JP6799049B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は弾球遊技機、回胴遊技機などの遊技機に係り、特には遊技機に搭載される各種の電子回路基板についての技術分野に関する。
弾球遊技機(いわゆるパチンコ遊技機)や回胴遊技機(いわゆるスロット遊技機)などの遊技機では、演出や遊技動作の制御のためのIC(Integrated Circuit)やその周辺回路を含む多様な電子部品が電子回路基板(以下「基板」と略称する場合もある)に装着され、そのような基板が遊技機に取り付けられている。
特開2015−2990号公報
パチンコ遊技機やスロット遊技機等の遊技機では、電子回路基板を筐体や筐体に固定された他の部材に取り付ける際に様々な方法が採られ得る。例えば、特許文献1には、螺子によって基板が係止される例が記載されている。他にも、螺子を使わずに二つの部材で挟み込むことによって係止する方法などがある。
係止方法は様々あるが、基板を係止する際の条件によっては、不適切な係止方法を採用してしまうと、不具合を招来してしまう虞がある。
そこで、本発明では、複数種類の係止方法を適切に使い分けることにより不具合の発生を防止する遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、電子回路基板が基板ケースに収納された状態である基板ユニットが複数取り付けられている遊技機であって、前記複数の基板ユニットは、主制御基板ユニットと、前記主制御基板ユニットとは異なる他の基板ユニットとを含み、前記他の基板ユニットは、前記主基板ユニット以上の重量である第1基板ユニットを少なくとも含み、前記第1基板ユニット及び前記主制御基板ユニットは前後方向に重ねられずに配置され、前記第1基板ユニットは、固定手段として第1固定手段が用いられ、前記主制御基板ユニットは、前記固定手段として前記第1固定手段とは異なる第2固定手段が用いられ、前記第1固定手段は螺子止めであって、前記第2固定手段はラッチ止め又はフック止めであって、固定解除が前記第1固定手段よりも容易である。
これにより、基板ユニットの重さに応じて適切な固定手段が用いられやすい。
また、上記した遊技機においては、前記第1固定手段は、固定解除に道具が必要とされ、前記第2固定手段は、固定解除に道具が不要とされていてもよい。
これにより、道具の要/不要によって基板ユニットごとに取り外しの容易さを異なるものにすることができるため、基板ユニットの取り付け位置に応じた適切な固定手段を選択することが可能となる。
本発明によれば、遊技機に取り付けられる基板ユニットに対して適切な固定手段が用いられることにより、不具合発生の抑制や作業効率の向上が図られる。
本発明の実施の形態の弾球遊技機の斜視図である。 弾球遊技機の盤面の正面図である。 弾球遊技機の制御構成のブロック図である。 回胴遊技機の正面図である。 回胴遊技機の平面図及び右側面図である。 回胴遊技機が備える前面パネルの背面図である。 回胴遊技機が備える本体ケースの正面図である。 遊技機内部の制御構成のブロック図である。 電子回路基板及び基板ユニットを示す図である。 螺子止めを説明するための図である。 ラッチ止めを説明するための図である。 ラッチ止めを説明するための断面図である。 ラッチ止めを説明するための断面図である。 フック止めを説明するための図である。 挿み止めを説明するための図である。 複数の電子回路基板を備えた基板ユニットを示す図である。 所定位置の例を示す図である。 所定位置の別の例を示す図である。 所定位置の更に別の例を示す図である。 所定位置の他の例を示す図である。 基板上の各位置を説明するための図である。 基板上の固定部の位置を説明するための図である。 第2の実施の形態の基板の配置例を説明するための図である。 第2の実施の形態において基板が配置された状態を示す図である。 第2の実施の形態において基板が具体的に取り付けられる様子を示す図である。 第2の実施の形態において基板が具体的に取り付けられた様子を示す図である。 振動源と基板の位置関係の例を示す図である。 振動源と基板の位置関係の別の例を示す図である。 振動源と基板の位置関係の更に別の例を示す図である。 振動源と基板の位置関係の他の例を示す図である。 基板の例を示す図である。 遊技盤と基板の位置関係の例を示す図である。 基板の位置関係を示すための遊技機の背面図である。 基板の位置関係の別の例を示すための斜視図である。
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態として弾球遊技機と回胴遊技機を例に挙げ、それらの遊技機に取り付けられる電子回路基板について詳述する。説明は次の順序で行う。
<1.弾球遊技機の構造>
<2.回胴遊技機の構成>
<3.基板の取り付け方法の類型>
[3−1.螺子止め]
[3−2.ラッチ止め]
[3−3.フック止め]
[3−4.挿み止め]
<4.各実施の形態>
[4−1.第1の実施の形態]
[4−2.第2の実施の形態]
[4−3.第3の実施の形態]
[4−4.第4の実施の形態]
[4−5.第5の実施の形態]
[4−6.第6の実施の形態]
<5.変形例>
<1.弾球遊技機の構造>

まず図1〜図3を参照して、実施の形態としての弾球遊技機100の構成を説明する。
図1は実施の形態の弾球遊技機100の外観を示す正面側の斜視図であり、図2は遊技盤の正面図である。
図1,図2に示す弾球遊技機100は、主に「枠部」と「遊技盤部」から成る。
「枠部」は以下説明する前枠102,外枠104、ガラス扉105、操作パネル107を有して構成される。「遊技盤部」は図2の遊技盤103から成る。以下の記載では、「枠部」「枠側」とは前枠102,外枠104、ガラス扉105、操作パネル107の総称とする。また「盤部」「盤側」とは遊技盤103を示す。
図1に示すように弾球遊技機100は、木製の外枠104の前面に額縁状の前枠102が開閉可能に取り付けられている。図示していないが、この前枠102の裏面には遊技盤収納フレームが形成されており、その遊技盤収納フレーム内に図2に示す遊技盤103が装着される。これにより遊技盤103の表面に形成した遊技領域103aが前枠102の開口部102aから図1の弾球遊技機100の前面側に臨む状態となる。
なお遊技領域103aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉105が設けられており、遊技領域103aは透明ガラスを介して前面の遊技者側に表出される。
ガラス扉105は軸支機構106により前枠102に対して開閉可能に取り付けられている。そしてガラス扉105の所定位置に設けられた図示しない扉ロック解除用キーシリンダを操作することで、前枠102に対するガラス扉105のロック状態を解除し、ガラス扉105を前側に開放できる構造とされている。また扉ロック解除用キーシリンダの操作によっては、外枠104に対する前枠102のロック状態も解除可能な構成とされている。
またガラス扉105の前面側には、枠側の発光手段として装飾ランプ120wが各所に設けられている。装飾ランプ120wは、例えばLED(Light Emitting Diode)による発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
ガラス扉105の下側には操作パネル107が設けられている。この操作パネル107も、図示しない軸支機構により、前枠102に対して開閉可能とされている。
操作パネル107には、上受け皿ユニット108、下受け皿ユニット109、発射操作ハンドル110が設けられている。
上受け皿ユニット108には、弾球に供される遊技球を貯留する上受け皿108aが形成されている。下受け皿ユニット109には、上受け皿108aに貯留しきれない遊技球を貯留する下受け皿109aが形成されている。
また上受け皿ユニット108には、上受け皿108aに貯留された遊技球を下受け皿109a側に抜くための球抜きボタン116が設けられている。下受け皿ユニット109には、下受け皿109aに貯留された遊技球を弾球遊技機100の下方に抜くための球抜きレバー117が設けられている。
また上受け皿ユニット108には、図示しない遊技球貸出装置に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン114と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン115とが設けられている。
さらに上受け皿ユニット108には、演出ボタン111,112、十字キー113が設けられている。演出ボタン111,112は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタンとされる。また十字キー113は遊技者が演出状況に応じた操作や演出設定等のための操作を行う操作子である。
発射操作ハンドル110は操作パネル107の右端部側に設けられ、遊技者が弾球のために図3に示す発射装置156を作動させる操作子である。
また前枠102の上部の両側と、発射操作ハンドル110の近傍には、演出音を音響出力するスピーカ125が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤103の構成について説明する。遊技盤103は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤103には、発射された遊技球を案内する球誘導レール131が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール131に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域103aとなっている。
この遊技領域103aの略中央部には、液晶表示装置132(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。
液晶表示装置132では、後述する演出制御基板151の制御の下、背景画像上で、例えば左、中、右の3つの装飾図柄の変動表示が行われる。また通常演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出などの各種の演出画像の表示も行われる。
また遊技領域103a内には、液晶表示装置132の表示面の周囲を囲むように、センター飾り135Cが設けられている。
センター飾り135Cは、そのデザインにより装飾効果を発揮するだけでなく、周囲の遊技球から液晶表示装置132の表示面を保護する作用を持つ。さらにセンター飾り135Cは、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長による遊技球の流路の左右打ち分けを可能とする部材としても機能する。すなわち球誘導レール131を介して遊技領域103a上部に打ち出された遊技球の流下経路は、センター飾り135Cによって分割された左遊技領域103bと右遊技領域103cのいずれかを流下することとなる。いわゆる左打ちの場合、遊技球は左遊技領域103bを流下していき、右打ちの場合、遊技球は右遊技領域103cを流下していく。
また左遊技領域103bの下方には、左下飾り135Lが設けられ、装飾効果を発揮するとともに左遊技領域103bとしての範囲を規定する。
同様に右遊技領域103cの下方には右下飾り135Rが設けられ、装飾効果を発揮するとともに右遊技領域103cとしての範囲を規定する。
なお、遊技領域103a(左遊技領域103b及び右遊技領域103c)内には、所要各所に釘149や風車147が設けられて遊技球の多様な流下経路を形成する。
また液晶表示装置132の下方にはセンターステージ135Sが設けられており、装飾効果を発揮するとともに、遊技球の遊動領域として機能する。
なお図示していないが、センター飾り135Cには、適所に視覚的演出効果を奏する可動体役物が設けられている。
遊技領域103aの右上縁付近には、複数個のLEDを配置して形成されたドット表示器による図柄表示部133が設けられている。
この図柄表示部133では、所定のドット領域により、第1特別図柄表示部180、第2特別図柄表示部181、及び普通図柄表示部182が形成され、第1特別図柄、第2特別図柄、及び普通図柄のそれぞれの変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)が行われる。
なお、上述した液晶表示装置132は、図柄表示部133による第1、第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示する。
センター飾り135Cの下方には、上始動口141(第1の特別図柄始動口)を有する入賞装置が設けられ、さらにその下方には下始動口142a(第2の特別図柄始動口)を備える普通変動入賞装置142が設けられている。
上始動口141及び下始動口142aの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(図3に示す上始動口センサ171,下始動口センサ172)が形成されている。
上始動口141は、図柄表示部133における第1特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口で、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置となっている。
下始動口142aを有する普通変動入賞装置142は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。すなわち下始動口142aを開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)142bを備えた、いわゆる電動チューリップ型の入賞装置である。
この普通変動入賞装置142の下始動口142aは、図柄表示部133における第2特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口である。そして、この下始動口142aの入賞率は可動翼片142bの作動状態に応じて変動する。すなわち可動翼片142bが開いた状態では、入賞が容易となり、可動翼片142bが閉じた状態では、入賞が困難又は不可能となるように構成されている。
また普通変動入賞装置142の左右には、一般入賞口143が複数個設けられている。各一般入賞口142の内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(図3に示す一般入賞口センサ174)が形成されている。
また右遊技領域103cの下部側には、遊技球が通過可能なゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口144が設けられている。この普通図柄始動口144は、図柄表示部133における普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出するセンサ(図3に示すゲートセンサ173)が形成されている。
右遊技領域103c内の普通図柄始動口144から普通変動入賞装置142へかけての流下経路途中には第1特別変動入賞装置145(特別電動役物)が設けられている。
第1特別変動入賞装置145は、突没式の開放扉145bにより第1大入賞口145aを閉鎖/開放する構造とされている。また、その内部には第1大入賞口145aへの遊技球の通過を検出するセンサ(図3の第1大入賞口センサ175)が形成されている。
第1大入賞口145aの周囲は、右下飾り135Rが遊技盤103の表面から膨出した状態となっており、その膨出部分の上辺及び開放扉145bの上面が右流下経路103cの下流案内部を形成している。従って、開放扉145bが盤内部側に引き込まれることで、下流案内部に達した遊技球は容易に第1大入賞口145aに入る状態となる。
また普通変動入賞装置142の下方には、第2特別変動入賞装置146(特別電動役物)が設けられている。第2特別変動入賞装置146は、下部が軸支されて開閉可能な開放扉146bにより、その内側の第2大入賞口146aを閉鎖/開放する構造とされている。また、その内部には第2大入賞口146aへの遊技球の通過を検出するセンサ(図3の第2大入賞口センサ176)が形成されている。
開放扉146bが開かれることで第2大入賞口146aが開放される。この状態では、左遊技領域103b或いは右遊技領域103cを流下してきた遊技球は、高い確率で第2大入賞口146aに入ることとなる。
以上のように盤面の遊技領域103aには、入賞口として上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1大入賞口145a、第2大入賞口146a、一般入賞口143が形成されている。
本実施の形態の弾球遊技機100においては、これら入賞口のうち、普通図柄始動口144以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に設定された入賞球1個当りの賞球数が遊技球払出装置155(図3参照)から払い出される。
なお、これらの各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口148を介して遊技領域103aから排出される。
ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、ゲートを遊技球が通過したりすることをいう。実際には入賞口ごとに形成されたセンサ(各入賞検出スイッチ)により遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。
以上のような盤面において、センター飾り135C、左下飾り135L、右下飾り135R、センターステージ135S、第1特別変動入賞装置145、第2特別変動入賞装置146、さらには図示していない可動体役物には、詳細には図示していないが各所に、盤側の発光手段として装飾ランプ120bが設けられている。
装飾ランプ120bは、例えばLEDによる発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
次に弾球遊技機100の制御系の構成について説明する。図3は弾球遊技機100の内部構成の概略的なブロック図である。
本実施の形態の弾球遊技機100は、その制御構成を形成する基板として主に、主制御基板150、演出制御基板151、液晶制御基板152、払出制御基板153、発射制御基板154、電源基板158が設けられている。
主制御基板150は、マイクロコンピュータ等が搭載され、弾球遊技機100の遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。
演出制御基板151は、マイクロコンピュータ等が搭載され、主制御基板150から演出制御コマンドを受けて、画像表示、発光、音響出力を用いた各種の演出動作を実行させるための制御を行う。
液晶制御基板152はマイクロコンピュータやビデオプロセッサ等が搭載され、演出制御基板151からの表示制御コマンドを受けて、液晶表示装置132による表示動作の制御を行う。
払出制御基板153は、マイクロコンピュータ等が搭載され、主制御基板150から払出制御コマンドを受けて、遊技球払出装置155による賞球の払い出し制御を行う。
発射制御基板154は、弾球遊技機100に設けられている発射装置156による遊技球の発射動作の制御を行う。
電源基板158は、外部電源(例えばAC24V)からAC/DC変換、さらにはDC/DC変換を行い、各部に動作電源電圧Vccを供給する。なお電源経路の図示は省略している。
主制御基板150及びその周辺回路について述べる。
主制御基板150は、マイクロコンピュータを構成するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を搭載している。また主制御基板150は、各部とのインターフェース回路、乱数を生成する乱数回路、各種の時間計数のためのCTC(Counter Timer Circuit)、上記CPUに割込み信号を与える割込コントローラなども備えている。
この主制御基板150は、盤面の遊技領域103aの各入賞手段(上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1大入賞口145a、第2大入賞口146a、一般入賞口143)に設けられるセンサの検出信号を受信する構成となっている。
すなわち、上始動口センサ171、下始動口センサ172、ゲートセンサ173、第1大入賞口センサ175、第2大入賞口センサ176、一般入賞口センサ174のそれぞれの検出信号が主制御基板150に供給される。
なお、これらのセンサ(171〜176)は、入球した遊技球を検出する検出スイッチにより構成されるが、具体的にはフォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
主制御基板150は、これらのセンサ(171〜176)のそれぞれの検出信号の受信に応じて処理を行う。例えば抽選処理、図柄変動制御、賞球払出制御、演出制御コマンド送信制御、外部データ送信処理などを行う。
また主制御基板150には、普通変動入賞装置142の可動翼片142bを開閉駆動する普通電動役物ソレノイド177が接続され、主制御基板150は遊技進行状況に応じて制御信号を送信して普通電動役物ソレノイド177の駆動動作を実行させ、可動翼片142bの開閉動作を実行させる。
さらに、主制御基板150には、第1特別変動入賞装置145の開放扉145bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド178と、第2特別変動入賞装置146の開放扉146bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド179が接続されている。主制御基板150は、いわゆる大当たり状況に応じて、第1大入賞口ソレノイド178又は第2大入賞口ソレノイド179を駆動制御して、第1特別変動入賞装置145又は第2特別変動入賞装置146の開放動作を実行させる。
また主制御基板150には、図柄表示部133が接続されており、図柄表示部133に制御信号を送信して、各種図柄表示(LEDの消灯/点灯/点滅)を実行させる。これにより図柄表示部133における第1特別図柄表示部180、第2特別図柄表示部181、普通図柄表示部182での表示動作が実行される。
また主制御基板150には、枠用外部端子基板157が接続される。主制御基板150は、遊技進行に関する情報を、枠用外部端子基板157を介して図示しないホールコンピュータに送信可能となっている。遊技進行に関する情報とは、例えば大当り当選情報、賞球数情報、図柄変動表示実行回数情報などの情報である。ホールコンピュータとは、パチンコホールの弾球遊技機100を統括的に管理する管理コンピュータであり、弾球遊技機100の外部に設置されている。
また主制御基板150には、払出制御基板153が接続されている。払出制御基板153は、図示しないCPUを内蔵したマイクロプロセッサ、ROM、RAMを搭載し、マイクロコンピュータを構成している。
この払出制御基板153には、発射装置156を制御する発射制御基板154と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置155が接続されている。
主制御基板150は、払出制御基板153に対し、払い出しに関する制御コマンドを送信する。払出制御基板153は当該制御コマンドに応じて遊技球払出装置155を制御し、遊技球の払い出しを実行させる。
また払出制御基板153は、主制御基板150に対して、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御基板150側では、この払出状態信号によって、遊技球払出装置155が正常に機能しているか否かを監視する。具体的には、賞球の払い出し動作の際に、玉詰まりや賞球の払い出し不足といった不具合が発生したか否かを監視している。
また主制御基板150は、特別図柄変動表示に関する情報を含む演出制御コマンドを、演出制御基板151に送信する。なお、主制御基板150から演出制御基板151への演出制御コマンドの送信は一方向通信により実行されるようにしている。これは、外部からの不正行為による不正な信号が演出制御基板151を介して主制御基板150に入力されることを防止するためである。
続いて演出制御基板151及びその周辺回路について説明する。
演出制御基板151は、マイクロコンピュータを構成するCPU、ROM、RAMを搭載している。また演出制御基板151は、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、上記CPUに割込み信号を与える割込コントローラ回路なども備えている。
この演出制御基板151は、演出制御プログラム及び主制御基板150から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、この弾球遊技機100の場合、液晶表示装置132、装飾ランプ120w、120b、スピーカ125及び図示を省略した可動体役物となる。
演出制御基板151の主な役割は、主制御基板150からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置132側への演出制御コマンドの送信、スピーカ125による出力音制御、装飾ランプ120w,120b(LED)の発光制御、可動体役物の動作制御などとなる。
演出制御基板151は、液晶表示装置132側への演出制御コマンドの送信を行うが、その演出制御コマンドは、液晶インターフェース基板166を介して液晶制御基板152に送られる。
液晶制御基板152は、液晶表示装置132の表示制御を行う。この液晶制御基板152には、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行うVDP(Video Display Processor)、画像展開処理を行う画像データが格納された画像ROM、展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)、液晶制御用のCPU、液晶制御用のROM、液晶制御用のRAM等を備えている。
液晶制御基板152は、これらの構成により、演出制御基板151からの演出制御コマンドに基づいて各種の画像データを生成し、液晶表示装置132に出力する。これによって液晶表示装置132において各種の演出画像が表示される。
また演出制御基板151は、光演出や音演出の制御を行う。このため演出制御基板151には枠ドライバ部161、盤ドライバ部162及び音源IC(Integrated Circuit)159が接続されている。
枠ドライバ部161は、枠側の装飾ランプ部163のLEDについて発光駆動を行う。なお、装飾ランプ部163とは、図1に示したように枠側に設けられている装飾ランプ120wを総括的に示したものである。
盤ドライバ部162は、盤側の装飾ランプ部164のLEDについて発光駆動を行う。なお、装飾ランプ部164とは、図2に示したように盤側に設けられている装飾ランプ120bを総括的に示したものである。
また盤ドライバ部162は、可動体役物モータ部165のモータの駆動も行う。可動体役物モータ165は、盤側に形成されている1又は複数の可動体役物を駆動する1又は複数の各モータを総括的に示している。
なおこの例では盤ドライバ部162は、盤側に形成されている可動体役物を駆動する可動体役物モータ部165のモータの駆動も行うものとしているが、装飾ランプ部164の各LEDを発光駆動するドライバ部と、可動体役物モータ部165のモータを駆動するドライバ部が別体として設けられても良い。
可動体役物モータ部165としては、例えば複数の役物に対応して複数のモータ(例えばステッピングモータ)が設けられる。
各モータには原点位置が規定されている。原点位置は、例えば役物が図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。
モータが原点位置にあるか否かを演出制御基板151側で確認できるようにするため、各モータには原点スイッチ168が設けられている。例えばフォトインタラプタが用いられる。この原点スイッチ168の情報が演出制御基板151のCPUによって検知される。
また演出制御基板151は、スピーカ125により所望の音を出力させるべく、音源IC159に対する制御を行う。音源IC159には音データROM169が接続されており、音源IC159は音データROM169から必要な音データ(再生するフレーズの音データ)を取得して音声信号出力を行う。
音源IC159は、複数チャネルのフレーズをミキシングして所定本数(チャネル数)の音声信号を得る。図1に示したように、本例の場合、スピーカ125は複数設けられるため、音源IC159の出力チャネル数は例えばLch,Rchの2チャネルなど(ステレオ出力)が可能となる。上記のミキシングにより、演出制御基板151より再生指示された複数チャネルのフレーズを同時再生可能とされる。
音源IC159による出力音声信号はアンプ部167で増幅された後、スピーカ125に対して与えられる。
なお、図3では図示の都合上、音源IC159の出力チャネル数を1つとしているが、実際にはアンプ部167及びスピーカ125は例えばLch、Rchに対応した出力チャネルがそれぞれ設けられ、ステレオによる音再生が可能とされる。
また、上記では音源IC159を演出制御基板151とは別体に設けるものとしたが、音源IC159は演出制御基板151上に設けることもできる。
また演出制御基板151には、遊技者が操作可能な操作部160が接続され、操作部160からの操作検出信号を受信可能となっている。この操作部160は、図1で説明した演出ボタン111,112、十字キー113と、それらの操作検出機構のことである。
演出制御基板151は、操作部160からの操作検出信号に応じて、各種演出制御を行うことができる。
演出制御基板151は、主制御基板150から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に演出パターンを決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置132による演出画像の表示、スピーカ125からの音再生、装飾ランプ部163、164(装飾ランプ120w、120b)におけるLEDの点灯点滅駆動、可動体役物モータ部165のモータによる可動体役物の動作が実現され、時系列的に種々の演出パターンが展開されていく。
<2.回胴遊技機の構成>

続いて図4〜図8により実施の形態の回胴遊技機200の構成を説明する。
図4は回胴遊技機200の正面図、図5Aは平面図、図5Bは右側面図、図6は前面パネル202の背面図、図7は本体ケース201の正面図である。
本実施の形態の回胴遊技機200は、図5からわかるように、矩形箱状の本体ケース201と、各種の遊技部材を装着した前面パネル202とが、図示しないヒンジ機構を介して連結され、前面パネル202が本体ケース201に対して開閉可能に構成されている。
図7に示すように、本体ケース201の略中央には、3つの回転リール(回胴)204a,204b,204cを備える図柄回転ユニット203が配置されている。また、その下側に、メダル払出装置205が配置されている。
各回転リール204a,204b,204cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。以降の記載では、回転リール204a,204b,204cの何れかを指す場合や全てを指す場合に回転リール204と記載する場合もある。
メダル払出装置205は、メダルを貯留するメダルタンク205aを有する。また払出ケース205b内に、図8で後述する払出モータ275、払出接続基板273、ホッパー基板274、メダル払出センサ276等が収納されている。
メダルタンク205aに貯留されたメダルは、払出モータ275の回転に基づいて、払出口205cから図面手前方向に向けて導出される。なお限界量を越えて貯留されたメダルは超過メダル導出部205dを通して補助タンク206に落下するよう構成されている。
メダル払出装置205に隣接して電源基板241が配置される。また、図柄回転ユニット203の上方に主制御基板240が配置され、主制御基板240に隣接して回胴設定基板271が配置されている。
また図柄回転ユニット203の内部には、図8に示す回胴LED中継基板256と回胴中継基板253とが設けられ、図柄回転ユニット203に隣接して外部集中端子板270が配置されている。
さらに、本体ケース201においては、図柄回転ユニット203の側方に前面パネル202の開放(ドアの開放)を検知するためのドア開放センサ235が設けられている。
図4に示すように、前面パネル202の上部にはLCDユニット207が配置されている。このLCDユニット207には、遊技動作を盛り上げるためなどに各種のキャラクタが表示される。
またLCDユニット207の下部には、回転リール204a,204b,204cを表出させる表示窓208が形成されている。この表示窓208を通しては、各回転リール204a,204b,204cの回転方向に、各々3個程度の図柄が見えるようにされている。そして、例えば合計9個の図柄の水平方向の二本(又は三本)と、対角線方向の二本が仮想的な停止ラインとなる。
なお、図柄回胴ユニット203の内部には、回転リール204a,204b,204cが停止した状態において視認される9個の図柄それぞれを内側から照射可能な位置に回胴用LEDが配置されている(不図示)。それぞれの回胴用LEDはそれぞれの回転リールの回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯される。
表示窓208の下方には、遊技状態を示すLED群209や、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部210や、貯留数表示部211が設けられている。
LED群209は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLEDや再遊技状態を示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊技に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。
払出表示部210は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。
貯留数表示部211は、クレジット状態で貯留されているメダル数が表示されている。
表示窓208の上方、左、右には、LED演出部215a,215b,215cが設けられている。LED演出部215a,215b,215cは、所定の絵柄、意匠が施され、内側に配置されたLEDによって光による演出が実行されるように構成されている。LED演出部215a,215b,215cで実行される演出は、例えば、BBやRBに当選したことを示す演出や、AT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等である。
なお、個々の説明は省略するが、前面パネル202には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
前面パネル202の中央右側には、メダルを投入するメダル投入口212が設けられ、これに近接して、メダル投入口212に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン213が設けられている。
返却ボタン213の右側には、専用のキーを差し込むための鍵穴が設けられている。前面パネル202が本体ケース201に対して閉じた状態において、鍵穴に差し込まれたキーを右へ回すことにより前面パネル202が解錠され(以下「解錠動作」と表記)、前面パネル202の本体ケース201に対する開閉が可能となる。また、鍵穴に差し込まれたキーを左へ回すことにより、打ち止めやエラーによる遊技の中止状態が解除される(以下「中止解除動作」と記載)。
また、前面パネル202の中央左側には、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン214と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン216とが設けられている。
また、前面パネル202には、回転リール204a,204b,204cの回転を開始させるためのスタートレバー217と、回転中の回転リール204a,204b,204cを停止させるための停止ボタン218a,218b,218cが設けられている。
遊技者がスタートレバー217を操作すると、通常は、3つの回転リール204a,204b,204cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するリール演出のために、回転リール204a,204b,204cの全部又は一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する場合もある。
前面パネル202の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿219と、払出装置205の払出口205cに連通するメダル導出口220とが設けられている。
また前面パネル202の上方左右、及び下方左右にはスピーカ230a,230b,230c,230dが配置されている。
図6に示すように前面パネル202の裏側は、図4で示したメダル投入口212に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置221と、メダル選別装置221により不適正と判別されたメダルをメダル導出口220に案内する返却通路222とが設けられている。
また、前面パネル202の裏側上部には、基板ケース223が配置されている。この基板ケース223には、図8で述べる演出制御基板242、演出インターフェース基板243、液晶制御基板244、液晶インターフェース基板245などが収容されている。
またメダル選別装置221の側方には、各種の遊技部材と主制御基板240との間の信号を中継する遊技中継基板260(図8で後述する)が設けられている。
図8は、回胴遊技機200の内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態の回胴遊技機200は、その制御構成が主制御基板240を中心に構成されている。
主制御基板240は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、回胴遊技機200の遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主制御基板240が回転リール204a,204b,204cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。
主制御基板240は、電源基板241、演出インターフェース基板243、回胴中継基板253、遊技中継基板260、外部集中端子板270、回胴設定基板271、払出接続基板273との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
電源基板241は、AC24Vを受けて、これを整流・平滑して直流電圧を得る。そして電源基板241はコンバータ回路を備えて各部に必要な電源電圧を生成する。図では主制御基板240を介して各部に与えられる主制御電源電圧V1、及び演出インターフェース基板243を介して各部に与えられる演出制御電源電圧V2を示している。
また電源基板241には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板240にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。
演出制御基板242は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、回胴遊技機200の演出動作に関する制御を行う。
演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介して主制御基板240からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板240は、演出制御基板242に対して、スピーカ230a〜230dによる音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット207による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板242はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。
また演出制御基板242では、主制御基板240から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)を受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
なお、演出制御基板242においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール204の停止順序を遊技者に報知している。
また演出制御基板242は、主制御基板240からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板240で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。
これらのような演出制御動作のため、演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を通して各部と必要な通信を行う。
演出制御基板242は、演出インターフェース基板243、及び液晶インターフェース基板245を介して液晶制御基板244に接続されている。
液晶制御基板244は、LCDユニット207における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板244には、VDP、画像ROM、VRAM、液晶制御用のCPU、液晶制御用のROM、液晶制御用のRAM等が搭載される。
このような液晶制御基板244は、演出制御基板242からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板245を介してLCDユニット207に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
また、演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介してスピーカ中継基板247を制御し、スピーカ230a〜230dを用いた音演出を実行させる。
また演出制御基板242は、演出インターフェース基板243を介して、LED基板248や回胴LED中継基板256を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現する。
LED基板248には、例えば図4に示したLED演出部215a,215b,215cとしてのLEDが配置されている。
回胴LED中継基板256は、第1回胴LED基板250a、第2回胴LED基板250b、第3回胴LED基板250cについて演出制御基板242からのLED駆動信号を中継する。
第1回胴LED基板250aには、回転リール204aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板250bには、回転リール204bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板250cには、回転リール204cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
主制御基板240は、遊技中継基板260を介して、回胴遊技機200の各種遊技部材に接続されている。
遊技表示基板261は、遊技状態を示すLED群209や、7セグメントLEDを有した払出表示部210や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部211を搭載している。主制御基板240は、遊技表示基板261に対して、遊技中継基板260を介して制御コマンドを送信し、遊技状態に応じた表示を実行させるように制御している。
始動スイッチ基板262には、スタートレバー217による始動スイッチが搭載されている。
停止スイッチ基板263には停止ボタン218a、218b、218cによる停止スイッチが搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板264には、マックス投入ボタン216の投入スイッチが搭載されている。
精算スイッチ基板265にはクレジット清算ボタン214の清算スイッチが搭載されている。
主制御基板240は、これらの基板(261〜265)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板260を介して受信する。
ドアセンサ266は、前面パネル202の鍵穴に対して設けられたセンサである。ドアセンサ266によって遊技の中止解除動作を認識可能とされている。
メダル通過センサ267及びレバー検出センサ268は、メダル選別装置221に設けられている。メダル通過センサ267は、例えばフォトインタラプタで構成され、選別された正規のメダルの通過を検出するセンサである。レバー検知センサ268は、例えばフォトマイクロセンサで構成され、メダル投入口212から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。つまり、メダル投入口212から投入されたメダルは、レバー検知センサ268を通過した後に正規のメダルだけが選別された後、メダル通過センサ267によりその通過が検出される。
主制御基板240は、これらのセンサ(266,267,268)の検出信号を、遊技中継基板260を介して受信する。さらに主制御基板240は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
ブロッカーソレノイド269は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板240は、遊技中継基板260を介してブロッカーソレノイドを制御する。
また主制御基板240は、回胴中継基板253を経由して、回転リール204a,204b,204cを回転させる3つのステッピングモータ(第1回胴ステッピングモータ254a、第2回胴ステッピングモータ254b、第3回胴ステッピングモータ254c)と接続されている。
さらに主制御基板240は、回胴中継基板253を経由して、回転リール204a,204b,204cの原点位置を検出するための3つのインデックスセンサ(第1回胴インデックスセンサ255a、第2回胴インデックスセンサ255b、第3回胴インデックスセンサ255c)に接続されている。
主制御基板240は、ステッピングモータ254a,254b,254cを駆動又は停止させることによって、回転リール204a,204b,204cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板240は、インデックスセンサ255a,255b,255cの検出信号に基づき、回転リール204a,204b,204cの原点位置を検知できる。
また主制御基板240は、払出接続基板273を介してメダル払出のための装置部にも接続されている。メダル払出のための装置部として、メダル払出制御を行うホッパー基板274と、払出モータ275と、メダル払出センサ276が設けられている。
ホッパー基板274は、主制御基板240からの制御コマンドに基づいて払出モータ275を回転させて、所定量のメダルを払出しする。
メダル払出センサ276は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ276による検出信号は、払出メダル枚数が不足したり払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
また主制御基板240は外部集中端子板270に接続されている。外部集中端子板270は例えばホールコンピュータに接続されており、主制御基板240は外部集中端子板270を通してメダルの投入枚数やメダルの払出枚数などをホールコンピュータに出力している。
また主制御基板240は、回胴設定基板271にも接続されている。回胴設定基板271は、係員が設定キースイッチ272を用いて設定した設定値を示す信号などを出力している。設定値とは、当該回胴遊技機200で実行される抽選処理の当選確率などを、例えば設定1から設定6まで6段階で規定するもので、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定される。
<3.基板の取り付け方法の類型>

図1〜図3で説明した弾球遊技機100では、主制御基板150、演出制御基板151、液晶制御基板152、払出制御基板153、発射制御基板154、枠用外部端子基板157、電源基板158、液晶インターフェース基板166などとしての電子回路基板が取り付けられている。もちろん、枠ドライバ部161,盤ドライバ部162、音源IC159、アンプ部167、音データROM169を搭載した基板や、図3では省略した中継基板などもあるし、各種センサ(171〜176)としてのセンシングデバイスとその周辺回路を装着した基板、液晶パネルやLEDを装着した基板などもある。
また図4〜図8で説明した回胴遊技機200では、主制御基板240、電源基板241、演出制御基板242、演出インターフェース基板243、液晶制御基板244、液晶インターフェース基板245、スピーカ中継基板247、LED基板248、第1〜第3回胴LED基板250a〜250c、回胴中継基板253、回胴LED中継基板256、遊技中継基板260、外部集中端子板270、回胴設定基板271、払出接続基板273、ホッパー基板274等が取り付けられている。さらにLEDユニット207を構成する基板や、遊技表示基板261、各種スイッチやセンサのための基板(262〜265)等も取り付けられている。
上記の各種基板は、弾球遊技機100や回胴遊技機200に取り付けられる際に基板が剥き出しで取り付けられる物もあれば、基板ケース3に収納された基板ユニット4の状態で取り付けられるものもある。
以下に、遊技機1に対する各種基板の取り付け方法の類型について説明する。
なお、以下の説明においては、弾球遊技機100と回胴遊技機200を区別せずに示すときは遊技機1と記載する。同様に、それぞれの遊技機に取り付けられる各種電子回路基板を区別せずに示すときは電子回路基板2と記載する。
また、電子回路基板2と基板ユニット4を区別せずに記載するときは基板Kと記載する。 そして、弾球遊技機100の主制御基板150と回胴遊技機200の主制御基板240を区別せずに主制御基板を示すときは、主制御基板K1と記載する。また、同様に演出制御基板については演出制御基板K2と記載する。但し、主制御基板K1や演出制御基板K2は、基板が剥き出しの状態であってもよいし、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態であってもよい。
遊技機1に取り付けられる電子回路基板2について各例を図9A,9Bに示す。
電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる際には、図9Aのように、部品面2a(電子部品が実装される面)と半田面2b(部品面2aの反対の面)が剥き出しの状態で取り付けられるものもあれば、図9Bに示すように基板ケース3に収納された基板ユニット4の状態で取り付けられるものもある。
電子回路基板2の部品面2aには、各種の電子部品が取り付けられている。電子部品には、種別として、実装後にメンテナンス等の事由により人が触れる必要性が生じにくい第1種電子部品5aと、遊技機1の調整やメンテナンス等の事由により人が操作する可能性のある第2種電子部品5bと、電子回路基板2を遊技機1に取り付ける際に人が触れる第3種電子部品5cや、遊技者や点検者に対する何らかの表示等を行うための第4種電子部品5dがある。
第1種電子部品5aは、例えば、コンデンサや抵抗やICチップ等の電子部品である。
第2種電子部品5bは、例えば、ボリューム等に用いられる可変抵抗や調整用の半固定抵抗或いはボタン部品等である。
第3種電子部品5cは、例えば、コネクタ端子等である。
第4種電子部品5dは、例えば、7セグメントLEDなどの各種LED等である。
電子回路基板2には、他にも螺子300が挿通される螺子挿通孔6が形成されている。なお、電子回路基板2には螺子挿通孔6が必ず形成されているわけではなく、遊技機1への取り付け方法によっては螺子挿通孔6が形成されていなくてもよい。
電子回路基板2が基板ケース3に収納された基板ユニット4の状態においては、図9Bに示すように、第2種電子部品5bの一部はケース外から操作可能なように基板ケース3外に露出された状態とされている。また、第3種電子部品5cの一部に関しても、ケース収納状態でコネクタの挿抜が可能なように基板ケース3外に表出された状態とされている。
また、基板ケース3の長辺側の一端部には、遊技機1側に設けられた軸受け部と係合することにより基板ケース3の回動支点となる一対の凸部とされた軸部7が設けられ、網一方の長辺側の一端部には基板ケース3の回動を規制するための被規制板8が設けられている。
基板ケース3は、軸部7及び被規制板8によって、遊技機1に固定される。
なお、軸部7や被規制板8の代わりに基板ケース3に螺子孔等が設けられることによって、遊技機1への取り付け及び固定が可能とされていてもよい。
[3−1.螺子止め]
螺子300によって電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる例を図10に示す。
遊技機1に設けられた取付凹部9には、螺子300が挿入される四つの螺孔10が形成されている。
図示するように、螺子300が電子回路基板2に形成された螺子挿通孔6及び遊技機1に形成された螺孔10に挿入されることにより、電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる。
図10では、電子回路基板2が螺子300によって遊技機1に取り付けられる例を示したが、基板ケース3を備えた基板ユニット4が螺子300によって遊技機1に取り付けられてもよい。
螺子300によって取り付けられることにより、電子回路基板2や基板ユニット4がしっかりと遊技機1に固定される。従って、例えば輸送時に遊技機1の揺れなどが発生した場合に、電子回路基板2や基板ユニット4が他の部材等と擦れて摩耗してしまうことを防止できる。更には、遊技機1から脱落してしまうことを防止することができる。また、電子回路基板2や基板ケース3のガタつきによる破損等を防止すると共に、振動音の発生を抑制することができる。
更に、螺子300によって遊技機1に取り付けられた電子回路基板2や基板ユニット4を取り外す場合には、ドライバなどの道具を用いる必要があるため、遊技機1から容易に取り外されてしまうことを防ぐことができる。即ち、電子回路基板2を交換することによって可能な不正行為が行われ難くすることができる。
特に、螺子300の頭部に形成された溝形状を星形などの特殊形状にすることにより、電子回路基板2の交換が更にされ難くすることができる。
[3−2.ラッチ止め]
ラッチ止めによって基板ユニット4が遊技機1に取り付けられる例を図11A,図11Bに示す。
遊技機1には、電子回路基板2や基板ユニット4を取り付けるための取付面11が設けられている。
取付面11には、電子回路基板2や基板ユニット4を取り付けるための取付部材が設けられており、図11A,図11Bに示す例では、その一例として軸受部12とスライダユニット13が設けられている。
スライダユニット13は、遊技機1に固定された土台部14と、土台部14から円柱形状に突出された規制凸部15と、土台部14に対してスライドする部分とされた可動部16を有している。
可動部16は、可動部16の移動を規制するために規制凸部15が差し込まれる孔とされた規制孔16aと、電子回路基板2や基板ユニット4を抑えるためのフランジ部16bと、フランジ部16bに設けられた摘み16cとを有している。
スライダユニット13の可動部16のフランジ部16bが土台部14に重なるように位置した状態(非規制状態)が図11Aに示す状態である。
また、11Aの状態から可動部16をスライドさせてフランジ部16bが土台部14から飛び出すようにした状態(規制状態)が図11Bに示す状態である。
基板ユニット4を遊技機1の取付面11に取り付ける様子を模式的な断面図で示す。
図12A及び図12Bは同じ状態を異なる方向から示す断面図である。図12Aに示すように、先ず、基板ケース3の軸部7を取付面11に設けられた軸受け部12にはめ込む。このとき、図12Bに示すように、基板ケース3の被規制板に対する規制は行われておらず、被規制板8は、軸部7を回動支点として取付面11の略垂直方向に回動することが可能である。
次に、被規制板8の回動を規制した状態を示したものが図13A,図13Bである。図13Bに示すように、被規制板8に接触するようにスライダユニット13のフランジ部16bが移動されることにより、軸部7を回動支点とした被規制板8の回動が不可とされている。
基板ユニット4は、取付面11の垂直方向の移動が取付面11及び軸受部12及びフランジ部16bによって規制される。
また、取付面11に平行な移動に関しては、基板ユニット4の長手方向の移動が軸部7と軸受部12によって規制され、基板ユニット4の短手方向の移動も軸部7と軸受け部12によって規制される。
このようにして、基板ユニット4は遊技機1の取付面11に取り付けられて固定される。
図11乃至図13で説明したように、軸受部12とスライダユニット13を用いたラッチ止めによる基板ユニット4の固定は、ドライバ等の道具を用いずに作業することができる。また、固定解除の際にもドライバ等の道具を必要としない。
これは、取付作業の効率化を図ることができ、コスト削減に寄与する。
また、基板ケース3内の電子回路基板2が故障したときなどに、基板ユニット4の交換作業を必要とする場合があるが、このような交換作業の際にもドライバ等の道具を必要としないため、作業効率の向上を図ることができる。
作業時に道具を必要としないことで、道具の誤操作に基づく遊技機1の傷付きや破壊等を防止することもできる。
なお、図11乃至図13の各図では、基板ユニット4がラッチ止めによって遊技機1に取り付けられる例を示したが、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2がラッチ止めによって遊技機1に取り付けられても同様の効果を得ることができる。
また、ラッチ止めの具体的な構造は他にも各種考え得る。例えば、軸部7の代わりに被規制板8がもう一つ設けられ、軸受部12の代わりに取付面11に設けられたもう一つのスライダユニット13によって固定されてもよい。他にも、スライダユニット13の代わりに回動ユニットが設けられ、フランジ部16bを回動ユニットで回動させることにより被規制板8の動きを規制するように構成してもよい。
[3−3.フック止め]
フック止めによって電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる例を図14A,図14Bに示す。
遊技機1には、電子回路基板2を取り付けるための取付凹部9が設けられている。取付凹部9の外周部には、複数のフック17が設けられている。
フック17は、図14Bに示すように、柱部17aと柱部17aの一端から側方に突出された係合部17bを有している。係合部17bには電子回路基板2の取り付けを容易にするためのテーパ面17cが設けられている。
電子回路基板2が遊技機1の取付凹部9に取り付けられる際には、フック17の柱部17aが弾性変形することにより、係合部17bが取付凹部9の外側へ移動されて、電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる。即ち、電子回路基板2を取付凹部9へ押し込むことで取り付けられる。即ち、容易に電子回路基板2の取り付けを行うことができる。また、電子回路基板2の半田面2bが取付面9と略平行とされて取り付けが完了した際には、柱部17aが弾性復帰することにより、係合部17bと電子回路基板2の部品面2aが係合する。
係合部17bと電子回路基板2の部品面2aが係合した状態においては、図14Bに示すように、電子回路基板2が取付凹部9に固定され、遊技機1からの脱落が防止される。
図示するように、電子回路基板2は、取付凹部9における底面の面内方向への移動が取付凹部9の壁部によって規制される。
また、電子回路基板2は、取付凹部9における底面の垂直方向の移動が取付凹部9の底面及びフック17の係合部17bによって規制される。
このようにして、電子回路基板2は遊技機1の取付凹部9に取り付けられて固定される。
なお、電子回路基板2の取付箇所が取付凹部9のように凹部でなくてもよい。その場合には、他の部材によって電子回路基板2を囲むことによって、取付凹部9における底面の面内方向の移動が規制されてもよい。
図14A,図14Bで説明したように、フック17を用いたフック止めによる電子回路基板2の固定は、ドライバ等の道具を用いずに作業することができる。また、固定解除の際にもドライバ等の道具を必要としない。
これは、取付作業の効率化を図ることができ、コスト削減に寄与する。
また、電子回路基板2が故障したときなどに、電子回路基板2の交換作業を必要とする場合があるが、このような交換作業の際にもドライバ等の道具を必要としないため、作業効率の向上を図ることができる。
作業時に道具を必要としないことで、道具の誤操作に基づく遊技機1や電子回路基板2の傷付きや破壊等を防止することもできる。
なお、図14A,図14Bでは、電子回路基板2がフック止めによって遊技機1に取り付けられる例を示したが、基板ケース3に収納された状態の電子回路基板2、即ち基板ユニット4がフック止めによって遊技機1に取り付けられても同様の効果を得ることができる。
[3−4.挿み止め]
挿み止めによって電子回路基板2が遊技機1に取り付けられる例を図15A及び図15Bに示す。
遊技機1には、電子回路基板2を配置するための配置部18が設けられている。前述した取付凹部9なども配置部18として機能し得る。
配置部18は、遊技機1の一部に設けられていてもよいし、遊技機1に取り付けられる部品に設けられていてもよい。
図15Aは、遊技機1に取り付けられる部品aに設けられた配置部18に電子回路基板2が配置された状態を示している。この状態での電子回路基板2は、部品aに固定されていないため、配置部18から容易に脱落する状態とされる。
部品aに対して部品bが螺子300等によって取り付けた状態を図15Bに示す。
図15Bに示す状態においては、部品aに対して部品bが固定されると共に、部品a及び部品bに挿まれることによって電子回路基板2が部品a,bに対して固定される。
挿み止めによれば、部品bを部品aに取り付けるための部材(例えば螺子等)によって、同時に間に挿まれる電子回路基板2の取り付け及び固定を行うことができる。これは、部品bを部品aに取り付けるための螺子300を電子回路基板2の固定にも兼用することとなる。即ち、電子回路基板2を部品a(または部品b)に取り付けるための専用の部材が不要となる。従って、部品点数の削減が可能となり、コスト削減や組み付け工数の削減を図ることが可能となる。
また、電子回路基板2の故障等により電子回路基板2を交換する必要が出てきた場合には、部品aに対する部品bの固定を解除するだけで、即ち部品bを部品aから取り外すだけで、電子回路基板2の部品a(または部品b)に対する固定が解除されて取り外すことが可能となる。従って、電子回路基板2を取り外す際においても、工数削減を図ることが可能となる。
なお、電子回路基板2や配置部18の形状によっては、螺子300を完全の抜去せずに緩めるだけで電子回路基板2を遊技機1から取り外すことが可能となる。
これにより、電子回路基板2を交換する場合の作業効率の向上を見込むことができる。
なお、図15A及び図15Bでは、電子回路基板2が挿み止めによって遊技機1に取り付けられる例を示したが、基板ケース3に収納された状態の電子回路基板2、即ち基板ユニット4が挿み止めによって遊技機1に取り付けられても同様の効果を得ることができる。
<4.各実施の形態>

一つの遊技機1に対して複数種類の電子回路基板2や基板ユニット4(基板K)が取り付けられる。このとき、それぞれの基板Kの条件に応じて、上述した各種の取り付け方法(固定方法)から適切に選択することが望ましい。
遊技機1に取り付けられる基板Kは、作業工数の削減等の事由により、道具を用いずに付け外しができることが望ましい。上記した例では、螺子止めは道具を用いずに付け外しできない例であり、ラッチ止めやフック止めは道具を用いずに付け外しができる例である。
即ち、螺子止めは極力用いずにラッチ止めやフック止めを多用できれば、組み立て工数の削減を図ることが可能となる。
しかし、基板Kの種類や取り付け場所等の条件により、は必ずしも道具を用いずに付け外しが可能なラッチ止めやフック止めを採用することが望ましいとは限らない。
[4−1.第1の実施の形態]
本実施の形態では、遊技機1の輸送時や稼働時における振動による基板Kへの影響を考慮して取り付け方法を選択する。
遊技機1は、輸送時や稼働時(遊技者が遊戯している状態)において、振動することがある。例えば、輸送時であれば、出荷時などに車両に積まれて移動している際に車両の揺れによって振動が起きるし、稼働時であれば遊技者によるボタンの押下などによって振動が起きる。
遊技機1が振動すると、固定が不十分である基板Kは、他の部材と擦れてしまい接触部分が摩耗してしまったり、緩みが出てしまったりする可能性がある。取り付け箇所の摩耗や緩みは、遊技機1からの基板Kの脱落や基板Kの破損等に繋がる虞もある。
また、摩耗によって基板Kや部品が粉を吹いてしまう虞がある。
他にも、振動音の発生により遊技者に不快感を与えてしまう虞もある。
具体的に、本実施の形態では、基板Kの取り付け位置の高さに応じて取り付け方法を選択する。
遊技機1における所定位置よりも上方に取り付けられる基板Kは、螺子止めによって遊技機1に固定される。そして、遊技機1における所定位置よりも下方に取り付けられる基板Kは、ラッチ止めやフック止めによって遊技機1に固定される。
なお、以降の各実施の形態の説明においては、特に説明しない限り、遊技機1の稼働状態において、即ち弾球遊技機100のガラス扉105が正面を向いた状態または回胴遊技機200の表示窓208が正面を向いた状態において、上下方向を記載する。そして、稼働状態と同じように弾球遊技機100のガラス扉105または回胴遊技機200の表示窓208が正面を向いた状態を「立たせた状態」と記載し、弾球遊技機100のガラス扉105または回胴遊技機200の表示窓208が上を向いた状態を「寝かせた状態」と記載する。
本実施の形態では、基板Kの取り付け位置の高さに応じて取り付け方法を選択するが、このとき、遊技機1に取り付けられる全ての基板Kに対して取り付け方法の選択を行ってもよいし、一部の基板Kに対してのみ取り付け方法の選択を行ってもよい。以下に対象とする基板Kの選択例を挙げる。
(A−1)遊技機1に取り付けられる全ての基板K
(A−2)主制御基板K1及び演出制御基板K2
(A−3)一定以上の重さとされた基板K
(A−4)部品面2aの面積が一定以上とされた基板K
選択例(A−1)では、遊技機1に取り付けられる全ての基板Kに対して取り付け方法の選択を行うため、固定が不十分とされる基板Kを減らすことができると共に、適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
また、選択例(A−2)では、遊技機1に取り付けられる様々な基板Kのうち、主制御基板K1と演出制御基板K2のみを対象として取り付け方法の選択を行う。
例えば、各基板Kの中で主要な役割を担う主制御基板K1及び演出制御基板K2については、何れの方法によって固定するかを判定すると共に、他の基板Kについては、判定を行うことなく一律ラッチ止め若しくはフック止めによって固定してしまうことが考えられる。これにより、他の基板Kについての取り付けのための作業工数を削減することが可能である。
選択例(A−3)では、一定の重さ以上である基板Kについては、条件に基づいて何れの取り付け方法を適用するか判定する。逆に、一定の重さ未満とされた基板Kについては、判定を行うことなく一律ラッチ止めやフック止めを採用してもよい。或いは、一律螺子止めを採用してもよい。
選択例(A−3)における一定の重さは、例えば、遊技機1に取り付けられる全ての基板Kの平均重量としてもよいし、最大重量と最小重量の中央値としてもよい。また、全ての基板Kの重量の中央値としてもよいし、遊技機1の重心位置の高さを加味して算出してもよいし、遊技機1の重量から算出してもよい。
一例として、遊技機1の重心位置の高さを加味して一定の重さを決定する例について述べる。
遊技機1は、遊技機1の重心位置の高さに応じて上方の揺れ方が異なる。具体的には、遊技機1の重心位置が高いほど遊技機1の上方の揺れは大きくなりやすく、遊技機1の重心位置が低いほど遊技機1の上方の揺れは小さくなりやすい。従って、遊技機1の重心位置に応じて(A−3)の一定の重さを決定する場合には、重心位置が高い遊技機1における一定の重さは重心位置が低い遊技機1における一定の重さよりも小さな値とすることが望ましい。これにより、重心位置が高い遊技機1では、取り付け方法の選択対象となる基板Kが多くなる。即ち、適切な取り付け方法が選択される基板Kを多くすることができる。従って、基板Kの摩耗や破損を効果的に抑制しつつ、ラッチ止め等が適宜設けられることによる作業工数の削減を図ることができる。
また、もう一例として、遊技機1の重量を加味して一定の重さを決定する例について述べる。
遊技機1は、その重量が重いほど上方の揺れが小さくなり、重量が軽いほど上方の揺れが大きく、揺れる回数も多くなる可能性が高い。従って、遊技機1の重量に応じて(A−3)の一定の重さを決定する場合には、重量の軽い遊技機1における一定の重さは重量の重い遊技機1における一定の重さよりも小さな値とすることが望ましい。これにより、重量の軽い遊技機1では、取り付け方法の選択対象となる基板Kが多くなり、適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
選択例(A−4)では、一定の面積以上である基板Kについては、条件に基づいて何れの取り付け方法を適用するか判定を行う。そして、一定の面積未満の基板Kについては、条件に基づいた判定を行うことなく、一律同じ取り付け方法を選択してもよい。
選択例(A−4)における一定の面積は、例えば、遊技機1に取り付けられている基板Kの部品面2aの平均面積としてもよいし、最大面積と最小面積の中央値としてもよいし、全ての基板Kの部品面2aの面積の中央値としてもよい。
また、図16のように、複数の電子回路基板2が一つの基板ユニット4を構成する場合には、複数の電子回路基板2のそれぞれの部品面2aの面積を加算したものを基板ユニット4の部品面2aの面積としてもよい。図16に示す基板ユニット4は、二つの電子回路基板2がスペーサ19によって連結された構成とされる。
なお、図16のような複数の電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態の基板ユニット4であっても同様に、それぞれの部品面2aを加算したものを基板ユニット4の部品面2aの面積としてもよい。
部品面2aの面積が大きい基板Kは、大型化する傾向にある。このような基板Kは、例えば遊技機1の組み立ての際などに手や道具などが接触してしまう可能性が高くなる。そこで、選択例(A−4)では、部品面2aの面積が大きな基板Kに対して取り付け方法の選択を行い、適切な取り付け状態を実現する。
また面積の大きな基板Kに対して螺子止めを採用すると、螺子の数が多くなってしまい、取付作業の工数が増大する虞がある。そこで、例えば、面積の大きな基板Kであっても、振動の影響があまりないような基板Kについては、ラッチ止めやフック止めを採用してもよい。この場合には、基板Kの取り付け作業に要する工数の削減効果を大きくすることができる。
また、判定閾値である所定位置についても各種の例が考えられる。例えば、以下である。
(B−1)遊技機1の高さをXとしたときのX/2となる高さ位置
(B−2)対象とされた基板Kのうち最上端となる位置と最下端となる位置の中心高さ位置
(B−3)対象とされた基板Kそれぞれの中心位置の平均高さ位置
(B−4)対象とされた基板Kそれぞれの最上端の平均高さ位置
(B−5)遊技機1の重心位置
所定位置として(B−1)を採用した場合は、対象の基板Kが遊技機1の半分の高さよりも高い位置に取り付けられるものであるか否かを判定するだけで適切な取り付け方法が選択されるため、判定を容易に行うことができる。
所定位置として(B−2)を採用した場合には、適切な数の基板Kを螺子止めによって遊技機1に取り付けることができると共に、適切な数の基板Kをラッチ止めやフック止めによって遊技機1に取り付けることができる。
具体例を図17に示す。図17は、遊技機1と遊技機1に取り付けられる基板Kの位置関係を模式的に表した図である。各基板Kのうち、取り付け方法の選択対象となるものを斜線で示している。即ち、図17では、7個の基板Kのうち、3個の基板Kが対象とされている。所定位置としては、対象とされた3個の基板Kのうち最上端と最下端の高さの差分がH1とされるため、最下端からH1/2の高さ位置とされる。
図示するように、各基板Kは、遊技機1における上方に配置されている。このような遊技機1に対して(B−1)を採用した場合、ほとんど全ての基板Kが所定位置よりも上方に位置することとなり、取り付け方法として螺子止めが不必要に採用されてしまう虞がある。そこで、(B−2)を採用することにより、対象とされた基板Kのうちの一部のみを螺子止めするような適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
(B−3)を採用した場合についての所定位置を図18に示す。
なお、各基板Kが取り付けられる高さ位置については、後述する(C−1)を用いる。即ち、各基板Kの中心位置Cから所定位置を算出する。
図示するように、取り付け方法の選択対象とされているのは基板K3,K4,K5の三つの基板Kである。遊技機1の上方に配置される基板K3,K4の中心位置C3,C4の高さは、H2とされ、その下方に配置される基板K5の中心位置C5の高さはH3とされる。(B−3)によれば、所定位置は対象とされた基板Kの中心位置Cの平均高さであるため、所定位置は(2×H2+H3)/3となる。
所定位置として(B−3)を採用した場合でも、取り付け方法として螺子止めが不必要に採用されてしまう虞を排除し、対象とされた基板Kのうちの一部のみを螺子止めするような適切な取り付け方法の選択を実現できる。
所定位置として(B−4)を採用した場合について、図19に示す。
取り付け方法の選択対象とされている基板K3,K4,K5のうち、遊技機1の上方に配置される基板K3,K4の上端の高さ位置は共にH4とされ、その下方に配置される基板K5の上端の高さ位置はH5とされる。従って、所定位置は、(2×H4+H5)/3となる。
所定位置として(B−4)を採用した場合でも、取り付け方法として螺子止めが不必要に採用されてしまう虞を排除し、対象とされた基板Kのうちの一部のみを螺子止めするような適切な取り付け方法の選択を実現できる。
所定位置として(B−5)を採用した場合について、図20に示す。
取り付け方法の選択対象とされている基板K3,K4,K5において、基板K3の重心位置G3の高さ位置はH6とされ、基板K4の重心位置G4の高さ位置はH7とされ、基板K5の重心位置G5の高さ位置はH8とされる。(B−5)によれば、基板Kの重心位置Gの平均高さが所定位置とされるため、所定位置は(H6+H7+H8)/3となる。
所定位置として(B−5)を採用した場合でも、取り付け方法として螺子止めが不必要に採用されてしまう虞を排除し、対象とされた基板Kのうちの一部のみを螺子止めするような適切な取り付け方法の選択を実現できる。
なお、所定位置について説明した各例では、基板K3,K4,K5が遊技機1の上方に偏って取り付けられる例を説明したが、下方に偏って取り付けられる可能性もある。しかし、基板K3,K4,K5が遊技機1の下方に偏って取り付けられる場合であっても、所定位置について上述した(B−2),(B−3),(B−4),(B−5)の何れかを採用することにより、全ての基板Kがラッチ止めやフック止めによって取り付けられてしまう虞を排除し、必要な部分は螺子止めによって取り付けられる可能性を高めることができる。
また、上記の各種所定位置に対して、対象となる基板Kが上方に位置するか否かを判定するためには、対象となる基板Kの高さ位置を特定する必要がある。即ち、各基板Kにおいて判定対象とする箇所を決定する必要がある。これには、いくつかの例が考えられる。例えば、以下である。
(C−1)基板Kの中心位置
(C−2)基板Kの重心位置
(C−3)基板Kの上端
(C−4)基板Kの下端
(C−5)基板Kの固定部の位置の中で最も上方となる位置
各基板Kの中で判定対象とする位置(判定位置)として(C−1)を選択した場合は、基板Kの上下方向の中心であり左右方向の中心となる位置を判定位置とする。即ち、図21においてJ1で示す位置となる。判定位置としての中心位置J1は、位置の特定が容易である。従って、取り付け方法を選択する際に複雑な計算や測定を行う必要がなく、取り付け方法の選択を容易に行うことができる。
各基板Kの判定位置として(C−2)を選択した場合は、図21に示すJ2が判定位置となる。
基板Kの重心位置J2は、基板Kの部品面2aに実装される各種電子部品によって中心位置J1とは異なる位置となる場合がある。例えば、中心位置J1よりも重心位置J2が上方にずれている場合に、中心位置J1が所定位置よりも下方にあるためにラッチ止めやフック止めが選択されてしまうと、遊技機1の揺れによる影響を基板Kが想定していた以上に受けてしまう可能性がある。その結果、基板Kの係止部分(ラッチ部分やフック部分)の摩耗や傷付きが起こってしまう虞がある。
そこで、重心位置J2が中心位置J1よりもずれている場合において、重心位置J2と所定位置の比較に基づいて基板Kの取り付け方法を選択することにより、遊技機1の揺れによる影響を受けにくくするための適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
各基板Kの判定位置として(C−3)を選択した場合は、図21に示すJ3が判定位置となる。
また、基板Kの判定位置として(C−4)を選択した場合は、図21に示すJ4が判定位置となる。
判定位置としての上端位置J3,下端位置J4は、特別な測定を行う必要がなく、容易に特定することができる。従って、取り付け方法を選択する際に、所定位置と基板Kの判定位置(上端位置J3或いは下端位置J4)の比較を容易に行うことができるため、工数を削減することが可能である。
基板Kの判定位置として(C−5)を選択した場合について、図22に示す。
各基板Kには、固定部が設けられている。基板Kに設けられた固定部とは、各種取り付け方法によって遊技機1に対して固定される部分であり、例えば、螺子止めの場合には図10に示すような螺子挿通孔6である。また、ラッチ止めの場合には図12及び図13に示すような軸部7や被規制板8である。更に、フック止めの場合にはフック17によって抑えられる基板K上の部分である。
図22は、基板Kに設けられた固定部Iの位置を示している。そして、基板Kの判定位置J5は、基板K上の複数の固定部Iのうち最も上方の位置となる。
遊技機1の振動の影響を基板Kが受ける場合に、遊技機1と接続された部分、即ち取り付け位置の高さ位置に応じて遊技機1から受ける振動の影響の大きさが決まる。例えば、同じ高さ位置に取り付けられる基板K1とK2があったとしても、基板K1と基板K2のうち取り付け位置が上方に位置する方が遊技機1の振動の影響を受けやすい。
基板Kにおいて最も上方の固定部Iの位置を判定位置J5とすることで、遊技機1の振動の影響の受けやすさに基づいた適切な取り付け方法の選択することができる可能性を向上させることができる。
以上、説明してきたように、(A−1)乃至(A−4)から選択された取り付け方法の選択対象とする基板において、(C−1)乃至(C−5)から選択された判定位置が(B−1)乃至(B−5)の何れかによって決定された所定位置よりも上方に位置するか否かを判定することにより、上述したそれぞれの対応する効果を得つつ取り付け方法を適切に選択することができる。
例えば、(A−2),(B−1),(C−1)の組み合わせに基づいて基板Kの取り付け方法を選択する場合、対象とする基板Kは主制御基板K1及び演出制御基板K2であり(A−2)、それぞれの基板の中心位置(C−1)が遊技機1の底面からX/2となる高さ位置(B−1)よりも高い位置にあるか否かに応じて取り付け方法を選択することとなる。そして、基板の中心位置J1が底面からX/2よりも高い位置となるように取り付けられる場合は螺子止めが採用され、低い位置となるように取り付けられる場合はラッチ止めやフック止めが採用される。
これは、遊技機1において最も重要な基板とされる主制御基板K1や演出制御基板K2のみを対象とするものであり、簡易な方法で特定した中心位置J1が簡易な方法で設定した特定位置よりも上方に位置するか否かを判定するものであるため、取り付け方法の選択が非常に容易であり、少ない工数で実現することが可能である。即ち、少ない工数で大きな効果を得ることができる。
また、設計に掛かる工数の削減にも繋がる。
また、他の例として、(A−1),(B−5),(C−2)の組み合わせに基づいて基板Kの取り付け方法を選択する場合、遊技機1に取り付けられる全ての基板Kを対象として、それぞれの基板Kの重心位置J2が遊技機1の重心位置よりも上方に位置するか否かによって取り付け方法を決定するものである。即ち、基板Kの重心位置J2が遊技機1の重心位置よりも上方に位置する場合には、螺子止めが採用される。そして、それ以外の基板Kについては、一律ラッチ止めやフック止めが採用されてもよいし、他の実施の形態で説明する各種条件に基づいて更に取り付け方法を選択してもよい。
従って、全ての基板に対して遊技機1の重量バランスに応じた適切な取り付け方法が選択される可能性が高い。よって、遊技機1の振動による基板Kの脱落や傷付き等を防止できる可能性が非常に高くなる。
なお、(C−2)の代わりに(C−5)を採用しても、同様の効果を得ることができる。即ち、基板Kの重心位置J2の代わりに基板Kにおける固定部の位置の中で最も上方となる位置を判定位置J5としても、基板ごとに適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
他には、(A−4)と(C−2)の組み合わせもよい。部品面2aの面積が一定以上とされた基板Kは、実装されている電子部品が多くなる傾向にあるため、中心位置J1と重心位置J2が乖離しやすい。そのような基板Kに対しては、重心位置J2を判定に用いることで、適切な取り付け方法が選択されやすくすることができる。即ち、部品面2aの面積が一定上とされた基板Kのうち、重心位置J2が所定位置よりも上方にある基板Kについては、螺子止めが採用される。
この効果は、(B−1)乃至(B−5)の何れを選択しても得ることができる。
また、(A−3)と(C−2)の組み合わせもよい。重量の重い基板Kは、重心位置J2と中心位置J1が少しずれているだけでも遊技機1の振動による影響が変わってくる可能性がある。そこで、対象とされた基板Kの重心位置J2が所定位置よりも上方に位置するか否かを判定する。即ち、重量の重い基板Kのうち、重心位置J2が所定位置よりも上方にある基板Kについては、螺子止めが採用される。
これにより、中心位置J1からの重心位置J2のずれを考慮した適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
なお、複数の組み合わせを同時に用いて基板Kの取り付け方法を選択してもよい。
例えば、(A−2),(B−1),(C−1)の組み合わせによって主制御基板K1と演出制御基板K2の取り付け方法を決定すると共に、(A−3),(B−5),(C−2)の組み合わせによって主制御基板K1と演出制御基板K2以外の基板Kのうちで重量の重い基板Kに対する取り付け方法を決定してもよい。
即ち、主制御基板K1及び演出制御基板K2については、基板Kの中心位置J1が遊技機1の半分の高さよりも高い位置にある場合は螺子止めによって固定される。そして、主制御基板K1と演出制御基板K2以外の基板Kについては、基板Kの重心位置J2が遊技機1の重心位置よりも上方に位置する場合はネジ止めによって固定される。
本実施の形態では、電子回路基板2や基板ユニット4としての基板Kを対象とした取り付け方法の選択について説明したが、基板ユニット4のみを対象として取り付け方法を選択してもよい。
例えば、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2については、取り付け位置によらず螺子止めによって取り付けることとし、基板ケース3に収納された状態の基板ユニット4については、基板ユニット4が取り付けられる位置に応じて、上述した各種の判定に応じた取り付け方法を選択することとしてもよい。
基板ユニット4に摩耗や破損が起きた場合には基板ケース3の摩耗や破損で済む可能性が高いのに対し、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損が起きた場合には電子回路基板2自体の摩耗や破損が起きてしまい、正常に動作しなくなる虞がある。即ち、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損はリスクが高いため、可能な限り避けたいという事情がある。
そこで、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2は、螺子止めによって遊技機1にしっかりと固定する。
一方、基板ケース3に収納された状態の電子回路基板2は、上述の取り付け方法の選択に基づいて適宜ラッチ止めやフック止めが採用されて、部品点数の削減や組み立て工数の削減が図られる。
このとき、例えば、所定位置として(B−2)を採用した場合、「対象とされた基板Kのうち最上端となる位置と最下端となる位置の中心高さ位置」は「対象とされた基板ユニット4のうち最上端となる位置と最下端となる位置の中心高さ位置」としてもよい。
これにより、遊技機1への取り付け方法を選択する基板ユニット4だけを対象として適切に所定数が設定されて、適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
同様に、所定位置として(B−3)や(B−4)を採用した場合にも、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2を除外した基板Kの中で所定位置を決定してもよい。
なお、本実施の形態では、所定位置よりも下方に取り付けられる基板Kについては、ラッチ止めやフック止めを採用する例を説明したが、基板Kが取り付けられる環境や条件等を考慮して、後述する各種の実施の形態の何れかを適用することによって、更に螺子止めとラッチ止めとフック止めの何れを採用するのかを決定してもよい。
以上で述べたように、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4が複数取り付けられている遊技機1において、複数の基板ユニット4は、遊技機1における所定位置((B−1)乃至(B−5)の何れか)よりも上方に固定手段(固定部Iなどの各種の固定機構)を有する第1基板ユニットと、所定位置よりも下方に固定手段を有する第2基板ユニットとを含み、第1基板ユニットは、固定手段として例えば螺子止め機構などの第1固定手段(螺子挿通孔6)が用いられ、第2基板ユニットは、固定手段として第1固定手段とは異なる例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段(軸部7や被規制板8やフック17によって抑えられる基板K上の部分)が用いられる。
第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要とされる。
これにより、例えば、遊技機1の振動の影響を受けやすい上方に取り付けられる基板Kであって、且つ、所定位置よりも上方に固定手段(例えば固定機構の一部としての固定部I)を有する基板Kについては、適宜螺子止めが採用されてしっかりと遊技機1に取り付けられ、基板Kの摩耗や破損が抑制される。
そして、それ以外の基板Kのうちの一部については、ラッチ止めやフック止めが採用されることにより、取り付け作業に要する工数の削減が図られる。
上記した(A−1)〜(A−4)、(B−1)〜(B−5)、(C−1)〜(C−5)に基づいて各基板Kの取り付け方法が選択されることにより、設計工数の削減が図られると共に、上記の(A−1)〜(A−4)、(B−1)〜(B−5)、(C−1)〜(C−5)の説明で言及した各種の効果を得ることができる。
また、遊技機1が基板ユニット4として主制御手段としての主制御基板K1及び副制御手段としての演出制御基板K2を備え、主制御手段から副制御手段へと一方的に通信可能な通信手段を有しており、主制御手段と副制御手段のうち、一方が第1基板ユニットとされ、他方が第2基板ユニットとされていてもよい。
これにより、遊技機1にとって重要な基板Kである主制御基板K1と演出制御基板K2に対して適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
更に、遊技機1に設けられた主制御手段としての主制御基板K1が第1基板ユニットとされ、副制御手段としての演出制御基板K2が第2基板ユニットとされ、第1基板ユニットは螺子止め機構等の第1固定手段を用いて遊技機1に固定され、第2基板ユニットは第1固定手段を用いずに例えばラッチ止め機構やフック止め機構等によって遊技機1に固定されてもよい。
これにより、主制御基板K1と演出制御基板K2のうち、より重要な基板Kである主制御基板K1が螺子止めにより遊技機1に取り付けられる。従って、振動や揺れ等によって主制御基板K1に摩耗や破損が起きてしまうことを防止することができる。
更にまた、所定位置として、遊技機の高さをXとした場合のX/2となる高さ位置、即ち上述した(B−1)が採用された場合、対象の基板Kが遊技機1の半分の高さよりも高い位置に取り付けられるものであるか否かを判定するだけで適切な取り付け方法が選択されるため、設計を容易に行うことができ、設計工数の削減に寄与することができる。
[4−2.第2の実施の形態]
遊技機1に取り付けられる基板Kの中には、他の基板Kに重ねて配置されるものがある。
一例を図23に示す。
遊技機1には、基板K6が取り付けられる第1配置凹部20が設けられている。第1配置凹部20の底面20aには、基板K7が取り付けられる第2配置凹部21が設けられている。
基板K6及び基板K7を遊技機1に取り付ける際には、図示するように、基板K7に重ねられるように或いは基板K7を覆うようにして基板K6が取り付けられる。基板K6,K7の双方を遊技機1に取り付けた状態を図24に示す。
基板K7を取り外す必要が出てきた場合には、基板K6を取り外さないと基板K7の取り外し作業ができない。
また、基板K7にコネクタ端子が設けられている場合などは、コネクタ端子にコネクタを挿抜する際に基板K6の取り外し作業が発生する。
そこで、本実施の形態では、基板K6の取り付け方法として、ラッチ止め或いはフック止めを選択する。
基板K7が螺子止めによって遊技機1に取り付けられ、基板K6がラッチ止めによって遊技機1に取り付けられる例を図25に示す。
遊技機1に設けられた第2配置凹部21の底面21aには、略四隅に螺子300の先端が挿入される螺孔21bが設けられている。
遊技機1に設けられた第1配置凹部20の周縁部には2個のラッチ部材22が設けられている。ラッチ部材22は、円柱形状の土台部22aと円柱の側方に突出された抑え部22bを備えている。
土台部22aは円柱の軸回り方向に回動可能とされ、該回動に伴って抑え部22bも円柱の中心に対して回動される。即ち、円柱から抑え部22bが突出される方向が可変とされる。
基板K7の四隅付近には、螺子300が挿通される螺子挿通孔K7aが設けられている。
基板K6,K7を遊技機1に取り付ける際には、先ず、基板K7が螺子300によって配置凹部21に取り付けられ、次に基板K6が配置凹部20にはめ込まれる。
基板K6が配置凹部20にはめ込まれた状態でラッチ部材22の土台部22aを回動させ、ラッチ部材22の抑え部22bが配置凹部20の周縁に沿う方向に突出された状態から配置凹部20の中心に向かって突出された状態へと変えることにより、基板K6の第1配置凹部20からの脱落が防止される。
基板K6,K7を遊技機1に取り付けた状態を図26に示す。図示するように、基板K7は基板K6が取り付けられている限り触れることはできない。即ち、基板K7に対して何らかの作業(基板K7の交換やコネクタの挿抜やボタン端子の押下など)が必要となった場合には、基板K6を取り外す必要が生じる。
例えば、遊技機1を不正操作の対象となりやすい基板Kを基板K7の位置に収納すれば、不正操作の防止効果を高めることができる。
図25,図26に示す構成によれば、基板K7に対する何らかの作業が必要となる場合に、基板K6を取り外す必要性が出てくる。しかし、基板K6の取り付けや取り外しには道具を必要としないため、簡易な作業で基板K6を取り外すことにより、基板K7に対する各種の作業を可能とすることができる。
なお、基板K7が螺子300によって取り付けられるのは、あくまで一例であり、ラッチ止めやフック止め等によって取り付けられてもよい。例えば、基板K7の交換作業が発生する可能性が高い場合などには、基板K7が基板K6と同様にラッチ止めやフック止めによって取り付けられていてもよい。これにより、基板K7の取り外し作業も容易となる。
また、基板K7は、第2配置凹部21の底面21a及び壁面によって6面のうち5面を囲まれており、残る1面が基板K6によって覆われるため、6面全てが囲まれている。従って、基板K7が遊技機1から脱落してしまう状態に陥り難い。このような点も、基板K7の取り付け方法としてラッチ止めやフック止めを選択しても問題がない理由となる。
また、図25及び図26に示す例では、基板K7が完全に基板K6に覆われて配置される例を示したが、基板K7の一部のみを覆うように基板K6が配置されていてもよい。
基板K7が不正な基板交換の対象となりやすい基板Kであっても、基板K7の一部が基板6に覆われるように取り付けられていることにより、基板K7の交換のために基板K6を取り外す必要があるため、不正防止の効果を得ることが可能である。
遊技機1に設けられた第1配置凹部20や第2配置凹部21は、基板Kを取り付けるための取り付け台に形成された凹部であってもよいし、複数の部材(部品)によって囲まれることによって形成される凹部であってもよい。もちろん、凹部を形成する壁面や底面の一部が弾球遊技機100の外枠104の一部や前枠の一部であってもよいし、回胴遊技機200の本体ケース201の壁部や前面パネルの一部であってもよい。
第1配置凹部20や第2配置凹部21の壁面や底面の一部が基板Kを取り付けるためだけに設けられた部材以外の部材によって形成されることにより、基板Kを取り付けるためだけに必要な部材を減らすことができる。
また、第1配置凹部20や第2配置凹部21の壁面や底面の全てを基板Kの取り付けのためだけの部材を用いずに形成することにより、基板Kを取り付けるためだけに必要な部材を無くすことができるため、部品点数の削減やコストの削減を図ることが可能である。
以上で述べたように、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4が複数取り付けられている遊技機において、複数の基板ユニット4は、第1基板ユニット(基板K7)と、第1基板ユニットの少なくとも一部を覆った状態で取り付けられる第2基板ユニット(基板K6)とを含み、第2基板ユニットは、固定手段として例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段が用いられ、第2基板ユニット以外の少なくとも一つの基板ユニットは、固定手段として第2固定手段とは異なる例えば螺子止め機構などの第1固定手段が用いられ、第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要とされる。
これにより、第1基板ユニットに対する作業が必要となった場合において、第2基板ユニットの取り外し作業が簡易化されるため、作業工数を削減することができる。
また、第1基板ユニットは、固定手段として第1固定手段が用いられてもよい。
例えば、第1基板ユニットに対する作業がコネクタの挿抜作業などである場合には、第1基板ユニットに螺子止め機構などの第1固定手段が用いられることにより、作業時のガタつき等を抑え作業のしやすさを向上させることが可能となる。
[4−3.第3の実施の形態]
遊技機1には、1または複数の可動体役物が取り付けられている。可動体役物は、主に遊技性を高めるために用いられることが多く、例えば、遊技機1に設定されたテーマや題材に基づいた意匠を施される。具体的には、車をモチーフとした遊技機1に設けられたタイヤの意匠が施された可動体役物や、競馬をモチーフとした遊技機1に設けられた馬の意匠を施された可動体役物などである。
これらの可動体役物は、遊技中に所定の位置間を移動することで、遊技性を高める演出に用いられる。
可動体役物には、移動させるためのモータなどの動力源が備えられている。モータなどの動力源は、動作中に振動するため、他の部材に影響を及ぼす振動源となりうる。また、可動体役物自体も、小刻みに震える演出などによって振動源となりうる。
このような振動源(モータや可動体役物自体など)は、他の部材に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、演出を頻繁に行うために稼働率が高い動力源や、大型の動力源などは、影響が大きくなる可能性が高い。
他の部材に及ぼす悪影響の一例としては、例えば、ラッチ止めによって取り付けていた基板Kの脱落や、振動による基板Kの摩耗や、基板Kと他の部材の接触による騒音の発生などである。
そこで、本実施の形態では、可動体役物の振動源との距離に応じて基板Kの取り付け方法を適切に選択する例を説明する。
但し、振動源と基板Kの距離とは、振動源からの振動が基板Kに伝達される際の最短の伝達経路Dの長さとされる。
遊技機1に取り付けられる可動体役物23と可動体役物23を動かすためのモータ24と基板Kの位置関係について、図27に示す。
遊技機1は、基板K8,K9を取り付けるための配置面25を有している。配置面25には、複数の基板取付部材26が配置されている。図に示す例では、二つの基板取付部材26に基板K8,K9がそれぞれ取り付けられている。
基板K8,K9の近傍には、可動体役物23とモータ24が取り付けられている。
可動体役物23は、モータ24と接続された筒状部23aと、モータ24の動力を得て動く部分とされた可動部23cを有し、更に筒状部23aと可動部23cを繋ぐ部分とされた接続部23bを備えている。
筒状部23aは、モータ24からの動力を可動部23cに伝達するための機構を内包している。
可動部23cは、接続部23bを支点として動くことが可能とされている。
可動部23cは、図面上は筒状の形状とされているが、意匠を施した形状とされて遊技者が直接視認できるようにされていてもよいし、意匠を施した別の部材が先端に取り付けられていてもよい。
図27には、振動源としてのモータ24から基板K8,K9に振動が伝わる際の最短の伝達経路D1,D2を示している。
モータ24と基板K8の伝達経路D1の長さは、モータ24と基板K8用の基板取付部材26の一端との最短距離と、基板取付部材26の一端と基板K8の一端との最短距離を加算した長さとされている。
モータ24と基板K9の伝達経路D2の長さも同様に、モータ24と基板K9用の基板取付部材26の一端との最短距離と、基板取付部材26の一端と基板K9の一端との最短距離を加算した長さとされている。
伝達経路D1と伝達経路D2を比較すると、図示するように伝達経路D2の方が短い。従って、モータ24に対しては、基板K8よりも基板K9の方が近い基板とされる。
別の例を図28に示す。
図示するように、遊技機1の配置面25には、基板K10,K11と可動体役物23とモータ24が配置されている。
モータ24の振動が基板K10に伝達される際の最短の伝達経路D3の長さは、図示するようにモータ24の振動が基板K11に伝達される際の最短の伝達経路D4の長さよりも短い。
この例は、直線的な距離が遠いにも関わらず伝達経路が短い例である。即ち、直線的な距離は基板K10よりも基板K11の方が短いにも関わらず、モータ24からの振動が伝わる伝達経路長は基板K11よりも基板K10の方が短いとされている。
図27や図28に示すように、振動源の振動は、伝達経路Dが長いほど減衰する。従って、達経路Dが短い基板Kについては、振動源(モータ24)からの振動が影響を受けやすいため、螺子止めによってガタつきなく遊技機1に取り付けられることが望ましい。
また、伝達経路Dが長い基板Kについては、振動源からの影響を受けにくいため、ラッチ止めやフック止めを採用することで、作業効率の向上や部品点数の削減を図ることが可能である。
また、基板Kと振動源の直線距離ではなく、振動の伝達経路Dの長さに基づいて基板Kの取り付け方法を選択することにより、実質的な振動の影響を加味した基板Kの取り付け方法を選択することができるため、基板Kの取り付け方法として一部に螺子止め、一部にラッチ止めやフック止めを採用したい場合に、適切な取り付け方法を選択することが可能となる。
次に、基板Kが複数の振動源から影響を受ける例について図29を参照して説明する。
図29に示す遊技機1は、配置面25に基板取付部材26を介して取り付けられる基板K12と、二つのモータ24A,24Bを有している。
基板K12は、モータ24A,24Bの双方から振動の影響を受ける。
モータ24Aの振動が基板K12に伝達される際の最短の伝達経路D5は、モータ24Aと基板取付部材26の一端との最短距離と、基板取付部材26の一端と基板K12の一端との最短距離を加算した長さとされる。
また、モータ24Bの振動が基板K12に伝達される際の最短の伝達経路D6は、モータ24Bと基板取付部材26の一端との最短距離と、基板取付部材26の一端と基板K12の一端との最短距離を加算した長さとされる。
基板K12に対するモータ24A,24Bの振動の影響の評価は、それぞれのモータ24A,24Bから受ける影響を加算したものとなる。
例えば、基板K12がモータ24Aから受ける振動の影響をE1とし、モータ24Bから受ける振動の影響をE2とした場合、基板K12に対するモータ24A,24Bの影響は、(E1+E2)となる。
このとき、基板K12がモータ24Aから受ける振動の影響は伝達経路D5の長さに基づいたものとなる。基板K12がモータ24Aから受ける振動の影響が高い程E1は高い数値となる。具体的には、伝達経路D5の長さが短い程、E1は高い数値となる。
同様に、基板K12がモータ24Bから受ける振動の影響が高い程、即ち、伝達経路D6の長さが短い程、E2は高い数値となる。
そして、複数の振動源としてのモータ24A,24Bから受ける影響の高さを示す(E1+E2)の値に関しては、受ける影響が大きいほど大きな数値となる。
遊技機1に複数の基板Kと複数の振動源が配置されている場合には、例えば上述したように、それぞれの基板Kごとに複数の振動源から受ける影響を加算して評価することが望ましい。これにより、複数の振動源による影響が重なり総合的に大きな影響を受ける基板Kについては螺子止めが採用されるなど、状況に応じた基板Kの取り付け方法が適切に選択される。
基板Kが複数の振動源から影響を受ける別の例について図30を用いて説明する。
これまでの例と同様に、基板K13,K14は、それぞれ基板取付部材26を介して遊技機1の配置面25に取り付けられている。
基板K13,K14は、それぞれ複数のモータ24C,24Dから振動の影響を受ける。
モータ24Cの振動が基板K13に伝達される際の最短の伝達経路D7は、モータ24Cの振動が基板K14に伝達される際の最短の伝達経路D8よりも短いとされる。
また、モータ24Dの振動が基板K13に伝達される際の最短の伝達経路D9は、モータ24Dの振動が基板K14に伝達される際の最短の伝達経路D10よりも長いとされる。
即ち、モータ24Cの振動の影響は基板K14よりも基板K13の方が受けやすく、モータ24Dの振動の影響は基板K13よりも基板K14の方が受けやすい。
このような場合に、モータ24Cがモータ24Dよりも稼働率が高いとする。例えば、モータ24Cは頻繁に動作するが、モータ24Dは滅多に動作しないなどの状況について考える。
このような状況では、稼働率が高いモータ24Cの影響を受けやすい基板K13は、基板K14よりも振動源(モータ24C,24D)からの影響を受けやすい基板Kと考えることができる。
遊技機1に複数の基板Kと複数の振動源(例えばモータ24C,24D)が配置されており、それぞれの基板Kがそれぞれの振動源から影響を受ける場合には、基板Kと振動源との最短の伝達経路Dを考慮するだけでなく、振動源の稼働率も考慮して振動源からの影響を基板Kごとに評価することが望ましい。
上述の例では、基板K13は、螺子止めによって遊技機1に取り付けられることが望ましい。そして、モータ24Dの稼働率が著しく低い場合などは、遊技機1への基板K14の取り付け方法として、ラッチ止めやフック止めを選択することも可能となる。
このように、振動源の稼働率も考慮することにより、実態に合わせた基板Kの取り付け方法を選択することが可能となる。
なお、振動源の稼働率以外にも、振動源の振動の強度を考慮することによって、より実態に即した基板Kの取り付け方法を選択することが可能となる。例えば、振動源としてのモータ24が可動したときに、モータ24が大型であればあるほど、振動が大きく基板Kに与える影響も大きくなる。また、距離が離れた基板Kに対しても影響が及ぶこととなる。
従って、振動源ごとの振動の大きさも加味して基板Kごとに振動の影響を評価することにより、適切な基板Kの取り付け方法を選択することが可能となる。
なお、図27,図28,図29,図30においては、配置面25が一つの面で構成される例を説明したが、複数の面や複数の部材で構成されていてもよい。即ち、モータ24からの振動が複数の部材を介して基板Kに伝達される構成であってもよい。
また、上記した例では、基板K8(K9,K10,K11,K12,K13,K14)が振動源としてのモータ24(24A,24B,24C,24D)から受ける影響について、基板K8(K9,K10,K11,K12,K13,K14)と振動源の最短の伝達経路に基づいて振動の影響を評価したが、それ以外の例も考えられる。
例えば、基板K8(K9,K10,K11,K12)が基板ケース3に収納された基板ユニット4である場合には、基板ユニット4の一端までの最短の伝達経路ではなく基板ケース3の内部に配置された電子回路基板2の一端までの最短の伝達経路に基づいて、振動の影響を評価してもよいし、電子回路基板2の略中央までの伝達経路に基づいて振動の影響を評価してもよい。
なお、振動源ごとに振動経路Dの距離が最も近い基板Kを特定し、該特定された基板Kの取り付け方法として螺子止めを採用してもよい。例えば、図30を用いて説明すると、モータ24Cに最も近い基板K13は、モータ24Cの振動の影響を最も受けやすいことを考慮して螺子止めを採用する。そして、モータ24Dに最も近い基板K14は、モータ24Dの振動の影響を最も受けやすいことを考慮して螺子止めを採用する。
このように、一つのモータ24ごとに最も近い基板Kを特定して螺子止めを採用することにより、複数の振動源と複数の基板Kが設けられた遊技機1においても、容易に取り付け方法の選択を行うことができる。
上述したように、遊技機1が可動体役物23と、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4とを備えている。そして、基板ユニット4は、可動体役物23の振動源(モータなど)に最も近い第1基板ユニットと、第1基板ユニットとは異なる第2基板ユニットとを含んでいる。振動源との距離は、例えば、振動の伝達経路Dの長さで表すことができる。
第1基板ユニット(例えば基板K8に対する基板K9)は、固定手段として例えば螺子止め機構などの第1固定手段が用いられ、第2基板ユニット(例えば基板K9に対する基板K8)は、固定手段として第1固定手段とは異なる例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段が用いられる。第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要とされる。
これにより、振動源から基板Kまでの距離に応じて、適切に取り付け方法が選択されるため、基板Kの摩耗や破損を防止することができると共に、作業時間の短縮を図ることができる。
また、遊技機1が基板ユニット4として主制御手段としての主制御基板K1及び副制御手段としての演出制御基板K2を備え、主制御手段から副制御手段へと一方的に通信可能な通信手段を有しており、主制御手段と副制御手段のうち、一方が第1基板ユニットとされ、他方が第2基板ユニットとされていてもよい。
これにより、遊技機1にとって重要な基板Kである主制御基板K1と演出制御基板K2に対して適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
更に、振動源は、可動体役物を動かすためのモータとされてもよい。
これにより、振動源の特定が容易である。即ち、モータの位置さえ把握すれば振動源の位置が把握できるため、各基板Kの取り付け方法の選択が簡易化される。
更にまた、振動源からの振動が伝わる経路の経路長が最も短い基板ユニットが振動源に最も近い第1基板ユニットとされてもよい。
基板Kと振動源の距離として、振動源から基板Kまで振動が伝達される際の経路(伝達経路D)の長さが用いられるため、振動源からの振動の影響を実際に受けやすい基板Kが螺子止めによって取り付けられ、基板Kの摩耗や破損を防止することができる。
[4−4.第4の実施の形態]
遊技機1に取り付けられる基板Kとしては、重いものもあれば軽いものもある。遊技機1の輸送時や稼働時における振動の影響は、先の例のように基板Kが取り付けられる位置だけでなく基板Kの重さによっても異なる場合がある。
そこで、本実施の形態では、基板Kの重さに応じて取り付け方法を適切に選択する例を説明する。
基板Kが螺子止めによって遊技機1に取り付けられる場合に比べて、基板Kがラッチ止めやフック止めによって取り付けられる場合には、遊技機1の固定部分(即ちラッチ部分やフック部分)に対する摩耗が生じやすい。
更に、ラッチ部分やフック部分は、コスト面から樹脂性の部材によって形成されることが多いため、材質の面からも摩耗しやすい。従って、摩耗によるガタつきの発生や騒音の発生が問題となってしまう虞がある。
そこで、本実施の形態では、重い基板Kほど螺子止めを採用する。即ち、基板Kが所定以上の重さである場合には、取り付け方法として螺子止めを採用し、所定未満の重さである場合には、ラッチ止めやフック止めを採用する。
ここで、所定の重さの例について、以下に挙げる。
(D−1)Yグラム
(D−2)全ての部材を取り付けた状態の遊技機1の重さのZ%
(D−3)対象とされた基板Kの平均重量
(D−4)主制御基板K1と演出制御基板K2の平均重量
所定の重さとして(D−1)を選択する場合、例えば、遊技機1の種類によらず一定の値Yを所定の重さとすることが考えられる。
このように決定された所定の重さとしてのYグラムは、遊技機1ごとの特性等を考慮する必要が無いため、取り付け方法の選択の際の基準(即ち特定の重さ)の決定に工数を割く必要がない。従って、設計工数の削減を図ることができる。
また、一つ一つの基板Kについて取り付け方法を選択するための考察等を行う必要が無く、一律設定された基準(所定の重さ)と比較するだけで取り付け方法が決定されるため、設計工数の削減に寄与することができる。
所定の重さとして(D−2)を選択する場合は、遊技機1の全重量に応じて所定の重さを変えることができる。
例えば、遊技機1をトラックの荷台などに積載して運搬しているときなどの遊技機1の揺れ方は、遊技機1の重量によって異なることが考えられる。即ち、揺れ方の違いに応じた基板Kと遊技機1の摩耗が生じる。そのような場合に、(D−2)を採用すれば、遊技機1の重量に応じて適切な閾値を決定することが可能となり、しっかりとした固定が必要な基板Kを螺子止めによって遊技機1に固定することが可能となる。
所定の重さとして(D−3)を選択する場合は、遊技機1に取り付けられる複数の基板Kのうち、適切な数の基板Kに対して螺子止めが選択されて遊技機1に取り付けられる。
対象とされた基板Kとは、前述したような(A−1)や(A−2)のように、取り付け方法を選択する対象とされた基板Kである。
全ての基板Kがラッチ止めやフック止めによって遊技機1に取り付けられる場合、基板Kと係止部分(ラッチ部分やフック部分)の接触面積や接触箇所が多くなるため、振動源からの振動による摩耗によって固定力が低下する部分が発生する虞が高い。
しかし、(D−3)によれば、全ての基板Kが螺子止めによって取り付けられることもなく、全ての基板Kがラッチ止めやフック止めによって取り付けられることもない。即ち、少なくとも一つの基板Kは螺子止めによって遊技機1に取り付けられるため、固定力の低下などの不具合の発生を抑制することができる。
また、基板Kの平均重量に係数を乗算したものを所定の重さとして採用することも考えられる。これによれば、係数を高めに設定することにより、螺子止めの箇所を少なくし、ラッチ止めやフック止めの箇所を多くすることで、基板Kの取り付けに掛かる工数を削減することができる。
一方、係数を低めに設定することにより、螺子止めの箇所を多くし、基板Kのガタつきや摩耗の発生を抑制することができる。
そして、振動の影響を受けやすいと考えられる重量の重い基板Kに螺子止めが選択されることにより、振動の影響に起因する不具合を適切に防止することができる。
所定の重さとして(D−4)を選択する場合は、遊技機1に取り付けられる重要な基板Kとしての主制御基板K1及び演出制御基板K2のうち、何れか一方は螺子止めによって遊技機1に取り付けられる。これにより、主制御基板K1及び演出制御基板K2のうち何れか重い方の取り付け方法として螺子止めを選択するという簡易な方法で、即ち、少ない工数で、主制御基板K1及び演出制御基板K2の取り付け方法を適切に選択することが可能となる。
また、比較的大型かつ重量化し易い主制御基板K1や演出制御基板K2と比較して、同じ程度に重い基板Kについては、螺子止めによって遊技機1にしっかりと固定することができる。
これにより、簡易な方法で取り付け方法の基準となる所定の重さを決定することができるため、工数を削減することができる。
なお、主制御基板K1と演出制御基板K2が比較的重量化しやすいことから、主制御基板K1と演出制御基板K2のうち何れか軽い方の重量に1グラムを加えたものを所定の重さとしてもよい。これにより、主制御基板K1や演出制御基板K2と同じ程度に重い基板に関しては、螺子止めが採用されて遊技機1に取り付けられて、振動の影響による不具合の発生頻度を抑えられる。そして、所定の重さよりも軽い基板Kに対してはラッチ止めやフック止めを採用することにより組み立て工数の削減を図ることができる。
また、主制御基板K1と演出制御基板K2のうち何れか軽い方の重量を所定の重さとしてもよい。この場合には、主制御基板K1及び演出制御基板K2の双方が螺子止めによって遊技機1に取り付けられることとなる。
なお、上記の例では、遊技機1への取り付け方法の選択対象を基板Kとした。即ち、基板ケース3に収納された基板ユニット4だけでなく、基板ケース3に収納されていない電子回路基板2も取り付け方法の選択対象とした。
しかし、基板ユニット4に破損が起きた場合には基板ケース3の破損で済む可能性が高いのに対し、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損が起きた場合には電子回路基板2自体の摩耗や破損が起きてしまい、正常に動作しなくなる虞がある。即ち、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損はリスクが高いため、可能な限り避けたいという事情がある。
そこで、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の遊技機1への取り付けには重さによらず螺子止めを採用することとし、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態の基板ユニット4の取り付けの際に上記の判定を行うこととしてもよい。
例えば、所定の重さとして(D−3)を採用した場合、「対象とされた基板Kの平均重量」を「対象とされた基板ユニット4の平均重量」としてもよい。
これにより、遊技機1への取り付け方法を選択する基板ユニット4だけを対象として適切に所定の重さが設定されて、適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
なお、上記した例では、全ての基板Kに対して一律同じ閾値としての「所定の重さ」を適用する例を示したが、基板Kによって「所定の重さ」を変えてもよい。
例えば、基板Kは、図9に示すような一つの電子回路基板2を有している場合もあれば、図16に示すような一体となった二つの電子回路基板2を有している場合もある。
そこで、一つの電子回路基板2を有している基板K15と、複数の電子回路基板2が一体となった基板ユニット4を有している基板K16とで、「所定の重さ」を変える例を説明する。
例えば、所定の重さとして上記の(D−1)を採用した場合、基板K15に対しては、所定の重さをYグラムとし、基板K16に対しては、所定の重さを(Y×0.5)グラムとする。
基板K16の一例として図16に示す基板ユニット4を挙げる。
図16のように複数の電子回路基板2が重ねられた状態の基板ユニット4は、取り付けられる面に対して重心が離れることとなる。このような基板ユニット4がラッチ止めやフック止めによって遊技機1に取り付けられている場合、ラッチ部分やフック部分に掛かる負荷が大きくなりやすく、振動が起きた際にも、摩耗しやすい。そして、遊技機1への固定具合が螺子止めよりも緩いため、電子回路基板2が一枚の基板Kよりも不安定になりやすい。
電子回路基板2が重ねられた状態の不安定となりやすい基板ユニット4に関しては、所定の重さが小さくされる(Y×0.5)ため、遊技機1に対する取り付け方法として螺子止めが採用されて遊技機1にしっかりと固定される基板Kを増やすことができる。
従って、基板Kの状態に合わせた適切な取り付け方法を選択することが可能となる。
なお、複数の電子回路基板2が一体となった基板ユニット4を有している基板K16に対しては、所定の重さを0グラムとしてもよい。即ち、基板Kが複数の電子回路基板2が一体となった基板ユニット4を有している場合は、無条件で螺子止めを採用することとしてもよい。
これにより、不安定となりやすい基板K16は全て螺子止めによって遊技機1に取り付けられることとなり、摩耗や振動音の発生などの不具合が起きないようにすることができる。
上述したように、遊技機1には、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4が複数取り付けられている。複数の基板ユニット4は、所定以上の重量とされた第1基板ユニットと、所定未満の重量とされた第2基板ユニットとを含んでいる。所定重量としては、上記した(D−1)乃至(D−4)の何れかを採用することができる。
第1基板ユニットは、固定手段として例えば螺子止め機構などの第1固定手段が用いられ、第2基板ユニットは、固定手段として第1固定手段とは異なる例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段が用いられる。
第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要である。
これにより、重量が重く取り付けられた際に不安定となりやすい基板Kについては、螺子止めが採用されて遊技機1に取り付けられる。従って、遊技機1の振動等により基板Kが摩耗してしまったり取り付け箇所が破損してしまったりする不具合を防止することができると共に、重量が軽く振動等の影響を然程受けない基板Kに関してはラッチ止めやフック止めが採用されて遊技機1に取り付けられるため、作業工数の削減を図ることができる。
また、基板ユニット4は、複数の電子回路基板2を備え所定未満の重量とされた第3基板ユニット(基板K16)を更に含み、第3基板ユニットは、固定手段として第1固定手段が用いられてもよい。
重量が所定未満であっても、電子回路基板2がスペーサ19(図16参照)などを介して複数重ねられている基板Kである場合には、取り付けられる面に対して重心が高い位置(離れた位置)となる。このような基板Kは、取り付けられた際に不安定となりやすいため、螺子止めによって遊技機1に取り付けられることが考えられる。これにより、基板Kの摩耗や振動音の発生などの不具合の発生を防止することができる。
更に、遊技機1が基板ユニット4として主制御手段としての主制御基板K1及び副制御手段としての演出制御基板K2を備え、主制御手段から副制御手段へと一方的に通信可能な通信手段を有しており、主制御手段と副制御手段のうち、一方が第1基板ユニットとされ、他方が第2基板ユニットとされていてもよい。
これにより、遊技機1にとって重要な基板Kである主制御基板K1と演出制御基板K2に対して適切な取り付け方法を選択することができる。
更にまた、遊技機1に設けられた主制御手段としての主制御基板K1が第1基板ユニットとされ、副制御手段としての演出制御基板K2が第2基板ユニットとされ、第1基板ユニットは螺子止め機構等の第1固定手段を用いて遊技機1に固定され、第2基板ユニットは第1固定手段を用いずに例えばラッチ止め機構やフック止め機構等によって遊技機1に固定されてもよい。
これにより、主制御基板K1と演出制御基板K2のうち、より重要な基板Kである主制御基板K1が螺子止めにより遊技機1に取り付けられる。従って、振動や揺れ等によって主制御基板K1に摩耗や破損が起きてしまうことを防止することができる。
加えて、所定の重量は、遊技機1に取り付けられる基板ユニット4一つあたりの平均重量とされてもよい。具体的には、所定の重さとして上述した(D−3)を採用してもよい。
これにより、全ての基板Kが螺子止めによって取り付けられることもなく、全ての基板Kがラッチ止めやフック止めによって取り付けられることもない。即ち、少なくとも一つの基板Kは螺子止めによって遊技機1に取り付けられるため、固定力の低下などの不具合の発生を抑制することができる。
[4−5.第5の実施の形態]
遊技機1に取り付けられる基板Kには、各種の信号を他の基板K等と送受信するためのコネクタが挿入されるコネクタ端子が設けられているものがある。そして、コネクタ端子に挿入されるコネクタは、製造時に挿入された後一度も抜去されないものもあれば、メンテナンスなどのときに抜去されて再度挿入されるものもある。
コネクタ端子に対してコネクタを挿抜する際には、コネクタ部分や、基板Kを遊技機1に係止している係止部分(即ち螺子やラッチ部分やフック部分)に負担が掛かる。
例えば、係止部分に負担が掛かりすぎると、ラッチ部分やフック部分の破損や摩耗が起きてしまう虞がある。
そこで、本実施の形態では、基板Kに設けられたコネクタ端子の数に応じて遊技機1への取り付け方法を適切に選択する例を説明する。
図9Aには、6個のコネクタ端子27が配置された電子回路基板2が示されている。この電子回路基板2が基板ケース3の内部に配置された基板Kを基板K17とする。
図31には、3個のコネクタ端子27が配置された電子回路基板2が示されている。この電子回路基板2が基板ケース3の内部に配置された基板Kを基板K18とする。
基板K17や基板K18について、遊技機1への取り付け方法として螺子止めを採用するのか、ラッチ止めやフック止めを採用するのかを電子回路基板2に配置されたコネクタ端子27の数によって決める。具体的には、電子回路基板2に配置されたコネクタ端子27が所定数以上である場合には螺子止めを採用し、所定数未満である場合にはラッチ止めかフック止めを採用する。従って、本実施の形態によれば、基板K17は基板K18よりも取り付け方法として螺子止めが採用されやすく、基板K18は基板K17よりも取り付け方法としてラッチ止めやフック止めが採用されやすい。勿論、所定数によっては、何れの基板Kも螺子止めによって取り付けられる場合や、何れの基板Kもフック止めによって取り付けられる可能性もある。
ここで、判定基準となるコネクタ端子の所定数について、いくつかの例を挙げる。
(E−1)F個
(E−2)対象とされた基板Kが有する平均コネクタ端子27の数
(E−3)主制御基板K1と演出制御基板K2の平均コネクタ端子数
(E−4)主制御基板K1のコネクタ端子27の数と演出制御基板K2のコネクタ端子27の数のうちの小さい方の数
所定数について(E−1)を選択した場合は、基板Kごとの事情を考慮せず一律同じ値に基づいて取り付け方法が選択される。例えば、遊技機1の種類ごとの事情を考慮して遊技機1の機種ごとに異なる基準値を設けずに済むため、取り付け方法の決定に掛かる工数の増加を抑制することができる。
また、例えば、コネクタ端子27を一つでも有する基板Kについては螺子止めを採用したい場合などには、F=1とすることにより実現できる。
所定数について(E−2)を選択した場合は、コネクタ端子27を有する基板Kについて、適度に螺子止めとラッチ止め(或いはフック止め)を採用することにより、取り付け工数の削減を図りつつ、コネクタの挿抜により緩みが生じそうな基板Kについては螺子止めが採用されてしっかりと取り付けられる。
なお、基板Kが有する平均コネクタ端子27の数に係数を掛けたものを所定数とすることも考えられる。これによれば、係数を高めに設定することにより、螺子止めの箇所を少なくし、ラッチ止めやフック止めの箇所を多くすることで、基板Kの取り付けに掛かる工数を削減することができる。
一方、係数を低めに設定することにより、螺子止めの箇所を多くし、基板Kのガタつきや摩耗の発生を抑制することができる。
主制御基板K1と演出制御基板K2は、遊技機1において重要な基板であり、コネクタ端子27が多くなる傾向にある。従って、主制御基板K1及び演出制御基板K2のうち、少なくとも一方は螺子止めによって取り付けたいという要望がある。
そのような場合は、所定数として(E−3)を選択することで実現できる。例えば、基板K17が主制御基板K1であり、基板K18が演出制御基板K2である場合には、基板K17としての主制御基板K1が螺子止めによって遊技機1に取り付けられ、基板K18としての演出制御基板K2がラッチ止めやフック止めによって遊技機1に取り付けられる。
従って、主制御基板K1と演出制御基板K2の何れか一方が螺子止めによってしっかり取り付けられることにより、摩耗やガタつきの発生が抑制されると共に、他方がラッチ止めやフック止めによって取り付けられることにより、取付作業の工数が削減される。
そして、主制御基板K1や演出制御基板K2と同様にコネクタ端子27が多く設けられた基板Kについては、取り付け方法として螺子止めが選択されやすくなる。
また、主制御基板K1と演出制御基板K2の双方を螺子止めによってしっかり取り付けたい場合には、所定数として(E−4)を選択することで実現可能である。
これにより、主制御基板K1及び演出制御基板K2と、多くのコネクタ端子27が設けられた基板Kについては、螺子止めによって遊技機1に取り付けられ、コネクタの挿抜時に基板Kの係止部分の摩耗や破損が起きにくくされる。そして、コネクタ端子27が少ない基板Kについては、ラッチ止めやフック止めが採用されて、取付作業の工数削減が実現できる。
なお、上記の例では、遊技機1への取り付け方法の選択対象を基板Kとした。即ち、基板ケース3に収納された基板ユニット4だけでなく、基板ケース3に収納されていない電子回路基板2も取り付け方法の選択対象とした。
しかし、基板ユニット4に破損が起きた場合には基板ケース3の破損で済む可能性が高いのに対し、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損が起きた場合には電子回路基板2自体の摩耗や破損が起きてしまい、正常に動作しなくなる虞がある。即ち、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の摩耗や破損はリスクが高いため、可能な限り避けたいという事情がある。
そこで、基板ケース3に収納されていない状態の電子回路基板2の遊技機1への取り付けにはコネクタ端子27の数によらず螺子止めを採用することとし、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態の基板ユニット4の取り付けの際に上記の判定を行うこととしてもよい。
例えば、所定数として(E−2)を採用した場合、「基板Kが有する平均コネクタ端子27の数」を「基板ユニット4が有する平均コネクタ端子27の数」としてもよい。
これにより、遊技機1への取り付け方法を選択する基板ユニット4だけを対象として適切に所定数が設定されて、適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
また、コネクタ端子27の数以外の条件を加味して遊技機1への取り付け方法を選択してもよい。
例えば、コネクタ挿抜回数が多い基板Kについては、コネクタ端子27の数が少なくても螺子止めによって遊技機1に取り付け、コネクタ挿抜回数が少ない基板Kについては、コネクタ端子27の数が多くてもラッチ止めやフック止めによって遊技機1に取り付けることが考えられる。
これにより、基板Kごとの係止部分の摩耗や破損の起きやすさを考慮した適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
具体的には、コネクタ端子27ごとに平均的な挿抜回数を評価した値を付与し、基板Kに設けられた全てのコネクタ端子27の評価値を加算することにより、当該基板Kの評価値を算出する。そして、基板Kについての評価値が高いほど、遊技機1への取り付け方法として螺子止めを採用する。
また、コネクタ端子27の数に加えてコネクタ端子27が設けられた基板上の位置を考慮して取り付け方法を選択するようにしてもよい。
例えば、基板Kに設けられたコネクタ端子27が基板Kの一辺に偏っている場合、コネクタの挿抜時に掛かる負担も一つの係止部分に集中してしまう虞がある。このような場合には、コネクタの挿抜が行われるごとに一つの係止部分の摩耗が促進されたり、一つの係止部分のみが破壊されたりしてしまう虞がある。
従って、コネクタ端子27が一辺(或いは2辺)に集中している基板Kに対しては、判定基準値としての所定数に1未満の係数を掛けることにより、螺子止めが採用されやすくすることができる。
これにより、コネクタ端子27の数だけでなく、基板Kの係止部分に対する実際の挿抜時の影響も加味して、遊技機1への取り付け方法を適切に選択することができる。
更に、コネクタ端子27の数以外に、基板Kに設けられたボタン部品やボリューム部品等の数を考慮して取り付け方法が選択されるようにしてもよい。
具体的には、遊技機1の調整やメンテナンス等の事由により人が操作する可能性のある第2種電子部品5b(ボリューム等に用いられる可変抵抗やボタン部品等)と、電子回路基板2を遊技機1に取り付ける際に人が触れる第3種電子部品5c(コネクタ端子27等)の数を総合して基板Kに対する評価を行い、該評価値が高い(即ち電子部品の数が多い)基板Kほど、遊技機1に対する取り付け方法として螺子止めが採用されるようにしてもよい。
これにより、コネクタの挿抜だけでなくボタン部品の押下やボリューム部品の操作を加味して基板Kの係止部分に摩耗が起きやすいか否かを判断し、該判断に基づいて適切な取り付け方法が選択されえるため、基板Kのガタつきや騒音発生などの不具合の発生を効果的に防止することができる。
もちろん、更に各電子部品に対する操作回数(コネクタの挿抜回数やボタンの押下回数など)を加味して取り付け方法の選択を行ってもよい。
なお、上記ではコネクタ端子27の多い基板Kについては、遊技機1への取り付け方法として螺子止めを採用する例を説明したが、ラッチ止めやフック止めを採用してもよい。
例えば、コネクタ端子27の多い基板Kについては、ラッチ止めやフック止めを採用し、コネクタ端子27の少ない基板Kについては螺子止めを採用する例について説明する。
具体的には、コネクタ端子27が少ない基板Kは、螺子300のための螺子挿通孔6を形成するためのスペースを取りやすい傾向がある。
一方、コネクタ端子27が多い基板Kについては、螺子300のための螺子挿通孔6を形成するためのスペースが取りにくい傾向があるのに加え、螺子挿通孔6を形成するために基板Kを大型化する必要がある場合がある。そして、基板Kに多くのコネクタが挿入された状態において基板Kを遊技機1から取り外す作業を行う場合には、螺子300の螺子頭にドライバ等の道具を差し込む必要があるが、多くのコネクタに阻まれて作業しにくい状況となる。
従って、コネクタ端子27が多いこのような基板Kについては、ラッチ止めやフック止めを採用することにより、作業工数を著しく向上させることができる可能性がある。
このような取り付け方法の選択は、多くのコネクタ端子27が設けられている基板Kであって、コネクタの挿抜作業の発生頻度が低いが基板Kの取り外し作業が発生する可能性がある基板Kに適用することが望ましい。
上述したように、遊技機1には、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4が複数取り付けられている。複数の基板ユニット4は、所定数以上のコネクタ端子27を備える第1基板ユニットと、所定数未満のコネクタ端子27を備える第2基板ユニットとを含んでいる。所定数としては、例えば、上記の(E−1)乃至(E−4)の何れかを選択してもよい。
第1基板ユニットは、固定手段として例えば螺子止め機構などの第1固定手段が用いられ、第2基板ユニットは、固定手段として第1固定手段とは異なる例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段が用いられる。
第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要である。
このような構成にすることにより、コネクタ端子27を多く備えた基板Kについては螺子止めが採用されやすく、コネクタ端子27が少ない基板Kについてはラッチ止めやフック止めが採用されやすくなる。
従って、コネクタの挿抜時に取り付け部分の摩耗や破損などの不具合の発生頻度を抑えることができる。また、コネクタ端子27の少ない基板Kについてラッチ止めやフック止めが採用されることにより、作業工数の削減や作業効率化を図ることができる。
また、遊技機1が基板ユニット4として主制御手段としての主制御基板K1及び副制御手段としての演出制御基板K2を備え、主制御手段から副制御手段へと一方的に通信可能な通信手段を有しており、主制御手段と副制御手段のうち、一方が第1基板ユニットとされ、他方が第2基板ユニットとされていてもよい。
これにより、遊技機1にとって重要な基板Kである主制御基板K1と演出制御基板K2に対して適切な取り付け方法が選択される可能性を高めることができる。
更に、遊技機1に設けられた主制御手段としての主制御基板K1が第1基板ユニットとされ、副制御手段としての演出制御基板K2が第2基板ユニットとされ、第1基板ユニットは螺子止め機構等の第1固定手段を用いて遊技機1に固定され、第2基板ユニットは第1固定手段を用いずに例えばラッチ止め機構やフック止め機構等によって遊技機1に固定されてもよい。
これにより、主制御基板K1と演出制御基板K2のうち、より重要な基板Kである主制御基板K1が螺子止めにより遊技機1に取り付けられる。従って、振動や揺れ等によって主制御基板K1に摩耗や破損が起きてしまうことを防止することができる。
そして、所定数は、遊技機1に取り付けられる基板ユニット4が備えるコネクタ端子27の平均とされてもよい。即ち、所定数として、上記の(E−2)が採用されてもよい。
これにより、適度に螺子止めとラッチ止め(或いはフック止め)が採用される。従って、取り付け工数の削減を図りつつ、コネクタの挿抜により緩みが生じそうな基板Kについては螺子止めが採用されてしっかりと遊技機1に取り付けられる。
[4−6.第6の実施の形態]
遊技機1に取り付けられる基板Kには、遊技者に近い位置に取り付けられるものもあれば、遠い位置に取り付けられるものもある。
例えば、図32に示すように、遊技機1としての弾球遊技機100には、遊技盤103よりも前方(遊技者側)に取り付けられる基板K19と遊技盤103よりも後方(背面側)に取り付けられる基板K20を有している。
遊技盤103の前方には遊技者によって発射された遊技球が釘149や風車147などに衝突しながら落下する遊技領域103aが設けられている。遊技球は落下の際に釘149や風車147だけでなく遊技盤103の前面にも衝突する。
遊技盤103よりも前方に位置する基板K19は、後方に位置する基板K20よりも、遊技球が各所に衝突する際の衝撃や振動が伝わりやすい。
そこで、本実施の形態では、基板Kが遊技盤103の前方に位置するか後方に位置するかを加味して取り付け方法を選択する例を説明する。
例えば、遊技盤103の前方(遊技者側)に位置しており、かつ、遊技球が衝突する箇所からの距離が近い基板K19は、遊技機1に取り付ける際に螺子止めによって取り付ける。
一方、遊技盤103の後方(背面側)に位置しており、かつ、遊技球が衝突する箇所からの距離が遠い基板K20は、遊技機1に取り付ける際にラッチ止めやフック止めによって取り付ける。
このように取り付け方法を選択することにより、遊技機1を遊技中に起きる各種振動による基板Kの不具合(係止部分の摩耗や破損)の発生を抑制することができると共に、振動の影響の少ない位置に取り付けられる基板K20についてはラッチ止めやフック止めにより取付工数の削減が図られる。
また、弾球遊技機100における演出ボタン111,112は、遊技者によって強く叩かれることがある。
これらの演出ボタン111,112付近に配置される基板Kは、遊技盤103よりも前方に配置されることが多い。即ち、このような基板Kは、遊技球の衝突による衝撃や振動による影響だけでなく、演出ボタン111,112に対する操作による衝撃や振動の影響も受けることとなる。
従って、このような基板Kは螺子止めされることが望ましい。
これにより、各種の衝撃や振動に基づく基板Kの摩耗や破損を防止することができる。
なお、回胴遊技機200についても述べる。
回胴遊技機200には、図4に示すように、表示窓208の前方であってマックス投入ボタン216とメダル投入口212の間に十字ボタン224と演出ボタン225が設けられている。
回胴遊技機200におけるマックス投入ボタン216や十字ボタン224や演出ボタン225は、遊技者によって強く叩かれることがある。
従って、回胴遊技機200の図柄回転ユニット203の前方に位置する基板Kは、図柄回転ユニット203の回転に伴う振動だけでなく、上記の各種操作子の操作に基づく衝撃や振動の影響を受ける。
そこで、図柄回転ユニット203よりも前方(例えば、図柄回転ユニット203の中心よりも前方)に位置する基板Kについては、一部が螺子止めによって回胴遊技機200に取り付けられる。
これにより、各種の衝撃や振動に基づく基板Kの摩耗や破損を防止することができる。
なお、弾球遊技機100のガラス扉105や前枠102や、回胴遊技機200の前面パネル202は、メンテナンス時や遊技中の不具合発生時において前方に開放されることがある。
弾球遊技機100のガラス扉105や前枠102に取り付けられている基板Kや、回胴遊技機200の前面パネル202に取り付けられている基板Kには、各部の開閉のたびに振動や衝撃が伝わることとなる。
従って、このような基板Kには、遊技球の衝突による衝撃や振動、図柄回転ユニット203による振動、各種操作子に対する操作による衝撃や振動、枠や扉等の開閉に伴う衝撃や振動が伝わることとなる。
そこで、このような基板Kは、螺子止めによって遊技機1に取り付けられることが望ましい。
これにより、各種の衝撃や振動に基づく不具合の発生を防止することができる。
以上説明したように、遊技機1には、遊技領域103aを有する遊技盤103と、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態である基板ユニット4とを備えている。基板ユニット4は、遊技盤103に対して遊技者側の位置に取り付けられる第1基板ユニット(基板K19)と、遊技盤に対して背面側の位置に取り付けられる第2基板ユニット(基板K20)とを含んでいる。
第1基板ユニットは、固定手段として例えば螺子止め機構などの第1固定手段が用いられ、第2基板ユニットは、固定手段として第1固定手段とは異なる例えばラッチ止め機構やフック止め機構などの第2固定手段が用いられる。
第1固定手段は、固定解除にドライバ等の道具が必要であり、第2固定手段は、固定解除に道具が不要とされる。
これにより、遊技機1を遊技中に遊技球が各部に衝突することによって生じる振動に起因する基板Kの不具合(係止部分の摩耗や破損)の発生を抑制することができると共に、振動の影響の少ない位置に取り付けられる基板K20についてはラッチ止めやフック止めにより取付工数の削減が図られる。
<5.変形例>

上記した各種の例では、基板Kを遊技機1に取り付ける際の取り付け方法として螺子止めを採用しない場合には、ラッチ止めやフック止めの何れを採用してもよい旨を記載したが、場合によっては、フック止めよりもラッチ止めの方が好ましい場合や、逆にラッチ止めよりもフック止めの方が好ましい場合がある。
ここでは、そのような例について説明する。
フック止めと比較するとラッチ止めは基板Kの着脱が容易であることが多い。図11A,図11Bに示すように、可動部16をスライドすれば規制状態と非規制状態を切り換えることが可能である。
一方、図14A,図14Bに示すように、フック止めはフック17の柱部17aを外側に弾性変形させることにより係合部17bを配置された基板Kから離隔する
方向に移動させて基板Kの取り付け状態を解除することが可能である。
しかし、フック17の柱部17aを弾性変形させる際に柱部17aが折れてしまう虞があることから、基板Kの取り付けや取り外しを何度も行うことは好ましくない場合がある。
また、柱部17aが折れてしまうことを防止するために、柱部17aを柔らかい部材で形成することも考えられるが、そうすると、基板Kが遊技機1に取り付けられた状態において、基板Kのガタつき等を生じさせる虞があるため、好ましくない。
従って、基板Kの取り付けや取り外しを行わなくてはならない状態が生じやすい基板Kについては、ラッチ止めを採用することが考えられる。
また、図11A,図11Bに示すようにラッチ止め機構は大型化しやすい。そのため、ラッチ止め機構を配置するためのスペースが十分にとれない可能性がある場合には、設計変更等を行う必要がある。
一方、フック止め機構は図14A,図14Bに示すように配置するスペースが小さくて済む可能性がある。
そこで、基板Kの取り付けのための各種機構を設けるスペースが狭い場合には、フック止めを採用することが考えられる。これにより、設計変更を行う必要がなくなるため、工数やコストを削減することができる。また、フック止め機構を配置するスペースが小さくて済むため、基板Kなど各部品の配置自由度を高めることができる。
上述した各種の実施の形態は、複数の実施の形態を同時に適用することが可能である。
一例を以下に示す。
第1の実施の形態では、基板Kの取り付け位置の高さに応じて取り付け方法を選択する例を述べた。また、第4の実施の形態では、基板Kの重さに応じて取り付け方法を選択する例を述べた。
そこで、基板Kの取り付け位置の高さと基板Kの重量の双方を加味して取り付け方法を選択する例をここで述べる。
例えば、基板Kの取り付け位置が高い場合であっても、重量が軽い場合には、遊技機1の揺れ等による振動によって基板Kの摩耗や破損が起きにくいため、必ずしも螺子止めを採用しなくてもよい。
逆に、基板Kの取り付け位置が低い場合であっても、重量が重い場合には、遊技機1の揺れ等による振動によって基板Kの摩耗や破損が大きくなる虞があるため、螺子止めを採用した方がよい場合がある。
具体的には、遊技機1に取り付けられる基板Kごとに、各種の指標に基づいて第1スコアを付与することが考えられる。
例えば、一つの基板Kについて、取り付け位置の高さに応じた第1スコアを0〜100で付与する。基板Kの取り付け位置が高いほど数値を高くする。即ち、第1スコアが高い程、取り付け方法として螺子止めが採用されやすくなる。
次に、基板Kの重量に応じて第2スコアを0〜100で付与する。このとき、重量が重い基板Kほど数値を高くする。
そして、取り付け位置の高さに応じた第1スコアと重量に応じた第2スコアを加算する。即ち一つの基板Kに付与される総合スコアは、0〜200となる。
ここで、総合スコアが120以上となった基板Kに関しては取り付け方法として螺子止めを採用し、総合スコアが120未満となった基板Kに関しては取り付け方法としてラッチ止めやフック止めを採用する。
このようにすれば、基板Kの取り付け位置の高さと重量の双方を考慮した取り付け方法を選択することが可能となる。
他の例についても述べる。
第5の実施の形態では、基板Kに設けられたコネクタ端子27の数に応じて取り付け方法を選択する例を述べた。
本例では、第1の実施の形態と第5の実施の形態の双方を加味して基板Kの取り付け方法を選択する例を述べる。
例えば、基板Kごとに、取り付け位置の高さに応じた第1スコアを0〜100で付与する。基板Kの取り付け位置が高いほど数値を高くする。即ち、第1スコアが高い程、取り付け方法として螺子止めが採用されやすくなる。
次に、基板Kに設けられたコネクタ端子27の数に応じて第2スコアを0〜100で付与する。このとき、コネクタ端子27の数が多い基板Kほど数値を高くする。
そして、取り付け位置の高さに応じた第1スコアとコネクタ端子27の数に応じた第2スコアを加算する。即ち一つの基板Kに付与される総合スコアは、0〜200となる。
ここで、総合スコアが120以上となった基板Kに関しては取り付け方法として螺子止めを採用し、総合スコアが120未満となった基板Kに関しては取り付け方法としてラッチ止めやフック止めを採用する。
これにより、基板Kの取り付け位置の高さとコネクタ端子27の数の双方を考慮した取り付け方法を選択することが可能となる。
なお、三つ以上の指標を考慮した取り付け方法の選択を行ってもよい。
例えば、上述した第1スコア、第2スコアに加えて第3スコア等を基板Kごとに付与し、それらのスコアを加算した総合スコアの値に応じて取り付け方法を選択してもよい。
他には、指標ごとの重要度を考慮してもよい。
例えば基板Kの取り付け位置の高さに応じて第1スコアを付与し、基板Kの重量に応じて第2スコアを付与した場合に、取り付け位置の高さがより重要であれば、第1スコアを1.5倍するなどした後に総合スコアを算出してもよい。この場合の総合スコアは、0〜250となる。
これにより、指標ごとの重要度に応じて基板Kに総合スコアが付与される。そして、このようにして算出された総合スコアに応じて基板Kの取り付け方法を選択することにより、効果的に不具合(取り付け部分の摩耗や破損、或いは騒音の発生、そして、工数やコストの増大)の発生を抑制することが可能となる。
各種の電子回路基板2や基板ケース3の配置態様の例について、図33を参照して説明する。
図示するように、電子回路基板2が基板ケース3に収納された状態で遊技機1の背面側から取り付けられている。それぞれの電子回路基板2は、コネクタ端子27に取り付けられるハーネス28によって電子的に接続される。
基板ケース3には、適宜通気用や排熱用の孔部29が設けられ、更に強度を補強するためのリブ30等が基板ケース3の内側に突出した凸部として設けられている。
各種の電子回路基板2や基板ケース3は、カバー体31によって更に遊技機1の背面側から覆われることにより、衝撃からの保護と電子回路基板2への不正アクセスの防止が図られている。
カバー体31は、透明または半透明の樹脂で形成され、一辺に取り付けの際の回動支点となる二つの回動軸32と、遊技機1に対して固定するための複数の止め部33を備えている。
このカバー体31は遊技機1背面に設けられた軸支部(図示せず)に回動軸32が挿通されることで、遊技機背面側で開閉可能とされる。また閉状態において、止め部33に取り付けられた固定ピンが遊技機背面部の固定機構(図示せず)と嵌合することで図33のような状態で遊技機1の背面に固定される。
またカバー体31には所要箇所に放熱等のための孔部34が形成されている。
図33の例では、カバー体31は、各基板ケース3の全てに対して覆うように配置されておらず、一部の基板ケース3は部分的にカバー体31から表出した状態となっている。
もちろん、カバー体31が背面の基板ケース3を全て覆うように配置されていてもよい。カバー体31がどの部分を覆うようにするかは機種や基板配置等に応じて適宜設定されていればよい。
図34に別の例を示す。尚、図34では、電子回路基板2を電気的に接続するためのハーネス28やカバー体31は省略して示している。
遊技機1の背面側には、基板ケース3に収納されていない状態でフック止めによって取り付けられている電子回路基板2や、基板ケース3に収納された状態で螺子止めやラッチ止めによって取り付けられている電子回路基板2が配置されている。尚、螺子止めやラッチ止めの取り付け部分に関しては図示を省略している。
また、図中に示す基板Kは、基板ケース3に収納された状態の電子回路基板2とされた基板ユニット4が重ねられた状態(即ち遊技機1における背面側に別の基板ユニット4が配置された状態)とされている。
このように複数の電子回路基板2や基板ケース3が配置されている場合には、それぞれの配置態様を考慮して(例えば各種の指標を算出し、その結果に基づいて)それぞれの電子回路基板2や基板ケース3の取り付け方法を選択することが好ましい。
1…遊技機
2…電子回路基板
3…基板ケース
4…基板ユニット
23…可動体役物
27…コネクタ端子
100…弾球遊技機
200…回胴遊技機
K…基板
K1…主制御基板
K2…演出制御基板

Claims (1)

  1. 電子回路基板が基板ケースに収納された状態である基板ユニットが複数取り付けられている遊技機であって、
    前記複数の基板ユニットは、主制御基板ユニットと、前記主制御基板ユニットとは異なる他の基板ユニットとを含み、
    前記他の基板ユニットは、前記主基板ユニット以上の重量である第1基板ユニットを少なくとも含み、
    前記第1基板ユニット及び前記主制御基板ユニットは前後方向に重ねられずに配置され、
    前記第1基板ユニットは、固定手段として第1固定手段が用いられ、
    前記主制御基板ユニットは、前記固定手段として前記第1固定手段とは異なる第2固定手段が用いられ、
    前記第1固定手段は螺子止めであって、
    前記第2固定手段はラッチ止め又はフック止めであって、固定解除が前記第1固定手段よりも容易である
    ことを特徴とする遊技機。
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