JP6849526B2 - 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置及び医用画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。
近年、画像認識技術の発展に伴い、医用画像に撮像された神経線維束と患部との位置関係を分析する技術が注目されている。
多くの脳疾患は白質線維の変形に影響し、例えば、切断(blocked)、浸潤(infiltration)または押出(extrusion)などの変形を発生させる場合がある。それらの変化を知ることで、神経外科手術に有用な情報を提供することが可能になる。特に、浸潤の場合、その切除範囲は、予後に密接に関わる。実際に、侵襲性の高い病変は形態を大きく変え、浸潤された白質線維の機能を損傷させることがある一方、侵襲性の低い腫瘍は周囲の脳組織を押出するだけで済む場合もある。それらの異なる状況は、手術方針の制定に影響を及ぼす。そのため、異なる機能を有する白質線維と患部との位置関係を正確に判断することにより、組織の切除程度と脳機能のできる限りの維持との折り合いをつける最適な方案を発見することに寄与する。
医師は腫瘍外科手術を計画する際に、関係する神経線維束の機能を区分する必要がある。神経線維束の追跡は、この点についての情報を提供することができる。
従来の技術には、神経線維束の機能を区分する方法が開示されている。例えば、特許文献1においては、まず、患部を貫通した神経線維束を判断した後、患部を貫通した神経線維束の脳領域における到達点を特定し、大脳皮質の機能領域テンプレートを利用して、神経線維束の到達点と連結関係のある大脳皮質の機能領域を判断することで、被検体に及ぼす可能性のある影響を予測することが開示されている。
しかし、この分析方法は、患部を貫通した影響を受けた線維束の検出にしか用いることができず、押出されたが患部を貫通していない影響を受けた線維束を検出することはできない。また、この分析方法を用いると、線維束と大脳皮質分区との連結関係を示し影響を受けた線維束の機能分類を予測することしかできず、影響を受けた線維束の実際の形態及び位置を抽出して表示することは不可能である。
また、従来の文献2においては、神経線維束追跡部により抽出された神経線維束の集合と、神経線維束の関心領域(ROI(Region of Interest)、シード領域という場合もある)に基づいて選択された神経線維束の集合との間で論理演算を行うことで、特定の神経線維束の集合を確定する、神経線維束の抽出方法が開示されている。この集合は、ある関心領域を貫通した、異方性上に所定の閾値を超えた線維束の集合であるが、これらの線維束の集合には、位置的な相関性しかなく、機能的な相関性がないので、線維束を抽出しながら線維束の機能性分類を知ることはできない。
また、従来の技術では、通常、血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージング(BOLD−fMRI)の結果を用いて関心領域を取得し、それにより線維束を追跡する。そのうち、血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージングの結果を取得する必要があるだけではなく、実際の操作において、品質の高い血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージングの結果を取得することは容易ではない。
特開2012−235934号公報 特開2012−66005号公報
本発明が解決しようとする課題は、神経線維束に応じる機能領域の機能性分類を簡便に取得することができる医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供することである。
実施形態の医用画像処理装置は、抽出部と、第一転写部と、解析部と、第二転写部とを備える。抽出部は、被検体データから神経分布の位置情報を抽出する。第一転写部は、抽出された位置情報に基づく被検体神経領域を、アトラスデータへ転写する。解析部は、前記アトラスデータにおける脳内の機能領域と、転写された前記被検体神経領域との位置関係を解析する。第二転写部は、前記解析部による解析結果を前記被検体データへ転写する。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図2は、線維束アトラスに含まれた機能性線維束を示す図である。 図3は、線維束アトラスにおける脳梁線維束と関心領域との対応関係を示す模式図である。 図4は、線維束アトラスにおける皮質脊髄路と関心領域との対応関係を示す模式図である。 図5は、第1の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係る画像処理を示す模式図である。 図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図8は、第2の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。 図9は、第2の実施形態に係る画像処理を示す模式図である。 図10は、第3の実施形態に係る患部で線維束が押出された場合に影響を受けた線維束を特定する模式図である。 図11は、第3の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。 図12は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図13は、第4の実施形態に係る機能性線維束の損傷指標を分析する模式図である。 図14は、第4の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。 図15は、損傷指標と被検体データとを同時に表示した画面の模式図である。
実施形態は、医用画像を処理する医用画像処理装置に関する。この医用画像処理装置は、X線装置などの画像収集装置に接続され独立したコンピュータなどのCPU(Central Process Unit)を有する設備で、医用画像処理装置の各機能を有するソフトウェアを実行することにより実現してもよいし、また、医用画像処理装置の各機能を実行可能な回路として、ハードウェアの形態により実現してもよい。且つ、実施形態に係る医用画像処理装置は、CT装置または超音波装置などの医用画像収集装置における一部として、上述した医用画像収集装置に予め組み込まれてもよい。
以下、好適な実施形態について図面を参照して詳しく説明する。実施形態は例示に過ぎず、実施形態で表されている構成に限られない。
以下では脳領域を例に説明するが、実施形態は脳領域に限らず、更に、他の領域に対する画像処理にも適用できる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、医用画像処理装置100は、抽出部101と、第一転写部102と、解析部103と、第二転写部104と、表示処理部105と、指標表示部106とを備える。
抽出部101は、被検体データから神経分布の位置情報を抽出する。被検体データには、線維束画像が含まれる。線維束画像は、被検体の脳の神経線維束に関する神経線維画像である。線維束画像は、例えば、被検体の脳を撮像し生成した拡散テンソル画像に線維束追跡技術を施し生成したものである。拡散テンソルイメージング技術では、水分子の拡散特性についてイメージングを行うことにより、白質線維束の完全性を評価することが可能になる。現在、拡散テンソルイメージング技術及び線維束追跡技術は生体内の特定線維束の表示に用いられている。
第一転写部102は、被検体データにおける線維束画像を予め定義された線維束アトラスへ転写することができる。即ち、第一転写部102は、線維束画像から抽出された神経分布の位置情報に基づく被検体神経領域を、線維束アトラス(アトラスデータ)へ転写する。
線維束アトラスに予め定義された情報には、標準化された神経領域の情報と、各神経領域のそれぞれに対応付けられた機能領域の情報が含まれる。そのうち、神経領域は、神経線維束に応じる領域であり、機能領域は、関心領域といってもよいし、脳機能に応じる領域(例えば、大脳皮質上の視覚機能領域、運動機能領域など)、又は、脳内の組織構造(例えば、内包、大脳脚など)に応じる領域である。機能領域は、機器の操作者によって手動的に選択されてもよいし、機器によって自動的に選択されてもよい。線維束アトラスにおける神経領域と機能領域との対応関係については、後述する。
本実施形態における神経線維束は、線維束の機能性分類でマークした線維束、即ち、機能性線維束である。図2は、線維束アトラスに予め定義された機能性線維束を示す模式図である。図2では、左右の脳半球を連結する脳梁(corpus callosum:CC)線維束、運動皮質と脊髄とを連結する皮質脊髄路(cortico spinal tract:CST)、運動皮質と脊髄とを連結する上縦束(superior longitudinal fasciculus:SLF)、海馬と視床下核とを連結する脳弓(fornix:FORX)、下縦束(inferior longitudinal fasciculus:ILF)、海馬傍回(parahippocampal cingulum:PHC)、鉤状束(uncinate fasciculus:UNC)、下後頭前頭束(inferior occipitofrontal fasciculus:IOFF又はIFOF)などを含む機能性線維束が示されている。
また、線維束アトラスは、第一転写部102による転写の開始前に作成を完了させる必要がある。この線維束アトラスは予め定義し抽出部101に記憶されたアトラスであってもよいし、第一転写部102による転写の開始前に医用画像処理装置に導入されたアトラス、或いは、実施形態に係る医用画像処理装置により生成されたアトラスであってもよい。
また、第一転写部102は被検体からの線維束画像を線維束アトラスへ転写する過程において、被検体からの線維束画像について、通常、画像レジストレーション(Image registration、以下、「レジストレーション」と略称する)の方式により線維束アトラスへ転写するものである。具体的には、従来のレジストレーション方法を用いて、被検体からの線維束画像及び線維束アトラスにおける画像について画像レジストレーションを行い、画像レジストレーションの結果として、被検体の線維束画像と線維束アトラスとの転写マトリックスを生成し、この転写マトリックスに基づいて被検体の線維束画像の一部又は全部を予め定義された線維束アトラスへ転写することになる。
解析部103は、線維束アトラスにおける脳内の機能領域と、線維束アトラスへ転写された被検体神経線維束(即ち、転写された被検体神経領域)との位置関係を解析する。
具体的には、転写マトリックスに基づいて線維束アトラスへ転写された被検体の各機能性線維束を特定(認識)し、その後、線維束アトラスに定義された機能性線維束と関心領域との対応関係に基づいて、解析結果として、特定された被検体の機能性線維束に対応付けられた関心領域を取得することになる。
第二転写部104は、解析部103による解析結果を被検体データへ転写する。例えば、第二転写部104は、解析部103により取得された関心領域を被検体データへ転写する。詳しくは、その前に生成された転写マトリックスを利用して、解析部103により取得された関心領域を被検体データの画像へ転写することになる。
表示処理部105は、被検体の線維束画像と各線維束に応じる関心領域とを表示装置(例えば、ディスプレイなど)に同時表示させる。且つ、異なる機能性線維束に応じる関心領域を異なる色又は異なるグレイスケールで表すことが好ましく、これにより、操作者が関心領域の機能区画をより直感的に把握することが可能になる。
また、表示処理部105は更に、各機能性線維束に応じる関心領域に基づいて、線維束追跡技術を用いて、被検体データから各種の機能性線維束を区分することができる。被検体の線維束画像を表示する際に、異なる機能性線維束及びそれに応じる関心領域を異なる色又は異なるグレイスケールで表すことが好ましく、これにより、操作者が各線維束の機能区画をより直感的に把握することが可能になる。
しかし、医用画像処理装置100の場合、表示処理部105は不可欠なものではない。表示処理部105は医用画像処理装置100以外の他の外部装置に設けてもよい。ひいては、表示することなく、他の方式により医用画像処理装置100による処理結果を出力する可能性もある。
以下、線維束アトラスにおける神経領域と機能領域との対応関係について図3及び図4を参照して説明する。
図3は、線維束アトラスにおける脳梁線維束と関心領域との対応関係を示す模式図である。図3の左上部で、アトラス(atlas)に予め定義された複数の機能性線維束が示されている。図3の左下部で、特定の解剖学的位置上にある、脳梁線維束に応じる3つの関心領域が示されている。図3の右部で、脳梁線維束と3つの関心領域とを同時表示した形態が示されている。図3において、脳梁を特定するための関心領域が3つあり、この3つの関心領域間では「OR」の論理関係であり、即ち、この3つの関心領域のいずれかを貫通した線維束が脳梁線維束として特定される。
図4は、皮質脊髄路と関心領域との対応関係を示す模式図である。図中では、皮質脊髄路及びこの皮質脊髄路を特定するための4つの関心領域が示されている。図中に示すように、この皮質脊髄路は全て関心領域1(中心後回)及び関心領域2(内包後脚)を貫通するが、関心領域3、4では、皮質脊髄路が2束に分けられ、それぞれ関心領域3(前脳橋)及び関心領域4(後脳橋)を貫通する。そのため、皮質脊髄路を特定するためのいくつかの関心領域間の論理関係が「SD1&SD2&(SD3orSD4)」になる(SDは関心領域を表す)。言い換えると、SD1及びSD2を貫通し、SD3又はSD4を貫通する機能性線維束を、皮質脊髄路として特定することができる。なお、図4における患部は、例えば、腫瘍などである。
図3、図4では、脳梁線維束及び皮質脊髄路の各関心領域を特定する方法及び各関心領域間の論理関係について示されているが、脳梁線維束、皮質脊髄路に加えて、脳には更に他の機能性線維束が存在しており、それらの機能性線維束を唯一に特定するための関心領域及び各関心領域間の論理関係が繊維束アトラスにそれぞれ定義される。各機能性線維束の関心領域の数、及び、各関心領域間に存在している論理関係は異なるものである。
次に、第1の実施形態に係る画像処理過程を図5及び図6を参照して説明する。図5は、第1の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。図6は、第1の実施形態に係る画像処理を示す模式図である。
実際の被検体データには、複数の被検体線維束が含まれるが、説明を簡素化するために、図6では1つの神経線維束に対する画像処理過程のみを例示的に示している。また、実際の画像処理は三次元の画像に対する処理であってもよいが、説明を簡素化するために、二次元の平面画像のみにより説明を行う。
まず、ステップS101では、抽出部101が被検体データから被検体線維束X1の位置情報を抽出する。位置情報は三次元の神経線維束における複数ポイントの座標情報からなり、ポイントの密度及び数が操縦者によって必要に応じて予め設定されてもよい。図6の左上部で、位置情報が抽出された被検体線維束X1が示されており、この被検体線維束X1は8本の神経線維からなる。
被検体データは図示しない記憶部又は外部記憶装置に予め記憶されてもよいし、医用画像撮像装置によって被検体の脳を撮像し、線維束追跡技術及び医用画像診断技術などにより被検体の脳の神経線維束に関する線維束画像を含む被検体データを取得したものであってもよい。
次に、ステップS102では、第一転写部102が抽出された位置情報に基づく被検体線維束X1を線維束アトラス(アトラスデータ)へ転写する。
転写の前は、図6の右側にある線維束アトラスには、線維束X1’が含まれ、この線維束X1’に応じる関心領域A及び関心領域Bが更に含まれている。線維束X1’は関心領域Aと関心領域Bとの間で連結された10本の神経線維からなる。
線維束アトラスの生成(即ち、関心領域の特定、複数の関心領域間の論理関係の特定、機能性線維束の特定)については、第一転写部102による転写前に完了すればよいので、ステップS101の前にしてもよいし、後にしてもよい。勿論、線維束アトラスのテンプレートを予め生成した後、図示しない記憶部又は外部記憶装置に記憶し、使用する度にこのテンプレートを適用するのであってもよい。
また、ステップS102では、レジストレーションによる転写マトリックスを用いて被検体からの被検体線維束X1を線維束アトラスへ転写する。図6において、線維束アトラスに予め定義された線維束X1’が実線で表され、線維束アトラスへ転写された被検体線維束X1が点線で表されている。
そして、ステップS103では、解析部103が線維束アトラスにおける関心領域A及び関心領域Bと線維束アトラスへ転写された被検体線維束X1との位置関係を解析する。線維束アトラスには、線維束X1’と関心領域A及び関心領域Bとの対応関係が予め定義され、即ち、線維束X1’は関心領域Aと関心領域Bとの間で連結された線維束である。よって、解析結果として、被検体線維束X1に応じる関心領域A及び関心領域Bが取得される。
また、ステップS104では、第二転写部104が解析部103による解析結果を被検体データへ転写する。即ち、図6の左下部で示すように、被検体線維束X1に応じる関心領域A及び関心領域Bが被検体データへ転写される。
更に、ステップS105では、表示処理部105が関心領域A及び関心領域Bを含む被検体データを表示する。勿論、医用画像処理のみを施す医用画像処理装置について、表示に関するステップS105を省略しても構わない。
処理が終了する。
第1の実施形態に係る画像処理によれば、血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージングの結果を使用することなく、線維束アトラスから被検体線維束に応じる関心領域を取得することができる。且つ、線維束アトラスにおける関心領域は予め定義された標準化データであり、実際の操作において取得し難い品質の高い血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージングの結果の場合に比べて、本実施形態により取得する関心領域の信頼性は高い。
また、第1の実施形態における第一転写部102は、被検体データにおける線維束画像を予め定義された線維束アトラスへ転写することなく、画像レジストレーションのみを実行してもよい。それは、被検体データにおける線維束画像を予め定義された線維束アトラスへ転写しなくても、画像レジストレーションによる転写マトリックスを用いて線維束アトラスにおける各機能性線維束に応じる被検体の各機能性線維束を特定(認識)することができるためである。
また、第1の実施形態における指標表示部106は、被検体データにおける被検体線維束(被検体神経領域)について、腫瘍等の患部による損傷指標を算出して表示する。以下、この点について、図6を用いて説明する。
例えば、第一転写部102が、被検体データにおける被検体神経領域を線維束アトラスへ転写した後、解析部103が線維束アトラスにおける関心領域と、線維束アトラスへ転写された被検体神経領域との位置関係を解析する。例えば、解析部103は、図6の右図に示すように、線維束アトラスにおける関心領域Aや関心領域Bと、転写された被検体線維束X1との位置関係を解析することで、解析結果として、転写された被検体線維束X1に応じる関心領域A及び関心領域Bを取得する。更に、解析部103は、線維束アトラスに定義された関心領域と神経領域との対応関係に基づいて、取得した機能領域に対応付けられる神経領域を取得する。例えば、解析部103は、被検体線維束X1との位置関係に基づいて取得した関心領域A及び関心領域Bに対応付けられた神経領域として、線維束X1’を取得する。
そして、指標表示部106は、線維束アトラスへ転写された被検体神経領域と、解析部103が取得した神経領域とを比較することで、損傷指標を算出する。例えば、指標表示部106は、線維束アトラスへ転写された被検体線維束X1と、解析部103が取得した線維束X1’とを比較することで、損傷指標として、被検体神経領域の統計情報を算出する。
ここで、指標表示部106が算出する統計情報としては、例えば、関心領域に関する機能性線維束のうち手術の前に使用可能な機能性線維束(例えば、被検体データを取得した時点で使用可能な機能性線維束)が占める比率を表す使用率(Functional Rate)が挙げられる。一例を挙げると、図6に示すアトラスデータにおいて、関心領域A及び関心領域Bに関する線維束X1’は10本の神経線維からなり、手術の前に使用可能な被検体線維束X1は8本の神経線維からなるため、指標表示部106は、被検体神経領域の統計情報として、使用率「80%(8/10)」を算出し、表示することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例である。第1の実施形態に対する第2の実施形態の相違点は、医用画像処理装置200はさらに被検体データにおける腫瘍画像を処理することで、腫瘍による影響を受けた被検体神経線維束を特定して表示することにある。本実施形態では、腫瘍を患部の一例として説明するが、実際の患部は例えば、外傷(traumatism)、血塊(crassamentum)などの他の場合もある。
第2の実施形態に係る医用画像処理装置200における抽出部201、第一転写部202、解析部203、第二転写部204、表示処理部205、指標表示部206は第1の実施形態における抽出部101、第一転写部102、解析部103、第二転写部104、表示処理部105、指標表示部106に比べて、追加の機能を発揮するものである。以下、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点について主に説明し、重複する説明は適切に省略する。
図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、医用画像処理装置200は、抽出部201と、第一転写部202と、解析部203と、第二転写部204と、表示処理部205と、指標表示部206とを備える。
抽出部201は、被検体データから神経分布の位置情報を抽出するのに加えて、被検体データから患部領域(例えば、腫瘍領域など)の情報を更に抽出する。被検体データには更に、脳画像が含まれる。脳画像は、磁気共鳴イメージング装置、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、核医学診断装置などの医用画像診断装置により被検体の脳を撮像したものであってもよい。被検体の脳に腫瘍が存在している場合、この腫瘍が脳画像上に表れる。また、腫瘍がある位置を腫瘍領域と記載する。
第一転写部202は、第1の実施形態における第一転写部102に比べて、被検体からの線維束画像を予め定義された線維束アトラスへ転写することに加えて、脳画像に含まれる腫瘍領域も線維束アトラスへ更に転写する。ここで、転写された腫瘍領域は、腫瘍内部領域を含むボリュームデータ画像であってもよいし、腫瘍の輪郭が抽出された腫瘍輪郭の三次元画像であってもよい。
具体的には、第一転写部202は、まず、画像レジストレーションを行うことで、被検体の線維束画像と線維束アトラスとの転写マトリックスを取得する。その後、この転写マトリックスを用いて、被検体の腫瘍領域も線維束アトラスへ転写することになる。また、第2の実施形態では、第1の実施形態と同じく、第一転写部202は被検体データにおける線維束画像を線維束アトラスへ転写しなくてもよい。
解析部203は線維束アトラスにおける関心領域と、線維束アトラスにおける線維束と、線維束アトラスへ転写された腫瘍領域との位置関係を解析する。具体的には、解析部203は線維束アトラスにおける線維束と、線維束アトラスへ転写された腫瘍領域との位置関係に基づいて、腫瘍領域による影響を受けた線維束を検出し、線維束アトラスに定義されている関心領域と神経領域との対応関係に基づいて、解析結果として、検出した被検体線維束に対応付けられる関心領域を取得する。
第二転写部204は、解析部203による解析結果を被検体データへ転写する。即ち、検出された腫瘍領域による影響を受けた線維束に対応付けられる関心領域を被検体データへ転写する。
また、第二転写部204は、腫瘍領域による影響を受けた全ての線維束を被検体データへ転写するのでなく、関心領域のみを被検体データへ転写する。これは、線維束の全体レジストレーションは難度が高く、全ての線維束を転写する場合に比べて、関心領域のみを転写することにより、レジストレーションの難度を下げることができ、転写するデータ量が少ないので、正確性も効率も一層向上させることができるためである。
表示処理部205は、腫瘍領域による影響を受けた被検体線維束を表示する。例えば、まず、解析部203が、関心領域と線維束との対応関係に基づいて、被検体データにおいて、被検体データへ転写された関心領域から、腫瘍領域による影響を受けた被検体線維束を検出し、表示処理部205は、検出された被検体線維束を表示する。具体的には、解析部203は各関心領域及びそれらの間の論理関係に基づいて、転写された関心領域を利用して、被検体データにおいて各関心領域を貫通した被検体線維束を分析することで、影響を受けた各被検体線維束の実際の位置を検出して表示する。
また、解析部203は、更に、各機能性線維束に応じる関心領域に基づいて、線維束追跡技術を用いて、被検体データから各機能性線維束を識別し、表示処理部205は、識別された機能性線維束を表示することができる。
そして、影響を受けた被検体線維束を表示する方法は多くある。例えば、影響を受けた被検体線維束のみを表示してもよいし、被検体の全ての線維束を表示しながら、影響を受けた被検体線維束を強調してもよい。
以下、第2の実施形態に係る画像処理過程について図8及び図9を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである。図9は、第2の実施形態に係る画像処理を示す模式図である。
まず、ステップS201では、抽出部201が被検体データから被検体線維束の位置情報を抽出するのに加えて、腫瘍の位置情報である腫瘍領域をさらに抽出する。図8の左上部で、位置情報が抽出された被検体線維束X1、被検体線維束X2及び略楕円状の1つの腫瘍領域Cが示されている。
図8では、表示の便宜上、被検体線維束X1、X2及び腫瘍領域Cが合わせて表示されているが、上述したように、被検体線維束X1、X2は被検体データにおける線維束画像から抽出されたものであり、腫瘍領域Cは被検体データの脳画像から抽出されたものである。
また、本実施形態では、腫瘍の輪郭を用いて腫瘍領域を表し、腫瘍領域の転写を行うものである。
次に、ステップS202では、第一転写部202が抽出された位置情報に基づく被検体線維束X1、X2及び腫瘍領域Cを線維束アトラスへ転写する。
転写の前は、図9の右側にある線維束アトラスには、線維束X1’、X2’が含まれ、この線維束X1’に応じる関心領域A及び関心領域B、並びに、この線維束X2’に応じる関心領域D及び関心領域Eが更に含まれている。線維束X1’はより左側の関心領域Aと関心領域Bとの間で連結された3本の神経線維からなり、線維束X2’はより右側の関心領域Dと関心領域Eとの間で連結された3本の神経線維からなる。
また、ステップS202では、レジストレーションによる転写マトリックスを用いて被検体からの被検体線維束X1、X2を線維束アトラスへ転写し、腫瘍領域Cを線維束アトラスへ転写する。図9において、線維束アトラスに予め定義された線維束X1’、X2’、関心領域A、B、D、Eから区分するように、線維束アトラスへ転写された被検体線維束X1、X2及び腫瘍領域Cが点線で表されている。
そして、ステップS203では、解析部203が線維束アトラスにおける関心領域A、B、D、E、線維束アトラスにおける線維束X1’、X2’及び線維束アトラスへ転写された腫瘍領域Cの位置関係を解析する。具体的には、線維束アトラスに含まれた線維束X1’、X2’と線維束アトラスへ転写された腫瘍領域Cとの位置関係で示すように、線維束X1’のうちの1本の神経線維が腫瘍領域Cに入り込み、線維束X2’のうちの神経線維が全く腫瘍領域Cに入り込んでいないので、腫瘍領域による影響を受けた線維束が線維束X1’になる。その後、解析部203が線維束アトラスに定義された関心領域と神経領域との対応関係(図9では、線維束X1’と関心領域A、Bとの関係は、線維束X1’が関心領域A、Bの間で連結されていることにある)に基づいて、解析結果として、検出された線維束X1’に対応付けられた関心領域A及び関心領域Bを取得する。
また、ステップS204では、第二転写部204が解析部203による解析結果を被検体データへ転写する。即ち、図9の左下部で示すように、検出された腫瘍領域による影響を受けた線維束X1’に対応付けられた関心領域A及び関心領域Bが被検体データへ転写される。
更に、ステップS205では、表示処理部205が関心領域A及び関心領域Bを含む被検体データを表示する。
具体的には、関心領域A、Bと線維束X1との論理関係が、線維束X1は関心領域A、Bの間で連結されていることにあるので、解析部203が転写された関心領域A、Bに基づいて、線維束追跡技術を用いて、被検体データから関心領域Aと関心領域Bとを連結した線維束を被検体線維束X1と分析することで、影響を受けた被検体線維束X1の実際の位置を検出する。そして、表示処理部205は、検出された被検体線維束X1の実際の位置を表示する。
ここでは、腫瘍領域Cによる影響を受けた被検体線維束X1を強調するように表示することが好ましい。例えば、図9における被検体線維束X1が太線で表示されることにより、操作者が各線維束の機能区画をより直感的に把握することが可能になる。
本実施形態では、影響を受けた機能性線維束が第二転写部204により特定された後、医用画像処理装置200は、この機能性線維束に対応付けられた各関心領域を被検体データへ転写し、これら関心領域を貫通した線維束を解析部203により分析することで、影響を受けた機能性線維束の被検体における実際の位置を知る。
このような構成を用いることにより、腫瘍領域による影響を受けた被検体線維束を表示したい場合、線維束アトラスにおける全体の被検体線維束を被検体データへ転写することなく、それに応じる関心領域だけを被検体データへ転写すればよいので、転写の効率及び精度を向上させることが可能になる。また、被検体データに影響を受けた機能性線維束の被検体における実際の位置を表示させることにより、手術操作などを便利にすることができる。即ち、第2の実施形態に係る医用画像処理装置200によれば、神経線維束に応じる機能領域の機能性分類を簡便に取得することに加え、影響を受けた線維束を正確に知ることができ、影響を受けた線維束の被検体における実際の位置を正確かつ容易に特定できる。
また、第2の実施形態の一変形例として、ステップS205では、表示処理部205が被検体線維束X1に対し検出や強調を行うことなく、影響を受けた被検体線維束X1に応じる関心領域A及び関心領域Bを表示するだけでもよい。それにより、操作者が影響を受けた被検体線維束に応じる関心領域を直感的に見ることが可能になり、影響を受けた被検体線維束を大方推定することができ、手術の操作なども便利にすることができる。
また、第2の実施形態における指標表示部206は、腫瘍領域による損傷指標を算出して表示する。以下、この点について、図9を用いて説明する。
例えば、第一転写部202が、被検体データにおける腫瘍領域を線維束アトラスへ転写した後、解析部203は、線維束アトラスにおける関心領域と、線維束アトラスにおける神経領域と、線維束アトラスへ転写された腫瘍領域との位置関係を解析する。例えば、解析部203は、まず、図9の右図に示すように、線維束アトラスにおける線維束X1’や線維束X2’と、転写された腫瘍領域Cとの位置関係を解析して、腫瘍領域Cによる影響を受けた線維束X1’を検出する。次に、解析部203は、線維束アトラスに定義されている関心領域と神経領域との対応関係に基づいて、線維束アトラスにおける関心領域A、B、D、Eのうち、検出した線維束X1’に対応付けられた関心領域A及び関心領域Bを取得する。
次に、解析部203は、取得した機能領域に基づいて、腫瘍領域による影響を受けた被検体神経領域を特定する。例えば、第二転写部204により関心領域A及び関心領域Bが被検体データに転写された後、解析部203は、被検体データにおける被検体神経領域のうち、関心領域A及び関心領域Bを連結する被検体線維束X1を検出する。即ち、解析部203は、腫瘍領域による影響を受けた線維束X1’が有する論理関係(関心領域A及びBを連結する)と同様の論理関係を有する被検体線維束X1を検出する。
そして、指標表示部206は、解析部203が検出した被検体神経領域と、患部領域による影響を受けた神経領域とを比較することで、損傷指標を算出する。例えば、指標表示部206は、解析部203が検出した被検体線維束X1と、腫瘍領域Cによる影響を受けた線維束X1’とを比較することで、損傷指標として、被検体神経領域の統計情報を算出する。なお、以下では、図9に示す腫瘍領域Cに、腫瘍及び腫瘍周囲の腫瘍浸潤領域が含まれる場合について説明する。
例えば、指標表示部206が算出する統計情報としては、神経領域の押出率(Extrusion Rate)、貫通率(Penetrating Rate)、浸潤率(Infiltration Rate)、破壊率(Damage Rate)、使用率等が挙げられる。例えば、指標表示部206が算出する統計情報は、神経領域の押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つである。
押出率は、関心領域に関する機能性線維束のうち押出線維束が占める比率を表す。一例を挙げると、図9において、3本の線維束X1’のうち1本の神経線維が腫瘍領域Cを貫通している。一方で、被検体線維束X1は腫瘍領域Cを貫通しないものとなっており、被検体線維束X1のうち1本の神経線維が腫瘍領域Cにより押出されて左へ変位したものといえる。従って、指標表示部206は、被検体神経領域の統計情報として、押出率「33%(1/3)」を算出することができる。
貫通率は、関心領域に関する機能性線維束のうち貫通線維束が占める比率を表す。一例を挙げると、図9において、貫通線維束(被検体線維束X1のうち、腫瘍浸潤領域及び腫瘍を貫通した神経線維)はないから、指標表示部206は、被検体神経領域の統計情報として、貫通率「0%(0/3)」を算出することができる。
浸潤率は、関心領域に関する機能性線維束のうち浸潤線維束が占める比率を表す。一例を挙げると、図9において、浸潤線維束(被検体線維束X1のうち、腫瘍浸潤領域を貫通し、かつ、腫瘍を貫通していない神経線維)はないから、指標表示部206は、被検体神経領域の統計情報として、浸潤率「0%(0/3)」を算出することができる。
破壊率は、関心領域に関する機能性線維束のうち手術により破壊される機能性線維束が占める比率を表す。一例を挙げると、図9においては、腫瘍のみを切除するか、腫瘍及び腫瘍浸潤領域を切除するかに関わらず、腫瘍領域Cを切除しても、被検体線維束X1における神経線維は破壊されないから、指標表示部206は、被検体神経領域の統計情報として、破壊率「0%(0/3)」を算出することができる。
また、一例を挙げると、図9において、線維束アトラスにおける線維束X1’は3本の神経線維からなり、手術の前に使用可能な被検体線維束X1も3本の神経線維からなるため、指標表示部206は、被検体神経領域の統計情報として、使用率「100%(3/3)」を算出することができる。
(第3の実施形態)
第二転写部204により関心領域が被検体データへ転写された後、各関心領域の論理関係に該当する線維束が見付からない場合がある。例えば、図10においては、腫瘍領域が線維束を変位させ、被検体データへ転写された関心領域Bが腫瘍領域Eの内部にある。この場合、線維束X1が腫瘍領域Eによって押出され、腫瘍領域Eにおける関心領域Bを貫通した線維束がないことが見て取れる。しかし、機能性線維束は関心領域A、B、Cに基づき合わせて特定する必要がある。つまり、腫瘍領域Eの外部に位置する関心領域A、Cだけでは、影響を受けた機能性線維束を一義的に特定することができない。
第3の実施形態は第2の実施形態の変形例である。第3の実施形態における医用画像処理装置は第2の実施形態における医用画像処理装置と同じく、抽出部201と、第一転写部202と、解析部203と、第二転写部204と、表示処理部205と、指標表示部206とを備える。以下、第3の実施形態と第2の実施形態との相違点について主に説明し、重複する説明は適切に省略する。
第2の実施形態に対する第3の実施形態の相違点は、解析部203が更に被検体データにおける腫瘍領域の内部に関心領域があるか否かを判断し、判断結果に基づいて、異なる処理により影響を受けた機能性線維束の実際の位置を分析することにある。
腫瘍領域の内部に関心領域がない場合、第2の実施形態におけるステップS205と同じ処理により、影響を受けた被検体線維束の実際の位置を検出して表示することができ、これについては贅言しない。
以下、腫瘍領域の内部に関心領域がある場合について図10を参照して説明する。ここでは、図10は、腫瘍領域が線維束を押出した場合に、被検体データと線維束アトラスとの間での関心領域の往復転写を利用して、影響を受けた機能性線維束を特定する模式図である。図10の例では、説明の便宜上、線維束ごとに、1本の神経線維のみが含まれ、且つ線維束と関心領域との間はいずれも「AND」の論理関係である。
図10に示すように、腫瘍領域Eの内部に関心領域Bがある場合、関心領域Bを内部関心領域(内部機能領域)における唯一の関心領域とし、関心領域A及び関心領域Cを外部関心領域(外部機能領域)とする。まず、被検体データにおいて、関心領域Aと関心領域Cとからなる外部関心領域を用いて、外部関心領域を貫通し、かつ、関心領域Aと関心領域Cとの論理関係(本実施形態では、論理関係はいずれも「AND」である)に該当する全ての線維束を第1の線維束(第1の神経領域)として決定する。図10で示されている第1の線維束には、2本の線維束が含まれ、それぞれ被検体線維束X1及び被検体線維束X2である。そのうち、被検体線維束X1は腫瘍領域Eによって押出された線維束である。次に、図10に示すように、線維束アトラスにおいて、外部関心領域を貫通し、かつ、内部関心領域(関心領域B)を貫通していない機能性線維束を第2の線維束(第2の神経領域)として特定する。図10で示されている線維束アトラスにおいて、条件に該当する第2の線維束は1本の線維束、即ち、線維束X2’がある。最後に、第1の線維束から第2の線維束を引いて、影響を受けた機能性線維束を得る(図10で示されている影響を受けた機能性線維束は1本である)。即ち、第1の線維束(被検体線維束X1、被検体線維束X2)から、第2の線維束(線維束X2’)に相当する線維束(被検体線維束X2)を除くことで、影響を受けた線維束(被検体線維束X1)を検出することができる。
実際に、図10における線維束X2’は関心領域A及び関心領域Cを貫通しただけでなく、更に関心領域Dに連結されている。言い換えれば、関心領域A、C、Dこそがこの線維束X2’を一義的に特定するための各関心領域である。そのため、第2の線維束における線維束X2’を被検体データへ転写する際に、関心領域A、C、Dを被検体データに再度転写する必要がある。それにより、被検体データから、関心領域A、C、Dを貫通し、かつ、関心領域A、C、D間の論理関係に該当する被検体線維束(即ち、図10で示されている被検体線維束X2)を求める。
図10は一例に過ぎず、被検体データにおける内部又は外部関心領域の数、及び線維束アトラスにおいて外部関心領域を貫通した機能性線維束の数によって、影響を受けた機能性線維束を特定する方法は異なる。しかし、本実施形態の要旨に適う変形であれば、本実施形態に含まれる。
以下、第3の実施形態に係る画像処理ステップを示すフローチャートである図11を参照して説明する。図11における流れは、第2の実施形態におけるステップS204のサブ処理である。
図10で示されている状況を例に、処理過程における必要なステップを説明する。
ステップS301では、解析部203が被検体データにおいて関心領域が腫瘍領域内にあるか否かを判断する。関心領域が腫瘍領域内にはないと判断すると、解析部203は、各関心領域を貫通し、かつ、各関心領域間の論理関係に該当する線維束を、影響を受けた機能性線維束として検出し、表示処理部205に表示させる(ステップS302)。
解析部203は、関心領域が腫瘍領域E内にあると判断すると、被検体データにおいて外部関心領域における各関心領域を貫通した線維束を第1の線維束として検出する(ステップS303)。言い換えれば、関心領域が腫瘍領域内にあると判断すると、解析部203は、被検体データにおいて腫瘍領域以外の各関心領域を貫通した線維束を第1の線維束として検出する(ステップS303)。
次に、ステップS304では、解析部203が線維束アトラスから外部関心領域における各関心領域を貫通し、かつ、内部関心領域における各関心領域を貫通していない機能性線維束を第2の線維束として検出し、第2の線維束における各線維束について、各線維束を一義的に認識するための関心領域を特定する。
ステップS305では、第二転写部204がステップS304で特定された各関心領域を線維束アトラスから被検体データへ転写する。
ステップS306では、解析部203が被検体データにおいて、転写された各関心領域を貫通し、かつ、各関心領域間の論理関係に該当する線維束を被検体データにおける第2の線維束として求める。
ステップS307では、解析部203が第1の線維束から第2の線維束を引いて影響を受けた機能性線維束を得る。
第3の実施形態に係る医用画像処理装置によれば、腫瘍領域Eが線維束を変位させ、かつ、線維束アトラスから被検体データへ転写された関心領域が腫瘍領域E内にある場合でも、影響を受けた機能性線維束の実際の位置を正確に把握して表示することができる。
また、第3の実施形態における指標表示部206は、腫瘍領域による損傷指標を算出して表示する。例えば、指標表示部206は、被検体データにおける影響を受けた機能性線維束と、線維束アトラスにおける影響を受けた機能性線維束とを比較することで、損傷指標として、被検体神経領域の統計情報を算出する。ここで、指標表示部206が算出する統計情報としては、例えば、押出率、貫通率、浸潤率、破壊率、使用率等が挙げられる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は第2の実施形態の変形例である。
図12は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態に対する第4の実施形態の相違点は、第一転写部302、解析部303、第二転写部304、表示処理部305、指標表示部306が、第1の実施形態における第一転写部102、解析部103、第二転写部104、表示処理部105、指標表示部106に比べて、追加の機能を発揮することにある。以下、第4の実施形態と第2の実施形態との相違点について主に説明し、重複する説明は適切に省略する。また、本実施形態における腫瘍領域には、図13における腫瘍及び腫瘍周囲の腫瘍浸潤領域が含まれる。
抽出部301は、被検体データから神経分布の位置情報及び腫瘍領域の情報を抽出するのに加えて、被検体から取得した被検体の各関心領域を表す被検体関心領域データを更に抽出する。例えば、血液酸素レベル依存機能の磁気共鳴イメージングにより被検体の機能領域の画像を取得することで、この画像における被検体機能領域(即ち、被検体関心領域)のデータを抽出する。
第一転写部302は、抽出部301により抽出された被検体関心領域を予め定義された線維束アトラスへ転写する。図13では、被検体関心領域データを予め定義された線維束アトラスへ転写する一例が示されている。説明の便宜上、図13における線維束アトラスには、2つの関心領域(即ち、関心領域A及び関心領域B)のみが示されており、且つ、予め定義された関心領域A及び関心領域Bの正常形態が略楕円の状態として仮定されている。図13では更に、線維束アトラスへ転写された2つの被検体関心領域(即ち、被検体関心領域C及び被検体関心領域D)が示されている。脳腫瘍が発生した場合、腫瘍の影響により、機能性線維束に押出、貫通、浸潤などの現象が発生するだけではなく、脳機能領域(関心領域)も対応して一部消える(小さくなる)か、延いては、全部消えることもある。図13における被検体データに示すように、被検体関心領域C及び被検体関心領域Dでは、関心領域A及び関心領域Bが腫瘍の影響を受けて一部消えた場合が示されており、被検体関心領域C及び被検体関心領域Dが元々の略楕円形状から不規則な形状に小さくなっている。
解析部303は、線維束アトラスにおける線維束と線維束アトラスへ転写された腫瘍領域との位置関係に基づいて、腫瘍領域による影響を受けた線維束を検出した後、線維束アトラスに定義された関心領域と線維束との対応関係に基づいて、解析結果として、検出された線維束に対応付けられた関心領域を取得する。図13に示す例の中で、検出された腫瘍領域による影響を受けた線維束は線維束X1’〜線維束X10’であり、線維束X1’〜線維束X10’に対応付けられた関心領域は関心領域A及び関心領域Bである。
指標表示部306は、腫瘍領域による影響を受けた関心領域について、線維束アトラスへ転写された被検体関心領域(即ち、実際の関心領域)及び線維束アトラスに予め定義された関心領域(即ち、正常形態での関心領域)を比較して、一致していない関心領域を腫瘍領域による影響を受けた関心領域として検出する。
また、指標表示部306は更に、比較結果に基づいて腫瘍領域による損傷指標を算出して表示することもできる。この場合、腫瘍領域による損傷指標は被検体関心領域のアトラスデータにおける関心領域に対する減少率である。
そして、第二転写部304は、腫瘍領域による影響を受けた関心領域に応じる線維束アトラスにおける関心領域を被検体データへ転写する。図13の左下部では、関心領域A及び関心領域Bを被検体データへ転写した後の状態が示されており、図中の2つの点線楕円はそれぞれ予め定義された関心領域A及び関心領域Bの輪郭を表している。
指標表示部306は被検体データにおいて、腫瘍領域による影響を受けた関心領域から被検体線維束を検出(追跡)し、検出された被検体データにおける被検体線維束とアトラスデータにおける腫瘍領域による影響を受けた線維束とを比較することで、腫瘍領域による損傷指標を算出する。
図13に示す例の中では、腫瘍領域の位置及び被検体データへ転写された予め定義された関心領域A及び関心領域Bに基づき、関心領域A及び関心領域Bに応じる被検体線維束が追跡される。図13における被検体データには、関心領域Aと関心領域Bとの間で連結された10個の線維束が示されており、図中の左から順に線維束X1〜線維束X10になる。
図13における各線維束と腫瘍との位置関係に応じて、線維束X1〜線維束X10は遮断線維束、浸潤線維束、貫通線維束、無影響線維束等の複数種類に分けられる。遮断線維束は腫瘍によって遮断された線維束であり、図13における線維束X5、線維束X6及び線維束X7は遮断線維束である。浸潤線維束は腫瘍周囲にある腫瘍浸潤領域を貫通したが腫瘍を貫通していない線維束であり、図13における線維束X2、線維束X3、線維束X4及び線維束X9は浸潤線維束である。貫通線維束は腫瘍周囲にある腫瘍浸潤領域を貫通し、かつ、腫瘍を貫通した線維束であり、図13における線維束X8は貫通線維束である。無影響線維束は腫瘍浸潤領域を貫通していない線維束であり、図13における線維束X1及び線維束X10は無影響線維束である。また、図13におけるアトラスデータ中の線維束X4’と比較して分かるように、図13における被検体データ中の線維束X4が腫瘍位置による影響を受けて左へ変位し、このように変位した線維束は押出線維束と言う。
追跡された各線維束及び患部の位置に基づいて、機能性線維束の損傷指標を得ることができる。損傷指標は例えば、関心領域に関する機能性線維束の統計情報で表し、統計情報としては、例えば、押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つが挙げられる。
押出率は、関心領域に関する機能性線維束のうち押出線維束が占める比率を表す。貫通率は、関心領域に関する機能性線維束のうち貫通線維束が占める比率を表す。浸潤率は、関心領域に関する機能性線維束のうち浸潤線維束が占める比率を表す。破壊率は、関心領域に関する機能性線維束のうち手術により破壊された機能性線維束が占める比率を表す。破壊率は手術の方式によって異なり、例えば、“腫瘍のみを切除した場合”及び“腫瘍及び腫瘍浸潤領域を切除した場合”に得られる破壊率は通常異なるものである。使用率は、関心領域に関する機能性線維束のうち手術の前に使用可能な機能性線維束が占める比率を表す。
表1に、図13における各被検体線維束の統計情報を示す。例えば、指標表示部306は、表1に示す各統計情報を算出して表示する。
Figure 0006849526
第4の実施形態に係る画像処理ステップの流れについて、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS401では、神経分布の位置情報及び腫瘍領域の情報に加えて、被検体から取得した被検体の各関心領域を表す被検体関心領域データが抽出される。
ステップS402では、第一転写部302が線維束画像及び患部画像を予め定義された線維束アトラスへそれぞれ転写するのに加えて、更に転写マトリックスを利用して抽出部301により抽出された被検体関心領域データを予め定義された線維束アトラスへ転写する。
ステップS403では、解析部303が腫瘍の位置に基づいて、腫瘍領域による影響を受けた線維束が連結される関心領域を特定する。
ステップS404では、指標表示部306がステップS403で特定された関心領域について、線維束アトラスへ転写された被検体の関心領域(即ち、実際の関心領域)と線維束アトラスに予め定義された関心領域(即ち、正常形態での関心領域)とを比較して、一致していない関心領域を腫瘍領域による影響を受けた関心領域として検出する。
ステップS405では、第二転写部304が腫瘍領域による影響を受けた関心領域に応じる線維束アトラスにおける関心領域を被検体データへ転写する。
ステップS406では、指標表示部306が被検体データにおいて、腫瘍領域による影響を受けた関心領域から被検体線維束を検出(追跡)し、検出された被検体データにおける被検体線維束とアトラスデータにおける腫瘍領域による影響を受けた線維束とを比較することで、腫瘍領域による損傷指標を算出して表示する。腫瘍領域による損傷指標は被検体線維束の統計情報で表し、統計情報は、神経領域の押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つとする。
ステップS407では、表示処理部305が更に、転写後の被検体データを表示してもよい。
図15は、指標表示部306及び表示処理部305が何れも表示した画面の模式図である。
また、本実施形態の一変形例として、ステップS404では更に、被検体関心領域のアトラスデータにおける関心領域に対する減少率を算出して、腫瘍領域による損傷指標として表示してもよい。この場合、ステップS406を省略して被検体線維束の統計情報を算出しなくてもよい。
本実施形態において、医用画像処理装置300は予め定義された正常形態での関心領域を被検体データへ転写することにより、被検体データから機能性線維束を追跡して、機能性線維束の損傷程度を直感的に判断することができる。このような構成を用いることにより、被検体の脳機能領域が一部消えたか、又は全部消えたため、被検体データにおいて関心領域に応じる被検体線維束が正確に追跡できないという問題を避けることが可能である。それは、関心領域が小さくなると、この関心領域にて追跡した繊維束の数が実際に追跡すべき数よりも小さくなる可能性があるためである。
また、予め定義された正常形態での関心領域及び腫瘍の位置に基づいて、機能性線維束を遮断線維束、浸潤線維束、貫通線維束、無影響線維束等の種類に分け、かつ、被検体の各機能性線維束の実際の位置と腫瘍位置との関係に基づいて、関心領域に関する機能性線維束の統計情報(例えば、押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つ)により機能性線維束の損傷程度を直感的に表示することが可能になる。
実施形態の医用画像処理装置は、各実施形態に説明された機能を実現できる回路として、医用装置に組み込まれてもよいし、コンピュータが実行可能なプログラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク(登録商標:floppy)、ハードディスクなど)、コンパクトディスク(CD−ROM、DVDなど)、光ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に記憶され発行されてもよい。
かつ、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムによる指示に基づいてコンピュータ上に実行されるOS(オペレーティングシステム)、データベース管理ソフトウェア、ネットワークソフトウェアなどのMW(ミドルワーク)なども、上述した実施形態を実現するための各処理の一部を実行することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、神経線維束に応じる機能領域の機能性分類を簡便に取得することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100 医用画像処理装置
101 抽出部
102 第一転写部
103 解析部
104 第二転写部
105 表示処理部
106 指標表示部

Claims (16)

  1. 被検体データから神経分布の位置情報を抽出する抽出部と、
    抽出された位置情報に基づく被検体神経領域を、アトラスデータへ転写する第一転写部と、
    前記アトラスデータにおける脳内の機能領域と、転写された前記被検体神経領域との位置関係を解析する解析部と、
    前記解析部による解析結果を前記被検体データへ転写する第二転写部と、
    を備える、医用画像処理装置。
  2. 損傷指標を算出して表示する指標表示部を更に備え、
    前記解析部は、解析結果として、転写された前記被検体神経領域に応じる前記機能領域を取得し、前記アトラスデータに定義されている前記機能領域と神経領域との対応関係に基づいて、取得した前記機能領域に対応付けられる前記神経領域を取得し、
    前記指標表示部は、転写された前記被検体神経領域と、取得された前記神経領域とを比較することで、前記損傷指標を算出して表示する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記損傷指標は、前記被検体神経領域の統計情報を含み、前記統計情報は、神経領域の使用率である、請求項2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記抽出部は、患部の位置情報を抽出し、
    前記第一転写部は、抽出された患部の位置情報に基づく患部領域を前記アトラスデータへ転写し、
    前記解析部は、前記アトラスデータにおける機能領域と、前記アトラスデータにおける神経領域と、転写された前記患部領域との位置関係を解析する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記解析部は、前記神経領域と、転写された前記患部領域との位置関係に基づいて、前記患部領域による影響を受けた前記神経領域を検出し、前記アトラスデータに定義されている前記機能領域と前記神経領域との対応関係に基づいて、解析結果として、検出した前記神経領域に対応付けられる前記機能領域を取得する、請求項4に記載の医用画像処理装置。
  6. 表示処理部をさらに備え、
    前記解析部は、取得した前記機能領域に基づいて、前記患部領域による影響を受けた前記被検体神経領域を検出し、
    前記表示処理部は、前記解析部が検出した前記被検体神経領域を表示する、請求項5に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記表示処理部は、前記患部領域による影響を受けた前記被検体神経領域が強調された画像を表示する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記アトラスデータにおいては、1つの神経領域と複数の機能領域とが対応付けられ、
    前記解析部は、前記複数の機能領域の少なくとも1つが前記患部領域内に位置する場合、前記複数の機能領域のうち前記患部領域内に位置する内部機能領域を除く外部機能領域を通過する前記被検体神経領域を第1の神経領域として検出し、前記外部機能領域を通過し且つ前記内部機能領域を通過しない前記神経領域を第2の神経領域として検出し、前記第1の神経領域から前記第2の神経領域に相当する前記被検体神経領域を除くことで、前記患部領域による影響を受けた前記被検体神経領域を検出する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記解析部が検出した前記被検体神経領域と、前記患部領域による影響を受けた前記神経領域とを比較することで、前記患部領域による損傷指標を算出して表示する指標表示部を更に備えた、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  10. 前記損傷指標は、前記被検体神経領域の統計情報を含み、前記統計情報は、神経領域の押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つである、請求項9に記載の医用画像処理装置。
  11. 指標表示部をさらに備え、
    前記抽出部は、前記被検体データから脳内の機能領域の位置情報を抽出し、
    前記第一転写部は、抽出された位置情報に基づく被検体機能領域を前記アトラスデータへ転写し、
    前記指標表示部は、前記解析部が取得した前記機能領域と、転写された前記被検体機能領域とを比較することで、前記患部領域による損傷指標を算出して表示する、請求項5に記載の医用画像処理装置。
  12. 前記損傷指標は、前記アトラスデータにおける機能領域に対する前記被検体機能領域の減少率である、請求項11に記載の医用画像処理装置。
  13. 前記解析部は、検出した前記神経領域に対応付けられる機能領域に基づいて、前記患部領域による影響を受けた前記被検体神経領域を検出し、
    前記指標表示部は、検出された前記被検体神経領域と、前記患部領域による影響を受けた前記神経領域とを比較することで、前記患部領域による損傷指標を算出して表示する、請求項11又は12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記損傷指標は、前記被検体神経領域の統計情報を含み、前記統計情報は、神経領域の押出率、貫通率、浸潤率、破壊率及び使用率の少なくとも1つである、請求項13に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記神経領域は、神経線維束に応じる領域であり、
    前記機能領域は、脳機能に応じる領域又は脳内の組織構造に応じる領域である、請求項2に記載の医用画像処理装置。
  16. 被検体データから神経分布の位置情報を抽出する抽出ステップと、
    抽出した位置情報に基づく被検体神経領域を、アトラスデータへ転写する第一転写ステップと、
    前記アトラスデータにおける脳内の機能領域と、転写した前記被検体神経領域との位置関係を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップによる解析結果を前記被検体データへ転写する第二転写ステップと、 を備える、医用画像処理方法。
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