以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す斜視図である。
図1に示す冷蔵庫1は、本体2を有している。この本体2の最上部の位置には、両開き式の左右の観音扉3,4で開閉される冷蔵室5が設けられている。これらの観音扉3,4は、それぞれ本体2の回転軸3A,4Aを中心にして開閉可能に取り付けられている。冷蔵室5の下側には、引出し式扉7aで開閉される野菜室7が設けられている。この野菜室7の下側には、製氷室8と、上部冷凍室9が横方向に並んで設けられている。製氷室8は引出し式扉8aで開閉され、上部冷凍室9は引出し式扉9aで開閉される。本体2の最下部であって、これらの製氷室8と上部冷凍室9の下側には、冷凍室10が設けられている。
冷凍室10は引出し式扉10aで開閉される。観音扉3,4の下部には、それぞれ指を掛けるための凹状の取っ手3b、4bが扉内部に設けられている。引出し式扉7a、8a、9a、10aの上部には、それぞれ指を掛けるための凹状の取っ手7b、8b、9b、10bが扉内部に設けられている。
図1に示すように、観音扉3,4の外表面には、ガラス板13,14がそれぞれ設けられている。同様にして、引出し式扉7aの外表面には、ガラス板17が設けられている。製氷室8と上部冷凍室9と冷凍室10の外表面には、ガラス板18,19,20がそれぞれ設けられている。これらのガラス板13,14,17,18,19,20は、透明あるいは透光性を有する。
図2は、図1に示す冷蔵庫1の観音扉3の構造例を示す分解斜視図である。
図2に示す観音扉3は、図1において向かって左側の開閉扉である。観音扉3は、ガラス板13と、上側の扉キャップ21と、外側の扉キャップ22と、下側の扉キャップ23と、内側の扉キャップ24と、扉内側部材25と、枠体状の裏側部材26と、収納部としての収納ボックス30と、収納ボックス30内に収納される操作部31と、そして扉キャップ部材32等を有している。ガラス板13は、縦方向に長い長方形状の部材である。
上側の扉キャップ21と外側の扉キャップ22と下側の扉キャップ23と内側の扉キャップ24は、ガラス板13の四方の辺部にそれぞれ取り付けられることで、ガラス板13を保持する枠体を構成している。具体的には、ガラス板13の上辺部には上側の扉キャップ21が取り付けられ、ガラス板13の外辺部には外側の扉キャップ22が取り付けられ、ガラス板13の下辺部には下側の扉キャップ23が取り付けられ、そしてガラス板13の内辺部には内側の扉キャップ24が取り付けられる。内側の扉キャップ24には、縦方向Zの中央位置に、縦方向Zに長く形成された開口部24Rが設けられている。
図2に示す扉内側部材25は、ガラス板13の後面13N側に固定される長方形状の部材である。ガラス板13の後面13Nは、ガラス板13の内面である。裏側部材26は、扉内側部材25を挟んだ状態で、ガラス板13の後面13N側に固定される。収納ボックス30は、図1にも示すように、ガラス板13の後面13Nに設けられ、すなわちガラス板13の後方に設けられる。この収納ボックス30は、操作部31を着脱可能に収納するための収納部である。
図3は、図1に示す観音扉3のA−A線におけるガラス板13と、収納ボックス30と、操作部31の構造例を示す断面図である。
図3に示すように、収納ボックス30は、取り付け用の4辺の鍔部30Pと、背面部100を有している。収納ボックス30がガラス板13の後面13N側に取り付ける際には、この取り付け用の4辺の鍔部30Pは、ガラス板13の後面13Nに対して、両面粘着テープ30Sを用いて仮止めされる。その後、観音扉3の図2に示すガラス板13と扉内側部材25の間の空間には発砲ポリウレタンを注入することで、収納ボックス30は、発砲ポリウレタンの接着力および押圧力により、ガラス板13の後面13Nに対して、接着して固定(押圧)するようになっている。この収納ボックス30内には、操作部31が挿入方向T(図3では、図面垂直下方向)に沿って着脱可能に挿入されることで、操作部31はガラス板13の後面13N側に押されることで、すなわち観音扉3の後面に密着するようにして当接されている。
図4は、図2と図3に示す操作部31の構成例を示す分解斜視図である。
図4に示す操作部31は、プラスチック製の遮蔽板40と、操作基板41と、反射板42と、検出部としての透明電極43と、操作銘板44を有している。操作部31は、縦方向Zに長い長方形状の板状の部材である。長方形状の操作基板41には、照明手段の一例である複数個の発光素子として複数個のLED(発光ダイオード)素子41Aが,所定のパターンに従って搭載されている。
この操作基板41には、各LED素子41Aを駆動する駆動部と、使用者が触れたかどうかを透明電極43の静電容量の変化に基づいて判断する判定回路を搭載している。遮蔽板40は、縦方向Tに沿って長い長方形状の部材であり、遮蔽板40は、操作基板41の表面上に、重ねて配置される。遮蔽板40は、複数の円形の凹部40A、40B等を有しており、これらの凹部40A、40Bは縦方向Zに沿って配列されている。
図4に示すように、反射板42は縦方向Zに沿って複数の円形部42A,42Bを有しており、複数の円形部42A,42Bは、遮蔽板40の複数の円形の凹部40A、40Bに対応して配置される。反射板42の円形部42A,42Bは、K方向に弾性変形可能であることで、ガラス板13の膨らみに対応して追従して密着できるようになっている。
透明電極43は、反射板42を覆うようにして遮蔽板40の表面上に配置される。操作銘板44は、縦方向Zに長い長方形状の板状の部材であり、透明電極43を覆うようにして遮蔽板40の表面上に配置される。操作銘板44は、図3に示すガラス板13の後面13Nに密着される部分である。操作銘板44には、複数の操作機能表示ボタン等の操作表示部99が例えば印刷により形成されており、操作銘板44の操作表示部99は、図3に示すガラス板13を通じて、使用者に対してクリアに見せることができる。これにより、使用者は、操作銘板44の操作表示部99を、ガラス板13を通じて確認しながら操作することができる。
使用者が図4に示す操作銘板44の操作表示部99の任意の部分を、図3のガラス板13を通じて見ながら、使用者がガラス板13の外面13Mに指を触れることで、冷蔵庫1の各機能の設定操作をすることができる。例えば、使用者がガラス板13の外面13Mに指を触れると、図4に示す操作部31の透明電極43における静電容量が変化する。この静電容量の変化を、操作基板41に搭載されている図示しない判定回路が判定する。これにより、どの機能が使用者により指示されたかを判定回路から操作基板41の制御部に通知されるので、この制御部は、操作された機能を、冷蔵庫1側の本体側制御部に指示する。これにより、使用者は、例えば図1に示す冷蔵室5、野菜室7、製氷室8、上部冷凍室9、そして冷凍室10の室温を設定したり、急速に冷却する操作を行うことができる。
次に、図5と図6を参照する。図5は、扉キャップ部材32が収納ボックス30に挿入される前の状態を示し、図6は、扉キャップ部材32が収納ボックス30に挿入された後の状態を示している。
図5から図6に示すように、操作部31が収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入され、しかも扉キャップ部材32が挿入方向Tに沿って収納ボックス30内に挿入される。これにより、操作部31はガラス板13の後面13Nに対して、押圧された状態で当接され、この操作部31の当接状態を維持できるようになっている。図5に示すように、収納ボックス30は、4辺の鍔部30Pと、縦方向Zに長く形成された側面部70と、背面部100を有している。この側面部70は、縦方向Zに長く形成された開口部50を有している。4辺の鍔部30Pには、すでに説明したように、両面粘着テープ30Sが配置される。これにより、図3に示すように4辺の鍔部30Pがガラス面13の後面13Nに密着して固定されている。背面部100は、挿入された操作部31に対面するように、収納ボックス30の後ろ側に配置されている。
図5に示すように、収納ボックス30の側面部70は、内側の扉キャップ24の開口部24Rにはめ込まれている。これにより、収納ボックス30の側面部70の開口部50の位置は、内側の扉キャップ24の開口部24Rの位置に一致しており、側面部70の開口部50は、開口部24Rの範囲内にある。これにより、操作部31は、内側の扉キャップ24の開口部24Rを通じて、観音扉3のガラス板13の後面13N側において、収納ボックス30内に差し込んで収容することができ、しかも扉キャップ部材32は、収納ボックス30の開口部50の内部に差し込むことができるようになっている。
次に、図4を参照して、操作部31の遮蔽板40の構造をさらに詳しく説明する。
図4に示すように、遮蔽板40は、縦方向Zの挿入先端側の先端側部51と、反対側の後端側部52と、上端部53と、そして下端部54を有している。遮蔽板40の先端側部51には、間隔をおいて例えば3つの挿入部55,56,57を有している。3つの挿入部55,56,57は、操作部31が収納ボックス30内に挿入される挿入方向Tに沿って突出して設けられている。最も上の挿入部55は、先端側部51の上部に設けられ、中間の挿入部56は、先端側部51の中間位置に設けられ、そして、最も下の挿入部57は、先端側部51の下部に設けられている。また、遮蔽板40の上端部53は、第1弾性変形部分61を有している。同様にして、遮蔽板40の下端部54は、第2弾性変形部分62を有している。
図4に示す挿入部55,56,57は、操作部31を挿入方向Tに沿って収納ボックス30内に挿入するだけで、後で説明する収納ボックス30側の一部分の移動手段(後で説明する)との協働により、操作部31を、ガラス板13の後面13N側に移動して押し付けて密着させる機能を有している。
図4に例示する第1弾性変形部分61と第2弾性変形部分62は、上下対称形状になっており、実質的には同じ構造を有している。図4では、第2弾性変形部分62側が代表して拡大して表示されている。第1弾性変形部分61は、上端部53に固定された基端部63と、基端部63から湾曲して伸びた自由端部64を有している。同様にして、第2弾性変形部分62は、下端部54に固定された基端部63と、基端部63から湾曲して伸びた自由端部64を有している。第1弾性変形部分61と第2弾性変形部分62は、操作部31をガラス板13の後面13N側へ、すなわち前方P(押し付け方向)に沿って押し付ける機能を有する。
なお、この前方Pは、縦方向Zと、挿入方向Tとは、互いに直交している。
次に、図5と図6を参照して、収納ボックス30の構造をさらに詳しく説明する。
図5と図6に示す収納ボックス30は、図1に示す観音扉3のガラス板13の後面13N側に配置された状態で、操作部31を収容するための収容部である。収納ボックス30は、側面部70と、位置決め用の受け部71と、4辺の鍔部30Pと、操作部31を収納するための収納空間72と、背面部100を有している。収納ボックス30の側面部70は、内側の扉キャップ24の開口部24Rにはまり込む。
図5に示す位置決め用の受け部71は、奥側の鍔部30Pの内側において、挿入方向Tと反対のT1方向に沿って、収容空間72内で開口部50側に向けて突出して設けられている。位置決め用の受け部71は、奥側の鍔部30Pにおいて、縦方向Zに関して中間位置にあり、この位置決め用の受け部71は、挿入部55,56,57の内の挿入部56を受けて保持する。位置決め用の受け部71は、操作部31を挿入方向Tに挿入する際に、挿入方向Tに沿って進んで来る位置決め手段としての挿入部56を受けて保持するために、収納ボックス30内の相対する位置に設けられている。
これにより、収納ボックス30の収納空間72内に、操作部31を挿入方向Tに沿って挿入するだけで、位置決め用の受け部71には挿入部56が自動的にはまり込む。このため、位置決め用の受け部71と挿入部56は、操作部31が収納ボックス30の収納空間72内で縦方向Z(縦方向)に関して動かないように、位置決めする位置決め手段の機能を有する。このため、操作部31は縦方向Zに縦長の形状を有しているのではあるが、収納ボックス30には位置決め用の受け部71が設けられていることにより、冷蔵庫1が稼働により振動しても、ガラス板13の外面13Mの操作箇所と、図4に示す操作部31の操作銘板44の操作表示部99とが、縦方向Zの関する相対的な位置ずれを発生させない。
次に、図5を参照して、扉キャップ部材32の構造について説明する。
図5に示す扉キャップ部材32は、蓋80と、2本の移動手段81,82と、2本の蓋の抜け防止手段91,92および突出部93を有している。扉キャップ部材32の蓋80は、収納ボックス30の開口部50を着脱可能に閉塞するために、縦方向Zに長く形成された長方形状の部材である。2本の移動手段81,82と2本の蓋の抜け防止手段91,92および突出部93は、この蓋80の内面側から、挿入方向Tに沿って平行に間隔をおいて突出して設けられている。
2本の移動手段81,82は、長い腕状の部材であり、蓋80の上端部と下端部にそれぞれ設けられている。2本の蓋の抜け防止手段91,92および突出部93は、2本の移動手段81,82の間に、挿入方向に直行する縦方向に対称となるように間隔をおいて設けられている。2本の移動手段81,82の挿入方向Tの長さは、操作部31(遮蔽板40)の挿入先端近傍まで突出しており、裏面側には撓み防止用の補強用リブが形成されている。また2本の蓋の抜け防止手段91,92は、2本の移動手段81,82の挿入方向Tの長さに比べて短く、突出部93はこれら2本の蓋の抜け防止手段91,92の長さよりさらに短く幅広である。
この蓋80から突出して形成される突出部93は弓状に前方側に盛り上がっており、図9に示すようにコ字状の切り欠き93aがあり、このコ字状の切り欠き93aで囲まれた突出片93bは、このコ字状の切り欠き93aによって、
突出片93bが操作部31の周縁部分、すなわち遮蔽板40の後端側部52を前方に強く押す弾性を有することになる。
これら2本の移動手段81,82と2本の蓋の抜け防止手段91,92および突出部93によって、操作部31をガラス板13の後面13N側に、前方Pに沿って強く押し付ける機能を発揮する。
図5に示すように、2本の移動手段81,82は、好ましくは挿入方向Tに向かって挿入方向Tに対して傾斜した弾性変形部分81A,82Aをそれぞれ有している。2本の移動手段81,82の弾性変形部分81A,82Aは、図6に示すように、収納ボックス30の収納空間72内に挿入方向Tに沿って挿入されると、図5に示すSR方向に弾性変形することで、図2の操作部31をガラス板13の後面13N側に、前方Pに沿って押し付ける機能を有する。
また、2本の蓋の抜け防止手段91,92は、収納ボックス30の収納空間72内に挿入方向Tに沿って挿入されると、蓋80が開口部50からT1方向に抜け出ないようにし、しかも図2の操作部31をガラス板13の後面13N側に、前方Pに沿って押し付ける機能を有する。
次に、図7と図8を参照して、収納ボックス30の収納空間72内において、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して押し付けるための移動手段81,82の構造例を説明する。
図7(A)は、図6に示す収納ボックス30と操作部31と扉キャップ部材32のB−B線における断面図である。図7(B)は、図7(A)に示す部分95を拡大して示す断面図である。図7(C)は、図7(A)に示す部分96を拡大して示す断面図である。図8(A)は、図6に示す収納ボックス30と操作部31と扉キャップ部材32のC−C線における断面図である。図8(B)は、図8(A)に示す部分97を拡大して示す断面図である。図8(C)は、図8(A)に示す部分98を拡大して示す断面図である。図9は、収納ボックス30と、操作部31と、そして扉キャップ部材32の形状例を示している。
まず、図7(A)と図9に示すように、収納ボックス30の背面部100は、収納ボックス30の側面部70から奥側の鍔部30Pに至るまで形成されており、挿入方向Tに沿って少しずつ先細りになるように傾斜している。すなわち、背面部100は、収納ボックス30の開口部50側から挿入先端側の鍔部30Pにかけて傾斜している。
しかも、図7(B)と図9に示すように、この背面部100は、挿入先端側の鍔部30P側にさらに段差部分101を有している。この段差部分101は、背面部100からさらに狭くなるように形成されており、挿入方向Tに沿ってさらに傾斜している。段差部分101内には、図6と図9に示す挿入部55,56,57が挿入方向Tに沿ってはまり込むようになっている。このように、挿入部55,56,57の傾斜部分102が段差部分101内にはまり込むことで、段差部分101は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させるようになっている。すなわち、段差部分101と挿入部55,56,57は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段200を構成している。
また、図7(A)と図7(C)と図9に示すように、扉キャップ部材32の上側の移動手段81は、収納空間72内に挿入し易いように、その先端が傾斜部103になっている。図5の状態から図6の状態で示すように、扉キャップ部材32の移動手段81が、収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入されると、図7(C)に示すように、移動手段81の外側部分109は、傾斜した背面部100により前方Pに押されて移動される。これにより、移動手段81自体がSR方向に沿って弾性変形するので、移動手段81の内側部分104は、対応する位置にある第1弾性変形部分61を前方Pに沿って押し付ける。従って、移動手段81は、第1弾性変形部分61を用いて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させるようになっている。このように、移動手段81だけでなく、収納ボックス30の背面部100と操作部31の第1弾性変形部分61は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段250を構成している。
同様にして、図7(A)と図7(C)と図9に示すように、扉キャップ部材32の下側の移動手段82は、収納空間72内に挿入し易いように、その先端が傾斜部103になっている。図5の状態から図6の状態で示すように、扉キャップ部材32の移動手段82が、収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入されると、図7(C)に示すように、移動手段82の外側部分109は、傾斜した背面部100により前方Pに押されて移動される。これにより、移動手段82自体がSR方向に沿って弾性変形するので、移動手段82の内側部分104は、対応する位置にある第2弾性変形部分62を前方Pに沿って押し付ける。従って、移動手段82は、第1弾性変形部分62を用いて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させるようになっている。このように、移動手段82だけでなく、収納ボックス30の背面部100と操作部31の第2弾性変形部分62は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段250を構成している。
次に、図8(A)と図9に示すように、収納ボックス30の背面部100は、挿入方向Tに沿って先細りになるように傾斜している。すなわち、背面部100は、収納ボックス30の開口部50から挿入先端側の鍔部30Pに至るに従って傾斜している。しかも、図7(B)と図9に示すように、背面部100は、挿入先端側の鍔部30P側には、段差部分101を有している。この段差部分101は、挿入方向Tに沿って傾斜している。段差部分101内には、図6に示す挿入部56が挿入方向Tに沿ってはまり込むようになっている。この際に、挿入部56の傾斜部分102が段差部分101内にはめ込まれることで、段差部分101と挿入部56は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動させることで押し付けて密着させるようになっている。すなわち、段差部分101と挿入部56は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段200を構成している。
図8(B)に例示するように、移動手段82の外側部分109は、傾斜した背面部100により前方Pに移動される。これにより、移動手段82(81)の内側部分104は、遮蔽版40の複数の円形の凹部40Aを、ガラス板13の後面13N側に、前方Pに沿って押し付けられている。これにより、移動手段82(81)だけでなく、収納ボックス30の背面部100は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段300を構成している。
さらに、図8(C)と図9に示すように、図5に示す2本の蓋の抜け防止手段91,92が、先端部に抜け止め用の突起部105を有している。収納ボックス30の背面部100には、開口部50の付近において、挿入方向Tに沿って傾斜した傾斜部106を有している。操作部31が収納ボックス30内に、挿入方向Tに沿って挿入されると、2本の蓋の抜け防止手段91,92が、背面部100の傾斜部106により前方Pに沿って押される。これにより、操作部31は、2本の蓋の抜け防止手段91,92を介して、ガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに沿って押し付けられている。これにより、2本の蓋の抜け防止手段91,92と、収納ボックス30の傾斜部106は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる移動手段350を構成している。
しかも、操作部31が収納ボックス30内に完全に収納されると、蓋80は、図5に示す状態から図6に示すように開口部50を閉塞するようになっている。この状態では、図8(C)に示すように、2本の蓋の抜け防止手段91,92の抜け止め用の突起部105が、収納ボックス30の傾斜部106に形成されている係合突起部107にかみ合う。これにより、図1の冷蔵庫1が稼働することで振動しても、操作部31は、挿入方向Tと反対の方向T1には抜け出ないようにすることができる。これにより、操作部31は、常にガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動することで押し付けて密着させる状態を維持することができる。
次に、観音扉3のガラス板13内に上述した収納部としての収納ボックス30を取付ける手順と、収納ボックス30を取り付けた後に収納ボックス30内に操作部31を収納する収納動作を説明する。
図2に示す観音扉3のガラス板13の後面13N側には、収納ボックス30を固定する。すなわち、収納ボックス30は、ガラス基板13の後面13Nにおいてガラス基板13の後方に設けられる。収納ボックス30を固定する際には、図5に示すように、取り付け用の4辺の鍔部30Pが、ガラス板13の後面13Nに対して、両面粘着テープ30Sを用いて仮止めされる。その後、観音扉3内に発砲ポリウレタンを注入することで、収納ボックス30は、発砲ポリウレタンの接着力および押圧力により、ガラス板13の後面13Nに対して、接着して固定(押圧)する。この状態では、図5に示すように、収納ボックス30の側面部70は、内側の扉キャップ24の開口部24Rに位置されている。
次に、図5に示すように操作部31が、この収納ボックス30の収納空間72内へ、挿入方向Tに沿って着脱可能に挿入される。これにより、操作部31はガラス板13の後面13N側に位置される。このように、操作部31が収納ボックス30の収納空間72内に挿入する動作は、ガイド溝等に依らないいわゆる自由挿入動作である。これにより、図5と図6に示す位置決め用の受け部71は、挿入部55,56,57の内の挿入部56を受ける。すなわち、位置決め用の受け部71は、操作部31を挿入方向Tに挿入する際に、挿入方向Tに沿って進んで来る挿入部56を受ける。
続いて、図5から図6に示すように、扉キャップ部材32が、収納ボックス30の開口部50を通じて収納ボックス30内に差し込まれる。このように、位置決め用の受け部71は、操作部31を挿入方向Tに沿って挿入するだけで、操作部31は、収納ボックス30の収納空間72内では、縦方向Z(縦方向)に関して動かないように位置決めできる。このため、操作部31は、縦方向Zに縦長ではあるが、収納ボックス30には位置決め用の受け部71が設けられていることにより、冷蔵庫1が稼働により振動しても、ガラス板13の外面13Mの操作箇所と、操作部31の操作銘板44の操作表示部99が位置ずれを発生させない。
扉キャップ部材32が、収納ボックス30の開口部50を通じて収納ボックス30内へ、挿入方向Tに沿って差し込まれると同時に、図5から図6に示すように、収納ボックス30の側面部70の開口部50は、扉キャップ部材32の蓋80により閉塞できる。すなわち、図5に示す扉キャップ部材32の2本の移動手段81,82と2本の蓋の抜け防止手段91,92を、図6に示すように収納ボックス30の収納空間72内に挿入すると同時に、蓋80が開口部50をワンタッチで閉塞できる。これにより、開口部50を閉じて外観上の見栄えの良くするとともに、開口部50から外部の塵埃等が収納ボックス30内に侵入するのを防止できる。
しかも、図5に示す扉キャップ部材32の2本の移動手段81,82と、2本の蓋の抜け防止手段91,92を、図6に示すように収納ボックス30内に挿入すると、図7に示すように、操作部31は、ガラス板13の後面13N側に押し付けて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して密着させることができる。すなわち、図7(B)に示すように、図6に示す挿入部55,56,57が、段差部分101内に挿入方向Tに沿ってはまり込む。この際に、挿入部55,56,57の傾斜部分102が段差部分101内に差し込まれることで、段差部分101は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに押し付けて密着させることができる。
図5から図6に示すように、扉キャップ部材32の移動手段81が、収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入されると、図7(C)に示すように、移動手段81の内側部分104は、対応する位置にある第1弾性変形部分61を前方Pに沿って押し付ける。これにより、第1弾性変形部分61が弾性変形することで、移動手段81は、第1弾性変形部分61を用いて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに押し付けて密着させることができる。
同様にして、図5から図6に示すように、扉キャップ部材32の移動手段82が、収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入されると、図7(C)に示すように、移動手段82の内側部分104は、対応する位置にある第2弾性変形部分62を前方Pに沿って押し付ける。これにより、第2性変形部分62が弾性変形することで、移動手段82は、第2弾性変形部分62を用いて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに押し付けて密着させることができる。
さらに、図5に示す扉キャップ部材32の2本の移動手段81,82と、2本の蓋の抜け防止手段91,92を、図6に示すように収納ボックス30内に挿入することで、図8に示すように、操作部31は、ガラス板13の後面13N側に押し付けて、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して密着させることができる。すなわち、段差部分101内には、図6に示す挿入部56が挿入方向Tに沿ってはまり込むようになっている。この際に、挿入部56の傾斜部分102が段差部分101内に差し込まれることで、段差部分101は、操作部31をガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに押し付けて密着させることができる。
図8(C)に示すように、2本の蓋の抜け防止手段91,92が、傾斜部106により押されて弾性変形する。これにより、操作部31は、2本の蓋の抜け防止手段91,92を介して、ガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに沿って押し付けることができる。
また蓋80から突出して形成される突出部93は弓状に前方側に盛り上がっており、コ字状の切り欠き93aがあり、このコ字状の切り欠き93aで囲まれた突出片93bは弾性を有している。この突出片93bが操作部31の周縁部分、すなわち遮蔽板40の後端側部52を前方に強く押すことができる。
しかも、操作部31が収納ボックス30内に完全に収納されると、蓋80は、図5に示す状態から図6に示すように開口部50を閉塞する。この状態では、図8(C)に示すように、2本の蓋の抜け防止手段91,92の抜け止め用の突起部105が、収納ボックス30の傾斜部106に形成されている係合突起部107にかみ合う。これにより、図1の冷蔵庫1が動作により振動しても、操作部31は、挿入方向Tと反対の方向T1には抜け出ない。
従来の冷蔵庫では、ガイド溝を用いて基板組品をスライドさせてケースカバー内に収納する構造であるので、ガイド溝の精度(個体毎の成形精度、経年変化、取付け精度)によっては、冷蔵庫の稼働中の振動等により、基板組品がケースカバー内で位置ずれを起こすおそれがある。そして、冷蔵庫の稼働中の振動等により、基板組品がガラス面への密着度合に変化が生じて、表示の見え方にバラツキが生じる可能性がある。すなわち、従来の技術では、溝等により基板組品を収納する場合には、溝の精度(個体毎の成形精度、経年変化、取付精度)によって、表示面のガラス面への密着度合に変化が生じ、つまり表示の見え方にバラツキが生じる可能性があった。
これに対して、上述した本発明の実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵庫1は、扉3の前面に配置されたガラス板13と、ガラス板13の後方に設けられて、操作部31を収納する収納部30とを有し、収納部30内で操作部31を前方Pに移動させて、ガラス板13の後面13Nに当接させる移動手段としては好ましくは例えば図5と図6に示す移動手段81,82(より好ましくは移動手段200,250,300,350)を、収納部30内に備える。すなわち、この操作部31は、移動手段により、ガラス板13の後面13Nに設けられた収納ボックス30内において、前方Pに移動させてガラス板13の後面13Nに機械的に当接させるようになっている。これにより、操作部31は、ガラス板13を通じて、使用者に対してクリアに見せることができ、使用者は、操作部31を、ガラス板13を通じて確認しながら操作することができる。すなわち、操作部が冷蔵庫の稼働中の振動等により位置ずれを起こすことを防いで、ガラス板に操作部を確実に当接させることができ、ガラス板から操作部を操作し易くすることができる。本発明の実施形態では、弾性手段により押しつけるようにしていることから(押しつけ量は例えば移動手段81,82を受ける弾性手段の構成や、移動手段81,82の背面に形成される傾斜面の傾斜角度、長さによって調整が可能)、操作部31が収納ボックス30内で、冷蔵庫の稼働中の振動等によって位置ずれする可能性を低くできる。
しかも、上述した本発明の実施形態の冷蔵庫1では、操作部31が冷蔵庫1の稼働中の振動等により収納ボックス30内で位置ずれを起こすことを防いで、ガラス板13に操作部31を確実に接触させることができる。このため、本発明の実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵庫1の稼働中の振動等により、操作部31がガラス板13の後面13Nへの密着度合に変化が生じることが無く、表示の見え方にバラツキが生じないので、使用者はガラス板13から操作部31を操作し易い。
図5と図6に示すように、操作部31と収納ボックス30との間には、移動手段81,82が挿入されることで、操作部31を前方Pに移動させることができる。これにより、移動手段81,82が挿入されることで、従来収納部に基板組品のガイド溝がついている場合には、基板組品の脱挿入を繰り返すうちにガイド溝が擦れてしまうおそれがあるが、本発明の実施形態の冷蔵庫1では、そのような問題は生じない。
図7と図8に示す移動手段81,82、または図7と図8に示す収納ボックス30の背面部100と段差部分101は、好ましくは操作部31が収納ボックス30内に挿入される挿入方向Tに向かって傾斜している。これにより、移動手段81,82を収納ボックス30内に挿入することで、操作部30は徐々にガラス板13の後面13Nに対して、前方Pに移動させることができる。
図7と図8に示す移動手段81,82は、好ましくは操作部31を前方Pに移動させることで押圧するための弾性手段(弾性変形部分81A,82A)を有する。または、図7と図8に示す収納ボックス30では、例えば背面部100と段差部分101が、移動手段81,82を収納ボックス30内に挿入することで弾性変形する弾性手段を有するように構成することができる。これにより、移動手段81,82、または図7と図8に示す収納ボックス30の背面部100と段差部分101は、操作部31を前方Pに弾性力を持たせてガラス板13の後面13Nに対して押圧することができる。このため、操作部31がガラス板13の後面13Nに対して押し当てる状態を、長期にわたって安定させることができる。
操作部31は、縦長であって、移動手段81,82が縦方向に複数ある。これにより、操作部31は縦方向Zに沿って縦長であるにもかかわらず、ガラス板13に反りがあっても、ガラス板13に沿って操作部31を当接させて密着させることができる。
図5に示す移動手段81,82は、上述したように操作部31をガラス板13の後面(裏面)13Nに対して押し付ける機能がある。すなわち、操作部31の遮蔽板40の取付け時の上端部と下端部に対応して設けられた移動手段81,82の弾性手段によって、移動手段81,82を収容ボックス30内に挿入方向Tに沿って差し込むことで、操作部31をガラス板13の後面(裏面)13Nに対して移動して押し付けることができる。
少なくとも、収納ボックス30の背面部100と移動手段81,82の先端の背面のいずれかに傾斜面が設けられていることにより、ガラス板13の後面(裏面)13Nに固定された収納ボックス30によって、操作部31はガラス板13の後面(裏面)13N側に移動して押し付けられる。
図5に示す蓋の抜け防止手段91,92は、移動手段81,82と同様に、操作部31をガラス板13の後面(裏面)13Nに対して移動して押し付ける移動手段としての機能を有するとともに、ガラス板13の反りの防止手段、そして操作部31がT1方向に抜け出ることを防止する抜け止め手段としての機能も有する。
扉キャップ部材32の扉3の側方には、収納ボックス30の開口部50が形成されていて、扉キャップ部材32の移動手段81,82には、開口部50を閉塞するための蓋80が設けられている。これにより、移動手段81,82を収納ボックス30内に挿入する際に、蓋80は開口部50を一緒に閉じることができる。しかも、扉キャップ部材32を収納ボックス30から外すだけで、収納ボックス30内での操作部31の固定状態を解除できる。このため、操作部31を収納ボックス30内から取り出して、メンテナンスを行ったり、交換する場合に、その作業を容易に行うことができる。扉キャップ部材32を収納ボックス30から外すだけで、収納ボックス30内での操作部31の固定が解除される。しかも、操作部31の操作基板41の配線(フレキシブルプリント基板)が、開口部50の近くのみにあるので、操作部31に対するメンテナンス等が行いやすい。
扉キャップ部材32の移動手段81,82は、蓋80が開口部50から外れることを防止する蓋の抜け防止手段91,92を有している。これにより、冷蔵庫1の稼働中の振動等により、蓋80が開口部50から外れない。
操作部31は、収納ボックス30における縦方向Zの位置決めをするための位置決め手段としての挿入部56を有する。これにより、操作部31は縦方向Zに沿って縦長であるにもかかわらず、操作部31は収納ボックス30内において、縦方向Zに位置決めできるので、操作部31はガラス板13の操作箇所に対して位置ずれを起こさない。このため、使用者は冷蔵庫の機能を発揮させようとする押す操作箇所を確実に触れて冷蔵庫の必要とする機能を発揮させることができる。
この位置決め手段は、操作部31の挿入方向Tに、収納ボックス31の相対する位置にある位置決め用の受け部71に対して挿入される挿入部56である。これにより、操作部31は収納ボックス30内に挿入方向Tに沿って挿入するだけで、操作部31の縦方向Zに関する位置決めを確実に行うことができる。
操作部31は、支持部としての遮蔽板40と、遮蔽板40の前面に位置する検出部としての透明電極43と、遮蔽板40の後方に位置する照明手段としてのLED素子41Aとで構成されている。これにより、操作部31は複数の部材で構成されてはいるが、簡単に組み立てることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図示例では、収納ボックス30と操作部31は、観音扉3のガラス板13の内側に配置されているが、これに限らず、ガラス板14,17,18,19,20の後面の少なくとも1つに配置しても良い。また、図1に示す冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。
図示した本発明の実施形態では、操作部のタッチスイッチとしては、使用者が指で触れることによる静電容量の変化を検出する静電容量方式を採用しているが、使用者が指で触れることによる電気抵抗の変化を検出する抵抗膜方式等の任意のタッチパネルが利用できる。
扉キャップ部材32の2本の移動手段81,82は、縦方向Zに関して間隔をおいて、しかも挿入方向Tに沿って形成されているが、これに限らず、3本以上の移動手段を形成するようにしても良い。