以下、添付図面を参照して、本願の開示する電池監視装置、CID遮断検知回路、電池監視システム、および電池監視方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る電池監視システム100の構成を示す機能ブロック図である。なお、図1には、電池監視システム100の概略構成を示している。電池監視システム100の具体的な構成の一例については、図2を参照して後述する。
電池監視システム100は、例えば、図示しないハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、および、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等の車両に搭載される。
かかる電池監視システム100は、電池パック1と、制御装置の一例であるマイクロコンピュータ(以下「マイコン2」と記載する)とを備える。電池パック1は、複数の電池ブロック10が直列に接続された組電池と、電池ブロック10毎に設けられる電池監視装置20とを備える。
各電池ブロック10は、例えば、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などであり、直列に接続された複数の電池セル11を備える。各電池セル11には、内部圧力が上昇した時に、機械的に電流経路を遮断する不図示のCID(Current Interrupt Device)が設けられている。かかる組電池は、例えば、車両を走行させる電動機へ電力を出力する場合に放電し、電動機の回生制動によって発電される電力が入力される場合に充電する。
電池監視装置20は、対応する電池ブロック10が備える各電池セル11の充電状態などを監視し、電池ブロック10の状態をマイコン2へ通知する。各電池監視装置20は、それぞれ互いに離間した位置に配置されるサテライト基板(以下、単に「基板」と記載する)に設けられる。
かかる電池監視装置20は、それぞれ監視IC(Integrated Circuit)21と、過充電検知部22と、CID遮断検知部23とを備える。監視IC21は、電池ブロック10や電池セル11の電圧を検知してマイコン2へ出力する。
過充電検知部22は、電池ブロック10における過充電の発生を検知してマイコン2へ通知する。また、CID遮断検知部23は、CIDによって電池ブロック10の電流経路が機械的に遮断されるCID遮断の発生を検知してマイコン2へ通知する。
マイコン2は、例えば、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)である。かかるマイコン2は、電池監視装置20から通知される電池ブロック10の状態に基づいて、組電池の充放電制御を行う。
例えば、マイコン2は、電池監視装置20から電池ブロック10における過充電の発生が通知される場合には、組電池の充電を抑制する充電制御を行う。マイコン2は、電池監視装置20からCID遮断の発生が通知される場合、過充放電または過電流が発生した可能性があるため、例えば、組電池と電動機とを接続するリレーを切断する充放電制御を行う。
次に、図2を参照し、実施形態に係る電池監視装置20の構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る電池監視装置20の構成の一例を示す説明図である。なお、ここで、電池ブロック10、監視IC21、およびマイコン2の既に説明した機能については説明を省略する。
図2に示すように、電池監視装置20は、監視IC21、過充電検知部22、CID遮断検知部23、分圧回路24、およびヒューズ溶断回路25を備える。監視IC21は、電池ブロック10の電流経路を介して供給される電力によって動作し、マイコン2との間で双方向に情報の送受信を行う。
分圧回路24は、一端がヒューズFを介して電池ブロック10の高電圧側電極に接続され、他端が電池ブロック10の低電圧側電極(グランド)に接続される。かかる分圧回路24は、直列に接続される抵抗R1,R2を備え、抵抗R1,R2によって分圧した電池ブロック10の電圧を、抵抗R1,R2の接続点から過充電検知部22およびCID遮断検知部23へ出力する。
ヒューズ溶断回路25は、分圧回路24と並列に接続される。かかるヒューズ溶断回路25は、直列に接続される抵抗R3とツェナーダイオードD1,D2とを備える。ヒューズ溶断回路25の抵抗R3は、抵抗値が分圧回路24の抵抗R1,R2に比べて極めて小さい値に設定される。
また、ツェナーダイオードD1,D2の接続点と、分圧回路24の抵抗R1,R2の接続点とは接続される。ツェナーダイオードD1,D2は、電池ブロック10が過充電状態となってもカソードからアノードへ電流を流すことがなく、CID遮断が発生して過充電状態よりも高い所定電圧以上になる場合にカソードからアノードへ電流を流すように降伏電圧が設定される。
これにより、電池ブロック10の電圧が過充電状態の電圧以下の場合には、分圧回路24を通る電流経路が形成され、分圧回路24の抵抗R1,R2によって分圧された電池ブロック10の電圧が過充電検知部22およびCID遮断検知部23へ出力される。
また、電池ブロック10でCID遮断が発生した場合には、ヒューズ溶断回路25を通る電流経路が形成され、電池ブロック10の電流経路が地絡される。このとき、前述したように、ヒューズ溶断回路25の抵抗R3は、抵抗値が分圧回路24の抵抗R1,R2に比べて極めて低いため大電流を流す。
こうして、ヒューズ溶断回路25は、CID遮断の発生により所定電圧以上の電圧が電流経路に印加されたことを検出して電流経路を地絡させ、大電流を流してヒューズFを溶断させることにより、CID遮断に伴って発生する過電圧および過電流から電池監視装置20を保護することができる。
このように、抵抗R1,R2およびツェナーダイオードD1,D2によって構成される回路は、CID遮断の発生により所定電圧以上の電圧が電流経路に印加されたことを検出する遮断電圧検出部として機能する。
過充電検知部22は、電源端子30、入力端子31、および出力端子32を備える。さらに、過充電検知部22は、比較器33、定電圧源(以下「LDO(Low Drop Out)34」と記載する)、閾値調整部35、抵抗R4,R5,R6,R7、コンデンサC1、トランジスタTr1,Tr2、およびフォトカプラPCを備える。
電源端子30は、ヒューズF、抵抗R8、およびトランジスタTrを介して、電池ブロック10の高電圧側電極に接続される。監視IC21は、例えば、車両のイグニッションスイッチがONされる場合にトランジスタTrをONにして、電池ブロック10から電源端子30へ電源電圧を供給させる。
入力端子31は、ヒューズ溶断回路25におけるツェナーダイオードD1,D2の接続点を介して、分圧回路24における抵抗R1,R2の接続点に接続され、電池ブロック10の電圧に応じた電圧が入力される。出力端子32は、マイコン2に接続される。
抵抗R4は、一端が入力端子31に接続され、他端が比較器33の非反転入力端子(+端子)に接続される。また、抵抗R4の他端とグランドとの間には、コンデンサC1が接続される。コンデンサC1は、入力端子31から入力される電圧に含まれるノイズ成分を除去するフィルタとして機能する。
LDO34は、一端が電源端子30に接続され、他端が比較器33の反転入力端子(-端子)に接続される。LDO34は、電源端子30から入力される電源電圧から過充電検知用の閾値電圧を生成して、比較器33の反転入力端子(-端子)へ入力する。
過充電検知用の閾値電圧は、電池ブロック10が通常の充放電状態である場合の最大電圧である。閾値調整部35は、マイコン2が分圧回路24や過充電検知部22等の故障診断を行う場合に、マイコン2の制御に従って比較器33へ入力する閾値電圧を調整する。かかるマイコン2による故障診断の一例については後述する。
抵抗R5は、一端が電源端子30に接続され、他端が比較器33の出力端子とトランジスタTr1のベースとの接続点に接続される。抵抗R6は、一端が電源端子30に接続され、他端がトランジスタTr1のコレクタおよびトランジスタTr2のベースに接続される。
トランジスタTr1は、NPNトランジスタであり、エミッタがグランドに接続される。また、トランジスタTr2は、PNPトランジスタであり、エミッタが電源端子30に接続され、コレクタが抵抗R7の一端に接続される。抵抗R7の他端は、フォトカプラPCが備える発光ダイオードD3のアノードに接続される。
フォトカプラPCは、発光ダイオードD3とフォトトランジスタTr3とを備え、発光ダイオードD3に電流が流れる場合に、フォトトランジスタTr3がONになり、出力端子32からマイコン2へ信号を出力する。
かかる過充電検知部22は、入力端子31から入力される電池ブロック10の電圧に応じた電圧が、LDO34によって生成される過充電検知用の閾値電圧を超える場合に、電池ブロック10における過充電を検知し、検知信号をマイコン2へ出力する。
具体的には、過充電検知部22では、比較器33が電池ブロック10の電圧に応じた電圧と、過充電検知用の閾値電圧とを比較する。比較器33は、電池ブロック10の電圧に応じた電圧が閾値電圧以下の場合に、Lowレベルの信号を出力する。かかる場合、トランジスタTr1は、ベースにLowレベルの電圧が印加されるので、OFFの状態を維持する。
また、比較器33は、電池ブロック10の電圧に応じた電圧が閾値電圧を超える場合に、Highレベルの信号を出力する。かかる場合、トランジスタTr1は、ベースにHighレベルの電圧が印加されるのでONになる。
これにより、トランジスタTr2は、ベースがグランドに接続されてONになり、フォトカプラPCの発光ダイオードD3に電流を流してフォトトランジスタTr3をONにし、フォトカプラPCからマイコン2へ検知信号を出力させる。
このように、フォトカプラPCは、検知信号を出力する検知信号出力部として機能する。かかる過充電検知部22は、電池ブロック10における過充電の発生を検知して、マイコン2へ通知することができる。
なお、前述したように、過充電検知部22は、分圧回路24またはヒューズ溶断回路25から入力される電圧と、過充電検知用の閾値電圧とを比較して過充電の発生を検知する。したがって、電池監視装置20が電池ブロック10における過充電の発生を検知する場合、分圧回路24およびヒューズ溶断回路25は、過充電検知部22の一部として機能する。
CID遮断検知部23は、電源端子40、入力端子41、出力端子42、制御端子43,44、定電圧源(以下、「LDO45」と記載する)、ダイオードD4、コンデンサC2、トランジスタTr4,Tr5、および抵抗R9を備える。
電源端子40は、ヒューズF、抵抗R8、およびトランジスタTrを介して、電池ブロック10の高電圧側電極に接続される。監視IC21は、例えば、車両のイグニッションスイッチがONされる場合にトランジスタTrをONにして、電池ブロック10から電源端子40へ電源電圧を供給させる。
入力端子41は、ヒューズ溶断回路25におけるツェナーダイオードD1,D2の接続点を介して、分圧回路24における抵抗R1,R2の接続点に接続され、電池ブロック10の電圧に応じた電圧が入力される。
出力端子42は、フォトカプラPCが備える発光ダイオードD3のアノードに接続される。制御端子43,44は、監視IC21に接続され、監視IC21から制御信号が入力される。
LDO45は、一端が制御端子43に接続され、他端がダイオードD4に接続される。LDO45は、電源端子40から入力される電源電圧から所定の一定電圧を生成してダイオードD4へ出力する。
かかるLDO45は、制御端子43から入力される制御信号に従って、一定電圧の出力および出力停止を行う。監視IC21は、CID遮断検知部23の後述する故障診断を行う場合に、LDO45からの一定電圧の出力を停止させ、それ以外の期間には、LDO45から一定電圧を出力させる。
トランジスタTr4は、PMOSトランジスタであり、ゲートが入力端子41に接続され、ソースがダイオードD4のカソードに接続され、ドレインが抵抗R9を介して出力端子42に接続される。
コンデンサC2は、トランジスタTr4のソースとダイオードD4のカソードとの接続点に一端が接続され、他端がグランドに接続される。コンデンサC2は、LDO45から一定電圧が出力される場合に、一定電圧によって蓄電される。
トランジスタTr5は、NPNトランジスタであり、ベースが制御端子44に接続され、コレクタがトランジスタTr4のゲートに接続され、エミッタがグランドに接続される。
かかるトランジスタTr5は、制御端子44から入力される制御信号に従ってONとOFFとが切り替えられる。監視IC21は、CID遮断検知部23の後述する故障診断を行う場合に、トランジスタTr5をONにし、それ以外の期間には、トランジスタTr5をOFFにする。
かかるCID遮断検知部23は、入力端子41から入力される電池ブロック10の電圧に応じた電圧が、過充電検知用の閾値電圧よりも低いCID遮断検知用の閾値電圧を下回った場合に、CID遮断の発生を検知し、検知信号をマイコン2へ出力する。
具体的には、CID遮断が発生していない場合、CID遮断検知部23の入力端子41には、分圧回路24によって分圧された電圧が入力される。かかる場合、トランジスタTr4は、PMOSトランジスタであるため、ゲートに分圧回路24によって分圧された電圧が印加されてOFFの状態を維持する。
このため、CID遮断検知部23は、フォトカプラPCへ電流を流すことがない。したがって、フォトカプラPCは、このとき、過充電検知部22によって過充電の発生が検知されていなければ、マイコン2へ検知信号を出力することはない。
また、CID遮断が発生した場合、電池ブロック10の電圧は、一時的に急上昇した後、ヒューズ溶断回路25が備えるツェナーダイオードD1,D2の降伏電圧を超えると、電流経路が分圧回路24経由からヒューズ溶断回路25に切り替わって地絡されるので急降下する。
このため、CID遮断検知部23のトランジスタTr4は、ゲートに印加される電圧が低下し、CID遮断検知用の閾値電圧を下回ると、ONになり、フォトカプラPCへ電流を流す。これにより、フォトカプラPCからマイコン2へ検知信号が出力される。
このように、トランジスタTr4は、充電されたコンデンサC2と、フォトカプラPCとの間に接続され、前述した遮断電圧検出部(抵抗R1,R2、ツェナーダイオードD1,D2からなる回路)の出力に応じてONする第1のスイッチングとして機能する。
また、トランジスタTr5は、第1のスイッチング素子であるトランジスタTr4をONさせる第2のスイッチング素子として機能する。また、フォトカプラPCは、検知信号を出力する検知信号出力部として機能する。
ここでのCID遮断検知用の閾値電圧は、過充電検知用の閾値電圧よりも低く、さらに充電されたコンデンサC2の電圧より低い電圧である。このように、CID遮断検知部23は、電池ブロック10におけるCID遮断の発生を検知して、マイコン2へ通知することができる。
なお、前述したように、CID遮断検知部23は、分圧回路24またはヒューズ溶断回路25から入力される電圧がCID遮断検知用の閾値電圧を下回る場合に、CID遮断の発生を検知する。したがって、電池監視装置20が電池ブロック10におけるCID遮断の発生を検知する場合、分圧回路24およびヒューズ溶断回路25は、CID遮断検知部23の一部として機能する。
このように、電池監視装置20は、過充電検知部22およびCID遮断検知部23を備えることにより、電池ブロック10における過充電の発生およびCID遮断の発生の両方を検知することができる。
また、分圧回路24およびヒューズ溶断回路25は、過充電の発生を検知するための参照電圧となる電圧を過充電検知部22へ出力し、CID遮断の発生を検知するための参照電圧をCID遮断検知部23へ出力する。
つまり、分圧回路24およびヒューズ溶断回路25は、電池監視装置20による過充電の検知およびCID遮断の検知に兼用される。このため、電池監視装置20は、過充電の検知用およびCID遮断の検知用に、それぞれ参照電圧を生成する回路が設けられる場合に比べて、部品点数を低減することができ、製造コストを低く抑えることができる。
また、電池監視装置20では、フォトカプラPCが、過充電検知部22からマイコン2への過充電の検知結果の通知、およびCID遮断検知部23からマイコン2へのCID遮断の検知結果の通知に兼用される。
これにより、電池監視装置20は、過充電の検知結果を通知するフォトカプラと、CID遮断の検知結果を通知するフォトカプラとが個別に設けられる場合に比べて、部品点数を低減することができ、製造コストを低く抑えることができる。
マイコン2は、フォトカプラPCから入力される検知信号と、監視IC21との通信の可否とに基づいて、過充電の発生とCID遮断の発生とを判別すると共に、電池ブロック10や電池監視装置20またはマイコン2自体の故障を判定することができる。
ここで、図3〜図5を参照し、CID遮断が発生した場合の電池監視装置20およびマイコン2の状態、過充電が発生した場合の電池監視装置20およびマイコン2の状態、マイコン2による過充電とCID遮断との判別方法および故障判定方法について説明する。
図3は、実施形態に係るCID遮断が発生した場合の電池監視装置20およびマイコン2の状態を示す説明図である。図4は、実施形態に係る過充電が発生した場合の電池監視装置20およびマイコン2の状態を示す説明図である。図5は、実施形態に係るマイコン2による過充電とCID遮断との判別方法および故障判定方法の説明図である。
なお、図3および図4に示す電池電圧は、電池ブロック10の電圧であり、ヒューズの状態の接続は、ヒューズFが溶断していない状態であり、ヒューズの状態の切断は、ヒューズFが溶断している状態である。
また、図3および図4に示す基板内の電源電圧は、ヒューズFと抵抗R8との接続点の電圧であり、コンデンサの電圧は、CID遮断検知部23のコンデンサC2の電圧である。また、図3および図4に示す第1閾値は、過充電検知用の閾値電圧である。また、図3に示す第2閾値は、CID遮断検知用の閾値電圧である。
また、図3および図4に示すフォトカプラの状態のONは、フォトカプラPCがマイコン2へ検知信号を出力している状態であり、フォトカプラの状態のOFFは、フォトカプラPCがマイコン2へ検知信号を出力していない状態である。
また、図3および図4に示す監視ICとの通信不能は、マイコン2が監視IC21から所定の信号を受信できていない状態であり、監視ICとの通信可能は、マイコン2が監視IC21から所定の信号を受信できている状態である。
図3に示すように、例えば、時刻t11でCID遮断が発生すると、電池電圧が急激に上昇する。これに伴い、基板内の電源電圧も上昇し、時刻t12で第1閾値を超える。これにより、フォトカプラPCは、過充電検知部22が過充電を検知するので、時刻t12でONになる。
その後、さらに電池電圧が上昇し、ヒューズ溶断回路25が備えるツェナーダイオードD1,D2の降伏電圧に達すると、ヒューズFに大電流が流れてヒューズFが切断され、電池電圧および基板内の電源電圧が急激に降下する。
これにより、フォトカプラPCは、基板内の電源電圧が第1閾値を下回ると、ONからOFFになり、さらに基板内の電源電圧が下降して第2閾値を下回ると、CID遮断検知部23がCID遮断の発生を検知するので、時刻t14でOFFからONになる。
その後、基板内の電源電圧が低下するので、CID遮断検知部23のLDO45が一定電圧を出力不可能となるが、コンデンサC2が充電されているため、コンデンサC2の放電によりフォトカプラPCがONを維持する。そして、フォトカプラPCは、時刻t15でコンデンサC2の電圧が検知信号の出力に必要な最低電圧を下回ると、ONからOFFになる。
ここで、マイコン2は、時刻t14までは、監視IC21が基板内の電源電圧を電力として使用して動作することができるため、監視IC21との通信が可能である。しかし、マイコン2は、時刻t14以降になると、基板内の電源電圧の低下に伴い監視IC21が動作できなくなるため、監視IC21との通信が不能となる。
また、図4に示すように、例えば、電池ブロック10の過充電により、電池電圧が上昇し、これに伴って基板内の電源電圧が上昇して時刻t10で第1閾値を超えると、過充電検知部22が過充電を検知するので、フォトカプラPCがOFFからONになる。
ここで、過充電では、CID遮断が発生する場合ほど基板内の電源電圧が上昇しないので、ヒューズFが切断されることがない。このため、CID遮断検知部23のLDO45に継続して基板内の電源電圧が供給され、コンデンサC2が充電状態を維持する。
また、監視IC21にも継続して基板内の電源電圧が供給される。このため、監視IC21は、動作を継続することができる。したがって、マイコン2は、過充電が発生する場合、監視IC21との通信が不能になることがない。
マイコン2は、上記したようなCID遮断が発生した場合と、過充電が発生した場合とで異なる電池監視装置20およびマイコン2の状態の違いを利用して、過充電とCID遮断との判別および故障判定を行う。
例えば、図5に示すように、マイコン2は、フォトカプラPCの状態がOFFで監視IC21との通信が可能な場合、電池監視装置20およびマイコン2自体を正常と判定する。また、マイコン2は、フォトカプラPCの状態がONであり、監視IC21との通信が不能の場合に、CID遮断が発生したと判定する。そして、マイコン2は、かかる場合、電池ブロック10が故障していると判定する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCの状態がONであり、監視IC21との通信が可能な場合に、過充電が発生したと判定する。そして、マイコン2は、かかる場合、例えば、電池ブロック10の充電を抑制する充電制御を行う。また、マイコン2は、フォトカプラPCの状態がOFFであり、監視IC21との通信が不能な場合に、電池監視装置20またはマイコン2の故障と判定する。
このように、マイコン2は、フォトカプラPCから入力される検知信号(フォトカプラPCの状態)と、監視IC21との通信の可否とに基づいて、過充電の発生とCID遮断の発生とを判別することができる。
また、マイコン2は、フォトカプラPCから入力される検知信号(フォトカプラPCの状態)と、監視IC21との通信の可否とに基づいて、電池ブロック10や電池監視装置20またはマイコン2自体の故障を判定することができる。これにより、電池監視システム100によれば、ディーラでの故障部位の特定が可能となるので、修理作業を効率化することができ、修理コストを低減することができる。
なお、上記したCID遮断の発生と過充電の発生との判別方法は一例であり、マイコン2は、他の方法によって、CID遮断の発生と過充電の発生とを判別することもできる。図3に示したように、CID遮断が発生した場合、基板内の電源電圧が第1閾値を超えた後、第1閾値よりも小さい第2閾値を下回る。一方、図4に示したように、過充電が発生した場合、基板内の電源電圧は、第1閾値を上回った後、その状態を継続する。
そこで、マイコン2は、電池監視装置20によって、基板内の電源電圧が第1閾値を超えたことが検知された後、第1閾値よりも小さい第2閾値を下回ったことが検知された場合に、CID遮断が発生したと判定する。また、マイコン2は、基板の電源電圧が第1閾値を上回る状態が継続する場合に、過充電が発生したと判定する。これにより、マイコン2は、CID遮断の発生と過充電の発生とを的確に判別することができる。
マイコン2は、かかる判定をフォトカプラPCの状態に基づいて行うことができる。例えば、図3に示すように、フォトカプラPCは、基板内の電源電圧が第1閾値を上回っている期間および第2閾値を下回っている期間にONになる。
そして、フォトカプラPCは、図3に示すように、CID遮断が発生した場合、ONになった後、OFFになり、その後、ONになる。また、フォトカプラPCは、図4に示すように、過充電が発生した場合、ONになった後、ONの状態を継続する。
このため、マイコン2は、電池監視装置20から、フォトカプラPCをONにした後、OFFにし、その後、ONにしたことが通知される場合に、CID遮断が発生したと判定することができる。また、マイコン2は、電池監視装置20から、フォトカプラPCをONにした後、ONの状態を継続していることが通知される場合に、過充電が発生したと判定する。
このように、マイコン2は、監視IC21との通信の可否を判定しなくても、簡易な構成によりCID遮断の発生と、過充電の発生とを判別することができる。これにより、マイコン2は、フォトカプラPCと接続されるハーネスを介して入力される検知信号だけでCID遮断の発生と、過充電の発生とを判別することができるので、監視IC21と接続されるハーネスが不要となるのでコストを低減することができる。
なお、マイコン2は、フォトカプラPCがONになった後、OFFになり、再度ONになった後、所定時間(例えば、図3に示す時刻t14から時刻t15)までの時間が経過した時点でOFFになった場合に、CID遮断が発生したと判定することもできる。これにより、マイコン2は、より正確にCID遮断の発生を検知することができる。
図2へ戻り、CID遮断検知部23および過充電検知部22の故障診断について説明する。マイコン2は、CID遮断検知部23の故障診断を行う場合、監視IC21へ診断要求を出力する。
監視IC21は、マイコン2から遮断要求が入力される場合に、マイコン2にCID遮断検知部23の故障を診断させる処理部として機能する。監視IC21は、マイコン2から遮断要求が入力されると、CID遮断検知部23をCID遮断が発生した場合と同様の状態にさせる。そして、監視IC21は、CID遮断検知部23からマイコン2へ検知信号が出力されるか否かに基づいて、マイコン2にCID遮断検知部23の故障を診断させる。
マイコン2は、CID遮断検知部23から検知信号が出力される場合に、CID遮断検知部23を正常と診断することができる。また、マイコン2は、CID遮断検知部23から検知信号が出力されない場合に、CID遮断検知部23を故障と診断することができる。
具体的には、監視IC21は、マイコン2から診断要求が入力されると、CID遮断検知部23のLDO45をOFFにし、トランジスタTr5をONにする。これにより、PMOSトランジスタであるトランジスタTr4のゲートに印加される電圧が0Vになる。これにより、CID遮断検知部23は、CID遮断が発生した場合と同様の状態にすることができる。
このとき、トランジスタTr4が正常にONすれば、フォトカプラPCがONになり、トランジスタTr4がONしなければ、フォトカプラPCがONにならない。このため、マイコン2は、フォトカプラPCから検知信号が入力されれば、トランジスタTr4を正常と診断する。また、マイコン2は、フォトカプラPCから検知信号が入力されなければ、トランジスタTr4を故障と診断する。
また、トランジスタTr4が正常にONする場合、CID遮断検知部23のコンデンサC2からトランジスタTr4および抵抗R9を介してフォトカプラPCの発光ダイオードD3に流れ、フォトカプラPCがONになる。
このため、マイコン2は、フォトカプラPCがONとなっている時間が所定時間(例えば、図3に示す時刻t14から時刻t15までの時間)であれば、コンデンサC2の容量を正常と診断する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCがONとなっている時間が所定時間でない場合、コンデンサC2の容量を異常と診断する。また、マイコン2は、フォトカプラPCがONした後、OFFしない場合、LDO45を故障と診断する。このように、マイコン2は、CID遮断検知部23の動作だけでなく、CID遮断検知部23が備える回路素子の故障診断まで行うことができる。
また、マイコン2は、過充電検知部22の故障診断を行う場合、監視IC21から各電池セル11の電圧を取得し、各電池セル11の電圧に基づいて電池ブロック10の電圧を算出する。
さらに、マイコン2は、算出した電池ブロック10の電圧、分圧回路24の抵抗R1,R2、および過充電検知部22の抵抗R4の抵抗値に基づいて、比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧を算出する。
そして、マイコン2は、比較器33の反転入力端子(-端子)へ入力される閾値電圧が比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧よりも少し高くなるように、閾値電圧を調整させる制御信号を閾値調整部35へ出力する。
このとき、過充電検知部22は、故障していなければ、検知信号をマイコン2へ出力することはない。このため、マイコン2は、このときに過充電検知部22から検知信号が入力される場合に、過充電検知部22を故障と診断する。
さらに、マイコン2は、比較器33の反転入力端子(-端子)へ入力される閾値電圧が比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧よりも少し低くなるように、換言すれば疑似的に過電圧状態となるように、閾値電圧を調整させる制御信号を閾値調整部35へ出力する。
このとき、過充電検知部22は、故障していなければ、検知信号をマイコン2へ出力する。このため、マイコン2は、このときに過充電検知部22から検知信号が入力されない場合に、過充電検知部22を故障と判定する。
また、マイコン2は、算出した比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧よりも少し高い閾値電圧から、徐々に閾値電圧を下げるように閾値電圧を調整させる制御信号を閾値調整部35へ出力する。
そして、マイコン2は、過充電検知部22から検知信号が入力された時点の閾値電圧を閾値調整部35から取得し、取得した電圧が算出した比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧と等しい場合に、分圧回路24を正常と診断する。
また、マイコン2は、過充電検知部22から検知信号が入力された時点の閾値電圧を閾値調整部35から取得し、取得した電圧が算出した比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧と等しくない場合に、分圧回路24を異常と診断する。
つまり、マイコン2は、算出した比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される電圧と、実際に比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力されている電圧とが等しい場合に、分圧回路24を正常と診断し、等しくない場合に、異常と診断する。
このように、マイコン2は、閾値調整部35によって、比較器33の非反転入力端子(+端子)へ入力される閾値電圧を調整させ、過充電検知部22から入力される検知信号に基づいて、過充電検知部22および分圧回路24の故障診断を行うことができる。
次に、図6〜図8を参照し、実施形態に係るマイコン2が実行する処理について説明する。図6〜図8は、実施形態に係るマイコン2が実行する処理を示すフローチャートである。
なお、図6には、マイコン2がフォトカプラPCの状態、および監視IC21との通信可否に基づいて、電池ブロック10および電池監視装置20の状態を判定する場合に実行する処理を示している。
また、図7には、マイコン2がフォトカプラPCの状態に基づいて、電池ブロック10の状態を判定する場合に実行する処理を示している。また、図8には、マイコン2がCID遮断検知部23の故障診断を行う場合に実行する処理を示している。
図6に示すように、マイコン2は、フォトカプラPCの状態、および監視IC21との通信可否に基づいて、電池ブロック10および電池監視装置20の状態を判定する場合、まず、フォトカプラPCがOFFか否かを判定する(ステップS101)。
マイコン2は、フォトカプラPCがOFFであると判定した場合(ステップS101,Yes)、監視IC21と通信可能か否かを判定する(ステップS102)。そして、マイコン2は、監視IC21と通信可能と判定した場合(ステップS102,Yes)、電池ブロック10および電池監視装置20を正常と判定し(ステップS104)、処理を終了する。
また、マイコン2は、監視IC21と通信可能でないと判定した場合(ステップS102,No)、電池監視装置20またはマイコン2の故障と判定し(ステップS105)、処理を終了する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCがOFFでないと判定した場合(ステップS101,No)、監視IC21と通信可能か否かを判定する(ステップS103)。そして、マイコン2は、監視IC21と通信可能と判定した場合(ステップS103,Yes)、電池ブロック10を過充電と判定し(ステップS106)、処理を終了する。
また、マイコン2は、監視IC21と通信可能でないと判定した場合(ステップS103,No)、CID遮断が発生したと判定すると共に、電池ブロック10を故障と判定し(ステップS107)、処理を終了する。なお、マイコン2は、かかる図6に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCの状態に基づいて、電池ブロック10の状態を判定する場合、図7に示すように、まず、フォトカプラPCがONになったか否かを判定する(ステップS201)。
そして、マイコン2は、フォトカプラPCがONになっていないと判定した場合(ステップS201,No)、処理を終了する。また、マイコン2は、フォトカプラPCがONになったと判定した場合(ステップS201,Yes)、その後、第1の所定時間の間にフォトカプラPCがOFFになったか否かを判定する(ステップS202)。
第1の所定時間は、図3のt14−t12に相当する予め定めた時間である。すなわち、CID遮断が発生していればこの第1の所定時間の間にフォトカプラPCがOFFになるが、過充電であれば第1の所定時間が経過してもOFFにならない。
そして、マイコン2は、第1の所定時間が経過してもフォトカプラPCがOFFになっていないと判定した場合(ステップS202,No)、電池ブロック10を過充電と判定し(ステップS206)、処理を終了する。また、マイコン2は、フォトカプラPCが第1の所定時間の間にOFFになったと判定した場合(ステップS202,Yes)、その後、第2の所定時間以内にフォトカプラPCがONになったか否かを判定する(ステップS203)。第2の所定時間は、図3のt14−t13に相当する予め定めた時間である。
そして、マイコン2は、第2の所定時間が経過してもフォトカプラPCがONになっていないと判定した場合(ステップS203,No)、過充電が解消したと判定し(ステップS205)、処理を終了する。また、マイコン2は、第2の所定時間以内にフォトカプラPCがONになったと判定した場合(ステップS203,Yes)、CID遮断が発生したと判定し(ステップS204)、処理を終了する。なお、マイコン2は、かかる図7に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
また、マイコン2は、CID遮断検知部23の故障診断を行う場合、図8に示すように、まず、監視IC21へ診断要求を出力し(ステップS301)、その後、第3の所定時間経過時点でフォトカプラPCがONになっているか否かを判定する(ステップS302)。第3の所定時間は、診断要求を出力してから、正常であればフォトカプラPCがONになるまでの時間に相当する予め定めた時間である。
そして、マイコン2は、フォトカプラPCがONになっていないと判定した場合(ステップS302,No)、CID遮断検知部23のPMOSトランジスタであるトランジスタTr4を異常と判定し(ステップS309)、処理を終了する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCがONになったと判定した場合(ステップS302,Yes)、CID遮断検知部23のPMOSトランジスタであるトランジスタTr4を正常と診断する(ステップS303)。
その後、マイコン2は、第4の所定時間の間にフォトカプラPCがOFFになったか否かを判定する(ステップS304)。第4の所定時間は、図3のt15−t14に相当する時間より大きい予め定めた時間である。そして、マイコン2は、第4の所定時間が経過してもフォトカプラPCがOFFになっていないと判定した場合(ステップS304,No)、CID遮断検知部23のLDO45を異常と診断し(ステップS308)、処理を終了する。
また、マイコン2は、第4の所定時間の間にフォトカプラPCがOFFになったと判定した場合(ステップS304,Yes)、フォトカプラPCのON時間が第5の所定時間であったか否かを判定する(ステップS305)。第5の所定時間は、正常な場合のON時間(t15−t14)を中心に所定の幅を有する時間である。
そして、マイコン2は、フォトカプラPCのON時間が第5の所定時間でなかったと判定した場合(ステップS305,No)、CID遮断検知部23のコンデンサC2を容量異常と診断し(ステップS307)、処理を終了する。
また、マイコン2は、フォトカプラPCのON時間が第5の所定時間であったと判定した場合(ステップS305,Yes)、CID遮断検知部23のコンデンサC2を容量正常と診断し(ステップS306)、処理を終了する。
なお、図2に示す電池監視装置20の構成は、一例であり種々の変形が可能である。次に、図9および図10を参照し、変形例に係る電池監視装置20aについて説明する。図9は、実施形態の変形例に係る電池監視装置20aの構成の一例を示す説明図である。
また、図10は、実施形態の変形例に係るマイコン2aによる過充電とCID遮断との判別方法および故障判定方法の説明図である。なお、ここでは、図9に示す構成要素のうち、図2に示す構成要素と同一の構成要素については、図2と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図9に示すように、変形例に係る電池監視装置20aは、CID遮断検知部23(図2参照)を備えていない点と、電池電圧測定部5を備える点とが、図2に示す電池監視装置20とは異なる。
電池電圧測定部5は、電池ブロック10の電圧を測定し、測定結果をマイコン2aへ出力する。かかる電池電圧測定部5は、監視IC21および過充電検知部22が設けられる基板とは、別の基板に設けられる。
これにより、電池監視装置20aによれば、CID遮断検知部23(図2参照)が設けられない分、監視IC21および過充電検知部22が設けられる基板の小型化を図ることができる。そして、変形例に係るマイコン2aは、図10に示すように、電池電圧の測定値、および監視IC21との通信の可否に基づいて、過充電とCID遮断との判別および故障判定を行う。
なお、図10に示す電池電圧の測定値の正常は、電池ブロック10の電圧が過充放電でない正常な電圧範囲内であることを意味している。また、図10に示す電池電圧の測定値の異常は、電池ブロック10の電圧が過充放電でない正常な電圧範囲外であることを意味している。
マイコン2aは、電池電圧の測定値が正常であり、監視IC21との通信が可能な場合、電池監視装置20およびマイコン2a自体を正常と判定する。また、マイコン2aは、電池電圧の測定値が異常であり、監視IC21との通信が不能の場合に、CID遮断が発生したと判定する。そして、マイコン2aは、かかる場合、電池ブロック10が故障していると判定する。
また、マイコン2aは、電池電圧の測定値が異常であり、監視IC21との通信が可能な場合に、過充放電が発生したと判定する。また、マイコン2は、電池電圧の測定値が正常であり、監視IC21との通信が不能な場合に、電池監視装置20またはマイコン2a自体の故障と判定する。
このように、マイコン2aは、電池電圧の測定値、および監視IC21との通信の可否に基づいて、過充電とCID遮断とを判別することができる。しかも、マイコン2aは、電池ブロック10や電池監視装置20aまたはマイコン2a自体の故障を判定することができるので、ディーラでの故障部位の特定が可能となり、修理作業を効率化することができ、修理コストを低減することができる。
なお、上述した実施形態では、実施形態に係る電池監視システムが車両に搭載される場合を例に挙げたが、本実施形態は、例えば、家庭用の二次電池等、他の二次電池を監視する任意の電池監視システムに適用することが可能である。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。