JP6877789B1 - 導波管アンテナ素子、導波管アンテナ素子サブアレー及び導波管スロットアレーアンテナ - Google Patents

導波管アンテナ素子、導波管アンテナ素子サブアレー及び導波管スロットアレーアンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】偏波整合回路を用いない場合に比較し、導波管スロットアレーアンテナに用いる広帯域化した導波管アンテナ素子などを提供する。【解決手段】導波管アンテナ素子は、円偏波が入力される又は出力する放射素子10と、一方の端部が放射素子10に接続され、放射素子10に対して偏波を整合させる偏波整合回路20と、を備え、偏波整合回路20は、他方の端部から出力される又は入力される偏波の方向に対して、予め定められた第1の角度θp傾いて配置され、放射素子10は、偏波整合回路20を用いない場合から、予め定められた第2の角度θa回転させて配置され、前記偏波整合回路は、他方の端部から出力される又は入力される偏波の方向に対して、第1の角度傾いて配置され、第1の角度θpは、第2の角度θaより大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、導波管アンテナ素子、導波管アンテナ素子サブアレー及び導波管スロットアレーアンテナに関する。
スマートフォンなどにおいて、動画などに代表される高速大容量コンテンツが普及するに従い、移動通信トラフィックは増加の一途を辿っている。今後、より一層の高速大容量化が進むことは確実であり、周波数リソースの逼迫が続くことが想定される。このため、準ミリ波帯やミリ波帯の利用が検討されるようになっている。
非特許文献1には、モーメント法による放射部の高速解析手法を提案し、積層薄板拡散接合スロットアレーアンテナに対して、遺伝的アルゴリズムを用いた広帯域設計を行い、60GHz帯で、2×2素子サブアレーにおいて反射−14dB以下かつ軸比3dB以下の帯域を4.8%から14.5%の広帯域化したことが記載されている。
山本 達也、張 森、広川 二郎、平野 拓一、安藤 真、「X字型キャビティで励振された縮退分離円偏波開口アンテナ素子の広帯域設計」、信学技報、AP2014−117、p.49−p.54.
準ミリ波帯やミリ波帯の電波状況を確認する場合、未知の偏波面をもつ微弱な電波であっても、高精度に探知することが求められる。これに対応するアンテナは、円偏波で且つサイドローブの低い高利得なものが望まれる。また、一つのアンテナで複数の通信システムに対応することが望ましいため、使用可能な周波数帯域は、広い方がよい。
広い周波数帯域をもつ高利得アンテナを実現するためには、複数の導波管アンテナ素子に並列給電する導波管スロットアレーアンテナが有効である。
本発明は、偏波整合回路を用いない場合に比較し、導波管スロットアレーアンテナに用いる広帯域化した導波管アンテナ素子などを提供する。
本発明が適用される導波管アンテナ素子は、円偏波が入力される又は出力する放射素子と、一方の端部が放射素子に接続され、放射素子に対して偏波を整合させる偏波整合回路と、を備え、偏波整合回路は、他方の端部から出力される又は入力される偏波の方向に対して、第1の角度傾いて配置され、放射素子は、偏波整合回路を用いない場合から、第2の角度回転させて配置され、第1の角度は、第2の角度より大きい。
このような導波管アンテナ素子において、偏波整合回路は、他方の端部の偏波に対して、一方の端部の偏波が、主成分に加え、透過副成分を有することを特徴とすることができる。
また、偏波整合回路は、長手方向と短手方向とを有する断面形状を有し、長手方向が偏波整合回路の他方の端部の偏波の方向に対して第1の角度傾いて設けられていることを特徴とすることができる。
さらに、偏波整合回路の第1の角度が予め設定された場合、偏波整合回路の透過副成分に基づいて、放射素子の第2の角度が設定されることを特徴とすることができる。そして、偏波整合回路の第1の角度が45°に設定された場合、放射素子の第2の角度が36°に設定されることを特徴とすることができる。
さらに、放射素子の第2の角度が予め設定された場合、偏波整合回路の透過副成分に基づいて、偏波整合回路の第1の角度が設定されることを特徴とすることができる。そして、放射素子の第2の角度が45°に設定された場合、偏波整合回路の第1の角度が55°に設定されることを特徴とすることができる。
さらにまた、放射素子は、正方形における一対の対角が斜めに切り取られた六角形状の断面形状を有することを特徴とすることができる。
そして、偏波整合回路は、電波が伝搬する方向の長さが、周波数帯域内における最大波長の1/8以上且つ1/4以下であることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される導波管アンテナ素子サブアレーは、上記の導波管アンテナ素子を複数備え、複数の導波管アンテナ素子が、一つの給電導波管により給電されるように接続されている。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される導波管スロットアレーアンテナは、上記の導波管アンテナ素子サブアレーを複数備え、複数の導波管アンテナ素子サブアレー毎に分岐して給電する給電導波管と、を備える。
このような導波管スロットアレーアンテナにおいて、導波管スロットアレーアンテナが備える複数の放射素子は、予め定められた方向に予め定められた間隔で配列された第1の配列と、その方向にその間隔で配列された第2の配列と、を備え、第1の配列と第2の配列とは、その間隔の1/2ずれて隣接することを特徴とすることができる。
本発明によれば、偏波整合回路を用いない場合に比較し、導波管スロットアレーアンテナに用いる広帯域化した導波管アンテナ素子などが提供できる。
第1の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナの一例の平面図である。 第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路を備えるアンテナ素子の一例の斜視図である。 図2に示したアンテナ素子を個別に示した図である。(a)は、放射素子、(b)は、偏波整合回路、(c)は、放射キャビティである。 アンテナ素子における放射素子及び偏波整合回路と、放射キャビティとにおける電界分布を説明する図である。(a)は、放射素子と偏波整合回路との接続面での電界分布、(b1)は、偏波整合回路の断面における主成分、(b2)は、偏波整合回路の断面における透過副成分、(c)は、放射キャビティの断面における電界分布である。 比較のために示す、偏波整合回路を備えないアンテナ素子の一例の斜視図である。 偏波整合回路を備えないアンテナ素子における放射素子と、放射キャビティとにおける電界分布を説明する図である。(a1)は、放射素子の開口部におけるモード1の電界分布、(a2)は、放射素子の開口部におけるモード2の電界分布、(b)は、放射素子と放射キャビティとの接続面での電界分布、(c)は、放射キャビティの断面における電界分布である。 第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路を備えるアンテナ素子の周波数特性を説明する図である。(a)は、相対位相の周波数特性、(b)は、相対振幅の周波数特性である。 比較のために示す、偏波整合回路を備えないアンテナ素子の周波数特性を説明する図である。(a)は、相対位相の周波数特性、(b)は、相対振幅の周波数特性である。 第1の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナにおける、偏波整合回路を備えるアンテナ素子の配列を説明する図である。(a)は、導波管スロットアレーアンテナの一部の平面図、(b)は、アンテナ素子の斜視図、(c)は、アンテナ素子における放射素子の配列、(d)は、アンテナ素子における偏波整合回路の配列を説明する図である。 導波管スロットアレーアンテナにおける、偏波整合回路を備えないアンテナ素子の配列を説明する図である。(a)は、導波管スロットアレーアンテナの一部の平面図、(b)は、アンテナ素子の斜視図である。 第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路を備えるアンテナ素子で構成されるサブアレー、及び比較のために示す、偏波整合回路を備えないアンテナ素子で構成されるサブアレーの斜視図である。(a)は、偏波整合回路を備えるアンテナ素子で構成されるサブアレー、(b)は、偏波整合回路を備えないアンテナ素子で構成されるサブアレーである。 偏波整合回路を備えるサブアレーの周波数特性を示す図である。(a)は、軸比の周波数特性、(b)は、リターンロスの周波数特性である。 偏波整合回路を備えないサブアレーの周波数特性を示す図である。(a)は、軸比の周波数特性、(b)は、リターンロスの周波数特性である。 導波管スロットアレーアンテナの右旋円偏波の指向性特性を示す図である。(a)は、図1におけるzx平面での右旋円偏波の指向性特性、(b)は、図1におけるyz平面での右旋円偏波の指向性特性である。 導波管スロットアレーアンテナの周波数特性を示す図である。(a)は、軸比の周波数特性、(b)は、リターンロスの周波数特性である。 第2の実施の形態が適用されるアンテナ素子が備える偏波整合回路を説明する図である。(a)は、偏波整合回路の斜視図、(b)は、偏波整合回路の平面図である。 第2の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナにおけるアンテナ素子の配列を説明する図である。(a)は、導波管スロットアレーアンテナの一部の平面図、(b)は、アンテナ素子の斜視図、(c)は、アンテナ素子における放射素子の配列、(d)は、アンテナ素子における偏波整合回路の配列を説明する図である。 偏波整合回路を備えるアンテナ素子を用いたホーンアンテナの一例を説明する斜視図である。
前述したように、準ミリ波帯やミリ波帯の電波の利用が可能なアンテナとして、導波管を用いた導波管スロットアレーアンテナがある。導波管は、マイクロストリップなどに比べ、誘電損失がなく、放射損が少ないため、高効率なアンテナとなる。なお、以下では、アンテナは、電波を放射するとして説明するが、アンテナの可逆性により、電波を受信する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(導波管スロットアレーアンテナ1)
図1は、第1の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナ1の一例の平面図である。ここで、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向とし、紙面の表面方向であり、x方向とy方向とに垂直な方向をz方向とする。平面図とは、導波管スロットアレーアンテナ1をz方向側から見た図である。ここでは、導波管スロットアレーアンテナ1は、z方向に、円偏波を放射する。
導波管スロットアレーアンテナ1は、二次元状に配列された複数のアンテナ素子100を備える。図1に示す導波管スロットアレーアンテナ1の平面図では、アンテナ素子100における円偏波を放射する放射素子10を示している。放射素子10は、一例として断面が六角形状の導波管である。つまり、円偏波を放射する機能を有する導波管は、空洞部分の断面が六角形である。そして、図1は、断面が六角形の導波管の開口部を示している。個々のアンテナ素子100は、不図示の並列給電導波管により給電されて並列に駆動される。
(アンテナ素子100)
図2は、第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100の一例の斜視図である。紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がz方向である。図2に示す形状は、アンテナ素子100を構成する導波管の空洞部分の壁を示している。他の図に示す形状も、同様に導波管の空洞部分の壁を示す。
アンテナ素子100は、放射素子10と、偏波整合回路20とを備える。そして、アンテナ素子100は、3段の放射キャビティと、放射スロットと、キャビティとに接続されている。
図2は、アンテナ素子100における放射素子10及び偏波整合回路20と、3段の放射キャビティの内の3段目の放射キャビティ30とを示す。3段の放射キャビティは、放射素子10を図1に示した配列に配置するために設けられている。ここでは、放射キャビティ30側をポート1(図2では、port1と表記する。)とし、放射素子10側をポート2(図2では、port2と表記する。)とする。
放射素子10の配列については、後述する。なお、アンテナ素子100は、導波管アンテナ素子の一例である。
図3は、図2に示したアンテナ素子100を個別に示した図である。図3(a)は、放射素子10、図3(b)は、偏波整合回路20、図3(c)は、放射キャビティ30である。図3(a)、(b)、(c)においては、紙面の左側に斜視図を、紙面の右側に平面図を示す。斜視図では、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向をz方向とする。平面図では、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。
図3(a)に示すように、放射素子10は、前述したように、断面が六角形である導波管である。なお、六角形は、一辺長aである正方形の対角に向かい合う一組の角を切り取った平面形状を有している。切取り部分は、角から長さcである。そして、放射素子10は、電波が伝播する方向において、長さtである。
図3(b)に示すように、偏波整合回路20は、一辺長aである正方形の対角に向かい合う一組の角を破線で示す四角形で切り取った平面形状を有する導波管である。なお、角を切り取る四角形は、一辺が長さlであり、角が切り取られて残された部分は、幅wである。そして、偏波整合回路20は、電波が伝播する方向において、長さtである。なお、偏波整合回路20は、図3(b)に示すように、破線で示す四角形で切り取るので、四角形の端部に凸状の突起が残っている。なお、凸状の突起が生じないように、切り取ってもよい。
偏波整合回路20の放射素子10に接続される端部20Aが一方の端部の一例であり、偏波整合回路20の放射キャビティ30に接続される端部20Bが他方の端部の一例である。
図3(c)に示すように、放射キャビティ30は、断面が長方形である導波管である。放射キャビティ30は、y方向が幅a、x方向が幅bである。そして、放射キャビティ30は、電波が伝播する方向において、長さtである。
放射キャビティ30の断面の中心と、偏波整合回路20を構成する一辺長aの正方形の中心と、放射素子10を構成する一辺長aの正方形の中心とは、一直線上に並ぶように配置されている。
そして、放射キャビティ30上に設けられた偏波整合回路20を構成する一辺長aの正方形の隣接する二辺は、放射キャビティ30のx方向とy方向とに沿って設けられている。そして、切り取られる角は、一例としてx方向に対して45°の方向に位置する角である。よって、偏波整合回路20は、x方向に対して45°方向が短手方向となり、x方向に対して−45°方向が長手方向となる平面形状を有する。ここで、偏波整合回路20の方向(図3(b)中に矢印で示す方向)は、幅wの方向とする。ここでは、偏波整合回路20の方向とx方向とのなす角θは、45°となる。なお、偏波整合回路20の方向x方向とのなす角θは、機械的偏波角と表記されることがある。偏波整合回路20の方向とx方向とのなす角θは、第1の角度の一例である。
さらに、偏波整合回路20上に設けられた放射素子10を構成する一辺長aの正方形の中心と一辺の中心とを結ぶ中心線(図3(a)中に矢印で示す。)のx方向となす角θは、一例として36°である。後述するように、放射素子10は、偏波整合回路20を用いない場合から、角度θ回転させて設けられている。角度θは、第2の角度の一例である。
以下で示すシミュレーションによる解析は、次の値を用いて行った。放射素子10は、一辺長aが8.2mm、角の切取り部分の長さcが2.4mm、長さtが12.6mmである。偏波整合回路20は、一辺長aが8.2mm、角の切取った部分の長さlが4.33mm、角が切り取られて残された部分の幅wが5.46mm、長さtが2.6mmである。放射キャビティ30は、y方向の幅aが7.9mm、x方向の幅bが4.4mm、長さtが5mmである。なお、アンテナ素子100の周波数帯域は、24GHzから30GHzまでとした。つまり、自由空間における波長範囲は、10mmから12.5mmである。
図4は、アンテナ素子100における放射素子10及び偏波整合回路20と、放射キャビティ30とにおける電界分布を説明する図である。図4(a)は、放射素子10と偏波整合回路20との接続面での電界分布、図4(b1)は、偏波整合回路20の断面における主成分、図4(b2)は、偏波整合回路20の断面における透過副成分、図4(c)は、放射キャビティ30の断面における電界分布である。これらにおいて、矢印は、電界の方向を示している。なお、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向とする。そして、放射素子10と偏波整合回路20との接続面とは、図2におけるIVA−IVA線で示す部分の断面である。偏波整合回路20の断面とは、図2におけるIVB−IVB線で示す部分の断面である。放射キャビティ30の断面とは、図2におけるIVC−IVC線で示す部分の断面である。なお、放射キャビティ30の断面における電界分布は、図3(b)における偏波整合回路20の他方の端部20Bの電界分布と同じである。
図4(c)に示すように、放射キャビティ30の断面(図2に示すIVC−IVC線で示す部分の断面)における電界分布は、x方向に電界が向く。この放射キャビティ30の断面における電界の方向(x方向)を、偏波整合回路20に入力する偏波方向であるので、入力偏波の方向と表記する。
偏波整合回路20の方向を入力偏波の方向(x方向)に対して45°方向に設定しているので、図4(b1)に示すように、偏波整合回路20の断面(図2に示すIVB−IVB線で示す部分の断面)では、45°に主成分となる電界分布が発生する。なお、偏波整合回路20は、偏波整合回路20の短手方向が主偏波の方向となる。そして、図4(b2)に示すように、偏波整合回路20の断面(図2に示すIVB−IVB線での断面)では、透過副成分が発生する。ここでは、偏波整合回路20の長さtを調整して、主成分に加えて、透過副成分が発生させている。偏波整合回路20の長さtが周波数帯域内における最大波長λmaxの1/2以上になると、主成分のみが伝播する。また、偏波整合回路20の長さtが短すぎると、透過副成分が支配的になる。このことから、偏波整合回路20の長さtは、周波数帯域内における最大波長λmaxの1/8以上且つ1/4以下に設定されるとよい。ここでは、24GHzから30GHzまでを周波数帯域とした場合、周波数帯域内における最大波長λmaxは、12.5mmである。偏波整合回路20の長さtは、2.6mmであるので、周波数帯域内における最大波長λmaxの1/8以上且つ1/4以下である。よって、上記の偏波整合回路20は、主成分と透過副成分とを発生させる。
すると、放射素子10と偏波整合回路20との接続面(図2に示すIVA−IVA線で示す部分の断面)では、図4(b)に示すような合成された電界分布となる。そして、放射素子10において、後述する図6(a1)に示すモード1の電界分布と、図6(a2)に示すモード2の電界分布とが発生する。モード1の電界分布とモード2の電界分布とが合成されることで、円偏波が得られる。
図5は、比較のために示す、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110の一例の斜視図である。アンテナ素子110は、放射素子11を備える。そして、アンテナ素子110は、放射キャビティ61と、放射スロットと、キャビティとに接続されている。図5は、アンテナ素子110(放射素子11)と放射キャビティ61とを示す。
放射素子11は、放射素子10と同様に断面が六角形である導波管である。また、放射キャビティ61の断面は、放射キャビティ30と同様に長方形である。なお、放射素子11の断面の六角形は、放射素子11を構成する正方形のx方向で対向する二辺の中心を結ぶ中心線(図5中に一点鎖線で示す。)の入力電界の方向(x方向)となす角φは、0°である。
図6は、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110における放射素子11と、放射キャビティ61とにおける電界分布を説明する図である。図6(a1)は、放射素子11の開口部におけるモード1の電界分布、図6(a2)は、放射素子11の開口部におけるモード2の電界分布、図6(b)は、放射素子11と放射キャビティ61との接続面での電界分布、図6(c)は、放射キャビティ61の断面における電界分布である。なお、放射素子11の開口部とは、図5におけるVIA−VIA線で示す部分の断面である。放射素子11と放射キャビティ61との接続面とは、図5におけるVIB−VIB線で示す部分の断面である。放射キャビティ61の断面とは、図5におけるVIC−VIC線で示す部分である。
図6(c)に示すように、放射キャビティ61の断面(図5におけるVIC−VIC線で示す部分の断面)における電界分布は、x方向に電界が向いている。この放射キャビティ61の断面(図5におけるVIC−VIC線で示す部分の断面)におけるx方向の電界の方向を、入力偏波の方向と表記する。図6(b)に示すように、放射素子11と放射キャビティ61との接続面(図5におけるVIB−VIB線で示す部分の断面)でも、電界の方向は、入力偏波の方向(x方向)に向いている。
電界は、金属面に対して直交する。つまり、電界ベクトルはバランスを取ろうとするため、対称な状態になって安定する。このため、図6(c)に示すように、x方向を軸として励振された偏波は、図6(a1)に示すような、x方向に対して45°の方向を軸とする対称な電界分布(モード1)と、図6(a2)に示すx方向に対して−45°の方向を軸とする対称な電界分布(モード2)とに分かれる。モード1の電界とモード2の電界とは、放射素子10を開口部まで伝播する間に、管内波長の違いで、円偏波に必要な位相差90°を得る。なお、管内波長は、周波数によって異なるため、後述する図8(a)に示すような周波数特性となる。
偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110における放射素子11のモード1とモード2とへの相対的な入力の条件は、周波数によらず概ね一定である。一方、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100における放射素子10のモード1とモード2とへの相対的な入力の条件は、偏波整合回路20による主成分と透過副成分とが周波数によって異なるため、周波数によって変えることができる。アンテナ素子100を適切に設計することで、図8(a)に示す周波数特性を打ち消して、図7(a)のような周波数特性が得られる。
図7は、第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100の周波数特性を説明する図である。図7(a)は、相対位相の周波数特性、図7(b)は、相対振幅の周波数特性である。図7(a)における相対位相とは、放射キャビティ30側をポート1(図2に示すPort1)とし、放射素子10の開口部側をポート2(図2に示すPort2)とした場合において、モード1に対するポート1からポート2へのSパラメータS21(1)と、モード2に対するポート1からポート2へのSパラメータS21(2)との位相の差の絶対値である。横軸は、周波数[GHz]を示し、縦軸は、相対位相を|S21(1)−S21(2)|[°]として示している。一方、図7(b)における相対振幅とは、モード1に対するポート1からポート2へのSパラメータS21(1)と、モード2に対するポート1からポート2へのSパラメータS21(2)との振幅の差の絶対値である。横軸は、周波数[GHz]を示し、縦軸は、相対振幅を|S21(1)−S21(2)|[dB]として示している。円偏波を放射することから、相対位相は、90°であることがよく、相対振幅は、0dBであることがよい。
アンテナ素子100では、24GHzから30GHzまでの周波数帯域において、図7(a)に示すように、相対位相(|S21(1)−S21(2)|[°])が、90°に近く、図7(b)に示すように、相対振幅(|S21(1)−S21(2)|[dB])が0dBに近い。
図8は、比較のために示す、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110の周波数特性を説明する図である。図8(a)は、相対位相の周波数特性、図8(b)は、相対振幅の周波数特性である。
アンテナ素子110では、24GHzから30GHzまでの周波数帯域において、図8(a)に示すように、相対位相(|S21(1)−S21(2)|[°])が、115°から65°までの範囲で変動し、図8(b)に示すように、相対振幅(|S21(1)−S21(2)|[dB])が1.3dBから0dBまでの範囲で変動する。
以上説明したように、第1の実施の形態が適用されるアンテナ素子100は、偏波整合回路20を備えることにより、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110に比べ、相対位相及び相対振幅の周波数依存性が小さくなり、広帯域化される。
(導波管スロットアレーアンテナ1の配列)
図9は、第1の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナ1における、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100の配列を説明する図である。図9(a)は、導波管スロットアレーアンテナ1の一部の平面図、図9(b)は、アンテナ素子100の斜視図、図9(c)は、アンテナ素子100における放射素子10の配列、図9(d)は、アンテナ素子100における偏波整合回路20の配列を説明する図である。図9(a)、(c)、(d)において、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。図9(b)のアンテナ素子100の斜視図は、図2と同じである。
図9(a)、(b)、(c)、(d)に示すアンテナ素子100を配列した導波管スロットアレーアンテナ1の配列を説明する前に、図5に示した、比較のために示す、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110を配列した導波管スロットアレーアンテナ2について説明する。
図10は、導波管スロットアレーアンテナ2における、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110の配列を説明する図である。図10(a)は、導波管スロットアレーアンテナ2の一部の平面図、図10(b)は、アンテナ素子110の斜視図である。図10(a)において、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。図10(b)のアンテナ素子110の斜視図は、図5と同じである。
図10(a)に示すように、導波管スロットアレーアンテナ2では、アンテナ素子110が、一方の対向する一組の辺がx方向、他方の対向する一組の辺がy方向に平行である正方形(図10(a)に破線で示す正方形)の頂点に配置されている。つまり、アンテナ素子110は、x方向及びy方向に同じ間隔で配列されている。すなわち、x方向に、等間隔で配列されたアンテナ素子110が、y方向にx方向の間隔と同じ間隔で平行に繰り返して配列される。このとき、アンテナ素子110は、図6(c)に示した放射キャビティ61の入力電界の方向(x方向)に対して、図6(b)に示した放射素子11の方向が一致している。このため、放射素子11を構成する正方形の辺(図3(a)参照)は、隣接する放射素子11を構成する正方形の辺と平行になる。つまり、隣接する放射素子11間の近接した距離は、x方向及びy方向で同じとなる。このようにすることで、放射素子11は、高密度に配置される。
しかし、アンテナ素子100では、図3(b)、(c)で説明したように、放射キャビティ30に対する偏波整合回路20の向き(図3(b)中に矢印で示す方向)は、放射キャビティ30からの入力偏波の方向(x方向)に対して予め定められた角度θ(図3(b)に示した例では45°)に設定される。また、図3(a)に示したように、放射素子10は、放射キャビティ30の入力偏波の方向(x方向)に対して、予め定められた角度θ(図3(a)で示した例では36°)に設定される。このため、偏波整合回路20をx方向及びy方向に同じ間隔で配列し、放射素子10を配置すると、間隔が大きくなってしまう。
そこで、導波管スロットアレーアンテナ1では、図9(c)に示すように、x方向に対して予め定められた角度θ傾けて配列するとともに、図1に示すように、隣接する配列間(配列A−A及び配列B−B)において、放射素子10を配列する位置を間隔(ピッチ)pの半分(半ピッチ)p/2ずらして配列している。このようにして、放射素子10が高密度に配置されるようにしている。配列A−Aが第1の配列の一例であり、配列B−Bが第2の配列の一例である。
この場合、図9(c)に矢印αとして示す部分のように、隣接する放射素子10間の距離が、他の部分に比べて、狭い部分が発生する。この部分は、導波管を構成するための導体で構成されるので、導体の肉厚が薄くなってしまう。このため、放射素子10を配置する密度は、矢印αとして示す部分のような薄い導体の肉厚によって決まる。
(サブアレー200、210の特性)
図11は、第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100で構成されるサブアレー200、及び比較のために示す、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110で構成されるサブアレー210の斜視図である。図11(a)は、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100で構成されるサブアレー200、図11(b)は、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110で構成されるサブアレー210である。サブアレー200は、2×2配列された4個のアンテナ素子100を備え、サブアレー210は、2×2配列された4個のアンテナ素子110を備える。サブアレー200、210は、導波管アンテナ素子サブアレーの一例である。
図11(a)に示すサブアレー200は、4個のアンテナ素子100と、各アンテナ素子100に対応して設けられた4個の3段の放射キャビティと、放射スロットと、キャビティ70とを備える。前述したように、アンテナ素子100は、放射素子10と、偏波整合回路20とを備える。3段の放射キャビティは、3段目の放射キャビティ30、2段目の放射キャビティ40、1段目の放射キャビティ50から構成されている。サブアレー200は、キャビティが給電導波管80に接続されている。放射スロットは、1段目の放射キャビティ50とキャビティ70と間に、各アンテナ素子100に対応して設けられている。また、キャビティ70には、給電導波管80との間に結合スロットが設けられている。
図11(b)に示すサブアレー210は、偏波整合回路20を備えない4個のアンテナ素子110と、各アンテナ素子110に対応して設けられた4個の放射キャビティ61と、放射スロットと、キャビティ71とを備える。前述したように、アンテナ素子110は、放射素子11を備える。サブアレー210は、キャビティ71が給電導波管80に接続されている。放射スロットは、放射キャビティ61とキャビティ71との間に、各アンテナ素子110に対応して設けられている。また、キャビティ71には、給電導波管80との間に結合スロットが設けられている。
図12は、偏波整合回路20を備えるサブアレー200の周波数特性を示す図である。図12(a)は、軸比の周波数特性、図12(b)は、リターンロスの周波数特性である。図12(a)の横軸は、周波数[GHz]、縦軸は、軸比[dB]、図12(b)の横軸は、周波数[GHz]、縦軸は、リターンロス[dB]である。軸比[dB]は、0dBに近いほどよく、3dB以下であればよい。リターンロス[dB]は、−10dB以下であるとよい。
図12(a)に示すように、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100によるサブアレー200は、24GHzから30GHzまでの周波数帯域において、軸比[dB]が1.4dB以下と0dBに近い。なお、図12(b)に示すように、リターンロス[dB]は、ほぼ−20dB以下である。
図13は、偏波整合回路20を備えないサブアレー210の周波数特性を示す図である。図13(a)は、軸比の周波数特性、図13(b)は、リターンロスの周波数特性である。図13(a)の横軸は、周波数[GHz]、縦軸は、軸比[dB]、図13(b)の横軸は、周波数[GHz]、縦軸は、リターンロス[dB]である。
図13(a)に示すように、偏波整合回路20を備えないアンテナ素子110によるサブアレー210は、軸比[dB]が周波数によって異なり、25GHzでは、4dBを超える。
以上説明したように、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100によるサブアレー200は、軸比の周波数依存性が小さい。
(導波管スロットアレーアンテナ1)
次に、図1に示した、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を16×16配列した導波管スロットアレーアンテナ1の特性を説明する。なお、導波管スロットアレーアンテナ1は、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を2×2配列したサブアレー200を8×8配列して構成されている。つまり、8×8分岐の給電導波管80により駆動されている。
図14は、導波管スロットアレーアンテナ1の右旋円偏波の指向性特性を示す図である。図14(a)は、図1におけるzx平面での右旋円偏波の指向性特性、図14(b)は、図1におけるyz平面での右旋円偏波の指向性特性である。図14(a)、(b)では、横軸に角度[°]、縦軸に相対強度を示す。
図1に示すように、zx平面は、アンテナ素子100がオフセットされていない。一方、yz平面は、アンテナ素子100がオフセットされている。なお、オフセットとは、アンテナ素子100が、直線状に配列された配列が、隣接する配列でずれて配置されていることを言う。アンテナ素子100をオフセットさせていないzx平面より、オフセットさせたyz平面の方が、サイドロープが低い。
図15は、導波管スロットアレーアンテナ1の周波数特性を示す図である。図15(a)は、軸比の周波数特性、図15(b)は、リターンロスの周波数特性である。図15(a)では、横軸に周波数[GHz]、縦軸に軸比[dB]を示し、図15(b)では、横軸に周波数[GHz]、縦軸にリターンロス[dB]を示す。
偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を用いた導波管スロットアレーアンテナ1では、24GHzから30GHzまでの周波数帯域において、図15(a)に示すように、軸比3dB以下が得られる。また、図15(b)に示すように、リターンロスは、−14dB以下である。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、入力偏波の方向(x方向)に対して45°方向に配置した偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を用いた導波管スロットアレーアンテナ1を説明した。入力偏波の方向(x方向)に対して45°方向に配置した偏波整合回路20を用いたために、放射素子10は、入力偏波の方向(x方向)に対して36°回転させて配列した。
第2の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナ3では、放射素子12が、入力偏波の方向(x方向)に対して45°回転させて配列されるアンテナ素子120を用いている。
図16は、第2の実施の形態が適用されるアンテナ素子120が備える偏波整合回路22を説明する図である。図16(a)は、偏波整合回路22の斜視図、図16(b)は、偏波整合回路22の平面図である。図16(b)では、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。
図16(b)に示すように、偏波整合回路22は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する。そして、長手方向の両端部が円弧状になっている。つまり、偏波整合回路22は、第1の実施の形態が適用されるアンテナ素子100の偏波整合回路20(図3(b)参照)の切り取らなかった一組の角(x方向に対して−45°方向の一組の角)を円弧状に切り取った形状である。ただし、入力偏波の方向(x方向)となす角度θ′は、一例として55°に設定されている。なお、偏波整合回路22は、電波が伝播する方向において、長さt′である。ここでも、偏波整合回路22の長さt′を調整して、主成分に加えて、透過副成分が発生させている。つまり、偏波整合回路22の長さt′は、周波数帯域内における最大波長λmaxの1/8以上且つ1/4以下に設定されている。角度θ′は、第1の角度の他の一例である。
図17は、第2の実施の形態が適用される導波管スロットアレーアンテナ3におけるアンテナ素子120の配列を説明する図である。図17(a)は、導波管スロットアレーアンテナ3の一部の平面図、図17(b)は、アンテナ素子120の斜視図、図17(c)は、アンテナ素子120における放射素子12の配列、図17(d)は、アンテナ素子120における偏波整合回路22の配列を説明する図である。図17(a)、(c)、(d)において、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。図17(b)のアンテナ素子120の斜視図は、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がz方向である。
図17(b)に示したアンテナ素子120は、図3に示した第1の実施の形態が適用されるアンテナ素子100における偏波整合回路20を偏波整合回路22に置き換え、放射素子12の回転角である角度θを角度θ′に変更した構成である。よって、放射キャビティ30は、アンテナ素子100と同じである。
以上説明したように、偏波整合回路22を用いない場合(入力偏波の方向(x方向))から、放射素子12を回転させる角度θ′を45°とするために、偏波整合回路22を用いている。よって、図17(a)、(c)に示すように、放射素子12は、図3(a)に示した正方形の切り取られた角側を互いに隣接させた状態で、y方向に配列させられる。なお、x方向には、y方向に配列した放射素子12の間隔(ピッチ)p′を間隔p′の1/2(半ピッチ)ずらして配置されている。このようにすることで、放射素子12は、高い密度で配列される。また、図9(c)に示した隣接する放射素子12間における間隔が狭い部分αの発生が抑制される。偏波整合回路20を用いない場合から回転させる角度θ′は、第2の角度の他の一例である。
このアンテナ素子120においても、アンテナ素子100と同様に、広い周波数帯域が得られる。なお、アンテナ素子100とアンテナ素子120とを比較すると、アンテナ素子100の方が、周波数帯域が広い。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態では、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を導波管スロットアレーアンテナ1に用い、第2の実施の形態では、偏波整合回路22を備えるアンテナ素子120を導波管スロットアレーアンテナ3に用いた。第3の実施の形態では、第1の実施の形態が適用される、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を、円偏波のホーンアンテナとして用いる。
図18は、偏波整合回路20を備えるアンテナ素子100を用いたホーンアンテナの一例を説明する斜視図である。紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がz方向である。
ホーンアンテナは、アンテナ素子100と、給電導波管81と、ホーン90とを備える。アンテナ素子100は、放射素子10と偏波整合回路20とを備える。そして、給電導波管81は、図2で説明した放射キャビティ30と同様の構造を有している。ホーン90は、アンテナ素子100からz方向に離れるに従い、z方向に垂直な断面が大きくなる円錐状の部分を備える。そして、ホーン90は、放射素子10が放射する円偏波のビームを絞って外部に放射する。
このように、アンテナ素子100を単体の円偏波のホーンアンテナとしてもよい。偏波整合回路20を用いることにより、ホーンアンテナの周波数帯域が広がる。
以上説明したように、偏波整合回路20を用いたアンテナ素子100及び偏波整合回路22を用いたアンテナ素子120は、広い周波数帯域が得られる。
偏波整合回路22に断面が円形の導波管を設けて、出力される偏波の周波数特性をシミュレーションしたところ、相対振幅及び相対位相が、図8に示した偏波整合回路20を備えない場合と逆の周波数特性を示した。つまり、偏波整合回路20、22を用いることにより、偏波整合回路20を備えない場合における相対振幅及び相対位相の周波数特性が打ち消されることで、周波数帯域が広がったと考えられる。
偏波整合回路20は、偏波の方向と位相とを、入力偏波の方向と放射素子10との間で整合させて、円偏波を放射される機能を有している。同様に、偏波整合回路22は、偏波の方向と位相とを、入力偏波の方向と放射素子12との間で整合させて、円偏波を放射させる機能を有している。
以上においては、放射素子として、断面形状が六角形の導波管を用いたが、断面形状が長方形の導波管を用いてもよく、断面形状が楕円の導波管を用いてもよく、断面形状が十字状の導波管を用いてもよい。つまり、放射素子は、管長差により、円偏波が発生される導波管であればよい。
また、以上においては、右旋円偏波による設計法を示したが、放射素子の向きと偏波整合回路を逆向きにして同様に設計することで左旋円偏波に適用することも可能である。
さらに、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
1、2、3…導波管スロットアレーアンテナ、10、11、12…放射素子、20、22…偏波整合回路、20A、20B…端部、30、40、50、61…放射キャビティ、70、71…キャビティ、80、81…給電導波管、90…ホーン、100、110、120…アンテナ素子、200、210…サブアレー

Claims (12)

  1. 円偏波が入力される又は出力する放射素子と、
    一方の端部が前記放射素子に接続され、当該放射素子に対して偏波を整合させる偏波整合回路と、を備え、
    前記偏波整合回路は、他方の端部から出力される又は入力される偏波の方向に対して、第1の角度傾いて配置され、
    前記放射素子は、前記偏波整合回路を用いない場合から、第2の角度回転させて配置され、
    前記第1の角度は、前記第2の角度より大きい
    導波管アンテナ素子。
  2. 前記偏波整合回路は、前記他方の端部の偏波に対して、前記一方の端部の偏波が、主成分に加え、透過副成分を有することを特徴とする請求項1に記載の導波管アンテナ素子。
  3. 前記偏波整合回路は、長手方向と短手方向とを有する断面形状を有し、当該長手方向が当該偏波整合回路の前記他方の端部の偏波の方向に対して前記第1の角度傾いて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導波管アンテナ素子。
  4. 前記偏波整合回路の前記第1の角度が予め設定された場合、当該偏波整合回路の透過副成分に基づいて、前記放射素子の前記第2の角度が設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の導波管アンテナ素子。
  5. 前記偏波整合回路の前記第1の角度が45°に設定された場合、前記放射素子の前記第2の角度が36°に設定されることを特徴とする請求項4に記載の導波管アンテナ素子。
  6. 前記放射素子の前記第2の角度が予め設定された場合、前記偏波整合回路の透過副成分に基づいて、当該偏波整合回路の前記第1の角度が設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の導波管アンテナ素子。
  7. 前記放射素子の前記第2の角度が45°に設定された場合、前記偏波整合回路の前記第1の角度が55°に設定されることを特徴とする請求項6に記載の導波管アンテナ素子。
  8. 前記放射素子は、正方形における一対の対角が斜めに切り取られた六角形状の断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の導波管アンテナ素子。
  9. 前記偏波整合回路は、電波が伝播する方向の長さが、周波数帯域内における最大波長の1/8以上且つ1/4以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導波管アンテナ素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の導波管アンテナ素子を複数備え、
    前記複数の導波管アンテナ素子が、一つの給電導波管により給電されるように接続された導波管アンテナ素子サブアレー。
  11. 請求項10に記載の導波管アンテナ素子サブアレーを複数備え、
    前記複数の導波管アンテナ素子サブアレー毎に分岐して給電する給電導波管と、
    を備える導波管スロットアレーアンテナ。
  12. 前記導波管スロットアレーアンテナが備える複数の放射素子は、
    予め定められた方向に予め定められた間隔で配列された第1の配列と、
    前記方向に前記間隔で配列された第2の配列と、を備え、
    前記第1の配列と前記第2の配列とは、前記間隔の1/2ずれて隣接することを特徴とする請求項11に記載の導波管スロットアレーアンテナ。
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