JP6836488B2 - 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム - Google Patents

気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6836488B2
JP6836488B2 JP2017181819A JP2017181819A JP6836488B2 JP 6836488 B2 JP6836488 B2 JP 6836488B2 JP 2017181819 A JP2017181819 A JP 2017181819A JP 2017181819 A JP2017181819 A JP 2017181819A JP 6836488 B2 JP6836488 B2 JP 6836488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal space
atmospheric pressure
pressure
threshold value
ear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017181819A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019055069A (ja
Inventor
童 方偉
方偉 童
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2017181819A priority Critical patent/JP6836488B2/ja
Publication of JP2019055069A publication Critical patent/JP2019055069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6836488B2 publication Critical patent/JP6836488B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Control Of Fluid Pressure (AREA)

Description

本開示は、気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラムに関する。
従来、天候の変化に伴う気圧変化などにより、痛み(天気痛)などの体調不良が発生することが知られている。気圧変化により生じる耳痛を軽減するため、使用者の耳内を温める耳当て装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、気圧の変動が起こす頭痛などの痛みに注目した、スマートフォンなどで利用可能な体調管理アプリが提供されている(例えば、非特許文献1のp21−p23,p33−p37,p112−p114参照)。
天気痛は、気圧の変化によって、内耳にある気圧変化を感受する部分が反応するために発生するという研究が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。非特許文献2によれば、大気圧から40hPa減圧した低気圧環境で、天候悪化時にみられる症状が出現することが報告されている。
特開2014−068831号公報
佐藤 純 著、「天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!」、初版第2刷、扶桑社、2015年11月1日、p21−p23,p33−p37、p112−p114 佐藤 純 著、「気象変化と痛み」、脊髄外科 Vol.29 No.2, p153−156,2015年8月
気圧の変化により生じる耳又は頭の痛み等の体調不良を、より効果的に予防又は緩和できることが好ましい。
したがって、本発明の目的は、気圧変化により生じる体調不良を予防又は緩和する気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラムを提供することにある。
上記目的を達成する気圧調整装置は、密閉体と固定部と、制御部と、バルブとを含む。密閉体は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する。固定部は、密閉体を、使用者の耳に対して固定する。バルブは、内部空間と外部環境との間に設けられる。密閉体は、内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含む。気圧調整機構は、前記内部空間の気圧を測定する気圧計と、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含む。制御部は、内部空間の気圧を標準気圧より低い第1閾値及び標準気圧より高い第2閾値の間になるように、ポンプを制御する。制御部は、内部空間の気圧が第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、バルブを開放する。
上記目的を達成する他の気圧調整装置は、密閉帯と、固定部と、制御部とを備える。密閉帯は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する。固定部は、密閉体を、使用者の耳に対して固定する。密閉体は、内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含む。気圧調整機構は、内部空間の気圧を測定する気圧計と、内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含む。制御部は、気圧計の測定値に基づいてポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、内部空間の気圧の変化に基づいて、第1時間間隔を変化させる。
上記目的を達成する更に他の気圧調整装置は、密閉帯と、固定部と、制御部とを備える。密閉帯は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する。固定部は、密閉体を、使用者の耳に対して固定する。密閉体は、内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含む。気圧調整機構は、内部空間の気圧を測定する気圧計と、内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含む。密閉体は、動きを検出するセンサを備え、制御部は、気圧計の測定値に基づいてポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、センサにより検出される動きの速さに基づいて、第1時間間隔を変化させる。
上記目的を達成する気圧調整方法は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間外部環境から密閉された状態で、制御部が、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の気圧が標準気圧より低い第1閾値及び標準気圧より高い第2閾値の間になるように、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御することと、内部空間の気圧が第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、内部空間と外部環境との間に設けられたバルブを開放することとを含む。
上記目的を達成する他の気圧調整方法は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間が外部環境から密閉された状態で、制御部が、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する気圧調整方法である。この気圧調整方法において、制御部が、ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、前記内部空間の気圧の変化に基づいて、前記第1時間間隔を変化させる。
上記目的を達成する更に他の気圧調整方法は、使用者の耳の外耳道に連通する内部空間が外部環境から密閉された状態で、制御部が、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する気圧調整方法である。この気圧調整方法において、制御部が、ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、動きを検出するセンサにより検出される動きの速さに基づいて、第1時間間隔を変化させる。
上記目的を達成する気圧調整プログラムは、使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムである。気圧調整プログラムは、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の気圧を標準気圧より低い第1閾値及び標準気圧より高い第2閾値の間になるように、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理と、内部空間の気圧が第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、内部空間と外部環境との間に設けられたバルブを開放する処理とをプロセッサに実行させる。
上記目的を達成する他の気圧調整プログラムは、使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムである。この気圧調整プログラムは、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理において、ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返す処理と、内部空間の気圧の変化に基づいて、前記第1時間間隔を変化させる処理とをプロセッサに実行させる。
上記目的を達成する更に他の気圧調整プログラムは、使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムである。この気圧調整プログラムは、内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理において、ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返す処理と、動きを検出するセンサにより検出される動きの速さに基づいて、第1時間間隔を変化させる処理とをプロセッサに実行させる。
本発明の実施形態によれば、気圧変化により生じる体調不良を予防又は緩和することができる。
第1実施形態に係る気圧調整装置の外観を示す図である。 図1の気圧調整装置の概略構成を示す図である。 図1の気圧調整装置の気圧調整機構の機能ブロック図である。 図1の気圧調整装置の気圧調整手順を示すフローチャートである。 図4の内部空間へ空気を導入する手順を示すフローチャートである。 図4の内部空間から空気を排出する手順を示すフローチャートである。 図1のバルブ開閉処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る気圧調整装置を示す図である。 第2実施形態に係る気圧調整装置の変形例を示す図である。 図8の弾力調整装置の構成例を示す図である。 第3実施形態に係る気圧調整装置の概略構成を示す図である。 図11の気圧調整装置の気圧調整機構の機能ブロック図である。 図11の密閉体を空気密閉クッションの正面側から見た図である。 図11の弾力調整装置の構成例を示す図である。 ヘッドバンドの弾力の調整手順を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る気圧調整装置の気圧調整処理を実行する時間間隔を調整する方法を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る気圧調整装置の気圧調整機構の機能ブロック図である。 第5実施形態に係る気圧調整装置の気圧調整処理を実行する時間間隔を調整する方法を示すフローチャートである。 第6実施形態に係る気圧調整装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る気圧調整装置10は、ヘッドホン型の形状を有する。この気圧調整装置10は、密閉体11とヘッドバンド12(固定部)とを含む。なお、密閉体11は、左右の耳に対応して2つ設けることができるが、以下の説明では特に左右の密閉体11及びその構成要素を区別せずに、同じ符号を付して説明する。密閉体11は、使用者の耳の外耳道に連通する空間を外部環境から密閉するものである。使用者の耳の外耳道に連通する密閉された空間を、以下に「内部空間」と呼ぶ。また、「外部環境」は、気圧調整装置10を装着する使用者の周辺の環境を意味する。外部環境は、多くの場合、その場所の天候の影響を受けて気圧が変動する。
密閉体11は、ハウジング13と空気密閉クッション14とを含む。ハウジング13は、密閉体11の耳に当接する部分とは反対側の筺体部分である。ハウジング13には、以下に説明する密閉体11の構成要素を、内部空間20(図2参照)とは分離して格納することができる。気圧調整装置10を、ヘッドホンとして使用する場合には、密閉体11にはスピーカを内蔵しうる。
空気密閉クッション14は、使用者による気圧調整装置10の装着状態において、密閉体11の使用者の頭又は耳に当接する側に設けられる。空気密閉クッション14は、気圧調整装置10の装着状態において、使用者の耳の周りを周回するように設けることができる。空気密閉クッション14は、柔軟性が高く変形可能な素材で構成される。空気密閉クッション14は、図2において破線で示されるハウジング13の耳側の面とともに、使用者の耳の周辺の内部空間20を外部環境から気密に遮蔽する。
ヘッドバンド12は、頭部に沿うように湾曲した弾性を有する部材である。ヘッドバンド12は、使用者の頭部に装着した状態で、左右の密閉体11を、使用者の耳または頭部に対して押圧して固定する。耳の周囲の頭部に当接され固定される場合も、密閉体11は耳に対して固定されているということができる。
次に、図2を参照して、密閉体11の構成について説明する。密閉体11は、ハウジング13の内部に、気圧計15、制御部16、ポンプ17及びバルブ18を含む。
気圧計15は、内部空間20の気圧を測定する。気圧計15は、電気式気圧計を採用しうる。電気式気圧計は、静電容量式気圧計、振動式気圧計、及び、ピエゾ抵抗式気圧計を含む。
制御部16は、種々の処理を実行するとともに、気圧調整装置10の各構成要素を制御する。図3に示すように、制御部16は、気圧計15の測定値に基づいてポンプ17を制御する。制御部16は、バルブ18を制御してよい。気圧計15、制御部16及びポンプ17は、気圧調整機構21を構成する。図2では、2つの密閉体11のそれぞれに、1つの制御部16が設けられているが、制御部16は一方の密閉体11のみに設けてもよい。その場合、1つの制御部16で、左右の密閉体11の各構成要素を制御する。制御部16が実行する制御を遂行させるプログラムコードを有するコンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されて提供されうる。
制御部16は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等の少なくとも1つのプロセッサで構成される。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(Discrete Circuit)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
一実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号処理装置(DSP;Digital Signal Processor)、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field-Programmable Gate Array)、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス若しくは構成の組み合わせを含む。
ポンプ17は、制御部16の制御により、外部環境と内部空間20との間で空気の導入及び排出が可能な、双方向空気ポンプを採用しうる。ポンプ17は、内部空間20及び外部環境のそれぞれと管路で接続される。ポンプ17として、吸気専用のポンプと排気専用のポンプとを組み合わせて用いてもよい。ポンプ17は、密閉体11に搭載しうる小型のものである。ポンプ17としては、圧電素子を用いた圧電ポンプ等を採用しうる。
制御部16は、内部空間20の気圧を標準気圧より低い第1閾値及び前記標準気圧より高い第2閾値の間に制御する。標準気圧とは、大気圧の国際標準の気圧であり、1013.25hPaである。第1閾値は、例えば、標準気圧より30hPa低い983.25hPaと設定しうる。第2閾値は、例えば、標準気圧より30hPa高い1043.25hPaと設定しうる。内部空間20の気圧が、標準気圧から、これ以上離れると、痛み等の体調不良を発生しうる。
制御部16による内部空間20の気圧調整方法の一例を、図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部16は、気圧計15により、内部空間20の気圧を測定する(ステップS101)。気圧計15の測定値が第1閾値未満の場合(ステップS102:YES)、制御部16は、ポンプ17により内部空間20に外部環境から空気を導入する(ステップS103)。
図5に示すように、内部空間20へ空気を導入する場合、制御部16はポンプ17を駆動して吸気を開始させる(ステップS201)。吸気中において、制御部16は、気圧計15による内部空間20の気圧測定を継続的に行う(ステップS202)。気圧の測定値が第5閾値以下のとき(ステップS203:NO)、制御部16はポンプ17による吸気を継続する。気圧の測定値が第5閾値よりも大きくなると(ステップS203:YES)、制御部16は、ポンプ17を停止させる(ステップS204)。
第5閾値は、第1閾値以上標準気圧以下の値に設定しうる。第5閾値を第1閾値に設定した場合、外部環境の気圧が第1閾値よりも低ければ、内部空間20の気圧は、第1閾値まで下がったところで略一定の値となる。この場合、内部空間20の気圧が異なる第1閾値と第5閾値との間で頻繁に変動することを避けることができる。第5閾値を第1閾値より高く設定した場合、外部環境の気圧が第1閾値よりも低ければ、内部空間20の気圧は、第1閾値と第5閾値との間となるように調整される。この場合、ポンプ17が頻繁に起動・停止を繰り返すことを避けることができる。
図4のフローチャートに戻る。ステップS102において、気圧計15の測定値が第1閾値以上の場合(ステップS102:NO)、制御部16は、気圧計15の測定値が第2閾値より大きいか否かを判定する(ステップS104)。気圧計15の測定値が第2閾値よりも大きい場合(ステップS104:YES)、制御部16は、ポンプ17により内部空間20から外部環境へ空気を排出する(ステップS105)。
図6に示すように、内部空間20から空気を排出する場合、制御部16はポンプ17を駆動して排気を開始させる(ステップS301)。排気中において、制御部16は、気圧計15による内部空間20の気圧測定を継続的に行う(ステップS302)。気圧の測定値が第6閾値以上のとき(ステップS303:NO)、制御部16はポンプ17による排気を継続する。気圧の測定値が第6閾値よりも小さくなると(ステップS303:YES)、制御部16は、ポンプ17を停止させる(ステップS304)。
第6閾値は、標準気圧以上第2閾値以下の値に設定しうる。第6閾値を第2閾値に設定した場合、外部環境の気圧が第2閾値よりも高ければ、内部空間20の気圧は、第2閾値まで上がったところで略一定の値となる。この場合、内部空間20の気圧が異なる第2閾値と第6閾値との間で頻繁に変動することを避けることができる。第6閾値を第2閾値より低く設定した場合、外部環境の気圧が第2閾値よりも高ければ、内部空間20の気圧は、第2閾値と第6閾値との間となるように調整される。この場合、ポンプ17が頻繁に起動・停止を繰り返すことを避けることができる。
図4のフローチャートに戻り、ステップS104で測定値が第2閾値以下であった場合、若しくは、ステップS103又はステップS105で空気の導入又は排出が終了したとき、制御部16は、処理を終了する。
図4のフローチャートに示した、「開始」から「終了」までの一連の処理を気圧調整処理とよぶ。密閉体11がそれぞれ左右の耳用に2つ存在する場合、気圧調整処理は、左右それぞれの密閉体11で独立して行うことができる。気圧調整処理は、左右の密閉体11で同期して行われてよい。なお、制御部16は、一方の密閉体11のみに一つだけ設けた場合でも、その中で左右それぞれの制御フローを実行すれば、左右それぞれの密閉体11の内部空間20内の気圧をそれぞれ制御することができる。その場合、気圧データは左右の気圧計15から取得する。制御部16の数に関係なく、気圧調整処理は同期して行われてよい。また、制御部16は、左右それぞれの密閉体11の内部空間20の気圧を個別に制御することができる。
制御部16は、気圧調整処理を繰り返し実行する。この繰り返しの実行間隔は、任意に設定しうる。通常の天気の変化による気圧変化により生じる体調不良に対して使用される場合、気圧調整処理の実行間隔は、例えば、1分又は3分とすることができる。飛行機の離着陸時の気圧変化に対応するためには、実行間隔は、例えば1秒間とすることができる。エレベータで昇降する際の気圧変化に対応するためには、実行間隔は、例えば0.1秒とすることができる。これらの実行間隔は、状況に応じて使用者が設定することができる。勿論、内部空間の気圧を常時監視し、図4のそれぞれの閾値を超える時に随時気圧調整してもよい。なお、図4に示されるフローチャートの処理は、「開始」と「終了」との間の処理を順次繰り返す循環した処理として実行しうる。すなわち、図4のフローチャートは、「終了」の直前と「開始」の直後のステップとを矢印で繋ぐように書き換えうる。
図2に示すバルブ18は、内部空間20と外部環境との間に設けられる。バルブ18は、何らかの異常の発生により内部の気圧が高くなり過ぎたとき、及び、低くなり過ぎたとき、安全弁として機能するものである。バルブ18は、内部空間20の気圧に応じて機械的な機構により開閉するものを採用しうる。バルブ18は、内部空間20の気圧が第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、開放される。第3閾値は、例えば標準気圧よりも100hPa低い、913.25hPaと設定しうる。第4閾値は、例えば標準気圧よりも100hPa高い1113.25hPaと設定しうる。バルブ18が解放されると、内部空間20の気圧は外部環境の気圧と略等しくなる。
バルブ18は、外部からの制御が不要な機械式のものに限られず、制御部16からの電子制御により開閉されてよい。制御部16は、例えば、図7のフローチャートに従いバルブ18を制御することができる。以下に、図7のフローチャートについて説明する。
まず、制御部16は、気圧計15により、内部空間20の気圧を測定する(ステップS401)。この気圧の測定は、図4のフローチャートのステップS101で行う測定と同じ測定を用いることができる。気圧計15の測定値が、第3閾値未満又は第4閾値より大きい場合(ステップS402:YES)、制御部16はバルブ18を開放させる(ステップS403)。
制御部16は、内部空間20の気圧を測定し(ステップS404)、気圧計15の測定値が、第3閾値未満又は第4閾値より大きい間(ステップS405:YES)は、バルブ18を開放状態とする。制御部16は、気圧計15の測定値が、第3閾値以上第4閾値以下となったことが確認されると(ステップS405:NO)、バルブ18を閉める(ステップS406)。
図2において、密閉体11の各構成要素は、密閉体11の内部又は外部から電力の供給を受ける。気圧調整装置10は、電力を供給するためのバッテリ19を有することができる。例えば、バッテリ19は、何れか1つの密閉体11に設けることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る気圧調整装置10によれば、使用者の外耳道に連通する内部空間20の気圧を調整する気圧調整機構21を設けたので、使用者の耳に加わる気圧の変動を、第1閾値と第2閾値との間に制御することができる。これにより、痛み等の体調不良の原因となる内耳への気圧の変化を遮断及び制御することが可能になる。したがって、気圧変化により生じる体調不良を予防又は緩和することができる。また、安全弁として機能するバルブ18を設けたので、装置が異常な動作をしたときにも、内部空間20の気圧が高く又は低くなり過ぎることが無く、安全が確保される。さらに、飛行機の離着陸時に一部の人が感じる耳の痛みも気圧変動によるものであるから、本気圧調整装置10は、この耳の痛みも緩和することが期待できる。
(第2実施形態)
本開示の気圧調整装置10は、使用者の耳又は頭部に対して密閉体11をヘッドバンド12の弾力によって押圧している。しかし、内部空間20と外部環境との間には、気圧差が発生するため、内部空間20の気圧が外部環境の気圧よりも高い場合が生じうる。その場合、密閉体11と耳又は頭部との間を離間させようとする方向の力が働きうる。例えば、内部空間20と外部環境との間に10hPaの気圧差がある場合、1cm当たり約10gの圧力が発生する。この力に対抗して密閉体11を耳又は頭部に密着させるため、ヘッドバンド12の耳又は頭部への押し付け弾力は、強く調整できるとよい。
また、内部空間20の気圧が外部環境の気圧よりも低い場合、ヘッドバンド12の有する弾力に、外部環境と内部空間20との圧力差により密閉体11が押される力が加わり、使用者の耳または頭部が強く押圧されうる。耳又は頭部が過剰に強く押圧されると、使用者は不快感を覚えうる。このような場合、ヘッドバンド12の耳又は頭部への押し付け弾力は、弱く調整できるとよい。
上記のような目的から、図8に示す複数の実施形態の1つである第2実施形態に係る気圧調整装置10は、弾力調整装置30を有する。弾力調整装置30は、ヘッドバンド12の耳又は頭部への押し付け弾力を調整するものである。
図8に示すように、弾力調整装置30は、左右の密閉体11をつなぐヘッドバンド12の中央に位置してよい。しかし、弾力調整装置30の配置はこれに限られない。図9に示すように、弾力調整装置30は、複数の弾力調整装置30a及び30bにより構成されてよい。以下では、図8の弾力調整装置30について、より詳細に説明をする。
図10に示すように、一例として、弾力調整装置30は、回転つまみ31、第1ピストン32a及び第2ピストン32b、第1レバー33a及び第2レバー33b、並びに、第1バネ34a及び第2バネ34bを含んで構成される。なお、「第1」及び「第2」はそれぞれ図10における左側及び右側に対応する。「第1」及び「第2」を、それぞれ、「左側」及び「右側」と読み替えてよい。
回転つまみ31は、内側の面にネジ山35が設けられた中空の円筒状部材である。第1ピストン32a及び第2ピストン32bは、円筒又は円柱状の部材である。第1ピストン32a及び第2ピストン32bの外周面には、互いに逆向きのネジ山36a及び36bが設けられている。ピストン32aは、回転つまみ31の第1の側(左側)に、ネジ山35に対してネジ山36aが部分的に螺合した状態で接続される。ピストン32bは、回転つまみ31の第1の側とは反対側の第2の側(右側)に、ネジ山35に対してネジ山36bが部分的に螺合した状態で接続される。これにより、第1ピストン32a及び第2ピストン32bの回転が規制された状態で、回転つまみ31を一方向に回転させると、第1ピストン32a及び第2ピストン32bは、互いに異なる方向に進退する。
第1レバー33aは、少なくとも一方向に延びる剛体の部材である。第1レバー33aは、この少なくとも一方向に第1端部e1と第2端部e2とを有する。第1レバー33aの第1端部e1は、ヘッドバンド12の一箇所に互いの角度が固定された状態で固定される。第1レバー33aの第2端部e2は、第1バネ34aを介して第1ピストン32aの回転つまみ31と螺合していない側の面に接続される。第2レバー33b及び第2バネ34bは、第1レバー33a及び第1バネ34aと同様に、ヘッドバンド12及び第2ピストン32bに固定又は接続される。第1レバー33aと第2レバー33bとは、ヘッドバンド12の左右の中心を中心として左右対称に配置することができる。
以上のような構成により、弾力調整装置30は、回転つまみ31を一方向に回転させると、第1ピストン32a及び第2ピストン32bが、回転つまみ31から外方向(間が広がる方向)へ向けて移動する。これによって、第1バネ34a及び第2バネ34bを介して、第1レバー33a及び第2レバー33bの第2端部e2が押されて、互いに外向きに押し広げられる方向の力が作用する。その結果、第1レバー33a及び第2レバー33bの2つの第1端部e1の間で、ヘッドバンド12の湾曲が大きくなる方向に力が働く。これによって、ヘッドバンド12の弾力が強くなる。
また、弾力調整装置30の回転つまみ31を、上記とは逆方向に回転させると、第1ピストン32a及び第2ピストン32bが、内方向(間が狭まる方向)に向けて移動する。これによって、第1バネ34a、第2バネ34bを介して、第1レバー33a及び第2レバー33bの第2端部e2が引っ張られ、互いに内向きに狭められる方向の力が作用する。その結果、第1レバー33a及び第2レバー33bの2つの第1端部e1の間で、ヘッドバンド12の湾曲が小さくなる方向に力が働く。これによって、ヘッドバンド12の弾力が弱まる。
したがって、本実施形態の気圧調整装置10によれば、弾力調整装置30の回転つまみ31を手動調整することによって、ヘッドバンド12の弾力を適切な値に調整することができる。
(第3実施形態)
図11に示す、第3実施形態に係る気圧調整装置10は、空気密閉クッション14と使用者の耳又は頭部との間の圧力に基づいて、ヘッドバンド12の弾力を自動調整することができる弾力調整装置40を有するものである。
気圧調整装置10は、図2の第1実施形態に係る気圧調整装置10に対して、弾力調整装置40と圧力計41(圧力センサ)とを付加したものである。圧力計41及び弾力調整装置40は、制御部16と電気的に接続される。制御部16が左右の密閉体11にそれぞれ存在する場合、各圧力計41と弾力調整装置40は、一方の制御部16のみと接続されてよい。
図12に示すように、弾力調整装置40は、駆動装置42とピストン43とを含む。制御部16は、圧力計41の測定する圧力に応じて、弾力調整装置40の駆動装置42を駆動して弾力を調整する。図12における、気圧計15、制御部16及びポンプ17による気圧調整は、図3に示す気圧調整機構21と同じなので、説明を省略する。
図13に示すように、圧力計41は、空気密閉クッション14の使用者の耳又は頭と当接する部分に設けられた圧電素子41a〜41cを含む。圧電素子41a〜41cは、圧電効果により圧力を電圧に変換する。従って、圧電素子の出力する電圧から圧力を測定できる。図13では、3つの圧電素子41a〜41cを設けているが、圧電素子の数は任意に設定できる。圧電素子41a〜41cが複数の場合、各圧電素子41a〜41cで測定される圧力の平均値を、圧力計41の測定値とすることができる。
図14に示すように、弾力調整装置40は、駆動装置42(図14において図示せず)、ピストン43、シリンダ44、第1バネ34a及び第2バネ34b、並びに第1レバー33a及び第2レバー33bを含む。第1バネ34a及び第2バネ34b、並びに、第1レバー33a及び第2レバー33bは、第1実施形態の同じ名称の構成要素と同じ構成及び作用を有するので、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
ピストン43は、シリンダ44に供給される空気圧又は油圧により、シリンダ44に対して進退する。図13の駆動装置42は、シリンダ44内の空気又は油に空気圧又は油圧を供給する。これによって、弾力調整装置40は、第2実施形態の弾力調整装置30と同様に、第1レバー33a及び第2レバー33bの第2端部e2に力を作用させ、ヘッドバンド12の弾力を調整することが可能となる。
次に、第3実施形態に係る気圧調整装置10の弾力調整の方法を、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部16は、圧力計41により、耳又は耳周辺の頭部と、空気密閉クッション14との間の圧力を測定する(ステップS501)。
測定した圧力が、第7閾値よりも低いとき(ステップS502:YES)、制御部16は、弾力調整装置40の駆動装置42を、シリンダ44に対しピストン43が伸長する方向に作動させる。第7閾値は、例えば、30g/cmに設定することができる。これにより、ヘッドバンド12の弾力が強くなり、空気密閉クッション14と使用者の耳又は頭部との接触圧力を高めることができる。
測定した圧力が、第7閾値以上のとき(ステップS502:NO)、制御部16は測定した圧力が第8閾値より大きいか判定する(ステップS504)。第8閾値は、例えば、50g/cmに設定することができる。測定した圧力が、第8閾値より大きいとき(ステップS504:YES)、制御部16は、弾力調整装置40の駆動装置42を、シリンダ44に対しピストン43が縮む方向に作動させる。これにより、ヘッドバンド12の弾力が弱くなり、空気密閉クッション14と使用者の耳又は頭部との接触圧力を低減することができる。
なお、図15のフローチャートに基づく圧力調整は、所定の時間間隔で繰り替えし行うことができる。所定の時間間隔は、1秒、10秒、1分又は10分等任意の時間間隔に設定することができる。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様に、ヘッドバンド12の弾力を適切な値に調整することができる。さらに、ヘッドバンド12の弾力調整を、使用者が手動で調整すること無く、自動的に行うことができるので、利便性が向上する。
(第4実施形態)
第1実施形態において、気圧調整処理の実行間隔は使用者が設定できるものとした。第4実施形態において、実行間隔は、気圧計15により測定される内部空間20の気圧変動に基づいて、自動的に調整される。第4実施形態に係る気圧調整装置10は、第1実施形態に係る気圧調整装置10の制御部16が実行する処理に、気圧調整処理の実行間隔を調整する機能を付加したものである。以下に図16のフローチャートを用いて説明する。なお、図16のフローチャートの処理は、図4の気圧調整処理と並行して実行してよい。あるいは、図16のフローチャートの処理は、図4の気圧調整処理を実行していないときに実行することができる。なお、図16に示されるフローチャートの処理は、「開始」と「終了」との間の処理を順次繰り返す循環した処理として実行しうる。すなわち、図16のフローチャートは、「終了」の直前と「開始」の直後のステップとを矢印で繋ぐように書き換えうる。
まず、制御部16は、気圧調整処理を実行する実行間隔である第1時間間隔をデフォルト値に設定する(ステップS601)。デフォルト値は、例えば、1分、3分又は10分等の任意の値とすることができる。
制御部16は、気圧計15により第2時間間隔で内部空間20の気圧を測定し、所定時間当たりの気圧変動を監視する(ステップS602)。ここで、「気圧変動」は、正負の符号のない所定時間当たりの気圧差の絶対値である。第2時間間隔は、例えば0.1秒又は1秒等の、第1時間間隔以下の任意の時間間隔とすることができる。例えば、第2時間間隔が1秒の場合、1秒毎の気圧変動を監視することができる。
制御部16は、気圧変動が第9閾値よりも大きい場合(ステップS603:YES)、第1時間間隔をより短い値に再設定する(ステップS604)。例えば、第9閾値は、0.1hPa/秒とすることができる。再設定する第1時間間隔は、元の第1時間間隔から所定の時間短い時間間隔とすることができる。所定の時間は、任意に設定できる。例えば、第1時間間隔のデフォルト値が3分の場合、所定の時間は30秒とすることができる。
再設定した第1時間間隔が予め定められた最小値よりも短くなった場合(ステップS605:YES)、制御部16は、第1時間間隔を最小値に設定する(ステップS606)。これにより、制御部16は、第1時間間隔を最小値より小さい時間間隔に設定することが無くなる。ステップS604で再設定した第1時間間隔が、最小値以上の場合(ステップS605:NO)、新たに設定された第1時間間隔が第1時間間隔となる。
ステップS603において、気圧変動が第9閾値以下場合、制御部16は、気圧変動が第10閾値より小さいか判断する(ステップS607)。制御部16は、気圧変動が第10閾値よりも小さい場合(ステップS607:YES)、第1時間間隔をより長い値に再設定する(ステップS608)。例えば、第10閾値は、0.03hPa/秒とすることができる。再設定する第1時間間隔は、元の第1時間間隔から所定の時間長い時間間隔とすることができる。所定の時間は、任意に設定できる。所定の時間は、ステップS604における第1時間間隔を短くする際の所定の時間と同じ時間としうる。
再設定した第1時間間隔が予め定められた最大値よりも長くなった場合(ステップS609:YES)、制御部16は、第1時間間隔を最大値に設定する(ステップS610)。これにより、制御部16は、第1時間間隔を最大値より大きい時間間隔に設定することが無くなる。ステップS608で再設定した第1時間間隔が、最大値以下の場合(ステップS609:NO)、新たに設定された第1時間間隔が第1時間間隔となる。
なお、上記フローチャートによる手順は、一例である。第1時間間隔は、条件に応じてより多くの閾値を設けて、より細かく調整してよい。例えば、気圧変動が0.2hPa/秒よりも速い場合、15秒単位で第1時間間隔を短くすることができる。また、気圧変動が0.01hPa/秒よりも遅い場合、1分単位で制御フローチャートの実行間隔を長くすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る気圧調整装置10によれば、内部空間20の気圧変動に応じて、気圧調整処理を実行する実行間隔を変化させることができる。これにより、気圧の変動が大きい場合は、短い間隔で気圧を調整することが可能になる。したがって、気圧調整装置10がより精度良く外部気圧の変動に対応することが可能になる。また、気圧の変動が小さいと予想される場合は、気圧を調整する間隔を長くして、電力等のリソースの消費を低減できる。
(第5実施形態)
第4実施形態では、内部空間20の気圧を監視することにより、気圧調整処理の実行間隔を変化させた。これとは別に、気圧調整装置10を装着する使用者の動きを検出することにより、実行間隔を調整することができる。例えば、鉛直方向の動きが速ければ、外部環境の気圧変動が大きいと考えられるので、実行間隔を短くすることができる。このため、第5実施形態に係る気圧調整装置10は、図17に示すように、動きを検出する動きセンサ51を備える。動きセンサ51により検出される動きの速さに基づいて、制御部16は、気圧調整処理の実行間隔を変化させる。なお、他の構成要素は、第1実施形態と同じなので、同一符号を付して説明を省略する。
動きセンサ51は、鉛直方向若しくは水平方向の速さ、又は、回転等の動きを検出するセンサである。動きセンサ51は、加速度センサ及びジャイロセンサを含む。加速度センサにより重力方向の加速度を検出することにより、鉛直方向の加速度を検出することができる。加速度センサの出力を積分することにより、速さが得られる。
図18に示すように、第5実施形態の気圧調整装置10の気圧調整処理の実行間隔の調整処理は、第4実施形態において示した図16のフローチャートと、ステップS702、S703及びステップS707のみが異なっている。図18と図16のフローチャートとは、他のステップの処理内容において共通する。なお、図18に示されるフローチャートの処理は、「開始」と「終了」との間の処理を順次繰り返す循環した処理として実行しうる。すなわち、図18のフローチャートは、「終了」の直前と「開始」の直後のステップとを矢印で繋ぐように書き換えうる。
ステップS702において、制御部16は、動きセンサ51により垂直方向の速度である垂直速度を測定する。「垂直速度」は、絶対値で表した速度である。
制御部16は、垂直速度が第11閾値よりも大きい場合(ステップS703:YES)、ステップS704に進む。第11閾値の値は任意に設定することができる。例えば、第11閾値は、30m/分に設定しうる。
ステップS703において、垂直速度が第11閾値以下の場合、制御部16は、垂直方向の速度が第12閾値より小さいか判断する(ステップS707)。第12閾値の値は、第11閾値より小さい値で任意に設定しうる。例えば、第12閾値は、10m/分に設定しうる。制御部16は、垂直方向の速度が第12閾値よりも小さい場合(ステップS707:YES)、ステップS708へ進む。
ステップS701、S704〜S706、S708〜S710は、第4実施形態と同様なので説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る気圧調整装置10によれば、使用者の移動する速さに応じて、気圧調整処理を実行する実行間隔を変化させることができる。これにより、動きによって気圧の変動が大きくなると予想される場合は、短い間隔で気圧を調整することが可能になる。したがって、気圧調整装置10がより精度良く外部気圧の変動に対応することが可能になる。また、気圧の変動が小さいと予想される場合は、気圧を調整する間隔を長くして、電力等のリソースの消費を低減できる。
(第6実施形態)
上記各実施形態では、気圧調整装置10は独立した装置として説明した。第6実施形態に係る気圧調整装置10は、外部の情報機器と連携することができる。外部の情報機器は、スマートフォン及び携帯型情報端末を含む。
一例として、図19に示すように、気圧調整装置10は、スマートフォン60とケーブル61を介して接続される。第1実施形態の制御部16は、密閉体11に搭載されず、スマートフォン60のプロセッサ62を用いて実現される。すなわち、制御部16は、密閉体11とは別体に設けられてよい。スマートフォン60は、第1実施形態において説明した制御部16の機能を実現する気圧調整プログラムを実装する。気圧調整プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記録されうる。また、密閉体11は、バッテリ19を備えず、スマートフォン60のバッテリ63から電力の供給を受けることができる。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一または対応する構成要素には同一参照符号を付して説明を省略する。
なお、スマートフォン60と気圧調整装置10との間は、ケーブル接続ではなく、無線通信手段により接続することも可能である。その場合は、バッテリ19が密閉体11側に必要となる。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
また、上記各実施形態で、気圧調整装置10は、ヘッドホン型の形状を有するものとして説明した。気圧調整装置10の形状は、ヘッドホン型に限られず、頭部全体を覆うようなヘルメット型、又は、耳の穴の周辺に直接当接するようなイヤホン型のものも実現可能である。また、気圧調整機構21はポンプを用いたものに限られない。気圧調整機構21は、ハウジング13の内部空間20側の形状を変化させること、または、空気密閉クッション14の厚さを変えることにより内部空間20を変形させて、体積変化により気圧調整を行うものを採用することも可能である。
10 気圧調整装置
11 密閉体
12 ヘッドバンド(固定部)
13 ハウジング
14 空気密閉クッション
15 気圧計
16 制御部
17 ポンプ
18 バルブ
19 バッテリ
20 内部空間
21 気圧調整機構
30,30a,30b,40 弾力調整装置
31 回転つまみ
32a,32b ピストン
33a,33b レバー
34a,34b バネ
35,36a,36b ネジ山
41 圧力計(圧力センサ)
41a〜41c 圧電素子
42 駆動装置
43 ピストン
44 シリンンダ
51 動きセンサ
60 スマートフォン
61 ケーブル
62 プロセッサ
63 バッテリ

Claims (12)

  1. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する密閉体と、
    前記密閉体を、前記使用者の前記耳に対して固定する固定部と、
    制御部と、
    前記内部空間と前記外部環境との間に設けられたバルブと
    を備え、
    前記密閉体は、前記内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含み、
    前記気圧調整機構は、前記内部空間の気圧を測定する気圧計と、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含み、
    前記制御部は、前記内部空間の気圧を標準気圧より低い第1閾値及び前記標準気圧より高い第2閾値の間になるように、前記ポンプを制御し、
    前記制御部は、前記内部空間の気圧が前記第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、前記第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、前記バルブを開放する
    気圧調整装置。
  2. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する密閉体と、
    前記密閉体を、前記使用者の前記耳に対して固定する固定部と、
    制御部と
    を備え、
    前記密閉体は、前記内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含み、
    前記気圧調整機構は、前記内部空間の気圧を測定する気圧計と、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含み、
    前記制御部は、前記気圧計の測定値に基づいて前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、前記内部空間の気圧の変化に基づいて、前記第1時間間隔を変化させる
    気圧調整装置。
  3. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間を外部環境から密閉する密閉体と、
    前記密閉体を、前記使用者の前記耳に対して固定する固定部と、
    制御部と
    を備え、
    前記密閉体は、前記内部空間の気圧を調整する気圧調整機構を含み、
    前記気圧調整機構は、前記内部空間の気圧を測定する気圧計と、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプとを含み、
    前記密閉体は、動きを検出するセンサを備え、前記制御部は、前記気圧計の測定値に基づいて前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、前記センサにより検出される動きの速さに基づいて、前記第1時間間隔を変化させる
    気圧調整装置。
  4. 前記制御部は、前記密閉体とは別体に設けられる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気圧調整装置。
  5. 前記固定部に設けられ、前記密閉体が前記内部空間を密閉する弾力を調整する弾力調整装置をさらに備える請求項1乃至のいずれか一項に記載の気圧調整装置。
  6. 前記密閉体は、前記使用者の前記耳の周りで前記使用者の頭部と当接する当接部に加わる圧力を測定する圧力センサを備え、前記弾力調整装置は前記圧力センサの測定値に基づいて駆動される請求項に記載の気圧調整装置。
  7. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間外部環境から密閉された状態で、
    制御部が、
    前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の気圧が標準気圧より低い第1閾値及び前記標準気圧より高い第2閾値の間になるように、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御し、
    前記内部空間の気圧が前記第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、前記第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、前記内部空間と前記外部環境との間に設けられたバルブを開放する
    気圧調整方法。
  8. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間が外部環境から密閉された状態で、制御部が、前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する気圧調整方法であって、
    前記制御部が、
    前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、
    前記内部空間の気圧の変化に基づいて、前記第1時間間隔を変化させる
    気圧調整方法。
  9. 使用者の耳の外耳道に連通する内部空間が外部環境から密閉された状態で、制御部が、前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する気圧調整方法であって、
    前記制御部が、
    前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返し、
    動きを検出するセンサにより検出される動きの速さに基づいて、前記第1時間間隔を変化させる
    気圧調整方法。
  10. 使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムであって、
    前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の気圧を標準気圧より低い第1閾値及び前記標準気圧より高い第2閾値の間になるように、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理と、
    前記内部空間の気圧が前記第1閾値より低い第3閾値よりも低くなったとき、又は、前記第2閾値より高い第4閾値よりも高くなったとき、前記内部空間と前記外部環境との間に設けられたバルブを開放する処理と
    をプロセッサに実行させる気圧調整プログラム。
  11. 使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムであって、
    前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理において、
    前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返す処理と、
    前記内部空間の気圧の変化に基づいて、前記第1時間間隔を変化させる処理と
    をプロセッサに実行させる気圧調整プログラム。
  12. 使用者の耳の外耳道に連通し、外部環境から密閉された内部空間の気圧を調整するプログラムであって、
    前記内部空間の気圧を測定する気圧計の測定値に基づいて、前記内部空間の吸気及び排気を行うポンプを制御する処理において、
    前記ポンプの制御を行う処理を第1時間間隔で繰り返す処理と、
    動きを検出するセンサにより検出される動きの速さに基づいて、前記第1時間間隔を変化させる処理と
    をプロセッサに実行させる気圧調整プログラム。
JP2017181819A 2017-09-21 2017-09-21 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム Active JP6836488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181819A JP6836488B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181819A JP6836488B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019055069A JP2019055069A (ja) 2019-04-11
JP6836488B2 true JP6836488B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=66105953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017181819A Active JP6836488B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6836488B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107007393A (zh) * 2017-05-22 2017-08-04 尚祎辰 气压自平衡护耳罩及其控制方法
JP6768106B2 (ja) 2019-03-22 2020-10-14 Kyb株式会社 流体圧制御装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1155776A (ja) * 1997-07-30 1999-02-26 Victor Co Of Japan Ltd ヘッドホン
WO2009001449A1 (ja) * 2007-06-27 2008-12-31 Pioneer Corporation 聴取装置
GB2450931A (en) * 2007-07-13 2009-01-14 Mark Andrew Palmer Ear-muffs incorporating a pump to control pressure within the ears
US8625833B1 (en) * 2012-12-11 2014-01-07 Kenneth Armwood Portable pressurization headphones
US9039639B2 (en) * 2013-06-28 2015-05-26 Gbs Ventures Llc External ear canal pressure regulation system
JP6280709B2 (ja) * 2013-08-30 2018-02-14 秋山 英彦 頭部装着具及び調整装置
CN107007393A (zh) * 2017-05-22 2017-08-04 尚祎辰 气压自平衡护耳罩及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019055069A (ja) 2019-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6836488B2 (ja) 気圧調整装置、気圧調整方法及び気圧調整プログラム
US11058527B2 (en) Implantable occlusion system
US10357383B2 (en) Vacuum prosthesis with force sensing member
US11896464B2 (en) Method to dynamically measure apposition and patient limb movement in a negative pressure closed incision dressing
US11425509B2 (en) Atmospheric pressure adjustment apparatus and atmospheric pressure adjustment method of atmospheric pressure adjustment apparatus
US20190009876A1 (en) Aircraft
JP2021185433A (ja) 電子機器
US10045107B2 (en) Eartip that conforms to a user's ear canal
US20130289456A1 (en) Garment based airway clearance systems and methods
CN108007984B (zh) 测量探针和填充测量探针的探针内部的方法
US10648463B2 (en) Gas control device
US20190343452A1 (en) Bruxism monitoring and prevention system
WO2018156217A2 (en) Pressure control system, device and method for opening an airway
CN207248414U (zh) 一种气囊的压力测量控制装置
US20170192395A1 (en) Self-recharging electronic watch
CN111989015A (zh) 外力检测系统及外力检测系统的驱动方法
CN210520956U (zh) 诊脉仪
US20180042805A1 (en) Etherneye massager
WO2018199966A1 (en) In-ear devices
US10237667B2 (en) Measurement system and measurement method
CN203348657U (zh) 一种用于真空压力表的正负压限压保护装置
CN212324327U (zh) 耳机
CN207237067U (zh) 一种呼吸机用面罩
CN210331090U (zh) 眼部空气按摩仪
CN211323316U (zh) 一种可穿戴设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6836488

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150