JP6843365B1 - スリップリング及び電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転による摩耗を極力低減したスリップリング及びそのスリップリングを備えた電動機を提供する。【解決手段】このスリップリング60a、60b及び電動機80a、80bは、摺動部である差動回転部74a、74bを回転体40の約1/2の回転数で回転させる。これにより、摺動部分の実質的な回転速度が低下し、摺動部の摩耗の低減を図ることができる。また、このスリップリング60a、60b及び電動機80a、80bは、摺動導電体76a、76bの間隙に摺動導電体76a、76bよりも柔らかい摺動絶縁部78を位置させる。これにより、摺動導電体76a、76bへの押圧力は摺動絶縁部78側が受けて、摺動導電体76a、76bに掛かる押圧力を低減することができる。これにより、摺動導電体76a、76b、回転体電極62、固定電極64の摩耗をさらに低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、回転による摩耗を極力低減したスリップリング及びそのスリップリングを備えた電動機に関するものである。
近年、二酸化炭素の排出量削減の観点から内燃機関と電動機を併用するハイブリッド車や電気自動車の普及が顕著である。このようなハイブリッド車や電気自動車は電力により車輪を回転する大出力の電動機(モータ)を駆動源として有している。このため、これら電動機に対しては更なる高効率、高出力が要求されている。ここで、本願発明者らは電動機のステータを回転させ、このステータの回転力をロータの回転に用いることで高出力が可能な下記[特許文献1]に記載の発明を行った。
国際公開第2020/075334号パンフレット
しかしながら、[特許文献1]に記載の電動機はステータも回転する。よって、回転するステータのコイルに駆動電流を流すためには、回転体に対し電気的な接続を維持するスリップリングの使用が必要となる。ただし、特に自動車用の電動機では回転体の回転数も高くなるため、スリップリングの摺動部の摩耗が大きいという問題点がある。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、回転による摩耗を極力低減したスリップリング及びそのスリップリングを備えた電動機の提供を目的とする。
本発明は、
(1)回転体40側に設けられた回転体電極62と、固定体12側に設けられた固定電極64と、前記回転体40を回転可能に保持するベアリング70と、前記ベアリング70を構成し前記回転体40の回転に伴って自公転する転動体706と、前記転動体706の公転運動を伝達する伝達部材72と、前記伝達部材72と接続し前記転動体706の公転運動により回転する差動回転部74a、74bと、前記差動回転部74a、74bに設けられ一方の面に前記回転体電極62が当接し他方の面に前記固定電極64が当接する摺動導電体76a、76bと、前記回転体電極62もしくは前記固定電極64を前記差動回転部74a、74bの側に所定の力で押圧する弾性部材66と、を有することを特徴とするスリップリング60a、60bを提供することにより、上記課題を解決する。
(2)摺動導電体76a、76bの間に摺動絶縁部78が位置し、前記摺動絶縁部78が弾塑性変形の弾性領域で変形して前記摺動導電体76a、76bへの押圧力を低減し、前記摺動導電体76a、76bと前記回転体電極62と前記固定電極64とを押圧力が極めて小さい臨界接触状態で接触導通させることを特徴とする上記(1)記載のスリップリング60a、60bを提供することにより、上記課題を解決する。
(3)差動回転部74aがディスク状を呈し、摺動導電体76aは端面が円弧状であり前記差動回転部74aと同心の円状に配置され、さらに前記摺動導電体76aの両端面が前記差動回転部74aの両平面にそれぞれ面一で露出し、
回転体電極62と固定電極64とが前記差動回転部74aと同心で前記摺動導電体76aと略同一の半径を有するリング状を呈することを特徴とする上記(2)に記載のスリップリング60aを提供することにより、上記課題を解決する。
(4)摺動導電体76aが導電性を有する炭素板で構成され、回転体電極62と固定電極64の前記摺動導電体76aとの接触面に貴金属薄膜を有することを特徴とする上記(3)記載のスリップリング60aを提供することにより、上記課題を解決する。
(5)差動回転部74bが円筒形状を呈するとともに、摺動導電体76bが前記差動回転部74bと同一の曲率のアーチ形状を呈して前記差動回転部74bを周方向に1周するように配置され、さらに前記摺動導電体76bの内周面と外周面とが前記差動回転部74bの内周面と外周面とに面一で露出し、回転体電極62は外周面が前記摺動導電体76bの内周面と略同一の曲率を有するアーチ状を呈し、固定電極64は内周面が前記摺動導電体76bの外周面と略同一の曲率を有するアーチ状を呈し、前記回転体電極62の外周面が前記摺動導電体76bの内周面と接触し、前記固定電極64の内周面が前記摺動導電体76bの外周面と接触して導通することを特徴とする上記(2)に記載のスリップリング60bを提供することにより、上記課題を解決する。
(6)摺動導電体76bが導電性を有する炭素板で構成され、回転体電極62の外周面と固定電極64の内周面とに貴金属薄膜を有することを特徴とする上記(5)記載のスリップリング60bを提供することにより、上記課題を解決する。
(7)被駆動体Mに回転力を伝達する出力軸10と、前記出力軸10に固定したロータ30と、前記ロータ30の外側に位置するステータ40と、前記出力軸10と前記ステータ40とを回転可能に軸支する固定軸受部12と、前記ステータ40に設けられ駆動電流が流れることで前記ロータ30を回転させる複数のコイル42と、前記ステータ40を前記ロータ30と同一の方向に回転可能に保持するステータ回転機構46と、を有し、
前記ロータ30の回転が減速する際に前記ロータ30の回転力を前記ステータ40の回転に変換し、前記ステータ40を回転させた状態で前記駆動電流を流すことで、前記駆動電流による回転力に前記ステータ40の回転力を加えて前記ロータ30を回転させる電動機において、
回転体(40)としての前記ステータ40と固定体(12)としての前記固定軸受部12との間に設けられ、前記固定軸受部12側からの駆動電流を前記コイル42に供給する上記(1)乃至上記(6)のいずれかに記載のスリップリング60a、60bをさらに有することを特徴とする電動機80a、80bを提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るスリップリング及び電動機は、摺動部である差動回転部を回転体の約1/2の回転数で回転させる。これにより、摺動部分の回転速度が低下し、摺動部の摩耗の低減を図ることができる。また、本発明に係るスリップリング及び電動機は、摺動導電体の間に摺動導電体よりも柔らかい摺動絶縁部を位置させる。これにより、摺動導電体への押圧力は摺動絶縁部側が受けて、摺動導電体に掛かる押圧力が低減することができる。これにより、摺動導電体、回転体電極、固定電極の摩耗をさらに低減することができる。
本発明に係る第1の形態のスリップリングの模式的な断面図である。 本発明に係る第1の形態のスリップリングの摺動部の分解図である。 本発明に係る第2の形態のスリップリングの模式的な断面図である。 本発明に係る第2の形態のスリップリングの模式的なX−X断面図である。 本発明に係る第2の形態のスリップリングの摺動部の分解斜視図である。 一般的なベアリングの構成を説明する図である。 本発明に係る第1の形態の電動機の模式的な断面図である。 本発明に係る第2の形態の電動機の模式的な断面図である。 本発明に係る電動機のN−T線図及び回転速度の変化を模式的に示した図である。
本発明に係るスリップリング及びこのスリップリングを備えた電動機の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る第1の形態のスリップリング60aの模式的な断面図である。また、図2は第1の形態のスリップリング60aの摺動部分の分解図であり、図2(a)は回転体電極62側を示す図であり、図2(b)は差動回転部74aを示す図であり、図2(c)は固定電極64側を示す図である。また、図3は本発明に係る第2の形態のスリップリング60bの横方向の模式的な断面図であり、図4は図3における模式的なX−X断面図である。また、図5は第2の形態のスリップリング60bの摺動部分の模式的な分解斜視図である。尚、スリップリング60a、60bの回転体電極62、固定電極64に対する配線に関しては図1、図3にのみ図示し、他の図では省略する。また、ここでは回転体電極62、固定電極64、摺動導電体76a、76bがそれぞれ3組ずつ設けられた3極のスリップリング60a、60bを例に説明を行うが、スリップリング60a、60bの極数には特に限定は無く何極としても良い。
先ず、本発明に係るスリップリング60a、60bに共通する構成を説明する。図1〜図4に示す本発明に係るスリップリング60a、60bは、回転体40側に設けられた回転体電極62と、固定体12側に設けられた固定電極64と、回転体40を回転可能に保持するベアリング70と、このベアリング70を構成し回転体40の回転に伴って自公転する転動体706と、この転動体706の公転運動を伝達する伝達部材72と、この伝達部材72と接続し転動体706の公転運動により回転する差動回転部74a、74bと、この差動回転部74に設けられ一方の面に回転体電極62が当接し他方の面に固定電極64が当接する摺動導電体76a、76bと、回転体電極62もしくは固定電極64を差動回転部74a、74bの側に所定の力で押圧する弾性部材66と、を有している。尚、弾性部材66は回転体40側に設け回転体電極62を押圧するようにしても良いが、安定性の観点から固定体12側に設けて固定電極64を押圧することが好ましい。また、回転体電極62、固定電極64の双方に弾性部材66を設け、両側から摺動導電体76a、76bを押圧するようにしても良い。
次に、スリップリング60a、60bのベアリング70と伝達部材72に関して説明を行う。先ず、一般的なベアリング70は図6に示すように、内輪702と外輪704とを有しており、この内輪702と外輪704の間に複数の転動体706が回転可能に挿入している。また、一般的なベアリング70は転動体706同士が接触しないように一定の間隔に保つ保持器708(リテーナ)を有する。ここで、例えば内輪702が回転すると、転動体706は自転すると同時にベアリング70の軸心を中心に公転運動する。そして、この転動体706の公転運動により保持器708はベアリング70の軸心を中心に回転する。本願発明の伝達部材72は例えばこの保持器708と差動回転部74a、74bとを繋ぎ、転動体706の公転運動により差動回転部74a、74bを回転させる。尚、一般的なベアリング70では、転動体706の公転運動の回転数(保持器708の回転数)は、回転側の回転数の約1/2となる。即ち、本願発明のスリップリング60a、60bでは差動回転部74a、74bの回転数は回転体40の回転数の約1/2となる。
ここで、従来のスリップリングは摺動部が回転体40の回転数で回転するため、回転体40の回転数が大きい(回転速度が速い)とその分、摺動部の摩耗も進行する。この点、本発明に係るスリップリング60a、60bは、摺動部である差動回転部74a、74bの回転数が回転体40の約1/2となる。このため、従来のスリップリングよりも摺動部の摩耗を低減することができる。
次に、差動回転部74a、74bに関して説明を行う。先ず、第1の形態のスリップリング60aの差動回転部74aは、図2(b)に示すようにディスク状を呈している。尚、回転体40の回転軸がスリップリング60aを通して外側に貫ける場合には、差動回転部74aの中心に回転軸よりも径の大きな貫通孔102を設けても良い。また、差動回転部74aの摺動導電体76aは、両端面が円弧状で厚みが差動回転部74aの厚みと同じ円弧柱形状を呈し、差動回転部74aと同心の円状に設置される。そして、1つの同心円を形成する複数(本例では4つ)の摺動導電体76aが1極の摺動電極を形成する。尚、摺動導電体76aの固定方法としては、差動回転部74aに摺動導電体76aと同形の電極孔を穿孔し、この電極孔に摺動導電体76aを嵌入して設置することが好ましい。このとき、摺動導電体76aは差動回転部74aと同一の厚みを有するから、摺動導電体76aの両端面は差動回転部74aの両平面に段差なく面一で露出する。
また、第2の形態のスリップリング60bの差動回転部74bは、図5に示すように円筒形状を呈している。そして、差動回転部74bに設けられる摺動導電体76bは、差動回転部74bと同一の曲率のアーチ形状を呈するとともに差動回転部74bと同一の厚みを有し、差動回転部74bを周方向に1周するように設置される。そして、周方向に1周した複数(本例では4つ)の摺動導電体76bが1極の摺動電極を形成する。尚、摺動導電体76bの固定方法としては、差動回転部74bに摺動導電体76bと同形で内周面から外周面に貫通した電極孔を周方向に1周するように穿孔し、この電極孔に摺動導電体76bを嵌入して設置することが好ましい。これにより、摺動導電体76bの内周面と外周面とは差動回転部74bの内周面と外周面とに段差なく面一で露出する。
尚、ここでは4つの摺動導電体76a、76bで1極の摺動電極を構成する例を示しているが、この摺動導電体76a、76bの個数に関しては特に限定は無く、2個、3個、6個等、如何なる個数としても良い。そして、これら複数の摺動導電体76a、76bの間で且つ回転体電極62、固定電極64の軌道上に位置する部位が摺動絶縁部78となる。尚、図2(b)、図5では摺動導電体76a、76bの位置を揃え、摺動絶縁部78が一列に並ぶように構成したが、摺動導電体76a、76bの位置を極ごとにずらし、摺動絶縁部78をそれぞれ異なる位置としても良い。
そして、摺動導電体76a、76bは摺動絶縁部78よりも硬い例えば押圧力が0.5kg/cm以下で摩耗量がほぼゼロとなる部材を使用する。また、摺動導電体76a、76bは通電によって生じる電気的な腐食(以後、電食と記述する。)が生じにくい部材を使用する。このような摺動導電体76a、76bの材料としては、導電性を有する炭素板(導電性カーボン)を用いることが特に好ましい。
また、摺動絶縁部78はある程度の硬度を有しながら摺動導電体76a、76bよりも柔らかい部材を用いる。このような材料として特に布基材フェノール樹脂積層板(ベークライト板)を用いることが好ましい。そして、弾性部材66が例えば0.5kg/cmの押圧力で固定電極64を差動回転部74a、74bに押圧すると、この押圧力を受けて摺動絶縁部78が弾塑性変形の弾性領域で若干変形し、押圧力のほとんどを受け止めてこれを緩和する。これにより、摺動導電体76a、76bに掛かる押圧力は低減し、摺動導電体76a、76bは押圧力が極めて小さい臨界接触状態(押圧力がほとんど掛からずに接触導通している状態)で回転体電極62、固定電極64と接触導通する。これにより、摺動導電体76a、76b、回転体電極62、固定電極64の摩耗を低減することができる。
次に、第1の形態のスリップリング60aの回転体電極62と固定電極64に関して説明する。第1の形態のスリップリング60aの回転体電極62と固定電極64は、図2(a)、(c)に示すように、差動回転部74aと同心で摺動導電体76aの半径(円弧の半径)と略同一の半径を有するリング状を呈する。そして、図1に示すように、弾性部材66は固定電極64を裏面側から差動回転部74a側へ所定の圧力で押圧する。この所定の圧力とは、摺動導電体76aと回転体電極62、固定電極64とが臨界接触状態で接触導通する圧力である。これにより、回転体電極62の差動回転部74a側の面と摺動導電体76aの一方の端面とがそれぞれ臨界接触状態で接触導通する。また、固定電極64の差動回転部74a側の面と摺動導電体76aの他方の端面とがそれぞれ臨界接触状態で接触導通する。
次に、第2の形態のスリップリング60bの回転体電極62と固定電極64に関して説明する。先ず、第2の形態のスリップリング60bの回転体電極62は、図4、図5に示すように、外周面が摺動導電体76bの内周面と同一の曲率を有するアーチ状を呈し、また、固定電極64は内周面が摺動導電体76bの外周面と同一の曲率を有するアーチ状を呈する。そして、回転体電極62は円筒状の差動回転部74b内に挿入され、固定電極64は差動回転部74bの外周に配置される。そして、弾性部材66が固定電極64を外周側から内周側の差動回転部74a側へと所定の圧力で押圧する。また、このとき回転体電極62側にも弾性部材を設け、回転体電極62を内周側から外周側の差動回転部74a側へと所定の圧力で押圧するようにしても良い。尚、この所定の圧力とは、摺動導電体76bと回転体電極62、固定電極64とが臨界接触状態で接触導通する圧力である。これにより、回転体電極62の外周面が摺動導電体76bの内周面とそれぞれ臨界接触状態で接触導通し、摺動導電体76bの外周面が固定電極64の内周面とそれぞれ臨界接触状態で接触導通する。
また、回転体電極62、固定電極64の摺動導電体76a、76bとの接触面、即ち、スリップリング60aでは、図2(a)中のドットで示す回転体電極62の差動回転部74a側の平面と、図2(c)中のドットで示す固定電極64の差動回転部74a側の平面、スリップリング60bでは図5中のドットで示す回転体電極62の外周面と固定電極64の内周面にイオン化しにくい貴金属の薄膜をメッキや蒸着等の周知の手法により設けることが好ましい。この薄膜の材料としては、安価で導電性が高く比較的硬度の高い銀を用いることが特に好ましい。そして、この構成では電気抵抗の低い貴金属薄膜により摺動導電体76a、76bとの接触面での電流密度が分散することに加え、イオン化しにくい貴金属薄膜の存在により接触面での電食が防止され、回転体電極62、固定電極64の摩耗をさらに低減することができる。
ここで、第1の形態のスリップリング60aの差動回転部74a(摺動導電体76a:炭素板、摺動絶縁部78:ベークライト板)に押圧力0.5kg/cmで回転体電極62、固定電極64を接触導通させ、差動回転部74aを約3000rpmで1000hr回転させたところ、摺動導電体76a、76bの摩耗量は5μm以下であり、ほとんど摩耗は認められなかった。また、摺動導電体76aを挟んだ回転体電極62と固定電極64との間の抵抗値は差動回転部74aの停止時は10mΩ以下であり、回転時でも100mΩ以下に維持された。
次に、本発明に係るスリップリング60a、60bの動作を説明する。先ず、回転体電極62と固定電極64とは差動回転部74a、74bに設けられた摺動導電体76a、76bを介して導通している。これにより、回転体40と固定体12とは電気的に接続し、スリップリング60a、60bを介して電力供給や電気信号の伝達が行われる。尚、この際、弾性部材66が固定電極64を適切な押圧力で差動回転部74a、74b側に押圧する。これにより、摺動絶縁部78が弾塑性変形して押圧力のほとんどを受け止め、回転体電極62、固定電極64と摺動導電体76a、76bとは押圧力がほとんど掛からない臨界接触にて接触導通する。
次に、回転体40が回転すると回転体電極62が回転するとともに、ベアリング70の転動体706が自公転し、この転動体706の公転運動は伝達部材72によって差動回転部74a、74bに伝達する。これにより、差動回転部74a、74bは回転体40の約1/2の回転数で回転体40と同一の方向に回転する。これにより、摺動導電体76a、76bは固定電極64との導通状態を維持しながら固定電極64に対して回転体40の約1/2の回転数で回転し摺動する。また、回転体電極62は摺動導電体76a、76bとの導通状態を維持しながら摺動導電体76a、76bに対して回転体40の約1/2の回転数で回転し摺動する。これにより、回転体40と固定体12との間の電気的な接続は良好に維持され、スリップリング60a、60bを介した電力供給や電気信号の伝達が継続して行われる。
このように、本発明に係るスリップリング60a、60bは、差動回転部74a、74bを回転体40の約1/2で回転させるため、その分、摺動部分の摩耗を低減することができる。また、本発明に係るスリップリング60a、60bは、回転体電極62、固定電極64と摺動導電体76a、76bとを押圧力がほとんど掛からない臨界接触にて接触導通させる。このため、摺動部分の摩耗をさらに低減することができる。
次に、本発明に係る電動機80a、80bに関して説明を行う。尚、本発明に係る電動機80a、80bは、本願発明のスリップリング60a、60bを[特許文献1]に記載の電動機80a、80bに適用したものである。ただし、本発明に係るスリップリング60a、60bは、[特許文献1]に記載の電動機80a、80bへの適用のみに限定される訳ではなく、他の構造の従来の電動機や発電機、回転灯、その他の周知の回転体に適用することができる。また、ここでは第1の形態の電動機80aに第1の形態のスリップリング60aを適用し、第2の形態の電動機80bに第2の形態のスリップリング60bを適用した例を用いているが、特にこの組み合わせに限定される訳ではなく、第1の形態の電動機80aに第2の形態のスリップリング60bを適用し、第2の形態の電動機80bに第1の形態のスリップリング60aを適用しても構わない。
先ず、本発明に係る電動機80a、80bに共通する構成を説明する。図7、図8に示す本発明に係る電動機80a、80bは、被駆動体Mに回転力を伝達する出力軸10と、この出力軸10に固定したロータ30と、このロータ30の外側に位置するステータ40と、出力軸10とステータ40とを回転可能に軸支する固定軸受部12と、ステータ40に設けられ駆動電流が流れることでロータ30を回転させる複数のコイル42と、ステータ40をロータ30と同一の方向に回転可能に保持するステータ回転機構46と、ステータ40を固定軸受部12に対し回転可能に軸支するベアリング70と、本願発明のスリップリング60a、60bと、を有している。そして、本願発明のスリップリング60a、60bは、回転体(40)としてのステータ40と固定体(12)としての固定軸受部12との間に設けられ、固定軸受部12側からの駆動電流をステータ40に設けられたコイル42に供給する機能を有する。尚、本発明に係る電動機80a、80bでは上記のベアリング70がスリップリング60a、60bのベアリング70に相当する。また、被駆動体Mは本発明に係る電動機80a、80bを電気自動車等の車両に適用する場合には、車輪もしくは車輪を回転させる減速機構等である。
そして、ロータ30(出力軸10)は固定軸受部12によって回転可能に軸支されるとともに、ロータ30(出力軸10)と固定軸受部12との間には逆転防止手段16が設けられ、ロータ30の逆方向への回転を規制するとともに、例えば被駆動体Mの停止時等においてはロータ30と固定軸受部12とを固定して、ロータ30の回転を防止する。
また、ステータ40を保持するステータ回転機構46は、ロータ30をステータ40に対し回転可能に軸支する周知のベアリング等の軸受部46aと、ステータ40がロータ30の回転方向とは逆の方向へ回転することを規制する逆転防止手段46bと、で主に構成されている。
また、逆転防止手段16、46bとしてはワンウェイクラッチや電磁クラッチ等の周知の部材を用いても良いし、固定軸受部12と固定したラチェット歯車50と、ロータ30側もしくはステータ40側と固定しラチェット歯車50の側に付勢された爪部52と、を有し、順方向回転では爪部52がラチェット歯車50上を滑って回転しこの方向の回転を許容するとともに、逆方向回転では爪部52がラチェット歯車50と噛み合ってこの方向の回転を阻止し、さらにロータ30もしくはステータ40が所定の回転速度以上となると爪部52が遠心力により外側に回動してラチェット歯車50から離れるものを用いても良い。この構成では、ロータ30もしくはステータ40が高速回転している場合には、爪部52とラチェット歯車50とが離れて非接触となり、摩擦抵抗や振動の発生を防止することができる。
次に、本発明に係る第1の形態の電動機80aの構成に関して説明する。図7に示す第1の形態の電動機80aは、直流電流によって動作する電動機であり、ステータ40側に電機子として機能する複数のコイル42を有し、ロータ30側に界磁部としての界磁マグネット32を複数有している。そして、ステータ40のコイル42は巻芯に磁心を備えており、周方向に一定の間隔をあけて複数、例えば36個配置される。また、電動機80aのロータ30には、ステータ40側のコイル42を挟むように2つのロータ円板34が固定され、このロータ円板34の内側に複数の界磁マグネット32がステータ40側のコイル42の磁心と対向するように等間隔で固定される。尚、この界磁マグネット32はコイル42に対する界磁束を形成してロータ30を回転させるための永久磁石であり、周方向に沿って隣り合う磁極が逆となるように、即ちN極とS極が交互に現れるように配設されている。また、界磁マグネット32としては金属磁石を用いても焼結磁石を用いても良いが、中でも大きな磁力を有するネオジム磁石等の希土類磁石を用いることが特に好ましい。尚、コイル42が36個の場合、界磁マグネット32は例えばコイル42を挟むように6対設けられる。
また、電動機80aにはコイル42に対する界磁マグネット32の相対位置を取得する位置情報取得手段18と、出力軸10(ロータ30)の回転数が入力するとともに位置情報取得手段18からの位置情報に基づいてコイル42への駆動電流の流下方向を制御する図示しない制御部と、が設けられる。尚、位置情報取得手段18には特に限定は無く、周知の位置センサーやレゾルバ式角度測定器等の周知の磁気式位置検出器、周知の光学式位置検出器など如何なるものを用いても良い。また、位置情報取得手段18は直接的に相対位置を取得するものの他に、コイル42の絶対位置を取得するコイル位置情報取得手段と界磁マグネット32の絶対位置を取得する磁石位置情報取得手段とを個別に設け、制御部等がこれらコイル42の絶対位置と界磁マグネット32の絶対位置とから両者の相対位置を算出するようにしても良い。尚、図7では位置情報取得手段18として、ロータ30とともに回転し所定の位置に開口が形成されたスリット板18aと、ステータ40と固定しスリット板18aの開口を挟んで設置された発光素子18b、受光素子18b’と、を有する光学式の位置検出手段を用いた例を示している。
そして、この光学式の位置情報取得手段18では、発光素子18bの光がスリット板18aの開口を通して受光素子18b’に到達したときの受光信号に基づいてコイル42と界磁マグネット32との相対位置を取得する。そして、制御部はステータ40(コイル42)に対するロータ30(界磁マグネット32)の相対位置と、出力軸10(ロータ30)の回転数に基づいて、上位の制御装置等から要求された回転動作を行うよう各コイル42に流下する駆動電流の電流値および流下方向を制御する。そして、この駆動電流は固定軸受部12側からスリップリング60a(60b)の各固定電極64に供給され、摺動導電体76a(76b)を介してステータ40側の回転体電極62にそれぞれ伝達される。そして、回転体電極62と接続したコイル42にそれぞれ流下し、ロータ30は制御部の指示したトルク及び回転速度で回転動作する。
次に、本発明に係る第2の形態の電動機80bの構成に関して説明する。尚、第2の形態の電動機80bは交流電流によって動作する電動機である。先ず、電動機80bのロータ30は例えば電磁鋼板を円筒状に貼り合せたロータ鉄心36を有している。そして、ロータ鉄心36と対向したステータ40の内側には磁心を備えた複数のコイル42が、磁心がロータ鉄心36側を向くように設置されている。そして、例えばU相、V相、W相の3相交流の電動機80bの場合、U相、V相、W相のそれぞれに対応したコイル42が順に配置される。また、スリップリング60b(60a)は固定軸受部12側からのU相、V相、W相の交流電流を固定電極64、摺動導電体76b(76a)、回転体電極62を介してステータ40側のコイル42に供給する。そして、スリップリング60b(60a)を介して供給されたU相、V相、W相の交流電流がそれぞれのコイル42に順に流下することで、コイル42によって形成される磁界が回転し、この回転磁界によってロータ鉄心36に渦電流が流下してローレンツ力が働きロータ30が回転する。
次に、本発明に係る電動機80a、80bの特徴的な動作を図9を用いて説明する。ここで、図9(a)は横軸を出力軸10の回転数N、縦軸を出力軸10のトルクTとした模式的なN−T線図であり、図9(b)はロータ30、ステータ40の回転速度の変化を説明するためにこれらの変化を直線で模式的に示した図である。
先ず、電源のオフ状態においては、電動機80a、80bのロータ30、ステータ40はともに停止状態にある(図9(b)中の点0)。次に、電動機80a、80bを起動させると、制御部は逆転防止手段16によってロータ30の逆回転を阻止した状態でコイル42に対し、逆回転方向の電流をスリップリング60a、60bを介して印加する。これにより、ロータ30には逆回転方向に力が働くが、前述のようにロータ30の逆回転は阻止されているから、このロータ30に生じる力は反力となってステータ40に働き、これによりステータ40は順方向に回転する。そして、ステータ40が所定の回転速度となった時点(図9(b)の破線中の点A)で、例えばアクセルを踏むなどの出力軸10への出力要求を行うと、制御部はロータ30の固定を解除するとともにロータ30が順方向に回転するような駆動電流をスリップリング60a、60bを介してコイル42に流下させる。尚、交流の電動機80bでは所定の周波数の交流の駆動電流に加えて、電動機80bの動作を阻害しない程度の直流電流をスリップリング60a、60bを介して駆動電流に重畳して流下させる。これにより、ロータ30とステータ40とは磁気的に結合し、ロータ30はステータ40の回転力によって同一の方向(順方向)に回転を開始する。また、これに加えコイル42にはロータ30を順方向に回転させる駆動電流が流下するから、この駆動電流によっても順方向に回転する。これにより、ロータ30は図9(a)の点Aに示すように、駆動電流の供給電力Kwで生じるトルクTwに加えて、ステータ40の回転力Kiによって生じるトルクが合わさったトルクTで回転動作する。尚、図9(a)ではロータ30のトルクをトルクTで制限する構成を示している。この場合、ロータ30の回転開始時はステータ40の回転力Kiが主となってロータ30を回転させ、図9(a)中の破線で示す余剰分は電流成分となって駆動電流に補填され、その分、電源からの供給電力を低減することができる。
そして、このトルクTが印加することによりロータ30は回転を開始する。ここで、トルクTで制限しない場合の回転力Kiによる仮想的なトルクを図9(a)中のトルクT’として示すと、このトルクT’はロータ30の回転に伴って減少し、その分、ステータ40側からの駆動電流の補填量も減少する。また、ステータ40の回転力Kiがロータ30の回転に用いられることで、図9(b)中の破線で示すステータ40の回転速度Nmは減少し、図9(b)中の実線で示すロータ30の回転速度Ncは増加する。そして、ある点Bにおいてステータ40の回転速度Nmとロータ30の回転速度Ncとが等しくなり、その後はロータ30の回転速度Ncがステータ40の回転速度Nmよりも速くなる。尚、図9(a)ではNm=Ncとなる点BがトルクTとなる例を図示している。
ここで、ステータが回転しない従来の電動機はロータの回転に伴って直ちに逆起電力Keが生じ、この逆起電力Keはロータの出力N・Tを減少させる。この逆起電力Keはロータのステータに対する角速度ωが増加するにつれ増大する。従って、ステータが固定した従来の電動機では所定の出力N・Tを維持するために逆起電力Keによる損失分を埋める大きな供給電力Kwを必要とする。
しかしながら、本発明に係る電動機80a、80bではステータ40の回転速度Nmがロータ30の回転速度Ncよりも速いNm>Ncの領域(図9(b)中の点A−点B間の領域)では、ステータ40に対するロータ30の角速度ωは負となり、逆起電力Keは駆動電流を補填する電流を流下させる。これにより、前述のように電源からの供給電力を低減することができる。
そして、本発明に係る電動機80a、80bはステータ40の回転速度Nmがロータ30の回転速度Ncと等しくなるNm=Nc(図9(b)中の点B)まで逆起電力Keは発生せず、供給電力Kwを全てロータ30の出力N・Tに用いることができる。そして、ロータ30の回転速度Ncがステータ40の回転速度Nmよりも速くなったNc>Nmの時点で逆起電力Keが生じ、ここで初めて出力N・Tに対する損失が発生する。即ち、ステータが回転しない従来の電動機ではロータの回転開始直後から逆起電力Keによる損失が生じるのに対し、本発明に係る電動機80a、80bではロータ30の回転速度Ncがステータ40の回転速度Nmを超えるまで逆起電力Keによる損失は生じない。このため、ロータ30の回転初期の高トルクが必要な領域で供給電力Kwを増加させることなく、出力N・Tを維持することができる。
そして、さらにロータ30の回転速度Ncが増大するとステータ40の回転速度Nmが減少し、ステータ40は最終的に停止する(図9(b)中の点C)。このステータ40が停止するまでのNc>Nm>0の領域(図9(b)中の点B−点C間の領域)では、逆起電力Keによる損失は生じるもののステータ40は依然回転状態にあるため、逆起電力Keはステータ40の回転速度Nmの分だけ小さな値となり、ステータが回転しない従来の電動機と比較して発生する逆起電力Keは小さく損失は少ない。そして、電動機80a、80bはステータ40が停止した図9(b)中の点C以降において従来の電動機と同等の挙動を示す。
このように、本発明に係る電動機80a、80bはステータ40の回転力Kiをロータ30の回転に用いるため、従来の供給電力Kwのみによって生じるトルクTwよりも高いトルクTで回転動作させることができる。ここで、トルクTをトルクTwの2倍としたときに、ステータ40の回転速度Nmがロータ30の回転速度Ncと等しいNm=Nc点では、ステータが回転せず供給電力Kwのみで回転し逆起電力Keによる損失が生じる従来の電動機と比較して、計算上4倍の出力N・Tを得ることができる。
次に、電動機80a、80bのロータ30が回転しステータ40が停止した状態で、例えばブレーキを踏むなどの出力軸10(ロータ30)の回転を減速させる要求がなされると、制御部は例えばロータ30の回転を減速させるような駆動電流をスリップリング60a、60bを介してコイル42に流下する。これにより、ロータ30の回転速度が減少すると同時にロータ30とステータ40間には反力が生じ、この反力はステータ40を順方向に回転させる。これにより、ロータ30の回転力はステータ40の回転に変換される。そして、再度、アクセルを踏むなどの出力軸10への順方向回転への出力要求が行われると、先の動作と同様にしてステータ40の回転力Kiがロータ30を回転するように働く。このように、本発明に係る電動機80a、80bは、制動時等にはロータ30の回転力を運動エネルギーのままステータ40の回転力として蓄積し、再始動時等にはこのステータ40の回転力を運動エネルギーのままロータ30の回転に用いる。このため、エネルギー損失が少なく、ロータ30、ステータ40の運動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
以上のように、本発明に係るスリップリング60a、60b及びこのスリップリング60a、60bを備えた電動機80a、80bは、ベアリング70の公転運動を利用して摺動部である差動回転部74a、74bを回転体40の約1/2の回転数で回転させる。これにより、摺動部分の実質的な回転速度が低下し、摺動部の摩耗の低減を図ることができる。また、本発明に係るスリップリング60a、60b及び電動機80a、80bは、1極の摺動電極を複数の摺動導電体76a、76bで構成し、この摺動導電体76a、76bの間隙に摺動導電体76a、76bよりも柔らかい摺動絶縁部78を位置させる。これにより、摺動導電体76a、76bへの押圧力は摺動絶縁部78側が受けて、摺動導電体76a、76bに掛かる押圧力が低減し、押圧力が極めて小さい臨界接触状態で摺動導電体76a、76bと回転体電極62、固定電極64を接触導通させることができる。これにより、摺動導電体76a、76b、回転体電極62、固定電極64の摩耗をさらに低減することができる。また、回転体電極62と固定電極64の摺動導電体76a、76bとの接触面にイオン化しにくい貴金属薄膜を形成することで、回転体電極62と固定電極64の電食を防止し、電極の摩耗をさらに低減することができる。
尚、本例で示したスリップリング60a、60bの各構成は一例であり、各部の形状、寸法、機構、デザイン、個数等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 出力軸
12 固定体(固定軸受部)
30 ロータ
40 回転体(ステータ)
42 コイル
60a、60b スリップリング
62 回転体電極
64 固定電極
66 弾性部材
70 ベアリング
72 伝達部材
74a、74b 差動回転部
76a、76b 摺動導電体
78 摺動絶縁部
80a、80b 電動機
706 転動体
M 被駆動体

Claims (6)

  1. 回転体側に設けられた回転体電極と、固定体側に設けられた固定電極と、
    前記回転体を回転可能に保持するベアリングと、
    前記ベアリングを構成し前記回転体の回転に伴って自公転する転動体と、
    前記転動体の公転運動を伝達する伝達部材と、
    前記伝達部材と接続し前記転動体の公転運動により回転する差動回転部と、
    前記差動回転部に設けられ一方の面に前記回転体電極が当接し他方の面に前記固定電極が当接する摺動導電体と、
    前記回転体電極もしくは前記固定電極を前記差動回転部の側に所定の力で押圧する弾性部材と、を有し、
    前記摺動導電体の間に摺動絶縁部が位置し、前記摺動絶縁部が弾塑性変形の弾性領域で変形して前記摺動導電体への押圧力を低減し、前記摺動導電体と前記回転体電極と前記固定電極とを押圧力が極めて小さい臨界接触状態で接触導通させることを特徴とするスリップリング。
  2. 差動回転部がディスク状を呈し、摺動導電体は端面が円弧状であり前記差動回転部と同心の円状に配置され、さらに前記摺動導電体の両端面が前記差動回転部の両平面にそれぞれ面一で露出し、
    回転体電極と固定電極とが前記差動回転部と同心で前記摺動導電体と略同一の半径を有するリング状を呈することを特徴とする請求項1に記載のスリップリング。
  3. 摺動導電体が導電性を有する炭素板で構成され、回転体電極と固定電極の前記摺動導電体との接触面に貴金属薄膜を有することを特徴とする請求項2記載のスリップリング。
  4. 差動回転部が円筒形状を呈するとともに、摺動導電体が前記差動回転部と同一の曲率のアーチ形状を呈して前記差動回転部を周方向に1周するように配置され、さらに前記摺動導電体の内周面と外周面とが前記差動回転部の内周面と外周面とに面一で露出し、
    回転体電極は外周面が前記摺動導電体の内周面と略同一の曲率を有するアーチ状を呈し、固定電極は内周面が前記摺動導電体の外周面と略同一の曲率を有するアーチ状を呈し、前記回転体電極の外周面が前記摺動導電体の内周面と接触し、前記固定電極の内周面が前記摺動導電体の外周面と接触して導通することを特徴とする請求項1に記載のスリップリング。
  5. 摺動導電体が導電性を有する炭素板で構成され、回転体電極の外周面と固定電極の内周面とに貴金属薄膜を有することを特徴とする請求項4記載のスリップリング。
  6. 被駆動体に回転力を伝達する出力軸と、
    前記出力軸に固定したロータと、
    前記ロータの外側に位置するステータと、
    前記出力軸と前記ステータとを回転可能に軸支する固定軸受部と、
    前記ステータに設けられ駆動電流が流れることで前記ロータを回転させる複数のコイルと、
    前記ステータを前記ロータと同一の方向に回転可能に保持するステータ回転機構と、を有し、
    前記ロータの回転が減速する際に前記ロータの回転力を前記ステータの回転に変換し、
    前記ステータを回転させた状態で前記駆動電流を流すことで、前記駆動電流による回転力に前記ステータの回転力を加えて前記ロータを回転させる電動機において、
    回転体としての前記ステータと固定体としての前記固定軸受部との間に設けられ、前記固定軸受部側からの駆動電流を前記コイルに供給する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスリップリングをさらに有することを特徴とする電動機。
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