JP6826019B2 - ウィンドファーム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の風力発電装置を備えるウィンドファーム及びその制御方法であって、特に風速に応じて風力発電装置の運転を停止するウィンドファーム及びその制御方法に関する。
近年、地球温暖化対策の一つとして、風力発電の導入が世界的に盛んに行われている。風力発電は、費用対効果の観点から、一定の地域に複数台の風力発電装置を設け、大量の風力発電装置群を一括して運用するウィンドファームとして設置されることが多くなっている。
ウィンドファームの制御として、例えば、特許文献1には、それぞれの風力発電設備の風速をモニタし、各風車風速の時間平均値が閾値を超えた場合に、ウィンドファーム全体の出力低下率が大きくなり過ぎないように各風車の運転状態を変更させることにより、急激な出力変動を防止する技術が開示されている。
特開2006−170208号公報
風力発電装置は、風況の状況により発電出力が変動するので、電力系統への導入がさらに増えた場合の電力系統の電圧や周波数の維持に関する影響が懸念されている。
風力発電装置は、羽根のピッチ角を変えて、回転を一定に保ったり、発電機の励磁電流を変えたりして、発電出力を一定に制御する。これにより、風力発電装置は、風速が定格風速に達するまでは風速の増大と共に出力が増加し、さらに風速が増大すると、そのカットアウト風速までは定格出力で運転するように構成されている。このカットアウト風速は、一般的に、風力発電装置の機器に作用する機械的負荷により蓄積される機械的構成要素の疲労予測に所定の安全率を見込んだ値や、機器交換頻度の経済性等に基づき、所定の風速に設定されている。
風力発電装置は、多くの場合、カットアウト風速よりも速い風速において、機器保護のために停止させる安全機能が設けられている。この停止の時、風力発電装置は、出力が定格出力から出力ゼロへと急激に変動する。この点について、ウィンドファームにおいて複数の風力発電装置が一斉にカットアウト風速に達して停止した場合には、ウィンドファーム全体の出力変動はきわめて大きくなる。
一方、複数の風力発電装置が連系される電力系統は、風力発電装置の出力変動があっても需給調整に支障が出ないように、発電所等の設備容量を十分に確保する必要がある。しかしながら、風力発電装置の導入量が増え、ウィンドファームの規模が大きくなると、電力系統を維持する電力会社の設備負担が大きくなる問題がある。このため、電力会社は、連系される風力発電装置の台数を制限し、あるいはウィンドファームの出力変動が所定の範囲に収まるよう、変動抑制対策を風力発電事業者に対して求めるようになってきている。
これまで、強風時のウィンドファームの出力変動の緩和方法として、種々の提案がなされている。
特許文献1に開示された技術では、ウィンドファーム全体の発電量低下率を周期的に算出しながら監視して各風車の停止判断をしているため、算出する低下率の条件を満たす範囲内で、過渡的にはウィンドファームコントローラが停止許可する風車が短時間で複数生じ、発電量変動が大きくなってしまう可能性がある。
また、特許文献1に開示された技術では、停止許可する順序をタービン制御システムが出力したパラメータを使って決定しているため、地理的特徴や風況傾向等により停止を保留される風車が特定の風車群に集中してしまう可能性がある。
以上のことから本発明においては、ウィンドファームで複数の風力発電装置について同時カットアウトが発生した場合にウィンドファーム全体としての出力急減を緩和することが可能なウィンドファーム及びその制御方法を提供することを目的としている。
以上のことから本発明においては「風力発電装置と、風力発電装置を複数台制御する集中制御装置とを有するウィンドファームであって、集中制御装置は、同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記風力発電装置がカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した場合、同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を、停止許可するように制御することを特徴とするウィンドファーム。」としたものである。
ウィンドファームで複数の風力発電装置について同時カットアウトが発生した場合にウィンドファーム全体としての出力急減を緩和することが可能なウィンドファームの制御装置及びその制御方法を提供することができる。
図10の制御部31におけるシャットダウン順序決定処理における具体的な処理内容を示す図。 本発明が適用される一般的なウィンドファームの構成例を示す図。 風力発電装置1a、1b、1c、1dの代表的な構成事例を示す図。 個別制御装置9における、カットアウト風速到達時処理内容を示すフロー図。 風力発電装置1における風力発電装置単機での出力特性を示す図。 ウィンドファーム100における複数風力発電装置での合成出力特性を示す図。 本発明を採用しない場合における風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過する前後でのウィンドファーム100の出力変化を示した図。 本発明において標榜する風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過する前後の時刻Tでのウィンドファーム100の出力変化を示した図。 図8の順次停止を採用したときのウィンドファーム100における複数風力発電装置での合成出力特性を示す図。 本発明に係る集中制御装置20の構成を示すブロック図。 風力発電装置1の個別制御装置9と集中制御装置20による協調動作を簡潔に記載した図。 本発明の実施例2に係る集中制御装置20の構成を示すブロック図。 実施例3における風力発電装置1の個別制御装置9と集中制御装置20による協調動作を簡潔に記載した図。 実施例1における集中制御装置20におけるフロー図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
その前に本発明の前提となる事項について説明をしておく。まず、風力発電装置のカットアウトは風力発電装置単機の自律的保護動作により行われる。また風力発電装置のカットアウトは、ウィンドファーム全体で、複数台が同時に発生し得る。さらに風力発電装置の風力発電装置単機は、自機の状況(疲労損傷度)によってカットアウトの遅延が可能であり、遅延させても機器の長期運転上は問題がない、或は許容されるものとする。
図2は、本発明が適用される一般的なウィンドファームの構成例を示している。
ウィンドファーム100は、複数の風力発電装置1a、1b、1c、1d、風力発電装置1a、1b、1c、1dを制御する個別制御装置9a、9b、9c、9d、所内変電設備40、ウィンドファーム100を制御する集中制御装置20などにより構成されている。
またウィンドファーム100では、各風力発電装置1a、1b、1c、1dの発電出力Pa、Pb、Pc、Pdが構内の一箇所、例えば所内変電設備40で接続され、ウィンドファーム100の合計出力として、送電線90を介して電力系統50に接続され、ウィンドファーム100で発電された電力は電力系統を経て需要家30に対して供給されている。なお、集中制御装置20と、各風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9a、9b、9c、9dの間は、通信ネットワーク15により接続され、相互の間での情報通信を実施している。
図3は、風力発電装置1a、1b、1c、1dの代表的な構成事例を示している。図3の風力発電装置1は、タワー8と、タワー8上に回転可能に設けられたナセル5と、ナセル5内に設置された発電機6と、発電機6を駆動するロータ4を主要な構成としており、ロータ4は複数のブレード2とハブ3と回転軸により構成される。ハブ3に固定された3枚のブレード2が回転することで発電機6を駆動し、電力Pを発生する。
風力発電装置1の例えばナセル5内には、当該風力発電装置1(1a、1b、1c、1d)についての個別制御装置9(9a、9b、9c、9d)が収納されている。個別制御装置9は、ロータ回転軸の回転速度を検出する回転速度検出器10で検出したロータ回転速度や、や風況計11等で検知した風速、風向の情報を用いて、ブレード2のピッチ角制御部7に制御信号を与える。ブレード2のピッチ角を変更することで、ロータの回転速度制御をすることができる。また個別制御装置9は、ナセル5の向きを変更するヨーモータを制御することでヨー角度を調整することができる。風況計11は、風力発電装置1の近傍として、例えばナセル5上に設置され、風力発電装置1が受ける風向・風速と気圧などを測定する。また個別制御装置9は、状況に応じてブレード2のピッチ角をフェザー若しくはストールする角度に制御し、ロータ4の回転速度を減速させ、場合によってはロータ回転の慣性ブレーキ装置16を用いて、ブレードの回転を停止/減速することができ、その後、手動又は自動によりロータロックでロータ回転を固定できる。
図3に示すように、風力発電装置1a、1b、1c、1dでは、それぞれの風況計11と、それぞれの個別制御装置9a、9b、9c、9dとが接続されている。また図2に示すように、個別制御装置9a、9b、9c、9dは、通信ネットワーク15を介して、集中制御装置20に接続される。なお、集中制御装置20内には記憶装置(図示せず)が接続されており、各風力発電装置1a、1b、1c、1dの運転情報を逐次記憶している。
以上のように構成された本発明の個別制御装置9は、風況計11で検知した風速が、予め設定された各風力発電装置のカットアウト風速に到達した場合、停止指令をピッチ角制御装置7若しくはブレーキ装置16に与え、ブレード2の回転を停止させ、発電機6の発電制御を停止させる前に、まず集中制御装置20側に停止要望を伝え、集中制御装置20側からの停止許可をもって、具体的な停止行動に移る。
図4は、個別制御装置9における、カットアウト風速到達時処理内容を示すフロー図である。図4のフローは、例えば1秒周期で起動され、最初の処理ステップS90では、個別制御装置9が風況計11から風向、風速の情報を入手し、処理ステップS91では、所定時間として例えば直近10分間についてナセル風速の平均値を求める。平均値導出処理は、例えば毎周期ごとの10分間の移動平均により求めることができる。
処理ステップS92では、求めた平均風速と予め設定されたカットアウト風速を比較し、カットアウト風速を超えたことを検知する。この検知は、この状態がさらに継続することをもって確認するものであってもよい。カットアウト風速を超えないときには、最初の処理ステップS90にもどり、周期ごとに処理ステップS90から処理ステップS92までの処理を繰り返し実行する。
このカットアウト風速を超えたかどうかの検知は、超えた状態が継続することを確認するために平均風速と比較したが、他の統計値や瞬間風速等に基づく検知であってもよい。
風速がカットアウト風速を超えたときは、処理ステップS93に移り、通信ネットワーク15を介して集中制御装置20に、この風力発電装置1の停止要望を伝送する。その際に、例えば風力発電装置1aにおける風向、風速の情報を同時に伝送することもできるし、平均風速がカットアウト風速を超え風向、風速の情報を伝送することで、当該風力発電装置1aの停止を要するメッセージに変えてもよい。この風力発電装置1aは、停止要望を伝送したのち、処理ステップS94において待機状態に入る。つまり、平均風速がカットアウト風速を超えたとしても直ちにピッチ制御装置若しくはブレーキ装置16を制御してこの風力発電装置1aの発電運転を停止するのではなく、集中制御装置20に報告し、その指示に従うようにされている。
処理ステップS95で、集中制御装置20からの返信があった場合は、処理ステップ96で返信の内容が当該風力発電装置1の停止を許可する停止許可信号か待機信号か確認して、停止許可信号であった場合は次の処理ステップS97に移り、待機信号だった場合は待機を継続する。処理ステップS97において、個別制御装置9はピッチ制御装置に制御指令を伝送し、場合によっては慣性ブレーキ装置16を駆動してこの風力発電装置1aのロータ回転及び発電運転を停止する。停止を確認した後は、処理ステップS98において、停止完了報告を集中制御装置20に送信する。
なお、ここでいう待機とは、発電継続することをいう。具体的には例えば、停止要望を伝送した際の風車の運転状態を継続させる。また別の形態として、待機の状態において各風力発電装置は、あらかじめ決められた割合で出力を制限するようにしてもよい。また、本実施例では、集中制御装置20が待機信号を返す場合について説明したが、許可信号のみを返すようにしてもよい。
なお、図4のフロー図は停止操作を主眼とする部分のみを抽出して示したものであるため、一部説明を割愛しているが、通常運転時においても、適宜通信ネットワーク15を介して集中制御装置20との間での情報伝送を行っている。
なお、上述の説明では停止許可が集中制御装置20から返信されるまで待機するとしたが、待機中に更に高速な限界風速を超えた場合は、保護のため許可を待つことなく停止するようにしてもよい。
図14は本実施例の集中制御装置20における、カットアウト風速到達時処理内容を示すフロー図である。まず処理S01において、図4で説明した個別制御装置9での処理により、集中制御装置20は個別制御装置9から適宜停止要望を受信する。処理S02において、同時に若しくは所定の短期間の間に複数の個別制御装置9から停止要望を受信したか確認する。一つの個別制御装置9からのみ停止要望を受信した場合は、処理S03において、停止許可指令を当該個別制御装置9に送信する。複数の個別制御装置9から停止要望を受信した場合は、処理S04において、いずれか一つの個別制御装置9を選択して停止許可指令を送信し、停止要望を受信したか確認する処理S01に戻る。この処理ループは所定の時間周期で行ってもよい。以上の制御により、複数の個別制御装置9において偶発的に同時に若しくは短時間に集中して停止判断された場合であっても、集中制御装置20が停止許可を同時に送信しないように処理するため、ウィンドファーム全体として急な発電量変動を抑制することができる。
また、図14において1台ずつ停止許可を送信したが、例えば2台以上ずつ停止許可を出すこともできる。言い換えると、複数台から同時若しくは所定の期間に停止要望を受けた場合は、同時若しくはその期間に停止要望を受けた台数より少ない台数の風車に対して停止許可を出す。また、言い換えると、複数台から同時若しくは所定の期間に停止要望を受けた場合は、少なくとも1台以上の風車について停止許可を出さない。また、本実施例では停止要求について説明したが、他の運転状態変更要求に変えた場合でも同種の効果を奏する。
図5は、風力発電装置1における風力発電装置単機での出力特性を示しており、風力発電装置の風速[m/s]と出力[W]との関係を示す特性図である。横軸が風速Vで、縦軸が風力発電装置単機での出力Pであり、縦軸上に定格電力Pratedを表記している。
一般に、
風の運動エネルギー=(1/2)×「風の質量[kg]」×「風速の2乗」
単位時間あたりの風の質量[kg/s]=断面積[m2]×空気密度[kg/m3]×風速[m/s]
であるので、
風のパワー[W]=(1/2)×「断面積[m2]×「空気密度[kg/m3]」×「風速[m/s]の3乗」
となる。したがって、風力発電装置1a、1b、1c、1dは、風速Vが風力発電装置の定格風速V1に達するまでは、出力係数や変換効率の変動によるが、風速の3乗に略比例するように出力が増加する。
風速Vがさらに増大すると、風力発電装置1a、1b、1c、1dは、ブレードピッチ角やトルクを調整することにより回転周波数を制御可能なのでカットアウト風速V2までは定格出力(100%)で運転(定格運転)するように構成されている。具体的に、例えば風力発電装置が回転し始める発電開始(カットイン)の風速V0は3m/sであり、定格風速V1は12m/sであり、停止風速V2(カットアウト)は、25m/sである。なお、風力発電装置のカットアウト風速は、風力発電装置に作用する機械的負荷によって生じる、機械的構成要素の疲労限界値に対して所定の安全率を確保できる風速、若しくは機器交換等の経済性に基づき設定する風速である。また、定格運転における発電出力は、所定範囲内の変動があってもよいが、定格風速とカットアウト風速の間は略一定であるのが望ましい。安全機能として、カットアウト風速となる風速V2よりも速い風速(停止風速)では、風力発電装置1a、1b、1c、1dは、機器保護のために停止させられる。
ウィンドファーム内の各風力発電装置について、後記する風速の閾値は、定格風速V1より大きく、停止風速V2(カットアウト風速)よりも低いある値に設定されてもよいし、カットアウト風速若しくはそれ以上に設定されていてもよい。
図6は、ウィンドファーム100における複数風力発電装置での合成出力特性を示しており、風力発電装置の風速[m/s]と出力[W]との関係を示す特性図である。横軸はウィンドファームの代表的な風速Vを、縦軸はウィンドファーム100における複数風力発電装置(ここでは例示として4台としている)の合成出力4XPを示しており、縦軸上に4台分の定格電力の合成出力として4XPratedを表記している。
この図では、4台の風力発電装置による合成出力としての特性を示しているが、ウィンドファームを構成する個々の風車は地理的に近接して設置される場合が多く、各風車が個別に制御判断をしていた場合であっても、合成出力として、基本的には図5の風力発電装置単機での出力特性と同様の傾向となるため、ここでの説明を割愛する。
図5、図6では、停止風速V2(カットアウト風速)よりも低い風速での運転について説明したが、図7、図8、図9では、ウィンドファーム100における複数風力発電装置の場合の、停止風速V2(カットアウト風速)よりも高い風速での運転について説明する。
まず図7は、比較例として本実施例制御を採用しない場合における、風速Vが時間経過にしたがって増加し停止風速V2(カットアウト風速)を超過する前後の時刻Tでのウィンドファーム100の出力変化を示した図である。停止風速V2に至る前の状態(T1−T2間)では、個別制御装置9はブレード2のピッチ角を可変とし、あるいは、トルクを調整することで、個々に出力一定を図り、結果としてウィンドファーム100の合成出力として4XPratedを実現している。
これに対し、風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過した時刻T2では、近隣に設置された各風車の個別制御装置9はそれぞれ風速超過を検知し、集中制御装置20が設けられていない場合は特に伝達なく、集中制御装置20が設けられているが本実施例のファーム制御が実装されていない場合は停止要望(シャットダウン要求ST)を集中制御装置20に伝達し、集中制御装置20が個々の要望に対して即座に停止許可を与える。そのため、ほぼ同時刻に全ての風力発電装置1a、1b、1c、1dが停止する結果となり、ウィンドファーム100の出力は急減することになり、電力系統に与える影響が大きいものとなる。
図8は、本実施例のファーム制御が実装された場合の、風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過する前後の時刻Tでのウィンドファーム100の出力変化を示した図である。本実施例においては、指標としてウィンドファームの代表的な風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過したときには、先の比較例と同様に、4台の風車にそれぞれ設置された個別制御装置9が近い時間に集中して停止要望を送信する場合が考えられる。図14で説明したように、同時に若しくは短時間に複数の停止要望を受信した場合、集中制御装置20は順に許可指令を発信するため、複数の風車の停止タイミングがずれることになる。その結果、風力発電装置1a、1b、1c、1dは時系列的にT2、T4、T5、T6において順次停止され、ウィンドファーム全体としての発電量低下は略ステップ状に、風車の台数が多い場合は略ランプ状になる。
図10は、本発明に係る集中制御装置20の構成を示すブロック図である。図10において、集中制御装置20は、通信ネットワーク15に接続されている送受信部(図示せず)と、記憶装置(図示せず)に接続されている制御部31とを備え、制御部31では、風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9が発した複数のシャットダウン要求STを処理する。ここでシャットダウン要求ST1、ST2、ST3、ST4は、それぞれ風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9a、9b、9c、9dが発したものとし、シャットダウン許可指令OP1、OP2、OP3、OP4は、それぞれ風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9a、9b、9c、9dに向けられたものとする。
制御部31において、単に停止許可タイミングをずらす処理以上の制御として、許可を出す順番を所定のルールに基づき設定することができる。その場合、制御部31におけるシャットダウン順序決定処理における具体的な処理内容は図1に例示されている。この処理は、以下の前提のもとに行われている。まず、風力発電装置のカットアウトは風力発電装置単機の自律的保護動作により行われるものであり、この点については説明済みである。また風力発電装置のカットアウトは、ウィンドファーム全体で、複数台が同時若しくは短時間に集中して発生し得る。さらに風力発電装置の風力発電装置単機は、安全率や経済性にマージンをもってカットアウト風速が設定されており、自機の状況(例えば疲労損傷度)によってカットアウト風速を超えた状態での運転継続が可能であり、遅延させても機器の長期運転上は問題がない、或は許容される。
図1のシャットダウン順序決定処理は、個別制御装置9が発したシャットダウン要求STを受信したことで起動される。図1の処理は、その起動後に適宜の周期で実行され、最初の処理ステップS200では、個別制御装置9が発したシャットダウン要求ST(停止要望)を受信したときに処理ステップS201においてシャットダウン要求受信リストを作成する。また、既に他の個別制御装置9からシャットダウン要求STを受信していた場合は、リストに追加する。シャットダウン要求受信リストには、これを送信した個別制御装置9のID以外に個別制御装置9で検知した各種信号についての情報を含んでいてもよい。なお、風力発電装置1a、1b、1c、1dについての過去における運転実績などは、別途図示せぬ記憶装置に保持されており、制御部31から適宜参照可能とされている。
図1の上記処理ステップS200、S201によりシャットダウン要求受信リストには複数の風力発電装置1a、1b、1c、1dの個別制御装置9a、9b、9c、9dからシャットダウン要求STが受信されているものとする。本発明では、早いもの順に停止許可を決定することもできるが、複数のシャットダウン要求STが受信された状態で、次の処理ステップS202の処理を行う。
処理ステップS202では、複数のシャットダウン要求STに対して停止順番を決定していく。この時に停止順番リストを作成する。停止順番リストの決定手法については種々あり得るが、例えば風向を参照し、風上側から順番を決める。あるいは、稼働時期が早いものから順番を決める。あるいは、劣化度合いを考慮して順番を決める。あるいは過去の経験を参照することも可能である。あるいは、出力の大きいものを優先して順番を決める。なお停止順番は一度定めたら固定というわけではなく、そのときの環境条件などに応じて適宜に可変運用される。また、停止順番リストに従い停止許可を与えることになるが、すでに停止済みの風力発電装置1a、1b、1c、1dを停止順番リストから除外し、あるいはその後に停止許可を求めてきた場合に、その追加を行うとともに全体の順番を改めて見直すといった処理を行う。
次の段階では、風力発電装置1a、1b、1c、1dの個別制御装置9にシャットダウン許可指令OP1、OP2、OP3、OP4を送信する。この場合の処理には、集中制御装置20が個々の風車の停止を逐次確認するように個別送信とする場合と、集中制御装置20の処理負荷低減のため一斉送信とする場合が考えられる。処理ステップS203側には個別送信の事例を、処理ステップS207側には一斉送信の事例を記載している。
個別送信とする場合、処理ステップS203では作成した停止順番リストを参照し、最初に停止することにした風力発電装置1aの個別制御装置9にシャットダウン許可指令OP1を送信し、処理ステップS204において、風力発電装置1aの個別制御装置9から、その停止を実行し、完了したことの確認報告の受信を待つ。確認報告があった場合には、処理ステップS205において、停止順番リストを参照し全機停止確認を行い、まだ停止していない風力発電装置1が残っている場合には、処理ステップS206において停止順番リストを参照し、次に停止すべき風力発電装置1bの個別制御装置9を指定する。その後は再度処理ステップS203に戻り、風力発電装置1bの個別制御装置9を対象とする一連の処理を繰り返し実行する。処理ステップS205において全機停止が確認された場合には、ウィンドファーム100を制御する集中制御装置20におけるカットアウト風速超過時対応を完了する。
なお個別送信の上記手順によれば、順番のみを規定しているが、一つの個別制御装置9に停止許可を送信した後、次に停止する風力発電装置1にシャットダウン許可指令OPを与える間の期間を規定し、タイミングなどを適宜調整することもできる。
また一斉送信とする場合、処理ステップS207では作成した停止順番リストを参照し、全ての風力発電装置1a、1b、1c、1dの個別制御装置9にシャットダウン許可指令OP1、OP2、OP3、OP4を送信する。この場合に停止順番リストには、風力発電装置1a、1b、1c、1dごとに停止開始時刻の情報が含まれている。例えば最初に停止を許可された風力発電装置1aは、シャットダウン許可指令OP1の受信後の待ち時間がゼロに設定されており、即時停止開始してよいが、次に停止すべき風力発電装置1bは、シャットダウン許可指令OP2の受信後の待ち時間が10分に設定されており、10分経過後に停止開始作業に入ることが許可されている。
処理ステップS208では、先述の処理ステップS204と同様に、風力発電装置1の個別制御装置9から、その停止を実行し、完了したことの確認報告の受信を待つ。但し、この場合には、停止確認報告の受信時間帯が管理されるのがよい。例えば風力発電装置1a、1bの順に停止するときに、これらの間では10分の時間間隔をおいて停止操作に入っていることから、例えば9分から11分の時間帯の中で停止確認報告があることで一連の処理が確実に実行されていることが確認可能である。
確認報告があった場合には、処理ステップS209において、停止順番リストを参照し全機停止確認を行い、まだ停止していない風力発電装置1が残っている場合には、処理ステップS208に戻り、残された停止確認報告の管理を行う。なお、処理ステップS209において全機停止が確認された場合には、ウィンドファーム100を制御する集中制御装置20におけるカットアウト風速超過時対応を完了する。
なお、本実施例において、一斉送信する場合は、S209で全機停止したか確認する処理が入るように記載されているが、一斉送信した後、確認しなくてもよい。
図1で説明したように、風力発電装置1の個別制御装置9においては、事前の風況情報による順位付けではなく、S200〜S202で風力発電装置1の各基においてシャットダウンが必要と要求を出した風力発電装置1のみについて、集中制御装置20への報告と、許可を求めている。これにより、本発明の実施例による効果として、個別制御装置9が常に情報(シャットダウン関連情報)を送信する必要がなく、集中制御装置20側も常に順番付けの演算負荷を要求しないという点を挙げることができる。
図11は、上記した風力発電装置1の個別制御装置9と集中制御装置20による協調動作を簡潔に記載したものである。これによれば、複数の風力発電装置1の個別制御装置9のいずれか少なくとも1つが、処理ステップS01とS02の処理を行う。処理ステップS01では、風力発電装置におけるナセル風速がカットアウト風速以上であることを検出し、処理ステップS02では、個別制御装置9から集中制御装置20へシャットダウン要求STを送信する。
集中制御装置20では、処理ステップS03からS06の処理を行う。処理ステップS03では、集中制御装置がシャットダウン要求STを受信し、処理ステップS04では、所定の時間周期毎にシャットダウン許可送信済みを除外したシャットダウン要求の受信リストを作成し、処理ステップS05では集中制御装置がシャットダウン順序を決定、処理ステップS06では集中制御装置が個別制御装置へシャットダウン許可OPを送信する。この処理は要求した複数の風力発電装置1の個別制御装置9の全てについて処理が繰り返し実行される。なお、S06で風力発電装置1の個別制御装置9への指令を行ったあとにS04に戻らずに、新たに来たシャットダウン請求をリストに追加せず、一度作った所定期間分のリストについてシャットダウン許可信号を全て送信することもできる。
これを受けて最後に要求した複数の風力発電装置1の個別制御装置9では、処理ステップS07、S08の処理を行う。処理ステップS07では集中制御装置からシャットダウン許可OPを受信、処理ステップS08では個別制御装置がシャットダウンを実施する。
図11に示した本発明の実施例においては、集中制御装置20においてあらかじめ設定された所定の周期を同時若しくは短時間と認定し、その周期の期間に来たシャットダウン要求を待ち行列(停止順番リスト)に格納し、リスト内で風力発電装置1に対する優先度に基づき順序を決定し、順次停止許可信号を返送している。同時若しくは所定の期間の停止順番リストに入っている風力発電装置1に対して、順序付けの処理が必ず入るため、ほぼ同時にシャットダウン要求が発生した場合であって、後から優先度が高い(例えば累積損傷度が高い)風力発電装置1がシャットダウンを要求した場合に、優先度が高い風車を優先してシャットダウンさせること(割り込み処理)と、複数の風力発電装置1の集中したシャットダウン回避が両立できるという効果を奏することができる。発電量変化率等の条件を満たした場合のみ順序付けの処理が入る場合に比べ、所定短期間に来たシャットダウン要求同士で順序付け処理を入れることで、発電量変動を抑制したり風車を寿命制御の調整効果を向上することができる。
図12は、本発明の実施例2に係る集中制御装置20の構成を示すブロック図である。実施例2では、複数の風力発電装置1における過去の運転経験などに基づく、疲労評価結果を停止順番作成に反映させることについて説明する。図12は、基本的には図10の構成において、入力信号として、各風力発電装置1がシャットダウン要求STに付与して送信してきた疲労評価結果Mの情報を加味している。
図12において、集中制御装置20は、通信ネットワーク15に接続されている送受信部(図示せず)と、記憶装置(図示せず)に接続されている制御部41とを備え、制御部41では、風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9が発した複数のシャットダウン要求STと、これに付随して送信されてきた疲労評価結果Mの情報を処理する。ここでシャットダウン要求ST1、ST2、ST3、ST4と、疲労評価結果M1、M2、M3、M4は、それぞれ風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9a、9b、9c、9dが発したものとし、シャットダウン許可指令OP1、OP2、OP3、OP4は、それぞれ風力発電装置1a、1b、1c、1d内の個別制御装置9a、9b、9c、9dに向けられたものとする。
この場合に、基本的な処理手順は実施例1で述べた内容と同様だが、停止順序を設定するときに、疲労評価結果Mの情報を参照し、疲弊している風力発電装置1については早いタイミングで停止するようにする。具体的には、同時若しくは所定期間に集中制御装置20が受信し、リスト化したシャットダウン要求リストを順序付けする際に、同時に送信されてきた疲労評価結果Mの値を比較し、疲労評価結果Mの大きい風車を上位の順序に設定する。カットアウト風速以上でシャットダウン要求を待機された状態で運転継続することは、すぐに停止する場合に比較して風車に負荷を与えることになる。上述の制御により、ウィンドファーム全体における複数の風力発電装置について、同じ程度の寿命となるように調整することができる。また、メンテのタイミングに合わせて余寿命を調整するように停止順番を定めることもできる。
ウィンドファーム全体の発電量変動の調整を最優先し、個々の風車の発電状況等に基づきシャットダウン要求の順序付けをすると、風力発電装置1が設置された土地の風況傾向等により結果的に決まった風車に停止優先順が偏る可能性があり、疲労が集中する可能性があるが、本実施例の処理により調整することができる。
ここで、本発明の実施例2では、停止順番作成のために寿命管理の観点から行う事を提案しており、寿命を具体的にどのようにして求めるのかはその本旨ではないが、風力発電装置1の寿命を推定する手法について、例えば特開2015−117682号公報、「風車工学入門」牛山泉著、第2版、森北出版、2013年8月13日発行、P81−98に記載されている技術を用いて実現が可能である。
実施例1では、集中制御装置20側で停止順番と待ち時間などを設定した事例を述べているが、ここでは風力発電装置1内の個別制御装置9がシャットダウン要求を送信する際に、シャットダウン許可待ち時間を、同時に集中制御装置20側に送信する。
図13は、実施例3における風力発電装置1の個別制御装置9と、集中制御装置20による協調動作を簡潔に記載したものである。これによれば、複数の風力発電装置1の個別制御装置9のいずれか1つが、処理ステップS01と、S09とS02Aの処理を行う。処理ステップS01では、風力発電装置1におけるナセル風速がカットアウト風速以上であることを検出し、処理ステップSS09では、待ち時間Tw(シャットダウン予定時刻、若しくは遅延時間)を設定する。待ち時間Tw(シャットダウン予定時刻)の設定に当たっては、ランダムに発生させたものでもよいが、疲労状況や風況予測に基づき停止待機ができる限界時間を個別制御装置9が判断し設定することができる。遅延時間がずれることにより複数台の同時停止を抑制することができる。処理ステップSS02Aでは、個別制御装置9から集中制御装置20へシャットダウン要求STと遅延時間Twを送信する。
集中制御装置20では、処理ステップS03、S04、S05A、S06の処理を行う。処理ステップS03では、集中制御装置がシャットダウン要求STを受信し、処理ステップS04では、所定の時間周期毎にシャットダウン許可送信済みを除外したシャットダウン要求の受信リストを作成し、処理ステップS05Aでは集中制御装置がシャットダウン順序を決定するがこの時に待ち時間Tw(シャットダウン予定時刻)を優先した順番に決定する。処理ステップS06では集中制御装置が個別制御装置へシャットダウン許可OPを送信する。この処理は要求した複数の風力発電装置1の個別制御装置9の全てについて処理が繰り返し実行される。
これを受けてシャットダウン要求をした複数の風力発電装置1の個別制御装置9では、処理ステップS07、S08、S10の処理を行う。処理ステップS07で、遅延時間以内に集中制御装置20からシャットダウン許可OPを受信できた場合は、処理ステップS08で個別制御装置がシャットダウンを実施する。許可を受けてシャットダウンする場合は、シャットダウン許可が来たタイミングで停止動作を開始してもよいし、設定した遅延時間を経過した後に停止動作を開始してもよい。一方、集中制御装置や通信ケーブルが機能せず、若しくは多数の風力発電装置がシャットダウン要求をしたために、個別制御装置9が設定した遅延時間が経過する前にシャットダウン許可信号を受信することができなかった場合は、処理ステップS10で遅延時間の経過を検知し、処理ステップSS09で生成した遅延時間だけ遅延した状態で、処理ステップS08の処理を行う。
本発明の実施例3によれば、シャットダウンの停止順序を風力発電装置1の個別制御装置9側の要求のみで付与でき、集中制御装置20側に順序を決定するロジックに関する制御負荷を省略することができる。また、万が一集中制御装置20に不具合が生じた場合であったとしても、各風力発電装置1が要求する時間以内にシャットダウンを開始することができる。
ウィンドファームの集中制御装置でシャットダウンが必要なものを、事前に収集した情報で決めて停止指示することもできるが、各風力発電装置1において、シャットダウンタイミングを判断し要求することができるようにすることで、安全性を向上させることができる。シャットダウンは風力発電装置1個別の安全機能であるためである。
実施例4として、以下に本発明の各種変形事例を説明する。
まず、上記実施例ではカットアウト風速超過の判定を風力発電装置1の個別制御装置9で行い、集中制御装置20に対しては風向風速の情報及び/若しくは停止要望を送信することにしていた。この点に関し、カットアウト風速超過の判定を集中制御装置20で行うものであってもよい。この場合には停止要望を送信することに代えて、風向風速についての数値情報を送信し、集中制御装置20で閾値との比較を行う事になる。この場合に風向風速の情報とは、計測した数値情報(平均化した情報を含む)であり、あるいは数値情報を閾値(カットアウト風速)と比較した結果の判断情報を意味している。
またこのときに、風力発電装置1の個別制御装置9から十分な情報を入手しているという前提で、疲労評価結果の演算や、待ち時間の作成手順などを集中制御装置20側で行うものであってもよい。
カットアウト風速超過の判定を集中制御装置20で行う場合、順序に応じて風車ごとにカットアウト風速の設定を異ならしめることで停止タイミングをずらすこともできる。順序を余寿命/診断した風車の劣化状況に応じて設定する場合は、残り余寿命が長い/劣化度が低い風車ほどカットアウト風速を低く設定する。
図9は、上述のようなカットアウト風速を風力発電装置ごとに異ならしめる場合の、ウィンドファーム100における複数風力発電装置での合成出力特性を示す図である。風速Vが停止風速V2(カットアウト風速)を超過すると、風速Vが上昇するにしたがって、集中制御装置20の指令に基づき指定された順に風力発電装置1a、1b、1c、1dが停止されていく。風速Vが徐々に上昇していくような場合においては、カットアウト風速が低い風車から順番にシャットダウン許可されるため、同時に若しくは短時間に集中した風車の停止が抑制され、ウィンドファームの合計出力の変動を抑制することができる。
1a、1b、1c、1d:風力発電装置
2:ブレード
3:ハブ
4:ロータ
5:ナセル
6:発電機
7:ピッチ角制御部
8:タワー
9a、9b、9c、9d:個別制御装置
10:回転速度検出器
11:風況計
15:通信ネットワーク
16:ブレーキ装置
17:停止指令
20:集中制御装置
30:需要家
40:所内変電設備
50:電力系統
90:送電線
100:ウィンドファーム
Pa、Pb、Pc、Pd:発電出力

Claims (14)

  1. 風力発電装置と、
    前記風力発電装置を複数台制御する集中制御装置とを有するウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記風力発電装置がカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した場合、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を、停止許可するように制御するとともに、
    前記風力発電装置は、カットアウト風速に到達し、若しくは超過した以降、集中制御装置が当該風力発電装置に停止許可を送信し若しくは停止するように制御するまでの間、発電出力を所定の割合で制限することを特徴とするウィンドファーム。
  2. 請求項1に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置を順序付けし、順序付けした順序に基づき前記風力発電装置を停止するように制御することを特徴とするウィンドファーム。
  3. 風力発電装置と、
    前記風力発電装置を複数台制御する集中制御装置とを有するウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記風力発電装置がカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した場合、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を、停止許可するように制御するとともに、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置を順序付けし、順序付けした順序に基づき前記風力発電装置を停止するように制御し、
    前記順序を風向と前記風力発電装置の配置に基づき決めることを特徴とするウィンドフ
    ァーム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、複数の前記風力発電装置からの風速の情報を得て、前記風速の情報に基づき、複数の前記風力発電装置に対する停止を指示することを特徴とするウィンドファーム。
  5. 請求項4に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、前記風力発電装置からのシャットダウン要求に変えて、前記風速の情報の伝達に基づきシャットダウン要求があったと判断することを特徴とするウィンドファーム。
  6. 請求項2または請求項3に記載のウィンドファームであって、
    前記風力発電装置は、停止予定時刻、若しくは遅延時間を設定し、前記集中制御装置に伝達し、
    前記集中制御装置は、前記停止予定時刻、若しくは遅延時間に基づき前記順序を設定することを特徴とするウィンドファーム。
  7. 請求項2または請求項3に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、カットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した複数の前記風力発電装置について、停止順番リストを作成し、停止済風力発電装置の前記停止順番リストからの削除、並びにカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出したことの事象を新たに生じた風力発電装置の前記停止順番リストへの追加、順番見直しを管理することを特徴とするウィンドファーム。
  8. 請求項2または請求項3に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、停止する順序を、前記風力発電装置の余寿命若しくは疲労状況に基づき決定することを特徴とするウィンドファーム。
  9. 複数の風力発電装置を備えたウィンドファームの制御方法であって、
    同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記風力発電装置がカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した場合、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を停止許可するように制御するとともに
    前記風力発電装置は、カットアウト風速に到達し、若しくは超過した以降、停止許可を与えられ若しくは停止するように制御されるまでの間、発電出力を所定の割合で制限することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
  10. 複数の風力発電装置を備えたウィンドファームの制御方法であって、
    同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記風力発電装置がカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した場合、前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を停止するとともに、
    前記同時若しくは所定期間の間にカットアウト風速に到達し、若しくは超過し、若しくはシャットダウン要求を出した風力発電装置を順序付けし、順序付けした順序に基づき前記風力発電装置を停止するように制御し、
    前記順序を風向と前記風力発電装置の配置に基づき決めることを特徴とするウィンドフ
    ァームの制御方法。
  11. タワーと、
    前記タワー上に回転可能に設けられたナセルと、
    前記ナセルの一端に回転可能に設けられ、風を受けて発電機を駆動するロータと、
    周囲の風速の情報を取得し、前記風速の情報に基づき前記ロータの回転を減速する制御を行う個別制御装置と、を備えた風力発電装置と、
    複数の前記風力発電装置にそれぞれ設けられた前記個別制御装置と通信ネットワークを介して接続された集中制御装置とを有するウィンドファームであって、
    前記個別制御装置は、前記風速が、あらかじめ決められたカットアウト風速以上になる事象が生じたときに、前記集中制御装置に運転状態変更の要求に関連する信号を発信し、
    前記集中制御装置は、同時若しくは所定期間の間に、2台以上の前記個別制御装置が前記運転状態変更の要求に関連する信号を出した場合、当該信号を出した風力発電装置の台数より少ない台数の風力発電装置を、停止許可するように制御するとともに、前記運転状態変更の要求に関連する信号を出した風力発電装置を風向と前記風力発電装置の配置に基づき順序付けし、前記順序に基づき前記個別制御装置に運転状態変更を許可する信号を発信し、
    前記個別制御装置は、前記許可する信号に基づき前記風力発電装置の運転状態を変更す
    ることを特徴とするウィンドファーム。
  12. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記風力発電装置は、停止予定時刻若しくは遅延時間を設定し、
    前記風力発電装置は、前記停止予定時刻若しくは遅延時間が経過するまでに前記集中制御装置から停止を許可する信号を得られなかった場合は、発電停止動作を開始することを特徴とするウィンドファーム。
  13. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    複数の前記風力発電装置は、少なくとも2つ以上の異なるカットアウト風速が設定されることを特徴とするウィンドファーム。
  14. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記集中制御装置は、複数の前記風力発電装置のうちいずれかが停止開始された後、所定期間経過した後、前記複数の前記風力発電装置のうち他の発電装置について停止開始するように制御することを特徴とするウィンドファーム。
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