JP6835757B2 - 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び基板処理装置 - Google Patents

情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び基板処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び基板処理装置に関する。
半導体製造装置では、チャンバー内に真空環境を作り出すことを目的として半導体製造工程に使用されるガスをチャンバー内から排気する真空ポンプが広く使用されている。このような真空ポンプとしては、ルーツ型やスクリュー型のポンプロータを備えた容積式タイプの真空ポンプが知られている。
一般に、容積式の真空ポンプは、ケーシング内に配置された一対のポンプロータと、このポンプロータを回転駆動するためのモータとを備えている。一対のポンプロータ間及びポンプロータとケーシングの内面との間には微小なクリアランスが形成されており、ポンプロータは、ケーシングに非接触で回転するように構成されている。そして、一対のポンプロータが同期しつつ互いに反対方向に回転することにより、ケーシング内の気体が吸入側から吐出側に移送され、吸込口に接続されたチャンバーなどから気体が排気される。
半導体製造工程に使用されるガス、あるいは使用されるガスが化学反応によって生成する物質には、温度が低下すると固形化あるいは液状化する成分が含まれるものがある。通常、上述した真空ポンプは、ガスを移送する過程で圧縮熱が発生するため、運転中の真空ポンプは、ある程度高温となっている。圧縮熱による高温化ではガス中の成分あるいは生成物質の固形化あるいは液状化温度より高くならない場合には、ポンプ本体を外部加熱あるいは流入するガスの加熱により真空ポンプの高温を維持している。上記真空ポンプを用いて上述した成分を含むガスを排気した場合でもガス中の成分あるいは生成物質が固形化又は液状化せずに良好な真空排気が行われる。
しかしながら、上述した真空ポンプの高温化では使用されるガス、あるいは使用されるガスからの生成物資の液状化、固形化を防ぐことができない半導体製造工程がある。この工程での真空ポンプの運転を継続すると、この固形化した生成物(反応生成物)がポンプロータ間やポンプロータとケーシングとの隙間に堆積する。そして、この生成物の堆積が進行すると、真空ポンプの運転中に真空ポンプに過剰な負荷がかかることによって、製造プロセス中に真空ポンプが停止し、製造プロセス中の製品に多大な損害を与えることになる。
それに対し、特許文献1では、真空ポンプのロータの回転速度変化時における計測した状態変化量と正常時の状態変化量とを比較し、測定した状態変化量が正常時の状態変化量より所定量大きく又は小さくなった場合に異常とすることで、ポンプ停止となる要因を事前に予測し突然の真空ポンプ停止による半導体ウエハ等の損傷を防止するようにした真空ポンプの故障診断装置が開示されている。
特許文献1の技術は、例えばポンプ起動時の停止から定格回転に達するまでの状態変化量を測定してポンプ停止となる要因を事前に予測するようにしている。このため、ポンプ起動時にポンプの回転速度を定格回転速度まで上げる必要があるばかりでなく、ポンプの回転速度を定格回転速度まで上げるまで、ポンプ停止となる要因を予測することができない。
それに対して、特許文献2では、真空ポンプのケーシング内に生成物が堆積している状況を真空ポンプの起動時に検出し、この状況に応じて、ユーザに真空ポンプのメンテナンスを喚起するメンテナンス信号を出力することによって、製造プロセス中に真空ポンプが停止することを防止することが開示されている。
特開2005−9337号公報 特開2011−202516号公報
しかしながら、特許文献2の技術でも依然として、真空ポンプの起動時という限られたタイミングでしか、真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測することができないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することを可能とする情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理装置であって、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を決定する決定部と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲とを比較し、比較結果を出力する比較部と、を備える。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置であって、前記決定部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、前記比較部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する。
この構成によれば、圧力による対象状態量(例えば、電流値)の変化を補正し、補正後の対象状態量が正常変動範囲または正常時間変動挙動から逸脱する場合に、異常と判定することができる。このため、判定精度を向上させることができる。
本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、第1または2の態様に係る情報処理装置であって、前記決定部は、前記対象の真空ポンプが稼働後、規定回数分の工程毎の対象情報量に基づいて、当該工程毎に前記対象状態量の正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、前記比較部は、対応する工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する。
この構成によれば、対応する工程毎に、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出精度を向上させることができる。
本発明の第4の態様に係る情報処理装置は、第1から3のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記正常変動範囲は、正常状態時の前記対象状態量の時間変化の変動範囲であり、前記比較部は、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の時間変化と、前記正常状態時の前記対象状態量の時間変化の変動範囲とを比較する。
この構成によれば、時間変化同士を比較することで、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出精度を向上させることができる。
本発明の第5の態様に係る情報処理装置は、第1から4のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記対象状態量の大きさ、変動の大きさ、及び/または変動周期が異なる期間を異なる工程として区分けする区分部を更に備え、前記決定部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、前記比較部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する。
この構成によれば、自動的に工程に区分けし、当該区分けされた工程毎に、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出にかかる労力を低減できる。
本発明の第6の態様に係る情報処理装置は、第1から4のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置における工程の中で使用するガス種及びガス流量が異なる期間を異なる工程として区分けする区分部を更に備え、前記決定部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、前記比較部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する。
この構成によれば、自動的に工程に区分けし、当該区分けされた工程毎に、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出にかかる労力を低減できる。
本発明の第7の態様に係る情報処理装置は、第1から6のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記半導体製造装置における工程毎の前記対象状態量の変化の度合いに基づいて、生成物由来の異常の有無を判定する。
この構成によれば、生成物由来の異常の有無を検出することができる。
本発明の第8の態様に係る情報処理装置は、第1から7のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記比較部は、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常があると判断したデータを前記比較結果として出力する。
この構成によれば、真空ポンプの管理者が、異常があると判断したデータを把握することができる。
本発明の第9の態様に係る情報処理装置は、第1から8のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記他の真空ポンプは、前記対象の真空ポンプと仕様が略同一である。
この構成によれば、対象の真空ポンプと仕様が略同一である他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定することができる。
本発明の第10の態様に係る情報処理装置は、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理装置であって、前記対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置のプロセスのレシピ情報に基づいて、当該真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量の正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定する決定部と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、を備える。
この構成によれば、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出する情報処理装置であって、前記対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置のプロセスのレシピ情報に基づいて、当該真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量の正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定する決定部と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、を備える。
本発明の第11の態様に係る情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置であって、前記決定部は、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を工程毎に決定し、前記比較部は、運転中の対象の真空ポンプの対象状態量と前記正常変動範囲とを工程毎に比較し、前記正常変動範囲から逸脱した異常データを検出し、真空ポンプの故障の有無別に、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値を用いて、故障可能性または運転継続可能性を判定するためのポンプ状態判定基準または警報を出力するか判断するための警報判断基準を決定する判定基準決定部を更に備える。
この構成によれば、情報処理装置は、ポンプ状態判定基準を用いて、運転中の対象の真空ポンプの故障可能性または運転継続可能性を判定することができるか、あるいは、運転中の対象の真空ポンプについて当該判断基準を用いて警報を出力するか判断することができる。
本発明の第12の態様に係る情報処理装置は、第11の態様に係る情報処理装置であって、前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記判定基準決定部により決定された前記ポンプ状態判定基準とを比較し、ポンプ状態診断値を出力する出力部を更に備え、前記ポンプ状態診断値には、故障可能性を示す故障指数または運転継続可能性を示す運転継続指数が含まれる。
この構成によれば、運転中の対象ポンプの管理者は、故障可能性または運転継続可能性を把握することができるので、故障前に真空ポンプの交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
本発明の第13の態様に係る情報処理装置は、第12の態様に係る情報処理装置であって、前記判定基準決定部は、故障した真空ポンプについて、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、対象パラメータの統計値と前記故障指数との対応関係を前記ポンプ状態判定基準として決定し、前記出力部は、前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記対応関係とを比較することにより、前記故障指数を出力する。
この構成によれば、運転中の対象ポンプの管理者は、故障可能性を把握することができるので、故障前に真空ポンプの交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
本発明の第14の態様に係る情報処理装置は、第12の態様に係る情報処理装置であって、前記決定部は、故障なく運転継続した真空ポンプについて、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、対象パラメータの統計値と前記運転継続指数との対応関係を判定基準として決定し、前記出力部は、前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記対応関係とを比較することにより、前記運転継続指数を出力する。
この構成によれば、運転中の対象ポンプの管理者は、運転継続可能性を把握することができるので、故障前に真空ポンプの交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
本発明の第15の態様に係る情報処理装置は、第11の態様に係る情報処理装置であって、対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記判定基準決定部により決定された警報判断基準とを比較し、比較結果に応じて警報を出力する警報出力部を更に備える。
この構成によれば、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの運転継続可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
本発明の第16の態様に係る情報処理装置は、第11から15のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する区分部を更に備え、前記決定部は、前記分割された工程毎に、前記対象状態量の正常変動範囲を決定する。
この構成によれば、工程毎に対象状態量の正常変動範囲を決定することができる。
本発明の第17の態様に係る情報処理装置は、第16の態様に係る情報処理装置であって、前記区分部は、除害装置から入力される成膜開始信号に含まれる成膜開始タイミングを起点として、前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する。
この構成によれば、対象状態量を確実に工程毎に分割することができる。
本発明の第18の態様に係る情報処理装置は、第16の態様に係る情報処理装置であって、前記真空ポンプには、前記真空ポンプ内の特定のガスの濃度を計測するガスセンサが設けられており、前記区分部は、前記ガスセンサによって検出されたセンサ値に基づいて、成膜開始タイミングを決定し、当該成膜開始タイミングを起点として、前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する。
この構成によれば、対象状態量を確実に工程毎に分割することができる。
本発明の第19の態様に係る情報処理装置は、第11から18のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、前記異常発生数に関する対象パラメータは、異常発生回数、または特定の工程の異常発生回数を当該特定の工程の期間で割って得られる異常発生頻度である。
この構成によれば、異常発生回数または異常発生頻度の統計値(例えば、異常発生回数累積値または異常発生頻度累積値)を用いてポンプ状態判定基準を決定するので、故障可能性または運転継続可能性の判定精度を向上させることができる。
本発明の第20の態様に係る情報処理システムは、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理システムであって、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、を備える。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
本発明の第21の態様に係る情報処理方法は、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理方法であって、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する工程と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する工程と、を有する。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
本発明の第22の態様に係るプログラムは、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出するプログラムであって、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
本発明の第23の態様に係る基板処理装置は、成膜用ガスを導入して基板を成膜するチャンバー成膜炉と、前記チャンバー成膜炉に連通する真空ポンプ装置と、前記真空ポンプの排ガスを処理する除害装置と、前記真空ポンプを制御する制御装置とを有し、複数の基板を連続的に処理する基板処理装置であって、前記制御装置は、前記真空ポンプを起動させて前記チャンバー成膜炉を所定の真空度にした後に、前記除害装置から入力される成膜開始信号に含まれる成膜開始タイミングを起点として、記憶装置から読みだした対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割して、分割された対象状態量を生成する生成回路と、前記分割された対象状態量毎に、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量の正常変動範囲を決定する決定回路と、を有している。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、チャンバー成膜炉内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
本発明の一態様によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプの運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプの運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプの運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止する状況を予測し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
正常状態から故障に至るまでの例を示す模式図である。 正常状態から故障に至るまでの時間推移例を示す模式図である。 本実施形態にかかる半導体製造システム10の概略構成図である。 本実施形態に係る真空ポンプ3の概略構造図である。 本実施形態に係る真空ポンプ3の概略機能構成図である。 本実施形態に係る情報処理装置5の概略構成図である。 駆動電流の電流実効値の時間変化の一例を示すグラフである。 ある工程における正常変動範囲と現在のデータとを比較した模式図である。 工程1における駆動電流の電流実効値の変化の度合いの時間経過の一例を示す模式図である。 正常変動範囲を決定する処理の一例を示すフローチャートである。 生成物由来の異常の有無を検出する処理の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態にかかる半導体製造システム10bの概略構成図である。 第2の実施形態に係る情報処理装置5bの概略構成図である。 BP電流とMP電流の時間変化の一例を示すグラフである。 ブースターポンプの電流(BP電流)とメインポンプの電流(MP電流)の時間変化の一例を示すグラフである。 故障したポンプの特定の工程の異常発生回数の時間変化の一例を示すグラフである。 故障したポンプの全工程の異常発生累積回数の時間変化の一例を示すグラフである。 故障したポンプの全工程の異常発生累積回数の時間変化の一例を示すグラフである。 故障したポンプの全工程の異常発生頻度累積値の時間変化の一例を示すグラフである。 工程毎の要素データの作成の流れを示すフローチャートである。 特定の工程について、故障したポンプそれぞれの要素データを記憶部53から読み出すことを説明するための模式図である。 故障ポンプの異常発生頻度累積値の頻度グラフの一例である。 工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 故障指数出力処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。 工程1の異常発生回数累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 工程1の異常発生頻度累積値の変化率と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 異常発生頻度累積値の変化開始タイミングの範囲と異常発生頻度累積値の変化値の範囲の組と、その組に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 工程1の異常発生頻度累積値曲線の積分値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 全工程積算要素データを説明するための模式図である。 故障ポンプの全工程の異常発生頻度累積値の頻度グラフの一例である。 全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 故障指数出力処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。 工程1の異常発生回数累積値の頻度グラフと、工程1の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフの一例である。 工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する運転継続指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 運転継続指数出力処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。 全工程の異常発生回数累積値の頻度グラフと、全工程の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフの一例である。 全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する運転継続指数との対応関係を示すテーブルの一例である。 運転継続指数出力処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形例に係る基板処理装置100である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、正常状態から故障に至るまでの例を示す模式図である。図1に示すように、初期状態S1において、真空ポンプのケーシングとロータの間にはクリアランスが存在する。真空ポンプの使用により、状態S2に示すように、ケーシングとロータに生成物が付着または堆積する。ここで正常状態は、ケーシングとロータの間にはクリアランスが存在する状態であり、初期状態S1と状態S2を含む。
異常発生の瞬間は、状態S3に示すように、ケーシングとロータに付着した生成物が接触する。この生成物の接触によって、状態S4に示すように、ケーシングまたはロータの生成物が剥がれる。その後、更なる真空ポンプの使用により、状態S5に示すように、ケーシングとロータに生成物が更に付着または堆積する。そして、ついには状態S6に示すように、ケーシングとロータに付着した生成物が接触する。その後、この生成物の接触によって、状態S5に示すように、ケーシングまたはロータの生成物が一部剥がれる。その後、状態S5と状態S6が交互に繰り返される。その後、ケーシングとロータに付着した生成物が接触しても、これらの生成物が剥がれない場合には、状態S7に示すように、ロータの回転が停止する。このロータの回転の停止により、真空ポンプが異常に停止し、真空ポンプの故障と判断される。
図2は、正常状態から故障に至るまでの時間推移例を示す模式図である。図2に示すように、真空ポンプは、運転継続中に、正常状態と、ケーシングとロータに付着した生成物が接触する異常状態とを交互に繰り返す。そして、ケーシングとロータに付着した生成物が接触してもこれらの生成物が剥がれない場合には、真空ポンプが異常停止し、故障と判断される。
真空ポンプの生成物由来の異常に伴って真空ポンプが停止し、半導体製造装置内の製造プロセス中の製品に損害を与えるのを防止するために、本実施形態では、真空ポンプの運転継続中の状態量を用いて、対象の真空ポンプ内で生成される(例えば固形化または液状化した)生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する。これにより、対象の真空ポンプの運転継続中に異常が検出された場合に、そこで真空ポンプの運転を停止するか、そこから予め設定された許容期間経過後に真空ポンプの運転を停止して、真空ポンプをメンテナンスまたは交換することができる。
その場合に、真空ポンプの運転継続中に、真空ポンプ内で固形化または液状化した生成物由来の状態量の変動(異常な変動)とそれ以外の要因による状態量の変動(正常な変動)を区別することが難しいという新たな課題が存在する。
本実施形態では、この問題に対し、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって当該対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する。ここで対象状態量とは、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量のうち対象とする状態量のことである。ここでガスの負荷とは、ガス種及びガスの流量によって変動する負担である。そして、対象の真空ポンプの現在の対象状態量と当該正常変動範囲または正常時間変動挙動とを比較することによって、生成物由来の異常の有無を検出する。ここで状態量とは、真空ポンプの状態量であり、対象状態量には例えば、真空ポンプに含まれるモータの駆動電流、モータの電力、ロータの回転数、真空ポンプの温度、真空ポンプ内の圧力、真空ポンプの振動数などであり、これらの計測値が用いられる。ここで正常時間変動挙動は、真空ポンプの状態量の時間的な変動のうち正常な挙動を意味する。ここで、現在の対象状態量とは、上記比較する時点において直近に得られた対象状態量または上記比較する時点において最新の対象状態量だけでなく、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する際に用いた過去の対象状態量よりも後に取得された対象状態量も含む。すなわち、過去とは、少なくとも現在の対象状態量の取得時よりも古い時刻であればよく、過去の対象状態量は、少なくとも現在の対象状態量よりも古い時刻に取得された対象状態量であればよい。
図3は、本実施形態に係る半導体製造システム10の概略構成図である。図3に示すように、本実施形態に係る半導体製造システム10は、半導体製造装置1と、真空ポンプ3と、半導体製造装置1と真空ポンプ3とを繋ぐ配管2と、真空ポンプ3を制御する制御装置4と、情報処理装置5とを備える。半導体製造装置1は、チャンバー成膜炉11と、チャンバー成膜炉11を制御する制御部12とを備える。チャンバー成膜炉11と真空ポンプ3は、配管2を介して連通しており、真空ポンプ3が運転することによって、チャンバー成膜炉11内の気体(ガス)が排出され略真空にひかれる。真空ポンプ3は、ルーツ型のロータを備えたものでもよいし、スクリュー型のロータを備えたものでもよい。また真空ポンプ3は、クロー型またはスクロール形の真空ポンプであってもよい。また、真空ポンプ3は、一段のポンプでもよいし、複数段のポンプでもよい。本実施形態に係る情報処理装置5は、対象の真空ポンプ3内で固形化または液状化した生成物由来の異常の有無を検出する。
図4は、本実施形態に係る真空ポンプ3の概略構造図である。図4に示すように、真空ポンプ3は、配管2と連通するブースターポンプ31と、メインポンプ33と、ブースターポンプ31と、メインポンプ33とを連通する配管32と、メインポンプ33に連通する配管34と、真空ポンプ3内の圧力を計測する圧力計35とを備える。本実施形態では一例として、圧力計35はメインポンプ33内の圧力を計測する。
なお、圧力計35は、真空ポンプ3内の圧力を計測できればよく、配管2、ブースターポンプ31、配管32に設けられ、それぞれの位置における真空ポンプ3内の圧力を計測してもよい。
図5は、本実施形態に係る真空ポンプ3の概略機能構成図である。図5に示すように、真空ポンプ3は、電源36と、入力が電源36と接続されたインバータ37と、入力がインバータ37の出力と接続されたモータ38と、モータ38の回転軸に連結されたロータ39とを備える。また上述したように、真空ポンプ3は、圧力計35を備える。
インバータ37は、電源36から供給された交流電流を周波数変換し、周波数変換して得られた駆動電流をモータ38に供給する。これにより、この駆動電流によってモータ38の回転軸が回転し、それに伴ってロータ39が回転することにより、配管2から吸入されたガスがロータ39の回転に伴ってブースターポンプ31、配管32、メインポンプ33の順に移送され、配管34から排出される。このように、配管2から配管34にガスが連続して移送されることにより、配管2に接続されたチャンバー成膜炉11内のガスが真空排気される。
モータ38は、モータ38の回転数を示す回転数信号をインバータ37に出力する。インバータ37は、駆動電流の電流実効値と、回転数信号から得られるモータ38の回転速度を情報処理装置5に供給する。また、圧力計35によって計測された真空ポンプ3内の圧力値が情報処理装置5に供給される。
図6は、本実施形態に係る情報処理装置5の概略構成図である。図6に示すように、情報処理装置5は、入力部51と、出力部52と、記憶部53と、メモリ54と、CPU(Central Processing Unit)55とを備える。
入力部51は、インバータ37及び圧力計35に接続されており、駆動電流の電流実効値、モータ38の回転速度、真空ポンプ3内の圧力値が入力部51に入力される。出力部52は、CPU55の指令に従って、情報を出力する。記憶部53は、CPU55が実行するためのプログラムが格納されている。メモリ54は、一時的に情報を格納する。CPU(Central Processing Unit)55は、記憶部53に保存されたプログラムを読み出して実行する。これにより、CPU(Central Processing Unit)55は、区分部551、決定部552、及び比較部553として機能する。
図7は、駆動電流の電流実効値の時間変化の一例を示すグラフである。図7に示すように、半導体製造の工程には、準備工程と、成膜を実行する成膜工程と、後工程がある。このうち、準備工程と後工程には工程1が含まれ、準備工程には更に工程2が含まれる。成膜工程には、工程3〜5が含まれる。本実施形態では一例として、対象状態量(ここでは一例として駆動電流の電流実効値)の大きさ、変動の大きさ、及び/または変動周期が異なる期間を異なる工程として区分部551により区分けされる。この構成により、自動的に工程に区分けし、当該区分けされた工程毎に、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出にかかる労力を低減できる。
図8は、ある工程における正常変動範囲と現在のデータとを比較した模式図である。図8の向かって左側には、ある工程における駆動電流の電流実効値の時間変化の正常変動範囲R1がグラフ上に表されている。また、図8の向かって右側には、現在の駆動電流の電流実効値の時間変化のグラフが現在のデータとして表されている。
決定部552は、真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量(ここでは一例として駆動電流の電流実効値)であって対象の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する。
決定部552は、対象の真空ポンプが稼働後、規定回数分(例えば、10回分)の工程毎の対象情報量に基づいて、当該工程毎に対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する。その際に、図8に示すように、決定部552は、区分けされた工程(図7参照)毎に、対象の真空ポンプの現在の対象状態量の時間変化の正常変動範囲(例えば、図8の正常変動範囲R1)または正常時間変動挙動(例えば上昇、下降、凸形、凹形など)を決定する。
その際に、決定部552は、対象の真空ポンプ3内の圧力に基づいて、過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定してもよい。その際に比較部553は、対象の真空ポンプ3内の圧力または他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と正常変動範囲または正常時間変動挙動とを比較してもよい。具体的には、決定部552は、対象の真空ポンプ3内の圧力値に基づいて、ガスの量による負荷変動に伴って対象状態量が変動するので、その変動分が無くなるように過去の対象状態量を補正する。その際に比較部553は、対象の真空ポンプ3内の圧力値に基づいて、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と補正後の正常変動範囲または補正後の正常時間変動挙動とを比較してもよい。この構成により、圧力による対象状態量(例えば、電流値)の変化を補正し、補正後の対象状態量が正常変動範囲または正常時間変動挙動から逸脱する場合に、異常と判定することができる。このため、判定精度を向上させることができる。
比較部553は、対象の真空ポンプの現在の対象状態量と当該正常変動範囲または当該正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する。本実施形態では一例として、正常変動範囲は、正常状態時の対象状態量の時間変化の変動範囲であり、比較部553は、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量の時間変化と、正常状態時の対象状態量の時間変化の変動範囲とを比較する。このように時間変化同士を比較することで、生成物由来の異常の有無を検出することができる。このため、生成物由来の異常の有無の検出精度を向上させることができる。
具体的には例えば図8に示すように、比較部553は、対応する工程毎に、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量の時間変化と対象状態量の時間変化の正常変動範囲または正常時間変動挙動とを比較する。例えば比較部553は、区分けされた工程(図7参照)毎に、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量の時間変化と対象状態量の時間変化の正常変動範囲とを比較する。図8に示すように本実施形態では対象状態量の時間変化の正常変動範囲は、一例として駆動電流の実効値の時間変化の正常変動範囲(例えば図8の正常変動範囲R1)であり、比較部553は、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量の時間変化と駆動電流の実効値の時間変化の正常変動範囲とを比較する。
図8の例では、比較部553は、この図8の正常変動範囲R1と現在の駆動電流の電流実効値の時間変化とを比較して、現在の駆動電流の電流実効値の時間変化がこの正常変動範囲R1に収まる場合には、正常と判断し、収まらない場合には、異常と判断する。比較部553は例えば、対象の真空ポンプ3内で固形化または液状化した生成物由来の異常があると判断したデータを出力して、記憶部53に保存する。これにより、真空ポンプ3の管理者が、異常があると判断したデータを把握することができる。
図9は、工程1における駆動電流の電流実効値の変化の度合いの時間経過の一例を示す模式図である。図9における各四角は1〜n回目の工程を表し、各四角の縦軸方向の長さは、駆動電流の電流実効値の変化の度合いである。図9では、工程1の回数(RUNの回数)を経る毎に、駆動電流の電流実効値の変化の度合いが順に大きくなっている。このとき、比較部553は、対象状態量(ここでは一例として駆動電流の電流実効値)の変化の度合いが、工程を繰り返す毎に大きくなる傾向がある場合、生成物由来の異常があると判定してもよい。このように、比較部553は、半導体製造装置1における工程毎の対象状態量の変化の度合いに基づいて、生成物由来の異常の有無を判定してもよい。これにより、生成物由来の異常の有無を検出することができる。
続いて、図10及び図11に沿って、生成物由来の異常の有無を検出する処理について説明する。図10は、正常変動範囲を決定する処理の一例を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、真空ポンプ3の稼働後に自動で実施される。
(ステップS101)まず、CPU55は、規定周期でモータ38の駆動電流の実効値を収集して、記憶部53に保存する。
(ステップS102)次に、区分部551は、駆動電流の実効値の時系列データを工程に区分けし、工程毎に記憶部53に保存する。この際に、例えば、区分部551は、成膜工程(ウエハロード〜アンロード)を構成する工程に区分けする。
(ステップS103)次に、CPU55は、規定の成膜回数分のデータを区分けしたか否かを判定する。
(ステップS104)ステップS103において規定の成膜回数分のデータが区分けされた場合、決定部552は、区分けした工程毎に、工程毎のデータを統計処理し、駆動電流の実効値の時間毎の正常変動範囲を決定する。ここで正常変動範囲は、正常変動幅を含む。
(ステップS105)次に、決定部552は、区分けした工程毎に、駆動電流の実効値の正常変動範囲を記憶部53に保存する。
図11は、生成物由来の異常の有無を検出する処理の一例を示すフローチャートである。図11の処理は、図10の処理が完了してから行われる。
(ステップS201)まず、CPU55は、規定周期でモータ38の駆動電流の実効値を収集する。
(ステップS202)次に、区分部551は、駆動電流の実効値の時系列データを工程に区分けする。
(ステップS203)次に、比較部553は、工程毎に、現在の駆動電流の実効値と、正常変動範囲とを比較し、現在の駆動電流の実効値が正常か否か判定する。この際、例えば、駆動電流の実効値の時間変化の正常変動範囲から外れるデータ、区分けした工程内で、駆動電流の実効値の正常時間変動挙動(例えば上昇、下降、凸形、凹形など)とは異なるデータ、予め設定された正常変動範囲を超えるスパイクデータ(瞬間的な変動データ)は、異常と判定される。
(ステップS204)ステップS203において現在の駆動電流の実効値が異常(正常でない)と判定された場合、比較部553は、異常データを記憶部53に記録する。
(ステップS205)次に、全ての工程について正常か否か判定したか否か判定する。まず全ての工程について判定していない場合、次の工程についてステップS203、S204の処理が実行される。一方、全ての工程について正常か否か判定した場合、本フローチャートの処理が終了する。
以上、本実施形態に係る情報処理装置5は、対象の真空ポンプ3内で固形化または液状化した生成物由来の異常の有無を検出する。決定部552は、真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプ3の過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を決定する。比較部553は、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量と上記正常変動範囲とを比較し、比較結果を出力する。
この構成によれば、生成物以外の要因による対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定し、真空ポンプ3の運転継続中に、この正常変動範囲または正常時間変動挙動と現在の対象状態量を比較することによって、生成物の要因による異常を検出することができる。このため、真空ポンプ3の運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ3内で固形化または液状化した生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプ3の運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプ3の生成物由来の異常に伴って真空ポンプ3が停止する状況を予測し、半導体製造装置1内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量は、対象の真空ポンプ3に含まれるモータ38を駆動する駆動電流の実効値としたが、実効値に限らず、ピーク値、平均値、中央値など他の電流値であってもよい。また、対象状態量は、電流に限らず、モータ38の回転数、モータ38の電力、ロータ39の回転数、真空ポンプ3の温度、真空ポンプ3の振動等の計測値であってもよい。
また、本実施形態では、決定部552は、一つの対象状態量(一例として駆動電流の実効値)について正常変動範囲を決定したが、これに限らず、複数の対象状態量について正常変動範囲を決定してもよい。その場合、比較部553は、当該複数の正常変動範囲それぞれについて、これに対応する対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量と比較し、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量が一つでも、対応する正常変動範囲に含まれない場合に異常と判定し、異常データを出力及び/または記録してもよい。
また、本実施形態では、決定部552は、真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプ3の過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を決定したが、これに限ったものではない。決定部552は、他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を決定してもよい。ここで、他の真空ポンプは、対象の真空ポンプと仕様が略同一である。対象の真空ポンプと仕様が略同一であるとは、例えば、機種が同じであるもの、機種が違うが仕様が同じものあるいはほぼ同じものを含む。
また、区分部551は、対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置1における工程の中で使用するガス種及びガス流量が異なる期間を異なる工程として区分けしてもよい。その場合でも同様に、決定部552は、区分けされた工程毎に、対象の真空ポンプの現在の対象状態量の前記正常変動範囲を決定し、比較部553は、区分けされた工程毎に、対象の真空ポンプの現在の対象状態量と正常変動範囲とを比較してもよい。
また、決定部552は、対象の真空ポンプ3が連通する半導体製造装置1のプロセスのレシピ情報に基づいて、当該真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量の正常変動範囲を決定してもよい。その場合でも同様に、比較部553は、対象の真空ポンプ3の現在の対象状態量と上記正常変動範囲とを比較し、比較結果を出力してもよい。
この構成によれば、真空ポンプ3の運転を一度停止する前の運転期間中において、対象の真空ポンプ3内で固形化または液状化した生成物由来の異常の有無を検出することができる。これにより、真空ポンプ3の運転継続中の任意のタイミングで真空ポンプ3の生成物由来の異常に伴って真空ポンプ3が停止する状況を予測し、半導体製造装置1内の製造プロセス中の製品に損害を与える可能性を低減することができる。
なお、複数の装置を備える情報処理システムが、本実施形態に係る情報処理装置5の各処理を、それらの複数の装置で分散して処理してもよい。また本実施形態では制御装置4と情報処理装置5を別々の装置として説明したが、制御装置4が情報処理装置5を備えるように構成してもよい。また、本実施形態に係る情報処理装置の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、プロセッサが実行することにより、本実施形態に係る情報処理装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図12は、第2の実施形態にかかる半導体製造システム10bの概略構成図である。図1と共通する要素には共通の番号を付し、その詳細な説明を省略する。第2の実施形態にかかる半導体製造システム10bは、第1の実施形態にかかる半導体製造システム10に比べて、真空ポンプ3の排ガスを処理する除害装置7と、真空ポンプ3と除害装置7とを接続する配管6とを更に備える。除害装置7は、半導体製造装置1と信号線を介して接続されており、成膜開始を示す成膜開始信号が半導体製造装置1から入力される。真空ポンプ2は、この除害装置7と信号線を介して接続されており、除害装置7からこの成膜開始信号が入力される。更に真空ポンプ3には、当該真空ポンプ3内の特定のガス(例えば、窒素)の濃度を計測するガスセンサ8が設けられている。更に第2の実施形態にかかる半導体製造システム10bにおいて、第1の実施形態に係る情報処理装置5が情報処理装置5bに変更され、その処理内容が異なる。
本出願の発明者は、異常発生数に関する対象パラメータ(例えば、異常発生回数または異常発生頻度)の統計値(例えば、異常発生回数累積値または異常発生頻度累積値)を用いて、故障可能性または運転継続可能性を判定するためのポンプ状態判定基準を決定し、運転中の対象パラメータの統計値をこのポンプ状態判定基準と比較することにより、故障可能性または運転継続可能性の判定精度を向上させることができることを発見した。
以下、当該処理について実装した第2の実施形態に係る情報処理装置5bについて図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態に係る情報処理装置5bの概略構成図である。図13に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置5bは、第1の実施形態に係る情報処理装置5と比べて、CPU55がCPU55bに変更されたものになっている。具体的には、CPU55bは、記憶部53からプログラムを読み出して実行することにより、区分部551、決定部552b、比較部553b、判定基準決定部554、出力部555、警報出力部556として機能する。
図14は、ブースターポンプの電流(BP電流)とメインポンプの電流(MP電流)の時間変化の一例を示すグラフである。図14に示すように、区分部551により、BP電流とMP電流は16個の工程に区分けされる。対象状態量は、上述したように、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量のうち対象とする状態量のことであり、本実施形態では一例としてブースターポンプの電流として以下、説明する。ここでガスの負荷とは、ガス種及びガスの流量によって変動する負担である。
図15は、特定の工程のBP電流の正常変動範囲の一例を示すグラフである。図15は、区分部551によって工程毎にBP電流が区分けられた後の特定の工程についてのBP電流の時間変化を示すグラフW11と、このBP電流の正常変動範囲R11が示されている。この正常変動範囲R11は、決定部552bによって決定される。
その際、決定部552bは、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を工程毎に決定する。ここで、他の真空ポンプは、対象の真空ポンプ以外の真空ポンプである。
図16は、故障したポンプの特定の工程の異常発生回数の時間変化の一例を示すグラフである。図16に示すように、異常発生回数は、故障直前に急激に増加する傾向がある。
図17は、故障したポンプの特定の工程の異常発生頻度の時間変化の一例を示すグラフである。ここで、異常発生頻度は、特定の工程の異常発生回数を当該特定の工程の時間で割った値である。図17に示すように、異常発生頻度は、故障直前に急激に増加する傾向がある。
図18は、故障したポンプの全工程の異常発生累積回数の時間変化の一例を示すグラフである。ここで、全工程の異常発生累積回数は、全ての工程に渡って異常発生回数を累積したものである。図18に示すように、全工程の異常発生累積回数は、故障直前に急激に増加する傾向がある。
図19は、故障したポンプの全工程の異常発生頻度累積値の時間変化の一例を示すグラフである。ここで、全工程の異常発生頻度累積値は、全ての工程に渡って異常発生頻度を累積したものである。図19に示すように、全工程の異常発生頻度累積値は、故障直前に急激に増加する傾向がある。
続いて、図20を用いて工程毎の要素データの作成の流れについて説明する。図20は、工程毎の要素データの作成の流れを示すフローチャートである。
(ステップS301)まず、CPU55bは、連続する対象状態量(運転データ)を記憶部53に記録する。
(ステップS302)次に、区分部551は、記録された連続データを工程に分割する。このように、区分部551は、他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する。なお、区分部551は、対象の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割してもよい。
(ステップS303)次に、決定部552bは、分割された工程毎に正常変動範囲を設定する。
(ステップS304)次に、比較部553は、運転中の対象の真空ポンプの対象状態量と正常変動範囲とを工程毎に比較し、正常変動範囲から逸脱した異常データを検出する。
そして、比較部553は、工程毎に、正常変動範囲から外れたデータを異常データとして記憶部53に記録する。以下、ステップS105及びS106と、ステップS107〜S109を並行して実行する。
(ステップS305)比較部553は、工程毎に異常発生回数(異常データ個数)と発生時刻(ポンプ発生時刻)に仕分けする。
(ステップS306)次に、比較部553は、工程毎に、異常発生時刻毎における異常発生回数の積算値を算出し、工程毎の要素データとして記憶部53に記録する。
(ステップS307)比較部553は、工程毎に、異常発生回数(異常データ個数)を当該工程の時間で除算することにより異常発生頻度を算出する。
(ステップS308)次に、比較部553は、工程毎に、異常発生頻度と発生時刻(ポンプ運転時間)に仕分けする。
(ステップS309)次に、比較部553は、工程毎に、異常発生時刻毎における異常発生頻度の積算値を算出し、工程毎の要素データとして記憶部53に記録する。
なお、本フローチャートでは、ステップS105及びS106と、ステップS107〜S109を並行して実行したが、いずれか一方のみを実行してもよい。
また、区分部551は、除害装置7から入力される成膜開始信号に含まれる成膜開始タイミングを起点として、対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割してもよい。この構成により、対象状態量を確実に工程毎に分割することができる。
また、区分部551は、ガスセンサ8によって検出されたセンサ値に基づいて、成膜開始タイミングを決定し、当該成膜開始タイミングを起点として、対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割してもよい。この構成により、対象状態量を確実に工程毎に分割することができる。ガスセンサ8が窒素濃度を計測する場合、真空ポンプ3のアイドル時は窒素濃度が高い値で安定しており、真空ポンプ3をパージした時に窒素濃度が急峻に下がる。よって、区分部551は、窒素濃度が急峻に下がったときをパージした時として、このパージした時よりも設定時間前の時刻を成膜開始タイミングに決定してもよい。これにより、より精度良く成膜開始タイミングを決定でき、より精度良く対象状態量を工程毎に分割することができる。
また、区分部551は、モータの負荷と窒素濃度の組を用いて、成膜開始タイミングを決定してもよい。これにより、更に精度良く成膜開始タイミングを決定でき、更に精度良く対象状態量を工程毎に分割することができる。
<実施例1>
続いて第2の実施形態の実施例1について説明する。実施例1の情報処理装置5bは、
対象工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、故障可能性を判定するためのポンプ状態判定基準を決定する。そして、実施例1の情報処理装置5bは、稼働中の対象ポンプの対象工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、当該ポンプ状態判定基準とを比較し、ポンプ状態診断値として故障可能性を示す故障指数を出力する。
図21は、特定の工程について、故障したポンプそれぞれの要素データを記憶部53から読み出すことを説明するための模式図である。図21に示すように、図20のフローチャートの処理によって、記憶部53には、故障した真空ポンプ(以下、故障ポンプという)毎の要素データとして、真空ポンプP〜P(Nは正の整数)の要素データが保存されている。この故障ポンプ毎の要素データは、工程毎の要素データ、すなわち工程1〜n(nは正の整数)の要素データから構成されている。一例として要素データは、異常発生頻度累積値と運転時間との対応関係を示す情報であるが、ここでは理解しやすいように、運転時間に対する異常発生頻度累積値のグラフが示されている。このグラフに示すように、同じ故障ポンプであっても、工程毎に、異常発生頻度累積値と運転時間との対応関係が異なっている。
例えば、各故障ポンプの工程1の要素データを読み出されるときには、故障ポンプPの要素データから工程1の要素データが読み出され、故障ポンプPの要素データから工程1の要素データが読み出される。同様にして、故障ポンプP以降の要素データから工程1の要素データが順に読み出され、最後に、故障ポンプPの要素データから工程1の要素データが読み出される。図21に示すように、工程が同じであっても、故障ポンプ毎に、異常発生頻度累積値と運転時間との対応関係が異なっている。
図22は、故障ポンプの異常発生頻度累積値の頻度グラフの一例である。図22のグラフは、横軸が故障ポンプが故障した際における工程1の異常発生頻度累積値で、縦軸がデータ数である。工程1の異常発生頻度累積値は、故障ポンプ毎に異なっており、そのデータ数は図22に示すような正規分布を示す。このグラフを用いて、工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)との対応関係がポンプ状態判定基準として判定基準決定部554により決定される。このように、判定基準決定部554は、故障した真空ポンプについて、対象工程の異常発生数に関する対象パラメータ(ここでは一例として異常発生頻度)を統計することにより、対象パラメータの統計値(ここでは一例として異常発生頻度累積値)と故障指数との対応関係をポンプ状態判定基準として決定する。そして、決定されたポンプ状態判定基準が例えば次の図23に示すようなテーブルとして記憶部53に記憶される。
図23は、工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図23に示すように、工程1の異常発生頻度累積値の範囲に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。図23に示すように、工程1の異常発生頻度累積値が小さいほど故障指数が低い値に設定されている。
次に図21〜図23を参照しつつ、図24を用いて故障指数出力処理の流れを説明する。図24は、故障指数出力処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
(ステップS401)まず、図21に示すように、CPU55は、故障ポンプそれぞれについて対象工程(例えば、工程1)の要素データを読み出す。
(ステップS402)次に、判定基準決定部554は、故障ポンプの異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば故障時における異常発生頻度累積値)を用いて、対象パラメータの統計値(例えば故障時における異常発生頻度累積値)と故障指数との対応関係を示すテーブルをポンプ状態判定基準の一例として作成し、作成したテーブルを記憶部53に記録する。これにより、例えば図23に示すようなテーブルが記憶部53に記録される。
(ステップS403)次に、出力部555は、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)と、先のステップで作成されたテーブルとを比較する。その際、出力部555は、当該テーブルにおいて、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)に対応する故障指数を決定する。
(ステップS404)そして、出力部555は、決定した故障指数を出力する。このように、出力部555は、運転中の対象ポンプの対象工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば異常発生頻度累積値)と、判定基準決定部554により決定されたポンプ状態判定基準(すなわち対象パラメータの統計値と故障指数との対応関係)とを比較し、故障指数をポンプ状態診断値として出力する。
この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの故障可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
なお、本実施形態では一例として、対象パラメータを異常発生頻度として説明したが、これに限ったものではない。対象パラメータは、異常発生回数であってもよく、その場合には対象パラメータの統計値は異常発生回数累積値であってもよい。その場合に、ポンプ状態判定基準は、図25に示すようなテーブルであってもよい。図25は、工程1の異常発生回数累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図25に示すように、工程1の異常発生回数累積値の範囲に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。図25に示すように、工程1の異常発生回数累積値が小さいほど故障指数が低い値に設定されている。
また対象パラメータの統計値は異常発生頻度累積値の変化値であってもよい。その場合に、ポンプ状態判定基準は、図26に示すようなテーブルであってもよい。図26は、工程1の異常発生頻度累積値の変化率と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図26に示すように、工程1の異常発生頻度累積値の範囲に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。図26に示すように、工程1の異常発生頻度累積値の変化率が小さいほど故障指数が低い値に設定されている。なお、対象パラメータの統計値は異常発生回数累積値の変化値であってもよい。
また、ポンプ状態判定基準は、異常発生頻度累積値の変化開始タイミングと異常発生頻度累積値の変化値の組に対応付けられた故障指数であってもよい。その場合に、ポンプ状態判定基準は、図27に示すようなテーブルであってもよい。図27は、異常発生頻度累積値の変化開始タイミングの範囲と異常発生頻度累積値の変化値の範囲の組と、その組に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図27に示すように、異常発生頻度累積値の変化開始タイミングの範囲と異常発生頻度累積値の変化値の範囲の組に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。
なお、ポンプ状態判定基準は、異常発生回数累積値の変化開始タイミングと異常発生回数累積値の変化値の組に対応付けられた故障指数であってもよい。
また対象パラメータの統計値は異常発生頻度累積値曲線の積分値であってもよい。その場合に、ポンプ状態判定基準は、図28に示すようなテーブルであってもよい。図28は、工程1の異常発生頻度累積値曲線の積分値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図28に示すように、工程1の異常発生頻度累積値曲線の積分値の範囲に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。図28に示すように、工程1の異常発生頻度累積値曲線の積分値が小さいほど故障指数が低い値に設定されている。なお、対象パラメータの統計値は異常発生回数累積値曲線の積分値であってもよい。
<実施例2>
続いて第2の実施形態の実施例2について説明する。実施例1では、対象工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、ポンプ状態判定基準を決定したが、実施例2の情報処理装置5bは、全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、故障可能性を判定するためのポンプ状態判定基準を決定する。そして、実施例2の情報処理装置5bは、稼働中の対象ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、当該ポンプ状態判定基準とを比較し、ポンプ状態診断値として故障可能性を示す故障指数を出力する。
図29は、全工程積算要素データを説明するための模式図である。図29に示すように、図20のフローチャートの処理によって、記憶部53には、故障したポンプ(以下、故障ポンプという)毎の要素データとして、真空ポンプP〜P(Nは正の整数)の要素データが保存されている。この故障ポンプ毎の要素データは、工程毎の要素データ、すなわち工程1〜n(nは正の整数)の要素データから構成されている。一例として要素データは、異常発生頻度累積値と運転時間との対応関係を示す情報であるが、ここでは理解しやすいように、運転時間に対する異常発生頻度累積値のグラフが示されている。このグラフに示すように、同じ故障ポンプであっても、工程毎に、異常発生頻度累積値と運転時間との対応関係が異なっている。
例えば、真空ポンプPの全工程積算要素データは、各運転時刻において、真空ポンプPの工程1、工程2、…、工程nの異常発生頻度累積値を積算した値で表される。真空ポンプP以降の全工程積算要素データも同様であり、真空ポンプPの全工程積算要素データは、各運転時刻において、真空ポンプPの工程1、工程2、…、工程nの異常発生頻度累積値を積算した値で表される。
図30は、故障ポンプの全工程の異常発生頻度累積値の頻度グラフの一例である。図30のグラフは、横軸が故障ポンプが故障した際における全工程の異常発生頻度累積値で、縦軸がデータ数である。全工程の異常発生頻度累積値は、故障ポンプ毎に異なっており、そのデータ数は図30に示すような正規分布を示す。このグラフを用いて、全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)との対応関係がポンプ状態判定基準として判定基準決定部554により決定される。このように、判定基準決定部554は、故障した真空ポンプについて、全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(ここでは一例として全行程の異常発生頻度)を統計することにより、対象パラメータの統計値(ここでは一例として全行程の異常発生頻度累積値)と故障指数との対応関係をポンプ状態判定基準として決定する。そして、決定されたポンプ状態判定基準が例えば次の図31に示すようなテーブルとして記憶部53に記憶される。
図31は、全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する故障指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図31に示すように、全工程の異常発生頻度累積値の範囲に対して、故障可能性を示す故障指数(ここでは一例として故障確率)が設定されている。図31に示すように、全工程の異常発生頻度累積値が小さいほど故障指数が低い値に設定されている。
次に図29〜図31を参照しつつ、図32を用いて故障指数出力処理の流れを説明する。図32は、故障指数出力処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
(ステップS501)まず、図29に示すように、CPU55は、故障ポンプそれぞれについて全工程の要素データを読み出す。
(ステップS502)次に、CPU55は、故障ポンプ毎に、全工程の要素データを積算し、総積算要素データとして記憶部53に記録する。
(ステップS503)次に、判定基準決定部554は、故障ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(ここでは一例として故障時における全工程に渡る異常発生頻度累積値)を用いて、対象パラメータの統計値(例えば故障時における全工程に渡る異常発生頻度累積値)と故障指数との対応関係を示すテーブルをポンプ状態判定基準の一例として作成し、作成したテーブルを記憶部53に記録する。これにより、例えば図31に示すようなテーブルが記憶部53に記録される。
(ステップS504)次に、出力部555は、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)と、先のステップで作成されたテーブルとを比較する。その際、出力部555は、当該テーブルにおいて、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)に対応する故障指数を決定する。
(ステップS505)そして、出力部555は、決定した故障指数を出力する。このように、出力部555は、運転中の対象ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)と、判定基準決定部554により決定されたポンプ状態判定基準(すなわち対象パラメータの統計値と故障指数との対応関係)とを比較し、故障指数をポンプ状態診断値として出力する。
この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの故障可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
<実施例3>
続いて第2の実施形態の実施例3について説明する。実施例1及び2の情報処理装置5bは、ポンプ状態診断値として故障可能性を示す故障指数を出力したが、実施例3では、ポンプ状態診断値として運転継続可能性を示す運転継続指数を出力する。
具体的には実施例3の情報処理装置5bは、故障なく運転継続した真空ポンプについて、対象工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、対象パラメータの統計値と運転継続指数との対応関係を判定基準として決定する。そして、実施例3の情報処理装置5bは、運転中の対象ポンプの対象工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、上記対応関係とを比較することにより、運転継続指数を出力する。
図33は、工程1の異常発生回数累積値の頻度グラフと、工程1の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフの一例である。図33の上のグラフは、工程1の異常発生回数累積値の頻度グラフであり、横軸が工程1の異常発生回数累積値で縦軸がデータ数である。図33の下のグラフは、工程1の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフであり、横軸が工程1の異常発生回数累積値で縦軸が運転継続確率であり、図33の上の頻度グラフから決定される。すなわち、工程1の異常発生回数累積値が少ないほど運転継続確率が高い。
この工程1の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフを用いて、工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、運転継続可能性を示す運転継続指数(ここでは一例として運転継続確率)との対応関係がポンプ状態判定基準として判定基準決定部554により決定される。このように、判定基準決定部554は、故障なく運転継続した真空ポンプ(例えば、故障せずに返却された真空ポンプ)について、対象工程の異常発生数に関する対象パラメータ(ここでは一例として異常発生頻度)を統計することにより、対象パラメータの統計値(ここでは一例として異常発生頻度累積値)と運転継続指数との対応関係をポンプ状態判定基準として決定する。そして、決定されたポンプ状態判定基準が例えば次の図34に示すようなテーブルとして記憶部53に記憶される。
図34は、工程1の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する運転継続指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図34に示すように、工程1の異常発生頻度累積値の範囲に対して、運転継続可能性を示す運転継続指数(ここでは一例として運転継続確率)が設定されている。図34に示すように、工程1の異常発生頻度累積値が小さいほど運転継続指数が高い値に設定されている。
次に図34を参照しつつ、図35を用いて運転継続指数出力処理の流れを説明する。図35は、運転継続指数出力処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
(ステップS601)まず、CPU55は、故障なく運転継続した真空ポンプそれぞれについて対象工程の要素データを読み出す。
(ステップS602)次に、CPU55は、故障なく運転継続した真空ポンプの対象工程(例えば工程1)の対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば異常発生頻度累積値)を用いて、図34に示すような、対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)と運転継続指数との対応関係を示すテーブルを作成し、当該作成したテーブルを記憶部53に記録する。
(ステップS603)次に、出力部555は、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)と、先のステップで作成されたテーブルとを比較する。その際、出力部555は、当該テーブルにおいて、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)に対応する運転継続指数を決定する。
(ステップS604)そして、出力部555は、決定した故障指数を出力する。このように、出力部555は、運転中の対象ポンプの対象工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば異常発生頻度累積値)と、判定基準決定部554により決定されたポンプ状態判定基準(すなわち対象パラメータの統計値と運転継続指数との対応関係)とを比較し、運転継続指数をポンプ状態診断値として出力する。
この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの運転継続可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
<実施例4>
続いて第2の実施形態の実施例4について説明する。実施例3の情報処理装置5bは、対象工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計したが、全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計する。
具体的には実施例4の情報処理装置5bは、全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計処理することにより、対象パラメータの統計値と運転継続指数との対応関係を判定基準として決定する。そして、実施例4の情報処理装置5bは、運転中の対象ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、上記対応関係とを比較することにより、運転継続指数を出力する。
図36は、全工程の異常発生回数累積値の頻度グラフと、全工程の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフの一例である。図36の上のグラフは、全工程の異常発生回数累積値の頻度グラフであり、横軸が全工程の異常発生回数累積値で縦軸がデータ数である。図36の下のグラフは、全工程の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフであり、横軸が全工程の異常発生回数累積値で縦軸が運転継続確率であり、図36の上の頻度グラフから決定される。すなわち、全工程の異常発生回数累積値が少ないほど運転継続確率が高い。
この全工程の異常発生回数累積値と運転継続確率との関係を示すグラフを用いて、全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、運転継続可能性を示す運転継続指数(ここでは一例として運転継続確率)との対応関係がポンプ状態判定基準として判定基準決定部554により決定される。このように、判定基準決定部554は、故障なく運転継続した真空ポンプ(例えば、故障せずに返却された真空ポンプ)について、全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(ここでは一例として異常発生頻度)を統計することにより、対象パラメータの統計値(ここでは一例として異常発生頻度累積値)と運転継続指数との対応関係をポンプ状態判定基準として決定する。そして、決定されたポンプ状態判定基準が例えば次の図37に示すようなテーブルとして記憶部53に記憶される。
図37は、全工程の異常発生頻度累積値の範囲と、その範囲に対応する運転継続指数との対応関係を示すテーブルの一例である。図37に示すように、全工程の異常発生頻度累積値の範囲に対して、運転継続可能性を示す運転継続指数(ここでは一例として運転継続確率)が設定されている。図37に示すように、全工程の異常発生頻度累積値が小さいほど運転継続指数が高い値に設定されている。
次に図37を参照しつつ、図38を用いて運転継続指数出力処理の流れを説明する。図38は、運転継続指数出力処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
(ステップS701)まず、CPU55は、故障なく運転継続した真空ポンプそれぞれについて全工程の要素データを読み出す。
(ステップS702)次に、CPU55は、故障なく運転継続した真空ポンプ毎に、全工程の要素データを積算し、総積算要素データとして記憶部53に記録する。
(ステップS703)次に、判定基準決定部554は、故障なく運転継続した真空ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(ここでは一例として全工程に渡る異常発生頻度累積値)を用いて、対象パラメータの統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)と故障指数との対応関係を示すテーブルをポンプ状態判定基準の一例として作成し、作成したテーブルを記憶部53に記録する。これにより、例えば図37に示すようなテーブルが記憶部53に記録される。
(ステップS704)次に、出力部555は、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)と、先のステップで作成されたテーブルとを比較する。その際、出力部555は、当該テーブルにおいて、稼働中の対象ポンプの対象パラメータの統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)に対応する運転継続指数を決定する。
(ステップS705)そして、出力部555は、決定した運転継続指数を出力する。このように、出力部555は、運転中の対象ポンプの全工程の異常発生数に関する対象パラメータ(例えば異常発生頻度)の統計値(例えば全工程に渡る異常発生頻度累積値)と、判定基準決定部554により決定されたポンプ状態判定基準(すなわち対象パラメータの統計値と運転継続指数との対応関係)とを比較し、運転継続指数をポンプ状態診断値として出力する。
この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの運転継続可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
なお、判定基準決定部554は、真空ポンプの故障の有無別に、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを用いて、警報を出力するか判断するための警報判断基準を決定してもよい。具体的には例えば、判定基準決定部554は、故障した真空ポンプについて、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、閾値(例えば、異常発生頻度累積値の閾値)を警報判断基準として決定してもよい。
警報出力部556は、対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)と、判定基準決定部554により決定された、警報を出力するか判断するための警報判断基準とを比較し、比較結果に応じて警報を出力する。例えば警報を出力するか判断するための警報判断基準が閾値の場合、警報出力部556は、対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値(例えば異常発生頻度累積値)が閾値を超えた場合に、警報を出力し、閾値を超えない場合に、警報を出力しないようにしてもよい。この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、当該対象ポンプの運転継続可能性を把握することができ、当該対象ポンプが故障する前に、交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
以上、第2の実施形態に係る情報処理装置5bにおいて、決定部552bは、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を工程毎に決定する。比較部553bは、運転中の対象の真空ポンプの対象状態量と正常変動範囲とを工程毎に比較し、正常変動範囲から逸脱した異常データを検出する。判定基準決定部554は、真空ポンプの故障の有無別に、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値を用いて、故障可能性または運転継続可能性を判定するためのポンプ状態判定基準または警報を出力するか判断するための警報判断基準を決定する。
この構成により、情報処理装置5bは、ポンプ状態判定基準を用いて、運転中の対象の真空ポンプの故障可能性または運転継続可能性を判定することができるか、あるいは、運転中の対象の真空ポンプについて当該判断基準を用いて警報を出力するか判断することができる。
ここで異常発生数に関する対象パラメータは例えば、異常発生回数、または特定の工程の異常発生回数を当該特定の工程の期間で割って得られる異常発生頻度である。この構成により、異常発生回数または異常発生頻度の統計値(例えば、異常発生回数累積値または異常発生頻度累積値)を用いてポンプ状態判定基準を決定するので、故障可能性または運転継続可能性の判定精度を向上させることができる。
また出力部555は、運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、判定基準決定部554により決定されたポンプ状態判定基準とを比較し、ポンプ状態診断値を出力する。ここでポンプ状態診断値には、故障可能性を示す故障指数または運転継続可能性を示す運転継続指数が含まれる。この構成により、運転中の対象ポンプの管理者は、故障可能性または運転継続可能性を把握することができるので、故障前に真空ポンプの交換またはメンテナンスを行える可能性を向上させることができる。
なお、複数の装置を備える情報処理システムが、本実施形態に係る情報処理装置5bの各処理を、それらの複数の装置で分散して処理してもよい。また本実施形態では制御装置4と情報処理装置5bを別々の装置として説明したが、制御装置4が情報処理装置5bを備えるように構成してもよい。また、本実施形態に係る情報処理装置の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、プロセッサが実行することにより、本実施形態に係る情報処理装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
また、本実施形態では、対象パラメータの統計値として対象パラメータの累積値(積算値)を用いたが、これに限ったものではなく、データ処理方法としては、対象パラメータの積分値、微分値、積分値の比較、平均値、中央値などであってもよい。また対象パラメータを所定のフィルタでフィルタリングしてから累積値(積算値)、積分値、微分値、積分値の比較、平均値、中央値などを計算してもよい。出力部555は、これらの指標を用いて判断してもよい。
また、各実施形態に係る情報処理装置における処理は、量子コンピューティング、ディープラーニングなどのニューラルネットワークまたは機械学習などの人工知能(Artificial Intelligence:AI)などを用いてもよい。例えば、教師あり学習においては、故障なく運転継続した真空ポンプのデータを教師データとして使用した方が、データ数が少なくてよい。
また例えば、教師データとして、図7に示すような工程毎の対象状態量の時系列データと当該時系列データが該当する工程との組が情報処理装置に与えられ、情報処理装置は、予めAIで学習しておき、運転中の対象状態量の時系列データについて、どの工程にあるのかを予測してもよい。
なお、各実施形態に係る情報処理装置における処理は、クラウドで処理してもよいし、サーバなどの情報処理装置に通信網を介して接続された端末装置(いわゆるエッジ)で処理してもよい。
例えば、各実施形態に係る情報処理を行うためのロジックを実装したエッジ端末としては、オープンなアーキテクチャ(コンピュータシステムの論理的構造のこと)による高速に通信可能なフィールドパス(工場などで稼働している現場機器とコントローラ間の信号のやりとりをデジタル通信を用いて行う規格)を採用したコントローラ、より具体的には、IEC61131−3(国際電気標準会議(IEC)が1993年12月に発行した標準規格で、PLC(Programmable Logic Controller)用のプログラム言語を定義したもの)に準拠したPLC5言語やC言語に対応したコントローラを用いることができる。
なお、上記の実施形態では、半導体製造システムとして説明したが、図39に示すように、複数の基板を連続的に処理する基板処理装置という一つの装置として構成してもよい。図39は、第2の実施形態の変形例に係る基板処理装置100である。図39に示すように、基板処理装置100は、成膜用ガスを導入して基板を成膜するチャンバー成膜炉11と、チャンバー成膜炉11に連通する真空ポンプ装置3と、真空ポンプ3の排ガスを処理する除害装置7と、真空ポンプ3を制御する制御装置4bと、記憶装置9を有してもよい。なお、制御装置4bが、記憶装置9を内蔵していてもよい。基板処理装置100は、更にチャンバー成膜炉11を制御する制御部12を有し、制御部12は、成膜開始タイミングを含む成膜開始信号を除外装置7に出力する。これにより、除外装置7は、成膜開始タイミングを含む成膜開始信号を制御装置4bの後述する生成回路42へ出力することができる。なお、除害装置7における処理の一例としては、燃焼用バーナーを用いた排ガスの除害処理や、プラズマを用いた排ガスの酸化・熱分解による除害処理が挙げられる。制御装置4bは、上述した実施形態の情報処置装置5または5bの機能を実現する回路を有する。
この場合例えば、制御装置4bは、チャンバー成膜炉11を用いた1枚の基板に対する成膜処理及びクリーニング処理のうち少なくとも一つを含む処理工程を連続的に複数の基板に対して行う際に、それぞれの処理工程で使用されるガス種又はガス流量のうち少なくとも1つを処理工程ごとに関連付けて1組のデータセットとして関連付けて記憶装置9に保存する記憶処理回路41を有する。
また、制御装置4bは、真空ポンプ3を起動させてチャンバー成膜炉11を所定の真空度にした後に、除害装置7から入力される成膜開始信号に含まれる成膜開始タイミングを起点として、記憶装置9から読みだした対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割して、分割された対象状態量を生成する生成回路42を有する。
更に、制御装置4bは、分割された対象状態量毎に、真空ポンプ3内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量の正常変動範囲を決定する決定回路43を有する。
なお、ここでは記憶処理回路41、生成回路42、及び決定回路43はハードウエアとして説明したが、これに限らず、制御装置がプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を有し、このプロセッサが、ROM(Read Only Memory)などの記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することにより、記憶処理回路41、生成回路42、及び決定回路43を実現してもよい。
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば、上記実施例で想定している真空ポンプとしては、容積式のドライ真空ポンプである、例えば、多段ルーツポンプ、スクリューポンプ、クロー式ポンプに限られず、運動量輸送式のドライポンプ、例えばターボ分子ポンプ、にも適用できる。さらにまた、上記実施例のシステムの応用できる用途としては、半導体製造工程(たとえばCVD)で用いられる排気システムのほか、食品製造工程や医薬品製造工程にも使用できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 半導体製造装置
2 配管
3 真空ポンプ
4、4b 制御装置
5、5b 情報処理装置
6 配管
7 除害装置
8 ガスセンサ
9 記憶装置
10、10b 半導体製造システム
11 チャンバー成膜炉
12 制御部
31 ブースターポンプ
32、34 配管
33 メインポンプ
35 圧力計
36 電源
37 インバータ
38 モータ
39 ロータ
41 記憶処理回路
42 生成回路
43 決定回路
51 入力部
52 出力部
53 記憶部
54 メモリ
55、55b CPU(Central Processing Unit)
551 区分部
552、552b 決定部
553、553b 比較部
554 判定基準決定部
555 出力部
556 警報出力部
100 基板処理装置

Claims (20)

  1. 対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理装置であって、
    真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、
    前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、
    を備え、
    前記決定部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する情報処理装置。
  2. 前記決定部は、前記対象の真空ポンプが稼働後、規定回数分の工程毎の対象情報量に基づいて、当該工程毎に前記対象状態量の正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、対応する工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記正常変動範囲は、正常状態時の前記対象状態量の時間変化の変動範囲であり、
    前記比較部は、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の時間変化と、前記正常状態時の前記対象状態量の時間変化の変動範囲とを比較する
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記対象状態量の大きさ、変動の大きさ、及び/または変動周期が異なる期間を異なる工程として区分けする区分部を更に備え、
    前記決定部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する
    請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置における工程の中で使用するガス種及びガス流量が異なる期間を異なる工程として区分けする区分部を更に備え、
    前記決定部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量の前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、前記区分けされた工程毎に、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する
    請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記比較部は、前記対象の真空ポンプが連通する半導体製造装置における工程毎の前記対象状態量の変化の度合いに基づいて、生成物由来の異常の有無を判定する
    請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記比較部は、対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の異常があると判断したデータを前記比較結果として出力する
    請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 前記他の真空ポンプは、前記対象の真空ポンプと仕様が略同一である
    請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
  9. 対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理装置であって、
    真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、
    前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、
    を備え、
    前記決定部は、真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって対象の真空ポンプの過去の対象状態量または他の真空ポンプの過去の対象状態量を用いて、当該対象状態量の正常変動範囲を工程毎に決定し、
    前記比較部は、運転中の対象の真空ポンプの対象状態量と前記正常変動範囲とを工程毎に比較し、前記正常変動範囲から逸脱した異常データを検出し、
    真空ポンプの故障の有無別に、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値を用いて、故障可能性または運転継続可能性を判定するためのポンプ状態判定基準または警報を出力するか判断するための警報判断基準を決定する判定基準決定部を更に備える情報処理装置。
  10. 前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記判定基準決定部により決定された前記ポンプ状態判定基準とを比較し、ポンプ状態診断値を出力する出力部を更に備え、
    前記ポンプ状態診断値には、故障可能性を示す故障指数または運転継続可能性を示す運転継続指数が含まれる
    請求項に記載の情報処理装置。
  11. 前記判定基準決定部は、故障した真空ポンプについて、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、対象パラメータの統計値と前記故障指数との対応関係を前記ポンプ状態判定基準として決定し、
    前記出力部は、前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記対応関係とを比較することにより、前記故障指数を出力する
    請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記決定部は、故障なく運転継続した真空ポンプについて、対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータを統計することにより、対象パラメータの統計値と前記運転継続指数との対応関係を判定基準として決定し、
    前記出力部は、前記運転中の対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記対応関係とを比較することにより、前記運転継続指数を出力する
    請求項10に記載の情報処理装置。
  13. 対象ポンプの対象工程あるいは全工程の異常発生数に関する対象パラメータの統計値と、前記判定基準決定部により決定された警報判断基準とを比較し、比較結果に応じて警報を出力する警報出力部を更に備える
    請求項に記載の情報処理装置。
  14. 前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する区分部を更に備え、
    前記決定部は、前記分割された工程毎に、前記対象状態量の正常変動範囲を決定する
    請求項から13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  15. 前記区分部は、除害装置から入力される成膜開始信号に含まれる成膜開始タイミングを起点として、前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する
    請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 前記真空ポンプには、前記真空ポンプ内の特定のガスの濃度を計測するガスセンサが設けられており、
    前記区分部は、前記ガスセンサによって検出されたセンサ値に基づいて、成膜開始タイミングを決定し、当該成膜開始タイミングを起点として、前記対象の真空ポンプの過去の対象状態量または前記他の真空ポンプの過去の対象状態量を工程毎に分割する
    請求項14に記載の情報処理装置。
  17. 前記異常発生数に関する対象パラメータは、異常発生回数、または特定の工程の異常発生回数を当該特定の工程の期間で割って得られる異常発生頻度である
    請求項から16のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  18. 対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理システムであって、
    真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、
    前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部と、
    を備え、
    前記決定部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する情報処理システム。
  19. 対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出する情報処理方法であって、
    真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する工程と、
    前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較し、比較結果を出力する工程と、
    を有し、
    前記決定する工程において、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較結果を出力する工程において、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較する情報処理方法。
  20. 対象の真空ポンプ内で生成される生成物由来の真空ポンプの異常の有無を検出するプログラムであって、
    真空ポンプ内に流入するガスの負荷に応じて変動する状態量である対象状態量であって前記対象の真空ポンプまたは他の真空ポンプの過去の対象状態量を少なくとも一つ用いて、当該対象状態量の正常変動範囲または正常時間変動挙動を決定する決定部と、
    前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動
    挙動とを比較し、比較結果を出力する比較部
    としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    前記決定部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記過去の対象状態量を補正し、補正後の過去の対象状態量を用いて、前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動を決定し、
    前記比較部は、前記対象の真空ポンプ内の圧力または前記他の真空ポンプ内の圧力に基づいて、前記対象の真空ポンプの現在の対象状態量を補正し、補正後の対象状態量と前記正常変動範囲または前記正常時間変動挙動とを比較するプログラム
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