JP6839583B2 - 水中ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、水中ポンプに関し、特に、土木工事現場で使用される水中ポンプに関する。
土木作業現場では、湧水や雨水が溜まると、作業が困難となる。このため、湧水や雨水が溜まる箇所に水中ポンプが設置される。水中ポンプは、水を移動させる羽根車と、羽根車を駆動する電動機を備えている。電動機は、電動機収容容器内に密閉状態で収容される。また、電動機の焼損等を防止するために、電動機の固定子巻線の温度が設定値に達した場合に電動機の運転を停止させるサーマルプロテクターが設けられている。電動機の固定子巻線の温度が設定値に達してサーマルプロテクターが作動した場合には、一定期間運転を再開できないように構成されている。
ここで、例えば、湧水が発生する箇所では、水中ポンプを設置するとともに、常時運転状態とされる。そして、湧水が羽根車の位置まで溜まると、湧水が羽根車によって排水される。
水中ポンプに設けられている電動機は電動機収容容器内に密閉状態で収容されているため、電動機収容容器が水に浸っていない状態で運転されると、電動機の固定子巻線から発生する熱によって電動機収容容器内の温度が上昇し易くなる。電動機収容容器内の温度が上昇して電動機の固定子巻線の温度が上昇すると、サーマルプロテクターが作動し、水中ポンプの運転が一定期間停止される。
そこで、電動機収容容器内の温度が上昇するのを抑制し、電動機収容容器内の温度上昇に起因するサーマルプロテクターの作動を抑制することができる水中ポンプが提案されている。このような水中ポンプは、例えば、特許文献1(特開平11−75345号公報)に開示されている。特許文献1に開示されている水中ポンプでは、電動機の回転子の上方側の端部にフィンを設け、電動機の運転中、回転子に設けたフィンによって電動機収容容器内の上部の空気を循環させ、電動機収容容器内の温度が上昇するのを抑制している。
特開平11−75345号公報
特許文献1に開示されている水中ポンプでは、固定子コアのコア端面から飛び出ている、固定子巻線の部分(「コイルエンド」と呼ばれている)の周囲の空気および固定子コアのコア端面の周囲の空気を移動させることによって、コイルエンドおよび固定子コアを冷却している。
ここで、水中ポンプに用いられている電動機は、固定子巻線の占積率が48%〜58%と低く、スロット内に挿入されている固定子巻線同士の接触面積が小さい。なお、固定子巻線の占積率は、(スロットの断面積−スロット絶縁部材の断面積)に対する、スロット内に挿入されている固定子巻線の総断面積(=導体総断面積+絶縁皮膜総断面積)の割合で表される。このため、固定子巻線の占積率が高い場合に比べて、固定子巻線から発生する熱は、固定子巻線同士の接触部分を介して固定子コアに放熱し難い。すなわち、通常の水中ポンプにおいては、コイルエンドからの放熱特性が、電動機収容空間内の温度上昇に大きく影響する。
一方、固定子コアのコア端面から飛び出ているコイルエンドを長くすると、固定子巻線の抵抗が増大して電動機の効率が低下するため、通常は、コイルエンドの長さが短くなるように設計される。
このため、従来の電動機の構成では、電動機収容空間内の空気を循環させることによって電動機収容空間内の温度上昇を抑制する効果を高めるには限界があった。
本発明者は、水中ポンプにおける電動機収容空間内の温度の上昇を抑制する技術について種々検討した結果、コイルエンドの、軸方向に沿った長さ(「巻線高さ」)を適切に設定することにより、電動機の効率の低下を抑制しながら、コイルエンドの表面積(「放熱面積」)を増大させて、コイルエンドからの放熱特性を向上させることができることを見出した。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、簡単な構成で、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度の上昇を抑制することができる水中ポンプを提供することを目的とする。
本発明の水中ポンプは、駆動部と、ポンプ部と、カバーを備えている。
駆動部は、容器と、容器内に配置された電動機を有している。電動機は、固定子と回転子を有し、固定子は、固定子コアと、固定子コアに巻き付けられた固定子巻線を有し、回転子は、回転子コアと、回転子コアに取り付けられた回転軸を有している。固定子コアは、上方側に第1のコア端面を有し、下方側に第2のコア端面を有している。固定子コアに巻き付けられている固定子巻線は、第1のコア端面および第2のコア端面から飛び出ている部分(コイルエンド)を有している。回転子は、電動機の種類に応じた構成を有している。
ポンプ部は、駆動部の下方に配置される。ポンプ部は、電動機の回転軸に連結された羽根車を有している。羽根車は、流入口と吐出口の間に形成された流路内に設けられる。カバーは、駆動部の上方を覆うように配置され、駆動部の容器と水密に接続される。カバーと容器とによって、電動機を密閉状態で収容する電動機収容容器が形成される。
本発明では、カバーは、樹脂により形成されている。樹脂としては、好適には、強度および耐熱性が高いエンジニアリングプラスチック、より好適には、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等を含むスーパーエンジニアリングプラスチックが用いられる。また、容器は、ステンレスにより形成されている。また、固定子コアの外径(容器の内径)が、124mm〜126mmの範囲内に設定され、固定子コアの軸方向に沿った長さ(積厚)が、23mm〜37mmの範囲内に設定され、カバーの内径(カバー内側空間の径)Mが、119mm〜122mmの範囲内に設定され、カバーの内側に形成されるカバー内側空間の高さNが、48mm〜54mmの範囲内に設定され、電動機の回転数が、2850rpm〜3580rpmの範囲内に設定されている。また、固定子コアの、少なくとも上方側の第1のコア端面から飛び出ている固定子巻線(コイルエンド)の、軸方向に沿った長さ(巻線高さ)Hが、27mmと32mmの範囲内に([27mm≦H≦32mm]を満足するように)設定されている。巻線高さHが27mmより低いと、放熱量(放熱特性)が低下し、32mmより高いと、電動機の効率が低下する。
本発明では、樹脂製の容器と、ステンレス製のカバーの使用に対して、固定子コアの、少なくとも上方側のコア端面から飛び出ているコイルエンドの巻線高さを適切に調整することで、電動機の効率の低下を抑制しながら、放熱特性を向上させて、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
本発明の他の形態では、固定子巻線の占積率が48%と58%の範囲内である。固定子巻線の占積率は、(スロットの断面積−スロット絶縁部の断面積)に対する、スロット内に挿入されている固定子巻線の総断面積(=導体総断面積+絶縁皮膜総断面積)の割合で表される。
本形態では、固定子巻線の占積率が低い水中ポンプにおいて、電動機収容空間内の温度上昇を効果的に抑制することができる。
本発明の他の形態では、電動機として誘導電動機が用いられている。誘導電動機は、構造が簡単で、安価である。誘導電動機としては、好適には、土木工事現場等において電源を確保し易い単相誘導電動機が用いられる。勿論、三相誘導電動機を用いることもできる。
本形態では、保守が簡単で、堅牢であり、安価な水中ポンプを提供することができる。
本発明では、簡単な構成で、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
本発明の水中ポンプの一実施形態の概略構成を示す図である。 樹脂製のカバーとステンレス製の容器を用いた場合の、コイルエンドの巻線高さと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフである。 樹脂製のカバーとアルミ製の容器を用いた場合の、コイルエンドの巻線高さと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフである。 ステンレス製のカバーと容器を用いた場合の、コイルエンドの巻線高さと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフである。 アルミ製のカバーと容器を用いた場合の、コイルエンドの巻線高さと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明の水中ポンプの一実施形態10が図1に示されている。
本実施形態の水中ポンプ10は、駆動部20と、ポンプ部40と、カバー51とにより構成されている。駆動部20、ポンプ部40およびカバー51は、好適には、載置面に対して垂直(「略垂直」を含む)な方向、より好適には、鉛直方向(「略鉛直方向」を含む)に並べて配置される。本実施形態では、ポンプ部40は、駆動部20の下方に配置され、カバー51は、駆動部20の上方に配置される。
駆動部20は、容器21と、電動機30により構成されている。容器21は、ステンレスやアルミニウム等により形成され、断面が円形である筒状を有している。容器21の内側には、電動機30が配置される容器内側空間21aが形成されている。
電動機30は、固定子と回転子により構成されている。
固定子は、固定子コア31と、固定子コア31に巻き付けられた固定子巻線32を有している。固定子コア31は、複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成され、上方側に第1のコア端面31Aを有し、下方側に第2のコア端面31Bを有している。なお、固定子巻線32は、固定子コア31の第1のコア端面31Aおよび第2のコア端面31Bから飛び出ている部分(以下、「コイルエンド」という)を有している。
回転子は、回転子コア33と、回転子コア33に固定された回転軸34を有している。回転子コア33は、複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成されている。
回転子は、電動機30の種類に応じた構成を有する。本実施形態では、電動機30として誘導電動機が用いられている。誘導電動機は、保守が容易であり、堅牢であり、安価である。なお、土木工事現場等では、三相電源を確保するのが難しいため、好適には、電源が確保し易い単相誘導電動機が用いられる。
容器21の上方には第1の支持部材22が配置され、下方には第2の支持部材24が配置されている。電動機30の回転軸34は、第1の支持部材22に設けられている第1の軸受23と、第2の支持部材24に設けられている第2の軸受25によって回転可能に支持されている。
なお、第1の支持部材22には、軸方向(上下方向)に貫通している複数の孔22aが形成されている。第1の支持部材22に形成されている孔22aによって、第1の支持部材22の下方の空間(容器内側空間21a)と上方の空間(後述するカバー内側空間51a)が連通されている。
また、第1の支持部材22には、電動機30の固定子巻線32の温度が設定値に達した場合に、電動機30を電源から切断して水中ポンプ10を停止させるサーマルプロテクターや、単相誘導電動機で使用されるコンデンサ等の電気部品が配置される。
ポンプ部40は、ポンプ容器41と、羽根車44により構成されている。
ポンプ容器41の内側には、水を流す流路41aが形成されている。流路41aには、水が流入する流入口42と、水を吐出する吐出口43が設けられている。
羽根車44は、電動機30の回転軸34に連結されている。羽根車44が回転することによって、流入口42から水が流入され、吐出口43から水が吐出される。
カバー51は、樹脂、ステンレスやアルミニウム等により形成され、断面が円形である、有底の筒状を有している。カバー51を形成する樹脂としては、好適には、強度および耐熱性が高いエンジニアリングプラスチックが用いられる。より好適には、エンジニアリングプラスチックよりさらに耐熱性が高いスーパーエンジニアリングプラスチックが用いられる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂が用いられる。カバー51の内側には、カバー内側空間51aが形成されている。
カバー51は、駆動部20の上方を覆うように配置され、駆動部20の容器21に、水蜜性を確保することができるように接続される。カバー51と容器21とによって、電動機30を密閉状態で収容する電動機収容容器が形成される。なお、以下では、電動機収容容器の内側空間(容器内側空間21a+カバー内側空間51a)を「電動機収容空間」という。
なお、図示を省略しているが、ポンプ部40から駆動部20に水が漏洩するのを防止するシールが設けられている。
密閉されている電動機収容空間内においては、電動機30の固定子巻線32に電流が流れることによって発生する熱が電動機収容空間内の温度上昇の主要因である。ここで、固定子巻線32で発生した熱の放熱経路としては、固定子コア31および容器21を介して外部に放熱する放熱経路、固定子コア31の第1のコア端面31Aおよび第2のコア端面31Bから飛び出ているコイルエンドおよび固定子コア31から発生する熱によって温められた空気が電動機収容空間内を対流することによって放熱する放熱経路、温められた空気がカバー51に接触することにより、温められた空気の熱がカバー51を介して放熱する放熱経路が考えられる。
固定子コア31のコア端面から飛び出ているコイルエンドの、軸方向に沿った長さ(以下、「巻線高さ」という)が長くなると、固定子巻線の抵抗が増大し、電動機の効率が低下するため、通常は、コイルエンドの巻線高さを短くするように設計される。
本発明者は、電動機の効率低下の原因となるため敬遠されていたコイルエンドの巻線高さに着目して検討した。そして、コイルエンドの巻線高さを適切に設定することにより、固定子巻線32に発生した熱がコイルエンドから放熱する量、すなわち、コイルエンドの放熱面積を増大させて放熱特性を向上させることができるとともに、コイルエンドの巻線高さを長くすることによる電動機効率の低下を抑制することができることを見出した。
以下に、検討結果を示す。
なお、固定子コア31の、下方のコア端面31Bから飛び出ているコイルエンドから発生する熱によって温められた空気が、電動機30の、回転子と固定子との間の空隙等を介して電動機収容空間内を対流することによって放熱するが、上方のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドから発生する熱によって温められた空気が電動機収容空間内を対流することによる放熱量の方が大きい。したがって、固定子コア31の、上方側のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さについて検討した。
また、カバー51の材料によって、カバー51を介して外部に放熱する放熱量が変化することが考えられる。このため、カバー51の材料についても検討した。
また、容器21の材料によって、固定子コア31および容器21を介して外部に放熱される放熱量が変化することが考えられる。このため、容器21の材料についても検討した。
以下の検討結果は、固定子コア31の外径(容器21の内径)が124mm〜126mmの範囲内、固定子コア31の軸方向に沿った長さ(積厚)が23mm〜37mmの範囲内、カバー51の内径(内側空間51aの径)Mが119mm〜122mmの範囲内、カバー内側空間51aの高さNが48mm〜54mmの範囲内、電動機30の回転数が2850rpm〜3580rpmの範囲内に対するものである。
なお、電動機30の回転子が回転数2850rpm〜3580rpmの範囲内の回転数で回転する際の遠心力等により、電動機収容空間内において空気が循環する。勿論、特許文献1に開示されているように、回転子にフィンを設けて、電動機収容空間内の空気を強制的に循環させるように構成することもできる。
[カバー51と容器21の第1の組み合わせ]
カバー51の材料と容器21の材料の第1の組み合わせについて、固定子コア31の第1のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフが図2に示されている。
図2に示されているグラフは、カバー51がPPS樹脂により形成され、容器21がステンレスにより形成されている場合のものである。
なお、図2に示されている横軸は、コイルエンドの巻線高さH(mm)を示し、左側の第1縦軸は電動機の効率(%)を示し、右側の第2縦軸は水中ポンプの放熱量(W)を示している。また、図2において、実線のグラフは電動機の効率を示し、破線のグラフは水中ポンプの放熱量を示している。
また、コイルエンドの巻線高さHが大きくなると、固定子巻線の抵抗が増大し、それに伴って電動機の効率および発熱量が変化する。図2に示されている水中ポンプの放熱量のグラフは、コイルエンドの巻線高さに応じて変化する固定子巻線の発熱量を加味したグラフである。この点は、以下の図3〜図5のグラフにおいても同様である。
図2から、コイルエンドの巻線高さHが27mm以上の領域では、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合は小さいが、27mmより小さい領域では、27mm以上の領域に比べて水中ポンプの放熱量が少なく、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合が大きい(巻線高さが変化すると放熱特性が大きく変化する)ことが理解できる。これは、コイルエンドの巻線高さが27mmより小さい領域では、コイルエンドの巻線高さが高くなるにしたがって固定子巻線32の発熱量が増大するが、それ以上にコイルエンドからの放熱量(放熱面積)も増大するためであると考えられる。一方、コイルエンドの巻線高さが27mmを超えると、固定子巻線の発熱量の増加割合に対して、コイルエンドからの放熱量(放熱面積)の増加割合が低下するためであると考えられる。
また、コイルエンドの巻線高さHが32mm以下の領域では、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合は小さいが、32mmより大きくなると、32mm以下の領域に比べて電動機の効率が低下するとともに、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合が大きい(巻線高さが変化すると効率が大きく変化する)ことが理解できる。
なお、樹脂としてPPS樹脂以外のスーパーエンジニアリングプラスチックやエンジニアリングプラスチックを用いた場合も、図2に示されているグラフと同様の傾向を示す。
以上の点から、樹脂製のカバー51とステンレス製の容器21を用い、固定子コア31の、上方側のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHを27mmと32mmの範囲内([27mm≦H≦32mm])に設定することにより、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
[カバー51と容器21の第2の組み合わせ]
カバー51の材料と容器21の材料の第2の組み合わせについて、固定子コア31の第1のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフが図3に示されている。
図3に示されているグラフは、カバー51がPPS樹脂により形成され、容器21がアルミニウムにより形成されている場合のものである。
なお、図3に示されている横軸は、コイルエンドの巻線高さH(mm)を示し、左側の第1縦軸は電動機の効率(%)を示し、右側の第2縦軸は水中ポンプの放熱量(W)を示している。また、図3では、実線のグラフは電動機の効率を示し、破線のグラフは水中ポンプの放熱量を示している。
図3から、コイルエンドの巻線高さHが26mm以上の領域では、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合は小さい(巻線高さが変化しても放熱特性は大きく変化しない)が、26mmより小さい領域では、26mm以上の領域に比べて水中ポンプの放熱量が少なく(放熱特性が悪い)、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合が大きい(巻線高さが変化すると放熱特性が大きく変化する)ことが理解できる。
また、コイルエンドの巻線高さHが31mm以下の領域では、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合は小さい(巻線高さが変化しても効率は大きく変化しない)が、31mmより大きくなると、31mm以下の領域に比べて電動機の効率が低下するとともに、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合が大きい(巻線高さが変化すると効率が大きく変化する)ことが理解できる。
なお、樹脂としてPPS樹脂以外のスーパーエンジニアリングプラスチックやエンジニアリングプラスチックを用いた場合も、図3に示されているグラフと同様の傾向を示す。
以上の点から、樹脂製のカバー51とアルミニウム製の容器21を用い、固定子コア31の、上方側のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHを26mmと31mmの範囲内([26mm≦H≦31mm])に設定することにより、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
[カバー51と容器21の第3の組み合わせ]
カバー51の材料と容器21の材料の第3の組み合わせについて、固定子コア31の第1のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHと効率および放熱量との関係を示すグラフが図4に示されている。
図4に示されているグラフは、カバー51と容器21がステンレスにより形成されている場合のものである。
なお、図4に示されている横軸は、コイルエンドの巻線高さH(mm)を示し、左側の第1縦軸は電動機の効率(%)を示し、右側の第2縦軸は水中ポンプの放熱量(W)を示している。また、図4において、実線のグラフは電動機の効率を示し、破線のグラフは水中ポンプの放熱量を示している。
図4から、コイルエンドの巻線高さHが25mm以上の領域では、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合は小さい(巻線高さが変化しても放熱特性は大きく変化しない)が、25mmより小さい領域では、25mm以上の領域に比べて水中ポンプの放熱量が少なく、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合が大きい(巻線高さが変化すると放熱特性が大きく変化する)ことが理解できる。
また、コイルエンドの巻線高さHが30mm以下の領域では、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合は小さい(巻線高さが変化しても電動機の効率は大きく変化しない)が、30mmより大きくなると、30mm以下の領域に比べて電動機の効率が低下するとともに、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合が大きい(巻線高さが変化すると効率が大きく変化する)ことが理解できる。
以上の点から、ステンレス製のカバー51と容器21を用い、固定子コア31の、上方側のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHを25mmと30mmの範囲内([25mm≦H≦30mm])に設定することにより、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
[カバー51と容器21の第4の組み合わせ]
カバー51の材料と容器21の材料の第4の組み合わせについて、固定子コア31の第1のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHと電動機の効率および水中ポンプの放熱量との関係を示すグラフが図5に示されている。
図5に示されているグラフは、カバー51と容器21がアルミニウムにより形成されている場合のものである。
なお、図5に示されている横軸は、コイルエンドの巻線高さH(mm)を示し、左側の第1縦軸は電動機の効率(%)を示し、右側の第2縦軸は水中ポンプの放熱量(W)を示している。また、図5において、実線のグラフは電動機の効率を示し、破線のグラフは水中ポンプの放熱量を示している。
図5から、コイルエンドの巻線高さHが24mm以上の領域では、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合は小さい(巻線高さが変化しても放熱特性は大きく変化しない)が、24mmより小さい領域では、24mm以上の領域に比べて水中ポンプの放熱量が少なく(放熱特性が悪い)、巻線高さHの増加に対する水中ポンプの放熱量の増加割合が大きい(巻線高さが変化すると放熱特性が大きく変化する)ことが理解できる。
また、コイルエンドの巻線高さHが29mm以下の領域では、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合は小さい(巻線高さが変化しても電動機の効率は大きく変化しない)が、29mmより大きくなると、29mm以下の領域に比べて電動機の効率が低下するとともに、巻線高さHの増加に対する電動機の効率の減少割合が大きい(巻線高さが変化すると電動機の効率が大きく変化する)ことが理解できる。
以上の点から、アルミニウム製のカバー51と容器21を用い、固定子コア31の、上方側のコア端面31Aから飛び出ているコイルエンドの巻線高さHを24mmと29mmの範囲内([24mm≦H≦29mm])に設定することにより、電動機の効率の低下を抑制しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
以上のように、電動機が配置される容器の材料と、電動機を覆うように容器の上方に配置され、容器とともに、電動機を密閉状態で収容する電動機収容容器を形成するカバーの材料に対して、電動機の固定子コアに巻き付けられている固定子巻線の、固定子コアの、上方側のコア端面から飛び出ている部分(コイルエンド)の、軸方向に沿った長さ(巻線高さ)を適切に設定することにより、電動機の効率の低下を防止しながら、電動機収容容器内の温度上昇を抑制することができる。
本発明の構成は、好適には、固定子巻線の占積率が48%と58%の範囲内である電動機を用いている水中ポンプにおける電動機収容空間内の温度上昇を効果的に抑制することができる。勿論、本発明の構成は、種々の水中ポンプに用いることができる。なお、固定子巻線の占積率は、(スロットの断面積−スロット絶縁部の断面積)に対する、スロット内に挿入されている固定子巻線の総断面積(=導体総断面積+絶縁皮膜総断面積)の割合で表される。
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施形態では、固定子コアの、上方側のコア端面から飛び出ているコイルエンドの巻線高さを設定したが、下方側のコア端面から飛び出ているコイルエンドの巻線高さも設定することができる。この場合には、固定子コアの両端面から飛び出ているコイルエンドを用いて放熱量を増大させることができる。
電動機の回転軸を第1の軸受と第2の軸受により支持したが、1つの軸受で支持(片持ち支持)してもよい。
電動機としては、好適には誘導電動機が用いられるが、誘導電動機以外の電動機を用いることもできる。
駆動部の構成やポンプ部の構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。
本発明の水中ポンプは、好適には、土木工事現場で用いられるが、土木作業現場以外の場所で使用することもできる。
10 水中ポンプ
20 駆動部
21 容器
21a 容器内側空間
22 第1の支持部材
22a 孔
23 第1の軸受
24 第2の支持部材
25 第2の軸受
30 電動機
31 固定子コア
32 固定子巻線
33 回転子コア
34 回転軸
40 ポンプ部
41 ポンプ容器
41a 流路
42 流入口
43 吐出口
44 羽根車
51 カバー
51a カバー内側空間

Claims (3)

  1. 駆動部と、ポンプ部と、カバーを備え、
    前記駆動部は、容器と、前記容器内に配置された電動機を有し、
    前記電動機は、固定子コアおよび前記固定子コアに巻き付けられた固定子巻線を有する固定子と、回転子コアおよび前記回転子コアに取り付けられた回転軸を有する回転子により構成され、
    前記ポンプ部は、前記駆動部の下方に配置されているとともに、前記回転軸に連結された羽根車を有し、
    前記カバーは、前記電動機の上方に配置され、前記容器とともに、前記電動機を密閉状態で収容する電動機収容容器を形成する水中ポンプであって、
    前記固定子コアは、上方に第1のコア端面を有しているとともに、下方に第2のコア端面を有し、
    前記カバーは、樹脂により形成され、
    前記容器は、ステンレスにより形成され、
    前記固定子コアの外径が、124mm〜126mmの範囲内に設定され、
    前記固定子コアの軸方向に沿った長さが、23mm〜37mmの範囲内に設定され、
    前記カバーの内径Mが、119mm〜122mmの範囲内に設定され、
    前記カバーの内側に形成されるカバー内側空間の高さNが、48mm〜54mmの範囲内に設定され、
    前記電動機の回転数が、2850rpm〜3580rpmの範囲内に設定され、
    前記固定子コアの前記第1のコア端面および前記第2のコア端面のうちの少なくとも前記第1のコア端面から飛び出ている、前記固定子巻線の部分の、軸方向に沿った長さHが、27mmと32mmの範囲内に設定されていることを特徴とする水中ポンプ。
  2. 請求項1に記載の水中ポンプであって、
    前記固定子巻線の占積率が48%と58%の範囲内であることを特徴とする水中ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の水中ポンプであって、
    前記電動機として誘導電動機が用いられていることを特徴とする水中ポンプ。
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