JP6825178B2 - 生物学的液体を処理するための入口部分を備える装置 - Google Patents

生物学的液体を処理するための入口部分を備える装置 Download PDF

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Description

本発明は、独立請求項のプレアンブルに係る生物学的液体を処理する装置、特に、生物学的液体を受容するように設計されたチャンバと気体交換手段とを備える装置に関する。
これは、1以上の気体がある媒体から別の媒体に移動することができる気体供給又は気体除去装置、即ち、2つの媒体間での1以上の気体を交換することができる気体交換装置であり得る。かかる装置は、化学、バイオテクノロジー、及び医学において用いられる。医学における重要な目的は、生物学的液体、特に血液を酸素リッチにすること、及び/又は前記液体、特に血液からの二酸化炭素を除去することである。かかる手段は、例えば、種々の肺疾患を治療する際に必要である。更に、かかる手段は、例えば、急性呼吸器不全の場合に加えて、心臓の機械的なサポートにおいて体外回路で肺をバイパスする際に種々の程度肺を置換するため、及び停止させた心臓での手術を可能とするために必要な場合もある。
更に、末期の機能性肺疾患患者のための長期間有効な唯一の治療選択肢は、肺移植である。肺の機能に恒久的に置き換わる他の医学的解決策は存在しない。したがって、慢性肺疾患に罹患している患者であって、肺移植が考えられていない又は直ちには考えられない患者にとっては、人工肺補助法が必要である。
かかる肺補助法を可能にするために、所謂血液気体交換器が先行技術から知られている。
血液気体交換器(酸素化装置又は人工肺と称されることが多い)は、開胸手術中に短時間肺機能を完全に引き継ぐために、又は集中治療室において長期間肺を完全に又は部分的にサポートするために用いられる。かかる血液気体交換器の主な機能は、血液への酸素の供給(酸素化)と血液からの二酸化炭素の除去(脱炭酸)である。例えば、気体交換は、中空繊維膜を用いて行われ、体外気体交換器において前記中空繊維膜の周りを血液が流れると同時に酸素リッチな又は二酸化炭素プアな気体が前記繊維の内部を通って誘導される。濃度差により、酸素又は二酸化炭素は、半透過性膜、通常、気体透過性膜を通ってそれぞれ反対方向に拡散することができる。前記繊維は、例えば、四角形繊維マットで又はリールに巻き付けられた個々の繊維として商業的に生産し、供給することができる。
繊維マットから血液気体交換器を生産する2つの異なる生産方法、即ち、巻き付け又は撚りが存在する。一例として、本発明の背景をより深く説明するために、本明細書では撚り変形例に基づく繊維マット生産のみについて概説するものとする。
撚り変形例では、個々の繊維マットを十字に重ねることによって、立方体様、特に、立方体状のパッケージ形状繊維束が得られる。繊維束は、流入形状を有する2枚のカバーによって、及び流延化合物によって外側に向かって境界が定められる。カバーは、繊維束の下方及び上方に配置される。繊維束の4つの側面は、交互に遠心分離機に流延され、このようにしてカバーに連結される。このように生産された市販の気体交換器は、対応する立方体状の空洞を更に有し、この空洞に繊維が埋め込まれ、前記繊維の周りを血液が流れる。血液流は、一般的に、繊維束又は空洞の4つの角部のうちの1つにおいてこれら気体交換器に接近する。血液搬送管の連結部は、この場合、気体交換器のカバーに直交して配向される。
しかし、血液搬送管の連結部のサイズ及び配置に起因して、これら気体交換器の使用は覚醒又は鎮静状態の患者がベッドに横たわっている定置用途に限定される。したがって、これら公知の気体交換器のうちの1つに依存している慢性肺疾患の患者は、患者の生活の質が著しく損なわれるだけでなく、可動性が著しく制限される。患者の可動化を目指す現代の治療アプローチは、いずれも実施することができない。
公知の気体交換器、特に、人工心肺(HLM)において使用することを意図する気体交換器は、例えば、患者の身体に取り付けるには大きすぎ且つ重すぎる。これに関連して、かかる気体交換器の管及び連結部のこれまで一般的であった直交配向(これによって気体交換器用に大きなスペースが必要になる)も、携帯用気体交換装置のかかる可搬使用を妨げる原因となる。
本発明は、生物学的液体を処理するための改善された装置であって、公知のシステムの問題点のうちの少なくとも1つを解消し、省スペース気体交換器を提供する装置、特に、気体交換器の可搬用途のための改善された装置を提供するという目的に基づいている。主に、本発明の目的は、患者に携帯用気体交換器を提供することにある。特に、気体交換器を、好ましくは直接患者の身体に取り付けて持ち運ぶことができるように、気体交換器に必要な空間を低減することが本発明の目的である。
本発明の目的は、請求項1に記載の装置によって達成される。本発明の有益な展開は、独立請求項の発明主題である。
本発明の1つの態様によれば、生物学的液体を処理する装置であって、空洞を形成する少なくとも1つの第1のチャンバを備える筐体と、少なくとも一部が前記第1のチャンバに配置される気体交換手段とを有する装置が提供される。第1のチャンバは、処理される液体、特に、本明細書では血液等の生物学的液体を受容するように設計されている。以下入口表面とも呼ばれる筐体の表面上には、処理される液体の第1のチャンバへの入口のために入口部分が形成される。入口部分は、この場合、本発明に従って、入口部分が形成される筐体の入口表面に対して鋭角を成して形成される。
特に、本発明に係る装置は、第1のチャンバ内に少なくとも部分的に形成される第2のチャンバを有していてもよく、気体交換手段として第2のチャンバを形成してもよい。第2のチャンバは、第1の流体、特に第1の気体を受容するように設計される。第2のチャンバは、少なくとも1枚の半透過性膜によって第1のチャンバから離れて形成され得る。半透過性膜は、好ましくは、気体透過性且つ液体不透過性膜である。例えば、前記膜は、少なくとも1つの所定の分子型を第1のチャンバと第2のチャンバとの間を移動させるように機能し得る。この場合、第1のチャンバから第2のチャンバへ及び/又は第2のチャンバから第1のチャンバへの輸送が行われ得る。これに関連して、複数の第1及び/又は第2のチャンバを提供することもできる。
本発明における「半透過性」とは、壁が部分的に透過性であると理解すべきである。透過性は、この場合、所定の分子、特に、特定の気体分子(例えば、酸素又は二酸化炭素)に対して提供されるものである。この意味において、用語「半透過性」は、特定の所定の分子又は化合物による選択的透過性も含む。
気体交換手段、特に、第2のチャンバは、気体交換手段が少なくとも1つの気体透過性且つ液体不透過性膜によって限定されるか又は取り囲まれるように、また、第1のチャンバに提供される生物学的液体が気体交換手段を少なくとも部分的に取り囲むか又は前記気体交換手段の周囲を流れることができるように設計し、配置してよい。
「第2のチャンバ」が以下に言及される範囲において、本発明をより容易に理解する機能のみを有する。しかし、第2のチャンバは、気体交換手段の特定の実施形態の一部としてのみ理解されるべきである。これに関連して、気体交換手段とは、本発明の意味の範囲内で、処理される液体(例えば、血液等の生物学的液体)と気体交換が必要な流体との間の気体交換を可能にする全ての構造を指す。
第1のチャンバと気体交換手段との間の膜は、一般的には、半透過性であり、通常、孔を有し、前記孔のサイズがそれぞれの膜の機能及び効果を決定する。言い換えれば、各膜は、一方では、多孔質膜、即ち分離した孔を有する膜であってよい。他方では、前記膜は、分離した孔を有しない均質可溶性膜であってもよく、この場合、ポリマーに透過物(例えば、気体)を溶解させることによって物質を輸送し、ポリマーへの可溶性が異なることを利用して分離する。好ましくは、前記膜は、無孔質透過性膜である。このようにして、気体交換手段内の流体と第1のチャンバ内の生物学的液体との間の気体交換が可能になる。気体の交換は、物質の対流及び拡散的交換に付され得る。好ましくは、気体の交換は拡散的であり、膜の両側の気体濃度の差によって決定される。
公知の定置システムにおいて用いられる略直交している連結器と比べて、生物学的液体を処理するための本発明に係る装置は、筐体の表面に対して角度を成して入口部分を配置することによって、液体の第1のチャンバへの省スペース供給を可能にすることができる。本発明によれば、液体を接線方向に流入及び供給及び排出させることができ、その結果、筐体又は筐体表面が形成されるのと略同じ面に沿って供給及び排出ラインを誘導することができる。これによって、特に、例えば、患者の身体に近接して又は患者の身体に略直接取り付けて持ち運ぶことが可能になる。これによって、装置、ひいてはユーザの可動性も増大させることができる。
これに関連して、液体と接触する全ての成分を無菌的に生産するか又は滅菌することができるのは言うまでもない。
第1のチャンバは、好ましくは、貫流チャンバとして設計され、入口と入口とは別の出口とを有する。第2のチャンバも、好ましくは、貫流チャンバとして設計され得る。第1のチャンバは、この場合、好ましくは、第2のチャンバの流動方向とは真逆の方向に又は前記流動方向に対して横方向に流動するように設計され得る。
本発明の幾つかの実施形態では、気体交換手段、特に、第2のチャンバは、幾つかのサブチャンバに分割され、その結果、前記装置は、気体を受容し、気体透過性且つ液体不透過性膜によって第1のチャンバから分離されるように設計された幾つかの第2のチャンバを含む。幾つかの第2のチャンバは、第1のチャンバ内に位置するか、又は第1のチャンバによって実質的に取り囲まれる。第2のチャンバは、好ましくは、細長く、好ましくは実質的に円筒形の構造を有し、これは、その横断方向に、1つ又は幾つかの連続空洞を有する。第2のチャンバの壁(横断面を画定する)は、気体透過性且つ液体不透過性膜を少なくとも部分的に形成する。
本発明の展開では、幾つかの第2のチャンバは、互いに隣接して、好ましくは、互いに離間して1列又は数列に配置される。幾つかの第2のチャンバは、更に、数層に配置してもよい。第2のチャンバは、例えば、中空体、好ましくは中空繊維として設計され、その結果、各中空体又は各中空繊維の壁は、気体透過性且つ液体不透過性膜を形成する。互いに隣接して配置される幾つかの第2のチャンバ間の距離は、好ましくは50μm〜1cm、より好ましくは100μm〜1mm、更により好ましくは100μm〜500μmの範囲である。この距離は、任意に選択又は調整してよい。
本発明の有益な展開では、筐体は、更に、生物学的液体の装置からの出口のために筐体の表面(出口表面)上に出口部分を有する。この場合も、出口部分は、筐体の表面に対して鋭角を成して配置してよい。出口部分を出口表面で封入する角度は、この場合、特に、入口部分を各入口表面で封入するのと同じ角度であってよい。このようにして、装置に必要なスペースを更に低減することができるが、その理由は、出口連結器の以前は必須であったスペースを必要とする直交配置、ひいては対応するラインの直交コンダクトを避けることができるためである。
或いは、出口部分を封入する角度を、入口部分を各表面で封入する角度とは異ならせることも企図することができる。特にキャリアの可動性に関して、これによって、キャリアの構造又はキャリア若しくは搬送装置若しくは筐体における装置の位置を考慮することができる。出口部分は、基本的に、入口部分と同じ筐体の表面上に設けてもよい。
入口部分及び出口部分の相対位置が変動し得ることは言うまでもない。例えば、入口部分及び出口部分は、互いに水平に隣接して配置してもよく、互いに垂直に配置してもよい。入口部分に対して出口部分を平行に配置することも直交に配置することも可能である。本発明の幾つかの実施形態では、出口部分は、入口部分の真逆に位置する。気体交換装置の上部の、本発明に係る装置が通常使用される位置に入口部分を配置することも企図することができる。出口部分は、この場合、特に、装置の下部に形成してもよい。特に、装置を通過する液体の流れを重力が支援することができるため、入口部分から装置を通過して出口部分に至る流動がこのことによって促進され得る。このようにして、気体交換装置を持ち運ぶ患者の循環器系を楽にすることができる。
本発明の幾つかの展開では、入口部分をそれぞれの入口表面で封入する角度、即ち、入口角度及び/又は出口部分を筐体の出口表面で封入する角度、即ち、出口角度は、45°未満、好ましくは25°未満、特に15°〜20°である。
入口部分を通じて誘導された生物学的液体が、気体交換手段、特に、繊維束の中心領域で第1のチャンバに誘導されるように、前記生物学的液体が第1のチャンバに供給され得るように、入口部分を筐体の表面に形成してよい。これに関連して、中心領域とは、繊維束の横方向伸長、即ち、入口表面と平行な表面に実質的に広がる方向に、中心に、又は中心の領域に位置する気体交換手段又は繊維束の領域を意味する。
第1の流体又は追加の成分を筐体に供給及び/又は排出するラインが、例えば、筐体の周面に対して接線方向に又は鈍角を成して存在し得ることは言うまでもない。このようにして、気体交換装置の更なる省スペース化を行うことができる。
幾つかの実施形態では、気体交換手段、特に、第2のチャンバは、複数の中空繊維によって形成される繊維束として設計され、少なくとも一部が第1のチャンバ内に配置される。
第1のチャンバは、実質的に円筒形を有し得る。このようにして、実質的に円筒形の形状を有する空洞が形成される。これは、空洞が、縁部領域に角部を有さず、また、不規則な縁部領域も有しないことを意味する。それに加えて又はそれに代えて、気体交換手段、特に繊維束も実質的に円筒形の形状を有していてよい。幾つかの実施形態では、気体交換手段又は繊維束の形状及び空洞の形状、即ち、第1のチャンバの内輪郭は、気体交換手段を第1のチャンバの空洞内にできる限り理想的に配置できるように互いに適応している形状及び寸法を有し得る。この状況における理想的な配置は、生物学的液体が、気体交換手段の可能な限り大きな領域の周囲を均一に、好ましくは層状に且つ流動断面全体に亘って実質的に一定の、均一な流速で流動する配置である。
先行技術から、生物学的液体が貫流するための立方体状の空洞を備える気体交換器を有する装置が当業者に公知である。それぞれの表面に対して鋭角を成して出口部分及び入口部分を配置することによって、第2のチャンバの平行又は少なくとも略平行な流入が生じ得る。幾つかの実施形態によれば、上記本発明の展開に従って円筒形の空洞を使用することにより、立方体状の空洞と比べて流速をより均質に分布させることができる。
更に、円筒形の繊維束を使用することによって、空洞、即ち、気体交換に利用可能な第1のチャンバ内の空間をより有効に利用することができるようになる。これは、例えば、乱流の発生及びその結果生じる劣化を低減することによって、装置の信頼性及び耐久性を低下させることができる[原文ママ]。かかる劣化は、特に、立方体状の空洞の角領域で生じ、これによって、液体として血液を使用するとき、第1のチャンバ内で凝固リスクが増大する。円筒形の空洞を形成すると、このような角領域がなくなることによりこのリスクが低下する。当然のことながら、円筒形の繊維束は、基本的に、直交して配置される入口部分による流入にも好適である。
気体交換器は、第1のチャンバの入口部分に面する側にダイアフラムシールを有し得る。ダイアフラムシールは、生物学的液体の流動断面における圧力差のバランスをとる機能を有する。これに関連して、液体の流動断面は、第1のチャンバ内の液体が貫流するか又は液体の前面が占める領域全体を意味する。特に血液等の生物学的液体を使用するとき、流動プロファイルにおいて乱流が生じることなしに、液体が装置、この場合は装置の第1のチャンバを均一に貫流することが望ましい。
そうでなければ、液体成分が気体交換手段の壁、特に、膜により多く蓄積するように、流速を著しく低下させた領域を形成してもよい。これは、一方では、気体交換の機能を損なわせる恐れがある。他方では、付着した物質を再度壁から剥がすときに、液体が汚染される恐れがある。第1のチャンバへの流入圧をより均一に分布させることができるダイアフラムシールは、この作用を低減することができる。したがって、かかるダイアフラムシールは、本発明に係る装置の信頼性を高めることができる。
有利なことに、ダイアフラムシールは、装置に流入するときにそれに沿って生物学的液体が誘導される実質的に傾斜している平面を有し得る。これは、圧力差の形成及び流れの分離を更に低減することができ、即ち、定在渦をより回避することができる。
本発明の幾つかの実施形態では、装置の表面のうちの少なくとも1つ、即ち、入口表面及び/又は出口表面は、カバーを有するか、又は全体としてカバーを構成する。かかるカバーは、特に、取り外し可能なカバーとして形成してもよく、その結果、装置における第1のチャンバ又は気体交換手段、特に、第2のチャンバへのアクセスが可能になる。この場合、カバーは、基本的に、第1又は第2のチャンバの上流領域に配置される。また、カバーを第2のチャンバに連結し、これらを外側から遮断することもできる。
有益な実施形態では、ダイアフラムシールは、好ましくは斜面の形状である内面上における入口表面の少なくともカバー上に設けてよい。このようにして、非対称な流入によって引き起こされる圧力差を、液体の入口で既に少なくとも部分的にバランスをとることができる。このようにして、より均質な圧力分布、ひいては流速のより均質な分布も生じ得る。かかるダイアフラムシールは、血液分配器板とも呼ばれる。
更に他の展開では、分配器手段は装置内に形成され得、前記分配器手段は、流動方向に対して実質的に横方向に生物学的液体を分配するように設計される。このようにして、気体交換手段、特に、繊維束又は第2の若しくは追加のチャンバのより大きな領域の流入を改善することができる。このようにして、気体交換手段の利用可能な表面全体の流入を可能な限り最適化することによって、装置の効率を増大させることができる。効率の増大の結果として、装置を更に小型化することができる。分配器手段は、ダイアフラムシールと一体的に形成してもよい。
本発明の有利な展開では、分配器手段は、生物学的液体の流動方向の横方向における入口部分及び開口部に面する側から出発するチャネル様部分を有する。「横方向」とは、この場合、入口部分が配置されるか又は入口部分が形成される入口表面と同じ方向に実質的に延在する方向を表す。横方向に広げることに加えて、チャネル様部分が傾斜を有していてもよいことは言うまでもない。この傾斜は、特に、入口表面に対する入口部分の角度に対応する方向に設けてよい。或いは、傾斜角度は、入口角度とは異なる任意の角度であってよい。このようにして、処理される液体の第1のチャンバ内及び気体交換手段全体への誘導を改善するために、分配器手段は同時に斜面を構成してもよい。したがって、分配器手段は、好ましくは、入口部分から第1のチャンバに向かって傾斜している。
分配器手段は、ダイアフラムシール及び/又は入口部分及び/又は入口側のカバー及び/又は筐体の入口表面と一体的に形成してもよい。その結果、本発明に係る装置に設置する必要がある個々の部品が少なくなる。これによって、生産及びメンテナンスプロセスを簡略化することができる。更に、その結果、個々の部品間を封止する必要性が低くなることによって、装置の信頼性を高めることができる。
上記展開は、出口部分に対して装置の出口側においても更に他の実施形態で実現することができる。出口部分のかかる改変によって、本発明に係る装置からの液体の流出を改善することができる。これによって、特に、例えば、人工肺の形態の気体交換器として装置を使用する場合、液体の循環を維持するために外部に設けられるポンプ能力を低減することができるか又は外部ポンプを完全に分配することができるようになる。
本発明の展開では、第1のチャンバに加えて、更に、第3のチャンバを第1のチャンバに形成してもよい。第3のチャンバは、この場合、気体交換手段の一部として形成してもよい。第3のチャンバは、少なくとも1つの液体透過性膜によって第1のチャンバから分離してよく、生物学的液体の1以上の成分を抽出する機能を有し得る。本発明に係る装置では、これによって、特定の液体成分を生物学的液体から抽出するか又は更には液体に添加するという更なる用途領域を開拓することができる。
別の実施形態では、第3のチャンバは、第2のチャンバから逸脱する空間配置であることを除いて、第2のチャンバと同様に設計してもよい。例えば、第2及び第3のチャンバは、それぞれ繊維束の複数の層を有していてよく、これら層は、平行に配置される複数の中空繊維からなる。次いで、第2及び第3のチャンバの個々の層を交互に重ねて配置してよく、ここでは、層の中空繊維は隣接する層の中空繊維に対して平行には配向されない。層の中空繊維は、特に、隣接する層の中空繊維の伸長方向に対して直角に配向してよい。このようにして、生物学的液体の第2及び第3のチャンバとの接触表面を増加させることができる。
上記実施形態は、特に明示的に除外しない限り、本発明の概念から逸脱することなしに互いに組み合わせて実施し得ることは言うまでもない。
本発明の別の態様によれば、本発明に係る装置は、人工肺又はバイオリアクタにおいて用いることができる気体交換器として設計することができる。
したがって、基本的には、生物学的液体を様々な連結器及び幾何学的に異なる設計の気体交換エレメントで処理するための装置を提供することが可能である。生物学的液体を処理するための装置の目的は、本発明の意味の範囲内では、生物学的液体、特に血液から二酸化炭素若しくは他の気体又は他の更に複雑な分子を枯渇させる、及び/又は前記生物学的液体を酸素若しくは他の気体又は他の分子リッチにすることである。当然のことながら、基本的には液体の他の成分を枯渇させることもできる。
特に、中でも血液等の生細胞を含有する複合液体の処理においては、外部ストレスを最小限に抑えることが有利である。これは、例えば、好ましくは生物学的液体の層状の一定流が維持されるように気体交換装置に流入させることも含む。そうすることで、乱流が好ましくは回避され、有利なことに、気体交換部分への流入が更に均質になる。特に生物学的液体が血液である場合、好ましくは、液体の生理学的流速で流入させることができる。当然のことながら、上記形態に加えて、これは、本発明の好ましい実施形態に従って他の方法で実施することもできる。したがって、特に繊維マットの気体交換手段の流入によって連続流が可能になる場合、既に有利である。
本発明の意味において、気体交換手段を代表する用語「繊維マット」も本明細書及び以下において用いられる。この用語「繊維マット」は、例えば、マット様配置で成形される中空繊維で作製され得る単層又は複層の構造を意味する。互いに重ねられる繊維層又は個々の繊維マットは、それぞれ、下方に位置する層に対してある角度回転させて配置してよく、それによって、丸形繊維マット配置又は丸形繊維束をすることができる。特に、目的及び意図するサイズに応じて、繊維マットは、一般的に、幾つかの個々の繊維層、即ち、個々の繊維マットで作製してもよく、又は単層のみで構成されてもよい。
特に矩形の基本形状を有し且つ特定の高さに亘って高さ方向に繊維マット層配置の形態で延在し得るかかる繊維マットは、先行技術から公知である。かかる繊維マット配置又は繊維束は、この場合、立方体様の形状である。しかし、かかる立方体様マット配置の問題点は、この場合、気体交換装置における空洞が対応する形状、即ち、同様の立方体様空洞であると仮定すると、少なくとも殆ど均一な流動を保証できない点にある。特に空洞の縁部及び角部に沿って、液体を変性させ得る液体の乱流がますます生じやすくなる。このようにして、これら縁部領域における気体交換の効率が低下することがある。
しかし、正確には、できる限り速い気体交換速度を得、液体の変性を避け、及び/又は気体交換エレメントをできる限り効率的に利用することが目的である。
これに関連して、一つには、かかる矩形状の空洞に基本形状が丸形である気体交換手段、好ましくは、円形状の気体交換手段を配置することを企図することができる。このようにして、立方体様空洞における縁部効果の、気体交換手段における気体交換速度に対する影響を少なくするか又は完全になくすことができる。
更に、立方体様又は丸形の気体交換手段、特に、繊維マット又は繊維マット配置を配置する丸形、好ましくは円形の空洞を提供することが可能である。気体交換手段の輪郭は、この場合、理想的には空洞の形状に対応し、その結果、空洞のできる限り大きな体積を気体交換手段で充填することができる。これにより、理想的には、気体交換に利用可能な空洞内の体積を拡大することができる。
丸形空洞において立方体様の繊維マット又は繊維マット配置を使用することにより、液体の流速が必ず最小である空洞の壁における縁部効果を回避することが可能になる。このようにして、気体交換エレメント、即ち、この場合は繊維マット又は繊維マット配置の効率を改善することができる。
例えば、装置における繊維マット又は繊維マット配置を収容するための空洞の形状に加えて、繊維マット又は繊維マット配置自体の形状は、この場合、丸形又は更には円形であってよい。繊維マット若しくは繊維マット配置又は空洞の「丸形」形状は、連続輪郭、即ち、縁部及び角部を形成しない輪郭を有する任意の形状に対応し得る。丸形形状は、特に、楕円形設計も含み得る。更に、丸形形状は、他の対称又は非対称な形状、例えば、繊維マット又は繊維マット配置の周囲、即ち、一般的には気体交換手段の周囲の流れを改善することができる形状も含み得る。更に、用語「丸形形状」は、例えば、丸みを帯びた角部及び縁部を有する空洞を意味すると理解することもできる。気体交換手段の形状は、この場合、例えば、気体交換手段の断面に沿って高さ方向に変化してもよい。
これに付随して、気体交換手段の形状については、1以上の角部及びその他の丸形又は丸みを帯びた部分を備える混合形状を企図することもできる。基本的に、気体交換手段の形状はこれらに限定されず、必須の連結器が設けられている限り、形状全体を気体交換手段の空洞に配置することができ、特定の寸法の空洞及び気体交換手段によって、気体交換手段を空洞に挿入することができるようになる。第1のチャンバ及び気体交換手段の空洞の形状は、この場合、互いに異なっていてもよい。
また、本発明の概念に従って、生物学的液体の気体交換部分に供給するライン用の連結器を、表面に対して直交して配置してもよいことは言うまでもない。これは、例えば、気体交換手段が気体交換装置の表面に対して傾斜して、特に、鋭角で傾斜して配置される場合であり得る。気体交換手段自体の特定の形状は、例えば、気体交換手段の高さ寸法が不均質な場合に気体交換手段の表面が斜面になる場合、気体交換手段に対して液体が既に斜めに流入し得る。これに付随して、気体交換手段を収容するための空洞を、液体を流入させるための連結器が形成される気体交換装置の表面に対して傾斜した位置に配置することも企図することができる。
筐体は、好ましくは、筐体の外側面が角柱面として設計された角柱形状を有し、この場合、筐体の形状がコンパクト、特に平坦になり、また、入口表面として設計された角柱筐体の端面に血液の入口が配置される。
或いは、生物学的液体を処理するための装置は、有利なことに、空洞を形成し且つ処理される液体を受容するように設計された第1のチャンバと、少なくとも一部が第1のチャンバに配置された少なくとも1つの気体交換手段とを備える角柱状筐体を含み、前記処理される液体の第1のチャンバへの入口用の入口部分が、筐体、特に、筐体のカバーの表面に形成される。この場合、入口部分は、繊維束の表面に対して鋭角の流入角度を成して延在する。
流入角度が45°未満、好ましくは25°未満、特に好ましくは5°〜20°、特に15°である場合有利である。
流動誘導表面がチャネル様部分の両側に配置され、チャネル様部分によって画定される第1の軸と流動誘導表面によって画定される第2の軸とが好ましくは5°〜20°の鋭角を成して交差するように前記流動誘導表面が前記チャネル様部分の勾配とは逆の勾配を有する場合、更に有利である。2つの流動誘導表面を用いると、入ってくる流体流を乱入なしに分布させられる。供給される液体が血液である場合、それによって、血液の凝固(凝集)及び血液の損傷(溶血)が有効に阻止される。気体交換表面に対して非常に良好な恒久的気体交換効果が得られる。
基本的に、丸形気体交換手段を用いたとき、直交する流入も生じることも当然のことながら企図することができる。これは、単独で、特に丸形空洞において気体交換の効率低下及び液体の変性を引き起こし得る縁部効果を低減できるという利点を既に生じさせる。この場合、基本的には、筐体の入口表面に対して及び/又は気体交換手段自体、特に、繊維マット又は繊維マット配置に対して直交して流入が行われ得る。空洞における気体交換手段の配向は、この場合、例えば、入口表面に対して傾斜した配向であってもよい。
かかる丸形若しくは丸みを帯びた繊維マット及び繊維マット配置、又は不均質な断面を有するかかる繊維マット及び繊維マット配置の生産は、この場合、立方体様繊維マットの生産について知られているものと同様の方法で生産することができる。
次に、本発明及びその有利な展開について、添付図面に示す特定の例示的な実施形態を参照して説明する。添付図面では、等価な機構には同じ参照記号を与える。
図1は、本発明の実施形態に係る装置のための繊維束の一部の概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係る、本発明に係る装置の概略図である。 図3は、本発明の実施形態に係る装置のための連結器の拡大断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る装置のためのカバーの概略図である。 図5は、本発明の別の実施形態に係る、本発明に係る装置のための別のカバーの概略図である。 図6は、図5中のVI−VI線に沿った断面における、図5のカバーの断面図である。 図7は、図5中のVII−VII線に沿った断面における、図5のカバーの透視断面図である。
本発明をよりよく理解するために、図1は、ここでは異なる配向の繊維マット19及び21の形態の2層型で作製された多層繊維束の形態の、気体交換手段の構造の一例を示す。この場合、図1は、本発明の基本的な理解のために、層の一種の分解立体図で、繊維マット19、21を備える繊維束18の概略図のみを示す。繊維束18の部分領域の概略的特徴に起因して、図1は、特に繊維束層の形状、比率若しくは設計又はこれらの特定の特徴に関してではなく、繊維束の実際の形状に関して(本発明に係る装置においてそれをどのように使用するかに関して)如何なる結論も許容するものではない。繊維束の一体構造においては、本明細書では記述的に繊維束とも呼ばれる繊維マットの配置は、繊維マットとも呼ばれる個々の繊維層からである[原文ママ]。繊維束18は、第1の繊維マット19、21によって画定される表面8を有する。
更に図2にも示す本発明に係る装置1は、第1のチャンバ3を取り囲むか又は部分的に画定する筐体2を有する。第1のチャンバ3は、血液等の生物学的液体を受容するために設けられ、図示した実施形態では貫流チャンバとして設計されている。生物学的液体、即ち血液は、矢印4によって示される方向に、筐体2の入口表面5を通って第1のチャンバ3に流入し、反対の出口表面6を通って第1のチャンバ3から出る。筐体2は、好ましくは、生物学的液体と化学的に反応しない、ポリエチレン又はポリウレタン等のプラスチックからなる。筐体2は、側面が角柱状表面4として設計され、基底面が出口表面6として設計され、端面が入口表面5として設計された角柱形状を有する。筐体2の形状は、この場合、平坦又はコンパクトであり、即ち、出口表面6と入口表面5との間の筐体2の高さは、その高さを横断する横方向の長さよりも短い。繊維束18の表面8は、入口表面5によって画定される平面に対して実質的に平行に延在する。
装置1は、更に、第1のチャンバ3を貫通し、第1のチャンバ3によって実質的に取り囲まれている管状の第2のチャンバ7を有する。第2のチャンバ7は、図2では見えない。管状壁は、第2のチャンバ7の空洞の境界を定めるか又は取り囲む。この壁は比較的薄く、好ましくはプラスチックからなり、壁と共に気体透過性且つ液体不透過性膜9を形成する外層の支持材料として機能する。第2のチャンバ7は、流体を収容し、誘導するために設けられる。好ましい実施形態では、流体は、周囲空気、圧縮空気、酸素リッチな気体混合物、又は高濃縮酸素若しくは純酸素等の気体である。この場合、管状壁によって、気体分子が第1のチャンバ3と第2のチャンバ7との間を移動することができるようになる。言い換えれば、膜9は、分離面又は接触面を形成し、これら面において、血液の分子成分と第2のチャンバ内に収容されている媒体の分子成分とが緊密に接触し得る。
図1に示す場合のように、第2のチャンバ7は、貫流チャンバとして設計され得る。気体透過性且つ液体不透過性膜9は、好ましくは、二酸化炭素及び/又は酸素を選択的に透過可能である。特定の実施形態において、記載する発明は、生物学的液体の酸素化、即ち、酸素を濃縮するために用いられる。しかし、代案として、特定の用途に応じて二酸化炭素のみを低減する、即ち、脱炭酸することも企図できる。したがって、所望の用途に応じて、生物学的液体の気体交換を行うために酸素リッチな空気又は二酸化炭素プアな空気等の好適な気体が選択される。
選択された気体は、図1の矢印10によって示される方向に、入口11を通って第2のチャンバ7に流入し、反対の出口12を通って第2のチャンバ7から出る。第2のチャンバ7を貫流する気体は、この場合、気体透過性且つ液体不透過性膜9を部分的に通って、第1のチャンバ3を貫流する液体に移動し得る。更に、チャンバ3内の液体に溶解している気体部分が、膜9を通って第2のチャンバ7に移動し得る。生物学的液体が血液である場合、血液の酸素を濃縮するか又は血液の二酸化炭素を枯渇させることができる。このようにして、膜9において所謂換気又は呼吸補助プロセスが生じる。
第1のチャンバ3内の生物学的液体、即ち血液の圧力P及び/又は流れは、第2のチャンバ7を貫流する酸素の圧力P及び/又は流れに関連して選択又は調整することができる。このようにして、酸素を液体へ及び/又は二酸化炭素を液体から所望の通り移動させることができる。これは、基本的には、2つのチャンバ3、7の側から、より分圧の高いそれぞれの気体が優勢であるそれぞれの他のチャンバ7、3への気体交換を行う場合に当てはまる。この目的のために、例えば、ポンプ(不図示)を用いて第1のチャンバ3を通じて血液を搬送してもよく、又は患者の循環器系の圧力下で血液を第1のチャンバ3に貫流させるだけでもよい。それに代えて又はそれに加えて、チャンバ3、7のうちの一方における選択された成分の圧力非依存性濃縮、例えば、対応して使用される表面上の気体分子又はそれぞれの流体、即ち、生物学的液体若しくは気体の成分の可逆的又は不可逆的結合に影響を与える策を講じてもよい。
特定の実施形態では、装置1は、第2のチャンバと同様に第1のチャンバ3を貫通し、第1のチャンバ3に実質的に取り囲まれている管状の第3のチャンバ13を更に有し得る。第3のチャンバ13の空洞を取り囲む管状壁14は比較的薄く、好ましくは、プラスチックからなる。第2のチャンバ7と同様に、壁14は、外層のための支持材料として機能する。この場合、第3のチャンバは、第2のチャンバ7とは独立したチャンバであり、気体透過性液体不透過性膜15(第1のチャンバ3と第2のチャンバ7との間の膜9と同じ又は異なる又は更なる気体を透過可能である)を有することを企図し得る。このようにして、例えば、第2の独立した気体供給を装置と連結することができたり、又は必要に応じて、更なる気体を装置に供給することができたり、又は生物学的液体からの気体の枯渇速度を増大させることができたりする。
特定の実施形態では、第3のチャンバ13も、壁14と共に液体透過性膜15を形成することができ、その結果、管状壁14は、第1のチャンバ3と第3のチャンバ13との間で液体成分を移動させることができるようになる。特に、この膜15は分離又は接触表面を形成し、これら表面は、生物学的液体の1以上の液体成分を抽出する機能を有する。当然のことながら、第1のチャンバ3と第2のチャンバ7との間の壁が液体透過性壁9を形成する他の実施形態も考えられる。
次いで、第1及び第3のチャンバの間に位置する液体透過性膜15は、フィルタとして作用し得、前記膜を介して水等の低分子は血液等の生物学的液体から押し出され、タンパク質及び血液細胞等の高分子は保持される。
本発明に係る装置の気体交換手段は、1以上の第2のチャンバを有し得ると理解される。1以上の繊維束の形態の気体交換手段の図1に示す構造は、実際本発明又は本発明の展開にとって有利であり得ることが更に理解される。しかし、異なる層構造を有するか又は層構造を有しない気体交換手段、例えば、多孔質構造の形態を本発明の範囲内で企図することもできる。これに関連して、図1の図は、本発明の特定の実施形態についての繊維束の形態の気体交換手段のほんの一例を示すものである。
本発明の1つの実施形態では、図1に示す通り、第2のチャンバ7又は第3のチャンバ13は、以下に説明する複数の管状中空繊維を有する。筐体2は、この場合、第1のチャンバ3を少なくとも部分的に取り囲むか又は画定する。第1のチャンバ3は、血液等の生物学的液体を受容するために設けられ、貫流チャンバとして設計される。また、第1のチャンバ3は、第2及び/又は第3のチャンバを収容するための、筐体に挿入され、筐体内の開口部に対応する収容部であってもよい。
第1のチャンバ3及び第2のチャンバ7又は更なるチャンバ13は、一体型無菌閉鎖系として提供されることに留意しなければならない。この場合、第1のチャンバの筐体2aは、気体交換装置の筐体2の対応する開口部に挿入される。この場合を図2に示す。或いは、繊維束を気体交換装置1の筐体2に挿入してもよく、この場合、気体交換装置1の開口部の内壁又はこの開口部への挿入物の内壁が第1のチャンバ3を画定する。
図1に示す通り、装置1は、列をなして互いに隣接して配置される複数の管状の第2のチャンバ7を有する。第2のチャンバ7、即ち、気体交換手段は、平行に第1のチャンバ3を貫通し、第1のチャンバ3によって実施形態に取り囲まれる。第2のチャンバ7の空洞を取り囲む管状壁は、ポリメチルペンテン(PMP−商品名TPX(登録商標)としても知られている)、例えば、発泡体TPXで作製された中空繊維の形態に設計してよい。他の実施形態では、他の材料を同じ方法で使用してよい。第2のチャンバ7の壁及びその外表面又は層は、気体透過性且つ液体不透過性膜9を形成し、その結果、第1のチャンバ3と中空繊維内部に位置する第2のチャンバ7との間で気体分子が移動できるようになる。
第2のチャンバ7は、酸素又は周囲空気等の気体を受容するために設けられ、また、貫流チャンバとして設計される。気体透過性且つ液体不透過性膜9は、この場合、酸素及び/又は二酸化炭素が選択的に透過可能であるように設計してよい。図1に示す装置では、選択された気体は、矢印10によって示される方向に、入口11を通って第2のチャンバ7に流入し、反対の出口12を通って第2のチャンバ7から出る。上述の通り、第2のチャンバ7を貫流する酸素の一部は、気体透過性且つ液体不透過性膜9を通過して、第1のチャンバ3を貫流している液体に入り得る。これによって、液体を酸素リッチにすることができる。同様に、液体、特に血液から膜9を通って第2のチャンバ7に二酸化炭素を移動又は除去してよく、その結果、所謂換気又は呼吸補助プロセスが生じる。
列/平面に互いに隣接して配置され、第2のチャンバ7を形成する中空繊維、例えば、TPX繊維は、布地加工プロセスにおいて縦糸18を用いて互いに連結される。これによって、繊維間の距離Dが規定されたある種の繊維マット19が得られる。この繊維間の距離Dは、第1のチャンバ3を貫流する血液がマット19を貫流することができ、それによって、膜9の接触表面との接触が最大になるように機能する。この例示的な実施形態では、個々の中空繊維は、100μm〜1mmの範囲、好ましくは、200μm〜600μmの範囲(例えば、約400μm)の外径を有し、100μm〜500μmの範囲の距離Dで互いに隣接して各列又は平面に配置される。この距離は、任意に選択することができる。したがって、複数の繊維を互いに隣接して配置し、マット19に加工できることは明白である。繊維膜マット19の寸法は、例えば、約10cm×約15cmである。
本発明の幾つかの実施形態では、繊維マット(以後繊維膜プレートとも呼ぶ)は、筐体における円筒形の空洞に対応するために、丸形形状を有する。これら繊維膜プレートは、具体的には、互いに層状に重ねられた数枚の繊維マットの配置である。当然のことながら、また、円筒形の空洞に立方体様又は立方体状の繊維膜プレートを使用するか、又は本発明に係る装置の立方体様又は立方体状の空洞に丸形又は実質的に円筒形の繊維膜プレートを使用することも企図することができる。
中空繊維をマット又は繊維マット19、21に加工する場合、続いて、これらマット19を互いに積み重ねることによって更に加工してよい。図1では、平行に延在する第2のチャンバ7の層、即ちマット19を2枚しか示しておらず、これらは互いに積み重ねられている。しかし、当業者は、第1のチャンバ3に互いに積み重ねられた複数のかかるマット19を提供してもよいことを理解する。図1には示していないが、第2のチャンバ7を形成する繊維の末端は、束状にまとめられるか又は相互に連結される。このようにして、共有入口11を介して気体、例えば、周囲空気又は酸素が個々の入口に供給され得る。同様に、個々の出口は共有出口12に移行する。これは、好ましくは、個々のマット19の第2のチャンバ7だけでなく、全てのマット19の全ての第2のチャンバ7に当てはまる。これは、所謂繊維の「相互連結」であり、好ましくは、キャスティングプロセスにおいて、例えば、ポリウレタンを用いて同じ配向が生じる。この場合、繊維積層体の外側領域における繊維の末端は、液体プラスチックにキャスティングされる。プラスチックを硬化させた後、次いで、繊維の内部が開放されるまで繊維を外側から少しずつ削り取っていく。このようにして、個々の繊維又はチャンバに共通の流体が供給される。
更に、図1中の装置1は、第2のチャンバ7のように平行に第1のチャンバ3を貫通し、第1のチャンバ3によって実質的に取り囲まれている幾つかの管状の第3のチャンバ13を有する。幾つかの実施形態における中空繊維は上記マット19の中空繊維と同じように設計してよいが、特定の実施形態では、第3のチャンバ13の空洞を取り囲む管状壁14をポリエーテルスルホン(PES)で作製される中空繊維の形態で設計することも可能である。この場合、中空繊維の壁14は、その外表面と共に中空繊維の内側に位置する第1のチャンバ3と第3のチャンバ13との間で液体成分を移動させることができる液体透過性膜15を形成する。特に、膜15は、生物学的液体の1以上の液体成分を抽出する機能を有する分離又は接触表面を形成することができる。
第1のマット19の中空繊維と同様に、列又は平面に互いに隣接して配置され、第3のチャンバ13を形成する中空繊維、この場合、PES繊維又はTPX繊維は、布地加工プロセスにおいて縦糸20を用いて互いに連結される。この場合も、繊維間の距離Dが規定されたある種の繊維マット21が得られる。この繊維間の距離Dも、第1のチャンバ3を貫流する液体、特に血液がマット21を貫流することができ、それによって、膜15の表面との接触が最大になるように機能する。図1は、第3のチャンバ13の層、即ちマット21を2枚しか示しておらず、これらは互いに積み重ねられた層21として示されている。この例示的な実施形態では、第2のチャンバ7と同様に、個々の繊維は、100μm〜1mmの範囲、好ましくは200μm〜600μmの範囲の外径を有し、好ましくは100μm〜500μmの範囲の距離Dで各列又は平面に互いに隣接して配置される。したがって、複数の繊維は、互いに隣接して配置され、マット21に加工され得る。各繊維膜マット21の寸法も約10cm×約15cmであり、上記説明と同様に、かかる多層繊維膜マット21について様々な、特に丸形の形状も可能である。
そうでなければ、個々の繊維膜マット21は、繊維膜マット19に関して上に詳述した通り加工される。かかる繊維又は繊維マットは、例えば、基本的には、国際公開第2010/091867号パンフレットから公知である。
好ましくは平行に配置された第2のチャンバ7の長手方向配向は、平行に配置された第3のチャンバ13の長手方向配向に直交して延在し、TPX又はPES繊維の層、即ちマット19、21は、この例では、直接交互に層状に重ねられている。これによって、コンパクトな繊維マットが得られる。マット、即ち繊維マット19、21は、好ましくは、直接重ねられ、その結果、互いに接触する。図1は、本発明をより明らかに説明するために、分解立体図において離間している層、即ちマット19、21を示す。
上記説明は、本発明に係る装置を複数の用途に使用できることを示す。好ましい実施形態を参照して本発明を以下に詳細に説明する。
図2によれば、装置1は、図2に概略的に示されている人工肺として設計される。装置1の筐体2は、この場合、丸みを帯びて延在する横方向縁部を備える実質的に立方体様であるように設計される。入口表面5の角領域では、連結器の形態の入口部分31が、筐体2の入口表面5に形成されている。入口部分31の筐体2から離れた片面に、供給ライン33が形成される。同様に、排出ライン43を備える出口部分41が、筐体2の出口表面6に設けられている。しかし、図2は斜視図であるので、図中に出口部分6を見ることはできない。
更に、入口表面5に又は隣接して別の連結器35も設けられている。具体的には、連結器35は、筐体2の角柱表面4から分岐している。連結器35は、様々な機能を有し得る。例えば、連結器35は、図1に示す気体交換手段の実施形態に実質的に対応する方法で、気体交換手段、即ち、本質的に第2のチャンバ7又は第3のチャンバ13に気体を供給する機能を有し得る。更に、図2に示す通り、連結器35、特に、幾つかの連結器35を備える流体循環系を用いて流体を除去することができる。
図3は、本発明に係る装置1の入口部分31を示す。入口部分31は、筐体2の入口表面5に形成される。入口部分31の入口表面5から離れた片面に、連結器部分32が設けられている。連結器部分32は、入口部分31を流体供給、即ち、例えば供給ライン33としての管に連結させる機能を有する。本明細書に示す実施形態では、入口部分は、特に、血液等の生物学的液体を供給する機能を有する。入口表面5には、液体の第1のチャンバ3(図3では不図示)への入口を形成する開口部36が設けられる。
図3から分かる通り、入口部分は、入口表面5に対して鋭角を成すように設計され、配置される。図3に従って説明される実施形態では、この入口角度は約15°である。しかし、この入口角度は変動し得、好ましくは45°未満、より好ましくは25°未満、特に15°〜20°である。筐体2に配置された繊維束18の表面8が入口表面5又はそれによって画定される平面に対して平行であることから、入口部分31は、繊維束18の表面8に対して鋭角の流入角度αで延在する。この流入角度αは、好ましくは45°未満、より好ましくは25°未満、特に5°〜20°の値である。本例示的な実施形態では、流入角度αは15°の値を有する。
このようにして、生物学的液体が接線方向に流入可能になる。更に、このようにして供給及び排出ラインを接線方向に導くことが可能になる。次に、これによって、コンパクトに、例えば、持ち運び用装置に設置することが可能になる。
図4は、本発明に係る装置のカバー50を示す。カバー50は、この場合、特に、図3に示す開口部36の下に配置することができるように設計され、その結果、入口部分31を通じて供給される液体がカバー50に誘導される。この場合、カバー50は、チャネル様部分51を有する。この場合の「チャネル様」とは、チャネル様部分51がカバー50における凹部を構成すると理解すべきであり、これによってカバー50に誘導される液体の流動方向が予め決定される。図4中の矢印は、この場合、カバー50に沿って供給される液体の流動方向を示す。
図4でも分かる通り、チャネル様部分51は、第1の端部52と第2の端部53とを有する。チャネル様部分51は、第1の端部52から第2の端部53への流動方向において広がるように設計される。これによって、供給された液体がより大きな領域に亘って分布し、それによって、カバー50の下流の部品、即ち、本質的には気体交換手段を備える第1のチャンバ3により均質に流動することができるようになる。
カバー50又はカバー50のチャネル様部分51は、この場合、好ましくは、チャネル様部分51が10°〜20°の角度で広がるように設計される。図4に示す実施形態では、広がり角度、即ち、この定義に従ってチャネル様部分51が広がる角度は14°である。チャネル様部分51の個々のレッグが取り囲む角度は、広がり角度の2倍、即ち、図示する実施形態では28°である。
入口部分31及びカバー50は、図3及び4に示す実施形態では、個別の部品として設計されているが、入口部分31は、カバー50と一体的に設計することも企図することができる。この場合、カバー50は、例えば、入口部分31を通じて供給される液体がチャンバ3に直接供給されるように、入口表面5の開口部36に配置してよい。この場合、カバーは、入口部分の傾斜に従って、例えば、入口表面5から開口部36を通って第1のチャンバにつながる斜面を有し得る。
更に、図4に係る実施形態では、カバーは、チャネルが広がっている結果として、同時にダイアフラムシール部品でもあり、流入液体がより大きな領域に亘って分布するので、流動圧が低下する。また、同時に、図4に係る実施形態に係るカバーは、流入液体のための分配器手段も構成する。
別の実施形態では、カバー50は、ダイアフラムシール又は分配器手段から分離されるように、例えば、入口表面5の外側又は入口表面5の内側に入口表面5の単なる覆いとして設計してもよい。この場合、別個のダイアフラムシール及び/又は別個の分配器手段を装置に設けてよい。
本発明に係る装置の別のカバー50’を図5〜7に示す。カバー50’は、図3に示す開口部36の下に配置することができるように設計され、その結果、入口部分31を通って供給される液体がカバー50’に誘導される。或いは、角柱筐体2の表面全体/入口表面5を形成するように設計される。この場合も、カバー50’はチャネル様部分51’を有する。この場合、「チャネル様」とは、チャネル様部分51’がカバー50’における隆起部を構成すると理解すべきであり、これによってカバー50’に誘導される液体の流動方向が予め決定される。この場合、図5中の矢印60は、カバー50’に誘導される液体の流入方向を示し、矢印61.1及び61.2(図5中)及び矢印62.1〜矢印62.3(図6及び7)は、カバー50’と筐体内部のその下に位置する繊維束との間の流入液体の流動の更なる進路を示し、この繊維束は、図5〜7では表面8の位置によって示される。
この実施形態では、入口部分31’のチャネル様部分51’は、特に図6から分かる通り、入口表面5に対して鋭角の入口角度を成して配置される。図6に従って説明される実施形態では、この入口角度は約15°である。しかし、この入口角度は変動し得、前記入口角度は、好ましくは45°未満、より好ましくは25°未満、特に15°〜20°である。
筐体2に配置される繊維束18の表面が入口表面5又はそれによって画定される平面に対して平行であることから、入口部分31’のチャネル様部分50’は、繊維束18の表面8に対して鋭角の流入角度αを成して延在する。この流入角度αは、好ましくは45°未満、より好ましくは25°未満であり、特に5°〜20°の値を有する。本例示的な実施形態では、流入角度αは、15°の値を有する。
チャネル様部分50’の両側には、それぞれ、流動誘導表面54.1及び54.2が位置し、これらは、チャネル様部分50’の勾配(図6中矢印62.3)とは逆の勾配(図6中矢印62.2)を有し、その結果、チャネル様部分50’によって画定される第1の軸A1と流動誘導表面54.1及び54.2によって画定される第2の軸A2とが、約5°〜約20°の鋭角βを成して交差する。本例示的な実施形態では、鋭角βは、16.35°の値を有する。2つの流動誘導表面54.1及び54.2の勾配(図6中62.2)は、好ましくは1°〜5°である。本例示的な実施形態では、勾配(繊維束18の表面8に対する流動誘導表面54.1及び54.2の角度に相当)は1.35°である。2つの流動誘導表面54.1及び54.2を用いると、流入する流体流が乱流なしに分配される。供給される液体が血液である場合、血液の凝固(凝集)及び血液の損傷(溶血)が有効に阻止される。気体交換表面に対して非常に良好な永続的気体交換効果が得られる。
これに付随して、当業者が理解する通り、同じ又は類似の方式で装置の表面に更なる連結器を設けてもよい。それによって、本発明に係る装置の構造により、液体、特に生物学的液体を同時に複数処理することができるようになる。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明に係る装置によって同時に酸素化することなしに脱炭酸のみが実施される。基本目的は、例えば、液体を除去している間及び身体に戻している間に体外を流動する体積をできる限り少なく保つことであるので、かかるCO除去系を流れる体積は、一般的に、2dm/分(2L/分)、好ましくは、約0.3dm/分〜約1dm/分(約0.3L/分〜約1L/分)の範囲である。かかる低体積流において十分な流動及び有効な気体交換を確保するためには、繊維束又は空洞の寸法が重要である。寸法を最適化する場合、競合する要件(例えば、有効な気体交換のためのより大きな気体交換表面、より優れた可搬性及び携帯性のためのコンパクトな構造、均質な流動分布ひいては低い圧力損失及び低い剪断力、並びに装置の使用期間を延長するための血液適合性)間で折衷案を見出さなければならない。
本発明の実施形態によれば、これら検討事項及び対応する計算に基づいて、気体交換器、即ち、第1のチャンバの空洞のために直径70mm及び気体交換手段、この場合は繊維束の積層体の厚み25mmを選択した。これによって、この特定の実施形態では約0.6mの気体交換表面が得られる。これら寸法は、気体交換において生じる剪断力及び圧力損失に関して可能な許容できる比を表す。更に、これら寸法によって、流動する体積が少ない場合、十分にCOが低減される。
しかし、本発明が脱炭酸のみに限定されるものではないことは言うまでもない。当然のことながら、この場合、特許請求の範囲に請求される本発明の基本概念から逸脱することなしに別の実施形態を企図することもできる。
1 気体交換装置
2 筐体
3 第1のチャンバ
4 (筐体の)角柱表面
5 入口表面/筐体の表面
6 外側表面
7 第2のチャンバ
8 繊維束の表面
9 膜
10 矢印
11 入口
12 出口
13 第3のチャンバ
14 壁
15 膜
18 繊維束
19 繊維マット
21 繊維マット
31 入口部分
32 連結器部分
33 供給ライン
35 連結器
36 開口部
41 出口部分
43 排出ライン
50 カバー
50’ カバー
51 チャネル様部分
51’ チャネル様部分
52 第1の末端
53 第2の末端
54.1 流動誘導表面
54.2 流動誘導表面
60 矢印
61.1 矢印
61.2 矢印
62.1 矢印(流動方向)
62.2 矢印(流動方向/勾配)
62.3 矢印(流動方向/勾配)
A1 第1の軸
A2 第2の軸
α 流入角度
β 鋭角

Claims (20)

  1. 生物学的液体を処理するための装置であって、処理される前記液体を受容するように設計され且つ空洞を形成する第1のチャンバを備える筐体と、前記第1のチャンバに少なくとも一部が配置され、複数の中空繊維を含む、互いに重ねられている繊維マットがいくつか配置されて形成された繊維束を含む、少なくとも1つの気体交換手段とを含み、処理される前記液体の前記第1のチャンバへの入口のため入口部分が前記筐体の入口表面に形成され、前記入口部分が、前記筐体の前記入口表面及び前記繊維束の表面に対して鋭角の流入角度を成して形成され、前記繊維束の表面は、第1の繊維マットによって画定され、前記入口表面によって画定される平面に実質的に平行に延在していることを特徴とする装置。
  2. 前記筐体が、前記生物学的液体の前記装置からの出口のため出口部分を更に有し、
    前記出口部分が、前記筐体の出口表面に配置される請求項1に記載の装置。
  3. 前記出口部分が、前記出口表面に対して鋭角を成して配置される請求項2に記載の装置。
  4. 前記気体交換手段が、少なくとも1つの第2のチャンバを有し、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバが、少なくとも1つの半透過性膜によって空間的に分離されるように形成され、前記生物学的液体を処理するために、少なくとも1つの所定の分子型が、前記膜を通じて前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間を移動することができる請求項1に記載の装置。
  5. 前記筐体の前記出口表面に対する前記出口部分の角度が、45°未満である請求項2から3のいずれかに記載の装置。
  6. 前記筐体の前記入口表面に対する前記入口部分の角度が、45°未満である請求項1から5のいずれかに記載の装置
  7. 前記入口部分を通じて誘導される前記生物学的液体を、前記気体交換手段の中心領域において第1のチャンバに誘導することができるように、前記入口部分が前記筐体の前記入口表面に形成される請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記第1のチャンバ及び/又は前記気体交換手段が、実質的に円筒形の形状を有する請求項6から7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記生物学的液体の流動断面における圧力差のバランスをとるためのダイアフラムシールが、前記第1のチャンバの前記入口部分に面する側に形成される請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記ダイアフラムシールが、実質的に傾斜している平面を有し、前記装置に流入するときに前記生物学的液体が前記平面に沿って誘導される請求項9に記載の装置。
  11. 前記装置の前記入口表面及び/又は前記装置の前記出口表面が、カバーを構成するか又はカバーを有する請求項に記載の装置。
  12. 前記装置に分配器手段が形成され、前記分配器手段が、流動方向に対して実質的に横方向に前記生物学的液体を分配するように設計される請求項1から11のいずれかに記載の装置。
  13. 前記分配器手段が、前記入口部分に面する側から出発するチャネル様部分と、前記生物学的液体の流動方向の横方向における開口部とを有する請求項12に記載の装置。
  14. 前記分配器手段が、請求項9又は10に記載の前記筐体の前記ダイアフラムシール及び/又は前記入口部分及び/又は請求項11に記載の前記カバー及び/又は前記入口表面と一体的に形成される請求項12から13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記第1のチャンバに第3のチャンバが形成され、前記第3のチャンバが、少なくとも1枚の液体透過性膜によって前記第1のチャンバから分離され、前記生物学的液体の1以上の成分を抽出する機能を有する請求項1から14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記筐体が角柱形状を有する請求項1から15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記筐体の外側面が、角柱面として設計され、
    前記筐体の形状が、コンパクトであり、
    前記入口部分が、前記入口表面として設計された角柱筐体の端面に配置されている請求項16に記載の装置。
  18. 前記チャネル様部分の両側に、前記チャネル様部分の勾配とは逆の勾配を有する流動誘導表面が配置され、その結果、前記チャネル様部分によって画定される第1の軸と前記流動誘導表面によって画定される第2の軸とが鋭角を成して交差する請求項13に記載の装置。
  19. 前記第1の軸と前記第2の軸とが成す前記鋭角が、5°〜20°である請求項18に記載の装置。
  20. 人工肺又はバイオリアクタにおける気体交換器として用いられる請求項1から1のいずれかに記載の装置。
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