JP6837984B2 - 遺伝子治療用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子治療用組成物に関し、特に、特定のアポトーシス誘導遺伝子を癌細胞へ導入することにより癌細胞のアポトーシス活性を促すための遺伝子治療用組成物、および該遺伝子治療用組成物を癌細胞へ移送するためのリポソームベクターおよびその形成方法に関する。
従来より、癌治療の医療現場では、放射線療法をはじめとする様々な抗癌療法や、抗癌剤等の化学療法、その他手術療法が行われており、様々な療法や抗癌剤が研究され開発されている。現在の日本においては、2人に1人が癌に罹患し、3人に1人が癌により死亡しているという事実がある。癌は1個の細胞が複数の発癌に係る遺伝子異変を蓄積することにより発生し、他の臓器への転移等により宿主を死に至らしめる。
現在、癌治療の現場では、三大療法(手術療法、化学療法、放射線療法)が行われている。これらの抗癌治療には副作用が生じることが知られており、患者の肉体的負担をいかに軽減するかが課題となっている。特に、抗癌剤による化学療法では、吐き気、脱毛、白血球の減少など様々な副作用が生じるため、患者の負担が大きいという問題点があった。
また、手術療法もまた患者に負担がかかってしまうという問題点があった。更に、放射線療法は、患部を視認可能に撮影した画像等から確認し得る腫瘍をターゲットとした対症療法であるが、手術療法や放射線療法を実施した場合であっても、少なからず血行性移転やリンパ節移転を起こす。
これらの各療法は、何れも遺伝子異変によって引き起こされた可視範囲内の腫瘍に対する対症療法に過ぎないため、癌を根治することが困難という問題点があった。
遺伝子治療とは、異常な遺伝子を持っているため機能不全に陥っている細胞の欠陥を、遺伝子あるいは遺伝子を導入した細胞を投与することにより修正して遺伝子異常を減らすことで癌を治療する療法であり、様々な遺伝子を用いた療法が開発されている。
例えば、特表2010−537973号公報(特許5529021号)では、臍帯血由来の間葉系幹細胞を含む遺伝子治療用の組成物であって、脳腫瘍の診断、予防、治療、または治療経過モニタリングのための組成物またはキットに関する技術が開示されている。ここでは、サイトカインやインターロイキン遺伝子を用いたアポトーシス誘導因子遺伝子からなる抗腫瘍遺伝子を用いて癌細胞のアポトーシスを誘導・促進することにより、脳腫瘍を治療可能とする旨が示唆されている。
しかしながら、この技術によれば確かに脳腫瘍(癌)を的確に消滅させることが可能となるが、患者の体質や癌の種類、進行状況等に応じた組成物の選択、すなわちカスタマイズを行う観点からでは不十分であった。また、抗腫瘍遺伝子を癌細胞で的確に導入するためのベクターが必要となるが、この点からも、不十分であった。
遺伝子治療を行う上では、アポトーシス誘導遺伝子を正確に癌細胞へ導入するためのベクターが必要となり、また、効果的に癌細胞のアポトーシス活性を促す組成物が要求される。これらの問題点を解消した遺伝子異常を回復させるための遺伝子治療用組成物の開発が待たれていた。
特表2010−537973号公報
本発明は上記問題を解決するために、複数の遺伝子の組み合わせからなるアポトーシス誘導遺伝子を癌細胞へ導入することにより癌細胞のアポトーシス活性を促す遺伝子治療用組成物であって特にRAS、MAP2K5、MAP3K10、RAFの過剰発現が認められた場合であっても、MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制する腫瘍増殖抑制効果を得ることを実現した遺伝子治療組成物、および該遺伝子治療用組成物を癌細胞へ導入するためのリポソームベクターを提供することを目的とする

上記の目的を達成するために本発明に係る遺伝子治療用組成物は、抗腫瘍遺伝子がアポトーシス誘導遺伝子からなる、癌の予防および/または治療用の遺伝子治療用組成物であって、前記アポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子からなる構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の各遺伝子の含有量が等量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、アポトーシス誘導の活性化を図るため、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子が、FUS−1の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、MDM2の活性化を抑制するとともにp53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図るため、p53の遺伝子およびFUS−1の遺伝子が、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、非p53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図るため、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子およびTRAILの遺伝子が、IL−24の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、p53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図るため、p53の遺伝子が、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制するため、FUS−1の遺伝子が、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の2倍乃至5倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、メラノーマに対する抗腫瘍効果を得るため、IL−24の遺伝子が、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子およびTRAILの遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、肺癌および/または乳がんに対する抗腫瘍効果を得るため、FUS−1の遺伝子およびIL−24の遺伝子が、p53の遺伝子およびTRAILの遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、血管新生抑制作用および放射線療法への感受性を上げるため、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子が、p53の遺伝子およびFUS−1の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記アポトーシス誘導遺伝子は、化学療法との併用による抗腫瘍効果および副作用の軽減のため、p53の遺伝子およびTRAILの遺伝子が、FUS−1の遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量である構成である。
また、前記遺伝子治療用組成物は、更にp16の遺伝子および\またはp21の遺伝子を含有し、各遺伝子の含有量が等量である構成でもある。
また、前記遺伝子治療用組成物は、癌細胞をターゲットとするカチオン性脂質およびヘルパー脂質のリポソームからなる遺伝子治療用リポソームベクターによってカプセル化した構成である。
また、前記リポソームは、内部空洞を有する単層膜からなるとともに、該膜はリガンドが付着されたカプセル状のベクターからなり、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールを含有する単層薄膜の化合物からなる構成である。
また、前記遺伝子治療用組成物は、更に、癌原遺伝子をプラスミド化した遺伝子と、サイトカイン遺伝子とからなる構成である。
更に、前記サイトカイン遺伝子は、IL−12の遺伝子またはIL−18の遺伝子からなる構成である。
また、本発明に係る遺伝子治療用リポソームの形成方法はジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールをクロロホルム中で混合して脂質溶液を生成する混合工程と、生成された前記溶液を乾燥して薄膜を生成する被膜生成工程と、生成された前記薄膜を真空維持する真空工程と、前記薄膜を水またはデキストロースまたはボルテックスを添加して再懸濁する再懸濁工程と、前記懸濁した懸濁体を4℃で培養する培養工程と、前記懸濁液または培養した懸濁液からリポソームを形成するために超音波照射処理を行う超音波工程と、生成するリポソームのサイズと同寸のポリカーボネートフィルターによりリポソームを押出し形成する形成工程と、からなる構成である。
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果を奏する。
1.アポトーシス誘導遺伝子として、p53、FUS−1、TRAILおよびIL−24の各遺伝子を選択したため、効果的な癌細胞のアポトーシス活性を促すことが可能となる。
2.アポトーシス誘導遺伝子として、p53、FUS−1、TRAILおよびIL−24の各遺伝子を等量に混成したため、患者に急激なインパクトを与えることなく体に慣らすことが可能になるとともに、以後の治療において混成投与する前記各遺伝子の量の見極めを行う事が可能となる。
3.アポトーシス誘導遺伝子として、p53、TRAILおよびIL−24の各遺伝子を、FUS−1の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、アポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となる。
4.アポトーシス誘導遺伝子として、p53およびFUS−1の遺伝子を、TRAILおよびIL−24の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、MDM2の活性化を抑制し、p53依存性のアポトーシス誘導の活性化することが可能となる。
5.アポトーシス誘導遺伝子として、p53、FUS−1およびTRAILの遺伝子を、IL−24の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、p53の遺伝子に依存しないアポトーシス誘導を活性化することが可能となる。
6.アポトーシス誘導遺伝子として、p53の遺伝子を、FUS−1、TRAILおよびIL−24の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、p53の遺伝子に依存したアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となる。
7.アポトーシス誘導遺伝子として、FUS−1の遺伝子を、p53、TRAILおよびIL−24の遺伝子の2倍乃至5倍量ほど含有する構成としたため、MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制することが可能となる。
8.アポトーシス誘導遺伝子として、IL−24の遺伝子を、p53、FUS−1およびTRAILの遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、メラノーマに対する抗腫瘍効果を得ることが可能となる。
9.アポトーシス誘導遺伝子として、FUS−1およびIL−24の遺伝子を、p53およびTRAILの遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、肺癌および/または乳がんに対する抗腫瘍効果を得ることが可能となる。
10.アポトーシス誘導遺伝子として、p53およびTRAILの遺伝子を、FUS−1およびIL−24の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、化学療法との併用による抗腫瘍効果を得ることが可能になるとともに、副作用を軽減することが可能となる。
11.アポトーシス誘導遺伝子として、TRAILおよびIL−24の遺伝子を、p53およびFUS−1の遺伝子の倍量ほど含有する構成としたため、血管新生抑制作用および放射線療法への感受性を上げる効果を得ることが可能となる。
12.遺伝子治療用組成物として、更にp16の遺伝子とp21の遺伝子を含有させた上で、各遺伝子を等量に含有する構成としたため、あらゆる癌細胞のアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となる。
13.各種遺伝子からなる遺伝子治療用組成物をリポソームからなる遺伝子治療用リポソームベクターによってカプセル化したため、遺伝子治療用組成物の安定性を確保可能となるとともに、確実に標的腫瘍細胞へ遺伝子治療用組成物を送達することが可能となる。
14.リポソームを内部空洞を有する単層膜からなる構成としたため、内部に遺伝子治療用組成物を格納したベクターを構成することが可能となる。
15.遺伝子治療用組成物として、更に癌原遺伝子をプラスミド化した遺伝子と、サイトカイン遺伝子とからなる構成としたため、腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導することが可能となる。
16.サイトカイン遺伝子として、IL−12またはIL−18の遺伝子を選択したため、効果的なアポトーシスを誘導することが可能となる。
17.超音波照射処理によって懸濁液からリポソームを形成するため、200nm程度のサイズのリポソームを形成することが可能となる。
以下、本発明に係る遺伝子治療用組成物を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、アポトーシス誘導遺伝子の組み合わせを示す一覧である。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、主に抗腫瘍遺伝子の作用によって癌を予防および/または治療するための組成物であり、該組成物をベクターを介することにより、腫瘍(癌細胞)に直接導入し、癌細胞を死滅させることにより治療を行うための組成物である。
前記抗腫瘍遺伝子は、アポトーシス特性を有するアポトーシス誘導遺伝子から構成されている。すなわち、アポトーシス誘導特性を有する遺伝子を癌細胞に導入することにより、癌細胞の自然死(自己死)を誘発して癌細胞を消滅させる構成である。すなわち、癌の予防および/または治療用の組成物からなる遺伝子治療用組成物を提供する事が出来る。
前記アポトーシス誘導遺伝子は、本実施例では、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の4種類の遺伝子を全て含む組成からなる構成である。これらの誘導遺伝子は、何れも癌抑制遺伝子であり、これらを用いた癌細胞殺傷治療において抗腫瘍効果が高い事が実験により確認されたものである。本発明は、これら4種類の遺伝子を常に全て含んだ組成物であって、さらに、含有する割合(重量パーセント)を変更する事によりそれぞれ異なる特性の組成物となる事を解明追求している。
p53の遺伝子は、代表的な癌抑制遺伝子であり、小児期および成人期に様々な臓器で悪性腫瘍を多発するリスクとなる遺伝性疾患である、リ・フラウメニ(Li−Fraumeni)症候群の責任遺伝子である。実験においても、p53遺伝子を喪失させたp53欠損マウスは生後早い段階で高頻度で腫瘍の発生がみられる事などから、癌抑制に重要な因子であることが実験的に証明されている。p53は、DNA損傷や様々なストレスによって誘導され、細胞の核内で転写活性化因子として機能する。
p53は、DNA損傷刺激を受けた細胞において活性化し、細胞周期のチェックポイントの働きをコントロールして細胞分裂を停止するとともに、その間にDNAの修復を促すことにより、DNAの変異を抑制する。この過程において、修復しきれない細胞であれば、アポトーシス(細胞死)を誘導して排除することにより、遺伝子の異変を防いでいる。p53は機能が欠失すると染色体が不安定になる事が実験から明らかになっている。また、正常細胞に癌遺伝子を発現させると、p53依存性のアポトーシスや細胞老化の誘導が起こる事が実験から明らかになっており、癌遺伝子の活性化した細胞を排除する事により、癌化を抑制していることが明らかとなっている。
FUS−1の遺伝子は、ヒト染色体3p21.3領域に存在する癌抑制遺伝子であり、多くの癌で早期にFUS−1の対立遺伝子(対立形質を規定する個々の遺伝子)の消失や変異が認められるものであり、特に、肺癌、肺腫瘍、乳癌においてFUS−1タンパクの消失や現象が認められるものである。FUS−1は、ミトコンドリア依存のApaf−1関連経路の活性化や、EGFR、PDGFR、AKT、c−Abl、c−Kitを含むチロシンキナーゼタンパクの機能の抑制により、癌細胞をアポトーシスへと誘導することが明らかになっている。
正常な細胞では、アポトーシス刺激やストレス等によりFUS−1が活性化し、内因性のミトコンドリアのアポトーシスを活性化する。また、FUS−1の活性化は、MDM2遺伝子によるp53の活動の抑制をブロックし、p53依存性のアポトーシスを高めるという特性がある。
FUS−1の遺伝子は、MDM2の発現およびEGFRの異変による細胞増殖を抑制する機能を持つ遺伝子である。MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制する。FUS−1遺伝子は、肺癌や乳癌に対する抗腫瘍効果を有する事が分かっている。
TRAILの遺伝子は、デスレセプターを介して細胞をアポトーシスへ導く特性を持つ遺伝子である。TRAIL遺伝子は、様々な腫瘍細胞、異変を起こした細胞を選択的にアポトーシスへと導き、正常細胞に対しては働かないため、癌治療に特化した遺伝子として活用する事が可能である。TRAIL遺伝子は、TNFレセプターファミリーのメンバーと相互に影響し合うホモ三量体のリガンドである。
IL−24(インターロイキン−24)の遺伝子は、第一染色体長腕(1p32)に存在し、メラノーマ、乳癌、肺癌などを含む多種類の癌細胞に対して増殖抑制作用とアポトーシス誘導作用を発揮する遺伝子である。IL−24は、正常細胞に対しては作用せず、また、癌細胞の放射線に対する感受性を増強する作用を有する。IL−24は、メラノーマや肺癌や乳癌に対する抗腫瘍効果を発揮する。また、血管新生抑制作用を有することが知られている。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、遺伝子診断で得られた遺伝子異常や診断名、転移の有無などの情報を基にして、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の4種類の遺伝子の含有量を特定することにより配分を決定している。本発明の一実施例では、アポトーシス誘導遺伝子を構成する上記p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子を、それぞれ等量となるように含有する構成としている。このように、各遺伝子を等量に混成することにより、治療薬の体に対するインパクトを抑制して慣らすための組成物を構成することが可能となる。また、投与量を調整することにより、遺伝子治療用組成物の効果をバランスよく高めることが可能となる。また、MDM2等の様々な遺伝子の発現を監視することで、次にどのような配分で上記各遺伝子を含有させるかを決定することが可能となる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物の他の実施例として、アポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子をFUS−1の遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。上記の各遺伝子を等量に含有した遺伝子治療用組成物を使用したとき、p53変異が認められると、p53を増量投与するとともにp53非依存性のアポトーシス誘導を促進する必要が生ずる。この場合、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子をFUS−1の遺伝子の倍量含有させることにより、p53並びにp53非依存性のアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となり、より効果的な遺伝子治療用組成物の提供が可能となる。
また、本発明に係る更に他の実施例では、遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子およびFUS−1の遺伝子を、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量含有する構成としている。上記各遺伝子を等量に含有した遺伝子治療用組成物を使用したとき、MDM2、AKT1(活性型キナーゼ)、EGFRの何れかの過剰発現が認められると、細胞増殖の抑制やアポトーシス誘導を図る必要が生ずる。FUS−1の遺伝子を、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量含有させることにより、MDM2の発現を抑制しp53依存性のカスパーゼ経路を活性化することができ、癌細胞をアポトーシスへ誘導する事が可能となる。また、FUS−1の増量により、EGFRの異変による細胞増殖を抑制することが可能となるため、腫瘍増殖抑制効果が期待できる。更に、MDM2、AKT1、EGFRの過剰発現はp53のアポトーシス誘導の抑制による癌細胞の増殖に影響を与えるため、p53を増量することにより、p53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となり、より効果的な遺伝子治療用組成物の提供が可能となる。
更にまた、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子およびTRAILの遺伝子を、IL−24の遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。前記遺伝子治療用組成物を使用したとき、BCL2の過剰発現が認められると、抗アポトーシス活性を抑制する必要が生じる。このため、p53およびFUS−1の遺伝子を倍量含有させることにより、前述のように、癌細胞をアポトーシスへ誘導する事が可能となるとともに、腫瘍増殖抑制効果が期待できる。更に、TRAILの遺伝子を倍量含有することにより、非p53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となり、より効果的な遺伝子治療用組成物の提供が可能となる。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子を、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。前記遺伝子治療用組成物を使用した際に、APC遺伝子のメチル化や、癌抑制遺伝子であるBRCA−1やBRCA−2の変異が認められると、p53依存性のアポトーシス活性を高める必要が生ずる。このため、p53の遺伝子を他に比して倍量含有させることにより、p53依存性のアポトーシス誘導の活性化を図ることが可能となる。この場合、p53の遺伝子は、他の遺伝子と比べて2倍以上含有することが望ましい。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、FUS−1の遺伝子を、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子の2倍乃至5倍量含有する構成とすることが可能である。前記遺伝子治療用組成物を使用した際に、RAS(H−RAS、K−RAS、N−RAS)、MAP2K5、MAP3K10、RAF(B−RAF、A−RAF)の何れかの過剰発現が認められると、MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制する必要が生ずる。このため、上記過剰発現した数に応じてFUS−1を2倍乃至5倍量含有する構成となっている。本実施例では、1個の過剰発現で2倍、3個までの過剰発現で3倍、5個までの過剰発現で4倍、5個を超える過剰発現で5倍へ増量する構成である。これにより、腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、IL−24の遺伝子を、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子およびTRAILの遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。本実施例では、前記遺伝子治療用組成物を使用した際に、VEGF−Aの過剰発現が認められると、血管新生抑制作用が期待できるため、IL−24の遺伝子を倍量含有する構成となっている。これにより、血管の新生による癌組織の成長や転移を防ぐことが可能となる。また、IL−24の遺伝子はメラノーマに対する抗腫瘍効果を発揮することから、IL−24の遺伝子を倍量含有することにより、癌細胞のアポトーシス誘導や腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、FUS−1の遺伝子およびIL−24の遺伝子を、p53の遺伝子およびTRAILの遺伝子の倍量含有する構成である。FUS−1およびIL−24の遺伝子は、肺癌や乳癌に対する抗腫瘍効果が期待できる。そのため、本実施例では、臨床診断名が肺癌および/または乳癌である場合、FUS−1およびIL−24の遺伝子を倍量含有する構成となっている。これにより、特に肺癌および乳癌に対する癌細胞のアポトーシス誘導や腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子を、p53の遺伝子およびFUS−1の遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。転移巣がある場合や放射線療法を併用している場合、本実施例では、TRAILおよびIL−24の遺伝子を倍量含有する構成となっている。この構成とする事により、血管新生抑制作用が期待できるとともに、放射線療法への感受性を上げることが可能になるという効果があるため、癌が進行した場合において、より効果的な癌細胞のアポトーシス誘導や腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
また、本発明に係る遺伝子治療用組成物のアポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子およびTRAILの遺伝子を、FUS−1の遺伝子およびIL−24の遺伝子の倍量含有する構成とすることが可能である。この構成とすることにより、化学療法との併用による抗腫瘍効果が期待できるとともに、副作用を軽減することが可能となる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、更にp16の遺伝子および\またはp21の遺伝子を含有する構成とすることが可能である。p16の遺伝子は、癌抑制遺伝子であり、細胞周期の調整に重要な役割を果たす。p16の遺伝子の変異は、様々な癌、特にメラノーマの発生のリスクを高める。また、p21の遺伝子は、細胞周期の回転に影響を与えるサイクリン依存性キナーゼを阻害して細胞周期が進行するのを阻害する遺伝子である。これらを他の遺伝子と等量含有することにより、癌細胞のアポトーシス誘導や腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、遺伝子治療用リポソームベクターによってカプセル化した構成とすることが可能である。本発明の遺伝子治療用組成物は、非ウイルスベクターであるリポソームによってカプセル化され、ターゲットである癌細胞に直接導入される構成となっている。
遺伝子治療用リポソームベクターは、カチオン性脂質およびヘルパー脂質のリポソームからなり、内部空洞を有する単層薄膜の化合物によって構成されるカプセル状のベクターからなる。このリポソームは、本実施例では、直径70nm乃至100nm未満となっており、内空は平均50nmとなっている。この内部空洞にはプラスミドまたは遺伝子治療用組成物等の遺伝子が格納される構成である。
上記リポソームの単層膜には、リガンドが付着されている。これにより、特定のレセプター(癌細胞)への結合が期待でき、より効果的に遺伝子治療用組成物をターゲットである癌細胞へ導入することが可能となる。
このリポソームは、本実施例では、少なくともジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールを含有しており、これらによる膜融合を助けるための脂質としてカチオンで形成されている。その他、ホスファジルエタノールアミン等を含有する構成とすることが可能である。
この構成とすることにより、遺伝子治療用組成物の安定性を確保することが可能となるとともに、細胞外のあらゆる障害から遺伝子治療用組成物を保護することが可能となり、確実にターゲットである癌細胞に治療用DNAまたはRNA(遺伝子治療用組成物)を導入することが可能となる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、更に、癌原遺伝子をプラスミド化した遺伝子を含有させる構成とすることが可能である。遺伝子診断で得た癌原遺伝子をプラスミド化する事によりプラスミドが細胞の核内に取り込まれ、DNAから転写・翻訳のプロセスを経て内在性抗原としてタンパク質が生成される。その後、MHCクラス1分子によって抗原提示され、癌細胞の拒絶が起こり、キラーT細胞による細胞障害がおこる。また、内在性抗原としてのタンパクを持った細胞がアポトーシスを起こし、内在性抗原が細胞外へ放出されることにより、樹状細胞などの貪食細胞によって貪食され、MHCクラス2分子を介してヘルパーT細胞に提示される。これにより、キラーT細胞やマクロファージの活性化および抗体の量産が行われることになり、いわゆるDNAワクチンとして癌細胞の減少や腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
また、遺伝子治療用組成物として更にサイトカイン遺伝子を含有させることが可能である。サイトカイン遺伝子として、本実施例では、IL−12の遺伝子またはIL−18の遺伝子を含有する構成となっている。IL−12は、T細胞や自然免疫の主要因子として働くナチュラルキラー細胞(NK細胞)に対して細胞増殖の促進、細胞障害活性誘導などの作用を示す。このような細胞性免疫機能の役割を有することから、IL−12は、感染防御や抗癌療法、免疫不全症の改善などにおいて効果が期待できる。
また、IL−18は、毒物刺激に応答するINF−γの量産に関連する遺伝子であり、マクロファージを刺激して細菌を貪食殺菌させるものでもある。このような役割を有するため、IL−18は、感染防御、抗癌療法などにおいて効果が期待できる。
NK細胞は、IL−12やIL−18のようなサイトカインの刺激により、Fasリガンドを発現する。Fasリガンドは、標的細胞の膜を貫通するFas受容体を三量体化することでシグナルを伝達することによりアポトーシスを誘導するサイトカインであり、細胞死誘導性のTHF受容体ファミリー分子でありFasを発現している腫瘍細胞にアポトーシスを誘起する。すなわち、癌細胞の減少および腫瘍増殖抑制効果が期待できる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、NK細胞とともに導入することにより、より高い効果が期待できることが分かっている。NK細胞は、MHCクラス1分子の発現低下のためT細胞による免疫監視を逃れる異常細胞を選択的に除去する。しかしながら、MHCクラス1分子を発現していない一部の腫瘍細胞株や正常細胞は必ずしもNK感受性ではないため、通常のNK細胞を培養して癌細胞に導入しても、抗腫瘍効果という面では、NK細胞は活性化しない虞があった。本実施例では、遺伝子診断に基づき、体外で癌原遺伝子をNK細胞に導入することで、癌細胞に発現しているタンパク(癌抗原、リガンド)に対する表面レセプターをNK細胞に発現でき、例え癌細胞がMHCクラス1分子を持っていたとしても、活性化NK受容体リガンドに結合する受容体が発現することになるため、NK細胞は特異的に癌細胞を殺傷することが可能となり、より効果的に癌細胞の減少や腫瘍増殖抑制を行う事ができる。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、更に、樹状細胞とともに導入することが可能である。樹状細胞は抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種であり、自分が取り込んだ抗原を他の免疫系の細胞に伝える役割をもっている。抗原を取り込むと樹状細胞は活性化し、リンパ節や脾臓などの二次リンパ器官に移動する。リンパ器官では、取り込んだ抗原に特異的なT細胞を活性化する。この活性化は効率的であるため、T細胞の活性化において、樹状細胞はマクロファージよりも優れていると言える。本実施例では、遺伝子診断により得られた癌原遺伝子を抗原として、プラスミドをリポソームに入れて樹状細胞へ導入している。これにより、癌組織の摘出が不要となるという利点がある。
本発明に係る遺伝子治療用組成物は、上記NK細胞または樹状細胞と一緒に導入することが可能であり、NK細胞および樹状細胞の両方とともに導入することも可能である。また、更に癌原遺伝子をプラスミド化した遺伝子(DNAワクチン)やサイトカイン遺伝子とともに導入することで、高い抗腫瘍効果が期待できる。
次に、本発明に係る遺伝子治療用組成物のベクターとなる遺伝子治療用リポソームの生成方法を、以下説明する。
遺伝子治療用リポソームは、混合工程と、被膜生成工程と、真空工程と、再懸濁工程と、培養工程と、超音波工程と、形成工程とからなる。混合工程は、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールをクロロホルム中で混合して脂質溶液を生成する工程である。これにより脂質溶液が生成される。
生成された脂質溶液は、次の被膜生成工程においてN2ガスブローによって乾燥する。これにより、薄膜が生成される。次の真空工程で、被膜生成工程において乾燥生成された薄膜を真空維持する。本実施例では、容器の開口部が覆われている状態で5時間真空状態を維持している。
真空維持した薄膜は、再懸濁工程において懸濁化を行う。再懸濁は、本実施例では、水またはデキストロースまたはボルテックスの何れかを薄膜に添加することにより行っている。懸濁した懸濁体は、培養工程において培養する。本実施例では、4℃で24時間培養する事としているが、これに限定されることはなく培養時間を適宜変更することが可能である。なお、本実施例では、この培養工程を行う事なく、次の超音波工程へ移行することが可能である。
超音波工程では、懸濁液または培養工程を経て培養した懸濁液からリポソームを形成するために超音波照射処理を行う。超音波照射を行う事により、生成するリポソームのサイズを制御することが可能となる。本実施例では、200nm(ナノメートル)のリポソームを形成することが可能となっている。形成工程では、リポソームの更なるサイズの制御を行うため、生成するサイズを決定した後、生成するリポソームのサイズと同寸のポリカーボネートフィルターによりリポソームを押出し形成する。本実施例では、リポソームの押出し形成時に温度管理を行っている。この工程により、単層リポソームが生成可能となる。なお、本実施例では、生成されたリポソームのサイズは、100nm(ナノメートル)未満となっている。
この遺伝子治療用リポソームの生成方法により、遺伝子治療用組成物のベクターとしてのリポソームを確実に生成することが可能となり、遺伝子治療用組成物をターゲットである癌細胞に導入することを容易とすることが可能となった。
アポトーシス誘導遺伝子の組み合わせを示す一覧

Claims (3)

  1. 抗腫瘍遺伝子がアポトーシス誘導遺伝子からなる、癌の予防および/または治療用の遺伝子治療用組成物において、
    前記アポトーシス誘導遺伝子は、p53の遺伝子、FUS−1の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子からなるとともに、MAPK経路を通じた癌細胞の増殖を抑制するため、p53の遺伝子、TRAILの遺伝子およびIL−24の遺伝子が等重量であるとともに、FUS−1の遺伝子がそれらの2倍の重量比からなり、癌細胞をターゲットとするカチオン性脂質およびヘルパー脂質のリポソームからなる遺伝子治療用リポソームベクターによってカプセル化されるものであり、
    前記リポソームは、内部空洞を有する単層膜からなるとともに、該膜はリガンドが付着されたカプセル状のベクターからなり、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールを含有する単層薄膜の化合物からなることを特徴とする遺伝子治療用組成物。
  2. 前記遺伝子治療用組成物は、更にp16の遺伝子および\またはp21の遺伝子を含有したことを特徴とする請求項1に記載の遺伝子治療用組成物。
  3. 前記遺伝子治療用組成物は、更に、癌原遺伝子をプラスミド化した遺伝子と、サイトカイン遺伝子とからなり、前記サイトカイン遺伝子は、IL−12の遺伝子またはIL−18の遺伝子からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遺伝子治療用組成物。
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