JP6842975B2 - Pc鋼棒ユニットの緊縮力導入装置 - Google Patents

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本発明はPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置に関し、特に複数のPC鋼棒ユニットに対して同時に緊縮力を導入できるようにした装置に関する。
コンクリート製の柱や梁などのコンクリート構造体に、PC鋼棒ユニットによってプレストレスを導入し、柱や梁の強度アップを図るようにしたNAPP工法が実用化されている。
このPC鋼棒ユニットでは筒状の中空PC鋼棒内に反力PC鋼棒を挿入し、反力PC鋼棒を圧縮して中空PC鋼棒に引張り力を作用させ、反力PC鋼棒が元の長さに戻らないようにすることによって中空PC鋼棒を引張り状態に保持し、コンクリート構造体の穴に中空PC鋼棒を差し込んでその周囲にコンクリートを打設し、コンクリートの固化後に反力PC鋼棒の保持を解放することによって中空PC鋼棒の引っ張りを解除し、コンクリート構造体にプレストレスを導入することが行われている(特許文献1)。
従来、一対のフレームの間をロッドで連結し、一方のフレームにはアダプターとナットによって中空PC鋼棒を係止し、中空PC鋼棒内には反力PC鋼棒を挿入して反力PC鋼棒の一端をストッパーによって抜け止めし、中空PC鋼棒の他端には筒体を螺合させ、筒体内には係止片を内蔵してナットによって抜け止めし、係止片を反力PC鋼棒に押し当て、他方のフレームに設けたハンドルの回転によって係止片を前進させて反力PC鋼棒を圧縮し、筒体を螺進させて係止片をナットによってロックし、反力PC鋼棒によって中空PC鋼棒に引っ張り力を作用させた状態に保持するようにしたPC鋼棒ユニットの緊縮装置が知られている(特許文献2)。
また、中空PC鋼棒に鋼棒を挿通し、鋼棒の両端部に雄ねじを形成するとともに、中空PC鋼棒の両端部に雄ねじを形成し、中空PC鋼棒の雄ねじに支圧板及び保持筒を螺合させ、鋼棒端部の雄ねじに雌ねじ部材を螺合させる一方、保持筒の他端部に蓋を取付け、支圧板に筒状の支持部材を取付け、支持部材内にジャッキを係止し、ジャッキの可動部を鋼棒の先端に係止させて伸長させることによって中空PC鋼棒に引っ張り力を作用させた後、保持筒を螺進させて蓋と雌ねじ部材を当接させ、その状態で支持部材及びジャッキを取外して中空PC鋼棒に引っ張り力を作用させた状態に保持するようにしたPC鋼棒ユニットの緊縮装置が知られている(特許文献3)。
他方、本件発明者は、外周面に雄ねじが形成された中空PC鋼棒、中空PC鋼棒内に差し込まれた反力芯金、中空PC鋼棒の先端と当接される芯金ストッパー、中空PC鋼棒を支持する止圧板、止圧板を位置決めする弛止めナット、PC鋼棒に螺合された筒状ナット、筒状ナット内に設けられた押圧板、筒状ナットの回転によって螺進されて押圧板と当接され得るストッパー板から構成されるPC鋼棒ユニットと、ストッパー板に挿通されて押圧板を押す継ぎロッドと、装置ベース一端側にて止圧板を受ける移動受圧板と、装置ベースの他端側に固定された固定受圧板と、固定受圧板に取付けられ可動子によって継ぎロッドを加圧するとともに加圧力及び伸びを表示するジャッキと、を備えたPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置を提案するに至った(特許文献4)。
特許第5551527号公報 特許第2678158号公報 特許第2579577号公報 特開2016−153747号公報
しかし、特許文献4記載のPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置では特許文献2、3記載の装置に比較して、PC鋼棒ユニットに所望の大きさの緊縮力を精度よく導入でき、コンクリート構造物に対する適切なプレストレスを導入することができるものの、ジャッキを用いているので、複数のPC鋼棒ユニットに対して緊縮力を導入する場合には多数のジャッキを必要とし、作業が煩雑となってしまう。
本発明はかかる問題点に鑑み、複数のPC鋼棒ユニットに対して同時に緊縮力を導入できるようにしたPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置を提供することを課題とする。
そこで、本発明に係るPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置は、少なくとも後端部分の外周面に雄ねじを有する中空PC鋼棒、該中空PC鋼棒内に差し込まれたPC鋼棒製の反力芯金、上記中空PC鋼棒の先端にて上記反力芯金の先端を当接位置決めする芯金ストッパー、中央の貫通穴に上記中空PC鋼棒が挿通又は螺合され上記中空PC鋼棒を支持するベース、上記中空PC鋼棒の後端部の雄ねじに螺合され内部に雌ねじが形成され差込み口から工具が差込み可能な緊張用治具、該緊張用治具内に挿入され上記反力芯金の後端と当接される押込みロッド、及び上記押込みロッドの背後にて上記緊張用治具の内面雌ねじに螺合され中央に上記押込みロッドが挿通される挿通穴及び背面に操作凹部を有するロッドストッパーから構成されるPC鋼棒ユニットと、上記緊張用治具の内面雌ねじに螺合されピストンロッドが押込みロッドに当接され該押込みロッドを押し込む流体シリンダと、該流体シリンダに流体を供給する流体源と、上記緊張用治具の差込み口から差込まれて突起が上記操作凹部に嵌合されロッドストッパーを回転させて螺進させる操作工具と、を備えたことを特徴とする。
本発明の特徴の1つは流体シリンダによってPC鋼棒ユニットの反力芯金を圧縮した後、操作工具を緊張用治具の差込み口から差し込んでロッドストッパーを回転操作して螺進させ、押込みロッドを係止してPC鋼棒ユニットに所望の緊縮力を与えるようにした点にある。
これにより、PC鋼棒ユニットを所定の緊縮力でもって正確に付与することができ、コンクリート構造体に適切な大きさのプレストレスを導入することができる。
しかも、流体シリンダを用いているので、複数のPC鋼棒ユニットに同時に所定の緊縮力でもって正確に付与することができる。
すなわち、本発明によれば、流体源はPC鋼棒ユニットを緊縮させる複数の流体シリンダに対して流体が供給されるように構成することができる。
また、操作工具でロッドストッパーを回転操作して螺進退させ、押込みロッドを係止してPC鋼棒ユニットに所望の緊縮力を付与した後は流体シリンダを取り外すことができ、作業性を大幅に改善できる。
また、本発明の第2の特徴はPC鋼棒ユニットを、中空PC鋼棒、反力芯金、芯金ストッパー、ベース、押込みロッド、緊張用治具及びロッドストッパーによって構成するようにした点にある。
これにより、緊縮したPC鋼棒ユニットを敷設場所に設置してコンクリートを打設し、コンクリート硬化後に緊張用治具を外すと、応力芯金、押込みロッド及びロッドストッパーを回収することができ、部材を有効利用することができる。
本発明に係るPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置の好ましい実施形態を模式的に示す図である。 上記実施形態における要部を示す構成断面図である。 上記実施形態における緊張用治具及びロッドストッパーと操作工具を示す概略斜視図である。
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係るPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置の好ましい実施形態を示す。図において、PC鋼棒ユニット30は中空PC鋼棒19、PC鋼棒製の反力芯金20、芯金ストッパー21、ベース18、緊張用治具14、ロッドストッパー15から構成されている。
中空PC鋼棒19は高張力鋼を用いてパイプ状に製造され、その後端部外周面には雄ねじが転造などによって形成されている。この中空PC鋼棒19の先端開口は芯金ストッパー21が嵌合などによって固定され、又中空PC鋼棒19内には後端側から反力芯金20が差し込まれて芯金ストッパー21に当接されて位置決めされている。なお、中空PC鋼棒19及び反力芯金20は途中で連結ナット及び連結リングによって連結されることによって任意の長さに設定されることができる。
また、中空PC鋼棒19はベース18の挿通穴18Aに挿通されるとともに、ベース18が固定構造物に支持されることによって中空PC鋼棒19が保持されるようになっている。
中空PC鋼棒19の後端部の雄ねじには緊張用治具14が螺合されている。この緊張用治具14は大径及び小径の2段階の中空状をなし、小径中空状部14Cには押込みロッド17が差し込まれ、押込みロッド17の中間拡径部17Aが小径中空状部14C内面に摺接されてスライド自在となっており、押し込まれて反力芯金20の後端に当接されるようになっている。
また、緊張用治具14は大径中空状部14Dにロッドストッパー15がスライド自在に差し込まれている。このロッドストッパー15は中央に押込みロッド17の後端部が挿入される挿通穴15Bが形成されるとともに、その周囲に複数の操作凹部15Aが形成されている。
さらに、緊張用治具14の大径中空状部14Dには操作工具22の差込み口14Aが形成されている一方、操作工具14は先端が二股状をなし、二股状部分には突起22Aが形成され、差込み口14Aから操作工具14を差し込んで突起22Aをロッドストッパー15は操作凹部15Aに嵌合させ、ロッドストッパー15を回転させて螺進させ、押込みロッド17を反力芯金20の後端に当接させて位置決めできるようになっており、こうして中空PC鋼棒ユニット30が構成されている。
また、緊張用治具14の後端部内面の雌ねじには油圧シリンダ13が螺合されるようになっている。
複数の中空PC鋼棒ユニット30がレイアウトされ、各中空PC鋼棒ユニット30の油圧シリンダ13にはオイルポンプ10から油圧ホース11及び分岐ホース12を経て圧油が供給されるようになっている。
次に、PC鋼棒ユニット19の緊縮方法について説明する。まず、中空PC鋼棒19の先端開口を芯金ストッパー21で封鎖し、この中空PC鋼棒19内に反力芯金20を芯金ストッパー21に当たるまで差し込むとともに、中空PC鋼棒19の後端部分の雄ねじに緊張用治具14を螺合させる。このとき、緊張用治具14内には押込みロッド17及びロッドストッパー15がセットされている。
次に、中空PC鋼棒19をベース18に挿通して固定構造部分等に支持して中空PC鋼棒19を保持するとともに、緊張用治具14の後端部内面の雌ねじに油圧シリンダ13を螺合させてピストンロッド13Aの先端を押込みロッド17の後端に係合させる。
こうして準備が済むと、オイルポンプ10を作動させ、油圧シリンダ13に圧油を供給してピストンロッド13Aを伸長させると、押込みロッド17が押し込まれて反力芯金20を押し込む。このとき、反力芯金20の緊縮力を圧縮試験機(図示せず)で測定しておき、所望の緊縮力に達すると、圧油の供給を停止し、緊張用治具14の差込み口14Aから操作工具22を差込み、ロッドストッパー15を螺進させて押込みロッド17の中間拡径部17Aに当接位置決めすると、反力芯金20が所望の緊縮状態に保持され、これによって中空PC鋼棒19に所定の緊縮力を与えることができる。
以上のように、工場や現場において、PC鋼棒ユニット30を所定の緊縮力でもって正確に緊縮することができる。
そこで、油圧シリンダ13を取外し、コンクリート打設現場にセットし、コンクリートを打設してコンクリートが乾燥して固化すると、緊張用軸14を取外して回収すると、コンクリート構造物に適切な大きさのプレストレスを導入することができる。
13 油圧シリンダ(流体シリンダ)
14 緊張用治具
15 ロッドストッパー
17 押込みロッド
18 ベース
19 中空PC鋼棒
20 反力芯金
21 芯金ストッパー
22 操作工具
30 PC鋼棒ユニット

Claims (2)

  1. 少なくとも後端部分の外周面に雄ねじを有する中空PC鋼棒(19)、該中空PC鋼棒(19)内に差し込まれたPC鋼棒製の反力芯金(20)、上記中空PC鋼棒(19)の先端にて上記反力芯金(20)の先端を当接位置決めする芯金ストッパー(21)、中央の貫通穴(18A)に上記中空PC鋼棒(19)が挿通又は螺合され上記中空PC鋼棒(19)を支持するベース(18)、前部の小径中空状部(14C)及び後部の大径中空状部(14D)からなる中空状をなし上記小径中空状部(14C)の先端部内面に上記中空PC鋼棒(19)の後端部の雄ねじに螺合される雌ねじが形成され上記大径中空状部(14D)内面には雌ねじが設けられ側面の差込み口(14A)から工具が差込み可能な緊張用治具(14)、中間拡径部(17A)が上記緊張用治具(14)の上記小径中空状部(14C)に摺動可能に挿入されロッド先端が上記反力芯金(20)の後端と当接される押込みロッド(17)、及び上記押込みロッド(17)の中間拡径部(17A)の背後にて上記緊張用治具(14)の上記大径中空状部(14D)内面の雌ねじに螺合され中央に上記押込みロッド(17)の小径のロッド後部が挿通される挿通穴(15B)及び背面に操作凹部(15A)を有するロッドストッパー(15)から構成されるPC鋼棒ユニット(30)と、
    上記緊張用治具(14)の上記大径中空状部(14D)の後端部内面の雌ねじに螺合されピストンロッド(13A)が押込みロッド(17)のロッド後部に当接され該押込みロッド(17)を押し込み該押込みロッド(17)のロッド先端を上記反力芯金(20)に当接させて上記反力芯金(20)を所望の緊縮力に設定し得る流体シリンダ(13)と、
    上記流体シリンダ(13)に流体を供給し上記反力芯金(20)が所望の緊縮力に達した時に上記流体シリンダ(13)への流体を停止する流体源(10)と、
    上記緊張用治具(14)の差込み口(14A)から差込まれて突起(22A)が上記操作凹部(15A)に嵌合され上記ロッドストッパー(15)を回転させて螺進させ該ロッドストッパー(15)を上記押込みロッド(17)の中間拡径部(17A)に当接位置決めすることにより上記所望の緊縮力に達した上記反力芯金(20)を規定の緊縮力に設定するための操作工具(22)と、
    を備えたことを特徴とするPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置。
  2. 上記流体源(10)はPC鋼棒ユニット(30)を緊縮させる複数の流体シリンダ(13)に対して流体が供給されるようになっている請求項1記載のPC鋼棒ユニットの緊縮力導入装置。
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