JP6827264B2 - 宇宙航行機に用いられる電気推進システム - Google Patents

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Description

本発明は、供用期間中の第1時点では第1重心点に重心が位置し、供用期間中の第2時点では前記第1重心点と異なる第2重心点に重心が位置する宇宙航行機に用いられる電気推進システムに関する。本発明は更に、宇宙航行機に用いられる電気推進システムの作動方法に関する。
電気推進システムとは、イオンないしプラズマを加速することにより推進力を発生させるようにした、宇宙航行機に推進力を付与するための電気推進装置である。単独の電気スラスタ(以下、単に「スラスタ」と称する)が発生し得る推力は小さなものでしかなく、そのため、宇宙航行機に装備される電気推進システム(以下「EPシステム」と称することがある)は、複数基のスラスタを備えたシステムとして構成されている。この構成とすることで、全推力を増大させることができるばかりでなく、システムに冗長性を付与することも可能となる。
宇宙航行機にデルタブイ(Δv)を付与することを目的とした推進システムは、トルクを作用させるための推進システムと異なり、推力システムに含まれる複数基のスラスタの個々の推力ベクトルのベクトル和である合計推力ベクトル(以下「合力」と称することがある)が、宇宙航行機の重心点(CoG)を通るようにしなければならない。従来の典型的な推力システムでは、複数基のスラスタはそれらスラスタの方向が互いに平行となるように取付けられている。この構成では、供用開始時点(BoL)と、寿命到達時点(EoL)とのいずれにおいても、合力が宇宙航行機の重心点を通るようにすることができる。しかしながら、合計推力ベクトル(合力)が重心点を通るようにせねばならないというこの要件の充足を困難にする問題が幾つか存在している。第1に、個々のスラスタの取付方向が最初からずれていることがあり得る。第2に、個々のスラスタの推力ベクトルと当該スラスタの中心軸とのずれがあり、これは最初からずれていることもあれば、時間の経過と共にずれてくることもある。第3に、例えば地球磁場やマグネトルカーが発生する磁場などの外部要因によって、個々のスラスタの推力ベクトルが影響を受けるということがある。第4に、電気推進システムに用いられる推進剤が消費されるにつれて、宇宙航行機の重心点が移動するということがある。第5に、供用期間中に複数基のスラスタのうちのいずれかが故障することがあり得る。
以上に列挙した数々の問題は、いかなる種類の推進システムにとっても問題となるものであるが、特に電気推進システムにとっては、それら問題の解決が喫緊の課題となっている。標準的な化学推進システムでは、個々のスラスタの発生推力が大きく、またスラスタが比較的低コストであるため、通常、合計推力ベクトルがスラスタの中心軸からずれたならば、補助的スラスタが瞬間的に発生する推力によってそのずれの影響を相殺するという方式が採用されている。
しかるに、化学推進システムに採用されているこの方式を、電気推進システムに準用することには無理があり、その理由は、電気推進システムでは個々のスラスタの発生推力が小さく、またスラスタが非常に高コストだからである。
合計推力ベクトルが宇宙航行機の重心点を通るようにするための方策として、スラスタ・ポインティング機構を用いるという方法がある。しかしながら、スラスタ・ポインティング機構は、重量が大きく、試験の実施が容易でなく、高コストであり、大きな設置空間を占有する。また別法として、例えば回転軸に取付けた内部釣合重錘を用いて、重心点を移動調節するという方法も知られている。しかしながら、内部釣合重錘によって得られる重心点の移動量は非常に小さなものでしかない。合計推力ベクトルと宇宙航行機の重心点とのずれを許容するという考え方もあるが、このような考え方は、そのずれの結果として宇宙航行機に作用するトルクを相殺することが困難であるという事実を無視している。実際には、そのずれの結果として作用するトルクは急激に発生して増大する。
そのようなトルクの影響を緩和する手段のひとつに、宇宙航行機の180°ロール・マヌーバを実行するという方法があり、これによって合計推力ベクトルと重心点とのずれの影響を相殺することができる。しかしながら、180°ロール・マヌーバを実行するにはかなりの時間を要し、しかもそれを実行している間は、太陽電池アレイの発電量が低下する。
更に、合計推力ベクトルと重心点とのずれの影響を、適宜の手段で非飽和状態にした反動ホイールによって抑制するという方法もある。この方法はマグネトルカーを用いて実施することも可能である。しかしながら、マグネトルカーが有効であるのは宇宙航行機が地球低軌道(LEO)上にあるときに限られるのに対し、電気推進システムが使用されるのは殆どの場合、宇宙航行機が地球中軌道(MEO)上、または静止軌道(GEO)上にあるときか、或いは、宇宙航行機をそれら軌道上へ遷移させるときである。
従って本発明の目的は、宇宙航行機に用いられる電気推進システム並びに宇宙航行機に用いられる電気推進システムの作動方法であって、複数基の電気スラスタのうちのひとつないし幾つかが機能喪失したときのスプリアス・トルクの発生を抑止し、ないしは少なくとも低減することのできる、電気推進システム並びに電気推進システムの作動方法を提供することにある。
上記目的は、請求項1に記載の宇宙航行機に用いられる電気推進システム並びに請求項13に記載の方法により達成される。従属請求項は好適な実施の形態を記載したものである。
本発明の第1の態様によれば、供用期間中の第1時点では第1重心点に重心が位置し、供用期間中の第2時点では前記第1重心点と異なる第2重心点に重心が位置する宇宙航行機に用いられる電気推進システムが提供される。電気推進システムは、スラスタ・リアライメント機構と、該スラスタ・リアライメント機構に結合された複数基のスラスタとを備え、該複数基のスラスタの各々が個々の推力ベクトルを有する。前記スラスタ・リアライメント機構は、第1ポジションにおいては前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが前記第1重心点を通るようにし、第2ポジションにおいては前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが前記第2重心点を通るようにするべく構成されている。前記スラスタ・リアライメント機構は、前記複数基のスラスタの全てが無故障である場合には前記第1ポジションを維持するように構成されている。前記スラスタ・リアライメント機構は、前記複数基のスラスタのうちのいずれかが故障した場合、及び/または、時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタにリアライメントを施して前記第2ポジションへ移行するように構成されている。
例えば、前記第1重心点(第1CoG)は前記宇宙航行機の供用開始時点(BoL)における重心点などに対応するものである。前記第2重心点は前記宇宙航行機の寿命到達時点(EoL)における重心点などに対応するものである。また、これとは逆の対応とすることもできる。
本発明によれば、前記第1ポジションにある前記スラスタ・リアライメント機構によって、全てのスラスタの個々の推力ベクトルが供用開始時点における重心点を通るように、それら全てのスラスタのアライメント(方向設定)を行うことができる。そのため、電気推進システムの供用開始時点からさほどの時間が経過していなければ、単独のスラスタの故障が発生してもトルクが発生することはない。そのため、本発明に係る電気推進システムを装備した宇宙航行機は、僅かに回転するだけで、新たな合力の方向を、所要の方向とすることができる。
そのため、供用開始時点において単独のスラスタが故障した場合でも、その他のスラスタの推力ベクトルは、前記第1重心点(初期の重心点)を通っている。後刻、重心点が移動したならば、前記スラスタ・リアライメント機構は前記第2ポジションへ移行し、それによって、その他のスラスタの推力ベクトルが前記第2重心点(新たな重心点)を通るようにする。
一方、寿命終了到達時点に近付いてから単独のスラスタが故障した場合には、電気推進システムの複数基のスラスタにリアライメントが施され、前記スラスタ・リアライメント機構は前記第2ポジションへ移行する。前記第2ポジションは、複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが寿命終了到達時点における重心点(前記第2重心点)を通るようにするべく定められているポジションである。また、このリアライメントは、どのスラスタが故障したかにかかわらず、また、幾つのスラスタが故障したかにかかわらず、前記複数基のスラスタの全てに等しく施される。
ここに提案する電気推進システムは、電気推進システムが用いられる数多くの用途において、ジンバルを装備した電気推進システムに代わり得るものであり、ジンバルを装備した電気推進システムは高コストであり、構造が複雑であり、またそれゆえに信頼性に欠けるきらいがある。従来の電気推進システムに装備されているジンバルと対照的に、本発明におけるスラスタ・リアライメント機構は遙かに低コストである。本発明に係る電気推進システムは、複数基のスラスタのうちのひとつないし幾つかが機能を喪失することによるスプリアス・トルクの発生を排除し、ないしは、それにより発生するスプリアス・トルクを極めて小さく抑えるものである。排除しきれずに残ったスプリアス・トルクは、その他の手段を援用して相殺することができ、それには例えば、反動ホイール、及び/または、マグネトルカー、及び/または、低温気体スラスタなどの従来の推進システムなどを用いればよい。
好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記複数基のスラスタのうちのひとつまたは幾つかが故障した場合、及び/または、前記時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタの全てにリアライメントを施して前記第1ポジションから前記第2ポジションへ移行するように構成されている。これによって、前記スラスタ・リアライメント機構を簡明な構成のものとすることができる。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記複数基のスラスタのうちのひとつまたは幾つかが故障した場合、及び/または、前記時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタのうちのどのスラスタが故障したかにかかわらず、及び/または、前記複数基のスラスタのうちの幾つのスラスタが故障したかにかかわらず、前記複数基のスラスタの全てに等しく(それらスラスタの個々の推力ベクトルの)リアライメントを施すように構成されている。これによって、前記スラスタ・リアライメント機構を構成が簡明で比較的低コストのものとすることができる。
更なる好適な実施の形態によれば、前記複数基のスラスタは前記スラスタ・リアライメント機構に結合されており、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第1ポジションにおいては無故障の前記複数のスラスタの全てによる合力が前記第1重心点と前記第2重心点との両方を通る(即ち前記宇宙航行機の中心線を通る)ようにし、且つ、前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルの方向が前記合力の方向(即ち前記電気推進システムの中心軸の方向)に対して第1角度だけ傾斜しているようにするべく構成されている。この構成では、宇宙航行機にデルタブイを付与すべき方向と推力ベクトルの方向とが完全に一致していないときには、いわゆる「余弦損失」が発生するが、その余弦損失は非常に小さい。また、いずれかのスラスタが故障したならば(スラスタの故障がミッションの開始早々に生じる確率は小さい)、残りのスラスタは、それらの推力ベクトルが、ミッション後期に重心が位置すると予期される前記第2重心点を通るように、それらスラスタの方向が変更される。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、リアライメントを行って前記第2ポジションに移行した場合には、前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルの方向が、前記第1重心点と前記第2重心点との両方を通る直線の方向(即ち前記電気推進システムの中心線つまり中心軸の方向)に対して前記第1角度と異なる第2角度だけ傾斜しているようにするべく構成されている。
換言するならば、前記スラスタ・リアライメント機構は、該スラスタ・リアライメント機構のポジションに応じて個々の推力ベクトルの傾斜角度を異ならせるように構成されている。そのため、前記第1ポジションから前記第2ポジションへ移行することにより、この電気推進システムの複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが前記第1重心点と前記第2重心点とのいずれかを通るようにすることもできるリアライメントが可能となっている。
例えば、前記第1角度と前記第2角度との角度差は10°未満とするとよく、より好ましくは5°未満とする。この角度差を10°未満とすれば、最悪の条件下であっても余弦損失は常に、1−cos(10°)より小さくなり、これは2%以下であることを意味する。ミッションの遂行期間中の平均値を取るならば、余弦損失の値は更に小さくなる。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間の二位置安定型であり、前記第1ポジション及び前記第2ポジションは端部ストッパにより規定されるポジションである。この構成とすることで得られる利点のひとつは、スラスタ・リアライメント機構のポジションを、端部ストッパにより規定されるポジションとして、前記第1ポジションと前記第2ポジションとに高精度で設定し得ることがある。この高精度のポジション設定は常時保証され、また、構成が複雑で誤差を発生するおそれのあるセンサを必要とすることなく保証される。このように二位置安定型として構成されたスラスタ・リアライメント機構の枢動連結部を屈曲させるための屈曲トルクは、例えばこの電気推進システムに接続されたケーブルやホースなどによる抵抗トルクとは比較にならない十分な大きさとなる。従来のスラスタ・ポインティング機構は、2つの自由度を有する関節機構として構成されており、その2つの自由度の各々について連続動作を行わねばならないために、複雑なフィードバック・ループを備えたセンサを用いて制御する必要があった。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第2ポジションへ移行した後に前記第1ポジションへ復帰不能な非可逆的な機構とされている。例えば、前記スラスタ・リアライメント機構が、点火機構または係止解除機構により起動される非炸薬型アクチュエータを備えたものとするのもよい。その非炸薬型アクチュエータは、例えば破断型アクチュエータとすることもできる。この実施の形態の構成とすることにより、機械的構造部の構成が更に簡明なものとなる。
代替の実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第2ポジションへ移行した後に前記第1ポジションへ復帰可能な可逆的な機構とされている。この実施の形態は、前記スラスタ・リアライメント機構を前記第1ポジションから前記第2ポジションへ移行させることも、また逆に前記第2ポジションから前記第1ポジションへと移行させることもできるような、電磁石、及び/または、二位置安定型スプリング機構を用いて構成することができる。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間の跳躍移動が可能な機構とされている。二位置安定型機構には、その枢動連結部の屈曲角度を連続的に設定することができない、即ち、中間角度には設定できないという短所があるが、この短所は、前記スラスタ・リアライメント機構の端部ストッパで規定された2つの限度位置(即ち前記第1ポジション及び前記第2ポジション)の間での反復する跳躍移動を行わせることにより克服することができる。これは、スラスタ作動期間中における、それら2つのポジションに設定する時間の平均値を適宜設定することにより達成される。例えば、最大屈曲角度の80%に相当する角度偏移が必要な場合には、前記スラスタ・リアライメント機構を、スラスタ作動期間中の80%の期間は枢動連結部の屈曲角度を最大屈曲角度とし、残りの20%の期間は全く屈曲させないようにすればよい。この方式が可能であるのは、屈曲角度が10°程度、ないしはそれ未満の小さな角度である場合には余弦損失が非常に小さいからである。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構は、前記第1重心点と前記第2重心点との両方を通る直線により規定される中心線上に配設されたヒンジを介して互いに連結された第1プレート及び第2プレートを備えており、該第1プレート及び第2プレートは、それらの機体辺縁側端部が機体に連結されている(即ち前記宇宙航行機ないしは前記電気推進システムを構成しているプレートなどに連結されている)。前記第1及び第2プレートは、それらの機体辺縁側端部がスプリング機構またはモータ駆動型機構に支持されているようにしてもよい。その場合に、前記第1及び第2プレートは、そのスプリング機構またはモータ駆動型機構がいかなる状態にあるときにも傾斜方向は逆方向であるが傾斜角度は同一であるようにしておく。更に、この実施の形態では、少なくとも1基のスラスタが前記第1プレートに取付けられ、少なくとも1基のスラスタが前記第2プレートに取付けられている。前記第1プレートに取付けられているスラスタの個数及び配列と前記第2プレートに取付けられているスラスタの個数及び配列とは互いに同一とする。前記第1プレート及び前記第2プレートの傾斜角度によって、それらスラスタの個々の推力ベクトルの方向を変化させて、それら推力ベクトルが前記第1重心点ないし前記第2重心点を通るようにする。前記宇宙航行機の中心線(中心軸)は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間にある前記ヒンジを通っている。前記第1及び第2プレートが前記宇宙航行機に連結されており、且つ、前記第1プレートと前記第2プレートとがヒンジを介して互いに連結されているため、前記宇宙航行機の中心軸に対する推力ベクトルの傾斜角度を調節することが可能となっている。
他の実施の形態によれば、前記第1及び第2プレートの機体側縁側端部と機体との連結部はそれぞれ回転可能であり、前記ヒンジと機体との間の離隔距離が可変とされている。
本発明の第2の態様によれば、以上に述べた電気推進システムの作動方法が提供され、この作動方法によれば、前記複数基のスラスタの全てが無故障である場合には、前記スラスタ・リアライメント機構を第1ポジションに設定して、前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが第1重心点を通り、且つ、前記複数基のスラスタの全てによる合力が前記第1重心点と前記第2重心点との両方を通るようにし、前記複数基のスラスタのうちのいずれかが故障した場合、及び/または、時間的な所定条件が満足された場合には、前記スラスタ・リアライメント機構を第2ポジションに設定して、前記複数基のスラスタの個々の推力ベクトルが第2重心点を通るように、前記電気推進システムの推力のリアライメントを行う。
更なる好適な実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構を前記第2ポジションに設定するために、前記複数基のスラスタのうちの無故障のスラスタが噴射するイオン・ビームを偏向させる。また、別のひとつの実施の形態によれば、前記スラスタ・リアライメント機構を前記第2ポジションに設定するために、前記複数基のスラスタの機械的な回転を制御する。
以下、添付図面を参照しつつ本発明について更に詳細に説明する。
従来の電気推進システム(EPシステム)を備えた宇宙航行機を示した図であり、全てのスラスタが、推力ベクトルが互いに平行になるように取付けられている。 1基のスラスタが故障したときの、図1の従来のEPシステムを示した図である。 従来のEPシステムを備えた宇宙航行機を示した図であり、複数基のスラスタが、傾斜角度を付けて固定されている。 本発明に係るEPシステムを示した図であり、複数基のスラスタが第1ポジションに維持されている状態を示したものである。 図4の本発明に係るEPシステムを示した図であり、1基のスラスタが故障した状態を示したものである。 図4の本発明に係るEPシステムを示した図であり、複数基のスラスタにリアライメントが施されて第2ポジションに移行した状態を示したものである。 第1の実施の形態に係るスラスタ・リアライメント機構を備えたEPシステムを示した図であり、そのスラスタ・リアライメント機構が第1ポジションにある状態を示したものである。 図7のEPシステムを示した図であり、複数基のスラスタにリアライメントが施されて第2ポジションに移行した状態を示したものである。 第2の実施の形態に係るスラスタ・リアライメント機構を備えたEPシステムを示した図であり、そのスラスタ・リアライメント機構が第1ポジションにある状態を示したものである。 図9のEPシステムを示した図であり、複数基のスラスタにリアライメントが施されて第2ポジションに移行した状態を示したものである。
図1に示したのは宇宙航行機2に用いられる電気推進システム(以下「EPシステム」と称する)の公知例である。宇宙航行機2は初期の重心点3(第1重心点)と、後刻の重心点4(第2重心点)とを有する。宇宙航行機2にはEPシステムのための推進剤が搭載される。初期の重心点である第1重心点3とは、例えば供用開始時点(BoL)などにおける宇宙航行機2の重心点である。後刻の重心点である第2重心点4とは、例えば寿命到達時点(EoL)などにおける宇宙航行機2の重心点である。第1重心点3及び第2重心点4は、宇宙航行機2の中心軸(以下の説明ではこの中心軸を「中心線」と称すことがある)の軸上に位置している。EPシステムは複数基のEPスラスタ10、20(以下、EPスラスタを単に「スラスタ」と称する)から成るスラスタ群を備えており、それらスラスタの個数は偶数である。特に図示例では、EPシステムが2基のスラスタを備えているものを示した。それらスラスタ10、20は各々が個々の推力ベクトル11、21を有する。それらスラスタ10、20は互いに平行に配設されているため、それらスラスタの個々の推力ベクトル11、21もまた、互いに平行である。この構成によれば、2基のスラスタ10、20が共に順調に動作している間は、それらスラスタの推力の合力5は第1重心点3と第2重心点4との両方を通っており、即ち、合力5は宇宙航行機2の中心軸に一致している。更に、いずれのスラスタもが意図した通りに動作している間は、余弦損失(コサイン・ロス)は発生していない。
図2は、図1の構成例においてスラスタ20が故障した場合を示した図である。スラスタ20が故障したことを表すために、このスラスタを破線で描くと共に、その参照符号を20’に替えてある。この故障の結果、スラスタ10だけが推力ベクトル11を有しており、この推力ベクトル11で表される推力がそのまま合力5となっている。この状態にあるときには、合力5が第1重心点3と第2重心点4とのいずれも通っていない。そのため大きなトルクが発生しており、このトルクを何らかの手段で相殺する必要がある。
図3に示したのは、図1とは異なる構成例のEPシステム1である。この構成例では、2基のスラスタ10、20が小さな傾斜角度を付けて固定されている。また、それらの合力5が第1重心点3と第2重心点4との両方を通るようにしてある。2基のスラスタ10、20が共に順調に動作している間は、トルクは発生していない。いずれか1基のスラスタ(例えばスラスタ10)が故障したならば、残りのスラスタ(例えばスラスタ20)の推力21によって、第1重心点3(初期の重心点)を中心とする小さなトルクが発生すると共に、第2重心点4(後刻の重心点)を中心とするそれと逆回転方向の小さなトルクが発生する。2基のスラスタ10、20が共に順調に動作している間は小さな余弦損失が発生しており、一方のスラスタ(例えばスラスタ20)しか動作していないときには余弦損失は発生していない。中心軸の方向に対する各々のスラスタ10、20の傾斜角度は5°程度の小さな角度であるため、2基のスラスタ10、20が共に順調に動作しているときの余弦損失は、無視可能な程度の大きさでしかない。また、2基のスラスタ10、20のうちの一方が故障したときの合力5により発生するトルクは、図2に示したものよりも小さい。
図4に、本発明に係る宇宙航行機2に用いられるEPシステム1を示した。その概要を述べるならば、先ず、第1ポジションにおいては、複数基のスラスタ10、20を傾斜させてそれらスラスタの個々の推力11、21が第1重心点(初期の重心点)3を通るようにしている。このとき、それらスラスタ10、20の推力ベクトル11、21の合力5は第1重心点3と第2重心点(後刻の重心点)4との両方を通っている。また、このとき、小さな余弦損失が発生しており、その余弦損失の大きさは、中心軸に対する個々の推力ベクトル11、21の傾斜角度に応じた大きさとなっている。
第1重心点3は宇宙航行機2の供用開始時点における重心点であるため、供用開始時点からさほどの時間が経過していないときに故障が発生した場合には、図5に示すように、その故障によりトルクが発生することはない。尚、この図5でも、上で説明した図2と同様にスラスタ20が故障した場合を示しており、それを表すためにこのスラスタを破線で描くと共に、その参照符号を20’に替えてある。図5の状態では、リアライメントは行われておらず、残りのスラスタ10の推力がそのまま合力5となっており、この合力5は第1重心点(初期の重心点)3を通っている。余弦損失は発生していない。
一方、スラスタ20の故障が寿命到達時点に近付いてから発生した場合には、そのときの宇宙航行機2の重心は略々第2重心点4に位置しているため、スラスタ10の推力により発生するトルクはより大きなものとなる。そこで、寿命到達時点に近付いてから故障が発生した場合には、どのスラスタが故障したかにかかわらず、全てのスラスタにそれらの傾斜角度を数度変化させるリアライメントを施して第2ポジションへ移行する。このリアライメントを施した状態を示したのが図6である。この第2ポジションにおいては全てのスラスタ10、20の個々の推力ベクトル11、21が第2重心点4を通っている。ここで注意すべきことは、スラスタ20’は故障したままであるため推力を発生しておらず、残りのスラスタ10が発生している推力がそのまま合力5になっていることである。そのためトルクは発生しておらず、また、余弦損失も発生していない。図5に示した第1ポジションから図6に示した第2ポジションへ移行するリアライメントに際してのスラスタの傾斜角度の変化量は、余弦損失をなるべく小さく抑える上で10°未満とするのがよく、5°未満とすればなお好ましい。
スラスタ10、20にリアライメントを施すためのリアライメント動作の起動は、複数基のスラスタのうちのいずれかが故障したとき、及び/または、時間的な所定条件が満足されたときとするとよく、ここでいう時間的な所定条件は、例えば、宇宙航行機2の供用期間中における、この宇宙航行機2の重心点の移動に関連した条件などである。
複数基のスラスタ10、20の個々の推力の方向を変化させるリアライメントは、それらスラスタが噴射するイオン・ビームを偏向させることによっても達成することができ、また、スラスタ10、20それ自体を機械的に回転させることによっても達成することができる。スラスタのイオン・ビームを偏向させるには、磁力または静電気力を利用すればよい。ただし、電気スラスタは、静電場が存在すると機能障害が生じるおそれがあり、特にその起動時の動作が阻害されやすい。静電場による機能障害を避けるのであれば、電磁石または永久磁石を用いることになる。ただし電磁石はかなり大きな電力を必要とし、また高温環境下であることも考慮せねばならない。また、永久磁石に関しては、環境温度が永久磁石のキュリー温度を超えてしまうおそれがあり、そうなったならば永久磁石はもはや磁石として機能しない。これらの事情から、スラスタ10、20それ自体を機械的に回転させる方式が好ましい。
図7〜図10は、本発明におけるスラスタ・リアライメント機構30の基本構成を説明するための図である。図7は第1ポジションにあるスラスタ・リアライメント機構30を示している。図8は第2ポジションにあるスラスタ・リアライメント機構30を示している。図7及び図8に示した第1の実施の形態では、スラスタ・リアライメント機構30は第1プレート31及び第2プレート32を備えている。第1スラスタ10は第1プレート31に結合されており、第2スラスタ20は第2プレート32に結合されている。第1及び第2スラスタ10、20と第1及び第2プレート31、32との結合は、各々のスラスタ10、20の個々の推力ベクトルが、夫々に対応するプレート31、32の板面に対して垂直になるようにしてある。第1及び第2プレート31、32の夫々の機体中心側端部31p、32pは、宇宙航行機2の中心線(中心軸)上に配設されたヒンジを介して宇宙航行機2に連結した構成とすることができる。その中心線(中心軸)は、第1重心点3と第2重心点4との両方を通っている。第1及び第2プレート31、32の夫々の機体辺縁側端部31d、32dは宇宙航行機2の構造部材に連結され、その構造部材は図示例のようにベース・プレート39としてもよく、或いは、宇宙航行機2の機体それ自体としてもよい。また、それら機体辺縁側端部31d、32dの連結は、図示例のようにスプリング34、35を介した連結としてもよく、或いは、モータ駆動式機構(不図示)を介した連結としてもよい。
中央部がヒンジを介して宇宙航行機2に連結されているこのスラスタ・リアライメント機構30の作動方式は、例えば、係止機構(不図示)による係止が解除されたならばスプリング力により作動する方式とすることができる。第2ポジションにあるスラスタ・リアライメント機構を示した図8を見れば明らかなように、第2ポジションにおいてはスプリング34、35のスプリング力が解放されており、それによって、中心軸に対する推力ベクトル11、21の傾斜角度が、図7に示した第1ポジションにおける傾斜角度から変化している。
スラスタ・リアライメント機構30は、その枢動連結部の屈曲動作が非可逆であるように構成するのもよい(図7及び図8の実施の形態を参照のこと)。また、そのように構成する場合には、解除機構を点火機構としてもよく、或いは、破断式の非炸薬型アクチュエータとしてもよい。これらの構成とすることによって、例えばスラスタの故障が発生したときの重心点の移動量を小さく抑えることができる。
図9及び図10は、スラスタ・リアライメント機構30の第2の実施の形態を示した図である。図9は第1ポジションにあるEPシステム1を示しており、図10は第2ポジションにあるEPシステム1を示している。この実施の形態において、第1プレート31及び第2プレート32は、それらの機体辺縁側端部31d、32dが夫々に第1及び第2機体辺縁側ジョイント(ヒンジ)36、37を介して宇宙航行機2に枢動連結されている。それらプレート31、32の機体中心側端部31p、32pの枢動連結部に対向する位置に、ベース・プレート39または宇宙航行機2の機体に取付けられた電磁石などの可逆的アクチュエータ38が配設されている。この電磁石38が付勢されたならば、第1及び第2プレート31、32はこの電磁石38に吸引され、その吸引力が小さなスプリング(不図示)のスプリング力に打ち克つことによって、推力ベクトル11、21の方向が変化する。
図9及び図10に示した構成では、スラスタ・リアライメント機構30の枢動連結部の屈曲動作を可逆的な動作とすることができる。電磁石などの可逆的アクチュエータが消勢されたならば、第1及び第2プレート31、32はスプリング力によって押し戻され、端部ストッパ(図9では不図示とした)により規定されるポジションへ復帰する。
図4〜図10に示した2つの構成例は模式図で示したものであるが、当業者であればそれらの図から容易に理解されるように、それら構成例は、2基のスラスタの間の相対角度を変化させる枢動連結部を屈曲させる二位置安定型機構として構成されている。それらスラスタ・リアライメント機構30のポジションは、常時、高精度で規定されるようにできている。それらスラスタ・リアライメント機構30の枢動連結部を屈曲させるための屈曲トルクは、例えばスラスタ10、20に接続されたケーブルやホースなどによる望ましくない抵抗トルクとは比較にならない十分な大きさとすることができる。
図示した実施の形態に係るスラスタ・リアライメント機構は枢動軸を1本しか持たない単軸型のものであるが、2本以上の枢動軸を有する複軸型のスラスタ・リアライメント機構とすることも可能である。
以上に説明した簡明な構造の二位置安定型の枢動連結機構を装備することで、複数基の小推力のスラスタを用いてデルタブイ軌道マヌーバを実行することができ、しかも、それらスラスタのうちのいずれかが故障した場合に備えて補助的なトルク相殺用のスラスタを装備することが不要となる。そのため、本格的なスラスタ・ポインティング機構を装備する場合と比べて、重量、機構占有空間、組付作業時間、性能試験時間、並びにコストが、いずれも大幅に削減される。
以上に構成例として示したEPシステム1はいずれも、2基のスラスタを備えたものであったが、かかる構成のEPシステム1を、より多数のスラスタを備えたものとすることも可能であり、そのような場合には、それら多数のスラスタをペアにして配設するようにすればよい。
1 電気推進システム(EPシステム)
2 宇宙航行機
3 第1重心点(供用開始時点(BoL)などにおける重心点)
4 第2重心点(寿命到達時点(EoL)などにおける重心点)
5 合力
10 第1スラスタ
11 第1推力ベクトル
20 第2スラスタ
20’ 故障した第2スラスタ
21 第2推力ベクトル
30 スラスタ・リアライメント機構
31 第1プレート
31d 第1プレートの機体辺縁側端部
31p 第1プレートの機体中心側端部
32 第2プレート
32d 第2プレートの機体辺縁側端部
32p 第2プレートの機体中心側端部
33 ジョイント
34 第1スプリング
35 第2スプリング
36 第1機体側縁側ジョイント
37 第2機体側縁側ジョイント
38 磁石
39 ベース・プレート

Claims (15)

  1. 供用期間中の第1時点では第1重心点(3)に重心が位置し、供用期間中の第2時点では前記第1重心点(3)と異なる第2重心点(4)に重心が位置する宇宙航行機に用いられる電気推進システムであって、スラスタ・リアライメント機構(30)と、該スラスタ・リアライメント機構(30)に結合された複数基のスラスタ(10、20)とを備え、該複数基のスラスタ(10、20)の各々が個々の推力ベクトル(11、21)を有する電気推進システムにおいて、
    前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、第1ポジションにおいては前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトル(11、21)が前記第1重心点(3)を通るようにし、第2ポジションにおいては前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトル(11、21)が前記第2重心点(4)を通るように構成されており、
    前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記複数基のスラスタ(10、20)の全てが無故障である場合には前記第1ポジションを維持するように構成されており、
    前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記複数基のスラスタ(10、20)のうちのいずれかが故障した場合、及び/または、時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタ(10、20)にリアライメントを施して前記第2ポジションへ移行するように構成されており、
    前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間の二位置安定型であり、前記第1ポジション及び前記第2ポジションは端部ストッパにより規定されるポジションである、
    ことを特徴とする電気推進システム。
  2. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記複数基のスラスタ(10、20)のうちのひとつまたは幾つかが故障した場合、及び/または、前記時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタ(10、20)の全てにリアライメントを施して前記第1ポジションから前記第2ポジションへ移行するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の電気推進システム。
  3. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記複数基のスラスタ(10、20)のうちのひとつまたは幾つかが故障した場合、及び/または、前記時間的な所定条件が満足された場合には、前記複数基のスラスタのうちのどのスラスタが故障したかにかかわらず、及び/または、前記複数基のスラスタのうちの幾つのスラスタが故障したかにかかわらず、前記複数基のスラスタ(10、20)の全てに等しくリアライメントを施すように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気推進システム。
  4. 前記複数基のスラスタ(10、20)は前記スラスタ・リアライメント機構(30)に結合されており、前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第1ポジションにおいては無故障の前記複数のスラスタ(10、20)の全てによる合力(5)が前記第1重心点(3)と前記第2重心点(4)との両方を通るようにし、且つ、前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトル(11、21)の方向が前記合力(5)の方向に対して第1角度だけ傾斜しているようにするべく構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電気推進システム。
  5. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、リアライメントを行って前記第2ポジションに移行した場合には、前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトルの方向が、前記第1重心点(3)と前記第2重心点(4)との両方を通る直線の方向に対して前記第1角度と異なる第2角度だけ傾斜しているようにするべく構成されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の電気推進システム。
  6. 前記第1角度と前記第2角度との角度差は10°未満であることを特徴とする、
    請求項5記載の電気推進システム。
  7. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第2ポジションへ移行した後に前記第1ポジションへ復帰不能な非可逆的な機構とされている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電気推進システム。
  8. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第2ポジションへ移行した後に前記第1ポジションへ復帰可能な可逆的な機構とされている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電気推進システム。
  9. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記複数基のスラスタ(10、20)のリアライメントを行うための電磁石またはその他の可逆的アクチュエータ機構を備えている、
    ことを特徴とする請求項8記載の電気推進システム。
  10. 前記アクチュエータ機構は、前記複数基のスラスタ(10、20)のリアライメントを行うための二位置安定型のスプリング機構を備えている、
    ことを特徴とする請求項9記載の電気推進システム。
  11. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間で跳躍移動可能とされている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項記載の電気推進システム。
  12. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)は、前記第1重心点(3)と前記第2重心点(4)との両方を通る直線により規定される中心線上に配設されたヒンジを介して互いに連結された第1プレート(31)及び第2プレート(32)を備えており、該第1プレート(31)及び第2プレート(32)は、それらの機体辺縁側端部(31d、32d)が機体(2)に連結されており、少なくとも1基のスラスタ(10)が前記第1プレート(31)に取付けられ、少なくとも1基のスラスタ(20)が前記第2プレート(32)に取付けられ、前記第1ポジションであるか前記第2ポジションであるかに応じて前記中心線に対する前記第1プレート(31)及び前記第2プレート(32)の傾斜角度が変化可能であるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項記載の電気推進システム。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか1項記載の電気推進システムの作動方法において、
    前記複数基のスラスタ(10、20)の全てが無故障である場合には、前記スラスタ・リアライメント機構(30)を前記第1ポジションに設定して、前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトル(11、21)が前記第1重心点(3)を通るようにし、
    前記複数基のスラスタ(10、20)のうちのいずれかが故障した場合、及び/または、時間的な所定条件が満足された場合には、前記宇宙航行機に用いられる電気推進システム(1)の推力のリアライメントを行うために、前記スラスタ・リアライメント機構(30)を前記第2ポジションに設定して、前記複数基のスラスタ(10、20)の個々の推力ベクトル(11、21)が前記第2重心点(4)を通るようにし、
    前記スラスタ・リアライメント機構(30)が前記第1ポジションに設定された時には、前記複数基のスラスタ(10、20)の全てによる合力(5)が前記第1重心点(3)と前記第2重心点(4)との両方を通るようにする
    ことを特徴とする方法。
  14. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)を前記第2ポジションに設定するために、前記複数基のスラスタ(10、20)のうちの無故障のスラスタが噴射するイオン・ビームを偏向させることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記スラスタ・リアライメント機構(30)を前記第2ポジションに設定するために、前記複数基のスラスタ(10、20)の機械的な回転を制御することを特徴とする請求項13記載の方法。
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