以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る監視システム100について説明する。図1は、実施形態1に係る監視システム100の構成を示す図である。本実施形態に係る監視システム100は、被検知体に対するイベントの発生を検知する。被検知体は、監視システム100の管理者によって設定(指定)される。被検知体は、例えば、「公共の場に設置される物体」である。被検知体に対するイベントは、例えば、「持ち去り」である。
図1に示すように、監視システム100は、第1カメラ1と、制御装置5とを備える。第1カメラ1は、第1撮像装置の一例である。
第1カメラ1は、撮像素子11、カメラ通信部12、カメラ記憶部13、及びカメラ制御部14を備える。カメラ記憶部13は、第1記憶部の一例である。カメラ制御部14は、制御部の一例である。
撮像素子11は、撮像領域を撮像する。撮像素子11は、撮像画像を示すデータを生成し、カメラ制御部14へ送信する。以下、撮像画像を示すデータを「撮像画像データ」と記載する。撮像素子11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。
カメラ通信部12は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。カメラ通信部12は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク網を介して制御装置5と通信する。カメラ通信部12は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。本実施形態において、カメラ通信部12は、撮像画像データを制御装置5へ送信する。
カメラ記憶部13は、撮像画像データなどの各種データを記憶する。カメラ記憶部13は、半導体メモリーによって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を構成する。
カメラ制御部14は、カメラ記憶部13に記憶されたカメラ制御プログラムを実行することによって、第1カメラ1が備える各部の動作を制御する。カメラ制御部14は、例えば、MPU(micro processing unit)のようなプロセッサーによって構成される。
カメラ制御部14は、撮像画像データに基づいて、検知範囲における撮像画像の変化を検知する。本実施形態において、検知範囲は、管理者によって予め設定される。検知範囲を示すデータは、カメラ記憶部13に記憶される。
カメラ制御部14は、例えば、背景差分法によって、撮像画像の変化を検知する。あるいは、カメラ制御部14は、隣接フレーム間差分法によって、撮像画像の変化を検知する。
カメラ制御部14は、検知範囲における撮像画像の変化を検知すると、フラグをオフ状態からオン状態に遷移させる。フラグは、検知範囲における撮像画像が変化したことを示す。フラグを示すデータは、カメラ記憶部13に記憶される。
カメラ制御部14は、検知範囲における撮像画像の変化を検知すると、撮像画像データをカメラ記憶部13に記憶させる。また、カメラ制御部14は、検知範囲において撮像画像の変化を検知すると、検知範囲における撮像画像の変化を検知したことを示すデータを、カメラ通信部12を介して制御装置5へ送信する。以下、検知範囲における撮像画像の変化を検知したことを示すデータを「変化検知データ」と記載する。
制御装置5は、装置通信部51、入力装置52、出力装置53、装置記憶部54、及び装置制御部55を備える。装置通信部51及び出力装置53は、通知部の一例である。装置記憶部54は、第2記憶部の一例である。装置制御部55は、制御部の一例である。制御装置5は、例えば、サーバーである。
装置通信部51は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。装置通信部51は、LANなどのネットワーク網を介してカメラ通信部12と通信する。装置通信部51は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。本実施形態において、装置通信部51は、撮像画像データをカメラ通信部12から受信する。また、装置通信部51は、カメラ制御部14が撮像画像の変化を検知すると、変化検知データをカメラ通信部12から受信する。
入力装置52は、制御装置5に対するユーザーの指示の入力を受け付ける。本実施形態において、入力装置52は、キーボード及びマウスを含む。なお、入力装置52は、タッチセンサーを含み得る。
出力装置53は、装置通信部51が受信した撮像画像データに基づく撮像画像を出力する。本実施形態において、出力装置53は、液晶ディスプレーのようなディスプレーを含む。
装置記憶部54は、撮像画像データなどの各種データを記憶する。装置記憶部54は、ストレージデバイス及び半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM及びROMを構成する。
装置制御部55は、装置記憶部54に記憶された装置制御プログラムを実行することによって制御装置5が備える各部の動作を制御する。装置制御部55は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーによって構成される。
装置制御部55は、入力装置52が撮像画像の出力の指示を受け付けると、装置通信部51が受信した撮像画像データに基づいて出力装置53に撮像画像を出力させる。あるいは、装置制御部55は、装置記憶部54に記憶された撮像画像データに基づいて出力装置53に撮像画像を出力させる。
また、装置制御部55は、管理者による検知範囲及び被検知体の設定を受け付ける。本実施形態において、装置制御部55は、出力装置53に検知範囲及び被検知体を設定するための設定画面を表示させる。
次に、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る設定画面Sについて説明する。図2は、実施形態1に係る設定画面Sの一例を示す図である。なお、以下では、撮像画像SG1の長手方向をX軸方向とし、撮像画像SG1の短手方向をY軸方向として実施形態を説明する。また、撮像画像SG1の長手方向(X軸方向)における一方側(図2において右側)をX1側とし、他方側(図2において左側)をX2側として実施形態を説明する。更に、撮像画像SG1の短手方向(Y軸方向)における一方側(図2において上側)をY1側とし、他方側(図2において下側)をY2側として実施形態を説明する。
図2に示すように設定画面Sは、表示部S1と設定受付部S2とを含む。装置制御部55は、装置通信部51が受信した撮像画像データに基づいて、撮像画像SG1を表示部S1の表示面に表示させる。図2に示す例において、撮像画像SG1は、消火器を示す消火器画像GF及び絵画を示す絵画画像GPを含む。換言すると、第1カメラ1(撮像素子11)は、消火器及び絵画が設置された撮像領域を撮像する。
設定受付部S2は、検知範囲4及び被検知体の設定(登録)を受け付ける。詳しくは、設定受付部S2は、設定対象選択部S21、OKボタンS22、及びキャンセルボタンS23を含む。管理者は、入力装置52を用いて、設定対象選択部S21を操作することにより、「被検知体」及び「検知範囲」のうちのいずれかを設定対象として選択することができる。詳しくは、設定対象選択部S21は、ラジオボタンを含む。管理者は、入力装置52を用いて、ラジオボタンの選択状態を変更することにより、「被検知体」及び「検知範囲」のうちいずれかを設定対象として選択することができる。
管理者は、「被検知体」を設定対象として選択した場合、表示部S1に表示された撮像画像SG1上で被検知体を指定することができる。詳しくは、管理者は、入力装置52を用いて、撮像画像SG1に含まれる物体を示す画像(例えば、消火器画像GF及び絵画画像GP)の中から、被検知体を示す画像3を選択(例えば、クリック)することにより、被検知体を指定することができる。以下、被検知体を示す画像3を「被検知体画像3」と記載する。
また、管理者は、検知範囲4を設定対象として選択した場合、入力装置52を用いて、表示部S1に表示された撮像画像SG1上で被検知体画像3を含む任意の範囲を選択(例えば、矩形状の図形を描くようにドラッグ)することにより、検知範囲4を指定することができる。検知範囲4が指定されると、検知範囲4を囲む画像(例えば、1点鎖線)が撮像画像SG1上に表示される。検知範囲4を囲む画像は、検知範囲4の外郭を示す。
管理者は、被検知体(被検知体画像3)及び検知範囲4を指定した後、入力装置52を用いて、OKボタンS22を押下することにより、被検知体(被検知体画像3)及び検知範囲4を設定(登録)することができる。装置制御部55は、OKボタンS22の押下を検知すると、被検知体画像3を示すデータ及び検知範囲4を示すデータを取得する。本実施形態では、管理者は、消火器(消火器画像GF)を被検知体(被検知体画像3)として設定し、被検知体画像3(消火器画像GF)を含む範囲を検知範囲4として設定する。なお、装置制御部55は、キャンセルボタンS23の押下を検知すると、被検知体画像3を示すデータ及び検知範囲4を示すデータを取得することなく、設定画面Sの表示を終了させる。以下、被検知体画像3を示すデータを「被検知体画像データ」と記載し、検知範囲4を示すデータを「検知範囲データ」と記載する。
装置制御部55は、被検知体画像データ及び検知範囲データを取得すると、被検知体画像データを認証用画像データとして装置記憶部54に記憶させる。また、装置制御部55は、所定の条件にしたがって、認証用画像データと検知範囲データとを関連付けて装置記憶部54に記憶させる。詳しくは、装置制御部55は、所定の条件にしたがって、検知範囲4の外郭を構成する画素のうちの1つの画素を第1識別画素G1として決定し、被検知体画像3を構成する画素のうちの1つの画素を第2識別画素G2として決定する。第1識別画素G1は、例えば、検知範囲4の外郭を構成する画素のうち、表示面の原点PS(例えば、左上の角)から最も距離が近い位置に表示される画素を示す。本実施形態では、装置制御部55は、表示面の原点PSから最も近い位置に表示される画素が複数ある場合、最もY1側に表示される画素を第1識別画素G1として決定する。同様に、第2識別画素G2は、被検知体画像3を構成する画素のうち、表示面の原点PSから最も距離が近い位置に表示される画素を示す。本実施形態では、装置制御部55は、表示面の原点PSから最も近い位置に表示される画素が複数ある場合、最もY1側に表示される画素を第2識別画素G2として決定する。
装置制御部55は、第1識別画素G1及び第2識別画素G2を決定すると、第1識別画素G1と第2識別画素G2との相対的な位置関係を示す相対位置データを生成する。相対位置データは、第1識別画素G1が表示される位置(座標)と、第2識別画素G2が表示される位置(座標)とに基づいて生成される。装置制御部55は、生成した相対位置データを装置記憶部54に記憶させる。
また、装置制御部55は、検知範囲4が設定されると、検知範囲データを、装置通信部51を介してカメラ通信部12へ送信する。カメラ制御部14は、カメラ通信部12が検知範囲データを受信すると、検知範囲データをカメラ記憶部13に記憶させる。撮像素子11は、検知範囲データによって示される検知範囲4における撮像画像の変化を検知する。
続いて、図1〜図5を参照して、検知範囲4において撮像画像が変化したことをカメラ制御部14が検知した場合における監視システム100の処理について説明する。図3は、図2に示す被検知体画像3が移動した後の撮像画像SG1の一例を示す図である。図4は、図3に示す検知範囲4が変化した後の撮像画像SG1の一例を示す図である。
図2及び図3に示すように、被検知体(消火器画像GF)が移動して、図1を参照して説明したカメラ制御部14によって、検知範囲4における撮像画像の変化が検知されると、変化検知データが装置通信部51へ送信される。
装置制御部55は、変化検知データを装置通信部51が受信すると、装置通信部51が受信した撮像画像データを装置記憶部54に記憶させるとともに、検知範囲変更処理を実行する。詳しくは、装置制御部55は、図3及び図4に示すように、被検知体(消火器画像GF)の移動に応じて検知範囲4の位置を変化させる。具体的には、装置制御部55は、検知範囲4が被検知体画像3を含むように、検知範囲4の位置を変化させる。
より具体的には、図4に示すように、変化後の被検知体画像3を構成する1つの画像(第3識別画素G3)と検知範囲4の外郭を構成する1つの画素(第1識別画素G1)との間の相対的な位置関係が、装置記憶部54に記憶された相対位置データによって示される相対位置と一致するように、検知範囲4の位置を変化させる。例えば、装置制御部55は、移動後の被検知体画像3を構成する画素のうち、表示面の原点PSから最も近い位置に表示される画素を第3識別画素G3として取得し、第3識別画素G3が表示される位置(座標)を取得する。なお、装置制御部55は、表示部S1の表示面の原点PSから最も近い位置に表示される画素が複数ある場合、最もY1側に表示される画素を第3識別画素G3として取得する。
装置制御部55は、第3識別画素G3が表示される位置を示すデータ(座標データ)と、装置記憶部54に記憶された相対位置データとに基づいて、第1識別画素G1を表示する位置(座標)を決定する。換言すると、装置制御部55は、第1識別画素G1と第3識別画素G3との間の相対的な位置関係が相対位置データによって示される相対位置と一致するように、検知範囲4の位置を変化させる。
続いて、図5を参照して、実施形態1に係る検知範囲変更処理について更に説明する。図5は、実施形態1に係る検知範囲変更処理を示すフローチャートである。検知範囲変更処理は、変化検知データを装置通信部51が受信すると開始される。
図5に示すように、装置制御部55は、変化検知データを装置通信部51が受信すると、待機時間が経過するまで待機する(ステップS102:No)。待機時間は、管理者によって予め設定されて装置記憶部54に記憶される。管理者は、例えば、被検知体を持ち去る第3者が撮像領域外へ移動するために要すると想定する時間を待機時間として設定する。待機時間は、例えば、1分間である。
装置制御部55は、待機時間が経過したと判定すると(ステップS102:Yes)、装置通信部51が受信した撮像画像データと、装置記憶部54に記憶された認証用画像データとに基づいて、撮像画像SG1の中から、認証用画像データによって示される認証用画像と合致する画像を探索し、撮像画像SG1の中に被検知体画像3が含まれるか否かを判定する(ステップS104)。詳しくは、装置制御部55は、パターンマッチング処理によって被検知体画像3の探索を行う。具体的には、装置制御部55は、装置記憶部54に記憶された認証用画像データと撮像画像データとを比較し、認証用画像との合致率が第1閾値以上となる画像が撮像画像SG1の中に存在するか否かによって、被検知体画像3が撮像画像SG1の中に含まれるか否かを判定する。第1閾値は、例えば、管理者によって予め設定される。
装置制御部55は、撮像画像SG1の中に被検知体画像3が含まれないと判定すると(ステップS104:No)、検知範囲変更処理を終了し、持ち去りが発生した旨を示す通知を装置通信部51に通知させる。詳しくは、装置制御部55は、持ち去りが発生した旨を示すメールを、装置通信部51を介して管理者に送信する。あるいは、装置制御部55は、持ち去りが発生した旨を示すメッセージを出力装置53に表示させる。
一方、装置制御部55は、撮像画像SG1の中に被検知体画像3が含まれると判定すると(ステップS104:Yes)、換言すると、被検知体を配置する位置が変化したと判定すると、検知範囲4の位置を変化させる(ステップS106)。装置制御部55は、検知範囲4の位置を変化させると、装置記憶部54に記憶された撮像画像データを削除する。また、装置制御部55は、変化後の検知範囲4を示す検知範囲データ及びフラグをオフ状態にする要求を、装置通信部51を介してカメラ通信部12へ送信する。カメラ制御部14は、カメラ通信部12が変化後の検知範囲4を示す検知範囲データを受信すると、カメラ記憶部13に記憶された検知範囲データを、変化後の検知範囲4を示す検知範囲データに更新する。また、カメラ制御部14は、カメラ通信部12がフラグをオフ状態にする要求を受信すると、フラグをオフ状態に変化させる。カメラ制御部14は、フラグをオフ状態に変化させると、カメラ記憶部13に記憶された撮像画像データを削除する。これにより、検知範囲変更処理が終了する。
カメラ通信部12は、カメラ記憶部13に記憶された変化後の検知範囲4を示す検知範囲データに基づいて、撮像画像SG1の変化を検知する。
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、被検知体が移動した場合、装置制御部55は、被検知体画像3を含むように、検知範囲4の位置を変化させる。したがって、管理者は、検知範囲4を再設定する必要がない。この結果、管理者による検知範囲4の設定作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態において、出力装置53が、ディスプレーである構成を説明したが、出力装置53は、例えば、画像を用紙などのシートに出力するプリンターであってもよい。
また、本実施形態において、検知範囲4の形状が矩形状である場合を例に説明したが、検知範囲4の形状は、被検知体画像3を含む形状である限り特に限定されない。検知範囲4の形状は、例えば、被検知体画像3の輪郭に沿った形状であってもよい。
また、例えば、移動後の被検知体の向きが移動前の被検知体の向きと異なる場合、移動後の被検知体画像3と認証用画像との合致率が第2閾値よりも小さくなる場合がある。第2閾値は、管理者によって設定される。第2閾値は、第1閾値よりも高い値を有する。装置制御部55は、合致率が第2閾値よりも低く第1閾値よりも高い場合、第1カメラ1に対する被検知体の角度を変更して再度配置するように促すメッセージを出力装置53に出力させて管理者に通知してもよい。なお、第2閾値は、閾値の一例である。
また、本実施形態では、撮像画像SGに含まれる被検知体画像3(一方向から見た被検知体を示す画像)が認証用画像として装置記憶部54に記憶されたが、認証用画像は、被検知体を多方向から見た複数の画像を含んでもよい。この場合、装置制御部55は、装置記憶部54に記憶された複数の認識用画像を用いて合致率を算出し、複数の認証用画像のうち、最も高い合致率を示す認証用画像を選択して被検知体画像3を探索する。
また、本実施形態では、認証用画像データが被検知体画像3である場合を例に説明したが、認証用画像データは、例えば、被検知体の形状(輪郭)を示すデータであってもよい。
あるいは、撮像画像SG1が被検知体を識別する識別画像31を含む場合、認証用画像データは、識別画像31を示すデータであってもよい。装置制御部55は、例えば、OCR(Optical Character Recognition)の機能を利用することによって識別画像31を取得する。詳しくは、装置制御部55は、撮像画像SG1に含まれる文字画像をOCRの機能を利用して解析することにより識別画像31を取得する。図6は、実施形態1に係る撮像画像SG1の他例を示す図である。図6に示す例のように、被検知体が消火器である場合、識別画像31は、「消火器」の文字を示す。
また、本実施形態では、撮像素子11が撮像する撮像領域が一定である構成を例に説明したが、カメラ制御部14は、検知範囲4に含まれる画素の変化に基づいて被検知体の動きを検知すると、被検知体を追尾するように、撮像素子11の撮像領域を変化させてもよい。例えば、図2及び図7に示すように、被検知体画像3がX1方向に移動すると、撮像領域は、X1方向へ変化する。図7は、図2に示す被検知体画像3が移動した後の撮像画像SG1の第1他例を示す図である。図8は、図7に示す検知範囲4が変化した後の撮像画像SGの一例を示す図である。図8に示すように、装置制御部55は、図2〜図5を参照して説明したように、移動後の被検知体画像3を含むように検知範囲4の位置を変化させる。
また、本実施形態において、待機時間は、被検知体を持ち去る第3者が撮像領域外へ移動するために要すると想定される時間に設定されたが、待機時間は、変更されてもよい。例えば、被検知体を使用する予定がある場合、待機時間は、被検知体を使用する期間に装置制御部55によって一時的に変更されてもよい。具体的には、待機時間は、被検知体が消火器である場合、避難訓練などが予定されている期間に変更されてもよい。これにより、被検知体が持ち去られたと誤って検知されることが抑制される。
また、本実施形態では、装置制御部55が被検知体に対するイベントの発生を検知したが、被検知体に対するイベントの発生は、カメラ制御部14が検知してもよい。
[実施形態2]
続いて、図1、図2、及び図9〜図11を参照して、実施形態2に係る監視システム100について説明する。実施形態2は、検知範囲4が撮像画像SG1の外方に位置する場合に、装置制御部55が検知範囲4を変化させる点が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
まず、図9及び図10を参照して、実施形態2に係る検知範囲4について説明する。図9は、図2に示す被検知体画像3が移動した後の撮像画像SG1の第2他例を示す図である。図10は、図9に示す検知範囲4が変化した後の撮像画像SG1の一例を示す図である。なお、図10では、相対位置データに基づいて変化させた検知範囲4(実施形態1参照)を2点鎖線で示している。
移動後の被検知体画像3が、撮像画像SG1の端部に位置する場合、相対位置データに基づいて検知範囲4の位置を変化させると、変化後の検知範囲4のうちの一部が撮像画像SG1の外方に位置してしまう場合がある。例えば、図9及び図10に示すように、移動後の被検知体画像3が、X2方向における撮像画像SG1の端部に位置する場合、相対位置データに基づいて検知範囲4の位置を変化させると、検知範囲4のX2側の外郭が撮像画像SG1の外方に位置してしまう。本実施形態では、相対位置データに基づいて検知範囲4を移動させることにより、検知範囲4の外郭が撮像画像SG1の外方に位置してしまう場合、装置制御部55は、検知範囲4のすべての外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように、検知範囲4の位置を更に変化させる。図10に示す例では、装置制御部55は、検知範囲4のX2側の外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように、検知範囲4をX1側へ更に移動させる。具体的には、装置制御部55は、検知範囲4のX2側の外郭のX座標が「0」の値を示すように検知範囲4をX1側へ移動させる。なお、図9に示す例において、相対位置データに基づいて変化させた検知範囲4の第1識別画素G1を表示する位置のX座標は、負の値を示す。
図11は、実施形態2に係る検知範囲変更処理を示すフローチャートである。図11に示すように、装置制御部55は、相対位置データに基づいて検知範囲4の位置を変化させると(ステップS106)、移動後の検知範囲4の外郭の一部が撮像画像SG1の外方に位置するか否かを判定する(ステップS202)。装置制御部55は、検知範囲4の外郭の一部が撮像画像SG1の外方に位置すると判定すると(ステップS202:Yes)、検知範囲4の全ての外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように検知範囲4の位置を変化させて(ステップS204)、検知範囲変更処理を終了する。一方、装置制御部55は、検知範囲4の外郭の一部が撮像画像SG1の外方に位置しないと判定すると(ステップS202:No)、検知範囲変更処理を終了する。
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、装置制御部55は、移動後の検知範囲4の外郭の一部が撮像画像SG1の外方に位置する場合、撮像画像SG1の内方に検知範囲4の外郭の全てが位置するように、検知範囲4の位置を変化させる。したがって、管理者による検知範囲4の設定作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態において、装置制御部55は、検知範囲4の外郭の一部が撮像画像SG1の外方に位置する場合に、検知範囲4の全ての外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように検知範囲4を移動させたが、検知範囲4は、検知範囲4の全ての外郭が撮像画像SG1の内方に位置すればよく、例えば、検知範囲4の全ての外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように、検知範囲4の大きさ又は形状を変化させてもよい。具体的には、図12に示すように、装置制御部55は、撮像画像SG1の外方に位置する検知範囲4を削除し、X1方向及びY1方向に検知範囲4を拡張してもよい。図12において、ハッチングで示す領域は、拡張された領域である。図12は、図9に示す検知範囲4が変化した後の撮像画像SG1の他例を示す図である。検知範囲4の大きさを変化させる場合、変化後の検知範囲4の大きさは、変化前の検知範囲4の大きさと同じ、あるいは、変化前の検知範囲4よりも大きいほうが好ましい。これにより、例えば、被検知体に人が近づくなどの被検知体の周囲における画像変化を検知することができる。この結果、被検知体に対するイベントの発生をより早いタイミングで検知することができる。
[実施形態3]
続いて、図1、図2、及び図13〜図15を参照して、実施形態3に係る監視システム100について説明する。実施形態3では、被検知体画像3の大きさの変化に応じて検知範囲4の大きさを変化させる点が実施形態1及び実施形態2と異なる。
図13は、実施形態3に係る撮像画像SG1の一例を示す図である。図14は、図13に示す被検知体が移動した後の撮像画像SGの一例を示す図である。なお、図14では、理解を容易にするために、変化前の検知範囲4(図13に示す検知範囲4)を2点鎖線で示している。
本実施形態において、装置制御部55は、被検知体が第1カメラ1に近づく方向又は第1カメラ1から離れる方向へ移動すると、被検知体画像3の変化に応じて検知範囲4の大きさを変化させる。詳しくは、カメラ制御部14は、被検知体が第1カメラ1に近づく方向又は第1カメラ1から離れる方向へ移動すると、撮像素子11の焦点が被検知体に合うように撮像素子11の動作を制御する(オートフォーカス機能を実行する)。カメラ制御部14は、撮像素子11の焦点が被検知体に合うように焦点位置を変更させると、撮像画像データ及び変化検知データに加えて、変更前の焦点位置と変更後の焦点位置との間の距離を示す焦点距離変化データを、カメラ通信部12を介して装置通信部51へ送信する。
装置制御部55は、焦点距離変化データを装置通信部51が受信すると、焦点距離変化データに基づいて、装置記憶部54に記憶された認識用画像データが示す認識用画像を拡大又は縮小する。装置制御部55は、拡大又は縮小後の認識用画像を用いて撮像画像SG1の中から被検知体画像3を探索し、図4を参照して説明したように被検知体画像3の第3識別画素G3を表示する位置を決定する。
また、装置制御部55は、焦点距離変化データ、相対位置データ、及び第3識別画素G3が表示される位置(座標)を示すデータに基づいて、第1識別画素G1が表示される位置を決定し、図4を参照して説明したように、検知範囲4の位置を変化させる。詳しくは、装置制御部55は、第3識別画素G3と第1識別画素G1との間の距離が、焦点距離変化データに基づいて伸長又は短縮された距離となるように、第1識別画素G1を表示する位置を決定する。
その後、装置制御部55は、焦点距離変化データに基づいて、検知範囲4の大きさを拡大又は縮小する。
図13及び図14に示す例では、被検知体は、第1カメラ1に近づくように移動する。したがって、装置制御部55は、認識用画像を拡大する。次いで、装置制御部55は、拡大後の認識用画像を用いて、撮像画像SG1の中から被検知体画像3を探索する。装置制御部55は、探索した被検知体画像3を構成する画素の中から、第3識別画素G3を取得する。
図14に示す例において、第3識別画素G3は、被検知体画像3を構成する画素のうち、表示部S1の表示面の原点PSからの距離が最も近い位置に表示される画素である。なお、装置制御部55は、表示部S1の表示面の原点PSから最も近い位置に表示される画素が複数ある場合、最もY1側に表示される画素を第3識別画素G3として取得する。そして、装置制御部55は、第3識別画素G3が表示される位置を示すデータ、相対位置データ、及び焦点距離変化データに基づいて第1識別画素G1が表示される位置を決定し、決定した位置に第1識別画素G1が表示されるように検知範囲4の位置を移動させる。その後、装置制御部55は、装置通信部51が受信した焦点距離変化データに基づいて、検知範囲4の大きさを拡大する。
続いて、図15を参照して、実施形態3に係る検知範囲変更処理について説明する。図15は、実施形態3に係る検知範囲変更処理を示すフローチャートである。本実施形態に係る検知範囲変更処理は、変化検知データに加え、焦点距離変化データを装置通信部51が受信すると開始される。
図15に示すように、装置制御部55は、待機時間が経過したと判定すると(ステップS102:Yes)、被検知体画像3を探索する(ステップS302)。詳しくは、装置制御部55は、装置通信部51が受信した撮像画像データと、焦点距離変化データと、装置記憶部54に記憶された認証用画像データとに基づいて、撮像画像SG1の中から、認証用画像と合致する画像を探索する。より詳しくは、装置制御部55は、焦点距離変化データに基づいて、装置記憶部54に記憶された認識用画像データが示す認識用画像を拡大又は縮小し、拡大又は縮小後の認証画像を用いて、撮像画像SG1の中から被検知体画像3を探索する。装置制御部55は、第3被検知体画像3を探索すると、第3識別画素G3が表示される位置を取得する。次いで、装置制御部55は、検知範囲4の位置を変化させる(ステップS306)。詳しくは、焦点距離変化データと、相対位置データと、第3識別画素G3が表示される位置を示すデータとに基づいて第1識別画素G1を表示する位置を決定し、検知範囲4の位置を変化させる。次いで、装置制御部55は、焦点距離変化データに基づいて検知範囲4の大きさを拡大又は縮小して(ステップS308)、検知範囲変更処理を終了する。なお、ステップS306とステップS308との順番は相互に入れ替え可能である。
以上、実施形態3について説明した。本実施形態によれば、被検知体が第1カメラ1に近づく方向又は第1カメラ1から離れる方向に移動した場合であっても、装置制御部55は、移動後の被検知体画像3の位置に応じて検知範囲4の位置及び大きさを変更する。したがって、管理者による検知範囲4の設定作業の負担を軽減することができる。
[実施形態4]
続いて、図16〜図22を参照して、実施形態4に係る監視システム100について説明する。実施形態4では、カメラが複数である点が実施形態1〜実施形態3と異なる。以下、実施形態4について実施形態1〜実施形態3と異なる事項について説明し、実施形態1〜実施形態3と重複する部分についての説明は割愛する。
まず、図16を参照して、実施形態4に係る監視システム100の構成について説明する。図16は、実施形態4に係る監視システム100の構成を示す図である。図16に示すように、監視システム100は、第2カメラ2を更に備える。第2カメラ2は、第1カメラ1とは異なる撮像領域を撮像する。以下、第1カメラ1の撮像領域を「第1撮像領域」と記載し、第2カメラ2の撮像領域を「第2撮像領域」と記載する。また、第1カメラ1が撮像する撮像画像SG1を「第1撮像画像SG1」と記載し、第2カメラ2が撮像する撮像画像SG2を「第2撮像画像SG2」と記載する。なお、本実施形態において、第1撮像領域と第2撮像領域とは、隣接するが互いに重ならない。なお、第2カメラ2は、第2撮像装置の一例である。
図16に示すように、第2カメラ2は、撮像素子11、カメラ通信部12、カメラ記憶部13、及びカメラ制御部14を備える。
第2カメラ2が備える撮像素子11、カメラ通信部12、カメラ記憶部13、及びカメラ制御部14の構成は、第1カメラ1が備える撮像素子11、カメラ通信部12、カメラ記憶部13、及びカメラ制御部14の構成と略同一である。このため、第2カメラ2が備える撮像素子11、カメラ通信部12、カメラ記憶部13、及びカメラ制御部14の構成についての説明は省略する。
第2カメラ2が備えるカメラ通信部12は、撮像画像データを装置通信部51へ送信する。また、第2カメラ2のカメラ制御部14は、撮像画像の変化を検知すると、変化検知データを第2カメラ2のカメラ通信部12を介して装置通信部51へ送信する。
次に、図16〜図18を参照して、実施形態4に係る監視システム100の処理について説明する。
図17は、実施形態4に係る第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の一例を示す図である。図18は、図17に示す被検知体画像3が移動した後の第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の一例を示す図である。図17及び図18に示す例では、被検知体は、第1撮像領域から第2撮像領域へ移動する。なお、以下では、表示部S1のうち、第1撮像画像SG1を表示する表示部S1を「第1表示部S11」と記載し、第2撮像画像SG2を表示する表示部S1を「第2表示部S12」と記載する。また、第1表示部S11の原点PSを「第1原点PS1」と記載し、第2表示部S12の原点PSを「第2原点PS2」と記載する。
図17及び図18に示すように、被検知体が移動して、第1カメラ1のカメラ制御部14が検知範囲4において撮像画像が変化したことを検知すると、変化検知データが第1カメラ1のカメラ通信部12から装置通信部51へ送信される。変化検知データを装置通信部51が受信すると、装置制御部55は、装置通信部51が第1カメラ1のカメラ通信部12及び第2カメラ2のカメラ通信部12から受信した撮像画像データを装置記憶部54に記憶させるとともに、検知範囲変更処理を実行する。以下、第1カメラ1のカメラ通信部12から送信される撮像画像データを「第1撮像画像データ」と記載し、第2カメラ2のカメラ通信部12から送信される撮像画像データを「第2撮像画像データ」と記載する。
本実施形態に係る検知範囲変更処理において、装置制御部55は、第1撮像画像データ及び第2撮像画像データに基づいて、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2が被検知体画像3を含むか否かを判定する。装置制御部55は、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2が被検知体画像3を含むと判定すると、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2のうち、被検知体画像3を含む撮像画像を撮像するカメラをメインカメラとして決定する。換言すると、装置制御部55は、被検知体の全体を撮像するカメラをメインカメラとして決定する。装置制御部55は、メインカメラを決定すると、図4を参照して説明したように、メインカメラが撮像するメイン撮像画像において、検知範囲4が被検知体画像3を含むように、検知範囲4の位置を変化させる。
図18に示す例では、第2撮像画像SG2が被検知体画像3を含む。したがって、装置制御部55は、第2カメラ2をメインカメラとして決定する。そして、装置制御部55は、第2カメラ2が撮像する第2撮像画像SG2において被検知体画像3を含むように、検知範囲4の位置を変化させる。詳しくは、装置制御部55は、メインカメラが撮像するメイン撮像画像(第2撮像画像SG2)において被検知体画像3(移動後の被検知体画像3)を構成する1つの画像(第3識別画素G3)と検知範囲4の外郭を構成する1つの画素(第1識別画素G1)との間の相対的な位置関係が、相対位置データによって示される相対位置と一致するように、検知範囲4の位置を変化させる。例えば、装置制御部55は、移動後の被検知体画像3を構成する画素のうち、第2表示部S12の表示面の第2原点PS2から最も近い位置に表示される画素を第3識別画素G3として取得し、第3識別画素G3が表示される位置を取得する。なお、装置制御部55は、第2表示部S12の表示面の第2原点PS2から最も近い位置に表示される画素が複数ある場合、最もY1側に表示される画素を第3識別画素G3として取得する。
装置制御部55は、第3識別画素G3が表示される位置を示すデータと、装置記憶部54に記憶された相対位置データとに基づいて、第1識別画素G1を表示する位置(座標)を決定する。換言すると、第1識別画素G1と第3識別画素G3との間の相対的な位置関係が相対位置データによって示される相対位置と一致するように、検知範囲4の位置を変化させる。
続いて、図16〜図19を参照して、実施形態4に係る検知範囲変更処理に説明する。図19は、実施形態4に係る検知範囲変更処理を示すフローチャートである。
図19に示すように、装置制御部55は、待機時間が経過したと判定すると(ステップS102:Yes)、装置通信部51が受信した第1撮像画像データ及び第2撮像画像データに基づいて、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2の中から認証用画像(被検知体画像3)と合致する画像を探索し、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2の中に被検知体画像3が含まれるか否かを判定する(ステップS402)。詳しくは、装置制御部55は、第1撮像画像データ及び第2撮像画像データを解析して、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2の中に被検知体画像3が含まれるか否かを判定する。
装置制御部55は、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2の中に被検知体画像3が含まれると判定すると(ステップS402:Yes)、メインカメラを決定する(ステップS404)。詳しくは、装置制御部55は、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2のうち、被検知体画像3を含む撮像画像を撮像するカメラをメインカメラとして決定する。
次いで、装置制御部55は、メインカメラが撮像するメイン撮像画像において、検知範囲4が被検知体画像3を含むように、検知範囲4の位置を変化させる(ステップS406)。詳しくは、装置制御部55は、移動後の被検知体画像3を構成する画素の中から第3識別画素G3を取得し、第1識別画素G1と第3識別画素G3との間の相対的な位置関係が相対位置データによって示される相対位置と一致するように、検知範囲4の位置を変化させる。そして、装置制御部55は、変化後の検知範囲4を示す検知範囲データを、装置通信部51を介してメインカメラのカメラ通信部12へ送信する。メインカメラのカメラ制御部14は、カメラ通信部12が変化後の検知範囲4を示す検知範囲データを受信すると、メインカメラのカメラ記憶部13に変化後の検知範囲4を示す検知範囲データを記憶する。あるいは、メインカメラのカメラ記憶部13に記憶された検知範囲データを、変化後の検知範囲4を示す検知範囲データに更新する。この結果、検知範囲変更処理が終了する。
一方、装置制御部55は、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2に被検知体画像3が含まれないと判定すると(ステップS402:No)、検知範囲変更処理を終了し、持ち去りが発生した旨を示す通知を装置通信部51に通知させる。詳しくは、装置制御部55は、持ち去りが発生した旨を示すメールを、装置通信部51を介して管理者に送信する。あるいは、装置制御部55は、持ち去りが発生した旨を示すメッセージを出力装置53に表示させる。
以上、実施形態4について説明した。本実施形態によれば、被検知体を含む撮像領域(第1撮像領域)を撮像するカメラ(第1カメラ1)とは異なるカメラ(第2カメラ2)が撮像する撮像領域(第2撮像領域)に被検知体が移動した場合であっても、検知範囲4を再度設定する必要がない。したがって、管理者による検知範囲4の設定作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2が被検知体画像3を含む場合を例に説明したが、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の各々が、被検知体の一部を示す画像を含んでもよい。図20は、図17に示す被検知体画像3が移動した後の第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の他例を示す図である。例えば、図20に示すように、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の各々が被検知体の互いに異なる部分を示す画像を含んでもよい。この場合、装置制御部55は、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2のうちから、被検知体の一部を示す画像の領域が大きい方の撮像画像を判定し、判定した撮像画像を撮像するカメラをメインカメラとして決定する。
図20に示す例では、第2撮像画像SG2を撮像する第2カメラ2がメインカメラとして決定される。装置制御部55は、メインカメラを決定すると、移動後の被検知体画像3を構成する画素の中から第3識別画素G3を取得し、第1識別画素G1と第3識別画素G3との間の相対的な位置関係が相対位置データによって示される相対位置と一致するように、第1識別画素G1が表示される位置を決定する。なお、装置制御部55は、変化後の検知範囲4の外郭の一部がメインカメラの撮像領域の外方に位置する場合、図10を参照して説明したように、検知範囲4の全ての外郭が撮像画像SG1の内方に位置するように、検知範囲4を更に移動させてもよい。
また、本実施形態では、第1撮像領域と第2撮像領域とが互いに重ならない場合を例に説明したが、第1撮像領域と第2撮像領域とはそれらの一部が互いに重なってもよい。図21は、実施形態4に係る第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の他例を示す図である。図22は、図21に示す被検知体画像3が移動した後の第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2の一例を示す図である。
図21及び図22に示すように、第1撮像領域と第2撮像領域とが重なる場合において、第1撮像画像SG1及び/又は第2撮像画像SG2が移動後の被検知体の一部を示す画像を含む(図22に示す例では、第2撮像画像SG2が移動後の被検知体の一部を示す画像を含む)場合、装置制御部55は、第1撮像画像SG1又は第2撮像画像SG2が被検知体の全部を示す画像(被検知体画像3)を含むように、被検知体を移動させる旨のメッセージを管理者に通知する。換言すると、第1カメラ1及び第2カメラ2のいずれか一方が被検知体の全体を撮像するように、被検知体を移動させる旨のメッセージを管理者に通知する。詳しくは、装置制御部55は、装置通信部51を介してメールで管理者に通知する。例えば、装置制御部55は、装置通信部51を介してメールを管理者へ送信する際に、第1撮像画像データ及び第2撮像画像データをメールに添付する。これにより、管理者は、第1撮像画像SG1及び第2撮像画像SG2を目視することにより、被検知体をどの程度移動させればよいかを容易に知ることができる。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1〜図22)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す構成は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の実施形態では、制御装置5がサーバーである場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、制御装置5がパーソナルコンピューターのような管理者が使用する管理者端末であってもよい。あるいは、制御装置5は、サーバーとサーバーに接続する管理者端末とで構成されてもよい。
また、本発明の実施形態では、監視システム100が2つのカメラを備える構成について説明したが、監視システム100が備えるカメラの数は、2つに限定されない。監視システム100は、3つ以上のカメラを備え得る。
なお、各実施形態1〜4において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。例えば、実施形態2において説明した構成と、実施形態3において説明した構成とを組み合わせてもよい。