〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
パチンコ機10は、遊技機の一種であるパチンコ遊技機である。このパチンコ機10は、図1に示すように、パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方(正面側)に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。
遊技機本体12は、左右両側部のうち一方を支持側として回動可能となるように外枠11に支持される内枠(図示略)と、内枠の前方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能となるように内枠に支持される前扉枠13と、内枠の後方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能となるように内枠に支持される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
なお、遊技機本体12は、その回動先端部に設けられた施錠装置(図示略)を備えている。この施錠装置は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠13を内枠に対して開放不能な施錠状態とする機能を有している。これらの施錠状態は、パチンコ機10の前面に露出させて設けられたシリンダ錠14に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことによって解除される。
前扉枠13は、内枠の前面側全体を覆うようにして設けられた略楕円形状の窓部21と、窓部21に嵌め込まれた窓パネル22とを有している。なお、本実施形態では、窓パネル22は、ガラスによって無色透明に形成されているが、合成樹脂などによって無色透明に形成されていてもよい。
また、前扉枠13は、窓部21の周囲に設けられた各種ランプ部等にて構成される発光手段の一部として窓部21の上方に設けられた表示ランプ部23と、表示ランプ部23の左右両側に設けられるとともに、遊技状況に応じた効果音などを出力するスピーカ部24と、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25および下側膨出部26とを備えている。
上側膨出部25および下側膨出部26は、上下に並設されるとともに、共に前方へ膨出するように設けられている。
上側膨出部25は、上方に開口するようにして内側に設けられた上皿25aを有している。上皿25aは、裏パックユニットに設けられた払出装置71(図11参照)にて払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構81(図11参照)側へ導くための機能を有している。
下側膨出部26は、同じく上方に開口するようにして内側に設けられた下皿26aを有している。下皿26aは、上皿25a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
さらに、前扉枠13は、下皿26aの右方に設けられた発射手段としての発射ハンドル27を備えている。この発射ハンドル27は、パチンコ機10の遊技者に操作されることによって、内枠の下方に設けられた遊技球発射機構81から内枠の上方に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射する。発射ハンドル27は、その回転操作量を変更することによって、遊技領域に向けて発射する遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いを変更する。
図2は、遊技盤の正面図である。
遊技盤31は、図2に示すように、その表面に取り付けられた内レール部32および外レール部33を有し、内枠に搭載されている。前述した遊技領域は、内レール部32および外レール部33によって区画されるようにして遊技盤31に形成されている。この遊技領域は、窓部21を介して略全域を前方から視認することができる。
内レール部32および外レール部33は、遊技領域への遊技球の誘導レール34を構成し、この誘導レール34は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことによって遊技球発射機構81から発射された遊技球を遊技領域の上部に案内する。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部に配置されるとともに、遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。このため、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、遊技者による発射ハンドル27の回転操作量が大きくなるにしたがって、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、本実施形態では、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側部に設けられている。
遊技盤31は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31は、各開口部に設けられた一般入賞口35、上作動口(第1始動入球部)36、下作動口(第2始動入球部)37、可変入賞装置38、アウト口39、および非電動役物51を有している。この非電動役物51は、一般入賞口35の右下側に設けられている。また、遊技盤31は、下作動口37の右下側に設けられた開口部311と、非電動役物51の下側に設けられた開口部312とを有している。また、遊技盤31は、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31は、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44や、風車等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
一般入賞口35、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口のそれぞれは、遊技球の入球を検知する検知センサ40a〜40d(図11参照)を備え、これらの検知センサ40a〜40dは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、一般入賞口35は、検知センサ40aを備え、上作動口36は、検知センサ40bを備え、下作動口37は、検知センサ40cを備え、可変入賞装置38は、検知センサ40dを備えている。パチンコ機10は、検知センサ40a〜40dの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ40a〜40dは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、上作動口36への入球が発生した場合および下作動口37への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、可変入賞装置38への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しを実行する。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、各作動口36,37の賞球個数を相違させてもよい。
アウト口39は、遊技盤31の遊技領域の最下部に設けられている。各種入賞口等に入球しなかった遊技球は、このアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、アウト口39は、遊技球の入球を検知する検知センサ40e(図11参照)を備え、この検知センサ40eは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、アウト口39への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
非電動役物51は、遊技盤31の遊技領域の左下側に設けられている。また、非電動役物51は、遊技球の入球を検知する検知センサ40f(図11参照)を備え、この検知センサ40fは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、非電動役物51への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。この非電動役物51については後に詳細に説明する。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を中程度として左打ちし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側から遊技領域の左上部へとシフトさせることによって、上作動口36や、非電動役物51などに遊技球を導くことができる(左打ちルート)。
各スルーゲート41は、遊技球の入球を検知する検知センサ40g(図11参照)を備え、この検知センサ40gは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、各スルーゲート41への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することをいい、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続する態様も含む。ただし、以下の説明では、アウト口39への遊技球の入球と明確に区別するために、各種入賞口への遊技球の入球を入賞とも表現する。また、スルーゲート41への入球とは、遊技領域に設けられたゲートを通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続することをいう。このスルーゲート41への入球についても各種入賞口への入球と同様に入賞とも表現する。
上作動口36および下作動口37は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。各作動口36,37は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく共に上向きに開口するとともに、上作動口36を上方に配置し、下作動口37を下方に配置するようにして鉛直方向に並設されている。下作動口37は、左右一対の可動片によって構成されたガイド片(サポート片)としての電動役物37aを有している。
電動役物37aは、遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部37bに連結されている。この電動役物37aは、電動役物駆動部37bにて駆動されることによって、閉鎖状態(非サポート状態または非ガイド状態)および開放状態(サポート状態またはガイド状態)のいずれかに設定される。閉鎖状態は、電動役物37aの上端を左右方向に近接させることによって、下作動口37を閉鎖した状態である。開放状態は、電動役物37aの上端を左右方向に離間させることによって、下作動口37を開放した状態である。
ここで、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の底面部との間隔は、遊技球1個分よりも狭くなる。また、電動役物37aを開放状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の底面部との間隔は、遊技球1個分よりも広くなる。したがって、遊技球は、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができず、開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができる。
なお、電動役物37aは、前述した閉鎖状態および開放状態に代えて、下作動口37に遊技球が入賞しにくい状態(閉鎖状態とは異なり遊技球の入球は可能な状態)と、下作動口37に遊技球が入賞しやすい状態とを切り換える構成としてもよい。また、下作動口37は、このような切り換えを電動役物37aの設定によって行うのではなく、下作動口37の変位によって行う構成としてもよく、このように構成した場合には、下作動口37は、電動役物37aを備えていなくてもよい。
可変入賞装置38は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する大入賞口38aと、大入賞口38aを開閉するための開閉扉38bと、開閉扉38bを駆動する可変入賞駆動部38cとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大として右打ちし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて可変入賞装置38に遊技球を導くことができる(右打ちルート)。
ここで、遊技盤31は、可変入賞装置38の前面側を覆うようにして設けられたカバー381を備えている。このカバー381は、可変入賞装置38を前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成された透明パネル381aと、この透明パネル381aの周囲に設けられるとともに、不透明に形成された不透明パネル381bとを備えている。
したがって、遊技者は、透明パネル381aおよび窓部21を介して可変入賞装置38を前方から視認することができる。
大入賞口38aは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられている。この大入賞口38aは、前述したように、遊技球の入球を検知する検知センサ40dを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。
開閉扉38bは、矩形板状に形成されるとともに、大入賞口38aの開口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられている。この開閉扉38bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31から突出することによって、大入賞口38aの開口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31の内部に向かって後退して遊技盤31に埋没することによって、大入賞口38aの開口を開放する開放状態とを有している。
可変入賞駆動部38cは、開閉扉38bを駆動することによって、開閉扉38bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
具体的には、開閉扉38bは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉38bは、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。
なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、開閉扉38bを開放状態に設定し、大入賞口38aに遊技球を入球可能とするモードをいう。また、開閉実行モードにおいて、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技という。
このように、可変入賞装置38は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態、および遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態を有し、遊技球の入球に際して所定の遊技球を払い出す開閉入球手段として機能する。
主表示装置42は、メイン表示部45と、役物用表示部46とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。
なお、主表示装置42は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤31に設けられている。すなわち、主表示装置42は、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置42と、窓パネル22との間の距離は、遊技球1個分よりも狭くなっている。これによって、パチンコ機10は、主表示装置42と、窓パネル22との間を遊技球が落下していくのを防止している。換言すれば、パチンコ機10は、主表示装置42の前方を遊技球が落下していくのを防止している。
メイン表示部45は、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部45aと、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部45bとを備えている(図11参照)。なお、メイン表示部45は、開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)に、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部を更に備えていてもよい。
第1結果表示部45aは、上作動口36への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第1結果表示部45aは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部45bは、下作動口37への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第2結果表示部45bは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
したがって、本実施形態では、上作動口36および下作動口37は、遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段として機能する。
役物用表示部46は、各スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。役物用表示部46は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、下作動口37に設けられた電動役物37aは、所定の態様で開放状態となる。
なお、本実施形態では、メイン表示部45および役物用表示部46は、セグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部45および役物用表示部46に変動表示させる絵柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、または複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置47を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置47を囲むようにして配設されたセンターフレーム48を備えている。このセンターフレーム48の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置47の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
図柄表示装置47は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。この図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて図柄の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置47は、メイン表示部45の第1結果表示部45aにて変動表示を実行する場合およびメイン表示部45の第2結果表示部45bにて変動表示を実行する場合には、それに合わせて変動表示を実行する。
なお、図柄表示装置47は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRT等の他の表示装置であってもよい。
センターフレーム48は、図柄表示装置47の上側の領域に設けられた4つの第1保留ランプ部49aと、第1保留ランプ部49aの右側の領域に設けられた4つの第2保留ランプ部49bと、第1保留ランプ部49aの上側の領域に設けられた4つの第3保留ランプ部49cとを備えている。
第1保留ランプ部49aは、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第1保留ランプ部49aは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第1結果表示部45aおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第2保留ランプ部49bは、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第2保留ランプ部49bは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第2結果表示部45bおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第3保留ランプ部49cは、各スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第3保留ランプ部49cは、遊技球を最大4個まで保留することができ、役物用表示部46の変動表示に対応している。
なお、各保留ランプ部49a〜49cは、後述する図柄表示装置47の一部に画像として表示される等の他の構成であってもよい。
また、センターフレーム48は、図柄表示装置47の右下側の領域に設けられた右側可変入球機構52と、この右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53とを備えている。
右側可変入球機構52は、遊技領域を流下する遊技球を右側可変入球機構52の内部に入球させた後、クルーン53に誘導するクルーンルートと、右側可変入球機構52の外部に排出する排出ルートとを切り替えることによって、右側可変入球機構52の内部に入球させた遊技球をクルーンルートまたは排出ルートに案内する機能を有している。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大として右打ちし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて右側可変入球機構52に遊技球を導くことができる(右打ちルート)。
図3は、右側可変入球機構の近傍を拡大した図である。
右側可変入球機構52は、図3に示すように、遊技領域を流下する遊技球を右側可変入球機構52の内部に入球させる導入部521と、導入部521にて右側可変入球機構52の入口に誘導された遊技球を案内する案内通路522と、案内通路522にて案内される遊技球の行き先を切り替える切替部523と、案内通路522の案内先に設けられた排出口524およびガイドレール525(図4参照)とを備えている。
導入部521は、右側可変入球機構52の右側に形成された入口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられた羽根部材521aと、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として羽根部材521aを回動自在に支持するピン521bと、羽根部材521aを駆動する羽根部材駆動部521cとを備えている。
羽根部材521aは、ピン521bを中心として反時計回りに回動することによって、右側可変入球機構52の入口を閉鎖する閉鎖状態(図中一点鎖線)と、ピン521bを中心として時計回りに回動することによって、右側可変入球機構52の入口を開放する開放状態(図中実線)とを有している(図中矢印参照)。羽根部材521aは、開放状態において、右側可変入球機構52の入口側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
羽根部材駆動部521cは、羽根部材521aを駆動することによって、羽根部材521aを閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する。
ここで、羽根部材521aは、所定の周期で閉鎖状態および開放状態に繰り返し設定される。換言すれば、羽根部材521aは、所定の周期で間欠的に開閉している。
本実施形態では、羽根部材521aは、1.5secの閉鎖状態と、0.5secの開放状態とに繰り返し設定されている。したがって、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉している。
なお、導入部521は、遊技領域を流下する遊技球を右側可変入球機構52の内部に入球させることができるように構成されていればよく、羽根部材521aの開閉のタイミングや、開閉の周期は、任意に設定することができる。
したがって、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する(図中実線)。
これに対して、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを閉鎖状態に設定した場合には、遊技球は、右側可変入球機構52に入球しない(図中一点鎖線)。
案内通路522は、その通路内を複数の遊技球が同時に通過できない幅に形成されている。また、案内通路522は、その途中で二股に分岐し、この分岐の上流側に位置する上流側案内通路522aと、下流側に位置する二条の下流側案内通路522b,522cとを有している。
なお、案内通路522は、その内部を前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
上流側案内通路522aは、導入部521にて右側可変入球機構52の入口に入球させた遊技球を右側可変入球機構52の入口から案内通路522の分岐位置にかけて案内する。この上流側案内通路522aは、右側可変入球機構52の入口から案内通路522の分岐位置に向かうにしたがって下降するように傾斜している。したがって、遊技球は、上流側案内通路522aの傾斜を利用して上流側案内通路522aを伝って案内通路522の分岐位置に到達する。
下流側案内通路522bは、案内通路522の分岐位置に近い位置に設けられている。また、下流側案内通路522bは、遊技球を案内通路522の分岐位置から落下させるように鉛直下方向に沿って形成されている。この下流側案内通路522bは、上流側案内通路522aを伝って案内通路522の分岐位置に到達した遊技球を排出口524に案内する。
下流側案内通路522cは、案内通路522の分岐位置から遠い位置に設けられている。また、下流側案内通路522cは、遊技球を案内通路522の分岐位置からガイドレール525に至るまで形成されている。この下流側案内通路522cは、上流側案内通路522aを伝って案内通路522の分岐位置に到達した遊技球をガイドレール525(図4参照)に案内する。
ここで、右側可変入球機構52は、遊技球の入球を検知する検知センサ40h(図11参照)を備え、この検知センサ40hは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、検知センサ40hは、下流側案内通路522cへの遊技球の入球を検知する。なお、パチンコ機10は、右側可変入球機構52への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。また、検知センサ40hは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
切替部523は、下流側案内通路522cの入口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられたプレート523aと、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心としてプレート523aを回動自在に支持するピン523bと、プレート523aを駆動するプレート駆動部523cとを備えている。
プレート523aは、ピン523bを中心として時計回りに回動することによって、下流側案内通路522bの入口を閉鎖する閉鎖状態(図中二点鎖線)と、ピン523bを中心として反時計回りに回動することによって、下流側案内通路522cの入口を閉塞するとともに、下流側案内通路522bの入口を開放する開放状態(図中実線)とを有している。プレート523aは、閉鎖状態において、下流側案内通路522c側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
プレート駆動部523cは、プレート523aを駆動することによって、プレート523aを閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する。
したがって、プレート駆動部523cにてプレート523aを開放状態に設定した場合には、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、下流側案内通路522bの入口に案内された後、排出口524に案内される(図中実線)。その後、遊技球は、排出口524を介して右側可変入球機構52の外部(遊技領域)に排出される(排出ルート)。
これに対して、プレート駆動部523cにてプレート523aを閉鎖状態に設定した場合には、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、プレート523aの傾斜を利用してプレート523aを伝って下流側案内通路522cの入口に案内された後、ガイドレール525に案内される(図中二点鎖線)。その後、遊技球は、ガイドレール525(図4参照)を介してクルーン53に誘導される(クルーンルート)。
ここで、プレート523aは、通常は遊技球がクルーン53に誘導されることのない開放状態(排出ルート)に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、プレート523aは、遊技球がクルーン53に誘導される閉鎖状態(クルーンルート)に設定される。
また、プレート523aは、前述した検知センサ40hにて下流側案内通路522cへの遊技球の入球を検知した場合には、遊技球がクルーン53に誘導されることのない開放状態(排出ルート)に再び設定される。
このように、本実施形態では、クルーン53は、上作動口36または下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段として機能する。
図4は、排出ルートおよびクルーンルートにおける遊技球の動きを示す図である。具体的には、図4(A),(B)は、排出ルートにおける遊技球の動きを示す図であり、図4(C),(D)は、クルーンルートにおける遊技球の動きを示す図である。
羽根部材521aを閉鎖状態に設定した場合には、遊技球は、図4(A)に示すように、右側可変入球機構52に入球しない(図中矢印参照)。これは、排出ルートであってもクルーンルートであっても同様である。
これに対して、羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、図4(B),(C)に示すように、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。
プレート523aを開放状態に設定することによって、排出ルートに設定した場合には、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、図4(B)に示すように、排出口524に案内される(図中矢印参照)。その後、遊技球は、排出口524を介して右側可変入球機構52の外部(遊技領域)に排出される。
排出口524を介して右側可変入球機構52の外部に排出された遊技球は、釘44にて落下方向を変えられることによって、上作動口36や、下作動口37や、アウト口39に入球することになる。
なお、本実施形態では、排出口524を介して右側可変入球機構52の外部に排出された遊技球は、上作動口36や、下作動口37や、アウト口39に入球していたが、例えば、アウト口39のみに入球するように設計してもよい。要するに、遊技領域に排出された後の遊技球の流路は、どのように設計されていてもよい。
また、本実施形態では、遊技球は、排出口524を介して遊技領域に排出されていたが、遊技領域に排出されることなく、例えば、アウト口39に入球した遊技球と同様のルートを通って回収されるようにしてもよい。
また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、図4(C)に示すように、ガイドレール525に案内される(図中矢印参照)。その後、遊技球は、図4(D)に示すように、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
図5は、クルーンの近傍を拡大して上方側から見た図である。
クルーン53は、図5に示すように、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球を転動させる円盤状の転動面531と、転動面531の周縁に沿って設けられた側壁532とを備えている。
なお、ガイドレール525は、側壁532に沿うようにして遊技球を転動面531に誘導する。
転動面531は、その中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように形成された3つの穴533A〜533Cと、その中心に形成されるとともに、各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜する3つの側面を有する突出部534とを備えている。また、転動面531は、側壁532側から各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜している(図4参照)。
したがって、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる(図中矢印A参照)。
各穴533A〜533Cは、遊技球の入球を検知する検知センサ40i〜40k(図11参照)を備え、この検知センサ40i〜40kは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、検知センサ40iは、穴533Aへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40jは、穴533Bへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40kは、穴533Cへの遊技球の入球を検知する。なお、パチンコ機10は、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。また、検知センサ40i〜40kは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
各穴533A〜533Cは、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
具体的には、パチンコ機10は、穴533Aへの入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533Aには、16回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するように穴533Aの周囲にマークを表示している。
また、パチンコ機10は、穴533B,533Cへの入球が発生した場合には、4回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533B,533Cには、4回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するようにマークを表示していない。
また、クルーン53は、遊技盤31の前面側(手前側)に形成された穴533Aに接続されるとともに、図中矢印Bに示すように、穴533Aに入球して下方に落下した遊技球を非電動役物51に案内する連絡通路535と、遊技盤31の背面側(奥側)に形成された2つの穴533B,533Cに接続されるとともに、図中矢印Cに示すように、穴533B,533Cに入球して下方に落下した遊技球を遊技領域に開口部311(図2参照)を介して排出する排出通路536とを備えている。
図6は、非電動役物を遊技盤の背面側から見た図である。図9は、非電動役物を側方から見た図である。
非電動役物51は、図6および図9に示すように、水平方向に対向するように遊技盤31の上方に設けられた一対の上方羽根部材511と、各上方羽根部材511の下端部に固定されるとともに、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として回動自在に設けられた一対の回動軸512と、各回動軸512に一端を固定された一対の板状体513と、各回動軸512に同心状に固定された一対の上方歯車514とを備えている。
また、非電動役物51は、水平方向に対向するように各上方羽根部材511の下方に設けられた一対の下方羽根部材515と、各下方羽根部材515の上端部に固定されるとともに、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として回動自在に設けられた一対の回動軸516と、各上方歯車514と噛み合うように設けられるとともに、各回動軸516に同心状に固定された一対の下方歯車517とを備えている。
各上方羽根部材511は、非電動役物51の閉鎖状態において、図6(A)に示すように、水平方向に対向するとともに、鉛直方向に沿って配置された対向面511Aを有している。また、各上方羽根部材511は、図9に示すように、遊技領域(遊技盤31の正面側)に設けられている。
各上方羽根部材511は、各対向面511Aの間に形成された通路511Bを複数の遊技球が同時に通過できない幅とするように設けられている。また、非電動役物51は、通路511Bの入口の上方に設けられた邪魔板51Aを備えている。各上方羽根部材511の上端と、邪魔板51Aとの間隔は、遊技球1個分よりも狭くなっている。したがって、遊技球は、非電動役物51の閉鎖状態において、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球することができないようになっている。
なお、非電動役物51は、各上方羽根部材511および通路511Bを覆い隠すようにして遊技領域に設けられたカバー518を備えている。
各板状体513は、図6(A)に示すように、各上方羽根部材511の対向面511Aに対して鈍角となるように配置されている。具体的には、各板状体513は、非電動役物51の閉鎖状態において、回動軸512側の上端部から下端部に向かうにしたがって通路511Bに近づくように傾斜して配置されている。ここで、各板状体513は、図9に示すように、遊技盤31の背面側に設けられている。具体的には、非電動役物51は、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球した遊技球を遊技盤31の背面側に導く通路51Bを備え、各板状体513は、この通路51Bの排出口を閉塞するように、各回動軸512に一端を固定されている。
各下方羽根部材515は、図6(A)に示すように、各上方羽根部材511の対向面511Aに対して鈍角となるように配置されている。具体的には、各下方羽根部材515は、非電動役物51の閉鎖状態において、回動軸516側の上端部から下端部に向かうにしたがって通路511Bに近づくように傾斜して配置されている。また、各下方羽根部材515は、図9に示すように、遊技盤31の背面側に設けられている。具体的には、各下方羽根部材515は、クルーン53の連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球の通過位置に設けられている。ここで、各下方羽根部材515は、連絡通路535の排出口535Aを閉塞するように、各回動軸516に一端を固定されている。
このように、前述したクルーン53の連絡通路535は、各下方羽根部材515の上方に連絡している。
したがって、クルーン53の穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球は、図6(A)に示すように、各下方羽根部材515に向かって落下する。そして、各下方羽根部材515に向かって落下した遊技球は、図6(B)に示すように、各回動軸516を中心として各下方羽根部材515を回動させることによって、各下方羽根部材515の下端部を離間させるように押し広げる(図中矢印A参照)。
なお、各下方羽根部材515の下端部を離間させるように押し広げた後、遊技球は、排出通路51Cを通って非電動役物51から遊技領域に開口部312を介して排出される。
また、各回動軸516および各下方歯車517は、各下方羽根部材515の回動に伴って回動するので、各上方歯車514は、各下方歯車517の回動に伴って回動する。そして、各上方羽根部材511および各板状体513は、各上方歯車514の回動に伴って回動する(図中矢印B参照)。これによって、非電動役物51は、閉鎖状態から開放状態へと移行することになる。
ここで、非電動役物51は、閉鎖状態から開放状態へと移行したことを検知する非電動役物開放検知センサ519(図11参照)を備えている。なお、非電動役物開放検知センサ519は、非電動役物51の開放を検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、接触式のセンサなどを採用することができる。
各上方羽根部材511の上端と、邪魔板51Aとの間隔は、非電動役物51の開放状態において、図6(B)に示すように、遊技球1個分よりも広くなっている。したがって、遊技球は、非電動役物51の開放状態において、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球することができるようになっている。
ここで、各板状体513は、非電動役物51の開放状態において、通路51Bを閉塞するように各回動軸512を中心として回動している。
したがって、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球した遊技球は、通路51Bを介して遊技盤31の背面側に導かれた後、各回動軸512を中心として各板状体513を回動させることによって、各板状体513の下端部を離間させるように押し広げる。
なお、各板状体513の下端部を離間させるように押し広げた後、遊技球は、排出通路51Cを通って非電動役物51から遊技領域に開口部312を介して排出される。
また、各回動軸512および各上方歯車514は、各板状体513の回動に伴って回動するので、各下方歯車517は、各上方歯車514の回動に伴って回動する。そして、各下方羽根部材515は、各下方歯車517の回動に伴って回動する。これによって、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行することになる。
非電動役物51は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、非電動役物51への入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
ここで、非電動役物51への入球は、遊技球が排出通路51Cを通過したか否かを検知センサ40fにて検出することによって判定する。換言すれば、非電動役物51の開放状態において、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球した遊技球と、非電動役物51の閉鎖状態において、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球とは、ともに非電動役物51への入球として判定される。
具体的には、パチンコ機10は、非電動役物51への入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、非電動役物51には、16回のラウンド遊技の実行を開始することを意味する「16R」の文字が表示されている(図2参照)。
なお、以下の説明では、16回のラウンド遊技の実行を開始する非電動役物51および穴533Aを16ラウンド実行ゲートと称し、4回のラウンド遊技の実行を開始する各穴533B,533Cを4ラウンド実行ゲートと称し、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートを総称してラウンド遊技実行ゲートとも称する。
したがって、非電動役物51は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段として機能する。
そして、非電動役物51は、非電動役物51に入球した遊技球を受ける各板状体513(第1受部)と、穴533Aに入球した遊技球を受ける各下方羽根部材515(第2受部)とを備え、各板状体513にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、各下方羽根部材515にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行する。
なお、本実施形態では、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行していた。これに対して、反転入球手段は、例えば、反転入球手段を閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する駆動部と、遊技球の入球を検知するセンサとを備え、センサにて遊技球の入球を検知したことを契機として駆動部にて反転入球手段を開放状態から閉鎖状態へと移行するようにしてもよい。要するに、反転入球手段は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行すればよい。
また、クルーン53は、クルーン53に入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させない穴533B,533C(第1の入球部)と、クルーン53に入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる穴533A(第2の入球部)とを備えている。このクルーン53は、クルーン53に入球した遊技球を転動させる転動面531を有し、第1の入球部および第2の入球部は、転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させる。
なお、本実施形態では、第1の入球部および第2の入球部は、クルーン53の転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させていた。これに対して、第1の入球部および第2の入球部は、例えば、可変入球手段に入球した遊技球を第1の入球部および第2の入球部に振り分ける振分機構に設けられていてもよい。この場合には、振分機構にて第1の入球部および第2の入球部に遊技球を振り分ける確率は同一であってもよく、異なっていてもよい。要するに、可変入球手段は、第1の入球部と、第2の入球部とを備えていればよい。
ここで、前述したように、非電動役物51および穴533Aは、16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートである。また、各穴533B,533Cは、4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートである。したがって、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与している。
具体的には、パチンコ機10は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数(本実施形態では4回)に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数(本実施形態では16回)に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始している。
なお、本実施形態では、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、可変入賞装置38の開閉回数を設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与しているが、例えば、可変入賞装置38の開放時間などを設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与してもよい。要するに、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与すればよい。
また、本実施形態では、穴533Aを16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートとし、各穴533B,533Cを4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートとし、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていた。これに対して、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていなくてもよく、例えば、内部抽選の結果などに基づいて対応関係を変更するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技性を拡張することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
図7および図8は、非電動役物の近傍を拡大した図である。具体的には、図7(A)および図8(A)は、非電動役物51の開放状態において、非電動役物51に向かって遊技球が落下してきた状態を示す図であり、図7(B)および図8(B)は、その後の遊技球の流れを示す図である。
非電動役物51は、図7および図8に示すように、邪魔板51Aの左上に設けられた回転振分機構51Dを備えている。
回転振分機構51Dは、遊技盤31の盤面と直交する軸回りに回転自在となるように遊技盤31に取り付けられた回転軸51D1と、回転軸51D1を中心として回転軸51D1に等間隔に形成された3枚の回転羽根51D2と、回転軸51D1の下方に設けられたストッパ51D3とを備えている。
3枚の回転羽根51D2のうち、上方の回転羽根51D2は、ストッパ51D3に右方の回転羽根51D2が当接している状態では、図7(A)に示すように、上方に向かうにしたがって非電動役物51に近づくように傾斜する。
この状態において、回転振分機構51Dの右上に位置する風車の左側を通って落下してきた遊技球は、3枚の回転羽根51D2のうち、上方の回転羽根51D2と、左方の回転羽51D2との間に落下することになる(図7(A)矢印参照)。
上方の回転羽根51D2と、左方の回転羽51D2との間に落下した遊技球は、図7(B)に示すように、回転羽根51D2を介して回転軸51D1を反時計回りに回転させた後、非電動役物51には入球せずに非電動役物51の左側を通過していくことになる(図7(B)矢印参照)。そして、3枚の回転羽根51D2のうち、左方の回転羽根51D2は、ストッパ51D3に当接した状態となる。これによって、回転軸51D1は、その回転を停止する。なお、非電動役物51の左側を通過した遊技球は、その後、アウト口39に入球することになる。
これに対して、3枚の回転羽根51D2のうち、上方の回転羽根51D2は、ストッパ51D3に左方の回転羽根51D2が当接している状態では、図8(A)に示すように、上方に向かうにしたがって非電動役物51から遠ざかるように傾斜する。
この状態において、回転振分機構51Dの右上に位置する風車の左側を通って落下してきた遊技球は、3枚の回転羽根51D2のうち、上方の回転羽根51D2と、右方の回転羽51D2との間に落下することになる(図8(A)矢印参照)。
上方の回転羽根51D2と、右方の回転羽51D2との間に落下した遊技球は、図8(B)に示すように、回転羽根51D2を介して回転軸51D1を時計回りに回転させた後、非電動役物51に入球していくことになる(図8(B)矢印参照)。そして、3枚の回転羽根51D2のうち、右方の回転羽根51D2は、ストッパ51D3に当接した状態となる。これによって、回転軸51D1は、その回転を停止する。
このように、回転振分機構51Dは、非電動役物51に向かって落下してきた遊技球を自己の回転に応じて左右に振り分け、非電動役物51に遊技球を入球させない左ルートと、非電動役物51に遊技球を入球させる右ルートとを交互に切り替える機能を有している。
したがって、遊技者の意図に反して非電動役物51に向かって落下してしまった遊技球を非電動役物51に入球させにくくすることができ、遊技者の意図を反映させやすくすることができる。
なお、本実施形態では、回転振分機構51Dは、1段目のみとしていたが、2段目の回転振分機構51Dを設けてもよく、3段目以降の回転振分機構51Dを更に設けてもよい。これによれば、遊技者の意図に反して非電動役物51に向かって落下してしまった遊技球を非電動役物51に更に入球させにくくすることができ、遊技者の意図を更に反映させやすくすることができる。
また、本実施形態では、回転振分機構51Dは、非電動役物51に向かって落下してきた遊技球を自己の回転に応じて左右に振り分けていたが、回転以外の方法を用いて遊技球を振り分けてもよい。
図10は、図柄表示装置の表示画面を示す図である。
図柄表示装置47の表示画面Gは、図10に示すように、3列の表示領域に区画されており、各表示領域には、左から順に左図柄列Z1、中図柄列Z2、および右図柄列Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「8」の数字からなる8種類の図柄を下方から上方に向かって昇順となるとともに、「8」の次は「1」となるように配列して構成されている。なお、図10では、各表示領域の中心線を一点鎖線で示している。
図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向き(本実施形態では上向き)に周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行する。この遊技回用の演出は、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から停止表示に切り換わり、最終的には、有効ラインL上に所定の図柄を停止表示した状態で終了する。
すなわち、遊技回とは、各作動口36,37への入賞に基づいて、メイン表示部45および図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示するまでをいう。
なお、図柄表示装置47における図柄の変動表示の態様は、これに限定されることはなく任意である。例えば、図柄列の列数、各図柄列のスクロールの方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、各図柄列の図柄は、数字のみの態様に代えて、絵と数字とを組み合わせた態様としてもよく、絵のみの態様としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図11は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図11に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bや、リーチ用テーブル記憶エリア63cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ40a〜40kと、非電動役物開放検知センサ519とに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置38の開閉扉38bを開閉動作させる可変入賞駆動部38cと、羽根部材521aを開閉動作させる羽根部材駆動部521cと、プレート523aを開閉動作させるプレート駆動部523cと、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行して大入賞口38aを開閉させる。また、MPU62は、羽根部材駆動部521cの駆動制御を実行して羽根部材521aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行してプレート523aを開閉させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ40a〜40kは、一般入賞口35、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41や、右側可変入球機構52や、クルーン53の各穴533A〜533Cに1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ40a〜40kの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41や、右側可変入球機構52や、クルーン53の各穴533A〜533Cへの入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
<主制御装置60のMPU62にて内部抽選を実行するための電気的構成>
図12は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。
MPU62は、図12に示すように、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4の値(情報)を用いることによって、内部抽選などを実行する。具体的には、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用し、リーチ表示を発生させるか否かの抽選にリーチ乱数カウンタC3を使用する。また、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを使用し、メイン表示部45および図柄表示装置47における表示継続時間の決定に変動種別カウンタCSを使用する。さらに、MPU62は、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選に電動役物開放カウンタC4を使用する。なお、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM64の各種カウンタエリア64a(図11参照)に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後、0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、定期的に更新され、その更新された値は、RAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64b(図11参照)に格納される。また、抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、電動役物開放カウンタC4の値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64c(図11参照)に格納される。
保留球格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1〜第4エリアRa4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRa1〜Ra4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として上作動口36への遊技球の入賞に合わせて各エリアRa1〜Ra4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、上作動口36への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第1結果表示部用保留エリアRaは、4つの記憶エリアを備えているので、上作動口36への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第1結果表示部用保留エリアRaは、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、上作動口36に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1〜第4エリアRb4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRb1〜Rb4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として下作動口37への遊技球の入賞に合わせて各エリアRb1〜Rb4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、下作動口37への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第2結果表示部用保留エリアRbは、4つの記憶エリアを備えているので、下作動口37への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、下作動口37に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、各結果表示部45a,45bの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa、または第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報を移動させるためのエリアである。
電役保留エリア64cは、第1結果表示部用保留エリアRaおよび第2結果表示部用保留エリアRbと同様に4つの記憶エリアを備えている。したがって、各スルーゲート41への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。
なお、各スルーゲート41に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
<各カウンタの詳細な説明>
以下、各カウンタの詳細について説明する。
まず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値250に達した後、0に戻ることによって、0〜250の範囲内でループするループカウンタとなっている。
電動役物開放カウンタC4は、定期的に更新され、その更新された値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の電役保留エリア64cに格納される。
そして、MPU62は、電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選(電動役物開放抽選)を実行する。
ここで、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定することによって、下作動口37への遊技球の入賞を可能とする頻度が互いに異なる複数のサポートモードを有している。具体的には、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に低い低頻度サポートモード(低頻度ガイド状態)と、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に高い高頻度サポートモード(高頻度ガイド状態)とを有している。
低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選において、電役開放状態に当選する確率は同一(例えば、共に4/5)となっている。しかしながら、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電役開放状態に当選した際に、電動役物37aを開放状態に設定する回数が多く、電動役物37aを開放状態に設定する1回の開放時間も長くなっている。また、高頻度サポートモードでは、1回の電役開放状態における各回の開放の間に、電動役物37aを閉鎖状態に設定する閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短くなっている。さらに、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電動役物開放抽選を終えてから次回の電動役物開放抽選を行うまでに待機する時間として最低限確保される確保時間(役物用表示部46における1回の変動表示の継続時間)が短くなっている。
したがって、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなる。また、高頻度サポートモードでは、遊技球は、上作動口36よりも下作動口37に入賞する確率が高くなる。
そして、下作動口37への入賞を検知した場合には、所定数の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードの構成は、これに限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選にて電役開放状態に当選する確率を低頻度サポートモードと比較して高くするように構成してもよい。また、例えば、複数種類の確保時間を用意し、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、短い確保時間を選択し易いように構成してもよく、選択される確保時間の平均を短くするように構成してもよい。さらに、電動役物37aを開放状態に設定する回数、開放時間、および確保時間の各条件を組み合わせることによって、高頻度サポートモードは、電動役物37aを開放状態に設定する頻度を低頻度サポートモードと比較して相対的に高くするように構成してもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値599に達した後、0に戻ることによって、0〜599の範囲内でループするループカウンタとなっている。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様に0〜599の範囲内でループするループカウンタである。
大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たり発生の抽選(当否抽選)を実行する。
図13は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。
大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たり発生に当選する乱数の値は、図13に示すように、当否情報群記憶手段として設けられたROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図11参照)に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、パチンコ機10は、大当たり発生に当選しにくい低確率モード(低確率状態)と、大当たり発生に当選しやすい高確率モード(高確率状態)との2つの当否抽選モードを有している。また、当否テーブルは、図13(a)に示す低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図13(b)に示す高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行する。
これらの当否テーブルは、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」の複数の大当たり発生の抽選の結果(当否結果)を有している。
具体的には、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図13(a)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は2個である。
これに対して、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図13(b)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は21個である。ここで、低確率モード用の当否テーブルに記憶された大当たり当選となる乱数の値は、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値に含まれている。
なお、各当否テーブルに記憶される乱数の値や個数は任意であり、高確率モードは、低確率モードと比較して「大当たり当選」となる確率が高くなっていればよい。また、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値を含んでいなくてもよく、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値の一部を含んでいてもよい。
また、各当否抽選モードにおいて、「大当たり当選」となる乱数の値以外は、大当たり発生に当選せずに外れ結果となる。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有している。これらの外れ結果は、いずれも当否抽選モードや、サポートモードの移行契機とはならない点で共通している。しかしながら、「特別外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、「通常外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機とはならない点で異なっている。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値29に達した後、0に戻ることによって、0〜29の範囲内でループするループカウンタとなっている。
大当たり種別カウンタC2は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選(振分抽選)を実行する。
図14は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。
大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図14に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM63の振分テーブル記憶エリア63b(図11参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図14(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図14(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第1振分テーブルは、図14(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」、「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」、および「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜14」を「非明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「15〜19」を「明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「20〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第2振分テーブルは、図14(b)に示すように、「低確結果」および「最有利結果」の2つの振分結果を振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
各振分結果は、以下の(1)〜(3)の条件の少なくともいずれかに差異を有している。
(1)開閉実行モード終了後の当否抽選モード
(2)開閉実行モード終了後のサポートモード
(3)開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様
まず、(1)の当否抽選モードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが低確率モードに設定される振分結果である。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが高確率モードに設定される振分結果である。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
次に、(2)のサポートモードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行する。
「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードをそのまま維持する振分結果である。ここで、開閉実行モード終了前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合には、高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「明示少ラウンド高確結果」および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
なお、(3)の開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様の相違については後に詳細に説明する。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値238に達した後、0に戻ることによって、0〜238の範囲内でループするループカウンタとなっている。
リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ表示を発生させるか否かの抽選(リーチ発生抽選)を実行する。
リーチ表示は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に発生する期待演出である。
具体的には、MPU62は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に、リーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行し、この抽選においてリーチ表示を発生させるとなった場合にリーチ表示を発生させる。なお、リーチ用テーブルは、リーチ表示の発生に係る乱数の値を記憶したテーブルであり、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63c(図11参照)に記憶されている。
ここで、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。さらに、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。
リーチ表示は、同一の数字を有する図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」または「低確結果」に振り分けられた場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生する。また、リーチ表示は、特別な図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生しない。
リーチ表示の態様は、図柄表示装置47の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1および図柄列Z3)を有効ラインL上に停止表示させることによって、同一の図柄の組み合わせを表示して停止結果を示唆し、その状態で残りの図柄列(例えば、図柄列Z2)を変動表示する。
したがって、パチンコ機10は、リーチ表示を発生させることによって、図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」または「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。
なお、リーチ表示の態様は、これに限定されることはなく、一部の図柄列を停止表示させた上で残りの図柄列を変動表示させるとともに、所定のキャラクタなどを動画として背景に表示してもよく、各図柄列を縮小表示または非表示にした上で所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gの略全体に表示してもよい。
ここで、パチンコ機10は、図柄表示装置47の変動表示の一種として期待演出を有している。期待演出とは、図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となったのではないかと遊技者に期待させるような演出をいう。具体的には、パチンコ機10は、前述したリーチ表示と、予告表示との2種類の期待演出を有している。
予告表示は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合に、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合よりも演出を発生しやすくする期待演出である。この予告表示は、演出を発生しやすくする代わりに、出現率の低い演出を選択しやすくするようにしてもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。
なお、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置60にて実行されていたのに対し、予告表示を発生させるか否かの抽選は、音声発光制御装置90にて実行される。
予告表示の態様は、図柄表示装置47の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、全ての図柄列Z1〜Z3を変動表示させている、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1)を有効ラインL上に停止表示させた上で複数の図柄列(例えば、図柄列Z2,Z3)を変動表示させている、またはリーチ表示を発生させている状況において、所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gに表示する。この予告表示は、リーチ表示を発生させる場合およびリーチ表示を発生させない場合のいずれの場合においても発生するが、リーチ表示を発生させない場合よりもリーチ表示を発生させる場合に発生しやすくなるように設定されている。
なお、予告表示は、これに限定されることはなく、例えば、背景を変更して表示してもよく、図柄列Z1〜Z3の形態を変更して表示してもよい。
最後に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値198に達した後、0に戻ることによって、0〜198の範囲内でループするループカウンタとなっている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理の実行ごとに少なくとも1回更新され、その更新の都度、抽選カウンタ用バッファに格納される。
そして、MPU62は、抽選カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値に基づいて、メイン表示部45における絵柄の表示継続時間と、図柄表示装置47における図柄の表示継続時間とを決定する。なお、これらの表示継続時間については後に詳細に説明する。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
主制御装置60のMPU62は、遊技を進行させるタイマ割込み処理および通常処理や、電源投入に伴って起動するメイン処理を実行する。以下、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理について順に説明する。
なお、MPU62は、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理の他、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力によって起動するNMI割込み処理を実行するが、この処理についての説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図15は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、図15に示すように、ステップS101〜S106を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS101では、MPU62は、複数の検知センサ40a〜40kの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ40a〜40kの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ40a〜40dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ40dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
また、ステップS101では、MPU62は、非電動役物開放検知センサ519の読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、非電動役物開放検知センサ519の状態を読み込み、その状態を判定して非電動役物開放情報としてRAM64に保存する。MPU62は、非電動役物開放検知センサ519が非電動役物51の開放を検知していると判定した場合には、所定の処理を実行する。この所定の処理については後に詳細に説明する。
ステップS102では、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、乱数初期値カウンタCINIの値を0に戻してクリアする。
ステップS103では、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の前回値にそれぞれ1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、各カウンタC1〜C4の前回値にそれぞれ1を加算する際に最大値に達していた場合には、各カウンタC1〜C4の値を0に戻してクリアする。
ステップS104では、MPU62は、スルー用の入賞処理を実行する。このスルー用の入賞処理では、MPU62は、各スルーゲート41に対応した検知センサ40gが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア64cに格納する。また、MPU62は、第3保留ランプ部49cを点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第3保留ランプ部49cを点灯させる。また、スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第3保留ランプ部49cは、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
ステップS105では、MPU62は、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理を実行する。
以下、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理について詳細に説明する。
<ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理>
図16は、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理のフローチャートを示す図である。
ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理では、MPU62は、図16に示すように、ステップS201〜S204を実行する。
ステップS201では、MPU62は、16ラウンド実行ゲート(非電動役物51および穴533A)に対応した検知センサ40f,40iが遊技球の入球を検知したか否かを判定することによって、16ラウンド実行ゲートに遊技球が入球したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS201にて16ラウンド実行ゲートに遊技球が入球したと判定した場合には、ステップS202において、RAM64に16ラウンド実行フラグをセットする。この16ラウンド実行フラグは、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生したことを特定するためのフラグである。その後、MPU62は、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて16ラウンド実行ゲートに遊技球が入球していないと判定した場合には、ステップS203において、4ラウンド実行ゲート(穴533Bおよび穴533C)に対応した検知センサ40j,40kが遊技球の入球を検知したか否かを判定することによって、4ラウンド実行ゲートに遊技球が入球したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203にて4ラウンド実行ゲートに遊技球が入球したと判定した場合には、ステップS204において、RAM64に4ラウンド実行フラグをセットする。この4ラウンド実行フラグは、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生したことを特定するためのフラグである。その後、MPU62は、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS203にて4ラウンド実行ゲートに遊技球が入球していないと判定した場合には、ステップS204以降の処理を実行することなく、ラウンド遊技実行ゲート用の入球処理を終了する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、図15を参照してステップS106以降の処理について説明する。
ステップS106では、MPU62は、作動口用の入賞処理を実行する。
以下、作動口用の入賞処理について詳細に説明する。
<作動口用の入賞処理>
図17は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、図17に示すように、ステップS301〜S307を実行する。
ステップS301では、MPU62は、上作動口36に対応した検知センサ40bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、上作動口36に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU62は、ステップS301にて上作動口36に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS302において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS305以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS301にて上作動口36に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS303において、下作動口37に対応した検知センサ40cが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS303にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS303にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS304において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS305以降の処理を実行する。
ステップS302またはステップS304の処理を実行した後、MPU62は、ステップS305において、ステップS302またはステップS304にてセットした始動保留記憶数N(RaNまたはRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS305にて始動保留記憶数Nが上限値未満でないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS305にて始動保留記憶数Nが上限値未満であると判定した場合には、ステップS306において、その始動保留記憶数Nの値に1を加算して更新する。
ステップS307では、MPU62は、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS306にて更新した始動保留記憶数Nと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。
例えば、MPU62は、ステップS302にて第1始動保留記憶数RaNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS306にて更新した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS302にて第1始動保留記憶数RaNに「3」をセットした場合には、ステップS306にて更新した第1始動保留記憶数RaNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRa4に保留情報を格納する。
また、例えば、MPU62は、ステップS304にて第2始動保留記憶数RbNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS306にて更新した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS304にて第2始動保留記憶数RbNに「3」をセットした場合には、ステップS306にて更新した第2始動保留記憶数RbNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRb4に保留情報を格納する。
また、ステップS307では、MPU62は、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bを点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、作動口用の入賞処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bを点灯させる。また、上作動口36または下作動口37に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bは、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
<通常処理>
図18は、通常処理のフローチャートを示す図である。
MPU62は、電源投入に伴って起動する後述のメイン処理を実行した後、遊技を進行させるための主要な処理である通常処理を実行する。この通常処理では、MPU62は、図18に示すように、ステップS401〜S414を実行する。具体的には、MPU62は、ステップS401〜S409を4msec周期で定期的に実行し、残余時間が発生した場合にステップS408〜S411を繰り返し実行し、ステップS408の判定結果に応じてステップS412以降を実行する。
ステップS401では、MPU62は、タイマ割込み処理または前回の通常処理で設定したコマンドをサブ側の各制御装置に送信するための外部出力処理を実行する。この外部出力処理では、例えば、MPU62は、賞球コマンドが設定されているか否かを判定し、賞球コマンドが設定されていると判定した場合には、その賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、例えば、MPU62は、遊技回用の演出に対応したコマンドや、開閉実行モード用の演出に対応したコマンドなどの演出用のコマンドが設定されているか否かを判定し、演出用のコマンドが設定されていると判定した場合には、その演出用のコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ステップS402では、MPU62は、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、変動種別カウンタCSの値を0に戻してクリアする。
ステップS403では、MPU62は、遊技回を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、MPU62は、当否抽選および振分抽選を実行するとともに、図柄表示装置47に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定およびメイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定などを実行する。
ステップS404では、MPU62は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU62は、開閉実行モード、高確率モード、および高頻度サポートモードなどの各遊技状態への移行処理を実行する。
なお、ステップS403の遊技回制御処理およびステップS404の遊技状態移行処理については後に詳細に説明する。
ステップS405では、MPU62は、デモ表示実行判定処理を実行する。このデモ表示実行判定処理では、MPU62は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、30sec)を経過したか否かを判定し、開始待ち期間を経過していると判定した場合には、デモ表示を開始させるためのデモコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるデモコマンドに基づいて、デモ表示実行処理を開始する。
ここで、MPU62は、ステップS405の処理の実行回数をカウントすることによって開始待ち期間が経過したか否かを判定する。例えば、開始待ち期間を30secとし、ステップS405の処理を繰り返し実行する間隔が4msecである場合には、MPU62は、ステップS405の処理の実行回数をカウントして7500回に達したときに開始待ち期間を経過したと判定する。なお、開始待ち期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて開始待ち期間を測定してもよい。また、MPU62は、ステップS405の処理の実行回数をカウントしているときに新たな遊技回を開始した場合には、そのカウントの値をリセットする。
ステップS406では、MPU62は、下作動口37に設けられた電動役物37aの駆動制御を実行するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、MPU62は、RAM64の電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物37aの開閉処理を実行する。また、MPU62は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部46の表示制御を実行する。
ステップS407では、MPU62は、遊技球発射制御処理を実行する。この遊技球発射制御処理では、MPU62は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことに基づいて、電源・発射制御装置80に遊技球を発射させる発射制御を実行させる。具体的には、電源・発射制御装置80は、所定の周期(本実施形態では0.6sec)で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。なお、ソレノイドは、発射ハンドル27の回転操作量に応じた発射強度で遊技球を発射するように励磁される。また、電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、遊技球発射機構81のソレノイドに対して駆動信号を供給し、遊技球を発射させる。
ステップS408では、MPU62は、RAM64の停電フラグ格納エリア(図示略)に停電フラグがセットされているか否かを判定する。この停電フラグは、MPU62のNMI端子に対して停電監視基板65から停電信号が入力されることによってRAM64にセットされる。停電監視基板65は、停電の発生を確認した場合に、この停電信号を出力する。なお、この停電フラグは、次回のメイン処理の実行時にクリアされる。
ここで、パチンコ機10は、RAM64等の所定のエリアに1を代入することによって各種のフラグをセットし、0を代入することによって各種のフラグをクリアする。例えば、パチンコ機10は、RAM64の停電フラグ格納エリアに1を代入することによって停電フラグをセットし、RAM64の停電フラグ格納エリアに0を代入することによって停電フラグをクリアする。
MPU62は、ステップS408にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行することなく、ステップS412以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS412では、MPU62は、タイマ割込み処理の発生を禁止する。ステップS413では、MPU62は、RAM判定値(RAM64のチェックサム)を算出して保存する。ステップS414では、MPU62は、RAM64へのアクセスを禁止する。その後、MPU62は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
これに対して、MPU62は、ステップS408にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS409において、次回の通常処理を実行するタイミングに至ったか否か、すなわち現在の通常処理を開始したときから所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS409にて次回の通常処理を実行するタイミングに至っていないと判定した場合、すなわち残余時間が発生した場合には、ステップS410において、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS411において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。なお、MPU62は、ステップS409にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定するまでステップS408〜S411を繰り返し実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS409にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定した場合、すなわち残余時間が発生していない場合には、ステップS401を再び実行することによって、次回の通常処理を開始する。
<メイン処理>
図19は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理では、MPU62は、図19に示すように、ステップS501〜S512を実行する。
ステップS501では、MPU62は、電源投入に伴って立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理では、MPU62は、サブ側の制御基板(音声発光制御装置90の制御基板等)が動作可能な状態になるのを待つために、電源投入後、所定の時間(例えば、500msec程度)が経過するまで待機する。
ステップS502では、MPU62は、許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。MPU62は、ステップS502にて1secが経過していないと判定した場合には、ステップS502の処理を繰り返し実行する。また、MPU62は、ステップS502にて1secが経過したと判定した場合には、ステップS503以降の処理を実行する。
ここで、MPU62は、ステップS502の処理の実行回数をカウントすることによって1secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS502の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU62は、ステップS502の処理の実行回数をカウントして10000回に達したときに1secが経過したと判定する。なお、許可禁止用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて許可禁止用期間を測定してもよい。
ステップS503では、MPU62は、RAM64へのアクセスを許可する。
ステップS504では、MPU62は、電源・発射制御装置80に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)がオンになっているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS504にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合には、ステップS509以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS504にてRAM消去スイッチがオンになっていないと判定した場合には、ステップS505において、RAM64の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。
そして、MPU62は、ステップS505にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS509以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS505にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS506において、RAM判定値を算出する。
ステップS507では、MPU62は、ステップS506にて算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認する。具体的には、MPU62は、ステップS506にて算出したRAM判定値と、通常処理のステップS413(電断時処理)にて保存されたRAM判定値とを比較し、これらが一致した場合には、RAM判定値は正常であると判定し、一致しない場合には、RAM判定値は異常であると判定する。
そして、MPU62は、ステップS507にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS509以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS507にてRAM判定値が正常であると判定した場合には、ステップS508において、RAM64の停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
なお、RAM64に記憶されたデータの有効性は、RAM判定値の整合性を確認する方法とは異なる方法によって判定してもよく、例えば、電断時処理にてRAM64の所定のエリアにキーワードを書き込み、このキーワードが正常に書き込まれているか否かをメイン処理にて判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認してもよい。
前述したように、MPU62は、ステップS504にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合、ステップS505にて停電フラグがセットされていないと判定した場合、またはステップS507にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS509以降の処理を実行する。
具体的には、MPU62は、ステップS509において、RAM64の作業領域をクリアし、ステップS510において、RAM64の初期化を実行する。
したがって、例えば、遊技場の管理者は、遊技場の営業開始時にRAM消去スイッチを押下しながらパチンコ機10の電源を投入することによって、RAM64に記憶されたデータを初期化することができる。また、パチンコ機10は、停電監視基板65にて停電の発生を確認していない場合や、RAM判定値が異常であった場合には、RAM64に記憶されたデータを初期化する。
ステップS508またはステップS510の処理を実行した後、MPU62は、ステップS511において、サブ側の制御基板(音声発光制御装置90の制御基板等)に対して初期コマンドを送信し、ステップS512において、タイマ割込み処理の発生を許可し、前述した通常処理に移行する。
なお、サブ側の制御基板は、ステップS511にて送信された初期コマンドを受信することによって、主制御基板61との通信が正常に行われていることを認識するとともに、自己の初期化を実行する。
<遊技回制御処理>
図20は、遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。
遊技回制御処理では、MPU62は、図20に示すように、ステップS601〜S609を実行する。
ステップS601では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS601にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS602以降の処理を実行することなく、遊技回制御処理を終了する。したがって、開閉実行モード中であると判定した場合には、MPU62は、各作動口36,37への遊技球の入賞を検知しているか否かに関わらず遊技回の進行を開始しない。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグを参照することによって、開閉実行モード中であるか否かを判定している。以下の各処理においても同様である。MPU62は、開閉実行モードへの移行時に開閉実行モード中フラグをセットし、開閉実行モードの終了時に開閉実行モード中フラグをクリアする。
これに対して、MPU62は、ステップS601にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS602において、メイン表示部45が変動表示中であるか否か、すなわち遊技回を進行中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS602にてメイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には、ステップS603〜S605の遊技回開始用処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS602にてメイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS606〜S609の遊技回進行用処理を実行する。
まず、ステップS603〜S605の遊技回開始用処理について説明する。
ステップS603では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数とを把握し、これらの保留個数の合計数CRNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS603にて合計数CRNが「0」以下であると判定した場合には、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS603にて合計数CRNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS604において、第1結果表示部用保留エリアRaまたは第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を遊技回の消化用に設定するためのデータ設定処理を実行する。その後、MPU62は、ステップS605において、メイン表示部45および図柄表示装置47に変動表示を開始させて遊技回を消化するための変動開始処理を実行し、遊技回制御処理を終了する。
以下、ステップS604のデータ設定処理およびステップS605の変動開始処理について詳細に説明する。
図21は、データ設定処理のフローチャートを示す図である。
データ設定処理では、MPU62は、図21に示すように、ステップS701〜S711を実行する。
ステップS701では、MPU62は、作動口用の入賞処理のステップS304にてセットされた第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS701にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であると判定した場合には、ステップS702〜S706の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、ステップS701にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS707〜S711の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
このように、データ設定処理は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第1結果表示部用のデータ設定処理と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第2結果表示部用のデータ設定処理とを有している。
そして、MPU62は、ステップS701にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、第1結果表示部用のデータ設定処理を実行することなく、第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。換言すれば、MPU62は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
まず、ステップS702〜S706の第1結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS702では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNの値に1を減算して更新する。
ステップS703では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS704では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留情報を第1エリアRa1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRa2の保留情報を第1エリアRa1にシフトし、第3エリアRa3の保留情報を第2エリアRa2にシフトし、第4エリアRa4の保留情報を第3エリアRa3にシフトする。
ステップS705では、MPU62は、RAM64に記憶された第2結果表示部フラグをクリアする。この第2結果表示部フラグは、遊技回の消化に際して第1結果表示部45aおよび第2結果表示部45bのうち、どちらのメイン表示部45に変動表示を開始させているかを特定するためのフラグである。このステップS705では、MPU62は、第2結果表示部フラグをクリアしているので、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示している。
ステップS706では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第1保留ランプ部49aの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第1保留ランプ部49aの点灯個数を減少させる。
次に、ステップS707〜S711の第2結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS707では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの値に1を減算して更新する。
ステップS708では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2エリアRb1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS709では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留情報を第1エリアRb1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRb2の保留情報を第1エリアRb1にシフトし、第3エリアRb3の保留情報を第2エリアRb2にシフトし、第4エリアRb4の保留情報を第3エリアRb3にシフトする。
ステップS710では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグをセットする。このステップS710では、MPU62は、第2結果表示部フラグをセットしているので、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示している。
ステップS711では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部49bの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第2保留ランプ部49bの点灯個数を減少させる。
図22は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
変動開始処理では、MPU62は、図22に示すように、ステップS801〜S818を実行する。
ステップS801では、MPU62は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には、ステップS802において、低確率モード用の当否テーブル(図13(a)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出し、ステップS801にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合には、ステップS803において、高確率モード用の当否テーブル(図13(b)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出す。
ステップS802またはステップS803の処理を実行した後、MPU62は、ステップS804において、当否判定処理を実行する。この当否判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS802またはステップS803にて読み出した当否テーブルとを比較することによって、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、前述したように、当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」のいずれかであり、当否抽選モードが低確率モードであっても高確率モードであっても同様である。
ステップS805では、MPU62は、ステップS804にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS805にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806以降の処理を実行し、ステップS805にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合には、ステップS812以降の処理を実行する。
まず、ステップS805において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」であると判定された場合の処理(ステップS806以降の処理)について説明する。
ステップS806では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づく第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS807において、第1振分テーブル(図14(a)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
これに対して、MPU62は、ステップS806にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、下作動口37への遊技球の入賞に基づく第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS808において、第2振分テーブル(図14(b)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
ステップS807またはステップS808の処理を実行した後、MPU62は、ステップS809において、振分判定処理を実行する。この振分判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり種別カウンタC2の値と、ステップS807またはステップS808にて読み出した振分テーブルとを比較することによって、振分抽選の結果(振分結果)を判定する。
ステップS810では、MPU62は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報をステップS809にて判定した振分結果に応じて決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ステップS809にて判定した振分結果と、ROM63に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルとを比較することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この大当たり結果用の停止結果テーブルは、メイン表示部45に停止表示させる絵柄の態様を振分結果ごとに相違させて規定している。
ステップS811では、MPU62は、ステップS809にて判定した振分結果に応じたフラグをRAM64にセットする。具体的には、MPU62は、振分結果が「低確結果」であることを特定した場合には、低確結果フラグをセットし、「非明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、非明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「最有利結果」であることを特定した場合には、最有利結果フラグをセットする。その後、MPU62は、ステップS816以降の処理を実行する。
なお、以下の各処理において、MPU62は、これらのフラグを参照することによって、振分結果の判定を実行する。
次に、ステップS805において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定された場合の処理(ステップS812以降の処理)について説明する。
ステップS812では、MPU62は、ステップS804にて判定した当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS812にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS813以降の処理を実行し、ステップS812にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS815以降の処理を実行する。
ステップS813では、MPU62は、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この特別外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された特別外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS814では、MPU62は、特別外れフラグをRAM64にセットする。
なお、以下の各処理において、MPU62は、この特別外れフラグを参照することによって、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かの判定を実行する。
これに対して、ステップS815では、MPU62は、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルおよび特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS811、ステップS814、およびステップS815のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS816において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
表示継続時間の設定処理では、MPU62は、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。
また、表示継続時間の設定処理では、MPU62は、図柄表示装置47にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU62は、ステップS809にて判定した振分結果が「低確結果」または「最有利結果」である場合、並びにステップS804にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるとともに、リーチ発生抽選に当選した場合には、リーチ表示が発生すると判定する。なお、MPU62は、前述したように、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ発生抽選を実行する。
MPU62は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
これに対して、MPU62は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
具体的には、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くするように設定されている。したがって、上作動口36に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、上作動口36に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。そして、下作動口37に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、下作動口37に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。また、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、低頻度サポートモードである場合と比較して、表示継続時間を短くするように設定されている。換言すれば、保留個数が同じであれば、高頻度サポートモードである場合の表示継続時間は、低頻度サポートモードである場合のそれよりも短い。
さらに、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間は、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは異なっている。
なお、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を長くなる等のように前述した関係とは逆の関係に設定されていてもよく、保留個数やサポートモードに応じて変動しない構成としてもよい。また、当否結果および振分結果のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルを設定してもよい。
ステップS817では、MPU62は、変動用コマンドおよび種別コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS817にて設定した変動用コマンドおよび種別コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動用コマンドおよび種別コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
変動用コマンドは、表示継続時間に係る情報を含んでいる。また、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を含んでいない。
ここで、前述したように、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間と、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは互いに異なっている。
したがって、リーチ表示が発生するか否かの情報を変動用コマンドに含めなかったとしても、表示継続時間に係る情報に基づいて、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90にてリーチ表示が発生するか否かを判定することは可能である。この意味では、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を間接的に含んでいるとも言える。なお、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を直接的に含んでいてもよい。
種別コマンドは、当否結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」に係る各情報を含んでいる。また、種別コマンドは、振分結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、振分結果に係る情報として、「低確結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」に係る各情報を含んでいる。
なお、以下の説明では、当否結果および振分結果を総称して遊技結果とする。換言すれば、種別コマンドは、遊技結果に係る情報を含んでいる。
ステップS818では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部45に変動表示を開始させる。その後、MPU62は、変動開始処理を終了する。
具体的には、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、第1結果表示部45aに変動表示を開始させる。
これに対して、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、第2結果表示部45bに変動表示を開始させる。
遊技回制御処理の説明に戻り、図20を参照してステップS606〜S609の遊技回進行用処理について説明する。
MPU62は、ステップS602において、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定し、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS606〜S609の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS606では、MPU62は、変動開始処理のステップS816にてセットした表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64の表示継続時間カウンタにセットされた値が「0」以下になったか否かを判定する。なお、この表示継続時間カウンタの値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
MPU62は、ステップS606にて表示継続時間が経過していないと判定した場合には、ステップS607において、変動表示用処理を実行する。この変動表示用処理では、MPU62は、変動表示中のメイン表示部45の表示を更新する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS606にて表示継続時間が経過していると判定した場合には、ステップS608において、変動終了処理を実行する。この変動終了処理では、MPU62は、メイン表示部45に変動表示を開始させる際に実行された変動開始処理のステップS810、ステップS813、およびステップS815のいずれかの処理においてRAM64に記憶した情報(メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報)を特定する。そして、MPU62は、遊技回の終了に際し、この特定した情報に対応した絵柄を変動表示中のメイン表示部45に表示させるようにメイン表示部45の表示制御を実行する。
ここで、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄は、遊技結果の種類ごとに異なっている。したがって、遊技場の管理者などは、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することによって、遊技結果を確認することができる。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
また、メイン表示部45は、図柄表示装置47の表示画面Gと比較して表示領域が狭く、メイン表示部45に停止表示させる絵柄は、図柄表示装置47の表示画面Gに停止表示させる図柄列Z1〜Z3と比較して遊技者にとって認識しにくいものとなっている。したがって、遊技者は、遊技回の終了に際し、メイン表示部45ではなく図柄表示装置47の表示画面Gを確認することによって、大当たり発生に当選したか否か等を判断することになるので、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
ステップS609では、MPU62は、変動終了コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS609にて設定した変動終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動終了コマンドに基づいて、その遊技回の演出を終了させるための処理を実行する。ここで、音声発光制御装置90は、変動終了コマンドの受信を必要とすることなく、独自に遊技回の演出を終了するように構成されていてもよい。
<遊技状態移行処理>
図23は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図23に示すように、ステップS901〜S914を実行する。
ステップS901では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS901にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS902以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS901にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS911以降の処理を実行する。
まず、ステップS901において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS902以降の処理)について説明する。
ステップS902では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS902にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS902にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS903において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS903にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS904以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS903にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS904では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS904にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS905において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置38の大入賞口38aを開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS904にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS906において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS906にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS907において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS906にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS908において、ラウンド数の設定処理を実行する。このラウンド数の設定処理では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「4」または「16」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
図24は、ラウンド数の設定処理のフローチャートを示す図である。
ラウンド数の設定処理では、MPU62は、図24に示すように、ステップS1001〜S1012を実行する。
ステップS1001では、MPU62は、RAM64に記憶されたラウンド遊技実行フラグ(4ラウンド実行フラグおよび16ラウンド実行フラグ)をクリアする。
ステップS1002では、MPU62は、非電動役物開放検知センサ519が非電動役物51の開放を検知したか否かを判定することによって、非電動役物51が開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1002にて非電動役物51が開放中でないと判定した場合には、ステップS1003において、非開放時コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1003にて設定した非開放時コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される非開放時コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
これに対して、MPU62は、ステップS1002にて非電動役物51が開放中であると判定した場合には、ステップS1004において、開放時コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1004にて設定した開放時コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放時コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1003またはステップS1004の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する。
ステップS1006では、MPU62は、RAM64にラウンド遊技実行フラグ(4ラウンド実行フラグまたは16ラウンド実行フラグ)がセットされているか否かを判定する。換言すれば、MPU62は、クルーンルートの設定処理を実行した後、ラウンド遊技実行ゲート(4ラウンド実行ゲートまたは16ラウンド実行ゲート)に遊技球が入球したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006にてRAM64にラウンド遊技実行フラグがセットされていないと判定した場合には、再びステップS1006を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1006にてRAM64にラウンド遊技実行フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1007において、RAM64に4ラウンド実行フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1007にてRAM64に4ラウンド実行フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1008において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「4」をセットする。
ステップS1009では、MPU92は、4ラウンド実行コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1009にて設定した4ラウンド実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される4ラウンド実行コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
これに対して、MPU62は、ステップS1007にてRAM64に4ラウンド実行フラグがセットされていないと判定した場合(RAM64に16ラウンド実行フラグがセットされていると判定した場合)には、ステップS1010において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「16」をセットする。
ステップS1011では、MPU92は、16ラウンド実行コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1011にて設定した16ラウンド実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される16ラウンド実行コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1009またはステップS1011の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する。その後、MPU62は、ラウンド数の設定処理を終了する。
このように、MPU62は、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定した後、ラウンド遊技実行ゲート(4ラウンド実行ゲートまたは16ラウンド実行ゲート)に遊技球が入球したことを契機として右側可変入球機構52を排出ルートに設定するので、右側可変入球機構52を排出ルートに設定するタイミングによって、クルーン53は、複数の遊技球を入球させる場合がある。この場合には、MPU62は、複数の遊技球のうち、いずれかの遊技球が最初に入球したラウンド遊技実行ゲートに基づいてラウンド遊技の回数を設定することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、クルーン53は、複数の遊技球を入球させる場合があるように構成されているが、複数の遊技球を入球させる場合がないように構成されていてもよい。
ここで、パチンコ機10は、終了条件が互いに異なる複数の開閉実行モードを有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉実行モードとして、当否結果が「大当たり当選」である場合に移行するラウンド数規定モードと、当否結果が「特別外れ結果」である場合に移行する開閉数規定モードとを有している。
ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を実行したことを条件として終了する。ここで、ラウンド遊技の回数は、ラウンドカウンタRCにセットした値に対応している。
開閉数規定モードは、予め定められた総回数の大入賞口38aの開閉を実行したこと、または予め定められた個数の遊技球が大入賞口38aに入賞したことを条件として終了する。ここで、大入賞口38aの開閉の総回数は、開閉カウンタSOCにセットした値に対応している。この開閉数規定モードは、ラウンド遊技の実行回数を条件として終了することはない。
なお、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行する。また、1回のラウンド遊技は、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすまで継続する。換言すれば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすことによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定する。
(1)予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること
(2)大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること
遊技状態移行処理の説明に戻り、図23を参照してステップS909以降の処理について説明する。
ステップS905、ステップS907、およびステップS908のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS909において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS903において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS910では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。また、オープニングコマンドは、遊技結果が「低確結果」または「最有利結果」である場合には、ラウンド遊技の回数に係る情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS910にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS901において、MPU62にて開閉実行モード中であると判定された場合の処理(ステップS911以降の処理)について説明する。
ステップS911では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図25は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、図25に示すように、ステップS1101〜S1124を実行する。
ステップS1101では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS1102以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS1106以降の処理を実行する。
まず、ステップS1101において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS1102以降の処理)について説明する。
ステップS1102では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1102にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1102にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、ステップS1103において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1103にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1103にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1104において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS1104の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図26は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図26に示すように、ステップS1201〜S1207を実行する。
ステップS1201では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1201にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1202において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1203において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1201にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1204において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1205において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1205にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1203において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1205にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1206において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1203またはステップS1206の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1207において、大入賞口38aの開放実行処理を実行する。この開放実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1202またはステップS1204にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を規定している。
また、ステップS1203またはステップS1206にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU62は、前述したように、タイマカウンタTに「85」または「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU62は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様(長期間態様)と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様(短期間態様)とを設定している。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、0.6secの周期で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。また、MPU62は、前述したように、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。
したがって、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは容易である。
これに対して、短時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも短い(更に言及すれば遊技球の発射周期よりも短い)ので、遊技球を大入賞口38aに入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは可能である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図25を参照してステップS1105以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS1104の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS1105において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1105にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉38bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1101において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS1106以降の処理)について説明する。
ステップS1106では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1203またはステップS1206にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1106にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1107以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1106にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1118以降の処理を実行する。
まず、ステップS1106において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定された場合の処理(ステップS1107以降の処理)について説明する。
ステップS1107では、MPU62は、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口38aに対応した検知センサ40dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1107にて大入賞口38aへの入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1107にて大入賞口38aへの入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1108において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS1109では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1109にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1109にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1110において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを閉鎖状態に設定する。
ステップS1111では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1111にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉38bを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1112では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1112にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS1123以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1112にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1113以降の処理を実行する。
ステップS1113では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1114では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1114にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1115において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1115にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉38bを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS1114にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1116以降の処理を実行する。
ステップS1116では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS1117では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。このエンディングコマンドは、非電動役物51が開放中であるか否かの情報を含んでいる。具体的には、MPU62は、非電動役物開放検知センサ519が非電動役物51の開放を検知したか否かを判定することによって、非電動役物51が開放中であるか否かを判定し、この情報をエンディングコマンドに含めている。MPU62は、通常処理のステップS401において、ステップS1117にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1106おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定された場合の処理(ステップS1118以降の処理)について説明する。
ステップS1118では、MPU62は、前述したステップS1110と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS1119では、MPU62は、前述したステップS1111と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS1120では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1120にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1121以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1120にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1123以降の処理を実行する。
まず、ステップS1120において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1121以降の処理)について説明する。
ステップS1121では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1122では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1122にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1115以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1122にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したS1116以降の処理を実行する。
次に、ステップS1112またはステップS1120において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS1123以降の処理)について説明する。
ステップS1123では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS1124では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1124にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1115以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1124にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したS1116以降の処理を実行する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図23を参照してステップS912以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS911の大入賞口開閉処理を実行した後、ステップS912において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS912にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS912にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、ステップS913において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS913にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS913にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS914において、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図27は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図27に示すように、ステップS1301〜S1312を実行する。
ステップS1301では、MPU62は、振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1301にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1302以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1301にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1305以降の処理を実行する。
まず、ステップS1301において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1302以降の処理)について説明する。
ステップS1302では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1303では、MPU62は、RAM64に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1304では、MPU62は、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、振分結果に応じてRAM64にセットしたフラグ(低確結果フラグ、非明示少ラウンド高確結果フラグ、明示少ラウンド高確結果フラグ、および最有利結果フラグ)や、特別外れフラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS801では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
次に、ステップS1301において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1305以降の処理)について説明する。
ステップS1305では、MPU62は、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1305にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1306以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1305にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1308以降の処理を実行する。
まず、ステップS1305において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1306以降の処理)について説明する。
ステップS1306では、MPU62は、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1306にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、前述したステップS1303以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1306にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1307において、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
次に、ステップS1305において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1308以降の処理)について説明する。
ステップS1308では、MPU62は、振分結果が「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1308にて振分結果が「低確結果」でないと判定した場合(当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合)には、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1308にて振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1309以降の処理を実行する。
ステップS1309では、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続する。
ステップS1310では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1311では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
ステップS1312では、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS406において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
これに対して、現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、低頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび低頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」または「通常外れ結果」となった場合には、遊技状態は移行しない。
このように、本実施形態では、遊技状態移行処理は、開閉実行モードに遊技状態を移行させた後、非電動役物51および各穴533A〜533Cのいずれかへの遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始する特定制御開始部として機能している。
<音声発光制御装置90および表示制御装置100の電気的構成>
図28は、音声発光制御装置および表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
音声発光制御装置90は、図28に示すように、音声発光制御基板91と、この音声発光制御基板91に実装されたMPU92と、このMPU92を構成しているROM93およびRAM94とを備えている。ここで、MPU92は、ROM93およびRAM94の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。
ROM93は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
RAM94は、ROM93に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM94は、コマンドリスト格納エリア94aなどの各種エリアを有している。
MPU92は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU92の入力ポートは、前述したように、主制御装置60に接続されている。MPU92の出力ポートは、各種ランプ部23,49a〜49cと、スピーカ部24と、表示制御装置100とに接続されている。
MPU92は、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、各種ランプ部23,49a〜49cや、スピーカ部24の駆動制御を実行する。
また、MPU92は、これらのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。なお、音声発光制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、表示制御基板101と、MPU102と、このMPU102を構成しているプログラムROM103およびワークRAM104と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とを備えている。ここで、MPU102は、プログラムROM103およびワークRAM104の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。なお、MPU102、VDP105、キャラクタROM106、およびビデオRAM107は、表示制御基板101に実装されている。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信されるコマンドを解析するとともに、このコマンドに基づいて所定の演算処理を行ってVDP105の制御を実行する。具体的には、MPU102は、VDP105に対するコマンドを生成することによってVDP105の制御を実行する。
プログラムROM103は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
ワークRAM104は、プログラムROM103に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。
VDP105は、図柄表示装置47に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105は、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。このVDP105は、MPU102にて生成されたコマンドの内容に基づいて、キャラクタROM106から画像データを読み出し、この画像データをビデオRAM107に記憶させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置47に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとして機能する。このキャラクタROM106は、各種図柄のビットマップ形式画像データや、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等を保持している。
ビデオRAM107は、図柄表示装置47に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置47の表示内容は、このビデオRAM107の内容を書き替えることによって変更される。
<音声発光制御装置90にて実行されるタイマ割込み処理について>
図29は、音声発光制御装置にて実行されるタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技を進行させるタイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理では、MPU92は、図29に示すように、ステップS1401〜S1405を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS1401では、MPU92は、コマンド格納処理を実行する。このコマンド格納処理では、MPU92は、MPU62からコマンドを受信した場合に、そのコマンドをRAM94に格納する。具体的には、RAM94は、MPU62から受信したコマンドの格納および読み出しをするためのリングバッファを有し、MPU92は、MPU62から受信した順序にしたがってコマンドをリングバッファに格納していく。なお、MPU92は、リングバッファに格納した順序にしたがってリングバッファからコマンドを読み出す。
ステップS1402では、MPU92は、MPU62から受信したコマンドに基づいて演出決定処理を実行する。演出決定処理では、MPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを決定する。
ステップS1403では、MPU92は、ステップS1402の演出決定処理の内容に基づいて、演出実行処理を実行する。具体的には、演出実行処理では、MPU92は、各種ランプ部23,49a〜49cの発光制御を実行し、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1404では、MPU92は、MPU62から受信したデモコマンドに基づいてデモ表示実行処理を実行する。デモ表示実行処理では、MPU92は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、30sec)を経過した場合にデモ表示を実行する。具体的には、デモ表示実行処理では、MPU92は、各種ランプ部23の発光制御を実行し、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1405では、ステップS1402の演出決定処理で設定したコマンドを表示制御装置100に送信するためのコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aにコマンドリストとして格納された各種コマンドを表示制御装置100に送信するタイミングに至ったか否かを判定し、各種コマンドを表示制御装置100に送信するタイミングに至ったと判定した場合には、そのコマンドを表示制御装置100に送信する。その後、MPU92は、タイマ割込み処理を終了する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図30は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図30に示すように、ステップS1501〜S1518を実行する。
ステップS1501では、MPU92は、MPU62から送信された変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1501にて各コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1509以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1501にて各コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1502において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1502にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1503において、遊技結果の種類に対応した図柄決定処理を実行する。この図柄決定処理では、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定し、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、奇数および偶数の数字は、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、ステップS1502にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」でないと判定した場合には、ステップS1504において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「通常外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1504にて遊技結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合、すなわち遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、ステップS1505において、共通用の図柄決定処理を実行する。この共通用の図柄決定処理では、MPU92は、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)を決定する。なお、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一である。
これに対して、MPU92は、ステップS1504にて遊技結果が「通常外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1506において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU92は、変動用コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU92は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、特別な図柄の組み合わせ、およびリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS1503、ステップS1505、およびステップS1506のいずれかの処理を実行した後、MPU92は、ステップS1507において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、変動用コマンドおよび種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU92は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)および演出の内容を選択する。なお、ステップS1507では、MPU92は、予告表示を発生させるか否かの抽選も実行する。
また、MPU92は、選択した演出パターンに基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1508では、MPU92は、変動開始コマンドと、ステップS1503、ステップS1505、およびステップS1506のいずれかの処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドとを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに変動開始コマンドおよび停止結果コマンドを記憶する。これらの変動開始コマンドおよび停止結果コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された変動開始コマンドおよび停止結果コマンドに基づいて、変動表示の開始および停止結果の表示を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、変動表示を開始した後、MPU92にて決定された停止結果を有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU92は、ステップS1508の処理を実行した後、またはステップS1501にて変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1509以降の処理を実行する。
ステップS1509では、MPU92は、ラウンド数の決定処理を実行する。
図31は、ラウンド数の決定処理のフローチャートを示す図である。
ラウンド数の決定処理では、MPU92は、図31に示すように、ステップS1601〜S1612を実行する。
ステップS1601では、MPU92は、MPU62から送信された非開放時コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1601にて非開放時コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行する。この非開放時演出の決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、非開放時コマンドに対応する演出の内容を選択する。
また、MPU92は、選択した演出の内容に基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1603では、MPU92は、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに非開放時演出用コマンドを記憶する。この非開放時演出用コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、非開放時演出を実行する。
MPU92は、ステップS1603の処理を実行した後、またはステップS1601にて非開放時コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1604において、MPU62から送信された開放時コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1604にて開放時コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1605において、開放時演出の決定処理を実行する。この開放時演出の決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、開放時コマンドに対応する演出の内容を選択する。
また、MPU92は、選択した演出の内容に基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1606では、MPU92は、ステップS1605の開放時演出の決定処理にて決定した開放時演出に係る開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに開放時演出用コマンドを記憶する。この開放時演出用コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開放時演出用コマンドに基づいて、開放時演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、開放時演出を実行する。
MPU92は、ステップS1606の処理を実行した後、またはステップS1604にて開放時コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1607において、MPU62から送信された4ラウンド実行コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1607にて4ラウンド実行コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1608において、4ラウンド実行演出の決定処理を実行する。この4ラウンド実行演出の決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、4ラウンド実行コマンドに対応する演出の内容を選択する。
また、MPU92は、選択した演出の内容に基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1609では、MPU92は、ステップS1608の4ラウンド実行演出の決定処理にて決定した4ラウンド実行演出に係る4ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに4ラウンド実行演出用コマンドを記憶する。この4ラウンド実行演出用コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された4ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、4ラウンド実行演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、4ラウンド実行演出を実行する。
MPU92は、ステップS1609の処理を実行した後、またはステップS1607にて4ラウンド実行コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1610において、MPU62から送信された16ラウンド実行コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1611において、16ラウンド実行演出の決定処理を実行する。この16ラウンド実行演出の決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、16ラウンド実行コマンドに対応する演出の内容を選択する。
また、MPU92は、選択した演出の内容に基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1612では、MPU92は、ステップS1611の16ラウンド実行演出の決定処理にて決定した16ラウンド実行演出に係る16ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに16ラウンド実行演出用コマンドを記憶する。この16ラウンド実行演出用コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された16ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、16ラウンド実行演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、16ラウンド実行演出を実行する。
MPU92は、ステップS1612の処理を実行した後、またはステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していないと判定した場合には、ラウンド数の決定処理を終了する。
演出決定処理の説明に戻り、図30を参照してステップS1510以降の処理について説明する。
ステップS1510では、MPU92は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1514以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定する。
ステップS1512では、MPU92は、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。開閉実行モード用の演出の決定処理では、MPU92は、ステップS1511にて遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Aを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Bを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定するとともに、ラウンド遊技の回数が4回であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出C1または演出D1を選択する。また、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定するとともに、ラウンド遊技の回数が16回であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出C2または演出D2を選択する。また、MPU92は、遊技結果が「低確結果」であると判定するとともに、ラウンド遊技の回数が4回であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出D1を選択する。また、MPU92は、遊技結果が「低確結果」であると判定するとともに、ラウンド遊技の回数が16回であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出D2を選択する。
なお、演出Aおよび演出Bの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を短時間態様で2回実行する場合の時間と対応している。また、演出C1および演出D1の継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を長時間態様で4回実行する場合の時間と対応している。また、演出C2および演出D2の継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を長時間態様で16回実行する場合の時間と対応している。
以下の説明では、演出C1および演出C2は、単に演出Cとも称し、演出D1および演出D2は、単に演出Dとも称する。
また、MPU92は、演出A〜演出Dの選択結果に基づいて、前述したステップS1403の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1513では、MPU92は、ステップS1512にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに開閉実行モード用コマンドを記憶する。この開閉実行モード用コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
MPU92は、ステップS1513の処理を実行した後、またはステップS1510にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1514以降の処理を実行する。
ステップS1514では、MPU92は、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1518以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。この非電動役物の開放判定処理では、MPU92は、エンディングコマンドの内容に基づいて、非電動役物51が開放中であるか否かを判定する。
ステップS1516では、MPU92は、ステップS1515にて判定した非電動役物51の状態に対応するエンディング演出の決定処理を実行する。エンディング演出の決定処理では、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定した場合(閉鎖中であると判定した場合)には、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。これに対して、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定した場合には、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。
ステップS1517では、MPU92は、ステップS1516のエンディング演出の決定処理にて決定したエンディング演出(通常演出または開放告知演出)に係るエンディング演出コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストにエンディング演出コマンドを記憶する。このエンディング演出コマンドは、前述したステップS1405のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、エンディング演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、エンディング演出を実行する。
MPU92は、ステップS1517の処理を実行した後、またはステップS1514にてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1518において、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU92は、例えば、MPU62から送信された開放コマンドおよび閉鎖コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU92は、演出決定処理を終了する。
<遊技結果と遊技状態等との関係について>
以下、遊技結果と、各種処理の実行に基づく遊技状態等との関係について説明する。
図32は、遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。具体的には、図32は、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図であり、遊技結果を列方向に並べ、遊技状態等を行方向に並べている。
パチンコ機10は、図32に示すように、「通常外れ結果」を除く遊技結果として、「大当たり当選」および「特別外れ結果」の当否結果と、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、「最有利結果」、および「低確結果」の振分結果とを有している。
ここで、「特別外れ結果」は、図32の表2列目に示すように、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合(図中記号×)に選択される遊技結果である。また、振分結果は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合(図中記号○)に選択される遊技結果である。
以下、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係について説明する。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、遊技結果と、遊技状態等との関係を以下のように設定しているが、遊技結果と、遊技状態等との組み合わせ、遊技結果の内容、および遊技状態等の内容については任意である。
「特別外れ結果」では、開閉実行モードは、ラウンド数規定モードではなく、開閉数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「特別外れ結果」では、当否抽選モードは移行しない。
「非明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「非明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。
このように、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モードの種類は異なるが、大入賞口38aの開閉が短時間態様で2回実行される点においては共通している。
また、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Aとなる。さらに、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは移行しない。また、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」となって高確率モードに移行した場合であっても、図柄表示装置47は、開閉実行モード終了後の遊技回では、当否抽選モードは移行していないかのごとく偽装を施す。
このため、遊技者は、当否抽選モードが高確率モードに移行したか否かの予測を楽しみながら遊技を行うことができる。
「明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。また、「明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Bとなる。また、「明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。さらに、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であることを把握することができる。
「最有利結果」および「低確結果」では、開閉実行モードは、4回または16回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、長時間態様で4回または16回実行される。
ここで、「最有利結果」では、停止結果は、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、高確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Cまたは演出Dとなる。具体的には、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Cとなり、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。
また、「低確結果」では、停止結果は、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、低確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。さらに、「最有利結果」および「低確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。
したがって、遊技者は、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなって、開閉実行モード用の演出が演出Cとなった場合には、遊技結果が「最有利結果」であることを把握することができる。しかしながら、遊技者は、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置47は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置47は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置47は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図33は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図33は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図33(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図33(B),(C)は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した場合の表示画面Gを示す図である。図33(D),(E)は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した場合の表示画面Gを示す図である。図33(F)は、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図33(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1601において、非開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1603において、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「右打ちでクルーンを狙って!」を表示することによって、遊技者に右打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる。
穴533B,533C(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1607にて4ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1608において、4ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1609において、ステップS1608の4ラウンド実行演出の決定処理にて決定した4ラウンド実行演出に係る4ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された4ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、4ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図33(B)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「4R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に4回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図33の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が4回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。穴533B,533C(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図33の例では、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択しているので、MPU102は、図33(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
これに対して、穴533A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1611において、16ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1612において、ステップS1611の16ラウンド実行演出の決定処理にて決定した16ラウンド実行演出に係る16ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された16ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、16ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図33(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「16R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に16回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。また、クルーン53の穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図33の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。穴533A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図33の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図33(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。その後、MPU102は、図33(F)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「次の大当たりは左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に非電動役物51の開放を遊技者に告知する。
図34は、非電動役物の開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図34は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図34(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図34(B),(C)は、非電動役物51への入球が発生した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図34(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1604において、開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1605において、開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1606において、ステップS1605の開放時演出の決定処理にて決定した開放時演出に係る開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開放時演出用コマンドに基づいて、開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に左打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる。
なお、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、パチンコ機10は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合と同様の処理を実行する。
非電動役物51(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1611において、16ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1612において、ステップS1611の16ラウンド実行演出の決定処理にて決定した16ラウンド実行演出に係る16ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された16ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、16ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図34(B)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「16R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に16回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。また、通路511Bの入口を介して非電動役物51に入球した遊技球は、非電動役物51を開放状態から閉鎖状態へと移行させる。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図34の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。非電動役物51(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図34の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図34(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
ここで、本実施形態では、始動入球手段は、上作動口36(第1始動入球部)および下作動口37(第2始動入球部)を備えている。
また、パチンコ機10は、上作動口36への遊技球の入球を発生させやすく、下作動口37への遊技球の入球を発生させにくい左打ちルート(第1の経路)と、下作動口37への遊技球の入球を発生させやすく、上作動口36への遊技球の入球を発生させにくい右打ちルート(第2の経路)とを備えている。そして、非電動役物51は、左打ちルートに配設されている。
また、主制御装置60は、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が低くなる低頻度サポートモード(第1の遊技状態)と、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が高くなる高頻度サポートモード(第2の遊技状態)とを備え、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードを切り替える遊技状態切替部として機能している。
具体的には、主制御装置60は、開閉実行モードの遊技を終了した後、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える。そして、主制御装置60は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで高頻度サポートモードを継続する。また、主制御装置60は、遊技結果が「低確結果」であった場合には、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回(内部抽選)を実行した後、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。
したがって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。これによれば、遊技者は、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは非電動役物51の開放状態を維持しておくことができる。
これに対して、遊技結果が「低確結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、回数制限無しの高頻度サポートモードと、回数制限100回の高頻度サポートモードとを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
ここで、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行した場合には、遊技者は、クルーン53の各穴533A〜533Cへの入球を発生させるか、非電動役物51への入球を発生させるかを選択することができる。
したがって、例えば、遊技者は、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行し、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、クルーン53の16ラウンド実行ゲートまたは4ラウンド実行ゲートへの入球を狙うことによって、非電動役物51の開放状態を維持しつつ高確率モードを継続することができる。その後、遊技者は、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行し、遊技結果が「低確結果」であった場合には、非電動役物51への入球を狙うことによって、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行させることができるので、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになるという状況を回避することができる。これによれば、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、反転入球手段は、1球の遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行していたが、2球以上の遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行してもよい。
このように反転入球手段を構成した場合には、例えば、遊技者は、反転入球手段に1球目の遊技球を入球させた後も反転入球手段の開放状態を維持しておくことができるので、ラウンド遊技実行ゲートを狙う順番を多様化することができる。これによれば、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を更に広げることができ、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするクルーン53を備え、クルーン53は、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始させる各穴533A〜533Cを備えているので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を開閉実行モードに移行した後、各穴533A〜533Cに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。また、穴533Aは、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、クルーン53に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。また、穴533Aへの遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)各穴533B,533Cへの遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始させることができ、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)遊技状態移行処理は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)各穴533A〜533Cは、クルーン53の転動面531に設けられているので、遊技者は、クルーン53に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)非電動役物51は、各板状体513にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、各下方羽根部材515にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
(7)遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図35は、本発明の第2実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53を備え、クルーン53の穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させていた。換言すれば、前記第1実施形態では、クルーン53の穴533Aに入球した遊技球は、必ず非電動役物51に案内されていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53Aを備え、クルーン53Aの穴533Aに入球した遊技球は、必ずしも非電動役物51に案内されない点で前記第1実施形態と異なる。
図36は、クルーンの近傍を拡大して斜め上方側から見た分解斜視図である。
クルーン53Aは、図36に示すように、ガイドレール525を介してクルーン53Aに誘導された遊技球を転動させる円盤状の転動面531と、転動面531の周縁に沿って設けられた側壁532と、転動面531の下方に配置されるとともに、中心軸周りに回転自在に設けられたた円柱状の回転体537と、回転体537の下方に配置された受皿538とを備えている。
なお、ガイドレール525は、側壁532に沿うようにして遊技球を転動面531に誘導する。
転動面531は、その中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように形成された3つの穴533A〜533Cと、その中心に形成されるとともに、各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜する3つの側面を有する突出部534とを備えている。また、転動面531は、側壁532側から各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜している(図4参照)。
したがって、ガイドレール525を介してクルーン53Aに誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる(図中矢印A参照)。
各穴533A〜533Cは、遊技球の入球を検知する検知センサ40i〜40k(図11参照)を備え、この検知センサ40i〜40kは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、検知センサ40iは、穴533Aへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40jは、穴533Bへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40kは、穴533Cへの遊技球の入球を検知する。なお、パチンコ機10は、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。また、検知センサ40i〜40kは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
各穴533A〜533Cは、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
具体的には、パチンコ機10は、穴533Aへの入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533Aには、16回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するように穴533Aの周囲にマークを表示している。
また、パチンコ機10は、穴533B,533Cへの入球が発生した場合には、4回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533B,533Cには、4回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するようにマークを表示していない。
このように、本実施形態では、クルーン53Aは、上作動口36または下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段として機能する。
また、クルーン53Aは、クルーン53Aに入球した遊技球を入球させる各穴533A〜533C(複数の入球部)を備えている。このクルーン53Aは、クルーン53Aに入球した遊技球を転動させる転動面531を有し、複数の入球部は、転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させる。具体的には、転動面531は、転動面531の中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように設けられた複数の入球部を備えている。
なお、本実施形態では、複数の入球部は、クルーン53Aの転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させていた。これに対して、複数の入球部は、例えば、可変入球手段に入球した遊技球を複数の入球部のいずれかに振り分ける振分機構に設けられていてもよい。この場合には、振分機構にて複数の入球部のいずれかに遊技球を振り分ける確率は同一であってもよく、異なっていてもよい。要するに、可変入球手段は、複数の入球部を備えていればよい。
また、本実施形態では、可変入球手段は、複数の入球部を備えていたが、可変入球手段は、1つの入球部を備えていてもよい。
ここで、前述したように、非電動役物51および穴533A(第2の入球部)は、16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートである。また、各穴533B,533C(第1の入球部)は、4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートである。したがって、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与している。
具体的には、パチンコ機10は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数(本実施形態では4回)に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数(本実施形態では16回)に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始している。
なお、本実施形態では、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、可変入賞装置38の開閉回数を設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与しているが、例えば、可変入賞装置38の開放時間などを設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与してもよい。要するに、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与すればよい。
また、本実施形態では、穴533Aを16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートとし、各穴533B,533Cを4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートとし、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていた。これに対して、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていなくてもよく、例えば、内部抽選の結果などに基づいて対応関係を変更するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技性を拡張することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
回転体537は、その上面に円形状に形成されるとともに、各穴533A〜533Cと対応する位置に形成された上方開口537A1〜537A3と、その下面に円形状に形成されるとともに、上方開口537A1〜537A3に連通する下方開口537B1〜537B3とを備えている。
下方開口537B1は、回転体537の中心軸と同心状となるように開口している。転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球して下方に落下し、上方開口537A1に入球した遊技球は、回転体537の内部に形成された回転体通路537C1を通って下方開口537B1から排出されることになる(図中矢印B1参照)。
下方開口537B2は、上方開口537A2の直下に開口している。転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球して下方に落下し、上方開口537A2に入球した遊技球は、回転体537の内部に形成された回転体通路537C2を通って下方開口537B2から排出されることになる(図中矢印B2参照)。
下方開口537B3は、上方開口537A3の直下に開口している。転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球して下方に落下し、上方開口537A3に入球した遊技球は、回転体537の内部に形成された回転体通路537C3を通って下方開口537B3から排出されることになる(図中矢印B3参照)。
受皿538は、下方開口537B2または下方開口537B3から排出されて下方に落下した遊技球を転動させる円盤状の転動面538Aと、転動面538Aの周縁に沿って設けられた側壁538Bとを備えている。
転動面538Aは、その中心位置に同心状に形成された円筒状の筒状部538A1を備えている。この筒状部538A1は、下方開口537B1から排出された遊技球を連絡通路538Cに案内する。この連絡通路538Cは、前記第1実施形態における連絡通路535と同様に遊技球を非電動役物51に案内する(図中矢印C参照)。
側壁538Bは、側方に形成された矩形状の開口部538B1を備えている。この開口部538B1は、下方開口537B2または下方開口537B3から排出された遊技球を排出通路538Dに案内する。この排出通路538Dは、前記第1実施形態における排出通路536と同様に遊技球を遊技領域に開口部311(図35参照)を介して排出する。
ここで、転動面538Aは、開口部538B1側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
したがって、下方開口537B2または下方開口537B3から排出された遊技球は、転動面538Aを転動した後、開口部538B1を介して排出通路538Dに案内されることになる(図中矢印D参照)。
また、回転体537は、その下面に形成されるとともに、回転体537の中心軸と同心状となるように形成された円形状の溝部537Dと、その周面に形成されたギヤ(図示略)と、このギヤを介して回転体537を回転させる回転体駆動部537E(図37参照)とを備えている。
溝部537Dは、受皿538の側壁538Bと篏合することによって、受皿538に回転体537を載置させるとともに、回転体537を受皿538に対して位置決めしている。
回転体駆動部537Eは、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させる。
なお、本実施形態では、回転体駆動部537Eは、回転体537を所定の回転速度で回転させているが、回転速度を変動させてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図37は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図37に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bや、リーチ用テーブル記憶エリア63cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ40a〜40kと、非電動役物開放検知センサ519とに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置38の開閉扉38bを開閉動作させる可変入賞駆動部38cと、羽根部材521aを開閉動作させる羽根部材駆動部521cと、プレート523aを開閉動作させるプレート駆動部523cと、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させる回転体駆動部537Eと、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行して大入賞口38aを開閉させる。また、MPU62は、羽根部材駆動部521cの駆動制御を実行して羽根部材521aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行してプレート523aを開閉させる。また、MPU62は、回転体駆動部537Eの駆動制御を実行して回転体537を回転させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図38は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図38は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図38(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図38(B),(C)は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態とならなかった非電動役物51を示す図である。図38(D),(E)は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態となった非電動役物51を示す図である。図38(F)は、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図38(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1601において、非開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1603において、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「右打ちでクルーンを狙って!」を表示することによって、遊技者に右打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる。
穴533B,533C(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1607にて4ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1608において、4ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1609において、ステップS1608の4ラウンド実行演出の決定処理にて決定した4ラウンド実行演出に係る4ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された4ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、4ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図38(B)および図38(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「4R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に4回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
図39は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、排出通路に遊技球が案内される流れを示す斜視図である。
穴533B,533C(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、遊技球は、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかを通って、受皿538に落下することになる。
例えば、穴533Cへの入球が発生した場合には、遊技球は、図39(A)に示すように、回転体537の上面に当接して停止する。
ここで、回転体駆動部537Eは、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させているので(図中矢印R参照)、穴533Cは、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかと連通することになる。
例えば、穴533Cへの入球が発生し、回転体537の上面に当接して停止した後、回転体通路537C2と連通した場合には、遊技球は、図39(B)に示すように、受皿538の転動面538Aを転動した後、開口部538B1を介して排出通路538Dに案内されることになる(図中矢印参照)。この排出通路538Dは、遊技球を遊技領域に開口部311(図35参照)を介して排出する。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図38の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が4回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。排出通路538Dにて遊技球を遊技領域に排出した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図38の例では、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択しているので、MPU102は、図38(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
図40は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、連絡通路に遊技球が案内される流れを示す斜視図である。
また、例えば、穴533Cへの入球が発生した場合には、遊技球は、図40(A)に示すように、回転体537の上面に当接して停止する。
ここで、回転体駆動部537Eは、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させているので(図中矢印R参照)、穴533Cは、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかと連通することになる。
例えば、穴533Cへの入球が発生し、回転体537の上面に当接して停止した後、回転体通路537C1と連通した場合には、遊技球は、図40(B)に示すように、筒状部538A1を介して連絡通路538Cに案内されることになる(図中矢印参照)。この連絡通路538Cは、遊技球を非電動役物51に案内する。その後、連絡通路538Cを介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図38の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が4回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。連絡通路538Cにて遊技球を非電動役物51に案内した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図38の例では、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択しているので、MPU102は、図38(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。その後、MPU102は、図38(F)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「次の大当たりは左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に非電動役物51の開放を遊技者に告知する。
このように、本実施形態では、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、遊技球は、回転体537の上面に当接して停止する。そして、遊技球は、各穴533A〜533Cと、回転体537の回転体通路537C1〜537C3とが連通するまで各穴533A〜533Cに入球することなく待機することになる。換言すれば、遊技球は、各穴533A〜533Cと、回転体537の回転体通路537C1〜537C3とが連通するまで入球していないことになる。
ここで、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行した場合には、遊技者は、クルーン53の各穴533A〜533Cへの入球を発生させるか、非電動役物51への入球を発生させるかを選択することができる。
したがって、非電動役物51の開放時に開閉実行モードに移行した場合には、例えば、遊技者は、最初にクルーン53の16ラウンド実行ゲートへの入球を狙うことができ、その結果として16ラウンド実行ゲートではなく4ラウンド実行ゲートへの入球の待機中となってしまった場合には、非電動役物51への入球を更に狙うことができる。そして、クルーン53の4ラウンド実行ゲートへの入球の待機中に非電動役物51への入球を発生させることができた場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始することができる。これによれば、遊技者は、どのラウンド遊技実行ゲートを狙うかを状況に応じて切り替えることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
図41は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図41は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図41(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図41(B),(C)は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態とならなかった非電動役物51を示す図である。図41(D),(E)は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態となった非電動役物51を示す図である。図41(F)は、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図41(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1601において、非開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1603において、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「右打ちでクルーンを狙って!」を表示することによって、遊技者に右打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる。
穴533A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1611において、16ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1612において、ステップS1611の16ラウンド実行演出の決定処理にて決定した16ラウンド実行演出に係る16ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された16ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、16ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図41(B)および図41(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「16R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に16回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
図42は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、排出通路に遊技球が案内される流れを示す斜視図である。
穴533A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、遊技球は、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかを通って、受皿538に落下することになる。
穴533Aへの入球が発生した場合には、遊技球は、図42(A)に示すように、回転体537の上面に当接して停止する。
ここで、回転体駆動部537Eは、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させているので(図中矢印R参照)、穴533Cは、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかと連通することになる。
例えば、穴533Aへの入球が発生し、回転体537の上面に当接して停止した後、回転体通路537C2と連通した場合には、遊技球は、図42(B)に示すように、受皿538の転動面538Aを転動した後、開口部538B1を介して排出通路538Dに案内されることになる(図中矢印参照)。この排出通路538Dは、遊技球を遊技領域に開口部311(図35参照)を介して排出する。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図41の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。排出通路538Dにて遊技球を遊技領域に排出した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図41の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図41(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
図43は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、連絡通路に遊技球が案内される流れを示す斜視図である。
また、穴533Aへの入球が発生した場合には、遊技球は、図43(A)に示すように、回転体537の上面に当接して停止する。
ここで、回転体駆動部537Eは、回転体537の周面に形成されたギヤを介して回転体537を所定の回転速度で回転させているので(図中矢印R参照)、穴533Aは、回転体537の回転体通路537C1〜537C3のいずれかと連通することになる。
例えば、穴533Aへの入球が発生し、回転体537の上面に当接して停止した後、回転体通路537C1と連通した場合には、遊技球は、図43(B)に示すように、筒状部538A1を介して連絡通路538Cに案内されることになる(図中矢印参照)。この連絡通路538Cは、遊技球を非電動役物51に案内する。その後、連絡通路538Cを介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、本実施形態では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。連絡通路538Cにて遊技球を非電動役物51に案内した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図41の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図41(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。その後、MPU102は、図41(F)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「次の大当たりは左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に非電動役物51の開放を遊技者に告知する。
このように、本実施形態では、回転体537は、転動面531の中心を通る軸を中心軸として回転するとともに、各穴533A〜533Cに入球した遊技球を入球させる。また、回転体537は、各穴533A〜533Cのそれぞれと対応する位置に形成されるとともに、各穴533A〜533Cに入球した遊技球を案内する複数の回転体通路537C1〜537C3を備えている。そして、複数の回転体通路537C1〜537C3は、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させない回転体通路537C2および回転体通路537C3(第1の回転体通路)と、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる回転体通路537C1(第2の回転体通路)とを備えている。したがって、回転体537および受皿538は、各穴533A〜533Cへの遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する開閉抽選部として機能している。
なお、本実施形態では、開閉抽選部として回転体537および受皿538を採用していたが、例えば、上作動口36および下作動口37への入賞に基づいて行われる内部抽選と同様に、カウンタを用いた抽選を採用してもよい。要するに、開閉抽選部は、入球部への遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができれば、どのような抽選であってもよい。
ここで、本実施形態では、始動入球手段は、上作動口36(第1始動入球部)および下作動口37(第2始動入球部)を備えている。
また、パチンコ機10は、上作動口36への遊技球の入球を発生させやすく、下作動口37への遊技球の入球を発生させにくい左打ちルート(第1の経路)と、下作動口37への遊技球の入球を発生させやすく、上作動口36への遊技球の入球を発生させにくい右打ちルート(第2の経路)とを備えている。そして、非電動役物51は、左打ちルートに配設されている。
また、主制御装置60は、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が低くなる低頻度サポートモード(第1の遊技状態)と、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が高くなる高頻度サポートモード(第2の遊技状態)とを備え、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードを切り替える遊技状態切替部として機能している。
具体的には、主制御装置60は、開閉実行モードの遊技を終了した後、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える。そして、主制御装置60は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで高頻度サポートモードを継続する。また、主制御装置60は、遊技結果が「低確結果」であった場合には、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回(内部抽選)を実行した後、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。
したがって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。これによれば、遊技者は、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは非電動役物51の開放状態を維持しておくことができる。
これに対して、遊技結果が「低確結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、回数制限無しの高頻度サポートモードと、回数制限100回の高頻度サポートモードとを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするクルーン53Aを備え、クルーン53Aは、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始させる各穴533A〜533Cを備えているので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を開閉実行モードに移行した後、各穴533A〜533Cに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。また、クルーン53Aは、各穴533A〜533Cへの遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する回転体537および受皿538を備えているので、回転体537および受皿538にて実行される抽選に当選し、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、クルーン53Aに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。また、回転体537にて実行される抽選に当選し、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)各穴533B,533Cへの遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始させることができ、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)遊技状態移行処理は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)各穴533A〜533Cは、クルーン53Aの転動面531に設けられているので、遊技者は、クルーン53Aに入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)開閉抽選部は、転動面531の中心を通る軸を中心軸として回転するとともに、各穴533A〜533Cに入球した遊技球を受け入れる回転体537を備え、この回転体537は、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させない回転体通路537C2,537C3と、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる回転体通路537C1とを備えている。これによれば、開閉抽選部は、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始する各穴533A〜533Cを備えたクルーン53Aに影響を受けることなく独立して非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができる。また、各穴533A〜533Cに入球した遊技球を回転体537の回転体通路537C1に入球させることによって、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)非電動役物51は、各板状体513にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、各下方羽根部材515にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
(8)遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図44は、本発明の第3実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53を備え、クルーン53の穴533A(16ラウンド実行ゲート)に入球して下方に落下し、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させていた。換言すれば、前記第1実施形態では、16ラウンド実行ゲートに入球した遊技球は、必ず非電動役物51に案内されていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53Bを備え、クルーン53Bの16ラウンド実行ゲートに入球した遊技球は、必ずしも非電動役物51に案内されない点で前記第1実施形態と異なる。
図45は、クルーンの近傍を拡大して斜め上方側から見た分解斜視図である。
クルーン53Bは、図45に示すように、ガイドレール525に接続された第1クルーン55と、第1クルーン55の下方に配置された第2クルーン56とを備えている。
第1クルーン55は、ガイドレール525を介して第1クルーン55に誘導された遊技球を転動させる円盤状の転動面551と、転動面551の周縁に沿って設けられた側壁552とを備えている。
なお、ガイドレール525は、側壁552に沿うようにして遊技球を転動面551に誘導する。
転動面551は、その中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように形成された2つの穴553A,553Bと、その中心に形成されるとともに、各穴553A,553B側に向かうにしたがって下降するように傾斜する2つの側面を有する突出部554とを備えている。また、転動面551は、側壁552側から各穴553A,553B側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
したがって、ガイドレール525を介して第1クルーン55に誘導された遊技球は、側壁552に沿って転動面551を転動した後、各穴553A,553Bのいずれかに入球することになる(図中矢印A参照)。
各穴553A,553Bは、遊技球の入球を検知する検知センサ40i,40j(図114参照)を備え、この検知センサ40i,40jは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、検知センサ40iは、穴553Aへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40jは、穴553Bへの遊技球の入球を検知する。なお、パチンコ機10は、各穴553A,553Bへの入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。また、検知センサ40i,40jは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
このように、本実施形態では、検知センサ40iは、穴553Aへの遊技球の入球を検知するので、穴553Aは、16ラウンド実行ゲートとして機能する。また、検知センサ40jは、穴553Bへの遊技球の入球を検知するので、穴553Bは、4ラウンド実行ゲートとして機能する。なお、本実施形態では、検知センサ40kは、使用していない点で前記第1実施形態と異なる。
各穴553A,553Bは、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、各穴553A,553Bへの入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
具体的には、パチンコ機10は、穴553Aへの入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴553Aには、16回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するように穴553Aの周囲にマークを表示している。
また、パチンコ機10は、穴553Bへの入球が発生した場合には、4回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴553Bには、4回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するようにマークを表示していない。
また、第1クルーン55は、穴553Aに入球した遊技球を第2クルーン56に誘導するガイドレール555Aと、穴553Bに入球した遊技球を第2クルーン56に誘導するガイドレール555Bとを備えている。
このように、本実施形態では、第1クルーン55は、上作動口36または下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段として機能する。
また、第1クルーン55は、第1クルーン55に入球した遊技球を入球させる各穴553A,553B(複数の入球部)を備えている。この第1クルーン55は、第1クルーン55に入球した遊技球を転動させる転動面551を有し、複数の入球部は、転動面551に設けられるとともに、転動面551を転動する遊技球を入球させる。具体的には、転動面551は、転動面551の中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように設けられた複数の入球部を備えている。
なお、本実施形態では、複数の入球部は、第1クルーン55の転動面551に設けられるとともに、転動面551を転動する遊技球を入球させていた。これに対して、複数の入球部は、例えば、可変入球手段に入球した遊技球を複数の入球部のいずれかに振り分ける振分機構に設けられていてもよい。この場合には、振分機構にて複数の入球部のいずれかに遊技球を振り分ける確率は同一であってもよく、異なっていてもよい。要するに、可変入球手段は、複数の入球部を備えていればよい。
また、本実施形態では、可変入球手段は、複数の入球部を備えていたが、可変入球手段は、1つの入球部を備えていてもよい。
ここで、前述したように、非電動役物51および穴553A(第2の入球部)は、16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートである。また、穴553B(第1の入球部)は、4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートである。したがって、非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与している。
具体的には、パチンコ機10は、穴553Bへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数(本実施形態では4回)に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数(本実施形態では16回)に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始している。
なお、本実施形態では、非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、可変入賞装置38の開閉回数を設定することによって、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与しているが、例えば、可変入賞装置38の開放時間などを設定することによって、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与してもよい。要するに、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与すればよい。
また、本実施形態では、穴553Aを16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートとし、穴553Bを4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートとし、各穴553A,553Bと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていた。これに対して、各穴553A,553Bと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていなくてもよく、例えば、内部抽選の結果などに基づいて対応関係を変更するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技性を拡張することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
第2クルーン56は、ガイドレール555Aおよびガイドレール555Bを介して第2クルーン56に誘導された遊技球を転動させる円盤状の転動面561と、転動面561の周縁に沿って設けられた側壁562とを備えている。
なお、ガイドレール555Aおよびガイドレール555Bは、側壁562に沿うようにして遊技球を転動面561に誘導する。
転動面561は、その中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように形成された3つの穴563A〜563Cと、その中心に形成されるとともに、各穴563A〜563C側に向かうにしたがって下降するように傾斜する3つの側面を有する突出部564とを備えている。また、転動面561は、側壁562側から各穴563A〜563C側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
したがって、ガイドレール555Aおよびガイドレール555Bを介して第2クルーン56に誘導された遊技球は、側壁562に沿って転動面561を転動した後、各穴563A〜563Cのいずれかに入球することになる(図中矢印B参照)。
また、第2クルーン56は、遊技盤31の前面側(図中手前側)に形成された穴563Aに接続されるとともに、図中矢印Cに示すように、穴563Aに入球して下方に落下した遊技球を非電動役物51に案内する連絡通路565と、遊技盤31の背面側(図中奥側)に形成された2つの穴563B,563Cに接続されるとともに、図中矢印Dに示すように、穴563B,563Cに入球して下方に落下した遊技球を遊技領域に開口部311(図44参照)を介して排出する排出通路566とを備えている。
連絡通路565は、前記第1実施形態における連絡通路535と同様に遊技球を非電動役物51に案内するので、穴563Aには、遊技球を非電動役物51に案内することを示唆するように穴563Aの周囲にマークを表示している。
排出通路566は、前記第1実施形態における排出通路536と同様に遊技球を遊技領域に排出するので、穴563B,563Cには、遊技球を遊技領域に排出することを示唆するように穴563B,563Cの周囲にマークを表示していない。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図46は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図46は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図46(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図46(B),(C)は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態とならなかった非電動役物51を示す図である。図46(D),(E)は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態となった非電動役物51を示す図である。図46(F)は、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図46(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1601において、非開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1603において、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「右打ちでクルーンを狙って!」を表示することによって、遊技者に右打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介して第1クルーン55に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53Bの第1クルーン55に誘導された遊技球は、側壁552に沿って転動面551を転動した後、各穴553A,553Bのいずれかに入球することになる。
図47は、4ラウンド実行ゲートへの入球が発生する場合のクルーンの上面図である。具体的には、図47(A)は、第1クルーン55の上面図であり、図47(B),(C)は、第2クルーン56の上面図である。
例えば、図47(A)の矢印に示すように、穴553B(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1607にて4ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1608において、4ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1609において、ステップS1608の4ラウンド実行演出の決定処理にて決定した4ラウンド実行演出に係る4ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された4ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、4ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図46(B)および図46(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「4R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に4回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
また、穴553B(4ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、遊技球は、ガイドレール555Bを介して第2クルーン56に誘導される。この遊技球は、側壁562に沿って転動面561を転動した後、各穴563A〜563Cのいずれかに入球することになる。
例えば、図47(B)の矢印に示すように、穴563B,563Cへの入球が発生した場合には、遊技球は、排出通路566を介して遊技領域に排出される。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図46の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が4回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。排出通路566にて遊技球を遊技領域に排出した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図46の例では、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択しているので、MPU102は、図46(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
また、例えば、図47(C)の矢印に示すように、穴563Aへの入球が発生した場合には、遊技球は、連絡通路565を介して非電動役物51に案内される。その後、連絡通路565を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図46の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が4回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。連絡通路565にて遊技球を非電動役物51に案内した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図46の例では、開閉実行モード用の演出として演出C1を選択しているので、MPU102は、図46(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。その後、MPU102は、図46(F)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「次の大当たりは左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に非電動役物51の開放を遊技者に告知する。
図48は、非電動役物の非開放時に開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面、非電動役物、および右側可変入球機構を示す図である。なお、図48は、表示画面Gの左下に非電動役物51を簡略化して図示している。
具体的には、図48(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図48(B),(C)は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態とならなかった非電動役物51を示す図である。図48(D),(E)は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した後、開放状態となった非電動役物51を示す図である。図48(F)は、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択した場合の表示画面Gを示す図である。
非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図48(A)に示すように、各図柄列Z1〜Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を停止する。
ここで、非電動役物51の非開放時に開閉実行モードに移行した場合には、MPU92は、ステップS1601において、非開放時コマンドを受信していると判定するので、ステップS1602において、非開放時演出の決定処理を実行し、ステップS1603において、ステップS1602の非開放時演出の決定処理にて決定した非開放時演出に係る非開放時演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された非開放時演出用コマンドに基づいて、非開放時演出を実行する。具体的には、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「右打ちでクルーンを狙って!」を表示することによって、遊技者に右打ちすることを示唆する。
また、MPU62は、ステップS1005において、クルーンルートの設定処理を実行する。このクルーンルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを閉鎖状態に設定し、右側可変入球機構52をクルーンルートに設定する(図中矢印参照)。
ここで、羽根部材521aは、2secの周期で間欠的に開閉しているので、羽根部材駆動部521cにて羽根部材521aを開放状態に設定した場合には、遊技球は、羽根部材521aの傾斜を利用して羽根部材521aを伝って右側可変入球機構52に入球する。また、プレート523aを閉鎖状態に設定することによって、クルーンルートに設定した場合には、右側可変入球機構52に入球した後、案内通路522の分岐位置に到達した遊技球は、ガイドレール525に案内される。その後、遊技球は、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導される。
その後、ガイドレール525を介してクルーン53Bの第1クルーン55に誘導された遊技球は、側壁552に沿って転動面551を転動した後、各穴553A,553Bのいずれかに入球することになる。
図49は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生する場合のクルーンの上面図である。具体的には、図49(A)は、第1クルーン55の上面図であり、図49(B),(C)は、第2クルーン56の上面図である。
例えば、図49(A)の矢印に示すように、穴553A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、MPU92は、ステップS1610にて16ラウンド実行コマンドを受信していると判定するので、ステップS1611において、16ラウンド実行演出の決定処理を実行し、ステップS1612において、ステップS1611の16ラウンド実行演出の決定処理にて決定した16ラウンド実行演出に係る16ラウンド実行演出用コマンドを設定する。そして、MPU102は、MPU92から送信された16ラウンド実行演出用コマンドに基づいて、16ラウンド実行演出を実行する。具体的には、MPU102は、図48(B)および図48(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「16R確定!右打ち!」を表示することによって、遊技者に16回のラウンド遊技の実行を開始することを報知する。
また、MPU62は、ステップS1012において、排出ルートの設定処理を実行する。この排出ルートの設定処理では、MPU62は、プレート駆動部523cの駆動制御を実行することによって、プレート523aを開放状態に設定し、右側可変入球機構52を排出ルートに設定する(図中矢印参照)。
また、穴553A(16ラウンド実行ゲート)への入球が発生した場合には、遊技球は、ガイドレール555Aを介して第2クルーン56に誘導される。この遊技球は、側壁562に沿って転動面561を転動した後、各穴563A〜563Cのいずれかに入球することになる。
例えば、図49(B)の矢印に示すように、穴563B,563Cへの入球が発生した場合には、遊技球は、排出通路566を介して遊技領域に排出される。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図48の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。排出通路566にて遊技球を遊技領域に排出した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中でないと判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知しない通常演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図48の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図48(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。
また、例えば、図49(C)の矢印に示すように、穴563Aへの入球が発生した場合には、遊技球は、連絡通路565を介して非電動役物51に案内される。その後、連絡通路565を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる。
その後、MPU92は、ステップS1510にてオープニングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1511において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定し、ステップS1511にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。なお、図48の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定する。また、MPU92は、ラウンド遊技の回数が16回であると判定するので、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、MPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
開閉実行モード用の演出を終了した後、MPU92は、ステップS1514にてエンディングコマンドを受信していると判定するので、ステップS1515において、非電動役物の開放判定処理を実行する。連絡通路565にて遊技球を非電動役物51に案内した場合には、MPU92は、ステップS1515にて非電動役物51が開放中であると判定するので、エンディング演出として非電動役物51の開放を遊技者に告知する開放告知演出を選択する。そして、MPU102は、MPU92から送信されたエンディング演出コマンドに基づいて、MPU92にて選択されたエンディング演出を実行する。具体的には、図48の例では、開閉実行モード用の演出として演出C2を選択しているので、MPU102は、図48(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「確変突入!」を表示することによって、遊技者に高確率モードに移行したことを報知する。その後、MPU102は、図48(F)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に存在している天使のセリフ「次の大当たりは左打ちで16R確定!」を表示することによって、遊技者に非電動役物51の開放を遊技者に告知する。
このように、本実施形態では、第2クルーン56は、各穴553A,553Bに入球した遊技球を転動させる転動面561(抽選用転動面)を有する抽選用クルーンとして機能している。また、第2クルーン56は、転動面561に設けられるとともに、転動面561を転動する遊技球を入球させる各穴563A〜563C(複数の抽選用入球部)を備えている。そして、複数の抽選用入球部は、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させない各穴563B,563C(第1の抽選用入球部)と、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる穴563A(第2の抽選用入球部)とを備えている。したがって、第2クルーン56は、各穴553A,553Bへの遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する開閉抽選部として機能している。
なお、本実施形態では、開閉抽選部として第2クルーン56を採用していたが、例えば、上作動口36および下作動口37への入賞に基づいて行われる内部抽選と同様に、カウンタを用いた抽選を採用してもよい。要するに、開閉抽選部は、入球部への遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができれば、どのような抽選であってもよい。
ここで、本実施形態では、始動入球手段は、上作動口36(第1始動入球部)および下作動口37(第2始動入球部)を備えている。
また、パチンコ機10は、上作動口36への遊技球の入球を発生させやすく、下作動口37への遊技球の入球を発生させにくい左打ちルート(第1の経路)と、下作動口37への遊技球の入球を発生させやすく、上作動口36への遊技球の入球を発生させにくい右打ちルート(第2の経路)とを備えている。そして、非電動役物51は、左打ちルートに配設されている。
また、主制御装置60は、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が低くなる低頻度サポートモード(第1の遊技状態)と、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が高くなる高頻度サポートモード(第2の遊技状態)とを備え、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードを切り替える遊技状態切替部として機能している。
具体的には、主制御装置60は、開閉実行モードの遊技を終了した後、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える。そして、主制御装置60は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで高頻度サポートモードを継続する。また、主制御装置60は、遊技結果が「低確結果」であった場合には、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回(内部抽選)を実行した後、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。
したがって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。これによれば、遊技者は、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは非電動役物51の開放状態を維持しておくことができる。
これに対して、遊技結果が「低確結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、回数制限無しの高頻度サポートモードと、回数制限100回の高頻度サポートモードとを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする第1クルーン55を備え、第1クルーン55は、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始させる各穴553A,553Bを備えているので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を開閉実行モードに移行した後、各穴553A,553Bに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。また、第1クルーン55は、各穴553A,553Bへの遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する第2クルーン56を備えているので、第2クルーン56にて実行される抽選に当選し、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、第1クルーン55に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴553Aへの入球を期待することになる。また、第2クルーン56にて実行される抽選に当選し、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)穴553Bへの遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始させることができ、非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始することによって、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴553Aへの入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)遊技状態移行処理は、穴553Bへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴553Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴553Aへの入球を期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)穴553A,553Bは、第1クルーン55の転動面551に設けられているので、遊技者は、第1クルーン55に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)開閉抽選部は、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させない各穴563B,563Cと、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる穴563Aとを備えた第2クルーン56を備えている。これによれば、開閉抽選部は、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始する穴553A,553Bを備えた第1クルーン55に影響を受けることなく独立して非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができる。また、穴553A,553Bに入球した遊技球を穴563Aに入球させることによって、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、穴553Bへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)非電動役物51は、各板状体513にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、各下方羽根部材515にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
(8)遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図50は、本発明の第4実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53を備えていた。そして、クルーン53の穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535を介して非電動役物51に案内された遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させていた。また、クルーン53の穴533B,533Cに入球して下方に落下した遊技球は、排出通路536を介して遊技領域に排出されていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、図50に示すように、右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53Cを備えている。そして、クルーン53Cの各穴533A〜533C(図51参照)のいずれかに入球した全ての遊技球は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる点で前記第1実施形態と異なる。
図51は、クルーンの近傍を拡大して上方側から見た図である。
クルーン53Cは、図51に示すように、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球を転動させる円盤状の転動面531と、転動面531の周縁に沿って設けられた側壁532とを備えている。
なお、ガイドレール525は、側壁532に沿うようにして遊技球を転動面531に誘導する。
転動面531は、その中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように形成された3つの穴533A〜533Cと、その中心に形成されるとともに、各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜する3つの側面を有する突出部534とを備えている。また、転動面531は、側壁532側から各穴533A〜533C側に向かうにしたがって下降するように傾斜している(図4参照)。
したがって、ガイドレール525を介してクルーン53に誘導された遊技球は、側壁532に沿って転動面531を転動した後、各穴533A〜533Cのいずれかに入球することになる(図中矢印A参照)。
各穴533A〜533Cは、遊技球の入球を検知する検知センサ40i〜40k(図11参照)を備え、この検知センサ40i〜40kは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、検知センサ40iは、穴533Aへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40jは、穴533Bへの遊技球の入球を検知し、検知センサ40kは、穴533Cへの遊技球の入球を検知する。なお、パチンコ機10は、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。また、検知センサ40i〜40kは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
各穴533A〜533Cは、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、各穴533A〜533Cへの入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
具体的には、パチンコ機10は、穴533Aへの入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533Aには、16回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するように穴533Aの周囲にマークを表示している。
また、パチンコ機10は、穴533B,533Cへの入球が発生した場合には、4回のラウンド遊技の実行を開始するので、穴533B,533Cには、4回のラウンド遊技の実行を開始することを示唆するようにマークを表示していない。
また、クルーン53Cは、遊技球を非電動役物51に案内する連絡通路535と、各穴533A〜533Cに入球して下方に落下した遊技球を連絡通路535に誘導する誘導路539とを備えている。
誘導路539は、各穴533A〜533Cに接続される3つの上流側誘導路539Aと、上流側誘導路539Aのそれぞれに接続されるとともに、連絡通路535に接続される下流側誘導路539Bとを備えている。
このように、本実施形態では、クルーン53Cは、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするとともに、遊技球の入球を契機として非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させる可変入球手段として機能している。
また、クルーン53Cは、クルーン53Cに入球した遊技球を入球させる各穴533B,533C(第1の入球部)および穴533A(第2の入球部)を備えている。このクルーン53Cは、クルーン53Cに入球した遊技球を転動させる転動面531を有し、第1の入球部および第2の入球部は、転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させる。
なお、本実施形態では、第1の入球部および第2の入球部は、クルーン53の転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させていた。これに対して、第1の入球部および第2の入球部は、例えば、可変入球手段に入球した遊技球を第1の入球部および第2の入球部に振り分ける振分機構に設けられていてもよい。この場合には、振分機構にて第1の入球部および第2の入球部に遊技球を振り分ける確率は同一であってもよく、異なっていてもよい。要するに、可変入球手段は、第1の入球部と、第2の入球部とを備えていればよい。
ここで、前述したように、非電動役物51および穴533Aは、16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートである。また、各穴533B,533Cは、4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートである。したがって、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与している。
具体的には、パチンコ機10は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数(本実施形態では4回)に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数(本実施形態では16回)に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始している。
なお、本実施形態では、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、可変入賞装置38の開閉回数を設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与しているが、例えば、可変入賞装置38の開放時間などを設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与してもよい。要するに、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与すればよい。
また、本実施形態では、穴533Aを16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートとし、各穴533B,533Cを4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートとし、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていた。これに対して、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていなくてもよく、例えば、内部抽選の結果などに基づいて対応関係を変更するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技性を拡張することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
ここで、本実施形態では、始動入球手段は、上作動口36(第1始動入球部)および下作動口37(第2始動入球部)を備えている。
また、パチンコ機10は、上作動口36への遊技球の入球を発生させやすく、下作動口37への遊技球の入球を発生させにくい左打ちルート(第1の経路)と、下作動口37への遊技球の入球を発生させやすく、上作動口36への遊技球の入球を発生させにくい右打ちルート(第2の経路)とを備えている。そして、非電動役物51は、左打ちルートに配設されている。
また、主制御装置60は、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が低くなる低頻度サポートモード(第1の遊技状態)と、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が高くなる高頻度サポートモード(第2の遊技状態)とを備え、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードを切り替える遊技状態切替部として機能している。
具体的には、主制御装置60は、開閉実行モードの遊技を終了した後、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える。そして、主制御装置60は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで高頻度サポートモードを継続する。また、主制御装置60は、遊技結果が「低確結果」であった場合には、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回(内部抽選)を実行した後、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。
したがって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。これによれば、遊技者は、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは非電動役物51の開放状態を維持しておくことができる。
これに対して、遊技結果が「低確結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、回数制限無しの高頻度サポートモードと、回数制限100回の高頻度サポートモードとを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするクルーン53Cを備え、クルーン53Cは、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始させるので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を開閉実行モードに移行した後、クルーン53Cに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。また、クルーン53Cに遊技球を入球させることによって、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、クルーン53Cに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。また、クルーン53Cに遊技球を入球させることによって、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物51に遊技球を入球させることによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)各穴533B,533Cへの遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始させることができ、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)遊技状態移行処理は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物51および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)各穴533A〜533Cは、クルーン53Cの転動面531に設けられているので、遊技者は、クルーン53Cに入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)非電動役物51は、各板状体513にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、各下方羽根部材515にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
(7)遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。したがって、非電動役物51を左打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物51を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなければ、左打ちルートを介して非電動役物51に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、非電動役物51は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図52は、本発明の第5実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、非電動役物51を有し、この非電動役物51は、一般入賞口35の右下側に設けられていた。また、クルーン53の穴533Aに入球して下方に落下した遊技球は、連絡通路535を介して非電動役物51に案内されていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31は、図52に示すように、クルーン53Dと、非電動役物57を有し、この非電動役物57は、右側可変入球機構52の上側に設けられている点で前記第1実施形態と異なる。また、クルーン53Dの穴533Aに入球して下方に落下した遊技球は、連絡通路535Dを介して非電動役物57に案内される点で前記第1実施形態と異なる。
遊技盤31は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31は、各開口部に設けられた一般入賞口35、上作動口(第1始動入球部)36、下作動口(第2始動入球部)37、可変入賞装置38、アウト口39、および非電動役物57を有している。この非電動役物57は、右側可変入球機構52の上側に設けられている。また、遊技盤31は、一般入賞口35の右下側に設けられた開口部313を有している。また、遊技盤31は、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31は、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44や、風車等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
非電動役物57は、遊技盤31の遊技領域の右側に設けられている。また、非電動役物57は、遊技球の入球を検知する検知センサ40f(図11参照)を備え、この検知センサ40fは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、非電動役物57への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。この非電動役物57については後に詳細に説明する。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置47を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置47を囲むようにして配設されたセンターフレーム48を備えている。このセンターフレーム48の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置47の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
センターフレーム48は、図柄表示装置47の上側の領域に設けられた4つの第1保留ランプ部49aと、第1保留ランプ部49aの右側の領域に設けられた4つの第2保留ランプ部49bと、第1保留ランプ部49aの上側の領域に設けられた4つの第3保留ランプ部49cとを備えている。
また、センターフレーム48は、図柄表示装置47の右下側の領域に設けられた右側可変入球機構52と、この右側可変入球機構52の左側の領域に設けられたクルーン53Dと、図柄表示装置47の右上側の領域に設けられたガイド機構58とを備えている。
右側可変入球機構52は、遊技領域を流下する遊技球を右側可変入球機構52の内部に入球させた後、クルーン53Dに誘導するクルーンルートと、右側可変入球機構52の外部に排出する排出ルートとを切り替えることによって、右側可変入球機構52の内部に入球させた遊技球をクルーンルートまたは排出ルートに案内する機能を有している。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大として右打ちし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて右側可変入球機構52に遊技球を導くことができる(右打ちルート)。
クルーン53Dは、連絡通路535を除いて前記第1実施形態と略同様の構成を備えている。
具体的には、クルーン53Dは、遊技盤31の前面側(手前側)に形成された穴533Aに接続されるとともに、穴533Aに入球して下方に落下した遊技球を非電動役物57に案内する連絡通路535Dを備えている。
ガイド機構58は、遊技領域を流下する遊技球を非電動役物57に案内する機能を有している。具体的には、ガイド機構58は、遊技領域の上部から非電動役物57に至るように湾曲して設けられた2本のガイドレールに区切られた通路を有するとともに、その通路内を複数の遊技球が同時に通過できない幅に形成されている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大よりも少し弱くして右打ちし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、ガイド機構58の入口58Aに到達させてガイド機構58の内部に遊技球を導くことができる(弱め打ちルート)。
図53は、非電動役物の内部構造を示す図である。具体的には、図53(A)は、非電動役物57の内部構造を正面側から見た図であり、図53(B)は、非電動役物57の内部構造を側面側から見た図である。
非電動役物57は、図53に示すように、水平方向に対向するように設けられた一対の羽根部材571と、各羽根部材571の下端部に固定されるとともに、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として回動自在に設けられた一対の回動軸572と、各回動軸572に同心状に固定された一対の扇盤状の歯車573とを備えている。
各羽根部材571は、非電動役物57の閉鎖状態において、図53(A)に示すように、水平方向に対向するとともに、鉛直方向に沿って配置された対向面571Aを有している。また、各羽根部材571は、図53(B)に示すように、遊技領域(遊技盤31の正面側)に設けられている。
各羽根部材571は、各対向面571Aの間に形成された通路571Bを複数の遊技球が同時に通過できない幅とするように設けられている。また、非電動役物57は、通路571Bの入口の上方に設けられた邪魔板57Aを備えている。各羽根部材571の上端と、邪魔板57Aとの間隔は、遊技球1個分よりも狭くなっている。したがって、遊技球は、非電動役物57の閉鎖状態において、通路571Bの入口を介して非電動役物57に入球することができないようになっている。
各羽根部材571のうち、正面側から見て左側の羽根部材571は、遊技盤31の盤面と直交する中心軸を有するように形成された軸体571Cを有している。
なお、非電動役物57は、各羽根部材571および通路571Bを覆い隠すようにして遊技領域に設けられたカバー574を備えている。
また、非電動役物57は、軸体571Cに上方側から当接する円柱状の第1腕部575Aと、この第1腕部575Aを支持するとともに、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として回動自在に設けられた一対の回動軸575Bと、この回動軸575Bに固定された扇盤状の歯車575Cとを備えている。
さらに、非電動役物57は、歯車575Cと噛み合うように設けられた扇盤状の歯車576Aと、この歯車576Aを支持するとともに、遊技盤31の盤面と直交する軸を中心として回動自在に設けられた一対の回動軸576Bと、この回動軸576Bに固定された第2腕部576Cとを備えている。
第2腕部576Cは、クルーン53Dの穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535Dの下方に形成された排出口から排出された遊技球を受け止める位置に設けられている。
したがって、クルーン53Dの穴533Aに入球して下方に落下し、連絡通路535Dを介して非電動役物57に案内された遊技球は、図53(A)に示すように、第2腕部576Cに向かって落下する。
図54は、16ラウンド実行ゲートへの入球が発生した場合の非電動役物の内部構造を示す図である。具体的には、図54(A)は、非電動役物57の内部構造を正面側から見た図であり、図54(B)は、非電動役物57の内部構造を側面側から見た図である。
第2腕部576Cに向かって落下した遊技球は、図54の矢印に示すように、回動軸576Bを中心として歯車576Aおよび第2腕部576Cを回転させる。
なお、第2腕部576Cに向かって落下した遊技球は、第2腕部576Cを回転させた後、第2腕部576Cの傾斜を利用して第2腕部576Cを伝って排出通路577に入球する。この排出通路577は、遊技球を遊技領域に開口部313(図52参照)を介して排出する。
また、回動軸575Bおよび歯車575Cは、歯車576Aの回動に伴って回動するので、第1腕部575Aは、歯車575Cの回動に伴って回動する。そして、第1腕部575Aは、軸体571Cを下方側に向かって押し下げることになる。各羽根部材571は、第1腕部575Aにて軸体571Cを押し下げることによって、一対の歯車573を介して一対の回動軸572を中心軸として回動する。これによって、非電動役物57は、閉鎖状態から開放状態へと移行することになる。
ここで、非電動役物57は、前記第1実施形態における非電動役物51と同様に、閉鎖状態から開放状態へと移行したことを検知する非電動役物開放検知センサ519を備えている。なお、非電動役物開放検知センサ519は、非電動役物57の開放を検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、接触式のセンサなどを採用することができる。
各羽根部材571の上端と、邪魔板57Aとの間隔は、非電動役物57の開放状態において、遊技球1個分よりも広くなっている。したがって、遊技球は、非電動役物57の開放状態において、通路571Bの入口を介して非電動役物57に入球することができるようになっている。
図55は、非電動役物への入球が発生した場合の非電動役物の内部構造を示す図である。具体的には、図55(A)は、非電動役物57の内部構造を正面側から見た図であり、図55(B)は、非電動役物57の内部構造を側面側から見た図である。
ガイド機構58を介して非電動役物57に向かって落下した遊技球は、図55の矢印に示すように、各対向面571Aのうち、正面側から見て右側の対向面571Aを伝って各対向面571Aの中央位置に到達する。
図56は、非電動役物への入球が発生した後の非電動役物の内部構造を示す図である。具体的には、図56(A)は、非電動役物57の内部構造を正面側から見た図であり、図56(B)は、非電動役物57の内部構造を側面側から見た図である。
対向面571Aの中央位置に到達した遊技球は、図56の矢印に示すように、各羽根部材571を回動させつつ下方に落下する。具体的には、各羽根部材571は、一対の歯車573を介して一対の回動軸572を中心軸として回動する。
なお、各羽根部材571を回動させつつ下方に落下した遊技球は、排出連絡通路578に入球する。この排出連絡通路578は、前述した排出通路577に遊技球を案内し、排出通路577は、遊技球を遊技領域に開口部313(図52参照)を介して排出する。
また、各羽根部材571のうち、正面側から見て左側の羽根部材571は、軸体571Cを上方側に向かって押し上げるとともに、第1腕部575Aを上方側に向かって押し上げることになる。そして、回動軸575Bおよび歯車575Cは、第1腕部575Aの回動に伴って回動する。
また、歯車576Aおよび回動軸576Bは、歯車575Cの回動に伴って回動するので、第2腕部576Cは、歯車576Aの回動に伴って回動する。そして、第2腕部576Cは、上昇して元の位置に戻ることになる。これによって、非電動役物57は、開放状態から閉鎖状態へと移行することになる。
非電動役物57は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合に、ラウンド遊技を開始する契機となっている。具体的には、パチンコ機10は、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した後、非電動役物57への入球が発生した場合には、開閉扉38bを開放状態に設定し、予め定められた回数のラウンド遊技の実行を開始する。
ここで、非電動役物57への入球は、遊技球が排出通路577を通過したか否かを検知センサ40fにて検出することによって判定する。換言すれば、非電動役物57の開放状態において、通路571Bの入口を介して非電動役物57に入球した遊技球と、非電動役物57の閉鎖状態において、連絡通路535Dを介して非電動役物57に案内された遊技球とは、ともに非電動役物57への入球として判定される。
具体的には、パチンコ機10は、非電動役物57への入球が発生した場合には、16回のラウンド遊技の実行を開始するので、非電動役物57には、16回のラウンド遊技の実行を開始することを意味する「16R」の文字が表示されている(図52参照)。
なお、本実施形態では、16回のラウンド遊技の実行を開始する非電動役物57および穴533Aを16ラウンド実行ゲートと称し、4回のラウンド遊技の実行を開始する各穴533B,533Cを4ラウンド実行ゲートと称し、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートを総称してラウンド遊技実行ゲートとも称する。
このように、非電動役物57は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段として機能する。
そして、非電動役物57は、非電動役物57に入球した遊技球を受ける各羽根部材571(第1受部)と、穴533Aに入球した遊技球を受ける第2腕部576C(第2受部)とを備え、各羽根部材571にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2腕部576Cにて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行する。
なお、本実施形態では、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行していた。これに対して、反転入球手段は、例えば、反転入球手段を閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する駆動部と、遊技球の入球を検知するセンサとを備え、センサにて遊技球の入球を検知したことを契機として駆動部にて反転入球手段を開放状態から閉鎖状態へと移行するようにしてもよい。要するに、反転入球手段は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行すればよい。
また、クルーン53Dは、クルーン53Dに入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させない穴533B,533C(第1の入球部)と、クルーン53Dに入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させる穴533A(第2の入球部)とを備えている。また、クルーン53Dは、クルーン53Dに入球した遊技球を転動させる転動面531を有し、第1の入球部および第2の入球部は、転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させる。
なお、本実施形態では、第1の入球部および第2の入球部は、クルーン53Dの転動面531に設けられるとともに、転動面531を転動する遊技球を入球させていた。これに対して、第1の入球部および第2の入球部は、例えば、可変入球手段に入球した遊技球を第1の入球部および第2の入球部に振り分ける振分機構に設けられていてもよい。この場合には、振分機構にて第1の入球部および第2の入球部に遊技球を振り分ける確率は同一であってもよく、異なっていてもよい。要するに、可変入球手段は、第1の入球部と、第2の入球部とを備えていればよい。
ここで、前述したように、非電動役物57および穴533Aは、16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートである。また、各穴533B,533Cは、4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートである。したがって、非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与している。
具体的には、パチンコ機10は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数(本実施形態では4回)に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数(本実施形態では16回)に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始している。
なお、本実施形態では、非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、可変入賞装置38の開閉回数を設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与しているが、例えば、可変入賞装置38の開放時間などを設定することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与してもよい。要するに、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与すればよい。
また、本実施形態では、穴533Aを16回のラウンド遊技の実行を開始する16ラウンド実行ゲートとし、各穴533B,533Cを4回のラウンド遊技の実行を開始する4ラウンド実行ゲートとし、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていた。これに対して、各穴533A〜533Cと、16ラウンド実行ゲートおよび4ラウンド実行ゲートの対応関係は固定されていなくてもよく、例えば、内部抽選の結果などに基づいて対応関係を変更するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技性を拡張することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
ここで、本実施形態では、始動入球手段は、上作動口36(第1始動入球部)および下作動口37(第2始動入球部)を備えている。
また、パチンコ機10は、上作動口36への遊技球の入球を発生させやすく、下作動口37への遊技球の入球を発生させにくい左打ちルート(第1の経路)と、下作動口37への遊技球の入球を発生させやすく、上作動口36への遊技球の入球を発生させにくい右打ちルート(第2の経路)とを備えている。そして、非電動役物57は、左打ちルートおよび右打ちルートと異なる弱め打ちルート(第3の経路)に配設されている。
また、主制御装置60は、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が低くなる低頻度サポートモード(第1の遊技状態)と、上作動口36よりも下作動口37に入球する確率が高くなる高頻度サポートモード(第2の遊技状態)とを備え、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードを切り替える遊技状態切替部として機能している。
具体的には、主制御装置60は、開閉実行モードの遊技を終了した後、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える。そして、主制御装置60は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで高頻度サポートモードを継続する。また、主制御装置60は、遊技結果が「低確結果」であった場合には、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回(内部抽選)を実行した後、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。
したがって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」または「最有利結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。これによれば、遊技者は、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまでは非電動役物51の開放状態を維持しておくことができる。
これに対して、遊技結果が「低確結果」であった場合には、遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。また、非電動役物57は、弱め打ちルートに配設されているので、遊技者は、上作動口36および下作動口37に遊技球を入球させる場合と異なる経路に遊技球を発射させることによって、非電動役物57に遊技球を入球させることができる。したがって、非電動役物57を弱め打ちルートに配設した場合には、遊技者は、非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなくても非電動役物57に遊技球を入球させてしまうことはない。この場合には、非電動役物57は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、回数制限無しの高頻度サポートモードと、回数制限100回の高頻度サポートモードとを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするクルーン53Dを備え、クルーン53Dは、遊技球の入球に際して開閉実行モードの遊技を開始させるので、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を開閉実行モードに移行した後、クルーン53Dに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。また、クルーン53Dに遊技球を入球させることによって、非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物57に遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。また、非電動役物57は、弱め打ちルートに配設されているので、遊技者は、上作動口36および下作動口37に遊技球を入球させる場合と異なる経路に遊技球を発射させることによって、非電動役物57に遊技球を入球させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の意図を確実に反映させることができ、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
(2)遊技者は、開閉実行モードの遊技を終了した後、100回の遊技回を実行するまでは(高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられるまでは)右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。その後、右打ちルートを介して下作動口37に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、左打ちルートを介して上作動口36に遊技球を入球させることによって、遊技回を実行することができる。また、非電動役物57を弱め打ちルートに配設しているので、遊技者は、非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、100回の遊技回を実行するまでに、開閉実行モードに遊技状態を移行させなくても非電動役物57に遊技球を入球させてしまうことはない。したがって、非電動役物57は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
(3)非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、クルーン53Dに遊技球を入球させることによって、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。また、クルーン53Dに遊技球を入球させることによって、非電動役物57を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、主制御装置60にて遊技状態を次回の開閉実行モードに移行した後、非電動役物57に遊技球を入球させることによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与する開閉実行モードの遊技を開始させることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)各穴533B,533Cへの遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始させることができ、非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始することによって、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して開始する開閉実行モードの遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)遊技状態移行処理は、各穴533B,533Cへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始し、非電動役物57および穴533Aへの遊技球の入球に際して可変入賞装置38の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる開閉実行モードの遊技を開始するので、遊技者は、開閉実行モードの遊技を開始させる場合には、穴533Aへの入球を期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)各穴533A〜533Cは、クルーン53Dの転動面531に設けられているので、遊技者は、クルーン53Dに入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)非電動役物57は、各羽根部材571にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2腕部576Cにて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
〔各実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記各実施形態では、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行していた。これに対して、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、複数回の大入賞口38aの開閉を実行してもよい。
(2)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、または大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、上限個数は、上限継続時間に応じて変動するようにしてもよく、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定するための条件は任意である。
(3)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数である8個に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、上限個数を8個以外の任意の個数に設定してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、振分結果に応じて上限個数を相違させて設定してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、1回の開閉実行モード中におけるラウンドごとに上限個数を相違させて設定してもよい。
(4)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、遊技球が入球したことを契機として開閉扉38bを閉鎖状態に設定する終了契機口を備え、予め定められた時間が経過することによって、この終了契機口への入球を可能とするように構成されていてもよい。
(5)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの入賞が発生したときから予め定められた時間が経過することによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定してもよい。
(6)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定することなく、次回のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。
(7)前記各実施形態では、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期よりも短く設定されていた。これに対して、例えば、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期以上の時間であって、遊技球の発射周期のn倍(n=1,2,3のいずれか)以下の時間に設定されていてもよい。
(8)前記各実施形態では、パチンコ機10は、2種類の開閉実行モードを有していた。具体的には、パチンコ機10は、短時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を2回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を4回または16回実行する開閉実行モードとを有していた。これに対して、パチンコ機10は、上限継続時間の態様や、ラウンド遊技の実行回数について、これらとは相違する開閉実行モードを有していてもよい。また、パチンコ機10は、上限継続時間の態様を相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成に代えて、半開や全開といったように開閉扉38bの開放の度合いを相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成としてもよい。さらに、上限継続時間の態様は、遊技者からは同一の態様に見えるものの正確な上限継続時間は相違するように設定してもよい。
(9)前記各実施形態では、遊技結果と、開閉実行モード用の演出とは、1対1で対応するように予め設定されていた。これに対して、例えば、開閉実行モード用の演出は、遊技結果に対応させることなく、複数種類の演出からランダムに選択して設定するようにしてもよく、複数種類の演出から抽選などによって選択して設定し、その選択率を遊技結果に応じて相違させるようにしてもよい。
(10)前記各実施形態では、MPU92は、遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定し、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一であった。これに対して、MPU92は、停止結果に係る情報をランダムに決定し、いずれの遊技結果であるかを遊技者に把握しにくいようにしてもよい。
(11)前記各実施形態では、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用していた。これに対して、MPU62は、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用してもよい。この場合には、大当たり種別カウンタC2は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられていなくてもよい。
(12)前記各実施形態では、パチンコ機10は、「特別外れ結果」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有し、MPU62は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行していた。換言すれば、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の値を使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行していた。これに対して、MPU62は、「特別外れ結果」に係る抽選を実行するためにRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた大当たり乱数カウンタC1とは異なる新たなカウンタを使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行してもよい。
(13)前記各実施形態では、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は2個であり、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は1個であった。換言すれば、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも高くなるように設定されていた。これに対して、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも低くなるように設定されていてもよく、低確率モードおよび高確率モードで同一となるように設定されていてもよい。また、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードおよび高確率モードの少なくともいずれかで0となるように設定されていてもよい。
(14)前記各実施形態では、パチンコ機10は、当否抽選モードおよびサポートモードを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
(15)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36に係る保留情報を第1結果表示部用保留エリアRaに格納し、下作動口37に係る保留情報を第2結果表示部用保留エリアRbに格納することによって、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを別々に格納していた。これに対して、パチンコ機10は、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを一緒に格納してもよい。
(16)前記各実施形態では、MPU62は、上作動口36に係る保留情報があるか否かに関わらず下作動口37に係る保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定していた。これに対して、MPU62は、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを、それぞれの保留情報の入賞順に遊技回の消化用に設定してもよい。
(17)前記各実施形態では、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信することによって、表示制御装置100の制御を実行していた。これに対して、主制御装置60は、表示制御装置100にコマンドを送信し、表示制御装置100は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを音声発光制御装置90に送信することによって、音声発光制御装置90の制御を実行してもよい。なお、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドや、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信されるコマンドは、前記各実施形態に記載したコマンドに限らず任意である。
(18)前記各実施形態では、パチンコ機10は、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを別々の制御装置として備えていた。これに対して、例えば、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを同一の制御装置として備えていてもよく、音声発光制御装置90および表示制御装置100の少なくともいずれかの制御装置を主制御装置60と同一の制御装置として備えていてもよい。
(19)前記各実施形態では、図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、遊技回用の演出は、前記各実施形態に記載した演出に限らず任意である。例えば、パチンコ機10は、遊技盤31に設けられた可動式の装飾部材と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、遊技盤31に設けられた発光手段と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、これらの装飾部材および発光手段と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。
(20)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、内部抽選(当否抽選および振分抽選)を実行し、その後、メイン表示部45および図柄表示装置47は、変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45および図柄表示装置47は、内部抽選を実行する前に変動表示を開始し、その変動表示の停止結果として、変動表示を開始した後に行われた内部抽選の結果を表示してもよい。この場合には、変動表示を開始した後、その変動表示を停止する前に、内部抽選を実行するとともに、停止結果等の設定を実行すればよい。
(21)前記各実施形態では、パチンコ機10は、メイン表示部45を備え、メイン表示部45は、絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45は、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果に関わらず同一の停止結果を表示してもよく、ランダムに停止結果を表示することによって、内部抽選の結果を識別できないようにしてもよい。また、例えば、パチンコ機10は、メイン表示部45を備えていなくてもよい。
(22)前記各実施形態では、図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、図柄表示装置47は、内部抽選の結果を明示する図柄(絵柄)を表示することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行してもよい。
例えば、図柄表示装置47は、各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域よりも狭い領域および各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域の周縁の領域の少なくともいずれかに所定の領域を設定し、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示を停止する際に、この所定の領域に内部抽選の結果を明示する図柄を表示してもよい。この所定の領域に表示する図柄は、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示中には、変動表示を実行していてもよく、非表示となっていてもよい。
ここで、所定の領域に表示する図柄は、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様を採用してもよく、これらの組み合わせを採用してもよい。また、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様ではなくても、相互に類似する図柄や、その組み合わせを採用することによって、遊技者にとって識別しにくいようにしてもよい。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することなく、図柄表示装置47を目視することによって、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
(23)前記各実施形態では、パチンコ機10は、単独で動作するように構成されていたが、携帯電話機などの外部機器と連動させることによって、情報を送受信するように構成されていてもよい。例えば、遊技者が遊技機に設けられたボタン等を操作することによって、光学コードを出力することができるように遊技機を構成するとともに、この光学コードの情報を携帯電話等に設けられたカメラにて撮像して読み取り、ウェブサイトにアクセスすることによって、遊技機の情報をウェブサーバーに送信できるように遊技機を構成してもよい。また、遊技者がウェブサイトにアクセスすることによって発行されたパスワードを遊技機に設けられたボタン等を操作して遊技機に入力することによって、ウェブサーバーの情報を受信できるように遊技機を構成してもよい。
(24)前記各実施形態では、本発明の遊技機としてパチンコ機10を例示して説明していた。これに対して、本発明の遊技機は、パチンコ機10とは異なる他のタイプのパチンコ機であってもよく、例えば、本発明の遊技機は、特定の領域に遊技球が入球すると、電動役物を所定の回数だけ開放させるパチンコ機や、特定の領域に遊技球が入球すると、大当たりの権利を発生させるパチンコ機などであってもよい。また、本発明の遊技機は、アレンジボール機や、雀球等の他のタイプの遊技機であってもよい。
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記各実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
<特徴A群>
特徴A1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段(非電動役物51)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段(クルーン53)とを備え、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させない第1の入球部(穴533B,533C)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる第2の入球部(穴533A)とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記特定制御状態に遊技状態を移行させた後、前記反転入球手段、前記第1の入球部、および前記第2の入球部のいずれかへの遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始する特定制御開始部(遊技状態移行処理)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A1によれば、遊技機は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段を備え、可変入球手段は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始させる第1の入球部および第2の入球部を備えているので、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を特定制御状態に移行した後、第1の入球部または第2の入球部に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。また、第2の入球部は、遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるので、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載された遊技機において、
前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A2によれば、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。また、第2の入球部への遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A3.
本発明群の特徴A2に記載された遊技機において、
前記特定制御開始部は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することによって、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A3によれば、第1の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始させることができ、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始することによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A4.
本発明群の特徴A3に記載された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態、および前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態を有し、遊技球の入球に際して所定の遊技球を払い出す開閉入球手段(可変入賞装置38)を備え、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記開閉入球手段の開閉回数を前記所定回数よりも多くの回数に設定することによって、前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A4によれば、特定制御開始部は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始し、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A5.
本発明群の特徴A1から特徴A4のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を転動させる転動面(転動面531)を有するクルーン(クルーン53)を備え、
前記第1の入球部および前記第2の入球部は、前記転動面に設けられるとともに、前記転動面を転動する遊技球を入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A5によれば、第1の入球部および第2の入球部は、クルーンの転動面に設けられているので、遊技者は、可変入球手段に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A6.
本発明群の特徴A1から特徴A5のいずれかに記載された遊技機において、
前記反転入球手段は、
前記反転入球手段に入球した遊技球を受ける第1受部(各板状体513)と、
前記第2の入球部に入球した遊技球を受ける第2受部(各下方羽根部材515)とを備え、
前記第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、前記第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A6によれば、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
特徴A7.
本発明群の特徴A1から特徴A6のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A7によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。したがって、反転入球手段を第1の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなければ、第1の経路を介して反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
特徴A8.
本発明群の特徴A1から特徴A6のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路および前記第2の経路と異なる第3の経路(弱め打ちルート)に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A8によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。また、反転入球手段を第3の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなくても反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことはない。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
このような本発明の特徴A群によれば、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行する遊技機が知られている。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技機は、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、遊技者の行為を介在させるか否かに関わらず同じ流れを辿って特定制御状態の遊技を開始するので、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、特定制御状態の遊技を開始するまでの一連の流れは単調になってしまい、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴B群>
特徴B1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段(非電動役物51)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段(クルーン53Aおよび第1クルーン55)とを備え、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を入球させる入球部(各穴533A〜533C,553A,553B)と、
前記入球部への遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する開閉抽選部(回転体537、受皿538、および第2クルーン56)とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記特定制御状態に遊技状態を移行させた後、前記反転入球手段および前記入球部への遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始する特定制御開始部(遊技状態移行処理)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B1によれば、遊技機は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段を備え、可変入球手段は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始させる入球部を備えているので、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を特定制御状態に移行した後、入球部に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。また、可変入球手段は、入球部への遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選する開閉抽選部を備えているので、開閉抽選部にて実行される抽選に当選し、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
第1の入球部(穴533B,533C,553B)および第2の入球部(穴533A,553A)を含む複数の入球部を備え、
前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B2によれば、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。また、開閉抽選部にて実行される抽選に当選し、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B3.
本発明群の特徴B2に記載された遊技機において、
前記特定制御開始部は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することによって、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B3によれば、第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始させることができ、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始することによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B4.
本発明群の特徴B3に記載された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態、および前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態を有し、遊技球の入球に際して所定の遊技球を払い出す開閉入球手段(可変入賞装置38)を備え、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記開閉入球手段の開閉回数を前記所定回数よりも多くの回数に設定することによって、前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B4によれば、特定制御開始部は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始し、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B5.
本発明群の特徴B2から特徴B4のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を転動させる転動面(転動面531)を有するクルーン(クルーン53Aおよび第1クルーン55)を備え、
前記複数の入球部は、前記転動面に設けられるとともに、前記転動面を転動する遊技球を入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B5によれば、複数の入球部は、クルーンの転動面に設けられているので、遊技者は、可変入球手段に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B6.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
前記転動面は、
当該転動面の中心から所定の距離を隔てて形成されるとともに、互いに等間隔となるように設けられた前記複数の入球部を備え、
前記開閉抽選部は、
前記転動面の中心を通る軸を中心軸として回転するとともに、前記複数の入球部に入球した遊技球を入球させる回転体(回転体537)を備え、
前記回転体は、
前記複数の入球部のそれぞれと対応する位置に形成されるとともに、前記複数の入球部に入球した遊技球を案内する複数の回転体通路(回転体通路537C1〜537C3)を備え、
前記複数の回転体通路は、
遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させない第1の回転体通路(回転体通路537C2,537C3)と、
遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる第2の回転体通路(回転体通路537C1)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B6によれば、開閉抽選部は、転動面の中心を通る軸を中心軸として回転するとともに、複数の入球部に入球した遊技球を受け入れる回転体を備え、この回転体は、遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させない第1の回転体通路と、遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる第2の回転体通路とを備えている。これによれば、開閉抽選部は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始する複数の入球部を備えたクルーンに影響を受けることなく独立して反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができる。また、複数の入球部に入球した遊技球を回転体の第2の回転体通路に入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B7.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
前記開閉抽選部は、
前記第1の入球部および前記第2の入球部に入球した遊技球を転動させる抽選用転動面(転動面561)を有する抽選用クルーン(第2クルーン56)を備え、
前記抽選用クルーンは、
前記抽選用転動面に設けられるとともに、前記抽選用転動面を転動する遊技球を入球させる複数の抽選用入球部(各穴563A〜563C)を備え、
前記複数の抽選用入球部は、
遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させない第1の抽選用入球部(各穴563B,563C)と、
遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる第2の抽選用入球部(穴563A)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B7によれば、開閉抽選部は、遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させない第1の抽選用入球部と、遊技球の入球を契機として反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる第2の抽選用入球部とを備えた抽選用クルーンを備えている。これによれば、開閉抽選部は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始する第1の入球部および第2の入球部を備えたクルーンに影響を受けることなく独立して反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させるか否かを抽選することができる。また、第1の入球部および第2の入球部に入球した遊技球を第2の抽選用入球部に入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B8.
本発明群の特徴B1から特徴B7のいずれかに記載された遊技機において、
前記反転入球手段は、
前記反転入球手段に入球した遊技球を受ける第1受部(各板状体513)と、
前記第2の入球部に入球した遊技球を受ける第2受部(各下方羽根部材515)とを備え、
前記第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、前記第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B8によれば、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
特徴B9.
本発明群の特徴B1から特徴B8のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B9によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。したがって、反転入球手段を第1の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなければ、第1の経路を介して反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
特徴B10.
本発明群の特徴B1から特徴B8のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路および前記第2の経路と異なる第3の経路(弱め打ちルート)に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B10によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。また、反転入球手段を第3の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなくても反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことはない。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
このような本発明の特徴B群によれば、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行する遊技機が知られている。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技機は、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、遊技者の行為を介在させるか否かに関わらず同じ流れを辿って特定制御状態の遊技を開始するので、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、特定制御状態の遊技を開始するまでの一連の流れは単調になってしまい、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴C群>
特徴C1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段(非電動役物51)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするとともに、遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる可変入球手段(クルーン53C)とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記特定制御状態に遊技状態を移行させた後、前記反転入球手段および前記可変入球手段への遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始する特定制御開始部(遊技状態移行処理)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C1によれば、遊技機は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段を備え、可変入球手段は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始させるので、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を特定制御状態に移行した後、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。また、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を入球させる第1の入球部(各穴533B,533C)および第2の入球部(穴533A)を備え、
前記遊技状態移行手段は、前記第1の入球部および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始し、
前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C2によれば、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。また、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C3.
本発明群の特徴C2に記載された遊技機において、
前記特定制御開始部は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することによって、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C3によれば、第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始させることができ、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始することによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C4.
本発明群の特徴C3に記載された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態、および前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態を有し、遊技球の入球に際して所定の遊技球を払い出す開閉入球手段(可変入賞装置38)を備え、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記開閉入球手段の開閉回数を前記所定回数よりも多くの回数に設定することによって、前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C4によれば、特定制御開始部は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始し、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C5.
本発明群の特徴C2から特徴C4のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を転動させる転動面(転動面531)を有するクルーン(クルーン53C)を備え、
前記第1の入球部および前記第2の入球部は、前記転動面に設けられるとともに、前記転動面を転動する遊技球を入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C5によれば、第1の入球部および第2の入球部は、クルーンの転動面に設けられているので、遊技者は、可変入球手段に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C6.
本発明群の特徴C1から特徴C5のいずれかに記載された遊技機において、
前記反転入球手段は、
前記反転入球手段に入球した遊技球を受ける第1受部(各板状体513)と、
前記第2の入球部に入球した遊技球を受ける第2受部(各下方羽根部材515)とを備え、
前記第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、前記第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C6によれば、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
特徴C7.
本発明群の特徴C1から特徴C6のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C7によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。したがって、反転入球手段を第1の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなければ、第1の経路を介して反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことになる。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうことになるので、遊技者は、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させることを期待して遊技を行うことができる。
特徴C8.
本発明群の特徴C1から特徴C6のいずれかに記載された遊技機において、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路および前記第2の経路と異なる第3の経路(弱め打ちルート)に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C8によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。また、反転入球手段を第3の経路に配設した場合には、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなくても反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことはない。この場合には、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
このような本発明の特徴C群によれば、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行する遊技機が知られている。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技機は、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、遊技者の行為を介在させるか否かに関わらず同じ流れを辿って特定制御状態の遊技を開始するので、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、特定制御状態の遊技を開始するまでの一連の流れは単調になってしまい、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴D群>
特徴D1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態とを有し、遊技球の入球を契機として開放状態から閉鎖状態へと移行する反転入球手段(非電動役物57)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とするとともに、遊技球の入球を契機として前記反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させる可変入球手段(クルーン53D)とを備え、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)および第2始動入球部(下作動口37)を備え、
前記遊技機は、
前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第1の経路(左打ちルート)と、
前記第2始動入球部への遊技球の入球を発生させやすく、前記第1始動入球部への遊技球の入球を発生させにくい第2の経路(右打ちルート)と、
前記第1の経路および前記第2の経路と異なる第3の経路(弱め打ちルート)に配設された前記反転入球手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、
前記特定制御状態に遊技状態を移行させた後、前記反転入球手段および前記可変入球手段への遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始する特定制御開始部(遊技状態移行処理)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D1によれば、遊技機は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技領域を流下する遊技球を一時的に入球可能とする可変入球手段を備え、可変入球手段は、遊技球の入球に際して特定制御状態の遊技を開始させるので、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を特定制御状態に移行した後、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。また、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。また、反転入球手段は、第3の経路に配設されているので、遊技者は、始動入球手段に遊技球を入球させる場合と異なる経路に遊技球を発射させることによって、反転入球手段に遊技球を入球させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の意図を確実に反映させることができ、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
特徴D2.
本発明群の特徴D1に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が低くなる第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部に入球する確率が高くなる第2の遊技状態(高頻度サポートモード)と、
前記第1の遊技状態および前記第2の遊技状態を切り替える遊技状態切替部(主制御装置60)とを備え、
前記遊技状態切替部は、前記特定制御状態の遊技を終了した後、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に切り替え、所定回数の内部抽選を実行した後、前記第2の遊技状態から前記第1の遊技状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D2によれば、遊技者は、特定制御状態の遊技を終了した後、所定回数の内部抽選を実行するまでは(第2の遊技状態から第1の遊技状態に切り替えられるまでは)第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。その後、第2の経路を介して第2始動入球部に遊技球を入球させにくくなるので、遊技者は、第1の経路を介して第1始動入球部に遊技球を入球させることによって、内部抽選を実行することができる。また、反転入球手段を第3の経路に配設しているので、遊技者は、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた後、所定回数の内部抽選を実行するまでに、特定制御状態に遊技状態を移行させなくても反転入球手段に遊技球を入球させてしまうことはない。したがって、反転入球手段は、開放状態から閉鎖状態へと移行してしまうこともないので、遊技者は、安心して遊技を行うことができる。
特徴D3.
本発明群の特徴D1または特徴D2に記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を入球させる第1の入球部(各穴533B,533C)および第2の入球部(穴533A)を備え、
前記特定制御開始部は、前記第1の入球部および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記特定制御状態の遊技を開始し、
前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D3によれば、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。また、可変入球手段に遊技球を入球させることによって、反転入球手段を閉鎖状態から開放状態へと移行させた場合には、遊技者は、遊技状態移行手段にて遊技状態を次回の特定制御状態に移行した後、反転入球手段に遊技球を入球させることによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与する特定制御状態の遊技を開始させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D4.
本発明群の特徴D3に記載された遊技機において、
前記特定制御開始部は、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記反転入球手段および前記第2の入球部への遊技球の入球に際して前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することによって、前記第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する前記特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D4によれば、第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始させることができ、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球は、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始することによって、第1の入球部への遊技球の入球に際して開始する特定制御状態の遊技よりも高い価値を遊技者に付与するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D5.
本発明群の特徴D4に記載された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる開放状態、および前記遊技領域を流下する遊技球を入球させない閉鎖状態を有し、遊技球の入球に際して所定の遊技球を払い出す開閉入球手段(可変入賞装置38)を備え、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、
前記特定制御開始部は、
前記開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始し、前記開閉入球手段の開閉回数を前記所定回数よりも多くの回数に設定することによって、前記所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる前記特定制御状態の遊技を開始することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D5によれば、特定制御開始部は、第1の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数に設定することによって、所定数の遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始し、反転入球手段および第2の入球部への遊技球の入球に際して開閉入球手段の開閉回数を所定回数よりも多くの回数に設定することによって、所定数の遊技球よりも多くの遊技球を払い出せる特定制御状態の遊技を開始するので、遊技者は、特定制御状態の遊技を開始させる場合には、第2の入球部への入球を期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D6.
本発明群の特徴D3から特徴D5のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入球手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球を転動させる転動面(転動面531)を有するクルーン(クルーン53D)を備え、
前記第1の入球部および前記第2の入球部は、前記転動面に設けられるとともに、前記転動面を転動する遊技球を入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D6によれば、第1の入球部および第2の入球部は、クルーンの転動面に設けられているので、遊技者は、可変入球手段に入球した遊技球の行方に注目することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D7.
本発明群の特徴D1から特徴D8のいずれかに記載された遊技機において、
前記反転入球手段は、
前記反転入球手段に入球した遊技球を受ける第1受部(各羽根部材571)と、
前記第2の入球部に入球した遊技球を受ける第2受部(第2腕部576C)とを備え、
前記第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、前記第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D7によれば、反転入球手段は、第1受部にて遊技球を受けることによって、開放状態から閉鎖状態へと移行し、第2受部にて遊技球を受けることによって、閉鎖状態から開放状態へと移行するので、電力などの他の動力を必要とすることなく遊技球の重量のみを用いて開閉状態を移行することができる。
このような本発明の特徴D群によれば、遊技者の選択肢を広げることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行する遊技機が知られている。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技機は、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、遊技者の行為を介在させるか否かに関わらず同じ流れを辿って特定制御状態の遊技を開始するので、特定制御状態に遊技状態を移行させた後、特定制御状態の遊技を開始するまでの一連の流れは単調になってしまい、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。