JP6825598B2 - 移動体レーダ受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体に搭載される移動体レーダ受信機に関する。
近年、衝突防止や自動運転などの技術が数多く提案されており、レーダ技術を使用し自装置から物標までの距離と相対速度を測定する技術が注目されている。例えば出願人は、自装置から物標までの距離と相対速度を測定する装置として移動体レーダ装置を提案している。
この種の移動体レーダ装置の受信機は、ダイレクトコンバージョン方式を用いているものがあり、この構成では、ダウンコンバータ、ハイパスフィルタ、及びアンプを備え、ダウンコンバータによりダウンコンバートされた後、ハイパスフィルタを通じて信号処理され、アンプにより信号を増幅する。この技術は、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1記載の技術によれば、多段接続された増幅器がベースバンド信号を増幅し、初段の増幅器の帰還路中にハイパスフィルタを備えている。この特許文献1記載の技術によれば、ミキサ直後の増幅器の出力により妨害波やスプリアスを抽出し、負帰還をかけることで利得を増加させている。これによりS/Nを向上できる。
特開2011−66836号公報 特開2010−206506号公報
移動体レーダ受信機は、対象物に反射したレーダ波を高周波入力に受信することで移動体自身と対象物との間の距離と相対速度を測定可能にするが、遠方(例えば、数百m)から近傍(例えば、数十cm)にかけての幅広い距離と相対速度に位置するターゲットからの反射レーダ波を受信してもこの距離と相対速度を測定可能にすることが必要とされる。
このため移動体レーダ受信機は、遠方から到来する弱シグナルレベルの信号を増幅処理しつつ、近傍から到来する強シグナルレベルの信号を処理することが望ましい。しかし、近年の半導体集積回路装置の内部電源電圧を用いて、遠方及び近傍から到来する信号を同様の増幅度により処理すると、特に近傍から到来する信号を増幅した電圧振幅が電源電圧を超えてしまうため望ましくない。
例えば、特許文献1の構成を採用すると、増幅器の出力により妨害波、スプリアスを抽出しているが、電源電圧を超える振幅では回路が動作せず、ダイナミックレンジを必要なだけ確保できないという問題がある。また特許文献2に示されるように、AC結合型のフィルタをカスケード接続する構成も提案されている。この構成においては、信号が増幅器に入力される前にフィルタにより妨害波の電力をカットできるため、電源電圧を超えても動作可能になる。しかし、移動体レーダ装置では、必要なカットオフ周波数が低周波よりであるため、高ダイナミックレンジのフィルタを実現しつつ雑音特性を確保するためには、ハイパスフィルタの抵抗を小さくしつつ容量を大きくしなければならず、大きな面積の容量が必要になり、小型化、高集積化に不向きとなる。
本開示の目的は、ダイナミックレンジを広くしながら、小型化、高集積化できるようにしたフィルタを備える移動体レーダ受信機を提供することにある。
請求項1記載の発明は、高周波入力信号にローカル信号を混合することでダウンコンバートするダウンコンバータと、ダウンコンバータのダウンコンバート出力を濾波しながら増幅するハイパスフィルタ付きの増幅器と、を備えるダイレクトコンバージョン受信機を備え、この受信信号により移動体自身と対象物との間の距離と相対速度を測定するための移動体レーダ受信機を対象としている。この増幅器は、ダウンコンバータの後段にパッシブタイプの第1ハイパスフィルタを備え、第1ハイパスフィルタの後段にアクティブタイプの第2ハイパスフィルタを備える。
パッシブタイプの第1ハイパスフィルタがダウンコンバータの後段に備えられることで、電源電圧を超えることなく、広い周波数範囲で入力パワーに対する出力パワーを線形性良く変化させることができ、高ダイナミックレンジのフィルタを実現できる。しかも、アクティブタイプの第2ハイパスフィルタが第1ハイパスフィルタの後段に備えられるため、帰還部に備えられる容量を小さくしつつ抵抗を大きく設定できるようになり、これにより実装面積を削減でき、小型化、高集積化できる。
第1実施形態における移動体レーダ装置の電気的構成図 周波数変調方式の説明図のその1 周波数変調方式の説明図のその2 送信機がレーダ送信波を出力してから受信機が信号を受信するまでの時間、送信周波数、及び受信周波数の関係性の説明図 対象物との間の距離と、中間周波数、電圧振幅との関係を概略的に示す特性図 一定のゲインで増幅した場合の入力電力に対するダウンコンバート後の中間周波数信号の特性図 第1実施形態の変形例における移動体レーダ装置の電気的構成図 ハイパスフィルタ付き増幅器を用いた場合のダウンコンバート後の中間周波数信号の特性図 二次アクティブフィルタの比較構成例 アクティブフィルタの特性の実測結果 中間周波数帯における入出力パワー特性のシミュレーション結果 中間周波数帯におけるゲイン−入力電力特性のシミュレーション結果 パッシブフィルタとアクティブフィルタとを二段に接続したハイパスフィルタの入出力パワー特性 パッシブフィルタとアクティブフィルタとを二段に接続したハイパスフィルタのゲイン−入力特性 第2実施形態における移動体レーダ装置の電気的構成図 第3実施形態における説明図であり、カットオフ周波数と可変抵抗との関係性を示す説明図 出荷時におけるカットオフ周波数の補正処理を示すフローチャート カットオフ周波数をキャリブレーション補正する場合の処理内容を示すフローチャート
以下、移動体レーダ受信機の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態において、同一又は類似の動作を行う構成については、同一又は類似の符号を付して必要に応じて説明を省略する。なお、下記の実施形態において同一又は類似する構成には、符号の十の位と一の位とに同一符号を付して説明を行っている。
(第1実施形態)
図1から図13は、第1実施形態の説明図を示している。図1は、移動体レーダ装置1の電気的構成を概略的に示している。この移動体レーダ装置1は、MCU(Micro Control Unit:又はMPU(Micro Processing Unit))2と、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)による半導体集積回路装置3とを接続して構成されており、移動体(例えば車両:移動体自身相当)に搭載される。MCU2は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリ等のメモリ4を備え、半導体集積回路装置3との間でシリアル通信可能に接続されている。
半導体集積回路装置3は、送信機5、受信機(移動体レーダ受信機相当)6、及びデジタル制御部7を主に備える。デジタル制御部7は、ロジック回路8、レジスタバンク9、レジスタバンクインタフェース10、SRAMコントローラ11、SRAM12、不揮発性メモリコントローラ13、不揮発性メモリ14、及びシリアルインタフェース9sを備える。
シリアルインタフェース9sは、MCU2と内部のレジスタバンク9との間に構成され、MCU2からレジスタバンク9に対し各種設定値などの制御用指令値を低速転送可能な低速シリアルインタフェースと、受信機6により受信した受信データをMCU2に高速転送可能にする高速シリアルインタフェースと(何れも図示せず)を備える。
デジタル制御部7は、外部のMCU2との間でシリアルインタフェース9sの低速シリアルインタフェースを通じて通信することで、レジスタバンク9の制御レジスタに各種設定値を格納し、MCU2がデジタル制御部7のロジック回路8を用いて制御するように構成されている。
コントローラ11、13は、それぞれSRAM12、不揮発性メモリ14を制御し、SRAM12及び不揮発性メモリ14とレジスタバンク9との間でレジスタバンクインタフェース10を通じてデータ転送可能に構成されている。ロジック回路8は、レジスタバンク9に転送されたデータを参照し、このデータに基づいて送信機5及び受信機6を制御する。
送信機5は、PLL15と増幅器16とを備える。PLL15は、MCU2の制御によりデジタル制御部7のレジスタバンク9に記憶される周波数指令に応じて、例えばFCM(Fast-Chirp Modulation)変調方式による周波数変調方式により、時間的に周波数を漸増/漸減するローカル信号LOを生成し、この生成されたローカル信号LOを送信機5の増幅器16及び受信機6のダウンコンバータ19に出力する。増幅器16は、このローカル信号LOを増幅し送信アンテナ17を通じてレーダ送信波として外部に出力する。言い換えると、送信機5は、デジタル制御部7による制御に応じてPLL15から変調信号を出力させPLL15から出力される変調信号を増幅して送信アンテナ17からレーダ送信波を外部に出力する。
図2A、図2BはFCM変調方式の説明を示している。図2Aに示すように、PLL15は、ある初期周波数fstaから線形的に周波数を減少(すなわち漸減)させて最終周波数fstoまで達した後、初期周波数fstaに戻すように周波数を変調した変調信号を出力する。また、PLL15は、図2Bに示すように変調信号を出力するように構成されていても良い。すなわち、PLL15は、ある初期周波数fstaから線形的に周波数を増加(すなわち漸増)させて最終周波数fstoまで達した後、初期周波数fstaに戻すように周波数を変調するようにしても良い。以下では、図2Aに示すように、時間変化に伴い周波数を漸減するFCM変調方式を用いた例について説明する。
送信機5がレーダ送信波を出力すると、レーダ送信波はターゲット18に反射する。受信機6は、ダウンコンバータ19と、ハイパスフィルタ付きの増幅器20と、を主に備えるダイレクトコンバージョン受信機である。受信機6は、高周波の低雑音増幅器21と、A/D変換器22と、をさらに備え、ターゲット18に反射したレーダ受信波を受信アンテナ23から入力する。低雑音増幅器21、ダウンコンバータ19、フィルタ付きの増幅器20、及びA/D変換器22は、この順で多段に縦続接続して構成されている。低雑音増幅器21は、受信アンテナ23に入力される高周波入力信号を増幅し、ダウンコンバータ19に出力する。この低雑音増幅器21の利得は、例えば数dB程度に設定されている。
ダウンコンバータ19は、低雑音増幅器21による高周波入力信号の増幅信号とPLL15により出力されるローカル信号LOとを混合し、この混合信号をハイパスフィルタ付きの増幅器20に出力する。
この増幅器20は、ダウンコンバータ19のダウンコンバート出力を濾波しながら増幅してA/D変換器22に出力する。A/D変換器22は、この増幅器20の出力をA/D変換処理する。このA/D変換処理結果は、図示しないデジタルフィルタにより処理される。その後の受信機6の受信データは、高速インタフェース(図示なし)によりパラレル−シリアル変換され、その後、シリアルインタフェース9sの高速シリアルインタフェースによりMCU2に出力される。MCU2は、シリアル通信信号により受信した受信データに基づいて、例えば車両前方に存在する対象物と移動体自身との間の距離Rと相対速度を測定する。
図3は、送信機5がレーダ送信波を出力してから受信機6が信号を受信するまでの時間t、送信周波数fTX、及び受信周波数fRXの関係を示している。この図3に示す特性では、レーダ送信波の周波数として、時間的に漸減する周波数変調方式を使用した場合の送信周波数fTX及び受信周波数fRXn、fRXfの時間変化を示している。この図3において、受信周波数fRXnは、ターゲット18が移動体レーダ装置1の近傍に位置している場合の受信周波数を示しており、受信周波数fRXfは、ターゲット18が移動体レーダ装置1の遠方に位置している場合の受信周波数を示している。
PLL15が、あるタイミングt1にてある第1周波数f1の信号を増幅器16及びダウンコンバータ19に出力し、送信機5がレーダ送信波をターゲット18に向けて出力した後、受信機6がこのターゲット18から反射した反射信号を受信アンテナ23を通じてタイミングt2n、t2fにて受信することを考える。
受信タイミングt2n、t2fにおいて、PLL15が増幅器16及びダウンコンバータ19に出力する第2周波数f2n、f2fは、タイミングt1において送信機5が送信する第1周波数f1とは異なっており、この第2周波数f2n、f2fは、タイミングt1の第1周波数f1より低下している。ターゲット18が、移動体レーダ装置1の近傍に位置していると、送信機5がレーダ送信波を出力してから受信機6が受信するまでの時間は短くなり、逆にターゲット18が移動体レーダ装置1の遠方に存在すると、レーダ送信波を送信してから受信するまでの時間は長くなる。このため、周波数差fIF1、fIF2は、移動体レーダ装置1とターゲット18との間の距離Rに依存する。
ダウンコンバータ19は、受信信号をローカル信号LOにより変換する。このため、このダウンコンバータ19による変換信号の周波数は、ターゲット18が近傍に位置する場合にはfIF1=(受信信号の第1周波数f1)−(ローカル信号LOの第2周波数f2n)となり、fIF2=(受信信号の第1周波数f1)−(ローカル信号LOの第2周波数f2f)となる。
また図4は、ターゲット18との間の距離Rと、中間周波数fIF、電圧振幅Vp-pとの関係を概略的に示している。この図4に示すように、ターゲット18が移動体レーダ装置1の近傍に位置するときには、ダウンコンバータ19による変換後の信号の電圧振幅Vp-pは大きくなる。逆に、ターゲット18が移動体レーダ装置1から遠方に位置するときには、ダウンコンバータ19による変換後の信号の電圧振幅Vp-pは小さくなる。これは、移動体レーダ装置1とターゲット18との間の距離Rに依存して電圧振幅Vp-pが変化することを表している。
図5は、受信機6の入力電力LNAinと、ダウンコンバータ19によるダウンコンバート後の中間周波数fIFの信号MIXoutと、仮にアンプが一定のゲインで増幅した場合のアンプ出力Ampoutの関係をシミュレーションにより示している。図5中には、このゲイン特性を「P」で示している。ここでは、低雑音増幅器21が、受信信号を増幅した後、ダウンコンバータ19が、この増幅信号をダウンコンバートし、仮にアンプが中間周波数fIF帯において一定のゲインで増幅した場合を考慮する。
このような構成を用いたときには、図5に示すように、アンプ出力Ampoutの電圧振幅Vp-pが電源電圧を超えてしまったり、その後のA/D変換器22の入力許容範囲の限度範囲A/Din#limを大きく上回ってしまい信号が飽和してしまうことがわかる。このとき、中間周波数fIF1,fIF2の整数倍の大きな高調波成分が発生し、認識すべきターゲット18以外の本来存在しないターゲットを認識したような挙動を示し、MCU2が、自車の制御を誤ってしまい、適切な制御を行えなくなる虞がある。特に、中間周波数fIFが、数百kHz以下(特に100kHz以下)になると、この影響は顕著に得られることが観察されており、特に近傍のターゲット18の反射信号を検出するときに、この影響が問題となる。そこで本実施形態の構成では、カットオフ周波数fcを数百kHz程度に設定したハイパスフィルタ付きの増幅器20をダウンコンバータ19とA/D変換器22との間に接続することで飽和を回避している。
<ハイパスフィルタ付きの増幅器20の構成説明>
一般に普及している携帯電話機のように、受信信号が所定より大きいときに受信機6の利得を低下させて飽和を回避することはできない。このため受信機6は、遠方のターゲット18の微弱な反射信号も近傍のターゲット18の大きな反射信号も同時に受信した上で内部の信号が飽和しないことが求められる。このため、フィルタ付きの増幅器20は、ダウンコンバータ19の直後の信号が、中間周波数fIF帯において信号を飽和させないようにしている。
図1に示すように、フィルタ付きの増幅器20は、ダウンコンバータ19の後段の直後にパッシブタイプの第1ハイパスフィルタ(以下、パッシブフィルタと称する)24を備えると共に、パッシブフィルタ24の後段にアクティブタイプの第2ハイパスフィルタ(以下、アクティブフィルタと称する)25を備える。これらのパッシブフィルタ24及びアクティブフィルタ25は、ダウンコンバータ19によりミキシングされた後の中間周波数fIF帯において信号の飽和を防止するために設けられる。
これらのパッシブフィルタ24及びアクティブフィルタ25は、共に差動信号を入力し差動信号を出力する。このハイパスフィルタ付きの増幅器20は、オペアンプA1、A2を備えているが、これらのオペアンプA1、A2の一対の差動入力端子又は一対の差動出力端子に対応して接続される各抵抗(Ra等)又はコンデンサ(Ca、Cb1、Cb2等)の素子値はそれぞれ同一値に設定される。このため図1には、これらの差動入力端子に接続される各素子には同一符号を付している。
前段のパッシブフィルタ24は、コンデンサCa、Cb1及びCb2、可変抵抗Ra、抵抗Rb、及びオペアンプA1、を差動増幅形態に備えている。コンデンサCa及びCb1は直列接続されており、ダウンコンバータ19の出力とオペアンプA1の入力端子との間に接続されている。また、コンデンサCa及びCb1の共通接続点とグランドとの間には可変抵抗Raが接続されている。オペアンプA1の入力と出力との間には、コンデンサCb2と抵抗Rbとが並列に接続されている。これにより、パッシブフィルタ24は、所定のカットオフ周波数fc1(数百kHz程度)より低い周波数にて受信した信号を減衰させ濾波することができる。
このパッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1は、主にコンデンサCa、Cb1及び可変抵抗Raの値に依存して決定され、このパッシブフィルタ24のフィルタ動作は、ダウンコンバータ19の出力の振幅変動の影響を受けにくくなっており、後段のアクティブフィルタ25を構成する能動素子(後述のオペアンプA2、Af)の電源電圧を超える電圧、電流を扱うことができる。言い換えると、このパッシブフィルタ24は、コンデンサCa、Cb1及びCb2、可変抵抗Ra及びRbによる受動素子によりフィルタ特性が決定されるように構成されたフィルタである。このパッシブフィルタ24は、ダウンコンバータ19の出力、すなわちパッシブフィルタ24の入力レベルに対するパッシブフィルタ24の出力レベル特性が許容範囲内で線形的に変化する特性とされている。
例えば、コンデンサCaは、その容量値が数十pF(〜100pF:例えば47.2pF)に設定されており、コンデンサCb1は、数十pF(例えば30pF)に設定されており、コンデンサCb2は、数pF(例えば2pF)に設定されている。
後段のアクティブフィルタ25は、パッシブフィルタ24の出力を増幅する増幅部26と、この増幅部26の出力から入力にフィードバックする帰還部27と、を備えている。
増幅部26は、抵抗Rad及びRbd、コンデンサCb2並びにオペアンプA2を備える。抵抗Radは、パッシブフィルタ24の出力とオペアンプA2の入力との間に直列接続されている。オペアンプA2の出力と入力との間には、抵抗RbdとコンデンサCbdとが並列接続されている。オペアンプA2の出力はA/D変換器22に入力されている。
帰還部27は、アクティブフィルタ25の入力に帰還する経路に能動素子となるオペアンプAf、抵抗Rc、及びコンデンサCfを備えたローパスフィルタを備えた構成であり、オペアンプAf、可変抵抗Rc、コンデンサCfと共に、抵抗Rdを備えている。アクティブフィルタ25は、帰還部27の能動素子(すなわちオペアンプAf)の特性がフィルタ特性に影響する。
可変抵抗Rcは、オペアンプA2の出力とオペアンプAfの入力との間に接続されている。コンデンサCfは、数pFオーダー(例えば6pF)のものが用いられる。オペアンプAfの出力は、抵抗Rdを通じてオペアンプA2の入力に接続されている。この帰還部27は、増幅部26の出力で生じた低周波成分をオペアンプA2の入力に逆相フィードバックする。これにより、アクティブフィルタ25は、パッシブフィルタ24の出力を各抵抗Rad、Rbdの抵抗比に応じた増幅度により増幅しつつ、全体構成により低周波成分を逓減する所定のカットオフ周波数fc2のハイパスフィルタとして動作することになる。
このアクティブフィルタ25は、その入力信号レベルが能動素子(例えば、オペアンプA2)の電源電圧を超えるレベルに達した場合にはフィルタ特性に影響してしまう。また、アクティブフィルタ25は、オペアンプA2およびAfの出力電圧範囲により入出力利得、当該アクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2などの特性に制限を備えることになるため、全体利得と入力振幅に制限を生じる。
そこで、前段のパッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1以下の周波数のゲインを調整するため、パッシブフィルタ24には可変抵抗Raが接続されており、デジタル制御部7が、レジスタバンク9に格納された制御値を用いて可変抵抗Raの値を制御できるように構成されている。このため、アクティブフィルタ25がカットオフ周波数fc以下の周波数にて入力振幅制限を生じていたとしても、可変抵抗Raを調整することでパッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1以下の周波数におけるゲインを低くでき、当該アクティブフィルタ25の入力振幅の制限特性を緩和できる。また、後段のアクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2以下のゲインを調整するため、アクティブフィルタ25にも可変抵抗Rcが接続されており、デジタル制御部7が、レジスタバンク9に格納された制御値を用いて可変抵抗Rcの値を制御できるように構成されている。このため、アクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2以下の周波数のゲインを調整できるようになる。
また、パッシブフィルタ24及びアクティブフィルタ25の後段の3段目以降にさらに2段目のアクティブフィルタ25と同一の構成を接続するようにしても良い。このような構成を用いることで、より大きな入力振幅の電力を扱うことができ、且つ、全体を小型化、小面積化できる。
<パッシブフィルタ124の変形例>
ここでパッシブフィルタ124の変形例を説明する。図6は、移動体レーダ装置101の変形例を示している。移動体レーダ装置101は、半導体集積回路装置103を備える。半導体集積回路装置103の内部にはハイパスフィルタ付きの増幅器120が構成されている。この増幅器120は、前段にパッシブフィルタ124を備え、その後段にアクティブフィルタ25を備える。その他、図6に示した構成は、図1の構成と同様であるため図1と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
パッシブフィルタ124は、コンデンサCa、Cb、抵抗Ra、Rb、及びオペアンプA1を備える。コンデンサCa及び可変抵抗Raは直列接続されており、ダウンコンバータ19の出力とオペアンプA1の入力との間に接続されている。オペアンプA1の入力と出力との間には、コンデンサCbと抵抗Rbとが並列接続されている。コンデンサCaは、その容量値が数十pF(〜100pF:例えば47.2pF)に設定されており、コンデンサCbは0.数pF(例えば0.1pF)に設定されている。
これにより、パッシブフィルタ124は、所定のカットオフ周波数fc1よりも低い周波数にて受信した信号を減衰させることができる。この図6に示したパッシブフィルタ124のカットオフ周波数fc1もまた図1のパッシブフィルタ24の構成と同様に、主にコンデンサCa及び可変抵抗Raの値に依存して決定される。すなわち、パッシブフィルタ24、124は、図1及び図6に示した何れの構成を用いても良い。
図7は、図5に対応して示す特性図を示すもので、図6に示した構成による特性図を示している。この図7に示すように、ダウンコンバータ19とA/D変換器22との間にハイパスフィルタ付きの増幅器120を設けることで、所定の周波数範囲で電源電圧を超えることなく中間周波数fIFの信号を逓減でき、A/D変換器22の入力許容範囲に電圧振幅Vp-pを抑制できることを確認できた。説明を省略するが、図1に示した構成においても、同様に低域側のゲインを低下させることができる。
受信機6の入力電力LNAinが、ターゲット18との距離Rに対して1/R^4に比例することになるため、原理的には、増幅器20のハイパスフィルタの次数を2次にすることで、A/D変換器22の入力電力を距離Rに依らず一定にできる。このため、初段のパッシブフィルタ24又は124のカットオフ周波数fc1とアクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2とを互いに同一値に設定するように各素子値を設定することが望ましい。
以下、各種特性の比較結果を示す。
<特性比較>
図8は、一般的な2次のアクティブフィルタZを比較例として示している。この図8に示すように、比較例のアクティブフィルタZは、前述したアクティブフィルタ25を2段接続した構成である。図9に、アクティブフィルタZの特性の実測結果を示す。この図9に示すように、アクティブフィルタZの構成を用いると、アクティブフィルタZの入力レベルが大きくなることで、アクティブフィルタZのゲイン−周波数特性が変化することがわかる。
特に帰還部27によるフィードバックが正常に機能しなくなり、低周波領域のゲインが高くなる傾向にある。この結果、入力レベルが大きくなるに伴い、期待特性(ideal)からの乖離幅も大きくなることがわかる。例えば、ある特性の周波数(例えば、20kHz)に着目すると、入力レベルが大きくなるにつれて周波数−ゲイン特性が上昇することになる。このため、増幅器20として、このアクティブフィルタZを特に初段側に設けてしまうと特性が悪化してしまうことが確認されている。
図10は、中間周波数帯(例えば、20kHz)における入出力パワー特性のシミュレーション結果を示す。PA1が、図1に示したパッシブフィルタ24の入出力パワー特性を示している。またPA2が、図6に示したパッシブフィルタ124の入出力パワー特性を示し、PA3がアクティブフィルタ25の入出力パワー特性を示している。
また図11は、中間周波数帯(例えば、20kHz)におけるゲイン−入力電力特性のシミュレーション結果を示す。PB1が、図1に示したパッシブフィルタ24のゲイン−入力電力特性を示し、PB2が、図6に示したパッシブフィルタ124のゲイン−入力電力特性を示し、PB3が、アクティブフィルタ25のゲイン−入力電力特性を示している。
これらの図10及び図11に示すように、図1又は図6に示したパッシブフィルタ24、124を用いると、入力信号に対する出力信号のパワー出力特性、ゲイン特性は、広い入力電力範囲に対して概ね線形的に変化するのに対し、アクティブフィルタ25を用いると入力レベルが所定値(約−6dBm)より大きくなるに伴い、出力が大きく変化し非線形歪みを生じることがわかる。これは、ハイパスフィルタ特性が、入力レベルの大きさに依存して変化していることを意味しており、例えば初段にアクティブフィルタ25を用いると、入力パワーが例えば−6dBmより大きくなることで、入出力パワー特性の線形性が崩れてしまうため好ましくない。このことから、本実施形態及びその変形例では図1及び図6の構成を用いている。初段にパッシブフィルタ24、124を構成することで、入力パワーに対する出力パワーを線形性良く変化させることができる。
<二段に接続したハイパスフィルタの特性評価>
前述においては、パッシブフィルタ24、124、アクティブフィルタ25の個別の構成の特性評価を行った例を示したが、以下では、パッシブフィルタ24、124とアクティブフィルタ25とを縦続接続したハイパスフィルタ付きの増幅器20、120の特性の評価結果を説明する。
図12は、中間周波数fIF帯における入出力パワー特性を示している。PD1は、図6の構成、すなわち初段にパッシブフィルタ124を用いると共に次段にアクティブフィルタ25を用いたときの特性を示す。PD2は、図8に示した比較例の構成、すなわちアクティブフィルタ25を二段に縦続接続したときの特性を示している。図12は、ゲイン−入力特性を示している。PE1は、図6の構成の特性を示し、PE2は、図8の比較例の構成の特性を示している。これらの図12及び図13に示すように、比較的幅広い入力レベルの範囲において、入出力パワー特性の線形性を許容範囲内にて一定に保つことができ、ゲイン−入力レベル特性の線形性も許容範囲内において一定に保つことができる。このような構成を採用することで、入力レベルに対するゲイン特性を大幅に改善できることがわかる。
これらの構成では、一段目にパッシブフィルタ24又は124を用いると共に二段目にアクティブフィルタ25を用いた構成を示しているが、一段目と同じ又は異なる回路構成のパッシブフィルタ24又は124を二段目に用いることも考えられる。
しかし、半導体集積回路装置3又は103の内部におけるコンデンサ(例えばCa、Cb1、Cb2、Cb)の実装面積を考慮すると、二段目にアクティブフィルタ25を構成することが望ましい。すなわち、アクティブフィルタ25の信号入力経路にコンデンサは構成されておらず、さらに帰還部27のコンデンサCfは、ミラー効果を考慮すれば帰還部27のゲイン分だけ大きな容量=Af×Cfと見做すことができ、その分、コンデンサCfの値を抑制できるためである。
例えば、容量C1=1.5pF、オペアンプAfのゲインを50dB(=300)とすれば、1.5pF×300=450pFの見做し容量値を半導体集積回路装置3又は103の内部に設けることができる。なお、容量値、オペアンプAfのゲインは一例を示したものであり、この限りではない。したがって、アクティブフィルタ25を用いた場合、小さな容量値のコンデンサCfを用いたとしても、ミラー効果により大容量を実現でき、一段目及び二段目にパッシブフィルタ24又は124を共に設けた構成に比較して小型化できる。
また図6に示した構成を用いた場合には一段目のパッシブフィルタ124の信号の入力経路に直列に抵抗Raを接続しているが、受信機6の雑音特性を良好に保持するため、その抵抗Raは、通常小さい値(例えば数十Ω〜数百Ω)に設計される。この場合、所望のカットオフ周波数fc1を実現するため、コンデンサCaの容量を大きく設定することになり、半導体集積回路装置103の実装面積が大きくなりやすい。しかし、二段目にアクティブフィルタ25を構成しているため、コンデンサCfの容量を小さくしつつ抵抗Rcの抵抗値を大きくできるようになり実装面積を削減できる。
また、例えば図1の構成において、コンデンサCa、Cb1、Cb2、抵抗Ra、Rbの素子値をそれぞれ適切に選定することで、中間周波数fIFがパッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1を上回る周波数領域では、コンデンサCa、Cb1を通じて信号を伝達させることができ、抵抗Raを伝達しにくくできる。このため、抵抗Raの熱雑音の影響を受けることなく構成できるようになり、雑音特性を極力低くできる。このため、図1に示す構成では、信号が直接入力される経路に抵抗(例えばRa)を接続することなく構成しているため、低雑音化しやすくなり、図6の構成に比較してもS/N比を向上できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、増幅器20は、ダウンコンバータ19の後段に位置してパッシブフィルタ24を設けることで、広い周波数範囲において電源電圧を超えることなく入力パワーに対する出力パワーを線形性良く変化させることができ、ダイナミックレンジを広くできる。しかも、増幅器20は、パッシブフィルタ24の後段にアクティブフィルタ25を備えるため、コンデンサCfの容量値を小さくしつつ抵抗Rcの抵抗値を大きく設定でき、これにより実装面積を削減でき、小型化、高集積化できる。
(第2実施形態)
図14は、第2実施形態の追加説明図を示している。図14に示すように、移動体レーダ装置201は、半導体集積回路装置203を備える。半導体集積回路装置203の内部にはハイパスフィルタ付きの増幅器220が構成されている。この増幅器220は、前段にパッシブフィルタ224を備え、その後段にアクティブフィルタ225を備える。パッシブフィルタ224は、図6の可変抵抗Raに代えて固定抵抗Raを備え、またコンデンサCaに代えて可変容量Caを備える。アクティブフィルタ225は、増幅部26と帰還部227を備える。帰還部227は、図6の可変抵抗Rcに代えて固定抵抗Rcを備え、またコンデンサCfに代えて可変容量Cfを備える。その他、図14に示した構成は、図6の構成と同様であるため、図6と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、第1実施形態の変形例の図6の構成では、可変抵抗Ra、Rcの抵抗値を制御することでカットオフ周波数fc1、fc2を変更する形態を示したが、図14に示したように可変容量Ca、Cfを用いても良い。
図14に示すように、パッシブフィルタ224のカットオフ周波数fc1を制御するため、パッシブフィルタ224には可変容量Caが設けられており、デジタル制御部7がこの可変容量Caを制御することでパッシブフィルタ224のカットオフ周波数fc1を制御できる。
またアクティブフィルタ225のカットオフ周波数fc2を制御するため、アクティブフィルタ225には可変容量Cfが設けられており、デジタル制御部7がこの可変容量Cfを制御することでアクティブフィルタ225のカットオフ周波数fc2を制御できる。このような第2実施形態においても前述実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
図15から図17は、第3実施形態の追加説明図を示している。この第3実施形態においては、デジタル制御部7が、パッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1及びアクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2を、同一ビット幅を備えた制御コードを使用して互いに同一周波数に制御する形態を示す。
本実施形態では、図6の移動体レーダ装置101の構成を用いた場合のカットオフ周波数の制御方法について詳細に説明する。図6の構成では、パッシブフィルタ24のカットオフ周波数fc1は、下記の(1−1)式により求めることができる。
fc1 = 1/(2・π・Ra・Ca)…(1−1)
またアクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2は、下記の(1−2)式により求めることができる。
fc2 = 1/(2・π・Rc・Cf)(Rbd/Rd)…(1−2)
図6の構成の場合、デジタル制御部7が、パッシブフィルタ124のカットオフ周波数fc1を制御するときには、可変抵抗Raの抵抗値を調整制御する。またデジタル制御部7が、アクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2を制御するときには、可変抵抗Rcの抵抗値を調整制御することになる。
ここで全体の増幅器120のハイパスフィルタ特性を二次に調整するためには、カットオフ周波数fc1及びfc2を互いに同一周波数、すなわち、fc1=fc2=fcとするように制御すると良い。このため、(1−1)式、(1−2)式を考慮すると、下記の(2)式が成立するように制御すると良い。
1/(2・π・Ra・Ca)=1/(2・π・Rc・Cf)(Rbd/Rd)…(2)
この(2)式を展開すると、下記の(3)式とするように可変抵抗Ra及びRcの抵抗値の関係を保つようにすることが望ましい。
Rc=Ra(Ca/Cf)・(Rbd/Rd)…(3)
なお、この(3)式に代えて、Raを、Rcに対する関係性を用いて求めるようにしても良い。
このときデジタル制御部7は、パッシブフィルタ24、124及びアクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc1、fc2を、同一ビット幅を備えた制御コードを使用して同一周波数刻みにより制御することが望ましい。すると、可変抵抗Ra及びRcの抵抗値を個別に設定する必要がなくなると共に、時間遅延による誤設定を防止できる。
このとき、素子のバラつきを抑制するため、可変抵抗Ra、Rcは何れかの抵抗値の定数倍で構成することが望ましい。すなわち、Ra=N×Rc、又は、Rc=N×Raとすることになる。なお、Nは所定の整数を示している。この場合、(3)式の右辺の括弧内の値が整数値になるように素子値を選定することが望ましい。
図15は、デジタル制御部7が予め記憶しているカットオフ周波数fcと可変抵抗Ra、Rcの抵抗値との関係性を示し、デジタル制御部7が、5ビットのデータDi[4:0]を用いて各抵抗Ra、Rcの抵抗値を指令したときに、可変抵抗Ra、Rcがどのように設定されるかを示している。この図15には、コンデンサCa、Cfの容量値も示している。
この図15に示す例では、Rc=32×Raの関係を満たしており、抵抗Rcは抵抗Raの32倍の抵抗値に設定されることになる。この場合、デジタル制御部7は、同一のデータDi[4:0]により指令したときに、抵抗Ra、Rcの値を同時に設定変更することができ、当該データDi[4:0]の値に応じてカットオフ周波数fc1、fc2を同時に変更でき、これにより、全体のフィルタ24,25のカットオフ周波数fcを変更設定できる。このような制御方法を用いることで制御ビット数を極力抑制できる。
またコンデンサCa及びCfの容量値も同一比率となる関係であり、抵抗Rdと抵抗Rbdも同一のユニット素子からなるように構成しているため、同一精度で変化させることができる。これにより、全て同一のユニット素子を用いて設計してレイアウトできるようになり、製造バラつきを抑制できる。
例えば、第2実施形態のように、可変容量Ca、Cfを用いた場合には、可変容量Ca及びCfの関係性に適用し、Ca=N×Cf、又は、Cf=N×Caの関係性を用いて素子値を設定することが望ましい。また、アクティブフィルタ25のカットオフ周波数fc2を制御する場合には、抵抗Rbd、Rdの抵抗値またはコンデンサCfの容量値を制御するようにしても良い。
次に、出荷時におけるカットオフ周波数fcの設定方法、及び、キャリブレーション(Calibration)時におけるカットオフ周波数fcの設定方法を説明する。
図16は、半導体集積回路装置3の製造後の検査を経て出荷する段階におけるカットオフ周波数fcの補正処理を示すフローチャートであり、図17は、外部のMCU2からの要求に応じてカットオフ周波数fcをキャリブレーション補正する場合の処理内容を示すフローチャートである。
製造検査時には、図16に示すように、半導体集積回路装置3のロジック回路8は、MCU2のメモリ4内の不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)から予め用意されたレジスタバンク9のレジスタにロードし(S1)、半導体集積回路装置3内の各種抵抗及びコンデンサのバラつきを考慮したバラつきの補正値を個体毎に不揮発性メモリ14からレジスタバンク9のレジスタへロードする(S2)。そして、ロジック回路8は、この初期値と補正値を加算してレジスタバンク9のレジスタに上書き、更新させる(S3)。これにより個体毎のバラつきを考慮した設定値を、レジスタバンク9に更新設定できる。
また、図17に示すように、半導体集積回路装置3のロジック回路8は、動作中のタイミングにおいてMCU2からカットオフ周波数fcのキャリブレーションを開始する指令信号をロジック回路8に受け付けると(S11)、ロジック回路8は、SRAM12の内部に出荷時から記憶されているキャリブレーション処理に関するシーケンスを読み出し(S12)、順に実行する(S13)。このとき、ロジック回路8は、このキャリブレーション処理を実行し、この結果をレジスタバンク9に書き込む(S14)。
第1実施形態のように、可変抵抗Ra、Rcを用いて回路構成した場合には、このS12におけるキャリブレーション処理において、デジタル制御部7がカットオフ周波数fcを自己診断することで、現在設定されているコンデンサCa、Cfの容量値と可変抵抗Ra、Rcの抵抗値とカットオフ周波数fcとの関係性を検査し、カットオフ周波数fcが標準値から所定以上外れている場合には、デジタル制御部7が、可変抵抗Ra、Rcの値を調整制御する。これによりカットオフ周波数fcを更新できる。
また、第2実施形態のように、半導体集積回路装置203の内部に可変容量Ca、Cfを用いて回路構成した場合には、このS12のキャリブレーション処理においてカットオフ周波数fcを自己診断することで、現在設定されている可変容量Ca、Cfと抵抗Ra、Rcとカットオフ周波数fcとの関係性を検査し、カットオフ周波数fcが標準値から所定以上外れている場合には、デジタル制御部7が、可変容量Ca、Cfの値を調整制御する。これにより、カットオフ周波数fcを更新できる。
以上説明したように本実施形態によれば、デジタル制御部7は、同一のビット幅を有する制御コードのデータDi[N:0]を用いて、パッシブフィルタ24、124、224のカットオフ周波数fc1及びアクティブフィルタ25、225のカットオフ周波数fc2を互いに同一周波数fcに制御するようになっている。例えば、第1実施形態の構成を適用した場合には、デジタル制御部7が、各可変抵抗Ra、Rcの値をデータDi[N:0]により同時に制御することで同一のカットオフ周波数fcに制御するようになっており、第2実施形態の構成を適用した場合には、デジタル制御部7が、各可変容量Ca、Cfの容量値をデータDi[N:0]により同時に制御することで同一のカットオフ周波数fcに制御するようになっている。
このため、制御ビット数を極力抑制でき余分な制御線を必要とすることなく、可変抵抗Ra、Rc、又は、可変容量Ca、Cfの値を調整制御できるようになり、半導体集積回路装置3、103、203の内部の制御線の引き回し長を削減でき、設計容易性を高めることができる。
(他の実施形態)
本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
例えば、第1実施形態では、2段にパッシブフィルタ24又は124及びアクティブフィルタ25を備えた形態を示したが、アクティブフィルタ25の後段にさらにハイパスフィルタを備えても良い。この3段目以降のフィルタは、ミラー効果を用いて容量値を抑制できるため、アクティブタイプのフィルタ(例えば25と同一)により構成することが望ましい。
送信機5と受信機6とを別体に構成しても良い。
前述した複数の実施形態の構成、機能を組み合わせても良い。前述実施形態の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も実施形態と見做すことが可能である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も実施形態と見做すことが可能である。
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、1は移動体レーダ装置、6は受信機(移動体レーダ受信機)、7はデジタル制御部、19はダウンコンバータ、20、120、220は増幅器、24、124、224はパッシブフィルタ(パッシブタイプの第1ハイパスフィルタ)、25、225はアクティブフィルタ(アクティブタイプの第2ハイパスフィルタ)、27、227は帰還部、を示す。

Claims (3)

  1. 高周波入力信号にローカル信号を混合することでダウンコンバートするダウンコンバータ(19)と、前記ダウンコンバータのダウンコンバート出力を濾波しながら増幅するハイパスフィルタ付きの増幅器(20;120;220)と、を備えるダイレクトコンバージョン受信機を備え、当該受信機の受信信号により移動体自身と対象物との間の距離と相対速度を測定するための移動体レーダ受信機(6)であって、
    前記増幅器は、
    前記ダウンコンバータの後段にパッシブタイプの第1ハイパスフィルタ(24;124;224)を備え、前記第1ハイパスフィルタの後段にアクティブタイプの第2ハイパスフィルタ(25;225)を備える移動体レーダ受信機。
  2. 前記第1ハイパスフィルタは、入力レベルに対する出力レベル特性が許容範囲内で線形的に変化するように構成され、
    前記第2ハイパスフィルタは、前記第2ハイパスフィルタの入力に帰還する帰還部(27;227)にローパスフィルタを備える請求項1記載の移動体レーダ受信機。
  3. 前記第1ハイパスフィルタ及び前記第2ハイパスフィルタのカットオフ周波数を、同一ビット幅を備えた制御コードを使用して互いに同一周波数に制御するデジタル制御部(7)を備える請求項1または2記載の移動体レーダ受信機。
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