以下の説明で例示的な方法、パラメーターなどを示す。ただし、このような説明は本開示の範囲を限定するものとして意図されるものと認識されるべきではなく、例示的な実施形態の説明として提供されるものと認識されるべきである。
本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、治療有効量のBTK阻害剤及び治療有効量のBCL−2阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、BTK阻害剤及びBCL−2阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。
本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、治療有効量のBtk阻害剤及び治療有効量のSyk阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Btk阻害剤及びSyk阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。
本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、治療有効量のSyk阻害剤及び治療有効量のBCL−2阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、ならびにSyk阻害剤及びBCL−2阻害剤を含むキットも提供される。
本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、治療有効量のPI3K−δ阻害剤及び治療有効量のBCL−2阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、PI3K−δ阻害剤及びBCL−2阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。
また、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、Btk阻害剤及びPI3K−δ阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Btk阻害剤及びPI3K−阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。
さらに、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、Btk阻害剤、PI3K−δ阻害剤、及びCD20阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Btk阻害剤、PI3K−δ阻害剤、及びCD20阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。さらに、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、Btk阻害剤、Syk阻害剤、及びCD20阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Btk阻害剤、Syk阻害剤、及びCD20阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。さらに、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、PI3K−δ阻害剤、BCL−2阻害剤、及びCD20阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、PI3K−δ阻害剤、BCL−2阻害剤、及び抗CD20抗体を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。さらに、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、Syk阻害剤、BCL−2阻害剤、及びCD20阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Syk阻害剤、BCL−2阻害剤、及びCD20阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。さらに、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、Btk阻害剤、BCL−2阻害剤、及びCD20阻害剤を投与することを含む方法が提供される。また、Btk阻害剤、BCL−2阻害剤、及びCD20阻害剤を含む組成物(医薬組成物、製剤、または単位投薬を含む)、製造物品、及びキットも提供される。
化合物
いくつかの変形形態では、BTK阻害剤は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物である。化合物A1は、以下の構造を有する。
(A1)
いくつかの変形形態では、BTK阻害剤は、化合物A1の塩酸塩、またはその水和物である。化合物A1は、米国特許第8,557,803号(Yamamoto et al.)及びUS2014/0330015に記載の方法に従って合成することができる。化合物A1は、(R)−6−アミノ−9−(1−(ブタ−2−イノイル)ピロリジン−3−イル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7H−プリン−8(9H)−オン、または6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンと称することができる。
さらなるBtk阻害剤としては、以下に限定するものではないが、イブルチニブ、アカラブルチニブ、HM71224、CNX−774、RN486、及びCC−292が挙げられ得る。
2−(1−((9H−プリン−6−イル)アミノ)プロピル)−5−フルオロ−3−フェニルキナゾリン−4(3H)−オン、またはその医薬的に許容される塩は、PI3K阻害剤、より具体的には、PI3キナーゼデルタ特異的アイソフォーム(PI3Kδ)阻害剤の一例である。このような化合物は、当技術分野でイデラリシブとも称され、本明細書では化合物C1と称する。当該化合物は、以下の構造を有する。
(C1)
一変形形態では、化合物C1は、優勢的にS−エナンチオマーであり、以下の構造を有する。
(C1)S
化合物C1の(S)−エナンチオマーは、その化合物名により、(S)−2−(1−((9H−プリン−6−イル)アミノ)プロピル)−5−フルオロ−3−フェニルキナゾリン−4(3H)−オンとも称することができる。化合物C1は、米国特許第7,932,260号に記載の方法に従って合成することができる。
さらなるPI3K(ホスホイノシチド3−キナーゼ)阻害剤としては、以下に限定するものではないが、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3Kα、及び/またはpan−PI3Kが挙げられ得る。PI3K阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、ウォルトマニン、BKM120、CH5132799、XL756、及びGDC−0980が挙げられる。PI3Kγ阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、ZSTK474、AS252424、LY294002、及びTG100115が挙げられる。PI3Kδ阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、PI3K II、TGR−1202、AMG−319、GSK2269557、X−339、X−414、RP5090、KAR4141、XL499、OXY111A、デュベリシブ(すなわちIPI−145)、IPI−443、ならびにWO2005/113556(ICOS)、WO2013/052699(Gilead Calistoga)、WO2013/116562(Gilead Calistoga)、WO2014/100765(Gilead Calistoga)、WO2014/100767(Gilead Calistoga)、及びWO2014/201409(Gilead Sciences)に記載の化合物が挙げられる。PI3Kβ阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、GSK2636771、BAY10824391、及びTGX221が挙げられる。PI3Kα阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、ブパルリシブ、BAY80−6946、BYL719、PX−866、RG7604、MLN1117、WX−037、AEZA−129、及びPA799が挙げられる。pan−PI3K阻害剤の例としては、以下に限定するものではないが、LY294002、BEZ235、XL147(SAR245408)、及びGDC−0941が挙げられる。
いくつかの変形形態では、BCL−2阻害剤は、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩である。
化合物B1は、ABT−199、4−[4−[[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[3−ニトロ−4−[[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]アミノ]フェニル]スルホニル]−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルオキシ)−ベンズアミド、GDC0199、及びベネトクラックスの別名でも知られ、以下の構造を有する。
(B1)
化合物B2は、4−(4−((4’−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−N−((4−((4−(ジメチルアミノ)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)スルホニル)ベンズアミドと称することができ、以下の構造を有する。
(B2)
化合物B3は、以下の構造を有する。
(B3)
いくつかの変形形態では、Syk阻害剤は、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩であり、エントスプレチニブ、GS−9973、及び6−(1H−インダゾール−6−イル)−N−(4−モルホリノフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−アミンの別名でも知られる。
化合物D1は、以下の構造を有する。
(D1)
いくつかの実施形態では、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、Syk阻害剤は、式II:
の化合物である(式中、
R1は、
、
、
、及び
からなる群から選択され、
は、R1が接続している指示フェニル環の炭素原子を示し、
R2は、Hまたは2−ヒドロキシエトキシルであり、
R3は、Hまたはメチルであり、
R4は、Hまたはメチルである)
との組み合わせを投与することを含む、前記方法。
式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶に関する、処置方法、医薬組成物、または治療レジメンへの言及を含めた、本明細書における実施形態への各言及内には、式(II)の化合物において、各R2、R3、及びR4がHであり、R1が上記で定義の通りである、さらなる実施形態が各実施形態内に存在することを理解されたい。
式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶に関する、処置方法、医薬組成物、または治療レジメンへの言及を含めた、本明細書における実施形態への各言及内には、式(II)の化合物において、R2がHであり、R3がメチルであり、R4がHであり、R1が上記で定義の通りである、さらなる実施形態が各実施形態内に存在することを理解されたい。
式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶に関する、処置方法、医薬組成物、または治療レジメンへの言及を含めた、本明細書における実施形態への各言及内には、式(II)の化合物において、R2がHであり、R3がHであり、R4がメチルであり、R1が上記で定義の通りである、さらなる実施形態が各実施形態内に存在することを理解されたい。
式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶に関する、処置方法、医薬組成物、または治療レジメンへの言及を含めた、本明細書における実施形態への各言及内には、式(II)の化合物において、R2が2−ヒドロキシエトキシルであり、R3がメチルであり、R4がHであり、R1が上記で定義の通りである、さらなる実施形態が各実施形態内に存在することを理解されたい。
式(II)の化合物に関する処置方法、医薬組成物、または治療レジメンへの言及を含めた、本明細書における実施形態への各言及内には、式(II)の化合物が個々に、
6−(6−アミノ−5−メチルピラジン−2−イル)−N−(4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−アミン、
6−(6−アミノピラジン−2−イル)−N−(4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−アミン、
(R)−(4−(4−((6−(6−アミノピラジン−2−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−イル)アミノ)フェニル)モルホリン−2−イル)メタノール、
6−(6−アミノピラジン−2−イル)−5−メチル−N−(4−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−アミン、
2−(5−((6−(6−アミノピラジン−2−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−イル)アミノ)−2−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)エタノール、
2−(4−(4−((6−(6−アミノピラジン−2−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−イル)アミノ)フェニル)ピペラジン−1−イル)メチル)プロパン−1,3−ジオール、または
2−(5−((6−(6−アミノ−5−メチルピラジン−2−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−8−イル)アミノ)−2−(4−(オキセタン−3−イル)ピペラジン−1−イル)フェノキシ)エタノール、
またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶
を含む、別々の処置、医薬組成物、または治療レジメンが各実施形態内に存在することを理解されたい。
SYK(脾臓チロシンキナーゼ)阻害剤の他の例としては、以下に限定するものではないが、タマチニブ(R406)、フォスタマチニブ(R788)、PRT062607、BAY−61−3606、NVP−QAB205AA、R112、R343、及びUS8450321(Gilead Connecticut)に記載のものが挙げられる。
化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1の化合物、または本明細書で開示される式(II)の範囲内の具体的な化合物の例を含めた式IIの化合物、に関する処置方法、医薬組成物、キット、レジメン、及び他の使用を含めた、本明細書で開示される各実施形態については、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、あるいは式IIの化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶への言及には、そのような化合物の医薬的に許容されるエステル、医薬的に許容される溶媒和物、水和物、異性体(光学異性体、ラセミ体、またはこれらの他の混合物を含む)、互変異性体、アイソトープ、多形体、及び医薬的に許容されるプロドラッグも含まれることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、化合物C1(S)及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B2、またはその医薬的に許容される塩は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。さらに他の実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物B1と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物B2と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及び化合物B3と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物と組み合わせて使用される。他の実施形態では、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、及びオビヌツズマブと組み合わせて使用される。
化合物B1、B2、及びB3は市販されており、これらの合成方法は当技術分野において周知である。例えば、化合物B1、B2、及びB3は、米国特許出願公開第2010/0305122号、同第2007/0072860号、または同第2007/0027135号に従って合成することができる。その化学構造に加えて、化合物B1は、(4−(4−{[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)−N−({3−ニトロ−4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル−オキシ)ベンズアミド)とも称するまたは識別することができ、化合物B2は、4−(4−((4’−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−N−((4−((4−(ジメチルアミノ)−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−ニトロフェニル)スルホニル)ベンズアミドと称するまたは識別することができ、化合物B3は、(R)−4−(4−((4’−クロロ−4,4−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−N−((4−((4−モルホリノ−1−(フェニルチオ)ブタン−2−イル)アミノ)−3−((トリフルオロメチル)スルホニル)フェニル)スルホニル)ベンズアミドと称するまたは識別することができる。
一変形形態では、BCL−2阻害剤は、(4−(4−{[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)−N−({3−ニトロ−4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル−オキシ)ベンズアミド)、またはその医薬的に許容される塩である。
別の変形形態では、BCL−2阻害剤は、4−[4−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3−ニトロフェニル]スルホニル]ベンズアミド、またはその医薬的に許容される塩である。
別の変形形態では、BCL−2阻害剤は、4−[4−[[2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(4−モルホリニル)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3[(トリフルオロメチル)スルホニル]フェニル]スルホニル]ベンズアミド、またはその医薬的に許容される塩である。
本明細書で提供される化合物名は、ChemBioDraw Ultra 12.0を用いて命名されている。当業者は、化合物が、一般に認識されている様々な命名体系及び記号を用いて命名または識別され得ることを理解している。例として、化合物は、一般名、系統名、または非系統名により命名または識別され得る。化学分野で一般に認識されている命名体系及び記号としては、例えば、ケミカルアブストラクツサービス(CAS)、ChemBioDraw Ultra、及び国際純正・応用化学連合(IUPAC)が挙げられる。例として、ABT−199は、CASにより1257044−40−8、ChemBioDraw Ultraにより((1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)オキシ)−4−(4−((4’−クロロ−5,5−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−N−((3−ニトロ−4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)アミノ)フェニル)スルホニル)ベンズアミド、IUPACにより4−(4−{[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]メチル}−1−ピペラジニル)−N−({3−ニトロ−4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)−2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルオキシ)ベンズアミドと称することができる。また、ABT−199は、ベネトクラックス(venetoclax or Venetoclax)と称することもできる。
また、本明細書では、これより詳述する同位体的に標識された形態の化合物も提供される。同位体的に標識された化合物の構造は、本明細書で示す式に対し、1つ以上の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている点が異なる式により、表される。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン(phosphorous)、フッ素、及び塩素の同位体、例えば、以下に限定するものではないが、2H(重水素、D)、3H(三重水素)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125I、が挙げられる。様々な、同位体的に標識された本開示の化合物、例えば、3H、13C及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物、が提供される。このような同位体的に標識された化合物は、代謝研究、反応動力学研究、検出または撮像技法、例えば陽電子放出断層撮影法(PET)または単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)(薬物または基質の組織分布アッセイを含む)においても、対象(例えば、ヒト)の放射性処置においても有用であり得る。また、任意の医薬的に許容される塩または水和物も、場合によっては、本明細書に記載の同位体的に標識された化合物用に提供される。
いくつかの変形形態では、本明細書で開示の化合物は、炭素原子に接続している1〜n個の水素が重水素により置き換えられる(nは、分子中の水素の数である)ように変動し得る。このような化合物は、代謝に対する耐性増加を示す可能性があるため、哺乳類に投与する際に化合物の半減期を増加させるのに有用である。例えば、Foster,“Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism”,Trends Pharmacol.Sci.5(12):524−527(1984)を参照。このような化合物は、当技術分野で周知の手段により、例えば、1つ以上の水素が重水素で置き換えられた出発材料を用いることにより、合成される。
本開示における、重水素で標識または置換された治療化合物は、吸収、分布、代謝、及び排泄(ADME)に関して向上したDMPK(薬物代謝及び薬物動態)特性を有し得る。重水素などの、より重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性(例えば、生体内の半減期増加、投薬要件の低減、及び/または治療指数の向上)に起因する、ある特定の治療的利点をもたらすことができる。18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究に有用であり得る。本開示における同位体的に標識された化合物は、概して、スキームまたは実施例で開示される手順及び以下に記載の調製法を、同位体的に標識されていない試薬の代わりに容易に入手可能な同位体的に標識された試薬を用いて実行することにより、調製することができる。この文脈における重水素は、本明細書で提供される化合物における置換基とみなされるということを理解されたい。
このような、より重い同位体(具体的には重水素)の濃縮は、同位体豊富化因子(isotopic enrichment factor)により定義することができる。本開示の化合物において、特定の同位体として具体的に指定されない原子は、その原子の任意の安定な同位体を表すように意図されている。別段の明記がない限り、ある位置が具体的に「H」または「水素」と指定されている場合、その位置は、自然存在比の同位体組成物における水素を有するものと理解される。したがって、本開示の化合物において、重水素(D)として具体的に指定されている任意の原子は、重水素を表すように意図されている。
ある物質に対し「医薬的に許容される」という用語は、その物質が概して、妥当な利益/リスク比率に対応して、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく、使用する上で安全かつ好適とみなされることを指す。本明細書で使用する「医薬的に許容される」とは、生物学的にまたは別の意味で望ましくなくはない材料を指し、例えば、このような材料は、患者に投与する医薬組成物に組み込むことができ、いかなる顕著な望ましくない生物学的影響をもたらすこともなく、自らが含まれる組成物のいかなる他の構成成分とも有害な様式で相互作用することもない。医薬的に許容されるビヒクル(例えば、担体、アジュバント、及び/または他の添加剤)は、毒性試験及び製造試験の要求基準を満たしていることが好ましく、かつ/または米国食品医薬品局が作成したInactive Ingredient Guideに含まれている。
「医薬的に許容される塩」とは、医薬的に許容され、かつ親化合物の望ましい薬理活性を所持する(またはそれを所持する形態に変換され得る)化合物の塩を指す。このような塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)により形成された酸付加塩、または有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸など)により形成された酸付加塩、及び親化合物内に存在する酸プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン)もしくはアルミニウムイオンのいずれかにより置き換えられた場合に、または有機塩基(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなど)と配位した場合に形成される塩、が挙げられる。「医薬的に許容される塩」としては、例えば、無機酸による塩及び有機酸による塩が挙げられる。塩の例としては、塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メシル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、及びアルカン酸塩(例えば酢酸塩、HOOC−(CH2)n−COOH(式中、nは0〜4である))が挙げられ得る。加えて、本明細書に記載の化合物を酸付加塩として取得する場合、当該酸塩の溶液を塩基性化することにより遊離塩基を得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、酸付加塩、特に医薬的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための従来的手順に従って、好適な有機溶媒にこの遊離塩基を溶解し、この溶液を酸で処置することにより、生成することができる。アンモニウム、及び置換または4級化されたアンモニウム塩も、この定義に含まれる。医薬的に許容される塩における、代表的な非限定的一覧は、S.M.Berge et al.,J.Pharma Sci.,66(1),1−19(1977)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,R.Hendrickson,ed.,21st edition,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA,(2005),at p.732,Table 38−5に見いだすことができる。これらは共に、参照によって本明細書に組み込まれる。当業者であれば、無毒の医薬的に許容される付加塩の調製に使用することができる様々な合成方法論を認識することになる。
「有効量」、「医薬有効量」、及び「治療有効量」という用語は、所望の生物学的または医学的反応の誘発に有効であり得る量を指し、疾患処置のために対象に投与する場合に、このような疾患処置に影響を及ぼす程度に十分な化合物の量を含む。有効量は、化合物、疾患、及びその重症度、ならびに処置を行う対象の年齢、体重などに応じて変動することになる。有効量には、量の範囲も含まれ得る。医薬有効量には、他の薬剤と合わせた際に有効である薬剤の量が含まれる。
「処置」または「処置すること」は、有益なまたは望ましい結果(臨床的結果を含む)を得るためのアプローチである。有益なまたは望ましい臨床的結果には、以下のうちの1つ以上が含まれ得る:
(i)疾患に起因する1つ以上の症状の減少、
(ii)疾患程度の縮小及び/または疾患の安定化(例えば、疾患悪化の遅延)、
(iii)疾患拡散の遅延、
(iv)疾患の発症もしくは再発の遅延もしくは緩徐化、及び/または疾患の進行の遅延もしくは緩徐化、
(v)疾患状態の改善及び/もしくは疾患の(部分的もしくは全体的)寛解の提供、ならびに/または疾患処置に要する1つ以上の他の薬品における用量の減少、
(vi)クオリティーオブライフの上昇、
(vii)生存期間の延長、
(iix)疾患または状態に関連した1つ以上の臨床症状発達の緩徐化または抑止(例えば、疾患もしくは状態の安定化、疾患もしくは状態における悪化もしくは進行の予防もしくは遅延、及び/または疾患もしくは状態における拡散(例えば、転移)の予防もしくは遅延)、ならびに/あるいは
(ix)疾患の軽減、すなわち、臨床症状の退化をもたらすこと(例えば、疾患状態の改善、疾患もしくは状態の部分的もしくは全体的寛解の提供、他の薬品の効果強化、疾患進行の遅延、クオリティーオブライフの上昇、及び/または生存期間の延長)。いかなる仮説にも理論にも拘泥するわけではないが、1つ以上の薬剤(例えば、化合物A1、化合物B1、化合物C1(S)、化合物D1、及び/またはオビヌツズマブ)を含む、本明細書に記載の方法は、以下に限定するものではないが、より短い処置期間、がんにおける微小残存病変の低減もしくは最小化、がん耐性の低減もしくは最小化、生存率の増加、症状の減少、またはがん発生の緩徐化を含めた、予想外の処置利点をもたらすことができる。
疾患または状態の発達の「遅延(delaying)」とは、疾患または状態の発達を延期する、妨害する、緩徐化する、遅らせる、安定化させる、かつ/または延ばすことを意味する。この遅延は、疾患もしくは状態の履歴、及び/または処置する患者に応じて、時間の長さが異なり得る。疾患または状態の発達を「遅延させる」方法とは、その方法を使用しない場合と比較して、所定の時間枠における疾患もしくは状態の発達の可能性を低減する、かつ/または所定の時間枠における疾患もしくは状態の程度を低減する方法である。このような比較は、典型的には、統計的に有意な数の対象を用いた臨床研究に基づいている。疾患または状態の発達は、通例の理学的検査、マンモグラフィー、撮像、または生検などの標準的な方法を用いて、検出可能と考えられる。また、発達は、当初は検出不可能であり得る疾患または状態の進行も指す場合があり、発生、再発、及び発症を含む。
本明細書に記載の方法で使用するための、式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶は、式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶、及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在していてもよい。医薬的に許容されるビヒクルとしては、医薬的に許容される担体、アジュバント、及び/または他の添加剤を挙げることができ、他の成分も、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容体に有害でない限りにおいて、医薬的に許容されるものとみなすことができる。
本明細書に記載の、式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の医薬組成物は、任意の従来的方法、例えば、混合、溶解、造粒、ドラジェ作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入、融解紡糸、噴霧乾燥、または凍結乾燥のプロセス、を用いて製造することができる。最適な医薬組成物は、投与経路及び所望の投薬量に応じて、当業者により決定することができる。このような製剤は、投与する薬剤の物理的状態、安定性、生体内放出速度、生体内クリアランス速度に影響を及ぼし得る。処置する状態に応じて、これらの医薬組成物は、全身的にも局所的にも製剤化し投与することができる。
「担体」という用語は、希釈剤、崩壊剤、沈殿阻害剤、界面活性剤、流動化剤、結合剤、滑沢剤、ならびに化合物の投与に用いる他の添加剤及びビヒクルを指す。担体は、本明細書に概要が記載されているが、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」にも記載されている。担体の例としては、以下に限定するものではないが、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシステアリン酸ヒドロキシオクタコサニル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、乳糖一水和物、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、微結晶性セルロース、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー407、ポビドン、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、シリコーン、シリコーン接着剤4102、及びシリコーンエマルジョンが挙げられる。ただし、医薬組成物用に選択される担体、及び組成物におけるこのような担体の量は、製剤方法(例えば、乾式製粒製剤、固体分散製剤)に応じて変動し得ることを理解されたい。
「希釈剤」という用語は、概して、目的化合物を送達前に希釈するのに使用される物質を指す。希釈剤は、化合物の安定化にも役立ち得る。希釈剤の例としては、デンプン、糖類、二糖類、ショ糖、乳糖、多糖類、セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、糖アルコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、微結晶性セルロース、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、乳糖、乳糖一水和物、リン酸二カルシウム、セルロース、圧縮糖(compressible sugar)、第2リン酸カルシウム無水物、マンニトール、微結晶性セルロース、及び第3リン酸カルシウムが挙げられ得る。
「崩壊剤」という用語は、概して、固体調製物に添加すると、投与後のその解体または崩壊を容易にし、活性成分を可能な限り効率的に放出して急速に溶解できるようにする物質を指す。崩壊剤の例としては、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、微結晶性セルロース、修飾コーンデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ポピドン、アルファ化デンプン、及びアルギン酸が挙げられ得る。
「沈殿阻害剤」という用語は、概して、過飽和溶液からの活性薬剤の沈殿を防止または阻害する物質を指す。沈殿防止剤の一例に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が挙げられる。
「界面活性剤」という用語は、概して、液体と固体との間の表面張力を低下させ、活性薬剤の湿潤性を向上させる、または活性薬剤の溶解度を向上させると考えられる物質を指す。界面活性剤の例としては、ポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
「流動化剤」という用語は、概して、タブレット成型中の流動特性を向上させるために、及び固化防止効果をもたらすために、タブレット及びカプセル製剤で使用される物質を指す。流動化剤の例としては、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ヒュームド・シリカ、デンプン、デンプン誘導体、及びベントナイトが挙げられ得る。
「結合剤」という用語は、概して、担体における活性構成成分及び不活性構成成分を共に結合して粘着部分及び離散部分を維持するために使用され得る、任意の医薬的に許容されるフィルムを指す。結合剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポピドン、コポピドン、及びエチルセルロースが挙げられ得る。
「滑沢剤」という用語は、概して、圧縮された粉末の塊がタブレット化またはカプセル化のプロセス中に機器に固着するのを防止するために、粉末ブレンドに添加される物質を指す。滑沢剤は、ダイからのタブレットの抜き出しを助けることができ、また粉末流動性を向上させることができる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、脂肪、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、フマル酸ステアリルナトリウム、またはタルク、ならびにラウリン酸、オレイン酸、及びC8/C10脂肪酸を含めた脂肪酸などの溶解剤が挙げられ得る。
治療有効量は、対象、及び処置する疾患または状態、対象の体重及び年齢、疾患または状態の重症度、ならびに投与様式に応じて変動し得るが、当業者はこれを容易に決定することができる。
本明細書で提供される化合物、すなわち、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における、本明細書に記載の投薬レジメンは、徴候、投与経路、及び状態の重症度に応じて変動し得る。本明細書で提供される方法における、式A1の化合物、及び式D1もしくは式IIのSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における投薬レジメンは、例えば、徴候、投与経路、及び状態の重症度に応じて変動し得る。投与経路に応じて、好適な用量は、体重、体表面積、または器官のサイズにより算出することができる。最終的な投薬レジメンは、主治医により、適正な医療行為に鑑みて、薬物の作用を変更する様々な要素、例えば、化合物の特定の作用、疾患状態の同一性及び重症度、対象の反応性、対象の年齢、状態、体重、性別、及び食事、ならびに任意の感染の重症度、を考慮して決定される。考慮され得る追加的な要素としては、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ、反応感受性、及び療法に対する寛容性/反応が挙げられる。本明細書で言及される製剤のいずれかを伴う、処置に適切な用量のさらなる改良は、開業医により、過度の実験をすることなく、特に、投薬情報及び開示されるアッセイ、加えてヒトの臨床試験で観察された薬物動態データを踏まえて、日常的に行われる。適切な用量は、用量反応データと共に、体液または他のサンプルにおける薬剤濃度を決定するための、確立されたアッセイを使用することにより、確認することができる。
選択された製剤及び投与経路は、個々の対象、対象における処置すべき状態の性質、及び一般的には担当開業医の判断、に合わせて工夫され得る。
式A1、式D1、または式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。本明細書で使用する「用量」とは、対象(例えば、ヒト)が各回に使用する活性成分(例えば、式A1、式D1、または式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶)の総量を指す。投与用量、例えば上述の経口投与用の用量は、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、または1日4回を超えて投与することができる。同様に、本明細書に記載の化合物、すなわち、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における、医薬有効量または治療有効量は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。いくつかの実施形態では、式A1、式D1、または式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の用量は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、式A1、式D1、または式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の用量は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の用量は、1日1回投与される。いくつかの追加的な実施形態では、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の用量は、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、式D1または式IIのSyk阻害剤化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における、ヒト対象用の例示的な用量は、約1mg〜約5000mg、約1mg〜約4000mg、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約2000mg、約2mg〜約2000mg、約5mg〜約2000mg、約10mg〜約2000mg、約1mg〜約1000mg、約2mg〜約1000mg、約5mg〜約1000mg、約10mg〜約1000mg、約25mg〜約1000mg、約50mg〜約1000mg、約75mg〜約1000mg、約100mg〜約1000mg、約125mg〜約1000mg、約150mg〜約1000mg、約175mg〜約1000mg、約200mg〜約1000mg、約225mg〜約1000mg、約250mg〜約1000mg、約300mg〜約1000mg、約350mg〜約1000mg、約400mg〜約1000mg、約450mg〜約1000mg、約500mg〜約1000mg、約550mg〜約1000mg、約600mg〜約1000mg、約650mg〜約1000mg、約700mg〜約1000mg、約750mg〜約1000mg、約800mg〜約1000mg、約850mg〜約1000mg、約900mg〜約1000mg、約950mg〜約1000mg、約1mg〜約750mg、約2mg〜約750mg、約5mg〜約750mg、約10mg〜約750mg、約25mg〜約750mg、約50mg〜約750mg、約75mg〜約750mg、約100mg〜約750mg、約125mg〜約750mg、約150mg〜約750mg、約175mg〜約750mg、約200mg〜約750mg、約225mg〜約750mg、約250mg〜約750mg、約300mg〜約750mg、約350mg〜約750mg、約400mg〜約750mg、約450mg〜約750mg、約500mg〜約750mg、約550mg〜約750mg、約600mg〜約750mg、約650mg〜約750mg、約700mg〜約750mg、約1mg〜約500mg、約2mg〜約500mg、約5mg〜約500mg、約10mg〜約500mg、約25mg〜約500mg、約50mg〜約500mg、約75mg〜約500mg、約100mg〜約500mg、約125mg〜約500mg、約150mg〜約500mg、約175mg〜約500mg、約200mg〜約500mg、約225mg〜約500mg、約250mg〜約500mg、約300mg〜約500mg、約350mg〜約500mg、約400mg〜約500mg、約450mg〜約500mg、約1mg〜約400mg、約2mg〜約400mg、約5mg〜約400mg、約10mg〜約400mg、約25mg〜約400mg、約50mg〜約400mg、約75mg〜約400mg、約100mg〜約400mg、約125mg〜約400mg、約150mg〜約400mg、約175mg〜約400mg、約200mg〜約400mg、約225mg〜約400mg、約250mg〜約400mg、約300mg〜約400mg、約350mg〜約400mg、約1mg〜約300mg、約2mg〜約300mg、約5mg〜約300mg、約10mg〜約300mg、約25mg〜約300mg、約50mg〜約300mg、約75mg〜約300mg、約100mg〜約300mg、約125mg〜約300mg、約150mg〜約300mg、約175mg〜約300mg、約200mg〜約300mg、約225mg〜約300mg、約250mg〜約300mg、約1mg〜約250mg、約2mg〜約250mg、約5mg〜約250mg、約10mg〜約250mg、約25mg〜約250mg、約50mg〜約250mg、約75mg〜約250mg、約100mg〜約250mg、約125mg〜約250mg、約150mg〜約250mg、約175mg〜約250mg、約200mg〜約250mg、約225mg〜約250mg、約1mg〜約225mg、約2mg〜約225mg、約5mg〜約225mg、約10mg〜約225mg、約25mg〜約225mg、約50mg〜約225mg、約75mg〜約225mg、約100mg〜約225mg、約125mg〜約225mg、約150mg〜約225mg、約175mg〜約225mg、約200mg〜約225mg、約1mg〜約200mg、約2mg〜約200mg、約5mg〜約200mg、約10mg〜約200mg、約25mg〜約200mg、約50mg〜約200mg、約75mg〜約200mg、約100mg〜約200mg、約125mg〜約200mg、約150mg〜約200mg、約175mg〜約200mg、約180mg〜約200mg、約1mg〜約175mg、約2mg〜約175mg、約5mg〜約175mg、約10mg〜約175mg、約25mg〜約175mg、約50mg〜約175mg、約75mg〜約175mg、約100mg〜約175mg、約125mg〜約175mg、約150mg〜約175mg、約1mg〜約150mg、約2mg〜約150mg、約5mg〜約150mg、約10mg〜約150mg、約25mg〜約150mg、約50mg〜約150mg、約75mg〜約150mg、約100mg〜約150mg、約125mg〜約150mg、約1mg〜約125mg、約2mg〜約125mg、約5mg〜約125mg、約10mg〜約125mg、約25mg〜約125mg、約50mg〜約125mg、約75mg〜約125mg、約100mg〜約125mg、約1mg〜約100mg、約2mg〜約100mg、約5mg〜約100mg、約10mg〜約100mg、約25mg〜約100mg、約50mg〜約100mg、約60mg〜約100mg、または約75mg〜約100mgとすることができる。
いくつかの実施形態では、式D1もしくは式IIのSyk阻害剤化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における、ヒト対象用の例示的な用量は、約1mg、約2mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約225mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1200mg、約1400mg、約1600mg、約1800mg、約2000mg、約2200mg、約2400mg、約2600mg、約2800mg、約3000mg、約3200mg、約3400mg、約3600mg、約3800mg、約4000mg、約4200mg、約4400mg、約4600mg、約4800mg、または約5000mgとすることができる。ある特定の実施形態では、SYK阻害化合物(例えば、化合物D1)は、1日1回、200mgまたは400mgの用量で投与される。一実施形態では、SYK阻害化合物(例えば、化合物D1)は、1日2回、200mgまたは400mgの用量で投与される。
他の実施形態では、提供される方法は、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶について、臨床有効性が達成される用量を投与すること、または有効性が維持され得るレベルまで一定量ずつ用量を低減することを含む。他の実施形態では、提供される方法は、式A1、式D1、もしくは式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶について、臨床有効性が達成される用量を投与すること、または有効性が維持され得るレベルまで一定量ずつ用量を低減することにより、対象(例えば、ヒト)の処置を継続することを含む。いくつかの実施形態では、提供される方法は、対象(例えば、ヒト)に、初回の1日用量として、50mg〜約500mgの式D1もしくは式IIのSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶、あるいは代替的実施形態では、100mg〜1000mgの式A1もしくは式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶を投与することと、後続の1日用量として、式D1もしくは式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶を、各後続の一日用量を25mg〜300mgずつ、または50mg〜約400mgずつ増加させて、少なくとも6日にわたり投与することと、を含む。したがって、式D1もしくは式IIのSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶は、臨床有効性が達成されるまで一定量ずつ増加させてもよいことも、理解すべきである。約10mg、約25mg、約50mg、約100mg、または約125mg、または約150mg、または約200mg、または約250mg、または約300mgの増加分を用量の増加に使用することができる。用量は、1日ごと、1日おき、週当たり2、3、4、5、もしくは6回、または週当たり1回、増加させてもよい。式D1もしくは式IIのSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の初回用量は、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、または500mgから選択することができ、それぞれ1日当たり1、2、または3回投与することができる。加えて、化合物B1、化合物B2、及び化合物B3のBCL阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の初回用量は、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、または420mgから選択することができ、それぞれ1日当たり1、2、または3回投与することができる。また、化合物A1及び化合物A1(S)のPI3K−δ阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の初回用量は、50mg、100mg、150、200mg、または300mgから選択することができ、それぞれ1日当たり1、2、または3回投与することができる。さらに、化合物A1のBTK阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の初回用量は、20mg、40mg、80mg、150mg、200mg、または250mgから選択することができ、それぞれ1日当たり1、2、または3回投与することができる。
投薬の頻度は、投与する化合物の薬物動態パラメーター、投与経路、及び処置する特定の疾患に依存することになる。また、投薬の用量及び頻度は、薬物動態及び薬物力学にも依存し得、さらに毒性及び治療効率のデータにも依存し得る。例えば、式D1もしくは式(II)のSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶についての薬物動態及び薬物力学の情報は、臨床前における生体外及び生体内の研究を通じて収集し、その後臨床試験過程中にヒトにおいて確認することができる。したがって、本明細書で提供される方法で使用する、式D1もしくは式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶についての治療有効用量は、最初に生化学的及び/または細胞ベースのアッセイから推定することができる。同様に、本明細書で提供される方法で使用する、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶についての治療有効用量は、最初に生化学的及び/または細胞ベースのアッセイから推定することができる。次に、投薬量は、動物モデルにおいて、Syk発現または活性を調節する所望の血中濃度範囲を達成するように製剤化することができる。ヒト研究の実施に伴い、様々な疾患及び状態についての適切な投薬レベル及び処置持続期間に関するさらなる情報が新たに生じることになる。
式D1もしくは式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における毒性及び治療有効性は、例えば、LD50の決定(個体群の50%に対する致死的用量)及びED50の決定(個体群の50%において治療的に有効な用量)に関し、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。また、化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶における毒性及び治療有効性も、例えば、LD50の決定(個体群の50%に対する致死的用量)及びED50の決定(個体群の50%において治療的に有効な用量)に関し、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、典型的にはLD50/ED50の比率として表される「治療指数」である。高い治療指数を示す化合物、すなわち、毒性用量が有効用量よりも実質的に高い化合物が好ましい。このような細胞培養アッセイ及び追加的な動物研究から得られたデータは、ヒト用の投薬量範囲を製剤化するために使用することができる。このような化合物の用量は、毒性がわずかであるか全くないED50を含む血中濃度の範囲内であることが好ましい。
式A1、式D1、及び式(II)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶を含む組成物(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)は、調製し、適切な容器に入れ、指示条件の処置用にラベルを付すことができる。したがって、式A1の化合物の単位剤形と、式D1もしくは式IIの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の単位剤形、及び当該化合物の使用説明を含むラベルを含む容器のような製造物品も、提供される。いくつかの実施形態では、製造物品は、式D1もしくは式IIのSyk阻害化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶、及び医薬的に許容される少なくとも1種のビヒクルの単位剤形と、式A1の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶、及び医薬的に許容される少なくとも1種のビヒクルの単位剤形と、を含む容器である。また、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶を含む組成物(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)も、調製し、適切な容器に入れ、指示条件の処置用にラベルを付すことができる。したがって、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩もしくは共結晶の単位剤形、及び当該化合物の使用説明を含むラベルを含む容器のような製造物品も、提供される。
製造物品は、本開示で提供される医薬組成物を含有する瓶、バイアル、アンプル、使い捨てアプリケーターなどとすることができる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成することができ、一態様では、がんまたは炎症状態の処置で使用するための指示を表示する、容器に貼るまたは容器と対応づけるラベルも含む。活性成分は、アルミニウム箔バッグのような、化学的及び物理的安定性を向上できる任意の材料内にパッケージングしてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、ラベルに表示する疾患及び状態には、例えばがん処置が含まれ得る。
処置方法
本明細書に記載のBTK及びBCL−2阻害剤は、組み合わせ療法に使用することができる。したがって、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、本明細書に記載の治療有効量のBTK阻害剤及び治療有効量のBCL−2阻害剤を投与することを含む方法が提供される。
本明細書に記載のPI3K及びBCL−2阻害剤は、組み合わせ療法に使用することができる。したがって、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、本明細書に記載の治療有効量のPI3K阻害剤及び治療有効量のBCL−2阻害剤を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、Btk及びPI3Kデルタ阻害剤の組み合わせは、さらにオビヌツズマブと組み合わせることができる。他の実施形態では、Btk及びPI3Kデルタ阻害剤の組み合わせは、さらにABT−199と組み合わせることができる。一実施形態では、化合物C1(S)は、本明細書に記載の方法によりABT−199と組み合わせることができる。いくつかの他の実施形態では、化合物A1及び化合物C1(S)の組み合わせは、さらにオビヌツズマブと組み合わせることができる。他の実施形態では、化合物A1及び化合物C1(S)の組み合わせは、さらにABT−199と組み合わせることができる。
本明細書に記載のBtk及びSyk阻害剤は、組み合わせ療法に使用することができる。したがって、本明細書では、必要としているヒトにおけるがん処置の方法であって、当該ヒトに、本明細書に記載の治療有効量のBTK阻害剤及び治療有効量のSyk阻害剤を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、Btk及びSyk阻害剤の組み合わせは、さらにオビヌツズマブと組み合わせることができる。他の実施形態では、Btk及びSyk阻害剤の組み合わせは、さらにABT−199と組み合わせることができる。一実施形態では、化合物A1は、本明細書に記載の方法により化合物D1と組み合わせることができる。ある特定の実施形態では、化合物A1及び化合物D1の組み合わせは、さらにオビヌツズマブと組み合わせることができる。ある特定の他の実施形態では、化合物A1及び化合物D1の組み合わせは、さらにABT−199と組み合わせることができる。
本明細書に記載のBtk(BTK阻害剤とも称することができる)は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載のPI3Kデルタ(PI3K−デルタ、PI3K−δ、またはPI3Kδとも称することができる)阻害剤は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載のSyk(SYKとも称することができる)阻害剤は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、化合物A1は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。他の実施形態では、化合物C1(S)は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。追加的な実施形態では、化合物D1は、オビヌツズマブ及び/またはABT−199と組み合わせて使用することができる。
がん
いくつかの実施形態では、がんは、B細胞がんである。いくつかの実施形態では、がんは、がん腫、肉腫、黒色腫、リンパ腫、または白血病である。他の実施形態では、がんは、血液の悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病)、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)、または多発性骨髄腫である。他の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
いくつかの実施形態では、がんは、がん腫、肉腫、黒色腫、リンパ腫、または白血病である。他の実施形態では、がんは、血液の悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病)、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫)、または多発性骨髄腫である。他の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。
いくつかの変形形態では、がんは、小リンパ球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、抵抗性iNHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞性リンパ腫(+/−絨毛リンパ球)、結節辺縁帯リンパ腫(+/−単球様B細胞)、粘膜関連リンパ組織タイプの結節外辺縁帯B細胞性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、結節外T細胞性リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性T細胞性リンパ腫、菌状息肉腫、B細胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、多発骨髄腫、プラズマ細胞腫、急性リンパ球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、若年性単球性白血病、微小残存病変、毛様細胞白血病、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、またはワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。いくつかの変形形態では、がんは、微小残存病変(MRD)である。ある特定の変形形態では、MRDは、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫もしくは低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、またはびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)とすることができる。
いくつかの変形形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、または抵抗性iNHLである。いくつかの変形形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫または低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)である。
いくつかの変形形態では、がんは、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、またはワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
いくつかの変形形態では、がんは、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫、または慢性リンパ性白血病である。ある特定の変形形態では、がんは、慢性リンパ性白血病(CLL)である。
いくつかの実施形態では、がんは、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、B細胞リンパ腫またはB細胞白血病である。いくつかの変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、非胚中心B細胞性リンパ腫(GCB)、またはびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)である。
いくつかの変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)である。一変形形態では、DLBCLは、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(ABC−DLBCL)である。別の変形形態では、DLBCLは、胚中心B細胞様びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(GCB−DLBCL)である。
他の変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、慢性リンパ性白血病(CLL)である。他の変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、マントル細胞リンパ腫(MCL)である。さらに他の変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)である。
いくつかの変形形態では、B細胞悪性腫瘍は、低悪性度非ホジキンリンパ腫である。
他の変形形態では、がんは、膵臓がん、泌尿器系がん、膀胱がん、結腸直腸がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、肝細胞がん、甲状腺がん、胆嚢がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん、小細胞肺がん)、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、子宮内膜がん、食道がん、頭頸部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、退形成乏突起膠腫、成人多形膠芽腫、及び成人未分化星状細胞腫)、骨のがん、軟部組織肉腫、網膜芽腫、神経芽腫、腹水、悪性胸水、中皮腫、カポジ肉腫、粘液性がん腫、円形細胞がん腫、扁平上皮がん腫、食道扁平上皮がん腫、口腔がん腫、副腎皮質のがん、またはACTH産生腫瘍である。いくつかの変形形態では、がんは、膵臓がんである。
いくつかの変形形態では、がんは、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫もしくは低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、または微小残存病変(MRD)である。他の変形形態では、がんは、CLL、iNHL、DLBCL、iNHLにおけるMRD、CLL、またはDLBCLである。
対象
必要としているヒトとは、がんにかかっている、またはがんにかかっている疑いのある個人であり得る。変形形態の一部では、当該ヒトは、がんを発達させるリスクがあり(例えば、遺伝的にまたは別の形でがんを発達させる素因を有するヒト)、がんと診断されたまたは診断されていないヒトである。本明細書で使用する「リスクがある」対象とは、がん(例えば、がん、血液悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍)を発達させるリスクがある対象である。対象は、検出可能な疾患を有しても有しなくてもよく、本明細書に記載の処置方法の前に検出可能な疾患を示していても示していなくてもよい。リスクのある対象は、本明細書に記載するようながんの発達と相関する測定可能なパラメーターである、いわゆるリスク因子を1つ以上有し得る。このリスク因子のうちの1つ以上を有する対象は、このリスク因子(複数可)を有しない個人よりも、がんを発達させる可能性が高い。
このリスク因子としては、例えば、年齢、性別、人種、食事、過去の病歴、前兆となる疾患の存在、遺伝的な(genetic)(例えば、遺伝性の(hereditary))考慮、及び環境的曝露が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、がんのリスクがあるヒトとしては、例えば、この疾患を経験した親類がいるヒト、及び遺伝的または生化学的マーカーの解析によりリスクが決定したヒトが挙げられる。がんの前病歴も、がん再発事例のリスク因子となり得る。
いくつかの実施形態において、がん(例えば、がん、血液悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍)に関連する1つ以上の症状を示すヒトを処置する方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、当該ヒトは、がんの早期段階にある。いくつかの実施形態では、当該ヒトは、がんの進行段階にある。
いくつかの実施形態において、がん(例えば、血液悪性腫瘍)処置のための1つ以上の標準的療法(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術)を受けているヒトを処置する方法が、本明細書で提供される。したがって、いくつかの前述の実施形態では、本明細書に記載のBTK阻害剤及びBCL−2阻害剤の組み合わせは、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術の前、最中、または後に投与することができる。
いくつかの実施形態において、がん(例えば、がん、血液悪性腫瘍、またはB細胞悪性腫瘍)処置のための1つ以上の標準的療法(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術)を受けているヒトを処置する方法が、本明細書で提供される。したがって、いくつかの前述の実施形態では、本明細書に記載のPI3K阻害剤及びBCL−2阻害剤の組み合わせは、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術の前、最中、または後に投与することができる。
いくつかの実施形態において、がん(例えば、血液悪性腫瘍)処置のための1つ以上の標準的療法(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術)を受けているヒトを処置する方法が、本明細書で提供される。したがって、いくつかの前述の実施形態では、本明細書に記載のBtk阻害剤及びSyk阻害剤の組み合わせは、化学療法、放射線療法、免疫療法、及び/または手術の前、最中、または後に投与することができる。
別の態様において、がん処置に対し抵抗性である、またはがん(例えば、血液悪性腫瘍)処置後に「再燃」状態にあるヒトを処置する方法が、本明細書で提供される。抗がん療法に対し「抵抗性」の対象とは、特定の処置に反応しないことを意味し、「耐性」とも称される。がんは、処置開始時から耐性を有する場合もあれば、処置の途中で、例えば、その処置ががんに対するいくらかの効果、ただし寛解または部分的寛解とみなすには十分でない程度の効果を示した後に、耐性を生じる場合もある。「再燃」状態の対象とは、改善期間後、例えば、処置によりがんの有効な低減が示された後(例えば、対象が寛解または部分的寛解状態だった後)に、がんが再発した、またはがんの徴候及び症状が再発したことを意味する。
いくつかの変形形態では、当該ヒトは、(i)少なくとも1種の抗がん療法に対し抵抗性である、または(ii)少なくとも1種の抗がん療法による処置後に再燃状態にある、または(i)及び(ii)の両方である。いくつかの実施形態では、当該ヒトは、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の抗がん療法(例えば、標準的または実験的化学療法を含む)に対し抵抗性である。
別の態様では、(i)少なくとも1種の化学療法処置に対し抵抗性である、(ii)化学療法による処置後に再燃状態にある、または(i)及び(ii)の両方であるヒトを感作させる方法であって、本明細書に記載のBTK阻害剤とBCL−2阻害剤との組み合わせを、当該ヒトに投与することを含む、方法が提供される。感作させる対象のヒトは、BTK阻害剤とBCL−2阻害剤との組み合わせの投与を伴う処置に対し反応性を有するヒト、またはこのような処置に対し耐性を発達させたことのないヒトである。
別の態様では、(i)少なくとも1種の化学療法処置に対し抵抗性である、(ii)化学療法による処置後に再燃状態にある、または(i)及び(ii)の両方であるヒトを感作させる方法であって、本明細書に記載のPI3K阻害剤とBCL−2阻害剤との組み合わせを、当該ヒトに投与することを含む、方法が提供される。感作させる対象のヒトは、PI3K阻害剤とBCL−2阻害剤との組み合わせの投与を伴う処置に対し反応性を有するヒト、またはこのような処置に対し耐性を発達させたことのないヒトである。
別の態様では、(i)少なくとも1種の化学療法処置に対し抵抗性である、(ii)化学療法による処置後に再燃状態にある、または(i)及び(ii)の両方であるヒトを感作させる方法であって、本明細書に記載のBtk阻害剤とSyk阻害剤との組み合わせを、当該ヒトに投与することを含む、方法が提供される。感作させる対象のヒトは、Btk阻害剤とSyk阻害剤との組み合わせの投与を伴う処置に対し反応性を有するヒト、またはこのような処置に対し耐性を発達させたことのないヒトである。
別の態様において、併存症を伴うヒトのがんを処置する方法であって、当該処置が当該併存症の処置にも有効である方法が、本明細書で提供される。がんに対する「併存症」とは、がんと同時に起こる疾患である。
ある特定の変形形態では、がん処置または抗がん療法は、以下のレジメンのうちの1つ以上である:
a)フルダラビン(FLUDARA(登録商標))、
b)リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、
c)リツキシマブとフルダラビンとの組み合わせ(FRと略されることもある)、
d)シクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))とフルダラビンとの組み合わせ、
e)シクロホスファミドとリツキシマブ及びフルダラビンとの組み合わせ(FCRと略されることもある)、
f)シクロホスファミドとビンクリスチン及びプレドニゾンとの組み合わせ(CVPと略されることもある)、
g)シクロホスファミドと、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブとの組み合わせ、
h)シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、及びプレドニゾンの組み合わせ(CHOPと称されることもある)、
i)クロランブシルと、プレドニゾン、リツキシマブ、オビヌツズマブ、またはオファツムマブとの組み合わせ、
j)ペントスタチンとシクロホスファミド及びリツキシマブとの組み合わせ(PCRと略されることもある)、
k)ベンダムスチン(TREANDA(登録商標))とリツキシマブとの組み合わせ(BRと略されることもある)、
l)アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、
m)フルダラビンに加えてシクロホスファミド、ベンダムスチン、またはクロランブシル、ならびに
n)フルダラビンに加えてシクロホスファミド、ベンダムスチン、またはクロランブシルと、抗CD20抗体(リツキシマブ、オファツムマブ、またはオビヌツズマブ)との組み合わせ。
治療有効量
いくつかの変形形態では、治療有効量とは、処置を必要としている対象(例えば、ヒト)に投与する場合において、以下に定義するようにこの処置に影響を及ぼす程度に十分な量を指す。治療有効量は、対象、及び処置する疾患状態、対象の体重及び年齢、疾患状態の重症度、ならびに投与様式などに応じて変動することになるが、当業者はこれを容易に決定することができる。例えば、一変形形態では、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物の治療有効量は、BTK発現を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。一変形形態では、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性BCL−2タンパク質を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。
別の変形形態では、BTK阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、の治療有効量は、BTK活性の阻害に反応性を有する疾患または状態の症状を減少させる程度に十分な量とすることができる。別の変形形態では、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性BCL−2タンパク質の活性を減少させる程度に十分な量とすることができる。
一変形形態では、BTK阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するBTK阻害剤1nmol〜10,000nmolに対応する用量であり、これはおよそ、BTK阻害剤500nmol〜2500nmolの血漿濃度に関連する。一変形形態では、BCL−2阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するBCL−2阻害剤1nmol〜200nmolに対応する用量である。具体的な例としては、BCL−2阻害剤と合わせた場合、3nM、5nM、10nM、20nM、及び30nMが挙げられる。
BTK及びBCL−2阻害剤の治療有効量は、当技術分野で公知のアッセイ(例えば、後述の実施例1に記載されるアポトーシスアッセイを含む)から得られるデータに基づいて決定することもできる。一変形形態では、ヒトにおけるBTK阻害剤の治療有効量は、約1mg〜約200mgの用量である。別の実施形態では、ヒトにおけるBTKは、約10mg〜約200mgの用量で投与される。別の実施形態では、ヒトにおけるBTKは、約20mg〜約160mgの用量で投与される。他の別の実施形態では、BTK阻害剤は、ヒトに、以下の用量で投与される:a)約10mg〜約100mg、b)約50mg〜約175mg、c)約20mg〜約150mg、d)約75mg〜約100mg、及びe)約100mg〜約200mg。必要としているヒトに投与され得るBTK阻害剤の個別用量としては、1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、901mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、及び200mgの各個別用量が挙げられる。BTK阻害剤の用量は、医療専門家が決定するところにより投与することができ、1日1回投与することも、1日2回、1日3回、または1日4回投与することもできる。一実施形態では、本出願の方法は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、1日当たり20mg、40mg、75mg、80mg、150mg、または200mgの用量で投与することを含む。
一変形形態では、BCL−2阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するBCL−2阻害剤1nmol〜200nmolに対応する用量である。
別の変形形態では、BTK阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のBTK標的阻害をもたらす用量で投与される。別の変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のBCL−2標的阻害をもたらす用量で投与される。
いくつかの変形形態では、BTK阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、40mg〜1200mg、40mg〜800mg、40mg〜600mg、40mg〜40mg、約100mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量で投与される。いくつかの変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、20〜600mg、20〜400mg、20mg〜200mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量で投与される。
BTK及びBCL−2阻害剤の治療有効量は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。本明細書で使用する「用量」とは、ヒトが各回に摂取する活性成分の総量を指す。投与用量、例えば上述の経口投与用の用量は、週1回、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、または1日4回を超えて投与することができる。いくつかの実施形態では、BTK及び/またはBCL−2阻害剤は、1日1回投与することができる。いくつかの実施形態では、BTK及び/またはBCL−2阻害剤は、1日2回投与することができる。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、週1回、または、毎日、2日に1回、5日に1回、毎日を1、2、3、4、5、6、もしくは7日間、次に週当たりと変動し得る頻度により、あるいは、これらの種々の頻度及び最終用量をもたらす用量を兼ね備え得るレジメンならびに忍容性がありかつ効果的なレジメンにより、投与することができる。
いくつかの変形形態では、治療有効量とは、処置を必要としている対象(例えば、ヒト)に投与する場合において、以下に定義するようにこの処置に影響を及ぼす程度に十分な量を指す。治療有効量は、対象、及び処置する疾患状態、対象の体重及び年齢、疾患状態の重症度、ならびに投与様式などに応じて変動することになるが、当業者はこれを容易に決定することができる。例えば、一変形形態では、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物の治療有効量は、PI3K発現を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。一変形形態では、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性BCL−2タンパク質を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。
別の変形形態では、PI3K阻害剤、例えば、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、の治療有効量は、PI3K活性の阻害に反応性を有する疾患または状態の症状を減少させる程度に十分な量とすることができる。別の変形形態では、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性BCL−2タンパク質の活性を減少させる程度に十分な量とすることができる。
PI3K及びBCL−2阻害剤の治療有効量は、当技術分野で公知のアッセイ(例えば、後述の実施例2に記載されるアポトーシスアッセイを含む)から得られるデータに基づいて決定することもできる。一変形形態では、PI3K阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するPI3K阻害剤30nmol〜480nmolに対応する用量である。一変形形態では、BCL−2阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するBCL−2阻害剤1nmol〜200nmolに対応する用量である。一変形形態では、BCL−2阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するBCL−2阻害剤3、10、または30nmolに対応する用量である。
別の変形形態では、PI3K阻害剤、例えば、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のPI3K標的阻害をもたらす用量で投与される。いくつかの変形形態では、PI3K阻害剤、例えば、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、約50%未満のPI3K標的阻害をもたらす用量で投与される。ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤、例えば、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、約25%〜約50%、約30%〜約50%、または約40%〜約50%のPI3K標的阻害をもたらす用量で投与される。別の変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のBCL−2標的阻害をもたらす用量で投与される。別の変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、約50%未満のBCL−2標的阻害をもたらす用量で投与される。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、約25%〜約50%、約30%〜約50%、または約40%〜約50%のBCL−2標的阻害をもたらす用量で投与される。
いくつかの変形形態では、PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに以下の用量で投与される:150mg以下もしくは150mg未満;または40mg〜150mg、50mg〜150mg、50mg〜100mg、もしくは50mg〜75mg;または約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、もしくは約150mg。一実施形態では、本出願の方法は、化合物C1(S)、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり50mg、100mg、150mg、または200mgの用量で投与することを含む。
いくつかの変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、20〜600mg、20〜400mg、20mg〜200mg、100mg〜400mg、100mg〜200mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、週1回、1日1回、2日に1回、または5日に1回投与される。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、1日1回、1〜7日の期間投与され、次に、週1回、2日に1回、または1日に1回を5日間、処置期間中投与される。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、1日1回、1〜7日の期間投与され、次に週1回、処置期間中投与される。一実施形態では、本出願の方法は、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で投与することを含む。
PI3K及びBCL−2阻害剤の治療有効量は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。本明細書で使用する「用量」とは、ヒトが各回に摂取する活性成分の総量を指す。投与用量、例えば上述の経口投与用の用量は、週1回、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、または1日4回を超えて投与することができる。いくつかの実施形態では、PI3K及び/またはBCL−2阻害剤は、1日1回投与することができる。いくつかの実施形態では、PI3K及び/またはBCL−2阻害剤は、1日2回投与することができる。いくつかの実施形態では、BCL−2阻害剤は、週1回、または、毎日、2日に1回、5日に1回、毎日を1、2、3、4、5、6、もしくは7日間、次に週当たりと変動し得る頻度により、あるいは、これらの種々の頻度及び最終用量をもたらす用量を兼ね備え得るレジメンならびに忍容性がありかつ効果的なレジメンにより、投与することができる。
一変形形態では、PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、50mgの用量で1日2回投与される。別の変形形態では、PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、100mgの用量で1日2回投与される。別の変形形態では、PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、150mgの用量で1日2回投与される。別の変形形態では、PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、50〜150mgの用量で1日2回投与される。
一変形形態では、BCL−2阻害剤、すなわち化合物B1、B2、またはB3は、約50mg〜約400mgの用量で1日1回投与される。一変形形態では、BCL−2阻害剤、すなわち化合物B1、B2、またはB3は、約50mgの用量で1日1回投与される。一変形形態では、BCL−2阻害剤、すなわち化合物B1、B2、またはB3は、約400mgの用量で1日1回投与される。
いくつかの変形形態では、治療有効量または医薬有効量とは、処置を必要としている対象(例えば、ヒト)に投与する場合において、以下に定義するようにこの処置に影響を及ぼす程度に十分な量を指す。治療有効量は、対象、及び処置する疾患状態、対象の体重及び年齢、疾患状態の重症度、ならびに投与様式などに応じて変動することになるが、当業者はこれを容易に決定することができる。例えば、一変形形態では、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物の治療有効量は、Btk発現を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。一変形形態では、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性Sykタンパク質を調節し、徴候を示すヒトを処置する程度に十分な量、または徴候における既存の症状を改善もしくは緩和する程度に十分な量である。
別の変形形態では、Btk阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物、の治療有効量は、Btk活性の阻害に反応性を有する疾患または状態の症状を減少させる程度に十分な量とすることができる。別の変形形態では、Syk阻害剤、例えば、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量は、抗アポトーシス性Sykタンパク質の活性を減少させる程度に十分な量とすることができる。
Btk及びSyk阻害剤の治療有効量は、当技術分野で公知のアッセイ(例えば、後述の実施例1に記載されるアポトーシスアッセイを含む)から得られるデータに基づいて決定することもできる。一変形形態では、ヒトにおけるBtk阻害剤の治療有効量は、約1mg〜約200mgの用量である。別の実施形態では、ヒトにおけるBtkは、約10mg〜約200mgの用量で投与される。別の実施形態では、ヒトにおけるBtkは、約20mg〜約160mgの用量で投与される。他の別の実施形態では、Btk阻害剤は、ヒトに、以下の用量で投与される:a)約10mg〜約100mg、b)約50mg〜約175mg、c)約20mg〜約150mg、d)約75mg〜約100mg、及びe)約100mg〜約200mg。必要としているヒトに投与され得るBTK阻害剤の個別用量としては、1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、75mg、80mg、901mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、及び200mgの各個別用量が挙げられる。Btk阻害剤の用量は、医療専門家が決定するところにより投与することができ、1日1回投与することも、1日2回、1日3回、または1日4回投与することもできる。
一変形形態では、Syk阻害剤の治療有効量は、10%血清で行うアポトーシスアッセイで使用するSyk阻害剤1nmol〜200nmolに対応する用量である。
別の変形形態では、Btk阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のBtk標的阻害をもたらす用量で投与される。別の変形形態では、Syk阻害剤、例えば、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%のSyk標的阻害をもたらす用量で投与される。
いくつかの変形形態では、Btk阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、ヒトに、40mg〜1200mg、40mg〜800mg、40mg〜600mg、40mg〜40mg、約100mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量で投与される。いくつかの変形形態では、BCL−2阻害剤、例えば、化合物B1、化合物B2、もしくは化合物B3、またはその医薬的に許容される塩は、ヒトに、20〜600mg、20〜400mg、20mg〜200mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、約100mg〜800mgのSyk阻害剤、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回または2回投与される。他の実施形態では、約50mg〜600mgのSyk阻害剤、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回、2回、3回、または4回投与される。
一実施形態では、約100mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回投与される。一実施形態では、約100mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日2回投与される。一実施形態では、約100mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日3回投与される。一実施形態では、約100mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日4回投与される。一実施形態では、約200mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回投与される。一実施形態では、約200mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日2回投与される。一実施形態では、約200mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日3回投与される。一実施形態では、約200mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日4回投与される。一実施形態では、約300mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回投与される。一実施形態では、約300mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日2回投与される。一実施形態では、約300mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日3回投与される。一実施形態では、約300mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日4回投与される。一実施形態では、約400mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日1回投与される。一実施形態では、約400mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日2回投与される。一実施形態では、約400mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日3回投与される。一実施形態では、約400mgの化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、対象に、1日4回投与される。
また、Syk阻害剤である化合物D1について、必要としているヒトに1日1回、2回、3回、または4回投与され得る個別用量としては、10mg、20mg、40mg、50mg、60mg、75mg、80mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、250mg、350mg、450mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、及び800mgも挙げられる。一実施形態では、本出願の方法は、化合物D1、またはその医薬的に許容される塩を、200mg、400mg、または600mgの用量で投与することを含む。
化合物A1、化合物B1、化合物B2、化合物B3、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、及び式II、またはその医薬的に許容される塩における治療有効量は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。以下に、本明細書に記載の全ての化合物に適用されると考えられるいくつかの例示を提供する。Btk及びBCL−2阻害剤の治療有効量は、所望の処置エンドポイントを達成するための単回用量または複数回用量で提供することができる。本明細書で使用する「用量」とは、ヒトが各回に摂取する活性成分の総量を指す。投与用量、例えば上述の経口投与用の用量は、週1回、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、または1日4回を超えて投与することができる。いくつかの実施形態では、Btk及び/またはBCL2阻害剤は、1日1回投与することができる。いくつかの実施形態では、Btk及び/またはBCL−2阻害剤は、1日2回投与することができる。いくつかの実施形態では、BCL2阻害剤は、週1回、または、毎日、2日に1回、5日に1回、毎日を1、2、3、4、5、6、もしくは7日間、次に週当たりと変動し得る頻度により、あるいは、これらの種々の頻度及び最終用量をもたらす用量を兼ね備え得るレジメンならびに忍容性がありかつ効果的なレジメンにより、投与することができる。一実施形態では、本出願の方法は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、1日当たり20mg、40mg、75mg、80mg、150mg、または200mgの用量で、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、投与することを含む。他の実施形態では、本出願の方法は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、1日当たり20mg、40mg、80mg、150mg、または200mgの用量で、そして化合物C1(S)を、1日当たり50mg、100mg、150mg、または200mgの用量で、投与することを含む。追加的な実施形態では、本出願の方法は、化合物C1(S)を、1日当たり50mg、100mg、150mg、または200mgの用量で、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で投与することを含む。一実施形態では、本出願の方法は、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、1日当たり20mg、40mg、75mg、80mg、150mg、または200mgの用量で、そして化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、1日当たり200mg、400mg、または600mgの用量で、投与することを含む。他の一実施形態では、本出願の方法は、化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、1日当たり200mg、400mg、または600mgの用量で、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、投与することを含む。
いくつかの実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、そして化合物C1(S)を、100mgの用量で1日1回または50mgの用量で1日2回、投与することを含む。いくつかの他の実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、化合物C1(S)を、100mgの用量で1日1回または50mgの用量で1日2回、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、200mg、400mg、または420mgの用量で1日1回、投与することを含む。いくつかの追加的な実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、化合物C1(S)を、100mgの用量で1日1回または50mgの用量で1日2回、そしてオビヌツズマブを1000mgの用量で、投与することを含む。ある特定の実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物C1(S)を、50mgの用量で1日2回または100mgの用量で1日1回、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、200mg、400mg、または420mgの用量で1日1回投与することを含む。ある特定の他の実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物C1(S)を、50mgの用量で1日2回または100mgの用量で1日1回、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、200mg、400mg、または420mgの用量で1日1回、そしてオビヌツズマブを1000mgの用量で、投与することを含む。一実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、そして化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、400mgの用量で1日1回、投与することを含む。他の一実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、400mgの用量で1日1回、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、200mg、400mg、または420mgの用量で1日1回、投与することを含む。一実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、400mgの用量で1日1回、そしてオビヌツズマブを1000mgの用量で、投与することを含む。他の実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、400mgの用量で1日1回、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、投与することを含む。いくつかの他の実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物D1、またはその医薬的に許容されるメシル酸塩を、400mgの用量で1日1回、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、そしてオビヌツズマブを1000mgの用量で、投与することを含む。追加的な実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、そして化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、投与することを含む。ある特定の追加的な実施形態では、当該方法は、必要としている対象に、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩酸塩を、40mgまたは80mgの用量で1日1回、化合物B1、またはその医薬的に許容される塩を、1日当たり200mg、300mg、400mg、または420mgの用量で、そしてオビヌツズマブを1000mgの用量で、投与することを含む。
投与
化合物A1などのBTK阻害剤、ならびに化合物B1、化合物B2、及び化合物B3などのBCL−2阻害剤は、当技術分野で公知の任意の好適な方法を用いて投与することができる。加えて、化合物C1、化合物C1(S)、化合物D1、式II、またはその医薬的に許容される塩は、当技術分野で公知の任意の好適な方法を用いて投与することができる。例えば、これらの化合物は、頬側的に、経眼的に、経口的に、浸透圧的に、非経口的に(筋肉内に、腹腔内に、胸骨内に、静脈内に、皮下に)、直腸的に、局所的に、経皮的に、または経腟的に、投与することができる。
さらに、ある特定の変形形態では、本明細書に記載のBTK阻害剤は、本明細書に記載のBCL−2阻害剤の前、後、またはそれと同時に投与することができる。他の変形形態では、本明細書に記載のPI3K−δ阻害剤は、本明細書に記載のBCL−2阻害剤の前、後、またはそれと同時に投与することができる。他の変形形態では、本明細書に記載のBTK阻害剤は、本明細書に記載のSYK阻害剤の前、後、またはそれと同時に投与することができる。いくつかの他の変形形態では、化合物A1、化合物B1、化合物C1(S)、及び/もしくは化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、互いの前、後、またはそれと同時に投与することができる。ある特定の他の変形形態では、化合物A1、化合物B1、化合物C1(S)、及び/もしくは化合物D1、またはその医薬的に許容される塩は、オビヌツズマブの前、後、またはそれと同時に投与することができる。
PI3K阻害剤、すなわち化合物C1、ならびに化合物B1、化合物B2、及び化合物B3などのBCL−2阻害剤は、当技術分野で公知の任意の好適な方法を用いて投与される。例えば、ある特定の変形形態では、これらの化合物は、頬側的に、経眼的に、経口的に、浸透圧的に、非経口的に(筋肉内に、腹腔内に、胸骨内に、静脈内に、皮下に)、直腸的に、局所的に、経皮的に、または経腟的に、投与される。
化合物A1などのBtk阻害剤、及び化合物B1などのSyk阻害剤は、当技術分野で公知の任意の好適な方法を用いて投与することができる。例えば、これらの化合物は、頬側的に、経眼的に、経口的に、浸透圧的に、非経口的に(筋肉内に、腹腔内に、胸骨内に、静脈内に、皮下に)、直腸的に、局所的に、経皮的に、または経腟的に、投与することができる。
一変形形態では、PI3K阻害剤は、経口投与される。一変形形態では、PI3K阻害剤は、1日1回または1日2回、経口投与される。一変形形態では、BCL−2阻害剤は、経口投与される。一変形形態では、PI3K阻害剤及びBCL−2阻害剤は、それぞれ経口投与される。さらに、ある特定の変形形態では、本明細書に記載のPI3K阻害剤は、本明細書に記載のBCL−2阻害剤の前、後、またはそれと同時に投与される。さらに、ある特定の変形形態では、本明細書に記載のBtk阻害剤は、本明細書に記載のSyk阻害剤の前、後、またはそれと同時に投与されてもよい。
あるいくつかの変形形態では、PI3K阻害剤が投薬され、その後にBCL−2阻害剤が投薬される。例えば、ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、50mg〜150mgにて1日2回、指定の時間期間投薬され、次にBCL−2阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、約12週間以下の期間投薬され、その後にBCL−2阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、約1〜12週間、4〜12週間、6〜12週間、8〜12週間、10〜12週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、または12週間の期間投薬され、その後にBCL−2阻害剤と共に同時投与される。ある変形形態では、PI3K阻害剤は、約4〜12週間または約6〜12週間の期間投薬され、その後にBCL−2阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、1日2回、指定の時間期間投薬され、次にBCL−2阻害剤と共に同時投与されるが、このときBCL−2阻害剤は、約20mg〜約400mgの用量で投与される。
ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤が投薬され、その後にPI3K阻害剤が投薬される。例えば、ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤は、50mg〜150mgにて1日2回、指定の時間期間投薬され、次にPI3K阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤は、約12週間以下の期間投薬され、その後にPI3K阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤は、約1〜12週間、4〜12週間、6〜12週間、8〜12週間、10〜12週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、または12週間の期間投薬され、その後にPI3K阻害剤と共に同時投与される。ある変形形態では、BCL−2阻害剤は、約4〜12週間または約6〜12週間の期間投薬され、その後にPI3K阻害剤と共に同時投与される。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤は、約20mg〜約400mgで1日1回または週1回、指定の時間期間投薬され、次にPI3K阻害剤と共に同時投与されるが、このときPI3K阻害剤は、約50mg〜150mgの用量で1日2回投薬される。
ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、BCL−2阻害剤と同時に投薬される。例えば、ある変形形態では、PI3K阻害剤は、50mg〜150mgで1日2回投薬され、BCL−2阻害剤は20mg〜400mgで1日1回または週1回投薬される。
ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤の用量は、処置の間に増加する。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤の用量は、処置の間に増加する。例えば、ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤は、初回用量が約20mg〜約50mgの範囲で投薬され、処置期間にわたって増加し、最終用量が約200mg〜約600mgの範囲となる。同様に、ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤は、初回用量が約50mgで投薬され、処置期間にわたって増加し、最終用量が約100mg〜約150mgの範囲となる。ある特定の変形形態では、BCL−2阻害剤の用量は、週ごとに増加する。ある特定の変形形態では、PI3K阻害剤の用量は、週ごとまたは月ごとに増加する。
化合物A1 80mgは、1日1回経口投与することができ、化合物C1 50mgは、1日2回経口投与することができる。両方の薬剤の投薬は、1週目、処置の1日目から開始し、処置完了(24週、48週、96週、または104週、またはそれ以上)まで各日のほぼ同じ時間に継続することになる。化合物A1は、10mg(8×10mg)のカプセルとして、または20mg(4×20mg)のタブレットもしくは80mgのタブレットとして供給することができる。化合物C1は、50mgのタブレットとして供給することができる。
オビヌツズマブは、21週であり得る処置にわたり、各回1000mgの静脈内注入として、投与されることになる。1週目の1日目に100mgの試験用量を投与し、この用量が忍容された場合、全用量の残りを1日目に投与する。代替方法としては、残りの900mgを2日目に投与する。次の注入は、2週目の1日目、3週目の1日目、5週目の1日目に投与し、その後21週目または処置終了まで4週ごとに投与する。本明細書に記載の方法に好適な追加的な抗CD20阻害剤としては、以下に限定するものではないが、リツキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、オファツムマブ、オカラツズマブ、ベルツズマブなどが挙げられる。
化合物A1は、コホートに応じて1日に1回または2回の経口投与とし、処置の1サイクル目の1日目に開始し、その後処置終了まで各日のほぼ同じ時間に行うことができる。化合物A1及び化合物C1アームにおいて、化合物C1は、1日2回の経口投与とし、サイクル1の2日目に開始し、化合物A1とほぼ同じ時間に行うことができる。化合物A1及び化合物D1アームにおいて、化合物D1は、割り当てられた処置群に従って経口投与とし、サイクル1の2日目に開始することができる。化合物A1は、10mg及び25mgのカプセルとして供給することができる。化合物C1は、50mg及び100mgのタブレットとして供給することができる。化合物D1は、200mgのタブレットとして供給することができる。本明細書で使用する処置サイクルは、7日、14日、28日、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、または9ヵ月とすることができる。処置サイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回繰り返してもよく、または6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、12ヵ月、14ヵ月、15ヵ月、18ヵ月、20ヵ月、24ヵ月間もしくは引き続き、継続してもよい。一実施形態では、処置サイクルは28日とすることができる。別の実施形態では、処置は6ヵ月、9ヵ月、または18ヵ月間継続することができる。
医薬組成物
BTK及びBCL−2阻害剤は、医薬組成物の形態で投与することができる。例えば、いくつかの変形形態では、本明細書に記載のBTK阻害剤は、BTK阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在していてもよい。いくつかの変形形態では、本明細書に記載のBCL−2阻害剤は、BCL−2阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在していてもよい。医薬的に許容されるビヒクルとしては、医薬的に許容される担体、アジュバント、及び/または添加剤を挙げることができ、他の成分も、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容体に有害でない限りにおいて、医薬的に許容されるものとみなすことができる。
そのため、本開示では、本明細書に記載のBTK及びBCL−2阻害剤、ならびに1種以上の医薬的に許容されるビヒクル、例えば、添加剤、担体(不活性固体希釈剤及び充填剤を含む)、希釈剤(無菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む)、浸透増強剤、溶解剤、ならびにアジュバント、を含有する医薬組成物を提供する。当該医薬組成物は、単独で投与しても他の治療剤と組み合わせて投与してもよい。このような組成物は、医薬分野で周知の様式で調製することができる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,PA 17th Ed.(1985);及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker & C.T.Rhodes,Eds.)を参照)。
ある特定の変形形態では、PI3K及びBCL−2阻害剤は、医薬組成物の形態で投与することができる。例えば、いくつかの変形形態では、本明細書に記載のPI3K阻害剤は、BCL−2阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在する。いくつかの変形形態では、本明細書に記載のBCL−2阻害剤は、BCL−2阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在する。医薬的に許容されるビヒクルとしては、医薬的に許容される担体、アジュバント、及び/または添加剤を挙げることができ、他の成分も、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容体に有害でない限りにおいて、医薬的に許容されるものとみなすことができる。
そのため、本開示では、本明細書に記載のPI3K及びBCL−2阻害剤、ならびに1種以上の医薬的に許容されるビヒクル、例えば、添加剤、担体(不活性固体希釈剤及び充填剤を含む)、希釈剤(無菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む)、浸透増強剤、溶解剤、ならびにアジュバント、を含有する医薬組成物を提供する。当該医薬組成物は、単独で投与しても他の治療剤と組み合わせて投与してもよい。このような組成物は、医薬分野で周知の様式で調製することができる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,PA 17th Ed.(1985);及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker & C.T.Rhodes,Eds.)を参照)。
Btk及びSyk阻害剤は、医薬組成物の形態で投与することができる。例えば、いくつかの変形形態では、本明細書に記載のBtk阻害剤は、Btk阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在していてもよい。いくつかの変形形態では、本明細書に記載のSyk阻害剤は、Syk阻害剤及び少なくとも1種の医薬的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物中に存在していてもよい。医薬的に許容されるビヒクルとしては、医薬的に許容される担体、アジュバント、及び/または添加剤を挙げることができ、他の成分も、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容体に有害でない限りにおいて、医薬的に許容されるものとみなすことができる。
そのため、本開示では、本明細書に記載のBtk及びSyk阻害剤、ならびに1種以上の医薬的に許容されるビヒクル、例えば、添加剤、担体(不活性固体希釈剤及び充填剤を含む)、希釈剤(無菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む)、浸透増強剤、溶解剤、ならびにアジュバント、を含有する医薬組成物を提供する。当該医薬組成物は、単独で投与しても他の治療剤と組み合わせて投与してもよい。このような組成物は、医薬分野で周知の様式で調製することができる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,PA 17th Ed.(1985);及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker & C.T.Rhodes,Eds.)を参照)。
当該医薬組成物は、広く受け入れられ有用性の似ている薬剤投与様式(直腸、頬側、鼻腔内、及び経皮経路を含む)のいずれかにより、動脈内注射により、腹腔内に、非経口的に、筋肉内に、皮下的に、経口的に、局所的に、吸入剤として、あるいは含浸もしくはコーティングされたデバイス、例えばステント、または動脈に挿入する円筒状ポリマーを介して、投与することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、単位剤形に製剤化される。「単位剤形」という用語は、ヒト対象の単位投薬量に好適な、物理的に別々の単位を指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすように算出された所定量の活性材料を好適な医薬的添加剤と共に含有する。いくつかの変形形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、タブレット、カプセル、またはアンプルの形態をとる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のBTK阻害剤、例えば、化合物A1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、タブレットとして製剤化される。いくつかの変形形態では、このようなタブレットは、化合物D1のメシル酸塩、例えば、そのモノ−メシル酸塩もしくはビス−メシル酸塩、またはその水和物を含むことができる。このようなタブレット(例えば、化合物A1を含むタブレット)は、当技術分野で公知の好適な方法、例えば、噴霧乾燥及び造粒(例えば、乾式造粒)、により調製することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のPI3K阻害剤、例えば、化合物C1、またはその医薬的に許容される塩もしくは水和物は、タブレットとして製剤化される。いくつかの変形形態では、このようなタブレットには、化合物C1の塩酸塩、またはその水和物が含まれる。このようなタブレット(例えば、化合物C1を含むタブレット)は、当技術分野で公知の好適な方法、例えば、噴霧乾燥及び造粒(例えば、乾式造粒)、により調製することができる。
追加的な治療剤
本開示において、一部の態様では、本明細書に記載の組み合わせは、さらに、化学療法剤、免疫療法剤、放射線療法剤、抗悪性腫瘍剤、抗がん剤、増殖阻害剤、抗線維化剤、抗血管新生剤、治療抗体、またはこれらの任意の組み合わせ、と共に使用しても組み合わせてもよい。
化学療法剤は、その作用機序により、例えば以下の群にカテゴリー分けすることができる:代謝拮抗薬/抗がん剤、例えば、ピリミジンアナログ(フロクスウリジン、カペシタビン、及びシタラビン);プリンアナログ、葉酸拮抗剤及び関連阻害剤、天然物質、例えば、ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン)、ならびにタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポシロン及びナベルビン、エピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)などの微小管などを含む増殖阻害/有糸分裂阻害剤;DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、ミトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テニポシド、エトポシド、トリエチレンチオホスホルアミド);抗生剤、例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、及びミトマイシン;酵素(L−アスパラギンを全身的に代謝し、自らのアスパラギンを合成する能力を有しない細胞を取り除く、L−アスパラギナーゼ);抗血小板剤;増殖阻害/有糸分裂阻害アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド及びアナログ、メルファラン、クロランブシル)、ならびに(ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルニトロソウレア(BCNU)及びアナログ、ストレプトゾシン)、トリアゼン−ダカルバジン(DTIC);増殖阻害/有糸分裂阻害代謝拮抗薬、例えば葉酸アナログ(メトトレキセート);白金配位錯体(シスプラチン、オキシロプラチニム(oxiloplatinim)、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン、ホルモンアナログ(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)、及びアロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩、及び他のトロンビン阻害剤)、線維素溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、及びウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル;遊走阻害剤;分泌阻害剤(ブレフェルジン);免疫抑制剤タクロリムス シロリムス アザチオプリン、ミコフェノレート;化合物(TNP−470、ゲニステイン)及び増殖因子阻害剤(血管内皮増殖因子阻害剤、線維芽細胞増殖因子阻害剤);アンギオテンシン受容体ブロッカー、一酸化窒素ドナー;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ、リツキシマブ);細胞周期阻害剤及び分化誘導物質(トレチノイン);阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド(eniposide)、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン及びミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルペドニゾロン、プレドニゾン、及びプレドニゾロン);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;機能不全誘導物質、毒素(例えば、コレラ毒素、リシン、Pseudomonas外毒素、Bordetella pertussisアデニル酸シクラーゼ毒素、ジフテリア毒素)、及びカスパーゼアクチベーター;ならびにクロマチン。
本明細書で使用する「化学療法剤」または「化学療法薬」(または、化学療法剤による処置の場合は「化学療法」)という用語は、がん処置に有用な、任意の非タンパク質性(すなわち、非ペプチド性)化合物を包含することが意図される。化学療法剤の例としては、以下のものが挙げられる:チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、イムプロスルファン及びピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、及びウレドパなどのアジリジン;エミレルミン(emylerumine)及びメミラメラミン(memylamelamine)(アルフレタミン(alfretamine)、トリエミレンメラミン(triemylenemelamine)、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメミルオロメラミン(trimemylolomelamine)を含む);アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトセシン(合成アナログトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログKW−2189及びCBI−TMIを含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロランブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリチアマイシン、特にカリチアマイシンガンマlI及びカリチアマイシンファイI1、例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl,33:183−186(1994)を参照);ダイネミシン(ダイネミシンAを含む);クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;加えて、ネオカルチノスタチン発色団に関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(Adramycin.TM.)(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルチェロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキセート及び5−フルオロウラシルなどの代謝拮抗薬(5−FU);葉酸アナログ、例えば、デモプテリン(demopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充物;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ヘストラブシル(hestrabucil);ビサントレン;エダトラクセート(edatraxate);デホファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エルホルムチン(elformthine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロイコボリン;ロニダミン;マイタンシン及びアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;フルオロピリミジン;フォリン酸;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクウロロ(tricUoro)トリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2トキシン、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol Meyers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);クロランブシル;ゲミシタビン(GEMZAR(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;白金アナログ、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノール酸;カペシタビン;FOLFIRI(フルオロウラシル、ロイコボリン、及びイリノテカン)、ならびに上記のいずれかの医薬的に許容される塩、酸、または誘導体。
また、「化学療法剤」の定義には、腫瘍に対するホルモン作用を制御または阻害するように働く抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)が含まれ、例として、タモキシフェン(NOLVADEX(商標)を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストーン(onapristone)、及びトレミフェン(FARESTON(登録商標));副腎内でのエストロゲン産生を制御する酵素アロマターゼの阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGACE(登録商標))、エキセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、及びアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標));ならびに抗アンドロゲン剤、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロード(leuprohde)、及びゴセレリン;ならびに上記のいずれかの医薬的に許容される塩、酸、または誘導体、が含まれる。
抗血管新生剤としては、以下に限定するものではないが、レチノイド酸(retinoid acid)及びその誘導体、2−メトキシエストラジオール、ANGIOSTATIN(登録商標)、ENDOSTATIN(登録商標)、スラミン、スクアラミン、組織メタロプロテアーゼ阻害物質1、組織メタロプロテアーゼ阻害物質2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害物質1、パクリタキセル(nab−パクリタキセル)、血小板第4因子、硫酸プロタミン(クルペイン)、硫酸化キチン誘導体(ズワイガニ(queen crab)の殻から調製する)、硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(sp−pg)、スタウロスポリン、マトリックス代謝モジュレーター、例えば、プロリンアナログを含む((1−アゼチジン−2−カルボン酸(LACA)、シスヒドロキシプロリン、d,I−3,4−デヒドロプロリン、チアプロリン、アルファ.−ジピリジル、フマル酸ベータ−アミノプロピオニトリル、4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3h)−オキサゾロン;メトトレキセート、ミトキサントロン、ヘパリン、インターフェロン、2マクログロブリン血清、chimp−3、キモスタチン、ベータ−シクロデキストリンテトラデカサルフェート、エポネマイシン(eponemycin)、フマギリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、d−ペニシラミン(CDPT)、ベータ−1−抗コラゲナーゼ血清、アルファ−2−抗プラスミン、ビサントレン、ロベンザリット二ナトリウム、n−2−カルボキシフェニル−4−クロロアントラニル酸二ナトリウム、または「CCA」、サリドマイド;抗血管新生ステロイド、カルボキシアミノイミダゾール;BB94などのメタロプロテイナーゼ阻害剤。他の抗血管新生剤としては、抗体、好ましくはこれらの血管新生増殖因子に対するモノクローナル抗体:ベータ−FGF、アルファ−FGF、FGF−5、VEGFアイソフォーム、VEGF−C、HGF/SF及びAng−1/Ang−2、が挙げられる。Ferrara N.and Alitalo,K.“Clinical application of angiogenic growth factors and their inhibitors”(1999) Nature Medicine 5:1359−1364を参照。
抗線維化剤としては、以下に限定するものではないが、ベータ−アミノプロピオニトリル(BAPN)などの化合物、及び以下で開示された化合物が挙げられ、これらは参照により本明細書に組み込まれる:1990年10月23日に発行された「Inhibitors of lysyl oxidase」という標題の、Palfreyman他に対する米国特許第4,965,288号(リジルオキシダーゼの阻害剤、ならびにコラーゲンの異常沈着に関連した疾患及び状態の処置におけるその使用に関する);1991年5月5日に発行された「Anti−fibrotic agents and methods for inhibiting the activity of lysyl oxidase in situ using adjacently positioned diamine analogue substrate」という標題の、Kagan他に対する米国特許第4,997,854号(様々な病理学的繊維化状態の処置のためのLOXを阻害する化合物に関する)。さらなる例示的な阻害剤は、1990年7月24日に発行された「Inhibitors of lysyl oxidase」という標題の、Palfreyman他に対する米国特許第4,943,593号(2−イソブチル−3−フルオロ−、クロロ−、またはブロモ−アリルアミンなどの化合物に関する)、ならびに、例えば、米国特許第5,021,456号、米国特許第5,5059,714号、米国特許第5,120,764号、米国特許第5,182,297号、米国特許第5,252,608号(2−(1−ナフチルオキシメチル)−3−フルオロアリルアミンに関する)、及び米国特許出願第2004/0248871号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。また、例示的な抗線維化剤としては、リジルオキシダーゼ、より詳細には、カルボニルとの結合後に共鳴により安定化する生成物を産生するもの、例えば以下の1級アミン:エミレンマミン(emylenemamine)、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、及びこれらの誘導体、セミカルバジド、及びウレア誘導体、アミノニトリル、例えばベータアミノプロピオニトリル(BAPN)、または2−ニトロエチルアミン、不飽和もしくは飽和ハロアミン、例えば2−ブロモ−エチルアミン、2−クロロエチルアミン、2−トリフルオロエチルアミン、3−ブロモプロピルアミン、p−ハロベンジルアミン、セレノホモシステインラクトン、も挙げられる。また、抗線維化剤は銅キレート剤であり、細胞に浸入することも浸入しないこともある。例示的な化合物としては、間接型阻害剤、例えば、リジルオキシダーゼによるリジル及びヒドロキシリジル残基の酸化的脱アミノ化から発生するアルデヒド誘導体をブロックする化合物、例えば、チオールアミン、特にD−ペニシラミン、またはそのアナログ、例えば、2−アミノ−5−メルカプト−5−メチルヘキサン酸、D−2−アミノ−3−メチル−3−((2−アセトアミドエチル)ジチオ)ブタン酸、p−2−アミノ−3−メチル−3−((2−アミノエチル)ジチオ)ブタン酸、ナトリウム−4−((p−1−ジメチル−2−アミノ−2−カルボキシエチル)ジチオ)ブタンスルフレート(sulphurate)、2−アセトアミドエチル−2−アセトアミドエタンチオールスルファネート(sulphanate)、ナトリウム−4−メルカプトブタンスルフィネート(sulphinate)三水和物が挙げられる。
免疫療法剤としては、以下に限定するものではないが、患者の処置に好適な治療抗体、例えば、アバゴボマブ(abagovomab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフツズマブ(afutuzumab)、アレムツズマブ、アルツモマブ(altumomab)、アマツキシマブ、アナツモマブ(anatumomab)、アルシツモマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ(bectumomab)、ベバシズマブ、ビバツズマブ(bivatuzumab)、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ(citatuzumab)、シクツムマブ(cixutumumab)、クリバツズマブ(clivatuzumab)、コナツムマブ(conatumumab)、ダラツムマブ、ドロジツマブ(drozitumab)、デュリゴツマブ(duligotumab)、デュシジツマブ(dusigitumab)、デツモマブ(detumomab)、ダセツズマブ(dacetuzumab)、ダロツズマブ(dalotuzumab)、エクロメキシマブ(ecromeximab)、エロツズマブ、エンシツキシマブ(ensituximab)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、ファリエツズマブ(farietuzumab)、フィクラツズマブ(ficlatuzumab)、フィギツムマブ、フランボツマブ(flanvotumab)、フツキシマブ(futuximab)、ガニツマブ(ganitumab)、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ(girentuximab)、グレムバツムマブ(glembatumumab)、イブリツモマブ、イゴボマブ(igovomab)、イムガツズマブ(imgatuzumab)、インダツキシマブ(indatuximab)、イノツズマブ、インテツムマブ(intetumumab)、イピリムマブ、イラツムマブ(iratumumab)、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ(lorvotuzumab)、ルカツムマブ(lucatumumab)、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ(minretumomab)、ミツモマブ(mitumomab)、モキセツモマブ(moxetumomab)、ナルナツマブ(narnatumab)、ナプツモマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ(nimotuzumab)、ノフェツモマブン(nofetumomabn)、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オファツムマブ、オララツマブ(olaratumab)、オナルツズマブ(onartuzumab)、オポルツズマブ(oportuzumab)、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ(parsatuzumab)、パトリツマブ(patritumab)、ペムツモマブ(pemtumomab)、ペルツズマブ、ピンツモマブ(pintumomab)、プリツムマブ(pritumumab)、ラコツモマブ(racotumomab)、ラドレツマブ(radretumab)、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ(robatumumab)、サツモマブ(satumomab)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シルツキシマブ、シムツズマブ(simtuzumab)、ソリトマブ(solitomab)、タカツズマブ(tacatuzumab)、タプリツモマブ(taplitumomab)、テナツモマブ(tenatumomab)、テプロツムマブ(teprotumumab)、ティガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ(tucotuzumab)、ウブリツキシマブ(ublituximab)、ベルツズマブ、ボルセツズマブ(vorsetuzumab)、ボツムマブ(votumumab)、ザルツムマブ、CC49、及び3F8、が挙げられる。例示的な治療抗体は、さらに、インジウムIn111、イットリウムY90、ヨウ素I−131などの放射性同位体の粒子で標識化してもそれと組み合わせてもよい。
ある特定の実施形態では、追加的な治療剤は、ナイトロジェンマスタードアルキル化剤である。ナイトロジェンマスタードアルキル化剤の非限定的例には、クロランブシルが含まれる。
リンパ腫または白血病の処置に好適な化学療法剤の一部として、以下のものが挙げられる:アルデスロイキン、アルボシジブ、アンチネオプラストンAS2−1、アンチネオプラストンA10、抗胸腺細胞グロブリン、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、三酸化ヒ素、ベータアレチン、BCL−2ファミリープロテイン阻害剤ABT−263、ABT−199、ABT−737、BMS−345541、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カルボプラチン、キャンパス−1H、CC−5103、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、クロファラビン、シスプラチン、クラドリビン(ロイスタチン)、クロランブシル(ロイケラン)、クルクミン、シクロスポリン、シクロホスファミド(シロキサン、エンドキサン、エンドキサナ、シクロスチン)、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、DT PACE、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、アドリブラスチン)、ドキソルビシン塩酸塩、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フェンレチニド、フィルグラスチム、メルファラン、メスナ、フラボピリドール、フルダラビン(フルダラ)、ゲルダナマイシン(17−AAG)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、イクサベピロン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC−5013)、リンフォカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メトトレキセート、ミトキサントロン塩酸塩、モテクサフィンガドリニウム、ミコフェノレートモフェチル、ネララビン、オブリメルセン(ゲナセンス)オバトクラックス(GX15−070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、オメガ−3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、PD0332991、PEG化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン(ニペント(Nipent))、ペリフォシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、R−ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、組み換えインターフェロンアルファ、組み換えインターロイキン−12、組み換えインターロイキン−11、組み換えflt3リガンド、組み換えヒトトロンボポエチン、リツキシマブ、サルグラモスチム、シルデナフィルクエン酸塩、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl−779)、サリドマイド、治療的同種リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、VELCADE(登録商標)(ボルテゾミブまたはPS−341)、ビンクリスチン(オンコビン)、ビンクリスチン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、ボリノスタット(SAHA)、ボリノスタット、及びFR(フルダラビン、リツキシマブ)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ)、hyperCVAD(多分割されたシクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキセート、シタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、MCP(ミトキサントロン、クロランブシル、及びプレドニゾロン)、R−CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R−CVP(リツキシマブ及びCVP)、R−FCM(リツキシマブ及びFCM)、R−ICE(リツキシマブ−ICE)、ならびにR−MCP(R−MCP)。
一実施形態では、本明細書に記載の化合物または組み合わせは、1種以上の追加的な治療剤と共に使用しても組み合わせてもよい。この1種以上の治療剤としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:Ablの阻害剤、活性型CDCキナーゼ(ACK)、アデノシンA2B受容体(A2B)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ(ASK)、オーロラキナーゼ、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、BET−ブロモドメイン(BRD)、例えばBRD4、c−Kit、c−Met、CDK活性化キナーゼ(CAK)、カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMK)、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、カゼインキナーゼ(CK)、ジスコイジンドメイン受容体(DDR)、上皮成長因子受容体(EGFR)、接着斑キナーゼ(FAK)、Flt−3、FYN、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK)、HCK、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、IKK、例えばIKKβε、イソクエン酸脱水素酵素(IDH)、例えばIDH1、ヤヌスキナーゼ(JAK)、KDR、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK)、リジルオキシダーゼタンパク質、リジルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)、LYN、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、MEK、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、NEK9、NPM−ALK、p38キナーゼ、血小板由来増殖因子(PDGF)、ホスホリラーゼキナーゼ(PK)、ポロ様キナーゼ(PLK)、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)、タンパク質キナーゼ(PK)、例えばタンパク質キナーゼA、B、及び/もしくはC、PYK、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)、セリン/トレオニンキナーゼTPL2、セリン/トレオニンキナーゼSTK、シグナル伝達及び転写(STAT)、SRC、セリン/トレオニン−タンパク質キナーゼ(TBK)、例えばTBK1、TIE、チロシンキナーゼ(TK)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、YES、またはこれらの任意の組み合わせ。
リンパ腫または白血病の組み合わせ療法
いくつかの化学療法剤は、リンパ腫または白血病の処置に好適である。このような薬剤としては、以下のものが挙げられる:アルデスロイキン、アルボシジブ、アンチネオプラストンAS2−1、アンチネオプラストンA10、抗胸腺細胞グロブリン、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、三酸化ヒ素、ベータアレチン、BCL−2ファミリープロテイン阻害剤ABT−263、ABT−199、ABT−737、BMS−345541、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カルボプラチン、キャンパス−1H、CC−5103、カルムスチン、カスポファンギン酢酸塩、クロファラビン、シスプラチン、クラドリビン、クロランブシル、クルクミン、シクロスポリン、シクロホスファミド、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメタゾン、DT−PACE(デキサメタゾン、サリドマイド、シスプラチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、及びエトポシド)、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン、ドキソルビシン塩酸塩、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フェンレチニド、フィルグラスチム、メルファラン、メスナ、フラボピリドール、フルダラビン、ゲルダナマイシン(17AAG)、イホスファミド、イリノテカン塩酸塩、イクサベピロン、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC−5013)、リンフォカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メトトレキセート、ミトキサントロン塩酸塩、モテクサフィンガドリニウム、ミコフェノレートモフェチル、ネララビン、オブリメルセン、オバトクラックス(GX15−070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、オメガ−3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、PD0332991、PEG化リポソームドキソルビシン塩酸塩、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ペリフォシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、R−ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、組み換えインターフェロンアルファ、組み換えインターロイキン−12、組み換えインターロイキン−11、組み換えflt3リガンド、組み換えヒトトロンボポエチン、リツキシマブ、サルグラモスチム、シルデナフィルクエン酸塩、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CCl−779)、サリドマイド、治療的同種リンパ球、チオテパ、チピファルニブ、VELCADE(登録商標)、PS−341)、ビンクリスチン、ビンクリスチン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、SAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸、またはスベロイル、アニリド、及びヒドロキサム酸)、FR(フルダラビン及びリツキシマブ)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、及びミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ)、hyperCVAD(多分割されたシクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、メトトレキセート、及びシタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、MCP(ミトキサントロン、クロランブシル、及びプレドニゾロン)、R−CHOP(リツキシマブ及びCHOP)、R−CVP(リツキシマブ及びCVP)、R−FCM(リツキシマブ及びFCM)、R−ICE(リツキシマブ及びICE)、ならびにR MCP(リツキシマブ及びMCP)。
修正版アプローチの1つは、モノクローナル抗体と、インジウム−111、イットリウム−90、及びヨウ素−131などの放射性同位体の粒子とを組み合わせた放射免疫療法である。組み合わせ療法の例としては、以下に限定するものではないが、ヨウ素−131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、イットリウム−90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))、及びCHOPを伴うBEXXAR(登録商標)が挙げられる。
上述の療法は、幹細胞移植または処置で補ってもそれと組み合わせてもよい。治療手順としては、末梢血幹細胞移植、同種造血幹細胞移植、同種骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害剤療法、全身照射、幹細胞注入、幹細胞支持を伴う骨髄アブレーション、生体外処置された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、低LETコバルト−60ガンマ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び骨髄非破壊的な同種造血幹細胞移植が挙げられる。
非ホジキンリンパ腫の組み合わせ療法
非ホジキンリンパ腫(NHL)、特にB細胞由来の非ホジキンリンパ腫の処置は、モノクローナル抗体、標準的な化学療法アプローチ(例えば、CHOP、CVP、FCM、MCPなど)、放射免疫療法、及びこれらの組み合わせ、特に抗体療法及び化学療法を統合したものを使用することを含む。
NHL/B細胞がん処置のための非結合型モノクローナル抗体の例としては、リツキシマブ、アレムツズマブ、ヒトまたはヒト化抗CD20抗体、ルミリキシマブ、抗TNF関連アポトーシス誘導リガンド(抗TRAIL)、ベバシズマブ、ガリキシマブ、エプラツズマブ、SGN−40、及び抗CD74が挙げられる。
NHL/B細胞がん処置で使用する実験的抗体剤の例としては、オファツムマブ、ha20、PRO131921、アレムツズマブ、ガリキシマブ、SGN−40、CHIR−12、エプラツズマブ、ルミリキシマブ、アポリズマブ、ミラツズマブ、及びベバシズマブが挙げられる。
NHL/B細胞がんのための化学療法の標準的レジメンとしては、CHOP、FCM、CVP、MCP、R−CHOP、R−FCM、R−CVP、及びR MCPが挙げられる。
NHL/B細胞がんのための放射免疫療法の例としては、イットリウム−90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標))及びヨウ素−131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))が挙げられる。
マントル細胞リンパ腫の組み合わせ療法
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療処置としては、CHOP、hyperCVAD、及びFCMなどの組み合わせ化学療法が挙げられる。これらのレジメンには、モノクローナル抗体リツキシマブを追加して、R−CHOP、hyperCVAD−R、及びR−FCMという組み合わせ療法を形成することもできる。MCLを処置するために、上述の療法のいずれかを幹細胞移植またはICEと組み合わせることもできる。
MCL処置の代替的アプローチの1つは、免疫療法である。ある免疫療法では、リツキシマブのようなモノクローナル抗体を使用する。別の免疫療法では、GTOP−99などのがんワクチンを使用する。これは、個々の患者の腫瘍の遺伝子構造に基づくものである。
MCL処置のための修正版アプローチの1つは、モノクローナル抗体を放射性同位体(例えば、ヨウ素−131トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))及びイットリウム−90イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標)))の粒子と組み合わせる、放射免疫療法である。別の例では、BEXXAR(登録商標)は、CHOPとの連続的処置で使用される。
MCL処置への他のアプローチとしては、高用量化学療法を伴う自家幹細胞移植、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)またはPS−341)などのプロテアソーム阻害剤の投与、サリドマイドなどの抗血管新生剤の投与(特に、リツキシマブと組み合わせて)が挙げられる。
他の処置アプローチは、BCL−2タンパク質の分解をもたらしがん細胞の化学療法に対する感受性を高める薬物、例えばオブリメルセンを、他の化学療法剤と組み合わせて投与することである。
さらなる処置アプローチとしては、細胞増殖の阻害及び細胞死ももたらし得るmTOR阻害剤の投与が挙げられる。非限定的な例として、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCI−779)、及びテムシロリムスとRITUXAN(登録商標)、VELCADE(登録商標)、または他の化学療法剤との組み合わせがある。
他の最近のMCLの療法も開示されている。このような例としては、フラボピリドール、PD0332991、R−ロスコビチン(セリシクリブ、CYC202)、スチリルスルホン、オバトクラックス(GX15−070)、TRAIL、抗TRAIL死受容体(Anti−TRAIL death receptor)DR4及びDR5抗体、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、CCl−779)、エベロリムス(RAD001)、BMS−345541、クルクミン、SAHA、サリドマイド、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、CC−5013)、及びゲルダナマイシン(17 AAG)が挙げられる。
ワルデンシュトレームマクログロブリン血症の組み合わせ療法
ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)の処置に使用する治療剤としては、ペリフォシン、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、リツキシマブ、シルデナフィルクエン酸塩(VIAGRA(登録商標))、CC−5103、サリドマイド、エプラツズマブ(hLL2−抗CD22ヒト化抗体)、シムバスタシン、エンザスタウリン、キャンパス−1H、デキサメタゾン、DT−PACE、オブリメルセン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンAS2−1、アレムツズマブ、ベータアレチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン塩酸塩、プレドニゾン、ビンクリスチン硫酸塩、フルダラビン、フィルグラスチム、メルファラン、組み換えインターフェロンアルファ、カルムスチン、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、メルファラン、ドラスタチン10、インジウム−111モノクローナル抗体MN−14、イットリウム−90ヒト化エプラツズマブ、抗胸腺細胞グロブリン、ブスルファン、シクロスポリン、メトトレキセート、ミコフェノレートモフェチル、治療的同種リンパ球、イットリウム−90 イブリツモマブチウキセタン、シロリムス、タクロリムス、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、アルデスロイキン、ドセタキセル、イホスファミド、メスナ、組み換えインターロイキン−11、組み換えインターロイキン−12、BCL−2ファミリータンパク質阻害剤ABT−263、デニロイキンジフチトクス、タネスピマイシン、エベロリムス、ペグフィルグラスチム、ボリノスタット、アルボシジブ、組み換えflt3リガンド、組み換えヒトトロンボポエチン、リンフォカイン活性化キラー細胞、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、イリノテカン塩酸塩、カスポファンギン酢酸塩、クロファラビン、エポエチンアルファ、ネララビン、ペントスタチン、サルグラモスチム、ビノレルビン酒石酸塩、WT−1アナログペプチドワクチン、WT1 126−134ペプチドワクチン、フェンレチニド、イクサベピロン、オキサリプラチン、モノクローナル抗体CD19、モノクローナル抗体CD20、オメガ−3脂肪酸、ミトキサントロン塩酸塩、オクトレオチド酢酸塩、トシツモマブ、ヨード−131トシツモマブ、モテクサフィンガドリニウム、三酸化ヒ素、チピファルニブ、ヒト自己腫瘍由来HSPPC−96、ベルツズマブ、ブリオスタチン1、PEG化リポソームドキソルビシン塩酸塩、及びこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
WMの処置に使用する治療手順の例としては、末梢血幹細胞移植、同種造血幹細胞移植、同種骨髄移植、抗体療法、生物学的療法、酵素阻害剤療法、全身照射、幹細胞注入、幹細胞支持を伴う骨髄アブレーション、生体外処置された末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、低LETコバルト−60ガンマ線療法、ブレオマイシン、従来の手術、放射線療法、及び骨髄非破壊的な同種造血幹細胞移植が挙げられる。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の組み合わせ療法
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の処置に使用する治療剤としては、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、抗CD20モノクローナル抗体、エトポシド、ブレオマイシン、WM用に収載された薬剤の多く、及びこれらの組み合わせ(例えば、ICE及びR ICE)が挙げられる。
慢性リンパ性白血病の組み合わせ療法
慢性リンパ性白血病(CLL)の処置に使用する治療剤の例としては、クロランブシル、シクロホスファミド、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、プレドニゾロン、アレムツズマブ、WM用に収載された薬剤の多く、及び化学療法と化学免疫療法との組み合わせ(以下の一般的な組み合わせレジメンを含む:CVP、R−CVP、ICE、R−ICE、FCR、及びFR)が挙げられる。
製造物品及びキット
本明細書に記載のBTK阻害剤を含む組成物(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)、及び本明細書に記載のBCL−2阻害剤を含む組成物は、調製し、適切な容器に入れ、指示条件の処置用にラベルを付すことができる。したがって、本明細書に記載のBTK阻害剤の単位剤形及びBCL−2阻害剤の単位剤形、ならびに当該化合物の使用説明を含むラベルを含む容器のような製造物品も、提供される。いくつかの実施形態では、当該製造物品は、(i)本明細書に記載のBTK阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のBCL−2阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む容器である。一実施形態では、BTK阻害剤及びBCL−2阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
本明細書に記載のPI3K阻害剤を含む組成物(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)、及び本明細書に記載のBCL−2阻害剤を含む組成物は、調製し、適切な容器に入れ、指示条件の処置用にラベルを付すことができる。したがって、本明細書に記載のPI3K阻害剤の単位剤形及びBCL−2阻害剤の単位剤形、ならびに当該化合物の使用説明を含むラベルを含む容器のような製造物品も、提供される。いくつかの実施形態では、当該製造物品は、(i)本明細書に記載のPI3K阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のBCL−2阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む容器である。一実施形態では、PI3K阻害剤及びBCL−2阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
本明細書に記載のBtk阻害剤を含む組成物(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)、及び本明細書に記載のSyk阻害剤を含む組成物は、調製し、適切な容器に入れ、指示条件の処置用にラベルを付すことができる。したがって、本明細書に記載のBtk阻害剤の単位剤形及びSyk阻害剤の単位剤形、ならびに当該化合物の使用説明を含むラベルを含む容器のような製造物品も、提供される。いくつかの実施形態では、当該製造物品は、(i)本明細書に記載のBtk阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のSyk阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む容器である。一実施形態では、Btk阻害剤及びSyk阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
キットも考慮されている。例えば、キットは、本明細書に記載のBTK阻害剤の単位剤形と、本明細書に記載のBCL−2阻害剤を含む組成物と、病状の処置における組成物の使用説明を含む添付文書とを含むことができる。いくつかの実施形態では、当該キットは、(i)本明細書に記載のBTK阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のBCL−2阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む。一実施形態では、BTK阻害剤及びBCL−2阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
別の例では、キットは、本明細書に記載のPI3K阻害剤の単位剤形と、本明細書に記載のBCL−2阻害剤を含む組成物と、病状の処置における組成物の使用説明を含む添付文書とを含むことができる。いくつかの実施形態では、当該キットは、(i)本明細書に記載のPI3K阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のBCL−2阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む。一実施形態では、PI3K阻害剤及びBCL−2阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
キットも考慮されている。例えば、キットは、本明細書に記載のBtk阻害剤の単位剤形と、本明細書に記載のSyk阻害剤を含む組成物と、病状の処置における組成物の使用説明を含む添付文書とを含むことができる。いくつかの実施形態では、当該キットは、(i)本明細書に記載のBtk阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、ならびに(ii)本明細書に記載のSyk阻害剤と、1種以上の医薬的に許容される担体、アジュバント、または添加剤との単位剤形、を含む。一実施形態では、Btk阻害剤及びSyk阻害剤のいずれについても、単位剤形はタブレットである。
キット内にある使用説明は、本明細書にさらに記載されるように、がん(例えば、血液悪性腫瘍を含む)処置用のものであり得る。
実施例
以下の実施例は、本出願で開示される実施形態の理解をさらに助けるために提供され、当該実施例が関係する技術分野の当業者に周知の従来的方法に対する理解を前提とするものである。以下に記載される特定の材料及び条件は、本明細書で開示される実施形態における特定の態様の例示を意図しており、それらの妥当な範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1
本研究は、BTK阻害剤の化合物A1による、原発性慢性リンパ性白血病(CLL)細胞におけるアポトーシスを誘導する能力について、ストローマ細胞共培養の非存在下及び存在下、αIgM/αIgG/αCD40共刺激を伴う条件で評価するために行った。二次的な目的は、化合物A1とBCL−2阻害剤の化合物B1との組み合わせが、原発性CLL細胞において単剤によるアポトーシス効果を強化することができるかを決定することであった。
材料及び方法
化合物A1及びB1のサンプルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mMストックとして調製した。化合物は、使用する前に、0.75mLポリプロピレンチューブ中で−20℃で凍結させた10mMのDMSOストックから解凍するか、またはガラスの保存用バイアル中に室温で保管した10mMのDMSOストックから等分した。
HS−5ヒトストローマ細胞系をATCC(American Tissue Type Collection)から取得した。細胞を、リンパ球増殖培地(LGM)(RPMI−1640に10%のFBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、55μMのβ−メルカプトエタノール、及び2mMのGlutaMaxを追加したもの)中で維持した。インフォームドコンセントにより、CLL対象から全血を取得した。
CPTチューブ内でのフィコール分離を製造業者の指示(Becton Dickinson)に従って行うことにより、CLL患者から取得したヒト白血球から末梢血単核球(PBMC)を調製した。単離されたPBMCを凍結培地(50%のIMDM、40%のFBS、及び10%のDMSO)中で凍結保存し、使用するまで液体窒素の気相中で保持した。原発性CLL細胞を蒔く1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で付着させた。単離したCD5+/CD19+の%をFACS染色を介して定量化した。
原発性CLL細胞をプレーティングする1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で付着させた。
凍結した原発性CLLのPBMCを解凍し、LGM中で洗浄し、プレーティングの前に37℃のLGM中で3〜5時間静置した。次に細胞を室温で10分間遠心処理し、プレーティングのため1.0〜2.5x105細胞/mLでLGM中に再懸濁させた。アッセイウェルのセットアップを、HS−5共培養の非存在下または存在下のU底96ウェル組織培養プレートにおいて行った。化合物を以下記載のように希釈した。アッセイプレートを1時間インキュベートしてからαIgM/αIgG(7.8μg/ウェル)及びαCD40(4μg/ウェル)で刺激した。陽性対照及び陰性対照をセットアップした。細胞を37℃のCO2インキュベーター内で66〜72時間インキュベートし、アポトーシスのアッセイを行った。
組み合わせプレート(化合物A1x化合物B1)を化合物の8x3または3x3マトリックスとして調製した。8x3マトリックスでは、化合物A1を1/2対数(half−log)希釈(10μM〜3nM)で調製し、化合物B1(30、10、3nM)と合わせた。薬物濃度は、臨床的に達成可能な曝露における遊離薬物濃度に基づいて選択し、アッセイ濃度下のタンパク質結合に応じて調整した。収載する濃度は、最終アッセイ値を意味する。
化合物を、10mMのDMSOストック溶液から希釈した。適切な作業化合物溶液またはビヒクルのそれぞれ2μlを96ウェルポリプロピレンプレートに移すことにより、化合物の組み合わせを調製した。100X希釈液を培地に入れることによりドータープレートを作製した。10X希釈液を上述の最終アッセイプレートに入れることにより、最終アッセイプレートを作製した。最終DMSO濃度は0.1%であった。
フローサイトメトリー
細胞をディープウェル(2mL)アッセイブロックに移し、1mLのカチオンフリーPBS(PBS−/−)ですすいだ。細胞を、製造業者の指示に従ってInvtrogenのアクアLive/Dead試薬中に再懸濁させ、氷上で30分インキュベートした。アクアLive/Deadを等体積のPBS+/+及び4%のFBS(FACSバッファー)でクエンチした。細胞を遠心処理し、全体積80μLにおいてαCD5−PE、αCD19−BV421、及びアネキシンV−APCで標識し、氷上で30分インキュベートした。標識後、細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、次にBD固定バッファーにより氷上で30分固定した。細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、解析した。
CD5+/CD19+細胞のパーセンテージをPBMC中で定量化して、各サンプルにおける悪性細胞の集団を査定した。アポトーシスを評価するため、50μL細胞懸濁液のフローサイトメトリーサンプリング(5,000〜25,000総イベント)をBD FACS Canto II装置上で高スループットスクリーン(HTS)オートサンプラーを用いて収集した。CD5+CD19+集団をゲートにかけ、アネキシンV−/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead+、及びアネキシン V−/Live−Dead+ CLL集団についてのデータを収集した。
データ解析
アネキシンV+/Live−Dead−またはアネキシンV−/Live−Dead+をゲートにかけ、各集団における陽性細胞のパーセンテージをウェルごとに記録し、データをフローサイトメトリー標準(fcs)ファイルに抽出した。アネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+の平均パーセンテージを決定した。
EC50値の算出は、薬物のログ濃度ならびにアネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+細胞パーセントに基づいて、GraphPad software(San Diego,CA USA,www.graphpad.com)のPrism6.01における4パラメーター非線形回帰アルゴリズムを用いて行った。各実行により、各化合物希釈物における二重反復のウェル値に基づいた単一のEC50が生成された。EC50値及び各曲線適合から生成されたヒル勾配を報告した。
薬物組み合わせの相乗効果を、ブリス独立モデル(Meletiadis J,et al.,“Assessing in vitro combinations of antifungal drugs against yeasts and filamentous fungi:comparison of different drug interaction models.”Med Mycol 2005;43(2):133−52)を用いて査定した。CLL細胞を、単独の化合物及び組み合わせ化合物の両方で処置した。各個別の化合物について、試験した各化合物濃度で影響を受けなかった細胞のパーセンテージを決定した。2種の個別化合物における前提的な加算的相互作用を、以下の式を用いて算出した。
1)FA=1−(FUA1xFUA2)
(式中、FAは、組み合わせにおけるブリス予測による加算値であり、FUA1は、化合物1単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージであり、FUA2は、化合物2単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージである。)ブリススコアは、以下の式を用いて算出した。
2)B=A−FA
(式中、Bはブリススコアであり、Aは、実際の(観察された)化合物組み合わせの効果であり、FAは、式(1)で算出されたブリス予測による加算的相互作用である。)0に等しいブリススコアは、2種の化合物間における加算的相互作用を示す。0より大きいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を上回る相互作用または相乗的相互作用を示す。0より小さいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を下回る相互作用または拮抗的相互作用を示す。このプロセスを、本研究で使用した3x3及び8x3組み合わせマトリックスにおける各ポイントについて反復した。
結果
化合物
A1が原発性CLL細胞アポトーシスを
誘導することができるかを決定するため、修正版共培養アッセイシステムを利用した。この生体外システムは、生体のリンパ節内または骨髄内で見いだされる、ストローマミクロ環境と共に存在するCLL細胞の細胞相互作用を模倣するように設計した。個別のCLL対象における、αIgM/αIgG/αCD40刺激(±HS−5共培養)の存在下または非存在下で定量化されたPBMCアポトーシスの概要を表2に提示する。
マッチした患者のCLL細胞を使用して、細胞をHS−5細胞と共に培養した場合には、HS−5共培養なしの場合(43.8%のアポトーシス)と比べて、細胞生存能に37%の増加(27.4%のアポトーシス)がみられた(図1)。αIgM/αIgG/αCD40の添加を通じてのB細胞受容体(BCR)及びCD40受容体の共刺激により、CLL細胞がアポトーシスから保護された(図2)。HS−5共培養不在下では、αIgM/αIgG/αCD40刺激なし(36.8%アポトーシス)に対しαIgM/αIgG/αCD40刺激あり(15.6%アポトーシス)と、細胞生存能に57%の増加が観察された。αIgM/αIgG/αCD40刺激±HS−5共培養の組み合わせでは、刺激なし+HS−5共培養での27.0%に対し、わずか12.3%のアポトーシスとなり、生存能における54%の増加を表す結果となった。αIgM/αIgG/αCD40による刺激により、細胞生存能が増加し、CLL細胞がアポトーシスから保護されたが、14名中4名及び12名中5名の対象のCLL細胞では、HS−5共培養の非存在下においても存在下においても、刺激による20%以上の生存能増加は示されず、BCR依存性の低い対象集団を表す可能性がある(図3及び4)。
単剤による原発性CLL細胞アポトーシス誘導
αIgM/αIgG/αCD40で刺激した5名のドナー由来の原発性CLL細胞における化合物A1のアポトーシス誘導の結果は、幾何平均EC50(±標準偏差)の値が27.2±11.3nM(N=4)であり、平均最大アポトーシスが1μMで21.1%であった(図3)。HS−5共培養の存在下では、試験した5名中3名のドナーのアポトーシスレベルが概してバックグラウンドを上回って増加しなかったため、平均EC
50値を報告しない。化合物A1の場合に観察された比較的低いレベルのアポトーシスは、BCL−2阻害剤の化合物B1をA1と組み合わせて添加したことにより、αIgM/αIgG/αCD40共刺激を伴う原発性CLL細胞における全体的なアポトーシスが増加する可能性があることを示唆するものであった。全ての試験化合物は、アポトーシス誘導において用量反応的効果を示した(図5)。反応の大きさは、ドナー間及び化合物間で異なった。化合物A1について、5名のドナーにおける66〜72時間時の最大アポトーシスを比較したものを表3に概括する。
化合物A1及び化合物B1の組み合わせによる原発性CLLのアポトーシス増加
アポトーシスに及ぼす相乗効果を査定するため、化合物A1と化合物B1との組み合わせを、個別の原発性CLL患者のサンプル8つで試験した。当該組み合わせの効果を特徴づけるため、化合物A1及び化合物B1を、上述のように8x3または3x3の組み合わせマトリックスでCLL細胞に投薬し、66〜72時間処置した。ブリス独立モデルを相乗作用のスコア化に使用した。アポトーシス測定値及びそれに対する相乗作用のブリススコア算出値を個別の対になった濃度アッセイポイントごとにプロットした。結果を図6に示す。
A1との対の組み合わせでB1を添加することにより、概して加算的効果と相乗作用のいくらかの証拠とがもたらされた。A1とB1との組み合わせは、概して、穏やかな相乗性反応を加える結果となった(図6)。
BCRまたはCD40受容体の刺激により、そして接触により誘導されたシグナル、または骨髄ストローマ細胞が産生するサイトカインにより、原発性CLL細胞において保護シグナルまたは生存促進シグナルが誘導され得る。本研究では、CLL細胞及びストローマHS−5細胞の共培養、BCR及びCD40受容体刺激による刺激、または共培養及びBCR/CD40受容体刺激の組み合わせにより、66〜72時間のアッセイ期間にわたるCLL細胞の生存率増加がもたらされた。BTK阻害剤の化合物A1は、αIgM/αIgG/αCD40で刺激された原発性CLL細胞のアポトーシスを誘導し、幾何平均EC50(±標準偏差)の値は27.2±11.3nM(N=4)、平均最大アポトーシスは21.1%(1μMの化合物でスクリーニング)であった。
化合物B1は、CLLにおける臨床有効性を示した。本研究では、全化合物が、αIgM/αIgG/αCD40刺激±HS−5共培養を伴った原発性CLL細胞のアポトーシスを誘導することができた。化合物A1との対の組み合わせで化合物B1を添加することにより、アポトーシス効果が増加し、BTK阻害単独で達成可能な効果を上回った。この組み合わせで試験した8つの原発性CLLサンプルのうち、6つが明確な加算的反応を示した。化合物A1及びB1の組み合わせは、試験した8つの原発性CLLサンプル全てにおいて、相乗性反応を加える結果となった。
これらの結果は、化合物A1が原発性CLL細胞のアポトーシスを引き起こし得ることと、BCR及びCD40受容体シグナリングにより、ならびにCLL細胞とストローマ細胞との間の相互作用により誘導されるシグナルにより、化合物A1が、原発性CLL細胞において誘導される保護シグナルまたは生存促進シグナルを妨害し得ることとを、実証するものである。このアポトーシス効果は、臨床的に達成可能なレベルの化合物B1を追加することにより強化された。
実施例2
本研究は、PI3K阻害剤の化合物C1、及びBCL−2阻害剤の化合物B1による、αIgM/αIgG/αCD40共刺激を伴った原発性慢性リンパ性白血病(CLL)細胞におけるアポトーシスを誘導する能力について、ストローマ細胞共培養の非存在下及び存在下で評価するために行った。二次的な目的は、化合物C1とBCL−2阻害剤の化合物B1との組み合わせが、αIgM/αIgG/αCD40共刺激を伴った原発性CLL細胞において、ストローマ細胞共培養の非存在下及び存在下で、単剤によるアポトーシス効果を強化することができるかを決定することであった。
材料及び方法
化合物C1及びB1のサンプルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mMストックとして調製した。化合物は、使用する前に、0.75mLポリプロピレンチューブ中で−20℃で凍結させた10mMのDMSOストックから解凍するか、またはガラスの保存用バイアル中に室温で保管した10mMのDMSOストックから等分した。
HS−5ヒトストローマ細胞系をATCC(American Tissue Type Collection)から取得した。細胞を、リンパ球増殖培地(LGM)(RPMI−1640に10%のFBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、55μMのβ−メルカプトエタノール、及び2mMのGlutaMaxを追加したもの)中で維持した。インフォームドコンセントにより、CLL対象から全血を取得した(Bioreclamation,Westbury,NY)。
CPTチューブ内でのフィコール分離を製造業者の指示(Becton Dickinson)に従って行うことにより、CLL患者から取得したヒト白血球から末梢血単核球(PBMC)を調製した。単離されたPBMCを凍結培地(50%のIMDM、40%のFBS、及び10%のDMSO)中で凍結保存し、使用するまで液体窒素の気相中で保持した。原発性CLL細胞をプレーティングする1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で一晩付着させた。単離したCD5+/CD19+の%をFACS染色を介して定量化した。原発性CLL細胞をプレーティングする1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で一晩付着させた。
凍結した原発性CLLのPBMCを解凍し、LGM中で1回洗浄し、プレーティングの前に37℃のLGM中で3〜5時間静置した。次に細胞を室温で10分間遠心処理し、プレーティングのため1.0〜2.5x105細胞/mLでLGM中に再懸濁させた。アッセイウェルのセットアップを、HS−5共培養の非存在下または存在下のU底96ウェル組織培養プレートにおいて行った。化合物を以下記載のように希釈した。アッセイプレートを1時間インキュベートしてからαIgM/αIgG(7.8μg/ウェル)及びαCD40(4μg/ウェル)で刺激した。陽性対照及び陰性対照をセットアップした。細胞を37℃のCO2インキュベーター内で66〜72時間インキュベートし、アポトーシスのアッセイを行った。
組み合わせプレート(化合物C1x化合物B1)を化合物の4x9または4x3マトリックスとして調製した。4x9マトリックスでは、化合物C1を0、30、100、または300nMの濃度で使用し、化合物B1を0.8、1.6、3.13、6.25、12.5、25、50、100、または200nMの濃度で使用した。4x3マトリックスでは、化合物C1を0、30、120、または480nMの濃度で使用し、化合物B1を3、10、または30nMの濃度で使用した。薬物濃度は、臨床的に達成可能な曝露における遊離薬物濃度に基づいて選択し、アッセイ濃度下のタンパク質結合に応じて調整した。収載する濃度は、最終アッセイ値を意味する。
化合物を、10mMのDMSOストック溶液から希釈した。適切な作業化合物溶液またはビヒクルのそれぞれ2μlを96ウェルポリプロピレンプレートに移すことにより、化合物の組み合わせを調製した。100X希釈液を培地に入れることによりドータープレートを作製した。10X希釈液を上述の最終アッセイプレートに入れることにより、上記の最終アッセイプレートを作製した。最終DMSO濃度は0.1%であった。
フローサイトメトリー
細胞をディープウェル(2mL)アッセイブロックに移し、1mLのカチオンフリーPBS(PBS−/−)ですすいだ。細胞を、製造業者の指示に従ってInvtrogenのアクアLive/Dead試薬中に再懸濁させ、氷上で30分インキュベートした。アクアLive/Deadを等体積のPBS+/+及び4%のFBS(FACSバッファー)でクエンチした。細胞を遠心処理し、全体積80μLにおいてαCD5−PE、αCD19−BV421、及びアネキシンV−APCで標識し、氷上で30分インキュベートした。標識後、細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、次にBD固定バッファーにより氷上で30分固定した。細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、解析した。
CD5+/CD19+細胞のパーセンテージをPBMC中で定量化して、各サンプルにおける悪性細胞の集団を査定した。アポトーシスを評価するため、50μL細胞懸濁液のフローサイトメトリーサンプリング(5,000〜25,000総イベント)をBD FACS Canto II装置上で高スループットスクリーン(HTS)オートサンプラーを用いて収集した。CD5+CD19+集団をゲートにかけ、アネキシンV−/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead+、及びアネキシン V−/Live−Dead+ CLL集団についてのデータを収集した。
データ解析
アネキシンV+/Live−Dead−またはアネキシンV−/Live−Dead+をゲートにかけ、各集団における陽性細胞のパーセンテージをウェルごとに記録し、データをフローサイトメトリー標準(fcs)ファイルに抽出した。アネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+の平均パーセンテージを決定した。
EC50値の算出は、薬物のログ濃度ならびにアネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+細胞パーセントに基づいて、GraphPad software(San Diego,CA USA,www.graphpad.com)のPrism6.01における4パラメーター非線形回帰アルゴリズムを用いて行った。各実行により、各化合物希釈物における二重反復のウェル値に基づいた単一のEC50が生成された。EC50値及び各曲線適合から生成されたヒル勾配を報告した。
薬物組み合わせの相乗効果を、ブリス独立モデル(Meletiadis J,et al.,“Assessing in vitro combinations of antifungal drugs against yeasts and filamentous fungi:comparison of different drug interaction models.”Med Mycol 2005;43(2):133−52)を用いて査定した。CLL細胞を、単独の化合物及び組み合わせ化合物の両方で処置した。各個別の化合物について、試験した各化合物濃度で影響を受けなかった細胞のパーセンテージを決定した。2種の個別化合物における前提的な加算的相互作用を、以下の式を用いて算出した。
1)FA=1−(FUA1xFUA2)
(式中、FAは、組み合わせにおけるブリス予測による加算値であり、FUA1は、化合物1単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージであり、FUA2は、化合物2単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージである。)ブリススコアは、以下の式を用いて算出した。
2)B=A−FA
(式中、Bはブリススコアであり、Aは、実際の(観察された)化合物組み合わせの効果であり、FAは、式(1)で算出されたブリス予測による加算的相互作用である。)0に等しいブリススコアは、2種の化合物間における加算的相互作用を示す。0より大きいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を上回る相互作用または相乗的相互作用を示す。0より小さいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を下回る相互作用または拮抗的相互作用を示す。このプロセスを、本研究で使用した4x9及び4x3組み合わせマトリックスにおける各ポイントについて反復した。
結果
αIgM/αIgG/αCD40によるCLL細胞への刺激は、値は様々であるが統計的に有意な生体外での原発性CLL細胞保護(p=0001)をもたらし、ストローマ細胞系のHS−5との共培養は、αIgM/αIgG/αCD40刺激と共に、アポトーシスの観察レベルをさらに低減した(p=0.0051)。化合物C1及び化合物B1は、原発性のαIgM/αIgG/αCD40で刺激されたCLL細胞のアポトーシスを、それぞれアポトーシス細胞の平均最大比率23%、91.4%で誘導することができた。
単剤による原発性CLL細胞アポトーシス誘導
図7は、化合物C1がアポトーシス誘導において用量反応的効果を示したことを実証している。反応の大きさは、ドナー間で異なった。化合物C1についての5名のドナーにおける66〜72時間時の最大アポトーシスを表5に概括する。これに対し、化合物B1はより高いレベルのアポトーシスを誘導することができた。30nMでは、試験した全CLLサンプルで>60%のアポトーシスが観察された(図7)。
化合物C1及び化合物B1の組み合わせによる原発性CLLのアポトーシス増加
アポトーシスに及ぼす相乗効果を査定するため、化合物C1及び化合物B1の組み合わせを、複数の個別の原発性CLL患者のサンプル(すなわち、個別の原発性CLL患者のサンプル9つ)で試験した。当該組み合わせの効果を特徴づけるため、化合物C1及び化合物B1を、上述のように4x9または4x3の組み合わせマトリックスでCLL細胞に投薬し、66〜72時間処置した。ブリス独立モデルを相乗作用のスコア化に使用した。アポトーシス測定値及びそれに対する相乗作用のブリススコア算出値を個別の対になった濃度アッセイポイントごとにプロットした。結果を図8に示す。
化合物C1への化合物B1の添加により、試験した全患者からの原発性CLL細胞のアポトーシス誘導に相乗効果が加えられ、アポトーシスの最大レベルが増加した(図8)。図8における各線は、個別の患者ドナーから取得した原発性CLL細胞からのデータを表す。9名の異なるドナーを利用した。
BCRまたはCD40受容体の刺激により、そして接触により誘導されたシグナル、または骨髄ストローマ細胞が産生するサイトカインにより、原発性CLL細胞において保護シグナルまたは生存促進シグナルが誘導され得る。本研究では、CLL細胞及びストローマHS−5細胞の共培養、BCR及びCD40受容体刺激による刺激、または共培養及びBCR/CD40受容体刺激の組み合わせにより、66〜72時間のアッセイ期間にわたるCLL細胞の生存率増加がもたらされた。
実施例3
化合物A1及びB1のサンプルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mMストックとして調製した。化合物は、使用する前に、0.75mLポリプロピレンチューブ中で−20℃で凍結させた10mMのDMSOストックから解凍するか、またはガラスの保存用バイアル中に室温で保管した10mMのDMSOストックから等分した。
HS−5ヒトストローマ細胞系をATCC(American Tissue Type Collection)から取得した。細胞を、リンパ球増殖培地(LGM)(RPMI−1640に10%のFBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、55μMのβ−メルカプトエタノール、及び2mMのGlutaMaxを追加したもの)中で維持した。インフォームドコンセントにより、CLL対象から全血を取得した。
CPTチューブ内でのフィコール分離を製造業者の指示(Becton Dickinson)に従って行うことにより、CLL患者から取得したヒト白血球から末梢血単核球(PBMC)を調製した。単離されたPBMCを凍結培地(50%のIMDM、40%のFBS、及び10%のDMSO)中で凍結保存し、使用するまで液体窒素の気相中で保持した。原発性CLL細胞をプレーティングする1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で付着させた。単離したCD5+/CD19+の%をFACS染色を介して定量化した。原発性CLL細胞をプレーティングする1日前に、U底96ウェルプレートを3.0x104 HS−5細胞でコーティングし、加湿した37℃のインキュベーター(5%のCO2を追加)内で付着させた。
凍結した原発性CLLのPBMCを解凍し、LGM中で洗浄し、プレーティングの前に37℃のLGM中で3〜5時間静置した。次に細胞を室温で10分間遠心処理し、プレーティングのため1.0〜2.5x105細胞/mLでLGM中に再懸濁させた。アッセイウェルのセットアップを、HS−5共培養の非存在下または存在下のU底96ウェル組織培養プレートにおいて行った。化合物を以下記載のように希釈した。アッセイプレートを1時間インキュベートしてからαIgM/αIgG(7.8μg/ウェル)及びαCD40(4μg/ウェル)で刺激した。陽性対照及び陰性対照をセットアップした。細胞を37℃のCO2インキュベーター内で66〜72時間インキュベートし、アポトーシスのアッセイを行った。
組み合わせプレート(化合物A1x化合物B1)を化合物の8x3または3x3マトリックスとして調製した。8x3マトリックスでは、化合物A1を1/2対数(half−log)希釈(10μM〜3nM)で調製し、600、300、及び100nM、または100、30、及び10nMのいずれかの化合物B1と合わせた。3x3マトリックスでは、A1(100、30、10nM)をB1(100、30、10nM)と合わせた。薬物濃度は、臨床的に達成可能な曝露における遊離薬物濃度に基づいて選択し、アッセイ濃度下のタンパク質結合に応じて調整した。収載する濃度は、最終アッセイ値を意味する。
化合物を、10mMのDMSOストック溶液から希釈した。適切な作業化合物溶液またはビヒクルのそれぞれ2μlを96ウェルポリプロピレンプレートに移すことにより、化合物の組み合わせを調製した。100X希釈液を培地に入れることによりドータープレートを作製した。10X希釈液を上述の最終アッセイプレートに入れることにより、最終アッセイプレートを作製した。最終DMSO濃度は0.1%であった。
フローサイトメトリー
細胞をディープウェル(2mL)アッセイブロックに移し、1mLのカチオンフリーPBS(PBS−/−)ですすいだ。細胞を、製造業者の指示に従ってInvtrogenのアクアLive/Dead試薬中に再懸濁させ、氷上で30分インキュベートした。アクアLive/Deadを等体積のPBS+/+及び4%のFBS(FACSバッファー)でクエンチした。細胞を遠心処理し、全体積80μLにおいてαCD5−PE、αCD19−BV421、及びアネキシンV−APCで標識し、氷上で30分インキュベートした。標識後、細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、次にBD固定バッファーにより氷上で30分固定した。細胞をFACSバッファーで2回すすぎ、解析した。
CD5+/CD19+細胞のパーセンテージをPBMC中で定量化して、各サンプルにおける悪性細胞の集団を判定した。アポトーシスを評価するため、50μL細胞懸濁液のフローサイトメトリーサンプリング(5,000〜25,000総イベント)をBD FACS Canto II装置上で高スループットスクリーン(HTS)オートサンプラーを用いて収集した。CD5+CD19+集団をゲートにかけ、アネキシンV−/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead−、アネキシンV+/Live−Dead+、及びアネキシンV−/Live−Dead+ CLL集団についてのデータを収集した。
データ解析
アネキシンV+/Live−Dead−またはアネキシンV−/Live−Dead+をゲートにかけ、各集団における陽性細胞のパーセンテージをウェルごとに記録し、データをフローサイトメトリー標準(fcs)ファイルに抽出した。アネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+の平均パーセンテージを決定した。
EC50値の算出は、薬物のログ濃度ならびにアネキシンV+/Live−Dead−及びアネキシンV−/Live−Dead+細胞パーセントに基づいて、GraphPad software(San Diego,CA USA,www.graphpad.com)のPrism6.01における4パラメーター非線形回帰アルゴリズムを用いて行った。各実行により、各化合物希釈物における二重反復のウェル値に基づいた単一のEC50が生成された。EC50値及び各曲線適合から生成されたヒル勾配を報告した。
ブリス独立モデルを用いて薬剤組み合わせの相乗作用を判定した。CLL細胞を、単独の化合物及び組み合わせ化合物の両方で処置した。各個別の化合物について、試験した各化合物濃度で影響を受けなかった細胞のパーセンテージを決定した。2種の個別化合物における前提的な加算的相互作用を、以下の式を用いて算出した。
1)FA=1−(FUA1xFUA2)
(式中、FAは、組み合わせにおけるブリス予測による加算値であり、FUA1は、化合物1単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージであり、FUA2は、化合物2単独による影響を受けなかった細胞のパーセンテージである。)ブリススコアは、以下の式を用いて算出した。
2)B=A−FA
(式中、Bはブリススコアであり、Aは、実際の(観察された)化合物組み合わせの効果であり、FAは、式(1)で算出されたブリス予測による加算的相互作用である。)0に等しいブリススコアは、2種の化合物間における加算的相互作用を示す。0より大きいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を上回る相互作用または相乗的相互作用を示す。0より小さいブリススコアは、2種の化合物間における加算性を下回る相互作用または拮抗的相互作用を示す。このプロセスを、本研究で使用した3x3及び8x3組み合わせマトリックスにおける各ポイントについて反復した。
結果
化合物A1が原発性CLL細胞アポトーシスを誘導することができるかを決定するため、修正版共培養アッセイシステムを利用した。この生体外システムは、生体のリンパ節内または骨髄内で見いだされる、ストローマミクロ環境と共に存在するCLL細胞の細胞相互作用を模倣するように設計した。個別のCLL対象における、αIgM/αIgG/αCD40刺激(±HS−5共培養)の存在下または非存在下で定量化されたPBMCアポトーシスの概要を以下の表に提示する。
マッチした患者のCLL細胞を使用して、細胞をHS−5細胞(27.4%のアポトーシス)と共に培養した場合には、HS−5共培養なしの場合(43.8%のアポトーシス)と比べて、細胞生存能に37%の増加がみられた(図1)。重要なことには、αIgM/αIgG/αCD40の添加を通じてのB細胞受容体(BCR)及びCD40受容体の共刺激により、CLL細胞がアポトーシスから保護された。
図2 HS−5共培養不在下では、αIgM/αIgG/αCD40刺激なし(36.8%アポトーシス)に対しαIgM/αIgG/αCD40刺激あり(15.6%アポトーシス)と、細胞生存能に57%の増加が観察された。αIgM/αIgG/αCD40刺激±HS−5共培養の組み合わせでは、刺激なし+HS−5共培養での27.0%に対し、わずか12.3%のアポトーシスとなり、生存能における54%の増加を表す結果となった。興味深いことには、αIgM/αIgG/αCD40による刺激により、細胞生存能が増加し、CLL細胞がアポトーシスから保護されたが、14名中4名及び12名中5名の対象のCLL細胞では、HS−5共培養の非存在下においても存在下においても、刺激による20%以上の生存能増加は示されず、BCR依存性の低い対象集団を表す可能性がある(図3及び図4)。
単剤による原発性CLL細胞アポトーシス誘導
刺激した5名のドナー由来の原発性CLL細胞における化合物A1のアポトーシス誘導
αIgM/αIgG/αCD40、結果は、幾何平均EC50(±標準偏差)の値が27.2±11.3nM(N=4)であり、平均最大アポトーシスが1μMで21.1%であった(図3)。HS−5共培養の存在下では、試験した5名中3名のドナーのアポトーシスレベルが概してバックグラウンドを上回って増加しなかったため、平均EC50値を報告しない。化合物A1の場合に観察された比較的低いレベルのアポトーシスは、Syk阻害剤の化合物
B1をA1と組み合わせて添加したことにより、αIgM/αIgG/αCD40共刺激を伴う原発性CLL細胞における全体的なアポトーシスが増加する可能性があることを示唆するものであった。全ての試験化合物は、アポトーシス誘導において用量反応的効果を示した(図5)。反応の大きさは、ドナー間及び化合物間で異なった。化合物A1についての5名のドナーにおける66〜72時間時の最大アポトーシスを比較したものを、表5に概括する。化合物
B1は、最も高いレベルのアポトーシスを誘導することができた。30nMでは、試験した全CLLサンプルで>60%のアポトーシスが観察された。
化合物A1及び化合物B1の組み合わせによる原発性CLLのアポトーシス増加
アポトーシスに及ぼす相乗効果を判定するため、化合物A1と化合物B1との組み合わせを、個別の原発性CLL患者のサンプル8つで試験した。当該組み合わせの効果を特徴づけるため、化合物A1または化合物B1を、8x3または3x3の組み合わせマトリックスでCLL細胞に投薬し、66〜72時間処置した。ブリス独立モデルを相乗作用のスコア化に使用した。アポトーシス測定値及びそれに対する相乗作用のブリススコア算出値を個別の対になった濃度アッセイポイントごとにプロットした。結果を図6に示す。
A1との対の組み合わせでB1を添加することにより、概して加算的効果と相乗作用のいくらかの証拠とがもたらされた。A1とB1との組み合わせは、概して、穏やかな相乗性反応を加える結果となった(図6)。
BCRまたはCD40受容体の刺激により、そして接触により誘導されたシグナル、または骨髄ストローマ細胞が産生するサイトカインにより、原発性CLL細胞において保護シグナルまたは生存促進シグナルが誘導され得る。本研究では、CLL細胞及びストローマHS−5細胞の共培養、BCR及びCD40受容体刺激による刺激、または共培養及びBCR/CD40受容体刺激の組み合わせにより、66〜72時間のアッセイ期間にわたるCLL細胞の生存率増加がもたらされた。BTK阻害剤の化合物A1は、αIgM/αIgG/αCD40で刺激された原発性CLL細胞のアポトーシスを誘導し、幾何平均EC50(±標準偏差)の値は27.2±11.3nM(N=4)、平均最大アポトーシスは21.1%(1μMの化合物でスクリーニング)であった。
化合物B1は、CLLにおける臨床有効性を示した。本研究では、全化合物が、αIgM/αIgG/αCD40刺激±HS−5共培養を伴った原発性CLL細胞のアポトーシスを誘導することができた。化合物A1との対の組み合わせで化合物B1を添加することにより、アポトーシス効果が増加し、BTK阻害単独で達成可能な効果を上回った。この組み合わせで試験した8つの原発性CLLサンプルのうち、6つが明確な加算的反応を示した。化合物A1及びB1の組み合わせは、試験した8つの原発性CLLサンプル全てにおいて、相乗性反応を加える結果となった。
これらの結果は、化合物A1が原発性CLL細胞のアポトーシスを引き起こし得ることと、BCR及びCD40受容体シグナリングにより、ならびにCLL細胞とストローマ細胞との間の相互作用により誘導されるシグナルにより、化合物A1が、原発性CLL細胞において誘導される保護シグナルまたは生存促進シグナルを妨害し得ることとを、実証するものである。このアポトーシス効果は、臨床的に達成可能なレベルの化合物B1を添加することにより強化された。
実施例4
以下の実施例では、化合物A1はBtk阻害剤を指し、化合物C1はPI3Kデルタ阻害剤、すなわちイデラリシブを指し、化合物D1はSyk阻害剤、すなわちエントスプレチニブを指す。
研究I:本研究におけるターゲット集団は、再燃したCLLまたは抵抗性のCLLにかかっている成人である。処置持続期間には、無作為抽出して化合物A1+b(化合物C1)+オビヌツズマブ(アームB)による処置に割り付けた対象に、オビヌツズマブを最大8用量で21週にわたり投与することが含まれる。経口用薬剤による組み合わせ処置(化合物A1及び化合物C1)は、全対象について104週まで継続することができる。有効性の判定は、修正版IWCLL 2008 criteria{Hallek他2008年}に従って、リンパ節、脾臓、及び肝臓の測定値は理学的検査により、全血球計算値、リンパ節、脾臓、及び肝臓の測定値は、CTまたはMRI、末梢血MRD判定、ならびに標準的な病理組織診断及びMRD判定を含めた骨髄判定により、行われることになる。
本研究では、化合物A180mgを1日1回及びイデラリシブ60mgを1日に2回、これにオビヌツズマブを伴うまたは伴わない組み合わせの安全性を、少なくとも28日間評価することになる。組み合わせ療法の利点としては、より高い反応率を実現し反応の持続期間を向上させるための可能性や、個別の研究薬物をより低用量で組み合わせて使用することによる毒性低減及び有効性増加のための可能性、が挙げられる。
研究II:対象を2つのコホートに登録する。各コホートの用量は以下のようにする。用量レベル1は1つのコホートのみとし、投薬量には、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を20mgで1日1回が含まれる。用量レベル2は、2つのコホートを含む。一方のコホートには、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を40mgで1日1回投与する。もう一方のコホートには、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を20mgで1日2回投与する。用量レベル3も、2つのコホートを含む。一方のコホートには、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を80mgで1日1回投与する。もう一方のコホートには、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を40mgで1日2回投与する。用量レベル4は、2つのコホートを含む。一方のコホートには、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を150mgで1日1回投与する。もう一方のコホートへの投与は、化合物C1を50mgで1日2回、化合物A1を75mgで1日2回を含む。用量レベル5は1つのコホートのみを含み、化合物A1の投薬量は未定であり、化合物C1の投薬量は100mgで1日2回である。
研究III:対象を、化合物A1の開始用量が40mgで1日1回、化合物D1の開始用量が200mgで1日1回とする研究に登録する。サイクル1から28日以内、組み合わせIIのコホート1Aにおける1日目に1件のDLTが生じた場合、このコホートを拡大して3名の対象を追加登録する。組み合わせIIのコホート1Aで≧2件のDLTが生じた(すなわち、≧2名の対象がDLTを経験した)場合は、化合物A1及びエントスプレチニブの組み合わせの開発を中止する。3名の対象でDLTが観察されない、または最大6名の対象で<2件のDLTが観察された場合は、用量を用量レベル2に増やす。
用量レベル2は2つのコホートからなり、コホート2Aは、化合物A1を80mgで1日1回、化合物D1を200mgで1日1回となり、コホート2Bは、化合物A1を40mgで1日1回、化合物D1を400mgで1日1回となる。用量レベル2に登録した最初の3名の対象をコホート2Aに割り当て、次の3名の対象をコホート2Bに割り当てる。用量レベル3は、2つのコホートからなる。一方のコホートは、化合物A1を150mgで1日1回、化合物D1を200mgで1日1回となる。もう一方のコホートは、化合物A1を40mgで1日1回、化合物D1を400mgで1日1回となる。用量レベル4も、2つのコホートからなる。一方のコホートは、化合物A1を150mgで1日1回、化合物D1を400mgで1日1回となる。もう一方のコホートは、化合物A1を40mgで1日2回、化合物D1を200mgで1日2回となる。
次のコホートに進める前に、全ての利用可能な安全性、忍容性、及びPKのデータを検討する。試験を行う最大用量は、化合物A1が1日の総用量150mg、化合物D1が1日の総用量400mgになるが、用量増加は、用量低減、中間的用量、またはスケジュールの違い(1日1回及び1日2回)について、新たに分かった安全性、PK、薬物力学、及び有効性の結果に基づいて、コホートに対し適応的に行うことになる。
ターゲット集団:再燃したFLまたは抵抗性のFL、辺縁帯リンパ腫(MZL)、CLL、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、MCL、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、または非GCB DLBCLにかかっている、標準的基準により測定可能な疾患を有し、かつ治療を必要とする成人。
いずれの対象についても、処置期間における最大関与は2年とすることができる。当該処置に好適な対象は、以下の基準を有し得る。
(i)診療記録により立証される、また世界保健機関(WHO)により確立された基準に基づいた組織学による、FL、MZL、SLL、CLL(IWCLL Criteria 2008を満たす)、MCL、WM、または非GCB DLBCLの診断。a)FLグレード1、2、または3a;b)SLL、初回診断で絶対リンパ球数<5x109/Lであること;c)MZL(脾臓、節、または節外);d)WM、血清モノクローナルIgM>0.5g/dLとして定義される測定可能な疾患、またはワルデンシュトレームマクログロブリン血症の治療要請に関する国際ワークショップ(Second International Workshop)の勧告のうちの少なくとも1つを満たす
(ii)FL、MZL、SLL、MCL、WM、または非GCB DLBCLの治療前に≧2、CLLの場合は≧1の化学療法ベースまたは免疫療法ベースのレジメンを有し、移植には適格でなく、書面で立証される疾患進行を有する、またはほとんどの最近の処置レジメンに反応しなかった(安定的な疾患)。
(iii)WM以外の疾患については、X線検査により測定可能なリンパ節症または節外性リンパ性腫瘍の存在(コンピューター断層撮影[CT]または磁気共鳴撮像[MRI]により判定される測定値が、最長寸法[LD]≧2.0cm、最長垂直寸法[LPD]≧1.0cmである≧1の病変の存在として定義される)。
(iv)研究療法を開始する前の任意の事前の抗腫瘍療法の急性毒性影響が全てグレード≦1になった(例外は脱毛症[グレード1も2も許容]、骨髄パラメーター[グレード1または2のいずれも許容])。
(v)米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータス(PS)≦2
(vi)以下のように定義される適度な臓器機能:a)血液学:血小板≧50x109/L;ヘモグロビン≧8.0g/dL;ANC≧1.0x109/L(スクリーニング診察で血液学的臨床検査値を取得する前の7日以内に血小板輸血もいかなる増殖因子も伴っていないこと);b)肝臓:アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)/アラニントランスアミナーゼ(ALT)≦2.5x正常範囲の上限(ULN)総ビリルビンまたは抱合型ビリルビン≦1.5xULN;c)腎臓:血清クレアチニン≦1.5xULNまたはクレアチニンクリアランス(CrCl)≧60mL/分(コッククロフト−ゴールト法により算出)
スクリーニングは、対象がサインしたインフォームドコンセントを取得することから始まり、サイクル1の1日目に最初に研究薬物を投薬する最大28日前に発生する。疾患タイプによるベースライン腫瘍判定は、処置開始前に対象の疾患状態を判定するため、サイクル1の1日目より前に測定し特徴づける。
適格性基準を満たす対象は、サイクル1の1日目に単回用量の化合物A1の投与を受け、次にサイクル1の2日目に化合物C1または化合物D1と化合物A1との組み合わせの投与を受ける。第1のサイクルは28日(1日は化合物A1単剤、27日は組み合わせ処置)からなり、後続の各サイクルは28日の組み合わせ処置となる。割り当てた組み合わせ薬物は、研究全体において一貫させる。安全性及び有効性の判定は、腫瘍の反応、理学的検査、バイタル、ECG、血液サンプルの収集、PK、薬物力学、及びバイオマーカーの判定、ならびにAEの判定を含めて行われる。加えて、対象は、DLBCL及びCLLを例外として、12週ごとにCT(またはMRI)スキャンを受ける。DLBCLにかかっている対象は、6週目に追加的スキャンを受ける。CLLにかかっている対象は、ベースライン、24週目、及び進行時にスキャンを受ける。臨床判定により、またはCT(もしくはMRI)により疾患進行の証拠を示さない対象は、(臨床的にまたはX線検査により)疾患が進行するまで、処置を継続することができる。
PKサンプルの収集は、サイクル1の1日目に、化合物A1の投薬前、及び投薬後(任意選択で)0.5、1、2、3、4、6、8、12時間時、そしてサイクル1の2日目、8日目に、化合物A1とイデラリシブまたはエントスプレチニブとの投薬前、及び投薬後0.5、1、2、3、4、6、8、12、24時間時に行う。投薬後12時間のPKサンプルは任意選択である。サイクル2〜6の第1日の任意の時間にまばらなPKサンプルも収集する。
薬物力学用血液サンプルの収集は、サイクル1の1日目の投薬前、及び投薬後2、6時間時、そしてサイクル1の2日目、8日目の投薬前、及び投薬後2、6、24時間時、及び処置終了時または疾患進行時に行う。研究薬物が1日2回(BID)投与される場合、24時間時サンプルは、朝の投薬から24時間後に収集する。これらのサンプルの一部または全ての収集は、地理的位置によっては輸送物流事情のため、現場で実行可能ではない場合がある。また、サンプリングの時間ポイントは、新たに生じるデータに基づいて除去しても修正してもよい。
本研究において評価の対象としている患者集団には、根治療法となり得る療法が存在しない。本研究の用量増加フェーズにおける各構成成分の投薬は、患者に利益をもたらし得る最も低い用量で開始し、化合物A1の開始用量は単剤療法研究におけるMTDの1/12未満、イデラリシブの開始用量は承認用量の1/3、エントスプレチニブの開始用量は、単剤療法研究で忍容性であることが実証された用量の1/4(MTDは特定されていない)である。
AEの判定及び臨床検査値異常のモニターは、最初の28日サイクルの1、8、15、22日目に行うことになる。
実施例5
慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者由来の凍結末梢血サンプルを本研究用に使用した。
病的細胞数を決定するため、また各サンプルの病的細胞を特定するための最良のマーカーの組み合わせを決定するため、解凍したサンプルのごく一部を特定のモノクローナル抗体(mAb)で染色した。さらに、この組み合わせにアネキシンVを含めて、サンプルにおける初期の生存能を評価した。生存能と、標的細胞集団を特定するための最良の抗体ペアとの療法を解析するため、アネキシンVと結合バッファー(2.4gのHEPES、8.19gのNaCl、0.37gのCl2Ca、H2O〜1L)と以下のmAb:CD19/CD20/CD10/CD5/CD23/CD45との組み合わせ20μLを、CLLサンプル用の各ウェルに添加した。
細胞培養のための天然環境の血液構成成分:培養する細胞のための天然環境を得るため、ドナー由来の末梢血(PB)またはCLLサンプルからの血漿及びRBCを添加した。血漿画分は、使用するまで−80℃で保管した。RBCは、抗凝固剤のクエン酸リン酸ブドウ糖アデニン溶液(CPDA−1;Terumo Corporation,Tokyo,Japan)をこの画分に添加した後、4℃で最大35日間保存した(150μl CPDA/ml RBC)。CLL細胞培地への追加用に、この2種の画分(血漿及びRBC)を1:1の割合で使用した。
増殖CFSE染色:Vybrant(登録商標)CFDA SE Cell Tracerキット(Invitrogen,Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA,USA)を細胞増殖の測定に使用した。CLL細胞を、FBSなしのAIM−V AlbuMAX培地中10x106細胞/mlに調整した。CFSEを1mlの細胞懸濁液に添加し、最終濃度5μMにした。CFSEの添加後、細胞をボルテックスし、室温で10分間、持続的に振とうし光から保護しながらインキュベートした。インキュベート期間の終了時、細胞を、10%のFBSを含む冷たい培地(全培地)に再懸濁させ、氷上で5分間保ち、次に冷たい全培地中で2回洗浄し、使用するまで4℃で維持した。
アッセイの準備:凍結保存したCLLサンプルを、AIM−V AlbuMAX(Invitrogen)に異なる進行性CLLサンプルから供給された血漿及びRBC、10%のヒト血清(Sigma)、2%のHEPES、1%のZell Shield抗生物質(Labclinics,Barcelona,Spain)、1%のL−グルタミン200mM(Lonza,Hopkinton,MA)、1μg/mlのCpG ODN及び50ng/mlのIL−2を追加したもので希釈した。この混合物を、HS5(100:1)細胞系を含有する96ウェルプレートに分注し、種々の薬物を含有する新たな96ウェルプレートに移した。(HS−5細胞系を96ウェルプレートに播種し、24時間インキュベートして細胞を付着させた。)薬物プレートは、Echo 550 Liquid Handler(LabCyte,Sunnyvale,CA)を用いて異なる濃度ポイントで事前に準備した。プレートを37Cで96時間、5%CO2を含有する加湿した空気中でインキュベートした。その後、フローサイトメトリーにより増殖及び生存能を試験した。
生存能染色:赤血球を溶解するため、180mLの塩化アンモニウム溶解液を各ウェルに添加した(2gのKHCO3、16.58gのNH4Cl、0.074gのNa2−エチレンジアミン四酢酸[EDTA]_2H2O、H2O〜1L)。4℃で10分間のインキュベート期間の後、各プレートを1200rpmで5分間遠心処理し、上清を除去した。この溶解ステップを2回実施した。染色のため、20μLのアネキシンVと各CLLサンプル用の2種の最良マーカーとの組み合わせを結合バッファーに再懸濁させたものを添加した。暗中、室温で15分のインキュベートの後、BB溶液を用いて洗浄ステップを実施した。ペレットを、ViviaのExviTechプラットフォームで解析するため、80μLのBBに再懸濁させた。
ExviTech(商標)プラットフォーム:この新規のフローサイトメトリーベースシステムは、CyAN ADPサイトメーター(Beckman Coulter,Brea,CA,US)及びVivia独自の新規のEnd Point Sampler(EPS)プレートハンドラーを搭載している。EPSはアッセイプレートの各ウェルの内容物を吸引し、サイトメーターのフローセルに内容物を送達する。各96ウェルアッセイプレートは、単一の.fcsファイルとしてCyAnサイトメーターから収集する。EPSはサイトメーターと同じコンピューター上から実行し、プレート内のウェルごとに第2のファイルを記録する。この後者のファイルはタイミングファイルであり、発明者ら独自のソフトウェアプログラムであるFCS Analyzerにより、データ解析用に.fcsファイルと統合させる。このプログラムは、サイトメーターが単一のファイルとして得た96ウェルからのデータを、各サンプルアリコート(各ウェル)がサイトメーターに吸引された正確な時間に基づいて96の別々のデータセットに切り離し、各データセットにウェル番号を割り当てるように設計されている。次に、各96ウェルプレートを単一のファイルとして解析するが、必要に応じて、アッセイしたそれぞれの異なる薬物/濃度に対応して、各ウェルを個別に調べることもできる。
データ解析:濃度を増加させながらの薬物への曝露後における生きている腫瘍細胞の数をカウントすることにより、各化合物の反応効果を測定した。生存指数パーセンテージは、薬物を含んだウェル中の生細胞の数と、薬物を含まない対照ウェル中の基底レベルの細胞の数との差として算出した。病的細胞のサブセットを特定したところで、アネキシンVを使用して死細胞を除外し、薬物ウェル及び対照ウェルにおいて、生細胞の数のみを測定した。アネキシンVで染色されず、適切なFSC/SSCを有する細胞を生細胞とみなした。FCS Analyzerを使用して、個々の薬物のそれぞれの効果を決定した。
単剤の能力及び有効性を、用量反応実験へのモデリングアプローチにより推定した。データ適合に使用したモデル(方程式1)は、ヒル方程式に基づいた、最も一般的な単一サイトのS状の用量反応阻害モデルであり、解析した従属変数(DV)は、サイトメーターが試験薬物濃度ごとにカウントした、生きている病的細胞の数であった。レーベーンバーグ・マーカートのアルゴリズムを用いてデータポイントを適合させた。次に、基底レベルパラメーター(E0)を各データポイントの基準にして、結果の正規化を行った。このアプローチは、モデルからの曲線関数を最低濃度から最高濃度の間で積分することにより、正規化された曲線下面積(AUC)の値の算出を可能にする。
[方程式1]:
Chou T.[2]により説明される組み合わせ指数(Combination index)を算出することにより、薬物相互作用の解析を行った。これは、薬物の相互作用を測定する最も容易かつ一般的な方法であり、組み合わせ指数(Ci)の決定である。
この指数は、組み合わせの場合に特定の効果(x)に達するのに必要な薬物濃度と、各薬物を単独で試験した場合に同じ効果に達するのに必要な濃度の比率の和として算出される(方程式3)。
[方程式3]:Cix=(CA|B/CA)+(CB|A/CB)
式中、CA|B及びCB|Aは、それぞれ組み合わせ実験における薬物A及び薬物Bの濃度であり、CA及びCBは、単剤として試験した場合に同じ効果を得るのに必要な各薬物の濃度である。これらの濃度は、組み合わせで観察された効果を各単剤曲線に内挿することにより、算出される。
Ciの意味は以下のように示される。
Cix<1:相乗作用、Cixが約1:加算的効果、Cix>1:拮抗作用
相互作用の概括:生存パーセンテージは、薬物の組み合わせを含んだウェル中の生細胞の数と、薬物を含まない対照ウェル中の基底レベルの細胞の数との差として算出した。以下が結果のリストである。以下における細胞数は25で一定のままである。NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びP13K−デルタ阻害剤については、平均値が47.8であり、標準偏差が11.8である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が68.4であり、標準偏差が36.0である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が82.3であり、標準偏差が26.6である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、平均値が66.5であり、標準偏差が17.2である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が72.5であり、標準偏差が20.3である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が125.1であり、標準偏差が66.2である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びBtk阻害剤については、平均値が63.6であり、標準偏差が13.1である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が59.3であり、標準偏差が44.7である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が103.6であり、標準偏差が28.7である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、平均値が88.51であり、標準偏差が20.6である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が63.2であり、標準偏差が39.4である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が100.6であり、標準偏差が30.1である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びSyk阻害剤については、平均値が57.6であり、標準偏差が18.3である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が35.3であり、標準偏差が22.96である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が102.0であり、標準偏差が67.0である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、平均値が65.2であり、標準偏差が20.8である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が42.2であり、標準偏差が38.4である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が129.9であり、標準偏差が81.8である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるPI3k及びBtk阻害剤については、平均値が73.2であり、標準偏差が37.7である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が67.1であり、標準偏差が40.7である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が138.9であり、標準偏差が59.2である。PM_GL2_006におけるPR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、平均値が70.9であり、標準偏差が33.2である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が63.6であり、標準偏差が36.4である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が158.5であり、標準偏差が83.6である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるSyk及びBtk阻害剤については、平均値が55.3であり、標準偏差が15.3である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が32.3であり、標準偏差が18.98である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が76.6であり、標準偏差が58.2である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、平均値が59.4であり、標準偏差が21.1である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、平均値が30.1であり、標準偏差が23.95である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、平均値が98.4であり、標準偏差が85.8である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びPI3K−デルタ阻害剤については、細胞数が25であり、平均値が1.12であり、標準偏差が2.7である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が20であり、平均値が5413.3であり、標準偏差が24122.3である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が18であり、平均値が0.071であり、標準偏差が0.083である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、細胞数が24であり、平均値が0.18であり、標準偏差が0.54である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が23であり、平均値が0.04であり、標準偏差が0.046である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が10であり、平均値が0.053であり、標準偏差が0.047である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びBtk阻害剤については、細胞数が24であり、平均値が4.7であり、標準偏差が5.7である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が19であり、平均値が9482.5であり、標準偏差が41331.7である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が11であり、平均値が0.214であり、標準偏差が0.321である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、細胞数が19であり、平均値が0.569であり、標準偏差が1.132である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が22であり、平均値が0.03であり、標準偏差が0.046である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が10であり、平均値が0.073であり、標準偏差が0.078である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるABT−199及びSyk阻害剤については、細胞数が24であり、平均値が47.605であり、標準偏差が112.9である。PM_GL2_007における同じ組み合わせについては、細胞数が25であり、平均値が11.5であり、標準偏差が37.9である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が17であり、平均値が0.614であり、標準偏差が0.867である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、細胞数が22であり、平均値が0.55であり、標準偏差が0.488である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が22であり、平均値が0.078であり、標準偏差が0.09である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が10であり、平均値が0.614であり、標準偏差が0.867である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるPI3k及びBtk阻害剤については、データが存在しない。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が19であり、平均値が1.107E+14であり、標準偏差が4.43E+14である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、データが存在しない。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、細胞数が20であり、平均値が80.7であり、標準偏差が359.3である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が22であり、平均値が543.5であり、標準偏差が2527.695である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が7であり、平均値が3.3であり、標準偏差が6.8である。
NP生腫瘍細胞(PM_GL2_006)におけるSyk及びBtk阻害剤については、細胞数が25であり、平均値が9.516E+16であり、標準偏差が4.758E+17である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が25であり、平均値が1029.1であり、標準偏差が4447.058である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が19であり、平均値が0.001であり、標準偏差が0.002である。PR生腫瘍細胞を用いての同じ阻害剤の組み合わせについては、細胞数が25であり、平均値が6.911であり、標準偏差が21.2である。(PM_GL2_007)における同じ組み合わせについては、細胞数が25であり、平均値が20.4であり、標準偏差が95.7である。PM_GL2_012における同じ組み合わせについては、細胞数が15であり、平均値が0.025であり、標準偏差が0.033である。