JP6865339B1 - プレストレストコンクリート - Google Patents

プレストレストコンクリート Download PDF

Info

Publication number
JP6865339B1
JP6865339B1 JP2020119702A JP2020119702A JP6865339B1 JP 6865339 B1 JP6865339 B1 JP 6865339B1 JP 2020119702 A JP2020119702 A JP 2020119702A JP 2020119702 A JP2020119702 A JP 2020119702A JP 6865339 B1 JP6865339 B1 JP 6865339B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
prestressed concrete
fiber
expansion material
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020119702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021130299A (ja
Inventor
昌樹 阿波根
昌樹 阿波根
博美 西薗
博美 西薗
修二 多田
修二 多田
仁 細矢
仁 細矢
大樹 深澤
大樹 深澤
俊二 有賀
俊二 有賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HPC OKINAWA CO., LTD.
Original Assignee
HPC OKINAWA CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HPC OKINAWA CO., LTD. filed Critical HPC OKINAWA CO., LTD.
Priority to TW109130539A priority Critical patent/TW202134201A/zh
Priority to AU2020317713A priority patent/AU2020317713A1/en
Priority to US17/629,147 priority patent/US20220267222A1/en
Priority to EP20842993.6A priority patent/EP4005761A4/en
Priority to PCT/JP2020/033724 priority patent/WO2021015299A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6865339B1 publication Critical patent/JP6865339B1/ja
Publication of JP2021130299A publication Critical patent/JP2021130299A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)

Abstract

【課題】 膨張材によるケミカルストレスと連続繊維補強線材による機械的ストレスを同時に併用し、ケミカルストレスと機械的ストレスの相乗効果により強度を高め、軽量化と薄肉化及びひび割れ抑制を実現し、デザインの自由度を高め、一般建築部材として広く使用できるプレストレストコンクリートを提供することを課題とする。【解決手段】 プレストレスを導入したコンクリートにおいて、緊張材による機械的ストレスとコンクリート用膨張材によるケミカルストレスとを同時に導入し、該緊張材は、連続繊維補強線材であり、該コンクリート用膨張材はが5〜30kg/m3であり、膨張材に対して酸化アルミニウムが0.2〜2.0重量%含有することを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。【選択図】 図2

Description

本発明は、コンクリート膨張材によるケミカルストレスと、連続繊維補強線材を用いた機械的ストレスを併用に導入するプレストレストコンクリートに関する。
従来より、機械的特性(圧縮強度、曲げ強度等) に優れるセメント系材料にプレストレスを導入してなるコンクリートの開発が行なわれている。
従来のプレストレストコンクリートにおいて、プレテンション方式の場合は、プレストレスを導入する緊張材として高張力鋼材(PC鋼材)を使用し、PC鋼線や2〜3本撚りPC鋼撚り線をロングライン方式または型枠定着方式によって緊張しながらコンクリートを打設し、養生硬化後にこれらのPC鋼線を切断してプレストレストコンクリートを製造している。
近年、高強度を有するガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などにより一方向に強化した繊維素材によるロッドを利用したプレストレスト緊張材が使用され、防蝕性に勝れたプレストレストコンクリートとして注目されている。
プレストレストコンクリートの高い引張強度やせん断強度を発現する技術として特開2004−155623号が開示されている。
連続繊維強化プラスチック複合材によるプレストレストコンクリート緊張材の技術として、特開2002−326285号が開示されている。
また、通常、コンクリート構造物は、その表面から乾燥が進むため、収縮し、その収縮応力がコンクリートの引張り強度を上回るとひび割れが生じることとなる。
このひび割れを低減するためには、コンクリートに所定のコンクリート混和材料を配合することにより、コンクリートの乾燥収縮量を補償するに足りる膨張量を与えること、あるいは乾燥収縮量を低減することが必要である。そのためのコンクリート混和材料として、膨張材や収縮低減剤が知られている。
このうち、膨張材は水和反応に伴って膨張する材料を含み、水和膨張によりコンクリート構造物の乾燥収縮を防止するものである。
コンクリートの膨張材として、特開2005−162564号が開示されている。これは安価な生石灰を、例えば従来のように他の原料成分を加えてクリンカ焼成物を製造するような煩雑な処理を経ることもなく、且つコストの増加を殆どもたらさずに、モルタルやコンクリート用の膨張材として十分使用できるようにし、モルタルやコンクリートの収縮や外圧に十分対抗できるような安定した膨張力を付与できる膨張材、特に、大量に使用しなくともケミカルプレストレスの導入を可能にした膨張材及びケミカルプレストレスが導入できるコンクリートを提供するとしたものである。
このように、プレストレストコンクリートは、コンクリートの最大の弱点である、圧縮には強いが引張には弱いという問題を克服する目的で開発されたものであり、荷重が作用する前にコンクリート部材に圧縮力がかかった状態(プレストレス)とし、荷重を受けた時にコンクリートに引張応力が発生しないようにする、もしくは引張応力を制御するもので、鉄筋コンクリートに比べ、引張応力によるひび割れを防ぐことができるものである。
特開2004−155623号公報 特開2002−326285号公報 特開2005−162564号公報
上記の従来特許公報に示すように、プレストレストコンクリートは、その強度を高めるために種々の開発が行われている。
従来のプレストレストコンクリートは、その用途として、橋梁、電柱、コンクリートパイル、建設部材や、建築物の梁などによく使用され、主に構造材に用いられている。
また、プレストレストコンクリートは、コンクリートの宿命ともいえる、表面のひび割れを抑制できる効果的な技術である。
しかしながら、上記のように、構造材に用いられているが、一般の建築部材などの非構造材にはほとんど使用されていない。
これは、コンクリートに対する従来のイメージが、重量物であること、コンクリート厚が薄くできない、ひび割れ等の問題が、軽量、切り欠き形状、意匠性を必要とする一般建築部材としての非構造材への適用の大きな障害となっていた。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、膨張材によるケミカルストレスと連続繊維補強線材による機械的ストレスを併用し、ケミカルストレスと機械的ストレスの相乗効果により強度を高め、軽量化と薄肉化及びひび割れ抑制を実現し、デザインの自由度を高め、一般建築部材として広く使用できるプレストレストコンクリートを提供することを課題とする。
本発明は諸課題を解決するために、請求項1では、プレストレスを導入したコンクリートにおいて、
緊張材による機械的ストレスとコンクリート用膨張材によるケミカルストレスとを同時に導入し、該緊張材は、連続繊維補強線材であり、該コンクリート材料におけるコンクリート用膨張材の混合量が5〜30kg/m 3 であり、該コンクリート用膨張材における酸化アルミニウムの含有量が0.2〜2.0重量%であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該緊張材による機械的ストレスとは、各種の連続繊維補強線材を緊張材としてコンクリートにあらかじめ機械的な引張応力を導入できるものであればいずれでもよく、プレテンション方式あるいはポストテンション方式のいずれの方式によるプレストレスの導入方式でも良い。
該コンクリート材料は、プレストレスを導入したコンクリートに使用する原材料であり、主に、セメント、水、骨材、膨張材、減水剤などが使用される。
該コンクリート用膨張材は、コンクリート用として使用されている膨張材であればいずれの膨張材を使用しても良く、全コンクリート材料に対して5〜30kg/m 3 が好ましい。さらに好ましくは、10〜25kg/m 3 であり、さらに好ましくは、15〜25Kg/m 3 である。膨張材が30Kg/m 3 以上の場合には、大幅に強度が低下する可能性が有り、好ましくない。
また、そのコンクリート用膨張材における酸化アルミニウムの含有量が0.2〜2.0重量%であれば良い。好ましくは、0.3〜1.9重量%であり、さらに好ましくは、0.5〜1.8重量%である。酸化アルミニウム含有量が0.2重量%以下では、膨張効果が弱く、ケミカルストレスの相乗効果は期待できない。また、2.0重量%以上となると、コンクリートの急硬性に大きく影響し、十分な強度を発揮する前に硬化してしまい、好ましくない。
本発明においては、機械的ストレスとケミカルストレスとを同時に導入することで、両ストレスによる相乗効果を効果的に発揮させるものである。
機械的ストレスは、引張荷重をかけた緊張材による収縮応力であり、ケミカルストレスは、膨張材によるコンクリートの膨張応力である。これらの緊張材による収縮応力とコンクリートの膨張応力とが相乗効果を発揮し、全体の曲げ応力を高め、金属のような靱性を有するコンクリートを実現するものである。
ここで、上記の相乗効果を効果的に発揮させるためには、緊張材とコンクリートとの付着力が重要となる。付着力が弱いと、相乗効果を十分に発揮させることができない。
膨張材によるコンクリートの膨張時に、緊張材とコンクリートとの付着力が強い状態で膨張することで、相乗効果は高まるが、付着力が弱いと引張荷重のかかった緊張材の収縮応力がコンクリートに作用せず、相乗効果は期待できない。
膨張材の膨張作用は、コンクリートの空隙に膨張材の結晶が緻密に入り込み、膨張させるものであり、これにより、コンクリートが膨張し、緊張材の周囲を強固に締め付けながら、硬化するため、緊張材の応力がコンクリートに効果的に伝わり、全体の曲げ応力を高めることを可能とするものである。
酸化アルミニウムを多く含むセメントとして、アルミナセメントが知られている。このアルミナセメントは、アルミン酸カルシウムを主成分とし、急硬性を有するセメントであり、耐火性や化学抵抗性にも優れるが、水和物の転化により長期強度が不安定になる。緊急工事用、止水材、耐火物等に使用される。
本発明において、アルミナセメントを使用すると、急硬性のために、膨張材による膨張をする前に急速に硬化してしまい、緊張材とコンクリートの付着力が弱いまま、膨張、硬化が完了してしまい、相乗効果は期待できない。急硬性を要する緊急工事用、止水材、耐火物には有効であるが、十分な強度が求められるプレストレストコンクリートには適さない。
適切な硬化速度を実現でき、緊張材とコンクリートの高い付着力を実現する膨張材が必要で有り、適切な酸化アルミニウムの含有量が重要となるものである。
本発明のプレストレストコンクリートは、一般建築用部材などのように、主用構造部材以外に使用されている建築部材、床材、天井材、壁材、仕上げ部材、意匠用部材、家具材、仕切り壁部材、化粧部材、建具用部材、取付部材、などとして有効である。また、金属部材、ガラス部材、硬質樹脂部材、木部材、制振部材や免振部材などの衝撃エネルギー吸収部材等の代替部材などにも使用できる。また、該コンクリートの形状は、限定されるものではなく、たとえば、板状、役物状、中空形状、3次元形状等に使用できる。
請求項2では、該連続繊維補強線材は、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、石材繊維、防錆処理したPC鋼撚線から選ばれた1種又は2種以上の繊維による強化繊維線材であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該連続繊維補強線材とは、線状の連続繊維補強材であり、連続的に線状に成形された強化繊維補強材によるPC緊張材である。連続繊維補強材は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維などをエポキシ樹脂などでバインドしたものの総称である。該石材繊維は、バサルトファイバーなどが使用できる。
該強化繊維補強材は、軽量、高強度、高弾性、耐食性、非電導、非磁性など、鉄筋よりも優れた比物性(引張強度、弾性率)と鉄筋にはない優れた耐食、電磁気的特性とを有しているものである。
線状とは、丸形、矩形、異形(リブ、インデンテッド表面)ロッド、組紐状ロッド、撚り線状ストランド、格子状等、概して線形形状またはその形状単位からの2次元または3次元組立て形状を意味するものである。
請求項3では、該コンクリート用膨張材は、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材、エトリンガイト−石灰複合系膨張材、鉄粉系膨張材、マグネシウム系膨張材、アルミニウム粉末系膨張材、頁岩系膨張材及び珪石系膨張材から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該膨張材は、酸化アルミニウムが0.2〜2.0重量%となるものであれば良く、組み合わせを限定するものではない。該石灰系膨張材は、生石灰等が使用できる。該エトリンガイト系膨張材は、カルシウムサルホアルミネート等が使用できる。
請求項4では、前記の緊張材は、該線材の線径が18mm以下であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該線径は、18.0mm以下であればいずれでも良く、機械的なプレストレスが導入できる引張強度を確保できる線径であれば良い。
好ましくは、5.0mm〜13.5mmが良く、さらに好ましくは、5.0mm〜10.0mmである。
また、線径が18.0mm以上では、コンクリートの被り厚が厚くなり、デザインの自由度を制限するので意匠性の観点からも好ましくない。
請求項5では、前記の緊張材は、該線材1本当たりの引張荷重が300kN以下であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該引張荷重は、300kN以下であればいずれでも良く、プレストレスの導入後、コンクリート表面のひび割れを効果的に抑制でき、曲げ耐力を高めることができる引張荷重が確保できれば良い。
好ましくは、5kN〜200kN、さらに好ましくは、10kN〜150kN、さらに好ましくは、15kN〜80kN程度が良い。
また、引張荷重は、プレストレストコンクリートの板厚により、任意に調整することができる。プレストレストコンクリート板厚が40mm以下であれば、50kN以下でも良い。
請求項6では、コンクリート厚が80mm以下であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
コンクリートの厚さが80mm以下であれば、いずれでも良く、連続繊維補強線材による緊張材を用いることによる最少のカブリ厚さを確保できるコンクリートの厚さであれば良い。
好ましくは、50mm以下、さらに好ましくは、40mm以下が良い。連続繊維補強材では、防錆性があり、錆び等による爆裂がないため、カブリ厚さは10mm以下に抑えることができる。
請求項7では、不連続繊維補強材を用いたことを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該不連続繊維補強材は、不連続状態の繊維補強材であればいずれでも良い。
繊維の寸法は、配合物中におけるこれら繊維の材料分離の防止や硬化後の曲げ強度や靭性の向上の点から、直径0.005〜1.5mm、長さ5〜50mmが適用できる。好ましくは、直径0.1〜1.0mm、長さ5〜30mmが良い。また、炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は10〜200が好ましく、20〜150がより好ましく、さらに好ましくは、30〜100が良い。
配合量は、コンクリートの配合物中の体積百分率で、0.2〜5.0%が適当であり、0.3〜3.0%が好ましく、0.5〜2.0%がより好ましい。この配合量が0.2%未満では構造部材の曲げ強度や靭性を向上させる効果はが低く、好ましくない。一方、この配合量が5.0%を超えると、流動性等を確保するために単位水量が増大するうえ、配合量を増やしても繊維の増強効果が向上しないため、経済的でなく、さらに混練物中にいわゆるファイバーボールを生じ易くなるので、好ましくない。
請求項8では、該不連続繊維補強材は、炭素繊維、ガラス繊維、樹脂繊維、石材繊維から選ばれた1種又は2種以上の繊維による強化繊維材であることを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。石材繊維は、バサルトファイバーなどが使用できる。
請求項9では、顔料を混合したことを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該顔料は、コンクリート原料に配合することができ、コンクリートを着色できるものであればいずれでも良い。
尚、顔料は、所望する色に応じて従来から使用されるものの中から適宜選択し配合することができる。具体的には、ベンガラ、チタン白、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫などの無機系の粉末状顔料が挙げられる。
また、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、鉄酸化物、マグネタイト、マグネシウム鉄酸化物、クロム酸化物、ウルトラマリンブルー、コバルト酸化物、ニッケル又はクロム−アンチモン−チタン酸化物、マンガン−チタン−ルチル、コバルト酸化物、コバルトとアルミニウムの混合酸化物、ルチル混合相顔料、希土類の硫化物、コバルトとニッケル及び亜鉛とのスピンネル、鉄及びクロムをベースとする、銅、亜鉛並びにマンガンとのスピンネル、ビスマス−バナジウム塩並びにブレンド顔料、特にカラーインデックス顔料ではピグメントイエロー184、ピグメントイエロー53、ピグメントイエロー42、ピグメントイエローブラウン24、ピグメントレッド101、ピグメントブルー28、ピグメントブルー36、ピグメントグリーン50、ピグメントグリーン17、ピグメントブラック11、ピグメントブラック33並びにピグメントホワイト6が使用できる。これらの無機顔料の混合物を使用しても良い。
また、有機顔料としては、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、アゾ金属錯塩顔料及び、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、フラバントロン顔料、インダトロン顔料、イソバイオラントロン顔料、ピラントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料及びジケトピロロピロール顔料の様な多環式顔料又はカーボンブラックが使用できる。また、これらの有機顔料の混合物を使用しても良い。なお、これらの有機顔料と無機顔料は、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
尚、顔料は、粉末、かつ、添加量が少量であるために、コンクリ−ト混練物にそのまま添加し、撹拌しても均一に分散しない場合が多い。
そのため、顔料に減水剤と水を用いてスラリ−にして調製することが好ましい。
減水剤を用いるのは、水中における顔料の凝集を防ぎ、分散を良くし、かつ、顔料のコンクリ−ト混練物への分散をし易くするためである。
なお、スラリ−に含まれる減水剤の絶対量は小さいので、着色されたコンクリ−トの強度などの特性に与える影響はほとんどない。
スラリ−に用いる減水剤は、一般的な、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系のセメント用減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤などが挙げられ、これらから適宜選択して使用すれば良く、2以上を併用することもできる。
スラリ−に用いる減水剤としては、コンクリ−ト混練物に配合されたものと同一のものがコンクリ−ト混練物との撹拌も速やかに行われ好ましい。
また、スラリ−の粘性は、顔料の細かさ、減水剤の種類・量、水量などを勘案し適宜に決定する。
請求項10では、軟質型枠を用いて表面に任意の凹凸を形成したことを特徴とするプレストレストコンクリートとするものである。
該軟質型枠は、樹脂やゴムなどの軟質素材を用いた軟質型枠であり、コンクリート表面に任意の凹凸を形成できるものであればいずれでも良い。
軟質素材である樹脂としては、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、短繊維を混練したポリプロピレン、ポリカーボネート、PET、PBT等を用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびこれらを適宜組み合わせた樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
尚、繊維強化材として、通常繊維強化プラスチックスに使用されるガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、バサルトファイバーなどの石材繊維等を用いても良い。
尚、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の樹脂の発泡体から形成されいる、発泡樹脂製型枠でも良い。
軟質素材であるゴムとしては、天然ゴム、合成ゴムなどが使用できる。合成ゴムとしては、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが使用できる。
これらの軟質型枠は、はく離した時にコンクリート表面に凹凸形状が表出するように、あらかじめ、任意の凹凸が形成された板状の弾性型枠であればいずれでも良く、たとえば、任意の形状が表面に表出するように樹脂素材やゴム素材を固化成型したものでも良く、樹脂素材やゴム素材による板体の表面をレーザー加工したしたもの、樹脂素材やゴム素材を用いて3Dプリンターで成形したものなどでも良い。
また、任意の凹凸形状としては、意匠性を高めるデザインであればいずれでも良く、たとえば、擬石模様、木目模様、幾何学図形模様や穴あきパネル、あるいは、文字、写真、著作権許諾によるキャラクター等の形状などを表現したものでも良い。
本発明は以下の効果を奏する。
1)連続繊維補強線材による機械的ストレスとコンクリート用膨張材によるケミカルストレスとを同時に導入し、全コンクリート原料に対して、適切な酸化アルミニウム含有量を有する膨張材を使用することにより、機械的ストレスとケミカルストレスとの効果的な相乗効果を発揮させ、強度を高め、軽量化とひび割れ抑制を実現し、デザインの自由度を高め、主用構造部材以外に使用される一般建築部材に使用できるプレストレストコンクリートを実現できる。
2)連続繊維補強線材を使用することにより、錆びによる爆裂の問題を解消でき、被り厚を最少にすることができ、コンクリート厚を薄くでき、一般建築材としてコンクリートの用途を大きく広げることができる。
3)コンクリート膨張材を併用することにより、機械的プレストレスの影響しにくい部分をケミカルストレスによりカバーすることができる。
4)コンクリートの薄肉化や切り欠き形状が可能となり、デザインの自由度が大きく広がる。
5)機械的ストレスとケミカルストレスの相乗効果により、表面形状の変化や切り欠き部、あるいは、開口部を設けた場合においても強度を高めることができるので、思い切ったデザイン構成を可能とし、よりフレキシブルなプレストレストコンクリート板が実現できる。
6)薄肉化と軽量化、及びひび割れ抑制により、今までコンクリートでは使用不可能であった部材への適用が可能となる。
7)金属部材、ガラス部材、硬質樹脂部材、木部材、制振部材や免振部材などの衝撃エネルギー吸収部材、先行躯体としての型枠材などの代替部材として活用できる。
8)任意の発色を有するプレストレストコンクリートを提供できる。

9)表面に任意の凹凸形状を表現した、よりデザイン性の高いプレストレストコンクリートを実現できる。
従来のプレテンションベッド(製造装置)の説明図である。 本発明によるプレストレスコンクリートにおける緊張材の配置を示す概略図である。 本発明によるプレストレスコンクリートの曲げ試験体の概略図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験状況を示す概略図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の荷重位置を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリートの3種類の穴有り試験体の曲げ試験結果を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリートの3種類の穴無し試験体の曲げ試験結果を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−1のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−2のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−3のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−4のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−5のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体の曲げ試験によるCASE−6のひび割れ時と除荷時の状況を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体(本特許の膨張材)の曲げ試験結果を示す図である。 本発明によるプレストレスコンクリート試験体(市販膨張材:バディロード膨張材)の曲げ試験結果を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
最初に従来のプレテンション方式による機械的なプレストレスの導入方法を図1に示す。
図1は、プレテンションベッド(製造装置)の説明図である。
緊張材としてPC鋼撚線φ26mmを使用し、50トン(490kN)の緊張力を導入する例である。
この従来例では、図1に示すように、ロングライン式でプレテンションベッド(製造装置1)上に長手方向に3体のプレストレストコンクリート部材を同時に製造するものである。
(A)に示すように、反力台間にPC鋼撚線を張り、左側のジャッキで50トン(490kN)の引張荷重で緊張させ、プレストレス力を付加する。
次に(B)に示すように、PC鋼撚線が緊張した状態で格子筋(鉄筋)、型枠組み立てを行い、コンクリートを打設・養生する。
所定のコンクリート強度が得られたら、(C)に示すように、緊張ジャッキを徐々に解放し、PC撚線を切断し、プレストレストコンクリート部材に緊張力を転荷する。
このように、従来のプレストレストコンクリートは製造されている。
この従来例で製造されるのは、構造材用のプレストレストコンクリートである。
本発明においては、主用構造部材以外に使用される一般建築物に使用できる、プレストレストコンクリートである。
機械的なプレストレスの導入方法は、従来例(図1)と同様の方法で行うことができる。
本発明によるプレストレストコンクリートは、新規なコンクリートの組成、緊張材、及び引張荷重により実現するものである。
以下にコンクリートの配合を示す。(単位kg/m3

セメント :543
混和剤:フライアッシュ : 63
混和剤:膨張材 : 20
膨張材中の酸化アルミニウム : 0.24(1.2重量%)
水 :175
細骨材 :783
粗骨材 :810
混和剤:減水剤 : 7.50
水結合材比 :28%
膨張材の混合割合は、上記のとおり、20kg/m 3 である。膨張材中の酸化アルミニウムは、1.2重量%である。
緊張材は、直径12.5mmの炭素繊維強化型高分子(CFRP)材による撚線を使用した。
プレストレストコンクリートのサイズは、3m×2.4m×36mmのものを1体とし、短手方向に500mm間隔で5本の緊張材を配置した。
図2に緊張材の配置図を示す。
プレストレストコンクリート1の厚さTは、36mmであり、φ12.5mmの緊張材2を板厚の中心部に配置した。
緊張材の上面に格子筋3を配置した。カブリ厚は約7mmである。
以上のコンクリート組成において、緊張材を配置し、緊張材1本当たりに18kNの引張荷重を導入した。
約24時間養生後、緊張力を解放した。
プレストレストコンクリート製作後の圧縮強度は60MPa以上であり、強度基準を満たすものであった。
本発明のプレストレストコンクリートの板厚は36mmである。従来の鋼製緊張材(φ12.5mm)を使用したプレストレストコンクリートの場合、板厚は、錆びなどの問題を考慮し、カブリ厚は30mm程度必要であるため、本発明のプレストレストコンクリートよりカブリ厚の差分(30mm−7mm)、すなわち、片側で23mm程度厚くする必要がある。
また、本発明によるプレストレストコンクリートの重量は648kgであった。
従来の鋼製緊張材を用いたプレストレストコンクリートの場合には、板厚はカブリ厚を考慮して82mmとなる。一般的な鉄筋コンクリートの概算重量(1m 3 あたり2.5tonで算出)で算出すると、約1476kgとなり、50%以上の軽量化となった。
ひび割れについては、本発明によるプレストレストコンクリート板の4隅の下部に支点を置き、水平に載置した状態で、中央部に人が1名載り、体重70kgにより30cm程度のジャンプをして衝撃をかけると、ひび割れが発生したが、荷重を取り去ると、プレストレスによる圧着効果により完全にひび割れはふさがり、水漏れテストを行ったが、水漏れは全くなかった。
[曲げ試験例1]
曲げ試験による、機械的ストレスとケミカルストレスの比較試験
連続繊維補強線材による機械的ストレス(以下、MSと略する。)とコンクリート用膨張材によるケミカルストレス(以下、CSと略する。)の条件を変えて、6つの試験体10を用いて、JISA1414による曲げ試験を行った。
コンクリートの組成は、上記の図2の場合と同様とした。
試験体10のサイズは、いずれも長さ(L)2m×幅(W)1m×厚さ(t)38mmとした。図3の(1)に示すように、コンクリート薄肉板であり、φ7.5mmの3本の炭素繊維線材(CFRP)が埋め込まれている。また、炭素繊維線材(CFRP)は、破線で示されており、背筋(SR)は一点破線で示されている。3体は(2)のとおり、穴なしであり、残りの3体は(3)のとおり、中心付近に穴(大)4:φ150mmと穴(小)5:φ75mmの貫通穴が2カ所づつ設けられた試験体である。
6つの試験体のストレス条件は、以下のとおりである。
(CASE−1)MS有り+CS有り:穴無し
(CASE−2)MS有り+CS無し:穴無し
(CASE−3)MS無し+CS有り:穴無し
(CASE−4)MS有り+CS有り:穴有り
(CASE−5)MS有り+CS無し:穴有り
(CASE−6)MS無し+CS有り:穴有り

MS有り:連続繊維補強線材による機械的ストレス荷重有り
MS無し:連続繊維補強線材による機械的ストレス荷重無し
CS有り:膨張材入り
CS無し:膨張材無し

機械的ストレス(MS)条件:連続繊維補強線材:炭素繊維線材:φ7.5mm
連続繊維補強線材は長手方向:3本使用(250mm間隔)(図3参照)
引張荷重:連続繊維補強線材1本当たり20kN

ケミカルストレス(CS)条件:膨張材混合割合:20kg/m3

曲げ試験条件:図4に示す曲げ試験装置で2点集中荷重で行った。
たわみは変位計11で計測した。
スパン(支点間距離:SL):1,000mm(図5参照)
内側荷重点(加力点)間距離(PL):500mm(図5参照)
[試験結果]
図6〜図7は荷重とたわみの関係のグラフを示す図である。
図6はCASE−1〜CASE−3の結果を示す。
穴無しの場合の3タイプ
CASE−1:MS有り+CS有り
CASE−2:MS有り+CS無し
CASE−3:MS無し+CS無し
の比較結果を示す。
図7はCASE−4〜CASE−6の結果を示す。
穴有りの場合の3タイプ
CASE−4:MS有り+CS有り
CASE−5:MS有り+CS無し
CASE−6:MS無し+CS無し
の比較結果を示す。
図8−1〜図8−6は、CASE-1〜CASE-6の曲げ試験によるひび割れ時と除荷時の状況を比較した写真である。
ケミカルストレスのみが導入されたCASE3(図8−3)、CASE6(図8−6)では、破断後の荷重除去時においてもひび割れはそのままであった。
これに対して、機械的ストレスが導入されたCASE1(図8−1)、CASE2(図8−2)、CASE4(図8−4)、CASE5(図8−5)については、破断後の荷重除去時には、ひび割れが元に戻り確認できない状況となっていた。
曲げ試験結果より、
破断荷重 残留たわみ 破断後(無負荷)のひび割れ状況
CASE−1 20.3 0.63 0.05mm以下
CASE−2 19.0 1.05 0.07mm
CASE−3 14.2 2.73 0.40mm以上

CASE−4 14.2 0.82 0.05mm以下
CASE−5 12.6 1.36 0.05mm以下
CASE−6 11.8 2.30 0.40mm以上
となった。
曲げ試験3日後における、ひび割れ部分の水漏れ試験を行った。いずれも水漏れの問題はなかった。
これにより、炭素繊維材による緊張材が埋め込まれていると、外力によりひび割れが発生しても、その荷重が除去されると、復元作用により、ひび割れは解消し、水漏れの心配もなくなることが示された。特にこの緊張材に機械的ストレスが導入されている場合には、残留たわみもほとんどなく、ひび割れを確認できなくなるほど復元した。
上記の試験結果から、機械的ストレスとケミカルストレスの両方が導入されている場合(CASE-1、CASE-4)が最も破断荷重が高く、強度が高いことを示しており、破断後、荷重を除去すると、機械的ストレスにより圧着されてひび割れがほとんど確認できなくなり、水漏れ試験でも全く問題がなかった。
また、機械的ストレスのみの場合(CASE-2、CASE-4)では、破断荷重は、ケミカルストレスのみの場合より高く、機械的ストレスとケミカルストレスの複合ストレスの場合より低かった。また、破断後、荷重を除去すると、ひび割れが機械的ストレスにより圧着されてひび割れがほとんど確認できなくなり、水漏れ試験でも全く問題がなかった。
また、ケミカルストレスのみ場合(CASE-3、CASE-6)では、破断荷重は低く、最も強度が弱いことを示し、破断後のひび割れは少し小さくなるがそのまま残った状態であったが、水漏れ試験では水漏れは確認されなかった。
以上により、機械的ストレスとケミカルストレスの複合ストレスを導入することにより、機械的ストレスト、ケミカルストレスを単独に導入する場合よりも強度が高くなることが判明した。
これは、コンクリートに対して、機械的ストレスによる圧縮作用と、ケミカルストレスによる膨張作用が互いに相乗的に働き、強度を高めたものと思われる。
また、穴無し試験体(CASE−1〜CASE−3)と穴有り試験体の(CASE−4〜CASE−6)との結果より、両グラフ(図6、図7)を比較すると、穴無し試験体(図6)では、破断荷重がCASE−1(MS+CS)とCASE−2(MS)がほぼ同程度に高く、CASE−3(CS)がやや低くなっている。
これに対して穴有り試験体(図7)では、破断荷重がCASE−4(MS+CS)がより高く、CASE−5(MS)とCASE−6(CS)が同程度に低くなっている。
このことは、特に注目すべき結果であり、図6の穴無しの場合には、機械的ストレスの影響が大きく表れており、機械的ストレスが導入されているCASE−1(MS+CS)とCASE−2(MS)は、強度が高く、機械的ストレスが導入されていないCASE−3(CS)は、強度が低くなっているが、図7に示される穴あきのような、一部に切り欠きや切り抜きなどの形状の大きな変化がある場合においては、機械的ストレスだけではなく、ケミカルストレスもその強度に対して大きく影響していることを示しているものである。
従来より、プレストレストコンクリートは、高い強度が要求される主用構造部材として、また、その機械的ストレスにおいては、300kN以上の高い機械的ストレスを導入することが行われており、本発明のように、低い機械的ストレスを導入する場合については、全く検討されておらず、またそのような試験も全く行われていなかった。また、強度を高めることを目的とするケミカルストレスの併用については全く考慮されておらず、併用による影響は無いものと判断されていた。
従来の常識として機械的ストレスを導入した場合には、ケミカルストレスを併用においても、その影響はほとんど発揮されないものと思われていた(ケミカルストレスの主目的は、表面のひび割れ防止効果)が、本試験により、板厚が80mm以内で300kN以下の低い機械的ストレス状態においては、適切なケミカルストレス条件を併用することにより、強度を高めるのに有効であることが確認された。
特に、板体の一部に切り欠きや切り抜きや穴あき、あるいは、表面の凹凸形状を特徴とするデザイン性の高い建築部材の場合には、機械的ストレスとケミカルストレスを併用することが非常に有効であることが確認された。
[曲げ試験例2]
膨張材中の酸化アルミニウム含有量の異なる条件にて、
曲げ試験による、機械的ストレスとケミカルストレスの比較試験
前記の[曲げ試験例1]と同様なサイズの試験体を製作した。
膨張材は以下のように、本特許用膨張材と市販の膨張材を用いた。
前記の[曲げ試験例1]と同様に曲げ試験を行なった。
膨張材1
膨張材:本特許用膨張材(PL)
酸化アルミニウム含有量:1.2重量%
膨張材2
膨張材:市販膨張材:バディロード社(BL)
酸化アルミニウム含有量:15〜25重量%
膨張材の違いによる曲げ試験結果(荷重とたわみの関係のグラフを示す図)を図9−1と図9−2に示す。
図9−1の本特許用膨張材(酸化アルミニウム1.2重量%)のグラフでは、G1(緊張有、膨張材有)がG2(緊張有、膨張材無)より曲げ強度が明らかに高くなっている。本特許用膨張材(酸化アルミニウム1.2重量%)を用いることにより、相乗効果が発揮されていることがわかる。
図9−2の市販膨張材:バディロード社膨張材(酸化アルミニウム15〜25重量%)のグラフでは、G3(緊張有、膨張材有)とG4(緊張有、膨張材無)はほぼ同じ値を示している。市販膨張材:バディロード社膨張材(酸化アルミニウム15〜25重量%)を用いた場合には、相乗効果が現れていない。
以上のことから、コンクリート膨張材中の酸化アルミニウム含有量が1.2重量%の場合には、機械的ストレスとケミカルストレスの相乗効果が発揮され、コンクリート膨張材中の酸化アルミニウム含有量が15〜25重量%の場合には、機械的ストレスとケミカルストレスの相乗効果が発揮されないことがわかる。
以上より、本発明のプレストレストコンクリートは、曲げ強度が高く、薄肉化、軽量化、ひび割れ抑制の著しい効果があり、一般建築部材として、外壁や仕切り壁、床板、家具材などへの活用が可能となり、軽量薄肉板であることによる全く新たなデザイン性、意匠性の可能性を有する、優れたコンクリート板となるものである。
1 プレストレストコンクリート
2 緊張材
3 格子筋
4 穴(大)
5 穴(小)
10 試験体
11 変位計
12 ひび割れ
T コンクリート板厚
L 試験体の長さ
W 試験体の幅
t 試験体の厚さ
CFRP 炭素繊維線材
SR 背筋
SL スパン(支点間距離)
PL 内側荷重点(加力点)間距離

Claims (10)

  1. プレストレスを導入したコンクリートにおいて、
    緊張材による機械的ストレスとコンクリート用膨張材によるケミカルストレスとを同時に導入し、該緊張材は、連続繊維補強線材であり、コンクリート材料におけるコンクリート用膨張材の混合量が5〜30kg/m3であり、該コンクリート用膨張材における酸化アルミニウムの含有量が0.2〜2.0重量%であることを特徴とするプレストレストコンクリート。
  2. 該連続繊維補強線材は、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、石材繊維、防錆処理したPC鋼撚線から選ばれた1種又は2種以上の繊維による強化繊維線材であることを特徴とする請求項1に記載のプレストレストコンクリート。
  3. 該コンクリート用膨張材は、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材、エトリンガイト−石灰複合系膨張材、鉄粉系膨張材、マグネシウム系膨張材、アルミニウム粉末系膨張材、頁岩系膨張材及び珪石系膨張材から選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレストレストコンクリート。
  4. 前記の緊張材は、該線材の線径が18mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
  5. 前記の緊張材は、該線材1本当たりの引張荷重が300kN以下であることを特徴とする請求項1から請求項4でのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
  6. コンクリート厚が80mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
  7. 不連続繊維補強材を用いたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
  8. 該不連続繊維補強材は、炭素繊維、ガラス繊維、樹脂繊維、石材繊維から選ばれた1種又は2種以上の繊維による強化繊維材であることを特徴とする請求項7に記載のプレストレストコンクリート。
  9. 顔料を混合したことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
  10. 軟質型枠を用いて表面に任意の凹凸を形成したことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のプレストレストコンクリート。
JP2020119702A 2019-07-22 2020-07-13 プレストレストコンクリート Active JP6865339B1 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW109130539A TW202134201A (zh) 2020-03-02 2020-09-07 預力混凝土
AU2020317713A AU2020317713A1 (en) 2019-07-22 2020-09-07 Prestressed concrete
US17/629,147 US20220267222A1 (en) 2019-07-22 2020-09-07 Prestressed concrete
EP20842993.6A EP4005761A4 (en) 2019-07-22 2020-09-07 PRESTRESSED CONCRETE
PCT/JP2020/033724 WO2021015299A1 (ja) 2019-07-22 2020-09-07 プレストレストコンクリート

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019134758 2019-07-22
JP2019134758 2019-07-22
JP2020034583 2020-03-02
JP2020034583 2020-03-02

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6865339B1 true JP6865339B1 (ja) 2021-04-28
JP2021130299A JP2021130299A (ja) 2021-09-09

Family

ID=75638848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020119702A Active JP6865339B1 (ja) 2019-07-22 2020-07-13 プレストレストコンクリート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6865339B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021130299A (ja) 2021-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5768197B1 (ja) 非主用構造部材用プレストレストコンクリート
EP3310738B1 (en) Self-prestressed reinforced concrete elements
KR20090127492A (ko) 폴리머 시멘트 콘크리트의 원리를 이용한흙-폴리머-시멘트 콘크리트 조성물
US4346050A (en) Polymer concrete having low binder levels
KR100954144B1 (ko) 경량 고강도 콘크리트
JP6055953B1 (ja) プレストレストコンクリートの製造方法
KR102286554B1 (ko) 슬립과 균열 발생을 억제하기 위한 텍스타일 보강 시멘트 복합체 및 그 제조방법
JP6865339B1 (ja) プレストレストコンクリート
KR101778998B1 (ko) 친환경 특수첨가제를 이용한 다기능 고성능 콘크리트 제조방법 및 이를 이용한 콘크리트 시공방법
WO2021015299A1 (ja) プレストレストコンクリート
GB2525454A (en) Construction material
JP5175165B2 (ja) 水硬性石灰を用いた高強度建材の製造方法
WO2018003190A1 (ja) プレストレストコンクリートの製造方法
KR102626820B1 (ko) 초고강도 숏크리트 조성물 및 이를 이용한 시공방법
TW202134201A (zh) 預力混凝土
Enad et al. Flow ability and Mechanical Properties of Shotcrete concrete incorporated with Waste Plastic Fibers
SK5342001A3 (en) Thin-walled component made from hydraulically hardened cement paste material and method for the production thereof
JP2005226248A (ja) 合成部材
WO2021050528A1 (en) Concrete-based composite material and method of making a structural element therefrom
Mohamadien The impact of the time when casting the second layer of concrete on its mechanical properties
WO2012139587A1 (en) Concrete manufacturing process and panel manufactured by said process, where said panel has a decreasing density away from an exposed dense surface of con-crete or high performance concrete (hpc)
San-José et al. High performance polymer concrete
US20130197116A1 (en) Ultra High Strength Chalk Based Composition
JP4290241B2 (ja) 外構用ブロックの製造方法
JP5930799B2 (ja) コンクリート打継ぎ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200720

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200727

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6865339

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250