JP6826944B2 - 魚掴み器 - Google Patents

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本発明は、魚の口を掴むための魚掴み器に関する。
釣った魚の口を掴むための魚掴み器として、例えば下記特許文献1所載のものが公知である。該魚掴み器では、バネが狭持部材を開き方向に付勢していて、狭持部材の握り部をバネの付勢力に抗して強く握ることで狭持部材を閉じて魚の口を掴むことができる。そして、ロック手段としてのロックピンを差し込むことで、狭持部材の閉じ状態をロックピンによって維持する構成となっており、手で狭持部材の握り部を強く握り続けなくてもロックピンによって狭持部材の閉じ状態を維持することができる。しかしながら、狭持部材の握り部をバネの付勢力に抗して強く握った状態で更にロックピンを挿入するという操作が必要であり、操作が複雑である。
また、下記特許得文献2所載の魚掴み器も同様に、回動する構成のレバーをバネの付勢力に抗して強く握ることで刃が閉じる構成となっている。そして、レバーをバネの付勢力に抗して握った状態でねじを回転操作してねじ込むことで、レバーの閉じた状態が保持されて刃の閉じ状態が維持できるようになっている。しかしながら、この魚掴み器においてもレバーをバネの付勢力に抗して強く握った状態でねじを回転操作してねじ込むことが必要であり、操作が複雑である。
一方、下記特許文献3,4所載の魚掴み器では、操作具を引き上げ操作することで可動歯が開くようになっている。この魚掴み器では、可動歯はバネによって閉じ側に付勢されており、使用者はバネの付勢力に抗して操作具を引き上げることになる。従って、可動歯が開いた状態を維持するためには、使用者はバネの付勢力に抗して操作具を引き上げ続ける必要がある。釣り上げた魚は暴れることが多く、口を簡単には開かなかったりもするため、魚の口を瞬時に可動歯で掴むことは容易ではないが、そのような状況において使用者は強いバネの付勢力に抗して操作具を引き続ける必要があって、大きな労力が必要である。
また、下記特許文献5所載の魚掴み器では、作動部材を後側に引くのではなく前側に押すことで一対の狭持部材が開く構成が記載されている。この魚掴み器では、作動部材はバネによって後側に付勢されている。従って、狭持部材が開いた状態を維持するためには、使用者はバネの付勢力に抗して作動部材を押し続ける必要があり、やはり大きな労力を伴う。
特開2002−45098号公報 実開平5−78号公報 特開2008−283915号公報 特開2010−4816号公報 特開2011−30539号公報
それゆえに本発明は、簡単な操作で魚の口を掴むことができる魚掴み器を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る魚掴み器は、魚の口を掴むための魚掴み器であって、少なくとも一方が可動歯であって魚の口を掴むべく開閉する一対の掴み歯と、第一の位置と第二の位置との間を移動可能な操作部材とを備え、操作部材が第一の位置に位置する状態では一対の掴み歯は開状態にあって操作部材が第二の位置に位置する状態では一対の掴み歯は閉状態にあり、操作部材における第一の位置と第二の位置との間の途中位置を境にして付勢方向が反転するバネを備えており、第一の位置側においてはバネは操作部材に第一の位置側への付勢力を付与し、第二の位置側においてはバネは操作部材に第二の位置側への付勢力を付与することを特徴とする。
該構成の魚掴み器において一対の掴み歯を開いた状態から閉じた状態とする場合、使用者は、操作部材を第一の位置から第二の位置側に向けて操作する。操作部材が途中位置に対して第一の位置側に位置しているとき、バネは操作部材を第一の位置側に付勢する。そのため、使用者はバネの付勢力に抗して操作部材を途中位置まで操作することになる。操作部材が途中位置を越えて第二の位置側に位置すると、バネの付勢方向が反転して、バネは操作部材を第二の位置側に付勢する。従って、操作部材が途中位置を第二の位置側に越えると、使用者は操作部材をバネの付勢力に抗して強い力で操作して第二の位置側に移動させる必要がなく、また、操作部材を強い力で第二の位置に保持し続ける必要がない。逆に、一対の掴み歯を閉じた状態から開いた状態とする場合、使用者は、操作部材を第二の位置から第一の位置側に向けて操作する。その際にもバネの付勢方向が途中位置を境にして反転するので、使用者は途中位置まではバネの付勢力に抗して操作部材を操作することになるが、それ以降は操作部材をバネの付勢力に抗して強い力で操作して第一の位置側に移動させる必要がなく、また、操作部材を強い力で第一の位置に保持し続ける必要がない。そして、一対の掴み歯を閉じる場合と開く場合の何れの場合においても、使用者が自らの意思で操作部材を途中位置まで操作させることが必要であり、使用者の意思に反してバネが一対の掴み歯を閉じたり開いたりするということがない。
特に、バネは、二つのアーム間の開き角度を変化させる構成の捻りバネであり、バネは、操作部材の移動に伴って相対的に回動する二つの部材間に配置されて、バネの第一のアームが一方の部材に回動可能に連結され且つバネの第二のアームが他方の部材に回動可能に連結されていることが好ましい。該構成では、バネは、操作部材の移動に伴って、第一のアームと一方の部材との連結箇所を支点として回動することができると共に第二のアームと他方の部材との連結箇所を支点としても回動することができる。そのため、操作部材の途中位置においてバネが回動しつつその付勢方向を容易に反転できる。
また、一対の掴み歯は前端部に設けられ、操作部材は一対の掴み歯に対して後側に位置しており、操作部材の第一の位置は相対的に前側にあって第二の位置は相対的に後側にあり、操作部材を後側に引くことにより、操作部材が第二の位置となって一対の掴み歯が閉状態となることが好ましい。このように操作部材を後側に引く操作によって一対の掴み歯が閉状態となると、操作部材を前側に押す操作によって一対の掴み歯が閉状態となる構成に比して、使用者の自然な感覚により一層近く、違和感が少なくなる。また、開いた状態の一対の掴み歯がバネの付勢力によって勝手に閉じ始めるのではなく、使用者が操作部材を第一の位置から第二の位置側に向けて操作開始することによって一対の掴み歯が閉じ始めるので、使用者の意思が確実に反映される。即ち、一対の掴み歯がバネの付勢力によって強制的に閉状態になる構成においては、使用者が操作部材から手を離すとバネの付勢力によって一対の掴み歯が自動的に閉状態となる。そのため、例えば使用者の手が滑ったりした場合には一対の掴み歯が不意に閉状態となって魚の口を掴み損ねるおそれがある。これに対して、使用者が操作部材を後側に引くことによって一対の掴み歯が閉状態となるので、使用者の意思に基づいて一対の掴み歯を閉状態とすることができ、魚の口を確実に掴むことができる。
更に、操作部材の後側に把持部を備えており、操作部材は、把持部を把持した手の指で引き操作を行うことができる指掛け部と、把持部を把持した手の指で押し操作を行うことができる押し部とを備えていることが好ましく、把持部を把持した手で引き操作と押し操作を行うことができ、片手操作で済む。
特に、把持部を把持した手の人差し指で指掛け部を後側に引き、把持部を把持した手の親指で押し部を前側に押す構成とされていると、把持部を把持した手の人差し指と親指によって引き操作と押し操作のそれぞれを容易に行うことができ、操作性がより一層向上する。
また、一対の掴み歯の開閉動作と操作部材の移動動作とを連動させる伝動機構を備え、操作部材が第二の位置に位置する状態では一対の掴み歯は開き方向への移動が規制され、操作部材が第一の位置に向けて操作されることにより一対の掴み歯の開き方向への移動規制が解除されることが好ましく、魚が暴れても魚の口を確実に掴み続けることができる。
特に、操作部材はリンク機構を構成しており、該リンク機構は四節リンク機構の近似直線運動機構であって、操作部材は第一の位置と第二の位置との間を近似直線運動を行うことが好ましく、より一層スムーズに操作部材を操作できる。
以上のように、操作部材における第一の位置と第二の位置との間の途中位置でバネの付勢方向が反転するので、使用者が操作部材を強い力で第一の位置や第二の位置に保持し続ける必要がない。従って、簡単な操作で魚の口を掴むことができる。
本発明の第一の実施形態における魚掴み器の開状態を示す正面図。 同魚掴み器の途中状態を示す正面図。 同魚掴み器の閉状態を示す正面図。 同魚掴み器を載置した状態を示す正面図。 同魚掴み器に用いられているバネを示す斜視図。 本発明の第二の実施形態における魚掴み器の開状態を示す正面図。 同魚掴み器の途中状態を示す正面図。 同魚掴み器の閉状態を示す正面図。 本発明の第三の実施形態における魚掴み器の閉状態を示す要部正面図。 同魚掴み器の閉状態を示す要部正面図であって、操作部材を第二の位置から第一の位置側に移動させている途中の状態を示す。 同魚掴み器の閉状態を示す要部正面図であって、操作部材を第二の位置から第一の位置側に移動させている途中の状態を示す。 同魚掴み器の開状態を示す正面図。 本発明の第四の実施形態における魚掴み器の開状態を示す正面図。 同魚掴み器の閉状態を示す正面図。
<第一の実施形態>
以下、本発明の第一の実施形態に係る魚掴み器について図1〜図5を参酌しつつ説明する。本実施形態における魚掴み器は、本体1と、魚の口を掴むための一対の掴み歯2,3と、本体1に対して移動可能に設けられた操作部材4と、本体1と操作部材4にそれぞれ回動可能に連結された揺動カム5及び後リンク6と、一対の掴み歯2,3及び操作部材4に付勢力を付与するバネ7とを備えている。操作部材4は、一対の掴み歯2,3を開閉させるために操作されるものであって、操作部材4と一対の掴み歯2,3は伝動機構によって連動し、本実施形態において伝動機構はカム機構とリンク機構とから構成されている。
魚掴み器は、前端部に設けられた一対の掴み歯2,3によって魚の口を掴むものであって、魚の口の下顎あるいは上顎を一対の掴み歯2,3で掴むものである。図1は一対の掴み歯2,3が最大に開いた状態即ち開状態を示し、図3は一対の掴み歯2,3が閉じた状態即ち閉状態を示し、図2は開状態と閉状態との間の途中状態であって後述するバネ7の付勢方向が反転するときの境界状態を示している。
魚掴み器は、全体として前後方向に長い本体1を備えており、その本体1の前端部に一対の掴み歯2,3が設けられていると共にその後端部には把持部12が設けられている。本体1の長手方向を前後方向とし、一対の掴み歯2,3が位置する側を前側とし、把持部12が位置する側を後側とする。また、一対の掴み歯2,3の開閉方向を上下方向とし、一対の掴み歯2,3が開閉する面に対して法線方向を左右方向とする。一対の掴み歯2,3は双方共に可動する構成の可動歯であってもよいが、本実施形態ではそのうちの一方のみが可動歯であって他方は可動しない固定歯として構成されている。即ち、一方の掴み歯が本体1に対して可動する可動歯であって他方の掴み歯が本体1に対して可動せずに固定の構成とされた固定歯とされている。そして、固定歯側を上側とし可動歯側を下側として以下説明する。
<上側の掴み歯2>
固定歯である上側の掴み歯2は、本体1の前端部の上部に設けられている。該上側の掴み歯2は、本体1と別体の構成とされてネジ等によって本体1に取り付けられた構成であってもよいし、本体1と一つの部材として一体的に形成された構成であってもよく、本実施形態では後者の構成即ち本体1と一体的に形成された構成とされている。上側の掴み歯2はその基端部(後端部)から先端部2a(前端部)にかけて上側に向けて湾曲した形状となっており、その先端部2aは下側を向いている。
<本体1>
本体1は前後方向の中央部に位置する主部と、該主部から前側に伸びる上側の掴み歯2と、主部から後側に延びる把持部12とを備えている。主部は、上下方向の寸法が大きい前側主部10と、該前側主部10よりも上下方向の寸法が小さい後側主部11とから構成されている。前側主部10の上面と後側主部11の上面は段差なく前後方向に滑らかに連続している。一方、前側主部10の下面に対して後側主部11の下面は一段上側に位置しており、その結果、後側主部11は前側主部10に対して上下方向の寸法が小さくなっている。把持部12は後側主部11から後側に向けて延びている。把持部12の上面と後側主部11の上面は段差なく前後方向に滑らかに連続している一方、把持部12の下面は後側主部11の下面に対して一段下側に位置しており、従って、把持部12は後側主部11よりも上下方向の寸法が大きい。把持部12は後側に向けて下側となるように傾斜している。また、前側主部10から把持部12にかけて全体として上側凸に湾曲した形状となっている。
<下側の掴み歯3>
可動歯である下側の掴み歯3はその基端側に位置する第一の回動支軸20を支点として上下に回動する構成となっている。第一の回動支軸20は本体1に取り付け固定されている。第一の回動支軸20は前側主部10の前端部近傍に位置している。第一の回動支軸20は左右方向に沿っており、従って、下側の掴み歯3は左右方向の軸線まわりに所定角度範囲内で上下に回動する。下側の掴み歯3の全体のうち第一の回動支軸20よりも前側に延びた部分を歯主部30と称することとする。下側の掴み歯3の歯主部30は上側の掴み歯2と上下対称形状となっていて、基端部から先端部3aにかけて下側に向けて湾曲した形状となっており、その先端部3aは上側を向いている。
上側の掴み歯2の先端部2aと下側の掴み歯3の先端部3aは、一対の掴み歯2,3が閉状態、即ち、下側の掴み歯3が上側に回動して閉じた状態において、互いに上下に対向すると共に互いに接触する。上側の掴み歯2と下側の掴み歯3は閉状態において互いの先端部2a,3aのみが当接し他の部分は離間した状態にある。上側の掴み歯2の先端部2aの下面と下側の掴み歯3の先端部3aの上面は何れも平面となっていて、それぞれが当接面となって互いに上下に面接触する。閉状態において上側の掴み歯2の先端部2aと下側の掴み歯3の先端部3aが当接した当接箇所と正面視において同一線上に第一の回動支軸20が位置する。但し、上側の掴み歯2の先端部2aの下面と下側の掴み歯3の先端部3aの上面は平面ではなく前後方向に湾曲した曲面であってもよい。何れにしても、図3のような閉状態の正面視において、上側の掴み歯2と下側の掴み歯3の先端部2a,3a同士の当接部分と第一の回動支軸20の中心とを結ぶ直線を基準線8としたとき、この基準線8に対して上側の掴み歯2と下側の掴み歯3の歯主部30は上下に略対称形状となっている。尚、この基準線8が前後方向に水平となる姿勢を基準姿勢とする。上側の掴み歯2の先端部2aと下側の掴み歯3の先端部3aにはそれぞれ後側に向けてフック状に突起が突設されていて、上側の掴み歯2の先端部2aと下側の掴み歯3の先端部3aは魚の口の顎に引っ掛かりやすい形状となっている。下側の掴み歯3は、閉状態から下側に向けて開き、その角度は例えば30〜90度である。
下側の掴み歯3の歯主部30の基端側であってその下面にはフォロアー部31が後側に向けて突出している。該フォロアー部31は図3のような閉状態において後側に向けて略水平に突出していて、閉状態において第一の回動支軸20の略下側に位置する。フォロアー部31は左右方向の軸線を有する円柱形状であり、従って、その先端面(後端面)は左右方向に沿った中心線を有して所定角度で周回する周面となっている。また、下側の掴み歯3は、第一の回動支軸20から後側に向けて延伸した延伸腕部32を備えている。該延伸腕部32は第一の回動支軸20から後側に向けて上側に膨出するように湾曲しつつ延びている。そして、延伸腕部32の後端部には下側且つ前側に傾斜しつつ突出したストッパー突部33が突設されている。
第一の回動支軸20に対して後側且つ下側に離れた位置に第二の回動支軸21が設けられている。該第二の回動支軸21も第一の回動支軸20と同様に本体1に取り付け固定されていて、左右方向の軸線を有している。本体1の前側主部10の前部下面には下側に向けて膨出部13が膨出形成されており、該膨出部13に第二の回動支軸21が取り付け固定されている。
<揺動カム5>
揺動カム5は第二の回動支軸21に回動可能に支持されている。揺動カム5はリンク機構を構成する構成部材であって、第一のリンクとして機能している。揺動カム5は第二の回動支軸21を支点として所定角度範囲内で回動する。揺動カム5は、カム部50とリンク部51とを有している。閉状態において、カム部50は前側に位置し、リンク部51は後側に位置していて、カム部50とリンク部51とは略180度反対側に位置する。
カム部50は全体として左右方向を板厚方向とする薄肉状あるいは厚肉状の板状であって、その周面の前部には第二の回動支軸21をカムの回転中心とする板カムとしてのカム面が形成されている。カム面には下側の掴み歯3のフォロアー部31が当接する。下側の掴み歯3はバネ7によって開き方向に常時付勢されているので、フォロアー部31はカム面に常に当接した状態となっている。尚、カム面とフォロアー部31との接点と第一の回動支軸20とを結ぶ直線と、カム面とフォロアー部31との接点と第二の回動支軸21とを結ぶ直線との間の角度は直角あるいは直角に近い角度であって、フォロアー部31がカム面を押す力によって揺動カム5が事実上回転しない程度の角度である。
カム面は、第二の回動支軸21を中心とした第一カム面52と第二カム面53を有している。第一カム面52は相対的に半径が小さくて凹面状であり、第二カム面53は相対的に半径が大きくて凸面状である。図3のような正面視において、第一カム面52は第二の回動支軸21の下側に位置し、第二カム面53は第二の回動支軸21の前側に位置する。第一カム面52は第二カム面53に対して半径が急激に小さくなった領域であって、図1のような開状態においてフォロアー部31が係合する。従って、第一カム面52はフォロアー部31に対応してそれに係合する凹形状となっており、フォロアー部31は第一カム面52に対応してそれに係合する凸形状となっている。第二カム面53には図3のような閉状態においてフォロアー部31が当接する。第二カム面53は、時計回りに徐々に半径が大きくなる形状である。図2のような境界状態では第一カム面52と第二カム面53との間の境界部分にフォロアー部31が当接する。
第二カム面53の時計回りの進み側には半径が急に大きくなった頂上部54が形成されている。図1のような開状態において頂上部54の径方向外側には、下側の掴み歯3のストッパー突部33の先端部が僅かな距離で離間して対峙する。図1のような開状態において下側の掴み歯3に閉じ側への外力が作用した場合、下側の掴み歯3のみが第一の回動支軸20を支点として時計回りに僅かに回動するが、僅かな角度で回動すると、下側の掴み歯3のストッパー突部33の先端部が揺動カム5の頂上部54に当接するので、下側の掴み歯3のそれ以上の閉じ側への回動は阻止される。尚、図3のような閉状態において下側の掴み歯3のストッパー突部33の先端部は揺動カム5の側面に当接するか僅かな隙間を介して対峙する。
揺動カム5のリンク部51は細い幅で第二の回動支軸21から径方向外側に向けて延びている。リンク部51は、閉状態において第二の回動支軸21に対して若干下側に傾斜した状態で後側に向けて延びている。
<操作部材4>
操作部材4は、第一の連結支軸22を介して揺動カム5と回動可能に連結されている。詳細には、揺動カム5のリンク部51の先端部2aと操作部材4の前端部とが第一の連結支軸22を介して回動可能に連結されている。第一の連結支軸22は第一の回動支軸20や第二の回動支軸21と同様に左右方向の軸線を有している。操作部材4はリンク機構を構成する構成部材であって、第二のリンクとして機能している。操作部材4は、図1のような開状態においては、移動範囲のうち最も前側の位置である第一の位置に位置し、図2のような閉状態においては、移動範囲のうち最も後側の位置である第二の位置に位置する。そして、操作部材4は本体1に対して第一の位置と第二の位置との間を前後に移動可能となっている。
操作部材4は、図3のような正面視において全体としてL字状であって、前後方向に延びる連結腕部40と、連結腕部40の後端部の後側に延設されて連結腕部40の後端部に対して上側に略直角に折れ曲がって延びる操作部41とを備えている。連結腕部40は本体1の下側に位置している。連結腕部40の前端部が第一の連結支軸22によってリンク部51の先端部と回動可能に連結されている。尚、図示しないが、連結腕部40の前端部は左右に二股状に分岐している構成であることが好ましく、その左右の間にリンク部51の先端部が位置するように構成することが好ましい。
操作部41の下部には、指掛け部として、指掛け孔42が形成された指環部43が設けられている。該指環部43の指掛け孔42には人差し指を入れることができて、操作部材4を後側に引き操作することができる。指掛け孔42は後側主部11よりも下側に位置しており、そのため指掛け孔42に挿入した指は後側主部11には干渉しない。指環部43の下部即ち操作部41の下端部は連結腕部40よりも下側に膨出している。
操作部41の上部には上方延在部44が設けられている。上方延在部44は、指環部43の上部から上側に向けて延びている。尚、上方延在部44は上側に向けて徐々に前後方向の寸法が小さくなった先細り形状とされているが、寸法一定で上側に延びていてもよい。操作部41の上部即ち上方延在部44の上部は後側主部11の上面よりも上側に突出しており、後側主部11から上側に突出した操作部41の突出部45を前側に押し操作することができる。詳細には、突出部45の後面45aを親指で前側に押すことができ、本実施形態において、突出部45の後面45aが押し部として構成されている。
<後リンク6>
後リンク6は、第二の連結支軸23を介して操作部材4に回動可能に連結されている。詳細には、後リンク6の下端部と操作部材4の連結腕部40の後端部とが第二の連結支軸23を介して回動可能に連結されている。第二の連結支軸23は左右方向の軸線を有する。操作部材4の操作部41は第二の連結支軸23よりも後側に延長された部分となっている。後リンク6は、リンク機構を構成する構成部材であって、第三のリンクとして機能している。後リンク6は、その上端部において第三の回動支軸24を支点として本体1に回動可能に連結されている。本体1は、リンク機構を構成する構成部材であって、第四のリンクとして機能している。第三の回動支軸24も左右方向に沿っていて本体1に取り付け固定されており、詳細には、本体1の前側主部10の後端部近傍に位置していて、第一の回動支軸20よりも若干下側に位置している。後リンク6は第三の回動支軸24を支点として前後に揺動するように所定角度範囲内で回動し、図3のように閉状態では最も後側に回動した状態となり、図1のように開状態では最も前側に回動した状態となる。後リンク6は、閉状態では上下方向に沿った垂直姿勢に対して後側に小さい角度で傾斜した姿勢となり、開状態では上下方向に沿った垂直姿勢に対して前側に小さい角度で傾斜した姿勢となる。
<四節リンク機構>
このように第一の回動支軸20、第二の回動支軸21、第三の回動支軸24、第一の連結支軸22、及び第二の連結支軸23は全て左右方向の軸線を有しており、互いに平行である。従って、本体1、下側の掴み歯3、揺動カム5、後リンク6、及び操作部材4は、全て左右方向の軸線まわりに同一平面上を相対的に回動する。そして、本体1と揺動カム5と後リンク6と操作部材4は四節リンク機構を構成している。該四節リンク機構は近似直線運動機構であり、操作部材4が第一の位置と第二の位置との間を移動する際、操作部材4の操作部41は近似直線運動する。尚、第一の回動支軸20と第一の連結支軸22との間の距離は、第二の回動支軸21と第二の連結支軸23との間の距離よりも小さい。また、四節リンク機構と、揺動カム5のカム面とフォロアー部31とから構成されるカム機構とにより、下側の掴み歯3の開閉動作と操作部材4の移動動作とを連動させるための伝動機構が構成されている。
<バネ7>
下側の掴み歯3と揺動カム5との間にバネ7が配置されている。図5のように、バネ7は、捻りバネであって、円筒部70から延びた二つのアーム71,72を有していて、該二つのアーム71,72間の開き角度(アーム角)を小さくすることでバネ7の付勢力を発揮する圧縮型のバネである。即ち、アーム角が小さくなる方向が圧縮方向である。第一のアーム71の先端部71aと第二のアーム72の先端部72aとを結ぶ直線の延長方向にバネ7の付勢力が作用する。第一のアーム71は円筒部70の一端部から接線方向に延びていて第二のアーム72は円筒部70の他端部から接線方向に延びており、それぞれの先端部71a,72aは円筒部70の中心線の方向に向けて互いに逆向きで略直角に折り曲げられている。尚、本実施形態においてバネ7は右巻きタイプであるが左巻きタイプであってもよい。バネ7はその円筒部70の中心線が左右方向となるようにして配置されている。従って、バネ7の円筒部70と第一の回動支軸20等とは略平行関係にある。また、バネ7の円筒部70は本体1と揺動カム5のカム部50との間に介在している。
バネ7のアーム角はフリー状態において90度〜180度であって本実施形態では135度である。図3のような閉状態において、バネ7のアーム角は略90度であって、図1のような開状態においてはバネ7のアーム角は略100度であり、何れも圧縮状態にある。そして、図2のような境界状態においてはバネ7のアーム角は略70度であって最小となっていて最も圧縮された状態にある。
図3の閉状態において、第一のアーム71は円筒部70から前側且つ上側に延びていてその先端部は左右方向の奥側に折り曲げられており、第二のアーム72は円筒部70から下側且つ前側に延びていてその先端部は左右方向の手前側に折り曲げられている。第一のアーム71の先端部71aは下側の掴み歯3の延伸腕部32に形成された連結孔34に挿入されてその連結孔34を支点として回動可能である。第二のアーム72の先端部72aは揺動カム5のカム部50に形成された連結孔55に挿入されてその連結孔55を支点として回動可能である。より詳細には、下側の掴み歯3の連結孔34は延伸腕部32の基端部即ち第一の回動支軸20の近傍に左右方向に沿って貫通して形成されている。揺動カム5の連結孔55は、第二の回動支軸21と第一の連結支軸22とを結ぶ直線の延長線上に左右方向に沿って貫通して形成されている。従って、揺動カム5の連結孔55と第二の回動支軸21と第一の連結支軸22は一直線状に位置している。また、第一のアーム71の先端部71aが下側の掴み歯3の連結孔34に回転可能に支持されていることから、バネ7は下側の掴み歯3の連結孔34を支点として下側の掴み歯3に対して相対的に回動可能である。同様に、第二のアーム72の先端部72aが揺動カム5の連結孔55に回転可能に支持されていることから、バネ7は揺動カム5の連結孔55を支点として揺動カム5に対して相対的に回動可能である。
バネ7は圧縮状態で配置されているため、閉状態、開状態に関わらず下側の掴み歯3を常に開き方向に付勢している。従って、下側の掴み歯3のフォロアー部31はバネ7の付勢力によって常に揺動カム5のカム面に押し付けられることになる。一方、バネ7は揺動カム5にも回転力を付与する。バネ7は、図3に示す閉状態では揺動カム5を反時計回りに付勢する。従って、閉状態においては操作部材4は揺動カム5を介してバネ7によって第二の位置側に付勢されることになる。図1に示す開状態では、バネ7は揺動カム5を時計回りに付勢する。従って、開状態においては操作部材4は揺動カム5を介してバネ7によって第一の位置側に付勢される。そして、図2に示す境界状態では、第一のアーム71の先端部71a(連結孔34)と第二のアーム72の先端部72a(連結孔55)と第二の回動支軸21と第一の連結支軸22が一直線状に並んだ状態となる。そのため、境界状態では、バネ7は揺動カム5を第二の回動支軸21側に押すことになって揺動カム5に回転力を与えない。従って、境界状態においては操作部材4はバネ7によって第一の位置側、第二の位置側の何れにも付勢されない。このように図2の境界状態を境にして、操作部材4が揺動カム5を介してバネ7から付勢される方向が逆転する。
<使用状態>
次に魚掴み器の使用について説明する。図1のような開状態においては操作部材4は前側の位置である第一の位置に位置している。バネ7は揺動カム5を時計回りに付勢していて、揺動カム5に連結された操作部材4は前側に付勢されている。従って、操作部材4から手を離しても、操作部材4は第一の位置に留まっていて第二の位置側には移動しない。また、下側の掴み歯3はバネ7によって開き方向に付勢されているので、操作部材4から手を離した状態であっても、一対の掴み歯2,3の開状態は維持されている。このような開状態で把持部12を例えば右手で把持して、上側の掴み歯2を魚の口の中に差し込んで下顎の内側に位置させ、下側の掴み歯3を下顎の外側に位置させる。
一対の掴み歯2,3を閉状態とするには、把持部12を右手で把持している場合にはその右手の人差し指を指掛け孔42に挿入して操作部材4を手前に引くように操作する。即ち、操作部材4を第一の位置側から第二の位置側に向けて移動させる。操作部材4を図1の第一の位置から図2の途中位置まで引くまでの間は、揺動カム5がバネ7によって時計回りの付勢力を受けていて操作部材4が第一の位置側に付勢されているので、そのバネ7による付勢力に抗して操作部材4を第一の位置から途中位置まで引き寄せる。操作部材4を第一の位置から途中位置まで引くことによって、フォロアー部31が揺動カム5のカム面によって押され、下側の掴み歯3はバネ7の付勢力に抗して閉じ方向に回動していく。このように操作部材4が第一の位置から途中位置まで移動することに伴って、揺動カム5は反時計回りに回転し、下側の掴み歯3は閉じ方向に回動する。従って、操作部材4が第一の位置から途中位置まで移動する間、下側の掴み歯3の連結孔34と揺動カム5の連結孔55との間の距離が徐々に小さくなって、バネ7のアーム角は徐々に減少し、バネ7は圧縮していく。尚、操作部材4が第一の位置から途中位置まで移動することで下側の掴み歯3はその許容回動範囲のうち半分を越えて閉じ方向に回動する。
操作部材4を引いて途中位置まで移動させると、図2の境界状態となる。そして、操作部材4を途中位置よりも第二の位置側に僅かに移動させると、バネ7は揺動カム5を反時計回りに付勢し始める。従って、途中位置を越えて操作部材4を引き操作することは不要となり、バネ7の付勢力によって揺動カム5は自動的に反時計回りに回動し、操作部材4は自動的に後側に移動する。従って、使用者は操作部材4を第一の位置から途中位置まで引き操作すれば足り、その後は引き操作を行う必要がない。但し、使用者が補助的に軽い力で操作部材4を引いて操作部材4の第二の位置側への移動を手助けしてもよい。
揺動カム5が反時計回りに回動することでフォロアー部31が揺動カム5の第二カム面53上を摺動し、第二カム面53の半径が徐々に大きくなっていくことで、下側の掴み歯3はバネ7の付勢力に抗して閉じ方向に回動して図3のような閉状態となる。また、揺動カム5が反時計回りに回動することで操作部材4は自動的に第二の位置まで移動する。このように操作部材4を途中位置まで引き操作することで自動的に一対の掴み歯2,3が閉状態となり、一対の掴み歯2,3で魚の口の下顎を狭持することができる。
図3の閉状態は魚の口の例えば下顎を掴んだ状態である。その閉状態において下側の掴み歯3が開き方向に回動しようとしても、下側の掴み歯3のフォロアー部31が揺動カム5の第二カム面53を第二の回動支軸21に向けて略径方向に押すことになるので、下側の掴み歯3のフォロアー部31と揺動カム5の第二カム面53とが互いに突っ張った状態となり、下側の掴み歯3は開き方向に回動することができない。従って、魚の口を掴んだ状態で魚が暴れたりしても下側の掴み歯3は回動せず一対の掴み歯2,3は閉じた状態を維持する。そのため使用者は、操作部材4を引き続ける必要がなく、ロックピン等のロック手段も不要である。また、バネ7によって揺動カム5が反時計回りの回転力を与えられていることから、操作部材4も第二の位置側に付勢されており、操作部材4が使用者の意思に反して前側に勝手に移動することはなく、第二の位置に位置し続ける。
尚、図4のように閉状態の魚掴み器を水平な場所に載置した場合、その載置面100には前後二箇所で接地することになる。前側の接地箇所は下側の掴み歯3であり、後側の接地箇所は把持部12の後端部である。そして、載置面100に前後二箇所で接地したとき、魚掴み器は全体として上側に湾曲した形状となっており、操作部材4は載置面100から上側に離間した状態となる。そのため操作部材4に他の部材が当たりにくく、閉状態が維持される。
図3の閉状態から図1の開状態に移行する場合、即ち、一対の掴み歯2,3で魚の口を掴んだ状態から魚を解放する場合には、把持部12を把持した例えば右手の親指で操作部材4の突出部45の後面45aを前側に押す。操作部材4を押して第二の位置から途中位置まで前進させるが、その間は、揺動カム5がバネ7によって反時計回りの付勢力を受けていて操作部材4が第二の位置側に付勢されているので、そのバネ7による付勢力に抗して操作部材4を第二の位置から途中位置まで押すことになる。
操作部材4を第二の位置から前側に押すことで、下側の掴み歯3の回動規制が解除され、下側の掴み歯3はバネ7の付勢力によって開き方向に回動していく。そして、操作部材4が途中位置を前側に越えると、バネ7が揺動カム5を時計回りに付勢し始めるので、その後は揺動カム5は自動的に時計回りに回動して操作部材4は自動的に第一の位置に到達する。この場合も補助的に親指で操作部材4を軽く押してもよい。
図1の開状態ではバネ7が揺動カム5に時計回りの付勢力を付与していて操作部材4が第一の位置側に付勢された状態にある。そのため、操作部材4から手を離しても操作部材4はそのまま第一の位置に位置し続ける。従って、使用者は開状態を維持するために操作部材4を前側に押し続ける必要がなく、魚の口から一対の掴み歯2,3を容易に抜いて外すことができる。また、一対の掴み歯2,3をそのまま開いた状態としておくこともでき、次に釣り上げた魚の口に上側の掴み歯2を差し込む場合も、操作部材4を前側に押し続ける必要がなく、差し込む作業に専念できる。
以上のように、操作部材4の第一の位置と第二の位置との間の途中位置を境にしてバネ7の付勢方向が第一の位置側から第二の位置側へと反転するので、第一の位置から第二の位置までの全区間において使用者がバネ7の付勢力に抗して操作部材4を移動操作する必要がない。途中位置からバネ7の付勢方向が反転して操作に要する力が不要又は減少するので、楽に操作を行うことができる。しかも、使用者がバネ7の付勢力に抗して操作部材4を第一の位置や第二の位置に保持し続ける必要がなく、操作部材4から手を離すことができる。このように使用者は、操作部材4を第一の位置や第二の位置に保持することから解放されることになる。更に、一対の掴み歯2,3を開状態にしたり閉状態にしたりするためには、使用者が自らの意思で操作部材4を途中位置まで操作することが必要であるため、使用者の意思に反してバネ7が勝手に一対の掴み歯2,3を閉じたり開いたりするということがなく、操作の確実性が担保される。特に、釣りの現場で手が濡れていて滑りやすいような状況や暗い状況において効果が大きい。
また、バネ7が捻りバネであるため、相対的に回動する部材間に配置しやすく、付勢方向をスムーズに反転させることができる。特に、バネ7の第一のアーム71の先端部71aと第二のアーム72の先端部72aがそれぞれ下側の掴み歯3と揺動カム5に回動可能に連結されているので、バネ7が第一のアーム71の先端部71aや第二のアーム72の先端部72aを支点として回動でき、スムーズな反転動作が可能になる。更に、可動歯である下側の掴み歯3と揺動カム5との間にバネ7が介在されていて、下側の掴み歯3をバネ7が開き方向に付勢する構成となっているので、一つのバネ7で操作部材4を付勢すると共に下側の掴み歯3も付勢することができる。
また、操作部材4を手前に引くことで閉状態となるので、一般的な鋏を操作する感覚に近く、自然な操作が可能になる。しかも、把持部12を把持した手で操作部材4を操作できるので片手操作が可能である。また、把持部12を把持した手の人差し指で操作部材4の引き操作を行い、同じ手の親指で操作部材4の押し操作を行うことができるので、スムーズに且つ簡単に操作部材4を操作して一対の掴み歯2,3を開いたり閉じたりすることができる。
また、操作部材4が入力側であって下側の掴み歯3が出力側であり、操作部材4が第二の位置に位置する状態では下側の掴み歯3は開き方向への回動が規制されている。即ち、閉状態における下側の掴み歯3に開き方向の外力が作用しても、下側の掴み歯3のフォロアー部31が揺動カム5の第二カム面53を第二の回動支軸21側に向けて押すことになって、下側の掴み歯3と揺動カム5とが互いに突っ張った状態となるので、下側の掴み歯3は開き方向には回動できない。このように入力側である操作部材4が操作されない限り、出力側である下側の掴み歯3は開き方向には回動できず、回動が規制された状態となる。そのため、魚が暴れたとしても、一対の掴み歯2,3は確実に魚の口を掴み続けることになる。そして、操作部材4が第一の位置に向けて操作されることによって初めて下側の掴み歯3の開き方向への回動規制が解除される。即ち、操作部材4が第一の位置に向けて操作されることによって揺動カム5が時計回りに回動し、揺動カム5が時計回りに回動することによって下側の掴み歯3が開き方向に回動できるようになる。そのため使用者の意思に反して下側の掴み歯3が勝手に開くということがない。
また、操作部材4がリンク機構によって前側に移動するので、従来のような長孔を用いたスライド機構に比して塩がみが発生しにくく、操作部材4の移動動作がスムーズ且つ確実なものとなる。しかも、リンク機構が近似直線運動機構であって操作部材4の操作部41が前後方向に近似的に直線運動を行うので、把持部12を把持した手で引き操作と押し操作を直線的に行うことができて、操作がより一層スムーズになる。
<第二の実施形態>
第一の実施形態では、操作部材4の操作部41を親指で押す構成であったが、中指等の他の指で操作部41を押す構成としてもよい。第二の実施形態における魚掴み器を図6〜図8に示している。第一の実施形態と共通の構成についてはその説明を省略する。第二の実施形態における魚掴み器は第一の実施形態の魚掴み器から操作部41の構成が変更されている。図6〜図8はそれぞれ図1〜図3に対応した図である。尚、図6〜図8においてバネ7は模式的に示している。第二の実施形態における魚掴み器では、操作部41の上部が本体1から上側に突出せず、操作部41の全体が本体1の後側主部11の下側に位置する。そして、指環部43の後面には後側に向けて先細り状に突出した指当て突起46が形成されている。指当て突起46は指環部43の後面の下部に形成されていて、該指当て突起46の上面と指環部43の後面が、把持部12を把持した手の指で押し操作を行うための押し部として構成されている。
そして、図8のような閉状態において、把持部12を把持した手の人差し指を指掛け孔42に入れた状態で、更にその手の例えば中指を指環部43の後面と指当て突起46の上面に当接させて、人差し指と中指で操作部41を前側に向けて押し操作することができる。このように操作部41の形状は種々変更可能である。操作部41に指掛け孔42を設けるのではなく、例えば、操作部41に下側に延びたトリガを設けてそのトリガの前面を指掛け部として構成すると共にトリガの後面を押し部として構成してもよい。また、図6〜図8に示した構成では、図1〜図3に示した構成に比して後リンク6の長さが長くなっている。このように後リンク6の長さを種々変更することで、操作部41の軌跡を調整できる。
<第三の実施形態>
図9〜図12に第三の実施形態における魚掴み器を示している。図9は操作部材4が第二の位置に位置するときの状態を示しており、図12は操作部材4が第一の位置に位置するときの状態を示しており、図10は操作部材4が第一の位置と第二の位置との間の途中位置に位置するときの状態を示しており、図11は操作部材4が途中位置と第一の位置との間に位置する状態を示している。第三の実施形態の魚掴み器は、第一の実施形態の魚掴み器とは、下側の掴み歯3、揺動カム5及びバネ7の構成が異なっている。
第三の実施形態において、下側の掴み歯3の延伸腕部32の先端部に第二のフォロアー部36が形成されている。揺動カム5のカム部50は、第二の回動支軸21から全体として径方向に延びていて、下側の掴み歯3のフォロアー部31と第二のフォロアー部36との間に入り込む形状となっている。揺動カム5のカム面は、周方向の中央部に第二カム面53が形成され、該第二カム面53を中心として正面視において反時計回りの位置に第一カム面52が形成され、第二カム面53を中心として正面視において時計回りの位置に第三カム面56が形成されている。
バネ7の第一のアーム71の先端部71aと第二のアーム72の先端部72aは同一方向に折り曲げられていて何れも左右方向の奥側を向いている。バネ7の第一のアーム71の先端部71aは下側の掴み歯3の歯主部30の基端部に形成された連結孔34に挿入されており、バネ7の第二のアーム72の先端部72aは揺動カム5の第三カム面56の近傍に形成された連結孔55に挿入されている。尚、揺動カム5の連結孔55と第二の回動支軸21と第一の連結支軸22は一直線状には位置せず、揺動カム5の連結孔55は、第二の回動支軸21と第一の連結支軸22とを結ぶ直線の延長線上に対して正面視において反時計回りに位置ずれしている。そして、バネ7は下側の掴み歯3を常に閉じ方向に付勢している。
図9の閉状態から図12の開状態までの各部の動作を説明する。図9において操作部材4は第二の位置に位置している。バネ7は揺動カム5を反時計回りに付勢しており、従って、操作部材4はバネ7によって第二の位置側に付勢されている。下側の掴み歯3のフォロアー部31は揺動カム5の第二カム面53に当接している。揺動カム5はバネ7によって付勢されて反時計回りに回動しようとしているため、フォロアー部31が揺動カム5の第二カム面53に押されて下側の掴み歯3は閉じ方向に付勢されている。そして、下側の掴み歯3に開き方向の外力が作用しても、下側の掴み歯3のフォロアー部31が揺動カム5の第二カム面53を第二の回動支軸21に向けて略径方向に押すことになるので、下側の掴み歯3のフォロアー部31と揺動カム5の第二カム面53とが互いに突っ張った状態となり、下側の掴み歯3は開き方向に回動することができない。即ち、下側の掴み歯3は開き方向の回動が規制された状態にある。尚、下側の掴み歯3の第二のフォロアー部36は揺動カム5から離間している。
図9の状態から下側の掴み歯3を開く場合、操作部材4を前側に移動させる。図9の状態から操作部材4を前側に所定距離移動させた状態を図10に示している。操作部材4を第二の位置から前側に押すと、揺動カム5が時計回りに回動する。下側の掴み歯3はバネ7によって閉じ側に付勢されているので、揺動カム5の第二カム面53はフォロアー部31から離間する。従って、下側の掴み歯3の回動規制が解除される。但し、バネ7が下側の掴み歯3を閉じ側に付勢しているので、下側の掴み歯3は閉状態を維持する。
図10の状態は操作部材4が第二の位置と第一の位置との間の途中位置に位置している状態であり、バネ7の付勢方向が反転するときの境界状態である。図10においてバネ7は最も圧縮された状態にある。第一のアーム71の先端部71a(連結孔34)と第二のアーム72の先端部72a(連結孔55)と第二の回動支軸21は一直線状に位置する。そのため、境界状態では、バネ7は揺動カム5を第二の回動支軸21に向けて押すことになって揺動カム5に回転力を与えない。従って、境界状態においては操作部材4はバネ7によって第一の位置側、第二の位置側の何れにも付勢されない。尚、図10の境界状態でも下側の掴み歯3の第二のフォロアー部36は揺動カム5から離間している。即ち、下側の掴み歯3と揺動カム5は互いに完全に離間した状態にある。
図10の境界状態を境にして、操作部材4が揺動カム5を介してバネ7から付勢される方向が逆転する。即ち、図10の状態から操作部材4が前側に移動して揺動カム5が時計回りに回動すると、バネ7は揺動カム5を時計回りに付勢し、その結果、操作部材4は第一の位置側に付勢されることになる。図10の状態から揺動カム5が時計回りに所定角度回転すると、やがて揺動カム5の第三カム面56が、停止状態にある下側の掴み歯3の第二のフォロアー部36に下側から当接する。その状態を図11に示している。図11の状態は図10の状態よりも操作部材4が第一の位置側に移動した状態である。揺動カム5はバネ7によって時計回りに付勢されているので、そのバネ7の付勢力によって第三カム面56が第二のフォロアー部36を下側から押し上げ、それによって下側の掴み歯3は開き始める。尚、下側の掴み歯3はバネ7の第一のアーム71から閉じ側に付勢されているが、揺動カム5が第二のフォロアー部36を押し上げる回転力の方が大きいことから、下側の掴み歯3は第一の回動支軸20を支点として反時計回りに回動することになる。
そして、バネ7の付勢力によって揺動カム5が時計回りに回動していくことに伴って、第二のフォロアー部36が第三カム面56によって押され続けて、下側の掴み歯3は反時計回りに回動する。即ち、下側の掴み歯3は開き方向に回動して、やがて図12に示すような全開の状態である開状態となる。この図12の状態では、操作部材4は第一の位置に位置しており、バネ7が揺動カム5を時計回りに付勢していることから、操作部材4は揺動カム5を介してバネ7によって第一の位置側に付勢されている。また、下側の掴み歯3のフォロアー部31が揺動カム5の第一カム面52に係合した状態となり、フォロアー部31は第一カム面52に当接した状態となる。揺動カム5はバネ7によって時計回りに付勢されているため時計回りに回動しようとしているが、第二のフォロアー部36が第三カム面56によって押し上げられていて下側の掴み歯3が反時計回りに回動しようとしている。そのため、揺動カム5は下側の掴み歯3によって回動を阻止されていてそれ以上時計回りに回動できない。
この第三の実施形態における魚掴み器にあっては、操作部材4を第二の位置から図11に示す位置まで移動させても一対の掴み歯2,3は閉状態が維持されている。従って、魚の口を掴んだ状態において仮に誤って操作部材4に手が触れたりして操作部材4が前側に僅かに押されたりしても、一対の掴み歯2,3は閉状態を維持する。そして、図11のようにバネ7の付勢力が反転した後に揺動カム5が下側の掴み歯3を開き側に押し始める。
尚、図10や図11の状態では下側の掴み歯3の回動規制は解除されているため、下側の掴み歯3は開き方向に回動することは可能である。そのため下側の掴み歯3に開き側の外力が作用すると下側の掴み歯3は開き側に回動するが、フォロアー部31と第二カム面53との間の離間距離は僅かであり、フォロアー部321が第二カム面53に当接するとそれ以上下側の掴み歯3は開き側に回動できない。このように下側の掴み歯3は開き側に僅かに回動できるもののそれ以上の開き側への回動は揺動カム5によって規制される。
<第四の実施形態>
また、一対の掴み歯2,3の開閉動作と操作部材4の移動動作とを連動させる伝動機構についても種々変更してよく、上記実施形態では、伝動機構として四節リンク機構とカム機構を備えた構成であったが、例えば、図13及び図14のようにラックアンドピニオンを備えた構成としてもよい。図13は図1に対応した開状態を示し、図14は図3に対応した閉状態を示している。
本体1は前後方向に沿って直線状に延びている。下側の掴み歯3は、第一の回動支軸20を屈曲部としてL字状に形成されていて前側に延びる歯主部30と該歯主部30の後端部から上側に屈曲して延びる駆動腕部35とを備えており、屈曲部近傍に第一の回動支軸20が設けられている。駆動腕部35は歯主部30に比して短い。第一の回動支軸20は図14のような閉状態において一対の掴み歯2,3の中心線に対して下側にオフセットされている。一対の掴み歯2,3は閉状態において本体1の上下方向の中心線(幅方向の中心線)に対して上下対称関係にあって、一対の掴み歯2,3の先端部2a,3a同士の当接箇所は本体1の中心線上に位置している。この本体1の中心線に対して第一の回動支軸20は下側にオフセット配置されている。そのため、閉状態においては下側の掴み歯3の先端部3aには後側に向かう分力が働き、魚の口を後側に引き寄せるようにして挟むことができる。
下側の掴み歯3の駆動腕部35の先端部に第一の連結支軸22を介して駆動リンク80の前端部が回動可能に連結されている。駆動リンク80は図14のような閉状態においては前後方向に水平に延びている。駆動リンク80の後端部は第二の連結支軸23を介してピニオンギア81と回動可能に連結されている。ピニオンギア81は本体1に第二の回動支軸21によって回転可能に支持されている。第二の回動支軸21は本体1の中心線上に位置している。図14の閉状態において、一対の掴み歯2,3の先端部2a,3a同士の当接箇所と、第一の連結支軸22と、第二の連結支軸23と、第二の回動支軸21は、前後方向に一直線状に並んでいて本体1の中心線上に位置している。また、閉状態において、第一の回動支軸20と第一の連結支軸22とを結ぶ直線と、第一の連結支軸22と第二の連結支軸23とを結ぶ直線とは、直角の関係になる。
操作部材4は、ピニオンギア81と噛合するラック47を備えている。ラック47はピニオンギア81の下側に位置していて、ラック47の下側にはローラ82が配置されている。ローラ82は本体1に支持されていて左右方向の軸線まわりに回転する。ローラ82とピニオンギア81との間にラック47が上下に挟み込まれるように位置している。操作部材4は、本体1に前後方向にスライド可能に支持されていて、前後に直線運動する。本体1の後部には左右方向に貫通した逃げ孔14が形成されていて、操作部材4の後部には指掛け孔42が形成されており、本体1の逃げ孔14の範囲内で操作部材4の指掛け孔42が前後に移動できる。そして、操作部材4の指掛け孔42に人差し指等を入れて後側への引き操作と前側への押し操作の双方を行うことができる。また、例えば人差し指と中指等、二本の指を指掛け孔42に入れて操作することができる。
バネ7は、ピニオンギア81と本体1との間に配置されている。バネ7の第一のアーム71の先端部71aは本体1の連結孔15に差し込まれて本体1に回動可能に支持されており、バネ7の第二のアーム72の先端部72aはピニオンギア81の周縁部の連結孔83に差し込まれてピニオンギア81に回動可能に支持されている。図13の閉状態から図14の開状態とする場合、操作部材4を図13の第一の位置から図14の第二の位置まで後退させる。その操作部材4の後退動作に伴ってピニオンギア81が反時計回りに回転し、バネ7は第一のアーム71の先端部71a(本体1の連結孔15)を支点として時計回りに回動する。
図14における閉状態では、駆動リンク80は前後に水平姿勢となって本体1の中心線上に位置し、第一の連結支軸22と第二の回動支軸21と第二の連結支軸23は一直線状に並ぶ。即ち、閉状態において駆動リンク80は死点となる。そのため下側の掴み歯3に開き方向の外力が作用しても下側の掴み歯3は回動せず、下側の掴み歯3の回動は規制された状態となる。その状態から操作部材4を前進させると、ピニオンギア81は時計回りに回転して、下側の掴み歯3の回動規制が解除され、下側の掴み歯3は開き方向に回動できる。バネ7は、図10の状態から図14の状態までの間の途中で付勢方向を反転させる。図示しないが、バネ7の第一のアーム71の先端部71a(本体1の連結孔15)と第二のアーム72の先端部72a(ピニオンギア81の連結孔83)と第二の回動支軸21とが一直線状に位置したときの状態が境界状態であって、その状態を境にしてバネ7の付勢方向が反転する。図13の開状態では、バネ7はピニオンギア81に時計回りの付勢力を付与しており、操作部材4は前側に付勢されている。即ち、操作部材4は第一の位置側に付勢されており、下側の掴み歯3は駆動リンク80を介して開き方向に付勢されている。一方、図14の閉状態では、バネ7はピニオンギア81に反時計回りの付勢力を付与しており、操作部材4は後側に付勢されている。即ち、操作部材4は第二の位置側に付勢されている。尚、図13及び図14ではラックアンドピニオン機構を採用したが、これに代えてリンク機構を採用してもよく、種々の変更が可能である。
<その他の実施形態>
また、バネ7は捻りバネ以外の種々のバネ7であってよく、例えば軸線方向(中心線方向)に伸張、圧縮する円筒状のコイルバネであってもよい。また、上記実施形態ではバネ7が揺動カム5やピニオンギア81を介して操作部材4を付勢する構成であったが、バネ7が操作部材4を直接付勢する構成であってもよい。第一の位置から途中位置までの区間の全体に亘ってバネ7が操作部材4を第一の位置側に付勢することが好ましいが、例えば第一の位置では付勢力が0となっていてもよい。また、第二の位置から途中位置までの区間の全体に亘ってバネ7が操作部材4を第二の位置側に付勢することが好ましいが、例えば第二の位置では付勢力が0となっていてもよい。
また、閉状態において下側の掴み歯3の開き方向の回動を規制する構成も適宜変更可能であって種々の構成を採用でき、入力側である操作部材4を操作しない限り出力側である下側の掴み歯3の回動が規制される構成であればよい。また更に、上記実施形態では一対の掴み歯2,3のうち下側の掴み歯3を可動歯として上側の掴み歯2を固定歯としたが、逆の構成であってもよいし、一対の掴み歯2,3の双方を可動歯として構成してもよい。また、可動歯の動作は回動動作ではなく平行移動等の動作であってもよい。
把持部12の形状も種々であってよく、把持部12が本体1に対して後側に向けて延びていたり後側且つ下側に傾斜しつつ延びていたりする他、把持部12が本体1から下側に向けて延びているガングリップ形状であってもよい。
1 本体
2 上側の掴み歯
2a 先端部
3 下側の掴み歯
3a 先端部
4 操作部材
5 揺動カム
6 後リンク
7 バネ
8 基準線
10 前側主部
11 後側主部
12 把持部
13 膨出部
14 逃げ孔
15 連結孔
20 第一の回動支軸
21 第二の回動支軸
22 第一の連結支軸
23 第二の連結支軸
24 第三の回動支軸
30 歯主部
31 フォロアー部
32 延伸腕部
33 ストッパー突部
34 連結孔
35 駆動腕部
36 第二のフォロアー部
40 連結腕部
41 操作部
42 指掛け孔
43 指環部(指掛け部)
44 上方延在部
45 突出部
45a 後面(押し部)
46 指当て突起
47 ラック
50 カム部
51 リンク部
52 第一カム面
53 第二カム面
54 頂上部
55 連結孔
56 第三カム面
70 円筒部
71 第一のアーム
71a 先端部
72 第二のアーム
72a 先端部
80 駆動リンク
81 ピニオンギア
82 ローラ
83 連結孔
100 載置面

Claims (6)

  1. 魚の口を掴むための魚掴み器であって、
    少なくとも一方が可動歯であって魚の口を掴むべく開閉する一対の掴み歯と、第一の位置と第二の位置との間を移動可能な操作部材とを備え、操作部材が第一の位置に位置する状態では一対の掴み歯は開状態にあって操作部材が第二の位置に位置する状態では一対の掴み歯は閉状態にあり、
    操作部材における第一の位置と第二の位置との間の途中位置を境にして付勢方向が反転するバネを備えており、第一の位置側においてはバネは操作部材に第一の位置側への付勢力を付与し、第二の位置側においてはバネは操作部材に第二の位置側への付勢力を付与することを特徴とする魚掴み器。
  2. バネは、二つのアーム間の開き角度を変化させる構成の捻りバネであり、バネは、操作部材の移動に伴って相対的に回動する二つの部材間に配置されて、バネの第一のアームが一方の部材に回動可能に連結され且つバネの第二のアームが他方の部材に回動可能に連結されている請求項1記載の魚掴み器。
  3. 一対の掴み歯は前端部に設けられ、操作部材は一対の掴み歯に対して後側に位置しており、操作部材の第一の位置は相対的に前側にあって第二の位置は相対的に後側にあり、操作部材を後側に引くことにより、操作部材が第二の位置となって一対の掴み歯が閉状態となる請求項1又は2記載の魚掴み器。
  4. 操作部材の後側に把持部を備えており、操作部材は、把持部を把持した手の指で引き操作を行うことができる指掛け部と、把持部を把持した手の指で押し操作を行うことができる押し部とを備えている請求項3記載の魚掴み器。
  5. 一対の掴み歯の開閉動作と操作部材の移動動作とを連動させる伝動機構を備え、操作部材が第二の位置に位置する状態では一対の掴み歯は開き方向への移動が規制され、操作部材が第一の位置に向けて操作されることにより一対の掴み歯の開き方向への移動規制が解除される請求項1乃至4の何れかに記載の魚掴み器。
  6. 伝動機構はリンク機構を備えており、操作部材はリンク機構を構成する部材であり、リンク機構は四節リンク機構の近似直線運動機構であって、操作部材は第一の位置と第二の位置との間を近似直線運動を行う請求項5記載の魚掴み器。
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