JP6869603B2 - 電子機器ケース - Google Patents

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Description

本発明は、入力端子と出力端子とを備え、内部に高周波回路が収納されている電子機器ケースに関する。
近年のテレビ放送では、地上波放送は完全デジタル化となり、従来行われていたVHF帯域の放送はUHF帯域に移行し、VHF帯域ではモバイル端末向けの新しいサービスなどが行われたり、他の通信サービスに利用されている。また衛星放送も従来の映像より高精度の映像を配信する新たなサービスである4K・8K放送が予定されている。4K・8K放送の内の4K放送は、現行のフルハイビジョンの解像度を2倍として横のピクセル数を3840(約4K)ピクセルとしたテレビ放送であり、4K・8K放送の内の8K放送は、現行のフルハイビジョンの解像度を4倍として横のピクセル数を7680(約8K)ピクセルとしたテレビ放送である。
衛星放送の概略構成を図20に示す。図20に示すように、衛星放送は放送局210から放送衛星211に放送信号を送信し、放送衛星211から11〜12GHz帯の電波を用いて受信者宅に放送信号が送信される。受信者宅では11〜12GHz帯の放送信号の電波をパラボラアンテナ212にて受信し、パラボラアンテナ212に備えられているLNB(ローノイズブロックコンバータ)で1〜3GHz帯域のIF周波数に放送信号を変換し、同軸ケーブルによってブースター213、分配器214および壁面端子215を介してチューナー216とモニター217からなる受信機に伝送することにより放送信号を視聴するようにしている。
4K・8K放送はBS放送と110度CS放送の右旋および左旋の両偏波を利用して行われ、4K・8K放送用のLNBによって右旋、左旋の電波が重ならないようにIF周波数が周波数軸上に並べられ、1本の同軸ケーブルで受信機へ伝送されるようになっている。従来のBS・CS放送の実際の使用帯域は、右旋偏波の電波のみであったため、上限が2071MHzであった。新たに4K・8K放送を視聴するには上限が3224MHzまで拡張された周波数帯域が必要となり、4K・8K放送のためのBS・CS放送のIF周波数を周波軸上に並べると図21に示すように1032MHz〜3224MHzまでの伝送帯域が必要になる。このため、1032MHz〜3224MHzまでの伝送に対応したパラボラアンテナ212,ブースター213,分配器214,壁面端子215などの受信機器、伝送機器が必要となる。拡張された周波数帯域においては、従来よりその帯域の電波を使用して行われているサービスやシステムがある。例えば、電波天文(2690〜2700MHz)や無線LAN(2400〜2497MHz)があり、これらのサービスやシステムに4K・8Kのテレビ放送の受信電波が漏れて、混信、妨害などの影響を与えないようにすることが考慮される。
高周波を取り扱う電子機器のケースは、内部から電磁波が漏出して外部へ影響を与えないと共に、外部からの電磁波の影響を受けないようにシールド構造の電子機器ケースとしている。
特許文献1に従来のシールド構造の電子機器ケースが開示されている。この電子機器ケースは、上方の開口部において開口し、略矩形形状に形成された底面部の全領域にわたり収容物が載置可能な収容部と、上記収容部の上記開口部の外周縁部全周にわたって配設される介在部材と、上記介在部材に当接して上記収容部の上記開口部を被覆する第1の蓋と、上記第1の蓋を上記収容部の上記開口部側に向かって付勢するようにして上記収容部に固定的に配設される第2の蓋とを有する構造とされている。
この構造の電子機器ケースは、シールド構造とされているものの、収容部はリング状の溝部と、溝部内に収容される介在部材からなると共に、第1の蓋と、第2の蓋とが必要とされていることから、部品点数が多くなると共に、簡易な構成とはなっていなかった。
そこで、従来提案されている簡易な構成の電子機器ケース300の構成を図22および図23に示す。図22は、従来の電子機器ケース300の構成を示す平面図であり、図23は従来の電子機器ケース300の構成を示す分解斜視図である。
これらの図に示す電子機器ケース300は、上面および下面が開口された所定高さの矩形の枠からなるシャーシ310と、シャーシ310の上面を閉塞するよう上部に嵌合される上外蓋311と、シャーシ310の下面を閉塞するように下部に嵌合される下外蓋312とから構成されている。シャーシ310,上外蓋311,下外蓋312は金属板を加工して作成されている。
シャーシ310は、矩形の枠になるよう金属板を折曲して前後左右の四方向に立設された側部310bにより構成され、内部の収納空間のほぼ中央にプリント基板321が収納されている。シャーシ310の正面の側部310bには、入力端子、出力端子、モニター端子等として使用する4つの同軸端子320が固着されている。4つの同軸端子320の内の入力端子側の回路と出力端子側との回路とが電磁気的に結合しないよう上仕切り板315がプリント基板321の上面に設けられている。上仕切り板315は金属板を加工して作成され、上仕切り板315はほぼ直角にくの字状に屈曲されている。シャーシ310の側部310bにおいて、上部に横方向に細長い矩形状の係合孔310cが四方向の側部310bに複数ずつ横方向に並べられて形成されていると共に、下部に同形状とされた横方向に細長い矩形状の係合孔310dが四方向の側部310bに複数ずつ横方向に並べられて形成されている。
上外蓋311は、弾性を有する金属板を加工して作成されており、矩形の平面部311aの4縁が下方へほぼ直角に屈曲されて、それぞれの縁部に側部311bが形成されている。各側部311bの先端部には、横長の矩形状とされた係合片311cが形成されている。係合片311cの先端部は屈曲されており、内側に向けてくの字状に突出している。
また、下外蓋312は、上外蓋311と同様に弾性を有する金属板を加工して作成されており、矩形の平面部312aの4縁が上方へほぼ直角に屈曲されて、それぞれの縁部に側部312bが形成されている。各側部312bの先端部には、横長の矩形状とされた係合片312cが形成されている。係合片312cの先端部は屈曲されており、内側に向けてくの字状に突出している。
シャーシ310の収納空間には、高周波を扱うプリント基板321が収納され、上仕切り板315で仕切られたプリント基板321には漏出すると周囲に影響を与える周波数帯の高周波を扱う回路が組み込まれている。シャーシ310の収納空間に、プリント基板321が収納されて所定の配線が施されると、シャーシ310の上面の開口を閉塞するように、上外蓋311をシャーシ310の上から嵌合する。嵌合した際には、上外蓋311の4縁の側部311bに形成されている複数の各係合片311cにおけるくの字状に突出している部位が、シャーシ310の4方向の側部310bの上部に形成されている係合孔310cにそれぞれ係合する。また、シャーシ310の下面の開口を閉塞するように、下外蓋312をシャーシ310の下から嵌合する。嵌合した際には、上外蓋311の4縁の側部311bに形成されている複数の各係合片312cにおけるくの字状に突出している部位が、シャーシ310の4方の側部310bの下部に形成されている係合孔310dにそれぞれ係合する。
特開2006−108257号公報
図22,図23に示す電子機器ケース300は、側面を板金で形成したシャーシ310を必要に応じて回路ブロックごとに仕切る上仕切り板315等を設けて、回路ブロック間で互いに影響を与えないようにしている。さらに、伝送する電波が漏れないよう、また周波数特性を安定させるべくシャーシ310の上面と下面に、開口を閉塞する上外蓋311と下外蓋312を嵌合する構造としている。
しかしながら、この構成の電子機器ケース300では、シャーシ310のゆがみや、側部310bの高さのわずかな違いが生じた場合などの寸法のばらつき、組み立てのばらつきによって上外蓋311および下外蓋312と側部310bおよび上仕切り板315との間に隙間が生じやすい。例えば、上外蓋311をシャーシ310の上面に嵌合した状態においては、図24の断面図で示す一部拡大して示す側面図のようにシャーシ310の上端面が上外蓋311の平面部311aの内面に接触すると共に、上仕切り板315の上端面が上外蓋311の平面部311aの内面に接触するのが正常である。しかしながら、シャーシ310および上外蓋311の寸法のばらつきや組み立て時のばらつきによって、図25の断面図で示す一部拡大して示す側面図のようにシャーシ310の上端面と上外蓋311の平面部311aの内面との間に間隙δ1が生じると共に、上仕切り板315の上端面と上外蓋311の平面部311aの内面との間に間隙δ2が生じることがある。上記間隙δ1,δ2が生じている場合に、従来の電子機器ケース300を4K・8Kのテレビ放送の受信電波に対応させると、従来のサービスで使用していた周波数より高い周波数を伝送することになり、高い周波数ほど上記間隙δ1,δ2から外部に電波がもれてしまうおそれがある。
そこで、従来の電子機器ケース300において、図24に示す正常な状態における漏洩電界強度の周波数特性を図26に示し、図25に示す間隙δ1,δ2が生じている場合の漏洩電界強度の周波数特性を図27に示す。なお、電波が電子機器から漏れる量の規格として、放送の分野では放送法の技術基準に定められた不要放射が34dBμV/m以下という規格値がある。この規格は有線テレビジョン放送の規格値であり、現在BS・CS帯域における規格値は特に制定されていない。しかし、外部の空間に無線サービスが存在している環境で、同じ帯域の周波数を同軸ケーブルで伝送するという点では同様と考えられるから、同じ不要放射の規格である34dBμV/mを規定値として示している。
図26および図27に示す漏洩電界強度の周波数特性は、1000MHz〜3250MHzの周波数帯域の信号を伝送した時の電波の漏れを測定したものであり、規定値が一点鎖線で示され、水平偏波における電界強度が実線で、垂直偏波における電界強度が一点鎖線で示されている。図26を参照すると、3000MHz以上の高域においては垂直偏波および水平偏波において規定値を超えてしまうことが分かる。また、図27を参照すると、垂直偏波では約2900MHz以上の高域において規定値を超えてしまい約3100MHzにおいては約48dBμV/mにも漏洩電界強度が達するようになり、水平偏波では約3000MHz以上の高域において規定値を超えてしまい約3150MHzにおいては約41dBμV/mにも漏洩電界強度が達するようになることが分かる。
このように、従来の電子機器ケース300においては、3000MHz以上の高い周波数帯域において漏れる量が増えるようになり、さらに、寸法のばらつきや組み立てのばらつきがある場合は、漏れる量がより増えることが分かる。
そこで、本発明は、電子機器ケースにおいて、使用する周波数帯域が高域へ拡張されても電磁波の外部への漏洩を防止することができる電子機器ケースを提供することを目的としている。
本発明の電子機器ケースは、上面および下面が開口された所定高さの矩形の枠からなる導電性のシャーシと、該シャーシの内部を仕切る導電性の仕切り板と、前記シャーシと前記仕切り板とで形成される仕切られた空間の開口を閉塞するよう開口の内壁面に密着して挿入される導電性の内蓋と、前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合される外蓋とを備え、前記外蓋は、前記内蓋が前記仕切られた空間に挿入された状態において、前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合され、前記内蓋は弾性材から形成され、平面状とされた内蓋の平面部と、該内蓋の平面部の縁部から鈍角で立設する内蓋の側部と、該内蓋の側部の上端に形成されたストッパーとを有し、前記シャーシと前記仕切り板とで形成される仕切られた空間の開口に挿入された際に、前記内蓋の側部が前記シャーシの内壁と前記仕切り板の内壁とに弾性的に接触して密着すると共に、前記ストッパーが前記シャーシの枠の先端面に対面することを最も主要な特徴としている。
また、本発明の電子機器ケースにおいて、前記シャーシの枠における外壁において、横方向に細長い外側へ突出する突条が形成されており、前記外蓋は、平面状とされた外蓋の平面部と、該外蓋の平面部の縁部から立設されて形成された外蓋の側部とを有し、前記外蓋が前記シャーシに嵌合された際に、前記突条を乗り越えて係合する係合突条が前記外蓋の側部に形成されていてもよい。
さらに、本発明の電子機器ケースにおいて、前記シャーシ内に収納されている部品の導電性の外郭に、前記内蓋の平面部が密着することにより、前記外郭が前記シャーシにアースされてもよい。
さらに、本発明の電子機器ケースにおいて、前記部品はスイッチとされ、スイッチを切り替えるノブが前記外郭から突出して設けられており、前記内蓋の平面部および前記外蓋の平面部に、前記ノブを操作可能に突出させる孔部が形成されていてもよい。
さらに、本発明の電子機器ケースにおいて、前記内蓋が前記仕切られた空間に挿入された状態において、前記外蓋が、前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合された際に、前記内蓋の平面部が前記部品側へ弓なりに撓むことにより、前記部品の外郭に、前記内蓋の平面部が密着されてアースされてもよい。
本発明によれば、シャーシと仕切り板とで形成される仕切られた空間の開口を閉塞するよう開口に挿入される導電性の内蓋と、シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合される外蓋とを備え、外蓋は、内蓋が仕切られた空間に挿入された状態において、シャーシの開口を閉塞するようシャーシに嵌合されることから、使用する周波数帯域が高域へ拡張されても電磁波の外部への漏洩を防止することができる。
また、内蓋を弾性材から形成し、平面状とされた内蓋の平面部と、該内蓋の平面部の縁部から鈍角で立設する内蓋の側部とを有し、内蓋の側部がシャーシの内壁と仕切り板の内壁とに弾性的に接触させて、電磁波の外部への漏洩を防止するようにしてもよい。
さらに、外蓋がシャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合された際に、内蓋の平面部が部品側へ弓なりに撓むことにより、部品の外郭が内蓋の平面部を介してアースさせて、電磁波の外部への漏洩を防止するようにしてもよい。
本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を示す平面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を断面図で示す側面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を示す下面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を示す正面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を斜視図で示す分解図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースの構成を斜視図で示す組立図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースにおける上内蓋の構成を示す斜視図、正面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースにおいて外蓋を取り付けていない状態の一部を拡大して断面図で示す側面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースにおいて外蓋を取り付けた状態の一部を拡大して断面図で示す側面図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースにおいて内蓋が浮いていない状態の漏洩電界強度の周波数帯域を示す図である。 本発明の第1実施例にかかる電子機器ケースにおいて内蓋が浮いている状態の漏洩電界強度の周波数帯域を示す図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースの構成を示す平面図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースの構成を断面図で示す側面図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースの構成を斜視図で示す組立図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースにおける上内蓋の構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースにおけるゲインの周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースにおけるゲインの他の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースにおいて内蓋を取り付けた状態を示す平面図である。 本発明の第2実施例にかかる電子機器ケースの構成を断面図で示す側面図、一部拡大図である。 衛星放送の概略構成を示す図である。 4K・8K放送のためのBS・CS放送のIF周波数を周波軸上で示す図である。 従来の電子機器ケースの構成を示す平面図である。 従来の電子機器ケースの構成を斜視図で示す分解図である。 従来の電子機器ケースにおいて一部を拡大して断面図で示す側面図である。 従来の電子機器ケースにおいて一部を拡大して断面図で示す他の側面図である。 従来の電子機器ケースにおける漏洩電界強度の周波数帯域を示す図である。 従来の電子機器ケースにおける漏洩電界強度の他の周波数帯域を示す図である。
本発明の第1実施例にかかる電子機器ケース1の構成を図1ないし図6に示す。図1は本発明の第1実施例にかかる電子機器ケース1の構成を示す平面図であり、図2は電子機器ケース1の構成をA−A線で切断したA−A断面図で示す側面図であり、図3は電子機器ケース1の構成を示す下面図であり、図4は電子機器ケース1の構成を示す正面図であり、図5は電子機器ケース1の構成を斜視図で示す分解図であり、図6は電子機器ケース1の構成を斜視図で示す組立図である。
これらの図に示す本発明の第1実施例にかかる電子機器ケース1はブースターに適用可能な電子機器ケース1であり、上面および下面が開口された所定高さの矩形の枠からなるシャーシ10と、シャーシ10の上面を閉塞するよう上部に嵌合される上外蓋11と、シャーシ10の下面を閉塞するように下部に嵌合される下外蓋12とを備えている。さらに、電子機器ケース1内を回路ブロック毎に仕切るよう設けられている第1上仕切り板15の開口されている上面を閉塞するよう上部から挿入される上内蓋13と、同様にシャーシ10内を回路ブロック毎に仕切るよう設けられている第1下仕切り板17の開口されている下面を閉塞するよう下部から挿入される下内蓋14とを備えている。第1実施例にかかる電子機器ケース1を構成している各部は、金属板を加工して作成されている。
シャーシ10は、矩形の枠になるよう金属板を折曲して前後左右の四方向に立設された4つの側部10bにより構成され、内部の収納空間のほぼ中央に、例えばブースターの回路が組まれた矩形のプリント基板21が収納されて、プリント基板21のアースはシャーシ10にアースされている。シャーシ10の正面の側部10bには、入力端子、出力端子、モニター端子等として使用する4つの同軸端子20が固着されている。4つの同軸端子20の内の入力端子側の回路ブロックと出力端子側の回路ブロックとが電磁気的に結合しないように第1上仕切り板15がプリント基板21の上面に設けられており、第1上仕切り板15の上端縁にほぼ直角に折曲されたラグ15aが3つ形成されている。ラグ15aにはネジ孔が形成されており、ラグ15aの先端は半円形とされている。第1上仕切り板15は金属板を加工して作成され、第1上仕切り板15はほぼ直角にくの字状に屈曲されており、両端はシャーシ10のほぼ直交する2つの側部10bに当接されてアースされている。また、プリント基板21の上面の後部側には第2上仕切り板16が設けられており、第2上仕切り板16で囲った部位には電源端子等の回路ブロックが配置されている。第2上仕切り板16の上端縁にほぼ直角に折曲されたラグ16aが2つ形成されている。ラグ16aにはラグ15aと同様にネジ孔が形成されており、ラグ16aの先端は半円形とされている。第2上仕切り板16は金属板を加工して作成され、第2上仕切り板16はほぼ直角にくの字状に屈曲されて、シャーシ10内に立設して配置されており、両端はシャーシ10のほぼ直交する2つの側部10bに当接されてアースされている。
入力端子側の回路ブロックと出力端子側の回路ブロックとを仕切る第1下仕切り板17がプリント基板21の下面に第1上仕切り板15と対向するよう設けられており、第2下仕切り板18がプリント基板21の下面に第2上仕切り板16と対向するよう設けられている。
シャーシ10の4つの側部10bのそれぞれにおいて、側部10bの外壁の上部に横幅とほぼ同じ長さとされた横方向に細長い外側へ突出する突条10cがほぼ全体にわたり形成されていると共に、側部10bの外壁の下部に同形状とされた横幅とほぼ同じ長さとされた横方向に細長い外側へ突出する突条10dがほぼ全体にわたり形成されている。
上外蓋11は、弾性を有する金属板を加工して作成されており、矩形の平面部11aの4縁が下方へほぼ直角に屈曲されて、それぞれの縁部に側部11bが立設されて形成された下面が開口された箱形状とされている。各側部11bの先端部には、横幅一杯に渡り係合突条11cが形成されている。係合突条11cはくの字状に屈曲されて形成されており、内側に向けて突出する突条とされている。矩形の平面部11aには、取付ネジ30および取付ネジ31の挿通孔やプリント基板21に組まれた回路の特性を調整する調整棒を挿入する穴等が形成されている。
また、下外蓋12は、上外蓋11と同様に弾性を有する金属板を加工して作成されており、矩形の平面部12aの4縁が上方へほぼ直角に屈曲されて、それぞれの縁部に側部12bが立設されて形成された上面が開口された箱形状とされている。各側部12bの先端部には、横幅一杯に渡り係合突条12cが形成されている。係合突条12cはくの字状に屈曲されて形成されており、内側に向けて突出する突条とされている。矩形の平面部12aには、第1下仕切り板17の下端縁から突出するよう形成されている3つの取付片10dと第2下仕切り板18の下端縁から突出するよう形成されている2つの取付片10dとが挿通される細長い矩形状の孔部が形成されている。
シャーシ10の収納空間には、高周波を扱うプリント基板21が収納され、プリント基板21上に設けられた第1上仕切り板15により、入力端子側の回路ブロックと出力端子側の回路ブロックとが仕切られて互いに電磁気的に結合しないようにされている。シャーシ10の収納空間に、プリント基板21が収納されて所定の配線が施されると、第1上仕切り板15とシャーシ10とで仕切られた収納空間の開口されている上面を閉塞するように上内蓋13が、第1上仕切り板15とシャーシ10とで仕切られた収納空間に上から挿入される。これにより、上内蓋13の側部13bは第1上仕切り板15とシャーシ10との内壁面に密着されて、上内蓋13はシャーシ10にアースされ、第1上仕切り板15とシャーシ10と上内蓋13により形成される収納空間はシールド構造となる。
ここで、上内蓋13の構成について説明する。図7(a)は上内蓋13の構成を示す斜視図であり、図7(b)は上内蓋13の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、上内蓋13は弾性を有する金属材料を加工して作成されており、矩形状の平面部13aと、平面部13aの4つの縁から立設するよう平面部13aに対して鈍角で折曲されて形成された4つの側部13bとから構成された箱形状とされている。また、側部13bの上端に、側部13bに対してほぼ直角に外側に折曲された幅の狭いストッパー13cが形成されている。このストッパー13cには、切り欠かれている部位があるが、切り欠かれている部位は第1上仕切り板15に形成されている3つのラグ15aに相当する位置およびシャーシ10の角部とされ、確実に側部13bを第1上仕切り板15とシャーシ10との内壁面に密着して嵌挿できるようにされている。
また、側部13bが折り曲げられている角度は図7(b)に示すように、平面部13aに対して直角方向より角度θだけ鈍角とされた角度とされている。これにより、ストッパー13cの面も平面部13aに対して角度θだけ傾くようになる。
上記したように、上内蓋13は箱形状とされて、上内蓋13の4方向の側部13bは弾性を有しいると共に鈍角に立ち上がっており、第1上仕切り板15とシャーシ10とで仕切られた収納空間に挿入した状態を断面図で示す側面図の一部拡大図で図8に示している。上内蓋13を挿入していくと、図8に示すように、4方向の側部13bが第1上仕切り板15の2方向の内壁面およびシャーシ10の2方向の内壁面に密着して接触しながら上内蓋13が挿入されていく。すなわち、鈍角に立設されている4方向の弾性を有する側部13bにより、第1上仕切り板15およびシャーシ10による4方向の内壁に圧力をかけて密着しながら上内蓋13が第1上仕切り板15とシャーシ10とで仕切られた収納空間内に挿入されていくことになる。結果的に、上内蓋13の4方向の全ての側部13bは、第1上仕切り板15の内壁面とシャーシ10の内壁面とに密着されるため、上内蓋13と第1上仕切り板15およびシャーシ10間の隙間をなくすことができる。この場合、弾性を有し鈍角に立ち上がる側部13bの作用により上内蓋13が若干浮き上がり、シャーシ10の側部10bの上端面と対面している、上内蓋13のストッパー13cとの間に間隙が発生していると共に、第1上仕切り板15の上端面と対面している上内蓋13のストッパー13cとの間に間隙が発生しているが、挿入された上内蓋13の側部13bはシャーシ10の側部10bの内壁面と、第1上仕切り板15の内壁面とに確実に密着して接触していることが分かる。
また、プリント基板21の裏面には、入力端子側の回路ブロックと出力端子側の回路ブロックとが仕切られて互いに電磁気的に結合しないように第1下仕切り板17が設けられている。そして、第1下仕切り板17とシャーシ10とで仕切られた収納空間の開口されている下面を閉塞するように下内蓋14が、第1下仕切り板17とシャーシ10とで仕切られた収納空間に下から挿入される。これにより、下内蓋14の側部14bは第1下仕切り板17とシャーシ10との内壁面に密着されて、下内蓋14はシャーシ10にアースされ、第1下仕切り板17とシャーシ10と下内蓋14とにより形成される収納空間はシールド構造となる。
図5に示すように下内蓋14は図7(a)(b)に示す上内蓋13と面対称の構成とされており、矩形状の平面部14aと、平面部14aの4つの縁から立設するよう平面部14aに対して鈍角で折曲されて形成された4つの側部14bとから構成された箱形状とされている。また、側部14bの上端に、側部14bに対してほぼ直角に外側に折曲された幅の狭いストッパー14cが形成されている。この下内蓋14を、第1下仕切り板17とシャーシ10とで仕切られた収納空間に挿入する際に、4方向の弾性を有する側部14bが第1下仕切り板17の2方向の内壁面およびシャーシ10の2方向の内壁面に密着して接触しながら挿入されていく。すなわち、鈍角に立設されている4方向の弾性を有する側部14bにより、第1下仕切り板17およびシャーシ10による4方向の内壁に圧力をかけて密着しながら下内蓋14が第1下仕切り板17とシャーシ10とで仕切られた収納空間内に挿入されていくことになる。結果的に、下内蓋14の4方向の全ての側部14bは、第1下仕切り板17の内壁とシャーシ10の内壁とに密着されるため、下内蓋14と第1下仕切り板17およびシャーシ10間の隙間をなくすことができる。
上内蓋13が第1上仕切り板15とシャーシ10とで仕切られた収納空間に挿入されると、シャーシ10の上面の開口を閉塞するように、上外蓋11をシャーシ10の上から嵌合する。図6に、シャーシ10の下から下外蓋12が嵌合された状態において、シャーシ10の上から上外蓋11をシャーシ10に嵌合する態様を示す。図6に示すように、シャーシ10の上から上外蓋11を嵌合していくと、上外蓋11の4方向の側部11bにそれぞれ形成されているくの字状に内側に突出している係合突条11cが、シャーシ10の4方向の側部10bの上部に形成されている外側に突出された突条10cを乗り越えてそれぞれ係合する。そして、矩形の平面部11aに形成されている挿通孔に取付ネジ30および取付ネジ31を挿通して、3本の取付ネジ30を第1上仕切り板15のラグ15aのネジ穴のそれぞれに螺合すると共に、2本の取付ネジ31を第2上仕切り板16のラグ16aのネジ穴それぞれに螺合する。これにより、上外蓋11をシャーシ10から抜け出ないように固着され、固着されると上外蓋11はシャーシ10にアースされる。
また、下内蓋14が第1下仕切り板17とシャーシ10とで仕切られた収納空間に挿入されると、シャーシ10の下面の開口を閉塞するように、下外蓋12をシャーシ10の下から嵌合する。嵌合した際には、下外蓋12の4方向の側部12bにそれぞれ形成されているくの字状に内側に突出している係合突条12cが、シャーシ10の4方向の側部10bの下部に形成されている外側に突出された突条10dを乗り越えてそれぞれ係合するようになる。また、第1下仕切り板17の下端縁から突出するよう形成されている3つの取付片10dと第2下仕切り板18の下端縁から突出するよう形成されている2つの取付片10dとが、下外蓋12の平面部12aに形成されている細長い矩形状の孔部から外部へ突出するようになる。この突出した5つの取付片10dを縦の中心軸を回転軸として捻ることにより、下外蓋12がシャーシ10から抜け出ないように固着され、固着されると下外蓋12はシャーシ10にアースされる。
このように、シャーシ10の上面を覆う上外蓋11とシャーシ10の下面を覆う下外蓋12とをシャーシ10に固着することにより、第1実施例の電子機器ケース1はシールド構造となる。シャーシ10の上面を覆う上外蓋11とシャーシ10の下面を覆う下外蓋12とをシャーシ10に固着された状態を断面図で示す側面図の一部拡大図で図9に示している。図9に示すように、シャーシ10に嵌合された上外蓋11の平面部11aの内面が上内蓋13のストッパー13cに密着して下方へ押すことから上内蓋13の浮き上がりが押さえ込まれていることが分かる。そして、上内蓋13が上外蓋11により上から押さえ込まれて挿入されていくと、上内蓋13の側部13bが第1上仕切り板15の2方向の内壁およびシャーシ10の2方向の内壁に強く密着して内壁面にほぼ平行になることから、平面部13aに対して鈍角とされた弾性を有する側部13bの作用により平面部13aの中央部が図示するように下方へ弓なりに撓むようになる。また、同様に下外蓋12の平面部12aの内面が下内蓋14のストッパー14cに密着して上方へ押すことからシャーシ10に嵌合された下外蓋12により下内蓋14の浮き上がりが押さえ込まれていることが分かる。そして、下内蓋14が下外蓋12により下から押さえ込まれて挿入されていくと、下内蓋14の側部14bが第1下仕切り板17の2方向の内壁およびシャーシ10の2方向の内壁に強く密着して内壁面にほぼ平行になることから、平面部14aに対して鈍角とされた弾性を有する側部14bの作用により平面部14aの中央部が図示するように下方へ弓なりに撓むようになる。
この第1実施例の電子機器ケース1では、上外蓋11および下外蓋12により上内蓋13および下内蓋14の浮き上がりを防止でき、上内蓋13および下内蓋14を安定して嵌合させた状態とすることができる。この状態の電子機器ケースが、図1ないし図4に示す本発明の第1実施例の電子機器ケース1であり、第1実施例の電子機器ケース1の漏洩電波電界強度の周波数特性を図10に示す。図10に示す漏洩電界強度の周波数特性は、1000MHz〜3250MHzの周波数帯域の信号を伝送した時の電波の漏れを測定したものであり、規定値(34dBμV/m)が一点鎖線で示され、水平偏波における電界強度が実線で、垂直偏波における電界強度が一点鎖線で示されている。図10を参照すると、第1実施例の電子機器ケース1における不要放射量は、1000MHz〜3250MHzの周波数帯域において規格値である34dBμ/m以下の電波漏洩量に抑えられていることが分かる。従来の電子機器ケース300における図26に示す漏洩電界強度の周波数特性と比較すると、第1実施例の電子機器ケース1における漏洩電波電界強度の周波数特性では、3000MHz〜3250MHzの周波数帯域において不要放射量が約10dB〜約15dB程度低減されていることが分かる。
ここで、第1実施例の電子機器ケース1において、寸法の誤差や組み立て上のばらつきでシャーシ10と第1上仕切り板15とにおいて高さの違いが生じ、上内蓋13を挿入した際に上内蓋13が少し傾斜して取り付けられる場合がある。また、寸法の誤差や組み立て上のばらつきでシャーシ10と第1下仕切り板17とにおいて高さの違いが生じ、下内蓋14を挿入した際に下内蓋14が少し傾斜して取り付けられる場合がある。この場合であっても、挿入された上内蓋13の側部13bはシャーシ10の側部10bの内壁面と、第1上仕切り板15の内壁面に確実に接触しており、挿入された下内蓋14の側部14bはシャーシ10の側部10bの内壁面と、第1下仕切り板17の内壁面に確実に接触するようになる。この結果、シャーシ10と第1上仕切り板15あるいは第1下仕切り板17とにおいて高さの違いが生じても、隙間は生じないようになり、電波の漏洩を防ぐことができる。
ここで、第1上仕切り板15が少し浮いた状態で上内蓋13を挿入した時あるいは第1下仕切り板17が少し浮いた状態で下内蓋14を挿入し、シャーシ10の上面を覆う上外蓋11とシャーシ10の下面を覆う下外蓋12とをシャーシ10に固着した時の漏洩電波電界強度の周波数特性を図11に示す。図11に示す漏洩電界強度の周波数特性は、1000MHz〜3250MHzの周波数帯域の信号を伝送した時の電波の漏れを測定したものであり、規定値(34dBμV/m)が一点鎖線で示され、水平偏波における電界強度が実線で、垂直偏波における電界強度が一点鎖線で示されている。図11を参照すると、第1上仕切り板15あるいは第1下仕切り板17が少し浮いた状態で上内蓋13あるいは下内蓋14を挿入した時の不要放射量は、約3200MHz以上において不要放射量がやや増加しているものの1000MHz〜3250MHzの周波数帯域において規格値である34dBμ/m以下の電波漏洩量に抑えられていることが分かる。また、従来の電子機器ケース300における図27に示す寸法のばらつきや組み立て時のばらつきがある場合の漏洩電界強度の周波数特性と比較すると、第1実施例の電子機器ケース1における漏洩電波電界強度の周波数特性では、3000MHz〜3250MHzの周波数帯域において不要放射量が約10dB〜約26dB程度低減されていることが分かる。
次に、本発明の第2実施例の電子機器ケース2の構成を図12ないし図14に示す。図12は本発明の第2実施例にかかる電子機器ケース2の構成を示す平面図であり、図13は電子機器ケース2の構成をB−B線で切断した断面図で示す側面図であり、図14は電子機器ケース2の構成を斜視図で示す分解図である。
これらの図に示す本発明の第2実施例にかかる電子機器ケース2はブースターに適用可能な電子機器ケース2であり、本発明の第1実施例にかかる電子機器ケース1においてアッテネーター回路の減衰量を切り替えるスイッチ32が追加されており、このスイッチ32の金属製の外郭の内部に切換部が内蔵され、外郭から外部へ突出しているノブを操作することにより減衰量を切り替えるようにしている。第2実施例の電子機器ケース2では、スイッチ32の金属製の外郭をアースすることを特徴的な構成としている。他の構成は第1実施例の電子機器ケース1の構成とほぼ同様とされていることから、同様の構成についての詳細な説明は省略する。第2実施例の電子機器ケース2は、上面および下面が開口された所定高さの矩形の枠からなるシャーシ10と、シャーシ10の上面を閉塞するよう上部に嵌合される上外蓋111と、シャーシ10の下面を閉塞するように下部に嵌合される下外蓋12とを備えている。さらに、電子機器ケース1内を回路ブロック毎に仕切るよう設けられている第1上仕切り板15の開口されている上面を閉塞するよう上部に嵌合される上内蓋113と、同様にシャーシ10内を回路ブロック毎に仕切るよう設けられている第1下仕切り板17の開口されている下面を閉塞するよう嵌合される下内蓋14とを備えている。第2実施例にかかる電子機器ケース2を構成している各部は、金属板を加工して作成されている。
第2実施例の電子機器ケース2では、スイッチ32は外郭は金属製とされており、プリント基板121上に設けられていることから、スイッチ32のノブを操作するには、上内蓋113の平面部113aおよび上外蓋111の平面部111aにスイッチ32のノブを操作するための孔部を形成する必要がある。このため、上内蓋113の平面部113aおよび上外蓋111の平面部111aに矩形状の孔部が形成されており、この孔部から外部へスイッチ32のノブが突出するようになり、孔部はノブをユーザが操作できる大きさとされている。この上内蓋113の構成を図15に示す。図15に示すように、上内蓋113は弾性を有する金属材料を加工して作成されており、矩形状の平面部113aと、平面部113aの4つの縁から立設するよう平面部113aに対して鈍角で折曲されて形成された4つの側部13bとから構成された箱形状とされている。また、側部13bの上端は、側部13bに対してほぼ直角に外側に折曲された幅の狭いストッパー13cが形成されている。平面部113aにはスイッチ32の配置位置に相当する位置に矩形状の切欠部113dが形成されており、切欠部113dの4隅から斜めに所定長さの切込113eがそれぞれ形成されている。
第2実施例の電子機器ケース2において、第1実施例の電子機器ケース1と同様にしてシャーシ10と第1上仕切り板15からなる収納空間に上内蓋113を挿入し、シャーシ10と第1下仕切り板17からなる収納空間に下内蓋14を挿入し、次いで、シャーシ10の上面を覆う上外蓋111とシャーシ10の下面を覆う下外蓋12とをシャーシ10に固着することにより、第2実施例の電子機器ケース2はシールド構造となる。そして、上内蓋113が上外蓋111により上から押さえ込まれて挿入されていくと、上内蓋113の側部13bが第1上仕切り板15の2方向の内壁面およびシャーシ10の2方向の内壁面に強く密着して内壁にほぼ平行になることから、平面部113aに対して鈍角とされた弾性を有する側部13bの作用により平面部113aの中央部が図9に示すように下方へ弓なりに撓むようになる。これにより、下方へ弓なりに撓んだ平面部113aの下面がスイッチ32の金属製の外郭に確実に接触するようになり、スイッチ32の外郭はアースされるようになる。この場合、切欠部113dの4隅から斜めに所定長さの切込113eがそれぞれ形成されていることから、スイッチ32の全方位に均一に平面部113aの下面が密着するようになる。
スイッチ32の金属製の外郭をアースする理由は次の通りである。図16はスイッチ32の金属製の外郭をアースしない場合のプリント基板121に組まれたブースターにおける利得の周波数特性を示している。この場合、入力端子に入力される測定信号は10MHz〜4GHzとされ入力レベルは−35dBmとされている。図16を参照すると、約2800MHz〜約3224MHzの周波数帯域において波打つような現象が出ていて利得の周波数特性が安定していないことが分かる。これは、スイッチ32の金属製の外郭に電波が誘起して再放射されることから、高域の利得の周波数特性が乱れたものと考えられる。
本発明の第2実施例の電子機器ケース2においてプリント基板121に組まれたブースターにおける利得の周波数特性を図17に示している。第2実施例の電子機器ケース2においては、上記したようにスイッチ32の金属製の外郭は上内蓋113によりアースされている。この場合、入力端子に入力される測定信号は10MHz〜4GHzとされ入力レベルは−35dBmとされている。図17を参照すると、約2800MHz〜約3224MHzの周波数帯域においても利得の周波数特性が安定していることが分かる。これは、スイッチ32の金属製の外郭に誘起された電波がアースされて再放射されないからである。
図18は、第2実施例の電子機器ケース2において、上外蓋111および下外蓋12を外した状態の構成を示す平面図であり、図19は、第2実施例の電子機器ケース2の構成をC−C線で切断したC−C断面図で示す側面図およびその一部拡大図である。
図18および図19には、第2実施例の電子機器ケース2において、寸法の誤差や組み立て上のばらつきでシャーシ10と第1上仕切り板15とにおいて高さの違いが生じ、上内蓋113を挿入した際に上内蓋113が少し傾斜して取り付けられた状態を示している。上内蓋113が少し傾斜して取り付けられると、図19の一部拡大図で示すように、シャーシ10の側部10bの上端面と、挿入された上内蓋113のストッパー13cとの間に間隙が発生するようになるが、上内蓋113の4方向の弾性を有する側部13bは鈍角に立ち上がっているため、挿入された上内蓋113の側部13bはシャーシ10の側部10bの内壁面に確実に密着して接触していることが分かる。また、第1上仕切り板15の上端と挿入された上内蓋113のストッパー13cとの間には間隙が発生しておらず、挿入された上内蓋113の側部13bは第1上仕切り板15の内壁面に確実に密着して接触している。この結果、シャーシ10と第1上仕切り板15とにおいて高さの違いが生じても、シャーシ10および第1上仕切り板15と上内蓋113との間に隙間は生じないようになり、電波の漏洩を防ぐことができる。
また、第2実施例の電子機器ケース2において、寸法の誤差や組み立て上のばらつきでシャーシ10と第1下仕切り板17とにおいて高さの違いが生じ、下内蓋14を挿入した際に下内蓋14が少し傾斜して取り付けられる場合がある。この場合であっても、下内蓋14の4方向の弾性を有する側部14bは鈍角に立ち上がっているため、挿入された下内蓋14の側部14bはシャーシ10の側部10bの内壁面と、第1下仕切り板17の内壁面に確実に接触するようになる。この結果、シャーシ10と第1下仕切り板17とにおいて高さの違いが生じても、隙間は生じないようになり、電波の漏洩を防ぐことができる。
第1上仕切り板15が少し浮いた状態で上内蓋113を挿入した時あるいは第1下仕切り板17が少し浮いた状態で下内蓋14を挿入し、シャーシ10の上面を覆う上外蓋111とシャーシ10の下面を覆う下外蓋12とをシャーシ10に固着した時の漏洩電波電界強度の周波数特性は、図11に示す第1実施例の電子機器ケース1の漏洩電波電界強度の周波数特性と同様となる。すなわち、第1上仕切り板15あるいは第1下仕切り板17が少し浮いた状態で上内蓋113あるいは下内蓋14を挿入した時の不要放射量は、約3200MHz以上において不要放射量がやや増加するものの1000MHz〜3250MHzの周波数帯域において規格値である34dBμ/m以下の電波漏洩量に抑えられる。また、従来の電子機器ケース300における図27に示す寸法のばらつきや組み立て時のばらつきがある場合の漏洩電界強度の周波数特性と比較すると、第1実施例の電子機器ケース1における漏洩電波電界強度の周波数特性では、3000MHz〜3250MHzの周波数帯域において不要放射量が約10〜約26dB程度低減される。
以上説明した本発明の各実施例の電子機器ケースでは、1000MHz〜3250MHzの周波数帯域に高帯域化されても不要放射量を規定値の34dBμV/m以下に抑えることができる。また、本発明の各実施例の電子機器ケースでは、寸法の誤差や組み立て上のばらつきでシャーシと仕切り板とにおいて高さの違いが生じていると、内蓋を挿入した際に内蓋は少し傾斜して取り付けられることになるが、内蓋の4方向の側部は鈍角に立ち上がっており、内蓋は弾性を有していることからシャーシおよび仕切り板の内壁面に必ず密着するようになる。これにより、シャーシと仕切り板とにおいて高さの違いが生じても、隙間は生じないようになり、本発明にかかる電子機器ケースからの電波の漏洩を防ぐことができ、周囲の無線サービスへの影響を少なくすることができる。
さらに、シャーシ内に内蔵される部品をアースさせることにより、周波数帯域が高帯域化されても電子機器ケースに収納された回路において安定した周波数特性を確保することができるようになる。
以上説明した本発明の各実施例の電子機器ケースにおける上内蓋および下内蓋は弾性を有する薄板から作成されており、薄板はニッケルメッキを施したリン青銅、洋白などの金属材料を用いることができる。また、シャーシは半田付けができる金属材料から作成されており、スズメッキ鋼板(ブリキ)やニッケルメッキを施した冷間圧延鋼板や表面処理鋼板を用いることができる。
以上説明した本発明にかかる各実施例の電子機器ケースは、テレビやチューナ等に信号を供給する壁面端子、直列ユニット、分配器、分岐器などの電子機器の電子機器ケースとして使用することができると共に、受信信号を増幅するブースタや、コンバータ、ミキサーなどの回路を収納する電子機器ケースに適用することができる。また、電子機器ケースの形状や構成は一例であって、図示する形状および構成に限られるものではない。
本発明にかかる電子機器ケースは、導電製のシャーシ内を回路ブロック毎に仕切る導電製の仕切り板とシャーシの内壁面とで形成される収納空間の開口を閉塞する導電製の内蓋を備え、内蓋は平面部から鈍角で立設する弾性を有する側部を有し、さらに、シャーシの開口する前面を閉塞する導電製の外蓋とを備えることから、使用する周波数帯域が高域へ拡張されても電磁波の外部への漏洩を防止することができる電子機器ケースとすることができる。
1 電子機器ケース、2 電子機器ケース、10 シャーシ、10b 側部、10c 突条、10d 取付片、10d 突条、11 上外蓋、11a 平面部、11b 側部、11c 係合突条、12 下外蓋、12a 平面部、12b 側部、12c 係合突条、13 上内蓋、13a 平面部、13b 側部、13c ストッパー、14 下内蓋、14a 平面部、14b 側部、14c ストッパー、15 第1上仕切り板、15a ラグ、16 第2上仕切り板、16a ラグ、17 第1下仕切り板、18 第2下仕切り板、20 同軸端子、21 プリント基板、30 取付ネジ、31 取付ネジ、32 スイッチ、111 上外蓋、111a 平面部、113 上内蓋、113a 平面部、113d 切欠部、113e 切込、121 プリント基板、210 放送局、211 放送衛星、212 パラボラアンテナ、213 ブースター、214 分配器、215 壁面端子、216 チューナー、217 モニター、300 電子機器ケース、310 シャーシ、310b 側部、310c 係合孔、310d 係合孔、311 上外蓋、311a 平面部、311b 側部、311c 係合片、312 下外蓋、312a 平面部、312b 側部、312c 係合片、315 仕切り板、320 同軸端子、321 プリント基板

Claims (5)

  1. 上面および下面が開口された所定高さの矩形の枠からなる導電性のシャーシと、
    該シャーシの内部を仕切る導電性の仕切り板と、
    前記シャーシと前記仕切り板とで形成される仕切られた空間の開口を閉塞するよう開口の内壁面に密着して挿入される導電性の内蓋と、
    前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合される外蓋とを備え、
    前記外蓋は、前記内蓋が前記仕切られた空間に挿入された状態において、前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合され
    前記内蓋は弾性材から形成され、平面状とされた内蓋の平面部と、該内蓋の平面部の縁部から鈍角で立設する内蓋の側部と、該内蓋の側部の上端に形成されたストッパーとを有し、前記シャーシと前記仕切り板とで形成される仕切られた空間の開口に挿入された際に、前記内蓋の側部が前記シャーシの内壁と前記仕切り板の内壁とに弾性的に接触して密着すると共に、前記ストッパーが前記シャーシの枠の先端面に対面することを特徴とする電子機器ケース。
  2. 前記シャーシの枠における外壁において、横方向に細長い外側へ突出する突条が形成されており、
    前記外蓋は、平面状とされた外蓋の平面部と、該外蓋の平面部の縁部から立設されて形成された外蓋の側部とを有し、
    前記外蓋が前記シャーシに嵌合された際に、前記突条を乗り越えて係合する係合突条が前記外蓋の側部に形成されていることを特徴とする請求項に記載の電子機器ケース。
  3. 前記シャーシ内に収納されている部品の導電性の外郭に、前記内蓋の平面部が密着することにより、前記外郭が前記シャーシにアースされることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器ケース。
  4. 前記部品はスイッチとされ、スイッチを切り替えるノブが前記外郭から突出して設けられており、前記内蓋の平面部および前記外蓋の平面部に、前記ノブを操作可能に突出させる孔部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の電子機器ケース。
  5. 前記内蓋が前記仕切られた空間に挿入された状態において、前記外蓋が、前記シャーシの開口を閉塞するよう前記シャーシに嵌合された際に、前記内蓋の平面部が前記部品側へ弓なりに撓むことにより、前記部品の外郭に、前記内蓋の平面部が密着されてアースされることを特徴とする請求項または請求項に記載の電子機器ケース。
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