JP6808369B2 - 受電装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、送電装置との間で無線給電を行う受電装置、その制御方法及びプログラムに関する。
電子機器の電池は小型化、高出力化、大容量化が進み、充電可能な二次電池が用いられることが多い。電子機器の二次電池を充電する方式として、専用充電器を用いるもの、外部機器から有線で電力供給を受け電子機器本体内で充電するものが一般的であったが、近年、電磁波で電力供給を受け、電子機器本体内で充電する、非接触給電である無線給電が一般化している。
無線給電においては、送電側となる送電装置のアンテナから放射した電磁波を、受電側となる受電装置のアンテナが受けることで無線送受電を行う。この場合に、電磁波を無制御状態で放射しないよう、送電装置と受電装置との間で給電を制御するための通信(以下、給電制御通信と呼ぶ)を行い、この給電制御通信によって決定した電力で送受電を行うのが一般的である。
無線給電の周波数は様々であるが、HF帯の6.78MHzや13.56MHzをキャリア周波数として用いる無線給電方式が提案されている。
一方で、HF帯の13.56MHzをキャリア周波数とする非接触IC機能(非接触ICカード機能や非接触ICカードリーダーライター機能)を有する電子機器が普及している。受電装置においても、非接触IC機能が搭載される可能性が考えられる。
無線給電のキャリア周波数に対し、6.78MHzは2次高調波、13.56MHzは基本波で、非接触IC機能のキャリア周波数である13.56MHzと重複している。そのため、送電装置のアンテナから放射した電磁波によって、非接触IC機能にオーバーロード、発熱等の影響を及ぼすことが考えられる。
このため、送電装置と受電装置との間で無線給電を行うシステムにおいて、非接触IC機能にオーバーロード、発熱等の影響を与えないように無線給電を制御することが求められている。
特許文献1には、通信装置に通信コイルと通信回路を分離するスイッチ部を設けることにより、通信装置に搭載される電池のワイヤレス給電による充電の期間中に通信回路の動作を可能として更に二次電池の充電の期間中の通信回路の破壊を防止することが提案されている。
また、特許文献2には、コイルを有するアンテナと、負荷と、前記アンテナにて受電した電力を前記負荷に給電するための給電部と、前記アンテナを介して外部と通信する通信部と、前記アンテナと前記給電部との間には設けられておらず且つ前記アンテナと前記通信部との間に設けられたスイッチ回路と、前記アンテナにて受電する電力に応じて前記スイッチ回路のオンオフを制御するスイッチ制御部とを備える電子機器が提案されている。
特開2014−33504号公報 特許第5325347号公報
特許文献1では、通信コイルと通信回路との間に直列にスイッチ部を配置するため、スイッチ部が、通信時に通信コイルで発生する誘導電流の損失として働き、通信距離が低下する要因となる。特許文献2でも同様であり、通信距離が低下する要因となる。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、送電装置との間で無線給電を行う受電装置において、無線給電による影響から通信用の回路を保護し、さらには通信距離の低下を防止することを目的とする。
本発明の受電装置は、送電装置との間で無線給電を行う受電装置であって、受電アンテナを用いて前記送電装置から無線受電する受電手段と、通信アンテナを用いて外部装置と無線通信を行う通信手段と、記通信アンテナで発生した電圧が所定値を超えたことに応じて、前記通信アンテナの共振周波数を前記送電装置との間で行う無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替え切替手段とを備えたことを特徴とする。
発明によれば、送電装置との間で無線給電を行う受電装置において、無線給電による影響から通信用の回路を保護し、さらには通信距離の低下を防止することができる。
第1の実施形態に係る送電装置の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る受電装置の構成例を示すブロック図である。 共振周波数切替回路の構成例を示す図である。 第1の実施形態における送電装置と受電装置との無線給電の手順を示すフローチャートである。 装置ステータス情報の例を示す図である。 送電装置と受電装置との位置関係の例を示す図である。 第1の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯送電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。 第1の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。 第2の実施形態における送電装置と受電装置との無線給電の手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯送電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。 第2の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信の給電シーケンスを示す図である。 第3の実施形態に係る受電装置の構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯送電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。 第3の実施形態における受電装置のアンテナの共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本願において、送電装置が送電した電力を送電電力、受電装置が受電した電力を受電電力と称し、それらを総じて無線給電電力とも呼ぶ。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、送電装置と受電装置との間で近接無線通信と無線給電とを同じキャリア周波数で行う。この場合に、受電装置において、近接無線通信用の通信アンテナの共振周波数と受電アンテナの共振周波数とを、各々のアンテナで発生した電圧に応じて切り替える。
図1は、第1の実施形態に係る送電装置100の構成例を示すブロック図である。送電装置100は、受電装置に無線送電することのできる装置である。なお、本発明を説明する上で不要なブロック及びその動作の説明は省略する。
制御部101は、送電装置100の無線給電制御を司るCPU、ワークエリアとして使用されるRAM、処理手順を記憶しているROMを内包する。
送電部111は、受電装置に無線送電するための回路であり、主にトランジスタ増幅回路、水晶発振回路等で構成される。
整合回路112は、送電部111と後述する送電アンテナ113とのインピーダンス整合を行う。整合回路112は、制御部101の制御によって調整可能な回路とする。また、整合回路112は、無線送電するときに過大な電圧が発生しないよう保護回路を備える。
送電アンテナ113は、受電装置に無線送電するためのアンテナである。送電アンテナ113は、HF帯である6.78MHz又は13.56MHz付近に共振周波数を有する。
反射電力検出回路115は、送電アンテナ113から出力された電力の進行波と反射波を進行波電圧VF及び反射波電圧VRとして検出する。反射電力検出回路115は、例えばCM型方向性結合器で構成されるが、CM型方向性結合器は公知の回路であり、その説明は省略する。
通信部121は、外部装置と近接無線通信するための通信部である。第1の実施形態では、通信部121が、受電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行う。通信部121は、例えば非接触ICリーダーライター機能を有していてもよい。通信部121で行う近接無線通信は、国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
整合回路122は、通信部121と後述する通信アンテナ123とのインピーダンス整合を行う。整合回路122は、制御部101の制御によって調整可能な回路でもよいし、固定定数回路でもよい。また、整合回路122は、過大な電圧が発生しないよう保護回路を備える。
通信アンテナ123は、外部装置と近接無線通信を行うためのアンテナである。通信アンテナ123は、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有する。
通信部131は、外部装置と近距離無線通信するための通信部である。後述する第2の実施形態では、通信部131が、受電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行う。通信部131で行う近距離無線通信は、近距離無線規格であるBluetooth Low Energy(登録商標)に対応しているものとする。
整合回路132は、通信部131と後述する通信アンテナ133とのインピーダンス整合を行う。整合回路132は、制御部101の制御によって調整可能な回路でもよいし、固定定数回路でもよい。また、整合回路132は、過大な電圧が発生しないよう保護回路を備える。
通信アンテナ133は、外部装置と近距離無線通信を行うためのアンテナである。通信アンテナ133は、UHF帯である2.45GHz付近に共振周波数を有する。
図2は、第1の実施形態に係る受電装置200の構成例を示すブロック図である。受電装置200は、送電装置から無線受電することのできる装置である。なお、本発明を説明する上で不要なブロック及びその動作の説明は省略する。
制御部201は、受電装置200の無線給電制御を司るCPU、ワークエリアとして使用されるRAM、処理手順を記憶しているROMを内包する。
受電アンテナ213は、送電装置から無線受電するためのアンテナである。受電アンテナ213は、HF帯である6.78MHz又は13.56MHz付近に共振周波数を有するように制御可能なアンテナである。
キャパシタ212は、受電アンテナ213とLC共振回路を形成し、アンテナとしての共振周波数を決定する。
共振周波数切替回路(以下、単に「切替回路」と称する)214は、受電アンテナ213と並列に接続され、後述する電圧検出回路216の検出信号に従って受電アンテナ213の共振周波数を切り替える。切替回路214の構成例は後述する。
電圧検出回路216は、受電アンテナ213で発生した電圧、すなわち受電電圧を検出する。電圧検出回路216は、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA未満の場合は検出信号を出力せず(検出信号OFF)、電圧検出閾値VthA以上の場合は検出信号を出力する(検出信号ON)。電圧検出回路216の検出信号によって切替回路214が制御され、検出信号を出力していない場合は切替回路214のスイッチがOFF、検出信号を出力している場合は切替回路214のスイッチがONである。なお、本実施形態においては、電圧検出閾値VthAが本発明でいう第1の閾値に相当する。
電圧検出回路216の動作電源は、受電アンテナ213で発生した電流を用いる構成でもよいし、他の回路から供給する構成でもよい。電圧検出回路216の動作電源を複数系統から受けられるようにするために、ダイオード217とダイオード218とのOR接続とする。
電圧検出回路216における電圧検出閾値VthAは、例えば受電アンテナ213で発生した電圧が整流平滑回路211又は定電圧回路281の許容電圧を超えないように、電圧検出回路216が検出信号を出力するように設定されるのが望ましい。また、電圧検出閾値VthAは、受電装置200の装置内部と外部の界面での13.56MHzにおける磁界強度が受電装置200の無線受電に許容される磁界強度を超えないように、電圧検出回路216が検出信号を出力するように設定されていてもよい。また、電圧検出閾値VthAは、受電アンテナ213に許容される磁界強度又は空中線電力を超えないように、電圧検出回路216が検出信号を出力するように設定されていてもよい。
整流平滑回路211は、送電装置からの受電電力により発生したAC電圧をDC電圧に整流する。
定電圧回路281は、整流平滑回路211でDC電圧に整流された電圧を定電圧化して、充電制御回路282に供給する。
充電制御回路282は、電池203を充電可能な回路である。充電制御回路282は、電池203を充電する機能の他に、他の回路、例えば制御部201等に電池203の電圧を出力する機能も備える。電池203は、例えば1セルのリチウムイオン電池であるとする。
通信アンテナ223は、外部装置と近接無線通信を行うためのアンテナである。通信アンテナ223は、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有するように制御可能なアンテナである。
キャパシタ222は、通信アンテナ223とLC共振回路を形成し、アンテナとしての共振周波数を決定する。
切替回路224は、通信アンテナ223と並列に接続され、後述する電圧検出回路226の検出信号に従って通信アンテナ223の共振周波数を切り替える。切替回路224の構成例は後述する。
電圧検出回路226は、通信アンテナ223で発生した電圧を検出する。電圧検出回路226は、通信アンテナ223で発生した電圧が電圧検出閾値VthB未満の場合は検出信号を出力せず(検出信号OFF)、電圧検出閾値VthB以上の場合は検出信号を出力する(検出信号ON)。電圧検出回路226の検出信号によって切替回路224が制御され、検出信号を出力していない場合は切替回路224のスイッチがOFF、検出信号を出力している場合は切替回路224のスイッチがONである。なお、本実施形態においては、電圧検出閾値VthBが本発明でいう第2の閾値に相当する。
電圧検出回路226の動作電源は、通信アンテナ223で発生した電流を用いる構成でもよいし、他の回路から供給する構成でもよい。電圧検出回路226の動作電源を複数系統から受けられるようにするために、ダイオード227とダイオード228とのOR接続とする。
電圧検出回路226における電圧検出閾値VthBは、例えば通信アンテナ223で発生した電圧が通信部221、整流平滑回路285、又は定電圧回路286の許容電圧を超えないように、電圧検出回路226が検出信号を出力するように設定されるのが望ましい。また、電圧検出閾値VthBは、受電装置200の装置内部と外部の界面での13.56MHzにおける磁界強度が受電装置200の無線通信に許容される磁界強度を超えないように、電圧検出回路226が検出信号を出力するように設定されていてもよい。また、電圧検出閾値VthBは、通信アンテナ223に許容される磁界強度又は空中線電力を超えないように、電圧検出回路226が検出信号を出力するように設定されていてもよい。ここで、電圧検出回路226における電圧検出閾値VthBは、電圧検出回路216における電圧検出閾値VthAよりも小さい値に設定するものとする。すなわち、外部からの電磁界の強度が増加した場合に、電圧検出回路226が先に発動し、次いで電圧検出回路216が発動するように設定する。
通信部221は、外部装置と近接無線通信するための通信部である。第1の実施形態では、通信部221が、送電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行う。通信部221は、例えば非接触ICリーダーライター機能を有していてもよい。通信部221で行う近接無線通信は、国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
整流平滑回路285は、近接無線通信のキャリアから受電した電力により発生したAC電圧をDC電圧に整流する。整流平滑回路285は、通信アンテナ223による近接無線通信に影響を与えない程度の低いインダクタンス成分と低いキャパシタンス成分を有することが望ましい。
定電圧回路286は、整流平滑回路285でDC電圧に整流された電圧を定電圧化して、制御部201に供給する。定電圧回路286は、通信アンテナ223による近接無線通信に影響を与えないように、制御部201の制御により電力を消費しないよう動作を停止可能とする。定電圧回路286の動作を停止する場合は、例えば受電装置200の電池203の残量が十分であり、通信部221で外部装置と近接無線通信を行う場合等であってよい。定電圧回路286は、整流平滑回路211と整流平滑回路285との両方から電流を受けられるようにダイオード287とダイオード288のOR接続とする。
通信アンテナ233は、外部装置と近距離無線通信を行うためのアンテナである。通信アンテナ233は、UHF帯である2.45GHz付近に共振周波数を有する。
整合回路232は、後述する通信部231と通信アンテナ233とのインピーダンス整合を行う。整合回路232は、制御部201の制御によって調整可能な回路でもよいし、固定定数回路でもよい。また、整合回路232は、過大な電圧が発生しないよう保護回路を備える。
通信部231は、外部装置と近距離無線通信するための通信部である。後述する第2の実施形態では、通信部231が、送電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行う。通信部231で行う近距離無線通信は、近距離無線規格であるBluetooth Low Energy(登録商標)に対応しているものとする。
図3は、受電装置200において、受電アンテナ213に並列に接続される切替回路214、及び通信アンテナ223に並列に接続される切替回路224の回路構成例を示す図である。なお、図3では代表して切替回路214を説明するが、切替回路224も同様である。
図3(A)は、キャパシタ301とスイッチ311とを直列に接続し、両端を受電アンテナ213に並列に接続するようにした回路である。
図3(B)は、キャパシタ301とスイッチ311とを直列に接続し、一方の端を受電アンテナ213に、他方の端をグラウンドに接続するようにした回路である。
図3(C)は、図3(B)と同じ回路を2回路備えた回路である。図3(B)の回路に加え、キャパシタ302とスイッチ312とを直列に接続し、図3(B)と異なる端を受電アンテナ213に、他方の端をグラウンドに接続するようにした回路である。
図3(D)は、スイッチ311を介して受電アンテナ213の両端を短絡に接続するようにした回路である。
図3(E)は、スイッチ311及びスイッチ312で、受電アンテナ213の両端をグラウンドに接続するようにした回路である。スイッチ311及びスイッチ312は、制御部201で導通状態と切断状態が制御可能な構成とする。スイッチ311及びスイッチ312は、PINダイオード、トランジスタ、MEMSスイッチ等、制御信号でスイッチの導通状態と切断状態を切り替え可能なスイッチであればよい。
なお、切替回路214及び切替回路224の回路構成として図3(A)〜(E)を説明したが、アンテナの共振周波数の切り替えが実現されれば、ここで説明したものに限られるものではない。
本実施形態において、受電装置200の受電アンテナ213は、切替回路214のスイッチがOFFの場合、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
また、受電装置200の通信アンテナ223は、切替回路224のスイッチがOFFの場合、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
表1に、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号のON/OFFと、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数との関係を示す。なお、表1において、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数として括弧内に具体的数値を記載しているが、その数値は一例であって、これにより本発明の実施範囲が制限されるものではない。
受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数は、切替回路214及び切替回路224によって切り替えられるが、共振周波数と共にアンテナのQ値も変化する。なお、Q値の変化は、図3に示すスイッチの回路構成上一般的な現象であるので説明は省略する。
Figure 0006808369
受電アンテナ213及び通信アンテナ223に大きな無線電力が印加されていない初期状態では、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf0、通信アンテナ223の共振周波数をf0とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f0が本発明でいう第1の初期周波数に相当し、通信アンテナ223の共振周波数f0が本発明でいう第2の初期周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がOFFの状態において、受電アンテナ213は、無線給電のキャリア周波数に共振して電力を受電可能なように、無線給電のキャリア周波数付近の共振周波数f0に設定されている。また、電圧検出回路226の検出信号がOFFの状態において、通信アンテナ223は、近接無線通信のキャリア周波数に共振して通信可能なように、近接無線通信のキャリア周波数付近の共振周波数f0に設定されている。
初期状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、切替回路224のスイッチはOFFである。
無線給電状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223に無線電力が印加されて、通信アンテナ223で発生した電圧が電圧検出閾値VthB以上となり、電圧検出回路216の検出信号がOFF、電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf0、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、本実施形態では、通信アンテナ223の共振周波数f1が本発明でいう第2の周波数に相当する。
電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数f1に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
無線給電状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、切替回路224のスイッチはONである。
保護状態では、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA以上となり、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf1、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f1が本発明でいう第1の周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がONの状態において、受電アンテナ213は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。また、電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
保護状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはON、切替回路224のスイッチはONである。
以下、図4〜図6も参照して、第1の実施形態における送電装置100と受電装置200との間で行われる無線給電の流れを説明する。
図5に、送電装置100と受電装置200とが送受信する装置ステータス情報の例を示す。装置ステータス情報は、「受電装置名称」、「電力受電可否」、「電池電圧」、「電池満充電電圧」、「電池残量レベル」、「最大受電電力」、「送受電要求電力」等の情報を含む。装置ステータス情報は、送電装置100では制御部101に、受電装置200では制御部201に記憶される。なお、装置ステータス情報の送受信を行うときに、装置ステータス情報に含まれる全情報を送受信するようにしてもよいし、その時々で必要とされる情報だけを送受信するようにしてもよい。
また、図6に、送電装置100と受電装置200との位置関係の例を示す。図6(A)は、送電装置100と受電装置200とを離間させており、無線給電を実施する前の状態を示す。図6(B)は、送電装置100と受電装置200とを接近させて、無線給電を実施している状態を示す。また、図6(C)は、送電装置100と他の受電装置600とを接近させて、無線給電を実施している状態で、離間させていた受電装置200を送電装置100に接近させる状態を示す。なお、他の受電装置600の構成は受電装置200と同様であり、その説明は省略する。
図4は、第1の実施形態における送電装置100と受電装置200との無線給電の手順を示すフローチャートである。
まず、図4に参照して、送電装置100側の処理を説明する。図7(C)、(D)は、HF帯送電電力及び給電制御通信の給電シーケンスを示す。無線給電はキャリア周波数13.56MHzを中心として行われ、通信部221を用いた給電制御通信はキャリア周波数13.56MHzを中心として行われる。このように、本実施形態では、無線給電と給電制御通信とが同じ周波数帯域で行われる。したがって、無線給電と給電制御通信とを時間的に排他し、無線給電と給電制御通信とが時分割で行われる給電シーケンスとなる。
ステップS101で、制御部101は、送電部111を制御して予備電力を送電する。ステップS101で送電する予備電力の周波数は13.56MHzとし、送電電力は任意の値、例えば0.25Wとする。また、ステップS101で送電する予備電力は、例えば送電装置100の装置内部と外部の界面での13.56MHzにおける磁界強度が6.0A/m相当であってもよい。
ステップS102で、制御部101は、通信部121の近接無線通信を用いてポーリング信号を送信する。ステップS102の近接無線通信は、例としてJISX6319−4のリクエストコマンドを用いて受電装置200を捕捉するものとする。JISX6319−4のプロトコルについては一般的な方法であるため、その説明は省略する。
ステップS103で、制御部101は、受電装置200からの接続要求応答があるか否かを判断する。
本実施形態では、送電装置100がポーリング信号を送信し、受電装置200が応答することで、送電装置100が受電装置200を発見して近接無線通信を行う。図6(A)に示すように、送電装置100と受電装置200とを離間させた状態では、送電装置100がポーリング信号を送信しても受電装置200が応答することができないため、送電装置100は受電装置200を発見することができない。また、図6(B)に示すように、送電装置100と受電装置200とを接近させた状態では、送電装置100がポーリング信号を送信し、受電装置200が応答することで、送電装置100は受電装置200を発見し、給電シーケンスに進むことが可能になる。
ステップS103において制御部101が受電装置200からの接続要求応答がないと判断した場合、処理はステップS101に戻る。一方、ステップS103において制御部101が受電装置200からの接続要求応答があると判断した場合、処理はステップS104に進む。
ステップS104で、制御部101は、受電装置200との接続処理を行い、通信部121の近接無線通信を用いて受電装置200と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS105で、制御部101は、ステップS104において受信した装置ステータス情報の「電力受電可否」に従って受電装置200が無線受電可能な状態であるか否かを判断する。
ステップS105において制御部101が受電装置200は無線受電可能な状態でないと判断した場合、処理はステップS101に戻る。一方、ステップS105において制御部101が受電装置200は無線受電可能な状態であると判断した場合、処理はステップS106に進む。
ステップS106で、制御部101は、ステップS104において送受信した装置ステータス情報の「最大受電電力」、「送受電要求電力」に従って送電電力を設定する。ここで設定する送電電力は、受電装置200の「送受電要求電力」に従って2.8Wとする。なお、ステップS106において設定する送電電力は、「最大受電電力」を超えない電力に設定するものとする。
ステップS107で、制御部101は、送電部111を制御して受電装置200に無線送電する。ステップS107において無線送電するとき、整合回路112を送電部111からの無線送電に適した回路に設定するものとする。なお、以降の説明において、送電部111を制御して無線送電するとき、整合回路112を送電部111からの無線送電に適した回路に設定するものとして、その説明を省略する。
ステップS108で、制御部101は、無線送電を停止する。
ステップS109で、制御部101は、通信部121の近接無線通信を用いて受電装置200と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS110で、制御部101は、ステップS109において受信した装置情報の「電池電圧」と「電池満充電電圧」、又は「電池残量レベル」に従って受電装置200の電池203が満充電状態であるか否かを判断する。
ステップS110において制御部101が電池203は満充電状態でないと判断した場合、処理はステップS105に戻る。一方、ステップS110において制御部101が電池203は満充電状態であると判断した場合、本処理を終了する。
次に、図4を参照して、受電装置200側の処理を説明する。図7(A)、(B)は、図4のフローチャートに対応する受電装置200の受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数の切り替えシーケンスを示す。
ステップS201で、制御部201は、送電装置100から送電された予備電力を受電アンテナ213及び通信アンテナ223で受電する。受電アンテナ213で発生する電流は整流平滑回路211で整流平滑され、定電圧回路286から制御部201に電圧が供給される。同様に、通信アンテナ223で発生する電流は、整流平滑回路285で整流平滑され、定電圧回路286から制御部201に電圧が供給される。
この場合に、電池203の電池残量が少ない場合、受電装置200の制御部201は、ステップS201において受電した予備電力によって動作を開始する。電池203の電池残量が少なくない場合、受電装置200の制御部201は、ステップS201において受電した予備電力によって動作を開始してもよいし、充電制御回路282から供給される電池203の電力によって動作を開始してもよい。
ステップS202で、制御部201は、通信部221の近接無線通信を用いて送電装置100からのポーリング信号を受信したか否かを判断する。
ステップS202において制御部201がポーリング信号を受信していないと判断した場合、処理はステップS201に戻る。一方、ステップS202において制御部201がポーリング信号を受信したと判断した場合、処理はステップS203に進む。
ステップS203で、制御部201は、送電装置100に接続要求を送信する。
ここで、ステップS201の予備電力受電及びステップS202のポーリング信号受信した受電装置200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧は電圧検出閾値VthA未満である。したがって、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧は電圧検出閾値VthB未満である。したがって、電圧検出回路226が検出信号を出力せず、切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
ステップS204で、制御部201は、送電装置100との接続処理を行い、通信部221の近接無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS205で、制御部201は、装置ステータス情報の「送受電要求電力」に従って充電制御回路282を制御し、電池203の充電条件を「送受電要求電力」に最適になるように設定を行う。送電装置100でのステップS106の処理と、受電装置200でのステップS205の処理とが終了すると、送電装置100と受電装置200とは無線送受電可能な状態になり、ステップS206で、受電装置200は送電装置100から無線受電する。
ここで、ステップS206の無線受電した受電装置200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満であるので検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上であるので検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。ステップS206における受電電力の周波数は13.56MHzであるので、受電アンテナ213が共振して電力を選択的に受電し、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。
ステップS206において受電装置200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。これにより、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。また、ステップS206において受電装置200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。そのため、通信アンテナ223で発生する電流が減少するが、電圧検出回路226は、通信アンテナ223で発生する電流でなく、受電アンテナ213で発生する電流によって動作を継続する。
ステップS207で、制御部201は、電池203が満充電状態であるか否かを判断する。
ステップS207において制御部201が電池203は満充電状態でないと判断した場合、処理はステップS208に進む。一方、ステップS207において制御部201が電池203は満充電状態であると判断した場合、処理はステップS209に進む。
ステップS208で、制御部201は、電池203が満充電状態でないことを通知するために、電池203の最新の状態を取得して、電池203の充電に要する電力に従って、装置ステータス情報の「送受電要求電力」を最新の情報に設定する。そして、制御部201は、通信部221の近接無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行い、その後、処理はステップS205に戻る。
ステップS209で、制御部201は、電池203が満充電状態であることを通知するために、装置ステータス情報の「電力受電可否」を否に設定する。そして、制御部201は、通信部221の近接無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行い、その後、本処理を終了する。なお、本処理の終了後、送電装置100から離間させた受電装置200を使用して、再び無線給電を実施する場合は、受電装置200を送電装置100に接近させて、本フローチャートを再び実行すればよい。
ステップS208及びS209で装置ステータス情報を送受信するときに、ステップS108において送電装置100は無線送電を停止している。
受電装置200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧は電圧検出閾値VthA未満であるので検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧は検出閾値VthB未満であるので検出信号を出力せず、切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
次に、図6(C)に示すように、送電装置100と他の受電装置600とが無線給電を実施している(図4のフローチャートを実施している)状態で、受電装置200を送電装置100に接近させたときの受電装置200の動作を説明する。図8は、このときの受電装置200の通信アンテナ223の共振周波数、及び受電アンテナ213の共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。
送電装置100と他の受電装置600とが無線給電を実施しているとき、送電装置100は他の受電装置600を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っているが、受電装置200を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っていない。すなわち、送電装置100にとって受電装置200は見えていない不明なデバイスとなる。
送電装置100は他の受電装置600が要求する「送受電要求電力」に従って受電装置600に無線送電する。
この状態で、受電装置200を送電装置100に接近させると、図8(C)に示すように、受電装置200において送電装置100からの受電電力が増加する。ただし、受電装置200と送電装置100とは無線通信を行っていないため、図8(D)に示すように、給電制御通信は発生しない。
受電装置200において送電装置100からの受電電力が少ない状態では、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が少なく、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が少なく、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB未満である場合、電圧検出回路226は検出信号を出力せず、切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、図8(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、図8(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
受電装置200において送電装置100からの受電電力が増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が増加したが、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が増加した結果、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上になると、電圧検出回路226は検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、図8(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図8(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
受電装置200において送電装置100からの受電電力がさらに増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力がさらに増加した結果、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA以上になると、電圧検出回路216は検出信号を出力し、切替回路214のスイッチはONになる。また、通信アンテナ223が受ける電力がさらに増加すると、通信アンテナ223の電圧は電圧検出閾値VthB以上であるので、電圧検出回路226は検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがONであるので、図8(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf1=2MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図8(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。そのため、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が失われ、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はOFFになる。電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFになると、受電アンテナ213又は通信アンテナ223が無線電力を受電する。これにより、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が回復して、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はONに復帰し、再び受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。この動作により、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211等の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。同様に、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
その後、送電装置100と受電装置200とを離間させると、図8(C)に示すように、受電装置200において送電装置100からの受電電力が減少する。そして、図8(A)、(B)に示すように、受電アンテナ213、通信アンテナ223の順で初期の共振周波数f0に戻る。
以上のように、受電装置200の近接無線通信用の通信アンテナ223とそれに接続される通信部221との間に直列にスイッチを配置する構成とはなっていない。これにより、近接無線通信のキャリア信号電力の損失を低減し、通信距離の低下を防止することができる。
また、受電装置200の受電アンテナ213とそれに接続される整流平滑回路211等の回路ブロックとの間に直列にスイッチを配置する構成とはなっていない。これにより、無線給電電力の損失を低減し、給電効率(送電電力と受電電力との比)の低下を防止することができる。
また、送電装置100と受電装置200との間で近接無線通信と無線給電とを行う場合に、受電装置200において、通信アンテナ223の共振周波数と受電アンテナ213の共振周波数が、各々のアンテナで発生した電圧に応じて切り替えられる。これにより、無線給電中に通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
また、送電装置100と受電装置200との間で近接無線通信は行われていないが、意図せず無線給電を行う場合にも、受電装置200において、通信アンテナ223の共振周波数と受電アンテナ213の共振周波数が、各々のアンテナで発生した電力に応じて切り替えられる。これにより、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。さらに受電電圧が増えたときには、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211等の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、送電装置と受電装置との間で近接無線通信と無線給電とを異なるキャリア周波数で行う。この場合に、受電装置において、近接無線通信用の通信アンテナの共振周波数と受電アンテナの共振周波数とを、各々のアンテナで発生した電圧に応じて切り替える。
第2の実施形態に係る送電装置100及び受電装置200の構成は、第1の実施形態と同様であり、以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1の実施形態では、受電装置200の通信部221が送電装置と給電制御通信を行い、通信部231は給電制御通信は行わない。それに対して、第2の実施形態では、受電装置200の通信部221は送電装置と給電制御通信を行わず、通信部231が給電制御通信を行う。
本実施形態において、受電装置200の受電アンテナ213は、切替回路214のスイッチがOFFの場合、HF帯である6.78MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
また、受電装置200の通信アンテナ223は、切替回路224のスイッチがOFFの場合、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
表2に、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号のON/OFFと、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数との関係を示す。なお、表2において、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数として括弧内に具体的数値を記載しているが、その数値は一例であって、これにより本発明の実施範囲が制限されるものではない。
受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数は、切替回路214及び切替回路224によって切り替えられるが、共振周波数と共にアンテナのQ値も変化する。なお、Q値の変化は、図3に示すスイッチの回路構成上一般的な現象であるので説明は省略する。
Figure 0006808369
受電アンテナ213及び通信アンテナ223に大きな無線電力が印加されていない初期状態では、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf2、通信アンテナ223の共振周波数をf0とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f2が本発明でいう第1の初期周波数に相当し、通信アンテナ223の共振周波数f0が本発明でいう第2の初期周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がOFFの状態において、受電アンテナ213は、無線給電のキャリア周波数に共振して電力を受電可能なように、無線給電のキャリア周波数付近の共振周波数f2に設定されている。また、電圧検出回路226の検出信号がOFFの状態において、通信アンテナ223は、近接無線通信のキャリア周波数に共振して通信可能なように、近接無線通信のキャリア周波数付近の共振周波数f0に設定されている。
初期状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、切替回路224のスイッチはOFFである。
無線給電状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223に無線電力が印加されて、通信アンテナ223で発生した電圧が電圧検出閾値VthB以上となり、電圧検出回路216の検出信号がOFF、電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf2、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、本実施形態では、通信アンテナ223の共振周波数f1が本発明でいう第2の周波数に相当する。
電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数f1に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数からの電力を受けにくく、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
無線給電状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、切替回路224のスイッチはONである。
保護状態では、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA以上となり、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf1、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f1が本発明でいう第1の周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がONの状態において、受電アンテナ213は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。また、電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
保護状態では、切替回路214及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはON、切替回路224のスイッチはONである。
以下、図5、図6及び図9も参照して、第2の実施形態における送電装置100と受電装置200との間で行われる無線給電の流れを説明する。
なお、送電装置100と受電装置200とが送受信する装置ステータス情報は、第1の実施形態で図5を参照して説明したとおりであり、ここではその説明を省略する。また、送電装置100と受電装置200との位置関係の例も、第1の実施形態で図6を参照して説明したとおりであり、ここではその説明を省略する。
図9は、第2の実施形態における送電装置100と受電装置200との無線給電の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートと同様の処理には同一の符号を付して説明する。
まず、図9に参照して、送電装置100側の処理を説明する。図10(C)、(D)は、HF帯送電電力及び給電制御通信の給電シーケンスを示す。無線給電はキャリア周波数f2=6.78MHzを中心として行われ、通信部231を用いた給電制御通信は2.45GHzを中心とする無線給電の周波数帯域外で通信が行われることになる。このように、本実施形態では、無線給電と給電制御通信とは異なる周波数帯域で行われる。したがって、無線給電と給電制御通信とを時間的に排他せず、無線給電と給電制御通信とが並行して行われる給電シーケンスとなる。
ステップS101で、制御部101は、送電部111を制御して予備電力を送電する。ステップS101で送電する予備電力の周波数は6.78MHzとし、送電電力は任意の値、例えば0.25Wとする。また、ステップS101で送電する予備電力は、例えば送電装置100の装置内部と外部の界面での13.56MHzにおける磁界強度が6.0A/m相当であってもよい。
ステップS102で、制御部101は、通信部131の近距離無線通信を用いてポーリング信号を送信する。ステップS102の近距離無線通信は、例としてBluetooth Low Energy(登録商標)のアドバタイズモードでパケットの送信を行うものとする。Bluetooth Low Energyのプロトコルについては一般的な方法であるため、その説明は省略する。ステップS102において通信部131の近距離無線通信を用いてポーリング信号を送信する場合に、近距離無線通信の送信電力を低く設定し、送電装置100の送電電力達範囲を大きく超える距離までポーリング信号が到達しないようにしてもよい。
ステップS103で、制御部101は、受電装置200からの接続要求応答があるか否かを判断する。
本実施形態では、送電装置100がポーリング信号を送信し、受電装置200が応答することで、送電装置100が受電装置200を発見して近接無線通信を行う。図6(A)に示すように、送電装置100と受電装置200とを離間させた状態では、送電装置100がポーリング信号を送信しても受電装置200が応答することができないため、送電装置100は受電装置200を発見することができない。また、図6(B)に示すように、送電装置100と受電装置200とを接近させた状態では、送電装置100がポーリング信号を送信し、受電装置200が応答することで、送電装置100は受電装置200を発見し、給電シーケンスに進むことが可能になる。
ステップS103において制御部101が受電装置200からの接続要求応答がないと判断した場合、処理はステップS101に戻る。一方、ステップS103において制御部101が受電装置200からの接続要求応答があると判断した場合、処理はステップS104に進む。
ステップS104で、制御部101は、制御部101は、受電装置200との接続処理を行い、通信部131の近距離無線通信を用いて受電装置200と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS105で、制御部101は、ステップS104において受信した装置ステータス情報の「電力受電可否」に従って受電装置200が無線受電可能な状態であるか否かを判断する。
ステップS105において制御部101が受電装置200は無線受電可能な状態でないと判断した場合、処理はステップS101に戻る。一方、ステップS105において制御部101が受電装置200は無線受電可能な状態であると判断した場合、処理はステップS106に進む。
ステップS106で、制御部101は、ステップS104において送受信した装置ステータス情報の「最大受電電力」、「送受電要求電力」に従って送電電力を設定する。ここで設定する送電電力は、受電装置200の「送受電要求電力」に従って2.8Wとする。なお、ステップS106において設定する送電電力は、「最大受電電力」を超えない電力に設定するものとする。
ステップS107で、制御部101は、送電部111を制御して受電装置200に無線送電する。ステップS107において無線送電するとき、整合回路112を送電部111からの無線送電に適した回路に設定するものとする。なお、以降の説明において、送電部111を制御して無線送電するとき、整合回路112を送電部111からの無線送電に適した回路に設定するものとして、その説明を省略する。
本実施形態では、無線給電と給電制御通信とが並行して行われる給電シーケンスとなるので、図4のステップS108は不要である。ステップS109で、制御部101は、通信部131の近距離無線通信を用いて受電装置200と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS110で、制御部101は、ステップS109において受信した装置ステータス情報の「電池電圧」と「電池満充電電圧」、又は「電池残量レベル」に従って受電装置200の電池203が満充電状態であるか否かを判断する。
ステップS110において制御部101が電池203は満充電状態でないと判断した場合、処理はステップS105に戻る。一方、ステップS110において制御部101が電池203は満充電状態であると判断した場合、本処理を終了する。
次に、図9を参照して、受電装置200側の処理を説明する。図10(A)、(B)は、図9のフローチャートに対応する受電装置200の受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数の切り替えシーケンスを示す。
ステップS201で、制御部201は、送電装置100から送電された予備電力を受電アンテナ213で受電する。受電アンテナ213で発生する電流は整流平滑回路211で整流平滑され、定電圧回路286から制御部201に電圧が供給される。
この場合に、電池203の電池残量が少ない場合、受電装置200の制御部201は、ステップS201において受電した予備電力によって動作を開始する。電池203の電池残量が少なくない場合、受電装置200の制御部201は、ステップS201において受電した予備電力によって動作を開始してもよいし、充電制御回路282から供給される電池203の電力によって動作を開始してもよい。
ステップS202で、制御部201は、通信部231の近距離無線通信を用いて送電装置100からのポーリング信号を受信したか否かを判断する。
ステップS202において制御部201がポーリング信号を受信していないと判断した場合、処理はステップS201に戻る。一方、ステップS202において制御部201がポーリング信号を受信したと判断した場合、処理はステップS203に進む。
ステップS203で、制御部201は、送電装置100に接続要求を送信する。ステップS203において通信部131の近距離無線通信を用いて接続要求を送信する場合に、近距離無線通信の送信電力を低く設定し、受電装置200の受電実用範囲を大きく超える距離まで接続要求が到達しないようにしてもよい。
ここで、ステップS201の予備電力受電及びステップS202のポーリング信号受信した受電装置200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧は電圧検出閾値VthA未満である。したがって、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB未満である。したがって、電圧検出回路226は検出信号を出力せず、切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf2=6.78MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
ステップS204で、制御部201は、送電装置100との接続処理を行い、通信部231の近距離無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行う。
ステップS205で、制御部201は、装置ステータス情報の「送受電要求電力」に従って充電制御回路282を制御し、電池203の充電条件を「送受電要求電力」に最適になるように設定を行う。送電装置100でのステップS106の処理と、受電装置200でのステップS205の処理とが終了すると、送電装置100と受電装置200とは無線送受電可能な状態になり、ステップS206で、受電装置200は送電装置100から無線受電する。
ここで、ステップS206の無線受電した受電装置200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満であるので検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上であるので検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf2=6.78MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。ステップS206における受電電力の周波数は6.78MHzであるので、受電アンテナ213が共振して電力を選択的に受電し、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。
ステップS206において受電装置200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。これにより、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。また、ステップS206において受電装置200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。そのため、通信アンテナ223で発生する電流が減少するが、電圧検出回路226は、通信アンテナ223で発生する電流でなく、受電アンテナ213で発生する電流によって動作を継続する。
ステップS207で、制御部201は、電池203が満充電状態であるか否かを判断する。
ステップS207において制御部201が電池203は満充電状態でないと判断した場合、処理はステップS208に進む。一方、ステップS207において制御部201が電池203は満充電状態であると判断した場合、処理はステップS209に進む。
ステップS208で、制御部201は、電池203が満充電状態でないことを通知するために、電池203の最新の状態を取得して、電池203の充電に要する電力に従って、装置ステータス情報の「送受電要求電力」を最新の情報に設定する。そして、制御部201は、通信部231の近距離無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行い、その後、処理はステップS205に戻る。
ステップS209で、制御部201は、電池203が満充電状態であることを通知するために、装置ステータス情報の「電力受電可否」を否に設定する。そして、制御部201は、通信部231の近距離無線通信を用いて送電装置100と装置ステータス情報の送受信を行い、その後、本処理を終了する。なお、本処理の終了後、送電装置100から離間させた受電装置200を使用して、再び無線給電を実施する場合は、受電装置200を送電装置100に接近させて、本フローチャートを再び実行すればよい。
次に、図6(C)に示すように、送電装置100と他の受電装置600とが無線給電を実施している(図4又は図9のフローチャートを実施している)状態で、受電装置200を送電装置100に接近させたときの受電装置200の動作を説明する。図11は、このときの受電装置200の通信アンテナ223の共振周波数、及び受電アンテナ213の共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。
送電装置100と他の受電装置600と1が無線給電を実施しているとき、送電装置100は他の受電装置600を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っているが、受電装置200を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っていない。すなわち、送電装置100にとって受電装置200は見えていない不明なデバイスとなる。
送電装置100は他の受電装置600が要求する「送受電要求電力」に従って受電装置600に無線送電する。
この状態で、受電装置200を送電装置100に接近させると、図11(C)に示すように、受電装置200において送電装置100からの受電電力が増加する。ただし、受電装置200と送電装置100とは無線通信を行っていないため、図11(D)に示すように、給電制御通信は発生しない。
受電装置200において送電装置100からの受電電力が少ない状態では、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が少なく、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が少なく、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB未満である場合、電圧検出回路226は検出信号を出力せず、切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、図11(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf2=6.78MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、図11(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
受電装置200において送電装置100からの受電電力が増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が増加したが、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が増加した結果、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上になると、電圧検出回路226は検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがOFFであるので、図11(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf2=6.78MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図11(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
受電装置200において送電装置100からの受電電力がさらに増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力がさらに増加した結果、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA以上になると、電圧検出回路216は検出信号を出力し、切替回路214のスイッチはONになる。また、通信アンテナ223が受ける電力がさらに増加すると、通信アンテナ223の電圧は電圧検出閾値VthB以上であるので、電圧検出回路226は検出信号を出力し、切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがONであるので、図11(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf1=2MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図11(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。そのため、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が失われ、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はOFFになる。電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFになると、受電アンテナ213又は通信アンテナ223が無線電力を受電する。これにより、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が回復して、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はONに復帰し、再び受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。この動作により、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211等の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。同様に、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
その後、送電装置100と受電装置200とを離間させると、図11(C)に示すように、受電装置200において送電装置100からの受電電力が減少する。そして、図11(A)、(B)に示すように、受電アンテナ213、通信アンテナ223の順で初期の共振周波数f2、f0に戻る。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、送電装置と受電装置との間で近接無線通信と無線給電とを同じキャリア周波数で行う。この場合に、受電装置において、近接無線通信用の通信アンテナの共振周波数と受電アンテナの共振周波数とを、各々のアンテナで発生した電圧に応じて切り替えることに加えて、受電アンテナの共振周波数を、近接無線通信用の通信アンテナで発生した電圧に応じて切り替える。本実施形態では、以下に詳述するように、受電アンテナの共振周波数が三段階に切り替えられることになる。
第3の実施形態に係る送電装置100の構成は、第1の実施形態と同様である。
図12は、第3の実施形態に係る受電装置1200の構成例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態に係る受電装置200と同様の構成には同一の符号を付し、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1の実施形態に係る受電装置200では、図1に示すように、切替回路214は電圧検出回路216の検出信号に従って制御され、切替回路224は電圧検出回路226の検出信号に従って制御され、各々独立に制御が行われる構成である。
それに対して、第3の実施形態に係る受電装置1200では、図12に示すように、切替回路214に加えて、第2の切替回路215が受電アンテナ213と並列に接続される。そして、第2の切替回路215は電圧検出回路226の検出信号に従って制御される。すなわち、切替回路214は電圧検出回路216の検出信号に従って制御され、第2の切替回路215及び切替回路224は電圧検出回路226の検出信号に従って制御される。なお、第2の切替回路215の回路構成も、切替回路214及び切替回路224と同様、図3で例示した回路構成となる。
本実施形態において、受電装置1200の受電アンテナ213は、切替回路214のスイッチ及び第2の切替回路215がOFFの場合、HF帯である20MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
また、受電装置1200の通信アンテナ223は、切替回路224のスイッチがOFFの場合、HF帯である13.56MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして設定されているものとする。
表3に、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号のON/OFFと、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数との関係を示す。なお、表3において、受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数として括弧内に具体的数値を記載しているが、その数値は一例であって、これにより本発明の実施範囲が制限されるものではない。
受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数は、切替回路214、第2の切替回路215及び切替回路224によって切り替えられるが、共振周波数と共にアンテナのQ値も変化する。なお、Q値の変化は、図3に示すスイッチの回路構成上一般的な現象であるので説明は省略する。
Figure 0006808369
受電アンテナ213及び通信アンテナ223に大きな無線電力が印加されていない初期状態では、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf3、通信アンテナ223の共振周波数をf0とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f3が本発明でいう第1の初期周波数に相当し、通信アンテナ223の共振周波数f0が本発明でいう第2の初期周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がOFFの状態において、受電アンテナ213は、近接無線通信のキャリア周波数に共振しないように、より高い共振周波数に設定されている。なお、受電アンテナ213は、近接無線通信のキャリア周波数に共振しないように、より低い共振周波数に設定されてもよい。また、電圧検出回路226の検出信号がOFFの状態において、通信アンテナ223は、近接無線通信のキャリア周波数に共振して通信可能なように、近接無線通信のキャリア周波数付近の共振周波数f0に設定されている。
初期状態では、切替回路214、第2の切替回路215及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、第2の切替回路215のスイッチはOFF、切替回路224のスイッチはOFFである。
無線給電状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223に無線電力が印加されて、通信アンテナ223で発生した電圧が電圧検出閾値VthB以上となり、電圧検出回路216の検出信号がOFF、電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf0、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、通信アンテナ223の共振周波数f1が本発明でいう第2の周波数に相当する。
電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数f1に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
無線給電状態では、切替回路214、第2の切替回路215及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはOFF、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはONである。
保護状態では、受電アンテナ213で発生した電圧が電圧検出閾値VthA以上となり、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がONとなる。このとき、受電アンテナ213の共振周波数をf1、通信アンテナ223の共振周波数をf1とする。なお、本実施形態では、受電アンテナ213の共振周波数f1が本発明でいう第1の周波数に相当する。
電圧検出回路216の検出信号がONの状態において、受電アンテナ213は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。また、電圧検出回路226の検出信号がONの状態において、通信アンテナ223は、無線給電のキャリア周波数よりも低い共振周波数に設定されている。これにより、無線給電のキャリア周波数に共振せず、かつ無線給電のキャリア周波数の高調波に同調しないようにすることができる。
保護状態では、切替回路214、第2の切替回路215及び切替回路224が図3(A)の内部回路である場合、切替回路214のスイッチはON、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはONである。
以下、図4〜図6も参照して、第3の実施形態における送電装置100と受電装置1200との間で行われる無線給電の流れを説明する。
第3の実施形態における送電装置100と受電装置1200との無線給電の手順を示すフローチャートは図4と同様であり、以下では図4を参照し、その相違点を中心に説明する。
なお、送電装置100と受電装置1200とが送受信する装置ステータス情報は、第1の実施形態で図5を参照して説明したとおりであり、ここではその説明を省略する。また、送電装置100と受電装置1200との位置関係の例も、第1の実施形態で図6を参照して説明したとおりであり(図6において受電装置200を受電装置1200に置き換えるものとする)、ここではその説明を省略する。
送電装置100側の処理は、第1の実施形態と同様であり、ここではその説明を省略する。図13(C)、(D)は、HF帯送電電力及び給電制御通信の給電シーケンスを示す。無線給電はキャリア周波数f0=13.56MHzを中心として行われ、通信部221を用いた給電制御通信は13.56MHzを中心とする無線給電の周波数帯域内で通信が行われることになる。このように、本実施形態では、無線給電と給電制御通信とが同じ周波数帯域で行われる。したがって、無線給電と給電制御通信とを時間的に排他し、無線給電と給電制御通信とが時分割で行われる給電シーケンスとなる。
次に、図4を参照して、受電装置1200側の処理を説明する。図13(A)、(B)は、図4のフローチャートに対応する受電装置1200の受電アンテナ213の共振周波数、及び通信アンテナ223の共振周波数の切り替えシーケンスを示す。
ステップS201の予備電力受電及びステップS202のポーリング信号受信した受電装置1200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧は電圧検出閾値VthA未満である。したがって、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧は電圧検出閾値VthB未満である。したがって、電圧検出回路226は検出信号を出力せず、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214及び第2の切替回路215のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf3=20MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
ステップS201の予備電力及びステップS202のポーリング信号の周波数は13.56MHzであるので、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電せず、通信アンテナ223は共振して電力を選択的に受電する。
ステップS202において受電装置1200がポーリング信号を受信している間、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電しないため、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211による近接無線通信のキャリア信号電力の損失が低減できる。その結果、通信アンテナ223に接続される通信部221に近接無線通信のキャリア信号電力の供給を最大化することができ、通信部221の近接無線通信の通信距離の低下を防いで近接無線通信を行うことができる。
ステップS206の無線受電した受電装置1200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満であるので検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上であるので検出信号を出力し、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはONである。このように切替回路214のスイッチがOFF、第2の切替回路215のスイッチがONであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。ステップS206における受電電力の周波数は13.56MHzであるので、受電アンテナ213が共振して電力を選択的に受電し、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。
ステップS206において受電装置1200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。これにより、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。また、ステップS206において受電装置1200が無線受電している間、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しない。そのため、通信アンテナ223で発生する電流が減少するが、電圧検出回路226は、通信アンテナ223で発生する電流でなく、受電アンテナ213で発生する電流によって動作を継続する。
ステップS208及びS209の装置ステータス情報の送受信するときに、ステップS108で送電装置100は無線送電を停止している。
受電装置1200において、電圧検出回路216で検出する受電アンテナ213の電圧は電圧検出閾値VthA未満であるので検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、電圧検出回路226で検出する通信アンテナ223の電圧は検出閾値VthB未満であるので検出信号を出力せず、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214及び第2の切替回路215のスイッチがOFFであるので、受電アンテナ213の共振周波数はf3=20MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
既述したように、ステップS201の予備電力及びステップS202のポーリング信号の周波数は13.56MHzであるので、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電せず、通信アンテナ223は共振して電力を選択的に受電する。
次に、図6(C)に示すように、送電装置100と他の受電装置600とが無線給電を実施している(図4のフローチャートを実施している)状態で、受電装置1200を送電装置100に接近させたときの受電装置1200の動作を説明する。図14は、このときの受電装置1200の通信アンテナ223の共振周波数、及び受電アンテナ213の共振周波数の切り替え、HF帯受電電力及び給電制御通信のシーケンスを示す図である。
送電装置100と他の受電装置600とが無線給電を実施しているとき、送電装置100は他の受電装置600を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っているが、受電装置1200を無線給電の相手装置として検出、無線通信を行っていない。すなわち、送電装置100にとって受電装置1200は見えていない不明なデバイスとなる。
送電装置100は他の受電装置600が要求する「送受電要求電力」に従って受電装置600に無線送電する。
この状態で、受電装置1200を送電装置100に接近させると、図14(C)に示すように、受電装置1200において送電装置100からの受電電力が増加する。ただし、受電装置1200と送電装置100とは無線通信を行っていないため、図14(D)に示すように、給電制御通信は発生しない。
受電装置1200において送電装置100からの受電電力が少ない状態では、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が少なく、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が少なく、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB未満である場合、電圧検出回路226は検出信号を出力せず、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはOFFである。このように切替回路214及び第2の切替回路215のスイッチがOFFであるので、図14(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf3=20MHzである。また、切替回路224のスイッチがOFFであるので、図14(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf0=13.56MHzである。
受電装置1200において送電装置100からの受電電力が増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力が増加したが、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA未満である場合、電圧検出回路216は検出信号を出力せず、切替回路214のスイッチはOFFである。また、通信アンテナ223が受ける電力が増加した結果、通信アンテナ223の電圧が電圧検出閾値VthB以上になると、電圧検出回路226は検出信号を出力し、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチがOFF、第2の切替回路215のスイッチがONであるので、図14(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf0=13.56MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図14(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
受電装置1200において送電装置100からの受電電力がさらに増加していくと、次のようになる。受電アンテナ213が受ける電力がさらに増加し、受電アンテナ213の電圧が電圧検出閾値VthA以上になると、電圧検出回路216は検出信号を出力し、切替回路214のスイッチはONになる。また、通信アンテナ223が受ける電力がさらに増加すると、通信アンテナ223の電圧は電圧検出閾値VthB以上であるので、電圧検出回路226は検出信号を出力し、第2の切替回路215及び切替回路224のスイッチはONになる。このように切替回路214のスイッチ及び第2の切替回路215のスイッチがONであるので、図14(A)に示すように、受電アンテナ213の共振周波数はf1=2MHzである。また、切替回路224のスイッチがONであるので、図14(B)に示すように、通信アンテナ223の共振周波数はf1=2MHzである。
この状態では、受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。そのため、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が失われ、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はOFFになる。電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号がOFFになると、受電アンテナ213又は通信アンテナ223が無線電力を受電する。これにより、電圧検出回路216及び電圧検出回路226の電源が回復して、電圧検出回路216の検出信号及び電圧検出回路226の検出信号はONに復帰し、再び受電アンテナ213及び通信アンテナ223が共に共振せず電力を選択的に受電しなくなる。この動作により、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211等の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。同様に、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
その後、送電装置100と受電装置1200とを離間させると、図14(C)に示すように、受電装置1200において送電装置100からの受電電力が減少する。そして、図14(A)、(B)に示すように、受電アンテナ213がまず共振周波数f0に戻り、次に受電アンテナ213及び通信アンテナ223が初期の共振周波数f3、f0に戻る。
以上のように、受電装置1200の近接無線通信用の通信アンテナ223とそれに接続される通信部221との間に直列にスイッチを備えない。これにより、近接無線通信のキャリア信号電力の損失を低減し、通信距離の低下を防止することができる。
また、受電装置1200の受電アンテナ213とそれに接続される整流平滑回路211とそれに接続される回路ブロックとの間に直列にスイッチを備えない。これにより、無線給電電力の損失を低減し、給電効率の低下を防止することができる。
また、送電装置100と受電装置1200との間で無線通信と無線給電とを行う場合に、受電装置1200において、通信アンテナ223の共振周波数と受電アンテナ213の共振周波数が、通信アンテナ223で発生した電圧に応じて切り替えられる。これにより、近接無線通信中に、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等へ近接無線通信のキャリア信号電力の供給を最大化することができる。その結果、通信部221の近接無線通信の通信距離の低下を防いで、近接無線通信を行うことができる。また、無線給電中に通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
また、送電装置100と受電装置1200との間で近接無線通信は行われていないが、意図せず無線給電を行う場合にも、受電装置1200において、通信アンテナ223の共振周波数と受電アンテナ213の共振周波数が、各々のアンテナで発生した電力に応じて切り替えられる。これにより、通信アンテナ223は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、通信アンテナ223に接続される通信部221等の通信用の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。さらに受電電圧が増えたときには、受電アンテナ213は共振せず電力を選択的に受電しなくなるので、受電アンテナ213に接続される整流平滑回路211等の回路が過大な電力を受けることなく、発熱等の影響から保護することができる。
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
第1の実施形態及び第3の実施形態では、無線送受電するための制御を行う無線通信として、近接無線通信規格であるJISX6319−4を用いる例としたが、これに限られるものではない。例えば近接無線通信規格であるISO/IEC21481やISO/IEC14443、ISO/IEC15693のプロトコルを用いる無線通信を行う場合にも本発明を適用可能である。上記通信規格に対応する場合、送電装置100の通信部121が非接触ICカードリーダーライター機能、受電装置200(1200)の通信部221が非接触ICの機能を有することになる。
第2の実施形態では、無線送受電するための制御を行う無線通信として、近距離無線通信規格であるBluetooth Low Energy(登録商標)を用いる例としたが、これに限られるものではない。例えばWLAN規格であるIEEE802.11及び近距離無線規格であるIEEE802.15.1に従う無線通信を行う場合にも本発明を適用可能である。上記通信規格に対応する場合、送電装置100の通信部131及び受電装置200の通信部231が当該通信規格の通信機能を有することになる。
要は、本発明は送電装置と受電装置との間で無線通信を行い、無線給電を行う構成であれば、無線送受電するための制御を行う無線通信手段は何であっても構わない。
また、第1〜第3の実施形態では、無線送受電するための制御を行う無線通信の接続について、送電装置100からポーリング信号を送信し、ポーリング信号を受信した受電装置200(1200)が接続要求を送信する構成を説明した。ただし、これに限られるものではない。例えば受電装置200(1200)からポーリング信号を送信し、ポーリング信号を受信した送電装置100が接続要求を送信する構成であっても本発明は適用可能である。
また、第1〜第3の実施形態では、送電装置100の送電アンテナ113及び受電装置200(1200)の受電アンテナ213は、HF帯である13.56MHz又は6.78MHz付近に共振周波数を有するアンテナとして用いる例を説明した。ただし、これに限られるものではない。例えば送電装置100と受電装置200(1200)とで無線送受電可能な送電アンテナ113及び受電アンテナ213であれば、共振周波数は何であっても構わない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:送電装置、200、1200:受電装置、201:制御部、213:受電アンテナ、214:切替回路、216:電圧検出回路、223:通信アンテナ、224:切替回路、226:電圧検出回路、233:通信アンテナ

Claims (13)

  1. 送電装置との間で無線給電を行う受電装置であって、
    受電アンテナを用いて前記送電装置から無線受電する受電手段と、
    通信アンテナを用いて外部装置と無線通信を行う通信手段と、
    記通信アンテナで発生した電圧が所定値を超えたことに応じて、前記通信アンテナの共振周波数を前記送電装置との間で行う無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替え切替手段とを備えたことを特徴とする受電装置。
  2. 前記切替手段として、前記受電アンテナで発生した電圧第1の閾値を超えたことに応じて、前記受電アンテナの共振周波数を前記無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替える第1の切替手段と、前記通信アンテナで発生した電圧が前記所定値である第2の閾値を超えたことに応じて、前記通信アンテナの共振周波数を前記無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替える第2の切替手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
  3. 前記第1の切替手段は、前記受電アンテナで発生した電圧が前記第1の閾値未満のときに前記受電アンテナの共振周波数を第1の初期周波数とし、前記受電アンテナで発生した電圧が前記第1の閾値以上となるときに前記受電アンテナの共振周波数を前記無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数である第1の周波数とし、
    前記第2の切替手段は、前記通信アンテナで発生した電圧が前記第2の閾値未満のときに前記通信アンテナの共振周波数を第2の初期周波数とし、前記通信アンテナで発生した電圧が前記第2の閾値以上となるときに前記通信アンテナの共振周波数を前記無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数である第2の周波数とする請求項2に記載の受電装置。
  4. 前記第1の初期周波数と前記第2の初期周波数とが同じ周波数であることを特徴とする請求項3に記載の受電装置。
  5. 前記第1の初期周波数と前記第2の初期周波数とが異なる周波数であることを特徴とする請求項3に記載の受電装置。
  6. 前記第1の周波数を、前記第1の初期周波数よりも低い周波数とすることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の受電装置。
  7. 前記第2の周波数を、前記第2の初期周波数よりも低い周波数とすることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の受電装置。
  8. 前記第2の閾値を前記第1の閾値よりも小さい値に設定する請求項2乃至のいずれか1項に記載の受電装置。
  9. 前記通信アンテナで発生した電圧に対して設定された前記第2の閾値を境として、前記受電アンテナの共振周波数を切り替える第3の切替手段を備え、
    前記受電アンテナの共振周波数が三段階に切り替えられることを特徴とする請求項2乃至のいずれか1項に記載の受電装置。
  10. 前記通信手段が、前記通信アンテナを用いて、前記送電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の受電装置。
  11. 前記通信手段とは別の通信手段が、前記通信アンテナとは別の通信アンテナを用いて、前記送電装置との間で無線給電を行う際の給電制御通信を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の受電装置。
  12. 送電装置との間で無線給電を行う受電装置であり、受電アンテナを用いて前記送電装置から無線受電する受電手段と、通信アンテナを用いて外部装置と無線通信を行う通信手段とを備えた受電装置の制御方法であって、
    記通信アンテナで発生した電圧が所定値を超えたことに応じて、前記通信アンテナの共振周波数を前記送電装置との間で行う無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替えステップを有することを特徴とする受電装置の制御方法。
  13. 送電装置との間で無線給電を行う受電装置であり、受電アンテナを用いて前記送電装置から無線受電する受電手段と、通信アンテナを用いて外部装置と無線通信を行う通信手段とを備えた受電装置を制御するためのプログラムであって、
    記通信アンテナで発生した電圧が所定値を超えたことに応じて、前記通信アンテナの共振周波数を前記送電装置との間で行う無線給電のキャリア周波数と異なる周波数帯の周波数に切り替え処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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