以下の例示的な実施形態等の同様の構成要素には共通の符号を付与して、重複する説明を適宜省略する。
<実施形態>
図1は、実施形態の車両1の車室2aの一部が透視された状態が示された例示的な斜視図である。車両1は、移動体の一例である。車両1は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよいし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式、個数、及び、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1に示すように、車両1は、車体2と、車輪3と、操舵部4と、加速操作部5と、制動操作部6と、変速操作部7と、モニタ装置11と、撮像部15とを備える。
車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7、モニタ装置11等が設けられている。車体2は、前端部の下部に設けられたフロントバンパー及び後端部の下部に設けられたリアバンパー等を含む。
本実施形態では、一例として、車両1は、四輪車(四輪自動車)であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。さらに、本実施形態では、これら四つの車輪3いずれかは、操舵部4によって操舵されうるように(転舵可能に)構成されている。
操舵部4は、例えば、ダッシュボードから突出したステアリングホイールである。加速操作部5は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルである。制動操作部6は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルである。変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。なお、操舵部4、加速操作部5、制動操作部6、及び、変速操作部7は、これらには限定されない。
モニタ装置11は、例えば、ダッシュボードの車幅方向すなわち左右方向の中央部に設けられている。モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムまたはオーディオシステム等の機能を有してもよい。モニタ装置11は、表示装置8、音声出力装置9、及び、操作入力部10を有する。モニタ装置11は、スイッチ、ダイヤル、ジョイスティック、及び、押しボタン等の不図示の操作入力部を有してもよい。
表示装置8は、画像情報に基づいて画像を表示する。表示装置8は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、OELD(Organic Electroluminescent Display)等である。
音声出力装置9は、音声データに基づいて音声を出力する。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。音声出力装置9は、モニタ装置11以外の異なる車室2a内の位置に設けられていてもよい。
操作入力部10は、乗員または運転者を含むユーザからの入力を受け付ける。操作入力部10は、表示装置8の表示側の面に設けられている。操作入力部10は、例えば、表示装置8の画像を透過可能なタッチパネルである。操作入力部10は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置をユーザが触れることによって入力した指示を受け付ける。
本実施形態では、車両1は、複数の撮像部15を備える。撮像部15は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、または、CIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向で140°〜190°の範囲を撮影することができる。撮像部15の光軸は、斜め下方に向けて設定されている。従って、撮像部15は、車両1が移動可能な路面を含む周辺を撮像した撮像画像データを出力する。
本実施形態では、4個の撮像部15a、15b、15c、15dが車両1に設けられている。撮像部15aは、例えば、車両1の前部の中央部に設けられている。撮像部15aは、車両1の前方の周辺の環境を撮影する。撮像部15bは、例えば、車両1の後部の中央部に設けられている。撮像部15bは、車両1の後方の周辺の環境を撮影する。撮像部15cは、車体2の左側の端部、例えば、左側のドアミラー2gに設けられている。撮像部15cは、車両1の左側の周辺の環境を撮影する。撮像部15dは、車体2の右側の端部、例えば、右側のドアミラー2hに設けられている。撮像部15dは、車両1の右側の周辺の環境を撮影する。
図2は、車両1の制御系のハードウェア構成を説明するブロック図である。図2に示すように、車両1は、ECU(Electronic Control Unit)24と、車内ネットワーク25とを更に備える。例えば、モニタ装置11の表示装置8及び操作入力部10、撮像部15、及び、ECU24は、障害物検知装置40として機能する。
ECU24は、例えば、コンピュータである。ECU24は、撮像部15から撮像画像データを受信する。ECU24は、出力させる撮像画像等の画像または音声に関するデータをモニタ装置11へ送信する。ECU24は、操作入力部10から車両1の操作等に関するユーザの入力を受け付ける。ECU24は、CPU(Central Processing Unit)24aと、ROM(Read Only Memory)24bと、RAM(Random Access Memory)24cと、表示制御部24dと、音声制御部24eと、SSD(Solid State Drive)24fとを備える。CPU24a、ROM24b及びRAM24cは、同一パッケージ内に集積されていてもよい。
CPU24aは、ROM24b等の不揮発性の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって各種の演算処理および制御を実行する。ROM24bは、各プログラム及びプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM24cは、CPU24aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。表示制御部24dは、ECU24での演算処理のうち、主として、撮像部15で得られた画像の画像処理、表示装置8に表示させる表示用の画像のデータ変換等を実行する。音声制御部24eは、ECU24での演算処理のうち、主として、音声出力装置9に出力させる音声の処理を実行する。SSD24fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU24の電源がオフされた場合にあってもデータを維持する。
本実施形態では、ECU24は、ハードウェアとソフトウェア(即ち、プログラム)が協働することにより、車両1の制御全般を司る。ECU24は、例えば、車両1の自動運転を制御する。ECU24は、自動運転中において、車両1の周辺の障害物を検知する障害物検知装置40としての機能を実現している。また、ECU24は、検知した障害物及びユーザから受け付けた障害物等に基づいて、車両1を自動運転する。
車内ネットワーク25は、例えば、CAN(Controller Area Network)である。車内ネットワーク25は、ECU24と、操作入力部10とを制御信号及び操作内容等の信号及び情報を送受信可能に電気的に接続する。
図3は、障害物検知装置40のECU24の機能を説明するブロック図である。図3に示すように、ECU24は、制御部30と、記憶部32とを有する。制御部30は、CPU24a、表示制御部24d、及び、音声制御部24eの機能として実現される。記憶部32は、ROM24b、RAM24c、及び、SSD24fの機能として実現される。
制御部30は、表示処理部34と、運転部36とを有する。制御部30は、例えば、記憶部32に格納された障害物検知用のプログラムを読み込むことによって、表示処理部34及び運転部36として機能する。表示処理部34及び運転部36の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む回路等のハードウェアによって構成してもよい。
表示処理部34は、撮像画像等を含む表示画像を表示装置8に表示させるとともに、表示画像を見て入力した乗員または運転者を含むユーザの情報を操作入力部10から受け付ける。例えば、表示処理部34は、撮像部15から障害物を含む車両1の周辺を撮像した撮像画像を取得する。表示処理部34は、予め設定された画像処理等によって、取得した撮像画像内の障害物を検知する。障害物は、他の車両、自転車で走行している人、歩行者、及び、浮遊しているゴミ等の自動運転中の車両1にとって走行の障害となり、回避する必要のあるものである。表示処理部34は、撮像画像、及び、検知できた障害物に障害物であることを示す指標を重畳させて、表示装置8に表示させる。
表示処理部34は、操作入力部10を介して、撮像画像内の検知できていない障害物を障害物として受け付けてもよい。表示処理部34は、受け付けた障害物に、障害物であることを示す指標を重畳させて表示させる。
表示処理部34は、操作入力部10を介して、障害物のいずれかを他の障害物より注視すべき注視対象として受け付けてよい。尚、表示処理部34は、検知できた障害物及びユーザから受け付けた障害物のいずれも注視対象として受け付けてよい。表示処理部34は、受け付けた注視対象の障害物の指標を、注視対象以外の障害物の指標と異ならせてよい。
表示処理部34は、操作入力部10を介して、車両1を操作するための操作内容を受け付けてよい。操作内容は、車間をつめる、追い越し、車線の移動等の自動運転における車両1の操作に関する情報である。
運転部36は、障害物に応じて車両1を自動運転する。例えば、運転部36は、注視対象以外の障害物及び注視対象の障害物のそれぞれに対応付けられて予め設定された制御内容に基づいて、車両1の自動運転を制御する。ここでいう、注視対象以外の障害物は、表示処理部34が検知した障害物及び表示処理部34がユーザから受け付けた障害物を含む。具体的には、運転部36は、注視対象以外の障害物に対応付けられた通常制御内容に基づいて、注視対象以外の障害物に対して車両1を自動運転する。運転部36は、表示処理部34が注視対象を受け付けた場合、注視対象の障害物に対応付けられた注視用制御内容に基づいて、注視対象の障害物に対して車両1を自動運転する。注視用制御内容は、例えば、通常制御内容に比べて厳しい設定であってよい。運転部36は、表示処理部34が車両1を操作するための操作内容を受け付けた場合、制御内容及び操作内容に基づいて、車両1を自動運転してよい。
記憶部32は、プログラム及びプログラムの実行に必要なデータを記憶する。例えば、記憶部32は、障害物検知用のプログラムを記憶する。記憶部32は、障害物検知用のプログラムの実行に必要な権限委譲区間、指標、制御内容、及び、操作内容に関するデータを記憶する。権限委譲区間に関するデータは、自動運転から手動運転へ切り替えるために運転者に運転の権限を委譲する区間の情報である。指標に関するデータは、撮像画像内の障害物に重畳させるマークの画像情報である。指標は、注視対象以外の障害物に重畳させる指標と、注視対象の障害物に対する指標とを含む。制御内容に関するデータは、自動運転中において、障害物が存在すれば停止する停止制御領域、障害物が存在すれば徐行する徐行制御領域、及び、障害物が存在すれば減速する減速制御領域を、車両1の位置に対して設定した情報である。制御内容は、注視対象以外の障害物に対する通常制御内容と、注視対象の障害物に対する注視用制御内容とを含む。操作内容に関するデータは、車間をつめる、追い越し、車線の移動等の自動運転における操作に関する複数の情報を含む。
図4は、障害物検知装置40の制御部30が実行する障害物検知処理のフローチャートである。制御部30は、障害物検知用のプログラムを読み込むことによって、障害物検知処理を実行する。
図4に示すように、障害物検知処理では、運転部36は、車両1を自動運転中か否かを判定する(S102)。運転部36は、自動運転中でないと判定すると(S102:No)、障害物検知処理を終了する。運転部36は、自動運転中と判定すると(S102:Yes)、権限委譲区間か否かを判定する(S104)。運転部36は、権限委譲区間でないと判定すると(S104:No)、表示処理部34へ委譲区間でない旨の判定結果を出力する。
表示処理部34は、当該判定結果を取得すると、撮像部15から取得した進行方向(例えば、前方)側の状況を撮像した撮像画像に障害物を示す指標を重畳させた表示画像を表示装置8に表示させる(S106)。
図5は、障害物54及び指標52を含む表示画像50の一例を示す図である。図5に示すように、表示処理部34は、撮像部15から前方の状況を撮像した撮像画像を取得した場合、当該撮像画像内に含まれる障害物54a、54bを検知する。障害物54a、54bの一例は、前方を走行する他の車両、自転車で走行している人等である。表示処理部34は、撮像画像内において検知できた障害物54a、54bに障害物54a、54bであることを示す指標52a、52bを重畳させて、図5に示す表示画像50を生成する。表示処理部34は、生成した表示画像50を表示装置8に表示させる。以下の説明において、障害物54a、54b等をそれぞれ区別する必要がない場合、障害物54と記載する。指標52a、52b等をそれぞれ区別する必要がない場合、指標52と記載する。尚、表示処理部34は、検知できない障害物54cには指標52を重畳させることができない。
表示処理部34は、表示画像50を表示させている状態で、障害物54の入力を受け付けたか否かを判定する(S108)。例えば、表示処理部34は、図5の表示画像50を表示させている状態で、操作入力部10から受け付けたユーザが指定した座標(例えば、シングルタップした座標)が、指標52が重畳されていない障害物54c上か否かで障害物54の入力を受け付けたか否かを判定する。表示処理部34は、操作入力部10から受け付けた座標が、道路上または指標52が重畳されている障害物54上等の場合、障害物54の入力を受け付けていないと判定して(S108:No)、ステップS110の処理を実行することなく、ステップS112の処理を実行する。
表示処理部34は、操作入力部10から受け付けた座標が、指標52が重畳されていない障害物54cの場合、障害物54cの入力を受け付けたと判定する(S108:Yes)。この場合、表示処理部34は、ユーザがタップした領域の座標に表示されている障害物54cの形状及び位置等の画像情報を記憶部32に記憶させて登録するとともに、当該障害物54c上に指標52を新たに重畳させた図6に示す表示画像50を生成して表示させる(S110)。
図6は、入力を受け付けた障害物54cに指標52cを新たに重畳させた表示画像50の一例を示す図である。表示処理部34は、図5に示す表示画像50を表示させている状態で、障害物54cの入力を受け付けると、当該障害物54cに指標52cを新たに重畳させた図6に示す表示画像50を生成して表示させる。
表示処理部34は、注視対象の障害物54の入力を受け付けたか否かを判定する(S112)。例えば、表示処理部34は、図6の表示画像50を表示させている状態で、操作入力部10から受け付けたユーザが指定した座標(例えば、ダブルタップした座標)が、いずれかの指標52の位置であるか否かで、注視対象の障害物54の入力を受け付けたか否かを判定する。表示処理部34は、ユーザが指定した座標がいずれの指標52の位置でもない場合、注視対象の障害物54の入力を受け付けていないと判定して(S112:No)、ステップS114、S116の処理を実行することなく、ステップS118の処理を実行する。
表示処理部34は、ユーザが指定した座標がいずれかの指標52の位置である場合、注視対象の障害物54aの入力を受け付けたと判定して(S112:Yes)、当該障害物54a上に注視対象としての指標52hを新たに重畳させた図7に示す表示画像50を生成して表示させる(S114)。
図7は、注視対象の指標52hを新たに重畳させた表示画像50の一例を示す図である。表示処理部34は、例えば、矢印で示すように周りを見回しながら自転車で走行している人を注視対象の障害物54aとして受け付けると、注視対象の障害物54aに、注視対象を示す指標52hを重畳させて表示させる。注視対象の指標52hは、注視対象以外の障害物54b、54cの指標52b、52cとは異なる。例えば、注視対象の障害物54aの指標52hは太線の円であって、注視対象以外の障害物54b、54cの指標52b、52cは細点線の円である。
運転部36は、表示処理部34が注視対象の障害物54aの指標52hを表示すると、注視対象の障害物54aに対する制御内容を変更する(S116)。
図8は、注視対象の以外の障害物54と注視対象の障害物54の制御内容の違いを説明する図である。矢印で示す方向を、自車である車両1の進行方向とする。運転部36は、注視対象以外の障害物54b、54cに対しては、図8の左側に示す通常制御内容60aに基づいて、自動運転する。通常制御内容60aは、自車である車両1に対して設定された停止制御領域FL1a、徐行制御領域FL2a及び減速制御領域FL3aを含む。停止制御領域FL1aに注視対象以外の障害物54b、54cが存在する場合、運転部36は、車両1を停止させる。徐行制御領域FL2aに注視対象以外の障害物54b、54cが存在する場合、運転部36は、車両1を徐行させる。減速制御領域FL3aに注視対象以外の障害物54b、54cが存在する場合、運転部36は、車両1を減速させる。
一方、運転部36は、いずれかの障害物54aが注視対象と設定されると、当該注視対象の障害物54aに対しては、図8の左側に示す通常制御内容60aから右側に示す注視用制御内容60bに変更して自動運転する。注視用制御内容60bは、自車である車両1に対して設定された停止制御領域FL1b、徐行制御領域FL2b及び減速制御領域FL3bを含む。停止制御領域FL1bに注視対象の障害物54aが存在する場合、運転部36は、車両1を停止させる。徐行制御領域FL2bに注視対象の障害物54aが存在する場合、運転部36は、車両1を徐行させる。減速制御領域FL3bに注視対象の障害物54aが存在する場合、運転部36は、車両1を減速させる。
ここで、注視用制御内容60bにおける停止制御領域FL1b、徐行制御領域FL2b及び減速制御領域FL3bは、通常制御内容60aにおける停止制御領域FL1a、徐行制御領域FL2a及び減速制御領域FL3aよりも大きい。特に、注視用制御内容60bにおける停止制御領域FL1b、徐行制御領域FL2b及び減速制御領域FL3bの進行方向側が、通常制御内容60aにおける停止制御領域FL1a、徐行制御領域FL2a及び減速制御領域FL3aの進行方向側よりも大きい。即ち、注視用制御内容60bは、通常制御内容60aよりも厳しい設定となっている。
表示処理部34は、車両1の操作内容を受け付けたか否かを判定する(S118)。表示処理部34は、表示画像50を表示させている状態で、操作入力部10から受け付けたユーザが指定(例えば、長押しによって指定)した座標がいずれかの指標52の位置である場合、後述する操作内容画像を表示する。表示処理部34は、操作内容画像が示す操作内容のいずれかをユーザが選択するか否かで、操作内容を受け付けたか否かを判定する。表示処理部34は、ユーザによる長押し等の指定がない場合、及び、ユーザによる操作内容画像の操作内容の選択がない場合、操作内容の入力を受け付けていないと判定して(S118:No)、ステップS120の処理を実行することなく、ステップS102以降の処理を再度実行する。
図9は、操作内容を受け付けるための操作内容画像62aの一例を示す図である。図9に示すように、表示処理部34は、指標52dが重畳された障害物54d(図9に示す例では土砂等を積載したダンプカー)を含む表示画像50を表示装置8に表示させている。この状態で、ユーザが表示画像50の障害物54dの位置を指定(例えば、長押しによって指定)すると、表示処理部34は当該障害物54dから吹き出す操作内容画像62aを表示画像50に重畳させる。例えば、操作内容画像62aは、“車間をあける”、“車間をつめる”、“追い越す”及び“追い抜く”等の操作内容を列挙した画像である。ユーザが操作内容画像62a内で列挙されている操作内容のいずれかをタップ等によって選択すると、表示処理部34は、操作内容を受け付けたと判定する(S118:Yes)。表示処理部34は、操作内容の入力を受け付けると、当該操作内容を運転部36へ出力する。
運転部36は、操作内容を表示処理部34から取得すると、当該操作内容に沿って、自動運転中の車両1を操作する(S120)。ここで、運転部36は、ユーザが操作内容を入力する際に選択した障害物54dの通常制御内容60aまたは注視用制御内容60bに沿った操作内容で車両1を操作することが好ましい。例えば、運転部36は、操作内容として“追い越す”を取得した場合、障害物54dが対象の制御内容60a、60bの減速制御領域FL3a、FL3bに進入しないように、障害物54dを追い越すことが好ましい。この後、表示処理部34及び運転部36は、ステップS102以降を繰り返す。
運転部36は、車両1が権利委譲区間内であると判定すると(S104:Yes)、表示処理部34は、障害物登録ゲームを実行する(S122)。例えば、運転部36は、図6に示す表示画像50から指標52を削除して、ユーザに障害物54を選択させて登録させる障害物登録ゲームを実行してよい。運転部36は、障害物登録ゲームを実行した後、運転者に運転の権限を委譲する(S124)。
これにより、表示処理部34及び運転部36は、障害物検知処理を終了する。
上述したように障害物検知装置40では、表示処理部34がユーザから注視対象の障害物54を受け付ける。運転部36は、注視対象以外の障害物54の通常制御内容60aと異なる例えば厳しい注視用制御内容60bに基づいて、注視対象の障害物54に対して自動運転を制御する。これにより、障害物検知装置40は、障害物54に応じて、例えば、大人及び前を見て自転車で走行している人等に比べて、子供、周辺を見ながら自転車で走行している人及び積載物の多い車両(例えば、ダンプカー)等のように注視しなければならない障害物54等に対して、より適切に車両1の自動運転を制御できる。
障害物検知装置40では、表示処理部34がユーザから障害物54を受け付けることにより、自動で検知できない障害物54を人の高い識別によって認識でき、運転部36は当該障害物54に応じて適切に車両1を自動運転できる。これにより、障害物検知装置40は、ユーザにより安心感を与えることができる。
障害物検知装置40では、表示処理部34が、操作内容画像62aが示す操作内容のいずれかをユーザから受け付ける。これにより、運転部36は、障害物54に応じた制御内容60a、60b及び操作内容画像62aから選択された操作内容に応じて、車両1を自動運転できる。
障害物検知装置40では、表示処理部34が、注視対象の障害物54の指標52を、注視対象以外の障害物54の指標52と異ならせるので、注視対象の障害物54と注視対象以外の障害物54とを識別可能に表示できる。
障害物検知装置40では、権限を委譲して手動運転に切り替える前に、障害物登録ゲームを実行するので、運転者の脳を覚醒させ、運転者の障害物54に対する意識を高め、手動運転の安全性を向上させることができる。
上述した実施形態の一部を変形した変形例につい説明する。
<第1変形例>
上述の実施形態では、表示処理部34が、注視対象の障害物54と注視対象以外の障害物54とに区別する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、表示処理部34は、注視対象の障害物54について、予め設定された複数の注視レベルのいずれかを受け付けてもよい。図10及び図11は、複数の注視レベルのいずれかを受け付けるための表示画像50の一例を示す図である。
図10に示すように、表示処理部34は、ユーザがタップ等によって選択した障害物54(図10に示す例では障害物54a)から吹き出すレベル選択画像64aを表示画像50に重畳させてもよい。レベル選択画像64aは、“第1レベル”、“第2レベル”、“第3レベル”、及び、“解除”を選択可能に構成されている。第1レベルは、低い注視レベルを示す。尚、第1レベルは、注視対象以外の障害物54のレベルとしてもよい。第2レベルは、中程度の注視レベルを示す。第3レベルは、高い注視レベルを示す。解除は、障害物54であることを解除することを示す。
ここで、運転部36は、第1レベル、第2レベル及び第3レベルを含む複数の注視レベルのそれぞれに対応付けられた制御内容に基づいて、車両1を自動運転することが好ましい。例えば、表示処理部34は、ユーザによる“第3レベル”の選択を受け付けると、当該障害物54の注視レベルを最も高い第3レベルに設定する。これにより、運転部36は、第3レベルに関連付けられた注視用制御内容によって、車両1を自動運転で制御する。これにより、障害物検知装置40は、複数の注視レベルに応じてより適切に車両1を自動運転できる。
図11に示すように、例えば、表示処理部34は、ユーザによる“解除”の選択を受け付けると、当該障害物54e(図11に示す例ではビニール袋)を障害物の登録から解除して、指標52eを表示画像50から削除する。これにより、運転部36は、解除された障害物54eを障害物ではないものとして、車両1を自動運転する。これにより、障害物検知装置40は、積載物の多い車両(例えば、ダンプカー)等を注視するとともに、ビニール袋のように注視する必要がほとんどない物を障害物の登録から解除することにより、自動運転における処理を低減することができる。
<第2変形例>
上述の実施形態では、表示処理部34は、操作内容を列挙した操作内容画像62aを表示して、操作内容を受け付ける例を示したが、これに限定されない。図12は、表示画像50に重畳させる変形例の操作内容画像62bの一例を示す図である。例えば、表示処理部34は、図12に示すように、操作内容を矢印及びドットで表示した操作内容画像62bを表示させて、操作内容を受け付けてもよい。図12に示す操作内容画像62bは、“左寄りを走行” させる操作内容を示す矢印、“車間を変更”させる操作内容を示す矢印、“追い越し”をさせる操作内容を示す矢印、“右車線に移動”させる操作内容を示す矢印、及び、“路肩に停車”させる操作内容を示すドットを含む。ユーザが、矢印、及び、ドットのいずれかをタップ、ピンチアウトまたはなぞる(いわゆる、スワイプ)等によって操作内容を入力すると、表示処理部34は、当該矢印、及び、ドットに関連付けられた操作内容を受け付けて、運転部36に出力する。運転部36は、当該操作内容に沿って、車両1を操作する。
<第3変形例>
上述の実施形態では、表示処理部34が他の車両及び人等の物体を障害物54として登録する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、表示処理部34は、静物等を含むエリアを障害物54として登録してもよい。図13は、エリアを障害物54fとして登録する例を説明する図である。表示処理部34は、図13に示す撮像画像を撮像部15から取得した場合、静物である曲がり角を含むエリアを障害物54fとして検知して登録し、表示画像50の障害物54f上に指標52fを重畳させてもよい。尚、表示処理部34は、ユーザの指示によって、曲がり角を含むエリアを障害物54fとして登録してもよい。
上述した実施形態の各構成の機能、接続関係、個数及び配置等は適宜変更してよい。実施形態及び変形例は適宜組み合わせてよい。フローチャートにおける各ステップの順序は適宜変更してよい。例えば、ステップS108、S112、S118は並列処理としてもよい。
上述の実施形態では、表示処理部34が、操舵部4に設けられた表示装置8に表示画像50を表示する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、表示処理部34は、ダッシュボード上の表示装置に表示画像50を表示させてもよく、フロントガラス等に表示画像50を投影して表示させてもよい。
上述の実施形態のユーザによるシングルタップ、ダブルタップ及び長押し等の操作は適宜変更してよい。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。