(実施形態1)
(1)概要
以下、実施形態1に係る電子スイッチ装置1の概要について説明する。実施形態1に係る電子スイッチ装置1は、図1及び図2に示すように、交流電源11と負荷12との間に電気的に接続され、交流電源11から負荷12への通電状態を切り替える配線器具である。電子スイッチ装置1は、例えば住宅の壁等に取り付けられる。交流電源11は、例えば、単相100〔V〕、60〔Hz〕の商用電源である。負荷12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を有する光源と、光源を点灯させる点灯回路と、を備える照明装置である。この負荷12では、交流電源11からの電力供給時に光源が点灯する。
図2に示す例では、2つの電子スイッチ装置(第1電子スイッチ装置、第2電子スイッチ装置)1A,1Bにて、電子スイッチシステム10が構成されている。つまり、電子スイッチシステム10は、複数(ここでは2つ)の電子スイッチ装置1A,1Bを備えている。2つの電子スイッチ装置1A,1Bは、互いに共通の構成を採用している。以下、2つの電子スイッチ装置1A,1Bを特に区別しない場合には、2つの電子スイッチ装置1A,1Bの各々を「電子スイッチ装置1」という。
電子スイッチ装置1は、例えば、双方向サイリスタ及びトランジスタ等の半導体スイッチからなる主スイッチ部Q1を備えている。電子スイッチ装置1は、主スイッチ部Q1を電子的に制御することにより、交流電源11と負荷12との間の導通/非導通を電子的に切り替える。つまり、電子スイッチ装置1は、交流電源11と負荷12との間に電気的に接続されるスイッチ部(主スイッチ部)Q1を備えている。
本実施形態では、電子スイッチ装置1は、3本の配線を接続可能な、いわゆる三路スイッチである。電子スイッチ装置1は、3つの接続端子(第1接続端子、第2接続端子、第3接続端子)101,102,103を備えている。そのため、2つの電子スイッチ装置1A,1Bを組み合わせた電子スイッチシステム10では、負荷12への通電状態を、例えば、建物における階段の上階部分と下階部分との2箇所で切り替えることが可能である。すなわち、階段の上階部分及び下階部分にそれぞれ電子スイッチ装置1A,1Bを設けた場合、電子スイッチ装置1A,1Bのいずれを操作しても、階段に設けられた負荷12への通電状態を切り替えることが可能である。
図2の例では、電子スイッチ装置1Aの接続端子101は、負荷12に接続されている。電子スイッチ装置1Bの接続端子101は、交流電源11に接続されている。また、電子スイッチ装置1Aの接続端子102は、電子スイッチ装置1Bの接続端子103に接続されている。電子スイッチ装置1Aの接続端子103は、電子スイッチ装置1Bの接続端子102に接続されている。
電子スイッチ装置1において、スイッチ部Q1は、接続端子101と接続端子103との間に接続されている。言い換えれば、電子スイッチ装置1の内部において、接続端子101と接続端子103とは、スイッチ部Q1を介して電気的に接続されている。したがって、スイッチ部Q1の動作状態がオン状態にあれば、接続端子101と接続端子103との間がスイッチ部Q1を介して導通する。また、スイッチ部Q1の動作状態がオフ状態にあれば、接続端子101と接続端子103との間が非導通となる。つまり、電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1が導通していれば、交流電源11と負荷12との間が導通し、電子スイッチ装置1を介して、交流電源11から負荷12に電力供給される。本実施形態では、スイッチ部Q1のオン状態とは、スイッチ部Q1が連続的に導通している状態だけではなく、スイッチ部Q1が間欠的に導通している状態を含む。つまり、スイッチ部Q1のオン状態とは、交流電源11から負荷12への電力供給が行われる状態であり、スイッチ部Q1のオフ状態とは、交流電源11から負荷12への電力供給が遮断される状態である。
複数(ここでは2つ)の電子スイッチ装置1A,1Bがそれぞれ備える複数のスイッチ部Q1は、交流電源11と負荷12との間に電気的に並列に接続される。そのため、電子スイッチシステム10では、2つの電子スイッチ装置1A,1Bのいずれかのスイッチ部Q1が導通していれば、交流電源11と負荷12との間が導通し、交流電源11から負荷12に電力供給される。したがって、電子スイッチシステム10では、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1、及び電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1の両方において、負荷12への通電状態を切り替えることが可能である。
(2)詳細
以下、本実施形態の電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
電子スイッチ装置1は、図2に示すように、スイッチ部Q1及び3つの接続端子101,102,103に加えて、整流器2、及び回路部A1を備えている。回路部A1は、補助スイッチ部Q2、電圧監視部3、電源生成部4、制御部5、判定部51、及びセンサ部6を備えている。これらのスイッチ部Q1、3つの接続端子101,102,103、整流器2、及び回路部A1は、1つの筐体に収納されている。電子スイッチ装置1は、筐体が壁等に固定されることで、壁等に取り付けられる。
3つの接続端子101,102,103の各々は、配線が電気的かつ機械的に接続される部品である。接続端子101と接続端子103との間には、上述したようにスイッチ部Q1が接続されている。接続端子102は、接続端子101の送り端子であり、接続端子101と電気的に接続されている。本実施形態における「接続端子」等の「端子」は、電源線を接続するための部品(端子)でなくてもよく、例えば、電子部品のリードや、回路基板に含まれる導体の一部であってもよい。
スイッチ部Q1は、交流電源11と負荷12との間に電気的に接続され、交流電源11と負荷12との間の導通/非導通を切り替える。本実施形態では、スイッチ部Q1は、3端子の双方向サイリスタ(トライアック)にて構成されている。スイッチ部Q1は、接続端子101と接続端子103との間に電気的に接続されており、接続端子101と接続端子103との間における双方向の電流の通過/遮断を切り替える。スイッチ部Q1の制御端子(双方向サイリスタのゲート端子)は、整流器2の交流入力端子に電気的に接続されている。また、スイッチ部Q1の制御端子は、抵抗R0を介して接続端子103に電気的に接続されている。図2では、スイッチ部Q1を、接点を有するメカニカルスイッチと同様の回路記号で表記している。
補助スイッチ部Q2は、整流器2と電源生成部4との間に電気的に接続され、整流器2の直流出力端子間の導通/非導通を切り替える。本実施形態では、補助スイッチ部Q2は、エンハンスメント形のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)にて構成されている。補助スイッチ部Q2のドレイン端子は、整流器2の高電位側の直流出力端子に電気的に接続されている。補助スイッチ部Q2のソース端子は、整流器2の低電位側の直流出力端子(グランド)に電気的に接続されている。補助スイッチ部Q2は、後述するように、ゲート端子に制御部5からの制御信号(第1制御信号)CS1が入力されることにより制御される。
ここで、補助スイッチ部Q2が非導通であれば、スイッチ部Q1の制御端子に十分な大きさの制御電圧(ゲート電圧)が印加されず、スイッチ部Q1は非導通になる。一方、補助スイッチ部Q2が導通していれば、補助スイッチ部Q2、整流器2を介して抵抗R0に電流が流れることにより、スイッチ部Q1の制御端子に十分な大きさの制御電圧が印加され、スイッチ部Q1が導通する。
整流器2は、ダイオードブリッジからなる。整流器2は、スイッチ部Q1の両端間に印加される電圧(以下、「スイッチ間電圧Vsw」ともいう)を、全波整流して、電源生成部4に出力する。そのため、電源生成部4は、整流器2の直流出力端子間に接続されている。電源生成部4は、整流器2から入力される全波整流後の電力を用いて、例えば制御部5及びセンサ部6の駆動等に必要な「制御電圧」を生成する。
以下では、スイッチ部Q1が非導通の状態で、スイッチ部Q1には交流電源11から交流電圧Vacが印加されることと仮定する。つまり、スイッチ部Q1が非導通であれば、スイッチ間電圧Vswは交流電源11からの交流電圧Vacと略等しくなる。また、以下では、接続端子101が高電位となる交流電圧Vac及びスイッチ間電圧Vswの極性を「正極性」、接続端子103が高電位となる交流電圧Vac及びスイッチ間電圧Vswの極性を「負極性」という。
電圧監視部3は、スイッチ間電圧Vswの大きさを監視(検出)するように構成されている。本実施形態では、電圧監視部3は、スイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出するように構成されている。また、電圧監視部3は、検出信号を制御部5に出力するように構成されている。本実施形態に係る電子スイッチ装置1は、電圧監視部3として、検出部(第1検出部)31と、検出部(第2検出部)32と、を有している。また、本実施形態では、検出信号も2つ(検出信号(第1検出信号)S1、検出信号(第2検出信号)S2)である。
検出部31は、接続端子101に電気的に接続されている。検出部31は、接続端子101−グランド(基準電位点)間電圧の大きさと基準値Vth1(図3参照。例えば、12〔V〕)とを比較することにより、スイッチ間電圧Vswが負極性から正極性に切り替わる際のゼロクロスを検出する。検出部31は、監視結果(検出結果)を表す検出信号S1を制御部5に出力している。検出信号S1の信号レベルは、接続端子101−グランド間電圧の絶対値が基準値Vth1未満のときにHレベル(High level)となり、接続端子101−グランド間電圧の大きさが基準値Vth1以上のときにLレベル(Low level)となる。
検出部32は、接続端子103に電気的に接続されている。検出部32は、接続端子103−グランド間電圧の大きさと基準値Vth1とを比較することにより、スイッチ間電圧Vswが正極性から負極性に切り替わる際のゼロクロスを検出する。検出部32は、監視結果(検出結果)を表す検出信号S2を制御部5に出力している。検出信号S2の信号レベルは、接続端子102−グランド間電圧の大きさが基準値Vth1未満のときにHレベルとなり、接続端子102−グランド間電圧の大きさが基準値Vth1以上のときにLレベルとなる。
すなわち、検出部31は、正極性のスイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1未満の状態から基準値Vth1以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロスと判断し、検出信号S1の信号レベルをLレベルとする。同様に、検出部32は、負極性のスイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1未満の状態から基準値Vth1以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロスと判断し、検出信号S2の信号レベルをLレベルとする。したがって、検出部31及び検出部32で検出されるゼロクロスの検出点は、厳密な意味でのゼロクロス(0〔V〕)から少し時間が遅れることになる。
電源生成部4は、給電回路41と、電源部42と、電源入力端子401と、電源出力端子402と、を有している。電源部42は、スイッチ部Q1に電気的に接続されている。電源部42は、交流電源11からの供給電力により制御部5の制御電圧を生成するように構成されている。給電回路41は、スイッチ部Q1と電源部42との間に電気的に接続されている。
給電回路41と電源部42とは、いずれも整流器2の直流出力端子間に電気的に接続されている。電源入力端子401は、給電回路41の入力端子に相当し、整流器2の高電位側の直流出力端子に電気的に接続される。そのため、スイッチ部Q1及び補助スイッチ部Q2が非導通の状態にある場合、電源入力端子401とグランド(整流器2の低電位側の直流出力端子)との間には、全波整流されたスイッチ間電圧Vsw、つまり整流器2から出力される脈流電圧が印加される。電源出力端子402は、電源部42の出力端子に相当し、制御部5に電気的に接続される。これにより、電源部42が制御電圧を生成するときには、電源部42への供給電力は、必ず給電回路41を介して電源部42に供給されることになる。給電回路41は、例えば、入力電圧(スイッチ間電圧Vsw)を降圧して電源部42に出力するドロッパ回路である。
給電回路41は、ツェナダイオード(第1ツェナダイオード)ZD1と、能動素子Q10と、抵抗(第1抵抗)R1と、抵抗(第2抵抗)R2と、ダイオードD1と、電流制限部43と、を有している。電流制限部43は、スイッチ素子(第1スイッチ素子)Q11と、抵抗(第3抵抗)R3と、抵抗(第4抵抗)R4と、を有している。また、給電回路41は、ツェナダイオード(第2ツェナダイオード)ZD2と、スイッチ素子(第2スイッチ素子)Q12と、スイッチ素子(第3スイッチ素子)Q13と、抵抗(第5抵抗)R5と、抵抗(第6抵抗)R6と、を更に有している。電源部42は、コンデンサC1と、レギュレータ44と、を有している。
電源入力端子401とグランドとの間においては、能動素子Q10、抵抗R3、ダイオードD1、及びコンデンサC1が、電気的に直列に接続されている。これにより、能動素子Q10、抵抗R3、及びダイオードD1の直列回路は、電源部42への供給電力の経路の一部、つまりコンデンサC1の充電経路45の一部を構成する。能動素子Q10は、スイッチ部Q1の両端間における、コンデンサC1の充電経路45上に設けられ、スイッチ間電圧Vswの大きさが所定値以上のときにオンする電圧駆動型の能動素子である。能動素子Q10は、一例として、エンハンスメント形のnチャネルMOSFETからなる。
能動素子Q10のドレイン端子は、電源入力端子401に電気的に接続されている。能動素子Q10のソース端子は、ダイオードD1のアノード端子に電気的に接続されている。ダイオードD1のカソード端子は、コンデンサC1を介してグランドに電気的に接続されている。抵抗R1及びツェナダイオードZD1は、電源入力端子401とグランドとの間において電気的に直列に接続されている。ツェナダイオードZD1のアノード端子はグランドに電気的に接続されている。能動素子Q10のゲート端子(制御端子)は、抵抗R2を介してツェナダイオードZD1のカソード端子に電気的に接続されている。
ダイオードD1のアノード端子とグランドとの間においては、ツェナダイオードZD2、スイッチ素子Q12、及び抵抗R5が、電気的に直列に接続されている。ツェナダイオードZD2のカソード端子は、ダイオードD1のアノード端子に電気的に接続されている。スイッチ素子Q12は、一例として、エンハンスメント形のnチャネルMOSFETからなる。スイッチ素子Q12のドレイン端子は、ツェナダイオードZD2のアノード端子に電気的に接続されている。スイッチ素子Q12のソース端子は、抵抗R5に電気的に接続されている。スイッチ素子Q12は、後述するように、ゲート端子に制御部5からの制御信号(第2制御信号)CS2が入力されることにより制御される。
スイッチ素子Q13は、一例として、npn形のバイポーラトランジスタからなる。スイッチ素子Q13のベース端子は、スイッチ素子Q12のソース端子及び抵抗R5の接続点に電気的に接続されている。スイッチ素子Q13のエミッタ端子は、グランドに電気的に接続されている。スイッチ素子Q13のコレクタ端子は、抵抗R6を介してレギュレータ44の出力端子、つまり電源出力端子402に電気的に接続されている。また、スイッチ素子Q13のコレクタ端子は、制御部5に電気的に接続されている。このため、制御部5には、スイッチ素子Q13が非導通のときに信号レベルがHレベルとなり、スイッチ素子Q13が導通しているときに信号レベルがLレベルとなる充電検出信号S3が入力される。
レギュレータ44は、三端子レギュレータ(シリーズレギュレータ)である。レギュレータ44の入力端子は、コンデンサC1の高電位側の端子、つまりダイオードD1のカソード端子に電気的に接続されている。レギュレータ44の出力端子は、電源出力端子402に電気的に接続されている。
上記構成によれば、給電回路41は、交流電源11からの電力供給を受けて、ツェナダイオードZD1のツェナ電圧(降伏電圧)に基づく定電圧にて、コンデンサC1を充電する。すなわち、スイッチ間電圧Vsw、つまり電源入力端子401及びグランド間に印加される電圧の大きさが、所定値(以下、「最低充電電圧」ともいう)以上になると、能動素子Q10が導通して電源部42に供給電力が供給される。言い換えれば、給電回路41は、スイッチ間電圧Vswの大きさが所定値以上になると、電源部42に供給電力を供給するように構成されている。これにより、スイッチ間電圧Vswが最低充電電圧以上であるときに、コンデンサC1は定電圧にて充電される。コンデンサC1の両端電圧は、レギュレータ44にて降圧され、電源出力端子402から出力される。このようにして、電源部42は、電源出力端子402から定電圧の制御電圧を出力する。
要するに、スイッチ間電圧Vswが最低充電電圧以上であれば、給電回路41の能動素子Q10が導通するため、給電回路41の入力インピーダンスは低インピーダンス状態になる。したがって、電源部42に供給電力が供給されて、電源部42にて制御電圧が生成される。コンデンサC1が満充電状態になれば、給電回路41から電源部42に電流が流れなくなるので、給電回路41の入力インピーダンスは、高インピーダンス状態になる。
次に、電流制限部43について説明する。電流制限部43において、抵抗R3は、能動素子Q10のソース端子に電気的に接続され、能動素子Q10に流れる電流を検出する検出抵抗として機能する、シャント抵抗である。ここでは、抵抗R3は、給電回路41における能動素子Q10のソース端子とダイオードD1のアノード端子との間に、電気的に接続されている。スイッチ素子Q11は、能動素子Q10のソース端子と制御端子(ゲート端子)との間に電気的に接続されている。スイッチ素子Q11は、一例として、npn形のバイポーラトランジスタからなる。スイッチ素子Q11のエミッタ端子は、抵抗R3を介して能動素子Q10のソース端子に電気的に接続されている。スイッチ素子Q11のコレクタ端子は、能動素子Q10のゲート端子に電気的に接続されている。スイッチ素子Q11のベース端子は、抵抗R4を介して能動素子Q10のソース端子に電気的に接続されている。
上記構成によれば、電流制限部43は、能動素子Q10を流れる電流(ドレイン電流)が規定値以上になると、抵抗R3の両端電圧にてスイッチ素子Q11を導通し、これにより能動素子Q10をオフにする。これにより、コンデンサC1の充電経路45が遮断され、電源部42での制御電圧の生成が停止する。言い換えれば、交流電源11から電源部42に規定値以上の電流が流れると、電流制限部43にて電源入力端子401からコンデンサC1が電気的に切り離され、電源部42への供給電力の供給が停止する。
制御部5は、例えば、マイクロコンピュータを主構成として備えている。マイクロコンピュータは、マイクロコンピュータのメモリに記録されているプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、制御部5としての機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、マイクロコンピュータを、制御部5として機能させるためのプログラムである。
制御部5は、電源生成部4から、制御電圧の供給を受けて動作する。制御部5は、補助スイッチ部Q2を制御することで、スイッチ部Q1を間接的に制御する機能を備えている。つまり、制御部5は、スイッチ部Q1を制御するように構成されている。具体的には、制御部5は、センサ部6の検知結果に基づいて、補助スイッチ部Q2の制御端子(ゲート端子)に制御信号CS1を出力することにより、補助スイッチ部Q2の導通/非導通を切り替えるように、補助スイッチ部Q2を制御する。補助スイッチ部Q2の導通/非導通が切り替わると、上述したように、スイッチ部Q1の導通/非導通が切り替わる。また、制御部5は、補助スイッチ部Q2を導通させる場合、つまりスイッチ部Q1を導通させる場合、電圧監視部3から出力される検出信号(検出信号S1,S2)に基づいて、制御信号CS1の信号レベルをHレベルにするタイミングを決定する。制御部5には補助スイッチ部Q2を駆動するための駆動回路が含まれており、制御部5は直接的に補助スイッチ部Q2を制御する。
また、制御部5は、スイッチ素子Q12の制御端子(ゲート端子)に制御信号CS2を出力することにより、スイッチ素子Q12の導通/非導通を切り替えるように、スイッチ素子Q12を制御する。本実施形態では、制御部5は、補助スイッチ部Q2を導通状態から非導通状態に切り替える際に、制御信号CS2の信号レベルをLレベルからHレベルに切り替えることで、スイッチ素子Q12を導通させる。スイッチ素子Q12が導通状態のときに、コンデンサC1の充電電圧及びダイオードD1の順方向電圧の和がツェナダイオードZD2のツェナ電圧を上回っていると、スイッチ素子Q13のベース端子に電流が流れる。これにより、スイッチ素子Q13が導通し、充電検出信号S3の信号レベルがHレベルからLレベルになる。一方、スイッチ素子Q12が導通状態のときに、コンデンサC1の充電電圧及びダイオードD1の順方向電圧の和がツェナダイオードZD2のツェナ電圧以下であると、スイッチ素子Q13のベース端子には電流が流れない。このため、スイッチ素子Q13は非導通状態を維持するので、充電検出信号S3の信号レベルがHレベルに維持される。
つまり、スイッチ素子Q12の導通状態において、コンデンサC1が十分に充電されており、制御電圧が確保できていれば、充電検出信号S3の信号レベルがLレベルになる。一方、スイッチ素子Q12の導通状態において、コンデンサC1が十分に充電されておらず、制御電圧が確保できていなければ、充電検出信号S3の信号レベルがHレベルに維持される。このため、制御部5は、充電検出信号S3を監視することで、制御電圧を確保できているか否かを判断することができる。
本実施形態では、制御部5は、電圧監視部3がスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出し、かつ、充電検出信号S3により制御電圧が確保できていると判断した場合に、補助スイッチ部Q2の制御を実行する。つまり、制御部5は、電圧監視部3がスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出したときに、コンデンサC1が十分に充電されていない場合、コンデンサC1が十分に充電されるのを待って、補助スイッチ部Q2の制御を実行する。
判定部51は、電圧監視部3での監視結果に基づいて、他スイッチ部Q14の動作状態を判定するように構成されている。ここで、「他スイッチ部Q14」は、交流電源11と負荷12との間に電気的に接続される他の電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1である。例えば、電子スイッチ装置1Aの判定部51は、他の電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1(他スイッチ部Q14)の動作状態(導通/非導通)を判定するように構成されている。本実施形態では、判定部51は、電圧監視部3がスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出する際に検出信号S10に現れるパルス幅W1(図3参照)に基づいて、他スイッチ部Q14の動作状態を判定する。ここでいう「パルス幅」は、スイッチ間電圧Vswの大きさ(Vsw)が基準値Vth1以上の時間の長さである。また、図3では、検出信号S10は、検出信号S1と検出信号S2とを重ね合わせた信号である。
判定部51は、パルス幅W1と閾値とを比較し、パルス幅W1が閾値未満であれば、他スイッチ部Q14が導通状態であると判定する。また、判定部51は、パルス幅W1が閾値以上であれば、他スイッチ部Q14が非導通状態であると判定する。閾値は、例えば交流電圧Vacの1周期の1/8程度に設定される。本実施形態では、判定部51は、制御部5の有する機能の一つであるが、制御部5とは異なるハードウェア(又はソフトウェア)で構成されていてもよい。
センサ部6は、検知エリアに人が存在するか否かを検知する。センサ部6は、例えば、焦電素子を含んでおり、人体から放出される赤外線を検出することによって、検知エリアに人が存在するか否かを判断する。センサ部6は、検知エリアに人が存在することを検知すると、スイッチ部Q1をオン状態とするためのオン制御指示を、制御部5に出力する。
制御部5は、センサ部6からオン制御指示を受けると、電圧監視部3からの検出信号に基づいて、補助スイッチ部Q2に与える制御信号CS1の信号レベルをHレベルにする。具体的には、制御部5は、電圧監視部3からの検出信号に基づいて、スイッチ間電圧Vswがゼロクロスする際に、補助スイッチ部Q2を導通させる。これにより、スイッチ部Q1が導通する。つまり、制御部5は、スイッチ部Q1の動作状態をオン状態とするためのオン制御指示を受けると、スイッチ部Q1の動作状態をオン状態とするように構成されている。
ここで、スイッチ部Q1は、上述したように双方向サイリスタからなるので、交流電源11からの交流電圧Vacのゼロクロス(0〔V〕)付近で非導通となる。厳密には、スイッチ部Q1が導通した後、スイッチ部Q1を流れる電流が0〔A〕になるとスイッチ部Q1が非導通となるので、負荷12の種類によっては、交流電圧Vacのゼロクロスよりも早いタイミングでスイッチ部Q1が非導通となることもある。
すなわち、制御部5は、電圧監視部3がスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出するごとに、つまり交流電圧Vacの略半周期ごとに補助スイッチ部Q2を導通させ、スイッチ部Q1を導通させる。本実施形態では、制御部5は、検出部31でスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出して補助スイッチ部Q2を制御する処理と、検出部32でスイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出して補助スイッチ部Q2を制御する処理とを交互に実行する。また、制御部5は、スイッチ部Q1をオフ状態とする場合、補助スイッチ部Q2が非導通となるように補助スイッチ部Q2を制御することにより、スイッチ部Q1を非導通に維持する。
(3)動作
次に、電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10の動作について、図3及び図4を参照して説明する。図3では、電子スイッチ装置1A,1Bの両方のスイッチ部Q1がオフ状態である場合の動作を例示する。図4では、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1がオフ状態であり、電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1がオン状態である場合の動作を例示する。また、図3及び図4の例では、電子スイッチ装置1Bを「他の電子スイッチ装置1B」として、電子スイッチ装置1Aの動作について説明する。したがって、図3及び図4の例では、電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1が他スイッチ部Q14である。
図3及び図4は、いずれも上段から順に、交流電源11の交流電圧「Vac」、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1のスイッチ間電圧「Vsw」、電子スイッチ装置1Aでの検出信号「S10」、他スイッチ部Q14の動作状態(導通/非導通)を示している。図3及び図4の例では、検出信号「S10」の信号レベルは、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1以上のときにLレベルであり、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1未満のときにHレベルである。また、図3及び図4では、電子スイッチ装置1Aのスイッチ間電圧Vswを示しているが、このスイッチ間電圧Vswは、他の電子スイッチ装置1Bのスイッチ間電圧Vswと同じである。また、他スイッチ部Q14の動作状態を表す「Q14」については、「ON」が導通を表し、「OFF」が非導通を表す。
まず、電子スイッチ装置1A,1Bの両方のスイッチ部Q1がオフ状態であるときの動作について図3を用いて説明する。図3の例では、電子スイッチ装置1A,1Bの両方のスイッチ部Q1がオフ状態であるため、スイッチ間電圧Vswは、交流電圧Vacと同電圧である。
図3の例では、スイッチ間電圧Vswは、時点t0にて負極性から正極性に切り替わり、時点t0後の時点t3にて正極性から負極性に切り替わる。また、図3の例では、時点t0後の時点t1から、時点t3前の時点t2まで、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1以上となることで、検出信号S10の信号レベルがLレベルになる。同様に、図3の例では、時点t3後の時点t4から時点t5まで、検出信号S10の信号レベルがLレベルになる。
ここで、検出信号S10のパルス幅W1(時点t1から時点t2までの時間の長さ、及び時点t4から時点t5までの時間の長さ)は、交流電圧Vacの半周期に相当する長さであり、閾値以上である。したがって、図3の例では、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値以上であることから、電子スイッチ装置1Aの判定部51は、他スイッチ部Q14がオフ状態であると判定する。
次に、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1がオフ状態であり、電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1がオン状態であるときの動作について図4を用いて説明する。図4の例では、スイッチ間電圧Vswは、時点t6にて負極性から正極性に切り替わり、時点t6後の時点t9にて正極性から負極性に切り替わる。また、図4の例では、時点t6後の時点t7にて、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1以上となることで、検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになる。そして、時点t7後の時点t8にて、他スイッチ部Q14が導通することで、スイッチ間電圧Vswが略0〔V〕となる。このため、検出信号S10の信号レベルは、時点t8にてLレベルからHレベルになる。同様に、図4の例では、時点t9後の時点t10にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになり、時点t10後の時点t11にて検出信号S10の信号レベルがLレベルからHレベルになる。
ここで、検出信号S10のパルス幅W1(時点t7から時点t8までの時間の長さ、及び時点t10から時点t11までの時間の長さ)は、閾値未満である。したがって、図4の例では、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値未満であることから、電子スイッチ装置1Aの判定部51は、他スイッチ部Q14がオン状態にあると判定する。
(4)利点
以下、本実施形態の電子スイッチ装置1の利点を説明するに当たり、まず、比較例の電子スイッチ装置について説明する。比較例の電子スイッチ装置は、判定部を備えていない点で、本実施形態の電子スイッチ装置1と異なる。また、以下では、比較例の電子スイッチ装置と、他の電子スイッチ装置とを備えたシステムを比較例の電子スイッチシステムとして説明する。
例えば、比較例の電子スイッチ装置のスイッチ部がオフ状態であり、他の電子スイッチ装置のスイッチ部(他スイッチ部)がオン状態であると仮定する。そして、この状態において、比較例の電子スイッチ装置の制御部がセンサ部からオン制御指示を受けたと仮定する。この場合、他スイッチ部がオン状態にあることから、負荷には、既に交流電源から電力が供給されている。したがって、この状態において、電子スイッチ装置のスイッチ部を導通させる必要はない。
しかしながら、比較例の電子スイッチ装置は、判定部を備えていないことから、スイッチ部を制御する際に他スイッチ部の動作状態を考慮することができない。このため、比較例の電子スイッチ装置の制御部は、他スイッチ部がオン状態であるにも関わらず、スイッチ部を導通させる。そして、比較例の電子スイッチ装置のスイッチ部と、他の電子スイッチ装置のスイッチ部とが同時に導通状態となれば、負荷を流れる電流が各スイッチ部に分かれて流れることにより、各スイッチ部が導通状態を維持できない可能性がある。この場合、例えば負荷が照明装置であれば、負荷の明るさが変わってしまい、負荷を見る人に違和感を与える可能性がある。その他、比較例の電子スイッチの制御部、及び他の電子スイッチ装置の制御部による制御が乱れる可能性もある。つまり、比較例の電子スイッチ装置の制御が、他の電子スイッチ装置の制御と競合する可能性がある。
一方、本実施形態の電子スイッチ装置1では、電圧監視部3により、スイッチ部Q1の両端電圧であるスイッチ間電圧Vswの大きさを監視している。そして、本実施形態の電子スイッチ装置1では、判定部51により、電圧監視部3での監視結果に基づいて他の電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1(他スイッチ部Q14)の動作状態を判定している。このため、本実施形態の電子スイッチ装置1では、制御部5は、他スイッチ部Q14の動作状態を考慮して、スイッチ部Q1を制御することが可能である。
例えば、本実施形態の電子スイッチ装置1の制御部5は、他スイッチ部Q14がオン状態にあるときにセンサ部6からオン制御指示を受けた場合、他スイッチ部Q14がオフ状態になるのを待ってスイッチ部Q1を導通させることが可能である。言い換えれば、制御部5は、オン制御指示を受けており、かつ、判定部51で他スイッチ部Q14の動作状態がオン状態と判定されている場合、スイッチ部Q1の動作状態をオン状態とする処理を遅らせるように構成されていてもよい。もちろん、制御部5は、判定部51で他スイッチ部Q14の動作状態がオン状態と判定されている場合に、他の電子スイッチ装置1の制御と競合しなければ、他スイッチ部Q14がオフ状態になるのを待たずに、スイッチ部Q1を導通させてもよい。このように、本実施形態の電子スイッチ装置1では、他の電子スイッチ装置1の制御と競合し難い制御が可能になるという利点がある。
(5)変形例
本実施形態において、判定部51は、制御部5によるスイッチ部Q1の制御状態と、電圧監視部3での監視結果とに基づいて、少なくとも他スイッチ部Q14の動作状態を判定するように構成されていてもよい。例えば、制御信号CS1の信号レベルがLレベルであり、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値未満である場合、判定部51は、他スイッチ部Q14がオン状態であると判定する。また、制御信号CS1の信号レベルがLレベルであり、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値以上である場合、判定部51は、他スイッチ部Q14がオフ状態であると判定する。
一方、制御信号CS1の信号レベルがHレベルであり、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値未満である場合、判定部51は、スイッチ部Q1が正常に動作していると判定する。また、制御信号CS1の信号レベルがHレベルであり、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値以上である場合、判定部51は、スイッチ部Q1が異常であると判定する。というのも、スイッチ部Q1が正常であれば、スイッチ部Q1を導通させる制御を実行している場合、他スイッチ部Q14の動作状態に依らず、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1は複数回連続して閾値未満となるからである。
なお、制御信号CS1の信号レベルがHレベルである場合、判定部51は、他スイッチ部Q14の動作状態を判定することはできない。しかしながら、この場合はスイッチ部Q1がオン状態であるため、他スイッチ部Q14の動作状態を判定しなくても差し支えない。
本実施形態では、判定部51は、交流電圧Vacの1周期においてパルス幅W1が複数回連続して閾値以上(又は閾値未満)となるか否かで他スイッチ部Q14の動作状態を判定しているが、他の構成であってもよい。例えば、判定部51は、交流電圧Vacの半周期においてパルス幅W1が閾値以上(又は閾値未満)となるか否かで他スイッチ部Q14の動作状態を判定してもよい。その他、判定部51は、3回以上連続してパルス幅W1が閾値以上(又は閾値未満)となるか否かで他スイッチ部Q14の動作状態を判定してもよい。
本実施形態では、パルス幅W1は、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1以上となる時間の長さであるが、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1未満となる時間の長さであってもよい。この場合、判定部51は、パルス幅W1が閾値未満であれば、他の電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1が非導通状態にあると判定する。また、この場合、判定部51は、パルス幅W1が閾値以上であれば、他の電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1が導通状態にあると判定する。
本実施形態では、判定部51は、パルス幅W1に基づいて他の電子スイッチ装置1のスイッチ部Q1の動作状態を判定する構成であるが、他の構成であってもよい。判定部51は、パルス幅W1が存在しない場合(つまり、他スイッチ部Q14が常に導通している場合)でも、他スイッチ部Q14の動作状態を判定することが可能である。例えば、判定部51は、検出信号S10の信号レベルがHレベルである時間の長さが閾値(例えば、500〔ms〕)を上回ることをもって、他の電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1が導通状態にあると判定することも可能である。閾値は、例えば瞬時停電によりスイッチ間電圧Vswが発生しない時間の長さを考慮して設定されるのが好ましい。
本実施形態において、電子スイッチ装置1の制御部5は、オン制御指示を受けた後に一定時間を計時すると、スイッチ部Q1をオン状態からオフ状態に切り替える構成であると仮定する。この場合、制御部5は、他スイッチ部Q14がオン状態からオフ状態に切り替わるのを待ってスイッチ部Q1をオン状態とする際に、オン制御指示を受けてから、又は他スイッチ部Q14がオフ状態に切り替わってから一定時間を計時すればよい。
本実施形態では、交流電源11は、単相100〔V〕、60〔Hz〕の商用電源であるが、単相100〔V〕、50〔Hz〕の商用電源であってもよい。また、交流電源11の電圧値は、100〔V〕に限らない。
本実施形態では、検出部31は、スイッチ間電圧Vswが負極性から正極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であるが、逆であってもよい。つまり、検出部31は、接続端子101−グランド間電圧が基準値未満になることをもって、スイッチ間電圧Vswが正極性から負極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であってもよい。同様に、検出部32は、スイッチ間電圧Vswが正極性から負極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であるが、逆であってもよい。つまり、検出部32は、接続端子102−グランド間電圧が基準値未満になることをもって、スイッチ間電圧Vswが負極性から正極性へ切り替わる際のゼロクロスを検出する構成であってもよい。
本実施形態では、電圧監視部3は2つの検出部(検出部31,32)を有しているが、検出部は1つであってもよい。この場合、電圧監視部3は、スイッチ間電圧Vswと基準値とを比較することにより、スイッチ間電圧Vswのゼロクロスを検出するように構成されていればよい。また、この場合、電圧監視部3は、検出信号S10を制御部5に出力する。また、本実施形態では、電圧監視部3は、全波整流前のスイッチ間電圧Vswの大きさを監視する構成であるが、全波整流後のスイッチ間電圧Vswの大きさを監視する構成であってもよい。
本実施形態において、負荷12は照明装置に限らず、例えば、換気扇及び防犯機器などの電気機器であってもよい。また、負荷12は、1台の電気機器に限らず、電気的に直列又は並列に接続された複数台の電気機器であってもよい。
本実施形態では、スイッチ部Q1は双方向サイリスタであるが、その他の半導体スイッチであってもよい。例えば、スイッチ部Q1は、接続端子101と接続端子103との間に電気的に直列に接続された2つのMOSFETであってもよい。2つのMOSFETは、ソース端子同士が互いに接続される、つまり、いわゆる逆直列に接続されることにより、双方向の電流の通貨/遮断を切り替える。また、スイッチ部Q1は、例えばGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いたダブルゲート(デュアルゲート)構造の半導体素子であってもよい。
本実施形態では、補助スイッチ部Q2はMOSFETであるが、その他の半導体スイッチであってもよい。例えば、補助スイッチ部Q2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのトランジスタであってもよい。
本実施形態では、センサ部6は、人が存在するか否かを検知する人感センサに限らず、例えば、明るさセンサであってもよい。または、センサ部6は、人感センサと明るさセンサとの両方を有していてもよい。更に、電子スイッチ装置1は、センサ部6の検知結果に基づいてスイッチ部Q1が制御される構成に限らず、例えば、遠隔操作機能、タイマ機能、又は調光機能付きの電子スイッチ装置1であってもよい。例えば、遠隔操作機能付きの電子スイッチ装置1であれば、制御部5は、リモートコントローラからのワイヤレス信号に基づいて、スイッチ部Q1を制御する。更に、電子スイッチ装置1は、例えば、押ボタンスイッチ又はタッチスイッチ等の操作部に対する人の操作に基づいて、スイッチ部Q1が制御される構成であってもよい。
本実施形態にて、2値の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
本実施形態において、充電検出信号S3を監視する構成(スイッチ素子Q12,Q13等)は電子スイッチ装置1に必須の構成ではなく、この構成は適宜省略されてもよい。この場合、制御部5は、オン制御指示を受けると、交流電圧Vacの半周期ごとに、検出部3からの検出信号S10のみに基づいて、補助スイッチ部Q2を、導通させる。
本実施形態では、電子スイッチ装置1Aは、他の電子スイッチ装置1Bと組み合わさって動作しているが、単体で動作することは言うまでもない。
(実施形態2)
以下、本実施形態の電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10について説明する。ただし、本実施形態の基本的な構成は、実施形態1の電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10と共通しているので、共通する点については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の電子スイッチ装置1では、制御部5は、電圧監視部3での監視結果に基づいて、他スイッチ部Q14の動作状態がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定するように構成されている。そして、制御部5は、推定したタイミングに基づいてスイッチ部Q1の動作状態をオン状態とするように構成されている。したがって、本実施形態の電子スイッチ装置1では、制御部5は、他スイッチ部Q14がオン状態からオフ状態に切り替わるのを待たずに、スイッチ部Q1をオン状態に切り替えることが可能である。
本実施形態では、制御部5は、スイッチ部Q1をオン状態からオフ状態に切り替える前に、第1処理と第2処理とを交互に繰り返すように構成されている。第1処理は、交流電圧Vacの2周期に相当する時間、スイッチ部Q1を導通させる処理である。第2処理は、交流電圧Vacの半周期に相当する時間、スイッチ部Q1を導通させる処理である。つまり、第1処理は、第2処理でのスイッチ部Q1の導通時間よりも長い時間、スイッチ部Q1を導通させる処理である。そして、制御部5は、3回目の第1処理を実行すると、スイッチ部Q1をオフ状態とするように構成されている。
以下、電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10の動作について、図5を参照して説明する。図5の例では、電子スイッチ装置1Aから見た電子スイッチ装置1Bを「他の電子スイッチ装置1B」として、電子スイッチ装置1Aの動作について説明する。したがって、図5の例では、電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1が他スイッチ部Q14である。
図5は、上段から順に、電子スイッチ装置1Bでの検出信号「S10」、他スイッチ部Q14の動作状態(導通/非導通)、電子スイッチ装置1Aでの検出信号「S10」、スイッチ部Q1の動作状態(導通/非導通)を示している。電子スイッチ装置1Aでの検出信号S10、及び他の電子スイッチ装置1Bでの検出信号S10は同じである。図5の例では、検出信号「S10」の信号レベルは、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1以上のときにLレベルであり、スイッチ間電圧Vswの大きさが基準値Vth1未満のときにHレベルである。また、スイッチ部Q1の動作状態を表す「Q1」、及び他スイッチ部Q14の動作状態を表す「Q14」については、いずれも「ON」が導通を表し、「OFF」が非導通を表す。
図5の例では、時点t12においては、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1はオフ状態であり、他の電子スイッチ装置1Bの他スイッチ部Q14はオン状態である。また、図5の例では、時点t12において、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、既にセンサ部6からオン制御指示を受けている。また、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t12前においては、検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになるごとに、交流電圧Vacの半周期に相当する時間、スイッチ部Q1を導通させる通常処理を繰り返している。そして、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t12後においては、第1処理と第2処理とを交互に繰り返している。
まず、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t12にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t12後の時点t13から時点t14までの間、1回目の第1処理を実行する。次に、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t14後の時点t15にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t15後の時点t16から時点t17までの間、1回目の第2処理を実行する。次に、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t17後の時点t18にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t18後の時点t19から時点t20までの間、2回目の第1処理を実行する。次に、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t20後の時点t21にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t21後の時点t22から時点t23までの間、2回目の第2処理を実行する。そして、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t23後の時点t24にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t24後の時点t25から時点t26までの間、3回目の第1処理を実行する。時点t26以降では、他スイッチ部Q14はオフ状態となる。
ここで、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、検出信号S10の信号レベルがLレベルからHレベルに切り替わるごとに、所定時間を計時する。そして、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、所定時間を計時するまでに検出信号S10の信号レベルがHレベルに維持されている場合、所定時間を計時した時点でオン条件を1回満たしたと判定する。そして、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、オン条件を所定の回数(ここでは、3回)満たしたと判定すると、スイッチ部Q1をオン状態にする。図5の例では、時点t13から時点t14の間で1回目、時点t19から時点t20までの間で2回目のオン条件が満たされる。そして、時点t26前の時点t27にて3回目のオン条件が満たされるため、スイッチ部Q1がオン状態となる。つまり、制御部5は、3回目のオン条件が満たされることで、他スイッチ部Q14がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定しているといえる。
上述のように、本実施形態の電子スイッチ装置1では、制御部5は、他スイッチ部Q14がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定する。そして、制御部5は、推定したタイミングに基づいてスイッチ部Q1をオン状態とする。このため、本実施形態では、他スイッチ部Q14がオフ状態に切り替わるタイミングと、スイッチ部Q1がオン状態に切り替わるタイミングとの間に空白時間が生じ難く、負荷12に電力が供給されない時間が生じ難い。例えば、負荷12が照明装置であれば、他スイッチ部Q14がオフ状態に切り替わった時点でスイッチ部Q1がオン状態に切り替えることができるので、負荷12が瞬間的に消灯するのを回避することが可能である。なお、本実施形態では、スイッチ部Q1及び他スイッチ部Q14が同時に導通状態となる時間が存在しているが、比較的短い時間であるため、電子スイッチ装置1の制御と他の電子スイッチ装置1の制御とが競合し難い。
(変形例)
本実施形態では、第1処理は、交流電圧Vacの2周期に相当する時間、スイッチ部Q1を導通させる処理であるが、スイッチ部Q1の導通時間はこれに限定されない。つまり、第1処理は、第2処理でのスイッチ部Q1の導通時間よりも長い時間、スイッチ部Q1を導通させる処理であればよい。
本実施形態では、制御部5は、オン条件が3回満たされたと判定すると、スイッチ部Q1をオン状態とする構成であるが、他の構成であってもよい。つまり、制御部5は、オン条件が「n」回(「n」は自然数)満たされたと判定すると、スイッチ部Q1をオン状態とする構成であってもよい。
ところで、本実施形態の電子スイッチ装置1では、制御部5は、スイッチ部Q1をオン状態からオフ状態に切り替える前に、第1処理と第2処理とを交互に繰り返すように構成されているが、他の構成であってもよい。例えば、制御部5は、1回だけ第1処理を実行すると、スイッチ部Q1をオフ状態とするように構成されていてもよい。
以下、上記構成の場合の電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10の動作について、図6を参照して説明する。図6の例では、図5の例と同様に、電子スイッチ装置1Aから見た電子スイッチ装置1Bを「他の電子スイッチ装置1B」として、電子スイッチ装置1Aの動作について説明する。したがって、図6の例では、電子スイッチ装置1Bのスイッチ部Q1が他スイッチ部Q14である。また、図6は、図5と同様に、上段から順に、電子スイッチ装置1Bでの検出信号「S10」、他スイッチ部Q14の動作状態(導通/非導通)、電子スイッチ装置1Aでの検出信号「S10」、スイッチ部Q1の動作状態(導通/非導通)を示している。
図6の例では、時点t30においては、電子スイッチ装置1Aのスイッチ部Q1はオフ状態であり、他の電子スイッチ装置1Bの他スイッチ部Q14はオン状態である。また、図6の例では、時点t30において、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、既にセンサ部6からオン制御指示を受けている。また、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t30前においては、検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになるごとに、交流電圧Vacの半周期に相当する時間、スイッチ部Q1を導通させる通常処理を繰り返している。例えば、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t30前の時点t28にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t28後の時点t29から時点t30までの間、スイッチ部Q1を導通させている。そして、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t30後においては、第1処理を1回だけ実行している。
つまり、他の電子スイッチ装置1Bの制御部5は、時点t30後の時点t31にて検出信号S10の信号レベルがHレベルからLレベルになると、時点t31後の時点t32から時点t33までの間、第1処理を実行する。ここで、図6の例では、第1処理におけるスイッチ部Q1の導通時間は、例えば300〔ms〕である。時点t33以降では、他スイッチ部Q14はオフ状態となる。
ここで、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、検出信号S10の信号レベルがLレベルからHレベルに切り替わるごとに、所定時間を計時する。そして、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、所定時間(例えば、250〔ms〕)を計時するまでに検出信号S10の信号レベルがHレベルに維持されている場合、所定時間を計時した時点でオン条件を満たしたと判定する。そして、電子スイッチ装置1Aの制御部5は、オン条件を満たしたと判定すると、スイッチ部Q1をオン状態にする。図6の例では、時点t32と時点t33との間の時点t34にてオン条件が満たされるため、スイッチ部Q1がオン状態となる。つまり、制御部5は、オン条件が満たされることで、他スイッチ部Q14がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定しているといえる。
実施形態2の構成(変形例を含む)は、実施形態1の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様の電子スイッチ装置(1)は、スイッチ部(Q1)と、制御部(5)と、電圧監視部(3)と、判定部(51)と、を備える。スイッチ部(Q1)は、交流電源(11)と負荷(12)との間に電気的に接続され、交流電源(11)と負荷(12)との間の導通/非導通を切り替える。制御部(5)は、スイッチ部(Q1)を制御する。電圧監視部(3)は、スイッチ部(Q1)の両端電圧であるスイッチ間電圧(Vsw)の大きさを監視する。判定部(51)は、電圧監視部(3)での監視結果に基づいて、交流電源(11)と負荷(12)との間に電気的に接続される他の電子スイッチ装置(1,1B)のスイッチ部(Q1)である他スイッチ部(Q14)の動作状態を判定する。
この構成によれば、制御部(5)は、他スイッチ部(Q14)の動作状態を考慮して、スイッチ部(Q1)を制御することが可能である。つまり、この構成によれば、他の電子スイッチ装置(1)の制御と競合し難い制御が可能になるという利点がある。
第2の態様の電子スイッチ装置(1)では、第1の態様において、判定部(51)は、以下のように構成されている。すなわち、判定部(51)は、制御部(5)によるスイッチ部(Q1)の制御状態と、電圧監視部(3)での監視結果とに基づいて、少なくとも他スイッチ部(Q14)の動作状態を判定するように構成されている。
この構成によれば、他の電子スイッチ装置(1,1B)の動作状態のみならず、自己の状態を判定することが可能になる。ただし、この構成は必須ではなく、判定部(51)は、電圧監視部(3)での監視結果のみに基づいて判定するように構成されていてもよい。
第3の態様の電子スイッチ装置(1)では、第1又は第2の態様において、判定部(51)は、以下のように構成されている。すなわち、判定部(51)は、スイッチ間電圧(Vsw)の大きさが基準値Vth1以上、又は基準値Vth1未満の時間の長さであるパルス幅(W1)に基づいて、他スイッチ部(Q14)の動作状態を判定するように構成されている。
この構成によれば、複雑な演算処理を必要とすることなく、他スイッチ部(Q14)の動作状態を判定することが可能である。ただし、この構成は必須ではなく、判定部(51)は、一定時間におけるスイッチ間電圧Vswの実効値(平均値)に基づいて判定するように構成されていてもよい。
第4の態様の電子スイッチ装置(1)は、第1〜第3のいずれかの態様において、電源部(42)と、給電回路(41)と、を更に備える。電源部(42)は、スイッチ部(Q1)に電気的に接続され、交流電源(11)からの供給電力により制御部(5)の制御電圧を生成するように構成されている。給電回路(41)は、スイッチ部(Q1)と電源部(42)との間に電気的に接続され、スイッチ間電圧(Vsw)の大きさが所定値以上になると電源部(42)に供給電力を供給するように構成されている。
この構成によれば、負荷(12)の通電時に制御電圧を確保するためにカレントトランスが必要でなく、小型化が可能になる。ただし、この構成は必須ではなく、電子スイッチ装置(1)は、制御電圧を確保するためにカレントトランスを備えた構成であってもよい。
第5の態様の電子スイッチ装置(1)では、第1〜第4のいずれかの態様において、制御部(5)は、スイッチ部(Q1)の動作状態をオン状態とするためのオン制御指示を受けると、スイッチ部(Q1)の動作状態をオン状態とするように構成されている。スイッチ部(Q1)のオン状態は、交流電源(11)から負荷(12)への電力供給が行われる状態である。制御部(5)は、オン制御指示を受けており、かつ、判定部(51)で他スイッチ部(Q14)の動作状態がオン状態と判定されている場合、スイッチ部(Q1)をオン状態とする処理を遅らせるように構成されている。
この構成によれば、他スイッチ部(Q14)と同時にスイッチ部(Q1)が導通し難くなる。つまり、この構成によれば、他の電子スイッチ装置(1,1B)の制御と競合し難い制御が可能になる。ただし、この構成は必須ではなく、制御部(5)は、上記の条件を満たした場合でもスイッチ部(Q1)をオン状態とする処理を遅らせなくてもよい。
第6の態様の電子スイッチ装置(1)では、第5の態様において、制御部(5)は、推定したタイミングに基づいてスイッチ部(Q1)の動作状態をオン状態とするように構成されている。制御部(5)は、電圧監視部(3)での監視結果に基づいて他スイッチ部(Q14)の動作状態がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定するように構成されている。他スイッチ部(Q14)のオフ状態は、交流電源(11)から負荷(12)への電力供給が遮断される状態である。
この構成によれば、他スイッチ部(Q14)の動作状態がオフ状態に切り替わるのを待たずに、スイッチ部(Q1)の動作状態をオン状態とすることが可能になる。つまり、この構成によれば、他の電子スイッチ装置(1,1B)の制御を引き継ぐ制御が可能になる。ただし、この構成は必須ではなく、制御部(5)は、他スイッチ部(Q14)の動作状態がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングを推定しなくてもよい。
第7の態様の電子スイッチシステム(10)は、第1〜第6のいずれかの態様の電子スイッチ装置(1)を複数備える。複数の電子スイッチ装置(1)が備える複数のスイッチ部(Q1)は、交流電源(11)と負荷(12)との間に電気的に並列に接続される。
この構成によれば、複数の電子スイッチ装置(1)の各々について、互いに競合し難い制御が可能になるという利点がある。
以上、実施形態1,2に係る電子スイッチ装置1及び電子スイッチシステム10について説明した。ただし、以上に説明した実施形態1,2は、いずれも上記の変形例を含めて本発明の様々な実施形態の一つに過ぎず、上記の実施形態1,2は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。