JP6822721B1 - 衣服用ハンガー及び衣服用ハンガーの製造方法 - Google Patents

衣服用ハンガー及び衣服用ハンガーの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ニット製の素材で作られる衣服を吊るしても、型崩れしにくく、かつ、環境へ与える影響を低減することができる、衣服用ハンガー及び衣服用ハンガーの製造方法を提供することを目的とする。衣服用ハンガー1の本体部20は、断面が所定の直径を有する円柱状部材で構成され、円柱状部材は、フック部10が固定される中心部と、中心部に対して対称に形成される一対の肩支持部を有し、円柱状部材の外側の輪郭は、正面視において、中心部が肩支持部に対して突出することなく、中心部と一対の肩支持部が所定の曲率半径を有する円弧を形成している。円弧の長さを規定する中心角は、鈍角として規定されており、円弧の曲率半径は、中心角における前記円弧の長さが所定サイズの衣服の背肩幅よりも長い所定範囲の長さとなる所定の半径として規定されている。円柱状部材の内側において、円弧に沿って、一方の肩支持部の端部近傍から、他方の肩支持部の端部近傍を結ぶ空間部が形成されており、円柱状部材の全体にわたって、空間部の上方の壁の厚さは、空間部の下方の壁の厚さよりも大きく構成されており、空間部を画する内壁面は、中心部に対応する領域において、空間部に向かって突出する突出面を有する。

Description

本発明は、衣服用ハンガー及び衣服用ハンガーの製造方法に関する。
従来、百貨店などで使用される高級なハンガーは木製であるが、安価なハンガーとして、樹脂製のハンガーが使用されている(例えば、特許文献1)。
特許5544590号公報
衣服用のハンガーの基本的な機能は、衣服のしわや型崩れを防ぎつつ、視認容易な態様で保管することである。また、衣服を展示販売するブティックや百貨店など(以下、「店舗」という。)においては、衣服をハンガーに吊るしたときの全体としての外観が、買い物客を惹きつけ、販売に影響を与える重要な要素である。
一般的に、衣服用のハンガーとして、一塊の木材からハンガー全体を削り出して製造する、いわゆる「一本物」が最も高級であるとされている。ところが、「一本物」は、材料を効率的に使用することができず、また、極めて高価である。さらに、「一本物」は、上述の樹脂製のハンガーに比べて重量が重いという問題がある。
これに対して、上述の樹脂製のハンガーは、相応の解決策を示している。例えば、図45に示す従来の樹脂製のハンガー500は、本体部510とフック部520から構成される。本体部510は、樹脂を材料として、形成されている。本体部510の上面の長さSHLは、型崩れ防止の観点から、衣服300の背肩幅SLと実質的に等しいものが望ましい。背肩幅とは、人間の右のショルダーポイント(肩の先にある骨)から、バックネックポイントを通り、左のショルダーポイントまでの距離であり、衣服においても同様の意味である。
ところで、ニット素材を使って作られる衣服、例えば、セーターは、伸びやすいという性質がある。このため、型崩れを防止するために、セーターは、ハンガーに吊るすのではなく、折りたたんで収納される場合がある。ここで、ニットとは、1本の糸でループを作りながら編まれた生地を意味する。衣服を展示販売するブティックや百貨店などにおいては、衣服をハンガーに吊るすことによって、買い物客が、衣服を手に取らなくても、デザインを認識することができるようにしている。このため、セーターもハンガーに吊るして展示することが望ましい。しかし、図45に示す衣服300を一般的なハンガー500に吊るすと、図46に示すように、例えば、衣服300の肩の部分300cが、腕部300bに作用する重力G3によって下方に引っ張られ、伸びるため、型崩れが生じるという問題がある。衣服300は、ニット素材を使って作られる衣服である。また、衣服には、一般的に、例えば、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズというように所定サイズがある。ところが、Sサイズの衣服であっても、実際の衣服の肩背幅は様々であり、特定の長さが規定されているのではないから、ハンガー500の端部が衣服300の肩の部分300cに当接するとは限らない。そうすると、衣服300の肩の部分300c以外の部分において型崩れが生じるという問題がある。また、樹脂製のハンガーは、石油由来の材料を使用するため、環境への影響が大きいという問題がある。
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、ニット製の素材で作られる衣服を吊るしても、型崩れしにくく、かつ、環境へ与える影響を低減することができる、衣服用ハンガー及び衣服用ハンガーの製造方法を提供することを目的とする。
第一の発明は、フック部と本体部とを備える衣服用ハンガーであって、前記本体部は、プラスチック樹脂によって形成され、断面が所定の直径を有する円柱状部材で構成され、前記円柱状部材は、前記フック部が固定される中心部と、前記中心部に対して対称に形成される一対の肩支持部を有し、前記円柱状部材の外側の輪郭は、正面視において、前記中心部が前記肩支持部に対して突出することなく、前記中心部と一対の前記肩支持部が所定の曲率半径を有する円弧を形成しており、前記円弧の長さを規定する中心角は、鈍角または180度として規定されており、前記円弧の曲率半径は、前記中心角における前記円弧の長さが所定サイズの衣服の背肩幅よりも長い所定範囲の長さとなる所定の半径として規定されており、前記円柱状部材の内側において、前記円弧に沿って、一方の前記肩支持部の端部近傍から、他方の前記肩支持部の端部近傍を結ぶ空間部が形成されており、前記円柱状部材の全体にわたって、前記空間部の上方の壁の厚さは、前記空間部の下方の壁の厚さよりも大きく構成されており、前記空間部を画する内壁面は、前記中心部に対応する領域において、前記空間部に向かって下方に突出する突出面を有する、衣服用ハンガーである。
本発明の発明者は、ニット素材の衣服において、ハンガーに吊るした場合に型崩れする原因を研究した。この結果、衣服に作用する力が大きく変動する位置において、型崩れが生じることを見出した。例えば、図46に示すように、一般的なハンガー500に吊るされる衣服300において、ハンガー500の端部を境に、作用する力が大きく変動する。例えば、衣服300の肩部300cの上方であって、本体部510の上面510aに接している部分300c1において、その部分に作用する重力G2の接線方向の分力Gs2が作用する。これに対して、上面510aよりも下方の面に接する部分300c2には、腕部300bに作用する重力G3の接線方向の分力Gs3が作用する。分力Gs3は分力Gs2よりも大きい。そして、衣服300が本体部510の端部を離れると、衣服の腕の部分の重力が作用する。このように、肩部300cの近傍という狭い領域において、ハンガー500の端部を境に、作用する力が大きく変動する。したがって、衣服300がニット素材で形成されている場合には、ハンガー500の端部に接する部分の近傍において型崩れが生じる。本明細書において、衣服に作用する力が大きく変動する位置を「特異位置」と呼ぶ。ハンガーの端部において衣服の肩の部分を支えるという従来の一般的なハンガーの場合には、必ず特異位置が存在し、型崩れが生じる。これに対して、本発明の発明者は、ハンガーの端部において衣服の肩の部分を支えるという従来の思想を脱却し、特異位置を有さないハンガーという技術思想に想到した。この点、第一の発明の構成によれば、本体部の正面視における輪郭は、突出部を有さない円弧を形成しており、円弧の長さを規定する中心角は鈍角であり、曲率半径は、円弧が所定サイズの衣服の背肩幅よりも長い所定範囲の長さとなるように規定されている。すなわち、本体部の正面視における輪郭は半円に近く、正面視における本体部の外側の接線の方向は、徐々に鉛直方向に近くなる。このため、ハンガーに吊るされた衣服に作用する力は、ハンガーの中心部近傍においては相対的に衣服に作用する重力に対する反力が大きいが、ハンガーの端部に向かうにつれて徐々に小さくなり、ハンガーの端部を離れると、反力は存在しなくなる。これにより、特異位置が存在しない構成を実現し、型崩れを防止することに成功した。また、本体部は、円柱状部材で構成されているから、正面視と直行する方向においても、衣服に作用する重力に対する反力は徐々に小さくなるから、特異位置は存在しない。しかも、円柱状部材の断面が所定の直径を有し、ハンガーの正面視が円弧状に形成されていることによって、ハンガーの中心部から端部の方向に向かう一定の位置まで、鉛直方向において、衣服とハンガーの接触面積が大きくなるから、衣服に作用する重力を分散することができ、また、衣服がハンガーの表面を滑ることを防止することができる。さらに、本体部が突出部を有さない円柱状形状であり、かつ、一方の肩支持部の端部近傍から他方の肩支持部の端部近傍に向かう空間部が形成されているから、空間部が形成されていない場合に比べて、本体部は大きな弾性を有し、衣服に何らかの外力が作用しても吸収することができる。そして、衣服を直接的に支持する空間部の上方の壁の厚さは、空間部の下方の壁の厚さよりも大きく構成されているから、強度を確保することができる。また、空間部を画する内壁面は、中心部に対応する領域において、空間部に向かって下方に突出する突出面を有するから、全体としての円弧の形状を維持しつつ、突出面に対応する壁部にフックを強固に固定することができる。さらに、所定の直径を有する円柱形状の本体部であっても、空間部の存在によって、プラスチック樹脂の使用量を減少しており、環境へ与える負荷を低減することができる。
第二の発明は、第一の発明の構成において、正面視において、前記円柱状部材の外側表面における接線の方向は、前記肩支持部の端部において、鉛直方向、または、鉛直方向と所定の許容範囲だけ乖離した方向である、衣服用ハンガーである。
第二の発明の構成によれば、肩支持部の端部において、円柱状部材の外側表面における接線の方向は、鉛直方向または鉛直方向に近い方向である。このため、肩支持部の端部において、衣服に作用する重力の接線方向の分力は重力に近く、肩支持部の端部を離れた衣服の腕部には重力のみが作用する。このため、肩支持部の端部は特異位置とはならず、型崩れは生じない。
第三の発明は、第一の発明または第二の発明の構成において、前記円柱状部材の前記所定の直径(D1)の前記所定の曲率半径(R1)に対する割合A1(D1/R1)は、所定の数値以上における所定範囲において規定されている、衣服用ハンガーである。
衣服の主面(前身頃及び後ろ見頃)の外側へ向かう方向への型崩れとは別に、衣服の主面と直交する方向(前身頃と後ろ見頃を結ぶ方向。以下、「直行方向」という。)においても型崩れ生じる。この点、第三の発明の構成によれば、円柱状部材の直径(D1)は、本体部の曲率半径(R1)との関係において、所定の大きさ以上の所定の範囲において規定されている。このため、直交方向においても、衣服に作用する重力に対する反力は徐々に小さくなるから、特異位置は存在しない。しかも、円柱状部材の断面が所定の直径を有し、ハンガーの正面視が円弧状に形成されていることによって、ハンガーの中心部から端部の方向に向かう一定の位置まで、鉛直方向において、衣服とハンガーの接触面積が大きくなるから、衣服に作用する重力を分散することができ、また、衣服がハンガーの表面を滑ることを防止することができる。
第四の発明は、第一の発明乃至第三のいずれかの発明の構成において、前記円弧の前記曲率半径は、前記中心部を含む領域における曲率半径である第一曲率半径と、前記肩支持部の端部を含む領域における曲率半径である第二曲率半径とで構成され、前記第一曲率半径が前記鈍角であり、前記第一曲率半径は、前記第二曲率半径よりも所定の許容範囲だけ大きい半径として規定されている、衣服用ハンガーである。
第四の発明の構成によれば、衣服が本体部と接する面積のうち大きな部分が、本体部における相対的に曲率半径が大きい部分と接するから、衣服の大きな面積において、作用する力の変動を一層に小さくすることができる。そして、第一曲率半径は、第二曲率半径よりも所定の許容範囲だけ大きい半径に限定されているから、第一曲率半径に対応する部分と第二曲率半径に対応する部分の間においても、衣服に作用する力は大きく変動することはなく、特異位置は存在しない。
第五の発明は、第一の発明乃至第三のいずれかの発明の構成において、前記円弧は楕円であり、前記楕円の長径は、前記楕円の短径よりも所定の許容範囲だけ大きい半径として規定されている、衣服用ハンガーである。
第五の発明の構成によれば、円弧の曲率半径の変化が滑らかであるから、特異位置は存在しない。
第六の発明は、衣服用ハンガーの本体部の製造方法であって、金型によって形成される前記本体部の正面視の輪郭である円弧状のキャビティの中心部に、フック部の軸部に対応する軸対応部材を配置した状態において、前記金型における双方の肩支持部の端部近傍に対応する部分から、前記中心部に向かってプラスチック樹脂を吐出してパリソンを形成し、双方の前記パリソンを前記中心部において一体化する吐出工程と、前記キャビティに吐出した前記プラスチック樹脂が固化する前に、前記金型における双方の肩支持部の端部近傍に対応する部分から、前記プラスチック樹脂に大気圧よりも高い圧力を有する気体を通過させ、前記プラスチック樹脂を前記キャビティに押しつけ、一方の前記肩支持部の端部近傍から、前記中心部を通過し、他方の肩支持部の端部近傍へ向かう空間部を形成するブロー工程と、を有し、前記空間部の上方の壁の厚さは、前記空間部の下方の壁の厚さよりも大きく形成され、前記空間部を画する内壁面は、前記軸対応部材が位置する領域において、前記空間部に向かって突出する突出面を有するように形成される、衣服用ハンガーの製造方法である。
第六の発明の構成によれば、金型における双方の肩支持部の端部近傍に対応する部分から、キャビティの中心部に向かってプラスチック樹脂を吐出し、双方のパリソンを中心部において一体化し、その後、ブロー工程を実施するから、外部及び空間部を含む内部の双方において、左右均一な構造を形成することができる。
第七の発明は、第六の発明の構成において、前記プラスチック樹脂を吐出する樹脂吐出管の内側に、気体を吐出する気体吐出管が配置され、前記気体吐出管の中心位置は、前記樹脂吐出管の内周壁に偏った位置に配置されており、前記吐出工程において、前記パリソンが形成されるときに、前記パリソンに予備空間が形成され、前記双方の前記パリソンが一体化するときに、前記双方の前記パリソンの前記予備空間も一体化し、前記ブロー工程において、前記予備空間に気体が通過させられる、衣服用ハンガーの製造方法である。
本発明によれば、ニット製の素材で作られる衣服を吊るしても、型崩れしにくく、かつ、環境へ与える影響を低減することができる。
本発明の第一の実施形態に係る衣服用ハンガーの正面図である。 衣服用ハンガーの背面図である。 衣服用ハンガーの平面図である。 衣服用ハンガーの底面図である。 衣服用ハンガーの右側面図である。 衣服用ハンガーの左側面図である。 衣服用ハンガーの外側の輪郭を説明するための図である。 衣服用ハンガーに衣服を吊るす直前の状態を示す図である。 衣服用ハンガーに衣服が吊るされた状態を示す図である。 衣服用ハンガーの内部構造を示す概略正面図である。 図10の衣服用ハンガーのDD線概略断面図である。 図10の衣服用ハンガーのEE線概略断面図である。 本体部を形成するための金型の内部を示す概略図である。 樹脂吐出部及び気体吐出部を示す概念図である。 図14のFF線概略断面図である。 本体部の製造工程を示す概略図である。 本体部の製造工程を示す概略図である。 本体部の製造工程を示す概略図である。 本体部の製造工程を示す概略図である。 樹脂の吐出工程を示す概念的な斜視図である。 樹脂の吐出工程を示す概念的な斜視図である。 樹脂の吐出工程を示す正面から視た概念的な断面図である。 樹脂の吐出工程を示す正面から視た概念的な断面図である。 樹脂の吐出工程を示す正面から視た概念的な断面図である。 樹脂の吐出工程を示す正面から視た概念的な断面図である。 ブロー工程を示す正面から視た概念的な断面図である。 図22のGG線概略断面図である。 樹脂の吐出工程を示す概略断面図である。 樹脂の吐出工程を示す概略断面図である。 樹脂の吐出工程を示す概略断面図である。 本体部の製造工程を示す概略フローチャートである。 本発明の第二の実施形態に係る衣服用ハンガーの正面図である。 衣服用ハンガーの背面図である。 衣服用ハンガーの右側面図である。 衣服用ハンガーの左側面図である。 衣服用ハンガーの外側の輪郭を説明するための図である。 衣服用ハンガーに衣服を吊るす直前の状態を示す図である。 衣服用ハンガーに衣服が吊るされた状態を示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る衣服用ハンガーの正面図である。 衣服用ハンガーの外側の輪郭を説明するための図である。 衣服用ハンガーに型崩れした衣服を吊るす直前の状態を示す図である。 衣服用ハンガーに型崩れした衣服が吊るされた状態を示す図である。 型崩れした衣服が修復された状態を示す図である。 本発明の実施品を示す図である。 従来の衣服用ハンガー及びセーターの一例を示す図である。 従来の衣服用ハンガーにセーターが吊るされた状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以下の説明においては、同様の構成には同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
<第一の実施形態>
図1乃至図6に示すように、衣服用ハンガー1(以下、「ハンガー1」という。)は、フック部10と本体部20で構成されている。本体部20は、プラスチック樹脂によって、その断面が所定直径D1を有する円柱状部材として形成されている。本体部20は、中心部20aと、中心部20aに対して対称(線対称)に形成される肩支持部20b,20bがプラスチック樹脂によって、合わせ目を有さない単一の部材として、一体として形成されている。フック部10は、中心部20aに固定される。本明細書において、「上方」及び「下方」とは、ハンガー1が棒状部材等に吊るされた状態における上方及び下方を意味するものとする。また、ハンガー1の一方の肩支持部20bから他方の肩支持部20bを結ぶ方向を長手方向と呼ぶ。上方から下方へ向かう方向を「鉛直方向」と呼ぶ。鉛直方向と直交する方向を「直交方向」と呼ぶ。「上方」、「下方」及び「直交方向」は、ハンガーを製造するための金型のキャビティにおいても同様とする。
本体部20を形成するプラスチック樹脂は、射出成型及び/またはブロー成型が可能な樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(polypropylene)である。本体部20は、例えば、インジェクションブロー成型によって形成される。フック部10は金属で形成されている。本体部20の表面は、滑り抵抗係数(C.S.R.:Coefficient of Slip Resistance)」が大きい材料で覆われている。そのような材料は、例えば、天然ゴムや合成ゴムである。
<<ハンガー1の外面構成>>
本体部20の外側の輪郭は、図1に示す正面視において、中心部20aが肩支持部20b,20bに対して突出することなく、中心部20aと肩支持部20b,20bが所定の曲率半径を有する円弧を形成している。以下、図7を参照して、本体部20の正面視における外側の輪郭について詳細に説明する。
本体部20の外側の輪郭は、円弧状に形成されている。詳細には、図7に示すように、中心点Q1、曲率半径R1の円弧である。本体部20の外側の輪郭の長さ、すなわち、円弧の長さは、曲率半径R1とその中心角θ1によって規定される。中心角θ1は鈍角または180度として規定されている。中心角θ1は、例えば、100度以上180度以下であり、望ましくは、150度以上180度以下であり、さらに望ましくは、165度以上180度以下であり、さらに望ましくは170度以上180度以下である。本実施形態において、中心角は180度である。中心角θ1が180度に近いほど、本体部20の端部の外側における接線の方向が鉛直になり、望ましい。
本体部20の肩支持部20bの端部20eにおける接線eLの方向は、鉛直方向、または、鉛直方向と所定の許容範囲だけ乖離した方向である。所定の許容範囲は、例えば、0度以上15度以下であり、望ましくは、0度以上10度以下であり、さらに望ましくは、0度以上5度以下である。本実施形態において、本体部20の端部20eにおける接線eLの方向は鉛直方向である。
本体部20の円弧の曲率半径R1は、中心角θ1における外側の輪郭の円弧の長さが、所定サイズの衣服の背肩幅よりも長い所定範囲の長さとなる所定半径として規定されている。所定サイズは、例えば、衣服の着用者の性別や身長に応じて、衣服の製造者によって決められている寸法であり、例えば、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズという区分がある。所定サイズの衣服の背肩幅を背肩幅SLとすれば、本体部20の円弧の長さは、例えば、背肩幅SLの1.1倍以上2.5倍以下であり、望ましくは、1.2倍以上2倍以下であり、さらに望ましくは、1.3倍以上1.7倍以下である。本実施形態において、衣服300の肩背幅SL(図8参照)は38センチメートル(cm)とする。
本実施形態において、所定半径としての曲率半径R1は19センチメートル(cm)である。本体部20の円弧は、中心点Q1、半径R1の円C1において、中心角180度に対応する部分であるから、本体部20の円弧の長さは59.66センチメートルである。すなわち、円弧の長さは、背肩幅SLの1.57倍である。これにより、衣服300をハンガー1に吊るした場合に、衣服の肩部は本体部20の円弧の部分に当接する。
本体部20の直径D1(図1参照)は、曲率半径R1との関係において規定されている。すなわち、直径D1の曲率半径R1に対する割合A1(D1/R1)が、所定の数値以上における所定範囲において規定されている。直径D1が大きいほど、本体部20において衣服300に接する面が大きくなるから、衣服300に作用する重力を分散することができるという利点があるが、プラスチック樹脂の使用量が多くなり、環境への負荷が大きくなる。そのため、本発明の発明者は、実験によって、直交方向における型崩れが発生しにくい直径D1を調査し、直径D1を規定した。所定の数値は、例えば、0.08であり、望ましくは、0.10であり、さらに望ましくは0.12である。所定の数値範囲は、例えば、0.08以上0.22以下であり、望ましくは、0.10以上0.16以下であり、さらに望ましくは、0.12以上0.14以下である。本実施形態において、直径D1は、25ミリメートル(mm)である。曲率半径R1は19センチメートルであるから、割合A1(D1/R1)は、0.13である。
図7において、本体部20の鉛直方向の断面として、AA線断面、BB線断面及びCC線断面が示されている。本体部20の内部には、後述のように空間S1が形成されている。本体部20は、図7に示すように、正面視において円弧状に形成されているから、鉛直方向の断面は、円弧の最も高い部分であるフック部10が接続されている位置においては、円形であり、AA線断面、BB線断面及びCC線断面が示すように、端部に向かうほど、細長い楕円になる。衣服をハンガー1に吊るすと、楕円の輪郭のうち、上方の半分の部分、すなわち、AA線断面、BB線断面及びCC線断面のうち、点線よりも上方の部分衣服が当接する。本体部20の鉛直方向の断面は、長手方向における位置として位置20zまでは、端部20eに向かうほど大きくなる。
以下、図8及び図9を参照して、ハンガー1が棒状部材に吊り下げられた状態において、衣服300がハンガー1に吊るされる状態を説明する。図8及び図9において、ハンガー1は点線で示されている。図8に示すように、衣服300の内側にハンガー1が配置され、図9に示すように、衣服300がハンガー1に吊るされる。上述のように、本体部20の外側の輪郭の円弧の長さは、衣服300の肩背幅SLよりも長いから、肩部300cは本体部20の外側の表面に接する。肩部300cにおいて、作用する重力及び反力が大きく変動する特異位置はないから、型崩れは生じない。また、本体部20の外側の端部20eにおける接線は鉛直方向であるから、当該衣服300の部分に作用する重力の接線方向の分力は腕部300bの重力にほぼ等しく、端部20eのわずかに下に位置する衣服300の部分において、作用するのは腕部300bの重力だけである。したがって、端部20eにおいて、作用する力が大きく変動することはないから、端部20eは特異位置ではなく、衣服300は型崩れしにくい。
ハンガー1に吊るされた衣服300に作用する力について、説明を補充する。図9に示すように、衣服300の全体として、重力G1が作用するとする。衣服300において、本体部20と接する部分を上方から下方に向かって、位置300f、300c、300d及び300eとする。位置300fは、衣服300が本体部20と接する最上部である。位置300eは、衣服300が本体部20の端部20eと接する最下部である。位置300gは、衣服300が本体部20と接触せず、単にぶら下がっている位置である。
衣服300は、ハンガー1に吊るされると、本体部20の円弧形状に沿う。位置300f、300c、300d及び300eにおける衣服300の接線を、それぞれ、接線300fL、300cL,300dL及び300eLとする。位置300f、300c、300d及び300eにおいて作用する衣服300の重力を、それぞれ、重力Gf,Gc,Gd及びGeとする。重力Gf等について、それぞれ、接線方向の分力と、接線と垂直は方向の分力を考える。
位置300fにおいては、鉛直方向に対して、接線300fLと垂直な方向の角度(以下、「垂直角度」という。)はθfであり、接線方向の力GfsはGfsinθfであり、垂直方向の分力GfvはGfcosθfである。力分Gfvに対して垂直抗力Gfvrが作用して釣り合っている。同様に、位置300cにおいては、垂直角度はθcであり、接線方向の分力GcsはGcsinθcであり、垂直方向の分力GcvはGccosθcである。分力Gcvに対して垂直抗力Gcvrが作用して釣り合っている。同様に、位置300dにおいては、垂直角度はθdであり、接線方向の分力GdsはGdsinθdであり、垂直方向の分力GdvはGdcosθdである。分力Gdvに対して垂直抗力Gdvrが作用して釣り合っている。本体部20の端部と接する位置300eにおいては、垂直角度が90度であるから、重力Geが作用する。位置300gにおいては重力Ggが作用する。ここで、垂直方向の分力と垂直抗力は釣り合っているから、衣服300において本体部20と接する部分については接線方向の分力、位置300e及び300gにおいては重力を観察する。そうすると、位置300fから端部300eに向かうに連れて、分力Gfs、分力Gcs、分力Gds、重力Ge、重力Ggというように、各位置の重力に対する接線方向の力が徐々に大きくなる。すなわち、衣服300に作用する力が大きく変動する特異位置は存在しない。なお、各位置に作用する重力は、各位置によって異なるが、特異位置が存在しないことに変わりはない。
上述のように、本体部20の鉛直方向の断面は、長手方向における一定の位置として位置20zまでは、端部に向かうほど大きくなる(図7のAA線断面、BB線断面及びCC線断面参照)。したがって、位置20z(図7参照)までは、鉛直方向において、衣服300と本体部20との接触面積が大きくなる。このため、本体部20の上方から、端部に向かうに連れて、各位置の重力に対する接線方向の力が徐々に大きくなるのであるが、各位置において作用する重力は、位置20zまでは端部に向かうにつれてより大きな面積に分散されるから、接線方向の力が徐々に大きくなる程度が抑制される。位置20zを越えて端部に近づくと、衣服300と本体部20との接触面積は徐々に小さくなり、各位置において作用する重力が分散される程度は徐々に小さくなる。そして、本体部20の端部を越えると、衣服300は本体部20に接しないから、衣服300の各部において、それより下方の衣服300の部分の重力が作用する。このように、ハンガー1は、ハンガー1に吊るされた衣服300に作用する力が徐々に変動するように構成されており、特異位置は存在しない。
<<ハンガー1の内部の構成>>
図10に示すように、本体部20の内側には、本体部20の円弧に沿って、一方の肩支持部20bの端部近傍の位置から他方の肩支持部20bの端部近傍の位置へ向かう空間部S1が形成されている。空間部S1の体積によって、本体部20の重量を調整することができる。また、空間部S1の存在によって、本体部20を構成するプラスチック樹脂の使用量を低減することができる。特に、本体部20の断面を所定の数値以上における大きさに形成したとしても、空間部S1によって、使用するプラスチック樹脂の量を低減することができる。端部近傍とは、端部20eから上方へ所定範囲の位置であり、所定範囲は、例えば、端部20eから上方へ3ミリメートル(mm)以上30ミリメートル以下の範囲の範囲であり、望ましくは、5ミリメートル以上20ミリメートル以下の範囲であり、さらに望ましくは、7ミリメートル以上10ミリメートル以下の範囲である。
空間部S1が、一方の肩支持部20bと他方の肩支持部20bとにおいて連続していることによって、本体部20の全体について、空間部S1の上方の壁と下方の壁の双方のばね定数が小さくなり、ニット素材の衣服を吊るすための好適な弾性を示す。また、衣服300をハンガー1に吊るした状態において外力が作用しても、その外力を吸収することができるから、外力の作用による型崩れを防止することができる。
図10乃至図12に示すように、本体部20の全体にわたって、空間部S1の上方の壁の厚さは、空間部S1の下方の壁の厚さよりも大きく構成されている。すなわち、衣服が接することによって外力が加わる部分である上方の構造が外力に対する耐性が大きく構成されている。
空間部S1を画する内壁面20cは、中心部20aに対応する領域において、空間部S1に向かって下方に突出する突出面20d(図12参照)を有する。突出面20dに対応する空間部S1は、狭窄部S1aとなっている。突出面20dの上方部を構成する壁の部分に、フック10を固定することができる。すなわち、本体部20の円弧形状を維持しつつ、空間部S1を形成できるから、好適な弾性を得つつ、フック10を強固に固定することができる。
<<ハンガー1の製造方法>>
以下、図13乃至図31を参照して、本体部20の製造方法を説明する。
本体部20を成型するために、本体部20の形状に対応するキャビティを有する金型を準備する。例えば、上下一対の部分が開閉して、キャビティの開閉を行うのであるが、図13等においては、説明の便宜のため、金型が閉じてキャビティを形成した状態における内部構造を概念的に示す。本明細書において、金型の内部構造を「金型100」と呼ぶ。
図13に示すように、本体部20の形状に対応する形状のキャビティ112を有する金型100を準備する。金型100は、キャビティ112を2組有する。キャビティ112の内側に突出する態様において、軸対応部材116が配置されている。軸対応部材116は、ハンガー1のフック部10の軸部に対応する構成である。各キャビティ112の両端部近傍に樹脂及び気体を吐出する吐出部114が配置されている。
図14及び図15に示すように、吐出部114は、樹脂吐出管114aの内側に、樹脂吐出管114aと接しない態様において、気体吐出管114bが配置されている。樹脂吐出管114aからはプラスチック樹脂が吐出され、気体吐出管114bからは気体が吐出される。気体吐出管114bの中心位置は、樹脂吐出管114aの内周壁の下方に偏った位置に配置されている。樹脂吐出管114aの内周壁と気体吐出管114bの外周壁の間は空間S11となっており、プラスチック樹脂は空間S11を通過して吐出される。気体吐出管114bの内側は空間S12となっており、気体は空間S12を通過して吐出される。
図16に示すように、キャビティ112が形成されると、吐出部114から矢印X1乃至X4に示すように、プラスチック樹脂が吐出される。プラスチック樹脂は、キャビティ112の双方の端部近傍部から、軸対応部材116が位置する中心部に向かって吐出される。この工程を吐出工程と呼ぶ。吐出工程において、内部に空間を有するパリソンが形成される。そして、図17に示すように、キャビティ112の双方の端部近傍部から吐出されたプラスチック樹脂によって形成されるパリソンは、中心部において一体となる。
上記のように、プラスチック樹脂は、樹脂吐出管114aの内周壁と気体吐出管114bの外周壁の間を通過して吐出されるから、パリソンの内側において、下方に偏った位置において空間が形成される。キャビティ112の双方の端部近傍部から吐出されたプラスチック樹脂によって形成されるパリソンが中心部において一体となるとき、空間部も一体となる。
キャビティ112にプラスチック樹脂が吐出されると、プラスチック樹脂が固化する前に、図18に示すように、吐出部114から気体を吐出し、矢印Y1乃至Y4に示すように、パリソン内を通過させる。具体的には、気体はパリソン内の空間を通過する。この工程をブロー工程と呼ぶ。
ブロー工程において吐出される気体は、大気圧よりも高い圧力を有する気体である。気体は、例えば、窒素(N)であり、圧力は大気圧の数倍であり、例えば、5気圧である。プラスチック樹脂内を気体が通過することによって、図19に示すように、プラスチック樹脂が外側に広がり、キャビティ112の内面に押し付けられる。これにより、本体部20の製造が完了する。気体が通過した通路は、本体部20において、空間部S1となる。プラスチック樹脂の吐出態様(吐出量)と気体の圧力を調整することによって、空間部S1の体積を調整することができ、ハンガー1の重量を調整することができる。
なお、気体通路の開口部を構成していた端部近傍部は、プラスチック樹脂の成型後の収縮により、一部または全部が閉鎖される。
図20乃至図30を参照して、キャビティ112の双方の端部近傍部から吐出されたプラスチック樹脂によって形成されるパリソンが、中心部において一体となる状態を説明する。一方の端部近傍部から吐出されたプラスチック樹脂によって形成されるパリソンをパリソン200A、他方の端部近傍部から吐出されたプラスチック樹脂によって形成されるパリソンをパリソン200Bとする。
図20に示すように、パリソン200A及びパリソン200Bには、一方に偏った空間S1preが形成されている。空間S1preの位置は、(ハンガー1を吊るした状態における)下方に偏っている。パリソン200A及び200Bは、キャビティ112の中心部に配置された軸対応部材116に向かって互いに接近し、図21に示すように、軸対応部材116の位置において一体となる。このとき、パリソン200A及び200Bの空間S1preも一体となる。
図22乃至図26は、図20の矢印F1方向から視た概念的な断面図である。図22及び図23に示すように、パリソン200A及びパリソン200Bの端部200aは、軸対応部材16に向かって互いに接近し、端部200aが軸対応部材116に接し、さらに、軸対応部材116方向に向かって移動すると、図24に示すように、軸対応部材116の長さ方向に沿った屈曲部200bを形成し、さらに、図25に示すように、軸対応部材116の下部に沿った屈曲部200cを形成する。パリソン200A及びパリソン200Bが一体となると、軸対応部材116がプラスチック樹脂に覆われるとともに、パリソン200A及びパリソン200Bの空間S1preが一体となる。
そして、図26に示すように、矢印Y1及びY2に示す方向から空間S1preに気体が吐出されると、パリソン200A及び200Bは矢印Z1及びZ2に示すように、外側の方向に広がり、本体部20が形成される。
図27乃至図30は、図22のGG線断面図である。図27及び図28に示すように、パリソン200A及びパリソン200Bの端部200aは、軸対応部材116に向かって互いに接近し、端部200aが軸対応部材116に接する。パリソン200A及びパリソン200Bが、さらに、軸対応部材116方向に向かって移動すると、図29に示すように、軸対応部材116の軸部に沿って屈曲し、さらに、図30に示すように、軸対応部材116を覆う。
以下、図31を参照して、本体部20の製造方法を概括する。まず、金型を閉鎖し、本体部20の形状を有するキャビティ112を形成する(図31のステップST1)。続いて、キャビティ112にプラスチック樹脂を吐出する(ステップST2)。続いて、キャビティ112に吐出したプラスチック樹脂が固化する前に、プラスチック樹脂に大気圧よりも高い圧力を有する気体を通過させ、空間部S1を形成する(ステップST3)。ステップST3において、プラスチック樹脂がキャビティに押し付けられ、本体部20の製造が完了する。最後に、金型を開放する(ステップST4)。
本実施形態とは異なり、中心角θ1に対して、追加角度θ1’を規定し、中心角θ1とθ1’の合計の角度が、180度を超えて360度以下の範囲になるように規定するようにしてもよい。また、本発明と類似の発明の実施形態として、本実施形態と基本的に同一の構成において、空間S1については、中心部20aにおいて、連続していないものとして構成してもよい。この場合、本体部20は、ばね定数が相対的に大きくなるが、製造方法は容易になる。
<第二の実施形態>
次に、図32乃至図38を参照して、第二の実施形態について説明する。なお、第一の実施形態と共通する構成については説明を省略し、第一の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図32乃至図35に示すように、第二の実施形態のハンガー1Aの本体部22は、中心部22aと、肩支持部22b1及び22b2で構成される。
図36に示すように、本体部22の円弧の曲率半径は、中心部22aを含む領域における曲率半径である第一曲率半径R2と、端部を含む領域である肩支持部22bにおける曲率半径である第二曲率半径R3とで構成されている。中心部22aを含む領域は中心部22a及び肩支持部22b1である。
第一曲率半径R2は、第二曲率半径R3よりも所定の許容範囲だけ大きい半径として規定されている。第一曲率半径R2と第二曲率半径R3の相違が大きい場合には、肩支持部22b1と22b2との境界部において、吊るした衣服300に作用する力の変動が大きくなり、特異位置となるからである。所定の許容範囲は、第一曲率半径R2が、第二曲率半径R3に対して、1倍よりも大きく、1.2倍以下の範囲であり、望ましくは、1倍よりも大きく1.15倍よりも小さく、さらに望ましくは、1倍よりも大きく1.14倍よりも小さい範囲である。本実施形態において、第一曲率半径R2は21.5センチメートルであり、第二曲率半径R3は19センチメートルであり、第一曲率半径R2は第二曲率半径R3の1.13倍である。
第一曲率半径R2の円弧の中心角θ2は鈍角として規定されている。本実施形態において、中心角θ2は110度である。
肩支持部22b2の端部の接線が鉛直方向となるように、曲率半径R3に対する中心角θ3が規定される。
図37及び図38に示すように、衣服300をハンガー1Aに吊るすと、第一の実施形態のハンガー1と同様に、衣服300に作用する力が大きく変動する位置である特異位置は存在しない。さらに、本体部20における上方の輪郭を形成する円弧の曲率半径が相対的に大きいから、衣服300の首部から肩部にかけて、作用する力の変動が、第一の実施形態に比べて小さくなっている。
具体的には、位置300fにおいては、垂直角度はθf’であり、接線方向の分力Gfs’はGfsinθf’であり、垂直方向の分力Gfv’はGfcosθf’である。分力Gfv’に対して垂直抗力Gfvr’が作用して釣り合っている。同様に、位置300hにおいては、垂直角度はθh’であり、接線方向の分力Ghs’はGhsinθh’であり、垂直方向の分力Ghv’はGhcosθh’である。力Ghv’に対して垂直抗力Ghvr’が作用して釣り合っている。ここで、第一曲率半径R2は、第二曲率半径R3よりも所定の許容範囲における数値だけ大きいから、接線方向の力Gfs’と力Ghs’の相違は小さい。
<第三の実施形態>
次に、図39及び図40を参照して、第三の実施形態について説明する。なお、第一の実施形態及び第二の実施形態と共通する構成については説明を省略し、第一の実施形態及び第二の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図39及び図40に示すように、第三の実施形態のハンガー1Bの本体部24が形成する円弧は、楕円の円弧である。
図40に示すように、楕円C3の中心位置は点Q3である。楕円C3は長径R4、短径R5を有する。長径R4と短径R5の相違は、所定範囲内に制限されている。長径R4は短径R5に対して、1倍よりも大きく、1.2倍以下の範囲であり、望ましくは、1倍よりも大きく1.15倍よりも小さく、さらに望ましくは、1倍よりも大きく1.14倍よりも小さい範囲において規定される。
第三の実施形態のハンガー1Bは、衣服300を吊るした場合に、衣服300における上方部に作用する力の変動が特に小さく、全体としても、特異位置は存在しない。
また、図41に示すように、型崩れした部分300zを有する衣服300をハンガー1Bに吊るすと、図42に示すように、部分300zは、本体部24には接しないから、部分300zに対する重力G10が作用する。部分300zは、重力G10の作用により、時間が経過するに連れて本体部24に接近し、図43に示すように、本体部24に接すると、重力G10に対する反力G10rが作用し、釣り合う。この状態において、部分300zの変形は停止し、衣服300の型崩れが修復される。
上記のように、ハンガー1Bによって、衣服300の型崩れが修復される。このことは、第一の実施形態のハンガー1及び第二の実施形態のハンガー1Aにおいても同様である。
<本発明の実施品>
図44は、第二の実施形態のハンガー1Aの本体部22の実施品を長手方向に沿って鉛直方向に切断したものである。図44に示すように、本体部22の内部には、一方の端部近傍から他方の端部近傍を結ぶ空間部S1が形成されている。空間部S1の全体にわたって、上方の壁が下方の壁よりも厚い。そして、空間部S1を画する内周壁22cは、中央部において空間部S1の方向に突出する突出面22dを有する。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、上述の第一の実施形態乃至第三の実施形態の構成を、適宜、組み合わせてもよい。
1,1A,1B 衣服用ハンガー
10 フック部
20,22,24 本体部
S1 空間部

Claims (7)

  1. フック部と本体部とを備える衣服用ハンガーであって、
    前記本体部は、
    プラスチック樹脂によって形成され、断面が所定の直径を有する円柱状部材で構成され、
    前記円柱状部材は、前記フック部が固定される中心部と、前記中心部に対して対称に形成される一対の肩支持部を有し、
    前記円柱状部材の外側の輪郭は、正面視において、前記中心部が前記肩支持部に対して突出することなく、前記中心部と一対の前記肩支持部が所定の曲率半径を有する円弧を形成しており、
    前記円弧の長さを規定する中心角は、鈍角または180度として規定されており、
    前記円弧の曲率半径は、前記中心角における前記円弧の長さが所定サイズの衣服の背肩幅よりも長い所定範囲の長さとなる所定の半径として規定されており、
    前記円柱状部材の内側において、前記円弧に沿って、一方の前記肩支持部の端部近傍から、他方の前記肩支持部の端部近傍を結ぶ空間部が形成されており、
    前記円柱状部材の全体にわたって、前記空間部の上方の壁の厚さは、前記空間部の下方の壁の厚さよりも大きく構成されており、
    前記空間部を画する内壁面は、前記中心部に対応する領域において、前記空間部に向かって下方に突出する突出面を有し、
    前記突出面は、前記突出面の形成工程において、前記円柱状部材を形成するための部材とは別個の部材によって形成されたものではない、
    衣服用ハンガー。
  2. 正面視において、前記円柱状部材の外側表面における接線の方向は、前記肩支持部の端部において、鉛直方向、または、鉛直方向と所定の許容範囲だけ乖離した方向である、
    請求項1に記載の衣服用ハンガー。
  3. 前記円柱状部材の前記所定の直径(D1)の前記所定の曲率半径(R1)に対する割合A1(D1/R1)は、所定の数値以上における所定範囲において規定されている、
    請求項1または請求項2に記載の衣服用ハンガー。
  4. 前記円弧の前記曲率半径は、前記中心部を含む領域における曲率半径である第一曲率半径と、前記肩支持部の端部を含む領域における曲率半径である第二曲率半径とで構成され、
    前記第一曲率半径が前記鈍角であり、
    前記第一曲率半径は、前記第二曲率半径よりも所定の許容範囲だけ大きい半径として規定されている、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衣服用ハンガー。
  5. 前記円弧は楕円であり、前記楕円の長径は、前記楕円の短径よりも所定の許容範囲だけ大きい半径として規定されている、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の衣服用ハンガー。
  6. フック部が固定される中心部と、前記中心部に対して対称に形成される一対の肩支持部によって構成される本体部を有する衣服用ハンガーの製造方法であって、
    金型によって形成される前記本体部の正面視の輪郭である円弧状のキャビティの中心部にフック部の軸部に対応する軸対応部材を配置した状態において、前記金型における双方の肩支持部の端部近傍に対応する部分から、前記中心部に向かってプラスチック樹脂を吐出してパリソンを形成し、双方の前記パリソンを前記中心部において一体化する吐出工程と、
    前記キャビティに吐出した前記プラスチック樹脂が固化する前に、前記金型における双方の肩支持部の端部近傍に対応する部分から、前記プラスチック樹脂に大気圧よりも高い圧力を有する気体を通過させ、前記プラスチック樹脂を前記キャビティに押しつけ、一方の前記肩支持部の端部近傍から、前記中心部を通過し、他方の肩支持部の端部近傍へ向かう空間部を形成するブロー工程と、
    を有し、
    前記中心部は前記肩支持部に対して突出しないように形成され、
    前記空間部の上方の壁の厚さは、前記空間部の下方の壁の厚さよりも大きく形成され、
    前記吐出工程において、双方の前記パリソンが前記軸対応部材を覆い、
    前記空間部を画する内壁面は、前記軸対応部材が位置する領域において、前記空間部に向かって突出する突出面を有するように形成される、
    衣服用ハンガーの本体部の製造方法。
  7. 前記プラスチック樹脂を吐出する樹脂吐出管の内側に、気体を吐出する気体吐出管が配置され、
    前記気体吐出管の中心位置は、前記樹脂吐出管の内周壁に偏った位置に配置されており、
    前記吐出工程において、前記パリソンが形成されるときに、前記パリソンに予備空間が形成され、前記双方の前記パリソンが一体化するときに、前記双方の前記パリソンの前記予備空間も一体化し、
    前記ブロー工程において、前記予備空間に気体が通過させられる、
    請求項6に記載の衣服用ハンガーの製造方法。

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