JP6836361B2 - 人工股関節置換術用手術ユニット - Google Patents

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本発明は、大腿骨に固定される人工股関節用のステムを複数種類備えた人工股関節用ステムセット、及び人工股関節用ステムセットを備えた人工股関節置換術用手術ユニットに関する。
従来より、事故や疾患で低下した股関節の機能を回復させるために、股関節を人工のものに置換する人工股関節置換術が知られている。人工股関節を構成する部材のうち、人工股関節用ステム(以下、単にステムと称する場合もある)は、大腿骨に設置される略棒状の部材である。
ステムを大腿骨に挿入する際の深さは術後の脚長に影響するため、ステムを正確に設置する必要がある。多くのステムは、骨切り面を挿入深さの基準とする。ステムは、骨切り面と重なるべき部分にマーキングや溶射による段差を設けてある。手術は、術前に計画した骨切り面を形成しステムを設置するため、設置基準が分かりやすい。
一方、骨切り面を設置基準としないステムもある。この中には、正常股関節では大転子頂部と骨頭中心の高さがほぼ等しいことから、大転子頂部を目安とするステムがある。
また、非特許文献1の14頁〜15頁にも開示されるように、複数種類のステムを有するステムセットも知られている。このステムセットが備える各ステムは、各ステムにおける各部位の寸法、例えば、大腿骨に埋め込まれる部分の長さ(Stem Length)、ネック部の長さ(Neck Length)等が、互いに異なっている。
また、特許文献1には、手術ナビゲーションシステムと共に使用するためのステム状整形外科インプラント用の被誘導挿入器(ステム打込器)が開示されている。
zimmer、"ALLOCLASSIC HIP SYSTEM"、[ONLINE]、[平成28年8月9日検索]、インターネット<http://www.zimmer.com/content/dam/zimmer-web/documents/en-US/pdf/surgical-techniques/hip/alloclassic-hip-system-surgical-technique.pdf>
特開2005−253967号公報
ところで、非特許文献1に開示されるステムを大腿骨内に挿入する場合、例えば一例として、術者は、大転子頂部と、ネック部に含まれる骨頭中心対応位置との相対的な位置関係が術前計画と合うようにステムを大腿骨内へ挿入する。ここで、骨頭中心対応位置とは、ネック部における所定位置であって、該ネック部が人工骨頭に嵌め込まれた状態における人工骨頭の骨頭中心に対応する位置である。しかしながら、ネック部の骨頭中心対応位置が大転子頂部から比較的離れているため、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせを正確に行いにくい。
この点につき、特許文献1によれば、ステム状整形外科インプラント用の被誘導挿入器を手術ナビゲーションシステムと共に使用することにより、ステムを大腿骨に対する適切な位置まで挿入することができる。しかしながら、この挿入器は、手術ナビゲーションシステムと共に使用することが前提となるため、システム自体が大がかりとなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、簡易な構成を有するステム打込器によって、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせを正確に行うことができる人工股関節用ステムセット、及び人工股関節置換術用手術ユニットを提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る人工股関節用ステムセットは、人工股関節用のステムを複数種類備え、患者に応じて選択された前記ステムがステム打込器によって前記患者の大腿骨に打ち込まれることにより該患者の大腿骨に固定される人工股関節用ステムセットであって、各前記ステムは、前記患者の大腿骨に埋め込まれる部分であって大きさ及び形状の少なくとも一方が前記ステムの種類毎に異なる埋設部、及び該埋設部と一体に設けられ前記ステム打込器による打ち込み時に前記ステム打込器が当接する部分である当接部、を有する本体部と、前記本体部から延びて先端部分が人工骨頭に嵌め込まれるネック部と、を備え、前記ネック部には、前記ネック部が嵌め込まれた状態における前記人工骨頭の骨頭中心に対応する位置である骨頭中心対応位置が含まれ、各前記ステムでは、前記当接部における所定の基準位置と前記骨頭中心対応位置との、前記ステムの軸方向と平行な方向における距離寸法が、同じ寸法に設定されている。
この構成では、複数種類のステムのうち患者に応じて選択されたステムが患者の大腿骨に対して打ち込まれることにより、ステムが大腿骨に固定される。具体的には、術者は、例えば、ブローチによって大腿骨に形成されたステム用穴部に適切な大きさのステムを徒手によって挿入した後、該ステムの当接部にステム打込器の先端部分を宛がった状態でステム打込器の後端部分をハンマー等で叩くことにより、ステムをステム用穴部内へ押し込む。これにより、ステムが患者の大腿骨に対して固定される。
そして、この構成では、各ステムにおいて、各該ステムに設けられた当接部における所定の基準位置と骨頭中心対応位置との、ステムの軸方向と平行な方向における距離寸法が、同じ寸法に設定されている。こうすると、ステム打込器の先端部分をステムの当接部に当接させた状態において、ステム打込器と骨頭中心対応位置との、ステム軸方向と平行な方向における相対位置は、同じになる。このため、ステム打込器における所定部位と、患者の大腿骨の大転子頂部との、ステム軸方向と平行な方向における距離寸法、が所定寸法となるようにステムを打ち込むことにより、結果として、大転子頂部と骨頭中心対応位置とを、ステム軸方向と平行な方向における位置(以下、ステム軸方向と平行な方向における位置を、高さ位置と称する場合もある)を揃えることができる。ステム打ち込み時におけるステム打込器と大転子頂部との距離は、比較的近いため、ステムを正確な高さ位置まで打ち込むことができる。
従って、この構成によれば、簡易な構成を有するステム打込器によって、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせを正確に行うことができる。
(2)好ましくは、前記人工股関節用ステムセットは、複数種類の前記ステムを有するステム組を複数備え、各前記ステムは、各該ステムが属する前記ステム組毎に、前記距離寸法が異なっている。
この構成によれば、手術対象となる患者に応じて、適切な距離寸法(当接部における所定の基準位置と骨頭中心対応位置との、ステムの軸方向と平行な方向における距離寸法)を有するステムを選択することができる。すなわち、この構成によれば、汎用性が高い人工股関節用ステムセットを提供できる。
(3)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る人工股関節置換術用手術ユニットは、上述したいずれかの人工股関節用ステムセットと、前記人工股関節用ステムセットが有するステムの打ち込み時に前記ステムに当接している状態において前記ステムの骨頭中心対応位置を指示する指示部、が設けられたステム打込器と、を備えている。
この構成では、ステム打込器によるステムの打ち込み時に、ステム打込器の指示部が大転子頂部の位置と合う位置までステムを打ち込むことにより、大転子頂部と骨頭中心対応位置との高さ位置を正確に合わせることができる。
従って、この構成によれば、簡易な構成を有するステム打込器によって、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせをより正確に行うことができる。
(4)好ましくは、前記指示部は、前記ステムの軸方向に沿う方向である前記ステム打込器の打込方向に対して垂直方向に延びる直線状に設けられている。
正常な股関節では、大転子頂部と骨頭中心との高さ位置が概ね同じになる。よって、この構成のように、ステムの軸方向に沿う方向であるステム打込器の打込方向に対して垂直に延びる直線状の指示部を設け、当該指示部と大転子頂部との高さ位置が揃うようにステムを打ち込むことで、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせをより一層正確に行うことができる。
(5)更に好ましくは、前記当接部は、前記ステム打込器の先端部分が嵌まり込む溝状に形成され、前記指示部は、前記当接部が溝状に延びる方向と平行な方向に沿って延びるように形成されている。
この構成によれば、当接部が溝状に形成されているため、ステム打込器の先端部分が当該溝状の当接部に嵌め込まれた状態でステム打込器をハンマー等で叩くことができる。これにより、ステム打込み時にステム打込器がステムから外れてしまうことを防止できる。
ところで、例えば、溝状の当接部が延びる方向に対して直線状の指示部が傾いて形成されている場合、ステムに対するステム打込器の先端部分の当接位置によって、指示部の指示方向がずれてしまう。
この点につき、この構成によれば、指示部が、溝状の当接部と平行な方向に沿って延びる直線状に形成されているため、ステム打込器の先端部分を、当接部におけるいずれの位置に当接させても、指示部が骨頭中心対応位置を指示することになる。すなわち、この構成によれば、指示部によって骨頭中心対応位置を正確に指示することができる人工股関節置換術用手術ユニットを提供できる。
(6)好ましくは、前記ステム打込器には、それぞれが前記指示部と平行な方向へ延びるとともに、前記ステムの軸方向と平行な方向に沿って互いに間隔を空けて並べられた複数の目盛線、が設けられている。
この構成における各目盛線は、骨頭中心対応位置を指示する指示部を基準として所定距離離れた位置に設けられたものである。このような目盛線が設けられたステム打込器を用いてステムを打ち込むことで、当該目盛線を目印として、あとどれくらいステムを打ち込めば正確な位置まで(指示部が大腿骨頂部を指示する位置まで)打ち込むことができるかを、定量的に把握することができる。
(7)好ましくは、前記指示部は、前記ステム打込器の表面において凹状に設けられている。
この構成によれば、例えば指示部を印刷等によりステム打込器に形成した場合に生じ得る、摩耗等による指示部の薄れを防止できる。
(8)好ましくは、前記ステム打込器には、前記患者の大腿骨に打ち込まれた状態の前記ステムに前記ステム打込器が当接している状態において、前記患者の体軸と垂直な方向に延びる直線状に設けられ、その延長線上に前記患者の脚長の基準位置となる脚長基準位置としての大転子頂部が位置する脚長基準位置指示部、が設けられている。
この構成によれば、正確な位置まで打ち込まれたステムにステム打込器の先端部分が当接している状態において、患者の体軸と垂直に設けられた脚長基準位置指示部の延長線上に、脚長の基準となる大転子頂部が位置することになる。従って、この構成によれば、脚長基準位置を容易に把握することができる。
また、この構成では、直線状に設けられた脚長基準位置指示部が、体軸に対して垂直な方向に延びている。そうすると、その脚長基準位置指示部が延びる方向と垂直な方向が脚長方向と一致する。これにより、術者は、患者だけでなく、脚長基準位置指示部をも参照して患者の脚長方向を推測できるため、患者の脚長を比較的容易に把握することができる。
(9)好ましくは、前記人工股関節置換術用手術ユニットは、患者に応じて選択された前記ステムの種類に対応するブローチを前記患者の大腿骨に打ち込むためのブローチハンドルを更に備え、前記ブローチハンドルには、該ブローチハンドルが前記ブローチに係合している状態において、該ブローチに対応する前記ステムの前記骨頭中心対応位置を指示するブローチハンドル側指示部が設けられている。
この構成によれば、ブローチハンドルに係合されたブローチの先端部分を大腿骨に宛がった状態でブローチハンドルをハンマー等で叩くことにより、大腿骨にステム用穴部を形成することができる。
そして、この構成によれば、ブローチハンドルに設けられたブローチハンドル側指示部が大転子頂部を指示する位置まで該ブローチハンドルを叩いてブローチを打ち込むことにより、該ブローチに対応するステムの骨頭中心対応位置を大転子頂部の高さ位置に合わせることができる。
本発明によると、簡易な構成を有するステム打込器によって、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせを正確に行うことができる人工股関節用ステムセット、及び人工股関節置換術用手術ユニットを提供できる。
本発明の実施形態に係る人工股関節置換術用手術ユニットの構成を示す図である。 ステムの形状を説明するための図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図である。 図1に示すステムセットを示す図である。 図1に示すステム打込器の構成を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図4に示すステム打込器の先端部がステムの当接部に当接している状態を示す図である。 図1に示すブローチハンドルの構成を示す正面図である。 ブローチが取り付けられた状態のブローチハンドルの一部を示す図であって、図7に示すブローチに対応する大きさのステムのネック部を示す仮想線とともに示す図である。 ブローチハンドルを用いてブローチを大腿骨に対する適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す部分断面図である。 ステム打込器を用いてステムを大腿骨に対する適切な深さ位置まで打ち込む際の、大腿骨に対するステム及びステム打込器の位置を示す図であって、図9(A)は、ステムをステム用穴部に徒手で仮挿入した状態を示す図、図9(B)は、ステムの当接部にステム打込器の先端部を宛がった状態を示す図、図9(C)は、ステム打込器によってステム3を適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す図である。 ステム打込器によってステムを適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す部分断面図である。 変形例に係る手術ユニットを示す図である。 図11に示すステム打込器の先端部付近の拡大図である。 図11に示すブローチハンドルの先端部分の拡大図である。 変形例に係る手術ユニットが有するステム打込器の先端部付近の拡大図である。 図14に示すステム打込器を用いて大腿骨に打ち込まれるステムを示す図であって、図15(A)は、ステムが所望の位置よりも浅い位置まで打ち込まれた状態を示す図、図15(B)は、ステムが所望の位置よりも深い位置まで打ち込まれた状態を示す図、である。 変形例に係る手術ユニットが有するステム打込器の先端部付近の拡大図であって、図16(A)は正面側から視た図、図16(B)は背面側から視た図、である。 図16に示すステム打込器を、患者の大腿骨における正確な位置まで打ち込まれた状態におけるステムに対して、第2目盛部が手前側を向くように宛がった状態を示す図である。 図17におけるステム打込器の先端側及び大腿骨の近位端側を拡大して示す図である。 図19(A)は、変形例に係るステムの側面図であって、当接部付近の拡大図である。また、図19(B)は、他の変形例に係るステムの側面図であって、当接部付近の拡大図である。 変形例に係る人工股関節置換術用手術ユニットの構成を示す図である。 図20に示す手術ユニットが有するステム打込器を用いてステムを大腿骨に対する適切な位置まで打ち込む際の、大腿骨に対するステム及びステム打込器の位置を示す図であって、図21(A)は、ステムをステム用穴部に徒手で仮挿入した状態を示す図、図21(B)は、ステムの当接部にステム打込器の先端部を宛がった状態を示す図、図21(C)は、ステム打込器によってステムを適切な位置まで打ち込んだ状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、複数種類の人工股関節用ステムを有する人工股関節用ステムセット、及び人工股関節用ステムセットを備えた人工股関節置換術用手術ユニットに広く適用できる。なお、以下では、人工股関節用ステムを単にステムと称する場合があり、人工股関節用ステムセットを単にステムセットと称する場合があり、人工股関節置換術用手術ユニットを単に手術ユニットと称する場合がある。
[手術ユニットの概略構成]
図1は、本実施形態に係る手術ユニット1の構成を示す図である。
手術ユニット1は、複数種類のステム3を有するステムセット2と、ステム打込器20と、ブローチハンドル30とを備えている。これらのうち、各ステム3及びブローチハンドル30は、例えば一例として、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。また、ステム打込器20は、樹脂部材を用いて形成されている。
本手術ユニット1を用いて行われる人工股関節置換術では、例えば一例として、術者は、患者の大腿骨頸部を骨切りして患者の大腿骨頸部を切除した後、箱ノミ等によって仮穴を形成する。その後、術者は、ステムセット2に含まれる複数種類のステム3のうち患者に応じて選択されたステムのサイズに対応するブローチを用いて仮穴を押し広げるように削ることにより、適切な大きさのステム用穴部51(詳しくは後述する図8及び図10で図示)を形成する。そして、術者は、上述のように選択されたステムをステム打込器20によってステム用穴部51に打ち込んで固定した後、ステムに骨頭ボール(人工骨頭、図示省略)を嵌合させる。これにより、患者の大腿骨頭を人工骨頭に置換することができる。上述のように、樹脂部材を用いて形成されたステム打込器20を用いることにより、金属製のステム3を傷つけることなく、ステム3を大腿骨に対して打ち込むことができる。
[ステムセット]
ステムセット2は、互いに大きさが異なる複数種類のステム3A〜3Kを有している。本実施形態では、図1に示すように、ステムセット2が11種類のステム3A〜3Kを有する例を挙げて説明する。なお、以下では、各ステムを区別せずに説明するときには、ステムの符号として3を用いる一方、各ステムを区別して説明するときには、ステムの符号として3A〜3Kを用いる。
ステムセット2は、第1ステム3A、第2ステム3B、第3ステム3C、第4ステム3D、第5ステム3E、第6ステム3F、第7ステム3G、第8ステム3H、第9ステム3I、第10ステム3J、及び第11ステム3Kを有している。各ステム3A〜3Kは、各ステム3における大腿骨50(詳しくは後述する図8〜図10で図示)内に埋め込まれる部分である埋設部5の大きさが互いに異なっている。具体的には、ステムセット2では、第1ステム3A、第2ステム3B、第3ステム3C、第4ステム3D、第5ステム3E、第6ステム3F、第7ステム3G、第8ステム3H、第9ステム3I、第10ステム3J、第11ステム3K、の順に、埋設部5の大きさが徐々に大きくなっている。
図2は、ステム3の形状を説明するための図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図である。なお、図2で示すステム3としては第1ステム3Aを例示しているが、各ステム3A〜3Kは、埋設部5の大きさが互いに異なる点を除いて各ステム3A〜3Kを構成する各部位の形状が同じであるため、ステム3B〜3Kの説明については、省略する。
ステム3は、本体部4及びネック部8を有し、これらが一体に形成されている。
本体部4は、埋設部5及び肩部6が一体に形成された部分として設けられている。
埋設部5は、ステム3における患者の大腿骨50に埋め込まれる部分である。埋設部5は、図2(A)を参照して、上側(ネック部8が設けられている側)から下側に向かって徐々に先細りする細長い形状を有している。ステム3では、埋設部5が患者の大腿骨50に埋め込まれた状態において、上側の部分が患者の近位側に配置され、下側の部分が患者の遠位側に配置される。また、埋設部5は、図2(B)を参照して、近位側から遠位側へ向かってその厚みが少しずつ薄くなっている。
また、上述したように、各ステム3A〜3Kが有する埋設部5は、図1及び図2を参照して、互いの大きさが互いに異なっている。具体的には、各埋設部5では、幅方向(内外方向)の寸法、及び長さ方向(上下方向)の寸法が、互いに異なっている。
肩部6は、埋設部5よりも上側に設けられている部分であって、該埋設部5と一体に形成されている。肩部6における上側の部分には、内側側から外側側へ延びるV字の溝状に形成された当接部7が設けられている。この当接部7は、ステム3を患者の大腿骨50へ打ち込む際に用いられるステム打込器20の先端部23が当接する部分として設けられている。肩部6の形状及び大きさは、ステム3の種類によらず、同じである。
当接部7は、上述のように、内側側から外側側へ延びる溝状に形成されている。当接部7は、内側側又は外側側から視てV字状に形成されている。これにより、当接部7の底部7aは、内側側から外側側へ向かって延びる直線状に形成される。
ネック部8は、本体部4の上部における内側側の部分から、内側側へ向かって斜め上方へ延びるように形成されている。ネック部8は、基端側の部分である基端部9と、先端側の部分である先端部11とを有し、これらが一体に形成されている。基端部9は、その延出方向における中途部分がやや内側へ窄まるような形状を有している。先端部11は、該先端部11の延出方向から視て円形状に形成された部分であって、基端部9側の部分から先端側へ向かって徐々に縮径するテーパー状に形成されている。先端部11の形状及び大きさは、ステム3の種類によらず、同じである。
ネック部8の先端部11には、骨頭中心対応位置Pが含まれている。骨頭中心対応位置Pは、ネック部8の先端部11に骨頭ボールが取り付けられた状態における、骨頭ボールの中心点に対応するネック部8内の点である。なお、図2(A)、図3、及び図5等では、骨頭中心対応位置Pをドットで図示しているが、実際のステム3には、そのようなドット状のマーキングは形成されていない。
図3は、図1に示すステムセット2を示す図である。なお、図3では、ステムセット2が有する複数のステム3のうちの一部を省略して示している。具体的には、図3では、第4ステム3D〜第9ステム3Iが省略されている。
本実施形態のステムセット2が有する各ステム3A〜3Kでは、各ステム3A〜3Kの当接部7における所定の基準位置と骨頭中心対応位置Pとの、ステム3A〜3Kの軸Axと平行な方向における距離寸法Aが、同じ寸法に設定されている。具体的には、各ステム3A〜3Kの当接部7の底部7aと骨頭中心対応位置Pとの、ステム3A〜3Kの軸Axと平行な方向における距離寸法Aが、同じ寸法に設定されている。
図4は、図1に示すステム打込器20の構成を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。
ステム打込器20は、ステム3を患者の大腿骨50における正確な深さ位置まで打ち込むためのものである。ステム打込器20は、上下方向に延びる棒状の部材である。ステム打込器20は、本体部21及び先端部23を有し、これらが一体に形成されている。
本体部21は、上下方向に延びる丸棒状に形成された部分である。本体部21における基端側(上側)の端部は、上方へ向かってやや膨出するように設けられている。この部分は、ステム打込器20を用いてステム3を患者の大腿骨50へ打ち込む際にハンマー等で叩かれる被打部22として設けられている。
先端部23は、本体部21の先端側(下側)に設けられた部分である。先端部23は、下側へ向かって先細りするような形状を有している。具体的には、先端部23は、前後方向から視て、図4(A)に示すように下方へ向かって左右方向における幅寸法が徐々に小さくなるように形成されている。また、先端部23は、左右方向から視て、図4(B)に示すように下方へ向かって先細るように形成され、その先端24がV字状に形成されている。先端部23の先端24は、ステム3においてV字の溝状に形成された当接部7に嵌まり込むような形状を有している。
そして、ステム打込器20には、指示部25が形成されている。
指示部25は、ステム打込器20の先端部23において左右方向に延びる直線状に形成された部分である。指示部25は、例えば一例として彫刻によって凹状に形成されている。指示部25は、ステム打込器20の長手方向(ステム打込器20の打込方向)に対して垂直な方向に延びている。
図5は、図4に示すステム打込器20の先端部23がステム3の当接部7に当接している状態を示す図である。
指示部25は、ステム打込器20の先端部23が、溝状に形成された当接部7に嵌め込まれた状態で(より詳しくは、ステム打込器20の先端24と、溝状に形成された当接部7の底部7aとが重なった状態で)、骨頭中心対応位置Pを指示する位置に形成されている。具体的には、ステム打込器20の先端部23が当接部7に嵌め込まれた状態では、指示部25の延長線上に骨頭中心対応位置Pが位置することになる。指示部25は、溝状に形成された当接部7が延びる方向と平行な方向に沿って延びるように形成されている。
図6は、図1に示すブローチハンドル30の構成を示す正面図である。
ブローチハンドル30は、上下方向に細長い形状を有する器具であって、ブローチ40(後述する図7及び図8で図示)を用いて患者の大腿骨50内にステム用穴部51を形成するために用いられる器具である。
ブローチハンドル30は、本体部31と、被打部32と、突出部33と、ブローチレバー34と、を有している。
本体部31は、上下方向に延びるように形成された部分であって、上下方向における中途部分に複数の折曲部31a,31b,31cが設けられている。
被打部32は、本体部31の上端に取り付けられた部分であって、上下方向に所定の厚みを有する板状に形成された部分である。被打部32は、上方から視たその中央部分が上方へ膨出するように形成されている。
突出部33は、本体部31の下端から下方へ突出するように設けられた部分である。ブローチ40をブローチハンドル30へ係合する際には、ブローチ40に形成された突出部用穴部(図示省略)に当該突出部33が挿入されることにより、ブローチハンドル30に対するブローチ40の位置決めが行われる。
ブローチレバー34は、支点部35を支点として、d1方向及びd2方向へ揺動するように構成されている。ブローチ40をブローチハンドル30へ係合する際には、まずブローチレバー34がd1方向へ動かされた後、突出部33がブローチ40の穴部(図示省略)に挿入される。その後、ブローチレバー34をd2方向へ戻すことにより、ブローチレバー34の先端部分に形成された爪部34aがブローチ40の被係合部(図示省略)に嵌まり込む。これにより、ブローチハンドル30にブローチ40を係合することができる。
そして、ブローチハンドル30には、目盛部36が形成されている。目盛部36は、3本の目盛線37a,37b,37cで構成されている。3本の目盛線37a,37b,37cは、それぞれ、第1目盛線37a、第2目盛線37b、第3目盛線37cとして設けられている。
各目盛線37a,37b,37cは、ブローチハンドル30の本体部31における先端部分において、左右方向に延びる直線状に設けられている。各目盛線37a,37b,37cは、上下方向に間隔を空けて設けられている。本実施形態では、下から上へ向かって順に、第1目盛線37a、第2目盛線37b、第3目盛線37cが設けられている。
図7は、ブローチ40が取り付けられた状態のブローチハンドル30の一部を示す図であって、図7に示すブローチ40に対応する大きさのステム3のネック部8を示す仮想線とともに示す図である。
各目盛線37a,37b,37cは、互いにサイズが異なる複数のブローチのそれぞれに対応するステム3の骨頭中心対応位置Pを指示するブローチハンドル側指示部として設けられている。具体的には、第1目盛線37aは、第1ステム3A及び第2ステム3Bの骨頭中心対応位置Pを指示している。第2目盛線37bは、第3ステム3C、第4ステム3D、及び第5ステム3Eの骨頭中心対応位置を示している。第3目盛線37cは、第6ステム3F、第7ステム3G、第8ステム3H、第9ステム3I、第10ステム3J、及び第11ステム3Kの骨頭中心対応位置を示している。
[ブローチシステムの使用方法]
図8〜図10は、手術ユニット1の使用方法について説明するための図である。具体的には、図8は、ブローチハンドル30を用いてブローチ40を大腿骨50に対する適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す部分断面図である。また、図9は、ステム打込器20を用いてステム3を大腿骨50に対する適切な深さ位置まで打ち込む際の、大腿骨50に対するステム3及びステム打込器20の位置を示す図であって、図9(A)は、ステム3をステム用穴部51に徒手で仮挿入した状態を示す図、図9(B)は、ステム3の当接部7にステム打込器20の先端部23を宛がった状態を示す図、図9(C)は、ステム打込器20によってステム3を適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す図である。また、図10は、ステム打込器20によってステム3を適切な深さ位置まで打ち込んだ状態を示す部分断面図である。図8及び図10では、大腿骨50を断面図で示している。
まず、術者は、術前計画において、術前の患者の股関節付近のX線像を参照し、複数のステム3A〜3Kのうち患者の脚長に適したステム3を選択する。
次に、術者は、図示は省略するが、患者の大腿骨頸部をボーンソーで骨切りして患者の大腿骨頸部を切除した後、箱ノミ等を用いて大腿骨50における近位側の部分に仮穴を形成する。
次に、術者は、術前計画で選択されたステム3に対応する大きさを有するブローチ40をブローチハンドル30に係合させる。具体的には、術者は、図7を参照して、ブローチハンドル30の突出部33を上記ブローチ40の突出部用穴部に挿入した後、ブローチレバー34の爪部34aをブローチ40の被係合部に係合させる。これにより、ブローチ40をブローチハンドル30に係合させることができる。
次に、術者は、ブローチハンドル30に係合されたブローチ40を用いて、患者の大腿骨50にステム用穴部51を形成する。具体的には、術者は、ブローチハンドル30に係合されたブローチ40の先端部分を大腿骨50の近位側に形成された仮穴に挿入した状態で、ブローチハンドル30の被打部32をハンマー等で叩く。これにより、ブローチ40の表面に形成された刃部41が仮穴を押し広げるように削りながら、ブローチ40が大腿骨50内へ打ち込まれる(図8参照)。
このとき、術者は、3つの目盛線37a,37b,37cのうちのいずれかと、患者の大腿骨50の大転子頂部52との高さ位置が一致するまで、ブローチ40を大腿骨50内へ打ち込む。具体的には、術者は、第1ステム3A及び第2ステム3Bのいずれかに対応するブローチ40を用いている場合には、第1目盛線37aが大転子頂部52の高さ位置となるまでブローチ40を打ち込む。また、術者は、第3ステム3C、第4ステム3D、及び第5ステム3Eのいずれかに対応するブローチ40を用いている場合には、第2目盛線37bが大転子頂部52の高さ位置となるまでブローチ40を打ち込む。また、術者は、第6ステム3F、第7ステム3G、第8ステム3H、第9ステム3I、第10ステム3J、及び第11ステム3Kのいずれかに対応するブローチ40を用いている場合には、第3目盛線37cが大転子頂部52の高さ位置となるまでブローチ40を打ち込む。これにより、ステム用穴部51を、大腿骨50に対して適切な深さ位置に形成することができる。このようにして適切にステム用穴部51を形成した後、術者は、徒手的に或いは他の器具を用いて、ブローチ40を大腿骨50から抜去する。なお、図8では、ブローチ40として、第3ステム3C、第4ステム3D、及び第5ステム3Eのいずれかに対応するブローチ40が用いられている例を示している。
次に、術者は、複数のステムのうち患者に応じて選択されたステム3を、大腿骨50に対して打ち込む。具体的には、術者は、ステム3を徒手的にステム用穴部51に仮挿入し(図9(A)参照)、ステム3の当接部7にステム打込器20の先端部23を宛がった状態で(図9(B)参照)、ステム打込器20の被打部22をハンマー等で叩く。これにより、ステム3をステム用穴部51内へ打ち込むことができる。
このとき、術者は、指示部25と大転子頂部52との、ステム軸方向と平行な方向における位置(高さ位置)が一致するまで、ステム3を大腿骨50内へ打ち込む。
上述したように、本実施形態に係るステムセット2が有する各ステム3A〜3Kでは、図3を参照して、各該ステム3A〜3Kの当接部7の底部7aと骨頭中心対応位置Pとの、ステム軸方向における距離寸法Aが、同じ寸法に設定されている。よって、上述のように、指示部25と大転子頂部52との高さ位置が一致するまでステム3を大腿骨50内へ打ち込むことにより、結果として、骨頭中心対応位置Pと大転子頂部52との高さ位置を、ステム軸方向において揃えることができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る手術ユニット1が有するステムセット2では、複数種類のステム3A〜3Kのうち患者に応じて選択されたステム3が患者の大腿骨50に対して打ち込まれることにより、ステム3が大腿骨50に固定される。具体的には、術者は、例えば、ブローチによって大腿骨50に形成されたステム用穴部51に適切な大きさのステム3を徒手によって挿入した後、該ステム3の当接部7にステム打込器20の先端部23を宛がった状態でステム打込器20の被打部22をハンマー等で叩くことにより、ステム3をステム用穴部51内へ押し込む。これにより、ステム3が患者の大腿骨50に対して固定される。
そして、ステムセット2では、各ステム3A〜3Kにおいて、各該ステム3A〜3Kに設けられた当接部7における底部7aと骨頭中心対応位置Pとの、ステム3の軸Ax方向と平行な方向における距離寸法Aが、同じ寸法に設定されている。こうすると、ステム打込器20の先端部23をステム3の当接部7に当接させた状態において、ステム打込器20と骨頭中心対応位置Pとの、ステム軸Axの方向と平行な方向における相対位置は、同じになる。このため、ステム打込器20における所定部位(本実施形態の場合、指示部25)と、患者の大腿骨50の大転子頂部52との、ステム軸Ax方向と平行な方向における距離寸法が所定寸法(本実施形態の場合、ゼロ)となるようにステム3を打ち込むことにより、結果として、大転子頂部52と骨頭中心対応位置Pとの高さ位置を揃えることができる。ステム打ち込み時におけるステム打込器20と大転子頂部52との距離は、比較的近いため、ステム3を正確な高さ位置まで打ち込むことができる。
従って、ステムセット2では、簡易な構成を有するステム打込器によって、大転子頂部を基準とした骨頭中心対応位置の位置合わせを正確に行うことができる。
また、手術ユニット1では、ステム打込器20によるステム3の打ち込み時に、ステム打込器20の指示部25が大転子頂部52の高さ位置と合う高さ位置までステム3を打ち込むことにより、大転子頂部52と骨頭中心対応位置Pとの高さ位置を正確に合わせることができる。
ところで、正常な股関節では、大転子頂部52と骨頭中心との高さ位置が概ね同じになる。よって、手術ユニット1のように、ステム3の軸Ax方向に沿う方向であるステム打込器20の打込方向に対して垂直に延びる直線状の指示部25を設け、当該指示部25と大転子頂部52との高さ位置が揃うようにステム3を打ち込むことで、大転子頂部52を基準とした骨頭中心対応位置Pの位置合わせをより一層正確に行うことができる。
また、手術ユニット1では、当接部7が溝状に形成されているため、ステム打込器20の先端部23が当該溝状の当接部7に嵌め込まれた状態でステム打込器20をハンマー等で叩くことができる。これにより、ステム打込み時にステム打込器20がステム3から外れてしまうことを防止できる。
ところで、例えば、溝状の当接部7が延びる方向に対して直線状の指示部が傾いて形成されている場合、ステム3に対するステム打込器の先端部分の当接位置によって、指示部の指示方向がずれてしまう。
この点につき、手術ユニット1によれば、指示部25が、溝状の当接部7と平行な方向に沿って延びる直線状に形成されているため、ステム打込器20の先端部23を、当接部7におけるいずれの位置に当接させても、指示部25が骨頭中心対応位置Pを指示することになる。すなわち、手術ユニット1によれば、指示部25によって骨頭中心対応位置Pを正確に指示することができる手術ユニットを提供できる。
また、手術ユニット1では、指示部25が凹状に設けられているため、例えば指示部を印刷等によりステム打込器に形成した場合に生じ得る、摩耗等による指示部の薄れを防止できる。
また、手術ユニット1によれば、ブローチハンドル30に係合されたブローチ40の先端部分を大腿骨50に宛がった状態でブローチハンドル30をハンマー等で叩くことにより、大腿骨50にステム用穴部51を形成することができる。
そして、手術ユニット1によれば、ブローチハンドル30に設けられたブローチハンドル側指示部としての目盛線37a,37b,37cが大転子頂部52を指示する位置まで該ブローチハンドル30を叩いてブローチを打ち込むことにより、該ブローチに対応するステム3の骨頭中心対応位置Pを大転子頂部52の高さ位置に合わせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
[変形例]
(1)図11は、変形例に係る手術ユニット1aを示す図である。また、図12は、図11に示すステム打込器20aの先端部23付近の拡大図である。また、図13は、図11に示すブローチハンドル30aの先端部分の拡大図である。本変形例に係る手術ユニット1aは、上述した実施形態の場合と比べて、ステムセット、ステム打込器、及びブローチハンドルの構成が異なっている。以下では、上記実施形態と異なる点について主に説明し、それ以外の点については説明を省略する。
本変形例のステムセット2aは、それぞれが複数のステム3,17を有する複数の(図11に示す例では、2つの)ステム組を備えている。ステムセット2aは、第1のステム組15と、第2のステム組16とを備えている。
第1のステム組15が有する各ステム3は、上記実施形態のステムセット2が有する各ステム3と同じ構成を有している。具体的には、第1のステム組15が有する各ステム3は、それぞれ、本体部4及びネック部8が一体に形成されたものであって、当接部7の底部7aと骨頭中心対応位置Pとの、ステム軸Axと平行な方向における距離寸法Aが、同じ寸法(例えばA1)に設定されている。なお、図11では、第2ステム3B〜第10ステム3Jの図示を省略している。
第2のステム組16が有する各ステム17(第1ステム17A〜第11ステム17K)は、第1のステム組15が有する各ステム3(第1ステム3A〜第11ステム3K)と比べて、本体部4の構成は同じである。具体的には、第1ステム17Aの本体部4の形状は、第1ステム3Aの本体部の形状と同じである。同様に、第2ステム17B〜第11ステム17Kの本体部4の形状は、それぞれ、第2ステム3B〜第11ステム3Kの本体部4のそれぞれの形状と同じである。すなわち、第1ステム17A、第2ステム17B、第3ステム17C、第4ステム17D、第5ステム17E、第6ステム17F、第7ステム17G、第8ステム17H、第9ステム17I、第10ステム17J、第11ステム17K、の順に、埋設部5の大きさが徐々に大きくなっている。なお、図11では第2ステム17B〜第10ステム3Jの図示を省略している。
そして、第2のステム組16が有する各ステム17は、第1のステム組15が有する各ステム3と比べて、ネック部の構成が異なっている。具体的には、第2のステム組16が有する各ステム17のネック部8aは、長さは互いに同じであるが、その長さが、第1のステム組15が有する各ステム3のネック部8の長さよりも長い。すなわち、各ステム17A〜17Kの当接部7の底部7aと骨頭中心対応位置Pとの、ステム17A〜17Kの軸Axと平行な方向における距離寸法A(=A2)は、第1のステム組15が有する各ステム3における距離寸法A(=A1)よりも長い。
本変形例のステム打込器20aは、上記実施形態のステム打込器20と異なり、図12を参照して、2つの指示部25,25aが形成されている。指示部25は、上記実施形態のステム打込器20に設けられた指示部25と同じ形状を有し、且つステム打込器20に対して同じ位置に形成されている。
指示部25aは、指示部25の場合と同様、彫刻によって、左右方向に延びる直線状に形成されている。指示部25aは、ステム打込器20aの先端部23における指示部25よりも上方の部分に形成されている。具体的には、指示部25aは、ステム打込器20aの先端部23が、第2のステム組16が有する各ステム17A〜17Kの当接部7に嵌め込まれた状態で、各該ステム17A〜17Kの骨頭中心対応位置Pを指示する位置に形成されている。具体的には、ステム打込器20aの先端部23が各ステム17A〜17Kの当接部7に嵌め込まれた状態では、指示部25aの延長線上に骨頭中心対応位置Pが位置することになる。
本変形例のブローチハンドル30aには、上記実施形態のブローチハンドル30に形成されている目盛部36(以下、本変形例において、この目盛部を、ブローチハンドル側第1目盛部36と称する)の他に、ブローチハンドル側第2目盛部38が形成されている。
ブローチハンドル側第2目盛部38は、図13を参照して、3本の目盛線39a,39b,39cで構成されている。各目盛線39a,39b,39cの形状及び互いに対する相対位置は、ブローチハンドル側第1目盛部36の各目盛線37a,37b,37cの形状及び互いに対する相対位置と同じである。しかし、図13に示すように、ブローチハンドル側第2目盛部38は、ブローチハンドル側第1目盛部36よりも上方に形成されている。
ブローチハンドル側第2目盛部38が有する各目盛線39a,39b,39cは、互いにサイズが異なる複数のブローチのそれぞれに対応するステム17A〜17Kの骨頭中心対応位置Pを指示するブローチハンドル側指示部として設けられている。具体的には、第1目盛線39aは、図示は省略するが、ブローチハンドル30aがブローチに係合した状態において、第1ステム17A及び第2ステム17Bの骨頭中心対応位置Pを指示している。第2目盛線39bは、第3ステム17C、第4ステム17D、及び第5ステム17Eの骨頭中心対応位置を示している。第3目盛線39cは、第6ステム17F、第7ステム17G、第8ステム17H、第9ステム17I、第10ステム17J、及び第11ステム17Kの骨頭中心対応位置を示している。
以上のような構成を有する手術ユニット1aでは、術前計画において、互いに距離寸法Aが異なるステム組15,16から、より患者に適したステム3,17を選択することができる。そして、手術ユニット1aでは、第1のステム組15の中からステム3を選択した場合には、ステム打込器20aの指示部25が大転子頂部52の高さと一致するように、大腿骨50に対してステム3を打ち込むことにより、ステム3を適切な深さ位置まで打ち込むことができる。同様に、第2のステム組16の中からステム17を選択した場合には、ステム打込器20aの指示部25aが大転子頂部52の高さと一致するように、大腿骨50に対してステム17を打ち込むことにより、ステム17を適切な深さ位置まで打ち込むことができる。すなわち、本変形例によれば、手術対象となる患者に応じて適切な距離寸法Aを有するステム3,17を選択することができるため、汎用性が高い人工股関節用ステムセットを提供できる。
(2)図14は、変形例に係る手術ユニットが有するステム打込器20bの先端部23付近の拡大図である。また、図15は、図14に示すステム打込器20bを用いて大腿骨50に打ち込まれるステム3を示す図であって、図15(A)は、ステム3が所望の位置よりも浅い位置まで打ち込まれた状態を示す図、図15(B)は、ステム3が所望の位置よりも深い位置まで打ち込まれた状態を示す図、である。本変形例のステム打込器20bの先端部23には、目盛部26が設けられている。
目盛部26は、指示部25と、複数の(本実施形態の場合、4本の)目盛線26a,26b,26c,26dとで構成されている。指示部25は、上記実施形態のステム打込器20に設けられた指示部25と同じ形状を有し且つステム打込器に対して同じ位置に形成されている。各目盛線26a,26b,26c,26dは、指示部25の場合と同様、左右方向に延びる直線状に設けられている。各目盛線26a,26b,26c,26dの線幅は、指示部25の線幅よりも細い。目盛線26aは、指示部25よりも5mm上方に設けられている。目盛線26bは、指示部25よりも2.5mm上方に設けられている。目盛線26cは、指示部25よりも2.5mm下方に設けられている。目盛線26dは、指示部25よりも5mm下方に設けられている。指示部25、及び目盛線26a,26dは、目盛線26b,26cよりも長い。また、指示部25の中央部分には「0」のアラビア数字が、目盛線26a,26dの中央部分には「5」のアラビア数字が、それぞれ付されている。これらの数字は、指示部25を基準としたずれ量を示している。
本変形例によれば、例えばステム打込器20bによるステム3の打込み時に目盛線26cが大転子頂部52の高さ位置と一致しているときには(図15(A)参照)、術者は、ステム3を所望の深さ位置まで打ち込むために、あと2.5mm、ステム3を打ち込めばよいことを把握できる。或いは、目盛線26aが大転子頂部52の高さ位置と一致しているときには(図15(B)参照)、術者は、ステム3を所望の深さ位置よりも5mm、深く打ち込みすぎたことを把握できる。この場合、術者は、そのように5mm深く打ち込みすぎたステム3に対して、例えば骨頭中心位置が標準より5mm高い位置に設けられた骨頭ボールを用いることにより、骨頭中心位置を調整できる。すなわち、本変形例によれば、術者は、目盛線26a,26b,26c,26dを参照して、ステム3をあとどの程度打ち込めばよいか、又はステム3を打ち込みすぎた場合には、骨頭中心位置が標準的な骨頭ボールに対して、骨頭中心位置の高さ位置がどの程度ずれている骨頭ボールを用いればよいかを、正確に把握することができる。
以上のように、本変形例における各目盛線26a,26b,26c,26dは、骨頭中心対応位置Pを指示する指示部25を基準として所定距離離れた位置に設けられたものである。このような目盛線26a,26b,26c,26dが設けられたステム打込器20bを用いてステム3を打ち込むことで、当該目盛線26a,26b,26c,26dを目印として、あとどれくらいステム3を打ち込めば正確な深さ位置まで打ち込むことができるかを、定量的に把握することができる。
(3)図16は、変形例に係る手術ユニットが有するステム打込器20cの先端部23付近の拡大図であって、図16(A)は正面側から視た図、図16(B)は背面側から視た図、である。また、図17は、図16に示すステム打込器20cを、患者の大腿骨50における正確な位置まで打ち込まれた状態におけるステム3に対して、第2目盛部28が手前側を向くように宛がった状態を示す図である。また、図18は、図17におけるステム打込器20cの先端側及び大腿骨50の近位端側を拡大して示す図である。
本変形例のステム打込器20cには、図14を用いて説明した変形例のステム打込器20bが有する目盛部26(以下、この目盛部26を、第1目盛部26と称する場合もある)だけでなく、第2目盛部28も形成されている。第2目盛部28は、図16(B)を参照して、ステム打込器20cの裏面側(ステム打込器20cにおける第1目盛部26が形成されている側と反対側)に形成されている。
第2目盛部28は、4本の目盛線で構成されている。具体的には、第2目盛部28は、脚長基準位置指示部29と、その他の3本の目盛線29a,29b,29cとで構成されている。
脚長基準位置指示部29は、ステム打込器20cの軸方向に対して斜め方向に傾く直線状に形成されていて、その中央部分には、「0」のアラビア数字が記載されている。脚長基準位置指示部29は、例えば一例として、ステム打込器20cの軸方向と垂直な方向に対して7°、傾いている。
各目盛線29a,29b,29cも、脚長基準位置指示部29と同様、ステム打込器20cの軸方向に対して斜め方向に傾く直線状に形成されている。各目盛線29a,29b,29cの線幅は、脚長基準位置指示部29の線幅よりも細い。目盛線29aとしての第1目盛線29aは、脚長基準位置指示部29よりも5mm上方に設けられている。目盛線29bとしての第2目盛線29bは、脚長基準位置指示部29よりも2.5mm上方に設けられている。目盛線29cとしての第3目盛線29cは、脚長基準位置指示部29よりも2.5mm下方に設けられている。脚長基準位置指示部29及び目盛線29aは、目盛線29b,29cよりも短い。目盛線29aの中央部分には、「5」のアラビア数字が付されている。この数字は、脚長基準位置指示部29を基準としたずれ量を示している。
本実施形態のステム打込器20cは、以下のようにして使用することができる。具体的には、術者は、まず、上記実施形態の場合と同様にしてステム打込器20cを用いてステム3を大腿骨に対する所望の位置まで打ち込む。具体的には、術者は、ステム打込器20cの指示部25と大転子頂部52との高さ位置が一致するまで、ステム3を打ち込む。
そしてその後、術者は、第2目盛部28を視認できるようにステム打込器20cをステム軸方向まわりに反転させる、これにより、第2目盛部28が手前側に向く(図17及び図18参照)。この状態において、ステム3が正しい位置まで打ち込まれていれば、脚長基準位置指示部29は、大転子頂部52を指示することになる(すなわち、脚長基準位置指示部29の延長線上に大転子頂部52が位置することになる)。すなわち、この構成によれば、脚長基準位置を容易に把握することができる。
ところで、大腿骨50の長手方向L1(すなわち、ステムの軸Ax方向)は、体軸Lに対して約7°程度傾いている。また、脚長は、大転子頂部52と外顆53との体軸L方向における距離寸法d、で定義される。
この構成では、直線状に設けられた脚長基準位置指示部29が、体軸Lに対して垂直な方向に延びている。そうすると、その脚長基準位置指示部29が延びる方向と垂直な方向が脚長方向と一致する。これにより、術者は、患者だけでなく、脚長基準位置指示部29をも参照して患者の脚長方向を推測できるため、患者の脚長を比較的容易に把握することができる。
(4)図19(A)は、変形例に係るステム18の側面図であって、当接部7b付近の拡大図である。また、図19(B)は、他の変形例に係るステム19の側面図であって、当接部7c付近の拡大図である。
上述した実施形態では、図2(B)を参照して、当接部7bの形状を、側方から視たV字の溝状に形成したが、これに限らない。具体的には、図19(A)に示すように、当接部7bを平坦状に形成してもよい。この場合、ステム打込器の先端の形状を、図示は省略するが、平坦状に形成された当接部7bと面接触するような平坦状に形成するのが好ましい。
また、図19(B)に示すように、当接部7cを、側方から視て上方へ向かって尖った突状に形成してもよい。この場合、ステム打込器の先端の形状を、図示は省略するが、突状に形成された当接部7cと相補的な形状にするのが好ましい。具体的には、ステム打込器の先端の形状を、当接部7cが嵌まり込む逆V字の溝状に形成するのが好ましい。
(5)図20は、変形例に係る人工股関節置換術用手術ユニット1bの構成を示す図である。また、図21は、図20に示す手術ユニット1bが有するステム打込器20dを用いてステム3を大腿骨50に対する適切な位置まで打ち込む際の、大腿骨50に対するステム3及びステム打込器20dの位置を示す図であって、図21(A)は、ステム3をステム用穴部51に徒手で仮挿入した状態を示す図、図21(B)は、ステム3の当接部7にステム打込器20dの先端部23を宛がった状態を示す図、図21(C)は、ステム打込器20dによってステム3を適切な位置まで打ち込んだ状態を示す図である。
本変形例に係る手術ユニット1bは、上記実施形態に係る手術ユニット1と比べて、ステム打込器の構成のみが異なっている。具体的には、本変形例のステム打込器20dには、指示部25が設けられていない。
本変形例のように、指示部25が設けられていないステム打込器20dを用いた場合であっても、ステム3を正確な位置まで打ち込むことができる。具体的には、ステム打込器20dにおける所定箇所、例えばステム打込器20dの先端24における内側側の角部24aと大転子頂部52との位置関係が所定の相対位置となるまでステム3を打ち込むことにより、ステム3の骨頭中心対応位置Pと大腿骨50の大転子頂部52との高さ位置を一致させることができる。上述したステム打込器20dの角部24aは、骨頭中心対応位置Pよりも大転子頂部52に近いため、大転子頂部52を基準とした相対位置を合わせやすい。すなわち、変形例に係る手術ユニット1bによっても、上記実施形態の場合と同様、簡易な構成を有するステム打込器20dによって、大転子頂部52を基準とした骨頭中心対応位置Pの位置合わせを正確に行うことができる。
(6)本発明は、ステム用穴部とステムとの間をセメントで埋めることにより大腿骨に固定される、いわゆるセメントタイプのステム、及び、セメントを用いずにステム用穴部に固定される、いわゆるセメントレスタイプのステム、の双方に適用することができる。
(7)上記実施形態及び変形例では、本体部とネック部とが一体化されたステムを例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は、本体部と、該本体部に対して着脱可能に構成されたネック部とを有するステムに適用することもできる。
本発明は、大腿骨に固定される人工股関節用のステムを複数種類備えた人工股関節用ステムセット、及び人工股関節用ステムセットを備えた人工股関節置換術用手術ユニットとして、広く適用することができる。
1,1a,1b 人工股関節置換術用手術ユニット
2,2a ステムセット(人工股関節用ステムセット)
3,17,18,19 ステム
4 本体部
5 埋設
7,7b,7c 当接部
8,8a ネック部
20,20a〜20d ステム打込器
50 大腿骨
A 距離寸法
Ax (ステムの)軸
P 骨頭中心対応位置

Claims (10)

  1. 人工股関節用のステムを複数種類備え、患者に応じて選択された前記ステムがステム打込器によって前記患者の大腿骨に打ち込まれることにより該患者の大腿骨に固定される人工股関節用ステムセットと、前記ステム打込器とを備える人工股関節置換術用手術ユニットであって、
    各前記ステムは、
    前記患者の大腿骨に埋め込まれる部分であって大きさ及び形状の少なくとも一方が前記ステムの種類毎に異なる埋設部、及び該埋設部と一体に設けられ前記ステム打込器による打ち込み時に前記ステム打込器が当接する部分である当接部、を有する本体部と、
    前記本体部から延びて先端部分が人工骨頭に嵌め込まれるネック部と、
    を備え、
    前記ネック部には、前記ネック部が嵌め込まれた状態における前記人工骨頭の骨頭中心に対応する位置である骨頭中心対応位置が含まれ、
    各前記ステムでは、前記当接部における所定の基準位置と前記骨頭中心対応位置との、前記ステムの軸方向と平行な方向における距離寸法が、同じ寸法に設定されており、
    前記ステム打込器には、前記患者の大腿骨に打ち込まれた状態の前記ステムに前記ステム打込器が当接している状態において、前記患者の体軸と垂直な方向に延びる直線状に設けられ、その延長線上に前記患者の脚長の基準位置となる脚長基準位置としての大転子頂部が位置する脚長基準位置指示部、が設けられていることを特徴とする、人工股関節置換術用手術ユニット。
  2. 前記ステム打込器は、前記人工股関節用ステムセットが有するステムの打ち込み時に前記ステムに当接している状態において前記ステムの骨頭中心対応位置を指示する指示部を備えている、請求項1に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  3. 前記指示部は、前記ステムの軸方向に沿う方向である前記ステム打込器の打込方向に対して垂直方向に延びる直線状に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  4. 前記ステム打込器には、それぞれが前記指示部と平行な方向へ延びるとともに、前記ステムの軸方向と平行な方向に沿って互いに間隔を空けて並べられた複数の目盛線、が設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  5. 人工股関節用のステムを複数種類備え、患者に応じて選択された前記ステムがステム打込器によって前記患者の大腿骨に打ち込まれることにより該患者の大腿骨に固定される人工股関節用ステムセットと、
    前記人工股関節用ステムセットが有する前記ステムの打ち込み時に前記ステムに当接している状態において前記ステムの骨頭中心対応位置を指示する指示部が設けられた前記ステム打込器と、を備える人工股関節置換術用手術ユニットであって、
    各前記ステムは、
    前記患者の大腿骨に埋め込まれる部分であって大きさ及び形状の少なくとも一方が前記ステムの種類毎に異なる埋設部、及び該埋設部と一体に設けられ前記ステム打込器による打ち込み時に前記ステム打込器が当接する部分である当接部、を有する本体部と、
    前記本体部から延びて先端部分が人工骨頭に嵌め込まれるネック部と、
    を備え、
    前記ネック部には、前記ネック部が嵌め込まれた状態における前記人工骨頭の骨頭中心に対応する位置である骨頭中心対応位置が含まれ、
    各前記ステムでは、前記当接部における所定の基準位置と前記骨頭中心対応位置との、前記ステムの軸方向と平行な方向における距離寸法が、同じ寸法に設定されており、
    前記指示部は、前記ステムの軸方向に沿う方向である前記ステム打込器の打込方向に対して垂直方向に延びる直線状に設けられており、
    前記ステム打込器には、それぞれが前記指示部と平行な方向へ延びるとともに、前記ステムの軸方向と平行な方向に沿って互いに間隔を空けて並べられた複数の目盛線、が設けられており、
    前記複数の目盛線の各々は、前記指示部を基準として所定距離離れた位置に設けられていることを特徴とする、人工股関節置換術用手術ユニット。
  6. 前記ステム打込器には、前記患者の大腿骨に打ち込まれた状態の前記ステムに前記ステム打込器が当接している状態において、前記患者の体軸と垂直な方向に延びる直線状に設けられ、その延長線上に前記患者の脚長の基準位置となる脚長基準位置としての大転子頂部が位置する脚長基準位置指示部、が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  7. 前記当接部は、前記ステム打込器の先端部分が嵌まり込む溝状に形成され、
    前記指示部は、前記当接部が溝状に延びる方向と平行な方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする、請求項3から6の何れか1項に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  8. 前記指示部は、前記ステム打込器の表面において凹状に設けられていることを特徴とする、請求項2から7のいずれか1項に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  9. 前記人工股関節用ステムセットは、複数種類の前記ステムを有するステム組を複数備え、
    各前記ステムは、各該ステムが属する前記ステム組毎に、前記距離寸法が異なっていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
  10. 患者に応じて選択された前記ステムの種類に対応するブローチを前記患者の大腿骨に打ち込むためのブローチハンドルを更に備え、
    前記ブローチハンドルには、該ブローチハンドルが前記ブローチに係合している状態において、該ブローチに対応する前記ステムの前記骨頭中心対応位置を指示するブローチハンドル側指示部が設けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の人工股関節置換術用手術ユニット。
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