JP6823977B2 - 車両のアンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪のスリップを抑制する車両のアンチスキッド制御装置に関する。
例えば、駆動輪の車輪速度差に基づいたスリップ制御が提案されている(特許文献1)。
特開2007−252045号公報
特許文献1のような、車輪の路面に対する過度な滑り状態を抑制するアンチスキッド制御において、例えば、左右の路面μが異なるようなスプリットμ路面における対処方法が課題となる場合がある。
例えば、左右のうち一方だけ路面μが低下し、前記路面μが低下した側の車輪のみアンチスキッド制御を行う場合、車両の左右の制駆動力のバランスが崩れ、操縦者の意図しない旋回挙動が発生する場合がある。
このような意図しない旋回挙動が発生する場合において、左右の制駆動力の差を抑制する場合、μが低下した路面に依存した制駆動力のみ発揮される状態となる。このため、例えば、急制動時に本来達成し得る制動距離よりアンチスキッド制御時の制動距離が増加する場合、または加速時に所望の加速力を得られない場合がある。
この発明の目的は、スプリットμ路面において、操縦者の意図しない旋回挙動を抑制することができ、さらに過度な制動距離の増加または過度な駆動力の減少を抑制することができる車両のアンチスキッド制御装置を提供することである。
この発明の車両のアンチスキッド制御装置6は、複数の車輪2(,4)の駆動力および制動力のいずれか一方または両方を車輪毎に制御可能な制駆動力制御手段15と、前記車輪2(,4)の接地路面に対する前記車輪2(,4)の滑り量を推定するスリップ推定手段14とを備えた車両において、前記スリップ推定手段14で推定された前記滑り量が定められた値より小さくなるように、前記制駆動力制御手段15における制動力または駆動力である制駆動力のアンチスキッド制御を行う車両のアンチスキッド制御装置であって、
前記複数の車輪2(,4)の一部について滑り量を抑制するアンチスキッド制御が行われているとき、前記アンチスキッド制御が行われていない車輪2(,4)である非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する制駆動力制限手段16を備え、この制駆動力制限手段16は、前記アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する度合を低下させる制駆動力回復機能部16aを有する。
前記定められた値は、設計等によって任意に定める値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な値を求めて定められる。
この構成によると、スリップ推定手段14は、接地路面に対する車輪2(,4)の滑り量を推定する。複数の車輪2(,4)の全てが路面μの低い路面に進入した場合、このアンチスキッド制御装置6は、スリップ推定手段14で推定された滑り量が定められた値より小さくなるように、前記複数の車輪2(,4)の全てにつき制駆動力のアンチスキッド制御を行う。これにより車輪2(,4)のスリップを抑制することができる。
複数の車輪2(,4)の一部のみ路面μの低い路面に進入した場合、このアンチスキッド制御装置6は、前記車輪2(,4)の一部について滑り量を抑制するアンチスキッド制御を行う。この車輪2(,4)の一部についてアンチスキッド制御が行われているとき、制駆動力制限手段16は、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する。但し、制駆動力回復機能部16aは、アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する度合を低下させる。換言すれば、アンチスキッド制御の開始時から時間が経過する程、非スリップ側の制駆動力を回復させる。
したがって、スプリットμ路面において、アンチスキッド制御開始時、複数の車輪2(,4)の駆動力が概ね等しくなるよう制限することが可能となり、これにより急なヨーモーメントの発生を防止し得る。
アンチスキッド制御の開始時から時間が経過する程、非スリップ側の制駆動力を回復させることで、過度な制動距離の増加または過度な駆動力の減少を抑制することができる。例えば、アンチロックブレーキ制御時における過度な制動距離の増加を抑制でき、トラクションコントロール時における過度な駆動力の減少を抑制することができる。
前記制駆動力制限手段16は、前記非アンチスキッド制御車輪と、前記アンチスキッド制御が行われているアンチスキッド制御車輪との制駆動力の差分を導出し、この制駆動力の差分に基づく値を前記車両の操縦者の操作に基づく制駆動力から減少させた値を、前記非アンチスキッド制御車輪の目標制駆動力としても良い。この非アンチスキッド制御車輪の目標制駆動力に従って、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限することができる。
前記車両1,1Aは、この車両1,1Aの操縦者の操作に基づいて与えられる加減速指令および旋回指令を検出する操作指令検出手段13を備え、前記制駆動力制限手段16は、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力が前記旋回指令と定められた関係になるように、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限するようにしても良い。
前記定められた関係は、設計等によって任意に定める関係であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な関係を求めて定められる。
スプリットμ路面において、例えば、車両1,1Aが直進している場合、複数の車輪2(,4)の制駆動力が概ね等しくなるように制限されると好適であるのに対し、車両の旋回中等では複数の車輪2(,4)の制駆動力に敢えて差を設けることで、車両1,1Aの左右の制駆動力のバランスを保持するうえで好適な場合がある。
この構成によると、制駆動力制限手段16は、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力が旋回指令と定められた関係になるように、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限することで、操縦者の意図しない旋回挙動を抑制することができる。
前記制駆動力回復機能部16aは、前記制駆動力の差分に基づく値について、前記制駆動力の差分と、この差分に定められた遅延要素19を介した値との乗算により導出される値を、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力の増減量としても良い。
前記定められた遅延要素は、設計等によって任意に定める遅延要素であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な遅延要素を求めて定められる。前記遅延要素19として、例えば、車輪2(,4)の一部のアンチスキッド制御の開始時から時間経過と共に「1」から「0」へと変化する減衰関数を適用することができる。
この構成によると、非アンチスキッド制御車輪の制駆動力の増減量を、主に遅延要素19により容易に決定することができる。
前記車両1,1Aは、この車両1,1Aの速度を推定する車速推定手段17を備え、前記制駆動力回復機能部16aは、前記車速推定手段17で推定された前記車両の速度が高速である程、前記遅延要素19の遅延度合を遅くしても良い。この場合、車両1,1Aの左右の制駆動力のバランスが急峻に崩れることを未然に防止することができる。したがって、車両の操縦者のステアリング操作等を修正し易くでき、ドライバビリティの向上を図ることができる。
この発明の車両のアンチスキッド制御装置は、複数の車輪の駆動力および制動力のいずれか一方または両方を車輪毎に制御可能な制駆動力制御手段と、前記車輪の接地路面に対する前記車輪の滑り量を推定するスリップ推定手段とを備えた車両において、前記スリップ推定手段で推定された前記滑り量が定められた値より小さくなるように、前記制駆動力制御手段における制動力または駆動力である制駆動力のアンチスキッド制御を行う車両のアンチスキッド制御装置であって、前記複数の車輪の一部について滑り量を抑制するアンチスキッド制御が行われているとき、前記アンチスキッド制御が行われていない車輪である非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する制駆動力制限手段を備え、この制駆動力制限手段は、前記アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する度合を低下させる制駆動力回復機能部を有し、前記制駆動力制限手段は、前記非アンチスキッド制御車輪と、前記アンチスキッド制御が行われているアンチスキッド制御車輪との制駆動力の差分を導出し、この制駆動力の差分に基づく値を前記車両の操縦者の操作に基づく制駆動力から減少させた値を、前記非アンチスキッド制御車輪の目標制駆動力とする。このため、スプリットμ路面において、操縦者の意図しない旋回挙動を抑制することができ、さらに過度な制動距離の増加または過度な駆動力の減少を抑制することができる。
この発明の実施形態に係るアンチスキッド制御装置を搭載する車両の構成例を平面視で概略示す図である。 同アンチスキッド制御装置等のブロック図である。 同アンチスキッド制御装置の制動力制限機能のブロック図である。 同アンチスキッド制御装置のアンチスキッド制御の実行例を示す図である。 アンチスキッド制御の比較例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るアンチスキッド制御装置を搭載する車両の構成例を平面視で概略示す図である。 同車両のインホイールモータ駆動装置等を概略示す断面図である。
この発明の実施形態に係る車両のアンチスキッド制御装置を図1ないし図5と共に説明する。図1は、実施形態に係るアンチスキッド制御装置を搭載する車両の構成例を平面視で概略示す図である。この車両1は、左右の前輪(車輪)2,2が非独立で駆動される駆動装置3と、各車輪2,4を独立して制動可能なブレーキ装置5とを備えている。このアンチスキッド制御装置6では、各ブレーキ装置5を用いて制動力によりアンチスキッド制御を行う例を示す。左右の前輪2,2は操舵輪とされている。なお制動力または駆動力を総称して「制駆動力」と称す。
このアンチスキッド制御とは、例えば、ブレーキ時に車輪2,4のロックを防止するアンチロック制御、および加速時にブレーキにより車輪2,4の空転を防止するトラクションコントロール等が含まれる。前記駆動装置3は、例えば、電動モータ、内燃機関、これら電動モータおよび内燃機関を併用する装置のいずれか一つにより構成される。前記各ブレーキ装置5は、例えば、図示外の直動機構と電動モータを用いてブレーキ摩擦材を操作する電動ブレーキ装置が適用される。その他のブレーキ装置5として、各ブレーキ装置5に配管された油圧経路中に昇圧および減圧を行う電磁バルブ(図示せず)を配置した電動油圧ブレーキ装置等であって良い。
この車両1に搭載される車両コントローラ7に、ブレーキ制御装置8が設けられ、このブレーキ制御装置8はアンチスキッド制御装置6を備える。車両コントローラ7は、例えば、車両全般の統括制御および協調制御を行うECUにより構成される。このECUは、マイクロコンピュータ等のコンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成される。
図2に示すように、車両には、アクセルペダル等のアクセル操作手段9、ブレーキペダル等のブレーキ操作手段10、ステアリングハンドル11等が設けられ、この車両の操縦者により操作可能である。この車両に、図示外のバッテリ等の動力源、加速度センサ、GPS、車輪速センサ12、後述する操作指令検出手段13等の各種センサが適宜設けられる。アンチスキッド制御装置6は、後述するように、いずれかのセンサおよび操縦者から与えられる情報から、アンチスキッド制御を実行するか否かを判断する。
アンチスキッド制御装置6は、スリップ推定手段14と、制駆動力制御手段15と、制駆動力制限手段16とを備える。スリップ推定手段14は、車輪の接地路面に対する車輪の滑り量を推定する。スリップ推定手段14は、例えば、車輪毎に設けられる車輪速センサ12から入力される車輪速と、車両に設けられる車速推定手段17から入力される車速から、各車輪のスリップ率である滑り量を算出する。車速推定手段17として、例えば、車速センサーまたは前記GPS等が適用される。
制駆動力制御手段15は、複数の車輪の制動力を車輪毎に制御可能である。アンチスキッド制御装置6は、スリップ推定手段14で推定された滑り量が定められた値より小さくなるように、制駆動力制御手段15における制動力のアンチスキッド制御を行う。換言すれば、制駆動力制御手段15は、推定された滑り量がある閾値を超えた車輪につきスリップと判定し、この車輪(アンチスキッド制御車輪)の制動力を低減させて滑り量を抑制するアンチスキッド制御を行う。前記閾値、制動力を低減させる量および時間は、それぞれ試験またはシミュレーション等の結果により定められる。
操作指令検出手段13は、アクセルセンサ9a、ブレーキセンサ10aおよび操舵角センサ11aを有する。アクセル操作手段9の操作量に相当する加速指令は、アクセルセンサ9aによる検出信号として出力される。ブレーキ操作手段10の操作量に相当する減速指令は、ブレーキセンサ10aによる検出信号として出力される。ステアリングハンドル11の操作量に相当する旋回指令は、操舵角センサ11aによる検出信号として出力される。前記加速指令および前記減速指令を総称して加減速指令と言う。
制駆動力制御手段15は、滑り量がある閾値を超えたアンチスキッド制御車輪に対し、減速指令を減算させる演算処理を実行し、アンチスキッド制御車輪の目標制動力を出力する。このアンチスキッド制御車輪に対応するブレーキ装置は、前記目標制動力に応じて前記ブレーキ摩擦材を調整する。これによりアンチスキッド制御車輪の滑り量が抑制される。例えば、複数の車輪全ての滑り量が閾値を超えた場合、前記複数の車輪全てにつき制動力のアンチスキッド制御を行う。
例えば、左右の路面μが異なるスプリットμ路面においては、制駆動力制御手段15は、路面μが低下した側の車輪のみアンチスキッド制御を行う。
制駆動力制限手段16は、複数の車輪の一部についてアンチスキッド制御が行われているとき、アンチスキッド制御が行われていない車輪である非アンチスキッド制御車輪の制動力を制限する。
スプリットμ路面において、例えば、車両が直進している場合、左右の車輪の制動力が概ね等しくなるように制限されると、車両に不所望なヨーモーメントが発生することを防止できるため好適である。すなわち左右輪における一方の車輪についてアンチスキッド制御が行われているとき、制駆動力制限手段16は、他方の車輪(非アンチスキッド制御車輪)の制動力を、一方の車輪のアンチスキッド制御開始時、アンチスキッド制御車輪の制動力と概ね等しくなるように制限する。具体的には、アンチスキッド制御開始時、非アンチスキッド制御車輪の目標制動力を、アンチスキッド制御車輪の目標制動力に合わせる。
スプリットμ路面において、例えば、車両が旋回中等では、左右の車輪の制動力に敢えて差を設けることで、車両の左右の制動力のバランスを保持するうえで好適な場合がある。したがって、スプリットμ路面において、車両が旋回中、制駆動力制限手段16は、非アンチスキッド制御車輪の制動力と操舵角センサ11aによる検出信号とが定められた関係になるように、非アンチスキッド制御車輪の制動力を制限する。これにより、操縦者の意図しない旋回挙動を抑制し得る。
この制駆動力制限手段16は、制駆動力回復機能部16aを有する。この制駆動力回復機能部16aは、アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、非アンチスキッド制御車輪の制動力を制限する度合を低下させる。また制駆動力回復機能部16aは、アンチスキッド制御の開始後の所定時間において、非アンチスキッド制御車輪の制動力の制限が無くなるよう非アンチスキッド制御車輪の制動力を回復させる。
図3は、このアンチスキッド制御装置の制動力制限機能のブロック図である。この図3は、後述する図4に開示のアンチスキッド制御を実行する際の、制動力制限機能のブロック図を示す。アンチスキッド制御演算器(1),(2)は、それぞれの減速指令に対して、推定車速および各車輪の角速度または角加速度等に基づいて、アンチスキッド制御を実行するために必要な制動力の減算量を導出する。
第1,第2のスイッチSW1,SW2は、それぞれアンチスキッド制御を実行する場合は接続され、アンチスキッド制御を実行しない場合は切断される。このアンチスキッド制御を実行するか否かは、アンチスキッド制御演算器(1),(2)においてそれぞれ判断される。アンチスキッド制御演算器(1),(2)は、スリップ推定手段14(図2)の滑り量が閾値を超えたときアンチスキッド制御を実行する。アンチスキッド制御演算器(1),(2)は、例えば、推定車速に対して車輪角速度が超過した場合にアンチスキッド制御を実行する処理とすることもでき、あるいは、車輪角速度が所定値を超過した場合にアンチスキッド制御を実行する処理とすることもでき、もしいはこれら手段を併用しても良い。
第3のスイッチSW3は、アンチスキッド制御を実行しない非アンチスキッド制御車輪において、制動力を制限する必要がある場合に前記非アンチスキッド制御車輪の減速指令に接続され、制動力を制限する必要がない場合に遮断される。左右の車輪のうちいずれか一方のみアンチスキッド制御を実行する場合において、第3のスイッチSW3は他方の減速指令に接続され、それ以外は第3のスイッチSW3は中間状態すなわちいずれにも接続されない処理としても良い。
図3は、スプリットμ路面において、アンチスキッド制御車輪の目標制動力が低下した後の処理を示している。左右の車輪のうちいずれか一方の車輪に対応するブレーキ装置にアンチスキッド制御が作用し、前記一方の車輪(アンチスキッド制御車輪)の目標制動力が低下した際、一方の車輪(アンチスキッド制御車輪)の目標制動力と、他方の車輪(非アンチスキッド制御車輪)の目標制動力との乖離値が制動力制限量として演算され、第3のスイッチSW3が図3上側に接続される。
これにより、非アンチスキッド制御車輪の目標制動力が、アンチスキッド制御車輪の目標制動力と概ね等しくなる。なお、この例では、アンチスキッド制御開始時、非アンチスキッド制御車輪の目標制動力と、アンチスキッド制御車輪の目標制動力とを概ね等しく揃える例を示しているが、この例に限定されるものではない。例えば、ステアリングハンドル11(図2)の操作量等に応じて、非アンチスキッド制御車輪の目標制動力と、アンチスキッド制御車輪の目標制動力に差を設ける制動力バイアス量を加える処理を設けても良い。前記ステアリングハンドル11(図2)の操作量は、操舵角センサ11a(図2)による検出信号として出力される。
制駆動力制限手段16は、非アンチスキッド制御車輪とアンチスキッド制御車輪との制動力の差分18を導出する。制駆動力制限手段16における制駆動力回復機能部16aは、導出した前記制動力の差分18と、この差分18に定められた遅延要素19を介した値との乗算20により導出される値を、非アンチスキッド制御車輪の制動力の増減量としている。前記遅延要素19として、例えば、車輪の一部のアンチスキッド制御の開始時から時間経過と共に「1」から「0」へと変化する減衰関数を適用することができる。この減衰関数における変化は、例えば、変化量が一定の線形変化でも良く、曲線状の非線形変化であっても良い。すなわち、減衰関数の出力と乗算された制動力制限量は、次第に「0」へと時間経過と共に推移し、制動力の制限を行わない状態へと時間経過と共に推移する。
図4は、片方の車輪のみ路面μの低い路面に進入した際の、直進制動時のアンチスキッド制御の実行の一例を示す図である。同図4中の制動力(1)および制動力(2)は、それぞれ車両の左右に配された車輪の制動力を示す。この制動力は、このアンチスキッド制御装置から出力される目標制動力と同義である。なお、トラクションコントロール等、その他の制御においても、トルクの方向および駆動するアクチュエータが異なるのみで、基本的には本実行例と同様の動作を適用できる。
片方の車輪が低μ路に進入し、制動力(2)がアンチスキッド制御により低下する。それに伴い、制動力(1)が先ずは制動力(2)に揃うように制限される。なお、車両が直進の際は、制動力(1),(2)すなわち左右の車輪の制動力が概ね等しく制限されると、車両に不所望なヨーモーメントが発生することを防止できるため好適である。しかし、例えば、車両が旋回中等では、左右の車輪の制動力に敢えて差を設けることで、車両の左右の制動力のバランスを保持するうえで好適な場合がある。したがって、旋回中等において、アンチスキッド制御開始時、制動力(1)と制動力(2)を敢えて変える等の処理を適宜行っても良い。
その後、制限された制動力(1)は、時間経過に伴い制限する度合が低下し、本来の制動力に回復する。このため、制動距離の増加を極力抑えることができる。制動力(1)が上昇するのに従いヨーモーメントが発生するが、ヨーモーメントの急峻な発生が抑えられることで、操縦者の修正操舵が十分に間に合うと考えられる。
図5は、アンチスキッド制御の比較例を示し、それぞれ片方の車輪のみ路面μの低い路面に進入した際の、直進制動時のアンチスキッド制御の実行例である。
図5(a)は、本実施形態におけるアンチスキッド制御の実行例である。
図5(b)は、図5(a)に対して、アンチスキッド制御のみを行う例を示す。この図5(b)の例は、図5(a)と比較して、ヨーモーメントが急激に発生する。このため、操縦者の修正操舵が間に合わず、車両の挙動が不安定化する可能性がある。
図5(c)は、図5(a)に対して、アンチスキッド制御時の左右の制動力を揃える処理のみを実行する例を示す。この図5(c)の例は、図5(a)と比較して、制動力が低下し制動距離が不所望に増加する。
以上説明した車両のアンチスキッド制御装置6によれば、複数の車輪の一部のみ路面μの低い路面に進入した場合、このアンチスキッド制御装置6は、前記車輪の一部について滑り量を抑制するアンチスキッド制御を行う。この車輪の一部についてアンチスキッド制御が行われているとき、制駆動力制限手段16は、非アンチスキッド制御車輪の制動力を制限する。但し、制駆動力回復機能部16aは、アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、非アンチスキッド制御車輪の制動力を制限する度合を低下させる。換言すれば、アンチスキッド制御の開始時から時間が経過する程、非スリップ側の制動力を回復させる。
したがって、スプリットμ路面において、アンチスキッド制御開始時、複数の車輪の駆動力が概ね等しくなるよう制限することが可能となり、これにより急なヨーモーメントの発生を防止し得る。
アンチスキッド制御の開始時から時間が経過する程、非スリップ側の制動力を回復させることで、過度な制動距離の増加を抑制することができる。例えば、アンチロックブレーキ制御時における過度な制動距離の増加を抑制することができる。
他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図6に示すように、各車輪2,4にインホイールモータ駆動装置等の独立駆動可能な駆動装置を設けた車両1Aにおいて、各駆動装置3Aを用いてアンチスキッド制御を行っても良い。ここで、アンチスキッド制御とは、例えば、加速時に駆動装置3Aの駆動力を減少させて車輪2,4の空転を防止するトラクションコントロール等が含まれ、各駆動装置3Aの出力が十分に大きい場合等においては減速時に回生トルクの増減によるアンチロック制御等を含んでも良い。各駆動装置3Aを制御する駆動モータ制御装置21に、アンチスキッド制御装置6が設けられている。このアンチスキッド制御装置6は、前述の実施形態と同様に、センサおよび操縦者から与えられる情報から、アンチスキッド制御を実行するか否かを判断する。
図7に示すように、インホイールモータ駆動装置IWMは、モータ22、減速機23、および車輪用軸受24を有し、これらの一部または全体が車輪2(,4)内に配置される。モータ22の回転は、減速機23および車輪用軸受24を介して車輪2(,4)に伝達される。車輪用軸受24のハブ輪24aのフランジ部にはブレーキ装置5を構成するブレーキロータ5aが固定され、同ブレーキロータ5aは車輪2(,4)と一体に回転する。モータ22は、例えば、ロータ22aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ22は、ハウジング22cに固定したステータ22bと、回転出力軸25に取り付けたロータ22aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
制駆動力回復機能部16aは、車速推定手段17で推定された車両の速度が高速である程、遅延要素19の遅延度合を遅くしても良い。この場合、車両1,(1A)の左右の制駆動力のバランスが急峻に崩れることを未然に防止することができる。したがって、車両の操縦者のステアリング操作等を修正し易くでき、ドライバビリティの向上を図ることができる。
インホイールモータ駆動装置IWMにおいては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
前述のインホイールモータタイプに限らず、車両側に複数のモータを備えて各モータと左右の車輪を図示外のジョイントで結合した所謂オンボードタイプとしても良い。
左右の前輪を独立駆動する前輪駆動式の電気自動車、または左右の後輪を独立駆動する後輪駆動式の電気自動車であっても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A…車両
2,4…車輪
6…アンチスキッド制御装置
13…操作指令検出手段
14…スリップ推定手段
15…制駆動力制御手段
16…制駆動力制限手段
16a…制駆動力回復機能部
17…車速推定手段

Claims (4)

  1. 複数の車輪の駆動力および制動力のいずれか一方または両方を車輪毎に制御可能な制駆動力制御手段と、前記車輪の接地路面に対する前記車輪の滑り量を推定するスリップ推定手段とを備えた車両において、前記スリップ推定手段で推定された前記滑り量が定められた値より小さくなるように、前記制駆動力制御手段における制動力または駆動力である制駆動力のアンチスキッド制御を行う車両のアンチスキッド制御装置であって、
    前記複数の車輪の一部について滑り量を抑制するアンチスキッド制御が行われているとき、前記アンチスキッド制御が行われていない車輪である非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する制駆動力制限手段を備え、この制駆動力制限手段は、前記アンチスキッド制御の開始時からの時間経過に伴い、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する度合を低下させる制駆動力回復機能部を有し、
    前記制駆動力制限手段は、前記非アンチスキッド制御車輪と、前記アンチスキッド制御が行われているアンチスキッド制御車輪との制駆動力の差分を導出し、この制駆動力の差分に基づく値を前記車両の操縦者の操作に基づく制駆動力から減少させた値を、前記非アンチスキッド制御車輪の目標制駆動力とする車両のアンチスキッド制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両のアンチスキッド制御装置において、前記車両は、この車両の操縦者の操作に基づいて与えられる加減速指令および旋回指令を検出する操作指令検出手段を備え、前記制駆動力制限手段は、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力が前記旋回指令と定められた関係になるように、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力を制限する車両のアンチスキッド制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両のアンチスキッド制御装置において、前記制駆動力回復機能部は、前記制駆動力の差分に基づく値について、前記制駆動力の差分と、この差分に定められた遅延要素を介した値との乗算により導出される値を、前記非アンチスキッド制御車輪の制駆動力の増減量とする車両のアンチスキッド制御装置。
  4. 請求項に記載の車両のアンチスキッド制御装置において、前記車両は、この車両の速度を推定する車速推定手段を備え、前記制駆動力回復機能部は、前記車速推定手段で推定された前記車両の速度が高速である程、前記遅延要素の遅延度合を遅くする車両のアンチスキッド制御装置。
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