以下、本発明に係わる画像形成装置を図1〜35に則して更に詳しく説明する。
<実施例1>
図1〜5は、本実施例の画像形成装置Aであるレーザービームプリンタが示される。このレーザービームプリンタの全体的構成および機能について説明する。なお、以下の実施形態では画像形成装置Aとして、4個のプロセスカートリッジが着脱可能なフルカラー画像形成装置を例示している。
なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。
[画像形成装置概要]
図2は本実施例の画像形成装置Aの全体構成の断面図である。画像形成装置Aの本体(以下、「装置本体」と呼ぶ)100内には、レーザースキャナ11、中間転写ベルト13、定着フィルム24、加圧ローラ25、給紙トレイ19、給紙ローラ20等が設置されている。
また、第1のプロセスカートリッジPY、第2のプロセスカートリッジPM、第3のプロセスカートリッジPC、第4のプロセスカートリッジPKの4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が水平方向に配置されている。第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、それぞれ同様の電子写真画像形成プロセス機構を有しており、現像剤の色が各々異なる。
また、第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する現像ローラ41を備えた現像ユニット4を有する。
第1のプロセスカートリッジPYは、現像ユニット4内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、感光体ドラム1の表面にイエロー色の現像剤像を形成する。
第2のプロセスカートリッジPMは、現像ユニット4内にマゼンタ(M)の現像剤を収容してあり、感光体ドラム1の表面にマゼンタ色の現像剤像を形成する。
第3のプロセスカートリッジPCは、現像ユニット4内にシアン(C)の現像剤を収容してあり、感光体ドラム1の表面にシアン色の現像剤像を形成する。
第4のプロセスカートリッジPKは、現像ユニット4内にブラック(K)の現像剤を収容しており、感光体ドラム1の表面にブラック色の現像剤像を形成する。
給紙トレイ19内に積載収納された用紙(記録媒体)Sは、図中時計方向(矢印W方向)に回転する給紙ローラ20により給紙され、ベルト駆動ローラ14と二次転写ローラ18の当接部(以下、「ニップ部」と呼ぶ)へ送られる。
感光体ドラム1は図中反時計方向(矢印K方向)に回転しており、その外周面には、レーザースキャナ11からのレーザ光Lにより静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ41で現像され、トナー像(現像剤像)が形成される。
感光体ドラム1は画像(トナー像)を担持する像担持体である。また現像ローラ41は静電潜像を現像するための現像剤(トナー)を担持する現像剤担持体である。
感光体ドラム1に形成されたトナー像は、中間転写体としての中間転写ベルト13に転写される。カラー画像を形成する場合は、感光体ドラム1にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色が現像され、それぞれに形成されたトナー像が、中間転写ベルト13に順次転写される。
次に、中間転写ベルト13に形成されたトナー像は、ベルト駆動ローラ14と二次転写ローラ18のニップ部に送られた用紙Sに転写される。なお本実施例では感光体ドラム1のトナー像をいったん中間転写ベルト13に転写し、その後で用紙Sに転写したが、用紙Sに感光体ドラム1から直接、トナー像を転写する構成でもよい。この場合は、中間転写ベルト13の代わりに、記録媒体(用紙S)を搬送する搬送ベルト(搬送部材)を設け、搬送ベルトで搬送されている用紙Sにイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色のトナー像を順次、転写してゆけばよい。
トナー像が転写された用紙Sは、定着フィルム24と加圧ローラ25のニップ部へ送られ、ここで加熱加圧されてトナー像が用紙Sに定着される。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラ対26により、排紙トレイ27に排出される。
[プロセスカートリッジ交換方法概要説明]
図3〜5は、本実施例のプロセスカートリッジの交換方式を説明する図である。
以下、このレーザービームプリンタのプロセスカートリッジPの交換方式について説明する。
プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKを保持しながら移動する部材を以下の説明よりカートリッジトレイ28と呼ぶ。カートリッジトレイ28は、プロセスカートリッジPY,PM,PC,PKを載せ置くための載置部材である。カートリッジトレイ28は、装置本体100に対して、カートリッジトレイ保持部材(以下、「トレイ保持部材」と呼ぶ)32で支えられ、図3の横方向(矢印M、N方向)にスライド可能に設けられている。
図3に示すように装置本体100の内部の空間がプロセスカートリッジPの装着部となっている。プロセスカートリッジPは、カートリッジトレイ28に載置されることで、装置本体100の装着部に向けて移動し、装置本体100に装着される。また、プロセスカートリッジPは装置本体100の装着部に対して着脱可能となっている。以下、詳しく説明する。
開閉ドア30は装置本体100に対して回動可能に設けられており、図3は、開閉ドア30を開いた状態である。開閉ドア30は、カートリッジトレイ28が通過する開口部を開閉する開閉部材である。この開閉ドア30を図3矢印D方向へ開くことによって、ユーザーはカートリッジトレイ取っ手部(以下、「取っ手部」と呼ぶ)29にアクセス可能になる。
また、連結アーム33が、開閉ドア30とトレイ保持部材32を連結するように設けられている。連結アーム33とトレイ保持部材32は、開閉ドア30の開閉動作と連動させて、カートリッジトレイ28を動かす連動手段(連動機構)を構成する。すなわち、開閉ドア30が閉じられた状態(図2参照)から、開かれると、前記連結アーム33は、トレイ保持部材32を右上方(矢印Y方向)に引っ張ることで、カートリッジトレイ28を上方に移動させる(図3参照)。このとき感光体ドラム1が中間転写ベルト13より離間し、カートリッジトレイ28は、装置本体100より引き出し可能な状態となる。つまりユーザーは取っ手部29を引っ張ることで、カートリッジトレイ28を引き出すことができる。
このときカートリッジトレイ28に載せ置かれたプロセスカートリッジPも、感光体ドラム1の軸線と交差する方向に移動して、装置本体100の外部に引き出される。
以下さらに、開閉ドア30の開閉動作と連動させてカートリッジトレイ28を動かす連動機構について詳細に説明する。
図6は、画像形成装置の斜視図である。図6(a)は開閉ドア30が閉じた状態を示し、図6(b)は開閉ドア30が開いた状態を示す。また図6(c)はさらに画像形成装置の装置本体100内部からカートリッジトレイ28を引き出した状態を示している。また図7は開閉ドア30とカートリッジトレイ28の拡大図である。図7(a)は開閉ドア30が閉じた状態を示し、図7(b)は開閉ドア30が開いた状態を示す。
図7(a)に示されるように、開閉ドア30には、連結アーム33が取り付けられ、連結アーム33に設けられたボス33aが、トレイ保持部材32に設けられた溝32bと係合している。これにより開閉ドア30の開閉動作とトレイ保持部材32が連動する。つまりトレイ保持部材32はボス32aを有し、このボス32aが、装置本体100の側板101に設けられた溝101aと係合している。開閉ドア30が閉じられた状態(図7(a)参照)から開かれると、トレイ保持部材32は側板101の溝101aにそって、図7(b)に示す矢印D1方向に移動する。
ここで、側板101の溝101aは段差を有するため、トレイ保持部材32が移動する際には、水平方向に移動するだけでなく、上方向にも距離L1移動する。このため、トレイ保持部材32に保持されたカートリッジトレイ28も上方向にL1移動する。このときカートリッジトレイ28にプロセスカートリッジPが装着されていた場合には、感光体ドラム1が中間転写ベルト13より離間した状態となる。
この状態で、図6(b)に示す取っ手部29をユーザーが引っ張ると、図6(c)に示すようにカートリッジトレイ28が装置本体100の外部に引き出され引き出し位置に移動する。
図4は、カートリッジトレイ28を装置本体100の内部から矢印C方向へ引き出した状態を示す断面図である。この状態でプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKの上面が開放され、それぞれのプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKが、図5の様に上方(矢印E方向)に取り外し可能になる。
プロセスカートリッジPを装置本体100に装着する際は、逆の手順で、カートリッジトレイ28を引き出し、プロセスカートリッジPを載せてから、カートリッジトレイ28を装置本体100内部に収納する。このときカートリッジトレイ28に載せ置かれたプロセスカートリッジPも感光体ドラムの軸線と交差する方向に移動して、装置本体100の装着部に向かう。
そして、カートリッジトレイ28を装置本体100に収納した後に開閉ドア30を閉めることで、連結アーム33を介して、トレイ保持部材32を、図3の左下方向(矢印Z方向)に押し下げる。これにより、カートリッジトレイ28も下方に移動し、プロセスカートリッジPの感光体ドラム1は、中間転写ベルト13に当接する。すなわち開閉ドア30を閉めることで、カートリッジトレイ28は、装置本体100内部の装着位置に装着される。これと同時にプロセスカートリッジPは、感光体ドラム1を中間転写ベルト13に当接させ、画像形成が可能となる位置に配置される(図2参照)。
なお本実施例では、開閉ドア30の開閉に連動して、感光体ドラム1と中間転写ベルト13の接触状態と離間状態が切り替わる構成を示した。しかし上述したように中間転写ベルト13の代わりに、用紙Sを搬送する搬送ベルトを設けてもよい。この場合は、開閉ドア30の開閉に連動して、感光体ドラム1と搬送ベルトの接触状態と離間状態を切り替えるとよい。
図8は、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKの外観斜視図である。上述したようにプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKは同様の電子写真プロセス機構を有し、それぞれ、収容されているトナーの色やトナーの充填量が各々異なるものである。
プロセスカートリッジPは、感光体ドラム1の軸線方向(長手方向)を左右方向とし、この左右方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。感光体ドラム1はクリーナユニット5の右側面部に配設した駆動側カートリッジカバー部材46と左側面部に配設された非駆動側カートリッジカバー部材47に回転可能に支持させて配設してある。プロセスカートリッジPの駆動側軸端部には感光体ドラム駆動入力部としてのドラムカップリング部材55(図9参照)と、現像ユニット4内の現像ローラ41への駆動入力部としての現像カップリング部材56とが具備されてある。詳細は後述する。左側面部には、カートリッジ電気接点(不図示)を配設してある。上記のプロセスカートリッジPにおいて、装置本体100から駆動力が伝達されるドラムカップリング部材55、および、現像カップリング部材56(図9参照)を具備させた右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。
図10は、プロセスカートリッジPを感光体ドラム1軸線方向と垂直な方向に切ったときの断面を示す断面図である。装置本体100からの駆動力はプロセスカートリッジPのドラムカップリング部材55,および、現像カップリング部材56(図9参照)に駆動伝達される。これにより、図10において感光体ドラム1は反時計方向(矢印K方向)に、現像ローラ41は時計方向(矢印L方向)に所定の速度で回転駆動される。
本実施例において、プロセスカートリッジPは、クリーナユニット5、および、クリーニングユニット5に回動可能に結合する現像ユニット4によって構成される。クリーナユニット5は感光体ドラム1を保持する第一ユニット(感光体ドラムユニット)であって、現像ユニット4は現像ローラ41を保持する第二ユニットである。
クリーナユニット5に設けられた帯電器3は感光体ドラム1に当接し従動回転する接触帯電方式の帯電部材である。クリーニングブレード51は弾性ゴムブレードであり、先端部を感光体ドラム1に当接させて配置してある。クリーニングブレード51は感光体ドラム1に残留したトナーを除去する役目をする。このクリーニングブレード51により除去された転写残トナーは、クリーナユニット5内にあるトナー収容部52に収容される。
現像ユニット4は現像手段としての現像ローラ41と、現像ブレード42を有する。現像ユニット4は更に、トナーを収容する現像室(現像剤収容部)43を有する。
図10に示すように、現像ローラ41は現像室43に配置され、現像ブレード42は先端部を現像ローラ41に当接して配置してある。現像ブレード42は、現像ローラ41の周面に担持されたトナーを薄層に規制する役目をする。
図13は、現像ユニット4の部品構成の一部を示している。図に示すように、現像ユニット4の長手方向の一端側には、現像カップリング部材56と現像ローラ41を回転可能に支持する軸受部材44が固定されている。より詳細に述べると、軸受部材44の第一軸受部44p(円筒外面)が現像カップリング部材56と嵌合し、第二軸受部44q(円筒内面)が、現像ローラ41の軸部41aと嵌合し、それぞれを回転可能に支持している。また、現像ローラ41の軸部41aに、現像ローラギア45が嵌合されている。現像カップリング部材56の外周面56gは、現像ローラギア45と噛み合うギア部となっている。これによって、装置本体100から入力された駆動力は、現像カップリング部材56を介して現像ローラ41に伝達されるように構成されている。
また、現像カバー部材57が現像ユニット4の外側に固定されている。この現像カバー部材57は、現像カップリング部材56や現像ローラギア45を覆うように構成されている。さらに、現像カバー部材57には円筒部57bが設けられている。そして、円筒部57bの内側の開口57dからは、現像カップリング部材56が露出している。
図11、図12に示すように、現像ユニット4とクリーナユニット5とを組み付ける場合、長手一端側では駆動側カートリッジカバー部材46の支持部46aに現像カバー部材57の円筒部57bを回動可能に嵌合させる。他端側では非駆動側カートリッジカバー部材47の支持穴部47aに、現像ユニット4から突出して設けられた突出部4bを回動可能に嵌合させる。これにより、現像ユニット4は、クリーナユニット5に対して回動可能に支持される。ここで、現像ユニット4のクリーナユニット5に対する回動中心(回動軸線)を、回動中心(回動軸線)Xと称す。この回動中心Xは、支持穴部46aの中心と支持穴部47aの中心とを結んだ軸線である。
現像ユニット4は、弾性部材である加圧バネ53により付勢され、回動中心Xを中心にして、現像ローラ41が感光体ドラム1に当接するように構成されている。より詳細に述べると、図10に示すように、加圧バネ53の付勢力によって、現像ユニット4は図に示す矢印G方向に押圧され、回動中心Xを中心に、矢印J1方向のモーメントが作用する構成となっている。これにより、現像ローラ41が感光体ドラム1に対し所定圧で当接できる。また、このときのクリーナユニット5に対する現像ユニット4の位置を当接位置とする。
また、図13に示すように、現像ローラ41の軸線方向(長手方向)における現像ユニット4の端部には軸受部材44が配置され、この軸受部材44には突出部44dが形成される。図13に示すように突出部44dは、現像ローラ41の軸線と交差する方向で、かつ現像ローラ41から離れる方向に突出する。突出部44dには、装置本体100に設けられた離間機構60と当接して力を受ける力受け部44bが設けられる。力受け部44bが離間機構60から力を受けることで、現像ローラ41と感光体ドラム1の当接と離間を行う。突出部44d、力受け部44bおよび離間機構60の構成については以下詳細に説明する。
[電子写真画像形成装置本体の離間機構]
次に、現像ユニット4の現像ローラ41を感光体ドラム1から離間する離間機構60について図9、図14、図15を用いて説明する。図9はプロセスカートリッジPと離間機構60との関係を示す斜視図である。図15はプロセスカートリッジPと離間機構60との関係を示す断面図である。また図14は離間機構60の部分拡大図であり、図14(a)は移動部材62に対して離間部材61が組みたてられた状態、図14(b)は離間部材61、図14(c)は移動部材62をそれぞれ示している。
上述したように、プロセスカートリッジPに設けられた加圧バネ53によって現像ユニット4は付勢され、現像ローラ41を感光体ドラム1と当接させる当接位置に位置する。しかし現像ローラ41が感光体ドラム1と長時間当接していると現像ローラ41に凹み跡がつく場合があるので、画像形成をしていない状態では、現像ローラ41と感光体ドラム1を離間させることが望ましい。そのため、本実施例の装置本体100は、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させる離間機構60を有する。
図9、図14に示すように、離間機構60は装置本体100の内部にて移動可能に設けられた移動部材62および、移動部材62に移動可能に支持された離間部材61を有する。
離間部材61は、L字形状をとり、プロセスカートリッジPと係合する係合部材である。すなわち離間部材61は、プロセスカートリッジPの被係合部である力受け部44bと係合(当接)することで、力受け部44bに力を加える。
離間部材61は、移動部材62に対して装置本体100の高さ方向(図15の上下方向、矢印H1、H2方向)に移動が可能である。つまり図14に示すように、離間部材61は、移動部材62の支持部(以下、ガイド部)62aに支持されることで矢印H1、H2方向に摺動(スライド)する。具体的には、移動部材62の軸部62pに、係合部材61の穴部61pを係合させる。また、移動部材62の係止穴62qに離間部材61の係止部61qが配置されている。離間部材61の係止部61qが、移動部材62の規制部62bに係合することで、離間部材61が移動部材62から脱落しない構成となっている。
また、離間部材61は、図15に示すように、移動部材62に取り付けられた弾性部材としての付勢バネ63によって、力受け部44bと係合可能な位置(以下、「通常位置」と呼ぶ)に向けて付勢されている。すなわち付勢バネ63は、離間部材61を通常位置に向けて付勢する付勢部材として働く。
移動部材62はプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)よりも下方に位置し、装置本体100に移動可能に設けられている。つまり移動部材62には、円形のカム64が設けられ、カム64には、カム64を形成する円の中心から離れた位置にカム駆動軸65が連結している。カム64は、装置本体100に設けられた駆動源(不図示)から駆動力を受けることで、カム駆動軸65を回転中心として回転し、移動部材62を略水平方向(図15の左右方向、矢印M、N方向)に移動させる。
このカム64の回転によって、移動部材62は、現像ローラ41と感光体ドラム1とを離間させる位置(以下、「非画像形成位置」と呼ぶ)と、現像ローラ41が感光体ドラム1と当接することを許容する位置(以下、「画像形成位置」と呼ぶ)とに移動する。また、後述するように、本実施例においては、移動部材62に支持された離間部材61が、プロセスカートリッジPを装置本体100に装着する際に、プロセスカートリッジPから押圧されて退避することを特徴としている。
以下、プロセスカートリッジPが装置本体100に装着される際の離間部材61の挙動、および、離間機構60によって現像ローラ41と感光体ドラム1とが離間する機構について順を追って詳細に説明する。
図16は、装置本体100に、カートリッジトレイ28、および、プロセスカートリッジPを装着する際の、プロセスカートリッジP、離間機構60を示している。前述のように、開閉ドア30が開かれた状態では、カートリッジトレイ28は上方(矢印H2方向)へ移動している(図3においては、右上方、矢印Y方向に移動)。このとき、離間部材61と軸受部材44の突出部44dとは隙間dを有している。したがって、この状態で、カートリッジトレイ28、および、プロセスカートリッジPを水平方向(矢印M、N方向)へ移動させても、離間部材61と軸受部材44は干渉しない。
カートリッジトレイ28、および、プロセスカートリッジPを装置本体100内に挿入した後、開閉ドア30を閉める。上述したように、開閉ドア30が閉まる動作に連動してプロセスカートリッジPは装置本体100内を左下方(図中矢印Z方向)に移動し、感光体ドラム1が中間転写ベルト13に当接する(図2、図3参照)。その理由は後述するが、このとき、移動部材62は図9(a)、図15(a)に示す非画像形成位置にあって、移動部材62に支持された離間部材61はプロセスカートリッジPと干渉する位置にある。
しかし離間部材61には付勢バネ63が取り付けられている。そのため、離間部材61がプロセスカートリッジPと干渉し、プロセスカートリッジPの押圧部44cから押圧されると、付勢バネ63が圧縮することによって離間部材61はプロセスカートリッジPの移動方向(矢印H1方向)とほぼ平行に移動する。すなわち離間部材61は、押圧部44cから押圧されることで通常の位置から退避し(退避位置に移動し)、プロセスカートリッジPの移動を許容する。これによってプロセスカートリッジPが装置本体100の所定の位置にて装着される。なお押圧部44cは、現像ユニット4から突出した突出部44dの端面に形成される。
次に、突出部44dの力受け部44bと、離間部材61とを係合させる。このために、いったん移動部材62を図15(a)における右方向(矢印N方向)に動かし、離間部材61と突出部44dとが干渉しない位置(画像形成位置)まで移動部材62を移動させる。図9(b)、図15(b)に示すように、離間部材61が突出部44dと干渉しなくなる画像形成位置まで移動部材62が移動すると、離間部材61は付勢バネ63が伸びることによって上方向(矢印H2方向)に移動する。これにより離間部材61は、力受け部44bと係合可能な位置(通常位置)へと上昇する。
次に、図15(b)における左方向(矢印M方向)に、移動部材62が移動すると、離間部材61が、突出部44dに設けられた力受け部44bと係合する。さらに移動部材62が左方向(矢印M方向)に移動し非画像形成位置に戻ると、移動部材62は離間部材61を介して力受け部44bに力を加える。これにより、移動部材62は図9(c)、図15(c)に示すように現像ローラ41が感光体ドラム1から隙間eを有して離間する位置(離間位置)まで現像ユニット4を移動させた状態とする。
なお図14に示すように、離間部材61は、移動部材62に対する移動方向をガイド部62aによって決められ、矢印H1、H2方向にのみ摺動(スライド)可能となっている。この離間部材61の移動方向(矢印H1、H2方向)は、移動部材62の移動方向(矢印M、N方向)とは交差する方向である。そのため、移動部材62が移動する際に、離間部材61が力受け部44bから矢印M、N方向に力を受けても、離間部材61はガイド部62aに支えられ、力受け部44bと係合した状態を保つことができる。これにより、移動部材62は現像ユニット4を、現像ローラ41と感光体ドラム1とを離間させる離間位置に確実に移動させることができる。特に本実施例では離間部材61の移動方向(矢印H1、H2方向)が、移動部材62の移動方向(矢印M、N方向)と略直交するようにした。
画像形成装置が画像を形成する画像形成時には、移動部材62は図15(b)に示す画像形成位置に移動する。このとき現像ユニット4は、加圧バネ53(図8参照)の力によって離間位置から当接位置に移動し、現像ローラ41を感光体ドラム1に当接させる(図15(b)参照)。この状態で、現像ローラ41は感光体ドラム1に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像する。
そして、画像形成が終了すると、移動部材62が、非画像形成位置に移動することで、画像形成動作開始まで、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間した状態に維持する(図15(c)参照)。これにより感光体ドラム1との当接圧によって、現像ローラ41が変形してしまうことを抑制することができる。
[離間部材の3つの位置]
以上説明したことをまとめると、離間部材61は異なる3つの位置を移動可能である(離間部材61は異なる3つの状態を取り得る)。
(1)図15(c)に示すのは、離間部材61が作用位置(第1位置)にある状態である。プロセスカートリッジPが装置本体100に装着された状態で離間部材61が作用位置にあるとき、離間部材61は力受け部44bと係合する。これにより離間部材61は、現像ユニット4に作用して(力を加えて)、現像ユニット4を離間位置に移動させ、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させる。
(2)図15(b)に示すのは、離間部材61が非作用位置(第2位置)にある状態である。プロセスカートリッジPが装置本体100に装着された状態で離間部材61が非作用位置にあるとき、離間部材61は、現像ローラ41が感光体ドラム1と当接するのを許容する。つまり離間部材61は力受け部44bに力を加えない、あるいは力受け部44bに加える力を低減させて、現像ユニット4に作用しなくなる。その結果、現像ユニット4は加圧バネ53(図10参照)の力によって、現像ローラ41を感光体ドラム1に近づけ当接させる。つまり現像ユニット4は、当接位置に移動する。
(3)図15(a)に示すのは、離間部材61が退避位置(第3位置)にある状態である。プロセスカートリッジPが装置本体100に装着される際、離間部材61は、下降するプロセスカートリッジPとぶつかり、押圧されることで、退避した状態となる。つまり、離間部材61は、退避位置(第3位置)に移動することで、プロセスカートリッジPが装置本体100に装着されることを許容する。
離間部材61が作用位置または非作用位置にあるとき、移動部材62に対して離間部材61は通常位置(退避していない位置)にある。
つまり離間部材61が作用位置にあるとは、移動部材62に対する離間部材61の相対位置が通常位置であって、かつ移動部材62が非画像形成位置にあることを意味する。このとき、離間部材61は、現像ユニット4と係合し(現像ユニット4に作用し)、現像ユニット4に力を加えることで現像ユニットを離間位置に移動させる。現像ローラ41と感光体ドラム1は離間する。
また離間部材61が非作用位置にあるとは、移動部材62に対する離間部材61の相対位置が通常位置であって、かつ移動部材62が画像形成位置にあることを意味する。このとき、移動部材62は現像ユニット4から離れるか、現像ユニットに加える力を低減させることで、現像ユニット4に作用しない。これにより現像ユニット4は当接位置に移動し、現像ローラ41は感光体ドラム1と当接する。
一方、離間部材61が退避位置にあるとき、離間部材61は通常位置から退避した状態であり、移動部材62は非画像形成位置にあって現像ユニット4は当接位置にある。
表にまとめると以下のとおりである。
ここで画像形成の終了後は、移動部材62を、現像ローラ41と感光体ドラム1を離間させるための非画像形成位置に配置するようにした。そのため、プロセスカートリッジPを装着させる際にも、移動部材62は非画像形成位置にある。プロセスカートリッジPを装着させる際には、現像ユニット4は加圧バネ53の付勢力によって、現像ローラ41を感光体ドラム1に当接させた状態であるため、現像ユニット4の突出部44dは、離間部材61と干渉する(図15(a)参照)。しかし上述したように、離間部材61は、突出部44dに設けられた押圧部44cから押されることで、通常位置(作用位置:図16参照)から退避位置(図15(a)参照)に移動することができる。よって離間部材61が、プロセスカートリッジPの移動を妨げることはなく、プロセスカートリッジPは装置本体100に確実に装着される。
一方、離間部材61が退避位置(図15(a)参照)にある状態で、プロセスカートリッジPを画像形成装置から取り外すと、離間部材61は付勢バネ63の力で通常位置(作用位置:図16参照)に戻る。つまりドア30(図30)を開放することで、プロセスカートリッジPは図15(a)において、H2方向に上昇する。このプロセスカートリッジPの移動に連動して、離間部材61もH2方向に移動する。
以上まとめると本実施例では、プロセスカートリッジPの力受け部44bと係合する離間部材61を、移動部材62に移動可能に設け、またプロセスカートリッジPに押圧されて退避する構成にした。これにより、離間部材61を退避させるための機構が簡略化し、離間機構60および装置本体100の構成、プロセスカートリッジPの構成を簡略化することができる。また、プロセスカートリッジPが移動する距離だけ、離間部材61が退避すればよいので、離間部材61が退避するための退避スペースを大きくとる必要がない。これにより、装置本体100の大きさを小さくすることができる。
また移動部材62は非画像形成位置と画像形成位置との間を往復運動することによって、退避位置(図15(a))にある離間部材61を、非作用位置(図15(b))を経由させて作用位置(図15(c))まで移動させる。離間部材61を現像ユニット4と係合させ、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させることができる。これにより現像ローラ41が変形することを抑制できる。また、現像ローラ41に付着したトナーが非画像形成時に感光体ドラム1に付着するのを抑制できる。
また非画像形成時に現像ローラ41と感光体ドラム1が摺擦しない。よって感光体ドラム1や、現像ローラ41、あるいは現像ローラ41に担持されたトナーが劣化するのを抑えることができる。そのためプロセスカートリッジPを長期にわたって使用することができる。
なお上記実施例での離間機構60は、4つの離間部材61を同一の移動部材62に配置し、かつ、水平方向(図15における矢印M、N方向)における4つのプロセスカートリッジPの配置に対応した位置に配置している。この場合、移動部材62が移動することで、複数の現像ローラ41と感光体ドラム1を全て同時に離間状態にすることができる。
しかし、離間機構60はこの限りではない。例えば、ブラックのプロセスカートリッジPKにのみ対応した離間機構60(離間部材61および移動部材62)を設ける。そして、ブラック以外のプロセスカートリッジ(PY,PM,PC)に対応した離間機構60(離間部材61および移動部材62)を別に設ける。このような画像形成装置でもよい。この場合、画像形成装置がモノクロ画像を形成する場合に、ブラック以外のプロセスカートリッジ(PY,PM,PC)だけ現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させるなど、一部の現像ローラ41と感光体ドラム1のみを離間することができる。このような構成については実施例6で詳細に説明する。
また本実施例の画像形成装置はカラー画像形成装置であって、複数(4つ)のプロセスカートリッジを備え、離間部材61もプロセスカートリッジの数に対応するだけ備えていたが、この構成に限るものでもない。一つのプロセスカートリッジのみを装着するモノクロ画像形成装置に、上記離間機構を適用してもよい(この場合には離間部材61が1つだけあればよい)。
<実施例2>
本実施例では、離間機構に設けた離間部材(係合部材)の変形例を示す。すなわち離間部材71が移動部材72に対して回転移動することで退避する構成を示す。尚、本実施例では、実施例1と異なる構成の説明を中心に行い、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
図17に示すように、離間部材71は移動部材72に設けた支持部74を中心として回転可能に支持されている。また、離間部材71は付勢バネ73によって、力受け部44bと係合可能な位置に付勢されている。本実施例でも離間部材71は異なる3つの位置(作用位置、非作用位置、退避位置)に移動し得る。
図17(a)に、プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)が装置本体100に装着される状態を示す。このとき移動部材72は非画像形成位置にあって、移動部材72に支持された離間部材71はプロセスカートリッジPと干渉する位置にある。離間部材71はプロセスカートリッジPの突出部44dと干渉し、下方向(矢印H1方向)に押圧される。これにより、離間部材71は図17(a)において支持部74を中心に反時計回り(矢印V1方向)に回転し、プロセスカートリッジPを装置本体100内に確実に装着させる位置まで退避する。つまり離間部材71は退避位置に移動する。
図17(a)に示す状態から、力受け部44bと離間部材71とを係合させるには、離間部材71が突出部44dと干渉しなくなる位置(画像形成位置)まで、移動部材72を右方向(矢印N方向)に移動する。図17(b)に示すように、離間部材71は、突出部44dと干渉しない位置まで動くと、付勢バネ73の力によって支持部74を中心に時計回り(矢印V2方向)に回転し、力受け部44bと係合可能な通常位置(非作用位置)へと移動する。
次に図17(b)に示す画像形成位置から、移動部材72を左方向(矢印M方向)に移動すると、離間部材71と力受け部44bとが係合する。この状態でさらに移動部材72をさらに左方向(矢印M方向)に移動すると、移動部材72は非画像形成位置にいたり、離間部材71が現像ローラ41と感光体ドラム1とが隙間eを有して離間する位置(離間位置)まで現像ユニット4を移動させる。そして、画像形成動作の終了時から画像形成動作の再開時まで、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間した状態に維持する(図17(c)参照)。図17(c)は離間部材71が作用位置へと移動した状態である。
ここで図18に示すように、移動部材72は、離間部材71を通常位置(作用位置)に保持した状態でその回転を止める(規制する)回転規制部72bを有する。そのため、移動部材72が図17(b)に示す左方向(矢印M方向)に移動すると、離間部材71は力受け部44bと係合した状態で移動部材72と共に移動し、力受け部44bに力を加える。これにより離間部材71は現像ユニット4を離間位置に移動させ、この状態を保持する。
以上まとめると、離間部材71が退避位置に位置した状態(図17(a)参照)から、移動部材72が画像形成位置と非画像形成位置とに往復運動することで、離間部材71は力受け部44bと係合する。そして現像ユニット4は離間位置に移動される(図17(c)参照)。
本実施例では離間部材を移動部材に回転可能に設けることで、離間部材が移動する際のがたつきを、離間部材が直線運動する場合(図15参照)よりも抑えて、離間部材の動作を安定させることができる。より詳細に説明すると、実施例1に示したように離間部材61を直線的に移動させる場合、離間部材61とガイド62aとを嵌合関係とする(図14参照)。離間部材61の穴部61pの寸法とガイド62aの挿入部62pの寸法にばらつきが生じる。この寸法ばらつきが大きい場合、図19に示すように、ガイド62aに対して離間部材61が傾くことで、ガイド62aに対する離間部材61の矢印H1、H2方向の動きが不安定になる場合がある。本実施例では、離間部材71を移動部材72に回転可能に設けることで、離間部材71の動作を安定させることができる。
その一方、実施例1の離間部材61(図14参照)のように、離間部材を直線的に移動させた方が、回転運動させるより、離間部材を移動させるために必要な領域を小さくできる。その結果、離間機構の寸法を小さくでき、画像形成装置を小型化できる。前述のような、ガイド62aに対して離間部材61が傾くことによる動作の不安定さは、各寸法を厳しく管理することによって抑制することができる。
よって、画像形成装置100や離間機構(60,70)に求められる機能に応じて、離間部材(61、71)の移動構成を適宜選択するとよい。
<実施例3>
本実施例では、離間機構60に設けた離間部材61と突出部44d、力受け部44bの形状についての変形例を示す。尚、本実施例では、第1実施例と異なる構成の説明を中心に行い、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
本実施例では、図20に示すように、突出部44dには離間部材61を力受け部44bと確実に係合させるために凸部44aと凹部44gが形成される。突出部44dに設けられた凹部44gに力受け部44bが形成される。詳細は後述するが、力受け部44bおよび当接部61bを所定の角度に傾斜させることによって、力受け部44bと離間部材61の係合を確実に保つようにしている。
上記作用の説明に先立ち、まず本実施例における突出部44dの力受け部44bおよび離間部材61の当接部61bについてその形状、配置を詳細に説明する。図21に示すように、現像ローラ41と感光体ドラム1が当接した状態において、突出部44dの力受け部44bは、移動部材62の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ1傾斜している。
また、図21に示す状態から、現像ユニット4を回動中心Xを中心に時計回り(矢印J2方向)に角度θ0回転させた状態を図22に示す。ここで、角度θ0は現像ユニット4の回動角度である。図22では、現像ローラ41と感光体ドラム1が隙間eを有して離間した状態となっている。また、突出部44dの力受け部44bは、移動部材62の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ2傾斜している。
このとき、角度θ0、θ1、θ2は次の関係となっている。
θ1=θ0+θ2
なお、突出部44dは、下方(矢印H1方向)に突出している。すなわち突出部44dは、現像ローラ41の軸線41xと交差する方向であって、かつ現像ローラ41や回動中心Xから離れる方向に突出している。また、現像ローラ41の軸線41xに沿ってプロセスカートリッジPを見たとき(軸線41xと直交する平面にてプロセスカートリッジPを見たとき)、突出部44dの力受け部44bは、現像ローラ41の中心(軸線41x)方向を向いている。言い換えると、図21(現像ローラ41の軸線41xと直交する平面)において、力受け部44bと接し、力受け部44bに沿って延びる直線(接線)Qを引いたときに、この直線Qに対して力受け部44bと現像ローラ41の中心(軸線41x)が反対側にある。
なおこれは、力受け部44bが、直接的に現像ローラ41と向かい合っている構成に限定する意味ではなく、図13に示すように力受け部44bが、現像ローラ41の軸線方向外側に設けられていてもよい。つまり現像ローラ41の軸線41xに沿って力受け部44bを見た場合に(軸線41xと直交する平面にて力受け部44bを見た場合に)、力受け部44bが、現像ローラ41が位置する側に面していることを意味する。
また、力受け部44bの形状を平面に限定することを意図するものでもない。少なくとも離間部材61と当接する領域(面)が、現像ローラ41が位置する側に面していれば、力受け部44bが曲面など別の形状であってもよい。
より詳細の述べると、図21において、突出部44dの力受け部44bを始点として、力受け部44bに沿って延びた直線Qは現像ローラ41の軸線41xを通らない。また、突出部44dの力受け部44bに対向する側(図21において、直線Qよりも矢印R側)に現像ローラ41の軸線41xが配置されている。
また、突出部44dの力受け部44bは、現像ユニット4の回動中心X方向を向いている。より詳細の述べると、図21において直線Qは現像ユニット4の回動中心Xを通らない。また、突出部44dの力受け部44bに対向する側(図21において、直線Qよりも矢印R側)に現像ユニット4の回動中心Xが配置されている。つまり図21において、直線Qに対して力受け部44bと回転中心Xは反対側に位置する。更に言うと、接線Qに対して力受け部44bと感光体ドラム1は反対側に位置する。
また、突出部44dには、回動中心Xや現像ローラ41を覆うように張り出した凸部44aを有する。この凸部44aは、クリーニングユニット5や感光体ドラム1に近づく向きに突出することで、凹部44gを形成する。この凹部44gは、クリーニングユニット5や感光体ドラム1から離れる方向に窪んだくぼみである。また凹部44gは、力受け部44bと現像ローラ41の間(当接部44bより現像ローラ41に近い側の領域)に形成された空間となる。この空間(凹部44g)に離間部材61の先端が進入することで力受け部44bと離間部材61が係合できる。
また、図24に示すように、離間部材61の当接部61bは、移動部材62の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ3傾斜している。
図23には、現像ローラ41と感光体ドラム1が当接した状態の力受け部44b、および、離間部材61を示している。また、図20には、現像ローラ41と感光体ドラム1が離間した状態の力受け部44b、および、離間部材61の関係を示している。
ここで、本実施例において図20に示すように、移動部材62が矢印M方向に動いた際、離間部材61の当接部61bは、力受け部44bから、力F1を受ける。この力F1は、当接部61bと垂直な方向に生じる力である。ここで当接部61bが、移動部材の移動方向(矢印M,N方向)と直交する方向に対してθ3傾斜しているため、力F1は、移動部材62の移動方向と平行な成分F1xと、移動方向(矢印M、N方向)と垂直な成分F1yを持つ。このうち成分F1yは、図20の上 (矢印H2方向) を向いた力の成分である。言い換えると成分F1yは、離間部材61が退避位置(図15(a)参照)から通常位置(作用位置:図15(c)参照)に向かう方向(矢印H2方向)に作用する力の成分となる。また、力受け部44bには、上記の力成分F1yの反力として、下を向いた力F1y’(矢印H1方向の分力)を、離間部材61の当接部61bから受ける。
つまり、本実施例では、離間部材61の当接部61bが、突出部44dの力受け部44bから受ける力F1によって、離間部材61が退避位置から通常位置(作用位置)に移動する方向(上向き、矢印H2方向)に作用する分力(F1y)が生じる。すなわち離間部材61が力受け部44bから受ける力F1が成分F1yを有するように、離間部材61の当接部61bを角度θ3傾斜させている。
また、現像ユニット4の力受け部44bが確実に離間部材61の当接部61bに接触するよう、力受け部44bを当接部61bと同じ向きに傾斜させている。つまり、当接部61bおよび力受け部44bは、矢印H1方向の上流側かつ矢印N方向の上流側から、矢印H1方向の下流側かつ矢印M方向の下流側に向かうように傾斜する。
矢印H1方向は、離間部材61が作用位置(図15(c)、図16参照)から退避位置(図15(a))に移動する方向である。つまり矢印H1方向とは離間部材61が退避する方向である。また矢印N方向は、離間部材61が作用位置(図15(c)参照)から非作用位置(図15(b)参照)に向けて移動する方向である。つまり矢印M方向は、現像ローラ41を感光体ドラム1に当接させるために離間部材61が移動する方向である。
上記のように離間部材61と力受け部44bを傾斜させることで、離間部材61と力受け部44bとが係合(当接)した際に、互いに引き込み合う方向に力が作用する構成となっている。つまり離間部材61に対しては上向き(H2方向)に力が加わり、力受け部44bには下向き(H1方向)に力が加わることで離間部材61と力受け部44bは互いに引き込み合う。その結果、離間部材61が移動部材62に移動可能に設けられてあっても、力受け部44bと係合する際には、分力F1yによって確実に通常位置(作用位置)に保たれ、力受け部44bと係合した状態を保つ。
特に本実施例では力受け部44bと、離間部材61の当接部61bの角度を、以下の関係とすることで、力受け部44bと離間部材61の係合状態をより安定的に保つようにしている。
θ1≧θ3(図20参照)、および、θ2≧θ3 (図23参照)。
これは、現像ユニット4が離間位置にある場合および当接位置にある場合の双方において、鉛直方向に対して、力受け部44bが成す角度(θ1、θ2)が、離間部材61の当接部61bが成す角度θ3よりも大きくなることを意味している。これにより、現像ユニット4の姿勢に関わらず、離間部材61の当接部61bを形成する面に、力受け部44bの先端が確実に接触する。そのため力受け部44bと離間部材61の当接部61bの当接状態が安定して保たれる。
上式を整理すると、
θ1≧θ3、および、θ2=θ1−θ0≧θ3
すなわち、
θ1≧θ3、および、θ1−θ3≧θ0
である。
これは現像ユニット4が当接位置にある状態のとき、離間部材61の当接部61bと突出部44dの力受け部44bとで成す角度(θ1−θ3)は、現像ユニット4の回動角度θ0(当接位置から離間位置に回転するまでの角度)以上であることを意味する。
<実施例4>
本実施例では、離間機構70に設けた離間部材71と突出部44dの形状についての変形例を示す。尚、本実施例では、第2実施例と異なる構成の説明を中心に行い、同様の構成については説明を省略する。
図25に示すように、離間部材71は移動部材72に設けた支持部74を中心として回転可能に支持されている。また、離間部材71は付勢バネ73によって、力受け部44bと係合可能な位置に付勢されている。本実施例でも離間部材71は異なる3つの位置(作用位置、非作用位置、退避位置)に移動し得る。
図25(a)に、プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)が装置本体100に装着される状態を示す。このとき移動部材72は非画像形成位置にあって、移動部材72に支持された離間部材71はプロセスカートリッジPと干渉する位置にある。離間部材71はプロセスカートリッジPの突出部44dと干渉し、下方向(矢印H1方向)に押圧される。これにより、離間部材71は図25(a)において支持部74を中心に時計回り(矢印U1方向)に回転し、プロセスカートリッジPを装置本体100内に確実に装着させる位置まで退避する。つまり離間部材71は退避位置に移動する。
図25(a)に示す状態から、突出部44dの力受け部44bと離間部材71とを係合させるには、離間部材71がプロセスカートリッジP(突出部44d)と干渉しなくなる位置(画像形成位置)まで、移動部材72を右方向(矢印N方向)に移動する。図25(b)に示すように、離間部材71は、突出部44dと干渉しない位置まで動くと、付勢バネ73の力によって支持部74を中心に反時計回り(矢印U2方向)に回転する。そして離間部材71は移動部材72に対して移動し、突出部44dに設けられた力受け部44bと当接、係合が可能な通常位置(非作用位置)へと上昇する。
次に図25(b)に示す画像形成位置から、移動部材72を左方向(矢印M方向)に移動すると、離間部材71と力受け部44bとが係合する。この状態でさらに移動部材72をさらに左方向(矢印M方向)に移動すると、移動部材72は非画像形成位置に至り、離間部材71は現像ローラ41と感光体ドラム1とが離間する位置(離間位置)まで現像ユニット4を移動させる。そして、画像形成動作の終了時から画像形成動作の再開時まで、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間した状態に維持する(図25(c)参照)。図25(c)は離間部材71が作用位置に位置する状態である。
以上まとめると、離間部材71が退避位置に位置した状態(図25(a)参照)から、移動部材72が画像形成位置と非画像形成位置とに往復運動することで、離間部材71は非作用位置を経由して、作用位置に移動する。そして離間部材71は力受け部44bと係合し現像ユニット4を離間位置に移動させる(図25(c)参照)。
さらに、本実施例では、図26に示すように、突出部44dには実施例3と同様に、離間部材71と力受け部44bを確実に係合させるための凸部44aおよび凹部44gが形成される。本実施例においては、力受け部44bは、凹部44g上に形成され、離間部材71の当接部71bが当接する。
より詳細に述べると、図21に示すように、現像ローラ41と感光体ドラム1が当接した状態において、突出部44dの力受け部44bは、移動部材72の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ1傾斜している。また、図22に示すように、現像ローラ41と感光体ドラム1が離間した状態において、力受け部44bは、移動部材72の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ2傾斜している。
また、図28に示すように、離間部材71の当接部71bは、移動部材72の移動方向(矢印M、N方向)と直交する直交方向に対して、角度θ3傾斜している。
図27には、現像ローラ41と感光体ドラム1が当接した状態の力受け部44b、および、離間部材71の関係を示している。また、図26には、現像ローラ41と感光体ドラム1が離間した状態の力受け部44b、および、離間部材71の関係を示している。
力受け部44bと離間部材71の当接部71bとの関係を、以下の関係とすることで、力受け部44bと離間部材71の係合状態を保つ力が生じるようになっている。
θ1≧θ3、および、θ2≧θ3 (図26、および、図27参照)。
力受け部44bを当接部71bと同じ向きに傾斜させている。つまり力受け部44bおよび当接部71bは、矢印N方向の上流側かつ矢印u1方向の上流側から、矢印N方向の下流側かつ矢印u1方向の上流側に向けて傾斜している(図27参照)。なお、矢印u1とは離間部材71が退避する方向(離間部材71が通常位置(作用位置:図25(c)参照)から、退避位置(図25(a))に向けて移動する方向)である。
さらに現像ユニット4が当接位置にある場合および離間位置にある場合の双方において、力受け部44bの角度(θ1、θ2)を、離間部材71の当接部71bの角度θ3よりも大きくしている。
上式を整理すると、
θ1≧θ3、および、θ1−θ0≧θ3
となる。これはすなわち、
θ1≧θ3、および、θ1−θ3≧θ0
である。
これは現像ユニット4が当接位置にある状態のとき、離間部材71の当接部71bと力受け部44bとで成す角度(θ1−θ3)は、現像ユニットの回動角度θ0以上であることを意味する。
以下さらに詳しく説明する。本実施例において図26に示すように、移動部材72が矢印M方向に動いた際、離間部材71の当接部71bは、力受け部44bから、力F1を受ける。この力F1は、当接部71bと垂直な方向に生じる力である。また、力受け部44bは、離間部材71の当接部71bから、力F1の逆向きの力F1’を受ける。
以下、離間部材71の当接部71b、および、力受け部44bが受ける力を、それぞれ図を用いて説明する。図29は離間機構70と離間部材71の当接部71bが受ける力F1を示している。離間部材71は力F1を受けることで、支持部74を中心として矢印U2方向の回転モーメントを受けるように、当接部71bは角度θ3傾斜している。すなわち、離間部材71の当接部71bの法線(図29における領域F1a)は、支持部74の中心74aを通り当接部71bと垂直な直線に対して、下方に位置する構成となっている。このため力F1によって離間部材71は矢印U2方向の回転モーメントを受ける。すなわち、プロセスカートリッジPの力受け部44bに向かう回転モーメントを受ける。また、言い換えると、離間部材71が退避位置から通常位置に向かう方向を向いた成分である。図30は力受け部44bが受ける力F1’を示している。
力F1’は、移動部材72の移動方向(矢印M、N方向)と平行な成分F1x’と、移動方向(矢印M、N方向)と垂直な成分F1y’に分解することができる。このうち成分F1y’は、下を向いた成分であり、言い換えると離間部材71に向かう力を受ける。
また、離間部材71の当接部71bが力受け部44bから受ける力F1は、離間部材71が退避位置から通常位置に移動する方向かつ、離間部材71を力受け部44bに近づける方向に作用する。また、このような作用が生じるように、当接部71bをθ3傾斜させている。また当接部71bと確実に当接した状態が保たれるように力受け部44bも同じ向きに傾斜している。
これにより本実施例は、離間部材71と力受け部44bとが当接した際に、離間部材71と力受け部44bとに、お互いを引き込み合う方向の力が作用する構成となっている。その結果、離間部材71が移動部材72に対して移動可能に設けられてあっても、力受け部44bと係合する際には、確実に通常位置に位置し、力受け部44bと係合した状態を保つ。
<実施例5>
本実施例では、プロセスカートリッジPの突出部の形状についての変形例を示す。尚、本実施例では、第1〜第4実施例と異なる構成の説明を中心に行い、同様の構成については説明を省略する。
図31に示すように、本実施例ではプロセスカートリッジPには外形が略長方形のリング形状である突出部44eが形成される。この突出部44eは、先述の実施例同様、現像ローラ41の軸線方向と交差する方向であって、現像ローラ41及び現像ユニットの回動中心Xから離れる方向に突出している。そして突出部44eは、開口44rと力受け部44hを有する。図32はプロセスカートリッジPと離間機構70の離間部材71とが係合した状態を示している。離間部材71の当接部71bが、突出部44eの開口44rを通って、開口44rに設けられた力受け部44hと当接、係合している。
本実施例において図32に示すように、移動部材72が矢印M方向に動いた際、離間部材71の当接部71bは、力受け部44hから、力F1を受ける。この力F1は、当接部71bと垂直な方向に生じる力である。また、力受け部44hは、離間部材71の当接部71bから、力F1の逆向きの力F1’を受ける。以下、実施例4と同様に、離間部材71は退避位置から通常位置に向かう方向を向いた回転モーメントを受け、また、力受け部44hは離間部材71に向かう力を受ける。
すなわち本実施例では、離間部材71の当接部71bが突出部44eの力受け部44hから受ける力F1は、離間部材71が退避位置から通常位置に移動する方向(上向き)に作用するよう、当接部71bと当接部44hとを構成している。離間部材71と力受け部44hとが当接した際に、互いに引き込み合う方向に力が作用する構成となっている。これにより、離間部材71が移動部材72に移動可能に設けられてあっても、力受け部44hと係合する際には、確実に通常位置に位置し、力受け部44hと係合した状態を保つ。
また本実施例においても力受け部44hは、現像ローラ41の中心(回転軸41x)および回転中心Xが位置する方向を向いた面である。そして当接部hと現像ローラ41の間には、開口44rによって空間が形成される。この空間(開口44r)に離間部材71が進入することで、離間部材71と当接部44hが確実に係合する。
なお、上記において、離間部材71の当接部71b、および、力受け部44hは、平面形状に限るものではない。当接部71bおよび力受け部44hが曲面であってもよい。また、稜線や点を形成するような微小な領域であってもよい。
<実施例6>
本実施例は、移動部材72の構成を上述の実施例から変更したものである。図33(a)に示すように移動部材72は二つある。以下、2つの移動部材72を区別する必要があるときには、それぞれを移動部材72R、移動部材72Lと呼ぶ。また、移動部材72Rに設けられた離間部材(係合部材)71を特に離間部材71Y,71M,71Mとよび、移動部材72Lに設けられた離間部材(係合部材)71を特に離間部材71Kとよぶ。
移動部材72Rは、黒のトナーが収容されたプロセスカートリッジPKを移動させるための移動部材である。一方、移動部材72Lは、イエロー、マゼンダ、シアンのトナーが収容されたプロセスカートリッジPY,PM,PCを移動させるための移動部材である。移動部材72が複数あることで、4つのプロセスカートリッジのうち一部のプロセスカートリッジ(本実施例では黒のプロセスカートリッジPK)の現像ユニット4だけを当接位置に動かすことができる。そしてその他のプロセスカートリッジ(イエロー、マゼンダ、シアンのプロセスカートリッジPY,PM,PC)の現像ユニット4を離間位置に保持できる。以下、説明する。
本実施例において、画像形成装置A(図2参照)は、モノクロ画像(白黒画像)を印刷するモノクロモードと、フルカラー画像を印刷するフルカラーモードを切り替え可能である。モノクロモードでは、黒のプロセスカートリッジPKしか利用しないので、移動部材72Lは可動せず、移動部材72Rだけ可動すればよい。つまり、移動部材72Rが図33(a)の右方向に移動することで、離間部材71Kが力受け部44bから離れる。これにより、黒のプロセスカートリッジPKの現像ローラ41が感光体ドラム1に当接する。その一方で移動部材72Lは図33(a)に示した状態から移動しなくてよい。モノクロ画像を形成する際には、イエロー、シアン、マゼンダのプロセスカートリッジPY,PM,PCは現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させた状態に保てばよい。
一方、フルカラーモードでは、移動部材72Rと移動部材72Lの両方が図33(a)に示す状態から右方向に移動することで、全てのカートリッジPで、現像ローラ41を感光体ドラム1に当接させるとよい。
本実施例の構成によれば、移動部材72R、移動部材72Lが別々に動くことができる。モノクロ画像を印刷する際には、イエロー、マゼンダ、シアンのプロセスカートリッジPY,PM,PCにおいて、現像ローラ41を感光体ドラム1から離間させた状態にできる。イエロー、マゼンダ、シアンの現像ローラ41が変形するのを確実に抑えられる。またモノクロモードにおいて、イエロー、マゼンダ、シアンの現像ローラ41に担持されたトナーが、感光体ドラム1へ付着することを抑えることができる。また、イエロー、マゼンダ、シアンのプロセスカートリッジPY,PM,PCでは、感光体ドラム1と現像ローラ41とが摺擦しないので、感光体ドラム1、現像ローラ41、および、トナーの劣化を抑制できる。
なお、本実施例の変形例として図33(b)に示す構成がある。図33(b)では、移動部材72Rに設けられた離間部材71と、移動部材72Lに設けられた離間部材71Y,71M,71Cは、回転中心が異なる位置にある。例えば離間部材71Y(係合部材A)において、回転中心である支持部74Yは、当接部71Yb(力受け部44bと当接する部分)よりも右にある。一方、離間部材71K(係合部材B)において回転中心である支持部74Kは、当接部71Kb(力受け部44bと当接する部分)よりも左にある。そのため、図33(b)における離間機構70の幅W7bは、図33(a)の離間機構70の幅W7aよりも短くなる。図33(b)に示す構成では離間機構70をコンパクトにできる。
幅W7bを短くするためには、並んで配置された複数の離間部材71のうち、両端(右端と左端)に位置する離間部材71Y(係合部材A)と離間部材71K(係合部材B)の回転中心の位置を近づけるとよい。図33(b)に示す構成では、離間部材71Yの回転中心(支持部74Y)および離間部材71Kの回転中心(支持部74K)が、当接部71Ybと当接部71Kbの間に位置する。つまり、当接部71Kbと当接部71Ybに挟まれる領域Zの内部(内側)に、支持部74Y、74Kを配置しW7bを短くした。
なお、図33(b)において開示した離間部材71Yを、図34を用いてさらに説明する。図34は離間部材71YがプロセスカートリッジPYと係合する状態を示す。離間部材71Yは力受け部44bと係合(当接)することで、力受け部44bに力を加えるが、同時に力受け部44bから力F1を受ける。
この力F1は支持部74Yを中心とした矢印s2方向のモーメントを発生させる。この矢印s2方向のモーメントによって、離間部材71Yは力受け部44bと係合可能な位置(通常位置)に保持される。つまり、離間部材71bが矢印s1方向に退避しないようになっている。
なお本実施例では、離間部材71を付勢する弾性部材(付勢バネ73)は、圧縮コイルバネであった。しかし、弾性部材の構成はこれに限るものではなく、例えば図35に示すように、ねじりバネ75を使ってもよい。本実施例の他、実施例2や実施例4のように離間部材71が回転する構成において、ねじりバネ75を利用することは有効である。