JP6847073B2 - 人工聴覚器 - Google Patents

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Description

本発明は、蝸牛内に配設される人工聴覚器に関する。
内耳の一部を構成する蝸牛内に埋め込んで使用する人工聴覚器が提案されている。この人工聴覚器は、内耳に到達した音波を、蝸牛内に配設した圧電膜により電気信号に変換し、この圧電膜上に設置した複数の微小電極によって、発生した電気信号を、蝸牛内の聴神経に、電気的な刺激として直接伝えるように構成されている(特許文献1を参照)。
特開2014−45937号公報
ところで、人工聴覚器を蝸牛内に配置して、微小な形状の電極である聴神経刺激用電極を蝸牛または蝸牛管に埋植しようとする際、蝸牛内への挿入時に、尖った形状である蝸牛埋植部が、内耳もしくは蝸牛の周囲等を傷付けてしまう可能性があった。
本発明の目的は、蝸牛内への埋植時に、埋植対象部位以外の部分を傷付けることのない、安全性の高い埋め込み型の人工聴覚器を提供することである。
本開示の人工聴覚器は、内耳の蝸牛内に到達した音波を電気信号に変換して聴神経に伝達する人工聴覚器であって、
蝸牛埋植部と、音波共振部と、前記蝸牛埋植部と前記音波共振部との間を繋ぐ可撓性板状部と、を備え、
前記蝸牛埋植部は、聴神経刺激用の第1電極と、前記第1電極を支持する、前記可撓性板状部より剛性の高い第1基体と、を含み、
前記音波共振部は、固有の振動数を有する第2基体と、前記第2基体の振動を電気信号に変換する変換部と、該変換部と電気的に接続される第2電極と、を含み、
前記可撓性板状部は、前記第1基体と前記第2基体との間に配設された第3基体と、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する第3電極と、を含み
蝸牛への挿入前には、前記可撓性板状部の屈曲により前記蝸牛埋植部が前記音波共振部に近づくよう折り畳まれた収納形態であり、
蝸牛への挿入後には、前記可撓性板状部の屈曲が解消されて、前記蝸牛埋植部が前記音波共振部から蝸牛内壁の埋植予定位置に向かって直線状に延びる埋植準備形態に、形態変化が可能であることを特徴とする。
本開示によれば、蝸牛内への埋植時にも、埋植対象部位以外の部分を傷付けることのない、安全性の高い人工聴覚器とすることができる。
(a)は実施形態の人工聴覚器の上面図、(b)は人工聴覚器の埋植準備形態および収納形態を示す断面図である。 蝸牛内に挿入された収納形態の人工聴覚器を示す図である。 蝸牛内で埋植準備形態となった人工聴覚器を示す図である。 実施形態の人工聴覚器の、蝸牛内壁への埋植状態を示す図である。 (a)耳の構造の概略を示す断面図であり、(b)蝸牛の構造の概略を示す断面図である。
本実施形態で説明する人工聴覚器は、図1(a)および図1(b)に示すように、3つのブロックで構成されている。すなわち、本実施形態の人工聴覚器は、聴神経刺激用の電極部位の一例である蝸牛埋植部1と、種々の形状の、音波を電気信号に変換する音波共振部2と、これら蝸牛埋植部1と音波共振部2との間を繋ぐ可撓性板状部3と、を備えている。そして、実施形態の人工聴覚器は、前述の可撓性板状部3の、ばねのような可撓性または弾性により、図1(b)のように、蝸牛埋植部1がまっすぐに延びる埋植準備形態と、蝸牛埋植部1が折り曲げられた収納形態と、を取り得る。なお、図中では、人工聴覚器の埋植準備形態を符号1Xで、人工聴覚器の収納形態を符号1Yで記載している。
蝸牛埋植部1は、図1(b)に示すように、基板もしくは支持基盤を兼用する第1基体11と、導電体からなる聴神経刺激用の第1電極13と、第1基体11と第1電極13との間に配設された絶縁体層12と、を含む。なお、上記のような蝸牛埋植部の構成は、本開示における一例であって、導電体からなる電極および絶縁体層の一方もしくは両方を兼用する第1基体としてもよい。たとえば、第1基体を導電体で構成すれば、絶縁体層は設ける必要がなく、この第1基体が基体と電極とを兼任する。また、後記の音波共振部2,可撓性板状部3の各層も含め、蝸牛埋植部1を構成する各層は、各図においてその厚みを強調して描いている。
第1基体11は、図1(a)に示すように、たとえば平面視で先端が細くなったくさび形状であり、蝸牛壁面への押し込みおよび埋植に耐える厚みと剛性とを有する。第1基体11は、尖った形状の先端部11aと、先端部11aとは軸方向または長手方向反対側の、くさびが広がった基端部11bとを含み、先端部11a側から、蝸牛の内壁に押し込んで、埋植される。
第1基体11の構成材料としては、金属、無機物または樹脂等のうち、前述の剛性を有するものが、好適に使用される。たとえば、金属であれば、金(Au)、白金(Pt)またはチタン(Ti)等があげられる。無機物であれば、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、SOI(Silicon on Insulator)、ガラスまたはセラミックス等が使用できる。樹脂としては、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリパラキシレン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の樹脂が使用できる。
なお、図1の第1基体11は、シリコン(Si)を用いて構成されており、図示上下の両面には、後記する酸化膜層24が形成されていてもよい。また、第1基体11の下面には、第1基体11の剛性を高めるための補強板11cが配設されている。
絶縁体層12は、第1基体11と第1電極13との間を電気的に絶縁するものであり、CVD法等により形成された、酸化シリコン(SiO)を含む酸化膜、または、窒化シリコン(SiN)を含む窒化膜等の絶縁膜からなる。
また、第1電極13は、聴神経刺激用の電極であり、それを構成する導電体層は、絶縁体層12の表面に蒸着等により形成された、金(Au)または白金(Pt)等の金属膜からなる。なお、第1電極13の基端部11b側は、後記の可撓性板状部3の第3電極33および音波共振部2の第2電極23に連続するよう形成されており、これらと電気的に導通している。
音波共振部2は、図1(b)に示すように、振動可能な板ばね状または舌片状である。また、音波共振部2は、予め決められた固有の振動数を有する第2基体21と、第2基体21の振動を電気信号に変換する変換部22と、変換部22で発生する電気を取り出すための第2電極23とを含み、第2基体21の下側には、共振周波数調整用の調節錘部21aが配設されている。また、第2基体21における、後記の第3基体31との接続部は、振動可能な部位よりも厚みが厚く、下方に向かって延びる支持部21bとなっている。支持部21bは、第2基体21の振動可能な部位を支持しており、後記のピンセットP等での把持が可能な強度を有する。
なお、部材個々の固有振動数(周波数)に対して、音波に共鳴または共振する、音波共振部2全体としての振動数を「共振周波数」と呼んでいる。また、上記のような音波共振部および後記の圧電体層のような各層の構成は、本開示における一例であって、各構成に2つ以上の機能を兼任させることにより、その構成を省略して簡素に構成することもできる。たとえば、圧電体に水晶等を用いれば、第2基体、変換部および電極の少なくとも2つ以上を、1つの部材で兼用することも可能である。
変換部22は、平板状の第2基体21を基板または基盤として、その上に、複数の機能層を積層して形成されている。すなわち、変換部22は、図1(b)の断面図に示すように、第2基体21の図示上面側である表面上に、酸化膜層24、絶縁体層25、裏面電極層26および圧電体層27と、表面電極層としての前述の第2電極23とを、順次積層して形成されている。
第2基体21は、図に示すような平板状であり、第1基体11と同様、金属、無機物または樹脂等のうち、剛性を有するものを構成材料として構成されている。構成材料は、たとえば、金属であれば、金(Au)、白金(Pt)またはチタン(Ti)等、無機物であればシリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、SOI(Silicon on Insulator)、ガラスまたはセラミックス等、樹脂であれば、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリパラキシレン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等を用いることができる。図1の第2基体21は、シリコン(Si)を用いて構成されている。
酸化膜層24は、第2基体21を加熱処理することにより形成されている酸化物層であり、図示上面側である第2基体21の表面側に形成されている。第2基体21の表面側の酸化膜層24は、裏面電極層26と第2基体21とを電気的に絶縁する絶縁層として機能するものである。このように、酸化膜層24は、第2基体21がシリコン(Si)製の場合、第2基体21を加熱処理することにより形成される酸化シリコン(SiO)からなる。
なお、酸化膜層24は、図示下面側である第2基体21の裏面側にも形成されている。第2基体21の裏面側の酸化膜層24は、第2基体21を形成する際のエッチング用マスク(エッチングのストップ層)として機能するものである。また、酸化膜層24は、図示のように、第1基体11の先端部11aまで連続していてもよい。
絶縁体層25は、第2電極23と裏面電極層26との間を電気的に絶縁するものであり、前述の絶縁体層12と同様、CVD法等により形成された、酸化シリコン(SiO)を含む酸化膜、または、窒化シリコン(SiN)を含む窒化膜等の絶縁膜からなる。なお、絶縁体層25は、後記の圧電体層27を挟んで、図示左右に形成されている。
裏面電極層26、および、表面電極である第2電極23は、後記の圧電体層27を上下に挟むように配設されており、前述の第1電極13と同様、蒸着等により形成された、金(Au)または白金(Pt)等の金属膜からなる。そのうち、変換部22の最表面でかつ上面に位置する第2電極23は、図示左側で蝸牛の内壁側の第3電極33から、神経刺激用の第1電極13まで延設されている。
圧電体層27は、湾曲した際に圧電効果によって電荷を生じる圧電材料からなる膜状の層である。圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛またはポリフッ化ビニリデン等が用いられる。
以上の構成の変換部22は、蝸牛内に到来した音波と共鳴または共振する、予め決められた共振周波数を有する。
そして、第2基体21の下側に配設された調節錘部21aは、上述の変換部22の共振周波数を調節するために設けられているものである。調節錘部21aは、シリコン(Si)、ガラス、セラミックス等を用いて、たとえば中実の直方体等に形成されている。調節錘部21aと、第2基体21,第3基体31,支持部21b等とは、同じ材料であってもよいし、それぞれが異なる材料であっても良い。支持部21bと調節錘部21aとが同じ材料、たとえばシリコン(Si)で同じ厚みであれば、Si深掘加工(ドライエッチング)により一度に形成することができ、加工プロセスが簡単になる。
なお、調節錘部21aの形状、大きさや質量等は、目標とする共振周波数に対応して適宜設定される。また、調節錘部21aは、設けなくてもよい。
つぎに、可撓性板状部3は、第3基体31と、絶縁体層32と、絶縁体層32の上に積層された第3電極33とからなり、図1(b)に示すように、屈曲または折れ曲がり可能に形成されている。
第3基体31は、第1基体11,第2基体21と一体に形成されており、これらと同じ構成材料からなる。すなわち、第3基体31は、金属、無機物または樹脂等のうち、剛性を有するものを構成材料として構成されている。構成材料は、たとえば、金属であれば、金(Au)、白金(Pt)またはチタン(Ti)等、無機物であればシリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、SOI(Silicon on Insulator)、ガラスまたはセラミックス等、樹脂であれば、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリパラキシレン樹脂、または、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等を用いることができる。図1の第3基体31は、シリコン(Si)を用いて構成されている。
また、絶縁体層32は、第3基体31と第3電極33との間を電気的に絶縁するものであり、絶縁体層12と同様、CVD法等により形成された、酸化シリコン(SiO)を含む酸化膜、または、窒化シリコン(SiN)を含む窒化膜等の絶縁膜からなる。
第3電極33は、第1電極13と第2電極23とを導通させるように形成されている。第3電極33を構成する導電体層は、蒸着等により形成された、金(Au)または白金(Pt)等の金属膜からなる。
以上の構成の人工聴覚器によれば、可撓性を有する板状部3を屈曲させたり伸ばしたりすることにより、蝸牛への挿入前の、蝸牛埋植部が折り畳まれた収納形態1Yと、蝸牛への挿入後の、蝸牛埋植部と可撓性板状部3とがまっすぐに延びる埋植準備形態1Xとを、簡単に切り替えて実現することができる。
なお、上記で説明した蝸牛埋植部1と、音波共振部2と、可撓性板状部3と、調節錘部21aおよび支持部21bとは、形状の一例であり、蝸牛の鼓室階の内部形状や性能の要求等により、適宜変更することができる。
つぎに、前述の蝸牛埋植部1、音波共振部2および可撓性板状部3からなる、実施形態の人工聴覚器を、蝸牛内に埋植および配設する方法について説明する。
まず、人工聴覚器を配設する耳の基本構造を図5(a)に、内耳の蝸牛の基本構造を図5(b)に示す。なお、これら基本的な耳の構造は、各部位の名称に符号を付して、各構成の詳細な説明は省略する。
図5(a)において、聴覚を司る感覚器である耳は、外耳100、中耳200および内耳300に分けられる。耳の外で発生した音波は、外耳道101から鼓膜102に導かれ、鼓膜102を振動させ、その音波振動は、耳小骨201を通じて、蝸牛301の内部へ伝えられる。
蝸牛301は約2回転半巻の管状である。その内部は、図5(b)に示すように、前庭階302、中央階303および鼓室階304の3つの領域に分けられ、各領域は、リンパ液で満たされている。前庭階302と中央階303とは、ライスネル膜305により仕切られ、中央階303と鼓室階304とは、基底膜306により仕切られている。
基底膜306は、伝播した音波によって振動し、その振動を受けて、基底膜306上にある内有毛細胞307が屈曲する。内有毛細胞307は、蓋膜308との相対的な運動により変形して、電位変動を生ずる。蝸牛301の各部分で刺激(電位変動)を受けた聴神経節であるラセン神経節細胞309の束は、蝸牛301において生じた電気信号を脳へ伝え、大脳皮質に至った際には、様々な周波数成分を有する複合音として認識される。
図2は、前述の収納形態の人工聴覚器を、蝸牛301内に挿入した状態を示す図である。人工聴覚器は、まず、内耳への挿入前である施術前に、この図2に示すように、蝸牛埋植部1Yを折り畳んだ状態で、その周囲に、形態を保持するための円筒形のカバーCが嵌め入れられ、蝸牛埋植部1Yを、所定の切り込みCaを有するカバーC内に収容した収納形態とされる。なお、円筒形のカバーCは、傷付き防止用の保護部材の一例である。
なお、この時、図のように、カバーC内に収容した人工聴覚器の支持部21bに、収納形態の人工聴覚器の、蝸牛301内への挿入を支援およびガイドするピンセットPを取り付けておいてもよい。ピンセットPは、把持具であり、ガイド部材の一例でもある。
また、蝸牛301内における、人工聴覚器を挟んで図示左側の埋植予定位置とは反対側の位置である図示右側には、後記する蝸牛埋植部1押し込みまたは埋め込み用のバルーンBが配設される。バルーンBは、電極押圧支援部材の一例である。
そして、図2の蝸牛301内への挿入後の状態で、前述のカバーCを周方向に回転させ、その切り込みCaを蝸牛埋植部1Yの位置と一致させることより、可撓性板状部3が元の直線状に戻ろうとする力、すなわち復元力または反発力によって、このカバーCにより屈曲状態に押えられていた蝸牛埋植部1Yが元のまっすぐな状態に戻り、図3に示すように、蝸牛埋植部1XがカバーCの切り込みCaから突出する、埋植準備形態となる。
なお、この時、先に述べたピンセットPは、人工聴覚器を、埋植に最適な所定位置に誘導してその位置を固定する、埋植支援ガイドとしての役割りを果たす。
ついで、図3に示すように、人工聴覚器が、蝸牛301内において、カバーCの切り込みCaから突出する蝸牛埋植部1が音波共振部2から蝸牛内壁の埋植予定位置に向かってまっすぐに延びる埋植準備形態になったら、前述のバルーンB内に、バルーン膨張用の液体を送給して、このバルーンBを展開させる。
なお、バルーンBの展開中も、前述のピンセットPは、蝸牛埋植部1の先端部11aを、埋植予定位置に誘導して案内する、埋植支援ガイドとしての役割りを果たす。
図4は、バルーンBの展開が終了して、人工聴覚器の蝸牛埋植部1の埋植が完了した状態を示す図である。上記のようにして、実施形態の人工聴覚器は、内耳を通って人工聴覚器を蝸牛301まで挿入する際、および、蝸牛301内における埋植作業時にも、埋植対象部位以外の部分を傷付けたりすることなく、人工聴覚器を、所定位置に安全に埋植することができる。
なお、把持具等の、埋植支援ガイド部材としてのピンセットPは、薄く壊れ易い変換部22を避けて、強度の高い支持部21bに取り付けられる。また、ピンセットPは、前述の支持部21bの一部を把持可能な形状であれば、その機構や形状は特に限定されない。ピンセットPは、蝸牛301挿入後、いつの段階で取り外してもよく、聴音の邪魔にならない場合には、蝸牛301内に残置もしくは留置しておいてもよい。
また、内壁等の傷付き防止用の保護部材としてのカバーCは、ある程度剛性を有するシリコン(Si)、チタン合金、または生体吸収性のあるマグネシウム合金や、厚みが厚く剛性を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを、素材として形成されている。その形状は、特に限定はされないが、たとえば、スリットの入った円筒形がよい。スリットは1本に限らず、蝸牛のらせん形状に合わせて、長手方向に曲線を有するものがよい。スリットでなく、折り込まれた蝸牛埋植部が可動できる範囲で窓穴を開けた形状でもよい。なお、カバーCは、蝸牛内に残置または留置可能であるが、聴力伝達状態に変化が生じることが懸念される。そのため、生体吸収性のある、マグネシウム合金等で構成するのがよい。
また、蝸牛埋植部1押し込み用の、電極押圧支援部材としてのバルーンBを構成する素材としては、たとえば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリプロラクトンおよびその共重合体などの生分解性ポリマーや、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを使用することができる。その形状は、特に限定はされないが、たとえば、径または太さの変わらない筒状や、押し込み部分のみ径が広くなっている筒状等がよい。なお、バルーンBは、前述のポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリプロラクトンおよびその共重合体は生分解性ポリマー製であれば、時間が経てば溶解されてなくなるため、そのまま蝸牛内に残置または留置してもよい。生分解性ポリマーでないポリフッ化ビニリデン(PVDF)等からなるものは、蝸牛埋植部の押し込み後、蝸牛内から除去する方がよい。
なお、バルーンB膨張用の液体としては、水(純水),生理食塩水,リンゲル液,リンパ液同等品等を使用することができる。なかでも、生理食塩水またはリンゲル液が、好適に用いられる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
1 蝸牛埋植部
1X 蝸牛埋植部(埋植準備形態)
1Y 蝸牛埋植部(収納形態)
11 第1基体
11a 先端部
11b 基端部
12 絶縁体層
13 第1電極(神経刺激用電極)
2 音波共振部
21 第2基体
21a 調節錘部
21b 支持部
22 変換部
23 第2電極
27 圧電体層
3 可撓性板状部
31 第3基体
32 絶縁体層
33 第3電極
B バルーン
C カバー
Ca 切り込み
P ピンセット

Claims (4)

  1. 内耳の蝸牛内に到達した音波を電気信号に変換して聴神経に伝達する人工聴覚器であって、
    蝸牛埋植部と、音波共振部と、前記蝸牛埋植部と前記音波共振部との間を繋ぐ可撓性板状部と、を備え、
    前記蝸牛埋植部は、聴神経刺激用の第1電極と、前記第1電極を支持する、前記可撓性板状部より剛性の高い第1基体と、を含み、
    前記音波共振部は、固有の振動数を有する第2基体と、前記第2基体の振動を電気信号に変換する変換部と、該変換部と電気的に接続される第2電極と、を含み、
    前記可撓性板状部は、前記第1基体と前記第2基体との間に配設された第3基体と、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する第3電極と、を含み
    蝸牛への挿入前には、前記可撓性板状部の屈曲により前記蝸牛埋植部が前記音波共振部に近づくよう折り畳まれた収納形態であり、
    蝸牛への挿入後には、前記可撓性板状部の屈曲が解消されて、前記蝸牛埋植部が前記音波共振部から蝸牛内壁の埋植予定位置に向かって直線状に延びる埋植準備形態に、形態変化が可能である、人工聴覚器。
  2. 前記変換部は圧電体層を含む、請求項1に記載の人工聴覚器。
  3. 前記収納形態の人工聴覚器の、蝸牛内への挿入を案内するガイド部材をさらに備える、請求項1または2に記載の人工聴覚器。
  4. 蝸牛内で前記埋植準備形態となった人工聴覚器の、前記蝸牛埋植部の蝸牛内壁への押し込みを支援する電極押圧支援部材をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1つに記載の人工聴覚器。
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