JP6809990B2 - マニホールド型流体制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力制御機器、流量制御機器、流路切替機器等の流体制御機器が接続されるマニホールド型の流路を備えるマニホールド型流体制御装置に関する。
マニホールド型流体制御装置は、圧力制御機器、流量制御機器、流路切替機器等の流体制御機器が接続されるマニホールド型の流路を備え、該流路に各流体制御機器に設けられる流体の流入路や流出路が接続されることにより、流路を流れる流体に対して各流体制御機器よって圧力制御、流量制御、流路切換等の各種制御が行われる。
また、マニホールド型流体制御装置には、マニホールド型の流路を複数の連結部材として分割し、該連結部材を連結することにより流路の組み立て性を高めたものがある。例えば、特許文献1に開示されている流体制御装置(マニホールド型流体制御装置)は、分割された第1連結部(連結部材)と第2連結部(連結部材)を連結することによりマニホールド型の流路が形成され、各連結部に設けられる流入路および流出路に第1開閉弁および第2開閉弁(流体制御機器)が接続されることにより、流路を流れる流体に対して圧力制御、流量制御等の制御を行うことができるようになっている。また、マニホールド型流体制御装置は、第1連結部の下流側の開口端部から下流方向に突出する凸部と、第2連結部の上流側の開口端部から上流方向に凹む凹部とを突き合わせた凹凸嵌合部分において、凸部の端面と凹部の端面との間に端面シールを介在させるとともに、第1連結部の上下流方向に貫通する貫通孔に挿通したボルトを第2連結部の雌ネジ部に螺合させることよって第1連結部と第2連結部を締め付けて固定している。このように、凸部と凹部の端面間において挟まれた状態で端面シールに所定の圧力を付与することにより、流路を流れる流体の漏れ出しを防止している。
特開平9−32954号公報(第2頁、第1図)
しかしながら、特許文献1にあっては、第1連結部と第2連結部は、各連結部に設けられる凸部の端面と凹部の端面との間に端面シールを介在させた状態で第1連結部の貫通孔に挿通したボルトを第2連結部の雌ネジ部に螺合させることよって締め付けて固定されており、凸部と凹部の端面間において挟まれた状態の端面シールに所定の圧力を付与して凸部の端面と凹部の端面の隙間を閉塞している。このとき、雌ネジ部へのボルトのネジ込み量によって端面シールに付与される圧力が変化することから密封性を確保するためのボルトのネジ込み量に高い精度が要求される。また、経年変化によって、例えば端面シールが変形すると端面シールに付与される圧力が変化するため、端面シールによる密封性が長期間において維持されない虞があった。さらに、第1開閉弁と第2開閉弁はそれぞれ躯体等の剛体に取付け固定されているため、メンテナンス等により第1開閉弁と第2開閉弁から各連結部を取外して分解した後、組立時に再度第1連結部を第1開閉弁と接続し、第2連結部を第2開閉弁と接続しても、経年変化等により両連結部の相対位置が合わず、メンテナンス前後において凸部の端面と凹部の端面の隙間が異なった状態となりボルトを雌ネジ部にネジ込んでも端面シールに所定の圧力が付与されず、密封性を維持できない虞もあった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、隣接する連結部材の相対移動を許容しながら流路を流れる流体の漏れ出しを防止することができるマニホールド型流体制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のマニホールド型流体制御装置は、
流路を有する一方の連結部材の開口端部の凸部と流路を有する他方の連結部材の開口端部の凹部とを凹凸嵌合させることにより前記一方の連結部材と前記他方の連結部材が連結されるとともに、流体制御機器が接続されるマニホールド型流体制御装置であって、
前記一方の連結部材に設けられる凸部の外周面と前記他方の連結部材に設けられる凹部の内周面との間に介在する環状シール部材と、前記連結部材同士を連結方向において位置決めして固定する固定手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、隣接する連結部材の一方に設けられる凹部と他方に設けられる凸部とを凹凸嵌合させた状態において、凸部の外周面と凹部の内周面との間に介在する環状シール部材によって環状のシール部が形成されているとともに、固定手段により連結部材同士を連結方向において位置決めして固定されるため、凸部と凹部が連結方向(離脱方向も含む)に相対移動しても凹凸嵌合部分の隙間を閉塞することができ、隣接する連結部材の相対移動を許容しながら凹凸嵌合部分において流路を流れる流体の漏れ出しを防止することができる。
前記固定手段は、前記連結部材に対して連結方向に直交する方向に挿入されるボルトを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、固定手段は、連結部材に対して連結方向に直交する方向に挿入されるボルトにより、連結部材同士を締め付けて連結方向に位置決めして固定することができるため、連結部材同士の固定時において環状シール部材に対して連結方向の圧力が作用することがなく、環状シール部材の過剰な変形を抑えることができる。
各前記連結部材は、断面矩形状を成し、
前記固定手段は、前記ボルトが挿通される貫通孔が設けられ各前記連結部材を連結方向に直交する方向から挟む一対のプレートを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、固定手段は、断面矩形状を成す連結部材に対して連結方向に直交する方向から挟む一対のプレートに設けられる貫通孔にボルトを挿通させることにより、連結部材同士を連結方向に位置決めして固定している。そのため、連結部材は、一対のプレートの面により挟持され、連結部材相互の回転や捻れ等を防止して連結方向に凹凸嵌合される凸部と凹部に作用する外力を低減することができる。
前記プレートは、少なくとも一方の前記連結部材に対応する前記貫通孔の径が前記ボルトの胴部の径よりも大きいことを特徴としている。
この特徴によれば、少なくとも一方の連結部材に対応するプレートの貫通孔の径がボルトの胴部の径よりも大きいため、貫通孔の径とボルトの胴部の径との寸法差の範囲でプレートに対する連結部材の連結方向の相対位置を調整することができる。
前記貫通孔による前記プレートに対する前記連結部材の連結方向への相対移動の許容量は、前記環状シール部材による前記凹部と前記凸部の凹凸嵌合部分に対するシール部の連結方向への相対移動の許容量よりも小さいことを特徴としている。
この特徴によれば、貫通孔の径がボルトの胴部の径よりも大きいことによるプレートに対する連結部材の連結方向への相対移動の許容量が環状シール部材による凹凸嵌合部分に対するシール部の連結方向への相対移動の許容量よりも小さいため、固定手段により連結部材同士が連結方向に位置決めして固定された状態において、連結部材同士が連結方向に相対移動しても凹凸嵌合部分のシール性を維持することができる。
前記プレートは、各前記連結部材に対して前記ボルトにより少なくとも2箇所で固定されることを特徴としている。
この特徴によれば、プレートは、各連結部材に対してボルトにより少なくとも2箇所で固定されることにより、各連結部材に対してプレートの回動が規制されるため、連結部材同士の屈曲を防止することができる。
前記環状シール部材は、前記凹部と前記凸部のいずれかに形成される環状の溝に装着されるOリングであることを特徴としている。
この特徴によれば、環状シール部材は、連結部材の凸部と凹部のいずれかに形成される環状の溝に装着されるOリングであることにより、連結部材同士が固定手段により締め付けられても、凸部の外周面と凹部の内周面の間で圧迫される際に受ける連結方向に直交する方向の圧力を小さくすることができるため、環状シール部材の過度な変形を抑えることができる。
実施例における流体制御装置を示す平面図である。 実施例における流体制御装置を示す正面図である。 流体制御装置の構造を示す図1のAA線断面における断面図である。 隣接する流体制御機器における連結部材の連結構造を示す平面視の分解図である。 隣接する流体制御機器における連結部材の連結構造を拡大して示した平面視の模式図である。 (a)は、隣接する流体制御機器の連結部材を連結方向に近接させた状態における連結構造を拡大して示した平面視の模式図であり、(b)は、隣接する流体制御機器の連結部材を連結方向に離間させた状態における連結構造を拡大して示した平面視の模式図である。
本発明に係るマニホールド型流体制御装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係るマニホールド型流体制御装置につき、図1から図6を参照して説明する。以下、図1の紙面下側をマニホールド型流体制御装置の正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。また、図1の紙面右側をマニホールド型流体制御装置の上流側とし、図1の紙面左側を下流側として説明する。
図1および図2に示されるように、本実施例のマニホールド型流体制御装置1は、例えば半導体製造装置に組み込まれるマニホールド型流体制御装置であり、図示しない流体流入管の下流側(左側)に接続される第1連結部材21(連結部材)と、該第1連結部材の下流側に接続される第2連結部材31(連結部材)と、から主に構成されており、第1連結部材21には、第1バルブ装置2(流体制御機器)が接続されており、第2連結部材31には、第2バルブ装置3(流体制御機器)が接続されている。また、第1連結部材21と第2連結部材31とは、固定手段4により軸方向に位置決めして固定されている。尚、本実施例における軸方向(連結方向)とは、凸部24(図3参照)の突出方向であり、言い換えるとマニホールド型流体制御装置1における左右方向(上流側から下流側に向かう方向)である。
先ず、第1バルブ装置2の構造について詳しく説明する。図3に示されるように、第1バルブ装置2は、下方に向けて開口する制御流入路50および制御流出路51が設けられるバルブハウジング20と、該バルブハウジング20に一体に取り付けられ制御流入路50と制御流出路51の連通部分を開閉可能な弁体22と、から主に構成され、第1連結部材21に上方から接続されている。
また、第1バルブ装置2は、弁体22を操作することにより、バルブハウジング20に設けられた弁座との距離が変化し、バルブハウジング20の内部において制御流入路50と制御流出路51との連通部分における開度調整が行われ、制御流入路50から制御流出路51へ流れる流体の圧力や流量を制御できるようになっている。
次いで、第1連結部材21の構造について詳しく説明する。第1連結部材21は、断面矩形状を成し、軸方向上流側には、上下方向に貫通する貫通孔52が設けられており、貫通孔52にはパイプ形状の継手60が固定され、バルブハウジング20の制御流入路50に接続されている。
また、第1連結部材21の内部には、軸方向略中央から下流側に向けて延びる断面円形の軸方向穴である連結流出路53が設けられている。連結流出路53の上流側の開口端部には、第1連結部材21の軸方向略中央において上方に開口する取付穴54が設けられており、取付穴54にはパイプ形状の継手61が固定され、バルブハウジング20の制御流出路51に接続されている。
また、第1連結部材21には、下流側の端部23から軸方向下流側に突出する端部23の外寸(上下寸法及び前後寸法)よりも外径が短い環状の凸部24が形成されている。凸部24の外周面には、軸方向中央下流寄りの位置に内径側に凹む環状の溝25が設けられ、該溝25には、ゴム状弾性体から構成されるOリング100(環状シール部材)が装着されている。
次いで、第2バルブ装置3の構造について詳しく説明する。図3に示されるように、第2バルブ装置3は、下方に向けて開口する制御流入路55および制御流出路56が設けられるバルブハウジング30と、該バルブハウジング30に一体に取り付けられ制御流入路55と制御流出路56の連通部分を開閉可能な弁体32と、から主に構成され、第2連結部材31に上方から接続されている。
また、第1バルブ装置2は、該弁体32を操作することにより、バルブハウジング30に設けられた弁座との距離が変化し、バルブハウジング30の内部において制御流入路55と制御流出路56との連通部分における開度調整が行われ、制御流入路55から制御流出路56へ流れる流体の圧力や流量を制御できるようになっている。
次いで、第2連結部材31の構造について詳しく説明する。第2連結部材31は、断面矩形状を成し、軸方向下流側には、上下方向に貫通する貫通孔58が設けられており、貫通孔58にはパイプ形状の継手63が固定され、バルブハウジング30の制御流出路56に接続されている。
また、第2連結部材31の内部には、軸方向略中央から上流側に向けて延びる断面円形の軸方向穴である連結流入路57が設けられている。連結流入路57の下流側の開口端部には、第2連結部材31の軸方向略中央において上方に開口する取付穴59が設けられており、取付穴54にはパイプ形状の継手62が固定され、バルブハウジング30の制御流入路55と接続されている。また、連結流入路57には、取付穴59よりも上流側の位置で上方に分岐する分岐部70が設けられており、上方に取付けられる圧力検出センサ7と接続されている。尚、圧力検出センサ7は、連結流入路57の分岐部70から流入してくる流体の圧力を検出しており、該検出データに基づいて第1バルブ装置2の弁体22および第2バルブ装置3の弁体32を操作することにより、マニホールド型流体制御装置1の内部の各流路を流れる流体の圧力や流量を制御可能となっている。さらに尚、圧力検出センサ7は、第2連結部材31ではなく第1連結部材21に設けられていてもよい。
また、第2連結部材31には、上流側の端部33から軸方向下流側に凹む端部33の外寸(上下寸法及び前後寸法)よりも外径が短い円形状の凹部34が形成されている。尚、凹部34は、前述した第1連結部材21に設けられる凸部24と軸方向に凹凸嵌合可能に構成されている。
次いで、固定手段4の構造について詳しく説明する。尚、前後の固定手段4の構成は略同一であるため、前方側の固定手段4の構造について説明し、後方側の固定手段4の説明を省略する。
図4および図5に示されるように、固定手段4は、軸方向に長尺に構成される長方体形の金属製のプレート40(図2参照)と、該プレート40に対して軸方向に直交する方向(前後方向)に挿通される4本のボルト42と、から構成されている。
プレート40には、厚み方向に貫通しボルト42が挿通可能な貫通孔41が軸方向に沿って4箇所、第1連結部材21および第2連結部材31に対応して2箇所ずつ設けられている。尚、第1連結部材21および第2連結部材31の前後両面には、プレート40の貫通孔41に挿通されたボルト42の胴部43の先端部が螺合されるネジ孔26が軸方向に2箇所ずつ設けられている。
また、貫通孔41の径D2は、ボルト42の胴部43の径D1よりも大きく構成されている(D1<D2,図5参照)。
次いで、第1連結部材21と第2連結部材31との連結方法について詳しく説明する。図4に示されるように、第1連結部材21と第2連結部材31を連結する際には、第1連結部材21に設けられる凸部24と第2連結部材31に設けられる凹部34とを軸方向に凹凸嵌合させた後、前後のプレート40に設けられる各貫通孔41に挿通させたボルト42の胴部43を第1連結部材21に設けられるネジ孔26および第2連結部材31に設けられるネジ孔36に対して、それぞれ螺合させることより、第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定する。このとき、第1連結部材21の凸部24の外周面と第2連結部材31の凹部34の内周面との間には、凸部24の溝25に装着されるOリング100が介在することにより環状のシール部Sが形成される(図3および図5参照)。
これによれば、第1連結部材21の凸部24と、第2連結部材31の凹部34とを軸方向に凹凸嵌合させた状態において、凸部24の外周面と凹部34の内周面との間に介在するOリング100によって環状のシール部Sが形成されているとともに、固定手段4により第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定されるため、凸部24と凹部34が軸方向に相対移動しても凹凸嵌合部分の隙間を閉塞することができ、第1連結部材21と第2連結部材31の相対移動を許容しながら凹凸嵌合部分において第1連結部材21の連結流出路53から第2連結部材31の連結流入路57へ流れる流体の漏れ出しを防止することができる。
具体的には、本実施例のマニホールド型流体制御装置1は、図5に示されるように、固定手段4のプレート40に設けられる貫通孔41の軸方向略中央にボルト42が配置され、第1連結部材21の端部23と第2連結部材31の端部33との間を軸方向に僅かに離間させた位置で固定された状態において、凸部24の外周面と凹部34の内周面との間に介在するOリング100によって形成される環状のシール部Sにより、凸部24と凹部34の凹凸嵌合部分の隙間を閉塞することができる。
一方、参考までに、例えば、前述した背景技術として説明した構成(便宜上、本実施例と同じ用語・同じ符号を用いている。)では、第1連結部材21の凸部24の端面と第2連結部材31の凹部34の端面との間に端面シールを介在させた状態で、第1連結部材21の軸方向に貫通する貫通孔に挿通されたボルトを第2連結部材31の雌ネジ部に螺合させることよって第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に締め付けて固定し、凸部24と凹部34の端面間において挟まれた状態で端面シールに所定の圧力を付与して凹凸嵌合部分の隙間を閉塞するように構成されている場合、雌ネジ部へのボルトのネジ込み量によって端面シールに付与される圧力が変化することから密封性を確保するためのボルトのネジ込み量に高い精度が要求される。また、経年変化によって、例えば端面シールが変形すると端面シールに付与される圧力が変化するため、端面シールによる密封性が長期間において維持されない虞があった。
さらに、本実施例においては、第1バルブ装置2と第2バルブ装置3はそれぞれ躯体等の剛体に取付け固定されているため、メンテナンス等により第1バルブ装置2と第2バルブ装置3から第1連結部材21と第2連結部材31を取外して分解した後、組立時に再度第1連結部材21を第1バルブ装置2に接続し、第2連結部材31を第2バルブ装置3に接続しようとしても、経年変化等により第1連結部材21と第2連結部材31の相対位置が合わず、メンテナンス前後において凸部24の端面と凹部34の端面の隙間が異なった状態となりボルトを雌ネジ部にネジ込んでも端面シールに所定の圧力が付与されず、端面シールによる密封性を維持できず、第1連結部材21の連結流出路53から第2連結部材31の連結流入路57へ流れる流体が漏れ出してしまう虞があった。
また、固定手段4において、プレート40の貫通孔41の径D2は、ボルト42の胴部43の径D1よりも大きく構成されている。そのため、固定手段4は、貫通孔41の径D2とボルト42の胴部43の径D1との寸法差の範囲でプレート40に対する第1連結部材21と第2連結部材31の軸方向の相対位置を調整することができる。詳しくは、図6(a)および図6(b)に示されるように、第1連結部材21の端部23と第2連結部材31の端部33との間を固定手段4により軸方向に近接または離間させた状態で位置決めして固定された場合であっても、凸部24の外周面と凹部34の内周面との間に介在するOリング100によって形成される環状のシール部Sにおけるシール性が維持されるようになっている。
すなわち、固定手段4のプレート40に設けられる貫通孔41による第1連結部材21と第2連結部材31の軸方向への相対移動の許容量が、凸部24の外周面と凹部34の内周面との間に介在するOリング100によって形成される環状のシール部Sの軸方向への許容量よりも小さく構成されているため、マニホールド型流体制御装置1は、固定手段4により第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定された状態において、第1連結部材21と第2連結部材31が軸方向に相対移動しても凹凸嵌合部分のシール性を維持して、第1連結部材21の連結流出路53から第2連結部材31の連結流入路57へ流れる流体の漏れ出しを確実に防止することができる。
また、固定手段4は、第1連結部材21と第2連結部材31に対して軸方向に直交する方向に挿入されるボルト42によりプレート40を締め付けることにより、第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定することができるため、第1連結部材21と第2連結部材31の固定時においてOリング100に対して軸方向の圧力が作用することがなく、Oリング100の過剰な変形を抑えることができる。さらに、固定手段4の構成上、軸方向に凹凸嵌合される凸部24と凹部34に対して軸方向の圧力が付与されることがないため、固定時にボルト42の締め付けによる凸部24と凹部34の軸方向の位置ずれを防止することができる。
また、第1連結部材21および第2連結部材31は、断面矩形状を成し、前後の固定手段4は、第1連結部材21および第2連結部材31に対して軸方向に直交する方向から挟む一対のプレート40に設けられる貫通孔41にボルト42を挿通させることにより、第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定している。そのため、第1連結部材21と第2連結部材31を一対のプレート40の面により挟持することができ、第1連結部材21と第2連結部材31との相互の回転や捻れ等を防止して軸方向に凹凸嵌合される凸部24と凹部34に作用する外力を低減することができる。
また、固定手段4のプレート40は、第1連結部材21および第2連結部材31に対してボルト42により軸方向に2箇所ずつ固定されることにより、第1連結部材21および第2連結部材31に対するプレート40の回動が規制されるため、第1連結部材21と第2連結部材31との相互の屈曲を防止して軸方向に凹凸嵌合される凸部24と凹部34に作用する外力を低減することができる。
また、Oリング100は、凸部24の外周面に設けられる溝25に装着されることにより、固定手段4のプレート40がボルト42により軸方向に直交する方向に締め付けられても、凸部24の外周面と凹部34の内周面の間で圧迫されるOリング100が受ける軸方向に直交する方向の圧力を小さくすることができるため、Oリング100の過剰な変形を抑えることができる。
また、図5および図6(b)に示されるように、第1連結部材21の凸部24の端面と第2連結部材31の凹部34の端面を軸方向に離間させた状態で固定手段4により位置決めして固定することにより、第1連結部材21および第2連結部材31の軸方向への移動代を確保することができるため、第1連結部材21または第2連結部材31が軸方向に応力を受けて移動し、凸部24と凹部34の端面同士が接触することによる変形や破損を防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、マニホールド型流体制御装置1は、第1連結部材21に第1バルブ装置2が接続され、第2連結部材31に第2バルブ装置3が接続される構成を説明したが、複数の連結部材のいずれかに圧力制御機器、流量制御機器、流路切替機器等の流体制御機器が接続されて構成されるものであればよく、連結部材に接続される流体制御機器の数や種類は自由に構成されてよく、流体制御機器が接続されない連結部材があってもよい。また、連結部材は、3つ以上が固定手段4により軸方向に連結されていてもよい。
また、前記実施例では、第1連結部材21および第2連結部材31に対して固定手段4のプレート40が別体に設けられる態様として説明したが、少なくとも一方のプレートが一方の連結部材から軸方向に延びるように一体に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、第1連結部材21および第2連結部材31に対して固定手段4のプレート40がボルト42によりそれぞれ軸方向に2箇所で固定される態様として説明したが、これに限らず、プレートは、各連結部材に対してボルトにより少なくとも2箇所で固定されて回動が規制されるものであれば、各連結部材にプレートを固定するためのボルトの数や固定位置は自由に構成されてよい。
また、前記実施例では、固定手段4のプレート40に設けられる貫通孔41の径D1がボルト42の胴部43の径D1よりも大きく構成される態様として説明したが、これに限らず、貫通孔は、各連結部材に対してプレートを固定でき、連結部材同士の軸方向への相対移動を許容することができるものであれば、例えば軸方向に長孔状に構成されてもよい。
また、前記実施例では、固定手段4は、第1連結部材21と第2連結部材31に対して軸方向に直交する方向に挿入されるボルト42によりプレート40を締め付けることにより、第1連結部材21と第2連結部材31を軸方向に位置決めして固定する態様として説明したが、これに限らず、固定手段は、連結部材同士を軸方向に相対移動可能に固定できるものであればよく、例えば、連結部材に設けられるフランジ等に対して軸方向に挿通されるボルトにより連結部材同士が軸方向に相対移動可能に固定されるものであってもよい。
また、前記実施例では、凸部24の外周面に設けられる環状の溝25にOリング100が装着される態様について説明したが、これに限らず、Oリング100が装着される溝が凹部34の内周面側に設けられていてもよい。また、Oリング100の代わりに環状のパッキンが装着されていてもよい。
また、前記実施例では、第1連結部材21の端部23と第2連結部材31の端部33との間を軸方向に近接させた位置で位置決めして固定された状態において、凸部24と凹部34の端面同士が軸方向に当接する構成(図6(a)参照)として説明したが、第1連結部材21と第2連結部材31との軸方向の相対位置にかかわらず、凸部と凹部の端面同士が軸方向に当接しないように構成されていてもよい。
1 マニホールド型流体制御装置
2 第1バルブ装置(流体制御機器)
3 第2バルブ装置(流体制御機器)
4 固定手段
7 圧力検出センサ
20,30 バルブハウジング
21 第1連結部材(連結部材)
22,32 弁体
23,33 端部
24 凸部
25 溝
26,36 ネジ孔
31 第2連結部材(連結部材)
34 凹部
40 プレート
41 貫通孔
42 ボルト
43 胴部
50,55 制御流入路
51,56 制御流出路
52,58 貫通孔
53 連結流出路
54,59 取付穴
57 連結流入路
100 Oリング(環状シール部材)
S シール部

Claims (7)

  1. 流路を有する一方の連結部材の開口端部の凸部と流路を有する他方の連結部材の開口端部の凹部とを凹凸嵌合させることにより前記一方の連結部材と前記他方の連結部材が連結されるとともに、流体制御機器が接続されるマニホールド型流体制御装置であって、
    前記一方の連結部材に設けられる凸部の外周面と前記他方の連結部材に設けられる凹部の内周面との間に介在する環状シール部材と、前記連結部材同士を連結方向において位置決めして固定する固定手段と、を備え
    前記固定手段は、それぞれに貫通孔が形成され、前記一方の連結部材及び前記他方の連結部材を連結方向に直交する方向から挟む第1のプレート及び第2のプレートと、
    前記第1のプレートの前記貫通孔を通して前記一方及び前記他方の連結部材の何れかに螺合する第1のボルトと、
    前記第2のプレートの前記貫通孔を通して前記一方及び前記他方の連結部材の何れかに螺合する第2のボルトと、を有し、
    前記第1及び第2のプレートのそれぞれの前記貫通孔の径は、前記第1及び第2のボルトのぞれぞれの胴部の径よりも大きく設定され、前記貫通孔の径と前記第1及び第2ボルトの前記胴部の径との寸法差の範囲で、前記第1及び第2のプレートに対する前記連結部材の連結方向の相対位置が調整されて、前記連結部材同士が連結方向において位置決めされていることを特徴とするマニホールド型流体制御装置。
  2. 前記連結部材同士が前記固定手段により位置決め固定されたとき、前記連結部材の互いに対向する端面同士は離間することを特徴とする請求項1に記載のマニホールド型流体制御装置。
  3. 前記凸部と前記凹部の互いに対向する端面同士が連結方向に離間することを特徴とする請求項2に記載のマニホールド型流体制御装置。
  4. 前記一対のプレートのうちの少なくとも一つは、前記一方の連結部材から連結方向に延びるように一体に設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマニホールド型流体制御装置。
  5. 前記貫通孔による前記プレートに対する前記連結部材の連結方向への相対移動の許容量は、前記環状シール部材による前記凹部と前記凸部の凹凸嵌合部分に対するシール部の連結方向への相対移動の許容量よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマニホールド型流体制御装置。
  6. 前記第1のボルト及び前記第2のボルトの少なくとも一方は、前記プレートを各前記連結部材に対して少なくとも2箇所で固定していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のマニホールド型流体制御装置。
  7. 前記環状シール部材は、前記凹部と前記凸部のいずれかに形成される環状の溝に装着されるOリングであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のマニホールド型流体制御装置。
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