JP6816497B2 - 立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法 - Google Patents

立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の温度分布を低コストかつ高精度で計測できる立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法に関する。
内燃機関の気筒(シリンダ)の内部の燃焼状況は、この内燃機関を搭載した車両の燃費や排気ガスの浄化処理性能に強い影響を及ぼすため、気筒の内部の燃焼状況を制御する必要があり、そのためには、気筒の内部空間の温度分布を把握することが非常に重要となる。
これに関連して、内燃機関を制御するために、内燃機関の表面に設けた振動センサで検出した振動を予め設定した時間の間で周波数分析して筒内における共鳴現象の共鳴周波数を検出し、この検出した共鳴周波数により筒内温度を推定する内燃機関の制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明者は、送信アンテナから立体装置の内部空間に向けて周波数が0.01THz〜10THzの範囲内にある少なくとも1つ以上の波長のテラヘルツ波を送信して、立体装置の内部空間の計測領域を通過させて、計測領域からのテラヘルツ波を受信して、この受信したテラヘルツ波の強度から計測領域の温度及びガス成分の濃度を算出する立体装置の温度及び濃度計測方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
特開2016−3568号公報 特開2016−180722号公報
ところで、このような立体装置の温度及び濃度計測方法では、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の温度分布及びガス成分の濃度を低コストかつ高精度で計測することができるが、信号強度の大小を検出する際のノイズに起因して、温度の推定誤差が発生する可能性があることが分かったので、信号強度に影響を与えるノイズが存在する場合を想定して、より精度よく温度を計測できるようにしておくことが好ましい。
本発明は上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの気筒内のように、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の局所的な領域の温度を、ノイズに起因する温度の推定誤差を減少して高精度で計測することができる立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の立体装置の温度計測装置は、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の計測領域の温度を計測する温度計測装置において、送信アンテナから前記計測領域に向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数を含み、かつ、予め設定した周波数幅の範囲内で、周波数を変更させてテラヘルツ波を送信する送信ユニットを備えていると共に、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波を受信する受信センサを備えた受信ユニットを備えており、当該立体装置の温度計測装置を制御する温度計測用制御装置が、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波からその信号の透過量を測定し、この透過量が前記周波数幅の範囲内で最低となる信号の周波数を検出し、この検出した周波数から、前記計測領域の温度を算出する温度算出手段を備えて構成されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の燃焼機関の温度計測装置は、上記の立体装置の温度計測装置を用いて、燃焼機関の気筒内の温度を計測することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の燃焼機関は、上記の燃焼機関の温度計測装置を備えると共に、前記燃焼機関の温度計測装置からの測定結果を入力して、当該内燃機関の気筒内の燃料噴射を制御するエンジン運転用制御装置を備えていることを特徴とする。
さらに、上記の目的を達成するための本発明の立体装置の温度計測方法は、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の計測領域の温度を計測する温度計測方法において、送信アンテナから前記計測領域に向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数を含み、かつ、予め設定した周波数幅の範囲内で、周波数を変更させてテラヘルツ波を送信し、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波を検出して、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波からその信号の透過量を測定し、この透過量が前記周波数幅の範囲内で最低となる信号の周波数を検出し、この検出した周波数から、前記計測領域の温度を算出することを特徴とする方法である。
本発明の立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法によれば、電波の透過性と光の直進性を有する、電波と光の中間の波長を持つ、周波数が0.01THz〜10THzの範囲の基本周波数の周辺を周波数を変えてスキャンニングして、信号透過量が周波数幅の範囲内で最低となる最小値のピークの周波数を検出することにより、非常に簡単な構成、演算及び制御により、燃焼ガスを内包したエンジンの気筒の内部空間のように、ガス成分を内包した立体装置の内部空間の局所的な領域の温度を、従来技術よりもノイズに起因する温度の推定誤差を減少して高精度で計測でき、その結果、立体装置の内部空間の温度分布を高精度で計測することができるようになる。
本発明に係る第1の実施の形態の立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、及び、燃焼機関における、温度計測装置の構成を模式的に示す図である。 1対の送信アンテナと受信センサを用いた場合の図1の立体装置の温度計測装置の構成を模式的に示す図である。 温度計測用制御装置の構成を示す図である。 テラヘルツ波の信号の透過量と周波数との関係を温度別に示す図である。 最低値取得周波数と温度との関係を湿す図である。 第2の実施の形態の立体装置の温度計測装置の構成を模式的に示す図である。 図6の立体装置の温度計測装置において、4対の送信アンテナと受信センサを回転可能に構成した場合の構成を模式的に示す図である。 信号透過量と温度との関係を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の立体装置の温度計測装置、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、燃焼機関の例として内燃機関を、立体装置の例として、内燃機関の気筒(シリンダ)を採用して説明しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、ガスタービン等を燃焼機関とし、その燃焼室を立体装置としてもよく、また、立体装置も燃焼機関に含まれるものでなくてもよい。
なお、ここでは温度計測に絞っているが、テラヘルツ波の特定の周波数と特定の分子とが密接な関係があることが知られているので、基本周波数を各種の分子に対応させて選択することにより、測定対象のガスの温度のみでなく、ガス中の各種の分子の濃度も計測できる可能性がある。
図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の立体装置の温度計測装置1Aは、エンジン(内燃機関:燃焼機関)10の気筒内の温度分布を測定する燃焼機関の温度計測装置として説明する。つまり、この第1の実施の形態の立体装置の温度計測装置1Aは、本発明の実施の形態の燃焼機関の温度計測装置でもあり、このエンジン10は、本発明の実施の形態の燃焼機関でもある。
そして、この立体装置の温度計測装置(以下、温度計測装置という)1Aは、エンジン10のガス成分Gを内包した気筒(立体装置)10aの内部空間10cの温度Tmを計測する温度計測装置であり、この温度計測装置1Aにおいて、図1に示すように、気筒10aを間に挟んで、送信ユニット20と受信ユニット22を互いに対向させて気筒10aの壁面に設けている。つまり、この温度計測装置1Aは、送信ユニット20と受信ユニット22と温度計測用制御装置40を有して構成されている。
このエンジン10では、図1に示すように、温度計測用制御装置40と送信ユニット20の間、温度計測用制御装置40と受信ユニット22の間、温度計測用制御装置40とエンジン運転用制御装置50の間、及び、エンジン運転用制御装置50と燃料噴射装置11の間をそれぞれ配線25、26、27、28で結び、受信ユニット22からの信号を取得して温度計測用制御装置40で演算して得られた温度分布から、エンジン運転用制御装置50で燃料噴射装置11の制御をするための信号を制御する。例えば、気筒10a内の燃焼室(内部空間)10cの局所的な温度Tmが予め設定された閾値を超えた時点で、燃料噴射装置11を停止する信号を出して、エンジン10を保護する等である。
図2に、この送信ユニット20と受信ユニット22が、それぞれ一つの送信アンテナ21と受信センサ23を備えた構成を示す。この構成では、送信アンテナ21から気筒(立体装置)10aの内部空間10cに向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数fbを含み、かつ、予め設定した周波数幅Δfmの範囲Rm内で、周波数fmを変更させてテラヘルツ波Twを送信して、気筒10aの内部空間10cの計測領域ITを通過させる。また、受信センサ23で計測領域ITを通過したテラヘルツ波Twを受信してテラヘルツ波Twの信号の透過量PIを検出する。
この計測領域ITの空間範囲に関しては、計測領域ITの長さの範囲の全体の温度に関係する温度を測定することになるが、計測領域ITの範囲内であればほぼ同じ温度と考えられるので、問題は少ない。この計測領域ITの径は、最小の限界値はテラヘルツ波Twの波長に関係し、0.1mmφ程度であるが、送信アンテナ21と受信センサ23の送信部分と受信部分の大きさにも依存してしまうため、実用的には数mmφ程度である。また、この計測領域ITの長さは、送信アンテナ21と受信センサ23の間の距離となる。
そして、この温度計測装置1Aを制御する温度計測用制御装置40が設けられ、図3に示すように、この温度計測用制御装置40は、基本周波数算出手段41、周波数範囲算出手段42、周波数変更手段43、温度算出手段44と、温度補正手段45を備えて構成される。この温度算出手段44は、透過量検出手段44aと透過量最小周波数算出手段44bと温度換算手段44cとを備えて構成される。
この基本周波数算出手段41は、計測領域ITの存在するガス成分Gの温度計測に適した周波数である基本周波数fbを算出する手段である。ここで、幾つかの特定の組成のガス成分Gs(k)(k:ガス成分の組成のパターンの数)に対応する基本周波数fbs(k)(k:ガス成分の組成のパターンの数)が予め設定されておく。そして、測定する組成のガス成分Gが特定のガス成分Gs(k)と一致する場合には、その特定の組成のガス成分Gs(k)に対応した基本周波数fbs(k)を基本周波数fbとして選定する。また、測定する組成のガス成分Gが複数の特定の組成のガス成分Gs(k)、Gs(k+1)の間にある場合は、その組成のガス成分Gに対して予め設定してある特定の組成のガス成分Gs(k)、Gs(k+1)の補間によりその基本周波数fbを算出する。
周波数範囲算出手段42は、温度測定のための周波数fmを順次変更して掃引する周波数の範囲Rmを算出する手段である。ここでは、基本周波数fbに対して変更する片幅の周波数である周波数幅Δfmを0.05THz以上、より好ましくは0.1TH以上とする。つまり、この周波数fmを変化させる範囲Rmの大きさを基本周波数fbに対してプラス・マイナス0.1THz、より好ましくはプラス・マイナス0.2THzの範囲Rmaを含むように設定する。また、温度計測に関係しない無駄な周波数の範囲での計測を避けるように、この周波数fmを変化させる範囲Rmの最大幅は、好ましくは0.5THz、より好ましくは0.3THzにする。この周波数幅Δfmの最小値及び最大値はその数値を固定していてもよいが、それぞれを基本周波数fbの○○%及び○○%の値など「%」で設定しておいてもよい。
また、周波数変更手段43は、送信ユニット20から送信するテラヘルツ波Twの周波数fmを順次増加又は順次減少させて掃引する手段である。原則的には、送信順序に関係なく、周波数fmの範囲Rm内全部をある程度の周波数間隔でテラヘルツ波Twを送信できればよいが、後のデータ処理を考えると漸増または漸減で掃引することが好ましい。
温度算出手段44は、計測領域ITを通過して伝搬してくるテラヘルツ波Twからその信号の透過量PIを測定する透過量検出手段44aと、この透過量PIが周波数幅Δfmの範囲Rm内で最低となる信号の周波数fminを算出する透過量最小周波数算出手段44bと、この最低となる信号の周波数fminから、透過量が最小となる値を取得する周波数を「最低値取得周波数」とする。この予め設定した最低値取得周波数fminと温度Tmとの関係を示すマップデータ等を参照して、最低となる信号の周波数fminを温度Tmに換算する温度換算手段44cとを備えて構成される。
この信号の透過量PIと周波数fmの関係に関しては、各温度Tnにおける吸収量の最大ピーク時、言い換えれば、透過量の最小ピーク時の周波数fminを計測しておき、この結果を温度Tn別に、図4に示すようなデータとして予め設定しておく。図4を見れば分かるように、この温度Tnごとに最低となる信号の周波数fmは変化している。そのため、この最低値取得周波数fminと温度Tmとの関係は、図5に示すような関係となり、最低値取得周波数fminを検出できれば、温度Tmに換算できることになる。
つまり、透過量PIが周波数幅Δfmの範囲Rm内で最低となる信号の周波数fminを検出し、この検出した周波数fminから、計測領域ITの温度Tmを算出することができる。これにより、周波数の差における透過量の最低のピークの位置だけを追跡することで、その内部空間10cの温度推定が可能となる。そのため、信号ノイズによる透過量のピーク値の変動を気にする必要がなくなる。
一方、図4から、各温度における最低の信号透過量PIを計測して、温度Tmと透過量比の対数を図8に示すようにグラフ化して、この信号透過量から温度推定する方法、即ち、信号透過量を計測して、透過量比から温度を推定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、信号透過量のピークの大きさは、温度によるばらつきが大きく、また、吸収量に関するノイズの影響があると、温度推定の誤差が大きくなる可能性がある。それに対して、上記のピークの周波数fminと温度Tmとの関係を用いる方法では、これらの問題を回避することができる。
また、温度補正手段45は、基本周波数fbを複数の周波数fbj(j=a〜d:基本周波数の数)とし、温度算出手段44でこの複数の基本周波数fbjのそれぞれに対して温度Tmjを算出するとともに、これらの複数の算出された温度Tmjを用いて計測領域ITの推定温度Tmとする手段である。この温度の補正手段としては、追加される温度と平均温度を取ったり、予め実験等で設定されている重みを用いて重み付き平均を取ったりして補正する。なお、基本周波数fb1を一つとして、温度算出手段44で、一つの温度Tm1を算出した場合は、特に補正することなく、その温度Tm1を計測した温度Tmとする。
そして、一つの基本周波数fbしか使用しない場合には、図2に示す送信アンテナ21で、その基本周波数fbの周辺の周波数幅Δfmの範囲Rm内で周波数fmを変更させて掃引してテラヘルツ波Twを送信し、計測領域ITを通過したテラヘルツ波Twを受信センサ23で受信してテラヘルツ波Twの透過量PIを検出する。
一方、基本周波数fbとして、複数(少なくとも2以上:図6、図7では4つ)の基本周波数fbjを用いることにより、温度計測の精度をより高めることができる。この場合は、温度算出手段44でこの複数の基本周波数fbjのそれぞれに対して温度Tmjを算出するとともに、これらの複数の算出された温度Tmjを平均する等して計測領域ITの温度Tmとする。
また、この場合に、図6に示す第2の実施の形態の立体装置の温度計測装置(以下、温度計測装置という)1Bのように、送信ユニット20は、計測領域ITの温度計測用に、テラヘルツ波Twi(i=a〜d:送信アンテナと受信センサの組みの数)を、同時に複数組、それぞれ異なる計測領域ITiに送信して、受信ユニット22が、それぞれの計測領域ITiから伝搬してくるテラヘルツ波Twiを検出するように、幾つか(図6、図7では4つ)の送信アンテナ21iと受信センサ23iの組みを備えて構成される。
また、温度算出手段44が、複数のテラヘルツ波Twiのそれぞれに対して温度Tmiを算出し、これらの温度からそれぞれの計測領域ITiの温度Tmiを算出するように構成すると、非常に効率的に測定温度の計測精度を向上させることができる。
さらには、好ましくは、図7に示すように、送信ユニット20において、単数又は複数の送信アンテナ21iを回転軸24acから離れた位置に配置して、送信ユニット20を回転軸24bc(=24ac)回りに回転可能に構成し、送信ユニット20の回転により、計測領域ITiを移動させるように構成する。
より詳細には、図7に示すように、送信ユニット20において、異なる波長のテラヘルツ波Twiを送信する4つの送信アンテナ21iを第1モータ(回転機械)24aの第1回転軸24acから等距離に配置して、送信ユニット20を第1回転軸24ac回りに回転可能に構成すると共に、受信ユニット22において、4つの受信センサ23iを第2モータ(回転機械)24bの第2回転軸24bcから等距離に配置して受信ユニット22を第2回転軸24bc回りに、送信ユニット20の回転に同期させて回転可能にする。
つまり、図7に示す構成では、送信ユニット20においては送信アンテナ21iの位置を変更可能に設けると共に、受信ユニット22においては送信アンテナ21iの位置の変更に同期させて受信センサ23iの位置を移動可能に設ける。この場合には、位置の変更を回転運動にして、円状に送信アンテナ21iと受信センサ23iを配置することで、スペースの都合が許す限り、送信アンテナ21iの数と受信センサ23iの数を増加させることができる。なお、この図7の構成では回転運動としているが、直線往復運動にしてもよい。
また、送信アンテナ21iと受信センサ23iのそれぞれにおいて、特定の位置(例えば、送信ユニット20の上死点)まで回転したときに、テラヘルツ波Twiを順繰りに基本周波数fbiの周辺の周波数fmiを掃引する送信をするように構成してもよい。
この図7の構成では、この送信ユニット20と受信ユニット22の回転により、異なる波長のテラヘルツ波Twiを送信する4つの送信アンテナ21iを順繰りに同じ位置に配置して、気筒10aの内部空間の計測領域ITに、テラヘルツ波Twiを周波数掃引させることができる。これにより、異なる基本周波数fbiのテラヘルツ波Twiが通過する計測領域ITを気筒10a内の同じ領域にすることが容易にできるようになる。
この送信ユニット20と受信ユニット22を回転させる方法を用いると、気筒10aの内部空間の計測領域IT(例えば、上死点の空間)における計測を高速化することが可能となる。つまり、回転速度を上げることと、それぞれの送信アンテナ21iと受信センサ23iの組の発信・受信を計測領域ITiごとに制御することで、この計測領域ITiでの温度計測を高速化することができる。
そして、計測領域ITiの温度計測に際しては、送信アンテナ21iのそれぞれのテラヘルツ波Twiの周波数fbiを同じにすれば、同時に計測領域ITi全部に対して同じ基本周波数Twiで計測した温度Tmiが算出されることになる。また、テラヘルツ波Twiの周波数fbiを異ならせれば、互いのテラヘルツ波Twiが干渉しない程度に時間をずらした状態で掃引して、計測領域ITiごとに別々の基本周波数Twiで計測した温度Tmiが算出されることになる。
また、送信ユニット20を回転させる一方で、受信ユニット22を固定して構成し、この受信ユニット22側における受信のタイミングを送信ユニット20の回転に同期させることで、テラヘルツ波Twiを送信している送信アンテナ21iを判別して、その送信アンテナ21iからのテラヘルツ波Twiが通過する計測領域ITiの場所を特定するように構成すると、受信ユニット22側が固定されている分だけ構成が単純化される。
なお、この送信アンテナ21iと受信センサ23iとが固定され、さらに、送信アンテナ21i同士、及び、受信センサ23i同士を十分に接近させて計測領域ITiを狭めて配置した場合には、この4つの波長のテラヘルツ波Twiが通過する領域を計測領域ITと考えて、この計測領域IT全体の温度推定を4つの基本周波数fbiで互いのテラヘルツ波Twiが干渉しない程度に時間をずらした状態で、略同じ時刻で計測することができるようになり、温度Tmの計測精度を高めることができる。
なお、送信ユニット20と受信ユニット22を固定した場合には、それぞれの送信アンテナ21iと受信センサ23iの組の発信・受信を高速化する必要があるが、回転させることで、送信アンテナ21iと受信センサ23iの組を待機させることができる。
さらに、送信ユニット20と受信ユニット22の組が、測定対象の周囲を旋回、又は、測定対象に沿って上下移動するように構成されていると、より迅速に温度測定を行うことができるようになる。
そして、本発明に係る実施の形態の燃焼機関の温度計測装置は、上記の立体装置の温度計測装置1A、1Bを用いて、燃焼機関の気筒10a内の温度Tmを計測するように構成されている。また、本発明に係る実施の形態の燃焼機関は、上記の燃焼機関の温度計測装置を備えると共に、燃焼機関の温度計測装置からの計測結果を入力して、この内燃機関の気筒内の燃料噴射を制御するエンジン運転用制御装置50を備えて構成されている。
この温度計測装置1A、1Bを用いた、本発明の実施の形態の立体装置の温度計測方法は、ガス成分Gを内包した立体装置の内部空間10cの温度TIを計測する温度計測方法であり、この立体装置の温度計測方法は、送信アンテナ21から内部空間10cに向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数fbを含む予め設定した周波数幅Δfbの範囲Rm内で周波数を変更させてテラヘルツ波Twを送信し、計測領域ITから伝搬してくるテラヘルツ波Twを検出して、計測領域ITから伝搬してくるテラヘルツ波Twからその信号の透過量PIを測定し、この透過量PIが周波数幅Δfbの範囲Rm内で最低となる信号の周波数fminを検出し、この検出した周波数fminから、計測領域ITの温度Tmを算出する。
この立体装置の温度計測方法では、温度計測用に一つの基本周波数fbだけを使用する場合で、図2に示すような1組の送信アンテナ21と受信センサ23の構成では、一つの送信アンテナ21で周波数幅Δfbの範囲Rm内で周波数を変更させてテラヘルツ波Twを送信し、また、一つの受信センサ23でこれらの周波数が変更しているテラヘルツ波Twを順次受信して、この透過量PIが最低となる信号の周波数fminを検出し、この検出した周波数fminから、計測領域ITの温度Tmを算出する。
一方、この立体装置の温度計測方法で、複数の基本周波数fb(j)(j:基本周波数の数)を用いる場合で、図2に示すような1組の送信アンテナ21と受信センサ23の構成では、一つの送信アンテナ21で第1の基本周波数fbjに対して周波数幅Δfbの範囲Rm内で周波数を変更させてテラヘルツ波Twを送信し、また、一つの受信センサ23でこれらの周波数が変化しているテラヘルツ波Twを順次受信して、この透過量PIが最低となる信号の周波数fminを検出し、この検出した周波数fminから、計測領域ITの温度Tm(j)を算出する。この算出後に、次の第2の基本周波数f(j+1)に対して同様なことを行い、計測領域ITの温度Tm(j+1)を算出する。これを順次繰り返して、使用する基本周波数fb(j)の数Jの温度Tm(j)を算出する。そして、これらの温度Tm(j)を平均したりして温度Tmを選出する。
また、複数(少なくとも2以上:ここでは4個)の基本周波数fb(j)を用いる場合で、図6に示すように、複数の送信アンテナ21i(i=a〜d)にそれぞれが異なる複数(ここでは4つ)の基本周波数fb(i)をそれぞれ割り当てて、各送信アンテナ21iで、割り当てられた基本周波数fb(i)に対して、周波数幅Δfbの範囲Rm内で周波数を変更させてテラヘルツ波Twiを干渉しない程度に相互位置又は時間をずらした状態で送信して、この計測領域ITからのテラヘルツ波Twiを受信センサ23iで受信して、この受信したテラヘルツ波Twiの信号の透過量PIiの最低値取得周波数に基づいて、計測領域ITの複数(4つ)の基本周波数fb(i)のそれぞれに対しての温度Tm(i)を算出し、これらの温度Tm(i)を平均したりして計測領域ITの温度Tmを算出する。
上記の構成の立体装置の温度計測装置1A、1B、燃焼機関の温度計測装置、燃焼機関及び立体装置の温度計測方法によれば、電波の透過性と光の直進性を有する、電波と光の中間の波長を持つ、周波数が0.01THz〜10THzの範囲の基本周波数fbの周辺で周波数を変えて掃引して、信号透過量PIが周波数幅Δfbの範囲Rm内で最低となる最小値のピークの周波数fminを検出することにより、非常に簡単な構成、演算及び制御により、燃焼ガスを内包したエンジンの気筒10aの内部空間10cのように、ガス成分Gを内包した気筒10aの内部空間10cの局所的な領域ITの温度TIを、従来技術よりもノイズに起因する温度の推定誤差を減少して高精度で計測でき、その結果、気筒10aの内部空間10cの温度分布を高精度で計測することができるようになる。
1A、1B 立体装置の温度計測装置
10 エンジン(内燃機関:燃焼機関)
10a 気筒(立体装置)
10b ピストン
11 燃料噴射装置
20 送信ユニット
21、21a〜21d 送信アンテナ
22 受信ユニット
23、23a〜23d 受信センサ
24a 第1モータ
24ac 第1回転軸
24b 第2モータ
24bc 第2回転軸
25、26、27、28 配線
40 温度計測用制御装置
41 基本周波数算出手段
42 周波数範囲算出手段
43 周波数変更手段
44 温度算出手段
44a 透過量検出手段
44b 透過量最小周波数算出手段
44c 温度換算手段
45 温度補正手段
50 エンジン運転用制御装置
IT 計測領域
G ガス成分
Tw、Twa〜Twd テラヘルツ波

Claims (11)

  1. ガス成分を内包した立体装置の内部空間の計測領域の温度を計測する温度計測装置において、
    送信アンテナから前記計測領域に向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数を含み、かつ、予め設定した周波数幅の範囲内で、周波数を変更させてテラヘルツ波を送信する送信ユニットを備えていると共に、
    前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波を受信する受信センサを備えた受信ユニットを備えており、
    当該立体装置の温度計測装置を制御する温度計測用制御装置が、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波からその信号の透過量を測定し、この透過量が前記周波数幅の範囲内で最低となる信号の周波数を検出し、この検出した周波数から、前記計測領域の温度を算出する温度算出手段を備えて構成されていることを特徴とする立体装置の温度計測装置。
  2. 前記温度計測制御手段が、前記基本周波数を複数の周波数とし、前記温度算出手段でこの複数の基本周波数のそれぞれに対して温度を算出するとともに、これらの複数の算出された温度を用いて前記計測領域の推定温度とする温度補正手段を備えて構成されている請求項1に記載の立体装置の温度計測装置。
  3. 前記温度計測用制御装置が、周波数を変化させる範囲の大きさを前記基本周波数に対してプラス・マイナス0.05THzの範囲を含むように設定していることを特徴とする請求項1に記載の立体装置の温度計測装置。
  4. 前記送信ユニットが、前記計測領域の温度計測用に、テラヘルツ波を、同時に複数組、それぞれ異なる前記計測領域に送信して、前記受信ユニットが、それぞれの前記計測領域から伝搬してくるテラヘルツ波を検出するように構成され、さらに、前記温度算出手段が、複数のテラヘルツ波のそれぞれに対して温度を算出し、これらの温度からそれぞれの前記計測領域の温度を算出するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体装置の温度計測装置。
  5. 前記送信ユニットにおいては前記送信アンテナの位置及び送信方向を変更可能に構成していると共に、前記受信ユニットにおいては前記送信アンテナの位置の変更に同期させて前記受信センサの位置を移動可能に構成している請求項1〜4のいずれか1項に記載された立体装置の温度計測装置。
  6. 前記送信ユニットにおいて、単数又は複数の前記送信アンテナを回転軸から離れた位置に配置して、前記送信ユニットを前記回転軸回りに回転可能に構成し、前記送信ユニットの回転により、前記計測領域を移動させるように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載された立体装置の温度計測装置。
  7. 前記受信ユニットを固定して構成し、前記受信ユニット側における受信のタイミングを前記送信ユニットの回転に同期させることで、テラヘルツ波を送信している前記送信アンテナを判別して、その送信アンテナのからのテラヘルツ波が通過する前記計測領域の場所を特定するように構成されている請求項6に記載された立体装置の温度計測装置。
  8. 前記送信ユニットと前記受信ユニットの組が、測定対象の周囲を旋回、又は、測定対象に沿って上下移動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の立体装置の温度計測装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の立体装置の温度計測装置を用いて、燃焼機関の気筒内の温度を計測するように構成されている燃焼機関の温度計測装置。
  10. 請求項9の燃焼機関の温度計測装置を備えると共に、前記燃焼機関の温度計測装置からの計測結果を入力して、当該内燃機関の気筒内の燃料噴射を制御するエンジン運転用制御装置を備えていることを特徴とする燃焼機関。
  11. ガス成分を内包した立体装置の内部空間の計測領域の温度を計測する温度計測方法において、
    送信アンテナから前記計測領域に向けて、0.01THz〜10THzの範囲内にある基本周波数を含み、かつ、予め設定した周波数幅の範囲内で、周波数を変更させてテラヘルツ波を送信し、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波を検出して、前記計測領域を通過して伝搬してくるテラヘルツ波からその信号の透過量を測定し、この透過量が前記周波数幅の範囲内で最低となる信号の周波数を検出し、この検出した周波数から、前記計測領域の温度を算出することを特徴とする立体装置の温度計測方法。
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