JP6826099B2 - 導電性ベイトマトリックスを備えた有害生物防除及び/又は検出システム - Google Patents

導電性ベイトマトリックスを備えた有害生物防除及び/又は検出システム Download PDF

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Description

本発明は、一般的には有害生物防除及び/又は検出システムに関し、より詳細には、遠隔監視機能を備えた有害生物防除及び/又は検出システムに関する。
有害生物は、原材料、構造、作物、食物、家畜、及び他の人的関連物に損害を与える可能性がある。従来の有害生物防除装置では、有害生物が収集及び/又は消費を目的として食い荒らす傾向にある誘引薬(又は、ベイト)を配置することによって、有害生物の探索、検出、阻止、及び/又は根絶を容易化する場合が多い。
従来の多くの有害生物防除装置では、物理的な検査(例えば、手作業による分解)によって、有害生物が存在するか、及び有害生物がベイトを食い荒らしている程度(或いは、食い尽くしている程度)を視覚的に判定する必要がある。例えば、現行のシロアリ監視及び防除システムにおいては、通常、地中の空洞に挿入された物理的なステーションハウジングにベイトマトリックス(又は、複数のマトリックス)が挿入されている。採餌時、食べ物を探しているシロアリは、ステーションに出くわし、ステーションハウジングの内部に入って、消費可能な一つ以上のベイトマトリックスを食べ始める。ベイトは通常、無毒物質或いは無毒物質及び有毒物質の混合物(すなわち、殺有害生物剤活性成分)から成る。
シロアリがステーションに存在して、ベイトマトリックスを活発に食べているかを判定するために、技術者は一般的に、ステーションを開けるとともに、場合によっては、ベイトマトリックスを取り出して視覚的に検査する必要がある。ステーションを開ける前、技術者は、摂食の発生の有無及びその程度が分からない。このような検査プロセスは、技術者の多大な時間を要する可能性があり、ステーションが配置された現場に混乱を生じる可能性もある。場合によっては、この混乱によって、有毒物質をステーション内に設置可能となる前に、シロアリがステーションから出て行ってしまう可能性がある。既存の有害生物防除装置又はシステムの弱みとして、有害生物の有無の誤表示、高い労働コスト、高価な検出機器の必要性、不十分な信頼性、扱いにくい機器の使用、他の技術との不適合性、及びサービス提供者に対する不完全な情報が挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、ステーションの外部、特に、ステーションの現場から離れた場所から、ステーションのベイトマトリックスを正確且つ効果的に監視し得る有害生物防除及び/又は検出システムが求められている。信頼性及び/又は精度の向上、コストの低減(労働及び/又はエネルギーが挙げられるが、これらに限定されない)、事実に基づくより一貫した監視、常時アクセスの選択肢と組み合わされた継続的な監視、環境中の毒物の存在を制限することによる環境保全性の向上、自動化されたデータ収集及び解析、有害生物検出時の積極的な監視及び柔軟な処理の選択肢が求められている。また、ベイトマトリックスの実際の消費は要しないものの、ベイトマトリックスの変位及び/又はベイトマトリックスの消費に基づいて効果的な有害生物防除及び/又は検出システムを有するのは都合が良い。
一実施形態において、有害生物防除及び/又は検出システムは一般的に、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質としての作用、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスを備える。導電性粒子は、少なくとも一つの担体材料全体にわたって実質的にランダムに散在している。少なくとも一つの担体材料は、熱可塑性材料及び/又は樹脂を含む。好適な一実施形態において、熱可塑性材料は、熱可塑性ポリエステルであるか、又は熱可塑性ポリエステルを含む。
別の実施形態において、有害生物防除及び/又は検出システムは一般的に、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の磁気伝導性粒子とを含む磁気伝導性ベイトマトリックスを備える。磁気伝導性粒子は、少なくとも一つの担体材料全体にわたって実質的にランダムに散在していてもよい。少なくとも一つの担体材料は、熱可塑性材料及び/又は樹脂を含む。好適な一実施形態において、熱可塑性材料は、熱可塑性ポリエステルであるか、又は熱可塑性ポリエステルを含む。
別の態様において、有害生物防除及び/又は検出システムは一般的に、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、同じく有害生物による消費又は変位が可能となり得る複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスを備える。ベイトマトリックス124の少なくとも一部が導電性であるのが好ましい場合もある。導電性粒子は、少なくとも一つの担体材料全体にわたって実質的にランダムに散在している。ベイトマトリックスは、第1の端部及び第2の端部を有していてもよい。第1の端部でベイトマトリックスと第1の電極が導電接触しており、第2の端部でベイトマトリックスと第2の電極が導電接触しており、ベイトマトリックス、第1の電極、及び第2の電極がアセンブリとして保持されている。第1の電極をベイトマトリックスの第1の端部に対して付勢し、さらに第2の電極をベイトマトリックスの第2の端部に対して付勢する付勢部材が用いられるようになっていてもよい。第1の端部及び第2の端部は、ベイトマトリックスの導電部が電極又は電気板間に位置付けられる限りにおいて、ベイトマトリックスの上部、底部、及び/又は側部にあってもよいし、その他任意のそのような構成であってもよいことが了解されるものとする。本明細書で使用する一つ以上のベイトマトリックスは、消費及び/又は変位可能である受容可能な材料を含んでいてもよく、通常、無毒物質或いは無毒物質及び有毒物質の混合物(すなわち、殺有害生物剤活性成分)から成ることが了解されるものとする。さらに、ベイトマトリックスは、消化可能であってもよいし、消化可能でなくてもよいことが了解されるものとする。
さらに別の態様において、有害生物防除及び/又は検出システムは一般的に、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスを備える。導電性粒子は、少なくとも一つの担体材料全体にわたって実質的にランダムに散在している。制御ユニットがベイトマトリックスとともにアセンブリとして保持され、ベイトマトリックスに給電するように動作可能である。制御ユニットは、ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す信号を送信するようにさらに動作可能である。また、ベイトマトリックスが位置付けられた環境の少なくとも一つの環境特性を検知するように環境センサが動作可能である。本明細書で使用する導電性という用語は、電流、電気等を伝達できる材料を意味することが了解されるものとする。導電性は、材料又は構成要素の定量化可能な特性であり、導電性の変化のレベルは、材料又は構成要素の測定可能な特性である。さらに、材料の抵抗率のレベルが材料の別の測定可能な特性であることが了解されるものとする。本明細書で使用する抵抗率という用語は、所与の材料が電流の流れに対抗する強さを意味する。ベイトマトリックス等の構成要素の抵抗についても同様に、測定可能な特性である。本明細書で使用する「抵抗」は、物質又はデバイスが電流、電気等の通過に対抗する程度を意味する。これは、オームの法則を用いて計算し得る。
有害生物防除及び/又は検出システムのさらに別の態様は一般的に、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスのほか、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料を含む非導電性ベイトマトリックスを備える。導電性粒子は、少なくとも一つの担体材料全体にわたって実質的にランダムに散在しており、一対の電極が導電性ベイトマトリックスの両端又は対向側に位置決めされている。制御ユニットがベイトマトリックスとともにアセンブリとして保持され、ベイトマトリックスに給電するように動作可能であってもよい。制御ユニットは、ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す信号を送信するようにさらに動作可能である。また、ベイトマトリックスが位置付けられた環境の少なくとも一つの環境特性を検知するように環境センサが動作可能であってもよい。
有害生物防除及び/又は検出システムの一実施形態の模式図である。 図1の有害生物防除及び/又は検出システムのベイトステーション102の分解図である。 図2のベイトステーションの長手方向断面図である。 消費前の図2のベイトステーションのベイトマトリックスの模式的な側断面図又は横断面図である。 消費前の図2のベイトステーションで使用するベイトマトリックスの別の実施形態の模式的な側断面図又は横断面図である。 ベイトマトリックスの一部が消費或いは摂食された後の図4に示すベイトマトリックスの実施形態の模式的な断面図である。 有害生物防除及び/又は検出システムの第2の実施形態の側面図である。 図7の有害生物防除及び/又は検出システムの一部の拡大側面斜視図である。 内部構成を明確にするために構成要素が取り外された状態の図7の有害生物防除及び/又は検出システムの一部の拡大上面斜視図である。 図7の有害生物防除及び/又は検出システムと併用する波形バネの模式的な上面及び正面図である。 導電性ベイトマトリックス及び非導電性ベイトマトリックスを備えた図1の有害生物防除及び/又は検出システムのベイトステーション102の分解図である。 導電性ベイトマトリックス及び非導電性ベイトマトリックスを備えた図1の有害生物防除及び/又は検出システムのベイトステーションを示した図である。 ベイトステーション102からデータ収集システム104への伝達の後、データ収集システム104がデータを外部源に送信するメッシュネットワークの機能の一例を示した図である。 ベイトステーション102からデータ収集システム104に通じたメッシュネットワーク及びデータ収集システム104の機能の一例を示した図である。 磁石を用いることにより、超音波スイッチを備えたデータ収集システム104上の磁気リードスイッチを作動させる有害生物防除又は検出システム100を示した図である。 有害生物への曝露前の構造的に不均一な表面を有する押し出し導電性ベイトマトリックス123のサンプルを示した図である。 イエシロアリ(Coptotermes formosanus)に曝露してから4週間後の導電性ベイトマトリックス123のサンプルを示した図である。 データがホスティングされ、ホームセキュリティ会社のデータネットワークを通じてデータ管理会社412に流れる際の有害生物防除及び/又は検出システム100のデータ通信経路であって、ステーションデータ102が無線接続を介してゲートウェイ104により受信され、データがWiFiを介してホームセキュリティネットワークハブ402に送信され、ホームセキュリティ会社データサービス406によりホスティングされた分散ネットワークサーバ又はクラウドへとホームセキュリティネットワークハブ402が通信ポータル404を介して通じており、有害生物監視/検出データにデータ管理会社412がアクセス可能であり、データ解析の実行後、有害生物検出状態又は警報がアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介してホームセキュリティ会社410に送信された後、現場400の所有者に送信され、有害生物検出状態又は警報が有害生物管理ルーティングサービス418及び/又はルーティングサービスを伴う有害生物管理専門家414にも送信され、ルーティングサービスを伴わない有害生物管理専門家416が418に送信されているデータを利用して現場400に提供される測定基準を決定し、ルーティングサービスを伴う有害生物管理専門家414が有害生物管理ルーティングサービス418を用いずに現場400に提供される測定基準を直接決定する、データ通信経路の一例を示した図である。 補助データ管理会社413も有害生物監視/検出データを受信する点において図17のプロセスと異なるデータ通信経路の別の例を示した図である。 別のデータ管理会社412を用いることなく、ホームセキュリティ会社410自体により有害生物監視/検出データが管理される点において図17のプロセスと異なり、データを補助データ管理会社413にも転送可能なデータ通信経路の別の例を示した図である。 ステーションデータ102が無線接続を介してゲートウェイ104により受信され、データがWiFiを介して通信404に送信され(404は、モバイルWiFiホットスポット(例えば、MiFi(登録商標))として動作するWiFiルータ又は無線ルータであってもよい)、その後、クラウドサービスネットワークプロバイダ407が所有する分散ネットワークシステム/クラウドにデータが転送され、分散ネットワークシステム/クラウドにあるデータをデータ管理会社412が解析し、データ管理会社412によりデータが解析された後にのみホームセキュリティ会社410が関与するデータ通信経路の別の例を示した図である。 ホームセキュリティ会社412が関与しない点において図20のプロセスと異なるデータ通信経路の別の例を示した図である。 モバイル機器を通信ポータル404として用いることにより、ゲートウェイ104と通信して、レポータ102センサデータを収集するとともに分散ネットワーク408と相互作用する現場検査を含むデータ通信経路であって、ステーション102から受信した有害生物監視/検出データを技術者のモバイル機器420に後で送信する超音波スイッチを用いることにより、プログラムによらない時間間隔で技術者がゲートウェイ104を作動させ、その後、ホームセキュリティ会社データサービス406又はクラウドサービスネットワークプロバイダ407によりホスティングされた分散ネットワークシステム/クラウドへとデータを送信可能であり、データ管理会社412及び/又は技術者のモバイル機器420自体でデータ解析を行うことができ、技術者のモバイル機器420が通信ポータル404として機能する、データ通信経路の別の例を示した図である。 導電性ベイトマトリックス123の抵抗を測定する装置500を示した図である。 少なくとも一つのベイトステーションが現場に配置された有害生物防除及び/又は検出システムの模式図である。 図24のベイトステーションそれぞれで使用するベイトの一実施形態の斜視図である。 図25のベイトの長手方向断面図である。 消費前の図25のベイトの模式的な側断面図又は横断面図である。 ベイトの一部が消費或いは摂食された後の図27のベイトの模式的な断面図である。 図24の有害生物防除及び/又は検出システムが現場に配置された後に図24に示す現場の有害生物の侵入を検査する技術の模式図である。
関連出願の相互参照
本特許文書は、米国特許法第119条(e)の下、2015年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/191,830号、2015年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/191,857号、及び2015年12月22に出願された米国仮特許出願第62/270,747号の出願日の利益を主張するものであり、それぞれのすべての内容を本明細書に援用する。
ここで図面、特に図1を参照して、一実施形態に係る有害生物防除及び/又は検出システムを参照番号100で大略示している。図示実施形態において、システム100は、シロアリを少なくとも監視及び/又は検出し、いくつかの実施形態においては防除するように構成されている。ただし、他の考え得る実施形態において、システム100は、他の有害生物を遠隔監視及び/又は検出し、いくつかの実施形態においては防除するように構成されていてもよく、例えばゴキブリ、アリ等の昆虫、クマネズミ、ハツカネズミ、野ネズミ等の齧歯動物、鳥、コウモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。
図示の有害生物防除及び/又は検出システム100は、少なくとも一つのベイトステーション102と、以下により詳しく示す通り、ベイトステーション102からの信号の受信及び/又はいくつかの実施形態においてはベイトステーション102への信号の送信によってベイトステーション102と通信可能な少なくとも一つのデータ収集システム104とを具備する。少なくとも一つのデータ収集システム104は、メモリが関連付けられたプロセッサベース若しくはマイクロプロセッサベースの機器(コンピュータ若しくはマイクロコントローラ等)又は縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/若しくは論理回路の任意適当な構成を適当に具備していてもよい。或いは、少なくとも一つのデータ収集システム104は、本明細書に記載の当該少なくとも一つのデータ収集システム104の機能を実行可能な任意の回路及び/又はプロセッサを適当に具備していてもよい。本明細書において、用語「信号」は、特定の種類の信号伝達方法に限定されず、任意適当な種類の無線信号伝達(例えば、WiFi又は携帯電話)を広く表している。複数の収集システム104が採用されていてもよいことが了解されるものとする。また、少なくとも一つのデータ収集システム104がベイトステーション102としても動作可能であることが了解されるものとする。
例えば、考え得る一実施形態において、有害生物防除及び/又は検出システム100は、有害生物の活動を監視及び/又は検出する現場(例えば、家の周辺)に配置された複数のベイトステーション102を具備していてもよく、少なくとも一つのデータ収集システム104は、現場から遠隔に、当該現場に対して不動に位置付けられるとともに、以下により詳しく示す通り、遠隔位置からベイトステーション102と通信するようにしてもよい。或いは、データ収集システム104は、現場で使用するように構成されていてもよい(例えば、少なくとも一つのデータ収集システム104は、当該データ収集システム104に対して可動の適当な手持ち機器によって読み取り可能であってもよい)。
図2及び図3を参照して、各ベイトステーション102は、センサアセンブリ(参照番号108で大略示す)と、任意選択として、(例えば、地中の)設置位置でセンサアセンブリ108を包囲及び/又は収容するとともに、(例えば、スリット又は孔を介した)ステーションハウジングへのシロアリの出入りを可能にすることによって、以下により詳しく示す通り、センサアセンブリ108に構成されたベイトマトリックス124をシロアリが食べられるようにする適当なステーションハウジング(図示せず)とを具備する。ベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104にはステーションハウジングが不要であることが了解されるものとする。
図示のセンサアセンブリ108は一般的に、センサホルダ110、ベイトマトリックス124、電極アセンブリ126、及び制御ユニット128を備える。以下により詳しく示す通り、電極アセンブリ126はベイトマトリックス124に対して電気的に接続され、制御ユニット128は、電極アセンブリ126を介して、ベイトマトリックス124に電流を選択的に供給するように構成されている。また、特定の実施形態において、制御ユニット128は、ベイトマトリックス124に供給されている電流の関数としてベイトマトリックス124の少なくとも一つの特性を示す信号を送信するように動作可能である。このように、制御ユニット128は、データ収集システム104による遠隔監視を容易化し、データ収集システム104は、制御ユニット128により送信された信号を受信可能である。
図示のベイトマトリックス124は、第1の端面130、第2の端面132、円周外面134、及び当該ベイトマトリックスの内部空洞を規定する円周内面136を有する管状(例えば、図示実施形態では大略円筒状)であるのが好ましい。ただし、ベイトマトリックス124は、他の適当な形状であってもよいことが了解される。例えば、ベイトマトリックス124は、大略円筒状ではない管形状を有していてもよく(例えば、管形状は、実質的に多角形の断面を有していてもよく)、及び/又は、空洞は、第1の端面130から第2の端面132まで延びていなくてもよい。或いは、ベイトマトリックス124は、管状ではなく、球体、錐体、立方体、正方形、星形、又はその他任意の適当な形状で大略成形されていてもよい。
また、図に示す管状ベイトマトリックス124の厚さ(すなわち、外面134から内面136までの横方向幅)は、説明を目的としたものであることが了解される。特に適当な一実施形態に係るベイトマトリックス124の厚さは、図に示した厚さよりも相当大きい。ただし、ベイトマトリックス124の厚さは、本発明の範囲から逸脱することなく、任意適当な厚さであってもよい。
ベイトマトリックス124は、導電性であってもよい。図11及び図12に示すように、ベイトマトリックス124は、一つ以上の部分を含み、少なくとも一つの部分が導電性ベイトマトリックス123を備え、第2の部分が非導電性ベイトマトリックス127を備え得るのが好ましい場合もある。導電性ベイトマトリックス123を備えるベイトマトリックス124の一つ以上の部分は、電気板、ジェル、電極、コーク、グリース等の少なくとも二つの電気接点144、148を導電性ベイトマトリックス123の相互に対向する位置に有することにより、導電性ベイトマトリックス123を通る電流を生成するようにしてもよい。電気接点、電極、電気板といった用語は、本願全体で区別なく用いられ、全体として図中の144/148で示すように、潜在的な電気接点の一群を意味していてもよいことが了解されるものとする。また、伝導流の性質が電気的とならないように選定された場合は、他の接触形態によって、ベイトの性質を導電性にするようにしてもよいことが了解されるものとする。
導電性ベイトマトリックス123は、ベイトマトリックス124全体(導電性の部分123及び非導電性の部分127)のサイズの最大5%、ベイトマトリックス全体の最大10%、ベイトマトリックス124全体の最大15%、ベイトマトリックス124全体の最大30%、ベイトマトリックス124全体の最大50%、ベイトマトリックス124全体の最大75%、及び/又はベイトマトリックス124全体の最大100%であってもよい。ベイトマトリックス124の導電性ベイトマトリックス123として、ベイトマトリックス124全体(導電性の部分123及び非導電性の部分127)のサイズの10%未満等、ベイトマトリックス124に対する割合をより小さくすることにより、導電性ベイトが変位及び/又は消費された場合、有害生物の検出の精度及び感度を高くし得るのが好ましい場合もある。
非導電性ベイトマトリックス127を有する利点は、有害生物をベイトステーション102の場所に保持するとともに、導電性ベイトマトリックス123の収集及び除去を促進することである。以下の表2に示すとともに本明細書の実施例1でより詳しく示す通り、導電性ベイトマトリックス123は、有害生物による消費又は変位用であるのが好ましい場合もある。
また、大きなセルロース資源ほど、当該大きな資源へのシロアリの収集数が比例して多くなることが分かっている(グレン(Glenn)ほか(2008)及びスー(Su)ほか(2001))。これによって、有害生物の存在を正確、迅速、且つより効果的に検出する監視及び/又は検出システムの能力が向上することになる。イエシロアリは、特定の寸法(レンツ(Lenz)ほか(2009))及び直径(ウォーラー(Waller)(2007))のセルロース材料を好むことが実証されている。
一実施形態に係るベイトマトリックス124は、大略固体の構成である。代わりに、他の実施形態において、ベイトマトリックス124は、半固体(例えば、ジェルの形態)であってもよいし、大略液体の状態(例えば、流体懸濁液の形態)であってもよい。特に適当な一実施形態において、ベイトマトリックス124は、押し出しベイトマトリックスである。
適当な一実施形態に係るベイトマトリックス124及び/又は導電性ベイトマトリックス123は、担体材料及び複数の導電性粒子を含む。非導電性ベイトマトリックス127は、電荷を運ぶのに十分な導電性粒子を含んでいなくてもよく、及び/又は、当該非導電性ベイトマトリックスの対向側に電気接点144、148が位置付けられていなくてもよいことが了解されるものとする。また、導電性ベイトマトリックス123は、ベイトマトリックス124の一部(導電性の部分123)に過ぎなくてもよいし、ベイトマトリックス124全体であってもよいことが了解されるものとする。一実施形態に係る導電性粒子は、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅、又はアルミニウム等の金属粒子であってもよいが、これらに限定されない。粒子は、塵状、酸化物状、粉状、スラグ状、フレーク状、又は他の適当な粒子形態等、任意適当な粒子形態であってもよい。他の実施形態において、導電性粒子は、半金属又は非金属の導電性粒子である。一実施形態に係る適当な例としては、黒鉛、カーボンナノチューブ片、カーボンブラック、コークス、及び木炭粉等のカーボンベースの粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
特に適当な一実施形態において、導電性粒子は、黒鉛の粒子である。黒鉛は、例えば片状黒鉛、非晶質黒鉛、鱗状黒鉛、膨張性黒鉛、又は高配向性熱分解黒鉛(HOPG)等の様々な種類で利用可能である。
黒鉛は、EDM等級(例えば、「Properties and Characteristics of Graphite, For the EDM Industry」、Fifth Printing-February 2002,1987、Poco Graphite, Inc.、POCO Graphite, Inc.、300 Old Greenwood Rd. Decatur, TX 76234に記載)、工業等級(例えば、「Industrial Material Solutions」、Poco Graphite Inc.、brochures IND-92480-0514, 6204-7085INK-0414, all 2014に記載)、半導体等級、イオン注入等級、生物医学等級(例えば、「Biomedical Grade Graphites」、Poco Graphite Inc.、Brochure IND-7334-0514に記載)、及びグラスメート(Glassmate)等級(例えば、「Glassmate」、Poco Graphite Inc.、brochure GLA 102930-0214, 2014に記載)等、様々な用途向けに様々な等級のものが市販されている。
異なる種類及び等級の黒鉛は、例えば密度、ショア硬さ、ロックウェル硬さ、曲げ強度、熱膨張、熱伝導性、熱容量、放射率、圧縮強度、電気抵抗率、又は平均粒子サイズ等の特性のうちの一つ以上が異なることがよく知られている。
一般的には、ベイトマトリックスへの組み込みによってベイトマトリックスの導電性が促進されることを前提として、本発明の目的には、如何なる種類且つ如何なる等級の黒鉛が用いられてもよい。本発明の好適な一実施形態において、導電性粒子を含む材料は、導電性ポリマーを製造するための導電性フィラーとして、例えばアズベリーグラファイトミルズ社(Asbury Graphite Mills, Inc.)のような黒鉛製造業者が提供する黒鉛である。一実施形態において、導電性粒子を含む材料は、超微細黒鉛及び/又は超大表面積黒鉛である。
本発明の一実施形態において、黒鉛の平均粒子サイズは、1μm〜20μm、1μm〜15μm、1μm〜10μm、1μm〜5μm、1μm〜3μmであってもよい。平均粒子サイズを決定する方法は、当業者によく知られている。本発明の一実施形態において、黒鉛の表面積は、1m2/g〜500m2/g、20m2/g〜400m2/g、50m2/g〜300m2/gの範囲である。
電気抵抗率(抵抗率、電気比抵抗、又は体積抵抗率としても知られている)は、所与の材料が電流の流れに対抗する強さを定量化する固有特性である。当業者は、電気抵抗率を測定する方法を熟知している。例えば、黒鉛サンプルの電気抵抗率を測定する標準的な一方法は、ASTM C611-98に記載されている。本発明の一実施形態において、導電性粒子、好ましくは黒鉛を含む材料の電気抵抗は、少なくとも0.01Ω*cm、少なくとも0.05Ω*cm、少なくとも0.1Ω*cm及び最大1Ω*cm、最大0.5Ω*cm、最大0.3Ω*cmである。
本発明の一実施形態において、導電性ベイトマトリックス123は、1kΩ〜500kΩ、10kΩ〜100kΩ、好ましくは40kΩ〜80kΩ、より好ましくは1kΩ〜20kΩの範囲の導電性ベイトマトリックス123の電気抵抗をもたらすのに十分な量の導電性粒子、好ましくは黒鉛を含む。抵抗の好ましいレベルは、所望のバッテリ寿命及び提供されるバッテリ、好ましい抵抗、並びにセンサアセンブリ108及び/若しくはベイトステーション102の形成に用いられている材料等の他の因子に基づいて変化し得ることが了解される。導電性ベイトマトリックス123は、その抵抗を測定するために、試験装置500に設置される(図23)。装置500は、切断及び組み立てによってプレスを形成する標準的な松材から構築されている。プレス機構の目的は、ナット及びボルト構成502を用いて導電性ベイトマトリックス123のサンプルを適所に保持することにより、内方調整可能な力を発生させることである。リード線504及び505がC110銅板503それぞれの隅部に個別にハンダ付けされた対向位置において、プレスの木製表面501に銅板503が取り付けられている。リードは、例えばアイデアルインダストリーズ社(Ideal Industries, Inc.)製造のモデル61-746或いはクラインツールズ(Klein Tools)製造のMM2000等の市販のマルチメータに接続されている。
試験は、例えば直径が約57mm、長さが102mmの円筒の形態に成形された押し出し導電性ベイトマトリックス123のサンプルに行われる。この円筒は、マトリックスの中心に形成され、マトリックスの長さに沿って延びた空隙を有しており、壁厚が約16mmとなっている。ベイトマトリックス123の両端には、市販の導電性グリース(例えば、MGケミカルズ(MG Chemicals)により生産されたMG 846)の軽量被膜が適用されて、銅板503と導電性ベイトマトリックス123との電気的接触が向上している。導電性ベイトマトリックス123のサンプルの抵抗を測定するために、マルチメータ機能スイッチは、抵抗測定用の適正な設定又は位置に設置されている。マルチメータは、オンした後、各抵抗測定に向けて約10秒で安定し得る。抵抗測定は、21〜24℃の温度及び35〜65%の相対湿度で行われる。
本発明の一実施形態において、導電性ベイトマトリックス123は、その総重量と比較して、約2重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約15重量%、より好ましくは約8重量%〜約12重量%の黒鉛粒子を含む。このような実施形態における導電性ベイトマトリックス123のその他の部分は、担体材料である。また、他の実施形態においては、活性成分等の毒物がベイトマトリックスに含まれていてもよく、黒鉛粒子の濃度、担体材料の濃度、又は両者を低減させるようにしてもよい。また、他の適当な導電性粒子が用いられ、なお本発明の範囲内に留まることもできる。
一実施形態に係るベイトマトリックス124の担体材料は、消費可能な材料(例えば、ベイトマトリックスを用いて監視されている有害生物が消費及び消化可能な材料)を含む。例えば、特に適当な一実施形態において、担体材料は、多糖類材料(例えば、木粉、αセルロース、微結晶性セルロース等のセルロース材料、又はシロアリが消費可能な他の適当なセルロース材料)を含む。担体材料は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の消費可能な材料を含んでいてもよいことが了解される。
また、この代替又は追加として、担体材料は、消費可能ではあるものの消化不可能又は本質的に消化不可能な材料(例えば、ベイトマトリックス124を用いて監視されている有害生物が消費可能ではあるものの消化可能ではない材料)を含むことも考えられる。一例において、担体材料として用いられる適当な消費可能且つ消化不可能、又は本質的に消化不可能な材料は、熱硬化性材料及び/又は樹脂系材料である。このような材料は、導電性粒子(及び、消化可能な材料(存在する場合))を溶融するとともに混合して一体的に押し出され、ベイトマトリックス124を形成することができる。
「本質的に消化不可能」であることにより、ベイトマトリックス124を用いて監視されている有害生物によって、経口取得された材料の50重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.1重量%未満が後で消化されることが了解される。本願を目的とした消化可能性は、消費後に消費者によってより単純な形に分解され得ることを意味する。
また、この代替又は追加として、担体材料は、変位可能な材料すなわち有害生物が摂食及び/又は消化せずに押し退け得る材料を含んでいてもよいと考えられる。
熱可塑性材料は一般的に、特定の温度を上回るときに成形又は鋳造しやすくなり、冷却で固化する周知の材料である。適当な熱可塑性材料としては、
ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリルスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPSU)等の高温熱可塑性プラスチック、
シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ(p-フェニレンオキシド)(PPE)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)等のエンジニアリング熱可塑性プラスチック、
高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ(ブチレンアジペート-co-テレフタレート)(PBAT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の標準的な熱可塑性プラスチック、
等の多くの例が存在するが、これらに限定されない。一実施形態において、担体材料は、融点が約220℃未満、約180℃未満、約160℃未満、又は約140℃未満の熱可塑性材料を含む。
また、本発明の一実施形態において、導電性ベイトマトリックス123は、少なくとも一つの殺有害生物剤活性成分を含む。
また、導電性ベイトマトリックス123が殺有害生物剤活性成分を含む場合、担体材料を作成する際の熱可塑性材料の溶融又は軟化に用いられる処理温度は、殺有害生物剤活性成分の機能が無効となる温度未満であることが好ましい。
適当な熱可塑性材料としては、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、又はポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。米国特許出願公開第2015/0305326A1号は、段落[0077]及び[0078]において特に適当な熱可塑性材料を記載しており、その内容を本明細書に援用する。特に適当な一実施形態において、熱可塑性担体材料は、比較的低い融点を有するポリエステルであり、この融点は例えば、170℃未満、160℃未満、150℃未満、140℃未満、130℃未満である。適当なポリエステルは、例えばWO-A 92/09654及びWO-A 96/15173に開示のポリエステルであり、それらの内容を本明細書に援用する。
好ましい適当なポリエステルは、DIN 53728に準ずる150〜320cm3/gの固有粘度及びDIN EN 12634に準ずる1.2mg KOH/g未満、好ましくは1.0mg KOH/g未満の酸性度指数を有する脂肪族又は脂肪族/芳香族(半芳香族)の堆肥化可能なポリエステルである。
他の好ましいポリエステルは、160cm3/gより大きな固有粘度、1.0mg KOH/g未満の酸性度指数、及び(重量216kgの場合に190℃で測定して)6.0cm3/10分未満のメルトボリュームフローレート(MVR)を有する堆肥化可能な半芳香族ポリエステルである。
上述の好ましい堆肥化可能な半芳香族ポリエステル及びその製造プロセスは、WO-A 09/127556に開示されており、その内容を本明細書に援用する。また、熱可塑性材料は、加水分解の影響を受けやすいポリマーを含む生分解性の半芳香族ポリエステルの混合物を含んでいてもよく、その例は、PLA(ポリラクチド)、PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)、PBS(ポリブチレン多糖類)、及びデンプンである。特に適当なポリエステルは、エコフレックス(登録商標)という商品名でビーエーエスエフ社(BASF SE)により販売されている。この材料は、高分子鎖中のモノマー1.4-ブタンジオール、アジピン酸、及びテレフタル酸に基づく堆肥化可能な統計的脂肪族-芳香族コポリエステルである。エコフレックス(登録商標)の融点は、約110〜120℃である。
熱可塑性ポリマーは、単一のポリマー又は少なくとも二つの異なるポリマーの混合物を含み得る。例えば、一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、相対的に高い分子量のポリマー及び相対的に低い分子量のポリマーの混合物を含む。例えばエコフレックス(登録商標)のようなポリエステル、その製造及び使用については、とりわけ特許出願EP-A 1656423、EP-A 937120、EP-A 950689、EP-A 1838784、EP-A 947559、EP-A 965615に記載されており、それらの内容を本明細書に援用する。一実施形態において、熱可塑性ポリマーは、エコフレックス(登録商標)及びエコバイオ(Ecovio)(登録商標)等のようなポリ乳酸(PLA)の混合物を含む。
担体材料として(例えば、CAP又はCABの対照として)低融点のポリエステルポリマーを使用することの利点は、例えば160℃、180℃、200℃を上回るような高温で分解する活性成分を含むベイトマトリックスの押し出しにある。例えば、CAP及びCABは通常、約180℃に近い融点を有する。このポリエステルポリマー(例えば、エコフレックス(登録商標))の高温での押し出しによって、低温での押し出しよりも大きな悪影響が活性成分に及ぶ可能性がある。180℃より高い融点を使用可能であることが了解されるものとする。また、予備研究に基づいて、シロアリは、表3及び表4に示すとともに実施例2でより詳しく示す同じ相対濃度において、黒鉛及びCAB又はCAPで構成された導電性ベイトマトリックスよりも黒鉛及びエコフレックス(登録商標)で構成された導電性ベイトマトリックスを好むと考えられる。
本明細書において、物質又は物質の混合物は、DIN EN 13432に規定されたプロセスにおいて、少なくとも60%の百分率の生分解性を有する場合に、「生分解性」と考えられる。生分解性を決定する他の方法は、一例としてABNT 15448-1/2及びASTM D6400に記載されている。本明細書において、物質又は物質の混合物は、堆肥化中に微生物等の生物学的プロセスによって分解され、他の既知の堆肥化可能な材料と整合する速度でCO2、水、無機化合物、及びバイオマスを生成し得るとともに、視認可能、識別可能、若しくは有害な残留物を残さない場合、並びに/又は欧州のDIN EN 13432、米国のASTM D 6400、若しくは日本のグリーンプラ標準等の堆肥化標準のいずれかに記載の基準を満足する場合に、「堆肥化可能」と考えられる。
生分解性及び/又は堆肥化可能性の結果として、一般的に、物質(例えば、ポリエステル)が適当且つ実証可能な期間内に分解する。分解は、酵素的、加水分解的、酸化的、及び/又はUV放射等の電磁放射への曝露によってもたらされてもよく、主として、バクテリア、酵母、菌類、及び藻類等の微生物への曝露によって引き起こされる。生分解性を定量化する方法の一例では、ポリエステルを堆肥と混合して特定の時間にわたり保管する。一例として、DIN EN 13432によれば、CO2を含まない空気が堆肥化プロセス中に熟成堆肥を通過し、堆肥は既定の温度プロファイルに従う。ここで、生分解性は、試料により放出された考え得る最大のCO2量(試料の炭素含有量から計算される)に対する(試料のない堆肥により放出されたCO2量を差し引いた後の)試料から放出された正味のCO2量の比によって規定されるが、この比は、百分率の生分解性として規定されている。堆肥化の数日後であっても、生分解性ポリエステル又は生分解性ポリエステル混合物は一般的に、カビの生育、亀裂、及び穿孔等の著しい分解の兆候を示す。
ポリエステルは、周知のポリマーである。ジオール及び二塩基酸(若しくは、ジエステル)又はヒドロキシ酸(若しくは、ヒドロキシエステル)等の重合形態のモノマーを含む。適当なポリエステルは、例えば脂肪族ポリエステルである。脂肪族ヒドロキシカルボン酸又はラクトンのホモポリマーのほか、異なるヒドロキシカルボン酸若しくはラクトン又はこれらの混合物の共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。また、これらの脂肪族ポリエステルは、ジオール及び/又はイソシアネートの単位を含んでいてもよい。また、脂肪族ポリエステルは、三官能性又は多官能性化合物(例えばエポキシド、酸、又はトリオール)に由来する単位を含んでいてもよい。脂肪族ポリエステルは、後者の単位を個々の単位として含んでいてもよいし、これらの多くを場合によりジオール及び/又はイソシアネートと併せて含んでいてもよい。脂肪族ポリエステルを作成するプロセスは、当業者によく知られている。脂肪族ポリエステルの作成に際しては、当然のことながら、二つ以上のコモノマー及び/又は他の単位(例えば、エポキシド、多官能性脂肪族酸若しくは芳香族酸、又は多官能性アルコール)で構成された混合物を使用することもできる。脂肪族ポリエステルは一般的に、10,000〜100,000g/molのモル質量(数平均)を有する。
脂肪族ポリエステルの例は、乳酸の高分子反応生成物、ポリ-3-ヒドロキシブタン酸、又は脂肪族又は脂環式ジカルボン酸及び脂肪族又は脂環式ジオールで構成されたポリエステルである。また、脂肪族ポリエステルは、他のモノマーを含むランダム又はブロックコポリエステルであってもよい。他のモノマーの比率は一般的に、最大10重量%である。好ましいコモノマーは、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、又はこれらの混合物である。
乳酸の高分子反応生成物は、それ自体が既知であり、又はそれ自体が既知のプロセスにより作成されるようになっていてもよい。ポリ乳酸のほか、他のモノマーを含む乳酸に基づく共重合体又はブロック共重合体が用いられてもよい。直鎖状ポリ乳酸が最も使用される。ただし、分岐乳酸ポリマーも使用可能である。分岐剤の例は、多官能性の酸又はアルコールである。一例として述べ得るポリ乳酸は、少なくとも一つの脂肪族C4-C10ジカルボン酸及び少なくとも一つのC3-C10アルカノールが3〜5つのヒドロキシル基を有する乳酸、そのC1-C4-アルキルエステル、又はこれらの混合物から本質的に得られるポリ乳酸である。
ポリ-3-ヒドロキシブタン酸は、4-ヒドロキシブタン酸及び特に最大30%、好ましくは3-ヒドロキシブタン酸の最大20%の重量比の3-ヒドロキシ吉草酸を含む3-ヒドロキシブタン酸のホモポリマー若しくは共重合体又はこれらの混合物である。また、この種の適当なポリマーとしては、R立体特異性の構成を有するポリマーが挙げられる。微生物によって、これらのポリヒドロキシブタン酸又は共重合体を作成可能である。立体特異性ポリマーを作成するプロセスのほか、様々なバクテリア及び菌類から作成するプロセスが知られている。また、上述のヒドロキシカルボン酸若しくはラクトン、又はこれらの混合物、オリゴマー、若しくはポリマーのブロック共重合体を使用することもできる。
脂肪族又は脂環式のジカルボン酸及び脂肪族又は脂環式のジオールで構成された適当なポリエステルは、脂肪族又は脂環式のジカルボン酸又はこれらの混合物及び脂肪族又は脂環式のジオール又はこれらの混合物で構成されたポリエステルである。本発明によれば、ランダム共重合体が用いられても、ブロック共重合体が用いられてもよい。
適当な脂肪族ジカルボン酸は一般的に、2〜10個の炭素原子を有する。これらは、直鎖状であってもよいし、分岐していてもよい。本明細書で使用する脂環式ジカルボン酸は、一般的に7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有する。ただし、原理上は、より多くの炭素原子(例えば、最大30個の炭素原子)を有するジカルボン酸が用いられるようになっていてもよい。例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、オキシニ酢酸、イタコン酸、マレイン酸、及び2,5-ノルボルナンジカルボン酸、特にアジピン酸が挙げられるが、これらに限定されない。また、特にジメチル、ジエチル、ジ-n-プロピル、ジイソプロピル、ジ-n-ブチル、ジイソブチル、ジ-t-ブチル、ジ-n-ペンチル、ジイソペンチル、及びジ-n-ヘキシルエステル等のジ-C1-C6-アルキルエステルと同様に使用可能な上述の脂肪族又は脂環式のジカルボン酸のエステル形成性誘導体についても言及すべきである。ジカルボン酸の無水物も同様に使用可能である。ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体は、個別に用いられてもよいし、二つ以上の混合物として用いられてもよい。
適当な脂肪族又は脂環式ジオールは一般的に、2〜10個の炭素原子を有する。これらは、直鎖状であってもよいし、分岐していてもよい。その例は、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、1,2-若しくは1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-若しくは1,4-シクロヘキサンジオール、又はこれらの混合物である。
脂肪族ポリエステルの例は、WO 94/14870に記載の脂肪族コポリエステル、特に、コハク酸、そのジエステル、又は他の脂肪族酸との混合物で構成された脂肪族コポリエステル、ジエステル(例えば、グルタル酸及びブタンジオール)、又はこのジオールとエチレングリコール、プロパンジオール、若しくはヘキサンジオールそれぞれとの混合物、又はこれらの混合物である。別の実施形態において、好ましい脂肪族ポリエステルには、ポリカプロラクトンが含まれる。
本明細書において、半芳香族ポリエステルは、重合形態の脂肪族及び芳香族モノマーを含むポリエステルを表す。また、半芳香族ポリエステルという用語は、半芳香族ポリエーテルエステル、半芳香族ポリエステルアミド、又は半芳香族ポリエーテルエステルアミド等、半芳香族ポリエステルの誘導体を含むことが意図される。適当な半芳香族ポリエステルには、直鎖状の非鎖伸長型(non-chain-extended)ポリエステルがある(WO 92/09654)。鎖伸長型(chain-extended)及び/又は分岐型半芳香族ポリエステルが好ましい。後者は、例えばWO 96/15173、WO 96/15174、WO 96/15175、WO 96/15176、WO 96/21689、WO 96/21690、WO 96/21691、WO 96/21689、WO 96/25446、WO 96/25448、及びWO 98/12242に開示されており、これらを本明細書に明示的に援用する。また、異なる半芳香族ポリエステルの混合物が用いられてもよい。特に、半芳香族ポリエステルという用語は、エコフレックス(登録商標)(ビーエーエスエフ社(BASF SE))、イースター(Eastar)(登録商標)バイオ(Bio)及びオリゴビー(Origo-Bi)(ノヴァモン(Novamont))等の製品を意味することが意図される。
特に好ましい半芳香族ポリエステルには、A) a1) 30〜99mol%の少なくとも一つの脂肪族若しくは少なくとも一つの脂環式のジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体、或いはこれらの混合物、a2) 1〜70mol%の少なくとも一つの芳香族ジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体又はこれらの混合物、並びにa3) 0〜5mol%のスルホン酸基含有化合物で構成された酸成分と、B) 少なくとも一つのC2-C12アルカンジオール及び少なくとも一つのC5-C10シクロアルカンジオール又はこれらの混合物から選択されるジオール成分といった重要な成分を含むポリエステルがある。また、半芳香族ポリエステルは、必要に応じて、C)及びD)から選択される一つ以上の成分を含んでいてもよい。C)は、c1) 式Iを有する少なくとも一つのエーテル官能基含有ジヒドロキシ化合物、
[化1]
HO-[(CH2)n-O]m-H (I)
[ここで、nは2、3、又は4であり、mは2〜250の整数である]
c2) 式IIa又はIIbの少なくとも一つのヒドロキシカルボン酸、
[化2]
[ここで、pは1〜1500の整数、rは1〜4の整数であり、Gはフェニレン、(CH2)q-(ここで、qは1〜5の整数)、-C(R)H-、及び-C(R)HCH2(ここで、Rはメチル又はエチル)から成る群から選択される基である]
c3) 少なくとも一つアミノ-C2-C12アルカノール、少なくとも一つのアミノ-C5-C10シクロアルカノール、又はこれらの混合物、
c4) 少なくとも一つのジアミノ-C1-C8アルカン、
c5) 式IIIの少なくとも一つの2,2'-ビスオキサゾリン、
[化3]
[ここで、R1は単結合、(CH2)z-アルキレン基(ここで、z=2、3、又は4)、又はフェニレン基である]
c6) 天然に存在するアミノ酸、炭素原子数4〜6のジカルボン酸と炭素原子数4〜10のジアミンとの重縮合によって得られるポリアミド、式IVa及び式IVbの化合物から成る群から選択される少なくとも一つのアミノカルボン酸、
[化4]
[ここで、sは1〜1500の整数、tは1〜4の整数であり、Tはフェニレン、(CH2)u-(ここで、uは1〜12の整数)、C(R2)H、及びC(R2)HCH2(ここで、R2はメチル又はエチル)から成る群から選択される基である]、
及び、繰返し単位Vを有するポリオキサゾリン、
[化5]
[ここで、R3は水素、C1-C6-アルキル、C5-C8-シクロアルキル、フェニル(無置換若しくは最大三つのC1-C4-アルキル置換基を有する)、又はテトラヒドロフリルである]
或いは、c1)〜c6)で構成された混合物から選択される化合物である。
D)は、
d1) エステル形成が可能な少なくとも三つの基を有する少なくとも一つの化合物、
d2) 少なくとも一つのイソシアネート、
d3) 少なくとも一つのジビニルエーテル、
或いは、d1)〜d3)で構成された混合物から選択される化合物である。
半芳香族ポリエステルの酸成分Aは、30〜70mol%、特に40〜60mol%のa1、及び30〜70mol%、特に40〜60mol%のa2を含んでいてもよい。
使用可能な脂肪族酸及び対応する誘導体a1は一般的に、2〜10個の炭素原子を有する。これらは、直鎖状であってもよいし、分岐していてもよい。脂環式ジカルボン酸は、一般的に7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有する。ただし、原理上は、より多くの炭素原子(例えば、最大30個の炭素原子)を有するジカルボン酸を用いることも可能である。例としては、マロン酸、コハク酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、オキシニ酢酸、イタコン酸、マレイン酸、ブラシル酸、及び2,5-ノルボルナンジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。また、使用可能且つ言及可能な上述の脂肪族又は脂環式のジカルボン酸のエステル形成性誘導体は、特にジメチル、ジエチル、ジ-n-プロピル、ジイソプロピル、ジ-n-ブチル、ジイソブチル、ジ-t-ブチル、ジ-n-ペンチル、ジイソペンチル、又はジ-n-ヘキシルエステル等のジ-C1-C6-アルキルエステルである。また、ジカルボン酸の無水物を使用することもできる。
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体は、個別に用いられてもよいし、それらの二つ以上で構成された混合物の形態で用いられてもよい。
別の実施形態では、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、若しくはこれらの各エステル形成性誘導体、又はこれらの混合物が用いられてもよい。「硬質」又は「脆性」成分を含むポリマー混合物(例えば、ポリヒドロキシブチレート又は特にポリラクチド)を作成する場合には、脂肪族ジカルボン酸がセバシン酸又はセバシン酸とアジピン酸との混合物を含んでいてもよい。別の実施形態において、「軟質」又は「靭性」成分を含むポリマー混合物(例えば、ポリヒドロキシブチレート-co-バレレート)を作成する場合には、脂肪族ジカルボン酸がコハク酸又はコハク酸とアジピン酸との混合物を含んでいてもよい。
コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びブラシル酸の別の利点として、これらは、入手しやすく、再生可能な原料である。
言及可能な芳香族ジカルボン酸a2は、一般的に8〜12個の炭素原子、好ましくは8個の炭素原子を有する。一例として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフトエ酸、及び1,5-ナフトエ酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体に言及し得る。ここでは特に、ジ-C1-C6-アルキルエステル、例えばジメチル、ジエチル、ジ-n-プロピル、ジイソプロピル、ジ-n-ブチル、ジイソブチル、ジ-t-ブチル、ジ-n-ペンチル、ジイソペンチル、又はジ-n-ヘキシルエステルに言及し得る。また、ジカルボン酸a2の無水物も適当なエステル形成性誘導体である。
ただし、原理上は、より多くの炭素原子(例えば、最大20個の炭素原子)を有する芳香族ジカルボン酸a2)を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体a2)は、個別に用いられてもよいし、二つ以上の混合物として用いられてもよい。
スルホン酸基含有化合物a3)は通常、5-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩又はこれらの混合物等、スルホン酸基を含有するジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩のうちの一つである。
一実施形態において、酸成分Aは、40〜60mol%のa1、40〜60mol%のa2、及び0〜2mol%のa3を含む。別の実施形態において、酸成分Aは、40〜59.9mol%のa1、40〜59.9mol%のa2、及び0.1〜1mol%のa3、特に40〜59.8mol%のa1、40〜59.8mol%のa2、及び0.2〜0.5mol%のa3を含む。
ジオールBは一般的に、2〜12個の炭素原子を有する分岐鎖若しくは直鎖アルカンジオールから成る群又は5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールから成る群から選択される。アルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、及び2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、特にエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、又は2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、又は2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールである。特に成分a1)としてのアジピン酸と組み合わせた1,4-ブタンジオール及び特に成分a1)としてのセバシン酸と組み合わせた1,3-プロパンジオールが特に好ましい。1,3-プロパンジオールの別の利点として、これは、入手しやすく、再生可能な原料である。また、異なるアルカンジオールの混合物を使用することもできる。
過剰の酸基又は過剰のOH末端基が必要か否かに応じて、成分A又は成分Bが過剰に用いられてもよい。好適な一実施形態において、使用する成分A及びBのモル比は、0.4:1〜1.5:1、好ましくは0.6:1〜1.1:1であってもよい。
成分A及びBのほか、ポリエステルは、他の成分を含んでいてもよい。
使用可能なジヒドロキシ化合物c1は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)、特に好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びポリエチレングリコールであり、これらの混合物も使用可能である。同様に、異なる変数nを有する化合物(式I参照)、例えばプロピレン単位(n=3)を含むポリエチレングリコール(例えば、それ自体既知の重合方法を用いて、最初にエチレンオキシドと重合させ、次にプロピレンオキシドと重合させることによって得られる)、特に好ましくは異なる変数nを有するポリエチレングリコールに基づくポリマー(エチレンオキシドから形成された単位が主要部を占める)を使用することもできる。ポリエチレングリコールのモル質量(Mn)は一般的に、250〜8000g/mol、好ましくは600〜3000g/molの範囲内で選択される。
半芳香族ポリエステルを作成する一実施形態においては、B及びc1のモル量に基づいて、例えば15〜98mol%、好ましくは60〜99.5mol%のジオールBと、2〜85mol%、好ましくは0.5〜40mol%のジヒドロキシ化合物c1が用いられるようになっていてもよい。
好適な一実施形態において、使用するヒドロキシカルボン酸c2)は、グリコール酸、D-、L-又はD,L-乳酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、これらの環状誘導体、例えばグリコリド(1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、D-又はL-ジラクチド(3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、p-ヒドロキシ安息香酸、或いはそれらのオリゴマー及びポリマー、例えば3-ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えば、ネイチャワークス(NatureWorks)(登録商標)4042Dとして入手可能(ネイチャワークス(NatureWorks)))、或いは3-ポリヒドロキシ酪酸及びポリヒドロキシ吉草酸の混合物(ピーエイチビーインダストリアル(PHB Industrial)、ティアナン(Tianan)、又はメタボリクス(Metabolix)から入手可能)、及び半芳香族ポリエステルの作成用として、特に好ましくは、これらの低分子量の環状誘導体である。
ヒドロキシカルボン酸の使用可能な量の例は、A及びBの量に基づいて、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%である。
アミノ-C2-C12アルカノール又はアミノ-C5-C10シクロアルカノール(成分c3)は、4-アミノメチルシクロヘキサンメタノールを含んでいてもよく、好ましくは2-アミノエタノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、5-アミノペンタノール、又は6-アミノヘキサノール等のアミノ-C2-C6アルカノール或いはアミノシクロペンタノール及びアミノシクロヘキサノール等のアミノ-C5-C6シクロアルカノール、又はこれらの混合物である。
使用するジアミノ-C1-C8アルカン(成分c4)は、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、又は1,6-ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン「HMD」)等のジアミノ-C4-C6アルカンであるのが好ましい。
半芳香族ポリエステルを作成する一実施形態においては、Bのモル量に基づいて、0.5〜99.5mol%、好ましくは0.5〜50mol%のc3と、Bのモル量に基づいて、0〜50mol%、好ましくは0〜35mol%のc4が用いられてもよい。
式IIIの2,2'-ビスオキサゾリンc5は一般的に、Angew. Chem. Int. Edit., Vol. 11 (1972), pp. 287-288のプロセスにより得られる。ビスオキサゾリンは、R1が単結合、(CH2)z-アルキレン(ここで、z=2、3、又は4)、例えばメチレン、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、若しくはプロパン-1,2-ジイル、又はフェニレン基であるものである。言及可能な特に好ましいビスオキサゾリンは、2,2'-ビス(2-オキサゾリン)、ビス(2-オキサゾリニル)メタン、1,2-ビス(2-オキサゾリニル)エタン、1,3-ビス(2-オキサゾリニル)プロパン、及び1,4-ビス(2-オキサゾリニル)ブタン、特に1,4-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼン、1,2-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼン、又は1,3-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼンである。
半芳香族ポリエステルを作成する際には、例えば、それぞれの場合に成分B、c3、c4、及びc5の合計モル量に基づいて、70〜98mol%のB、最大30mol%のc3、0.5〜30mol%のc4、及び0.5〜30mol%のc5が用いられてもよい。別の実施形態においては、A及びBの総重量に基づいて、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%のc5が用いられてもよい。
使用する成分c6は、天然に存在するアミノカルボン酸であってもよい。これらには、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミンを含む。
式IVa及び式IVbの好ましいアミノカルボン酸は、sが1〜1000の整数、tが1〜4の整数、好ましくは1又は2であり、Tはフェニレン及び-(CH2)u-(ここで、uは1、5、又は12)から成る群から選択されたものである。
また、c6は、式Vのポリオキサゾリンであってもよい。ただし、c6は、異なるアミノカルボン酸及び/又はポリオキサゾリンの混合物であってもよい。
一実施形態においては、使用するc6の量は、成分A及びBの総量に基づいて、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%であってもよい。
半芳香族ポリエステルを作成するために必要に応じて使用可能な他の化合物としては、エステル形成が可能な少なくとも三つの基を含む化合物d1がある。
化合物d1は、エステル結合を形成可能な3〜10個の官能基を含んでいてもよい。特に好ましい化合物d1は、この種の3〜6つの官能基を分子中に有し、特に3〜6つのヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基を有する。言及すべき例は、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリエーテルトリオール類、グリセロール、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物、及びヒドロキシイソフタル酸である。
化合物d1の一般的な使用量は、成分Aに基づいて、0.01〜15mol%、好ましくは0.05〜10mol%、特に好ましくは0.1〜4mol%である。
使用する成分d2は、イソシアネート又は異なるイソシアネートの混合物である。芳香族又は脂肪族ジイソシアネートが用いられてもよい。ただし、多官能性のイソシアネートが用いられてもよい。芳香族ジイソシアネートd2は、特に、トリレン2,4-ジイソシアネート、トリレン2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2'-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4'-ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4'-ジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、又はキシレンジイソシアネートである。一例として、ビーエーエスエフ社(BASF SE)からバソナット(Basonat)(登録商標)として得られるイソシアネートを使用することもできる。
これらのうち、成分d2としては、ジフェニルメタン2,2'-、2,4'-、及び4,4'-ジイソシアネートが特に好ましい。後者のジイソシアネートは一般的に、混合物として用いられる。
同様に使用できる三環イソシアネートd2は、トリ(4-イソシアノフェニル)メタンである。多環式の芳香族ジイソシアネートは、例えば、単環又は二環式ジイソシアネートの作成中に生じる。
また、成分d2は、例えばイソシアネート基をキャップするため、成分d2の総重量に基づいて、補助量(subordinate amounts)(例えば、最大5重量%)のウレトジオン基を含んでいてもよい。
脂肪族ジイソシアネートd2は主に、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキレンジイソシアネート又はシクロアルキレンジイソシアネート、例えばヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、又はメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)である。ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが特に好ましい脂肪族ジイソシアネートd2である。
好ましいイソシアヌレートとしては、C2-C20(好ましくはC3-C12)のシクロアルキレンジイソシアネート又はアルキレンジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート又はメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン))に由来する脂肪族イソシアヌレートがある。ここで、アルキレンジイソシアネートは直鎖状であってもよいし、分枝していてもよい。特に好ましいものは、n-ヘキサメチレンジイソシアネートに基づくイソシアヌレート、例えばn-ヘキサメチレンジイソシアネートの環状トリマー、ペンタマー、又はより高次のオリゴマーである。
化合物d2の一般的な使用量は、A及びBの総モル量に基づいて、0.01〜5mol%、好ましくは0.05〜4mol%、特に好ましくは0.1〜4mol%である。
使用可能なジビニルエーテルd3は一般的に、市販されている慣用のジビニルエーテルのいずれかである。1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、又はこれらの混合物を使用することが好ましい。
ジビニルエーテルの好ましい使用量は、A及びBの総重量に基づいて、0.01〜5重量%、特に0.2〜4重量%である。
半芳香族ポリエステルの例は、(A、B、d1)、(A、B、d2)、(A、B、d1、d2)、(A、B、d3)、(A、B、c1)、(A、B、c1、d3)、(A、B、c3、c4)、(A、B、c3、c4、c5)、(A、B、d1、c3、c5)、(A、B、c3、d3)、(A、B、c3、d1)、(A、B、c1、c3、d3)、又は(A、B、c2)といった成分に基づく。これらのうち、特に好ましいのは、(A、B、d1)、(A、B、d2)、又は(A、B、d1、d2)に基づく半芳香族ポリエステルである。別の好適な実施形態において、半芳香族ポリエステルは、(A、B、c3、c4、c5)又は(A、B、d1、c3、c5)に基づく。
上記開示に係るポリエステルポリマーは、生分解性のポリエステルポリマーであるが、本発明の範囲から逸脱することなく、非生分解性であってもよいことが了解される。
適当な一例において、担体材料は、セルロース材料等の多糖類材料及びポリエステル等の熱可塑性材料の両者を含む。例えば、このような実施形態において、熱可塑性材料は、約20〜約40重量%のベイトマトリックス124を含んでいてもよい。
本発明に係る導電性ベイトマトリックスのいくつかの適当な組成を表1aに示す。
担体材料と導電性粒子を組み合わせて導電性ベイトマトリックス123を形成するには、共押し出し、圧縮、浸漬、成形、懸架(これらに限定されない)等、他の適当な製造プロセスも考えられることが了解される。本発明の好適な一実施形態は、ワークピースを作成する方法であって、
(1)以下の混合物、
a.軟化点又は融点が約220℃を下回る軟化又は溶融熱可塑性ポリマー
b.対象有害生物の摂食刺激物質材料、及び
c.導電性粒子を含む材料
を用意するステップと、
(2)混合物を成形して、所望の形状のワークピースを提供するステップと、
(3)プラスチックの軟化点又は融点を下回る温度にワークピースを冷却して、固体複合品を提供するステップと、
を含む、方法である。
ワークピースが導電性ベイトマトリックスであるか、又は導電性ベイトマトリックスを含むのが好ましい。
本明細書において、用語「溶融」は、熱可塑性材料が完全に溶融、部分的に溶融、十分に軟化又は粘化して、例えば押し出し又は成形及びその後の冷却によって、ポリマーをプラスチックマトリックスに形成可能な材料の状態を表すことが意図される。同様に、本明細書で使用する用語「融点」は、所与の材料(ポリマー又はポリマーの混合物)が溶融、軟化、又は粘化して、非晶質ポリマーのガラス転移温度を含む温度を表すことが意図される。当業者には当然のことながら、所与の材料(ポリマー又はポリマーの混合物)の融点は、材料(ポリマー又はポリマーの混合物)を特定の溶媒及び/又は他の添加剤と接触させることによって変更可能である。一実施形態において、ワークピースは、押し出しにより形成される。
一実施形態に係る固体複合品を作成するために、粒状又は微粒子状の熱可塑性ポリマー、対象有害生物の摂食刺激物質材料、及び複数の導電性粒子を含む材料の混合物が用意された後、配合により各成分が混ぜ合わされ、所定の温度及び圧力で押し出し又は成形される。ポリマー、摂食刺激物質材料、及び複数の導電性粒子を含む材料は、標準的な混合又は配合技術を用いて各成分を混ぜ合わせるとともに過剰な水分を追い出すことにより組み合わせることができる。例えば、これらの材料は、回転ミキサー又は配合押し出し機において混ぜ合わせることができる。必要に応じて熱が印加されて、熱可塑性ポリマーを柔軟又は塑性にして押し出し等による成形に適したものとするのに十分高い温度へと混合物を加熱する。一実施形態において、この温度は、少なくともポリマーの融点と同じ高さである。別の実施形態において、この温度は、少なくともポリマーのガラス転移温度と同じ高さである。
当業者であれば、より高い温度が必要となる場合があり、例えば摂食刺激物質材料のチャーリング(charring)等、複合品の他の成分に重大な害を及ぼす温度まで昇温しない限りにおいて、ポリマーを処理し得るように処理温度を最適化可能であることが認識されよう。また、当業者であれば、混合物に溶媒を含めることによって、熱可塑性材料の軟化温度を変更可能であることが理解されよう。溶媒が存在する実施形態において、溶媒により変更された場合のポリマー表面での軟化は、溶媒がない場合のポリマーの通常の融点を下回る温度で開始となることが了解される。言い換えると、ポリマーの通常の融点を下回る温度は、その通常の融点を下回る温度でポリマー表面を軟化させるのに溶媒が有効な実施形態において、適当な成形温度と考えられる。
多様な押し出し又は成形技術を使用可能であり、当技術分野においては、その多くの例が知られている。本願は如何なる理論によっても制限されるものではないが、本明細書に記載の方法で適用される押し出し又は成形条件の下、ポリマー顆粒は、軟化、粘化、又は完全に溶融すると考えられる。これが起こると、混合物に印加された圧力によって、軟化したポリマー顆粒が相互に接触して付着するか、又はポリマーが完全に溶融するため、溶融ポリマーが混合物中に連続相を形成する。圧縮が適用される温度は、所望レベルのポリマー粒子付着又はポリマー溶融を実現するのに十分高い温度である。多様な材料仕様(ポリマーの種類、ポリマーのサイズ、顆粒サイズの分布、及び成分の比等)並びに多様なプロセスパラメータ(温度及び圧力等)の使用により、種々の有利な特性を有する製品を提供可能であることが了解される。過度の実験なく、異なる量の導電性粒子及び異なる物性を有する製品を提供するための材料及びパラメータの有利な組み合わせる選択することは、本願の記載を体得した当業者の能力の範囲内である。
この方法を実施する一様態において、溶融混合物は、ポリマー、摂食刺激物質材料、及び複数の導電性粒子を含む材料を混ぜ合わせて混合物を形成した後、高圧及び高温下で前記混合物を配合して溶融材料を形成することによって提供される。
この方法を実施する別の様態において、この方法は、配合の前に混合物のペレット又はフレークを形成するステップを含む。
ワークピースを作成する一様態においては、すべての成分が混ぜ合わされた後、二軸ミキサー等、別途混ぜ合わせた後にダイを通じて押し出すことにより特定の断面プロファイルを複合材料に与えた後、水槽又は噴霧中で冷却可能な機器において、含まれる熱可塑性ポリマーの融点を上回るように(例えば、いくつかの実施形態においては、約220℃まで)混合物が加熱される。
ワークピースを形成する別の様態において、ポリマー、摂食刺激物質材料、及び複数の導電性粒子を含む材料は、押し出し機において正圧及び高温下で組み合わされ、その後押し出されることによって細長ワークピースが提供される。
ワークピースを形成する別の様態において、熱可塑性ポリマー及び複数の導電性粒子を含む材料は、上流で個別且つ同時に押し出し機に供給され、摂食刺激物質材料は、下流で押し出し機に追加される。
ワークピースを形成する別の様態において、熱可塑性ポリマー、複数の導電性粒子を含む材料、及び摂食刺激物質材料は、個別且つ同時に押し出し機に供給される。
好適な一実施形態において、完成したワークピースの表面は、mm〜cmのスケールで構造的に不均一である。一実施形態において、表面は、幅が0.1mm〜100mm、1mm〜50mm、1mm〜20mm、深さが0.1mm〜10mm、1mm〜5mm、1mm〜3mmの複数の空洞を含む。空洞は、如何なる形状も可能である。空洞は、相互に接続することも可能であるし、相互に分離することも可能である。同じワークピースの個々の空洞は、サイズ及び形状が異なる可能性がある。
図16は、本発明に係る、表面が構造的に不均一な導電性ベイトマトリックス123を示している。
本発明の一実施形態においては、押し出しワークピースの表面が幅0.1mm〜20mm、深さ0.1mm〜5mmの分離又は相互接続された空洞を含むように、例えば温度、持続時間、押し出し速度、押し出し添加剤、押し出し後処理等、押し出しプロセスのパラメータのうちの一つ以上が選定される。
当業者は、ワークピースの表面が不完全/構造的に不均一となる押し出しプロセスのパラメータを把握可能である。例えば、押し出される熱可塑性半結晶ポリマーの融点をTmとして、高々Tm+80℃、Tm+70℃、又はTm+60℃の押し出し温度を適用することにより、表面を構造的に不均一にすることができる。
冷却は、例えばワークピースを水槽に浸けたりワークピースに水を噴霧したりすることによって実現可能である。
本発明の別の実施形態において、完成したワークピースの表面は、構造的に均一である。すなわち、mm〜cmスケールの空洞がほとんど見当たらないか、又は全く見当たらない。
図4は、ベイトマトリックス124の断面である。容易に分かるように、(円140で模式的に示す)導電性粒子及び(正方形142で模式的に示す)担体材料粒子は、ベイトマトリックス124の厚さ及び高さの両方向全体にわたってランダムに散在している。
いくつかの実施形態において、ベイトマトリックス124は、少なくとも一部が当該ベイトマトリックス124内に保持されるように当該ベイトマトリックス124と併せた成形又は当該ベイトマトリックス124への熱的固定等によって、導電性のバス部材(bus member)が固定されている。他の実施形態において、導電性バス部材は、適当な取り付け技術によって、ベイトマトリックス124に取り付けられている。本明細書において、「バス部材」は、ベイトマトリックス124中又はベイトマトリックス124上の所定の配設(又は、規則的な配置)によって、ベイトマトリックス124の電気的特性の増強を促進するバルク(すなわち、非粒子)部材を表す。とりわけ、バス部材は、本発明の範囲から逸脱することなく、適当に連続又は非連続となっていてもよい。
他の考え得る実施形態において、ベイトマトリックス124は、最初に非導電性材料だけから形成することにより構成されていてもよい。ベイトマトリックス124が形成されたら、ベイトマトリックス124の表面、好ましくは外面に導電性材料の被膜が適用される。例えば、ベイトマトリックス124が大略管状である一実施形態において、ベイトマトリックス124は、例えばスパッタリング、溶射、印刷、及び/又はディッピングプロセスによって導電性材料で被覆された両端面を有する。被膜は、実質的に均一な様態又は適当なパターンで適当な厚さに適用されていてもよい。
図5に示すように、ベイトマトリックス124の別の考え得る実施形態において、ベイトマトリックス124は、複数の異なる層125を有するように、共押し出しのプロセスによって形成されていてもよい。このような実施形態においては、担体材料粒子142の層と同時に導電性粒子140の層が押し出されることで、担体材料粒子142の層が導電性粒子140の層の外面を覆うことになる。任意選択として、導電性粒子140の層は、担体材料粒子142の層間に挟まれていてもよい。
図2及び図3を再び参照すると、図示実施形態においては、電極アセンブリ126が第1の電極144及び第2の電極148を含む。導電性ベイトマトリックス123は、第1の端面130が第1の電極144と電気的に接触し、第2の端面132が第2の電極148と電気的に接触するように、電極144、148間に挟まれている。一実施形態において、電極144、148は、適当な導電性材料(例えば、銅)で構成されており、大略板状である(例えば、図3に示すように、センサアセンブリ108が全体として大略円筒状となるように、電極144、148は大略ディスク状であってもよい)。一実施形態において、電極144、148は、任意適当な材料で構成されていてもよく、また、電極アセンブリ126が本明細書に記載の通り機能し得る任意適当な形状を有していてもよい(例えば、電極144、148はそれぞれ、ベイトマトリックス124との界面において、金属材料上に堆積された適当な保護及び/又は導電性被膜を有していてもよい)。
図示実施形態において、センサホルダ110は、一対の電極カバーすなわち第1の電極カバー146及び第2の電極カバー150を具備する。カバー146、150は、電気絶縁材料(例えば、ゴム又はプラスチック材料)で構成され、任意の適用可能なステーションハウジング等の周囲の構造との接触から電極144、148をそれぞれ容易に隔離する。電極カバー146、150は、電極144、148それぞれの外端面152、154にのみ重なるものとして示しているが、他の実施形態においては、電極144、148の任意適当な表面に重なって、本明細書に記載の通り電極144、148が機能し得ることを促進するように構成されていてもよいと考えられる。
図示実施形態において、制御ユニット128は、少なくとも一部が第1のカバー146の中空区画138内に配設されている。制御ユニット128は、電極アセンブリ126ひいては導電性ベイトマトリックス123に電流を供給するように構成されている。また、制御ユニット128は、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性(例えば、導電性ベイトマトリックス123の抵抗、キャパシタンス、及び/又はインピーダンス)を示す信号を有線又は無線でデータ収集システム104に送信するように動作可能であってもよい。
制御ユニット128は、任意適当なプロセッサベースの機器(例えば、実行可能命令が格納されたメモリが関連付けられたマイクロコントローラ)又は縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/若しくは論理回路の任意適当な構成を具備していてもよい。或いは、制御ユニット128は、本明細書に記載の当該制御ユニット128の機能を実行可能な任意の回路及び/又はプロセッサを適当に具備していてもよい。
また、図15に示すように、制御ユニットは、ベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104による上記のような他の機能をオン、起動、再設定、又は開始し得る一つ以上のスイッチを具備していてもよい。このようなスイッチとしては、磁気スイッチ、RFスイッチ、超音波スイッチ、手動スイッチ、又は追加することを選べるその他任意の上記のようなスイッチが挙げられる。有害生物防除及び/又は検出システム100の考え得る地下位置を前提とすると、磁気リード、誘導性及び容量性、地震、赤外線、写真、熱、電界、化学、及び/又は超音波スイッチ等、受動及び/又は近接型スイッチが能動及び/又は手動型スイッチよりも好ましい場合がある。
また、任意選択として、制御ユニット128は、第1のカバー146の中空区画138内に適当に配設されて、当該制御ユニット128への給電及び/又は適当なワイヤのネットワークを介した電極アセンブリ126(ひいては、導電性ベイトマトリックス123)への電流の供給を行う適当な電源(図示せず)(例えば、電気化学電池)を具備していてもよい。また、電源は、ベイトステーション102から遠隔に位置付けられていてもよく、制御ユニット128及び/又は電極アセンブリ126に対して任意適当な様態で電気的に接続されていてもよい(例えば、ベイトステーション102の外部で複数の地上又は地下端子がアクセス可能であることにより、当該端子を介して、遠隔の電源及び/又はデータ収集システム104を制御ユニット128及び/又は電極アセンブリ126に選択的に接続するようにしてもよい)。
ベイトステーション102を組み立てるために、上部カバー146の中空区画138内に制御ユニット128及び任意の関連する電源が適当に収納されるようになっていてもよい。そして、導電性ベイトマトリックス123が電極144、148に対して電気的に接続されるとともに、制御ユニット128が電極144、148に電流を選択的に供給できるように、制御ユニット128が電極144、148に対して動作可能に接続される。これにより、導電性ベイトマトリックス123は、ベイトマトリックス124の第1の端面130が第1の電極144と電気的に接触し、ベイトマトリックスの第2の端面132が第2の電極148と電気的に接触した状態で、電極144、148間に位置付けられる。外部電源が設けられていてもよいことが了解されるものとする。
センサアセンブリ108は、導電性ベイトマトリックス123を電極144、148間に固定する装置を適当に有していてもよい。例えば、図示実施形態において、センサホルダ110は、第1のカバー146と一体的に形成され、導電性ベイトマトリックス123を通って延び、第2のカバー150と適当に接続(例えば、ボルト接続)され得るコアハウジング145を有する。このように、導電性ベイトマトリックス123は、センサホルダ110の第1のカバー146と第2のカバー150との間に保持される。また、任意選択として、センサホルダ110には、第1の電極144を第2の電極148に向かって付勢することにより、配置時に電極144、148と導電性ベイトマトリックス123との間の電気的接触を維持する付勢要素147が設けられていてもよい。或いは、センサアセンブリ108は、ベイトマトリックス124の電極アセンブリ126との電気的接触の維持を容易化する任意適当な機構を有していてもよい。
センサアセンブリ108が組み立てられたら、ステーションハウジングの中に含めずに配置されることも可能であるし、又はセンサアセンブリ108の少なくとも一部を含むステーションハウジング(図示せず)に適当に挿入されてもよい。ステーションハウジングは、シロアリの活動が考えられる現場、疑われる現場、又は検出された現場において、少なくとも部分的又は完全に地中にあってもよい。センサアセンブリ108は、ステーションハウジングの使用なく、シロアリの活動が考えられる現場、疑われる現場、又は検出された現場において、少なくとも一部が適当に地中に埋められるものとする。一方、センサアセンブリ108及び/又はそのステーションハウジングの図示実施形態は、地上配置によって、任意適当な種類の有害生物の任意適当な様態での検出、阻止、及び/又は根絶を容易化するように適当に構成されていてもよい。例えば、センサアセンブリ108及び/又はそのステーションハウジングは、建物の脇、柱上、樹上、又は他の適当な地上位置で適当に地上配置するために構成されていてもよい。
ベイトステーション102の配置後、制御ユニット128は、電極144、148(ひいては導電性ベイトマトリックス123)に電流を供給するように動作することができる。電流が導電性ベイトマトリックス123を通過している間又はその後、制御ユニット128は、導電性ベイトマトリックス123の電気的特性を示す信号をデータ収集システム104に送信するように動作することができる。とりわけ、ベイトマトリックス内の導電性粒子の分布は予め決まっていない可能性があるため(例えば、導電性粒子140(図4)はベイトマトリックス内でランダムに散在しているため)、電流が第1の電極144から第2の電極148まで導電性ベイトマトリックス123を通過する連続経路も同様に、実質的にランダムである。言い換えると、導電性ベイトマトリックス123の同等の各対について、両マトリックスは類似の電気的特性(例えば、類似レベルの抵抗、キャパシタンス、及び/又はインピーダンス)を示すものの、導電性ベイトマトリックス123のうちの第1の導電性ベイトマトリックスを通る電流の経路は一般的に、導電性ベイトマトリックス123のうちの第2の導電性ベイトマトリックスを通る電流の経路と異なることになる(且つ予測不可能である)。
一実施形態において、制御ユニット128は、電極144、148への自動的(例えば、計画的、断続的)な電流の供給、及び関連する信号のデータ収集システム104への自動的(例えば、計画的)な送信を行うように構成されているという意味において、自律動作するように構成されていてもよい。別の実施形態において、制御ユニット128は、遠隔制御システムによる指示を受けた場合にのみ電流の電極144、148への供給及び/又は関連する信号のデータ収集システム104への送信を行うように構成されていてもよいという意味において、適当な遠隔制御システムの指示の下に補助的な動作を行うように構成されていてもよい。このため、制御ユニット128のいくつかの実施形態では、実時間で(例えば、電流の各パルスがベイト物質124に供給された直後に)信号をデータ収集システム104に送信してもよいし、制御ユニット128の他の実施形態では、計画又は指示された場合に、バッチ型信号をデータ収集システム104に送信するイベントをそのメモリに記憶してもよい。
図示実施形態の制御ユニット128は、電極144、148に供給された電流によって、導電性ベイトマトリックス123に給電するように動作し得るが、他の実施形態では、導電性ベイトマトリックス123へのマイクロ波エネルギー又は他の適当なエネルギーの印加等により、ベイトマトリックスとの直接的な電気的連通によって、導電性ベイトマトリックス123に給電するようにしてもよいと考えられる。
センサアセンブリ108の図示実施形態が配置された場合、担体材料、より具体的にはベイトマトリックス124の担体材料粒子142は、シロアリがそれを検出して受容可能と気付く可能性がある。ベイトマトリックス124を食い荒らすとき、シロアリは、ベイトマトリックス124から粒子を(例えば、消費又は変位等によって)取り去る(図4の手付かずのベイトマトリックス124が図6及び/又は図16aの画像(b)に示すように摂食/変位されたことで示される)。一部の粒子は、それぞれのコロニー、給餌及び/又は採餌領域全体に広まる可能性がある。
材料がベイトマトリックス124から取り去られるか、又はベイトマトリックス124内で変位した場合は、導電性粒子140の少なくとも一部が導電性ベイトマトリックス123から取り去られるか、又は導電性ベイトマトリックス123内で変位する。導電性粒子140が除去又は変位されると、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性(例えば、その導電性、抵抗、キャパシタンス、及び/又はインピーダンス)が変化する。すなわち、導電性ベイトマトリックス123の質量が小さくなると(例えば、半径方向内面136から外方へのベイトマトリックス124の厚さが小さくなると)、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性が変化する。例えば、導電性ベイトマトリックス123の電気抵抗は、材料がベイトマトリックスから取り去られると高くなる。
図示実施形態において、電極144、148を介して電流の各パルスが導電性ベイトマトリックス123に供給された状態で、制御ユニット128は、信号をデータ収集システム104に送信するが、この信号は、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性を示している。このように、データ収集システム104は、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性に関する定量的な測定結果に対して、制御ユニット128から受信した各信号を関連付けるように構成されている。この電気的特性の決定によって、シロアリにより取り去られた導電性ベイトマトリックス123の量に関する定量的な測定結果が決定されるようになっていてもよい。導電性ベイトマトリックス123の特性が送信されるとともに、導電性ベイトマトリックス123は、電気的な伝導性及び/又は他の手段による伝導性を有していてもよいことが了解されるものとする。また、場合によっては、ベイトマトリックス124の環境の考慮及びベイト減少の測定結果の精度向上を容易化するため、制御ユニット128は、ベイトマトリックス124の履歴的及び/又は瞬時的な温度及び/又は含水量を示す信号をデータ収集システム104に送信するようにしてもよい。
制御ユニット128は、ベイトマトリックス124の他の適当な特性を示す信号も同様に送信可能であると考えられる。さらに、ベイトマトリックス124のそのようなすべての特性及びその環境が、制御ユニット128及び/又はデータ収集システム104によって利用されて、有害生物に関する助言を物件所有者に提供できる予測モデル又は指標モデルを作成してもよい。
このように、制御ユニット128から受信した信号を用いて、データ収集システム104は、導電性ベイトマトリックス123の質量の変化を記録及び/又は監視する。一実施形態において、データ収集システム104は、導電性ベイトマトリックス123の少なくとも一つの電気的特性及び/又は導電性ベイトマトリックス123の質量を閾値と比較する。閾値を満足又は超過すると、データ収集システム104は、ベイトステーション102が検査、毒物の添加、センサアセンブリ108(又は、ベイトマトリックス124、導電性ベイトマトリックス123、及び/又は非導電性ベイトマトリックス127のみ)の交換、及び/又は他の適当な措置を必要とする旨の警報(例えば、監視エンティティに送信されるメッセージ)を発する。
他の実施形態において、データ収集システム104は、閾値とは無関係に、導電性ベイトマトリックス123の質量を断続的に監視するようにしてもよい。例えば、毎日、毎週、毎月、半年に一度、又は他の適当な期間に技術者が導電性ベイトマトリックス123の質量を監視して、特定のベイトステーション102に施す必要がある措置を断続的に評価するようにしてもよい(図22)。このように、有害生物防除及び/又は検出システム100は、ベイト物質124の状態の継続的な監視を容易化することにより、有害生物の活動のより積極的及び/若しくは適時な検出、並びに有害生物が存在する場合の是正措置を可能にする。
図7〜図10は、図2及び図3の実施形態のセンサアセンブリ108と構成が実質的に類似するセンサアセンブリ208の別の実施形態を示している。ただし、本実施形態においては、カバー246と第1の電極244との間で付勢要素247が軸方向に(例えば、図示実施形態においては同心円状に)配設及び圧縮され、ベイトマトリックス224の上部に対して第1の電極244を下方に付勢するとともに、第2の電極248に対してベイトマトリックスを下方に付勢することにより、電極と導電性ベイトマトリックス123との間の電気的接触を維持している。適当な一実施形態に係る付勢要素247は、波形バネの形態であり、より適当には、図10で最もよく分かるように、簡素又は平坦なワイヤ端を有する頂点間を結んだ波形バネの形態である。
本実施形態において、ベイトマトリックス224は、導電性であり、非導電性ベイトマトリックス127を含まない。ベイトマトリックス224が形成された様態から、ベイトマトリックスは、その上部及び底部を含めて、滑らかでなくてもよく(例えば、表面が粗い)、また、全体が平らでなくてもよいことが了解される。平坦なワイヤ端によって、付勢要素と第1の電極244との間の同一平面上の360°の接触が容易になり、両者間の電流分布が均一となる可能性がある。波形バネ247は、ベイトマトリックス224の上部にあり得る表面不規則性又は(例えば、完璧に平らではない)わずかなテーパを考慮しつつ、カバー246と第1の電極244との間の均一な付加分布をもたらす。
図10の図示実施形態において、適当な一実施形態によれば、波形バネは、約0.421インチの自由高さ、約0.012インチのワイヤ厚、及び4回の有効巻数(平坦なワイヤ端を含む合計6回の巻数)を有していてもよい。ワイヤの半径方向幅は、約0.139インチ〜約0.147インチの範囲である。波形バネ247は、約6.7〜約8.3ポンドの負荷下で作動(例えば、圧縮)高さが約0.151インチとなるように構成されている。本発明の範囲から逸脱することなく、他の適当な波形バネ寸法を使用可能であることが了解される。
また、第1の電極244とベイトマトリックス224の上部との間及び/又は第2の電極248とベイトマトリックスの底部との間には、カーボン導電性グリース等の適当な導電性グリース(図示せず)を使用することにより、マトリックスの上部及び底部の不規則な表面をさらに考慮してもよいと考えられる。
一実施形態に係るセンサアセンブリ208は、例えば地下のステーションハウジング内、ステーションハウジングのない地面の直下、又は任意の地上位置(例えば、住居又は商業施設内)等、センサアセンブリが設置された周囲環境の一つ以上の特性を検知する一つ以上の環境センサ261をさらに備えていてもよい。特に適当な一実施形態において、一つ以上の環境センサ261は、センサアセンブリ208の周囲の湿度を検知する一つ以上の湿度センサを備えていてもよい。図示実施形態においては、カバー246が窓263を具備しており、環境(例えば、湿度)センサ261がセンサアセンブリの周りの環境に対して開放的に曝露されるように、センサがカバー246内の窓に配設されている。他の実施形態においては、この代替又は追加として、一つ以上の環境センサ261が温度センサを備えていてもよい。
湿度等の環境条件は、導電性ベイトマトリックス123の電気的特性(例えば、抵抗、キャパシタンス等)を示す信号に影響を及ぼす。その結果、制御ユニット228によりデータ収集システム104に送信される信号は、有害生物による導電性ベイトマトリックス123の消費の結果としての電気的特性の実際の変化を正確に反映していない可能性がある。このため、一つ以上の環境センサ261は、少なくとも一つの環境特性を示す信号を生成する。
一実施形態において、少なくとも一つの環境特性を示す信号は、電気的特性を示す信号と併せてデータ収集システム104に送信される。データ収集システム104のプロセッサは、電気的特性信号を環境特性信号の関数として調整した後、調整した電気的特性信号を用いて、電気的特性(例えば、抵抗、キャパシタンス、インピーダンス)を決定する。他の適当な実施形態において、プロセッサはまず、電気抵抗を環境特性信号の関数として決定した後、決定した電気抵抗を環境特性信号の関数として調整するようにしてもよい。さらに他の実施形態において、センサアセンブリ208の制御ユニット228は、電気的特性信号を環境特性信号の関数として調整した後、調整した電気的特性信号をデータ収集システム104に送信するプロセッサを具備していてもよいと考えられる。
本発明のさらに別の実施形態において、有害生物防除及び/又は検出システムは、磁気リードスイッチ302を用いて、一つ以上のベイトステーション102及び/又は一つ以上のデータ収集システム104を起動、オン、及び/又はリセットするのが好ましい場合もある。図15に示す磁気リードスイッチ302は、電力を配線板に供給するようにしてもよい。有害生物防除及び/又は検出システムを地下環境に位置付け得ることを前提として、磁気リードスイッチ302は、ロックスイッチであり、超音波スイッチ等の他の選択肢よりも使用電力が少なく、内部に位置付けてより確実に封止収容できる可能性等、様々な利点をもたらす。
磁気リードスイッチ302の作動前に、一つ以上のベイトステーション102及び/又は一つ以上のデータ収集システム104は、スリープ状態又はオフ状態で省エネを図るようにしてもよい。磁気リードスイッチ302の使用により一つ以上のベイトステーション102及び/又は一つ以上のデータ収集システム104に電力が供給されると、一つ以上のベイトステーション102は、この時点で発見モード又は管理モードとなり、一つ以上のデータ収集システム104を探索することができる。別の種類のスイッチの使用により、一つ以上のベイトステーション102及び/又は一つ以上のデータ収集システム104を起動、オン、及び/又はリセットするようにしてもよいことが了解されるものとする。
データ収集システム104に連結されている一つ以上のベイトステーション102は、図13及び図14に示すように、メッシュネットワークを形成していてもよい。メッシュネットワークによれば、ベイトステーション102は、導電性ベイトマトリックス123の特性と関連するデータ等の情報/データを相互に送信して、一つ以上のデータ収集システム104に受け渡すことができる。これにより、データ収集システム104から遠く離れたベイトステーション102は、メッシュネットワーク内の一つ以上のベイトステーション102に十分近い限り、依然としてデータをデータ収集システム104に送信することができる。好ましくは、一つ以上のベイトステーション102は、電子アドレスもMAC IDも有しておらず、システムに入れられる必要がない。むしろ、磁気リードスイッチ302を用いたベイトステーション102のリセット若しくはオン並びに/又は保守若しくは管理モードに設定されたデータ収集システム104の近傍におけるセンサアセンブリ108上の磁石のスワイプによって、ベイトステーション102は、データ収集システム104のメッシュネットワークを探索してつながることができる。ベイトステーション102は、磁気スイッチの作動からのリセット又は自己誘導(ウォーム)リセットを決定することができる。これにより、ベイトステーション102は、メモリを維持しつつ、メッシュ更新期間ごとに既知の状態となり得る。ベイトステーション102は、ステートレス状態(stateless state)であってもよく、この状態では、データ収集システム104のIPアドレスを把握していない。ベイトステーション102は、データを送り出してもよく、また、それらベイトステーションがネットワーク中でレポートしていること、又は送り出したデータパケットの受信者を把握していなくてもよい。ウォームリセットは、リセットの時点で回路が動作していることを意味する。ウォームリセットの使用により、以下により詳しく説明する遠隔機器を用いてデータ収集システム104からデータを収集するようにしてもよい。
メッシュネットワークは、損失の多い低電力ネットワーク用の一種のフラッディング制御アルゴリズムであるインターネット特別技術調査委員会(IETF)RFC6202「トリックルアルゴリズム(Trickle algorithm)」に基づく。送信窓を調整することにより、トリックルアルゴリズムは、新しい情報を拡散することができる。図13及び図14に示すように、データ収集システム104に到達するまでベイトステーション102のチェーンに沿ってデータを送り得る限りにおいて、メッシュネットワークの形成に他のアルゴリズムを使用可能であることが了解されるものとする。
メッシュネットワークは、IEEE 802.15.4を用いて通信可能である。ただし、メッシュシステム内のベイトステーション102とデータ収集システム104との間には、他の形態の通信が用いられてもよいことが了解されるものとする。IEEE 802.15.4は、メッシュネットワーク内でデータ伝送を取り扱い得る無線プラットフォームである。2.4〜2.5GHz周波数ISM帯の使用により、ベイトステーション102とベイトステーション102との間の通信及びベイトステーション102とデータ収集システム104との間の通信を確立するようにしてもよい。また、5.7〜5.8GHz周波数ISM帯等の他の周波数も作用し得ることが了解されるものとする。電波の性質を前提とすると、有害生物防除及び/又は検出システムの一部である地下のデータ伝送に2.4〜2.5GHz周波数ISM帯が有効であると見出されることは予想されなかった。一般的には、データを伝送する2.4〜2.5GHz ISM帯の能力を地下の環境が妨げることになると考えられていた。地下環境からの高レベルの干渉のため、この種の通信/データ伝送には、高い周波数のみが有効であろうと考えられていた。ただし、現行の用途の場合は、2.4〜2.5GHz ISM帯において、ベイトステーション102がデータを相互及びデータ収集システム104に送信可能であるものと判定されている。送信対象のデータパッケージを生成するコードは、コード制御通信とは別個であってもよい。ベイトステーション102とデータ収集システム104の同期により、この2.4〜2.5GHz ISM帯において地下環境内で通信する能力、並びに転送されるデータパケットの種類及びサイズを支援できる。メッシュネットワークを通じて伝達されるデータは、導電性ベイトマトリックス123の抵抗レベルが設定閾値レベルに達しているか否かを含んでいてもよい。
データ収集システム104は、(a)内部及び/又は(b)外部通信が可能である。データ収集システム104の内部通信は、メッシュネットワークを用いて行われるようになっていてもよい。データ収集システム104の外部通信は、図13及び図17〜図22に示すように、HSハブ402、さらには通信ポータル404に送られるようになっていてもよい。データ収集システム104及びHSハブ402は、WiFi接続、携帯電話接続、及び/又はその他任意適当な形態の通信手段を用いて、データ収集システム104、HSハブ402、及び/又は通信ポータル404から外部にデータを送信してもよいことが了解されるものとする。HSハブ402及び/又は通信ポータル404は、有害生物防除及び/又は検出システムを使用する顧客並びに/又はその他任意の外部源により提供されるようになっていてもよい。HSハブ402及び/又は通信ポータル404は、センサ/ネットワークデータの外部ホストクラウドへの定期的な記録を可能にする。データ収集システム104からクラウドへのデータの伝送には、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)が用いられるようになっていてもよい。また、ベイトステーション102からデータ収集システム104へのデータの伝送には、APIが用いられるようになっていてもよい。また、クラウドからウェブインターフェースへのデータ伝送にAPIが用いられるようになっていてもよい。APIは、JSON、XML、又はMessagePack、protobuf、bson、avro、若しくはその他任意のバイナリフォーマット等、他のテキストベースのフォーマット若しくはバイナリシリアライゼーション等、様々な異なるフォーマットで記述されていてもよい。
データ収集システム104自体は、保守若しくは管理モード、又は当該データ収集システム104によるベイトステーション102の検出及びネットワークへの追加を可能にする発見モード、若しくはレポートモードの動作に際して、二つの異なるモードを有していてもよい。データ収集システム104は、管理モードに設定されている場合、そのネットワークに追加するベイトステーション102を探索しており、発見したベイトステーション102に試験用パケットを送り出す。データ収集システム104は、その最初の作動時に、デフォルトが自動でこのモードとなるようにするのが望ましい場合もある。ベイトステーション102は、データ収集システム104のネットワークに取り付けられたら、別段の指定及び/又はリセットがない限り、他の如何なるネットワークにもつながろうとしない。データ収集システム104及びベイトステーション102の両者は、形成されるネットワークに関して、管理又は発見モードへの設定が必要となり得ることが了解されるものとする。また、データ収集システム104の発見モードへの設定には、モバイルアプリケーションが用いられるようになっていてもよい。有害生物防除及び/又は検出システム100の設定に際しては、設置者がまず、データ収集システム104をオンし、管理モードにした後、個々のベイトステーション102の作動によって有害生物防除及び/又は検出システムのネットワークを形成するようにしてもよい。有害生物防除及び/又は検出システム100は、本明細書に記載のメッシュネットワークを用いて通信するのが好ましい場合もある。
また、データ収集システム104は、(a)ベイトステーション102と情報を送信若しくは受信する有害生物防除及び/又は検出システムネットワーク上の内部通信、又は(b)遠隔機器及び/若しくはクラウドと情報を送信若しくは受信する外部通信という二つの異なる通信モードを有していてもよい。ベイトステーション102からデータを受信するために、データ収集システム104は、そのネットワーク上で個々のベイトステーション102を確認するようにしてもよい。ベイトステーション102は、応答するとともに、データ収集システム104を明確には対象としないデータを送り出すようにしてもよいが、これらが同じネットワークの一部であることから、データ収集システム104は、個々のベイトステーション102からすべてのデータを集めることができる。
データ収集システム104は、そのネットワークに属するベイトステーション102を把握していてもよい。一方、ベイトステーション102自体は、具体的に対話している相手を認識していない。データ収集システム104は、少なくともベイトステーション102から送られたデータを外部位置及び/又は機器に送るまで、当該データを格納するように構成されている。データ収集システム104は、命令の受信並びに/又はベイトステーション102及び/若しくはデータ収集システム104のファームウェアにプログラムされた時間間隔の経過に際して、データをクラウド又は外部源に送信するのが好ましい。データ収集システム104は、以下により詳しく説明する通り、プログラムされた時間間隔及び/又は遠隔機器で用いられるモバイルアプリケーションからのリクエストに応じて、データをクラウド及び/又は外部源に送信するようにしてもよいことが了解されるものとする。
データ収集システム104は、ベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104の両者として機能するようになっていてもよく、また、他のベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104の両者との内部通信のほか、外部通信が可能であってもよいことが了解されるものとする。
データ収集システム104によって、メッシュネットワーク上でパワーダウンSYNCフレームがベイトステーション102にブロードキャストされることで、それぞれの起動が同期する。これにより、将来にすべてのベイトステーション102及びデータ収集システム104が同時に(例えば、60分後に)起動して、センサ測定値を構成するとともに、これらの測定値をメッシュ上でデータ収集システム104に伝えることができる。ベイトステーション102及びデータ収集システム104は、同期信号に対して、一分に一度、一時間に一度、一日に一度等、又は任意のそのような選定時間で起動するようになっていてもよい。その後、再びスリープとなる。ベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104の内部クロックは、ドリフトする可能性がある。したがって、システムは、起動チェックの使用によってのみ、すべての構成要素が同じ時間であることを確認するようにしてもよい。このすべての構成要素が同じ時間となるようにするステップにより、データの同時伝送が可能となる。データの伝送は、毎時、毎日、毎週、毎月、又は望ましい任意の期間等で行われるようになっていてもよい。
データ収集システム104は、メッシュネットワーク内で「マスタ」ノードとして動作する。データ収集システム104は、メッシュネットワーク上で各ベイトステーション102に一つずつ問い合わせを行う。すべての構成要素は、同時に起動している。データ収集システム104は、そのネットワーク上で各ベイトステーション102と通信して、衝突を回避する。これにより、各ベイトステーション102は、メッシュネットワークを最大限に利用して伝達を早めるとともに、ベイトステーション間の衝突及び競合を低減することができる。
図15に示すように、データ収集システム104は、磁気リードスイッチ302及び/又は超音波スイッチ301を有していてもよい。超音波センサがデータ収集システム104上の超音波スイッチ301に給電するとともに、データ収集システム104の停止/起動サイクルに用いられるようになっていてもよい。超音波スイッチ301によって、遠隔機器を用いたデータ収集システム104の遠隔起動が可能となり得る。これにより、データ収集システム104がその計画的ダウンロードによってデータを送り出すのを待つのではなく、データ収集システム104に格納されたデータをそのタイミングで瞬時にダウンロードできるようになる。データ収集システム104に格納されたデータは、ベイトステーション102からデータ収集システム104への最新のレポートデータであってもよいことが了解されるものとする。
電話又は手持ち機器等のモバイルクライアントは、(a)データ収集システム104に接続されたすべてのベイトステーション102の一覧を取得し、(b)ベイトステーション及び/又はデータ収集システム104をリセットし、(c)データ収集システム104を顧客のホームネットワーク(WiFiネットワーク又は携帯電話ネットワーク等)にリンクさせ、(d)ホストクラウドレポートを設定し、(e)顧客のホームネットワークをチェックし、(f)メッシュネットワークからベイトステーション102を消去し、(g)ベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104を発見モードにし、(h)メッシュネットワーク全体を消去する、という動作を実行可能であることが了解されるものとする。
超音波スイッチ301は、地下環境においてより良く作用し得るため、赤外線スイッチ等の他種のスイッチよりも好ましい場合があることが了解されるものとする。超音波スイッチ301/機器は、超音波送信機及び超音波受信機の組み合わせに依拠する。送信機が超音波信号を発すると、これが無線で超音波受信機に送信された後、様々な機能に使用可能な電気信号に変換される。本発明の主題である有害生物防除及び/又は検出システム100の場合、超音波スイッチ301又は機器は、有害生物防除及び/又は検出システム100の一部であるハウジング又は容器110内に存在する。有害生物防除及び/又は検出システム100中のデータ収集システム104及び/又はベイトステーション102は、地中に空洞を形成するのに用いられるプラスチックセンサハウジング(図示せず)内に設置されていてもよい。また、有害生物防除及び/又は検出システム100の構成要素は、プラスチックセンサハウジングを同様に使用することなく、地中に設置されていてもよい。超音波送信機が発した信号は、センサの覆いのほか、任意のセンサハウジング材料を通過する必要がある。また、超音波信号は、土壌、マルチ等の材料(すなわち、有機又は無機)の通過が必要となる場合もある。地下環境のほか、機器の周囲のプラスチック材料を通って伝わる能力が高いため、赤外線よりも超音波信号を使用するのが好ましい。超音波スイッチ301/機器の使用は、現場でテストが行われ、有害生物防除及び/又は検出システム内で所要の動作機能を作動できる点において有効であることが証明されている。超音波送信機は、超音波信号を発し得る如何なる種類の手持ち機器であってもよいことが了解されるものとする。
図17〜図22に例示する一実施形態において、有害生物防除及び/又は検出システム100は、接続システム又はHSハブ402に直接組み込み可能である。本願の目的として、接続システムは、住居及び/又は商業施設内の任意の自動又は無線相互接続及び/又は接続システムを意味することが了解されるものとする。接続システムは、HSハブ402等、すべての機器の通信を集める通信中央点又は機器を有していてもよい。また、接続システムによれば、住居又は商業施設内の様々な機器は、相互の通信又は中央の場所との通信が可能であることが了解されるものとする。このような機器としては、火災/煙探知機、侵入検出器、医療警報機器、エネルギー管理機器、水/漏洩検出機器、灌漑システム、スマート家電、照明機構、ドアロック、窓センサ、ビデオ/オーディオ機器等が挙げられるが、これらに限定されない。また、接続システムは、HSハブ402及び/又は通信ポータル404を通じて、施設400から分散ネットワークシステム若しくは通信ポータル404、又はクラウド、単一サーバシステム、若しくは類似システム等の別の外部源へと外部通信するようにしてもよいことが了解されるものとする。有害生物防除及び/又は検出システム100は、住居及び/若しくは商用の接続システム並びに/又は分散ネットワークシステムと互換であってもよい。有害生物防除及び/又は検出システム100は、直接設置されるとともに、サービスプロバイダによって、既存及び/又は個人による接続システムの一部に組み込まれていてもよく、ホームセキュリティプロバイダ、建設業者、有害生物管理専門家、他の技術サービスプロバイダ及び/又は施設所有者等が挙げられるが、これらに限定されない。
上述の通り、有害生物防除及び/又は検出システム100は、消費及び/又は変位可能なベイトマトリックス124上の有害生物の活動を検出するように設計されている。有害生物の活動の検出に有効と決定された距離で間隔を空けた状態で商業施設及び/又は住居に近接して、一つ以上のベイトステーション102及び少なくとも一つのデータ収集システム104が設置されていてもよい。様々なベイトステーション102及び/又はデータ収集システム104間のこのような間隔は、5〜30フィート、5〜15フィート、及び1〜100フィートであってもよい。
導電性ベイトマトリックス123の一部による有害生物除去によって、先により詳しく説明するとともに図13及び図14に示した通り、個々のベイトステーション102から一つ以上のデータ収集システム104に伝えられる信号が発せされるようになっていてもよい。また、一つ以上のデータ収集システム104から分散ネットワークシステムへのさらなる送信によって、データ管理、格納、解析、並びに/又は技術プロバイダ、設置会社、及び施設所有者を非限定的に含む認定者への伝達が行われるが、これらに限定されない。図17〜図22に示すように、信号は、データ収集システム104から接続システムのHSハブ402を通って通信ポータル404及びその先へ送信されるようになっていてもよい。有害生物の活動を示す信号は、接続システムのサービスプロバイダ(406、412)によって、適当な受益者(410、413、414、416、418等)へとさらにルーティングされるようになっていてもよく、技術所有者、認定サービスプロバイダ、及び/又は施設/物件所有者(400)が挙げられるが、これらに限定されない。認定サービスプロバイダ(414、416)に、潜在的な有害生物の脅威が通知され、それに対する応答が要求される場合がある。
これらに限定されないが、セキュリティ及び監視業界で一般的な既存の技術、インフラ、及び専門知識を利用することにより、監視プロセスの複雑さが抑えられ、脅威が伝達されるとともに、脅威への応答が容易化される。有害生物防除及び/又は検出システム100の接続システム(これに限定されない)への組み込みによって、元はセキュリティ及び監視業界が提供していたのと同じようなレベルの施設保護及び安心がもたらされる可能性があり、それらには、有害生物の活動に関する従来の視覚的検査を必要としない生命の安全(火災、侵入、医療)及び/又はライフスタイル(温度、照明、ドア等)管理が挙げられるが、これらに限定されない。有害生物防除を別のホームセキュリティ/監視システムと組み合わせることによって、より広範な快適さ及び安心が物件所有者にもたらされる。有害生物防除及び/又は検出システム100によって有害生物が検出された場合は、警報がセキュリティ会社に直接伝わり、有害生物防除プロバイダ、監視している施設の窓口、管理者、若しくは所有者、並びに/又は有害生物防除及び/若しくは検出システムを提供している会社のうちの一つ以上に警報が送信されるようになっていてもよいことが了解されるものとする。
データ収集システム104により集められたデータの通信は、多様な手段により行われるようになっていてもよく、a)データ収集システム104からデータを受信するHSハブ402、b)データ源(HSハブ402の有無に依らない)からクラウドへのデータ送信を可能にするとともに、WiFiルータ、携帯電話等の機器を備え得る通信ポータル404、c)通信ポータルから送信済みの可能性があるクラウドデータをホスティング可能なHS会社データサービス406、d)ホームセキュリティ会社等のサービスプロバイダ410、e)DM会社又はデータ管理会社412/413、f)検出された任意の有害生物に対処し得る有害生物管理専門家「PMP」(ルーティングサービス414/416の有無に依らない)、g)PMPに通知するPMルーティングサービス418、h)住居又は物件所有者400、i)クラウドサービスネットワークプロバイダ407のうちの一つ以上との通信を含んでいてもよいことが了解されるものとする。図17〜図22は、様々な通信経路の例を与えている。これらの経路は調整可能であり、有害生物防除及び/又は検出システム100の共通の目標は、有害生物の存在を示す導電性ベイトマトリックス123の導電特性に関するデータをシステム100の場所から最終的に住居所有者及び/又は有害生物管理専門家等のサービスプロバイダへと提供することであることが了解されるものとする。この目的を実現するために、様々な中間通信経路を使用可能であることが了解されるものとする。
本発明の別の実施形態は、従前又は従来のベイトを現場に配置した後、ベイトを消費しているシロアリ(又は、他の昆虫)が現場の施設に進入しているシロアリ(又は、他の昆虫)と同じであるかを判定する方法である。したがって、このような判定を容易化するベイトを提供することが有用となる。
一実施形態において、昆虫ベイトは一般的に、多糖類担体材料及び担体材料と混ぜ合わされたマーカ材料を含む。マーカ材料は、昆虫が消費可能であり、昆虫の観察に際して、昆虫がベイトを活発に食べている旨の判定を容易化する物質を含む。
別の実施形態において、昆虫を防除する方法は一般的に、現場の第1の場所にベイトを配置するステップを含み、ベイトは、昆虫がベイトを活発に食べている旨の判定を容易化するマーカ材料を含む。また、この方法は、ベイトでの昆虫の活動を監視するステップと、監視の結果としてベイトでの昆虫の活動のレベルを検出するステップと、検出の結果としての昆虫の活動に関して、現場の第2の場所を視覚的に検査するステップとを含む。この方法は、第2の場所の昆虫を観察することにより、昆虫がマーカ材料を消費し、ベイトを活発に食べているものと判定するステップをさらに含む。
ここで図面、特に図24を参照すると、一実施形態に係る有害生物防除及び/又は検出システムを参照番号100で大略示している。システム100は、現場(例えば、住居500の周囲)に配置されて有害生物の活動を監視及び/又は防除する少なくとも一つのベイトステーション102を有する。例えば、いくつかの実施形態において、ベイトステーション102は、シロアリを少なくとも監視し、いくつかの実施形態においては防除するように構成されている。ただし、他の考え得る実施形態において、システム100は、他の有害生物を監視し、いくつかの実施形態においては防除するように構成されていてもよく、そのような有害生物として例えばゴキブリ、アリ等の昆虫、クマネズミ、ハツカネズミ、野ネズミ等の齧歯動物、鳥、コウモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。このように、ベイトステーション102は、必要に応じて地下、地表、又は地上配置用に適当に構成されていてもよい。
図25及び図26に示すように、各ベイトステーション102は、有害生物による消費用に構成されたベイトマトリックス(参照番号124で大略示す)を有しており、ベイトマトリックス124は、任意適当なサイズ及び形状を有していてもよい。例えば、図示実施形態において、ベイトマトリックス124は、大略管状(例えば、円筒状)であり、第1の端面130、第2の端面132、円周外面134、及び当該ベイトマトリックス124の内部空洞を規定する円周内面136を有する。図示のベイトマトリックス124は、押し出し式であるため、大略固体の構成である。ただし、他の実施形態において、ベイトマトリックス124は代替として、任意適当な堅さ(例えば、ジェル等の全体的に半固体の状態又は流体懸濁液等の全体的に液体の状態)となるように任意適当に作製されるようになっていてもよい。
ここで図27及び図28を参照して、ベイトマトリックス124は、(円140のように粒子の形態で模式的に示す)マーカ材料及び(正方形142のように粒子の形態で模式的に示す)担体材料を含む。とりわけ、両者は粒子の形態で模式的に示しているが、担体材料142もマーカ材料140も、本発明の範囲内となるために粒子の形態である必要はない。
図27及び図28を参照して、図示のベイトマトリックス124の担体材料142は、少なくとも一部が消費可能な材料(例えば、ベイトマトリックス124を用いて監視されている有害生物が消費及び消化可能な材料)である。例えば、特に適当な一実施形態において、担体材料142は、多糖類材料(例えば、木粉、木スターチ、αセルロース、微結晶性セルロース等のセルロース材料、又はシロアリが消費可能な他の適当なセルロース材料)である。担体材料142は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の消費可能な材料を含んでいてもよいことが了解される。例えば、担体材料142は、消費可能ではあるものの消化不可能又は本質的に消化不可能な材料(例えば、ベイトマトリックス124を用いて監視及び/又は防除されている有害生物が消費可能ではあるものの消化可能ではない材料)を含むことも考えられる。一例として、担体材料142として用いられる適当な消費可能且つ消化不可能な材料は、溶融及びマーカ材料140(及び、必要に応じて消化可能な担体材料)との混合による一体的な押し出しによってベイトマトリックス124を形成し得る樹脂系(例えば、熱可塑性)材料であってもよい。他の実施形態において、ベイトマトリックス124は、毒物(例えば、殺有害生物剤活性成分)を含んでいてもよい。また、担体材料142、マーカ材料140、その他任意の所望材料を組み合わせて、ベイトマトリックス124を形成するには、共押し出し、圧縮、浸漬、成形、懸架(これらに限定されない)等、他の適当な製造プロセスも考えられる。
図27及び図28を参照して、図示のマーカ材料140は、有害生物が消費可能(例えば、シロアリの摂取に最適)な材料であり、有害生物の消化器系を通過中(例えば、マーカ材料140が有害生物の消化管に含まれる場合)に、有害生物の透明若しくは半透明の表皮、外骨格、若しくは殻、並びに一つ以上の消化器系臓器を通して見られる色を有する材料である。図示実施形態において、マーカ材料140は、脂質不溶性材料である(すなわち、マーカ材料140は、例えばシロアリ等の有害生物の脂質に貯蔵され得ない材料である)。また、脂質不溶性であることの代替又は追加として、マーカ材料140は、水不溶性であることにより、有害生物の消化器系からの離脱防止を容易化するようにしてもよいと考えられる。
いくつかの実施形態において、マーカ材料140は、本質的に電気絶縁性の材料であってもよい。このような一実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズ、ペレット、又はフレークの形態のポリエステル系材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)等)であってもよい。別の実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズ、ペレット、又はフレークの形態のビニル系材料(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC))であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズ、ペレット、又はフレークの形態のプラスチック系材料(例えば、ワイヤ被覆)であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズ、ペレット、又はフレークの形態のナイロン系(例えば、ダーク)材料であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えば微細又は滑らかな顆粒の形態の砂系材料(例えば、溶岩)であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズの形態の砂利又は頁岩系材料(例えば、光沢のある砂利又は頁岩)であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えばビーズの形態のガラス及び/又はセラミック系材料(例えば、粉砕した/光沢のあるガラス及び/又はセラミック)であってもよい。さらに別の実施形態において、マーカ材料140は、例えば木材細粒の形態の木材系材料(例えば、バーベキュー/ダークウッド)であってもよい。或いは、マーカ材料140は、例えば微細粒子の形態のリサイクル可能な種類の材料(例えば、ゴム、梱包材等)であってもよい。
図27で容易に分かるように、いくつかの実施形態において、マーカ材料140及び担体材料142(例えば、その粒子)は、ベイトマトリックス124の厚さ及び高さの両方向全体にわたってランダムに散在する。さらに、ベイトマトリックス124中のマーカ材料140の担体材料142に対する相対量は、所望のマーキング方略に応じて決まるものであってもよい。例えば、考え得るいくつかの実施形態において、ベイトマトリックス124は、約0.5重量%〜約25重量%(好ましくは、約12%)のマーカ材料140を含んでいてもよい。このような実施形態におけるベイトマトリックス124のその他の部分は、担体材料142となるが、セルロース系及び樹脂系(例えば、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、及び/又はエコフレックス(登録商標)という商品名で販売されているようなポリブチレート(PBAT))の両者が可能である。例えば、樹脂系の担体材料142は、ベイトマトリックス124の約20〜40重量%とすることも可能である。このため、いくつかの実施形態において、ベイトマトリックス124が90重量%の担体材料142を有する場合は、35重量%の樹脂系材料及び55重量%のセルロース系材料が担体材料142として存在することも可能である。そして、このような実施形態においては、10重量%のベイトマトリックス124がマーカ材料140となる。とりわけ、マーカ材料140及び/又は担体材料142が粒子の形態で設けられている場合は、担体材料が約5〜250ミクロンのサイズであってもよいと考えられ、マーカ材料が約5ナノメートル〜250ミクロンのサイズであってもよいと考えられる。また、他のサイズが適する場合もある。
ベイトマトリックス124の図示実施形態が配置されると、ベイトマトリックス124中の担体材料142は、有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する。有害生物がベイトマトリックス124を食い荒らすとき、有害生物は、ベイトマトリックス124の担体材料142及びマーカ材料140の両者を摂取(又は、消費)し、ベイトマトリックス124から材料を効果的に取り去ってそのサイズを小さくする(このことは、図27に示すベイトマトリックス124の非摂食状態を図28に示すベイトマトリックス124の摂食状態と比較した場合に示される)。
例えば、図29に示すように、有害生物防除及び/又は検出システム100は、図24の現場(例えば、住居500の周囲近く)に少なくとも一つのベイトステーション102を配置することによって使用可能である。図29に示す実施形態においては、四つのベイトステーション102が配置されている。ただし、他の実施形態においては、任意適当な数のベイトステーション102が配置されるようになっていてもよい。とりわけ、ベイトステーション102はそれぞれ、それ自体のベイトマトリックス124を含む。このように、ベイトステーション102は、有害生物の活動の監視(例えば、以下により詳しく示す遠隔監視)によって、十分な(例えば、所定の)レベルの有害生物の活動が検出された場合に、検査者600が現場に赴いて現場を物理的に検査するようにしてもよい。
任意適当な様態で、検査者600(図29)は、有害生物(例えば、シロアリ)がベイトステーション102のうちの少なくとも一つを狙っている(例えば、ベイトマトリックス124を消費している)ことに気付く可能性がある(図29において、標的となっているベイトステーション102は、参照番号104で大略示す)。さらに、(遠隔か現場かに関わらず)住居500の検査に際して、検査者600は、有害生物(例えば、シロアリ)が住居500に侵入していることにも気付く可能性がある。これらの状況において、従来の有害生物防除及び/又は検出システムでは、標的となっているベイトステーション102での活動と住居500の内部又は近傍での活動とを検査者600が相関させるのは困難であった(例えば、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を消費している有害生物が住居500に侵入している有害生物と同一或いは関連することを高い確実性レベルで検査者600が把握するのは困難であった)。
しかし、本明細書に示すように構成されているため、有害生物防除及び/又は検出システム100は、このような相関を確実に行う検査者600の支援を容易化する。より具体的には、有害生物は、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を消費する際、マーカ材料140を摂取する(以下、これらの有害生物を「マーキング有害生物」700と称する)。一部の種類の有害生物(例えば、シロアリ)が透明及び/又は半透明な殻及び消化器系臓器を有することから、消費されたマーカ材料140は、検査者600がマーキング有害生物700を観察する際に、マーキング有害生物700の内部に見える傾向にある。さらに、ベイトマトリックス124のマーカ材料140は、脂質不溶性であることから、マーキング有害生物700の消化器系の通過中だけマーキング有害生物700の内部で観察可能となる(すなわち、マーカ材料140は、マーキング有害生物700の脂質に貯蔵されることがないため、マーキング有害生物700の消化器系から離れた後には観察されない)。
このように、マーカ材料140は、限られた時間だけ(例えば、数日だけ)、マーキング有害生物700の消化器系内に存在することになる。このため、侵入された住居500の内部又は近傍でのマーキング有害生物700の探索に際して、検査者600は、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発に食べている有害生物が住居500に侵入しているものと容易に判定することができる(例えば、検査者600は、検査前の数日内に、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124をマーキング有害生物700が消費したものと容易に識別することができる)。
本明細書において、有害生物は、検査者600等の関係者による有害生物の観察が行われる前の3日間(例えば、観察の48時間以内又は観察の24時間以内)にベイトマトリックス124を食べた場合、ベイトマトリックス124を「活発に食べている」ものと考えられる。このような有害生物による「活発な摂食」は、従来の脂質可溶性染色技術を用いて判定可能な種類の摂食とは区別されることになる。より具体的には、従来の染料を消費した有害生物がその後数週間(例えば、その後最大一カ月すなわち30日)にわたってマーキングされたままとなる可能性がある点において、従来の染色技術は、有害生物がマーキングされた事実を有害生物が活発に食べていた事実と確実に相関させるために使用することはできない。このように、例えば従来の染料を含むベイトを食べた結果としてマーキングされた有害生物を観察する場合は、(1)観察のわずか一日前に有害生物が染料を消費したことと、(2)観察の25日前に有害生物が染料を消費したこととが同等に可能性として考えられる。このため、ベイトマトリックス124を用いて有害生物にマーキングするのと異なり、従来の染料を用いた有害生物のマーキングは、本明細書に規定の活発な摂食を判定する場合には頼りない。
図29を参照して、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発に食べている有害生物が住居500に侵入しているものと判定する際、検査者600は、住居500に侵入している有害生物が標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発及び/又は継続的に消費しており、その結果として、又は検査者600が後で取る他の適当な根絶手順の結果として、直ちに防除及び/又は根絶されることをより確実に把握して、侵入されている住居500の所有者に伝えることができる。例えば、検査者600は、標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を、標的となっているベイトステーション102で活発に食べている有害生物が消費する毒物で置換又は補完するようにしてもよい。一般的に、有害生物によるベイトマトリックス124の受け入れ及び消費の指標は、本明細書に示すマーキング技術を用いて確認することができる。
さらに、ある種の有害生物は、異なる階級を有しており、そのうちの少なくとも一つは独力ではほとんど餌を採れないため、従属階級と考えられる。検査者600は、侵入されている住居500の検査に際して、侵入されている住居500の内部又は近傍で従属階級のマーキング有害生物702を観察する場合、消費されたベイトマトリックス124が有害生物のより広いコロニー全体で(例えば、栄養交換によって)共有されているものと判定することができる。このような判定に際して、検査者600は、マーキング有害生物700と関連付けられたコロニーも標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発に消費しており、その結果として、又は上記のように検査者600が取る他の適当な防除及び/若しくは根絶手順の結果として、直ちに防除及び/又は根絶されることをより確実に把握して、侵入されている住居500の所有者に伝えることができる。
同様に、侵入されている住居500の内部又は近傍での非マーキング有害生物704の観察に際して、検査者600は、有害生物の二つ以上のコロニー(例えば、シロアリの二つ以上のコロニー)が住居500に侵入している可能性を判定することができる。より具体的には、検査者600は、このような有害生物のあるコロニー(例えば、有害生物の第1のコロニー706)が標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発に食べている一方、このような有害生物の別のコロニー(例えば、有害生物の第2のコロニー708)は標的となっているベイトステーション102のベイトマトリックス124を活発に食べていないものと判定することができる。その結果、検査者600は、適当な一連の措置を取って、標的となっているベイトステーション102で活発に食べていない有害生物のコロニーの探索並びに防除及び/若しくは根絶を容易化することができる。
このマーカ材料の実施形態は、本願に開示のその他の実施形態、特に、導電性ベイト並びに有害生物防除及び/又は検出システムの実施形態と組み合わせて用いられるようになっていてもよいことが了解される。データ収集システム104を用いたベイトステーション102の監視を容易化するために、いくつかの実施形態において、ベイトマトリックス124のマーカ材料140は、導電性材料であってもよい。考え得る一実施形態において、マーカ材料140は、粒子の形態の黒っぽいカーボンベースの材料であってもよい(黒鉛粒子、カーボンナノチューブ片、カーボンブラック粒子、コークス粒子、及び木炭粉等が挙げられるが、これらに限定されない)。例えば、特に適当な一実施形態において、マーカ材料140は、黒鉛粒子の形態であってもよい(例えば、アズベリー(Asbury)4848黒鉛粒子)。別の考え得る実施形態において、マーカ材料140は、粒子の形態の色鮮やかな金属又は合金であってもよく、例えば、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅、銀、アルミニウム、又はステンレス鋼粒子が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、マーカ材料140の粒子は、塵状、酸化物状、粉状、スラグ状、フレーク状等の適当な粒子形態であってもよい)。或いは、マーカ材料140は、導電性材料と異なっていてもよく、ベイトマトリックス124が担体材料142、マーカ材料140、及び適当な導電性材料で構成されていてもよい(これらはすべて、粒子の形態であってもよく、いくつかの実施形態においては、単一の一体的なベイトマトリックス構造として一体的に押し出し又は圧縮されるようになっていてもよい)。また、他の適当な導電性材料が用いられ、本発明の範囲内に留まっていてもよい。
[実施例]
特定のベイトマトリックス化合物に対するシロアリの選好
[実施例1]
黒鉛(導電性ベイトマトリックス)に対するシロアリの選好
製造業者の指示により混ぜ合わせたクイックストーン(QuickStone)(登録商標)実験用石(ケンタッキー州ルイビルのホイップミックス社(Whip Mix Corp.))によって、100mm×20mmポリスチレン皿で構成された活動領域を充填した(およそ5mmの深さ)。クイックストーン(QuickStone)(登録商標)は、使用前に、24時間にわたって保存した。最初の水和反応として、5mlの精製水を各活動領域に追加し、過剰な水を2時間後に捨てた。そして、表面を軽く拭いた。エコフレックス(登録商標)及び黒鉛を含むか、エコフレックス(登録商標)を含み黒鉛を含まない二つの異なるベイトマトリックス組成物の均一サイズ(約1.0×1.0×0.5cm(各組成物の10個の複製))のベイト部を量って、プラスチック運搬皿(4cm×4cmで、シロアリアクセス用に両側壁に切り込まれた開口を有する)に個別に設置した。栄養のない5%寒天プラグ(およそ0.5cm×1.0cm)を水源として各活動領域に追加した。寒天プラグを3〜4日ごとに交換するとともに、約0.25mlの精製水を4日ごとに各活動領域の表面に追加した。約100匹のシロアリ(働きアリ及び重量比で約10%の兵隊アリ)を各活動領域に移した。検定試料を27℃、80%RHに維持した。2週間後、ベイトサンプルを活動領域から取り出し、110°Fで約24時間にわたりオーブン乾燥させた。ベイトの重さを量り、ベイト受け入れの指標として、シロアリがベイトを取り去った結果としての前後重量の差を比較した。ベイトの取り去りは、消費、提供(働きアリによる兵隊アリの給餌)、及びベイトの活動領域表面への適用の組み合わせの結果生じた。
結論
表2のデータで示すように、(黒鉛を含む)エコフレックス(登録商標)のマトリックス受け入れは、(黒鉛を含まない)エコフレックス(登録商標)よりもはるかに大きかった。
[実施例2]
エコフレックス(登録商標)材料に対するシロアリの選好
目的
イエシロアリ(Coptotermes formosanus)及びヤマトシロアリ(Reticulitermes flavipes)が特定のベイトマトリックス成分を好むか否かを判定するため、無選択及び単皿選択法によって、表3に示す三つの試作ベイトマトリックスをシロアリに与えた。
NT100=ラティス(Lattice)(登録商標)NT100
黒鉛は、アズベリー(Asbury)(登録商標)4848を使用した。
各種のベイトサンプルにおいては、同等割合(X%)のエコフレックス(登録商標)、CAB、及びCAPを使用し、同じ割合のNT100(Y%)及び黒鉛(Z%)と組み合わせた。X、Y、及びZはそれぞれ、特定割合のベイト組成を表しており、サンプル間で一致する(例えば、X%は、ベイトサンプル(エコフレックス(登録商標)、CAB、及びCAP)間で同じである)。
無選択検定試験:
製造業者の指示により混ぜ合わせたクイックストーン(QuickStone)(登録商標)実験用石(ケンタッキー州ルイビルのホイップミックス社(Whip Mix Corp.))によって、100mm×20mmポリスチレン皿で構成された活動領域を充填した(およそ5mm深さ)。クイックストーン(QuickStone)(登録商標)は、使用前に、24時間にわたって保存した。最初の水和反応として、5mlの精製水を各活動領域に追加し、過剰な水を2時間後に捨てた。そして、表面を軽く拭いた。均一サイズのベイト部(10個の複製)又は松部(四個の複製)を量って、プラスチック運搬皿(4cm×4cmで、シロアリアクセス用に両側壁に切り込まれた開口を有する)に個別に設置した。栄養のない5%寒天プラグ(およそ0.5cm×1.0cm)を水源として各活動領域に追加した。寒天プラグを3〜4日ごとに交換するとともに、約0.25mlの精製水を4日ごとに各活動領域の表面に追加した。100匹のシロアリ(働きアリ及び重量比で約10%の兵隊アリ)を各活動領域に移した。検定試料を27℃、80%相対湿度に維持した。2週間後、ベイト/松サンプルを活動領域から取り出し、110°Fで約24時間にわたりオーブン乾燥させた。ベイトの重さを量り、ベイト受け入れの指標として、シロアリがベイトを取り去った結果としての前後重量の差を比較した。ベイトの取り去りは、消費、提供(働きアリによる兵隊アリの給餌)、及びベイトの活動領域表面への適用の組み合わせの結果生じた。
単皿選択検定試験:
単皿選択の複製(三個)を含めて、木材の存在下でシロアリがベイトを受け入れ/消費するか否かを判定した。以降は、木材の部分を活動領域に追加した状態で、無選択検定に関して説明したのと同じ方法である。
結果
概説:評価の期間中、両種のシロアリは、歩いて三つの試作ベイトに集まることが観察された。48時間後、図29に例示する通り、すべての活動領域のほとんどのシロアリにおいて、ベイト(黒鉛でマーキング)が体壁を通して見えた。侵入の2週間後、CAB及びCAPの活動領域との比較により、エコフレックス(登録商標)の活動領域のシロアリにおいて、ベイトがより可視化されているように見えた。
イエシロアリ(表4)
無選択検定:
副サンプルから取り去られた材料の量で示されるエコフレックス(登録商標)のベイト受け入れは、CAB、CAP、及び松よりもはるかに大きかった。
CAPの受け入れは、エコフレックス(登録商標)、CAB、及び松よりもはるかに小さかった。
CAB及び松の受け入れに有意な差はなかった。
単皿選択検定:
シロアリは、松(20.97mg)よりも多くのエコフレックス(登録商標)(59.37mg)を取り去った。
シロアリは、松(56.43mg)よりも少ないCAB(0.83mg)を取り去った。
シロアリは、松(41.60mg)よりも少ないCAP(0.93mg)を取り去った。
ヤマトシロアリ(表4)
無選択検定:
エコフレックス(登録商標)、CAB、及び松の受け入れに有意な差はなかった。
CAPの受け入れは、エコフレックス(登録商標)、CAB、及び松よりもはるかに小さかった。
単皿選択検定:
シロアリは、松(11.03mg)よりも多くのエコフレックス(登録商標)(66.63mg)を取り去った。
シロアリは、松(59.17mg)よりも少ないCAB(35.37mg)を取り去った。
シロアリは、松(74.30mg)よりも少ないCAP(11.83mg)を取り去った。
結論
エコフレックス(登録商標)は、無選択及び単皿選択(ベイト及び松)実験法の両者において、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)及びヤマトシロアリ(Reticulitermes flavipes)により容易に受け入れられた。
無選択検定において、CAP(CEポリマー26627含有)のベイト受け入れは、エコフレックス(登録商標)及びCAB(CEポリマー24647含有)よりもはるかに小さかった。
単皿選択実験検定において、CAB及びCAPのベイト受け入れは、松食料源と組み合わせた場合に大きく低減した。
単皿選択実験検定において、エコフレックス(登録商標)のベイト受け入れは、松食料源よりも大きかった。
同じ文字が続く値は、0.05%レベルで大きくは異ならず、テューキー(Tukey)のHSDにより分離されることを意味する。
検定は、2015年9月1日に開始した(C. Leichter NB 33587 p. 96)。
[実施例3]
エコフレックス(登録商標)ベイトマトリックスに対する別の選好を図16及び図16aに示すとともに、データを以下の表5に示す。図16は、シロアリに曝露する前のベイトマトリックスの一例である。図16aは、現場調査でイエシロアリに4週間曝露した後の三種のベイトマトリックス組成物の一例である。使用した三個のベイトは、a)セルロース(Y%)、酢酸プロピオン酸セルロースCAP(X%)、及び黒鉛(Z%)の混合物、b)セルロース(Y%)、エコフレックス(登録商標)(X%)、及び黒鉛(Z%)の混合物、並びにc)セルロース(Y%)、酢酸酪酸セルロースCAB(X%)、及び黒鉛(Z%)の混合物である。X、Y、及びZはそれぞれ、特定割合のベイト組成を表しており、サンプル間で一致する(例えば、X%は、ベイトa)、b)、及びc)間で同じである)。三個の異なるベイトの複製を地中のバケツに設置し、30日間にわたって、シロアリのコロニーに食べさせた。調査の最初には、バケツに導かれたシロアリの推定数を提供し、調査の完了時には、バケツに残るシロアリの推定数を提供した。下表に示すように、一部のバケツは、複数のベイトマトリックスを含んでいた。他のバケツは、個々のマトリックスを含んでいた。バケツ3〜6は、同じ場所(木)を囲んで相互に近く設置し、バケツ7〜10は、同じ場所(第2の木)を囲んで相互に近く設置した。30日の期間後、ベイトをバケツから取り出し、消費を観察、評価した後、ベイトの重さを量った。
結論
シロアリは、コロニーのサイズ及びベイトが個別に提供されているか相互に組み合わせて提供されているかに関わらず、ベイト(a)(CAPブレンド)及びベイト(c)(CABブレンド)よりもベイト(b)(エコフレックス(登録商標)ブレンド)に対する明確な選好を示した。
本発明又はその好適な実施形態の要素の導入に際して、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、当該要素が一つ以上存在することを意味するものである。用語「備える(comprising)」、「具備する(including)」、及び「有する(having)」は、包含的であり、列挙された要素以外の別の要素が存在し得ることを意味するものである。
本発明の範囲から逸脱することなく、上記構成において種々変更も可能であることから、上記説明に含まれるすべての内容又は添付の図面に示されるすべての内容は、例示に過ぎず、限定的な意味では解釈されないものとする。

Claims (18)

  1. 有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスであって、前記導電性ベイトマトリックス全体にわたって前記導電性粒子が実質的にランダムに散在しており、前記少なくとも一つの担体材料が少なくとも一つの熱可塑性材料及び/又は樹脂系材料を含む、導電性ベイトマトリックスを備える有害生物防除及び/又は検出システム。
  2. 前記少なくとも一つの熱可塑性材料がポリエステルである、請求項1に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  3. 前記少なくとも一つの担体材料がセルロース材料をさらに含む、請求項1又は2に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  4. 前記導電性粒子が、金属粒子、黒鉛、カーボンナノチューブ片、カーボンブラック、コークス、及び木炭粉のうちの少なくとも一つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  5. 前記熱可塑性材料及び/又は樹脂系材料が、記導電性ベイトマトリックスの約20〜約40重量%構成する、請求項1に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  6. 前記少なくとも一つの担体材料が、記導電性ベイトマトリックスの約20〜約80重量%構成するセルロース材料をさらに含む、請求項5に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  7. 有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスであって、前記導電性ベイトマトリックス全体にわたって前記導電性粒子が実質的にランダムに散在しており、前記ベイトマトリックスが第1の端部及び第2の端部を有する、導電性ベイトマトリックスと、
    前記第1の端部で前記ベイトマトリックスと導電接触した第1の電極と、
    前記第2の端部で前記ベイトマトリックスと導電接触した第2の電極であって、前記ベイトマトリックス、前記第1の電極、及び前記第2の電極がアセンブリとして保持された、第2の電極と、
    前記第1の電極を前記ベイトマトリックスの前記第1の端部に対して付勢し、さらに前記第2の電極を前記ベイトマトリックスの前記第2の端部に対して付勢する付勢部材と、
    を備える有害生物防除及び/又は検出システム。
  8. 前記ベイトマトリックスが長手軸を有し、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記付勢部材が前記ベイトマトリックスと同軸である、請求項7に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  9. 前記付勢部材が前記第1の電極と接触して、前記第1の電極を前記ベイトマトリックスに向かって付勢し、さらに前記ベイトマトリックスを前記第2の電極に向かって付勢する、請求項7又は8に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  10. ハウジングを具備する制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットが、前記ベイトマトリックスとは別個に形成されるとともに、前記ベイトマトリックス、前記第1及び第2の電極、並びに前記付勢部材とともにアセンブリとして保持されており、前記付勢部材が、前記制御ユニットのハウジングと前記第1の電極との中間に配設されている、請求項7から9のいずれか一項に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  11. 前記付勢部材が導電性材料で構成されている、請求項7から10のいずれか一項に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  12. 前記付勢部材が、導電性材料で構成された波形バネを備える、請求項7から11のいずれか一項に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  13. 前記波形バネが平坦なワイヤ端を有する、請求項12に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  14. 有害生物による受容可能性、摂食刺激物質、消費可能性、及び/又は変位可能性のうちの少なくとも一つを有する少なくとも一つの担体材料と、複数の導電性粒子とを含む導電性ベイトマトリックスであって、前記導電性ベイトマトリックス全体にわたって前記導電性粒子が実質的にランダムに散在しており、前記ベイトマトリックスが第1の端部及び第2の端部を有する、導電性ベイトマトリックスと、
    前記ベイトマトリックスとともにアセンブリとして保持され、前記ベイトマトリックスに給電するように動作可能な制御ユニットであって、前記ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す信号を送信するようにさらに動作可能である、制御ユニットと、
    前記ベイトマトリックスが位置付けられた環境の少なくとも一つの環境特性を検知するように動作可能である環境センサと、
    を備える有害生物防除及び/又は検出システム。
  15. 前記制御ユニットが、前記環境センサにより検知された前記少なくとも一つの環境特性を示す信号を送信するようにさらに動作可能である、請求項14に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  16. 前記制御ユニットが、前記ベイトマトリックスの前記少なくとも一つの特性を示す前記信号を前記環境センサの関数として調整し、前記ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す調整信号を規定するとともに、前記調整信号を送信するように動作可能である、請求項14に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  17. 前記制御ユニットの遠隔にあり、前記ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す信号を前記制御ユニットから受信するとともに、前記ベイトマトリックスが位置付けられた前記環境の少なくとも一つの環境特性を示す信号を前記制御ユニットから受信するデータ収集システムをさらに備えており、前記データ収集システムは、前記ベイトマトリックスが位置付けられた前記環境を示す前記信号の関数として前記ベイトマトリックスの前記少なくとも一つの特性を示す前記信号を調整し、前記ベイトマトリックスの少なくとも一つの特性を示す調整信号を規定するように動作可能である、請求項15に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
  18. 前記環境センサが、湿度センサ及び温度センサの少なくとも一方を含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の有害生物防除及び/又は検出システム。
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