JP6847934B2 - アッセイを多重化する為のデコード方法並びに関連する流体デバイス、キット、及び固体支持体 - Google Patents

アッセイを多重化する為のデコード方法並びに関連する流体デバイス、キット、及び固体支持体 Download PDF

Info

Publication number
JP6847934B2
JP6847934B2 JP2018517432A JP2018517432A JP6847934B2 JP 6847934 B2 JP6847934 B2 JP 6847934B2 JP 2018517432 A JP2018517432 A JP 2018517432A JP 2018517432 A JP2018517432 A JP 2018517432A JP 6847934 B2 JP6847934 B2 JP 6847934B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
encoding
solid
solid supports
solid support
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018517432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018538514A (ja
JP2018538514A5 (ja
Inventor
ミカエル ラムジー,ジョン
ミカエル ラムジー,ジョン
ハンプトン ヘンリー,ウィリアム
ハンプトン ヘンリー,ウィリアム
リンズ,トーマス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of North Carolina at Chapel Hill
Original Assignee
University of North Carolina at Chapel Hill
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of North Carolina at Chapel Hill filed Critical University of North Carolina at Chapel Hill
Publication of JP2018538514A publication Critical patent/JP2018538514A/ja
Publication of JP2018538514A5 publication Critical patent/JP2018538514A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6847934B2 publication Critical patent/JP6847934B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54313Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being characterised by its particulate form
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/536Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase
    • G01N33/542Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase with steric inhibition or signal modification, e.g. fluorescent quenching

Description

連邦の援助のステートメント
本発明は、米国国防総省(DARPA)によって授与された助成金No.HR0011−12−2−0001の下で政府の援助によってなされた。政府は本発明にある種の権利を有する。
本発明は試料の分析に関し、特に、流体デバイスを用いて実施される分析にとって好適であり得る。
生物学的試料からの低存在量アナライトを測定する能力は、臨床診断を包含する数々の分野にとって高度に重要である。例えば、非特許文献1、2、及び3参照。
多くの蛋白質及び核酸診断バイオマーカーは低い内因性濃度で存在し、それらの分析の為の方法が非常に低い検出限界を有することを要求する。かかる高感度測定を行う為の増々共通の戦略は、生体認識素子(例えば抗体、オリゴヌクレオチド等)によって機能化されたビーズを利用する。非特許文献4、5、6、及び7参照。
試料あたりマイクロスフェアの数千から数百万の追加は、標的捕捉の為の高い表面面積を提供し、それ故に大きい試料体積から標的アナライトを効率的且つ選択的に予備濃縮する。非特許文献8及び9参照。
このアプローチは種々の個々のアナライトを測定する為に有益であるが、かかるビーズに基づく方法の鍵となる利点は、分析を多重化し、単一試料から数々の標的を定量する能力である。非特許文献10及び11参照。これは、疾患バイオマーカーのパネルが単一の試験によってスクリーニングされ得る生物学的試験用途(例えば臨床及びポイントオブケア(POC)診断)において特に価値があり得る。非特許文献12、13、及び14参照。
典型的なビーズに基づく多重診断方法は、異なる強度レベルの色素の異なる組み合わせによって、アフィニティービーズの種々の型をエンコードする。非特許文献15及び16参照。
ビーズは、用いられるエンコード色素のそれぞれについて適切な励起/放出波長で画像を取得することによってデコードされ得る。非特許文献10参照。それから、ビーズは、所定の蛍光放出強度閾に基づいて、ある集団にアサインメントされる。例えば非特許文献16参照。このアプローチはエンコードされたビーズのいくつかの集団を生じ得る一方で、これは、それぞれのビーズ集団が別のものから識別され得ることを保証する為には、異なるエンコード色素のスペクトル特性と強度レベルのそれぞれとが良好に解像されることを要求し得る。そのため、フローサイトメーター等の特殊装置をもってしても、このアプローチに用いられ得る多重化レベルの数には実際的な上側限界がある。増大した多重化及び/又は検出スピードを許し得る代替のエンコード/デコードシステムの必要が残っている。
本特許出願の背景技術の項において上で引用されている文書の内容は、本明細書に完全な形で記載されているかのように参照によってここに組み込まれる。
リシン等(Rissin et al.)著,「単分子の酵素をリンクした免疫吸着アッセイはサブフェムトモル濃度で血清蛋白質を検出する(Single-molecule enzyme-linked immunosorbent assay detects serum proteins at subfemtomolar concentrations)」,ネイチャー・バイオテクノロジー(Nat. Biotechnol.),2010年,28巻,p.595−599 D.R.ウォルト(Walt, D. R.)著,「単分子検出及び分析の為の光学的方法(Optical Methods for Single Molecule Detection and Analysis)」,アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)(ワシントンDC,U.S.),2013年,85巻,p.1258−1263 ウィッターズ等(Witters et al.)著,「フェムトリットル液滴中の単一の磁気ビーズをプリント及びシーリングすることによって、デジタルマイクロ流体力学によって可能になる単分子検出(Digital microfluidics-enabled single-molecule detection by printing and sealing single magnetic beads in femtoliter droplets)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2013年,13巻,p.2047−2054 リシン等(Rissin et al.)著,「分子のシンギュレーションされたアンサンブル及び単分子の同時検出は、幅広いダイナミックレンジを有するイムノアッセイを可能にする(Simultaneous Detection of Single Molecules and Singulated Ensembles of Molecules Enables Immunoassays with Broad Dynamic Range)」,アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)(ワシントンDC,U.S.),2011年,83巻,p.2279−2285 ソン等(Song et al.)著,「単分子アレイを用いるサブフェムトモル濃度の細菌ゲノムDNAの直接検出(Direct Detection of Bacterial Genomic DNA at Sub-Femtomolar Concentrations Using Single Molecule Arrays)」,アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)(ワシントンDC,U.S.),2013年,85巻,p.1932−1939 ウーリー等(Woolley et al.)著,「バイオメディカル分析の為の新興テクノロジー(Emerging technologies for biomedical analysis)」,アナリスト(Analyst)(ケンブリッジ,U.K.),2014年,139巻,p.2277−2288 カルバートソン等(Culbertson et al.)著,「マイクロトータル分析システム:根本的進歩及び生物学的用途(Micro Total Analysis Systems: Fundamental Advances and Biological Applications)」,アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)(ワシントンDC,U.S.),2014年,86巻,p.95−118 チャン等(Chang et al.)著,「酵素をリンクした単分子免疫吸着アッセイ:理論的考察(Single molecule enzyme-linked immunosorbent assays: Theoretical considerations)」,ジャーナル・オブ・イミュノロジカル・メソッズ(J. Immunol. Methods),2012年,378巻,p.102−115 D.R.ウォルト(Walt, D. R.)著,「マイクロウェルでの蛋白質測定(Protein measurements in microwells)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2014年,14巻,p.3195−3200 リシン等(Rissin et al.)著,「多重化した単分子イムノアッセイ(Multiplexed single molecule immunoassays)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2013年,13巻,p.2902−2911 S.F.キングスモア(Kingsmore, S. F.)著,「多重蛋白質測定:蛋白質及び抗体アレイのテクノロジー及び用途(Multiplexed protein measurement: technologies and applications of protein and antibody arrays)」,ネイチャー・レビューズ・ドラッグ・ディスカバリー(Nat. Rev. Drug Discovery),2006年,5巻,p.310−320 ニエ等(Nie et al.)著,「ヒト唾液試料を用いる高速で高感度の多重蛋白質プロファイリングの為の自動化された統合プラットフォーム(An automated integrated platform for rapid and sensitive multiplexed protein profiling using human saliva samples)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2014年,14巻,p.1087−1098 シェン等(Shen et al.)著,「回転式スリップチップ上でのマルチボリュームデジタルRT−PCRを用いる、大きいダイナミックレンジを有する核酸の多重定量を、HIV及びC型肝炎ウイルス負荷によって試験した(Multiplexed Quantification of Nucleic Acids with Large Dynamic Range Using Multivolume Digital RT-PCR on a Rotational SlipChip Tested with HIV and Hepatitis C Viral Load)」,ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society),2011年,133巻,p.17705−17712 チン等(Chin et al.)著,「マイクロ流体ポイントオブケア診断デバイスの商業化(Commercialization of microfluidic point-of-care diagnostic devices)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2012年,12巻,p.2118−2134 マネス等(Manesse et al.)著,「バイオセンシング用途の為の動的マイクロビーズアレイ(Dynamic microbead arrays for biosensing applications)」,ラボ・オン・ア・チップ(Lab Chip),2013年,13巻,p.2153−2160 ニエ等(Nie et al.)著,「光ファイバー束及び蛍光抗体に基づくマイクロアレイを用いる、呼吸器系疾患の患者についての多重唾液蛋白質プロファイリング(Multiplexed Salivary Protein Profiling for Patients with Respiratory Diseases Using Fiber-Optic Bundles and Fluorescent Antibody-Based Microarrays)」. アナリティカル・ケミストリー(Anal. Chem.)(ワシントンDC,U.S.),2013年,85巻,p.9272−9280
本発明の実施形態はエンコードされたデバイスのデコード測定を提供し、これは、従来のエンコード方法によって到達不可能であると信じられている多重化の追加のレベルを可能にし得る。
典型的には従来のデコード測定の為にされるように、シングルタイムポイントエンコード測定のみを用いることと対照的に、本願の実施形態はタイムドメインを使用する方法を提供して、異なる期間に取られた複数のデコード測定を得て、異なる集団を識別及び/又は同定する(デコードする)。デコード測定は、例えば類似のスペクトル特性を有するエンコード物質等のエンコード物質(例えば色素)に基づき得る。
エンコード物質同士は、第1の画像中では(例えば、ある定義されたイベント前には)それらが識別不可能であり得るように類似のスペクトル特性を有し得、安定である(例えば、ある定義されたイベントの前及び後両方の異なる時点において、同じ蛍光強度を生ずる)もの、並びにある定義されたイベントに応答して物理的に及び/又は化学的に変化させられる(例えば、定義されたイベント前の蛍光強度と比較して、定義されたイベント後の異なる時点において蛍光強度の増大又は減少を見せ、及び/又は選択的に活性化される)ものを包含し得る。
エンコード物質は、安定な、部分的に安定な、比較的安定な、及び不安定な物質を包含し得る。
エンコード物質のいくつか又は全ては、第1の画像中では識別不可能であり得るように類似のスペクトル特性を包含し得、不安定なエンコード物質は物理的及び/又は化学的変化を原因とする縮減又は増大した蛍光強度を発生し得、これはある定義されたイベント(例えば、温度的、光学的、化学的、磁気的、及び/又は電気化学的イベント)に対する暴露によって引き起こされ得る。
デコード測定は、それぞれの固体支持体(これはその全て又はある部分であり得る)に関連する物理的及び/又は化学的変化を引き起こすある定義されたイベントの前、間、及び/又は後を包含する異なる時点において取られ得、これは、それぞれの固体支持体(これはその全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルが変化することを引き起こし得る(例えば、少なくとも1つのエンコード物質を有するそれぞれの固体基材(これはその全て又はある部分であり得る)によって発生するルミネッセンス強度が変化し得る)。いくつかの実施形態においては、ルミネッセンス強度が測定され得、これは蛍光及び/又は燐光強度を包含し得る。固体支持体の他のデコード測定は、磁気的挙動、pH、光散乱、物理的サイズ、形状、屈折率、可溶性、光吸収及び/若しくは放出強度、又は極大波長シフト、伝導性、比誘電率、粘度、及び放射性減衰イベント、並びに上のものの組み合わせの変化を検出することを包含する。
例えば、いくつかの実施形態においては、ビーズ等だがこれに限定されない固体支持体がエンコード物質(例えば、色素(単数又は複数))によってエンコードされ得、1つよりも多くのエンコード物質が用いられるところでは、エンコード物質は類似のスペクトル特性(例えば、類似の初期スペクトル特性)と異なる安定性とを有し得る。従来のデコード方法によっては識別不可能だが、本発明の方法は、固体支持体の異なる集団が解像されることを許し得る。いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの異なる集団を同定する為に、少なくとも2つの異なるエンコード物質が用いられ得る。代替的に又は追加して、いくつかの実施形態においては、1つのエンコード物質(例えば、同じ色素及び/又は活性部分)が少なくとも2つの異なる集団を同定する為に用いられ得るが、集団の少なくとも1つでは、エンコード物質はある定義されたイベントに応答して他方とは異なるエンコードシグナルを提供し、その結果、集団が同定され得る。例えば、これは、定義されたイベントに応答して選択的に活性化又は変化させられる、他方に存在しない要素をエンコード物質が包含するということであり得る。例えば、2つの異なる集団のエンコード物質は同じ色素を包含し得るが、差次的に固体支持体に取り付けられ得、1つの取り付け方法は、ある定義されたイベントによって破壊される結合を包含し得、これがエンコード物質の又は固体支持体の蛍光強度を変化させる。
本発明の固体支持体は、静的なシングルタイムポイント測定によって達成され得るよりも多くの各独特のエンコード状態を生み出し得る。
本発明の方法は、固体支持体に関連する物理的及び/又は化学的変化によって提供される追加のエンコードシグナルによって、増大した集団を同定し得る。これは、それぞれの固体支持体及び/又はその部分のエンコードシグナルが経時的に変化することを引き起こし得、典型的には、例えばエンコード物質及び/又は固体基材の化学的及び/又は物理的特性の変化を引き起こす定義されたイベント等の定義されたイベントに基づく。
増大した多重化性能は、追加のフィルターセット又は他のコストがかかる光学装置を要求せずにあり得、これは低コストの比較的単純な分析プラットフォームを提供し得る。
固体基材(例えばビーズ)中及び/又は上における時間依存的測定を実装する為の多くのやり方がある一方で、光安定性及び/又は熱安定性は、多重ビーズを同定する為に活用するべき特に好適なパラメータであり得る。
いくつかの実施形態においては、それぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)の第1及び第2のエンコードシグナルが得られ、分析されて、異なる集団を同定し得る。いくつかの実施形態において、第1のエンコードシグナルは、異なる固体支持体を異なる場所に有する第1の画像に基づき、及び/又はそれから得られ得る。第2のエンコードシグナルは、異なる固体支持体を対応する(同じ)場所に有する第2の画像に基づき、及び/又はそれから得られ得る。いくつかの実施形態において、第1のエンコードシグナルは、エンコードされた分子認識素子を固体支持体上の試料上及び/又は中の異なる場所に有する第1の画像に基づき、及び/又はそれから得られ得、第2のエンコードシグナルは、異なるエンコードされた分子認識素子を対応する(同じ)場所に有する第2の画像に基づき、及び/又はそれから得られ得る。第1及び第2の画像中の異なるエンコードシグナルの実際の数は同じであり得る。しかしながら、それぞれの固体支持体(単数又は複数)のエンコードシグナルは経時的に変化し(例えば、1つのレベルから別のもの、例えば高から低に又は逆にシフトし)得、これは検出可能なエンコード状態の数を増大させ得る。
例えば、いくつかの実施形態において、分析システムは、第1及び第2の画像間において、例えば3つの(3)強度レベル(低、中、高)等の定義された強度レベルの同数を検出するように構成され得る。しかしながら、集団の少なくともいくつかの第1及び第2の画像間における強度レベルの変化を原因として、追加の集団が、同じままに残った集団及び変化した集団に基づいて定義され得る(1.初期の低強度、そして低強度に留まった、2.初期の中強度、そして低強度までブリーチングされた、3.初期の中強度、そして中強度に留まった、4.初期の高強度、そして低強度までブリーチングされた、5.初期の高強度、そして中強度までブリーチングされた、6.初期の高強度、そして高強度に留まった)。
更に、クエンチャーが除かれるか又はケージド色素が放出されるとより高明度になる能力を使用して、分析システムは、上の1〜6の全て、プラス7.中強度まで増大した初期の低強度、8.高強度まで増大した初期の低強度、9.高強度まで増大した初期の中強度を検出するように構成され得る。即ち、3つの強度レベルのみから9つの集団である。第2の色素セット(例えば、エンコード物質)が用いられる場合には、81個の集団を生み出し得る。
他のエンコードシグナルが使用され得、下で更に論じられる固体基材の物理的及び/又は化学的変化を包含する。
いくつかの実施形態においては、固体支持体をデコードする方法が提供され、方法は、複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)の中の固体支持体の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較し、それぞれの固体支持体の第2のエンコードシグナルが、固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれの固体支持体の第1及び第2のエンコードシグナルが異なることと、第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて、複数の固体支持体をデコードすることとを包含する。
いくつかの実施形態においては、固体支持体をデコードする方法が提供され、方法は、(例えば、抗体、アプタマー、及び/又は核酸プローブ等の)複数の分子認識素子を提供することと(複数の分子認識素子の少なくともいくつかは1つ以上のエンコード物質を包含する)、複数の分子認識素子の少なくともある部分を固体支持体上の試料の少なくともある部分に結合することと、複数の分子認識素子の中の分子認識素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、複数の分子認識素子の中のそれぞれの分子認識素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較することと(それぞれの分子認識素子の第2のエンコードシグナルは、分子認識素子に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれの分子認識素子の第1及び第2のエンコードシグナルは異なる)、第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて複数の分子認識素子をデコードすることとを包含する。固体支持体は、例えば組織切片等の生物学的試料を保持する顕微鏡スライドであり得る。いくつかの実施形態において、固体支持体は、アッセイの直接又はサンドイッチ型に包含される蛋白質及び/又は核酸のアレイを保持するガラス、シリコン、又はプラスチックスライドであり得る。
いくつかの実施形態は、試料をデコードする方法を包含し、複数のエンコードされた素子の中のエンコードされた素子(例えば、エンコードされた固体支持体及び/又はエンコードされた分子認識素子)の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、複数のエンコードされた素子の中のそれぞれのエンコードされた素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較することと(それぞれのエンコードされた素子の第2のエンコードシグナルは、エンコードされた素子に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれのエンコードされた素子の第1及び第2のエンコードシグナルは異なる)、第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて複数のエンコードされた素子をデコードすることとを包含する。
他の実施形態は分析システムを対象とする。アッセイデコードシステムが提供され得、少なくとも1つのプロセッサを含む回路と、複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)を含む流体分析チップと、複数の固体支持体と連通した発生源とを包含し、回路は発生源を作動させて、複数の固体支持体の少なくともいくつかに関連する少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こし、複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の第1及び第2のエンコードシグナルを比較して、複数の固体支持体の中の固体支持体の異なる集団をデコードする。発生源は、複数の固体支持体と連通した熱源又は光源の少なくとも1つを包含し得、回路は熱源又は光源の少なくとも1つを作動させて、複数の固体支持体の少なくともいくつかに関連する少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こす。
いくつかの実施形態において、システムは、コントローラと、コントローラと連絡する検出器と、単一試料について、異なる時点において、反応ウェルを保持するデバイスの反応ウェルのシグナル検出部に存在するシグナルを同定するように構成されたモジュールを有する画像プロセッサと、動的デコードモジュールとを包含し得る。
反応ウェルは少なくとも1つのビーズ保持部を有し得る。
モジュールは、反応後並びに、以降において少なくとも1つの定義されたイベントの前及び後に、陽性のアッセイシグナルを同定するように構成され得る。
モジュールは、ある反応イベント後並びにある定義されたイベントの前及び後に、同定された陽性のアッセイシグナルに基づいて多重ビーズデコードを実施するように構成され得る。
それぞれのビーズを保持するビーズウェルの中心線は0.2及び1000μmの間の距離で離間され得る。
本発明の更なる態様は、複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)を包含し、第1の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質を包含する固体支持体の第1の集団と、第2の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質並びに少なくとも1つの追加のエンコード物質を包含する固体支持体の第2の集団とを包含し、少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質の蛍光励起及び放出波長がオーバーラップし、少なくとも1つのエンコード物質の第1及び第2の濃度は異なり、第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度及び/又は比が、複数のエンコード状態を提供する。
本発明の更なる態様は、複数のエンコードされた分子認識素子を包含し、複数のエンコードされた分子認識素子は、第1の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質を包含する分子認識素子の第1の集団と、第2の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質並びに少なくとも1つの追加のエンコード物質を含む分子認識素子の第2の集団とを包含し、少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質の蛍光励起及び放出波長がオーバーラップし、少なくとも1つのエンコード物質の第1及び第2の濃度が異なり、第1及び第2の集団の中のそれぞれの分子認識素子上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度及び/又は比は、複数のエンコード状態を提供する。
いくつかの実施形態においては、あるエンコードされた分子認識素子が、2つ以上の(例えば、2つ、3つ、4つ、又はより多くの)エンコード物質を包含する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載される複数の固体支持体を含むキットを対象とする。
それに関して具体的に記載されてはいないが、1つの実施形態に関して記載される本発明の態様は、異なる実施形態に組み込まれ得るということに留意される。即ち、全ての実施形態及び/又は何れかの実施形態の特徴は、何れかのやり方及び/又は組み合わせで組み合わせられ得る。出願人は、何れかの最初に提出された請求項を変更し、及び/又は何れかの新たな請求項を然るべく提出する権利を留保し、最初にその様式では請求されていないが、何れかの他の請求項(単数又は複数)に従属し、及び/又はその何れかの特徴を組み込むように、何れかの最初に提出された請求項を補正することができる権利を包含する。本発明のこれら及び他の対象及び/又は態様は、下に示されるように明細書において詳細に説明される。本発明の更なる特徴、利点、及び詳細は、当業者によって次の好ましい実施形態の図及び詳細な記載の読み取りから理解されるであろう。かかる記載は単に本発明を例示している。
本明細書に組み込まれその一部を成す付随する図面は、本発明の実施形態を示しており、記載と一緒になって、本発明の原理を説明する用をなす。
図1Aは、本発明の実施形態に従う分析システムの模式的な図解である。 図1Bは、本発明の実施形態に従う尚別の分析システムの模式的な図解である。 図1Cは、本発明の実施形態に従って、ある定義されたイベント(「DE」)前の第1の時間Tにおける画像I及びある定義されたイベント(DE)後の第2の時間Tにおける画像Iとして示されている画像を得る為のタイミングダイアグラムの模式的な図解である。 図1Dは、本発明の実施形態に従って、ある定義されたイベント(「DE」)の間の第1の時間Tにおける画像I及びある定義されたイベント(DE)後の第2の時間Tにおける画像Iとして示されている画像を得る為のタイミングダイアグラムの尚別の模式的な図解である。 図2Aは、本発明の実施形態に従って、好適な時間のフォトブリーチングを包含する少なくとも1つの定義されたイベント(DE)に関して第1、第2、及び第3の画像I、I、及びIが得られ得る時点を示す、経時的な固体支持体の温度のグラフである。 図2Bは、本発明の実施形態に従って、熱的消光を包含するある定義されたイベント(DE)に関して第1、第2、及び第3の画像I、I、及びIが取られ得る時点を示す、経時的な固体支持体の温度のグラフである。 乃至 図3A〜Cは、異なるエンコードされたビーズ集団の3つの画像(即ち、図3A、3B、及び3C)を示している。それらは、単一の流体デバイスにローディングされ、定義されたイベントとしてフォトブリーチングによって引き起こされた蛍光の変化によって得られた画像中において電子的に/光学的に識別された。図3Aは、それぞれのビーズ集団の初期蛍光強度が類似であったということを示している。図3Bは、延長された光暴露後に集団が容易に解像されたということを示している。図3A及び3Bはカメラの同一の明度/コントラスト設定で示されている。図3Cは、アレイウェル中の個々のフィコエリスリンPE(中実)、量子ドットQD(小さいドット)、及びミックス(縞模様)によってエンコードされたビーズの所在及びアイデンティティーを図示するマップを示している。 図4は、PE、QD、又はPE及びQD色素両方の混合物によってエンコードされたビーズの集団のフォトブリーチングプロファイル(正規化された蛍光対時間/秒)のグラフである。それぞれのビーズ集団がローディングされた5レプリケートのマイクロチップが図示されている。 図5は、フォトブリーチング後にヒストグラムにソートされたそれぞれのビーズ集団の度数(%)対エンドポイントの正規化された蛍光強度のグラフである。それぞれのビーズセット(PE、QD、及びミックス)は隣り合う集団(単数又は複数)から良好に解像された。これは高い同定正確度を許し得る。 図6は、温度的な定義されたイベントの為に指示されている温度に加熱された流体デバイスのマイクロウェルアレイ中にシーリングされたエンコードされたビーズの、正規化された蛍光(%)対温度(度C)のグラフである。上昇した温度は、80℃よりも上ではフィコエリスリン(PE)からの蛍光を選好的に消光した。 図7は、加熱された後のそれぞれのビーズ集団の度数(%)対正規化された蛍光強度を示すグラフである。温度的なデコードは、類似の初期蛍光を有する異なるビーズ集団が互いから識別されることを許した。 図8は、本発明の実施形態に従う例示的なビーズウェルアレイを有するマイクロ流体デバイスの上面図である。 図9Aは、従来のビーズウェルアレイを有するマイクロ流体デバイスの上面図である。 図9Bは、図9Aに示されている従来のビーズウェルの側面透視図である。 図10Aは、本発明の実施形態に従う例示的なビーズウェルアレイの上面図である。 図10Bは、図10Aに示されているビーズウェルの側面透視図である。 図11Aは、本発明の実施形態に従う別の例示的なビーズウェルアレイの上面図である。 図11Bは、図11Aに示されているビーズウェルの側面透視図である。 図12Aは、本発明の実施形態に従う尚別のビーズウェルアレイの上面図である。 図12Bは、図12Aに示されているビーズウェルの側面透視図である。 乃至 図13A〜13Cは、本発明の実施形態に従う例示的な分析システムの模式的な図解である。 図14Aは、本発明の実施形態に従う例示的なマイクロ流体チップの上面図である。 及び 図14B及び14Cは、本発明の実施形態に従う図14Aに示されているマイクロ流体チップの為の例示的な取り付け可能な基板の上面図である。 図14Dは、本発明の実施形態に従う任意のスペーサーを示すマイクロ流体チップの断面図である。 図14Eは、本発明の実施形態に従う隣接する反応ウェル間におけるシーリング剤の使用を示す例示的なマイクロ流体チップの断面図である。 図15は、本発明の実施形態に従う分析システムの模式的な図解である。 乃至 図16〜18は、本発明の実施形態の例示的な方法を表すフローチャートである。 図19は、本発明の実施形態に従うキットのパッケージの図解である。 図20は、本発明の実施形態に従う例のフローサイトメトリーシステムの模式的な図解である。 図21は、本発明の実施形態に従う例のフローサイトメトリーシステムの尚別の模式的な図解である。 図22は、それぞれの集団の経時的な平均蛍光値のグラフであり、蛍光値の上側及び下側5%は点線を用いてプロットされている。 図23は、6つのエンコードされたビーズ集団からの経時的な生の蛍光強度データのグラフである。初期蛍光値は「高」及び「低」集団を互いから識別し、一方でフォトブリーチングは用いられる具体的なエンコード色素(単数又は複数)を決定する。
本発明は、今から以下で付随する図面及び例を参照して記載され、そこでは本発明の実施形態が示される。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。寧ろ、これらの実施形態は、本開示が徹底し且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に全く伝えるように提供されている。
同類の番号は一貫して同類の要素を言う。図において、ある種の線、層、コンポーネント、要素、又はフィーチャの厚さは明瞭性の為に誇張され得る。単語「図(Figure)」の略語「図(FIG.)及び「図(Fig.)」は本文及び図中において交換可能に用いられ得る。
本明細書において用いられる術語は、特定の実施形態を記載する目的の為のみであり、本発明の限定となることを意図されていない。本明細書において用いられる単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明瞭に別様に指示しない限り、複数形をもまた包含することが意図される。用語「含む」及び/又は「含むこと」は、本明細書において用いられるときには、述べられている特徴、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はその群の存在又は追加を妨げないということが更に理解されるであろう。本明細書において用いられる用語「及び/又は」は、関連する挙げられた項目の1つ以上の何れか及び全ての組み合わせを包含する。「X及びYの間」及び「約X及びYの間」等の本明細書において用いられる言い回しは、X及びYを包含すると解釈されるべきである。「約X及びYの間」等の本明細書において用いられる言い回しは「約X及び約Yの間」を意味する。「約XからY」等の本明細書において用いられる言い回しは「約Xから約Y」を意味する。
別様に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての用語(技術及び科学用語を包含する)は、本発明が属する分野の業者によって共通に理解される同じ意味を有する。共通に用いられる辞書に定義されているもの等の用語は、本明細書及び関連分野の文脈におけるそれらの意味と矛盾しない意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書においてわざわざそのように定義されない限り、理想化された又は極端に形式的な意味で解釈されるべきではないということも更に理解されるであろう。簡潔さ及び/又は明瞭性の為に、周知の機能又は構造は詳細には記載されずにあり得る。
ある要素が別の要素の「上に」ある、それに「取り付けられる」、それに「接続される」、それと「カップリングされる」、それに「接触する」等と言われるときには、それは直接的に他方の要素の上にあるか、それに取り付けられるか、それに接続されるか、それとカップリングされるか、若しくはそれに接触し得るか、又は介在要素もまた存在し得るということは理解されるであろう。対照的に、ある要素が例えば別の要素の「直接的に上に」あるか、それに「直接的に取り付けられる」か、それに「直接的に接続される」か、それと「直接的にカップリングされる」か、又はそれに「直接的に接触する」と言われるときには、介在要素は存在しない。別の特徴に「隣接して」配置される構造又は特徴と言うことが、隣接する特徴にオーバーラップするか又はその下になる部分を有し得るということもまた、当業者によって理解されるであろう。
「下(under)」、「下(below)」、「下側(lower)」、「上(over)」、「上側(upper)」、及び同類等の空間的に相対的な用語は、本明細書においては記載の容易さの為に、図に示されている別の要素(単数又は複数)又は特徴(単数又は複数)に対する1つの要素又は特徴の関係性を記載する為に用いられ得る。空間的に相対的な用語は、図中で図示されている位置取りに追加して、使用又は操作中のデバイスの異なる位置取りを包摂することが意図されているということは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転される場合には、他の要素又は特徴の「下(under)」又は「下(beneath)」であると記載されている要素は他方の要素又は特徴の「上(over)」に位置取るであろう。それ故に、例示的な用語「下(under)」は、「上(over)」及び「下(under)」の位置取り両方を包摂し得る。デバイスは別様に(90度回転されて、又は他の位置取りで)位置取り得、本明細書において用いられる空間的に相対的な記述語は然るべく解釈される。類似に、用語「上方に(upwardly)」、「下方に(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、及び同類は、具体的に別様に指示されない限り、本明細書においては説明の目的の為のみに用いられる。
用語「第1」、「第2」等は本明細書において種々の要素を記載する為に用いられ得るが、それらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないということは理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別のものから識別する為にのみ用いられる。それ故に、下で論じられる「第1の」要素は、本発明の教示から外れることなしに「第2の」要素ともまた呼ばれ得る。操作(又はステップ)のシーケンスは、具体的に別様に指示されない限り、請求項又は図において提示される順序に限定されない。
用語「マイクロチップ」及び「マイクロ流体チップ」は交換可能に用いられ、実質的に平板状の薄いデバイスを言う。マイクロ流体チップはリジッド、セミリジッド、又はフレキシブルであり得る。用語「薄い」は、10mm以下、例えば10mm及び0.1mmの間である厚さ寸法を言い、約3mm、約2.5mm、約2mm、約1.5mm、約1mm、又は約0.5mmであり得る。マイクロチップは、典型的には、約6インチよりも小さい、より典型的には約1インチ及び6インチの間である幅及び長さを有する。マイクロチップは、長さ寸法よりも小さい幅寸法を有し得る。いくつかの実施形態において、マイクロ流体チップは、約2.13インチ(54mm)である幅寸法と約3.4インチ(85.5mm)である長さ寸法とを有し得る。マイクロチップはマイクロサイズ及び/又はナノサイズ流体チャネルを包含し得る。
用語「主要寸法」は、流体チャネルの幅及び/又は深さ寸法を言う。
流体チャネルに関して、用語「マイクロサイズの」及び「マイクロ流体」は、サブミリメートル又はより小さいサイズ幅及び/又は深さを有する流体フローチャネルを言い(例えば、用語はマイクロメートル及びナノメートルサイズチャネルを包含する)、少なくとも一部が数百ミクロン以下、典型的には900ミクロン未満で且つ1nmよりも大きいサイズ範囲の幅及び/又は深さを有するチャネルを包含する。流体チャネル又はその部分は、1nm及び約900nmの間、より典型的には約10nm及び500nmの間の主要寸法を有するナノチャネルを包含し得る。
ビーズウェルアレイのビーズウェルのチャネルは、1つ以上の基板に形成された側壁及び床を有して、開いた上側表面及び閉じた底部表面を有し得、側壁はそれらの間に伸びている。1つ以上のスペーサー、上側基板、膜、又はカバーが用いられ得る。上側基板、膜、又はカバーは、流体チャネル(単数又は複数)及び/又は反応ウェルのアレイの上側表面をシーリングするか、カバーするか、又は別様に閉じ得る。
用語「約」は、例えば+/−10%又は5%等の+/−20%以下の間で変動し得るパラメータを言う。
用語「固体支持体」は、例えばマイクロビーズ、チップ、プレート、スライド、ピン、プレートウェル、ビーズ、マイクロスフェア、ナノ粒子、マイクロウェル、又は他の部材等の物体の1つ以上を包含し、これはプローブ及び/若しくはプライマーを提供する為に用いられ得、並びに/又はこれは(例えば、蛍光化合物、ケミルミネッセンス化合物、放射性元素、及び/又は酵素等の)エンコード物質及び/若しくは動的素子にカップリングされるか若しくはそれによって標識され得る。エンコード物質及び/又は動的素子は、直接的に又は間接的に固体支持体に取り付けられ得、例えば共有結合的取り付け、非共有結合的取り付け、及び/又は物理的組み込み等による。いくつかの実施形態において、固体支持体は、固体表面上のプリントされたアレイであり得る。いくつかの実施形態において、固体支持体はマイクロスフェアであり得る。いくつかの実施形態において、固体支持体は、その上に例えば化学的及び/又は生物学的コンポーネント(例えば、組織試料)等の試料が提供される固体表面であり得、1つ以上のエンコード物質(単数又は複数)を含む分子認識素子が試料のある部分に取り付けられ得る。分子認識素子は抗体、アプタマー、DNAハイブリダイゼーションプローブ、オリゴヌクレオチド、ペプチド、蛋白質、及び/又はその組み合わせを含み得るか、又はそれであり得る。いくつかの実施形態において、固体支持体は脆弱な試薬及び/又は支持体結合を含み得、そのそれぞれは固体支持体からの切断を許し得る。いくつかの実施形態においては、1つ以上のエンコード物質が固体支持体(例えば、ビーズ又はマイクロスフェア)に取り付けられて、エンコードされた固体支持体(例えば、エンコードされたビーズ又はエンコードされたマイクロスフェア)を提供し得る。いくつかの実施形態においては、1つ以上のエンコード物質が分子認識素子(例えば、抗体)に取り付けられて、エンコードされた分子認識素子(例えば、エンコードされた抗体)を提供し得る。いくつかの実施形態において、エンコードされた分子認識素子は粒子に取り付けられ得、及び/又は例えばナノ粒子等の粒子に取り付き得る。いくつかの実施形態において、エンコードされた分子認識素子は、固体表面上の試料中及び/又は上の要素に対するエンコードされた分子認識素子の結合親和性を原因として、その上に試料が提供される固体表面に取り付き得る。それ故に、いくつかの実施形態において、アッセイが始められるか若しくは完了するまで、又はエンコードされた分子認識素子が固体支持体上の試料上及び/又は中の要素に結合しない限り、エンコード物質は固体支持体に取り付けられずにあり得る。従って、本発明の方法は、1つ以上のエンコード物質を固体支持体上に提供又は結合することを包含し得る。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、複数のエンコードされた分子認識素子を提供することと、エンコードされた分子認識素子の少なくともある部分を固体支持体上の試料に結合することとを含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法は蛍光顕微鏡法用途に用いられ得、例えば組織、細胞、及び/若しくは受容体の免疫蛍光マッピング、並びに/又は蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を包含する。
用語「ビーズ」(単数又は複数)は、固相部材、例えば粒子、微粒子、又はマイクロスフェア、典型的には磁気マイクロスフェアを言い、これは材料(単数又は複数)の多孔性、表面多孔性、又は非多孔性であり得、例えば、ポリマー、プラスチック、ガラス、二酸化ケイ素、金属、又は半金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、若しくは他の酸化物を包含するが、これに限定されない)、量子ドット、金属粒子、及び/又は同類等であり、これは反応ウェル中での使用にとって適切であり得る。いくつかの実施形態においては、多重化ビーズセットが提供され得、ビーズの1つの集団を別のものから識別する為にユニークにエンコードされた複数のビーズ(例えば、マイクロスフェア)を含む。
用語「回路」は、全体的にハードウェアの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアを組み合わせた実施形態を言う。
試料中のアナライトは、例えば、合成及び/又は生体高分子、ナノ粒子、小分子、DNA、核酸/ポリ核酸、ペプチド、蛋白質、及び/又は同類を包含する種々の混合物を包含する試料からの目的の何れかのアナライトであり得る。アナライトは1つ以上のアナライト分子であり得る。試料又は試料のアナライトは、例えばアミノ酸及び/又は荷電分子、ペプチド、及び/又は蛋白質等の1つ以上の極性代謝物質を包含し得る。試料及び/又はアナライトは、生体液、血液、血清、尿、乾燥血液、細胞増殖培地、リシスした細胞、飲料、及び/又は食品から抽出された分子をもまた、又は代替的に包含し得る。試料は、水、空気、及び/又は土壌等の環境試料をもまた、又は代替的に包含し得る。
用語「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも約5ヌクレオチドから約500ヌクレオチドの核酸配列を言う(例えば、5、6、7、8、9、10、12、15、18、20、21、22、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、又は500ヌクレオチド)。例えば、いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは約15ヌクレオチドから約50ヌクレオチド又は約20ヌクレオチドから約25ヌクレオチドであり得、これが、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅アッセイのプライマーとして、及び/又はハイブリダイゼーションアッセイ若しくはマイクロアレイのプローブとして用いられ得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、天然又は合成、例えば、DNA、RNA、PNA、LNA、修飾バックボーン等、又は当分野において周知であるその何れかの組み合わせであり得る。
プローブ及びプライマーは、増幅及び/又は検出どちらかの為のものを包含し、何れかの好適な長さのオリゴヌクレオチドを含み得るが(DNA等の天然に存在するオリゴヌクレオチド並びに合成及び/又は修飾オリゴヌクレオチドを包含する)、典型的には長さ5、6、又は8ヌクレオチドから長さ40、50、又は60ヌクレオチドまで、又はより多くである。
プローブ及び/又はプライマーは、例えばビーズ、チップ、ピン、若しくはマイクロタイタープレートウェル等の固体支持体上に固定化若しくはそれにカップリングされ得、並びに/又は例えば蛍光化合物、ケミルミネッセンス化合物、放射性元素、及び/若しくは酵素等のエンコード物質にカップリング若しくはそれによって標識され得る。
用語「エンコード物質」は、それぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルを提供し、及び/又は発生するであろう、固体支持体及び/又は固体支持体の材料及び/又は固体支持体と接触した材料に関連する(例えば、それに塗布された、それに取り付けられた、それに結合された、それと調合された、それを作製又は創出する為に用いられた等)1つ以上の物質(例えば、薬品、蛋白質等)を言う。いくつかの実施形態において、1つ以上のエンコード物質は検出可能なエンコードシグナルを提供及び/又は発生し、これが固体支持体(例えばビーズ)集団又は部分集団の判別を許す。例えば、いくつかの実施形態においては、1つ以上のエンコード物質は、1つ以上のエンコード物質が取り付けられる個々の固体支持体(例えばビーズ)の検出可能なエンコードシグナルを提供及び/又は発生し得、並びに/或は1つ以上のエンコード物質は、1つ以上のエンコード物質が取り付けられる固体支持体の特定の部分(例えば、1つ以上のエンコード物質を含む分子認識素子が結合する固体支持体の部分)の検出可能なエンコードシグナルを提供及び/又は発生し得る。
エンコードシグナルは、固体支持体に関連する1つ以上のエンコード物質によって並びに/又は固体支持体それ自体及び/若しくは固体支持体に関連する材料(例えば化合物)によって提供並びに/又は発生され得る。いくつかの実施形態において、エンコードシグナルは、固体支持体に関連する(例えば、それに塗布された、それに取り付けられた、それに結合された、それと調合された、それを作製又は創出する為に用いられた等)1つ以上のエンコード物質(例えば、薬品、蛋白質等)によって及び/又は固体支持体によって発生されるシグナル(例えば、光学的及び/又は電気的シグナル)である。検出可能なエンコードシグナルは光学的に及び/又は電子的に検出可能であり得、これは人間の眼によって視覚的に知覚され、並びに/又は電子的に読み取られ、検出され、及び/若しくは得られ得る。検出可能なエンコードシグナルは、典型的には定義された閾値の若しくはそれよりも上の強度、色(例えば、色相、輝度、及び/又は明度)、色及び強度、並びに/又はサイズ、形状、及び/若しくは放射性の変化を含み得る。いくつかの実施形態において、検出可能なエンコードシグナルはルミネッセンス強度を含み、これは蛍光、燐光、及び/又はケミルミネッセンス強度を包含し得る。
それぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルは、検出可能(例えば、光学的に、電子的に、電気化学的に、静電的に、磁気的に検出可能等)であり得るか、又は検出可能でなくあり得る。いくつかの実施形態において、それぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルは変化し得る。例えば、それぞれの固体支持体のエンコードシグナルは、検出可能から検出不可能に、検出不可能から検出可能に、より大きい値からより低い値に(例えば、より大きいシグナル振幅、蛍光強度値、直径等から)、及び/又はより低い値からより大きい値に変化し得る。それぞれの固体支持体のエンコードシグナルの変化は、経時的に起こり得、並びに/又は固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/若しくは物理的変化を原因として起こり得る。いくつかの実施形態において、固体基材のエンコードシグナルは、固体支持体が存在する環境の変化(例えば、その中で固体支持体及び/又はエンコード物質が接触している溶液の変化)によって変化し得、並びに/又は提供及び/若しくは発生され得る。例えば、固体支持体のエンコードシグナルは、磁気的挙動、pH、光散乱、物理的サイズ(増大又は減少)、形状、屈折率、可溶性、光吸収及び/若しくは放出強度又は極大波長シフト、伝導性、比誘電率、粘度、及び同位体減衰からの放射線放出、並びに上のものの組み合わせの変化によって変化し得、並びに/又は提供及び/若しくは発生され得る。
「エンコード状態」は、例えば2つ以上の時点における特定の固体支持体の2つ以上のエンコードシグナル等の、複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体のエンコードシグナル(検出可能か又は検出可能ではない)の特定の組み合わせを、及び/又は固体支持体の特定の部分(例えば、エンコードシグナルの特定の組み合わせを提供する、固体支持体上の試料の具体的なエリア又は一部)のエンコードシグナル(検出可能か又は検出可能ではない)の特定の組み合わせを言う。それぞれの固体支持体について、2つ以上の時点における特定のエンコードシグナルは、特定の集団又は部分集団(例えば、特定の固体支持体(例えばビーズ)集団又は部分集団)の判別及び/又は同定を許し得る。いくつかの実施形態において、2つ以上の時点におけるそれぞれの固体支持体の特定のエンコードシグナルは同じであり得、及び/又は異なり得る。それぞれのエンコード状態は、識別可能な集団を提供する為に、別のエンコード状態からユニーク、及び/又は(例えば光学的に及び/又は電子的に)検出可能且つ別のエンコード状態から識別可能であり得る。しかしながら、それぞれの集団の第1の時点におけるエンコードシグナルは異なる集団の第1の時点におけるエンコードシグナルと同じであり得、第2の時点においては2つの集団のエンコードシグナルは異なり得、その結果、2つの集団が識別及び/又は同定され得る。いくつかの実施形態において、第1の集団及び第2の集団のエンコードシグナルは異なるレベルから出発する(例えば、異なるシグナル振幅又は値を有する)が、終わりには同じレベルになり得る。
用語「デコード」は、エンコードされた固体支持体(単数又は複数)及び/又はエンコードされた分子認識素子からのエンコードシグナルに少なくとも部分的に基づく、それぞれの試料(例えば、固体支持体の試料、及び/又は複数のエンコードされた分子認識素子を含む試料を包含する)の異なる集団の(典型的には電子的/プログラム的)同定を言う。いくつかの実施形態において、デコードは、それぞれの固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/若しくは物理的変化の前、間、及び/若しくは後のそれぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)の2つ以上のエンコードシグナルを比較することに少なくとも部分的に基づき、並びに/又は異なる時点における2つ以上のエンコードシグナルを比較することによる。いくつかの実施形態において、デコードは、個々の固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/若しくは物理的変化の前、間、及び/若しくは後の個々の固体支持体の2つ以上のエンコードシグナルを比較することに少なくとも部分的に基づき、並びに/又は異なる時点における個々の固体支持体の2つ以上のエンコードシグナルを比較することによる。例えば、複数の固体支持体を含む試料は、6つの異なる集団、それ故に6つの異なるエンコード状態を含み得る。1つ以上のエンコードシグナルの検出及び/又は同定は、特定の固体支持体集団のアイデンティティーを決定する為の試料のデコードを許し得る。いくつかの実施形態において、デコードは、固体支持体の特定の部分(例えば、固体支持体上の試料の具体的なエリア又は一部)の2つ以上のエンコードシグナルを、固体支持体のその部分に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の前、間、及び/若しくは後に比較することに少なくとも部分的に基づき、並びに/又は異なる時点における固体支持体のその部分の2つ以上のエンコードシグナルを比較することによる。異なるエンコードされた分子認識素子は複数のエンコード状態を提供し得、1つ以上のエンコードシグナルの検出及び/又は同定が試料のデコードを許して、例えば特定の集団のエンコードされた分子認識素子に結合する要素のアイデンティティー及び/又は場所等の、特定の集団のアイデンティティー及び/又は場所を決定し得る。
用語「動的デコード」又は「タイムドメインエンコード」は、本明細書においては交換可能に言われ、経時的に固体支持体(単数又は複数)のエンコードシグナルを得る為の複数の(例えば、2つ以上の)測定(典型的には画像から)に基づく、試料(例えば、固体支持体及び/又はエンコードされた分子認識素子の試料を包含する)のエンコードシグナルの(典型的には自動化された)分析を言う。試料中の異なる集団(例えば、固体支持体又は分子認識素子の集団)は、経時的に変化し得るそれぞれのエンコードシグナルを有し得る。変化は、集団を同定する為に用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、タイムドメインエンコードは異なる集団をデコードする為にフォトブリーチング動態を組み込み得る。タイムドメインを組み込むことによって、タイムドメインエンコードは、従来のデコード方法によって到達不可能である追加の多重化レベルを解放し得る。
2つ以上の測定(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ等)が取られて、2つ以上のエンコードシグナル(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ等)が、複数の固体支持体を含む試料中のそれぞれの固体支持体について、及び/又は固体支持体の少なくとも1つの部分が2つ以上のエンコードシグナルを提供するそれぞれの固体支持体について得られ得る。いくつかの実施形態において、第1のエンコードシグナル測定は第1の時点において取られ得、第2のエンコードシグナル測定は第2の時点において取られ得る。第1のエンコードシグナル測定(単数又は複数)は、第1の時点において(例えば、アッセイが実施される前、間、又は後に、例えばハイブリダイゼーション反応後に)取られる第1の画像に、及び/又は第1の時点において得られる光学的又は電気的シグナルの検出に基づき得る。第2のエンコードシグナル測定は、第1の時点の後に、又はそれよりも以降において得られ得る。いくつかの実施形態において、第2のエンコードシグナル測定及び1つ以上の爾後の測定は、固体支持体に関連する化合物(例えばエンコード物質)の何れかの励起(exited)状態の寿命の後において、及び/又は直ちに先立つ測定の後の1msよりも長い時間(例えば、10ms、100ms、又は1、2、3、4、5秒(単数又は複数))において取られ得る。第2のエンコードシグナル測定は、第2の時点において取られる第2の画像に、及び/又は第2の時点において得られる光学的又は電気的シグナルの検出に基づき得る。2つ以上のエンコードシグナル測定は、固体支持体の試料中の具体的な固体支持体のある時点における(例えば、第1及び第2の時点における)エンコードシグナルを検出する為に取られ得、及び/又は得られ得る。
いくつかの実施形態において、エンコードシグナル測定は、ある定義されたイベントの前、後、及び/又は間に取られ得、及び/又は得られ得る。用語「定義されたイベント」は、固体支持体に関連する物理的及び/又は化学的変化を引き起こすか又はもたらし得る、計画されたイベントを意味する。定義されたイベントは受動的又は動的であり得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントは動的素子の物理的及び/又は化学的変化を引き起こすか又はもたらし得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントはエンコード物質(例えば、色素、蛋白質等)及び/又は固体支持体(例えば、マイクロスフェア)の物理的及び/又は化学的変化を引き起こすか又はもたらし得る。
本明細書において用いられる「動的素子」は、ある定義されたイベントに応答して物理的及び/又は化学的変化を提供するか又は見せる化学的及び/又は生物学的化合物を言う。物理的及び/又は化学的変化は、異なる(例えば、より早い)時点におけるエンコードシグナルと比較して、ある時点におけるそれぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルを改変し得、検出可能(例えば、光学的に及び/又は電気的に検出可能)であり得る。「動的素子」はエンコード物質(例えば色素、蛋白質等)及び/又は固体支持体(例えばマイクロスフェア)を包含し得る。物理的及び/又は化学的変化は、固体支持体に影響する物理的及び/又は化学的変化であり得る(例えば、変化は固体支持体の電荷及び/若しくは色の変化であり得、並びに/又は固体支持体のサイズ及び/若しくは形状の変化であり得る)。それ故に、動的素子は、固体支持体、並びに/又は固体支持体に取り付けられた及び/若しくは関連する化合物であり得る。いくつかの実施形態において、物理的及び/又は化学的変化は、固体支持体に関連するエンコード物質に影響する物理的及び/又は化学的変化である(例えば、変化は、エンコード物質を固体支持体に結合しているリンカーの安定性、エンコード物質の溶媒アクセス性、並びに/又はクエンチャーの存在及び/若しくは不在にあり得る)。それ故に、動的素子は、エンコード物質、並びに/又はエンコード物質に取り付けられた及び/若しくはそれに関連する化合物(例えばクエンチャー)であり得る。物理的及び/又は化学的変化は可逆的又は不可逆的であり得る。いくつかの実施形態において、動的素子はエンコード物質であり得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントはエンコード物質を選択的に活性化又は不活性化し得る。例の定義されたイベントが表1に提供されている。
Figure 0006847934
1つ以上の定義されたイベントが、固体支持体及び/又は複数の固体支持体をデコードする為に用いられ得、それぞれの固体支持体(これは、その全て又はある部分であり得る)のエンコードシグナルは、1つ以上の定義されたイベントのそれぞれに応答して変化し得るか、又は変化せずにあり得る。定義されたイベントは、固体支持体(単数又は複数)が用いられるアッセイ及び/又は分析において典型的に起こるものではなくあり得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントは、固体支持体(単数又は複数)が用いられるアッセイの間に起こるイベント(例えば、加熱又は光暴露)であり得る。定義されたイベントは、固体支持体(単数又は複数)のある部分の(例えば、任意に、固体支持体に取り付けられた及び/又は関連するエンコード物質の)化学的及び/又は物理的変化を強い得、これが、特定のエンコード状態に関連する固体支持体(単数又は複数)のその部分のエンコードシグナルの変化をもたらし得る。例の静的エンコードシグナル及びタイムドメインエンコードシグナルが表2に提供されている。いくつかの実施形態においては、1つ以上のタイムドメインエンコードシグナルに追加して、静的エンコードシグナルが用いられて、試料中の少なくとも1つの集団をデコードし得る。
Figure 0006847934
エンコードシグナルは、存在する場合にはアッセイ色素シグナルと混同されるべきではなく、動的素子、エンコード物質、及び定義されたイベントは、それらがアッセイに干渉しないように構成及び/又は選択されるべきである。いくつかの実施形態において、動的デコードが利用されるアッセイに色素が利用される場合には、アッセイ色素は、動的デコードに用いられる1つ以上の動的素子及び/又はエンコード物質から識別可能であり得る。例えば、アッセイ色素シグナルは、動的素子のシグナル及び/若しくはエンコード物質のシグナルに関連するシグナルからスペクトル的にシフトさせられ得、並びに/又はアッセイ色素は、エンコード物質(単数又は複数)及び/若しくは動的素子(単数又は複数)とは異なる検出可能なパラメータを用い得る。代替的に、エンコード物質及び/又は動的素子は、アッセイ色素とスペクトル的に類似であり得、並びに/又は同じマグニチュード及び/若しくは強度であり得る。しかしながら、かかるケースにおいて、定義されたイベントは、エンコード物質シグナル及び/又は動的素子シグナルの変化を引き起こし得、その結果、それは最早アッセイ色素とスペクトル的に類似、並びに/又は同じマグニチュード及び/若しくは強度ではなく、それ故にアッセイ色素から識別可能であり、及び/又は最早アッセイに干渉しない。
同じデバイス中の同じ固体支持体(例えば、流体デバイス、典型的には、同じ反応ウェル又はバーチャルアレイ中にあり得る同じビーズ)が、第1及び第2の画像の為に、又は第1及び第2の光学的及び/若しくは電気的シグナルを検出する為に用いられ得る。エンコード物質及び/又は動的素子は異なる画像について類似のスペクトル特性を有し得る。
定義されたイベントは、固体支持体に関連する1つ以上の物理的及び/又は化学的変化を引き起こし得、及び/又はもたらし得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントは、固体支持体の環境の変化を引き起こし得、及び/又はもたらし得、これが応答して動的素子(例えば、エンコード物質及び/又は固体支持体)の物理的及び/又は化学的変化を引き起こすか又は誘導して、固体支持体のエンコードシグナルの変化(例えば、複数の固体支持体の中の特定の固体支持体のエンコードシグナルの変化、又は固体支持体の特定の部分のエンコードシグナルの変化であって、固体支持体が複数のエンコードシグナルを固体支持体の異なる部分に含有する)を提供し得、これが視覚的に及び/又は電子的に検出され得る(後者の場合には、検出は光学的又は電気的検出器によってであり得る)。
タイムドメインエンコードは、特定の時点における(例えば、定義されたイベントに先行する)それぞれの固体支持体のエンコードシグナルを異なる時点における(例えば、定義されたイベント後の)それぞれの固体支持体のエンコードシグナルと比較して、エンコードシグナル及び/又は固体支持体が属する特定の集団を同定することを含み得る。いくつかの実施形態においては、それぞれの固体支持体の第1のエンコードシグナルが、ある定義されたイベントの前又は間の第1の読み取り(例えば、光学的又は電気的シグナルの検出)及び/又は第1の画像から得られ、それぞれの固体支持体の第2のエンコードシグナルを得る為に少なくとも1つの第2の読み取り及び/又は第2の画像が第1の画像後に得られる。第1及び/又は第2の読み取り及び/又は画像は、個別の固体支持体に、或は固体支持体の個別の場所並びに/又はその上の試料上及び/若しくは中の実体に対応する複数の異なるエンコードシグナルを含み得る。異なるエンコードシグナル測定及び/又は画像は共通の検出器から得られ得、例えば、そのとき流体デバイス及び/又は流体デバイスの固体支持体が同じ温度に保持され、検出器が試料の分析の間に同じ波長で運転される。異なるエンコードシグナルの測定及び/又は画像は、互いから約1マイクロ秒から約50時間で、いくつかの実施形態においては互いから約1msから約10分(例えば、互いから1秒から1分、又は1秒から約10分)の間で得られ得る。
2つ以上の(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ等の)エンコードシグナル測定及び/又は画像は、1つ以上の定義されたイベント(単数又は複数)並びに/又は固体支持体に関連する1つ以上の物理的及び/若しくは化学的変化(単数又は複数)の前、間、並びに/又は後に得られ得る。エンコードシグナル測定及び/又は画像は、1つ以上の波長帯(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ等)を用いて得られ得る。いくつかの実施形態において、2つ以上のエンコードシグナル測定及び/又は画像は、ある定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する少なくとも1つの物理的及び/若しくは化学的変化の前に得られ得る。例えば、第1の画像は青色励起波長帯で得られ得、第2の画像は緑色励起波長帯で得られ得、第3の画像は赤色励起波長帯で得られ得、第1、第2、及び第3の画像のそれぞれが、ある定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する少なくとも1つの物理的及び/若しくは化学的変化の前に得られる。いくつかの実施形態において、2つ以上のエンコードシグナル測定及び/又は画像は、ある定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する少なくとも1つの物理的及び/若しくは化学的変化の間並びに/又は後に得られ得る。例えば、画像は、次のそれぞれ:青色励起波長帯、緑色励起波長帯、及び赤色励起波長帯で得られ得、3つの画像のそれぞれが、ある定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する少なくとも1つの物理的及び/若しくは化学的変化の間並びに/又は後に得られる。それ故に、本発明の実施形態は、複数の波長帯で得られ得る複数のエンコードシグナル測定及び/又は画像を得ることを包含し得る。いくつかの実施形態において、2つ以上のエンコードシグナル測定及び/又は画像は、2つ以上の定義されたイベント(単数又は複数)並びに/又は固体支持体に関連する2つ以上の物理的及び/若しくは化学的変化(単数又は複数)の前、間、並びに/又は後に得られ得る。例えば、第1の画像は、第1の定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する第1の物理的及び/若しくは化学的変化の前に取られ得、第2の画像は、第1の定義されたイベント並びに/又は固体支持体に関連する第1の物理的及び/若しくは化学的変化の後に取られ得、第3の画像は、第2の画像の爾後に、第2の定義されたイベント並びに/又は固体支持体(任意に同じか又は異なる固体支持体)に関連する第2の物理的及び/若しくは化学的変化の後に取られ得る。
定義されたイベントは、動的素子の物理的及び/又は化学的変化を提供し得、これは例えば温度的に誘導される変化(これはアッセイの為にもまた用いられ得る)、圧力によって誘導される変化、光学的に誘導される変化、自然な放射性同位体減衰、化学的に誘導される変化、又は上のものの何れかの組み合わせである。タイムドメインエンコードは、それぞれのエンコード物質の定義された安定な、部分的に安定な、選択的に活性化可能な、及び/又は不安定な特性(例えば、有機蛋白質色素の変性、及び/又は例えばpH、熱、若しくは感光性の脆弱な結合を原因とする化学構造の変化)を活用して、例えばそれぞれのエンコード物質に取り付けられた固体支持体の又はそれぞれのエンコード物質に取り付けられた分子認識素子のエンコードシグナル等の、エンコードシグナルの変化を強い得る。例えば、エンコードシグナルが強度値であるところでは、物理的及び/又は化学的変化は、第1及び第2の画像及び/又は読み取りの間に少なくとも0.01%だけの強度値の増大又は減少、より典型的には第1及び第2の画像及び/又は読み取りの間に少なくとも1〜20%だけの増大又は減少をもたらし得る。増大又は減少は、強度レベルを例えば高から低、低から高、中から低、低から中、高から中又は中から高、ゼロから低、高、又は中、或は高、低、又は中からゼロに動かす為に十分であり得る。用語高、中、及び低はそれぞれ第1、第2、及び第3のレベルを言い、第1は第2及び第3よりも高く、第2は第1及び第3の間であり、第3は第1及び第2未満である。いくつかの実施形態においては、2つ以上の異なるレベルが高及び低レベルの間に提供され得る(即ち、高及び低レベルの間に1つよりも多くのレベルがあり得る)。
エンコード物質は、感光性であり、十分なフォト(光)暴露によって選択的に活性化されて強度を増大させるケージド色素を含み得る。
本明細書において用いられる用語「類似のスペクトル特性」又は「スペクトル的に類似」は、類似の励起及び/又は放出波長を有するエンコード物質(例えば、色素)及び/又は動的素子を言い、単一波長又は単一の波長範囲若しくはバンドパスにおいて運転される光源に応答して、それらが画像及び/又は読み取りによって識別不可能であるような検出可能な蛍光強度を発生する。
用語「消光」は、外部環境の影響(例えばクエンチャー)による分子間的な又は無放射プロセスによる置換基による分子内的な、励起された分子実体(例えば、エンコード物質)の不活性化を言う。クエンチャーは、エネルギー移動、電子移動、又は化学的メカニズムどちらかによってエンコード物質の励起状態を不活性化する(消光する)分子実体である。
少なくとも1つのエンコード物質及び/又は動的素子の蛍光強度は、定義されたイベントとしての消光イベント後に減少し得る。代替的に、少なくとも1つのエンコード物質及び/又は動的素子の蛍光強度は定義されたイベント後に増大し得る。
用語「ブリーチング」は吸収又は放出強度の損失を言う。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は公知技術に従って実施され得る。例えば、U.S.Pat.No.4,683,195、4,683,202、4,800,159、及び4,965,188参照。一般的に、PCRは、第1に、核酸試料を(例えば、熱安定性DNAポリメラーゼの存在下において)、検出されるべき特異的配列のそれぞれの鎖について1つのオリゴヌクレオチドプライマーによってハイブリダイゼーション条件下において処理し、その結果、特異的配列のそれぞれの鎖に対してそれとハイブリダイゼーションする為に十分に相補的なプライマーによって、それぞれの核酸鎖に対して相補的であるそれぞれのプライマーの伸長産物が合成され、その結果、それぞれのプライマーから合成された伸長産物が、それがその相補物から分離されたときに、他方のプライマーの伸長産物の合成の為の鋳型としての用をなし得ることと、それから試料を変性条件下において処理して、検出されるべき配列(単数又は複数)が存在する場合にはプライマー伸長産物をそれらの鋳型から分離することとを包含する。これらのステップは所望の増幅度が得られるまでサイクル的に繰り返される。増幅された配列の検出は、反応産物にハイブリダイゼーションできるオリゴヌクレオチドプローブ(例えば、本発明のオリゴヌクレオチドプローブ)を反応産物に追加することと(プローブは検出可能な標識を負っている)、それから公知技術に従って標識を検出することとによって、又はゲル上での直接的な可視化によって実施され得る。増幅された配列は、インターカレーション色素を反応混合物に追加することと、二本鎖DNAのトータルの質量に比例するであろう蛍光シグナル強度をモニターすることとによってもまた検出され得る。本発明に従う実施形態はPCR反応又は核酸及び蛋白質ELISAに関して記載されているが、ローリングサークル複製型増幅又はループ媒介型の等温増幅(LAMP)等の等温増幅技術を包含する逆転写PCR(RT−PCR)等の他の核酸増幅方法が用いられ得るということは理解されるべきである。
前述等のDNA増幅技術は、目的の多型又は変異を含有するDNAに特異的に結合するが、同じハイブリダイゼーション条件下において目的の多型を含有しないDNAには結合せず、且つ増幅反応においてDNA又はその部分の増幅の為のプライマー(単数又は複数)としての用をなす、プローブ、プローブのペア、又はプローブの2ペアの使用を包含し得る。かかるプローブは本明細書において場合によっては増幅プローブ又はプライマーと言われる。
用語「試薬」は、プライマー、核酸鋳型、及び増幅酵素を包含する何れかの物質又は化合物を言い、これは化学反応を起こさせる為にシステムに追加されるか、又は反応が起こるかどうかを見る為に追加される。増幅試薬又は試薬は、プライマー、核酸鋳型、及び増幅酵素を除いて、増幅の為に一般的に用いられる試薬(デオキシリボヌクレオチド三リン酸、緩衝液等)を言う。典型的には、増幅試薬が他の反応コンポーネントと併せて反応ベッセル(試験管、マイクロウェル等)中に置かれ、含有される。
本明細書において用いられる用語「磁気的」は強磁性、常磁性、及び超常磁性特性を包含する。
一般的に、目的の多型又は変異を含有するDNAを検出する為に用いられるオリゴヌクレオチドプローブは、その変異又は多型をコードするDNAに結合するが、同じハイブリダイゼーション条件下において変異又は多型を含有しないDNAには結合しないオリゴヌクレオチドプローブである。オリゴヌクレオチドプローブは、好適な検出可能な基、例えば下で示されるものによって標識される。かかるプローブは本明細書において場合によっては検出プローブ又はプライマーと言われる。
図1Aは、コントローラ12を含むコントロール回路100cと、少なくとも1つの光学フィルターセット18を有する検出器150と、マイクロ流体デバイス20を用いるアッセイに関連する固体支持体10からのエンコードシグナルを分析するように構成されたデコードモジュール40とを有する流体分析システム100の模式的な図解である。図1Bは、コントローラ12を含むコントロール回路100cと、少なくとも1つの光学フィルターセット18を有する検出器150と、デコードモジュール40とを有する別の流体分析システム100の例示的な実施形態であり、検出器150は定義されたイベント(例えば、光学的励起、フォトブリーチング等)を発生し得る。この実施形態は、他の実施形態と対照的に、従来のアッセイシステムへの追加のハードウェアコンポーネントが要求されないということを示している。少なくとも1つの光学フィルターセット18は、波長及び/又はバンドパスの単一の個別の範囲等だがこれに限定されない所望の放出波長で運転するように構成され得、例えば励起及び画像化の為に約10nmから1000nmの間、特定の実施形態においては励起の為に約545/30nm及び画像化の為に約620/60nmである。いくつかの実施形態において、光学フィルターセット18は、紫外(UV)範囲(例えば、400nmから10nmの範囲の波長において)、赤外(IR)範囲(例えば、700nmから1mmの範囲の波長において)、及び/又は可視光範囲(例えば、390nmから700nmの範囲の波長において)、並びに/又はその中の何れかの範囲及び/若しくはその中の個々の値の波長において運転するように構成され得る。いくつかの実施形態において、光学フィルターセット18は蛍光に基づかずにあり得、光散乱の変化を検出する為の例えば偏光フィルター等の光学部品であり得る。変化がサイズに基づく場合には、フィルターではなく、寧ろサイズを画像化及び測定する能力が必要とされ得る。
マイクロ流体デバイス20は、それぞれのビーズ25を保持するビーズウェル10の配列によって、ビーズウェルアレイ30を有し得る。コントローラ12は、ある定義されたイベントを発生し得る少なくとも1つのデバイス125(例えば、熱及び/又は光源)ともまた連絡し、これが動的デコードの為にビーズウェル10中のビーズ25の環境を変化させ得、並びに/又は動的素子の物理的及び/若しくは化学的変化を引き起こし得る。
デコードモジュール40は、定義されたビーズ集団の異なるエンコード物質に関連する異なる集団の相関表及び/又はデータベースを包含するか、又はそれと連絡し得る。
デバイス125は、定義された波長において定義された時間だけ光を放出して、それに対して応答性の1つ以上の動的素子(例えばエンコード物質)を有するビーズ25を選択的に活性化し、光消光し、及び/若しくはフォトブリーチングするように構成された光源、並びに/又はビーズ25を臨界温度まで上昇させるように構成された熱源、並びに/又はウェル環境及び同類を変える為のビーズウェル10中のビーズ25と流体連通した液源を包含し得る。システム100は、フォトブリーチング後の少なくとも1つの検出可能なパラメータの回復を評価するように構成され得る。この回復は、異なる環境における異なる材料/フルオロフォアでは異なり得、差異はデコードに活用され得る。
図1Cによって示されているように、定義されたイベント(DE)は第1の画像Iが検出器150によって得られた後に、第2の画像Iが得られる前に起こり得る。代替的に、図1Dによって示されているように、第1の画像Iを取得する行為は、それ自体が、第1の画像I後に得られる第2の画像Iの測定可能な変化をもたらす定義されたイベントであり得る。
いくつかの実施形態において、定義されたイベントDEは、ビーズウェルアレイ30に、その中に、及び/又はその周りに定義された環境変化を発生し得、例えば、少なくとも1つの能動的に強いられた若しくはかけられた温度変化T(これは温度の増大又は減少であり得るが、典型的には増大であり、例えば、定義された温度における動的素子(例えばエンコード物質)の熱的不安定性を活用し得る)、化学的変化C(例えば、いくつもの様式で導入され得るpHの変化)、並びに/又は光学的変化O、例えば、任意に例えば消光作用を提供して光不安定性を活用する為に十分な暴露の為の光の定義された波長及び/若しくは強度における光の導入である。第2の画像Iは定義されたイベントDE後に得られ得る。システム100は、第1及び第2の画像I、Iからの強度値32sを比較して、固体支持体(例えばビーズ)集団/部分集団を同定し得る。示されているように、第2の画像Iは安定な(実質的に未変化のエンコードシグナル32s)及び変化した強度値32sを包含し得、この「フィンガープリント」又はエンコードシグナル(単数又は複数)はアッセイを多重化する為に用いられ得る。第1の画像I、第2の画像I、及び/又は別の定義されたイベントDEに応答して爾後に得られる更なる画像は、それぞれの単一試料の複数標的を同定する為に多重分析に用いられ得る。追加の定義されたイベントは同じ型であり得、例えば温度である場合には、第1の定義されたイベントにおける温度よりも高い温度が用いられ得る。追加の定義されたイベントは、第1の又は先行の定義されたイベントのものとは定義されたイベントの異なる型、例えばフォトブリーチング後の温度変化であり得る。追加の定義されたイベントは、先立つ定義されたイベントと同じ特性の変化を引き起こし得、例えば、いくつかの集団の減少した蛍光強度をもたらす温度の変化が、固体支持体の同じ及び/又は異なる集団の減少した蛍光強度をもたらすフォトブリーチングイベントに後続し得る。代替的に又は追加して、追加の定義されたイベントは、先立つ定義されたイベントとは異なる固体支持体の特性の変化を引き起こし得、例えば、固体支持体のいくつかの集団が膨張又は分解どちらかによってサイズが変化することをもたらす温度の変化が、固体支持体の同じ及び/又は異なる集団の減少した蛍光強度をもたらすフォトブリーチングイベントに後続し得る。
いくつかの実施形態において、量子ドット(QD)並びに蛍光有機色素及び/又は蛍光蛋白質の間の光安定性の差異は、特に両方が類似のスペクトル特性を有する場合には、固体支持体、例えばビーズをエンコードする為に用いられ得る。例えば、フォトブリーチング動態が固体支持体をデコードする為に用いられ得る。有機色素は高い蛍光強度を生じ得るが、延長された光暴露によるフォトブリーチングに対して有感であり得る。しかしながら、量子ドットは典型的にはフォトブリーチングせず、寧ろ追加の光暴露後の蛍光放出を維持するか又は増大させる傾向がある。例えば、ブジーグ等(Bouzigues et al.)著,「希土類に基づくナノ粒子の生物学的用途(Biological Applications of Rare-Earth Based Nanoparticles)」,ACSナノ(ACS Nano),2011年,5巻,p.8488−8505及びワン等(Wang et al.)著,「生体標識の為のルミネッセンスナノマテリアル(Luminescent nanomaterials for biological labelling)」,ナノテクノロジー(Nanotechnology)2006年,17巻,p.R1−R13参照。これらの文書の内容は、本明細書に完全な形で記載されているかのように参照によってここに組み込まれる。
当業者に公知である通り、量子ドットは半導性材料のナノスケール粒子であり、これは種々の実験目的、例えば従来の使用において蛋白質を標識することの為に用いられ得る。いくつかの実施形態においては、定義された波長、例えば約605nmのQDが有機色素(OD)及び/又は蛍光蛋白質(FP)と併せてエンコード物質として用いられ得る。有機色素(OD)は小分子であり得る。QD、有機色素、及び/又は蛍光蛋白質は異なる熱安定性を有し得る。QD、OD、及び/又はFPは類似の蛍光励起/放出波長を有し得る。励起/放出波長の限定しない例は545/30nm及び620/60nmを包含し、単一のフィルターセットによって画像化され得る。ルミネッセンス(例えば蛍光)又はタイムドメインエンコードの他の検出可能なパラメータにとって有用な何れかの量子ドット、蛍光蛋白質、及び/又は有機色素が、本発明の実施形態によって企図される。本発明の方法に用いられ得る量子ドットの例は、例えばCdS、CdSe、CdTe、InP、PbS、PbSe、及びZnS等のカドミウム、インジウム、鉛、硫黄、セレン、テルル、亜鉛、及び/又はリンを包含するものを包含するが、これに限定されない。本発明の方法に用いられ得る有機色素の例は、フルオレセイン、Cy3(Cy3.18)、TAMRA、テキサスレッド(スルホローダミン101)、ナイルレッド、Cy5(Cy5.18)、Atto740、Cy7、AlexaFluor750、IR125(ICG)を包含するが、これに限定されない。例えば、http://www.fluorophores.tugraz.at/substance参照。蛍光蛋白質(FP)の例は、フィコエリスリン、アロフィコシアニン、及び緑色蛍光蛋白質(GFP)を包含するが、これに限定されない。
ビーズ又は他の固体支持体は、有機色素、蛍光蛋白質(又は蛋白質色素)、QD、又は同じか若しくは異なる型の2つ以上の混合物(ミックス)によってエンコードされて、同程度の初期蛍光シグナルを生じ得る。それから、ビーズ又は他の固体支持体はアッセイに利用され得、例えば、ビーズはマイクロ流体マイクロウェルアレイデバイスにローディングされ、個々のビーズウェルをそれらの隣から隔離する為にオイルによってシーリングされ、続いて、ある定義されたイベントの前、後、及び/又は間に画像化され得る等である。例えば、図2Aを参照すると、固体支持体、例えばビーズの温度はある定義された温度に保持され得、第1の画像Iが定義されたイベントDEに先行して(例えば、1マイクロ秒〜50時間のフォトブリーチング、典型的には約1秒から約3分の間のフォトブリーチングに先行して)取られ得、第2及び第3の画像I及びIが、例えばDE及び/又はDEの後等の定義されたイベントの後に取られ得る。フォトブリーチングは光度エネルギーに基づき得、これはアッセイに依存して何れかの妥当な又は実際的なタイムスケールで送達され得る。
図2Bは、例示的な熱的消光及び画像化シーケンスの為の別の実施形態を示しており、その中の固体支持体、例えばビーズの温度が、ある定義されたイベントの為の定義された閾(臨界温度)値まで少なくとも1回増大させられ、定義されたイベント(例えば、温度の第1の増大)に先行して第1の画像Iが取られ得、ひとたび温度が設定値に(検出器の同じ相対的な運転パラメータを有する為に)戻されたら第2の画像Iが取られ得る。用語「臨界温度」は、動的素子(例えばエンコード物質)の物理的及び/又は化学的変化が起こる温度を言う。図2Bはより高い閾温度における第2の定義されたイベントをもまた示しており、その後に第3の画像Iが得られ得る。いくつかの実施形態において、定義されたイベントは、例えば1マイクロ秒以上等の所与の期間のエンコードされた固体支持体の光暴露(例えばフォトブリーチング)を包含し得、典型的には約1秒及び10分の間、例えば5秒以上、例えば1、5、10、15、20、25、30、35、40、45秒、又は1、2、3、4、5分、若しくはより多く等である。
いくつかの実施形態において、第1の画像Iを包含し得る固体支持体(例えば複数の固体支持体)の光学的又は電気的シグナルの第1の画像を得ること、読み出し、及び/又は検出することは、アッセイ前に取られ得、アッセイそれ自体が定義されたイベント(例えば、アッセイの間の熱及び/又は光暴露)を発生し得る。いくつかの実施形態において、固体支持体の光学的又は電気的シグナルの第1の画像、読み出し、及び/又は検出することは、アッセイが仕上げられた後にある定義されたイベントに先行して取られ得、画像、読み出し、及び/又は検出することは、初期蛍光強度を決定する為に及び/又はデータ正規化の為の参照としての用をなす為に用いられ得る。ある定義されたイベントの前(参照画像を包含する)及び後の画像、読み出し、及び/又はシグナルの比較は、固体支持体に関連する化学的及び/又は物理的変化が定義されたイベント後に起こったかどうかを示し得る(図3A〜C)。
図3Aに示されているように、光暴露に先行して、画像中のFP、QD、又は両方の混合物によってエンコードされたビーズは同程度の初期蛍光シグナルを生じ、これらは、それらが類似のスペクトル特性を有するので識別不可能であった。対照的に、図3Bに示されているように、光暴露後に、FPによってエンコードされたビーズは3minの過程によるかなりのブリーチングを経験し、一方で、QDによってエンコードされたビーズは、同じ継続時間におけるそれらの安定な蛍光によって立証されているように延長された照明によって影響されなかった。図3Bは、両方の色素の混合物によって標識されたビーズが、FPによってエンコードされた集団よりも大規模でない中等度のブリーチングを見せたということをもまた示している。それ故に、両方の色素の異なる混合物は、ブリーチングの異なるレベルを見せるビーズを提供して、いくつもの異なる蛍光エンコード状態を提供し得、これはそれぞれのビーズ集団を同定する為に用いられ得る(図3C)。蛍光減衰プロファイルをプロットすることは、それぞれのビーズセットが他のものから良好に解像されたということを示している(図4)。類似のブリーチング率がそれぞれのビーズ集団内で観察されたことを考慮して(それぞれn=5レプリケートのマイクロチップ、トータルで>50kビーズ)、この動的デコードアプローチの精度もまた高いことが実証された。
エンコード物質、動的素子、及び/又はシグナル(例えば蛍光シグナル)を参照して本明細書において用いられる「識別不可能」は、所与の測定システムについて、支持体のある集団の標準偏差、信頼区間、及び/又は標準誤差内であるシグナル及び/又はパラメータ(例えば、色、サイズ、及び/又は所与の波長における強度値(例えば蛍光強度値))を言う。それ故に、2つのエンコード物質及び/又は動的素子が識別不可能である(例えば、2つのエンコード物質及び/又は動的素子の蛍光シグナルは識別不可能である)ときに、2つのエンコード物質及び/又は動的素子のシグナル又はパラメータ(例えば、蛍光シグナルの強度値)は、どのエンコード物質及び/又は動的素子にシグナル又はパラメータが対応するのかを同定及び/又は分離する為に用いられ得ない。従って、どのシグナル(例えば蛍光シグナル)が2つのエンコード物質及び/又は動的素子の1つからであるのかは決定され得ない。特定の集団中のエンコードされた素子(例えば、エンコードされたビーズ又はエンコードされた分子認識素子)のエンコードシグナルが帰属し得る分布範囲があり得る。別のエンコードされた素子の分布範囲が別の集団の分布範囲とオーバーラップしないか又はそれに帰属しない限り、2つの集団のエンコード状態は、それらが識別され得るように決定され得る。いくつかの実施形態において、それぞれのエンコード状態は、単一集団中のエンコードされた素子の測定の変動を原因として、値の範囲によって定義され得る。この範囲は単一のエンコードされた素子の測定の標準偏差ではなくあり得る。
いくつかの実施形態においては、複数の固体支持体を含む試料の中で、固体支持体のある部分は識別不可能な初期強度を有し得、固体支持体の別の部分は識別可能な初期強度を有し得る。いくつかの実施形態においては、2つの固体支持体が識別可能な強度を有し得るとしても、強度値がその固体支持体集団の分布範囲に帰属する場合には、固体支持体は同じ固体支持体集団をエンコードし得る。いくつかの実施形態は2つ以上の異なる集団を包含し、部分集団は個別の識別可能に異なる強度レベルを有するが、それらの部分集団は、ある定義されたイベント後にのみ識別可能である追加の部分集団を含有し得る。
エンドポイント蛍光減衰値は、それぞれの個々のビーズ集団について測定され得る。例えば、エンドポイント蛍光減衰値はFP、OD、QD、又は物質の混合物によってエンコードされたビーズについて測定され、それから、それらの値は初期ビーズ強度に対して正規化され、ヒストグラムにソートされた。図5はビーズ型による強度の分布を示している。この例において測定された3つの異なる集団は互いから非常に良好に解像され、>99.98%の同定正確度を生じた。この高解像能は、ひとたびアレイにローディング及び動的にデコードされたら、単一試料中の一緒に組み合わせられたビーズ同士が曖昧さなしに難なく同定されることを許すであろう。
いくつかの実施形態において、固体支持体及び/又は分子認識素子は、2つ以上の、典型的には約2つから約10,000個の間の(又はより多くの)異なるエンコードシグナルを提供する為に1つ、2つ、又はより多くのエンコード物質を包含し得、1つ以上の定義されたイベントを用いて識別及び/又は同定され得る、異なる集団(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、又はより多く)を表す。いくつかの実施形態は、1つ以上の定義されたイベントを用いて、互いに対して相対的に異なる蛍光レベルであるか又はそれを発生することができる異なる集団(例えば、異なる固体支持体集団及び/又は異なる分子認識素子集団)を包含する。例えば、固体支持体は第1の集団に対応する第1のエンコード物質及び第2の集団に対応する第2のエンコード物質を包含し得、第1及び第2のエンコード物質は同じであるか又は異なり得、それぞれは初期蛍光強度レベルを有し得る。いくつかの実施形態において、初期蛍光強度レベルは第1及び第2のエンコード物質について同じであるか、又は実質的に同じである。他の実施形態において、第1のエンコード物質の初期蛍光強度レベルは第2のエンコード物質の初期蛍光強度レベルとは異なる。全ての固体基材がエンコード物質を有することを要求されるわけではなく、又はいくつかの集団は単一の色素を有し得る。色素は安定であり得、いくつかの固体基材集団の物理的及び/又は化学的変化を発生せずに及び/又は見せずにあり得る。
第1及び第2の集団のそれぞれは、上に記載されている等の1つ以上の部分集団を包含し得、それぞれの部分集団は同じか又は実質的に同じ初期蛍光強度レベルを有し得る。いくつかの特定の実施形態において、異なるシステムは異なる解像能及び性能で運転するであろうということを認識すると、いくつかの実施形態において、蛍光強度レベルに関する用語「同じか又は実質的に同じ」は、正規化された蛍光強度値の±0.15以下(例えば、±0.1又は0.05)の変動、及び/又はそれがある定義されたレベル、例えば、高、中、低の定義された範囲内に残るような値を言い得る。例えば、限定なしに、あるエンコード物質を有するビーズは0.7という正規化された蛍光強度値を有し得、同じか又は実質的に同じ蛍光強度レベルを有するビーズは0.55から0.85の範囲の正規化された蛍光強度値を有し得る。
上に記載されているように、FP若しくはQD又は混合物によってエンコードされたビーズを用いて、互いに実質的に類似である(確実に又は正確に識別されることができない)が、図3Aに示されている初期蛍光強度レベルとは異なる(より高明度/高強度でない)初期蛍光強度レベルが発生した。これらのビーズは、より高明度のビーズに類似にフォトブリーチングし、図3A〜Cに図示されているものに類似の更に3つのブリーチングによって識別可能な部分集団又はエンコード状態を生ずることが示された。これは、最終的には、追加の多重化性能を提供し、単一波長が強度の3つの識別可能な変化を同定した(FP、QD、及びミックス)。
従って、デコード及び/又は多重アッセイ(例えば、ビーズに基づく多重化バイオアッセイ)へのタイムドメインの組み込みは、各独特の多重エンコード状態の数を大きく増大させ得る。2つのエンコードレベルのみが従来の方法によって達成され得た一方で、動的デコード方法は少なくとも6つの解像可能な集団又はエンコード状態を生じた。これらの利益は、要求される分析装置のコスト及び複雑さを最小化しながら、ビーズに基づくPOCアッセイの多重化性能をかなり向上させ得る。
いくつかの実施形態においては、追加の固体支持体(例えばビーズ)集団が単一の初期蛍光強度レベルで提供され得る。いくつかの実施形態においては、エンコードされたビーズを事前にソートすることによって、より多くのビーズ集団が単一の初期蛍光強度レベルで提供され得る。いくつかの実施形態において、アプローチは、単一の共通の検出波長を分析に用いることなしに他の波長(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はより多くの異なる波長又はスペクトル帯又は範囲)に拡張されて、達成され得る多重化レベルの量を増大させ得る。
固体支持体デコード戦略へのタイムドメインの組み込みは、異なるエンコード色素の光安定性の差異を超える戦略を用いて行われ得る。いくつかの実施形態において、代替的な又は追加の動的エンコード戦略は、エンコード物質の熱安定性を活用することである。例えば、蛋白質及び/又は有機色素は上昇した温度における熱変性に対して有感であり得る。しかしながら、QDは上昇した温度において安定である半導体材料である。これらの色素のこれらの特性は動的デコード実施形態に利用され得る。
それぞれの集団が識別不可能な初期蛍光を見せるように、マイクロスフェアをFP又はQDによって標識した。それから、それぞれのビーズ集団を以前に記載されているように画像化の為のマイクロチップにローディングした。画像は第1に25℃において取得して、初期蛍光強度を決定し、且つデータ正規化の為の参照としての用をもまたなした。それから、チップを上昇した温度まで加熱して、FPを変性し、それから逆に25℃まで冷却し、再び画像化した。加熱前及び後の画像の間における蛍光強度の損失は、ビーズ集団のアイデンティティーが決定されることを許した。図6は、ビーズを加熱することによる正規化された蛍光シグナルの減少を示している。温度が増大させられると、温度≧70℃におけるストレプトアビジン−ビオチン結合の破壊を原因として、シグナルの減少が観察される。FP及びQD両方をストレプトアビジン−ビオチンケミストリーによってビーズにコンジュゲーションした。しかしながら、より高い温度においては、FPは変性し始め、その蛍光はかなり落ちる。この差次的な消光は、差次的にエンコードされたビーズを良好な解像能で同定する為に用いられ得る(図7)。
図6及び7によって示されているように、動的素子(即ち、温度が経時的に変化すると変性する蛍光蛋白質(FP))の組み込みは、画像化システムを複雑化することなしに、多重化の以前には到達不可能なエンコードレベルが獲得されることを許す。いくつかの実施形態においては、タイムドメインへの温度変化の組み込みがPCRに基づくアッセイに用いられ得る。そこではサーモサイクリングの為の加熱素子が既に備え付けられており、それによって、温度的に解像される多重化の為の追加のコンポーネントを要求しない。いくつかの実施形態においては、固体支持体(例えばビーズ)上の色素の濃度及び/又は緩衝液組成が改変されて、固体支持体集団間の解像能を強め、及び/若しくは増大させ得、並びに/又は追加の識別可能な集団が生じ、同定されることを許し得る。
いくつかの実施形態に従って、1つ以上の化合物(例えば、エンコード物質等の動的素子)が固体支持体のある部分(例えばビーズの下位集合)に追加された、エンコードされた固体支持体(例えばビーズセット)をデコードする為に、タイムドメイン測定が用いられ得る。1つ以上の化合物は、定義されたイベントに応答して物理的及び/又は化学的変化を提供する動的素子であり得る。いくつかの実施形態において、物理的及び/又は化学的変化は観察可能な変化であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、1つ以上の化合物は、化合物(例えばエンコード色素)の1つ以上の量子効率の変化によって引き起こされる、温度変化の過程において観察される蛍光シグナルの変化を可能にし得る。いくつかの実施形態において、固体支持体の1つ以上の部分への熱脆弱性又は光活性化化合物(例えば、トリアリールスルホニウム/ヘキサフルオロアンチモン酸塩のような光活性化酸)の追加は、活性化によって固体支持体の化学的特性(例えばpH)の変化をもたらし得、これがエンコード物質(例えばフルオレセイン)の蛍光特性の変化に影響する。代替的に、pH又は伝導性の変化を感ずるセンサー又は電極若しくは電極アレイを有するか又は組織するかどちらかである反応ウェル中に含有される固体支持体は(例えばIonTorrentプラットフォーム、https://www.thermofisher.com/us/en/home/brands/ion-torrent.html)、それらの変化を直接的に測定し得る。
いくつかの実施形態において、複数の固体支持体のある部分は1つ以上の動的素子について脆弱な取り付けのケミストリーを包含し得、これは活性化(例えば、温度変化、pH変化、溶媒追加/除去等)によって物理的及び/又は化学的変化を提供し、これはエンコード化合物の1つ以上が取り囲む溶液中に失われるときにもたらされる(例えば、FITC−ビオチンが加熱によってストレプトアビジンコーティングビーズから放出され、アッセイウェル中に含有される流体中から検出される)。いくつかの実施形態においては、脆弱性及び非脆弱性の(例えば、それぞれ、熱脆弱性又は光切断性のストレプトアビジン−ビオチン結合、及び安定な共有結合的な化学結合)エンコード物質のミックスが用いられ得る。
いくつかの実施形態は、消光剤(酸素、dabsyl、ブラックホールクエンチャー、IowaBlack等)に対して様々な有感度を有する動的素子としてのエンコード物質(例えば色素)の使用を包含し、その結果、かかる消光剤の追加又は除去によって異なる集団(例えばビーズ集団)が同定され得る。いくつかの実施形態において、動的素子はクエンチャーを包含し得、1つ以上の化合物はクエンチャーから保護され得(例えば、内包化、蛋白質への結合等による)、これは、色素間の差異を強め、異なる集団が同定されることを許す為に用いられ得る。いくつかの実施形態において、これは、フローサイトメトリーフォーマットにおいては、システムの上流における初期読み取り後のシースフロー液へのクエンチャーの追加によって影響され得る。例のフローサイトメトリーシステムが図20に示されており、フォトブリーチング前及び後の測定が図示されている。更なる例のフローサイトメトリーシステムが図21に示されており、pHシフト前及び後の測定が図示されている。代替的に、pH、有機溶媒強度、イオン強度、又は他のかかる特性は、シースフローの追加によって変化して、固体支持体のエンコード特性の検出可能な変化に影響し得る。
いくつかの実施形態において、固体支持体集団を動的にデコードする為の方法は、化学的及び/又は生化学的アッセイにタイムドメインを使用し得る。例のアッセイは、イムノアッセイ、核酸ハイブリダイゼーションアレイ、PCR、RT−PCR、RT−qPCR等を包含するが、これに限定されない。
本発明の方法は、固体表面上のプリントされたアレイ等の、例えばビーズ及びビーズではない基板等の固体支持体に用いられ得る。いくつかの実施形態において、本発明の方法はフォトレジスト又は「プリント」されたバーコード試薬を包含し得、そこではそれぞれの粒子のストリップ又はセクションが様々であり得、それによって各独特の集団を創出し得る。本発明の方法に用いられ得る化合物は、フルオロフォア、クロモフォア、光切断性若しくは光活性化化合物、熱活性化若しくは熱切断性の化合物若しくは官能基、及び/或は放射性同位体又は磁気若しくは電気伝導性元素を組み込んだ化合物を包含するが、これに限定されない。固体支持体は、定義されたイベントに応答して立体配座、形状、及び/又は他の物理的特性を変化させるようにもまた操作され得、異なる物理的及び熱的特性を有する異なるポリマーの使用、又はある種の集団についてポリマー鎖間のクロスリンク度を様々にすること等だがこれに限定されない方法による。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、PCR後の核酸の2つ以上の異なる集団を検出する為に用いられる。PCRは多くの用途を有し、例えば疾患を引き起こす生物の存在を決定する為の核酸の微量の検出、遺伝子発現、ジェノタイピング、遺伝子操作又は改変、及びフォレンジック科学用途である。PCR増幅はアナライト濃度の大きい範囲に渡って傑出した標的同定及び定量を提供する。しかしながら、PCRによる多くのアナライトの同時の定量的分析は極めて難しいことが判明している。インターカレーション色素蛍光に基づく検出はトータルのdsDNA濃度を決定できるのみであり、そのため、単一の反応ベッセル中における複数の鋳型の並行分析はこの検出方法を用いては可能でない。蛍光プローブテクノロジー(例えば、Taqman、分子ビーコン、又は他のケミストリー)は反応の低レベルの多重化の為に用いられ得る。なぜなら、それぞれの標的は異なる色の蛍光プローブをシグナルレポーターとして用いて増幅され得るからである。プローブは配列特異的でもまたあり、プライマー二量体形成又は非特異的増幅からの偽陽性を縮減する。従来のマイクロタイタープレート又はマイクロ流体リアルタイムPCR(rt−PCR)どちらかによる多重化の為の典型的な方法は、それぞれが3つの異なるカラープローブを含有する少数の反応ウェルを用いることである。しかしながら、多重プライマー及びプローブセットを設計することは難しいと一般的に考えられる。なぜなら、それらは、互いとの適合性を担保する為の慎重な設計及び最適化の追加のレベルを要求するからである。最終的には、この方法による多重化は装置編成及び色素間のスペクトルオーバーラップによって四色検出に限定され、1つの色が典型的には内部標準色素として留保される。しかしながら、本発明は、アッセイの多重化を増大させる方法を提供し得る。
図8は、本発明の実施形態に従うビーズウェルアレイ30を有するマイクロ流体デバイス20を示している。デバイス20は凍結−融解バルブ22を包含し得、マイクロ流体チャネル20chがビーズウェルアレイ30と流体連通している。
図9A、9B、10A、10B、11A、11B、12A、及び12Bを参照すると、改善されたシグナル検出の為の幾何形状を有するビーズウェル10の例が示されている。図9A及び9Bに示されているように、固体基材25は、ビーズを保持するように構成された円形のペリメーターを有する従来のビーズウェル10(典型的には円筒形又は円錐形ウェル)と連携し得る。他の実施形態において、図10A、10B、11A、11B、12A、及び12Bに示されているように、例えば、本発明の実施形態に従うビーズウェル10は、ビーズ保持部11に隣接するシグナル検出部15と流体連通したビーズ保持部11を有する幾何形状を有する。
ビーズウェル10は、密接して離間されたビーズウェル10の比較的密なアレイ30として提供され得る。ビーズウェル10は行列として並べられ得るか、又は互いからオフセットされ得る。ビーズウェル10は規則的繰り返しパターン、不規則な繰り返しパターン、又は他のパターンで提供され得る。用語「密」は、流体分析デバイスのフットプリントがmmあたり約100〜6000個の間のウェル10及び/又はcmあたり10,000から5,000,000個の間のウェル10、典型的にはcmあたり約6,000から約2,000,000個の間のウェル10、より典型的にはcmあたり約500,000から約2,000,000個の間のウェル10を有し得るということを意味する。
隣り合うウェル10のいくつか又は全ては、0.11〜1,000μmの間、例えば約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、又はその間の何れかの分数の分離距離を有し得、隣り合うビーズ保持部11の中心線から中心線まで測定される。
ウェル10のいくつか又は全ては、全て、増幅試薬と連携する反応ウェル10であり得る。ウェル10のいくつか又は全てはサブpLの反応体積を処理し得る。
シグナル検出部15は、シグナル検出部の端部15eをビーズ保持部11と接続する短い及び/又は細長い流体チャネル15chを任意に含み得る。シグナル検出部15は、ビーズ保持部11から距離「L」、典型的には標的ビーズの直径の30%から約10,000%(.3×から約100×)の間、より典型的には標的ビーズの直径の約.3×から約10×の間だけ離間された端部15eを包含し得る。いくつかの実施形態において、Lは標的ビーズの直径の1×及び5×の間であり得る。例えば、3.2μm直径のビーズでは、長さLは約1から約320μmの間、より典型的には1及び32μmの間であり得、特定の実施形態においては約3.2及び16μmの間であり得る。明瞭である為に、文字「×」を有する数は、乗数、1倍(1×)、10倍(10×)、及び同類を言う。
いくつかの実施形態において、Lは約1μmから約100μmの間、より典型的には1及び20μmの間、例えば約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、及び約20μmであり得る。長さLは、ビーズ保持部11の中心線から、又はビーズ保持部11をシグナル検出部の端部15eと接続するチャネル15c上に引かれたビーズ保持部の直径を仕上げる線から測定され得る。
図10A及び10Bは、シグナル検出部15が任意に狭いチャネル又は「スリット」として構成され得、典型的にはビーズ保持部11の幅よりも25%〜75%小さい幅を有するということを示している。
図11A及び11Bは、シグナル検出部15がアーチ形15aである端部部分を有し得、ビーズ保持部11のものよりも小さい湾曲部の半径を有するということを示している。ビーズ保持部及びアーチ形端部15eの中心線間の距離「d」は上で論じられている長さ「L」と同じであり得る。
図12A及び12Bは、シグナル検出部15が、内部の上方突出部材19を取り囲む環状チャネル17を有する端部を有し得るということを示している。突出部材19は、シグナル検出部15の環状チャネル17中の流体よりも上に伸びる為に十分な高さを有し得る。この構成は、環状の形状を有する部分を含む検出可能なシグナルを定義し得る。
ビーズウェル10の新たな幾何形状は、マイクロビーズアレイに基づくテクノロジーにおける検出を改善すると信じられる。これらのウェル幾何形状は、ウェル11の1つのエリアが磁気的ローディング及びビーズ保持の為であり、且つウェル15の別の領域がシグナルの検出の為に(主として又は専ら)用いられ得るように構成され得る。いくつかの実施形態においては、ビーズ25(例として、図10A、11A、及び12Aにおいてはウェルの1つの中の中実の丸によって示されている)をウェル10のビーズ領域11にローディングした後に、試薬流体の小体積は、非混和性流体シーリング又はガスケット若しくは他の基板等の別の表面への押し付け等の方法を用いてウェル10中に隔離され得、これは当業者に公知である。
いくつかの例示的な実施形態が図10A、10B、11A、11B、12A、及び12Bに示されている一方で、他の実施形態は他の幾何形状を包含し得、典型的には、ビーズ保持領域11が、ビーズ25の直径の約101〜195%であり、いくつかの実施形態においては約105%及び150%の間であり得る開口直径を有するポケット又はレセプタクルを有するように構成される。ビーズ保持領域11におけるウェルの深さは、ビーズ直径の約50%及び185%の間であり得る。
シグナル検出領域15のいくつか又は全てにおけるウェル10の深さはビーズ保持部11におけるウェルよりも浅いか、深いか,又は同じであり得る。深さは、チャネル15chがビーズ保持部11から遠ざかると減少し得る。深さは、チャネル15chがシグナル検出部15の端部に向かってビーズ保持部11から遠ざかると増大し得る。ウェル10の壁はウェル10内への方向において外向きに又は内向きにテーパーし得る。
異なるウェル10同士は、異なる容量、幾何学的形状パターン、及び/又はサイズを有し得る。
いくつかの実施形態において、シグナル検出部又は領域15は、標的ビーズが物理的に入り得ないポケット若しくはスリット又は他の幾何学的形状等のチャネル15chを有し得る。両方の領域11、15は流体的に接続され、その結果、ビーズ25から放出された試薬及び/又はアナライトはウェル10の共通の溶液体積中に満遍なく拡散又は別様に混合し得る。ビーズ25を検出領域11から空間的に分離することによって、シグナルへのビーズ蛍光の寄与が縮減されるか又は除かれ得、シグナル対ノイズ比を改善する。
ウェル10の幾何形状は、それぞれの反応体積を増大させ、恐らく反応効率を改善しながら、反応ウェル10の高い1人乗車率のローディングを許し得る。
図13Aは、定義されたイベントデバイス125を有する分析システム100を示しており、動的イベント付与装置として少なくとも1つのヒータ入力125hを含む。ヒータ125hは、アレイ30の下及び/又は上に設置される加熱素子、オーブン又はヒートガン又は他の適切なヒータであり得る。温度的な定義されたイベント入力は、温度を常温よりも上、典型的には25度Cよりも少なくとも1度上、典型的には約35℃及び200℃の間まで上昇させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、ヒータ125hはアレイ30に臨界温度を1マイクロ秒〜50時間の間、典型的には約1秒から約5分の間かけ得る。検出器150が定義されたイベント後の画像(単数又は複数)を取る前に、固体支持体10は、常又は室温に、及び/又は約25℃又は他の温度に、典型的には、定義されたイベント前に取られるデコード画像に用いられた約同じ温度に戻り得る。ひとたび熱入力が除去されたら、強制冷却又は受動冷却が用いられ得る。
図13Bは、定義されたイベントデバイス125を有する分析システム100を示しており、動的イベント付与装置として少なくとも1つの光源125lを含む。光源125lは、定義された波長若しくは波長範囲の光を伝達する単一のエミッターであり得るか、又は例えばより大きいエリアをカバーする為に異なる波長、波長範囲の複数のエミッター、又は同じ波長若しくは波長範囲の複数のエミッターを含み得る。定義されたイベント入力125lは、上に記載されているように、好適な時間、例えば約1マイクロ秒から50時間の間、典型的には1秒及び5分の間、固体支持体10に能動的に光を伝達するように構成され得る。
図13Cは、回路100cを有する分析システム100を示しており、そこでは検出器150は定義されたイベントデバイスであり、これは当業者に公知の関連する光放出源を包含する。
図14A〜14Eに示されているように、マイクロ流体デバイス20は複数のウェル10を有するウェルアレイ30を包含し得る。ウェル10はビーズ保持部11中にビーズ25を保持し得る。ビーズ25はそれに取り付られたプライマーを任意に含み得、ウェル10のビーズ保持部11に任意に予めローディングされ得る。デバイス20は上側及び下側基板50u、50bを含み得(図14B、14C)、これらは一緒に取り付けられる。上側基板50uは下側基板50bと異なるか又は同じであり得る。どちらか又は両方の基板50uはリジッドであり得、例えばガラス、石英、シリコン、又は好適な金属を含み得る。どちらか又は両方の基板50bはシリコーン又は他のポリマー材料(多くの他のものの中でも、例えばPMMA、COC、COP、PDMS、PP、PE、PTFE、又はカプトン(ポリアミド))等のポリマー製であり得、これはビーズウェル10のアレイを提供し得る。上側又は下側基板50uは、ウェル10と流体連通した少なくとも1つのポート50pを有し得る。例えば、反応ウェル10は、試薬充填及び/又はオイルシーリングの間のウェルのアレイ30を有するアレイチャンバー中の流れに対して、任意に直角であり得る。しかしながら、他の並びの構成が用いられ得る。
図14Aは、ビーズウェルのアレイ30が密なアレイウェルによってフットプリント「F」(典型的には1mm及び10cmの間)を占有するようにマイクロ流体チップ20が構成され得るということを示している。流体マイクロチップ20は試料及び試薬又は他の薬品追加の為のトランスポートチャネル(単数又は複数)を包含し得、当業者に周知であるようにこれはアレイ30と流体連通し得る。
図14Dは、上側及び下側基板50u、50b間に設置され得る任意のスペーサー50sを示している。スペーサー50sはそれぞれのウェル10のいくつか又は全ての側壁を定義し得る。スペーサー50sはガスケット及びスペーサー両方として用いられるフォトレジストを含み得る。
図14Eは、当業者に周知であるように、シーリングオイルなどのシーリング剤75がビーズ25を有する隣接するウェル10同士を分離し得るということを示している。疎水性膜(単数又は複数)もまた又は代替的に用いられ得る。シーリング剤75(例えば、オイル)は下側基板50bの上面上に伸び得る。シーリング剤75は、スペーサー/ガスケット50sに関連する厚さ又は深さを有し得る。シーリング剤75はビーズ/反応ウェル10を除いたあらゆるものをカバーし得る。シーリング剤75はミネラル、シリコーン、炭化水素、又はフルオロカーボンに基づくオイル及び/又はワックスを含み得る。反応溶液23、例えば水溶液は、典型的には上側基板50uに触れない。
このテクノロジーは、アナログ又はデジタル検出モードで蛍光シグナル読み出しを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は酵素をリンクした免疫吸着アッセイ(ELISA)等の増幅方法を包含するビーズに基づくアッセイにとって特に有利であり得る。これらのアッセイにおいては、ゼロ、1つ、又は複数のアナライト分子が固体支持体によって捕捉され、これは磁気ビーズ等のビーズを任意に含み得る。それから、固体支持体は、固体支持体25のローディングをウェル10あたり1つ又はゼロ個に制限する幾何形状を有するマイクロウェルアレイ30にローディングされ得る。増幅試薬の小体積が、固体支持体25を有するそれぞれの反応ウェル10中にシーリングされ得、化学反応が行われて、アナライト分子が存在する場合には蛍光シグナルを生じ得る。それから、アッセイ蛍光シグナルは、測定され、処理され、試料中のアナライト濃度を決定する為に用いられ得る。
コンパクトアレイによるシングルプレックス反応(SiRCA)は、マイクロビーズアレイフォーマットを用いる大幅にパラレルな増幅及び検出の方法であり、これは、数百、数千、数百万、又は数十億の隔離されたシングルプレックスrt−PCR反応を多くの異なる標的配列について同時に行うポテンシャルを有する。例えば、例えば空間的多重マイクロ流体デバイス上でのパラレルアッセイの為の試薬のビーズに基づく送達を記載しているU.S.特許出願シリアル番号14/402,565参照。この文書の内容は、本明細書に完全な形で記載されているかのように参照によってここに組み込まれる。
低いアナライト濃度でのシングルコピーのデジタル定量及び高いアナライト濃度でのマルチコピーのアナログrt−PCR定量を行う能力は、aMのLODを有する大きいダイナミックレンジを与える。いくつかの実施形態において、アレイ30は、色素によってエンコードされたストレプトアビジン標識された磁気マイクロスフェア又はビーズに取り付けられたビオチン化プライマーの個々のセットに用いられ得る。それぞれが異なる標的配列の異なるプライマーセットを有する数十から数百個までのビーズ型を含有するビーズセットライブラリーが作られ得、新たなビーズセットがビーズ混合物に随意に追加され得る。ビーズ混合物がアナライトDNA又はRNAとインキュベーションされるときに、ビーズに取り付けられたプライマーはハイブリダイゼーションプローブとして作用し、そのビーズに特異的な核酸配列を捕捉及び精製する。試料マトリックス夾雑成分(外来DNA、RNA、細胞膜コンポーネント等)はビーズを磁気的に分離することと洗浄とによって除去され得る。クリーンアップ後に、ポリメラーゼ、dNTP、及びインターカレーション色素が追加され、ビーズが個々のウェル10にローディングされ、非混和性オイル又は疎水性膜を用いて互いからシーリングされる。個々のエンコードされたプライマービーズを別個のマイクロ反応ウェルに確率的にローディングすることは、ハンドピペッティング又は試薬のプリントと違って僅か数秒から数分で達成され得る。最適化された幾何形状内へのビーズの磁気的ローディングは、ビーズ捕捉の為に設計された領域及び/又はウェル10の別個の検出領域を含有しない反応ウェル又は液滴中への希釈によるランダムな隔離よりも効率的であり得る。ストレプトアビジン/ビオチン相互作用は50℃よりも下の温度において非常に安定である。しかしながら、PCRの間の変性に用いられる上昇した温度は、標的DNAの増幅を開始する第1のrt−PCRサイクルの間にプライマーの爾後の放出を許し得る。
サブpL反応でのSiRCAのパフォーマンスを評価するために、プライマー及びgDNAを用いるビーズなしの予備的な試験を、シリコンへの深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によって作製された10μmという中心から中心の間隔を有する直径3.7μm、深さ5μmのウェル(円筒形、体積〜50fLを有する)のアレイを有するシリコン流体チップによって行った。それ故に、rt−PCRは、ビーズなしで、溶液中の遊離のプライマー及びgDNAによって、〜50fL円筒形反応ウェル中において行った。チップをヘプタン中のオクチルトリクロロシランによって前処理して、表面を疎水性にした。チップをエタノール、それから水によって濡らし、それからローディング緩衝液(20mMのTrizma、50mMのKCl、2.5mMのMgCl、1%BSA、及び0.1%Tween−20)によってブロッキングした。マスターミックス(0.0625単位/μLの追加のプラチナTaqDNAポリメラーゼ、0.5%BSA、2.7μΜプライマー、S.mutansからのgDNA、及び3×SYBRグリーンを有する、1×プラチナ定量PCRスーパーミックス−UDG)をチップに追加し、それから、クライトックスGPL104過フッ素化オイルをチップに通して、反応体積を互いからシーリングした。
本発明の実施形態は、1つよりも多くのビーズを含有するように構成された幾何形状を有する反応ウェル10を含み、その結果、1つ以上のビーズから放出され溶液中若しくは1つ以上のビーズの表面上又はその何れかの組み合わせで反応する試薬間の反応が、示されている指定の検出領域(単数又は複数)において、又は代替的にはビーズの表面上において研究され得る。ビーズウェルアレイ30は、単一の基板若しくは流体デバイス上に又は別個の基板若しくはデバイス上において、いくつかのウェル10が1つのビーズ25を保持し、いくつかのウェル10が2つのビーズ25を保持し、いくつかのウェル10が2つよりも多くのビーズ25を保持するバリエーションを包含し得る。ウェル10が1つよりも多くのビーズ保持部11を包含するところでは、複数の(典型的にはそれぞれの)ビーズ保持部11が流体チャネル15ch等のシグナル検出部によって互いと流体連通し得る。一般的に、本発明の方法を実施することにとって有用なキットは、エンコード物質を有するビーズの1つ以上のセットと、任意に、方法を実施する為の好適な説明書とパッケージングされた制限酵素等の、上に記載されている方法を実施する為の任意にそれに取り付けられた試薬とを含み得る。キットは、その中に包含される要素を収容する為の容器をもまた包含し得る。かかる容器はバイアル、ビーズウェルアレイを有するマイクロ流体チップ、及びカートリッジを包含するが、これに限定されず、予めローディングされたビーズデバイスを包含する。図19は、動的デコードプロトコールにとって好適なエンコードされたビーズ25のキット500を有するパッケージを示している。キット500は、エンコードされたビーズ25の1つの型/集団(即ち、全てが同じエンコードシグナル若しくは「フィンガープリント」を有するビーズ)を包含し得るか、又はエンコードされたビーズ25の2つ以上の異なる型/集団(即ち、少なくとも2つの異なるビーズ集団。1つは第1のエンコードシグナルを有し、1つは第1のものと異なる第2のエンコードシグナルを有する)を包含し得る。キット500がエンコードされたビーズ25の2つ以上の異なる型を包含するときには、キット500は、エンコードされたビーズ25を単一のパッケージ中の混合物として包含し得るか、又はそれぞれのエンコードされたビーズ集団を別個にパッケージングし得る(例えば、第1のエンコードシグナルを有するビーズ集団を別個にパッケージングし、第2のエンコードシグナルを有するビーズ集団を別個にパッケージングする)。
いくつかの実施形態において、ビーズ25はそれに取り付けられたプライマーを有し得る。プライマーはビオチン化プライマーのペアであり得、ビーズ25はストレプトアビジン標識され得、その結果、ビーズへのビオチン化プライマーの結合が起こる。いくつかの実施形態において、ビーズ25は光学的マーカー等のマーカーを包含し得、これは、それぞれのビーズ25に係留されたプライマーを同定する為に分析の間に用いられ得る。例えば、同じか又は異なるサイズの異なるエンコードされたビーズは、分析の間の異なる取り付けられたプライマーセットの同定の為にマーキングされ得る。種々の事前エンコード方法が用いられて、ビーズ25上のマーカーを提供し得、単独で又は他のエンコード方法との組み合わせで用いられる予め定義されたサイズ、形状、磁気的特性、及び/又は蛍光ドーピングを包含する。カスタム配列ビオチン化プライマー及びストレプトアビジン標識常磁性磁気ビーズ両方は、商業ベンダーから難なく購入され得るか、又は適切な設備の実験室において好適な数量で作られ得る。
上で留意されるように、本発明に従う実施形態はPCR反応に関してもまた本明細書に記載されているが、本明細書に記載されるマイクロ流体デバイス、ビーズ、及び反応方法が、種々の他の反応に、例えば試薬がビーズからウェル中に切断されて反応に関与するところに用いられ得るということは理解されるべきである。例えば、何れかの核酸転写及び/又は増幅に関する反応は本発明の範囲内であり、PCR反応、リアルタイムPCR(rt−PCR)、デジタルPCR(dPCR)、RNAからcDNAへの逆転写(RT)、前のRTステップからのcDNAのPCR(RT−PCR)、リアルタイム若しくはデジタル定量を用いるRT−PCR、イムノPCR(iPCR)及びその変形、ループ媒介型の等温増幅(LAMP)、ローリングサークル型複製、及び/又は非酵素的核酸増幅方法(例えば、「DNA回路」)を包含するが、これに限定されない。本発明の範囲内に包含される他の反応は、酵素をリンクした免疫吸着アッセイ(ELISA)、単分子アレイ(SiMoA)若しくはデジタルELISA、発蛍光性基質が支持体表面に結合されていて、何らかのポイントにおいて爾後の反応の為に切断されるELISA、コンビナトリアルケミストリーの異なる試薬を送達する為に複数のビーズが用いられる反応、ビーズが触媒試薬を送達する反応、及び/又は確率的ビーズローディングによって決定された化学量論で「クリック」ケミストリー試薬が送達される反応を包含するが、これに限定されない。
図15は分析システム100の模式的な図解である。システム100は、カメラ又は他の画像化デバイス等のシグナル検出器150と連絡した少なくとも1つのコントローラ12(典型的には、少なくとも1つのプロセッサを含む)を包含し得る。シグナル検出器150は、ウェルのアレイ30を有するそれぞれのマイクロ流体チップ20のビーズウェルアレイ30中のビーズ25等の固体基材(単数又は複数)のシグナル(例えば、アッセイシグナル及び/又はエンコードシグナル)を検出するように構成され得る。コントローラ12は入力デバイス125と連絡し得る。別個のデバイスとして示されているが、入力デバイス125はシステム装置編成の一部として存在し得る。例えば、入力デバイス125は、光学システム、画像化デバイス、温度デバイス等及び/又はその一部であり得る。コントローラ12は、アッセイシグナルが反応ウェルのシグナル検出部中に存在するかどうかを同定するように構成されたシグナル検出と分析モジュール221(例えば、コンピュータプログラム)とエンコードシグナル(単数又は複数)を得るように構成されたデコードモジュール40とを有する、画像プロセッサ211と連絡し得る。画像プロセッサモジュール211はコントローラ及び/又はシグナル検出器150から全く又は部分的にリモート又はオンボードであり得る。画像プロセッサモジュール211は、ウェルの複数のアッセイ後画像を組み合わせて、あるウェルが陽性の読み出しを有するかどうかを判断するように構成され得る。画像プロセッサモジュール211は、それぞれのウェルのビーズ保持部からのバックグラウンドノイズを除去し得る。モジュール211は、それぞれのウェルの検出部(単数又は複数)からのシグナルの存在を同定して、陽性のアッセイ反応が起こったかどうかをアッセイ読み出し222に基づいて同定するように構成され得る。検出器150はデコード読み出し40Rを用いてもまたエンコードシグナル(単数又は複数)を検出し得る。
図16は、本発明の実施形態に従う分析方法を実施する為に用いられ得る例の操作のフローチャートである。ビーズウェルを有する流体デバイスが提供される(ブロック250)。エンコードシグナルは、ビーズがビーズウェル中に保持されている間にウェルから得られ、これはビーズウェル中に保持されたビーズの第1の画像を得ることを包含し得る(ブロック260)。それから、物理的及び/又は化学的変化がビーズの少なくともいくつかに起こる(ブロック272)。それから、第2の画像が得られる(ブロック274)。異なるビーズ集団は、第1及び第2の画像中のそれぞれのビーズからのエンコードシグナルを比較することによって識別される(ブロック276)。
これら及び/又は他の実施形態において、エンコードシグナルはビーズ含有部から(即ち、直接的にビーズから)読み取られて、どのような試薬(単数又は複数)及び/又はアナライトをビーズが含有し得るのかを調べ得る。この様式で、アレイがデコードされて、陽性又は陰性のアッセイシグナルの意味を決定し得る。ビーズは当業者に公知の手段によってエンコードされ得、1つ以上の強度レベル、ビーズ直径、ビーズ形状、或は定義された及び/又は観察可能若しくは検出可能な特性の何れかの組み合わせの1つ以上の色素による蛍光色素染色を包含する。ビーズは本明細書に記載される方法の何れかによってもまたエンコードされ得る。
ビーズウェルは、反応ウェルを定義するビーズウェルの密なアレイとして配列され得る(ブロック252)。ビーズウェルはビーズ保持部を有し得、ビーズの直径よりも大きいか又は同じである幾何形状及び直径を有し得、シグナル検出部は、用いられるところでは、ビーズの直径よりも小さい幅を有する幾何形状を有する(ブロック254)。
シグナル検出部はビーズの直径よりも狭い細長いチャネルを含み得、ビーズウェル幾何形状は、(a)スリット、(b)細長いチャネルによって離間された非対称な円形の複数ペリメーター、(c)ブルズアイパターン(即ち、細長いチャネルが環状チャネルに合流する)、(d)その間に伸びる少なくとも1つの細長いチャネルによって連結された、複数の離間された円形の及び/又は曲線のペリメーターの1つ以上を有するように構成され得る(ブロック256)。
ビーズ保持部は、単一の磁気ビーズのみを保持するようにサイズどり及び構成され得る(ブロック257)。
ビーズウェルは1つ以上の増幅試薬(単数又は複数)を含有し得る(ブロック258)。
ビーズウェルは検出部を有し得、対応するビーズ保持部から標的ビーズの直径の.3×及び100×の間、例えば1から1000μmの間の距離Lだけ離間され得る(ブロック259)。
シグナルは、アナライト分子が存在する場合に蛍光シグナル(テールを有する)を包含し得る(ブロック261)。
図17は、本発明の実施形態に従う例示的なデバイスを作製する方法のフローチャートである。ウェルのアレイが基板中にパターニングされる(例えば、成形される)、ウェルは、1aLから100μLの間、より典型的には1fL及び1μLの間の容量と、1mm及び10cmの間の直線寸法を有する定義されたフットプリント中の1つ以上の定義された幾何形状とを有し、定義された幾何形状は、ビーズ保持部から空間的に分離されたシグナル検出部と流体連通したビーズ保持部を包含する(ブロック300)。
ウェルのアレイは基板へのエッチングによって形成され得る(ブロック302)。
ウェルのアレイは基板にモールディングされ得る(ブロック304)。他の作製方法、例えばフォトリソグラフィ、FIBミリング、エンボス成形、スタンピング、及び同類が企図される。
ビーズウェルは、約10nm及び5,000μmの範囲の、典型的には約3.1〜3300μmの間の直径を有するビーズ保持部を有し得、これが、標的ビーズの直径の.3×及び100×の間、例えば、1〜100μmの間及び/又は1〜10μmの間の長さLを有する約2〜3μmの間の幅を有するチャネルに合流し、いくつかの実施形態において、任意のシグナル検出部を形成する(ブロック306)。
基板を滅菌し、ウェルと連携する磁気ビーズを用いる標的アナライトの流体分析の為のパッケージ及び/又はキットを提供する(ブロック308)。
ウェルは、1つ以上の増幅試薬を有する反応ウェルであり得る。
ウェルのアレイは、6000/mmから約10,000/mm、典型的には約6,000/mmの密度で配列され得る(ブロック312)。
ウェルのアレイは、6,000/cmから約5,000,000/cmの間、より典型的には6,000/cmから約2,000,000/cm,の密度で提供され得る(ブロック314)。
ビーズ保持部は、標的(例えば磁気)ビーズの直径の約195%以内であるか又は同じである幅を有するペリメーターを有し得、例えば標的ビーズの直径の101%及び195%の間又は150%である(ブロック316)。
ウェルは、20fLのビーズ体積では、100〜150fLの間の反応体積を有し得る(ブロック318)。
図18は、本発明の実施形態に従ってアッセイを評価する方法のフローチャートである。ビーズを有する複数の反応ウェルからのアッセイシグナルが電子的に検出される(ブロック350)。用語「電子的に」は、機械に基づく検出(人間の視覚ではない)の全ての形態、例えばカメラ、例えばCCDカメラ、CMOSカメラ、電極のアレイ、SEM、及び同類を言う。シグナルは、強度、蛍光、1つ以上の定義された色、定義されたピクセルパラメータ、及び同類の増大であり得、光散乱特性(透明性)の変化、透過度若しくは吸収の変化、ケミルミネッセンス、又は異なるパラメータの組み合わせを包含する。アッセイが仕上げられる前、間、及び/又は後に、複数の画像が得られ、第1の画像と、ある定義されたイベント後に爾後の画像を得ることとを包含して、エンコードシグナルを同定してアッセイをデコードしてアッセイ試料中のビーズ集団を同定する(ブロック370)。
反応ウェルは任意にシグナル読み出し部を有し得、方法は、反応が起こった後に、それぞれビーズ保持部から空間的に分離されたシグナル読み出し部を有するビーズウェルのアレイからのアッセイシグナルを電子的に検出して、陽性を同定し得る(ブロック352)。
シグナル読み出し部は、ビーズ保持部(単数又は複数)の直径よりも小さい幅及び/又は深さを有する細長いチャネルを含む(ブロック354)。
シグナル読み出し部は、ビーズ保持部(単数又は複数)と流体連通した環状の流体チャネルを含む(ブロック356)。
アッセイシグナルは、PCR又はELISAに基づくアッセイ用である(ブロック358)。
複数のプライマーセットが、同じサイズのビーズ又は異なるサイズのビーズを用いて互いに対して又は異なる参照ゲノムに対してスクリーニングされ得、少なくとも2つのビーズが、2つの(任意に異なるサイズ)ビーズ保持部と少なくとも1つの別個の読み出し部(単数又は複数)とを有する単一の反応ウェルによって保持される(ブロック360)。これらのビーズは、本明細書において挙げられる方法又は本明細書において参照される情報源の何れかによってエンコードされ得る。
アッセイシグナルは、定義されたビーズセットを用いる臨床又は実験室試料の核酸プロファイリング用であり得る(ブロック362)。
仮想例1〜10
下の仮想例の実施形態は、異なるビーズ集団を同定する為に本発明の方法を用いてデコードされ得る複数のビーズに関して記載する。しかしながら、固体支持体の他の型が利用され得る。追加して、下の仮想例の実施形態のそれぞれは、同じ及び/又は異なる定義されたイベントに関してタイムドメインを利用する1つ以上の実施形態と組み合わせられ得る。例えば、複数のビーズは、所与の波長の光暴露に応答して物理的に及び/又は化学的に変化するエンコード物質を用いて同定され得るビーズの1つ以上の集団を包含し得、同じ及び/若しくは異なる波長の光暴露に応答して物理的に及び/又は化学的に変化し、並びに/又は温度及び/若しくは化学的環境に応答して変化するエンコード物質を用いて同定され得るビーズの1つ又は集団を包含し得る。例えば、物理的及び/又は化学的変化に先行してそれぞれのビーズのエンコード物質によって発生するエンコードシグナルは、物理的及び/又は化学的変化後にそれぞれのビーズのエンコード物質によって発生するエンコードシグナルとは異なり得る。
例1〜10のそれぞれにおいては、複数のエンコードされたビーズが提供され得、これらは異なるビーズ集団/下位集合を包含し、それらは、ある定義されたイベント前の第1の時点並びに定義されたイベントの間及び/又は後の追加の時点における、それぞれのビーズに取り付けられた第1及び/又は第2のエンコード物質からの蛍光強度を比較することによって同定され得る。第1のビーズ集団はそれに取り付けられた第1のエンコード物質(例えば、FP、有機色素、及び/又は量子ドット)を包含し得、第2のビーズ集団はそれに取り付けられた第2のエンコード物質(例えば、FP、有機色素、及び/又は量子ドット)を包含し得る。追加のビーズ集団は、それに取り付けられた第1及び第2のエンコード物質両方を異なる比で(例えば、25:75、50:50、又は75:25という第1のエンコード物質:第2のエンコード物質の比で)包含し得る。例えば、第3の集団は30:70の比を有し得、第4の集団は50:50の比を有し得る等である。第1及び第2のエンコード物質は同じ及び/又は類似の蛍光励起/放出特性及び/又は強度を有し得、その結果、第1、第2、及び追加のビーズ集団は定義されたイベントに先行する第1の時点において識別不可能である。しかしながら、エンコード物質の少なくとも1つは定義されたイベントに関して安定ではなくあり得る。それ故に、定義されたイベントに対する暴露の間及び/又は後に、第1及び第2のエンコード物質は異なる蛍光強度を見せ得、これは2つのエンコード物質が識別されることを許す。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は、定義されたイベント前の蛍光強度を定義されたイベントの間及び/又は後の蛍光強度と比較することによって同定され得る。追加のビーズ集団もまた、定義されたイベント後の蛍光強度又は蛍光強度の変化によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2のエンコード物質の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。提供され得る追加のビーズ集団の数は、定義されたイベントの間及び/又は後のある時点において同定され得る(即ち識別可能である)追加の蛍光強度の数に依存し得る。
これらの例においては、それらの特性の初期読み取り又は複数測定に基づいて識別され得る基材の多くの集団を有することが有利であるであろうが、それぞれの初期に識別可能な集団内には、初期には同定可能でなくあり得る異なる部分集団があるということに留意されるべきである。定義されたイベント(又は一連の定義されたイベント若しくは複数の同時に起こる定義されたイベント)後に、異なる部分集団は、定義されたイベント(単数又は複数)の後及び/又は間に起こるシグナル測定に対するそれらの初期シグナル測定の比較によって識別可能且つ同定可能であろう。この様式で、全ての多重集団がデコードによって互いから解像される。下では、集団が識別不可能であると記載され得るが、それらは、初期分類を許す何らかの識別不可能な特性を有し得るより大きい基材セットの初期に識別不可能な部分集団を記載し得るということに留意されるべきである。下では、定義されたイベントは、所与の部分集団について異なる強度レベルを創出する物理的及び/又は化学的変化を引き起こすと記載され得るが、これらのもたらされた強度レベルが、定義されたイベント前のその特定の部分集団について測定されたものと比較して「異なり」、いくつかのケースにおいては、定義されたイベント前、後、又は間のどちらかにおいて別の識別可能な特性によって所与の部分集団から識別された他の部分集団の初期強度レベル又は終強度レベルに類似又は同じである強度レベルに対応し得るということに留意されるべきである。それ故に、異なる時点(これは、ある定義されたイベントの前、後、又は間の時点を包含し得る)における特定のビーズのエンコードシグナルの比較は、ビーズを別のビーズから識別する為に用いられ得る。
例1
タイムドメインにおける有機色素の光安定性を用いて、複数のエンコードされたビーズをデコードし得る。第1のビーズ集団はそれに取り付けられた第1の有機色素を包含し得、第2のビーズ集団はそれに取り付けられた第2の有機色素を包含し得る。追加のビーズ集団は、上に記載されているように異なる比でそれに取り付けられた第1及び第2の有機色素両方を包含し得る。第1及び第2の有機色素は同じ及び/又は類似の蛍光励起/放出特性及び/又は強度を有し得、その結果、第1、第2、及び追加のビーズ集団は定義されたイベントに先行する第1の時点において識別不可能である。第1及び第2の有機色素は、定義された時間、典型的には約30秒間及び5分間の間、例えば約1分間、約2分間、約3分間、又はより多くの光に対する暴露によるフォトブリーチングの異なるレベルに対して有感であり得る。それ故に、定義された時間、例えば少なくとも1マイクロ秒間のフォトブリーチング後に、異なるビーズ集団は異なる蛍光強度を有する。例えば、第1の有機色素は第2の有機色素(即ち動的素子)と比較してフォトブリーチングに対して有感でなく(即ち、より安定で)あり得、第1の有機色素の蛍光強度は1分後に10%のみ縮減し得、一方で、第2の有機色素の蛍光強度は1分後に90%縮減し得る。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は定義されたイベント(即ちフォトブリーチング)後の蛍光強度によって同定され得る。追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2の有機色素の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。
例2
タイムドメインにおける有機色素及び量子ドットの光安定性は、複数のエンコードされたビーズをデコードする為に用いられ得る。第1のビーズ集団はそれに取り付けられた有機色素を包含し得、第2のビーズ集団はそれに取り付けられた量子ドットを包含し得る。追加のビーズ集団は、上に記載されているように異なる比でそれに取り付けられた第1の有機色素及び有機ドット両方を包含し得る。第1の有機色素及び量子ドットは同じ及び/又は類似の蛍光励起/放出特性及び/又は強度を有し得、その結果、第1、第2、及び追加のビーズ集団は定義されたイベントに先行する第1の時点においては識別不可能である。第1の有機色素(即ち動的素子)は1分間以上の光に対する暴露によるフォトブリーチングに対して有感であり得、一方で、量子ドットはフォトブリーチングに対して有感ではない。それ故に、少なくとも1分間のフォトブリーチング後に、異なるビーズ集団は異なる蛍光強度を有する。例えば、第1の有機色素のみを有するビーズの蛍光強度は、定義された時間、例えば1分後にかなり縮減され得、一方で、量子ドットのみを有するビーズの蛍光強度は1分後に縮減されずにあり得る。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は、定義されたイベント(即ちフォトブリーチング)後の蛍光強度によって同定され得る。追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1の有機色素及び量子ドットの強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。
例3
エンコード物質の熱安定性は、複数のエンコードされたビーズをデコードする為に用いられ得、温度的な定義されたイベント前の第1の時点において、並びに温度的な定義されたイベントの間及び/又は後の追加の時点において、それぞれのビーズに取り付けられた第1及び/又は第2のエンコード物質からの蛍光強度を比較することによる。第1のビーズ集団はそれに取り付けられた第1のエンコード物質(例えば、有機色素及び/又は量子ドット)を包含し得、第2のビーズ集団はそれに取り付けられた第2のエンコード物質(例えば、有機色素及び/又は量子ドット)を包含し得る。追加のビーズ集団は、上に記載されているように異なる比でそれに取り付けられた第1及び第2のエンコード物質両方を包含し得る。エンコード物質の少なくとも1つは、温度の増大又は減少に対して安定でなくあり得る。例えば、エンコード物質(即ち動的素子)は、定義された温度的イベントに応答して構造及び/又は電荷が変化し得、これがエンコード物質の蛍光強度の変化を提供し得る。いくつかの実施形態において、温度的な定義されたイベントは、例えばエンコード物質をビーズに取り付けている結合ペア(例えば、ストレプトアビジン−ビオチン)の化学結合等の、エンコード物質及び/又はビーズに関連する化学結合を破壊し得、及び/又は変化を引き起こし得る。それ故に、温度の変化に対する暴露の間及び/又は後に、第1及び第2のエンコード物質は異なる蛍光強度を見せ得、これは2つのエンコード物質が識別されることを許す。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は、定義されたイベント(即ち、温度の増大又は減少)後の蛍光強度によって同定され得る。追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2のエンコード物質の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。
例4
温度的な定義されたイベントは、エンコード物質(即ち、動的素子)の少なくとも1つの蛍光強度に影響する物質(例えば、クエンチャー)を活性化又は不活性化し得る。例えば、熱脆弱性化合物が、温度が増大する温度的な定義されたイベントによって活性化され得る。物質は、温度的な定義されたイベントに応答して、エンコード物質と相互作用し得、最早エンコード物質と相互作用し得ず、及び/又はエンコード物質が存在している環境の化学的特性に影響し(例えば、pHを変化させ)得、これがエンコード物質の蛍光強度の変化を提供し得る。それ故に、温度的な定義されたイベントに対する暴露の間及び/又は後に、第1及び第2のエンコード物質は異なる蛍光強度を見せ得、これは2つのエンコード物質が識別されることを許す。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は定義されたイベント(即ち、温度の増大又は減少)後の蛍光強度によって同定され得る。追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2のエンコード物質の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。
例5
光学的な定義されたイベントは、エンコード物質(即ち、動的素子)の少なくとも1つの蛍光強度に影響する物質(例えばクエンチャー)を活性化又は不活性化し得る。例えば、光活性化化合物が、エンコードされたビーズと共に存在し得、エンコードされたビーズ及び物質に光が暴露される光学的な定義されたイベントによって活性化され得る。物質は、定義されたイベントに応答して、エンコード物質と相互作用し得、最早エンコード物質と相互作用し得ず、及び/又はエンコード物質が存在する環境の化学的特性に影響し得(例えば、pHを変化させる)、これはエンコード物質の蛍光強度の変化を提供し得る。それ故に、光学的な定義されたイベントに対する暴露の間及び/又は後に、第1及び第2のエンコード物質は異なる蛍光強度を見せ得、これは2つのエンコード物質が識別されることを許す。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は定義された光学的イベント(例えば、所与の波長及び/又は波長範囲の光に対する暴露)後の蛍光強度によって同定され得る。追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2のエンコード物質の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。
例6
化学的な定義されたイベントは異なるビーズ集団/下位集合を同定する為に用いられ得る。化学的環境の変化はエンコード物質の少なくとも1つの蛍光強度の変化を引き起こし得る。例えば、化学的な定義されたイベントは、ビーズ環境のpHの変化を引き起こし得、及び/若しくは提供し得、組成を変化させ得(例えば、薬品/成分を除去及び/若しくは追加し、並びに/又は溶媒を交換する)、エンコード物質の少なくとも1つの蛍光強度に影響する物質(例えばクエンチャー)を活性化又は不活性化し得、並びに/又は結合複合体の安定性を変化させ得、これはエンコード物質の蛍光強度の変化を引き起こし得る。従って、定義されたイベントの間及び/又は後に、第1及び第2のエンコード物質は異なる蛍光強度を見せ得、これは2つのエンコード物質が識別されることを許す。それ故に、第1及び第2のビーズ集団は定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。比は第1及び第2のエンコード物質の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するので、追加のビーズ集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。
例7
いくつかの実施形態において、定義されたイベントが、定義されたイベント前には存在せず且つ他のビーズ集団の蛍光強度とは異なる、定義されたイベント後に見せられる蛍光強度を提供する場合には、上の例1〜6に記載されているものへの追加の集団(例えば、第3の集団)が同定され得る。例えば、第3のビーズ集団は、定義されたイベント前の第1の時点において蛍光を見せないエンコード物質を包含し得る。それ故に、第1、第2、及び第3のビーズ集団は第1の時点においては蛍光強度を用いて識別不可能である。しかしながら、定義されたイベントはエンコード物質の蛍光を活性化し得、その結果、定義されたイベント後に、第1及び第2のビーズ集団のものとは異なる第3の蛍光強度が提供される。
例8
表3は従来の蛍光エンコードスキームを示しており、そこでは、固体支持体の9つの集団をエンコードする為に、2つの異なる色の色素(赤色及び青色)の3つの強度レベル(低、中、及び高)が用いられる。
Figure 0006847934
表4は、それぞれの色について6つの異なる動的特性(低に留まる低、中に留まる中、低にブリーチングする中、高に留まる高、中にブリーチングする高、及び低にブリーチングする高)を得る為の混合物を用いる4つの色素(赤色の安定、赤色の不安定、青色の安定、青色の不安定、即ちトータルの2色のみ)によるエンコードが、定義されたイベント前及び後の2色(赤色及び青色)及び3つの強度(低、中、及び高)のみの測定を用いて識別され得る36個の異なる集団をどのようにもたらすかを示している。
Figure 0006847934
例9
表5は従来のエンコードスキームを示しており、そこでは、2つの色(赤色及び青色)、3つの強度(低、中、高)、及び2つのサイズ(小及び大)を用いて、基材の18個の集団をエンコードする。表5の集団は表3のものに類似であるが、2つのレベル(小及び大)を有するビーズサイズ寸法を追加することによって、利用可能な従来のエンコードレベルの数が9から18に倍加したということに留意されるべきである。
Figure 0006847934
表6は、本明細書に記載される動的デコードアプローチがどのように適用されて、ビーズサイズに関する2つの動的寸法の追加:膨張によるサイズの増大又は分解によるサイズの減少によって、識別可能な集団又はエンコード状態の数を更に増大させ得るかを示している。これは、ある定義されたイベント後に観察される(又は起こらないことが観察される)変化に基づいて識別され得る54個の異なる集団をもたらす。ポテンシャルとしての多重化のこの増加は、3つの強度(低、中、及び高)の2つの色(赤色及び青色)及び4つのサイズ(大、より大、小、分解する/検出されない)のみを測定することによって達成可能である。このエンコードスキームは、本明細書に記載されている他の方法の何れかの組み込みによって更に拡張され得る。
Figure 0006847934
例10
図20及び21は、ある定義されたイベント前及び後のビーズの測定をなす為の、アレイに基づかず、フローサイトメーターを利用する装置編成の例を示している。図20においては、固体支持体は、照明がエンコード物質(単数又は複数)をフォトブリーチングする前及び後に測定される。図21は、シースフロー又は追加の試薬の流れがビーズを含有する流れに混合される前及び後に、固体支持体が測定される例を示している。この流れは、異なるpH、溶媒、又はリガンドの緩衝液等だがこれに限定されない物質を含有し得、これが、少なくとも1つのエンコード物質又は固体支持体構造に影響して物理的及び/又は化学的変化を引き起こす。定義されたイベント前及び後の固体支持体の光学的特性の比較は、1つの集団又は部分集団を別のものに対してデコードする為に用いられ得る。
例11
多重ビーズに基づくバイオアッセイは、典型的には、マイクロスフェアのそれぞれの型が、1つの型を別のものから識別する為にユニークにエンコードされることを要求する。マイクロスフェアは、典型的には、異なるスペクトル特性及び様々な濃度を有する蛍光色素によってエンコードされる。しかしながら、スペクトル的に解像され得る色素の数、又はそれぞれの色素の識別可能な強度レベルの数には実際的な限界が存在する。エンコードレベルの数を拡張する為に、フォトブリーチング動態をビーズデコードに組み込んだ方法を開発し、従来のデコード方法によって到達不可能な追加の多重化レベルを解放した。この技術を実証する為に、ビーズを、オーバーラップする蛍光励起及び放出波長と異なる光安定性とを有する2つの色素によってエンコードした。全てのビーズは初期には類似の蛍光強度を見せた。しかしながら、適切な光暴露後に、より光安定性でない色素はフォトブリーチングを原因とする縮減した放出強度を有した。当初の蛍光放出強度をフォトブリーチング後に得られたものと比較することによって、複数の異なる集団が確実に同定され得た。単一の励起/放出バンドのみを用いて、2つの異なる初期強度レベルを最適化して6つのユニークに同定可能なビーズ集団を生じた。一方で、従来のデコード方法によっては2つのみが達成され得た。ビーズに基づくマイクロウェルアレイアッセイへのこのエンコード戦略の組み込みは、画像化装置編成の複雑さを増大させることなしに、多重アッセイに利用可能なエンコードレベルの数をかなり増大させる。
方法は、動的素子をデコードプロセスに組み込んだ。シングルタイムポイントエンコード測定を用いるよりも寧ろ、本明細書に記載される方法はフォトブリーチング動態を使用してビーズ集団を識別する。オーバーラップするスペクトル特性及び異なる光安定性を有する2つの色素を利用してビーズをエンコードし、これらはそれから単純なフォトブリーチング率測定に基づいて判別され得た。ここで報告される方法はフォトブリーチングをモニターし、これはこれらの実験では秒のタイムスケールで起こり、分析プラットフォームの複雑さを増大させることなしに、ビーズに基づくアッセイの多重化能をかなり増大させる。
材料と方法
ビーズエンコード手順
呼称上直径3μmのストレプトアビジンによって機能化されたProMag磁気マイクロスフェアをバングス・ラボラトリーズ(Bangs Laboratories)(フィッシャーズ、IN)から購入した。R−フィコエリスリン(PE)ビオチンコンジュゲート及び605Qドット(QD)ビオチンコンジュゲート(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)、カールスバッド、CA)をこの研究の為のエンコード色素として用いた。「高」レベルビーズは5nMのPE、250nMのQD、又は18nMのPE/22nMのQDの混合物によって標識した。「低」レベルビーズは0.6nMのPE、4nMのQD、又は0.45nMのPE/2nMのQDの混合物によって標識した。このエンコード手順全体を通して利用される緩衝液は、1×Tris緩衝生理食塩水、pH7.2(サーモ・サイエンティフィック(Thermo Scientific)、ウォルサム、MA)及び0.1%Tween−20(シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)、セントルイス、MO)からなった。
ビーズストック溶液(2.6%固体)の10μLアリコートをそれぞれの標識反応に用いた。ビーズを第1に緩衝液の100μLアリコートによって3×洗浄し、磁気的に集め、それから10μLに再懸濁した。エンコードは、色素溶液の15μLをビーズに追加し、常温において1hインキュベーションすることによって行った。色素標識ビーズ溶液を遮光し、ローテーター(ラボネットインターナショナル(Labnet International)、エディソン、NJ)中に置いて、ビーズが標識反応の継続時間に渡って懸濁されたまま残ることを保証した。機能化後に、ビーズを3×洗浄し、それから緩衝液の20μL中に再懸濁し、4℃で貯蔵した。
マイクロウェルアレイ作製
これらの研究の為のマイクロウェルアレイチップはシリコン及びガラスを用いて作製した。シリコンウェーハはユニバーシティー・ウェーハ(University Wafer)(サウスボストン、MA)から購入され、ナノフィルム(NanoFilm)(ウエストレイクビレッジ、CA)によるクロム及びポジ型フォトレジストによってコーティングされた。3.5μm直径ビーズウェルを含有するアレイは、ハイデルベルグ・インストルメンツ(Heidelberg Instruments)DWL−FS66レーザーライター(ハイデルベルク、独国)を用いてウェーハ上にフォトリソグラフィ的にパターニングした。フォトレジストの現像及び暴露されたクロムの除去後に、ウェーハをアルカテルAMS100深掘り反応性イオンエッチャーによって〜5μmの深さにエッチングした。23エッチング後に、残りのフォトレジスト及びクロムをウェーハから除去した。それから、SU−8−2050(マイクロケム(MicroChem)、ウェストボロー、MA)をウェーハ上にパターニングして、デバイスの外側流体境界を形成した。マイクロチップを仕上げる為には、流体及びビーズのアクセスの為のビアを含有するガラス基板をシリコンアレイ上に並べ、エポキシ接着して備え付けた(ロックタイト120HP)。ひとたび結合したら、チップをヘプタン(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)、ピッツバーグ、PA)中の1%トリクロロ(オクチル)シラン(シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich))によって処理して、表面を疎水性にした。
エンコード実験
マイクロチップを、20mMのTris、pH8.0(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))、50mMのKCl(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))、2.5mMのMgCl(フルカ(Fluka)、セントルイス、MO)、0.1%Tween−20、及び1%ウシ血清アルブミン(サーモ・サイエンティフィック((Thermo Scientific)))を含有する緩衝液によってコンディショニングした。ビーズをビア中にピペッティングし、磁気的にアレイ上に通した。そこでは、一様なローディングがチップ全体を通して達成された。ローディング後に、チップをクライトックスオイル(デュポン(DuPont)、ウィルミントン、DE)によってシーリングして、個々のウェルを互いから隔離した。シーリングされたチップは、画像化の用意ができるまで暗所に保管した。
これらの実験に利用された画像化システムは、ニコンAZ100蛍光顕微鏡(メルヴィル、NY)、プライアー・サイエンティフィック(Prior Scientific)Lumen200Pro蛍光照明システム(ロックランド、MA)、及び浜松フォトニクスORCA−Flash4.0−CMOSカメラ(ミドルセックス、NJ)からなった。ローディングされたチップを顕微鏡ステージ上に置き、2s暴露を、Micro−Managerソフトウェアを用いて2.5s毎に取得した。励起源シャッターは暴露の間にのみ全開であった。本原稿中の爾後のデータプロットは、x軸タイムポイントを暴露時間(即ち画像あたり2s)よりも寧ろリアルタイム(即ち画像あたり2.5s)として表示している。PE及びQDによってエンコードされたビーズ両方の画像を、単一のフィルターセット(545/30nm励起、620/60nm放出)を用いて取得した。
ブリーチング挙動を評価する為に、レプリケートのチップに単一のビーズ型をローディングし、繰り返し画像化した。これは全てのビーズ集団について行った。もたらされた画像はFIJIソフトウェアによって処理した。26アレイウェル中のそれぞれのビーズの場所を決定した後に、蛍光シグナルを画像のセット全体を通して調べた。蛍光強度を光学的放射照度暴露時間の関数としてプロットして、集団減衰プロファイルを比較した。ヒストグラム分析の為には、所与のタイムポイントで終わる最後の3つの画像(例えば暴露の90sを評価するときには、t=80s、85s、及び90sの画像を利用した)からの正規化された強度値を平均してシグナルのゆらぎを最小化し、ノイズを縮減した。それから、これらのエンドポイント減衰値をソートして、それぞれのビーズ集団に特異的な適切なヒストグラムビン範囲を決定した。
結果と考察
フォトブリーチング率
量子ドット及び有機色素の光安定性の差異は、それらが十分にオーバーラップする励起又は放出極大を有するときに、マイクロスフェアをエンコードする為の興味深い機会を提供する。蛍光蛋白質フィコエリスリンは高い蛍光量子収率を有するが、延長された光暴露によるフォトブリーチングに対して有感である。対照的に、量子ドットは一般的にはフォトブリーチングに対して耐性であり、追加の暴露後にそれらの観察される放出を維持する(又は増大さえもさせる)。1つのビーズセットをPEによって、別のものをQDによってエンコードすることによって、初期蛍光が2つの集団の間において同じに見えるであろうということと、伸ばされた暴露後にそれらが識別され得るであろうということとを仮定した。そのため、かかるエンコード測定へのフォトブリーチング動態の導入は、従来の単一画像デコード方法によって到達不可能な増大した多重化の為の追加のエンコードレベルが達成されることを可能にするであろう。
PE、QD、又は両方の色素の混合物によってエンコードされたビーズセットをマイクロウェルアレイチップにローディングし、繰り返し画像化した。もたらされた画像の点検は、延長された画像化後にビーズが差次的な変化を被ったということを示した(例えば、図3A、3B、及び3C参照)。予測されたように、PEによってエンコードされたビーズは、色素が3minの過程でブリーチングすると蛍光シグナルのかなりの縮減を経験し、一方で、QDによってエンコードされたビーズからの蛍光シグナルは同じ持続時間の光暴露によって大まかには影響されなかった。両方の色素の混合物によって標識されたビーズは、PEによってエンコードされた集団よりも重度でない蛍光シグナルの中等度の減少を見せた。蛍光減衰プロファイルのプロットは、それぞれのビーズセットの間の良好な解像能を示している。非常に類似のブリーチング率がそれぞれのビーズ集団内で観察され、この動的デコードアプローチの高い精度を指示した。
ブリーチング継続時間及び集団のオーバーラップ
それぞれのビーズセットの平均的な蛍光減衰プロファイルは互いに相当に各独特であったが、それぞれの集団はフォトブリーチングの分散を見せた。そこで、ビーズ誤同定を避ける為に、それぞれの集団の境界を点検して、それらが互いにオーバーラップしないことを検証した。図22は、それぞれの集団からのビーズの上側及び下側5%からのフォトブリーチングプロファイルを示している。それらのトレースは、それぞれのビーズ集団の平均的な減衰が互いから良好に解像されるのみならず、それぞれの群の中の範囲もまた解像されるということを示している。図22は、これらの条件下におけるフォトブリーチングの3minがいくらか過剰であるということをもまた示唆している。なぜなら、それぞれの集団はより短い期間で同定可能であるように見えるからである。
バイオアッセイのスループット及びパフォーマンス両方がデコード時間の縮減から利益を得るであろうことを考慮して、集団間の許容される解像能を得る為に要求される最小のフォトブリーチング継続時間を、我々の実験セットアップのパラメータ内で探した。フォトブリーチングの異なる長さの後に、個々のビーズのエンドポイント蛍光値をヒストグラムにビニングした。そこでは、ブリーチングを「高速」(PEビーズ)、「中等度」(ミックスビーズ)、及び「低速」(QDビーズ)として特徴づけた(表7)。それぞれの集団はデータセット(n=5つのチップ)中に>50kのビーズを有して、集団分布を正確に表す為に十分に大きい試料サイズを提供した。デコードデータは、少々のオーバーラップがミックスビーズ及び他の集団の間に未だ観察されたが、異なるビーズセットが30s以内に大分良好に解像されたということを明らかにした。ブリーチングの30sの後の最大の誤同定は1.7%であり、PE及びミックスビーズの間において起こった。このエラーは、誤同定の小量が容認されるある種の用途では許容され得るが、それは多くのデジタルの低LODアッセイにとっては高すぎる。一般的に、ビーズ誤同定のパーセンテージは、それが測定精度にあまり影響しないことを保証するために、バイオアッセイのノイズ未満であるべきである。追加して、この短いブリーチング時間は、PE及びミックスビーズ両方の2.5%がデータセットから除外されることを要求した。なぜなら、それらは隣接するビーズ集団間のオーバーラップする領域において蛍光を見せたからである。ビーズのこの大分小さいパーセンテージを除去することは、同定正確度をかなり改善し、分析から曖昧さを除去することが見いだされた。
フォトブリーチング継続時間を伸ばすことは、ビーズ集団間の解像能を増大させた(表7)。ブリーチングの1.5minの後に、同定正確度は>99.9%まで増大し、ビーズの<0.8%は曖昧さを原因として除外された。しかしながら、ブリーチング時間を更に伸ばしたときには収穫逓減が観察された。ブリーチングの3minの後の同定正確度は>99.98%であり、一方で、除外率は<0.3%であった。優れてはいるが、余分の解像能は、非特異的結合が0.1〜1%のバックグラウンドシグナルを引き起こす大部分のバイオアッセイでは不必要だと見なされた。7高いエンコード正確度、低い除外率、及びより高速のスループットの組み合わせを原因として、1.5minの光暴露時間は、これらの実験パラメータによるビーズデコードにとって最適だと見なされた。より高強度のランプ、より幅広いバンドパスフィルターセット等を有する他のシステムが、この時間を更に縮減する為に用いられ得る。
Figure 0006847934
追加のエンコード状態
この動的デコード技術によるエンコード状態の数を更に向上させる為に、より低い初期強度レベルのビーズの新たなセットを、より低い色素濃度(「低」ビーズ)を用いて開発した。それぞれの色素の量を最適化して、それらがフォトブリーチング減衰のある解像可能度を被るということをもまた保証しながら、3つのブリーチングによって識別可能なビーズ型(前のようにPE、QD、及びミックス)について類似の初期蛍光値を得た。色素濃度の最適化後に、3つの集団のブリーチングプロファイルを測定した。それぞれのビーズ集団は、高精度で、その対応するプロファイル、前項に記載されている「高」強度ビーズ)に類似の正規化されたフォトブリーチングを見せた。ヒストグラムを構築して、ブリーチング後のこれらの「低」強度ビーズ集団間のオーバーラップを測定した。3つのビーズセット間のオーバーラップは、「低」強度レベルビーズが「高」強度ビーズと同じくらい良好に働き、両方が多重ビーズアッセイに難なく実装され得るということを指示していた。
色素濃度を最適化する一方で、「低」強度集団が初期強度において「高」エンコード集団とオーバーラップしないことを保証するように注意した。正規化された減衰は同じ色素によってエンコードされたビーズを識別する為に用いられ得ないので、これは重大である。データをヒストグラムにソートすることは、「高」及び「低」強度レベルがオーバーラップを明示しないということをバリデーションした。従来のビーズエンコードアプローチによる高い多重化度を妨げる共通の限定である、「高」集団の蛍光値の広い範囲が、中程度のエンコードレベルを達成することを困難にするということもまた見られ得る。しかしながら、タイムドメインの組み込みによって、初期強度の高い分散にもかかわらず複数の追加のエンコードレベルに到達した。
最終的には、それぞれ3つの識別可能な部分集団(PE、QD、及びミックス)を有する2つの強度レベル(「高」及び「低」)のビーズを組み合わせることは、トータルで6つの各独特のエンコード状態が単一波長検出によって達成されることを可能にした。個々のビーズは、第1に、t=0の蛍光に基づいて「高」又は「低」ビンにアサインメントし、それから繰り返し画像化して、用いられた具体的なエンコード色素(単数又は複数)を同定した(図23)。このアプローチは、アッセイ光学システムのコスト及び複雑さをもまた最小化しながら、従来のエンコードアプローチと比較してビーズに基づくPOCアッセイの多重化性能をかなり向上させることが示された。
理論的考察
標準的なエンコードは、典型的には波長及び強度のシングルタイムポイント観察に基づく。利用可能なエンコード状態の数はそれぞれの励起/放出バンドについて識別可能な集団の数によって決定され、3つのバンドでは次の等式に従って表され得、
Figure 0006847934
式中、Tconventionalはエンコード状態のトータル数であり、n、n、及びnは、それぞれ、励起/放出バンドI、J、及びKのエンコードされた強度レベルの数である。蛍光の最も低いレベルはレベル0又は非エンコードであり、そこではエンコード色素の存在は検出され得ない。
類似のスペクトル特性と異なる安定性とを有する2つ以上の色素を混合することは、識別可能な蛍光強度レベル内において、エンコードの追加の状態を提供する。図S3は、それによって2つのスペクトル的に類似の色素が異なる比で一緒に混合されて0〜5のエンコードレベルを達成するプロセスのダイアグラムを示している。最も低いレベル0は色素を用いない。次のレベル1は、安定な又は脆弱な色素どちらかの1当量を用い得る。レベル2は、どちらかの色素の2当量又はそれぞれの色素の1当量のミックスを用い得る。バンドIについて、それぞれの強度レベルiでは、光暴露に対して差次的に反応するであろうi+1個の色素の組み合わせがあるということが観察され得る。利用可能なエンコード状態のトータル数(Tdynamic)は、識別可能な蛍光レベルの数の関数として表され得、
Figure 0006847934
式中、i、j、及びkは励起/放出バンドI、J、及びKの強度レベルを表す。5つの異なるエンコードレベル及び3つの励起/放出バンドでは、従来のシングルタイムポイント測定は216個のユニークなエンコード状態を生み出すであろう。5つの異なる強度レベルによるタイムドメインアプローチを用いることは、ユニークにエンコードされたビーズの21個の異なる型をもたらし、ユニークなエンコード状態の理論上の数は、3つの励起/放出バンドでは9,261個である。
仮想例12
タイムドメインにおける有機色素の光安定性は、生物学的試料をデコードする為に用いられ得る。第1の抗体はそれに取り付けられた第1の有機色素を包含し得、第2の抗体はそれに取り付けられた第2の有機色素を包含し得る。第3の抗体は、上に記載されているように、それに取り付けられた第1及び第2の有機色素両方を異なる比で包含し得る。第1及び第2の有機色素は同じ及び/又は類似の蛍光励起/放出特性及び/又は強度を有し得、その結果、第1、第2、及び追加の抗体は定義されたイベントに先行する第1の時点において識別不可能である。第1及び第2の有機色素は、定義された時間、典型的には約30秒間及び5分間の間、例えば約1分間、約2分間、約3分間、又はより多くの光に対する暴露によるフォトブリーチングの異なるレベルに対して有感であり得る。それ故に、定義された時間、例えば少なくとも1マイクロ秒のフォトブリーチング後に、異なる抗体は異なる蛍光強度を有する。例えば、第1の有機色素は第2の有機色素(即ち動的素子)と比較してフォトブリーチングに対して有感でなく(即ち、より安定で)あり得、第1の有機色素の蛍光強度は1分後に10%のみ縮減し得、一方で、第2の有機色素の蛍光強度は1分後に90%縮減し得る。それ故に、第1及び第2の抗体集団は定義されたイベント(即ちフォトブリーチング)後に蛍光強度によって同定され得る。第3の抗体集団もまた定義されたイベント後の蛍光強度によって同定され得る。なぜなら、比は、第1及び第2の有機色素の強度の異なるレベル又はその間の蛍光強度の勾配を提供するからである。生物学的試料(例えば、組織)は第1、第2、及び第3の抗体と接触させられ得る。エンコードされた抗体のそれぞれは試料のある部分に結合し得る。試料上の異なる場所における蛍光強度が異なるタイムポイントにおいて比較されて、試料中及び/又は上のそれぞれの抗体の場所を同定し得、どのような要素が試料中に存在するのか及び/又は試料中のどこに要素があるのかを同定する為に用いられ得る。
前述は本発明を例示しており、その限定として解釈されるべきではない。本発明の少しばかりの例示的な実施形態が記載されてきたが、当業者は、例示的な実施形態の多くの改変が、本発明の新規の教示及び利点から実質的に外れることなしに可能であるということを難なく理解するであろう。従って、全てのかかる改変は、請求項において定義される本発明の範囲内に包含されることが意図される。そのため、前述は本発明を例示しており、開示される具体的な実施形態に限定されるとは解釈されないということと、開示される実施形態の改変及び他の実施形態は添付の請求項の範囲内に包含されることが意図されるということとが理解されるべきである。本発明は次の請求項によって定義され、請求項の均等物はそれに包含される。
〔付記1〕
固体支持体をデコードする方法であって、
複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)の中の固体支持体の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、
複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較し、それぞれの固体支持体の第2のエンコードシグナルが、固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれの固体支持体の第1及び第2のエンコードシグナルが異なることと、
第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて、複数の固体支持体をデコードすることと、
を含む、
固体支持体をデコードする方法。
〔付記2〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが検出可能ではなく(例えば、光学的に検出可能ではなく)且つ第2のエンコードシグナルが検出可能(例えば、光学的に検出可能)である固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
〔付記3〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが検出可能(例えば、光学的に検出可能)であり且つ第2のエンコードシグナルが検出可能ではない(例えば、光学的に検〔付記4〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが第2のエンコードシグナルよりも大きい値(例えば、大きいシグナル振幅、蛍光強度値、又は直径)を有する固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
〔付記5〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、その第2のエンコードシグナルが第1のエンコードシグナルよりも大きい値(例えば、大きいシグナル振幅、蛍光強度値、又は直径)を有する固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
〔付記6〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、固体支持体の少なくとも2つの集団の中のそれぞれの固体支持体上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度を有する固体支持体の少なくとも2つの集団を含む、方法。
〔付記7〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、固体支持体の少なくとも2つの集団の中のそれぞれの固体支持体上の2つ以上のエンコード物質の異なる濃度及び/又は比を有する固体支持体の少なくとも2つの集団を含み、
少なくとも2つの集団の1つの第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルの少なくとも1つが検出可能であり、他方の集団の第1のエンコードシグナル又は第2のエンコードシグナルから識別可能である、
方法。
〔付記8〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、その第1及び第2のエンコードシグナルが異ならない固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
〔付記9〕
付記1に記載の方法であって、
固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、固体支持体及び/又は固体支持体に取り付けられた化合物の化学的及び/又は物理的変化である、方法。
〔付記10〕
付記1に記載の方法であって、
固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、固体支持体に取り付けられたエンコード物質及び/又はエンコード物質に取り付けられた化合物の化学的及び/又は物理的変化である、方法。
〔付記11〕
付記1に記載の方法であって、
第1のエンコードシグナル及び/又は第2のエンコードシグナルの検出することが、光学的測定を得ることを含み、
任意に、光学的測定の得ることが、複数の固体支持体について蛍光放出測定を得ることを含む、
方法。
〔付記12〕
付記1に記載の方法であって、
第1のエンコードシグナル及び/又は第2のエンコードシグナルの検出することが、3つ以上の画像を得ることを含み、
任意に、3つ以上の画像が、2つ以上の異なる波長帯で得られる、
方法。
〔付記13〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体を光学的入力に暴露することを更に含み、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、光学的入力に対する複数の固体支持体の暴露することの間又は後に起こる、
方法。
〔付記14〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中の少なくともいくつかの固体支持体に取り付けられたエンコード物質(例えば、色素又は標識)をフォトブリーチングすることを更に含み、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、複数の固体支持体のフォトブリーチングの間又は後に起こる、
方法。
〔付記15〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体を加熱又は冷却することの少なくとも1つを更に含み、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、複数の固体支持体を加熱又は冷却することの少なくとも1つの間又は後に起こる、
方法。
〔付記16〕
付記1に記載の方法であって、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、能動的に誘導される変化であり、永久的である、方法。
〔付記17〕
付記1に記載の方法であって、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が可逆的である、方法。
〔付記18〕
付記1に記載の方法であって、
第2のエンコードシグナルの検出することが、第1のエンコードシグナルが検出された後の1msよりも長い時間において第2のエンコードシグナルを得ることを含む、方法。
〔付記19〕
付記18に記載の方法であって、
第2のエンコードシグナルが、第1のエンコードシグナルが得られた後の5分未満である時間において得られる、方法。
〔付記20〕
付記1に記載の方法であって、
第1のエンコードシグナルの検出することが、アレイ(例えばビーズウェルアレイ)中の複数の固体支持体の第1の画像を得ることを含み、
第2のエンコードシグナルを検出することが、アレイ中の複数の固体支持体の第2の画像を得ることを含む、
方法。
〔付記21〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルが蛍光強度値を含む、方法。
〔付記22〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルを比較することが、少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化前の複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の色(例えば、色相、輝度、及び/又は明度)を、少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後のそれぞれの固体支持体の色と比較することを含む、方法。
〔付記23〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルの検出することが、ある期間の複数の固体支持体のエンコードシグナルを連続的に検出することを含む、方法。
〔付記24〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルの比較することが、少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化前のそれぞれの固体支持体のサイズ及び/又は形状を、少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後のそれぞれの固体支持体のサイズ及び/又は形状と比較することを含む、方法。
〔付記25〕
付記1に記載の方法であって、
検出ステップに先行して複数の固体支持体を提供することを更に含む、方法。
〔付記26〕
付記1に記載の方法であって、
第1のエンコードシグナル及び/又は第2のエンコードシグナルの検出することが、複数の固体支持体の画像を得ることを含む、方法。
〔付記27〕
付記1に記載の方法であって、
第1のエンコードシグナル及び/又は第2のエンコードシグナルの検出することが、複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)の中のそれぞれの固体支持体の光学的又は電気的シグナルを検出することを含む、方法。
〔付記28〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中の固体支持体の第1の集団が、第1の集団の中のそれぞれの固体支持体に取り付けられた1つのエンコード物質を含み、
複数の固体支持体の中の固体支持体の第2の集団が、第2の集団の中のそれぞれの固体支持体に結合された2つ以上のエンコード物質を含む、
方法。
〔付記29〕
付記1に記載の方法であって、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化を発生することを更に含む、方法。
〔付記30〕
付記1に記載の方法であって、
少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の発生することが、ある期間が経過することを待つことを含む、方法。
〔付記31〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中のある固体支持体に関連する化合物(例えば、ペプチド又は蛋白質)を変性させることを更に含む、方法。
〔付記32〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中のある固体支持体に関連するクエンチャーを除去することを更に含む、方法。
〔付記33〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中のある固体支持体に取り付けられたエンコード物質の蛍光減衰率の変化を測定することを更に含む、方法。
〔付記34〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルの比較することが、電子的に実施される、方法。
〔付記35〕
付記1に記載の方法であって、
第1及び第2のエンコードシグナルの検出することが、複数の固体支持体の第1及び第2の画像を得ることを含み、
第1及び第2の画像のそれぞれを得ることが、約2ミリ秒間から約5秒間の画像化を含む、
方法。
〔付記36〕
付記35に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中の少なくともいくつかの固体支持体に関連するエンコード物質(例えば、色素又は標識)を、約5秒間から約5分間フォトブリーチングすることを更に含み、
任意に、フォトブリーチングが、第1の画像が得られる間及び/又は後に起こる、
方法。
〔付記37〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の下位集合の中の固体支持体のそれぞれが動的素子及びエンコード物質を含み、
複数の固体支持体の下位集合の中のそれぞれの固体支持体上のエンコード物質及び動的素子の異なる比及び/又は濃度が、複数の固体支持体をデコードする為に用いられる複数のエンコード状態を提供する、
方法。
〔付記38〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体が、オーバーラップする蛍光励起バンド及び蛍光放出バンドを有する少なくとも2つのエンコード物質(例えば、色素又は標識)によってエンコードされた固体支持体を有する少なくとも1つの集団を含み、
任意に、少なくとも2つのエンコード物質が異なる光安定性を有する、
方法。
〔付記39〕
付記38に記載の方法であって、
少なくとも2つのエンコード物質の少なくとも1つが安定であり、他方が不安定である、方法。
〔付記40〕
付記1に記載の方法であって、
複数の固体支持体の中の第1の固体支持体に関連する第1の化学的及び/又は物理的変化を発生して、複数の固体支持体の中の第1の集団を定義することと、複数の固体支持体の中の第2の固体支持体に関連する第2の化学的及び/又は物理的変化を発生して、複数の固体支持体の中の第2の集団を定義することとを更に含み、
任意に、第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、固体支持体に関連するエンコード物質をフォトブリーチングすること及び/又は変性させることを含む、
方法。
〔付記41〕
付記40に記載の方法であって、
第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、同時に及び/又は同じ条件(例えば、同じ波長帯、温度、化学的環境、及び/又は圧力)を用いて起こる、方法。
〔付記42〕
付記40に記載の方法であって、
第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、異なる時間において、及び/又は異なる条件(例えば、異なる波長帯、温度、化学的環境、及び/又は圧力)を用いて起こる、方法。
〔付記43〕
付記40に記載の方法であって、
第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、第1及び/又は第2の集団の中の部分集団を更に定義する、方法。
〔付記44〕
付記40に記載の方法であって、
第1の集団及び/又は第2の集団の中の部分集団の中の固体支持体が、それぞれの固体支持体上の少なくとも2つのエンコード物質の異なる比及び/又は濃度を有して、複数の固体支持体をデコードする為に用いられる複数のエンコード状態を提供する、方法。
〔付記45〕
アッセイデコードシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサを含む回路と、
複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)を含む流体分析チップと、
複数の固体支持体と連通した熱源又は光源の少なくとも1つと、
を含み、
回路が、熱源又は光源の少なくとも1つを作動させて、複数の固体支持体の少なくともいくつかに関連する少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こし、複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の第1及び第2のエンコードシグナルを比較して、複数の固体支持体の中の固体支持体の異なる集団をデコードする、
アッセイデコードシステム。
〔付記46〕
付記45に記載のシステムであって、
熱源又は光源の少なくとも1つがフォトブリーチング光源である、システム。
〔付記47〕
付記45に記載のシステムであって、
熱源又は光源の少なくとも1つが熱源である、システム。
〔付記48〕
付記45に記載のシステムであって、
複数の固体支持体のある部分が、第1の色素及び第2の色素を異なる濃度及び/又は比で有する固体支持体を含み、
任意に、第1及び第2の色素が異なる光安定性及び/又は熱安定性を有する、
システム。
〔付記49〕
付記48に記載のシステムであって、
第1及び第2の色素の異なる濃度及び/又は比が、少なくとも5つの異なる集団を提供する、システム。
〔付記50〕
付記49に記載のシステムであって、
少なくとも5つの異なる集団が光学的に及び/又は電子的に検出可能である、システム。
〔付記51〕
付記48に記載のシステムであって、
第1の色素が光安定性であり、第2の色素が光不安定性(脆弱性)である、システム。
〔付記52〕
付記45に記載のシステムであって、
回路及び流体分析チップと連通した、1つ以上の定義された波長の光を放出するように構成された光学検出器を更に含む、システム。
〔付記53〕
付記52に記載のシステムであって、
回路が、複数の固体支持体の第1の画像を得ることと複数の固体支持体の第2の画像を得ることとを光学検出器に指図し、
少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化が、第2の画像と比較して、第1の画像に少なくとも1つの差異を引き起こす、
システム。
〔付記54〕
付記53に記載のシステムであって、
第1の画像が、少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化が起こる前であり、第2の画像が、少なくとも1つの検出可能な物理的又は化学的変化が起こる間又は後である、システム。
〔付記55〕
付記53に記載のシステムであって、
第2の画像が、回路が熱源又は光源の少なくとも1つを作動させた後である、システム。
〔付記56〕
付記53に記載のシステムであって、
光学検出器が第1の波長の光を複数の固体支持体に放出して、第1及び第2の画像を得、
複数の固体支持体の中の固体支持体の下位集合が、第1及び第2の画像において異なる蛍光強度を発生して、デコードシグナルを提供する、
システム。
〔付記57〕
付記45に記載のシステムであって、
熱源又は光源の少なくとも1つが、少なくとも1つの検出可能な物理的又は化学的変化として、複数の固体支持体の中の固体支持体の下位集合において不可逆的な検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こす、システム。
〔付記58〕
付記53に記載のシステムであって、
光学検出器が、第1及び/又は第2の画像の為の励起波長の光を複数の固体支持体に放出し、少なくとも1つの検出可能な物理的又は化学的変化を引き起こす異なる波長の光を伝達する、システム。
〔付記59〕
付記45に記載のシステムであって、
複数の固体支持体の中の少なくともいくつかの固体支持体が、第1の時点において第1及び第2のスペクトル的に類似のエンコード物質(例えば、色素)を含み、
第1及び第2のスペクトル的に類似のエンコード物質の1つが安定であり、他方が不安定(例えば、脆弱性)であり、
固体支持体の異なるもの同士が、第1及び第2のエンコード物質を異なる比及び/又は濃度で有して、少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化前及び/又は後に複数の(例えば、1つ〜5つの)異なる識別可能な蛍光強度レベルを提供して、複数のエンコード状態を提供する、
システム。
〔付記60〕
付記59に記載のシステムであって、
光源を用いるフォトブリーチングイベントが、少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こす、システム。
〔付記61〕
付記59に記載のシステムであって、
複数のエンコード状態が約2つから約10,000個である、システム。
〔付記62〕
複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)であって、
第1の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質を含む固体支持体の第1の集団と、
第2の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質並びに少なくとも1つの追加のエンコード物質を含む固体支持体の第2の集団と、
を含み、
少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質の蛍光励起及び放出波長がオーバーラップし、
少なくとも1つのエンコード物質の第1及び第2の濃度が異なり、第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度及び/又は比が、複数のエンコード状態を提供する、
複数の固体支持体(例えば、多重化ビーズセット)。
〔付記63〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
固体支持体の第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体が、検出可能ではない(例えば、光学的に検出可能ではない)第1のエンコードシグナルを発生する、複数の固体支持体。
〔付記64〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
固体支持体の第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体が、検出可能(例えば、光学的に検出可能)である第1のエンコードシグナルを発生し、
固体支持体の第1及び第2の集団の第1のエンコードシグナルが識別可能ではない、
複数の固体支持体。
〔付記65〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つのエンコード物質が、少なくとも1つの追加のエンコード物質の安定性と比較して異なる安定性を有し、
少なくとも1つの追加のエンコード物質の異なる安定性が、第2の集団の中のそれぞれの固体支持体が第1のエンコードシグナルとは異なる第2のエンコードシグナルを発生することを引き起こす、
複数の固体支持体。
〔付記66〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つのエンコード物質が安定であり、少なくとも1つの追加のエンコード物質が不安定(例えば、脆弱性)であり、
少なくとも1つの追加のエンコード物質の不安定性が、第2の集団の中のそれぞれの固体支持体が第1のエンコードシグナルとは異なる第2のエンコードシグナルを発生することを引き起こす、
複数の固体支持体。
〔付記67〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
固体支持体の第3の集団を更に含み、
第3の集団の中のそれぞれの固体支持体が、少なくとも1つのエンコード物質又は少なくとも1つの追加のエンコード物質とオーバーラップする蛍光励起及び放出波長を有さないエンコード物質を含む、
複数の固体支持体。
〔付記68〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質が、異なる光安定性を有する、複数の固体支持体。
〔付記69〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つのエンコード物質及び/又は少なくとも1つの追加のエンコード物質が色素を含む、複数の固体支持体。
〔付記70〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体が、類似の初期蛍光強度を発生する、複数の固体支持体。
〔付記71〕
付記65に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つの追加のエンコード物質が、温度、時間、光暴露、及び/又は化学的環境に応答して、少なくとも1つのエンコード物質とは異なる安定性を有する、複数の固体支持体。
〔付記72〕
付記71に記載の複数の固体支持体であって、
第2の集団の中のそれぞれの固体支持体の第2のエンコードシグナルが、第2の集団の中のそれぞれの固体支持体の第1のエンコードシグナルとは異なる(例えば、縮減又は増大した)蛍光放出強度を有する、複数の固体支持体。
〔付記73〕
付記71に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つの追加のエンコード物質が温度、時間、光暴露、及び/又は化学的環境に応答して物理的に及び/又は化学的に変化する、複数の固体支持体。
〔付記74〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質が、固体支持体の第2の集団の中のそれぞれの固体支持体に別個に取り付けられる、複数の固体支持体。
〔付記75〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つの追加のエンコード物質が有機色素及び/又は量子ドットを含む、複数の固体支持体。
〔付記76〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つの追加のエンコード物質がクエンチャーを含む、複数の固体支持体。
〔付記77〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
少なくとも1つの追加のエンコード物質及び少なくとも1つのエンコード物質が異なるフォトブリーチング動態を有する、複数の固体支持体。
〔付記78〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
複数の固体支持体が、いくつものエンコード状態をエンコードし、
エンコード状態の数は式(1)によって決定され、
Figure 0006847934
式中、i、j、及びkはそれぞれ励起/放出バンドI、J、及びKの強度レベルであり、n 、n 、及びn それぞれは、それぞれ励起/放出バンドI、J、及びKのエンコードされた強度レベルの数である、
複数の固体支持体。
〔付記79〕
付記62に記載の複数の固体支持体であって、
複数の固体支持体が、少なくとも20個の差次的にエンコードされた固体支持体を含む、複数の固体支持体。
〔付記80〕
付記79に記載の複数の固体支持体であって、
複数の固体支持体が、検出可能(例えば、光学的に及び/又は電子的に検出可能)である少なくとも1,000個のエンコード状態をエンコードする、複数の固体支持体。
〔付記81〕
付記62〜80の何れか一項に記載の複数の固体支持体を含む、キット。
〔付記82〕
更にマイクロ流体デバイスを含む、付記81に記載のキット。
〔付記83〕
キットが無菌パッケージ中にある、付記81に記載のキット。
〔付記84〕
付記81〜83の何れか一項に記載のキットであって、
複数の固体支持体が付記1〜44の何れか一項に記載の方法に用いられる、キット。
〔付記85〕
付記81〜83の何れか一項に記載のキットであって、
複数の固体支持体がフォレンジック・バーコーディング及び/又は模倣品検出の為に用いられる、キット。
〔付記86〕
固体支持体をデコードする方法であって、
複数の分子認識素子を提供し、複数の分子認識素子の少なくともいくつかが1つ以上のエンコード物質を含むことと、
複数の分子認識素子の少なくともある部分を固体支持体の少なくともある部分に結合することと、
複数の分子認識素子の中の分子認識素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、
複数の分子認識素子の中のそれぞれの分子認識素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較し、それぞれの分子認識素子の第2のエンコードシグナルが、分子認識素子に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれの分子認識素子の第1及び第2のエンコードシグナルが異なることと、
第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて、複数の分子認識素子をデコードすることと、
を含む、固体支持体をデコードする方法。
〔付記87〕
試料をデコードする方法であって、
複数のエンコードされた素子の中のエンコードされた素子(例えば、エンコードされた固体支持体及び/又はエンコードされた分子認識素子)の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出することと、
複数のエンコードされた素子の中のそれぞれのエンコードされた素子の第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを比較し、それぞれのエンコードされた素子の第2のエンコードシグナルが、エンコードされた素子に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間又は後に検出され、それぞれのエンコードされた素子の第1及び第2のエンコードシグナルが異なることと、
第1及び第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて、複数のエンコードされた素子をデコードすることと、
を含む、
試料をデコードする方法。
〔付記88〕
複数のエンコードされた分子認識素子であって、
第1の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質を包含する分子認識素子の第1の集団と、
第2の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質並びに少なくとも1つの追加のエンコード物質を含む分子認識素子の第2の集団と、
を含み、
少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質の蛍光励起及び放出波長がオーバーラップし、
少なくとも1つのエンコード物質の第1及び第2の濃度が異なり、第1及び第2の集団の中のそれぞれの分子認識素子上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度及び/又は比が、複数のエンコード状態を提供する、
複数のエンコードされた分子認識素子。
10 固体支持体またはウェル
11 ビーズ保持部
12 コントローラ
12t 温度コントローラ
15 シグナル検出部
15ch 流体チャネル
15e シグナル検出部の端部
17 環状チャネル
18 光学フィルターセット
19 突出部材
20 流体デバイス
20ch マイクロ流体チャネル
22 凍結−融解バルブ
23 反応溶液
25 ビーズ
30 ビーズウェルアレイ
32s 画像の強度値
32s 変化した強度値
32s 実質的に未変化のエンコードシグナル
40 デコードモジュール
40R デコード読み出し
50b 下側基板
50p ポート
50s スペーサー
50u 上側基板
75 シーリング剤
100 流体分析システム
100c コントロール回路
125 熱/光源、又は入力デバイス
125h ヒータ
125l 光放出源
150 シグナル検出器
211 画像プロセッサ
221 分析モジュールによるシグナル検出
222 アッセイ読み出し
500 キット
DE 定義されたイベント
DE 第1の定義されたイベント
DE 第2の定義されたイベント
F フットプリント
第1の画像
第2の画像
第3の画像
第1の時間
第2の時間

Claims (17)

  1. 固体支持体をデコードする方法であって、
    電気的検出器を用いて、複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体に対して、第1の時点での第1のエンコードシグナル及び第2の時点での第2のエンコードシグナルを検出することであって、前記複数の固体支持体は、固体支持体の2つ以上の異なる集団を含む、当該検出することと、
    前記複数の固体支持体の中の少なくとも一部の固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化を発生させるために、前記複数の固体支持体と連通した光源及び/又は熱源を活性化することであって、前記第1の時点は、前記複数の固体支持体の少なくとも一部に関連する前記少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の前であり、第2の時点は、前記固体支持体に関連する前記少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間または後である、当該活性化することと、
    前記複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体に対する第1のエンコードシグナルと、前記複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体に対する第2のエンコードシグナルとを比較することであって、前記それぞれの固体支持体のための第1のエンコードシグナルと第2のエンコードシグナルとが異なる、当該比較することと、
    前記複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体に対して前記第1のエンコードシグナル及び前記第2のエンコードシグナルの比較に少なくとも部分的に基づいて前記複数の固体支持体を電気的にデコードして、前記固体支持体の2つ以上の異なる集団の1つ以上に対応する固体支持体を同定することであって、前記複数の固体支持体を電気的にデコードすることは、前記それぞれの固体支持体に対する前記第1のエンコードシグナル及び前記第2のエンコードシグナルを比較して、前記それぞれの固体支持体のアイデンティティーを決定することを含む、当該同定することと、
    を含む、
    固体支持体をデコードする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが検出可能ではなく(例えば、光学的に検出可能ではなく)且つ第2のエンコードシグナルが検出可能(例えば、光学的に検出可能)である固体支持体の少なくとも1つの集団を含み、及び/又は、
    複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが検出可能(例えば、光学的に検出可能)であり且つ第2のエンコードシグナルが検出可能ではない(例えば、光学的に検出可能ではない)固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体が、その第1のエンコードシグナルが第2のエンコードシグナルよりも大きい値(例えば、大きいシグナル振幅、蛍光強度値、又は直径)を有する固体支持体の少なくとも1つの集団を含み、及び/又は、
    複数の固体支持体が、その第2のエンコードシグナルが第1のエンコードシグナルよりも大きい値(例えば、大きいシグナル振幅、蛍光強度値、又は直径)を有する固体支持体の少なくとも1つの集団を含む、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体が、固体支持体の少なくとも2つの集団の中のそれぞれの固体支持体上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度を有する固体支持体の少なくとも2つの集団を含み、
    任意に、複数の固体支持体が、固体支持体の少なくとも2つの集団の中のそれぞれの固体支持体上の2つ以上のエンコード物質の異なる濃度及び/又は比を有する固体支持体の少なくとも2つの集団を含み、少なくとも2つの集団の1つの第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルの少なくとも1つが検出可能であり、他方の集団の第1のエンコードシグナル又は第2のエンコードシグナルから識別可能である、
    方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、固体支持体及び/又は固体支持体に取り付けられた化合物の化学的及び/又は物理的変化であり、
    任意に、固体支持体に関連する少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、固体支持体に取り付けられたエンコード物質及び/又はエンコード物質に取り付けられた化合物の化学的及び/又は物理的変化である、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、
    第1のエンコードシグナル及び/又は第2のエンコードシグナルの検出することが、光学的測定を得ることを含み、
    任意に、光学的測定の得ることが、複数の固体支持体について蛍光放出測定を得ることを含む、
    方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体を光学的入力に暴露することを更に含み、
    少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、光学的入力に対する複数の固体支持体の暴露することの間又は後に起こる、
    方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体の中の少なくともいくつかの固体支持体に取り付けられたエンコード物質(例えば、色素又は標識)をフォトブリーチングすることを更に含み、
    少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、複数の固体支持体のフォトブリーチングの間又は後に起こる、
    方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体を加熱又は冷却することの少なくとも1つを更に含み、
    少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化が、複数の固体支持体を加熱又は冷却することの少なくとも1つの間又は後に起こる、
    方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、
    前記エンコードレベルの数よりも大きい前記複数の固体支持体に対するエンコード状態の数であり、前記エンコード状態の数は、シングルタイムポイントで観測された前記エンコードレベルの数よりも大きく、
    第2のエンコードシグナルの検出することが、第1のエンコードシグナルが検出された後の1msよりも長い時間において第2のエンコードシグナルを得ることを含み、
    任意に、第2のエンコードシグナルが、第1のエンコードシグナルが得られた後の5分未満である時間において得られる、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、
    第1及び第2のエンコードシグナルの検出することが、ある期間の複数の固体支持体のエンコードシグナルを連続的に検出することを含む、方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体の中のある固体支持体に取り付けられたエンコード物質の蛍光減衰率の変化を測定することを更に含む、方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体が、オーバーラップする蛍光励起バンド及び蛍光放出バンドを有する少なくとも2つのエンコード物質(例えば、色素又は標識)によってエンコードされた固体支持体を有する少なくとも1つの集団を含み、
    任意に、少なくとも2つのエンコード物質が異なる光安定性を有し、及び/又は、少なくとも2つのエンコード物質の少なくとも1つが安定であると共に他方が不安定である、方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、
    複数の固体支持体の中の第1の固体支持体に関連する第1の化学的及び/又は物理的変化を発生して、複数の固体支持体の中の第1の集団を定義することと、複数の固体支持体の中の第2の固体支持体に関連する第2の化学的及び/又は物理的変化を発生して、複数の固体支持体の中の第2の集団を定義することとを更に含み、
    任意に、第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、固体支持体に関連するエンコード物質をフォトブリーチングすること及び/又は変性させることを含む、
    方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、
    第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、同時に及び/又は同じ条件(例えば、同じ波長帯、温度、化学的環境、及び/又は圧力)を用いて起こり、又は、
    第1及び/又は第2の化学的及び/又は物理的変化の発生することが、異なる時間において、及び/又は異なる条件(例えば、異なる波長帯、温度、化学的環境、及び/又は圧力)を用いて起こる、方法。
  16. アッセイデコードシステム(100)であって、
    少なくとも1つのプロセッサを含む回路(100c)と、
    複数の固体支持体を含む流体分析チップ(20)であって、前記複数の固体支持体が固体支持体の少なくとも2つの異なる集団を含む、流体分析チップ(20)と、
    前記複数の固体支持体と連通した熱源又は光源(125)の少なくとも1つと、
    前記回路と連通した検出器(150)であって、当該検出器が、前記複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体に対する第1のエンコードシグナル及び第2のエンコードシグナルを検出するように構成されている、検出器(150)と、
    を含み、
    前記回路が、熱源又は光源の少なくとも1つを作動させて、前記複数の固体支持体の少なくともいくつかに関連する少なくとも1つの検出可能な物理的及び/又は化学的変化を引き起こし、前記複数の固体支持体の中のそれぞれの固体支持体の前記第1のエンコードシグナル及び前記第2のエンコードシグナルを比較して、前記複数の固体支持体の中の固体支持体の前記少なくとも2つの異なる集団をデコードし、前記検出器は、第1の時点での前記第1のエンコードシグナル及び第2の時点での前記第2のエンコードシグナルを検出し、前記第1の時点は、前記少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の前であり、前記第2の時点は、前記少なくとも1つの化学的及び/又は物理的変化の間または後である、
    アッセイデコードシステム。
  17. 複数の固体支持体であって、
    第1の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質を含む固体支持体の第1の集団と、
    第2の濃度及び/又は比の少なくとも1つのエンコード物質並びに少なくとも1つの追加のエンコード物質を含む固体支持体の第2の集団と、
    を含み、
    少なくとも1つのエンコード物質及び少なくとも1つの追加のエンコード物質の蛍光励起及び放出波長がオーバーラップし、
    少なくとも1つのエンコード物質の第1及び第2の濃度が異なり、第1及び第2の集団の中のそれぞれの固体支持体上の少なくとも1つのエンコード物質の異なる濃度及び/又は比が、複数のエンコード状態を提供する、
    複数の固体支持体。
JP2018517432A 2015-10-05 2016-10-05 アッセイを多重化する為のデコード方法並びに関連する流体デバイス、キット、及び固体支持体 Active JP6847934B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562237324P 2015-10-05 2015-10-05
US62/237,324 2015-10-05
PCT/US2016/055407 WO2017112025A2 (en) 2015-10-05 2016-10-05 Decoding methods for multiplexing assays and associated fluidic devices, kits, and solid supports

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018538514A JP2018538514A (ja) 2018-12-27
JP2018538514A5 JP2018538514A5 (ja) 2019-10-24
JP6847934B2 true JP6847934B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=58609951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018517432A Active JP6847934B2 (ja) 2015-10-05 2016-10-05 アッセイを多重化する為のデコード方法並びに関連する流体デバイス、キット、及び固体支持体

Country Status (5)

Country Link
US (2) US11016084B2 (ja)
EP (2) EP3957996A1 (ja)
JP (1) JP6847934B2 (ja)
CN (2) CN108351352B (ja)
WO (1) WO2017112025A2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019089996A1 (en) * 2017-11-03 2019-05-09 University Of Washington Digital nucleic acid amplification using encoded particles
JP2022511168A (ja) 2018-11-13 2022-01-31 ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル マイクロ流体デバイスを備える分析システムとマイクロ流体デバイスと関連方法
DE102019220017A1 (de) * 2019-12-18 2021-06-24 Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung Aufnahmeeinheit zum Aufnehmen eines Fluids, Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen einer Aufnahmeeinheit, Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben einer Aufnahmeeinheit und Aufnahmeeinrichtung
KR20230097103A (ko) * 2020-10-27 2023-06-30 퀀텀-에스아이 인코포레이티드 광표백 정보를 이용한 단일 분자 검출 시스템

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4965188A (en) 1986-08-22 1990-10-23 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences using a thermostable enzyme
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US4683202A (en) 1985-03-28 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying nucleic acid sequences
ES8706823A1 (es) * 1985-03-28 1987-06-16 Cetus Corp Un procedimiento para detectar la presencia o ausencia de al menos una secuencia especifica de acidos nucleicos en una muestra
US4800159A (en) 1986-02-07 1989-01-24 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences
US6387707B1 (en) * 1996-04-25 2002-05-14 Bioarray Solutions Array Cytometry
US20030027126A1 (en) * 1997-03-14 2003-02-06 Walt David R. Methods for detecting target analytes and enzymatic reactions
US7622294B2 (en) 1997-03-14 2009-11-24 Trustees Of Tufts College Methods for detecting target analytes and enzymatic reactions
US6023540A (en) * 1997-03-14 2000-02-08 Trustees Of Tufts College Fiber optic sensor with encoded microspheres
US6327410B1 (en) * 1997-03-14 2001-12-04 The Trustees Of Tufts College Target analyte sensors utilizing Microspheres
US6143496A (en) 1997-04-17 2000-11-07 Cytonix Corporation Method of sampling, amplifying and quantifying segment of nucleic acid, polymerase chain reaction assembly having nanoliter-sized sample chambers, and method of filling assembly
US7115884B1 (en) * 1997-10-06 2006-10-03 Trustees Of Tufts College Self-encoding fiber optic sensor
US7348181B2 (en) 1997-10-06 2008-03-25 Trustees Of Tufts College Self-encoding sensor with microspheres
AU754952B2 (en) 1998-06-24 2002-11-28 Illumina, Inc. Decoding of array sensors with microspheres
WO2000047996A2 (en) 1999-02-09 2000-08-17 Illumina, Inc. Arrays comprising a fiducial and automated information processing in randomly ordered arrays
CN1329032C (zh) 2000-07-26 2007-08-01 塔罗制药工业有限公司 非镇静巴比土酸盐化合物用作神经保护剂
AU2002326290A1 (en) * 2001-03-01 2002-12-16 Illumina, Inc. Methods for improving signal detection from an array
AU2002368207A1 (en) 2001-10-18 2004-05-04 Virtual Arrays, Inc. Coded particles for multiplexed analysis of biological samples
US8697029B2 (en) * 2002-04-18 2014-04-15 The Regents Of The University Of Michigan Modulated physical and chemical sensors
US7741031B2 (en) * 2003-03-07 2010-06-22 The Public Health Research Institute Of The City Of New York Optically decodable microcarries, arrays and methods
US7148492B2 (en) * 2003-05-13 2006-12-12 Affymetrix, Inc. System, method, and product for providing a wavelength tunable excitation beam
WO2006071247A2 (en) 2004-03-30 2006-07-06 California Institute Of Technology Diagnostic assays including multiplexed lateral flow immunoassays with quantum dots
JP2008505321A (ja) * 2004-07-02 2008-02-21 ブルーシフト・バイオテクノロジーズ・インコーポレーテッド 蛍光体微小環境の探索
ATE538377T1 (de) * 2007-04-02 2012-01-15 Acoustic Cytometry Systems Inc Verfahren zur verbesserten analyse von in einem akustischen feld fokussierten zellen und partikeln
EP2017354A1 (en) * 2007-07-20 2009-01-21 Eppendorf Ag Detection and/or quantification of target molecules on a solid support
US8222047B2 (en) 2008-09-23 2012-07-17 Quanterix Corporation Ultra-sensitive detection of molecules on single molecule arrays
ES2544635T3 (es) 2010-03-01 2015-09-02 Quanterix Corporation Métodos para extender el rango dinámico en ensayos para la detección de moléculas o partículas
US8236574B2 (en) 2010-03-01 2012-08-07 Quanterix Corporation Ultra-sensitive detection of molecules or particles using beads or other capture objects
US8824113B2 (en) * 2010-03-15 2014-09-02 International Truck Intellectual Property Company, Llc High voltage interlock circuit utilizing serial communications
EP4361609A2 (en) * 2012-02-03 2024-05-01 California Institute of Technology Signal encoding and decoding in multiplexed biochemical assays
JP6200948B2 (ja) 2012-05-25 2017-09-20 ザ・ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル マイクロ流体デバイス
IN2014MN02559A (ja) 2012-06-22 2015-07-24 Univ Macquarie
US10864520B2 (en) 2015-07-22 2020-12-15 The University Of North Carolina At Chapel Hill Fluidic devices with freeze-thaw valves with ice-nucleating agents and related methods of operation and analysis
US10870111B2 (en) 2015-07-22 2020-12-22 The University Of North Carolina At Chapel Hill Fluidic devices with bead well geometries with spatially separated bead retention and signal detection segments and related methods

Also Published As

Publication number Publication date
EP3329279B1 (en) 2021-07-07
JP2018538514A (ja) 2018-12-27
WO2017112025A2 (en) 2017-06-29
EP3329279A2 (en) 2018-06-06
EP3957996A1 (en) 2022-02-23
WO2017112025A3 (en) 2017-09-08
CN108351352A (zh) 2018-07-31
US20190094212A1 (en) 2019-03-28
US11016084B2 (en) 2021-05-25
US20220011300A1 (en) 2022-01-13
CN108351352B (zh) 2021-09-10
CN113640512A (zh) 2021-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220011300A1 (en) Decoding methods for multiplexing assays and associated fluidic devices, kits, and solid supports
US11041197B2 (en) Efficient optical analysis of polymers using arrays of nanostructures
Rödiger et al. Nucleic acid detection based on the use of microbeads: a review
US20240033739A1 (en) Fluidic devices with bead well geometries with spatially separated bead retention and signal detection segments and related methods
KR102300480B1 (ko) 핵산 분석 및 정량화를 위한 방법 및 시스템
US20110160090A1 (en) Nanocrystal-Based Lateral Flow Microarrays and Low-Voltage Signal Detection Systems
US20100167294A1 (en) Methods for detecting nucleic acids in a sample
KR102438312B1 (ko) 핵산 정량을 위한 미세유체 사이퍼닝 어레이
JP2018531369A6 (ja) 空間的に分離してビーズを保持するビーズウェル形状及びシグナル検出セグメントを有する流体デバイス並びに関連する方法
US20100203572A1 (en) Method for carrying out and evaluating mix & measure assays for the measurement of reaction kinetics, concentrations and affinities of analytes in multiplex format
Hong et al. Application of fluorescence resonance energy transfer to bioprinting
JP2022511168A (ja) マイクロ流体デバイスを備える分析システムとマイクロ流体デバイスと関連方法
Kuo et al. Digital and Absolute Assays for Low Abundance Molecular Biomarkers
Fan et al. Single microentity analysis-based ultrasensitive bioassays: Recent advances, applications, and perspectives
TW201634699A (zh) 現場去氧核醣核酸萃取、檢測與驗證之方法及其系統
JP2024502040A (ja) 分析物分析のためのシステム及び方法
Emory Single-Molecule Detection of Unique Genome Signatures: Applications in Molecular Diagnostics and Homeland Security

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190912

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6847934

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250