JP6813169B2 - 音声抑制装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、車内(電車、車の中)や室内の人の話し声の内容などを、隣の人や周辺の人に対して聞き取り難くして話の内容を保護できるようにした音声抑制装置に関する。
近年、スマートフォンのような携帯電話機の普及に伴い、スマートフォンにヘッドセットを接続して通話するというスタイルが一般的となりつつある。一方、屋内外には様々な騒音や環境音が存在しており、ユーザの耳に入るそれら騒音や環境音を低減させることがするためのノイズキャンセリング機能を搭載したノイズキャンセリングヘッドフォンが実用化されている。
ノイズキャンセリングヘッドフォンとしては、例えばフィードバック方式が知られている。この方式は、ヘッドフォンの内部にマイクロフォン(以下、「マイク」と呼ぶ。)を設置し、マイクで騒音として集音したノイズ信号の位相を反転した逆位相の信号を生成する。そして、この騒音に対して逆位相となるノイズキャンセル信号をヘッドフォンのドライバーユニットに供給することにより、ユーザに対して聞こえる騒音を低減させることができるようにされている。
例えば、特許文献1には、ユーザの耳に装着される音響管内においてイヤホンユニットの近傍に設けたマイクロホンユニットにより収音した音響管内部の騒音(ノイズ)を位相反転させた音声信号を生成し、これをイヤホンユニットから音として出力させることにより、ユーザの耳に入る外部ノイズを低減させるようにした構成、つまり、フィードバック方式に対応したノイズキャンセリングシステムの構成が記載されている。
特開平3−214892号公報
ところで、近年スマートフォンのような携帯電話機で屋内外を問わず第三者と電話で会話する機会が増加しているが、通話内容を他人に聞かれたくない場合が多い。一方で、そのユーザ(発話者)の周囲の人も、電話で会話している音声を非常に迷惑に感じる。そのために、電車の車両内や喫茶店内で、携帯電話による音声通話を禁止している場合も多い。
この場合、屋外では話し声を聞かれたくない場合には自分の声を小さくするか、手を口に当てて話す必要がある。屋内であれば防音装置や消音設備を導入することもできるが、コストがかかってしまう。
これに対し、本発明者等は、ユーザ自身の発話音声が周囲に漏れず、他人に聞き取れない程度に抑制することができれば、ユーザは、周辺環境を気にすることなく、スマートフォンを用いて通話することができると考えた。
そこで、本発明は、ユーザ自身の発話音声が周囲に漏れず、他人に聞き取れない程度に抑圧することができる音声抑制装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の音声抑制装置は、発話者の口元周辺に配置される音声抑制装置であって、発声された第1の音声信号を検出する第1のマイクと、発話音源である発話者の口を曲線状に囲むように配置されるアーム部の先端付近に配置され、発話者を正面から見たときに、第1のマイクよりも発話音源の中心から遠い位置にあり、第1の音声信号を入力する第2のマイクと、少なくとも第2のマイクとは離れて配置され、発話音源に向かって、第2の音声信号を出力する第1のスピーカと、第1のマイクから入力された第1の音声信号に対し、第1の音声信号の周波数特性に応じて、第1の音声信号をキャンセルするための第2の音声信号を生成し、第2の音声信号を第1のスピーカへ出力する第1の信号処理手段と、有線又は無線を介して携帯端末に接続可能な音声通信手段とを有し、第2のマイクによって入力された第1の音声信号は携帯端末に送信されることを特徴とする。
また、信号処理手段は、第1の音声信号に対して逆位相にするとともに、第1のマイクと第1のスピーカとの距離に応じた減衰量を考慮した振幅レベルの第2の音声信号を生成することが望ましい。
また、信号処理手段は、可変帯域通過フィルタを備え、発話音声の放射特性を考慮して、第2の音声信号が第1の音声信号をキャンセルするようにフィルタの通過周波数帯域を設定してもよい。
また、信号処理手段は、発話音声の放射特性を考慮して第1のマイクと第1のスピーカとの間の伝達特性を決定し、伝達特性を第1の音声信号に畳み込むようにしてもよい。
ここで、携帯端末との間の無線接続はBluetooth(登録商標)規格に準拠するようにしてもよい。
また、第2のスピーカは発話者の耳を収容するハウジング部内に配置され、ハウジング部には屈曲自在なアームが連結され、アームに第1のマイクと第2のマイクが装着されるようにしてもよい。
本発明によれば、発話者自身の発話音声を周囲に漏らさず、他人に聞き取れない程度に抑制することができる。
第1の実施の形態に係る音声抑制装置の外観を示す模式図である。 第1の実施の形態に係る音声抑制装置の構成を示したブロック図である。 信号処理部の構成を示した図である。 第1の実施の形態に係る音声抑制装置のマイクとスピーカの配置を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る音声抑制装置の構成を示したブロック図である。 第1の実施の形態に係る音声抑制装置を構成する音声検出マイクが口の正面近傍に複数配置される変形例を示した図である。 第1の実施の形態に係る音声抑制装置を構成する音声検出マイクがハウジング周辺にある変形例を示した図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明にかかる音声抑制装置の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係る音声抑制装置を模式的に示した図である。音声抑制装置としてのボイスキャンセリングヘッドセット1については、本実施の形態ではヘッドセットタイプのものを例に挙げて説明するが、この形状にはとらわれない。
音声抑制装置としてのボイスキャンセリングヘッドセット1は、送話マイク11と、音声検出マイク9と、複数のスピーカ7と、信号処理部20を有して構成される。また、不図示であるが、送話マイク11と、音声検出マイク9と、複数のスピーカ7と、信号処理部20に電力を供給する電源としてのリチウムイオン電池や、供給する回路や銅線、信号処理線なども備える。さらに本実施例のボイスキャンセリングヘッドセット1の機能はこれだけに限られず、無線機能や映像撮影機能などを備えていてもよい。ヘッドセットのタイプについては、本例では人の頭部(後頭部又は耳部)に着脱可能な耳かけタイプのヘッドセット(図1参照)であり、受話信号S2や音楽等が入力されるスピーカ15を内蔵したハウジング部4と、ハウジング部4に連結され屈曲自在なアーム部3とを有して構成されている。
アーム部3の先端領域であって口元周辺の位置に送話マイク11、音声検出マイク9、及び複数の制御スピーカ7が装着されている。口元周辺に位置する領域に装着することによって、複数の制御スピーカ7からの後述するキャンセリング信号を、ユーザの発話音声に対して位相干渉させて発話音声の広がりを抑制することができる。
図1のヘッドセットは、左の耳介に引っかけて固定されるものであるが、後頭部又は後頸部に装着されるいわゆる「ヘッドバンド(ヘッドホン型)」と呼ばれるタイプのものであってもよい。その他のヘッドセットとしては、いわゆる「カナル型」と呼ばれる耳の穴の中に深く挿し込んで使用するイヤホンタイプのものや、いわゆる「インナーイヤー」と呼ばれる耳の穴付近にかけて使用するタイプで、耳の形状に合うように設計されているタイプのものや、いわゆる「ネックバンド」と呼ばれるヘッドバンドが頭の後ろから首にかけたあたりに位置するように設計されているタイプのものであってもよい。また、ハンドセットのタイプでも適用可能である。
なお、「カナル型」と「インナーイヤー」については、イヤホンからアーム部を取り付けることはできないので、イヤホン部から延びるコードにボイスキャンセリング機能付き筐体(後述するボイスキャンセリング機能が内蔵された筐体)を接続し、ボイスキャンセリング機能付き筐体を手に持ったままそれを口元周辺に持っていって使用する。
ボイスキャンセリングヘッドセット1は、ユーザの声を抑制(低減)させるアクティブノイズコントロール(ANC:Active Noise Control)の機能を有する。ユーザの口から放射状に発声された第1の音声信号(以下、「発話音声信号」と呼ぶ。)K1に対して、逆位相の制御音を複数のスピーカから放射させて位相干渉させることで、ボイスキャンセリングヘッドセット1以遠に伝播する発話音声信号K1の振幅を抑制する。こうすることで、ボイスキャンセリングヘッドセット1以遠に位置する人が聞く発話音声信号K1の音量が下がり、ユーザの声が抑制(低減)される。ここで、音声検出マイク9および11は、口から発声された発話音声信号K1を集音(収音)する。ただし、発話音声信号K1は発話者の音声だけを含んでいるわけではなく、周囲の雑音や人の声もある程度含んでいる可能性があるものとする。図1に示すように、音声検出マイク9および11は、アーム部3の外周上であって口元に対向する面(対向面)に取り付けられる。図2において、送話マイク11は、音声検出マイク9よりもアーム部3の先端付近に取り付けられている。これは音声検出マイク9によって、発話音声信号K1が集音できる範囲内であれば上記した取り付け位置に限定されない。そして音声検出マイク9は、指向性の方向が発話者の口側に向かうような角度(向き)に配置される。指向性については単一指向性が好ましい。
また、複数の制御スピーカ7のそれぞれは発話者の口元に向かって出力されるように配置される。なお、複数の制御スピーカ7は図1に示すように発話者の口を囲むように配置するのが好ましいため、アーム部3の形状は図1に示すような湾曲形状であることが好ましい。この制御スピーカ7が発話者の口を囲むように配置するのが好ましいのは、以下の2点による。1点目は、制御スピーカ7が発話者の口を囲むことで、放射状に発生された音声信号(K1)を効率的にキャンセリング可能になる点である。2点目は、制御スピーカ7が発話者の口を曲線状に囲むため、それぞれの制御スピーカ7が発話者の口からほぼ等距離に配置され、制御スピーカ7を直線状に配置するよりも効率的にキャンセリング可能になる。また、アーム部3の長さと幅は口を覆うくらいの距離を有するのが好ましい。こうすることによって、口から放射された音声を漏らすことなく効率的にキャンセリングできる。複数の制御スピーカ7についてはアーム部3の幅と同程度の幅を持つ形状のものを互いにほとんど間隔を置かずに配置するのが好ましい。もちろん単一のスピーカでもアーム部3の取り付け面をほとんど覆い尽くすような形状のものであれば用いてもよい。なお、本実施例においては、複数の制御スピーカ7のそれぞれは発話者の口元に向かって出力されるように配置されたが、効果が得られればスピーカの発音方向は本実施例の向きにとらわれない。
ボイスキャンセリングヘッドセット1は、有線又は無線を介して、スマートフォンのような携帯端末10に接続することができるようになっている。したがって、スマートフォンのユーザインタフェース(例えばタッチパネルディスプレイ)から、ボイスキャンセリングヘッドセット1を、ユーザ操作に応じて制御することができる。例えば、ボイスキャンセリング機能のオンオフや、キャンセリング音量の大小などを調整できる。
以下、ボイスキャンセリングヘッドセット1の動作について説明する。
信号処理部20は、例えばDSP(Digital Signal Processor)によって構成される。信号処理部20は、音声検出マイク9からA/D変換部16を介して入力された発話音声信号(第1のデジタル信号)を逆位相化したキャンセリング信号(第2のデジタル信号)を生成し、生成したキャンセリング信号をD/A変換部17を介して複数の制御スピーカ7に入力する。
信号処理部20は、図3に示すように、主にフーリエ変換部21、周波数特性検出部22、選択部23、逆フーリエ変換部24からなる。フーリエ変換部21は、ボイスキャンセリングヘッドセット1に組み込まれた音声検出マイク9に集音された発話音声信号K1を周波数分析する高速フーリエ変換器(以下、「FFT」と呼ぶ。)からなる。周波数特性検出部22は、FFTで周波数分析することにより発話音声信号K1の周波数特性を検出する。選択部23は、検出された発話音声信号K1の周波数特性から、発話音声信号K1をキャンセルする周波数帯域を選択する。また、逆フーリエ変換部24は、選択された周波数帯域の信号を逆フーリエ変換するとともに、位相を逆にして周波数選択されたキャンセリング信号K2を生成し、出力する。その結果、音声検出マイク9に向かって放射された発話音声信号K1は、キャンセリング信号K2と位相干渉がなされる。そして発話者には発話音声信号K1とキャンセリング信号K2の差分信号が聞こえる。発話音声信号K1はキャンセリング信号K2によって位相干渉されて振幅が低減され、発話者の周囲の人には発話者がほとんど喋っていないように聞こえることとなる。なお、信号処理部20は、フーリエ変換部21、周波数特性検出部22、選択部23、逆フーリエ変換部24からなるが、本機能が得られればハードウェア、ソフトウェア構成はとらわれない。たとえば1つのマイクロコンピュータやチップからなっていても良いし、アプリケーション上で演算できる構成であっても良い。
なお、選択部23は、周波数帯域ごとにフィルタ係数を設定可能な有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタを備えている。この有限インパルス応答フィルタは、周波数帯域ごとに、設定されたフィルタ係数が登録されている。そして選択部23は、キャンセルする周波数帯域に対応するフィルタ係数を選択する。具体的には、選択部23は周波数特性検出部22にて検出された周波数特性を受け取る。そして発話音声信号K1のうち、最も信号強度が大きい周波数帯域およびその整数倍の周波数帯域の出力をカットするようなバンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)を選択する。このフィルタは、例えば、発話音声信号K1の特有の周波数帯域がN[Hz]であれば、発話音声信号K1からN[Hz]、2N[Hz]、3N[Hz]、4N[Hz]など、N[Hz]整数倍の周波数帯域のみを通過させる。こうすることで発話音声信号K1から周囲の雑音や人の声を除去することが可能であり、発話者の音声のみを通過信号として抽出できる。なお、この選択部23によるフィルタ選択は、発話者が使用前に発話音声信号K1を記録させておき、発話音声信号K1の周波数特性、放射特性、利用場所、季節等の環境特性等の諸条件に対応したフィルタ係数を複数予め設定登録しておき、使用時にその時の諸条件に応じた選択を行っても良い。
ここで、選択部23がキャンセルする周波数帯域を選択する場合、発話音声信号K1の放射特性に応じた周波数帯域に対応するフィルタ係数を選択することが望ましい。
また、音声検出マイク9で集音された発話音声信号K1の逆位相の信号であるキャンセリング信号K2を、制御スピーカ7から出力するにあたり、キャンセリング信号K2の出力音量レベルを段階的に設定することもできる。このキャンセリング信号K2の出力音量レベルの設定は、発話者から発せられた発話音声信号の音量(振幅の大きさ)によって調整してもよいし、携帯端末10の操作部を通じてユーザが設定してもよい。
また、発話音声信号K1の放射特性を考慮して音声検出マイク9と複数の制御スピーカ7との間の伝達特性(伝達関数)を決定し、該伝達特性を発話音声信号K1に畳み込むようにしてもよい。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1の実施の形態によれば、選択部23が主に発話者の音声信号の周波数特性に対応したフィルタを選択してキャンセリンリング信号が生成するので、発話者周囲に拡散する発話者の音声信号の抑制を行うことができる。
[第1変形例]
図6は、第1の実施の形態に係るボイスキャンセリングヘッドセット1を構成する音声検出マイク9が口の正面近傍に複数配置される変形例を示した図である。上記した第1の実施の形態においては、音声検出マイク9が単一であった。そのため、周囲の騒音の状況や気象条件、または発話者の呼吸音、唾液の飛散などによって、発話音声を正確に検出できない場合がある。本第1変形例においては、音声検出マイク9を複数配置することで、単一のマイクを用いるよりも発話音声の検出精度を向上できる。具体的には、複数の音声検出マイク9のうち発話者の口の正面に配置されるマイクでは、発話者の呼吸音も検出しても、口の両脇にあるマイクで発話音声を検出可能である。また、口の両脇にマイクを有するため、口から放射した発話音声を左右両方で拾うことができ、いわゆるステレオマイクと同等の効果が得られる。よって、音声検出マイク9を複数配置することで、単一のマイクを用いるよりも発話音声の検出精度の向上が図れる。
[第2変形例]
図7は、第1の実施の形態に係るボイスキャンセリングヘッドセット1のうち、音声検出マイク9がヘッドセットのハウジング周辺にある第2変形例を示した図である。第1の実施の形態においては、音声検出マイク9が口の正面近傍に配置されていた。また、本第1変形例においては、音声検出マイク9が口の正面近傍に複数配置されていた。しかしながら上記した第1の実施形態及び第1変形例においては、例えば検出する音声に発話者の呼吸音が混じったり、音声検出マイク9が発話者の唾液等の水滴で塞がれた場合、正常に音声を検出することができなくなってしまう。このような状態を防ぐために、本第2変形例においては、音声検出マイク9をヘッドセットのハウジング周辺に配置することで、発話者の呼吸音の検出や唾液等によるマイクの機能低下、ボイスキャンセリングの効果低減を抑えることができる。
[第3変形例]
変形例3においては、第1の実施の形態と同様にボイスキャンセリングヘッドセット1のうち、複数の音声検出マイク9および複数の制御スピーカ7が口の正面近傍に配置される(図6参照)。本第3変形例においては、音声検出マイク9および制御スピーカ7がそれぞれ対応しており、音声検出マイク9によって検出した発話者の発話音声に対し、対応する制御スピーカ7からボイスキャンセリング信号が出力される。この時、複数の音声検出マイク9のそれぞれで検出される発話音声は全て均一ではない場合が多く、微小な差分がある。そのため対応する制御スピーカ7から出力されるボイスキャンセリング信号も、それら差分に対応して異なることになる。本第3変形例においては、物理的な距離が最も近い音声検出マイク9および制御スピーカ7がそれぞれ対応しているとするが、本第3変形例と同等の効果が得られるのであればこの限りではない。また、信号処理部20でのキャンセリング信号生成は、各マイクから入力される信号を並列的に処理するのが、リアルタイムでのボイスキャンセリング機能を実現するために望ましい。しかし信号処理部20の制御スペックとの兼ね合いにより、所定のタイミングごとに直列的に処理する構成であっても構わない。これにより、発話音声の放射特性を考慮した場合においても、音声検出マイク9に最も近い制御スピーカ7からボイスキャンセリング信号が出力されるため、複数の音声検出マイク9のそれぞれで検出される発話音声の微小な差分を考慮して、ボイスキャンセリングヘッドセット1全体として最適なキャンセリング信号を発生することができる。結果、単一のマイクを用いるよりもボイスキャンセリング機能の精度を向上できる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明にかかる音声抑制装置の第2実施の形態について図4を参照しながら説明する。第2の実施の形態は、特に、街頭や車内、駅のプラットホームのような騒音環境下でヘッドセットを用いて通話する場合、受話信号が聞き取りにくく発話者の音声もつい音量を上げてしまい、発話音声の秘匿化という目的は図れないという課題に対応するものである。
図4は、第2の実施形態に係る音声抑制装置100の構成を示した図である。上記した第1の実施の形態と異なる部分のみ説明し、同様な部分については説明を省略する。音声抑制装置(以下、「ボイスキャンセリングヘッドセット」と呼ぶ)100については、本実施の形態においてもヘッドセットタイプのものを例に挙げて説明する。ボイスキャンセリングヘッドセット100は、送話マイク11と、音声検出マイク9と、誤差検出マイク(騒音検出マイク)39と、複数の制御スピーカ7と、信号処理部20、30を有して構成される。
ボイスキャンセリングヘッドセット100は、発話者の口から放射状に発声された第1の音声信号(以下、「発話音声信号」と呼ぶ。)K1に対して、逆位相の制御音を複数の制御スピーカ7から放射させて位相干渉させるアクティブノイズコントロール(ANC:Active Noise Control)機能を用いることで口元周辺の発話音声信号K1を抑制(低減)させるとともに、ハウジング部4内に設けられた誤差検出マイク39で耳元の音を常時監視し耳元周辺で発生する騒音源Nからの騒音を、アクティブノイズコントロール機能を用いて抑制(低減)させるものである。ここで、発話者の音声信号を抑制する装置構成及び信号処理動作については上記した第1の実施の形態と同様なのでここでは説明を省略する。
以下、騒音を抑制(低減)する機能について説明する。誤差検出マイク39のハウジング部4内における取り付け位置、方向(角度)は、スピーカ15からの音声が集音できる位置であればよいが、スピーカ15の音声放射範囲内であって指向性の方向がスピーカに向かうような角度(向き)に配置されることが好ましい。
ボイスキャンセリングヘッドセット100は、有線又は無線を介して、スマートフォンのような携帯端末10に接続することができるようになっている。したがって、スマートフォンのユーザインタフェース(例えばタッチパネルディスプレイ)から、ボイスキャンセリングヘッドセット100を、ユーザ操作に応じて制御することができる。
以下、ボイスキャンセリングヘッドセット100の動作について説明する。
信号処理部30は、例えばDSP(Digital Signal Processor)によって構成される。信号処理部30は、誤差検出マイク(エラーマイク)39からA/D変換部26を介して入力された騒音源Nからの騒音を逆位相化したキャンセリング信号(第3のデジタル信号)K3に変換して、このキャンセリング信号K3をD/A変換部27を介してスピーカ15から出力する。この制御の際、信号処理部30は、騒音とキャンセリング信号K3の双方を別途誤差検出マイク39で計測し、誤差検出マイク39で検出される音(受話信号S2+キャンセリング信号K3)に対し適合アルゴリズムを用いて、キャンセリング信号K3の周波数、音圧、騒音信号との位相差を算出する。そして信号処理部30は、算出された位相差に基づいて適応フィルタの係数を調整して、より適正なキャンセリング信号K3を出力する。適合アルゴリズムとして、例えばLMS(Least Mean Square algorithm)が用いられる。
上記構成によれば、キャンセリング信号K3は、DSPとは別の例えばアナログ方式の加算器28によって受話信号S2と加算して出力される。ヘッドフォンに回り込んで侵入する騒音は、キャンセリング信号K3と合成されて、騒音の大半はキャンセルされて、ほぼ受話信号S2のみが残る。この受話信号S2によりスピーカ15が駆動され、使用者はこの受話信号S2を聞くことができる。
<第2の実施の形態の効果>
屋内外でヘッドセットを用いて通話する場合、特に街頭、車内、駅のプラットホームのような騒音環境下では、受話信号が聞き取りにくく発話者の音声もつい音量を上げてしまい、発話音声の秘匿化という目的は図れない。上記した本第2の実施の形態によれば、騒音等の環境音があっても受話内容も聞き取りやすくなり、その結果、発話者の発話音量も必要以上に上げる必要がなくなるので発話音声を抑制することができる。
<その他の実施の形態>
上記した実施の形態においては、ボイスキャンセリングヘッドセット1の信号処理部20にてキャンセル信号を生成する構成であった。しかしながらこの信号処理部20はボイスキャンセリングヘッドセット1内のマイクロコンピュータや演算チップのようなハードウェア、ソフトウェアやアプリケーションによって実現される構成にとらわれない。信号処理部20がベッドセット内に無くパソコンなどの携帯電話やスマートフォンのような情報端末にあるような形態である場合、インターネットや無線通信を介して発話音声の信号を情報端末に送信し、演算は情報端末内で行っても良い。また、特にこの場合は情報端末などに発話者の音声をあらかじめ録音しておき、録音してある単語や文章の発話音声を利用してノイズキャンセリング信号を生成することで、演算処理の負荷を下げることも可能である。これらボイスキャンセリングヘッドセット1の機能を実現するためのソフトウェアやそれを記憶する媒体、プログラムについても同様の効果が得られる場合であれば、本実施の形態の範囲内として考えられる。
1 ボイスキャンセリングヘッドセット
3 アーム部
4 ハウジング部
7 制御スピーカ
9 音声検出マイク
10 携帯端末
11 送話マイク
15 スピーカ
16 A/D変換部
17 D/A変換部
20 信号処理部
21 フーリエ変換部
22 周波数特性検出部
23 選択部
24 逆フーリエ変換部
26 A/D変換部
27 D/A変換部
28 加算器
30 信号処理部
39 誤差検出マイク
100 ボイスキャンセリングヘッドセット
K1 発話音声信号
K2 キャンセリング信号
K3 キャンセリング信号
N 騒音源
S2 受話信号

Claims (6)

  1. 発話者の口元周辺に配置される音声抑制装置であって、
    発声された第1の音声信号を検出する第1のマイクと、
    発話音源である発話者の口を曲線状に囲むように配置されるアーム部の先端付近に配置され、発話者を正面から見たときに、前記第1のマイクよりも発話音源の中心から遠い位置にあり、前記第1の音声信号を入力する第2のマイクと、
    少なくとも前記第2のマイクとは離れて配置され、前記発話音源に向かって、第2の音声信号を出力する第1のスピーカと、
    前記第1のマイクから入力された前記第1の音声信号に対し、前記第1の音声信号の周波数特性に応じて、前記第1の音声信号をキャンセルするための第2の音声信号を生成し、前記第2の音声信号を前記第1のスピーカへ出力する第1の信号処理手段と、
    有線又は無線を介して携帯端末に接続可能な音声通信手段とを有し、
    前記第2のマイクによって入力された第1の音声信号は前記携帯端末に送信される、
    ことを特徴とする音声抑制装置。
  2. 前記信号処理手段は、第1の音声信号に対して逆位相にするとともに、前記第1のマイクと前記第1のスピーカとの距離に応じた減衰量を考慮した振幅レベルの第2の音声信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。
  3. 前記信号処理手段は、可変帯域通過フィルタを備え、
    前記発話音声の放射特性を考慮して、前記第2の音声信号が前記第1の音声信号をキャンセルするように前記フィルタの通過周波数帯域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音声抑制装置
  4. 前記信号処理手段は、前記発話音声の放射特性を考慮して前記第1のマイクと前記第1のスピーカとの間の伝達特性(伝達関数)を決定し、該伝達特性を前記第1の音声信号に畳み込む、
    ことを特徴とする請求項3に記載の音声抑制装置
  5. 前記携帯端末との間の無線接続は、Bluetooth規格に準拠することを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。
  6. 前記第2のスピーカは発話者の耳を収容するハウジング部内に配置され、ハウジング部には屈曲自在なアームが連結され、当該アームに前記第1のマイクと前記第2のマイクが装着されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。
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