JP6831758B2 - ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材 - Google Patents

ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6831758B2
JP6831758B2 JP2017126775A JP2017126775A JP6831758B2 JP 6831758 B2 JP6831758 B2 JP 6831758B2 JP 2017126775 A JP2017126775 A JP 2017126775A JP 2017126775 A JP2017126775 A JP 2017126775A JP 6831758 B2 JP6831758 B2 JP 6831758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
odor
pei
sustained
release
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017126775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019005501A (ja
Inventor
伊藤 宏
宏 伊藤
悟 小坂
悟 小坂
清美 榊原
清美 榊原
篤 村瀬
篤 村瀬
一寿 内山
一寿 内山
友英 西野
友英 西野
敬幸 廣瀬
敬幸 廣瀬
中村 賢治
賢治 中村
敦 山本
敦 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Chubu University Educational Foundation
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Chubu University Educational Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Central R&D Labs Inc, Chubu University Educational Foundation filed Critical Denso Corp
Priority to JP2017126775A priority Critical patent/JP6831758B2/ja
Publication of JP2019005501A publication Critical patent/JP2019005501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6831758B2 publication Critical patent/JP6831758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Description

本発明は、人が感じるニオイを抑制できるニオイ徐放剤等に関する。
人は、家屋等の建造物内や車等の移動体内にいるときに、強臭源が無くてもニオイを感じることがある。これは、室内を構成する壁面、室内にある各部材表面、空調装置(「エアコン」という。)の室内側に設けられた熱交換器(特にエバポレータ)の表面等から微量に放出されたニオイ成分を人の嗅覚が検知することにより起こる。
このようなニオイへの対策(防臭対策、抑臭対策)として、室内に放出されたニオイ成分を吸着・除去、分解等させることが従来よりなされてきた。例えば、活性炭等を用いたニオイ成分の吸着除去、光触媒、イオン、消臭成分等によるニオイ成分(有機物)の分解等である。
また、エアコン用エバポレータのように、表面に多量の凝縮水を生じる部材(装置)の場合、臭気物質(ニオイ成分)との親和性が少なく、親水性に優れる処理剤((変性)ポリビニールアルコール等)で表面処理を行うことも提案されている。これに関連する記載が、例えば、下記の特許文献にある。
特許2002−285139号公報 特許2002−285140号公報 特開2003−3282号公報 特開2004−293916号公報
上記の特許文献にあるような親水化処理されたエバポレータを用いると、その表面に吸吸されたニオイ成分は凝縮水と共に洗い流され、ニオイ成分がエバポレータの表面に蓄積し難くなる。しかし、現実には、そのような表面処理を行ったエバポレータを用いても、エアコンを稼働させると、或るタイミングで人はニオイを感じ得る。
いずれにしても、従来の防臭対策は、ニオイの原因物質(ニオイ成分)を除去・分解・洗浄等して、雰囲気中(空間内)へ放出される臭気物質の量(濃度)を低減することを主眼としたものに過ぎず、その効果は必ずしも十分ではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来とは異なる手法(機序)により、防臭または抑臭できるニオイ徐放剤等を提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリエチレンイミン(適宜「PEI」という。)を部材表面に存在させることにより、人が感じるニオイを抑制できることを新たに発見した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《ニオイ徐放剤》
(1)本発明は、ポリエチレンイミン(PEI)を含むニオイ徐放剤である。
(2)各部材の表面の少なくとも一部にPEIが存在することにより、人が室内等の空間で感じるニオイを抑制できる。このような効果が得られるメカニズムは、現状、本発明の研究から次のように考えられる。
先ず人は、極低濃度な物質(ニオイ成分)でも嗅覚で検知して、「ニオイ」と感じる。もっとも人の嗅覚は、ニオイ成分の絶対量(濃度)に対応してニオイの強弱を感じる訳ではなく、ニオイ成分の量(濃度)または質(混在している各ニオイ成分の比率)が変化したときに、ニオイを強く感じ易い。
次に、部材表面からのニオイ成分の放出には、その表面からの水の放出(蒸発)が大きく関与している。また、部材表面から放出されるニオイ成分は、その部材内部から放出される有機成分等の他、雰囲気中から部材表面に存在する水へ吸収等されたものであることが多い。
このような知見と後述する評価試験の結果に基づくと、本発明に係るPEIは、部材表面に存在してニオイ成分や水を一時的に保持してそれらの放出を抑制し、ニオイ成分が雰囲気中へ急激に放出されることを抑止する(つまりニオイ成分を徐放する)ことにより、人にニオイを感じさせ難くしていると考えられる。
《ニオイ徐放部材》
(1)本発明はニオイ徐放剤のみならず、少なくとも一部の表面にPEIを有するニオイ徐放部材でもよい。
(2)ニオイ徐放部材は、少なくとも表面側にPEIが存在すればよく、例えば、上述したニオイ徐放剤で表面処理された部材でもよいし、PEIを混在させた原料で成形等された部材等でもよい。
《その他》
(1)本発明でいうPEIは変性PEIまたは改質PEIを含む。例えば、PEIの末端基の一部が、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、イミド基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、チオール基、エステル基等の極性官能基の一種以上で置換されたものでもよい。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
ポリエチレンイミンの分子構造図である。 ニオイを感じるメカニズムを模式的に示した説明図である。 ニオイの評価試験に用いた装置の概要を示す模式図である。 第1実施例に係る評価試験で得られたグラフである。 第2実施例に係る評価試験で得られたグラフである。 評価試験に用いた供試材の表面にある水和層の厚さを示すグラフである。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。方法的な構成要素であっても、一定の場合に物に関する構成要素ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《PEI》
(1)構造
PEIは、分子式が(−CH−CH−NH−)nであり、図1に示すような分子構造をしている。その主たる官能基であるアミノ基(−NH−)は、極性基であり、その隣接間距離(隣接するN間距離)は約3.7Åとなっている。なお、水の分子径は約2Åである。
(2)水特性
PEIは部材(基材)表面に生えるように存在し、図2(2)に示すように、1分子〜数分子の水を抱かえ込むように包含する。PEIにより包含された水は、PEIと電気的に強く結合し、高温に加熱されても沸点以上に加熱等されない限り、PEIから容易に分離(蒸発、脱着等)することはない。一方、さらにその表面側では、部材表面が曝される環境(雰囲気の温度や湿度)の変化に応じて、自由に移動し得る凝縮水(結露水)等が容易に生成されたり、蒸発したりする。
本願明細書では、適宜、PEIに包含されて容易に放出されることがない水を「結合水」、PEI上への生成またはPEI上からの蒸発が容易な水を「自由水」、それらの遷移域にあり両者の中間的な特性を示す水を「中間水」という。
(3)ニオイ特性
ニオイ成分は、部材表面において、図2に示すように放出され得る。先ず、部材表面にPEIが存在しない場合、図2(1)に示すように、ニオイ成分は部材表面に生じた自由水(例えば、結露水等の凝縮水)に溶解、吸収さらには濃縮された状態となる。部材表面が曝されている雰囲気の湿度低下や温度上昇により自由水が蒸発すると、その自由水の蒸発と共にニオイ成分も一気に雰囲気中へ放出される。これにより雰囲気中におけるニオイ成分の濃度が急激に高まり、その中にいる人はニオイを強く感じるようになる。
次に、部材表面にPEIが存在する場合、図2(2)に示すように、ニオイ成分は部材表面に生じた自由水に溶解、吸収して取り込まれた状態となる。この点は上述したPEIが存在しない場合と同様である。
しかし、吸収さらには濃縮された状態のニオイ成分の多くは有機物であり、それ自身が極性を有する高分子であることも多く、その多くはPEIの極性基に電気的な引力により補足された状態となる。この結果、PEI上にある自由水が蒸発しても、それに連動してニオイ成分も一気に放出されることはない。この点が、図2(1)に示したようにPEIが存在しない場合と相違する一つである。
また、自由水の蒸発後にPEI近傍に残る中間水は自由水よりも蒸発し難く、さらにPEIに包含された結合水は殆ど蒸発しない。従って、自由水の蒸発によって中間水や結合水へ移動した(分配された)ニオイ成分も、やはり、雰囲気中へ一気に放出されることはない。この点も、図2(1)に示したようにPEIが存在しない場合と相違する一つである。
さらに、PEIが存在する場合、自由水や中間水の蒸発に伴って、ニオイ成分が緩やかに放出され続ける。従って、PEIが存在する場合、中間水中や結合水中にニオイ成分が過度に濃縮されることはない。なお、自由水や中間水が蒸発した後、再び自由水が生成されると、中間水中や結合水中に一時的に保持されていたニオイ成分の一部が自由水へ移動して(配分されて)、全体的に平衡な状態となる。従って、再び生成した自由水中でも、やはり、ニオイ成分の濃度が過大になることはない。
このような現象が部材表面に存在するPEI上で繰り返され、それらが相乗的に作用することにより、ニオイ成分は雰囲気中へ一気に放出されず(つまり徐放されて)、人がニオイを強く感じることが抑止されるようになったと考えられる。
(4)分子量
PEIがニオイ成分の徐放作用を発現する理由は、上述したPEIの分子構造に起因している。PEIの分子量が変化すると、結合水・中間水からなる水和層の厚さ等が変化し、ニオイ成分の徐放効果も変化し得る。例えば、PEIの分子量が大きくなるほど、水和層の厚さが大きくなり、徐放効果ひいては防臭効果が高まる傾向にある。そこでPEIの分子量は、300〜70000さらには400〜35000であると好ましい。分子量が過小または過大なPEIは入手が容易ではない。また分子量が過小になると徐放効果が弱くなり、分子量が過大になると粘度が高くなり基材表面への付着が難しくなる。
なお、本明細書でいう分子量は、周知なZ平均分子量(Mz)であり、Mz=ΣMi3Ni/ΣMi2Ni (Mi:各分子量、Ni:分子量Miの分子数)により算出されるものを分子量とする。
《ニオイ徐放剤》
ニオイ徐放剤は、PEI単体の他、PEIと異なる一種以上の重合体、溶剤、界面活性剤等を含んでもよい。PEIと混在させる重合体として、例えば、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、イミド基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、チオール基、エステル基等の極性官能基を一種以上有するものを用いるとよい。
ニオイ徐放剤は、部材の原料に混入させても良いが、部材表面に付着させてPEI膜(層)を形成すると効率的に徐放効果が得られる。その付着方法は、部材の形態や特性等に応じて、塗布法、浸漬法等が適宜選択される。
《ニオイ徐放部材》
ニオイ徐放部材は、少なくとも一部の表面にPEI(膜、層)を有する部材である。ニオイ徐放部材は、素材、中間材、最終製品(部品)等のいずれでもよい。その材質は金属、樹脂、木材等のいずれでもよく、その形態は板状、ブロック状、シート状等の単純形状の他、成形や加工等により得られた複雑形状でもよい。
ニオイ徐放部材は、人がニオイを感じ難くなるために用いられる限り、その具体的な用途は問わない。ニオイ徐放部材の代表的な用途として、例えば、室内の壁面を構成する板材、壁紙等の建材、熱交換器(特に室内に通じる空気が流動するエバポレータ)やその構成材(アルミニウム合金板等)がある。
ニオイ成分を付着させた種々の試料を用意して、各試料から発生するニオイを評価した。このような具体例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
[第1実施例]
《試料》
(1)基材
ニオイ成分を付着させる基材(テストピース)として、ケイ酸系ガラス板(単に「ガラス板」という。/試料11)を用意した。基材のサイズは16×76×1mmとした。
(2)高分子皮膜
ガラス板の表面は、PEIからなる高分子皮膜(単に「PEI膜」という。)で被覆した。成膜はガラス板表面のシラノール基に、グリシジルトリメトキシシランを導入し、ガラス板表面にPEIを付着させた。
(3)ニオイ成分
基材に付着させるニオイ成分として、酢酸、酪酸およびトリメチルアミン(TMA)を用いた。いずれも有機物からなる代表的な臭気物質である。それらニオイ成分の混合水溶液(酢酸:1000ppm、酪酸:100ppm、TMA:1000ppm)中に、各基材を3日間浸漬した。混合水溶液から引き上げた基材は、純水で十分に洗浄した後、室内で自然乾燥させた。こうして得られた各試料をニオイ評価に供した。
《試験》
各試料に係るニオイ成分の放出挙動を、図3に示すような試験装置を用いて調べた。具体的にいうと、先ず、ニオイ成分を付着させた試料をガラス製のチャンバに入れ、マスフローメーターと加湿装置を用いて調湿したNをチャンバ内へ導入した。このチャンバを高温(30℃)の恒温槽と低温(2℃)の恒温槽に交互に浸して、チャンバ内の環境(各供試材の表面近傍の温度と湿度)を変化させた。このとき、高温の保持時間:15分間、低温の保持時間:15分間とした。
このチャンバを通過して放出口へ導出される空気について、湿度変化の測定と官能評価(臭気強度評価)を行った。この官能評価と共に、その空気を捕集管に採取して、ガスクロマトグラフ―質量分析装置(GC/MS)を用いて各ニオイ成分の濃度分析も行った。こうして得られた結果を併せて図4に示した。
図4の上段には、チャンバへ導入する空気の湿度(WET/DRY)と、チャンバの保持温度、放出口(官能評価口)から導出される空気の湿度を示した。また図4の中段と下段には、それぞれ試料11(PEI膜あり)と試料C0(PEI膜なしAl合金板/詳細は後述)について行った官能評価結果とGC/MSによる測定結果を併せて示した。
《評価》
図4から明らかなように、PEI膜の有無により、ニオイ成分の放出挙動が異なることが明らかとなった。具体的にいうと、PEI膜がある試料11はPEI膜がない試料C0に対して、GC/MSによるニオイ成分の濃度および官能評価の両方が共になだらかに変化した。すなわち、PEI膜によりニオイ成分が徐放され、それによりニオイを感じ難くなることが明らかとなった。
[第2実施例]
《試料》
ニオイ成分を付着させる基材として、アルミニウム合金板(単に「Al合金板」という。/試料C0)を用意した。このアルミニウム合金板は、アルミニウム合金(A1050)を親水性樹脂で表面処理したものである。なお、各基材のサイズは16×76×0.2mmとした。
そのAl合金板(試料C0)に加えて、そのAl合金板の表面を分子量の異なるPEIからなる高分子皮膜(PEI膜)で被覆した試料21(PEI分子量:600)および試料22(PEI分子量:10000)も用意した。各PEI膜の成膜は第1実施例の場合と同様に行った。
各試料に第1実施例の場合と同様にニオイ成分を付着させた。こうして得られた各試料をニオイ評価に供した。
《試験》
(1)各供試材について第1実施例の場合と同様な官能評価(臭気強度評価)を行った。得られた結果を図5に併せて示した。図5の上段には、チャンバの温度と放出口(官能評価口)の湿度を示した。また図5の下段には、各試料に係る官能評価結果を示した。
(2)走査型プローブ顕微鏡(SPM)の一種である原子間力顕微鏡(AFM:株式会社島津製作所製 SPM−8000FM)を用いて、各試料の供試材(官能評価試験前)の表面にある水和層の厚さを測定した。これにより得られた結果を図6に示した。
《評価》
(1)図5から明らかなように、PEI膜がない試料C0は鋭いピーク的な臭気強度を示した。一方、PEI膜がある試料21および試料22では、臭気強度が大幅に低減され、臭気強度の変化が緩やかになった。この傾向は、アミノ基の導入量が多い試料ほど顕著であった。
(2)図6から、供試材の表面に生成される水和層の厚さは、試料C0:9nm、試料21:30nm、試料22:50nmであることがわかった。これにより、PEIの分子量が増大するほど、供試材の表面に形成される水和層の厚さも厚くなり、臭気強度が低減されると共に臭気強度の変化が抑制されることも明らかとなった。
(3)さらに図5から、各試料で臭気強度が最大(ピーク)となるタイミングが異なることも明らかとなった。具体的にいうと、PEI膜がない試料C0では、放出口の湿度が最大となる付近で臭気強度が最大となった。一方、PEI膜がある試料21、22では、放出口の湿度が最大となるときよりも遅れて臭気強度が最大となった。そして既述したように、その試料21、22の最大値は、試料C0よりも大幅に低減されたものであった。
(4)このような傾向が得られた理由は次のように考えられる。PEI膜がない試料C0では、ニオイ成分の放出が供試材表面からの水の蒸発に連動しているためと考えられる。一方、PEI膜がある試料21、22では、ニオイ成分の放出が水の蒸発と必ずしも連動しておらず、PEI膜によりニオイ成分が緩やかに放出(つまり徐放)され続けるためと考えられる。
また、分子量の大きいPEIで成膜した試料ほど、臭気強度の最大値が低減されると共に、臭気強度が最大となるタイミングが遅れている。この理由のひとつとして、分子量の大きいPEIほど、基材表面に厚い水和層を形成でき、より多くのニオイ成分を一時的に保持できるためと考えられる。
いずれにしても、部材表面にPEIが存在することによりニオイ成分が緩やかに放出(徐放)され、雰囲気中の環境(湿度、温度等)が変化してもニオイ成分が急激に放出されることがなく、人がニオイを強く感じることが顕著に抑止されることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. ポリエチレンイミン(PEI)を含み、部材表面に付着させて、抑臭の対象となるニオイ成分を分解させずに徐放するニオイ徐放剤。
  2. 前記PEIは、分子量が300〜70000である請求項1に記載のニオイ徐放剤。
  3. 前記ニオイ成分は、前記部材表面にある水に取り込まれた状態にあり、
    前記PEIは、該水の放出を抑制する請求項1または2に記載のニオイ徐放剤。
  4. 前記ニオイ成分は、酢酸、酪酸またはトリメチルアミン(TMA)の一種以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載のニオイ徐放剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のニオイ徐放剤が少なくとも一部の表面に付着しているニオイ徐放部材。
  6. 建材または熱交換器の構成材である請求項に記載のニオイ徐放部材。
JP2017126775A 2017-06-28 2017-06-28 ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材 Active JP6831758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126775A JP6831758B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126775A JP6831758B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019005501A JP2019005501A (ja) 2019-01-17
JP6831758B2 true JP6831758B2 (ja) 2021-02-17

Family

ID=65026288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017126775A Active JP6831758B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6831758B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0612217B2 (ja) * 1985-04-30 1994-02-16 日本電装株式会社 アルミニウム製熱交換器およびその製法
US4941991A (en) * 1987-10-22 1990-07-17 Rajamannan A H J Composition and process for use in neutralizing malodorous gases
JPH0739572B2 (ja) * 1990-08-03 1995-05-01 宮田工業株式会社 蒸発抑制剤とこれをもちいた蒸発抑制方法
JPH0569741A (ja) * 1991-09-17 1993-03-23 Nippondenso Co Ltd 車両用空調装置
JP3407748B2 (ja) * 1992-07-24 2003-05-19 東洋紡績株式会社 吸着性シート
JP2004155662A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Nippon Shokubai Co Ltd トロポロン徐放性組成物
EP2512527A1 (en) * 2009-12-17 2012-10-24 The Procter & Gamble Company Freshening compositions comprising malodor binding polymers and malodor control components

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019005501A (ja) 2019-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tulliani et al. Room temperature ammonia sensors based on zinc oxide and functionalized graphite and multi-walled carbon nanotubes
Zahner et al. A facile approach to superhydrophilic–superhydrophobic patterns in porous polymer films
Wang et al. Synthesis, characterization and anti-foulingproperties of poly (ethylene glycol) grafted poly (vinylidenefluoride) copolymer membranes
Kavale et al. Optically transparent, superhydrophobic methyltrimethoxysilane based silica coatings without silylating reagent
US10138346B2 (en) Polysaccharide aerogel
KR101373959B1 (ko) 열 교환기의 핀, 열 교환기 및 공기 조화 장치
JP2016102205A (ja) 水性表面処理剤及び被覆シート並びに塗布性改善方法
JP6831758B2 (ja) ニオイ徐放剤およびニオイ徐放部材
JP2016214618A (ja) 消臭水性液
JP6560560B2 (ja) 耐汚染性表面修飾剤、及び表面処理方法
WO2019082760A1 (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JP2010159379A (ja) 塗料組成物、その製造方法及び熱交換器用フィン
WO2019003577A1 (ja) 熱交換器
JP2014188320A (ja) 医療用チューブ
JP5332613B2 (ja) 樹脂成型体の製造方法
JP6243481B2 (ja) 水分離複合膜
KR100727181B1 (ko) 자동차 에어컨디셔너 증발기용 친수 항균재 조성물
JPS6233521A (ja) 凝縮性ガスの分離方法
JP2007313400A (ja) ガス状有害物質吸着剤およびその製造方法
JP2022093263A (ja) 多孔質膜および、その製造方法
JP2011001466A (ja) 生活室空間の汚染物質処理剤及びその製造方法並びに使用方法
CN111133270A (zh) 热交换器
JP5292860B2 (ja) 樹脂成型体の製造方法
KR101664688B1 (ko) 초친수 및 초발수 표면 특성을 갖는 에어컨 증발기 및 그 제조방법
JP7037215B2 (ja) 脱臭材、その製造方法、脱臭方法、及び脱臭シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6831758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150