X線等の電磁波を直接的に電荷変換する従来の直接変換型の電磁波検出装置の1例のブロック回路図を図5に示す。電磁波検出装置は、ガラス基板等から成る基板1と、基板1上の第1の方向(例えば、行方向)に配置された複数のゲート信号線11(GL1,GL2,GL3〜GLm)と、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、列方向)に配置された複数の読み取り信号線12(RL1,RL2,RL3〜RLm)と、ゲート信号線11と読み取り信号線12の交差部に対応して配置された検出部としての画素部13と、を有している。画素部13は、ゲート信号線11によってオンされ、読み取り信号をドレイン電極から読み取り信号線12へ出力する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)と、X線等の電磁波を電荷変換するアモルファスセレン(aSe)等から成る電荷変換部15と、電荷変換部15により変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部16と、を有している。また、電荷変換部15に正電位のバイアス電圧(Anode Bias)を供給する、タンタル(Ta),ネオジウム(Nd),タングステン(W),チタン(Ti),モリブデン(Mo),アルミニウム(Al),クロム(Cr),銀(Ag)等の金属またはそれらの合金から成るバイアス電圧線17がある。
また、基板1上のゲート信号線11の入力端側には、ゲート信号線駆動回路18が配置されており、読み取り信号線12の出力端側には、読み取り信号を増幅等して外部の画像処理システム等へ出力する読み出し回路19が配置されている。
図6(a)は、図5の電磁波検出装置について電磁波の検出原理を説明するための断面図、図6(b)は、(a)のA部を拡大して示す拡大断面図である。電荷変換部15は、aSe層20の一方の面側に配置されたインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide :ITO)等の透明電極、金(Au)等から成り、正電位のバイアス電圧が印加される第1の電極21と、aSe層20の他方の面側に配置されたITO等の透明電極から成り、画素電極としての第2の電極22と、を有している。図6(a)に示すように、外部からaSe層20に入射したX線は電子と正孔とに変換され、電子は第1の電極21側に移動し、正孔は第2の電極22側に移動する。また、電荷蓄積部16は、第2の電極22と図6(b)に示す容量電極16aとの間で電荷を蓄積する容量部(コンデンサ部)を構成している。TFT14は、電荷蓄積部16に蓄積された電荷を、その電荷量に応じた電気信号(読み取り信号)として読み取り信号線12へ出力する。すなわち、TFT14は、オン状態においてソース電極−ドレイン電極間電流(読み取り信号)を、読み取り信号線12へ出力する。
図7は、TFT14の詳細な構造を示す断面図である。TFT14は、基板1上に配置されたゲート電極40と、ゲート電極40を覆う酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(SiNx)等から成るゲート絶縁層30と、ゲート絶縁層30上に配置された低温焼成多結晶シリコン(Low-Temperature Poly Silicon:LTPS)から成る半導体層41と、半導体層41のチャネル部41c上に配置された不純物のドーピングを阻止するチャネル阻止部(チャネルストップ部)42と、半導体層41およびチャネル阻止部42を覆う、酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(SiNx)等から成る層間絶縁層31と、を有している。
また、層間絶縁層31における半導体層41のソース部41sに対応する部位にはソース電極33sがあり、ソース電極33sはコンタクトホールを介して第2の電極22に接続されている。半導体層41のドレイン部41dに対応する部位にはドレイン電極33dがある。層間絶縁層31とソース電極33sとドレイン電極33dを覆って、アクリル樹脂等から成る平坦化層32が配置されており、平坦化層32上に第2の電極22が配置されている。ソース電極33sおよびドレイン電極33dは、タンタル(Ta),ネオジウム(Nd),タングステン(W),チタン(Ti),モリブデン(Mo),アルミニウム(Al),クロム(Cr),銀(Ag)等の金属またはそれらの合金から成る。
TFT14を構成する半導体層41は、真性(intrinsic)Si(i型Si)から成るノンドープのチャネル部41cと、リン(P)等のn型の不純物が高濃度にドープされたソース部41sおよびドレイン部41dと、リン(P)等のn型の不純物が低濃度にドープされたLDD(Lightly Doped Drain)部41sl,41dlと、を有している。ソース部41s側のLDD部41slは、チャネル部41cとソース部41sとの間に配置され、ドレイン部41d側のLDD部41dlは、チャネル部41cとドレイン部41dとの間に配置されている。ソース部41sおよびドレイン部41dはそれぞれ、例えばリンが1×1020〜1×1021atoms/cm3(原子数/cm3)の濃度となるようにイオンドーピング法によってドープされている。LDD部41slおよびLDD部41dlは、例えばリンが1×1016〜5×1018atoms/cm3の濃度となるようにイオンドーピング法によってドープされている。
また、他の従来例として、画素のそれぞれは、電流駆動素子と、電源供給線から供給される電流を電流駆動素子に供給し、チャネル層が微結晶シリコンである駆動TFTと、ゲートが対応する走査線に接続され、ソースが対応する信号線に接続され、ドレインが駆動TFTのゲートに接続され、チャネル層がアモルファスシリコンであるスイッチTFTと、を有するアクティブマトリクス基板が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、上記従来の電磁波検出装置においては、以下の問題点があった。図8は、TFT14がnチャネル型TFTであって半導体層41がLTPSから成る場合の、ゲート電圧(Vg)の変化に対するソース−ドレイン間電流(Id)の変化を示す特性曲線51と、半導体層41がアモルファスシリコン(aSi)から成る場合の、ゲート電圧(Vg)の変化に対するソース−ドレイン間電流(Id)の変化を示す特性曲線52と、を示すグラフである。図8に示すように、TFT14がオン状態となる領域(Vgが1〜2V程度以上)では、半導体層41がLTPSから成る場合が半導体層41がaSiから成る場合よりもオン電流としてのIdが大きくなる。一方、TFT14がオフ状態となる領域(Vgが−1V程度以下)では、半導体層41がLTPSから成る場合のオフ電流51offが、半導体層41がaSiから成る場合のオフ電流52offよりも小さくなる。このように、LTPSから成る半導体層41は、aSiから成る半導体層41よりも、優れたオン電流特性およびオフ電流特性を有している。しかしながら、LTPSから成る半導体層41は、TFT14がオフ状態となる領域において、オフ電流51offのレベルがランダムノイズ51rのレベルよりも小さいために、結果的にランダムノイズ51rがX線画像診断装置等において目立ちやすくなるという問題点があった。
ランダムノイズ51rの詳細な発生メカニズムは不明であるが、例えば、熱的励起によってゲート電極40からゲート絶縁層30に電荷(例えば、正電荷)が移動しゲート絶縁層30によって捕捉され、その電荷による電界によってチャネル部41cが一時的に導通することが原因の一つと考えられる。その際の電流値は、チャネル部41cの電子移動度、チャネル幅などの電流能力が大きければ大きいほどより大きくなるものと考えられる。
一方、aSiから成るチャネル部41cにおいては、sSiに結晶欠陥が非常に多く、かつ電子移動度が0.3〜1cm2/Vs程度と小さい(抵抗が大きい)ために、何らかの原因によってランダムノイズが発生したとしても、ランダムノイズのレベル54はオフ電流のレベルよりも小さくなる。
また、LTPSから成る半導体層41を有するTFT14は、チャネル部41cの電子移動度が80〜200cm2/Vs程度と大きい(抵抗が小さい)ために、高速(高い駆動周波数)で駆動することができるが、上記のとおり、ランダムノイズが目立つという問題点があった。一方、aSiから成る半導体層41を有するTFT14は、電子移動度が小さい(抵抗が大きい)ために、ランダムノイズは目立ちにくいが、駆動周波数が低いという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、電磁波検出装置から出力された読み取り信号を用いるX線画像診断装置等においてランダムノイズが観測されることを抑えること、また読み取り信号を高い周波数で出力することができる電磁波検出装置とすることである。
本発明の電磁波検出装置は、基板と、前記基板上の所定方向に配置された、第1のゲート信号線およびそれに隣接する第2のゲート信号線と、前記第1のゲート信号線および前記第2のゲート信号線と交差させて配置された読み取り信号線と、前記第1のゲート信号線および前記第2のゲート信号線と前記読み取り信号線との交差部に対応して配置された電磁波の検出部と、を有しており、前記検出部は、入射した電磁波を電荷に変換する電荷変換部と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部に蓄積された前記電荷を前記読み取り信号線に出力する薄膜トランジスタと、を有している電磁波検出装置であって、前記検出部は、第1のゲート電極が前記第1のゲート信号線に接続され、第1のドレイン電極が前記読み取り信号線に接続されており、第1のソース電極を有する第1の薄膜トランジスタと、第2のゲート電極が前記第2のゲート信号線に接続され、第2のソース電極が前記電荷蓄積部に接続され、第2のドレイン電極が前記第1のソース電極に接続された第2の薄膜トランジスタと、を有しており、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第1のオフ電流と、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時に一時的に発生する第1のランダムノイズと、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第2のオフ電流と、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時に一時的に発生する第2のランダムノイズと、が生じており、前記第1のオフ電流の最大値および前記第1のランダムノイズの最大値が、前記第2のオフ電流の最大値および前記第2のランダムノイズの最大値のいずれよりも小さい構成である。
本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタは、そのチャネル部の電子移動度が前記第2の薄膜トランジスタのチャネル部の電子移動度よりも小さい。
また本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタの前記チャネル部の電子移動度が、前記第2の薄膜トランジスタの前記チャネル部の電子移動度の100分の1以下である。
また本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタは、非晶質半導体層を有しており、前記第2の薄膜トランジスタは、多結晶半導体層を有している。
また本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタを構成する半導体層および前記第2の薄膜トランジスタを構成する半導体層は、同じ結晶質のものであり、前記第1の薄膜トランジスタのチャネル部の幅が前記第2の薄膜トランジスタのチャネル部の幅よりも小さい。
また本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタおよび前記第2の薄膜トランジスタはそれぞれ、nチャネル型薄膜トランジスタであり、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時のソース−ゲート間の電位差の絶対値が、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時のソース−ゲート間の電位差の絶対値よりも小さい。
本発明の電磁波検出装置は、基板と、前記基板上の所定方向に配置された、第1のゲート信号線およびそれに隣接する第2のゲート信号線と、前記第1のゲート信号線および前記第2のゲート信号線と交差させて配置された読み取り信号線と、前記第1のゲート信号線および前記第2のゲート信号線と前記読み取り信号線との交差部に対応して配置された電磁波の検出部と、を有しており、前記検出部は、入射した電磁波を電荷に変換する電荷変換部と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記電荷蓄積部に蓄積された前記電荷を前記読み取り信号線に出力する薄膜トランジスタと、を有している電磁波検出装置であって、前記検出部は、第1のゲート電極が前記第1のゲート信号線に接続され、第1のドレイン電極が前記読み取り信号線に接続されており、第1のソース電極を有する第1の薄膜トランジスタと、第2のゲート電極が前記第2のゲート信号線に接続され、第2のソース電極が前記電荷蓄積部に接続され、第2のドレイン電極が前記第1のソース電極に接続された第2の薄膜トランジスタと、を有しており、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第1のオフ電流と、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時に一時的に発生する第1のランダムノイズと、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第2のオフ電流と、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時に一時的に発生する第2のランダムノイズと、が生じており、前記第1のオフ電流の最大値および前記第1のランダムノイズの最大値が、前記第2のオフ電流の最大値および前記第2のランダムノイズの最大値のいずれよりも小さい構成であることから、以下の効果を奏する。
第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値が、第2のオフ電流の最大値および第2のランダムノイズの最大値のいずれよりも小さいので、第2のオフ電流および第2のランダムノイズが、第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値以下のレベル(値)に抑えられることとなる。すなわち、高いレベルのノイズである、第2のオフ電流および第2のランダムノイズが、読み取り信号線に出力されないように遮断することができる。その結果、電磁波検出装置から出力された読み取り信号を用いるX線画像診断装置等においてランダムノイズが観測されることを抑えることができる。
本発明の電磁波検出装置は、好ましくは、前記第1の薄膜トランジスタは、そのチャネル部の電子移動度が前記第2の薄膜トランジスタのチャネル部の電子移動度よりも小さい場合、以下の効果を奏する。すなわち、読み取り信号線に接続された第1の薄膜トランジスタの電子移動度が、電荷蓄積部に接続された第2の薄膜トランジスタの電子移動度よりも小さい(抵抗が大きい)ために、第2の薄膜トランジスタにおいてランダムノイズが発生したとしても、そのランダムノイズは第1の薄膜トランジスタにおいて遮断されることとなる。従って、電磁波検出装置から出力された読み取り信号を用いるX線画像診断装置等においてランダムノイズが観測されることを防ぐことができる。
また、1フレーム期間の間駆動周波数が低い第1の薄膜トランジスタをオン状態としておき、1走査期間の間駆動周波数が高い第2の薄膜トランジスタをオン状態とすれば、検出部から読み取り信号を読み取り信号線に出力させることができるので、読み取り信号を高い周波数で取り出すことができる。すなわち、駆動周波数の高い高速駆動が可能な電磁波検出装置とすることができる。
本発明の電磁波検出装置は、前記第1の薄膜トランジスタの前記チャネル部の電子移動度が、前記第2の薄膜トランジスタの前記チャネル部の電子移動度の100分の1以下である場合、第2の薄膜トランジスタで発生したランダムノイズを第1の薄膜トランジスタにおいて遮断する効果および高速駆動の効果が向上する。
また本発明の電磁波検出装置は、前記第1の薄膜トランジスタは、非晶質半導体層を有しており、前記第2の薄膜トランジスタは、多結晶半導体層を有している場合、例えば非晶質半導体層としての非晶質シリコン層はチャネル部の電子移動度が0.3〜1cm2/Vs程度と小さく、多結晶半導体層としてのLTPS層はチャネル部の電子移動度が80〜200cm2/Vs程度と非常に大きくなる。従って、ランダムノイズを第1の薄膜トランジスタにおいて遮断する効果および高速駆動の効果がより向上する。
また本発明の電磁波検出装置は、前記第1の薄膜トランジスタを構成する半導体層および前記第2の薄膜トランジスタを構成する半導体層は、同じ結晶質のものであり、前記第1の薄膜トランジスタのチャネル部の幅が前記第2の薄膜トランジスタのチャネル部の幅よりも小さい場合、第1の薄膜トランジスタにおいて発生する、第1のオフ電流のレベルおよび第1のランダムノイズのレベルが、第2の薄膜トランジスタにおいて発生する、第2のオフ電流のレベルおよび第2のランダムノイズのレベルよりも小さくなる。従って、第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値が、第2のオフ電流の最大値および第2のランダムノイズの最大値のいずれよりも小さくなるようにすることができる。その結果、第2のオフ電流および第2のランダムノイズを、第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値以下のレベル(値)に抑えることができる。
また本発明の電磁波検出装置は、前記第1の薄膜トランジスタおよび前記第2の薄膜トランジスタはそれぞれ、nチャネル型薄膜トランジスタであり、前記第1の薄膜トランジスタのオフ時のソース−ゲート間の電位差の絶対値が、前記第2の薄膜トランジスタのオフ時のソース−ゲート間の電位差の絶対値よりも小さい場合、第1の薄膜トランジスタにおいて発生する、第1のオフ電流のレベルおよび第1のランダムノイズのレベルが、第2の薄膜トランジスタにおいて発生する、第2のオフ電流のレベルおよび第2のランダムノイズのレベルよりも小さくなる。従って、第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値が、第2のオフ電流の最大値および第2のランダムノイズの最大値のいずれよりも小さくなるようにすることができる。その結果、第2のオフ電流および第2のランダムノイズを、第1のオフ電流の最大値および第1のランダムノイズの最大値以下のレベル(値)に抑えることができる。
以下、本発明の電磁波検出装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の電磁波検出装置の主要な構成部材等を示している。従って、本発明の電磁波検出装置は、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。また、本発明の実施の形態を示す図1〜図4において、図5〜図8に示す従来例と同じ部位には同じ符号を付しており、それらの詳細な説明は省略する。
本発明の電磁波検出装置は、図1、図2に示すように、ガラス基板等から成る基板1と、基板1上の所定方向(例えば、行方向)に配置された、第1のゲート信号線GLfおよびそれに隣接する第2のゲート信号線GL1と、第1のゲート信号線GLfおよび第2のゲート信号線GL1と交差させて配置された読み取り信号線12と、第1のゲート信号線GLfおよび第2のゲート信号線GL1と読み取り信号線12との交差部に対応して配置された電磁波の検出部13と、を有しており、検出部13は、入射した電磁波を電荷に変換する電荷変換部15と、電荷を蓄積する電荷蓄積部16と、電荷蓄積部16に蓄積された電荷を読み取り信号線12に出力するTFT14a,14bと、を有している電磁波検出装置であって、検出部13は、第1のゲート電極14agが第1のゲート信号線GLfに接続され、第1のドレイン電極14adが読み取り信号線12に接続されており、第1のソース電極14asを有する第1のTFT14aと、第2のゲート電極14bgが第2のゲート信号線GL1に接続され、第2のソース電極14bsが電荷蓄積部16に接続され、第2のドレイン電極14bdが第1のソース電極14asに接続された第2のTFT14bと、を有しており、第1のTFT14aのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第1のオフ電流(例えば、図3に示す第1のオフ電流61boff)と、第1のTFT14aのオフ時に一時的に発生する第1のランダムノイズ(例えば、図3に示す第1のランダムノイズ61br)と、第2のTFT14bのオフ時にそのチャネル部に常時流れる第2のオフ電流62off(図3に示す)と、第2のTFT14bのオフ時に一時的に発生する第2のランダムノイズ62r(図3に示す)と、が生じており、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さい構成である。
上記の構成により、以下の効果を奏する。第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さいので、第2のオフ電流62offおよび第2のランダムノイズ62rが、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値以下のレベル(値)に抑えられることとなる。すなわち、高いレベルのノイズである、第2のオフ電流62offおよび第2のランダムノイズ62rが、読み取り信号線12に出力されないように遮断することができる。その結果、電磁波検出装置から出力された読み取り信号を用いるX線画像診断装置等においてランダムノイズが観測されることを抑えることができる。
図3は、本発明の電磁波検出装置について、nチャネル型TFTである第1のTFT14aにおける、ゲート電圧(Vg)の変化に対するソース−ドレイン間電流(Id)の変化を示す特性曲線61a、61bと、nチャネル型TFTである第2のTFT14bにおける、Vgの変化に対するIdの変化を示す特性曲線62と、を示すグラフである。特性曲線61aは、第1のTFT14aがaSiから成る半導体層を有する場合を示し、特性曲線61bは、第1のTFT14aがLTPSから成る半導体層を有する場合を示す。
第1のTFT14aがaSiから成る半導体層を有する場合、第1のオフ電流61aoffの最大値および第1のランダムノイズ(第1のオフ電流61aoffとほぼ同程度以下であるため、図示していない)の最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さい構成とされている。また、第1のTFT14aがLTPSから成る半導体層を有する場合、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さい構成とされている。
なお、第1のTFT14aがaSiから成る半導体層を有する場合に、第1のランダムノイズが第1のオフ電流61aoffと同程度以下であるのは、リーク電流の原因である欠陥が非常に多いという理由による。
本発明の電磁波検出装置において、上記の構成を実現するより具体的かつ好適な構成として、第1のTFT14aは、そのチャネル部の電子移動度が第2のTFT14bのチャネル部の電子移動度よりも小さい構成が好ましい。この場合、読み取り信号線12に接続された第1のTFT14aの電子移動度が、電荷蓄積部16に接続された第2のTFT14bの電子移動度よりも小さい(抵抗が大きい)ために、第2のTFT14bにおいてランダムノイズが発生したとしても、そのランダムノイズは第1のTFT14aにおいて遮断されることとなる。従って、電磁波検出装置から出力された読み取り信号を用いるX線画像診断装置等においてランダムノイズが観測されることを防ぐことができる。
また、1フレーム期間の間、電子移動度が小さいために駆動周波数が低い第1のTFT14aをオン状態としておき、1走査期間の間、電子移動度が大きいために駆動周波数が高い第2のTFT14bをオン状態とすれば、検出部13から読み取り信号を読み取り信号線12に出力させることができるので、読み取り信号を高い周波数で取り出すことができる。すなわち、駆動周波数の高い高速駆動が可能な電磁波検出装置とすることができる。この場合、第1のTFT14aの駆動周波数は、例えば1Hz〜30Hz程度とすることができる。第2のTFT14bの駆動周波数は、例えば5kHz〜300kHz程度とすることができる。従って、電磁波検出装置の駆動周波数は3kHz〜200kHz程度となる。
なお、図1に示すように、1行目に並んでいる検出部13は、第1のゲート信号線GLfおよび第2のゲート信号線GL1によってオンされ、2行目に並んでいる検出部13は、第1のゲート信号線GLfおよび第2のゲート信号線GL2によってオンされ、m行目(mは自然数)に並んでいる検出部13は、第1のゲート信号線GLfおよび第2のゲート信号線GLmによってオンされる。このように、本発明の構成はマトリックス状(行列状)に配列された検出部13にも適用可能である。
チャネル部の電子移動度が第2のTFT14bのチャネル部の電子移動度よりも小さい第1のTFT14aは、例えばaSi等の非晶質半導体、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide :IGZO)等の酸化物半導体などから成る。チャネル部の電子移動度が第1のTFT14aのチャネル部の電子移動度よりも大きい第2のTFT14bは、例えばLTPS等の多結晶半導体、微結晶シリコン等の微結晶半導体、単結晶シリコン等の単結晶半導体などから成る。
また、チャネル部の電子移動度が第1のTFT14aのチャネル部の電子移動度よりも大きい第2のTFT14bは、その平面視におけるサイズを、第1のTFT14aのサイズの1/2〜1/40程度として非常に小さくすることができる。その場合、検出部13の開口率を大きくすることができる。
本発明の電磁波検出装置は、第1のTFT14aのチャネル部の電子移動度が、第2のTFT14bのチャネル部の電子移動度の100分の1以下であることが好ましい。この場合、第2のTFT14bで発生したランダムノイズを第1のTFT14aにおいて遮断する効果および高速駆動の効果が向上する。
第1のTFT14aのチャネル部の電子移動度は、第2のTFT14bのチャネル部の電子移動度の2000分の1乃至100分の1であることがより好ましい。2000分の1未満では、駆動周波数が上記の好適な範囲からずれやすくなる傾向がある。
また本発明の電磁波検出装置は、第1のTFT14aは、非晶質半導体層を有しており、第2のTFT14bは、多結晶半導体層を有している場合、例えば非晶質半導体層としての非晶質(アモルファス)シリコン層はチャネル部の電子移動度が0.3〜1cm2/Vs程度と小さく、多結晶半導体層としてのLTPS層はチャネル部の電子移動度が80〜200cm2/Vs程度と非常に大きくなる。従って、第2のTFT14bで発生したランダムノイズを第1のTFT14aにおいて遮断する効果および高速駆動の効果がより向上する。
LTPS層は以下のようにして形成される。ガラス基板上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、アモルファスシリコン層を形成する。次に、アモルファスシリコン層を多結晶化するために、アモルファスシリコン膜にエキシマレーザ光を照射する。エキシマレーザ装置としては、例えば、ガスレーザ光源にXeCl(波長308nm),KrF(波長248nm)等を用いた、アモルファスシリコン層の吸収が大きい紫外光を発振するものが使用できる。レーザ発振周波数約300Hz、レーザ光エネルギー約300W、パルス幅約20ns〜約60ns、照射エネルギー密度500mJ/cm2〜1J/cm2程度のパルスレーザ光をアモルファスシリコン層に照射し、アモルファスシリコン層を瞬間的に溶融し過冷却状態にした後に凝固させる。その結果、平均粒径0.3μm程度の結晶粒径を有する多結晶シリコン層に変化する。
従って、まず第1のTFT14aおよび第2のTFT14b用の、アモルファスシリコン層をそれぞれ形成し、次に第2のTFT14bとなるアモルファスシリコン層のみを、上記のLTPS層の形成方法によってLTPS層に変化させる。これにより、第1のTFT14aおよび第2のTFT14bを形成することができる。
また本発明の電磁波検出装置は、第1のTFT14aを構成する半導体層および第2のTFT14bを構成する半導体層は、同じ結晶質のもの例えばLTPSであり、第1のTFT14aのチャネル部の幅が第2のTFT14bのチャネル部の幅よりも小さいことが好ましい。この場合、第1のTFT14aにおいて発生する、第1のオフ電流61boffのレベルおよび第1のランダムノイズ61brのレベルが、第2のTFT14bにおいて発生する、第2のオフ電流62offのレベルおよび第2のランダムノイズ62rのレベルよりも小さくなる。従って、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さくなるようにすることができる。その結果、第2のオフ電流62offおよび第2のランダムノイズ62rを、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値以下のレベル(値)に抑えることができる。
第1のTFT14aを構成する半導体層および第2のTFT14bを構成する半導体層がLTPSである場合、第1のTFT14aのチャネル部および第2のTFT14bのチャネル部のそれぞれの厚みが30nm〜200nm程度で同じである場合、第1のTFT14aのチャネル部の幅を0.3μm〜2μm程度とし、第2のTFT14bのチャネル部の幅を2.5μm〜10μm程度とすることがよい。すなわち、第1のTFT14aのチャネル部の幅が、第2のTFT14bのチャネル部の幅の3%〜80%程度であることがよい。3%未満では、チャネル部の幅のばらつきが生じやすくなる傾向がある。80%を超えると、第1のオフ電流61boffのレベルおよび第1のランダムノイズ61brのレベルが、第2のTFT14bにおいて発生する、第2のオフ電流62offのレベルおよび第2のランダムノイズ62rのレベルよりも小さくなるようにすることが難しくなる傾向がある。
また本発明の電磁波検出装置は、図4に示すように、第1のTFT14aおよび第2のTFT14bはそれぞれ、nチャネル型TFTであり、第1のTFT14aのオフ時のソース−ゲート間の電位差71の絶対値が、第2のTFT14bのオフ時のソース−ゲート間の電位差72の絶対値よりも小さいことが好ましい。この場合、電位差71の絶対値が電位差72の絶対値よりも小さいために、第1のTFT14aにおいて発生する、第1のオフ電流(例えば、第1のオフ電流61boff)のレベルおよび第1のランダムノイズ(例えば、第1のランダムノイズ61br)のレベルが、第2のTFT14bにおいて発生する、第2のオフ電流62offのレベルおよび第2のランダムノイズ62rのレベルよりも小さくなる。
なお、図4は、第1のTFT14aに入力される第1のゲート信号40gaおよび第2のTFT14bに入力される第2のゲート信号40gbの波形図である。第1のゲート信号40gaは、第1のピーク電位(第1のHレベル)と、第1のボトム電位(第1のLレベル)によって規定される。第2のゲート信号40gbは、第2のピーク電位(第2のHレベル)と、第2のボトム電位(第2のLレベル)によって規定される。オフ時のソース電圧レベルは0.5V程度である。なお、第1のピーク電位と第2の第1のピーク電位は、異なる電位であってもよいが、同電位であってもよい。
従って、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値が、第2のオフ電流62offの最大値および第2のランダムノイズ62rの最大値のいずれよりも小さくなるようにすることができる。その結果、第2のオフ電流62offおよび第2のランダムノイズ62rを、第1のオフ電流61boffの最大値および第1のランダムノイズ61brの最大値以下のレベル(値)に抑えることができる。
電位差71の絶対値は、3V〜5.5V程度であり、電位差72の絶対値は、6V〜10V程度である。従って、電位差71の絶対値は電位差72の絶対値の30%〜90%程度であることがよい。30%未満では、第1のボトム電位がオフ領域から高い電位の方にずれやすくなるために、オフ電流が増加する傾向がある。90%を超えると、第1のTFT14aにおいて発生する、第1のオフ電流61boffのレベルおよび第1のランダムノイズ61brのレベルを、第2のTFT14bにおいて発生する、第2のオフ電流62offのレベルおよび第2のランダムノイズ62rのレベルよりも小さくする効果が劣化する傾向がある。
本発明の電磁波検出装置は、直接変換型であれば、電荷変換部として、aSe,CdTe等が採用し得る。また間接変換型の電磁波検出装置であってもよく、その場合、X線等の放射線を光に波長変換するシンチレータと、電荷変換部としてのpinフォトダイオード等を有する構成となる。
シンチレータは、CsI:Tl,GOS(Gd2O2S:Tb)等から成り、例えば被写体に照射されたX線、γ線、α線等の放射線を光に波長変換する。そして、シンチレータから放出された光を、本発明の電磁波検出装置によって電荷へ光電変換して画像情報を得る間接変換方式の放射線画像形成装置に適用される。CsI:Tl等から成るシンチレータは、Al(アルミニウム)等から成る金属基板に放射線感応層(シンチレーション層)を蒸着することによって形成される。そして、例えば本発明の電磁波検出装置の光源側にシンチレータを配置し、それらを接着材等の接合手段によって貼り合わせることにより、放射線画像形成装置が構成される。
pinフォトダイオードは、Ta,Nd,W,Ti,Mo,Al,Cr,Ag等の金属またはそれらの合金から成る第1の電極層、n+aSi等から成る第1の不純物半導体層、真性(intrinsic)Si(i型Si)等から成る真性半導体層、p+aSi等から成る第2の不純物半導体層、ITO等の透明電極から成る第2の電極層が積層されている。第1の電極層、第1の不純物半導体層、真性半導体層、第2の不純物半導体層及び第2の電極層によって、光電変換部としてのpinフォトダイオードが構成される。このpinフォトダイオードは、第2の不純物半導体層及び第2の電極層の側から真性半導体層に入射した光を光電変換する。
さらに、放射線画像形成装置によって得られた電気的な画像情報は、A−D(Analog to Digital)変換によりデジタルデータに変換され、イメージプロセッサによりデジタル画像に変換され、それが液晶表示装置(Liquid Crystal Display :LCD)等の表示手段に表示されて、画像診断、画像分析等に用いられる。
なお、本発明の電磁波検出装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良を含んでいてもよい。