JP6821890B2 - 水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法 - Google Patents

水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法 Download PDF

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Description

本発明は、水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法に関し、特に、海洋構造物等の浮体構造物を大水深領域に係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法に関する。
海洋構造物等を大水深領域で係留する状況に対して、試験水槽で諸データを計測するための水槽試験を実施する場合に、通常の試験水槽においてはその幅および水深に制限があるので、係留系全体における幾何学的相似則を保持しようとすると、幅および水深の大部分を係留索の長さで占めることになるので、海洋構造物などの係留される物体である浮体模型のサイズが非常に小さくなってしまい、計測精度を確保することが困難となる。
これに対応するために、例えば、上部チェーン、中間シンカー、ばね、及びアンカーウエイトで構成される、切り詰めた係留系で必要な、浮体の変位に対する水平反力特性と垂直反力特性、初期張力、流れ影響、動特性等の係留特性を模擬する深海模擬係留模型を用いた大水深係留浮体の実験手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上部ウエイト、中間シンカー、ばねを係留索に設けているが、このばねを5本のコイルばねで形成したり、係留点側の4本のワイヤーで伸びを制限したりするなど、複雑な係留系となってしまうという問題がある。
日本船舶海洋工学会講演会論文集 第3号(論文番号2006A−OS10−11)第179頁〜第180頁「大水深係留浮体の実験手法について」著者:齋藤昌勝、湯川和浩、佐藤宏、日本船舶海洋工学会、平成18年11月16,17日講演
そこで、本発明者らは、水槽試験においては、大水深の係留系の模擬に対しては、長大となる係留系を途中で打ち切って、力学的な相似を確保するために、この係留索のカテナリが発揮する係留力の特性を、別の装置で置き替えることができれば、言い換えれば、長大な係留索のカテナリが発揮する係留力の特性をモデル化した係留模擬装置を開発できれば、係留された浮体の水槽試験を実施する場合に必ずしも、長大な係留索による係留システムを必要としなくなり、試験水槽の幅および水深の影響を受けない係留試験ができるのではないかと考えた。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、海洋構造物等の浮体構造物を大水深領域にカテナリ係留する際の諸データを計測する場合に、試験水槽の幅および水深の制約から、大深度係留系の幾何学的相似則を満足できないときであっても、試験水槽の幅や水深等の要目による制約を受けることなく、浮体構造物の縮尺を計測精度が劣化しない大きさに維持しつつ、係留想定海域の水深や領域における実機の係留系に対応して、この実機の係留系と力学的に相似な係留試験を行うことができる水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の水槽模型係留試験装置は、浮体構造物を係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験装置において、前記浮体構造物に対応する浮体模型に接続される模型係留索に接続する索状体に質量体、減衰力発生体、復原力発生体を接続して、それぞれ実機係留と力学的相似になる慣性力、減衰力、復原力を発生させる係留模擬装置を備えて構成される。
この構成により、大水深領域における水槽模型係留試験等で用いるような、試験水槽の幅および水深の制約から、幾何学的相似則を満足できない係留系に対して、質量体、減衰力発生体、復原力発生体を用いることにより、それぞれ実機の係留系と相似になる慣性力、減衰力、復原力を発生させて、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができて、幅および水深の制約がある試験水槽で係留試験を可能とすることができる。
上記の水槽模型係留試験装置において、前記係留模擬装置で、前記質量体を主質量体と副質量体で、前記復原力発生体を主バネで、前記減衰力発生体をダンパーで構成していると、主質量体と副質量体により模擬係留索に加わる初期張力の大きさと質量(錘)の両方を力学的相似則を満足させるように設定でき、比較的容易に、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができるようになる。
上記の水槽模型係留試験装置において、前記係留模擬装置の枠体の下部に入口部プーリーを、前記枠体の上部に支持プーリーを、それぞれ配設し、外部の模擬係留索に接続される主索状体を前記入口部プーリーを経由して前記ダンパーの下端に接続し、前記ダンパーの上端に接続している第1索状体を、中間部に前記主バネを挟んで前記枠体に固定して設けるか、又は、前記枠体に一端が固定された前記主バネの他端に接続するかして設け、前記ダンパーの上端に接続している第2索状体を、前記支持プーリーを経由して前記主質量体に接続して、前記支持プーリーを一方側に回転させるように前記主質量体を吊り下げると共に、前記支持プーリーに一端が固定された第3索状体を前記副質量体に接続して、前記支持プーリーを他方側に回転させるように前記副質量体を吊り下げて構成していると、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができるようになる。
上記の水槽模型係留試験装置において、前記第2索状体の前記支持プーリーと前記主質量体の間に第1副バネを設け、前記第3索状体の前記支持プーリーと前記副質量体の間に第2副バネを設けて構成すると、逆位相の慣性力を与えることができる。
上記の水槽模型係留試験装置において、前記第2索状体において、前記ダンパーと前記支持プーリーとの間に中間プーリーを設けて構成していると、支持プーリーの径を大きくすることなく、主索状体と第2索状体又は第3索状体との距離を大きくすることができ、主バネ、ダンパーと、主質量体、副質量体、第1副バネ、第2副バネの相互間の干渉を容易に回避できるようになる。
そして、上記のような目的を達成するための本発明の水槽模型係留試験方法は、浮体構造物を係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験方法において、上記の係留模擬装置を使用することを特徴とする方法である。
本発明の水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法によれば、海洋構造物等の浮体構造物を大水深領域に係留索で係留する際の諸データを計測する場合で、試験水槽の幅および水深の制約から、係留系の幾何学的相似則を満足できないときであっても、係留系の力学的相似則を満足する係留模擬装置を用いることにより、試験水槽の幅および水深等の要目による制約を受けることなく、浮体構造物の縮尺を計測精度が劣化しない大きさに維持しつつ、係留想定海域の水深や領域における実機の係留系に対応して、この実機の係留系と力学的に相似な係留試験を行うことができる。
本発明に係る実施の形態の水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法の構成を説明するための模式的な平面図である。 図1の水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法の構成を説明するための模式的な側面図である。 水槽模型係留試験装置の力学的モデルを説明するための構成図である。 水槽模型係留試験装置の模式的な3面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の上部部分を示す平面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の上部部分を示す図5のA方向から見た断面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の上部部分を示す図5のB方向から見た断面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の上部部分を示す図5のC方向から見た断面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の下部部分を示す平面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の下部部分を示す図9のD方向から見た断面図である。 図4の水槽模型係留試験装置の上部部分を示す図9のE方向から見た断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の水槽模型係留試験装置及び水槽模型係留試験方法について、図面を参照しながら説明する。 大深度係留等の係留試験を行うような浮体模型としては、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)、FSO(浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備)などが考えられるが、本発明はこれらのFPSOやFSOに限定されることなく、その他の浮体模型にも適用できる。
図1及び図2に示すように、本発明に係る実施の形態の水槽模型係留試験装置1において、試験水槽20で浮体模型10の係留試験を行う場合は、試験水槽20の側壁21と試験水槽20の底面22で囲われた空間において、ある程度の水深まで水を満たした状態で、例えば、図1の矢印(波)の方向から造波装置を駆動して造波した波を当てて、図示しない計測装置により、浮体模型10の加速度や角加速度を計測したり、浮体模型10の変位量や傾斜角を計測したりする。また、必要に応じて、模擬係留索41A、41Bの張力を計測する。
図1に例示する水槽模型係留試験装置1では、3方向で係留されている状態を模擬しているため、浮体模型10の横に配置されている2基の係留模擬装置30Aと、浮体模型10の前方正面に配置されている1基の係留模擬装置30Bを用いている。
そして、図1及び図2に示すように、浮体模型10の係留部11と係留模擬装置30Aとの間を模擬係留索41Aで、係留部11と係留模擬装置30Bとの間を模擬係留索41Bで、それぞれ接続している。なお、図1の係留部11は、係留索と浮体模型10の船体との間に巨大な旋回構造(ベアリング)を介して接続される旋回可能な係留構造を持っているタレット方式を模擬している。
この模擬係留索41Aと模擬係留索41Bの水平面内における浮体模型10に対する配置角度に関しては、実機と同じ方向になるように係留模擬装置30Aと係留模擬装置30Bを配置する。また、模擬係留索41Aと模擬係留索41Bの水平面に対する傾斜角度αa、αbに関しては、実機の係留における傾斜角度と同じになるように係留模擬装置30Aと係留模擬装置30Bの位置を設定する。
次に、係留模擬装置30A、30Bについて説明する。この2つの係留模擬装置30Aと係留模擬装置30Bとは力学的モデルは同じで、図3に示すような力学的モデルとなっていて、錘(質量体)34(34a、34b、34cを総称して34とする)、ピストンダンパー(ダンパー:減衰力発生体)35、バネ36(36a、36b、36cを総称して36とする)などの構成要素は同じであるが、各構成要素の特性、質量、ダンパー係数、バネ定数等が異なる。
図4〜図11に示すように、この係留模擬装置30(30A、30Bを総称して30とする)は、枠体(ケーシング)31の下部に入口部プーリー32を設け、枠体31の上部に支持プーリー33aと中間プーリー33bを設けている。また、外部からの模擬係留索41に接続部42で接続される主ワイヤー(主索状体)37を、入口部プーリー32を経由して、枠体31の内部に配置したピストンダンパー(ダンパー)35の下側に接続している。
そして、このピストンダンパー35の上側に接続した2本のうちの一本の第1ワイヤー(第1索状体)37aを、枠体31の上部に配置した主バネ(バネ定数:k1)36aの下側に接続している。なお、この構成の代わりに、主バネ36aを第1ワイヤー37aの中間に配置して、第1ワイヤー37aの端部を枠体31に固定してもよい。
また、ピストンダンパー35の上側に接続した2本のうちのもう一本の第2ワイヤー(第2索状体)37bを枠体31の上部の支持プーリー33aと中間プーリー33bを経由して、第1副バネ(バネ定数:k2)36bと主錘(質量:Mm)34bに接続している。
更に、支持プーリー33aに関して、上記の第1副バネ36bと主錘34bとが支持プーリー33aを回転させる方向Raとは別の方向Rbに、支持プーリー33aを回転させる第3ワイヤー(第3索状体)37cを第2副バネ(バネ定数:k3)36cと副錘(質量:Ms)34cに接続して設けている。
この第1副バネ36bと主錘34bの組と、第2副バネ36cと副錘34cの組との組み合わせにより、逆位相の慣性力を発生させることができるので、係留力の定常張力値を変えることなく、係留力の振幅のみの制御も独立して行うことができるようになる。つまり、主錘34bと副錘34cの質量の差により、実機の初期張力を模擬し、主錘34bと副錘34cの質量の和により、実機の質量を模擬する。また、第2ワイヤー37bの第1副バネ36bのバネ定数k2と、第3ワイヤー37cの第2副バネ36cのバネ定数k3を適切に設定することにより、係留索の固有振動数を力学的相似則に合わせる。
なお、これらの第1副バネ36b、主錘34b、第2副バネ36c、及び、副錘34cは共に、支持プーリー33aと干渉しない範囲で、且つ、試験水槽20の水面を通過して、自由表面と干渉しないように、これらの移動範囲が空気中又は水中のみの範囲で収まるように設ける。
そして、ピストンダンパー35は、シリンダ35aとピストン35bとオリフィス35cで構成されるダンパーであるが、これ以外のダンパーを用いてもよい。このピストンダンパー35では、ピストン35bに作動する主ワイヤー37の張力の変化や変位等によりピストン35bが移動して、作動流体(ここでは水槽水)がオリフィス35cを通過する際にダンパー機能を発揮して減衰力を発生する。
この減衰力の発生と同時に、このときの作動流体の移動により有効質量が発生する。この有効質量が見掛け質量体(Mv)34aとなる。この見掛け質量体(Mv)34aは大きくならないようにすることが好ましいが、ゼロにすることは難しいので、主錘34b、副錘34cの調整により、この見掛け質量体(Mv)34aの影響をキャンセルして、係留索の初期張力と質量を実機に対しての力学的相似則に合わせる。
従って、この水槽模型係留試験装置1は、浮体構造物を大水深領域等において係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験装置1であり、この水槽模型係留試験装置1において、浮体構造物に対応する浮体模型10に接続される模型係留索41(41A、41Bを総称して41とする)に接続するワイヤー(索状体)37、37a、37b、37cに主錘(主質量体)34b、副錘(副質量体)34c、ピストンダンパー(減衰力発生体)35、主バネ(復原力発生体)36aを接続して、それぞれ実機係留と力学的相似になる慣性力、減衰力、復原力を発生させる係留模擬装置30を備えて構成されている。
この構成により、試験水槽20の幅および水深の制約から、幾何学的相似則を満足できない係留系に対して、質量体(主錘34b、副錘34c)、減衰力発生体(ダンパー:ピストンダンパー35)、復原力発生体(主バネ36a等)を用いることにより、それぞれ実機の係留系と相似になる慣性力、減衰力、復原力を発生させて、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができて、幅および水深の制約がある試験水槽20で係留試験を可能とすることができる。
また、係留模擬装置30で、質量体を主錘34bと副錘34cで、減衰力発生体をピストンダンパー35で、復原力発生体を主バネ36a等で構成しているので、主錘34bと副錘34cにより模擬係留索41に加わる初期張力の大きさと質量(錘)の両方を力学的相似則を満足させるように設定でき、比較的容易に、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができるようになる。
更に、以下のような構成をしているので、これらの構成により、比較的容易に、実機の係留系との力学的相似則を満足させることができるようになる。なお、主錘(質量:Mm)34bと副錘(質量:Ms)34cの大きさを設定する際には、ワイヤー37、37a、37b、37cの質量、主バネ36aの質量、及び、シリンダ35a内の移動水による有効質量である見掛け質量(Mv)34aを考慮することで、力学的相似則の精度をより向上することができるようになる。
つまり、係留模擬装置30の枠体31の下部に入口部プーリー32を、枠体31の上部に支持プーリー33aを、それぞれ配設している。また、外部の模擬係留索41に接続される主ワイヤー37を入口部プーリー32を経由してピストンダンパー35の下端に接続し、ピストンダンパー35の上端に接続している第1ワイヤー37aを、中間部に主バネ36aを挟んで枠体31に固定して設けるか、又は、枠体31に一端が固定された主バネ36aの他端に接続するかして設ける構成である。
さらに、この構成に加えて、ピストンダンパー35の上端に接続している第2ワイヤー37bを、支持プーリー33aを経由して主錘34bに接続して、支持プーリー33aを一方側に回転させるように主錘34bを吊り下げる。それと共に、支持プーリー33aに一端が固定された第3ワイヤー37cを副錘34cに接続して、支持プーリー33aを他方側に回転させるように副錘34cを吊り下げている構成である。
そして、第2ワイヤー37bの支持プーリー33aと主錘34bの間に第1副バネ36bを設け、第3ワイヤー37cの支持プーリー33aと副錘34cの間に第2副バネ36cを設けて構成しているので、逆位相の慣性力を発生させることができる。
また、ピストンダンパー35の上端に接続している第2ワイヤー37bと支持プーリー33aとの間に中間プーリー33bを設けて構成しているので、支持プーリー33aの径を大きくすることなく、主ワイヤー37と第2ワイヤー37b又は第3ワイヤー37cとの距離を大きくすることができ、主バネ36a、ピストンダンパー35と、主錘34b、副錘34c、第1副バネ36b、第2副バネ36cの相互間の干渉を容易に回避できる。
次に、本発明に係る実施の形態の水槽模型係留試験方法について説明する。この水槽模型係留試験方法は、浮体構造物を係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験方法であり、この水槽模型係留試験方法において、上記の係留模擬装置30を使用する方法である。
上記の実施の形態の水槽模型係留試験装置1及び水槽模型係留試験方法によれば、海洋構造物等の浮体構造物を大水深領域等に係留索で係留する際の諸データを計測する場合に、試験水槽20の幅および水深の制約から、大深度係留系の幾何学的相似則を満足できないときであっても、係留系の力学的相似則を満足する係留模擬装置30を用いることにより、試験水槽20の水深や幅等の要目による制約を受けることなく、浮体構造物の縮尺を計測精度が劣化しない大きさに維持しつつ、係留想定海域の水深や領域における実機の係留系に対応して、この実機の係留系と力学的に相似な係留試験を行うことができる。
なお、図1及び図2の構成では、係留模擬装置30Aと係留模擬装置30Bは水中に配置しているので、これらの枠体31やシリンダ35a等が浮体模型10に入射してくる波を乱さないように、枠体31やシリンダ35aの水平断面の形状は流線形の形状にすることが望ましい。また、場合によっては、係留模擬装置30Aと係留模擬装置30Bを、特に浮体模型10の前方(波の入射方向)となる係留模擬装置30Bを、試験水槽20の内部から引き上げて陸上に設置し、試験水槽20の底面22にはプーリーのみを設置して、主ワイヤー37をこのプーリーを経由して、陸上の係留模擬装置30Bに導いてもよい。この係留模擬装置30Bを陸上に配置する場合は、シリンダ35a内に作動流体を密閉しておく必要がある。
そして、実機の係留を模擬するための主錘34b、副錘34c、ピストンダンパー35、主バネ36a、及び、第1副バネ36b、第2副バネ36cの具体的数値は、実機の係留システムが確定したら、実験又は数値計算で、実機の係留索の特性を特定し、この特性に合うように、実験または数値計算でそれぞれの具体的な数値を設定し、実験で補正することで、より実機との力学的相似則を満足させることができる。
さらには、主ワイヤー37の入口となる入口部ブーリー32は係留模擬装置30A、30Bのできるだけ下方に設けることが、係留部11から短い水平距離でも傾斜角度αa、αbを大きくできるので好ましい。しかし、多様な係留システムに応じられるように、入口部ブーリー32を枠体31において上下位置を変更可能に設けたり、この入口部ブーリー32の先に、上下位置変更可能な案内プーリー(図示しない)を枠体31に、又は、枠体31から独立して設けたりしてもよい。
10 浮体模型
11 係留部
20 試験水槽
21 試験水槽の側壁
22 試験水槽の底面
30、30A、30B 係留模擬装置
31 枠体
32 入口部プーリー
33a 支持プーリー
33b 中間プーリー
34 質量体
34a 見掛け質量
34b 主質量体(主錘)
34c 副質量体(副錘)
35 ピストンダンパー(減衰力発生体)
35a シリンダ
35b ピストン
35c オリフィス
36a 主バネ(復原力発生体)
36b 第1副バネ(復原力発生体)
36c 第2副バネ(復原力発生体)
37 主ワイヤー(主索状体)
37a 第1ワイヤー(第1索状体)
37b 第2ワイヤー(第2索状体)
37c 第3ワイヤー(第3索状体)
41、41A、41B 模擬係留索

Claims (6)

  1. 浮体構造物を係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験装置において、前記浮体構造物に対応する浮体模型に接続される模型係留索に接続する索状体に質量体、減衰力発生体、復原力発生体を接続して、それぞれ実機係留と力学的相似になる慣性力、減衰力、復原力を発生させる係留模擬装置を備えて構成されることを特徴とする水槽模型係留試験装置。
  2. 前記係留模擬装置で、前記質量体を主質量体と副質量体で、前記復原力発生体を主バネで、前記減衰力発生体をダンパーで構成することを特徴とする請求項1に記載の水槽模型係留試験装置。
  3. 前記係留模擬装置の枠体の下部に入口部プーリーを、前記枠体の上部に支持プーリーを、それぞれ配設し、
    外部の模擬係留索に接続される主索状体を前記入口部プーリーを経由して前記ダンパーの下端に接続し、
    前記ダンパーの上端に接続している第1索状体を、中間部に前記主バネを挟んで前記枠体に固定して設けるか、又は、前記枠体に一端が固定された前記主バネの他端に接続するかして設け、
    前記ダンパーの上端に接続している第2索状体を、前記支持プーリーを経由して前記主質量体に接続して、前記支持プーリーを一方側に回転させるように前記主質量体を吊り下げると共に、
    前記支持プーリーに一端が固定された第3索状体を前記副質量体に接続して、前記支持プーリーを他方側に回転させるように前記副質量体を吊り下げていることを特徴とする請求項2に記載の水槽模型係留試験装置。
  4. 前記第2索状体の前記支持プーリーと前記主質量体の間に第1副バネを設け、
    前記第3索状体の前記支持プーリーと前記副質量体の間に第2副バネを設けていることを特徴とする請求項3に記載の水槽模型係留試験装置。
  5. 前記第2索状体の前記ダンパーと前記支持プーリーとの間に中間プーリーを設けていることを特徴とする請求項3又は4に記載の水槽模型係留試験装置。
  6. 浮体構造物を係留索で係留する際の諸データを計測する場合に使用する水槽模型係留試験方法において、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水槽模型係留試験装置を使用することを特徴とする水槽模型係留試験方法。
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