以下、本発明の一実施形態であるエアロゾル生成装置の電源ユニットについて説明する。先ず、本実施形態の電源ユニットを備えるエアロゾル生成装置の一例であるエアロゾル吸引器について、図1〜図3を参照しながら説明する。
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味が付加されたエアロゾルを生成し、生成したエアロゾルを吸引するための器具であり、手中におさまるサイズであることが好ましく、略直方体形状を有する。なお、エアロゾル吸引器1は、卵型形状、楕円形状等であってもよい。以下の説明では、略直方体形状のエアロゾル吸引器において、直交する3方向のうち、長さの長い順から、上下方向、前後方向、左右方向と称する。また、以下の説明では、便宜上、図1〜図3に記載したように、前方、後方、左方、右方、上方、下方を定義し、前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
図1〜図3に示すように、エアロゾル吸引器1は、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、を備える。第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、電源ユニット10に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。
(電源ユニット)
電源ユニット10は、図1及び図2に示すように、略直方体形状の電源ユニットケース11の内部(以下、ケース内部とも称する)に、電源12、内部ホルダ13、回路基板60、吸気センサ15等の各種センサ等を収容する。電源12や回路基板60(後述のMCU50、放電端子41、充電端子43等を含む)等がまとめて電源ユニットケース11に収容されることで、ユーザによる持ち運びを容易にし、ユーザの利便性の向上を図れる。
電源ユニットケース11は、左右方向(厚さ方向)に着脱可能な第1ケース11A及び第2ケース11Bから構成され、これら第1ケース11Aと第2ケース11Bとが左右方向(厚さ方向)に組付けられることで、電源ユニット10の前面、後面、左面、右面、下面、が形成される。電源ユニット10の上面は、ディスプレイ16により形成される。
電源ユニット10の上面には、ディスプレイ16の前方にマウスピース17が設けられる。マウスピース17は、吸口17aがディスプレイ16よりもさらに上方に突出する。
電源ユニット10の上面と後面との間には、後方に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面が設けられる。傾斜面には、ユーザが操作可能な操作部18が設けられる。操作部18は、ボタン式のスイッチ、タッチパネル等から構成され、ユーザの使用意思を反映してMCU50及び各種センサを起動/遮断する際等に利用される。
電源ユニット10の下面には、電源12を充電可能な外部電源(図示省略)と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、例えば、相手側となるプラグ(図示省略)を挿入可能なレセプタクルである。充電端子43としては、各種USB端子(プラグ)等を挿入可能なレセプタクルを用いることができる。一例として、本実施形態においては、充電端子43をUSB Type−C形状のレセプタクルとする。これにより、電源ユニット10(すなわちエアロゾル吸引器1)をさまざまな箇所(場所)で充電することを容易にし、電源ユニット10を充電できる機会を担保(確保)することができる。
また、充電端子43は、例えば、受電コイルを備え、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能に構成されてもよい。この場合の電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよいし、電磁誘導型と磁気共鳴型を組み合わせたものでもよい。別の一例として、充電端子43は、各種USB端子等が接続可能であり、且つ上述した受電コイルを有していてもよい。
内部ホルダ13は、電源ユニット10の後面に沿って延びる後壁13rと、ケース内部の前後方向の中央部に設けられ後壁13rと平行に延びる中央壁13cと、ディスプレイ16に沿って延び後壁13rと中央壁13cとを連結する上壁13uと、後壁13r、中央壁13c、及び上壁13uに直交しこれら後壁13r、中央壁13c、及び上壁13uによって区画形成される空間を左側空間と右側空間に分ける隔壁13dと、中央壁13cに連結され中央壁13cの前方且つ電源ユニット10の下面よりも上方に位置するカートリッジ保持部13aと、を備える。
内部ホルダ13の左側空間には、電源12が配置される。電源12は、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源12の電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組合せで構成されていてもよい。
内部ホルダ13の右側空間と、カートリッジ保持部13aと電源ユニット10の下面との間に形成された下側空間とにより形成される空間には、L字状の回路基板60が配置される。回路基板60は、複数層(本実施形態では4層)の基板が積層されて構成され、後述するMCU(Micro Controller Unit)50や充電IC55等の電子部品(素子)が搭載される。
詳細は図5等を用いて後述するが、MCU50は、パフ(吸気)動作を検出する吸気センサ15等の各種センサ装置、操作部18、通知部45、及びパフ動作の回数又は負荷21への通電時間等を記憶するメモリ19等に接続され、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う制御装置(コントローラ)である。具体的には、MCU50は、プロセッサを主体に構成されており、プロセッサの動作に必要なRAM(Random Access Memory)と各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体をさらに含む。本明細書におけるプロセッサとは、例えば、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。なお、図5においてMCU50に接続される要素の一部(例えば、吸気センサ15やメモリ19)は、MCU50内部にMCU50自身の機能として設けられてもよい。
また、充電IC55は、充電端子43から入力される電力による電源12の充電制御を行ったり、電源12の電力を回路基板60の電子部品等に対して供給したりするIC(Integrated Circuit)である。
カートリッジ保持部13aには、第1カートリッジ20を保持する円筒状のカートリッジホルダ14が配置される。
カートリッジ保持部13aの下端部には、回路基板60から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられた放電端子41(図3参照)を受け入れる貫通孔13bが設けられる。放電端子41は、第1カートリッジ20に設けられた負荷21を電気的に接続するコネクタである。また、放電端子41は、負荷21を取外し可能(あるいは取外し容易)に接続するコネクタであり、例えば、ばねが内蔵されたピン等により構成される。なお、放電端子41は、本発明における第2コネクタの一例である。
貫通孔13bは、放電端子41よりも大きく、貫通孔13bと放電端子41との間に形成される隙間を介して第1カートリッジ20の内部に空気が流入するように構成される。
カートリッジホルダ14の外周面14aには、回路基板60と対向する位置にパフ動作を検出する吸気センサ15が設けられている。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォンや圧力センサ等から構成されていてもよい。また、カートリッジホルダ14には、第1カートリッジ20の内部に貯留されるエアロゾル源22の残量を目視可能な上下方向に長い穴部14bが設けられ、電源ユニットケース11に設けられた透光性を有する残量確認窓11wから、第1カートリッジ20の穴部14bを通してユーザが第1カートリッジ20の内部に貯留されるエアロゾル源22の残量を目視できるように構成される。
図3に示すように、カートリッジホルダ14の上端部には、マウスピース17が着脱自在に固定される。マウスピース17には、第2カートリッジ30が着脱自在に固定される。マウスピース17は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部17bと、第1カートリッジ20とカートリッジ収容部17bとを連通させる連通路17cと、を備える。
電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む空気取込口11iが設けられている。空気取込口11iは、例えば、残量確認窓11wに設けられる。
(第1カートリッジ)
第1カートリッジ20は、図3に示すように、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化する電気的な負荷21と、リザーバ23から負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、を備える。
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、又は水等の液体を含む。
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を負荷21へ引き込む液保持部材である。ウィック24は、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミック等によって構成される。
負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、燃焼を伴わずにエアロゾル源22を加熱する発熱素子(すなわちヒータ)であり、例えば所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成される。負荷21は、エアロゾル源22を加熱することで、エアロゾル源22を霧化する。負荷21としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、誘導加熱式のヒータ等を用いることができる。なお、負荷21は、本発明におけるヒータ及び第2負荷の一例である。
エアロゾル流路25は、負荷21の下流側であって、第1カートリッジ20の中心線上に設けられる。
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、マウスピース17に設けられたカートリッジ収容部17bに着脱可能に収容される。
第2カートリッジ30は、負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、又は、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントール等の香料が付与されていてもよい。
エアロゾル吸引器1は、エアロゾル源22と香味源31と負荷21とによって、香味が付加されたエアロゾルを生成する(すなわち発生させる)ことができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、香味が付与されたエアロゾルを発生させるエアロゾル生成源を構成している。
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、図3中、矢印Aで示すように、電源ユニットケース11に設けられた空気取込口11iから流入した空気が、貫通孔13bと放電端子41との間に形成される隙間を介して第1カートリッジ20の負荷21付近を通過する。負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路17cを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を通知する通知部45が設けられている(図5参照)。通知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。また、通知部45は、発光素子、振動素子及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。通知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、消耗品ではない電源ユニット10に設けられることが好ましい。
本実施形態では、通知部45として、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネル46及びバイブレータ47が設けられる。OLEDパネル46が有するOLEDが発光することで、エアロゾル吸引器1に関する各種情報がディスプレイ16を介してユーザに通知される。また、バイブレータ47が振動することで、エアロゾル吸引器1に関する各種情報が電源ユニットケース11を介してユーザに通知される。通知部45は、OLEDパネル46及びバイブレータ47のいずれか一方のみが設けられていてもよく、他の発光素子等が設けられてもよい。また、OLEDパネル46によって通知される情報とバイブレータ47によって通知される情報は、異なっていてもよく、同じでもよい。
(電気回路)
次に、電源ユニット10の電気回路について、図4を参照しながら説明する。
電源ユニット10は、図4に示すように、主要な構成要素として、電源12と、充電端子43と、MCU50と、充電IC55と、保護IC61と、LDOレギュレータ(図4中の“LDO”にて示す)62と、第1DC/DCコンバータ(図4中の“第1DC/DC”にて示す)63と、第2DC/DCコンバータ(図4中の“第2DC/DC”にて示す)64と、ディスプレイドライバ65と、吸気センサ15と、OLEDパネル46と、バイブレータ47と、を備える。
充電端子43は、上述したように相手側となるプラグを挿入可能なレセプタクルであり、挿入されたプラグのピンと電気的に接続される複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、充電端子43は、A1ピン(図4中の“A1”にて示す)、A4ピン(図4中の“A4”にて示す)、A5ピン(図4中の“A5”にて示す)、A6ピン(図4中の“A6”にて示す)、A7ピン(図4中の“A7”にて示す)、A8ピン(図4中の“A8”にて示す)、A9ピン(図4中の“A9”にて示す)、A12ピン(図4中の“A12”にて示す)、B1ピン(図4中の“B1”にて示す)、B4ピン(図4中の“B4”にて示す)、B5ピン(図4中の“B5”にて示す)、B6ピン(図4中の“B6”にて示す)、B7ピン(図4中の“B7”にて示す)、B8ピン(図4中の“B8”にて示す)、B9ピン(図4中の“B9”にて示す)、及びB12ピン(図4中の“B12”にて示す)を備える。
A1ピン、A4ピン、A5ピン、A6ピン、A7ピン、A8ピン、A9ピン及びA12ピンと、B1ピン、B4ピン、B5ピン、B6ピン、B7ピン、B8ピン、B9ピン及びB12ピンとは、充電端子43におけるプラグとの嵌合面の中心を対称点として点対称となるように配置される。これにより、プラグの上下の向きにかかわらず、プラグを充電端子43に挿入することが可能となっており、ユーザの利便性の向上を図っている。
なお、本実施形態においては、充電端子43が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、充電端子43にA8ピン及びB8ピンを設けているが、後述するように、これらのピンは利用されておらず、省略することも可能である。
保護IC61は、充電端子43を介して入力された電圧を必要に応じて所定の電圧に変換して、変換した電圧を出力する機能を有するICである。具体的に説明すると、保護IC61は、入力された電圧を、充電IC55の推奨入力電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれる電圧に変換する。これにより、保護IC61は、充電IC55の推奨入力電圧の最大値を超えるような高電圧が充電端子43を介して入力されたとしても、この高電圧から充電IC55を保護することができる。
一例として、本実施形態において、充電IC55の推奨入力電圧は、最小値が4.35[V]であり、最大値が6.4[V]となっている。このため、保護IC61は、入力された電圧を5.5±0.2[V]に変換し、変換した電圧を充電IC55に対して出力する。これにより、保護IC61は、充電IC55に対して適切な電圧を供給することができる。また、保護IC61は、上述した高電圧が充電端子43を介して入力された場合は、保護IC61の入力端子(図4中、INで記載)と出力端子(図4中、OUTで記載)を接続する回路を開くことで、充電IC55を保護してもよい。なお、保護IC61は、その他にも、電源ユニット10の電気回路を保護するための各種保護機能(例えば過電流検知機能や過電圧検知機能)も有していてもよい。
なお、保護IC61は、充電端子43と充電IC55との間に接続される、すなわち電気的に充電端子43と充電IC55との間に設けられるようにすることが好ましい。保護IC61を充電端子43と充電IC55との間に接続することで、充電IC55を介した電源12の放電を、保護IC61を経由することなく行うことが可能となり、保護IC61を経由することによる電力損失を低減できる。
保護IC61は、保護IC61の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、保護IC61は、INピン(図4中の“IN”にて示す)、VSSピン(図4中の“VSS”にて示す)、GNDピン(図4中の“GND”にて示す)、OUTピン(図4中の“OUT”にて示す)、VBATピン(図4中の“VBAT”にて示す)、及びCEピン(図4中の“CE”にて示す)を備える。
保護IC61において、INピンは、充電端子43から供給される電力が入力されるピンである。VSSピンは、保護IC61が動作するための電力が入力されるピンである。GNDピンは、グランドされるピンである。OUTピンは、充電IC55へ電力を出力するピンである。VBATピンは、保護IC61が電源12の状態を検知するためのピンである。CEピンは、保護IC61による保護機能のオン/オフを切り替えるためのピンである。これらのピンの接続関係については後述する。なお、本実施形態においては、保護IC61が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
充電IC55は、電源12への充電制御を行う機能、及び電源12の電力をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等へ供給する機能を有するICである。例えば、充電IC55は、電源12の電力の供給に際し、そのときの電源12の出力に応じた標準システム電圧をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等に対して出力する。ここで、標準システム電圧は、後述する低圧系システム電圧よりも高く、且つ第1高圧系システム電圧及び第2高圧系システム電圧よりも低い電圧である。標準システム電圧は、例えば、電源12の出力電圧そのものであり、3〜4[V]程度の電圧とすることができる。
また、充電IC55は、充電端子43を介して入力された電力をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等へ供給するパワーパス(Power−Path)機能も有している。
このパワーパス機能を用いれば、電源12の充電中であっても、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等の電源ユニット10のシステムに対して、充電端子43を介して入力された電力を供給することができる。したがって、電源12の充電時にこれら電源ユニット10のシステムを利用するようにした場合に、電源12の負担を軽減(すなわち電源12の劣化を抑制)しながら、これら電源ユニット10のシステムを利用できるようにすることができる。併せて、電源12の充電速度を向上させ、充電時間を短縮することも可能となる。さらに、このパワーパス機能を用いれば、電源12が過放電に至った場合であっても、充電端子43を介して入力された電力を利用して電源ユニット10のシステムの復旧を図ることが可能となる。
充電IC55は、充電IC55の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、充電IC55は、INピン(図4中の“IN”にて示す)、BAT_1ピン(図4中の“BAT_1”にて示す)、BAT_2ピン(図4中の“BAT_2”にて示す)、ISETピン(図4中の“ISET”にて示す)、TSピン(図4中の“TS”にて示す)、OUT_1ピン(図4中の“OUT_1”にて示す)、OUT_2ピン(図4中の“OUT_2”にて示す)、ILIMピン(図4中の“ILIM”にて示す)、及びCHGピン(図4中の“CHG”にて示す)を備える。
なお、本実施形態においては、充電IC55が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、充電IC55にBAT_1ピン及びBAT_2ピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。同様に、本実施形態においては、充電IC55にOUT_1ピン及びOUT_2ピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。
LDOレギュレータ62は、入力された標準システム電圧から低圧系システム電圧を生成して、生成した低圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、低圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも低い電圧であり、例えば、MCU50や吸気センサ15等を動作させるのに適した電圧である。低圧系システム電圧の一例は2.5[V]である。
LDOレギュレータ62は、LDOレギュレータ62の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、LDOレギュレータ62は、INピン(図4中の“IN”にて示す)、GNDピン(図4中の“GND”にて示す)、OUTピン(図4中の“OUT”にて示す)、及びENピン(図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、LDOレギュレータ62が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
MCU50は、入力された低圧系システム電圧を電源として利用して動作し、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。例えば、MCU50は、電源ユニット10の電気回路に設けられた後述のスイッチSW4のオン/オフや第1DC/DCコンバータ63の動作を制御することにより、負荷21の加熱を制御することができる。また、MCU50は、ディスプレイドライバ65の動作を制御することにより、ディスプレイ16の表示を制御することができる。さらに、MCU50は、電源ユニット10の電気回路に設けられた後述のスイッチSW3のオン/オフを制御することにより、バイブレータ47の振動を制御することができる。
MCU50は、MCU50の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、MCU50は、VDDピン(図4中の“VDD”にて示す)、VDD_USBピン(図4中の“VDD_USB”にて示す)、VSSピン(図4中の“VSS”にて示す)、PC1ピン(図4中の“PC1”にて示す)、PA8ピン(図4中の“PA8”にて示す)、PB3ピン(図4中の“PB3”にて示す)、PB15ピン(図4中の“PB15”にて示す)、PB4ピン(図4中の“PB4”にて示す)、PC6ピン(図4中の“PC6”にて示す)、PA0ピン(図4中の“PA0”にて示す)、PC5ピン(図4中の“PC5”にて示す)、PA11ピン(図4中の“PA11”にて示す)、PA12ピン(図4中の“PA12”にて示す)、PC12ピン(図4中の“PC12”にて示す)、PB8ピン(図4中の“PB8”にて示す)、及びPB9ピン(図4中の“PB9”にて示す)を備える。
なお、本実施形態においては、MCU50が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、MCU50にVDDピン及びVDD_USBピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。
吸気センサ15は、上述したようにパフ動作を検出するセンサ装置であり、例えば、後述するように吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を、検出結果として示す信号を出力するように構成されたセンサ装置である。
吸気センサ15は、吸気センサ15の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、吸気センサ15は、VCCピン(図4中の“VCC”にて示す)、GNDピン(図4中の“GND”にて示す)、及びOUTピン(図4中の“OUT”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、吸気センサ15が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
バイブレータ47は、後述する電源ライン60Eに設けられた正極側端子47aと、グランドライン60Nに設けられた負極側端子47bとに接続された状態で設けられ、正極側端子47a及び負極側端子47bを介して入力された電圧に応じて回転軸を回転させるモータ(図示省略)と、モータの回転軸に取り付けられた偏心錘(図示省略)と、を備える。バイブレータ47は、正極側端子47a及び負極側端子47bを介して電圧(例えば低圧系システム電圧)が入力されることによりモータ及び偏心錘が回転し、振動を発生させる。なお、バイブレータ47は、本発明における第1負荷の一例である。
なお、本明細書において「正極側」という用語は、「負極側」よりも高電位側であるという意味である。つまり以降の説明において「正極側」という用語を「高電位側」と読み替えてもよい。また、本明細書において「負極側」という用語は、「正極側」よりも低電位側であるという意味である。つまり以降の説明において「負極側」という用語を「低電位側」と読み替えてもよい。
なお、バイブレータ47は電源ユニット10に備え付けられた状態で設けられており、正極側端子47a及び負極側端子47bは例えば半田によりバイブレータ47の端子と接続される。すなわち、正極側端子47a及び負極側端子47bは、バイブレータ47を取外し不能(あるいは取外し困難)に接続するコネクタとなっている。なお、正極側端子47a及び負極側端子47bは、本発明における第1コネクタの一例である。なお、取外し不能(あるいは取外し困難)とは、電源ユニット10の想定される用途の限りにおいて、取外しが行えないような態様を指すものとする。
第1DC/DCコンバータ63は、入力された標準システム電圧から第1高圧系システム電圧を生成して、生成した第1高圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、第1高圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも高い電圧である。すなわち、第1DC/DCコンバータ63は、入力された標準システム電圧を第1高圧系システム電圧に昇圧して出力する。第1高圧系システム電圧は、例えば、負荷21を加熱するのに適した電圧であり、一例としては4.2[V]である。
第1DC/DCコンバータ63は、第1DC/DCコンバータ63の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、第1DC/DCコンバータ63は、VINピン(図4中の“VIN”にて示す)、SWピン(図4中の“SW”にて示す)、GNDピン(図4中の“GND”にて示す)、VOUTピン(図4中の“VOUT”にて示す)、MODEピン(図4中の“MODE”にて示す)、及びENピン(図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、第1DC/DCコンバータ63が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
第2DC/DCコンバータ64は、入力された標準システム電圧から第2高圧系システム電圧を生成して、生成した第2高圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、第2高圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも高い電圧である。すなわち、第2DC/DCコンバータ64は、入力された標準システム電圧を第2高圧系システム電圧に昇圧して出力する。また、第2高圧系システム電圧は、第1高圧系システム電圧よりもさらに高い電圧であり、例えば、OLEDパネル46を動作させるのに適した電圧である。第2高圧系システム電圧の一例は15[V]である。
第2DC/DCコンバータ64は、第2DC/DCコンバータ64の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、第2DC/DCコンバータ64は、VINピン(図4中の“VIN”にて示す)、SWピン(図4中の“SW”にて示す)、GNDピン(図4中の“GND”にて示す)、VOUTピン(図4中の“VOUT”にて示す)、及びENピン(図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、第2DC/DCコンバータ64が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
ディスプレイドライバ65は、入力された低圧系システム電圧を電源として利用して動作し、OLEDパネル46を制御するとともにOLEDパネル46に対して第2高圧系システム電圧を供給して、ディスプレイ16の表示を制御する機能を有するICである。
ディスプレイドライバ65は、ディスプレイドライバ65の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、ディスプレイドライバ65は、VDDピン(図4中の“VDD”にて示す)、VSSピン(図4中の“VSS”にて示す)、VCC_Cピン(図4中の“VCC_C”にて示す)、SDAピン(図4中の“SDA”にて示す)、SCLピン(図4中の“SCL”にて示す)、及びIXSピン(図4中の“IXS”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、ディスプレイドライバ65が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
上述した電源ユニット10の各構成要素は、電源ユニット10の回路基板60に設けられた導線等により電気的に接続される。以下、電源ユニット10の各構成要素の電気的な接続について詳細に説明する。
充電端子43のA1ピン、A12ピン、B1ピン及びB12ピンはグランドピンである。A1ピン及びB12ピンは並列に接続され、これらはグランドライン60Nによってグランドされる。同様に、A12ピン及びB1ピンも並列に接続され、これらはグランドライン60Nによってグランドされる。なお、図4においては、グランドライン60N(すなわち電位が略0[V]のライン)を太実線により示している。
充電端子43のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンは、充電端子43に挿入された外部電源のプラグから、電源ユニット10への電力の入力を受け付けるピンである。例えば、充電端子43にプラグが挿入されると、挿入されたプラグから、A4ピン及びB9ピンあるいはA9ピン及びB4ピンを介して、所定のUSBバスパワーが電源ユニット10に供給されるようになっている。また、充電端子43に挿入された外部電源のプラグから電源ユニット10に対して、USB PD(USB Power Delivery)に応じた電力が供給されてもよい。
具体的に説明すると、A4ピン及びB9ピンは並列に接続され、これらは電源ライン60Aを介して保護IC61のINピンに接続される。保護IC61のINピンは、保護IC61における正極側の電源ピンである。また、A9ピン及びB4ピンも並列に接続され、これらは電源ライン60Aを介して保護IC61のINピンに接続される。
また、電源ライン60Aは、バリスタ(Variable Resistor:非直線性抵抗素子)VR1を介してグランドライン60Nと接続される。ここで、バリスタは、2つの端子(電極)を有し、これら端子間の電圧が所定のバリスタ電圧(一例として、本実施形態の場合、27[V])よりも低い場合には相対的に高い電気抵抗値を持ち、これら端子間の電圧がバリスタ電圧以上に高くなった場合にはその電気抵抗値が急激に低くなる性質を持つ素子である。
具体的に説明すると、バリスタVR1は、一端が電源ライン60Aに設けられたノードN11に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN11は、電源ライン60Aにおいて、A4ピン及びB9ピンと接続されるノード及びA9ピン及びB4ピンと接続されるノードよりも保護IC61側に設けられる。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによってA4ピン、A9ピン、B4ピンあるいはB9ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR1を介してグランドライン60Nに逃がして保護IC61を保護することができる。
また、電源ライン60Aは、デカップリングコンデンサ(バイパスコンデンサ、平滑コンデンサともいう)として機能するコンデンサCD1を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Aを介して保護IC61に入力される電圧の安定化を図ることができる。具体的に説明すると、コンデンサCD1は、一端が電源ライン60Aに設けられたノードN12に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN12は、電源ライン60Aにおいて、ノードN11よりも保護IC61側に設けられる。したがって、A4ピン、A9ピン、B4ピンあるいはB9ピンに静電気が発生しても、バリスタVR1により、この静電気からコンデンサCD1を保護することができる。つまり、電源ライン60Aにおいて、ノードN12をノードN11よりも保護IC61側に設けることで、保護IC61の過電圧からの保護と、保護IC61の安定した動作の両立を図ることができる。
充電端子43のA6ピン、A7ピン、B6ピン及びB7ピンは、電源ユニット10と外部機器とが通信する信号の入出力に用いられるピンである。本実施形態において、電源ユニット10と外部機器との通信には、Dp(D+ともいう)とDn(D−ともいう)との2つの信号線により差動で信号を伝送するシリアル通信が用いられる。
A6ピン及びB6ピンはDp側の信号線に対応するピンである。A6ピン及びB6ピンは並列に接続され、これらは抵抗器R1を介してMCU50のPA12ピンに接続される。抵抗器R1は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。また、MCU50のPA12ピンは、MCU50における信号の入出力に用いられるピンである。したがって、A6ピンあるいはB6ピンを介して、外部機器からのDp側の信号をMCU50に入力することができる。また、A6ピンあるいはB6ピンを介して、MCU50からのDp側の信号を外部機器に出力することができる。
A6ピン及びB6ピンは、バリスタVR2を介してグランドライン60Nとも接続される。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによりA6ピンやB6ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR2を介してグランドライン60Nに逃がしてMCU50を保護することができる。さらに、A6ピン及びB6ピンとMCU50との間に抵抗器R1が設けられているので、この抵抗器R1によってもMCU50へ高電圧が入力されることを抑制することができ、MCU50を保護することができる。
A7ピン及びB7ピンはDn側の信号線に対応するピンである。A7ピン及びB7ピンは並列に接続され、これらは抵抗器R2を介してMCU50のPA11ピンに接続される。抵抗器R2は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。また、MCU50のPA11ピンは、MCU50における信号の入出力に用いられるピンである。したがって、A7ピンあるいはB7ピンを介して、外部機器からのDn側の信号をMCU50に入力することができる。また、A7ピンあるいはB7ピンを介して、MCU50からのDn側の信号を外部機器に出力することができる。
A7ピン及びB7ピンは、バリスタVR3を介してグランドライン60Nとも接続される。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによりA7ピンやB7ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR3を介してグランドライン60Nに逃がしてMCU50を保護することができる。さらに、A7ピン及びB7ピンとMCU50との間に抵抗器R2が設けられているので、この抵抗器R2によってもMCU50へ高電圧が入力されることを抑制することができ、MCU50を保護することができる。
充電端子43のA5ピン及びB5ピンは、充電端子43に挿入されたプラグの上下の向きを検出するために利用されるピンである。例えば、A5ピンは第1のCC(コンフィギュレーションチャンネル)信号(CC1信号)の信号線に対応するピンであり、B5ピンは第2のCC信号(CC2信号)の信号線に対応するピンである。A5ピンは抵抗器R3を介してグランドライン60Nに接続され、B5ピンは抵抗器R4を介してグランドライン60Nに接続される。
充電端子43のA8ピン及びB8ピンは、電源ユニット10の電気回路と接続されていない。したがって、A8ピン及びB8ピンは利用されておらず、省略することも可能である。
保護IC61のINピンは、上述したように、保護IC61における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Aに接続される。保護IC61のVSSピンは、保護IC61における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。また、保護IC61のGNDピンは、保護IC61におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、外部電源のプラグが充電端子43に挿入されると、電源ライン60Aを介して、保護IC61に電力(例えばUSBバスパワー)が供給される。
保護IC61のOUTピンは、保護IC61のINピンに入力された電圧がそのまま又は保護IC61によって変換された電圧(例えば5.5±0.2[V])が出力されるピンであり、電源ライン60Bを介して、充電IC55のINピンに接続される。充電IC55のINピンは、充電IC55における正極側の電源ピンである。これにより、充電IC55には、保護IC61によって変換された適切な電圧が供給される。
また、電源ライン60Bは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD2を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Bを介して充電IC55に入力される電圧の安定化を図ることができる。
保護IC61のVBATピンは、保護IC61による電源12の接続の有無の検出に用いられるピンであり、抵抗器R5を介して、電源12の正極側端子12aに接続される。抵抗器R5は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。保護IC61は、VBATピンに入力される電圧に基づいて電源12が接続されていることを検出することができる。
保護IC61のCEピンは、保護IC61の動作(各種機能)をオン/オフするためのピンである。具体的に説明すると、保護IC61は、CEピンにローレベルの電圧が入力されている場合に動作し、CEピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作を停止する。本実施形態において、保護IC61のCEピンは、グランドライン60Nに接続されており、ローレベルの電圧が常時入力されるようになっている。したがって、保護IC61は、電源の供給中には常時動作し、所定の電圧への変換や過電流検知や過電圧検知等を行うようになっている。
なお、本実施形態における保護IC61に代えて、CEピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作し、CEピンにローレベルの電圧が入力されている場合に動作を停止する保護ICを用いてもよい。ただし、このようにした場合は、この保護ICのCEピンを、グランドライン60Nではなく、電源ライン60Bや電源ライン60Aに接続しなければならない点に留意されたい。
充電IC55のINピンは、上述したように、充電IC55における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Bに接続される。また、充電IC55は、例えば、不図示の負極側の電源ピンにより、グランドライン60Nに接続される。これらにより、充電IC55には、電源ライン60Bを介して、保護IC61から出力された電圧が供給される。
充電IC55のBAT_1ピン及びBAT_2ピンは、充電IC55と電源12との間の電力の授受に用いられるピンであり、電源ライン60Cを介して、電源12の正極側端子12aに接続される。なお、電源12の負極側端子12bは、グランドライン60Nに接続されている。
具体的に説明すると、BAT_1ピン及びBAT_2ピンは並列に接続され、これらは正極側端子12aに接続されるとともにコンデンサCD3を介してグランドライン60Nに接続される。電源12の放電時には、コンデンサCD3に電荷が溜まって電源12から出力された電圧がBAT_1ピン及びBAT_2ピンに入力されるようになっている。また、電源12の充電時には、電源12を充電するための電圧がBAT_1ピン及びBAT_2ピンから出力され、電源ライン60Cを介して、電源12の正極側端子12aに印加されるようになっている。
また、電源ライン60Cは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD4を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Cを介して電源12に入力される電圧の安定化を図ることができる。
充電IC55のISETピンは、充電IC55から電源12に対して出力される電流値を設定するためのピンである。本実施形態において、ISETピンは、抵抗器R6を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R6は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。
充電IC55は、ISETピンに接続された抵抗器R6の電気抵抗値に応じた電流値を持つ電流を電源12に対して出力する。
充電IC55のTSピンは、ここに接続された抵抗器に印加された電圧値が入力され、この電圧値からTSピンに接続された抵抗器の電気抵抗値や温度の検出に用いられるピンである。本実施形態において、TSピンは、抵抗器R7を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R7は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。したがって、充電IC55は、抵抗器R7に印加された電圧値から、抵抗器R7の電気抵抗値や温度を検出することができる。
充電IC55のCHGピンは、充電中、充電停止中、及び充電完了等、電源12の充電状態に関する情報(以下、充電状態情報ともいう)や、電源12の残容量に関する情報(以下、残容量情報ともいう)が出力されるピンである。充電IC55のCHGピンは、MCU50のPB15ピンに接続される。MCU50のPB15ピンは、MCU50における信号の入力に用いられるピンである。したがって、充電IC55は、CHGピンからMCU50に対して充電状態情報や残容量情報を出力することで、電源12の充電状態や残容量等をMCU50に通知することができる。
充電IC55のOUT_1ピン及びOUT_2ピンは、標準システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Dを介して、LDOレギュレータ62のINピン、第1DC/DCコンバータ63のVINピン、及び第2DC/DCコンバータ64のVINピンに接続される。LDOレギュレータ62のINピンは、LDOレギュレータ62における正極側の電源ピンである。また、第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、第1DC/DCコンバータ63における正極側の電源ピンである。そして、第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、第2DC/DCコンバータ64における正極側の電源ピンである。
具体的に説明すると、OUT_1ピンは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD5を介してグランドライン60Nに接続されるとともにOUT_2ピンに接続される。そして、OUT_1ピン及びOUT_2ピンは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD6を介してグランドライン60Nに接続されるとともに、LDOレギュレータ62のINピン、第1DC/DCコンバータ63のVINピン、及び第2DC/DCコンバータ64のVINピンに接続される。これらにより、充電IC55は、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、及び第2DC/DCコンバータ64に対して安定した標準システム電圧を供給することができる。
さらに、本実施形態においては、電源ライン60Dにおける第1DC/DCコンバータ63の直前にも、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD7を設けている。これにより、第1DC/DCコンバータ63に対して安定した標準システム電圧を供給することができ、第1DC/DCコンバータ63から負荷21への電力供給の安定化を図ることができる。
充電IC55のILIMピンは、充電IC55からLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力される電流値の上限を設定するためのピンである。本実施形態において、ILIMピンは、抵抗器R7を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R7は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。
充電IC55は、ILIMピンに接続された抵抗器R7の電気抵抗値に応じた電流値を上限とした電流を、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力する。より詳述すると、充電IC55は、ISETピンに接続された抵抗器R6の電気抵抗値に応じた電流値を持つ電流をOUT_1ピン及びOUT_2ピンから出力しつつも、この電流値がILIMピンに接続された抵抗器R7の電気抵抗値に応じた電流値に達するならば、OUT_1ピン及びOUT_2ピンからの電流の出力を停止する。すなわち、エアロゾル吸引器1の製造者は、ILIMピンに接続する抵抗器R7の電気抵抗値によって、充電IC55からLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力される電流の上限値を設定することができる。
また、電源ライン60Dから分岐して、LED回路C1が設けられる。LED回路C1は、抵抗器R8と、LED70と、スイッチSW1と、を直列接続して構成される。ここで、抵抗器R8は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。抵抗器R8は、主に、LED70に印加される電圧、及び/又はLED70に供給される電流を制限するために用いられる。LED70は、電源ユニット10の内側において残量確認窓11wに対応する位置に設けられ、電源ユニット10の内側から残量確認窓11wを介して電源ユニット10の外側を照らすように構成された発光部である。LED70が発光することで、残量確認窓11wを介した第1カートリッジ20の残量(具体的には第1カートリッジ20に貯留されるエアロゾル源22の残量)の視認性が向上する。スイッチSW1は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。
LED回路C1の抵抗器R8側の一端、すなわち抵抗器R8の一端は、電源ライン60Dに設けられたノードN21に接続される。抵抗器R8の他端は、コネクタ70aを構成し、LED70のアノード側の端子へ接続される。スイッチSW1の一端は、コネクタ70bを構成し、LED70のカソード側の端子へ接続される。LED回路C1のスイッチSW1側の他端、すなわちスイッチSW1の他端は、グランドライン60Nに接続される。なお、LED70は、本発明における第3負荷の一例であり、コネクタ70aとコネクタ70bは、本発明における第3コネクタの一例である。
また、スイッチSW1は、後述するようにMCU50とも接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。LED回路C1は、スイッチSW1がオンとなることにより導通状態となる。そして、LED70は、LED回路C1が導通状態となることにより発光する。
LDOレギュレータ62のINピンは、上述したように、LDOレギュレータ62における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。LDOレギュレータ62のGNDピンは、LDOレギュレータ62におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、LDOレギュレータ62には、電源ライン60Dを介して、充電IC55から出力された標準システム電圧が供給される。
LDOレギュレータ62のOUTピンは、LDOレギュレータ62によって生成された低圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Eを介して、MCU50のVDDピン及びVDD_USBピン、吸気センサ15のVCCピン、ディスプレイドライバ65のVDDピン及びIXSピン、及びバイブレータ47へ接続される正極側端子47aに接続される。MCU50のVDDピン及びVDD_USBピンは、MCU50における正極側の電源ピンである。また、吸気センサ15のVCCピンは、吸気センサ15における正極側の電源ピンである。そして、ディスプレイドライバ65のVDDピンは、ディスプレイドライバ65における正極側の電源ピンである。これらにより、LDOレギュレータ62は、MCU50、吸気センサ15、ディスプレイドライバ65、及びバイブレータ47に対して低圧系システム電圧を供給することができる。
LDOレギュレータ62のENピンは、LDOレギュレータ62の動作(機能)をオン/オフするためのピンである。具体的に説明すると、LDOレギュレータ62は、ENピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作し、ENピンにハイレベルの電圧が入力されていない場合に動作を停止する。
本実施形態において、LDOレギュレータ62のENピンは、電源ライン60Dに接続されるとともに、コンデンサCD8を介してグランドライン60Nに接続されている。したがって、充電IC55から標準システム電圧が出力されると、コンデンサCD8に電荷が溜まってLDOレギュレータ62のENピンにハイレベルの電圧が入力され、LDOレギュレータ62が動作し、LDOレギュレータ62から低圧系システム電圧が出力されるようになっている。
すなわち、電源ユニット10では、LDOレギュレータ62のENピンに接続されるコンデンサCD8を充電IC55からの電力により充電して、LDOレギュレータ62のENピンにハイレベル信号を入力することができる。これにより、電源12の電力不足によりLDOレギュレータ62やMCU50が停止状態となった場合でも、外部電源からの電力によりLDOレギュレータ62を再起動させ、LDOレギュレータ62からの電力によりMCU50を再起動させることも可能となる。
MCU50のVDDピン及びVDD_USBピンは、上述したように、MCU50における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。MCU50のVSSピンは、MCU50における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、MCU50には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。なお、VDDピン及びVDD_USBピンをまとめて1つのピンとしてもよい。
また、電源ライン60Eから分岐して、サーミスタ回路C2が設けられる。サーミスタ回路C2は、スイッチSW2と、抵抗器R9と、サーミスタTHと、を直列接続して構成される。サーミスタ回路C2のスイッチSW2側の一端は、電源ライン60Eに設けられたノードN31に接続される。また、サーミスタ回路C2のサーミスタTH側の他端は、グランドライン60Nに接続される。
ここで、スイッチSW2は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。スイッチSW2は、後述するようにMCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。サーミスタ回路C2は、スイッチSW2がオンとなることにより導通状態となる。
抵抗器R9は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。サーミスタTHは、NTC(Negative Temperature Coefficient:負の抵抗温度係数)特性あるいはPTC(Positive Temperature Coefficient:正の抵抗温度係数)特性を有する素子、すなわち、電気抵抗値と温度とに相関を持つ素子等を備えて構成される。サーミスタTHは、電源12の温度を検出可能な状態で電源12の近傍に配置される。
MCU50のPC1ピンは、サーミスタ回路C2において抵抗器R9とサーミスタTHとの間に設けられたノードN32に接続される。PC1ピンには、サーミスタ回路C2が導通状態である場合(すなわちスイッチSW2がオンである場合)に、抵抗器R9とサーミスタTHとより分圧された電圧が入力される。MCU50は、PC1ピンに入力された電圧値からサーミスタTHの温度、すなわち電源12の温度を検出することができる。
MCU50のPA8ピンは、スイッチSW2に接続され、スイッチSW2をオンにするオン指令やスイッチSW2をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PA8ピンからオン指令を出力することで、スイッチSW2をオンにしてサーミスタ回路C2を導通状態とすることができる。また、MCU50は、PA8ピンからオフ指令を出力することで、スイッチSW2をオフにしてサーミスタ回路C2を非導通状態とすることができる。具体的な一例として、スイッチSW2がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPA8ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPA8ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW2のオン/オフを制御することができる。
また、電源ライン60Eにおいて、正極側端子47aの手前にはスイッチSW3が設けられる。ここで、スイッチSW3は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。スイッチSW3は、MCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。
具体的に説明すると、MCU50のPC6ピンは、スイッチSW3に接続され、スイッチSW3をオンにするオン指令やスイッチSW3をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PC6ピンからオン指令を出力することで、スイッチSW3をオンにして電源ライン60Eによりバイブレータ47へ電力を供給し、バイブレータ47を振動させることができる。また、MCU50は、PC6ピンからオフ指令を出力することで、スイッチSW3をオフにして、電源ライン60Eによるバイブレータ47への電力の供給(すなわちバイブレータ47の振動)を停止させることができる。具体的な一例として、スイッチSW3がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPC6ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPC6ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW3のオン/オフを制御することができる。
また、電源ライン60Eには、ツェナーダイオードDが接続される。ここで、ツェナーダイオードは、アノード側とカソード側の2つの端子(電極)を有し、アノード側の端子の電圧が所定のツェナー電圧(降伏電圧ともいう。一例として、本実施形態の場合、上述したバリスタ電圧未満の電圧)を上回ると、カソード側からアノード側へ急激に電流が流れるようになるダイオードである。
具体的に説明すると、ツェナーダイオードDは、アノード側の一端がグランドライン60Nに接続され、カソード側の他端が電源ライン60Eに設けられたノードN41に接続される。ここで、ノードN41は、電源ライン60EにおいてスイッチSW3と正極側端子47aとの間に設けられる。これにより、バイブレータ47のオン/オフ時にツェナーダイオードDのツェナー電圧よりも大きな電圧を有する逆起電力がバイブレータ47から発生したとしても、図4中の符号C3の矢印に示すように、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路にこの逆起電力による電流を流すことができる。したがって、この逆起電力による電流が、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路外へ流れることを抑制して、この閉回路外に設けられた電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。
さらに、コンデンサCD9を電源ライン60Eに接続するようにしてもよい。具体的に説明すると、この場合、コンデンサCD9は、一端が電源ライン60Eに設けられたノードN42に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN42は、電源ライン60EにおいてノードN41よりも正極側端子47a側に設けられる。このようにすれば、上述したバイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路内にコンデンサCD9を配置することができ、コンデンサCD9によっても、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路外に設けられた電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。なお、コンデンサCD9を上述した閉回路内に設けずに、閉回路の近傍に設けてもよい。具体的な一例として、コンデンサCD9をスイッチSW3とツェナーダイオードDの間に設けてもよい。このようにしても、コンデンサCD9とツェナーダイオードDにより、電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。
MCU50のPB3ピンは、第1DC/DCコンバータ63のENピンに接続され、所定の電圧信号が出力されるピンである。MCU50は、PB3ピンから出力する電圧信号によって、第1DC/DCコンバータ63の動作をオン/オフすることができる。具体的に説明すると、MCU50は、PB3ピンからハイレベルの電圧信号を出力することにより、第1DC/DCコンバータ63を動作させること(すなわち第1DC/DCコンバータ63を有効化すること)ができる。また、MCU50は、PB3ピンからローレベルの電圧信号を出力することにより、第1DC/DCコンバータ63の動作を停止させること(すなわち第1DC/DCコンバータ63を無効化すること)ができる。
MCU50のPB4ピンは、第1DC/DCコンバータ63と放電端子41との間に設けられる後述のスイッチSW4に接続され、スイッチSW4をオンにするオン指令やスイッチSW4をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PB4ピンからオン指令を出力してスイッチSW4をオンにすることで、後述するように負荷21への電力の供給を行わせることができる。また、MCU50は、PB4ピンからオフ指令を出力してスイッチSW4をオフにすることで、負荷21への電力の供給を停止させることができる。具体的な一例として、スイッチSW4がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPB4ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPB4ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW4のオン/オフを制御することができる。
MCU50のPB15ピンは、上述したように、充電IC55のCHGピンと接続され、充電IC55によって出力された充電状態情報や残容量情報の入力を受け付けるピンである。
MCU50のPA0ピンは、LED回路C1のスイッチSW1に接続され、スイッチSW1をオンにするオン指令やスイッチSW1をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PA0ピンからオン指令を出力してスイッチSW1をオンにすることで、LED回路C1を導通状態にしてLED70を発光(点灯)させることができる。また、MCU50は、PA0ピンからオフ指令を出力してスイッチSW1をオフにすることで、LED回路C1を非導通状態にしてLED70を消灯させることができる。具体的な一例として、スイッチSW1がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPA0ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPA0ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW1のオン/オフを制御することができる。また、MCU50は、PA0ピンからオン指令とオフ指令とを高速で切り替えながら出力することで、LED回路C1の導通状態と非導通状態とを高速で切り替えて、LED70を点滅させることができる。
MCU50のPC5ピンは、吸気センサ15のOUTピンに接続され、吸気センサ15の出力(すなわち吸気センサ15の検出結果を示す信号)を受け付けるピンである。
MCU50のPA11ピン及びPA12ピンは、電源ユニット10と外部機器とが通信する信号の入出力に用いられるピンである。具体的に説明すると、PA11ピンは、上述したように、抵抗器R2を介して充電端子43のA7ピン及びB7ピンに接続され、Dn側の信号の入出力に用いられる。また、PA12ピンは、上述したように、抵抗器R1を介して充電端子43のA6ピン及びB6ピンに接続され、Dp側の信号の入出力に用いられる。
MCU50のPC12ピンは、第2DC/DCコンバータ64のENピンに接続され、所定の電圧信号が出力されるピンである。MCU50は、PC12ピンから出力する電圧信号によって、第2DC/DCコンバータ64の動作をオン/オフすることができる。具体的に説明すると、MCU50は、PC12ピンからハイレベルの電圧信号を出力することにより、第2DC/DCコンバータ64を動作させること(すなわち第2DC/DCコンバータ64を有効化すること)ができる。また、MCU50は、PC12ピンからローレベルの電圧信号を出力することにより、第2DC/DCコンバータ64の動作を停止させること(すなわち第2DC/DCコンバータ64を無効化すること)ができる。
MCU50のPB8ピン及びPB9ピンは、MCU50と他のICとが通信する信号の出力に用いられるピンであり、本実施形態においてはMCU50とディスプレイドライバ65との通信に用いられる。具体的に説明すると、本実施形態において、MCU50とディスプレイドライバ65とはI2C(Inter−Integrated Circuit)通信を行う。PB8ピンはI2C通信におけるSCL側の信号の出力に用いられ、PB9ピンはI2C通信におけるSDA側の信号の出力に用いられる。MCU50は、PB8ピン及びPB9ピンから出力する信号によりディスプレイドライバ65を制御して、ディスプレイ16(OLEDパネル46)の表示内容を制御することができる。
吸気センサ15のVCCピンは、上述したように、吸気センサ15における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。吸気センサ15のGNDピンは、吸気センサ15におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、吸気センサ15には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。
吸気センサ15のOUTピンは、上述したように、吸気センサ15の検出結果を示す信号が出力されるピンであり、MCU50のPC5ピンに接続される。これにより、吸気センサ15は、MCU50に対して検出結果を通知することができる。
第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、上述したように、第1DC/DCコンバータ63における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。また、第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、コイルCL1を介して、第1DC/DCコンバータ63のSWピン(スイッチピン)とも接続される。第1DC/DCコンバータ63のGNDピンは、第1DC/DCコンバータ63におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。
第1DC/DCコンバータ63のVOUTピンは、第1DC/DCコンバータ63によって生成された第1高圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Fを介して、放電端子41のうちの正極側放電端子41aに接続される。なお、放電端子41のうちの負極側放電端子41bはグランドライン60Nに接続されている。
電源ライン60Fには、スイッチSW4が設けられる。スイッチSW4は、例えば、MOSFET等により構成されたスイッチであり、より具体的にはスイッチング速度が高速なパワーMOSFETである。スイッチSW4は、上述したようにMCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSW4がオンとなることにより電源ライン60Fは導通状態となり、電源ライン60Fを介して、第1高圧系システム電圧が負荷21に供給される。
また、電源ライン60Fには、バリスタVR4が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR4は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN51に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN51は、電源ライン60FにおいてスイッチSW4よりも正極側放電端子41a側、すなわちスイッチSW4の出力側に設けられる。換言すると、バリスタVR4は、放電端子41と電源12との間に接続されており、より詳細には放電端子41と第1DC/DCコンバータ63(より具体的にはスイッチSW4)との間に接続されている。
したがって、例えば、第1カートリッジ20の交換時に放電端子41と負荷21とが擦れることにより放電端子41に静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR4を介してグランドライン60Nに逃がしてスイッチSW4や第1DC/DCコンバータ63や電源12等を保護することができる。さらに、仮にバリスタVR4が故障したとしても、スイッチSW4や第1DC/DCコンバータ63がこれらよりも電源12側にある他の素子(例えば充電IC55)に対してノイズ(この場合、放電端子41に発生した静電気)の障壁となることができ、他の素子の保護を図ることができる。
また、電源ライン60Fには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD10が接続される。具体的に説明すると、コンデンサCD10は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN52に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN52は、電源ライン60FにおいてノードN51とスイッチSW4との間に設けられる。換言すると、コンデンサCD10は、スイッチSW4の出力側に接続される。これにより、スイッチSW4から負荷21への電力供給の安定化を図ることができるとともに、放電端子41に静電気が発生しても、バリスタVR4により、この静電気からコンデンサCD10を保護することができる。
さらに、電源ライン60Fには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD11を接続してもよい。具体的に説明すると、この場合、コンデンサCD11は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN53に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN53は、電源ライン60FにおいてスイッチSW4と第1DC/DCコンバータ63との間に設けられる。換言すると、コンデンサCD11は、第1DC/DCコンバータ63の出力側に接続される。これにより、第1DC/DCコンバータ63からスイッチSW4(例えばパワーMOSFET)への電力供給の安定化を図ることができ、その結果、負荷21への電力供給の安定化を図ることができる。
第1DC/DCコンバータ63のENピンは、上述したように、第1DC/DCコンバータ63の動作をオン/オフを設定するためのピンであり、MCU50のPB3ピンに接続される。
第1DC/DCコンバータ63のMODEピンは、第1DC/DCコンバータ63の動作モードを設定するためのピンである。第1DC/DCコンバータ63は、例えばスイッチングレギュレータであり、動作モードとして、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)モード(以下、PWMモードともいう)と、パルス周波数変調(Pulse Frequency Modulation)モード(以下、PFMモードともいう)と、をとり得る。本実施形態においては、MODEピンを電源ライン60Dに接続することで、第1DC/DCコンバータ63が動作し得るときにはMODEピンにハイレベルの電圧が入力されるようにし、第1DC/DCコンバータ63がPWMモードにて動作するように設定している。
第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、上述したように、第2DC/DCコンバータ64における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。また、第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、コイルCL2を介して、第2DC/DCコンバータ64のSWピン(スイッチピン)とも接続される。第2DC/DCコンバータ64のGNDピンは、第2DC/DCコンバータ64におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。
第2DC/DCコンバータ64のVOUTピンは、第2DC/DCコンバータ64によって生成された第2高圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Gを介して、ディスプレイドライバ65のVCC_Cピンに接続される。これにより、第2DC/DCコンバータ64は、ディスプレイドライバ65に対して第2高圧系システム電圧を供給することができる。
また、電源ライン60Gには、バリスタVR5が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR5は、一端が電源ライン60Gに設けられたノードN61に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。換言すると、バリスタVR5は、電源ライン60Gにおいてディスプレイドライバ65のVCC_Cピンに接続されるコネクタ部分と、第2DC/DCコンバータ64の間に接続されている。
したがって、エアロゾル吸引器1の外部に露出するディスプレイ16が何らかの物体(例えばユーザの手)と接することによりディスプレイ16に静電気が発生し、この静電気がOLEDパネル46やディスプレイドライバ65を介して第2DC/DCコンバータ64側に逆流した場合であっても、バリスタVR5を介して、この静電気をグランドライン60Nに逃がすことができ、この静電気から第2DC/DCコンバータ64等を保護することができる。さらに、仮にバリスタVR5が故障したとしても、第2DC/DCコンバータ64がこれらよりも電源12側にある他の素子(例えばLDOレギュレータ62)に対してノイズ(この場合、ディスプレイ16に発生した静電気)の障壁となることができ、他の素子の保護を図ることができる。つまり、電源ライン60Gにおいて、ノードN62をノードN61よりも第2DC/DCコンバータ側に設けることで、ディスプレイドライバ65の過電圧からの保護と、ディスプレイドライバ65の安定した動作の両立を図ることができる。
また、同様の観点から、電源ライン60Eにも、バリスタVR6が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR6は、一端が電源ライン60Eに設けられたノードN43に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN43は、電源ライン60EにおいてLDOレギュレータ62とスイッチSW3との間に設けられる。したがって、エアロゾル吸引器1の外部に露出するディスプレイ16が何らかの物体と接することによりディスプレイ16に静電気が発生し、この静電気がOLEDパネル46やディスプレイドライバ65を介してLDOレギュレータ62側に逆流した場合であっても、バリスタVR6を介して、この静電気をグランドライン60Nに逃がすことができ、この静電気からLDOレギュレータ62を保護することができる。
また、電源ライン60Gには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD12が接続される。具体的に説明すると、コンデンサCD12は、一端が電源ライン60Gに設けられたノードN62に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN62は、電源ライン60GにおいてノードN61よりも第2DC/DCコンバータ64側に設けられる。これにより、ディスプレイドライバ65に対して安定した第2高圧システム電圧を供給することができるとともに、ディスプレイ16に静電気が発生しても、バリスタVR5により、この静電気からコンデンサCD12を保護することができる。
第2DC/DCコンバータ64のENピンは、第2DC/DCコンバータ64の動作をオン/オフを設定するためのピンであり、上述したように、MCU50のPC12ピンに接続される。
ディスプレイドライバ65のVDDピンは、上述したように、ディスプレイドライバ65における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。また、ディスプレイドライバ65のVSSピンは、ディスプレイドライバ65における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、ディスプレイドライバ65には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。ディスプレイドライバ65に供給された低圧系システム電圧は、ディスプレイドライバ65が動作するための電源として利用される。
ディスプレイドライバ65のVCC_Cピンは、第2高圧系システム電圧を受け付けるピンであり、上述したように、電源ライン60Gを介して、第2DC/DCコンバータ64のVOUTピンに接続される。ディスプレイドライバ65は、VCC_Cピンにより第2高圧系システム電圧を受け付けると、受け付けた第2高圧系システム電圧を、電源ライン60Hを介してOLEDパネル46に供給する。これにより、ディスプレイドライバ65は、OLEDパネル46を動作させることができる。なお、ディスプレイドライバ65とOLEDパネル46は、不図示の他のラインによっても接続されてもよい。
ディスプレイドライバ65のSCLピンは、MCU50とディスプレイドライバ65とのI2C通信におけるSCL側の信号を受け付けるピンであり、上述したように、MCU50のPB8ピンと接続される。また、ディスプレイドライバ65のSDAピンは、MCU50とディスプレイドライバ65とのI2C通信におけるSDA側の信号を受け付けるピンであり、上述したように、MCU50のPB9ピンと接続される。
ディスプレイドライバ65のIXSピンは、ディスプレイドライバ65と他のIC(本実施形態においてはMCU50)との通信を、I2C通信とSPI(Serial Peripheral Interface)通信とのどちらで行うかを設定するためのピンである。本実施形態においては、IXSピンを電源ライン60Eに接続することで、IXSピンにハイレベルの電圧が入力されるようにし、ディスプレイドライバ65とMCU50との通信をI2C通信により行うように設定している。なお、IXSピンにローレベルの電圧を入力することで、ディスプレイドライバ65とMCU50との通信をSPI通信により行うように設定してもよい。
(MCU)
次に、MCU50の構成について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、MCU50は、不図示のROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックとして、エアロゾル生成要求検出部51と、温度検出部52と、電力制御部53と、通知制御部54と、を備える。
エアロゾル生成要求検出部51は、吸気センサ15の出力結果に基づいてエアロゾル生成の要求を検出する。吸気センサ15は、吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、不図示の取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する内圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォン等から構成されていてもよい。吸気センサ15は、アナログ値を出力してもよいし、アナログ値から変換したデジタル値を出力してもよい。また、吸気センサ15は、上述したI2C通信やSPI通信等を用いて、出力をエアロゾル生成要求検出部51へ伝えてもよい。
温度検出部52は、サーミスタ回路C2からの入力に基づいて、電源12の温度を検出する。具体的に説明すると、温度検出部52は、スイッチSW2をオンにすることでサーミスタ回路C2に電圧を印加し、そのときにサーミスタ回路C2からMCU50(例えばPC1ピン)に入力された電圧値からサーミスタTHの温度、すなわち電源12の温度を検出する。また、例えば、負荷21の電気抵抗値を検出可能に構成し、温度検出部52が負荷21の温度を検出するようにしてもよい。
電力制御部53は、エアロゾル吸引器1の各電子部品への電力の供給を制御する。例えば、電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した場合に、第1DC/DCコンバータ63を動作させるとともに、スイッチSW4のスイッチングを制御することで、正極側放電端子41aを介して第1高圧系システム電圧を負荷21に供給する。これにより、MCU50は、第1高圧系システム電圧の電力を負荷21に供給して、負荷21を加熱(機能)させ、エアロゾルを生成させることができる。そして、このように充電IC55からの電力(すなわち標準システム電圧の電力)を第1DC/DCコンバータ63により第1高圧系システム電圧に昇圧して負荷21に供給することで、充電IC55からの電力を昇圧せずに負荷21に供給するようにした場合に比べて、負荷21によるエアロゾルの生成量や香喫味の向上を図れる。
また、電力制御部53は、所定のタイミングでスイッチSW3をオンにすることで、正極側端子47aを介して標準システム電圧をバイブレータ47に供給する。これにより、MCU50は、標準システム電圧の電力をバイブレータ47に供給して、バイブレータ47を振動(機能)させることができる。
また、電力制御部53は、所定のタイミングで第2DC/DCコンバータ64を動作させることで、ディスプレイドライバ65を介して第2高圧系システム電圧をOLEDパネル46に供給する。これにより、MCU50は、第2高圧系システム電圧の電力をOLEDパネル46に供給して、OLEDパネル46を動作(機能)させることができる。
また、電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した場合に、さらにスイッチSW1をオンとすることでLED回路C1を導通状態とし、LED70を発光(機能)させる。この場合、コネクタ70aには、充電IC55からの標準システム電圧を抵抗器R8によって降下した電圧が供給される。すなわち、電力制御部53は、スイッチSW1をオンとすることで、コネクタ70aを介して、標準システム電圧を抵抗器R8によって降下した電圧の電力をLED70に供給できる。
なお、電力制御部53は、例えば、LED70へ供給される電力が、負荷21、OLEDパネル46、バイブレータ47等の他の電子部品に供給される電力よりも小さくなるように制御する。すなわち、電力制御部53は、コネクタ70aへ供給される電力が、正極側放電端子41aや正極側端子47a等へ供給される電力よりも小さくなるように制御する。これにより、簡易な構成でLED70に対して適切な電力を供給することを可能にし、エアロゾル吸引器1(例えば電源ユニット10)の製造コストの増加を抑制しながら、エアロゾル吸引器1の高機能化を実現できる。
通知制御部54は、各種情報を通知するように通知部45を制御する。例えば、通知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するように通知部45を制御する。通知制御部54は、メモリ19に記憶されたパフ動作の累積回数又は負荷21への累積通電時間に基づいて、第2カートリッジ30の交換タイミングを検出し、報知する。通知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの報知に限らず、第1カートリッジ20の交換タイミング、電源12の交換タイミング、電源12の充電タイミング等を報知してもよい。
また、通知制御部54は、未使用の1つの第2カートリッジ30がセットされた状態にて、パフ動作が所定回数行われた場合、又は、パフ動作による負荷21への累積通電時間が所定値(例えば120秒)に達した場合に、この第2カートリッジ30を使用済み(即ち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第2カートリッジ30の交換タイミングを通知してもよい。
また、通知制御部54は、上記の1セットに含まれる全ての第2カートリッジ30が使用済みとなったと判定した場合に、この1セットに含まれる1つの第1カートリッジ20を使用済み(すなわち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第1カートリッジ20の交換タイミングを通知するようにしてもよい。これらに加えて又は代えて、通知制御部54は、第1カートリッジ20の残量、第2カートリッジ30の残量や電源12の残容量等も通知するようにしてもよい。
(エアロゾル吸引器1が備える各負荷に応じた過電圧保護)
最後に、エアロゾル吸引器1が備える各負荷と、各負荷に応じた過電圧などに対する保護についてまとめる。
図6に示すように、エアロゾル吸引器1は、電力の供給により機能(すなわち動作)する負荷として、バイブレータ47と、ディスプレイ16と、第1カートリッジ20(すなわち負荷21)と、LED70と、吸気センサ15と、を備える。
バイブレータ47は、電源ユニットケース11の内部に配置されており、エアロゾル吸引器1の外部に露出しない状態で設けられている(図6においてバイブレータに対応する「外部への露出」についての「露出しない」を参照)。したがって、バイブレータ47には、エアロゾル吸引器1の外部の何らかの物体と接することに生じる静電気によるノイズが発生することはない。
また、バイブレータ47は、電源ユニット10に備え付けられた状態で設けられており、基本的に電源ユニット10から着脱されることはない(図6においてバイブレータに対応する「本体との接続」についての「備え付け」を参照)。したがって、バイブレータ47には、バイブレータ47を電源ユニット10から着脱することに生じる静電気やサージによるノイズ(ESD:Electro−Static Discharge)が発生することはない。
また、バイブレータ47は、動作することにより逆起電力を発生させ、この逆起電力によるノイズのノイズ源になる可能性がある(図6においてバイブレータに対応する「ノイズ源になる可能性の有無」についての「有」、及び「ノイズの種類」についての「逆起電力」を参照)。
このような負荷としての特徴を有するバイブレータ47に対しては、極性を有するツェナーダイオードDを保護素子として設けることにより(図6においてバイブレータに対応する「過電圧保護素子」についての「ツェナーダイオード」を参照)、バイブレータ47に起因して発生し得る過電圧からエアロゾル吸引器1(電源ユニット10)のシステムを適切に保護することが可能となる。
ディスプレイ16は、電源ユニット10の上面に形成されており、少なくとも一部がエアロゾル吸引器1の外部に露出した状態で設けられている(図6においてディスプレイに対応する「外部への露出」についての「露出する」を参照)。したがって、ディスプレイ16には、エアロゾル吸引器1の外部の何らかの物体(例えばユーザの手)と接することに生じる静電気によるノイズが発生し得る(図6においてディスプレイに対応する「ノイズの種類」についての「静電気」を参照)。
また、ディスプレイ16は、電源ユニット10に備え付けられた状態で設けられており、基本的に電源ユニット10から着脱されることはない(図6においてディスプレイに対応する「本体との接続」についての「備え付け」を参照)。したがって、ディスプレイ16には、ディスプレイ16を電源ユニット10から着脱することに生じる静電気やサージによるノイズ(ESD)が発生することはない。
また、ディスプレイ16は、動作しても逆起電力を発生させることはない。すなわち、ディスプレイ16は、自らがノイズを発生させるノイズ源になる可能性はない(図6においてディスプレイに対応する「ノイズ源になる可能性の有無」についての「無」を参照)。
このような負荷としての特徴を有するディスプレイ16に対しては、高電圧な静電気を降圧する必要があるため、許容電流が大きいバリスタVR5、VR6を設けることにより(図6においてディスプレイに対応する「過電圧保護素子」についての「バリスタ」を参照)、ディスプレイ16に起因して発生し得る過電圧からエアロゾル吸引器1(電源ユニット10)のシステムを適切に保護することが可能となる。また、ツェナーダイオードは、バリスタに比べてコストが高価になりやすい。このため、バリスタを保護素子として採用することで、ツェナーダイオードの多用を抑制し、電源ユニット10の製造コストの増加を抑制することもできる。
第1カートリッジ20は、基本的にカートリッジホルダ14に収容されており、エアロゾル吸引器1の外部に露出しない状態で設けられている(図6において第1カートリッジに対応する「外部への露出」についての「露出しない」を参照)。したがって、第1カートリッジ20には、エアロゾル吸引器1の外部の何らかの物体と接することに生じる静電気によるノイズが発生することはない。
また、第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能な状態で設けられており、電源ユニット10から着脱され得る(図6において第1カートリッジに対応する「本体との接続」についての「着脱可能」を参照)。したがって、第1カートリッジ20には、第1カートリッジ20を電源ユニット10から脱着することに生じる静電気やサージによるノイズ(ESD)が発生し得る(図6において第1カートリッジに対応する「ノイズの種類」についての「静電気」を参照)。
また、第1カートリッジ20は、動作しても逆起電力を発生させることはない。すなわち、第1カートリッジ20は、自らがノイズを発生させるノイズ源になる可能性はない(図6において第1カートリッジに対応する「ノイズ源になる可能性の有無」についての「無」を参照)。
このような負荷としての特徴を有する第1カートリッジ20に対しては、ディスプレイ16と同様に、高電圧な静電気を降圧する必要があるため、許容電流が大きいバリスタVR4を設けることにより(図6において第1カートリッジに対応する「過電圧保護素子」についての「バリスタ」を参照)、第1カートリッジ20に起因して発生し得る過電圧からエアロゾル吸引器1(電源ユニット10)のシステムを適切に保護することが可能となる。
LED70は、電源ユニットケース11の内部に配置されており、エアロゾル吸引器1の外部に露出しない状態で設けられている(図6においてLEDに対応する「外部への露出」についての「露出しない」を参照)。したがって、LED70には、エアロゾル吸引器1の外部の何らかの物体と擦れることに生じる静電気によるノイズが発生することはない。
また、LED70は、電源ユニット10に備え付けられた状態で設けられており、基本的に電源ユニット10から着脱されることはない(図6においてLEDに対応する「本体との接続」についての「備え付け」を参照)。したがって、LED70には、LED70を電源ユニット10から着脱することに生じる静電気やサージによるノイズ(ESD)が発生することはない。
また、LED70は、動作しても逆起電力を発生させることはない。すなわち、LED70は、自らがノイズを発生させるノイズ源になる可能性はない(図6においてLEDに対応する「ノイズ源になる可能性の有無」についての「無」を参照)。
このような負荷としての特徴を有するLED70においては過電圧が発生し難い。したがって、LED70に対しては、LED70に起因する過電圧などからの保護を目的としたツェナーダイオードやバリスタを設けないようにすることで、エアロゾル吸引器1の製造コストの削減を図ることができる。
また、吸気センサ15も、LED70と同様の負荷としての特徴を有する。したがって、吸気センサ15に対しても、吸気センサ15に起因する過電圧などからの保護を目的としたツェナーダイオードやバリスタを設けないようにすることで、エアロゾル吸引器1の製造コストの削減を図ることができる。
以上に説明したように、本実施形態の電源ユニット10によれば、各負荷の特徴(種類)に応じた過電圧保護素子を設けることにより、エアロゾル吸引器1(電源ユニット10)のシステムを適切に保護することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) エアロゾル源を加熱するヒータ(負荷21)へ電力を供給可能な電源(電源12)と、
前記電源から供給される電力により機能する第1負荷(バイブレータ47)へ接続される第1コネクタ(正極側端子47a)と、
前記電源から供給される電力により機能し、且つ、前記第1負荷とは別体の第2負荷(負荷21)へ接続される第2コネクタ(正極側放電端子41a)と、
前記第1コネクタと前記電源の間へ接続されるツェナーダイオード(ツェナーダイオードD)と、
前記第2コネクタと前記電源の間へ接続されるバリスタ(バリスタVR4)と、
を備える、エアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)。
(1)によれば、それぞれのコネクタに接続される負荷に応じて、当該負荷に対して設ける保護素子を異ならせることができるので、複数の負荷を備えるエアロゾル生成装置の電源ユニットを適切に保護できる。
(2) (1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1コネクタは、前記第1負荷を取外し不能に接続し、
前記第2コネクタは、前記第2負荷を取外し可能に接続する、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(2)によれば、負荷の取外し(すなわち着脱)により静電気が生じ得るコネクタに対しては保護素子としてバリスタを設けるため、静電気からエアロゾル生成装置の電源ユニットを適切に保護できる。また、バリスタを保護素子として採用することで、コストが高価になりやすいツェナーダイオードの多用を抑制し、電源ユニットの製造コストの増加を抑制できる。
(3) (1)又は(2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
少なくとも前記電源と前記第1コネクタとを収容するケースを備え、
前記第1コネクタは、前記ケースから露出しない前記第1負荷へ接続され、
前記第2コネクタは、少なくとも一部が前記ケースから露出する前記第2負荷へ接続される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(3)によれば、少なくとも一部がケースから露出することによりケース外部の何らかの物体(例えばユーザの手)と接する等して静電気が生じ得るコネクタに対しては保護素子としてバリスタを設けるため、静電気からエアロゾル生成装置の電源ユニットを適切に保護できる。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1負荷は、機能時に振動し、
前記第2負荷は、機能時に振動しない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(4)によれば、振動を発生させるために自身がノイズ源となる負荷に対しては保護素子としてツェナーダイオードを設けるため、ノイズ源となる負荷が生成したノイズからエアロゾル生成装置の電源ユニットを適切に保護できる。
(5) (2)〜(4)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2コネクタへ接続され、且つ、前記電源から供給される電力の電圧を変換可能な電圧変換器を備え、
前記バリスタは、前記第2コネクタと前記電圧変換器の間へ接続される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(5)によれば、静電気の侵入経路において、保護素子としてのバリスタの後ろに電圧変換器が設けられているため、仮にバリスタが故障したとしても、電圧変換器がこれらよりも後ろ側にある他の素子に対してノイズ(静電気)の障壁となることができ、他の素子の保護を図ることができる。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1コネクタと前記ツェナーダイオードの間へ接続される第1コンデンサ(コンデンサCD9)と、
前記電源と前記バリスタの間へ接続される第2コンデンサ(コンデンサCD10)と、
を備える、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(6)によれば、第1コネクタとツェナーダイオードの間、及び電源とバリスタの間のそれぞれにコンデンサを設けることで、それぞれのコンデンサを適切な位置に設けることができ、エアロゾル生成装置の電源ユニットを適切に保護できる。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源から供給される電力により機能し、且つ、前記第1負荷及び前記第2負荷とは別体の第3負荷(LED70)が接続される第3コネクタ(コネクタ70a)を備え、
前記第3コネクタと前記電源を接続する経路は、ツェナーダイオードとバリスタを有さない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(7)によれば、第3コネクタと電源を接続する経路にはツェナーダイオードやバリスタを設けないことで、電源ユニットの製造コストの増加や電気回路の肥大化を抑制できる。
(8) (7)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記経路は、前記電源から供給される電力の電圧を変換可能な電圧変換器を有さない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(8)によれば、第3コネクタと電源を接続する経路には電圧変換器を設けないことで、電源ユニットの製造コストの増加や電気回路の肥大化を抑制できる。
(9) (8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記経路は、前記電源と前記第3コネクタへ直列接続される抵抗(抵抗器R8)を有する、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(9)によれば、第3コネクタと電源を接続する経路には、電源と前記第3コネクタへ直列接続される抵抗を設けることで、簡易な構成で第3負荷に対して適切な電力を供給することを可能にし、電源ユニットの製造コストの増加や電気回路の肥大化を抑制しながら、エアロゾル生成装置の高機能化を実現できる。
(10) (7)〜(9)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源から、前記第1コネクタ、前記第2コネクタ、及び前記第3コネクタへの電力の供給を制御可能なコントローラ(MCU50)を備え、
前記コントローラは、
前記第3コネクタへ供給される電力を、前記第1コネクタに供給される電力より小さくなるように制御し、
前記第3コネクタへ供給される電力を、前記第2コネクタに供給される電力より小さくなるように制御する、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(10)によれば、第3コネクタへ供給される電力を他のコネクタへ供給される電力よりも制限できるため、簡易な構成で第3負荷に対して適切な電力を供給することを可能にし、電源ユニットの製造コストの増加や電気回路の肥大化を抑制しながら、エアロゾル生成装置の高機能化を実現できる。