装面をパチンコ機1の前面側に向けて(パチンコ機1の前面側に向けて光を照射するように)配置されているため、所定のテーマに沿って統一された造形や装飾がなされているパチンコ機1において、回路基板のLED実装面に形成されている遊技とは無関係なLEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)等の情報が遊技者に視認されると、パチンコ機1の統一感や世界観が崩れて遊技興趣を低下させるおそれがある。上記した例では従来のパチンコ機1に設けられる回路基板に比べて表記部が目立ち難くなるため、遊技とは無関係なLEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)等の情報が遊技者に視認され難くなり、パチンコ機1の統一感や世界観が崩れることを抑制して遊技興趣が低下することを抑制できるようになる。
なお、白色と黄色は反射効率が近く、視覚的な特徴の差(コントラスト)が小さいため、LED実装面に白色の絶縁膜(レジスト)を形成し、この白色の絶縁膜上(レジスト上)に形成される表記部として、白色と反射効率が近い黄色の絶縁性塗料を用いた場合には、他の色の組合せを用いた場合に比べてLED実装面における反射効率の低下抑制効果を高めることができることに加えて、パチンコ機1に設置された場合に表記部を目立ち難くして遊技興趣の低下抑制効果を高めることができる。
また、発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)や扉枠3に設けられて変動演出に関連して発光制御することで発光装飾体の特定の領域を面発光させるLEDを実装する回路基板のLED実装面(表面、前面)に、当該LED実装面(前面、表面)に形成される絶縁膜の白色とは異なる明色(黄色、水色、黄緑色等)で表記部を形成するようにしてもよいし、箔抜きで表記部を形成するようにしてもよいし、LED実装面に表記部を形成することなく、LED非実装面(裏面)に絶縁膜の白色とは異なる色(明色に限らない)や箔抜きで表記部を形成するようにしてもよい。また、表記部として複数のLED個々に対応して形成するようにしてもよいし(例えば1個のLEDに対して「LED1」等を形成する)、複数のLED毎(例えば種類毎)にまとめて形成するようにしてもよい(例えば複数のLEDに対して「LED1〜LED5」等を形成する)。このように構成することにより、LED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制して調光LEDや非調光LEDから照射される光の輝度を高めることができるため、調光LED及び非調光LEDによる発光の損失を抑制して効率的な発光を実現できる。
また、ケース7100内に収容される基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)については白色(白色に限らず、反射効率の高い明色(例えば黄色)であってもよい)とすることで反射効率を向上させるようにしてもよい。図258(A)に変形例1における回路基板(この例では基板7200)の正面図及びA−A断面図を示し、図258(B)に変形例2における回路基板(この例では基板7200)の正面図及びA−A断面図を示す。図258(A)に示すように、変形例1の基板7200として、基材7201の表面(LED実装面、前面)に黒色の絶縁性塗料を塗布して第1導電膜7200A(レジスト)を形成するとともに基材7201の裏面(LED非実装面)に白色の絶縁性塗料を塗布して裏面側導電膜7202(レジスト)を形成した後、第1導電膜7200A(レジスト)の形成された基材7201の表面(LED実装面、前面)のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)部分については第1導電膜7200Aの上から白色の絶縁性塗料でシルク印刷により第2導電膜7200Bを形成し、この第2導電膜7200Bそれぞれの中央部にLED7001を1個実装することで形成するようにしてもよい(LED7001の実装後にLED7001の周囲に第2絶縁膜7200Bを形成するようにしてもよい)。
また、図258(B)に示すように、変形例2の基板7200として、基材7201の表面(LED実装面、前面)に白色の絶縁性塗料を塗布して第1導電膜7200A(レジスト)を形成するとともに基材7201の裏面(LED非実装面)に白色の絶縁性塗料を塗布して裏面側導電膜7202(レジスト)を形成した後、第1導電膜7200A(レジスト)の形成された基材7201の表面(LED実装面、前面)のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)部分を除いて第1導電膜7200Aの上から黒色の絶縁性塗料でシルク印刷により第2導電膜7200Bを形成し、第1導電膜7200A(レジスト)それぞれの中央部にLED7001を1個実装することで形成するようにしてもよい(LED7001の実装後に第2絶縁膜7200Bを形成するようにしてもよい)。
すなわち、図258(A)では基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の第1導電膜7200Aが形成されるとともに、貫通部7110aに対応する領域に白色の第2導電膜7200Bが形成される。また、図258(B)では基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の第2導電膜7200Bが形成されるとともに、貫通部7110aに対応する領域に白色の第1導電膜7200Aが形成される。
このように、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の絶縁膜(黒色の第1導電膜7200A、黒色の第2導電膜7200B)を形成し、貫通部7110aに対応する領域に白色の絶縁膜(白色の第2導電膜7200B、白色の第1導電膜7200A)を形成することで、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(1個のLED7001が配置される貫通部7110aの内側の領域)の反射効率を高めることができる。これにより、LED7001の発光時に貫通部7110a内の輝度の低下をさらに抑制して1個のLED7001による発光を明瞭に視認させることができるし、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲については反射効率の低い状態を維持することができるようになり、仮に貫通部7110a内に配置するLED7001からの光が貫通部7110a外に漏れたとしてもこの光が拡散することを防止できる。
またこの場合には上記した表記部をシルク印刷しないようにしてもよいし、基板7200のLED7001が実装されない裏面(LED非実装面)に表記部をシルク印刷するようにしてもよいし、LED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に形成される黒色の第1導電膜7200A上又は黒色の第2導電膜7200B上に白色や黄色などの反射効率の高い明色の塗料を用いて表記部をシルク印刷するようにしてもよいし、LED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域に形成される白色の第1導電膜7200A上又は白色の第2導電膜7200B上に黄色等の反射効率が高い明色の塗料を用いて表記部をシルク印刷するようにしてもよい。
なお、基板7200のうちLED7001が実装される表面(前面、LED実装面)では反射効率の高い明色(この例では白色)が占める割合よりも反射効率の低い暗色(この例では黒色、なお黒色以外でも緑色や青色、紫色等であってもよい)が占める割合の方が高くなっている。そのため、基板7200のうちLED7001が実装される表面(前面、LED実装面)の全体ではLED7001それぞれの光の干渉が抑制されて個々の光を明瞭に視認させることができるようになっている。
また、上記した例では上記ドットマトリクス表示器7000のケース7100内に収容される基板7200の貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)にスルーホールを形成しないものを示したが、貫通部7110aに対応する領域にスルーホールを形成し、このスルーホールの少なくともLED実装面側の孔を上記した白色の第2導電膜7200Bで塞ぐようにしてもよい。この場合にも、貫通部7110aに対応する領域に配置するLED7001からの光を基板7200の裏面側へ漏らすことなく、パチンコ機1の前面側に向けて反射させることができるようになるため、基板7200の表面(前面、LED実装面)に実装されるLED7001から照射される光の輝度を高めることができることができるとともに、LED7001それぞれの干渉を抑制してLED7001個々の発光を明瞭に視認させることができる。
また、黒色の絶縁膜が形成される基板7200を、透光性を有しない有色不透明な白色の樹脂によって形成されるケース7100に収容することで、LEDが実装される他の回路基板からパチンコ機1の前方に向けて照射される光の反射効率をケース7100によって高めることができるように構成しつつも、ケース7100に収容される基板7200のうち貫通部7110aに対応する領域に反射効率の高い白色の絶縁膜を形成することにより、ケース7100に貼着されている透光性フィルム7300が剥がれてケース7100に収容されている基板7200が貫通部7110aを通して視認可能となったり、透光性フィルム7300が貼着されずに基板7200の一部を貫通部7110aから露出させるようなケース7100を用いた場合であっても、ケース7100に形成される貫通部7110aから露出する基板7200によって反射効率を低下させないようにすることができ、LEDが実装される他の回路基板からパチンコ機1の前方に向けて照射される光を高効率で反射させて輝度を高めて演出効果が向上するようになる。
また、基板7200のLED実装面(表面、前面)に表記部を形成することなく、LED非実装面(裏面)に表記部を形成するようにしてもよいし、基板7200のLED実装面(表面、前面)に箔抜き(配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字や図形、記号等の形態を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜きものであり、箔抜きを形成する配線パターンは電子部品と電気的に絶縁されて形成されている)として表記部を形成するようにしてもよいし、基板7200のLED実装面(表面、前面)に基板7200に形成される絶縁膜の色(黒色や緑色等の暗色)とは異なる暗色(基板7200に黒色の絶縁膜が形成されている場合には青色や紫色、緑色等の暗色の絶縁性塗料、基板7200に緑色の絶縁膜が形成されている場合には黒色や青色、紫色等の暗色の絶縁性塗料)の絶縁性塗料で絶縁膜上(レジスト上)にシルク印刷することによって表記部を形成するようにしてもよい。なお、基板7200のLED非実装面(裏面)に表記部を形成する場合には、基板7200のLED非実装面(裏面)に形成されている絶縁膜上に所定色(白色や黄色、黒色、緑色等)の絶縁性塗料でシルク印刷することによって表記部を形成するようにしてもよいし、箔抜き(配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字や図形、記号等の形態を作りその周囲の銅箔を抜いて形成されるものであり、箔抜きを形成する配線パターンは電子部品と電気的に絶縁されて形成されている)により表記部を形成するようにしてもよい。このように構成することにより、基板7200のLED実装面(表面、前面)における反射効率を均一化することが可能になり、基板7200の貫通部7110aに対応する領域においては反射効率の低下が抑制されて輝度を高めることができ、基板7200の貫通部7110aに対応する領域の外側の領域においては反射効率の向上が抑制されて光の干渉を抑制することができるようになる。
また、基板7200のLED実装面(表面、前面)を表面カバー部7110に密着させた状態でケース7100に収容されて、貫通部7110a内に配置するLEDから照射される光が貫通部7110aの外側の基板7200表面(LED実装面)に漏れにくくされているため、同一基板7200のLED実装面(表面、前面)において、反射効率を向上させたい領域と反射効率を抑制して光の干渉を抑制したい領域との相反する領域を共存させることが可能になり、これによって基板7200に実装されるLED7001から照射される光の輝度を高めることができることに加えて、LED7001それぞれの干渉を抑制してLED7001個々の発光を明瞭に視認させることができる。
なお、基板7200のLED非実装面(裏面)に形成される絶縁膜の色はLED実装面(表面、前面)と同一色に限らず、例えば基板7200のLED実装面(表面、前面)に暗色(この例では黒色、なお黒色以外にも青色や緑色、紫色などでもよい)の絶縁膜を形成し、基板7200のLED非実装面(裏面)に明色(この例では白色、なお白色以外にも黄色などでもよい)の絶縁膜を形成するようにしてもよい。
また、扉枠3に設けられているLEDのうちの少なくとも一部のLEDを通常よりも高輝度(通常の輝度:後述する遊技者による輝度調節の結果が反映された輝度、通常よりも高輝度:遊技者による輝度調節の結果が反映された輝度よりも高い輝度、遊技者が輝度調節可能な輝度範囲の最大輝度、遊技者が輝度調節可能な輝度範囲よりも高輝度(遊技者が輝度調節で設定できない高輝度)のうちのいずれか)に発光制御した場合等の特定の条件下においてもドットマトリクス表示器7000に設けられる複数のLED7001については通常の輝度を維持した状態で発光制御しても複数のLED7001それぞれから照射される光を個々に識別させることが可能であるため、ドットマトリクス表示器7000で表示される重要な情報を認識させることができる。また、上記した特定の条件下では裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714に実装されているLED、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422に実装されているLED、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814に実装されているLED、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253に実装されているLED、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203に実装されているLED等の遊技盤5に設けられる複数の発光手段(LED)のうち一部の発光手段(LED)を消灯させるため、ガラス枠161の内側の明るさが低下してドットマトリクス表示器7000に設けられる複数のLEDの発光状態(表示される情報)を判別し易くなっている。なお、扉枠3に設けられているLEDのうちの少なくとも一部のLEDを通常よりも高輝度に発光制御し、遊技盤5に設けられる装飾体(可動装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、及び裏後可動装飾体3110)、裏前左装飾体ユニット3710、裏上演出ユニット3400、裏前右装飾体ユニット3810、裏下右演出ユニット3250、裏下左演出ユニット3200、等の重要な情報を表示しない装飾体(重要な情報を表示する機能表示ユニット1400を除く))に設けられる発光手段(LED)を消灯し、演出表示装置1600のバックライトとしてのLEDと、ドットマトリクス表示器7000に設けられているLED7001と、を通常の輝度を維持した状態で発光制御するようにしてもよく(例えば演出表示装置1600の表示内容に注目させたい場合(スーパーリーチやエラー状態の発生時等))、この場合にはガラス枠161の内側の明るさをさらに低下させることができるため、ドットマトリクス表示器7000に設けられる複数のLEDの発光状態(表示される情報)を判別し易くなる。
また、貫通部7110a内に設けられるLED7001からの光を当該貫通部7110a外に漏らすことなしに、全ての光を貫通部7110aの前方から放射させることができるため、貫通部7110a内の輝度の低下を抑制することができる。なお、表面カバー部7110と裏面カバー部7120だけでなく、基板7200も表面カバー部7110に強固(取外し困難、溶着等により表面カバー部7110や基板7200の少なくとも一部を破壊しなければ取外しできない不可逆的な取付状態等)に取り付けるようにしてもよく、これにより基板7200のLED実装面を表面カバー部7110によって保護することができるため、いたずら等によって基板7200に実装されるLED7001に不具合が生じることが抑制される。
また、基板7200のコネクタ7002が実装される裏面(後面)を覆う裏面カバー部7120の一部には、基板7200の裏面(LED非実装面)に実装されるコネクタ7002を露出させる開口部7120aが形成されている。なお、上記したように貫通部7110a内に1個のLEDだけが配置されるように基板7200を表面カバー部7110に密着させた状態で表面カバー部7110に固定するため、基板7200の裏面(後面)側への光漏れが抑制されて、裏面カバー部7120に形成されるコネクタ7002を露出させる開口部7120aからLED7001の光が漏れないようになっている。
上記したように本例では変動演出に関連して発光制御するLEDが設けられる発光装飾体は透光性を有する樹脂によって形成されて、LEDから照射される光によって面発光するようになっている。一方、ドットマトリクス表示器7000のケース7100は透光性を有しない有色不透明な白色(透光性を有しない不透明なものであれば白以外でもよく、例えば黒色や濃紺色、深緑色等としてもよい)の樹脂によって形成されて貫通部7110aからのみLED7001の光を視認することができるようになっており、ケース7100の他の部分からはLED7001の光を視認することはできないようになっている。また、ケース7100の表面カバー部7110と裏面カバー部7120とは隙間なく密着した状態で強固に接着(溶着)されており、表面カバー部7110と裏面カバー部7120との接合部からの光漏れが抑制されている。このように、個々に発光制御されて遊技の進行に関わる重要な情報(例えば特別抽選結果)を表示するドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200を収容するケース7100を透光性を有しない樹脂等によって形成する一方、所定数のLED単位(所定数のLEDからなるグループ毎)で発光制御されて遊技の進行に関わる重要な情報を表示しないLEDが実装される回路基板を収容する発光装飾体を透過性を有する樹脂等によって形成するため、不具合が生じたLED等の発光手段が重要な情報を表示するものであるか否かや、LEDの制御単位(所定数のLED毎に制御されるか単独で制御されるか)等を外観から容易に判別可能となり、遊技の進行に関わる重要な情報を表示する発光手段に不具合が生じた場合に迅速に対応することができるようになるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、ケース7100の表面カバー部7110と裏面カバー部7120とは溶着等により強固に接着されており、少なくともケース7100の一部を破壊しなければ基板7200をケース7100内から取り出すことができないようになっている。また、上記したように主制御基板ボックス1320は複数の封印機構を備えており、複数の封印機構のうち一つの封印機構を破壊して主制御基板ボックス1320を開けた後、破壊した封印機構とは異なる一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じることができるようになっている。一方、本例のケース7100ではこのような封印機構を備えておらず、一度でもケース7100の一部を破壊してケース7100を取り出すとケース7100を元の状態に戻すことができないようになっている。このように、基板7200は少なくとも一部を破壊しなければ基板7200を取り出す(露出させる)ことができないケース7100に封入されて保護されるため、重要な機能を有するLED7001が物理的に破壊されることを抑制できる。一方、所定数のLED単位(所定数のLEDからなるグループ毎)で発光制御されて遊技の進行に関わる重要な情報を表示しないLEDが実装される回路基板を収容する発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)はネジ止め等によって着脱可能(可逆的)に形成されており、発光装飾体を破壊することなく回路基板を取り出すことができるようになっている。これにより、重要な情報を表示するLEDが実装される回路基板を収容するケース7100に収容される基板7200については実装される電子部品(LED等)が物理的に破壊され難くして、重要な情報が表示されなくなることを抑制し、重要な情報を表示しないLEDが実装される回路基板を収容する発光装飾体については電子部品(LED等)に不具合が生じた場合に直ぐに交換できるようになっている。
また本例のドットマトリクス表示器7000では、ケース7100内に設けられるLED7001は予め設定されている一定の輝度とされており、演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作しても後述する輝度調節ができないようになっている。これにより、重要な機能を有するLED7001の輝度を一定に保つことができ、遊技者の利益に関わる情報等の重要な情報を確実に伝えることができるようになる。なお、上記した特定の条件下であっても重要な情報を表示するドットマトリクス表示器7000については扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)と同様に消灯させることなしに発光制御するようにしてもよい。
また、演出表示装置1600で実行される表示演出で特定のリーチ演出が実行された場合に、演出表示装置1600の周囲に設けられているLEDを消灯させるようにしてもよく、例えば裏下中昇降駆動モータ3352により昇降アーム3357を回動させて裏下中装飾体ユニット3320を下降位置から上昇位置へ移動させる場合、裏上後回転装飾体3440を裏上前装飾体3421よりも下方の出現位置へ移動させる場合、裏後左回転装飾体3510を裏前左演出ユニット3700よりも右方の第一出現位置又は第二出現位置へ移動させる場合、裏後右回転装飾体3610を裏前右演出ユニット3800よりも左方の第一出現位置又は第二出現位置へ移動させる場合、及び裏後駆動モータ3126によりスライドガイド3130を下方へ移動させることでロック部材3134によるロックを解除して裏後可動装飾体3110を退避位置から出現位置へ落下させる場合に、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714に実装されているLEDと、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422に実装されているLEDと、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814に実装されているLEDと、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253に実装されているLEDと、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203に実装されているLEDと、を消灯させるようにしてもよい。演出表示装置1600の前方に可動装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、及び裏後可動装飾体3110)を表出させる演出を実行する場合に、演出表示装置1600の周囲に設けられているLEDを消灯することで、演出表示装置1600の前方に表出する可動装飾体によって実行される演出の視認を妨げないようにすることができる。この場合、ドットマトリクス表示器7000については消灯させることなしに継続して発光制御するようにしてもよい。これにより、特定の条件下であっても遊技者の利益に関わる情報等の重要な情報については表示させることができ、遊技者等に不利益を与えない。
本例では特定のリーチ演出が実行された場合に限らず、扉枠開放スイッチからの検出信号に基づいて本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する等のエラー状態が発生して、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714に実装されているLED、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422に実装されているLED、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814に実装されているLED、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253に実装されているLED、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203に実装されているLED、可動装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、及び裏後可動装飾体3110)に設けられているLED、などの遊技盤5に設けられている複数のLEDのうちの少なくとも一部を消灯する場合にも、演出表示装置1600のバックライトと、扉枠3に設けられているLEDのうちの少なくとも一部のLEDと、ドットマトリクス表示器7000に設けられているLED7001とを消灯することなく発光制御するようになっている。これにより、エラー状態が発生したときに例えば遊技盤5に設けられている複数のLEDのうちの少なくとも一部を消灯するとともに扉枠3に設けられているLEDのうちの少なくとも一部を通常時とは異なるエラー時の態様(例えば通常時よりも高輝度で短時間に点滅発光させる)で発光制御する等によってエラー状態が発生したこと(例えば扉枠3が開放されていること)を通知したり、演出表示装置1600でエラー状態となっていることを通知する表示(例えば「異常発生!」等)を行ったり、エラー状態が発生していることを音声出力(例えば「扉が開いています。」、「球を抜いてください。」等)によって通知したりする一方で、ドットマトリクス表示器7000に設けられているLED7001を消灯することなく発光制御することで変動演出の実行中であれば遊技が中断することを抑制できるとともに、ドットマトリクス表示器7000の更新表示(変動表示)が継続されることで、特別抽選結果が表示されないことへの不安や不信感を与えないようにすることができる。
なお、エラー状態の種類(緊急性の度合い)に応じてドットマトリクス表示器7000を消灯するか否かを異ならせるようにしてもよく、例えば遊技に対する影響が小さいエラー(軽微なエラー:本体枠4に対する扉枠3の開放を検出した場合、図示しない振動センサが所定期間(例えば30秒)継続して遊技盤5の振動を検出した場合(パチンコ機1を叩く等の行為が行われていることを検出した場合)、満タン検知センサ154からの検出信号が入力された場合(皿202が遊技球Bで満タンになっていることを検出した場合)、球切検知センサ574からの検出信号が入力された場合(誘導通路570a内に遊技球Bが存在していないことを検出した場合等のゴト行為が行われている可能性の低いエラー)についてはドットマトリクス表示器7000に設けられているLED7001を消灯することなく発光制御することで遊技の進行を中断させない一方、遊技に重大な影響を与えるエラー(重大なエラー:電波照射ゴトを検出したとき、磁石ゴトを検出したとき、第二始動口2004が開放していない場合に第二始動口センサ2401からの検出信号が入力されたとき、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合に第一大入賞口センサ2402、又は第二大入賞口センサ2601からの検出信号が入力されたとき等のゴト行為の行われている可能性の高いエラー)についてはドットマトリクス表示器7000を消灯させるように制御することで、変動演出の実行中であっても当該変動演出を中断又は終了させるようにしてもよい。これにより、エラーの程度に応じてドットマトリクス表示器7000の制御状態を異ならせることができ、遊技者及び遊技店に不利益を与えないようにすることができる。
またエラー状態となった場合にエラー状態の種類に応じて、演出表示装置1600でのエラー状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力によるエラー状態が発生していることの通知と、のうちいずれか1つを実行するようにしてもよいし、任意の2つの組合せを実行するようにしてもよいし、全てを実行するようにしてもよい。例えば遊技に対する影響が小さい軽微なエラーが発生した場合には演出表示装置1600でのエラー状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力によるエラー状態が発生していることの通知と、のうちいずれか1つ又は任意の2つの組合せを実行し、遊技に重大な影響を与える重大なエラーが発生した場合には演出表示装置1600でのエラー状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力によるエラー状態が発生していることの通知と、の全てを実行するようにしてもよい。
また、本例のドットマトリクス表示器7000は主制御基板1310の主制御MPUによって直接制御される。これにより、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUが制御する場合に比べて不具合(本来表示する内容とは異なる内容が表示される等)の発生を抑制でき、遊技者等に不利益を与えないようにすることができる。また、上記したように周辺制御基板1510の周辺制御MPUでは約33.3msごとに周辺制御部定常処理を行うのに対し、主制御基板1310の主制御MPUでは4msごとに主制御側タイマ割り込み処理を行うため、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUがドットマトリクス表示器7000を制御する場合に比べて短い周期でドットマトリクス表示器7000の表示内容を更新することができ、仮に不具合が発生してドットマトリクス表示器7000に本来表示する内容とは異なる内容が表示された場合であっても直ぐ(4ms後)に表示内容を更新して本来の表示内容に変更することができ、遊技者等に不利益を与えない。すなわち、重要な情報を表示する(重要度の高い)ドットマトリクス表示器7000については重要な情報を表示しない(重要度の低い)発光装飾体よりも短い周期で制御信号を出力して発光手段(LED)の発光態様を更新するため、重要な情報を表示するドットマトリクス表示器7000の表示内容(LED7001の発光態様)に不具合が生じた場合であっても直ぐに正常な表示内容に変更することができ、本ライトは異なる内容が表示されて遊技者に不利益を与えることを抑制できる。また、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUがドットマトリクス表示器7000を制御するように構成した場合には主制御基板1310と周辺制御基板1510との間で通信エラーが生じてドットマトリクス表示器7000によって示される情報(LED7001の発光状態)に不具合が発生するおそれがあるが、本例では主制御基板1310がドットマトリクス表示器7000を直接制御するため、周辺制御基板1510の周辺制御MPUがドットマトリクス表示器7000を制御する場合に比べてドットマトリクス表示器7000によって示される情報(LED7001の発光状態)に不具合が発生し難くなり、遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
また、ケース7100の表面カバー部7110には上記したように透光性フィルム7300が貼着されている。また、図257(A)に示すように透光性フィルム7300は半透明のシートによって構成されており、ケース7100の貫通部7110aに対応する領域の周囲の領域が不透明な黒色印刷(黒色に限らず貫通部7110aに対応する領域での発光状態を視認し易くするような色(暗色等)としてもよい)されて光を透過させないようになっている。一方、貫通部7110aに対応する領域には黒色印刷されずに透光性を有する半透明の状態とされており、LED7001から照射される光によって面発光するようになっている。これにより、LED7001を発光させて貫通部7110aに対応する領域が面発光しているときに、貫通部7110aに対応する領域の周囲が影のように暗く見えるようになり、貫通部7110aに対応する領域と貫通部に対応する領域の周囲との対比によって貫通部7110aに対応する領域の面発光(基板7200に実装されるLED7001の発光状態)を視認し易くなり、ドットマトリクス表示器7000にて様々な文字や記号、図形などを明瞭に表示することができることで、遊技者の利益に関わる情報等の重要な情報を確実に伝えることができる。また、貫通部7110aに対応して面発光する領域のそれぞれの間に光を透過させない領域を設けることで、LED7001の発光時に複数の貫通部7110aから放射される光の干渉を抑制できるとともに、複数の貫通部7110aそれぞれから異なる色の光が放射された場合であっても放射される様々な色の光が混ざり合うことを抑制して個々の色を明瞭に視認させることでき、LED7001から照射する光によって面発光される貫通部7110aに対応する領域それぞれを別々の発光領域として識別させることが可能となるため、様々な文字や記号、図形などを明瞭に表示することができる。なお、透光性フィルム7300を設けることなく、少なくともケース7100の表面カバー部7110自体を黒色等の暗色の樹脂で形成することでLED7001の発光時に貫通部7110aから放射される光を視認し易くするようにしてもよく、この場合にもドットマトリクス表示器7000にて様々な文字や記号、図形などを明瞭に表示することができるようになるため、遊技者の利益に関わる情報等の重要な情報を確実に伝えることができる。
なお、上記したドットマトリクス表示器7000の基板7200の表面(LED実装面、前面)及び裏面(LED非実装面)を、所定の仮想線によって第1の領域と第2の領域とに分け、基板7200の表面(LED実装面、前面)の第1の領域と第2の領域とのうち一方にのみLED7001を実装するようにしてもよいし、基板7200の表面(LED実装面、前面)の第1の領域と第2の領域とのうち、LED7001の実装される一方の領域だけでなく、LED7001の実装されない他方の領域にも反射効率の低い暗色(本例では黒色)の絶縁膜を形成するようにしてもよい。例えば図259に示すように、表面(LED実装面、前面)に黒色の絶縁膜が形成される基板7200を仮想線Xによって、表面(LED実装面、前面)にLED7001が実装される実装領域と、表面(LED実装面、前面)にLED7001が実装されない未実装領域と、に分けるようにしてもよい。
また、基板7200の裏面(LED非実装面)の未実装領域にコネクタ7002を配置するようにしてもよく、この場合にはさらに基板7200の裏面(LED非実装面)の未実装領域における仮想線Xから遠い側の端部近傍にコネクタ7002を配置するようにしてもよい。上記したように、基板7200はケース7100内に収容され、ケース7100(裏面カバー部7120)の裏面側にはコネクタを露出させる開口部7120aが形成されている。そして、開口部7120aからケース7100内に光が進入しても開口部7120aがLED7001を実装する実装領域から離れた位置に形成されているため、貫通部7110a内に光が進入して遊技者に誤った情報が認識されることを抑制できる。また、基板7200の表面(LED実装面、前面)のうちLED7001が実装される実装領域だけでなく、LED7001が実装されない未実装領域にも反射効率の低い黒色の絶縁膜が形成されるため、開口部7120aからケース7100内に進入した光が基板7200に形成されているスルーホール7003を通って基板7200の表面(LED実装面、前面)に到達しても、未実装領域に形成されている黒色の絶縁膜によって光の反射を抑制して実装領域への進入を抑制できる。これによってケース7100外から進入した光が貫通部7110a内に進入して遊技者に誤った情報が認識されることを抑制できる。
また、基板7200の実装領域から最も遠い側の端部付近の未実装領域にコネクタ7002が配置され、このコネクタ7002に対応するケース7100の部位に開口部7120aが形成されるため、ケース7100外から進入した光が基板7200の実装領域に形成されるスルーホール7003を通って基板7200の表面(LED実装面、前面)に到達することを抑制できる。
また、上記した例では基板7200の表面(LED実装面、前面)に明色の電子部品を実装しないものを示したが、基板7200の表面(LED実装面、前面)のうち未実装領域に明色の電子部品を実装するものであってもよい。この場合には明色の電子部品がLED7001から離れた位置に設けられるとともに、この明色の電子部品の周囲の基板7200の表面(LED実装面、表面)に黒色の絶縁膜が形成されているため、明色の電子部品によって光が反射されても、基板7200の表面(LED実装面、表面)の未実装領域に形成される黒色の絶縁膜によってさらなる反射は抑制されるようになり、実装領域への光の進入を抑制でき、これによってケース7100外から進入した光が貫通部7110a内に進入して遊技者に誤った情報が認識されることを抑制できる。
[ドットマトリクス表示器を用いた演出例]
次に上記したドットマトリクス表示器7000を用いた演出例について説明する。図256に示すように、ドットマトリクス表示器7000は裏ユニット3000の裏箱3010内の上部に設けられている。そして、遊技の進行に関わる重要な情報を表示するようになっている。
具体的には、図260に示すように第一始動口2002への始動入賞及び第二始動口2004への始動入賞に基づいて演出表示装置1600で変動演出を実行する場合に、ドットマトリクス表示器7000においても表示内容を更新表示(変動表示)する。そして、ドットマトリクス表示器7000において表示内容の更新表示を開始してから所定期間(変動時間)が経過した時に所定の態様を表示する。
本例では、図261(A),(B)に示すように変動時間の経過時に「大当り」、「ハズレ」、などの当落に関わる情報を表示するようになっている。このように、本例のドットマトリクス表示器7000はLEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体等とは異なり、特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別可能(少なくとも大当りである場合とはずれである場合とで異なる内容を表示するものであればよい)になっている。すなわち、LEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体等の発光態様から特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別することは困難とされる一方で、ドットマトリクス表示器7000に設けられている基板7200に実装されているLED7001の発光態様から特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別することが可能とされている。なお、何らかの条件が成立した場合(例えば大当りとなることが確定していることを特別抽選結果の導出前に通知する大当り確定演出を実行する場合等)にはLEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体等の発光態様から特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別可能に発光制御するようにしてもよい。ただし、ドットマトリクス表示器7000では特定条件下に限らず常に基板7200に実装されているLED7001の発光態様から特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別することが可能とされており、LEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体等の発光態様に不具合が生じてもドットマトリクス表示器7000の発光態様から特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を判別することができるため、遊技者等に不利益を与えない。
また、ドットマトリクス表示器7000では大当り遊技状態中には大当り種別(15R大当り、5R大当り、2R大当り)を表示するようになっている。なお、時短時である場合にその旨を表示したり、高確率状態である場合にその旨を表示するようにしてもよい。
また本例のパチンコ機1では時短時(低確率時短状態(時短状態ともいう)、高確率時短状態(確変状態ともいう))に第二始動口2004への遊技球の入球を狙った遊技(いわゆる「右打ち」)が行われるようになっている。また、時短時には第二始動口2004が頻繁に開状態とされて、通常時(低確率非時短状態(通常状態ともいう)、高確率非時短状態)よりも始動入賞(第一始動口2002への遊技球の入賞、第二始動口2004への遊技球の入賞)し易くなるため、遊技者に有利な状態となる。しかし、時短時に遊技者が第二始動口2004への遊技球の入球を狙った遊技(いわゆる「右打ち」)を行わない場合にはこの有利な状態を享受できない。そのため、本例のパチンコ機1では図261(C)に示すように時短時には遊技者が第二始動口2004への遊技球の入球を狙った遊技(いわゆる「右打ち」)を行うように通知する表示として「右打ち→」を表示するようになっている。これにより時短時であるにもかかわらず遊技者が有利な状態を享受できないことを防止し、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
このように、本例のドットマトリクス表示器7000は、LEDを実装する回路基板が設けられて上記変動演出に関連して発光制御する発光装飾体等とは異なり、遊技に関わる重要な情報を表示するようになっている。また、上記したようにドットマトリクス表示器7000に設けられてLED7001が実装される基板7200のLED実装面は、発光装飾体等に設けられてLEDが実装される回路基板とは異なる色の絶縁膜が形成(レジスト処理)されているため、LEDのLED実装面を視認した場合にLED実装面の色によって遊技に関わる重要な情報を表示するためのLEDが実装されている回路基板であるか否かを容易に判別できる。
なお、本例ではドットマトリクス表示器7000を外レール1001及び内レール1002の内側に設けるように構成したが、外レール1001及び内レール1002の外側に設けるようにしてもよい。これにより外レール1001及び内レール1002の内側の領域での設計の自由度が増し、構造物や可動物を設けて装飾性や演出効果を高めることができる。
ところで、パチンコ機1の後面側には遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、を備えている。また、払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている(図4参照)。
また、払出ベースユニット550や払出ユニット560に供給される遊技球Bは、互いに擦れ合いながら下流側へと移動することで帯電し易くなっており、この遊技球Bから静電気放電が起こると近傍に配置される発光手段(LED等)に不具合が生じるおそれがある。本例では遊技に関わる重要な情報を表示するドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200に実装されているLED7001を主制御基板1310の主制御MPUによって直接制御し、4msごとに表示内容(LED7001の点灯状態)を更新するため、遊技球Bから静電気放電が生じたことなどによってドットマトリクス表示器7000の表示内容に不具合が生じても直ぐに正しい内容に更新表示させることができ、遊技者に等に不利益を与えないようになっている。
このように、払出ベースユニット550や払出ユニット560の近傍の領域は、遊技球Bからの静電気放電等によるノイズの影響を受けやすくなっているが、本例では主制御基板1310の主制御MPUによって短期間(4ms)でドットマトリクス表示器7000の表示内容を更新することで、ノイズの影響を受けやすい領域、例えば図107に示される遊技盤5における外レール1001及び内レール1002の外側の正面視左上部又は正面視左下部の領域等であってもドットマトリクス表示器7000を配置することが可能になっている。即ち、本例のドットマトリクス表示器7000はノイズの影響を受けやすい領域に配置されても遊技者に不利益を与えることなく表示を行うことができるようになっている。
上記実施形態によれば、電気部品用の回路基板に実装され、特別抽選結果に応じて発光制御される複数の発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)、ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、演出表示装置1600等)を備え、複数の発光手段は、発光手段毎に別系統に分けられて個々に発光制御される第1発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)と、所定数の発光手段毎に別系統に分けられて 所定数単位で発光制御される第2発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられるLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。))と、を含み、前記第1発光手段が実装される回路基板と、前記前記第2発光手段が実装される回路基板と、の実装面の色を異ならせるため、回路基板の実装面の色を見ることで当該基板に実装されている発光手段の制御単位を判別でき、例えば個々に発光制御されて遊技の進行に支障を生じさせるような重要な役割を担う発光手段を実装する回路基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)と、他の回路基板(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられる回路基板、扉枠3に設けられているLEDを実装する回路基板(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も含むものであってもよい。))と、の実装面の色を異ならせることで、不具合が生じた発光手段が重要な発光手段であるか否かの判別が容易となり、遊技の進行に支障が生じた場合に迅速に対応することができるようになるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、第1発光手段は、特別抽選結果を判別可能な発光態様で発光し、第2発光手段は、特別抽選結果を判別困難な発光態様で発光し、第1発光手段が実装される回路基板の実装面は、第2発光手段が実装される回路基板の実装面の色(白色)とは異なる特別色(黒色)とされるため、不具合が生じた発光手段が重要な役割を担う発光手段であるか否かの判別が容易となる。
第1発光手段が実装される回路基板を収容する第1基板ケース(ドットマトリクス表示器7000の基板7200を収容するケース7100、機能表示ユニットの機能表示基板を収容する箱体)と、第2発光手段が実装される回路基板を収容する第2基板ケース(皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813、裏下左回転装飾体3201、裏下右回転装飾体3251、裏下中回転装飾体3310、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421等)と、をさらに備え、第1基板ケースは、透光性を有しない材料によって形成される第1本体部(ドットマトリクス表示器7000の基板7200を収容するケース7100、機能表示ユニットの機能表示基板を収容する箱体)と、第1発光手段の発光状態を判別可能な第1表示部(ケース7100の貫通部7110a、機能表示基板を収容する箱体のLED用挿通孔)と、を有し、第2基板ケースは、透光性を有する材料によって形成される第2本体部(皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813、裏下左回転装飾体3201、裏下右回転装飾体3251、裏下中回転装飾体3310、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421等)を有するため、基板ケースの透光性の有無によっても発光手段の制御単位や重要な役割を担う発光手段であるか否かの判別が容易となる。
第1基板ケースは、該第1基板ケースの一部を破壊することで回路基板を脱離可能な状態となり、第2基板ケースは、該第2基板ケースの一部を破壊することなく回路基板を脱離可能な状態となり、第1基板ケースの一部を破壊しなければ回路基板を離脱できないため、重要な役割を担う発光手段が物理的に破壊されることを抑制できる。一方、重要度の低い発光手段については物理的な交換が容易となる。
所定数単位で発光制御されて所定の発光態様を表し得る第1発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。))と、第1発光手段が実装される第1回路基板(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられる回路基板、扉枠3に設けられているLEDを実装する回路基板(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も含むものであってもよい。))と、個々に発光制御されて所定の発光態様を表し得る第2発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)と、第2発光手段が実装される第2回路基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)と、を備え、第1回路基板の第1発光手段が実装される実装面には白色の絶縁膜が形成され、第2回路基板の第2発光手段が実装される実装面には暗色の絶縁膜が形成されるため、第1回路基板の反射効率が高まり第1発光手段の発光時の輝度の低下を抑制できる。また個々に発光制御される第2発光手段を実装する第2回路基板には暗色の絶縁膜を形成するため、反射が抑制されるとともに暗色の絶縁膜の実装面との対比により個々の発光を明瞭に視認させることができる。
第2発光手段の複数の発光手段それぞれによる発光色の干渉を抑制する抑制部材(ケース7100の貫通部7110a、機能表示基板を収容する箱体のLED用挿通孔によって各発光手段が筒状に区画される)を備えるため、発光色の拡散や干渉が抑制されて、複数の発光手段の発光色を個々に識別しやすくなる。
第2回路基板を収容する基板ケース(ドットマトリクス表示器7000の基板7200を収容するケース7100、機能表示ユニットの機能表示基板を収容する箱体)をさらに備え、基板ケースは、複数の発光手段による発光状態を判別可能な表示部(ケース7100の貫通部7110a、機能表示基板を収容する箱体のLED用挿通孔)と、該表示部の周囲に形成される暗色の表示補助部(ケース7100の貫通部7110aに対応する領域の周囲が不透明な黒色される透光性フィルム7300、透明部の周囲が黒色とされる黒色機能表示シール)と、を有するため、表示補助部との対比によって表示部における発光手段の発光状態の判別が容易になる。
遊技が行われる遊技盤5と、該遊技盤5の前方に配置されて、遊技盤5を視認可能にする遊技窓部(扉窓101a)を備えた枠体(扉枠3)と、該枠体に設けられる複数の枠側発光手段(扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)と、遊技盤に設けられて、遊技窓部を通して視認可能な複数の盤側発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED)と、を備え、予め決められている特定条件が成立すると、複数の枠側発光手段を通常よりも高輝度で発光させる一方、複数の盤側発光手段のうち少なくとも特定の盤側発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)を通常の輝度を維持した状態で発光させるものであり、特定の盤側発光手段は、複数の発光素子(LED素子)と、該発光素子が実装される発光基板(基板7200、機能表示基板)と、該発光基板に実装される複数の発光素子それぞれを区画する区画部材(ケース7100の貫通部7110a、機能表示基板を収容する箱体のLED用挿通孔によって各発光手段が筒状に区画される)と、を有するため、複数の発光素子による発光が干渉することを抑制して複数の発光素子それぞれの発光が視認し易くなるため、枠側発光手段が高輝度で発光している状況でも特定の盤側発光手段による発光状態を判別し易い。
特定条件が成立したときに、複数の盤側発光手段のうち特定の盤側発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)を除く所定数の盤側発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLEDのうちのいずれか又は全部)を消灯させるため、遊技窓部内の明るさを落とすことができ、特定の盤側発光手段の発光状態を判別し易くなる。
発光基板のうち区画手段で区画されて発光素子が配置する領域の周囲(基板7200の貫通部7110aに対応する領域の周囲、機能表示基板のに対応する領域の周囲)には反射効率の低い暗色の絶縁膜が形成されているため、発光素子から照射される光が区画部材によって区画される領域外に漏れた場合であっても光の拡散を抑制することができるとともに、暗色の絶縁膜との対比によってより明確に視認できるようになる。
所定の制御信号を受信して、該受信した制御信号に基づく発光態様で発光する第1発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)と、該第1発光手段よりも重要度の高い情報を表し得る第2発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)と、を備え、制御信号は、第1発光手段と第2発光手段とで異なる周期で出力されるため、不具合が生じたときに第1発光手段と第2発光手段との両方が本来の発光態様とは異なる発光態様で発光することを抑制できる。
第1発光手段に制御信号を出力する第1発光制御手段(周辺制御基板1510の周辺制御MPUによって発光装飾体を発光制御する部分)と、第2発光手段に制御信号を出力する第2発光制御手段(主制御基板1310の主制御MPUによってドットマトリクス表示器7000や機能表示ユニット1400を発光制御する部分)と、をさらに備え、第2発光手段は、第1発光制御手段よりも短い周期で制御信号を出力するため、第2発光手段によって表される情報に不具合が発生することを抑制できる。
第1発光制御手段は、特別抽選結果を判別困難な態様で第1発光手段を発光制御し、第2発光制御手段は、特別抽選結果を判別可能な態様で第2発光手段を発光制御し、抽選処理の結果を判別可能な態様で発光制御することで第1発光手段に対して重要度の高い第2発光手段を第1発光手段よりも短い周期で制御信号を出力して発光制御するため、第2発光手段によって表される情報に不具合が発生して遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
第1発光制御手段を含み、遊技の進行を制御する遊技制御手段(主制御基板1310の主制御MPU)と、第2発光制御手段を含み、遊技制御手段からの指令に基づいて演出を制御する演出制御手段(周辺制御基板1510の周辺制御MPU)と、をさらに備え、第1発光手段を遊技制御手段で制御し、第2発光手段を演出制御手段で制御するため、第1発光手段の不具合の発生を確実に抑制できる。
遊技の進行を制御する遊技制御手段(主制御基板1310の主制御MPU)と、遊技の進行に伴って実行される遊技演出に関連して発光可能な複数の発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)と、を備え、複数の発光手段は、用途(演出用途、遊技状態や特別表示結果の通知用途)に応じて異なる回路基板に実装されており、第1の用途に用いられる発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)を実装する第1の回路基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)と、第1の用途とは異なる第2の用途に用いられる発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)を実装する第2の回路基板(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられる回路基板、扉枠3に設けられているLEDを実装する回路基板(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も含むものであってもよい。))と、の実装面の色を異ならせたため、用途に応じて発光手段の反射効率を高めたり、低下させたりすることができる。例えば反射効率を高めたい回路基板を明色として、光の拡散を抑制したい回路基板を暗色とすることにより遊技者に誤った情報が伝わることを抑制でき、遊技興趣の低下を抑止できる。
第1の回路基板に実装される発光手段は、演出効果を高めるために用いられ、第2の回路基板に実装される発光手段は、抽選結果に関わる情報を表示するために用いられるものであり、所定の情報を表示する第2回路基板の表面に暗色の絶縁膜を形成することで光の干渉を抑制し、誤った情報が通知されることを抑制できる。
第1の回路基板の表面には、白色の絶縁膜が形成され、第2の回路基板の表面には、暗色の絶縁膜が形成され、演出効果を高めるために用いられる発光手段が設けられる第1の回路基板の表面に白色の絶縁膜を形成することで発光手段の反射効率を高めることができるため、第1の回路基板に実装される発光手段の発光時における輝度を高めることができ、演出効果が高まる。一方、抽選結果に関わる情報を表示するための第2の回路基板の表面には暗色の絶縁膜を形成することで発光手段それぞれから照射される光が拡散して干渉することを抑制できるため、発光手段それぞれの発光状態が明瞭となり、抽選結果に関わる情報が誤解されて伝わることを抑制できる。
遊技球が転動する遊技領域5aが前面に形成される遊技盤5と、該遊技盤5の前面を区画するレール部材(外レール1001、内レール1002)と、を備え、第1の回路基板は、レール部材の内側領域に配置され、第2の回路基板は、レール部材の外側領域に配置し、第1の回路基板の表面に白色の絶縁膜を形成するため、遊技者が注目するレール部材の内側領域における光の反射効率を高めて演出効果を高めることができる。
電気部品用の回路基板に実装され、抽選の結果に応じて発光制御される複数の発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)、ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、演出表示装置1600等)を備え、前記複数の発光手段は、複数の発光ユニットに分けられており、前記複数の発光ユニットには、複数の発光手段を同時に発光制御した場合に個々の発光状態について識別困難にされる第1発光ユニット(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられるLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。))と、複数の発光手段を同時に発光制御した場合に個々の発光状態について識別可能にされる第2発光ユニット(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400)と、が含まれ、前記複数の発光手段が実装される第1回路基板の表面には、第1絶縁性塗料で形成される第1絶縁膜(白色等の明色の絶縁膜)と、該第1絶縁膜上に形成されて当該第1回路基板に実装される前記電気部品を特定する表記部(LEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)を示す表記部(箔抜きや、第1絶縁性塗料とは異なる色の絶縁性塗料でシルク印刷するものを含む))と、が形成され、前記複数の発光手段が実装される前記第2回路基板の表面には、前記表記部が形成されずに第2絶縁性塗料による第2絶縁膜(黒色等の暗色の絶縁膜)のみが形成されることを特徴とする。これにより、個々の発光状態を視認可能にされる第2発光ユニットが実装される第2回路基板の表面に表記部を形成することなしに第2絶縁性塗料による第2絶縁膜のみが形成されるように構成したため、第2回路基板の表面における反射効率を均一にすることが可能となり、例えば第2回路基板の表面に明色の第2絶縁性塗料による第2絶縁膜のみを形成した場合には均一な発光を実現できるし、第2回路基板の表面に暗色の第2絶縁性塗料による第2絶縁膜のみを形成した場合には光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、個々の発光状態の識別が容易になる。
また、第1絶縁性塗料を明色とし、表記部を第1絶縁性塗料とは異なる明色で形成するようにしてもよい。これにより、第1回路基板の表面に明色の絶縁性塗料による塗膜を形成し、この塗膜上に絶縁性塗料の明色とは異なる明色の表記部を形成するため、第1回路基板の表面における反射効率が表記部によって低下することを抑制することが可能になるとともに、第1回路基板に実装される電気部品を表記部によって特定することが可能となる。これによって第1回路基板に実装される複数の発光手段による発光の輝度を低下させることなく、第1回路基板に実装される電気部品を特定することが可能であるため、遊技演出の効果を向上させることができ、遊技興趣の低下を抑止できるようになる。
また、第1絶縁性塗料を白色とし、表記部を黄色で形成するようにしてもよい。これにより、第1回路基板の表面に形成される絶縁性塗料の白色と反射効率が近い黄色で表記部を形成するため、第1回路基板の表面における反射効率の低下を抑制しつつ、第1回路基板に実装される電気部品を特定することが可能となり、複数の発光手段による発光の輝度の低下を抑制することができる。これによって遊技演出の効果を向上させることができ、遊技興趣の低下を抑止できるようになる。
また、第2絶縁性塗料を暗色とし、第2回路基板の表面に暗色の第2絶縁膜を形成するようにしてもよい。これにより、第2回路基板の表面に暗色の絶縁性塗料による塗膜を形成する一方で、表記部を形成しないため、第2回路基板の表面における反射効率が表記部によって向上することを抑制することが可能になる。これによって第2回路基板の表面における光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、これによって個々の発光状態の識別を容易にすることができる。
また、第2絶縁性塗料を黒色とし、第2回路基板の表面に黒色の第2絶縁膜を形成するようにしてもよい。これにより、第2回路基板の表面に黒色の絶縁性塗料による塗膜を形成する一方で、表記部を形成しないため、第2回路基板の表面における反射効率が表記部によって向上することを抑制することが可能になる。これによって第2回路基板の表面における光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、これによって個々の発光状態の識別を容易にすることができる。
また、第2回路基板の複数の発光手段が実装されない裏面に当該第2回路基板に実装される電気部品を特定する表記部を形成するようにしてもよい。第2回路基板の裏面に表記部が形成されるため、第2回路基板の表面における反射効率の低下を抑制しつつ、第2回路基板に実装される電気部品を特定することが可能になる。
また、第2回路基板の裏面に形成される表記部として、黒色よりも反射効率が高い色で形成するようにしてもよい。黒色よりも反射効率が高い色で形成される表記部を第2回路基板の服すの発光手段が実装されない裏面に形成するため、第2回路基板の表面における反射効率を向上させることなく、第2回路基板に実装される電気部品を特定することが可能となり、第2回路基板の表面における光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、これによって個々の発光状態の識別を容易にすることができる。
また、少なくとも第1回路基板の複数の発光手段が実装される表面を覆う第1回路基板カバー(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813や、扉枠3の左サイドインナーレンズ403、右サイドインナーレンズ415等)と、少なくとも第2回路基板の複数の発光手段が実装される表面を覆う第2回路基板カバー(表面カバー部7110)と、をさらに備えて、第1回路基板ケースを第1回路基板の表面に対応する部位が透光性を有する材料によって形成し、第2回路基板ケースを第2回路基板の表面に対応する部位が透光性を有しない材料によって形成するとともに、当該第2回路基板に実装される複数の発光手段それぞれの発光状態を判別可能にする表示部を有するようにしてもよい。第1回路基板ケースの第1回路基板の表面に対応する部位を透光性を有する材料で形成することで第1回路基板ケースの第1回路基板の表面に対応する部位の全域に亘って発光装飾することができる。また、第2回路基板ケースの第2回路基板の表面に対応する部位を透光性を有しない材料で形成して、表示部から複数の発光手段それぞれの発光状態を判別可能にするため、複数の発光手段それぞれの光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、これによって複数の発光手段それぞれの発光状態の識別を容易にすることができる。
また、第2回路基板カバーの表示部は、複数の発光手段それぞれによる光の干渉を抑制する抑制手段(各発光手段が筒状に区画される)を有するものであってもよい。このように構成することにより第2回路基板の表面における光の干渉が抑制されて、複数の発光手段の発光状態を個々に識別しやすくなる。
また、第2回路基板カバーは、複数の発光手段が実装される第2回路基板の表面を覆う表面カバー部(表面カバー部7110)と複数の発光手段が実装されない第2回路基板の裏面を覆う裏面カバー部(裏面カバー部7120)とを有して、第2回路基板を収容し、第2回路基板カバーの一部(表面カバー部7110と裏面カバー部7120との一方又は両方の一部)が破壊されることによって第2回路基板を脱離可能な状態とするようにしてもよい。これにより、第2回路基板ケースの一部を破壊しなければ第2回路基板を離脱できないため、光の干渉を抑制する機能を損なう恐れが低くなる。
抽選条件の成立に基づいて当りか否かの抽選を行い、該抽選の結果が当りである場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技機であって、複数の発光手段(LED)が実装される表面と該複数の発光手段が実装されない裏面とを有する複数の発光基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)を備え、複数の発光基板には、少なくとも表面に暗色(黒色、緑色、紺色、紫色等)の絶縁性塗料による絶縁膜が形成される暗色発光基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、等)と、少なくとも表面に明色(白色、黄色、水色、黄緑色等)の絶縁性塗料による絶縁膜が形成される明色発光基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、等)と、を含み、暗色発光基板には、当該暗色発光基板の裏面にのみ、当該暗色発光基板への配線を接続するコネクタ(コネクタ7002)が配置され、明色発光基板には、当該明色発光基板の表面に当該明色発光基板への配線を接続するコネクタが配置されることを特徴とする。このように構成することにより、暗色の絶縁性塗料による絶縁膜が形成される発光基板の表面にはコネクタを配置することなく、裏面にコネクタを配置することで発光基板の表面における反射効率が均一化されて複数の発光手段による発光を明瞭に視認できるようになる。これによって演出効果が向上し、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、明色(白色、水色、黄色、黄緑色、等)のコネクタを用いるようにしてもよい。暗色発光基板には明色のコネクタを暗色発光基板の裏面に配置することで暗色発光基板の表面における反射効率の向上を抑制しつつ、暗色発光基板への配線を接続することが可能になり、明色発光基板の表面に配置されるコネクタを明色とすることで明色発光基板の表面における反射効率の低下を抑制しつつ、明色発光基板への配線を接続することが可能になる。
また、暗色の絶縁性塗料として黒色の絶縁性塗料を用いるようにしてもよい。暗色発光基板の表面に黒色の絶縁性塗料による絶縁膜を形成するため、暗色発光基板の表面における光の干渉を抑制することができる。また、裏面にコネクタを配置することで暗色発光基板の表面における反射効率をコネクタによって向上させることなく均一化することができ、複数の発光手段による発光を明瞭に視認できるようになる。
また、明色の絶縁性塗料として白色の絶縁性塗料を用いるようにしてもよい。明色発光基板の表面に白色の絶縁性塗料による絶縁膜を形成するため、従来の緑色の絶縁膜が形成されている回路基板に比べて明色発光基板の表面における光の反射効率を向上させることができる。また、表面に配置するコネクタを明色とすることで明色発光基板の表面における反射効率の低下を抑制することができ、複数の発光手段による発光の輝度を高めることができるようになる。
また、白色のコネクタを用いるようにしてもよい。暗色発光基板の裏面に白色のコネクタを配置することで暗色発光基板の表面における反射効率をコネクタによって向上させることなく均一化することができ、複数の発光手段による発光を明瞭に視認できるようになる。また、コネクタを白色とすることで暗色発光基板の裏面に暗色の絶縁膜を形成している場合にコネクタを識別し易くなる。また、明色発光基板の表面に当該表面に形成される絶縁膜と同様の白色のコネクタを配置するため、明色発光基板の表面の反射効率がコネクタによって低下することを抑制できる。
また、暗色発光基板を収容する暗色発光基板ケース(ケース7100)をさらに備え、暗色発光基板ケースは、暗色発光基板の表面に対応する部位が透光性を有しない材料によって形成されるとともに、当該暗色発光基板に実装される複数の発光手段それぞれの発光状態を判別可能にする表示部(貫通部7110a)を有するようにしてもよい。暗色発光基板ケースの暗色発光基板の表面に対応する部位を透光性を有しない材料で形成して、表示部から複数の発光手段それぞれの発光状態を判別可能にするため、複数の発光手段それぞれの光の干渉を抑制して個々の発光状態を明瞭にすることができ、これによって複数の発光手段それぞれの発光状態の識別を容易にすることができる。
また、暗色発光基板ケースの表示部は、複数の発光手段それぞれによる光の干渉を抑制する抑制手段(貫通部7110aによって各発光手段が筒状に区画される)を有するようにしてもよい。暗色発光基板の表面における光の干渉が抑制されて、複数の発光手段の発光状態を個々に識別しやすくなる。
また、暗色発光基板ケースは、該暗色発光基板ケースの一部が破壊されることによって暗色発光基板を脱離可能な状態とされるものであってもよい。暗色発光基板ケースの一部を破壊しなければ暗色発光基板を離脱できないため、光の干渉を抑制する機能を損なう恐れが低くなる。
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による前記抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、前記遊技の進行に伴って発光可能な複数の発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)、ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、演出表示装置1600等)と、を備える遊技機であって、前記複数の発光手段は、用途(面発光させて装飾体を発光装飾するか、ドットマトリクス表示等により様々な痔文字や記号、図形などを表示するか等)に応じて異なる基板に実装されており、前記複数の発光手段のうち第1発光手段は、光反射効率の低い黒色の実装面からなる第1発光基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、等)に設けられ、前記複数の発光手段のうち第2発光手段は、光反射効率の高い白色の実装面からなる第2発光基板(裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、等)に設けられ、前記第1発光基板は、光反射効率の高い白色のケース体(ケース7100)に収容されることを特徴とする。これにより、第1発光基板は、自身の発光の反射効率が高めないが、他の発光の反射効率は高めることができる。
また、前記第1発光基板に実装される前記第1発光手段は、前記抽選手段の抽選結果を発光態様によって表示可能であり、前記第2発光基板に実装される前記第2発光手段は、前記第1発光手段が発光態様によって前記抽選結果を表示する以前に、当該抽選結果に応じた発光演出を実行可能であるものであってもよい。抽選結果を発光態様によって表示する第1発光基板の実装面を光反射効率の低い黒色とすることで第1発光基板の実装面での光の干渉が抑制され、誤った情報が通知されることを抑制できる。
[重要基板に対する不正防止対策]
上記したように、本例では遊技の進行に支障を生じさせるような重要な役割を担う発光手段を実装する回路基板、換言すると遊技者の利益に直接的に関わる制御を行うことで重要度の高い回路基板(本例ではドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板等)には、基板表面に黒色の絶縁膜が形成され、遊技の進行に関わる重要な情報を表示しない(まれに表示するものであってもよい)発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)や扉枠3に設けられるような他の回路基板、換言すると遊技者の利益に直接的には関わらない遊技演出に関わる制御を行うことで重要度の低い回路基板(本例では裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等に設けられる回路基板や、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457等、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も含むものであってもよい。)には、基板表面に白色の絶縁膜が形成されている。
また、上記したように本例のドットマトリクス表示器7000は、主制御基板1310の主制御MPUによって直接制御されている。一方、遊技者の利益に直接的には関わらない遊技演出に関わる制御を行うことで重要度の低い回路基板(本例では裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等に設けられる回路基板や、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457等、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も含むものであってもよい。)は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUが制御するようになっている。
すなわち、本例では遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板のうち、主制御基板1310の主制御MPUが直接制御する回路基板、換言すると重要度の高い回路基板(本例ではドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200)には黒色の絶縁膜が形成される一方、周辺制御基板1510の周辺制御MPUが制御する回路基板、換言すると重要度の低い回路基板(本例では裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等に設けられる回路基板)には白色の絶縁膜が形成されるようになっている。
このように、本例では遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板が、主制御基板1310の主制御MPUによって直接制御される重要度の高い回路基板であるか、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUによって制御される重要度の低い回路基板であるかを基板表面に形成されている絶縁膜の色によって容易に判別できるようになっている。そのため、製造過程等において重要度の高い回路基板であると判別した場合には当該回路基板に対して十分な検査を行うことで、遊技機に設置された場合に遊技者の利益に直接的に関わるような重大な不具合が発生することを抑制できるようになっている。一方で、重要度の高い回路基板であることが容易に判別できてしまうことで、重要度の高い回路基板に対して不正な改造等が行われる可能性がある。本例では重要度の高い回路基板であるか否かを遊技者に判別され難くすることで、重要度の高い回路基板に対する不正改造が行われ難くなっている。
具体的には、上記したドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200では、基板表面(LED実装面)に黒色の絶縁膜が形成されているものの、LEDが実装されている部分のうち上記した貫通部7110aに対応する領域には白色の絶縁膜のみが形成されるようになっている(図262(A)、(B))。また、ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200の基板裏面(LED非実装面)には白色の絶縁膜が形成されている。なお、図262(A)、(B)では便宜上、透光性フィルム7300をケース7100から剥がした状態を示す。また透光性フィルム7300はドットマトリクス表示器7000のケース7100に貼着するものに限らず、ドットマトリクス表示器7000をパチンコ機1に設置した状態で当該ドットマトリクス表示器7000のケース7100の前方に配置する透明な部材(樹脂やガラス等)に貼着するものであってもよい。
本例では基板7200のうち、ケース7100に形成される貫通部7110aや開口部7120aを通して視認可能とされる領域については、遊技者の利益に直接的には関わらない遊技演出に関わる制御を行うことで重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する白色の絶縁膜のみが形成されるようになっている。このように、基板7200のうちケース7100に形成される貫通部7110aや開口部7120aを通して視認可能となる領域については、重要度の低い回路基板と同様と同一又は酷似する白色の絶縁膜のみを形成することで、ケース7100に貼着されている透光性フィルム7300が剥がれてケース7100に収容されている基板7200が貫通部7110aを通して視認可能となったり、透光性フィルム7300が貼着されずに基板7200の一部を貫通部7110aから露出させるようなケース7100を用いた場合に、ケース7100に形成される貫通部7110aや開口部7120aを通して基板7200が視認されたとしても、重要度の高い回路基板であることを遊技者に気付かれないようにすることが可能になっている。ただし、基板7200のうちLED7001が実装される表面(前面、LED実装面)では重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する白色の絶縁膜が占める割合よりも黒色の絶縁膜が占める割合の方が高くなっている。そのため、製造過程では基板7200のLED7001が実装される表面(前面、LED実装面)の色によって重要度の高い回路基板であることを即座に判別することが可能であり、十分な検査が行われるようになる。
なお、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板のうち、主制御基板1310の主制御MPUが直接制御する回路基板全てに白色とは異なる色(例えば黒色や緑色)の絶縁膜が形成されるものに限られるものではなく、主制御基板1310の主制御MPUが直接制御する回路基板のうちの少なくとも1つの回路基板に白色とは異なる色(例えば黒色や緑色)の絶縁膜が形成されるものであればよい(主制御基板1310の主制御MPUが直接制御する回路基板として複数の回路基板が設けられている場合には黒色の絶縁膜が形成される回路基板と緑色の絶縁膜が形成される回路基板と白色の絶縁膜が形成される回路基板とのうちの2種類以上の組合せを含むようにしてもよい)。また、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板のうち、周辺制御基板1510の周辺制御MPUによって制御される回路基板全てに白色の絶縁膜が形成されるものに限られるものではなく、周辺制御基板1510の周辺制御MPUによって制御される回路基板のうちの少なくとも1つに黒色とは異なる色(例えば白色や緑色等)の絶縁膜が形成されるものであってもよいし、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板のLED非実装面(裏面(後面))には白色とは異なる色(例えば黒色や緑色等)の絶縁膜が形成されるものであってもよい。
一方、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の裏面側に配置する主制御基板1310や周辺制御基板1510等の回路基板(少なくとも主制御基板1310や周辺制御基板1510であるが、払出制御基板633等の他の回路基板を含むものであってもよい)はいずれも重要度の高い回路基板であり、本例では同一色(緑色)の絶縁膜が形成されるようになっている。また、主制御基板1310を収容する主制御基板ボックス1320は透明樹脂によって形成されて主制御基板ボックス1320の外部から主制御基板1310を視認可能とされ、周辺制御基板1510を収容する周辺制御基板ボックス1520は透明樹脂によって形成されて周辺制御基板ボックス1520の外部から周辺制御基板1510を視認可能とされている。また、主制御基板1310や周辺制御基板1510には電子部品の実装面に当該電子部品それぞれに対応する表記部が形成されている。このように、パチンコ機1の裏面側に配置する主制御基板1310や周辺制御基板1510等の重要度の高い回路基板については同一(酷似する)色の絶縁膜を形成するとともに電子部品の実装面に当該電子部品それぞれに対応する表記部が形成されているため、製造過程で重要度の高い回路基板であるか否かの判別を容易にして重要度の高い回路基板に対しては十分な検査を行わせることができるし、製造後のパチンコ機1の遊技盤5に設けられた状態ではパチンコ機1の裏面側を遊技者に視認されたとしてもパチンコ機1の裏面側に配置する複数の回路基板に同一又は酷似する色の絶縁膜が形成されているとともに、電子部品の実装面に当該電子部品それぞれに対応する表記部が形成されて、電子部品の実装面がほぼ同様の態様(少なくとも電子部品の実装面に同一又は酷似する色の絶縁膜が形成されるものであればよく、表記部の色(黒色、黄色等)や配置方法(電子部品それぞれに対して形成するか、複数の電子部品に対してまとめて形成するか、電子部品が実装されている表面に形成するか、電子部品が実装されていない裏面に形成するか)とされているために、パチンコ機1の裏面側に配置する複数の回路基板のうち、最も重要度の高い回路基板(主制御基板1310や払出制御基板633等)がいずれであるかを判別され難くなり、重要度の高い回路基板(主制御基板1310や払出制御基板633等)に対する不正改造が行われ難くなる。
このように、本例のパチンコ機1では遊技盤5に設けられてパチンコ機1の裏面側に配置する回路基板においては、同一色(酷似色)の絶縁膜が形成されて重要度の高い回路基板であるか重要度の低い回路基板であるかの判別が困難とされている一方で、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板においては、絶縁膜の色を異ならせることで重要度の高い回路基板であるか重要度の低い回路基板であるかの判別を可能にしつつも、ケース(ケース7100等)を通して視認可能とされる絶縁膜の色を同一色(酷似色)とすることで重要度の高い回路基板であるか重要度の低い回路基板であるかを遊技者に気付かれ難くしている。また、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の裏面側に配置する回路基板についても遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板と同様に絶縁膜の色を異ならせるようにしてもよいが、ケース(主制御基板ボックス1320、周辺制御基板ボックス1520等)を不透明にした場合には不正な改造が行われていても発見が遅れて被害が拡大するおそれがあるため、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の裏面側に配置する回路基板については同一色(酷似色)の絶縁膜を形成しつつ、視認可能な透明ケース(主制御基板ボックス1320、周辺制御基板ボックス1520等)に収容することが望ましい。
なお、上記した例では基板7200の基板裏面(LED非実装面)については全ての領域に白色の絶縁膜を形成したが、これに限られるものではなく、基板7200の基板裏面のうち、少なくともコネクタ7002を露出させる開口部7120aに対応する領域(コネクタ7002を露出させる開口部7120aを通して視認可能とされる領域)に白色の絶縁膜を形成するものであればよく、他の領域については白色とは異なる色(例えば黒色や緑色等)の絶縁膜を形成するようにしてもよい。また、コネクタ7002を露出させる開口部7120a以外にも開口部や貫通部が形成されている場合には、これら開口部及び貫通部に対応する領域についても白色の絶縁膜を形成して、この開口部や貫通部を通して基板7200の基板裏面(LED非実装面)が視認された場合であっても遊技者の利益に直接的に関わる制御を行うことで重要度の高い回路基板であることを遊技者に気付かれないようにしてもよい。
また、基板7200のうち、ケース7100に形成される貫通部7110aに対応する領域を超える範囲に亘って、重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する色(本例では白色)の絶縁膜を形成するようにしてもよいし、基板7200がケース7100に収容された状態で貫通部7110aに対応する領域の外側となる近傍領域の一部に重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する白色の絶縁膜を所定の形態(例えば任意の形状や記号、文字、表記部等)で形成するようにしてもよい。このように構成することにより、ケース7100に収容される基板7200がずれて、貫通部7110aに対応する基板7200の領域が変化した場合であっても黒色の絶縁膜を視認され難くすることができ、重要度の高い回路基板であることを遊技者に気付かれないようにすることができる。また、
また、上記したように基板7200を収容するケース7100は透光性を有しない有色不透明な白色の樹脂によって形成されている。さらに、ケース7100の表面(前面)側には貫通部7110aに対応する領域が半透明(本例では白濁した摺りガラス状)とされる透光性フィルム7300が貼着されており、ケース7100の表面(前面)側からケース7100に収容されている基板7200を直接視認することができないようになっている。これにより、製造過程では重要度の高い回路基板であるか否かの判別を容易にして重要度の高い回路基板に対しては十分な検査を行わせることができる一方、製造後の状態、すなわちパチンコ機1の遊技盤5に設けられた状態では重要度の高い回路基板の中でもパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板の存在を秘匿して、これに対する不正改造を困難にするため、遊技機の信頼性が低下することを抑制できる。
なお、ケース7100内に収容される基板7200のうち少なくともLED実装面(少なくとも貫通部7110aに対応する領域を除く)に、パチンコ機1の裏面側に配置する主制御基板1310や周辺制御基板1510等の重要度の高い回路基板と同一又は酷似する色(緑色)の絶縁膜を形成するようにしてもよい。そして、周辺制御基板1510の周辺制御MPUが制御する回路基板のうち、遊技盤5に設けられてパチンコ機1の前面側に向けて光を照射するLEDが実装される回路基板の少なくともLED実装面に主制御基板1310や周辺制御基板1510等とは異なる色(白色)の絶縁膜を形成することで、製造過程で重要度の高い回路基板であるか否かの判別が容易となって重要度の高い回路基板に対して十分な検査を行わせることができるようになる。
また、基板7200を収容するケース7100を、重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する白色の樹脂によって形成するようにしてもよく、これによりケース7100についても重要度の低い回路基板と同様のものであると認識させて重要度の高い回路基板が収容されていることを気付かせないようにすることができる。
また、上記したように本例ではケース7100に収容されている基板7200のうち、貫通部7110aに対応する領域については重要度の低い回路基板に形成される絶縁膜と同一又は酷似する白色の絶縁膜のみが形成されるようになっているため、透光性フィルム7300がケース7100から剥がれてケース7100に収容されている基板7200が貫通部7110aを通して視認可能となっても、ケース7100内に収容されている基板7200が重要度の高い回路基板であることを気付かれ難くすることができる。
また、ドットマトリクス表示器7000のケース7100内に収容される基板7200の貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)にはスルーホールが形成されていない。これにより、貫通部7110aに対応する基板7200の表面(貫通部7110aの内側の領域)の全域に亘って形成される白色の絶縁膜の表面が平滑になるため、貫通部7100aを通して基板7200の表面(前面、LED実装面)を視認した遊技者に違和感を与えないようにすることができ、重要度の高い回路基板であることを気付かれないようにすることが可能になる。なお、基板7200の貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)にスルーホールを形成し、このスルーホールを含む貫通部7110aに対応する基板7200の表面(前面、LED実装面)に通常よりも厚くした白色の絶縁膜を形成するようにしてもよく、この場合にも当該絶縁膜の表面を平滑にすることが可能であるため、貫通部7100aを通して基板7200の表面(前面、LED実装面)を視認した遊技者に違和感を与えないようにすることができ、重要度の高い回路基板であることを気付かれないようにすることが可能になる。
また、ケース7100内に収容される基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)については白色(白色に限らず、反射効率の高い明色(例えば黄色)であってもよい)の絶縁膜を形成することで反射効率を向上させるようにしてもよい。例えば図258(A)に示すように、基板7200のLED実装面に黒色の絶縁性塗料を塗布して第1導電膜7200Aを形成し、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)部分を第1導電膜7200Aの上から白色塗料でベタ塗り(シルク印刷)して第2導電膜7200Bを形成するようにしてもよいし、図258(B)に示すように、基板7200のLED実装面に白の絶縁性塗料を塗布して第1導電膜7200Aを形成し、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(貫通部7110aの内側の領域)部分を除いて第1導電膜7200Aの上から黒色塗料でベタ塗り(シルク印刷)して第2導電膜7200Bを形成するようにしてもよい。
すなわち、図258(A)では基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の第1導電膜7200Aが形成されるとともに、貫通部7110aに対応する領域に白色の第2導電膜7200Bが形成される。また、図258(B)では基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の第2導電膜7200Bが形成されるとともに、貫通部7110aに対応する領域に白色の第1導電膜7200Aが形成される。このように、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に黒色の絶縁膜(黒色の第1導電膜7200A、黒色の第2導電膜7200B)を形成し、貫通部7110aに対応する領域に白色の絶縁膜(白色の第2導電膜7200B、白色の第1導電膜7200A)を形成することで、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域(1個のLED7001が配置される貫通部7110aの内側の領域)の反射効率を高めることができるため、LED7001の発光時に貫通部7110a内の輝度の低下をさらに抑制して1個のLED7001による発光を明瞭に視認させることができるし、基板7200のLED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲については反射効率の低い状態を維持することができるため、仮に貫通部7110a内に配置するLED7001からの光が貫通部7110a外に漏れたとしてもこの光が拡散することを防止できる。またこの場合には上記した表記部をシルク印刷しないようにしてもよいし、基板7200のLED7001が実装されない裏面(LED非実装面)に表記部をシルク印刷するようにしてもよいし、LED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域の周囲に形成される黒色の第1導電膜7200A上又は黒色の第2導電膜7200B上に白色や黄色などの反射効率の高い明色の塗料を用いて表記部をシルク印刷するようにしてもよいし、LED実装面のうち貫通部7110aに対応する領域に形成される白色の第1導電膜7200A上又は白色の第2導電膜7200B上に黄色等の反射効率が高い明色の塗料を用いて表記部をシルク印刷するようにしてもよい。
上記実施形態によれば、抽選条件の成立に基づいて当りか否かの抽選を行い、該抽選の結果が当りである場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技機であって、遊技の進行に用いられるメイン側基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、主制御基板1310、払出制御基板633等)と、演出の実行に用いられるサブ側基板(周辺制御基板1510、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457)と、を設け、メイン側基板は、電子部品の実装される表面が遊技機の後方に向くように配置される第1メイン側基板(主制御基板1310、払出制御基板633等)と、表面が遊技機の前方に向くように配置され、少なくとも当該表面にサブ側基板には形成されていない特定色の着色領域を有する第2メイン側基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)と、を有し、第1メイン側基板には、実装される電子部品の種別を特定する情報(電子部品の部品番号や、電子部品を配置する位置を示す領域等、の電子部品の属性(さらに、電子部品の形状、電子部品の大きさ、電子部品の実装向き(実装方向)、電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表記部(箔抜きや、第1絶縁性塗料とは異なる色の絶縁性塗料でシルク印刷するものを含む))が設けられているのに対し、第2メイン側基板には、実装される電子部品の種別を特定する情報が設けられていないことを特徴とする。これにより、電子部品の実装される表面が遊技機の前方に向くように配置される第2メイン側基板についてはサブ側基板には形成されていない特定色の着色領域(例えば、異なる色のレジストやシルク等)を有するようにしたことで、重要度の高い基板であるか否かの判別が容易になり、重要度の高い基板に対する検査の見落とし等を防ぐことができる。また、重要度の高い基板の存在が遊技者側から把握できてしまうと、それを利用した不正行為が行われる虞があるが、本願発明では、電子部品の実装される表面が遊技機の後方に向くように配置される第1メイン側基板には特定色の着色領域を形成しないことで第1メイン側基板とサブ側基板との判別を困難にし、表面が遊技機の前方に向くように配置される第2メイン側基板には実装される電子部品の種別を特定する情報を設けないこととしている。これにより、第1メイン側基板については特定色の着色領域を設けることなくサブ側基板と同様のものとして重要度の高い基板であるか否かの判別を困難にし、遊技機の前方から表面を視認され易い第2メイン側基板については特定色の着色領域を形成して製造過程では重要度の高い基板であるか否かの判別を容易にしつつも、電子部品の種別の特定を困難にすることで第2メイン側基板に対する不正改造を困難にし、遊技機の信頼性が低下することを抑制している。
また、第1メイン側基板は、抽選条件の成立に基づいて当りか否かの抽選を行う機能を有し、第2メイン側基板は、抽選結果を表示する機能を有するようにしてもよい。当りか否かの抽選を行うことで最も重要度の高い第1メイン側基板については特定色の着色領域を形成することなくサブ側基板と同様とするため、第1メイン側基板とサブ側基板との判別を困難にして重要度の高い基板であるか否かの判別を困難にすることができる。
また、第1メイン側基板と、第2メイン側基板は、何れも表面がカバー体(主制御基板ボックス1320、払出制御基板ボックス632、ケース7100等)によって覆われており、第2メイン側基板を収容するカバー体(表面カバー部7110)には、遊技機の前面側に向けて開口する開口部(貫通部7110a)が設けられ、第2メイン側基板の前面側の板面がカバー体によって覆われた状態で開口部の外側となる板面には、少なくともサブ側基板の基板色と異なる色(黒色等)の着色領域(絶縁膜)が設けられ、第2メイン側基板の前面側の板面がカバー体によって覆われた状態で開口部の内側となる板面には、サブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色(白色等)の着色領域(絶縁膜)のみが設けられるようにしてもよい。遊技機の前面側に向けて開口部から第2メイン側基板の板面を視認されたとしても、サブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色の着色領域が視認できるだけであるため、不正行為者に対しては重要度の低い基板であると認識させて、重要基板であることを気づかせないようにすることができる。
また、第2メイン側基板の前面側の板面がカバー体によって覆われた状態で開口部の外側となる板面の近傍の一部に、サブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色の着色領域(任意の形状や記号、文字、表記部等で形成される色の絶縁膜)を設けるようにしてもよい。これにより、カバー体に収容されている第2メイン側基板がずれて開口部の内側となる板面の領域が変化してもサブ側基板の基板色と異なる色の着色領域が視認され難くなる。
また、第2メイン側基板の表面を覆うカバー体は、当該第2メイン側基板の前面側を覆う前面カバー部(表面カバー部7110)と、第2メイン側基板の裏面側を覆う裏面カバー部(裏面カバー部7120)とを有し、裏面カバー部には、遊技機の裏面側に向けて開口する裏面側開口部(開口部7120a)が設けられ、第2メイン側基板の裏面側の板面が裏面カバー部によって覆われた状態で開口部の外側となる板面には、少なくともサブ側基板の基板色と異なる色(黒色等)の着色領域(絶縁膜)が設けられ、第2メイン側基板の裏面側の板面が裏面カバー部によって覆われた状態で開口部の内側となる板面には、サブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色(白色等)の着色領域のみが設けられるようにしてもよい。遊技機の裏面側に向けて開口部から第2メイン側基板の板面を視認されたとしても、サブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色の着色領域が視認できるだけであるため、不正行為者に対しては重要度の低い基板であると認識させて、重要基板であることを気づかせないようにすることができる。
抽選条件の成立に基づいて当りか否かの抽選を行い、該抽選の結果が当りである場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技機であって、遊技の進行に用いられるメイン側基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、主制御基板1310、払出制御基板633等)と、演出の実行に用いられるサブ側基板(周辺制御基板1510、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457)と、を備え、メイン側基板は、電子部品の実装される表面が遊技機の後方に向くように配置される第1メイン側基板(主制御基板1310、払出制御基板633等)と、表面が遊技機の前方に向くように配置され、少なくとも当該表面にサブ側基板には形成されていない特定色の着色領域を有する第2メイン側基板(ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板)と、を有し、第1メイン側基板と第2メイン側基板は、夫々ケース体(主制御基板ボックス1320、払出制御基板ボックス632、ケース7100等)に収容されるものであるが、第2メイン側基板は、ケース体に収容された状態では外部から視認困難とされる(主制御基板ボックス1320や払出制御基板ボックス632が透明とされる一方、ケース7100が不透明とされる)ことを特徴とする。上記構成によれば、電子部品の実装される表面が遊技機の前方に向くように配置される第2メイン側基板についてはサブ側基板には形成されていない特定色の着色領域(例えば、異なる色のレジストやシルク等)を有するようにしたことで、製造過程において重要度の高い基板であるか否かの判別が容易になり、重要度の高い基板に対する検査の見落とし等を防ぐことができる。また、重要度の高い基板の存在が遊技者側から把握できてしまうと、それを利用した不正行為が行われる虞があるが、本願発明では、電子部品の実装される表面が遊技機の後方に向くように配置される第1メイン側基板には特定色の着色領域を形成しないことで第1メイン側基板とサブ側基板との判別を困難にし、表面が遊技機の前方に向くように配置される第2メイン側基板は、外部から視認困難にケース体で収容するようにしている。これにより、第1メイン側基板については特定色の着色領域を設けることなくサブ側基板と同様のものとして重要度の高い基板であるか否かの判別を困難にし、表面が遊技機の前方に向くよう第2メイン側基板については特定色の着色領域を形成して製造過程では重要度の高い基板であるか否かの判別を容易にする一方、製造後の状態では遊技者から視認されやすい第2メイン側基板の存在を秘匿して、これに対する不正改造を困難にするため、遊技機の信頼性が低下することを抑制することができる。
また、第2メイン側基板を収容するケース体をサブ側基板の基板色と同一あるいは酷似する色で形成するようにしてもよい。これにより、不正行為者に対して、重要基板だと気づかせにくくすることができる。
[ランプ・LEDの輝度調節]
本例のパチンコ機1は、上記演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302を回転操作することで、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457の表面に実装されている複数のLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314の表面に実装されている複数のLEDについても輝度調節可能としてもよい。)と、遊技盤5に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠右サイド装飾基板418、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457に実装されている複数のLED、なお、可動装飾体に搭載される裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、裏後右装飾基板3622の表面に実装されている複数のLEDについても輝度調節可能としてもよいし、演出表示装置1600のバックライドとしての複数のLEDについても輝度調節可能としてもよい。ただし、遊技に関わる重要な情報を表示する表示器に設けられているLED(例えば機能表示ユニット1400に設けられているLED)については輝度調節不可とすることが望ましい。)と、の輝度を70%〜100%まで範囲に亘って5%刻みで調節することができるようになっている。
具体的には、回転操作部302を時計回りに回転操作すると、上記扉枠3に設けられているLEDと上記遊技盤5に設けられているLEDとの輝度を向上させ、回転操作部302を反時計回りに回転操作すると、上記扉枠3に設けられているLEDと上記遊技盤5に設けられているLEDとの輝度を低下させる。
また、回転操作部302を操作して輝度を調節するときには演出表示装置1600に現在の輝度に応じたバロメータを一定期間に亘って表示するようになっており、回転操作部302を時計回りに回転操作すると輝度が100%に達するまでバロメータの目盛を増加させ、回転操作部302を反時計回りに回転操作すると輝度が70%に達するまでバロメータの目盛を減少させるようになっている。このように、回転操作部302が操作されて輝度を調節する場合には、演出表示装置1600の表示内容に注目するように仕向けることで、演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板37、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352と、を視認されることを抑制することができ、これらの基板に記されているコネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号、電子部品が配置される外形線等の情報が遊技者に視認され難くなるため、パチンコ機1の世界観が崩れることを防止して意匠性の低下を抑止することができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出が行われていないことで演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377の表面に実装されているLEDと、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352の表面に実装されているLEDと、が消灯されている通常時に、回転操作部302が操作されると、中央ボタン装飾基板376の表面に実装されているLEDと、外周ボタン装飾基板377の表面に実装されているLEDと、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352の表面に実装されているLEDと、を一定期間に亘って発光制御して演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375と外周装飾レンズ379と演出操作リング330の回転操作部302とを発光装飾させる。そして、演出操作部301の操作されない期間が一定期間に達すると、演出表示装置1600のバロメータの表示を消失させるとともに、演出操作ユニット300のLEDを消灯させる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができるようになっている。
このように、回転操作部302を操作して輝度を調節しているときには演出操作ユニット300に設けられているLEDを発光制御することで、これらLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、外周ボタン装飾基板377と、演出操作リング装飾基板352と、の表面を、LEDから照射される光によって視認され難くすることができる。
また、本例のパチンコ機1では演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377の表面に実装されているLEDと、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352の表面に実装されているLEDと、については輝度調節できないようになっている。すなわち、遊技者に近い位置に設けられて注目されやすい演出操作ユニット300に設けられるLEDについては輝度調節できないようにされて、事前に設定されている輝度で発光制御されるようになっている。そのため、演出操作ユニット300を上記演出時発光態様で発光装飾する場合には常に一定以上の輝度で中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、及び演出操作リング装飾基板352の表面に実装されているLEDを発光させることができ、遊技者が演出操作ユニット300に注目する状況(遊技者参加型演出や音量調節が行われているなどの演出操作部301が操作される状況)においてLEDから照射される光によって中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、及び演出操作リング装飾基板352を視認され難くすることができ、これらの基板に記されているコネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号、電子部品が配置される外形線等の情報が遊技者に視認され難くなるため、パチンコ機1の世界観が崩れることを防止して意匠性の低下を抑止することができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、上記した中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、及び演出操作リング装飾基板352では、LEDの実装面の絶縁膜(レジスト)として白色を採用するとともに、該実装面に黄色の絶縁性塗料でコネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号、電子部品が配置される外形線等の情報(表記部)をシルク印刷している。このように、本例では白色に対して視覚的な差異(コントラスト)が少ない黄色の絶縁性塗料で表記部をシルク印刷しているため、LEDの点灯時はもちろん、LEDの消灯時であってもこれらの情報を識別され難くなっている。
なお、回転操作部302の操作に基づく輝度調節は一定期間(例えば、パチンコ機1に電源が投入されてから周辺制御MPUが起動するまでの一定期間、変動表示される特別図柄が停止する前後の一定期間、のうちの一方又は両方など)を除いて常に実行可能とされるものであってもよいし、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間などの特定の条件が成立している場合にのみ実行可能とされるものであってもよい。また、回転操作部302の操作に基づく輝度調節の結果を即時反映させるようにしてもよいし、状況(変動表示中か否か等)に応じて回転操作部302の操作に基づく輝度調節の結果を即時反映させる場合と回転操作部302の操作タイミングよりも遅れたタイミングで輝度調節の結果を反映させる場合とを変化させるようにしてもよい。
本例では、回転操作部302の操作に基づく輝度調節は扉枠3が開放された状態においても実行可能とされている。また、扉枠3が開放された状態では、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714に実装されているLED、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422に実装されているLED、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814に実装されているLED、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253に実装されているLED、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203に実装されているLED、可動装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、及び裏後可動装飾体3110)に設けられているLED、などの遊技盤5に設けられている複数のLEDは消灯状態(点灯不可状態)とされ、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314も発光制御するようにしてもよい。)は発光制御された状態(点灯可能状態)となっている。すなわち、扉枠3が開放された状態で回転操作部302が操作されて輝度調節を行う場合には、上記した遊技盤5に設けられている複数のLEDが消灯された状態とされているため、これら複数のLEDの発光状態によって輝度を判断することはできない。
一方、扉枠3が開放されていない状態(扉枠3が閉鎖されている状態)では、裏前左装飾体ユニット3710の裏前左装飾基板3714に実装されているLED、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾基板3422に実装されているLED、裏前右装飾体ユニット3810の裏前右装飾基板3814に実装されているLED、裏下右演出ユニット3250の裏下右装飾基板3253に実装されているLED、裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203に実装されているLED、可動装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、及び裏後可動装飾体3110)に設けられているLED、などの遊技盤5に設けられている複数のLEDを消灯状態とする制御を行わない(点灯可能状態)。そのため、扉枠3が閉鎖されている状態では、回転操作部302を操作して輝度調節を行った場合に、遊技盤5に設けられているLEDの発光状態によって輝度を判断することができる。
また、上記した裏前左装飾基板3714、裏上前装飾基板3422、裏前右装飾基板3814、裏下右装飾基板3253、裏下左装飾基板3203、裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、及び裏後右装飾基板3622についても、LEDの実装面の絶縁膜(レジスト)として白色を採用するとともに、該実装面に黄色の絶縁性塗料でコネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号、電子部品が配置される外形線等の情報(表記部)をシルク印刷している。そのため、扉枠3が開放されてこれらの基板に実装されているLEDが点灯不可状態とされている場合であっても、これらの情報を識別され難くすることができる。
[特定基板に実装されるLEDの輝度調節]
本例のパチンコ機1では所定の範囲で輝度を調節可能なLED(調光LED)が実装される回路基板と輝度調節が不能とされて一定の輝度で発光するLED(非調光LED)が実装される回路基板が設けられている。そして、調光LEDの輝度調節を行う際に、非調光LEDの発光輝度を指標として輝度調節を行うことができるようになっている。
具体的には、裏前左装飾基板3714や、裏上前装飾基板3422、裏前右装飾基板3814、裏下右装飾基板3253、裏下左装飾基板3203、裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、裏後右装飾基板3622、裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、等には調光LEDが実装され、演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377や、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352、上記ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、等には非調光LEDが実装されている。
このように、本例のパチンコ機1では非調光LEDを実装する回路基板が遊技盤5の左上部や右上部に設けられ、前枠3における遊技盤5の下方に設けられている。換言すると遊技盤5の上側領域と下側領域との任意に区分けされる領域のそれぞれに非調光LEDが設けらている。そのため、調光LEDの輝度調節を行う場合に、当該調光LEDの属している領域に設けられている非調光LED、つまり調光LEDの近傍に配置する非調光LEDの発光輝度を指標として輝度調節を行うことができる。なお、演出操作リング装飾基板352、上記ドットマトリクス表示器7000に設けられる基板7200、機能表示ユニット1400に設けられる機能表示基板、等に実装されている非調光LEDは所定の発光パターンで発光制御されるものであるが、実装されている所定数の非調光LEDのうち少なくとも1つの非調光LEDを点灯状態とするようになっている。そのため、調光LEDの輝度調節を行う場合に確実に指標として用いることができる。
なお、図263(A)では、LEDの部品番号や、LEDを配置する位置を示す領域等、のLEDの属性(さらに、LEDの形状、LEDの大きさ、LEDの実装向き(実装方向)、LEDの型式を含む場合がある。)を示す表記部の表示を省略している。また、LED実装面(前面、表面)に形成される絶縁膜の白色とは異なる明色(黄色、水色、黄緑色等)で表記部を形成するようにしてもよいし、箔抜きで表記部を形成するようにしてもよいし、LED実装面に表記部を形成することなく、LED非実装面(裏面)に絶縁膜の白色とは異なる色(明色に限らない)や箔抜きで表記部を形成するようにしてもよい。また、表記部として複数のLED個々に対応して形成するようにしてもよいし(例えば1個のLEDに対して「LED1」等を形成する)、複数のLED毎(例えば種類毎)にまとめて形成するようにしてもよい(例えば複数のLEDに対して「LED1〜LED5」等を形成する)。このように構成することにより、LED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制して調光LEDや非調光LEDから照射される光の輝度を高めることができるため、調光LED及び非調光LEDによる発光の損失を抑制して効率的な発光を実現できる。
また、演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377や、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352のLED実装面(表面)には、裏前左装飾基板3714や、裏上前装飾基板3422、裏前右装飾基板3814、裏下右装飾基板3253、裏下左装飾基板3203、裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、裏後右装飾基板3622、裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、等のLED実装面(表面)と同様に白色の絶縁膜(レジスト)が形成されている。このように演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377や、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352に実装されて輝度調節の指標となる非調光LEDについて、調光LEDと同様の条件(同一又は酷似する白色の絶縁膜(レジスト)上に実装)で発光制御するようにしたため、非調光LEDとの対比によって輝度調節後の調光LEDの輝度と調光LEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。
また、演出操作ユニット300の演出操作ボタンユニット360内に設けられる中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377や、演出操作リング330の下方に設けられる演出操作リング装飾基板352のLED実装面(表面)や、裏前左装飾基板3714、裏上前装飾基板3422、裏前右装飾基板3814、裏下右装飾基板3253、裏下左装飾基板3203、裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、裏後右装飾基板3622、裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、等のLED実装面(表面)に白色の絶縁膜(レジスト)を形成することでこれら回路基板のLED実装面(表面、前面)における反射効率の低下を抑制して調光LEDや非調光LEDから照射される光の輝度を高めることができるため、調光LED及び非調光LEDによる発光の損失を抑制して効率的な発光を実現できる。
なお、非調光LEDを実装してドットマトリクス表示器7000や機能表示ユニット1400と同様の機能を有するとともに、LED実装面(表面、前面)に白色の絶縁膜(レジスト)が形成される回路基板が設けられる特定表示器を備えるようにしてもよく、この場合にはドットマトリクス表示器7000や機能表示ユニット1400に替えて特定表示器に設けられる回路基板に実装される非調光LEDの発光輝度を指標とするようにしてもよい。
また、所定の範囲で輝度を調節可能なLED(調光LED)と輝度調節が不能とされて一定の輝度で発光するLED(非調光LED)との両方が実装される特定基板を設けるようにしてもよい。例えば、図263に示すように上記特定表示器としての機能を有する非調光LEDと裏前左装飾基板3714や、裏上前装飾基板3422、裏前右装飾基板3814、裏下右装飾基板3253、裏下左装飾基板3203、裏後装飾基板3114、裏上後装飾基板3452、裏後左装飾基板3522、裏後右装飾基板3622、裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、等と同様に遊技演出に関連して発光制御する調光LEDとの両方を1つの回路基板に実装するようにしてもよい。
具体的には図263(A)に示すように、LED実装面(前面、表面)に白色の絶縁膜(レジスト)が形成されて、所定の範囲で輝度を調節可能なフルカラーLEDからなるサイドビュータイプの調光LED1820と輝度調節が不能とされて一定の輝度で発光するフルカラーLEDからなるトップビュータイプの非調光LED1830との両方を、白色の絶縁膜(レジスト)が形成される同一面(LED実装面、表面、前面)に実装する特定基板1800を、遊技盤5や扉枠3の一方又は両方に設けるようにしてもよい。また、特定基板1800には当該特定基板1800の四隅に取付け用の取付穴1810が形成されるとともに、複数のスルーホール1840が形成されている。
また、本例の特定基板1800は調光LED1820と非調光LED1830とはそれぞれ複数のLEDから構成されており、複数の調光LED1820からなる調光LED群と複数の非調光LED1830からなる非調光LED群とは、所定の間隔を空けて配置されるようになっている。また、調光LED群のうちの隣接する調光LED1820までの距離や、非調光LED群のうちの隣接する非調光LEDまでの距離よりも、調光LED群と非調光LED群との距離を離すように配置されている。このように構成することで調光LED群と非調光LED群とを識別することが容易となり、調光LED1820と非調光LED1830との輝度の対比が容易となる。
また、調光LED1820と非調光LED1830とには同一又は酷似する色のパッケージが採用されており、それぞれのパッケージは白色の樹脂製となっている。このように、調光LED1820と非調光LED1830とを同一又は酷似する色のパッケージとしているため、調光LED1820と非調光LED1830とを同様の条件で発光させることができ、調光LEDと非調光LEDとの輝度の対比によって輝度調節後の調光LEDの輝度と非調光LEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。また、上記した例では調光LED1820としてサイドビュータイプのLEDを用いる一方、非調光LED1830としてトップビュータイプのLEDを用いるものを示したが、これに限らず同一タイプのLED(トップビュータイプ又はサイドビュータイプ)を用いるようにしてもよい。この場合には調光LED1820と非調光LED1830とを同様の条件で発光させることができるため、調光LEDと非調光LEDとの輝度の対比によって輝度調節後の調光LEDの輝度と非調光LEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。また、調光LED1820と非調光LED1830とのパッケージの種類についても同一とするようにしてもよく、この場合には遊技者好みの輝度に調節することがさらに容易になる。
なお、上記した例では調光LED1820及び非調光LED1830としてLEDベアチップを封入したLEDパッケージを用いたが、LEDパッケージに封入されるLEDベアチップを特定基板1800に直接実装するものであってもよい。この場合にも調光LED1820と非調光LED1830とを同様の条件で発光させることができるため、調光LEDと非調光LEDとの輝度の対比によって輝度調節後の調光LEDの輝度と非調光LEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。
また、図263(B)に示すように特定基板1800の前方には調光LED1820と非調光LED1830とで異なる装飾を有するようになっている。本例では特定基板1800の調光LED1820が実装されている領域の前方に透光性のレンズによって「チャンス」という文字が形成され、他の部分は不透明な第1装飾部1850が配置し、特定基板1800の非調光LED1830が実装されている領域の前方に当該非調光LED1830それぞれを区画して個々の発光を視認可能にするように貫通する区画部材1860が設けられるとともに、当該区画部材の前方に半透明なカバー体1870が設けられている。
このように、本例では同一の回路基板である特定基板1800に調光LED1820と非調光LED1830とを実装するものであるが、それぞれの装飾については異ならせて調光LED1820と非調光LED1830とを装飾によって区画するようになっている。また、非調光LED1830の前方には調光LED1820には設けられない区画部材1860が設けられているため、調光LED1820とは異なる機能を有するものであることが分かりやすくなる。
また、本例では調光LED1820と非調光LED1830とを同一の基板上に実装するため、調光LED1820と非調光LED1830とを一定間隔を空けて配置しつつも、比較的近距離に配置することが可能であるため、調光LED1820と非調光LED1830との輝度の対比が容易である。
なお、本例では非調光LED1830の前方に区画部材が設けられて複数の非調光LED1830個々の発光を視認可能となっている。なお、特定基板1800に実装される調光LED1820及び非調光LED1830は主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御MPUが制御するようになっている。また、非調光LED1830についても上記したドットマトリクス表示器7000と同様に特別図柄の変動表示に同期して所定の態様で発光制御し、特別図柄の変動表示を停止する場合に特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)に応じた発光態様で点灯表示するようにしてもよい。これにより、特別抽選結果に応じた発光態様で点灯表示されることで遊技者が注目している非調光LED1830を輝度調節の指標として用いることができ、調光LED1820の輝度調節を行う場合に調節後の輝度をイメージし易くなることで、遊技者好みの輝度に調節することが容易となる。
また、調光LED1820と非調光LED1830とが実装される特定基板1800には、調光LED1820群と非調光LED1830群との間に複数のスルーホール1840が形成されている。このスルーホール1840ではLEDから照射される光を反射させることなく特定基板1800の裏面(LED非実装面)側に漏れさせるようになるため、光の反射や干渉が抑制される。このように調光LED1820群と非調光LED1830群との間に複数のスルーホール1840が形成されているため、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光が反射したり干渉することが抑制されて、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれを個々の発光に応じた輝度とすることができ、非調光LED1830の発光のみに応じた輝度を指標として調光LED1820を輝度調節することが可能になるため、対比の精度が高まり、遊技者好みの輝度に調節することが容易となる。
また、本例では調光LED1820及び非調光LED1830よりも小さい外径となるようにスルーホール1840を形成している(特定基板1800のLED実装面(表面、前面)において1つのスルーホール1840が占める割合(面積)≦1つの調光LED1820又は1つの非調光LED1830が占める割合(面積))ため、調光LED1820及び非調光LED1830の光を必要以上にスルーホール1840から特定基板1800の裏面(LED非実装面)に漏れさせることを抑止できる。また、調光LED1820と非調光LED1830との間に形成されるスルーホール1840の個数は、当該スルーホール1840の側方に実装されている調光LED1820の個数や非調光LED1830の個数よりも多くなっている。このように、本例ではスルーホール1840を調光LED1820及び非調光LED1830よりも小さい外径で形成するとともに、当該スルーホール1840の側方に実装されている調光LED1820の個数や非調光LED1830の個数よりも多くのスルーホール1840を形成するため、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制を実現しながらも、必要以上に調光LED1820及び非調光LED1830の輝度を低下させないようにすることができるようになっている。
なお、スルーホール1840とは異なる穴部、例えば特定基板1800の位置決め穴や上記した取付穴1810等を調光LED1820と非調光LED1830との間に形成するようにしてもよい。また、穴部を調光LED1820及び非調光LED1830よりも大きい外径で形成するようにしてもよく、この場合には穴部の側方に実装されている調光LED1820や非調光LED1830よりも少ない個数の穴部を形成するようにしてもよい。これにより、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制を実現しながらも、必要以上に調光LED1820及び非調光LED1830の輝度を低下させないようにすることができる。
また、特定基板1800のLED実装面(前面、表面)に調光LED1820と非調光LED1830との一部又は全部を隔てるような立体物(所定の厚みを有する電子部品や構造体等)を設けることで調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制を実現するようにしてもよい。例えば、図263(C)に示すように、特定基板1800のLED実装面(前面、表面)における調光LED1820と非調光LED1830との間に抵抗1880を実装するようにしてもよい。また、抵抗1880は所定の厚みを有するものであり、特定基板1800のLED実装面(前面、表面)から突出するように実装されている。このように、抵抗1880が調光LED1820と非調光LED1830と間に設けられて、特定基板1800のLED実装面(前面、表面)から突出することで調光LED1820と非調光LED1830との一部又は全部を隔てるため、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉を抑制することが可能である。
また、調光LED1820と非調光LED1830との間に設けられる電子部品や構造体等の立体物として暗色(黒色や、灰色、緑色、青色、茶色等)の立体物(一部に暗色とは異なる部分(例えば銀色等の金属色や透明部分等)を有するものであってもよい)を設けるようにしてもよい。例えば、図263(C)に示すように黒色の外観を有する抵抗1880を特定基板1800に実装するようにしてもよい。このように、反射効率の低い暗色の外観を有する抵抗1880を調光LED1820と非調光LED1830との間に実装することで調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制効果をさらに高めることができる。また、暗色として最も反射効率の低い黒色の外観を有する電子部品や構造体等の立体物を調光LED1820と非調光LED1830との間に設けた場合には、調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制効果を最も高めることができる。
また、電子部品として抵抗1880を実装するものを例示したが、コンデンサや、ダイオード、IC、LEDドライバ等の回路基板に実装される電子部品であれば上記と同様の効果を奏することが可能である。また、これら電子部品や構造体等の立体物の配置数や配置態様は上記したものに限らず、例えば複数個の立体物を調光LED1820と非調光LED1830との間に所定間隔で配列したり、調光LED1820や非調光LED1830よりも外径の大きな立体物(特定基板1800のLED実装面(表面、前面)において1つの立体物が占める割合(面積)≧1つの調光LED1820又は1つの非調光LED1830が占める割合(面積))を1個又は複数個配置したりするものであってもよい。
また、調光LED1820と非調光LED1830との間に設けられる電子部品や構造体等の立体物として、調光LED1820や非調光LED1830のLEDパッケージよりもLED実装面(表面、前面)からの突出量が大きい(LED実装面から立体物の最表面までの高さが高い)ものを配置するようにしてもよく、このように構成することで調光LED1820と非調光LED1830とのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制効果をさらに高めることができる。
また、調光LED1820と非調光LED1830とのパッケージの色や形状等を異ならせることで調光LED1820と非調光LED1830とを識別可能となるようにしてもよいし、調光LED1820群と非調光LED1830群との配置形態(図263(B)に示すように縦一列に配置したり、斜めに二列で配置する等)を異ならせることで調光LED1820と非調光LED1830とを識別可能となるようにしてもよい。
上記実施形態によれば、所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、該抽選手段による抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技の進行に伴って発光可能な複数の発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。)、ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、演出表示装置1600等)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出操作部301の回転操作部302)の操作に応じて発光手段の輝度を調節可能な輝度調節手段と、を備える遊技機であって、複数の発光手段のうち第1発光手段(発光装飾体(裏下中回転装飾体3310、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、裏後右回転装飾体3610、裏後可動装飾体3110、裏上前回転装飾体3410、裏上前装飾体3421、裏前左装飾体3713、裏前右装飾体3813等)に設けられているLED、扉枠3に設けられているLED(本例では少なくとも扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に設けられるLED、等。なお皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314に設けられるLEDも含むものであってもよい。))は、操作手段の操作に応じて調節された輝度で発光制御され、複数の発光手段のうち第2発光手段(ドットマトリクス表示器7000、機能表示ユニット1400、演出表示装置1600等)は、操作手段の操作に関わらず一定の輝度で発光制御されることを特徴とする。このように、第2発光手段の輝度は一定とされているため、第1発光手段の輝度を確認する際に基準として用いることができる。
また、第2発光手段は、第1発光手段と所定距離離れた位置に配置されるものであってもよい。操作手段の操作に関わらず一定の輝度で発光制御される第2発光手段を第1発光手段と所定距離離れた位置に配置することで、第1発光手段から照射される光と第2発光手段から照射される光の干渉が抑制されて第1発光手段と第2発光手段との個々の光を別々に視認することが可能であるため、輝度の比較が容易になる。
第1発光手段と第2発光手段との間には、スルーホール(スルーホール1840)が形成されるようにしてもよい。第1発光手段と第2発光手段との間にスルーホールが形成されているため、第1発光手段と第2発光手段との間の基板表面の反射効率を低下させることができ、光の干渉が抑制されて第1発光手段の輝度と第2発光手段の輝度との比較が容易になる。
第2発光手段を、第1発光手段とは異なる装飾で区画される(本例では特定基板1800の調光LED1820が実装されている領域の前方に透光性のレンズによって「チャンス」という文字が形成され、他の部分は不透明な第1装飾部1850が配置し、特定基板1800の非調光LED1830が実装されている領域の前方に当該非調光LED1830それぞれを区画して個々の発光を視認可能にするように貫通する区画部材1860が設けられるとともに、当該区画部材の前方に半透明なカバー体1870が設けられている。)ようにしてもよい。第2発光手段が第1発光手段とは異なる装飾で区画されるため、操作手段の操作に関わらず一定の輝度で発光性制御されることで基準となる第2発光手段を容易に特定することができるようになる。
第1発光手段と第2発光手段とを、同一の発光基板上に実装するようにしてもよい。第1発光手段と第2発光手段とを同一の発光基板上に実装するため、第1発光手段と第2発光手段と比較的近い位置に設けることができ、第1発光手段の輝度と第2発光手段の輝度との比較が容易になる。
発光基板の第1発光手段と第2発光手段とを実装する表面に、白色塗膜を形成するようにしてもよい。第1発光手段と第2発光手段とを実装する表面に白色塗膜が形成されるため、発光基板の表面における反射効率を高めることができ、第1発光手段と第2発光手段とによる発光の損失を抑止して、効率的な発光を実現できる。
[主制御基板ユニットの詳細について]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図264等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310と、遊技性能を設定することができる設定変更基板1311と、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる非導電性を有する樹脂製の主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320が基板ホルダ1200の後面に取付けられた状態では、遊技盤5を後ろから見ると、左右方向に長い矩形状の主制御基板1310が主制御基板ボックス1320のカバー体の左辺、上辺、右辺、及び下辺により囲まれた領域のうち左辺から右辺へ向かって5分の4程度の領域を占有する大きさに形成されて配置されると共に、残りの5分の1程度の領域であって主制御基板ボックス1320のカバー体の上辺及び右辺が接続される角部分の領域に正方形状の設定変更基板1311が配置される。
外枠2は、上述したように、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持して本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉することができるようになっているため、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。
また、本体枠4の本体枠ベースユニット300の後側に開閉可能に取付けられる裏カバー640は、上述したように、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、裏カバー640は、上述したように、正面視における右辺が、本体枠ベース501の正面視後面右側端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、正面視における左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられるようになっているため、正面視右辺側が裏カバー640の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる正面視左辺側が裏カバー640の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。
本実施形態では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストと異なる色となる白色を採用し、設定基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
ここで、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる色を採用している点について説明する。主制御基板1310と設定変更基板1311とは、ともに主制御基板ボックス1320に収容される基板である。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、主制御基板1310が遊技の進行を制御する(遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する)防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が非常に高い。このため、この基板が主制御基板1310であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がない。これに対して、設定変更基板1311は、遊技性能を設定することができるというパチンコ機1において全く新しい機能を有する基板であるため、主制御基板ボックス1320に収容されるものの、防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が極めて低い。このため、この基板が設定変更基板1311であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がある。
そこで、本実施形態では、基板のレジストとして一般に利用されている緑色を主制御基板1310のレジストとして採用し、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる白色を採用した。これにより、主制御基板ボックス1320に収容される基板のうち、主制御基板1310と比べて設定変更基板1311が目立つ存在となり、主制御基板1310に加えて設定変更基板1311も防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度を高めることに寄与することができる。
なお、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、主制御基板1310と設定変更基板1311とを区別することができるものであれば、黄色、赤色、青色、及び透明等にしてもよい。
また、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、設定変更基板1311のレジストに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)及び/又は裏面(ハンダ面)のほぼ全体を覆うように白色でシルク印刷として印刷してもよいし、黒色、青色、黄色、及び赤色のうちいずれかの色でシルク印刷として印刷してもよい。
次に、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容する主制御基板ボックス1320について説明する。主制御基板ボックス1320は、非導電性を有する樹脂製のカバー体と、非導電性を有する樹脂製のベース体と、から構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310及び設定変更基板1311を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310及び設定変更基板1311の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310及び設定変更基板1311への不正行為に対する抑止力が高められている。なお、カバー体には、主制御基板ボックス1320内の空気を外気へ放出することができる放熱用の通気孔が複数形成されている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、第一始動口センサ3052、ゲートセンサ2801、第二始動口センサ2401、一般入賞口センサ3051、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口センサ3054、及び磁気センサ2404,2602,3055、等と接続されている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311は、パチンコ機1の設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定キースイッチ1311aを備えている。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネス(電気配線)を介して、電気的に接続してもよい。設定キースイッチ1311aへの操作に伴う力をハーネス(電気配線)により吸収して(和らげて)設定変更基板1311から主制御基板1310へ伝わり難くすることができる)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定キースイッチ1311aからの信号は、主制御基板1310と電気的に接続される。なお、基板間接続であるコネクタ接続には、フローティング機構を備えていない通常コネクタを用いる接続と、フローティング機構を備えている特殊コネクタを用いる接続と、がある。フローティング機構を備えていない通常コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットにプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、プラグを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ移動する量が全くない構造となっている。これに対して、フローティング機構を備えている特殊コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットをプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、ソケットを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる誤差(嵌合軸ズレ)を吸収することができる構造となっている。本実施形態では、基板間接続であるコネクタ接続として、フローティング機構を備えていない通常コネクタを採用しているが、フローティング機構を備えている特殊コネクタを採用してもよい。
設定変更基板1311は、その一辺の距離寸法が主制御基板ボックス1320のカバー体の横方向の距離寸法の約5分の1程度を有して正方形状に形成され、その上辺が主制御基板1310の上辺と同一の直線上に配置されているとともに、その下辺が主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置されている。
設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の右辺であって、設定変更基板1311のコネクタSMCNと対応する位置に配置されている。正方形状の設定変更基板1311の上下左右方向の各中心線が交わる中心点に設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置されている。主制御基板1310には、設定変更基板1311の左右方向の中心線上より上方であってコネクタMSCN寄りに単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1310zが配置されている。主制御基板1310の中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310の中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成される特殊モニタ1310hが配置されている。
なお、設定表示器1310gには、パチンコ機1の設定値を表示することを可能とするのに対し、特殊モニタ1310hには、入球数に対する払出数の割合の算出結果を表示することを可能にしているが、特殊モニタ1310hのみを設けるようにし、パチンコ機1の設定値を表示する機能と、入球数に対する払出数の割合の算出結果を表示する機能と、を兼用するようにしてもよい。このような場合、特殊モニタ1310hには、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)や設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)で、パチンコ機1の設定値を表示するのに対し、変更許可状態や確認表示状態を除いた状態で、入球数に対する払出数の割合の算出結果を表示するようにしている。これにより、部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
本実施形態では、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面に形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に金属製の設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から金属製の設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、遊技盤5の後側を覆う裏カバー640がパチンコ機1から何らかの理由により外れた状態であって、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。
[設定値の設定変更の手順、設定値の確認表示の手順]
次に、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、主制御基板1310のRAMクリアスイッチ、及び主制御基板1310の設定表示器1310gについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2〜3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、主制御基板1310のRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、主制御基板1310のRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作すると、RAMクリアスイッチからの検出信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者がRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納し、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプ1310zを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていないという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者がRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていないことが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていること」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていないこと」を要件とする点で相違する。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1〜設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1〜設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[電源投入時における可動体の初期動作について]
上述したように、パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。このうち、主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御するのに対し、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御している。具体的には、主制御基板1310の主制御MPUは、所定のタイミングで、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドを記憶する専有領域、コマンドバッファ)にセットし、それらのセットしたコマンドを周辺制御基板1510に順次送信することで、周辺制御基板1510側でも、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を把握することができる。
また、パチンコ機1には、本体枠4や遊技盤5に様々な可動体が設けられている。このうち、動作そのものが遊技者に対する利益付与に直結する可動体(主制御基板側可動体)として、例えば、第二始動口2004を開閉するための第二始動口扉2414(始動口ソレノイド2415)、第一大入賞口2005を開閉するための第一大入賞口扉2417(第一アタッカソレノイド2418)、第二大入賞口2006を開閉するための第二大入賞口扉2611(第二アタッカソレノイド261)については、主制御基板1310から出力される駆動信号によって動作するものとしている。一方、動作そのものが遊技者に対する利益付与に直結することはないが、遊技中の各種演出に際して動作する可動体(周辺制御基板側可動体)として、例えば、演出操作部301、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451などの装飾体については、周辺制御基板1510から出力される駆動信号によって動作するものとしている。そして、このような可動体については、主制御基板1310によって動作する可動体(主制御基板側可動体)と、周辺制御基板1510によって動作する可動体(周辺制御基板側可動体)とのそれぞれが、パチンコ機1の電源投入時において、正業に動作するかどうかを確認するための初期動作を行うことを可能としている。
まず、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合におけるパチンコ機1の挙動について、図265を参照して説明する。図265は、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。本例では、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合のみ、主制御基板1310によって動作する可動体(主制御基板側可動体)の初期動作を行うものとしている。
図265に示すように、タイミングt1でパチンコ機1の電源投入が行われると、主制御MPUは、主制御側電源投入時処理を開始する。そして、タイミングt1からタイミングt3までの期間には、上述した主制御側電源投入時処理のステップS10〜S22の処理を実行する。ステップS24のウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待機するための待機時間(ブートタイマ)が設けられている。
タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時において、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、主制御MPUは、タイミングt3でステップS37の設定変更処理を行い、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行する。このような変更許可状態では、設定切替ボタンの機能として作動するRAMクリアスイッチを押圧操作するごとに、設定値(設定値1〜6)を変更することを可能としている。その後、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダを反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることで、設定値の設定変更を行うことが不能な状態(変更不能状態)に移行する。そして、設定キースイッチ1311aをOFFとした後、主制御MPUは、ステップS38を行い、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域(上述した設定値専用領域と、アウト球計数専用領域)を除いてクリアし、その後、ステップS40〜S52を行い、各種の初期設定を行う(各種の初期設定の完了時点をタイミングt4とする)。
一方、タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時において、設定キースイッチ1311aを設定キーONとせず、RAMクリアスイッチを操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、タイミングt3でステップS37の設定変更処理を行わず、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行することがない。ただし、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチを操作していることから、タイミングt3〜t4の期間には、主制御MPUは、ステップS38を行い、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域(上述した設定値専用領域と、アウト球計数専用領域)を除いてクリアし、その後、ステップS40〜S52を行い、各種の初期設定を行う。
タイミングt4で各種の初期設定を完了した後には、遊技盤5に搭載されている可動体のうち、主制御基板1310から出力される駆動信号によって動作する可動体(主制御基板側可動体)の初期動作を開始する。具体的には、主制御基板側可動体として、第二始動口2004を開閉するための第二始動口扉2414(始動口ソレノイド2415)、第一大入賞口2005を開閉するための第一大入賞口扉2417(第一アタッカソレノイド2418)、第二大入賞口2006を開閉するための第二大入賞口扉2611(第二アタッカソレノイド261)の初期動作を開始する。これら主制御基板側可動体は、それぞれが開閉動作することが可能な部材であり、主制御基板側可動体の初期動作では、第二始動口扉2414、第一大入賞口扉2417、第二大入賞口扉2611のそれぞれが、通常の遊技進行過程で現れる動作とは異なる特殊な動作が行われる。こうした動作は、タイミングt5が到来することで終了する。(主制御基板側可動体の初期動作の完了時点をタイミングt5とする)。
タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作を完了した時点で、主制御MPUは、周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信する。また、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作を完了した後には、特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)に移行する。つまり、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作を完了した後のタイミングt6で、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したときには、特別図柄の変動表示を開始するとともに、周辺制御基板1510に向けて変動パターンコマンドを送信する。
上記したように、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合には、タイミングt3〜t4の期間において、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)としたか否かにかかわらず、タイミングt4〜t5の期間において、主制御基板側可動体の初期動作を行っている。これにより、パチンコ機1の製造時の点検において、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチを操作すれば、主制御基板側可動体が動作することから、主制御基板側可動体が正常に動作するか否かを目視で確認することができ、パチンコ機1の製造時の点検を容易にすることができる。
タイミングt4〜t5の期間には、主制御基板側可動体の初期動作として、通常の遊技進行過程で現れる動作とは異なる特殊な動作を行うこととしており、具体的には、第二始動口扉2414の初期動作、第一大入賞口扉2417の初期動作、第二大入賞口扉2611の初期動作が、この順で行われる(各初期動作の詳細は後述する)。このように、主制御基板側可動体の初期動作では、それぞれの可動体を順次動作させることで、正常に動作するか否かの確認が容易になり、不具合を見落とし難くすることでパチンコ機1の製造時の点検の精度を高めることができる。なお、パチンコ機1の製造時の点検時間の短縮を重視するのであれば、主制御基板側可動体の夫々の初期動作を同時期に並行して動作させるようにしてもよい。このような場合には、主制御基板側可動体の初期動作の点検について、早期に完了させることができ、早々に遊技を開始することが可能な状態(特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態))とすることができる。また、主制御基板側可動体の夫々の初期動作を同時期に並行して動作させる場合には、主制御基板側可動体を遊技領域5aのうちの特定の領域内(例えば、センター役物2500の右側領域内)に集約して配置することが好ましい。これにより、主制御基板側可動体の夫々の初期動作を同時期に並行して動作させた場合であっても、正常に動作するか否かの確認を容易にして不具合を見落とし難くし、パチンコ機1の製造時の点検の精度を高めることができる。
ここで、タイミングt4〜t5の期間に行われる主制御基板側可動体の初期動作の具体的態様について説明する。タイミングt4〜t5の期間は、夫々個別の駆動源によって、第二始動口扉2414の初期動作、第一大入賞口扉2417の初期動作、第二大入賞口扉2611の初期動作が行われるものであり、夫々の初期動作は、1秒以下の短開放と、3秒以上の長開放とを行う開閉動作としている。つまり、第二始動口扉2414の初期動作、第一大入賞口扉2417の初期動作、第二大入賞口扉2611の初期動作のそれぞれは、最初に0.5秒間の開放を行い、その後に1秒の閉鎖を経て、3秒間の開放を行う初期動作用の組み合わせ動作が設定されている。このような、初期動作用の組み合わせ動作(0.5秒間の開放の後に3秒間の開放を行う動作)は、遊技進行過程で主制御基板側可動体が動作する際に現れることのない動作であり、これにより、電断前の遊技(時短遊技や大当り遊技)に復帰したことによる動作でないことを明確にでき、点検作業時の誤認を防ぐことができる。なお、短開放と長開放の個別動作については、遊技進行過程で主制御基板側可動体が動作する際にも現れうる動作にしておけば、正常な動作を行うことができるか否かについて点検の精度を高めることができ、好適である。
また、第二始動口扉2414の初期動作、第一大入賞口扉2417の初期動作、第二大入賞口扉2611の初期動作に関して、各初期動作が正常に行われたか否かを検出できるようにしてもよい。各初期動作では、初期位置(閉鎖状態)から動作位置(開放位置)に動作した後に、動作位置から初期位置に戻すための動作が行われるが、例えば、第二始動口扉2414、第一大入賞口扉2417、第二大入賞口扉2621の夫々に初期位置検出センサを設けて、それらの可動体が初期位置に戻らない異常の発生を検出した場合には、それ以降の可動体の動作を行わずに、遊技進行が出来ない状態のまま維持されるようにしてもよい。これにより、不具合がある製品の流出や、ホールが損失を受けることを防止できる。
また、タイミングt4〜t5の期間には、主制御基板側可動体の初期動作が行われているが、第一始動口2002や第二始動口2004、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006などの入球口に遊技球Bが入球したとしても、無効なものとして扱うようにし、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後に、そのような入球口に入球した遊技球Bを有効なものとして扱うようにしている。具体的には、タイミングt4〜t5の期間において、「第一始動口2002や第二始動口2004、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006などの入球口の各々に対応する検出センサによる検出そのものを行わないように検出センサへの電力供給を遮断しておく態様」や、「検出センサによる検出を行うが検出センサからの検出信号を主制御基板1310に一切入力しない態様」や、「検出センサによる検出を行い、検出センサからの検出信号を主制御基板1310に入力するが、その検出信号に基づいては払出制御基板633等の他の基板に対して検出信号やコマンドを一切出力しない態様」、等が挙げられる。また、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後には、「検出センサによる検出を行い、検出センサからの検出信号を主制御基板1310に入力し、その検出信号に基づいて払出制御基板633等の他の基板に対して検出信号やコマンドを出力し得る態様」となっている。
上記に加え、タイミングt4〜t5の期間には、払出装置580から遊技球Bが払い出されないようにし、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後に、払出装置580から遊技球Bが払い出すことを可能としている。また、タイミングt4〜t5の期間には、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態)とし、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後に、特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)に移行するようにしている。これにより、主制御基板側可動体の初期動作時において、入球口の開放時に不正に遊技球Bを入球させたとしても、特別図柄の変動表示が行われることがなく、払出装置580から遊技球Bが払い出されることがなく、不正に利益が得られることを防止することができる。
また、詳しくは後述するが、特殊モニタ1310hには、入球数や払出数を監視して入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果を表示するようにしている。このような特殊モニタ1310hについて、タイミングt4〜t5の期間には、入球口に遊技球Bが入球したときに、各々に対応する検出センサによる検出を行うか否かにかかわらず、入球数や払出数に対して加算することがなく、特殊モニタ1310hに表示される情報に反映しないように制御している。そして、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後には、入球口に遊技球Bが入球したときに、各々に対応する検出センサによる検出を行い、入球数や払出数に対して加算し、特殊モニタ1310hに表示される情報に反映するように制御している。これにより、主制御基板側可動体の初期動作時において、入球口の開放時に不正に遊技球Bを入球させたとしても、特殊モニタ1310hに表示される情報に反映されることがなく、情報の信頼性を高めることができる。なお、タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時から数秒間については、特殊モニタ1310hに情報を表示するための7セグ等が全点灯するように制御している。これにより、パチンコ機1の電源投入時において、特殊モニタ1310が正常に表示動作するかどうかを確認することができる。
また、タイミングt4〜t5の期間には、ハンドル182を操作したとしても、球発射装置540から遊技球Bが発射されないようにし、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後に、ハンドル182を操作したときに、球発射装置540から遊技球Bが発射されるようにしている。これにより、主制御基板側可動体の初期動作時において、入球口が開放するものの、そもそも遊技球Bが発射されないことから、入球口の開放時に遊技球Bを発射して入球させることができず、不正に利益が得られることを防止することができる。
また、遊技盤5には、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2470や、遊技領域5a内における不正な振動を検知する振動センサ3005が設けられている。タイミングt4〜t5の期間には、磁気センサ2470や振動センサ3005の検知を有効なものとして扱うようにし、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作が完了した後にも、継続するようにしている。これにより、主制御基板側可動体の初期動作時において、磁石を用いたり振動を与えたりして入球口の開放時に不正に遊技球Bを入球させようとした際に、不正な磁気や不正な振動を検知することができ、不正行為が行われることを防止することができる。
次いで、周辺制御基板1510側の制御について説明する。タイミングt1でパチンコ機1の電源投入が行われると、周辺制御MPUは、周辺制御部電源投入時処理を開始する。そして、タイミングt1からタイミングt3までの期間には、上述した周辺制御部電源投入時処理のステップS1000,S1002の処理を実行する。ステップS1000の初期設定処理では、周辺制御MPU自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う(周辺制御基板1510側の初期設定の完了時点をタイミングt2とする)。
なお、周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングt3よりも前に、ステップS1000の初期設定処理を完了するようにし、タイミングt2の時点以降には、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。ただし、ステップS1000の初期設定処理の完了については、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングt3よりも前としているが、主制御MPUが各種の初期設定を完了する時点であるタイミングt4よりも前としてもよい。
タイミングt2で初期設定を完了した後、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信するまでの期間には、演出表示装置1600において、待機画面1を表示している。待機画面1では、例えば、「復旧中」というメッセージを表示することで、遊技を開始できない状態であることを報知している。そして、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信したときには、演出表示装置1600において、その電源投入時コマンドに基づいて待機画面2を表示している。待機画面2では、例えば、「123」という装飾図柄の停止図柄を表示することで、図柄変動の開始待ちの状態であることを報知している。その後、タイミングt6で周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置1600において、その変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示(変動演出)を開始している。
また、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信したときには、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体のうち、周辺制御基板1510から出力される駆動信号によって動作する可動体(周辺制御基板側可動体)の初期動作を開始している。具体的には、周辺制御基板側可動体として、本体枠4に搭載されている演出操作部301や、遊技盤5に搭載されている裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451などの可動体の初期動作を開始している。これら周辺制御基板側可動体は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、周辺制御基板側可動体の初期動作では、それぞれの可動体が初期位置(退避位置)から動作位置(出現位置)に向けて正常に動作するかの確認や、可動体が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。そして、周辺制御基板側可動体の初期動作の終了後には、その可動体を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に可動体を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、可動体を初期位置から動作位置に動作するようにしている。ただし、変動パターンコマンドに基づいて可動体を動作するタイミングで、周辺制御基板側可動体の初期動作が完了していない場合には、その初期動作を優先し、可動体を動作しないように制御している。
なお、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信した時点で、周辺制御基板側可動体のうち、初期位置にない可動体については、まず、可動体を初期位置に戻した後に、初期動作を開始するようにしている。
また、パチンコ機1の電源投入時には、タイミングt2で初期設定を完了した後、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信するが、タイミングt2で初期設定を完了した後、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信していない状態が所定時間(例えば、1〜2分)経過した場合には、電源投入時コマンドを受信していないにもかかわらず、所定時間が経過した時点で、演出表示装置1600における待機画面1の表示を待機画面2の表示に移行する。また、所定時間が経過した時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作を開始する。これは、主制御基板1310と周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510側の電源のみが供給されない状態が発生し、その後、周辺制御基板1510側の電源が復旧したときには、周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信することがなく、そのような場合であっても、周辺制御基板1510側の電源が復旧したときに、変動パターンコマンドに基づいた変動演出を開始することができる状態にするためである。
また、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、タイミングt3〜t4の期間において、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行するが、変更許可状態の開始時には、その変更許可状態の開始時であることを伝える設定変更開始時コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に向けて送信している。これにより、周辺制御基板1510が設定変更開始時コマンドを受信したときには、演出表示装置1600において、例えば、「設定変更中」というメッセージを表示することで、変更許可状態であることを報知することが可能となる。ただし、周辺制御基板側可動体の初期動作については、周辺制御基板1510が設定変更開始時コマンドを受信した時点ではなく、その後にタイミングt5で電源投入時コマンドを受信した時点で開始するようにしている。
上記したように、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体のうち、主制御基板側可動体については、タイミングt4〜t5の期間に初期動作が行われるのに対し、周辺制御基板側可動体については、タイミングt5の時点以降で初期動作が行われている。つまり、パチンコ機1の電源投入後において、主制御基板側可動体の初期動作が完了した後に、周辺制御基板側可動体の初期動作を開始するようにしている。このように、主制御基板側可動体と、周辺制御基板側可動体に対して初期動作を順次行うことで、正常に動作するか否かの確認が容易となり、パチンコ機1の製造時の点検を容易にすることができる。
上記では、タイミングt5で主制御基板側可動体の初期動作を完了した時点で、主制御MPUは、周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信しているが、タイミングt4で主制御基板1310側の初期設定を完了した時点で、周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信するようにしてもよい。このような場合には、タイミングt4で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信した時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作を開始するようにしている。つまり、主制御基板側可動体と、周辺制御基板側可動体に対して初期動作が同時期に開始されることなる。これにより、周辺制御基板側可動体の初期動作について、早いタイミングで完了させることができ、変動パターンコマンドに基づいて可動体を動作することが可能な状態に早々に移行することができる。
次に、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合におけるパチンコ機1の挙動について、図266を参照して説明する。図266は、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合とは異なる部分のみ、以下に説明する。
図266に示すように、タイミングt1でパチンコ機1の電源投入が行われると、主制御MPUは、主制御側電源投入時処理を開始する。そして、タイミングt1からタイミングt3までの期間には、上述した主制御側電源投入時処理のステップS10〜S22の処理を実行する。ステップS24のウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待機するための待機時間(ブートタイマ)が設けられている。
タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時において、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作せずに電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、主制御MPUは、タイミングt3でステップS29〜S36を行い、主制御内蔵RAMのチェックを行い、その後、ステップS28の設定値確認表示処理を行い、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)に移行する。その後、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダを反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることで、設定値の確認表示が行われていない状態(確認不能状態)に移行する。そして、設定キースイッチ1311aをOFFとした後、主制御MPUは、ステップS40〜S52を行い、各種の初期設定を行う(各種の初期設定の完了時点をタイミングt5とする)。
一方、タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時において、設定キースイッチ1311aを設定キーONとせず、RAMクリアスイッチを操作せずに電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、タイミングt3でステップS28の設定値確認表示処理を行わず、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)に移行することがない。タイミングt3〜t5の期間には、主制御MPUは、ステップS29〜S36を行い、主制御内蔵RAMのチェックを行い、その後、ステップS40〜S52を行い、各種の初期設定を行う。
タイミングt1のパチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合には、タイミングt5で各種の初期設定を完了した後には、主制御基板側可動体の初期動作を行っていない。タイミングt5で各種の初期設定を完了した時点で、主制御MPUは、周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信する。また、タイミングt5で各種の初期設定を完了した後には、特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)に移行する。つまり、タイミングt5で各種の初期設定を完了した後のタイミングt6で、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したときには、特別図柄の変動表示を開始するとともに、周辺制御基板1510に向けて変動パターンコマンドを送信する。
上記したように、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合には、タイミングt3〜t4の期間において、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)としたか否かにかかわらず、タイミングt4〜t5の期間において、主制御基板側可動体の初期動作を行っている。一方、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合には、設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)としたか否かにかかわらず、タイミングt4〜t5の期間が設けられておらず、主制御基板側可動体の初期動作を行っていない。つまり、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチを操作するか否かによって、主制御基板側可動体の初期動作が行われるか否かを異ならせることができる。これにより、例えば、遊技島に設置した後のパチンコ機1の点検において、主制御基板側可動体が正常に動作するか否かを確認したい場合には、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチを操作すればよく、主制御基板側可動体の初期動作を行わせるか否かを作業者が選択することができ、パチンコ機1の点検を容易にすることができる。
なお、周辺制御基板側可動体の初期動作については、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されているか否かにかかわらず、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信した時点で開始するものとしている。
また、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作せずに電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、タイミングt3〜t5の期間において、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)に移行するが、確認表示状態の開始時には、その確認表示状態の開始時であることを伝える確認表示開始時コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に向けて送信している。これにより、周辺制御基板1510が確認表示開始時コマンドを受信したときには、演出表示装置1600において、例えば、「設定値確認表示中」というメッセージを表示することで、確認表示状態であることを報知することが可能となる。ただし、周辺制御基板側可動体の初期動作については、周辺制御基板1510が確認表示開始時コマンドを受信した時点ではなく、その後にタイミングt5で電源投入時コマンドを受信した時点で開始するようにしている。
上記では、周辺制御基板側可動体の初期動作について、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信した時点で開始するものとしているが、電源投入時コマンドを受信するよりも前のタイミング、すなわちタイミングt2で周辺制御基板1510側の初期設定を完了した時点で開始するようにしてもよい。このような変形例について、図267及び図268を参照して説明する。図267は、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されている場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートであり、図268は、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていない場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートである。ここでは、図265及び図266とは異なる部分のみ、以下に説明する。
図267及び図268に示すように、本変形例では、タイミングt2で周辺制御基板1510側の初期設定を完了した時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作を開始するようにしている。つまり、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信するのを待たずに、周辺制御基板側可動体の初期動作が早期に開始されることなる。これにより、周辺制御基板側可動体の初期動作について、早いタイミングで完了させることができ、変動パターンコマンドに基づいて可動体を動作することが可能な状態に早々に移行することができる。
[設定変更後の所定回数目の図柄変動における可動体の特定動作について]
本実施形態では、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われている場合には、パチンコ機1の電源投入後における所定回数目の図柄の変動表示(本実施例では、初回の図柄の変動表示と、100回目の図柄の変動表示)の開始時において、その設定値の設定変更が行われたことを示唆する示唆演出を実行している。この示唆演出では、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしている。なお、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われていない場合には、パチンコ機1の電源投入後における所定回数目の図柄の変動表示の開始時において、示唆演出を実行することがなく、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行わないようにしている。
まず、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、初回の図柄の変動表示において可動体の特定動作が行われる場合について、図269を参照して説明する。図269は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、初回の図柄の変動表示における可動体の特定動作の動作タイミングを示すタイムチャートである。以下では、まず、初回の図柄の変動表示を開始する時点で、既に周辺制御基板側可動体の初期動作が完了している場合について説明する。
上記で説明したように、パチンコ機1の電源投入時において、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RAMクリアスイッチを操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行っている場合には、主制御MPUは、タイミングt3でステップS37の設定変更処理を行い、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行する。このような変更許可状態では、設定切替ボタンの機能として作動するRAMクリアスイッチを押圧操作するごとに、設定値(設定値1〜6)を変更することを可能としている。その後、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダを反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることで、設定値の設定変更を行うことが不能な状態(変更不能状態)に移行する。そして、設定キースイッチ1311aをOFFとした後には、主制御MPUは、主制御基板1310側の各種の初期設定や、主制御基板側可動体の初期動作を行い、周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信する。
図269(A)に示すように、パチンコ機1の電源投入時において、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)に移行し、設定値の設定変更が行われている場合には、タイミングt5で周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信する時点で、設定値の設定変更が行われたことを示す設定変更完了時コマンドも送信している。これにより、周辺制御基板1510側において、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われていることを把握することができる。
タイミングt5で周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信した後、主制御MPUは、特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)に移行する。つまり、タイミングt5で周辺制御基板1510に向けて電源投入時コマンドを送信した後のタイミングt6で、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したときには、特別図柄の変動表示を開始するとともに、周辺制御基板1510に向けて変動パターンコマンドを送信する。そして、タイミングt6で周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、周辺制御MPUは、演出表示装置1600において、その変動パターンコマンドに基づいて初回の装飾図柄の変動表示(変動演出)を開始している。
パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、タイミングt6で初回の装飾図柄の変動表示の開始時には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしている。具体的には、本体枠4に搭載されている可動体として、演出操作部301に対して特定動作を行い、加えて、遊技盤5に搭載されている可動体として、裏上後装飾体3451に対して特定動作を行うようにしている。演出操作部301は、ボタンが初期位置(退避位置)と動作位置(突出位置)との間で動作することが可能な部材であり、演出操作部301に対する特定動作では、ボタンが動作位置に移動した後に初期位置に戻るという動作を行うようにしている。また、裏上後装飾体3451は、その裏上後装飾体3451が初期位置(退避位置)と動作位置(出現位置)との間で動作することが可能な部材であり、裏上後装飾体3451に対する特定動作では、裏上後装飾体3451が動作位置に移動した後に初期位置に戻るという動作を行うようにしている。
一方、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われていない場合、すなわちパチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示が行われている場合や、パチンコ機1の電源投入時に主制御内蔵RAMのクリアのみが行われている場合や、パチンコ機1の通常の電源投入時である場合(設定値の設定変更、設定値の確認表示、主制御内蔵RAMのクリアのいずれも行われていない場合)については、その後の初回の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行っていない。
上記したように、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われている場合には、その後の初回の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしている。設定値の設定変更については、例えば、ホールの開店前にホール管理者が行うものであるため、ホールの開店後には、設定値の設定変更が行われたかどうかを遊技前に遊技者が知ることはできない。しかしながら、遊技を開始し、初回の装飾図柄の変動表示を開始させることで、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作が行われるかどうか、すなわち設定値の設定変更が行われたかどうかを遊技者が知ることはできる。これにより、ホールの開店時において、設定値の設定変更が行われたかどうかを知るために、遊技を積極的に開始させることができる。
また、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作については、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、初回の装飾図柄の変動表示の開始時を含めて、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時に行うようにしている。例えば、初回の装飾図柄の変動表示の開始時の他に、100回ごとの規定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時においても行うようにしている。これにより、ホールの開店直後の遊技でなくても、設定値の設定変更が行われたかどうかを知ることができ、遊技を積極的に開始させることができる。
ここで、変動パターンには、特別図柄(装飾図柄)の変動時間、及び、その変動時間に周辺制御基板1510側で実行される演出内容が設定されている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、装飾図柄の変動表示中に可動体を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、変動演出の一部として、装飾図柄の変動表示中の所定のタイミングで、可動体を初期位置から動作位置に動作するようにしている。ただし、装飾図柄の変動表示の開始から所定時間(例えば、5秒間)については、可動体の動作を行わないように全ての変動パターンが設定されている。つまり、装飾図柄の変動表示の開始から所定時間(例えば、5秒間)については、変動パターンに基づく可動体の動作を行わないように制限している。そして、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われている場合には、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対する特定動作が変動パターンに基づかないで、その装飾図柄の変動表示の開始から所定時間(例えば、5秒間)で行うようにしている。これにより、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対する特定動作が行われたときに、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われたことを示唆しているのか、変動パターンに基づく変動演出の一部として期待度を示唆しているのか、を認識することができる。
また、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行う際に、その特定動作の動作時間については、変動パターンに基づく可動体の動作時間と比べて、短時間となるように設定されている。これにより、装飾図柄の変動表示の開始から所定時間(例えば、5秒間)については、変動パターンに基づく可動体の動作を行わないように制限しているが、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時における特定動作の動作時間を短くすることで、その制限される時間を短時間とすることができる。
なお、本例では、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を画一的に行うようにしているが、変形例として、設定値を示唆する特定動作Aと、設定値を示唆しない特定動作Bと、のいずれかを実行するようにしてもよい。具体的には、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時に周辺制御MPUで所定の乱数値X、乱数値Yを取得し、特定動作Aを実行するか否かの実行判定(実行抽選)を、取得した乱数値Xに基づいて行い、その実行判定の結果に基づいて特定動作Aあるいは特定動作Bを実行する。また、特定動作Aを決定する場合には、低設定値を示唆する特定動作A1、高設定値を示唆する特定動作A2、設定値6を示唆する特定動作A3のいずれかを、現在設定されている設定値と乱数値Yに応じて決定する。ここで、現在設定されている設定値が設定値1〜3である場合には、低設定値を示唆する特定動作A1を特定動作A2よりも高い確率(特定動作A1:特定動作A2=7:3の割合)で決定する低設定用演出振分テーブルを参照して乱数値Yの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値4〜5である場合には、高設定値を示唆する特定動作A2を特定動作A1よりも高い確率(特定動作A1:特定動作A2=3:7の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル1を参照して乱数値Yの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値6である場合には、設定値1〜5である場合に決定することがない設定値6を示唆する特定動作A3を含んで特定動作A1〜A3を所定の確率(特定動作A1:特定動作A2:特定動作A3=1:5:4の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル2を参照して乱数値Yの値に応じた演出決定が行われる。つまり、特定動作A1、A2は、現在の設定値が何れであっても出力される可能性があることから、1回の実行で低設定あるいか高設定が確定するものではないが、特定動作A3を出力したときには、現在設定されている設定値が設定値6であることが確定する。このように、特定動作Aを実行したときには、その特定動作Aから把握しうる設定値の示唆に応じた期待をもつことができる。
また、本例では、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われていない場合について、その後の所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して動作しないようにしているが、特定動作を行わないものであればよく、特定動作とは異なる非特定動作を行うようにしてもよい。本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対する非特定動作としては、例えば、演出操作部301が初期位置から僅かに移動(動作位置に移動しない程度に移動)したり、裏上後装飾体3451が初期位置から僅かに移動(動作位置に移動しない程度に移動)したりすることが挙げられる。このように、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われていない場合において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して非特定動作が行われたとしても、特定動作との違いが明確であり、設定値の設定変更が行われていないことを明確に把握することができる。
また、本例では、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われたことを示唆する示唆演出として、所定回数目の装飾図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしているが、示唆演出としては、演出表示装置1600を用いて特定画像の表示によって行うようにしてもよく、また、スピーカから特定音の出力によって行うようにしてもよい。
図269(A)の上記した説明については、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、タイミングt6で初回の図柄の変動表示を開始する時点で、既に周辺制御基板側可動体の初期動作が完了していることから、初回の図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うことができる。一方、図269(B)に示すように、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、タイミングt6で初回の図柄の変動表示を開始する時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作が完了していない場合には、初回の図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うことができない。このような場合には、周辺制御基板側可動体の初期動作が完了した後に開始される、図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしている。例えば、タイミングt6で初回の図柄の変動表示を開始する時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作が完了していないものの、2回目の図柄の変動表示を開始する時点で、周辺制御基板側可動体の初期動作が完了している場合には、その2回目の図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うようにしている。これにより、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われている場合には、確実に特定動作を行わせることができ、その特定動作から得られる情報を見逃すことを防止することができる。
また、図269(A)の上記した説明については、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われた後、タイミングt5で周辺制御基板1510が電源投入時コマンドを受信したときに、周辺制御基板側可動体の初期動作が行われているが、その周辺制御基板側可動体の初期動作が正常に完了している場合について、説明している。一方、図269(C)に示すように、周辺制御基板側可動体の初期動作において、周辺制御基板側可動体が初期位置に戻らない等の異常が発生した場合には、初回の図柄の変動表示の開始時を含め、所定回数目の図柄の変動表示の開始時において、本体枠4や遊技盤5に搭載されている可動体に対して特定動作を行うことがない。ただし、本例では、特定動作を行う可動体として、本体枠4に搭載されている演出操作部301と、遊技盤5に搭載されている裏上後装飾体3451と、があり、異常が発生した可動体がいずれか一方である場合には、異常が発生した可動体に対して特定動作を行うことがないのに対し、初期動作を正常に完了した可動体に対して特定動作を行うようにしている。これにより、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更が行われている場合には、異常が発生した可動体を除いて特定動作を行わせることができ、その特定動作から得られる情報を見逃すことを防止することができる。
また、周辺制御基板側可動体の初期動作において、周辺制御基板側可動体が初期位置に戻らない等の異常が発生した場合には、その異常が発生した後に、図柄変動中に可動体を用いた演出が設定された変動パターンが送信されたとしても、図柄変動中の所定のタイミングで、可動体を初期位置から動作位置に動作することがない。ただし、初期動作で異常が発生した可動体に対して、変動パターンに基づく動作が行われないだけであり、初期動作を正常に完了した可動体については、変動パターンに基づく動作を行うことができる。
[特殊モニタの情報に基づいた演出制御について]
次に、特殊モニタ1310hについて、図264を参照して説明する。遊技盤5に区画形成される遊技領域5aには、遊技球Bが入球しうる複数の入球口が設けられている。複数の入球口のうち、入球により賞球を払い出す対象である入賞口としては、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2006と、を備えている。
また、複数の入球口のうち、入賞口に入球しなかった遊技球Bを回収するアウト口としては、遊技領域5aの下端に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出するアウト口2010と、遊技領域5a内の上下方向の途中に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出する第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012と、を備えている。
また、遊技領域5aに発射された遊技球のうち、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006に入球した遊技球Bは、一般入賞口センサ3051、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601で検出され、アウト口2010、第一サブアウト口2011、第二サブアウト口2012により回収された遊技球は、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口センサ3054で検出され、これらの検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPUへ入力される。
主制御MPUは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)、つまり遊技領域5a内から排出される遊技球Bの球数を計数している。また、主制御MPUは、入賞口への入球により払出装置580から払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数している。そして、主制御MPUは、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果を、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、特殊モニタ1310hに表示するようにしている。なお、入球数に対する払出数の割合の算出式としては、(払出数÷入球数)×100が挙げられる。例えば、入球数に対する払出数の割合が多くなり過ぎている場合には、入球口のうち、入球により賞球を払い出す対象である入賞口にばかりに入球している可能性があり、特殊モニタ1310hに表示される情報を監視することで、不正行為により入賞口に入球させていないかなどを把握することができる。
なお、本例では、複数の遊技状態のうち、低確率非時短状態である場合のみ、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、払出装置580から払い出される遊技球Bの球数(払出数)と、を計数するようにし、特殊モニタ1310hへの表示に反映させている。低確率時短状態(時短状態)や高確率時短状態(確変状態)では、第二始動口2004に頻繁に入球することから、払出装置580から払い出される遊技球Bの球数も多くなり、入球数に対する払出数の割合が多くなる傾向にある。つまり、入球数に対する払出数の割合が多くなるか否かは、低確率時短状態(時短状態)や高確率時短状態(確変状態)としている期間に左右されることになるが、そのような期間を除外することで、不正行為などがなければ、入球数に対する払出数の割合を一定の範囲内に収めることができる。
また、本例では、特殊モニタ1310hにおいて、入球数に対する払出数の割合を表示しているが、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、払出装置580から払い出される遊技球Bの球数(払出数)と、をそれぞれ表示することを可能にしてもよい。
本例では、特殊モニタ1310hにおいて、入球数に対する払出数の割合を表示するだけでなく、その特殊モニタ1310hから得られる情報を用いて、パチンコ機1の遊技状況を判断し、演出内容に反映させている。このような特殊モニタ1310hから得られる情報に関する演出制御について、図270を参照して説明する。図270は、周辺制御部定常処理にて実行される特殊モニタ関連演出処理の一例を示すフローチャートである。
図270に示すように、周辺制御MPUは、まず、主制御基板1310側から特殊モニタ情報コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS2701)。特殊モニタ情報コマンドとは、特殊モニタ1310hに出力される情報と同等である、入球数に対する払出数の割合を示すコマンドである。また、特殊モニタ情報コマンドは、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が100球に到達するごとに、主制御基板1310から周辺制御基板1510に向けて送信されている。
ステップS2701の処理において、主制御基板1310側から特殊モニタ情報コマンドを受信したと判断した場合には、その特殊モニタ情報コマンドが、電源投入時から10回目以降の受信であるか否かを判断する(ステップS2702)。つまり、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が100球に到達するごとに特殊モニタ情報コマンドが送信されることから、電源投入後に遊技が開始された後、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達した以降であるか否かを判断している。そして、特殊モニタ情報コマンドが、電源投入時から10回目以降の受信であると判断した場合には、ステップS2703〜S2708の処理を行う。
ステップS2703の処理においては、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報として、入球数に対する払出数の割合が、第1の異常値以上、または、第2の異常値以下であるか否かを判断する。
ステップS2703の処理において、入球数に対する払出数の割合が、第1の異常値以上でなく、且つ、第2の異常値以下でないと判断した場合には、入球数に対する払出数の割合が、第1の規定値以上であるか否かを判断する(ステップS2704)。そして、入球数に対する払出数の割合が、第1の規定値以上である場合には、スピーカからの音声出力として、入球数に対する払出数が多いことを示唆する特別音Aを出力する(ステップS2705)。特別音Aとしては、「調子いいね」という音声が出力される。
ステップS2704の処理において、入球数に対する払出数の割合が、第1の規定値未満である場合には、入球数に対する払出数の割合が、第2の規定値以下であるか否かを判断する(ステップS2706)。そして、入球数に対する払出数の割合が、第2の規定値以下である場合には、スピーカからの音声出力として、入球数に対する払出数が少ないことを示唆する特別音Bを出力する(ステップS2707)。特別音Bとしては、「調子いいね」という音声が出力される。また、ステップS2707の処理においては、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行い、スピーカからの音声出力として、その実行判定の結果に応じて設定示唆音A〜Cのいずれかを出力する。
ここで、第1の規定値や第2の規定値とは、正常に遊技が行われる場合に、入球数に対する払出数の割合がどの位の値であるかについて、遊技設計者が想定した基準値を基準として、その基準値よりも割合を多くするように第1の規定値を設定し、基準値よりも割合を少なくするように第2の規定値を設定している(第1の規定値>基準値>第2の規定値)。つまり、入球数に対する払出数の割合が第1の規定値以上である場合には、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が高いことから、遊技者設計者が想定するよりも払出数が多くなっており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しやすい状況であったことを把握することができる。一方、入球数に対する払出数の割合が第2の規定値以下である場合には、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が低いことから、遊技者設計者が想定するよりも払出数が少なくなっており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しにくい状況であったことを把握することができる。
また、第1の異常値については、基準値や第1の規定値よりも、入球数に対する払出数の割合を非常に多くするように値を設定している(第1の異常値>>第1の規定値>基準値)。つまり、入球数に対する払出数の割合が第1の異常値以上である場合には、基準値や第1の規定値よりも入球数に対する払出数の割合が非常に高いことから、払出数が想定外に多くなり過ぎており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に対して不正により入球させていることが疑われる。一方、第2の異常値については、基準値や第2の規定値よりも、入球数に対する払出数の割合を非常に少なくするように値を設定している(基準値>第2の規定値>>第2の異常値)。つまり、入球数に対する払出数の割合が第2の異常値以下である場合には、基準値や第2の規定値よりも入球数に対する払出数の割合が非常に低いことから、払出数が想定外に少なくなり過ぎており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口の付近の釘などが曲げられて、それらの入賞口に対して入球しないように細工されていることが疑われる。
また、設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)においては、特殊モニタ情報コマンドを受信したときに周辺制御MPUで所定の乱数値Xを取得し、低設定値を示唆する設定示唆音A、高設定値を示唆する設定示唆音B、設定値6を示唆する設定示唆音Cのいずれかを、現在設定されている設定値と乱数値Xに応じて決定する。ここで、現在設定されている設定値が設定値1〜3である場合には、低設定値を示唆する設定示唆音Aを設定示唆音Bよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=7:3の割合)で決定する低設定用演出振分テーブルを参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値4〜5である場合には、高設定値を示唆する設定示唆音Bを設定示唆音Aよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=3:7の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル1を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値6である場合には、設定値1〜5である場合に決定することがない設定値6を示唆する設定示唆音Cを含んで設定示唆音A〜Cを所定の確率(設定示唆音A:設定示唆音B:設定示唆音C=1:5:4の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル2を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。つまり、設定示唆音A、Bは、現在の設定値が何れであっても出力される可能性があることから、1回の出力で低設定あるいか高設定が確定するものではないが、設定示唆音Cを出力したときには、現在設定されている設定値が設定値6であることが確定する。このように、設定示唆音を出力したときには、その設定示唆音から把握しうる設定値の示唆に応じた期待をもつことができる。
なお、低設定値を示唆する設定示唆音Aとしては、スピーカから「ビー」という音声が出力がされる音データが用いられ、高設定値を示唆する設定示唆音Bとしては、スピーカから「ビービー」という音声が出力がされる音データが用いられ、設定値6を示唆する設定示唆音Cとしては、スピーカから「ビービービー」という音声が出力される音データが用いられる。このように、設定値の示唆ごとに設定示唆音を異ならせて出力することで、どのような設定値の示唆であるのかを把握することができる。
上記したように、本例では、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報である入球数に対する払出数の割合に応じた演出として、特別音を出力することを可能にしている。具体的には、入球数に対する払出数の割合が第1の規定値以上である場合には、入球数に対する払出数が多いことを示唆する特別音Aを出力することで、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しやすい状況であったことを把握することができる。一方、入球数に対する払出数の割合が第2の規定値以下である場合には、入球数に対する払出数が少ないことを示唆する特別音Bを出力することで、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しにくい状況であったことを把握することができる。これにより、特別音が出力されたときには、遊技効率が良好であるかどうかを把握することができる。
なお、本例では、入球数に対する払出数の割合が第1の規定値〜第2の規定値の範囲である場合には、入球数に対する払出数の割合に応じた演出を実行していない。しかしながら、入球数に対する払出数の割合が第1の規定値〜第2の規定値の範囲である場合には、例えば、スピーカからの音声出力として、入球数に対する払出数が基準値付近であることを示唆する特別音Cを出力してもよい。特別音Cとしては、例えば、「まあまあだね」という音声が出力される。これにより、特別音Cが出力されたときには、遊技効率が、遊技設計者が想定している基準値に近い状況であることを把握することができる。
また、入球数に対する払出数の割合が第2の規定値以下である場合には、入球数に対する払出数が少ないことを示唆する特別音Bを出力するのに加えて、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力している。このように、入球数に対する払出数の割合が第2の規定値以下である場合には、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しにくい状況であり、遊技効率が悪い状況であるが、設定示唆音が出力されたときには、現在設定されている設定値に関する情報を知ることができることから、そのような遊技効率が悪い状況下でも遊技を継続しようとする意欲を生じさせることができる。また、現在設定されている設定値が高設定値であることを示唆した場合には、当りになりやすい状況であることから、遊技を継続しようとする意欲を特に生じさせることができる。
また、本例では、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報である入球数に対する払出数の割合に応じた演出を、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が100球に到達するごとに実行することとしている。これにより、遊技を継続している限りは、入球数に対する払出数の割合に応じた演出を定期的に実行することが可能となり、遊技効率が良好であるかどうかを定期的に把握することができる。
なお、本例では、電源投入後に遊技が開始された後、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達するまでの間、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報である入球数に対する払出数の割合に応じた演出の実行を制限している。これは、電源投入後に遊技が開始された直後においては、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球する状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が高くなったり、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しない状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が低くなったりする等、偏りが生じやすくなっている。このため、電源投入後に遊技が開始された直後においては、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報が信頼性の低いものであると判断し、入球数に対する払出数の割合に応じた演出を実行しないこととしている。
ステップS2703の処理において、入球数に対する払出数の割合が、第1の異常値以上、または、第2の異常値以下であると判断した場合には、スピーカからの音声出力として、入球数に対する払出数が基準値から大きく乖離していることを示唆する異常報知音を出力する(ステップS2708)。異常報知音としては、「おかしいね」という音声が出力される。
上記したように、入球数に対する払出数の割合が第1の異常値以上である場合には、基準値や第1の規定値よりも入球数に対する払出数の割合が非常に高いことから、払出数が想定外に多くなり過ぎており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に対して不正により入球させていることが疑われる。一方、入球数に対する払出数の割合が第2の異常値以下である場合には、基準値や第2の規定値よりも入球数に対する払出数の割合が非常に低いことから、払出数が想定外に少なくなり過ぎており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口の付近の釘などが曲げられて、それらの入賞口に対して入球しないように細工されていることが疑われる。このような場合には、異常報知音を出力することで、入球数に対する払出数の割合に関して、何らかの異常が発生していることを知らせることができ、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。
なお、スピーカから出力される遊技音については、演出操作部301を操作することで音量を変更することが可能になっている。つまり、遊技音の音量の変更後においては、その変更した音量で演出音が出力されることとなる。ただし、特別音の音量については、変更した音量で出力されるのに対し、異常報知音の音量については、音量が変更されているか否かにかかわらず、最大音量で出力されるようにしている。例えば、小さい音量に変更されているときに異常報知音の音量も小さくなるとすると、異常報知音が出力されたとしても、その異常報知音に気付かない可能性があるが、本例では、最大音量で異常報知音が出力されることで、何らかの異常が発生していることを確実に知らせることができ、不正行為に対する抑止力を高くすることができる。
なお、本例では、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が100球に到達するごとに特殊モニタ情報コマンドを送信し、その特殊モニタ情報コマンドが送信されたタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出(特別音の出力)を実行することを可能にしているが、これとは別のタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出を実行することを可能にしてもよい。例えば、特殊モニタ情報コマンドについては、入球口(入賞口、アウト口)に遊技球Bが入球するごとに随時送信するものであってもよい。そして、その特殊モニタ情報コマンドに基づいて入球数に対する払出数の割合が第1の規定値以上であると判断したタイミングや、入球数に対する払出数の割合が第2の規定値以下であると判断したタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出(特別音の出力)を実行してもよい。これにより、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報をリアルタイムに知ることができる。
また、例えば、ハンドル182への接触時間として所定時間が経過したタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出(特別音の出力)を実行することを可能にしてもよい。これにより、ハンドル182の操作を継続しようとする意欲を生じさせることができる。また、例えば、期待度の高いリーチ演出などの特定のリーチ演出の実行中において、遊技球Bの打ち出しを停止することが可能な単発ボタン116を操作したタイミングや、単発ボタン116の操作を解除したタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出(特別音の出力)を実行することを可能にしてもよい。このうち、単発ボタン116の操作を解除したタイミングで、入球数に対する払出数の割合に応じた演出(特別音の出力)を実行することを可能にした場合には、単発ボタン116を操作して遊技球Bの打ち出しを停止している状況であっても、単発ボタン116の操作を解除し、遊技球Bの打ち出しを継続しようとする意欲を生じさせることができる。
また、特殊モニタ1310hについては、主制御MPUで入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果を、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、その特殊モニタ1310hに表示するようにしている。また、RAMの特定領域に記憶されている情報(入球数に対する払出数の割合)については、電源投入時にRAMクリアスイッチを操作していたとしても、その情報がクリアされることがない。ただし、入球数に対する払出数の割合については、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するごとに、新たに入球数に対する払出数の割合を算出するようにし、古くなった入球数に対する払出数の割合の算出結果については、所定回数の算出結果までを履歴として保存するようにしている。このような特殊モニタ1310hの仕様において、例えば、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する時点から、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達するまでの間、その新たな入球数に対する払出数の割合に応じた演出の実行を制限するようにしてもよい。これは、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する直後においては、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球する状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が高くなったり、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しない状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が低くなったりする等、偏りが生じやすくなっている。このため、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する直後においては、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報が信頼性の低いものであると判断し、入球数に対する払出数の割合に応じた演出を実行しないこととすればよい。
なお、本例では、特殊モニタ情報コマンドから得られる情報である入球数に対する払出数の割合に応じた演出として、スピーカから特別音を出力することを可能にしているが、そのような演出については、音声、表示、ランプ発光のいずれを用いて実行してもよく、それら二つ以上を実行するようにしてもよい。
[ハンドル及び単発ボタンへの接触・非接触を用いた演出について]
本実施形態では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192や、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧操作しているか否かを検出する単発ボタン操作センサ194を用いた演出として、単発ボタン193の操作時における演出や、単発ボタン193の操作の解除時における演出を実行している。なお、ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出するものである。
また、単発ボタン操作センサ194は、単発ボタン193の操作を検知するものであり、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧することで、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができるものである。
まず、ハンドルタッチセンサ192や単発ボタン操作センサ194の検出時における信号経路について、図271を参照して説明する。図271は、ハンドルタッチセンサ192や単発ボタン操作センサ194の検出時における信号経路を説明するための図である。
ハンドルタッチセンサ192からの検出信号は、ハンドル後中継基板106を介して、払出制御基板633の発射制御部633bに入力される。そして、発射制御部633bは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力すると、その検出信号を主制御基板1310の主制御MPUに向けて出力する。
主制御MPUは、上述した発射許可信号設定処理(ステップS113)を行い、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定することを可能にしている。この処理においては、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力しているときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定することを可能にする一方、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力していないときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定している。つまり、ハンドル182への接触時には、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することが可能である一方、ハンドル182への非接触時には、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがない。
単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、ハンドル後中継基板106を介して、払出制御基板633の発射制御部633bに入力される。そして、発射制御部633bは、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力すると、その検出信号を主制御基板1310の主制御MPUに向けて出力する。
主制御MPUは、上述した発射許可信号設定処理(ステップS113)において、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力し、且つ、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力していないときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定することを可能にする一方、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力していても、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力しているときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定している。つまり、ハンドル182への接触時であっても、単発ボタン193の操作時には、ハンドル182への非接触時には、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがない。
そして、発射制御部633bは、発射許可信号を受けている期間において、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。一方、ハンドル182への接触時であっても、単発ボタン193の操作時には、ハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、発射許可信号を受けていない期間であることから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。
また、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、発射許可信号を受けていない期間(ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していない期間)であることから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
なお、主制御MPUは、設定値の変更許可や設定値の確認表示が行われていない状態であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定することを可能にする一方、設定値の変更許可や設定値の確認表示が行われている状態であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定している。つまり、設定値の変更許可中や設定値の確認表示中には、ハンドル182への接触時であっても、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがない。このため、設定値の変更許可中や設定値の確認表示中には、ハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。
上記では、設定値の変更許可中や設定値の確認表示中には、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがないのに対し、設定値の変更許可や設定値の確認表示の終了後には、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することを可能にしているが、設定値の変更許可や設定値の確認表示の終了前から終了後にかけて、ハンドル182に継続して接触している場合には、設定値の変更許可や設定値の確認表示の終了後であっても、発射許可信号を出力しないようにしている。このような場合には、設定値の変更許可や設定値の確認表示の終了後において、ハンドル182から一旦手を離して再び接触することで、発射許可信号を出力することができ、ハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
また、詳しくは上記したが、主制御MPUは、不正行為検出フラグFD−FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD−FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定することを可能にする一方、不正行為検出フラグFD−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定している。つまり、不正行為の検出時には、ハンドル182への接触時であっても、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがない。このため、不正行為の検出時には、ハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。
主制御MPUは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力し、且つ、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力していない場合に、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力しているが、その発射許可信号を出力する際には、発射許可信号の出力時である旨を伝える発射許可時コマンドを周辺制御基板1510の周辺制御MPUに向けて出力する。これにより、周辺制御MPUは、発射許可時コマンドを受けている期間において、ハンドル182への接触時であり、単発ボタン193の非操作時であることを把握することができる。
一方、主制御MPUは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力し、且つ、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力している場合に、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力していないが、その際には、遊技球Bの発射の一時的な停止時である旨を伝える発射停止時コマンドを周辺制御基板1510の周辺制御MPUに向けて出力する。これにより、周辺制御MPUは、発射停止時コマンドを受けている期間において、ハンドル182への接触時であるものの、単発ボタン193の操作時であることを把握することができる。なお、発射許可時コマンドと発射停止時コマンドのいずれも受けていない期間においては、ハンドル182への非接触時であることを把握することができる。
なお、設定値の変更許可中や設定値の確認表示中には、ハンドル182への接触時であっても、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがなく、周辺制御基板1510の周辺制御MPUに向けて発射許可時コマンドを出力することもないことから、周辺制御MPUにおいては、ハンドル182への非接触時であるものとして把握されている。同様に、不正行為の検出時には、ハンドル182への接触時であっても、払出制御基板633の発射制御部633bに向けて発射許可信号を出力することがなく、周辺制御基板1510の周辺制御MPUに向けて発射許可時コマンドを出力することもないことから、周辺制御MPUにおいては、ハンドル182への非接触時であるものとして把握されている。
ところで、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号を入力し続けている期間においては、主制御MPUから周辺制御MPUに向けて発射許可時コマンドの出力を継続するようにしてもよいが、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号が非入力から入力に切り替わったときに発射許可時コマンドを出力し、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号が入力から非入力に切り替わったときに発射非許可時コマンドを出力するようにしてもよい。このような場合、周辺制御MPUは、発射許可時コマンドを受けてから発射非許可時コマンドを受けるまでの期間において、ハンドル182への接触時であることを把握することができる。同様に、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号の入力中に、単発ボタン操作センサ194からの検出信号を入力し続けている期間においては、主制御MPUから周辺制御MPUに向けて発射停止時コマンドの出力を継続するようにしてもよいが、単発ボタン操作センサ194からの検出信号が非入力から入力に切り替わったときに発射停止時コマンドを出力し、単発ボタン操作センサ194からの検出信号が入力から非入力に切り替わったときに発射非停止時コマンドを出力するようにしてもよい。このような場合、周辺制御MPUは、発射停止時コマンドを受けてから発射非停止時コマンドを受けるまでの期間において、ハンドル182への接触中であるものの、単発ボタン193の操作時であることを把握することができる。
(単発ボタンの操作に応じた演出)
次に、周辺制御MPUにおいては、発射停止時コマンドの入力の有無に応じて、ハンドル182への接触中における単発ボタン193の操作時であるか否かを把握し、単発ボタン193の操作に応じた演出や、単発ボタン193の操作の解除に応じた演出を実行している。このうち、まず、単発ボタン193の操作に応じた演出の実行制御について、図272を参照して説明する。図272は、周辺制御部定常処理にて実行される第1の発射停止時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。
図272に示すように、周辺制御MPUは、まず、図柄(装飾図柄)の変動表示中において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)の実行中であるか否かを判断する(ステップS2801)。周辺制御MPUにおいては、主制御基板1310側で決定される変動パターンに基づいて演出を制御するものであり、その変動パターンに基づいた演出としては、リーチを形成しない演出(通常変動)、リーチ形成後に期待度の低いノーマルリーチ演出を実行する演出、リーチ形成後に期待度の低いノーマルリーチ演出を実行した後に期待度の高いスーパーリーチ演出を実行する演出、などが挙げられる。そして、これらの演出については、リーチを形成しない演出、ノーマルリーチ演出を実行する演出、スーパーリーチ演出を実行する演出の順で、演出時間が長くなるように設定されている。
ステップS2801の処理において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)の実行中であると判断した場合には、その期待度の高いリーチ演出の実行中において、発射停止時コマンドを受けたか否かを判断する(ステップS2802)。つまり、期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止したか否かを判断する。そして、期待度の高いリーチ演出の実行中において、発射停止時コマンドを受けたと判断した場合には、その期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数を示す発射停止回数カウンタに対してカウント(加算)する(ステップS2803)。この発射停止回数カウンタについては、期待度の高いリーチ演出の1回の実行に対して、1回のみカウントすることを可能とし、単発ボタン193の操作・非操作を何回繰り返したとしても、複数回カウントすることはない。
ステップS2801〜S2803の処理に続いて、周辺制御MPUは、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時であるか否かを判断する(ステップS2804)。そして、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時であると判断した場合には、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であるか否かを判断する(ステップS2805)。つまり、期待度の高いリーチ演出の10回の実行に対して、5回以上の期待度の高いリーチ演出において、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止したか否かを判断する。
ステップS2805の処理において、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であると判断した場合には、スピーカからの音声出力として、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数が多いことを示唆する特別音Aを出力する(ステップS2806)。特別音Aとしては、「調子いいね」という音声が出力される。
一方、ステップS2805の処理において、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上でないと判断した場合には、スピーカからの音声出力として、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数が少ないことを示唆する特別音Bを出力する(ステップS2807)。特別音Bとしては、「がんばろう」という音声が出力される。また、ステップS2807の処理においては、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行い、スピーカからの音声出力として、その実行判定の結果に応じて設定示唆音A〜Cのいずれかを出力する。
なお、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であるか否かにかかわらず、ステップS2806、S2807の処理後においては、発射停止回数カウンタの値をリセットしている。そして、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了後、次に実行される期待度の高いリーチ演出については、1回目の期待度の高いリーチ演出とし、新たに発射停止回数カウンタのカウントを開始することとしている。
ここで、期待度の高いリーチ演出の実行中には、その演出時間が長いことから、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が増加しやすい状況にあり、その保留が上限(限度個数である4個)に到達した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004へ入球したとしても保留が増加することがなく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止し、持ち球を減らさないようにする。このとき、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況である場合には、保留が上限に到達しやすく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止する可能性が高い。つまり、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であると判断した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であったことから、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止している可能性が高く、そのような状況を褒めるための特別音Aを出力することとしている。一方、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況である場合には、保留が上限に到達しにくく、単発ボタン193を操作せず、遊技球Bを発射し続ける可能性が高い。つまり、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント未満であると判断した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であって、持ち球が減りやすい状況であったことから、単発ボタン193を操作せず、遊技球Bを発射し続けている可能性が高く、そのような状況を励ますための特別音Bを出力することとしている。
ステップS2807の処理において、設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行うが、その実行判定においては、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上でないと判断したときに周辺制御MPUで所定の乱数値Xを取得し、低設定値を示唆する設定示唆音A、高設定値を示唆する設定示唆音B、設定値6を示唆する設定示唆音Cのいずれかを、現在設定されている設定値と乱数値Xに応じて決定する。ここで、現在設定されている設定値が設定値1〜3である場合には、低設定値を示唆する設定示唆音Aを設定示唆音Bよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=7:3の割合)で決定する低設定用演出振分テーブルを参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値4〜5である場合には、高設定値を示唆する設定示唆音Bを設定示唆音Aよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=3:7の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル1を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値6である場合には、設定値1〜5である場合に決定することがない設定値6を示唆する設定示唆音Cを含んで設定示唆音A〜Cを所定の確率(設定示唆音A:設定示唆音B:設定示唆音C=1:5:4の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル2を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。つまり、設定示唆音A、Bは、現在の設定値が何れであっても出力される可能性があることから、1回の出力で低設定あるいか高設定が確定するものではないが、設定示唆音Cを出力したときには、現在設定されている設定値が設定値6であることが確定する。このように、設定示唆音を出力したときには、その設定示唆音から把握しうる設定値の示唆に応じた期待をもつことができる。
なお、低設定値を示唆する設定示唆音Aとしては、スピーカから「ビー」という音声が出力される音データが用いられ、高設定値を示唆する設定示唆音Bとしては、スピーカから「ビービー」という音声が出力がされる音データが用いられ、設定値6を示唆する設定示唆音Cとしては、スピーカから「ビービービー」という音声が出力される音データが用いられる。このように、設定値の示唆ごとに設定示唆音を異ならせて出力することで、どのような設定値の示唆であるのかを把握することができる。
上記したように、本例では、単発ボタン193の操作に応じた演出として、特別音を出力することを可能にしている。具体的には、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であると判断した場合には、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数が多いことを示唆する特別音Aを出力することで、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であったことを把握することができる。一方、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント未満であると判断した場合には、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数が少ないことを示唆する特別音Bを出力することで、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であって、持ち球が減りやすい状況であったことを把握することができる。これにより、特別音が出力されたときには、遊技効率が良好であるかどうかを把握することができる。
また、発射停止時コマンドについては、ハンドル182への接触中に、単発ボタン193を操作した場合に限り、主制御基板1310から周辺制御基板1510に向けて送信されることとなる。つまり、単発ボタン193を操作していたとしても、ハンドル182に接触していなければ、周辺制御MPUが発射停止時コマンドを受けることがないことから、ステップS2802の処理において、発射停止時コマンドを受けたと判断することがなく、発射停止回数カウンタに対してカウント(加算)することもない。これにより、ハンドル182に接触して遊技に参加しつつ、遊技球Bの発射を一時的に停止するために単発ボタン193を操作しているかどうかを把握することができ、ハンドル182や単発ボタン193から得られる遊技状況などの情報の正確性を高めることができる。
また、本例では、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント未満であると判断した場合には、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した回数が少ないことを示唆する特別音Bを出力するのに加えて、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力している。このように、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント未満であると判断した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であり、遊技効率が悪い状況である可能性が高いが、設定示唆音が出力されたときには、現在設定されている設定値に関する情報を知ることができることから、そのような遊技効率が悪い状況下でも遊技を継続しようとする意欲を生じさせることができる。また、現在設定されている設定値が高設定値であることを示唆した場合には、当りになりやすい状況であることから、遊技を継続しようとする意欲を特に生じさせることができる。
なお、本例では、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であるか否かを判断し、特別音を出力することを可能にしているが、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了時点で、発射停止回数カウンタの値が5カウント以上であるか否かにかかわらず、10回目の期待度の高いリーチ演出の終了後において、特別音を出力することとしてもよい。
(単発ボタンの操作の解除に応じた演出)
次に、単発ボタン193の操作の解除に応じた演出の実行制御について、図273を参照して説明する。図273は、周辺制御部定常処理にて実行される第2の発射停止時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。
図273に示すように、周辺制御MPUは、まず、図柄(装飾図柄)の変動表示中において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)の実行中であるか否かを判断する(ステップS2901)。
ステップS2901の処理において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)の実行中であると判断した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が上限(限度個数)に到達しているか否かを判断する(ステップS2902)。なお、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留の増加時や、図柄の変動開始による保留の減少時には、保留数を示す保留数コマンドを主制御基板1310から送信することにより、周辺制御基板1510で保留数を把握することができる。そして、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が上限(限度個数)に到達していると判断した場合には、発射停止時コマンドを受けたか否かを判断する(ステップS2903)。つまり、期待度の高いリーチ演出の実行中において、保留が上限に到達している状況で、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止したか否かを判断する。なお、期待度の高いリーチ演出の開始前から単発ボタン193を操作しても、開始後に単発ボタン193を操作しても、いずれであっても遊技球Bの発射を一時的に停止したと判断することができる。
ステップS2903の処理において、発射停止時コマンドを受けたと判断した場合には、発射許可時コマンドを受けたときに後述する特別演出を実行することが可能な時間として所定時間(例えば、20秒)が設定されている操作待ち時間を開始する(ステップS2904)。ここで、変動パターンに基づいて期待度の高いリーチ演出を実行する場合には、変動開始→リーチ形成→期待度の低いリーチ演出→期待度の高いリーチ演出の順で演出を実行するが、操作待ち時間としては、その期待度の高いリーチ演出の演出時間よりも短い時間が設定されている。また、操作待ち時間の開始後、発射許可時コマンドを受けたときに、その操作待ち時間を終了する。一方、操作待ち時間の開始後、発射許可時コマンドを受けなかった場合には、所定時間が経過したときに操作待ち時間を終了するが、所定時間が経過するよりも前に期待度の高いリーチ演出を終了する場合には、操作待ち時間も終了するものとしている。また、操作待ち時間においては、発射停止時コマンドを受けている状態から発射許可時コマンドを受けている状態に切り替えられるか否かを監視している。つまり、期待度の高いリーチ演出の実行中において、保留が上限に到達している状況で、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止した後、同じく期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193の操作を解除して遊技球Bの発射を再開したか否かを監視している。
また、ステップS2904の処理においては、操作待ち時間を開始するときに、その操作待ち時間に実行される演出として、単発ボタン193の操作の解除を促進するための促進演出を開始する。促進演出としては、演出表示装置1600を用いて、「発射再開すると何か起きるかも?」という画像が表示される。これにより、単発ボタン193を操作している状況でありながらも、単発ボタン193の操作を解除して遊技球Bの発射を再開することが要求されていることを把握することができる。
ステップS2901〜S2904の処理に続いて、周辺制御MPUは、操作待ち時間の発生中であるか否かを判断する(ステップS2905)。そして、操作待ち時間の発生中であると判断した場合には、その操作待ち時間の発生中において、発射停止時コマンドを受けている状態から発射許可時コマンドを受けている状態に切り替えられると(ステップS2906)、特別演出として、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行い、スピーカからの音声出力として、その実行判定の結果に応じて設定示唆音A〜Cのいずれかを出力する(ステップS2907)。つまり、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除して遊技球Bの発射を再開した場合には、特別演出を実行することとしている。
ここで、期待度の高いリーチ演出の実行中には、その演出時間が長いことから、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が増加しやすい状況にあり、その保留が上限(限度個数である4個)に到達した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004へ入球したとしても保留が増加することがなく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止し、持ち球を減らさないようにする。このとき、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況である場合には、保留が上限に到達しやすく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止する可能性が高い。つまり、期待度の高いリーチ演出の実行中において、操作待ち時間が発生した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であったことから、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止している可能性が高い。一方、期待度の高いリーチ演出の実行中において、操作待ち時間が発生しなかった場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であって、持ち球が減りやすい状況であったことから、単発ボタン193を操作せず、遊技球Bを発射し続けている可能性が高い。
また、期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193を操作し、操作待ち時間が発生した場合には、持ち球が減ることがないものの、ホール側にとっては、単発ボタン193の操作を解除し、遊技球Bを発射し続けてもらうことが好ましい。この点、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除した場合には、特別演出を実行することで、単発ボタン193の操作を解除するように誘導することができる。
ステップS2906の処理において、設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行うが、その実行判定においては、操作待ち時間の発生中に、単発ボタン193の操作を解除したと判断したときに周辺制御MPUで所定の乱数値Xを取得し、低設定値を示唆する設定示唆音A、高設定値を示唆する設定示唆音B、設定値6を示唆する設定示唆音Cのいずれかを、現在設定されている設定値と乱数値Xに応じて決定する。ここで、現在設定されている設定値が設定値1〜3である場合には、低設定値を示唆する設定示唆音Aを設定示唆音Bよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=7:3の割合)で決定する低設定用演出振分テーブルを参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値4〜5である場合には、高設定値を示唆する設定示唆音Bを設定示唆音Aよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=3:7の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル1を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値6である場合には、設定値1〜5である場合に決定することがない設定値6を示唆する設定示唆音Cを含んで設定示唆音A〜Cを所定の確率(設定示唆音A:設定示唆音B:設定示唆音C=1:5:4の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル2を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。つまり、設定示唆音A、Bは、現在の設定値が何れであっても出力される可能性があることから、1回の出力で低設定あるいか高設定が確定するものではないが、設定示唆音Cを出力したときには、現在設定されている設定値が設定値6であることが確定する。このように、設定示唆音を出力したときには、その設定示唆音から把握しうる設定値の示唆に応じた期待をもつことができる。
なお、低設定値を示唆する設定示唆音Aとしては、スピーカから「ビー」という音声が出力される音データが用いられ、高設定値を示唆する設定示唆音Bとしては、スピーカから「ビービー」という音声が出力がされる音データが用いられ、設定値6を示唆する設定示唆音Cとしては、スピーカから「ビービービー」という音声が出力される音データが用いられる。このように、設定値の示唆ごとに設定示唆音を異ならせて出力することで、どのような設定値の示唆であるのかを把握することができる。
上記したように、本例では、単発ボタン193を操作したときに、操作待ち時間を発生させ、その操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したときに、特別演出を実行している。つまり、単発ボタン193の操作状況に応じた演出として、特別演出を実行している。具体的には、期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193を操作したと判断した場合には、操作待ち時間を発生させることで、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であることを把握することができる。一方、期待度の高いリーチ演出の実行中において、単発ボタン193を操作していないと判断した場合には、操作待ち時間を発生させていない。これにより、操作待ち時間を発生させるか否かによって、遊技効率が良好であるか否かを把握することができる。また、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したと判断した場合には、特別演出を実行することで、単発ボタン193の操作を解除するように誘導することができる。
また、発射停止時コマンドについては、ハンドル182への接触中に、単発ボタン193を操作した場合に限り、主制御基板1310から周辺制御基板1510に向けて送信されることとなる。つまり、単発ボタン193を操作していたとしても、ハンドル182に接触していなければ、周辺制御MPUが発射停止時コマンドを受けることがないことから、ステップS2802の処理において、発射停止時コマンドを受けたと判断することがなく、発射停止回数カウンタに対してカウント(加算)することもない。これにより、ハンドル182に接触して遊技に参加しつつ、遊技球Bの発射を一時的に停止するために単発ボタン193を操作しているかどうかを把握することができ、ハンドル182や単発ボタン193から得られる遊技状況などの情報の正確性を高めることができる。
また、本例では、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したと判断した場合には、特別演出として、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力している。このように、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除した場合には、遊技球Bの発射が再開されて、持ち球が減る可能性が高いが、設定示唆音が出力されたときには、現在設定されている設定値に関する情報を知ることができることから、そのような持ち球が減る可能性があっても遊技球Bの発射を再開しようとする意欲を生じさせることができる。また、現在設定されている設定値が高設定値であることを示唆した場合には、当りになりやすい状況であることから、遊技を継続しようとする意欲を特に生じさせることができる。
また、本例では、期待度の高いリーチ演出の実行中において、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が上限(限度個数)に到達していることを条件として、単発ボタン193を操作したときに、操作待ち時間を発生させている。これにより、図柄変動の開始後、期待度の高いリーチ演出を開始するまでの間に、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が上限(限度個数)に到達させようとする意欲を生じさせることができる。また、期待度の高いリーチ演出の実行中において、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が上限(限度個数)に到達していない場合にも、単発ボタン193を操作したときに、操作待ち時間を発生させてもよい。そして、このような操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したときには、非特別演出(特別演出のガセ)を実行してもよい。非特別演出としては、例えば、スピーカから「ピピピ」という音声(設定示唆音とは異なる音声)が出力されるなど、現在設定されている設定値を示唆しない設定非示唆音を出力すればよい。
なお、本例では、期待度の高いリーチ演出の実行中のうち、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したか否かを監視し、その単発ボタン193の操作を解除した時点で、特別演出を実行しているが、操作待ち時間の発生中において、単発ボタン193の操作を解除したと判断した場合であっても、その期待度の高いリーチ演出の終了後において、特別演出を実行することとしてもよい。
(ハンドルの操作に応じた演出)
次に、ハンドル182への接触に応じた演出の実行制御について、図274を参照して説明する。図274は、周辺制御部定常処理にて実行される発射許可時コマンド関連処理の一例を示すフローチャートである。
図274に示すように、周辺制御MPUは、まず、図柄(装飾図柄)の変動表示中において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)が含まれる演出の実行中であるか否かを判断する(ステップS3001)。
ステップS3001の処理において、リーチ形成後のリーチ演出として期待度の高いリーチ演出(例えば、スーパーリーチ演出)が含まれる演出の実行中であると判断した場合には、発射許可時コマンドを受けているか否かを判断する(ステップS3002)。期待度の高いリーチ演出が含まれる演出とは、上記したように、変動パターンに基づいた演出として、リーチ形成後に期待度の低いノーマルリーチ演出を実行した後にスーパーリーチ演出を実行する演出である。そして、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、発射許可時コマンドを受けていると判断した場合には、ハンドル182へ接触している時間を示す接触時間計数カウンタに対してカウント(加算)する(ステップS3003)。
ステップS3303の処理においては、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、発射許可時コマンドを受けている時間だけをカウントし、発射停止時コマンドを受けている時間についてはカウントしていない。つまり、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、ハンドル182に接触している状態で、単発ボタン193を操作しておらず、遊技球Bを発射しうる状態である場合には、接触時間計数カウンタに対してカウントしているが、ハンドル182に接触している状態であるものの、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止している状態である場合には、接触時間計数カウンタに対してカウントしておらず、ハンドル182への接触時間から除外するようにしている。また、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、ハンドル182に接触している状態で単発ボタン193を一時的に操作した場合には、その単発ボタン193の操作を解除した後に、接触時間計数カウンタに対するカウントを再開するようにしている。
ステップS3001〜S3003の処理に続いて、周辺制御MPUは、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時(期待度の高いリーチ演出の終了時)であるか否かを判断する(ステップS3004)。そして、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時であると判断した場合には、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS3005)。
ステップS3005の処理において、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間未満であると判断した場合には、スピーカからの音声出力として、ハンドル182への接触時間が短いことを示唆する特別音Aを出力する(ステップS3006)。特別音Aとしては、「調子いいね」という音声が出力される。
一方、ステップS3005の処理において、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であると判断した場合には、スピーカからの音声出力として、ハンドル182への接触時間が長いことを示唆する特別音Bを出力する(ステップS3007)。特別音Bとしては、「がんばろう」という音声が出力される。また、ステップS3007の処理においては、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行い、スピーカからの音声出力として、その実行判定の結果に応じて設定示唆音A〜Cのいずれかを出力する。
ここで、変動パターンに基づいて期待度の高いリーチ演出を含む演出を実行する場合には、変動開始→リーチ形成→期待度の低いリーチ演出→期待度の高いリーチ演出の順で演出を実行するが、所定時間としては、変動開始から期待度の高いリーチ演出の開始時(期待度の低いリーチ演出の終了時)までの時間よりも長い時間が設定されている。
また、期待度の高いリーチ演出を含む演出の実行中には、その演出時間が長いことから、第一始動口2002や第二始動口2004への入球による保留が増加しやすい状況にあり、その保留が上限(限度個数である4個)に到達した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004へ入球したとしても保留が増加することがなく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止し、持ち球を減らさないようにする。このとき、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況である場合には、保留が上限に到達しやすく、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止する可能性が高い。つまり、単発ボタン193の操作時を除いたハンドル182への接触時間が所定時間未満である場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であったことから、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止している可能性が高く、そのような状況を褒めるための特別音Aを出力することとしている。一方、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況である場合には、保留が上限に到達しにくく、単発ボタン193を操作せず、遊技球Bを発射し続ける可能性が高い。つまり、単発ボタン193の操作時を除いたハンドル182への接触時間が所定時間以上である場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であって、持ち球が減りやすい状況であったことから、単発ボタン193を操作せず、遊技球Bを発射し続けている可能性が高く、そのような状況を励ますための特別音Bを出力することとしている。
ステップS3007の処理において、設定示唆音A〜Cのいずれを出力するかの実行判定(実行抽選)を行うが、その実行判定においては、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であると判断したときに周辺制御MPUで所定の乱数値Xを取得し、低設定値を示唆する設定示唆音A、高設定値を示唆する設定示唆音B、設定値6を示唆する設定示唆音Cのいずれかを、現在設定されている設定値と乱数値Xに応じて決定する。ここで、現在設定されている設定値が設定値1〜3である場合には、低設定値を示唆する設定示唆音Aを設定示唆音Bよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=7:3の割合)で決定する低設定用演出振分テーブルを参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値4〜5である場合には、高設定値を示唆する設定示唆音Bを設定示唆音Aよりも高い確率(設定示唆音A:設定示唆音B=3:7の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル1を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。また、設定値6である場合には、設定値1〜5である場合に決定することがない設定値6を示唆する設定示唆音Cを含んで設定示唆音A〜Cを所定の確率(設定示唆音A:設定示唆音B:設定示唆音C=1:5:4の割合)で決定する高設定用演出振分テーブル2を参照して乱数値Xの値に応じた演出決定が行われる。つまり、設定示唆音A、Bは、現在の設定値が何れであっても出力される可能性があることから、1回の出力で低設定あるいか高設定が確定するものではないが、設定示唆音Cを出力したときには、現在設定されている設定値が設定値6であることが確定する。このように、設定示唆音を出力したときには、その設定示唆音から把握しうる設定値の示唆に応じた期待をもつことができる。
なお、低設定値を示唆する設定示唆音Aとしては、スピーカから「ビー」という音声が出力される音データが用いられ、高設定値を示唆する設定示唆音Bとしては、スピーカから「ビービー」という音声が出力がされる音データが用いられ、設定値6を示唆する設定示唆音Cとしては、スピーカから「ビービービー」という音声が出力される音データが用いられる。このように、設定値の示唆ごとに設定示唆音を異ならせて出力することで、どのような設定値の示唆であるのかを把握することができる。
上記したように、本例では、ハンドル182への接触時間に応じた演出として、特別音を出力することを可能にしている。具体的には、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間未満であると判断した場合には、ハンドル182への接触時間が短いことを示唆する特別音Aを出力することで、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しやすい状況であって、持ち球が減りにくい状況であったことを把握することができる。一方、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であると判断した場合には、ハンドル182への接触時間が長いことを示唆する特別音Bを出力することで、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であって、持ち球が減りやすい状況であったことを把握することができる。これにより、特別音が出力されたときには、遊技効率が良好であるかどうかを把握することができる。
また、本例では、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、発射許可時コマンドを受けている時間だけをカウントし、発射停止時コマンドを受けている時間についてはカウントしていない。つまり、期待度の高いリーチ演出が含まれる演出の実行中において、ハンドル182に接触している状態で、単発ボタン193を操作しておらず、遊技球Bを発射しうる状態である場合には、接触時間計数カウンタに対してカウントしているが、ハンドル182に接触している状態であるものの、単発ボタン193を操作して遊技球Bの発射を一時的に停止している状態である場合には、接触時間計数カウンタに対してカウントしておらず、ハンドル182への接触時間から除外するようにしている。これにより、ハンドル182に接触している状態のうち、遊技球Bを発射しうる状態であるかどうかを把握することができ、ハンドル182や単発ボタン193から得られる遊技状況などの情報の正確性を高めることができる。
また、本例では、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であると判断した場合には、ハンドル182への接触時間が長いことを示唆する特別音Bを出力するのに加えて、現在設定されている設定値を示唆する設定示唆音A〜Cのいずれを出力している。このように、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であると判断した場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であり、遊技効率が悪い状況である可能性が高いが、設定示唆音が出力されたときには、現在設定されている設定値に関する情報を知ることができることから、そのような遊技効率が悪い状況下でも遊技を継続しようとする意欲を生じさせることができる。また、現在設定されている設定値が高設定値であることを示唆した場合には、当りになりやすい状況であることから、遊技を継続しようとする意欲を特に生じさせることができる。
なお、本例では、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であるか否かを判断し、特別音を出力することを可能にしているが、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了時点で、接触時間計数カウンタの値が所定時間以上であるか否かにかかわらず、期待度の高いリーチ演出を含む演出の終了後において、特別音を出力することとしてもよい。
また、本例では、期待度の高いリーチ演出を含む演出の実行中において、ハンドル182への接触時間が所定時間以上であるか否かを判断し、特別音を出力することを可能にしているが、期待度の高いリーチ演出を含む演出の実行中において、ハンドル182への接触や非接触を繰り返している状況で、ハンドル182に接触した回数や、ハンドル182から手を離した回数をカウントするようにし、ハンドル182への接触や非接触の回数が所定回数以上であるか否かを判断し、特別音を出力することを可能にしてもよい。例えば、期待度の高いリーチ演出を含む演出の実行中において、ハンドル182への接触や非接触の回数が所定回数以上である場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球しにくい状況であることから、遊技球Bの発射や停止を何度も繰り返している可能性が高く、そのような状況を励ますための特別音Bを出力することとしている。また、ハンドル182への接触時間が所定時間以上であるか否かの判断結果と、ハンドル182への接触や非接触の回数が所定回数以上であるか否かの判断結果と、の両方に基づいて、特別音A、Bのいずれを出力するかを決定するようにしてもよい。
[保留予告演出および設定値保留示唆演出で用いられる共通の態様について]
次に、保留予告演出及び設定値保留示唆演出について説明する。本例のパチンコ機1では、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信して第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示し、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1(特別図柄2記憶コマンド0〜1))をセットして周辺制御基板1510に送信して第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
また、示唆の開始が保留されている抽選結果を第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701として演出表示装置1600に表示するだけでなく、示唆の実行中とされている抽選結果に応じた保留記憶についても実行中保留記憶表示1702として演出表示装置1600に表示するようにしている。これにより、後述するような保留予告演出や設定値保留示唆演出での最終的な表示態様を実行中保留記憶表示1702で表示することができ、このように構成することによって抽選結果の示唆が実行されるときまで保留予告演出や設定値保留示唆演出に注目させて大当りや高設定値に対して期待を抱かせることができるため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
まず、本例のパチンコ機1では、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことや、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球したことに基づいて主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、当該事前判定コマンドに基づいて示唆の開始が保留されている抽選結果に対応して演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様を変化させて当該抽選結果の示唆の実行時における大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行し得るようになっている。
本例では、主制御基板1310から送信される第一保留数指定コマンドによって指示される第一保留記憶数又は第二保留数記憶コマンドによって指示される第二保留記憶数と、事前判定コマンドによって指示される事前判定情報(ハズレ、小当り、大当り等、なお確変大当りや通常大当り等の大当りの種類を通知し得るものでもよい)とのそれぞれに応じて、周辺制御基板1510が保留予告演出の有無及び保留予告演出を実行する場合の保留予告パターン種別を決定するための保留予告判定テーブルを備えている。
そして、保留予告演出を実行する決定が行われると共に、実行する保留予告パターン種別が決定されると演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を通常とは異なる表示態様(本例では通常とは異なる表示色)で表示する。本例では、通常は第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を基本色である白で表示し、保留予告を実行する場合には青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示する。また、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様は、白色→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様(例えば、赤色やレインボー色)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の低い態様(例えば、青色)となる保留予告パターンを高い確率で決定することにより、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様が表示されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告パターンには保留予告演出の実行中において抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様がどのように変化するのかが設定されている。なお、保留予告パターンには、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が白色→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、大当り期待度が低下しない)ように設定されており、抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が維持される(表示態様が変化しない)か、又は大当り期待度の高い態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い表示態様で演出表示装置1600に第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が表示されたとしても、保留予告の実行対象である抽選結果の示唆が開始されるまでは保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を白色(基本色)で表示した後に青色→緑色→赤色→レインボー色の順序で変化させる必要はなく、途中の表示態様から開始する(例えば、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶表示1700cを赤色で表示する)、途中の表示態様を経由することなく次の表示態様に変化する(例えば、第一保留記憶表示1700dを白色で表示している場合に、抽選結果の示唆が終了して次の抽選結果の開始に応じて第一保留記憶表示1700dを第一保留記憶表示1700cに移動させるときに白色からレインボー色に変化する)ようにも設定されている。このため、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い表示態様で第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い表示態様で第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が表示されたとしても、次にいずれの表示態様に変化するかを予測することができず、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告演出の開始タイミング(表示態様を通常とは異なる態様で表示するタイミング)は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられたことに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を表示するタイミングに限らず、その後のタイミング(例えば、抽選結果の示唆が終了して次の抽選結果の開始に応じて第一保留記憶1700a〜dを移動させるとき等)においても開始される。これにより、保留予告演出が実行されなかったとしても、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
次に、本例のパチンコ機1では、上記した大当り期待度を示唆する保留予告演出と同じく、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様を変化させることで、パチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出を実行し得るようになっている。具体的には、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことや、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球したことに基づいて主制御基板1310から事前判定コマンドを受信したときから、現在設定されている設定値に基づいて示唆の開始が保留されている抽選結果に対応して演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様を変化させてパチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出を実行し得るようになっている。
本例では、現在設定されている設定値について、主制御MPUに内蔵されているRAMの特定領域に記憶されているが、変動パターンが変動パターンコマンドとして周辺制御基板1510に送信されるタイミングで、現在の設定値がコマンドとして周辺制御基板1510に送信されることによって周辺制御MPUにも記憶されている。ただし、現在設定されている設定値に関する情報(設定値情報)については、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことや、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球したことに基づいて主制御基板1310から送信される事前判定コマンドに含まれていてもよい。
本例では、主制御基板1310から送信される第一保留数指定コマンドによって指示される第一保留記憶数又は第二保留数記憶コマンドによって指示される第二保留記憶数と、現在設定されている設定値とのそれぞれに応じて、周辺制御基板1510が設定値保留示唆演出の有無及び設定値保留示唆演出を実行する場合の設定値保留示唆パターン種別を決定するための設定値保留示唆判定テーブルを備えている。
そして、設定値保留示唆演出を実行する決定が行われると共に、実行する設定値保留示唆パターン種別が決定されると演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を通常とは異なる表示態様(本例では通常とは異なる表示色)で表示する。本例では、通常は第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を基本色である白で表示し、保留予告を実行する場合には青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示する。また、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様は、白色→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序でパチンコ機1の設定値に対する期待度(高設定値に対する期待度)が高くなるように設定されている。
また、パチンコ機1の設定値が5又は6と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度の高い態様(例えば、赤色やレインボー色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が3又は4と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が中程度の態様(例えば、緑色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が1又は2と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が最も低い態様(例えば、青色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定することにより、最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度の高い態様が表示されたときには、高設定値に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、設定値保留示唆パターンには設定値保留示唆演出の実行中において抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様がどのように変化するのかが設定されている。なお、設定値保留示唆パターンには、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が白色→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、高設定値に対する期待度が低下しない)ように設定されており、抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が維持される(表示態様が変化しない)か、又は高設定値に対する期待度の高い態様となるように設定されている。このため、高設定値に対する期待度が低い表示態様で演出表示装置1600に第一保留記憶1700や第二保留記憶1701が表示されたとしても、設定値保留示唆演出の実行対象である抽選結果の示唆が開始されるまでは保留表示の態様が高設定値に対する期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、設定値保留示唆パターンには、必ずしも第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を白色(基本色)で表示した後に青色→緑色→赤色→レインボー色の順序で変化させる必要はなく、途中の表示態様から開始する(例えば、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶表示1700cを赤色で表示する)、途中の表示態様を経由することなく次の表示態様に変化する(例えば、第一保留記憶表示1700dを白色で表示している場合に、抽選結果の示唆が終了して次の抽選結果の開始に応じて第一保留記憶表示1700dを第一保留記憶表示1700cに移動させるときに白色からレインボー色に変化する)ようにも設定されている。このため、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、高設定値に対する期待度の高い態様で第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が表示されることを可能としている。また、高設定値に対する期待度の高い態様で第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が表示されたとしても、次にいずれの表示態様に変化するかを予測することができず、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、設定値保留示唆演出の開始タイミング(表示態様を通常とは異なる態様で表示するタイミング)は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受け入れられたことに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を表示するタイミングに限らず、その後のタイミング(例えば、抽選結果の示唆が終了して次の抽選結果の開始に応じて第一保留記憶1700a〜dを移動させるとき等)においても開始される。これにより、設定値保留示唆演出が実行されなかったとしても、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
上記したように、本例のパチンコ機1では、大当り期待度を示唆する保留予告演出とパチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出とで、同一の演出内容(同一の態様)で表示制御することを可能にしている。具体的には、大当り期待度を示唆する保留予告演出では、保留予告パターンに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示することを可能とするのに対し、パチンコ機1の設定値を示唆する設定値保留示唆演出では、設定値保留示唆パターンに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を、保留予告パターンに基づいた態様と同一の態様である青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示することを可能としている。これにより、第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が通常の態様(基本色である白色)とは異なる態様で表示されたときには、保留予告演出の実行中で大当り期待度を示唆しているのか、設定値保留示唆演出の実行中でパチンコ機1の設定値を示唆しているのかを判別することができず、いずれの演出の実行中であるのかを推測する楽しみを与えることができる。例えば、最終的な保留表示の態様として、レインボー色で表示されたにもかかわらず、抽選結果がハズレを示したとき(装飾図柄の変動表示の結果がハズレ図柄を示したとき)には、保留予告演出の実行により大当り期待度が高いことを示唆したものではなく、設定値保留示唆演出の実行によりパチンコ機1の設定値が高設定値であることを示唆したものであると、遊技者が都合よく推測することができる。
なお、保留予告演出は事前判定情報に基づいて実行されるものである一方、設定値保留示唆演出は事前判定情報には基づいていない。即ち、保留予告演出は保留されている抽選結果を事前に取得することで実行可能になる一方、設定値保留示唆演出は保留されている抽選結果を事前に取得することなしに実行可能である。
また、本例では、保留予告演出の実行判定と、設定値保留示唆演出の実行判定とで、いずれか一方のみを実行すると決定した場合には、その決定した演出を実行する。これに対し、保留予告演出の実行判定と、設定値保留示唆演出の実行判定とで、いずれも実行すると決定した場合には、最終的な保留表示の態様として上位の態様(青色→緑色→赤色→レインボー色の順序のうち上位の態様)が設定されている演出を実行する。これにより、保留予告演出の実行中で大当り期待度を示唆しているのか、設定値保留示唆演出の実行中でパチンコ機1の設定値を示唆しているのかを判別することはできないが、遊技者が何らかの期待を少しでも多くもつことができる。なお、保留予告演出の実行判定と、設定値保留示唆演出の実行判定とで、いずれも実行すると決定した場合において、最終的な保留表示の態様が同じである場合には、いずれの演出を実行してもよく、例えば、保留予告演出を優先して実行するようにしてもよい。また、保留予告演出の実行判定と、設定値保留示唆演出の実行判定とで、いずれも実行すると決定した場合には、いずれかの演出を優先して実行してもよく、例えば、保留予告演出を優先して実行するようにしてもよい。
また、本例では、設定値保留示唆演出の実行頻度は、保留予告演出に比べて低く設定されている。即ち、保留予告演出は事前判定情報に基づいて実行され、当該保留予告演出を実行している保留記憶に基づく抽選結果の示唆が行われると、保留予告演出の内容はリセットされるのに対して、設定値保留示唆演出の内容はパチンコ機1の設定値が変更されるまでリセットされることなく継続するため、設定値保留示唆演出の実行頻度を保留予告演出に比べて低く設定することで、パチンコ機1の設定値が特定されることを抑止することができる。
また、本例では、保留予告演出と設定値保留示唆演出とで、保留表示の態様として、青色、緑色、赤色、レインボー色の全ての態様を共通に用いているが、一部の態様のみを共通に用いてもよい。つまり、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのいずれか一方に対してのみ、保留表示の態様として専用で出現することが可能な態様があってもよく、また、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのそれぞれに対して、保留表示の態様として専用で出現することが可能な態様があってもよい。例えば、保留予告演出に対してのみ、最終的な保留表示の態様として、レインボー色に変化することを可能にした場合には、最終的な保留表示の態様がレインボー色に変化したときに、保留予告演出の実行により大当り期待度が高いことを示唆していると判別することができる。また、設定値保留示唆演出に対してのみ、最終的な保留表示の態様として、レインボー色に変化することを可能にした場合には、最終的な保留表示の態様がレインボー色に変化したときに、設定値保留示唆演出の実行によりパチンコ機1の設定値が高設定値であると判別することができる。
また、保留予告演出では、保留予告パターンに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示することを可能とするのに対し、設定値保留示唆演出では、設定値保留示唆パターンに基づいて第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701を、保留予告パターンに基づいた態様と同一の態様である青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示することを可能としているが、これらの共通の態様については、同一の画像データを用いて演出表示装置1600に表示するようにしている。また、保留予告パターンと設定値保留示唆パターンとには、それぞれ、抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701の表示態様がどのように変化するのかが設定されているが、これらの演出パターンを共通化して、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのいずれを実行する場合にも、共通化した演出パターンに基づいて保留表示の態様が変化するようにしてもよい。
また、保留予告演出では、保留予告パターンに基づいて保留表示の態様を変化させることで、大当り期待度を示唆する演出(第1の演出)を実行するのに対し、設定値保留示唆演出では、設定値保留示唆パターンに基づいて、保留予告演出と同じく保留表示の態様を変化させることで、パチンコ機1の設定値を示唆する演出(第2の演出)を実行しているが、これらの演出とは別に、大当り期待度を示唆し、且つ、パチンコ機1の設定値を示唆する第3の演出を実行するようにしてもよい。このような第3の演出については、主制御基板1310から送信される第一保留数指定コマンドによって指示される第一保留記憶数又は第二保留数記憶コマンドによって指示される第二保留記憶数と、事前判定コマンドによって指示される事前判定情報(ハズレ、小当り、大当り等、なお確変大当りや通常大当り等の大当りの種類を通知し得るものでもよい)と、現在設定されている設定値とのそれぞれに応じて、保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されている演出パターンを決定するものとしている。そして、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定し、且つ、パチンコ機1の設定値が高設定値(例えば、5や6)と特定したときには最終的な保留表示の態様として期待度の高い態様(例えば、赤色やレインボー色)を高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレと特定し、且つ、パチンコ機1の設定値が低設定値(例えば、1や2)と特定したときには最終的な保留表示の態様として期待度が最も低い態様(例えば、青色)を高い確率で決定するようにしてもよい。また、事前判定情報として抽選結果が大当り(確変大当り等の特定の大当りであってもよい。)と特定し、且つ、パチンコ機1の設定値が所定の設定値以上(例えば、3以上)と特定したときのみ、最終的な保留表示の態様として特定の態様(例えば、レインボー色)を決定することを可能にしてもよい。このような場合、最終的な保留表示の態様として特定の態様が表示されたときには、抽選結果が大当りであり装飾図柄の変動表示が大当り図柄で停止することが確定するだけでなく、パチンコ機1の設定値が所定の設定値以上であることが確定することから、大当り遊技の終了後にも遊技を継続しようとする意欲を特に高めることができる。
次に、保留予告演出および設定値保留示唆演出の具体的な演出例について、図275を参照して説明する。図275は、保留予告演出および設定値保留示唆演出の具体的な演出例である。
まず、図275(A)に示すように、示唆の開始が保留されている抽選結果を第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701として演出表示装置1600に表示するとともに、示唆の実行中とされている抽選結果に応じた保留記憶についても実行中保留記憶表示1702として演出表示装置1600に表示することを可能にしている。例えば、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したときには、第一保留記憶数が増加し、一つの第一保留記憶表示1700を演出表示装置1600に追加して表示する。そして、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したときに、保留予告演出または設定値保留示唆演出のいずれかを実行すると決定した場合には、その決定した演出の演出パターン(保留予告パターンまたは設定値保留示唆パターンのいずれか)に基づいて、追加して表示される第一保留記憶表示1700の態様を青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかで表示することを可能にしている。
そして、抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))が行われるごとに(保留が消化されるごとに)、演出表示装置1600に表示される第一保留記憶表示1700や第二保留記憶表示1701が移動するとともに、既に決定している演出の演出パターン(保留予告パターンまたは設定値保留示唆パターンのいずれか)に基づいて、その表示態様が変化することを可能にしている。
そして、図275(B)に示すように、抽選結果の示唆(装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示))の実行中においては、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されたとする。このとき、抽選結果が大当りである場合には、装飾図柄の停止図柄として大当り図柄を演出表示装置1600に表示する(図275(C))。一方、抽選結果がハズレである場合には、装飾図柄の停止図柄としてハズレ図柄を演出表示装置1600に表示する(図275(D))。
詳しくは上記したが、保留予告演出としては、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様(例えば、赤色やレインボー色)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレと特定したときには最終的な保留表示の態様として大当り期待度の低い態様(例えば、青色)となる保留予告パターンを高い確率で決定している。つまり、保留予告演出の実行時において、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されたときには、抽選結果が大当りである可能性が高くなっている。このことから、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、装飾図柄の変動表示が大当り図柄で停止したときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのうち、大当り期待度が高いことを示唆する保留予告演出を実行していた可能性が高いことを把握することができる。
一方、設定値保留示唆演出としては、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したか、ハズレと特定したかにかかわらず、パチンコ機1の設定値が5又は6と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度の高い態様(例えば、赤色やレインボー色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が3又は4と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が中程度の態様(例えば、緑色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定し、パチンコ機1の設定値が1又は2と特定したときには最終的な保留表示の態様として高設定値に対する期待度が最も低い態様(例えば、青色)となる設定値保留示唆パターンを高い確率で決定している。つまり、設定値保留示唆演出の実行時において、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されたときには、高設定値である可能性が高くなっているが、抽選結果が大当りである可能性には関与していない。このことから、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄で停止したときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのうち、パチンコ機1の設定値が高設定値であることを示唆する設定値保留示唆演出を実行していた可能性が高いことを把握することができる。
また、本例では、抽選結果に基づいて変動パターンを決定するものであり、その変動パターンに基づいた演出としては、リーチを形成しない演出(通常変動)、リーチ形成後に期待度の低いノーマルリーチ演出を実行する演出、リーチ形成後に期待度の低いノーマルリーチ演出を実行した後に期待度の高いスーパーリーチ演出を実行する演出、などが挙げられる。これらの演出については、リーチを形成しない演出、ノーマルリーチ演出を実行する演出、スーパーリーチ演出を実行する演出の順で、大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、保留予告演出の実行時において、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されたときには、抽選結果が大当りである可能性が高く、大当り期待度の高いリーチ演出を実行する可能性が高くなっている。このことから、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、大当り期待度の高いリーチ演出を実行したときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのうち、大当り期待度が高いことを示唆する保留予告演出を実行していた可能性が高いことを把握することができる。
一方、設定値保留示唆演出の実行時において、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されたときには、高設定値である可能性が高くなっているが、抽選結果が大当りである可能性には関与しておらず、大当り期待度の高いリーチ演出を実行する可能性には関与していない。このことから、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、大当り期待度の高いリーチ演出を実行しなかったときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのうち、パチンコ機1の設定値が高設定値であることを示唆する設定値保留示唆演出を実行していた可能性が高いことを把握することができる。
なお、保留予告演出では、抽選結果が大当りである場合のみ、最終的な保留表示の態様として、レインボー色が出現することを可能にしてもよい。このような場合、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄で停止したときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのうち、パチンコ機1の設定値が高設定値であることを示唆する設定値保留示唆演出を実行していたことが確定する。また、設定値保留示唆演出では、パチンコ機1の設定値が6である場合のみ、最終的な保留表示の態様として、レインボー色が出現することを可能にしてもよい。このような場合、演出表示装置1600に表示される実行中保留記憶表示1702がレインボー色で表示されて、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄で停止したときには、保留予告演出と設定値保留示唆演出とのいずれを実行していたのかが把握できないものの、設定値保留示唆演出の実行であったとすれば、パチンコ機1の設定値が6であることが確定することから、遊技者の期待を高めることができる。
なお、本例では、保留予告演出と設定値保留示唆演出とで、いずれも保留表示の態様が変化することを可能としているが、保留表示を対象とするものに限らず、保留表示以外の表示を対象としてもよい。このような場合にも、大当り期待度を示唆する演出とパチンコ機1の設定値を示唆する演出とで、共通の態様が出現することを可能にすることで、その共通の態様が出現したときに、大当り期待度を示唆しているのか、パチンコ機1の設定値を示唆しているのかを判別することができないものとなる。また、大当り期待度を示唆する演出やパチンコ機1の設定値を示唆する演出については、演出表示装置1600の表示を用いて実行するものに限らず、スピーカからの音声や、ランプ発光を用いて実行するものであってもよい。
また、保留予告演出や設定値保留示唆演出を実行した場合に、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて大当り期待度やパチンコ機1の設定値を示唆するようにしてもよく、この場合には演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作を指示する操作指示画像を演出表示装置1600に表示した後、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて大当り期待度やパチンコ機1の設定値を示唆するようにしてもよい。また、大当り期待度や示唆する設定値を維持する場合と大当り期待度や示唆する設定値をさらに高める場合とで操作指示画像を共通にするようにしてもよく、これにより保留予告演出や設定値保留示唆演出の実行の前兆となる演出(操作指示画像を表示する演出)によって大当り期待度や示唆する設定値が高められるか否かを判別できなくなり、演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を積極的に操作させるように仕向けることができる。
また、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)中に保留予告演出の有無や設定値保留示唆演出の有無を選択可能にしてもよい。これにより、遊技者の嗜好に合った演出の実行が可能となり、大当り期待度やパチンコ機1の設定値等の示唆を望まない遊技者に対しても保留予告演出や設定値保留示唆演出が実行されて大当り期待度やパチンコ機1の設定値が示唆されることを抑制することができる。
また、保留予告演出や設定値保留示唆演出で示唆される態様についての説明(大当り期待度を示唆する態様と、パチンコ機1の設定値を示唆する態様とが共通の態様である旨等)をデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や抽選結果の示唆の実行時(装飾図柄の変動表示中)に実行するようにしてもよい。これにより、設定値保留示唆演出が実行されたときに大当り期待度と誤認されて大当りへの期待が過度に向上することを抑止することができる。
また、時短状態や確変状態の実行中には第一始動口2002への遊技球の入球時に主制御基板1310から送信される事前判定コマンドによって指示される事前判定情報に基づく保留予告演出を実行することなく、第二始動口2004への遊技球の入球時に主制御基板1310から送信される事前判定コマンドによって指示される事前判定情報に基づく保留予告演出だけを実行し得るようにしてもよい。また、時短状態や確変状態の実行中には第一始動口2002への遊技球の入球に基づいて演出表示装置1600に表示される第一保留記憶1700に関連して設定値保留示唆演出のみを実行するようにしてもよい。これにより、時短状態や確変状態中に第一始動口2002への遊技球の入球が発生した場合には設定値保留示唆演出に対する期待を抱かせることができる。
[別例]
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。ここで、スロットマシンについて図276を参照して説明する。図276はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図276に示すように、前面扉(前面枠)6002、本体部分(箱体)6004を備えて構成されている。前面扉(前面枠)6002と本体部分(箱体)6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉(前面枠)6002の右側端に設けた金属製の施錠装置の鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放することができるようになっている。
金属製の施錠装置は、前面扉(前面枠)6002の図示しない金属製の扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームに取付けられ、図示しない施錠ユニットと協働して、本体部分(箱体)6004と前面扉(前面枠)6002との開閉施錠に使用されるものである。金属製の施錠装置は、前後に延びた図示しない金属製の円柱状のシリンダ本体と、シリンダ本体の前端面に形成されている金属製の鍵穴6005と、シリンダ本体の後側に取付けられており鍵穴6005に挿入され正規の金属製の鍵を回転させると一緒に回転する図示しない金属製の回転伝達部材と、を備えている。金属製の施錠装置のシリンダ本体は、扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材は、前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖されると、図示しない金属製の施錠ユニットの金属製の伝達シリンダが後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダの一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材(鍵穴6005に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダに伝達させて回転させることができる。前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖された状態において金属製の施錠装置の回転伝達部材と施錠ユニットの伝達シリンダとが接触している場合には、金属製の施錠装置と施錠ユニットとが電気的に接続された状態となる。
扉枠補強ユニットは、前面扉(前面枠)6002を補強して剛性を付与することができる機能に加えて扉枠金属アースとしても機能し、図示しない扉枠金属アース線を介して本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板と電気的に接続されている。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが扉枠側のフレームグランドとなっている。この図示しないアース基板は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものであり、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検知することができる図示しない開放スイッチは、本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に配置されている。この開放スイッチは、金属製の施錠装置による開閉操作による電気的な信号が入力されたことに起因して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出するものではなく、金属製の施錠装置による開閉操作と別個独立して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出している。また、開放スイッチは、金属製の施錠装置の近傍周辺に配置されず、金属製の施錠装置へ侵入した電磁波ノイズの影響を受けないように、金属製の施錠装置の下方の位置であって本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に開放スイッチが配置されている。このように、仮に金属製の施錠装置に電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズの影響を、開放スイッチからの信号伝送ラインが受けないようになっている。
前面扉(前面枠)6002は、スロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備えている。この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有しているため、電磁波ノイズが侵入する場合がある。各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、前面扉6002を構成する扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されている(各種装飾部には、図示しない配線を介して金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されているものもあれば、導電性部材が直接金属製の扉枠補強ユニットに取り付けられて電気的に接続されているものもある)。これにより、各種装飾部へ侵入した電磁波ノイズを金属製の扉枠補強ユニットへ伝えることで各種装飾部に備える各種装飾基板の基板グランドへの侵入を防止することができるようになっている。また、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものへ侵入した電磁波ノイズは、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、扉枠金属アース線を介して、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板へ伝わり、そしてアース基板から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、スロットマシン6000から除去される。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが上述したように扉枠側のフレームグランドとなっている。
なお、前面扉(前面枠)6002の前面の所定箇所に除電部として静電除去パッドを設けてもよいし、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放する場合に、蝶番が配置される側(閉鎖側)と反対側となる開放側となる部分に除電部として静電除去パッドを設けてもよい。静電除去パッドは、静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)を除去することができるものである。
また、前面扉(前面枠)6002はスロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備え、この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもあり、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続され、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板が島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されていたが、扉枠金属アース線をアース基板に電気的に接続せず、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの電源基板の端子に電気的に接続して、金属製の扉枠補強ユニットと電源基板とを電気的に接続するようにしてもよい。電源基板は、遊技ホールの島設備から交流24Vが供給されている。この交流24VはL(ライブ)、N(ニュートラル)があり、L(ライブ)が入力される電源基板のL端子は、非接地側と接続されるものであり、N(ニュートラル)が入力される電源基板のN端子は、接地側と接続されるものである。そこで、過渡的に過大電圧から保護するサージ保護素子(サージアブソーバ)を電源基板に設ける。このサージ保護素子(サージアブソーバ)は、通常は抵抗値が高く電流をほとんど流さないものの、過大電圧(異常電圧)が侵入すると、瞬時に抵抗値が低くなって電流を流し、過大電圧がなくなると、元の通常の抵抗値(高い抵抗値)に戻る性能を有するものである。これにより、金属製の扉枠補強ユニットから伝わる電磁波ノイズは、電源基板の端子からサージ保護素子(サージアブソーバ)により電源基板のN端子から接地側(アース)へ伝わってスロットマシン6000から除去される。
前面扉(前面枠)6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉(前面枠)6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉(前面枠)6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
この主制御基板ボックス1320には、主制御基板1310と共に、設定値の変更を行うことができる設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311も収容されている。つまり、主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されているため、設定キースイッチ1311aが本体部分(箱体)6004の内部に配置されている。なお、設定変更基板1311は、主制御基板ボックス1320と別体の基板ボックスに収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されてもよいし、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの筐体に取り付けて固定されてもよい。また、設定変更基板1311の表面(実装面)には、設定キースイッチ1311aの他に、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタン、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310g、及び上述した設定変更許可ランプ1310z等を実装してもよい。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉(前面枠)6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510を備えている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008'となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008'に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。
1 パチンコ機
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
3000 裏ユニット
3100 裏後演出ユニット
3110 裏後可動装飾体
3111 装飾体(装飾部材、装飾板体)
3111a 第一装飾突部
3111d 金属装飾部
3112 装飾シート(装飾部材、装飾板体)
3113 導光放射板(装飾部材、放射板)
3113a 本体部
3113b フランジ部(周壁部)
3113c 第一LED収容部
3113d 第二LED収容部
3113e 反射部
3114 裏後装飾基板(装飾基板)
3114a 第一LED(LED、特定LED)
3114b 第二LED(LED)
3114c 基板本体
3114d 銅箔
3114e 電子部品
3115 装飾体ベース
3115a 被覆板部
3115b フランジ部
EL 沿面距離
SL 所定距離

Claims (1)

  1. 所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
    該抽選手段による前記抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    遊技の演出を制御する演出制御手段と、
    前記遊技の進行に伴って発光可能な複数の発光手段と、を備える遊技機であって、
    前記複数の発光手段は、前記遊技制御手段によって発光制御される第1発光手段と、前記演出制御手段によって発光制御される第2発光手段と、を有し、
    記第1発光手段は、光反射効率の低い黒色の実装面からなる第1発光基板に設けられ、
    記第2発光手段は、光反射効率の高い白色の実装面からなる第2発光基板に設けられ、
    前記第1発光基板は、光反射効率の高い白色からなる不透明な部材によって構成されるケース体に収容され、該ケース体に形成される所定の貫通部を通じて前記第1発光手段の光を外部から視認可能となるように配置され
    ことを特徴とする遊技機。
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