JP6823508B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばパチンコ機あるいはパチスロ機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために可動体を作動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
この種の遊技機として、例えば特許文献1には、左右一対の可動体をそれぞれ同期アームに連結させて、1つのモータを用いて同期アームを作動させることで、左右一対の可動体を近接・離反方向へ動作させるようにした可動役物装置が開示されている。
特開2014−76208号公報
しかし、例えば特許文献1の遊技機では、可動体に連結される同期アームを遊技者が視認できてしまい、可動体演出に対する遊技者の興味が薄れ、興趣が低下してしまうおそれがあった。
近年では、可動役物に連結される連結部材(例えば、可動役物を支持する支持部材)が可動役物の背面に隠れるようにした遊技機も開示されてはいるが、このような遊技機では、可動役物の配置や動きが制限されてしまい、可動役物本来の面白みが失われてしまいかねず、根本的な解決にはいたっていない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定条件の成立にもとづいて第1の位置(例えば、原点位置)から第2の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)へと作動可能な可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)と、所定のベース部材と前記可動役物との間に設けられ、前記可動役物が前記の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)に向けて作動すると当該可動役物の作動にともなって姿勢を変えて作動する連結部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)と、を備え、前記連結部材は、前記可動役物側に連結される第1連結部(例えば、左下部アーム1174)と、前記所定のベース部材側に連結される第2連結部(例えば、左上部アーム1172)と、を含み、前記第1連結部は、前記可動役物が前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときは、前記可動役物の背後の特定領域内において姿勢を変えたとしても正面視で視認困難となるように構成されており、前記可動役物は、前記第2の位置を超えて作動可能な第1可動役物(例えば、可動装飾体1110)と、前記第1可動役物が前記第2の位置を超えて作動したときに、前記特定領域内を超えて姿勢を変える前記第1連結部の前方に位置するように作動することによって当該第1連結部を正面視で視認困難とする第2可動役物(例えば、被覆装飾体1120)と、を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、可動役物が前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときは、可動役物の作動にともなって連結部材が姿勢を変えたとしても、当該連結部材の姿勢は可動役物の背後の特定領域内において変わるだけであるから、正面視で連結部材を視認することは困難である。そして、第1可動役物が第2の位置を超えて作動した場合には、第1連結部が特定領域内を超えて姿勢を変えるものの、第2可動役物が第1連結部の前方に位置するように作動するため、このような場合であっても、第1連結部を正面視で視認することは困難である。その結果、第1可動役物の配置や動きが制限されることなく第1連結部を好適に視認し難くすることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記第1連結部(例えば、左下部アーム1174)及び前記第2連結部(例えば、左上部アーム1172)は、前記可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が前記第1の位置(例えば、原点位置)から前記第2の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)に向けて作動すると、水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢を変えるアーム状部材でそれぞれ構成されている
上記(2)の遊技機によれば、第1連結部及び第2連結部が水平方向と鉛直方向との間において姿勢を変えるアーム状部材であるから、可動役物の作動範囲を大きくしつつも、第1連結部及び第2連結部を好適に視認し難くすることが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図の一例である。 本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す分解斜視図の一例である。 本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。 本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観斜視図を示す一例である。 本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットを右斜め上から見た前方分解斜視図を示す一例である。 第一及び第二特別図柄表示部を含むLEDユニットを示す正面図の一例である。 主制御回路を示すブロック図の一例である。 (a)特別図柄ゲームの仕様を示す表の一例、(b)普通図柄ゲームの仕様を示す表の一例、(c)当りの振り分けを示す表の一例、(d)当りの種類を示す表の一例である。 遊技の流れを示すフローチャートの一例である。 パチンコ遊技機1の基本仕様の一例を示す表である。 、主制御回路で実行されるメイン処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行されるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートの一例である。 、主制御回路で実行される特別図柄制御処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される特別図柄決定処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される特別図柄変動時間管理処理を示すフローチャート一例である。 主制御回路で実行される特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される当り開始インターバル管理処理を示すフローチャートの一例である。 、主制御回路で実行される大入賞口再開放待ち時間管理処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される大入賞口開放処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される当り終了インターバル処理を示すフローチャートの一例である。 主制御回路で実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャートの一例である。 サブ制御回路で実行されるメイン処理を示すフローチャートの一例である。 サブ制御回路で実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートの一例である。 サブ制御回路で実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートの一例である。 サブ制御回路で実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートの一例である。 図26の続きを示すフローチャートの一例である。 サブ制御回路で実行される当り開始演出決定処理を示すフローチャートの一例である。 普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す遊技盤ユニット17の正面図の一例である。 、普通電動役物460の羽根部材4620が閉鎖されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す遊技盤ユニット17の正面図の一例である。 普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が左側領域を流下する態様を示す遊技盤ユニット17の正面図の一例である。 裏ユニット176の正面図の一例である。 裏ユニット176の背面図の一例である。 裏ユニット176を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。 裏ユニット176を背面左斜め上から見た斜視図の一例である。 裏ユニット176を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 裏ユニット176を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 アタッカユニット500を右斜め上から見た背面斜視図の一例である。 アタッカユニット500の正面図の一例である。 アタッカユニット500の側面図の一例である。 アタッカユニット500の平面図の一例である。 アタッカユニット500を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 アタッカユニット500のベース部材を示す正面図の一例である。 アタッカユニット500の前側板部520を示す背面図の一例である。 アタッカユニット500の正面断面図の一例である。 アタッカユニット500を前方右斜め上から見た分解断面斜視図の一例である。 (a)大入賞口ソレノイド620を示す平面図の一例、(b)リンクアーム630を示す平面図の一例、(c)シャッタ610を示す平面図の一例である。 (a)シャッタ610が第2の位置である場合のアタッカユニット500を示す平面図の一例、(b)同じく、特別電動役物600を示す平面図の一例である。 (a)シャッタ610が第1の位置である場合のアタッカユニット500を示す平面図の一例、(b)同じく、特別電動役物600を示す平面図の一例である。 第二実施形態に係る特別電動役物6000を示す平面図の一例である。 第二実施形態に係る特別電動役物6000を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。 第二実施形態に係る特別電動役物6000を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 (a)収容部6001を示す平面図の一例、(b)収容部6001を前方右斜め上から見た斜視図の一例、(c)収容部6001を右斜め上から見た背面斜視図の一例である。 (a)大入賞口ソレノイド6003を示す平面図の一例、(b)大入賞口ソレノイド6003を前方右斜め上から見た斜視図の一例、(c)大入賞口ソレノイド6003を右斜め上から見た背面斜視図の一例である。 (a)リンクアーム6004を示す平面図の一例、(b)リンクアーム6004を示す右斜め上から見た背面斜視図の一例である。 (a)規制部材6005を示す平面図の一例、(b)規制部材6005を右斜め上から見た斜視図の一例、(c)規制部材6005を右斜め上から見た背面斜視図の一例である。 収容部6001が無い状態での特別電動役物6000の組み付け構成を示した前方斜視図である。 大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した前方斜視図の一例である。 大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した背面斜視図の一例である。 (a)大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した平面図の一例、(b)(a)のリンクアーム6004の図示を省略した図の一例である。 (a)閉鎖状態である場合の大入賞口ソレノイド6004、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した平面図の一例、(b)(a)のリンクアーム6004の図示を省略した図の一例である。 (a)図61に図示する状態から大入賞口ソレノイド6004の駆動力伝達部6034が移動を開始した場合の大入賞口ソレノイド6004、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した平面図の一例、(b)(a)のリンクアーム6004の図示を省略した図の一例である。 (a)図62に図示する状態から大入賞口ソレノイド6004の駆動力伝達部6034が移動を継続した場合の大入賞口ソレノイド6004、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した平面図の一例、(b)(a)のリンクアーム6004の図示を省略した図の一例である。 (a)図63に図示する状態から大入賞口ソレノイド6004の駆動力伝達部6034が移動を継続した場合の大入賞口ソレノイド6004、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成を示した平面図の一例、(b)(a)のリンクアーム6004の図示を省略した図の一例である。 (a)規制部材6005によりロック状態である様子を示した平面模式図の一例、(b)規制部材6005によりロック状態が解除された様子を示した平面模式図の一例である。 普通電動役物ユニット400を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 普通電動役物ユニット400を後方左斜め上から見た分解斜視図の一理である。 普通電動役物460と、第二始動口スイッチ441と、収容部材443とを示す図である。 普通電動役物460の背面図である。 普通電動役物460を右斜め上から見た背面図の一例である。 羽根部材4620が閉鎖状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が閉鎖状態から開放状態に向けて移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図の一例である。 羽根部材4620が移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が開放状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図である。 フランジ連結部材4646の機能を説明するための羽根部材4620及び動力伝達機構4640の背面図であって、(A)羽根部材4620の開放が阻止されていることを説明するための図、(B)羽根部材4620の開放が許容されていることを説明するための図である。 通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部前面役物1000の正面図の一例である。 通常態様における上部前面役物1000の背面図の一例である。 上部前面役物1000を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 上部前面役物1000を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 原点位置にある上部前面役物1000の一例を示す正面図である。 可動装飾体1040が下方に向けて移動中の上部前面役物1000の一例を示す正面図である。 可動装飾体1040が作動限界位置まで下方に向けて移動したときの上部前面役物1000の一例を示す正面図である。 通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の正面図の一例である。 通常態様における上部背面役物1100の背面図の一例である。 上部背面役物1100を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。 上部背面役物1100を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 上部背面役物1100を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 (A)図82に示すA−A線断面図の一例、(B)(A)に示すX部の拡大図の一例である。 (A)図82に示すB−B線断面図の一例、(B)(A)に示すY部の拡大図の一例である。 作動開始前すなわち通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 上部背面役物1100が作動を開始してから、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達する前の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達したときの態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が作動限界位置まで作動したのち、さらに左側モータ1151及び右側モータ1161が回転し、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164によって可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動したとき(被覆装飾体1120が可動装飾体1110に対して作動を開始したとき)の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 可動装飾体1110に対して作動限界まで被覆装飾体1120が移動した態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 通常態様(原点位置にあるときの態様)における下部役物1200の正面図の一例である。 通常態様における下部役物1200の背面図の一例である。 下部役物1200を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。 下部役物1200を左斜め上から見た背面斜視図の一例である。 下部役物1200を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 下部役物1200を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 原点位置にあるときの態様における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 、中間位置まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 作動限界まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。 上部コーナー役物1320の正面図の一例である。 上部コーナー役物1320の背面図の一例である。 上部コーナー役物1320を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 上部コーナー役物1320を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置にあるときを示す背面図での一例ある。 第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。 図107に示す位置から、第1可動体1330及び第2可動体1340がさらに作動したときを示す背面図の一例である。 第1可動体1330及び第2可動体1340が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。 下部コーナー役物1350の正面図である。 下部コーナー役物1350の背面図の一例である。 下部コーナー役物1350を前方右斜め上から見た分解斜視図である。 下部コーナー役物1350を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置にあるときを示す背面図の一例である。 第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。 第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。 第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部が作動限界位置まで作動したときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。 第1可動体1330および第2可動体1340が作動限界位置まで作動し、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。 第3可動体1355および第4可動体1357が作動限界位置まで作動し、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。 通常態様におけるサイド役物1400の正面図の一例である。 通常態様におけるサイド役物1400の背面図の一例である。 サイド役物1400を前方右斜め上から見た分解斜視図の正面図の一例である。 サイド役物1400を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400の一例を示す正面図である。 可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400の一例を示す背面図である。 可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400の一例を示す正面図である。 可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400の一例を示す背面図である。 可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出した状態からさらにサイド役物用モータ1440を同じ方向に回転させたときのサイド役物1400の一例を示す背面図である。 第二中パネル1550を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。 第二中パネル1550を後方左斜め上から見た分解斜視図の一例である。 (A)第二中パネル1550の正面図の一例、(B)(A)に示すC−C線断面図の一例である。
[遊技機の構成]
まず、図1〜図7を用いて、パチンコ遊技機1の概観について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図の一例である。図2は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す分解斜視図の一例である。図3は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図4は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観斜視図を示す一例である。図5は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットを前方右斜め上から見た分解斜視図を示す一例である。図6は、第一及び第二特別図柄表示部を含むLEDユニットを示す正面図の一例である。図7は、主制御回路を示すブロック図の一例である。また、図面に示されている方向は、正面視における方向である。したがって、例えば図面右方向に「左」と記載されているのは、当該図面が背面図であるため、図面上の「右」が正面視における「左」となる。同様に、図面左方向に「右」と記載されているものも、同様の理由により図面上の「左」が正面視における「右」となる。
なお、以下の説明では、特に説明がない限り、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。さらに、正面とは遊技者側から見た場合に視認できる側の面であり、背面とは遊技者の反対側から見た場合に視認できる側の面である。
図1〜図4に示すように、パチンコ遊技機1は、木枠11、ベースドア12、ガラスドア13、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16、遊技盤ユニット17、払出ユニット18、及び、基板ユニット19を具備する。
木枠11は、正面視略矩形状の枠体である。木枠11には、前後方向に貫通する開口21が設けられる。木枠11の開口21には、ベースドア12が嵌め込まれる。ベースドア12は、各種の部材を支持するものである。具体的には、ベースドア12は、裏面側に払出ユニット18及び基板ユニット19を支持すると共に、表面側にガラスドア13や、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16及び遊技盤ユニット17を支持する。
ガラスドア13は、ベースドア12に対して開閉自在に軸着されるものである。ガラスドア13には、開口22が設けられる。ガラスドア13の開口22には、透過性を有する保護ガラス23が配設される。保護ガラス23は、ガラスドア13がベースドア12に対して閉鎖された状態で後述する遊技盤ユニット17と前後方向に対向するように配置される。また、ガラスドア13の上部には、スピーカ24及びランプ25が配設される。スピーカ24は、例えば音声での告知や、演出、エラー報知等を行うものである。ランプ25は、例えば光での告知や、演出等を行うものである。
皿ユニット14は、上皿26及び下皿27を一体化したユニット体である。皿ユニット14は、ベースドア12の前下部であって、ガラスドア13の下方に配置される。
上皿26は、遊技球を貯留するものであって、上皿26に貯留される遊技球は、発射装置15から後述する遊技領域20に向けて発射される。上皿26には、払出口61及び演出ボタン62が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口61から上皿26に払い出される。演出ボタン62は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン62は、遊技者によって操作される。
下皿27は、主に上皿26から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿27には、払出口63が設けられる。上皿26から溢れた遊技球は、払出口63から下皿27に払い出される。
発射装置15は、上皿26に貯留された遊技球を、遊技領域20に向けて発射するためのものである。発射装置15は、ベースドア12の前右下部であって、皿ユニット14の右下方に配置される。発射装置15は、パネル体31、駆動装置(不図示)及び発射ハンドル32を具備する。
パネル体31は、発射装置15において皿ユニット14の右下部と一体化されるものである。発射ハンドル32は、パネル体31の表面側に配置される。前記駆動装置は、パネル体31の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイドにより構成される。こうして、発射装置15において、遊技者によって発射ハンドル32が操作されると、操作に応じた前記駆動装置の動作により遊技球が発射される。
液晶表示装置16は、当り判定の結果や、遊技に関する各種の画像を表示するものである。演出表示装置16の表示領域に表示される前記各種の画像には、例えば演出用の識別図柄(装飾図柄)や、大当り中の演出画像、デモ演出画像、識別図柄の変動表示の保留回数等が含まれる。液晶表示装置16(より詳細には、液晶表示装置16の表示領域)は、遊技盤ユニット17の略中央(後述するセンターレール1742の内周側)に配置される。
遊技盤ユニット17は、保護ガラス23の後方に位置するように、ベースドア12の前方に配置される。遊技盤ユニット17の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される。
図3〜図5に示すように、遊技盤ユニット17は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される透明パネル172と、遊技領域20の略中央部に配置されるセンターユニット174と、普通電動役物ユニット400と、アタッカユニット500と、通過ゲート49と、裏ユニット176とを備える。センターユニット174、普通電動役物ユニット400、アタッカユニット500、及び通過ゲート49は、透明パネル172の前方側に設けられる。裏ユニット176は、透明パネル172の後方側に設けられる。
透明パネル172には、後述する液晶表示装置16の表示領域が配置される部位に開口1722が形成されている。図3及び図5に示すように、透明パネル172の前面には、ガイドレール26が設けられるとともに遊技釘等が植設されている。発射装置15から発射された遊技球は、ガイドレール26から遊技領域20に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域20の下方に向けて流下する。
ガイドレール26は、2つのレール状の部材(以下では、「外レール26a」及び「内レール26b」と称する。)により構成される。遊技領域20は、ガイドレール26によって区画(画定)される。内レール26bは、外レール26aと共に、発射された遊技球を遊技領域20の上部に案内するためのものである。内レール26bは、透明パネル172の左側において外レール26aの内側に配置される。
センターユニット174は、透明パネル172の開口1722の上方(液晶表示装置16の表示領域の上方)にセンターレール1742を備えており、正面視で円弧状に形成されている。センターレール1742は、遊技領域20の上部に配置されており、遊技領域20における遊技球の流下領域を、当該センターレール1742の左右に区分けするものである。
発射装置15によって発射された遊技球は、センターレール1742の左右に区分けされて遊技領域20を流下し、遊技領域20を流下する遊技球は、遊技盤ユニット17(詳しくは透明パネル172)に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射された遊技球は、発射ハンドル52の操作量に応じて流下領域が振り分けられる。具体的には、発射ハンドル52の操作量が小さい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の左側領域を流下する。一方、発射ハンドル52の操作量が大きい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の右側領域を流下する。なお、センターレール1742の左側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「左打ち」と呼ばれ、センターレール1742の右側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「右打ち」と呼ばれ、遊技者によって打ち分け可能とされている。
アタッカユニット500は、第一始動口5442、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態又は小当り遊技状態)の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図7参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口47から上皿42(又は、払出口48から下皿44)に払い出される。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図7参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第一始動口5442又は後述する第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果に基づいて、当り遊技状態(大当り遊技状態又は小当り遊技状態)に移行された場合に行われる。なお、第一始動口5442又は後述する第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において、特別図柄の停止表示態様によって示される。
第一始動口5442は、遊技球の入賞(通過)を条件に当り判定の契機を与えると共に、当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第1特別図柄表示部73に表示させる契機を与えるものである。第一始動口5442には、第一始動口スイッチ5472が配設される(図7参照)。第一始動口5442に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第一始動口スイッチ5472に検知される。第一始動口スイッチ5472に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図7に示すメインCPU101)において当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。なお、第一始動口5442への遊技球の入賞は、左打ちによって行われる。
普通電動役物ユニット400は、第二始動口440、アウト口450及び普通電動役物460を一体化したユニット体である。普通電動役物ユニット400は、遊技領域20の略左下部に配置される。第二始動口440とアウト口450とは互いに隣接して配置されており、第二始動口440が正面視で右側に、アウト口450が正面視で左側に配置されている。従来より、普通電動役物ユニット400は例えば第一始動口5442の下方に配置されるものが多かった。しかし、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、第一始動口5442の下方に配置することが困難となっている。そこで本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置するようにしている。
第二始動口440は、遊技球の入賞(通過)を条件に当り判定の契機を与えると共に、当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第2特別図柄表示部74に表示させる契機を与えるものである。第二始動口440には、第二始動口スイッチ441が配設される(図7参照)。第二始動口440に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第二始動口スイッチ441に検知される。第二始動口スイッチ441に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図5に示すメインCPU101)において当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が、払出口61から上皿に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。第二始動口440は、普通電動役物460によって入賞困難性が決定される。なお、第二始動口440への遊技球の入賞は、原則として右打ちによって行われる。
普通電動役物460は、詳細は後述するが、右方向に回動可能な羽根部材4620、始動口ソレノイド4630及び当該始動口ソレノイド4630(例えば、図74参照)の動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構4640(例えば、図74参照)を具備する。普通電動役物460は、始動口ソレノイド4630により羽根部材4620が駆動されることによって、遊技球の通過が容易な開放状態と遊技球の通過が困難な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。羽根部材4620が駆動されているときに当該羽根部材4620の上方を遊技球が通過すると、当該遊技球は、第二始動口440に入賞するか、アウト口450からパチンコ遊技機1の外部に排出される。普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動は、普通図柄表示部71において普通図柄が特定の停止表示態様となった場合に、所定の期間及び回数だけ行われる。
通過ゲート49は、遊技球の入賞(通過)を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。通過ゲート49は、センターユニット174の下方右側であって、アタッカユニット500の上方右側に配置される。通過ゲート49には、通過ゲートスイッチ49aが配設される(図7参照)。通過ゲート49に遊技球が通過すると、当該通過した遊技球が通過ゲートスイッチ49aに検知される。通過ゲートスイッチ49aに遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図2に示すメインCPU101)において普通図柄判定が行われる。なお、通過ゲート49への遊技球の通過は、右打ちによって行われる。
アタッカユニット500は、第一始動口5442、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20の略右下部に配置される。アタッカユニット500が遊技領域20の略右下部に配置されるのは、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、アタッカユニット500等の各種部材を遊技領域20に配置するには、かかる大型化された液晶表示装置16を回避する必要があるためである。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態又は小当り遊技状態)の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図7参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図7参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において特別図柄が特定の停止表示態様となって、当り遊技状態(大当り遊技状態又は小当り遊技状態)に移行された場合に行われる。
一般入賞口53・54・55は遊技盤ユニット17の左下部に配置され、一般入賞口56は遊技盤ユニット17の右下部に配置される。また、一般入賞口53・54・55・56には、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aが配設される(図7参照)。一般入賞口53・54・55・56に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに検知される。一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
なお、本実施形態においては、第一始動口5442及び第二始動口440の賞球数は3個、一般入賞口53・54・55・56の賞球数は10個、大入賞口540の賞球数は15個にそれぞれ設定されている。この値(賞球数)は、任意に設計変更可能である。
アウト口57は、遊技領域20の中央最下部(遊技球の流下方向における最下流位置)に配置される。アウト口57は、発射された遊技球が、いずれの始動口や入賞口にも入賞しなかった場合に、最終的に流入される。
LEDユニット70は、遊技盤ユニット17の右下部であって、ガイドレール41の外側に配置される。LEDユニット70は、各種の表示部を一体化したユニット体である。具体的には、LEDユニット70は、前記各種の表示部として、普通図柄表示部71、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76を具備する。
普通図柄表示部71は、普通図柄ゲームに対する判定(普通図柄判定)の結果を表示するものである。ここで、普通図柄ゲームとは、判定(普通図柄判定)の結果によって普通電動役物460を駆動して開放状態とするか否かを決定するゲームを指す。普通図柄表示部71は、表示LED71a・71bを具備する。表示LED71a・71bは、所定の変動表示開始条件が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED71a・71bの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、普通図柄として表示される。表示LED71a・71bは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
判定(普通図柄判定)の結果が当りである場合、表示LED71a・71bの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物460を開放状態とすることが決定し、普通電動役物460が所定のパターンで開閉駆動し、第二始動口440への遊技球の入賞困難性が変更される。
普通図柄用保留表示部72は、保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(以下、「普通図柄の変動表示の保留回数」と称する)を表示するものである。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bを具備する。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の変動表示の保留回数を表示する。例えば、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが消灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点滅する。
第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74は、特別図柄ゲームに対する判定(当り判定)の結果を表示するものである。ここで、特別図柄ゲームとは、判定(当り判定)の結果によって遊技状態の移行又は維持を決定するゲームを指す。
第1特別図柄表示部73は、8個のLEDからなる表示LED群73aを具備する。表示LED群73aは、第一始動口5442への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく当り判定の結果を表示する。表示LED群73aは、所定の変動表示開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群73aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群73aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第一始動口5442への遊技球の入賞に基づく当り判定の結果が当りである場合、表示LED群73aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄表示部73に変動表示される特別図柄を、第1特別図柄と称する。
第2特別図柄表示部74は、8個のLEDからなる表示LED群74aを具備する。表示LED群74aは、第二始動口440への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく当り判定の結果を表示する。表示LED群74aは、所定の変動表示開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群74aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群74aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第二始動口440への遊技球の入賞に基づく当り判定の結果が当りである場合、表示LED群74aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄表示部74に変動表示される特別図柄を、第2特別図柄と称する。
このように、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74の表示LED群73a・74aにおいて、第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、通常の遊技状態(通常遊技状態)から遊技者に有利な状態である当り遊技状態への移行が決定する。なお、本実施形態においては、当り判定に、大当り判定と、小当り判定と、が含まれる。すなわち、当り判定の結果が大当りである場合には、遊技状態は当り遊技状態として大当り遊技状態に移行される。また、当り判定の結果が小当りである場合には、遊技状態は当り遊技状態として小当り遊技状態に移行される。このように、本実施形態においては、通常遊技状態から移行する遊技状態として、2種類の当り遊技状態が設けられる。
第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「特別図柄の変動表示の保留回数」と称する)を表示するものである。第1特別図柄用保留表示部75は、表示LED75a・75bを具備する。第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED76a・76bを具備する。第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯によって特別図柄の変動表示の保留回数を表示する。表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯の表示態様は、普通図柄用保留表示部72の表示LED72a・72bと同様である。
図5に示すように、裏ユニット176は、遊技盤ユニット17を装飾するものであって液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部前面役物1000と、上部前面役物1000の後方側且つ液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部背面役物1100と(例えば、図36参照)、液晶表示装置16の表示領域の下部に配置される下部役物1200と、液晶表示装置16の表示領域の4つの角部に後述する可動体が位置するように配置されるコーナー役物1300と(例えば、図36参照)、液晶表示装置16の表示領域の右部に配置されるサイド役物1400と、中パネル1500と、アタッカ球樋1600と、主基板ケース1700と、上記各役物を収容するとともに主基板ケース1700が取り付けられてユニット化するリアボックス1800とを備える。裏ユニット176が備える各役物1000,1100,1200,1300,1400についての詳細は後述する。
以下では、上述の如く構成されたパチンコ遊技機1において、遊技球が第一始動口5442又は第二始動口440に入賞した場合の内部処理の概略について説明する。
遊技球が第一始動口5442に入賞すると、第一始動口スイッチ5472によって当該入賞した遊技球が検知され、第1特別図柄表示部73への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄についての始動記憶が保留される(第1特別図柄の変動表示が開始される)。第1特別図柄についての始動記憶の保留は、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示のいずれもが実行されていないことを条件に解除される。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に第一始動口5442に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されたのちに始動記憶の保留が解除され、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれについても変動表示が行われていないときに第一始動口5442に遊技球が入賞した場合には、ただちに始動記憶の保留が解除される。始動記憶の保留が解除されると、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示が開始される。
遊技球が第二始動口440に入賞すると、第二始動口スイッチ441によって当該入賞した遊技球が検知され、当該第二始動口440への遊技球に基づく第2特別図柄の変動表示についての始動記憶が保留される(第2特別図柄の変動表示が保留される)。第2特別図柄についての始動記憶の保留は、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示のいずれもが実行されていないことを条件に解除される。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に第二始動口440に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されたのちに始動記憶の保留が解除され、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれについても変動表示が行われていないときに第二始動口440に遊技球が入賞した場合には、ただちに始動記憶の保留が解除される。始動記憶の保留が解除されると、第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示が開始される。
なお、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において、特別図柄(第1及び第2特別図柄)が互いに同時に変動することはない。すなわち、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74の一方の表示部で特別図柄の変動表示が行われている間は、他方の表示部で特別図柄の変動表示が行われない。本実施形態においては、第1特別図柄についての始動記憶及び第2特別図柄についての始動記憶の両方が保留されている場合、いずれの始動記憶が先に保留されたかにかかわらず、第2特別図柄についての始動記憶についての保留の解除を優先し、第2特別図柄表示部73による第2特別図柄の変動表示が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の変動表示の保留回数には、上限が設定される。本実施形態においては、第1及び第2特別図柄の変動表示の保留回数は、それぞれ4回が上限として設定される。したがって、特別図柄の変動表示の最大の保留回数は、第一始動口5442及び第二始動口440への入賞による特別図柄の変動表示の保留回数を合計した8回となる。
また、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において第1又は第2特別図柄の変動中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置16に数字からなる識別図柄が変動表示される。本実施形態においては、前記数字として、「1」から「8」までの記号が用いられる。また、液晶表示装置16に変動表示される識別図柄は、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において変動表示中の第1又は第2特別図柄が停止表示されると共に、停止表示される。なお、識別図柄は、演出用の識別情報としても用いられる。
また、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において停止表示された第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、当りであることを遊技者に報知させる演出画像が液晶表示装置16に表示される。なお、本実施形態においては、後述するように、前記当りは複数種類設けられる。また、第1又は第2特別図柄が停止表示される場合の特定の停止表示態様は、当りの種類に対応してそれぞれ設定される。このような構成において、液晶表示装置16において停止表示される識別図柄の組み合わせは、第1又は第2特別図柄の特定の停止表示態様に応じて、遊技者が認識可能となるような特定の表示態様となる。これにより、遊技者は、当りであることに加え、当該当りの種類を認識することができる。なお、当りの種類のうち一部は、第1又は第2特別図柄の特定の停止表示態様に応じて、遊技者が認識困難となるような特定の表示態様となる。これによれば、遊技者は、当りであること、及び当該当りの種類を認識することが困難となる。
[遊技機の電気的構成]
以下では、図7を用いて、パチンコ遊技機1の制御回路について説明する。
図7に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路200と、から構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)及びメインRAM103(読み書き可能メモリ)等を具備する。
メインCPU101には、メインROM102や、メインRAM103等が接続される。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM103には、特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM103には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM103には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路104や、I/Oポート105、コマンド出力ポート106、バックアップコンデンサ107等を具備する。初期リセット回路104は、メインCPU101に接続される。I/Oポート105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU101に送信したり、メインCPU101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート106は、メインCPU101からのコマンドをサブ制御回路200に送信するものである。バックアップコンデンサ107は、電断時において、例えばメインRAM103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路100には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路100には、普通図柄表示部71や、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75、第2特別図柄用保留表示部76、普通電動役物460の羽根部材4620を駆動する始動口ソレノイド4630、シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620等が接続されている。主制御回路100は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路100には、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板320が接続されている。
また、主制御回路100には、第一始動口スイッチ5472や、第二始動口スイッチ441、通過ゲートスイッチ49a、カウントスイッチ541、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56a等が接続されている。主制御回路100には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。払出・発射制御回路300には、遊技球の払い出しを行う払出装置340や、遊技球の発射を行う発射装置15、カードユニット360等が接続されている。払出装置340は、払出ユニット18に設けられる。カードユニット360には、球貸し操作パネル370が接続され、当該球貸し操作パネル370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置340に対して所定の信号を送信し、払出装置340に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル32が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート106には、サブ制御回路200が接続されている。サブ制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置16における表示制御や、スピーカ24から発生させる音声に関する制御、ランプ25の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100からサブ制御回路200にコマンドを供給する一方、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を送信できるように構成してもよい。
サブ制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路204、音声制御回路205、ランプ制御回路206及び役物制御回路207等を具備する。サブ制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路200は、演出ボタン62の操作によってオン・オフされる演出ボタンスイッチ310が接続されている。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、サブ制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラムやテーブル等が記憶される記憶手段として、メインROM102及びプログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよい。例えば、前記記憶手段として、ハードディスク装置や、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を用いてもよい。また、前記プログラムやテーブル等は、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にダウンロードされ、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらに、前記プログラムやテーブル等は、各々異なる記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路204は、液晶表示装置16における表示制御を行うための回路である。表示制御回路204は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
表示制御回路204は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置16に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる。表示制御回路204は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置16に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、液晶表示装置16に表示させるための画像データには、識別図柄を示す識別図柄画像データや、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路204は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置16に供給する。液晶表示装置16に画像信号が供給されると、液晶表示装置16に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路204は、液晶表示装置16に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路205は、スピーカ24から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路205は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ24から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ24から音声を発生させる。
ランプ制御回路206は、装飾ランプ等を含むランプ25の制御を行うための回路である。ランプ制御回路206は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路207は、各役物1000,1100,1200,1300,1400の制御を行うための回路である。役物制御回路207は、各役物1000,1100,1200,1300,1400に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU201から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物1000,1100,1200,1300,1400の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU201から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物1000,1100,1200,1300,1400の点灯動作を制御する。
[基本仕様]
以下では、図8を用いて、パチンコ遊技機1の基本仕様について説明する。
図8は、パチンコ遊技機1の基本仕様を示す表である。具体的には、図8(a)は、特別図柄ゲームの仕様を示す表である。また、図8(b)は、普通図柄ゲームの仕様を示す表である。また、図8(c)は、当りの振り分けを示す表である。また、図8(d)は、当りの種類を示す表である。なお、図8(a)から(d)に示す表のデータは、メインROM102にテーブルとして記憶される。
なお、特別図柄ゲームにおいては、大当り判定が、低確率状態又は高確率状態で行われる。このように、特別図柄ゲームにおいて、大当り判定が低確率状態で行われる遊技状態を、単に低確率状態(又は、通常状態や、非確変状態)と称する。また、特別図柄ゲームにおいて、大当り判定が高確率状態で行われる遊技状態を、単に高確率状態(又は、確変状態)と称する。こうして、遊技状態が確変状態となると、通常状態よりも有利な状態が遊技者に付与される。
また、普通図柄ゲームにおいては、普通図柄判定が、高確率状態又は低確率状態で行われる。高確率状態における普通図柄の当り確率は100分の100である。低確率状態における普通図柄の当り確率は60分の1である。高確率状態における普通図柄判定の結果が当りの場合には、普通電動役物460の開放(普通当り遊技)が、1回あたり1.5秒の開放が3回行われる。低確率状態における普通図柄判定の結果が当りの場合には、普通電動役物460の開放(普通当り遊技)が、1回あたり2.0秒の開放が1回だけ行われる。普通図柄ゲームにおいて、普通図柄判定が高確率状態で行われる遊技状態を、電サポ状態と称する。なお、電サポ状態でないとき(低確率状態)においては、普通図柄判定1回あたりの時間が3.0秒である。普通図柄判定が低確率で行われる電サポ状態でない遊技状態(時短状態以外の遊技状態)を、通常状態(又は非時短状態)と称する。電サポ状態では、通常状態よりも、普通図柄判定1回あたりの時間が短い時間となる。このように、電サポ状態であって、且つ普通図柄判定1回あたりの時間が短い時間で行われる状態を、時短状態と称する。なお、普通図柄判定の高確率状態は、大当り遊技状態の終了等を契機として移行可能に構成される。また、普通図柄判定の高確率状態は、例えば時短状態が終了した場合等、所定の終了条件を満たした場合に終了する。なお、時短状態は、通常状態から移行した後、例えば特別図柄ゲームにおける当り判定(大当り判定及び小当り判定)が所定の回数行われるまで継続される。
なお、上述の如く、通常状態とは、特別図柄ゲームにおいて大当り判定が低確率状態で行われる遊技状態であって、且つ、普通図柄ゲームにおいて普通図柄判定が低確率で行われる遊技状態を示している。
まず、図8(a)を用いて、特別図柄ゲームの仕様について説明する。
図8(a)に示すように、特別図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における大当り判定の結果が大当りとなる確率(以下、大当り確率と称する)は、第一始動口5442及び第二始動口440のいずれの始動入賞の場合であっても、共通に1/200(200個の乱数値に対して1個の係数)に設定される。また、高確率状態(確変状態)における大当り確率は、第一始動口5442及び第二始動口440のいずれの始動入賞の場合であっても、共通に1/100(200個の乱数値に対して2個の係数)に設定される。また、第二始動口440の始動入賞により小当り判定の結果が当りとなる確率(以下、小当り確率と称する)は、1/4(200個の乱数値に対して50個の係数)に設定される。なお、第一始動口5442の始動入賞による小当り判定は行われない。換言すれば、第二始動口440に遊技球が入賞したことに基づいて小当り遊技が開始される確率は、第一始動口5442に遊技球が入賞したことに基づいて小当り遊技が開始される確率よりも高く設定される。
また、ST回数は、第一始動口5442及び第二始動口440のいずれの始動入賞による大当りの場合であっても、共通に100回に設定される。なお、ST(スペシャルタイム)とは、回数に応じて終了する(回数切り式)確変状態のことである。なお、以下では、特に断りがなければ、「回」とは、確変状態に移行した後からの、当り判定(大当り判定及び小当り判定)の回数を示すものとする。
なお、ST回数は、後述する超確変状態となった場合に、液晶表示装置16に表示される。具体的には、超確変状態となると、初期値として0が表示される。そして、(判定結果がハズレとなる)当り判定を1回繰り返すごとに、数値が1ずつ加算される様子が表示される。そして、ST回数の数値が100に到達すると、超確変状態が終了することになる。なお、前記初期値は0ではなく、100であってもよい。このように、ST回数の初期値が100である場合には、当り判定を1回繰り返すごとに、数値が1ずつ減算されることとなる。
また、第一始動口5442への入賞に対する賞球数は3個、第二始動口440への入賞に対する賞球数は1個、一般入賞口53・54・55への入賞に対する賞球数は10個、大入賞口540への入賞に対する賞球数は15個に、それぞれ設定される。また、大当り遊技における大入賞口540の開放1回あたりの最大入賞カウント数は、10カウントに設定される。また、普通図柄遊技における普通電動役物460の開放1回あたりの最大入賞カウント数は、10カウントに設定される。また、第一始動口5442及び第二始動口440のいずれの始動入賞の場合であっても、大当り図柄数は、共通に100に設定される。また、第二始動口440の始動入賞による場合の小当り図柄数は、100に設定される。
次に、図8(b)を用いて、普通図柄ゲームの仕様について説明する。
図8(b)に示すように、普通図柄ゲームにおいては、低確率状態で普通図柄判定は行われない。また、高確率状態における普通図柄判定の結果が当りとなる確率は、100/100に設定される。また、普通図柄判定の結果が当りの場合には、第二始動口440(普通電動役物460)が、比較的長い時間である1.5秒間、3回開放される。
次に、図8(c)を用いて、大当り及び小当りの振り分けについて説明する。
図8(c)に示すように、第一始動口5442の始動入賞による大当りは、6種類の大当り内容(大当り種類)に振り分けられる。具体的には、第一始動口5442の始動入賞による大当りは、15R確変、実質10R確変、実質5R確変、15R通常、実質10R通常、実質5R通常、に振り分けられる。これらの大当り内容は、第一始動口5442の始動入賞による大当りとしての特図(1)大当り−1から6に、それぞれ対応するように設定される。
具体的には、特図(1)大当り−1に対応して、15R確変が設定される。また、特図(1)大当り−2に対応して、実質10R確変が設定される。また、特図(1)大当り−3に対応して、実質5R確変が設定される。また、特図(1)大当り−4に対応して、15R通常が設定される。また、特図(1)大当り−5に対応して、実質10R通常が設定される。また、特図(1)大当り−6に対応して、実質5R通常が設定される。
また、第二始動口440の始動入賞による大当りは、6種類の大当り内容(大当り種類)に振り分けられる。具体的には、第二始動口440の始動入賞による大当りは、15R確変、実質出玉少確変、特殊確変、15R通常、実質出玉少通常、特殊通常、に振り分けられる。これらの大当り内容は、第二始動口440の始動入賞による大当りとしての特図(2)大当り−1から6に、それぞれ対応するように設定される。
具体的には、特図(2)大当り−1に対応して、15R確変が設定される。また、特図(2)大当り−2に対応して、実質出玉少確変が設定される。また、特図(2)大当り−3に対応して、特殊確変が設定される。また、特図(2)大当り−4に対応して、15R通常が設定される。また、特図(2)大当り−5に対応して、実質出玉少通常が設定される。また、特図(2)大当り−6に対応して、特殊通常が設定される。
また、小当りは、2種類の小当り内容(小当り種類)に振り分けられる。具体的には、小当りは、2回開放(1)、2回開放(2)、に振り分けられる。これらの小当り内容は、小当りとしての特図(2)小当り−1及び2に、それぞれ対応するように設定される。具体的には、特図(2)小当り−1に対応して、2回開放(1)が設定される。また、特図(2)小当り−2に対応して、2回開放(2)が設定される。
ここで、図8(c)の表に示す「数」の欄(表記)は、それぞれの当り内容に対応する大当り図柄数又は小当り図柄数を示している。すなわち、上述の如く第一始動口5442の始動入賞による大当り図柄数は100であるため、特図(1)大当り−1から6は、第一始動口5442の始動入賞による大当りである場合に、それぞれ振り分けられる確率(期待値)が、25%、15%、10%、25%、15%、10%、となるように設定される。また同様に、特図(2)大当り−1から6は、第二始動口440の始動入賞による大当りである場合に、それぞれ振り分けられる確率(期待値)が、25%、15%、10%、25%、15%、10%、となるように設定される。また同様に、特図(2)小当り−1及び2は、小当りである場合に、それぞれ振り分けられる確率(期待値)が、98%、2%、となるように設定される。
また、図8(c)に示すように、特図(1)大当り−1から6、特図(2)大当り−1から6、並びに、特図(2)小当り−1及び2には、それぞれ当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)終了後に付与される時短回数が設定される。前記当り遊技終了後に付与される時短回数は、大当り判定又は小当り判定が行われる時における、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの状態に応じて異なるように設定される。
ここで、図8(c)の表に示す「HH」の表記は、特別図柄ゲームが確変状態であると共に、普通図柄ゲームが時短状態であることを示している。また、「HL」の表記は、特別図柄ゲームが確変状態であると共に、普通図柄ゲームが非時短状態であることを示している。また、「LH」の表記は、特別図柄ゲームが非確変状態であると共に、普通図柄ゲームが時短状態であることを示している。また、「LL」の表記は、特別図柄ゲームが非確変状態であると共に、普通図柄ゲームが非時短状態であることを示している。さらに、「高確率の間」の表記は、特別図柄ゲームにおいて高確率状態の間、すなわち最大100回の時短回数が付与されることを示している。
このような設定において、例えば特別図柄ゲームが非確変状態であると共に普通図柄ゲームが非時短状態である場合(「LL」の場合)において、特図(1)大当り−1又は6の大当りとなると、50回の時短回数が付与される。一方、例えば同様に「LL」の場合において、特図(1)大当り−2から5の大当りとなると、時短回数は付与されない。すなわち、特別図柄ゲームが非確変状態であると共に普通図柄ゲームが非時短状態である場合において、第一始動口5442の始動入賞による大当りである場合には、35%(特図(1)大当り−1の場合の25%+特図(1)大当り−6の場合の10%)の確率で50回の時短回数が付与され、残りの65%の確率で時短回数が付与されないこととなる。
また、小当りである場合は、小当り遊技終了後に、原則として小当りとなる前の遊技状態が変化せず、そのまま維持される。具体的には、ST中に小当りとなると、小当り遊技終了後に、前記小当りとなった当り判定に係るST回数から引き続いてカウントするようにSTが再開される。例えば、ST中に、60回目で小当りとなると、小当り遊技終了後に61回目からカウントするようにSTが再開される。この場合、小当り遊技終了後におけるSTの残り回数は40回となる。また同様に、時短状態中に小当りとなると、小当り遊技終了後に、前記小当りとなった当り判定に係る回数から引き続いてカウントするように時短状態が再開される。
なお、前記原則に対する例外として、例えばST中に、(STの最終回である)100回目で小当りとなると、小当り遊技終了後に、STが終了した状態となる(小当りとなる前の状態が維持されない)。また同様に、例えば100回の時短状態中に、100回目で小当りとなると、小当り遊技終了後に、時短状態が終了した状態となる(小当りとなる前の状態が維持されない)。
以下では、図8(d)を用いて、当り内容(大当り内容及び小当り内容)について、詳細に説明する。
上述の如く、本実施形態においては、大当り内容(大当りの種類)として、15R確変、15R通常、実質10R確変、実質10R通常、実質5R確変、実質5R通常、特殊確変、特殊通常、実質出玉少確変、実質出玉少通常、が設けられる。また、小当り内容(小当りの種類)として、2回開放(1)及び(2)が設けられる。
15R確変及び15R通常とは、大当り遊技が開始された場合に、全15ラウンドの全てのラウンドにおいて、1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が27.996秒に設定された大当りである。このように、15R確変及び15R通常では、大当り遊技が開始されると、全てのラウンドにおいて上限数の遊技球を大入賞口540に入賞可能となるように設定される。
実質10R確変及び実質10R通常とは、大当り遊技が開始された場合に、全15ラウンドのうち、1から10ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が27.996秒に設定され、11から15ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が0.102秒に設定された大当りである。このように、実質10R確変及び実質10R通常では、大当り遊技が開始されると、1から10ラウンド目において遊技球を大入賞口540に入賞可能となるように設定され、11から15ラウンド目において遊技球を大入賞口540に入賞困難(略不可能)となるように設定される。
実質5R確変及び実質5R通常とは、大当り遊技が開始された場合に、全15ラウンドのうち、1から5ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が27.996秒に設定され、6から15ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が0.102秒に設定された大当りである。このように、実質5R確変及び実質5R通常では、大当り遊技が開始されると、1から5ラウンド目において遊技球を大入賞口540に入賞可能となるように設定され、6から15ラウンド目において遊技球を大入賞口540に入賞困難(略不可能)となるように設定される。
特殊確変及び特殊通常とは、大当り遊技が開始された場合に、全15ラウンドのうち、最初の1ラウンド目において大入賞口540が3回開放されるように設定されると共に、当該1ラウンド目の1及び2回目の開放において大入賞口540の開放秒数が0.896秒に設定され、残りの3回目の開放において大入賞口540の開放秒数が26.466秒に設定され、2から15ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が27.966秒に設定された大当りである。このように、特殊確変及び特殊通常では、大当り遊技が開始されると、最初の1ラウンド目における1及び2回目の開放において遊技球を大入賞口540に入賞困難(例えば、開放1回あたり1個入賞する程度)となるように設定され、残りの3回目の開放及び2から15ラウンド目において上限数の遊技球を大入賞口540に入賞可能となるように設定される。なお、特殊確変及び特殊通常では、最初の1ラウンド目における2回目の開放と3回目の開放との間の開放間インターバルが5.0秒に設定される。
実質出玉少確変及び実質出玉少通常とは、大当り遊技が開始された場合に、全15ラウンドのうち、1から2ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が0.896秒に設定され、3から15ラウンド目において1つのラウンドあたりの大入賞口540の開放秒数が0.102秒に設定された大当りである。このように、実質出玉少確変及び実質出玉少通常では、大当り遊技が開始されると、全てのラウンドにおいて遊技球を大入賞口540に入賞困難(より詳細には、1及び2ラウンド目は、例えば開放1回あたり1個遊技球が入賞する程度であって、3ラウンド目以降は遊技球が入賞略不可能となる程度)となるように設定される。なお、実質出玉少確変及び実質出玉少通常では、2ラウンド目と3ラウンド目との間のラウンド間インターバルが5.0秒に設定される。
2回開放(1)及び(2)とは、小当り遊技が開始された場合に、大入賞口540を0.896秒ずつ2回開放させる小当りである。すなわち、小当り遊技とは、所定の開閉態様で大入賞口540を動作させるものである、このように、2回開放(1)及び(2)では、小当り遊技が開始されても、遊技球を大入賞口540に入賞困難(例えば、開放1回あたり1個入賞する程度)となるように設定される。なお、2回開放(1)では、2回目の大入賞口540の開放が終了した後の小当り終了インターバルが1.0秒に設定される。また、2回開放(2)では、2回目の大入賞口540の開放が終了した後の小当り終了インターバルが5.0秒に設定される。
このように、大当りの種類が特殊確変及び特殊通常である場合の1ラウンド目の1及び2回目の開放における大入賞口540の開放秒数と、小当りである場合(2回開放(1)及び(2)である場合)の1及び2回目の開放における大入賞口540の開放秒数とは、互いに同一の0.896秒に設定される。すなわち、特殊確変及び特殊通常と、小当り(2回開放(1)及び(2))とは、大入賞口540の2回目の開放が終了するまで、大入賞口540の開放態様が同一に設定される。このように、特殊確変及び特殊通常の大当り遊技は、1ラウンド目の1及び2回目の開放において、小当り遊技に見せかける所定の開閉態様(擬似小当り開閉態様)で大入賞口540を開閉動作させるものである。
なお、小当り(2回開放(1)及び(2))においては、2回目の大入賞口540の開放が終了した後の当り終了インターバルが互いに異なるように設定される。具体的には、2回開放(1)では、2回目の大入賞口540の開放が終了した後の当り終了インターバルが1.0秒に設定される。また、2回開放(2)では、2回目の大入賞口540の開放が終了した後の当り終了インターバルが5.0秒に設定される。
また、特殊確変及び特殊通常における前記2回目の開放と3回目の開放との間の開放間インターバルと、小当りのうち2回開放(2)における小当り終了インターバルと、が互いに同一の秒数(5.0秒)に設定される。すなわち、特殊確変及び特殊通常と、小当りの2回開放(2)とは、大入賞口540の3回目の開放が開始されるまで、大入賞口540の開放態様が同一に設定される。換言すれば、特殊確変及び特殊通常の大当り遊技は、1ラウンド目の3回目の開放が行われる後、大当り遊技であることが判明する。こうして、特殊確変及び特殊通常の大当り遊技は、擬似小当り開閉態様で動作させた後に、大当り遊技であることが判明する特定の開閉態様(大当り判明後開閉態様)で大入賞口540を開閉動作させるものである。
また同様に、大当りの種類が実質出玉少確変及び実質出玉少通常である場合の1及び2ラウンド目の開放における大入賞口540の開放秒数と、小当りである場合(2回開放(1)及び(2)である場合)の1及び2回目の開放における大入賞口540の開放秒数とは、互いに同一の0.896秒に設定される。すなわち、実質出玉少確変及び実質出玉少通常と、小当り(2回開放(1)及び(2))とは、大入賞口540の2回目の開放が終了するまで、大入賞口540の開放態様が同一に設定される。
また、実質出玉少確変及び実質出玉少通常における前記2ラウンド目の開放と3ラウンド目の開放との間のラウンド間インターバルと、小当りのうち2回開放(2)における小当り終了インターバルと、が互いに同一の秒数(5.0秒)に設定される。すなわち、実質出玉少確変及び実質出玉少通常と、小当りの2回開放(2)とは、大入賞口540の3回目の開放が開始されるまで、大入賞口540の開放態様が同一に設定される。このように、実質出玉少確変及び実質出玉少通常の大当り遊技は、1及び2ラウンド目の開放において、小当り遊技に見せかける所定の開閉態様(擬似小当り開閉態様)で大入賞口540を開閉動作させるものである。
[遊技の流れ]
以下では、図9及び図10を用いて、パチンコ遊技機1の遊技の流れについて説明する。
パチンコ遊技機1においては、所定のタイミングで適当な遊技状態へと移行を繰り返しながら遊技が進行される。ここで、前記遊技状態には、それぞれ対応する演出モードが設定される。演出モードには、各種の演出内容が設定される。すなわち、遊技が開始されると、適当な遊技状態へと移行すると共に、当該移行した遊技状態に対応する演出モードの演出が行われる。本実施形態においては、演出モードとして、主に演出モード1から6が設けられる。
図9に示すように、遊技開始時においては、多くの場合、遊技状態が通常遊技状態(非確変状態・非時短(非電サポ)状態)である。また、通常遊技状態である場合には、演出モードとして演出モード1の演出が行われる(ステップS900)。通常遊技状態から他の遊技状態への移行は、主に第一始動口5442の始動入賞による当り判定の結果を契機として行われる。例外的に例えば100回の電サポ状態が終了した際に第2特別図柄の変動表示の保留が存在する場合には、通常遊技状態において第2特別図柄の当り判定が保留回数の最大数である4回を上限に行われ、その判定結果により何らかの大当りとなった場合には電サポ状態に移行することとなるが、稀なケースであるため、本図面からは省略している。なお、上記4回は電サポ状態が終了したにも関わらずそのときに大当りとなれば電サポ状態へ復帰することが可能な状態であるため、通常遊技状態であって、第2特別図柄の当り判定を行っている間は、演出モード1とは異なる特別な演出モードとして遊技者に期待感を持たせるようにしてもよい。
なお、通常遊技状態において、大当り判定は、所謂左打ちによる第一始動口5442の始動入賞により行われる。また、第一始動口5442の始動入賞による大当り判定の結果が大当りとなって、時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行した場合には、所謂右打ちが行われる。こうして、時短(電サポ)状態が継続している間は、第二始動口440の始動入賞により大当り判定が行われる。なお、第一始動口5442の始動入賞による大当り判定の結果が大当りとなったものの、時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行しなかった場合(遊技状態が非時短(非電サポ)状態のままである場合)には、左打ちが継続して行われる。
ステップS900に示す遊技状態が非確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード1の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−1になると、通常遊技状態から確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード1の演出が終了し、演出モード2の演出が開始される(ステップS901、S902)。なお、演出モード2の演出が行われる遊技状態では、ST回数が100回に設定され、時短回数が50回に設定されている。
また、ステップS902に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード2の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−1から3のいずれかになると、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS910、S911)。すなわち、移行後の遊技状態は、移行前の遊技状態と同一となる。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード2の演出が終了し、演出モード3の演出が開始される。なお、演出モード3の演出が行われる遊技状態では、ST回数が100回に設定され、時短回数が確変状態の間(最大100回)継続するように設定されている。
また、ステップS911に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード3の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−1から3のいずれかになると、再び確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS912、S911)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード3の演出が継続される。また、この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされたST回数及び時短回数がクリアされる。すなわち、ST回数及び時短回数は、0からカウントされる。
また、ステップS911に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード3の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−4から6のいずれかになると、後述する非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS913、S921)。なお、この遊技状態の移行に伴い、演出モード3の演出が終了し、演出モード4の演出が開始される。
また、ステップS911に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード3の演出が行われる場合に、小当り判定(当り判定)の結果が当り(2回開放(1)及び(2))になると、当該当りに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)である場合には、ST(確変状態)及び時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS914、S915;Yes、S900)。すなわち、演出モード3の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)ではない場合には、現在の遊技状態(確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、ST回数及び時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS914、S915;No)。すなわち、演出モード3の演出が継続される。
また、ステップS911に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード3の演出が行われる場合に、大当り判定及び小当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、当該ハズレに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)である場合には、ST(確変状態)及び時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS916、S915;Yes、S900)。すなわち、演出モード3の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)ではない場合には、現在の遊技状態(確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、ST回数及び時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS916、S915;No)。すなわち、演出モード3の演出が継続される。
また、ステップS902に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード2の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−4から6のいずれかになると、非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS920、S921)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード2の演出が終了し、演出モード4の演出が開始される。なお、演出モード4の演出が行われる遊技状態では、時短回数が100回に設定されている。
また、ステップS921に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード4が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−1から3のいずれかになると、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS922、S911)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード4の演出が終了し、演出モード3の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされた時短回数がクリアされる。
また、ステップS921に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード4が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−4から6のいずれかになると、再び非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS923、S921)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード4の演出が継続される。また、この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされた時短回数がクリアされる。
また、ステップS921に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード4が行われる場合に、小当り判定(当り判定)の結果が当り(2回開放(1)及び(2))になると、当該当りに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)である場合には、時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS924、S925;Yes、S900)。すなわち、演出モード4の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)ではない場合には、現在の遊技状態(非確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS924、S925;No)。すなわち、演出モード4の演出が継続される。
また、ステップS921に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード4の演出が行われる場合に、大当り判定及び小当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、当該ハズレに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)である場合には、時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS926、S925;Yes、S900)。すなわち、演出モード4の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(100回)ではない場合には、現在の遊技状態(非確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS926、S925;No)。すなわち、演出モード4の演出が継続される。
また、ステップS902に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード2の演出が行われる場合に、小当り判定(当り判定)の結果が当り(2回開放(1)及び(2))になると、当該当りに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)である場合には、ST(確変状態)が継続する一方、時短状態が終了するため、確変状態・非時短(非電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS930、S931;Yes、S933)。すなわち、演出モード2の演出が終了し、演出モード5の演出が開始される。一方、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)ではない場合には、現在の遊技状態(確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、ST回数及び時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS930、S931;No)。すなわち、演出モード2の演出が継続される。
また、ステップS902に示す遊技状態が確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード2の演出が行われる場合に、大当り判定及び小当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、当該ハズレに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)である場合には、ST(確変状態)が継続する一方、時短状態が終了するため、確変状態・非時短(非電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS932、S931;Yes、S933)。すなわち、演出モード2の演出が終了し、演出モード5の演出が開始される。一方、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)ではない場合には、現在の遊技状態(確変状態・時短(電サポ))が維持され、ST回数及び時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS932、S931;No)。すなわち、演出モード2の演出が継続される。
このように、演出モード2の演出が終了し、演出モード5の演出が開始された場合、ST(確変状態)が継続する一方、時短(電サポ)状態が終了する。すなわち、遊技者は右打ちではなく、左打ちを行うこととなる。なお、本実施形態においては、演出モード5の演出は、演出モード1の演出と同一の内容に設定されている。こうして、演出モード5の演出が開始された場合には、遊技者はST(確変状態)が継続していることを認識し難い遊技状態(潜伏確変状態)となる。なお、演出モード5の演出は、演出モード1の演出と同一の内容であって、遊技者に潜伏確変状態が確定した旨を報知して行われるものであってもよい。
また、ステップS933に示す遊技状態が確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード5の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−1又は2のいずれかになると、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS934、S911)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード5の演出が終了し、演出モード3の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされたST回数がクリアされる。
また、ステップS933に示す遊技状態が確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード5の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−3になると、再び確変状態・非時短(非電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS935、S933)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード5の演出が継続される。また、この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされたST回数がクリアされる。
また、ステップS933に示す遊技状態が確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード5の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−4又は5のいずれかになると、非確変状態・非時短(非電サポ)状態(すなわち通常遊技状態)へと遊技状態が移行する(ステップS936、S900)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード5の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされたST回数がクリアされる。
また、ステップS933に示す遊技状態が確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード5の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−6になると、非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS937、S951)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード5の演出が終了し、演出モード6の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされたST回数がクリアされる。
また、ステップS933に示す遊技状態が確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード5の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、当該ハズレに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数である場合には、ST(確変状態)が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS938、S939;Yes、S900)。すなわち、演出モード5の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数ではない場合には、現在の遊技状態(確変状態・非時短(非電サポ)状態)が維持され、ST回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS938、S939;No)。すなわち、演出モード5の演出が継続される。
なお、ステップS939における所定の回数は、現在行われている演出モード5の演出が何を契機として開始されたかに応じて設定されている。具体的には、現在行われている演出モード5の演出が、演出モード2の演出が開始された後に当り判定の回数が50回となったことを契機として開始された場合(ステップS931;Yes)には、ステップS939における所定の回数は(演出モード5の演出の開始から)50回となる。一方、現在行われている演出モード5の演出が、ステップS960に示す特図(1)大当り−2又は3となったこと、又はステップS935に示す特図(1)大当り−3となったことを契機として開始された場合には、ステップS939における所定の回数は(演出モード5の演出の開始から)100回となる。
また、ステップS900に示す遊技状態が非確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード1の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−6になると、通常遊技状態から非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード1の演出が終了し、演出モード6の演出が開始される(ステップS950、S951)。なお、演出モード6の演出が行われる遊技状態では、時短回数が50回に設定されている。
また、ステップS951に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード6の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−1から3のいずれかになると、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS952、S911)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード6の演出が終了し、演出モード3の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされた時短回数がクリアされる。
また、ステップS951に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード6の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(2)大当り−4から6のいずれかになると、非確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS953、S921)。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード6の演出が終了し、演出モード4の演出が開始される。この遊技状態の移行に伴い、大当りに至るまでにカウントされた時短回数がクリアされる。
また、ステップS951に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード6の演出が行われる場合に、小当り判定(当り判定)の結果が当り(2回開放(1)及び(2))になると、当該当りに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)である場合には、時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS954、S955;Yes、S900)。すなわち、演出モード6の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該当りに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)ではない場合には、現在の遊技状態(非確変状態・時短(電サポ)状態)が維持され、時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS954、S955;No)。すなわち、演出モード6の演出が継続される。
また、ステップS951に示す遊技状態が非確変状態・時短(電サポ)状態であって、且つ演出モード6の演出が行われる場合に、大当り判定及び小当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、当該ハズレに係る当り判定の回数に応じて遊技状態が変更される。具体的には、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)である場合には、時短状態が終了するため、通常遊技状態へと遊技状態が移行する(ステップS956、S955;Yes、S900)。すなわち、演出モード6の演出が終了し、演出モード1の演出が開始される。一方、当該ハズレに係る当り判定の回数が所定の回数(50回)ではない場合には、現在の遊技状態(非確変状態・時短(電サポ))が維持され、時短回数がクリアされず、カウントが再開される(ステップS956、S955;No)。
また、ステップS900に示す遊技状態が非確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード1の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−2又は3になると、確変状態・非時短(非電サポ)状態へと遊技状態が移行する(ステップS960、S933)。すなわち、演出モード1の演出が終了し、演出モード5の演出が開始される。
また、ステップS900に示す遊技状態が非確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード1の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果が特図(1)大当り−4又は5になると、再び通常遊技状態へと遊技状態が移行する。また、この遊技状態の移行に伴い、演出モード1の演出が継続される(ステップS970、S900)。
また、ステップS900に示す遊技状態が非確変状態・非時短(非電サポ)状態であって、且つ演出モード1の演出が行われる場合に、大当り判定(当り判定)の結果がハズレになると、通常遊技状態が維持される。すなわち、演出モード1の演出が継続される(ステップS980、S900)。
このような遊技の流れにおいて、演出モード2が開始された場合(ステップS902)には、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行することにより、ST回数が100回に設定される。また同様に、演出モード3が開始された場合(ステップS911)には、確変状態・時短(電サポ)状態へと遊技状態が移行することにより、ST回数が100回に設定される。こうして、演出モード2又は3が開始された後(すなわち、STが開始された後)、例えば当り判定の結果が小当りとなると、(原則として)小当り遊技終了後に現在の遊技状態が維持され、ST回数がクリアされず、カウントが再開される。このように、演出モード2又は3の演出は継続される。
ここで、上述の如く、小当り遊技が開始された場合には、開放1回あたり1個の遊技球が入賞する程度に大入賞口540が2回開放される。すなわち、演出モード2又は3が開始された場合(STが開始された場合)には、例えば当り判定の回数が所定の回数となって当該演出モードが終了するまでの間(STが終了するまでの間)に、小当り遊技を繰り返し行うことができる。こうして、小当り遊技が繰り返し行われると、当該小当り遊技によって賞球の獲得を図り、遊技者の手元にある遊技球の増加を図ることができる。
なお以下では、小当り遊技によって賞球の獲得を図り、遊技者の手元にある遊技球の増加を図ることができるSTを、超確変状態と称する。また、超確変状態となった後、小当り遊技によって賞球の獲得を図り、遊技者の手元にある遊技球の増加を図る遊技を、ラッシュ(RUSH)と称する。すなわち、(1回あたりの)ラッシュとは、超確変状態へと移行する契機となった大当りから、次の大当り、又は時短状態の終了まで継続するものとする。このように、本実施形態において、時短状態が終了することとなる遊技(例えば、後述する当り判定の100回又は50回の遊技)は、ラッシュの終了条件となる。
なお、演出モード2が開始された後に、特図(2)大当り−1から3のいずれかの大当りによって演出モード3が開始された場合には、当該大当りの前後の遊技状態とも超確変状態であるため、超確変状態が継続しているものとする。このような場合には、ラッシュが連続して行われた(2回目のラッシュが行われた)ものとする。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1においては、超確変状態となった場合に、獲得した出玉に関する出玉表示が行われる。なお、前記出玉表示についての詳細な説明は後述する。
[主制御回路の動作説明]
以下では、主制御回路100(メインCPU101)によって行われる処理について説明する。
[メイン処理]
まず、図11を用いて、主制御回路100(メインCPU101)によって行われるメイン処理について説明する。
ステップS10において、メインCPU101は、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101は、バックアップ復帰処理や、初期化設定処理等を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、メインCPU101は、乱数値更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数値カウンタや、演出条件選択用乱数値カウンタ等の更新を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインCPU101とサブCPU201との同期をとるためのタイマや、大入賞口540の開放時間タイマ等の各種のタイマの更新を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS13に処理を移す。
ステップS13において、メインCPU101は、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第一始動口スイッチ5472又は第二始動口スイッチ441からの検知信号に応じて当り判定の結果が当りであるか否かを判定し、判定結果をメインRAM103に記憶する処理等を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS14に処理を移す。なお、この処理の詳細については後述する。
ステップS14において、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、通過ゲートスイッチ49aからの検知信号に応じて普通図柄判定の結果が当りであるか否かを判定し、判定結果をメインRAM103に記憶する処理等を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、メインCPU101は、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS13及びステップS14における処理でメインRAM103に記憶された当り判定及び普通図柄判定の判定結果に応じて、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74と、普通図柄表示部71と、を駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、前記記憶した制御信号を、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74、及び普通図柄表示部71に送信する。こうして、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74は、受信した制御信号に基づいて特別図柄を変動表示及び停止表示する。また、普通図柄表示部71は、受信した制御信号に基づいて普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU101は、遊技情報出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、外部機器(例えば、前記呼出装置や、前記ホールコンピュータ等)に、遊技情報を出力する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS17に処理を移す。
ステップS17において、メインCPU101は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口540(シャッタ610)や、第二始動口440(普通電動役物460)を駆動するための制御信号を出力する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS18に処理を移す。
ステップS18において、メインCPU101は、コマンド出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200(サブCPU201)に各種のコマンドを送信する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS19に処理を移す。
ステップS19において、メインCPU101は、払出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、各種の入賞口(具体的には、大入賞口540や、第一始動口5442、第二始動口440、一般入賞口53・54・55・56)に遊技球が入賞したか否かの判定を行う。メインCPU101は、各種の入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合、当該入賞に対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路300に送信する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、再びステップS11に処理を移し、ステップS11からステップS19までの処理を繰り返し行う。
[システムタイマ割込処理]
以下では、図12を用いて、主制御回路100(メインCPU101)によって行われるシステムタイマ割込処理について説明する。システムタイマ割込処理は、メイン処理が行われている状態であっても、所定の周期毎にメイン処理を中断して行われる。
ステップS20において、メインCPU101は、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタに記憶されている実行中のプログラムを退避させる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、メインCPU101は、乱数値更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数値カウンタや、大当り図柄決定用乱数値カウンタ等の更新を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS22に処理を移す。
ステップS22において、メインCPU101は、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、各種のスイッチ(具体的には、第一始動口スイッチ5472や、第二始動口スイッチ441、通過ゲートスイッチ49a、カウントスイッチ541、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56a等)への信号の入力の有無(すなわち、各種のスイッチにおける遊技球の検知の有無)を判定する。メインCPU101は、各種のスイッチのいずれかにおいて遊技球の検知が有ったと判定した場合(各種の入賞口のいずれかに遊技球が入賞した場合)には、サブ制御回路200にコマンドを送信する。例えば、メインCPU101は、カウントスイッチ541が遊技球をカウント(検知)したときには、サブ制御回路200に大入賞口入賞コマンドを送信する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS23に処理を移す。なお、この処理の詳細については後述する。
ステップS23において、メインCPU101は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU101は、退避させたプログラムをレジスタに復帰させる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
以下では、図13を用いて、図11のステップS13において行われるサブルーチン(特別図柄制御処理)について説明する。なお、図13において、ステップS101からステップS108の側方に記載された数値は、これらのステップに対応する制御状態フラグを示している。ここで、制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであって、ステップS101からステップS108における処理のいずれかを実行可能にするものである。前記数値は、メインRAM103における、制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。
ステップS100において、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、メインCPU101は、ステップS101に処理を移す。
なお、後述するステップS101からステップS108において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの値に応じて、その値に対応するステップを実行する。より詳細には、メインCPU101は、制御状態フラグの値に基づいて各ステップにおける処理を行うか否かを判定し、その判定結果に応じて、各ステップに対して設定された所定のタイミングで各ステップにおける処理を行う。これによって、特定図柄ゲームが進行されることになる。前記所定のタイミングは、待ち時間タイマ等に応じて決定される。メインCPU101は、前記所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を行うことなく本サブルーチンを終了し、他のサブルーチンを行う。なお、メインCPU101は、本サブルーチンとは別に、所定の周期毎に図12に示すシステムタイマ割込処理も行う。
ステップS101において、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、メインCPU101は、特別図柄変動時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であって、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、メインCPU101は、確定後待ち時間が経過した後、ステップS103の処理を行うように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を行う。この処理においては、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であって、確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が当り(大当り又は小当り)であるか否かを判定する。メインCPU101は、当り判定の結果が当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、メインCPU101は、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS104の処理を行うように設定する。一方、メインCPU101は、当り判定の結果がハズレである場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、メインCPU101は、ステップS108の処理を実行するように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS104に処理を移す。
ステップS104において、メインCPU101は、当り開始インターバル管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であって、当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口540を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド620に供給する。これにより、メインCPU101は、大入賞口540の開閉制御を行う。
さらに、メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットすると共に、開放上限時間(例えば、約0.1秒や、約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、メインCPU101は、ステップS105の処理を行うように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、メインCPU101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05H)であって、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU101は、開放上限時間(例えば、約0.1秒又は約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、メインCPU101は、ステップS106の処理を行うように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS106に処理を移す。
ステップS106において、メインCPU101は、大入賞口開放処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口540を閉鎖させるために、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU101は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS107に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU101は、当り終了インターバル処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であって、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、メインCPU101は、ステップS108の処理を行うように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS108に処理を移す。
ステップS108において、メインCPU101は、特別図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、メインCPU101は、ステップS101の処理を行うように設定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
上述の如く、メインCPU101が制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが進行される。具体的には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“07H”と順にセットすることにより、図13に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS108の処理を所定のタイミングで行う。また、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図13に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104の処理を所定のタイミングで行って、大当り又は小当り遊技状態への制御を行う。さらに、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態への制御が行われた場合には、制御状態フラグを“04H”、“05H”と順にセットすることにより、図13に示すステップS105、ステップS106の処理を所定のタイミングで行って、大当り又は小当り遊技を行う。また、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、制御状態フラグを“04H”、“06H”、“07H”と順にセットすることにより、図13に示すステップS105、ステップS107、ステップS108の処理を所定のタイミングで行って、大当り又は小当り遊技を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
以下では、図14を用いて、図13のステップS101において行われるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について説明する。
ステップS110において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS111に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS111において、メインCPU101は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータ(当り判定用乱数値)が記憶されていない場合には、ステップS112に処理を移す。一方、メインCPU101は、始動記憶(より詳細には、第1及び第2特別図柄の少なくともいずれかに対応する始動記憶)があると判定した場合には、ステップS113に処理を移す。
ステップS112において、メインCPU101は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットする。デモ表示コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200の制御によってデモ表示が液晶表示装置16に行われる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS113において、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS115に処理を移す。一方、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0ではない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS114に処理を移す。
ステップS114において、メインCPU101は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS116に処理を移す。
ステップS115において、メインCPU101は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS116に処理を移す。
ステップS116において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS117に処理を移す。
ステップS117において、メインCPU101は、特別図柄記憶転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。また、メインCPU101は、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS118に処理を移す。
ステップS118において、メインCPU101は、大当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。すなわち、高確率フラグが所定の値である場合には、大当り判定値の数が多い高確率用の当り(大当り)判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合には、大当り判定値が少ない通常用の当り(大当り)判定テーブルが参照される。このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上する。
そして、メインCPU101は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU101は、当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致している場合には、大当りであると判定する。一方、メインCPU101は、当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致していない場合には、大当りではない(ハズレである)と判定する。こうして、メインCPU101は、大当り判定処理において、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定(大当り判定)を行っている。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS119に処理を移す。
ステップS119において、メインCPU101は、小当り判定処理を行う。なお、小当り判定処理は、ステップS118における大当り判定処理において、大当りではなかった場合に行われる。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値とが一致しているか否かを判定する。そして、メインCPU101は、当り判定用乱数値と小当り判定値とが一致している場合には、小当りであると判定する。一方、メインCPU101は、当り判定用乱数値と小当り判定値とが一致していない場合には、小当りではない(ハズレである)と判定する。こうして、メインCPU101は、小当り判定処理において、小当り遊技状態とするか否かの判定(小当り判定)を行っている。
本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、合計4種類の当り判定テーブルが用意されている。なお、通常用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じであり、また高確率用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じである。その一方で、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。また、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。このように、メインCPU101は、遊技球が始動領域(第一始動口5442、第二始動口440)を通過したことを条件に通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの判定を行う当り判定手段の一例である。
なお、通常遊技の第一始動口5442への入賞による小当り確率は、第二始動口440への入賞による小当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技の第一始動口5442への入賞による大当り確率は、第二始動口440への入賞による大当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、ステップS118及びS119の処理によって、特別図柄ゲームに対する当り判定の結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS120に処理を移す。
ステップS120において、メインCPU101は、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、当り判定の結果が大当りの場合には大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合にはハズレ図柄を決定する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS121に処理を移す。
ステップS121において、メインCPU101は、特別図柄変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS120の処理において決定された特別図柄と、ステップS118及びS119の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU101は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定(選択)する。メインCPU101は、選択した変動パターンを、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74に供給される。これによって、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74に、決定した変動パターンで特別図柄が変動表示される。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。これにより、サブ制御回路200の制御によって、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示が行われる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS122に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU101は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、メインCPU101は、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。サブ制御回路200は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS124に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU101は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
以下では、図15を用いて、図14のステップS120において行われるサブルーチン(特別図柄決定処理)について説明する。
ステップS150において、メインCPU101は、ステップS118の大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りであると判定した場合には、ステップS151に処理を移す。一方、メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りではないと判定した場合には、ステップS156に処理を移す。
ステップS151において、メインCPU101は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、ステップS152に処理を移す。一方、メインCPU101は、変動状態番号が(01H)ではないと判定した場合には、ステップS154に処理を移す。
ステップS152において、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS153に処理を移す。
ステップS153において、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄のデータ及び大当り図柄のコマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、第1特別図柄表示部73に供給する。第1特別図柄表示部73は、第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、サブ制御回路200の制御によって識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置16に導出表示される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS162に処理を移す。
ステップS154において、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS155に処理を移す。
ステップS155において、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄のデータ及び大当り図柄のコマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部74に供給する。第2特別図柄表示部74は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、サブ制御回路200の制御によって識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置16に導出表示される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS162に処理を移す。
ステップS156において、メインCPU101は、ステップS119の小当り判定の結果が小当りであるかを判定する処理を行う。メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りであると判定した場合には、ステップS160に処理を移す。メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りではないと判定した場合には、ステップS164に処理を移す。
ステップS160において、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に基づいて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS161に処理を移す。
ステップS161において、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄のデータ及び小当り図柄のコマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部74に供給する。第2特別図柄表示部74は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の小当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、サブ制御回路200の制御によって識別図柄が小当り停止表示態様で液晶表示装置16に導出表示される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS162に処理を移す。
ステップS162において、メインCPU101は、当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM103にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS163に処理を移す。
ステップS163において、メインCPU101は、大入賞口開放回数関連データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口開放回数関連データをメインRAM103にセットする。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS164において、メインCPU101は、ハズレ図柄のデータ及びハズレ図柄のコマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、変動している特別図柄が第1特別図柄か第2特別図柄かに応じて、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74に供給する。第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74は、特別図柄を変動表示させて、特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、サブ制御回路200の制御によって識別図柄がハズレ停止表示態様で液晶表示装置16に導出表示される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
以下では、図16を用いて、図13のステップS102において行われるサブルーチン(特別図柄変動時間管理処理)について説明する。
ステップS200において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、ステップS201に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS201において、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS202に処理を移す。一方、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS202において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄表示時間管理を示す値(02H)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、メインCPU101は、図柄停止コマンドをセットする処理を行う。図柄停止コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、メインCPU101は、確定後待ち時間としての待ち時間タイマをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間を記憶する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
以下では、図17及び図18を用いて、図13のステップS103において行われるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について説明する。
ステップS300において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、ステップS301に処理を移行する。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)ではない判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS301において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS302に処理を移す。一方、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”ではないと判定した場合には、ステップS304に処理を移す。
ステップS302において、メインCPU101は、ステップS118の大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りであると判定した場合には、ステップS303に処理を移す。一方、メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS303において、メインCPU101は、メインRAM103の遊技状態フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS304において、メインCPU101は、ステップS118の大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りであると判定した場合には、ステップS311に処理を移す。一方、メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りではないと判定した場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS305において、メインCPU101は、メインRAM103の時短回数カウンタが“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、時短回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS325に処理を移す。一方、メインCPU101は、時短回数カウンタが“0”ではないと判定した場合には、ステップS306に処理を移す。
ステップS306において、メインCPU101は、メインRAM103の時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS307に処理を移す。
ステップS307において、メインCPU101は、メインRAM103の時短回数カウンタが“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、時短回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS308に処理を移す。一方、メインCPU101は、時短回数カウンタが“0”ではないと判定した場合には、ステップS325に処理を移す。
ステップS308において、メインCPU101は、メインRAM103の時短回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS309に処理を移す。
ステップS309において、メインCPU101は、時短終了コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。時短終了コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200が時短終了を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS325に処理を移す。
ステップS325において、メインCPU101は、メインRAM103のST回数カウンタが“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、ST回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS310に処理を移す。一方、メインCPU101は、ST回数カウンタが“0”ではないと判定した場合には、ステップS326に処理を移す。
ステップS326において、メインCPU101は、メインRAM103のST回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS327に処理を移す。
ステップS327において、メインCPU101は、メインRAM103のST回数カウンタが“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、ST回数カウンタが“0”であると判定した場合には、ステップS328に処理を移す。一方、メインCPU101は、ST回数カウンタが“0”ではないと判定した場合には、ステップS310に処理を移す。
ステップS328において、メインCPU101は、メインRAM103のST回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS329に処理を移す。
ステップS329において、メインCPU101は、ST終了コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。ST終了コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200がST終了を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS310に処理を移す。
ステップS310において、メインCPU101は、ステップS119の小当り判定の結果が小当りであるかを判定する処理を行う。メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りであると判定した場合には、ステップS311に処理を移す。メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りではないと判定した場合には、ステップS315に処理を移す。
ステップS311において、メインCPU101は、制御状態フラグとして当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103における待ち時間タイマとして機能する領域に、当り開始インターバル時間を記憶する。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS313に処理を移す。なお、当り開始インターバル時間も当り種別ごとに定められているが、本実施形態においては少なくとも特殊確変、特殊通常、実質出玉少確変、実質出玉少通常及び特図(2)小当り−2の当り開始インターバル時間は同一又は遊技者が区別困難な時間(例えば、1秒)に設定している。
ステップS313において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをセットする処理を行う。特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS314処理を移す。
ステップS314において、メインCPU101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをセットする処理を行う。大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200が大当り又は小当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS315において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS316に処理を移す。
ステップS316において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをセットする処理を行う。特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。これにより、サブ制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
以下では、図19を用いて、図13のステップS104において行われるサブルーチン(当り開始インターバル管理処理)について説明する。
ステップS401において、メインCPU101は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合には、ステップS402に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS402において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS403に処理を移す。一方、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS403において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする。
ステップS404において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタの値を1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS405に処理を移す。
ステップS405において、メインCPU101は、大当り図柄の種類に応じたラウンド毎又は小当りの開閉パターンをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS406に処理を移す。
ステップS406において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセットする処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、1ラウンド目を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に大入賞口開放中コマンドとして供給される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS407に処理を移す。
ステップS407において、メインCPU101は、制御状態フラグとして大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(04H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS408に処理を移す。
ステップS408において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS409に処理を移す。
ステップS409において、メインCPU101は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS410に処理を移す。
ステップS410において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口540を開放させるために、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、大入賞口ソレノイド620を駆動して大入賞口540を開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放待ち時間管理処理]
以下では、図20を用いて、図13のステップS105において行われるサブルーチン(大入賞口再開放待ち時間管理処理)について説明する。
ステップS500において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定した場合には、ステップS501に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(05H)ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS501において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマが“0”であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS502に処理を移す。一方、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS502において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS503に処理を移す。
ステップS503において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセットする処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU201に対してラウンドカウンタ+1を行う旨の指示が含まれている。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS504に処理を移行する。
ステップS504において、メインCPU101は、制御状態フラグとして大入賞口開放処理を示す値(04H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS505に処理を移す。
ステップS505において、メインCPU101は、ステップS118の大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りであると判定した場合には、ステップS506に処理を移す。一方、メインCPU101は、大当り判定の結果が大当りではないと判定した場合には、ステップS507に処理を移す。
ステップS506において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS507に処理を移す。
ステップS507において、メインCPU101は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS508に処理を移す。
ステップS508において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放処理]
以下では、図21を用いて、図13のステップS106において行われるサブルーチン(大入賞口開放処理)について説明する。
ステップS600において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定した場合には、ステップS601に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS601において、メインCPU101は、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であると判定した場合には、ステップS604に処理を移す。一方、メインCPU101は、大入賞口入賞カウンタが“10”以上ではないと判定した場合には、ステップS602に処理を移す。
ステップS602において、メインCPU101は、セットしたラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS405でセットしたラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じて大入賞口540を開閉させる処理を行う。具体的には、ラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じて、時間を待って大入賞口540を閉じて開けるという処理を繰り返すことによって、所定ラウンド中に大入賞口540を複数回開閉させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS603に処理を移す。
ここで、本実施形態において、特殊確変、特殊通常の1ラウンド目の1回目の開放と2回目の開放間のインターバル時間、特図(2)小当り−2の1回目の開放と2回目の開放間のインターバル時間は、同一又は遊技者が区別困難な時間(例えば、0.1秒)に設定している。すなわち、ステップS602の処理において、特殊確変、特殊通常、特図(2)小当り−2は、「0.896秒の開放時間→0.1秒の開放間インターバル時間→0.896秒の開放時間」という順番で実行されることとなる。また、このステップで処理されるものではなくステップS607でセットされるものであるが、実質出玉少確変、実質出玉少通常の1ラウンド目と2ラウンド目のラウンド間インターバル時間も、同一又は遊技者が区別困難な時間(例えば、0.1秒)に設定することで「0.896秒の1ラウンド目の開放時間→0.1秒のラウンド間インターバル時間→0.896秒の2ラウンド目の開放時間」という順番で実行されることとなる。それにより大入賞口540が閉鎖している時間に基づいても、遊技者は当り種別の区別が困難である。
ステップS603において、メインCPU101は、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS604に処理を移す。一方、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”ではないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS604において、メインCPU101は、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口540を閉鎖させるために、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、大入賞口ソレノイド620を閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS605に処理を移す。
ステップS605において、メインCPU101は、ステップS119の小当り判定の結果が小当りであるかを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りであると判定した場合には、ステップS610に処理を移す。メインCPU101は、小当り判定の結果が小当りではないと判定した場合には、ステップS606に処理を移す。
ステップS606において、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口開放回数カウント値と大入賞口開放回数上限値以上とを比較して、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。メインCPU101は、大入賞口開放回数カウント値が入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、ステップS610に処理を移す。一方、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウント値が入賞口開放回数上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS607に処理を移す。
ステップS607において、メインCPU101は、開放時間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS608に処理を移す。
ステップS608において、メインCPU101は、制御状態フラグとして大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(05H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS609に処理を移す。
ステップS609において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、ラウンド間表示コマンドをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS610において、メインCPU101は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS611に処理を移す。
ステップS611において、メインCPU101は、制御状態フラグとして当り終了インターバル処理を示す値(06H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、メインCPU101は、ステップS612に処理を移す。
ステップS612において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドをセットする処理を行う。具体的には、当り判定の結果が大当りの場合には大当り終了表示コマンドがセットされ、当り判定の結果が小当りの場合には小当り終了表示コマンドがセットされる。大当り終了表示コマンド及び小当り終了表示コマンドは、主制御回路100のメインCPU101からサブ制御回路200のサブCPU201に供給される。この処理が終了した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
[当り終了インターバル処理]
以下では、図22を用いて、図13のステップS107において実行されるサブルーチン(当り終了インターバル処理)について説明する。
最初に、ステップS700において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定した場合には、ステップS701に処理を移行する。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS701において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)である場合に、当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS702に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS702において、メインCPU101は、メインRAM103の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS703に処理を移す。
ステップS703において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄及び遊技状態に応じた制御データをセットする処理を行う。具体的には、制御データとして、通常遊技状態、確変状態等の遊技状態がセットされる。また、メインCPU101は、サブ制御回路200に当り終了コマンドを送信する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
以下では、図23を用いて、図13のステップS108において実行されるサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について説明する。
最初に、ステップS710において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、ステップS711に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS711において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[サブ制御回路の動作説明]
以下では、サブ制御回路200の処理について説明する。サブ制御回路200は、主制御回路100から送信された各種のコマンドを受信し、サブCPU201により表示処理等の種々の処理を行う。
[サブ制御メイン処理]
まず、図24を用いて、サブ制御回路200のサブCPU201によって行われるサブ制御メイン処理について説明する。
ステップS1101において、サブCPU201は、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、ワークRAM203の作業領域を初期化する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1102に処理を移す。
ステップS1102において、サブCPU201は、乱数値更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶される乱数値(例えば、演出決定用乱数値や、大当り演出決定用乱数値、停止図柄決定用乱数値等)を更新する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1103に処理を移す。
ステップS1103において、サブCPU201は、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1104に処理を移す。
ステップS1104において、サブCPU201は、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン62を用いた演出の制御を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1105に処理を移す。
ステップS1105において、サブCPU201は、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に表示を行うためのデータを、表示制御回路204に送信する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1106に処理を移す。
なお、表示制御回路204においては、サブCPU201からデータを受信すると、当該表示制御回路204のVDPが、受信したデータに基づいて、識別図柄のデータや、背景画像データ、演出用画像データ等の各種の画像データを、画像データROMから読み出す。VDPは、画像データROMから読み出した各種の画像データを重ね合わせ、液晶表示装置16の表示領域に表示させる。
ステップS1106において、サブCPU201は、音・ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ24から発生させる音の制御や、ランプ25等の各種のランプの発光制御を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1107に処理を移す。
ステップS1107において、サブCPU201は、役物制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、役物制御回路207を介して各役物1000,1100,1200,1300,1400の動作(機械的な動作や点灯動作)を制御する。このサブCPU201による各役物1000,1100,1200,1300,1400の動作の制御処理が終了した場合には、再びステップS1102の乱数値更新処理に処理を移す。
[タイマ割り込み処理]
図24に示すサブ制御メイン処理を行っている状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を行う場合がある。以下では、図25を用いて、サブCPU201によって行われるタイマ割り込み処理について説明する。
ステップS1201において、サブCPU201は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1202に処理を移す。
ステップS1202において、サブCPU201は、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されるタイマを更新する。具体的には、サブCPU201は、ラウンド演出等のタイマを更新する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1203に処理を移す。
ステップS1203において、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン62の操作による演出ボタンスイッチ310の入力の有無を検出する。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1204に処理を移す。
ステップS1204においては、サブCPU201は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS201で退避した値を各レジスタに復帰させる。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割り込み処理]
図24に示すサブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を行う場合がある。以下では、図26を用いて、サブCPU201によって行われるコマンド割り込み処理について説明する。
ステップS1301においては、サブCPU201は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1302に処理を移す。
ステップS1302において、サブCPU201は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1303に処理を移す。
ステップS1303においては、サブCPU201は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS1301で退避した値を各レジスタに復帰させる。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
以下では、図27及び図28を用いて、図23のステップS1103において行われるサブルーチン(コマンド解析処理)について説明する。
ステップS1401において、サブCPU201は、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS1402に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドなしと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1402において、サブCPU201は、受信したコマンドの読み出し処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信バッファに格納されているコマンドを読み出す。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、ステップS1403に処理を移す。
ステップS1403において、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口入賞コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口入賞コマンドであると判定した場合には、ステップS1404に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口入賞コマンドではない判定した場合には、ステップS1405に処理を移す。
ステップS1404において、サブCPU201は、大当り中の獲得数カウンタ及び総獲得数カウンタを更新する処理を行う。このように、サブCPU201は、大入賞口540への遊技球の入賞によって遊技者が獲得した賞球数(遊技球の獲得数)に関するデータを取得することができる。なお、大当り中の獲得数カウンタ及び総獲得数カウンタは、大当り遊技の開始を区切りとしてカウント(計数)が開始される。こうして、大当り又は小当りが行われるごとに、賞球数に関するデータが取得される。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1405において、サブCPU201は、受信コマンドが特別図柄指定コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが特別図柄指定コマンドであると判定した場合には、ステップS1406に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが特別図柄指定コマンドではないと判定した場合には、ステップS1407に処理を移す。
ステップS1406において、サブCPU201は、特別図柄指定コマンドに基づいて停止図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1407において、サブCPU201は、受信コマンドが特図変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが特図変動パターン指定コマンドであると判定した場合には、ステップS1408に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが特図変動パターン指定コマンドではないと判定した場合には、ステップS1409に処理を移す。
ステップS1408において、サブCPU201は、特図変動パターン指定コマンド、停止図柄及び抽出した演出決定用乱数値に基づいて、演出パターンを決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1409において、サブCPU201は、受信コマンドが当り開始コマンド(大当り開始コマンド、小当り開始コマンド)であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが当り開始コマンド(大当り開始コマンド、小当り開始コマンド)であると判定した場合には、ステップS1410に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが当り開始コマンド(大当り開始コマンド、小当り開始コマンド)ではないと判定した場合には、ステップS1411に処理を移す。
ステップS1410において、サブCPU201は、大当り開始演出を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1411において、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口開放中演出表示コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口開放中演出表示コマンドであると判定した場合には、ステップS1412に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが大入賞口開放中演出表示コマンドではないと判定した場合には、ステップS1413に処理を移す。
ステップS1412において、サブCPU201は、大入賞口開放中の演出を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1413において、サブCPU201は、受信コマンドがラウンド間表示コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドがラウンド間表示コマンドであると判定した場合には、ステップS1414に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドがラウンド間表示コマンドではないと判定した場合には、ステップS1415に処理を移す。
ステップS1414において、サブCPU201は、ラウンド間の演出を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1415において、サブCPU201は、受信コマンドが当り終了表示コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが当り終了表示コマンドであると判定した場合には、ステップS1416に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが当り終了表示コマンドではないと判定した場合には、ステップS1417に処理を移す。
ステップS1416において、サブCPU201は、大当り終了時の演出を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1417において、サブCPU201は、受信コマンドが時短終了コマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドが時短終了コマンドであると判定した場合には、ステップS1418に処理を移す。一方、サブCPU201は、受信コマンドが時短終了コマンドではないと判定した場合には、ステップS1419に処理を移す。
ステップS1418において、サブCPU201は、時短フラグクリア、時短表示終了等の制御を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1419において、サブCPU201は、受信したその他のコマンドに対応した処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
[遊技球の流れ]
以下では、図29〜図31を用いて、遊技領域20に向けて発射された遊技球の流れについて説明する。図29は、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す図の一例である。図30は、普通電動役物460の羽根部材4620が閉鎖されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す図の一例である。図31は、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が左側領域を流下する態様を示す図の一例である。
上述したとおり、アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。そのため、大当り遊技状態では、所謂右打ちが行われる。シャッタ610により大入賞口540が開放状態であるときは、右打ちされた遊技球は大入賞口540に入賞しやすい。また、大当り遊技状態でなくとも、電サポ中にも右打ちが行われる。
しかし、遊技者が右打ちした場合、右側領域を流下した遊技球については、大入賞口540に入賞しなかった時点で期待感が喪失し、そのままアウト口57に流入することを待つだけの状態となってしまう。そのため、右打ちされた遊技球が大入賞口540に入賞しなかった時点で遊技者は不利益を感じ、興趣が低下する原因となっていた。とくに、近年は液晶表示装置16の大型化が要求されており、遊技領域20内にアタッカユニット500等を配置できる場所が制限されているのが現状である。そのため、液晶表示装置16の大型化の要求にこたえるためには、本実施形態のパチンコ遊技機1のように、遊技領域20の下部にアタッカユニット500を配置せざるを得ない。アタッカユニット500を遊技領域20内の下部に配置した場合、右打ちされた遊技球が大入賞口540に入賞しなければ、そのままアウト口57に流入してしまうことがより顕著となる。
この点、本実施形態のパチンコ機1では、上述したように、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置している。さらに加えて、アタッカユニット500が遊技球誘導部材580を備えるようにしている。この遊技球誘導部材580は、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、誘導釘700も含めて、アウト口57が配置される遊技領域20の中央を超えて左側領域に配置された羽根部材4620の上流まで導くものであり、遊技球の流下方向に向けての大入賞口540の延長線上に延設された遊技球の通り道を形成する部材である。ここで、「羽根部材4620の上流」は、羽根部材4620が開放していれば第二始動口440への遊技球の受け入れが可能となる領域(以下、この明細書において「第二始動口受入領域」と称する)である。この第二始動口受入領域は、例えば、図30において、羽根部材4620の上方に位置する遊技球223の周辺領域である。
なお、遊技領域20には、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞せずに当該大入賞口540の出側まで至った遊技球の流下経路として、遊技球誘導部材580の出側部とアウト口57とを結ぶ流下経路が誘導釘700によって形成されている。そして、この流下経路を流下する遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、必ず、第二始動口受入領域を経由するようになっている。
上述したとおり、本実施形態のパチンコ機1では、大当り遊技状態の終了を契機として普通図柄判定が高確率状態に移行するため、時短状態中は電サポ状態であり、高い頻度で羽根部材4620が開放される。
図29に示すように、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているとき、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球が大入賞口540に入賞しなかった場合、当該遊技球は遊技球誘導部材580及び誘導釘700によって普通電動役物460の羽根部材4620の上流である第二始動口受入領域まで必ず導かれる。
右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、必ず羽根部材4620の上流である第二始動口受入領域まで導かれるため、第二始動口受入領域まで遊技球が導かれたときに普通電動役物460の羽根部材4620が開放されていれば、アウト口57に流入することなく、羽根部材4620に受け入れられ、第二始動口440に入賞する可能性が高くなっている。すなわち、羽根部材4620が閉鎖されているときは、上述したとおりアウト口57が遊技領域20の最下流位置となるが、羽根部材4620が開放されているときは、アウト口57に代えて第二始動口440が最下流位置となる。このように、羽根部材4620は、遊技領域20における最下流位置を変更する機能を有する。
このように、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球が大入賞口540に入賞しなかったとしても、当該遊技球が第二始動口受入領域(羽根部材4620の上流)までは必ず導かれるので、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣を高めることができる。
とくに、電サポ状態では右打ちが行われる。そのため、電サポ中は大入賞口540が開放状態とはならないものの、羽根部材4620によって最下流位置がアウト口57から第二始動口440に変更されるため、電サポ状態での遊技の進行が促進され、興趣を高めることができる。
ところで、図30に示されるように、普通電動役物460の羽根部材4620が閉鎖されているときは、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、必ず羽根部材4620の上流まで導かれるものの、羽根部材4620と誘導釘700との間(すなわち誘導釘700の左側)を通ってアウト口57に流入される。
なお、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球のうち大入賞口540に到達しなかった遊技球(例えば、一般入賞口56の右側からアウト口57へ続く流下通路を流下した遊技球)は、アウト口57へと導かれるように構成してもよい。このとき、右打ちされた遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなかった遊技球として、大入賞口540に到達したものの入賞しなかった遊技球と、大入賞口540に到達せずに入賞しなかった遊技球とが存在するが、いずれの遊技球も羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよいし、いずれか一方の遊技球のみ羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよい。
ところで、図31に示すように、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)は、一般的には、第一始動口5442又は一般入賞口53,54,55に入賞するか、アウト口57又はアウト口450に流入する。遊技球が左打ちされたのち、第一始動口5442に向かう流路222を転動する遊技球224については第一始動口5442への入賞期待感が継続するが、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった遊技球2226については、従来のパチンコ機では第一始動口(本実施の形態の第一始動口5442に相当)への入賞期待感が喪失してしまう。また、第一始動口5442に向かう流路222を転動した遊技球224であっても、第一始動口5442に入賞しなかった場合にはその時点で入賞期待感が喪失してしまう。本実施形態では、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)が、第一始動口5442に向かう流路222を転動したものの第一始動口5442に入賞しなかった場合、及び、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった場合のいずれであっても、これらの遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、第二始動口受入領域(普通電動役物460の羽根部材4620の上流)を必ず経由する。上述したように、羽根部材4620の上流は、羽根部材4620が開放していれば第二始動口440への遊技球の受け入れが可能となる領域(第二始動口受入領域)であるから、第一始動口5442に向かう流路222を転動したものの第一始動口5442に入賞しなかった場合、及び、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった場合のいずれであっても、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、通過ゲート49が右側領域に配置されているため、左打ちされたときには普通電動役物460の羽根部材4620が開放される期待感は低い。ただし、大当り遊技状態又は時短状態が終了した直後は、普通図柄の変動表示が保留されていることがある。また、遊技者が左打ちを行っていたとしても、勢いよく遊技領域20に飛び出した遊技球は、右側領域を流下することもある。そのため、たとえ通常遊技状態であっても、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されることが稀にある。しかも、誘導釘700は、右側領域を流下した遊技球のみならず左側領域を流下した遊技球が勢い余って誘導部材700側まで転動した遊技球についても、ただちにアウト口57に流入することを抑制する機能を有するため、羽根部材4620が開放されていれば第二始動口440に入賞する可能性がある。そのため、左打ちされた遊技球について第一始動口5442や一般入賞口53,54,55への入賞期待感が喪失してしまったとしても、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣の低下を抑制することができる。
本実施形態では、通過ゲート49が右側領域に配置されているが、これに代えて、左側領域に通過ゲート491を配置するようにしてもよい。この場合、通過ゲート49が右側領域に配置されている場合と比べて普通電動役物460の羽根部材4620が開放される頻度が高められる可能性がある。そのため、左打ちされた遊技球について第一始動口5442への入賞期待感が喪失してしまったとしても、第二始動口440への入賞に関し、より高い期待感をもって継続させることが可能となる。
なお、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)のうち、普通電動役物ユニット400の上方に到達しなかった、または第一始動口5442に到達しなかった遊技球として、例えば普通電動役物ユニット400の下方に存在するアウト口450(例えば、図3,図66参照)またはアウト口57へと続く流下通路を流下した遊技球が存在するように構成してもよい。このとき、左打ちされた遊技球のうち、第一始動口5442に入賞しなかった遊技球として、普通電動役物ユニット400の上方または第一始動口5442に到達しなかった遊技球と、普通電動役物ユニット400の上方または第一始動口5442付近まで到達したものの入賞しなかった遊技球とが存在するが、いずれの遊技球も羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよいし、いずれか一方の遊技球のみ羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよい。
また、左打ちした遊技球(左側領域を流下した遊技球)のうち大入賞口540の方向へ転動した遊技球が遊技球誘導部材580を転動した場合、当該遊技球が大入賞口540のシャッタ610または遊技球誘導部材580に設けられたリブに衝突して第一始動口5442に入賞するか、アウト55またはアウト口450に流入するように構成されている。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、必ず、アウト口57が配置される遊技領域20の中央を超えて左側領域の第二始動口受入領域まで導く遊技球誘導部材580を備えている。ただし、遊技球誘導部材580は、このような遊技球(右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球)を、必ずしも第二始動口受入領域まで導く機能を有する必要はなく、遊技領域20の中央を超えて左側領域まで導くことにとどまるものであっても良い。例えば、遊技球誘導部材580は、このような遊技球を左側領域まで導く機能は有するものの、左側領域に導かれた遊技球がさらに第二始動口受入領域を含む複数の領域に振り分けられるような構成となっているものが相当する。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、遊技球誘導部材580によって左側領域に導かれるようになっているが、必ずしも遊技球誘導部材580は必須でなく、例えば、右打ちされ且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、誘導釘のみで左側領域に導くような構成であっても良い。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞せずに当該大入賞口540の出側まで至った遊技球の流下経路として、遊技球誘導部材580の出側部とアウト口57とを結ぶ流下経路が形成されており、この流下経路を流下する遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、必ず、第二始動口受入領域を経由するようになっている。本実施形態では、第二始動口440が左側領域に形成されているため、上記流下経路を流下する遊技球は、必ず左側領域にまで導かれることとなる。しかし、上記経路を流下する遊技球がアウト口57に至るまでの間に必ず第二始動口受入領域を経由するといった思想に鑑みれば、このような場合において、第二始動口440が左側領域に配置されていることは必須ではない。
[裏ユニットの構成]
以下では、図32〜図37を用いて、裏ユニット176の構成について説明する。図32は、裏ユニット176の正面図の一例である。図33は、裏ユニット176の背面図の一例である。図34は、裏ユニット176を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図35は、裏ユニット176を背面左斜め上から見た斜視図の一例である。図36は、裏ユニット176を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図37は、裏ユニット176を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上述したとおり、裏ユニット176は、上部前面役物1000と、上部背面役物1100と、下部役物1200と、コーナー役物1300と、サイド役物1400と、中パネル1500と、アタッカ球樋1600と、主基板ケース1700と、リアボックス1800とを少なくとも備える。なお、コーナー役物1300は、上部コーナー役物1320と、下部コーナー役物1350とを備える。
リアボックス1800は、箱型の形状であり、略中央には開口1820が形成されている。この開口1820には、液晶表示装置16等が配置される。
上部背面役物1100(詳しくは、後述するベース部材1180(例えば、図84参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも上部に取付固定される。上部背面役物1100についての詳細は後述する。
下部役物1200(詳しくは、後述する下部役物固定ベース1220(例えば、図92参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも下部に取付固定される。下部役物1200についての詳細は後述する。
サイド役物1400(詳しくは、後述する取付プレート1410(例えば、図116参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも右側部に取付固定される。サイド役物1400についての詳細は後述する。
上部コーナー役物1320(例えば、図100参照)は、上部背面役物可動装飾体110よりも前方側となるように、第1可動体1330が液晶表示装置16の左上角部に、第2可動体1340が液晶表示装置16の右上角部に、それぞれ位置するようにリアボックス1800に取付固定される。下部コーナー役物1350は、下部役物1200よりも前方側となるように、第3可動体1355が液晶表示装置16の左下角部に、第4可動体1357が液晶表示装置16の右下角部に、それぞれ位置するようにリアボックス1800に取付固定される。第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357は、前後方向に略同じ位置となるように配置される。上部コーナー役物1320についての詳細は後述する。
上部前面役物1000(詳しくは、後述する装飾役物ベース部材1010(例えば、図84参照))は、上部背面役物1000よりも前方側に配置されるように、リアボックス1800に取付固定される。上部前面役物1000についての詳細は後述する。
中パネル1500は、透明パネル172の背面の遊技領域20の一部に対応する領域に配置されるものであり、第一中パネル1520と第二中パネル1550とを備える。第一中パネル1520は、前面に絵柄や模様が施された板状部材であり、透明パネル172を介して前面に施された絵柄や模様を視認することができる。第二中パネル1550は、詳細は後述するが、環状の開口窓1552を有する板状部材であり、所定の条件が成立すると、開口窓に所定の絵が浮かび上がるように構成されている。第二中パネル1550についての詳細は後述する。
アタッカ球樋1600は、一般入賞口56に入賞した遊技球を受け入れてパチンコ遊技機1の外部に排出する樋状のものである。本実施形態のパチンコ機1では、大入賞口540に入賞した遊技球と合流してパチンコ機1の外部に排出されるようになっている。
主基板ケース1700には、ランプ中継基板1710及び主制御中継基板1720等が収容されている。
裏ユニット176は、さらに、第一飾り意匠1900及び第二飾り意匠1920を備える。第一飾り意匠1900は、上部背面役物1100の前面側の右側に取り付けられている。第二飾り意匠1920は、上部背面役物1100の前面側の左側に取り付けられている。第一飾り意匠1900及び第二飾り意匠1920は、前面に装飾が施されており、いずれも可動することなく意匠的機能を有するものである。
[アタッカユニット]
以下では、図38〜図49を用いて、アタッカユニット500の構成について詳細に説明する。
アタッカユニット500は、ベース部材510、前側板部520、誘導路530、大入賞口540、後側ケース550及び特別電動役物600を具備する。
図38〜図43、並びに図45及び図46に示すベース部材510は、アタッカユニット500の基礎となる部材である。ベース部材510は、細長い略平板状に形成される。ベース部材510は、長手方向を左右方向へ向けると共に、その板面を前後方向へ向けて配置される。ベース部材510には、アタッカユニット500を構成する各種の部材が取り付けられる。ベース部材510には、スリット511が形成される。
スリット511は、ベース部材510を前後方向に貫通して形成される。スリット511は、ベース部材510の上部に、正面視で右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。スリット511には、後述するシャッタ610(より詳細には、シャッタ610の誘導部611)が配置される。
図38〜図42、及び図44に示す前側板部520は、アタッカユニット500の前端部に配置される部材である。前側板部520は、ベース部材510と略同一の形状かつ大きさに形成される。前側板部520は、その板面を前後方向へ向けて配置される。前側板部520は、ベース部材510と前後方向に対向し、当該ベース部材510から前方に離間した状態で配置される。こうして、前側板部520とベース部材510との間には、遊技球が入り込むことが可能な程度の隙間(以下では、「特電役物空間R2」と称する)が形成される。なお、特電役物空間R2は、正面視で前側板部520及びベース部材510と略同一の形状且つ大きさに形成される。前側板部520は、ネジ等を介してベース部材510に取り付けられる。前側板部520は、透明な樹脂材料により形成され、当該前側板部520の後方を遊技者に視認可能としている。
図38、図40〜図46に示す誘導路530は、移動してきた遊技球を所定方向へ適宜誘導するものである。誘導路530は、シャッタ610、及び前側板部520から後方へと立設された略板状の部材(壁部)によって形成される。誘導路530には、第一誘導路531、第二誘導路532及び第三誘導路533が含まれる。
なお、上述の如く誘導路530(より詳細には、第一誘導路531)は、シャッタ610により形成される。ここで、シャッタ610は、後述するように、スリット511を介して、ベース部材510に対して前後方向に進退可能に構成される。このようなシャッタ610の構成において、第一誘導路531は、当該シャッタ610がベース部材510に対して前方に進出した場合に形成される。したがって、以下では便宜上、シャッタ610がベース部材510に対して前方に進出した状態(第一誘導路531が形成された状態)であるものとして説明を行う。
第一誘導路531は、特電役物空間R2の上端部近傍に配置される。第一誘導路531は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。第一誘導路531の左右方向(長手方向)の長さは、ベース部材510よりも若干短く形成される。第一誘導路531の左端部は、特電役物空間R2の左端部近傍に形成される。第一誘導路531の右端部は、特電役物空間R2の右端部近傍に形成される。このように構成された第一誘導路531は、移動してきた遊技球を右方から左方へと誘導する。第一誘導路531は、減速リブ534を具備する。
減速リブ534は、第一誘導路531により誘導(移動)される遊技球の移動速度を減少させるもの(減速手段)である。減速リブ534は、ベース部材510から前方へ突出される複数の後側突起534aと、前側板部520から後方へと突出される複数の前側突起534bと、により構成される。本実施形態においては、後側突起534aは、6つ設けられる。また、前側突起534bは、5つ設けられる。これらの複数の後側突起534a及び前側突起534bは、第一誘導路531の延出方向(左右方向)に沿ってそれぞれ互いに適宜の間隔をあけて配置される。なお、前記適宜な間隔とは、少なくとも遊技球の直径よりは長くなるように設定される。また、これらの複数の後側突起534a及び前側突起534bは、正面視で重複しないように(前後方向に対向せず、左右方向にずれるように)配置される。
このような第一誘導路531の構成により、(当該第一誘導路531により移動される)遊技球は、後側突起534a及び前側突起534bに衝突しながら、平面視でジグザグ状に移動するため(遊技球のスムーズな移動が規制されるため)、その移動速度が減少することとなる。
このように、第一誘導路531により移動される遊技球の移動速度を減少させると、当該第一誘導路531上に複数の遊技球が移動している状況を作り出すことができる。このように、第一誘導路531上に複数の遊技球が移動している状況になった場合、シャッタ610が1回開けられるただけで、複数の遊技球を第三誘導路533へと案内し、大入賞口540に入賞させることができる。すなわち、大当り遊技におけるラウンド消化を素早く行うことができる。また、シャッタ610の開放時間が短くても、シャッタ610上に多くの遊技球が滞留していれば、多くの入賞を発生させることができる。また、一度に多くの遊技球を入賞させることができるため、大当り遊技の1回のラウンドにおける入賞可能数以上の入賞(いわゆるオーバー入賞)を発生させやすい。
第二誘導路532は、特電役物空間R2において第一誘導路531の直ぐ右方に配置される。第二誘導路532は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。なお、第二誘導路532の傾斜角度は、第一誘導路531の傾斜角度と略同一に形成される。こうして、第二誘導路532は、第一誘導路531と合わせて、右方から左方へと緩やかに傾斜する1つの略直線状の誘導路として構成される。このように構成された第二誘導路532は、移動してきた遊技球を右方から左方(第一誘導路531側)へと誘導する。
第三誘導路533は、上下方向において特電役物空間R2の略中央部に配置される。第三誘導路533は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。第三誘導路533は、第一誘導路531の下方に配置される。第三誘導路533は、正面視で第一誘導路531と略同一の形状且つ大きさに形成される。
また、図46等に示すように、第三誘導路533の左端部と第一誘導路531の左端部との間には、当該第三誘導路533と接続された壁部が配置される。また、第三誘導路533の右端部と第二誘導路532の右端部との間は、当該第三誘導路533と接続された壁部が配置される。こうして、第三誘導路533は、正面視で凹状に形成される。
このように構成された第三誘導路533は、移動してきた遊技球を右方から左方(大入賞口540側)へと誘導する。第三誘導路533は、ガイド部535を具備する。
ガイド部535は、第三誘導路533の最下部に形成される。ガイド部535は、平面視で略三角形状の板状の部材である。ガイド部535は、第三誘導路533により誘導(移動)されてきた遊技球を後方へ誘導可能に構成される。
図42、図43、図45及び図46に示す大入賞口540は、ベース部材510が前後方向に貫通することにより形成される。大入賞口540は、第三誘導路533の最下部の後方(ガイド部535の後方)に形成される。大入賞口540は、カウントスイッチ541を具備する。図42に示すように、カウントスイッチ541は、大入賞口540の後下方に配置される。
図38、図40〜図42、図46、図48及び図49に示す後側ケース550は、特別電動役物600を構成する各種の部材(シャッタ610、大入賞口ソレノイド620及びリンクアーム630等)を収容するものである。後側ケース550は、平面視で略矩形状の中空の略箱状に形成される。図48に示すように、後側ケース550は、平面視で略矩形状に形成された略平板状の載置部551によって、上側の空間と下側の空間とが区画される。すなわち、後側ケース550は、載置部551によって2階建て構造に形成され、上側の空間及び下側の空間それぞれに所定の部材が配置される。具体的には、前記上側の空間には、シャッタ610及びリンクアーム630等が配置される。また、前記下側の空間には、大入賞口ソレノイド620等が配置される。後側ケース550は、ネジ等を介してベース部材510の後側面に取り付けられる。後側ケース550の内部と外部(ベース部材510の前方)とは、スリット511を介して連通される。
[特別電動役物]
以下では、図50〜図65を用いて、第二実施形態に係る特別電動役物6000の構成について詳細に説明する。
なお、特別電動役物6000は、遊技球の大入賞口540への入賞が容易な状態(開放状態)と遊技球の大入賞口540への入賞が困難な状態(閉鎖状態)と、を切り替えるために動作する部材であるが、以下では特に断りが無い限り、閉鎖状態であるものとして各種の部材の配置構成等を説明する。
特別電動役物6000は、図50〜図52に示すように、収容部6001、シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005を具備する。
図50〜図53に示す収容部6001は、特別電動役物6000を構成する各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005等)を収容する部材である。収容部6001は、上側及び前側が開放された略箱状に形成される。収容部6001は、ネジ等を介してベース部材510(図38等参照)の後側面に取り付けられる。収容部6001は、連通開口部6011、支持軸6012、ボス部6013及び誘導開口部6014を具備する。
連通開口部6011は、収容部6001の上側と下側とを連通させるものである。連通開口部6011は、収容部6001の右部に形成される。連通開口部6011は、収容部6001を上下方向に貫通するように形成される。連通開口部6011は、平面視で後述するボス部6013の後方から右方までを囲うように形成される。
支持軸6012は、後述するリンクアーム6004を回動自在に支持するものである。支持軸6012は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。支持軸6012は、上方へ向けて突出するように形成される。支持軸6012は、収容部6001の右後部であって、連通開口部6011の後方に形成される。
ボス部6013は、後述する規制部材6005を回動自在に支持するものである。ボス部6013は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。ボス部6013は、上方へ向けて突出するように形成される。ボス部6013は、平面視で収容部6001の中央近傍(中央から若干右方)であって、連通開口部6011の左前方に形成される。なお、図50〜図52等、適宜の図面において、ボス部6013は、規制部材6005を支持するためネジが取り付けられた状態を図示している。
誘導開口部6014は、後述する規制部材6005の誘導軸6056を挿通させるものである。より詳細には、後述するように、規制部材6005の誘導軸6056の移動(変位)経路を規定するものである。誘導開口部6014は、平面視で収容部6001の中央近傍(中央から若干右方であって、且つボス部6013の左方)に形成される。誘導開口部6014は、収容部6001を上下方向に貫通するように形成される。誘導開口部6014は、長手方向の一端部から他端部までの中途で屈曲した平面視で略L字状に形成される。より詳細には、図53(a)に示すように、誘導開口部6014は、第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017を具備する。
第一誘導開口部6016は、左右方向に略直線状に延びるように形成される。第一誘導開口部6016は、ボス部6013の中心Pに対して、前後方向において後方に形成される。なお、第一誘導開口部6016の左右方向の長さは、後述する大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の左右方向の長さと略同一となるように形成される。
第二誘導開口部6017は、平面視で円弧状に延びるように形成される。より詳細には、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の中心Pを中心とした仮想円の一部と重複するように形成される(図53(a)の一点鎖線の矢印参照)。こうして、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の近傍において、平面視で当該ボス部6013の外形に沿って延びるように形成される。第二誘導開口部6017の後端部は、第一誘導開口部6016の左端部と接続される。第二誘導開口部6017の前端部は、ボス部6013の中心Pに対して、前後方向において前方に形成される。
図50〜図52に示すシャッタ6002は、後述する大入賞口ソレノイド6003からの動力によって大入賞口540の開閉を行う部材(開放状態と閉鎖状態とを切り替える部材)である。なお、シャッタ6002の構成は、第一実施形態に係る特別電動役物600のシャッタ610と略同様である(図46や図47(c)等参照)。シャッタ6002は、細長板部6021、接続板部6022及び連結軸6023を具備する。
細長板部6021は、第一誘導路531(図46等参照)を形成する部材である。細長板部6021は、細長い略平板状に形成される。細長板部6021は、平面視で長手方向を左右方向へ向けると共に、正面視で左下がりとなるように(上側面が左上方を向くように)形成される。
接続板部6022は、細長板部6021と後述する連結軸6023とを接続する部材である。接続板部6022は、平面視で略矩形の平板状に形成される。接続板部6022は、細長板部6021の左右方向における中央部から後方へ向けて延びるように形成される。
連結軸6023は、後述するリンクアーム6004と連結されるものである。連結軸6023は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6023は、上方へ向けて突出するように形成される。連結軸6023は、接続板部6022の後端部近傍に形成される。
このような構成のシャッタ6002は、細長板部6021がスリット511(図46等参照)に後方から挿入されると共に、接続板部6022が収容部6001の底面に載置された状態で当該収容部6001に収容される。シャッタ6002は、収容部6001に対して前後方向にスライド移動自在に構成される。
図51及び図52、図54に示す大入賞口ソレノイド6003は、シャッタ6002を駆動するための部材である。大入賞口ソレノイド6003は、ソレノイド収容部6031、動力発生部6032、プランジャ6033、動力伝達部6034及びスプリング6035を具備する。
ソレノイド収容部6031は、大入賞口ソレノイド6003を構成する各種の部材を収容する部材である。ソレノイド収容部6031は、上側が開口された略箱状に形成される。ソレノイド収容部6031は、長手方向を左右方向へ向けて配置される。ソレノイド収容部6031は、収容部6001に下方から取り付けられる。
動力発生部6032は、大入賞口ソレノイド6003の動力を発生させる部材である。動力発生部6032は、図示せぬコイルや固定鉄心等から構成される。動力発生部6032は、所定の電源からの通電に応じて、後述するプランジャ6033を吸引することができる。動力発生部6032は、略円筒状に形成される。動力発生部6032は、長手方向(軸心方向)を左右方向へ向けて、ソレノイド収容部6031の内側(左部)に収容される。
プランジャ6033は、略棒状に形成された部材(可動鉄心)である。プランジャ6033は、長手方向(軸心方向)を左右方向へ向けて配置される。プランジャ6033は、動力発生部6032から右方へ延びるように配置される。プランジャ6033は、動力発生部6032に対して左右方向に往復移動可能に構成される。
動力伝達部6034は、大入賞口ソレノイド6003で発生された動力を、他の部材(具体的には、リンクアーム6004)へと伝達する部材である。動力伝達部6034は、略直方体状に形成される。動力伝達部6034は、ソレノイド収容部6031の内側(右部)に収容され、プランジャ6033の右端部に取り付けられる。動力伝達部6034は、連結開口部6036及び連結突起部6037を具備する。
連結開口部6036は、後述するリンクアーム6004と連結されるものである。連結開口部6036は、平面視で動力伝達部6034の右部に形成される。連結開口部6036は、動力伝達部6034を上下方向に貫通するように形成される。
連結突起部6037は、後述する規制部材6005と連結されるものである。連結突起部6037は、上方に突き出るように形成された一対の板状部分により形成される。前記一対の板状部分は、それぞれ左右に互いに平行となるように形成される。このような構成により、連結突起部6037は、前記一対の板状部分の間に前後方向へ向けて延びる隙間を有する。連結突起部6037は、動力伝達部6034の左後端部に形成される。なお以下では、連結突起部6037とは、前記隙間を指すものとする。
スプリング6035は、いわゆる圧縮コイルばねである。スプリング6035は、プランジャ6033が挿通され、常に圧縮された状態で動力発生部6032と動力伝達部6034との間に配置される。こうして、スプリング6035は、プランジャ6033(動力伝達部6034)に対して常に右方への付勢力を与えている。
このような構成の大入賞口ソレノイド6003においては、動力発生部6032に通電が行われていない場合には、プランジャ6033がスプリング6035の付勢力により右方へ移動する。一方、動力発生部6032に通電が行われている場合には、動力発生部6032の吸引力によってプランジャ6033がスプリング6035の付勢力に抗って左方へ移動する。このように、大入賞口ソレノイド6003においては、動力発生部6032への通電を入り切りすることによって、プランジャ6033を動力発生部6032に対して左右方向に往復移動させ、動力を発生させることができる。
なお、本実施形態においては、プランジャ6033が右方へ移動している場合(すなわち、動力発生部6032に通電が行われていない場合)、シャッタ6002が前方へとスライド移動することにより、遊技球の大入賞口540への入賞が困難な状態(閉鎖状態)となる。一方、プランジャ6033が左方へ移動している場合(すなわち、動力発生部6032に通電が行われている場合)、シャッタ6002が後方へとスライド移動することにより、遊技球の大入賞口540への入賞が容易な状態(開放状態)となる。
図50〜図52、図55に示すリンクアーム6004は、大入賞口ソレノイド6003とシャッタ6002とを連動可能に連結(連動連結)し、大入賞口ソレノイド6003からの動力をシャッタ6002へと伝達する部材である。リンクアーム6004は、概ね左右方向に延びた部分(第一リンク延出部6041)と概ね前後方向に延びた部分(第二リンク延出部6042)とにより、平面視で略L字状に形成される。リンクアーム6004は、中央筒部6043、連結開口部6044、連結軸6045及び規制突起部6046を具備する。
中央筒部6043は、収容部6001の支持軸6012に挿通されるものである。中央筒部6043は、平面視でリンクアーム6004の略中央(第一リンク延出部6041と第二リンク延出部6042との接続部)に形成される。中央筒部6043は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。なお、中央筒部6043に支持軸6012が挿通されると、リンクアーム6004が平面視で中央筒部6043を中心として時計回り又は反時計回りに回動自在に軸支される。
連結開口部6044は、シャッタ6002の連結軸6023に挿通されるものである。連結開口部6044は、第一リンク延出部6041の左(先)端部に形成される。連結開口部6044は、第一リンク延出部6041を上下方向に貫通するように形成される。連結開口部6044は、先端部側から基端部側(中央筒部6043側)へと直線状に延びた長孔状に形成される。連結開口部6044の平面視における短手方向の長さは、シャッタ6002の連結軸6023の外径と略同一となるように形成される。
連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036と連結されるものである。連結軸6045は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6045は、下方へ向けて突出するように形成される。連結軸6045は、第二リンク延出部6042の前(先)端部に形成される。連結軸6045の外径は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の内径(左右方向の長さ)よりも小さくなるように形成される。
規制突起部6046は、所定の場合に後述する規制部材6005の規制ブロック部6054と当接されるものである。規制突起部6046は、下方に突き出るような板状に形成される。規制突起部6046は、第一リンク延出部6041の基端部近傍であって、平面視で中央筒部6043の前左方に形成される。規制突起部6046の後側面は、後方へ向いた平面となるように形成される。
図50〜図52、図56に示す規制部材6005は、シャッタ6002が閉鎖状態である場合に、当該シャッタ6002の意図せぬ開放を規制するための部材である。規制部材6005は、中央筒部6053、規制ブロック部6054、連結軸6055及び誘導軸6056を具備する。
中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に挿通されるものである。中央筒部6053は、平面視で規制部材6005の略中央に形成される。中央筒部6053は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。また、中央筒部6053は、平面視で左右方向に延びた長孔状に形成される。
また、中央筒部6053の右後方には、平面視で広がるように延びた板状の部分(第一規制延出部6051)が形成される。また、中央筒部6053の左方には、平面視で広がるように延びた板状の部分(第二規制延出部6052)が形成される。こうして、中央筒部6053、第一規制延出部6051及び第二規制延出部6052は、互いの位置関係が平面視で略L字状に形成される。なお、中央筒部6053にボス部6013が挿通されると、規制部材6005が平面視で中央筒部6053を中心として時計回り又は反時計回りに回動自在に軸支される。
規制ブロック部6054は、所定の場合にリンクアーム6004の規制突起部6046と当接されるものである。規制ブロック部6054は、上方へ向けて突出された略直方体状(ブロック状)の部分である。規制ブロック部6054は、平面視で第一規制延出部6051の略中央(すなわち、中央筒部6053の右後方)に形成される。規制ブロック部6054の前側面は、前方へ向いた平面となるように形成される。
連結軸6055は、大入賞口ソレノイド6003と連結されるものである。連結軸6055は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6055は、下方へ向けて突出するように形成される。連結軸6055は、平面視で第一規制延出部6051の略中央(すなわち、中央筒部6053の右後方)に形成される。こうして、連結軸6055の軸心は、規制ブロック部6054の軸心と上下方向に概ね重複するように形成される。連結軸6055の外径は、動力伝達部6034の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)の幅よりも小さくなるように形成される。
誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014に挿通されるものである。誘導軸6056は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。誘導軸6056は、下方へ突出するように形成される。連結軸6055は、平面視で第二規制延出部6052の略中央(すなわち、中央筒部6053の左方)に形成される。誘導軸6056の外径は、誘導開口部6014(第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017)の平面視における短手方向の長さと略同一となるように形成される。
以下では、図50〜図52、図57〜図61を用いて、特別電動役物6000における、収容部6001、シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成について説明する。
なお、図60以降の図面において、収容部6001を破線で示しているが、支持軸6012、ボス部6013及び誘導開口部6014については、説明の便宜上、実線で示している。また、図60以降の図面において、リンクアーム6004を破線で示しているが、規制突起部6046については、説明の便宜上、実線で示している。また、図61以降の図面においては、説明の便宜上、各部材の構成の図示を簡略化している。
まず、収容部6001に対する各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005)の組み付け構成の概略について説明する。
シャッタ6002は、収容部6001の底面に載置される。こうして、シャッタ6002は、収容部6001に対して前後方向にスライド移動自在に配置される。
また、大入賞口ソレノイド6003は、収容部6001に下方から取り付けられる。こうして、収容部6001の上側と下側(大入賞口ソレノイド6003の動力伝達部6034)とが、連通開口部6011を介して連通される。
また、リンクアーム6004の中央筒部6043には、収容部6001の支持軸6012が下方から相対回転可能に挿通される。こうして、リンクアーム6004は、収容部6001に対して、収容部6001の支持軸6012を中心として平面視で時計回り又は反時計回りに回動自在に支持される。
また、規制部材6005の中央筒部6053には、収容部6001のボス部6013が下方から相対回転可能に挿通される。こうして、規制部材6005は、収容部6001に対して、収容部6001のボス部6013を中心として平面視で時計回り又は反時計回りに回動自在に支持される。
次に、各種の部材の組み付け構成の詳細について説明する。
上述の如く、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の連結軸6045は、収容部6001の連通開口部6011を介して、当該収容部6001の下方へと突出される。リンクアーム6004の連結軸6045は、収容部6001の下方において、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036に上方から挿通される。こうして、リンクアーム6004と大入賞口ソレノイド6003とが、連結軸6045と連結開口部6036を介して、連動可能に連結される。
なお、図61(a)に示すように、リンクアーム6004の連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の左側縁部と当接するように配置される。すなわち、リンクアーム6004の連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の右側縁部との間に、平面視で左右方向に隙間をあけて配置される。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の連結開口部6044には、シャッタ6002の連結軸6023が下方から挿通される。こうして、リンクアーム6004とシャッタ6002とが、連結開口部6044と連結軸6023を介して、連動可能に連結される。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の規制突起部6046は、規制部材6005の規制ブロック部6054と当接される。
なお、図61(a)に示すように、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と、規制部材6005の規制ブロック部6054の前側面とは、互いに平行となる平面であるため、(点接触ではなく)面接触している。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、図61(a)及び(b)に示すにように、収容部6001のボス部6013は、規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部と当接するように配置される。
また、規制部材6005が収容部6001のボス部6013に支持された状態において、規制部材6005の連結軸6055は、収容部6001の連通開口部6011を介して、当該収容部6001の下方へと突出される。規制部材6005の連結軸6055は、収容部6001の下方において、大入賞口ソレノイド6003の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)に上方から挿通される。こうして、リンクアーム6004と規制部材6005が、連結軸6055と連結突起部6037を介して、連動可能に連結される。
なお、図61(b)に示すように、規制部材6005の連結軸6055は、大入賞口ソレノイド6003の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)の前部に配置される。
また、規制部材6005が収容部6001のボス部6013に支持された状態において、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014に上方から挿通される。
なお、図61(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014の第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017のうち、第一誘導開口部6016内に位置するように(より詳細には、第一誘導開口部6016の右端部と当接するように)配置される。
このように、上述の如く規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部が収容部6001のボス部6013と当接している状態においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の右端部と当接している状態となる。
以下では、図61及び図65を用いて、シャッタ6002が閉鎖状態である場合における、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるシャッタ6002の意図せぬ開放(より詳細には、リンクアーム6004の意図せぬ回動及びシャッタ6002の意図せぬ移動)の規制について詳細に説明する。
なお、本実施形態において、シャッタ6002の意図せぬ開放とは、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じた開放ではなく、シャッタ6002に直接付与された外力(例えば、シャッタ6002への遊技球の衝突や、不正行為者によって行われたシャッタ6002への不正行為)に応じた開放を指すものである。
なお、以下の説明において、各部材の回転方向は、特に断りが無い限り、平面視を基準としている。また、以下の説明において、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によりシャッタ6002の意図せぬ開放が規制された状態を「ロック状態」と称する。
上述の如く組み付けが行われた特別電動役物6000において、シャッタ6002に直接外力(シャッタ6002を後方へスライド移動させるような力)が付与されると、連結開口部6044と連結軸6023を介して、シャッタ6002からリンクアーム6004に時計回りに回動するような力が伝達される。
なお、図61(a)に示すように、リンクアーム6004の規制突起部6046は、後方(すなわち、リンクアームが時計回りに回動する場合の移動方向)において規制部材6005の規制ブロック部6054と当接される。したがって、シャッタ6002からリンクアーム6004に時計回りに回動するような力が伝達されると、規制突起部6046と規制ブロック部6054とを介して、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達される。
ここで、図61(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056は、第一誘導開口部6016内に位置するように(より詳細には、第一誘導開口部6016の右端部と当接するように)配置されている。すなわち、規制部材6005の誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、第一誘導開口部6016の縁部(以下、前側縁部)が配置される。したがって、図65(a)に示すように、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合であっても、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、当該規制部材6005は回動することができない。
このように、規制部材6005が回動することができないため、当該規制部材6005へと力を伝達しているリンクアーム6004も回動することができない。また、リンクアーム6004が回動することができないため、当該リンクアーム6004へと力を伝達しているシャッタ6002も移動することができない。すなわち、シャッタ6002に直接外力が付与された場合であっても、当該シャッタ6002は外力に抗って後方へと移動せず、閉鎖状態を維持することができる。
以上のように、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置する場合には、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によって、シャッタ6002の意図せぬ開放(より詳細には、リンクアーム6004の意図せぬ回動及びシャッタ6002の意図せぬ移動)が規制された状態(ロック状態)となっている。
なお、ロック状態である場合に、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達されると、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と規制ブロック部6054の前側面とが互いに比較的強い力で押圧することとなる。しかしながら、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と、規制部材6005の規制ブロック部6054の前側面とは、上述の如く互いに点接触ではなく面接触しているため、それぞれの耐久性を向上させることができる。
以下では、図61〜図65を用いて、シャッタ6002が閉鎖状態である場合において、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じてシャッタ6002が開放される構成について詳細に説明する。
なお、後述するように、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じてシャッタ6002が開放される場合は、当該シャッタ6002に直接外力が付与された場合とは異なり、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるロック状態が解除されることとなる。
規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置する場合(シャッタ6002が閉鎖状態である場合)において、シャッタ6002を開放させる場合、大入賞口ソレノイド6003の動力発生部6032に通電が行われる。動力発生部6032に通電が行われると、図61及び図62に示すように、プランジャ6033の左方への移動が開始され、大入賞口ソレノイド6003による動力が発生される。また、プランジャ6033の左方への移動が開始されると、当該プランジャ6033の右端部に固定された動力伝達部6034(連結開口部6036及び連結突起部6037)も同様に左方へ移動する。
動力伝達部6034の連結突起部6037が左方へ移動すると、当該連結突起部6037と規制部材6005の連結軸6055を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力が規制部材6005へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結突起部6037が、規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧する。こうして、大入賞口ソレノイド6003からの動力が伝達されると、規制部材6005は収容部6001に対して左方へ移動する。
具体的には、規制部材6005の中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に対して左方へ移動し、当該中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接する。また、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の第一誘導開口部6016に対して左方へ移動し、当該第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接する。
なお以下では、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部をボス部6013に当接させるまでの動力伝達部6034の移動(規制部材6005の誘導軸6056を収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部に当接させるまでの移動)を、「動力伝達部6034の第一の移動」と称する。また、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部をボス部6013に当接させた後の動力伝達部6034の移動(規制部材6005の誘導軸6056を収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部に当接させた後の移動)を、「動力伝達部6034の第二の移動」と称する。
また、動力伝達部6034の第一の移動によって当該動力伝達部6034の連結開口部6036が左方へ移動すると、当該連結開口部6036は、リンクアーム6004の連結軸6045に対して左方へ移動し、当該連結開口部6036の右側縁部が連結軸6045に当接する。なお、動力伝達部6034の第一の移動において、動力伝達部6034の連結開口部6036は、移動の途中でリンクアーム6004の連結軸6045を何ら押圧しない。すなわち、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004には、大入賞口ソレノイド6003からの動力は伝達されない。
なお、動力伝達部6034の第一の移動においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接するタイミングと、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接するタイミングと、動力伝達部6034の連結開口部6036の右側縁部がリンクアーム6004の連結軸6045に当接するタイミングとは、全て略同一に設定される。
また、動力伝達部6034の第一の移動においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置し、当該誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、第一誘導開口部6016の前側縁部が配置される。すなわち、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合であっても、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるロック状態が継続されることとなる。
また、上述の如く、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004には、大入賞口ソレノイド6003からの動力が伝達されない。すなわち、大入賞口ソレノイド6003からの動力は、動力伝達部6034から規制部材6005へと伝達されるものの、他の部材(例えば、リンクアーム6004)へと伝達されない。こうして、規制部材6005は左方へと移動するものの、リンクアーム6004及びシャッタ6002は、何れの方向にも回動(移動)せず、シャッタ6002が閉鎖状態である場合の姿勢を維持することとなる。
このような状態において、図62及び図63に示すように、動力伝達部6034がさらに左方へ移動すると(動力伝達部6034が第二の移動を行うと)、動力伝達部6034の連結突起部6037及び規制部材6005の連結軸6055を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力が規制部材6005へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結突起部6037が、規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧する。
ここで、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接されている。すなわち、規制部材6005の中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に対して左方へ移動することができない。したがって、連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧すると、規制部材6005は、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとする。
また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接されている。なお、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の中心Pを中心とした仮想円の一部と重複するように形成される。すなわち、規制部材6005の誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、当該誘導軸6056が移動する軌跡に沿った開口部が形成されている(誘導軸6056が移動する場合に干渉するものがない)。
こうして、連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧して、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとすると、図65(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017により誘導され、当該第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動していく。なお、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとすると、規制部材6005の連結軸6055は、動力伝達部6034に対して相対的に後方へと移動していく。
なお、規制部材6005は、上述の如く動力伝達部6034が第一の移動を行う場合と、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合とで、回動中心の位置を左右方向に異ならせている。具体的には、動力伝達部6034が第一の移動を行う場合には、規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部と当接された収容部6001のボス部6013を回動中心の位置とする。また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合には、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部と当接された収容部6001のボス部6013を回動中心の位置とする。
こうして、規制部材6005は、回動中心の位置を異ならせることによって、誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)に、第一誘導開口部6016の前側縁部があるか、又は第二誘導開口部6017が延びているのかを切り替えている。
このように、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)のロック状態が解除され、当該規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動することができる。すなわち、動力伝達部6034の連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧することによって、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動する。
また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、動力伝達部6034の連結開口部6036の右側縁部がリンクアーム6004の連結軸6045に当接されている。すなわち、動力伝達部6034の連結開口部6036及びリンクアーム6004の連結軸6045を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力がリンクアーム6004へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結開口部6036が、リンクアーム6004の連結軸6045を左方へと押圧する。こうして、動力伝達部6034の連結開口部6036がリンクアーム6004の連結軸6045を左方へと押圧すると、リンクアーム6004は、反時計回りへ回動しようとする。
なお、動力伝達部6034が第一の移動を行っている場合(ロック状態である場合)において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合、すなわちリンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054とを介して、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合に、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、当該規制部材6005は回動することができなかった。
しかし、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、上述の如く規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動することができるため、規制部材6005の規制ブロック部6054も後方へ移動することとなる。なお、規制部材6005の規制ブロック部6054は、後方へ移動すると、リンクアーム6004の規制突起部6046から離間する方向へ移動することとなる。
したがって、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合には、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054と干渉しない。すなわち、リンクアーム6004は、反時計回りに回動することができる。
また、リンクアーム6004が反時計回りに回動すると、リンクアーム6004の連結開口部6044及びシャッタ6002の連結軸6023を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力がシャッタ6002へと伝達される。具体的には、リンクアーム6004の連結開口部6044が、シャッタ6002の連結軸6023を後方へと押圧する。こうして、リンクアーム6004の連結開口部6044がシャッタ6002の連結軸6023を後方へと押圧すると、シャッタ6002は後方へとスライド移動を開始する。
動力伝達部6034の第二の移動は、図64に示すように、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017の前端部に到達した場合に終了する。こうして、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017の前端部に到達した場合、シャッタ6002は開放状態となる。
なお、上述の如く、シャッタ6002が閉鎖状態から開放される構成について説明したが、シャッタ6002が開放状態から閉鎖される場合は、大入賞口ソレノイド6003の通電が停止された後、シャッタ6002が開放される場合とは逆の順序で、各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005)がそれぞれ動作することとなる。
ここで、従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、例えば通過領域に対して遊技球の通過が容易となる位置と遊技球の通過が困難となる位置とに変位可能な変位部材を設ける技術は公知となっている。例えば、特開2008−307103号公報に記載の如くである。
特開2008−307103号公報に記載の技術においては、前記変位部材として入賞装置の扉部材が設けられる。また、扉部材を変位させる(開放させる位置と、閉鎖させる位置と、の間を往復移動させる)ための駆動源としては、ソレノイドが採用されている。
また、前記特開2008−307103号公報に記載の技術においては、ソレノイドの伝達手段に設けられたロック部と、扉部材に設けられた係合突起部と、が接触することで、前記閉鎖させる位置において扉部材が開放されることを規制(ロック)することができる。
しかしながら、ロック部と係合突起部とは互いの位置関係にある程度の正確さが求められるため、ソレノイドの経年劣化や、ソレノイドの駆動経路への異物の混入等があった場合には、互いに完全に接触しなくなる。このように、ロック部と係合突起部とが完全に接触しなくなると、閉鎖する位置において扉部材にガタが生じたり、扉部材が少しだけ開放されたりするおそれ(意図せぬ変位が行われる可能性)があり、不都合であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技球の通過が困難な位置に変位部材が変位されている場合に、当該変位部材の意図せぬ変位をより確実に規制することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上のように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、 遊技球が転動する遊技領域20を有する遊技盤17と、 前記遊技領域20に設けられ遊技球が通過可能な第二始動口440(通過領域)と、 前記第二始動口440(通過領域)に対して遊技球の通過が容易な位置と遊技球の通過が困難な位置とに変位可能な変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)と、 前記変位部材を駆動する大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)と、 前記大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)を制御可能な主制御回路100(駆動制御手段)と、を備えた遊技機であって、 前記変位部材が遊技球の通過が困難な位置に変位制御されている状態であり、かつ前記主制御回路100(駆動制御手段)が前記変位部材を遊技球の通過が容易な位置に変位させる制御を行っていない場合に、前記変位部材を遊技球の通過が困難な位置にてロック可能なロック手段(規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014)を備え、 前記大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)は、 動力を発生する動力発生部6032と、 前記変位部材の少なくとも一部と接することで、前記動力発生部6032により発生した動力を前記変位部材に伝達可能な動力伝達部6034と、を含み、 前記ロック手段は、 前記変位部材の少なくとも一部と接することで、前記変位部材の変位を規制する規制部材6005(規制部)と、前記規制部の変位経路を規定する誘導開口部6014(変位誘導部)と、を含み、前記変位経路は、第一誘導開口部6016(第1の変位区間)と、前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)とは異なる第二誘導開口部6017(第2の変位区間)とを含み、前記変位部材は、前記動力伝達部6034と少なくとも一部が接した状態で遊技球の通過が容易な位置と遊技球の通過が困難な位置とに変位制御され、前記規制部材6005(規制部)は、前記動力伝達部6034の変位に伴い前記誘導開口部6014(変位誘導部)に沿って変位制御可能であり、前記ロック手段は、前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合、前記変位部材のロック状態を維持し、前記規制部材6005(規制部)が前記第二誘導開口部6017(第2の変位区間)に位置する場合、前記変位部材のロック状態を解除するものである。
このような構成により、ロック手段(規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014)は、例えば規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の右端部に位置している場合だけでなく、誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置している間には、変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)のロック状態を維持することができる。すなわち、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014の互いの位置関係が多少ずれた場合であっても(例えば、動力伝達部6034が正常な位置に配置されていなくとも)、当該ロック状態を維持することができる。したがって、遊技球の通過が困難な位置に変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)が変位されている場合に、当該変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)の意図せぬ変位をより確実に規制することができる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、前記規制部材6005(規制部)の変位には、移動及び回動が含まれ、前記ロック手段は、前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合、前記規制部材6005(規制部)の移動が可能な状態のまま、前記規制部材6005(規制部)の回動を規制してロック状態を維持し、前記規制部材6005(規制部)が前記第二誘導開口部6017(第2の変位区間)に位置する場合、前記規制部材6005(規制部)の回動中心の位置を前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合と異ならせることにより、前記規制部材6005(規制部)の回動を可能として前記ロック状態を解除するものである。
このような構成により、一つの部材である規制部材6005(規制部)が、2つの動作(移動及び回動)の組み合わせによってロック状態の維持と解除とを切り替えることができる。こうして、例えば2つの動作(移動及び回動)を行う部材をそれぞれ設ける場合と比較すると、部品点数の削減を図ることができる。特に本実施形態のように特別電動役物においては、部品の配置スペースが制限されるものであるため、このような構成を有することは有益である。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、 前記変位部材は、遊技球を誘導するシャッタ6002(遊技球誘導部)と、前記遊技球誘導部に接続されるリンクアーム6004(リンク部)とを含み、前記動力伝達部6034は、前記リンクアーム6004(リンク部)に接しているものである。
このような構成により、動力伝達部6034は、シャッタ6002(遊技球誘導部)ではなくリンクアーム6004(リンク部)と接しているため、当該シャッタ6002(遊技球誘導部)と直接接することなく、当該シャッタ6002(遊技球誘導部)をロック状態とすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ロック状態とする対象として特別電動役物6000を例にあげて説明を行ったが、ロック状態とする対象は、これに限定されず、普通電動役物等であってもよい。
また、動力伝達部6034の第一の移動が終了した場合、規制部材6005の規制ブロック部6054がリンクアーム6004に対して左方へ移動する。このように、規制部材6005の規制ブロック部6054がリンクアーム6004に対して左方へ移動した場合には、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との当接された状態を解除することができる。すなわち、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054とが、前後方向に重複しないように配置することができる。
このような構成によれば、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との干渉(リンクアーム6004の回動の規制)をより確実に防止することができる。
また、動力伝達部6034の第一の移動が終了した場合であっても、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との当接された状態を維持し、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、リンクアーム6004の規制突起部6046が規制部材6005の規制ブロック部6054を押圧することによって、規制部材6005の回動を補助を行うこともできる。
また、誘導開口部6014(第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017)の構成は、本実施形態の構成に限定されない。例えば、誘導開口部6014(変位誘導部)は、動力伝達部6034が第一の移動を行っている場合(ロック状態である場合)において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)に当該誘導軸6056の移動を干渉するように形成されていればよい。なお、誘導軸6056の移動を円滑に促す観点においては、誘導軸6056の移動経路に沿って形成された本実施形態に係る構成が望ましい。
[普通電動役物ユニット400の構成]
図66及び図67を参照して、普通電動役物ユニット400の構成について簡単に説明する。図66は、普通電動役物ユニット400を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図67は、普通電動役物ユニット400を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一理である。
普通電動役物ユニット400は、遊技領域20内の液晶表示装置16の左下方に取付固定される。普通電動役物ユニット400は、一般入賞口53,54,55と、第二始動口440と、第二始動口440への遊技球の入賞を検知する第二始動口スイッチ441と、アウト口450と、第二始動口440に入賞した遊技球及びアウト口450に受け入れられた遊技球を受け入れてパチンコ遊技機1の外に排出する収容部材443と、第二始動口440及びアウト口450の前面に設けられる前カバー445と、普通電動役物460とを備える。第二始動口440及びアウト口450は、板状の開口形成部材420に形成されている。この開口形成部材420には、後述する羽根部材4620の回転軸4622が貫通する孔442が形成されている。
第二始動口440とアウト口450とは隣接して配置されており、正面視で右側に第二始動口440が配置され、正面視で左側にアウト口450が配置されている。
前カバー445の背面には、第二始動口440とアウト口450を仕切る壁4452が形成されている。この壁4452は、羽根部材4620が開放されたときに当該羽根部材4620の上部を通過した遊技球(第二始動口440に入賞する遊技球)がアウト口450に受け入れられることを阻止するとともに、羽根部材4620が開放されていないときに遊技球が第二始動口440に入賞することを阻止する機能を有する。
第二始動口スイッチ441は、第二始動口440に入賞した遊技球を検知できるように、第二始動口440の背面側に配置される。
収容部材443は、第二始動口440及びアウト口450それぞれに対応する部位に開口4434及び開口4436が設けられており、第二始動口440に入賞して第二始動口スイッチ441に検知された遊技球は開口4434に収容され、アウト口450に受け入れられた遊技球は開口4436に収容される。開口4434,4436に収容された遊技球は、図示しない島設備に設けられた遊技球循環設備に回収される。また、収容部材443は、後述する羽根部材4620の回転軸4622が貫通する孔4432を有する。
[普通電動役物460の構成]
図66〜図70を参照して、普通電動役物460の構成について説明する。図68は、普通電動役物460と、第二始動口スイッチ441と、収容部材443とを示す図の一例である。図69は、普通電動役物460の背面図である。図70は、普通電動役物460を右斜め上から見た背面図の一例である。
普通電動役物460は、ベースカバー4610と、羽根部材4620と、始動口ソレノイド4630と、始動口ソレノイド4630からの動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構4640とを備える。
ベースカバー4610は、収容部材443との間で始動口ソレノイド4630及び動力伝達機構4640を収容した上で、開口形成部材420の背面側に取り付けられる。ベースカバー4610の背面側は、上述した透明パネル172に取付固定される。ベースカバー4610の正面側には、左右方向に長いガイド溝4612が形成されている。また、ベースカバー4610の正面側には、後述するピン4648を回転可能に軸支する軸受(図示せず)が形成されている。
羽根部材4620は、紙面下方に回転軸4622が設けられている。この回転軸4622は、開口形成部材420に形成された孔442及び収容部材443に形成された孔4432を貫通した上で、後述する羽根連結部材4642の軸受46444に回転可能に軸支される。回転軸4622は、羽根連結部材4642の軸受46444に軸支される部分が切り欠かれており、軸方向の断面形状が非円形となっている。また、動力伝達機構4640によって始動口ソレノイド4630からの動力が回転力として回転軸4622に伝達されると、羽根部材4620は、回転軸4622を回転中心として回転する。本実施の形態では、羽根部材4620は、起立しているときは閉鎖状態であり、閉鎖状態かから回転軸4622を回転中心として右方向に回転すると開放状態となる。
始動口ソレノイド4630は、正面視で左右方向に伸縮するプランジャ4632を備えており、プランジャ4632の先端(正面視右側の先端)にはフランジ4634を有する。始動口ソレノイド4630は、通常(非励磁)はプランジャ4632が正面視右方向に伸びた状態であり、励磁されるとプランジャ4632が正面視左方向(縮方向)に移動する。
動力伝達機構4640は、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632が左右方向に伸縮することに伴って、かかる動力を羽根部材4620の回転軸4622に回転力に変換して伝達するものである。動力伝達機構4640は、羽根部材4620の回転軸4622に連結される羽根連結部材4642と、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632の先端のフランジ4634に連結されるとともにフランジ連結部材4646と、羽根連結部材4642とフランジ連結部材4646との間に設けられるリンク部材4644とを備える。
羽根連結部材4642は、羽根部材4620の回転軸4622を軸支する軸受46444を有する。羽根連結部材4642の軸受46444は、軸支する回転軸4622の形状に対応している。そのため、羽根連結部材4642は、回転軸4622を回転中心として当該回転軸4622とともに回転するようになっている。また、羽根連結部材4642は、背面側に突出する支軸46426を有する。この支軸46426は、軸受46424に軸支される回転軸4622を中心として周回可能となっている。
リンク部材4644は、正面視で反く字状の部材であり、正面視下方の端部には長穴46442が形成されている。この長穴46442には、羽根連結部材4642の支軸46426が摺動可能に連結される。リンク部材4644の正面視上方の端部には、背面側に突出する支軸46446が形成されている。支軸46446の下方には、背面側に突出する係合軸46448が形成されている。リンク部材4644の中央部(く字の角度が変わる部位)には、ピン4648を回転可能に軸支する軸受46444が形成されている。リンク部材4644は、軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転可能となっている。軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が回転すると、支軸46446及び係合軸46448も、軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転する。
フランジ連結部材4646は、フランジ挟持部46462と、連結孔46464と、係合溝46466とを有する。フランジ挟持部46462は、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632の先端のフランジ4634を挟持しており、プランジャ4632の伸縮に伴ってフランジ連結部材4646がプランジャ4632の伸縮方向に移動する。連結孔46464には、リンク部材4644の支軸46446が当該連結孔46464内を移動できるように連結される。係合溝46466には、リンク部材4644の係合軸46448が係合される。ここで、係合軸46448は、長手方向を横切る断面の形状が、尖端部を有する雫形状となっている。そして、リンク部材4644は、この先端部において係合溝46466に係合する。また、フランジ連結部材4646は、背面側(ベースカバー4610側)に、左右方向に長いガイド片46468が形成されている。このガイド片46468は、ベースカバー4610に形成されたガイド溝4612にガイドされる。
[普通電動役物460の動作説明]
次に、図66〜図72を参照して、普通電動役物460の動作について説明する。図71は、羽根部材4620が閉鎖状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が閉鎖状態から開放状態に向けて移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図の一例である。図72は、羽根部材4620が移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が開放状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図である。
始動口ソレノイド4630が励磁されると、プランジャ4632が縮方向(正面視で左方向(図71及び図72の右方向))に移動する。プランジャ4632が縮方向に移動すると、フランジ4634(図66,図67参照)が縮方向に移動する。フランジ4634が縮方向に移動すると、フランジ4634をフランジ挟持部46462で挟持するフランジ連結部材4646が縮方向に移動する。フランジ連結部材4646が縮方向に移動すると、フランジ連結部材4646の係合溝46466に係合されているリンク部材4644の係合軸46448の係合が外れる。フランジ連結部材4646の係合溝46466に係合されているリンク部材4644の係合軸46448の係合が外れると、ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が正面視で反時計周り(図71及び図72の時計周り)に回転する。なお、このときリンク部材4644は、フランジ連結部材4646の連結孔46464内を下方に移動できるようになっている。ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が正面視で反時計周りに回転すると、羽根連結部材4642の長穴46442内を摺動可能に連結される支軸46426が回転軸4622を回転中心として羽根連結部材4642が時計周りに周回し、羽根部材4620が開放状態に向けて作動する。
開放状態から閉鎖状態に向けての羽根部材4620の作動は、始動口ソレノイド4630が非励磁となることでプランジャ4632が伸びる方向に移動し、閉鎖状態から開放状態に向けての作動と反対の動きによって行われる。なお、開放状態から閉鎖状態に向けて羽根部材4620の作動時に係合溝46466への係合軸46448の係合がスムーズに行われるように、係合軸46448と接触する係合溝46466の部位が正面視で右斜め下方向(図71及び図72の左斜め下方向)に向けて傾斜している。
[普通電動役物460の機能説明]
次に、図73を参照して、普通電動役物460の機能について説明する。図73は、フランジ連結部材4646の機能を説明するための羽根部材4620及び動力伝達機構4640の背面図であって、(A)羽根部材4620の開放が阻止されていることを説明するための図、(B)羽根部材4620の開放が許容されていることを説明するための図である。なお、図73(A)及び(B)では始動口ソレノイド4630の図示を省略している。
羽根部材4620が閉鎖状態であるとき(始動口ソレノイド4630のプランジャ4632(いずれも、例えば図71参照)が非励磁であるとき)、リンク部材4644の係合軸46448が係合溝46466に係合しているため、リンク部材4644が回転(ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転)することができない(図73(a)参照)。そのため、プランジャ4632が縮方向に移動しない限り(故障等の特殊事情を除いて始動口ソレノイド4630が励磁されない限り)、羽根部材4620を開放させようとしても開放させることができない。したがって、外部から力を加えて羽根部材4620を不正に開放させようとしてもこれを阻止することができる。
一方、始動口ソレノイド4630が励磁されると、上述したとおりプランジャ4632が縮方向に移動し、係合軸46448と係合溝46466との係合が解除され、羽根部材4620が開放される(図73(b)参照)。
このようにして、係合軸46448を構成するリンク部材4644と、係合溝46466を構成するフランジ連結部材4646と、始動口ソレノイド4630とは、羽根部材4620が不正に開放されることを阻止する不正開放阻止手段として機能する。
[上部前面役物1000の構成]
図74〜図77を参照して、上部前面役物1000の構成について説明する。図74は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部前面役物1000の正面図の一例である。図75は、通常態様における上部前面役物1000の背面図の一例である。図76は、上部前面役物1000を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図77は、上部前面役物1000を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上部前面役物1000は、上部前面役物1000を構成する各種部材が取り付けられるベース板1010と、ベース板1010の前面側に取付固定される装飾プレート1030と、ベース板1010に対して作動可能に構成される可動装飾体1040と、可動装飾体1040を作動させるための駆動源としての駆動モータ1050と、駆動モータ1050の動力を可動装飾体1040に伝達することが可能な複数のギア1060と、これら複数のギア1060を介して駆動モータ1050からの動力を可動装飾体1040に伝達する力伝達部材1020と、可動装飾体1040を原点位置に向けて付勢する弾性部材の一例としてのコイルバネ1070と、可動装飾体1040の位置を検知するフォトセンサ1080(図77参照)とを備える。なお、ギア1060及び力伝達部材1020は、駆動モータ1050の動力を可動装飾体1040に伝達する力伝達機構として機能する。
ベース板1010は、上部背面役物1100よりも前方側に位置するように、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の上部に取付固定される板状部材である。ベース板1010の前面側には、力伝達部材1020の各種部材と連結される第1支軸1011、第2支軸1012、第3支軸1013及び第4支軸1014が形成されている。また、ベース板1010には、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、後述する第1伝達部材1022の軸受10226が位置する部位に形成された切欠部1016と、可動装飾体1040が原点位置にあるときに当該可動装飾体1040の裏面側に形成された後述するコイルバネ支軸1042(コイルバネ1070の下方側端部)に対応する位置に形成された切欠部1017とが形成されている。この明細書において、切欠部1016及び切欠部1017を、それぞれ、背面側第1切欠部1016及び背面側第2切欠部1017と称する。さらに、ベース板1010には、後述する第1ギア1062の中心に形成される中空のボス10662を軸支する軸受1054と、後述する第4ギア1067のボス10672の可動範囲に対応する孔1015と、後述する位置検出用ギア1068の位置検出片10682の可動範囲に対応する孔1018とが形成されている。
装飾プレート1030は、図示していないが前面側に装飾が施されている。装飾プレート1030には、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、後述する第1伝達部材1022の軸受10226が位置する部位(背面側第1切欠部1016に対応する前方側の位置)に形成された切欠部1036と、コイルバネ1070の下方側端部が位置する部位(背面側第2切欠部1017に対応する前方側の位置)に形成された切欠部1038とが形成されている。この明細書において、切欠部1036及び切欠部1038を、それぞれ、前面側第1切欠部1036及び前面側第2切欠部1038と称する。
可動装飾体1040は、コイルバネ1070の下方側端部に連結されるコイルバネ支軸1042と、後述する第1伝達部材1022の軸受10226に軸支される第1伝達部材側支軸1044と、後述する第2伝達部材1026の軸受10264に軸支される第2伝達部材側支軸1046とが形成されている。
駆動モータ1050は、モータ取付部材1054を介してベース板1010に取付固定される。また、駆動モータ1050は、減速機付きのモータであり、駆動モータ1050の回転速度が減速されてモータ出力軸1052から動力が出力される。
ギア1060は、第1ギア1062、第2ギア1064、第3ギア1066、第4ギア1067及び位置検出用ギア1068を備える。これらのギアのうち、第1ギア1062、第2ギア1064、第3ギア1066及び第4ギア1067は、モータ出力軸1052から出力される動力を力伝達部材1020に伝達する機能を有するが、位置検出用ギア1068はそのような機能を有さない。
第1ギア1062の中心には、中空軸10622が形成されている。この中空軸10622にはモータ出力軸1052が圧入される。これにより、駆動モータ1050が回転すると、第1ギア1062は、当該第1ギア1062の中心(モータ出力軸1052)を回転中心として回転する。
第4ギア1067には、中心10674から径方向に所定距離離れた前面側の部位にボス10672が形成されている。位置検出用ギア1068には、中心10684から径方向に所定距離離れた前面側の部位に位置検出片10682が形成されている。位置検出用ギア1068は、第4ギア1067と径が略同じである。そのため、位置検出用ギア1068は、第4ギア1067の回転と同期して反対方向に同じ回転角度だけ回転する。このようにして、可動装飾体1040の位置を検知できるようになっている。本実施形態では、可動装飾体1040の位置検出は、原点位置にあるか否かを検知している。
力伝達部材1020は、駆動モータ1050からの動力がギア1060を介して伝達される第1伝達部材1022と、第1伝達部材1022に伝達された動力が伝達されるラック1024と、第1伝達部材1022からの動力がラック1024を介して伝達される第2伝達部材1026とを備える。
第1伝達部材1022は、扇型の板状部材であって、径方向の中心に軸受10222が形成されている。この軸受10222は、ベース板1010に形成された第1支軸1011を軸支する。第1伝達部材1022は、径方向の2つの辺1022a・1022bのうち、正面視左側の辺1022aに沿って、径方向の外側から内側(すなわち第1伝達部材1022の中心(軸受10222))に向かう方向に長穴10224が形成されている。この長穴10224には、孔1015を貫通する第4ギア1067のボス10672が長穴10224内を移動可能に連結される。第1伝達部材1022の径方向の2つの辺1022a・1022bのうち、正面視右側の辺1022bに沿った径方向外側の端部には、軸受10226が形成されている。この軸受10226は、可動装飾体1040に形成された支軸1044を軸支する。第1伝達部材1022の辺1022bは、可動装飾体1040が原点位置にあるときに略水平となる。また、第1伝達部材1022は、第1支軸1011(軸受10222)と同軸で、当該第1伝達部材1022の回転に同期して回転するギア10228を備える。
第2伝達部材1026は、可動装飾体1040が原点位置にあるときに略水平となる棒状の部材であって、正面視左側の端部に軸受10262が形成されるとともに、正面視右側端部に軸受10264が形成されている。軸受10262は、ベース板1010の第4支軸1014を軸支する。軸受10264は、可動装飾体1040の支軸1046を軸支する。また、第2伝達部材1026は、第4支軸1014(軸受10262)と同軸のギア10266を備える。このギア10266は、第1伝達部材1022に設けられたギア10228と径が略同じである。
第1伝達部材1022と第2伝達部材1026との間には、第1伝達部材1022から第2伝達部材1026に動力を伝達するラック1024が設けられている。ラック1024は、略水平に設けられる棒状の部材であって、正面視右側(第1伝達部材1022側)にギア10244が形成されており、正面視左側(第2伝達部材1026側)にギア10248が形成されている。ギア10244は、ギア10228と噛み合っており、当該ギア10228の回転方向の動力を略水平方向に変換するものである。ギア10248は、ギア10244によって略水平方向に変換された動力をさらに回転方向に変換して第2伝達部材1026に伝達するものである。ラック1024は、正面視右側(ギア10244側)に略水平方向に長い長穴10242が形成されており、正面視左側(ギア10248側)に略水平方向に長い長穴10246が形成されている。長穴10242には、ベース板1010に形成された第2支軸1012が連結されており、長穴10246には、ベース板1010に形成された第3支軸1013が連結されている。
コイルバネ1070は、可動装飾体1040を原点位置に向けて付勢するものである。このコイルバネ1070は、上方側の端部がベース板1010の裏面側に取付固定され、下方側の端部が可動装飾体1040の裏面に形成されたコイルバネ支軸1042に取付固定される。可動装飾体1040が原点位置にあるとき、コイルバネ1070の下方側の端部が前面側第2切欠部1038及び背面側第2切欠部1017に位置する。
フォトセンサ1080は、ベース板1010に形成されたフォトセンサ配置領域1019に位置するように設けられる。フォトセンサ1080は、位置検出用ギア1068に設けられた位置検出片10682を検知することで、可動装飾体1040の位置を検知している。本実施形態では、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、位置検出片10682を検知できるようにフォトセンサ1080が設けられている。
[上部前面役物1000の動作説明]
次に、図76〜図80を参照して、上部前面役物1000の動作について説明する。図78は、原点位置にある上部前面役物1000の一例を示す正面図である。図79は、可動装飾体1040が下方に向けて移動中の上部前面役物1000の一例を示す正面図である。図80は、可動装飾体1040が作動限界位置まで下方に向けて移動したときの上部前面役物1000の一例を示す正面図である。なお、図78〜図80では、各部材の動きが分かるように、力伝達部材1020の構成部材等を破線で示している。
原点位置に可動装飾体1040があるとき、駆動モータ1050が回転し、モータ出力軸1052が正面視で反時計周りに回転すると、これに伴って第1ギア1062が正面視で反時計周りに回転する。第1ギア1062が正面視で反時計周りに回転すると、第1ギア1062の歯と噛み合う第2ギア1064が正面視で時計周りに回転する。第2ギア1064が正面視で時計周りに回転すると、第2ギア1064の歯と噛み合う第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転する。第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1066と噛み合う第4ギア1067が、当該第4ギア1067の中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第4ギア1067が中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス10672も中心10674を回転中心として周方向に回転し、孔1015内に沿って時計周りに移動する。ボス10672は長穴10224内を移動可能に連結されているので、ボス10672が中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第1伝達部材1022(すなわちギア10228)が第1支軸1011(軸受10222)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第1伝達部材1022が第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、軸受10226に軸支される支軸1044が、第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに移動する。
また、ギア10228が第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ギア10228の動力がギア10244に伝達され、ラック1024が正面視で右方向に略水平に移動する。ここで、長穴10242に連結される第2支軸1012及び長穴10246に連結される第3支軸1013は、ラック1024を略水平方向に移動させるためのガイドとして機能する。ラック1024が正面視で右方向に略水平に移動すると、この動力がギア10266に伝達され、ギア10266は第4支軸1014(軸受10262)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。ギア10266が第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第2伝達部材1026が第4支軸1014(軸受10262)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第2伝達部材1026が第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、軸受10264に軸支される支軸1046が、第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに移動する。
ここで、ギア10228とギア10266とは同じ径であるとともに、第1支軸1011(軸受10222)から支軸1044(軸受10226)までの距離と、第4支軸1014(軸受10262)から支軸1046(軸受10264)までの距離とが同じである。そのため、モータ出力軸1052が正面視で反時計周りに回転すると、支軸1044及び支軸1046が同期して、それぞれ、第1支軸1011及び第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに作動する。その結果、可動装飾体1040が略水平状態を維持しつつ正面視で時計周りに弧を描きつつ下方(すなわち液晶表示装置16の表示領域の前面に向けて)に作動することとなる。
なお、第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1066と噛み合う位置検出用ギア1068についても、当該位置検出用ギア1068の中心10684を回転中心として正面視で時計周りに回転する。位置検出用ギア1068は第4ギア1067とは噛み合っていないが、第4ギア1067及び位置検出用ギア1068は、径が同じであるとともに、いずれも第3ギア1066と噛み合っている。そのため、第4ギア1067の回転角度と位置検出用ギア1068の回転角度とは同じとなり、位置検出用ギア1068に形成された位置検出片10682の位置をフォトセンサ1080で検知することで、第4ギア1067の回転角度ひいては可動装飾体1040の位置を検知することができる。
駆動モータ1050が回転し、モータ出力軸1052が正面視で時計周りに回転すると、上述した動きを逆の動きによって、可動装飾体1040が略水平状態を維持しつつ正面視で反時計周りに弧を描きつつ上方に作動する。
このようにして、可動装飾体1040は、原点位置と作動限界位置との間を作動可能となっている。ここで、原点位置から液晶表示装置16の表示領域の前面に向けての可動装飾体1040の移動(可動体演出)は、第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果に基づいて行われる。一方、液晶表示装置16の表示領域の前面から原点位置に向けての移動は、今回の当り判定の結果に基づく可動体演出が終了したときに行われ、次回以降の当り判定の結果に基づいて行われる可動体演出に備えることとなる。
[上部背面役物1100の構成]
図81〜図87を参照して、上部背面役物1100の構成について説明する。図81は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の正面図の一例である。図82は、通常態様における上部背面役物1100の背面図の一例である。図83は、上部背面役物1100を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図84は、上部背面役物1100を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図85は、上部背面役物1100を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。図86は、(A)が図82に示すA−A線断面図の一例、(B)が(A)に示すX部の拡大図の一例である。図87は、(A)が図82に示すB−B線断面図の一例、(B)が(A)に示すY部の拡大図の一例である。
なお、図82に示すA−A線は、左上部アーム1172の延設部11741(後述する)に形成される軸受11724(後述する)の中心を通る鉛直方向の線であり、図82に示すB−B線は、左上部アーム1172の長手部分を鉛直方向に横切る線である。
上部背面役物1100は、略平板の金属製で構成され、下辺のない略額縁の形状であって、その面上に各種部材が取り付けられるベース部材1180と、左側モータ1151等を有する左側駆動機構1150と、右側モータ1161等を有する右側駆動機構1160と、左側モータ1151等を遊技者から視認できないように前方から被覆する装飾カバー1130と、右側モータ1161等を遊技者から視認できないように前方から被覆する装飾カバー1140と、左側駆動機構1150と右側駆動機構1160とにより、上下に移動可能な可動装飾体1110と、可動装飾体1110に軸支されるとともに可動可能な左右一対の被覆装飾体1120と、一端がベース部材1180に接続されるとともに他端が被覆装飾体1120に接続され、可動装飾体1110の上下動にともなって作動(略ひし形で収縮)するパンタグラフ機構1170と、パンタグラフ機構1170の作動を規制する部材であってベース部材1180の略中央部に取り付けられる規制部材1190と、前面に装飾が施された部材であってベース部材1180に固定的に取り付けられる静的装飾体1196とを備える。
ベース部材1180は、左右方向に伸びる中央板部1182と、中央板部1182の左側端部から下方に伸びる左縦板部1184と、中央板部1182の右側端部から下方に伸びる右縦板部1186とを有する。
中央板部1182の前面には、前面に装飾が施されるとともに作動しない装飾体として、静的装飾体1196が取り付けられる。中央板部1182の略中央の上端には、横長長方形の中央プレート1188が上方に向けて設けられている。中央プレート1188の前面には、前方に向けて突出する一対の左支軸11882及び右支軸11884を有する。
中央プレート1188の前面には、左支軸11882及び右支軸11884の下方に、パンタグラフ機構1170が一定以上に作動することを規制する規制部材1190が取り付けられている。規制部材1190は、台形状の板部材であり、左下方に向けて傾斜する左当接面1192と、右下方に向けて傾斜する右当接面1194とを有する。
左縦板部1184は、左側モータ1151が取り付けられる左側モータ取付部材1152の取り付けが可能に構成されている。左縦板部1184には、左側モータ取付部材1152が取り付けられたときに、左側モータ1151の出力軸に対応する部位に、孔11842が形成されている。また、左縦板部1184の前面には、左従動ギア取付軸11844と、左伝達アーム取付軸11848とが形成されている。左従動ギア取付軸11844の周囲には、正面視で略C字状の孔11846が形成されている。この孔11846は、後述する従動ギア1156が回転したときに、従動ギア1156に形成された支軸11562が移動する軌跡に対応して形成されたものである。
右縦板部1186は、右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162の取り付けが可能に構成されている。右縦板部1186には、右側モータ取付部材1162が取り付けられたときに、右側モータ1161の出力軸に対応する部位に、孔11862が形成されている。また、右縦板部1186の前面には、右従動ギア取付軸11864と、右伝達アーム取付軸11868とが形成されている。右従動ギア取付軸11864の周囲には、正面視で略C字状の孔11866が形成されている。この孔11866は、後述する従動ギア1166が回転したときに、従動ギア1166に形成された支軸11662が移動する軌跡に対応して形成されたものである。
左側駆動機構1150は、左側モータ1151と、左側モータ1151が取り付けられる左側モータ取付部材1152と、駆動ギア1157と、従動ギア1156と、左腕部材1155と、左伝達アーム1154とを有する。このうち、左腕部材1155、従動ギア1156及び駆動ギア1157については、左側モータ1151からの動力を左伝達アーム1154に伝達する左側駆動伝達部材として機能する。この左側駆動伝達部材の上下方向(可動装飾体1110の作動方向)における設置領域は、正面視で液晶表示装置16の表示領域よりも左外側に設けられており、可動装飾体1110の上下方向における作動範囲よりも小さくなっている。なお、左伝達駆動アーム1154の一方(右側)の端部に形成される中空軸11544は、上記の左側駆動伝達部材の設置領域内において、左伝達アーム取付軸11848に軸支されている。
左側モータ1151は、正転及び逆転可能なモータである。左側モータ1151は、左側モータ取付部材1152に取り付けられる。左側モータ1151が取り付けられた左側モータ取付部材1152は、左側モータ1151の出力軸が駆動ギア1157と同軸で、左縦板部1184に形成された孔11842を貫通するように、左縦板部1184に取り付けられる。したがって、左側モータ1151が回転すると、これに伴って、左側モータ1151の出力軸と同軸で駆動ギア1157が回転する。
従動ギア1156は、駆動ギア1157と噛み合っている。従動ギア1156は、駆動ギア1157が回転すると、当該回転の方向とは反対方向に回転する。従動ギア1156は、駆動ギア1157よりも径が大きいギアである。これにより、駆動ギア1157から伝達される左側モータ1151の回転力が増幅される。また、従動ギア1156は、中心に軸受11564を有するとともに、中心から所定距離離れた支軸11562を前面に有する。従動ギア1156は、左従動ギア取付軸11844を回転中心として回転できるように、当該左従動ギア取付軸11844に軸受11564が回転可能に軸支される。
左腕部材1155は、正面視略反C字状(後方から見て略C字状)の部材であり、一方の端部(紙面上方側の端部)に左腕軸受11552を有し、他方の端部(紙面下方側の端部)に左腕支軸11554を有する。左腕軸受11552は、従動ギア1156の支軸11562に、回転可能に軸支される。
左伝達アーム1154は、駆動ギア1157、従動ギア1156及び左腕部材1155を介して、左側モータ1151の回転力を可動装飾体1110に伝達する部材である。左伝達アーム1154は、一方(左側)の端部において前方に向けて突出する中空軸11544を有し、他方(中央側)の端部に長穴11542を有する。長穴11542には、後述するボス1112(可動装飾体1110の後面に形成されるボス)が摺動(スライド)可能に連結されて、可動装飾体1110を支持している。また、左伝達アーム1154は、左腕部材1155の左腕支軸11554に回転可能に軸支される左腕用軸受11548を有する。左伝達アーム1154は、左伝達アーム取付軸11848を回転中心として回転(円弧運動)できるように、上記の左側駆動伝達部材の設置領域内において、当該左伝達アーム取付軸11848に中空軸11544が回転可能に軸支される。また、中空軸11544には、左伝達アーム1154を反時計周り(左回転方向)に付勢する弾性部材の一例としてコイルバネ1153が外挿されている。
右側駆動機構1160は、右側モータ1161と、右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162と、駆動ギア1167と、従動ギア1166と、右腕部材1165と、右伝達アーム1164とを有する。このうち、右腕部材1165、従動ギア1166及び駆動ギア1167については、右側モータ1161からの動力を右伝達アーム1164に伝達する右側駆動伝達部材として機能する。この右側駆動伝達部材の上下方向(可動装飾体1110の作動方向)における設置領域は、正面視で液晶表示装置16の表示領域よりも右外側に設けられており、可動装飾体1110の上下方向における作動範囲よりも小さくなっている。なお、右伝達駆動アーム1164の一方(右側)の端部に形成される中空軸11644は、上記の右側駆動伝達部材の設置領域内において、右伝達アーム取付軸11868に軸支されている。
右側モータ1161は、正転及び逆転可能なモータである。右側モータ1161は、右側モータ取付部材1162に取り付けられる。右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162は、右側モータ1161の出力軸が駆動ギア1167と同軸で、右縦板部1186に形成された孔11862を貫通するように、右縦板部1186に取り付けられる。したがって、右側モータ1161が回転すると、これに伴って、右側モータ1161の出力軸と同軸で駆動ギア1167が回転する。
従動ギア1166は、駆動ギア1167と噛み合っている。従動ギア1166は、駆動ギア1167が回転すると、当該回転の方向とは反対方向に回転する。従動ギア1166は、駆動ギア1167よりも径が大きいギアである。これにより、駆動ギア1167から伝達される右側モータ1161の回転力が増幅される。また、従動ギア1166は、中心に軸受11664を有するとともに、中心から所定距離離れた支軸11662を前面に有する。従動ギア1166は、右従動ギア取付軸11864を回転中心として回転できるように、当該右従動ギア取付軸11864に軸受11664が回転可能に軸支される。
右腕部材1165は、正面視略C字状(後方から見て略反C字状)の部材であり、一方の端部(紙面上方側の端部)に右腕軸受11652を有し、他方の端部(紙面下方側の端部)に右腕支軸11654を有する。右腕軸受11652は、従動ギア1166の支軸11662に、回転可能に軸支される。
右伝達アーム1164は、駆動ギア1167、従動ギア1166及び右腕部材1165を介して、右側モータ1161の回転力を可動装飾体1110に伝達する部材である。右伝達アーム1164は、一方(右側)の端部において前方に向けて突出する中空軸11644を有し、他方(中央側)の端部に長穴11642を有する。長穴11642には、後述するボス1114(可動装飾体1110の後面に形成されるボス)が摺動(スライド)可能に連結されて、可動装飾体1110を支持している。また、右伝達アーム1164は、右腕部材1165の右腕支軸11654に回転可能に軸支される右腕用軸受11648を有する。右伝達アーム1164は、右伝達アーム取付軸11868を回転中心として回転(円弧運動)できるように、上記の右側駆動伝達部材の設置領域内において、当該右伝達アーム取付軸11868に中空軸11644が回転可能に軸支される。また、中空軸11644には、右伝達アーム1164を時計周り(右回転方向)に付勢する弾性部材の一例としてコイルバネ1163が外挿されている。
このようにして、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164によって、可動装飾体1110を左右両側から支持するとともに、左側モータ1154及び右側モータ1161からの動力を上述した左側駆動伝達部材及び右側駆動伝達部材を介して伝達している。
パンタグラフ機構1170は、左上部アーム1172と、左下部アーム1174と、右上部アーム1176と、右下部アーム1178とを有する。パンタグラフ機構1170は、左上部アーム1172、左下部アーム1174、右上部アーム1176及び右下部アーム1178の4つのアームにより略ひし形の辺を構成し、この略ひし形の形状を変形させる(左上部アーム1172と左下部アーム1174とによって形成される角度(右上部アーム1176と右下部アーム1178とによって形成される角度)を変化させる)動作を行う。なお、左上部アーム1172及び右上部アーム1176は、無色透明の樹脂で構成されている。左下部アーム1174及び右下部アーム1178は、黒色の樹脂で構成されている。
なお、上記の「略ひし形状」としては、左上部アーム1172,左下部アーム1174,右上部アーム1176および右下部アーム1178の4つのアームのうち、例えば向かい合う2組のアームが平行(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが平行、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが平行)であり4つのアーム1172,1174,1176,1178が同一の長さである場合に加え、平行四辺形や正方形である場合も想定される。また、4つのアーム1172,1174,1176,1178のうち、例えば向かい合う2組のアームが同じ長さ(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが同じ長さ、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが同じ長さ)であっても同じ長さでなくてもよく、さらには、例えば向かい合う2組のアームのうち一方の組のアームが同じ長さであって且つ他方の組のアームの長さが異なるといったものでもよい。すなわち、4つのアーム1172,1174,1176,1178の長さは特定の長さに限定されるものではなく、様々なバリエーションを採用することができる。また、各アームすなわち役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が作動することを考えると、常に向かい合うアームが平行である必要はなく、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)の駆動にあわせて向かい合うアームが平行でない状態から平行である状態へと変遷するような形態であってもよいし、平行な状態から平行でない状態へと変遷するような形態であってもよい。また、上記の「向かい合うアームが平行である」について、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が駆動する場合の構造を考慮すれば、完全なる平行を求めることが困難である場合も想定されるため、向かい合うアームの傾斜方向が同じような方向を向いていれば平行(略平行)であると考えられる。また、4つのアーム1172,1174,1176,1178の各々が異なる長さである場合であっても、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が移動可能(例えば原点位置から作動限界位置へと移動可能)であることを考えれば、4つのアーム1172,1174,1176,1178の長さは様々に変更可能である。
左上部アーム1172は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、中央側の端部に軸受11722を有し、左側の端部に軸受11724を有する。軸受11722は、左支軸11882に回転可能に軸支される。
左下部アーム1174は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、左側の端部には、長手部分の上端11743を超える位置まで上方(左上部アーム1172側)に向けて延びる延設部11741が形成されている。この延設部11741の前後方向における厚みは、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における厚みよりも薄くなっている。延設部11741には、左下部アーム1174の長手部分の上端11743よりも上方の位置に、前後方向に伸びる支軸11742が形成されている。また、左上部アーム1172の中央側の端部には、前後方向に向けて中空軸11744が形成されている。
左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、支軸11742に軸受11724が回転可能に軸支されることで互いに連結されている。左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、原点位置(左上部アーム1172及び左下部アーム1174がいずれも水平状態となる位置であり、例えば図82に示される態様)では、互いの連結部(軸受11724及び支軸11742)を除いて前後方向に重なることなく、上下に略平行に並んで配置されている。このとき、左上部アーム1172及び左下部アーム1174それぞれの長手部分(軸受11724及び支軸11742を除く部分)は、側面から見て略同一平面上に配置される。これにより、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることが可能となる。また、中空軸11744は、可動装飾体1110の長穴11104を貫通してガイド軸11224に軸支される。なお、原点位置における上下方向が、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の幅方向となる。
右上部アーム1176は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、中央側の端部に軸受11762を有し、右側の端部に軸受11764を有する。軸受11762は、右支軸11884に回転可能に軸支される。
右下部アーム1178は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、右側の端部には、長手部分の上端11783を超える位置まで上方(右下部アーム1178側)に向けて延びる延設部11781が形成されている。この延設部11781の前後方向における厚みは、右上部アーム1176の長手部分の前後方向における厚みよりも薄くなっている。延設部11781には、右下部アーム1178の長手部分の上端11783よりも上方の位置に、前後方向に伸びる支軸11782が形成されている。また、右下部アーム1178の中央側の端部には、前後方向に向けて中空軸11784が形成されている。
右上部アーム1176と右下部アーム1178とは、支軸11782に軸受11764が回転可能に軸支されることで互いに連結されている。右上部アーム1176と右下部アーム1178とは、原点位置(右上部アーム1176及び右下部アーム1178がいずれも水平状態となる位置であり、例えば図82に示される態様)では、互いに連結部(軸受11764及び支軸11782)を除いて前後方向に重なることなく、上下に略平行に並んで配置されている。このとき、右上部アーム1176及び右下部アーム1178それぞれの長手部分(軸受11764及び支軸11782を除く部分)は、側面から見て略同一平面上に配置される。これにより、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることが可能となる。本実施形態では、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みは、左側モータ1151及び右側モータ1161の厚み範囲内に収まるようになっている。また、中空軸11784は、可動装飾体1110の長穴11108を貫通してガイド軸11244に軸支される。なお、原点位置における上下方向が、右上部アーム1176及び右下部アーム1178の幅方向となる。
なお、上記では、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが、各アーム1172,1174それぞれの長手部分が側面から見て略同一平面上に配置されると説明したが、以下において、左上部アーム1172と左下部アーム1174との前後方向における詳細な位置関係について説明する。
左上部アーム1172は、長手部分の前後方向(厚み方向)における最前面位置がF1であり、長手部分の前後方向における最後面位置がB1である(図86、図87を参照)。また、左下部アーム1174は、長手部分の前後方向(厚み方向)における最前面位置がF2であり、前後方向における最後面位置がB2である(図86、図87を参照)。ここで、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1は、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置F2よりも後方側に位置し、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1は、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2よりも後方側に位置する。ただし、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2は、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1との間)に位置している。すなわち、左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、各アーム1172,1174の長手部分を垂直に横切る断面を見たときに、各アーム1172,1174の厚み部分が上下方向(各アームの幅方向)に重なる位置関係(各アーム1172,1174それぞれの長手部分が側面から見て略同一平面上に配置される位置関係)となる。
なお、本実施の形態では、左上部アーム1172の長手部分と左下部アーム1174の長手部分とが側面から見て略同一平面上に配置されているものの、詳細には、左下部アーム1174よりも左上部アーム1172が僅かに後方側に位置するように構成されている。ただし、これに代えて、左下部アーム1174よりも左上部アーム1172が前方側に僅かに位置するように構成しても良い。すなわち、本実施の形態では、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置F2よりも後方側に位置し、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2よりも後方側に位置するとともに、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2が左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方に位置するように構成されているが、これに代えて、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置が左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置よりも後方側に位置し、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置が右上部アーム1176の長手部分の前後方向における最後面位置よりも後方側に位置するとともに、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置よりも後方且つ左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面一との間)に位置するように構成しても良い。
また、本実施の形態では、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2が、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1との間)に位置している。ただし、これに代えて、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の総厚み(左上部アーム1172と左下部アーム1174とのうち、最も前方にあるアームの位置から最も後方にあるアームの位置までの厚み)を薄くできる範囲で、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置とが略面一となるようにしても良いし、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置とが略面一となるようにしても良い。さらには、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置とが略面一であって、且つ左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置とが略面一(すなわち、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが略同一平面上)となるように構成しても良い。
なお、右上部アーム1176と右下部アーム1178との前後方向における位置関係は、左下部アーム1174と右上部アーム1176との前後方向における位置関係と同様であるため、説明を省略する。
このように、左上部アーム1172の長手部分と左下部アーム1174の長手部分とを(右上部アーム1176の長手部分と右下部アーム1178の長手部分とを)、上下方向(各アームの幅方向)に重なる位置関係とすることで、各アーム1172,1174,1176,1178各々の厚みを薄くすることなく、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の総厚み(右下部アーム1178の長手部分の前後方向における最前面位置から右上部アーム1176の長手部分の前後方向における最後面位置までの厚み)を薄くすることが可能となり、パンタグラフ機構1170が前後方向に占める領域を小さくすることができる。パチンコ遊技機がパチンコホールに設置される際には、前後方向の長さに制約を受けるが、パンタグラフ機構1170が前後方向に占める領域を小さくすることで、パンタグラフ機構1170の前後方向に他の役物を配置することが可能となり、前後方向に重なる複数の役物を用いたダイナミックな可動演出を実行することが可能となる。
また、パンタグラフ機構1170の収縮状態では、延設部11741が左下部アーム1174の上端11743を超える位置まで上方に延設されているため、原点位置では、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが略水平状態となる。同様に、延設部11781が右下部アーム1178の上端11783を超える位置まで上方に延設されているため、原点位置では、右上部アーム1176と右下部アーム1178とが略水平状態となる。そして、延設部11741(延設部11781)が形成されている分、左上部アーム1172及び左下部アーム1174(右上部アーム1176及び右下部アーム1178)による可動範囲をより大きくすることが可能となる。しかも、各アーム1172,1174,1176,1178の各々に厚みを持たせることができるため、各アーム1172,1174,1176,1178の強度アップおよび作動時の安定につながる。さらには、各アーム1172,1174,1176,1178の強度アップを図ることが可能となることで、これら各アーム1172,1174,1176,1178の作動にともなって作動する可動役物の大型化を図ることが可能となり、よりダイナミックな可動演出を実行することも可能となる。
このように、左上部アーム1172と左下部アーム1174との位置関係(右上部アーム1176と右下部アーム1178との位置関係)を上記のとおりとすることで、前後方向に重なる複数の役物を用いたダイナミックな可動演出や、可動役物の大型化によるダイナミックな可動演出を実行可能となり、可動演出による遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
可動装飾体1110は、前面に装飾が施されるとともに、左右略対称となる位置に開口1101,1105が形成されている。これらの開口1101,1105には、それぞれ、レンズ1103,1107がはめ込まれている。可動装飾体1110は、被覆装飾体1120とともに、左側駆動機構1150及び右側駆動機構1160によって上下に摺動可能となっている。可動装飾体1110は、孔11102と、長穴11104と、孔11106及び長穴11108と、ボス1112及びボス1114とを有する。孔11102及び孔11106は、互いに略左右対称となる位置に設けられた孔である。長穴11104及び孔11106は、互いに略左右対称となる位置に設けられており、縦長の長穴である。ボス1112及びボス1114は、可動装飾体1110の裏面側において互いに略左右対称となる位置に設けられている。また、可動装飾体1110は、レンズ1103,1107の後方に、多数のLEDが配置されたLED基板1116が取り付けられており、遊技の進行に応じて発光可能に構成されている。LED基板1116に配置されたLEDが発光すると、レンズ1103,1107を通し発光表示される。
被覆装飾体1120は、可動装飾体1110の左側に配置される被覆装飾体1122と、可動装飾体1110の右側に配置される被覆装飾体1124とを有する。被覆装飾体1122は、支軸11222及びガイド軸11224を有する。被覆装飾体1124は、支軸11242及びガイド軸11244を有する。
被覆装飾体1122は、支軸11222が可動装飾体1110の孔11102に回動自在に軸支されるとともに、ガイド軸11224が可動装飾体1110の長穴11104に摺動自在に挿通される。また、被覆装飾体1122は、パンタグラフ機構1170に連結されている(詳しくは、左下部アーム1174の中央側の端部の軸受11744に回転可能に軸支されている)。これにより、被覆装飾体1122は、可動装飾体1110の前面(レンズ1103)を被覆するとともに、支軸11222を回転中心として可動装飾体1110に対して可動可能に配置される。
被覆装飾体1124は、支軸11242が可動装飾体1110の孔11106に回動自在に軸支されるとともに、ガイド軸11244が可動装飾体1110の長穴11108に摺動自在に挿通される。また、被覆装飾体1124は、パンタグラフ機構1170に連結されている(詳しくは、右下部アーム1178の中央側の端部の軸受11784に回転可能に軸支されている)。これにより、被覆装飾体1124は、可動装飾体1110の前面(レンズ1107)を被覆するとともに、支軸11242を回転中心として可動装飾体1110にたいして可動可能に配置される。
なお、被覆装飾体1122及び被覆装飾体1124は、互いに略左右対称となるように配置されている。
[上部背面役物1100の動作説明]
次に、図88〜図92を参照して、上部背面役物1100の動作について説明する。図88は、作動開始前すなわち通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図89は、上部背面役物1100が作動を開始してから、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達する前の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図90は、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達したときの態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図91は、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が作動限界位置まで作動したのち、さらに左側モータ1151及び右側モータ1161が回転し、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164によって可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動したとき(被覆装飾体1120が可動装飾体1110に対して作動を開始したとき)の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図92は、可動装飾体1110に対して作動限界まで被覆装飾体1120が移動した態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。
なお、図88に示されるように、上部背面役物1100が原点位置にあるとき、パンタグラフ機構1170は閉じた状態(各アーム1172,1174,1176,1178の長手部分がいずれも略水平状態)である。ここで、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動したときに、当該可動装飾体1110で隠すことができる部材(左下部アーム1174および右下部アーム1178)については、当該可動装飾体1110の背面側に位置させて極力隠すようにし、当該可動装飾体1110で隠すことが困難な部材(左上部アーム1172および右上部アーム1176)については無色透明の部材で構成している。これにより、各アーム1172,1174,1176,1178によって液晶表示装置16の表示領域に表示される画像の視認が阻害するおそれが少なく、また遊技者からも気付かれ難くなっている。
そして、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動するにつれて、各アーム1172,1174,1176の長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていき、上部アーム1172,1176と下部アーム1174,1178とによって形成される角度が大きくなっていく。可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動すると、左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が向く方向は鉛直方向に向かうが、可動装飾体1110が一定の作動範囲を超えるまでは、可動装飾体1110の背面側に左下部アーム1174および右下部アーム1178が位置したままである。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転すると、駆動ギア1157も反時計周りに回転する。駆動ギア1157が反時計周りに回転すると、従動ギア1156が時計周りに回転する。支軸11562は、原点位置にあるとき(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置にあるとき)は紙面上方に位置しており、従動ギア1156が時計周りに回転すると、軸受11564(左従動ギア取付軸11844)を中心として時計周りに周回する。支軸11562が軸受11564(左従動ギア取付軸11844)を中心として時計周りに周回すると、左腕部材1155が左下方に向けて押し下げられる。左腕部材1155が左下方に向けて押し下げられると、中空軸11544(左伝達アーム取付軸11848)を回転中心とする時計周りの押圧力が左伝達アーム1154に対して作用する。左伝達アーム取付軸11848を回転中心とする時計周りの押圧力が左伝達アーム1154に対して作用すると、この左伝達アーム1154は、左伝達アーム取付軸11848を支点として時計周りに回転する。左伝達アーム1154が時計周りに回転すると、長穴11542に摺動可能に連結されるボス1112が長穴11542内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させる。
右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、駆動ギア1167も時計周りに回転する。駆動ギア1167が時計周りに回転すると、従動ギア1166が反時計周りに回転する。支軸11662は、原点位置にあるとき(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置にあるとき)は紙面上方に位置しており、従動ギア1166が反時計周りに回転すると、軸受11664(右伝達アーム取付軸11868)を中心として反時計周りに周回する。支軸11662が軸受11664(右従動ギア取付軸11864)を中心として反時計周りに周回すると、右腕部材1165が右下方に向けて押し下げられる。右腕部材1165が右下方に向けて押し下げられると、中空軸11644(右伝達アーム取付軸11868)を回転中心とする反時計周りの押圧力が右伝達アーム1164に対して作用する。右伝達アーム取付軸11868を回転中心とする反時計周りの押圧力が右伝達アーム1164に対して作用すると、この右伝達アーム1164は、右伝達アーム取付軸11868を支点として反時計周りに回転する。右伝達アーム1164が反時計周りに回転すると、長穴11642に摺動可能に連結されるボス1114が長穴11642内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させる。
なお、可動装飾1110が下方に移動するとき、可動装飾体1110の移動に付随して被覆装飾体1122,1124も下方に移動する。これは、被覆装飾体1122,1124のガイド軸11224,11244が可動装飾体1110の長穴11104,11108に摺動自在に挿通されているため、可動装飾体1110が下方に移動したときに、重力作用によって被覆装飾体1122,1124も下方に移動するためである。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転するとともにこれと同期して右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が略水平状態を維持しつつ紙面下方に向けて作動する。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転して可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が紙面下方に向けて移動すると、被覆装飾体1122と連結されている下部中央側中空軸1744が紙面下方に向けて押し下げられる。これにより、左下部アーム1174が支軸11742を支点として時計周りに回転するとともに、左上部アーム1172が軸受11722(中央左支軸11882)を支点として反時計周りに回転する。右側モータ1161が正面視で時計周りに回転して可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が紙面下方に向けて移動すると、被覆装飾体1124と連結されている中空軸11784が紙面下方に向けて押し下げられる。これにより、右下部アーム1178が支軸11782を支点として反時計周りに回転するとともに、右上部アーム1176が軸受11762(中央右支軸11884)を支点として時計周りに回転する。このようにして、パンタグラフ機構1170が作動する。
ところで、左上部アーム1172は、軸受11722(中央左支軸11882)を支点として反時計周りに回転すると、いずれ、規制部材1190の左当接面1192と当接する。また、右上部アーム1176は、軸受11762(中央右支軸11884)を支点として時計周りに回転すると、いずれ、規制部材1190の右当接面1194と当接する。左上部アーム1172は、左当接面1192と当接したときの位置が紙面下方に向けた作動限界位置であり、右上部アーム1176は、右当接面1194と当接したときの位置が紙面下方に向けた作動限界位置である。
左上部アーム1172が作動限界位置まで移動したのちさらに左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転すると、可動装飾体1110がさらに紙面下方に向けて移動し、中空軸11744は、長穴11104の下端位置から上端位置に向けて移動する。これに伴って、被覆装飾体1122は、支軸11222を支点として時計周りに回転する。また、右上部アーム1176が作動限界位置まで移動したのちさらに右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、可動装飾体1110がさらに紙面下方に向けて移動し、中空軸11784は、長穴11108の下端位置から上端位置に向けて移動する。これに伴って、被覆装飾体1124は、支軸11242を支点として反時計周りに回転する。このようにして、被覆装飾体1122及び被覆装飾体1124は、可動装飾体1110とともに原点位置から紙面下方に向けて作動し、左上部アーム1172及び右上部アーム1176が紙面下方に向けて上記の作動限界位置まで作動し、さらに可動装飾体1110が紙面下方に向けて移動すると、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動する。可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動すると、開口1101,1105にはめ込まれたレンズ1103,1107が露出し、遊技者から視認可能となる。レンズ1103,1107の露出量は、可動装飾体1110に対する被覆装飾体1120の相対的な作動範囲が大きくなるにつれて大きくなる。
このように、上部背面役物1100は、原点位置(図88参照)と下降端位置(図90参照)との間を上下方向に移動可能となっている。詳しくは、可動装飾体1110は、原点位置と下降端位置との間を移動可能となっており、被覆装飾体1120は原点位置と左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置との間を移動可能となっている。作動限界位置は、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が下降端位置まで移動したのち、可動装飾体1110が下降端位置にある状態で、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が限界まで作動した位置である。すなわち、可動装飾体1110の上下方向位置は、下降端位置と作動限界位置とで同じである。可動装飾体1110及び被覆装飾体1120は、原点位置にあるときは、液晶表示装置16の表示領域に表示される画像の視認を妨げない位置に待機している。一方、上部背面役物1100(詳しくは、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が下降端位置にあるときは、被覆装飾体1120が作動限界位置にあるときも含めて、液晶表示装置16の表示領域の前方に位置する。すなわち、原点位置にある上部背面役物1100が下降端位置に向けて移動したとき、上部背面役物1100(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)は、原点位置から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けて進出することとなる。原点位置から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けての上部背面役物1100の進出は、遊技の進行(例えば、第一始動口762又は第二始動口752への遊技球の入賞(通過)を条件に実行される当り判定の結果)に応じて実行される。
なお、上部背面役物1100が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて進出したとき、右上部アーム1176及び左上部アーム1172が遊技者から視認できる位置に露出するが、右上部アーム1176及び左上部アーム1172はいずれも透明の樹脂で構成されているため、液晶表示装置16の表示領域に表示される演出画像の視認を妨げることがない。しかも、上部背面役物1100(詳しくは、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)がパンタグラフ機構によって昇降するため、右上部アーム1176と右下部アーム1178との支点、及び、左上部アーム1172と左下部アーム1174との支点は、いずれも液晶表示装置16の表示領域の側方となり、遊技者の視認の妨げとなりにくい(遊技者は中央部を注視する傾向にある)だけでなく、左側駆動機構1150及び右側駆動機構1160を、上部背面役物1100の上下方向の可動域よりも小さな範囲にコンパクトに設けることができる。なお、左下部アーム1174及び右下部アーム1178は黒色の樹脂製であるが、上部背面役物1100が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて進出したとしても、左下部アーム1174及び右下部アーム1178は可動装飾体1110の後方に隠れるように移動するため、左下部アーム1174及び右下部アーム1178が遊技者の視界に入りにくくなっている。また、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることで上部背面役物1100を全体的に薄くすることができる(本実施の形態では左側モータ1151及び右側モータ1161の略幅程度の厚みに収まっている)。
また、可動装飾体1110が作動を開始した当初は、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置からともに作動を開始し、途中から可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が相対的に作動を開始することとなる。すなわち、可動装飾体1110が作動を開始した当初は可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が作動しているわけではないため、可動装飾体1110が作動を開始した当初から被覆装飾体1120の最終形を予測することが困難となっており、途中から可動装飾体1110が遊技者の予想を超えた作動を行うこととなり、興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、可動装飾体1110が作動を開始した当初は可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が作動しておらず、途中から可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動を開始するように構成されているが、これに限られず、可動装飾体1110の位置にかかわらず被覆装飾体1120が作動するような構成であってもよい。
ところで、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接したのち(作動限界位置にいたったのち)は、さらに左側モータ1151及び右側モータ1161が回転したとしても、左上部アーム1172および右上部アーム1176の姿勢(左上部アーム1172および右上部アーム1176それぞれの長手部分が向く方向)は変化しない。一方、左下部アーム1174および右下部アーム1178については、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接したのちも、左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていく。左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていくと、いずれ、左下部アーム1174および右下部アーム1178が可動装飾体1110の背面側から露出してしまう。
そこで、本実施の形態では、左下部アーム1174および右下部アーム1178が可動装飾体1110の背面側から露出してしまうことに先だって、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)を相対的に作動させるようにしている。すなわち、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動すると左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えるため、可動装飾体1110の背面側から左下部アーム1174および右下部アーム1178が正面視で視認できる位置にあらわれることとなるが、そのタイミングで被覆装飾体1120を可動装飾体1110に対して相対的に上方に作動させて、左下部アーム1174および右下部アーム1178が被覆装飾体1120の背面側に位置するようにしている。被覆装飾体1120が可動装飾体1110に対して相対的に作動すると、正面視で視認できる役物領域(可動装飾体1110と被覆装飾体1120とをあわせた領域)が大きくなるため、これを利用することで、左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えたとしても、遊技者にとって違和感なく自然な形で、左下部アーム1174および右下部アーム1178が露出することを防止している。
また、本実施の形態では、上述したように、原点位置にある上部背面役物1100が下降端位置に向けて作動を開始したのち、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接すると、下降端位置に向けての可動装飾体1110の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が上方に向けて作動する。ここで、可動装飾体1100に対する被覆装飾体1122の作動は、左側モータ1151を正面視で反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御によって行われる。同様に、可動装飾体1100に対する被覆装飾体1124の作動は、右側モータ1161を正面視で時計周りに回転させるだけといった一の動作制御によって行われる。すなわち、被覆装飾体1122および被覆装飾体1124のいずれについても、それぞれに対応するモータ(被覆装飾体1122について左側モータ1151,被覆装飾体1124については右側モータ1161)を特定の方向に回転させるだけといった一の簡単な動作制御によって、可動装飾体1100の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1100の作動とは独立して作動させることが可能となる。しかも、覆装飾体1122および被覆装飾体1124のいずれについても、それぞれ一つのモータを回転させるだけなので、簡単な構成且つ省スペースで、可動装飾体1100の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1100の作動とは独立して作動させることが可能となる。とくに、近年は可動役物の大型化や複数の可動役物を配置することが主流となってきているので、省スペース化への貢献は大きな効果である。
ところで、従来より、役物を上下方向に略直線状に作動させる場合、役物の両側に駆動機構を設け、この駆動機構によって上下方向への直線運動を行っていた。役物の両側に駆動機構を設けた場合、少なくとも上下方向への役物の作動範囲にわたって駆動機構を設ける必要があり、かかる駆動機構の設置には大きな領域を必要としていた。役物を円弧運動によって作動することができれば省スペース化を図ることはできるが、この場合、役物も円弧運動によって作動することとなる。この点、本実施の形態では、左伝達アーム1154が左伝達アーム取付軸11848を支点として時計周りに回転し、長穴11542に摺動可能に連結されるボス1112が長穴11542内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させている。また、これと同期して、右伝達アーム1164が右伝達アーム取付軸11868を支点として反時計周りに回転し、長穴11642に摺動可能に連結されるボス1114が長穴11642内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させている。すなわち、本実施の形態によれば、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164のそれぞれを、一端を支点とする円弧運動をさせつつも、可動装飾体1110の姿勢を略水平に保持した状態で、当該可動装飾体1110を、駆動機構の設置領域よりも大きな作動範囲にわたって上下方向に略直線状に移動させることが可能となる。しかも、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が円弧運動を行うため、可動装飾体1110を駆動させる駆動機構(左側駆動機構1150,右側駆動機構1160)の上下方向における設置領域を、可動装飾体1110の作動範囲よりも小さくすることができ、省スペース化に大きく貢献することができる。
また、本実施の形態では、可動装飾体1110、被覆装飾体1120、装飾カバー1130、装飾カバー1140、左伝達アーム1154、右伝達アーム1164及び静的装飾体1196の前面には、同系統の装飾が施されている。同系統の装飾とは、例えば同一の観念を想起させる装飾を意味し、色彩や模様や形状が外観上同じであると認識できる装飾が施されていれば、同一の観念を想起させうる。本実施の形態では、上記各部材1110,1120,1130,1140,1154,1164,1196の前面に、色彩が外観上同じであって同一の役物(上部背面役物1100)を構成する形状であると認識できる装飾が施されている。しかも上部背面役物1100は、遊技機のコンセプトにかかわるキャラクタ形であるから、同系統の装飾が前面に施された上記各部材1110,1120,1130,1140,1154,1164,1196によって一の同じキャラクタ形が形成されている。
従来の例えばパチンコ機などの遊技機では、とくに、可動部材(本実施の形態の可動装飾体1110に相当)を支持する支持部材や、可動部材を駆動させる駆動部材(本実施の形態の左伝達アーム1154、右伝達アーム1164が相当)については、可動役物が液晶表示装置の前方側に進出したときに正面視で視認できてしまう可能性があった。この点、本実施の形態では、このような従来の遊技機とは異なり、左伝達アーム1154や右伝達アーム1164をあえて正面視で視認できるようにした上で、他の部材(可動装飾体1110、被覆装飾体1120、装飾カバー1130,1140及び静的装飾体1196)とともに同一の役物(上部背面役物1100)を構成する部材であると遊技者に認識されるようにしている。しかも、可動装飾体1110が作動によって原点位置と作動限界位置との間のどこの位置にあったとしても、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164を、上記他の部材と同化させている(例えば、図88〜図92それぞれの(A)を参照)。詳述すると、左伝達アーム1154には、可動装飾体1110と装飾カバー1130との間に連続性を持たせる装飾が施されているとともに、右伝達アーム1164には、可動装飾体1110と装飾カバー1140との間に連続性を持たせる装飾が施されている。しかも、左伝達アーム1154、右伝達アーム1164及び上記他の部材の前面に同系統の装飾が施されて一のキャラクタ形が形成されている。このようにして、左伝達アーム1154や右伝達アーム1164をあえて正面視で視認できるようにしつつも、伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が可動装飾体1110に連結されて当該可動装飾体1110を支持する部材であることを、遊技者に把握され難くしている。さらには、可動装飾体1110が目のような形をしているのに対し、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164は、可動装飾体1110の左右端部から目尻をイメージさせる形状となっている。そのため、伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が可動装飾体1110を駆動させる部材であることを、より一層、遊技者からは把握され難いと思われる。
[下部役物1200の構成]
図93〜図98を参照して、下部役物1200の構成について説明する。図93は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における下部役物1200の正面図の一例である。図94は、通常態様における下部役物1200の背面図の一例である。図95は、下部役物1200を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図96は、下部役物1200を左斜め上から見た背面斜視図の一例である。図97は、下部役物1200を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図98は、下部役物1200を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
下部役物1200は、下部役物1200を構成する各種部材が取り付けられる下部役物固定ベース1220と、下部役物固定ベース1220に対して作動可能に構成される下部役物可動装飾体1210と、下部役物可動装飾体1210の上下動を左右両側で案内する左ガイド1260部材及び右ガイド1270部材と、上下動する下部役物可動装飾体1210に対して上方に向けた付勢力を作用させる補助アーム1280と、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動装飾体1210を作動させるための駆動源としての下部役物駆動モータ1230と、下部役物駆動モータ1230の動力を下部役物可動装飾体1210に伝達するギア1240と、ギア1240の後方に配置される透明樹脂性の後カバー1250とを備える。なお、後カバー1250は透明樹脂製であるが、後カバー1250の形状を把握しやすいように、図94及び図96ではギア1240等の各種部材を示していない。上記の下部役物固定ベース1220及び下部役物駆動モータ1230は、下部役物可動装飾体1210を上下動させる作動機構として機能する。
下部役物固定ベース1220は、横長矩形状の板状部材である。下部役物固定ベース1220は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800に取付固定される。下部役物固定ベース1220の前面側の下部略中央には、下部役物駆動モータ1230が取り付けられている。下部役物固定ベース1220の前面の左側には、補助アーム1280を軸支する支軸12202が前方に向けて形成されている。下部役物固定ベース1220の背面側には、左右一対の支軸12203,12205が後方に向けて形成されている。下部役物固定ベース1220には、下部役物駆動モータ1230に対して左右略対称であって且つ下部役物駆動モータ1230よりも上方に、外側に膨らむ一対の半円状の孔12204,12206が形成されている。孔12204は、支軸12203を中心とする弧を描くように形成されている。孔12206は、支軸12205を中心とする弧を描きように形成されている。下部役物固定ベース1220の前面側であって下部役物駆動モータ1230の右側に、下部役物可動装飾体1210の位置を検知するフォトセンサ12208が配置されている。本実施形態では、フォトセンサ12208は、下部役物可動装飾体1210が原点位置にあるか否かを検知している。
下部役物可動装飾体1210は、横方向に長い装飾部材である。下部役物固定ベース1220の前方側に、下部役物固定ベース1220に対して上下方向に作動できるように取り付けられる。下部役物可動装飾体1210は、下部役物固定ベース1220に対して上下方向に作動可能な透明樹脂製の下部役物可動ベース12102と、前面に装飾が施されており下部役物固定ベース1220の前面を被覆し、下部役物可動ベース12102とともに上下動する下部役物装飾カバー12104とを備える。この下部役物装飾カバー12104は、後方からの光を前方に向けて透過可能に構成されている。
下部役物可動ベース12102の左右両側には一対の長穴12106,12108が形成されている。この長穴12106,12108は、横方向に長い長穴である。下部役物可動ベース12102には、補助アーム1280に係合するボス12110が、長穴12106の右側において前方に向けて形成されている。
また、下部役物可動ベース12102には、前面側に、発光源としての図示しないLEDが配置されたLED基板が搭載されている。このLED基板に配置されたLEDが発光すると、下部役物装飾カバー12104を通して前方に発光する。これにより、例えば下部役物可動装飾体1210の上下動にあわせた発光演出を行うことが可能となっている。
左ガイド部材1260は、縦長の板状部材であって、取付部12604,12606において下部役物固定ベース1220の左側に取り付けられる。左ガイド部材1260は、下部役物固定ベース1220とで下部役物可動ベース12102を挟むようにして下部役物固定ベース1220の左側に取り付けられる。そして、左ガイド部材1260と下部役物固定ベース1220との間に形成された溝が、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動ベース12102が上下に移動する際のガイド溝として機能する。
右ガイド部材1270は、縦長の板状部材であって、取付部12704,12706において下部役物固定ベース1220の右側に取り付けられる。右ガイド部材1270は、下部役物固定ベース1220とで下部役物可動ベース12102を挟むようにして下部役物固定ベース1220の右側に取り付けられる。そして、右ガイド部材1270と下部役物固定ベース1220との間に形成された溝が、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動ベース12102が上下に移動する際のガイド溝として機能する。
補助アーム1280は、下部役物装飾カバー12104の前方左側に設けられる棒状の部材である。補助アーム1280は、左側の端部に、下部役物固定ベース1220の支軸12202に軸支される軸受12804を有する。補助アーム1280は、右側の端部に、下部役物可動ベース12102に形成されたボス12110と係合する長穴12802が形成されている。
下部役物固定ベース1220に形成された支軸12202と補助アーム1280に形成された軸受12804との間には、弾性部材の一例として補助コイルバネ1290が設けられる。補助コイルバネ1290は、軸受12804(支軸12202)を回転中心として補助アーム1280を反時計周り(左回転方向)に向けて付勢するものである。この補助コイルバネ1290の反時計周りに向けた付勢力によって、下部役物固定ベース1220に対する下部役物可動装飾体1210の上方への移動が補助される。
下部役物駆動モータ1230は、ステッピングモータであり、役物制御回路207からのパルス信号により回転制御される。
ギア1240は、下部役物固定ベース1220の後方に設けられる。ギア1240は、下部役物駆動モータ1230と同軸に設けられる駆動ギア12402と、左従動ギア12404及び右従動ギア12406とを備える。
左従動ギア12404と右従動ギア12406とは同径であり、左従動ギア12404の回転中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の回転中心の高さ方向位置とが同じとなるように左右に並べて配置されている。また、左従動ギア12404及び右従動ギア12406は、同期して互いに反対方向に回転する。
左従動ギア12404は、中心に軸受12404aを有する。この軸受12404aは、支軸12203を回転可能に軸支する。左従動ギア12404の歯は、駆動ギア12402の歯と噛み合っている。右従動ギア12406は、中心に軸受12406aを有する。この軸受12406aは、支軸12205を回転可能に軸支する。右従動ギア12406の歯は、左従動ギア12404の歯と噛み合っており、駆動ギア12402の歯とは噛み合っていない。つまり、下部役物駆動モータ1230の回転力は、駆動ギア12402を通じて左従動ギア12404に伝達され、左従動ギア12404に伝達された回転力はさらに右従動ギア12406に伝達される。このようにして、駆動ギア12402と右従動ギア12406の回転とが同期して回転する。
左従動ギア12404は、前面に、当該左従動ギア12404の中心から径方向に所定距離離れた部位にボス12405が形成されている。同様に、右従動ギア12406についても、前面に、当該右従動ギア12406の中心から径方向に所定距離離れた部位にボス12407が形成されている。なお、左従動ギア12404の中心からボス12405までの距離と、右従動ギア12406の中心からボス12407までの距離とは同じである。
なお、「左従動ギア12404と右従動ギア12406とは同径」、「左従動ギア12404の中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の中心の高さ方向位置とが同じ」及び「左従動ギア12404の中心からボス12405までの距離と、右従動ギア12406の中心からボス12407までの距離とは同じ」について、いずれも、小数点以下まで同じ値であることが要求されるほど厳密なものではなく、下部役物駆動モータ1230の動力を下部役物可動装飾体1210に伝達する際に、外観で同じ姿勢を維持しつつ下部役物可動装飾体1210を安定して(左右方向にバランスよく)上下動できるように、下部役物可動装飾体1210の左右に略均等に同僚が伝わる範囲内であれば良い。
ボス12405は、下部役物固定ベース1220に形成された孔12204を貫通した上で、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106に摺動可能に連結される。ここで、孔12204は、左従動ギア12404が時計周りに回転したときにボス12405が支軸12203を中心として周回する軌跡に対応して形成されている。
ボス12407は、下部役物固定ベース1220に形成された孔12206を貫通した上で、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108に摺動可能に連結される。ここで、孔12206は、右従動ギア12406が反時計周りに回転したときにボス12407が支軸12205を中心として周回する軌跡に対応して形成されている。
ボス12405及びボス12407は、通常状態では、それぞれ、最も下方の最下端位置(図99に示される位置)に位置している。
なお、孔12204及び孔12206は、それぞれ、ボス12405及びボス12407の移動範囲(すなわち左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転範囲)を規定する機能も有する。
左従動ギア12404及び右従動ギア12406が回転した場合におけるボス12405及びボス12407の最も上方の位置を最上端位置としたとき、孔12204及び孔12206は、いずれも、少なくとも最下端位置と最上端位置との間をボス12405,12407が移動できるように形成されている必要がある。本実施形態では、孔12404は、最下端位置(図99参照)から時計回りに最上端位置を超える位置まで形成されている。また、孔12206は、最下端位置(図99参照)から反時計周りに最上端位置を超える位置まで形成されている。
ここで、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLと孔12204とが交わる2つの位置のうち、上方がボス12405の最上端位置であり、下方がボス12405の最下端位置である。また、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRと孔12206とが交わる2つの位置のうち、上方がボス12407の最上端位置であり、下方がボス12407の最下端位置である(いずれも、図101参照)。ただし、図101では、ボス12405およびボス12407のいずれも、最上端位置をわずかに超える位置まで移動している。
なお、ボス12405についての「最上端位置をわずかに超える位置」とは、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも正面視右側(図101(A)の右側、図101(B)の左側)であって、略最上端位置を維持できる位置である。また、ボス12407についての「最上端位置を超える位置」とは、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも正面視左側(図101(A)の左側、図101(B)の右側)である。ただし、「超える位置」の程度は、下部役物可動装飾体1210が上方に移動したときに、当該下部役物可動装飾体1210が下降したことを認識し難い程度に僅かであることが好ましい。ボス12405,12407が最上端位置を大きく超えてしまうと、下部役物可動装飾体1210が最上端位置よりも低い位置まで下降してしまうからである。
[下部役物1200の動作説明]
次に、図99〜図101を参照して、下部役物1200の動作について説明する。図99は、作動開始前すなわち通常態様(原点位置にあるときの態様)における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図100は、中間位置まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図101は、作動限界まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。なお、図101では、ボス12407及び長穴12108の態様を把握できるようにこれらを図示している。
下部役物可動装飾体1210は、原点位置(図99参照)と作動限界位置(図101参照)との間を上下方向に移動可能となっている。なお、下部役物可動装飾体1210が原点位置にあるときは、センターユニット74の後方に隠れるため、遊技者から視認することが困難となっている。一方、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置にあるときは、液晶表示装置16の表示領域の前方に位置する。すなわち、原点位置にある下部役物可動装飾体1210が作動限界位置に向けて移動したとき、下部役物可動装飾体1210は、センターユニット74の後方から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けて進出することとなる。センターユニット74の後方から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けての下部役物可動装飾体1210の進出は、遊技の進行(例えば、第一始動口762又は第二始動口752への遊技球の入賞(通過)を条件に実行される当り判定の結果)に応じて実行される。
下部役物駆動モータ1230が反時計周りに回転すると、左従動ギア12404が時計周りに回転するとともに、右従動ギア12406が反時計周りに回転する。左従動ギア12404が時計周りに回転すると、通常状態で最も下方に位置しているボス12405は、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLを半径とする弧を描きながら時計周りに回転移動する。右従動ギア12406が反時計周りに回転すると、通常状態で最も下方に位置しているボス12407は、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRを半径とする弧を描きながら反時計周りに回転移動する。すなわち、下部役物可動装飾体1210は、作動限界位置に向けて上昇する。
下部役物可動装飾体1210が原点位置(図99参照)から中間位置(図100参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を左方向(図99(B)及び図100(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を右方向(図99(B)及び図100(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。このとき、孔12204及び孔12206は、それぞれ、ボス12405及びボス12407の作動を案内するガイド溝として機能するとともに、上述したとおり、ボス12405及びボス12407の作動範囲(左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転範囲)を規定する機能をも有する。
また、下部役物可動装飾体1210が中間位置(図100参照)から作動限界位置(図101参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を右方向(図100(B)及び図101(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を左方向(図100(B)及び図101(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。なお、補助コイルバネ1290は、軸受12804を支点とする反時計周りの付勢力を補助アーム1280に対して与えているので、この補助コイルバネ1290によって下部役物可動装飾体1210を上方向に押し上げる力がサポートされる。
下部役物駆動モータ1230が時計周りに回転すると、左従動ギア12404が反時計周りに回転するとともに、右従動ギア12406が時計周りに回転する。左従動ギア12404が反時計周りに回転すると、ボス12405は、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLを半径とする弧を描きながら反時計周りに回転移動する。右従動ギア12406が反時計周りに回転すると、ボス12407は、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRを半径とする弧を描きながら時計周りに回転移動する。すなわち、下部役物可動装飾体1210は、原点位置に向けて下降する。
下部役物可動装飾体1210が作動限界位置(図101参照)から中間位置(図100参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を左方向(図100(B)及び図101(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を右方向(図100(B)及び図101(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げる。また、下部役物可動装飾体1210が中間位置(図100参照)から原点位置(図99参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を右方向(図99(B)及び図100(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を左方向(図99(B)及び図100(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げる。
なお、上述したとおり、左従動ギア12404の回転中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の回転中心の高さ方向位置とが同じであるとともに、左従動ギア12404の径と右従動ギア12406の径とが同じである。また、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLと、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRとが同じ距離(長さ)である。そのため、下部役物駆動モータ1230が回転したとき、ボス12405の高さ方向位置と右従動ギア12406の高さ方向位置とが同じとなる。ここで、下部役物可動ベース12102にはLED基板が搭載されているため、上昇対象である下部役物可動装飾体1210は相当の重量がある。しかも、下部役物可動装飾体1210は左右方向に長い役物である。このような役物を上昇させるときには、左右いずれか一方に偏って動力が伝わる可能性がある。しかし、本実施形態の構成によれば、上昇対象物が多少重量があったり左右方向に長い役物であったりしても、一つの下部役物駆動モータ1230の回転力(動力)だけで、左右いずれか一方に動力が偏って伝達されることなく、原点位置(図99参照)にあるときの姿勢を維持しつつ、下部役物可動装飾体1210を安定して(左右方向にバランスよく)上下方向に作動することが可能となる。
ところで、下部役物可動装飾体1210を原点位置から作動限界位置まで作動させるに際し、役物制御回路207は、下部役物駆動モータ1230に対して、原点位置から作動限界位置まで作動するために必要な回転数よりも多く回転するように(作動限界位置を超えて回転するように)パルス信号を出力する。下部役物駆動モータ1230の回転により作動を開始した下部役物可動装飾体1210は、孔12204の終端部にボス12405が衝突するとともに孔12206の終端部にボス12407が衝突することによって物理的に停止される。このようにして、下部役物可動装飾体1210を、原点位置から作動限界位置まで迅速に作動させることが可能となる。
ここで、孔12204は、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも中央側(図101(A)において鉛直方向線LLよりも紙面右側)まで形成されている。同様に、孔12206は、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも中央側(図101(A)において鉛直方向線LRよりも紙面左側)まで形成されている。そのため、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置まで移動すると、ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動する。すなわち、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも中央側(図101(A)において鉛直方向線LLよりも紙面右側)にボス12405が位置し、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向船LRの線上よりも中央側(図101(A)において鉛直方向線LLよりも紙面左側)にボス12407が位置することとなる。
ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動すると、下部役物可動装飾体1210に対して下方に向けての力(例えば重力)が作用したとしても、孔12204,12206によって左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転が規制される。そのため、左従動ギア12404及び右従動ギア12406はいずれの方向にも回転することができず、この位置で左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転がロックされる。
このように、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置まで移動すると、下部役物可動装飾体1210が重力で下降しないことは勿論、下部役物可動装飾体1210に対して振動等の外的な力が加わったとしても下降せず、原点位置に向かう方向(時計周り)に下部役物駆動モータ1230が回転しない限り、作動限界位置において保持される。これにより、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、下部役物可動装飾体1210を上方に移動させるための一連の動作のなかで下部役物可動装飾体1210がロックされ、下部役物可動装飾体1210を上方で維持することが可能となる。
ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも左側になければ(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも右側になければ)、下方に向けての下部役物可動装飾体1210の移動がロックされる。したがって、ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上にある場合(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上にある場合)も、下方に向けての下部役物可動装飾体1210の移動がロックされる。ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上にある場合(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上にある場合)、下部役物可動装飾体1210の重力が鉛直方向に作用し、かかる重力の分力が左従動ギア12404(右従動ギア12406)の回転方向(最上端位置では、左従動ギア12404については正面視で水平左方向、右従動ギア12406については正面視で水平右方向)に作用しないからである。
なお、本実施の形態では、ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動したときに、左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転が規制されるようにしているが、これは、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を最上端位置において保持したいためであり、上昇させる対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)を保持したい位置に応じて、ボス12405,12407の移動範囲を適宜変更することができる。例えば、左従動ギア12404の回転範囲を、鉛直方向線LLの線上よりも正面視右側(図101(A)の右側、図101(B)の左側)にさらに90度回転させた位置にするとともに、右従動ギア12406の回転範囲を、鉛直方向線LRの線上よりも正面視左側(図101(A)の左側、図101(B)の右側)にさらに90度回転させた位置にすると、最上端位置と最下端位置との間の中間位置で下部役物可動装飾体1210を保持することができる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404および右従動ギア12406を回転させることによってボス12405およびボス12407を周回させて、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を上下動させているが、必ずしも、下部役物可動装飾体1210を上下動させる態様はこれに限られず、下部役物可動装飾体1210に対して力を作用する力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)が弧を描いて移動することによって下部役物可動装飾体1210を上下動させる態様であれば良い。したがって、上記の力作用部材の移動にギア(本実施の形態の左従動ギア12404および右従動ギア12406に相当)を用いるのではなく、例えば、中心から径方向に所定距離離れた部位に上記の力作用部材が形成された回転部材などを用いても良い。
また、上記の力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)は、ギアを用いると真円の弧を描いて移動させることができるが、必ずしも真円の弧を描いて移動させる必要はなく、楕円の弧を描いて移動させるようにしても良い。すなわち、力作用部材の移動方向が水平方向になると、当該力作用部材の移動方向(水平方向)における対称役物(本実施形態の下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)に相当)の荷重の分力が0となり、対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)の荷重によって力作用部材が移動しない。そのため、対象役物が下降する方向に力作用部材の駆動源(本実施の形態の下部役物駆動モータ1230に相当)が駆動しない限り、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、対象役物を上方に移動させるための一連の動作のなかで当該対象役物が上方でロックすることが可能となる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転(ボス12405及びボス12407の移動)を、下部役物駆動モータ1230の駆動を停止させることによって停止させるのではなく、孔12204,12206によって物理的に停止させている。例えば、モータ(本実施の形態の下部役物駆動モータ1230が相当)の制御によって対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)を上方で停止させるようにすると、停止させたい上方位置付近でモータの回転を減速せざるを得ず、当該上方位置付近での対象役物の上昇速度が低下してしまうおそれがある。この点、本実施の形態のように、力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)の移動を物理的に規制することによって、モータの回転を減速しない限り、対象役物を、停止させたい上方位置付近で失速させることなく、簡単な構成で高速移動を実現できる。しかも、左従動ギア12404及び右従動ギア12406を一対として左右に並べて配置しているので、対称役物が左右方向に長い横長形状であったとしても左右方向の安定性を維持しつつ当該対象役物の昇降を行うことができる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404及び右従動ギア12406が同期して互いに反対方向に回転する。すなわち、ボス12405及びボス12407が同期して互いに反対方向に移動する。これにより、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)に対して左右いずれかの方向に外的力(例えば振動等)が加わったとしても、下部役物駆動モータ1230を駆動しない限り、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を最上端位置付近でロックすることができる。ボス12405とボス12407とが反対方向に移動しない限り、下部役物可動装飾体1210が下降しないからである。
[コーナー役物1300]
コーナー役物1300は、上述したとおり、上部コーナー役物1320と下部コーナー役物1350とを備える。ここでは、先ず上部コーナー役物1320について説明し、次に下部コーナー役物1350について説明し、その後、コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様について説明する。
[上部コーナー役物1320の構成]
図102〜図105を参照して、上部コーナー役物1320の構成について説明する。図102は、上部コーナー役物1320の正面図の一例である。図103は、上部コーナー役物1320の背面図の一例である。図104は、上部コーナー役物1320を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図105は、上部コーナー役物1320を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上部コーナー役物1320は、上部コーナー役物1320を構成する各種部材が取り付けられる固定プレート1322と、固定プレート1322に対して作動可能に構成される第1可動体1330及び第2可動体1340と、第1可動体1330及び第2可動体1340を作動させるための駆動源としてのモータ1332と、モータ1332の動力を第1可動体1330及び第2可動体1340に伝達する機構としての動力伝達機構1333と、第1可動体1330及び第2可動体1340の原点位置を確認するフォトセンサ1345とを備える。
固定プレート1322は、上部前面役物1000の背面側且つ上部背面役物1100の前面側であって、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の上部に取付固定される横長の板状部材である。固定プレート1322の前面側には、支軸13222,13224,13226が形成されている。左右方向における支軸13222と支軸13224との間であって且つ支軸13222,13224よりも上方に、孔13225が形成されている。支軸13226の周囲には、支軸13226の周囲の略上半分に孔13229が形成されている。
第1可動体1330は、文字等の装飾が施された表示体としての装飾部13302と、装飾部13302と一体的に構成される腕部13304とを備える。腕部13304の基端部には、支軸13222を回転可能に軸支する軸受13306が形成されている。この軸受13306の正面視右上方には支軸13308が形成されている。第1可動体1330は、軸受13306(支軸13222)を中心として回転可能となっている。また、第1可動体1330の裏面には、当該第1可動体1330の移動方向に沿って長い線状のスロープ13307が形成されている。このスロープ13307は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
第2可動体1340は、文字等の装飾が施された表示体としての装飾部13402と、装飾部13402と一体的に構成される腕部13404とを備える。腕部13404の基端部には、支軸13228を回転可能に軸支する軸受13406が形成されている。この軸受13406の正面視左上方には支軸13408が形成されている。第2可動体1340は、軸受13406(支軸13228)を中心として回転可能となっている。また、第2可動体1340の裏面には、当該第2可動体1340の移動方向に沿って長い線状のスロープ13407が形成されている。このスロープ13407は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
モータ1332は、モータ取付部材1331を介して固定プレート1322に取付固定される。また、モータ1332の動力は、モータ出力軸13322から出力される。
動力伝達機構1333は、第1ギア1334と、第2ギア1335と、第3ギア1336と、第1伝達アーム1337と、第2伝達アーム1338とを備える。第1ギア1334と第2ギア1335とは噛み合っており、第2ギア1335と第3ギア1336とは噛み合っている。第1可動体1330には、各ギア1334,1335を介してモータ1332からの動力が伝達される。第2可動体1340には、各ギア1334〜1336を介してモータ1332からの動力が伝達される。
第1ギア1334は、中心に中空軸13342が形成されている。この中空軸13342は、モータ出力軸13322と同軸でともに回転できるよう当該モータ出力軸13322に軸支されている。モータ出力軸13322に軸支された中空軸13342は、孔13225に位置する。
第2ギア1335は、中心に中空軸13352が形成されている。この中空軸13352は、支軸13224に回転可能に軸支される。また、第2ギア1335の前面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13354が形成されている。
第3ギア1336は、中心に中空軸13362が形成されている。この中空軸13362は、支軸13226に回転可能に軸支される。また、第3ギア1336の前面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13364が形成されている。第3ギア1336の背面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13366が形成されている。このボス13366は、第3ギア1336が回転したときに、孔13229内を移動する。ボス13364とボス13366とは、互いに反対側の面に、第3ギア1336の中心に対して略対角に形成されている。第3ギア1336は、前面に、フォトセンサ1345によって検知可能な検知片13368が形成されている。
第1伝達アーム1337は、C字状の湾曲部13370と、棒状部13371とを有する。棒状部13371側の端部には軸受13372が形成されている。軸受13372は、支軸13308に回転可能に軸支される。湾曲部13370側の端部には軸受13374が形成されている。軸受13374は、ボス13354に回転可能に軸支される。
第2伝達アーム1338は、C字状の湾曲部13380と、棒状部13381とを有する。棒状部13381側の端部には軸受13382が形成されている。軸受13382は、支軸13408に回転可能に軸支される。湾曲部13380側の端部には軸受13384が形成されている。軸受13384は、ボス13364に回転可能に軸支される。
フォトセンサ1345は、第1可動体1330及び第2可動体1340の位置を検知するものであり、本実施形態では、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置(後述する図106参照)にあるときに、検知片13368を検知できるように取り付けられている。
[上部コーナー役物1320の動作説明]
次に、図104〜図109を参照して、上部コーナー役物1320の動作について説明する。図106は、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置にあるときを示す背面図の一例である。図107は、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。図108は、図107に示す位置から、第1可動体1330及び第2可動体1340がさらに作動したときを示す背面図の一例である。図109は、第1可動体1330及び第2可動体1340が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。
第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置にあるとき、第1可動体1330は液晶表示装置16の左上コーナー部に位置し、第2可動体1340は液晶表示装置16の右上コーナー部に位置している。原点位置において、第1可動体1330及び第2可動体1340は上部前面役物1000の背後に配置されるため(例えば、図36を参照)、正面視で視認困難となっている。
原点位置(図106参照)に第1可動体1330及び第2可動体1340があるとき、モータ1332が回転し、モータ出力軸13322が正面視で反時計周り(図106〜図109では時計周り)に回転すると、第1ギア1334が正面視で反時計周りに回転する。第1ギア1334が正面視で反時計周りに回転すると、第2ギア1335が正面視で時計周りに回転する。第2ギア1335が正面視で時計周りに回転すると、第3ギア1336が正面視で反時計周りに回転する。
第2ギア1335が支軸13224(中空軸13352)を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス13354(図104参照)が中空軸13352(支軸13224)を中心として正面視で時計周りに周回する。ボス13354が中空軸13352を中心として正面視で時計周りに周回すると、これに伴ってボス13354に軸支される軸受13374も支軸13224を中心として正面視で時計周りに周回する。その結果、第1伝達アーム1337の軸受13372が正面視で左方向(図106〜図109では右方向)に移動する。第1伝達アーム1337の軸受13372は第1可動体1330の支軸13308に回転可能に軸支されているため、軸受13372が正面視で左方向に移動すると、支軸13308は、固定プレート1322に形成された支軸13222(軸受13306)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。すなわち、支軸13222を回転中心として第1可動体1330が正面視で反時計周りに回転することとなり、その結果、第1可動体1330が原点位置から、右下方(液晶表示装置16の表示領域の前方)に向けて移動する。
また、第2ギア1335が支軸13224(中空軸13352)を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第3ギア1336が中空軸13362(支軸13226)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。第3ギア1336が支軸13226を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、ボス13364(図104参照)が中空軸13362を中心として正面視で反時計周りに周回する。ボス13364が中空軸13362を中心として正面視で反時計周りに周回すると、第2伝達アーム1338の軸受13382が正面視で右方向(図106〜図109では左方向)に移動する。第2伝達アーム1338の軸受13382は第2可動体1340の支軸13408に回転可能に外挿されているため、軸受13382が正面視で右方向に移動すると、支軸13408は、固定プレート1322に形成された支軸13228(軸受13406)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。すなわち、支軸13228を回転中心として第2可動体1340が原点位置から左下方(液晶表示装置16の表示領域の前方)に向けて移動する。
このようにして、一つのモータ1332の回転によって第1可動体1330と第2可動体1340とを同期して作動させることができる。
また、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視認し難い原点位置から、第1可動体1330と第2可動体1340とが近接する方向に移動する。すなわち、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視界の外方から内方に向けて挟み込むように移動してあらわれることとなる。
なお、モータ1332が回転し、モータ出力軸13322が正面視で時計周りに回転すると、上述した動きと逆の動きによって、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に戻る方向に作動する。
ところで、液晶表示装置16の表示領域に移動した第1可動体1330が原点位置に戻る際に、第1可動体1330と固定プレート1322とが干渉し、第1可動体1330が原点位置にスムーズに復帰できない虞がある。そこで本実施形態では、第1可動体1330の裏面に形成されたスロープ13307が固定プレート1322の平面部と摺動することによって、原点位置への第1可動体1330のスムーズな復帰が可能とされている。同様に、第2可動体1340についても、当該第2可動体1340の裏面に形成されたスロープ13407が固定プレート1322の平面部と摺動することによって、原点位置への第2可動体1340のスムーズな復帰が可能とされている。
[下部コーナー役物1350の構成]
図110〜図113を参照して、下部コーナー役物1350の構成について説明する。図110は、下部コーナー役物1350の正面図の一例である。図111は、下部コーナー役物1350の背面図の一例である。図112は、下部コーナー役物1350を正面右斜め上から見た分解斜視図である。図113は、下部コーナー役物1350を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。
下部コーナー役物1350は、下部コーナー役物1350を構成する各種部材が取り付けられる固定プレート1352と、固定プレート1352に対して作動可能に構成される第3可動体1355及び第4可動体1357と、第3可動体1355及び第4可動体1357を作動させるための駆動源としてのモータ1354と、モータ1354の動力を第3可動体1355及び第4可動体1357に伝達する機構としての動力伝達機構1360と、第3可動体1355及び第4可動体1357の位置を確認するフォトセンサ1375とを備える。
固定プレート1352は、中パネル1500の背面側且つ下部役物1200の前面側であって、リアボックス1800の下部に固定して取り付けられる横長の板状部材である。固定プレート1352の前面側には、支軸13522,13523,13524,13525,13526,13527,13528,13529が形成されている。支軸13527の周囲には、支軸13527の周囲の略下半分に孔13530が形成されている。
第3可動体1355は、文字等の装飾が施された表示体としての装飾部13552と、装飾部13552と一体的に構成される腕部13554とを備える。腕部13554の背面には腕カバー13559が設けられる。腕カバー13559の中央側端部には孔135592が形成されている。腕部13554の基端部には、支軸13524を軸支する軸受13556が形成されている。この軸受13556の正面視右下方には支軸13558が形成されている。第3可動体1355は、軸受13556が軸支される支軸13524を中心として回転可能となっている。また、腕部13554の軸受13556と腕カバー13559の孔135592との間には、コイルバネ1395が設けられている。このコイルバネ1395は、支軸13524を回転中心とする時計周りに付勢している。これにより、第3可動体1355には、支軸13524を回転中心とする時計周りの付勢力が作用する。さらに、第3可動体1355の裏面には、当該第3可動体1355の移動方向に沿って長い線状のスロープ13557が形成されている。このスロープ13557は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
第4可動体1357は、文字等の装飾が施された表示体としての装飾部13572と、装飾部13572と一体的に構成される腕部13574とを備える。腕部13574の背面には腕カバー13579が設けられる。腕カバー13579の中央側端部には孔135792が形成されている。腕部13574の基端部には、支軸13529を軸支する軸受13576が形成されている。この軸受13576の正面視左下方には支軸13578が形成されている。第4可動体1357は、軸受13576が軸支される支軸13529を中心として回転可能となっている。また、腕部13574の軸受13576と腕カバー13579の孔135792との間には、コイルバネ1396が設けられている。このコイルバネ1396は、支軸13529を回転中心とする反時計周りに付勢している。これにより、第4可動体1357には、支軸13529を回転中心とする反時計周りの付勢力が作用する。さらに、第4可動体1357の裏面には、当該第4可動体1357の移動方向に沿って長い線状のスロープ13577が形成されている。このスロープ13577は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
モータ1354は、モータ取付部材1356を介して固定プレート1352に取付固定される。モータ1354の動力は、モータ出力軸13542から出力される。
動力伝達機構1360は、第1ギア1361と、第2ギア1362と、第3ギア1363と、第4ギア1364と、第5ギア1365と、第6ギア1366と、第7ギア1367と、各ギア1361,1362,1363,1364,1365,1366,1367の全部又は一部からの動力を第3可動体1355に伝達する第3伝達アーム1370と、各ギア1361,1362,1363,1364,1365,1366,1367の全部又は一部からの動力を第4可動体1357に伝達する第4伝達アーム1372とを備える。
第1ギア1361は、中心に中空軸13612が形成されている。この中空軸13612には、モータ出力軸13542と同軸でともに回転できるよう当該モータ出力軸13542が圧入されている。
モータ1354からの動力は、第1ギア1361、第2ギア1362、第3ギア1363、第4ギア1364、第5ギア1365、第6ギア1366、第7ギア1367の順に伝達される。第6ギア1366は、中心に中空軸13662が形成されているとともに、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13664が形成されている。また、第6ギア1366は、前面に、中心から径方向外側に所定距離離れた部位に、フォトセンサ1375によって検知可能な検知片13666が形成されている。また、第7ギア1367は、支軸13528を回転可能に軸支する中空軸13672が中心に形成されているとともに、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13674が形成されている。
第3伝達アーム1370は、C字状の湾曲部13702と、棒状部13704とを有する。棒状部13704側の端部には軸受13706が形成されている。軸受13706は、第3可動体1355の支軸13558を回転可能に軸支する。湾曲部13702側の端部には軸受13708が形成されている。軸受13708は、第6ギア1366のボス13664を回転可能に軸支する。
第4伝達アーム1372は、C字状の湾曲部13722と、棒状部13724とを有する。棒状部13724側の端部には軸受13726が形成されている。軸受13726は、支軸13578を回転可能に軸支する。湾曲部13722側の端部には軸受13728が形成されている。軸受13728は、ボス13674を回転可能に軸支する。
フォトセンサ1375は、第3可動体1355及び第4可動体1357の位置を検知するものであり、本実施形態では、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置(後述する図114参照)にあるときに、検知片13666を検知できるように取り付けられている。
[下部コーナー役物1350の動作説明]
次に、図112〜図116を参照して、下部コーナー役物1350の動作について説明する。図114は、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置にあるときを示す背面図の一例である。図115は、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。図116は、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。
第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置にあるとき、第3可動体1355は液晶表示装置16の表示領域の左下角部に位置し、第4可動体1357は液晶表示装置16の表示領域の右下角部に位置している。原点位置において、第3可動体1355及び第4可動体1357は、第一中パネル1520及び第二中パネル1550の背後に配置されるため、正面視で視認困難となっている。
原点位置(図114参照)に第3可動体1355及び第4可動体1357があるとき、モータ1354が回転し、モータ出力軸13542が正面視で時計周り(図114〜図116では反時計周り)に回転すると、第1ギア1361が正面視で時計周りに回転する。第1ギア1361が正面視で時計周りに回転すると、第2ギア1362が正面視で反時計周りに回転する。第2ギア1362が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1363が正面視で時計周りに回転する。第3ギア1363が正面視で時計周りに回転すると、第4ギア1364が正面視で反時計周りに回転する。第4ギア1364が正面視で反時計周りに回転すると、第5ギア1365が正面視で時計周りに回転する。第5ギア1365が正面視で時計周りに回転すると、第6ギア1366が正面視で反時計周りに回転する。第6ギア1366が正面視で反時計周りに回転すると、第7ギア1367が正面視で時計周りに回転する。
第6ギア1366が支軸13527(中空軸13662)を回転中心として正面視で反時計周り(図114〜図116では時計周り)に回転すると、ボス13664(図112参照)が中空軸13662を中心として正面視で反時計周りに周回する。ボス13664が中空軸13662を中心として正面視で反時計周りに周回すると、第3伝達アーム1370の軸受13706が正面視で左方向(図114〜図116は右方向)に移動する。第3伝達アーム1370の軸受13706は第3可動体1355支軸13558を回転可能に軸支しているため、軸受13706が正面視で左方向に移動すると、支軸13558は、固定プレート1352に形成された支軸13524(軸受13556)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。すなわち、支軸13524を回転中心として第3可動体1355が正面視で時計周りに回転することとなり、その結果、第3可動体1355が原点位置から上方に向けて移動する。
また、第6ギア1366が支軸13527(中空軸13662)を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、第7ギア1367が支軸13528(中空軸13672)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第7ギア1367が支軸13528を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス13674(図112参照)が中空軸13672を中心として正面視で時計周りに周回する。ボス13672が中空軸13672を中心として正面視で時計周りに周回すると、第4伝達アーム1372の軸受13726が正面視で右方向(図114〜図116では左方向)に移動する。第4伝達アーム1372の軸受13726は第4可動体1357の支軸13578を回転可能に軸支しているため、軸受13726が正面視で右方向に移動すると、支軸13578は、固定プレート1352に形成された支軸13529(軸受13576)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。すなわち、支軸13529を回転中心として第4可動体1357が原点位置から上方に向けて移動する。
このようにして、一つのモータ1354の回転によって第3可動体1355と第4可動体1357とを同期して作動させることができる。
また、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視認し難い原点位置から、第3可動体1355と第4可動体1357とが近接する方向に移動する。すなわち、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視界の外方から内方に向けて挟み込むように移動してあらわれることとなる。
なお、モータ1354が回転し、モータ出力軸1354が正面視で反時計周りに回転すると、上述した動きと逆の動きによって、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に戻る方向に作動する。
ところで、液晶表示装置16の表示領域に移動した第3可動体1355が原点位置に戻る際に、第3可動体1355と固定プレート1352とが干渉し、第3可動体1355が原点位置にスムーズに復帰できない虞がある。そこで本実施形態では、第3可動体1355の裏面に形成されたスロープ13557が固定プレート1352の平面部と摺動することによって、原点位置への第3可動体1355のスムーズな復帰が可能とされている。同様に、第4可動体1357についても、当該第4可動体1357の裏面に形成されたスロープ13577が固定プレート1352の平面部と摺動することによって、原点位置への第4可動体13570のスムーズな復帰が可能とされている。
[コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様]
次に、図117〜図119を参照して、コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様について説明する。図117は、コーナー役物1300のうち、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部が作動限界位置まで作動したときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。図118は、コーナー役物1300のうち、第1可動体1330および第2可動体1340が作動限界位置まで作動し、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。図119は、コーナー役物1300のうち、第3可動体1355および第4可動体1357が作動限界位置まで作動し、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。ただし、図117〜図119では、説明の便宜上、上部前面役物1000、下部役物1200、中パネル1500およびアタッカ球樋1600の図示を省略している。
また、図示は省略されているが、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに、一つの文字(例えば、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット)が付されている。
図117に示すように、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動すると、液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方において、各可動体1330,1340,1355,1357に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
また、図118に示すように、第1可動体1330および第2可動体1340が作動限界位置まで作動し、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に待機しているときは、液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方において、第1可動体1330および第2可動体1340に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
さらに、図119に示すように、第3可動体1355および第4可動体1357が作動限界位置まで作動し、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に待機しているときは、液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方において、第3可動体1355および第4可動体1357に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
このようにして、例えばサブCPU201が有する役物制御回路207(いずれも、図7参照)によってモータ1332(例えば、図104参照)およびモータ1354(例えば、図113参照)の駆動を、大当り判定処理の結果に応じて制御することで、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部の文字で一つの意匠(以下、「第1意匠」と称する)を形成したり、上部コーナー役物1320(第1可動体1330および第2可動体1340)が有する一部(2つ)の文字で一つの意匠(以下、「第2意匠」と称する)を形成したり、下部コーナー役物1350(第3可動体1355及び第4可動体1357)が有する一部(2つ)の文字で一つの意匠(以下、「第3意匠」と称する)を形成したりすることが可能となる。これにより、役物の作動による可動演出によって遊技者に与える視覚的印象を、限られた数の役物だけで変化させることが可能となる。
また、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち2つ以上の可動体によって形成される意匠は、遊技の進行にかかわる情報(例えば、大当り期待度の高い特定のリーチの実行示唆情報)として遊技者に認識させることもできる。例えば、第一始動口5442や第二始動口440への始動入賞による大当り判定が行われた結果として、遊技者に大当りであることを期待させる特定のリーチ演出が実行される場合に、当該特定のリーチ演出を示す(又は関連する)熟語を、液晶表示装置16の表示領域の前方において二つ以上の可動体(第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうちいずれか二つ以上の可動体)が近接して配置されたときに認識できる意匠(例えば、熟語)によってあらわすようにしても良い。
本実施の形態では、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視認し難い原点位置から、第1可動体1330と第2可動体1340とが近接する方向に移動する。すなわち、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視界の上方外方から下方内方に向けて挟み込むように移動してあらわれる。
また、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視認し難い原点位置から、第3可動体1355と第4可動体1357とが近接する方向に移動に移動する。すなわち、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視界の上方外方から下方内方に向けて挟む込むように移動してあらわれる。
ここで、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の前面には、それぞれ、文字が施されているが、各可動体1330,1340,1355,1357のそれぞれに施された単体の各文字だけでは意味を成さず、遊技の進行にかかわる情報が遊技者に示されるものではない。
また、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357は、原点位置ではいずれも視認し難い位置に配置されているとともに、それぞれ、正面視左上、正面視右上、正面視左下及び正面視右下と互いに離れた部位に配置されている。そのため、1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうちの二つ以上の可動体が、正面視で遊技者の視界の外方から内方に向けて作動することとなり、当該作動の過程において、作動する二つ以上の可動体に付された文字によって形成される意匠(例えば、熟語)を遊技者が直ちに認識することは困難であり、液晶表示装置16の表示領域の前方において近接して停止されてようやく認識できるものである。
このように、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち二つ以上の可動体が正面視で視界の外方から内方に向けて移動することによって、遊技者の注視を、奥方(液晶表示装置16の表示領域にて示される演出画像)から手前(液晶表示装置16の前方に進出した可動体の文字)に移動させることができる。これにより、従来より、例えば遊技の進行にかかわる情報は、例えば液晶表示装置に表示される演出画像等によって遊技者に示されていたところ、本実施の形態によれば、液晶表示装置16に表示される演出画像に頼ることなく、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち液晶表示装置16の表示領域の前方に進出した二つ以上の可動体のみで、遊技の進行にかかわる情報を遊技者に示すことが可能となる。これにより、演出のリズムを変えるだけでなく遊技者にインパクトのある演出を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動すると、液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方において、全部の可動体1330,1340,1355,1357に付された文字によって一つの意匠が形成されることが好ましいが、必ずしもこれに限られず、二以上の一部の可動体に付された文字のみによって一つの意匠が形成されるようにしても差し支えない。例えば、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち、第1可動体1330および第3可動体1355に付された文字のみによって一つの意匠が形成され、第2可動体1340および第4可動体1357(文字は付されていなくてもよい)は意匠を構成せずに単なる別個の可動体として存在するような場合が相当する。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに、一つの文字が付されているが、必ずしもこれに限られず、全部の可動体または一部の可動体については、二以上の文字が付されていてもよい。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに付されたのは文字であるが、必ずしもこれに限られず、液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方において、一つの意匠を形成したり、意味のあるかたちをなすもの(例えば、特定の観念を想起させるもの)を形成するものであればよい。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が液晶表示装置16(例えば、図3参照)の前方に位置しているとき、他の可動体との間に隙間を有しているが、これに限られず、全部または一部の可動体が合体して一つの意匠を形成するものであってもよい。
また、本実施形態では、一つのモータ1332(例えば、図104参照)の回転によって第1可動体1330と第2可動体1340とが同期して作動するとともに、一つのモータ1354の回転によって第3可動体1355と第4可動体1357とが同期して作動するように構成されているが、これに限られず、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれが単体で作動するように構成してもよい。
[サイド役物1400の構成]
図120〜図123を参照して、サイド役物1400の構成について説明する。図120は、通常態様(原点位置にあるときの態様)におけるサイド役物1400の正面図の一例である。図121は、通常態様におけるサイド役物1400の背面図の一例である。図122は、サイド役物1400を前方右斜め上から見た分解斜視図の正面図の一例である。図123は、サイド役物1400を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。なお、図121では、リンク部材1420等の各種部材を視認しやすいように取付プレート1410を透過させて図示しているが、実際は不透明部材である。
サイド役物1400は、サイド役物1400を構成する各種部材が取り付けられる取付プレート1410と、取付プレート1410に対して作動可能に構成される可動装飾体1450と、可動装飾体1450を作動させるための駆動源としてのサイド役物用モータ1440と、サイド役物用モータ1440の動力を可動装飾体1450に伝達する機構としての可動片1430及びL字状のリンク部材1420と、可動装飾体1450の位置を確認するフォトセンサ1464とを備える。
取付プレート1410は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の右側部に取付固定される縦長の板状部材である。取付プレート1410の前面側の上部には、リンク部材1420を軸支するリンク支軸1412が形成されている。取付プレート1410の下部には、可動装飾体1450を軸支する可動装飾体用支軸1414が形成されている。
可動装飾体1450は、前面に装飾が施された縦長の柄状の本体部1452と、本体部1452とともに作動可能であるとともに本体部1452に対しても単独で作動可能に構成される単独可動体1454とを備える。可動装飾体1450の本体部1452は、当該本体部1452の下部に、可動装飾体用支軸1414を軸支する可動装飾軸受1458を有する。可動装飾体1450は、可動装飾軸受1458において可動装飾体用支軸1414に軸支され、可動装飾体用支軸1414(可動装飾軸受1458)を回転中心として回転可能に構成されている。可動装飾体1450は、下方端部に原点確認可動片1456を有する。さらに、可動装飾体1450は、正面視右側において、後方に向けて突出する可動装飾ボス1455を有する。
サイド役物用モータ1440は、モータ取付部材1444を介して取付プレート1410に取付固定される。また、サイド役物用モータ1440は、減速機付きのモータであり、サイド役物用モータ1440の回転速度が減速されてモータ出力軸1442から動力が出力される。
可動片1430は、上記のモータ出力軸1442を軸支することによってサイド役物用モータ1440に連結されるギア軸受1432と、リンク部材1420に連結されるリンク部材用ボス1434とを有する。可動片1430は、サイド役物用モータ1440が回転すると、ギア軸受1432(モータ出力軸1442)を回転中心として回転する。
リンク部材1420は、取付プレート1410のリンク支軸1412を軸支するリンク軸受1422と、横方向に長い第1リンク1421と、第1リンク1421に対して略直角で下方向に長い第2リンク1425とを有する。リンク部材1420は、リンク軸受1422に軸支されたリンク支軸1412を回転中心として回転可能となっている。第1リンク1421には、可動片1430のリンク部材用ボス1434が摺動可能に連結される可動片用長穴1424が形成されている。リンク部材用ボス1434は、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として回転したときに、可動片用長穴1424の長穴方向に沿って摺動可能となっている。第2リンク1425には、可動装飾体1450の可動装飾ボス1455が摺動可能に連結される可動装飾体用長穴1426が形成されている。可動装飾ボス1455は、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として回転したときに、可動装飾体用長穴1426の長穴方向に沿って摺動可能となっている。
フォトセンサ1464は、フォトセンサ取付部材1460を介して取付プレート1410の下部に取付固定される。フォトセンサ1464は、可動装飾体1450の位置を検知している。上述したとおり、本実施形態では、可動装飾体1450の下方端部に原点確認可動片1456を有しており、フォトセンサ1464は、可動装飾体1450が原点位置にあるときに上記の原点確認可動片1456を検知できるようになっている。すなわち、フォトセンサ1464は、可動装飾体1450が原点位置にあるか否かを検出するものである。
[サイド役物1400の動作説明]
次に、図120、図121及び図124〜図128を参照して、サイド役物1400の動作について説明する。図124は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400の一例を示す正面図である。図125は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400の一例を示す背面図である。図126は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400の一例を示す正面図である。図127は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400の一例を示す背面図である。図128は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出した状態からさらにサイド役物用モータ1440を同じ方向に回転させたときのサイド役物1400の一例を示す背面図である。以下、この明細書において、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときの位置を、「最進出位置」と称する。
なお、可動装飾体1450が原点位置にあるときのリンク部材1420の傾き度合いは背面視で概ね1時(図121参照)であり、可動装飾体1450が最進出位置にあるときのリンク部材1420の傾き度合いは背面視で概ね4時半(図127参照)である。本実施の形態では、サイド役物用モータ1440の減速比は、サイド役物用モータ1440が1回転したときにモータ出力軸1442が概ね1時から概ね4時半まで移動する(可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動する)ように設定されているが、減速比はこれに限られない。
図127に示される最進出位置では、可動装飾ボス1455が可動装飾体用長穴1426の端部まで移動していない。これは、可動装飾体用支軸1414(可動装飾体1450)を回転中心とする回転方向と、可動装飾体用長穴1426の長方向とが異なる方向となるため、可動装飾体用長穴1426の側面(長手方向の面)で可動装飾ボス1455の動きが規制されるからである。
原点位置(リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね1時となる位置)に可動装飾体1450があるとき、サイド役物用モータ1440が回転し、モータ出力軸1442が正面視で反時計周り(図120、図124及び図126では反時計周り、図121、図125、図127及び図128では時計周り)に回転すると、可動片1430がモータ出力軸1442(ギア軸受1432)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。可動片1430がギア軸受1432を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、リンク部材用ボス1434が可動片用長穴1424内を摺動し、リンク部材1420に対して、リンク軸受1422(リンク支軸1412)を回転中心として正面視で時計周り(図124では時計周り、図125では反時計周り)に回転する力が作用する。そして、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、可動装飾ボス1455を介して、可動装飾体1450を液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて押し出す力が作用する。リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね4時半(図127参照)となり、サイド役物用モータ1440の回転が停止すると、可動装飾体1450は最進出位置で停止する。
リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね4時半(図127参照)の状態からさらにサイド役物用モータ1440が回転し、モータ出力軸1442が正面視で反時計周り(図120、図124及び図126では反時計周り、図121、図125、図127及び図128では時計周り)に回転すると、可動片1430がモータ出力軸1442(ギア軸受1432)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。可動片1430がギア軸受1432を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、リンク部材用ボス1434が可動片用長穴1424内を摺動し、リンク部材1420に対して、リンク軸受1422(リンク支軸1412)を回転中心として正面視で時計周り(図124では時計周り、図125では反時計周り)に回転する力が作用する。そして、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、可動装飾ボス1455を介して、可動装飾体1450に対して当該可動装飾体1450を原点位置に戻す力が作用する。リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね1時(図121参照)となり、サイド役物用モータ1440の回転が停止すると、可動装飾体1450が原点位置で停止する。
このように、サイド役物用モータ1440を正転・逆転させることなく、サイド役物用モータ1440を同じ方向(本実施の形態では正面視で反時計周り)に回転させるだけで、可動装飾体1450を、原点位置と最進出位置との間を往復移動させることが可能となる。なお、リンク部材1420が背面視で概ね1時(図121参照)から背面視で概ね4時半(図127参照)まで移動すると、可動装飾体1450は、原点位置から最進出位置まで移動する。一方、リンク部材1420が背面視で概ね4時半から背面視で概ね1時まで移動すると、可動装飾体1450は、最進出位置から原点位置まで移動する。すなわち、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動は、リンク部材1420が背面視で概ね1時から背面視で概ね4時半まで移動するだけで実現できるが、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は、リンク部材1420が背面視で概ね4時半から1時まで移動することを要する。
したがって、サイド役物用モータ1440(モータ出力軸1442)の回転速度が一定であるときは勿論のこと、サイド役物用モータ1440の回転速度が大きく変動しない限り、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動は相対的に迅速に行われ、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は相対的に緩やかに行われることとなる。ここで、原点位置から最進出位置に向けての可動装飾体1450の移動(可動体演出)は、第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果に基づいて行われるが、かかる可動装飾体1450の移動は迅速に行われることが要求される。一方、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は、原点位置から最進出位置に向けての移動と比べて迅速な移動が要求されない。そのため、サイド役物用モータ1440を一の方向(同じ方向)に回転させるだけで可動装飾体1450を原点位置と最進出位置との間を往復移動させることが可能でありながらも、可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動するために要するサイド役物用モータ1440の回転角度を、可動装飾体1450が最進出位置から原点位置まで移動するための要するサイド役物用モータ1440の回転角度よりも小さくすることで、サイド役物用モータ1440の回転速度に変更を加えることなく、最進出位置から原点位置までの移動と比べて、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動を迅速に行うことが可能となる。
なお、単独可動体1454は、可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動するときに当該可動装飾体1450とともに原点位置から最進出位置まで移動するが、当該移動に伴って、単独可動体1454が本体部1452に対してあわせて作動するようにすることで、サイド役物1400の動作演出をよりダイナミックなものにすることができる。ただし、これに代えて又は加えて、可動装飾体1450が原点位置、最進出位置又は原点位置と再進出位置との間に待機しているときに、本体部1452に対して単独可能体1454を作動させるようにしても良い。
[第二中パネル1550の構成]
図129〜図131を参照して、第二中パネル1550の構成について説明する。図129は、第二中パネル1550を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図130は、第二中パネル1550を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。図131は、(A)第二中パネル1550の正面図の一例、(B)(A)に示すC−C線断面図の一例である。
第二中パネル1550は、第二中パネル1550を構成する各種部材が取り付けられるパネル取付ケース1556と、LED1562,1564が配置されるLED基板1560と、導光レンズ1570と、黒色シート1580と、インナーレンズ1583と、装飾シート1584と、ハーフミラー1585と、上述した開口窓1552を有する窓縁体1586と、パネルカバー1590とを備える。
パネル取付ケース1556は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の右下部に固定して取り付けられるケース状の部材である。
LED基板1560は、上述した開口窓1552に対応する形状の環状の突起1561が形成されるとともに平面領域1563を有する板状部材である。LED基板1560には、環状の突起1561の径方向内側に、複数(本実施形態では5個)のLED1562が環状に配置されているとともに、平面領域1563には複数のLED1564が配置されている。LED1562は、径方向の外側に向けて発光するように設けられる。LED1564は、正面視で前方に向けて発光するように設けられる。
導光レンズ1570は、パネル取付ケース1556との間でLED基板1560を収容するように設けられる。導光レンズ1570は、LED基板1560に配置されたLED1564から前方に向けて発光された光を分散して面状に発光する機能を有する。また、導光レンズ1570には、開口窓1552に対応する形状の孔が形成されている。
黒色シート1580は、パネルカバー1590の裏面に貼付される。黒色シート1580は、前面側が黒色であり、背面側には文字等のすかしが施されている。当該すかしは、通常時(LED1562,1564が発光していないとき)は前方から視認できないが、所定条件が成立してLED1562,1564が発光すると、パネルカバー1590に浮かび上がるようにあらわれる。黒色シート1580は、開口窓1552に対応する形状の孔が形成されている。
ハーフミラー1585、装飾シート1584及びインナーレンズ1583は、前方からこの順で重ねて、開口窓1552に臨むように配置される。このとき、インナーレンズ1583は、LED1562が径方向内側に収まる態様で(LED1562の径方向外側に位置するように)配置される。
インナーレンズ1583は、外周に沿って正面視で背面側に突出するフランジ15832(図131(B)参照)を有する。LED1562から径方向外側に向けて発光された光の一部はインナーレンズ1583に吸収され、当該吸収されなかった光はインナーレンズ1583を透過する。また、インナーレンズ1583は、5つの扇形領域15831,15833,15835,13837,13839に仕切られている(図130参照)。また、これら5つの各領域15831,15833,15835,13837,13839は、径方向に略直交する方向に、複数の切り欠きが形成されている。また、5つの各領域15831,15833,15835,13837,13839の境界は、周縁部から円の中心に向けて高さが低くなるように傾斜しているため、インナーレンズ1583に入射した光は、インナーレンズ1583に形成された切り欠きに沿って流れるとともに、インナーレンズ1583の径方向の中央に向けて集まる。インナーレンズ1583に光が入射したとき、径方向の中央部よりも外周部の方が光の強度が強いが、入射した光を径方向の中央に向けて集めることで、インナーレンズ1583の面をより均一に面発光させることが可能となる。
装飾シート1584は、前面にキャラクター等の絵が描かれた光透過性のシートである。装飾シート1584に描かれたキャラクターは、通常時(LED1562が発光していないとき)はハーフミラー1585によって前方から視認できないが、所定条件が成立してLED1562が発光すると、開口窓1552内の領域に浮かび上がるようにあらわれる。
窓縁体1586は、光沢メッキが施されており、光を反射するように構成されている。また、窓縁体1586には、上述した開口窓1552が形成されており、外観の美観が保たれるように外周部に装飾が施されている。
パネルカバー1590は、透明の板状部材であり、上述したように、背面側に黒色シート1580が添付されている。また、パネルカバー1590は、開口窓1552に対応する孔が形成されている。
LED1562から発光された光は、径方向の外側に向けて発光する。当該光の一部は、インナーレンズ1583のフランジ15832(図131参照)に入射し、当該入射した光の一部はインナーレンズ1583内に吸収され、他の光はインナーレンズ1583を透過して径方向の外側に向けて発光される。インナーレンズ1583を透過して径方向の外側に向けて発光された光は、窓縁体1586の外周縁の径方向内側の面15862(図131参照)に反射する。窓縁体1586の外周縁の径方向内側の面15862に反射した光は、光の進行方向を径方向の内側に向かう方向に変えて、インナーレンズ1583に入射する。このようにして、LED1562から発光された光が外部に洩れることを極力防止し、極力インナーレンズ1583に吸収されるようにしている。また、インナーレンズ1583には、上記の一部の光も含めてインナーレンズ1583の外周部から光が入射するので、当該光をインナーレンズ1583の面に沿って分散させることができ、均一に面発光させることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1やパチスロ機によれば、以下のような遊技機を提供することができる。
[付記1]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために可動体を作動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような可動体演出としては、例えばパンタグラフの伸縮動作によって可動体を移動させるとともに、パンタフラフの伸縮動作が始まると同時に可動体を傾斜させる技術が公知である(例えば、特開2011−229582号公報を参照)。
しかしながら、例えば特開2011−229582号公報に記載された遊技機では、可動体の作動が開始された時点で、可動体の移動及び傾斜といった当該可動体による複数の作動を把握できてしまい、演出効果を高めるには限界があり、興趣が低下する虞があった。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、第1の位置(例えば、原点位置)と第2の位置(例えば、作動限界位置)との間を作動可能に構成される主可動部材(例えば、可動装飾体1110)と、前記主可動部材が作動したときに該主可動部材の作動に付随して作動可能に構成される副可動部材(例えば、被覆装飾体1120)と、一方の端部が所定のベース部材(例えば、ベース部材1180)に取り付けられるとともに、他方の端部が前記副可動部材に取り付けられるアーム機構(例えば、パンタグラフ機構1170)と、前記第1の位置にある前記主可動部材の作動が開始されたときはこれに付随して前記副可動部材についても作動するとともに、前記主可動部材の作動が開始されてから前記第2の位置に至るまでの間に前記アーム機構の作動を規制する規制手段(例えば、規制部材1190)と、を備え、前記副可動部材は、前記主可動部材に対して相対的に移動可能に設けられており、前記規制手段により前記アーム機構の作動が規制されたとき、前記主可動部材は前記第2の位置に至るまで作動する一方、前記副可動部材段は前記主可動部材に対して相対的に作動することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1の位置(例えば、原点位置)にある主可動部材の作動が開始されたときにはこれに付随して副可動部材についても作動する。ところが、主可動部材が第2の位置に至るまでの間にアーム機構(例えば、パンタグラフ機構1170)の作動が規制されて、副可動部材が主可動部材に対して相対的に作動する。そのため、主可動部材及びこれに付随して副可動部材の作動が開始された時点では、これらの可動部材がどのように作動するのかを把握することを困難ならしめることができ、可動部材の動きに興味を持たせて興趣を向上することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記アーム機構(例えば、パンタグラフ機構1170)は、前記所定のベース部材に取り付けられる一対の第1アーム(例えば、左上部アーム1172,右上部アーム1176)と、一方の端部が前記第1アームに連結されるとともに、他方の端部が前記副可動部材に取り付けられる一対の第2アーム(例えば、左下部アーム1174と、右下部アーム1178)とを有し、前記主可動部材及びこれに付随して作動する副可動部材の作動が開始されると、前記一対の第1アームと前記一対の第2アームとにより略ひし形状を形成するものである。
上記(2)の遊技機によれば、遊技者の視界に入りやすい中央部を回避するようにして略ひし形状が形成されるため、主可動部材及び副可動部材を作動させる機構を遊技者から視認し難くすることができる。
なお、「略ひし形状」としては、4つの辺(例えば、左上部アーム1172,左下部アーム1174,右上部アーム1176,右下部アーム1178の4つのアーム)のうち、向かい合う2組の辺が平行(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが平行、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが平行)であり4つの辺が同一の長さである場合に加え、平行四辺形や正方形である場合も想定される。また、4つの辺のうち、向かい合う2組の辺が同じ長さ(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが同じ長さ、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが同じ長さ)であっても同じ長さでなくてもよく、さらには、向かい合う2組の辺のうち一方の組の辺が同じ長さであって且つ他方の組の辺の長さが異なるといったものでもよい。すなわち、4つの辺の長さは特定の長さに限定されるものではなく、様々なバリエーションを採用することができる。また、各辺が作動することを考えると、常に向かい合う辺が平行である必要はなく、例えば、アームに役物が連結されるような場合であれば、役物の駆動(すなわちアームの作動)にあわせて向かい合う辺が平行でない状態から平行である状態へと変遷するような形態であってもよいし、平行な状態から平行でない状態へと変遷するような形態であってもよい。また、上記の「向かい合う辺が平行である」について、役物が駆動する場合の構造を考慮すれば、完全なる平行を求めることが困難である場合も想定されるため、向かい合う辺の傾斜方向が同じような方向を向いていれば平行(略平行)であると考えられる。また、4つの辺の各々が異なる長さである場合であっても、役物が待機位置(例えば、原点位置)から駆動位置(例えば、作動限界位置)へと移動可能であることを考えれば、4つの辺の長さは様々に変更である。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記主可動部材(例えば、可動装飾体1110)が前記第1の位置(原点位置)から第2の位置(例えば、作動限界位置)に向けて作動を開始すると、該主可動部材は前記所定のベース部材(例えば、ベース部材1180)から離れる方向に移動するものであるとともに、前記アーム機構(例えば、パンタグラフ機構1170)は、前記一対の第1アーム(例えば、左上部アーム1172,右上部アーム1176)を透明部材で構成し、前記一対の第2アーム(例えば、左下部アーム1174と、右下部アーム1178)を、前記主可動部材の移動に伴って移動して該主可動部材の後方に位置するように構成されるものである。
上記(3)の遊技機によれば、主可動部材(例えば、可動装飾体1110)が第1の位置(原点位置)から第2の位置(作動限界位置)に向けて作動を開始すると、該主可動部材は所定のベース部材(例えば、ベース部材1180)から離れる方向に移動するため、アーム機構(例えば、パンタグラフ機構1170)を遊技者から視認しやすい状況となる。そこで、一対の第1アーム(例えば、左上部アーム1172,右上部アーム1176)を透明部材で構成するとともに、一対の第2アーム(例えば、左下部アーム1174と、右下部アーム1178)を主可動部材の移動に付随して移動して該主可動部材の後方に位置するように構成することで、一対の第1アーム及び一対の第2アームのいずれについても、遊技者から視認し難くすることができる。
(4)本発明に係る遊技機は、動力を与えることで第1の位置(例えば、原点位置)から第2の位置(例えば、作動限界位置)まで作動させることが可能な主可動部材(例えば、可動装飾体1110)と、前記主可動部材に付随して設けられ、該主可動部材に動力が与えられたときにこれに付随して作動可能に設けられる副可動部材(例えば、被覆装飾体1120)と、前記第1の位置にある前記主可動部材に動力が与えられて前記主可動部材及び前記副可動部材がともに前記第2の位置に向けて作動を開始したのち、前記第2の位置に至るまでに、前記主可動部材と前記副可動部材とのうち前記副可動部材に対してのみ作動を規制することで、前記第1の位置から前記第2の位置までの間に前記主可動部材の作動に対して変化を与えうる規制手段(例えば、規制部材1190)を備えるものである。
上記(4)の遊技機によれば、主可動部材及び副可動部材がともに第2の位置に向けて作動を開始したのち、第2の位置に至るまでに、主可動部材と副可動部材とのうち副可動部材に対してのみ作動を規制することで、第1の位置から第2の位置までの間に主可動部材の作動に対して変化を与えうる。そのため、主可動部材及び副可動部材の作動が開始された時点では、これらの可動部材がどのように作動するのかを把握することを困難ならしめることができ、可動部材の動きに興味を持たせて興趣を向上することができる。
このように、付記1に記載の発明によれば、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することができる。
[付記2]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような期待演出としては、液晶表示器に表示される表示演出や、可動体を作動させる可動体演出が例示される。可動体演出が行われる遊技機として、複数のモータを用いて上下方向に可動体を移動させる技術が公知となっている(例えば、特開2014−76208号公報を参照)。
しかしながら、複数のモータを用いて上下方向に可動体を移動させるようにすると、構造が複雑化するだけでなく、例えば複数のモータの同期をとる必要が生じる等、可動体を作動させるための制御も複雑化してしまう虞がある。
とくに、近年の遊技機ではより多くの可動体を設けて演出効果を高めるようにしたものが多いため、簡易な構成で可動体演出を行うことが要求されつつある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で可動体演出を行うことができる遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定条件の成立に応じて利益付与にかかる判定を行う判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて作動可能に構成される可動部材(下部役物装飾カバー12104)と、前記判定手段の判定結果に応じて、所定の駆動源(下部役物駆動モータ1230)からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な作動機構(下部役物固定ベース1220及び下部役物駆動モータ1230)と、を備え、 前記作動機構は、前記可動部材(下部役物装飾カバー12104)を上方に向けて作動させる作動機構として、左右方向に一対で設けられる同径の第1ギア(左従動ギア12404)及び第2ギア(右従動ギア12406)を有し、前記第1ギア及び前記第2ギアは、いずれも回転中心から径方向に所定距離離れた部位にボス(ボス12405,12407)を有するとともに、回転中心の高さ方向位置を同じとして互いに同期して回転するものであることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一つの駆動源で可動部材を上下動できるため、簡易な構成で可動部材を上下動させることができることに加え、左右方向に設けられる一対のギア(左従動ギア12404,右従動ギア12406)によって左右方向にバランスよく可動部材を上方に向けて作動させることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記第1ギア(左従動ギア12404)が回転したときに当該第1ギアが有する第1ボス(ボス12405)の移動軌跡に対応する第1の孔(孔12204)と、前記第2ギア(右従動ギア12406)が回転したときに当該第2ギアが有する第2ボスの移動軌跡に対応する第2の孔(孔12206)とが形成されたベース部材(下部役物固定ベース1220)をさらに備え、前記第1ボスが前記第1の孔を移動できるとともに、前記第2ボスが前記第2の孔を移動できるように構成されており、前記第1の孔及び前記第2の孔によって前記第1ギア及び前記第2ギアの回転範囲が規制されていることを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、第1の孔(孔12204)及び第2の孔(孔12206)によって第1ギア(左従動ギア12404)及び第2ギア(右従動ギア12406)の回転が安定し、可動部材を、姿勢を維持しつつ安定して上下動させることができる。
このように、付記2に記載の発明によれば、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することができる。
[付記2−2]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような期待演出としては、液晶表示器に表示される表示演出や、可動体を作動させる可動体演出が例示される。可動体演出が行われる遊技機として、複数のモータを用いて上下方向に可動体を移動させる技術が公知となっている(例えば、特開2014−76208号公報を参照)。
しかしながら、複数のモータを用いて上下方向に可動体を移動させるようにすると、構造が複雑化するだけでなく、例えば複数のモータの同期をとる必要が生じる等、可動体を作動させるための制御も複雑化してしまう虞がある。
また、近年の遊技機は、可動体が大型化の傾向にあり、このような大型化された可動体を、いかにして簡易な構成で安定性を維持しつつ高速で移動させるかが課題となっている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で安定性を維持しつつ高速で可動体を移動させることができる遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、上下方向に作動可能な可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)と、所定の駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)と、前記所定の駆動源からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な力作用部材(例えば、ボス12405,12407)と、前記力作用部材の移動を規制する移動規制手段(例えば、下部役物固定ベース1220に形成された孔12204,12206)と、を備え、前記力作用部材は、左右に設けられ、同期して移動可能な第1力作用部材(例えば、ボス12405)および第2力作用部材(例えば、ボス12407)を有し、前記移動規制手段は、前記第1力作用部材および前記第2力作用部材が前記所定の駆動源からの動力を受けていたとしても、所定の限界位置において前記第1力作用部材および前記第2力作用部材の移動を規制するよう構成されることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一つの駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)で可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)を上下動できるため、簡易な構成で可動部材を上下動させることができることに加え、左右方向に設けられる第1力作用部材(例えば、ボス12405,12407)によって左右方向にバランスよく可動部材を上方に向けて作動させることができる。
しかも、第1力作用部材(例えば、ボス12405)及び第2力作用部材(例えば、ボス12407)の移動が移動規制手段によって規制されるため、可動役物(例えば、下部役物可動装飾体1210)停止させたい上方位置で当該可動役物を失速させることなく、簡単な構成で高速移動を実現できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、回転中心の高さ方向位置を同じとして互いに同期して回転するとともに、左右方向に一対で設けられる略同径の第1回転部材(例えば、左従動ギア12404)および第2回転部材(例えば、右従動ギア12406)をさらに備え、前記1力作用部材(例えば、ボス12405)および前記第2力作用部材(例えば、ボス12407)は、それぞれ、前記第1回転部材および前記第2回転部材の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に形成されることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1回転部材(例えば、左従動ギア12404)の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に第1力作用部材(例えば、ボス12405)が形成されており、第2回転部材(例えば、右従動ギア12406)の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に第2力作用部材(例えば、ボス12407)が形成されているので、第1回転部材及び第2回転部材を回転させるだけの簡易な構成で、可動部材の安定的な高速移動を実現できる。
このように、付記2−2に記載の発明によれば、簡易な構成で、安定性を維持しつつ高速で可動体を移動させることができる遊技機を提供することができる。
[付記3]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために、可動体を上方に向けて移動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような可動体演出としては、例えば、モータが回転すると、回転体の突起が上端部まで回動し、この突起からの押圧力を受けてアームを上方に向けて移動させる技術が公知である(例えば、特開2014−76208号公報を参照)。
しかし、可動体を上方に向けて移動させる可動体演出が行われるようにした遊技機にあって、上方に向けて移動した可動体を上方で維持するためには、可動体の荷重に対抗するためにモータに負荷をかけ続けるか、上方に向けて移動した可動体を上方で保持するためのロック機構等を新たに設ける必要がある。
ところが、モータに負荷をかけ続けることは当然好ましくなく、新たなロック機構を設けると構造のみならず制御も複雑化し、好ましくない。とくに、一定時間以上にわたって可動体を上方で保持した場合にはそれが顕著である。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上方に向けて移動した可動役物を簡易な構成で保持することを可能ならしめることにある。
(1)本発明に係る遊技機は、左右方向に長穴(長穴12106,12108)が形成され、上下方向に移動可能な可動部材(下部役物装飾カバー12104)と、前記可動部材を作動させることが可能な駆動源(下部役物駆動モータ1230)と、前記駆動源からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な作動機構(下部役物固定ベース1220及び下部役物駆動モータ1230)と、を備え、前記作動機構は、中心から径方向に所定距離離れた部位にボス(ボス12405,12407)が形成されるとともに、前記駆動源からの動力を受けて回転可能なギア(左従動ギア12404,右従動ギア12406)と、前記ボスが貫通する孔であり、特定の方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)に向けての前記ギアの回転に伴って前記ボスが最下端位置から最上端位置に向かう移動軌跡に対応して孔(孔12204,12206)が形成されるとともに、当該孔内を前記ボスが移動可能に構成されたベース部材(下部役物固定ベース1220)とを有し、前記ベース部材の孔を貫通した前記ボスは、前記可動部材に形成された長穴(長穴12106,12108)内を移動可能に連結され、前記特定の方向に向けての前記ギアの回転にともなって、前記長穴内を移動しつつ当該可動部材を上方に向けて作動させるものであり、前記駆動源は、前記特定の方向に前記ギアを回転させて前記可動部材を上方に向けて作動させるに際して、前記ボスが前記ギアの中心を通る鉛直方向の仮想線(LL,LR)までは少なくとも移動するように前記ギアを回転させることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)にギア(左従動ギア12404,右従動ギア12406)を回転させて可動部材(下部役物装飾カバー12104)を上方に向けて作動させるに際して、ボスがギアの中心を通る鉛直方向の仮想線(LL,LR)までは少なくとも移動するようにギアが回転する。このとき、可動部材はロックされ、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、可動部材を上方に移動させるための一連の動作のなかでロックすることができるとともに、最上端位置において可動部材を維持することが可能となる。このように可動部材がロックされるのは、ボスがギアの中心を通る鉛直方向の仮想線上にあるとき(すなわち、可動部材が最上端位置にあるとき)、可動部材の重力が鉛直方向に作用し、かかる重力の分力がギアの回転方向(最上端位置では、左従動ギア12404については正面視で左方向、右従動ギア12406については正面視で右方向)に作用しないからである。
(2)本発明に係る遊技機は、左右方向に長穴(長穴12106,12108)が形成され、上下方向に移動可能な可動部材(下部役物装飾カバー12104)と、前記可動部材を作動させることが可能な駆動源(下部役物駆動モータ1230)と、前記駆動源からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な作動機構(下部役物固定ベース1220及び下部役物駆動モータ1230)と、を備え、前記作動機構は、中心から径方向に所定距離離れた部位にボス(ボス12405,12407)が形成されるとともに、前記駆動源からの動力を受けて回転可能なギア(左従動ギア12404,右従動ギア12406)と、前記ボスが貫通する孔であり、特定の方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)に向けて前記ギアを回転させたときに、前記ボスが最下端位置から最上端位置を超える位置まで移動できるように当該ボスの移動軌跡に対応して孔(孔12204,12206)が形成されるとともに、当該孔内を前記ボスが移動可能に構成されたベース部材(下部役物固定ベース1220)とを有し、前記ベース部材の孔を貫通した前記ボスは、 前記可動部材に形成された長穴(長穴12106,12108)内を移動可能に連結され、前記特定の方向に向けての前記ギアの回転にともなって、前記長穴内を移動しつつ当該可動部材を上方に向けて作動させるものであり、前記駆動源は、前記特定の方向に前記ギアを回転させて前記可動部材を上方に向けて作動させるに際して、前記ボスが前記ギアの中心を通る鉛直方向の仮想線(LL,LR)を超える位置まで移動するように前記ギアを回転させることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)にギア(左従動ギア12404,右従動ギア12406)を回転させて可動部材(下部役物装飾カバー12104)を上方に向けて作動させるに際して、ボスがギアの中心を通る鉛直方向の仮想線(LL,LR)を超える位置まで移動するようにギアが回転する。このとき、可動部材はロックされ、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、可動部材を上方に移動させるための一連の動作のなかでロックすることができるとともに、最上端位置において可動部材を維持することが可能となる。このように可動部材がロックされるのは、ベース部材(下部役物固定ベース1220)に形成された(孔12204,12206)がロック機構として機能するからである。
(3)上記(1)又は(2)に記載の遊技機において、前記ギアは、前記駆動源からの動力を受けて同期して回転する第1ギア(左従動ギア12404)及び第2ギア(右従動ギア12406)を有するとともに、前記第1ギア及び前記第2ギアは、前記動力源からの動力を受けて同期して互いに反対方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)に回転することにより前記可動部材を上方に向けて作動させるものであることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1ギア(左従動ギア12404)と第2ギア(右従動ギア12406)とが同期して互いに反対方向(左従動ギア12404については正面視で時計周り,右従動ギア12406については正面視で反時計周り)に回転するため、可動部材の姿勢を維持しつつ安定して上下動させることが可能となる。
このように、付記3に記載の発明によれば、上方に向けて移動した可動役物を簡易な構成で保持することが可能となる。
[付記3−2]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような期待演出としては、液晶表示器に表示される表示演出や、可動体を作動させる可動体演出が例示される。可動体演出が行われる遊技機として、上下方向に可動体を移動させる技術が公知となっている(例えば、特開2014−76208号公報を参照)。
近年は演出のバリエーションが多様化してきており、例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機のように上下方向に可動体を移動させるだけでなく、可動体を上方に移動させたのちに上方位置において当該可動体を保持する演出を行うとなお好ましい。
しかし、例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機によれば、可動体を上方に移動させたのちに上方位置において当該可動体を保持する演出を行う場合には、可動体を上方位置に移動させたのち、当該可動体の荷重に対抗する負荷をモータに与え続けるか、当該可動体を上方位置で保持するロック機構などを新たに設ける必要がある。また、遊技機を揺らす遊技者もなかには存在するため、振動等の外的な力が可動体に作用する可能性にも考慮する必要がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で、上方位置において可動体を好適に保持することができる遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、上下方向に作動可能な可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)と、所定の駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な力作用部材(例えば、ボス12405,12407)と、を備え、前記力作用部材は、左右に並べて配置されるとともに、前記可動部材を上方に向けて作動させるに際して当該力作用部材の移動軌跡が弧を描くように構成される第1力作用部材(例えば、ボス12405)及び第2力作用部材(例えば、ボス12407)を有し、前記第1力作用部材及び前記第2力作用部材は、前記可動部材を上方に向けて作動させるに際して、移動軌跡が弧を描くとともに少なくとも移動方向が水平方向となる位置(例えば、最上端位置)まで移動するとともに、水平方向となったときの移動方向が当該第1力作用部材と当該第2力作用部材とで略反対方向となるように構成されていることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)の移動方向が水平方向となる位置まで移動するため、可動部材を上方に向けて可動部材を作動させたのち、上方位置において可動部材の加重に対抗する付加を駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)に与え続けたり、上方位置において可動部材を保持するためのロック機構などの装置を新たに設けたりすることなく、簡易な構成で、可動体を上方位置で保持することが可能となる。なぜなら、可動部材の移動方向が水平方向となる位置では、可動部材の重力が鉛直方向に作用し、かかる重力の分力が力作用部材(左従動ギア12404,右従動ギア12406)の回転方向に作用しないからである。
しかも、第1力作用部材(例えば、ボス12405)及び第2力作用部材(例えば、ボス12407)の移動方向が水平方向となったとき、第1力作用部材の移動方向と第2の力作用部材の移動方向とが略反対方向であるから、例えば、可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)に対していずれか一の方向に外的な力が作用したとしても、当該可動部材が下降してしまうことを防止できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、回転中心の高さ方向位置を同じとして互いに同期して回転するとともに、左右方向に一対で設けられる略同径の第1回転部材(例えば、左従動ギア12404)および第2回転部材(例えば、右従動ギア12406)をさらに備え、前記1力作用部材(例えば、ボス12405)および前記第2力作用部材(例えば、ボス12407)は、それぞれ、前記第1回転部材および前記第2回転部材の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に形成されることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1回転部材(例えば、左従動ギア12404)の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に第1力作用部材(例えば、ボス12405)が形成されており、第2回転部材(例えば、右従動ギア12406)の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に第2力作用部材(例えば、ボス12407)が形成されているので、第1回転部材及び第2回転部材を反対方向に回転させるだけの簡易な構成で、可動部材を上方位置で保持することができる。
このように、付記3−2に記載の発明によれば、簡易な構成で、上方位置において可動体を好適に保持することができる遊技機を提供することができる。
[付記3−3]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような期待演出としては、液晶表示器に表示される表示演出や、可動体を作動させる可動体演出が例示される。可動体演出が行われる遊技機として、上下方向に可動体を移動させる技術が公知となっている(例えば、特開2014−76208号公報を参照)。
近年は演出のバリエーションが多様化してきており、例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機のように上下方向に可動体を移動させるだけでなく、可動体を上方に移動させたのちに上方位置において当該可動体を保持する演出を行うとなお好ましい。
しかし、例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機によれば、可動体を上方に移動させたのちに上方位置において当該可動体を保持する演出を行う場合には、可動体を上方位置に移動させたのち、当該可動体の荷重に対抗する負荷をモータに与え続けるか、当該可動体を上方位置で保持するロック機構などを新たに設ける必要がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で、上方位置において可動体を保持することができる遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、上下方向に作動可能な可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)と、所定の駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)と、前記所定の駆動源からの動力を受けて前記可動部材を上方に向けて作動させることが可能な力作用部材(例えば、ボス12405,12407)と、を備え、前記力作用部材は、前記可動部材を上方に向けて作動させるに際して、当該力作用部材の移動軌跡に弧を描く移動軌跡が含まれるように構成されており、前記所定の駆動源は、前記力作用部材の移動方向が水平方向となる位置または水平方向を超える略水平方向位置まで当該力作用部材が移動するように動力を与えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)の移動方向が水平方向となる位置まで移動するため、可動部材を上方に向けて可動部材を作動させたのち、上方位置において可動部材の加重に対抗する付加を駆動源(例えば、下部役物駆動モータ1230)に与え続けたり、上方位置において可動部材を保持するためのロック機構などの装置を新たに設けたりすることなく、簡易な構成で、可動体を上方位置で保持することが可能となる。なぜなら、可動部材の移動方向が水平方向となる位置では、可動部材の重力が鉛直方向に作用し、かかる重力の分力が力作用部材(左従動ギア12404,右従動ギア12406)の回転方向に作用しないからである。
なお、力作用部材(例えば、ボス12405,12407)の数は特定の数に限定されるものではなく、1つであってもよいし2つ以上の複数であってもよい。また、力作用部材の移動軌跡が描く弧には、真円の弧のみならず、楕円の弧も含まれる。さらには、力作用部材の移動軌跡が描く弧は、一定の曲率である必要はなく、移動軌跡の途中で曲率が変わっても良い。また、力作用部材の移動軌跡に直線部分が含まれていても良い。すなわち、本願発明の趣旨を鑑みれば、力作用部材の移動方向が水平方向となることができれば事足りるため、力作用部材の数が特定の数に限定されたり、力作用部材の移動軌跡が描く弧が特定の弧に限定されたり、力作用部材の移動軌跡が描く弧が一定の曲率に限定されたりする必要がないことは明らかである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、略真円の回転部材(例えば、左従動ギア12404,右従動ギア12406)をさらに備え、前記力作用部材(例えば、ボス12405,12407)は、前記回転部材の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に形成されることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、力作用部材(例えば、ボス12405,12407)は、略真円の回転部材の回転中心から径方向に所定距離離れた部位に形成されているため、回転部材を回転させるだけの簡易な構成で、効率よく可動部材(例えば、下部役物可動装飾体1210)を上方に向けて作動させることができる。
このように、付記3−3に記載の発明によれば、簡易な構成で、上方位置において可動体を保持することができる遊技機を提供することができる。
[付記4]
従来、パチンコ機といった遊技機において、始動口への入賞に応じて当落判定を行い、この当落判定の結果が特定の結果であるときに、大当り遊技状態となる遊技機が知られている。
この種の遊技機では、右遊技領域に大入賞口を設けて、大当り遊技状態となったときに大入賞口を開放状態とする。右遊技領域に打ち込まれた遊技球が大入賞口に進入すると、カウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される(例えば、特開2012−110483号公報の[0032]等を参照)。大入賞口に進入しなかった遊技球はアウト口から排出される。
しかしながら、大当り遊技状態となっても、右遊技領域に打ち込まれた全ての遊技球が大入賞口に進入するとは限らず、そのような遊技球はアウト口に受け入れられるため、これを見た遊技者は不利益を感じ、興趣が低下する虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、右遊技領域に設けられた大入賞口に遊技球が受け入れられなかったとしても、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、左側領域と右側領域とに遊技球が流下可能に構成される遊技領域(例えば、遊技領域20)と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射装置15)と、前記左側領域に設けられ、遊技球を受け入れ可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の受け入れに基づいて当落判定を行う判定手段と、前記右側領域に設けられる大入賞口(例えば、大入賞口540)と、前記当落判定の結果が当たりであることに基づいて、前記大入賞口への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段と、前記遊技領域の最下流側に設けられ、前記始動口及び前記大入賞口を含むいずれの入賞口にも受け入れられなかった遊技球を排出するアウト口(例えば、アウト口55)と、を備え、前記大当り遊技の実行中に前記右側領域に向けて発射された遊技球が前記大入賞口に受け入れられなかったとしても、該大入賞口に受け入れられなかった遊技球を、前記アウト口の上方を超えて前記左側領域まで導いて前記始動口への受け入れを可能にする誘導部材(例えば、遊技球誘導部材580)をさらに備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、右側領域に向けて発射された遊技球が大入賞口に受け入れられなかったとしても、大入賞口に受け入れられなかった遊技球が、アウト口の上方を超えて左側領域まで導かれて始動口への受け入れが可能となる。そのため、右側領域に向けて発射された遊技球が大入賞口に受け入れられなかったとしても、当該遊技球に対する期待感が継続され、興趣を向上することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記始動口(例えば、第二始動口440)には、当該始動口への遊技球の受け入れを容易化する可動部材(例えば、羽根部材4620)が設けられており、前記大入賞口(例えば、大入賞口540)に受け入れられずに前記誘導部材によって前記始動口まで誘導された遊技球は、必ず、前記始動口の上流まで導かれるものである。
上記(2)の遊技機によれば、大入賞口(例えば、大入賞口540)に受け入れられずに誘導部材によって始動口まで誘導された遊技球は、必ず、始動口の上流まで導かれるため、右側領域に向けて発射された遊技球が大入賞口に受け入れられなかったとしても、最後まで長く当該遊技球に対する期待感を継続することができる。
このように、付記4に記載の発明によれば、右遊技領域に設けられた大入賞口に遊技球が受け入れられなかったとしても、興趣の低下を好適に抑制することが可能となる。
[付記4−2]
従来、パチンコ機といった遊技機において、始動口への入賞に応じて当落判定を行い、この当落判定の結果が特定の結果であるときに、大当り遊技状態となる遊技機が知られている。
この種の遊技機では、右遊技領域に大入賞口を設けて、大当り遊技状態となったときに大入賞口を開放状態とする。右遊技領域に打ち込まれた遊技球が大入賞口に進入すると、カウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される(例えば、特開2012−110483号公報の[0032]等を参照)。大入賞口に進入しなかった遊技球はアウト口から排出される。
しかしながら、大当り遊技状態となっても、右遊技領域に打ち込まれた全ての遊技球が大入賞口に進入するとは限らず、そのような遊技球はアウト口に受け入れられるため、これを見た遊技者は不利益を感じ、興趣が低下する虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、右遊技領域に設けられた大入賞口に遊技球が受け入れられなかったとしても、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、左側領域と右側領域とに遊技球が流下可能に構成される遊技領域(例えば、遊技領域20)と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射装置15)と、所定条件の成立にもとづいて可動部材(例えば、羽根部材4620)を作動させて遊技球の受け入れが容易化される始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の受け入れに基づいて当落判定(例えば、ステップS118の大当り判定処理)を行う判定手段(例えば、メインCPU101)と、前記右側領域に設けられる大入賞口(例えば、大入賞口540)と、前記当落判定の結果が当たりであることに基づいて、前記大入賞口への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技(例えば、ステップS106の大入賞口開放処理)を実行可能な大当たり遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、前記遊技領域の最下流側に設けられ、前記始動口及び前記大入賞口を含むいずれの入賞口にも受け入れられなかった遊技球を排出するアウト口(例えば、アウト口57)と、を備え、前記遊技領域には、前記右側領域を流下したにもかかわらず前記大入賞口に受け入れられなかった遊技球の流下経路として、前記大入賞口の下流側と前記アウト口とを結ぶ流下経路(例えば、遊技球誘導部材580の出側部とアウト口57とを結ぶ流下経路)が形成されており、前記大入賞口の下流側と前記アウト口とを結ぶ流下経路は、前記右側領域を流下したにもかかわらず前記大入賞口に受け入れられなかった遊技球が、前記可動部材が作動したときに前記始動口への受け入れが可能となる受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由した上で前記アウト口に向けて流下するように構成されていることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、右側領域を流下したにもかかわらず大入賞口(例えば、大入賞口540)に受け入れられなかった遊技球は、アウト口(例えば、アウト口55)に至るまでの間に、上記の受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由する。そのため、右側領域に向けて発射された遊技球が大入賞口に受け入れられなかったとしても、当該遊技球に対する期待感が継続され、興趣を向上することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記始動口(例えば、第二始動口440)には、当該始動口への遊技球の受け入れを容易化する可動部材(例えば、羽根部材4620)が設けられており、前記大入賞口(例えば、大入賞口540)に受け入れられずに前記受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由した遊技球は、前記可動部材によって前記始動口への遊技球の受け入れが容易化されている限り、前記始動口に受け入れられうるものである。
上記(2)の遊技機によれば、大入賞口(例えば、大入賞口540)に受け入れられずに受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由した遊技球は、可動部材(例えば、羽根部材4620)によって始動口への遊技球の受け入れが容易化されている限り、始動口(例えば、第二始動口440)に受け入れらうるため、右側領域に向けて発射された遊技球が大入賞口に受け入れられなかったとしても、最後まで長く当該遊技球に対する期待感を継続することができる。
このように、付記4−2に記載の発明によれば、右遊技領域に設けられた大入賞口に遊技球が受け入れられなかったとしても、興趣の低下を好適に抑制することが可能となる。
[付記4−3]
従来、パチンコ機といった遊技機において、第一始動口または第二始動口への入賞に応じて当落判定を行い、この当落判定の結果が特定の結果であるときに、大当り遊技状態となる遊技機が知られている。
この種の遊技機では、例えば、左遊技領域に、第一始動口に向けて遊技球が転動する経路が設けられている。左遊技領域に発射された遊技球には、この経路を転動して第一始動口に向かう遊技球もあれば、この経路を転動せずに(一般入賞口にも入賞せずに)アウト口から排出される遊技球もある(例えば、特開2011−092643号公報の図1等を参照)。
しかしながら、特開2011−092643号公報に記載された遊技機に代表される従来の遊技機にあっては、発射された遊技球が第一始動口に向かう経路を転動しなかった場合や、第一始動口に向かう経路を転動したとしても当該第一始動口に受け入れられなかった場合には、かかる遊技球はアウト口に受け入れられる可能性が高いため、この時点で興趣が低下する虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技領域に発射された遊技球が第一始動口に入賞しなかったとしても、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、遊技球が流下可能に構成される遊技領域(例えば、遊技領域20)と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段(例えば、発射装置15)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ可能な第一始動口(例えば、第一始動口5442)と、前記第一始動口または前記第二始動口への遊技球の受け入れに基づいて当落判定(例えば、ステップS118の大当り判定処理)を行う判定手段(例えば、メインCPU101)と、前記遊技領域に設けられる大入賞口(例えば、大入賞口540)と、前記当落判定の結果が当たりであることに基づいて、前記大入賞口への遊技球の受け入れが容易化される大当たり遊技技(例えば、ステップS106の大入賞口開放処理)を実行可能な大当たり遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、前記遊技領域の最下流側に設けられ、前記始動口及び前記大入賞口を含むいずれの入賞口にも受け入れられなかった遊技球を排出するアウト口(例えば、アウト口57)と、前記第一始動口に受け入れられなかった遊技球を、前記アウト口にいたるまでの間に受け入れ可能な第二始動口(例えば、第二始動口440)と、を備え、前記遊技領域は、前記第一始動口に受け入れられたかった遊技球が、前記可動部材が作動したときに前記第二始動口への受け入れが可能となる受け入れ可能領域を経由した上で前記アウト口に向けて流下するように構成されていることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第一始動口(例えば、第一始動口5442)に受け入れられなかった遊技球は、アウト口(例えば、アウト口55)に至るまでの間に、第二始動口(例えば、第二始動口440)への受け入れが可能となる受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由する。そのため、遊技領域に向けて発射された遊技球が第一始動口に向かう経路に向かわなかったり、かかる経路に向かったものの第一始動口に受け入れられなかったとしても、当該遊技球に対する期待感が継続され、興趣を向上することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記第二始動口(例えば、第二始動口440)には、当該第二始動口への遊技球の受け入れを容易化する可動部材(例えば、羽根部材4620)が設けられており、前記第一始動口に受け入れられずに前記受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由した遊技球は、前記可動部材によって前記第二始動口への遊技球の受け入れが容易化されている限り、当該第二始動口に受け入れられうるものである。
上記(2)の遊技機によれば、第一始動口(例えば、第一始動口5442)に受け入れられずに受け入れ可能領域(例えば、第二始動口受入領域)を経由した遊技球は、可動部材(例えば、羽根部材4620)によって第二始動口(例えば、第二始動口440)への遊技球の受け入れが容易化されている限り、第二始動口に受け入れらうるため、遊技領域に向けて発射された遊技球が第一始動口に受け入れられなかったとしても、最後まで長く当該遊技球に対する期待感を継続することができる。
このように、付記4−3に記載の発明によれば、遊技領域に発射された遊技球が第一始動口に入賞しなかったとしても、興趣の低下を好適に抑制することが可能となる。
[付記5]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために可動体を作動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような可動体演出としては、例えば、リンク部材とリンク部材とを前後方向に重ねたパンタグラフ機構の伸縮動作によって可動体を移動させるとともに、パンタフラフ機構の伸縮動作が始まると同時に可動体を傾斜させる技術が公知である(例えば、特開2011−229582号公報を参照)。
しかしながら、例えば特開2011−229582号公報に記載の遊技機では、リンク部材とリンク部材とを前後方向に重ねているため、各リンク部材の厚みを薄くせざるを得ない。その結果、可動体の作動による演出効果を高めるには限界があり、興趣をより一層高めるには限界があった。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動体演出による演出効果を高めて興趣をより一層高めることにある。
(1)本発明に係る遊技機は、作動可能に所定部材(例えば、ベース部材1180(より詳しくは中央プレート1188))に支持され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第1長手部材(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176))と、前記第1長手部材に対して作動可能に連結され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第2長手部材(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178))と、を備え、前記第1長手部材と前記第2長手部材とがともに作動して所定の役物を作動させることが可能に構成される遊技機であって、前記第1長手部材および前記第2長手部材は、前記第1長手部材と前記第2長手部材とのうち、いずれか一の長手部材の長手部分の前後方向における最も後方の位置(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178)の長手部分の前後方向における最後面位置B2)が、他の長手部材の長手部分の前後方向における最も前方の位置と最も後方の位置との間(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176)の長手部分の前後方向における最前面位置F1と左上部アーム1172(右上部アーム1176)の長手部分の前後方向における最後面位置B1との間)となる位置関係で配置されることを特徴とする。
(2)本発明に係る遊技機は、作動可能に所定部材(例えば、ベース部材1180(より詳しくは中央プレート1188))に支持され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第1長手部材(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176))と、前記第1長手部材に対して作動可能に連結され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第2長手部材(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178))と、を備え、前記第1長手部材と前記第2長手部材とがともに作動して所定の役物を作動させることが可能に構成される遊技機であって、前記第1長手部材および前記第2長手部材は、前記第1長手部材と前記第2長手部材とのうち、いずれか一の長手部材の長手部分の前後方向における最も後方の位置(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178)の長手部分の前後方向における最後端位置B2)が、他の長手部材の長手部分の前後方向における最も後方の位置(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176)の長手部分の前後方向における最後面位置B1)と略同じとなる位置関係で配置されることを特徴とする。
(3)本発明に係る遊技機は、作動可能に所定部材(例えば、ベース部材1180(より詳しくは中央プレート1188))に支持され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第1長手部材(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176))と、前記第1長手部材に対して作動可能に連結され、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に交差する方向に長い長手状の第2長手部材(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178))と、を備え、前記第1長手部材と前記第2長手部材とがともに作動して所定の役物を作動させることが可能に構成される遊技機であって、前記第1長手部材および前記第2長手部材は、前記第1長手部材と前記第2長手部材とのうち、いずれか一の長手部材の長手部分の前後方向における最も前方の位置(例えば、左下部アーム1174(右下部アーム1178)の長手部分の前後方向における最前面位置F2)が、他の長手部材の長手部分の前後方向における最も前方の位置(例えば、左上部アーム1172(右上部アーム1176)の長手部分の前後方向における最前面位置F1)と略同じとなる位置関係で配置されることを特徴とする。
上記(1)〜(3)の遊技機によれば、各長手部材(例えば、各アーム1172,1174,1176,1178)各々の厚みを薄くすることなく、長手部材の総厚みを薄くすることができ、前後方向に複数の役物を重ねて配置したり、可動役物をより大型化することが可能となる。その結果、よりダイナミックな可動演出を実行可能となり、これまで以上に、可動演出による遊技興趣を高めることができる。「長手部材の総厚み」とは、第1長手部材の厚みと第2長手部材の厚みとの和を意味するのではなく、第1長手部材及び第2長手部材のうち、前後方向における最も前方の位置から最も後方の位置までの厚みを意味する。すなわち、第1長手部材の厚みと第2長手部材の厚みとの和から、第1長手部材と第2長手部材とで重なる厚み分を差し引いた値を意味する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、前記一の長手部材には、当該一の長手部材の長手部分の上端(例えば、左下部アーム1174の上端11743(右下部アーム1178の上端11783)を超える位置まで延設される延設部(例えば、延設部11741(延設部11781))が形成されるとともに、当該延設部において他の長手部材と連結されることを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、一の長手部材に延設部(例えば、延設部11741(延設部11781))が形成されている分、一の長手部材及び他の長手部材(例えば、左上部アーム1172及び左下部アーム1174(右上部アーム1176及び右下部アーム1178))の作動範囲をより大きくすることが可能となる。
このように、付記5に記載の発明によれば、可動体演出による演出効果を高めて興趣をより一層高めることができる。
[付記5−2]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために可動体を作動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
この種の遊技機として、例えば特開2014−76208号公報には、左右一対の可動体をそれぞれ同期アームに連結させて、1つのモータを用いて同期アームを作動させることで、左右一対の可動体を近接・離反方向へ動作させるようにした可動役物装置が開示されている。
しかし、例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機では、可動体に連結される同期アームを遊技者が視認できてしまい、可動体演出に対する遊技者の興味が薄れ、興趣が低下してしまうおそれがあった。
近年では、可動役物に連結される連結部材(例えば、可動役物を支持する支持部材)が可動役物の背面に隠れるようにした遊技機も開示されてはいるが、このような遊技機では、可動役物の配置や動きが制限されてしまい、可動役物本来の面白みが失われてしまいかねず、根本的な解決にはいたっていない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動役物に連結される連結部材を好適に視認し難くすることで、興趣の低下を抑制することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定条件の成立にもとづいて作動可能な可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)と、所定のベース部材と前記可動役物との間に設けられ、前記可動役物が第1の位置(例えば、原点位置)から第2の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)に向けて作動すると当該可動役物の作動にともなって姿勢を変えて作動する連結部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)と、を備え、前記連結部材は、前記可動役物が前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときは、前記可動役物の背後の特定領域内(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120の背面)において姿勢を変えたとしても正面視で視認困難となるように構成されており、前記可動役物は、前記第2の位置を超えて作動可能な主可動役物(例えば、可動装飾体1110)、及び前記主役物が前記第2の位置を超えて作動したときに、前記特定領域内を超えて姿勢を変える前記連結部材の前方に位置するように作動することによって当該連結部材を正面視で視認困難とする副可動役物(例えば、被覆装飾体1120)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、可動役物が前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときは、可動役物の作動にともなって連結部材が姿勢を変えたとしても、当該連結部材の姿勢は可動役物の背後の特定領域内において変わるだけであるから、正面視で連結部材を視認することは困難である。そして、主可動役物が第2の位置を超えて作動した場合には、連結部材が特定領域内を超えて姿勢を変えるものの、副可動役物が連結部材の前方に位置するように作動するため、このような場合であっても、連結部材を正面視で視認することは困難である。その結果、主役物の配置や動きが制限されることなく連結部材を好適に視認し難くすることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記連結部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)は、前記可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が前記第1の位置(例えば、原点位置)から前記第2の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)に向けて作動すると、水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢を変えるアーム状部材である。
上記(2)の遊技機によれば、連結部材が水平方向と鉛直方向との間において姿勢を変えるアーム状部材であるから、可動役物の作動範囲を大きくしつつも、連結部材を好適に視認し難くすることが可能となる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記アーム状部材を第1のアーム状部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)とし、 一方の端部が前記所定のベース部材(例えば、ベース部材1180)側に取り付けられるとともに、他方の端部が前記第1のアーム状部材側に連結される第2のアーム状部材(例えば、左上部アーム1172,右上部アーム1176)をさらに備え、前記第2のアーム状部材は、前記可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が第1の位置(例えば、原点位置)から第2の位置(例えば、左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置)に向けて作動すると、水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢を変えるとともに、少なくとも前記可動役物が前記第2の位置にあるときは正面視で視認可能であるとともに、当該正面視で視認可能な部位については透明部材で構成されているものである。
上記(3)の遊技機は、副可動役物の作動をもってしても、可動役物が第2の位置を超えて作動したときに正面視で隠しきれない第2のアーム状部材を、正面視でし難くなるように透明部材で構成したものである。
このように、付記5−2に記載の発明によれば、可動役物に連結される連結部材を好適に視認し難くすることで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記6]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出として、可動役物を作動させて、演出効果が高められるようにしたものがある。
可動役物を作動させて演出効果が高められるようにした遊技機は、例えば、特開2014−76208号公報に開示されている。特開2014−76208号公報に開示された遊技機では、複数の可動役物を作動させるために、複数の可動役物のそれぞれを作動させる複数のモータが設けられている。
しかし、近年、より多くの可動役物を用いた演出や大型の可動役物を用いた演出等、可動役物を用いた演出に対する要求が高まってきており、かかる要求に応えるためには、設置スペースを確保したり、制御も複雑化しないようにする必要がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、複数の可動役物をそれぞれ独立して作動することを可能にする遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定の駆動源(例えば、左側モータ1151,右側モータ1161)からの一の動作制御によって所定の方向に作動可能な主役物(例えば、可動装飾体1110)と、前記主役物に一の支点(例えば、孔11102,11106)で回転可能に支持されるとともに、前記所定の駆動源を含めていずれの動力源からも動作制御されることなく前記主役物の作動に追従して作動可能な副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)と、前記主役物の作動に追従する前記副役物の作動を規制する規制手段(例えば、パンタグラフ機構1170)と、を備え、前記副役物は、前記規制手段によって前記主役物に追従する作動が規制されると、前記一の支点を中心として前記主役物に対して回転することで当該主役物とは別の作動を行うものであり、前記所定の駆動源から前記主役物への一の動作制御(例えば、左側モータ1151が反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御、右側モータ1161が時計周りに回転させるだけといった一の動作制御)のみで前記主役物と前記副役物とが互いに独立して別の作動を行いうるように構成されてなることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の駆動源から主役物への一の動作制御(例えば、左側モータ1151が反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御、右側モータ1161が時計周りに回転させるだけといった一の動作制御)のみで主役物と副役物とが互いに独立して別の作動を行いうる。すなわち、主役物及び副役物のそれぞれを駆動させる動力源を設けることなく、一つの駆動源に対して一の動作制御を行うだけで、主役物(例えば、可動装飾体1110)と副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)とを独立して別の作動を行わせることができる。その結果、省スペース化及び構成・制御の簡素化を図ることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)は、重力作用によって前記主役物(例えば、可動装飾体1110)の作動に追従して作動するものであるとともに、前記規制手段(例えば、パンタグラフ機構1170)は、重力作用による前記副役物の作動を規制するものである。
上記(2)の遊技機によれば、重力作用といった自然の力を利用して副役物(例えば、被覆装飾体1120)を作動させているので、副役物を作動させるための駆動源を必要とせず、省スペース化及び構成・制御の簡素化に貢献することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記規制手段は、前記副役物に連結される長手状部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)を有するとともに、 前記長手状部材は、前記主役物又は/及び前記副役物の背後に位置しているとともに、前記副役物の作動にともなって水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢(下部アーム1174,1178が向く方向)が変化するものであり、前記副役物は、前記長手状部材の姿勢が一定範囲を超えて変化するに際して、前記長手状部材の前面に位置するように作動し、前記主役物又は/及び前記副役物の背後から露出することがないよう構成されてなるものである。
上記(3)の遊技機によれば、長手状部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)の姿勢が一定範囲を超えて変化するに際して、長手状部材の前面に位置するように副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)が作動するため、主役物(可動装飾体1110)や副役物の背後から長手状部材が露出することを防止することができる。
このように、付記6に記載の発明によれば、簡単な構成で、複数の可動役物をそれぞれ独立して作動することを可能にする遊技機を提供することができる。
[付記6−2]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出として、可動役物を作動させて、演出効果が高められるようにしたものがある。
可動役物を作動させて演出効果が高められるようにした遊技機は、例えば、特開2007−13599号公報に開示されている。特開2007−13599号公報に開示された遊技機では、上下方向への可動役物の作動を、可動役物の両側に設けられた駆動機構による上下方向への直線運動により行われる。
しかし、特開2007−13599号公報に記載された遊技機のように、可動役物の両側に設けられた駆動機構による上下方向への直線運動により可動役物を作動させることで、上下方向への可動役物の作動範囲を大きくすることができるものの、駆動機構の設置スペースに大きな領域が必要となる。
なお、近年では、円弧運動により可動役物を作動させることで駆動機構の設置スペースを小さくした遊技機が提案されているが、このような駆動機構では、可動役物を直線運動させることができない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動機構の設置スペースの省スペース化を図りつつ、可動役物をより大きな作動範囲で直線運動させることを可能にする遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定条件の成立にもとづいて当落判定(例えば、当り判定)を行う当落判定手段(例えば、ステップS118及びステップS119の処理を行うメインCPU101)と、前記当落判定の結果にもとづいて所定の表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、前記当落判定の結果が特定の結果であることにもとづいて遊技者に有利な特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段(例えば、ステップS106の大入賞口開放処理を行うメインCPU101)と、前記当落判定の結果にもとづいて、前記表示手段の前方を作動可能に構成される可動役物(例えば、可動装飾体1110)と、前記可動役物を両側から支持する第1アーム(例えば、左伝達アーム1154)及び第2アーム(例えば、右伝達アーム1164)と、所定の駆動源(例えば、左側モータ1151,右側モータ1161)からの動力を、前記第1アームに伝達する第1駆動伝達部材(例えば、左腕部材1155、従動ギア1156、駆動ギア1157)及び前記第2アームに伝達する第2駆動伝達部材(例えば、右腕部材1165、従動ギア1166、駆動ギア1167)と、を備え、前記第1駆動伝達部材及び第2駆動伝達部材は、それぞれ、正面視で前記表示手段の両側において、前記可動役物の作動範囲より小さい範囲内に収められるとともに、前記第1アーム及び前記第2アームそれぞれの一方の端部を支持しており、前記第1アーム及び第2アームは、前記一方の端部を支点とする円弧運動を行いつつ他方の端部においてスライド可能に前記可動役物を両側から支持することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1アーム(例えば、左伝達アーム1154)及び第2アーム(例えば、右伝達アーム1164)は、それぞれ、一方の端部を支点とする円弧運動を行いつつ他方の端部においてスライド可能に可動役物を両側から支持している。そのため、第1駆動伝達部材(例えば、左腕部材1155、従動ギア1156、駆動ギア1157)及び第2駆動伝達部材(例えば、右腕部材1165、従動ギア1166、駆動ギア1167)の設置スペースを、可動役物(例えば、可動装飾体1110)の作動範囲よりも小さい範囲内にしつつ、可動役物をより大きな作動範囲で直線運動させることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記可動役物(例えば、可動装飾体1110)は、所定の駆動源(例えば、左側モータ1151,右側モータ1161)からの一の動作制御(例えば、左側モータ1151が反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御、右側モータ1161が時計周りに回転させるだけといった一の動作制御)によって所定の方向に作動可能な主役物(例えば、可動装飾体1110)と、前記主役物に一の支点(例えば、孔11102,11106)で回転可能に支持されるとともに、重力作用によって前記主役物の作動に追従して作動可能な副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)とを有しており、前記副役物は、重力作用によって前記主役物に追従する作動が規制されると、前記一の支点を中心として前記主役物に対して回転することで当該主役物とは別の作動を行うものである。
上記(2)の遊技機によれば、所定の駆動源(例えば、左側モータ1151,右側モータ1161)から主役物(例えば、可動装飾体1110)への一の動作制御(例えば、左側モータ1151が反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御、右側モータ1161が時計周りに回転させるだけといった一の動作制御)のみで主役物(例えば、可動装飾体1110)と副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)とが互いに独立して別の作動を行いうる。すなわち、重力作用といった自然の力を利用して副役物を作動させることで、主役物及び副役物のそれぞれに対応する動力源を設けることなく、一つの駆動源に対して一の動作制御を行うだけで、主役物と副役物とを独立して別の作動を行わせることができる。その結果、省スペース化及び構成・制御の簡素化を図ることができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、重力作用によって前記主役物(例えば、可動装飾体1110)に追従する前記副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)の作動を規制する長手状部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)をさらに備え、前記長手状部材は、前記主役物又は/及び前記副役物の背後に位置しているとともに、前記副役物の作動にともなって水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢(下部アーム1174,1178が向く方向)が変化するものであり、前記副役物は、前記長手状部材の姿勢が一定範囲を超えて変化するに際して、前記長手状部材の前面に位置するように作動するものである。
上記(3)の遊技機によれば、長手状部材(例えば、左下部アーム1174,右下部アーム1178)の姿勢が一定範囲を超えて変化するに際して、長手状部材の前面に位置するように副役物(例えば、被覆装飾体1120,1124)が作動するため、主役物(可動装飾体1110)や副役物の背後から長手状部材が露出することを防止することができる。
このように、付記6−2に記載の発明によれば、駆動機構の設置スペースの省スペース化を図りつつ、可動役物をより大きな作動範囲で直線運動させることができる。
[付記6−3]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるための期待演出として、可動役物を作動させて、演出効果が高められるようにしたものがある。
この種の遊技機として、例えば特開2014−76208号公報には、可動体に連結される同期アームを作動させることで、かかる可動体を作動させるようにした可動役物装置が開示されている(例えば、図16を参照)。また、例えば特開2016−67739号公報には、可動体を駆動させる駆動機構が当該可動体の背面に隠れるようにした遊技機が開示されている(例えば、図33−8等を参照)。
例えば特開2014−76208号公報に記載の遊技機によれば、可動体を作動させたときに同期アームを遊技者から視認できてしまい、興趣が低下するおそれがある。
また、例えば特開2016−67739号公報に記載の遊技機によれば、可動体を駆動させる駆動機構を遊技者が視認することは困難であるが、駆動機構が可動体の背面から露出しないようにするために、可動体の配置や動きが制限されてしまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動役物に連結される連結部材を遊技者から視認できてしまうことに起因して生じうる興趣の低下を抑制することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、所定条件の成立にもとづいて作動可能であるとともに、装飾が前面に施された可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)と、所定の駆動源と、所定の駆動源からの動力を前記可動役物に伝えるとともに、前記可動役物に連結されて当該可動役物を支持可能な駆動伝達支持部材(例えば、駆動伝達アーム1154,1164)と、前記所定の駆動源と前記駆動伝達支持部材との間に設けられ、前記可動役物と同系統の装飾が前面に施された装飾部材(例えば、装飾カバー1130,1140)と、を備え、前記駆動伝達支持部材は、前記可動役物と前記装飾部材との間において正面視で視認できるように設けられるとともに、前記可動役物及び前記装飾部材と同系統の装飾が前面に施されて、前記可動役物及び前記装飾部材との連続性が維持されるように構成されていることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、駆動伝達支持部材(例えば、駆動伝達アーム1154,1164)の前面には、可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)及び装飾部材(例えば、装飾カバー1130,1140)と同系統の装飾が前面に施されており、これによって駆動伝達支持部材と可動役物及び装飾部材との連続性が維持されている。そのため、可動役物に連結される駆動伝達支持部材を遊技者から視認できてしまうことに起因して生じうる興趣の低下を抑制することができる。すなわち、本発明は、可動役物を支持したり連結されたりする部材(本発明の駆動伝達支持部材が相当)を、遊技者から視認することを困難にするといった従来の発想とは異なり、あえて遊技者から視認できるようにした上で、かかる可動役物をいかにして遊技者に意識させないかという点に着眼したものであり、駆動伝達支持部材を、可動役物や装飾部材といった周辺の他の部材と同化させたものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記駆動伝達支持部材(駆動伝達アーム1154,1164)は、前記可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が当該可動役物の作動範囲のいずれにあったとしても、前記可動役物及び前記装飾部材との連続性が維持されるように、前面に装飾が施されていることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が作動した場合であっても、駆動伝達支持部材と可動役物及び装飾部材との連続性が維持されるため、可動役物の作動によって駆動伝達支持部材が遊技者に意識されてしまう可能性を低くすることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、少なくとも前記可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)、前記駆動伝達支持部材(駆動伝達アーム1154,1164)及び前記装飾部材(装飾カバー1130,1140)によって一のキャラクタ形が形成されることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、少なくとも可動役物(例えば、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)、駆動伝達支持部材(駆動伝達アーム1154,1164)及び装飾部材(装飾カバー1130,1140)の前面に同系統の装飾が施されていることに加えて、これらによって同じ一のキャラクタ形が形成されるため、駆動伝達支持部材を、可動役物や装飾部材といった周辺の他の部材とより一層同化させることができる。
このように、付記6−3に記載の発明によれば、可動役物に連結される連結部材を遊技者から視認できてしまうことに起因して生じうる興趣の低下を抑制することができる。
[付記7]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じた演出画像が液晶表示器等の表示装置に表示される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、例えば、リーチ演出表示態様が表示される旨の予告画像(リーチ予告)を所定の確率で表示する遊技機が知られている(例えば、特開2002−200274号公報を参照)。このように、リーチ予告が行われる旨の予告画像を行うことで、視覚的な演出効果を向上することができ、ひいてはリーチ予告における興趣を向上することができる。
しかし、リーチ予告の情報も含めて液晶表示器等の表示装置に表示される情報量は非常に多く、遊技の進行にかかわる重要な情報を遊技者が見逃してしまうおそれがある。とくに近年では、遊技興趣を盛り上げるために、リーチ予告の頻度を増やしたり、演出自体が派手なものになってきているため、その傾向は顕著である。
また、液晶表示器等の表示装置に表示される表示だけを見るだけでは、遊技者が飽きてしまう。近年では、液晶表示器等の表示装置にて行われる演出に加え、可動役物を用いた演出が行われているが、この場合、遊技者は、液晶表示器等の表示装置にて行われる演出と可動役物による演出との両方を注視しなければならず、遊技者の負担は大きなものとなっていた。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者への負担を徒に増やすことなく、遊技の進行にかかわる重要な情報を遊技者に伝えやすい遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、前面に表示体が付され、正面視で視認困難に配置される第一可動体(例えば、第1可動体1330)及び第二可動体(例えば、第2可動体1340)と、所定条件の成立にもとづいて当落判定(例えば、当り判定)を行う判定手段(例えば、ステップS118及びステップS119の処理を行うメインCPU101)と、前記当落判定の結果にもとづいて、遊技の進行にかかわる情報(例えば、大当り期待度の高い特定のリーチの実行示唆情報)が表示される表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、を備え、前記第一可動体及び前記第二可動体に付された表示体は、いずれも、単独では遊技の進行にかかわる情報を示すものではないものの、前記第一可動体に付された表示体と前記第二可動体に付された表示体とを並べたときには遊技の進行にかかわる情報(例えば、大当り期待度の高い特定のリーチの実行示唆情報)を示しうるものであり、正面視で視認困難に配置される前記第一可動体及び前記第二可動体は、前記当落判定の結果にもとづいて、正面視で視界の外方の互いに離れた位置から、前記表示手段の前方において互いに近接する方向に移動可能に構成されるとともに、前記互いに近接する方向に移動したときに、それぞれの前面に付された表示体によって遊技の進行にかかわる情報を示しうることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第一可動体(例えば、第1可動体1330)及び第二可動体(例えば、第2可動体1340)が正面視で視界の外方の互いに離れた位置から表示手段の前方において互いに近接する方向に移動させることで、遊技者の注視を表示手段から第一可動体及び第二可動体に移行させることが可能となる。第一可動体及び第二可動体に付された表示体は、いずれも、単独では遊技の進行にかかわる情報を示すものではないため、正面視で視界の外方の互いに離れた位置にあるときは、遊技者の注視は、第一可動体や第二可動体ではなく、表示手段に向く傾向にある。ところが、第一可動体に付された表示体と第二可動体に付された表示体とを並べると、遊技の進行にかかわる情報(例えば、大当り期待度の高い特定のリーチの実行示唆情報)を示しうることから、表示手段の前方において互いに近接する方向に移動することで、遊技者の注視が表示手段から第一可動体及び第二可動体に移行すると思われる。また、例えば表示手段と第一可動体及び第二可動体との両方を注視することを遊技者に要求するものではないため遊技者への負担を徒に増やすおそれが少なく、その一方で、遊技の進行にかかわる重要な情報を遊技者に伝えやすくなる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記第一可動体(例えば、第1可動体1330)及び前記第二可動体(例えば、第2可動体1340)は、所定のベース部材(例えば、リアボックス1800)に取り付けられるとともに、該所定のベース部材と対向する側に、移動方向に沿って線状のスロープ(例えば、スロープ13307,13407)が形成されており、前記線状のスロープは、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状であることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第一可動体(例えば、第1可動体1330)及び第二可動体(例えば、第2可動体1340)には、所定のベース部材(例えば、リアボックス1800)と対向する側に、移動方向に沿って線状のスロープ(例えば、スロープ13307,13407)が形成されており、この線状のスロープは、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状であるため、第一可動体及び第二可動体のスムーズな移行を実現できる。
このように、付記7に記載の発明によれば、簡易な構成で、遊技者への負担を徒に増やすことなく、遊技の進行にかかわる重要な情報を遊技者に伝えやすい遊技機を提供することができる。
なお、本実施の形態及び他の実施の形態に記載された全ての発明は、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で、パチンコ機、ゲームマシン、スロットマシンその他の全ての遊技機において適用することができる。
1 パチンコ遊技機
1110 可動装飾体
1120 被覆装飾体
1180 ベース部材
1170 パンタグラフ機構
1190 規制部材
1172 左上部アーム
1174 左下部アーム
1176 右上部アーム
1178 右下部アーム

Claims (2)

  1. 所定条件の成立にもとづいて第1の位置から第2の位置へと作動可能な可動役物と、
    所定のベース部材と前記可動役物との間に設けられ、前記可動役物が前記の位置に向けて作動すると当該可動役物の作動にともなって姿勢を変えて作動する連結部材と、
    を備え、
    前記連結部材は、前記可動役物側に連結される第1連結部と、前記所定のベース部材側に連結される第2連結部と、を含み、
    前記第1連結部は、前記可動役物が前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときは、前記可動役物の背後の特定領域内において姿勢を変えたとしても正面視で視認困難となるように構成されており、
    前記可動役物は、
    前記第2の位置を超えて作動可能な第1可動役物と、
    前記第1可動役物が前記第2の位置を超えて作動したときに、前記特定領域内を超えて姿勢を変える前記第1連結部の前方に位置するように作動することによって当該第1連結部を正面視で視認困難とする第2可動役物と、を有する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1連結部及び前記第2連結部は、
    前記可動役物が前記第1の位置から前記第2の位置に向けて作動すると、水平方向と鉛直方向との間において鉛直方向に向けて姿勢を変えるアーム状部材でそれぞれ構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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