JP6830213B2 - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム及び無線通信方法 Download PDF

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Description

本開示は、通信分野に関し、より詳細には、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
D2D(device to device)は、3GPP LTEリリース12における新しいテーマであり、この検討項目の主たる目標は、装置間の直接通信を実現することである。D2D通信は、ネットワークカバレッジ内で発生し得るし(商用目的の場合)、ネットワークカバレッジ外でも発生し得る(公共安全性を目的とする場合)。
図1は、D2D通信の2種類のシナリオを示す概略図である。図1に示すように、図1の左側に示すシナリオ100Aにおいては、2台の無線装置101,102が、eNodeB 103によるネットワークカバレッジ内で装置間の直接通信を実施する。図1の右側に示した他方のシナリオ100Bにおいては、2台の無線装置104,105が、ネットワークカバレッジ外で装置間の直接通信を実施する。
リリース12において、D2D通信に関しては、主として、ネットワークカバレッジ外のシナリオと、ブロードキャストトラフィックとに焦点があてられている。
ネットワークカバレッジ外のシナリオにおける1つの検討課題は、D2D通信の構造である。現在、D2D通信の構造として、基本的に2つの候補、すなわち、1)図2(A)に示すような集中型の構造と、2)図2(B)に示すような分散型の構造、が存在する。
図2(A)および図2(B)は、D2D通信における集中型の構造および分散型の構造を示す概略図である。
図2(A)において、実線はデータ信号を表し、点線は制御信号を表している。図から理解できるように、集中型のシナリオにおいては、2種類の無線装置(ユーザ機器(UE)とも称される)、すなわち、クラスタヘッド(またはマスタUE)201およびスレーブUE202A〜202Dが存在する。このようなシナリオにおいては、シグナリングはクラスタヘッドによって制御されるが、データはスレーブUEから別のスレーブUEに直接送信され得る。
図2(B)においても同様に、実線はデータ信号を表し、点線は制御信号を表している。図から理解できるように、分散型のシナリオにおいては、クラスタヘッド(またはマスタUE)およびスレーブUEは定義されない。すべてのユーザ機器203A〜203Eは同格である。制御信号およびデータの両方が、送信側UEから受信側UEに送信される。
D2D通信に関する別の検討課題は、電力制御の問題である。現在、ほとんどの企業の理解に基づく電力制御は存在しない。したがって、基本的に最大電力での送信が想定されている。このため、消費電力が大きくなるし、他のUEへの干渉も発生する。
図3は、最大電力で送信することに起因する問題を示す概略図である。図3に示すように、送信側UE301は、送信側UE301が属しているクラスタ内の受信側ユーザ機器302A〜302Cに、データ送信およびシグナリングをすることが望ましい。したがって、最適な送信電力での通信範囲は、図3において点線の楕円によって示すようになる。しかしながら、最大送信電力での通信範囲は、図3において実線の楕円によって示すようになる。それゆえ、最大電力で送信が行われると、送信側UE301の消費電力が大きくなるだけでなく、送信対象ではないUE303Aおよび303Bへの大きな干渉が発生する。
本開示は、上記の状況を考慮してなされたものである。
本開示の第1の態様によると、基準信号送信電力を含む電力制御情報を第1の無線装置に送信する送信機を、具備する基地局と、前記電力制御情報を受信する受信機と、前記電力制御情報に含まれる前記基準信号送信電力と、前記第1の無線装置において測定される基準信号受信電力(RSRP)を用いて、前記基地局と前記第1の無線装置との間の送信経路損失を算出し、前記送信経路損失に基づいて前記第1の無線装置と第2の無線装置との間の第1のデータチャネルの送信電力を決定する制御回路を、具備する前記第1の無線装置と、を含む、無線通信システム、を提供する。また、本開示の第2の態様によると、基地局が基準信号送信電力を含む電力制御情報を第1の無線装置に送信し、前記第1の無線装置が前記前記電力制御情報を受信し、前記第1の無線装置が、前記電力制御情報に含まれる前記基準信号送信電力と、前記第1の無線装置において測定される基準信号受信電力(RSRP)を用いて、前記基地局と前記第1の無線装置との間の送信経路損失を算出し、前記送信経路損失に基づいて前記第1の無線装置と第2の無線装置との間の第1のデータチャネルの送信電力を決定する、無線通信方法、を提供する。
本開示のいくつかの態様の集積回路によると、D2D通信のさまざまなシナリオにおいて、無線装置の消費電力と、送信対象ではない無線装置への干渉とを低減することができる。
上記は本開示の要約であり、したがって当然ながら、細部については単純化、一般化、および省略されている。本発明の装置、プロセス、その他の主題の上記以外の態様、特徴、および利点は、本明細書に記載されている教示内容から明らかになるであろう。上記の要約は、本開示の重要な発想を簡略的に紹介することを目的としており、これらの発想については、発明を実施するための形態のセクションでさらに説明する。上記の要約は、特許請求の範囲に記載された主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを目的とするものではなく、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を判断する目的で使用されるものでもない。
以下では、本開示の実施形態について添付の図面と組み合わせて詳しく説明する。本開示の上記およびそれ以外の態様および利点は、以下の説明においてより明確となり、容易に理解されるであろう。
D2D通信の2つのシナリオを示す概略図 (A)はD2D通信における集中型の構造を示す概略図で、(B)は分散型の構造を示す概略図 D2D通信において最大電力で送信することに起因する問題を示す概略図 本開示の実施形態に係る、無線装置による電力制御方法を示すフロー図 本開示の別の実施形態に係る、無線装置による電力制御方法を示すフロー図 本開示の実施形態に係る無線装置の概略的な構成を示すブロック図 本開示の別の実施形態に係る無線装置の概略的な構成を示すブロック図 本開示の第1の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図 第1の実施形態のD2D通信のシナリオに適用される基本原理を示す概略図 本開示の第2の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図 本開示の第3の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図
以下の詳細な説明においては、添付の図面を参照し、これらの図面は説明の一部を形成している。図面においては、特に明記しない限り、一般には類似する記号は類似する要素を表している。なお、本開示の態様は、さまざまな異なる構造・構成に配置する、置き換える、組み合わせる、設計することができ、そのような態様すべては明示的に意図されたものであり本開示の一部を形成することが、容易に理解されるであろう。
図4は、本開示の実施形態に係る、無線装置(ユーザ機器、UE)による電力制御方法を示すフロー図である。このUEおよび少なくとも1台の別のUEはクラスタを形成することができ、このUEは、クラスタ内のすべてのUEにデータを届けるのに十分に大きい送信電力を使用して、別のUEとの直接通信を実行することができる。以下の説明では、区別する目的で、この無線装置を第1の無線装置と称し、他方の無線装置を第2の無線装置と称する。
図4に示すように、本開示のこの実施形態では、第1の無線装置側において、最初に、ステップ401で、第2のデータチャネル送信電力を含む電力制御情報が第2の無線装置から受信される。第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置にデータを届けることができる電力である。すなわち、第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置がクラスタ内の第1の無線装置を含むすべての無線装置と通信することのできる十分な大きさの電力であるならば、第2の無線装置の最大送信電力でなくてよい。
その後、ステップ402にて、第2のデータチャネル送信電力に基づいて、第1のデータチャネル送信電力が決定される。この第1のデータチャネル送信電力は、第2のデータチャネル送信電力と同様に、第1の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置に届けることができる電力である。すなわち、第1のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置がクラスタ内の第2の無線装置を含むすべての無線装置と通信することのできる十分な大きさの電力であるならば、第1の無線装置の最大送信電力でなくてよい。第1のデータチャネル送信電力を決定するプロセスについては、後からいくつかの実施形態との組合せにおいて詳しく説明する。
その後、第1のデータチャネル送信電力を決定した後、ステップ403にて、第1の無線装置のデータチャネル送信電力を第1のデータチャネル送信電力に従って制御する。例えば、第1の無線装置のデータチャネル送信電力を、第1のデータチャネル送信電力と同じ値に制御することができる。
図5は、第2の無線装置によって実行される電力制御方法を示すフロー図である。図5に示すように、この実施形態では、第2の無線装置側において、最初に、ステップ501で、第2のデータチャネル送信電力が取得される。第2のデータチャネル送信電力を取得するプロセスについては、後からいくつかの実施形態と組み合わせて詳しく説明する。
その後、ステップ502にて、第2のデータチャネル送信電力を含む電力制御情報が第1の無線装置に送信される。上述したように、この電力制御情報は、第1のデータチャネル送信電力を決定するために使用され、第1の無線装置のデータチャネル送信電力は、この第1のデータチャネル送信電力に従って制御される。第1のデータチャネル送信電力および第2のデータチャネル送信電力の意味については上に説明してあり、ここでは詳しくは説明しない。
すなわち、本開示の上記の実施形態においては、第1の無線装置および第2の無線装置を含むクラスタにおいて、次のように電力制御方法が提供される。最初に、第2の無線装置により、第2のデータチャネル送信電力が取得される。その後、第2の無線装置により、この第2のデータチャネル送信電力を含む電力制御情報が第1の無線装置に送信される。従って、第1の無線装置により、第2の無線装置からの電力制御情報が受信される。次いで、第1の無線装置により、第1のデータチャネル送信電力が第2のデータチャネル送信電力に基づいて決定される。最後に、第1の無線装置により、自身のデータチャネル送信電力が、第1のデータチャネル送信電力に従って制御される。
図6は、本開示の実施形態に係る無線装置600の概略的な構成を示すブロック図である。図6に示すように、第1の無線装置としての無線装置600は、第2のデータチャネル送信電力を含む電力制御情報を第2の無線装置から受信するレシーバ601と、第2のデータチャネル送信電力に基づいて第1のデータチャネル送信電力を決定する決定ユニット602と、第1の無線装置のデータチャネル送信電力を第1のデータチャネル送信電力に従って制御するコントローラ603と、を備えている。
図4および図5を参照しながら説明した電力制御方法の場合と同様に、第1のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置に届けることができる電力であり、第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置に届けることのできる電力である。
この実施形態による無線装置600は、オプションとして以下の要素、すなわち、無線装置600の中でさまざまなデータを処理し各ユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)610、CPU610によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(Read Only Memory)613、CPU610によるプロセスおよび制御の手順において一時的に作成される中間データを格納するRAM(Random Access Memory)615、および/または、さまざまなプログラムやデータなどを格納するストレージユニット617を含むことができる。上記のレシーバ601、決定ユニット602、コントローラ603、CPU610、ROM613、RAM615、および/または、ストレージユニット617などは、データおよび/またはコマンドバス620を介して相互に接続されて、互いの間で信号を伝送することができる。
上述した各ユニットは、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実施例によると、上記のレシーバ601、決定ユニット602、およびコントローラ603の機能を、ハードウェアによって実施することができ、上記のCPU610、ROM613、RAM615、および/またはストレージユニット617は、必要ないことがある。これに代えて、上記のレシーバ601、決定ユニット602、およびコントローラ603の機能を、上記のCPU610、ROM613、RAM615、および/またはストレージユニット617は、などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
図7は、本開示の実施形態に係る無線装置700の概略的な構成を示すブロック図である。図7に示すように、第2の無線装置としての無線装置700は、第2のデータチャネル送信電力を取得する取得ユニット701と、第2のデータチャネル送信電力を含む電力制御情報を第1の無線装置に送信するトランスミッタ702と、を備えている。第1の無線装置のデータチャネル送信電力は、第2のデータチャネル送信電力に基づいて決定される第1のデータチャネル送信電力に従って制御される。
図4および図5を参照しながら説明した電力制御方法の場合と同様に、第1のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置に届けることのできる電力であり、第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置がクラスタ内のすべての無線装置に届けることのできる電力である。
この実施形態による無線装置700は、オプションとして以下の要素、すなわち、無線装置700の中でさまざまなデータを処理し各ユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)710、CPU710によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(Read Only Memory)713、CPU710によるプロセスおよび制御の手順において一時的に作成される中間データを格納するRAM(Random Access Memory)715、および/または、さまざまなプログラムやデータなどを格納するストレージユニット717を含むことができる。上記の取得ユニット701、トランスミッタ702、CPU710、ROM713、RAM715、ストレージユニット717などは、データおよび/またはコマンドバス720を介して相互に接続されて、互いの間で信号を伝送することができる。
上述した各ユニットは、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実施例によると、上記の取得ユニット701およびトランスミッタ702の機能を、ハードウェアによって実施することができ、上記のCPU710、ROM713、RAM715、および/またはストレージユニット717は、必要ないことがある。これに代えて、上記の取得ユニット701およびトランスミッタ702の機能を、上記のCPU710、ROM713、RAM715、および/またはストレージユニット717などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
図4および図5に示した電力制御方法と、図6および図7に示した無線装置においては、上述したように、第1の無線装置のデータチャネル送信電力を、第2の無線装置のデータチャネル送信電力に基づいて決定することができる。以下では、電力制御方法について、いくつかの実施形態と組み合わせて詳しく説明する。
第1の実施形態
第1の実施形態においては、第1の無線装置のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置の送信電力に基づくのみならず、第1の無線装置と第2の無線装置との間の送信経路損失にも基づいて、決定される。
図8は、本開示の第1の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図である。図8に示すように、UE801〜803は、集中型の構造のUEクラスタ800を形成しており、この場合、UE801がクラスタヘッド(CH)として機能し、UE802,803はスレーブUEとして機能する。いま、UE2 803が送信側UEであり、UE1 802が受信側UEであるものと想定する。UE2 803は、図4〜図7を参照しながら上述した第1の無線装置に相当し、CH801は、図4〜図7を参照しながら上述した第2の無線装置に相当する。
図9は、図8に示す第1の実施形態のD2D通信のシナリオに適用される基本原理を示す概略図である。図9に示すように、記号Aを付した矢印は、UE2とCHとの間の経路損失を補償するために使用される電力を表している。記号Bを付した矢印は、CHのデータチャネル送信電力を表している。記号Cを付した矢印は、送信側UE2がデータ信号を受信側UE1に送信するのに必要な電力を表している。この場合、AとBの合計は、CHの位置には関係なく、つねにCより大きいかまたは等しい。言い換えれば、CHがどこに位置していようとも、AとBの合計はUE2の送信要件をつねに満たすことができる。ほとんどの場合、AとBの合計に基づく電力値は実際に必要な送信電力より大きい。
この原理に基づき、送信側UE2のデータチャネル送信電力を、クラスタヘッドのデータチャネル送信電力と、UE2とクラスタヘッドの間の送信経路損失とに基づいて、決定することができる。
具体的には、送信側UE2のデータチャネル送信電力は、次の式(1)から導くことができる。
P_slave=P_pathloss+P_CH (1)
この式において、P_slaveは、スレーブUE(すなわち図4〜図7を参照しながら上述した第1の無線装置)のデータチャネル送信電力である。P_CHは、CH(すなわち図4〜図7を参照しながら上述した第2の無線装置)のデータチャネル送信電力である。P_pathlossは、第1の無線装置と第2の無線装置との間の送信経路損失である。
さらに、チャネルのフェージングを補償する目的で、余裕電力値(margin power value)を導入することができる。すなわち、送信側UE2のデータチャネル送信電力は、次の式(2)から導くことができる。
P_slave=P_pathloss+P_CH+P_margin (2)
この式において、P_slave、P_CH、およびP_pathlossの意味は、式(1)におけるこれらのパラメータの意味と同じであり、P_marginは、チャネルのフェージング(例えば高速フェージング)を補償するための余裕電力値である。余裕電力値の決定方法は、当業者に公知であり、ここでは詳しくは説明しない。
上の式(1)および式(2)において、送信経路損失は、次のように基準信号の送信電力および受信電力から求めることができる。
P_pathloss=P_CHRS−RSRP (3)
この式において、P_CHRSはCHの基準信号送信電力であり、RSRPは、スレーブUE2において測定される基準信号受信電力である。
上の式(3)を、上の式(1)または式(2)に代入することができる。特に、CHの基準信号送信電力P_CHRSは、CHのデータチャネル送信電力P_CHと同じ値または異なる値とすることができる。例えばP_CHRSとP_CHが同じであるとき、上の式(2)は、さらに次のように表すことができる。
P_slave=P_pathloss+P_CH+P_margin
=P_CH−RSRP+P_CH+P_margin
=2×P_CH−RSRP+P_margin (4)
本開示の第1の実施形態においては、第2の無線装置により、第2のデータチャネル送信電力は電力制御情報に含められ、第1の無線装置にシグナリングされ得る。その一方で、第1の無線装置と第2の無線装置との間の送信経路損失は、第1の無線装置において測定される基準信号受信電力と、第2の無線装置の基準信号送信電力(一般的には、第1の無線装置にシグナリングされる第2のデータチャネル送信電力と同じとすることができる)とに基づいて求められ得る。これにより、第1の無線装置は、自身のデータチャネル送信電力を、上の式に基づいて決定することができる。
本開示の第1の実施形態を使用することで、第2の無線装置(CH)の位置に関係ない正確な電力制御によって、第1の無線装置の大きな消費電力と、送信対象ではない無線装置への干渉とを回避することができる。
第2の実施形態
本開示の第2の実施形態においては、第2の無線装置がクラスタの周縁部に位置しているものと判定されるとき、第1のデータチャネル送信電力が、第2のデータチャネル送信電力のみに基づいて決定される。
図10は、本開示の第2の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図である。図10に示すように、UE1001〜1003は、集中型の構造のUEクラスタ1000を形成しており、この場合、UE1001がクラスタヘッド(CH)として機能し、UE1002,1003はスレーブUEとして機能する。いま、UE1 1002が送信側UEであり、UE2 1003が受信側UEであると想定する。UE1 1002は、図4〜図7を参照しながら上述した第1の無線装置に相当し、CH1001は、図4〜図7を参照しながら上述した第2の無線装置に相当する。
図10において、CH1001の位置は既知であり、クラスタの周縁部に位置している。CHのデータチャネル送信電力は、最も遠いUEの経路損失を補償することができ、他のUEまでの経路損失を補正するために使用されるスレーブUEのデータチャネル送信電力はクラスタヘッドのデータチャネル送信電力を超えないため、UE1 1002は、CHのデータチャネル送信電力と同じ電力を使用することによって、最も遠いUE2 1003にデータを送信することができる。すなわち、この実施形態においては、第1のデータチャネル送信電力を第2のデータチャネル送信電力と同じとすることができる。
さらには、第1の実施形態と同様に、チャネルのフェージングを考慮し、余裕電力値も含めることができ、第1のデータチャネル送信電力は次のように導くことができる。
P_slave=P_CH+P_margin (5)
式(5)におけるパラメータの意味は、第1の実施形態において説明したパラメータと同じであり、ここでは詳しくは説明しない。
したがって、この実施形態においては、重要なことはCHの位置を認識することである。実際の実装においては、CHの位置を認識する方法は数多く存在する。例えば、CHの位置は、測位システム、測位チャネル、または測位信号から求められ得る。別の例においては、CHの位置はプリコーディング特性から求められ得る。さらなる例においては、CHにおけるビームフォーミングされた受信信号から、CHの位置を求めることができる。CHの位置を認識する詳しいプロセスは当業者に公知であり、ここでは詳しくは説明しない。
本開示の第2の実施形態を使用することで、第1の実施形態と同様に、第1の無線装置の大きな消費電力と、送信対象ではない無線装置への干渉とを回避することができる。さらには、第2の実施形態の式(5)を第1の実施形態の式(2)と比較したときに明らかであるように、P_pathlossの項が削除されている。したがって、第2の無線装置の位置情報を利用することによって、第1の無線装置のデータチャネル送信電力をさらに低減することができる。
第3の実施形態
第1の実施形態または第2の実施形態においては、第1の無線装置のデータチャネル送信電力は、決定された後、比較的一定である。しかしながら、第2の無線装置の位置が変わるとき、それに応じて第1の無線装置のデータチャネル送信電力も変更されても良い。
具体的には、この第3の実施形態においては、第1のデータチャネル送信電力は、第2のデータチャネル送信電力のみならず、第1の無線装置と第2の無線装置の間の送信経路損失にも基づいて求められる電力、または、第2のデータチャネル送信電力のみに基づく電力、のいずれかを、第2の無線装置の位置に応じて採用することができる。
図11は、本開示の第3の実施形態によるD2D通信のシナリオを示す概略図である。図11に示すように、UE1101〜1103は、集中型の構造のUE1100を形成しており、この場合、UE1101がクラスタヘッド(CH)として機能し、UE1102,1103はスレーブUEとして機能する。いま、UE1 1102が送信側UEであり、UE2 1103が受信側UEであるものと想定する。UE1 1102は、図4〜図7を参照しながら上述した第1の無線装置に相当し、CH1101は、図4〜図7を参照しながら上述した第2の無線装置に相当する。
CH1101が位置1に(すなわちクラスタの周縁部に)ある場合には、第2の実施形態に基づく電力制御方法を使用することができる。すなわち、UE1 1102のデータチャネル送信電力は、CH1101のデータチャネル送信電力のみに基づいて決定される。CH1101が位置2に(すなわちクラスタの周縁部ではない位置に)移動した場合には、第1の実施形態に基づく電力制御方法が使用され得る。すなわち、UE1 1102のデータチャネル送信電力は、CH1101のデータチャネル送信電力と、CH1101とUE1 1102の間の送信経路損失とに基づいて、決定される。
どちらの電力制御方法を使用するかに関する情報は、上位層シグナリングまたは第1層シグナリングによって伝えることができる。
本開示のこの第3の実施形態でも同様に、第1の無線装置の大きな消費電力と、送信対象ではない無線装置への干渉とを回避することができる。さらには、異なるシナリオ(例えば第2の無線装置の異なる位置)に対応して最適な電力制御方式を使用することができる。
第4の実施形態
第1乃至第3の実施形態においては、第1の無線装置(例えばスレーブUE)のデータチャネル送信電力を制御する方法について説明してきた。以下の第4の実施形態においては、第2の無線装置(例えばCH)を対象とする電力制御方法について説明する。
図8のシナリオと同じシナリオを想定し、第2の無線装置のデータチャネル送信電力は、基準信号から決定され得る。
具体的には、第2の無線装置のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置側または第2の無線装置側において決定され得る。例えば、第2の無線装置のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置側において、第1の無線装置において測定される基準信号受信電力と、第2の無線装置の基準信号送信電力と、クラスタ内のすべての無線装置に共通する最小信号受信電力とから、決定され得る。
すなわち、図8に示すように、CH801のデータチャネル送信電力は、次の式(6)から決定することができる。
P_CH=P_CHRS−RSRP+P_threshold (6)
この式において、P_thresholdは、クラスタ内のすべての無線装置に共通する最小信号受信電力であり、P_CH、P_CHRS、およびRSRPの意味は、ここまでに示した式におけるこれらのパラメータの意味と同じであり、ここでは詳しくは説明しない。
なお、上の説明は、2台のスレーブUEの場合の説明であることに留意されたい。しかしながら、上の説明は、3台以上のスレーブUEにもあてはまる。具体的には、いま、クラスタが、第1の無線装置、第2の無線装置、および第3の無線装置を含む複数の無線装置を備えているものと想定すると、第2のデータチャネル送信電力は、第1の無線装置において測定される基準信号受信電力と第3の無線装置において測定される基準信号受信電力のうちの小さい方の値と、第2の無線装置の基準信号送信電力と、クラスタ内のすべての無線装置に共通する最小信号受信電力から決定可能であり、このことは次の式(7)によって表すことができる。
P_CH=P_CHRS−min(RSRP_ue,RSRP_ue,RSRP_ue,...,RSRP_ue)+P_threshold (7)
この式において、min(RSRP_ue,RSRP_ue,RSRP_ue,...,RSRP_ue)は、クラスタ内のすべての(n台の)スレーブUEにおいて測定される基準信号受信電力のうちの最小値であり、P_CH、P_CHRS、およびP_thresholdの意味は、ここまでに示した式と同じであり、ここでは詳しくは説明しない。
さらには、上の説明は、第2のデータチャネル送信電力が第1の無線装置側において決定される場合の説明であることに留意されたい。しかしながら、上述したように、第2のデータチャネル送信電力は第2の無線装置側においても決定され得る。すなわち、第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置において測定される基準信号受信電力と、第1の無線装置の基準信号送信電力と、クラスタ内のすべての無線装置に共通する最小信号受信電力とから、決定され得る。
上の例と同様に、クラスタが、第1の無線装置、第2の無線装置、および第3の無線装置を含む複数の無線装置を備えているときには、第2のデータチャネル送信電力は、第2の無線装置において測定される基準信号受信電力と第3の無線装置において測定される基準信号受信電力のうちの小さい方の値と、第1の無線装置の基準信号送信電力と、クラスタ内のすべての無線装置に共通する最小信号受信電力とから、決定され得る。
第2のデータチャネル送信電力を決定する詳しいプロセスは、上の例におけるプロセスに類似しており、ここでは詳しくは説明しない。
さらには、上の説明は、集中型のD2D通信のシナリオの場合の説明であることに留意されたい。しかしながら、上の説明は、分散型のD2D通信のシナリオにもあてはまる。その場合、上の式(7)におけるP_CHは、対象のUE(例えば送信側ユーザ機器)のデータチャネル送信電力を意味し、P_CHRSは、対象のUEの基準信号送信電力を意味し、min(RSRP_ue,RSRP_ue,RSRP_ue,...,RSRP_ue)は、クラスタ内の他のすべての(n台の)UE(例えばすべての受信側UE)において測定される基準信号受信電力のうちの最小値を意味する。
本開示のこの第4の実施形態を使用することで、送信側の無線装置の送信電力を、受信側のUEのカバレッジに基づいて最適化することができ、したがって、送信側の無線装置は、必ずしも最大送信電力を用いることはなく、送信側の無線装置の消費電力を低減することができる。
第5の実施形態
ここまでの4つの実施形態においては、データチャネルを対象とする電力制御方法について説明してきた。しかしながら、本開示の電力制御方法は、以下の第5の実施形態におけるように、制御チャネルにも適用することができる。
具体的には、一例において、無線装置の制御チャネルの送信電力は、次の式(8)におけるように、データチャネルの送信電力およびオフセット値から決定され得る。
P_control=P_data+P_offset (8)
この式において、P_controlは、無線装置の制御チャネル送信電力であり、P_dataは、上記の実施形態のいずれかに従って決定することのできる、同じ無線装置のデータチャネル送信電力であり、P_offsetは、制御チャネルに使用されるオフセットまたは補償係数であり、例えばRRCシグナリングのような上位層シグナリングによって指定または設定されればよい。
したがって、この例では、例えば制御チャネルのような他チャネルの電力は、固定値または最大値とする必要がなく、上記の実施形態において説明したようにデータチャネルの電力と同様に、状況に応じて最適化することができる。
別の例においては、制御チャネルのロバスト性を確保する目的で、制御チャネルの電力制御は、データチャネルの電力制御と独立していても良い。例えば、データチャネルの状況にかかわらず、制御チャネルをつねに最大電力値を使用して設定することができる。
変形例
上の第1〜第5の実施形態においては、第2の無線装置から第1の無線装置に送信される電力制御情報は、第2の無線装置のデータチャネル送信電力(すなわち第2のデータチャネル送信電力)を含み、第1の無線装置は、自身のデータチャネル送信電力(すなわち第1のデータチャネル送信電力)を、この第2のデータチャネル送信電力に基づいて決定する。
しかしながら、この決定プロセスは第2の無線装置によっても実行されても良く、決定結果のみが第1の無線装置に送信される。
すなわちこの場合、第2の無線装置は、自身の第2のデータチャネル送信電力を取得する。次いで、第2の無線装置は、上の実施形態のいずれかによる電力制御方法を使用して、第1のデータチャネル送信電力を第2のデータチャネル送信電力に基づいて決定する。次いで、第2の無線装置は、決定結果(すなわち第1のデータチャネル送信電力)を電力制御情報に挿入し、その電力制御情報を第1の無線装置に送信する。これに対応して、第1の無線装置は、第1のデータチャネル送信電力を示す電力制御情報を受信し、自身のデータチャネル送信電力を第1のデータチャネル送信電力に従って制御する。例えば、第1の無線装置は、自身のデータチャネル送信電力を、第1のデータチャネル送信電力と同じ値に制御する。
本開示の変形例では、第1の無線装置における処理負荷を低減することができる。
本開示のここまでの実施形態は、例示的な説明にすぎず、実施形態の具体的な構造および動作は、本開示の範囲を限定するものではない。当業者には、上記のそれぞれの実施形態の異なる部分および異なる動作の組合せを変えて、本開示の発想に同様に合致する新たな実施形態を創案することができる。
本開示の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアによって、またはこれらの組合せにおいて、実施することができ、実施方法は本開示の範囲を限定しない。
本開示の実施形態におけるそれぞれの機能要素(ユニット)の間の接続関係は、本開示の範囲を限定するものではなく、この場合、1つまたは複数の機能要素または機能ユニットが、任意の別の機能要素を含む、あるいは機能要素を任意の別の機能要素に接続することができる。
ここまで、本開示のいくつかの実施形態について、添付の図面と組み合わせて図示および説明してきたが、本開示の請求項の範囲およびその等価範囲に依然として含まれる、上記の実施形態の変形形態および修正形態を、本開示の原理および概念から逸脱することなく創案できることが、当業者には理解されるであろう。

Claims (8)

  1. 基準信号送信電力を含む電力制御情報を第1の無線装置に送信する送信機を、
    具備する基地局と、
    前記電力制御情報を受信する受信機と、
    前記電力制御情報に含まれる前記基準信号送信電力と、前記第1の無線装置において測定される基準信号受信電力(RSRP)を用いて、前記基地局と前記第1の無線装置との間の送信経路損失を算出し、前記送信経路損失に基づいて前記第1の無線装置と第2の無線装置との間の第1のデータチャネルの送信電力を決定する制御回路を、
    具備する前記第1の無線装置と、を含む、
    無線通信システム。
  2. 前記制御回路は、前記第1のデータチャネルの電力制御とは独立に制御チャネルの電力制御を行う、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記第1のデータチャネル送信電力は、前記第1の無線装置の位置には基づかないで決定される、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記第1の無線装置と前記第2の無線装置との間で装置間の直接通信を行う、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 基地局が基準信号送信電力を含む電力制御情報を第1の無線装置に送信し、
    前記第1の無線装置が前記前記電力制御情報を受信し、
    前記第1の無線装置が、前記電力制御情報に含まれる前記基準信号送信電力と、前記第1の無線装置において測定される基準信号受信電力(RSRP)を用いて、前記基地局と前記第1の無線装置との間の送信経路損失を算出し、前記送信経路損失に基づいて前記第1の無線装置と第2の無線装置との間の第1のデータチャネルの送信電力を決定する、
    無線通信方法。
  6. 前記第1の無線装置は、前記第1のデータチャネルの電力制御とは独立に制御チャネルの電力制御を行う、
    請求項5に記載の無線通信方法。
  7. 前記第1のデータチャネル送信電力は、前記第1の無線装置の位置には基づかないで決定される、
    請求項5に記載の無線通信方法。
  8. 前記第1の無線装置と前記第2の無線装置との間で装置間の直接通信を行う、
    請求項5に記載の無線通信方法。
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