JP6844210B2 - 視覚的顕著性マップ生成装置、視覚的顕著性マップ生成方法及びプログラム - Google Patents
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Description
上述した立体映像技術において、観察者が映像として映しだされた世界に入り込んで没頭する感覚である没入感を、より強く得られるように、例えば、HMD(Head Mounted Display;ヘッドマウントディスプレイ)が用いられている。このHMDは、観察者の左右の眼を覆うレンズに対して、上述した両眼視差画像を提示することにより、広い視野に対応した映像を観察者に対して観察させる装置である。
また、一方、HMDにおける左右の眼を覆うレンズの各々に対して、それぞれ異なる2つ分の両眼視差画像を生成するため、この両眼視差画像の生成の処理を行なう画像生成時間が増加するといった問題が生じている。
したがって、提供する映像コンテンツにおける画像を、注視領域を高解像度として、注視領域以外の周辺部などを低解像度とすることにより、観察者の没入感に影響を与えずに、映像コンテンツの画像の生成速度を向上させることが可能となる。
したがって、HMDにおいては、観察者の上述した視覚特性や頭部の回転を考慮して、観察者の画像における各領域の視覚的顕著性の数値を算出する必要がある。非特許文献2における視覚的顕著性の算出方法では、算出された視覚的顕著性の数値の精度が不十分となり、画像の解像度を調整するための判定が十分に行えないという課題がある。
操作部101は、観察者により入力される操作情報に対応して、映像コンテンツの選択などを行なう。
両眼視差画像生成部102は、操作情報に対応した映像コンテンツを生成するため、3次元画像データを画像記憶部103から読み出す。そして、両眼視差画像生成部102は、視覚的顕著性マップ生成装置1から供給される視覚的顕著性マップに対応し、解像度が領域毎に設定された両眼視差画像を3次元画像データから、3次元空間における頭部の姿勢や位置に対応した視点(観察者の視点)に応じて生成する。
画像記憶部103は、映像コンテンツとしての両眼視差画像を生成するための複数の3次元画像データが予め書き込まれて記憶されている。
低解像度画像生成部11は、画像記憶部103における3次元画像データを参照し、上記視点に対応した両眼視差画像を求める3次元画像データから、実際に作成する両眼視差画像より低解像度の低解像度画像を生成する。本実施形態においては、ガウシアンピラミッドを生成するため、同一の両眼視差画像に対応した7解像度分(σ∈{2,3,4,5,6,7,8})の低解像度画像を生成する。ここで、σ=0の画像は、両眼視差画像に対応している。σ=n(n≠0)の低解像度画像は、σ=n−1の画像においてガウシアンフィルタによるぼかし処理と縦横それぞれの画素において一つ置きにサンプリングとを行なった画像である。例えば、σ=2は、縦横それぞれの解像度が1/4となり、画像全体としては1/16のデータ量となっている。本実施形態においては、3次元画像データからσ=2の低解像度画像を生成し、ぼかし処理とダウンサンプリングとによりσ∈{3,4,5,6,7,8}の低解像度画像を生成する。
ステップS1:
低解像度画像生成部11は、操作部101から供給される観察者の選択した映像コンテンツの動画像に対応する3次元画像データを画像記憶部103から読み込む。
そして、低解像度画像生成部11は、読み出した3次元画像データから、観察者の視点方向に対応した画像として、σ=2の低解像度画像を生成し、ぼかし処理とダウンサンプリングとにより、σ=3からσ=8までの計7種類の解像度の低解像度画像の各々を生成する。
特徴抽出部12は、低解像度画像生成部11が生成した低解像度画像の各々から、画像の静的特徴及び動的特徴、すなわち12種類の特徴別のガウシアンピラミッドを生成する。
そして、特徴抽出部12は、生成した特徴別ガウシアンピラミッドから、それぞれの特徴の特徴マップを、解像度の組合わせに対応させて生成する。
重み付け係数分布作成部13は、HMD200の頭部情報取得部210から、HMD200の回転状態(すなわち、観察者の頭部の回転状態)を示す回転情報を読み込む。
そして、重み付け係数分布作成部13は、重み付け係数分布記憶部17の重み付けテーブルから、上記回転状態に応じた動的及び静的の各々の重み付け係数分布マップを読み出す。
また、図7(b)は、動的特徴に対する重み付け係数分布マップの重み付けテーブルである。この図7(b)の重み付けテーブルには、レコード毎に、回転状態に対応した点滅特徴、運動特徴(上)、運動特徴(下)、運動特徴(左)、運動特徴(右)の各々の重み付け係数分布マップが設定されている。
重み付け特徴マップ生成部14は、静的特徴の特徴マップの各々に対して、それぞれの特徴に対応する重み付け係数分布マップを加重して(図2から図5の各々)、静的特徴の各々の重み付け特徴マップを生成する。同様に、重み付け特徴マップ生成部14は、動的特徴の特徴マップの各々に対して、それぞれの特徴に対応する重み付け係数分布マップを加重して、動的特徴の各々の重み付け特徴マップを生成する。
特徴別顕著性マップ生成部15は、静的特徴及び動的特徴における特徴毎に、それぞれの重み付け特徴マップを正規化し、正規化した重み付け特徴マップを合成し、特徴別顕著性マップを生成する。
視覚的顕著性マップ生成部16は、静的特徴及び動的特徴における特徴毎の特徴別顕著性マップを正規化し、正規化した特徴別顕著性マップを合成し、視覚的顕著性マップを生成する。
そして、両眼視差画像生成部102は、両眼視差画像をレンダリングする際、この両眼視差画像に対応して生成された視覚的顕著性マップに示された視覚的顕著性の数値の分布に応じて、領域毎に解像度の異なる両眼視差画像を生成する。
また、解像度を調整するのではなく、視覚的顕著性マップに対応させて、両眼視差画像の各領域のレンダリングにおいて、光の反射などの表現の品質を調整する構成としても良い。すなわち、視覚的顕著性の低い領域は、視覚的顕著性の高い領域に比較して、レンダリングの品質を低下させ、レンダリングのパフォーマンスを向上(レンダリング時間の短縮)させる。
これにより、本実施形態においては、上述した視覚的顕著性マップを用いることにより、HMDに対して供給する両眼視差画像を、HMDに対して視線検出装置を設けず、観察者の視線方向に精度良く対応した解像度(視覚的顕著性の低い領域が視覚的顕著性の高い領域に比較して解像度を低く生成した)の領域からなる両眼視差画像を、レンダリング時間を短縮することで、リアルタイムにHMDに対して供給することができる。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせを含む。
このような背景の中、より没入感を観察者に与えるためには、リアルタイムに高精細な立体画像を提示する必要がある。本発明により、視線検出装置を使用せずに、ヒトの視覚特性に基づいて必要性の少ない画像生成のコストを削減することが可能であり、リアルタイム性の確保に貢献できる。
11…低解像度画像生成部
12…特徴抽出部
13…重み付け係数分布作成部
14…重み付け特徴マップ生成部
15…特徴別顕著性マップ生成部
16…視覚的顕著性マップ生成部
17…重み付け係数分布記憶部
100…両眼視差画像生成システム
101…操作部
102…両眼視差画像生成部
103…画像記憶部
200…HMD
210…頭部情報取得部
220…表示部
Claims (8)
- 立体画像を観察者の頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイへ掲示する動画像の両眼視差画像を作成する際、前記両眼視差画像の解像度を、人間の視覚特性における中心視野領域及び周辺視野領域の各々に対応して設定する視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成装置であり、
3次元立体データから前記両眼視差画像における静的特徴マップ及び動的特徴マップを抽出する特徴抽出部と、
前記頭部の静止状態における前記視覚特性の静的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が高くなるように設定された静的重み付け係数分布マップと、前記視覚特性の動的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が低くなるように設定された動的重み付け係数分布マップとの各々を生成し、前記頭部が回転した場合、前記中心視野領域それぞれの中心位置を前記頭部の前記回転の方向にずらす重み付け係数分布作成部と、
前記静的特徴マップの特徴量に、前記静的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した静的特徴別顕著性マップを生成し、前記動的特徴マップの特徴量に、前記動的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した動的特徴別顕著性マップを生成する特徴別顕著性マップ生成部と、
前記静的特徴別顕著性マップ及び前記動的特徴別顕著性マップの各々を合成して、視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成部と
を備えることを特徴とする視覚的顕著性マップ生成装置。 - 前記特徴別顕著性マップ生成部が、前記静的特徴マップの画素の特徴量に対し、前記静的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算し、前記動的特徴マップの画素の特徴量に対し、前記動的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算して、静的特徴別顕著性マップ、動的特徴別顕著性マップを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の視覚的顕著性マップ生成装置。 - 3次元立体データから前記両眼視差画像に対応し、より低分解能の低分解能画像を生成する低解像度画像生成部をさらに備え、
前記特徴抽出部が、前記低分解能画像から前記静的特徴マップ及び前記動的特徴マップを抽出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視覚的顕著性マップ生成装置。 - 前記重み付け係数分布作成部が、前記ヘッドマウントディスプレイの回転動作に応じて、前記静的重み付け係数分布マップ及び前記動的重み付け係数分布マップの各々の重み付け係数の分布の形状を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の視覚的顕著性マップ生成装置。 - 前記静的特徴が少なくとも輝度特徴、色彩特徴、方向特徴を含み、前記動的特徴が少なくとも点滅特徴、運動特徴を含んでいる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の視覚的顕著性マップ生成装置。 - 前記静的重み付け係数分布マップにおいて、重み付け係数が中央部から外周部に向かい徐々に低く設定され、前記動的重み付け係数分布マップにおいて、重み付け係数が中央部から外周部に向かい徐々に高く設定されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の視覚的顕著性マップ生成装置。 - 立体画像を観察者の頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイへ掲示する動画像の両眼視差画像を作成する際、前記両眼視差画像の解像度を、人間の視覚特性における中心視野領域及び周辺視野領域の各々に対応して設定する視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成方法であり、
特徴抽出部が、3次元立体データから前記両眼視差画像における静的特徴マップ及び動的特徴マップを抽出する特徴抽出過程と、
重み付け係数分布作成部が、前記頭部の静止状態における前記視覚特性の静的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が高くなるように設定された静的重み付け係数分布マップと、前記視覚特性の動的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が低くなるように設定された動的重み付け係数分布マップとの各々を生成し、前記頭部が回転した場合、前記中心視野領域それぞれの中心位置を前記頭部の前記回転の方向にずらす重み付け係数分布作成過程と、
特徴別顕著性マップ生成部が、前記静的特徴マップの特徴量に、前記静的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した静的特徴別顕著性マップを生成し、前記動的特徴マップの特徴量に、前記動的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した動的特徴別顕著性マップを生成する特徴別顕著性マップ生成過程と、
視覚的顕著性マップ生成部が、前記静的特徴別顕著性マップ及び前記動的特徴別顕著性マップの各々を合成して、視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成過程と
を含むことを特徴とする視覚的顕著性マップ生成方法。 - 立体画像を観察者の頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイへ掲示する動画像の両眼視差画像を作成する際、前記両眼視差画像の解像度を、人間の視覚特性における中心視野領域及び周辺視野領域の各々に対応して設定する視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成装置の機能をコンピュータに実行させるプログラムであり、
前記コンピュータを、
3次元立体データから前記両眼視差画像における静的特徴マップ及び動的特徴マップを抽出する特徴抽出手段、
前記頭部の静止状態における前記視覚特性の静的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が高くなるように設定された静的重み付け係数分布マップと、前記視覚特性の動的特徴に対応して前記中心視野領域が、前記周辺視野領域よりも重み付け係数が低くなるように設定された動的重み付け係数分布マップとの各々を生成し、前記頭部が回転した場合、前記中心視野領域それぞれの中心位置を前記頭部の前記回転の方向にずらす重み付け係数分布作成手段、
前記静的特徴マップの特徴量に、前記静的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した静的特徴別顕著性マップを生成し、前記動的特徴マップの特徴量に、前記動的重み付け係数分布マップの重み付け係数を乗算した動的特徴別顕著性マップを生成する特徴別顕著性マップ生成手段、
前記静的特徴別顕著性マップ及び前記動的特徴別顕著性マップの各々を合成して、視覚的顕著性マップを生成する視覚的顕著性マップ生成手段
として機能させるためのプログラム。
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