次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像生成システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す通り、画像生成システム1は、第1の画像取得装置2000と、第2の画像取得装置3000と、画像生成装置100と、表示装置4000と、を含む。画像生成装置100は、第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000、及び、表示装置4000と、通信可能に接続されている。
装置間の接続は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブルを用いた有線接続であってもよい。装置間の接続は、Bluetooth(登録商標)や無線LAN等を用いた無線接続であってもよい。装置間の接続は、以上の例に限定されない。
第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、所定の波長帯の光の強度の2次元分布を画像情報として取得する装置である。第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、例えば、一般的なデジタルカメラ、ウェブカメラ、赤外線カメラ等の撮像装置によって実現される。撮像装置は、例えば、撮像素子を用いたカメラ等である。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)イメージセンサ、またはマイクロボロメータ等である。撮像素子から出力される画像データが示す画像のサイズは、例えば、1920×1080ピクセルであってもよい。なお、画像のサイズは、例えば、画像の縦方向のピクセル数及び横方向のピクセル数によって表される。第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、以上の例に限定されない。第1の画像取得装置2000と第2の画像取得装置3000は、それぞれ、取得した画像情報を示す画像データを、画像生成装置100に出力する。以下では、第1の画像取得装置2000が出力する画像データを、第1の画像と表記する。第2の画像取得装置3000が出力する画像データを、第2の画像と表記する。第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000の画角は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第1の画像の画素数と、第2の画像の画素数は、同一であってもよく、異なっていてもよい。 第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、撮像された範囲の少なくとも一部が共通であるように設置される。しかし、第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000の間の距離が大きくなるのに従って、視差が拡大し、画像の位置合わせが容易ではなくなる。第1の画像取得装置2000と第2の画像取得装置3000は、視差が無視できる程度に近い距離に設置されていればよい。第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、例えば、光軸が平行であり、かつ、光軸の間の距離が30cm程度となるように設置されていてもよい。また、第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、ハーフミラーやダイクロイックミラーを使用して、第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000の光軸が一致するよう配置されていてもよい。このような配置によって、第1の画像と第2の画像との間の視差を無くすことができる。
第1の画像と第2の画像の双方において撮像されている範囲を、共通範囲と表記する。撮像された画像において、共通範囲が撮像された領域を、共通領域と表記する。第1の画像に、共通領域ではない領域が含まれている場合、例えば、後述の、画像生成装置100の取得部105が、第1の画像から共通領域を抽出し、抽出した共通領域を新たな第1の画像にしてもよい。第2の画像に、共通領域ではない領域が含まれている場合、例えば、同様に後述の取得部105が、第2の画像から共通領域を抽出し、抽出した共通領域を新たな第2の画像にしてもよい。第1の画像及び第2の画像における共通領域の位置は、第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000のカメラパラメータ及び相対位置に基づいて、予め計算されていてもよい。カメラパラメータ及び相対位置は、予め、測定などによって得られていればよい。取得部105が、第1の画像と第2の画像との間の共通領域を抽出してもよい。共通領域を抽出する方法として、既存の様々な方法が適用できる。
第1の画像のサイズと第2の画像のサイズとが一致しない場合、後述の取得部105が、第1の画像及び第2の画像の少なくとも一方に、例えば、第1の画像のサイズ及び第2の画像のサイズが一致するように補間又は間引きを行ってもよい。
以下の説明では、第1の画像取得装置2000の撮像範囲は、第2の画像取得装置3000の撮像範囲と同じである。第1の画像のサイズは、第2の画像のサイズと同じである。
第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000が感度を有する波長帯は、特に限定されない。第1の画像取得装置2000及び第2の画像取得装置3000は、異なる波長帯に感度を有していてもよい。その場合、共通範囲の異なる特性を取得することができる。以下で説明する例では、第1の画像取得装置2000は、可視〜短波赤外(波長約360nm〜1700nm)に感度を持つカメラである。第2の画像取得装置3000は、遠赤外(波長約7.5μm〜13μm)に感度を持つカメラである。
画像生成装置100は、第1の画像取得装置2000から第1の画像を受信する。画像生成装置100は、第2の画像取得装置3000から、第2の画像を受信する。画像生成装置100は、受信した第1の画像と第2の画像とを用いて、第1の画像から抽出された成分と第2の画像から抽出された成分とを含む、合成画像を生成する。画像生成装置100は、合成画像を、表示装置4000に出力する。画像生成装置100の具体的な機能構成については、他の図面を参照して説明を行う。画像生成装置100は、生成した合成画像を記憶してもよい。画像生成装置100は、例えば画像生成装置100を操作するユーザの指示に従って、記憶している合成画像を読み出し、読み出した合成画像を表示装置4000に出力してもよい。
表示装置4000は、画像生成装置100から合成画像を受け取り、受け取った合成画像を表示する。
(画像生成装置100の構成)
以下の説明では、第1の画像の画素値及び第2の画像の画素値は、1次元のデータである。すなわち、第1の画像及び第2の画像では、1つの画素の画素値は、1個のスカラーによって表される。画素値は多次元のデータであってもよい。すなわち、1つの画素の画素値が、複数のスカラーによって表されていてもよい。例えば、第1の画像及び第2の画像はカラー画像であり、第1の画像及び第2の画像の画素値は、R、G、Bのそれぞれのチャネルの輝度値を持つ3次元のデータによって表されていてもよい。このように画素値が多次元によって表されている場合、後述の処理は、次元毎に適用されればよい。例えば、画素値がR、G、Bのそれぞれのチャネルの輝度値を持つ3次元のデータによって表されている場合、画素値がRのチャネルの輝度値を持つ1次元のデータである画像に対して、後述の処理が適用されればよい。画素値が1次元のデータである画像に対して処理が適用された結果、1つの合成画像が得られる。同様に、画素値がGのチャネルの輝度値を持つ1次元のデータである画像に対して、後述の処理が適用されればよい。さらに、画素値がBのチャネルの輝度値を持つ1次元のデータである画像に対して、後述の処理が適用されればよい。3回の処理によって、画素値が1次元のデータである3つの合成画像が得られる。さらに、最終的な合成画像は、得られた3つの合成画像の、位置が同一である画素の3つの1次元の画素値を、その位置における画素の3次元の画素値として持つカラー画像であればよい。なお、画素値とは、画像内に含まれる画素の輝度値、色相、彩度などの画素の性質を表す値のことである。
次に、本実施形態の画像生成装置100について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態の画像生成装置100の構成の例を表すブロック図である。図2に示す通り、画像生成装置100は、第1フィルタ処理部101と、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106とを含む。
取得部105は、第1の画像取得装置2000から第1の画像を取得し、第2の画像取得装置3000から第2の画像を取得する。取得部105は、取得した第1の画像と第2の画像とを、第1フィルタ処理部101に送る。取得部105は、第1の画像を、さらに、減算部102に送る。
第1フィルタ処理部101は、取得部105から、第1の画像と第2の画像とを受け取る。以下、第1の画像は、「第1の画像S1」と表記される。第1の画像は、単に「S1」とも表記される。第2の画像は、「第2の画像S2」と表記される。第2の画像は、単に「S2」とも表記される。第1フィルタ処理部101は、第1の画像S1と第2の画像S2とに画像変換を適用し、その結果として中間画像を生成する。画像変換については後で詳細に説明する。中間画像は、「中間画像S1’」と表記される。中間画像は、単に「S1’」とも表記される。また、中間画像は、合成画像と表記されることがある。第1フィルタ処理部101は、生成した中間画像S1’を、減算部102と、第1加算部104とに出力する。
第1フィルタ処理部101が第1の画像と第2の画像とに適用する画像変換は、第1の画像と第2の画像とを、第1の画像の成分及び第2の画像の成分を含む中間画像に変換する処理である。第1フィルタ処理部101は、例えば、第1の画像の中間画像への寄与に対する第2の画像の中間画像への寄与の比が、第1の周波数帯と、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯とで異なるように、中間画像を生成してもよい。第1フィルタ処理部101は、例えば、第1の画像の中間画像への寄与に対する第2の画像の中間画像への寄与の比が、第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯において、第1の周波数帯における比よりも大きくなるよう、中間画像を生成してもよい。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。第1周波数成分は、第1の周波数帯における成分である。第2周波数成分は、第2の周波数帯における成分である。更に具体的には、中間画像は、第1の画像の、所定の周波数より低い周波数の成分と、第2の画像の、所定の周波数以上の周波数の成分とが合成された画像であってもよい。中間画像は、第2の画像のエッジと同じ位置にある第1の画像のエッジを保存しながら行われる、第1の画像の平滑化又は高周波成分の低減であってもよい。
以下では、上述の画像変換について、更に詳しく説明する。
画像変換は、例えば、S2をガイド画像とするGuided Filterを、S1に対して適用することであってもよい。第1フィルタ処理部101は、S2をガイド画像とするGuided Filterを、S1に対して適用することによって得られる画像を、中間画像S1’として生成してもよい。S2をガイド画像とするGuided FilterをS1に適用することによって、ガイド画像であるS2に存在するエッジなどをS1において保存したまま、S1の平滑化がなされる。次式は、Guided Filterの計算式を示す。
数1において、スカラーi及びkは、それぞれ、位置を表す。スカラーqiは、S1’の、位置iにおける画素値である。スカラーpiは、S1の、位置iにおける画素値である。スカラーIiは、S2の、位置iにおける画素値である。画素の集合ωkは、画像中の位置kの画素を中心とした1辺が(2r+1)画素の矩形領域を表す。スカラーNωは、1辺が(2r+1)画素の矩形領域に含まれる画素の総数であり、Nω=(2r+1)2が成り立つ。また、μk及びσk 2は、それぞれ、S2の矩形領域ωkに含まれる画素の画素値の平均値及び分散値である。スカラーεは、予め定められた正規化パラメータである。次式によって表される値が、S1の矩形領域ωkに含まれる画素の画素値の平均値である。
画像変換は、S2を参照画像とするJoint Bilateral Filterを、S1に適用することであってもよい。第1フィルタ処理部101は、S2を参照画像とするJoint Bilateral Filterを、S1に適用することによって算出される画像を、S1’として得てもよい。S2を参照画像とするJoint Bilateral Filterを、S1に適用することによって、S2に存在するエッジなどをS1において保存したまま、S1のノイズ除去等を行うことができる。Joint Bilateral Filterの計算式を次式に示す。
ここで、関数G(σs, x) は、分散σs 2 、平均0である正規分布関数である。関数 G (σr, x) は、分散σr 2、平均0である正規分布関数である。||i-j||は画像における位置iと位置jの距離である。|Ii-Ij |は、S2の、位置iにおける画素値と、S2の、位置jにおける画素値との差の絶対値である。
画像変換は、ラプラシアンピラミッドを用いて複数の周波数成分に分解した、第1の画像および第2の画像を、周波数成分ごとに設定された比率で合成することであってもよい。画像の周波数成分は、画像の、複数の空間周波数帯の1つにおける成分である。ラプラシアンピラミッドは、画像を異なる複数の周波数成分に分解する方法である。
第1フィルタ処理部101は、例えば、画像を異なる2つの周波数成分に分解するラプラシアンピラミッドを第1の画像に適用することによって、第1の画像の高周波成分と、低周波成分を得てもよい。高周波成分は、2つの周波数帯のうち、周波数が高い方の周波数帯における成分である。低周波成分は、2つの周波数帯のうち、周波数が低い方の周波数帯における成分である。この場合、第1フィルタ処理部101は、同じラプラシアンピラミッドを、同様に、第2の画像に適用することによって、第2の画像の高周波成分と、低周波成分を得ればよい。次に、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の低周波成分と、第2の画像の高周波成分とを使用して、ラプラシアンピラミッドの逆手順により画像を再構成してもよい。第1フィルタ処理部101は、第1の画像の低周波成分と、第2の画像の高周波成分とを使用した再構成によって得られた画像を、S1’とする。
以上の説明では、第1フィルタ処理部101が、高周波と低周波の2つの周波数成分に分解する例を示したが、分解する周波数成分の個数は特に限定されない。また、上述の例では、同一の周波数帯において中間画像の成分に含まれる第1の画像の成分の比率および第2の画像の成分の比率は、1または0である。しかし、同一の周波数帯において中間画像の成分に含まれる第1の画像の成分の比率および第2の画像の成分の比率は、和が1であるように設定された実数であってもよい。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、周波数帯ごとに和が1になるよう設定された比率を、第1の画像の各周波数成分および第1の画像の各周波数成分に重みとして掛け、重みがかけられた各周波数成分を合成した画像を、S1’として生成してもよい。比率は、周波数が高いほど第2の画像の比率が大きく、周波数が低いほど第1の画像の比率が大きくなるよう設定されていてもよい。その場合、S1’は、低い周波数帯では第2の画像S2の低周波成分よりも第1の画像S1の低周波成分を多く含み、高い周波数帯では第1の画像S1の低周波成分よりも第2の画像S2の低周波成分を多く含む。
このように、第1フィルタ処理部101が生成する中間画像には、第1の画像の低周波成分(例えば、グレースケール画像の輝度、又は、カラー画像の色など)の特性を保持しつつ、第2の画像の高周波成分(例えば、エッジやテクスチャの成分)が反映されている。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。なお、以下の説明では、「テクスチャ」はテクスチャの高周波成分を表し、テクスチャの低周波成分は、輝度又は色などの分布に含まれる。
減算部102は、第1の画像S1を取得部105から受け取り、中間画像S1’を第1フィルタ処理部101から受け取る。減算部102は、受け取った、第1の画像S1と画像S1’との差分をとり、第1の画像S1と画像S1’との差分を表す差分画像Dを生成する。減算部102は、例えば、差分画像Dの、位置iにおける画素の画素値が、第1の画像S1の、位置iにおける画素の画素値から、中間画像S1’の、位置iにおける画素の画素値を引いた値であるように、差分画像Dを生成すればよい。減算部102は、生成した差分画像Dをノイズ抑制部103に出力する。
ノイズ抑制部103は、減算部102から差分画像Dを受け取る。ノイズ抑制部103は、受け取った差分画像Dに対してノイズ抑制処理を適用し、ノイズ抑制処理が適用された差分画像Dである画像D’を生成する。ノイズ抑制部103は、生成した画像D’を第1加算部104に出力する。ノイズ抑制部103によるノイズ抑制処理の例として、シュリンケージがある。ノイズ抑制部103は、差分画像Dの画素(以下、対象画素と表記)の画素値にシュリンケージを適用し、得られた値を、画像D’の、対象画素と同じ位置の画素の画素値にする。ノイズ抑制部103は、差分画素Dのすべての画素に対して、同様の処理を行えばよい。以下では、ノイズ抑制処理の適用前の、差分画像Dの画素の画素値をwとし、ノイズ抑制処理としてのシュリンケージの適用によって得られたその画素の画素値をw’とする。次に示す数4は、シュリンケージの具体例を表す式である。数5も、シュリンケージの具体例を表す式である。
ここで、αは減衰係数であり、λは減衰幅であり、関数sign(w)はwの正負符号を出力する関数であり、|w|はwの絶対値であり、関数max(a、b)はaおよびbの最大値を出力する関数である。他にも多種のシュリンケージが存在する。ノイズ抑制部103によるノイズ抑制処理に適用可能なシュリンケージは、上述の例に限られない。
ノイズ抑制処理は、例えば、ラプラシアンピラミッドを利用した処理であってもよい。ノイズ抑制部103は、まず、ラプラシアンピラミッドを差分画像Dに適用することによって、差分画像Dを周波数分解する。すなわち、ノイズ抑制部103は、差分画像Dを、複数の周波数成分に分解する。以下の説明では、周波数成分の数をNとする。差分画像Dのn番目の周波数成分を表す画像を、画像Ln{D}と表記する。また、ガウシアンフィルタが掛けられた画像を、ガウシアン画像と表記する。差分画像Dに再帰的にガウシアンフィルタをn回かけて生成したガウシアン画像を、ガウシアン画像gn {D}と表記する。差分画像の複数の周波数成分は、階層数Nのガウシアン画像gn {D}(0≦n<N)の、隣接階層間の差分として、数6のように定義される。ここで、画像g0 {D}は差分画像Dそのものある。ガウシアン画像gn+1 {D}は、ガウシアン画像gn {D}にガウシアンフィルタをかけた画像である。数6では、Ln{D}、gn{D}は、それぞれ、例えば、各要素が画素値である行列を表すとみなすことができる。この場合、Ln{D}、gn{D}のそれぞれの(i,j)要素は、位置が(i,j)によって示される画素の画素値である。数6の最初の式は、行列の引き算を表す。上述のように画像g0{D}は、画像Dそのものであるので、数6においてg0{D}(すなわち、nが0である場合のgn{D})の各要素は、差分画像Dの画素値である。Expandは、例えば補間等によって画像の解像度を向上させる処理(すなわち、画像の縦方向及び横方向の画素数を増加させる処理)である、アップサンプリング処理を表す。数6のExpandは、画像gn+1{D}の画素数が、画像gn{D}の画素数と同じサイズになるように、gn+1{D}の画素数を増加させる。
ノイズ抑制部103は、例えば数6に従って、差分画像Dが分解されたN個の周波数成分を表す画像Ln {D} (1≦n<N) を生成する処理を行う。この処理によって生成される画像Ln{D}が表す成分の空間周波数は、nが大きいほど低い。すなわち、画像 L0 {D}は、差分画像Dの最も空間周波数の高い成分を表し、L1 、L2 、…、 LN-1の順に、これらの画像が表す成分の空間周波数は低くなる。
次に、ノイズ抑制部103は、例えば、最も高い周波数成分の比率が最も小さくなるよう、各周波数成分に対してあらかじめ設定された比率を用いて、Ln {D}のノイズを低減させてもよい。数7は、比率の例を表す。例えば、比率αnは、番号がnである周波数成分の比率である。
ノイズ抑制部103は、画像D’の周波数成分を表す画像Ln{D'}を、例えば、画像Ln{D}の各画素の画素値に比率αnをかけることを表す式Ln {D'}=αnLn {D} に従って生成する。数7に示す例のように、最も空間周波数の高い成分の比率が0である場合、最も空間周波数の高い成分に含まれる高周波ノイズは除去される。以上により、ノイズ抑制部103は、高周波ノイズが除去されたラプラシアンピラミッドLn {D'}を生成できる。比率αnの値は、数7の例に限られない。例えば、周波数成分のノイズの量が多いほど、その周波数成分の比率は小さくてもよい。
ノイズ抑制部103は、比率を使用する代わりに、例えば、ノイズの量の多いほど画素値の減衰率が高くなるように周波数成分ごとに定義されたシュリンケージ処理を、画像Ln{D}に対して行うことによって得られる画像を、画像Ln{D'}としてもよい。最も空間周波数が高い成分のシュリンケージ処理が、画素値の減衰率が最も高くなるように定義されていれば、高周波ノイズを除去することができる。番号nの周波数成分のシュリンケージ処理を表す関数をShrinkn (x)とすると、上述のシュリンケージ処理は、式Ln {D'}=Shrinkn (Ln {D})と表される。シュリンケージ処理として、既存の様々なシュリンケージ処理を適用できる。ノイズ抑制部103は、以上のように、周波数成分毎のノイズ量に合わせたシュリンケージによりノイズ抑制してもよい。
次に、ノイズ抑制部103は、ラプラシアンピラミッドLn {D'}を統合し、統合されたラプラシアンピラミッドLn {D'}を表す画像を、画像D’として生成する。ラプラシアンピラミッドの統合は、例えば次式によって表される。
ただし、gN-1 {D' }=gN-1 {D}とする。
以上の説明では、ラプラシアンピラミッドが用いられたが、ノイズ抑制部103は、ラプラシアンピラミッドの代わりにウェーブレット変換を用いて同様の処理を行うことができる。
ノイズ抑制部103は、ノイズが抑制された差分画像である画像D’を、第1加算部104に送出する。
第1加算部104は、ノイズ抑制部103から、ノイズが抑制された差分画像である画像D’を受け取り、第1フィルタ処理部101から、第2の画像のエッジやテクスチャなどの高周波成分を保存しながら平滑化が行われた第1の画像である、画像S1’を受け取る。第1加算部104は、受け取った、ノイズが抑制された画像D’と中間画像S1’とを加算して、差分画像D’と中間画像S1’とが加算された画像である合成画像S3=S1’+D’を生成する。言い換えると合成画像S3の画素の画素値は、その画素と同じ位置における、差分画像D’の画素の画素値と中間画像S1’の画素の画素値との和である。第1加算部104は、生成した合成画像S3を、出力部106に送出する。
出力部106は、第1加算部104から合成画像S3を受け取り、受け取った合成画像S3を表示装置4000に出力する。
次に、本実施形態の画像生成装置100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本実施形態の画像生成装置100の動作の例を表すフローチャートである。
まず、取得部105が、第1の画像と第2の画像とを受け取る(ステップS101)。取得部105は、受け取った第1の画像と第2の画像とを、第1フィルタ処理部101に送出する。取得部105は、さらに、第1の画像を減算部102に送出する。
第1フィルタ処理部101は、第1の画像と第2の画像とを受け取る。第1フィルタ処理部101は、受け取った第1の画像と第2の画像とから、第1の画像に基づく第1周波数成分と、第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する(ステップS102)。第1周波数成分は、第1の周波数帯における成分である。第2周波数成分は、第1の周波数帯よりも高い周波数を持つ、第2の周波数帯における成分である。第1フィルタ処理部101は、生成した中間画像を、減算部102と、第1加算部104とに送出する。
減算部102は、取得部105から第1の画像を受け取り、第1フィルタ処理部101から中間画像を受け取る。減算部102は、受け取った第1の画像と中間画像との差分画像を生成する(ステップS103)。差分画像は、第1の画像から中間画像を生成した際に中間画像において失われた、第1の画像の成分に相当する。減算部102は、例えば、第1の画像から中間画像が引かれた、差分画像を生成すればよい。すなわち、減算部102は、画素の画素値が、その画素と同じ位置において、第1の画像の画素の画素値から差分画像の画素の画素値を引いた値である、差分画像を生成すればよい。減算部102は、生成した差分画像を、ノイズ抑制部103に送出する。
ノイズ抑制部103は、減算部102から差分画像を受け取り、受け取った差分画像に対してノイズを抑制する処理を行う(ステップS104)。ノイズ抑制部103は、ノイズを抑制する処理が行われた差分画像(以下、ノイズ抑制差分画像とも表記)を、第1加算部104に送出する。
第1加算部104は、第1フィルタ処理部101から中間画像を受け取る。第1加算部104は、第1フィルタ処理部101から受け取った中間画像と、ノイズ抑制部103から受け取ったノイズ抑制差分画像とを足すことによって、中間画像とノイズ抑制差分画像との合成画像を生成する(ステップS105)。第1加算部104は、生成した合成画像を、出力部106に送出する。
出力部106は、第1加算部104から合成画像を受け取り、受け取った合成画像を、表示装置4000に出力する(ステップS106)。表示装置4000は、合成画像を受け取り、受け取った合成画像を表示する。
減算部102によって生成される差分画像Dは、中間画像において失われた第1の画像のテクスチャ成分を表す。ノイズ抑制部103によって生成される差分画像D’は、差分画像Dに対してノイズの低減を行う処理(すなわち、ノイズの抑制を行う処理)を適用することによって生成された画像である。上述のように、第1フィルタ処理部101によって生成される中間画像S1’は、第2の画像に基づく高周波成分(第2周波数成分)と、第1の画像に基づく低周波数成分(第1周波数成分)を含む画像である。言い換えると、第2の画像に存在するエッジ等は中間画像S1’において保存される。しかし、第1の画像に存在するエッジ等は、第2の画像のそのエッジ等と同じ位置にエッジ等が存在しない場合、中間画像S1’では失われる。
例えば、第1の画像S1が可視から短波赤外の光の画像である場合、例えば暗所などの過酷環境下では、第1の画像S1には、高周波成分として、エッジ及びテクスチャに加えて、高感度ノイズが含まれる。そのため、撮像の対象の輪郭やテクスチャは視認しにくい。しかし、第1の画像S1の画素値の分布(例えば、背景や対象の明るさや色)は、肉眼で知覚されるシーンに近い。第1の画像S1の低周波成分は、視認性の向上に寄与するが、第1の画像S1の高周波成分は、ノイズが含まれているままでは視認性の向上に寄与しない。第2の画像S2が遠赤外の画像である場合、第2の画像に含まれるノイズは少ない。そのため、例えば背景と温度の異なる対象の輪郭等は視認しやすい。しかし、第2の画像S2の画素値の分布は肉眼によって知覚されるシーンと異なるので、第2の画像S2の視認性は高いとは言えない。第2の画像S2の高周波成分は、視認性の向上に寄与するが、第2の画像S2の低周波成分は、視認性の向上に寄与しない。
中間画像S1’では、第1の画像S1のノイズ、エッジ、テクスチャ等の高周波成分と第2の画像の低周波成分は低減されているが、第1の画像S1の低周波成分と、第2の画像S2の高周波成分は保存されている。差分画像Dは、第1の画像S1に含まれ中間画像S1’に含まれない、第1の画像S1のノイズ、エッジ、及び、テクスチャ等の高周波成分を含む。差分画像D’では、差分画像Dに含まれていたノイズが低減される。第1加算部104によって生成される合成画像S3は、中間画像S1’と差分画像D’との合成画像、すなわち、中間画像S1’の画素の画素値に、差分画像D’の同じ位置の画素の画素値を加えることによって生成された画像である。上述のように、中間画像S1’は、第2の画像に存在するエッジ等の高周波成分を含み、受信した第1の画像S1に含まれていたノイズ及びテクスチャ等の高周波成分が低減された第1の画像である。差分画像は、中間画像S1’には含まれない第1の画像S1の高周波成分のうち、ノイズが低減された画像である。そのため、合成画像は、第1の画像ではノイズのために必ずしも判然としないが第2の画像には存在するエッジ等の高周波成分と、第1の画像の低周波成分に加えて、第1の画像のノイズが低減されたテクスチャを含む。よって、合成画像の視認性は、第1の画像の視認性と比較して、向上している。
このように、本実施形態によると、中間画像において失われている第1の画像のテクスチャ成分が、ノイズを低減する処理がなされてから中間画像に加算されることによって、視認性の高い合成画像が得られる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本実施形態の画像生成システム2の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の画像生成システム2は、図1に示す第1の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに、画像生成装置200を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図5は、本実施形態の画像生成装置200の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置200は、第1フィルタ処理部101と、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202とを含む。
本実施形態の取得部105は、第1の実施形態の取得部105と同じ動作を行う。本実施形態の取得部105は、更に、受けとった第2の画像を、テクスチャ抽出部201に送出する。
本実施形態の第1加算部104は、生成した合成画像を、第2加算部202に送出する。本実施形態の第1加算部104の他の動作は、第1の実施形態の第1加算部104の動作と同じである。
テクスチャ抽出部201は、取得部105から第2の画像を受け取る。テクスチャ抽出部201が、第2の画像のテクスチャを表すテクスチャ画像を生成する。言い換えると、テクスチャ抽出部201が、第2の画像から、第2の画像のテクスチャを、テクスチャ画像として抽出する。テクスチャ抽出部201は、例えば、受け取った第2の画像に空間高周波通過フィルタを適用することによって、第2の画像から、第2の画像のテクスチャを表すテクスチャ画像を抽出すればよい。テクスチャ抽出部201は、後述される構造/テクスチャ分解部402と同じ方法で、第2の画像をテクスチャ成分と構造成分とに分解し、得られたテクスチャ成分を表す画像を、テクスチャ画像として生成してもよい。なお、以下では、画像のテクスチャ(以下、テクスチャ成分とも表記)を表すテータは、画像(すなわち、テクスチャ画像)であるとして説明する。しかし、画像のテクスチャ成分を表すデータは、必ずしも画像の形式のデータでなくてもよい。画像のテクスチャ成分を表すデータは、その画像の各画素の画素値の、テクスチャに由来する成分の値を特定できるデータであればよい。テクスチャ抽出部201は、抽出したテクスチャ画像を、第2加算部202へ送出する。
第2加算部202は、第1加算部104から合成画像を受け取り、テクスチャ抽出部201からテクスチャ画像を受け取る。第2加算部202は、受け取った合成画像にテクスチャ画像を加算することによって、合成画像を更新する。第2加算部202は、合成画像にテクスチャ画像を加算することによって、新たな合成画像を生成するとみなすこともできる。第2加算部202は、更新された合成画像を、出力部106に送出する。
本実施形態の出力部106は、第2加算部202から、更新された合成画像を受け取る。出力部106は、受け取った合成画像を表示装置4000に出力する。
次に、本実施形態の画像生成装置200の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施形態の画像生成装置200の動作の例を表すフローチャートである。図6に示すステップS101からステップS105までの動作及びステップS106の動作は、以下の相違を除いて、図3に示す第1の実施形態の画像生成装置200の同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。
ステップS101において、取得部105は、受け取った第2の画像を、テクスチャ抽出部201にも送出する。ステップS105において、第1加算部104は、生成した合成画像を、第2加算部202に送出する。図6の例では、画像生成装置200は、ステップS105の次に、ステップS201を行う。
ステップS201において、テクスチャ抽出部201が、第2の画像のテクスチャ画像を生成する。言い換えると、テクスチャ抽出部201が、第2の画像から、第2の画像のテクスチャを、テクスチャ画像として抽出する。テクスチャ抽出部201は、抽出したテクスチャ画像を、第2加算部202に送出する。
次に、第2加算部202は、第1加算部104が生成した合成画像に、テクスチャ抽出部201が抽出したテクスチャ画像を加える(ステップS202)。第2加算部202は、テクスチャ画像が加えられた合成画像を、出力部106に送出する。
なお、ステップS201の動作の順番は、図6の例に限られない。画像生成装置200は、ステップS201の動作を、ステップS101の後、ステップS202の前のどの時点で行ってもよい。画像生成装置200は、ステップS201の動作を、ステップS102からステップS105までの少なくともいずれかと並列に行ってもよい。
本実施形態の第2加算部202は、第1の実施形態の合成画像に、更に、テクスチャ抽出部201によって抽出されたテクスチャ画像を加算する。従って、本実施形態には、さらに視認性の高い画像を得ることができるという効果がある。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施形態の画像生成システム3の構成を表すブロック図である。本実施形態の画像生成システム3は、図1に示す第1の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに、画像生成装置300を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図8は、本実施形態の画像生成装置300の構成を表すブロック図である。画像生成装置300は、第2フィルタ処理部301と、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106とを含む。減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105及び出力部106は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104及び出力部106と同じである。取得部105は、第2の実施形態の取得部105と同様に動作する。
第2フィルタ処理部301は、第1フィルタ処理部101と、テクスチャ抽出部201と、第3加算部302とを含む。第1フィルタ処理部101は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同じである。テクスチャ抽出部201は、以下の相違を除いて、第2の実施形態のテクスチャ抽出部201と同じである。なお、画像生成装置300は、第2フィルタ処理部301を含まず、第2フィルタ処理部301の代わりに、第1フィルタ処理部101、テクスチャ抽出部201及び第3加算部302を含んでいてもよい。
第1フィルタ処理部101は、生成した中間画像を、第3加算部302に送出する。
テクスチャ抽出部201は、抽出した、第2の画像のテクスチャを表すテクスチャ画像を、第3加算部302に送出する。
第3加算部302は、生成された中間画像を第1フィルタ処理部101から受け取り、抽出されたテクスチャ画像をテクスチャ抽出部201から受け取る。第3加算部302は、受け取った中間画像に、受け取ったテクスチャ画像を加算する。第3加算部302は、受け取った中間画像に、受け取ったテクスチャ画像を加算することによって、新たな中間画像を生成するとみなすこともできる。第3加算部302は、テクスチャ画像が加算された中間画像を、減算部102と第1加算部104とに送出する。
減算部102は、第3加算部302から、テクスチャ画像が加算された中間画像を受け取る。減算部102の他の動作は、第1の実施形態の減算部102の動作と同じである。
第1加算部104は、第3加算部302から、テクスチャ画像が加算された中間画像を受け取る。第1加算部104の他の動作は、第1の実施形態の第1加算部104の動作と同じである。
次に、本実施形態の画像生成装置300の動作について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態の画像生成装置300の動作の例を表すフローチャートである。図9に示す、ステップS101、ステップS102、及び、ステップS103からステップS106までの動作は、以下の相違を除いて、図3に示す第1の実施形態の同じ符号が付与されたステップの動作と同じである。
図9に示す例では、本実施形態の画像生成装置300は、ステップS102の動作の後に、ステップS201の動作を行う。ステップS201の動作は、テクスチャ抽出部201が、生成したテクスチャ画像を、第3加算部302に送出する点を除いて、第2の実施形態のステップS201の動作と同じである。なお、画像生成装置300は、ステップS201の動作を、ステップS102の動作の前に行ってもよい。画像生成装置300は、ステップS201の動作を、ステップS102の動作と並列に行ってもよい。
次に、第3加算部302が、中間画像とテクスチャ画像とを受け取り、受け取った中間画像に、受け取ったテクスチャ画像を加える(ステップS302)。第3加算部302は、テクスチャ画像が加えられた中間画像を、減算部102と第1加算部104とに送出する。
ステップS302の動作の後、画像生成装置300はステップS103からステップS106までの動作を行う。
本実施形態の第3加算部302は、中間画像に、第2の画像のテクスチャ画像を足す。そのため、第1加算部104によって生成される合成画像には、第2の実施形態の合成画像と同様に、第2の画像のテクスチャが含まれている。従って、本実施形態には、第2の実施形態と同様に、さらに視認性の高い画像を得ることができるという効果がある。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本実施形態の画像生成システム4の構成の例を表すブロック図である。図10によると、本実施形態の画像生成システム4は、第1の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに、画像生成装置400を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図11Aは、本実施形態の画像生成装置400の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の画像生成装置400は、減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105、出力部106、及び、第2フィルタ処理部401を含む。減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105及び出力部106は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105及び出力部106と同じである。
図11Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部401の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部401は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、を含む。第1フィルタ処理部101は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同じである。なお、画像生成装置400は、第2フィルタ処理部401を含まず、第2フィルタ処理部401の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402とを含んでいてもよい。
取得部105は、第1の画像S1を、第1フィルタ処理部101と減算部102とに送出する。取得部105は、第2の画像S2を、構造/テクスチャ分解部402に送出する。
構造/テクスチャ分解部402は、取得部105から、第2の画像を受け取る。構造/テクスチャ分解部402は、受け取った第2の画像を、構造成分を表す構造画像S2’と、テクスチャ成分をあらわすテクスチャ画像T2とに分離する。構造成分は、例えば、滑らかな輝度値の変化及び輝度値のエッジ成分である。テクスチャ成分は、例えば、輝度値の微小振動成分である。構造/テクスチャ分解部402による、第2の画像を構造画像S2’とテクスチャ画像T2とに分離する方法については、後で詳細に説明する。上述のように、以上及び以下の説明では、画像のテクスチャ成分を表すデータは、画像(すなわちテクスチャ画像)である。しかし、画像のテクスチャ成分を表すデータは、画像の形式のデータではなくてよい。画像のテクスチャ成分を表すデータは、その画像の各画素の画素値の、テクスチャに由来する成分の値を特定できる形式のデータであればよい。同様に、以下の説明では、画像の構造成分を表すデータは、画像(すなわち、構造画像)である。しかし、画像の構造成分を表すデータは、画像の形式のデータでなくてよい。画像の構造成分を表すデータは、その画像の各画素の画素値の、構造に由来する(例えば、テクスチャに由来しない)成分の値を特定できる形式のデータであればよい。構造/テクスチャ分解部402は、構造画像S2’を、第1フィルタ処理部101に送出する。
第1フィルタ処理部101は、取得部105から第1の画像S1を受け取り、構造/テクスチャ分解部402から、第2の画像の構造画像S2’を受け取る。第1フィルタ処理部101は、受け取った第2の画像の構造画像S2’を、第1の実施形態における第2の画像として使用して、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同様に、中間画像S1’を生成する。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。
次に、構造/テクスチャ分解部402による、第2の画像を構造画像S2’とテクスチャ画像T2とに分離する方法について詳細に説明する。
画像の構造成分とテクスチャ成分を計算する方法の例として、Total Variation(TV)正則化法がある。TV正則化による構造成分とテクスチャ成分の分離は、次式を計算することによって行われる。
ここで、f及びuは、入力画像における位置xの関数であり、f(x)は入力画像の位置xにおける画素値であり、u(x)の最適解がSとして算出される。Jε(u)はエネルギー汎関数であり、∇u(x)は、u(x)の勾配を表す。入力画像は、例えば、第1の画像、または、第2の画像である。S、 Tは、それぞれ、入力画像の構造成分とテクスチャ成分である。λ、εは、所定の正則化パラメータである。数9では、f及びuが連続関数である場合の式を表すが、実際にはf及びuは離散値を持つ。構造/テクスチャ分解部402は、実際には、数9を離散化した式に基づいて、入力画像を構造成分とテクスチャ成分に分離すればよい。
なお、構造/テクスチャ分解部402は、構造成分及びテクスチャ成分の分離を、上述のTV正則化法以外の方法、例えば、ハイパスフィルタ又はローパスフィルタを用いた方法によって計算してもよい。その場合、構造/テクスチャ分解部402は、入力画像に空間ハイパスフィルタを適用し、得られた結果をその入力画像のテクスチャ成分とし、入力画像からテクスチャ成分を引いた成分を構造成分としてもよい。構造/テクスチャ分解部402は、入力画像に空間ローパスフィルタを適用し、得られた結果をその入力画像の構造成分とし、入力画像から構造成分を引いた成分をテクスチャ成分としてもよい。ただし、本実施形態では、構造/テクスチャ分解部402は、第2の画像の構造成分を算出し、第2の画像の構造成分を表す構造画像S2’を生成すればよい。
次に、本実施形態の画像生成装置400の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図12は、本実施形態の画像生成装置400の動作の例を表すフローチャートである。図12に示す、ステップS101の動作と、ステップS103からステップS106までの動作は、以下の相違を除いて、図3に示す、第1の実施形態の同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。
ステップS101において、取得部105は、受け取った第1の画像を第1フィルタ処理部101と減算部102とに送出する。取得部105は、受け取った第2の画像を、構造/テクスチャ分解部402に送出する。ステップS101の後、画像生成装置400は、ステップS401及びステップS402の動作を行う。
ステップS401において、構造/テクスチャ分解部402は、受け取った第2の画像から構造成分を分離し、分離した構造成分を表す、第2の画像の構造画像を生成する。前述のように、第2の画像の構造画像は、第2の画像の画素値の、滑らかに変化する成分に加えて、エッジの成分も含む。構造/テクスチャ分解部402は、生成した、第2の画像の構造画像を第1フィルタ処理部101に送出する。
ステップS402において、第1フィルタ処理部101は、第1の画像に基づく第1周波数成分と、第2の画像に構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。ステップS402における第1フィルタ処理部101の動作は、第2の画像そのものの代わりに第2の画像の構造画像を第2の画像として使用した、図3に示す第1の実施形態のステップS102の動作と同じである。第1フィルタ処理部101は、例えば、第2の画像の構造画像をガイド画像として使用するガイデッド・フィルタを第1の画像に適用することによって得られる画像を、中間画像として生成すればよい。
画像生成装置400は、ステップS402の動作の後、ステップS103からステップS106までの動作を行う。ステップS103からステップS106の動作は、図3に示す、第1の実施形態のステップS103からステップS106の動作と同じである。
本実施形態には、視認性が更に向上した画像を生成できるという効果がある。その理由は、構造/テクスチャ分解部402が、第2の画像の構造画像を生成するからである。そのため、第1フィルタ処理部101が、第2の画像の構造画像をガイド画像として使用してガイデッド・フィルタを第1の画像に適用することができる。第2の画像の構造画像には、第2の画像のエッジ成分は含まれるが、第2の画像のテクスチャ成分は含まれない。第2の画像にテクスチャがある場合、第2の画像をそのままガイド画像として使用するガイデッド・フィルタを第1の画像に適用すると、第1の画像の平滑化において、第2の画像のテクスチャのエッジと同じ位置に存在するノイズ等が保存される。第2の画像の構造画像をガイド画像として使用するガイデッド・フィルタを第1の画像に適用した場合、第2の画像のテクスチャが存在しても、第1の画像の平滑化において、第2の画像のテクスチャのエッジと同じ位置に存在するノイズ等は保存されない。この場合であっても、第2の画像の輪郭等のエッジと同じ位置に存在するエッジは保存される。第4の実施形態によると、第2の画像にテクスチャがあった場合でも、構造成分のみを抜き出しているので、効果的にガイデッド・フィルタを掛けることができる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図13は、本実施形態の画像生成システム5の構成の例を表すブロック図である。図13に示す画像生成システム5は、図4に示す、第2の実施形態の画像生成システム2と比較すると、画像生成装置200の代わりに画像生成装置500を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図14は、本実施形態の画像生成装置500の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置500は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202と、第2フィルタ処理部401とを含む。図14に示す画像生成装置500は、図5に示す画像生成装置200と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部401を含む。
図11Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部401の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部401は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402とを含む。本実施形態の第2フィルタ処理部401は、第4の実施形態の第2フィルタ処理部401と同じである。なお、画像生成装置500は、第2フィルタ処理部401を含まず、第2フィルタ処理部401の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402とを含んでいてもよい。
本実施形態の減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105、出力部106、テクスチャ抽出部201及び第2加算部202は、以下の相違を除いて、第2の実施形態の、同じ名称及び符号が付与されている構成要素と同じ動作を行う。本実施形態の第2フィルタ処理部401は、第4の実施形態の第2フィルタ処理部401と同じ動作を行う。
本実施形態の取得部105は、受信した第1の画像S1を、第1フィルタ処理部101と減算部102とに送出する。本実施形態の取得部105は、更に、受信した第2の画像S2を、テクスチャ抽出部201及び構造/テクスチャ分解部402に送出する。
次に、本実施形態の画像生成装置500の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図15は、本実施形態の画像生成装置500の動作の例を表すフローチャートである。図15に示す、ステップS101、ステップS401、ステップS402、及び、ステップS103からステップS105の動作は、図12に示す、第4の実施形態の同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。図15に示す、ステップS201、ステップS202、及び、ステップS106の動作は、図6に示す、第2の実施形態の同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。また、画像生成装置500は、ステップS201の動作を、ステップS101、ステップS401、ステップS402、ステップS103からステップS105のどの動作の後に行ってもよい。画像生成装置500は、ステップS201の動作を、ステップS401、ステップS402、ステップS103からステップS105の少なくともいずれかの動作と並列に行ってもよい。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第2の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図16は、本実施形態の画像生成システム6の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の画像生成システム6は、図7に示す、第4の実施形態の画像生成システム4と比較すると、画像生成装置400の代わりに、画像生成装置600を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図17Aは、本実施形態の画像生成装置600の構成の例を表すブロック図である。図17Aに示すように、画像生成装置600は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、第2フィルタ処理部601とを含む。画像生成装置600は、図8に示す、第4の実施形態の画像生成装置400と比較すると、第2フィルタ処理部401の代わりに、第2フィルタ処理部601を含む。減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105及び出力部106は、以下の相違を除いて、第4の実施形態の、同じ名称と符号が付与されている構成要素の動作と同じ動作を行う。
図17Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部601の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部601は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、第3加算部302と、を含む。すなわち、第2フィルタ処理部601は、第4の実施形態の第2フィルタ処理部401と比較すると、第3加算部302を更に含む。なお、画像生成装置600は、第2フィルタ処理部601を含まず、第2フィルタ処理部601の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、第3加算部302とを含んでいてもよい。
第1フィルタ処理部101及び構造/テクスチャ分解部402は、それぞれ、以下の相違を除いて、第4の実施形態の第1フィルタ処理部101及び構造/テクスチャ分解部402の動作と同じ動作を行う。第3加算部302は、以下の相違を除いて、第3の実施形態の第3加算部302の動作と同じ動作を行う。
本実施形態の構造/テクスチャ分解部402は、第4の実施形態の構造/テクスチャ分解部402の動作と同じ動作を行う。すなわち、構造/テクスチャ分解部402は、第2の画像を構造成分とテクスチャ成分とに分解し、第2の画像の構造成分を表す、第2の画像の構造画像を生成し、生成した構造画像を第1フィルタ処理部101に送出する。構造/テクスチャ分解部402は、更に、第2の画像のテクスチャ成分を表すテクスチャ画像を生成する。構造/テクスチャ分解部402は、生成したテクスチャ画像を、第3加算部302に送出する。
第1フィルタ処理部101は、第4の実施形態の第1フィルタ処理部101と同様に、第1の画像と、第2の画像の構造画像から、中間画像を生成する。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。第1フィルタ処理部101は、生成した中間画像を、第3加算部302に送出する。
第3加算部302は、生成された中間画像を第1フィルタ処理部101から受信し、生成された、第2の画像のテクスチャ成分を表すテクスチャ画像を、構造/テクスチャ分解部402から受信する。第3加算部302は、第1フィルタ処理部101から受け取った中間画像に、構造/テクスチャ分解部402から受け取ったテクスチャ画像を加算することによって、中間画像を更新する。第3加算部302は、中間画像にテクスチャ画像が加算された、新たな中間画像を生成するとみなすこともできる。第3加算部302は、テクスチャ画像が加算された中間画像を、減算部102と第1加算部104とに送出する。
次に、本実施形態の画像生成装置600の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図18は、本実施形態の画像生成装置600の動作の例を表すフローチャートである。図18に示す、ステップS101の動作は、図12に示す、第4の実施形態のステップS101の動作と同じである。本実施形態の画像生成装置600は、ステップS101の動作の次に、ステップS601の動作を行う。
ステップS601において、構造/テクスチャ分解部402は、第2の画像の構造成分を表す構造画像と、第2の画像のテクスチャ成分を表すテクスチャ画像とを生成する。画像生成装置600は、ステップS601の次に、ステップS402の動作を行う。ステップS402の動作は、第4の実施形態のステップS402の動作と同じである。
画像生成装置600は、ステップS402の動作の次に、ステップS302及びステップS103からステップS106の動作を行う。ステップS302及びステップS103からステップS106の動作は、図9に示す、第3の実施形態のステップS302及びステップS103からステップS106の動作と同じである。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第3の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図19は、本実施形態の画像生成システム7の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の画像生成システム7は、図4に示す第2の実施形態の画像生成システム2と比較すると、画像生成装置200の代わりに、画像生成装置700を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図20は、本実施形態の画像生成装置700の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置700は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202と、第2フィルタ処理部601とを含む。本実施形態の画像生成装置700は、図14に示す第5の実施形態の画像生成装置500と比較すると、第2フィルタ処理部401の代わりに、第2フィルタ処理部601を含む。減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104及び取得部105は、第5の実施形態の同じ名称と符号とが付与されている構成要素と同じである。出力部106、テクスチャ抽出部201及び第2加算部202は、以下の相違を除いて、第5の実施形態の同じ名称と符号とが付与されている構成要素と同じである。
図17Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部601の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の第2フィルタ処理部601は、第6の実施形態の第2フィルタ処理部601と同じである。なお、画像生成装置700は、第2フィルタ処理部601を含まず、第2フィルタ処理部601の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、第3加算部302とを含んでいてもよい。
次に、本実施形態の画像生成装置700の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図21は、本実施形態の画像生成装置700の動作の例を表すフローチャートである。図21のステップS101、ステップS601、ステップS402、ステップS302、及び、ステップS103からステップS104において、画像生成装置700は、図18に示す、第6の実施形態の同じ符号が付与されているステップと同様に動作する。ステップS105、ステップS201、ステップS202及びステップS106において、画像生成装置700は、図15に示す、第5の実施形態の同じ符号が付与されているステップと同様に動作する。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第2の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由と、第3の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由とに加えて、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図22は、本実施形態の画像生成システム8の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム8は、図1に示す第1の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに画像生成装置800を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図23Aは、本実施形態の画像生成装置800の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置800は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、第2フィルタ処理部801とを含む。本実施形態の画像生成装置800は、図2に示す第1の実施形態の画像生成装置100と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部801を含む。本実施形態の減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105及び出力部106は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の、同じ名称と符号が付与されている構成要素と同じである。
図23Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部801の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部801は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部802と、を含む。なお、画像生成装置800は、第2フィルタ処理部801を含まず、第2フィルタ処理部801の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部802とを含んでいてもよい。
本実施形態の取得部105は、第1の画像及び第2の画像を、第2フィルタ処理部801に送出する。具体的には、取得部105は、第1の画像を、構造/テクスチャ分解部802に送出し、第2の画像を、第1フィルタ処理部101に送出する。
構造/テクスチャ分解部802は、第1の画像を、構造成分と、テクスチャ成分とに分離する。構造/テクスチャ分解部802は、第4の実施形態の構造/テクスチャ分解部402による、画像を構造成分とテクスチャ成分に分離する方法と同じ方法によって、第1の画像を、構造成分とテクスチャ成分とに分離すればよい。構造/テクスチャ分解部802は、構造成分を表す構造画像S1’’’を、第1フィルタ処理部101に送出する。
第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分S1’’’を、第1の実施形態における第1の画像として使用して、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同様の動作を行う。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。
次に、本実施形態の画像生成装置800の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図24は、本実施形態の画像生成装置800の動作の例を表すフローチャートである。図24のステップS101の動作は、図3に示す、第1の実施形態のステップS101の動作と同様である。画像生成装置800は、ステップS101の動作の次に、ステップS801の動作を行う。
ステップS801において、構造/テクスチャ分解部802は、第1の画像を構造成分とテクスチャ成分に分解し、第1の画像の構造成分を表す構造画像を生成する(ステップS801)。構造/テクスチャ分解部802は、第1の画像の構造画像を、第1フィルタ処理部101に送出する。
次に、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造画像に基づく第1周波数成分と、第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する(ステップS802)。
画像生成装置800は、ステップS802の次に、ステップS103、ステップS104、ステップS105及びステップS106の動作を行う。画像生成装置800は、ステップS103、ステップS104、ステップS105及びステップS106において、第1の実施形態における、同じ符号が付与されているステップの動作と同様の動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第1フィルタ処理部101が、第1の画像の構造画像を使用して中間画像を生成することによって生じる。第1の画像にテクスチャが存在する場合であっても、第1の画像の構造画像には、第1の画像のテクスチャは含まれない。そのため、中間画像は、第1の画像のテクスチャの影響を受けない。そのため、中間画像を使用して生成される合成画像の視認性が向上する。
<第9の実施形態>
次に、本発明の第9の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図25は、本実施形態の画像生成システム9の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム9は、図4に示す第2の実施形態の画像生成システム2と比較すると、画像生成装置200の代わりに画像生成装置900を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図26は、本実施形態の画像生成装置900の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置900は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202と、第2フィルタ処理部801とを含む。画像生成装置900は、図5に示す、第2の実施形態の画像生成装置200と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部801を含む。画像生成装置900の他の構成要素は、以下の相違を除いて、第2の実施形態の画像生成装置200に含まれる、同じ名称と同じ符号が付与されている構成要素と同様である。
本実施形態の取得部105は、第1の画像及び第2の画像を、第2フィルタ処理部801に送出する。具体的には、取得部105は、第1の画像を、構造/テクスチャ分解部802に送出し、第2の画像を、第1フィルタ処理部101に送出する。
図23Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部801の構成を表すブロック図である。本実施形態の第2フィルタ処理部801は、第8の実施形態の第2フィルタ処理部801と同じである。なお、画像生成装置900は、第2フィルタ処理部801を含まず、第2フィルタ処理部801の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部802とを含んでいてもよい。
次に、本実施形態の画像生成装置900の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図27は、本実施形態の画像生成装置900の動作の例を表すフローチャートである。画像生成装置900は、ステップS101、ステップS801、ステップS802、ステップS103、ステップS104において、第8の実施形態の、同じ符号が付与されているステップの動作と同じ動作を行う。画像生成装置900は、ステップS105、ステップS201、ステップS202、ステップS106において、第2の実施形態の、同じ符号が付与されているステップの動作と同じ動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第2の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第8の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第10の実施形態>
次に、本発明の第10の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図28は、本実施形態の画像生成システム10の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム10は、図1に示す第1の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに画像生成装置1000を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図29Aは、本実施形態の画像生成装置1000の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置1000は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、第2フィルタ処理部1001とを含む。画像生成装置1000は、図2に示す、第1の実施形態の画像生成装置100と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部1001を含む。本実施形態の画像生成装置1000の他の構成要素は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の画像生成装置100の、同じ名称と同じ符号が付与されている構成要素と同様である。
図29Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部1001の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部1001は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802とを含む。なお、画像生成装置1000は、第2フィルタ処理部1001を含まず、第2フィルタ処理部1001の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802とを含んでいてもよい。
取得部105は、受け取った第1の画像と第2の画像とを、第2フィルタ処理部1001に送出する。具体的には、取得部105は、第1の画像を構造/テクスチャ分解部802に送出し、第2の画像を構造/テクスチャ分解部802に送出する。取得部105は、以上の相違を除いて、第1の実施形態の取得部105と同様に動作する。
構造/テクスチャ分解部402は、第4の実施形態の構造/テクスチャ分解部402と同じである。構造/テクスチャ分解部802は、第8の実施形態の構造/テクスチャ分解部802と同じである。
第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分を表す構造画像と、第2の画像の構造成分を表す構造画像とを、それぞれ、第1の実施形態における第1の画像と第2の画像として使用して、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同様に動作する。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第1周波数成分と第2の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。第1フィルタ処理部101は、生成された中間画像S1’を、減算部102と、第1加算部104とに出力する。
次に、本実施形態の画像生成装置1000の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図30は、本実施形態の画像生成装置1000の動作の例を表すフローチャートである。画像生成装置1000は、図30に示すステップS101及びS801において、第8の実施形態のステップS101及びS801の動作と同じ動作を行う。画像生成装置1000は、ステップS401において、第4の実施形態のステップS401の動作と同じ動作を行う。画像生成装置1000は、ステップS401の動作の後に、ステップS1001の動作を行う。
ステップS1001において、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造画像に基づく第1周波数成分と第2の画像の構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。
ステップS1001の次に、画像生成装置1000は、ステップS103以降の動作を行う。画像生成装置1000は、ステップS103、ステップS104、ステップS1005及びステップS106において、第1の実施形態の符号が付与されているステップの動作と同じ動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第8の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第11の実施形態>
次に、本発明の第11の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図31は、本実施形態の画像生成システム11の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム11は、図2に示す第2の実施形態の画像生成システム2と比較すると、画像生成装置200の代わりに画像生成装置1100を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図32は、本実施形態の画像生成装置1100の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置1100は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202と、第2フィルタ処理部1001とを含む。画像生成装置1100は、図5に示す、第2の実施形態の画像生成装置200と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部1001を含む。画像生成装置1100の他の構成要素は、以下の相違を除いて、第2の実施形態の画像生成装置200に含まれる、同じ名称と同じ符号が付与されている構成要素と同様である。
図29Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部1001の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の第2フィルタ処理部1001は、第10の実施形態の第2フィルタ処理部1001と同じである。なお、画像生成装置1100は、第2フィルタ処理部1001を含まず、第2フィルタ処理部1001の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802とを含んでいてもよい。
取得部105は、受け取った第1の画像と第2の画像とを、第2フィルタ処理部1001に送出する。具体的には、取得部105は、第1の画像を構造/テクスチャ分解部802に送出し、第2の画像を構造/テクスチャ分解部802に送出する。本実施形態の取得部105は、以上の点を除いて、第2の実施形態の取得部105と同様に動作する。
次に、本実施形態の画像生成装置1100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図33は、本実施形態の画像生成装置1100の動作の例を表すフローチャートである。画像生成装置1100は、図33に示すステップS101からステップS104において、第10の実施形態の画像生成装置1000の、同じ符号が付与されている動作と同じ動作を行う。画像生成装置1100は、図33に示すステップS105からステップS106において、第2の実施形態の画像生成装置200の、同じ符号が付与されている動作と同じ動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第2の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第10の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第12の実施形態>
次に、本発明の第12の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図34は、本実施形態の画像生成システム12の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム12は、図1に示す第2の実施形態の画像生成システム1と比較すると、画像生成装置100の代わりに画像生成装置1200を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図35Aは、本実施形態の画像生成装置1200の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置1200は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、第2フィルタ処理部1201とを含む。画像生成装置1200は、図2に示す、第1の実施形態の画像生成装置100と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部1201を含む。本実施形態の画像生成装置1000の他の構成要素は、以下の相違を除いて、第1の実施形態の画像生成装置100の、同じ名称と同じ符号が付与されている構成要素と同様である。本実施形態の取得部105は、第10の実施形態の取得部105と同じである。
図35Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部1201の構成の例を表すブロック図である。第2フィルタ処理部1201は、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802と、第3加算部302とを含む。本実施形態の構造/テクスチャ分解部402及び第3加算部302は、第6の実施形態の構造/テクスチャ分解部402及び第3加算部302と同じである。本実施形態の構造/テクスチャ分解部802は、第8の実施形態の構造/テクスチャ分解部802と同じである。 なお、画像生成装置1200は、第2フィルタ処理部1201を含まず、第2フィルタ処理部1201の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802と、第3加算部302とを含んでいてもよい。
第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分を表す構造画像と、第2の画像の構造成分を表す構造画像とを、それぞれ、第1の実施形態における第1の画像と第2の画像として使用して、第1の実施形態の第1フィルタ処理部101と同様に動作する。言い換えると、第1フィルタ処理部101は、第1の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第1周波数成分と第2の画像の構造成分を表す構造画像に基づく第2周波数成分とを含む中間画像を生成する。第1フィルタ処理部101は、生成された中間画像S1’を、第3加算部302に出力する。
次に、本実施形態の画像生成装置1200の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図36は、本実施形態の画像生成装置1200の動作の例を表すフローチャートである。画像生成装置1200は、図36に示すステップS101及びステップS801において、第8の実施形態の、ステップS101及びステップS801の動作と同じ動作を行う。画像生成装置1200は、図36に示すステップS601において、第6の実施形態のステップS601の動作と同じ動作を行う。画像生成装置1200は、図36に示すステップS1001において、第10の実施形態のステップS1001の動作と同じ動作を行う。画像生成装置1200は、図36に示すステップS302からステップS106において、第6の実施形態の、ステップS302からステップS106の動作と同じ動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第3の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由、第4の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第8の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第13の実施形態>
次に、本発明の第13の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図37は、本実施形態の画像生成システム13の構成の例を表すブロック図である。画像生成システム13は、図2に示す第2の実施形態の画像生成システム2と比較すると、画像生成装置200の代わりに画像生成装置1300を含む。本実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000は、それぞれ、第1の実施形態の第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000及び表示装置4000と同じである。
図38は、本実施形態の画像生成装置1300の構成の例を表すブロック図である。画像生成装置1100は、減算部102と、ノイズ抑制部103と、第1加算部104と、取得部105と、出力部106と、テクスチャ抽出部201と、第2加算部202と、第2フィルタ処理部1201とを含む。画像生成装置1300は、図5に示す、第2の実施形態の画像生成装置200と比較すると、第1フィルタ処理部101の代わりに、第2フィルタ処理部1201を含む。画像生成装置1100の他の構成要素は、以下の相違を除いて、第2の実施形態の画像生成装置200に含まれる、同じ名称と同じ符号が付与されている構成要素と同様である。本実施形態の取得部105は、第11の実施形態の取得部105と同じである。
図35Bは、本実施形態の第2フィルタ処理部1201の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の第2フィルタ処理部1201は、第12の実施形態の第2フィルタ処理部1201と同じである。なお、画像生成装置1300は、第2フィルタ処理部1201を含まず、第2フィルタ処理部1201の代わりに、第1フィルタ処理部101と、構造/テクスチャ分解部402と、構造/テクスチャ分解部802と、第3加算部302とを含んでいてもよい。
次に、本実施形態の画像生成装置1300の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図39A及び図39Bは、本実施形態の画像生成装置1300の動作の例を表すブロック図である。画像生成装置1300は、図39Aに示す、ステップS101からステップS104において、第12の実施形態のステップS101からステップS104の動作と同じ動作を行う。図39Bに示す、ステップS105からステップS106において、第12の実施形態のステップS105からステップS106の動作と同じ動作を行う。
以上で説明した本実施形態には、更に視認性が向上した画像を生成することができるという効果がある。その効果は、第2の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由に加えて、第12の実施形態の効果が生じる理由と同じ理由によって生じる。
<第14の実施形態>
次に、本発明の第14の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図40は、本実施形態の画像生成装置1400の構成の例を表すブロック図である。図40に示す画像生成装置1400は、処理部1401と、出力部1402とを含む。
処理部1401は、第1の画像と、第1の画像において撮像された範囲が撮影された第2の画像とから、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む、範囲の合成画像を生成する。第1の画像は、第1波長帯で撮影された画像である。第2の画像は、第1波長帯と異なる第2波長帯で撮影された画像である。出力部1402は、合成画像を出力する。
処理部1401は、例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態における第1フィルタ処理部101である。処理部1401は、例えば、第3の実施形態から第13の実施形態のいずれかに係る第2フィルタ処理部であってもよい。また、第1の実施形態から第13の実施形態の中間画像は、本実施形態の合成画像に相当する。
本実施形態によると、視認性の高い合成画像が得られるという効果がある。その理由は、処理部1401が、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む、合成画像を生成するからである。例えば、第1の画像の第1周波数成分の視認性はよいが第2周波数成分にノイズが含まれ、第2の画像の第1周波数成分の視認性はよくないが第2周波数成分が視認性の向上に寄与する場合がある。このような場合、生成される合成画像では、第1の画像の第1周波数成分の視認性が第2の画像の第2周波数成分により向上する。
<実装例>
具体的な事例を説明する。図43と図44は夫々、第1の画像と、第2の画像の一例である。図43から分かるように、夜間暗所では光量が少ないので、第1の画像にはノイズが生じている。そのため、第1の画像の視認性は、著しく低下している。一方、図44から分かるように、第2の画像はノイズが少なく高画質ではあるが、第2の画像の画素値の分布は、第1の画像の画素値の分布とは大きく異なっている。第2の画像の見え方は、人間の知覚特性とかけ離れた、不自然な見え方である。さらに、第2の画像では、人物以外の周辺物体の温度が一様であるために、周辺物体の観測はできていない。そのため、第2の画像の視認性は、低下している。
図45は合成画像の一例である。第1の画像では失われてしまっていた、服のしわや、右の人物がメガネをかけている様子が、合成画像では確認できる。このように、合成画像の画質は向上していることが分かる。また、第2の画像の画素値分布は、第2の画像では上着、髪、肌がネガポジ反転したような明るさになっているように、人間の目には不自然である。しかし、合成画像の画素値分布は、第1の画像の画素値分布と同様であるので、合成画像の視認性は向上している。
また、第2波長帯として遠赤外光を使用しており、人物以外の周辺領域の温度は一様であるため、前述のように、第2の画像では、人物以外の周辺領域は第2の画像では、平坦な画像領域になっている。すなわち、温度が一様な周辺領域の情報を第2の画像から得ることはできない。しかし、テクスチャ補正処理によって、上述の平坦な画像領域に、第1の画像の対応する領域の情報が追加されているので、合成画像の視認性は向上している。
以上のように、本発明の実施形態に係る画像生成装置によれば、過酷環境下でも高い視認性が得られる効果を奏する。
<他の実施形態>
本発明の実施形態に係る画像生成装置の各々は、プログラムがロードされたメモリとそのプログラムを実行するプロセッサとを含むコンピュータ、回路等の専用のハードウェア、及び、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組合せによって実現できる。
図42は、本発明の実施形態に係る画像生成装置の各々を実現できるコンピュータ10000のハードウェア構成の例を表すブロック図である。図42に示すコンピュータ10000は、プロセッサ10001と、メモリ10002と、記憶装置10003と、I/O(Input/Output)インタフェース10004とを含む。また、コンピュータ10000は、記憶媒体10005にアクセスすることができる。メモリ10002と記憶装置10003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体10005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置10003が記憶媒体10005であってもよい。プロセッサ10001は、メモリ10002と、記憶装置10003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ10001は、I/Oインタフェース10004を介して、例えば、第1の画像取得装置2000、第2の画像取得装置3000、及び、表示装置4000にアクセスすることができる。プロセッサ10001は、記憶媒体10005にアクセスすることができる。記憶媒体10005には、コンピュータ10000を、本発明のいずれかの実施形態に係る画像生成装置として動作させるプログラムが格納されている。
プロセッサ10001は、記憶媒体10005に格納されている、コンピュータ10000を、上述の画像生成装置として動作させるプログラムを、メモリ10002にロードする。そして、プロセッサ10001が、メモリ10002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ10000は、上述の画像生成装置として動作する。
第1フィルタ処理部101、減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105、出力部106は、メモリ10002にロードされた専用のプログラムを実行するプロセッサ10001により実現できる。テクスチャ抽出部201、第2加算部202、第2フィルタ処理部301、第3加算部302、第2フィルタ処理部401、構造/テクスチャ分解部402は、メモリ10002にロードされた専用のプログラムを実行するプロセッサ10001により実現できる。第2フィルタ処理部601、第2フィルタ処理部801、構造/テクスチャ分解部802、第2フィルタ処理部1001、第2フィルタ処理部1201は、メモリ10002にロードされた専用のプログラムを実行するプロセッサ10001により実現できる。
第1フィルタ処理部101、減算部102、ノイズ抑制部103、第1加算部104、取得部105、出力部106の一部又は全部は、回路等の専用のハードウェアによって実現することもできる。テクスチャ抽出部201、第2加算部202、第2フィルタ処理部301、第3加算部302、第2フィルタ処理部401、構造/テクスチャ分解部402の一部又は全部は、回路等の専用のハードウェアによって実現することもできる。第2フィルタ処理部601、第2フィルタ処理部801、構造/テクスチャ分解部802、第2フィルタ処理部1001、第2フィルタ処理部1201の一部又は全部は、回路等の専用のハードウェアによって実現することもできる。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1波長帯で撮影された第1の画像と、前記第1の画像において撮像された範囲が、前記第1波長帯と異なる第2波長帯で撮影された第2の画像とから、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む、前記範囲の合成画像を生成する処理手段と、
前記合成画像を出力する出力手段と、
を備える画像生成装置。
(付記2)
前記第1の画像と前記合成画像との差分画像に対してノイズを抑制する処理を行うノイズ抑制手段と、
ノイズを抑制する処理が行われた前記差分画像であるノイズ抑制差分画像を、前記合成画像に加算する第1加算手段と、
を備える付記1に記載の画像生成装置。
(付記3)
前記第2の画像のテクスチャを抽出する分離手段と、
抽出された前記テクスチャを表す第1テクスチャ画像を、前記ノイズ抑制差分画像が加算された前記合成画像に加算する第2加算手段と、
を備える付記2に記載の画像生成装置。
(付記4)
前記処理手段は、前記第2の画像から構造成分を分離し、前記第1周波数成分と、前記第2の画像の前記構造成分に基づく第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記1から3のいずれか1項に記載の画像生成装置。
(付記5)
前記処理手段は、前記第2の画像からテクスチャ成分を分離し、分離された前記テクスチャ成分を表す第2テクスチャ画像が加算された前記合成画像を生成する
付記4に記載の画像生成装置。
(付記6)
前記処理手段は、前記第1の画像から構造成分を分離し、前記第1の画像の前記構造成分に基づく前記第1周波数成分と、前記第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記1から5のいずれか1項に記載の画像生成装置。
(付記7)
前記第1波長帯の光は可視光を含み、
前記第2波長帯の光は、遠赤外光を含む
付記1から6のいずれか1項に記載の画像生成装置。
(付記8)
前記第1周波数成分は、一部の空間周波数帯の前記合成画像の成分であり、前記第2周波数成分は、前記第1周波数成分の空間周波数帯よりも高い空間周波数を含む空間周波数帯の前記合成画像の成分である
付記1から7のいずれか1項に記載の画像生成装置。
(付記9)
付記1から8のいずれか1項に記載の画像生成装置と、
前記第1の画像を撮像する第1の画像取得装置と、
前記第2の画像を撮像する第2の画像取得装置と、
表示装置と、
を含み、前記出力手段は前記表示装置に前記合成画像を表示する
画像生成システム。
(付記10)
第1波長帯で撮影された第1の画像と、前記第1の画像において撮像された範囲が、前記第1波長帯と異なる第2波長帯で撮影された第2の画像とから、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む、前記範囲の合成画像を生成し、
前記合成画像を出力する
画像生成方法。
(付記11)
前記第1の画像と前記合成画像との差分画像に対してノイズを抑制する処理を行い、
ノイズを抑制する処理が行われた前記差分画像であるノイズ抑制差分画像を、前記合成画像に加算する、
付記10に記載の画像生成方法。
(付記12)
前記第2の画像のテクスチャを抽出し、
抽出された前記テクスチャを表す第1テクスチャ画像を、前記ノイズ抑制差分画像が加算された前記合成画像に加算する、
付記11に記載の画像生成方法。
(付記13)
前記第2の画像から構造成分を分離し、前記第1周波数成分と、前記第2の画像の前記構造成分に基づく第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記10から12のいずれか1項に記載の画像生成方法。
(付記14)
前記第2の画像からテクスチャ成分を分離し、分離された前記テクスチャ成分を表す第2テクスチャ画像が加算された前記合成画像を生成する
付記13に記載の画像生成方法。
(付記15)
前記第1の画像から構造成分を分離し、前記第1の画像の前記構造成分に基づく前記第1周波数成分と、前記第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記10から14のいずれか1項に記載の画像生成方法。
(付記16)
前記第1波長帯の光は可視光を含み、
前記第2波長帯の光は、遠赤外光を含む
付記10から15のいずれか1項に記載の画像生成方法。
(付記17)
前記第1周波数成分は、一部の空間周波数帯の前記合成画像の成分であり、前記第2周波数成分は、前記第1周波数成分の空間周波数帯よりも高い空間周波数を含む空間周波数帯の前記合成画像の成分である
付記10から16のいずれか1項に記載の画像生成方法。
(付記18)
コンピュータに、
第1波長帯で撮影された第1の画像と、前記第1の画像において撮像された範囲が、前記第1波長帯と異なる第2波長帯で撮影された第2の画像とから、第1の画像に基づく第1周波数成分と第2の画像に基づく第2周波数成分とを含む、前記範囲の合成画像を生成する生成処理と、
前記合成画像を出力する出力処理と、
を実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。
(付記19)
コンピュータに、
前記第1の画像と前記合成画像との差分画像に対してノイズを抑制する処理を行うノイズ抑制処理と、
ノイズを抑制する処理が行われた前記差分画像であるノイズ抑制差分画像を、前記合成画像に加算する第1加算処理と、
を実行させるプログラムを記憶する付記18に記載の記憶媒体。
(付記20)
コンピュータに、
前記第2の画像のテクスチャを抽出する分離処理と、
抽出された前記テクスチャを表す第1テクスチャ画像を、前記ノイズ抑制差分画像が加算された前記合成画像に加算する第2加算処理と、
を実行させるプログラムを記憶する付記19に記載の記憶媒体。
(付記21)
前記生成処理は、前記第2の画像から構造成分を分離し、前記第1周波数成分と、前記第2の画像の前記構造成分に基づく第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記18から20のいずれか1項に記載の記憶媒体。
(付記22)
前記生成処理は、前記第2の画像からテクスチャ成分を分離し、分離された前記テクスチャ成分を表す第2テクスチャ画像が加算された前記合成画像を生成する
付記21に記載の記憶媒体。
(付記23)
前記生成処理は、前記第1の画像から構造成分を分離し、前記第1の画像の前記構造成分に基づく前記第1周波数成分と、前記第2周波数成分とを含む前記合成画像を生成する、
付記18から22のいずれか1項に記載の記憶媒体。
(付記24)
前記第1波長帯の光は可視光を含み、
前記第2波長帯の光は、遠赤外光を含む
付記18から23のいずれか1項に記載の記憶媒体。
(付記25)
前記第1周波数成分は、一部の空間周波数帯の前記合成画像の成分であり、前記第2周波数成分は、前記第1周波数成分の空間周波数帯よりも高い空間周波数を含む空間周波数帯の前記合成画像の成分である
付記18から24のいずれか1項に記載の記憶媒体。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。